plusroadtrip | Oregon

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Historic Columbia River Highway Scenic Byway

Mt.Hood Scenic Byway

The Dalles-California Highway

Bend

Journey Through Time Scenic Byway

Cascade Lakes National Scenic Byway

Eugene Willamette Highway

Salem

Pacific Coast Scenic Byway

Astoria

Portland

Oregon Edition

contents

page. 06 Historic Columbia River Highway Scenic Byway page. 18_ Mt.Hood Scenic Byway page. 22_ The Dalles-California Highway page. 24_ Bend page. 26_ Journey Through Time Scenic Byway page. 30_ Cascade Lakes National Scenic Byway page. 32_ Eugene page. 36_ Willamette Highway page. 38_ Salem page. 40_ Pacific Coast Scenic Byway page. 48_ Astoria page. 52_ Portland

credit

Editor in chief : Shigeyuki Inoue

Director : Masami Kurosawa

発行/株式会社KURUMAG.     東京都中央区築地1-5-1 制作/株式会社クロモ・コミュニケーションズ  協力/マツダ株式会社    Travel Oregon (オレゴン州観光局)、Travel Portland(ポートランド観光協会)

広告掲載に関するお問い合わせ / 株式会社KURUMAG 広告担当宛 plusroadtrip@kurumag.net

本誌掲載の記事・写真・イラスト等の無断転載および複写を禁じます。 本誌掲載の情報は取材を行った2024年時点での情報です。 発行:2024年7月

text=Shigeyuki Inoue

photo=Shigeyuki Inoue, Nick Mendez, Justin Katigbak, Stuart Mul lenberg, Isaac Lane Koval/Travel Portland, Melanie Griffin/Eugene, Cascades & Coast, Joni Kabana/Travel Oregon, Brand USA, Trevor Lyden, William Mancebo, Turell Group, The Graduate, Portland International Airport [特集]

オレゴン州は、他の州では体験できない特別な魅力に溢れている。火山の噴火によって形成され、真っ青な水面と周 囲の山々が織り成す絶景で訪れる人々を魅了するクレーター・レイク、舞い上がるミストや力強く流れる水の音に自然 の偉大さを感じさせてくれるマルトノマ滝、年間を通して雪に覆われ、夏でもスキーが楽しめるマウントフッド、さらには 荒波が打ち寄せる岩場や見惚れるほど美しいサンセットが眺められる360マイルも続く海岸線など、多様な景観をひと つの州内で楽しめる。

オレゴン州には、「7つの自然の驚異(Seven Wonders)」と呼ばれる絶景スポットがある。コロンビア・リバー渓谷、マウ ントフッド、スミス・ロック、ペインテッドヒルズ、オレゴンコースト、ワローワ山脈、そしてクレーター・レイクといった息を 呑むほど美しい自然はロードトリップを特別なものにしてくれる。これらの特別な場所をつなぐ道は、移動するためのも のではなく、素晴らしい体験の機会を与えてくれる。走ることこそがオレゴン州の素晴らしさを知るための答えであるこ とは、アメリカ初のシーニック・バイウェイがこの地で誕生した1世紀以上も前に証明されている。

もちろん、オレゴン州には素晴らしい滞在を約束してくれる魅力的な町もある。多様な文化が生み出すユニークなカフ ェやレストラン、ブティックが集まる町として知られるポートランド。スミス・ロック州立公園でのロッククライミングやデ シューツ川でのカヤックやラフティングなどの拠点としてアウトドア派に人気のベンド。ピノ・ノワールの産地であり多く のワイナリーがあるウィラメットバレーに位置するセーラム。そして大学の町であり、陸上競技の聖地ともいわれている ユージーン。それぞれの町の個性や歴史、文化がオレゴン州でのロードトリップをさらに面白いものにしてくれる。

1日目は渓谷で遊び、2日目は雪山でスキーを楽しみ、3日目は火山地帯や高地砂漠を探索し、4日目は海岸線で美しいサ ンセットを眺めるといったロードトリップが実現できるオレゴン州。この地でのロードトリップは、まさに「それ自体が目的 地("a destination unto itself")」なのである。自らステアリングを握って走り出した瞬間、驚きと発見の旅が始まる。

ROAD TRIP: Oregon

Road Story:

Historic Columbia River Highway Scenic Byway

U.S. Route 30 / Interstate 84

ドライブと観光を結びつけた アメリカ初のシーニック・バイウェイ

ヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シーニック・ バイウェイは、トラウトデールとザ・ダレスを結ぶ約75マイル のルートである。このシーニック・バイウェイは1913年から 1922年にかけエンジニアであり造園家でもあったサミュエ ル・C・ランカスターが設計。彼はコロンビア・リバー渓谷の 素晴らしい景観をドライブを通して伝えることを第一にルー トを設計し、8の字を描きながら崖をのぼるセクションやコロ ンビア川を一望できる展望台をつくるなど、ドライブと観光 を結びつけたアメリカ初のシーニック・バイウェイ=景勝道 路を完成させた。2000年には「近代ハイウェイ開発の傑出し た例」として国定歴史建造物に指定されている。

シーニック・バイウェイ沿いには多くの歴史的ランドマー クが点在している。1918年に建設されたビスタ・ハウスは、 クラウンポイントの頂上から唯一無二の渓谷の眺めが楽し める。さらに進めば20世紀初頭からこの地を訪れる観光客 を魅了する189mもの高さを誇る美しい滝もある。そして壮 大なスケールのボンネビル・ロック&ダム、地元の伝説を伝 えるカスケード・ロックスのブリッジ・オブ・ザ・ゴッド、そし て歴史あるフッドリバーの町を超えると、渓谷ならではの 草花に囲まれたロウィーナ・クレストへ。さらに進めばこの 地を旅したルイス・クラークの野営地やオレゴン・トレイル の開拓者の物語を伝える町、ザ・ダレスへと辿り着く。  ヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シーニッ ク・バイウェイは、雄大な自然と景観を堪能できるだけでな く、この地の歴史や文化にも触れることができるオレゴン 州随一の素晴らしいドライブコースである。

Vista House at Crown Point

45°32'22.5"N 122°14'39.7"W

ヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェ イ・シーニック・バイウェイのクラウンポイン トにあるビスタ・ハウスは、コロンビア川沿い の景観を一望できる休憩所として人気のスポッ トだ。1918年にオープンしたアール・デコ様 式の建物は「渓谷の自然の美しさの寺院(temple to the natural beauty of the Gorge)」という建 築家エドガー・マークス・ラザラスのビジョン が反映されている。1974年には国家歴史登録 財にも登録。ビスタ・ハウスの1階には、ギフ トショップとカフェが併設されるほか、この地 に関する歴史がわかる展示もある。

From Portland: 25 Miles

From Hood River: 46 Miles

Historic Columbia River Highway Scenic Byway

Multnomah Falls

45°34'39.4"N

マルトノマ滝は、189mの高さから水が流 れ落ちる2段の滝で、オレゴン州で最も 高さのある滝だ。ラーチ山の地下泉を源 泉とし、その水量は雪解け水が流れ込む 冬から春にかけて最も多くなる。コロン ビア・リバー・ゴージ・ナショナル・シー ニック・エリアには数多くの滝の名所が あるが、この滝は毎年200万人以上が訪 れるほど人気がある。滝の麓には1925年 にオープンしたビジターセンターやレス トラン、ギフトショップがあるマルトノ マ・フォールズ・ロッジがある。

Multnomah Falls

50000 Historic Columbia River Hwy, Bridal Veil, OR 97010 https://www.fs.usda.gov/

Bonneville Lock & Dam

45°38'20.9"N 121°56'49.6"W

1934年に着工した歴史的ダム。オレゴン・ トレイルの地図をつくり上げた探検家と して知られるベンジャミン・ボンネビル 陸軍大尉の名から付けられたこのダムは 1987年にボンネビル・ロック&ダム歴史 地区の一部として国定歴史地区に指定さ れている。ダムの両岸には自然環境の保 護に配慮し、川を遡上する魚のための魚 道もつくり、魚たちはここを遡上し、産 卵場所に戻ることができるようになって いる。産卵シーズンにはダムから遡上の 様子を見ることもできる。

Bonneville Lock & Dam Star Route, Cascade Locks, OR 97014 https://www.nwp.usace.army.mil/bonneville/

Bridge of the Gods

ブリッジ・オブ・ザ・ゴッドは1926年 に完成した橋で、完成翌年に大西洋横断 に成功したリンドバーグがスピリット・ オブ・セントルイス号で橋の下をくぐる 低空飛行に成功したことで一躍注目を集 める橋となった。"神の橋"の名はこの 地に伝わるネイティブ・アメリカンの伝 説から付けられたもので、橋脚部分には その伝説の一部が壁画として描かれてい る。また2014年に公開された映画「わ たしに会うまでの1600km」の撮影地に なった場所でもある。

Bridge of the Gods Cascade Locks, OR 97014 http://portofcascadelocks.org/bridge-of-the-gods/

コロンビア・リバー・ゴージ・ナショナル・シーニック・エリアは、コロンビア川沿いに約80マイル にわたって広がる美しい自然保護地域。何千年もの時を経て川の流れによって削られた断崖、美しい滝、 青々とした森林が素晴らしい風景をつくり上げている。アメリカで最初につくられたシーニックバイ ウェイとして知られるヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シーニック・バイウェイは このエリアの景観を堪能できるルート。このエリアは1986年に国立景勝地にも指定されている。

Columbia River Gorge National Scenic Area: https://www.fs.usda.gov/crgnsa/

ROAD TRIP: Oregon

Historic Columbia River Highway Scenic Byway

Eastwind Drive-in

45°40'02.9"N 121°53'41.2"W

カスケード・ロックスでのロードリップ を盛り上げてくれるのがイーストウィ ンド・ドライブインだ。ワナパストリー ト沿いにあるフォトジェニックなソフト クリームの看板がこのドライブインの目 印。美味しいアイスクリームやハンバー ガーを提供する店として人気を集めてお り、午前7時から午後5時まで行列を絶 やさない。店内での飲食はできないが、 店舗前のベンチに腰かけ、のんびりと楽 しむもよし、ドライブスルーを利用して 車内で楽しむのもよいだろう。

Eastwind Drive-In

395 Wa Na Pa St, Cascade Locks, OR 97014

Hood River

45°42'35.3"N 121°30'45.3"W

ポートランドから1時間ほどでアクセス できる場所ながら、豊かなオレゴン北 部の自然を存分に楽しめるのがフッドリ バーである。コロンビア川でのウォー ター・アクティビティやマウントフッド でのスキーやハイキングなどアウトド ア・アクティビティの拠点として、また フッドリバー・フルーツ・ループ周辺の 農園巡りにもおすすめの町だ。ダウンタ ウンは歴史的な建物が並び雰囲気もとて もよく、オレゴン州でのロードトリップ の宿泊地としても要注目だ。

Hood River

202 Cascade Ave STE B, Hood River, OR 97031 https://visithoodriver.com/

Rowena Crest Viewpoint

ロウィーナ・クレスト・ビューポイント は、コロンビア・リバー渓谷の中心に位 置する展望台だ。このシーニック・バイ ウェイのハイライトになる場所であり、 コロンビア川と起伏のある丘陵地の広大 な眺めを楽しめる。春になるとバルサム ルートやルピナスなどの野生の花が丘を 覆い、写真撮影の人気スポットにもなっ ている。ビューポイント付近のコロンビ ア・リバー・ハイウェイは起伏のある曲 がりくねった道が続く区間で、ドライビ ングも存分に楽しめる。

Rowena Crest Viewpoint

6500 Historic Columbia River Hwy, Mosier, OR 97040 https://oregonstateparks.org/

フッドリバー・ウォーターフロント・パークはコロンビア川の美しい眺望や川岸の景色を楽しむこ とができる2万4300m2の面積を誇る多目的公園。1980年代にウォーターフロントの開発が始まり、 1996年に第1回ゴージ・ゲームズが開催され世界トップクラスの選手によるウィンドサーフィン、カ ヤック、マウンテンバイクの競技が行われたのをきっかけにアウトドア・アクティビティの中心地に なった。付近にはレストラン、ブルワリー、カフェなどもあり地元民や観光客で賑わいをみせている。

Hood River Waterfront Park: http://cityofhoodriver.gov/

Historic Columbia River Highway Scenic Byway

Sunshine Mill Winery

45°35'49.8"N 121°10'17.3"W

ザ・ダレスにあるサンシャイン・ミル・ ワイナリーは歴史的な建物を改装したワ イナリー。1904年に建てられたこの製粉 所は一時取り壊しも検討されたが、歴史 的価値と独特な建築様式を守りたいと現 オーナーが買い取り、2009年に地元のワ インを体験できるワイナリーへと生まれ 変わった。製粉所時代の機械を生かした 館内は独特の空間になっており訪れる価 値あり。また駐車場ではドライブ・イン・ シアターも開催されるなど、地元の人々 のみならず観光客にも人気を集めている。

Sunshine Mill Winery 901 E 2nd St, The Dalles, OR 97058 http://www.sunshinemill.com/

Hamley & Co.

