L I F E
|
H O P E
|
P E AC E
THE FORM LOVE TAKES
愛 カタチ
示された
の
驚くべき そして終わる
赦し 082
026
034
闇
|
R E D E M P T I O N
そこで暗闇の中にうずくまっていた人たちは、
大きな光を見た。 死の陰の地に座っていた彼らの上に、
光が差した。 *
マタイの福音書 4:15-16
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う に 福 音 を 伝 えていけ る の か ぜ ひ
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各ページの*印が付いた部分は 旧約聖書からの引用箇所です。 P03 イザヤ書 9:1-2 P11 創世記 1:3 P19 申命記 6:4-5 P24 イザヤ書 7:14
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この雑誌は無料配布のための非売品です。
CONTENTS 8 光
18 唯一の神
24 神は私たちと共にいる
30 救い
38 関係
46 ヨハネの福音書
82 応答
84 NewLife アプリ
6 |
LIGHT
LIGHT キ
リスト教を探求するということは、
暗闇から 光へ れてくれたのです!
あ る 一 人 の 人 との 関 係 を 深 め る と
続いて、この光が唯一の光であると書か
いうことです。イエス・キリストは人々に
れています。世の中では多くのものを神と
「ルールを守れば救われる」とは言わず、
して崇めていますが、本当の神は「唯一」
ただ「私のところに来なさい」(マタイの
です。私たちを救う神の計画は、神ご自身
福音書11:28)と招かれました。そして、
が一人の女性から男の子として生まれ、こ
聖書はどのように私たちが神との関係を持
の世界にやって来るというものでした。こ
てるようになったかを語っています。
の素晴らしい真理のおかげで、私たちは神
それは、神がどれだけあなたを愛してい
が遠い存在ではなく、実に私たちと「共に
るかを示すためです。私たちは神と永遠に
いる神」だとわかるのです。クリスチャン
一緒にいたくても、そのために完璧な生き
は毎年クリスマスにこの世界に来てくれた
方をすることは不可能です。しかし、その
神、イエス・キリストをお祝いします。
完璧な人生を神自らがこの地上で送られま
今から読む物語では、この素晴らしい神
した。想像できますか? 神の独り子のイエ
がどうやって私たちを「罪から贖ってくれた
ス・キリストがまさに私たちのためにその
か」が語られます。私たちは罪の奴隷だっ
ように生きてくれたのです。
たにもかかわらず、神が代価を払って私た
今あなたが手にしているこの雑誌は聖書
ちを奴隷状態から解放してくれました。神
の一部を使ってイエス・キリストの物語を
は私たち(あなたを!)を愛しておられ、 「ご
語ります。一般的な物語のように始まりま
自分との関係を回復」してほしいからこそ
すが、他とは違うエンディングが待ってい
代価を支払ってくれたのです。神は決して
ます。実を言えば、この物語に終わりはな
遠くない存在です。傍らにいてあなたの苦
いのです。
しみを知り、神が私たちの父親だというこ
まず最初に、イエス・キリストが「光」
とを知ってほしいと願っています。
としてこの暗闇の世界に来られたことが書
でもそれで終わりではありません。神が
かれています。人間は神の前で正しく生き
父親だと知った人は、他の人にも紹介した
る必要がありますが、良識ある生き方だけ
いと思います。この物語の続きでは、あな
で事足りるわけではありません。人間は自
たと私がメッセンジャーとなって、世の光
ら正しく生きることができないので、光で
として来られた神を「他の人たちに伝えて
あるイエス・キリストが私たちのもとを訪
いく」のです。
この後のページでは旧約聖書と新約聖書から選ばれたみ言葉を紹介していきます。聖書全体は、 アンドロイド、iPhoneなどで無料ダウンロードできます。 ぜひ www.newlife.bibleから今すぐNewLifeアプリをダウンロードしてください。
8
| ライト
暗がりを歩いていた人たちは
大きな光を見ます。 それは、死の陰の地に住んでいた者を
照らす光です。 イザヤ書 9 : 2
ライト
|
9
10
| ライト
後に、
ほんとうの光 である方が来て、
全世界の人々を 照らしてくださったのです。 ヨハネの福音書 1: 9
*
「闇の中に光が輝け」 と言われた神様が、私たちに、
イエス・キリストの御顔に 輝いている、 神の栄光の輝きを 理解させてくださったからです。 コリント人への手紙Ⅱ 4: 6
ライト
|
11
そのあとで、イエスは人々に お話しになりました。
「わたしは 世の光です。
わたしに従って来れば、 暗闇でつまずくことは ありません。 いのちの光が、 あなたがたの進む道を
明るく照らすからです。」 ヨハネの福音書 8: 12
12
| ライト
ライト
|
13
14
| ライト
もはや太陽や月の光はいらない。
あなたの神である わたしが、
あなたの 永遠の光、 あなたの栄光
となるからだ。
あなたの太陽は永久に沈まず、その月は 欠けない。わたしが永遠の光となり、 悲しみの日は終わるからだ。
イザヤ書 60 :19-20
神は光であられ、
そのうちには少しも 暗い部分がありません。 ヨハネの手紙Ⅰ1: 5
ライト
|
15
わたしは主である。わたしのほかに神はいない……
すべての人々に、 わたしのほかに神はいないことを知らせる。
16
| ライト
わたしは光を 呼び、闇を招き、 時代を良くも悪くもする。 わたしは、これらのことをするものである。 イザヤ書 45 : 5-7 ライト
|
17
『イスラエルよ、聞け。
主なる神こそ、 ただひとりの神です。
18
| ライト
心を尽くし、 たましいを尽くし、 思いを尽くし、 力を尽くして、 あなたの主を * 愛しなさい。』 これが最も重要な 戒めです。 マルコの福音書 12:29-30
ライト
|
19
また、私たちの主は
ただ一人であり、信仰も一つであり、 バプテスマ (洗礼) も一つです。
そして、私たちすべての上に立ち、すべての中に宿り、 各器官である私たちを貫いて生きておられる、 神であり父である方は一つです。エペソ人への手紙 4 : 5-6
20
| ライト
ある人は、偉大な神々は天にも地にも 数多くいると考えています。
しかし私たちは、
父なる神ただおひとりである ことを知っているのです。 この神様が万物を創造し、人間をご自分のものとして造られたのです。 また私たちは、ただ一人の主、イエス・キリストがおられることを 知っています。この方がすべてのものを造り、 コリント人への手紙Ⅰ 8:5-6 私たちにいのちを与えてくださるのです。
ライト
|
21
額を寄せて相談し、偶像礼拝に どんなご利益があるか、 証拠を出してみるがいい…… わたしのほかに、 ほんとうの神はいない。
すべての人々よ、 わたしだけが神なのだから、 わたしを仰ぎ見て 救われなさい。 イザヤ書 45 : 21-22 22
| ライト
その真理とはこうです。 神と人間とは、それぞれ別の岸に立っています。
そして、人となられた キリスト・イエスがその間に立ち、
ご自分のいのちを全人類の ために差し出すことによって、
両者の橋渡をされたのです。
これこそ、時が至って、神が私たちに示された テモテへの手紙Ⅰ 2 : 5 教えにほかなりません。
ライト
|
23
しかし、定めの時が来ると、
神様は自分のひとり子を、 一人の女から生まれさせ、
ユダヤ人として律法の下にお遣わしになりました。 ガラテヤ人への手紙 4 : 4
このことはみな、神が預言者(神に託されたことばを語る人)を 通して語られた、次のことばが実現するためです。 『見よ。処女がみごもって、男の子を産む。 その子はインマヌエル
〔神が私たちと共におられる〕 と呼ばれる。』 マタイの福音書 1 : 22-23 *
24
| ライト
実に神は、ひとり子をさえ惜しまず 与えるほどに、
この世界を 愛してくださいました。 それは、
神の御子を信じる者が、
だれ一人滅びず、永遠のいのちを得るためです。 神がご自分の御子を世にお遣わしになったのは、
世をさばくためではなく、 世を救うためです。 ヨハネの福音書 3:16-17
ライト
|
25
キリストは人間となり、この地上で私たちと共に生活なさいました。
26
| ライト
彼は恵みと真実のお方でした。 私たちは、この方の栄光を 目のあたりにしました。
それは 天の父である神の、 ひとり子としての 栄光でした。 ヨハネの福音書 1 : 14
ライト
|
27
キリストは、 目には見えない神の かたちであり、 神がすべてのものを お造りになる前から おられました。
28
| ライト
キリストは、目には見えない神のかたちであり、 神がすべてのものをお造りになる前からおられました。 事実、キリストはすべてのものの創造者なのです。 天にあるものも地にあるものも、 目に見えるものも見えないものも、霊の世界の 王座も主権も支配も権威もすべて、 この方がご自身の目的と栄光のために造られたのです。 キリストは他のすべてのものに先立って存在し、 すべてのものは、キリストによって成り立っています。 コロサイ人への手紙 1 : 15-17 ライト
|
29
律法を知っているだけでは、 罪の支配からは救い出されません。 私たちはそれを守ることもできないし、 実際守ってもいないからです。
ところが、 神は私たちを救うために、 別の計画を実行に 移されました。 すなわち、神のひとり子を、私たちと同じ体を持つ者として 〔ただ、私たちのような罪の性質を持たない点では異なりますが〕 世にお遣わしになったのです。
そして彼を、私たちの罪のためのいけにえとして、 私たちをがんじがらめにする罪の支配を 打ち破られたのです。
ローマ人への手紙 8 : 3
かえって、その偉大な力と栄光を捨てて奴隷の姿をとり、
人間と同じになられました。 そればかりか、さらに自分を低くし、
犯罪人と同じようになって 十字架上で死なれたのです。 ピリピ人への手紙 2:7-8 30
| ライト
ライト
|
31
そこでは、国籍、人種、教育、 社会的地位の違いなどは
全く問題ではありません。 大切なのは、
キリストをしっかり つかんでいるか どうかです。 そして、キリストを自分のものにする機会は、 だれにも平等に与えられているのです。 コロサイ人への手紙 3:11
32
| ライト
あなたがたは、 キリストが代価を払って買い取ってくださった身であり、 キリストのものなのです。ですから、こうしたこの世の誇りや恐れの コリント人への手紙Ⅰ 7 : 23 すべてから自由になりなさい。 ライト
|
33
ただ一度、
しかも、
血を携えて至聖所に入り、それを「恵みの座」にふりかけました。 それはやぎや子牛の血ではなく、ご自分の血でした。
キリストは自らそうすることによって、
私たちの永遠の救いとなる 贖い(身代わりによって罪を赦し、救い出すこと)
を成し遂げられたのです。 ヘブル人への手紙
34
| ライト
9 : 12
古い大祭司は、神の前に出る時、 まず自分の罪をきよめるために、そして人々の罪のために毎日、 動物のいけにえの血をささげる必要がありました。
しかしキリストには、その必要が全くありません。 なぜなら、主ご自身が十字架にかかって ご自分をいけにえとしてささげ、
ただその一度の行為で、 すべてを成し遂げてしまわれたからです。
ヘブル人への手紙 7 : 27
ライト
|
35
キリストの十字架の血によって、 天と地のすべてのものが神のもとに行く道を 開いてくださいました。 神の子キリストが十字架の上で死なれたことにより、 すべてのものが、
神との平和な関係を 持つに至ったのです。コロサイ人への手紙
36
| ライト
1 : 20
神の愛は、そのひとり子の血を流し、 私たちの罪を帳消しにしてくださるほど大きいのです。
この愛によって 私たちは救われました。
神は私たちに豊かな恵みをあふれるほど注ぎ、私たちをよく 理解し、何が最善であるかを考えた上、キリストを遣わすという エペソ人への手紙 1 : 7-9 ご計画を知らせてくださいました。
ライト
|
37
申命記 4 : 7
呼べば必ずそばに いてくださる、 私たちの主の ような神を
信じている国はほかにはありません。
しかし、私たちがまだ罪人であった時、 神はキリストを遣わしてくださいました。 そのキリストが私たちのために 死なれたことにより、神は私たちに 大きな愛を示してくださったのです。 ローマ人への手紙 5 : 8
38
| ライト
ライト
|
39
主は
心の砕かれた人の そばにおられ、
謙虚に罪を悔いる人を 助け出されます。
40
| ライト
正しいからといって、すべての 苦難を免れるわけではありません。
しかし、主は正しい人を あらゆる苦しみから 救い出し、正しい人の骨は 一本も折られることがありません。 詩篇 34 : 18-20
ライト
|
41
42
| ライト
わたしの民よ。
わたしは永遠の 愛をもっておまえを 愛してきた。 あわれみの綱で
おまえを引き寄せ てきた。 エレミヤ書 31 : 3
ライト
|
43
私たちが神を愛する ことができるのは、 神がまず私たちを 愛してくださった からなのです。 ヨハネの手紙Ⅰ 4 : 19
44
| ライト
ライト
|
45
JOHN
『ヨハネの 福音書』 について
イ
エス・キリストの紹介だと思ってください。ヨ
ました。「人々の使命とイエスの使命」。この二つは
ハネは自分がイエスと過ごした日々に経験し
同じです。イエスの使命とはこの世に来て人々を救
たことを書き、人々がそれを読んでイエスが神の子
うことでした。それは私たちを愛しているからです。
だと信じるのを助けたいと願いました。イエスの人
ヨハネの福音書をじっくり読んでみてください。イ
生を記した 4 つの福音書の中で、最も多くイエスの
エスがどのように人々と話したか考えてみましょう。
言葉を記録しているのがヨハネの福音書です。
彼が自分自身について何と言っているのかも考えて
この福音書を読む時、あなたはそこで神と出会
みましょう。
い、神が今でもあなたに語りかけていることを知る
重要なのは、ただ読むだけでなく、よく考えるこ
でしょう。神はあなたにご自分の声を聞いてほしい
とです。立ち止まって考え、読んだ内容について神
と願っておられます。
に質問してみてください。
ヨハネの願いはこれを読んだ人がみな、イエス
そうです。確かにイエスはただルールを守ってほ
と向き合うことでした。あなたは本や歌などを通し
しいのではなく、実際に来て出会ってほしいと願って
てイエスについて聞いたことがあるかもしれません
います。ヨハネの福音書はイエスの紹介であり、彼
が、これから読むページを通してイエスに出会うで
を知るための招待状でもあります。
しょう。イエスはたびたび二つの使命について語り ヨハネの福音書は新約聖書の一部です。新約聖書は初代教会に向けて書かれ、長い時間をかけて神の霊感によっ て完成された書物です。聖書全体は、アンドロイド、iPhone などで無料ダウンロードできます。 ぜひ www.newlife.bible から今すぐ NewLife アプリをダウンロードしてください。
ヨハネの福音書 1: 5
そのいのちは暗闇の中で さんぜんと輝いていて、 どんな暗闇もこの光を消すことはできません。
1 1
10
ところが、世界を造った方が来
られる方は、私よりはるかに偉大
られたというのに、だれもこの方
な方だ。私が生まれるずっと前か
キリストこそほんとうの光
に気づきませんでした。
らおられたからだ』と言ってきた
1-2
11-12
ご自
のは、まさにこの方のことです。」
まだこの世界に何もない時か
分の国に来ながら、ご自分の民に
ら、キリストは神と共におられま
受け入れられなかったのです。こ
した。キリストは、いつの時代に
の方を心から喜び迎えたのは、ほ
りません。私たちはみな、次から
も生きておられます。キリストは
んのわずかな人たちだけでした
次へと、あふれるばかりに恵み
神だからです。 このキリストが、
が、受け入れた人はみな、この方
をいただきました。 モーセはき
すべてのものをお造りになりまし
から神の子どもとなる特権をいた
びしい命令と戒めとを与えました
た。そうでないものは一つもあ
だきました。それにはただ、この
が、イエス・キリストはその上に、
りません。 キリストには永遠の
方が救ってくださると信じればよ
愛に満ちた赦しの道を備えてくだ
いのちがあります。全人類に光を
かったのです。 信じる人はだれ
さった ので す。 いま だ かつて、
与えるいのちです。 そのいのち
でも、新しく生まれ変わります。
実際に神を見た人はいません。し
は暗闇の中でさんぜんと輝いてい
それは、人間の熱意や計画による
かし、神のひとり子だけは別です。
て、どんな暗闇もこの光を消すこ
ものではありません。神がそう望
御子は父なる神といつもいっしょ
とはできません。
まれたからです。
ですから、神について知っている
3
4
5
6-7
イエス・キリストこそほんと
13
14
キリストは人間となり、この地
16
この方の恵みは尽きることがあ
17
18
ことを教えてくださいました。
うの光です。このことを証言させ
上で私たちと共に生活なさいまし
るために、神はバプテスマのヨハ
た。彼は恵みと真実のお方でし
ネをお遣わしになりました。 ヨ
た。私たちは、この方の栄光を目
ハネ自身は光ではなく、ただその
のあたりにしました。それは天の
サレムから、祭司とその助手たち
光を指し示す証人にすぎません。
父である神の、ひとり子としての
とをバプテスマのヨハネのもとへ
後に、ほんとうの光である方が
栄光でした。 バプテスマのヨハ
派遣し、「あなたはキリスト(ギ
来て、全世界の人々を照らしてく
ネは、人々にキリストを紹介しま
リシャ語で、救い主)なのか」と
ださったのです。
した。「私が今まで、『まもなく来
問いたださせました。 ヨハネは、
8
9
15
バプテスマのヨハネの証言 19
ユダヤ人の指導者たちは、エル
20
48
ヨハネの福音書
ライト 30
37
「私はキリストではない」と、きっ
す。 私 が、『 ま も なく、 私 より
す」と言いました。 これを聞い
21
ぱり否定しました。 「では、いっ
はるかに偉大な方がおいでにな
た弟子は二人とも、急いでイエス
たいだれか。エリヤか。」「いや、
る。私よりずっと前からおられる
のあとを追いかけました。 その
違う。」「すると、あの預言者か。 」
方だ』と話していたのは、この方
足音にイエスはふり向き、二人を
22
31
38
「いや。」 「では、いったい何者
のことだったのです。 最初、私
見てお尋ねになりました。「何か
か。はっきりしてくれ。私たちは
もこの方がキリストであるとはわ
ご用ですか。」「先生。今、どちら
帰って報告しなければならないの
かりませんでした。しかし、私が
にお泊まりですか。」 「いっしょ
23
39
だ。あなたはだれなのか。」 「私
ここで水のバプテスマを授けてい
に来なさい。すぐにわかります。」
は、イザヤが預言した、あの荒野
るのは、まさにこの方を、イスラ
こう言われて二人は、イエスの泊
から聞こえる叫び声です。『主を
エルの人々に紹介するためだった
まっておられる所までついて行き
迎える準備をせよ』(イザヤ 40・
のです。」 ヨハネはさらに続け
ました。午後四時ごろのことでし
3) と 叫 ぶ 声、 そ れ が 私 で す。」
ました。「確かに、聖霊が鳩のよ
た。その日二人は、それからずっ
パリサイ人(特に律法を守る
うに天から下り、この方の上にと
とイエスといっしょにいました。
ことに熱心なユダヤ教の一派)か
どまられるのを見ました。 それ
ら派遣された人たちは、なおもヨ
までは私も、この方がキリストだ
ハネに問いました。「キリストで
とはわかりませんでした。しかし、
れからアンデレはシモンを捜し出
も、エリヤでも、あの預言者でも
バプテスマを授けさせるために私
し、 「とうとうメシヤ(ヘブル語で、
24-25
32
33
40
二人のうち一人は、シモン・ペ 41
テロの兄弟アンデレでした。 そ
ないのなら、いったいどんな資格
を遣わす時、神がこう言われたの
救い主)にお会いしたよ」と言い
でバプテスマ(洗礼)を授けてい
です。 『もし、聖霊がだれかに下り、
ました。 そして、彼をイエスの
42
ところへ連れて行きました。イエ
ご自分の国に来ながら、ご自分の民に受け入れられ なかったのです。この方を心から喜び迎えたのは、 ほんのわずかな人たちだけでしたが、
スはシモンをじっと見つめ、「あ なたはヨハネの子シモンですね。 これからは、ペテロ(岩)と呼び
受け入れた人はみな、この方から 神の子どもとなる特権をいただきました。
ましょう」と言われました。
それにはただ、この方が救ってくださると信じれば よかったのです。 ヨハネの福音書 1:11-12
を見つけ、「さあ、ついて来なさ
26
るのか。」 ヨハネは答えました。
43
その翌日、イエスはガリラヤ
へ出発されました。途中、ピリポ 44
い」と言われました。 ピリポは アンデレやペテロと同郷で、ベツ
その上にとどまるのを見たら、そ
45
サイダの出身でした。 ピリポは
「私はただ、水でバプテスマを授
の方こそ、あなたの捜し求めてい
ナタナエルを捜しに行き、会うな
けているだけです。しかし、ここ
る方、聖霊のバプテスマをお授け
り言いました。「私たちはメシヤ
にいる人々の中には、あなたがた
になる方である。』 そのとおり
にお会いした。モーセや預言者
のまだ知らない方がおられます。
