子 べ 餃 食べ比
インターナショナル ディストリクト
きりっと冷えたビールをおともに、熱々の餃子を頬張りたくなる季節がついにやって 来ました。餃子と言えばその起源は中国。そこでチャイナタウンことインターナショ ナルディストリクトの中華料理店 7 軒で餃子(Pot Sticker)を食べ比べてみました。 Wing Wah Bistro
について少しでも知識があるならば、ひょっ としたら日本人の口に合う餃子を出している かも……と淡い期待が膨らんだ。しかしいざ インターナショナルディストリクトの東 注文という時になって、ここの餃子は豚のひ 端にある榮華小館は、6カ月前にオープンし き肉ではなく鶏肉を使っていることが判明。 たばかりのこぎれいな中華料理店。暖炉のあ 餃子はやっぱり豚肉でしょう!?と一瞬引い る店内の壁はモスグリーンと深紅に彩られ、 たが、仕方がない。蒸し餃子と焼き餃子の2種 ダークウッドのテーブルの上には白いリネン がかかり、中華料理店にありがちな喧騒感は ない。周囲を見回すと、中国語の張り紙や金ぴ かの飾り物があったりして、この“中洋”折 衷なところが不思議に居心地いい。 実は、この店は偶然見つけて飛び込み で 入 っ た の で、餃 子 へ の 期 待 度 は 正 直 言って低かった。それでもあえてトライ してみようと思ったのは、店の入口でオー ナー夫人と思 わ れ る ウ エ イトレスさんに 「Pot Stickerはあり ますか? 手作りです か?」と 尋 ね た ら、私 た ち 類を頼んでみた。餃子のことを根掘り葉掘り が日本人と察してか「はい。手 聞いたあげくに注文したのは餃子のみだった 作り“ギョウザ”あります」との答 ので、店の人には余程の餃子好きと思われた えが返ってきたからだ。日本の餃子 ようだ。
榮華小館
取材・文:岩本明子 写真撮影:越宮照代
そして待つこと10分余りで登場した餃子。 焼き餃子は、揚げ餃子と日本の餃子の中間の ようなこんがりとした焼き上がり。頬張ると 外側がサクサク香ばしく、そして中はもっち りという、手作りの皮ならではの食感に感心 した。鶏のひき肉を使っているせいなのかは 知らないが、普通の餃子よりずっとあっさり していくつでも食べられそうだ。普段は 苦手な蒸し餃子も皮がもちもちして とっても美味。餃子と一緒に出された 酢醤油が甘めの味付けなのも新鮮だっ た。餃子の値段は6個で4.95ドル。 香港系の中華料理店だが、台湾系の 料理も楽しめるという。 メニューは香 港流サンドイッチやスパゲティ、 ホッ トポットから一般的な中華料理までな んと170種類以上のアイテムが揃う。 値段も周辺の店と比べるとかなりお得。 さりげないサービスも心地よく、 もう一度 訪れてみたいと思わせる店だった。 Wing Wah Bistro
923 S. Jackson St., Seattle, WA 98104 ☎ 206-233-9001 営業時間:毎日 9am 〜 9pm (「餃子食べ比べ」10 ページに続く)