45°40'21.6"N 118°47'12.0"W

Hamley & Co.(ハムリー&カンパニー) は1883年に創業した馬具店で、1905年 にカリフォルニア州からオレゴン州ペン ドルトンに移転し、現在も営業を続ける 老舗。店内には美しいサドルが並べられ、 その奥では職人のサドルづくりを見るこ とができる。馬具やウェスタンアパレル なども豊富に扱っており、隣接する建物 には同社のステーキハウスやカフェがあ る。ロデオのビッグイベントである、ペ ンドルトン・ラウンドアップ時には全米 のカウボーイが訪れ、賑わっている。

Hamley & Co. Western Store 30 SE Court Ave, Pendleton, OR 97801 https://hamley.com/

Pendleton

45°40'11.2"N 118°47'09.3"W

ペンドルトンは1868年に設立された町。 オレゴン・トレイルによる羊毛と農作物 の交易で栄え、1880年代にオレゴン鉄 道がこの町に到達すると急速に発展し た。1909年にはこの地にペンドルトン・ ウーレン・ミルズが設立。ウール製品で 世界的に知られているペンドルトンのブ ランケットは今もこの地で生産されてい る。小さな町だが歴史的な建物や博物館、 アートギャラリーなどもある。また1910 年から続くロデオ大会ペンドルトン・ラ ウンドアップの開催地としても有名だ。

Pendleton

501 S Main St, Pendleton, OR 97801 https://travelpendleton.com/

1870年にオープンしたオレゴン州で最も古い書店であり、アメリカ西部で連続して営業している書店 としても最古というクリンズ・ブックセラーズ。ザ・ダレスのメインストリート沿いにあるこの書店 は独立系書店らしく地元文化や歴史に関する書籍のほか、書籍、文房具、雑誌、事務用品も揃っている。

1893年から営業を続ける現在の店舗はオリジナルの堅木張りの床やキャビネット、本棚が残されてお り、アメリカの書店の歴史を直接体験できる。本好きや歴史愛好者はぜひ足を運びたい場所だ。

Klindt's Booksellers & Stationers: http://www.klindtsbooks.com/our-story

Experiences: Pendleton Woolen Mills

Pendleton

Pendleton Woolen Mills

45°40'29.9"N 118°46'17.3"W

世界的に知られるウールメーカーの 歴史と伝統、そして文化に触れられる工場

1863年に創業したペンドルトン・ウーレン・ミルズは、オレゴ ン州に本拠を置く織物製造会社である。ネイティブアメリカン のデザインと現代的なスタイルを融合させた毛布、シャツ、ジ ャケット、アクセサリーなど、多彩な製品ラインナップを持つ。

1909年からペンドルトンの地で生産を続けており、現在はワ シントン州の工場や海外の工場でも多くの製品を生産してお り、日本をはじめ世界各国で販売している。

ペンドルトンの製品へのこだわりは、工場見学に参加するこ とでより深く理解できる。オレゴン州ペンドルトンとワシントン 州ワショウガルでは平日の工場稼働時間にツアーを実施して おり、ウールの加工から織り、仕上げまでの各工程をガイドの 解説とともに見学できる。ツアーは1時間程度で、無料だが、ウ ェブから事前予約が必要である。また、ペンドルトンの工場に はネイティブアメリカンの文化と歴史、アートとの関わりに関 する資料室も併設されており、彼らの文化がどのようにペンド ルトンの製品に影響を与えているかを知ることができるので、 ツアー参加の際は、ぜひ訪れてほしい。

なお、工場にはファクトリー・アウトレットも併設されており、 人気のブランケットやシャツから小物まで、正規商品をアウト レット価格で購入できる。さらに、わずかなほつれなどで販売 できなかった訳あり商品も格安で手に入れることもできる。

ペンドルトン・ウーレン・ミルズを訪れれば、製品へのこだわ りを知り、同社が守り続ける文化に触れることができる。

Pendleton Woolen Mills

1307 SE Court Pl, Pendleton, OR 97801 https://www.pendleton-usa.com/

Hours: 10AM-5PM

Mill Tours: 11AM or 3PM(Monday through Friday) https://www.pendleton-usa.com/help-center/about-us/mill-tours.html

Accommodations:

Hood River Hotel

Hood River

Hood River Hotel

45°42'32.4"N 121°30'41.4"W

フッドリバーの歴史とともに歩み続ける ヴィンテージ&モダンの魅力を持つホテル

フッドリバーのダウンタウンにあるフッドリバー・ホテルは、 町のランドマークにもなっている歴史的ホテルで、国家歴史 登録財にも登録されている。1888年、市の設立と同時にこの ホテルの前身となるマウントフッド・ホテルが開業し、1912年に 現在使われている建物が同ホテルの別館としてオープン。そ の後、1926年にその別館のみで営業するようになり、フッドリ バー・ホテルへと改名した。1988年に大規模な修復が行われ、 2017年1月から現オーナーによる営業をスタートしている。

ホテル内はヨーロピアンスタイルのクラシックな雰囲気をも ち、このホテルが歩んできた長い歴史を伝える真鍮製のエレ ベーターや大理石の暖炉がヴィンテージな雰囲気を際立た せている。客室もヴィンテージの魅力とモダンさを兼ね備えた 41の個性的な客室を用意。オレゴン州のブランドとコラボし、 レッド・スレッドのブランケットやペンドルトンのトラベルゲー ムなどが付く"ウィーターフォール・ロードトリップ・パッケージ" など独自の宿泊パッケージも用意している。またホテルのキー を見せると近隣の蒸溜所、ブルワリー、レストラン、ショップな どで割引や特典を受けることもでき、宿泊者はフッドリバーの 町を存分に楽しむことができる。

Hood River Hotel 102 Oak St, Hood River, OR 97031 http://www.hoodriverhotel.com/

Airport: Portland International Airport

Portland

オレゴン州の玄関口であり同州最大の民間軍用共同空港 ターミナル内にはオレゴンの人気ブランドが一同に揃う

オレゴン州の玄関口となるポートランド国際空港は18の国際/国内航空会社が運航し、1 日500便が発着する、同州最大の民間軍用共同空港だ。オレゴン州の旅客航空旅行の90%と 航空貨物の95%以上を担っており、空港敷地の南西部には州空軍基地もあることから多くの 旅客・貨物機にまじり、F-15イーグル等の離発着もターミナルから眺めることができる。

ターミナル内にはマウントフッドにあるティンバーライン・ロッジのギフトショップ、ポートラ ンドの人気コーヒー店スタンプタウン・コーヒー・ロースター、コーストサイドの人気シーフー ド店Mo'sシーフード&チャウダーやベンドやポートランドにある醸造所のデシューツ・ブルワ リーなど、各地域の人気店が揃っており、空港内でもオレゴン州の旅を存分に楽しめる。また 消費税や空港での価格上乗せがないため、安心してショッピングができるのも魅力的だ。

空港にはトライカウンティ都市圏交通局(TriMet)MAXライトレールのレッドラインも乗り入 れており、わずか2.8ドル/38分でポートランド・ダウンタウンまで移動することができる。

Portland International Airport

45°35'17.8"N 122°35'39.7"W

Portland International Airport 7000 NE Airport Way, Portland, OR 97218 https://www.flypdx.com/

ROAD
T RIP: Oregon

Western Antique Aeroplane and Automobile Museum

Hood River

Western Antique Aeroplane and Automobile Museum

45°40'37.7"N 121°32'28.3"W

歴史的な航空機と自動車の展示を通し 技術の進化と文化を伝えるミュージアム

ウエスタン・アンティーク・エアロプレーン・アンド・オートモ ービル・ミュージアム(WAAAM)は、フッドリバーにある航空 機と自動車のミュージアムだ。この地で50年にわたり航空機 と自動車を収集してきたテリー・ブランドが2007年に設立し たミュージアムで、動態保存されたヴィンテージ航空機と自 動車を通じて、技術の進化と歴史の重要性を伝えている。  ミュージアムは、1910年代から1950年代にかけての航空機 と、1920年代から1940年代を中心にした自動車を豊富に展 示している。航空機のコレクションには初期のボーイング機 であるモデル40をはじめカーチス JN-4 "ジェニー"など歴史 的な機体があり、自動車のコレクションではフォード・モデル Tやデューセンバーグ モデルJ、コード 810など、自動車史に 刻まれる貴重なモデルから、軍用車やトラックまで幅広いコレ クションが広大な館内にぎっちりと並べられている。

またWAAAMでは、来館者が展示品に実際に触れて体験で きるようなインタラクティブな展示も行っている。第2土曜日 には、飛行デモンストレーションやクラシックカーの試乗が楽 しめる特別イベントを開催しており、人気を集めている。

ミュージアム内にはギフトショップやカフェテリアも併設さ れ、記念品を購入したり、軽食を楽しむこともできる。

WAAAMは、歴史的な航空機と自動車を通じて過去の技 術と文化を伝えるだけでなく、動態保存された生きた展示 品を通じて感動と新たな発見を与えてくれる場所である。

Museum:
ROAD

Road Story:

Mt.Hood Scenic Byway

U.S. Route 26 - Oregon Route 35

秀峰マウントフッドを周遊する絶景ルート 車窓から変化に富んだ風景を堪能できる

マウントフッド・シーニック・バイウェイは、ポートランドから U.S.ルート26号線を南下、マウントフッドを経由し、OR-35号 線でフッドリバーへと移動するトータル105マイルのルートだ。  ポートランドをスタートし、農業地帯を抜け、サンディの町 を抜けると一気に森林地域へと入っていく。トレイルウォーク やフィッシングで人気を集めるサンディ川沿いをさらに進む とガバメントキャンプへと到着する。ホテルやロッジ、レストラ ンやブルワリーのほか、この地域の歴史やスキー史を紹介す る博物館などがある。その先にあるティンバーライン・ハイウ ェイへと進めば、夏でもスキーやスノーボードが楽しめるティ ンバーライン・ロッジを訪れることができる。ここは映画「シャ イニング」のロケ地としても知られ、美しい館内装飾も人気の リゾートホテルだ。ゲレンデにも隣接しているのでスキーを楽 しむならここでの宿泊を検討してみるのもおすすめだ。

マウントフッド周辺は標高が高く、5月になっても道路脇に雪 が多く残る場所もある。運転には注意が必要だが、その一方で 変化に富んだ風景を車窓から楽しめるのは大きな魅力だ。  マウントフッドからOR-35号線を北上し、パークデールか らOR-281号線へとそれると、数多くの農園が広がるエリアに なる。果樹園のなかをドライブしながら、農園に立ち寄って 新鮮な果物を購入したり、自分で果物を摘んだりすることも できる。秋にはリンゴやかぼちちゃなどの収穫が盛んで、訪れ る人々に豊かな実りの季節を感じさせてくれる。このエリアは OR-281号線とOR-35号線を繋ぎ合わせて周遊することでき るため、フッドリバー・フルーツ・ループと呼ばれている。そし てOR-35号線へと戻るとまもなくフッドリバーに到着する。  マウントフッド・シーニック・バイウェイは3~4時間で走るこ とができるためポートランドから日帰りもできるが、フッドリバ ーで1泊し、ヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シー ニック・バイウェイでコロンビア川沿いの絶景を楽しみながら ポートランドに戻るのもおすすめ。1泊2日のロードトリップで、 オレゴン北部の魅力を存分に堪能することができる。

ROAD TRIP: Oregon

Hood River Fruit Loop

45°39'39.4"N 121°30'48.8"W

1855年に最初の果樹が植えられて以来、 現在では58万㎢を超える梨、リンゴ、 サクランボ畑が谷を覆うオレゴン州を代 表する一大フルーツ産地を周遊できる ルートがフッドリバー・フルーツ・ルー プだ。約30 軒の果実園、ワイナリー、 ブルワリー、サイダー工場、花畑があり、 直接購入できる場所もある。またいくつ かの農園では果物狩りを行っており、初 夏にはいちごやチェリー、夏には桃や洋 梨、秋になるとりんごやかぼちゃなどの 収穫体験もできる。

Hood River Fruit Loop 5625 Hutson Dr, Mt Hood, OR 97041 https://www.hoodriverfruitloop.com/

Mt.Hood Scenic Byway

Mt.Hood National Forest

45°26'49.3"N 121°34'55.3"W

マウントフッドを中心に4320㎢という 広大な面積を持つ森林地帯。1892年に 設立され、アメリカ合衆国森林局によっ て管理されている。マウントフッドを一 周するティンバーライン・トレイルや美 しい湖を巡るミラー・レイク・トレイル などでトレッキングが楽しめるほか、湖 や川でのキャンプや釣り、カヤックも人 気だ。12月になるとティンバーライン・ ロッジやマウントフッド・ミドーズなど スキーリゾートがオープンし、8月頃ま でスキーが楽しめる。

Mt. Hood National Forest OR-35, Mt Hood, OR 97041 https://www.fs.usda.gov/mthood/

Timberline Lodge

1936年から1938年にかけて建設された アールデコとアーツ・アンド・クラフツ の影響を受けた重厚で美しいデザインが 特徴のリゾートホテル。木製の彫刻、鉄 製の装飾、石造りの暖炉など、地元の素 材を贅沢に使用した手工芸品と豪華なイ ンテリアが訪れる人々を魅了している。 夏でもスキーができるゲレンデを備えて いるのも特徴だ。また1980年に公開さ れたスタンリー・キューブリックの映画 「シャイニング」の外観撮影地としても 有名。1977年に国定歴史建造物に指定。

