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CBRE RESEARCH
© 2022 CBRE, INC.
In and Out Japan H1 2022
INBOUND
海外投資家によるインバウンド投資 2022年H1 投資額は50%減少 投資意欲は旺盛も売却案件が限定的
住宅、オフィスの大型案件が取引された
• 2022年上期のインバウンド投資額は23.8億ドルで対前年同期 比50%減少。取得意欲は旺盛ながら売却案件が限定的。
• 投資家の国別投資額割合は、米国が最も多く、全投資額の 49%を占めた。
• EMEAからの投資額は同8%減少も、英国およびフランスか らの投資額は大幅に増加。全投資額の20%(同+9%ポイン ト)を占めた
Figure 1: 主要不動産投資額(投資家・国別) 米州
投資額 (億ドル) 全投資額に 対する割合 対前年 同期比
アジア 太平洋地域 投資額 (億ドル) 全投資額に 対する割合 対前年 同期比
EMEA 投資額 (億ドル) 全投資額に 対する割合 対前年 同期比
CBRE RESEARCH
Figure 2: 主要不動産投資額(アセットタイプ別)
香港
韓国
4.3
2.0
0.3
0.3
18% -47%
8% n/a
1% -15%
1% -78%
フランス
4.2
0.5
18% 59%
2% 32%
• 2022年下期は大型案件が複数進行中。下期の投資額は上期よ り増加する見込み。
• 一方で海外で先行する金利上昇と景気後退懸念から、日本で の不動産投資に対してやや慎重姿勢に転じた欧米投資家が一 部でみられている。 • とはいえ、日本で金利が上昇する可能性は低く、利回りスプ レッドが海外に比べて相対的に厚い状況は続くだろう。日本 の事業用不動産に対する海外投資家の関心は総じて高い状況 が続くとみられる。
5%
4%
10 豪州
2022年下期は複数の大型成約の一方で、 一部の欧米投資家は慎重姿勢に
Figure 3: 主要都市におけるプライムオフィスビルの利回りと 長期金利に対するスプレッド
12
出所: Real Capital Analytics、CBRE、2022年8月 2
• 大型オフィスも取引された。キャップレートはコロナ前と 同等かやや低い水準。
14
11.7 49% -43%
英国
• 今期最大の取引はM&Gリアル・エステートが取得した住宅 ポートフォリオ(4.24億US$)。他にも住宅ポートフォリオ が複数取引された。キャッシュフローの安定性という観点 から、住宅に対する投資意欲は引き続き高い。
十億ドル
米国
シンガポール
• 主要アセットタイプの投資額はすべて前年同期から減少。
〈直接投資〉
8
3%
6
2%
4
1%
2
0%
0 2017 2018 2019 2020 2021 オフィス
物流施設
住宅
ホテル
出所: Real Capital Analytics、CBRE、2022年8月
H1 H1 2021 2022 商業施設
その他
-1%
スプレッド
プライムオフィス利回り
10年国債利回り
出所: Datastream,、CBRE、 2022年Q2 © 2022 CBRE, INC.
In and Out Japan H1 2022
OUTBOUND
日本の投資家によるアウトバウンド投資 2022年H1 投資額は26%増加、 英国での投資額増が主因
• アウトバウンド投資額は16.5億ドルで、対前年同期比26%増 加。主因は英国での投資額の増加。2016年のEU 離脱問題発 生以降で最大の投資額となった。 • 一方、米国での投資額は前年同期に比べて半減。ただし売 買取引以外の開発案件への出資等は年々安定的に増加傾向 にあり、投資家の投資意欲は依然高い。
Figure 4: 主要不動産投資額(投資先国別)
米州
投資額 (億ドル) 全投資額に 対する割合 対前年 同期比
アジア 太平洋地域 投資額 (億ドル) 全投資額に 対する割合 対前年 同期比
米国
0.1 2% n/a
シンガポール
インド
5.1 31%
0.1 1%
n/a
n/a
• アセットタイプ別ではオフィス、住宅とホテルが前年同期 を上回った。
• オフィス(11億ドル、対前年同比267%増)はコロナ禍前と 比べても高い水準。今期把握された取引すべてが7000万ド ル超で、英国とシンガポールに集中した。
Figure 5: 主要不動産投資額(アセットタイプ別)
カナダ
3.9 24% -55%
オフィス投資額が大幅増、 取引は英国とシンガポールで散見
3
全投資額に 対する割合 対前年 同期比
英国
7.2 44% 193%
2
1
出所: Real Capital Analytics、CBRE、2022年8月
0 2017 2018 2019 2020 2021 オフィス
物流施設
住宅
ホテル
出所: Real Capital Analytics、CBRE、2022年8月 3
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H1 H1 2021 2022 商業施設
• 2022年上期の世界のアウトバウンド投資額は1,232億ドルで対前 年同期比9%増加。 • 日本からのアウトバウンド投資はコロナ禍の影響から回復過 程にある。ただし、インフレによるコスト上昇で、一部の投 資家は開発などの投資戦略を見直したようだ。
• 今後、日本の投資家は選別姿勢は強まると考えられることか ら、投資額は抑制される可能性がある。
十億ドル
4
投資額 (億ドル)
2022年下期は不確実性の高まりから 投資家の選別姿勢が強まる可能性
Figure 6: 世界のアウトバウンド投資額
十億ドル
EMEA
〈直接投資〉
その他
350
35%
300
30%
250
25%
200
20%
150
15%
100
10%
50
5% 0%
0 2019 H1
2020 H2
2021
2022
アウトバウンド 投資額割合(右軸)
出所: : Real Capital Analytics、CBRE、2022年8月 © 2022 CBRE, INC.
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寛
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シニアディレクター
本田
ヨウ
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ナンシー
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山本
伸英
ディレクター
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