アクティベート ・ リーフ No.779
LIFE’S
EDITING 人生の編集工程 スコット・モントローズ これは、私が自信のなさや失敗 への恐れと戦って打ち勝ち、ペン を執って初めて感動的な短編作品 を書き上げた時のことです。 私は椅子に深く座り、それを何 度も読み直しました。まあまあの 出来栄えに満足したので、それを 出版してもらえるかもしれない と、月刊誌に投稿しました。 しばらくすると雑誌の編集者か ら連絡があり、私の記事を出版し たいとのことでした。ただ、私の 文章に編集を加えたものが一緒に 送られてきて、私の承認、または さらなる修正を求めてきたのです。 文章を直してくるなんて！ 目の前 にある、編集を加えられた「自分 の」作品を眺めているうちに、複 雑な感情に襲われました。私は自 分が作家として前途有望だと思い こんでいたのですが、そんな虚像 は、押し寄せる砂嵐に蜃気楼が飲 み込まれるかのように消え失せた のです。 最初はショックを受けましたが、
それが落ち着いてから、私は状況 をもっと客観的に考えようと努め ました。私が伝えたかった中心的 なメッセージは失われておらず、 記事から受ける印象も元のままだ し、スタイルも変わっていないの ですが、不必要な箇所が削ぎ落と され、核心をついた文章になっ ているではありませんか。編集を 加えられた後の方が、確かに良く なっています。 そ ん な こ と を 考 え て い る と、 テーブルの上にある雑誌に掲載さ れたダイヤモンドリングの写真に 目が留まりました。そのダイヤモ ンドが入っていた岩石を誰かが採 掘し、そこから取り出された原石 を、熟練した研磨職人の手が、価 値が高く魅力的で美しいものに変 貌させるのです。岩石に閉じ込 められているダイヤモンドのよう に、編集前の私の記事はラフな状 態であり、まだ完成していません でした。確かにダイヤモンドでは あるけれど、熟練した編集者の手
によって、悪いところが直され、 カットされ、磨き上げられなけれ ばいけなかったのです。 人生もそれと同じです。私たち はラフな状態で生まれており、編 集工程を経なければいけません。 編集者が、自分のデスクに置かれ たラフ原稿に目を通して、何か光 るものを見つけ出すように、神も 私たちの中に希望の光を見ておら れます。そして、私たちが読むに 値する作品となるため、少しずつ 変われるように働きかけてくだ さるのです。私たちは、自分が下 す選択や決断によって幾度も変貌 し、人生の試練によって表面的で 不必要な部分が除去され、他の人 との日々のやり取りを通して微調 整され磨かれていきます。 私が執筆したあの粗さが残る作 品のように、私の人生は偉大な編 集者である神の手で、最初の状態 よりも素晴らしいものに変えられ ています。そして、その工程はま だこれからも続くのです。
「アクティベート・リーフ」は、英語の「Activated」誌からの記事を翻訳したものです。その他の記事は、ホームページでご覧頂けます。 http://www.activate.jp
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Translated from English Activated Magazine Vol. 22-1 p3
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