Timberline Lodge

27500 E Timberline Road, Government Camp, OR 97028 http://www.timberlinelodge.com/

マウントフッド・レイルロードは、コロンビア・リバー渓谷とフッドリバーを走る観光列車。1906年 に果物の輸送を目的として建設された鉄道で、100年以上の歴史を持つ。フッドリバーからパークデー ルまで約22マイルを運行し、車窓からは四季折々の風景が楽しめる。またワインの試飲を楽しめるワ イントレイン、地元の農産物を楽しむことができるハーベスト・トレインなどイベント列車も運行さ れている。フッドリバーに連泊し、1日は鉄道でこの地を巡るプランもおすすめだ。

Mount Hood Railroad: https://www.mthoodrr.com/

Motor Sports:

Oregon Trail Rally

Portland and Dufur

オレゴン・トレイルを舞台に繰り広げられる 1990年代から続く人気のラリーイベント

オレゴン州はモータースポーツファンも楽しめる場所だ。2023年に ポートランド・インターナショナル・レースウェイでFIA フォーミュラE 世界選手権が初開催され、世界的な注目を集めたのは記憶に新し いが、さらに時を遡れば1990年代からオレゴン州の地形を生かした ラリー競技がこの地で開催されており、人気を集め続けている。

オレゴン・トレイル・ラリーは1994年に初開催されたラリーイベント で、現在はアメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)主催のラリー イベントの1戦として毎年5月に開催されている。このラリーは、その名 の通り、歴史的なオレゴン・トレイルを舞台にコロンビア川を挟んでオ レゴン州とワシントン州の両エリアで競技が行われている。

オレゴン州側ではポートランド・インターナショナル・レースウェイ に加え、ザ・ダレスから6マイルほど南下した場所にあるドゥーファー 周辺で競技が行われており、マウントフッドを背景にラリーカーがハ イスピードでビッグジャンプを披露するステージはこのラリーの名物

セクションになっている。一方、ワシントン州側はビッグス・ジャンクシ ョンよりコロンビア川を渡り、10マイルほど北上した場所にあるゴー ルデンデールで競技が行われている。コロンビア川を望む尾根を高 速で駆け抜けるステージでは、土埃をあげて疾走するラリーカーの 背後にデシューツ・リバー州立保養地やザ・ダレスといったオレゴン 州の美しい自然や町並みを見ることができる。

アメリカで行われているラリーには、プロからアマチュアまで幅広 いドライバーが参加しており、スバル・ラリーチームUSAのWRXのよ うな最新ラリーカーから、70~80年代のクルマをベースにしたマシン まで、多彩なモデルが参戦している。また、競技者とファンとの距離 感が近く、車両展示やドライバーとの交流イベント、地元フードベン ダーによる出店も行われ、熱狂的なモータースポーツファンだけで なく、ファミリーやカップルも楽しめるところも魅力になっている。  春にオレゴン州へのロードトリップを計画するなら、アメリカでのラ リー観戦を旅のプランに加えてみるのも面白いだろう。

Oregon Trail Rally https://oregontrailrally.com/

Road Story:

The Dalles-California Highway

U.S. Route 97

渓谷を起点に、高地砂漠や火山地帯へ ダイナミックな自然の変化を堪能できるルート

U.S.ルート 97号線は、ワシントン州のメオロビルからオレゴン州の ビッグス・ジャンクションを経て、カリフォルニア州のウィードを結ぶ 669マイルの道路で、オレゴン州内では「ザ・ダレスーカリフォルニア・ ハイウェイ」と呼ばれている。この道路は、1926年に定められたアメリ カ最初の高速道路のひとつであり、現在まで100年近くにわたり、地 元経済を支える重要物流道路として、またオレゴン州内の観光名所 や自然景観を結ぶ南北幹線道路としての役割を担っている。

コロンビア川沿いにあるビッグス・ジャンクションからカスケード山 脈の東側を通りながらU.S.ルート 97号線を南下していくと、セントラ ルオレゴンを代表する町、ベンドに到着する。ベンドは、北東25マイル

Smith Rock State Park

44°22'05.7"N 121°08'26.0"W

Newberry National Volcanic Monument

43°54'35.1"N 121°21'24.5"W

にはスポーツクライミング発祥の地として知られているスミス・ロッ ク州立公園があり、逆に南へ15マイル走れば、ニューべリー火山国 定公園にアクセスできるという好立地にあり、このエリアの観光拠点 として人気を集める町である。

ベンドからさらにU.S.ルート 97号線を南下し、ビーバー・マーシュ を超えた先からOR-138号線(ヴォルケーノ・レガシー・シーニックバ イウェイ)へと入れば、深い青色の湖水と美しい風景で人気のクレ ーター・レイク国立公園を訪れることもできる。そしてU.S.ルート 97 号線に戻り、アッパークラマス湖沿いをさらに南下すれば、オレゴン 工科大学があるクラマス・フォールズに到着し、この町を越えると、 U.S.ルート 97号線はカリフォルニア州へと入っていくことになる。

U.S.ルート 97号線は、渓谷を起点に、高地砂漠や火山地帯といっ た地域ごとに異なるダイナミックな自然の変化を楽しめるオレゴン州 らしいロードトリップができるルートである。

スミス・ロック州立公園はアメリカのスポーツ クライミングの発祥の地として知られる場所。 初心者から上級者向けの挑戦的なものまで実に 1800以上のクライミングルートがあるという。 高地砂漠の自然を堪能できるエリアにはハイキ ングおよびマウンテンバイクのトレイルも豊富 にありアウトドア派を魅了している。足元には クロケッド川が流れており、こちらでは釣りや 野生動物観察を楽しむ人の姿も多く見られる。 この地を訪れたら猿の顔に似た巨大な岩柱「モ ンキーフェイス」も必見。天気が良ければロッ ク・クライマーたちの姿も見ることができる。

ニューベリー火山国定公園は壮大な火山地形と 豊かな自然景観を楽しめる場所である。広大な カルデラ内部にはポーリナ湖など複数の湖や火 山口が存在し、溶岩流や溶岩チューブ(溶岩 洞)も見られる。またラバ・ランドの溶岩原は そのユニークな火山地形と月面に似た景観から 1960年代にNASAの宇宙飛行士訓練に利用さ れ、アポロ計画の月面探査活動に大きく貢献し た場所として知られている。その景観はラバ・ ビュートの山頂から一望できる。エリア内には ビジターセンターもあり、ニューベリー火山の 地質学や自然史に関する展示も行われている。

ROAD TRIP: Oregon

デシューツ川沿いに広がる美しい町は

自然、歴史、そしてクラフトビールが自慢

セントラルオレゴンに位置し、カスケード山脈の東側、高地砂漠 の間を流れるデシューツ川沿いに広がる美しい町がベンドである。

ベントという名称は、この地がデシューツ川が大きく曲がる=ベンド する場所にあることから、1870年代に「フェアウェル ベンド」と呼ば れるようになったことに由来している。

ベンドは高地砂漠地帯に位置しているため、日中は穏やかで夜は 涼しい気候が特徴。夏は乾燥して暖かく、冬は寒く、降雪も多いた め、一年を通じて多様なアクティビティを楽しむことができる場所と して知られている。特にアウトドア・アクティビティは盛んで、ディシ ューツ国有林、スミス・ロック州立公園、ニューベリー火山国定公 園、カスケード・レイクなど、ハイキングやマウンテンバイクに適した 場所への拠点として人気を集めている。また、町の中心を流れるデ シューツ川沿いにオレゴン州で初めて都市型ホワイトウォーターパ ークが建設されたことで、ウォーター・アクティビティを楽しむ人も 多く訪れている。冬になるとバチェラー山でスキーやスノーボードな どウィンタースポーツも存分に楽しむことができる。

その一方で、文化的側面でもベンドは魅力に溢れている。アート ギャラリーやラウンドアバウト・アート・ルート(交差点内にさまざま なアート作品がある)、オールド・ミル地区の壁画など、地元アーテ ィストの作品をメインとしたパブリックアートが町中に点在する。定 期的に開催されるアートイベントも多く、訪れる人々を楽しませてい る。また、国家歴史文化財も多く、1910年から1919年の間に建てら れたアメリカン・クラフツマン様式の家が保存されているドレイク・ パーク近隣歴史地区などでは、建築散策をするのも面白い。

さらに、ベンドはクラフトビールの町としても広く知られており、20 を超える地元ブルワリーが存在している。その中でもデシューツ・ブ ルワリーはオレゴン州を代表するクラフトビール醸造所のひとつだ。 「ビア・トレイル」として地元のビールを巡るツアーも人気を集めて おり、ベンド・オクトーバーフェストやベンド・ブリューフェストなど、 ビール愛好家たちが集まるイベントも開催されている。

ベンドはセントラルオレゴンに位置することから、ペインテッドヒル ズのあるジョン・デイ化石層国定公園、ウィラメット国有林などへの ドライブ拠点としても最適。ユージーンまでは約2時間30分、ポート ランドまでは約3時間、コーストサイドのフローレンスまでは約3時間 30分で移動することが可能で、セントラルオレゴンでのロードトリッ プにおける拠点としても注目したい町である。

City Guide: Bend

パイロットビュート・ステート・シー ニック・ビューポイントは標高約 153mの火山丘。その山頂からはベン ドの町並み、カスケード山脈の美しい 峰々、周囲の高地砂漠の風景など360 度のパノラマビューを楽しむことがで きる。山頂までハイキングやクルマで アクセスでき、駐車スペースも用意さ れている。なお通年営業している展望 台だが、クルマで行く場合は山頂まで の道路が冬季閉鎖となるので要注意。

Pilot Butte State Scenic Viewpoint 1310 NE Hwy 20, Bend, OR 97701 https://oregonstateparks.org/

Old Mill District

20世紀初頭から稼働していた製材所 の跡地を活用したショッピング&エン ターテイメントエリア。製材所時代の 歴史を感じさせる要素が多く残されて おり、訪れる人々に当時の雰囲気を伝 えている。象徴的な煙突を持つ元発電 所だった建物にはアウトドアギア&ア パレルのブランドREIがはいる。エリ ア内には多くのアートギャラリーやパ ブリック・アート作品が展示されてお り、文化的な楽しみも豊富にある。

520 SW Powerhouse Dr #624, Bend, OR 97702 https://www.oldmilldistrict.com/

ドレイク・パークはベンド市中心部に 位置するデシューツ川沿いに広がる美 しい都市公園である。1910年代初頭 にベンド市の創設者の一人である実業 家アレクサンダー・M・ドレイクが設 立した。春や夏の季節は美しい花々が 咲き誇り、多くの野鳥も生息すること から散策やバードウォッチングを楽し みにくる人も多い。園内には1920年 代に建設された古い橋も保存されてお り、歴史的な雰囲気を感じられる。

Drake Park

777 NW Riverside Blvd, Bend, OR 97701 https://www.bendparksandrec.org/park/

Historic Downtown 835 NW Wall St, Bend, OR 97703 https://www.towertheatre.org/ ベンド観光局の公式サイトは観光スポットの紹介 だけでなく"ジャーナル"と題した読み物も充実。 どこでどのような体験ができるかなど、よりリア リティのある情報が入手できるのが嬉しい。また 天候や道路状況に関する情報も発信している。

Visit Bend https://visitbend.com/

ベンドのダウンタウンにはレンガ造り の建物やアールデコ様式の建物など 20世紀初頭の建物が数多く残されて いる。1940年代に建設されたタワー シアターはこの地区のシンボルであ り、美しいアールデコ様式の建物内で は現在もコンサートや演劇が開催され ている。同地区には1909年に建てら れたダウンタウンに残る唯一のオリジ ナルの木造建築であるNPスミスハー ドウェア・ビルディングも現存する。

ROAD TRIP: Oregon

Road Story:

U.S.Route 97 -U.S.Route 26

セブン・ワンダーズのひとつに出会える 古代からの歴史に触れられるドライブルート

ジャーニー・スルー・タイム・シーニック・バイウェイは、何 千年もの昔にこの地に生息した動植物たちの物語、そしてこ の地を開拓した人々の繁栄の歴史に触れることができる特 別なルートだ。この286マイルのシーニック・バイウェイは、コ ロンビア川沿いのビッグス・ジャンクションからインターステ ート84号線のベイカーシティまで、オレゴン州の5つの郡を通 り抜ける。そのルートは、U.S.ルート 97号線、OR-218号線、 OR-19号線、U.S.ルート 26号線、OR-7号線の一部で構成さ れており、ジョン・デイを中心として東部セクションと西部セク ションに分けられている。

る植物や動物の化石があり、現存する化石記録の中で最も完 全なもののひとつといわれ、周囲ではユニークな岩層や古代の 海底が見られ、地球の歴史に触れることができる。

ジョン・デイ化石層国定公園を訪れた際には、ペインテッ ドヒルズにも足を運びたい。U.S.ルート 26号線からブリッジ クリークロードを北上し、ベアクリークロードへの分岐を進む と、未舗装路の先に息を呑むほど美しい風景が広がる。ペイ ンテッドヒルズは、オレゴン州の7 つの自然の驚異( Seven Wonders)のひとつで、その全景を楽しめる展望所もある。