のことが、この方に起こりました。
たちが言った、あのお方のことだ
まもなく、あなたがたの間で働
しっかりこの目で見たのです。こ
よ。ナザレ出身のイエスという方
きを始められるでしょう。私には
の方は神の子にまちがいありま
で、ヨセフという人の息子さんだ
その方のしもべとなる資格もない
せん。」
そうだ。」 「ナザレだって!」ナ
27
28
34
のです。」 このことがあったのは、 ヨハネがバプテスマを授けていた ヨルダン川の東岸にある、ベタニ ヤ村でのことです。 29
46
タナエルはびっくりしました。 「あ
イエス、弟子を集める 35
ん な 所 か ら、 すぐれ た 人 物 な ど
その翌日、ヨハネは二人の弟
出るはずがない。」しかしピリポ
子といっしょに立っていました。
は、「とにかく来て、自分の目で
36
目を上げると、イエスが歩いて
確かめたらいいだろう」と言いま
られるのを見て、言いました。「ご
おられるではありませんか。その
した。 ナタナエルも行ってみる
ら ん な さ い。この 方こそ、 世 の
姿をじっと見つめながら、ヨハネ
気になりました。イエスは歩いて
人々の罪を取り除く神の小羊で
は、「ごらんなさい。神の小羊で
来るナタナエルの姿に目をとめ
その翌日、ヨハネはイエスが来
47
ヨハネの福音書
ライト
49
ておっしゃいました。「この人こ
は言われるままに持って行きまし
き弟子たちは、「神の家を思う熱
そ生粋のイスラエル人です。正直
た。 宴会の世話役が試しに一口
心が、わたしを焼き尽くす」(詩
で、うそがありません。」 「どう
味わってみると、おいしいぶどう
篇 69・9)という、聖書の預言
して、おわかりなのですか。」ナ
酒です。「こんな上等の酒を、いっ
を思い出したのです。
タナエルは聞き返しました。 「わ
たいどこから出してきたんだろ
たしは、ピリポがあなたに会う前
う」と首をかしげました。もちろ
48
9
18
おさまらないユダヤ人の指導者
たちは、かんかんになって言いま
に、あなたがいちじくの木の下に
ん手伝いの者たちは何もかも知っ
した。「いったい何の権利があっ
いるのを見ましたよ。」 「先生。
ていました。そこで、世話役は花
てこの人たちを追い出すのか。そ
あなたは神の子、イスラエルの王
婿を呼び出して、 言いました。 「こ
んな権威を神から与えられている
です。」 「そう信じるのは、あな
れは極上のぶどう酒じゃないです
のだったら、その証拠に奇跡を見
たがいちじくの木の下にいるのを
か。あなたはすばらしい方だ。た
せてもらおう。」 イエスはお答
見たと、わたしが言ったからです
いていどこの家でも初めに良いぶ
えになりました。「わかりました。
か。それよりもはるかにすばらし
どう酒を出し、酔いがまわって味
この神殿をこわしなさい。三日で
い証拠があります。 天が開けて、
がわからなくなると、安物でごま
建て直してみせましょう。」 「な
天使たちがメシヤのわたしの上を
かすものです。ところがあなたは、
んということを! この神殿は建
行き来するのを、やがて、あなた
2
一番上等なものを、最後まで取っ
てるのに四十六年もかかったの
がたは見るのです。」
ておかれたのですから。」 この
だ。それを三日で建てると言うの
49
50
51
2
水をぶどう酒に変える 1
それから三日目に、ガリラヤの
カナという村で結婚式があり、イ エスの母マリヤが客として出席し 2
10
11
19
20
ガリラヤのカナでの奇跡は、イエ
か。」ユダヤ人たちはあきれ返り
スが神の力を公に示された最初の
ました。 しかし、イエスが「こ
ものでした。これを見て弟子たち
の神殿」と言われたのは、ご自
は、イエスを正真正銘のメシヤと
分の体のことだったのです。 イ
信じたのです。
エスが復活されたあとで、弟子た
12
その結婚式のあと、イエスは、
21
22
ちはこの時のことを思い出しまし
ていました。 イエスと弟子たち
母や兄弟、弟子たちといっしょに
た。そして、イエスがご自分のこ
も招待されていました。 ところ
カペナウムへ行き、数日間、滞在
とを聖書のことばを引用して話さ
が、祝宴の最中だというのに、ぶ
されました。
れたのであり、そのとおりになっ
3
たことを知ったのです。
どう酒が切れてしまったのです。 マリヤは、そのことをイエスに知 4
らせました。 イエスは、「今はか
エルサレム神殿をきよめる 13
23
過越の祭りの時、イエスがエル
ユダヤ人の過越の祭り(パン種
サレムで奇跡を行われたので、多
かわりがないことです、お母さん。
を入れないパンを食べる、年に一
くの人が、「この方は確かにメシ
まだ、その時ではありません」と、
度のユダヤ人の祭り)が近づき、
ヤだ」と信じるようになりまし
お答えになりました。 マリヤは
イエスはエルサレムへ行かれまし
た。
手伝いの者たちに、「この人の言
た。 宮の境内には、供え物用の
う人々を信用されたわけではあり
5
14
24-25
しかしイエスは、そうい
うとおりにしてください」と言い
牛や羊、鳩を売る商人たちと、座っ
ません。人間がどれほど変わりや
ました。 さて、そこには石の水
て両替をしている人たちがいまし
すいものかを知り尽くしておられ
がめが六つありました。ユダヤ教
た。 それを見て、イエスはなわ
たからです。
の儀式に使う水がめで、それぞれ
でむちを作り、商売人たちをみな
八十リットルから百二十リットル
追い出し、鳩や羊や牛を追い散ら
3
ぐらい入るものです。 イエスは
し始めました。次々に両替人の台
新しいいのちが与えられる
手伝いの者たちに、「さあ、縁ま
をひっくり返したので、お金があ
でいっぱい水を入れなさい」と指
たり一面に散らばりました。 イ
こと、パリサイ人で、ニコデモと いう名のユダヤ人の指導者がイエ
6
7
15
16
示なさいました。彼らがそのとお
エスは鳩を売る者たちに、「それ
りにすると、 「では、それを汲んで、
を持って出て行きなさい。父の家
婚宴の世話役のところへ持って行
を金もうけの場所にしてはいけま
き な さ い 」 と 言 わ れま す。 彼 ら
せん」と言われました。 そのと
8
17
3 1-2
とっぷり日も暮れたある夜の
スに会いに来ました。「先生。だ れも、あなたが神から遣わされ た教師であることを知っておりま
50
ヨハネの福音書
ライト 11
す。あなたのなさる奇跡を見れば
か。 わたしは知っていること、
わかることです。」 「そうですか。
見たことだけを話しているので
滅びず、永遠のいのちを得るため
でもよく言っておきますが、あな
す。それなのに、あなたがたは信
です。 神がご自分の御子を世に
3
12
の御子を信じる者が、だれ一人 17
たはもう一度生まれ直さなけれ
じてくれません。 わたしが話し
お遣わしになったのは、世をさば
ば、絶対に神の国に入れません。」
ているのは、人間の世界で現に起
くためではなく、世を救うためで
ニコデモは、思わず言いました。
こっていることなのです。それも
す。 この神の子を信じる者は、
4
18
「ええっ、もう一度生まれるので
信じられないくらいなら、天で起
永遠の滅びを免れます。しかし信
すか。いったい、どういうことで
こることなど話したところで、と
じない者は、神のひとり子を信じ
すか。年をとった人間が母親の胎
ても信じられないでしょう。 メ
なかったので、すでにさばかれて
内に戻って、もう一度生まれるこ
シヤのわたしだけが、この地上に
いるのです。 そのさばきに会っ
となどできるわけがありません。」
下って来て、また天に帰るのです。
たのは、天からの光が世に来てい
「よく言っておきますが、だれで
モーセが荒野で、青銅で作った
るのに、行いが悪く、光よりも闇
5
13
14
19
20
を愛したからです。 彼らは天か
も水と御霊によって生まれなけれ 6
ば、神の国には入れません。 人
神がご自分の御子を 世にお遣わしに なったのは、世を さばくためではなく、 世を救うためです。 ヨハネの福音書 3:17
間からは人間のいのちが生まれる だけです。けれども御霊は、天か らの、全く新しいいのちを下さる 7
のです。 もう一度生まれなけれ ばならないといって、驚くことは 8
ありません。 風は音が聞こえる
らの光をきらい、罪が暴露され るのを恐れて、光のほうに来よう 21
としません。 しかし正しいこと を行っている人は、喜んで光のほ うに来ます。神の望まれることを 行っていることが、はっきりわか るためです。
22
だけで、どこから吹いて来て、ど
その後、イエスと弟子たちはエ
こへ行くのかわかりません。御霊
蛇をさおの先に掲げたように(民
ルサレムを去り、しばらくユダヤ
も同じことです。次はだれにこの
数 21・9)、わたしも木の上に上
に滞在し、バプテスマ(洗礼)を
天からのいのちが与えられるか、
げられなければなりません。 わ
授けていました。
わからないのです。」「それはいっ
たしを信じる人がみな、永遠のい
たい、どういうことですか?」「あ
のちを持つためです。」
9
10
なたはみなに尊敬されているユダ
15
16
実に神は、ひとり子をさえ惜し
ヤ人の教師ではありませんか。こ
まず与えるほどに、この世界を愛
のようなこともわからないのです
してくださいました。それは、神
実に神は、ひとり子をさえ 惜しまず与えるほどに、 この世界を愛してくださいました。 それは、神の御子を信じる者が、 だれ一人滅びず、永遠のいのちを 得るためです。
ヨハネの福音書 3:16
バプテスマのヨハネと イエスの役割 23-24
そのころまだ、バプテスマの
ヨハネは投獄されておらず、サリ
ヨハネの福音書
ライト 36
51
ムに近いアイノンでバプテスマを
の方にお与えになりました。 こ
授けていました。そこは水が豊富
の方は神の御子なのです。この方
にあったからです。
に救っていただけると信じる者は
物を買いに行っており、ほかには
ある日、ヨハネの弟子たちと一
だれでも、永遠のいのちを得ます。
だれもいませんでした。 女はびっ
25
さい」と声をおかけになりました。 8
そのとき弟子たちは、村に食べ 9
人のユダヤ人の間で、ヨハネのバ
しかし、この方に従わない者は、
くりして言いました。「まあ、あな
プテスマとイエスのバプテスマの
天国を見ることができないばかり
たはユダヤ人ではありませんか。
どちらがすぐれているかで議論に
4
26
なりました。 弟子たちは、ヨハ
か、神の怒りがその人の上にとど
サマリヤ人の私に、どうして水を
まるのです。」
くれなどと頼むのですか。」当時、
した。 「先生。ヨルダン川の向こ
4
う岸でお会いした、あなたがメシ
サマリヤ人の女
ネのところに来てぐちをこぼしま
ヤだとおっしゃったあの方も、バ
1
ユダヤ人はサマリヤ人を見下し、 口をきこうとさえしなかったので 10
す。 「もし、神があなたにどん
さて、イエスのもとにはぞくぞ
なにすばらしい贈り物を用意して
プテスマを授けておられるそうで
くと人々が詰めかけました。バプ
おられるか、また、わたしがだれ
す。みんなこちらには来ないで、
テスマ(洗礼)を受けて弟子になっ
なのかを知っていれば、あなたの
た者の数はヨハネよりも多いとい
ほうから、いのちの水を下さいと
ううわさが、パリサイ人たちの耳
願ったでしょう。」 「そんなこと
どんどんあの方のほうへ行ってし 27
まいます。」 ヨハネは答えました。
11
に入りました。イエスはこのこと
言っても、あなたは水を汲むおけ
れの役割を決めてくださいます。
を知ると、 ――もっとも、実際
も綱も持っていないのですよ。こ
私の役目は、だれもがあの方の
にバプテスマを授けていたのはイ
の井戸はとても深いのです。その
ところへ行けるように道を備える
エス自身ではなく、弟子たちでし
いのちの水を、いったいどこから
ことです。私はキリストではない
たが―― ユダヤを去り、またガ
汲むのですか。 あなたは、私た
と、はっきり言ったはずです。あ
リラヤ地方へ行かれました。 そ
ちの先祖ヤコブ様よりも偉いと言
の方のために道を備えるために、
の途中で、どうしてもサマリヤを
うのですか。ヤコブ様はこの井戸
私はここにいるのです。 一番魅
通らなければなりませんでした。
を私たちにくれました。ヤコブ様
「天の神様が、一人一人にそれぞ 28
29
2
3
4
5-6
12
サマリヤのスカルという村にさ
も、その子孫も家畜もみんな、こ
は当然で、花嫁は花婿のもとへ行
しかかったのは、ちょうど正午ご
の井戸の水を喜んで飲んだので
き、花婿の友達は花婿といっしょ
ろでした。そこに、昔ヤコブが息
す。これより良い水をくれると言
に喜びます。私は花婿の友達だか
子ヨセフに与えた土地があり、ヤ
うのですか。」 イエスは言われ
力を感じるものに人々が集まるの
13
ら、花婿の喜ぶ声を聞くと、うれ
コブの井戸がありました。日がか
ました。「この水を飲んでも、す
しくてたまらないのです。 あの
んかんに照りつける長い道のりを
ぐにまた、のどが渇きます。 け
方はますます偉大になり、私はま
歩いて来られたイエスは疲れて、
れども、わたしがあげる水を飲
すます力を失います。
井戸のそばに腰をおろしました。
めば、絶対に渇くことはありませ
ま も な くサ マ リ ヤ 人 の 女 が 一
ん。わたしがあげる水は、それを
ほかのだれよりも偉大なお方で
人、水を汲みに来ました。イエス
飲む人のうちで永久にかれない
す。地から出た者は、地上のこと
は、「すみませんが、水を一杯下
泉となり、いつまでもその人を永
30
31
あの方は天から来られた方で、
32
7
14
しかわかりません。 あの方は、 見たこと聞いたことをあかしされ ますが、それを信じる人はなんと 33
少ないことでしょう。 そのあか しを信じれば、神が真理の源であ 34
ることがわかります。 神から遣 わされたあの方は、神のことばを お話しになります。神の御霊が無 35
限に注がれているからです。 父 なる神はこの方を愛し、万物をこ
父なる神はこの方を愛し、万物をこの方にお与えに なりました。 この方は神の御子なのです。 この方に救っていただけると信じる者はだれでも、 永遠のいのちを得ます。しかし、この方に従わない 者は、天国を見ることができないばかりか、 神の怒りがその人の上にとどまるのです。 ヨハネの福音書 3:35-36
ヨハネの福音書
ライト
52
15
30
遠のいのちで潤すのです。」 「先
ら、正しい礼拝をするには、聖霊
いないよ。」 この誘いに村人た
生。そのような水があるなら、私
の助けが必要です。神はそのよう
ちは、イエスに会おうと、ぞくぞ
に下さい。そうすればのども渇か
な礼拝をしてほしいのです。あな
くと押しかけました。
ないし、毎日こんな遠くまで歩い
たがたサマリヤ人は、神のことは
て、水汲みに来なくてすむもの。」
ほとんど何も知らないで礼拝して
「帰って、夫を連れて来なさい。」
いますが、私たちユダヤ人はよく
めましたが、 イエスは、「いや、
「……。私、結婚なんかして
知っています。救いはユダヤ人を
けっこうです。わたしには、あな
16
17-18
31
そのころ、弟子たちはイエスに、
「 先 生。 どう ぞ お 食 事 を 」 と 勧 32
通してこの世に来るのですから。」
たがたの知らない食べ物があるの
「私は、キリストと呼ばれるメ
です」と言われました。 弟子た
しょに暮らしている男は、確かに
シヤがおいでになることだけは
ちはけげんそうに、「だれかが食
夫ではありません。」 「先生。あ
知っています。その方がおいでに
べ物を持って来たんだろうか」と
なたは預言者でしょう。 だった
なれば、いっさいのことを説明し
口々に言いました。 そこでイエ
ら教えてください。ユダヤ人は、
てくださるのでしょう。」 「わた
スは説明なさいました。「いいで
礼拝の場所はエルサレムだけだと
しがそのメシヤです。」
すか、わたしの言う食べ物とは、
いません。」「そうですね。あなた は五回も結婚したけれど、今いっ 19
20
言いはるし、サマリヤ人は、私
25
26
27
33
34
ちょうどその時、 弟子たちが戻っ
わたしを遣わされた神のお心にか
たちの先祖が礼拝したこのゲリジ
て来ました。驚いたことに、イエ
なうことをし、神の仕事をやり遂
ム山だと言っています。どうして
スが女と話しておられるではあり
げることなのです。 あなたがた
なのですか?」
21-24
35
ませんか。しかし、どうしてなの
は、『刈り入れはまだ四か月も先
父なる神を礼拝する場所は、この
か、何を話しているのか尋ねた者
のこと、夏も終わりにならなけれ
山か、それともエルサレムかなど
はいませんでした。 女は水がめ
ば始まらない』と思っているよう
と、こだわる必要のない時が来ま
を井戸のそばに置いたまま村に帰
ですね。だが、回りをよく見なさ
す。大切なのは、どこで礼拝する
り、会う人ごとに話しかけました。
い。人のたましいの畑は広々と一
かではありません。どのように礼
「ねえ、来て、会ってごらんよ。
「いいですか。
28
29
面に実り、刈り入れを待つばかり 36
拝するかです。霊的な、真心から
私のしてきたことを、何もかも言
です。 やがて、刈り入れをする
の礼拝をしているかどうかが問題
い当てた方がいらっしゃるの。あ
人たちはたくさんの報酬をもら
なのです。神は霊なるお方ですか
の方こそキリスト(救い主)に違
い、永遠のいのちに入るたましい を天の倉に納めます。その時、種
けれども、わたしがあげる水を飲めば、
絶対に渇くことはありません。
わたしがあげる水は、それを飲む人の うちで永久にかれない泉となり、 いつまでもその人を 永遠のいのちで潤すのです。
をまいた者も、刈り入れをした 者も共々に、大いに喜ぶのです。 37
『一人が種をまき、ほかの人が
刈り入れる』ということわざのと 38
おりにです。 あなたがたが自分 で種まきをしなかった畑に、わた しはあなたがたを遣わしました。 ほかの人々が苦労して育てたもの を、あなたがたが刈り入れるので す。」 39
スカルの村から押しかけたサマ
リヤ人の多くは、例の女が、「あ の方は、私のしてきたことを何も かも言い当てた」と言うのを聞 いて、イエスをメシヤと信じまし 40
ヨハネの福音書 4:14
た。 彼らは井戸のところに来て イエスにお会いすると、村に滞在 してくださいと頼みました。そこ
JO
JOHN 5:24
ヨハネの福音書
ライト
53
5
でイエスは、二日間滞在しました。
生。お願いです。子どもが死なな
治ったからです。 その中に、三
41
50
そ の 間 に、 さ らに 多くの 人 が
いうちにおいでください。」 「さ
十八年間も病気で苦しんでいる男
イエスのことばを聞いて信じまし
あ、家にお帰りなさい。お子さ
がいました。 イエスはこの男を
た。 人々は女に、 「もう私たちは、
んは治りました。」役人は、イエ
ごらんになり、彼が長い間どんな
あなたが話してくれたことを聞い
スのことばを信じ、家へ急ぎまし
に苦しんできたかを知って、 「よく
たから信じているのではない。こ
た。 途中、 召使たちが迎えに来て、
42
の方が言われることを、じかに聞
51
「ご子息は、すっかりよくなりま 52
6
なりたいですか」とお尋ねになり 7
ました。 「もう、あきらめてい
いたからだ。この方こそ、ほんと
した」と知らせました。 「えっ、
るんです。せっかく水が動いても、
うに世の救い主だ」と言いました。
いつからだ。」「昨日の午後一時ご
だれも池に入れてはくれないんだ
さて、その二日後、イエスはス
ろでしょうか、急に熱が下がりま
から。何とかして行こうとしてい
カルの村を去り、ガリラヤへ行か
した。」 それはイエスが、「お子
る間に、いつでもほかの人が先
れました。 イエスは常々、 「預
さんは治りました」と言われた時
に入ってしまうのです。」 「さあ、
言者は、故郷では尊敬されないも
刻とぴったり一致していました。
立って、床をたたんで家に帰りな
のです」と言っておられました。
このことがあって、役人と彼の家
さい。」 イエスがこう言われると、
の者全員が、イエスをメシヤと信
たちまち男は治って、すぐに床を
じました。
たたんで歩きだしたのです。
43
44
45
ところが、どうでしょう。ガリ
ラヤの人たちは、大喜びでイエス
53
54
8
9
これは、イエスがユダヤから来
ところがこの奇跡が行われたの
この人たちは過越の祭りの時にエ
てガリラヤで行われた、第二の奇
が安息日(神の定めた休息日)だっ
ルサレムにいて、イエスのなさっ
跡です。
たので、 ユダヤ人の指導者たち
を迎えたのです。それもそのはず、
10
はひどく腹を立て、その男を責め
たことを全部見ていたからです。
ました。「安息日に労働するとは
人々は女に、「もう私たちは、あなたが話してくれた ことを聞いたから信じているのではない。この方が 言われることを、じかに聞いたからだ。この方こそ、 ほんとうに世の救い主だ」と言いました。 ヨハネの福音書 4:42
けしからん。床を上げて運んだり 11
するのは違反だ!」 「でも、私 を治してくださった方が、そうし 12
ろとおっしゃったんです。」 「そ んなことを言ったのはだれだ!」
さで聞き、役人はカナまでやって
5
は、屋根つきの五つの廊下があ
から。」 男はユダヤ人の指導者
来ました。そしてイエスにお会い
ります。 そこに、足の不自由な
たちを捜し出し、治してくれたの
すると、「息子が今にも死にそう
人、盲人、手足のまひした人など、
はイエスだと告げました。 ユダ
です。どうぞカペナウムへおいで
大ぜいの病人が横たわっていまし
ヤ人の指導者たちは、イエスを安
になって、治してやってください」
た。この人たちは、水面が揺れ動
息日の違反者だとして、しつこく
と熱心に頼みました。 イエスは
くのを待っていたのです。 とい
