Happy New Year 2010
新たな 1 年のスタートを祝うお正月。伝統行事が満載の日本に比べ、ここアメリカで は零時の打ち上げ花火とシャンペンの乾杯と味気ない。そこで気になったのが、世界 各国のお正月事情。シアトル周辺在住の海外出身の人々に各国のお正月の過ごし方を 聞いてみた。
イラン イランの正月は春分の日(3月19 ~ 21 日頃)に始まります。正月はその年によっ て昼間に始まったり深夜に始まったり 様々ですが、深夜に始まる年でも人々は 寝ずに正月を迎えます。正月は13日間続 き、13日目には親族一同で郊外に朝か ら晩までピクニックに出かけ、正月最後 の日を祝うのです。正月の最初の5日間 は一部のレストランや商店を除き皆休み で、子どもの学校は13日間休校となりま す。正月は親戚巡りの期間でもあり、親戚 の多いイランでは13日では足りず、15 日間かけて年長者の親戚から順番に訪問 し合って新年の挨拶をします。 正月に付きものなのが飾り物で、ガラ ス の 鉢 に 入 っ た 金 魚 の ほ か、 「7つ のS」 と言ってりんごや酢などペルシャ語でS から始まる7つの物を飾るのが習わしで す。また正月には魚料理と野菜の炊き込 みご飯を食べます。 モーセンさん
シアトルで自営業を営むモーセンさん。イラ ンには親族が住み、数年に 1 回は故国に帰る という。
エジプトのお正月は大家族が集 まって、一日中飲んだり食べたりし て過ごします。キリスト教の家庭で はアルコール飲料が出ますが、イス ラム教の家ではなし。お正月の特別 の食べ物としてはスタッフド・グ レープリーフ (ご飯と挽いた豆にレ モンジュースをかけてブドウの葉で くるんだ物) 、カベバ (挽肉とブルグ ア、 ナッツなどの詰め物を揚げて、 サ ワークリームかヨーグルトとキュウ リのディップで食べる) 、 カックとい うナッツと粉砂糖がまぶしてある クッキーなどがあります。 また、 音楽 を聴きに行ったり、友人や親戚を訪 ねたり、あるいはテレビを見たりし て1日を過ごします。イスラム教の 家庭では女性と男性は家の中でもそ れぞれ別々にグループを作っていろ いろなことをするのが伝統です。 紹介者
【イランのお正月】写真は、イランのお正月に欠かせない飾り物。日本のしめ縄や 鏡餅のような縁起物に相当する
紹介者
© REUTERS/Raheb Homavandi
エジプト
ファファ・ロゼンタルさん
子ども時代をエジプトで過ごし、現在 はアメリカ人の夫とベルビューに在住。