このシーニック・バイウェイのハイライトは、ジョン・デイ化石 層国定公園だ。

600万年から5400万年前に遡る2000種を超え

ビッグス・ジャンクションからジョン・デイ化石層国定公園 までのドライブは約3時間/150マイルだが、ペインテッドヒル ズを目的地とする場合、ベンドを起点にすると約1時間40分 /85マイルで到着することができる。ジョン・デイ化石層国定 公園の近くにはミッチェルという小さな町があり、軽食や飲み 物の購入、給油所やトイレの利用が可能。昔ながらの集落の 雰囲気も楽しめるので、立ち寄ってみるのもおすすめだ。

Journey Through Time Scenic Byway

John Day Fossil Bed National Monument

44°38'04.6"N 120°14'21.3"W

豊富な化石層と壮大な景観で知られる ジョン・デイ化石層国定公園は、約4000 万年前の哺乳類や植物の化石が数多く発 見される場所として有名。エリアは大きく 3つの地域に分けることができ、さまざま な時代の化石が見られるシープ・ロック・ ユニット、古代の火山活動によって形成さ れた地層が見られるクラーノ・ユニット、 そして褐色の地層がつくる丘陵地帯のペ インテッドヒルズ・ユニットがある。古代 の地形とジョン・デイ川による素晴らしい 自然と眺望を楽しめるエリアだ。

John Day Fossil Beds National Monument 32651 OR-19, Mitchell, OR 97750 http://www.nps.gov/joda/

Painted Hills

44°38'59.9"N 120°16'00.2"W

ペインテッドヒルズはジョン・デイ化石 層国定公園の一部で、何百万年にもわた る地質活動によって形成された色鮮やか な粘土岩の地質形成で知られている。濃 い赤やオレンジ、黄色や灰色など、さま ざまな色の粘土岩層で構成され、太陽光 の色や天候によって変化する魅力的な風 景をつくり出す。各層は異なる地質時代 を示し、何百万年にもわたる地域の過去 の環境や気候変動に関する貴重な情報も 提供している。ペインテッドヒルズは自 然の驚異を体感できる場所である。

Painted Hills

Overlook Trail, Mitchell, OR 97750 https://www.nps.gov/joda/

Mitchell

44°33'56.4"N 120°09'10.7"W

ジョン・デイ化石層国定公園の近くに位 置するミッチェルは、ペインテッドヒル ズなどへのアクセスポイントとして知ら れる1873年に設立された歴史ある町だ。 ダウンタウンにはグロサリーや土産物 店、カフェや郵便局などがあり、その多 くが古い建物で営業を続けており、この 地域の歴史や文化を感じさせる魅力があ る。小さな町だが給油所やトイレなども 揃っており、ドライブ途中に立ち寄るに も便利。ミッチェルでは休憩を兼ね、周 辺の自然観察や歴史探索をしてみよう。

Mitchell

202 SE High St, Mitchell, OR 97750 https://visiteasternoregon.com/poi/mitchell/

ペインテッド・コーブ・トレイルはペインテッドヒルズ内にあるハイキングトレイルである。トレイ ルは濃い赤、オレンジ、灰色などの色鮮やかな粘土岩の丘のなかを通り、訪れる時間によってその表 情の変化を楽しむことができるようになっている。20分ほどで1周できるトレイルなのでドライブの 途中に立ち寄るのにもぴったりだ。整備されたトレイルには解説看板もあり、より深くこのエリアの 地形や地質史を知ることができる。ペインテッドヒルズ展望台からクルマで5分程度でアクセス可能。

Painted Cove Trail: https://www.nps.gov/thingstodo/painted-cove-trail.htm/

Accommodations:

Campfire Hotel

Bend

Campfire Hotel

44°03'25.8"N 121°18'09.9"W

70年代のキャンプ場を都会的にアレンジした 新感覚の宿泊体験を提供するホテル

ヴィンテージ・キャンプとアーバン・アドベンチャーを融合 させたブティックホテル・モーター・ロッジというコンセプトで 2020年10月にオープンしたキャンプファイヤー・ホテル。古い モーテルの骨格を生かしながら、70年代のキャンプ場にタイム スリップしたような雰囲気を醸し出す内装デザインとし、都会 の快適さを失わせない充実の装備にもこだわっている。客室 は2人での旅行や家族に最適なキャンプファイヤー・ダブル/ クイーンルームから、カスケード山脈の夕日を部屋から眺める ことができるサンセット・キングルーム、そして4名まで宿泊可 能なスタジオスタイルのファミリースイートのキャンプファイヤ ー・キングルームまでルームバリエーションも豊富に用意して いる。またコミュニティにフォーカスしたファシリティづくりにも 注力し、敷地内には3mのファイヤーピットのほか、年間を通じ て利用できるホットタブや温水プールも備えている。またベン ドのダウンタウンにある人気クラフト・カクテルバー「Dogwood Cocktail Cabin」のオーナーが運営する革新的なカクテルを素 晴らしい音楽とともに楽しめるカクテルバーラウンジもある。敷 地内ではさまざまなイベントも開催されおり、ベンドを訪れるト レンドに敏感な旅行者からも注目を集めている。

Campfire Hotel

721 NE 3rd St, Bend, OR 97701 https://www.campfirehotel.com/

Road Story:

Cascade Lakes

National Scenic Byway

Forest Route 46

美しい高山湖やトレイルに立ち寄りながら オレゴン州ならではの壮大な風景が楽しめる

カスケード・レイクス・シーニック・バイウェイは、セントラル オレゴンを横断するドライブルートである。このシーニック・バ イウェイは、ベンドの南端を起点に、バチェラー山を経て、カ スケード山脈を抜け、OR-58号線(ウィラメット・ハイウェイ) へと、手付かずの森林や印象的な火山地帯など、オレゴン州 の壮大な風景を駆け抜けるルートとして人気を集めている。

ベンドのサウスウェスト・センチュリー・ドライブからこのシ ーニック・バイウェイは始まり、デシューツ国有林をバチェラ ー山、ブロークントップ、サウスシスターなど雄大な山々を眺 めながら美しい森林を駆け抜けていく。その周囲には14もの 高山湖が点在。驚くべき透明度を誇るターコイズブルーの湖 であるデビルズ湖や、ウィンドサーフィンやカヤックなどのウ ォーター・アクティビティが楽しめるファミリーにも人気のエ ルク湖、静寂な雰囲気のあるデイビス湖など、ロードトリップ の途中で立ち寄りたい湖がいくつもある。また周辺には多くの トレイルもあり、キャンプやフィッシングなども楽しめる。冬に なるとバチェラー山でダウンヒルスキーやスノーボードもでき る。四季折々に異なるさまざまな体験の機会を提供してくれ るこのエリアは、年間を通して楽しめる場所である。  カスケード・レイクス・シーニック・バイウェイは通常5月中 旬または6月に開通し、積雪状況に応て10月下旬から11月中 旬に閉鎖される。夏の期間であっても急な天候の変化などに より道路のコンディションが悪くなる場合もあるので注意が 必要。最新の道路状況については、デシューツ郡の情報を確 認しておくとよいだろう。また、カスケード・レイクス・シーニッ ク・バイウェイ沿いは携帯電話のサービスが制限される地域 があるため、ロードトリップに出発する前にオフラインマップ 等の準備をしておくと安心だ。

オレゴン州で3番目に大きな学園都市 若者たちの活気と自然が調和する

ウィラメットバレーの南端、ウィラメット川とマッケンジー川の 合流点に位置するユージーンは、オレゴン州で3番目に大きな都 市だ。北海道に似た気候を持つこの町は、豊かな自然に加え、大 学やスポーツ、芸術など多様な魅力を持っている。

ユージーンは全米トップ5の大学都市のひとつに選出されてい る学術の中心地として知られている。1876年に設立されたオレゴ ン大学はこの町を代表する大学であり、そのマスコットであるオ レゴンダックは世界的に知られる存在だ。このほかにもブッシュ ネル大学(1895年設立)やレーン・コミュニティ・カレッジ(1964 年設立)などもあり、多くの学生たちがこの町で暮らしている。

またこの地は「Track Town USA」とも呼ばれ、多くの偉大なオ リンピックランナーを生んできたことでも知られている。ヘイワー ド・フィールドでは、陸上の米国オリンピックチームトライアルや 米国初開催となった世界陸上競技選手権大会など、さまざまな スポーツイベントが行われてきた。陸上競技でいえば、オレゴン 大学の陸上選手だったフィリップ・ナイトとコーチのビル・バウワ

ーマンによってナイキがこの地で誕生したのは有名な話である。

ユージーンはまた、芸術や文化という面でも魅力的な町であ る。町中には数多くのアートギャラリーがあり、毎月第1金曜日に は無料のギャラリー・アート・ウォークが開催されている。また日 曜日には地元の職人やミュージシャンが集まりサンデー・マーケ ットが開かれている。このほかにもオレゴン・カントリー・フェアや ユージーン・セレブレーションといった多くのフェスティバルも開 催され、町の文化的魅力を高めている。

そして忘れてはならないのがこの地で楽しむお酒である。有名 なワイン生産地であるウィラメットバレーにも近いことからピノ・ ノワールを用いたワインが存分に楽しむことができる。またウィラ メットバレーは国内有数のホップの生産地でもあり、マッケンジ ー川の澄んだ軟水を使ったビールづくりでも注目を集めている。

ニンカシ・ブルーイング・カンパニー、ホップ・バレー・ブルーイン グ・カンパニーなどこの地で誕生し、全米で人気を集めるブルワ リーも少なくない。ワインやビール愛好家なら、迷わずロードトリ ップにこの町での宿泊を組み込み、存分にワインやクラフトビー ルのカルチャーを楽しんでほしい。

ユージーンは、学生たちによる活気ある都市のエネルギーに満 ち、スポーツやアート&カルチャーが調和した町である。

City Guide:

1919年にオープンした陸上競技場で、 オレゴン大学の陸上チーム「オレゴ ン・ダックス」の本拠地として知られ ている。2022年には世界陸上競技選 手権大会が開催された。オレゴン州の 歴史・文化を象徴する木製の屋根構造 を持つ。競技場の北東にはダックスの オリンピック金メダリスト8人を称え るヘイワードフィールド・タワーやオ レゴン大学の偉大な選手たちを紹介す るヘイワードホールなどもある。

Hayward Field

1530 Agate St, Eugene, OR 97403 http://hayward.uoregon.edu/

ダックストアは1920年に設立された オレゴン大学の公式ブックストアお よびギフトショップ。オレゴン大学の 学生や卒業生、ファンにとって必須の ショップであり、大学関連のさまざま な商品が揃っている。教科書だけでな く、大学のロゴが入ったアパレル、ギ フトアイテム、文房具、電子機器など の商品も取り扱っており、ユージーン を訪れた記念やお土産になるようなア イテムもこのショップで手に入る。

The Duck Store 895 E 13th Ave, Eugene, OR 97401 http://www.uoduckstore.com/

ユージーン市街と周囲の美しい景色を 一望できる公園で1914年にオープン した。公園の中心にある高さ13.7mの 玄武岩柱は、1930年代初頭まで採石 場だった場所だが、現在は人気の公共 ロック・クライミング・エリアになっ ている。このほか美しいバラが咲き誇 るローズ・ガーデンや国家歴史登録 財に指定される1880年に建てられた シェルトン・マクマーフィー・ジョン ソン・ハウスなども園内にある。

Skinner Butte Park

248 Cheshire Ave, Eugene, OR 97401 https://www.eugene-or.gov/

296 E 5th Ave, Eugene, OR 97401 http://www.5stmarket.com/ レーン・カントリー観光局の公式サイトでは、カ スケード・レイクの東側エリアからユージーン周 辺、さらにフローレンスやオレゴン・デューンズ を含むオレゴン州のサウス・コーストエリアの最 新情報や見どころ、楽しみかたを紹介している。

ユージーンの中心部にある5thスト リート・パブリック・マーケットは この地にあった古い倉庫を改装してつ くられたマーケットだ。現在は多彩な ショップ、レストラン、カフェが集ま り、地元住民や観光客に人気を集める スポットになっている。ローカルのも のを積極的に扱っているのも特徴で、 地元の農産物や食品を購入することが できるファーマーズ・マーケットも開 催されている。