攻撃を始めました。 ところが、
言われました。「わたしがもっと
うのは、時たま天使が降りて来て
イエスはお答えになりました。 「わ
多くの奇跡を行わなければ、信じ
水をかき回すことがあり、そのと
たしの父は、絶えず良い働きをし
ようとしないのですか。」 「先
き最初に池に入った人は、病気が
ておられます。わたしはその模範
役人の息子を治す 46
ガリラヤ旅行の途中、イエスは
カナの村に行かれました。以前、 水をぶどう酒に変えた所です。さ て、カペナウムの町に、重病の息 子をかかえた政府の役人がいまし 47
た。 イエスがユダヤを出てガリ ラヤを旅行中だということをうわ
48
49
も、だれだかわかりません。イエ
5
スはすでに、人ごみに姿を消して
聖書はイエスを指し示す 1
13
彼らは問い詰めましたが、 男に
14
おられたからです。 しばらくし て、イエスは宮でその男を見つけ、
その後、ユダヤ人の祭りがあっ
声をおかけになりました。「どう
たので、イエスはエルサレムに戻
ですか、すっかりよくなったでしょ
2
られました。 エルサレム市内に
う。もう前のように罪を犯しては
は、羊の門の近くにベテスダと
いけませんよ。そうでないと、もっ
いう池がありました。池の回りに
とひどい目に会うかもしれません
3
4
15
16
17
ヨハネの福音書 5:24 よく言っておきます。 わたしの言うことを聞き、わたしを 遣わされた神を信じる人にはだれでも、 永遠のいのちがあります。 罪のために罰せられることは 絶対にありません。
すでに死からいのちに 移っているのです。
18
にならっているのです。」 これを 聞いたユダヤ人の指導者たちは、 ますます、イエスを殺そうと思う ようになりました。イエスが安息 日のおきてを破ったばかりか、事 もあろうに神を「父」と呼んで、 自分を神と等しい者としたからで す。 19
イエスはお答えになりました。
「よく言っておきます。子は自分 からは何もできません。ただ父が しておられることを見て、同じよ 20
うにするだけです。 父は子を愛 して、自分のすることは何でも子 に教えてくださるのです。神の子 は、病気を治すということなどと は比べものにならない驚くべき 21
奇跡を行います。 父が死人を生 き返らせるように、子も、思うま まに人を死人の中から生き返ら 22
せもするのです。 父は、罪のさ ばきをいっさい子に任せておられ 23
ます。 すべての者が父を敬うよ うに、子をも敬うためです。だか ら、父なる神がお遣わしになった 神の子を敬わないのは、父を敬わ 24
ないのに等しいのです。 よく言っ ておきます。わたしの言うことを 聞き、わたしを遣わされた神を 信じる人にはだれでも、永遠のい のちがあります。罪のために罰せ られることは絶対にありません。 すで に 死 か ら い の ち に 移ってい 25
るのです。 はっきり告げましょ う。死人が神の子であるわたしの 声を聞く時が、もうすぐ来ます。 いや、もう来ているのです。そし 26
て、聞いた者は生きます。 父が ご自分のいのちを、子にも与えて 27
くださったからです。 また、全 人類の罪をさばく権威も下さいま した。それもみな、子がメシヤだ 28
からです。 驚いてはいけません。 墓の中の死人がみな、神の子の声 29
を聞く時が来ます。 その時、彼
ヨハネの福音書 らは復活します。良いことをして
ライト
55
ヨハネの福音書 6:18-21
きた者は永遠のいのちをいただく ために、悪いことをし続けてきた 者はさばきを受けるためにです。 30
しかしわたしは、父と相談もせ
ずにさばいたりはしません。ただ 言われるとおりにさばくだけで す。ですから、わたしのさばきは
弟子たちはあまりの恐ろしさに、
絶対に公平で正しいのです。自分
ただ震え上がるばかりです。イエスが、
の考えだけによらず、わたしを遣
「こわがることはありません」と
わされた神の意思に従ってさばく 31
からです。 わたしが自分につい
声をおかけになると、やっと気を取り直し、
て証言しても、だれも信じないで
うれしそうにイエスを舟にお乗せしました。
32
しょう。 しかし、わたしのこと を証言してくださる方がほかにお ら れま す。 そ の 方 の 証 言 はま ち 33
がいなく真実です。 あなたがた は、バプテスマのヨハネの教えを
たりはなさいませんが、わたしの
じられないのもむりはありませ
聞こうとわざわざ出かけて行きま
ことを証言しておられます。 と
ん。互いにほめ合ったり、ほめら
した。確かに、ヨハネがわたしに
ころが、あなたがたは父のことば
れたりすることは喜んでも、ただ
ついて証言したことはほんとうの
を聞こうともしません。神のこと
一人の神からほめていただくこと
ことです。 しかし、わたしにつ
づけを伝えるために遣わされたわ
には関心がないのですから。 し
いての最高の証言は、人間による
たしを信じないのですから。
かし、このことであなたがたを父
34
証言ではありません。ただ、ヨハ
38
39
45
あなたがたは、永遠のいのちを
に訴えるのはわたしではありませ
ネが証言していたことを思い出せ
見つけようと熱心に聖書を調べて
ん。それはモーセです。あなたが
ば、あなたがたもわたしを信じて
います。その聖書がわたしを指し
たはモーセの律法にひたすら天国
救われるかもしれないと願って、
示しているのです。 それなのに
への望みをかけていますが、律法
ヨ ハ ネ のこと を 話してい る ので
あなたがたは、わたしのところに
を与えた当のモーセがあなたがた
す。 ヨハネはしばらくの間、ひ
来ようとはしません。だから永遠
を訴えるのです。 それもみな、
ときわ明るく輝き、あなたがたも
のいのちを受けることができない
あなたがたがほんとうはモーセ
それを喜びました。 しかしわた
のです。
あなたがたがわたし
を信じていないからです。なぜな
しには、ヨハネの証言よりも、もっ
を認めなくてもかまいません。あ
ら、モーセはわたしのことを書い
とすぐれた証言があります。それ
なたがたのうちには神の愛がな
たのです。そのモーセを信じない
は、わたしの行う奇跡です。これ
いのですから。 わたしは父の代
なら、わたしをも信じないのです。
らの奇跡は、父がわたしに託され
理として来たのに、あなたがたは
たもので、父がわたしをお遣わし
喜んで迎えてはくれません。それ
から、わたしのことばを信じない
になったという動かぬ証拠なので
どころか、自分の権威で来るほか
のも不思議はありません。」
す。 また、父ご自身は直接あな
の者は、手をたたいて迎えるので
たがたに姿を現したり、語りかけ
す。 もっとも、あなたがたが信
35
36
37
40
41-42
43
44
わたしが、そのいのちのパンなのです。わたしのと ころに来る人は、二度と飢えることがありません。 わたしを信じる人は、決して渇くことがありません。 ヨハネの福音書 6:35
46
47
モーセの書を信じないくらいだ
6
6
天からのパンであるイエス 1
その後、イエスはテベリヤ湖と
も呼ばれるガリラヤ湖の向こう岸 2-5
に行かれました。
大ぜいの群
衆が、どこまでもあとについて行 きました。イエスが病人を治され
56
ヨハネの福音書
ライト
るのを見たからです。人々の多く
出し、ただ一人、山に登って行か
は、過越の祭りのため、エルサレ
れました。
ムへ行く途中でした。イエスが丘
16
れてはいけません。それよりも、 永遠のいのちを手に入れる努力を
その日の夕方、弟子たちは湖 17
しなさい。それこそ、メシヤ(救
に登り、弟子たちといっしょに腰
の岸辺に降りて行きました。 も
い主)のわたしが与えるものです。
をおろされると、大ぜいの群衆
う暗くなったのに、イエスはまだ
そのために、父なる神はわたしを
も追いかけるように、あとからあ
戻られません。そこで舟に乗り込
お遣わしになったのです。」 「神
とから丘に登って来ます。その様
み、カペナウムに向けて湖を渡り
様に満足していただくには、どう
子をながめながら、イエスはピリ
始めました。
ところが、しば
したらいいのでしょうか。」 「神
ポにお尋ねになりました。「ピリ
らくこいで行くうちに風が出てき
が遣わされた者を信じることで
ポ。この人たち全員に食べさせる
ました。風はびゅうびゅう吹きま
す。それが、神の望んでおられる
には、どこからパンを買って来た
くり、湖も荒れ始めました。それ
こ とで す。」
らいいでしょうか。」 もっとも、
もひどくなる一方です。四、五キ
ヤなら、その証拠に、もっといろ
これはピリポを試しただけで、ど
ロほどもこぎ出したでしょうか。
いろな奇跡を見せてください。毎
うするかはもう決めておられたの
ふと見ると、イエスがむこうから、
日ただでパンを下さるとか……。
です。 ピリポは、「こんなにたく
湖の上を歩いて舟のほうに来られ
ちょうど先祖たちが荒野を旅した
さんの人では、とても費用が足
ます。弟子たちはあまりの恐ろし
りません」と答えました。 シモ
さに、ただ震え上がるばかりです。
『モーセは天からのパンを彼らに
イエスが、「こわがることはあ
与えた』と聖書には書いてありま
6
7
8
ン・ペテロの兄弟アンデレが口を 9
18-19
20
28
29
30-31
「 あ な た がメ シ
時、毎日パンを与えられたように。
32
りません」と声をおかけになる
す。」 「そのパンを与えたのは、
が、大麦のパンを五つと魚を二匹
と、 やっと気を取り直し、うれ
モーセではありません。わたしの
持っています。でも、こんなに大
しそうにイエスを舟にお乗せしま
父です。そして今、父はあなたが
ぜいでは、何の足しになるでしょ
した。舟はほどなく目ざす地に着
たに、天からのほんとうのパンを
う。」 イエスは、「さあ、みんな
きました。
下さるおつもりです。 ほんとう
はさみました。 「ここにいる子
10
を座らせなさい」とお命じになり
21
22
33
朝になりました。湖の反対側で
のパンとは、神から遣わされて天
ました。男だけでも五千人はいた
は、大ぜいの人がイエスに会おう
から来た一人の人のことです。そ
でしょうか。それが全員、草の生
と集まって来ました。昨日、イエ
の人が、世の人々にいのちを与え
えた斜面にどやどやと腰をおろし
スをあとに残し、弟子たちだけが
るのです。」 「先生。ぜひそのパ
ました。 そこでイエスはパンを
舟で出かけたことを知っていたか
ンを、私たちにも一生の間、いつ
取り、神に感謝の祈りをささげて
らです。 イエスが感謝の祈りを
も 下 さ い。」 「 わ たしが、 そ の いのちのパンなのです。わたしの
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23
34
35
から人々にお配りになりました。
ささげ、みんなでパンを食べた場
また魚も、同様になさいました。
所の近くに、テベリヤから数隻の
ところに来る人は、二度と飢える
みんなほしいだけ食べて、満腹し
小舟が来ていました。 しかし、
ことがありません。わたしを信じ
ました。 イエスは弟子たちに言
イエスも弟子たちもそこにはいな
る人は、決して渇くことがありま
われました。「さあ、少しもむだ
いとわかると、人々はその舟に乗
せん。 ところがあなたがたとき
にしないよう、パン切れを集めな
り込み、イエスを捜してカペナウ
たら、どうでしょう。前にも言っ
さい。」 残りを集めると、なん
ムまで行きました。 そしてイエ
たように、わたしを見ながら信じ
と十二のかごにいっぱいになりま
スを見つけると、さっそく、「先
ないのです。全く困った人たちで
した。 それを見た人々は、どん
生。いったいどうやってここまで
す。 けれども、父がわたしに与
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37
なにすばらしい奇跡が起こったの
おいでになったのですか」と尋ね
えてくださった人は、わたしのと
か初めて気づき、口々に、「この
ました。 「いいですか。あなた
ころに来ます。わたしは、そうい
方こそ待ちに待ったあの預言者
がたがわたしのそばにいたがるの
う人を拒むようなことは絶対にし
だ!」と叫びました。
は、わたしを信じているからでは
ません。 わたしが天から下って
人々は熱狂して、むりやりにで
ありません。パンを食べさせてあ
来たのは、自分の思いのままをす
もイエスを王にまつり上げかねな
げたからです。 食べ物のように
るためではなく、神の意思を行う
い勢いです。イエスはそっと抜け
なくなってしまうものに心を奪わ
ためだからです。 神が与えてく
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26
27
38
39
ヨハネの福音書
ライト
57
ださったすべての人を一人も失わ
のパンを食べる人はだれでも永遠
ないように守り、終わりの日に永
に生きます。このパンは、人類の
ぱりわからない」ともらすほどで
遠のいのちを与えて復活させるの
救いのためにささげるわたしの体
した。 それに気づいたイエスは、
です。 事実、父は、子を信じる
なのです。」
彼らに言われました。「こんなこ
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52
ず、 「なんとむずかしい話だ。さっ 61
62
ユダヤ人たちは、イエスがいっ
とでつまずくのですか。 そんな
わりの日に復活することを願って
たい何を言っているのかと、あれ
ことでは、メシヤ(救い主)のわ
おられるのです。」
これ議論し始めました。「なんて
たしが天に帰るのを見たら、いっ
ユダヤ人たちはイエスが、「わ
ことを言うんだ。自分の体を食べ
たいどう思うことでしょう。 い
たしは 天 か ら 下って来 た パンで
させるなんて、そんなことができ
いですか。ただ聖霊だけが永遠の
す」とはっきり言われたので、ぶ
るはずないじゃないか。」 そこ
いのちを与えてくださいます。肉
つ ぶ つ 文 句 を 言 い 始 め ました。
でイエスは、続けてお話しになり
体的にこの世に生まれただけで
「たかがヨセフの息子イエスで
ました。「よく言っておきます。メ
は、永遠のいのちはいただけま
はないか。父親も母親もよく知っ
シヤの肉を食べ、その血を飲まな
せん。今わたしがあなたがたに話
ている。なのに『わたしは天から
ければ、永遠のいのちを得ること
したのは、まさにこのことで、ど
下って来た』などと、とんでもな
はできません。 わたしの肉を食
うしたら、ほんとうの霊のいのち
いことを言って」と、彼らはつぶ
べ、わたしの血を飲む人はみな、
をいただけるかということなので
やきました。 そこで、イエスは
永遠のいのちを持ちます。わたし
す。 だが残念なことに、あなた
お答えになりました。「わたしの
は終わりの日にその人を復活さ
がたの中には、わたしを信じない
言ったことで文句を言い合うの
せます。 わたしの肉はほんとう
者がいます。」イエスは初めから、
は や め な さ い。 わ たしをお 遣
の食べ物、わたしの血はほんとう
信じない者はだれか、裏切る者は
わしになった父が引き寄せてくだ
の飲み物です。 わたしの肉を食
さらない限り、だれもわたしのと
べ、わたしの血を飲む人はみな、
ころへは来られません。わたしの
わたしのうちにとどまり、わたし
た。「『父が引き寄せてくださらな
もその人のうちにとどまります。
い限り、だれもわたしのところへ
わたしは、わたしをお遣わしに
は来られません』と言ったのは、
者がみな、永遠のいのちを得、終
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ところに来る者を一人残らず、わ たしは終わりの日に復活させるの 45
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だれかを知っておられたのです。
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イエスは先をお続けになりまし
です。 聖書には、『彼らはみな
なった、いのちなる神の力によっ
神によって教えられる』(イザヤ
て生きています。同じように、わ
54・13)と書いてあります。父
たしを食べる人は、わたしによっ
イエスから離れ、もはや行動を共
の語ることばを聞き、父から真理
て生きるのです。 わたしは天か
にしなくなりました。 そこでイ
を学んだ人たちは、わたしのとこ
ら下って来たほんとうのパンです。
エスは、十二人の弟子たちに、 「ま
46
58
そういう意味なのです。」
66
この時から、多くの弟子たちが 67
ろへ来ます。 実際に父を見た者 は一人もいません。ただわたしだ けが、この目で父を見たのです。 47
よく言っておきます。わたしを
信じている人はだれでも、すでに 永遠のいのちを得ているのです。
48 49
シモン・ペテロが即座に答えました。「何をおっしゃるんです、 先生。あなたをさしおいて、ほかの人のところへ行くわけが ないじゃありませんか。永遠のいのちを与えることばを握っ ているのは、あなただけなんですから。 ヨハネの福音書 6:68
わたしがいのちのパンなのです。 あなたがたの先祖は、荒野で、
このパンを食べる人はみな、永遠
さか、あなたがたは行ってしまわ
空から降って来たパンを食べまし
に生きます。空から降って来たパ
ないでしょうね」とお尋ねになり
たが、結局はみな死んでしまいま
ンを食べたのに、やがて死んでし
ました。 シモン・ペテロが即座
した。 けれども、天から下って
まった先祖たちのように、死ぬこ
に答えました。「何をおっしゃる
来たパンは違います。それを食べ
とはありません。」 〔以上は、イ
んです、先生。あなたをさしおい
る人は永遠のいのちをいただくの
エスがカペナウムの会堂でなさっ
て、ほかの人のところへ行くわけ
た話です。〕
がないじゃありませんか。永遠の
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51
です。 わたしが、その天から下っ て来たいのちのパンなのです。こ
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60
これには、弟子たちでさえ思わ
68
いのちを与えることばを握ってい
58
ヨハネの福音書
ライト
るのは、あなただけなんですから。
69
られました。
10
なたがたは、わたしが安息日に病
しかしイエスは、弟たちが出か
気の人を治したら、労働をしたと
ますし、あなたが神のきよい御
けたあと、人目を避けてお出かけ
驚いています。だが、あなたがた
子だということも知っています。」
になったのです。 ユダヤ人の指
はどうでしょうか。モーセの律法
「あなたがた十二人を選んだの
導者たちは、祭りの間にイエスを
どおりに割礼(男子が生まれて八
はわたしです。しかし、なんとい
見つけ出してやろうと思い、「だ
日目に、その性器の包皮を切り取
うことでしょう。悪魔が一人まぎ
れかイエスを見かけた者はいな
るユダヤ教の儀式)を施すために
れ込んでいます。」 イエスが言
いか」と、やっきになって尋ね回
は〔実際は、割礼の習慣はモー
われたのは、イスカリオテのシモ
りました。 確かに、イエスのこ
セの律法より古くからあったので
ンの子ユダのことでした。ユダは
とはいろいろと話題になりました。
すが〕、安息日でも平気で労働す
私たちはそのことばを信じてい
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「あの方はすばらしい方だ」とほ
るではありませんか。割礼の日が
ら、イエスを裏切ろうとしていた
める者もいれば、「いや違う。と
ちょうど安息日にあたっても、割
のです。
んだ詐欺師だ」と非難する者もい
礼を施しているではありませんか。
十二人の弟子の一人でありなが
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7
13
仮庵の祭りでのイエス 1
このあと、イエスはガリラヤに
ました。 しかし、指導者たちの
それなら、安息日に病人を元気に
目を恐れて、表立って語る者はだ
してやって、どこが悪いのでしょ
れもいませんでした。
う。何を根拠にわたしを非難する
14
祭りも半ばになったころ、イエ
24
のですか。 よく考えてみなさい。
行 き、 村 か ら 村 を 巡 回 さ れまし
スは宮へ行き、公然と教え始めら
わたしの言うことはまちがってい
た。ユダヤ人の指導者たちが命を
れました。 それを聞いたユダヤ
るでしょうか。」
つけねらっていたので、ユダヤ以
人の指導者たちは驚いて、「この
外の地に身を避けようと思われた
男は一度も学校で学んだことが
いにこんなことが言い交わされ
からです。 そうこうするうち、ユ
ないのに、どうしてこんなに深い
ていました。「この人は、彼らが
ダヤの年ごとの祭りである仮庵の
知識を持っているのだろう」と言
殺そうとねらっている人じゃな
祭り(収穫祭とも呼ばれる祭り)
い合いました。 そこでイエスは
いか。 ところが、今ここで、お
2
3
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16
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エルサレムの人々の間では、互
26
が近づきました。 イエスの弟た
言われました。「わたしの教えは、
おっぴらに話をしてるっていうの
ちは、祭りのためにユダヤへ行く
自分で考え出したことではありま
に、だれも何も言わないのだ。指
よう、しきりにイエスに勧めまし
せん。わたしをお遣わしになった
導者たちも、結局は正真正銘のキ
