IFMSA-Japan Annual Report SF !
0. Table of Contents|目次 1. Greeting of the Representation|代表挨拶
…P2
2. Introduction|組織概要
…P3
I. 理事・役員挨拶 3. Greeting of Team of officials|理事・役員挨拶
…P6
II. 委員会活動報告 4. SCOPE/SCORE|臨床/基礎研究交換留学に関する委員会 …P20 5. SCOME|医学教育に関する委員会
…P30
6. SCOPH|公衆衛生に関する委員会
…P44
7. SCORA|性と生殖・HIV/AIDS に関する委員会
…P68
8. SCORP|人権と平和に関する委員会
…P92
III. 会議報告 9. National General Assembly|日本総会
…P114
10. Internatinonal Conference|国際会議
…P123
IV. 運営報告 11. Executive Board|理事会
…P146
12. Internal affairs|内務部門
…P151
13. External affairs|外務部門
…P164
14. Secretariat|事務局部門
…P174
15. Treasurer|会計部門
…P176
16. Local Activity|加盟大学 地域活動
…P177
V. 会計報告 17. Financial Report|会計報告
…P183
18. Auditing Report|監査報告
…P196
19. Media Information|メディア情報
…P198
20.Sponsorship|スポンサーシップ情報
…P199
21. Special Thanks|お世話になった方々
…P202
22. Local Organization|加盟大学一覧
…P203
23. Abbreviation|IFMSA-Japan 略語
…P204
24. Editor’s Note|編集後記
…P206
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1. Greeting of the Representation|代表挨拶
この度は IFMSA-Japan 2017 年度 年次報告書をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。 IFMSA-Japan は「社会貢献や国際社会とのつながりの下、幅広い視野を持った医療人を育成し、よりよい 社会を⽬指す」という言葉を理念に掲げ、全て医療系学生が主体となって運営しているプラットフォームです。 ここでは、医療系学生が社会の一員として、世界を少しでもよりよい場所にすべく様々な活動に取り組んで います。また関わった学生にとっては、将来の医療人として、自らを成長させられるスキルや価値観を培える場 でもあります。一見すると活動範囲は非常に幅広いですが、全て医療を取り巻く社会における様々な課題への問 題意識に端を発する活動となっています。そして母体である IFMSA は約 70 年、その日本支部である私たち IFMSA-Japan は約 20 年続く、世界最大規模の医学生 NGO です。これほどまでに長く存在し続けているのは、 どの時代にも、学校での学びを超えて能動的に行動することで、自らが「変化の一人」となり、変えて行ける医 療・社会があると信じている学生がいるからだと思います。そんな学生たちの想いが集う IFMSA の灯火をここ で消してはいけない、とこの団体を「守って」きた学生たちがいたからこそ、今があります。私もそう決意し、 代表のバトンを受け取った一人です。 では、 「守る」とはどういうことでしょうか。私は、 「変わって行く」ことだと考えています。時代と共に社 会、それに伴って求められるニーズやできることはどんどん変わって行きます。世の中が変わって行く中で自分 たちは変わらない、ということは衰退していくことになります。だからこそ、変わらず存在している問題を的確 に捉え、新たに生じた問題を常にアップデートし、何度でも自分たちの活動の意義や価値を問い、バトンを繋い でいくことが必要です。 そんな中、世界に 130 以上ある支部では共通して 6 つのテーマを掲げた「委員会」を基盤とした活動を展 開しています。一方でテーマは同じでも、各国、各地域の背景は当然のように異なります。よって私たちは “Think Globally, Act Locally” をポリシーとし、各地で多種多様な課題にスポットライトを当て、活動に取り組んでい ます。この年次報告書には、私たち日本支部が今年度、各委員会としてどんな課題にどのような手法で取り組み、 今後の課題や展望をどう考えているかを記してあります。また委員会活動だけでなく、年に一度組織全体として 企画している日本総会や、今年度 10 年ぶりに日本開催を成功させたアジア太平洋地域会議、8 月にタンザニア・ 3 月にエジプトで開催された世界総会の様子もまとまめられています。そして活動ベースの報告だけでなく、後 半にはこの組織を支える各種 Office の運営面からの報告もあります。昨年度もお世話になった皆様にはその「変 化」を、そして今年度からお世話になっている皆様には私たちの「今」を知っていただけると嬉しいです。 最後になりますが、私たちの活動の先には常に「人」がいます。同世代の医療系学生や一般の方々、将来の 患者さん。その人たちのために今、そして将来の医療や社会をよりよくする「変化」を少しでも生み出せるリー ダーを輩出していけるように、これからも邁進してまいります。医療人を志す私たち学生にこそ見えてくるもの、 伝えられる想いを大切にしながら、日本の医療系学生を代表する組織として、これからも社会にメッセージを発 信していく所存です。今年度 IFMSA-Japan に関わってくださった全ての皆様に心より感謝を申し上げますと共 に、団体の益々の発展を願い、挨拶の結びとさせていただきます。
IFMSA-Japan 2017 年度 President / 代表 | 産業医科大学 5 年 塚田凪歩
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2. Introduction|組織概要 ◆IFMSA (国際医学生連盟) International Federation on Medical Students’ Associations (略称 IFMSA、日本語名 国際医学生連盟)は、 第2次世界大戦後の 1951 年にヨーロッパで設立され、本部をアムステルダムに置いています。WHO(世界保健 機関)、WMA(世界医師会)によって医学生を代表する国際フォーラムとして認められ、ECOSOC(国連経済社会 理事会)の会員資格をも持つ、非営利・非政治の国際 NGO です。2018 年 3 月時点で、125 の国と地域から 135 の団体が加盟し、130 万人以上の医学生を代表しています。 その他、様々な国際学生団体・国際機関、UNESCO や UNICEF などの国連機関とも公式な関係を結んでおり、 代表は様々な会議に招かれ、医学生を代表して発現しています。IFMSA には、臨床交換留学、基礎研究交換留 学、公衆衛生、性と生殖・HIV/AIDS、人権と平和、医学教育の 6 つの常設委員会があり、世界各国で様々なプ ロジェクトやワークショップを運営しています。
◆IFMSA-Japan (国際医学生連盟 日本) 1961 年に IFMSA に加盟した日本支部は、2000 年頃に体制を一新し、名称を IFMSA-Japan(国際医学生連盟 日 本)として現在に至ります。全国の医学部・医科大学の ESS や医療系サークルなどの団体会員、および個人会員 によって構成されています。2018 年 3 月現在、団体会員 55 校、個人会員約 760 名、IFMSA-Japan の中で最 大 の メー リン グリ ストに は 約 2500 名 が参 加し て いま す。 毎年 日本総 会 にて 開催 され る総会 本 会議 が IFMSA-Japan の最高意志決定機関です。理事会は、代表、副代表内務担当、副代表外務担当、副代表国際業務 担当、事務局長、会計と各委員会責任者 8 名の計 14 名(定員を満たさない場合もあります)から成り、年 4 回程 度の理事会議を開催して団体の運営に関わる事項を決定しています。 IFMSA-Japan は、上記の 6 つの常設委員会と各種 Office を設置し、日々活動を行っています。非営利・非政治 の原則のもと、各大学のご協力のもと年間 150 件以上の交換留学を実施、子どもを対象とした健康増進プロジ ェクト、生活習慣予防啓発活動、ピア・エデュケーション、貧困問題や死生観・医療倫理・地域医療について学 ぶ勉強会などの国内活動や、東南アジア・アフリカでの保健衛生活動、平和について考えることをテーマとした 国際サマーキャンプ、アジア地域での災害医療分野での人材育成プロジェクトなど、様々な国際活動も行ってい ます。2007 年には第 59 回保健文化賞を受賞しました。
◆委員会活動 IFMSA-Japan は以下の 6 つの常設委員会を設置し、年間を通じて活動を行っています。 SCOPE Standing Committee on Professional Exchange 臨床交換留学に関する委員会。臨床交換留学プログラムでは、日本の医学生が海外の病院で臨床研修を行うと共 に、現地の医学生との交流を通じて相互理解を深めます。 SCORE Standing Committee on Research Exchange 基礎研究交換留学に関する委員会。医学研究に興味を持つすべての医学生に海外に置ける様々な大学の基礎教 室・研究所で研究に関わる機会を提供します。 上記 2 種類の交換留学では、各大学の協力のもと年間計 100 名以上が海外で研修・研究を行うと同時に、同数 の医学生を国内で受け入れています。またこの 2 つの交換留学に関する委員会に「Incoming Care and Outgoing 3
Training Project」が含まれています。 SCOME Standing Committee on Medical Education 医学教育に関する委員会。 『学生一人ひとりが自分たちの受ける教育に意識を向けることで、日本の医学教育を より良いものにしていくことが出来る』という信念のもと活動しています。 「Life Lesson Project」 「チーム医療 Project」 「*Medical Education Project」が含まれます。 *2018 年 3 月に新たに承認されたプロジェクトです。 SCOPH Standing Committee on Public Health 公衆衛生に関する委員会。 『公衆衛生を通して地域社会に貢献し、幅広い視野を持った医療人を⽬指す』を Vision として掲げています。 「Africa Village Project」 「Asia Community Health Project」 「Community Medicine Tour Project」 「Healthy Lifestyle Project」 「ぬいぐるみ病院プロジェクト」の他、様々なキャンペーンデーに際して 啓発活動を行っています。 SCORA Standing Committee on Sexual and Reproductive Health including HIV/AIDS 性と生殖・AIDS に関する委員会。一般市民、特に若者の性感染症(STI)の知識と性に関する自己決定能力の向上 を⽬指し、医療系学生を中心に HIV/AIDS や LGBTs、生殖医療についての知識を深めるための活動をしていま す。 「Peer Education Project」 「Rainbow Flag Project」 「**STI Prevention Project」が含まれます。 **2017 年 3 月に新たに承認されたプロジェクトです。 SCORP Standing Committee on human Rights and Peace 人権と平和に関する委員会。人権と平和をテーマとして、紛争や災害時の人権侵害の防止、知識向上などに取り 組んでいます。 「ACTION Project」 「Hiroshima Nagasaki Peace Project」 「Learn about Refugee Project」 「Law and Medicine Project」が含まれます。
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◆会員制度 IFMSA-Japan には下記の二つの会員制度があります。 個人会員 年会費 1500 円 団体会員 年会費 10000 円 現在世界には 130 万人以上の IFMSA 会員が存在し、日本では約 760 名の個人会員、55 の団体会員が IFMSA-Japan を構成しています。会員は以下のような権利を持ち、同時に IFMSA もしくは IFMSA-Japan のメ ンバーとしてその活動に積極的に参加し運営に寄与することが求められます。 【個人会員の権利とメリット】 1. IFMSA-Japan の活動のうち個人単位で参加するものへの参加資格。 (交換留学や各種プロジェクト、サマースクールへの申し込みなど) 2. IFMSA-Japan 日本総会参加費の割引 3. 年次報告書(Annual Report)の無料配布 4. 卒後3年間の世界医師会(WMA)の準会員資格 5. 会員専用メーリングリスト参加 6. スタッフになり、活動することができる。 7. 役員への立候補 8. IFMSA 世界総会への参加申し込み 9. 日本団体会員総会でのオブザーバー権 【団体会員の権利とメリット】 1.
IFMSA-Japan の活動のうち、団体単位で参加するものへの参加資格
2.
総会での投票権
3.
IFMSA 臨床交換留学プログラム参加権(SCOPE)
4.
IFMSA 研究交換留学プログラム参加権(SCORE)
5.
各種報告書、広報ツールの配布
6.
団体会員メーリングリスト登録
7.
代表者1名の日本総会参加交通費の補助
◆スタッフ制度 スタッフとは IFMSA-Japan の運営に積極的に携わる人材のことで、現在約 300 名の学生がスタッフとして活 動しています。具体的には各委員会の活動、広報活動、ウェブサイトの管理、日本総会の企画運営など活動の幅 は多岐に渡ります。個人会員登録をした後、理事により実施されるスタッフインターンシップを終了することで、 スタッフとして正式に認められ活動をすることができます。
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Ⅰ.理事・役員挨拶 Greeting of Teamof officials
3. Greeting of Team of official|理事・役員挨拶 【Executive Board│理事会】 President /代表 │ 産業医科大学 5 年 塚田凪歩 代表としては、IFMSA-Japan の運営基盤となる理事 14 名のチームビルディング、および 40 名を超える Officials (幹 部職員) の運営サポートの他、団体内外からのニーズを把握し、新たな試みへと繋げるべく尽力してまいりました。 そして今年度だけに終らない、団体のサステナビリティを考えたシステムの構築やマネジメントの在り方を大切にし てきました。今後も IFMSA-Japan が多くの学生、そして社会にとって価値あるプラットフォームとして、時代と共 に変わり続ける、”生きる” 団体であることを願っています。今後とも、弊団体をよろしくお願いいたします。 Vice President for Internal Affairs(VPI)/副代表内務担当 │ 北海道大学 3 年 高桑雅弘 VPI は会員とスタッフの統括に加え、地域統括部門(Regional Office) 、OB・OG 部門(Seniors Club Office) 、スタ ッフへのスキル教育を行うトレーニング部門(Training Office)の 3 部署を統括する役職です。IFMSA-Japan は現在、 急速な成長過程にあります。会員数、スタッフ数が増え、その OB・OG の数も多くなり、内務部門の重要性が増して きています。より IFMSA-Japan の活動が活発になっていくためには、会員、スタッフの 1 人 1 人が、楽しみながら 活動することが不可欠です。今年は運営にスタッフ 1 人 1 人の声を活かすべく、スタッフアンケートを実施しました。 スタッフが IFMSA-Japan でより自分らしく活動できるよう、 来年度以降にもアンケートの結果を活かしていきます。 すべての人が楽しんで関われる場所づくりに、これからも努めてまいります。 Vice President for External Affairs(VPE)/副代表外務担当 │ 旭川医科大学 4 年 小山裕基 外務部門は、広報媒体の作成やブランド管理、そして外部団体や企業様との協力関係の構築などを通じて、 IFMSA-Japan を外に広げ、社会との繋がりを強化する役割を担っています。今年度の外務部門は、アジア太平洋地域 会議の運営や広報への貢献、JMA-JDN を中心とした別世代・別団体の医療者とのコラボなどを通じ、IFMSA-Japan の新たな可能性を見出すことにも寄与できたように感じております。今後もその流れを汲み、IFMSA-Japan がさらに 前進してくれることを願っています。 Vice President for International Affairs (VPN) /副代表国際業務担当 │ 北里大学4年 棚元なな 国際業務では、IFMSA-Japan を通して日本の医療系学生がグローバルな学びを得られるよう、団体運営と活動のサポ ートを行っています。今年度も、十数名の学生が IFMSA-Japan を代表して IFMSA の国際会議に参加し、世界へ日本 の医療系学生の声を届け、国内の活動を発信して参りました。また今年度は、10 年ぶりとなるアジア太平洋地域会議 (APRM)の日本開催を実現し、海外の医学生と共に学び合う貴重な経験を提供することが出来たと思います。さらに WHO Simulation Japan を日本国内で初めて開催し、国際保健をよりハイレベルな視点から考える新たな挑戦の場が 生まれました。今後もより多くの医療系学生が IFMSA の国際性を活かした活動に参加し、国際的な視野を養って活躍 していくことを期待しています。 Secretary General /事務局長 │ 東北大学4年 笠井俊佑 事務局はメーリングリストの管理と個人会員の登録を中心業務として活動しています。メーリングリストや個人会員 登録は IFMSA-Japan に関わる方々が初めて関与するものであり、事務局は IFMSA-Japan と社会への 1 つの窓口と して機能しています。2017 年度は個人会員とスタッフ共により活発に IFMSA-Japan の活動に関与できるよう個人会 員制度の充実化やメーリングリストのマニュアル作成にも着手しました。今後も IFMSA-Japan がより影響力を持っ た組織となれるよう、事務局の役割の拡充を⽬指していきます。 Treasurer /会計 │ 愛知医科大学大学4年 澤山初音 会計は、IFMSA-Japan 全体の予算配分・運用などの財政管理、通帳管理や振り込み確認など IFMSA-Japan の財政面 を担っています。今年度は、交通費補助のルールを変えるなど、公平性の向上に取り組みました。また、Vice Treasurer
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(内務担当)を設置することでより円滑な会計運営に繋がったと思います。運営の透明性確保や持続可能性の担保な どの課題もあり、試行錯誤の連続でしたが、無事 1 年間終えることができました。協賛いただいた企業様や先輩方、 各委員会・プロジェクトの会計担当など、お世話になった皆様に感謝申し上げます。 National Exchange Officer(NEO)/臨床交換留学に関する委員会 責任者 | 東京医科歯科大学 4 年 ソパックスパクル Exchange という言葉は物を交換するという意味を持っています。Exchange Office も”物”を交換できるようにサポ ートをしています。その”物”は、他文化との交流経験という”物”です。グローバル化する日本で生きる上で、学生のう ちに他文化について知っておくことは非常に重要なことです。我々は国と国の間の交換留学プログラムを管理してい るだけではなく、日本国内の留学生と交流する場を作る Incoming Care and Outgoing Training Project にも尽力し てきました。更に、皆さんが将来留学するときや外国人に道を聞かれた時に自信を持ってスムーズに対応できるよう になるための英語のトレーニングを様々な形で行なっています。Exchange Office は今後も外国への留学プログラム を充実させながら、メンバーに交流機会を提供し、そして必要なスキルを身につけられるようにしていきます。サポ ート宜しくお願い致します。 National Exchange Officer (NEO) /臨床交換留学に関する委員会 責任者 | 獨協医科大学 3 年
野島大輔
臨床交換留学に関する委員会では、CBT に合格した日本人学生に世界の医療システムや医療そのものを経験できる 4 週間の留学を提供しています。また、海外の学生を受け入れることによって、視野が狭くなりがちな学生生活に国際 交流が根付くようにしています。これから先もこの活動が続くことによって、医学という共通の分野にいる世界の医 学生同士が、卒業したあとも繋がっていられる一生の友人を見つけられることを願ってやみません。 National Officer on Research Exchange(NORE)/基礎研究交換留学に関する委員会 責任者 | 大阪大学 4 年
コントンプォーラナット
基礎研究交換留学に関する委員会責任者(以下 NORE)を務めさせていただきました。IFMSA という組織が創立された ときから、交換留学は IFMSA の特徴的なプログラムの一つです。日本の学生の留学がスムーズに実施されるように書 類を管理したり、海外とのメールをやり取りしたりするのが私たちの仕事です。日本と世界との架け橋として務めた ことは私にとって貴重な思い出です。この先、IFMSA-Japan に対して様々なチャレンジが待っていると思いますが、 IFMSA-Japan の理事、スタッフおよびお世話になっている皆様の応援により、すべてのチャレンジを乗り越えられる と信じております。これからも Exchange Office をどうぞよろしくお願いいたします。 National Officer on Research Exchange(NORE)/基礎研究交換留学に関する委員会 責任者 │ 富山大学 4 年
菅原里郁
交換留学は IFMSA がインターナショナルのネットワークを最大限に活用したプログラムであり、IFMSA-Japan の主 要な魅力「国際性」を感じられる部門です。昨年に引き続き本役職を務めていますが、一人の人生を変えるきっかけ になり得る留学をコーディネートする責任感をより感じました。 本留学の良さを多くの医学生に知ってもらい、中身の濃い留学を経験してもらうには課題も残っています。 今後も本プログラムがより一層発展することで、何十年後の医療界を変えていくと信じたいです。 National Officer on Medical Education(NOME)/医学教育に関する委員会 責任者 │ 福島医科大学 2 年 大塚天心 医学教育に関する委員会(以下 SCOME)の責任者を一年間務めさせていただきました。SCOME は現在2つのプロジ ェクトが存在し、良い医療者になるべく、より良い医学教育を追求しました。スタッフ自身の純粋な興味、問題提起 を大切にした活動を今年度は心がけました。需要に伴い、教育システムそのものに向き合う新プロジェクト立ち上げ に向けた動きや、Skype でのオンライン勉強会 Webinar、国際情報をシェアする International 通信の投稿など、新
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たな活動を見出せる年になりました。今年度ご協力いただきました全ての皆さまのおかげです。今後、SCOME が更な る発展を遂げ、社会に貢献していくことを願っております。 National Officer on Sexual and Reproductive Health including HIV/AIDS(NORA) /性と生殖・AIDS に関する委員会 責任者 │ 横浜市立大学 3 年 西川裕里香 性と生殖・AIDS に関する委員会(以下 SCORA)の責任者を務めさせていただきました。今年度 SCORA では、STI Prevention Project を新たに立ち上げ、性感染症の予防・啓発活動に力を入れてきました。また Peer Education Project では小学校での性教育や、性教育をテーマにしたスタッフの学びの場の提供など新しい試みにより活動の幅を 大きく広げた一年となりました。 このように活動できましたのも多くの先輩方・スタッフのお陰であり、心より感謝しております。来年度も SCORA が医療系学生にとってさらに魅力的な場となり、多くの人々が自分らしく「性」を生きられる社会に貢献していくこ とを祈っています。 National Public health Officer(NPO)/公衆衛生に関する委員会 責任者 │ 久留米大学 5 年
勝見英徳
公衆衛生に関する委員会(以下 SCOPH)の責任者を務めさせていただきました。SCOPH は 5 つのプロジェクトを有 する IFMSA-Japan 最大規模の委員会であり、地域医療から国際保健まで幅広いトピックを扱っています。 「公衆衛生 を通して地域社会に貢献し、幅広い視野を持った医療人を⽬指す」という Vision を実現すべく今年度はリアリティー にこだわって活動してきました。病院実習が始まってから見えて来る視点を後輩たちに伝え続けていき、医療現場と 社会の乖離をいかに縮めて行くかを考えました。例えば Social Determinants of Health(SDH:健康の社会的決定要 因)に関して直接患者と向き合う中で現在の医療・介護・保健制度において沢山の課題を感じそのリアリティーをより 早い段階から体験できるようにと工夫してきました。今年度このように充実した活動が出来ましたのも、ひとえに、 皆様の暖かいご支援のお陰でございます。厚く御礼申し上げます。そして今後も SCOPH がさらに社会に貢献できる 人材をたくさん輩出して行くことを願っております。 National Officer on human Rights and Peace(NORP)/人権と平和に関する委員会責任者 | 名古屋大学医学部 4 年社本賢昭 人権と平和に関する委員会(以下 SCORP)の責任者を一年間務めさせていただきました。今年度の SCORP はオンラ イン企画やメーリス等を利用しより多くのスタッフが国内、国外を通して様々な形で人権と平和に関わることのでき る環境づくりを行いました。また普段の大学生活ではあまり触れることのない人権と平和という大きなテーマに対し てスタッフ一人一人が自分の課題を見つけ、解決に向けて取り組んでいけるような体制を作りました。この先も SCORP が将来⽬の前にいる、更には世界の苦しんでいる人のその背景に寄り添えるような医療者を育成し続けていく ことを願っています。
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【Officials│役員】 Vice Secretary General /副事務局長 | 旭川医科大学 2 年 三浦子路 個人会員登録の手続きを副事務局長が主導で行いました。会員登録を希望する学生に個人情報を所定のフォームに記 入・送信してもらい、会員費の入金を確認した後に IFMSA-Japan の個人会員名簿へその名を載せて、手続き完了の 通知をメールで送るという作業を 4 月から行ってきました。特に地域新歓や日本総会の時期には 1 日に 20 件以上も 取り扱うこともあり、今では個人会員の数は 768 人です(2018 年 1 月現在)。今後とも作業の効率化を図りながら、 一人でも多くの学生が IFMSA-Japan で活動できるよう後押しをしていきたいと考えています。 ML Manager /メーリングリストマネージャー | 東北福祉大学2年 鈴木愛美 ML Manager は、IFMSA-Japan のメーリングリスト(以下 ML)の管理をしています。無料 ML、個人会員 ML への 登録や、各 ML への投稿を行います。今年度は、利用頻度が少なかった委員会ごとの無料 ML を廃止し、ML の運用体 制を見直しました。また、個人会員 ML の存在意義や効果的な活用方法を検討し、活動の活性化につなげられるよう に努めました。特に無料 ML は、IFMSA-Japan に関わるきっかけにもなり得るものだと考えていますので、今後も正 確な情報を迅速に発信していきたいと思います。 北海道 Regional Officer /北海道地域担当官 │ 旭川医科大学3年
水沼月子
北海道 Regional Officer は北海道新歓の運営や、日本総会において北海道地域の取りまとめ、その他懇親会の企画な どを行います。今年度は「IFMSA の魅力を知ってもらいその後の活動に繋げる新歓」「各大学の親交を深める」を⽬ 標に活動して参りました。北海道新歓では医学科以外にも看護学科生や薬学科生、臨床検査技師科生が参加し、医療 系学生の交流の幅が広がりました。スタッフを始め、沢山の人々に支えられ活動をすることができ大変感謝していま す。来年度はさらに北海道地域が盛り上がることを願い、微力ながら尽力して参りたいと思います。 東北 Regional Officer /東北地域担当官 | 秋田大学3年
小原元文
東北地域担当官は、IFMSA-Japan(以下 I-J)が主催する東北新歓の運営、東北地域の大学の団体加盟のお手伝い、 日本総会における東北地域の取りまとめを行います。自分は“人”に魅了されて IFMSA-Japan に参加したので、今年度 は“人”を大事にしたいという思いでこの、学びよりも人事に関わる役職に就き、積極的に交流をメインとするイベン トを開き、新歓や日本総会の熱が冷めないように、モチベーションを維持し、来年に繋げることに尽力しました。今 後の東北地域のさらなる活性化を切に願っております。 関東 Regional Officer /関東地域担当官 | 杏林大学 4 年 岩住衣里子 関東 Regional Officer は関東地域のリーダーとして関東新歓の運営や地域活性化のために加盟大学との連携をサポー トしてまいりました。今年度の関東新歓では「参加者だけでなくスタッフも楽しめる新歓」 を⽬標に掲げ活動しまし た。その結果、スタッフ同士のコネクションがより一層強まり、参加者の方々はもちろん、スタッフの満足度も高い 新歓を終えることができました。関東地域での交流会を設けることでより一層地域活性化に貢献できたのではないか と思います。関東地域のスタッフだけでなく、全地域のスタッフの方々に支えられました。たくさんのスタッフの方々 に心より感謝するとともに、今後も関東地域の輪が広がることを期待します。 東海信州 Regional Officer /東海信州地域担当官 | 信州大学2年
川端康太
東海信州地域担当官は IFMSA-Japan の東海信州地域の地域新歓の主催、地域イベントの開催などを行います。東海 信州地域で新たに IFMSA-Japan に興味を持っていただいた方に、最大限 IFMSA-Japan の魅力を伝えられるよう準備 し、当日は参加者の方々とのつながりを大事にした新歓を行いました。今後も東海信州地域の学生の方に IFMSA-Japan に興味をいただき、様々な委員会を盛り上げていただけるよう願っています。
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北陸 Regional Officer /北陸地域担当官
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金沢医科大学 2 年
梶野由祐
北陸地域担当官としてイベントは北陸新歓を中心に、また大学間のスタッフの交流をはじめ、加盟大学や地域のスタ ッフのサポートを一年間してきました。今年度は「地域間の繋がりをもっと強くする」ことを⽬標にして活動してま いりました。貢献できたかどうかは正直なところわかりませんが、北陸地域担当官として微力ながら地域の交流に貢 献できたなら、大変嬉しい事だと思っています。そして自分自身が活動を通して成長していく事が身を持って感じら れました。ありがとうございました。 関西 Regional Officer /北陸地域担当官 │ 和歌山県立医科大学 2 年
濱田祥生
IFMSA-Japan のポリシーに「Think globally, act locally」とあるように、世界総会などでグローバルな問題について 考え議論する一方で、日本の各地で実際に行動に移してより深い学びを得るというのが理想的な学び方です。その学 びを地域レベルでサポートするのが私たちの役割です。また、地域で新歓やイベントの開催などを行うことで、 IFMSA-Japan の活動を広めていくのも私たちの役割です。これら 2 つの重要な役割を果たすことのできるのが Regional Officer という役職です。 中国 Regional Officer /中国地域担当官 | 島根大学 2 年
野坂未公音
今年度の中国 Regional Officer(以下中国 RO)として、IFMSA-Japan が主催する地域新歓の企画・運営、日本総会 の進行補助、中国地域の IFMSA-Japan スタッフ、会員のサポートをしてまいりました。今年は減少傾向にある中国 地域のスタッフの増員、地域イベントの開催を⽬標とし、スタッフの大幅に増やすことに成功しスタッフ間の交流を 図る小イベントをいくつか開催することができました。今後は、今年以上にスタッフや会員が生き生きと好きな活動 ができるよう、陰ながら支えていきたいと思います。 四国 Regional Officer /四国地域担当官 │ 香川大学2年
木村佳代
四国 Regional Officer は四国内での IFMSA-Japan の活動の活性化を⽬標に、加盟大学間の連携を図り、リーダーと して様々な任務を遂行します。6月中旬に行われた四国新歓ではスタッフ一丸となって企画、運営を行い、当日の参 加者数は 80 名を超えました。四国地域での IFMSA-Japan の認知度をあげ、大学間の距離を縮めることができたと思 います。 今後の IFMSA-Japan での活躍が期待できそうです。 これからも四国の多くの医療系学生が共に IFMSA-Japan を盛り上げていってくれることを願っています。 九州山口 Regional Officer /九州山口地域担当官 │ 福岡大学4年
森重智
九州山口 Regional Officer は、九州 8 県と山口県における IFMSA-Japan の活動を統括します。今年度は、数多くイ ベントを九州・山口(九山)で行い、九山スタッフが活動できる機会を作ることを心がけました。九山を盛り上げて くれた九山スタッフ並びに全国スタッフ、そして活動をサポートしてくださった方々に心より感謝いたします。九山 地域は経験豊かな上級生のスタッフが多く、また下の学年も上級生に刺激を受けて着実に育ってきています。今後も スタッフ層の厚さを活用し九山地域が他地域のロールモデルとなるべく、更なる盛り上がりを見せる事を期待します。 Seniors Club Manager │ 東京女子医科大学5年
金 美希
Seniors Club は OB / OG と現役スタッフの橋渡しをする活動を行っています。今年度も恒例の Seniors Club 懇親会、 卒業生を送る会を開催しました。IFMSA-Japan(以下 I-J)を引退された後も世界中、様々なフィールドで活躍なさ る先生方にお会いできることは、学内の部活動等にはない I-J の魅力の一つです。これからもこの繋がりを大切にし、 Seniors Club がその繋がりのプラットフォームであり続けよう尽力して参ります。OB / OG の皆様、日頃より温かい ご支援をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
Training Officer │ 北海道大学 2 年 八尾寅史 11
Liaison Officer │ 北里大学 4 年 鈴木花奈子 Liaison Officer は、主に IFMSA-Japan と外部の学生団体との連携をはかり、お互いの活動の協力や情報共有をして います。日本総会では提携している 4 団体はもちろん、他の団体にもプレゼンをしていただき、学生の興味を広げる ことができました。プレゼンテーションを円滑に行うために、発表者の方々と連絡を取り合い、スムーズに行うこと ができました。来年度以降も、他団体との連携をより強固にし、学生が様々な場所で多くのことを吸収できる場を作 っていけることを願っております。 Fundraising Officer │ 日本大学 2 年 白藤里奈 Publication Officer │ 産業医科大学 2 年 髙木孝典 Publication Office では IFMSA-Japan の幹部をはじめとしたスタッフの名刺作成やアニュアルレポートの作成を通し てプロジェクトや Support Office が日々の業務を円滑に行うことができるよう、紙媒体を通したサポートを行います。 今年度は副代表外務担当と連携しつついかに質の高い Publication Office からのサポートを行うかに重点を置き活動 を行ってまいりました。これからもスタッフが円滑に活動を行う素地を整えるべく紙媒体としてのありかたを常に見 直し、改良を重ねていくことを期待しております。 New Technology Officer │ 杏林大学 4 年
塚本雄太
New Technology Officer は、IFMSA-Japan の Web サイトの管理、およびコンピュータのテクニカルサポートなど を行います。今年はアジア太平洋地域会議(以下、APRM)の日本開催があったため、APRM の Web ページの作成や、 パンフレットの作成に協力する事で、運営を技術的にサポートしました。また、Facebook や instagram など近年の トレンドである SNS での発信にも力を入れ、より良い IFMSA-Japan を発信するために尽力しました。今後は Web サイトのリニューアルにも着手し、その流れをさらに加速させる予定です。IFMSA-Japan を支える全ての皆様へ感 謝を込めて、活動内容をより多くの方に伝えていけるよう、引き続き努力してまいります。 Vice treasurer /副会計 │ 札幌医科大学 4 年 大山和紗 Vice treasurer 内務担当として、全国新歓や地域イベントの資金運営を考え管理するとともに IFMSA-Japan 会計担 当の補佐を行いました。各部署からの質問、提案事項に対し会計と話し合いを重ね、公平・公正な資金運営の在り方 を検討してきました。今年度決定した会計ルールや反省点改善点を全部署の会計担当者に共有し、よりよい会計業務 を行っていくことを⽬指します。来年度以降も資金面から IFMSA-Japan の活動の充実と発展を支えていける部署で あるよう期待しています。 Vice Treasurer /会計 │ 徳島大学 3 年 水口貴香子 私の担当した Vice Treasurer は、会計部門の一員として、日本総会運営委員の一員として、日本総会の会計業務を担 当します。全国から集まった医療系学生に素敵な 3 日間を過ごしていただくことはもちろん、第 15 回日本総会のテ ーマを参加者全員に考えてもらえるように予算運営を行い、総会後は正確な決算書の作成に努めました。会計は裏方 のさらに裏方の仕事のようですが、何かを運営するためには欠かせない業務で他方との連携が必要でした。ご協力し てくださった皆様、本当にありがとうございました。 Vice Exchange Officer /Exchange 副責任者 │ 近畿大学 2 年
宮岸麻衣
Exchange Office の会計担当は、留学申込金の管理、留学生受け入れ補助金の送金等をはじめとする、留学運営にお ける財政管理を行うのが主な仕事です。今年度は各大学の留学担当者の協力もあり、特に財政面でのトラブルを起こ すことなく、無事に海外への留学生の送り出し、および日本への留学生受け入れを終えることが出来ました。今後も 円滑な留学運営の下、多くの医学生が留学を通して成長し、活躍してくれることを願っています。
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Vice Exchange Officer /Exchange 副責任者 │ 宮崎大学 4 年
新居聖佳
Incoming Care and Outgoing Training Project Coordinator /ICOT 責任者 │ 藤田保健衛生大学 2 年
一柳咲佑美
今年度、Incoming Care and Outgoing Training Project(以下 ICOT)の責任者をさせていただきました一柳です。 ICOT は、留学生との交流、ディスカッション(Incoming Care)と英語のトレーニングや文化の違いを学ぶ(Outgoing Training)の 2 本を柱に、留学に関する不安やわからないことをみんなで考え解決していくプロジェクトです。今年度 は外国人医師や大学院生をお招きし、各国の課題や医療の現状のシェアや留学におけるバリアと解決法を話し合うオ フラインイベントを新たに開催しました。また、スタッフも 10 人以上増えたので今後の ICOT のさらなる発展を祈っ ております。 Vice NORA /性と生殖・AIDS に関する委員会 副責任者 │ 旭川医科大学3年