Travel Lane County

https://www.eugenecascadescoast.org/eugene/

5th Street Public Market

ROAD

Accommodations: Graduate Eugene

44°03'09.4"N 123°05'31.2"W

オレゴン大学とナイキへの愛に溢れる ユージーンを代表するブティックホテル

グラデュエート・ユージーンはオレゴン大学とユージーン の文化を融合させた独特の世界観を持つホテル。元々はヒ ルトンホテルとして建設されたが、2020年6月にグラデュエー ト・ホテルによって買収され、大学をテーマとした大規模改装 を行い再オープンした。オレゴン大学を象徴するダックスグ リーンの装飾やナイキの創業地を感じさせる展示を随所で 見ることができ、ロビーには高さ約3.6mの木製オレゴン・ダッ クの展示とナイキの創業から1980年までのビンテージシュー ズのコレクション(熱狂的なナイキファンだというCEOのプラ イベートコレクションだという)が展示されている。客室は全 275室あり、オレゴン州の自然を感じるウッドを基調にダック スグリーンをアクセントに取り入れたデザインが施されてい る。またこの地で創業したナイキへの敬意を表し、ワッフルメ ーカーを用いた特製ランプも各部屋に設置している。5タイ プあるスイートからはユージーンの素晴らしい景色も楽しめ る。館内には地元の食材を使ったレトロな雰囲気のレストラ ン兼バー「TROPHY ROOM」があり、140枚を超えるナイキポ スターのコレクションのほか、非常に貴重とされるオリジナル のナイキのムーンシューズ(1972年)も展示されている。

Graduate Eugene

66 E 6th Ave, Eugene, OR 97401

https://www.graduatehotels.com/eugene/

Oregon Brand

Danner

http://www.danner.com/

ビブラムソールやゴアテックスをい ち早く取り入れたハイキングブーツ を世に送り出し、世界中にファンを 持つダナーは1932年にウィスコンシ ン州で創業し、1936年にオレゴン州 ポートランドへ本拠を移した。空港 近くにあるファクトリーストアでは ブーツの販売だけでなく、職人の手 によるブーツリペアも行っている。

KEEN

https://www.keenfootwear.com/ 「NEWPORT」シリーズなど、アウト ドアサンダルが人気を集めるKEEN は2003年に創業し、2006年からポー トランドを本拠としているブランド。 製品の生産もポートランドの工場で 行っている。パール地区にある歴史 的な建物にある本社には直営店も併 設されており、サンダルからブーツ まで多様なモデルが購入可能だ。

Nike

http://nike.com/

世界的なスポーツブランドであるナ イキはオレゴン州を代表するブラン ドである。その前身となるブルー・ リボン・スポーツが設立されたのは 創業者フィル・ナイトの母校である オレゴン大学のあるユージーンだっ た。同社はスポーツシューズの輸入 販売から、自社製品の製造販売を始 めた1971年にシューズのブランドを 「Nike」へと変更し、1978年に正式に 社名をナイキへと変えている。その 後、ビーバートン近郊のワシントン 郡非法人地域に本社を構えた。現在 の「Nike World Headquarters」は286 エーカーもの広大な敷地に75棟以上 の建物があり、それぞれにセリーナ・ ウィリアムズやタイガー・ウッズ、 マイケル・ジョーダンといったアス リートたちにちなんだ名前が付けら れている。またキャンパス内の歩道 にはナイキの歴史に名を残した重要 人物たちのブロンズ像が飾られてい る。キャンパスの様子は同地で撮影 されたドレイクの「Laugh Now Cry Later」のMVでも見ることができる。

Pendleton

https://www.pendleton-usa.com/

ブランケットやシャツなど高品質の ウール製品を生み出すペンドルトン・ ウーレン・ミルズは、1863年にオレ ゴン州セーラムでのウール工場設立 がきっかけとなり、1909年にペンド ルトンの工場設立とあわせて誕生し たブランドだ。同地区のネイティブ アメリカンとも深い関わりを持ち、 製品のデザインにも生かしている。

Columbia Sportswear

https://www.columbia.com/

1938年にポートランドで創業した帽 子製造会社をルーツにもち、1960年 に現在のコロンビア・スポーツウェ アへと社名変更が行われた。80年の 年月を経てアウトドアやアクティブ ライフスタイル向けのアパレルやア クセサリー、ギアの設計などを手掛 ける世界的ブランドへと成長した。 ポートランドには本社直営店もある。

四季折々の景観を楽しめるルート 歴史的なカバードブリッジも魅力的

ウィラメット・ハイウェイは、オレゴン州を東西に横断するルートであり、ウィラメットバレーと セントラル・オレゴンを結ぶOR-58号線(ウィラメット・ハイウェイ)として、多くの旅行者や自然 愛好家を魅了している。この道は、1900年代初頭に農産物や木材の輸送を支えるために整備さ れたが、自然の美しさと四季折々の景観が楽しめる絶景ルートとして人気を集めてきた。  ウィラメットバレーからカスケード山脈を越え、東側の高地砂漠へと続くルート沿いは、美し い自然に溢れ、静かに流れる小川には数多くの歴史的なカバードブリッジを見つけることができ る。ウェストファイアのオフィス・カバードブリッジ、ローウェルのユニティ・カバードブリッジ、パ ービン・カバードブリッジなどはこの地域を代表するカバードブリッジである。さらにこのハイウ ェイを走れば、オレゴン州屈指の深さと透明度を誇るウォルド湖や87.17mもの落差を誇るソル トクリーク滝のようなビッグスケールの自然に出会うこともできる。

ウィラメット・ハイウェイはその全ルートを3時間/140マイルほどで移動できるが、ゆっくり時間 をかけてオレゴン州の自然を堪能しながらドライブを楽しんでほしい。

Unity Covered Bridge

43°56'41.4"N 122°46'30.9"W

オレゴン州には多くの屋根付きの橋(カ バードブリッジ)が存在する。カバードブ リッジは橋を保護し、悪天候時でも交通を 確保するために設計され、19世紀後半から 20世紀初頭にかけて数多く建設された。そ の歴史的な価値と独特の建築様式を保護す るために積極的に保存されており、1936年 に完成したユニティ・ブリッジもそのひと つ。現在でも車両の通行が可能であり、車 窓からはその美しい木造構造も楽しめる。

Salt Creek Falls

43°36'42.6"N 122°07'41.5"W

ウィラメット国有林内にあるソルトクリー ク滝は、高さ約87mを誇る滝で、その勢い ある水の流れと落差は訪れる人々を圧倒す る。滝の周囲には美しい自然が広がり、春 から夏にかけては緑の木々と花が、秋には 鮮やかな紅葉がこの地を訪れる人々を魅了 している。滝までのトレイルは整備されて おり、駐車場から比較的短い距離のハイキ ングで壮大な景色を眺められる展望台を訪 れることができる。

ROAD

歴史と文化、自然が融合するオレゴン州の州都 歴史的な町並みと美しい公園が魅力的な町

ポートランドから南に約1時間、ウィラメットバレー沿いにあるセー ラムは、ポートランドに次ぐ人口規模を誇るオレゴン州の州都として 行政と政治の中心を担う町である。セーラムの歴史は1840年代にま で遡り、オレゴン・トレイルを通じて多くの移住者がこの地に到着し たことに始まる。1859年にオレゴンが州に昇格した際に州都に選ば れ、現在もその役割を担い続けている。

長い歴史を持つセーラムの町には、多くの歴史的建造物や文化 遺産が点在している。特に、チェメケタ通り、ハイ通り、フェリー通り、 フロント通りに囲まれた7ブロックのエリアには57棟もの歴史的な建 造物が現存し、ダウンタウン歴史地区として指定されている。数ある 歴史的建造物のなかでもエルシノア劇場は、1926年に建設された豪 華なアール・デコ様式の内装を持つ劇場で、舞台芸術の歴史的ラン ドマークになっている。またセーラムのダウンタウンで最も高い11階 建てのオールド・ファースト・ナショナル・バンクビルも1927年に建築 された歴史的な建物のひとつである。

ダウンタウン以外では、1938年に竣工し、現在は3代目となるオレ

ゴン州会議事堂も必見だ。美しいアール・デコ様式の建物のドーム の上部には、「オレゴン・パイオニア」の正式名称を持つ特徴的な金 箔塗りの開拓者の像が立っている。また、1842年に設立されたアメリ カ西部で最古の大学であるウィラメット大学にもイートンホールな ど、歴史的な建築物が残されており、その一部は博物館やギャラリー として地域の歴史や文化を伝えている。

これらの歴史的建造物に加え、セーラムの初期開拓時代から現 代までの歴史が学べるウィラメット・ヘリテージ・センターも見逃せな い。5エーカーの敷地には、地元経済の発展に重要な役割を果たし たウール工場や1847年に建てられたセーラムに現存する最も古い 一戸建て住宅であるブーン・ハウスなど、国家歴史登録財に登録さ れる建造物が保存されている。

このような歴史的な魅力に加え、セーラムにはブッシュズ・パスチ ャー・パークやミント=ブラウン・アイランド・パークなど、美しく豊か な自然に溢れる公園もある。なかでもウィラメット川沿いにあるリバ ーフロント・シティ・パークは四季折々の自然のなかで散策やピクニ ックが楽しめる公園で、夏にはフェスティバルやイベントも開催され ることから地元住人や観光客で賑わいを見せている。

セーラムはオレゴン州の政治の中心地だけではなく、歴史と文化、 そして美しい自然が融合した魅力的な町なのである。

City Guide: Salem

ダウンタウン歴史地区にあるラッ ド・ アンド・ブッシュ・バンクビルは セーラム初の金融機関としてアサヘル ブッシュ 2 世によって 1869年に建造 された。この地区で最も美しいデザイ ンを持つこのビルは1967年に大規模 な改修が行われたがオリジナルの鋳鉄 製の装飾はいまも残されている。その 並びには1927年建築のダウンタウン 唯一の高層ビル、オールド・ファース ト・ナショナル・バンクビルもある。

Ladd and Bush Bank Building 302 State St, Salem, OR 97301

オレゴン州の初期開拓時代から現代ま での歴史を学べる博物館と文化セン ター。19世紀の産業や家庭生活を再 現した展示や多彩な教育プログラムを 通じて過去と現在をつなぐ貴重な体験 を提供している。敷地内には1889年 に建てられたトーマス・ケイ・ウーレ ン・ミルや太平洋岸北西部で現存する 最古の長老派教会やセーラムに現存す る最も古い一戸建て住宅など、歴史的 建築物も数多く保存されている。

Willamette Heritage Center 1313 Mill St SE, Salem, OR 97301 http://www.willametteheritage.org/

ウィラメット大学は、1842年に設立 された私立大学。アメリカ西海岸及び オレゴン州で最古の大学で、太平洋岸 北西部で初の法律学校であり初の医学 部を設立した大学でもある。キャンパ スには1909年に建設されたイートン ホールも現存。クラシカルなリバイバ ル様式の建物はキャンパス内で最も古 い建物のひとつで、過去100年以上に わたり、数多くの学生や教授たちの学 びの場として利用されてきたものだ。

Willamette University Eaton Hall, 1040 State St, Salem, OR 97301 https://willamette.edu/

1991年にオープンした航空と宇宙の 歴史をテーマにした博物館で第二次世 界大戦から現代までのさまざまな航空 機や宇宙探査機が展示されている。ハ ワード・ヒューズによって設計され た世界に一機しかない巨大な飛行艇 ヒューズH-4ヘラクレス(スプルース・ グース)の展示なども行われている。 開館時間は午前9時から午後5時まで。 ポートランドから約 1 時間、セーラ ムから約 40 分でアクセスできる。

Evergreen Aviation & Space Museum 500 NE Captain Michael King Smith Way, McMinnville, OR 97128 http://www.evergreenmuseum.org/ セーラム観光局の公式サイト。アウトドアや ミュージアム&ヒストリー、アート&エンターテ インメントなど目的から情報を検索できる。また 映像コンテンツも充実しており、バーチャル旅行 をしながら旅のプランを考えられるのも面白い。

Travel Salem

https://www.travelsalem.com/

ROAD TRIP: Oregon

Road Story:

Pacific Coast Scenic Byway

U.S.Route 101

美しい自然と海辺の食文化に触れられる 363マイルに及ぶ海岸線のドライブルート

ワシントン州のオリンピアとカリフォルニア州のロサンゼル スを結ぶU.S. ルート101号線。その総延長約1540マイルのう ち、約363マイルはオレゴン州を通過する区間である。オレゴン 州ではコロンビア川に接するアストリアから、カリフォルニア州 と隣接するブルッキングまで、オレゴン州の海岸線に沿って走 るドライブルートとなっており、パシフィックコースト・シーニッ ク・バイウェイと名付けられている。

パシフィックコースト・シーニック・バイウェイは歴史ある港 町アストリアからスタートし、オレゴンコーストのランドマーク 的存在であるヘイスタックロックのあるキャノンビーチや世界 一小さな港で知られるデポベイ、オレゴンコースト水族館やヤ キーナ・ベイ・ライトハウスのあるニューポート、砂漠でのアク

ティビティが人気のオレゴン・デューンズ・ナショナル・レクリエ ーション・エリアを経て、息を呑むような険しい海岸線と素晴ら しい夕日を眺めることができるサミュエル H. ボードマン・ステー ト・シーニック・コリドーを超えるとカリフォルニアとの州境に近 いブルッキングの町へとたどり着く。途中のティラムック周辺で は内陸に入るため、車窓からのどかな牧場風景も楽しめる。

ドライブの途中ではとれたてのカニや貝類を使った料理を 提供するレストランや、スモークサーモンやスモークオイスタ ーなどを販売するショップがあり、さまざまなシーフドが味わえる。

