800:方向転換と隙間

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アクティベート ・ リーフ No.800

方向転換と隙 間 築 紫 裕 子

近、ニュースを見ても、友人と話していても、

時代の転換期についてよく考えさせられます。

「ビフォーコロナとアフターコロナ」という言葉が聞 かれるほど、コロナの蔓延は社会状況を大きく変えて

しまいました。仕事の環境も変わりましたし、個人の 生活も今までと同じようにはいきません。

私自身も、去年大病をして、それまでしていた仕事 を辞めることになり、身体の調子も前と同じではない

ので、コロナのことがなかったとしても、人生の転換

期が来たことは明らかでした。でも、何をどう変えた

ありませんでした。いざ方向転換をしようとして

も、スケジュールがいっぱいで動きが取れません。 まさに、ぎゅうぎゅう詰めのビー玉の中に置かれ たおもちゃの車でした。

でも、解決法は簡単です。ただ、いくつかのビー

玉を取り除いて隙間を作るなら、車の向きを変え られます。 「隙間」 、つまりそれは、時間や心のゆ とりです。詰め込み過ぎた状態から、いくつかの ものを取り除いていけばいいのです。

らいいのか、これからどうしていったらいいのか、まっ

考えてみると、私の部屋の押し入れは、いつも

神様は、私がこれからどのように生きることを望ん

め込んでしまうからです。どうやら私には、詰め

たく見当がつきません。

でおられるんだろう・・・そんなことを考えていると、 病気になる前の年に主が示してくださったあることを

思い出しました。それは、 「方向転換するには、隙間 が必要だ」という、とても興味深いたとえでした。

その時、主は、ビー玉がいっぱい敷き詰められた箱 の中に、おもちゃの車が一台ある場面を示してくださ いました。車は進む方向を変えようとしているのです が、四方をぎゅうぎゅう詰めのビー玉に囲まれている ため、思うように方向転換ができません。

その場面を頭に描いた途端、私は隙間の大切さに気

付きました。このたとえのように、私たちの毎日の生 活も、隙間がないなら動きが取れなくなってしまいま

す。忙しすぎてゆとりがないと、必要な方向に向きを

変えることさえできない・・・、それこそ、まさに当 時、私に起こっていたことでした。

病気になる少し前のことです、元気だった私はいろ いろ新しいことを始めて、幾つもの仕事を掛け持ちし

ていました。それに合わせて、趣味や人付き合いも広 がっていったので、毎日のように出かけたり人に会っ たりして、忙しいながらもとても充実した日々を送っ

ぎゅうぎゅう詰め状態でした。ついつい、物を貯 込み過ぎる傾向があるようで、物の置き場所にし ても、毎日のスケジュールにしても、頭の中にし

ても、いつもいろいろなものが詰まっています。 それもたまには役立つのですが、隙間なく詰め込 むと、最終的には動きがとれなくなり、自分で自 分を苦しめることになってしまいます。

そのことを理解すると、自分が病気になって、 あまり活発に行動できないことにも、神様の知恵 と配慮が反映されているのかもしれないと感じま

した。この期間は、まさにぎゅうぎゅう詰め状態

にあった私の周りに、方向転換に必要とされる隙 間を作る助けになったからです。

でも、気持ちや生活に隙間ができただけで、問

題が解決したわけではありません。私は自分の人 生において転換期が来ていることには気づいてい

たものの、どの方向に方向転換したらいいのか見 当がつかず、どちらかというと途方にくれていた のです。それで祈っていると、神様は私にぴった りの答えをくださいました。

ていました。

「次に進むべき方向が分かっていても、分かって

なければと思いながらも、ゆっくりと考える時間さえ

方向が分かった時に、必要な方向に向きを変える

でも、次第に忙しくなりすぎて、少し軌道修正をし

いなくても、今、隙間を作らないなら、進むべき


ことはできないよ。進むべき方向が分かってか

のだと気づきました。近い将来に方向転換が必要だと感

タイミングを逃してしまう可能性がある。なぜ

時にタイミングを逃さずに行動できます。だから、今の

ら隙間を作ることもできるが、それだと物事の なら、たいていの場合、隙間を作るには時間が かかるからね。 」

何という真実なのでしょう。この答えには目を

開かされました。今すべきことがはっきりとした

のです。私は進むべき方向を見定めることにば かり気を取られていましたが、それ以前に、隙 間を作ることの方が大切な場合もあるのです。

隙間を作るには、まず、真に必要なものとそ

うでないものとを見極め、不要なものを取り除

き処分していくという作業が必要です。でも、 不用品の処分には時間がかかります。場合に よっては、不要なものを判別するだけでも時間 がかかるものです。だから、今のように時間が ある時に、それをしておかないなら、いざ方向

転換のタイミングが来た時に隙間を作ろうとし ても間に合わなくなってしまいます。

だから、今のように行動を制限されることも、 隙間づくりや将来の変化のための準備に役立つ

じているなら、今、その準備を始めることで、時が来た うちに真に価値のあるものが何なのかを見極めておきた いと思いました。

物事がどんどん変わりつつある中、永遠に変わらぬ価

値のあるものとは何なのでしょうか。私が出した答えは、 大切な人たちとの関係、自分や家族の健康、どんな状況

の中でも生きていくための知識やスキル、そして心の強 さなのではないかということでした。

そして、それを手に入れる上で鍵となるのは、神様と

のしっかりとしたつながりを持つことです。神様はどん

な状況にも対応していくための知恵をくださいますし、 困難を耐え忍ぶための強さを与えてくださる唯一の方だ からです。

これからの時代、人生の嵐が何度も吹き荒ぶかもしれ ませんが、神様の約束は、それ以上に確固としたもので す。神様につながっているなら、嵐の中でも進むべき道

を見出し、自分や家族が必要とするものを受け取ること ができます。最後に、神様に頼ることがどれほど素晴ら

しいことであるかを表した聖書の言葉を紹介したいと思 います。

神に頼る者の幸い <ソロモン王による箴言3 章1- 8 節より>

<ダビデ王による詩篇 34 篇 1- 8 節より>

わが子よ、わたしの教を忘れず、わたし の戒めを心にとめよ。そうすれば、これ はあなたの日を長くし、命の年を延べ、 あなたに平安を増し加える。いつくしみ と、まこととを捨ててはならない、それ をあなたの首に結び、心の碑にしるせ。 そうすれば、あなたは神と人との前に恵 みと、誉とを得る。心をつくして主(神) に信頼せよ、自分の知識にたよってはな らない。すべての道で主を認めよ、そう すれば、主はあなたの道をまっすぐにさ れる。自分を見て賢いと思ってはならな い、主を恐れて、悪を離れよ。そうすれば、 あなたの身を健やかにし、あなたの骨に 元気を与える。

わたし(ダビデ)は常に主をほめまつる。そ のさんびはわたしの口に絶えない。わが魂 は主によって誇る。苦しむ者はこれを聞い て喜ぶであろう。わたしと共に主をあがめ よ、われらは共にみ名をほめたたえよう。 わたしが主に求めたとき、主はわたしに答 え、すべての恐れからわたしを助け出され た。主を仰ぎ見て、光を得よ、そうすれば、 あなたがたは、恥じて顔を赤くすることは ない。この苦しむ者が呼ばわったとき、主 は聞いて、すべての悩みから救い出された。 主の使は主を恐れる(畏れ敬う)者のまわり に陣をしいて彼らを助けられる。主の恵み ふかきことを味わい知れ、主に寄り頼む人 はさいわいである。

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