東山望
性と生殖・AIDS に関する委員会(以下 SCORA)の会計担当として、一年間スタッフが活動しやすいよう財政管理 を行って参りました。また、1スタッフとして、5 月の IDAHOT(国際反ホモフォビア&反トランスフォビアの日) についての facebook 発信、8月の SCORAngels の集い(SCORA スタッフミーティング)を中心となって企画しま した。今後 SCORA がさらに「性」について話し合い、学び合える場所になるよう、また、私たちなりのメッセージ を発信できる場所になるよう努めて参ります。 Vice NORA /性と生殖・AIDS に関する委員会 副責任者 │ 富山大学 3 年
門間日菜乃
私は今年度、Vice National Officer on Sexual and Reproductive health including HIV/AIDS(以下 Vice NORA) を務めて参りました。Vice NORA は、委員会責任者とプロジェクト責任者の補佐、また、委員会に所属するスタッフ 全員が活動しやすい環境作りに励む立場にあります。月に 1 度程、Skype で行う SCORA Officials ミーティングでは、 SCORA の運営に関する事項について話し合い、イベントを作る際は企画・運営・反省を中心となって行いました。イ ベントやミーティングでは、スタッフや参加者一人一人が自分の考えを発信して皆で共有できる環境作りに努めて参 りました。今後も多くの方に「性」について考えてもらい、皆さまの「生」がより豊かになるよう尽力して参ります。 Rainbow Flag Project Coordinator /レインボーフラッグプロジェクト 責任者 │ 名古屋大学 3 年
荒川智哉
Rainbow Flag Project は LGBTs をテーマにしており、虹のように多様な「性」と「生」について学生自身で学び、 考え、社会に向けて発信する活動を行っています。今年度は東京レインボープライドパレードをはじめとする外部の LGBTs イベントへ参加して当事者の方と話をしたほか、IDAHOT キャンペーンでは Facebook を用いて一般の多数の 方々へ啓発を行いました。イベントへはとても多くの方にご参加いただき、性の多様性について考えてもらうきっか けとなったと考えています。 STI Prevention Project Coordinator /性感染症予防プロジェクト 責任者 │ 日本医科大学 4 年
鮫島甲太
性感染症予防プロジェクト(以下 STIP と呼称)は今年度新しく立ち上げたばかりのプロジェクトです。HIV/AIDS をはじめとする、性感染症(以下 STI と呼称)は私たち自身の問題です。しかし、多くの人達が『なんとなく』その 危険性を知ってはいるものの、自分には関係ない『他人事』として捉えています。将来、STI の検査や治療に実際に 関わることになる、医療系の学生でさえ、STI について深く考える機会はなかなかありません。私は、今年度新たな 試みとして新しくこの STIP を立ち上げ、様々なイベントを行ってきました。最初はとても不安でしたが、イベントを 重ねるごとに参加者の皆さんが STI を『自分事』として考えてくれるようになった、という手応えを感じるようにな りました。私たち学生がより良い医療や社会のために出来ることはとても少なく、歯がゆい思いをすることも多々あ ります。しかし、少なくとも今年度 STIP に関わってくれた参加者の方々は、STI を『自分事』として捉えることがで きるようになったのではないでしょうか。今後も STIP が、多くの医療系学生にとって STI に向き合うきっかけとな
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ったら嬉しいです。そして、いつか皆さんが自分自身や自分の大切な人達を、そして将来関わる患者さん達を、STI の脅威から守ることのできる素敵な医療者になれると信じています。 Peer Education Project Coordinater /ピアエジュケーションプロジェクト 責任者 │ 愛知医科大学 4 年 野村彩華 Peer Education Project では、北海道から九州までの各地域で、ピアエデュケーションを行なっています。各地域に 責任者を設け、ピアを依頼された学校と密に連絡を取り、ピアエデュケーションを実施しています。今年度は JPET(Japan Peer Education Training)を行い、各地域でのピアについての情報共有とピア未経験のスタッフへのトレ ーニングをする機会を設けました。また、最近では、性に関するニュースが多く見受けられます。時代の流れを敏感 に察知し、すぐに自分たちの性教育に組み込めることも、自分たちの強みだと考えています。 Vice NPO /公衆衛生に関する委員会 副責任者 │ 旭川医科大学 4 年
敦賀梨帆
今年度は副責任者・会計担当として SCOPH 全体の運営や委員会と各プロジェクトの予算管理を行う一方で、 一 SCOPH スタッフとしての活動も充実した年となりました。SCOPH は 5 つのプロジェクトとインフォグラフィックスチームを 抱えた大規模な委員会であるがゆえ、各プロジェクトが独立した活動を行っている印象を前年度より感じていました。 しかし私は各プロジェクトが運営していく中で得るものをこまめに共有すること、お互いにフィードバックを受ける ことでそれぞれがよりよい活動につながると考え、今年度はプロジェクト内のつながりだけでなく、プロジェクト間 のつながりも意識した運営を行いました。今後 SCOPH にかかわる皆さんが、地域社会や世界で活躍できるような医 療者になることを願っております。 「Better Health, Better World!」 Vice NPO /公衆衛生に関する委員会 副責任者 │ 獨協医科大学 3 年 本荘せいら 副責任者は、主に公衆衛生に関する委員会(SCOPH)が円滑に回るように、SCOPH の責任者、各プロジェクトコー ディネーターと SCOPH Staff のサポートを行います。SCOPH の国際業務は主にアジア太平洋地域ミーティングに参 加してアジア地域の国の代表とお互いに活動を共有し、年に 1 回行われるアジア太平洋地域会議のセッション運営に 携わったりすることができます。多くの医療系学生が SCOPH に興味を持ってくださり、SCOPH の活動を通して出会 いともに学び、成長できる場になることを願っております。 Vice NPO /公衆衛生に関する委員会副責任者 │ 東京女子医科大学5年
野﨑小百美
責任者である勝見のもと、公衆衛生に関する委員会(以下 SCOPH)の企画・運営に携わりました。今年は最大規模の プロジェクト数を誇る同委員会において、如何にプロジェクト間のつながりを強化するかを第一の⽬標に掲げ、Policy Statement の初期発足や SCOPH 総会の開催に特に力をいれてまいりました。APRM の日本開催は、つながりを強化 するひとつの大きなきっかけとなったのではないでしょうか。多くの熱き仲間が集う SCOPH がプロジェクト同士で 刺激し合い、社会へより大きな影響を及ぼす委員会へと発展していくことを願っております。 Vice NPO /公衆衛生に関する委員会 副責任者 │ 山口大学 2 年 倉田侃太 私は公衆衛生に関する委員会(以下 SCOPH)の副責任者として、主にインフォグラフィックスを用いた啓発活動に取 り組みました。公衆衛生上の様々な課題へのアプローチにインフォグラフィックスを用いることで、SNS などを通し て発信し、より多くの人に医療や健康に関する課題を”自分ごと”として考え、行動してもらえるような取り組みを行 いました。また、こうした課題は他の委員会で扱っているテーマと被ることから、SCOPH という枠を超えて活動を展 開いたしました。今後もこの インフォグラフィックスというツールが IFMSA‐Japan で活用され、様々な活動がより 社会にインパクトを与えられればと思います。
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Teddy Bear Hospital Project Coordinator /ぬいぐるみ病院プロジェクト 責任者 │ 筑波大学3年
森本健太
ぬいぐるみ病院プロジェクト(TBH)の責任者を 1 年間務めさせていただきました。ぬいぐるみ病院の活動も、今や 39 大学へ広がり、各大学での多様な活動がみられるようになりました。大学間の連携と活動の質の向上を大きなテーマ や、診察方法や子に掲げて TBH の活動を行なってきましたが、スタッフにとって各イベントは、ローカルでのユニー クな活動を知ることや、子どもへの接し方を振り返り、学びなおす機会になったと思います。今後もぬいぐるみ病院 の活動が広がり、質の高い活動を続けていくことを心から楽しみにしております。 Africa Village Project Coordinator /アフリカビレッジプロジェクト 責任者 │ 愛媛大学 3 年
玉井葉奈
Africa Village Project はアフリカの医療・文化を理解し広め、さらにアフリカ地域への還元を⽬指すプロジェクトで す。今年も夏・春にスタッフのザンビア共和国への派遣、国際保健に関する勉強会、大学祭での写真展開催などを行 い普段触れる機会が少ないアフリカを感じる場を提供することができました。また今年度からザンビア無医村の診療 所建設を支援するザンビア・ブリッジ活動をスタートさせ、より全国に活動の幅を広げてアフリカを伝えるとともに、 スタッフがより実践的に国際協力について学ぶことができました。 Community Medicine Tour Project Coordinator /地域医療ツアープロジェクト 責任者│ 福岡大学 4 年
才宮万季
Community Medicine Tour Project(以下、CoMT)は、「 『地域医療』を感じ、広め、医療を変える」を⽬指して活 動しています。今年度は、夏にツアーを2つ、また、春にツアーを1つ行いました。スタッフ数も昨年度の倍近くに 増え、いかに「地域医療」への関心や、CoMT の活動に対するニーズが高まっているのかを感じています。今後も CoMT の存在を通して、多くの医療系学生が自分自身や医療と向き合う場を提供していけることを願っています。 Asia Community Health Project Coordinator /アジアコミュニティヘルスプロジェクト 責任者 │ 大分大学3年
津村佳希
Asia Community Health Project(以下 ACHP)は、人や情報、知識やアイデアなどで日本とアジアをつなぐ「架け 橋」となり、アジアの貧困地区に住む人々が健康な暮らしを送れるようになることに貢献するプロジェクトです。現 在インドの NGO “Institute for Indian Mother and Child”と提携し、現地へ学生ボランティアを年間を通して派遣し ています。また同 NGO の創設者であるインド人医師を日本に招き講演会を開催しました。日本各地のイベントや大学 祭にて同 NGO のフェアトレード商品の販売を行い、チャイルドスポンサーシップの提携も推進するなど日本にいなが らできる国際貢献のあり方も広めています。 Healthy Lifestyle Project /ヘルシー・ライフスタイルプロジェクト 責任者 │ 筑波大学 2 年 Vice NORP /人権と平和に関する委員会
副責任者 │ 長崎大学 2 年
森陽愛子
金好智子
私は今年度、Vice National Officer on human Rights and Peace(以下 Vice NORP)として活動しました。特に、 SCORP 全体の会計面で委員会の活動サポート行う「縁の下の力持ち」という立場で、各プロジェクトの会計サポート をはじめ、グッズ販売やスタッフの交通費の補助を行いました。また、会計という立場を越えて、新歓では SCORP の魅力を伝え、Skype でのワークショップを通して、多くの新たな仲間とともに「人権と平和」という難しいテーマ に取り組めたことは、何ものにも代え難い大切な財産となりました。今後も、SCORP のますますの発展を心より願っ ています。 Vice NORP /人権と平和に関する委員会
副責任者 │ 東京女子医科大学 2 年
大橋文香
Vice NORP は NORP(人権と平和に関する委員会の責任者)の仕事を全面的に補佐します。NORP を支え SCORP の 運営が円滑に進むよう尽力してきました。今年度は、人権と平和に関する国内外の幅広い課題に、全ての Project の SCORP スタッフが一体となって取り組む機会を増やすことができました。SDGs(持続可能な開発⽬標)についても
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大きく取り上げました。今後も SCORP が、人権と平和に関する様々な問題を抱えた人々の苦しみに寄り添い、問題 の解決に向けて国内外で活躍する医療者を輩出する組織であり続けることを願っています。 Vice NORP /人権と平和に関する委員会
副責任者 │ 愛知医科大学 2 年
中村遥香
今年度、Vice National Officer on human Rights and Peace(以下 Vice NORP)として活動させていただきました。 Vice NORP は SCORP 責任者やスタッフのサポートをする役割ですが特に国際的な面を担当しました。スタッフに向 けて国際デーや国連などの国際的な情報を伝えることに力を入れたり、英語を使う場を設けたりしました。今後も、 SCORP のスタッフの方々が日本だけでなく世界にも⽬を向け、よりグローバルに SCORP の活動を行っていくことを 心から願っております。 ACTION Project Coordinator /災害・感染症・難民に関するプロジェクト 責任者│ 旭川医科大学 4 年
白倉健太朗
Asian Collaborative Training on Infectious disease, Outbreak, Natural disaster, and refugee management(以 下 ACTION)Project は災害・感染症・難民に関するプロジェクトです。今年度は「災害・災害医療に関する国内への 発信力」、「アジアへの発信力」、「グローバルな視点を強める」の3つを活動方針として掲げて活動いたしました。ま たスタッフ一人一人が協力し同じ⽬標に向かって、高めあえることができるような運営を意識しました。 今後 ACTION Project を通して災害などに興味を持ち、将来災害が起こった際にはリーダーシップを発揮できる人材 が一人でも多く輩出されることを願っております。 Hiroshima Nagasaki Peace Project Coordinator /広島長崎ピースプロジェクト 責任者 | 北海道大学 3 年 飯田圭祐 Hiroshima Nagasaki Peace Project では広島や長崎にて平和や核について考えるイベントを企画してきました。昨年 度末の長崎スプリングスクールに引き続き、今年度の 8 月には広島サマースクールという合宿型の平和学習企画を実 施しました。さらに、今年度末には沖縄にて平和や貧困、公衆衛生について学ぶイベントを実施しました。広島のみ でなく長崎や沖縄においてもイベントを実施することで視点が大きく広がりました。国際的な発信を強化していくこ とが来年度以降の課題です。 Law and Medicine Project Coordinator /LAMP 責任者 │ 岐阜大学 3 年
新井康允
今年度 SCORP 内のプロジェクトの一つである LAMP(法と医療に関するプロジェクト)の責任者を務めております。 LAMP では法律や経済といった側面から見た医療に関する問題を扱い、法学生団体である ALSA Japan と協同で勉強 会の企画・開催を行っております。医療が社会の中でどう捉えられているか、医療を施すにはどの様な条件が必要な のかを学び、医療問題に対する具体的なアプローチを考えられるような勉強会を企画出来るよう努めてまいりました。 また多学部が交流するプロジェクトであるため、それぞれの視点や興味を重視し、広い視点を持てるような場に LAMP がなっていくことを願っています。 Learn About ReFugee Project Coordinator /LARF 責任者 │ 旭川医科大学 3 年
飯沼実香
Learn About ReFugee Project(以下 LARF)は貧困や生活弱者に関して考えるプロジェクトです。貧困といっても 普段じっくりと考える機会は多くないと思います。LARF ではいわゆる貧困地域と呼ばれる三大ドヤ街でのフィールド ワークや現在社会で話題になっている「貧困」について取り上げたワークショップを通して皆さんに貧困について感 じる、そして考える機会を提供しています。貧困は様々な問題に関連していきます。LARF のスタディツアーやワーク ショップを通して、少しでも貧困について考える機会が提供できたらと願っています。
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Vice NOME /医学教育に関する委員会 副責任者 │ 東北大学3年 林明澄 医学教育に関する委員会(以下 SCOME)の会計担当の仕事は、SCOME 全体の財政管理を通し、スタッフの活動が滞 りなく進められるように環境を整えることです。また、SCOME の副責任者として、医学教育に関する委員会責任者や 各プロジェクトコーディネーターと連携し、会計という仕事を通して、本委員会のお金の動きの透明化を図り、スタ ッフが学ぶことのできる環境を作れるよう努めてまいりました。 SCOME での活動を通し、多くの医療学生が共に学び合い、成長することを願っています。 Vice NOME /医学教育に関する委員会 副責任者 │ 獨協医科大学 4 年 音山友里恵 副責任者は主に、医学教育に関する委員会(以下 SCOME)が円滑に回るよう、SCOME の責任者、各プロジェクトコ ーディネーターをはじめとする全 SCOME スタッフのサポートを行います。また、1 人 1 人のスタッフの想いをくみ 取り、それぞれのスタッフがやりたいことを行える環境を提供出来るよう、心掛けて活動を行ってきました。今年度 はより多くの人が SCOME に興味をもって下さり大変嬉しく思います。今後も SCOME の活動を通して、多くの医療 系学生が出会い共に学び、成長することを願っております。 Team Medicine Project Coordinator /チーム医療プロジェクト 責任者 │ 首都大学東京4年
鳥居香菜
Team Medicine Project Coordinator は、年度方針の考案、ミーティングの進行、企画作りの総括を行います。多職 種が集うこのプロジェクトにおいて種々様々な意見をくみ取り、個々のメンバーがお互いの職種の理解を深められる よう努めてまいりました。今年度は現役高校生に対して、医療・福祉職、チーム医療の概念についてワークショップ 形式で説明を行いました。プロジェクト内にとどまらず、社会貢献に繋がる企画作りの作成に尽力してまいります。 Life Lesson Project Coordinator /LLP 責任者 │ 秋田大学 3 年
奥山由梨佳
Life Lesson Project(以下 LLP)は、患者の多様な人生観・死生観を大切にできる医療者を⽬指して、学生である今 から人生観・死生観について主体的に考えるプロジェクトです。抽象的なテーマではありますが、大学の学びだけで は足りない、しかし将来医療者として患者と接するうえで必要な学びについて、LLP では深めています。今後、この 活動が LLP の枠を超え、医療系学生一人ひとりの成長に、そのことで将来一人でも多くの患者の幸せにつながること を願っています。支えてくださった皆様、1 年間誠にありがとうございました。 Organizing Committee Chair(OCC)/日本総会 運営委員長 │ 鳥取大学 4 年 前部都 第 15 回日本総会の運営委員長を努めさせて頂きました、鳥取大学の前部都です。第 15 回日本総会のテーマは「SDGs ~未来の「
」のために、今自分ができること。~」でした。今年度の日本総会は参加者にとってはもちろん、私
達 IFMSA-Japan(以下、I-J)のスタッフにとっても意義のあるものを⽬指して準備をして参りました。日本総会を 通じて、スタッフ一人一人が、これからの自分たちの活動をより良く、発展させていくきっかけを掴むことができま した。また、日本総会でのコンテンツより新たな I-J のプロジェクトが生まれたことで、I-J に新たな風を吹かせるこ ともできました。ここから、I-J がさらにより良い団体になっていくことを願っています。 Vice OCC /日本総会 副運営委員長
│
島根大学 5 年
荒谷総一
今年度の日本総会は、テーマを「SDGs」とし、SDGs を知って考えて動くことを⽬的に設定しました。3 日間の集大 成である “SDGs ハッカソン”では、各グループが様々なアイデアを披露しました。その中には日本総会後に企画化さ れたものもあり、行動に移すという面まで繋げることができました。それ以外にも、日本総会で影響を受け大学で報 告会を行うなど、日本総会の輪を超えて、医療系学生が SDGs という社会課題に⽬を向ける良い機会となりました。
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Vice OCC /日本総会 副運営委員長
│
杏林大学 4 年
植田真央
IFMSA-Japan の全てが集結して行われる日本総会ですが、今年で 15 回⽬を迎えました。例年は概念的フレーズ(第 14 回
Follow your heart など)をテーマにしておりましたが、今年は「SDGs」という世界的に取り組まれているト
ピックをテーマとして日本総会の制作を行いました。コンテンツも一新し、新しいことずくめで大変なことも多くあ りましたが、沢山の方々のご協力により、無事に終了することができました。日本総会の中でいくつかのプロジェク トが新たに立ち上がり、現在進行しております。今後のそちらの活動も温かく見守っていただければ幸いです。 Vice OCC /日本総会 副運営委員長
│
大分大学3年
津村佳希
日本総会は IFMSA-Japan(以下 I-J)に所属する学生スタッフだけでなく、全国のすべての医療系学生が一堂に会し交 流を深め互いにたくさんの刺激を与えあうことのできる大変有意義な場です。いつもはなかなか会うことが難しい学 生たちが数日間にわたりディスカッションしたり何かを創りあげたりする機会を提供しそれを運営することは大変光 栄でした。また、全国に散らばるスタッフとの効率的な運営、準備をするなかで多くの学びがありました。スタッフ として参加しても一般参加者として参加してもそれぞれ大きなメリットのあるこのイベントをこれからも大切にして いきます。
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Standing
a a a a a a a a a a
Ⅱ.委員会活動報告 Standing Committee Report
基礎交換留学に関する委員会 臨床交換留学に関する委員会
4. SCOPE/SCORE│臨床/基礎研究 交換留学に関する委員会 1.活動理念 SCOPE (臨床交換留学部門) では海外の病院で臨床実習を行う機会を、SCORE (基礎研究交換留学部門) では 世界最先端の医学研究に触れる経験を留学生に提供しています。137 ある IFMSA の加盟団体 (National Member Organization) のうち留学プログラムを持つ国から、自分の行きたい国やプログラムを選んで留学が できます。SCOPE・SCORE のどちらも留学に関する委員会として、学生に対して留学先で学術的にも文化的に も様々な経験をし、新たな知見を得て、各々の将来に何らかの方向性や影響を与えられると信じて活動していま す。 IFMSA の交換留学は期間が 4 週間と短い上、医学生に限り参加が可能ですが、長期休暇が取りにくい医学生 にとっての学生時代の留学生活は ”一生のかけがえのない財産” になります。日本にいるだけでは考えられない ような多くのことを体験することができます。 さらに、IFMSA の留学は交換留学であるため、毎年多くの留学生が来日しており、全国の各大学で受け入れ を行なっています。その際の留学生の学校生活のお世話は、受け入れ大学の学生が主体となって行なっています。 日本にいながら海外の医学生と交流を図れるということも IFMSA の交換留学の大きな魅力の 1 つです。 私たちは、このような機会を提供することによって日本人学生と留学生の双方にとって新たな価値観の創出に つながり、さらにそれを周囲と共有してもらうことによって、これからの世界がより素晴らしいものになると信 じています。海外の学生と肩を並べながら、自分の国とは異なる医療サービスや研究を学ぶことは将来の大きな 糧になることでしょう。そのような留学の機会をより広く知ってもらい、質の高いプログラムを医学生に提供で きるように心がけています。
2.今年度の主な活動 換留学部門には、留学の運営を行う Exchange office と “留学における文化や言語のバリアをなくす” という Vision のもとに活動している Incoming Care and Outgoing Training Project (以下、ICOT Project) があり ます。ICOT Project の活動はプロジェクト報告のページをご覧ください。
SCOPE/SCORE 全体の活動 今年度交換留学部門全体の活動としては IFMSA-Japan 新歓ツアーと IFMSA-Japan 日本総会 (National General Assembly; 以下 NGA) でのワークショップが挙げられます。 IFMSA-Japan 新歓ツアーでは、北陸・中国・関東新歓と 3 回ワークショップを担当しました。留学経験をよ り実りあるものにするには、英語でのコミュニケーション力が欠かせません。そこで北陸・中国新歓では、海外 に紹介したい日本の文化を選択し、その説明をできるようにするといった内容のワークショップを参加者に提供 しました。表現としては知っていても上手く組み合わせてニュアン スを伝えることは容易なことではありません。参加者には苦戦しな がらも様々な趣向を凝らし、ユーモアも交えながら、グループ発表 をしていただきました。関東新歓では、1 分ほどの無声動画に想像力 を働かせ英語のセリフを後付けするというワークショップを行いま した。時間内に出てきた話の展開のアイデアをまとめ、セリフをつ けるのはファシリテータ含め難しかったようです。実際の場面では とっさに英会話が必要になるので、その点で良い練習になったとい うような感想が参加者から聞こえてきました。
[中国新歓に参加した Exchange スタッフ]
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[中国新歓でのワークショップの様子]
また NGA では交換留学部門として留学報告会を行いました。留学報告会では、NGA 参加者に対して IFMSA 交換留学を紹介するとともに、実際に昨年度/今年度の SCOPE (臨床交換留学部門) 1 名・SCORE (基礎研究交 換留学部門)1名の留学生に自身の留学経験についてプレゼンテーションしていただきました。朝一番のプログ ラムにも関わらず、視点の違う二者の経験談を聴け、直接質問ができる機会ということもあり、50 名程の参加 者が来場してくれました。
[左; 質問の様子、右; 留学経験者によるプレゼンテーション中の様子]
Exchange office の活動 Office の活動としては必要に応じて開催される Skype ミーティングが挙げられます。各大学への留学生の受 け入れ打診や留学希望者の取りまとめ、各大学や各国からの留学に関する問い合わせのメール対応を中心として、 緊急で起こったトラブルの対応を協議したり、ワークショップ・LTP (LEO/LORE Training Program; LEO/LORE に対する留学説明会) の内容を話し合ったりしています。 上記に加え、毎年の Exchange office の2大イベントとして、General Assembly (IFMSA の世界総会、以下 GA) と LTP があります。 GA は年2回、8月と3月に開催され、世界中から各国の NEO/NORE (SCOPE・SCORE の委員会責任者) が 一同に会します。2017 年 8 月のタンザニアでの GA では各国と交換留学の契約を交渉し締結するという非常に 重要な任務を遂行しました。今年度は SCOPE で Bilateral(相互二国間留学契約) 49 件, Unilateral-In (日本 に来る留学生の片務契約) 25 件, Unilateral-Out (日本人留学生の片務契約) 2 件の合計 76 件、SCORE では Bilateral 30 件, Unilateral-In 4 件の計 34 件の契約を結びました。契約成立時には IFMSA-Japan オリジナル 22
のステッカーや扇子をプレゼントし、日本らしいデザインで喜んでもらえました。日本は、海外から非常に人気 のある国であるため、留学の契約も全ての国ができるわけではありません。今年度、SCOPE の契約においては、 今まであまり契約をしたことのない中東やアフリカの 国々と契約を結びました。特に、IFMSA-Japan の歴史上 初めて、イラクのクルド人自治区や、オマーンと契約を し、2018-2019 年度に留学生を受け入れることになっ ています。日本人にあまり馴染みのないこのような国々 の医学生と交流を図れることは、非常に貴重な経験にな ると考えています。また、2018 年 3 月のエジプトでの GA では Exchange Fair が行われ、各国の留学に関して 説明を受けました。 LTP は Local Exchange Officer (LEO) や Local Officer on Research Exchange (LORE)、すなわち国内 [タンザニアでの世界総会の様子]
の各大学支部の交換留学に関する窓口となる学生たちに
対して留学のシステムを説明する場です。2017 年度は 3 月に行われ、大学間で統一した認識を持ってもらえる ように各種書類の提出方法や受け入れ時の手続きのやり方 を説明しました。それと同時に LTP は普段、面と向かって会う機会のない NEO/NORE やスタッフ・LEO/LORE の皆さんが集う唯一の場です。受け入れ時の苦労話や留学経験談、さらに各大学/地域の話をして、互いの中を 深めました。 ◇留学の追加募集 今年度、私たちが行った取り組みとして、留学の追加募集があります。今まであまり行って来なかった Facebook を使っての二次募集・三次募集を行い、一次募集を逃してしまった学生の方々に興味を持っていただ き、より多くの人に IFMSA 留学を知っていただけたのではないかなと思っています。 来年度は、より多くの頻度で、留学について配信できる機会を作っていきたいと考えています。
3.今後の展望・課題 今年度は Exchange office と ICOT Project それぞれが活躍しました。一方で、両者間での連携が上手く行えま せんでした。また、GA では 2020 年までの向こう 3 年間の展望が提案され、留学の運営をスムーズに行うこと はもちろん、留学の質をより一層向上していく取り組みの必要性を実感しています。 Exchange office 今後の課題として、スタッフの充実・コミュニケーションの強化・留学の質の向上の 3 点が挙げられます。 今年度新たに Exchange office で活躍するスタッフは加わりましたが、来年度の留学契約数に比して更なるス タッフの確保は不可欠です。新たな取り組みをするためにも多くの仲間を迎えて活発な意見交換を図り、より円 滑で安定した Exchange office を構築していきたいです。 コミュニケーションに関しては、LEO/LORE と Exchange office・LEO/LORE 同士・日本と各国の NEO/NORE の 3 段階に分けて改善の余地があると考えます。LEO/LORE と Exchange office 間では NEO/NORE が率先し てスタッフにメール対応のノウハウを教えるとともに、リスク回避のためコミュニケーションルールの浸透を LEO/LORE に対して働きかけます。LEO/LORE 間では LTP や LEO/LORE Skype での出会いをきっかけに連携 23
を取ってもらい、九山地域のように地域レベルでの合同 Social Program 開催を推奨します。各国の NEO/NORE とは英語の得意なスタッフの力を借り、より良好な関係を築きます。 IFMSA 交換留学の質の向上は International team の指示の下、できる範囲で取り込んでいこうと考えていま す。Handbook や Logbook 使用の徹底、Research Project の登録内容の吟味、また Upon Arrival Training の 導入を検討中です。 ICOT Project 以前までは IFMSA の交換留学生との交流イベントや留学に興味・関心を持ってもらうためのイベントが多か ったですが、今年度はプロジェクトの活動を今一度見直す年となりました。新歓や日本総会でのワークショッ プ・Activities Fair 出展、留学報告会の開催等に加え、IFMSA の交換留学に限らず日本で働く外国人医師や留学 生の話を知り日本と海外の相違を実感できるようなイベントを開き、オンラインでの TOEFL 勉強会も新たに企 画しいずれも好評でした。活動が活発化するにつれ、スタッフ数を徐々に増やすことに成功したと思います。 今 後の課題として従来の活動に拘らずに新たな企画を盛り込みつつ、活動⽬的とその結果を検討しまた次の活動に 還元するようなサイクルを確立し、人員面含めサステイナビリティを強化することにあると思います。そのため にさらに海外へ羽ばたくことに関心のある医療系学生を取り込み、仲間とともに個人としてもプロジェクトとし ても成長することを⽬指すことでしょう。
文責│東京医科歯科大学 4 年
ソパック スパクル
獨協医科大学 3 年
野島大輔
大阪大学 4 年 コントン プォーラナット 富山大学 4 年
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菅原里郁
4.イベント一覧 ※PE は臨床交換留学、RE は基礎研究交換留学を指し、数値は人数を表しています。
2017 年
10 月
4月
Incoming: 3 (PE: 1, RE: 2)
Incoming (外国人留学生): 1 (PE: 1, RE: 0)
Outgoing: 1 (PE: 1, RE: 0)
Outgoing(日本人留学生): 6 (PE: 6, RE: 0)
11 月 5月
Incoming: 1 (PE: 1, RE: 0)
Incoming: 6 (PE: 3, RE: 3)
Outgoing: 0 (PE: 0, RE: 0)
Outgoing: 2 (PE: 2, RE: 0)
3-5
NGA
13
北海道新歓
21
九山新歓 福岡県
12 月
27
東北新歓 宮城県
Incoming: 1 (PE: 1, RE: 0)
東京都
北海道
Outgoing: 1 (PE: 1, RE: 0)
6月 Incoming: 9 (PE: 6, RE: 3)
2018 年
Outgoing: 0 (PE: 0, RE: 0) 3
北陸新歓 石川県
10
東海信州新歓
11
関西新歓 大阪府
17
四国新歓 香川県
18
中国新歓 島根県
25
関東新歓 東京都
愛知県
1月 Incoming: 5 (PE: 3, RE: 2) Outgoing: 2 (PE: 2, RE: 0)
2月 Incoming: 6 (PE: 5, RE: 1) Outgoing: 3 (PE: 2, RE: 1)
7月 Incoming: 48 (PE: 28, RE: 20) Outgoing: 8 (PE: 6, RE: 2)
3月 Incoming: 0 (PE: 0, RE: 0) Outgoing: 25 (PE: 9, RE: 16)
8月 Incoming: 18 (PE: 12, RE: 6) Outgoing: 30 (PE: 18, RE: 12) 1-7
2-8
世界総会 エジプト
24
LTP
東京都
世界総会 タンザニア
9月 Incoming: 11 (PE: 7, RE: 4) Outgoing: 4 (PE: 0, RE: 4)
25
Incoming Care and Outgoing Training Project│Exchange 1.活動理念 Incoming Care and Outgoing Training Project (以下 ICOT Project) は、日本の医療系学生が英語力や文化の 違いなど、留学に関して抱く不安やわからないことといった壁 (バリア) をなくすことをモットーに活動してい ます。バリアとは人によって様々で、留学したいけれど不安だ、留学生が大学に来たがどうしたらいいかわから ない、外国人の方に日本のことを聞かれたけれど日本のことをよく知らない、英語を上手に話せるようになりた いなど多岐にわたります。このような学生をサポートすることを ICOT Project の役⽬とし、留学生との交流の 場を設けたり、留学報告会を行ったり、英語を話すオンラインイベントを開催したりしています。
2.今年度の主な活動 今年度は ICOT Project スタッフも増え、東京女子医科大学でのイベント、Skype や LINE グループ通話を使っ たオンラインイベント共にたくさん行うことができました。 ①外国人医師、留学生との交流を図るオフラインイベント開催 ②英語や海外体験に関するオンラインイベントの開催 ③全国新歓ツアーでのワークショップ開催 ④日本総会での Activities Fair の出展
①オフラインイベント <Exotic Tokyo ~YOU は何しに今ここへ~ > 【日時】11 月 19 日 【会場】東京女子医科大学
河田町キャンパス 500 号室
【人数】26 名 (主に医療系学生) 日本で働くミャンマー人の医師 3 名、公衆衛生を学ぶ フィリピン人の大学院生、寄生虫の研究をしているガーナ 人の大学院生の計 5 名をお招きして、留学先として日本 を選んだ理由、各国が抱える医療問題、医学教育のシステ ム、宗教と医療の関係、世界から見た日本人の印象などを プレゼンテーションによりシェアしていただきました。 [ワークショップの様子] ミャンマーには 5 つしか医科大学がないこと、中 絶は違法だということ。フィリピンの小さな島に住 む人々はボートに乗らなければ医療を受けられな いということ。ガーナの寄生虫のこと。プレゼンテ ーションではすべての委員会で扱うテーマが触れ られ、我々が IFMSA-Japan として取り扱っている テーマは国内にとどまる問題ではないことを再確 認することができました。 [ミャンマー人の医師のプレゼンテーション] 26
また、留学において発生するバリアとその対処法のワークショップを英語で行い、言語、ホームシック、お金 がバリアの大きな要因に挙がりました。 さらに当日会場に来られなかった方のために、11 月 24 日に Skype を用いて、イベントの内容をシェアする オンラインイベントを行い、10 人以上の方に参加していただき、東京に行くのが大変な九州などの学生から「オ ンラインで気軽にイベントの内容を知ることができるのはありがたい。 」という声をいただきました。 なお、今回のイベントにはエムスリー株式会社様より記者の方が取材に来られ、医療情報専門サイト m3.com にイベントの内容についての記事が掲載されました。 (リンク: https://www.m3.com/news/general/572003)
②オンラインイベント <英語の動画を見てディスカッション> 2017 年 5 月 15 日、6 月 7 日、6 月 27 日、12 月 11 日に LINE グループ通話を用いて、英語の動画を見て自分 の考えを英語で話すというオンラインイベントを実施しました。第 1 回⽬の題材は ”If Disney Princes Were Real” 第 2 回⽬の題材は ”Popeye The Sailor Man-Robot Popeye”、第 3 回⽬の題材は ”リトルチャロ空港 の迷子犬”、第 4 回⽬の題材は ”ピーターパン” でした。拙い英語でもよいので、自分の考えを英語で自分の口 から言ってみよう、というのがこのオンラインイベントの⽬的です。全ての会で 1 時間以上話が途切れず、とて も熱い議論ができました。英語しか使えないため、自分の言いたいニュアンスがうまく伝わらずもどかしい思い をした参加者さんもいましたが、他の参加者さんのフォローもあって、なんとか自分の考えを英語で述べること ができていました。 <オンライン留学報告会> 2017 年 10 月 12 日、2018 年 1 月 5 日に Skype を 用いて留学報告会を開催しました。第 1 回⽬はニュー ジーランドでの1ヵ月間の語学留学を、第2回⽬はフ ィンランドでの1ヵ月間の臨床交換留学・マルタでの 1ヵ月間の基礎研究交換留学の報告を、PowerPoint を用いて留学に行ってきたスタッフが行いました。留 学先をその国に選んだ理由、留学中の 1 日の流れ、留 学に行く前に準備したこと、留学中に大変だったこと、 今だからこそ思う、もっとこうしておけばよかったこ となどを話してもらい、留学に行く予定の参加者さん
[使用したスライド]