また沿道には多くの農園やワイナリーも点在しており、新鮮な 農産物や地元産のワインを手に入れることもできる。海辺の絶 景を楽しめるだけでなく、オレゴン州の豊かな食文化にも触れ られるルートなのだ。

パシフィックコースト・シーニック・バイウェイは、美しい海岸 沿いの自然を通じて、オレゴン州のコーストサイドの魅力を存 分に堪能できる素晴らしいドライブコースである。

Heceta Head Lighthouse

ヘセタ・ヘッド州立公園内にあるヘセタ・ ヘッド灯台は1894年の建設以来、太平 洋の壮大な景色を一望する岬に威風堂々 と佇む歴史的な灯台。灯台周辺には整備 されたトレイルが広がり、この地域の豊 かな歴史と多様な自然景観を探索するこ とができる。さらに臨場感溢れる体験を 求めるなら改修された灯台守の家での 宿泊もオススメ。ヘセタ・ヘッドBed & Breakfastでの宿泊体験はかつてこの灯 台を守ってきた灯台守たちの生活を垣間 見ることができる。

Heceta Head Lighthouse 725 Summer St, Florence, OR 97439 https://stateparks.oregon.gov/

Pacific Coast Scenic Byway

Sea Lion Caves

フローレンスにあるシーライオン・ケー ブスは、北米最大規模のアシカの洞窟 として知られている。洞窟の入り口か ら海面までの高低差は約38m(12階建 てビルの高さに相当)あり、海面近く の洞窟に降りていくと多くのアシカが 生息しているのを見ることができる。 シーライオン・ケーブスは通年で営業 しているが、シーズンによってアシカ の数や活動が異なるため、訪れる時期 によってさまざまな生態や行動を観察 することができるだろう。

Sea Lion Caves 91560 US-101, Florence, OR 97439 http://www.sealioncaves.com/

New Port

ニューポートは1850年代にヤキナ川の 河口に近い地域で開拓され、木材と漁業 の中心地として発展した。特にカニや魚 介類の水産業が盛んであり、漁船の基地 として機能してきたこともあり、周辺に はいくつかの歴史的な灯台がある。なか でも1873年に建設されたヤキナ・ヘッ ド灯台は今なお稼働する灯台として観光 スポットになっている。州立水族館や宿 泊施設、地元産シーフードが楽しめるレ ストランなどもあり、オレゴンコースト サイドのドライブで注目を集める町だ。

New Port 555 SW Coast Hwy, Newport, OR 97365 https://www.newportoregon.gov/

ヤキナ・ベイ州立公園内にあるヤキナ・ベイ灯台はオレゴン州で最も古い灯台のひとつで1871年に建 てられたもの。灯台と同じ建物内に居住区がある灯台は州内で現存する唯一のもので、歴史的な建造 物として大切に保存されている(1974年に改修が行われている)。灯台は一般公開されており建物内に は歴史的な写真や展示物もあり、灯台守の生活や航海の物語に触れられる。ヤキナ・ベイ州立公園か らは1936年に完成した美しいアール・デコ様式のヤキナ・ベイ・ブリッジも見ることができる。

Yaquina Bay Lighthouse: https://www.yaquinalights.org/

Depoe Bay

44°48'34.9"N 124°03'42.6"W

デポベイは、ホエールウォッチングや チャーターフィッシングなどのアクティ ビティで注目を集めるU.S.ルート101 号線沿いの小さな町。古くから豊富な 水産資源を利用した漁業が発展してきた が、港の入り口が狭く、船が出入りする には慎重さが求められることから、「世 界最小の自然航行可能な港(The World's Smallest Harbor)」と呼ばれるようになっ た。落ち着いた雰囲気を持つこの港町に は、クラフトビールが楽しめるレストラ ンや快適な滞在ができるホテルもある。

Depoe Bay

30 SE Bay St, Depoe Bay, OR 97341

Pacific Coast Scenic Byway

Tillamook Country Smoker 45°31'02.5"N 123°53'01.9"W

ティラムックは乳製品と家畜飼育が盛 んな地域。この地域には多くの牧場が あり、牛のほかに鶏や豚などの家畜飼 育も行われている。ティラムック・カ ントリー・スモーカーは1975年に地 元の農家が集まりスタートしたビーフ ジャーキーとスモークソーセージの工 場。現在は世界中で知られる人気ブラ ンドだ。U.S.ルート101号線沿いのファ クトリーアウトレットでは、同社のさ まざまな味付けのジャーキーを手頃な 価格で購入することができる。

Tillamook Country Smoker

8335 US-101 N, Bay City, OR 97107 https://tcsjerky.com/

Cannon Beach

123°57'39.3"W

1840年代に難破して打ち上げられた海 軍大砲にちなんで名付けられたキャノン ビーチ。海岸沖にそびえ立つ巨大な岩、 ヘイスタックロックがこのビーチの象徴 だが、一方で北西部有数の芸術の町とし ても知られている。町には数多くのアー トギャラリー、演劇を楽しめるシアター、 職人の手仕事を見学できるガラス工房な どがある。また毎年サンドキャッスル・ コンテストも浜辺で行われている。自然 と芸術に満ちたこの地はオレゴン州で最 も美しいビーチのひとつとされている。

Cannon Beach

163 E Gower Ave, Cannon Beach, OR 97110 https://www.cannonbeach.org/

ヘイスタックロックはオレゴン州で最も有名なランドマークのひとつ。玄武岩の海食柱は海岸線の端 から約72mの高さに聳え立ち、干潮時にはこの海食柱まで歩いて行くことができる。その誕生は数 百万年前に流れ込んだ溶岩流が海の侵食によって形成されたものだといい、オレゴンコーストの地質 学的歴史を今に伝えている。保護地域として指定されており、ヘイスタックロックから約274m以内 の動植物や砂/岩を持ち出すことが禁止されており、立ち入り可能エリアも厳格に定められている。

Haystack Rock: https://www.cannonbeach.org/

Experience: Tillamook Creamery

Tillamook

Tillamook Creamery

45°29'02.4"N 123°50'39.3"W

ティラムックの酪農産業に触れながら できたての味も楽しめるチーズ工場

U.S.ルート101号線沿いにあるティラムックは、豊かな土壌 が乳牛の飼育に適していたことから、19世紀半ばから酪農が 盛んに行われていた地域である。この地にあるティラムック・ クリーマリーは1894年にこの地における最初のチーズ工場と して設立され、現在では日本を含む世界各国で販売を行うこ の地を代表する企業になっている。ティラムック・クリーマリ では、毎日約77トン以上のチーズを生産し、週に約454トン のチーズを包装。また、敷地内の倉庫では約2万2680トンもの チーズを熟成させているという。

そんなティラムック・クリーマリーには年間130万人が訪れ るビジターセンターがあり、同社の歴史展示だけでなく、チー ズ製造の過程から品質チェック、包装まで、製品になるまでの ほとんどの過程を見ることができる見学ギャラリーがある。ま た、有料のガイド付きツアーでは熟成チェダーチーズの食べ 比べ試食体験も楽しめるとあって人気を集めている。

ビジターセンター内にはティラムック・クリーマリー自慢の アイスクリームやフライド・チーズカードを楽しめるダイニング エリアが設けられている。また、同社の多彩な乳製品のほか、T シャツやチーズボードなどのキッチン小物まで、お土産にも最 適なアイテムが豊富に揃うギフトショップも併設されている。

ティラムック・クリーマリーは、この地域の酪農産業とそ の歴史に直接触れることができる貴重な場所であり、オレ ゴン州が世界に誇る味を体験できる注目のスポットだ。

Experience: Oregon Dunes

National Recreation Area

Winchester Bay

Oregon Dunes National Recreation Area

43°42'36.3"N 124°10'43.9"W

広大な砂丘でのドライビングが楽しめる オレゴン沿岸部のクルマ好き要注目エリア

オレゴン・デューンズ・ナショナル・レクリエーションエリ アは沿岸部のシウスラウ川からコクラン川までの間に広が る、砂丘、湖、森林、湿地帯など多様な生態系を有する自 然保護区だ。なかでも砂丘は特徴的で、数千年にわたり形 成された、長さ約40マイルに達する広大なものである。  この広大な砂漠の中に位置するウィンチエスターは、バ ギーやATVといったオフロード・ビークル(OHV)での走行 ができるため、アメリカ西海岸のクルマ好きから注目を集 めている。ローカルのようにバギーやATVを所有していなく ても、周辺にはレンタルできる会社が複数あるので、自らの 運転で砂丘ドライブを楽しむことができる。またドライバー 兼ガイド付きの乗車体験を提供する会社もあり、経験豊富 なガイドとともに砂丘地帯を探索することもできる。壮大な 砂丘と自然環境、多様なレクリエーションが揃うこの地は ぜひ訪れたい場所のひとつだ。

なおオレゴン・デューンズ・ナショナル・レクリエーション エリアは、1972年に連邦政府によって設立され、アメリカ 合衆国林野局によって管理されている。訪問する際には、 ルールを守り、環境保護にも配慮して楽しみたい。

Oregon Dunes National Recreation Area

Winchester Bay, OR 97467

https://www.fs.usda.gov/siuslaw/

Accommodations:

SCP Depoe Bay

Depoe Bay

SCP Depoe Bay

44°48'31.5"N 124°03'32.6"W

環境、癒し、そしてコミュニティを大切にした 美しいデポベイを望む個性派ホテル

SCPホテルは、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、コスタリカ、 そしてオレゴンで展開するホテルだ。SCPはSoul、Community、 Planetの頭文字から取られており、それぞれの言葉が持つ価値を 健康、優しさ、持続可能性と定義づけている。デポベイにあるSCP デポベイもその定義に基づき、持続可能な素材や地元で調達さ れた素材を各所に用い、客室内も植物由来のフォームマットレス と環境に優しい枕やシーツを採用している。全13室の客室はミニ マリストスタイルでデザインされており、部屋はパティオまたはバ ルコニー付きのクイーンルーム、ダブルルーム、ピースフルルー ム、ツインバンクルームの4タイプが用意されている。また1階にあ る"The Great Room"と呼ぶパブリックスペース/コワーキングス ペースでは美しいデポベイとオレゴン海岸を眺めながら、他の宿 泊客との交流やリラックスした時間を楽しむことができる。その奥 には瞑想、ストレッチ、ヨガ、フィットネスのためのトレーニングス タジオもある。無料のパーキングスペースに加え、無料で利用で きるランドリーもあり、このエリアでロードトリップを計画する人に とってベストといえる選択肢となるだろう。徒歩範囲(歩いて7分、 クルマなら2分)の距離に、海を眺めながら食事ができるシーフー ドレストランやブルワリーもあるのも魅力的である。

SCP Depoe Bay

235 Bayview Ave, Depoe Bay, OR 97341

https://scphotel.com/depoe-bay/

1811年に設立された海辺の小さな町 映画の舞台としても人気を集める

アストリアはオレゴン州北西部、コロンビア川が太平洋に合流する 場所に位置する人口1万人の小さな町。ロッキー山脈の西側で最も 古い町として知られ、1811年に設立されている。

かつて貿易と漁業で栄えたこの町は、今もなお豊かな歴史と文化 を感じさせる建物や名所が数多く残されている。例えば、フレイベル・ ハウスやグスタフス・ホームズ・ハウス、ピーター・L・チェリー・ハウ ス、アルバート・W・ファーガソン・ハウスといった19世紀に建てられ た美しい建築物が今も大切に保存されており、その多くは国家歴史 登録財に登録されている。また、アストリアの象徴的な建物であるア ストリア・コラムも1926年に建てられたもので、高さ38mの塔の頂上 からはコロンビア川と太平洋のパノラマを一望できる。

そんな歴史を感じるアストリアの町並みは、多くの人が一度は見た ことのある風景であるはずだ。なぜならアストリアはハリウッド映画の ロケ地としても有名で、「グーニーズ」、「キンダガートン・コップ」、「フ リー・ウィリー」などの撮影が行われた場所だからだ。町を散策すれ ば、映画で観たままの景色や風景に出会うことができるだろう。

海辺の町であるアストリアは美食家にも人気のスポットだ。地元 漁師が営むシーフード店舗サウス・ベイ・ワイルド・フィッシュ・ハウス や、100年以上5世代にわたって営業を続ける老舗スモークハウスで あるジョセフソンズ・スモークハウスなど、地元産のシーフードを楽し めるレストランが人気を集めている。さらに、小さな漁船を改装して 営業するボウピッカー・フィッシュ&チップスは、新鮮なマグロのフラ イを提供するフィッシュ&チップス店として連日長い行列を作ってい る。またシーフードだけでなく、アストリアはクラフトビールの町として も有名だ。ブイ・ビアー・カンパニー、フォート・ジョージ・ブルワリー、 アストリア・ブルーイング、オベリスク・ビアーなど、地元のブルワリー を巡りながら、アストリアのクラフトビールカルチャーに触れてみるの もおすすめだ。

アストリアには、多くの魅力が詰まっており、訪れる価値が十分に ある場所だ。ポートランドからは約2時間のドライブでアクセスできる ため、日帰りのロードトリップにも最適。さらにアストリアは、美しいビ ーチやハイキングコースがあるフォート・スティーブンス州立公園へ のアクセスも容易であり、砂浜に残る難破船ピーター・アイアーデー ル号の遺跡は人気フォトスポットのひとつになっているので、こちら もあわせて足を運んでみるとよいだろう。