た。 「もっとたくさんの人が奇跡
神の教えなのです。 ほんとうに
リスト(救い主)だと認めている
を見てくれる所へ行ったらどうで
神の望まれるとおりのことをしよ
のかね。 だけど、この人がキリ
すか。 こんな所でくすぶっていて
うと思う人なら、わたしの教えが
ストのわけはないよ。どこの生ま
も有名にはなれないよ。兄さんが
神から出たものか、あるいはわ
れか、身元が知れているんだから。
そんなに偉い人だったら、世間の
たしから出たものか、はっきりわ
キリストは、どこからともなく突
人に証明してみせなくては」と、
かるはずです。 自分の意見だけ
然現れるはずだからね。」 イエ
半ばあざけるように言いました。
をまくし立てる人は、実はわが身
スは宮で、大声をあげて教えられ
弟たちでさえ、イエスを信じて
がほめられたい一心なのです。し
ました。「皆さん。確かに、わた
いなかったのです。 「今はまだ、
かし自分をお遣わしになった方の
しの生まれも育ちもはっきりして
その時ではありません。しかし、
栄誉を求める人は、正直者です。
います。しかしわたしは、あなた
あなたたちはいつ行ってもいいの
あなたがたは、自分ではモーセ
がたの全く知らない方の代理なの
です。 世間の人に憎まれるはず
の律法を守らないのに、どうして
です。その方は真実です。 わた
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もありませんから。しかし、わた
律法を破ったと、わたしを非難す
しはその方を知っています。その
しは憎まれています。彼らの痛い
るのですか。どうして命までつけ
方といっしょにいたのですから。
ところを突くからです。 あなたた
ねらうのですか。」 群衆が答え
その方がわたしをお遣わしになっ
ちだけで行きなさい。わたしは行
ました。「おい、気でも変になっ
たのです。」 ユダヤ人の指導者
く時が来たら行きますから。」 こ
たんじゃないか。だれがあんたを
たちは、何とかしてイエスを逮捕
う言って、イエスはガリラヤに残
殺そうとしているんだ。」
しようと思いました。しかし、実
8
9
20
21-23
「あ
30
ヨハネの福音書
ライト
59
祭りの最後の一番大切な日に、イエスは大声で群衆に語りかけました。
「だれでも、渇いているなら、 わたしのところへ来て飲みなさい。 わたしを信じれば、心の奥底からいのちの水の川が流れ出ると、 聖書に語られているとおりです。」
ヨハネの福音書 7:37-38 際に手を出す者は一人もいませ
でも考えているのかもしれない。
方では、 「いや、そんなはずはない。
ん。まだその時ではなかったから
だが、捜しても見つけ出せない
まさかガリラヤみたいな所からキ
です。 宮にいた人々の多くはイ
とは、どういうことだろう。『わ
リストは出ないだろう。キリスト
エスを信じ、「これだけの奇跡を
たしのいる所に来ることができな
は、れっきとしたダビデ王の血筋
なさるからには、やっぱりキリス
い』というのも、何のことやらま
で、ダビデ王の生地ベツレヘムの
るで見当もつかない。」
村に生まれると、聖書にはっきり
31
トではないだろうか」と言い合い ました。 32
群衆がそう考えていると知った
36
37
祭りの最後の一番大切な日に、
イエスは大声で群衆に語りかけま
書いてあるんだから」と主張する 43
者もいました。 このように、イ
パリサイ人たちは、祭司長たちと
した。 「だれでも、渇いているなら、
エスについての意見はまちまちで
手を組んで、イエスを逮捕するた
わたしのところへ来て飲みなさ
した。 中には、捕らえる機会を
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44
めに役人を差し向けました。 と
い。 わたしを信じれば、心の奥
ねらう者もいましたが、手を出す
ころがイエスは、その人たちに言
底からいのちの水の川が流れ出る
までには至りませんでした。
われました。「まだその時ではあ
と、聖書に語られているとおりで
りません。もうしばらく、わたし
す。」 〔イエスは聖霊のことを言
人たちは、すごすごと祭司長やパ
39
45
イエスの逮捕に向かった宮の役
はここにいます。そのあとでわた
われたのです。聖霊は、イエスを
リサイ人たちのところに戻ってき
しは、わたしをお遣わしになった
信じる人すべてに与えられること
ました。「どうして、やつをつかま
方のところに帰るのです。 その
になっていましたが、この時はま
えて来なかったのか!」指導者た
時には、わたしを捜しても見つけ
だ与えられていませんでした。イ
ちは、彼らをきびしく責めました。
ることはできません。また、わた
エスが天にある栄光の座に戻って
しのいる所に来ることもできませ
おられなかったからです。〕 イエ
ん。」 このことばに、ユダヤ人
スがこう言うのを聞いて、群衆の
の人の話すことはとてもすばらし
の指導者たちはすっかり戸惑いま
うちのある者は、「この人は確か
くて、これまで聞いたこともない
した。「いったいどこへ行くつも
に、キリストのすぐ前に来るとい
ような話なので……。」 これを
りだろう。もしかしたら、ユダヤ
う、あの預言者だ」と言いました。
聞くと、パリサイ人たちは吐き捨
34
35
を出て、外国のユダヤ人や、ある いは外国人に教えを伝えようと
40
41-42
「この方こそキリストだ」と
言いきる者もいました。しかし他
46
役人たちは、口ごもりながら答
えました。「は、はい。でも、あ
47
てるように言いました。「さては、 48
おまえたちも惑わされたな。 わ
60
ヨハネの福音書
ライト
れわれユダヤ人の議員やパリサイ
17
けてやめなかったので、イエスは
さばいてくださるからです。 あ
人の中で、あの男をメシヤだなど
ゆっくり体を起こし、「わかりま
なたがたの律法では、ある出来
と信じている者は一人もいない。
した。この女を石で打ち殺しなさ
事について二人の証言が一致すれ
無知な連中は頭から信じきって
い。ただし、最初に石を投げる
ば、事実と認められることになっ
いるかもしれないが、やつらに何
のは、今まで一度も罪を犯したこ
ています。 だとしたら、わたし
が わ か るか。 罰 あ たり 者 め が。 」
とのない者ですよ」と言われまし
とわたしをお遣わしになった父と
その時、ニコデモが口を開きま
た。 そして、すぐにまた体をか
で、りっぱに二人の証人がそろい
した。〔夜ひそかにイエスを訪ね
がめ、地面に何か書いておられま
ます。」 パリサイ人たちは言いま
た、あのユダヤ人の指導者です。〕
した。 すると、ユダヤ人の指導
した。「では、そのお父上とやら
「おことばですが、取り調べも
者もパリサイ人も、ばつが悪そう
はどこにいるのか。」「わたしのこ
しないうちに有罪だと決めるの
に、年長者から順に一人去り二人
とを知らないから、父のこともわ
は、合法的ではありません。」 「お
去りして、とうとうイエスと女だ
からないのです。わたしを知って
や、あなたも卑しいガリラヤ人な
けが、群衆の前に取り残されまし
いたら、父をも知っていたでしょ
んですか。まあ、聖書を調べるこ
た。 イエスは体を起こし、女に
うに。」
とですな。ガリラヤから預言者な
言われました。「あなたを訴えた
ど出るはずがないことを、ご自分
人たちはどこにいますか。罰する
の目で確かめたらどうです。」
者は一人もいなかったのですか。」
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50
51
52
53
8
こうして、一同は散会し、めい
めい家に帰って行きました。
8
赦された不倫の女 1
さて、イエスはオリーブ山に戻 2
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「はい、先生。」 「そうですか。
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真理は人を自由にする 20
こうした話がなされたのは、宮
の中の献金箱が置いてある所でで
わたしもあなたを罰しません。さ
した。しかし、だれ一人イエスを
あ、行きなさい。もう二度と罪を
逮捕する者はいません。まだその
犯してはいけませんよ。」
時ではなかったのです。
世の光であるイエス
いました。「わたしはもうすぐい
12
21
イエスはまた、こんな話もなさ
そ の あ とで、イエ ス は 人々に
なくなります。あなたがたは必死
にお出かけになりました。たちま
お話しになりました。「わたしは
でわたしを捜すでしょうが、結局
ち人々が集まって来て、黒山の人
世の光です。わたしに従って来れ
は、罪が赦されないまま死ぬので
だかりです。イエスは腰をおろし、
ば、暗闇でつまずくことはありま
す。わたしが行く所へは来られま
話し始められました。 その最中
せん。 い の ち の 光 が、 あ な た が
せん。」 ユダヤ人たちには、さっ
に、ユダヤ人の指導者やパリサイ
たの進む道を明るく照らすからで
ぱりわけがわかりません。「この
人が、寄ってたかって一人の女を
す。」 すると、パリサイ人たちが
人は自殺でもするつもりなのか。
引っぱって来ました。彼らは、あっ
言いました。「うそばかり並べ立
彼が行く所へ私たちは行けないと
け に と ら れて見てい る 人々の 前
てて、自慢話もほどほどにしたら
は、いったいどういうことだろう」
に女を突き出しました。 「先生。
どうだ。」 「わたしはありのま
この女を見てください。不倫の現
まを言っているのです。うそでも、
場でつかまったのです。 モーセ
でたらめでもありません。自分が
「いいですか。あなたがたは地上
の律法では、こういう不届き者は
どこから来てどこへ行くか、よく
に生まれた者ですが、わたしは天
石で打ち殺すことになっています
わかっています。ところが、あな
から来た者です。あなたがたはこ
が、どうしたものでしょう。」 こ
たがたは全然わかっていません。
の世の者ですが、わたしは違いま
人間の基準でわたしをさばいて
す。 だから、『あなたがたは罪
ばじりをとらえて、訴えてやろう
いるからです。わたしはだれのこ
が赦されないまま死ぬ』と言った
という魂胆があったからです。と
ともさばきません。 しかし、も
のです。わたしが神の子、メシヤ
ころがイエスは、体をかがめ、指
しわたしがあなたがたをさばいた
であることを信じなければ、罪の
で地面に何か書いておられるだけ
としても、そのさばきは、どこか
のろいの下で死ぬしかないからで
でした。 けれども、彼らは引き
ら見ても正しいのです。わたしを
す。」 「あなたはいったい、どう
下がりません。あくまで質問を続
お遣わしになった父がいっしょに
いう方なのですか。」 「そのことは、
りましたが、 翌朝早く、また宮
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う言ったのは、何かイエスのこと
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と、首をかしげるばかりでした。
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そこでイエスは言われました。
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ヨハネの福音書
ライト
61
いつもはっきり言っていたはずで
す。息子はありとあらゆる権利を
がうそをつくのは当然です。うそ
す。 あなたがたには非難したい
持っています。 だから、神の子
つきの大もとなのですから。 だ
ことや、教えたいことが山ほどあ
が自由にしてあげたなら、それで
から、わたしが真理を語ってもあ
ります。しかし、わたしをお遣わ
ほんとうに自由の身になるので
なたがたが信じないのはあたりま
しになった方から聞いたことだけ
す。 確かに、あなたがたはアブ
えです。 あなたがたのうち、だ
を話しましょう。その方は真実な
ラハムの子孫です。けれども、あ
れが、たった一つでもわたしの罪
方だからです。」 それでも彼らに
なたがたの中には、わたしを殺そ
を 指 摘で きま す か。で き な いで
はまだ、イエスが神のことを話し
うとねらっている者がいます。わ
しょう。真理を話しているのに、
ておられるのがわかりませんでし
たしのことばが心にしっかり根を
なぜわたしを信じないのですか。
た。 「あなたがたは、わたしを
下ろしていないからです。 せっ
殺してはじめて、わたしがメシヤ
かくわたしが父といっしょにいた
おっしゃることを喜んで聞くはず
だったと気づくでしょう。そして、
時に見たことを話してあげている
です。あなたがたが聞き従わない
わたしが自分の考えではなく、父
のに、あなたがたは自分の父の
のは、神の子どもではないからで
から教わったことを話していたと
言いつけに従っているだけです。」
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神の子どもならだれでも、神の
す。」
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わしになった方が、わたしといつ
彼らは言いました。
そ者だ! やっぱり悪霊に取りつ
もいっしょにおられます。わたし
「いや、あなたがたの父がアブラ
かれているのだ。」ユダヤ人たち
わかるでしょう。 わたしをお遣
「私たちの父はアブラハムです。」
ハムだったら、彼の良い模範にな
わたしは世の光です。 わたしに従って来れば、 暗闇でつまずくことは ありません。 ヨハネの福音書 8:12
40
らったはずです。 ところが、ど うです。反対にわたしを殺そうと
「おまえはサマリヤ人だ! よ
あなたがたは 真理を知り、
ん。わたしがいつも、その方のお
がたが、あなたがた自身の父に
心にかなうことをするからです。」
従っているからです。」「私たちの
その真理が あなたがたを 自由に するのです
この話を聞いたユダヤ人の
真の父は、神ご自身です。私たち
多くが、イエスをメシヤと信じる
は私生児ではありません。」 「ほ
ヨハネの福音書 8:32
しているではありませんか。しか もその理由は、わたしが神から 聞いた真理を語ったからというの です。アブラハムなら、そんなこ とは絶対にしなかったでしょう。
をお見捨てになることはありませ
30-31
41
そんなことをするのは、あなた
42
ようになりました。その人たちに
んとうにそのとおりなら、わた
イエスは、「わたしが教えたとお
しを愛したはずです。わたしは神
りに生活すれば、ほんとうの弟
のもとから来たのですから。自
子と言えます。 あなたがたは真
分の考えで、今ここにいるのでは
理を知り、その真理があなたがた
ありません。父がここにお遣わし
を自由にするのです」と言いまし
になったのです。 わたしの言う
た。 「おことばですが、私たち
ことがわからないのも、むりは
はれっきとしたアブラハムの子孫
ありません。理解できないように
です。これまで、だれの奴隷になっ
されているのですから……。 あ
たこともありません。『自由にす
なたがたの父は悪魔です。悪魔の
32
33
43
44
る』とはどういうことでしょう。 」
子が悪魔の悪い行いを喜んでまね
「教えてあげましょう。あなた
ても、不思議ではありません。悪
がたは一人残らず罪の奴隷なので
魔は初めから人殺しで、真理をき
す。 奴隷には何の権利もありま
らっています。悪魔のうちには真
せん。しかし、主人の息子は別で
理の一かけらもありません。悪魔
34
35
62
ヨハネの福音書
ライト 49
はわめき立てました。 イエスは、 「 い や、 断 じ て そ ん な こ と は あ りません。わたしは父を尊敬して
前から、わたしはいるのです。こ れは、まぎれもない事実です。」 59
て戻って来たではありませんか。 8
近所の人や、彼が盲目の物ごい
話 がここまで 来 る と、 ユ ダ ヤ
だったことを知っている人は仰天
います。が、そんなわたしを、あ
人たちは怒りを抑えることができ
し、「これが、あの人かい」と口
なたがたは軽蔑しているのです。
ず、手に手に石をつかみ、今にも
をそろえて言いました。 ほかの
50
9
しかし、わたしは栄誉を求めて
イエスを打ち殺さんばかりになり
いるのではありません。ただ、わ
ました。しかし、イエスはすばや
たしに栄誉を与えたいと願ってお
く身を避け、急いで宮を抜け出し
が実によく似ている」と言う人も
られる神が、わたしを受け入れな
ました。
いました。すると当の本人が、 「何
人は、 「そうだ」と言う人もいれば、 「いや、あいつのはずはない。だ
に、『わたしに従う者は死なない』
してこの人は、生まれつき目が見
に塗り、『シロアムの池に行って、
などと、よく言ったものだ。 お
9
えないのですか。本人が罪を犯し
泥を洗い落としなさい』と言われ
まえは、先祖のアブラハムよりも
たからですか。それとも両親です
たのさ。それでそのとおりにする
偉いのか? アブラハムは死んだ
か。」 「いや、そのどちらでもあ
と、見えるようになったんだよ。」
ろう。それとも、あの預言者たち
りません。ただ神の力が現される
「その人は今どこにいるんだ。」
い人々をおさばきになるのです。 51
よく言っておきましょう。わた
しに従う者は、決して死なないの 52
です」と言われました。 「おま
9
を言っているんだ。おれだよ」と 10
言いました。 人々はあっけにと
ただ神の力が現されるため 1
さて、道を歩いていた時のこと、
られながらも、「いったいどうし たのだ。どうやって見えるように
えが悪霊に取りつかれているこ
イエスは生まれつきの盲人をごら
なったのか」と矢つぎばやに尋
とが、はっきりした。アブラハム
んになりました。 そこで、弟子
ねました。 その男は答えました。
も、偉大な預言者たちも死んだの 53
2
たちが尋ねました。「先生。どう
3
11
「イエスという方が泥をこねて目
12
よりも偉いとでも言うのか。その 預言者たちも死んだではないか。 いったい自分をだれだと思ってい 54
るのだ。」 イエスは言われまし た。「わたしがただ自慢している だ け な ら、 全くむ なしい も ので す。しかし、わたしに栄光を与え
いや、そのどちらでもありません。 ただ神の力が現されるためです。
ヨハネの福音書 9:3
「さあ、あの方が善人か悪人かは、私にはわかりません。 ただ、これだけははっきりしています。私は今まで目が見え なかったのに、今は見えることです。」ヨハネの福音書 9:25
てくださるのは父なのです。この
4
方を、あなたがたは『私たちの神
ためです。 わたしたちは、わた
様』と呼んでいます。 そう呼び
しをお遣わしになった方に命じら
ながら、実はこの方を知りもしま
れた仕事を、急いでやり遂げなけ
ところへ連れて行きました。 と
せん。わたしはよく知っています。
ればなりません。もうすぐ夜が来
ころで、この日は安息日でした。
知らないなどと言ったら、それこ
ます。そうしたら、もう仕事はで
そ、あなたがたと同じように大う
きないのですから。 しかし、ま
見えるようになったのかを尋ね
そつきになります。わたしがこの
だこの世にわたしがいる間は、わ
られて、男はそのいきさつを、く
方を知り、この方に全く従ってい
たしが光となります。」 こう言わ
わしく話しました。 パリサイ人
55
56
5
6
「さあ、知らないな。」 13
人々は、男をパリサイ人たちの 14
15
パリサイ人たちにどうして目が
16
るというのはほんとうです。 あ
れると、イエスは地面につばを
のある者は、「そのイエスという
なたがたの先祖アブラハムは、わ
して泥を作り、それを盲人の目に
者は、神から遣わされた者では
たしの日を思い見て喜びにあふれ
塗って、 言われました。「さあ、
ない。安息日に仕事なんかした
ました。わたしが来るとわかった
シロアムの池に行って洗い落とし
んだから」と断言しました。しか
からです。」「まだ五十歳にもなっ
なさい」〔「シロアム」とは、「遣
し、「罪人にすぎない普通の人間
ていないあんたが、よくアブラハ
わされた者」の意味〕。イエスが
に、こんな奇跡が行えるだろうか
ム様を見ることができましたね。」
言 わ れ た と おりに する と、 どう
……」と疑問を投げかける者もい
「アブラハムが生まれるずっと
でしょう。彼は見えるようになっ
ます。意見は真っ二つに分かれま
57
58
7
ヨハネの福音書 17
ライト
した。 しかたなく、その盲目だっ
とは、どういうことでしょう。あ
た男に、「おまえの目を開けてく
の方の弟子にでもなりたいのです
れた人のことをどう思うか」と
か。」
聞きました。「きっと神様が遣わ
28
63
ことをわからせるためなのです。」 40
ちょうどその場に居合わせたパ
リサイ人たちが、けげんな顔で尋
こう言われて、指導者たちは男
ねました。「じゃあ、私たちも盲
した預言者です」と男は答えまし
をののしりました。「おまえこそ
目だと言うのか。」 「もしあな
た。 しかし、ユダヤ人の指導者
あいつの弟子のくせに。われわれ
たがたが盲目だったら、罪に問わ
たちは、盲目だった男が見えるよ
はモーセの弟子だ。 神はまちが
れないですんだでしょう。しかし、
うになったことを、どうしても信
いなくモーセにお語りになった。
何もかもわかっているとあくまで
じようとはしません。とうとう両
しかし、あいつはどこの馬の骨だ
親まで呼び出し、 確かめること
かわからない。」
18
19
にしました。「この男は息子だな。
29
「これは驚きました。あの方は
盲人の目を開けることができるん
かったのか。だったら、どうして
ですよ。なのに、あの方のことは
