台灣東亞歷史資源交流協會 會刊
No.19 日文版 2014/8/11
東アジア歴史資源交流協会 アジア歴史資源交流協会ニューズレター 歴史資源交流協会ニューズレター East Asia Popular History Exchange, Taiwan (EAPHET)
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<目次> 目次> ■蜜陽、山の闘い【1】
蜜陽、山の闘い:現地レポート【1】―原発送電塔建設反対 p1
【2】 p3
■先住民と開発―北ルソ 阿川 p4 ンの旅
□鉱山開発への抵抗 陳伊品
p5
□キリキリ山の旅 William Todcor
▼ 追 悼 : ぺ・チ ュ ン ヒ ハルモニ p10
p12
◆蘭嶼:核廃料との闘い 古川ちかし p17 ◆僕ちゃん内閣との対話 にならない対話 村山さたね p19 ■南韓ツアー p22 □抵抗と連帯 吉田藍 p22 □つながっていくこと 上前万由子 p24 □人民の抵抗 Obing Lubi p27
◆江汀村平和キャンプ: 台湾に突き付けられる難 問 阿川 p33 ◆釜山の民主と日本の平 和憲法 村山さたね p34 ◆75年前の部落に戻りた い:東部ブヌンの闘い Awil Kazuo p36 お知らせ △バザーにご協力ありが とうございました p11
△5-7月の活動 △これからの活動 △編集後記
韓国慶尚南道の蜜陽(ミリャン)は陽光 と山峰が豊かな村だ。新芽が鮮やかな 山々の林道をぼこぼこと登っていくと 「76 万 5 千 ボ ル ト 送 電 塔、絶 対 反 対」 「送電塔は自然も人も破壊する」と書か れた垂れ幕と看板が顔を出す。蜜陽の村 の住民たちが送電塔の工事反対を闘って いる現場だ。
p6
□森林破壊と有機栽培 戴佩如 p8
▼追悼:Lubi Nabu
一兵 2014.5.14
p21 p21 p36
4月下旬に私は蜜陽の山小屋に3日間寝 泊まりした。工事反対運動を闘うハルモ ニたちがろう城する山小屋では、公権力 による強制執行がいつ始まるのか極度の緊張 が続く日々だった。 2005年に韓国政府と韓国電力(以下、韓電) は、蜜陽における送電塔工事計画を発表す る。韓国南部の釜山市機張郡に位置する新コ リ原子力発電所からソウル首都圏まで電気を 輸送する目的で、新コリ原発から北慶南変電 所までの総90.5kmの間に161箇所の送電塔 を建設する計画だ。釜山市機張郡や隣接する
しかし韓国政府と韓電は、戦闘警察など の公権力とそして「雇われヤクザ」を動員 し、罵りや侮辱そして暴力によって工事を 強行している。反対する住民には、「補償 金」と称したお金(これまで韓国の公共事業 では個人補償は認められていない)で買収を もくろむ。それでも抵抗する住民には、息 子や娘などに脅迫や懐柔を強いる。またあ るいは韓電が強制収容した工事予定地に ( 元 々 は 村 の 住 民 の 土 地 な の に )「不 法 侵 入」したという口実で住民たちを起訴・告 発し、反対運動に対して工事の中断や妨害 を口実に損害賠償を請求する。 こうして政府と韓電からの圧力が強まる 中でも、蜜陽の村の住民たちは9年にわたっ て工事反対を闘ってきた。建設反対運動を 闘う中で蜜陽の村の住民たちは、①世界最 11
慶尚南道梁山市などには109箇所の送電 塔を既に建設済みであり、蜜陽市には 世界最大規模76万5千ボルトの送電塔を 含む64箇所の送電塔工事が予定されて いる。韓国政府と韓電は土地の強制収 用を進めたが、蜜陽の村々では70、80 代のハルモニたちやハラボジたちが中 心となって送電塔工事への反対を闘っ てきた。
大規模の送電塔建設を中断②大型発電所 建設ではなく節電技術を導入③村を中心 とした再生エネルギー政策の確立などを 求めてる。 しかし2012年1月にはボラ村に暮らす 故イ・チウ(75歳)ハラボジが焚身自殺 し、2013年12月にもコジョン村に暮らす 故ユ・ハンスック(74歳)ハラボジが農薬 を飲んで自殺し、また2014年2月には韓 電の工事作業者が墜落事故で死亡すると いう悲劇が起こってしまった。人々の関 心が薄らいでいく中で、韓国政府と韓電 による送電塔工事は着々と進み、だんだ んと蜜陽の村の住民たちは孤立させられ ている。 密陽送電塔関連記事はp22以降の南韓ツアー関 連記事にもありますので、ご覧ください。