Guide:

オレゴン州で撮影された映画に焦点 を当てた博物館。1914年に建てられ 1976年までクラム郡刑務所として使 われていたこの建物は、映画「グー ニーズ」の冒頭シーンに登場する。館 内ではグーニーズで使用された小道具 の展示や映画のワンシーンを再現した 独房の展示、映画制作を体験できるイ ンタラクティブ展示などがある。また 映画にまつわるグッズなどを扱うギフ トショップなどもある。

Oregon Film Museum 732 Duane St, Astoria, OR 97103 https://astoriamuseums.org/explore/oregon-film-museum/

Astoria-Megler Bridge US-101, Astoria, OR 97103

ピア39はアストリア最大かつ最古の 桟橋。漁業や海運業が盛んだった時代 の雰囲気を今も残し、桟橋には1875 年に設立されたアストリアで最も古い 缶詰工場の歴史を伝えるハンソーン缶 詰工場博物館もある。そのほかレスト ランやショップ、カフェ、ギャラリー などもあり観光スポットになってい る。桟橋からは海鳥やアシカなどの野 生動物を観察することもできる。板張 りの桟橋の先に無料の駐車場あり。

アストリア・メグラー・ブリッジは、 オレゴン州とワシントン州を繋ぐコ ロンビア川にかかるアメリカ最長の連 続トラス橋。フェリーに代わる交通 手段として1966年に開通した全長約 6545mのこの橋は、U.S.ルート101 号線の一部になっており1993年より 無料で渡ることができる。橋の上から はコロンビア川、太平洋、そしてアス トリアの町を一望。特にサンセットタ イムの眺望は抜群である。

コックスコムヒルの丘の上にそびえ立 つ高さ約38mの塔がアストリア・コ ラムだ。164段のらせん階段を上ると、 その頂上にある展望台からアストリア の町並みやコロンビア川、太平洋など 360度のパノラマビューが楽しめる。 塔の外壁にはアストリアの歴史を描い たヒストグラムが巻きつくように描か れている。1926年に建設された歴史 ある建造物でもある。塔の入場は無料 だが駐車料金として5ドルが必要。

The Astoria Column 1 Coxcomb Dr, Astoria, OR 97103 http://www.astoriacolumn.org/ アストリア・ウォーレントン地区商工会議所によ る観光情報サイト。大小さまざまなイベント情報 やホテルやレストラン情報を含むアストリアへの ロードトリップの旅程作りに参考になる情報やア イディアも豊富に掲載している。

Astoria-Warrenton Area Chamber of Commerce https://www.travelastoria.com/

Pier 39 Astoria
100 39th St, Astoria, OR 97103
ROAD TRIP: Oregon

Accommodations:

Atomic Motel

Astoria

Atomic Motel

46°11'25.8"N 123°50'45.2"W

ロードトリップ気分を盛り上げてくれる ミッドセンチュリーテイスト溢れるモーテル

アトミック・モーテルはミッドセンチューリーテイスト溢れる個 性的なロードサイドモーテル。ロードトリップ気分を盛り上げてく れるこのモーテルは、町のメイン通りとなるマリン通りに面し、ア ストリア・リバー・ウォークからわずか1ブロックという好立地にあ る。1962年に「ランプライター」として営業を始め、2016年にミッド センチュリースタイルのモーテルへと改装されたという。

全23室ある客室は各部屋ごとに異なるデザインになってお り、それぞれにヴィンテージポスターやミッドセンチュリーエイ ジのアンティーク家具が配備するというこだわりよう。もちろ ん、ミニ冷蔵庫、電子レンジ、ケーブルテレビなどを完備し、快 適さと実用性も兼ね備えている。また50~60年代風のヴィンテ ージ家具や装飾で演出されているロビーでは、コンチネンタル ブレックファスト(午前9時~午前11時)とスカンジナビア風ペ ストリーやコーヒー(終日)を無料で提供している。

隣接する敷地には1961年に創業したローカルに人気の老舗 ダイナーである「Pig 'N Pancake」があり、ミルクセーキやワッフ ル、フライドチキンなどアメリカンダイナーならではの食事を楽 しむことができる。モーテルでの宿泊、ダイナーでのディナー と、アメリカらしいロードトリップを堪能できる場所だ。

Atomic Motel

131 W Marine Dr, Astoria, OR 97103

https://atomicmotel.com/

RIVER VOLCANO COAST

ポートランドを起点に、コロンビア川 に沿って歴史的なオレゴン・トレイル を辿るロードトリップへ。フッドリバー で2泊すれば、さらに西への旅が可能 になり、ペンドルトンのミル・ツアー にも参加できる。3日目は博物館や果実 園を訪れ、フッドリバー周辺の美しい 風景を堪能しながらポートランドへと 戻るトータル477マイルの旅。

DAY1: 69 Miles

Portland

Vista House at Crown Point

Multnomah Falls

Bonneville Lock & Dam

Bridge of the Gods

Eastwind Drive-In

Hood River

ディナーはウォーターフロント・ パークにある地元ブルワリー、 pFriem Family Brewersがおすすめ

DAY2: 301 Miles

Hood River

Pendleton Woolen Mills

Hamley & Co. Western Store

Sunshine Mill Winery

Rowena Crest Viewpoint

Hood River

DAY3: 107 Miles

Hood River

Western Antique Aeroplane and Automobile Museum

Hood River Fruit Loop

Timberline Lodge

Jonsrud Viewpoint

Portland

セントラルオレゴンの火山地帯を中心 に大自然を堪能するロードトリップへ。 ポートランドからマウントフッド、ス ミス・ロック州立公園を経由しベンド へ。2日目はニューベリー火山国定公園 の火山地帯を訪れユージーンまでドラ イブ。3日目は美しいウィラメット川周 辺をドライブしながらポートランドへ。 トータル479マイルのロードトリップ。

DAY1: 174 Miles

Portland

Mt. Hood National Forest

Timberline Lodge

Smith Rock State Park

Pilot Butte State Scenic Viewpoint

Old Mill District

Bend

DAY2: 153 Miles

Bend

TRIP: Oregon エリアごと異なる魅力を持つオレゴン州は、さまざまなロー ドトリッププランが立てられる。そこでポートランドを拠点 として2泊3日でオレゴン州の魅力を体感できるプランを紹 介したい。この旅程の前後にポートランドでの滞在を加えれ ば、5泊の日程でもオレゴン州の旅を満喫できる。

美しいオレゴンの海岸を存分に堪能す るロードトリップへ。まずはユージー ンまで南下した後、U.S.ルート101号 線で海岸線を北上。デポベイで1泊し、 2日目はティラムックのチーズ工場やヘ イスタックロックを訪れ、アストリア に向かおう。3日目はグーニーズの聖地 での散策を楽しんだ後にポートランド へと戻るプラン。トータル456マイル。

DAY1: 232 Miles

Portland

Skinner Butte Park

Sea Lion Caves

Yaquina Bay Lighthouse

Depoe Bay

DAY2: 125 Miles

Depoe Bay

Tillamook Creamery

Neahkahnie Viewpoint

Newberry National Volcanic Monument

Cascade Lakes National Scenic Byway

Salt Creek Falls

Unity Covered Bridge

Eugene

DAY3: 152 Miles

Eugene

Hayward Field & The Duck Store

Willamette Heritage Center

Evergreen Aviation & Space Museum

Woodburn Premium Outlets

オレゴン州は消費税がないため、 アウトレットでは他州よりもさら にお得にショッピングが楽しめる

Portland

Haystack Rock

約5マイル南にあるHug Pointから 美しい景観を楽しむのもおすすめ

The Astoria Column

Astoria

DAY3: 99 Miles

Astoria

Oregon Film Museum

Flavel House Museum

世界的ヒット映画「グーニーズ」の 撮影地を巡るドライブが楽しめる

Columbia River Maritime Museum

Pier 39 Astoria

Portland

ROAD

豊かな自然と多様な文化が融合するポートランド ネイバーフッドの文化が町の個性を際立たせる

オレゴン州の北東、ウィラメット川とコロンビア川が合流する場所 に位置し、美しい自然と豊かな歴史、多様な文化が融合するポートラ ンド。ウィラメット川と町の中心を東西に走るバーンサイド通りを境界 線として大きく6つの地区にわけられるこの町は、それぞれの地区の中 に個性豊かなネイバーフッドの文化が存在することで知られている。

ノース・イーストエリアにはショップ、ギャラリー、レストラン、バーが ひしめき合うアルバータ・ストリートやフードカートやレストランが集 まりローカルを惹きつけるミシシッピ・アベニューなどがあり、ノース・ ウエストエリアに目を向ければ、自然保護区として全米最大級となる フォレスト・パークや、洗練されたブティックやレストラン、ビクトリア 調の家が並ぶノブヒル、倉庫街の面影を残しながらトレンディでおし ゃれなエリアへと変貌を遂げたパール・ディストリクトなどがある。ま たサウス・ウエストはこの町の長い歴史を守りながらもブードゥ・ドー ナッツやスタンプタウン・コーヒー・ロースターなど最新トレンドを生 み出すオールドタウンがあり、サウスイースト&セントラルイーストに 足を運べば倉庫の壁面をキャンバスにした無数のストリートアートや

カルチャー感に溢れる古着店やレコード店が並ぶホーソーン・ディス トリクトなどがある。このようにエリアごとに異なる個性があり、ここに 集う人々がネイバーフッドの文化をつくり上げている。

ポートランドはグルメの町としても有名だ。オレゴン各地から届く 地元の食材を使用したレストランやカフェが多く、ファーム・トゥ・テー ブル(地産地消)という言葉が広く使われるようになる前から、この地 ではその食文化が根付いている。また地元のシェフが腕を振るうフー ドカートの文化は特筆すべきもので、市内では600台を超えるフード カートが営業しており、アジア料理から地中海料理、南米料理まで、 世界各国の料理を手軽な価格で提供している。さらにクラフトビール の聖地、サードウェーブコーヒーの聖地としても広く知られているこ とも付け加えておこう。町なかにはオレゴン州ならではのクラフトビ ールを存分に楽しむことができる複数のブルワリーや彼らが経営す るレストランがある。またコーヒーを単なる嗜好品ではなくアートのレ ベルにまで引き上げたサードウェーブコーヒーのムーブメントを牽引 する世界的に評価されるコーヒーショップも数多く存在する。

ポートランドは、実に多彩な魅力を持つ町である。それゆえに、その 魅力は駆け足の観光ではわかりにくい部分もある。オレゴン州に出か けたら、ポートランドに数日滞在し、ローカルのようにじっくり楽しん でみる。そうすることでこの町の真の面白さが見えてくるはずだ。

City Guide: Portland Neighborhoods Alive with Cultural Fusion

ウィラメット川には大小12もの橋が 架かり、ポートランドは「橋の町」と も呼ばれている。なかでもスチール・ ブリッジは、世界的にも珍しい二層 構造の垂直昇開橋で、上層は自動車/ MAXライトレール/歩行者、下層は アムトラック/貨物/歩行者&自転車 が通行できるようになっている。1912 年に完成した歴史的な橋だが今なお現 役であり、船の通過時には、橋が昇降 する様子を間近で見ることができる。

OR 97212

約6300m2の広さを誇る世界最大の独 立系新古書店。店内はジャンルごと9 つに色分けされ、新刊書籍から絶版本、 希少本まで、豊富な在庫のなかからお 目当ての一冊を探せるようになってい る。広大な売り場を巡るために店内 マップも用意しているのも面白い。書 籍だけでなく、オリジナルのグッズや 地元アーティストの作品も販売されて おり、ロゴ入りTシャツやトートバッ グはお土産としても人気のアイテム。

Powell's City of Books 1005 W Burnside St, Portland, OR 97209 https://www.powells.com/

ブードゥ・ドーナツは2003年のオー プン直後から人気を集め、今なお行列 が絶えないドーナツ店だ。他では見ら れない創造的でカラフルなドーナツが 揃っており、なかでもメープルバーに ベーコンがトッピングされた「ベーコ ン・メイプル・バー」は大人気。また 店舗ではTシャツ、帽子、マグカップ など 、オリジナルグッズも販売され ている。ポートランドには2店舗あり 深夜3時まで営業している。

Voodoo Doughnut - Old Town 22 SW 3rd Ave, Portland, OR 97204 https://www.voodoodoughnut.com/

2014年にポートランドの文化、精神、 スタイルを象徴するアパレルとアクセ サリーを通し、地元コミュニティをサ ポートするというミッションを掲げ設 立されたポートランド・ギア。ポート ランドへの愛情を表現した Tシャツ、 スウェットシャツ、フーディー、キャッ プなど、日常使いに適したカジュアル なアパレルを提供している。ポートラ ンドを訪れた記念として、またお土産 にもぴったりのアイテムが揃う。

Portland Gear 403 SW 10th Ave, Portland, OR 97205 http://portlandgear.com/ ポートランド観光局公式サイトは、最新情報やシ ティガイド、また各地域の文化や歴史などを日本語 でも発信。初めて行く日本人観光客に向けたポート ランドへのアクセス情報やホテル情報なども充実し ており、渡航前にぜひチェックしておきたい。