見えるようになったのだ。」 両
何も知らないとおっしゃる。 神
親は答えました。「はい、確かに
様は悪人の言うことはお聞きにな
31
息 子でご ざ いま す。この 子 は 生
りません。しかし、神様を礼拝し、
まれつき目が見えませんでした。
お心にかなうことを行う者には、
けれども、どうして見えるよう
耳を傾けてくださるんじゃありま
21
10
言いはるので、あなたがたの罪は そのまま残るのです。」
30
ほんとうに生まれつき目が見えな 20
41
32
10
良い羊飼いであるイエス 1
「よく言っておきます。羊の囲い
の中に門から入らないで、柵を乗
り越えて忍び込む者は強盗です。 2
羊飼いなら堂々と門から入って 3
来るはずです。 門番も羊飼いに
になったのか、どなたがこれの目
せんか。 世の初めからこのかた、
を開けてくださったのかは、少し
生まれつきの盲人の目を開けた人
聞くと、羊は回りに駆け寄って来
も存じません。どうぞ本人からじ
など、いたためしがありません。
ま す。 羊 飼 い は 一 匹 一 匹 自 分 の
神様から遣わされた方でなけれ
羊の名を呼んで連れ出すのです。
かに聞いてみてください。もう一
33
は門を開けてくれます。彼の声を
4
人前の大人ですから、自分で説明
ば、こんなことはできないはずで
できるでしょう。」
こう言った
す。」 こうまで言われて、彼らは
のあとについて行きます。その声
のは、ユダヤ人の指導者たちがこ
怒りを爆発させました。「このろ
を知っているからです。 知らない
わかったからです。指導者たちは
くでなしめ! われわれを教えよ
人にはついて行かず、反対に逃げ
すでに、イエスをキリストと告白
うというのか!」とどなりつけた
出します。聞き覚えのない声だか
する者は、だれかれの区別なく会
あげく、男を外に追い出してしま
らです。」 イエスがこのたとえ話
堂から追放すると公表していたの
いました。
をなさっても、聞いている人々に
22-23
です。 24
34
35
そのいきさつを伝え聞いたイエ
先頭に立つのは羊飼い、羊はそ 5
6
は、どういう意味かさっぱりわか りませんでした。
指 導 者 たち は、 男 を もう 一 度
スは、男を捜し、見つけ出される
呼 び 寄 せ、 きつく言 い 渡しまし
と、「あなたはメシヤを信じます
た。「イエスなどではなく、神を
か」とお聞きになりました。 「先
た。「いいですか。わたしが羊の
あがめなさい。あいつは悪党だ。」
生。どなたがメシヤ様なのでしょ
出入りする門なのです。 わたし より前に来た人々はみな、どろぼ
25
36
7
そこでイエスは説明なさいまし 8
「さあ、あの方が善人か悪人か
うか。教えてください。ぜひ信じ
は、私にはわかりません。ただ、
たいのです。」「もうその人に会っ
うか強盗です。羊は、彼らの言う
これだけははっきりしています。
ているのですよ。あなたと話し
ことは聞きませんでした。 わた
私は今まで目が見えなかったの
ているわたしがメシヤなのです。」
しは門なのです。この門から入る
に、今は見えることです。」 「だ
「主よ。信じます。」男はそう言っ
者は救われます。また、安心して
が、 あいつは何をした? どうやっ
て、イエスを礼拝しました。 す
出入りができ、緑の牧草を見つけ
ておまえの目を開けた?」 男は
るとイエスは言われました。「わ
るのです。 強盗は、盗んだり、
26
27
37
38
39
9
10
またかと腹を立て、大声で言いま
たしがこの世に来たのは、心の
殺したり、滅ぼしたりするために
した。 「そのことは、もう話した
目の見えない人を見えるようにす
来ます。しかしわたしが来たのは、
ではありませんか。お聞きになら
るため、また、見えると思い込ん
いのちをあふれるほど豊かに与え
なかったのですか。もう一度言え
でいる人に、実は盲目だという
るためです。 わたしはまた、良
11
ヨハネの福音書
ライト
64
はわたしを愛してくださいます。
おられました。ちょうど、宮の中
だれもわたしの意に反して、わ
のソロモンの廊と呼ばれる所を歩
い人は、狼が来れば羊を捨てて、
たしを殺すことはできません。わ
いておられると、 ユダヤ人の指
すぐに逃げ出します。彼らは羊の
たしが、自分から進んでいのちを
導者たちが来て、回りを取り囲み
持ち主でも、羊飼いでもないから
捨てるのです。わたしには、いの
ました。「いつまで気をもませる
です。こうして狼は羊にとびかか
ちを自由に捨て、もう一度それを
つもりですか。キリスト(救い主)
り、群れを追い散らしてしまいま
得る権威と力があるからです。父
なら、はっきりそう言ったらいい
す。 雇い人はお金で雇われてい
がこの権威を下さったのです。」
でしょう。」 彼らの質問に、イ
い羊飼いです。良い羊飼いは羊の 12
ためにはいのちも捨てます。 雇
13
るだけで、羊のことをほんとうに
18
19
24
25
この話のことで、ユダヤ人の指
エスはお答えになりました。「そ
心にかけているわけではないの
導者たちの意見は、また真っ二つ
のことならもう話しました。あな
で、平気で逃げてしまうのです。
に分かれました。 「あいつは悪
たがたは信じませんでしたが。わ
わたしは良い羊飼いであり、自
霊につかれているか、それとも気
たしは、父の御名によって何度も
分の羊を知っています。また、羊
が変になっているかだ。あんなや
奇跡を行ったでしょう。証拠はそ
もわたしを知っています。 わた
つの言うことに耳を貸す必要な
れで十分なはずです。 それでも、
しの父がわたしを知っておられ、
んかない」と息まく者があるかと
あなたがたはわたしを信じないの
わたしも父を知っているのと同じ
思えば、 「いいや、とても悪霊
です。あなたがたはわたしの羊の
です。わたしは羊のためにいのち
につかれた者のことばとは思えな
群れに属さないのですから、しか
を捨てるのです。 このほかに、
い。だいいち、悪霊に盲人の目
たがありません。 わたしの羊は
別の囲いにも羊がいます。その羊
を開けることなんかできるはずも
わたしの声を聞き分けます。わた
をも導かなければなりません。や
ないだろう」と言い出す者もいま
しは彼らを知っているし、彼らも
がてその羊も、わたしの声に注意
した。
わたしにはついて来ます。 わた
14
15
16
20
21
深く聞き従い、一人の羊飼いの もとに一つの群れとなるのです。 17
わたしが再びいのちを得るため
にいのちを投げ出すからこそ、父
26
27
28
しは彼らに永遠のいのちを与える
宮きよめの祭り 22-23
のです。彼らは絶対に滅びること
時は冬でした。宮きよめの祭
がなく、また、だれもわたしの手
りがあり、イエスもエルサレムに
から彼らを奪い取ることはできま
わたしはまた、良い羊飼いです。 良い羊飼いは羊のためには いのちも捨てます。
ヨハネの福音書 10:11
ヨハネの福音書 29
ライト
65
せん。 父がわたしに下さった群
す。彼らは口々に言いました。 「ヨ
てことを、先生! つい先日、ユ
れなのですから。父はだれよりも
ハネは一つも奇跡を行わなかった
ダヤ人の指導者たちが先生を殺そ
力があります。わたしの羊をさら
けれど、この方について話したこ
うとしたのをお忘れですか。それ
うことなど、だれにもできません。
とは、何もかもそのとおりになっ
なのに、またのこのこと出かけて
た。」 こうして多くの人が、イエ
行くおつもりですか。」 「昼間は
30 31
わたしと父とは一つです。」 これを聞いたユダヤ人の指導者
たちは、やにわに石をつかみまし た。イエスを打ち殺そうというの 32
です。 「わたしは神のお心どおり、 たくさんの良いわざを行って人々 を助けただけです。それのどこが 悪くて殺されなければならないの 33
でしょうか。」 「なにも良い行 いを責めているわけではない。神 を汚したからだ。ただの人間のく せに、神だなどとぬかしおって!」
42
11
9
スこそメシヤ(救い主)だと信じ
十二時間あります。その間に歩け
るようになったのです。
ば安全で、つまずくこともありま
11
ても危険です。暗くて足を踏みは
ラザロの死
ずすかもしれませんから。」イエ
1-2
10
せん。 ところが、夜歩いたらと
11
さて、ラザロという名前の人
スはこう言って、 さらに続けら
が病気にかかっていました。彼は
れました。「友のラザロが眠って
マリヤとその姉マルタの兄弟で、
います。彼を起こしに行かなくて
ベタニヤという村に住んでいまし
は。」
た。このマリヤは、イエスの足
すり眠ったものと勘違いした弟子
12-13
これを、ラザロがぐっ
に高価な香油を注ぎ、それを髪
たちは、 「じゃあ、病状はよくなっ
「あなたがたの律法には、『わ
でぬぐったことで知られる女性で
ているんですね」と言いました。
たしは言った。 「あなたがたは神々
す。そのマリヤの兄弟ラザロが床
しかしイエスは、ラザロが死んだ
だ」』(詩篇 82・6)と書いてあ
に伏していました。 マルタとマ
と言われたのです。 そこで、今
るではありませんか。 無効にな
リヤが、イエスのもとに使いをよ
度ははっきりと言われました。 「ラ
ることのありえない聖書が、神の
こしました。「先生。あなたが心
ザロは死んだのです。 わたしが
34
35
3
ことばを受けた人々のことを神々
14
15
その場に居合わせなくてよかった
今でも、あなたが神様に お求めになるなら、 神様はそのとおりに してくださるでしょう。 ヨハネの福音書 11:22
ですから。さあ、彼のところへ出
ていないのなら、わたしを信じな
にかけてくださっているラザロが
とがあるなら、先生とごいっしょ
くてかまいません。 しかし、も
重い病気にかかり、明日をも知れ
に死のうじゃないか」と、仲間の
し神 の み わ ざ を 行ってい る の な
ない状態です。」 この知らせを聞
弟子たちに言いました。
ら、わたしを信じないにしても、
いたイエスは言われました。「こ
みわざそのものを信用しなさい。
の病気は、ラザロの死で終わる
と、ラザロはすでに墓に葬られ、
父がわたしのうちにおられ、わ
ものではありません。神の栄光が
四日もたっていました。 ベタニ
たしが父のうちにいることがはっ
現されるためです。それによって
ヤは、エルサレムからわずか三キ
きりわかるでしょう。 」 彼らが、
神の子が、栄光を受けるのです。」
ロほどの所だったので、 エルサ
36
と呼んでいるのです。 とすれば、 父がきよめ分かち、この世にお遣 わしになった者が『わたしは神の 子だ』と言ったからといって、ど うして神を汚すことになるのです 37
か。 わたしが神のみわざを行っ 38
39
4
のです。これでまた、あなたがた がわたしを信じる機会が増えるの 16
かけましょう。」 そこで、 「ふたご」 とあだ名が付けられているトマス が、「みんなで行って、危ないこ
17
一行がベタニヤに着いてみる 18
19
またもイエスを捕らえようとした
5
イエスは、マルタたち三人を心
レムからも大ぜいのユダヤ人たち
ので、イエスはうまくその場を切
から愛しておられました。 けれ
が弔問に詰めかけていました。マ
り抜け、エルサレムをあとになさ
ども、なぜか、なお二日間そこに
ルタとマリヤが慰めのことばを
いました。
とどまって、なかなか腰を上げよ
受けているところへ、 イエスの
40
6
7
20
そしてヨルダン川を渡り、ヨハ
うとはなさいません。 二日たっ
到着が知らされました。マルタは
ネが最初にバプテスマ(洗礼)を
て、ようやく、「さあ、ユダヤに
それを聞くと、取る物も取りあえ
授けていたあたりに滞在されまし
行きましょう」と弟子たちに言わ
ず、迎えに行きました。ところが、
たが、 ここでも、多くの人が、
れました。 ところが、もうれつ
マリヤは家の中にじっと座ったま
あとからあとから詰めかけて来ま
な反対が返ってきたのです。「なん
までした。 マルタはイエスに向
41
8
21
66
ヨハネの福音書
ライト
かって訴えました。「先生。あな たがいてくださったら、ラザロは 22
死なずにすんだでしょうに。 今
着きました。それはほら穴で、入
ラザロが生き返る 30
り口には重い石が立てかけてあり
さて、イエスはまだ村に入らず、
39
ました。 「さあ、石をわきにど
でも、あなたが神様にお求めにな
マルタが出迎えた場所におられま
けなさい。」イエスは人々をうな
るなら、神様はそのとおりにして
した。 マリヤを慰めていたユダ
がされました。マルタがあわてて
くださるでしょう。」 イエスは言
ヤ人たちは、彼女がそそくさと出
止めました。「でも、もうひどい
われました。 「そのとおりです。ラ
て行くのを見て、きっと墓へ泣き
においがしています。なにしろ、
ザロは生き返るのです。」 マル
に行くのだろうと思って、あとに
タは言いました。「はい。いつか
ついて行きました。 マリヤはイ
すべての人が復活する日には、も
エスのところまで来ると、くずお
ちろん……。」 しかし、イエス
れるように足もとにひれ伏し、涙
らしい奇跡を見る、と言ったはず
は言われました。「このわたしが、
ながらに言いました。 「ああ、先生。
です。」 人々は言われるままに
死人を生き返らせ、もう一度いの
あなたさえいてくださったら、ラ
石 を 取り の けました。イエ ス は
23
24
25
31
32
死んでから今日で四日ですもの。」
40
イエスはマルタにおっしゃいま
した。「もし信じるなら神のすば 41
天を見上げ、「父よ。願いを聞い てくださってありがとうございま
しかし、イエスは言われました。
42
このわたしが、 死人を生き返らせ、 もう一度いのちを与えるのです。 わたしを信じる者は、たとえほかの人と 同じように死んでも、また生きるのです。
す。 あなたがいつもわたしの願 いを聞いてくださることはわかっ ています。ただ、あなたがわたし をお遣わしになったことを、ここ に立っているみんなが信じるよう に、こう申し上げたのです」と祈 43
られました。 それから、大声で、 「ラザロよ。出て来なさい!」と 44
お命じになりました。 すると、
ヨハネの福音書 11:25
どうでしょう。ラザロが、手足を 布で巻かれた姿のまま出て来たで はありませんか! 顔も布で包ま
ちを与えるのです。わたしを信じ
ザロは、ラザロはまだ生きていた
る者は、たとえほかの人と同じよ
でしょうに。」 イエスは、目の
とられている人々に言われました。
うに死んでも、また生きるのです。
前でマリヤが泣き伏し、ユダヤ人
「さあ、早く布をほどいてやって、
26
33
れたままです。イエスはあっけに
帰らせなさい。」
わたしを信じて永遠のいのちを
たちもいっしょに嘆き悲しんでい
持っている者は、決して滅びるこ
るのに強く心を動かされ、 「ラ
とがありません。このことを信じ
ザロはどこですか」とお聞きにな
を見た多くのユダヤ人が、イエス
ますか、マルタ。」 「はい、先生。
りました。「来て、ごらんくださ
を信じるようになりました。 し
27
34
35
45
マリヤについて来てこの出来事 46
あなたこそ、長いあいだ待ち続け
い。」 イエスの目に涙があふれ
かし、パリサイ人たちのところへ
てきた神の子キリストだと信じて
ました。 そこで、ユダヤ人たち
行き、事細かにこのことを報告す
おります。」 マルタは家に戻り、
はこう言い合いました。「お気の
マリヤをわきへ呼んでそっと耳う
毒に。どんなにラザロを愛してお
ちしました。「先生がすぐそこに
られたことだろう。」 しかし、 「盲
いらしていて、あなたを呼んでお
人の目を開けたこの人が、ラザロ
られるわよ。」 そこでマリヤは、
を生かしておくことはできなかっ
すぐにイエスのところへ出て行き
たのかね」と、非難めいて言う人
うのに、いったい何をぐずぐずし
ました。
もいました。
ているのか。 このまま放ってお
28
29
36
37
38
る者も何人かいました。
47
そこで祭司長やパリサイ人たち
は、この問題を協議するため、さっ そく議会を召集し議論しました。 「あの男が奇跡を行っているとい 48
これを聞いたイエスは、またも
いたら、国民一人残らずあの男を
心に深い憤りを感じながら、墓に
信じるようになってしまうぞ。そ
ヨハネの福音書
ライト
んなことにでもなったら、ローマ
にいらっしゃるかな」と、しきり
軍が踏み込んで来てわれわれを殺
にうわさし合う声が聞こえます。
67
にはいられないからです。」 9
エルサレムの市民は、イエスが
し、われわれの土地も国民も乗っ
57
一方、祭司長やパリサイ人たち
おられると聞いて、どっとラザロ
取るだろう。」 すると、その年
はイエスを逮捕することしか頭に
の家に押しかけました。イエスに
の大祭司カヤパが、業をにやして
なく、「イエスを見かけた者は直
会うためばかりではありません。
ちに届け出よ」という命令を出し
一度死んで生き返ったラザロを一
ていました。
目見たいと思ったのです。 これ
49
言いました。「ばかを言うな。こ 50
んなこともわからないのか。 全 国民の代わりに、彼一人に死んで もらえば事はすむのだ。国民全体 が滅びるなんて、冗談じゃない。」 51
イエスが全国民の代わりに死ぬ
ことを、大祭司が預言したのです。 カヤパは別の動機から、無意識の うちに、そのように言ったのです。 52
これはイエスが、イスラエル人
ばかりか、世界中に散らされてい るすべての神の子どもたちのため
12 12
イエスに香油を注ぐマリヤ 1
過越の祭りの始まる六日前に、
には祭司長たちも頭をかかえ込 み、いっそのことラザロも殺して 11
しまおうと相談しました。 ラザ ロのことで、大ぜいのユダヤ人が
イエスはベタニヤにお着きになり
ユダヤ教から離れ、イエスをメシ
ました。イエスが死から生き返ら
ヤと信じるようになったからです。
せた、あのラザロがいる村です。 2
さっそく晩餐が用意されました。
マルタは給仕にいとまがありませ
エルサレムでの最後の宣教 12
翌日、イエスがエルサレムに向
ん。ラザロはイエスといっしょに
かわれるというニュースが町中を
食卓に着いています。 そこへマ
かけ巡りました。過越の祭りで上
リヤが、香油のつぼを手に入って
京した人々は、 イエスを迎えよ
3
わたしを信じて永遠の いのちを持っている者は、 決して滅びることが ありません。このことを 信じますか、マルタ。 ヨハネの福音書 11:26
10
13
来ました。それはナルドから作っ
うと、手に手にしゅろの枝を振
た純粋な香油で、とても高価なも
りかざして駆けつけました。沿道
のでした。マリヤはイエスのそば
はたちまち人の波、波、波……。
に歩み寄ると、驚いたことに、そ
あちこちで大歓声が上がりまし
の香油をイエスの足に注いだので
た。「救い主! イスラエルの王様
す。それから、ていねいに自分の
ばんざーい! 神の大使ばんざー
にも死んでくださるという預言で
髪でぬぐいました。たちまち家中
い!」 イエスはろばの子に乗っ
した。 この時から、ユダヤ人の
に香油の香りがたちこめました。
ておられました。こうして預言ど
53
指導者たちは、イエスを殺す計画
4
をあれこれ練り始めました。
を裏切ろうとしていたイスカリオ
54
ところが、弟子の一人でイエス
14
おりのことが起こったのです。
15
「イスラエルの民よ。
そんなこともあって、イエスは
テのユダが、非難がましく言いま
あなたがたの王を恐れるな。
ユダヤ人の間でおおっぴらに活動
した。 「やれやれ、この香油は
王は柔和で、ろばの子に乗って、
することをやめ、エルサレムをあ
ひと財産ものだよ。売って、その
来られるのだから。」 (ゼカリヤ9・
とにされました。そして荒野に近
代金を貧しい人たちに恵んでやれ
9)
いエフライムの村で、しばらく弟
ばよさそうなものを。全くもった
5
6
子たちと共に身を潜めておられま
いない話だ。 」 こう言ったのは、
した。
16
〔この時、弟子たちには、この
出来事が預言どおりに起こったこ
彼が貧しい人たちのことを心にか
ととは思えませんでした。しかし、
ユダヤ人の過越の祭りが近づ
けていたからではなく、会計を任
イエスが天にある栄光の座に帰ら
きました。この時は、多くの人々
されているのをいいことに使い込
れたあと、「そういえば、あのこ
が各地からエルサレムに集まり
みを重ねていたからです。 イエ
とも聖書にあるとおりだった。こ
ます。みな祭りの始まる前にきよ
スはお答えになりました。「その
のことも預言どおりだった」と思
めの儀式をすませようと、数日
ままにさせておきなさい。マリヤ
い出したのです。〕 群衆の中に
55
7
17
前には着くように出かけて来るの
はわたしの葬りの準備をしてくれ
は、イエスがラザロを生き返らせ
です。 人々は、イエスに会いた
たのです。 貧しい人たちはいつ
た現場を目撃した人たちもかなり
いと思いました。宮のあちこちで、
でも助けてあげられますが、わた
いて、彼らはその出来事を一部始
しはもう、それほど長くいっしょ
終、人々に伝えていました。 こ
56
「 どう だ ろう ね。 あ の 方 は 祭 り
8
18
68
ヨハネの福音書
ライト
25
30
んなに大ぜいの人がイエスを出迎
ます。 この地上のいのちを愛す
のだ」と言う者もいました。 そ
えたのも、実を言えば、そのすば
るなら、結局はそれを失うだけで
こで、イエスは群衆に言われまし
らしい奇跡のことを聞いたからで
す。しかし、地上のいのちに執着
た。「この声が聞こえたのは、わ
した。 この有様にパリサイ人た
しなければ、代わりに永遠の栄光
たしのためではありません。あな
ちは動転し、言いました。「なん
を受けるのです。 わたしの弟子
たがたのためです。 さばきの時
てことだ! 見ろ。みんな、あい
になりたい者は、わたしについて
が来ています。この世の支配者サ
つについて行ったじゃないか!」
