YASUYUKI FUKUDA Portfolio 2017
My Sketch of Japanese Traditional House
Fukuda
Yasuyuki
略歴 1993.08.06 兵庫県姫路市生まれ / 東京育ち 東京理科大学理工学部建築学科 岩岡竜夫研究室 卒業
2013-2017 2017-
東京大学大学院社会文化環境学 岡部明子研究室 入学 ENSAPLV 国立パリ建築大学ラヴィレット校(フランス) 交換留学
2017-2018 活動 2013-2015
建築学生サークルフラット♭ /3 代目代表
2013.08
マンチェスター大学(イギリス)/ 短期語学留学
2014 .08
隈研吾建築都市設計事務所 / アルバイト
2015-
石橋徳川建築設計所 / アルバイト
2015.03
全国 2 年会 / 有志・主催
2016.03
BAC(バルセロナ)/ 短期建築留学 5 期生
2017.08
CAt/ internship
賞歴 2017.03
せんだいデザインリーグ 2017 卒業設計日本一決定戦 /50 選賞
2017.04
第 4 回東京理科大学合同卒制展 / 高佳音賞
2017.06
第 4 回構造デザインコンペ / 竹中司賞
Skills 2D
Other Soft
VectorWorks
Grasshopper
Hand Drawing
Flowdesigner
3D
Microsoft Office
Rhinoceros
Word
Sketch-up
Excel
Rendering
PowerPoint
V-ray
Languages
3DS max
Japanese (native)
Adobe Creative Cloud
English
Illustrator
French
Photoshop Indesign Contact f.ysyk.86@gmail.com/(Japan) +81 90-5756-7521/(France)+33 7-6718-7495
CONTENTS
01
間を縫う消壁
08
Competition Project with SHIMPEI Kojima Theme: Hometown/Sustainability/Construction
02
揺さぶられる建築
24
Diploma Project
03
知覚する光庭
70
Competition Project Theme: Light/Shadow
¦05¦
01 間を縫う消壁 Project Structural Design Competition Role
Structure/Geometry
SHINPEI Kojima
Concept/Graphic YASUYUKI Fukuda
Duration 1 months and a half Program
Townscape preservation/Disaster prevention
Award
Jury Prize(Tsukasa Takenaka)
2020 年 我々が世界の人々に見せたい風景はなんだろう . 競技場の美しさか、ビルが乱立する都市空間か
JR 西荻窪駅前にある木密地域は連日多くの酒飲みが集う、活気に満ちている街だ ここは昭和の空気を感じられるにぎわいの原風景であり、世界に見せたい風景である
しかし、この場所も他の木密地域の例に漏れない 空間に極力手を加えず残す方法はないだろうか
にぎわう街を未来に残していく .
間を縫う消壁 . 間を縫う消壁
¦07¦
00.Prologe-Wooden houses-
▪都市を取り巻く密林 / 木密地域 東京には都心のビル群を囲むように巨大な木密地域が存在する . このよ うな現象は東京特有で、他の都市とは違う景観を見せている . そんな木密地域に対して、都は防災の観点から、約 6900ha を整備地域 に指定し、2020 年をメドに整備を進めていく方針を打ち出している .
(出典 : 東京都都市整備局)
▪木密の良さの消滅 / 木密地域の整備方法 木密地域は火事、地震に弱く、有事に緊急車両が入れないほど道幅が狭 いという問題を抱えている . これらの問題を解決するための整備方法は、道の拡幅や、建物を間引く
widening
(original)
ことに主眼を置いたものとなっている . (maintenance)
しかし、このような整備方法では木密地域が本来持っている魅力を失わ せているのではないだろうか .
thin out
(original)
(maintenance)
▪木密地域を残す 細い路地に人々の生活感がにじみ出し、家々からは温もりや懐かしさを 感じられる木密地域は、未来に残したい風景であり、2020 年に訪れる 多くの外国人に見てもらいたい風景である . そこで、木密の課題である延焼に焦点を当てる。建物間の距離が近過ぎ ることによって起こるこの問題を解決する提案を行う .
¦08¦
間を縫う消壁
01.Material-Roof tile-
▪木と相性の良い素材 / 瓦 木密地域の延焼を防止するために、瓦を主要素として用い る . 瓦は不燃材料であるため燃えないことはもちろん、汎用 性や入手容易性にも優れている . さらに、古くから木造家屋 の屋根仕上げとして用いられてきたため、景観の観点からも 相性が良い .