にとっては、既に留学に行った先輩の話が聞けて自分 自身のより良い留学につなげることができそうだ、との声があがりました。また、費用や日程の都合上、留学に 行くことが難しい参加者さんにとっても、疑似留学体験のようで話が聞けて良かった、とのことでした。 <TOEFL speaking 講座> 2017 年 6 月 27 日、2018 年 1 月 5 日に Skype を用いて TOEFL speaking 講座を開催しました。TOEFL iBT ではコンピュータに向かって英語を話す speaking の試験があり、なかなか 1 人では勉強のモチベーションがあ がらないとの声から開催に至りました。本番同様の時間配分で好きな季節や、友人と遊ぶ場合は家かカフェか、 どちらが好きかといった頻出テーマを取り扱い、15 秒で内容を考え 45 秒で話す難しさをスタッフ・参加者さん 共に体感しました。回答を作るうえでのエッセンスもシェアされ、とても有意義な時間となりました。 27
<海外でのエピソードを英語で話す> 2017 年 7 月 10 日に LINE グループ通話を用いて海外でのエピソードを英語で話すオンラインイベントを開催 しました。このオンラインイベントの⽬的は文化の違いを楽しみながら学ぶこと、日本での当たり前は海外では 当たり前でないことを知ること、そして、それにより今までは当たり前だと思っていた日本の良さ、日本らしさ に気づこうという 3 点です。アメリカのファストフード店で水は有料なのにコーラは無料だった話や、先進国の とある町の道路が思いのほかにごみで汚かった話などが挙がり、非常に盛り上がった 2 時間となりました。
③全国新歓ツアーでのワークショップ開催 2017 年 6 月 3 日の北陸新歓、6 月 18 日の中国新歓では留学生が日本に来た時を想定し、英語で劇を行いまし た。劇は台本を見ながらでもよいので英語を棒読みするのではなく、実際に留学生をどこに連れて行ってあげる か、どのようなおもてなしをするのか、日本文化や日本行事をどのように留学生に伝えるのかを意識してワーク ショップを行いました。温泉や初詣などを舞台に各班ユーモア溢れる劇で会場は笑いの渦に包まれました。
[劇の様子①]
[劇の様子②]
6 月 25 日の関東新歓では”くまのプーさん”の 2-3 分間の音が入っていない動画に簡単な英語でアフレコをする というワークショップを行いました。英語でセリフを考えても動画の展開が早く、動画に合わせて英語でアフレ コするのが難しかったのですが、参加者さんは諦めずに取り組んでいました。
④ 日本総会での Activities Fair の出展 日本総会 1 日⽬の 2017 年 11 月 3 日に行われた Activities Fair で ICOT Project ブースを出展しました。ICOT Project の活動理念や活動内容を参 加者さんに説明し、この Activities Fair がきっかけとなり新たに ICOT Project スタッフにな ってくれた方もいまし た。また 11 月 19 日開 催予定だったイベント 「Exotic Tokyo ~YOU は何しに今ここへ~」 の宣伝も行いました。
[Activities Fair の様子] 28
[Activities Fair で配布したリーフレット]
3.今後の展望・課題 活動内容について 今年度は、一般英語に重きを置いたため、問診の英語表現など医学英語に関するワークショップやイベントを行 うことができませんでした。現在の ICOT Project スタッフには看護や臨床検査学科の学生もおりますので、来 年度はチーム医療で学べる医学英語の企画の実施もできればと考えております。 体制について 嬉しいことに ICOT Project スタッフが昨年度から 10 人以上増えました。この変化から今後の課題として①ス タッフの育成②仕事の分担化が挙げられます。 スタッフの人数が増えたことを利用して、Google フォームの作り方などの仕事をすでにやり方がわかっている スタッフから初めてのスタッフに教えるというティーチング制度を取り、仕事をすることができるスタッフを増 やします。これによりスタッフの育成と仕事の分担化の両方を同時に実現することができるはずです。
文責│藤田保健衛生大学 2 年 一柳 咲佑美
29
医学教育に関する委員会
5. SCOME│医学教育に関する委員会 あ
1.活動理念 SCOME Standing Committee on Medical Education (医学教育に関する委員会)では、 「日本中の医療系学生 が普段自分たちの受けている教育にほんの少し意識を向けるだけで、現在の医学教育、さらには未来の医療は必 ず良くなる」という理念の下、より良い医療者となるために必要な医学教育について考え、活動を行っておりま す。今年度のスタッフのテーマは「あなたの『なぜ』を原動力に、実りのある『学び』を」でした。
2.今年度の主な活動 ※各プロジェクトの詳細、活動は SCOME プロジェクト報告ページをご確認ください。 今年度は昨年度に比べスタッフも増え、10 学部 80 人、多種多様な学生が SCOME の活動に関わってまいりまし た。IFMSA 本来の国際性に対する SCOME での活動の在り方の再考も行いました。各プロジェクトでのオンラ イン上での勉強会(Webinar)の導入や、新プロジェクト立ち上げに向けた動きなど、新しい活動にも取り組み ました。
新プロジェクト立ち上げについて 現在「チーム医療プロジェクト(以下 TMP) 」 「Life Lesson Project(以下 LLP) 」の2つのプロジェクトを中心 に活動していますが、Medical Education Project(以下 MEP)の来年度立ち上げを⽬指して動き始めました。 50 以上ある大学支部の存在を利点として、大学のカリキュラムや学生へのサポート体制を大学間、学部間で比 較検討し、よりよい医学教育を⽬指す活動を行います。今年の 11 月に行われた日本総会、総会本会議でプロジ ェクトの企画提案書を大学代表者に共有しました。毎年行われる総会本会議において、来年度役職の承認や提案、 質問は形骸化していることが多い一方で、今回のプロジェクト提案は、大学代表者から 10 以上の質問をいただ き、一つ一つ丁寧に答えました。中には、自分の大学において医学教育におけるアドボカシーが成立した例を共 有してくださる大学代表者もおり、議論が白熱しました。
MEDxFukuoka@福岡大学
2017 年 8 月 12 日
新歓を通し SCOME に興味を持ってくださった参加者の皆さまに委員会の活動内容を体験していただく企画を行 いました。以下 4 つのワークショップ(以下 WS)を行いました。 <TMP WS> 前半は職種クイズを行いました。チーム医療の一場面を題材として扱い、どのような職業の人が働いているのか を参加者に当ててもらいました。後半は実際に症例を見ながら、各職種で患者にどのようなアプローチをできる か小グループに分かれ検討しました。 <LLP WS> 「人生 WS」 現在から最期までを自由に想像し人生を一枚の紙にチャート化し、改めて自分の人生を俯瞰してもらいました。 また、就職や結婚といった大きな選択をニ択で選んでもらいました。一人ひとりの人生設計や選択の根拠となる 多様な人生観、死生観を共有しました。 <教育を考える WS> 来年度から正式に動き出す「教育に向き合う」プロジェクトに関する内容の WS を行いました。大学側と学生団 31
体側に分かれ、教育に関するお題に対し、ディベート形式で互いの要求を主張し意見を戦わせました。アドボカ シーを実際に体験できる WS となりました。 <プレゼンテーションを考える WS> 発表者のこれまでの経験談を交えながら、より良いプレゼンテーションについて考えました。プレゼンテーショ ンの準備、本番、復習の tips(最善の策ではないが、何とかその場を切り抜ける策のこと)を紹介しながら、当日 は雰囲気良くプレゼンテーションを進めてもらいました。
[イベント後の集合写真]
SCOME Assembly@東京女子医科大学 2018 年 3 月 24 日 SCOME のこれまで1年間の活動を通してスタッフが学んだこと、伝えたいことを参加者の皆さまに共有する企 画を行いました。以下3つの WS を行いました。 <DiPEX-Japan コラボレーション企画> 医療者の発言がもたらす患者の感情の変化を実感し、医療者のもつ言葉の影響力を考えることを⽬的とした WS を行いました。参加者に医師役と患者役に分かれ、2パターンのガン宣告をしてもらいました。宣告する側、さ れる側で感じたことを共有し、患者の立場になって考えてみました。 <発達障害 WS> 単に発達障害の定義や症状をおさえるだけではなく、WS を通じて感じた自分の想いや考えを交えながら関心や 興味を理解に変えることを⽬的として行いました。自閉症を取り上げた映像を見た後、自閉症がどんな障害か、 なぜ理解する必要があるのか、などを自分の考えや体験も踏まえながら共有しました。 <難病 WS> 難病患者に対して、治療的な側面に加え、一人の人間としてどう関わっていくかを考えることを⽬的として WS 32
を行いました。視覚的に人々が認識できる難病とそうでない難病の2パターンを症状を踏まえて解説した後、グ ループに分かれて難病患者との関わり方を考えました。各グループの臨床実習を経験している医学生が治療方法 などを解説しながら、職種ごとに患者とどのように関われるか、といったチーム医療の側面からも議論を行いま した。企画者自身が難病を抱えており、苦労した体験を踏まえ企画したもので、説得力を持ったメッセージを伝 えることができました。
[イベント後の集合写真]
オンラインでの活動について 毎年コミえもん Café(後述)の活動は行っていましたが、日本全国、遠く離れたスタッフの活動を充実させ、 参加しやすくさせるため、委員会責任者はプロジェクトの企画も開催することを奨励しました。Webinar という 名前で Skype を使った勉強会です。LLP では Life Lesson Seminar、TMP ではオンライン職種紹介を多数行い ました。 一般参加者に加え、SCORA、 SCOPH、Exchange スタッフの参加もあり、他の委員会スタッフにも SCOME の活動を体験する機会を設けることが出来ました。また、Twitter、Instagram、Facebook など SNS を使用し、 委員会での活動を徹底的に報告することで、活動の透明化を⽬指しました。
コミえもん Café 月に1、2回 Skype で雑談形式のオンライン企画を実施しました。大学や学部、更には再受験生など、背景の 異なる学生たちが集まり、語り合いました。 「粘り強く、深く考える力を得ること」 「多様な考え方を得ること」 「自分の考えを相手に伝える力を身に付けること」などを⽬標としています。 今年度のテーマは「大学の授業」 「英語教育」 「国際問題」 「地域枠制度」 「発達障害」などでした。普段生活の中 で感じたことをスタッフ同士で深く語り合う機会は貴重なもので、今後も続けていく予定です。
33
3.イベント一覧 2017 年 5月
10 月
13
北海道新歓
北海道
17
コミえもん Café
オンライン(Skype)
21
九山新歓
福岡県
27
東北新歓
宮城県
11 月
31
コミえもん Café
オンライン(Skype)
28 コミえもん Café
23
コミえもん Café
オンライン(Skype)
オンライン(Skype)
12 月
6月 3
北陸新歓
金沢県
1
職種紹介
オンライン(Skype)
10
東海信州新歓
愛知県
2
職種紹介
オンライン(Skype)
14
コミえもん Café
オンライン(Skype)
10
職種紹介
オンライン(Skype)
17
四国新歓
香川県
13
職種紹介
オンライン(Skype)
18
中国新歓
島根県
14
職種紹介
オンライン(Skype)
25
関東新歓
東京都
16
職種紹介
オンライン(Skype)
28
コミえもん Café
オンライン(Skype)
18
職種紹介
オンライン(Skype)
19 20
7月 12
コミえもん Café
オンライン(Skype)
8月 6
Life Lesson Seminar オンライン(Skype)
23
職種紹介
オンライン(Skype)
27
職種紹介
オンライン(Skype)
2018 年
「命」と「いのち」をみる 宮城県
11
新プロジェクトミーティング 東京都
12
MEDxFukuoka
福岡県
25
コミえもん Café
オンライン(Skype)
9月 10
職種紹介
12
Life Lesson Seminar
14
職種紹介
オンライン(Skype) オンライン(Skype)
オンライン(Skype)
17-20 APRM SCOME Session 参加 東京都 26
職種紹介
オンライン(Skype)
29
職種紹介
オンライン(Skype)
34
コミえもん Café オンライン(Skype)
3月 17-18 Life Lesson Seminar in Tokyo ~各宗教から学ぶ人生観・死生観~ 22
医療者になろう
東京都
24
SCOME Assembly 東京都
4.今後の展望・課題 <国際性の充実> 今年度は SCOME スタッフメーリングリストを利用して、各国の SCOME の活動や、国際的なレベルでの SCOME の方針を紹介する International 通信の投稿を定期的に行いました。これからは、世界総会参加者を SCOME か らも多く輩出するなど、国際的な視野を持ったスタッフを多く育成する必要があります。国内の医学教育を比較 するだけでなく、国外でのそれと比較することからも大きな学びを得ることが出来ます。国際レベルで医学生と 教育について議論することは大変有意義なものです。IFMSA の体系、社会に与えるインパクトや WHO(世界保 健機関)との関わりなど、本来の仕組みを踏まえた上で、日本での活動に反映していくことが求められます。ま た、国際的な団体である IFMSA は人が直接会って会議やセミナーを行うことが難しく、効率的に意見を交換で きる Webinar を積極的に行っています。今年度 IFMSA-Japan の他の全ての委員会もその流れにのり、Webinar を定期的に行っていました。 <委員会間の交流の充実> 今年度は委員会責任者による Webinar の奨励もあって、他の委員会スタッフにも活動に参加してもらう機会が 増えました。この奨励をきっかけとして、委員会を兼任しているスタッフも増え、この委員会が取り扱っている トピックを外から見つめなおすことができました。また、活動スタイルや規模も委員会間で違いがあり、お互い に良いところを学び合う姿勢が求められます。委員会活動を客観的に評価することは大切であり、今後も委員会 間での交流を深める必要があります。3 月に行われましたスタッフフェスタでは、IFMSA-Japan スタッフが委 員会を超えて集まり、IFMSA に対する思いをそれぞれが共有し、大変良い機会となりました。 <社会へのインパクト> 委員会の中で学びを深めるだけではなく、その学びを社会に還元することも必要です。IFMSA-Japan の活動資 金は、スポンサー団体や、個人会員登録費、IFMSA-Japan 主催のイベント参加費からまかなわれています。そ の資金は IFMSA に日本支部として加盟登録をしたり、スタッフの交通費を補助したり、イベントの運営をする ために使われます。よって、資金提供をしてくださる方にプラスになるような活動をすることが求められます。 また、母団体である IFMSA の理念にも、社会へインパクトを与えることが含まれています。スタッフ内でトピ ックを考え、深め、学ぶことはもちろんのこと、IFMSA の「医療系学生 NGO」という立場から委員会での活動 の重要性を発信し、社会へ良い影響を与えることが求められます。今年度は Facebook や Twitter、Instagram を利用して活動報告を国内外へと発信していますが、直接人々に会って伝えるといった形の発信方法も考えてい く価値があります。チーム医療プロジェクトが開催した高校生向けの職種紹介企画(後述)が良い例であり、こ うした活動もこれまでの活動に加え充実させていく必要があります。
5.感想 1年間今年度の活動を支えてくださった皆さま、誠にありがとうございました。今後も SCOME をよろしくお願 いいたします。 文責│福島県立医科大学医学部医学科 3 年 大塚天心
35
Life Lesson Project│SCOME 1.活動理念 Life Lesson Project(以下 LLP)は、将来出会う患者の人生観・死生観を大切にできる医療者になるために、学 生である今のうちからできることについて考え、学びを深めるプロジェクトです。 大学は疾患を治療するための知識や技術を得る場所ではありますが、疾患自体は患者にとってのすべてではあり ません。患者には患者自身の人生があり、それは患者の病への理解と密接につながっています。 正しい医療知識や技術ということばかりでなく、⽬の前の患者の人生まで大切にできたら、医療者は患者にとっ て本当に良い医療を提供できる。その思いのもと私たちは活動しています。
2.今年度の主な活動 今年度テーマ「授業では医療を学ぶ、LLP で心を養う」 患者の生命体としての「命」ばかりでなく、人生まで含めた「いのち」と向き合うために、というのが今年度の テーマの意図するところです。自分の人生観・死生観についての考えを深めることで、将来の患者やその家族の 人生観・死生観を大切にする土壌を設けるべく、今年度は主に以下の企画を行いました。
今年度のイベント 1.「命」と「いのち」をみる (2017 年 8 月 6 日
東北大学星陵キャンパス)
患者の生命体としての「命」 (biological life)と、患者の人生まで含めた「いのち」 (biographical life)の両方 を大切にできる医療者になるために、私たちができることに⽬を向けるイベントを行いました。 前半は秋田で在宅医療に携わっていらっしゃる伊藤伸一先生をお招きし、 「命」と「いのち」をテーマにお話を いただきました。先生の在宅医療への想いから多職種連携での取り組み、さらには患者の人生観・死生観を医療・ 介護に反映させる「ナラティブブック」というツールについて知ることができました。実際に人生観・死生観を 大切にする医療者のお話を伺うことで自分が将来なりたい医療者像をイメージしやすくする、という⽬的です。 参加者の声を聞いても、実際にいのちへの想いをもって活躍されている先生の言葉からは、たくさんの気づきが 得られたようです。 後半は LLP によるワークショップを行いました。DIPEx-Japan という、患者による病の語りを集めたサイトか ら使用許可をいただき、2 人の患者の動画から実際の病への想いや人生観に注⽬しました。 自分が考えたことと動画の患者の想いとのギャップから気づきを得たり、将来出会うであろうたくさんの患者の 想いに寄り添うために今からできることを考えました。引き続き伊藤先生には各グループを回っていただき、ア ドバイスをいただきました。用意していた時間を超過するほど、そしてそれでも足りないという声が聞かれるほ ど、白熱したディスカッションが行われました。実際の医療者のお話から、自分たちで感じて、考えてみるとい うところまで「命」と「いのち」について深めること、学生のうちからできることを今から考えてみるというき っかけづくりを⽬指しました。
36
[伊藤伸一先生を囲んでの集合写真] 2. 死生学スカイプ勉強会(2017 年 9 月 12 日 オンライン) 死生学は、 「生」と「死」を考える学問です。終末期医療、医療倫理の問題を背景に発展し、治る見込みのない 患者の「死までの過程を生きる」ということに医療者はどのように寄り添っていくか、を死生学では扱います。 今回は、LLP 責任者が大学の研究配属で学んだことをもとに、死生学を紹介する勉強会をクイズやディスカッシ ョンを交え、スカイプを用いてオンラインで行いました。ディスカッションテーマは、「あなたの大学や身の回 りに、終末期医療について考える機会はありますか?なければ、どんな機会があればよいと思いますか?」でし た。各大学でのカリキュラムの違いの気づきもさることながら、患者と実際に語り合う場が欲しいという意見が 出たりなど、白熱した勉強会となりました。 〇発表コンテンツ ・死生学とは、人生観・死生観の違いとは ・日本の死生観の移り変わり~古事記から「君の名は。 」まで~ ・脳死と臓器移植、病名告知 ・キューブラーロスの死の受容プロセス 〇感想(抜粋) ・理論的な死と心で受け入れる死の距離を縮めていくのは難しい、と改めて思った。それを助けるのも医療者の 役割の一つかもしれないと思った。 ・死生学は習わない割に必要性が高いと感じた。また宗教と死は切り離せないことがわかった。キューブラーロ スについて、自分の死の受容までの段階と他人(家族など)の死の受容までの段階には違いがあるのか気になっ た。 ・死生学は医療者として必要なのに大学によっては重要視されていないのかと思った。文学や映画といった文化 からそのような価値観を学ぶのは面白そうだと思った。 3. Life Lesson Seminar(不定期 オンライン) 死生学スカイプ勉強会の好評を受け、LLP だけでなく IFMSA-Japan スタッフにも開かれたオンライン勉強会を したいという思いから生まれた企画です。人生観・死生観にまつわるトピックで、LLP の枠を超えて学びを深め ていくという⽬的です。 37
第 1 回 「死生学って何だろう?」 (2017 年 10 月 18 日) 第 1 回⽬の Life Lesson Seminar は、以前の死生学スカイプ勉強会に、LLP 責任者の「日本死の臨床研究会年 次大会」での見聞を追加し行いました。9 月に行った時と比べ LLP の枠を超えて参加者が集まり、参加者自身が これまで体験してきた死生学にまつわる学びの共有の機会となりました。一人として同じ体験はなく、他の参加 者にも新たな学びが得られた勉強会でした。 第 2 回 「シネメデュケーションのススメ」 (2017 年 12 月 20 日) シネメデュケーションとは、映画(Cinema)、医学(Medical)、教育(Education)を合わせた造語で、現在医 学教育の新たな手法として取り入れられています。映画を使うことで、医療倫理といった医学教育の難しいテー マでも感情移入しやすく、短時間で思考やディスカッションが刺激されるという特色があります。第2回⽬の Life Lesson Seminar ではこのシネメデュケーションを実際に行いました。一般公開ではない勉強会ということ で、2 つの映像作品の中から短いシーンを取り上げ、それぞれテーマについてディスカッションしました。細部 の演出にまでこだわった映像作品だからこそのリアルさがあり、背景設定からの気づきも多々ありました。何よ り楽しみながら考えられるというところが、シネメデュケーションの大きな魅力です。企画者の意図を超えて、 議論が深まる勉強会となりました。なお、本企画はあくまでスタッフ内での教育⽬的であり、利潤は一切得てお りません。 〇取り上げた作品並びにディスカッションテーマ ・赤ひげ(1972~1973 年 NHK ドラマ) ディスカッションテーマ 現代の医療者は赤ひげ先生になれるのか? ・おくりびと(2008 年 滝田洋二郎監督) ディスカッションテーマ 「永遠の美を授ける」という表現について感じたこと 〇参加者の感想(抜粋) ・映画を用いて、死生観について考える機会を設けることができるのはとても良いと思った。多くの映画で考え させられる場面があるのではないかと思った。 ・映画の中で見過ごしてしまいそうな場面にも深く考えさせられるところがたくさんあるので、これからは趣味 だけの範囲で終わらせないで、もっと学びにつなげていきたい。 ・映画のワンシーンでここまで考える事ができるとは思わなかった。大学でも積極的にこのような授業を取り入 れてディスカッションできたらいい。 4.Life Lesson Seminar in Tokyo~各宗教から学ぶ人生観・死生観~ (2018 年 3 月 17 日~18 日
サレ
ジオ会 SITEC) 毎年 LLP の企画でご好評をいただいていた宗教と医療の勉強会は、今回は会場を北海道から東京に移し、新たに 生まれ変わりました。日本では宗教という言葉は敬遠されることもありますが、最期に患者が自分の人生につい て見つめなおすとき、宗教が心の支えとして貢献することも少なくありません。患者の多様な人生観・死生観に 大きな影響を与えるものとしても、宗教なしには語れない側面があります。患者の人生観・死生観に大きな影響 を与えるものとしての宗教を、患者の人生観・死生観を大切にする医療とのつながりの中で学び、将来医療者に なったときの援助の質を上げるということが本イベントの⽬的です。 〇コンテンツ ・宗教者の方々によるご講演 上智大学神学部教授で神父の竹内修一先生、東北大学助教で臨床宗教師の大村哲夫先生、そして医師にして仏僧 の川島実先生の3名をお呼びし、医療とのかかわりの中で宗教の果たす役割について考えました。一つの宗教に 38
限らず、ご活躍されている様々な宗教者の先生方のお話を伺えることが、本企画の最大の魅力です。 ・ミサ体験 今までの宗教と医療の勉強会の会場は寺院でしたが、今回の会場はキリスト教会でした。そこで今回は、宗教な らではの体験としてミサに参加させていただきました。ご講演くださった竹内修一先生が解説付きの特別ミサを 司式してくださり、信徒ではない参加者にもなじみやすいミサ体験ができました。 ・トランスパーソナル心理学講義 学生による企画として、トランスパーソナル心理学を取り上げました。学生自身が自らの体験を踏まえて語るこ とでわかりやすく、印象に残る学びが得られたとの声が多数聞かれました。 ・寿命に関するワークショップ 今まで LLP として新歓などで行ってきた、寿命に関するワークショップ。大切な人の死を想定するという、考え ることが辛い内容ではありますが、宗教と医療の勉強会という場所だからこそ行いました。ご講演くださった臨 床宗教師である大村哲夫先生にアドバイスをお願いし、2 日間の集大成として自分なりの答えを考えてもらいま した。
[川島実先生によるご講演の様子]
[LLP 責任者によるワークショップの様子] 39
3.今後の展望・課題 人生観・死生観について考えることについて、必要性は認識していても、実際にプロジェクトで活動するところ まで行く人というのは限られます。人生観・死生観は抽象的なテーマであり、明確な答えは存在しない領域では ありますが、その中でいかに興味を持っている人の需要に応える活動にしていくか、そして興味を持っていない 人にもどうアプローチしていくかというところが今後の課題です。
4.感想 LLP の活動は⽬に見えるインパクトはないかもしれませんが、将来医療者になる者として確実に必要な学びの場 であると思います。人生観・死生観を大切にする学生や医療者が増えることで、一人でも多くの患者の幸せにつ ながることを願っています。 文責│秋田大学 3 年 奥山由梨佳
40
Team Medicine Project│SCOME 1.活動理念 Team Medicine Project(以下 TMP)は、様々な学部・学科の医療ないし福祉学生が集い、各職種の相互理解と連 携の取り方について学ぶことを⽬的としたプロジェクトです。2017 年度は、医師、看護師、薬剤師、歯科医師、 栄養士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、放射線技師を⽬指す学生がメンバーとして参加しています。今 年度は、多くの職種が集まっているという特色を生かし、各々のプロフェッショナルな部分を互いに知り合う企 画を多くとることに重きを置いてきました。また、前年度までは知識の共有がメンバー内にとどまることが多か ったため、企画を通して外部への情報発信にも取り組みました。
2.今年度の主な活動 ①チーム医療に関するワークショップの実施 ②オンライン上での職種紹介実施 ③プロジェクトの理念・企画内容発信 今年度の主な活動は、各医療・福祉職についての専門性と特徴、自身の職種との関わり方について実践的に学 び、体験できる企画作りを行いました。またそれらの活動をより多くの人に知ってもらうために、プロジェクト の概要・活動理念・各企画の紹介をすることができる場に参加し、SNS を使った宣伝・活動報告も行いました。 ①チーム医療に関するワークショップの実施 (1)IFMSA-Japan 新入生歓迎会 [日時]大阪 2017 年 6 月 11 日(日) 東京 2017 年 6 月 25 日(日) [場所]大阪 関西医科大学 枚方キャンパス 東京 杏林大学 井の頭キャンパス 医療ドラマの一場面に出てくる医療・福祉職についての理解を深めました。また、参加してくださった方にい くつかのグループになってもらい、様々な困りごとを持ったある人物に対して、それぞれの医療・福祉職がどの ように関わることができるかをディスカッションしてもらいました。いくつかの職種が混ざり合うようなグルー プ編成をすることで、学生同士、専門性の枠を超えた話し合いを可能としました。 (2)九州医療系学生合同新歓 [日時]2017 年 9 月 3 日(日) [場所]九州大学 馬出キャンパス ワークショップの内容は上記の IFMSA-Japan 新入生歓迎会で行われたも のと同様です。本新歓では参加者の枠を大 学生のみならず、高校生・予備校生も対象 としたため、専門用語の使用をできるだけ 避け、医療の知識があまり無くても伝わる 様な説明と内容で企画を行いました。 [ワークショップ中の様子] 41
②オンライン上での職種紹介実施 下記のスケジュールで Skype 上にて PowerPoint を共有しながら各職種の学生が自身の職業についての説明 を行う企画を実施しました。発表は 15~30 分で行い、内容は原則自由ですが、発表者はその職種の専門性、学 校で得た知識の紹介、自身の将来の展望等を紹介しました。発表後は質疑応答時間を設け、参加者と発表者、参 加者同士のディスカッションを可能としました。合計 21 名の方に参加していただきました。 2017 年 12 月 1 日(金)
歯科医師
2017 年 12 月 2 日(土)
栄養士
2017 年 12 月 10 日(日)
医師
2017 年 12 月 13 日(水)
医師
2017 年 12 月 14 日(木)
助産師
2017 年 12 月 16 日(土)
ソーシャルワーカー
2017 年 12 月 18 日(月)
作業療法士
2017 年 12 月 27 日(水)
理学療法士
[歯科医師紹介の PowerPoint] ③プロジェクトの理念・企画内容発信 IFMSA-Japan 最大規模の企画である日本総会で開催 された Activities Fair において、TMP の理念・企画内容 を医療系学生に紹介しました。日本総会では今年度の TMP の活動を記載したポスター(右図)、Power Point を 用いて発表を行いました。 また、より多くの人に TMP のことを認知してもらうべ く、SNS での企画告知・活動報告を行っています。
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3.今後の展望・課題 今後の展望・課題は以下の 4 点です。 ① より多くの多職種の仲間をプロジェクトに迎え入れる ② 各々の職種のプロフェッショナルな部分を理解する ③ 職種間の連携を深めるためには何が必要かを考える ④ 将来、医療者として患者さんと接する上で何が大切かを考え続ける 年度によって集まる職種は異なり、学生も異なるため、多種多様な考えが生まれます。そのため、①~③の展 望は毎年度掲げており、常に向上心を持って取り組んでいます。医療・福祉職は実に様々なものがあるため、よ り多くの職種の学生と接することで、より多くの専門性を知り、自身の職種の理解にも繋がります。また、各々 のプロフェッショナルな部分は、職種によっても違いますが、同職種でも人によって異なるため、私たち TMP ではメンバー1人 1 人の考え方と声を大切にしています。そして私たちが将来、医療・福祉の現場に立った際、 1人の患者さんを大切にするためにどう連携をとったらいいのかどうかを、学生の間から考えることを重要視し ています。 ④は、私たちが、ある医療・福祉職になる以前に医療者になるという前提を大切にしたいという思いから生ま れた課題です。一医療者として患者さんにどう接していけばよいのか、職種間を超えて議論していきます。
文責│首都大学東京 3 年 鳥居香菜
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公衆衛生に関する委員会
6. SCOPH│公衆衛生に関する委員会 1.活動理念
Better Health, Better World ―みんながより健康になれば、世界はもっとよくなる― Better Health, Better World. 「みんながより健康になれば、世界はもっとよくなる」 私たち SCOPH-Japan はそんな想いを胸に、公衆衛⽣生を通して地域社会に貢献し、幅広い視野を持った医療療⼈を⽬指します。
2.今年度の主な活動 SCOPH-Japan は 2000 年に発足され、5 つのプロジェクト、約 200 名のスタッフを抱える IFMSA-Japan 最 大規模の委員会です。個性溢れるプロジェクト活動を始めとして、この 16 年間で様々な活動が広がり、育って きました。そんな中迎えた 18 年⽬となる 2017 年度は、それぞれ5つのプロジェクトの活動が「公衆衛生学」 というバックグラウンドを持つことを再認識し、プロジェクト間のインタラクティブな交流により、さらなる活 動の活性化と社会を巻き込む力を蓄える一年となりました。
<5 つのプロジェクト> ※詳細は SCOPH プロジェクト報告ページを参照 ・ Africa Village Project (AVP) ・ Asia Community Health Project (ACHP) ・ Healthy Lifestyle Project (HLP) ・ ぬいぐるみ病院プロジェクト (TBH) ・ 地域医療療ツアープロジェクト/Community Medicine Tour Project (CoMT)
■地域への活動展開 全国9カ所で行われた新歓において5箇所で「地域医療の崩壊を市民/行政/医療関係者の三者の立場から解決 策を模索せよ」という Workshop (以下 WS) を行いました。夕張市という実際に財政破綻に至った事例を通し て公衆衛生は様々な立場から将来の日本において、より健康な社会の実現に向けて共通理解をもつ過程を体験し てもらいました。この WS を IFMSA-Japan のローカルでやりたいという声を聞き、PowerPoint やファシリテ ーションの資料、作成意図を各々に展開し4つの大学内の勉強会にて公衆衛生の実践を疑似体験する機会を設け ることができました。 また以前から TBH では各ローカル支部での活動が大半を占めていましたが、ACHP のフェアトレード、AVP のザンブリ企画、HLP の調理実習も、日本全国のローカルでより参加しやすい環境作りができつつあると考えて います。また東北では青森の「ダシ活」に注⽬し、減塩への地域政策に関する実態調査を兼ねた勉強会を開催し ました。
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[(左)新歓での WS 発表 / (右) DiMSA(IFMSA-Japan の獨協医科大学支部)で開催された WS]
■ Infographics Team — 1 枚のグラフィックで正しい情報を市民へ 昨年に引き続き”Infographics Team”を組織し医療情報をより判りやすく、市民に伝えるように活動しました。 このチームでは、情報を視覚的にわかりやすくデザインする「インフォグラフィック」を作成し、日本や世界の 医療に関するトピックをタイムリーに市民へ発信しています。医療知識は難しい言葉が多くそれを誰もが理解で きるものへいかに表現できるかを毎回試行錯誤しています。今年度は「抗菌薬の適正使用(薬剤耐性対策)の啓 発」と「HIV/AIDS の予防・早期発見」に関するグラフィックを作成し Facebook を通して拡散させました。 毎回リーチ数やクリック率の⽬標を設定し、期間を決めて実施することで評価も行っています。
[(左)抗菌薬の適正使用(薬剤耐性対策)の啓発/ (右)HIV/AIDS の予防・早期発見の啓発]
■ Public Health Training — Public Health についての INPUT と身近な実践を街歩きしながら考える。 公衆衛生を通じたキャリア形成を考える。 Universal Health Coverage, Non-Communicable Diseases, Climate Change and Health といった旬のト ピックのインプットを行いました。そのインプットを背景に公衆衛生を学ぶ意義や、学生間で苦手意識を抱きが ちな公衆衛生について学びました。講師として阿部計大先生(東京大学院公衆衛生学専攻)をお迎えし、SCOPH で学んだことを将来のキャリアへどう生かすのか、また公衆衛生学で PHD を取得し、WHO へのインターン経 験をお持ちの先生からお話を聞くことで、未来のビジョンを考える機会となりました。講演後にはキャリア形成 のための WS を行い、将来のキャリア形成の考えを整理する場を創出することができました。さらにこのイベン 46
トに際して公衆衛生に関する事前のインプットのためのウェブセミナーを開催し、誰もがアクセスできる動画作 成にも取り組みました。
[(上)阿部計大先生のご講演の様子/ (下) 街を歩き気づいたことを共有する様子]
■ APRM
— 10 年ぶりの日本開催の国際会議で世界を感じる
APRM (アジア太平洋地域会議) での SCOPH Session には、全委員会中最多の 12 人が IFMSA-Japan から参 加し、うち 2 人がセッションの作成サイドとして参加しました。ここでは Tabaco abuse (タバコに起因する健 康被害)、Tropical Disease として対策に対し予算が投じられにくい熱帯地域に特有の感染症と気候変動に伴う その伝播、高齢社会と健康というアジア太平洋地域で特に問題となっているトピックが議題に上がり、深い議論 を繰り広げました。また Activities Fair にて SCOPH-Japan の Project から TBH と AVP・ザンブリ企画が出展 することになり、国内外に自分たちの活動を発信することができました。
[(左)Activities Fair にて AVP・ザンブリ企画についてプレゼンする様子 (右)ぬいぐるみ病院プロジェクトについてプレゼンする様子] 47
[Tabaco abuse に関する Session をコーディネートする IFMSA-Japan SCOPH 副責任者]
■ 世界総会 — よりハイレベルな世界を知り、発信する 2017 年夏にタンザニア、2018 年春にエジプトにて開催された IFMSA 世界総会にスタッフが 2 名ずつ SCOPH-Japan から参加しました。世界の各支部で行われている SCOPH の興味深い活動をお互いに発表し合 ったり、感染症・エピデミックへの対応や医療者のメンタルヘルス、タバコの害、臓器移植など様々な公衆衛生 のトピックを扱った WS に参加したりしました。 その他 SDGs を踏まえた公衆衛生上の世界的トピック、Project development の基本プロセス、Capacity Building などのソフトスキルを学ぶプレゼンテーションやワーク、 2016 年よりアウトブレークしたジカ熱について議論する時間などもありました。また、IFMSA-Japan として 東京オリンピックに向けて受動喫煙防止に関する提言作りに取り組んでおり、アピール動画作成のための協力を 世界各国からの参加者に要請し、実際に出演してもらいました。
[UHC に関してのレクチャーの様子] [SCOPH Session の集合写真]
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3.イベント一覧 2017 年 今年度は横のつながり(プロジェクト間のつながり)を意識させるため Officials(幹部職員)に加えプロジェク ト副責任者を迎えた Skype での定期オンラインミーティング(2回/ 月)を行ないました。
4月
8月
26-28 春派遣オンライン報告会(Skype) AVP
1-8
夏の世界総会
タンザニア
三好先生の講演内容共有 / ザンビアに おける周産期死亡率の改善(Skype)AVP
5月
14-9/1 ザンビア夏派遣(4名) AVP
13
北海道新歓
北海道
19-21
第 11 回ぬいぐるみ総会
21
九州・山口新歓(WS)福岡県
18-19
夏ツアー①
27
東北新歓
6月 3
北陸新歓
石川県
10
東海新歓(WS)
愛知県
11
関西新歓(WS)
大阪府
12
Dr.Sujit 講演会
茨城県 ACHP
13
Dr.Sujit 講演会
東京都 ACHP
14
Dr.Sujit 講演会
群馬県 ACHP
16
Dr.Sujit 講演会
愛知県 ACHP
17
四国新歓(WS)
香川県
17
アフリカの音楽に酔いしれる
9月 11-13
夏ツアー②
17-21
APRM / Activities Fair にブース 出展
19
中国新歓(WS)
22
チャリティコンサート
島根県
「秋田×アフリカ Music Live」 秋田県 AVP 25
関東新歓(WS)
東京都
三好康広先生によるスタッフ向け講演会 東京都 AVP
9
ぬいぐるみ病院大学代表者ミーティング
21
HLP in 日本大学
22
ザンビア風お好み焼きが関西に やってくる! ~ザンビアに診療所を建てる学生たちの挑戦~ 大阪府
AVP
23、31 カンボジア渡航記 国際協力キャリアプラン オンライン勉強会(Skype) 29
LAMP×CoMT 合同イベント 東京都 CoMT
11 月
7月 2
東京都 AVP・TBH
(Skype) TBH
抗菌薬の適正使用(薬剤耐性対策) の啓発(Facebook)
宮崎県 CoMT
10 月
チャリティーコンサート 東京都 AVP
18
岩手県 CoMT
宮城県
山形県 飛島における地域医療勉強会(Skype)CoMT
17
東京都 TBH
第2回学生団体総選挙出場 東京都 TBH
3