来なさい。わたしに仕える者は、
タンは追い出されるのです。 わ
19
20
26
31
32
さて、過越の祭りに加わろうと
わたしのいる所にいなければなら
たしが十字架の上に上げられる
エルサレムに来ていた数人のギリ
ないのですから。わたしに従う者
時、わたしはすべての人を自分の
シヤ人が、 ベツサイダ出身のピ
に、父は報いてくださるのです。
もとに引き寄せましょう。」
21
リポのところへ来て、「先生。ぜ
27
しかし、わたしの心は騒いでい
33
こう言われたのは、自分がどの
ひともイエス様にお会いしたいの
る。いったい、わたしはどうした
ような死に方をするかを示される
ですが」と頼み込みました。 ピ
らいいのだろうか。『父よ。これ
ためでした。 群衆はイエスに答
リポはアンデレにそのことを話
から起きることからお救いくださ
えました。「あなたが死ぬですっ
し、二人でお願いしようというこ
い』と祈るべきだろうか。ああ、
て? メ シ ヤ は 永 遠 に 生 きてい
とになりました。 イエスはお答
いや、このために、この時のため
て、絶対に死んだりなさらないも
えになりました。「いよいよ、わ
に、わたしは来たのでした。 父
のと思っておりましたのに。どう
たしが天の栄光の座に帰る時が
よ。どうぞあなたの栄光を現し、
してそんなことをおっしゃるので
来ました。 よく言っておきます。
あなたの御名があがめられるよう
すか? いったいどんなメシヤの
畑にまかれる一粒の麦のように、
にしてください。」その時、天か
ことを言っておられるのですか。」
わたしも地に落ちて死ななければ
ら声が聞こえました。「わたしは
なりません。そうしなければ、い
すでに栄光を現したし、また、も
「もうほんのしばらくの間、わた
つまでたっても一人のまま、一粒
う一度そうしよう。」 この声を
しの光はあなたがたのために輝
の種のままです。しかし、死ねば
聞いた群衆はかってに想像をめぐ
いています。光のある間に光の中
多くの新しい実が生じ、新しいい
らし、「雷が鳴ったのだ」と思う
を歩きなさい。暗闇が襲って来る
のちが豊かに実を結ぶことになり
者もあれば、「天使が語りかけた
前に、行こうと思う所に行きなさ
22
23
24
28
29
34
35
イエスは彼らに言われました。
よく言っておきます。畑にまかれる一粒の麦 のように、わたしも地に落ちて死ななければ なりません。そうしなければ、いつまでたって も一人のまま、一粒の種のままです。
しかし、死ねば多くの 新しい実が生じ、新しい いのちが豊かに実を結ぶ ことになります。
ヨハネの福音書 12:24
ヨハネの福音書
ライト
69
を洗い、腰の手ぬぐいでふき始め
この地上のいのちを愛するなら、結局はそれを失うだけ です。しかし、地上のいのちに執着しなければ、代わり に永遠の栄光を受けるのです。ヨハネの福音書 12:25
ました。「主よ。足を洗っていた
い。襲って来てからでは遅すぎま
て来ました。わたしを信じる人が
できません。」 イエスは言われま
す。道を見つけることもできませ
だれも、もはや暗闇の中をさまよ
した。「なぜこんなことをするの
ん。 まだ時間のある間に、光を
うことのないためです。 わたし
か、今はわからないでしょう。だ
十分に用いなさい。そうすれば、
のことばを聞きながら従おうとし
が、あとでわかるようになりま
光の子になれるのです。」
ない人がいても、わたしはさばき
イエ ス はこう 話し終 える とそこ
ません。わたしが来たのは世を救
を立ち去り、身を隠されました。
うためで、さばくためではないか
ところが、イエスがあれほど多
らです。 しかし、わたしを退け、
6
られたのです。 シモン・ペテロ の番になりました。ペテロは言い だくなど、もったいなくてとても
36
37
47
48
くの奇跡をなさったにもかかわら
わたしの言うことを受け入れない
ず、大部分の人はイエスをメシ
すべての人をさばくものがありま
ヤとは信じませんでした。 まさ
す。わたしの語った真理のことば
に、イザヤが預言したとおりです。
が、終わりのさばきの日にその人
38
49
「主よ。だれが私たちのことばを
をさばくのです。 その真理はわ
信じるのか。だれが神の力強い奇
たしが考え出したことではなく、
跡を証拠と認めるのか。」(イザヤ
父が語れとお命じになったことで
53・1) イザヤは次のようにも
す。 神の命令は、人を永遠のい
言っているからです。 「神は彼
のちに導きます。だから、神が語
39
40
らの目を盲目に、心をかたくなに された。彼らが見ることも、理解 することも、わたしのもとに立ち 返っていやされることもないため 41
だ。」 (イザヤ 6・10) この預言は、 イエスのことを指しています。イ ザヤは、メシヤの栄光の幻を見て 42
預言したのです。 しかし、だれ も信じなかったというわけではあ りません。ユダヤ人の指導者の中 にも、イエスをメシヤと信じる者 がかなりいました。ただ、パリサ
50
13
れと言われたことを、何でもその とおり語っているのです。」
13
7
わたしは、この暗い世に 輝く光として来ました。
わたしを 信じる人が だれも、 もはや暗闇の 中をさまようことの ないためです。 ヨハネの福音書 12:46
弟子の足を洗うイエス 1
過越の祭りの前に、イエスは、
8
す。」 「いいえ。どうかもう、お
いよいよこの世を去って父のもと
やめください」とペテロは言いは
に帰る最後の時が来たことを知
ります。「もしわたしが足を洗わ
り、弟子たちに対する愛を余すと
なければ、あなたはわたしの仲間
ころなく示されました。 夕食の
にはなれません」とイエスは答え
間のことです。悪魔はすでに、シ
られました。 するとペテロはあ
モンの子イスカリオテのユダに、
わてて、「そ、それなら、足だけ
2
9
イ人たちに会堂から除名されるの
「今夜こそ、かねてからの計画を
とおっしゃらず、手も、それに頭
がこわくて、公に告白できなかっ
実行に移す絶好の時だ」という思
も洗ってください」と言いました。
たのです。 彼らは、神にほめて
いを吹き込んでいました。 イエ
いただくことよりも、人の間での
スは、父がすべてのものを与えて
全身がきよくなります。今あなた
名誉を重んじたからです。
43
3
10
「水浴した者は、足だけ洗えば
くださったことと、自分が神のも
がたはきよいのですが、みながみ
イエスは大声で群衆に語りか
とから来て、また神のもとに帰ろ
な、きよいというわけではありま
けました。「わたしを信じる人は、
うとしていることを知り、 夕食
せん。」 イエスはだれが裏切り
わたしを遣わした方を信じるので
の席からゆっくり立ち上がり、上
者かわかっていたので、 「みなが
す。 わたしを見る人は、わたし
着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰に
みな、きよいわけではない」と言
を遣わした方を見るのです。 わ
巻かれました。 そしてたらいに
たしは、この暗い世に輝く光とし
水を入れ、弟子たち一人一人の足
44
45
46
4
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11
われたのです。
12
イエスは弟子たちの足を洗い終
イエスはトマスに言われました。
「いいですか。わたしが道です。 そして真理でもあり、 いのちでもあります。 わたしを通らなければ、だれ一人、 父のところへは行けません……」
ヨハネの福音書 14:6 29
えると、また上着を着て席に戻り、
入れるのです。そして、わたしを
やらわかりません。 ユダが一行
改めてお尋ねになりました。「わ
心から受け入れることは、わたし
の会計係だったので、祭りに必要
たしのしたことがわかりますか。
をお遣わしになった父を受け入れ
なものを買い求めるように言われ
ることなのです。」
たか、貧しい人々に施しをするよ
13
あなたがたはわたしを『先生』
うに言われたのだろう、と思った
とも『主』とも呼んでいます。そ れはかまいません。そのとおりな 14
のですから。 その、主でも先生 でもあるわたしが足を洗ってあげ
30
新しい戒め 21
者もいました。 ユダはぱっと席
ここでイエ ス は、 込 み 上 げ る
霊の悲しみを抑え、言われました。
を立つと、夜の闇に飛び出して行 きました。 31
たのですから、あなたがたも互い
「あなたがたに言います。あなた
に足を洗い合いなさい。 わたし
がたのうちの一人が、わたしを
が言われました。「時が来ました。
は模範を示したのです。わたしが
裏切ります。」 弟子たちは、だ
神の栄光がわたしの回りに輝き渡
したとおりに、あなたがたもしな
れのことを言われたのか見当も
るのも、時間の問題です。同時に
さ い。 使 用 人 は そ の 主 人 にま
つきません。困惑して顔を見合わ
また、わたしの身に起こるすべて
さらず、遣わした人より使者のほ
せるばかりです。 イエスに愛さ
のことのゆえに、神も大いにほめ
うがまさるということもありませ
れた弟子の私(筆者の使徒ヨハ
たたえられるでしょう。 神はわ
15
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17
22
23
ユダが姿を消すとすぐ、イエス
32
ん。 このことがわかったら、す
ネ)は、食卓では先生の隣に座っ
たしに、ご自分の栄光を与えてく
ぐ実行しなさい。そうすれば祝福
ていました。 シモン・ペテロが
ださるのです。それも、すぐにで
されるのです。 あなたがた全員
私に、「そんな恐ろしいことをし
す。 心から愛してやまない子ど
にこう言っているのではありませ
でかすのは、いったいだれか聞い
もたちよ。ああ、もう時間があり
ん。あなたがたを選んだのは、こ
てくれ」と合図を送ってきました。
ません。あなたがたを残して行か
18
のわたしです。ですから、一人一
24
25
33
そこで私は先生に、「主よ。だ
なければならないのです……。そ
人がどんな人間かよく知っていま
れがそんなことを?」と尋ねまし
の時には、いくらわたしを捜して
す。聖書には、 『わたしと食事を
た。 「わたしの手でスープに浸
も、わたしのところへ来ることは
共にしている者が、わたしを裏切
したパンを与える者がそうです。」
できません。ユダヤ人の指導者た
る』(詩篇 41・9)とはっきり書
こう言うと、イエスはパンを浸し、
ちにも言っておいたとおりです。
いてあるでしょう。いいですか。
イスカリオテのシモンの子ユダに
まもなく、そのとおりのことが起
与えられたのです。 ユダがその
しょう。わたしがあなたがたを愛
こるのです。 今そのことを話し
パンを口に入れたその時、サタン
するように、互いに愛し合いなさ
ておきましょう。その時になって、
がユダの心に入り込みました。そ
い。 互いに心から愛し合うなら、
あなたがたがわたしを信じられ
こでイエスはユダに、「さあ、急
わたしの弟子であることをすべて
るように。 よく言っておきます。
いで、することをしなさい」と言
の人が認めるのです。」
わたしが遣わす者を心から受け入
われました。 食卓に着いている
れる人はだれでも、わたしを受け
ほかの者はみな、それが何のこと
19
20
26
27
28
34
そこで今、新しい戒めを与えま
35
36
さっそく、シモン・ペテロが尋
ねました。「主よ。いったいどこ
ヨハネの福音書
ライト
71
へいらっしゃるのですか?」 「あ
た。「先生。あなたのお父様を見
きません。この方を求めもしなけ
なたは、今はついて来ることはで
せてください。それだけで十分で
れば、認めようともしないからで
きません。しかし、ずっとあとに
すから。 」 「ピリポ。こんなに長
す。しかし、あなたがたはこの方
なってついて来ます。」 ペテロは
くいっしょにいるのに、わたしが
を知っています。あなたがたと共
言いました。「でも、どうしてです
どういう者かまだわからないので
に住み、あなたがたのうちにおら
か。どうして今はだめなのですか。
すか。わたしを見た者は、父を見
れるからです。 わたしはあなた がたを見捨てたり、孤児のように
37
9
18
あなたのためなら死ぬ覚悟もでき
たのです。それなのにどうして父
ています。 」 「わたしのために死
を見せてくださいなどと言うので
置き去りにしたりすることなどあ
ぬ、と言うのですか。いや違いま
すか。 わたしが父のうちにおり、
りません。必ずあなたがたのとこ
す。あなたは、明日の朝、鶏が鳴
父がわたしのうちにおられること
ろに帰って来ます。 もうすぐわ
38
14
10
19
く前に、三度わたしを知らないと
を信じないのですか。わたしは自
たしはこの世を去りますが、それ
言います。」
分の考えを話しているのではあり
でもなおいっしょにいるのです。
ません。わたしのうちに住んでお
わたしはよみがえり、あなたがた
られる父の命じられるままに話し
もいのちを受けるからです。 わ
14 1
20
「あなたがたは、どんなことが
ているのです。父は、わたしを通
たしが復活する時、あなたがたは、
あっても、心配したりあわてたり
して働きをなさいます。 わたし
わたしが父のうちにおり、あなた
してはいけません。神を信じ、ま
が父のうちにおり、父がわたしの
がたがわたしのうちにおり、また、
たわたしを信じなさい。 父の住
うちにおられる、ただこのことを
わたしがあなたがたのうちにいる
んでおられる所には、家がたくさ
信じなさい。もし信じられないな
ことがわかります。 わたしに従
んあります。もしなかったら、はっ
ら、わたしが行った力ある奇跡を
い、わたしの戒めを守る人は、わ
2
11
21
きり言っておいたでしょう。わた
思い出してごらんなさい。そうし
たしを愛する人です。わたしを愛
しは、あなたがたを迎える家を準
たら信じられるでしょう。 よく
する人を、父は愛してくださいま
備しに行くのです。 すっかり準備
言っておきます。わたしを信じる
す。わたしもまたその人を愛し、
ができたら迎えに来ます。わたし
者は、わたしと同じわざを行う
わたし自身を現します。」 ユダ(イ
がいる所に、あなたがたもいられ
ばかりか、それよりもさらに大き
スカリオテ・ユダではなく、同名
るようにするためです。 これだ
なわざを行うのです。わたしが父
の他の弟子)がイエスに、不思議
け言えば、わたしがどこへ行くか、
のもとに行くからです。 わたし
そうに尋ねました。「先生。私た
どうしたらそこへ行けるか、もう
の名によって、父に願い求めなさ
ち弟子にだけご自分を現そうとな
わかったでしょう。」 するとトマ
い。どんなことでもかなえてあげ
さって、世の人に現そうとなさら
スが言いました。「いいえ、ちっ
ましょう。父が子によってほめた
ないのはどうしてですか。」 イ
ともわかりません。先生がどこへ
たえられるためです。 わたしの
エスはお答えになりました。「わ
おいでになるのか、まるで見当も
名によって願い求めることは、必
たしを愛し、わたしのことばを守
つきません。ましてそこへ行く道
ずかなえられるのです。
る人にだけ、わたしは自分を現す
3
4
5
12
13
14
など、どうしてわかりましょう。」
6
イエスはトマスに言われました。
「 い いで す か。 わ たしが 道で す。 そして真理でもあり、いのちでも
もう一人の助け手(聖霊) の約束 15
わたしを愛するなら、わたしの 16
22
23
のです。父もまた、そういう人を 愛してくださいます。わたしたち はその人のところに来て、その人 24
といっしょに住みます。 わたし
あります。わたしを通らなければ、
戒 め を 守り な さ い。 わ たしは
のことばを守らない人は、わた
だれ一人、父のところへは行けま
父に、もう一人の助け手を送って
しを愛していないのです。わたし
せん。 わたしがどういう者か知っ
いただくようお願いします。その
は、自分で考え出したことを話し
てい る な ら、 わ たしの 父 のこと
助け手は、いつもあなたがたと
ているのではありません。わたし
もわかったはずです。あなたがた
共におられます。 その方とは聖
をお遣わしになった父が教えてく
は、今からはもう父を知っている
霊、すなわち、すべてを真理へと
し、すでに父を見ているのです。」
導いてくださる霊のことです。世
25
今度はピリポが口をはさみまし
は、この方を受け入れることがで
にいる間に、このことをみな話し
7
8
17
ださったことを話しているのです。 今、まだあなたがたといっしょ
26
あなたがたに 贈り物を あげましょう。 あなたがたの思いと 心を安らかにすること、 それがわたしの 贈り物です。
ておきます。 しかし、父がわた
生きるよう心がけなさい。またわ
しの代わりに助け手(聖霊)を
たしが、あなたがたのうちに生き
送ってくださる時には、その方が
られるようにしなさい。枝は幹に
あなたがたにすべてのことを教
つながっていなければ、実を結べ
え、 わ たしが 話してお い たこと
ないでしょう。同じようにあなた
を、みな思い出させてくださるの
がたも、わたしから離れたら、実
です。 あなたがたに贈り物をあ
を結ぶことはできません。 わた
げましょう。あなたがたの思いと
しはぶどうの木で、あなたがたは
心を安らかにすること、それがわ
その枝です。人がわたしのうちに
たしの贈り物です。わたしが与え
生き、わたしもその人のうちに生
る平安は、この世のはかない平安
きているなら、その人は多くの実
とは比べものになりません。だか
を結びます。わたしを離れては何
ら、どんな時にもおろおろしたり、
もできません。 わたしから離れ
恐れたりしてはいけません。 『わ
る者はだれでも、役に立たない枝
27
28
この世の はかない 平安とは 比べものに なりません。 だから、どんな時にも おろおろしたり、 恐れたりしては いけません。
のように投げ捨てられ、枯れてし
来る』と言ったことを思い出しな
まいます。最後には、ほかの枝と
さい。ほんとうにわたしを愛して
いっしょに積み上げられ、焼かれ
いるなら、今わたしが父のもとに
てしまうのです。 しかし、もし
行けるのを、心から喜んでくれる
わたしのうちにとどまり、わたし
はずです。父はわたしよりも偉大
の命令に従うなら、何でもほしい
だからです。 わたしは、まだ起
ものを求めなさい。きっとかなえ
こっていないことを前もって話し
られます。 わたしのほんとうの
ました。それが起こった時に、あ
弟子となり、多くの実を結ぶこと
なたがたがわたしを信じるためで
によって、父が大いにほめたたえ
す。 もう、あまり多くのことを
られるのです。 父がわたしを愛
話す時間がありません。この世の
してくださったように、わたしも
悪い支配者が、そこまで近づいて
あなたがたを愛しました。わたし
いるからです。彼はわたしに何も
の愛のうちに生きなさい。 わた
できません。 わたしは、父がし
しの戒めを守るなら、わたしの愛
なさいとおっしゃることを進んで
のうちに生き続けます。わたしが
実行します。わたしが父を愛して
父の戒めを守り、父の愛のうちに
いることを、世の人が知るためで
生きているのと同じです。 この
す。さあ、出かけましょう。
ことを話したのは、わたしのうち
30
31
15
ヨハネの福音書 14:27
6
たしは去って行くが、また戻って
29
わたしが与える 平安は、
5
15
すばらしい実を結ぶために 1
わたしはまことのぶどうの木、
7
8
9
10
11
にあふれる喜びを共に味わいたい からです。 12
わたしがあなたがたを愛したよ
うに、あなたがたも互いに愛し合
わたしの父はぶどう園の農夫で
いなさい。これがわたしの教えで
す。 父は、実のならない枝をみ
す。 愛は何によって測ることが
な切り落とし、実のなる枝はもっ
できるでしょう。友のためにいの
とたくさんなるように、余分な枝
ちを投げ出すこと、これより大き
2
3
13
14
を整理なさるのです。 父は、す
な愛はありません。 わたしの命
でにあなたがたの枝を整理し、き
令に従う人は、わたしの友です。
れいに手入れをすまされたので 4
す。 ですから、わたしのうちに
15
あなたがたはもう使用人ではあ
りません。今からは、わたしの友
ヨハネの福音書 です。主人は使用人に秘密を打ち 明けたりはしません。しかし、わ
ライト
とわたしの父を憎んだのです。 25
73
す。わたしが行かなければ、助け
こうして、『彼らは理由もなしに
手である聖霊はおいでになりませ
たしは父から聞いたことをみな、
わたしを憎んだ』(詩篇 35・19、
ん。行けば必ずおいでになります。
あなたがたに話しました。 あな
69・4)というメシヤについての
それというのも、わたしがその方
たがたがわたしを選んだのではあ
預言は、そのとおり実現しました。
を遣わすからです。 その方が来
16
りません。わたしがあなたがたを
26
8
わたしはあなたがたに、助け
られると、世の人に誤りを認めさ
選んだのです。そして任命しまし
手、すなわち、すべての真理の根
せます。罪、心の正しさ、神との
た。だから、あなたがたは行って、
源である聖霊を遣わしましょう。
正しい関係、さばきからの救いに
いつまでも残るすばらしい実を結
その方は、父のもとから来て、わ
ついて、人々は考え違いをしてい
びます。また、わたしの名前によっ
たしのことを語ってくださいます。
るのです。 まず、罪とはわたし
て父に求めるものは、何でもいた
あなたがたもまた、わたしのこ
を信じないことです。 正しい心
17
だけるのです。 もう一度言いま す。互いに愛し合いなさい。
18
あなたがたは、世の人にひどく
憎まれます。だが忘れてはいけま せん。あなたがたより先に、わた 19
