アクティベート ・ リーフ No.767
「許さなかったという罪を許して下さい」 築紫 裕子
さなかったという罪を許して下さい。 」この言
人を許さないでいると、私たちは盲目になってし
思いました。これは、韓国のある牧師が、各地の教
分はクリスチャンだから光の中を歩いていると思い
「許
葉を耳にした時、なんという名言だろうかと
会での礼拝において長年語り続けている言葉です。
この牧師は過去の戦争の傷から、日本人を憎み、 敵のように思っていました。でも、ある日祈ってい
た時に、神様がどれほど日本人ひとりひとりを愛し、 その胸に抱きよせているかを幻の中で見せられたの
です。その瞬間、神様がこんなにも日本人を愛して いるというのに、その日本人を憎んでいる自分は何
者なのだろうかと感じ、 「許さなかったという自分の 罪を許してください」と祈ったのでした。
クリスチャンの中には、 「私の心の中にある憎しみ
まい、いつの間にか暗闇を歩くことになります。自 ながらも、闇の中を歩むようになってしまうのです。 聖書にもこう書かれています。
「『光の中にいる』と言いながら、その兄弟を憎 む者は、今なお、やみの中にいるのである。兄 弟を愛する者は、光におるのであって、つまず くことはない。兄弟を憎む者は、やみの中におり、 やみの中を歩くのであって、自分ではどこへ行 くのかわからない。やみが彼の目を見えなくし たからである。」
を取り除いてください」と祈る人は大勢います。そ
― 聖書 第一ヨハネ 2 章 9 -11 節
すが、そう思っているだけでは、なかなか憎しみは
人を許さないというのは、突き詰めていくと、そ
でも、 「許さなかったという自分の罪を許してくだ
どんなに自分では光の中にいると思っていても、実
して、憎しみの感情がなくなったら許そうと考えま なくならないかもしれません。
さい」と祈る時、私たちは自分にも「人を許さない」 という別の罪があることを認め、許さなかった自分 も間違っていたと認めることになるのです。聖書に
は、自分の罪を告白し許しを求めるなら、神から許 されていると書かれています。
の人を憎んでいるようなものです。憎んでいるなら、 は闇の中にいることになってしまいます。だから、 正直になって、人を許していないという罪や憎んで
いるという罪を告白し、神の許しを求めましょう。 自分には罪などないと思うのは自分を欺くことだ、 と聖書は言っています。そんなふうにごまかして生
きても、幸せにはなれません。ただ正直に神
に告白するなら、神は許してくださるのです。 「もし、罪がないと言うなら、それは自分
< 許しについての名言 >
を欺くことであって、真理はわたしたち のうちにない。もし、わたしたちが自分 の罪を告白するならば、神は真実で正し
「弱いものほど相手を許すことができない。 許すということは強さの証だ。」
いかたであるから、その罪をゆるし、す
― マハトマ・ガンジー（政治指導者）
べての不義からわたしたちをきよめて下 さる。もし、罪を犯したことがないと言 うなら、それは神を偽り者とするのであっ て、神の言はわたしたちのうちにない。」
「許し、それは自分にあげられる最高のプレ ゼントの一つです。」 ― スザンヌ・ソマーズ（女優、作家）
― 聖書 第一ヨハネ 1 章 8 -10 節
「許さなかったという罪を許して下さい」 と祈った牧師の他にも、今まで読んだ伝記
「許しとは囚人を自由にし、その囚人は自分 であったと気付くことです。」 ― ルイス・Ｂ・スメデス（神学者）
などを思い返してみると、人生の転換期に おいて自分が変われるようにと祈ったこと
で人生が大きく変えられた人が大勢います。
そのような祈りをした人たちは 、 その後 、
「許しの実践は、世界のいやしのために、私 たちにできる最も重要な貢献です。」 ― マリアン・ウィリアムソン（作家）
世界を変え、多くの人の人生に多大な影響
を及ぼしてきました。それは、そのような 祈りが、祈った本人の心を大きく変えたか らなのでしょう。
哲学者キルケゴールも、 「祈りは神を変え
ないで、祈る人を変える」と言っています。 心からの祈りは、私たちの人生を大きく変え ます。だから、何か心苦しく感じていること
や、心にひっかかっていることがあるなら、
それらのことについて祈ってみてください。
「人はしばしば 理不尽で、不合理で、自己中 心的です。それでも許しなさい。」 ― マザー・テレサ（カトリックの修道女）
「人を許すことを覚え、身につけなければい けません。許す力量のない者には、愛する 力もありません。」 ― マーティン・ルーサー・キング・ジュニア （牧師）
神様は答えに導いてくださいます。そして、 心が軽くなり、超自然的な平安が心を満たし
て、新しい見方ができるようになることで しょう。
「許すことは最も高貴で、最も美しい愛の形 です。」 ― ロバート・モラー
「何事も思い煩ってはならない。ただ、事 ごとに、感謝をもって祈と願いとをささ げ、あなたがたの求めるところを神に申 し上げるがよい。 そうすれば、人知では とうてい測り知ることのできない神の平 安が、あなたがたの心と思いとを、キリ
（法律家、6 代目アメリカ連邦捜査局長官）
「敵を許し、愛するときほど、神の愛の海原 に触れることはありません。」 ― コーリー・テン・ブーム （ホロコーストからの生残者）
スト・イエスにあって守るであろう。」 ― 聖書 ピリピ 4 章 6 - 7
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