日本総会にて Activities Fair にブース出展 東京都
2
ACHP,AVP,CoMT,TBH,HLP
ぬいぐるみ病院大学代表者ミーティング (Skype)TBH
49
12 月 1
World AIDS Day に向けての HIV/AIDS の予防・ 早期発見 啓発(Facebook)
2-3
Public Health Training 東京都
9
学生団体総選挙に出場
12
こうとう子育てメッセ 出展 東京都 TBH
東京都 AVP
2018 年 1月 6-7
AVP 総会「私たちができることは何だろう? ~アフリカ×国際保健~」 東京都 AVP
3月 1-7
春の世界総会 エジプト
7-29
ザンビア春派遣(7名) AVP
28-30
第5回 ぬいぐるみーてぃんぐ 静岡県 TBH
4.今後の展望・課題 SCOPH-Japan では【地域と人を見つめ、“健康”を創造する。】ことで「自分の地域の健康を守る方法」の自 分なりの答えを見つけようと日々プロジェクトごとに活動しています。その活動への参加を通じてより多くの医 療系の職に就く人材が公衆衛生的な視点を持って、これからの医療・介護・保健衛生について考え、行動して欲 しいと考えています。特に医療者は憲法 25 条のプロフェッショルとしてそれぞれの立場から日本国民の健康を 守るリーダーシップを取り、国内外で活躍すべき存在です。SCOPH-Japan でもそのような姿へと成長していく 人材を沢山輩出をしていきたいと考えています。 文責│久留米大学5年 勝見 英聴
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Asia Community Health Project│SCOPH 1.活動理念 Asia Community Health Project (以下 ACHP) は日本とアジアの国々をつなぐ「架け橋」となり、アジアの貧 困地域に住む人が健康に暮らせるようになることを⽬指し、年間を通して様々な活動に取り組んでいます。 「今できることを今しよう。 」という活動理念のもと、学生という枠にとらわれず幅広い視野を持って自分たち にできることを考え、以下の3つの Mission を柱に活動しています。 【学び】 アジアの社会的・医療的現状を学び、私たちに求められていることが何であるのかを理解する。 【発信】 人々にアジアの貧困地の現状や自分たちの活動を伝えることで、国際協力の普及啓発を行う。 【実践】 アジアの貧困地区への医療の波及・アジアの人々の健康への意識の向上に貢献する。
2.今年度の主な活動 1.Dr. Sujit 講演会開催 2.チャイルドスポンサーシップ 3.フェアトレード 4.インド派遣 今年度の活動は主に以上の4つに分けられます。 ACHP は 2012 年より、インドのコルカタにある NGO、Institute for Indian Mother and Child(以下 IIMC) と提携しました。それ以来毎年、年間を通して学生ボランティアをコルカタへ派遣しています。IIMC は診療所、 小学校・中学校・高校の建設及び運営、マイクロクレジットによる貧困家庭への無担保での小額融資、女性の社 会的地位確立に向けた取り組みなど、あらゆる方面からコルカタの貧困地域に住む人の健康と生活をサポートし ている NGO です。 1.Dr. Sujit 講演会開催 Dr. Sujit は IIMC の創設者のインド人医師です。Dr. Sujit 来日講演は 2013 年より開催しており本年度は筑波大 学、東京女子医科大学、群馬大学、名古屋大学の 4 箇所での開催となりました。講演会には医療系学生のみなら ず、文系学生、大学教授も含め 80 名もの方にご参加いただきました。講演会会場ではフェアトレード商品の販 売を行い 17,500 円を売り上げました。この売上は全額 IIMC に寄付しました。また、群馬大学のサークル有志 メンバーが新たに1人のチャイルドスポンサーシップ(後述) を結びました。
[名古屋での講演会の様子]
[講演中の Dr. Sujit]
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2.チャイルドスポンサーシップ ACHP でのチャイルドスポンサーシップは 2015 年より IIMC の教育支援活動に賛同した ACHP メンバーによっ て始まりました。現在 ACHP では、月 3000 円のスポンサー契約をインドの PUJA(プジャ)ちゃん (14 歳)、 ROUSONA(ロウソナ)ちゃん (6 歳) と結び、スポンサーチャイルドの教育に関わるお金、その子が必要とす るものなどの支援を行っています。このチャイルドスポンサーシップの最大の特徴としては、スポンサーチャイ ルドにはお金としてではなく、教育用品となって支援金が還元されるということです。また現地まで行かずとも 日本でできる支援であること、スポンサーチャイルドと手紙や写真などを送りあうことができ子どもたちの成長 を感じながら支援を行うことができることも特徴です。今年度の活動での、Dr. Sujit 講演会や派遣報告のオフラ インイベント、Skype を通してインドの子どもたちの現状を広く知ってもらい新たにロウソナちゃんの支援を開 始することができました。
[チャイルドスポンサーシップ支援金の使い道]
[PUJA]
[ROUSONA]
3.フェアトレード 「フェアトレード in 大学祭」は、IIMC の女性の empowerment(ここでは経済的自立という意味)を⽬指す活 動の一環として行っています。ACHP メンバーがデザインした商品(ブックカバー、エプロン、ハンカチ、アク セサリーなど)を、IIMC 内にあるソーイングユニットで働くインド人女性達が手作りしており、インド派遣スタ ッフが商品を日本に持ち帰ります。そして学祭を中心にそれらのフェアトレード商品を販売しています(地域イ ベントでの販売も有)。売り上げた利益の 100%が IIMC へ還元され、ソーイングユニットで働くインド人女性 の給料や IIMC の運営費として充てられます。このプロジェクトではインド人女性の経済的自立を支援するのみ ならず、それに伴うコルカタ地域の健康増進、発展を支援しています。今年度はフェアトレード商品の販売のみ ならず、IFMSA-Japan 日本総会での Activities Fair にてブースの出展、4回に渡って Skype 上でのオンライン 勉強会を行い、スタッフらのフェアトレードに関する知識を深めたり、HP 作成に着手したりといった幅広い活 動を展開しています。
[各大学出展の様子] 52
【フェアトレード in 大学祭 参加大学と売り上げ金額】 -旭川医科大学
大学祭 69,800 円、合同文化祭 24,000 円
-岩手医科大学
41,300 円
-大分大学
75,500 円
-香川大学
19,900 円
-鳥取大学
16,800 円
-産業医科大学
6,200 円
-群馬大学
26,000 円
-佐賀大学 -Dr. Sujit 講演会
17,500 円
(名古屋、筑波、女子医科、群馬大学) 総額 314,500 円
[エスニックなデザインが光る商品]
[スタッフが考えたデザイン案を基にして、出来上がったブックカバー]
[日本総会にて開催された Activities Fair での出展風景とポスター]
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4.インド派遣 今年度は夏期に 4 名、冬期に 1 名、春期に5名の学生ボランティアがコルカタの IIMC に派遣されました。この 派遣には IFMSA-Japan の個人会員でスタッフ登録をした学生なら誰でも行くことが出来ます。現地では診療所 での血圧測定や無医村地区の訪問診療同行といった医療ボランティアを始めとし、マイクロクレジット事業の見 学、日本で売るフェアトレード商品製作へのアドバイスとサポート、学校訪問、チャイルドスポンサーシップ見 学などを行いました。医療行為はボランティアの医師が行います。帰国後は Skype にてオンライン派遣報告会 を実施しました。
[スポンサーチャイルドの ROUSONA ちゃん訪問]
[住民に犬・蛇の咬傷についてポスター発表する様子]
3.今後の展望・課題 ACHP は現在 IFMSA-Japan において 130 人以上のスタッフが所属する大きなプロジェクトです。全員の熱意 をうまく汲み取ってカタチにするためには、現在行っている活動を漫然と続けるだけでなく常にアップデートし ていくことが大変重要です。 フェアトレードでは今年度、学祭での参加大学を新たに増やすことが出来ました。より多くの場所で販売を行 い、IIMC への寄付のためだけでなく ACHP の活動そのもの、インドや貧困地域の現状を広く知ってもらうため にさらに活動を展開していきます。チャイルドスポンサーシップについては、2017 年現在で 6 人の子どもたち が日本との IIMC スポンサー契約を結び、教育支援を受けています。他国の支援状況に比べ、日本からの支援は 圧倒的に少ないのが現状です。フェアトレード同様、広く活動そのものを多くの人々に知ってもらうため、HP や SNS などを活発に使い日本、世界全体への広報を行っていきます。 新たな試みとして、ACHP の各部署(チャイルドスポンサーシップ、フェアトレード、インド派遣、イベント 運営)の幹部による動画も作成し、公開する予定です。新たなスタッフや一般の方々に時間を指定して Skype で オンライン説明会をするのにも限界があります。この動画が完成することによって、より多くの人が自分のタイ ミングで ACHP について知り、もう一歩進んだ活動を行うことができます。 文責│大分大学3年 津村佳希
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Africa Village Project│SCOPH 1.活動理念 私たち Africa Village Project(以下 AVP)は 「アフリカと日本をつなぐ地球人になる ~アフリカを吸収・発信する~ ~個人の価値観を広げる~ ~直接的還元と間接的還元を通じて、アフリカ発展の一助となる~」 というビジョンの下活動しています。普段日本にいては接する機会が少ないアフリカの医療・文化について学生 自身が学ぶとともに、日本にいる多くの人にも知ってもらい、最終的にはアフリカの地域の人たちの健康・生活 に貢献することを⽬指しています。
2.今年度の主な活動 ■ザンビア派遣 今年度には、夏に4名、春に7名の計 11 名のスタッフをザンビアに派遣しました。現地では、首都ルサカでの 大小様々の医療施設の見学、ザンビアで活動する日本の NGO による活動の視察、無医村地区マケニ村への5日 間にわたる滞在により、現地の医療・文化を多角的に学びました。ザンビアの現地の人と実際に話すことで現地 の人の考えや生活を感じ、ザンビアで活動する NGO や JICA 職員の方と話したことで、スタッフ一人一人が国 際協力の多様性とそこでの考えを知ることができた派遣となりました。
■アジア太平洋地域会議、日本総会での Activities Fair 出展 AVP の活動のうち、ザンビアの農村での診療所建設を支援する「ザ ンビア・ブリッジ」企画(後述)について参加者に説明を行いま した。ザンビア・ブリッジは現地の健康を現地の人自らの手で守 っていくことを⽬指すとともに日本の人に対しアフリカの文化を 伝えていく活動であるということを発表しました。ブースを訪れ た人には興味深く聴いてもらえ、質問も多く飛び交いました。
[ザンビア夏派遣での村での滞在]
[APRM Activities Fair で用いたポスター] 55
■AVP 総会 国際保健の現場で活動する先生や、国際協力を行う学生団体に参加していただき、学生が国際協力に関わってい くにはどのようなことができるか、その思いをお互いにプレゼンテーション、クロストークを通して語り合うこ とができたイベントとなりました。また、スタッフ同士のみのプレゼンテーションや、講師の先生をお呼びして、 ザンビア・ブリッジ企画という実際の例をあげながらスタッフ向けに発展途上国におけるフィールドワークを学 ぶ勉強会を行い、より実践的な知識を得ることもできました。
■三好康広先生によるスタッフ向け講演会 ザンビア派遣でお世話になっている、ザンビアの病院で勤務されている産婦人科医・三好康広先生にお越しただ き、スタッフに対する講演会を行っていただきました。ザンビアでの地域医療、特に産婦人科医療の現状を事細 かに教えていただいき、またキャリアパスについても多くの質問に答えていただきました。将来学生が国際保健 分野へと関わることを考える上で大変参考となるものでした。
■ザンビア・ブリッジ企画 「ザンビア・ブリッジ~マケニ村に 9500 人の命を守る診療所を建てたい~」は 2017 年度春から開始した新た な企画です。アフリカのザンビア共和国におけるマケニ村での診療所建設を支援します。全国の祭り、大学祭に おけるお好み焼きの販売、チャリティコンサートの開催、寄付などにより得た資金が建設資金として使用されま す。資金を集めるだけでなくアフリカと日本における文化の交流にも力を入れています。今年度で約 108 万円 の資金が集まり、診療所も徐々に形となってきています。また、ザンビア・ブリッジに関連した勉強会なども行 い、スタッフが実践的な国際協力について学びました。
[AVP 総会 先生と参加者集合写真]
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[マケニ村で建設されている診療所]
[ザンビア・ブリッジ企画出店]
3.今後の展望・課題 今年度はザンビア現地を支援する活動がスタートしましたが、プロジェクト内で活動するメンバーが限定的とな っていたため、より多くのスタッフが共同して活動していくことが課題だと考えております。来年度は日本国内 でできる新たな活動をスタッフで考え、国内に対してインパクトを与えることができることを⽬指します。また、 全国に広がるスタッフが活動していくために今年度は少なかったオンラインでの勉強会やディスカッションの 場を広げていきます。 文責│愛媛大学2年 玉井葉奈
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地域医療ツアープロジェクト│SCOPH 1.活動理念 地域医療ツアープロジェクト(以下、CoMT)は、 「 『地域医療』を感じ、広め、医療を変える」ことを⽬指して活動しています。 地域医療=へき地医療という概念ではなく、その地で、医療を必要とする人がいて、そこで医療が行われている ならば、それこそが地域医療であると私たちは考えています。 具体的には、 ・自分たちの興味のある場所、テーマなどをもとに一からツアーを作り上げる ・事前に勉強会を開き、学びたいこと、見てきたいことを認識する ・実際におもむき、見て、聞いて、感じる ・ツアー終了後には、振り返り、報告会などを通して、より多くの人に学んだことを伝える といった活動をしています。 将来医療従事者として社会に出たときに、ツアーを通して経験したこと、得られたことを活かせるように日々活 動しています。
2.今年度の主な活動 ●2017 年度 夏ツアー 岩手県 陸前高田市、西和賀町 ひとくちに地域医療と言っても、日本で 2 番⽬に大きな岩手県。県内においても、地区によって医療のカタチ は様々です。そこで今回は、①東北大震災後の医療 ②元祖地域医療 の2つのテーマのもとツアーを行いまし た。 東北震災後の医療―陸前高田市 2011 年 3 月 11 日、東北地方を中心に甚大な被害を受けた東日本大震災。あれから 7 年の月日が経とうと している今、あの日のことを、そしてそこに暮らす人々のことを一体どれくらいの人が忘れずにいるのか。 陸前高田市では、市役所・病院訪問、および、語り部ツアーに参加しました。震災直後の様子から、現在に 至るまで、さまざまな立場の人々が何を思い、どのように生きてきたのか。改めて考えさせられる機会とな りました。 元祖地域医療―西和賀町 西和賀町(旧沢内村)は、地域が一体となった医療・保健活動で全国に名をはせました。 過去から現在における西和賀町の医療のカタチを、西和賀さわうち病院や役場への訪問を通し、医療、介護、 福祉の視点から見つめました。 なぜ、豪雪、貧困、多病と言われた西和賀町が地域医療の先駆けと成り得たのか。これには、村の行政改革や 交通の整備などが大きく関与しています。さらに、一地方の医療を変えていくためには何が必要だったのか。 当時の村長や、医療従事者、地域の方々も一体となっての努力がいかに重要だったのかを感じることが出来ま した。 58
[語り部ツアーに参加中]
[猊鼻狭にて観光]
●2017 年度 夏ツアー 宮崎県 延岡市 医師不足、医療費の増加、コンビニ受診…日本全国、とりわけ地方においてはこのような問題が地域医療に与え る影響はとても大きいです。 宮崎県延岡市では、大貫診療所の榎本先生のご厚意により、診療所見学、市役所訪問、宮崎県北の地域医療を守 る会の会合や勉強会への参加など様々な経験をすることができました。延岡市では、地域の医療は自分達の力で 守っていかなければならないという信念のもと、全国で初めて地域医療に関する条例を成立させました。また、 宮﨑県北の地域医療を守る会では、子ども達と医師とをつなぐありがとうカレンダーの作成、コンビニ受診抑制 のための啓発運動などを行っています。 このようなことから、地域医療を守るためには、住民の方々の医療に対する意識の高さも重要であると学びまし た。また、病気を診るだけではなく、交流の場、憩いの場ともなっている延岡診療所の在り方から、これからの 医療において大切なものは何かを学びました。
[大貫診療所にて、榎本先生との対談中]
[宮崎県北の地域医療を守る会のみなさんと]
●LAMP 法×医学生学術交流会 SCORP(人権と平和に関する委員会)のプロジェクトの一つである、LAMP(法学生と医療社会問題について学 術交流するプロジェクト)が開催しているイベントに参加しました。今回のイベントは、座学だけでは知る事の 出来ない地域医療の現状を、実際に体感した CoMT のスタッフからぜひ伝えてほしいということから実現しまし た。私たち CoMT スタッフは、法学部生との交流を通し、医学生とはまた異なった視点で医療について考えるこ とができました。また、CoMT からは、宮崎県でのツアーを通して学んだことを発表したりワークショップをし たりして、自分たちが感じたことをより多くの人に伝えることができました。
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3.今後の展望・課題 3月には、2017 年度最後のツアーを行うこととなりました。CoMT のツアーでは、残念ながら一度にたくさん の参加者を募ることは難しく、開催するツアーの回数にも限りがあります。しかしながら、自分達の手で一から ツアーを作り上げていくためには多くのスタッフの協力が欠かせません。そのため、常日頃よりスタッフとコミ ュニケーションをとり、少しでも CoMT の活動、地域医療について興味を持ってもらうことが大切になります。 また、より多くの人に、ツアーを通して感じたことや考えたことを伝える機会が必要となります。今年度行った ツアーに関してはまだその機会を提供できていないため、今後オンラインでの勉強会やイベントを通して広めて いきたいと思います。
文責│福岡大学4年 才宮 万季
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Healthy Lifestyle Project│SCOPH 1.活動理念 Healthy Lifestyle Project(以下 HLP)は生活習慣病をはじめとする Non-communicable diseases(NCDs: 非 感染性疾患)の予防をするために何をすれば良いのかを考え、実践形式でヘルスプロモーションをしていく こと を⽬的とするプロジェクトです。 「すべての人々が身体的、精神的、社会的に健康に生活できる世界を実現 する。 」という理念のもと、 「NCDs の予防を広めるために、学び、実践し、発信する。そして行動を変える」を 掲げて健康的な生活の提案をしてきました。今年度はこれまでよりも多くの地域にその考えを広め、更にスタッ フの知識とプレゼンンテーション能力の向上に重きを置きました。また日本での HLP の活動は世界的にも稀で あり、この活動の重要性を世界にも発信していく活動にも取り組み、各国からの意見も取り込みながらより良い 活動にすべく工夫してきました。
2.今年度の主な活動 HLP in 日本大学 2017 年 10 月 21 日に「睡眠と薬膳料理」というテーマで IFMSA-Japan 日本大学支部にてローカルイベント を開催しました。より良い睡眠を得るために必要な食習慣をトマトリゾットやバナナプリンなどの料理を実際に 作ることによって参加者とともに実践しました。総勢 10 人が参加しました。医学的な観点から、睡眠の大切さ、 そして睡眠をするために必要なものは何かを、実際に手を動かしながら体験することができました。 Menu ホタテと雑穀のトマトリゾット、 かぼちゃとエビのポタージュ 、バナナプリン Contents 睡眠
[(左)調理実習の様子/ (右)完成した薬膳の Tips を加えた料理]
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HLP in 北海道大学 2017 年 12 月 9 日(土)、IFMSA-Japan 北海道大 学支部にて「1 年生だけで何かしたい!」という 思いでローカルイベントを開催し、5 人が参加し ました。メニューは「スープカレー&スムージー」 で、スープカレーは北海道名物であり、普通のカ レーよりもカロリーが低く、野菜もたくさん入っ ているので健康に良い、ということから作ること を決定しました。また、作るだけではなく、栄養 学と疾病予防の効果がある食材の組み合わせを 学びました。 Menu スープカレー・スムージー Contents 栄養素について・食材の組み合わせ方
HLP in 北海道 2018 年 2 月 11 日(日)、 札幌市北区民センターに て「体を温める食事、睡眠 と食事」という 2 つのテー マでイベントを開催し、 12 人が参加しました。イ ンフルエンザが流行する 季節に合わせ、食事から疾 病を予防し、健康的な生活 で冬を乗り切るという⽬標の下、午前は調理を行い、午後はワークショップ形式で先ほど自分たちが作った料理 は何を意味していたか、そしてその料理の根底にある薬膳の知恵を学びました。また、バランスの良い食事につ いて、食べる順番と健康について、睡眠についてのワークショップも実施しました。 Menu:生姜ホットケーキ、ローストビーフ、生春巻き、かぼちゃのサラダ、シナモンチャイティー Contents 体を温める食事・睡眠と食事
3.今後の展望・課題 これまでに HLP のイベントが行われた地域はいずれも大都市に集中し、来年度はもっと地方での開催を含めて 計画してゆくべきだと考えています。そのためには、今年度行ったようなローカルのイベントをパッケージ化し、 HLP が提供するという形でより多くの人々に HLP のイベントに参加していただき、日々の生活が少しでも健康 的なものとなるようにして行きたいと考えます。また、他のプロジェクトとの連携を深め、参加者の年齢層の多 様化を図っていきたいと考えます。 文責│久留米大学 5 年 勝見 英徳 北海道大学 1 年 小川 夏佳 62
ぬいぐるみ病院プロジェクト│SCOPH 1.活動理念 ぬいぐるみ病院は、 「子どもたちがより健康になれるよう広く働きかけ、ぬいぐるみ病院に参加した子どもた ちが将来にわたって周囲も巻き込んで健康に近づけることを⽬指す」を Vision とし、活動を行なっています。
2.今年度の主な活動 ぬいぐるみ総会などのイベントを通して、ぬいぐるみ病院の活動を広げるとともに、実施方法や子どもへのア プローチ方法を学び、共有しました。 また、各大学において、医療への恐怖心を軽減し、医療に興味を持ってもらうための「ぬいぐるみ診察」と正 しい健康知識を伝え、子どもたちの生活に還元できるようにする「保健教育」を行いました。 以下に、日本でぬいぐるみ病院の活動を行なっている大学を示す(2017 年 12 月 31 日現在 41 大学)。なお、 赤文字は、2017 年に新たに活動を開始した大学を示しました。
63
◯第 11 回 ぬいぐるみ総会 年に1度、全国のぬいぐるみ病院活動を行う仲間 (通称 ぬいぐらー) が集まるイベントです。今年度は「何 か新しいことがしてみたい」 「より良い活動をしてみたい」 「新しくぬいぐるみ病院をはじめたい」という方へ向 けて、“ぬいぐるみ病院”と“Innovation”での造語、 「ぬいのべーしょん!!!」をテーマとして東京の国立オリ ンピック記念青少年総合センターにて2泊3日の日程で開催しました。各大学でぬいぐるみ病院の活動を行なっ ている人だけでなく、新しい大学でぬいぐるみ病院を立ち上げようと考えている学生、ぬいぐるみ病院の活動に 興味のある一般の方を含め 46 名の方に参加していただきました。下記にプログラムの内容について記載します。 ・コラボレーション企画(SCORA、APS-Japan) 今年度は IFMSA-Japan の SCORA (性と生殖/AIDS に関する委員会)と APS-Japan(日本薬学生連盟)とのコラ ボレーション企画を行いました。SCORA との企画では、子どもの性の在り方に関して学び、ぬいぐるみ病院に おける性への配慮について考える WS を行いました。APS-Japan との企画では、子どもに薬についての教育を 行なっている PPAC (Pharmacy Profession Awareness Campaign/薬剤師認知向上+医薬品適正使用推進運 動) の活動を教えていただき、そのノウハウを学びました。 ・活動共有 (シェアぬい) 大学によって保健教育の内容や診察でのこだわり、勉強会の内容などに様々な工夫があるため、活動内容のプ レゼンテーションや、実施に使うグッズや台本の展示を通して、共有を行いました。 ・学習系プログラム 実施等で日頃用いるが、低学年では正しい使い方をあまり学ばない医療器具 (聴診器、体温計、注射器、包帯、 レントゲン) の知識、正しい使い方についてのレクチャーと実践を行いました。
[コラボレーション企画の様子]
[学習系プログラムの様子]
・保育園実施 今年度は、3つの保育園 (かっぱの家保育所、鳩の森保育園、向原保育園)にて保育園実施を行いました。ぬ いぐるみ診察や、2 日⽬に作成し練習した保健教育(手洗いうがい、薬について)を通して、3日間で学んだノウ ハウを実践しました。
[実施の様子1] 64
[実施の様子2]
◯第2回 学生団体総選挙 第 2 回学生団体総選挙は株式会社 賢者屋 主催で、東京大学伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホールにて開 催されました。2017 年 6 月にキャリア・教育部門にエントリーをしたところ、一次審査を通過したため、当日 の部門選考でのプレゼンテーションを行うことができました。全国より 64 団体が各 5 分間プレゼンテーション を行いました。プレゼンテーションで語られた各団体の「想い」 「取組内容」 「今後のビジョン」を元に企業代表 者による審査が行われ、一般参加者へ向けたファイナリスト決勝戦進出が決定する、というものでしたが、ぬい ぐるみ病院プロジェクトの進出はかないませんでした。
◯ぬい LAB 11 月より、 “ぬい LAB”と称して、オンラインでの勉強会を企画しました。2018 年 1 月 25 日の段階で、3 回行われましたが、細かい内容については、以下に掲載します。各回を通して、自身のスキルアップや、新たな 考え・知識の共有を行いました。 第 1 回 プレゼンマスターを⽬指せ 参加者が事前にインフルエンザをテーマに 3 分間のプレゼンテーションを作り、発表し、それらに対するフィ ードバックを行いました。 第 2 回 医療的ケア児について 医療的ケア児についての実情を学び、その課題と解決方法を考えるワークショップを行いました。 第 3 回 ぬいの限界…ってどこ? ぬいぐるみ病院の活動を振り返るとともに、あまり取り組まれてこなかった新たな保健教育について考えるワ ークショップを行いました。 第 4 回 小児の発達段階と実施での接し方を学ぼう 子どもの発育について学び、実施でのより良い伝え方を考えるワークショップを行いました。
◯第 5 回 ぬいぐるみーてぃんぐ ぬいぐるみ総会と同様に、全国のぬいぐらーが集まるイベントです。今年度のぬいぐるみーてぃんぐは「ぬい ぐるみ、外から見るか?中まで見るか?」をテーマとして、静岡県の弁天島の開春楼の一室で開催しました。ぬ いぐるみ総会と同様に、28 名のぬいぐらーに参加していただきました。下記にプログラムの内容について記載 します。 ・学習系プログラム 自閉症や注意欠陥・多動性障害といった発達障害を持った子に対して、実施中におけるアプローチ方法を考え るワークショップを行いました。 ・活動共有 (シェアぬい) 実施先の探し方、他大学との連携方法、モチベーションの維持などの各大学が抱えるお悩みを解決するために、 参加者の案を募り、処方箋、という形で提案しました。 ・コラボレーション企画 (チーム医療プロジェクト) ぬいぐるみ病院の活動では、医師、看護師以外の職種について扱う場合があり、SCOME(医学教育に関する 65
委員会)のチーム医療プロジェクトとの企画を通して、他職種についての理解を深め、子どもへの伝え方につい て議論しました。
3.今後の展望・課題 現在ぬいぐるみ病院を実施している大学は 41 大学となり、今後もさらに増えていくことが予想されます。各 大学で特色のある活動が活発に行われており、その強みを活かす一方で、大学間での活動内容・アイディアの共 有、プロジェクト全体における理念・⽬的の共有、活動の質の向上が求められています。ぬいぐるみ病院プロジ ェクトで企画するイベントや LINE 通話や Skype を利用したミーティングなどでの活動共有や勉強会の実施の継 続を行い、各大学同士が連携し、お互いの活動内容を知り、活動の質を向上させることができる環境づくりを実 現していきます。また、ぬいぐるみ病院の活動における活動の評価についても、ぬいぐるみ病院プロジェクトが 主体となり、長期的に調査を行い、評価をしていきます。 文責│筑波大学2年 森本健太
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性と生殖・AIDS に関する委員会
7. SCORA│性と生殖・AIDS に関する委員会 1.活動理念
性と生殖・HIV/AIDS に関するワークショップ、勉強会、フィールドワークなどを通じ、医学生/医療系学 生同士の学び、交流の場を提供する。
医学生 / 医療系学生が性と生殖・HIV/AIDS について深く考え、互いに問題意識を高め合う。
性と生殖・HIV/AIDS に関する問題への解決方法をスタッフ自らで模索し、行動に移す。医療系学生が HIV/AIDS の問題に関心を持つことで、今日の日本の医療にみられる HIV/AIDS への偏見を改めることを ⽬指す。
日本国内の HIV 感染爆発防止に貢献する。
2.今年度の主な活動 今年度はオンラインよりも「顔を合わせて行うイベント」を増やすことを重視し、医療系学生及び一般市民へ学 びの場を提供する新しいイベントを多く開催しました。また、今までになかった地域で Peer Education(ピア エデュケーション)を始めたり、性の多様性や性感染症予防を呼びかける運動をこれまで以上に大きく拡大した りと社会への発信力を高めた一年となりました。昨年度から継続して活動しているスタッフに加えて新しく活動 を始めたスタッフが増えたこともあり、毎年行っている活動を改革しつつ新たな試みにも数多く挑戦することが できました。 ◇SCORAngels の集い (スタッフ勉強会) (日時)2017 年 8 月 26 日 13:00~18:40 (場所)東京女子医科大学 (対象)SCORA スタッフ 35 人 (⽬的)普段オンラインでしか顔を合わせること のできないスタッフ間でのコミュニケーション、 性に関する知識の向上/学びの共有
[全体集合写真]
(内容) 1.STI session 楽しみながら STI の知識を身に着けられる SCORA オリジ ナルのクイズかるたで競い合いました。また STI に関する 3 つのテーマについて自分だったら、パートナーだったら …など想像力を膨らませ話し合いました。 2.世界総会 報告会 March Meeting 2017(春の世界総会、以下 MM) に参加し [STI クイズかるたの様子]
たスタッフから MM における SCORA の session について、 各国の SCORA がどのような活動を行っているのかを報告 しました。 69
3.Rainbow session セクシャルマイノリティーの方にこれまでの人生やカ ミングアウトに関してお話ししていただきました。全 てのセクシャリティの人が生きやすい社会にするため にどうしたらいいのか考えるきっかけになりました。 4.Peer Education session 小学 5 年生と幼稚園年長の子供へのピアを計画し、先 生方との模擬打ち合わせの形で発表を行いました。 [ピア模擬打ち合わせの様子]
◇Skypeer (Skype を用いた勉強会)
(内容)スタッフがプレゼンテーションをしたり、
(日時)不定期開催
テーマについてスタッフ間で話し合ったりします。
(場所)Skype(オンライン)
(テーマ例)避妊・HIV/AIDS・デート DV・LGBTs・
(対象)SCORA スタッフ・興味のある方
カミングアウト・ APRM(アジア太平洋地域会議)の
(⽬的)スタッフ間のコミュニケーション・ 知識向上 SCORA セッションの報告等
[第3回 Skypeer のスライド]
[第5回 Skypeer のスライド]
◇第一回 AIDS 文化フォーラム&性教育フォーラム in NAGOYA (日時)2017 年 9 月 24 日 (場所)愛知県名古屋市 南山学園講堂 (対象)AIDS 文化フォーラムの来場者 (内容)全国各地で HIV/AIDS に取り組む団体・個人の発表・交 流の場である AIDS 文化フォーラムにてブース出展及び日本薬学 性連盟と共同で若者のデート DV をテーマにした演劇「モバイルコ ミュニケーション・クライシス」を行いました。 ◇とちぎワカモノフェスタ (日時)2017 年 12 月 3 日 (場所)栃木県
[AIDS 文化フォーラムにて演劇発表]
]
表
(対象)フェスタの来場者 (内容)若者の不登校やひきこもりに対する社会的偏見の解消 や様々な関係者によるネットワークの構築を⽬的としたイベン ト 「ワカモノフェスタ」にて、ブース出展を行いました。今年 度は「共につくる虹の世界」をテーマに開催され、SCORA は主 に普段の活動や LGBTs について来場者に啓発しました。 70
[とちぎワカモノフェスタにてブース出展の様子]
]
◇SCORA 総会 (日時)2018 年 3 月 17 日 (場所)東京女子医科大学河田町キャンパス (対象)SCORA スタッフ、性と生殖に興味のある医療系学生 (⽬的)子供たちの性教育を取り巻く日本のこれまでの流れと現状をドキュメンタリーを視聴して考えたり、セ クシャルマイノリティが感じる社会の中での「生きづらさ」を、SCORA オリジナルのボードゲーム「人性ゲー ム」を通して体験したりするワークショップ行いました。また、HIV/AIDS を専門に国連職員として活動された ご経験のある高井明子さんをゲストとして迎え、性に関係する非言語的コミュニケーションに関するワークを行 いました。
[SCORA 総会でのワークショップの様子]
◇Peer Education Project (詳しくは Peer Education Project の活動報告をご覧ください。) 今年度も小学生、中学生、高校生に向けた性の出張授業である Peer Education Project を全国各地で行いまし た。大学生という同年代の若者だからこそ届きやすいメッセージがあります。性に関する正しい知識を持っても らうこと、多くの若者が性について考え責任をもって行動するきっかけとなることを⽬標に今後も更なる発展を ⽬指し活動します。 愛知サマーセミナー2017 Peer Education 【日時】2017 年 7 月 15 日 【場所】東海学園高校 【内容】思春期である高校生の多くが抱える性に関する悩みの中でデート DV・妊娠・中絶・出産と普段聞きづ らい内容を年齢の近い大学生から教えました。また、実際にコンドームの付け方についてレクチャーを行い多く の高校生にコンドームに対して正しい知識・使用方法を知ってもらいました。
71
[愛知サマーセミナーでの授業の様子]
◇Rainbow Frag Project (詳しくは Rainbow Frag Project の活動報告をご覧ください。) 多様な性の在り方や LGBTsを取り巻く問題について多くの人に知ってもらい、考えてもらうためにレクチ ャーとワークショップを実施しました。また、各地域のレインボーパレードに参加し、全てのセクシャルマ イノリティの人にとって居心地のよい社会を考えて発信していきました。 東京レインボープライドパレード・事前勉強会「みんなで歩こう~青空の下、虹色の教室~」 【日時】2017 年 5 月 7 日 【場所】東京 代々木公園 【内容】セクシャリティに関わらず皆が暮らしやすい社会を⽬指して、東京・渋谷を焼く1時間かけて練り 歩きました。外部団体の「Revo∞Link」さんのフロートに参加させていただき、セクシャリティに関わらず だれもが自分らしくいられる教育を実現するためのアピールを行いました。SCORA としてパレードへの参 加の前にセクシャルマイノリティについて学ぶスタッフおよび一般参加者向けの勉強会を開催し、代々木公 園の一角にて LGBTs と教育についての簡単なワークショップを行いました。
[東京レインボープライドパレードの様子]
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[事前勉強会の様子]
◇STI Prevention Project (詳しくは STI Prevention Project の活動報告をご覧ください。) 近年の性感染症(Sexually Transmitted Infection: STI)の流行に鑑み、SCORA では医療系学生を中心とし て正しい STI の知識を身に着け、STI 患者の心の問題や社会的背景にまで理解を深める機会を提供すること を理念として、今年度より STI Prevention Project を開始しました。 World AIDS Day キャンペーン 【日時】2017 年 12 月 1 日 【場所】東京・名古屋での街頭キャンペーン/Facebook を主体としたオンラインキャンペーン 【内容】12 月 1 日の世界エイズデー(World AIDS Day、以下 WAD)に合わせ Facebook 上でオンライン の啓発キャンペーンを行いました。情報が見た人に簡単に伝わる工夫を施された Infographics の手法を用 いて若年層をターゲットとした画像を作成し、4日間に渡って HIV/AIDS の基礎知識や予防法、検査につい ての情報を発信しました。 12 月 1 日と 23 日にはそれぞれ名古屋駅周辺、桜木町駅周辺にて世界エイズデーの認知と HIV/AIDS の予 防としてコンドームの使用を呼びかけました。同時に計 3000 個のコンドームの無料配布を行いました。
[WAD キャンペーンで作成した画像]
[WAD キャンペーンで作成した画像]
[WAD キャンペーンでの配布物]
[WAD 街頭キャンペーンの様子]
73
[WAD キャン
3.イベント一覧 2017 年 4月
9月
20 第 1 回 SCORA 会
徳島県
5 九州 STI 検査
福岡県
22 Youth がマイノリティーを考える
北海道
13 嘉麻小学校 Peer Education
福岡県
16 虹色どまんなかパレード参加
愛知県
17-20 Asia Pacific Regional Meeting 東京都
5月 7
東京レインボーパレイド
東京都
13
北海道新歓 WS
北海道
17
IDAHOT キャンペーン
21
九州新歓
福岡県
27
東北新歓
宮城県
6月 3
北陸新歓 WS
20 保健所ティッシュデザイン
徳島県
20 AIDS 文化フォーラム出展
愛知県
24 関東 STI 検査
東京都
10 月 11 関東 STI 検査
東京都
2 第 2 回 SCORA 会
徳島県
8 東海信州 STI 検査
愛知県
石川県
8-9 蔵本祭出展
3-4 北海道大学医学展出展
北海道
9 駿台市ヶ谷校舎講演
10
東海信州新歓 WS
愛知県
18 東北 SCORA 勉強会
10
ゆずりは学園 peer education
静岡県
31 県立金沢錦丘高校 Peer Education 石川県
11
関西新歓
大阪府
14
内灘高校 Peer Education
石川県
17
四国新歓
香川県
18
中国新歓
島根県
25
関東新歓 WS
東京都
25 LGBT・性的少数者とパートナーシップに 26 苫小牧工業高専 PeerEducation
3-5
NGA(日本総会)
23 『LGBT と教育フォーラム』
12 月
北海道
1 World AIDS Day キャンペーン 3 とちぎワカモノフェスタ出展
15 愛知サマーセミナーpeer education
愛知県
26 修猷館高校 Peer Education
福岡県
8月
東京都 石川県
栃木県
6 西条市丹原東中 Peer Education
愛媛県
23 WAD コンドーム配布キャンペーン 神奈川県 26 叩き愛イベント
北海道
2018 年
徳島 STI 検査
2-6 GA(世界総会)
徳島県 タンザニア
8
徳島 STI 検査
徳島県
23
北陸 STI 検査
石川・富山県
26
SCORAngels の集い(スタッフ MTG) 東京都
74
宮城県
3 WAD コンドーム配布キャンペーン 愛知県
7月
1
東京都
11 月
北海道
ついて知ろう!