しが憎まれたのです。 あなたが たが世の人と同じであったら、世 もあなたがたを愛したでしょう。 だが、そうではありません。わた しがあなたがたを選び、世から連 れ出したのです。だから、世はあ
27
9
10
とをすべての人に語らなければな
を持ち、神と正しい関係を結べる
りません。初めからわたしといっ
のは、わたしが父のもとに行き、
しょにいたからです。
もはやわたしを見なくなるからで
16 16
この世の支配者がすでにさばかれ
悲しみは喜びに変わる
たからです。 ああ、話しておき
1
11
す。 さばきから救われるのは、 12
これらのことを話したのは、こ
たいことはまだまだたくさんあり
れからどんなことが起こっても、
ます。それなのに、今のあなたが
あなたがたがくじけないためで
たには理解できないことばかりで
す。 会堂から追放され、いのち
す。 しかし、真理である聖霊が
2
13
までつけねらわれる身になること
来られます。その方の指導を受け
を覚悟しなさい。事実、あなたが
て、あなたがたもいつか、すべて
人は主人より偉くはない』と言っ
たを殺すことで神への奉仕を果た
の真理を知るのです。聖霊は、自
たのを覚えているでしょう。わた
すのだと、人々がとんでもない思
分の考えを述べたりしません。た
しを迫害した人々があなたがたを
い違いをする時が来ます。 父を
だ、聞くままを伝え、やがて起こ
迫害しても、何の不思議があるで
も、わたしをも知らない人々のや
ることについても話します。 ま
しょう。ごく当然のことです。わ
りそうなことです。 いいですか。
た、 わ たしの 栄 光 を 示 すこと に
たしの言うことを聞く人なら、あ
この警告をしっかり心にとめてお
よって、わたしに大きな栄誉を与
なたがたの言うことも聞くはずで
きなさい。迫害が現実に起きた
えます。 父の栄光はみなわたし
す。 しかし世の人は、わたしの
時、あわてふためかないですむよ
の栄光です。だから聖霊がわたし
弟子だというだけであなたがた
うにしなさい。今までこんなこと
を迫害します。わたしをお遣わし
を言わなかったのは、しばらくの
になった神を全く知らないからで
間でも、いっしょにいてあげられ
ま す。 も は や わ たしを 見 ること
す。 わたしが来なくて、何も話
たからです。 しかし今、わたしは、
はできません。しかし、またすぐ
さなかったのであれば、彼らは罪
わたしをお遣わしになった方のも
を問われなかったでしょう。しか
とに行かなければなりません。そ
し今はもう、罪の言いわけは許さ
れでもあなたがたは、わたしが何
何人かがひそひそとささやき始め
れません。 だれでもわたしを憎
のためにそこへ行くのか、知りた
ました。「いったい何のことだろ
む者は、わたしの父をも憎むので
くないようです。だれ一人、どこ
う。『まもなくわたしを見なくな
す。 わたしがあれほどのわざを
に行くのか尋ねもしません。 か
り、またすぐにわたしを見る』と
20
なたがたを憎むのです。 『使用
21
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3
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6
14
15
の栄光を示すと言ったのです。
16
まもなく、わたしは去って行き
にわたしを見るようになります。」
17-18
この話を聞いて、弟子たちの
行わなかったのなら、彼らは罪に
えって、わたしの話を聞いて、悲
か、『父のもとに行く』とかおっ
定められることもなかったでしょ
しみに心が満ちています。 しか
しゃったけど、どういうことだろ
う。けれども、わたしのわざをはっ
し、わたしが行くことは、あなた
う。」 弟子たちが質問したくて
きり見たにもかかわらず、わたし
がたにとって一番よいことなので
うずうずしていると、イエスはそ
7
19
74
ヨハネの福音書
ライト
れに答えるように、また話し始
えられ、あなたがたは喜びに満ち
です。いや、その時はもう来てい
められました。「何を言い合って
あふれるのです。
ます。しかし、わたしは一人では
いるのですか。そんなにわたしの 言うことがわからないのですか。
20
25
わたしはたとえを使って話しま
ありません。父がついておられま 33
したが、そんな必要はなくなる時
す。 あなたがたも心配しないで、
いいですか。わたしの身に起こ
が来ます。その時には、父につい
安心していなさい。こんなにも念
ることで、この世は大喜びし、あ
てはっきりと話しましょう。 そ
には念を入れて話したのは、その
なたがたは悲しみます。しかし、
の時、あなたがたはわたしの名に
た め な ので す か ら。 確 か に、こ
やがてわたしに再会できるので
よって願い事をするのです。わた
の世では苦難と悲しみが山ほどあ
す。その時、悲しみは大きな喜び
しがあなたがたに代わって、どう
ります。しかし、元気を出しなさ
21
26
に変わるでしょう。 苦しんで子
ぞ願いを聞いてくださいと父に頼
を産む母親の喜びと全く同じで
む必要はなくなります。 わたし
27
17
い。わたしはすでに世に勝ったの
です。」
17
す。子どもが生まれると、それま
を愛し、わたしが父から来たこと
での激しい苦しみを忘れるほどの
を信じるあなたがたを、父も心か
大きな喜びに変わるのです。 今
ら愛してくださるからです。 そ
は悲しみでいっぱいですが、わた
う、わたしは父のもとからこの世
しはもう一度あなたがたに会い
に来ました。そしてまた世を去り、
ます。その時あなたがたは、だれ
父のもとに帰るのです。」 弟子
も奪うことのできない喜びにあふ
たち は 言 い ました。「 先 生。 今、
れるのです。 その時には、何一
はっきりとわかりました。 あな
つわたしに求める必要はありませ
たは何もかもご存じです。もう何
ん。直接父に求めることができる
も申し上げません。あなたは、確
の人を支配する権威をわたしに下
からです。父は、わたしの名によっ
かに神様から遣わされた方です。」
さったので、こうして、あなたか
て求めるものは何でも与えてくだ
「やっと信じてくれるのですね。
ら任せられた一人一人に、永遠の
あ あ、で も 時 が 来 れ ば、 あ な
いのちを与えられるのです。 た
でこのような求め方をしたことは
たがたはばらばらに散らされま
だ一人のまことの神であるあなた
ありませんでした。わたしの名に
す。わたし一人を残して、見向き
と、あなたがこの地上にお遣わ
よって求めなさい。そうすれば与
もせず、一目散に家に逃げ帰るの
しになったわたしを知ること、そ
22
23
24
さいます。 あなたがたは、今ま
28
29
30
31 32
イエスの祈り 1
ひとしきり語り終えられると、
イエスは天を見上げて言われまし た。「父よ。いよいよ時が来まし た。わたしがあなたに栄光をお返
しできるように、わたしの栄光を 2
現してください。 地上のすべて
3
あなたがたも心配しないで、安心していなさい。 こんなにも念には念を入れて話したのは、 そのためなのですから。確かに、 この世では苦難と悲しみが山ほどあります。
しかし、 元気を出しなさい。 わたしはすでに世に 勝ったのです。
ヨハネの福音書 16:33
ヨハネの福音書
ライト
75
れが永遠のいのちを得る道です。
がわたしといっしょにいた間は、
わたしはあなたに言われたとお
あなたの家族として、一人一人を
りを成し遂げ、地上であなたの栄
安全に守りました。滅びないよう
しは彼らに与えました。わたしと
光を現しました。 父よ。今こそ
に、いつも見守りました。ただ地
父が一つであるように、彼らに
あなたの前で、わたしの栄光を現
獄の子だけが滅びました。聖書に
も完全な一致を保ってほしかった
してください。世界が造られる前
言われていたことが実現するため
からです。 わたしが彼らのうち
から、ごいっしょに持っていたあ
です。 今わたしは、みもとにま
におり、あなたがわたしのうちに
の栄光で、わたしを輝かせてくだ
いります。彼らの心がわたしと同
おられて初めて、みな完全に一つ
さい。
じ喜びでいっぱいになるように、
になるのです。その時、世の人々
あなたのことはすべて、この人
いっしょにいる間は、できるだけ
は、あなたがわたしをお遣わしに
たちに話しました。彼らはこの世
のことを話しました。 あなたの
なったことを知り、わたしだけで
に いましたが、あなたが世から
命令も伝えました。するとどうで
なく彼らも、あなたが愛しておら
選び出し、わたしに下さったので
しょう。世の人は彼らを憎んだの
れることを認めざるをえなくなる
す。いつもあなたのものである彼
です。わたしと同じように、彼ら
のです。 父よ。彼らがわたしと
らを、わたしに下さったのです。
もこの世と調子を合わせようとし
いっしょにいることができるよう
彼らはあなたのおことばを守り
ないからです。 彼らをこの世か
にしてください。彼らにわたしの
ました。 いま彼らは、わたしの
ら取り去ってくださいとはお願い
栄光を見させてください。世界の
持っているものはみな、あなたか
しません。ただ、サタンから守っ
造られる前からわたしを愛してお
4
5
6
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13
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15
この人たちのことだけでなく、この人たちの証言を 聞いて、わたしを信じるすべての人のためにも祈ります。 ヨハネの福音書 17:20
を、世の人々が信じますように。 22
あなたが下さった栄光を、わた
23
24
られた、あなたが下さった栄光を。 25
ああ、父よ。すべての事におい
て正しい父よ。世はあなたを知り ません。けれども、わたしはあな たを知っています。この弟子たち
16
らの贈り物であることを知ってい
てください。 わたしと同じよう
も、あなたがわたしをお遣わしに
ます。 わたしがあなたのおこと
に、彼らもこの世のものではあり
なったことを知っています。 わ
ばを伝えたからです。彼らはそれ
ません。 あなたの真理のことば
たしが教えたのです。これからも
を受け入れ、確かにわたしがあな
によって、彼らを純粋な、きよい
教えます。あなたの大きな愛が彼
たのもとからこの地上に遣わされ
者としてください。 あなたがわ
て来たのだと信じています。 父
たしを世にお遣わしになったよう
よ。 お 願 い が あり ま す。 もち ろ
に、わたしも彼らを世に遣わしま
ん、世のためではなく、あなたが
す。 また、彼らが真理を知る、
わたしに下さった者たちのためで
き よ い 者 として成 長で きる よ う
す。彼らはあなたのものなのです
に、この身をささげます。
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から。 彼らはみな、わたしのも
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この人たちのことだけでなく、
26
18
らをつつみ、わたしも彼らのうち にいられるように。」
18
逮捕されるイエス 1
話し終えると、イエスは弟子た
ちといっしょに出かけ、ケデロン の谷を横切り、とあるオリーブ園
の、また、あなたのものです。あ
この人たちの証言を聞いて、わた
なたは彼らを、他のすべてのもの
しを信じるすべての人のためにも
といっしょにわたしに下さいまし
祈り ま す。
た。で す か ら、 彼 ら は わ たしの
あなたとわたしが一つであるよう
栄光なのです。 わたしは世を去
に、彼らも一つの心、一つの思い
としていたユダにとってもなじみ
り、あなたのもとに帰ります。彼
となりますように。あなたがわた
のある場所でした。イエスと弟子
らをあとに残して……。ああ、父
しのうちにおられ、わたしがあな
たちはそこでたびたび会合したか
よ。この人たちが一人も脱落しな
たのうちにいるのと同じように、
らです。 祭司長とパリサイ人た
いように守ってください。わたし
彼らもわたしたちのうちにいさせ
ちは、ユダに、一隊の兵士と神
と父が一つであるように、彼らも
てください。それを見て、あなた
殿警備の役人たちをつけて園に差
一つとならせてください。 彼ら
がわたしをお遣わしになったこと
し向けました。手に手にあかあか
11
12
21
父 よ。 お 願 いで す。
2
に入って行かれました。 イエス は弟子たちといっしょによくここ に来ておられ、イエスを裏切ろう
3
76
ヨハネの福音書
ライト
その人たちが一番よく知っていま
「わたしは地上の王ではありません。もし地上の王で あったら、逮捕された時、弟子たちは戦いをいどんだ でしょう。わたしの国はこの世のものではないのです。」 ヨハネの福音書 18:36
22
す。」 「無礼者!それが大祭司様 に対する口のきき方か。」そばに 立っていた役人の一人がどなりつ け、平手でイエスをたたきました。
23
イエスはお答えになりました。
「何かまちがったことでも言いま と燃えるたいまつやランプをかざ
の人が全国民の代わりに死ぬほう
したか。だったら証拠を見せてく
し、武器を持った一隊が、オリー
が得策だ」と助言した人物です。
ださい。なぜ、正しいことを言う
ブ園に押しかけました。
15
24
シモン・ペテロは、もう一人の
者を打つのですか。」 こうした
弟子(筆者の使徒ヨハネ)といっ
やりとりのあと、アンナスは、イ
ことをすべてご存じだったので、
しょに、恐る恐るイエスについて
エスを縛ったまま、大祭司カヤパ
前に進み出て人々を迎えました。
行きました。その弟子は大祭司
裏 切り 者 の ユ ダ も いっしょでし
の知り合いだったので、イエスと
た。 「だれを捜しているのですか。」
いっしょに中庭に入ることができ
たでしょう。火のそばで暖まって
「ナザレのイエス!」「わたしがイ
ました。 ペテロはじりじりしな
いると、またしても人々が、「あ
エスです。 」 このイエスのことば
がら門の外に立っていましたが、
んた、あの人の弟子じゃないの
に、人々はみな息をのんであとず
あの弟子が来て、門番の女に頼み
か?」と問い詰めました。「弟子
さりし、ばたばたと倒れました。
込んだので、入れてもらえること
だって? 冗談じゃない。」 こう
4-5
イエスはご自分の身に起こる
6
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16
17
のところに回しました。
25
一方、シモン・ペテロはどうし
26
イエスはもう一度お尋ねになり
になりました。 ところが、女は
答えたものの、まずいことに、ペ
ました。「だれを捜しているので
まじまじとペテロを見やり、「ね
テロが耳を切り落とした、あの大
すか。」 「ナザレのイエスを。」「わ
え、ちょっと、あなた、イエスの
祭司の部下の親類にあたる者が居
たしがそうだと言ったではありま
弟子じゃない?」と聞くのです。 「と
合わせたのです。「しらばっくれて
せんか。目当てがこのわたしなら、
んでもない、何を言うんだ。」そ
もだめだ。あのオリーブ園で、確
ほかの者は関係ありません。この
う言って、その場はなんとか切り
まま帰らせてあげなさい。 」 それ
抜けました。 寒い日だったので、
は、「わたしに下さった人たちを、
役人や召使たちは炭火をかこんで
あくまでしらを切りました。とそ
ただの一人も失いませんでした」
暖まっています。ペテロは何くわ
の時、鶏の鳴く声が聞こえました。
とイエスが言われたとおりになる
ぬ顔で、いっしょに立って暖まっ
ためでした。 その時、シモン・
ていました。
8
9
10
ペテロは剣を抜き放ち、大祭司の
18
19
中ではいよいよ、大祭司がイエ
かにイエスといっしょだったぞ。」
27
こうまで言われても、ペテロは
裁判を受けるイエス 28
カヤパの取り調べはその朝早
部下、マルコスの右の耳を切り落
スに、弟子たちのことや教えの内
く終わり、今度はローマ総督(ユ
としました。 しかし、イエスは
容などについて尋問を始めたとこ
ダヤを統治する行政長官)の番で
ペテロをたしなめて、「剣をさや
ろです。 イエスはお答えになり
す。訴える人々は、イエスを総督
に納めなさい。父が下さった杯は
ました。「わたしの教えはわかっ
官邸まで連れて行きましたが、中
飲まなければならないのです」と
ているでしょう。いつも会堂や宮
に入ろうとしません。ユダヤ教の
言われました。
で語っていたので、ユダヤ人の指
おきてでは、異教徒の家に入るこ
これを聞くと、ユダヤ人の役人
導者の皆さんも聞いておられたは
とはたいへん汚らわしいことだっ
たちは、大隊長や兵士たちといっ
ずです。それ以外に、隠れて別の
たのです。そんなことをしたら身
しょにイエスに襲いかかり、縛り
ことを教えたことはありません。
が汚れて、過越の食事が食べられ
上げました。 彼らがまずイエス
どうしてそんな質問をするので
なくなるからです。 それで、総
を引いて行ったのは、その年の大
すか。そのようなことは、わたし
督ピラトがわざわざ外に出て来て
祭司カヤパのしゅうとアンナスの
の話を聞いた人たちに尋ねれば
問いただしました。「何を告発し
ところでした。 カヤパは以前、
すむのに。ここにも何人かいるで
に来たのか。いったいこの男はど
ユダヤ人の指導者たちに、「一人
しょう。わたしが何を言ったか、
んな悪事を働いたのだ。」 「や
11
12
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14
20
21
29
30
ヨハネの福音書
ライト
77
つが犯罪人でないなら、逮捕した
の国はこの世のものではないので
ざんからかい、平手でたたいたり
りはいたしません!」彼らも負け
す。」「なんだと、それじゃあ、やっ
しました。 ピラトはもう一度外
ず に やり 返しま す。 「 そ う か。
ぱりおまえは王なんだな!」 「い
に出て、ユダヤ人たちに念を押し
だったらおまえたちの法律に従っ
かにもそのとおりです。わたしは、
ました。「今、あの男を連れ出す。
て、おまえたちが裁判したらよか
この世に真理を伝えるために生ま
だがいいか。私の見たところでは、
ろう。」「お忘れですか。私どもに
れたのです。真理を愛する者はみ
あの男は無罪だ。」 イエスは、い
はこの男を死刑にする権利はな
な、わたしに従うのです。」 「真
ばらの冠に紫色のガウンという姿
いのです。だから、ぜひとも閣下
理だと? 真理とは何だ。」ピラ
のまま出て来られました。「よく
のご承認をいただきたいのです。」
トは吐き捨てるように言うと、ま
見ろ。この男だ」と、ピラトが言
こうして、ご自分がどのような
たユダヤ人たちのところへ行き、
いました。
31
32
方法で処刑されるか、イエスが前
37
38
こう提案しました。「あの男は無 39
もって話しておられたことが現実
罪だ。 ところで毎年、過越の祭
となったのです。
4
5
6
「十字架につけろ! 十字架だ!」
イエ ス を 見 るや い な や、 祭 司 長
りの時には、囚人を一人釈放して
やユダヤ人の役人たちは、大声
ピラトは官邸内に戻ると、イエ
やることになっている。おまえた
で 訴 えました。 ピ ラトは 言 いま
スを呼び寄せて尋ねました。「お
ちさえよければ、あの『ユダヤ人
した。「そこまで言うならおまえ
まえはユダヤ人の王か。どうな
の王』を釈放してやるが、どうだ。」
たちがやれ! 私の調べでは無罪
33
34
のだ。」 「あなたの言う王とは、
40
「違う! あいつじゃない! バ
だ。」 「こいつは自分を神の子と
普通の意味での王ですか。それ
ラバだ!」彼らはまた大声でわめ
ぬかしました。私どもの法律では
とも、ユダヤ人の言う王でしょう 35
か。」 ピラトはかんに触ったの か、強い口調で言いました。「私 がユダヤ人だとでも言うつもり か。おまえをここに引っ立てて来 たのは、ユダヤ人と祭司長たちだ ろう。いったい何をしでかしたの 36
か。」 「わたしは地上の王では ありません。もし地上の王であっ たら、逮捕された時、弟子たちは 戦いをいどんだでしょう。わたし
19
7
8
き立てました。このバラバという
死刑です。」 そのことばを聞くと、
男は強盗だったのです。
ピラトはますますこわくなりまし
19 1
しかたなくピラトは、イエスの
9
た。 もう一度イエスを官邸へ連 れ戻し、尋ねました。「おまえは いった い、 どこか ら 来 た の だ。」
背中を鉛のついたむちで打たせま
しかし、イエスはひとこともお答
した。 そして兵士たちは、いば
えになりません。 ピラトはさら
らで冠を編み、イエスの頭にかぶ
に問い詰めます。「何も言わない
らせ、王の着る紫色のガウンを着
のか。わからんやつだな。私の命
せ ました。 そ れ か ら、「 ユ ダ ヤ
令ひとつで、おまえを釈放するこ
人の王様、ばんざーい!」とさん
とも、十字架につけることもでき
2
3
10
「なんだと、それじゃあ、 やっぱりおまえは王なんだな!」
「いかにもそのとおりです。
わたしは、この世に真理を 伝えるために生まれたのです。 真理を愛する者はみな、 わたしに従うのです。」
ヨハネの福音書 18:37
78
ヨハネの福音書
ライト 11
るのだぞ。」 イエスは言われま
きはヘブル語、ラテン語、ギリシ
ました。人々は海綿を浸し、ヒソ
した。「神から与えられた権威で
ヤ語で書いてあったので、大ぜい
プの枝の先につけて、イエスの口
なければ、あなたは何も手出しは
の人が読みました。 これを見た
もとに差し出しました。 それを
できません。わたしをあなたに引
祭司長たちは、ピラトに抗議しま
お受けになると、最後に、 「すべて
き渡した者の罪は、もっと大きい
した。「『ユダヤ人の王』とあるの