▪瓦の形態 日本には多くの瓦の産地があり、その用途や素材によって地 域独特の瓦が存在する . そんな中、代表的な瓦の形状や寸法などの要素から、瓦の基 本的要素を抽出し、本提案に合う独自の瓦を作り出す .
Roof tile list 間を縫う消壁
¦09¦
02.Diagram
0. 切迫する木密地域
木密地域の防火対策は行き詰まりを見せており、 風景を壊す解決方法しかない .
1.「障壁」による解決方法
RC 造の延焼防御壁では、風の抜けや視線の抜け がなく、また木密の景観を壊す計画になる .
2.「消壁」による解決方法
延焼防御壁を可変瓦にすることで、風の抜けと視 線の抜けを確保することができる . また景観的に も馴染む壁が立ち現れる . ¦10¦
間を縫う消壁
model.1
間を縫う消壁
¦11¦
03.Study-Wire pattern-
Wire Patterns
▪ワイヤーパタンの選定方法 幾何学的側面 回転
可変の構造物
線対称要素
耐火
空
を最小限
耐震
斜め材要素
構造的側面
¦12¦
間を縫う消壁
04.Structure Analysis-Grasshopper-
Original model
No compression material model
No wire model
2D Structure Analysis
Grasshopper 間を縫う消壁
¦13¦
05.Constitution ▪構成要素
6層のレイヤーで構成される . ブレースの役割を果たすステ ンレス製ワイヤー、回転を抑える亜鉛製のワイヤー等、多種 類のワイヤーで構成される .
▪可変原理
火災時には周辺の温度は800℃近くに達する . 約400℃ で溶解する亜鉛製のワイヤーが切断され瓦が回転を始める .
▪可変の仕方
有機形状をした瓦が、回転しながら下から積みあがる . 壁面 を構成し、消壁が障壁となる . ¦14¦
間を縫う消壁
model.2
間を縫う消壁
¦15¦
06.Model- Transform open & Close-
>>
>
Open model.
¦16¦
間を縫う消壁
>>
>>
model Analysis
Closed model.
間を縫う消壁
¦17¦
08.Perspective
perspective-1
¦18¦
間を縫う消壁
perspective-2
間を縫う消壁
¦19¦
perspective-4
¦20¦
間を縫う消壁
perspective-3
間を縫う消壁
¦21¦
02
揺さぶられる建築
Project Diploma Duration 3 months and a half Program
Wedding Hall /Other
Award
Sendai Design League Top 50 (33/352) TUS diploma design review Kou Prize
00.Prologe 人が抱く感情と空間体験
「建築空間が人々を揺さぶれないか .」 本設計において、私は至って抽象的なこの問いに対し挑戦したいと思った . 建築とは人々が生活する中でもっとも基本的なもの(衣食住)の一つであり、その 中では喜怒哀楽といった感情が起こっては消えを繰り返しながら様々なドラマが演 じられている . そこにある人々から湧き出る様々な感情を受け止めることが建築に 与えられたもう一つの使命であると考えられるのだ . そんな中、感情とはどこから生まれてくるのかという新たな疑問も持った . つまり、 個々人の置かれた状況や人間関係は感情を引き起こす要因となるが、「建築から感 3
3
3
3
情を引き起こされる」ことはないのかという疑問である . この疑問を考察するに、人が他の生命体とどう違うのかという比較からヒントを得 た . 結果、その最大の違いを巨大な脳という史上最強の武器を持っていることだと 結論づけた . 脳があることによって、人々は言葉を理解し、相手のことを思いやり、 様々な感覚器官から受け取った情報を精査 / 分類し生活している . 人々が抱く様々 な感情は複数の感覚が相互に関係付けられながら湧き出るものである . 人以外の生 物の感覚器官を調べると、特定の感覚機能を伸ばすことを選択したものが多いこと がわかる . 複数の感覚を駆使する行為はヒト特有の機能であり、これこそがヒトを 地球上に生存していたどの生命体よりも複雑怪奇な存在としているのである . 「感覚機能に作用する建築を作ることによって、感情を揺さぶる建築は立ち現れる .」 アリストテレスは『霊魂論』でヒトの感覚を初めて分類し、視覚 / 聴覚 / 触覚 / 味 覚 / 嗅覚の 5 つがあるとした . これが広く知られる五感であり、それぞれの感覚器 官に共通した対象には、運動 / 静止 / 数量 / 形状 / 大きさの五つがあると定義して いる . 本提案では、味覚以外の4つを基本的な感覚と設定し、これを「物理的感覚」と定 義する . さらに心理学 / 生物学で使われる閾を「精神的感覚」と定義し、これらの 感覚を刺激することで、感情を揺さぶるような空間体験を引き起こすことを目指す .