徳島県
1月 6 STI 総会 7
Japan Peer Education Training
19 蓮台寺小学校 Peer Education
東京都 東京都 福岡県
2月 24 西遠学園 peer education
静岡県
26 嘉麻市熊ヶ畑小学校 Peer Education
福岡県
3月 2 狛江市立狛江第四中学校 peer education 東京都 5 南山女子学園 peer education
愛知県
16 琴似工業高校 peer education
北海道
17 SCORA 総会
東京都
4.今後の展望・課題 1.包括的なピアエデュケーションの実施 今年度はこれまでに実施の経験がなかった九州地域の小学校で新規の Peer Education を3回行うことができま した。また、東京、東北地域でもスタッフの母校を中心に新しい Peer Education の計画中です。来年度以降も 全国各地域で包括的な Peer Education の実施を⽬指していきます。 2.新プロジェクトの展望 今年度新しく設立された STI Prevention Project ではスタッフが夏休みに全国各地域の保健所にて性感染症検 査を受ける勉強会を行いました。今年度は HIV 検査がほとんどでしたが来年度は梅毒やクラミジアなど他の STI 検査にも足を運び、STI 検査へのアクセスのしやすさを分析し、検査を呼びかける啓発活動に役立てたいと考え ています。 3.他団体との共同企画 今年度は STI 総会にて創価大学西浦ゼミ team RE♡BBON さんとの共同ワークショップを行いました。来年度 も STI 検診率向上に取り組む仲間としてオンラインキャンペーンの共同企画などを行う可能性があります。 4.オンライン勉強会のさらなる発展 全国各地域にスタッフがいるため、顔を合わせて行える活動の回数には限度があります。そのため Skypeer(オ ンラインの勉強会)はスタッフにとって貴重な知識獲得・意見交換の場です。今年度はオフラインでのイベント が例年より多く Skypeer の機会が減ってしまいましたが、来年度以降は Skypeer の主催者を前もって決めるな どの工夫により、多くの Skypeer を開催することが望ましいです。 5.international team との連携 アジア地域、あるいは世界全体の SCORA とより連携を深めるためには、NORA(SCORA 責任者)だけでなくよ り多くのスタッフが他の国の SCORA に興味を持ち、主体的に関わっていくことが重要です。今年度は 2017 年 5 月 17 日の IDAHOT キャンペーンにて、日本語だけでなく英語、中国語、韓国語などでインターネットを用い て発信したりしましたが、アジア地域の SCORA と連携すればより多くのアジアの他の国の人に広げられると考 えられます。 文責│横浜市立大学医学部 3 年 西川裕里香
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Peer Education Project│SCORA 1.活動理念 Peer Education Project では、医療系の大学生が小学・中学・高校へ出向き、性の出張授業を行っています。 Peer には仲間という意味があり、性という少し話しにくいトピックスを打ち解けて話し合える仲間として、そ して医療系学生としての知識を生かした性教育を行っています。これらの活動を通して、一般市民、特に若者の 性に関する知識や意識を向上させることを⽬的としています。 性に関する知識について、スタッフ自らが知り考え、それを伝える方法を模索し実際に授業を展開し、受講した 生徒さんが、本プロジェクトが性に関する話をするのに有意義で効果的であったと感じてもらうことを⽬標とし て活動してきました。
2.今年度の主な活動 今年度は、Peer Education(ピアエデュケーション)を行う学校先が増え、活動的にピアエデュケーションを行 うことができた年となりました。また、今年度より Peer Education Project を見直し、プロジェクトの人員を 増加させる⽬的で、Japan Peer Education Training(JPET)を行いました。 ▶SCORA-Japan ●駿台市ヶ谷校舎講演 【対象・人数】医学部受験生(予備校生) 80 名 【日時】2017 年 10 月 9 日 【内容】駿台市ヶ谷校舎(医学部受験専門校舎)にて医学部受験生に向けて、大学入学後の「医学生の学びの場」 というタイトルで IFMSA-Japan および SCORA の紹介を行いました。 ●NGA(日本総会) Activities Fair 出展 【対象・人数】一般人、主に医療系学生 350 名 【日時】2017 年 11 月 3 日 【内容】IFMSA-Japan 最大のイベントであり全国の医学生が集合する日本総会にて SCORA の3つのプロジェ クトがそれぞれブース出展し、活動が社会に対して与えるインパクトをアピールしました。 ●Japan Peer Education Training 【対象・人数】SCORA スタッフ 33 名 【日時】2018 年 1 月 7 日 【内容】Peer Education Project に関するスタッフのスキル向上企画を行いました。Peer Education(性の出張 授業)にこれまで多く向かってきたスタッフが他のスタッフにスキルを教えたり、模擬 Peer を行いフィードバッ ク形式で高めあったりするトレーニングを行いました。また特別講師として岩室紳也先生(泌尿器科医、コンド ームの達人として性教育などの活動をされています。)をお招きし、性教育についてお話をうかがいました。 ●SCORA 総会 【対象・人数】医療系学生、一般人 40 名 【日時】2018 年 3 月 17 日 【内容】SCORA で扱っているテーマ(HIV/AIDS・LGBTs・デート DV・妊娠中絶・避妊など)をピックアッ 76
プし、参加者とスタッフが深く考え、それぞれの想いを共有するセッションを行いました。また、HIV/AIDS を 専門に国連職員として活動されたご経験のある高井明子さんをゲストとして迎え、HIV/AIDS 感染予防に関する 国際的な戦略についてお話を伺いました。 ▶SCORA 北海道 ●「Youth がマイノリティを考える」 【対象・人数】医療系学生 60 名 【日時】2017 年 4 月 22 日 【内容】IFMSA 北海道ほか若者を中心とする数団体が性や貧困、健康など様々な観点からマイノリティについ て考えました。 ●IFMSA-Japan 北海道新歓 SCORA ワークショップ(以下 WS) 【対象・人数】医療系学生 100 名 【日時】2017 年 5 月 13 日 【内容】LGBTs をテーマにしたロールプレイを通して、もしも自分が LGBTs 当事者だったら、そしてもしもあ なたの友達が当事者だったら、という視点から考えてもらうワークショップを行いました。 ●苫小牧高等専門学校ピアエデュケーション ステキな大人になるために~恥ずかしがらずに知ってほしい性のお話。 【対象・人数】苫小牧高等専門学校 1 年生 210 名 【日時】2017 年 6 月 26 日 【内容】HIV/AIDS・妊娠・避妊・中絶・コンドーム・性感染症・デート DV・LGBT についてゲーム等も織り込 みながら話をしました。 ●SCORA 北海道 叩き愛 【対象・人数】北海道大学・旭川医科大学・札幌医科大学の学生 16 名 【日時】2017 年 12 月 26 日 【内容】Training Office との合同企画。参加者がそれぞれ性に関するプレゼンテーション(HIV/AIDS・デート DV・コンドームの使い方・人工妊娠中絶・出産・避妊・ピルなど)を行い、その内容に関して意見を出し合い プレゼン技術や知識の向上を図りました。Training Office による Training も組み込み、より効率的にプレゼン 能力の向上を図りました。 ●北海道札幌琴似工業高校ピアエデュケーション 【対象・人数】 琴似工業高校 1 年生 320 名 【日時】2018 年 3 月 16 日 【内容】HIV/AIDS・妊娠・避妊・中絶・コンドーム・性感染症・デート DV・LGBT についてゲーム等も織り込 みながらお話しました。 ▶SCORA 東北 ●東北 SCORA 勉強会 【対象・人数】医療系学生 8 名 77
【日時】2017 年 10 月 18 日 【内容】妊娠・中絶、LGBTs について紹介し、それぞれの感想や意見交換を行いました。 ▶SCORA 関東 ●IFMSA-Japan 関東新歓
SCORA WS
【対象・人数】医療系学生 50 名 【日時】2017 年 6 月 25 日 【内容】LGBTs をテーマにロールプレイを行い、もしも自分が LGBTs 当事者だったら、そしてもしもあなたの 友達が当事者だったら、という視点から考えてもらうワークショップを行いました。最後に『言葉は時にだれか の世界を狭めている』という言葉を引用し、日常で使うささいな言葉に気を使うだけで様々な性のあり方が受け 入れられる世界に近づくというメッセージを伝えました。 ●狛江市立狛江第四中学校ピアエデュケーション 【対象・人数】狛江第四中学校 中学生 100 名 【日時】2018 年 3 月 2 日 【内容】HIV/AIDS・妊娠・避妊・中絶・コンドーム・性感染症・デート DV・LGBT についてゲーム等も織り込 みながらお話しました。 ▶SCORA はままつ ●ゆずりは学園ピアエデュケーション 【対象・人数】ゆずりは学園生徒 約 60 名 【日時】2017 年 6 月 10 日 【内容】月経・妊娠・出産・避妊について、コンドームの付け方と実演、性感染症についてのピアエデュケーシ ョンを行いました。 ●西遠女子学園ピアエデュケーション 【対象・人数】西遠女子学園高校 1 年生 143 名 【日時】2018 年 2 月 24 日 【内容】HIV/AIDS・妊娠・避妊・中絶・コンドーム・性感染症・デート DV・LGBT についてゲーム等も織り込 みながらお話しました。 ▶SCORA なごや ●IFMSA-Japan 東海信州新歓 SCORA WS 【対象・人数】医療系学生 86 名 【日時】2017 年 5 月 13 日 【内容】LGBTs をテーマにしたロールプレイを通して、もしも自分が LGBTs 当事者だったら、そしてもしもあ なたの友達が当事者だったら、という視点から考えてもらうワークショップを行いました。最後に『言葉は時に だれかの世界を狭めている』という言葉を引用し、日常で使うささいな言葉に気を使うだけで様々な性のあり方 が受け入れられる世界に近づくというメッセージを伝えました。
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●愛知サマーセミナー2017 ピアエデュケーション 【対象・人数】愛知県内の在学の中学高校生および全市民 約 40 名 【日時】2017 年 7 月 15 日 【内容】中学生高校生、一般市民の方に向けて、デート DV、コンドームの付け方、妊娠中絶について恋愛の流 れで話をしながらピアエデュケーション・レクチャーを行いました。 ●南山女子高校ピアエデュケーション 【対象・人数】南山女子高校 1 年生・5 クラス 計 200 名 【日時】2018 年 3 月 5 日 【内容】HIV/AIDS・妊娠・避妊・中絶・コンドーム・性感染症・デート DV・LGBT についてゲーム等も織り込 みながらお話しました。 ▶SCORA 金沢 ●IFMSA-Japan 北陸新歓 SCORA WS 【対象・人数】医療系学生 約 30 名 【日時】2017 年 6 月 3 日 【内容】LGBTs をテーマにしたロールプレイを通して、もしも自分が LGBTs 当事者だったら、またもしもあな たの友達が当事者だったら、という視点から考えてもらうワークショップを行いました。 ●石川県立内灘高校 ピアエデュケーション 【対象・人数】内灘高校1年生 120 名 【日時】2017 年 6 月 14 日 【内容】HIV/AIDS・中絶、性感染症とその予防、避妊、病院・保健所についてのピアエデュケーションを行い ました。 ●石川県立金沢錦丘高校 ピアエデュケーション 【対象・人数】錦丘高校 1 年生 320 名 【日時】2017 年 10 月 31 日 【内容】HIV/AIDS・中絶、性感染症とその予防、避妊、病院・保健所についてのピアエデュケーションを行い ました。 ●第 1 回『LGBT と教育フォーラム』 in 金沢 ~SDGs 「誰も置き去りにしない」 から考える、地域コミュニ ティにできること 【対象・人数】一般市民 約 200 名 【日時】2017 年 11 月 23 日 【内容】LGBT などの性的少数者をテーマに教育の課題を、当事者や教員らが体験を交え、多様な視点から議論 しました。 ●金沢北稜高校ピアエデュケーション 【対象・人数】金沢北稜高校 1 年生 190 名 【日時】2018 年 2 月 7 日 79
【内容】HIV/AIDS・中絶、性感染症とその予防、避妊、病院・保健所についてのピアエデュケーションを行い ました。 ▶SCORA 愛媛 ●西条市丹原東中ピアエデュケーション 【対象・人数】西条市丹原東中学校3年生 90 名 【日時】2017 年 12 月 6 日 【内容】テーマは、家族を持つということ・妊娠と感染症・人生の一大イベントである結婚と出産をいつするか という話を前半にし、その上で、妊娠する前には風疹の抗体を持っているのかを確認してほしい・子宮頸がん検 診に行ってほしいなど、予防の話をしました。対象が中学 3 年生であったため性感染症の話をしないでほしいと いう学校の要望があり、このような内容となりました。 ▶SCORA 徳島 ●第 1 回スコラ会 【対象・人数】徳島大学 IFMSA-Japan 会員を始めとする大学生 約 5 名 【日時】2017 年 4 月 20 日 【内容】LGBTs に関する例題を使って考える時間を設けました。新入生にレインボーパレードや IDAHO の説明 を行い LGBTs の知識を広めました。 ●第 2 回スコラ会 【対象・人数】徳島大学 IFMSA-Japan 会員を始めとする大学生 約 4 名 【日時】2017 年 10 月 2 日 【内容】アセクシャル、ノンセクシャル、ポリアモリーなど、様々な恋愛の形を知るとともに、恋愛とは何かと いうことについて考えました。 ▶SCORA 九州 ●福岡県修猷館高校ピアエデュケーション 【対象・人数】修猷館高校
高校生 60 名
【日時】2017 年 7 月 26 日 【内容】プロ講師によるデート DV 講話とグループ別ディスカッションを行いました。SCORA スタッフはディ スカッションのファシリテーターとしてグループに入りました。 ●福岡県嘉麻市立稲築西小学校ピアエデュケーション 【対象・人数】稲築西小学校 6 年生・3 クラス 計 96 名 【日時】2017 年 9 月 13 日 【内容】多様な性の概念を知ってもらい、尊重してもらう⽬的で授業を行いました。まず LGBTs の知識をレク チャーした後、女の子っぽい筆記用具を使う男の子に関して話し合ってもらうワークショップを行いました。 ●福岡県蓮台寺小学校ピアエデュケーション 【対象・人数】蓮台寺小学校 6 年生 37 名 【日時】2018 年 1 月 19 日 80
【内容】HIV/AIDS に関する知識や予防法、検査についての授業を行いました。 ●福岡県嘉麻市熊ヶ畑小学校ピアエデュケーション 【対象・人数】熊ヶ畑小学校 6 年生 7 名 【日時】2018 年 2 月 26 日 【内容】多様な性の概念を知ってもらう⽬的で、LGBTs の知識のレクチャーと女の子っぽい筆記用具を使う男の 子に関するワークショップを行いました。
[嘉麻市小学校ピア]
[愛知サマーセミナー]
[丹原東中ピア]
[苫小牧高専ピア]
3.今後の展望・課題 今年度も、学校関係の皆様および行政関係の皆様、各地域 SCORA スタッフの協力によりピアエデュケーション を行っていくことが出来ました。SCORA が行うピアエデュケーションでは、各地域 LORA(SCORA の地域担当 官 local officer SCORA)を配置し、学校関係者様や行政関係者様との事務連絡や当日のピアエデュケーション の運営を行っています。 ピアエデュケーションの質は各地域 LORA および地域のスタッフにより保たれています。今年度は Japan Peer Education Training(JPET)を行い、スタッフ間でピアエデュケーションでの自分の体験や思いを含めた情報共有 の場を設けました。今後とも、学生としての本分を全うしながら、いかに勉強と両立しながらピアエデュケーシ ョンを行うか、どのようなピアエデュケーションが本当に生徒さんに届くのか、その情報共有の場を提供してい ければと思います。 来年度は思春期学会にて、SCORA-Japan として性教育に関しての発表させていただく機会を頂けるようです 81
ので、学校などの教育現場および教育関係の方々へ提言させていただけたらと思います。 今後は、各地域でのピアエデュケーションの場を継続し、地域の学校および関係各所との円滑な連携を図りなが ら、質の保たれたピアエデュケーションを展開していくとともに、若者を取り巻く環境や社会に対して、性に関 する知識の普及・発信に取り組んでいくべきだと考えています。 文責│愛知医科大学 4 年 野村彩華
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Rainbow Flag Project │SCORA 1.活動理念 Rainbow Flag Project は主に医療系学生を対象とし、LGBTs(性的少数者、セクシャル・マイノリティ)をは じめとする多様な「性」と「生」について考え、社会に向けて発信することを⽬指しています。LGBTs は身近で ない、よくわからないと考えてその話題を避けるのではなく、私たち一人ひとりが多様な性の一員であるという 考えを持つことが大切だと感じています。これからの人生でたくさんの人と出会い、ともに生きていく私たちに とって、この活動が多様な価値観を理解するきっかけとなることを祈っています。
2.今年度の主な活動 ●東京レインボープライドパレード 「みんなで歩こう~青空の下、虹色の教室」(LGBTs 勉強会) 【対象・人数】一般、主に医療系学生 44 名 【日時】2017 年 5 月 7 日(日) 8:30~18:00 【内容】パレードの前に代々木公園にて多様な性について知り、考える勉強会を一般向けに開催しました。パレ ードは外部団体「Revo∞Link」さんのフロート(パレードを構成する山車)に参加させていただき、セクシャリテ ィに関わらず誰もが自分らしくいられる教育を実現するためのアピールを行いました。 パレードへの参加を前に LGBTs について学ぶ勉強会を行いました。会場である代々木公園の一角にブルーシ ートを敷き、LGBTs とは何か、またフロートのテーマに因んで LGBTs と教育について簡単なワークショップを 行いました。幸い天候にも恵まれ、楽しい雰囲気のもと学ぶことができました。 東京レインボープライドパレードではセクシャリティに関わらず誰もが暮らしやすい社会を⽬指して、東京・ 渋谷を約一時間かけて練り歩きます。沿道からはたくさんの方が手を振ってくださり、街のいたるところにレイ ンボーフラッグ(虹旗)がかかげられていました。日本最大の LGBTs イベントとしての盛り上がりは大きく、ま た企業や各団体のブース見学を通じて社会の動きについても知ることができました。
[パレード前の青空勉強会の様子]
[パレードの様子]
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●IDAHOT(International Day Against Homophobia and Transphobia)オンラインキャンペーン 【対象・人数】一般・多数 【日時】2017 年 5 月 8 日~17 日の 10 日間 【内容】性の多様性についての Facebook を通じた啓発活動
IDAHOT は「同性愛嫌悪とトランス嫌悪に反対する 国際デー(5 月 17 日)」のことであり、日本では「多 様な性に YES の日」とも呼ばれています。今年度 SCORA では LGBTs の当事者に向けて「あなたはひと りじゃないよ」との想いを届けることを⽬標にしまし た。10 日間に渡って Facebook 上で LGBTs に関する 情報・想いを届けたほか、キャンペーン動画、IDAHOT カレンダー、Facebook バナーを作成し、拡散しまし た。 メッセージは以下の内容です。できるだけたくさん の人に読んでもらえるよう、今年度は日本語・英語・ 中国語・韓国語・オランダ語にて届けました。 [キャンペーンのメッセージ内容] 5/8
IFMSA-Japan と SCORA についての紹介
5/9
IDAHOT について
5/10
LGBTs について
5/11
東京レインボープライドパレードについて
5/12
Rainbow Flag について
5/13
IDAHOT カレンダーについて
5/14
カミングアウトについて
5/15
LGBTs についての性教育
5/16
Facebook バナーとキャンペーンムービー
5/17
バナー変更のお願いとまとめのメッセージ
[Facebook キャンペーンの様子]
メッセージは Facebook での「いいね」や「シ ェア」によって拡散されていきます。今年度 は多くの方の協力によりキャンペーンを行う ことができました。リーチ数(投稿が表示され た人数)は合わせて 32,475 となりました。 [左:作成した Facebook バナー] 84
<キャンペーンムービー>
<カレンダー>
今年度は東京レインボープライドの会場にて一般の方にもメッセージをお願いしました。このたくさんの思い が今まで興味・関心を持たなかったたくさんの方の⽬に留まり、知ってもらえたと考えています。 ●虹色どまんなかパレード 【対象・人数】医療系学生 4 名 【日時】2017 年 9 月 16 日(土)
名古屋で行われた虹色どまんなかパレードに参加し ました。台風が近づく悪天候の中、名古屋の繁華街・ 栄をパレードしました。東京と比べて規模が小さいも ののその分ブース担当者や他の参加者さんともゆっく り話ができ、また自分の住む町の活動を知ることがで きるのは魅力です。
[虹色どまんなかパレード前の様子] ●とちぎワカモノフェスタブース出展 【対象・人数】医療系学生 4 名 【日時】2017 年 12 月 3 日(日) 【内容】来場者に対する LGBTs や活動についての啓発 とちぎワカモノフェスタは若者の不登校や引きこもり に対する社会的偏見の解消や関係者によるネットワー クの構築を⽬的としており、今年度は「共につくる虹の 世界」をテーマに開催されました。SCORA ではブース の出展を行い、青少年の保護者の方や教職員の方などの 来場者に対し LGBTs の啓発や活動の紹介を行い、相談 に応じました。
[会場でのブース出展]
85
3.今後の展望・課題 最近はメディアの影響などもあり、LGBTs という言葉自体は一般的になってきています。実際に日本法規情報 株式会社が 2017 年 12 月から 18 年 1 月にかけ、709 名を対象に行った「LGBT に関するアンケート調査」で LGBT について聞いたことがあると答えた人は 65%でした。一方で、多様なセクシャリティが背景にある色々 な生き方について考える機会は依然として多いとは言えません。2016 年の日本労働組合総連合会の調査ではあ りますが職場の上司・同僚・部下が LGBT であったら「嫌だ」と回答した人は 35%にのぼっています。LGBT の単語そのものは知っていても未だ理解は十分ではありません。そして「性」はそれだけで完結するものではな いため、今後は IFMSA の委員会やプロジェクトを越えてより多くの切り口で考える機会を提供していきたいと 思います。 また今年度は東京レインボーパレードや IDAHOT キャンペーンの際など多くのスタッフがイベントを作り、 盛り上げていきました。より多くの人が参加しやすいよう地方やオンラインでのイベントを行うことや、早めの 告知、知り合いや友人への直接の声掛けが大切だと考え、今後は意識して活動をしていきます。
文責│名古屋大学 3 年 荒川智哉
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性感染症予防プロジェクト(STIP)│SCORA 1.活動理念 近年、HIV/AIDS やクラミジアなど、性感染症(Sexually Transmitted Infection
以下 STI と呼称)の流行が
問題となっています。特に、梅毒についてはここ数年間で激増しており、医療業界全体に迅速な対応が求められ ています。しかし、実際には医学部をはじめとする医療系学部では、医学知識としての『性感染症』については 授業で簡単に触れるものの、その背景にある問題の社会的要因や、患者の抱える悩みなどについて深く考える機 会はほとんどありません。そのため、将来的に STI の検査や治療などに携わる医療系の学生多くが STI を『他 人事』として捉えており、自分自身で STI の検査にすら行ったことのないまま、医療者になっていくのです。こ うした教育的背景が医療者の STI に対する根本的な理解の不足を招き、医療業界全体の STI 対策の遅れや、医 療者による STI に対する偏見の増長など、様々な問題を引き起こしているといえるでしょう。 この『性感染症予防プロジェクト(STI Prevention Project 以下 STIP と呼称) 』では、医療系学生を中心とす る若者が正しい STI の知識を身につけ、STI 患者の心の問題や社会的背景にまで理解を深める機会を提供するこ とを活動理念としています。活動に参加した学生が、STI を『自分事』として捉え、自身でも正しく予防活動を 行い、自分自身と自分の大切な人を、そして将来的には STI 患者さん達の心に寄り添える医療者になれたらとい う考えのもと、活動を行なっています。
2.今年度の主な活動 ①STI クイズかるた制作 HIV/AIDS をはじめとする STI は、医療系の学科では系統 学的には勉強するものの、なかなか知識は身につきません。 なぜなら、多くの学生が STI を『他人事』として捉えてお り、講義を軽く聴き流し、試験前に詰め込み学習をしてい るだけなのが実情だからです。こうした学習には実体験が 全く伴わず、将来医療者となった時に知識としてほとんど 役に立ちません。STIP では、医療系学生が競い合いながら、 仲間と共に楽しく STI についての知識を身につけることが できるよう、STI に関する知識を学ぶことができる『STI クイズかるた』を制作しました。実際に、2017 年夏に行 われた「SCORAngels の集い(SCORA Staff Meeting) 」 、 2018 年 1 月に行われた「STI 総会」などで、遊びながら カルタ大会を行ってみたところ、参加者の STI についての
[STI クイズかるたを楽しむ参加者の様子]
知識の定着率がとても良いことがわかりました。 ②夏休み STI 早期発見キャンペーン STI の問題については、多くの人が『なんとなく』その危険性を認識しており、さらに医療系学生であれば「自 覚症状がなくてもリスクが高い場合は検査に行くべきである」ということも知識として習っています。しかし実 際に検査に足を運ぶ人は少ないといえるでしょう。その理由は、STI そのものや検査についての知識不足もある かもしれませんが、多くの場合『検査が実際にどんなものかよく知らないから/行ったことがないから』という 87
『経験したことのないことに対する薄ぼんやりとした恐怖心』が根底 にあるからではないでしょうか。実際に、昨年春頃に医療系学生を対 象に行ったオンラインアンケートを行ったところ、回答者の 7 割が STI の検査に行かない理由を『検査についての知識がないから』 『なん となく怖いから』と回答していることが判明しました。このように、 多くの医療系学生がなんとなく STI の検査に行った方がいいことはわ かっているものの、結局自分で検査に行ったこともないまま医療者に なっていくのです。 [STI 早期発見キャンペーン イメージ画像]
私達は、
STI やその検査について学び、理解を深める
STI 検査に行く、敷居を下げる
STI 検査を必要とする人たちの気持ちや社会的背景を考える
この 3 つを『学生のうちに』達成するために、『実際に自分達で保健所に検査に行ってみよう!』というキャン ペーンを行いました。多くの保健所が検査を平日の日中に行なっていることなどから、キャンペーン期間は夏休 みに設定しました。 まず、STI についてのウェビナー(Web セミナー)を 作成し、全国の医療系学生を対象にオンライン学習会 を行いました。これについては事前・事後の STI につ いてのオンラインクイズを予め作成し、その達成度を はかりました。 次に、全国各地(北海道、東北、北陸、関東、東海、 関西+中国、四国、九州の 8 地域)に医療系学生によ るリーダーを設置し、リーダーを中心に地域ごとの医療
[参加した学生の様子 中野区保健所前にて]
系学生の少人数グループで実際に保健所の STI 検査に 行ってみる体験活動を行いました。このとき、検査に行く前と後でオンラインアンケ ートを行い、学生の STI 検査に対する理解度や、心境の変化などを調査しました。 結 果として、ほぼ全員がこれまで STI の検査を受けたことがなかったものの、キャンペ ーン終了後には 95%以上の参加者が実際の検査がどういったものか理解を深め、参加 者の全員が『仮に自分自身が多少リスクのある SEX をしてしまった場合、今後自分 1 人で検査に行くことができる』と回答しました。
[ウェビナー動画 URL]
③World AIDS Day Online キャンペーン STIP では 12 月 1 日の World AIDS Day に合わせ、IFMSA-Japan の委員会の 1 つである SCOPH(公衆衛生に 関する委員会)の Infographics チームのスタッフと共同で、Facebook 上でオンライン啓発キャンペーンを行 ないました。Infographics とは、様々な情報が見た人に簡単に伝わるように工夫された画像を用いた手法であり、 今年度は主に性活動の中心である自分達と同年代の若年層をターゲットとしました。
『IFMSA-Japan/SCORA と World AIDS Day の紹介』
『HIV/AIDS についての基礎知識』
88
『HIV の感染予防とコンドームの使用』
『HIV の検査』
の 4 項⽬について、それぞれ Infographics を作成し、2017 年 11 月 28 日から 12 月 1 日の World AIDS Day 当日までの 4 日間に渡ってオンラ インキャンペーンを行ないました。Facebook では、投稿した記事がシェ アした人の友人から友人へと広がって行く特性を持つため、同年代をター ゲットにしたキャンペーンは効率的に拡散できました。 結果として 24,191 人のターゲット層の人たちに HIV の予防啓発記事をリーチする ことができました。 [HIV/AIDS についての基礎知識に関する Infographics] ④World AIDS Day&クリスマス コンドーム 配布キャンペーン HIV/AIDS は、コンドーム を正しく使用することによってかなり高率で予防することが可能です。しかし、日 本では一般的にコンドーム はあくまでも『避妊具』としての認識が強く、HIV をはじめとする STI の予防⽬的 でコンドームを使用するという認識はそれ程浸透していません。こうした現状を少しでも打開するために、私達 は 2017 年 12 月 1 日の World AIDS Day 当日とクリスマス直前(12 月 23 日)に合わせてコンドームの配布 キャンペーンを行いました。 『女性でも積極的にコンドームを持ち歩こう』 『コンドームは財布の中に入れないで』 『コンドームの使用期限を守ろう』 『コンドームは正しい使い方で使用しましょう』 といったメッセージが書かれたキャンペーン用 の大型プレートを 20 枚ほど作成し、これらを首 から下げ、配布用サンプルとして提供いただいた コンドーム 3,000 個を名古屋と横浜(桜木町) の駅前で配布しました。コンドームのサンプルは、 予防啓発のメッセージやアンケートの QR コード
[コンドーム配布の様子 桜木町駅前にて]
と
ともにパッケージに入れて配布しました。ただ配布するだけではなかなか受け取ってはもらえないため、電飾を 用いたり、秘忍(避妊)者ジミー・ハットリくん等のコンドームの着ぐるみ等で注⽬を集め、メッセージを伝え る工夫を行いました。結果計 3,000 個全ての資材を配布することができました。 ⑤STI 総会 STI は、どんなに予防啓発活動をしたところで、なかなか実感を伴わないのが難しいところです。そのため、今 年度初の取り組みとして丸一日かけて STI について学び、話し合うためのイベントを開催しよう、というイベン トを 2018 年 1 月 6 日に行いました。 具体的には、
新春!お正月 STI クイズかるた大会
子宮頸がんについて考えよう コラボ Workshop with 創価大学西浦ゼミ・チーム Re♡bbon
HIV/AIDS の実態について ぷれいす東京 桜井啓介先生による基調講演
夏休み STI 早期発見キャンペーンまとめ Workshop
という構成でした。 89
『新春!お正月 STI クイズかるた大会』では、事前に簡単 なレクチャーを介して STI について学び、その後①で制作 した STI に関するクイズかるたを用いて、遊びながら STI についての理解を深めました。 『子宮頸がんについて考えよう コラボ Workshop with [STI 総会の様子]
西浦ゼミ・チーム Re♡bbon』では、創価大学西浦ゼミの チーム Re♡bbon の方々と協力し、子宮頸がんについて考
えるワークショップを行ないました。具体的には子宮頸がんとその検診についてのレクチャーの後、子宮頸が ん患者の方の手記を読み、チームに分かれてどうしたら子宮頸がんの検診率をあげることができるかロジック ツリーを用いて検診率の低い理由を追求し、解決策のアイデアを出し合う、という内容でした。 『HIV/AIDS の実態について ぷれいす 東京 桜井啓介さんによる基調講演』で は、主に HIV 陽性者の支援を行う「ぷ れいす東京」 、HIV 陽性者団体である「日 本 HIV 陽性者ネットワーク・ジャンプ プラス」にてスタッフとして活動してい る桜井啓介さんに客員講師としてお越 しいただき、基調講演をしていただきま した。桜井さんはご自身も HIV 陽性者で
[桜井先生と参加者さんで記念撮影]
バイセクシュアルであるため、HIV 陽性者サポートのエキスパートとして、そして HIV 陽性/LGBTs 当事者と して、より現実感の強いリアルなお話をお聞きすることができました。 『夏休み STI 早期発見キャンペーンまとめ Workshop』では、夏休み STI 早期発見キャンペーンの全国各地の 成果をまとめて報告しました。さらに、検査に行っていない参加者にもわかりやすいように、検査の一連の流 れを劇にしてもう一度復習しました。次に、検査の結果陽性だった場合どのようなことが問題となるか、患者 の不安な気持ちや仮にパートナーがいた場合どのように対応するかを考えるワークショップをおこないました。
3.今後の展望・課題 ①STI クイズかるたについて STI クイズかるたが STI の知識の習得に非常に役に立つことは、 今年度 2 回の試行で実証することができました。 今後は更に札を増やして、何セットかかるたの数を増やし、ゆくゆくはスタッフが全国各地域に持ち帰り、各医 療系大学や中学高校などでの Peer Education で利用していきたいと考えています。 課題としては、かるたの製 作に多大な時間と人手、費用が必要になるということであり、来年度以降は STIP として助成金を申請するなど、 人手や資金の確保に努めていけたらと考えています。 ②夏休み STI 早期発見キャンペーン 今回のキャンペーンを通して、イベントの参加者の多くが STI の検査に行く敷居が下がった、述べています。今 後は、HIV や梅毒などのみではなく、子宮頸がんの検診などにも対象を広げて、同様の早期発見キャンペーンを 90
全国的に展開していけたらと考えています。課題としては、ウェビナーの作製にある程度の電子機器類の習熟度 が必要であること、また全国展開をする場合に各地域にリーダーを設置する必要があり、人手の十分な確保が課 題となってくると考えられます。ウェビナー作製については、作製方法を簡単にまとめたマニュアルの作製、各 地域の人手の確保については、SCORA の地域責任者(LORA)の方々と連携しながら対策をしていけたらと考 えています。 ③World AIDS Day Online キャンペーン Online キャンペーンの難しいところは、イベントの成果を測る指標が少ないことです。今回のキャンペーンで は、投稿を⽬にした回数を表す『リーチ数』を指標としましたが、⽬にしたからといって見た人が内容を正しく 理解したとはいえません。今後の課題としては、単に Infographics や文章を投稿するだけではなく、例えば Online アンケートを設置し内容の理解や満足度を測るなど、より明瞭な評価指標を設置する必要があると考え ています。 ④World AIDS Day&クリスマス コンドーム 配布キャンペーン 今年度は、⽬標であった 3,000 個の資材全てを配り切ることができ、参加者も非常に満足度の高いイベントと なりました。来年度以降はさらに啓発用プレートや配布用コンドームのサンプルを増やし、さらに SNS なども 併用してより多くの人たちを対象にキャンペーンを行いたいと考えています。 ⑤STI 総会 丸一日、STI についてのみ扱うというのは、SCORA 初のイベントでしたが、非常に密度の高い内容となりまし た。終了後のアンケートでも、参加者全員から非常に高い評価を得ることができました。来年度以降も、年に 一度は STI 総会を行い、STI に関する理解を深めていけたらと考えています。課題としては、より専門的な内 容についても触れるために、専門家の先生の基調講演が重要になってきますが、その謝礼金など金銭的な問題 が課題となっています。来年度は、STIP として外部団体に助成金を申請するなど、資金面の充実を測っていき たいと考えています。