成し遂げた」とひとこと叫び、頭
のです。」 何とかしてイエスを釈
は納得がいきません。『ユダヤ人
放しようと手を尽くすピラトに、
の王と自称した』と書き直してく
ユダヤ人の指導者たちは激しく抵
ださい。」 「私が書いたことに
特別に重要な日でした。ユダヤ人
抗しました。「こいつを釈放なさ
口出しする気か。そのままにして
の指導者たちは、どうしても死体
るおつもりですか。そんなことを
おけ。」ピラトは聞き入れませんで
を翌日まで十字架にかけたまま
したら、あなた様はカイザル(ロー
した。
にしておきたくありませんでした。
12
マ皇帝)の味方ではありません。
21
22
23
30
を垂れて息を引きとられたのです。
31
翌日は安息日でした。しかも、
さて、イエスを十字架につけて
ピラトに、受刑者たちの足のすね
だれであろうと、自分を王とする
しまうと、兵士たちははぎ取った
を折って早く死なせるよう取り計
者は謀反人です。」 こう言われて、
着物を四つに分け、一つずつ取り
らってほしい、と願い出ました。
ピラトはまたもやイエスを外に連
ました。下着もそうしようとしま
そうすれば十字架から取り降ろせ
れ出し、「敷石」〔ヘブル語で、ガ
したが、見ると縫い目がありませ
るからです。 さっそく兵士たち
バタ〕と呼ばれる場所で裁判の席
ん。 「こいつは裂くわけにいか
が来て、イエスといっしょに十字
に着きました。 それはちょうど、
ないな。よし、だれが取るか、く
架につけられた二人の男のすねを
過越の祭りの前日、正午ごろのこ
じで決めよう」と話がまとまり
折りました。 最後にイエスのと
とでした。「さあ、おまえたちの
ました。「彼らはわたしの着物を
ころに来て見上げると、すでに亡
王だ。」 「殺せ、殺せ。十字架に
分け合い、下着をくじ引きにした」
くなっていたので、すねを折るの
13
14
15
つけろ!」「なに? おまえたちの
24
(詩篇 22・18)という聖書のこ 25
32
33
34
はやめました。 ところが、兵士
王をか?」「カイザルのほかに王
とばどおりになったのです。 兵
の一人が何を思ったのか、いきな
はない!」祭司長たちは、むきに
士たちがこんなやり方をしたの
り槍でわき腹を突きました。する
なって叫び返します。 これでは、
も、聖書のことばが実現するため
と、そこから血と水が流れ出た
しかたがありません。ついにピラ
でした。十字架のそばには、イエ
のです。 この一部始終を、私は
トもあきらめ、十字架につけるた
スの母マリヤ、おば、クロパの妻
確かにこの目で見ました。それを
16
35
め、イエスをユダヤ人に引き渡し
マリヤ、マグダラのマリヤが立っ
ありのままに、正確に報告してい
ました。
ていました。 イエスに愛された
ます。皆さんにも信じていただき
弟子の私(ヨハネ)もいっしょで
たいからです。
した。イエスは、私と、私のそば
うしたのは、聖書に、「彼の骨は
十字架につけられ、 埋葬されるイエス
26
36-37
兵士たちがこ
に立ち尽くしているご自分の母親
一つも砕かれない」(詩篇 34・
ついにイエスはユダヤ人たちの
と を 見つ め、「 お 母 さ ん。 ほ ら、
20 他)、また「彼らは自分たち
手に渡されました。イエスは十字
そこにあなたの息子がいますよ」
が突き刺した方を見る」(ゼカリ
架を背負わされ、エルサレム市外
と声をかけられました。 それか
ヤ 12・10)とあることが、その
の、「どくろ」〔ヘブル語で、ゴル
ら、弟子の私に、「さあ、あなた
ゴタ〕という場所へ引かれて行き
の母ですよ」とおっしゃいました。
ました。 人々はそこで、ほかの
その時以来、私は先生のお母さん
17
18
二人といっしょにイエスを十字架
27
を家に引き取ったのです。
28
とおり起こるためでした。
38
このあと、弟子でありながら、
ユダヤ人の指導者たちを恐れてそ れを隠していたアリマタヤのヨセ
こうして、何もかもすっかり終
フが、勇気を奮い起こし、ピラト
二人はそれぞれその両側に。 ピ
わったことを知ったイエスは、 「わ
にイエスの死体の引き取りを願
ラトはイエスの頭上に、「ユダヤ
たしは渇く」と言われました。こ
い出ました。ピラトの許可を得る
人の王、ナザレのイエス」と書い
れも聖書のことばどおりの出来事
と、すぐ刑場に駆けつけ、死体を
た罪状書きを掲げました。 処刑
です。 そこには、ちょうど酸っ
取り降ろしました。 以前に、夜、
の場所は都に近く、しかも罪状書
ぱいぶどう酒のつぼが置いてあり
イエスのところに来たことのある
につけました。イエスは真ん中、 19
20
29
39
ヨハネの福音書 11
ニコ デ モ も、 没 薬( 天 然ゴム の
ライト
けれども、マリヤは墓に戻り、
79
父のもとに上っていないのですか
樹脂で、古代の貴重な防腐剤)と
外に立って泣いていました。泣き
ら。それよりも、してほしいこと
アロエでつくった埋葬用の香油を
ながら身をかがめて墓の中をのぞ
があります。行ってわたしの兄弟
三十キロほど用意して来ました。
き込むと、 イエスのお体があっ
たちに、『わたしは、わたしの父、
二人はユダヤ人の埋葬の習慣に
た場所の、頭と足にあたる所に、
またあなたがたの父であり、わた
従い、香料をしみ込ませた長い亜
白い衣を着た天使が二人、座って
しの神、またあなたがたの神であ
麻布でイエスの体を包みました。
いるではありませんか。 「なぜ
る方のもとに上って行く』と伝え
刑場の近くに園があり、そこに
泣いているのですか。」天使たち
てほしいのです。」 マグダラのマ
はさいわい新しい墓がありまし
がマリヤに尋ねました。「だれか
リヤはすぐに弟子たちのところへ
た。 安息日の前日ですから、急
が私の主を取って行ったのです。
帰って行き、主にお会いしたこと
がなければなりません。すぐ近く
どこに持って行ったのか、わから
を告げ、イエスが言われたとおり
だったこともあり、イエスをその
20
ないのです。」 こう答えてふり向
墓に納めました。
くと、だれかが立っています。な
40
41
12
13
42
20
イエスの復活 1
14
18
を話しました。
19
同じ日曜日の夕方のことです。
んとイエスでした。しかし、マリ
弟子たちは、ユダヤ人を恐れて戸
ヤはまだ気がつかないようです。
にしっかりかぎをかけ、肩を寄せ
イエスはマリヤにお尋ねになり
合うようにして集まっていました。
15
週の初めの日(日曜日)、朝早
ました。「どうかしましたか。泣
その時、突然イエスが一同の中に
く、まだ暗いうちに、マグダラの
いたりして……。だれを捜してい
お立ちになったのです。「平安が
マリヤは墓に行きました。見る
るのですか。」マリヤは、イエス
あるように。」イエスはまず、こ
と、入り口の石がわきにのけて
を園の管理人と勘違いしていたの
うあいさつされてから、 手とわ
2
20
あります。 驚いたマリヤは、息
で、 「あの方を運んだのはあなた?
き腹をお見せになりました。主を
せき切ってシモン・ペテロと私の
もしそうだったら、どこに置い
見た弟子たちの喜びは、どれほど
ところに駆けつけ、「たいへんよ。
たのか教えてください。私が引き
だったでしょう。 イエスはもう
だれかが主のお体を取って行った
取ります」と言いました。 「マ
一度言われました。「平安がある
わ! いったいどこに置いたのか
リヤ。」イエスが呼びかけられま
ように。父がわたしをお遣わしに
しら」と叫びました。
私たちは
した。その声にマリヤは、イエス
なったように、わたしもあなたが
それを確かめようと、二人して墓
のほうを向いて叫びました。「先
たを遣わします。」 そして一同に
3-4
16
17
に急ぎました。私はペテロより足
生!」 「待ちなさい。すがりつ
が速かったので、先に着きました。
くのはやめなさい。わたしはまだ
5
すぐさま身をかがめてのぞき込
むと、亜麻布が見えます。しかし 6
中には入りませんでした。 続い
21
22
息を吹きかけ、また言われました。 23
「聖霊を受けなさい。 あなたが
ヨハネの福音書 19:17-18
てシモン・ペテロが駆けつけ、た めらわず中に入りました。彼もや 7
はり亜麻布と、 そこからやや離 れた所に、イエスの頭に巻かれ ていた布が、そのままの形で置い 8
てあるのを見ました。 私もあと から入り、この有様を見て、イエ スが復活なさったことを信じまし 9
た。 この時まで、イエスは必ず 復活すると書いてある聖書のこと ばを、私たちはまだ理解していな 10
かったのです。 二人は家に帰り ました。
イエスは十字架を背負わされ、エルサレム市外の、 「どくろ」〔ヘブル語で、ゴルゴタ〕という場所へ 引かれて行きました。 人々はそこで、ほかの二人といっしょに
イエスを十字架につけました。
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ヨハネの福音書
ライト
ガリラヤ湖畔で弟子に現れる
ンもあります。 「今とった魚を
ヤ湖のほとりで、イエスはもう一
少し持って来なさい。」 イエス
の時、その場に居合わせませんで
度、弟子たちの前に現れました。
にこう言われて、シモン・ペテロ
した。 それでみんなが、 「ほん
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魚がいいぐあいに焼けており、パ
このことがあってから、ガリラ
その時のいきさつはこうです。
がまっ先に飛んで行き、網を陸に
たが赦すなら、だれの罪も赦され ます。あなたがたが赦さない罪は 赦されません。」
21 1
疑わずに信じなさい 24
を得るためです。
十二弟子の一人のトマスは、そ 25
とうだ。主にお会いしたんだ」と
2
シモン・ペテロ、トマス、ガリ
ばかりの網を引いて、そろそろ進 9
みました。 着いてみると、炭火 がおこしてあります。その上では 10
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引き上げました。数えてみると、 なんと大きな魚が百五十三匹もと
口をすっぱくして話しましたが、
ラヤのカナ出身のナタナエル、私
本気にしません。頑としてこう言
の兄弟のヤコブ、それに私と、ほ
れていて、しかも網はどこも破れ
いはるばかりです。「主の御手に
かに二人の弟子がいっしょにいま
ていません。 「さあ、ここへ来
釘あとを見、この指をそこに差し
した。 「漁に行くぞ」とシモン・
て、朝ごはんにしなさい」とイエ
入れ、この手を主のわき腹に差し
ペテロが言いだしました。すると
スはうながされます。「ほんとう
入れてみなければ、信じない。」
みんな、「それじゃあ、おれたち
に主ですか」とあえて尋ねる者は
26
八日たちました。その日も、弟
3
も」というわけで、そろって出か
12
一人もいません。それほどはっき 13
りわかったのです。 イエスはそ
「わたしを見たから信じたのですか。しかし、
ばに来られ、パンと魚をめいめい 14
に配ってくださいました。 死か
見なくても信じる者は幸いです。」 ヨハネの福音書 20:29
ら復活されたあと、私たちに現れ てくださったのは、これで三度目 です。 15
子たちは集まっていました。今度
けました。小舟に乗り込み、漁が
はトマスもいっしょです。戸には
始まりました。ところが一晩中か
ン・ペテロを見つめておっしゃい
かぎがかかっていましたが、突然、
かっても、小さな魚一匹とれませ
ました。「ヨハネの子シモン。ほ
前の時と同じようにイエスが一同
ん。 もう夜明けというころ、だ
かのだれよりもわたしを愛します
の中に立ち、「平安があるように」
れかが岸辺に立っているのが見え
か。」「 は い、 主 よ。 私 が あ な た
とあいさつなさいました。 それ
ました。ぼんやりかすんでいるの
を愛することは、あなたがご存じ
からイエスは、トマスにおっしゃ
で、だれなのかはわかりません。
です。」「それでは、わたしの小羊
いました。「さあ、あなたの指を
「魚はとれましたかー。」その人
を養いなさい。」 イエスは、く
この手に当ててみなさい。あなた
が声をかけてきました。「いやー、
り返しお尋ねになりました。「ヨ
の手をこのわき腹に差し入れてみ
全然だめだよー。」 「では、舟の
ハネの子シモン。ほんとうにわた
なさい。いつまでも疑っていない
右側に網を下ろしてごらんなさ
しを愛していますか。」「はい、主
で信じなさい。」 「ああ、わが主、
い。 きっと、 たくさ ん と れ ま す
よ。私があなたを愛することは、
わが神よ!」感きわまって、トマ
よ。」さっそくそのとおりにする
あなたがご存じです。」 「それでは、
スは叫びました。 「わたしを見
と、どうでしょう。重くて引き上
わたしの羊の世話をしなさい。」
たから信じたのですか。しかし、
げられないほど、たくさんの魚が
見なくても信じる者は幸いです。」
かかったのです。 その時、私は
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食事がすむと、イエスはシモ
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イエスはもう一度言われました。
「ヨハネの子シモン。ほんとうに
私がこの書に記した奇跡のほか
はっと気がつき、「おい、あの方
わたしを愛していますか。」三度
にも、もっと多くの奇跡をイエス
は主だよ!」とペテロに言いまし
こんな尋ね方をされたので、ペテ
が行われるのを、弟子たちは見ま
た。それを聞くと、ペテロは裸
ロは心に痛みを感じながら答えま
した。 しかし、これらのことを
だったので、あわてて上着をはお
した。「主よ。いっさいをご存じ
特に書いたのは、あなたがたがイ
り、水に飛び込みました。 舟に
なのはあなたです。私があなたを
エスは神の子キリストであると信
残った私たちは、百メートルほど
愛することは、あなたがご存じで
じるため、またそう信じていのち
離れた岸辺まで、魚ではち切れん
す。」「それでは、わたしの羊を養
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いなさい。 あなたは若い時にはし たいことをし、行きたい所に行きま した。だが、年をとると、そうはい かなくなります。あなたは自分の手 を伸ばして差し出し、だれかほかの 人が、行きたくもない所へあなたを 19
引っぱって行くのです。」 こう言わ れたのには訳がありました。ペテロ がどんな死に方をして、神の栄光を 現すかを知らせようとなさったので す。それから、 「わたしについて来な
続いて主の声がしました。 「だれをわたしの民への使いとしよう。 だれが行ってくれるだろうか。」
「主よ、私が行きます。 私を使いに出してください。」 イザヤ書 6 : 8
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さい」と言われました。 ペテロが ふり向くと、イエスに愛された弟子 (使徒ヨハネ)がついて来るのを見 ました。最後の夕食の席で、イエス に寄りかかって、 「主よ。裏切る者 はだれですか」と尋ねたあの弟子で 21
す。 すると、ペテロの好奇心が頭 をもたげました。「主よ。彼はどう なんです? どういう死に方をする 22
のですか。」 「もう一度戻って来る まで、彼に生きていてほしいとわた しが思ったとしても、あなたとは何 の関係もないでしょう。人のことは 気にしないで、ただわたしについて 23
来ればいいのです。」 このことか ら、その弟子は死なないといううわ さがクリスチャンたちの間に広まり ました。しかし、イエスはそう断言 なさったわけではありません。ただ、 「もう一度戻って来るまで彼に生き ていてほしいとわたしが思ったとし ても、あなたとは何の関係もないで しょう」と言われただけなのです。 24
その弟子とは、実は私(筆者)の
ことです。私はこれらの出来事を、 見たとおり、ここに記録しました。 この記録が正確なことは、私たちみ んなが知っています。 25
イエスのなさったことは、ほかに
もたくさんあります。それをいちい ち書き記すとしたら、きりがないで しょう。世界中が本であふれるほど 書いても、それでもまだ足りないと 思います。
だから、出て行って、すべての人々を わたしの弟子とし、彼らに、
父と子と聖霊との名によって バプテスマ (洗礼) を 授けなさい。 マタイの福音書 28 : 19
■神はあなたを愛している 神はあなたを愛していると、ただ言うだけではありません。 あなたには不可能な完璧な人生を、あなたの代わりに生き るのみならず、代わりに死ぬために独り子を送って、あな たへの愛を証明してくれたのです。 実に神は、ひとり子をさえ惜しまず与えるほどに、この 世界を愛してくださいました。それは、神の御子を信じ る者が、だれ一人滅びず、永遠のいのちを得るためです。 ヨハネの福音書 3:16
■すべての人が罪人 神は完全であり、尊敬されるべき方ですが、私たちはあるべき姿で 生きることに失敗しました。 私たちはみな罪人なのです。 すべての人は罪を犯したので、神の標準にはほど遠い存在です。ローマ人への手紙 3 : 23 聖書に、次のように書いてあるとおりです。 「正しい人は一人もいない。 ローマ人への手紙 3 :10 罪のない人は世界中に一人もいない。……」
■私たちを救うための神の計画 罪を犯した私たちは、本来なら神から切り離され滅びるべき存在でした。――しかし神には計画が あったのです! 神は独り子を贈り物として私たちのもとに送ってくれました。彼を信じて受け入れ る者は赦されるのです! 神の独り子はこの地上で生きて、死んで、あなたのためによみがえった イエス・キリストです。神を知るために、私たちに用意された「道」こそイエス・キリストなのです。 罪の支払う報酬は死です。しかし、神が下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスによる永遠 ローマ人への手紙 6 : 23 のいのちです。 この方を心から喜び迎えたのは、ほんのわずかな人たちだけでしたが、受け入れた人はみな、 ヨハネの福音書 1 : 11-12 この方から神の子どもとなる特権をいただきました。 まず私は最も大切なこととして、かつて自分も知らされた、次のことを伝えました。すなわち、 キリストは、聖書に記されているとおり、私たちの罪のために死なれ、葬られたこと、そして預言 コリント人への手紙Ⅰ 15 : 3-4 者たちの語ったとおりに、三日目に復活されたことです。
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応答 自分が神に対して罪を犯していると知ったなら、次のステップは謝ることです。神に逆らって 生きていたことを告白しましょう。そして、神の独り子イエスによって、神があなたを赦し、 私たちを罪の結果から救ってくれることを信じるのです。
私の決心 「神様、私は自分が罪人であることを自覚し、あなたの独り子イエス・キリストが 私の罪のために十字架で死んでよみがえられたことを信じます。私は今、永遠に罪 から離れ、イエスが私の主であり救い主であると認めます。」 名前
日付
■次にすべきこと イエスを救い主として受け入れた後、近くで通える教会を見つけるようお勧めします。教会を探す 時には、クリスチャンとして成長でき、神について聖書から学べる教会が見つかるように祈るとよ いでしょう。 そして、主であり救い主であるイエス・キリストをさらに深く知って、主の恵みと知識において成 長しなさい。このキリストに、すべての栄光が、今も後も、永遠にいつまでもありますように。 ペテロの手紙Ⅱ 3 : 18
アーメン。
■神はあなたを手放さない 神はあなたが良いことをした時だけ愛してくれるような方ではありません。あなたが完璧ではない ことを神は知っています。神はあなたの力よりもはるかに強い力であなたを抱きしめ、信頼してほし いと願っています。神は忠実で、あなたを我が子として受け入れ、いつもあなたを愛して気にかけて くれる方です。 なぜなら、もし自分の口で、 「イエス・キリストは私の主です」と告白し、自分の心で、 「神はイエス・ キリストを死者の中から復活させてくださった」と信じるなら、あなたは救われるのです。 ローマ人への手紙 10 : 9 よく言っておきます。わたしの言うことを聞き、わたしを遣わされた神を信じる人にはだれでも、 永遠のいのちがあります。罪のために罰せられることは絶対にありません。すでに死からいのち ヨハネの福音書 5 : 24 に移っているのです。 しかし、これらのことを特に書いたのは、あなたがたがイエスは神の子キリストであると信じる ヨハネの福音書 20 : 31 ため、またそう信じていのちを得るためです。
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質問を見てみよう! 例えば: 「私の人生の目的と意味は何?」 「死んだらどうなってしまうの?」 「神は本当に愛してくれているの?」 あなたが探求すべきさらに大きな問い。
自分はイエスに関して 何を信じているのか? スマートフォンに NewLife アプリを ダウンロードして、これらの質問を 探ってみましょう。
使うのはとても簡単です。 トップページの「スタート」を選び、 「神」、「目的と意味」、「真理」などの テーマを見てください。 また、トップページの 「もっと教えて」を選び、 イエス・キリスト、信仰、罪、 そして祈りなどの テーマを見ることもできます。 またアプリを使って、 読みやすい『リビングバイブル』訳で、 いつでもどこでも聖書全体を 読むことができます。
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