807:崖から落ちそうになった馬

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アクティベート ・ リーフ No.807

崖から落ちそうになった馬 築紫 裕子

暦を迎えた数ヶ月後に、私は突然の病に倒 れ、手術と二ヶ月半の入院を余儀なくされま

した。危うく命を取り留め、奇跡的に何の障害も

残らずに回復してきたものの、退院後も長い間、体 調が悪くて辛い思いをし、随分がっかりしていまし た。いつになったら前のように元気になれるのだろ

うか、完全に回復するのに、あとどれほどかかるの だろうか・・・と。

そんなある日、祈りの内に神様と会話していると、 突然次のような言葉が心の中に流れてきたので、そ

れを書き留めてみました。それは、私にとって、と

ても分かりやすいたとえ話で、聞いた途端、心の内

にあった悶々とした思いが消え去っていきました。 これは、私個人にあてて語られた言葉ですが、もし かしたら他の誰かにとっても役立つかもしれないと 思い、記事として分け合うことにしました。

静まって、わたしこそ神であることを知れ。 あなたは自分で考えて理由や答えを出そうとし

ている。しかし、あなたはそんなことをする必 要はない。わたしこそ神であって、そのすべて をしているのだから。

わたしがするすべてのことには良い理由があ る。いつもあなたがたにそれを知らせるとは限

らないが、わたしはそれを良く知って理解して、 物事を起こしているか、それが起こることをゆ

るしている。だから、そのことであなたが心配 する必要はまったくないのだ。なぜなら、それ がどんな出来事であろうと、そこから最善のこ とがもたらされることは事実だからである。

わたしはこの時が来るのをずっと待っていた。 あなたが還暦を迎え、次のステージに入ったこ とを意識してくれたことは嬉しかった。しかし

あなたは、自分がすべきことやしたいこと、実 際の仕事など、表面的なことや未来の楽しい夢 を追うばかりで、あまり自分の霊的な状態は意

識してなかったね。それでは、人生の車輪の片 側を回しているだけで、同じところを堂々巡り する結果となってしまい、先へと進むことがで きない。だから私は、あなたをストップさせ、もっ

と深く考えるようにさせなければならなかった。

そのために、あなたがどれほど辛い思いをし、 どれほどの痛みに耐えなければならなかったか

を考えるとかわいそうになるが、それでも、わ たしはあなたをあのままの状態で進ませること

はできなかったのだ。なぜなら、あのまま進ん でいたら、あなたは突っ走りすぎて、断崖絶壁 から落ちてしまったからだ。


馬が興奮して走っている時には、急に速度を

あなたは今まで、元気になるとすぐに元のス

いているかと思ったら、その端が断崖絶壁になっ

らはそのようなサイクルで生き続けることはで

落とすことができない。そして、広い野原が続

ピードに戻って生活してきた。しかし、これか

ているような場所があるものだ。ところが、走っ

きないよ。何かあるたびにスピードか遅くなっ

ている馬からは、そして、その馬に乗っている

ていくようで、歯がゆく感じるかもしれないが、

騎手には、崖がそんな間近にあるなんて見えな

歳をとるというのはそういうことなんだ。

いこともある。見えたとしても、あなたの出し

そして、そのことさえ、わたしは目的を持っ

ていたスピードからすると、馬が止まるには間

てそう設定した。人が天国に来た時に、この世

に合わなかっただろう。

のスピードを持ち込むことがないようにね。天

だから、わたしはあえて馬が足を怪我してし

国では、もっと恵みと憐れみに満ちたスピード

ばらく走れないようにした。突進して命を失っ

で物事が起こる。話し方も、接し方もそうだ。

てしまうことがないように。痛い思いをさせて

だから、そこにはストレスもなければ、傷つけ

ごめんよ。でも、仕方なかったんだ。わたしは

あうこともない。

あなたを愛しているし、あなたの未来を大切に

スピードは事故を起こす。人を傷つけ、精神

思っている。だから、あなたを失うわけにはい

的な負担を与える。天国で、そのように生きる

かなかったのだ。

ことはできない。そんなことをしたら天国を台

無しにしてしまう。だから、今から天国的なス

さて、もし崖から落ちそうなところで、突然

ピードで生きることを学べることを感謝しなさ

ストップがかかって命拾いしたとするなら、そ

い。それは、あなたをリラックスさせ、幸せにし、

の後あなたは、まず何をすると思うかい? まず

あなたの周りにいる人たちをも幸せにする生き

は心を落ち着け、動悸が止まるまで休むことだ

ろう。身体がブルブル震えているような状態で、

方だから。」

崖っぷちを歩き回ることほど危険なことはない

神様から与えられたこのメッセージは、本当にそ

崖っぷちにいるということは、もし間違った

ピード」で生きることを学びたいと思いました。今

から。

方向に進むなら、今度こそ崖から落ちてしまい

うるということだ。だから、進むべき方向を慎

重に見定めなければならない。そのためには、 心を落ち着けて静まることだ。

見通しの良い場所に移って、まずは周りの状 況をよく観察しなさい。森の中には危険な野獣 が隠れているかもしれないし、別の場所には底

の時の私にぴったりのもので、心から「天国のス

まで、この世のスピードについて行くためには、あ れもして、これもして、と忙しくし続けていました が、人生にはそれよりもずっと大切なことが沢山あ

ると気づきました。「天国のスピード」で生きる時、 きっと私たちは、もっと安全で幸せに生きることが できるのだと思います。

なし沼があるかもしれない。猟師が獲物を捕ま えるための罠だってあることだろう。そんなも のに足を捕られては、再スタートどころではな くなってしまう。

だから、よく周りを観察して、どちらの方向 に進むのが安全か確かめなさい。そのために時 間をかけるのは無駄ではない。それができるよ う、わたしは回復に時間がかかるようにするこ

とがあるのだ。だから、わたしのスピードで進 みなさい。

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