4.感想等 STIP は、今年度新たに立ち上げたばかりのプロジェクトです。そのため、ほとんどの取り組みが初めてのもの ばかりでしたが、ふたを開けてみればイベントに参加した人たちの満足度が全体的に非常に高く、手応えを強く 感じました。STI は、性交渉を行う年代であれば誰しもが心のどこかでなんとなく不安に感じていることだと思 います。しかし、友人にはなんとなく相談しづらいし、医療系大学でも詳しくは教えてくれないし、結局行き場 のないモヤモヤ感だけが残ります。プロジェクトに参加した学生が、イベントを通してそれまで『他人事』だっ た STI がほんの少しでも『自分事』になったなら、それだけでこのプロジェクトを立ち上げた甲斐があったと感 じます。来年度以降も、少しずつ、でも確実に周りの友人達を巻き込みながら、STIP の活動を広げていけたら と思います。 文責│日本医科大学 医学部医学科 4 年 鮫島 甲太
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人権と平和に関する委員会
8. SCORP│人権と平和に関する委員会 1.活動理念
人権と平和に関するワークショップ、勉強会、フィールドワークなどを通じ、医学生 / 医療系学生同士の 学び、交流の場を提供する。
医学生 / 医療系学生が上記の問題について深く考え、互いに問題意識を高め合う。
これらの問題に対する解決方法をスタッフ自らで模索し、行動に移す。
人権と平和を取り巻く課題に対して、幅広い視野を持った医療者を⽬指し、国内外で活躍できる人材を育成 する。
2.今年度の主な活動 今年度 SCORP では Annual Working Plan をもとに大きく 3 つの軸から 1 年間活動しました。 ① SCORP 全体で「人権と平和に関する問題」について向き合う ② Project の軸の強化とより活発な連携 ③ International 活動
① SCORP 全体で「人権と平和に関する問題」について向き合う 今までの SCORP は各 Project への帰属意識は強い一方で、スタッフ全体で人権と平和に関する問題へ取り組む 姿勢は十分ではありませんでした。今まで SCORP であまり取り組むことができなかったものの、皆の興味関心 のあること、または挑戦してみたいことなど、皆の声を吸い上げ、語り合い、チャレンジしていけるような場を 提供できるように努めました。今年度初の試みとして「SCORPeer」や「“やりたい”実行プロジェクト」などに も取り組みました。
SCORPeer
Skype によるオンライン勉強会。今年度は人権と平和とい う大きな課題に様々なトピックについてお互い学び合いま した。 特に今年度の日本総会(以下 NGA)のテーマであった 「SDGs」については大きく取り上げました。SDGs に関し て計 7 回、他にも発達障害や虐待などについて計 8 回行い ました。
「やりたい」実行プロジェクト
[SCORPeer 資料]
SCORP の 4 つのプロジェクトで扱っているものに限らず、 「こんなテーマに興 味がある、扱ってみたい!こんなイベントや企画を作ってみたい…!」という スタッフの「やりたい」気持ちに寄り添い、実現していくことを⽬指した SCORP の新しい取り組みです。 スタッフから出た「やりたい」をもとに今年度は以下の活動を行いました。 ・外国人の人権についてオンライン勉強会を開催 ・子どもの人権に関して LARF(後述の SCORP 内プロジェクト)にて赤ちゃ んポストを訪れるイベントを開催 ・発達障碍についてオンライン勉強会を開催
[勉強会資料]
・高齢者・障碍者施設を見学するツアーを企画 93
NGA ハッカソン班
今年度の NGA では SDGs の各 Goal に向けて何ができるのかをハッカソンという形式で、班ごとに分かれ 3 日 間の中で考え企画しました。この企画の中で人権と平和に関するトピックをテーマに掲げ、実際に企画を続けた いと声をあげてくれた人たちを SCORP でサポートしています。以下 3 つがそれぞれ 2018 年度のイベント開催 に向けて準備を進めています。 ・HEARD Project…精神障害に対する偏見を勉強会、ツアーを通して偏見を是正することを⽬指しています。 ・交流文化祭…小学生低学年程度を対象に健常者と障害者の子供達が交流できる場を設けることで障害者に対す る偏見をなくすことを⽬標にしています。 ・SPARKL Project…日本人の難民に対する無関心をなくすことを⽬標に勉強会やイベントを企画しています。
SCORP 総会 2018 年 2 月 24-25 日
人権と平和に関するワークショップ、chiri プロジェ クト紹介とワークショップ、各 Project の 2017 年 度の活動報告やワークショップ、難民問題に関する ワークショップ、いじめに関するワークショップ、 孤立した子供たちを支援する「PIECE」代表で児童 精神科医でもある小澤いぶき先生による講演を行い ました。2 日間を通して「人権と平和」に関して幅
[集合写真]
広く扱い Project を越えて学びあうことができました。
② Project の軸の強化とより活発な連携 スタッフ一人一人が Project のミッションをしっかりと理解し⽬的意識を持ってより質の高い活動ができるよう な SCORP としての基盤作りをしました。また Project ごとで独立して活動するのではなくお互いに高め合って いけるように、メーリングリストや Skype を活用し成果や課題などを共有していくことで、SCORP 全体で 4 つ の Project に取り組んでいけるようにしていきたいと考えています。
Project 瓦版
各プロジェクトの活動を SCORP 全体で共有する事 でプロジェクト間の繋がりを強め互いに刺激し合う ことを⽬指しメーリスにて定期的に各プロジェクト から様々な情報をスタッフに発信しました。 合計*LARF7 回、*ACTION3 回、*HiNaP1 回の瓦版 を流しました。 (*全て後述の SCORP 内プロジェクト) [LARF 第 6 回プロジェクト瓦版]
③ International 活動 世界各国の IFMSA 支部の SCORP やその他の活動を知る機会は少なく、 「興味はあるし海外のことをもっと知り たいけど、知り方が分からなかった」 、 「どうやって情報を手に入れればいいか知らなかった」という現状があり ました。IFMSA という世界の医療系学生とつながれるこの組織だからこそぜひ日本だけでなく海外にも⽬を向 け、少しでも海外での活動や世界の人権と平和について知り興味を持ってもらえたらと考え、International 94
team を立ち上げ普段のプロジェクトでは取り扱わない国際的な人権と平和に関する問題や様々な海外の情報を 発信する「SCORP Times」を始めました。 また International Committee of the Red Cross:国際赤十字委員会(以下 ICRC)と意見交換会を開催したり、 駐日事務所に訪問させていただき平和に向けて紛争地域で国際的に活躍されている方々のお話を聞いたりしま ました。加えて難民について国際的な視野を持って学べるオンライン勉強会や、英語で人権と平和について考え る勉強会なども企画しました。
SCORP Times
SCORP Times では世界の IFMSA での活動や世界での様々な人権と平和に関する情報について以下 13 回のメー ルを通してスタッフに発信しました。また International day について多く取り上げることで普段の活動だけで は触れることのない様々な世界の人権と平和に関する課題について考え取り組みました。 1.SCORP Camp
2.WHO Simulation
3.Policy documents
4.World Refugee Day
5.国際識字デ ー
6.APRM(アジア太平洋地域会議) Survival kit 7.国際非暴力デー 8.APRM 報告第 1 弾 9.国際ガールズデ ー
10.International team start
11.世界人権デー
12.国際移住者デー
13.ホロコーストの犠牲者を想起
する国際デー
[Policy Document の紹介]
[世界難民デーの資料]
Health Care in Danger に関する ICRC との意見交換会 2017 年 10 月 28 日
ICRC より Health Care in Danger(紛争下の医療者や医療機関に対する武力行使問題)について IFMSA-Japan の学生と意見交換をしたいとご提案をいただき、意見交換会を開催しました。ICRC が主催したシンポジウム後 に、お越し頂いた Health Care in Danger プロジェクト パキスタン活動責任者 Maciek Polkowski 氏と駐日事 務 所 職 員 の 冨 田 麻 美 子 氏 と IFMSA-Japan の メ ン バ ー で 行 い ま し た 。 意 見 交 換 会 で は ICRC の 方 々 に IFMSA-Japan の活動を紹介したうえで、事前のシンポジウムで学んだ知識も踏まえ、医療従事者への攻撃を減 らすためにどんな対策が必要かを話し合いました。
ICRC 駐日事務所訪問 2018 年 2 月 23 日
SCORP スタッフ 5 名が ICRC 事務所の様子を見学し、駐日事務 所職員の富田麻美子氏、駐日代表のリン・シュレーダー氏にお話 しを伺いました。駐日代表のリン氏との対談では、国際人道法の 順守問題、リン氏が現場で行った活動や戦闘下で民間人保護を行 った際の経験談などをお聞きすることができました。 [対談の様子]
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3.イベント一覧 2017 年
10 月
5月
4
13 北海道新歓
北海道
17 新歓 Skype WS IDAHOT 21 九山新歓
福岡県
23 新歓 Skype WS 人権とは? 27 東北新歓
宮城県
31 新歓 Skype WS (ACTION)
私たちはどんな支援をすればいいの? 4
LAMP 第二回 法×医学術交流会 CoMT と協同 東京都
11 SCORPeer SDGs Goal10 不平等の裏の不平等 16 SCORPeer SDGs Goal2 飢餓を知り、考える 23 SCORPeer SDGs Goal1 360°貧困 28 ICRC と Health Care in Danger に関する意見 交換会 東京都
6月 3
北陸新歓
7
新歓 Skype WS (LAMP)
石川県
10 東海信州新歓 愛知県 11 関西新歓
SCORPeer SDGs Goal1
大阪府
14 新歓 Skype WS (HiNaP) 17 四国新歓
香川県
18 中国新歓
島根県
11 月 1
SCORPeer SDGs Goal16
全ての国に社会正
義の実現を 18
ACTION Take action globally~自国+世界
の災害を知り発信~ 東京都 21 SCORPeer 発達障害
21 新歓 Skype WS 世界難民デー 25 関東新歓
東京都
27 新歓 Skype WS (LARF)
12 月 22
SCORPeer
虐待×障碍×セックスワーク×貧
困 (ALSA と合同)
7月 2
LAMP 第一回 法×医 学術交流会 東京都
10 新歓 Skype WS Psychological First Aid
16、26、28-30 LARF 冬の貧困スタディツアー ~あなたの隣に潜む貧困~ 北海道・愛知県・東京都
16 ACTION 災害×感染症で繋ぐ日本とアジア ~身近な脅威、今私たちにできること~ 東京都
2018 年
18 新歓 Skype WS ネルソンマンデラ国際デー
2月
25 SCORPeer 外国人の人権
8月 16-18 LARF 夏の貧困ツアー 東京都・神奈川県 21-27 Summer Camp インドネシア 25-27 HiNaP 広島サマースクール
9月 27 SCORPeer SDGs Goal1 貧困の真髄に迫る
96
23 ICRC 駐日事務所訪問
東京都
24-25 SCORP 総会 東京都
3月 14-15 LARF 釜ヶ崎ツアー 大阪府 21 LAMP 第三回 法×医 学術交流会 東京都 24-27
HiNaP&LARF
OSMA(Okinawa spring
medical assembly) 沖縄県 29-30 LARF 九州イベント 熊本県・福岡県
4.今後の展望・課題 今年度はオンライン企画やメーリングリスト(以下 ML)等を利用しより多くのスタッフが様々な形で人権と平 和に関わることのできる環境づくりを行いました。しかし SNS などのメディアを用いた発信に関してはニーズ や発信方法などについて今後さらに改善していく必要があります。また今年度海外に関する情報を ML 等でスタ ッフに発信してきましたが、今後は SCORP Asia Pacific 地域の運営に 1NMO(加盟団体)として活発に参加し より密な関係性を築いていくことで本当の意味で国際的な活動を強化していくことが大事です。今ある基盤をも とに、SCORP がより一層人権と平和について幅広く取り組んでいくことを願っています。
文責│名古屋大学医学部医学科 4 学年 社本 賢昭
97
ACTION Project(Asian Collaborative Training on Infectious disease, Outbreak, Natural disaster, and refugee management Project)
│
SCORP 1.活動理念 ACTION Project はアジア太平洋地域において災害時にイニシアティブを発揮できる医療者を育成することをビ ジョンとしています。そしてアジア太平洋地域における災害時の危機管理の際に必要な技術や知識を医療系学生 に提供することをミッションとしています。
2.今年度の主な活動 災害×感染症で繋ぐ日本とアジア~身近な脅威、今私たちにできること~ 【開催期間】2017 年 7 月 16 日 【場所】慶應義塾大学信濃町キャンパス 【対象】災害に興味を持っている人 【内容】二次災害として多くの場で発生しうる感染症に関して学び、さらにはそのような知識を実際の現場でど のように活かせるのかということを学びました。このイベントでは 2017 年の 8 月にインドネシアで開催された ACTION Summer Camp に向けて、国内だけでなく海外において災害時にみられる感染症に関する知識や、英 語での議論を行う力を養成するためのトレーニングを行いました。 以下にこのイベントの3つの⽬的と具体的な活動内容を記載します。 ⽬的 1.災害医療に関し自分たちが学んだことを発信し、1 人でも多くの学生に災害及び災害医療に興味を持ってもら う。 2.インドネシアで開催される Summer Camp が災害医療や感染症などに関わるテーマであるため事前にそれ らについて知識を深める。 3.特に災害の多いアジアに興味を持ってもらいより Summer Camp により多くの学生が参加しやすくなるよう な場を設ける。 具体的な活動内容 ・加來浩器教授(防衛医科大学校
防衛医学研究セン
ター広域感染症疫学・制御研究部門 教授)の講演 ・感染症に関するワークショップ ・災害時の復興支援に関するワークショップ ・英語を使用した災害に関するワークショップ
[集合写真] 98
Summer Camp 2017
Indonesia
【開催期間】2017 年 8 月 21 日~27 日 【場所】Surabaya, Indonesia 【対象】災害に興味を持っている人、海外の学生との学びを経験したい人 【内容】今年度の Summer Camp は、災害時に発生する感染症をテーマにインドネシアで行われました。 一週間の活動の中で、災害医療に関する知識だけでなく、アジアの学生との交流を通して英語でのディスカッシ ョンの難しさや、自国の災害の状況を発信することの重要性など多くのことを学びました。
[集合写真]
Take action globally~自国+世界の災害を知り発信~ 【開催期間】2017 年 11 月 18 日 【場所】東京女子医科大学若松河田キャンパス 【対象】災害に興味を持っている人、国際協力など海外支援に興味がある人 【内容】インドネシアで開催された、Summer Camp にて学んだ災害時における感染症を中心とした災害医療 に関して日本でも発信し知識を深めていきたいという思いから、感染症を軸としたコンテンツを扱い、また実際 にインドネシアでの Summer Camp に参加した学生の中で特に大きな課題として挙がった英語での議論の能力 を鍛えることができるようなワークショップを組み込みました。以下にこのイベントの具体的な活動内容を記載 します。 ・Summer Camp 報告 ・感染症への対応策に関するワークショップ ・トリアージワークショップ ・災害に関連する医学英語のワークショップ ・英語でのディベートワークショップ
[集合写真] 99
3.今後の展望・課題 今年度の弊プロジェクトの大きな⽬標として、国際的な連携をより生かすということを掲げていました。 弊プロジェクトでは毎年夏に Summer Camp といったアジアの学生と災害医療に関して学ぶ機会がありますが、 例年日本人は自国の現状に関する発信力、議論の能力、英語力などが乏しく、なかなか海外の学生と同レベルで イベントに参加できているとはいい難い状況でした。今年度はそれらの状況を改善すべく、災害医療に関する視 野を海外にまで広げたり、ディベートのワークショップを行ったりなどしてきました。 来年度には、夏に行われる Summer Camp が日本で開催されることが決定しました。 普段の国内のイベントだけでなく国際イベントを自国で開催するにあたり、しっかりとした準備を行うことを通 して、課題としてあがっている発信力も克服していけるのではないかと考えます。 文責│旭川医科大学 4 年 白倉 健太朗
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HiNaP(Hiroshima Nagasaki Peace Project)│SCORP 1.活動理念 Hiroshima Nagasaki Peace Project (以下 HiNaP)では、被爆地広島・長崎にて医療系学生ならではの観点も交 えつつ平和や非核について学ぶスタディツアーを開催しています。例年夏の広島サマースクールには国内外の医 療系学生が参加し、参加者同士で平和や非核についての考えを共有し深めています。また平素よりオンラインの 勉強会を開いており、平和や非核について幅広い観点から学んでいます。これらの活動を通し、医療者の立場か ら平和に貢献できる人材を育成することが弊プロジェクトの⽬標です。
2.今年度の主な活動 1.長崎スプリングスクール(2017 年 3 月) 長崎にて 2 泊 3 日の日程で平和学習企画を実施しました。長崎原爆を語る上では広島とは異なる歴史や風土を理 解しなければいけません。長崎スプリングスクール(以下、NSS)では浦上天主堂や原爆資料館等の施設見学だ けでなく、そのような長崎の特徴をよく知る先生方にご講演いただきました。原爆と宗教の関わりや広島と長崎 の違いに明るい四條 知恵先生、被爆されたクリスチャンの深堀 リン先生、深堀先生をはじめとする被爆者の 方々の体験を漫画として発表された西岡 由香先生、さらには原爆と医療の関わりや福島原発事故の問題に詳し い山下 俊一先生といった先生方のお話をお聞きする機会に恵まれ、一同大変勉強になりました。 2.広島サマースクール(2017 年 8 月) 3 月の NSS に引き続き、8 月には広島でも 2 泊 3 日の平和学習企画を実施しました。今回の広島サマースクー ル(以下、HSS)においても、多くの先生方のお話をお聞きする機会に恵まれました。核戦争防止国際医師会議 (IPPNW)の片岡 勝子先生、被爆体験を絵画作品として発表されている河野 キヨ美先生、核兵器について考 えるアートブックの発刊に携わり、現在は平和や社会問題を話し合う場となるソーシャルブックカフェを運営さ れている安彦 恵里香先生、さらには原爆瓦を探索し国外に発送する活動を続けてこられた嘉陽 礼文先生といっ た先生方にご講演いただきました。また、大学卒業後も平和公園でボランティアガイドを続けている村上 正晃 氏に昨年に引き続きガイドを依頼しました。今回の HSS では普段はオンラインで実施している勉強会を参加者 同士対面で発表し合ったり、平和公園に来ている外国人にインタビューを行ったりするなど、これまでにない試 みを行いました。 3.OSMA (Okinawa Spring Medical Assembly)(2018 年 3 月) 本企画の全体テーマは「過去から現在、現在から未来へ」です。太平洋戦争における地上戦の歴史、それに続く 貧困問題、そして戦後復興を乗り越えてきた医療システムの変遷、それらを集約し体現しているのがこの沖縄で す。過去の出来事を元に、現在を生きる私達が多方面から学びを得て、それを私達が医療者となる将来へと生か して行くために、今回の HiNaP×LARF×jaih-s*の合同企画を立ち上げました。 多方面から様々な講師陣をお呼びし、講演会を開催するとともに、実際にガマを訪問したり、ひめゆり学徒隊の 戦跡を巡ったりとフィールドワークも取り入れ、平和学習・公衆衛生・国際保健すべてを統括した非常に学びの 深いものとなりました。 *日本国際保健医療学会・学生部会 HP: http://www.jaih-s.net/ (Japan Association for International Health - Student Section 通称 jaih-s ジャイフエス) 101
<講師・講演内容紹介> ・琉球大学教育学部 研究科教授 上間 陽子先生 沖縄県生まれ。専攻は教育学で、主に生活指導の観点からの非行少年少女の問題を研究。1990 年代後半から 2014 年までは東京で、それ以降は沖縄で未成年少女の調査・支援を行なっている。現在琉球大学教育学研究科 教授。2017 年に初の単著として「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の 少女たち」を出版したことを踏まえ、沖縄の 女性や青少年の貧困問題についてお話しいただいた。 ・David Itokawa 先生 沖縄生まれ、フィリピン育ち。フィリピンで準学士号、医師免許、医学博士号を取得し、沖縄県立中部病院にお けるハワイ大学の卒後臨床研修制度により沖縄へ。また、メアリーマウント大学、ニューヨーク大学、フェアリ ー・ディキンソン大学で生物科学や物理、化学の研究。国内のみならず、世界中の国際会議において沖縄とフィ リピンの平和や戦後の公衆衛生、健康長寿を伝え続け、2000 年には沖縄長寿研究所を設立。沖縄老年学の専門 で、健康長寿と戦後のアメリカ統治の関連についてご講演いただいた。 ・徳田 安春先生 沖縄県出身。1988 年琉球大学医学部をご卒業。沖縄県立中部病院、聖路加国際病院、水戸協同病院などを歴任。 NHK「総合診療医ドクターG」に出演されていることでもおなじみ。現在は、総合診療医としてだけでなく群星 沖縄臨床研修センター長、日本プライマリケア連合学会理事、日本病院総合診療医学会理事など数々の役職を兼 任されており、沖縄の総合診療の実態、ケースカンファレンスに関してワークショップをしていただいた。 ・真栄城 優夫先生 昭和 31 年に九州大学医学部をご卒業。その後米国に渡られ、基礎医学研究を主とした留学制度の流行りの中で、 米国卒後臨床医学研修に挑戦、当時日本人として数少ない米国外科専門医の資格を得て帰国。平成 2 年 4 月~平 成 23 年 7 月 沖縄県立中部病院 院長。沖縄の医療界に新風を吹き込み、modern medicine を導入された。沖 縄の画期的な研修制度を確立されるまでの過去についてお話しいただいた。
[平和記念公園にてガイドの村上氏と記念撮影。2017 年 8 月(広島サマースクール)] 102
3.今後の展望・課題 例年は開催するイベントの数を絞り、その分海外からも参加者を募るなどしてきました。しかし今年度はイベン トが多く、海外参加者を募るところまで手が回りませんでした。弊プロジェクトは他国の IFMSA 関連団体には 存在しない日本独自のものであり、国際的な発信を心掛けていく責務があるものと考えます。幸いにも今年度実 施した企画に全て参加しているスタッフが複数人存在するので、来年度以降は彼らを中心に国際的なイベントも 開催していくことになると思われます。 文責│北海道大学3年 飯田圭祐
103
LAMP(Law and Medicine project)│SCORP 1.活動理念 Law and Medicine Project(以下 LAMP)とは、法律(制度)と医療に関わる問題に焦点を当て、勉強会を 中心に活動しているプロジェクトです。法律と医療が関わる問題というとまず医療裁判が考えられますが、LAMP で扱っているテーマはそれに留まらず、国民皆保険制度や臨床治験、企業と福祉の問題等、広く及んでいます。 扱うテーマ自体も、法律や制度だけではなく、財政(お金)や心理学などの面にも及びます。 なぜこの様に色々な側面から医療に関するテーマを扱うかというと、将来医療者として自分の行いたい医療を 施す際に法律や財政といった医療以外の事柄への理解が不可欠だと考えるからです。ここでの自分の行いたい医 療とは、自分勝手な医療や独善的な医療のことではなく、患者さんや時には社会の為にこうすべきだと自分なり に考える医療を指します。大学での勉強や IFMSA の活動を通して私たち学生は医学知識や医療の実情、社会で の問題を学び、自分なりの医療者像や将来の⽬標といったビジョンを築いていきます。しかしいざビジョンを実 現しようという際には、現状を知り、それに即したアプローチを考える必要があります。例えば、ある優れた薬 剤を医師が治療に用いたいとなった場合、それが保険適用外の高額治療になる際は患者さんに勧めるべきなのか、 それとも別に医療費を保証するような制度があるのかといった事柄は考える必要があるでしょう。また、治る見 込みがなくたいへん苦しんでいる患者さんの命を医師が終わらせることは出来るのか、という積極的安楽死の問 題には賛否両論がありますが、現行の法律では刑法 202 条の嘱託殺人罪に規定されるように認められてはいま せん。加えて、関連する法律として医師法や刑法の理解はこの問題の議論には欠かせません。LAMP に所属する IFMSA スタッフはこうした医療問題に具体的なアプローチをする為に必要な知識を理解しようとして活動に取 り組んでいます。
2.今年度の主な活動 今年度は 3 回勉強会を開きました。スタッフの所属する大学が異なるため、勉強会の発案・調整といった準備 は Skype を用いたオンラインミーティングにて行い、当日に会場でオフラインの勉強会を行います。 また上記の活動理念に向けて、勉強会ではそうした知識を知るだけではなく実際に活用しながら理解を深める 場をディスカッションとして設けています。ディスカッションの議題には取り扱った事柄を使いながら考えてい くようなものを設定しており、自分だったらこの場合どうするかと考える機会を設けています。更に、意見を交 流することによって、同じ事柄でも人によって異なる使い方や見方を持っていることに驚きます。LAMP は法学 生団体である ALSA Japan(The Asian Law Students’ Association Japan)と協同で活動しており、医療系の学 生には無い意見が得られる事も多々あります。こうして一つの事柄でも色々な視点から考える事で、その知識を より深めていくことが出来ます。また、医療系でない学生と勉強会を企画する事の強みとして医療を客観的に見 られるということも挙げられます。産業医や地域医療における医師の関わり方のモデルなど、ALSA Japan スタ ッフとのディスカッションを通して初めて知ったこともありますし、思い描く医師像と社会で需要が高まってい る医師との差を実感する事で、将来のビジョンを考え直す機会にもなっています。 〇第一回 法×医 学術交流会 2017 年 7 月 2 日 東京女子医科大学 今年度第一回⽬の勉強会は医療裁判について事例検討という形で行いました。実際にあったくも膜下出血の症 例における裁判事例について、初めに判決の理解に必要な知識を ALSA Japan、IFMSA-Japan のスタッフがプ レゼンテーションを行い、判例がなぜそのような判決になったのか、その判決は妥当だったと思うかという点に 104
ついて議論しました。 今回の裁判はくも膜下出血を見逃したことにより患者さんが重い後遺症を残したことによる刑事裁判だった ため、刑法について学びました。構成要件該当性や違法性阻却事由など、聞き覚えの無かった犯罪の成立につい て必要な事柄を学びました。また、IFMSA 側からはくも膜下出血についての病態・治療や一般的な医師の業務 について発表しました。専門の異なる学生に向けてプレゼンする事も LAMP ならではの貴重な経験となりました。 またこの勉強会は新歓時期の勉強会ということもあり、新入生の学生に IFMSA-Japan、ALSA Japan の団体 紹介なども行いました。
〇第二回 法×医 学術交流会 2017 年 10 月 14 日 東京女子医科大学 第二回の勉強会では「社会保障」という大テーマ の下、関連するテーマについてプレゼンテーション を行いました。税と社会保障の一体化改革に関する ものから町づくりまで財政や行政、介護などを横断 したテーマを考える機会になりました。 普段の LAMP の勉強会ではディスカッションを中 心に議論していくのですが、税と社会保障の一体化 改革に関するワークショップでは、敢えてディベー ト形式で議論し、財源をどう確保するのかについて 問題点を抽出しました。 また、 この勉強会では、 IFMSA-Japan 内の SCOPH ( 公 衆 衛 生 に 関 す る 委 員 会 ) の 中 の CoMT (Community Medicine Tour) Project と協同し、
[CoMT による発表の様子]
町づくりについてフィールドワークの成果などを交えながら実情を伝えていただきました。 〇第三回 法×医 学術交流会 2018 年 3 月 21 日 東京女子医科大学 第三回の勉強会は、LAMP スタッフが各々に興味のあるテーマを持ち寄ってプレゼンを行いました。今年のノ ーベル賞の研究となったオプジーボの臨床での是非を始め、精神疾患と医療、大学生と医療といった医療に関す る身近な話題、また行政的な視点で医療を考える医療経済など、ワークショップごとに異なる立場、異なるレベ ルから医療を考えられた勉強会となりました。 105
3.今後の展望・課題 現在は学生がプレゼンテーションとディスカッションを企画する勉強会が主な活動となっていますが、実際に 医療に関する制度がどのように運用されているかを実感するためにフィールドワークやもしくはその道に携わ っておられる方を講師としてお招きして講演会を交えた勉強会が出来ないか等も考えています。 課題としては、これまで関東の会場で勉強会を行っていたため、関東以外の地域で LAMP に興味を持っている スタッフが参加しにくいことが挙げられます。Skype で実際の勉強会の様な形式のものが出来ないか検討し、全 国の興味のあるスタッフも巻きこんで活動していきたいと考えています。 文責│岐阜大学 3 年 新井
106
康允
LARF Project(Learn About ReFugee Project)│SCORP 1.活動理念 このプロジェクトは「貧困と生活弱者について触れ、学び、考えること」を活動理念としています。その理念 に達するため、日本の代表的な貧困地域である山谷(東京都) ・釜ヶ崎(大阪府) ・寿町(神奈川県)などでのフ ィールドワークやワークショップを通じて、普段生活しているなかでは感じることのできない日本の「貧困の現 実」を感じてもらうツアーを開催しています。 フィールドワークやワークショップを通して本などで分からない現場の雰囲気を体感することにより、実は自 分の身近にも「貧困」は存在している、 「貧困」といっても様々な状態が存在することを感じ、より理解を深め ると共に各々の考えを深めることを⽬的としています。
2.今年度の主な活動 私たちの行うツアーのフィールドワークでは街歩きのために、参加人数に制限を設ける必要があります。その ため、より多くの方々に貧困に触れる機会を提供するため、そして自分の身近にある貧困に触れる機会を提供す るため各地でフィールドワークやワークショップを開く回数を増やしました。 <夏の貧困ツアー> 【開催期間】2017 年 8 月 16 日~18 日 【場所】東京都台東区・新宿区、神奈川県横浜市 【対象】貧困に興味のある学生 【内容】関東周辺の貧困について学ぶツアー。三大ドヤ街である、 「山谷」 「寿町」 、ホームレスの方をビジネス パートナーとして雑誌を路上で専売してもらうことで自立の手助けをしている「ビッグイシュー」の事務所を訪 問させていただきました。 ・8 月 16 日(水)山谷ツアー 「数字では表せないことを大切に」 山谷で活動されている NPO 法人山友会の皆様にご協力 いただき、山谷の街を歩きました。無料診療を行っている 「山友クリニック」、終末期患者を受け入れている「きぼ うのいえ」を訪れました。また山谷の街は「あしたのジョ ー」の舞台にもなっており、アーケードには「あしたのジ ョー」の垂れ幕や実際に漫画に登場するパン屋さんがあっ たりと街の各所にはその形跡がありました。 また、実際に路上生活を体験して現在は山友会でボラン ティアをされている当事者の方のお話をお聞きしました。
[街歩きの様子]
ワークショップでは、去年行われた山谷夏祭りのスローガンであった「オリンピック再開発で貧乏人を殺す な!」を取り上げて、参加者にホームレス側、行政側に分かれてディベートを行ってもらいました。
107
・8 月 17 日(木)ビッグイシューツアー 「ビッグイシューのゴールはビッグイシューがなくなること」 一時しのぎではなく持続的な支援を⽬指すビッグイシューの 東京事務所を訪問させていただきました。日本のホームレス 事情、ビッグイシューの取り組み、そして実際にビッグイシ ューを販売されている販売者の方にもお話をお聞きしました。 ワークショップでは炊き出しとビッグイシューが一人の路 上生活者の自立の上でどのように関わっているのかについて 話し合いました。 [ビッグイシュー様のご講演の様子] ・8 月 19 日(金)寿町ツアー 「寿町で数十年生活困窮者の支援をしているが、一度も共感 できたことはない。共感する、分かるという言葉はそう簡単 に使ってはいけない。 」 横浜の中華街から徒歩 10 分ほどのところにある三大ドヤ 街の一つ寿町。寿町では NPO 法人が中心の他の地域とは異な り、行政が支援団体に委託をするという形で支援を行ってい ます。 今回はアルコール依存症の更生施設である「アルク」で一 つのお題に対して、何人かの前で自分の意見をいい、聞いて いる人は聞いているだけという、言いっぱなし聞きっぱなし のミーティングの見学、横浜市の支援を受けて無料で診療を行
[寿町での街歩きの様子]
うことぶき診療所の見学、院長様のお話、路上生活者や生活困窮者の自立を支援する一時支援施設である「はま かぜ」の見学をさせていただきました。 ワークショップでは、ホームレス襲撃事件を取り上げて、その原因や対策を考えました。 <冬の貧困スタディツアー~あなたの隣に潜む貧困~> 【開催期間】2017 年 12 月 16 日・26 日・28 日~30 日 【場所】北海道札幌市、愛知県名古屋市、東京都新宿区・豊島区 【対象】貧困に興味のある学生 【内容】「各地の貧困・身近な貧困」をテーマに札幌、 名古屋、東京の 3 都市でスタディツアーを行いました。 実は身近に存在しているけれど、見えていない・隠さ れてしまっている「貧困」 。今回はそういったものに関 して一度立ち止まって考える機会にしてもらうことが ⽬的です。 ・12 月 16 日 北海道 「生活保護に頼らない支援」 札幌で路上生活者や生活困窮者の支援をされている NPO 法人べトサダ様にご協力いただき、運営されてい 108
[べトサダの説明を終えて施設にて]
る施設の施設長の方のお話を聞き、施設の見学をさせていただきました。 札幌では、主に4つの団体がそれぞれの特色を活かして活動されています。女性専門のシェルター、知的障害 や身体障害を持つ方の支援施設などがありますが、べトサダでは、働ける人は就職へつなげることを⽬的として、 施設から出たのちも自分で働き続けることが出来るような支援を行っています。 ワークショップでは、厚生労働省では「ホームレス」 をいわゆる野宿をしている人としていますが、そもそもホームレスの定義は何だろう?ということで「ホームレ スの定義を考える」ワークショップや、その上で「私たち学生に出来ること」を考えました。 ・12 月 26 日 名古屋 「行政の支援につなげた後の居場所づくり」 名古屋市で生活困窮者の支援を行っているささしまサポートセンター様にご協力いただき、名古屋の貧困の実 態、活動内容、数人ではありますが訪問診療に同行させていただきました。 厚生労働省の調べによると三大ドヤ街に次いで ホームレス数が 4 位と多い愛知県。しかし実際に 生活困窮者の支援を行っている団体は主にささし まサポートセンターのみです。近年は刑務所を出 所した方々の支援もされているということで、慢 性的な人手不足の状態です。 ワークショップでは、 「行政・支援団体・ホーム レス仲間」に扮したスタッフを相手に路上生活か らの脱却を実際に体験してもらいました。参加者 一人ひとりに対して設定をして、元からの困難そ して日常の困難、手続きの困難など、路上生活か らの脱却の困難を体験してもらいました。