揺さぶられる建築
¦25¦
01.How to make people introspect 閾の変化による知覚 私たちは閾という外部刺激に対する境界感覚を有している . 閾とは、人それぞれが直接対象に接触、あるいは衝突を避け られるように、我々の身体の周辺にクッションの役割を果た す変形自在性を持った身体機能のことだ . この精神的感覚は、はっきりと意識した状態になっていなけ れば機能しないため、物理的感覚等の他の感覚機能を働かせ ることが必要である . では、どのような時に人は感覚機能を鋭敏にするのだろう . その方法として、人の心理面を考える . 我々は恐怖や不安が あると慎重な行動を取るようになり、様々な感覚機能を研ぎ 澄ます . また視覚から得ている情報量は全体の 9 割にも登る ため、視覚機能を制限することによって、その他の感覚機能 をより研ぎ澄ますことができるようになると考えられる . このように、日常生活の中にはない、「不快に思うであろう ギリギリの境界を意図的に建築内に点在させる」ように設計
状況に合わせ行き来する
を進めていくことによって、物理的感覚と精神的感覚の双方 を刺激する . 居心地のよい空間と少し居心地の悪い空間を同 時に経験することでヒトは自分の中で感情が揺さぶられてい ることに少しずつ気がついていくのである .
限りなく身体と同様のスケール
身体より大きなスケール
その時々の心理状態によって伸縮する性質を持つ . 簡単な例を挙げれば、満員電車において閾 は限りなく身体と同様のスケールになり、自分の部屋にいる時は部屋全体にまで拡張される .
音楽のような空間体験 / 廊下という谷間の存在 日々利用する建築では、LDK のように諸室に機能が当ては められ、部屋同士を繋ぐ動線の役割を廊下がはたしている . 諸 室と廊下には主従関係が存在し、廊下には廊下以上の役割が 与えられていない . そのことによって、物理的な繋がりはあ るものの、感覚的な連続性はなく分断されている印象を抱く のである . そこで、シークエンスを意識しながら、空間を連続的に繋げ ていく . 単体の空間だけを考えるのではなく、現在いる空間、 連結部、次の空間がセットになるように構成していく . その
現在の空間配置
セットとして考えられたものが、次の空間に立てば、また その次の空間を意識するように、順次その関係が続いてい く . シークエンシャルな空間は次を誘発し続けながら、その 建築を入った瞬間から出ていく瞬間までを一つのストーリー を追うように展開していくのだ . このように空間がシークエンシャルに繋がることは , 雰囲気 を壊すような谷間の存在がないため、そこにある空気感を連 続させることにもつながる . 作られた空気感を拡大 / 伸縮さ せ、空間に抑揚を作りながら一体的に身体に感応するよう構 成していく . 穏やかな調べから始まり、徐々に高揚感が押し 寄せ、再び穏やかになる . あるいは、単調な曲調で進んでいき、 最後に目の覚めるような盛り上がりで終わる . 目指すべき空 間体験とはこのようにまるで音楽のようなドラマチックなも のなのだ . ¦26¦
揺さぶられる建築
音楽のような空間配置とシークエンス
02.How to make space 空間構成のタイポロジー / エレメント
環境因子、透過性、劇的性、拠り所という 4 つにタイポロジー化する . これら 4 つのタイポロジーをそれぞれの要素に 分解し、計 29 個の空間を構成するエレメントから空間を構成する .
直上からの光
上部スリットからの光
側面開口からの光
横の移動
縦の移動
外部との連続性
空間の拡張
空間の連なり
直線による視覚的閉鎖
曲線による視覚的閉鎖
平面曲線
断面曲線
小空間から大空間
大空間から小空間
大階段
小階段
大スロープ
小スロープ
行動を規定する丸柱
行動を規定する角柱
荒々しい印象を与える梁
空間を構成する梁
外部を強く感じる列柱
境界面を強く感じる列柱
行動を規定する壁
異質な壁
境界面を規定する柱
移動なし
揺さぶられる建築
¦27¦
03.About program - Wedding今必要とされる結婚式場とは、様々な感情を受け止めることができるものだ . 式場や披露宴会場だけが豪華絢爛で神聖 な雰囲気を醸し出すのではなく、入った瞬間から出て行くまで、建物全体で結婚式という儀式を彩る必要がある .