Travel Portland

https://www.travelportland.com/ja/

Steel Bridge N Steel Bridge, Portland,
ROAD TRIP: Oregon

オールド・タウンはポートランド市内 で最も古い地区。行列の絶えないドー ナツショップのブードゥ・ドーナツ、 サードウェーブコーヒーのパイオニ アであるスタンプタウン・コーヒー・ ロースターなど、トレンドを生み出す ショップも多くあり、注目を集めてい る。またウィラメット川のリバーサイ ドでは3月初旬からクリスマスイブの 週末まで、ポートランド・サタデー・ マーケットも開催されている。

Stumptown Coffee Roasters at Old Town 128 SW 3rd Ave, Portland, OR 97204 https://www.stumptowncoffee.com/

自然豊かなノース・ウエストにある ノブ・ヒルは、ビクトリア様式の家 が並ぶ閑静な高級住宅街。洗練された ブティックやアワード受賞歴のあるレ ストランなどが並ぶノース・ウェスト 23rdストリートを訪れれば、他の地 区とは異なる優雅な雰囲気を楽しむこ とができる。この地を訪れたら、常に 行列を作るアルチザン・アイスクリー ムの人気ショップ、ソルト&ストロー にもぜひ足を運んでみよう。

Salt & Straw at NW 23rd Ave. 838 NW 23rd Ave, Portland, OR 97210 https://www.saltandstraw.com/

サウス・イーストにあるホーソン・ ディストリクトは流行に敏感な人が多 く集まるエリアである。なかでもホー ソン・ブルバードには古着店やレコー ドショップ、アンティークショップな どが集まり若い人たちに人気。ここに はフードカートのカートピア・フー ド・カートがあり連日賑わいを見せて いる。またフードカートから一躍人気 店となったサンドウィッチ店フライド エッグ・アイム・イン・ラブもある。

Fried Egg I'm In Love at Hawthorne Blvd. 3549 SE Hawthorne Blvd, Portland, OR 97214 http://www.friedegglove.com/

ノース・イーストは近年最も活気のあ るエリアとして知られており、なかで もセントラルシティに近いミシシッ ピ・アベニュー沿いには、アパレルや 小物を扱うショップのほか、ライブハ ウスやDIYショップ、レストランや ブルワリーなどが並び、人気を集めて いる。本格的なピザとクラフトカクテ ル、そしてライブミュージックが楽し めるミシシッピ・ピザ&アトランティ ス・ラウンジも要チェック。

The Mississippi Pizza Pub & Atlantis Lounge at Mississippi Ave. 3552 N Mississippi Ave, Portland, OR 97227 http://www.mississippipizza.com/

Street Art at Central East Portland セントラル・イーストはポートラン ドのストリートアートの中心地とし て注目を集めている。地域の歴史や多 様性を表現した数々のアートは国内外 のアーティストの手によって新陳代謝 を繰り返し、訪れる度に驚きと発見を 与えてくれる。東西では2ndアヴェ ニューから10thアベニューまで、南 北ではホーソン・ブルーバードからパ イン・ストリートまで、広範囲にわたっ て無数のアート作品が点在しているた め、クルマで巡るとストリートアート 探索がより一層楽しめるはずだ。

地元新聞「オレゴニアン」の創始者で ありポートランドの新聞王と呼ばれた ヘンリー・ルイス・ピトックとその妻 ジョージアナのためにウエストヒルの 上に1914年に建設されたフランス・ ルネッサンス様式の住宅。23の部屋 を持つ大邸宅は一般公開されており、 美しい建築デザインと豪華なインテリ アを見ることができる。入場料は大人 15.50ドル、6~18歳は11.50ドル、6 歳未満は無料となっている。

Pittock Mansion

3229 NW Pittock Dr, Portland, OR 97210 http://pittockmansion.org/

ピトック・エーカー・パークはピトック・マンションに隣接する公園で、約19ヘ クタールの広さを持つ公園。多様な植物や花が植えられており、四季折々の自然 の美しさを楽しむことができる。公園内には複数のハイキングコースが整備され ており、なかでもワイルドウッド・トレイルは人気のコース。また展望エリアか らはポートランド市街やウィラメット川、さらにその奥には美しいマウントフッ ドを眺めることができる。公園自体の入場は無料で、開園時間は午前6時から午 後9時となる。なお駐車場は毎日午前9時30分から午後8時まで(休日を含む) となり、料金は1時間2ドルで1日最大8ドル。休日は満車時も多いので要注意。

Pittock Acres Park 3229 NW Pittock Dr, Portland, OR 97210 https://www.portland.gov/parks/pittock-acres-park/

ROAD TRIP: Oregon

From Street to Feast: Portland’s Food Cart Wonderland

Food Cart

世界各国の料理を気軽に楽しめる ポートランド独自のフードカート文化

ポートランドは多文化の町であると同時に、多彩な食文化があること でも知られている。この町にはアメリカ料理だけでなく、アジア(日本、中 国、韓国、タイなど各地のアジア料理がある)、中東、中南米、欧州など、 世界各国/各地域の料理を提供するレストランが多数あり、多くの料理 人が地産地消の精神でオレゴン州各地から届く新鮮な野菜や果物、 肉、魚介類を使ったメニューでもてなしている。

そんなポートランドの多彩な食文化を語るうえで、欠かせないのがフ ードカート文化である。フードカートは移動式の屋台のことで、地元コミ ュニティの拠点として、またこの地を訪れる観光客にも人気のアトラク ションになっている。この町には実に600を超えるフードカートがあり、そ のそれぞれが手頃な価格で個性溢れる、こだわりがつまった世界各国 の料理を提供しているのだ。

Prost! Marketplace

4233 N Mississippi Ave, Portland, OR 97212

CARTOPIA FOOD CARTS

1207 SE Hawthorne Blvd, Portland, OR 97214

Hawthorne Asylum Food Cart Pod SE 10th Ave & 1080 SE Madison St, Portland, OR 97214

フードカートはポートランド各エリアに存在するが、なかでもホーソ ン・ディストリクトにあるカートピア・フードカートは2008年のオープン 以来フードカート人気を牽引している。またホーソン・アシュリム・フー ドカート・ポットはエジプト料理や南アフリカ南部の料理など珍しい料 理を楽しめるとあって注目を集めている。そしてミシシッピ・ディストリ クトにあるプロスト・マーケットプレイスでは、美味しいBBQやインド料 理、メキシコ料理を提供するフードカートがあり、連日多くのローカル& 観光客で賑わいをみせている。ポートランドを訪れたら、ローカルの 一員となって、さまざまなフードカートで 世界の味を楽しんでみよう。

Accommodations: Embassy Suites by Hilton Portland Downtown

Portland

Embassy Suites by Hilton

Portland Downtown

45°31'18.8"N 122°40'27.0"W

ラグジュアリーで優雅な時間を体験できる ダウンタウンを代表するヒストリカルホテル

ダウンタウンにあるエンバシー・スイート・バイ・ヒルトン・ ポートランド・ダウンタウンは100年以上の歴史を持つ歴史 的建築での宿泊体験を提供するホテル。国家歴史登録財に も登録されるこのホテルは1912年に実業家フィリップ・ゲバ ーツによって「マルトノマ・ホテル」としてオープンした。新古 典主義とルネッサンス リバイバル建築の要素を備えた多階 建ての建築で、当時入手可能な最高の建築資材のみを使用 し、豪華なアメニティも備えていた。過去にはチャールズ・リン ドバーグやエルヴィス・プレスリーといった著名人、そしてセ オドア・ルーズベルトからリチャード・ニクソンまで9人のアメ リカ大統領がこのホテルに宿泊した。1965年から30年間は政 府施設として使用されていたが、1995年にヒルトングループ によるリニューアルが行われ、2年間の大改修を経て現在の 姿となった。現在はラグジュアリーで歴史的な建築とモダン な設備を融合させたスイートやエグゼクティブルームを中心 とした276の客室をもつホテルとなっており、フィットネスセン ターや室内プールも完備。また1階には女性シェフによる手作 りの料理を提供するレストラン「マザーズビストロ」もある。

Embassy Suites by Hilton Portland Downtown 319 SW Pine St, Portland, OR 97204 https://www.hilton.com/en/hotels/pdxpses-embassy-suitesportland-downtown/

海外でレンタカーを借り、運転を楽しむ場合、 日本国内でレンタカーを借りるのとはいくつか 異なる点がある。海外でのロードトリップを前 に知っておきたいポイントを紹介しておこう。

利用条件

まずはレンタカー利用国の最低利用年齢制限 ※1を満たしていること。アメリカでは20歳もし くは21歳以上でなければレンタカーを借りる ことができない(ニューヨーク州、ミシガン州は 18歳以上)。また運転免許取得後1年以上で、 レンタカーの利用時点で有効な日本の免許証 および国際免許証を所持していること。さらに レンタカーの運転者名義の国際クレジットカ ード(利用限度額に到達していないもの)を所 持していることなどが利用条件になる。

※1 アメリカ(ハワイ)では主要レンタカー会社ともに 25歳以下のヤングドライバーに追加料金がかかる。ま たヤングドライバーは借りられる車種に制約がある場 合がある。

国際免許証

国際免許証とは、日本が加盟しているジュネ ーブ条約に基づき、各都道府県の公安委員会 が発行する免許証で、条約加盟国がそれぞれ の国で発行された免許証を認め合うというも のである。海外で運転をする際は、日本の運転 免許証を携行したうえで、国際免許証もしくは 運転免許証の翻訳が必要になる※2。なお国際 免許証の有効期限は、発行された日から1年 間となっている。

※2 ハワイ・グアム・サイパンは日本の免許証でレンタ カーの利用が可能。

海外レンタカーを利用するための基礎知識

(1) 国内で有効な運転免許証 (2) 写真一枚(5×4cm) (3) パスポート (4) 手数料

※3 発行から1年を経過している場合、渡航中に有効期限 を迎える場合などにより、新しい国際免許を発行する場合 は、古い国外運転免許証の返納が必要。免許停止処分を 受ける方や停止中の方は、手続できない。

国際免許証の申請 翻訳フォーム

国際免許証は各都道府県の警察署の運転 免許課、運転免許センターおよび運転免許試 験場にて以下のものを揃えて申請する。警察 署で申請する場合は、約1~2週間必要となる が、運転免許センターや運転免許試験場であ れば即日発行が可能※3。

多くの国では日本の免許証と国際免許証の両 方を持っていくことが基本となるが、米国内で は日本の免許証と翻訳フォームを携帯してい れば国際免許証の代わりになる※4。

※4 ジョージア州では国際運転免許証が必要。

【翻訳フォームの取得方法】

各レンタカー会社のホームページから申し込 み用紙をダウンロードし、免許証のコピーとと もに郵送すると、数日で翻訳フォームが返送さ れる。レンタカー会社によってはオンラインで 即日発行してくれるところもある。料金は無料 ~2000円程度、有効期間は90日となる。

レンタカー予約

海外レンタカーは旅行代理店からも手配・予 約可能だが、大手レンタカー会社では日本語 での予約ができるサイトを開設している。

Hertz(ハーツ) https://www.hertz-japan.com dollar.(ダラー) https://www.dollar.co.jp

Alamo (アラモ) https://www.alamo.jp

保険の契約

レンタカーを借りる場合は、契約時に保険 の内容をしっかりと確認しておくことが大切 だ。カリフォルニア州の場合、自動車損害賠 償保険(対人・対物保険)であるLP(Liability

Protection)がレンタル契約に自動的に付帯す るが、追加自動車損害賠償保険LIS(Liability Insurance Supplement )の追加契約をすれば より安心だ。車両をぶつけてしまった場合など にその損害額の支払いを免除する車両損害 補償制度LDW(Loss Damage Waiver)も加入 しておくとさらなる安心を手に入れられる。こ のほかにもさまざまな保険や制度が各レンタ カー会社で用意されているが、どれを選べばよ いのかわからない、手続きが不安であるといっ た場合は、パッケージプランにも注目したい。 これは手厚い保険/充実の特約/制度に加入 しながら個別に契約するよりも割安の料金と なるプランだ。

カーナビゲーション

アメリカでのロードトリップにカーナビゲーシ ョンは必要不可欠だ。最新のレンタカーでは Apple CarPlay等に対応している車両が増えて きており、スマートフォンの地図アプリ(Google Mapなど)をモニターに表示させることができ る。本書記載のQRコードを使いGoogle Mapに ピンを保存しておけば現地での行き先設定が とても簡単だ。もちろんスマートフォンが日本 語の設定ならば日本語での音声案内をしてく れるので言語の不安も解消するはずだ。

有料道路

アメリカのフリーウェイは基本的に無料だが、 都市部などでは有料道路や一部有料区間が ある道路も増えてきている。料金の支払は、道 路上にあるゲートで払える場所と、そうでない 場所がある。旅先やレンタカー会社によって対 応が異なるため、レンタカーを借りる際に、有 料道路の支払いに関するサービスやオプショ ンについて契約するレンタカー会社に確認し ておきたい。

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