782:人生の節目

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アクティベート ・ リーフ No.782

人生の節目

築 紫 裕 子

しい年を迎える時、私はよく「節目」について 考えます。そんな時に目に浮かぶのが、あの竹

の節目です。天高くまっすぐに伸びる竹には立派な節 目があり、そんな竹の姿には、何か気を引き締められ る思いがします。

学生の頃、 「人生の節目を大切にすると、物事がうま くいく」と教えられたのを今も覚えています。ただの 長い棒や枝よりも、節目があるものの方が、ずっとしっ

や大切な人たちの健康や命に関することも節目と言え

るかもしれません。場合によっては、旅行や大会出場、 特別なイベントなども節目となります。

そして、新年を迎えることや、誕生日も大切な節目

です。日本の場合、暦の上での新年とは別に、仕事や

学業における新年度もありますので、私たちの人生に はいくつもの節目があります。

かりして丈夫だという話を聞き、それ以来私は、人生

お正月には、新年の抱負を考えたり、新年のゴール

自分の人生を考える習慣がついていました。

一年のゴールや計画を立てたりしますが、それだけで

の節目となりそうなことが近づくと、それに合わせて 「節目」という言葉を辞書で調べてみると、大きく分 けて二つの意味があるようです。一つは、木材や竹な どの節のある部分をさします。そしてもう一つは、物 事の区切り目のことで、よく「人生の節目」というよ

うに使いますが、 「節目を迎える」とは、人生の流れを 変化させるような大きなきっかけを迎えるということ です。

たとえば、進学や入学のように、学業や子どもの成 長に関わることも人生の節目ですし、就職や転職、昇 進のように仕事に関する節目もあります。また、結婚

や出産、引っ越しや家の購入など家族に関することも あれば、大病を患ったり、身内の死というように自分

を決めたりする人も多いことでしょう。私も新年には はなく、自分の誕生日にも神様から導きを求めるよう にしています。

私の場合、新年に考えるのはたいてい仕事のゴール とか、その年に達成したいことなどが多いので、誕生

日にはもっと深いこと、自分の人生全体や心の成長に ついても神様からの導きを求めるのです。

でも昨年は、私にとっていつもの年とはまったく異 なるレベルの節目が来たように感じています。人生最 大級の節目だったとさえ感じていて、ここ数ヶ月ずっ といろいろなことについて考えていました。

というのも、一昨年私は還暦を迎え、そのわずか数ヶ

月後、昨年 1 月に突然、命の危険を伴う病気になり、


大きな手術をしたからです。やっと助かった自分の

私は思わず、 「なるほど」とうなずいていました。こん

ないわけにはいきません。

は本当にすべてのことに計画を持っておられるんだなぁ

命のことを考えると、自分の人生について深く考え 療養中は、今までの人生を振り返る時間がたっぷ

りありました。でも、過去のことを考えるだけでは 先に進めません。それで、どうにかこれからの人生

について前向きなことを考えようとしたのですが、

なふうに神様と心の中で対話していると、やっぱり神様

と感じます。そして主が、 「もう少し節目について調べて ごらん」と言われたので、調べてみると面白いことを発 見しました。

どうも昨年はそれがうまくできませんでした。

竹は中が空洞なので軽いのに、それでもとても丈夫で、

心に涌いてきて、新しいスタートをとても楽しみに

てしまい、まっすぐ上に伸びることができません。竹の

今までは節目が来ると、次のゴールやビジョンが したものです。でも今回はそうならないのです。も う自分が以前のように若くはないこと、コロナのよ うな感染症や、不安定な社会情勢のことが気になっ

て、なかなか先が見えず、方向性を見出すことがで きないでいました。

そこで私は、そのことについて神様はどう考えて おられるのか祈ってみることにしました。すると神

様は、今はまだ待っている時、準備の期間なので、ゆっ くり身体と精神を休め、次のことに備えるべきだと いうようなことを、私の心に語りかけてくださった のです。

それで、何に備えたらいいのですかと尋ねると、

さすが私のことを誰よりもよくご存知の神様です。 こんな答えが返ってきました。 「あなたは、わたしが

進むべき方向を示すと、すぐに行動に移りたがる。 だから、わたしはまだ、次のステップを示すわけに はいかないよ。 」

でも、その答えを受け取りながらも、私はこう考 えていました。何もしないで待っているのって難し

いなぁ。待っている間にも、何かできることあるん じゃないかな・・・と。すると主は、そんな私の気

持ちを察したかのように、更に次のように語ってく

天高くまで伸びることで有名ですが、節がないと曲がっ

しなやかさや強さを支えているのは節の存在なのです。 竹は、幹の中空構造と一定の間隔で配置されている節に よって、力がかかっても折れ曲がったり潰れたりしない ようになっており、極めて高い強度を持っています。

それを知って私は、節目がどんなに大切かということ が分かりました。一見成長が停滞しているように見える

節目ですが、それがあってこそ、美しさと強度が増すわ けです。そのことを人生の節目に当てはめた時、人生を 急ぎすぎたり、焦ったりすべきではないし、成長を妨げ るような出来事でさえ、自分を強める節目にできるのだ と気づかされました。

以前、ある人が「人生というのは、命の時間です。生 きるということは、その命の時間をどう使うかというこ とでありましょう」と言っていました が、節目を大切にするということ は、節目とその間にあるすべての 時間を大切に生きることなので はないかと思い、私は、人生の 節目となっている今の時も、そ してその後に続くすべての瞬間 も大切に生きていきたいと決意 したのでした。

ださったのです。

「わたしが次のステップを示すまでは、何もせずに

ただ待っていなさい。冬眠をしていると思えば、もう

「天が下のすべての事には季節があり、

は、わたしからのものだよ。ただ寝ているだけと思っ

「神のなされることは皆その時にかなって美しい。

少しゆっくり待つのが簡単になるかな。冬眠のたとえ

すべてのわざには時がある。 」

ているかもしれないが、冬眠の間にも、わたしはその

神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。

動物の体の中で備えをしている。そして、眠っている

それでもなお、人は神のなされるわざを

気候がちょうどよくなるようにしている。だから、わ

- - 聖書 伝道の書 3 章 1 節、11 節

間に、わたしは環境を整え、餌になるものを成長させ、

初めから終りまで見きわめることはできない。 」

たしに信頼してただゆっくり休んでいなさい。 」

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