810：幸せになる技 by Activate Leaf

アクティベート・リーフ No. 810

『幸せになる技』

る時、かかりつけの整骨院で治療を受けていると、どこからともなくハッカの香りがしてきました。この整骨院では、毎回、異なるアロマの香りが漂っているのですが、その日はハッカだったのです。ハッカはペパーミントの一種ですが、よく使われているペパーミントと比べると、ハッカにはもう少し日本独特の香りが含まれていて、私はそれが大好きです。ハッカは私にとって懐かしい香りで、その香りをかぐと、楽しい思い出がよみがえってきます。たとえば、幼稚園の頃、おじいちゃんの家でハッカ飴を舐めながら遊んだこと。また、ハッカといえば北海道ですが、ハッカは家族で行った特別な北海道旅行を思い出させてくれます。だから、その香りを嗅ぐと幸せな気持ちになるのです。しばらく前にアロマの勉強をした時に、天然のアロマオイル（エッセンシャルオイル）は、単に気分をよくしてくれるだけではなく、身体や精神に大きな影響を及ぼすことを学びました。たとえば、痛みを軽減したり、自律神経に作用して胃腸の調子を整えたり、その他、驚くような効果が多々あります。中でも興味深かったのは、香りと記憶についての体験学習でした。その日、先生は受講生に、何の香りであるかは知らせずに、一つの香りのついたティッシュを回し、その後、その香りを嗅いだ時に思い浮かべたことを紙に書くようにと言いました。皆が書き終わり、数人が書いた内容を発表したのですが、ほとんどの人が、急にある記憶がよみがえったとか、思ってもいなかった場面が頭に浮かんだと言っていました。発表後、何の香りであったのかが知らされましたが、やはりその香りは各々の記憶と関係があるものでした。私も、子どもの頃の思い出が突然よみがえってきたのですが、それは、山椒の葉っぱの上にいる蝶の

築紫裕子

あ

幼虫を獲っている場面でした。どうして唐突にそんな場面が頭に浮かんだのか不思議でしたが、後で調べてみると、ティッシュについていた香りと、山椒の葉っぱの香りには、同じ成分が含まれていることが分かり、その成分が、私の記憶を覚醒させたのだと納得しました。私たちが勉強した本には、重度のうつで生きる希望を失っていた女性が、ある香りを嗅ぐことで幸せだった時のことを思い出し、その香りを嗅ぎ続けることで、次第にうつから抜け出して元気になったという体験談も出ていました。でも、記憶には幸せな記憶だけではなく、悲しい記憶や嫌な記憶もありますから、ネガティブな記憶を蘇らせる香りを嗅ぎ続けることは逆効果になってしまいます。だからアロマを使う時には、好きな香り、良い思い出がよみがえってくる香りを使うことが大切なのです。ところで、記憶をよみがえらせるというのは、同じ体験をもう一度するようなものです。楽しい体験ならば、幸せになる助けになりますが、辛かったことや悲しかったことを思い出すのは、辛い体験を繰り返すようなもので、多くの人の不幸の原因となっています。誰の人生にも、思い出して嬉しくなることと、思い出したくない辛く悲しいことの両方がありますが、だからこそ、「何に目を留めるのか」が、幸・不幸の分かれ道なのです。これに関連して、ある牧師さんが一人暮らしの信者さんに電話した時の話を思い出しました。その信者さんは、だいぶ歳をとり、あまり動けないので、元気にしているかどうか様子を伺うために電話をかけると、そのおばあさんは、とても元気な声でこう言ったそうです。「牧師先生、心配しないでください。私は一人になってもね、毎日、幸せにしていますよ。部屋中に楽しかった時の思い出の写真を並べてね、それを見ながら、写真に

写っている人たちと会話するんですよ。あの時は楽しかったねとか、あれは美味しかったねと、思い出すだけでどんどん幸せな気分になるんですよ。」この話を聞いて、最初私は、「えー、昔の楽しかった時の写真ばかり見ていたら、今の状況と比べて悲しくなってしまうんじゃないの・・・」と思いましたが、同時に、そのおばあさんの心の持ち方に感銘を受けました。そのおばあさんのように、自分が人生で積み重ねてきた素晴らしい時のすべてを神様に感謝しながら生きることができるなら、なんと幸せなことでしょう。同じ過去の写真を見ても、楽しかったことを素直に感謝できる人と、「あの頃は良かったけれど、今はあの人もいないし、もうこれもできないし・・・」と、暗い気持ちになる人がいます。同じことをし、同じ方法を使っても、結果は人によって異なります。そう考えると、幸せになる方法や手段を探すよりも、幸せになる受け止め方を身につけることの方が大切なのかもしれないと思いました。私は、それを『幸せになる技』と呼ぶことにしました。なぜなら、幸せは状況によってもたらされるのではなく、自分の受け止め方次第で、自分で習得できると気づいたからです。もしそれが「技」であるならば、柔道や様々なスポーツで技を磨くように、幸せな人生を送るための技を身につけることができます。そう考えただけでも、何か気持ちが上向きになってきます。ある人が、「幸福とは、バイオリンを弾く時のように練習すべきもの」だと言っていますが、確かに、物事の受け止め方や考え方というのは思考の習慣です。幸せになる思考回路が習慣になっていれば、幸せでいられる時間も多くなることでしょう。良い習慣も悪い習慣も繰り返すことで身に着きます。だから、『幸せになる技』を練習して、もっともっと幸せな人生を生きましょう。

が経験したことを感謝すること、それこそが『幸せになる技』ではないでしょうか。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。」ー第一テサロニケ 5 章16 -18 節私は、感謝の習慣を身につけようと、一昨年から毎日、嬉しかったことや感謝していることを簡単に箇条書きする手帳を持っていますが、それを時々読み返すだけでも、今月はこんなに感謝することがあったんだと、さらに感謝の気持ちが溢れ、幸せな気分になります。最後に、『幸せになる技』のことを考えていて、高校生だった時にある牧師さんが教えてくれた言葉を思い出しました。「あなたは、自分を幸せにしてくれる誰かを探しているかもしれませんが、あなたが幸せにしてあげられる誰かを探す時、幸せのほうがあなたを見つけてくれるでしょう。」私はその言葉が好きで、自分の人生でずっとそれを指針としてきましたが、今回、幸せになる方法という角度から考えてみて、今の気持ちや新しい発見を、その言葉を書き換えた形でまとめてみました。「自分を幸せにする方法をいろいろと試したが、どれもうまくいかなかった。でも、誰かを幸せにする方法はないかと考え始めたら、いつの間にかそう考えることで幸せな気持ちになった。」

これが、今回私が発見した、私なりの『幸せになる技』です。きっと、神様はひとりひとりに、その時に応じて、その人が使うことで役立つ『幸せになる技』を示してくださり、それをどのように磨いていったらいいのかも教えてくださることでしょう。神様は誰よりも、私たちひとりひりが幸せになることを望んでおられ、そうなるためにどうしたらいいのかもご存聖書には、幸せになる技を身につけるための秘知です。幸せ人生のコーチである神様から『幸せになる技』訣がたくさん書かれていますが、その第一歩は、を学んで、最高に幸せな人生を生きましょう！次の言葉に要約されているように思います。「最後に、兄弟たちよ。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべきこと、すべてほまれあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらのものを心にとめなさい。」ーピリピ人への手紙 4 章 8 節また、聖書のいたるところに書かれているのが、感謝することです。自分が持っていたもの、自分

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