[活動説明の様子]
・ 12 月 28 日・29 日 関東 「若者の貧困」 「知ることの大切さ」 LARF はフィールドワークを中心としたスタディ ツアーが多いですが、今回は「知り、深く考える」 ことを⽬的として 2 日間の机上のワークショップを 中心としたスタディツアーを開催しました。2 日間 で扱ったトピックは以下の通りです。 〇子どもの貧困 近年注⽬を浴びてきている『子どもの貧困』 。しか しその実態、どうしてそこまで問題とされているの かについて考えたことはあるでしょうか。また、統 計的な視点だけではなく、子どもたちの心理的な側 面からも学びを深めました。 〇学生の貧困
[ワークショップの様子]
現在の大学生の 2 人に 1 人は奨学金を受けています。しかし奨学金をもらったからといって生活に困窮してい ないというわけではありません。ある一人の学生の 1 日の生活を例にとって勉強、部活、アルバイトのバランス 109
や、学生の本分である学業に専念できるような奨学金の制度に関して奨学金を貸す側と借りる側の両方の立場に 立って考えました。ワークショップ全体を通して「学生は貧困なのか?」について考えました。 〇父子家庭・母子家庭の貧困 6 人に 1 人が相対的貧困と言われている現在の日本ですが、例えば母子家庭でいうと 2 人に 1 人が相対的貧困 状態にあります。1 年の世帯収入が 122 万円以下となる世帯に属する人々が相対的貧困と言われていますが、そ れを実際に体験してもらうために、ある条件のもと実際に 3 か月間の生計を立ててもらいました。相対的貧困層、 平均層、裕福層の 3 つの経済的段階と、1 人暮らし、2 人暮らし(父子家庭・母子家庭)等の世帯数の設定を各 自に振り分け、経済的な段階、そして世帯数に関しても心理的負担が加えて異なることを体感してもらいました。 〇女性の貧困 ホームレス状態の方の内訳として男性の人数の方が女性より大幅に多い現状があります。その一つの理由とし て、女性と風俗との関連が示唆されています。夜の仕事というと高収入なイメージがありますが実情はどうなの でしょうか。また、貧困のリスクファクタの一つに「女性」が含まれています。その理由は何なのでしょうか。 ・12 月 30 日 関東「炊き出し」 「歓迎されていると思える声掛け」 池袋で路上生活者に炊き出しや夜回り、健康相 談をされている TENOHASI 様にご協力いただき、 炊き出しの調理、配食、医療相談の見学、希望者 は夜回りへの参加をさせていただきました。また、 炊き出しの調理は参加人数に制限があったため、 調理以外の参加者は「ホームレスの定義を考える」 「私たち医学生にできること」のワークショップ、 そして新宿駅でビッグイシューを実際に買っても らうというフィールドワークを行いました。 炊き出しや夜回りへの参加が初めてのスタッフ
[炊き出し調理の様子]
が多く、貴重な経験になりました。 <春の貧困スタディツアー~変化、生命、そして未来~> 【開催期間】2018 年3月 14 日・15 日・24 日 ~27 日・29 日・30 日 【場所】大阪府大阪市、熊本県熊本市、福岡県北 九州市 【対象】貧困に興味のある学生 【内容】代表的な貧困地域である大阪府の西成区 (通称釜ヶ崎) 、同委員会のプロジェクトである HiNaP(広島長崎ピースプロジェクト)と合同で 沖縄、「赤ちゃんポスト」を経営している熊本の 慈恵病院、そして九州でホームレスの自立支援を 行っている団体を訪問しその実態を学びました。 [街歩きの様子] 110
・3 月 14 日・15 日 釜ヶ崎ツアー 「知り伝えることの大切さ」 釜ヶ崎で活動されているありむら潜様にご協力いただき、釜ヶ崎の街歩き、そして釜ヶ崎で子どもと親の支援 を行う「NPO 法人こどもの里」 、主にリハビリを行っている「ふれあいクリニック」 、DOTS(直接監視下短期化 学療法)を行っている施設へ訪問しました。 釜ヶ崎の街は現在昔からの労働者の街という特徴を保ったまま、外国人のバックパッカーの宿泊地などへ変化 が起きています。実際に LARF として 1 年半前に釜ヶ崎を訪れたときに入れなかった場所に入れるようになるな ど、1 年半という短期間においても実感することの出来る事実として変化が起きています。その中で暮らす人々 や支援している 方々の様子を体感してきました。 ・3 月 24 日~27 日 沖縄イベント 「人権と平和、その多角的視点から貧困を見つめ る」 日本で唯一の地上戦が行われた沖縄に赴き、平 和そして貧困の面から講師をお呼びし、ワークシ ョップを行い、そして実際に記念碑などを訪れ沖 縄について学びを深めました。 貧困に関して述べれば、沖縄県は子どもの貧困 率そして貧困のリスクファクタである父子家庭・ 母子家庭の割合が高く、相対的貧困率も高い状態 です。一つの話題において、同じ人権と平和の委 員会の中で多角的に議論する機会を得られました。
[LARF ワークショップの様子]
・3 月 29 日・30 日 九州イベント 「反対されても続ける理由がある」 赤ちゃんポストが併設されている熊本の慈恵病 院様、そして福岡では主に北九州のホームレスの 自立支援を行う抱樸様にご協力いただき、熊本で は慈恵病院の院長様のお話、そして赤ちゃんポス トや子ども食堂の見学、福岡では抱樸様の運営さ れている施設の見学や活動内容の講演をしていた だきました。 熊本では赤ちゃんポストの設立の過程や、現在 も存在する問題をお聞きし赤ちゃんポストの存在 の大切さそして継続することへの大変さを学びま した。 福岡では抱樸様の運営されている施設では他地
[赤ちゃんポスト見学の様子]
域に比べて高い自立達成率を有しており、その理由や運営の仕方についてお話をお聞きしました。また、夜回り にも参加させていただき、夜の街の雰囲気や人々の動きなどを確認できました。 111
3.今後の展望・課題 先にも述べた通り、LARF プロジェクトのツアーの特徴として、街を歩く際にあまり大勢で歩けないため、多 くて 10 人の参加者にしか参加することが出来ません。そのため、今後もツアー開催の機会を増やし、より多く の方に日本の貧困に接する機会を提供していきたいです。 今年は以前からお世話になっている団体に加えて新しく繋がりが出来た団体がいくつかあります。今後もそう いった団体と連絡を取り続け、情報収集やツアーの企画などをしていきたいと思います。 また、ツアーの開催に関して初めに述べた通り、10 人ほどの参加者に限られておりスタッフも含めての人数 になるため、一つのイベントに対して当日参加かつ企画に参加できるスタッフが限られてしまいます。スタッフ の経験のためにも、企画の仕方を工夫していきたいです。 文責│旭川医科大学3年 飯沼実香
112
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Ⅲ.会議報告 Ⅲ会議報告" Conference ConferenceReport Report
9. National General Assembly│日本総会 1.日本総会について 「日本総会」は年に一度、日本全国から医療系の学生が約 400 名集まる IFMSA-Japan(以下、I-J)最大のイ ベントです。今年度で 15 回⽬を迎えましたが、過去の日本総会の良さを踏襲しつつ、現代社会においてこの総 会が持つ意義を今一度見直し、新たなテーマ設定やコンテンツを考えました。その結果、I-J の活動を一つに凝 縮させた、より密度の高いものとなりました。 今年のテーマは「SDGs ~未来の「
」に向けて、今自分にできるこ
と。~」でした。世界では今、SDGs (Sustainable Development Goals 持続可能な開発⽬標) を達成しようとする動きがあります。そして、私達 一人一人もこの SDGs を実現させていく責任があります。その始めの一歩 として、SDGs のことを「知」って、 「考」えて、 「行動」してほしい。そ してこの日本総会をきっかけに、自分の小さな行動が未来の「自分」、 「地 球」 、 「大切な誰か」を変えることに繋がっていくということを学び、これ からも実践していってほしい、という願いを込めてこのテーマに決定しま した。 SDGs 推進活動の最前線でご活躍されている先生によるご講演、お互い に意見を交換し高め合うワークショップなど様々なインプット・アウトプ ットの場を設けました。また、例年大好評を頂いているパーティーやナイ トセッションといった交流プログラムを通して、全国から集う学生同士が 親睦を深める場も創出しました。
[フライヤー]
2.概要 企画名
第 15 回 IFMSA-Japan 日本総会 英語表記
15th National General Assembly
略称 NGA 形態
学生会議
分野
医学/医療/社会学/教育/公衆衛生/啓蒙活動
会期
2017 年 11 月 3 日(金)~11 月 5 日(日)
会場
国立オリンピック記念青少年総合センター 住所 〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町 3 番 1 号 公式 HP(URL)
参加者総数 主催
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https://nyc.niye.go.jp/
313 名 国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)
運営
第 15 回 日本総会運営委員(Organizing Committee)
後援
公益社団法人 日本医師会
協賛企業
<ゴールドスポンサーシップ> 株式会社
メック 様
株式会社
羊土社 様
<日本総会 ブース出展協賛> 株式会社
ドクターズプラザ 様
プロジェクトアブロード 様 株式会社 協力学生団体
メック 様
・ALSA Japan
アジア法学生協会 ジャパン
・Asian Medical Students’ Association Japan(AMSA Japan)アジア医学生連絡協議会 日本支部 ・APS-Japan
一般社団法人 日本薬学生連盟
・Japan International Medical-ESS Student’ Association(JIMSA)日本国際医学 ESS 学生連盟 ・jaih-s
日本国際保険医療学会・学生部会
・JPCA Student & Resident Section
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会
・Medical Future Fes ⽬標
日本中の医療系学生が自身の大学や学部、興味分野を超え、全国の医療系学生と交流すること ができる場を提供する。また、様々なコンテンツを通して SDGs を身の回りから実践していけ る医療系学生を増やす。
期待される成果
本総会に参加した学生が、互いの活動や考え方、新たな学びに刺激を受け、高め合える仲間と なること。また、SDGs を意識した自分なりの行動を各自ができるようになること。
Web サイト
特設 HP(URL) https://ifmsajapannga.wixsite.com/15thnga
3.日程表 1 日⽬
12:30-13:00
Opening Ceremony
13:30-15:00
基調講演
15:30-16:00
外部団体プレゼンテーション
16:00-17:30
Activities Fair
18:00-19:00
夕食
20:00-21:30
Party
22:00-24:00
ナイトセッション
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2 日⽬
8:00-9:00 9:00-10:00
3 日⽬
大学代表者ワークショップ 国際会議報告会 / 留学報告会
10:30-12:00
テーマセッション
12:30-13:30
昼食
14:00-17:00
SDGs ハッカソン
16:30-17:30
Pre 総会本会議
17:30-19:00
地域ディナー
18:30-20:00
次期理事立候補者演説
20:00-21:00
運動会
20:00-22:00
総会本会議
8:30-10:30
総会本会議
8:30-11:30
SDGs ハッカソン
12:00-13:00
昼食
13:30-15:00
SDGs ハッカソン アイデア発表
15:00-15:30
Closing Ceremony
4.各プログラムの概要、当日の流れ 1 日⽬ ◎ Opening Ceremony
日本総会の参加者が一堂に会し、日本総会 運営委員長が開会宣言を行いました。続
けて、I-J と日本総会についての説明、代表挨拶があり、日本総会が始まりました。 ◎ 基調講演
国連開発計画(UNDP)の駐日代表である近藤先生をお招きし、講演をしていただきました。日
本や世界における SDGs の重要性や取り組みの現状、私たち若い世代に今求められていること等をお話してい ただきました。講演後には参加者からの質問や意見も非常に多く、有意義な時間となりました。
[近藤先生による講演の様子]
[質疑応答の様子]
◎ 外部団体プレゼンテーション I-J と同じく盛んに活動している外部の学生団体の活動もぜひ日本総会に来た 方々に知ってもらいたく、7 つの学生団体にプレゼンテーションを行ってもらいました。協力していただいた 学生団体は、前項の 2. 概要;協力学生団体の項⽬をご参照ください。 116
◎ Activities Fair この企画は、例年の日本総会では行われていない、初の試みでした。I-J では全国にいるス タッフが様々なプロジェクトに分かれて活動しています。すなわち、精力的に活動しているスタッフでも、自分 が当初から関わっているプロジェクト以外のことはじっくり知る機会がありません。今回は、I-J の内外で既に 盛んに活動している人はもちろん、何かこれから始めたいと思っている人も含め、お互いが行っている活動を自 由に見て聞いて回れる場を設けました。I-J に属するプロジェクトを中心に、その他にも I-J の加盟団体 (各大 学支部) でのローカル活動、I-J 外の学生団体からも出展者を募集し、当日は各出展ブースにてポスター発表を 行ってもらいました。最後には、参加者に投票用紙を配布し、最も興味を持ったプロジェクト名を記入してもら いました。その結果をもとに、総会最終日の Closing Ceremony にて投票数 1 位から 3 位までの表彰を行いま した。
[I-J 内のプロジェクト活動の発表の様子]
[ローカル支部での活動発表の様子]
[外部団体 AMSA Japan の発表ブースの様子]
◎ Party 参加者全員が一堂に会し、仮装をしてチーム 対抗のゲームを行いました。ゲームにも様々な工夫を凝 らし、初対面の参加者同士が親睦をさらに深めることが できました。
[仮装をした参加者が一堂に会した風景]
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◎ ナイトセッション 日中のコンテンツでは今年度の日本総会のテーマである「SDGs」 に基づくインプット やディスカッションがメインでしたが、夜はざっくばらんに参加者同士が好きな話題で語り合える場として、本 セッションを用意しました。多様なテーマを用意し、参加者には自分の興味のあるテーマの部屋に自由に出入り してもらい、充実した時間を過ごしてもらいました。 2 日⽬ ◎ 大学代表者ワークショップ I-J に団体加盟している大学の代表者の皆さんと、9 つのエリアにそれぞれいる 地域担当官、および大学代表者さん同士は、普段はメーリングリスト上でのコミュニケーションが中心となっ ています。本総会では実際に集まり顔を合わせて交流することで、I-J における地域の重要性を再認識してもら うことができました。また、大学代表者同士の交流がより密なものとなり、地域の活動の活性化にも繋がって います。今回は、特に盛んな活動を行っているいくつかの加盟団体の代表者さんに活動内容や今後の展望を発 表してもらったり、どの大学でもネックとなりやすい課題を取り上げたワールドカフェ(“カフェにいるような リラックスした雰囲気の中、参加者が少人数に分かれたテーブルで自由に対話を行い、ときどき他のテーブル とメンバーをシャッフルしながら話し合いを発展させていくこと)を行ったりと工夫を凝らし、参加者からも 好評を得ることができました。
◎ 国際会議報告会 IFMSA-Japan は、IFMSA を通して 127 ヵ国、136 団体の医療系団体との繋がりをもって 活動しています。IFMSA の国際会議(世界総会とアジア太平洋地域会議)に参加して世界の医療系学生と繋が るからこそ得られる刺激や学びを知ってもらうため、国際会議報告会を開催いたしました。 また、 今年度は 2017 年 9 月に日本で 10 年ぶりに 2 度⽬のアジア太平洋地域会議を東京で開催したこともあり、その報告も含めて 行いました。 ◎ 留学報告会 I-J の SCOPE (臨床交換留学に関する委員会) と SCORE (基礎交換留学に関する委員会)を通 じて行っている医学に特化した交換留学プログラムに関する報告会が行われました。実際に各委員会を通して 海外留学を経験したスタッフからのプレゼンテーション発表や、留学プログラムに参加するための要件の説明 などを行いました。朝早くで任意参加のコンテンツにも関わらず、多くの学生に参加していただき、質疑応答 も活発に行われ、医学留学への関心の高さが伺えました。
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◎ テーマセッション 今年度の日本総会のテーマである「SDGs」を自分事として捉え、かつ参加者一人ひとり が行動に移していくため、SDGs について知って、考えるコンテンツを用意しました。劇やクイズゲームを通 して SDGs に親しみを持ってもらい、その後は各グループに分かれて仮想の市が抱える課題を SDGs の観点 から捉え、解決策を考えるワークを行いました。ここで初めて SDGs の 17 の⽬標にじっくり触れた参加者も 多く、SDGs を身近に感じてもらうための良い足がかりとなりました。
[仮想都市からの依頼状]
◎ SDGs ハッカソン (2 日間)
[各班からのアイデア発表の様子]
本企画はこれまでの日本総会にはない、初めてのコンテンツです。今回の日
本総会のテーマである SDGs を達成するために、SDGs にまつわる社会課題を取り上げ、その解決のために、 チームごとに実現可能なプロジェクトを 2 日間に渡って練ってもらいました。単なるワークショップでは「議 論して終わり」となることがほとんどですが、ハッカソンでは意見やアイデアを言い合って終わることがゴー ルではなく、 「実際に行動に移す」ことを念頭に置いて議論し、計画を立ててもらいました。難民、食品、教育、 ジェンダーなどチームごとに多種多様な課題に着⽬し、限られた時間の中で苦戦しながらも、アイデアを高め ていく様子が随所に見られました。最後には各チームが順にプロジェクト案を発表し、参加者全員に発表内容 を評価してもらい、評価ポイントが高かった上位 3 チームには表彰を行いました。また、いくつかのプロジェ クトは日本総会後、実際に I-J 内で実現化に向けて動き出しました。
[各チームでのアイデア出しの様子]
◎ 地域ディナー 2 日⽬の夜は、I-J が定めた 9 つの地域区分に従って、各地域担当官を中心に夕食を取りまし た。同じ地域内の大学でも、普段は実際に会って交流する機会は少ないので、この場を通して身近な大学同士 の交流を深めることができ、地域内で交流することの重要性を改めて認識しました。
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◎ 運動会 例年行っているパーティーやナイトセッションなどの交流の場に加え、今回は新たに「夜の運動会」 を立案しました。内務部門が統括し、SDGs の⽬標 3「すべての人に健康と福祉を」を念頭においたコンテン ツが展開されました。日中は机に座り頭を動かしているので、夜は皆で体育館で体を動かし、一日を締めくく る時間となりました。地域対抗戦とし、競技項⽬は過不足なく適度な運動をすることを⽬指しつつ、面白さを 追及したムカデ競争と大縄跳びを行いました。参加者からは「地域の仲を深められてよかった」 「適度な運動が できて楽しかった」という意見もあれば「もっと運動したかった」という余力溢れる声や、競技内容のさらな る充実性を求める声もあり、様々な参加者層が見受けられました。しかし総じて、笑顔溢れる運動会となり、 適度な汗を流しつつ交流を深めることができました。
[ムカデ競走]
[大縄跳び]
◎ Pre 総会本会議 総会本会議に向けての導入が行われました。 ここには総会本会議を取り仕切る議長団と CCC (規約監査委員) 、及び議決権を持つ団体加盟校の大学代表者や I-J の運営の中心を担う理事が集いました。議 長団が総会本会議の意義やプロセスを説明し、その後は架空の議案を設定し、会議のシミュレーションを行い ました。大学代表者の方々の発言も多く、積極的な参加姿勢が見受けられ、充実した時間となりました。 ◎ 次期理事立候補者演説 2017 年度は 3 月 31 日を持って終了し、2018 年 4 月 1 日には全役職の任期が交代となり ます。中でも I-J の運営の中心を担う 「理事」に関しては、本総会中に行わ れる総会本会議にて、大学代表者の皆 さんからの承認を経て就任が決定され ます。採決の前には理事立候補者によ る演説及び質疑応答を行うこととなっ ていますが、今回の総会ではこの演説 をより多くのスタッフやこれから I-J に関わる可能性のある参加者の皆さんに見学してもらうべく、タイムスケジュールを調整し、積極的な参加を 促しました。そして、理事立候補者達による堂々とした演説、盛んな質疑応答が展開されました。
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◎ 総会本会議 (2 日間) 総会本会議とは、団体会員によって構成される I-J の最高意思決定機関であり、I-J の 運営の基盤である定款・細則の変更、次年度理事の選出、新規加盟団体承認など I-J 最重要項⽬の変更や決定 を行う会議です。各加盟団体校の代表が出席し、各大学が一票ずつの投票権を持ちます。今回の総会本会議で は、新たに団体加盟希望として国際医療福祉大学、鹿児島大学の学生が名乗りを挙げました。双方の大学から 1 年生が登壇し、大学代表者の皆さんの前でこれまでの活動の紹介や展望を語りました。2 大学ともに承認さ れ、団体加盟校は 59 校となりました。その他、SCOME (医学教育に関する委員会) による新規プロジェクト 立ち上げに向けた Statement、およびそれに対するディスカッションも行われ、例年以上に大学代表者の皆さ ん一人ひとりが主体性を持って質問や意見を出してくれたこともあり、非常に活発な議論の場となりました。 会議後のアンケートでは、 「I-J の運営体制への理解度が深まった」「運営を担う一員なのだという実感を持て た」という声や、議事進行に対する高い評価を得ることができました。
[国際医療福祉大学に対する質疑応答の様子]
[voting の様子]
3 日⽬ ◎ Closing Ceremony 2 日間に渡る SDGs ハッカソンと総会本会議を経て、3 日間の日本総会を締めくくり ました。各々、この総会で得たものを振り返る時間となりました。
5.課題 今年の日本総会では例年と異なり、より生産性を高めた企画としてハッカソンなどの新企画も取り入れました。 ハッカソンを通して創出された各プロジェクト案が、日本総会後に、既存の委員会の協力により企画として実現 に向かうことになった点が成果と言えます。また、日本総会を契機に I-J の活動に興味を持ち、理念に共感し、 スタッフインターンを行った参加者も多数いることから、I-J 最大のイベントとして、活動の幅やリーチする学 生を広めることにも成功しました。 一方で課題としては、日本総会が IFMSA-Japan の最大のイベントとしながらも、I-J 最大の活動の主体であ る委員会の出番が少なかったことがあります。3 日間を通して、すべてのコンテンツに確固たる⽬的意識を持た せ、今年のように一貫性を保持しながらも、委員会の力、スタッフの力も魅せ、かつ参加者の関与度も高く、最 終的には生産性もある日本総会を企画することを課題としていきます。
6.振り返り、感想等 今年の日本総会は新しいコンテンツが多く、また近い時期に東京で IFMSA 主催の国際会議があり、非常に準 備が切羽詰まった状況での開催となってしまいました。しかし運営委員主体で日本総会当日に向けて精一杯準備 をしてきました。結果、今年の日本総会も参加者、スタッフにも大好評で素晴らしいものを残すことができまし 121
た。本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。 最後に、日本総会の運営に協力してくださった、外部団体、講師の先生、協賛企業様にはこの場を借りて厚く 御礼申し上げます。 文責 | 鳥取大学4年 前部都
122 104
10. International Conferences|国際会議 General Assembly│世界総会 General Assembly(以下 GA)とは、毎年2回、3月と8月に開催される IFMSA の国際会議であり、世界 127 カ国で活動している 137 の IFSMA 加盟団体からそれぞれ最大 16 名の代表団が参加します。IFMSA という世界 的な連盟の運営方針や理念達成のための議論と会議を行う最高意思決定の場であり、総会本会議を初め、各委員 会のセッションや交換留学の契約、トレーニング、そしてテーマに沿った講演などが行われます。
IFMSA General Assembly 66th August Meeting (AM2017) 1.概要 [日程] 2017 年 8 月 1 日~7 日 [開催地] タンザニア、アルーシャ [参加人数] 約 850 名 [テーマ] Crisis in Human Resources for Health: Developing Human Resources within the SDG3 Framework [概要] IFMSA-Japan からは 5 名が代表団として参加しました。
[IFMSA-Japan からの参加者]
[AM2017 のロゴ]
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2.日程
3.各プログラムの概要 Opening Ceremony|開会式 今回の世界総会には 102 カ国から約 850 名の医学生が参加し、参加国数としては過去最多となりました。例年、 特にアフリカ諸国の医学生にとってはビザ取得が大きなハードルとなり、参加が難しい例も多々あることが問題 となっていますが、今回はタンザニア開催ということでアフリカ諸国からの参加も非常に多い印象を受けました。 Opening Ceremony では WONCA(世界一般医・家庭医学会)代表、WFME(世界医学教育連盟)代表や WHO (世界保健機関)の Technical Officer 等も参列し、壇上でのご挨拶がありました。また、タンザニアの伝統的 な音楽やダンスのパフォーマンスがあり、マサイ族のジャンプやまるでサーカスのような芸もあり、会場が一気 にアフリカの陽気な雰囲気に包まれました。
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Plenary|総会本会議 Plenary とは、各 NMO(National Member Organization;加盟団体)から 1 名ずつ代表者が voting 席につき、 議題ごとに投票する場です。各国は自国の国旗を机に敷き、国旗の書かれた voting card を持ち、雰囲気は国連 の会議さながらです。IFMSA 全体の規約改正や次期役員の選挙、新規加盟団体のプレゼンテーションと承認投 票等、重要な議題が⽬白押しで、各 NMO の代表者だけでなくその他の参加者も大勢観客席で意思決定の瞬間を 見守ります。
[Plenary にて voting card を挙げて投票を行う様子]
Standing Committee Sessions|委員会セッション 各国の委員会で活動している学生が委員会ごとに集まり、議論を交わして学びを深める時間です。IFMSA 本部 の各委員会責任者たち主導で練られたセッション内容は、レクチャーの他にもロールプレイやディベート、映像 作りなど様々な手法を使って学べるように工夫されています。日本で行う勉強会やイベントとはひと味違った雰 囲気と手法が楽しめます。今回は IFMSA-Japan からの参加者が少なかったためすべての委員会セッションに参 加することはできませんでしたが、 参加した SCOPH Session と Exchange Session そして Presidents’ Session についてご報告します。
[ワークショップの様子] セッション中は小グループに分かれてのディスカッションが多く行われます。
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<SCOPH Session> SCOPH セッションのある一日では、Non Communicable Diseases (NCDs) の中でも肥満・飲酒・癌について 取りあげました。まずアイスブレイキングやゲーム形式を通して、それぞれの定義や基本情報、国ごとの状況な どを知りました。この情報を元に、小グループに分かれて意見を共有し合ったり質問し合ったりして NCDs と世 界の状況について考えを深めました。 「癌」のテーマでは、政府、製薬会社、がん患者とその家族、タバコ産業 などの役割を充てられ、小チームに分かれてそれぞれの立場で主張をプレゼンテーションしました。
[SCOPH セッションの集合写真]
<Exchange Session> Exchange Session は、SCOPE(臨床交換留学に関する委員会)と SCORE(基礎交換留学に関する委員会)の 合同セッションとなっています。IFMSA 全体として現在直面している留学システムにおける課題やアップデー トについて共有したり議論したりしました。例えば、各大学が留学生を受け入れた際に行うソーシャルイベント の企画について、そして各大学の Contact Person(海外留学生との連絡係)の課題についてなど、同じ悩みを 共有する学生同士で小グループを形成し話し合いました。
<Presidents’ Session> Presidents’ Session は委員会セッションとは別に行われている、各 NMO の President(代表)や副代表などの 各国内の代表者たちが集まり議論するセッションです。IFMSA 全体として直面している課題を取り上げ、それ に対する課題解決組織”Task Force”が行っている調査報告、これらを受けて今後推奨される運営方針・新たな取 り組みについて、IFMSA 本部理事らからの説明を受け、参加者でディスカッションを行います。今回の内容と しては、ファンドレイジング(資金調達)に関する各加盟団体への調査や、ビザなどの問題で世界総会に参加で きない加盟団体のための会議ライブ配信やオンラインでの投票システム等の需要調査・可能性の模索などがあり ました。ライブ配信とオンライン投票に関しては、この調査を受けて 3 月にエジプトで行われる世界総会での実 現を⽬指す Task Force が新たに始動することも決まりました。調査の結果を実際の活動に反映させていくプロ セスを⽬の当たりにすることができ、計画性と行動力を持つ組織だと改めて実感させられます。 また今回の GA では IFMSA の 3 カ年計画である”Strategy”を更新する時期となり、Presidents’ Session では 126
2017 年から 2020 年にかけて行う Strategy 2017-2020 を採択するべく議論がありました。参加者は IFMSA の決めた方針にただ従うのではなく、現状に見合う戦略となっているのか、自分の住む地域の加盟団体にとって も意味のある全体のことを考えた内容になっているのか良く考え、主体性を持った発言が多く交わされる活発な 議論となりました。
[セッションの様子]
Theme Event|テーマイベント 今回の世界総会のテーマは”Crisis in Human Resources for Health: Developing Human resources within the SDG3 Framework” であり、保健医療における人材制度の課題について学びました。Universal Health Coverage (UHC)、そして Sustainable Development Goals (持続可能な開発⽬標; SDGs) の⽬標 3*を達成 するためには、全ての国と地域において保健医療人材の数と質を担保することが必要です。今回のテーマイベン トでは、持続可能な人材制度を世界各国で実現するためにどのような行動をおこせば良いのかを学生の立場で考 え議論しました。その成果として、IFMSA としてのアクションプラン “IFMSA Plan of Action: Developing Resources for Health within the SDG3 Framework” を完成させました。アクションプランでは次の 4 つの柱 を軸に活動することを掲げています。①国際的なアドボカシー ②国内でのアドボカシー ③学生のキャパシティ ビルディング ④ジェンダー・エンパワメント。それぞれの 4 つの柱に対して IFMSA として、そして加盟団体と して行動できる具体例が盛り込まれたプランとなっており、世界の若い世代が一丸となって保健医療の課題解決 に取り組んでゆく意志を表しています。 (*SDGs ⽬標3「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」)
Exchange Fair|留学契約 夏の世界総会で開催される一大イベントである Exchange Fair は、IFMSA で行われている留学の契約締結会の ことです。SCOPE では臨床交換留学、SCORE では基礎交換留学の契約を国同士で締結します。IFMSA-Japan としては、留学予定の日本人学生が希望通りの国へ留学できるよう、Exchange Fair に向けて準備と対策に力を 入れ、本番に臨みます。当日の会場では各国がブースを出展し、自分の国を世界に知ってもらうためにお土産や パンフレットなどを持参しプロモーション活動を行います。日本は留学先として毎年大変人気があるため、今年 も日本ブースにはひっきりなしに他国の留学責任者や参加者が押し寄せ嬉しい悲鳴となりました。
Activities Fair|活動ポスターセッション Activities Fair では世界各国の IFMSA 加盟団体で行われている様々なプロジェクトの紹介ブースが 80 以上展開 されます。国や地域によって取り扱う課題も様々で、中には斬新でクリエイティブな活動もあり、その考え方を 127
学ぶことができ参考になります。特に海外では、持続性や評価システムまでをも体系的に考えたプロジェクトが 多く、日本ではまだ足りない分野であることを実感させられます。
[Activities Fair でのプロジェクト出展の様子]
会期中は毎晩ソーシャルプログラムも用意され、世界中の医学生と交流を楽しみました。
4.感想・課題 世界総会への参加に対しては渡航面や言語・文化的な面からも敷居高く感じてしまう学生が多いのが現状です。 今回もタンザニアという遠い地での開催ということで、日本からの参加者は 5 名にとどまりました。このように 日本人参加者が少数の場合でも、そこで得た経験を IFMSA-Japan に持ち帰り団体の運営や活動に活かすことで、 参加できない多くの学生もその恩恵を受けることができたらと思います。そのためにも、報告書作りのみならず 様々な国内活動を通して経験を還元していく方法を今後も考え続けなければならないと感じています。 本レポートに記されているように、世界総会に参加することで新しい考え方に気付き、世界中の学生から刺激を もらうことができ、必ず有意義な経験となります。今後はより多くの学生に国際会議の魅力を知ってもらい、少 しでも興味をもった学生がなるべく参加できるよう、IFMSA-Japan 国際業務としての活動を充実させていく必 要があります。 文責・編集│北里大学 4 年 128
棚元なな
IFMSA General Assembly 68th March Meeting (MM2018) 1.概要 [日程] 2018 年 3 月 1 日~7 日 [開催地] エジプト、ハルガダ [参加人数] 1000 名超(101 か国) [テーマ] The Road Towards Universal Health Coverage [概要] IFMSA-Japan からは 4 名が日本代表団として参加しました。
2. 日程