¦28¦
揺さぶられる建築
Concept Image
結婚に至るまでの自分の
藤や不安、または喜びや希望などの様々な感情が起こるのが結婚式場であると考える . 自分
の感情や家族の絆と向き合う内省の空間、儀式として結実する場、みんなで祝う場、楽しい披露宴の場などを、全て備 える必然性がある . 人々の様々な想いが錯綜させ、また包む建築 . 過去の自分にけじめをつけ、未来をみるための建築 .
揺さぶられる建築
¦29¦
04.How to make model - zoning/diagram/way-
¦30¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦31¦
N
Scale=1:1500
¦34¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦35¦
¦36¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦37¦
¦38¦
揺さぶられる建築
05.THE WAY - For bride-
06.THE WAY - For family-
¦42¦
揺さぶられる建築
上部から柔なかな光が入る中、一族が集まる
揺さぶられる建築
¦43¦
07.THE WAY - For clan-
¦44¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦45¦
¦46¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦47¦
08.THE WAY - For everybady-
¦48¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦49¦
09.THE WAY - For everybady-
¦50¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦51¦
10.CHURCH - For everybady-
揺さぶられる建築
¦53¦
11.RECEPTION1 - For everybady-
¦56¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦57¦
12.RECEPTION2/EXIT - For everybady-
¦58¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦59¦
¦66¦
揺さぶられる建築
揺さぶられる建築
¦67¦
03
知覚される光庭
Project Circos International Architecture Competion Duration 1 week Program Award
Rest/Play/Botanical space
section
southside elevation
Scale=1:250
Scale=1:250
知覚する光庭
¦69¦
¦70¦
知覚する光庭
知覚する光庭
¦71¦
00.Prologe-Light & Shadow-
部屋全体が均一に明るい、明度を認識する空間
¦72¦
知覚する光庭
たれた箇所から強く認識する光が入る空間
「建築を建てる」ということは 「光を遮断する」ということと同じである . 光が遮断されることで明 / 暗が生み出される .
外部からの光を「どう建築内に取り込むのか」 その方法によって光を知覚する深度は変わる .
知覚する光庭
¦73¦
01.How to make-For making differencesワンルームという単純な構成で、「明度を意識する空間」と「光を認識する空間」を同居させる . この際に変化 / 違いを意識し、徐々に変わっていく様を単純な構成に落とし込むことによって、 「ズレ」を生み出す .
¦74¦
知覚する光庭
プログラムは植物園 . 公園の一角に本建築を提案する . 多様な光は、同様に多様な植物と相性が良い . 向日葵に代表されるように、植物は光源に向かう 習性がる . 光源が制限される建築内部で育つ植物は、外部の公園にある植物とは一線を画する異 質な存在として人々を引き込む役割を果たす . 知覚する光庭
¦75¦
02.Drawings-Plan & Section & Elevation-
¦76¦
知覚する光庭
A-A' section
southside elevation
Scale=1:250
Scale=1:250
Botanical garden Plan Scale=1:100
eastside elevation
northside elevation
Scale=1:250
Scale=1:250
知覚する光庭
¦77¦
02.Analysis-Per monthGrasshopper のプラグイン Ladybug を用いて日照シュミレーションを行う . 感覚的にイメージしていた光の入り方に対し、一ヶ月間ごとの合計照度を計測する . 結果を元に、植栽の配置を決定する .
¦78¦
知覚する光庭
知覚する光庭
¦79¦
03.Analysis-One dayある日の 6:00 ∼ 18:00 における明暗をシュミレートする . Ladybug では数値が小さくて
み取られない、 スリットからの「強く認識する光」
「強く認識する影」を具体的に可視化することで確認する . 一つとして同じ開口 部がないことによって、様々な光と影を空間に漂わせる .
¦80¦
知覚する光庭
知覚する光庭
¦81¦
¦82¦
知覚する光庭
知覚する光庭
¦83¦
04.Perspective-Light & Shadow-
¦84¦
知覚する光庭
知覚する光庭
¦85¦