3. 主要プログラム概要 Plenary|総会本会議 Pleanry は IFMSA の最高意思決定機関であり、各国の代表が集い運営に関する決定がなされます。今回の Plenary の主な議題は以下の通りです。 ①会計/外務等の報告書の採択、②規約改正、③Policy Document の採択、④新規加盟/脱退、⑤理事選挙、⑥ 2019 年春の世界総会開催地決定 Policy Document は 社 会 課 題 に 対 す る IFMSA の 立 場 を 表 明 す る 提 言 書 で す 。 今 回 採 択 さ れ た 提 言 は Non-Communicable Diseases, Gender Equity, Universal Health Coverage, Ethical Medical Placements Abroad, Global Health Workforce, Neglected Tropical Diseases, Social Accountability in Medical Schools, and Antimicrobial Resistance といったテーマを扱っています。IFMSA-Japan でも受動喫煙に関する提言を進 めており、提言活動の形を学ぶことが出来ました。 新規加盟に関しては、アルーバ、タジキスタン、マレーシアの 3 団体が加盟し、IFMSA への加盟数は 127 か国 137 地域となりました。 理事選挙では 2018 年 10 月から任期を務める 6 人の理事が選ばれました。代表 Ms. Batool AlWahdani(ヨル ダン出身)を筆頭とする来年度の陣容に大きな期待が寄せられました。 129
最後に 2019 年春の世界総会開催地がスロベニアに決定しました。IFMSA-Japan からも多くのメンバーが参加 出来るよう準備を進めていきます。
Standing Committee Session|委員会セッション IFMSA の活動基盤である各委員会が提供するセッションが世界総会ではほぼ毎日開催されます。私は、 Presidents’ Session に参加しました。このセッションでは各国の代表や幹部陣が集い、IFMSA の運営体制に関 しての意見募集や各国の活動形態の共有が中心テーマとなります。位置づけとして、Plenary の準備の意味合い も含んでいます。 議題は以下の通りです。 1 日⽬ 夏の世界総会の情報共有、各国の活動レポートのフィードバック体制について。 2 日⽬ 監査報告(金銭の不正使用、パレスチナ IFMSA の扱い) 、規約改正(言語、1 国からの立候補者) 、Live Streaming 3 日⽬ 新規加盟国・地域(マレーシア、タジキスタン、アルーバ)の評価、外部団体との提携規約の評価(GHCA Global Climate and Health Alliance、AMSA Asian Medical Students’ Associations) 、規約改正 4 日⽬ 2016 年夏の世界総会の会計問題、Programs 制度の普及、パレスチナ IFMSA の加盟状況 5 日⽬ 会計報告、外務報告、パレスチナ IFMSA の加盟状況 時には政治的側面も絡む議論でしたが、IFMSA の規約(Bylaw)に則った話し合いは国際関係を深く学ぶことの できるものでした。
Regional Meeting|地域会議 アジア太平洋地域の IFMSA メンバーが集い、地区の運営方針や活動計画を議論しました。今回の地域会議で特 に力を入れていたのは、Asia Pacific Think Tank の話題です。これは Global な社会問題に対して、アジア太平 洋地域の学生が迅速にアクションを起こせるように、各トピックに対してのチームを作ろうという試みです。私 は AMR(薬剤耐性)のチームに所属し、各国での抗菌薬使用の遵守体制やガイドラインの有無に関して情報を 共有し合いました。他にも、WHO インターンの実施状況や WHO Simulation の企画支援、3 か月後のアジア太 平洋地域会議に関しての情報共有といった議題が提供されました。 130
Theme Event|テーマイベント 2018 年春の世界総会のテーマは “The Road Towards Universal Health Coverage.” でした。Universal Health Coverage(UHC)は国連が提唱する Sustainable Developments Goals(SDGs)のゴール 3 に関わる 主な項⽬であり、世界を挙げての達成が望まれています。IFMSA も国際 NGO として、UHC の実現に力を入れ ています。テーマイベントでは、3 人の UHC の専門家にパネルディスカッションを披露していただいた後、 Hurghada Youth Call to Action on Universal Health Coverage という書類を作成しました。(Website にて閲 覧可能です。)この書類は今後世界の医学生からの意見表明として主要国際会議にて活用されます。
Activities Fair|活動ポスターセッション 各国のプロジェクトがブースを出し、ポスターや動画を通して活動を発表します。ケニアの大学生への性教育、 ブラジルでの動物による外傷への処置の啓発など様々な活動を知ることが出来ました。
4.感想 IFMSA の一番の魅力といってよい国際性。IFMSA-Japan に所属してから 3 年になり、国際企画にも幾つか参加 したことはありましたが、100 か国 1000 人が集まる世界総会での経験は今までにない世界観を広げてくれまし た。Plenary を始めとする議論の場では国の代表として、各国の活動の内情は勿論、世界情勢を年頭に置いたう えでの判断が必要となります。今回の総会では IFMSA-Taiwan の独立を担保するために、IFMSA-Japan として も議論を重ね意見を表明しました。学生のうちに国・地域の立場を考慮した真剣な会議に参加し、国際関係の在 り方を実地として学べたことに感謝しています。 文責 東北大学 4 年 笠井俊佑
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Asia Pacific Regional Assembly│アジア太平洋地域会議 1.APRM について APRM とは、年に一度アジア太平洋地域で開催される、IFMSA 主催の国際会議です。現在、IFMSA のアジア太 平洋地域には 18 の国と地域が加盟しています。これら加盟団体の学生が集まり、アジア地域の医療や保健分野 の課題について学び、議論を交わします。
2.概要 今年度は 10 年ぶりに日本にて国際会議が開催されました。運営には約 40 名の学生が関わり、参加者枠も例年 の 16 名より拡大し 50 名となり、IFMSA-Japan をあげての盛り上がりを見せました。 [日程] APRM 本会議 2017 年 9 月 17 日~21 日 Pre APRM
2017 年 9 月 14 日~17 日
Post APRM
2017 年 9 月 21 日~23 日
[参加人数] 日本人 50 名 海外参加者 150 名 [参加団体(国・地域名)] BMSS(バングラデシュ) 、IFMSA-Brazil(ブラジル) 、IFMSA-China(中国) 、AMSA-Hong Kong(香港)、MSAI (インド) 、CIMSA-ISMKI(インドネシア) 、IFMSA-Japan(日本) 、KaZMSA(カザフスタン) 、KMSA(韓国) 、 IFMSA-Morocco(モロッコ) 、NMSS(ネパール) 、IFMSA-Netherlands(オランダ) 、IFMSA-Pakistan(パキ スタン)、AMSA-Philippines(フィリピン)、FMS Taiwan(台湾)、AMSA-Singapore(シンガポール)、 IFMSA-Sweden(スウェーデン) 、IFMSA-Thailand(タイ)
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3.日程表
4.各プログラムの概要 Tea Ceremony|お茶会(茶道体験) 参加者が到着した本会議の初日に、日本文化を体験してもらうべく Tea Ceremony を開催しました。和室にて お茶の受け取り方や飲み方のお作法をレクチャーし、お茶と和菓子を楽しみました。
[Tea Ceremony の様子] 133
Opening Ceremony|開会式 初日の夜には会場を西新宿のレストランに移動し、Opening Ceremony が開催されました。津軽三味線奏者、 千葉 楽斗様による軽快な演奏が Ceremony の幕開けを華やかにし、趣向を凝らした動画や音楽と共に今年の APRM のテーマが発表されました。その後、APRM Chair 棚元、Asia Pacific 責任者 Satria Nur Sya’ban から 挨拶、そして東京都医師会会長 尾﨑 治夫先生からも開会のお言葉を頂戴しました。ご来賓には、尾﨑先生の他 に、東京都医師会理事 ⽬々澤 肇先生、島崎 美奈子先生、蓮沼 剛先生にお越しいただきました。乾杯の後は、 国境や学年を超えた参加者同士で歓談を楽しみつつ、歌舞伎の文化に触れました。歌舞伎役者の方をお招きして 演技を披露していただいたあと、参加者が実際に見得を切ったり、衣装を着たりする機会がありました。どの場 面でも大歓声があがり、日本文化が海外からやってきた方の心をも揺さぶっていると思うと感慨深かったです。 やがて、始終賑やかな様子であった Opening Ceremony は幕を閉じました。
[Opening Ceremony の様子]
[Opening Ceremony の最後に撮った集合写真]
Standing Committee Sessions|委員会セッション IFMSA の 5 つの委員会にわかれて行われる Standing Committee Sessions では、毎日異なるテーマを扱い、 参加者の知識を深め、意見交換を促進します。セッションの司会には IFMSA 本部や Asia Pacific 地域チームの 役員が参加し、世界基準のセッションを受ける機会となりました。それぞれの委員会セッションから、ある一日 の内容をご紹介します。 134
<SCOME Session> 1 日⽬の SCOME セッションはオープニング・アイスブレイキングに始まり、自分たちでルールや役割を作りな がら自己紹介を行いました。次に IFMSA と SCOME の紹介があり、IFMSA の組織構造や SCOME の⽬標とすべ きところについて認識を改めて一致させました。最後に、医学教育における問題点を特定するためのグループデ ィスカッションを行いました。例えば 10 年以上前に日本で問題になっていたことが現在台湾で大きな問題にな っているなど、各国でそれぞれ異なったことが問題となっており、それに対して提案される解決法を聞いていて も、国が違えば考えも異なるのだと実感しました。
[SCOME セッションにて] <SCOPH Session> この日はまず health とは?という根本的なテーマについて考え、health と一言で言っても public health、global health 、 international health 、 planet health の 4 つ に 分 け ら れ る こ と を 知 り ま し た 。 次 に 、 NCDs (Non-Communicable Disease) について取りあげ、その中でもタバコに焦点を当てて議論を行いました。クイ ズやレクチャーを通し、タバコという世界的な公衆衛生上の問題について理解を深めました。またグループに分 かれ、それぞれの国で喫煙者を減らすための取り組みについて発表しあい、喫煙者を減らすために最も重要なこ とは何かについて議論しました。アジア各国での喫煙者に対する対策(税率が高いなど)は似ているところが多く ありましたが、少しずつ異なるところ(特にタバコのパッケージについて)もあることに気づきました。
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[SCOPH セッションでの発表] <SCORP Session> Project management 、 human rights advocacy と disaster medicine の3つのテーマについて扱いました。 初めの project management では、プロジェクトとは何か、そしてプロジェクトを進める上で必要なことを学 びました。また、human rights advocacy では、人権擁護のためのアドボカシー戦略を取り上げ、主張の大切 さやその効果的な方法について具体例を見ながら学びました。最後の disaster medicine では、災害サイクルの 考え方を用いて急性期・慢性期・静穏期の 3 ステージにて必要とされる医療支援などについて学び、各国の災害 時の対応なども議論しました。
[SCORP セッションでの発表の様子] <Exchange Session> Exchange セッションでは、IFMSA の交換留学プログラムを支える各国の役員である Exchange Officer のスキ ルアップを図ったり、有意義な留学を実現させるためのディスカッションなどを行ったりします。「Perfect Exchange Officer に必要な能力は何か」を参加者の皆さんとディスカッションしたり、Exchange Officer とし てどういった観点を重視して海外に行く学生を選考するべきかを考えて発表しました。また、実際に留学する際 に使える logbook 等の説明や、研究留学の際の学術的視点から留学先を選ぶ方法なども学びました。 <SCORA Session> このセッションでは、リプロダクティブ&セクシャル・ライツや HIV/AIDS に対する偏見などについて討論しま した。討論の中では、カップルが公で手をつないでいるだけでも処罰の対象となり、身体に鞭を打たれたりする 136
国があることを知りました。国や宗教によって性に関しての考え方が大きく異なることを実感することができま した。さらに、AIDS 患者を表すために、AIDS に対して理解を示す言葉を使うのかそれとも AIDS を悪いイメ ージとして捉えて言葉を選ぶのか、という「言葉」のワークショップを行い、言葉の裏に隠れた社会的な偏見に ついて考えさせられました。将来医療者として、HIV/AIDS 患者のみならず様々な患者と接する際に忘れてはい けないことだと感じました。
[SCORA セッションでの一コマ] <Presidents‘ Session> Presidents‘ Session では IFMSA Asia Pacific (AP) 地域の役員や各加盟団体の幹部が集まり、AP 地域の運営方 針を示し合います。この日の Session 内容の中で特に印象が強かった「Small Working Group(SWG)の現状 報告」について簡単に記します。SWG とは国際社会における課題解決に向けて、IFMSA として外部組織への意 思表明を行うためのチームです。現在 AP 地域では”Human Resources for Health in Asia Pacific”をテーマに 活動を始めていますが、SWG 自体未だ IFMSA-Japan にはあまり浸透していない体制です。国際社会への発信 の在りかたを考えて各国の学生と共同で課題に取り組むことは日本のメンバーにとっても貴重な経験となるは ずであり、今後の IFMSA-Japan からの積極的な参加が期待されます。
Joint Session|ジョイントセッション Joint Session では、二つの委員会のテーマを掛け合わせたワークショップやレクチャーが行われます。普段は 独立して活動している委員会ですが、複数の委員会の考え方や枠組みを適応する事で、問題を多角的に理解し解 決を進めます。Joint Session の一例を下に記します。 SCOPH×SCOME の Joint Session では、医学教育とメンタルヘルスについて扱いました。基礎知識をつけた後 は、参加者の経験談を共有しながら、メンタルヘルスのイメージや悲観的な感情への対処方法のレクチャーを受 けました。最後には、医学生のためのメンタルヘルスについてディスカッションしました。欧米では、医学生の 自殺率が高いなどメンタルヘルスが問題視されています。また、友達が悲観的な状況にある場合、心理カウンセ ラーを訪ねることを勧める国とそれを否定的な⽬で見る国があることも議論になり、環境によって十分なサポー ト体制が利用されないこともあると知りました。
Theme Event|テーマイベント APRM では毎年、その年のテーマに基づいた基調講演とワークショップを行います。今年の APRM のテーマは、 主催国として APRM を日本で開催することの意義を考え、 「平和」を扱うこととなりました。具体的には、原爆 137
を経験している唯一の被爆国として、そして核非拡散に向けて世界をリードする国として、原爆や紛争といった 人道危機と医療の関係を学ぶ機会となりました。「私たちのアジアを想う~健康と平和な未来のために」 (”Healthcare in conflicts and emergencies: medical workers towards building peace”)と題したテーマ に関して、次の外部講師の方々のお話を聞き、パネルディスカッションを行ったりしました。 1 日⽬「核兵器、軍事力、紛争について」—講演とパネルディスカッション— 日本赤十字社長崎原爆病院
名誉院長 朝長 万左男 様
公益社団法人日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター 元所長 阿部 信泰 様 早稲田大学留学センター講師 元 ILO 職員 小山 淑子 様 2日⽬「難民問題について」—講演と World Peace Day に向けたキャンペーン作成— UNHCR 駐日事務所 河原
直美 様
テーマイベント 1 日⽬では、 「紛争やテロ、核の脅威などの有事の際、そして、平和の構築に向けて、医療系学 生がどう貢献できるか」という観点で、各方面の専門家 3 名と学生との間で議論が行われました。特に、広島、 長崎における原爆や、福島での原発事故、という世界的に見ても類い稀な出来事への関心も高く、活発な議論と なりました。
[Theme Session の様子]
[講師の方と参加者でディスカッション]
テーマイベント 2 日⽬は難民問題の専門家の方のお話を聞き、難民問題と平和について考えました。ご講演の後 は、アジア太平洋地域の紛争による死者数、難民の数、テロが起こった回数が書かれた地図を見て、国ごとの違 いなどについてグループでディスカッションを行いました。難民問題は日本ではあまり馴染みがないように感じ 138
ていましたが、様々な国の学生の思いを聞くことができ、貴重な体験となりました。バングラデシュの参加者か らは、ロヒンギャ難民の現状や、難民キャンプでは医療者や医学生が医療ボランティアを行っていること聞きま した。また、9 月 21 日の World Peace Day に向けてソーシャルメディアキャンペーンを作成するということ で、平和へ向けてのメッセージを伝えるビデオ撮影も行われました。
[小グループに分かれてディスカッション]
Activities Fair|活動ポスターセッション Activities Fair は各国で行われている特徴的な活動をポスターや写真などを交えて紹介する企画です。例えば香 港では MedStart2017 という活動が行われています。高校生向けに医学部の授業や実習の紹介を行い、正しい 進路を決める手助けをするもので医療系学生ならではの活動として素晴らしく思えました。また日本からも Africa Village Project やぬいぐるみ病院プロジェクトが出展を行いました。自由にブースを回ることができ、会 場内は活気に溢れていました。東京都医師会理事 ⽬々澤 肇先生にもお越しいただきました。
[Activities Fair でプロジェクトを説明]
[プロジェクトの⽬的や成果をパンフレットなどにまとめたもの]
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Training Sessions|トレーニングセッション IFMSA の国際 Trainer による 3 種類の Training が 開 催 さ れ ま し た 。 ソ フ ト ス キ ル ( conflict management や assessment and evaluation な ど)を身につける Training の他、委員会ごとの知 識やスキルを習得する Training として SCOME に よ る
TMET
(Training
Medical
Education
Trainers) もありました。委員会ごとの Training はまだ日本にはない概念で、各委員会に適したスキ ルを学べるようになれば、さらに日本の活動を充実 させられるかもしれません。 [国際 Trainer によるセッションの様子]
Plenary|総会本会議 Plenary は IFMSA Asia Pacific 地域の意思決定の場となる総会です。各加盟団体の代表者が議題に対して意見を 交わし、最終的に投票での採決が行われます。 今回の Plenary の主な内容は①規約の改定 ②Activities Fair の最優秀プロジェクトの決定 ③2018 年 APRM 開催国の決定です。①ではフィジー、ウズベキスタンの Full Member への加盟や APRM の立候補時期が議題と なりました。②ではシンガポールのプロジェクトが最優秀プロジェクトに選出されました。低所得家庭の健康状 態を電話・手紙・巡回等で見守るという内容のものであり、内容の斬新さはもちろんのこと評価体制や継続性な どは IFMSA-Japan のプロジェクトも大いに見習うべき点がありました。③2018 年 APRM 開催国は韓国に決定 しました。日本からアクセスの良い国ということで来年も日本から多くの参加者が出ることを期待しています。 閉会時には、東京都医師会理事 道永 麻里先生、⽬々澤 肇先生にご挨拶いただきました。
[各加盟団体の代表者が集まり投票を行う]
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Social Programs|ソーシャルプログラム <Cultural Night> 各国の参加者がそれぞれの伝統衣装や制服などのコ スチュームを身にまとい、パフォーマンスを披露しま した。日本からは盆踊りが披露され、地域の枠組みを 超えて一緒に踊るなど大きな盛り上がりを見せまし た。会場は日本の祭りをテーマとした飾り付けや演出 がなされ、縁日の射的体験が行われました。参加者が 互いに打ち解け合い、写真撮影やサイン交換で大盛況 のうちに幕を閉じました。
<National Food and Drink Party(NFDP)> 各国の人々が仮装をして、持ち寄った各国特有の食べ物や飲み物を楽しむものです。会場では、皆で歌ったり踊 ったりしながら、国を超えて仲を深めることが出来ました。普段の生活では決して経験することの出来ないもの でした。
[NFDP の様子]
NMO Hour|加盟団体ごとのミーティングタイム 会議の期間中は毎晩、日本人参加者で集まり簡単なミーティングを行いました。IFMSA-Japan の理事を中心と したスタッフが、各 session のフォローアップを行い、参加者からの質問に答えたりして、APRM での学びがよ り充実したものになるよう工夫しました。参加者に、その日のふりかえりや学びを共有してもらい、自身の体験 を言語化することで理解を深める事を⽬指しました。
Closing Ceremony|閉会式 参加者の感想の一例を記します。 ついに APRM も終わりの時となりました。Pre APRM から参加していた私にとって 8 日⽬となる今日、色々な 気持ちが込み上げてきました。ずっと英語で苦労はしてきましたが、分からないなりに努力してアジアの医学生 141
がどんな思いで IFMSA の活動と向き合っているのか、どんな気持ちで医学の道を選んだのか、今後私はどのよ うに IFNSA-Japan と関わっていくのか等々、数日間という短い時間で考えや価値観がとても move しました。 そして、この数日間一緒に過ごした仲間との別れ。やっと終わるという開放感やもう離れ離れという哀愁感より も、このメンバーとまたどこかで必ず出会えるように国際社会で生きていける医学生として精進していこうとい う気持ちが何よりも一番勝っていました。次に会う時はもっと成長した自分になれるように私はたくさんの記念 写真とともにこの気持ちを持ち続けたいと思います。
[Closing Ceremony での記念撮影]
Pre APRM|トレーニング合宿 Pre APRM は、APRM の前 3 日間をかけて行われる少人数制の Training 合宿です。IFMSA 公認の Training セッ ションとなり、 修了すると IFMSA の国際 Trainer として承認されます。国際 Trainer になると、世界総会や APRM といった IFMSA の公式イベントにおいて Training セッションを提供することができます。日本にも Trainer の 制度はありますが、IFMSA には委員会ごとの Trainers も存在します。委員会 Trainer の制度により、全世界で 共通した一定水準の知識とスキルを担保することが達成されます。
Post APRM|観光プログラム Post APRM とは、APRM の後に行われる観光プログラムです。今回の Post APRM には数名の学生が参加し、日 本人スタッフとともに箱根の観光を楽しみました。会議とは違う場で学生同士の交流を行う機会となりました。
5.課題・今後の展望 今年は国際会議を日本で開催することができ、より多くの学生がグローバルな舞台を経験することができたので はないかと思います。今回の APRM 日本開催で得た勢いを持って、今後の APRM へも多くの日本人学生が参加 し、IFMSA のアジア太平洋地域において地域の医療保健を学び、日本を発信していけたらと思います。そのた めにも、国際業務では今後も新しい取り組みに挑戦し、より多くの学生を巻き込んでいく工夫が必要だと感じて います。 今回の APRM 開催にあたり、多大なるご支援を賜りました日本医師会、東京都医師会をはじめとする沢山の方々 に、多大なるご支援を賜りました。スタッフ一同、心より厚く御礼申し上げます。今後とも変わらぬご支援とご 協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 文責・編集│北里大学 4 年 142
棚元なな
WHO Simulation in Japan (2018 年 2 月 26~28 日、東京) WHO とパートナーシップを組む IFMSA の強みを活かして各国で開催されている企画を日本で初めて実施しま した。この企画では約 50 人の参加者がそれぞれ国や NGO 団体の代表として WHO の総会/地域会議を模した会 議に挑みます。 テーマは「新興・再興感染症の国境を越えた制御」で、WHO が策定する国際保健規則(IHR)に則って議論が 展開されました。 3 日に渡る会議において、 初めは独特の会議の進め方に戸惑っていた参加者が多かったものの、 徐々に発言が活発化になりそれぞれの国の立場が会議に良く表れるようになりました。WHO で IHR に関する業 務に携わっていらっしゃった国立病院機構三重病院 臨床研究部の谷口清州先生にもご講演いただき知識面でも参加 者は多くの学びを得ることが出来たに違いありません。この会議の最終⽬的は感染症制御の条文の草案を作成し、
それを議会で承認することです。条文の策定の際には参加者が自主的に集まり、夜遅くまで一つ一つのフレーズ に着⽬して議論している姿が印象的でした。 参加者の反響として、 「リサーチの難しさ・発言の難しさ・他国との連携/交渉の難しさなど力不足を経験した」、 「また挑戦したい」という声が多く挙げられました。運営側として会議の円滑化など改善点も見られましたが、 また来年度以降も企画を継続しいずれは国際イベントとして実施したいと考えています。 文責 東北大学 4 年 笠井俊佑
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Ⅳ.運営報告 ! " Management Report Standing Committee Report
11. Executive Board|理事会 1.活動理念 IFMSA-Japan は、2002 年度末に体制を一新してから今年度で 15 年⽬を迎えました。2017 年度は「社会貢 献や国際社会とのつながりの下、幅広い視野を持った医療人を育成し、より良い社会を⽬指す」という団体理念 の下、団体としての社会貢献の在り方や国際性を改めて意識し、総力を挙げて新たな試みに挑戦してきました。 特に団体としてこれまでに培って来た「日本最大規模の医学生 NGO」としてのアイデンティティを発揮し、 「日 本の医療系学生が社会に対してできることの可能性とその意義を最大化する基盤作り」を⽬指しました。
2.今年度の主な活動 (1)理念に基づき、団体として社会のニーズに対応した活動を展開 活動の背景に存在する⽬的や課題への意識向上 IFMSA-Japan では数年単位で継続しているプロジェクト活動も多く、現状維持で終わらず社会のニーズに合 わせて変化していくためにはアセスメントの実施が不可欠です。よって上半期の終わりに各部署の評価をしやす くするための質問項⽬を共有し、さらに年度末の継続申請をしてもらう際には、プロジェクトのビジョン、およ びそれに向かいどんな活動を展開しどんな結果を得たのか、継続する意義はあるのかなど、様々な視点を追加す ることで各プロジェクトのアセスメントを行ってもらいました。 IFMSA-Japan の全体像に対するスタッフの意識向上、団体としてのアイデンティティ確立 今年度は活動基盤である SCO(委員会)の枠を超え、団体全体もしくは外部との共同で行う企画に多く取り 組みました。UNDP (国連開発計画) との共催で、若者世代に SDGs (持続可能な開発⽬標) を自分事として捉え てもらうことを⽬的とした企画を各分野の学生組織と共に行ったほか、JYPS (Japan Youth Platform for Sustainability ; 若者主導の政策提言を行うプラットフォーム) に加盟し、アドボカシーの視点を取り入れると 共に SDGs の分野別アドバイザーとしても参入しました。また JMA-JDN(Japan Medical Association Junior Doctors Network ; 日本医師会ジュニアドクターズネットワーク)の先生方や他の医療系団体とも連携し、共 同で医療系学生向けの企画を行ったり、UHC forum 2017 に参画したりと活動の幅を広げることができました。 その他、APRM (アジア太平洋地域会議) や、WHO Simulation (WHO 総会を模擬体験するイベント) の運営を 通し、SCO を超えて活躍する場が多く創出されました。
[UNDP との共催企画における担当セッションの様子]
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[JMA-JDN、 他の学生団体と共催した元世界医師会長の特別教室]
日本の医学生を代表する組織としての意思決定の場「総会本会議」の仕組みの見直し これまでは総会本会議自体の進行プロセス の複雑さや雰囲気、用語の多さなどによって意 思決定者である大学代表者の方々からの発言 や積極性に乏しく、極めて受動的な会議が行わ れていた印象でした。IFMSA-Japan の定款細 則や運営面の話だけでなく、医療系学生を代表 する組織として扱うべき社会的トピックを今 後内容に組み込んでいくためには、大前提とし て多くの会議参加者が能動的に関わる仕組み 作りをまず行うことが必要不可欠であると考 えました。よって今年度は事前学習動画を作成 し、仕組みや議論内容を解説する冊子 「Survival Kit」のデザインや解説内容も一新し、読みやすさ・わかりやすさを追求しました。また当日に行う 総会本会議のシミュレーションの場も議長団候補が中心となって盛り立てたことにより、参加者から積極的に質 問や意見が出ました。実際の総会本会議の場では、議論について行けない大学代表者が出ないように略語や内部 事情が内容に出て来た場合には随時解説を入れるなどし、結果的に、大学代表者側からの意見や質問が非常に活 発に出る会議となりました。「IFMSA-Japan の運営を担う一員なのだと実感できた」という声も聞かれ、参加 者一人ひとりが能動的に関わる会議の基盤を作ることができました。
(2)サステナビリティの強化 人材と活動の継続性の確保 これまでは理事会しか把握していなかった会計情報や事務局の管理体制、外部企業や外部団体との関係性など を Officials(幹部職員)にも年度始めに共有する時間を設け、 「IFMSA-Japan を語ることができる」人材の育成 に努めました。また、これまで部署任せになっていた引き継ぎに関しても見直しをはかり、引き継ぎをすること の意義、そして何をどう引き継げば次年度に活かされ、 「現状維持」では終わらない主体性のある動きへの橋渡 しができるのかといったポイントをまとめ、スタッフ全体に共有しました。 1 年間、そしてその先を見越した活動の企画性の担保 団体としてやみくもに運営しているだけでは、問題視すべきことが見えていてもその多くを実行できないまま 「現状維持」もしくは変化を実感できないまま年度が終わってしまうことが少なくありません。よって今年度は
理事会全体、および各理事が管轄する部署ごとに 1 年間の年次計画(Annual Working Plan)を立て、そ こで挙げた⽬的、行動プランに沿った運営を試みました。年度末にはその達成度を評価し、次年度に引き継 ぐべきことを分析した上で、1 年間の活動成果として個人会員およびスタッフに共有しました。 (3)キャパシティ・ビルディング 理事会や Officials (幹部職員) 、一部のスキルの高いスタッフだけが組織を引っ張って行く組織構造 (=個別 的なスキルアップへの依存)では、スタッフ数をいくら増やしても人材不足で悩み、結果現状維持で精一杯とな りイノベーションも生まれにくいのが現状です。そこで組織全体としてスキルアップを図り関係性の質を高めら 147
れる場として、スタッフのみを対象とした「スタッフフェスタ」というイベントを内務部門と理事会の主導で行 いました。50 名以上の参加があり、活動において重要な考え方の共有やトレーニングを行うことができました。 また、内務部門内にあるスタッフのソフトスキル育成のための部署 - Training Office も、日本総会前や各委 員会でのローカル活動で出張トレーニングを行ない、Office と実際の活動との連携体制ができつつあります。
[スタッフフェスタでのアイスブレーキングの様子]
[スタッフフェスタでの意見発表の様子]
(4)日本総会 開催における団体としての目的意識の徹底と連携 これまで日本総会の運営と理事会の運営には体制としてやや解離があり、理事会としての運営方針や団体理念 と日本総会として⽬指すべき所のギャップを埋めるために注力しました。日本総会のテーマを決定する前に運営 委員幹部らと理事会での議論の場を設け、団体理念を今一度共有し、IFMSA-Japan における日本総会の立ち位 置に対して共通認識を持った上で始動しました。結果的に今年度の日本総会は例年にはない、社会的トピックを 大テーマとしたものとなり、団体全体として行う年に一度の最大のイベントとして、理念を最大限発揮する場と なりました。
(5)日本の医学生を代表する団体としてのアイデンティティ確立のためのローカル強化 内務部門の各地域担当官 (Regional Officer) や 各支部の大学代表者、理事会がさらに連携していく 関係づくりの場として、日本総会における大学代表 者ワークショップを開催しました。活発な活動を展 開しているローカル支部からの活動共有や、どの大 学でも共通するような悩みをトピックとして扱った グループディスカッションなどもあり、支部同士が 繋がる楽しさも実感してもらえたのではないでしょ うか。また、IFMSA-Japan 全体の活動だけでなくロ ーカル支部での活動も互いに見える化し、刺激し合 えればと考え団体の公式 Facebook ページにて支部 の活動紹介の投稿も始めました。
[日本総会 大学代表者ワークショップでの グループディスカッションの様子]
(6)IFMSA(International)への積極的関与と情報発信・還元 スタッフの IFMSA に対する認知度向上 IFMSA-Japan は IFMSA の日本支部であり、世界中の支部に繋がりを持つこの国際性は団体最大の特徴の一つ です。その一方でこれまでは国内での活動がメインであり、国際性を活かしきれていないことが課題でした。今 148
年度は年度始めに Officials(幹部職員)に向け、副代表国際業務担当から IFMSA に関する詳しい説明をしたり、 各委員会に国際業務担当を設けたりと、スタッフへの情報周知の基盤作りに努めました。加えて 10 年ぶりのア ジア太平洋地域会議の日本開催もあり、IFMSA の国際性を発揮した一年となりました。 IFMSA-Japan から情報の発信・還元 世界総会に参加した際には、 世界中の支部の活動が出展しポスター発表を行う Activities Fair に IFMSA-Japan からも参加し、発表を行いました。また、世界総会参加者が執筆した報告書をニュースレターとして一般公開し、 団体外の医療系学生も気軽に国際的な活動の場について知ることができるように取り組みました。また、前年度 に台湾で行われた、WHO 総会を模擬体験する WHO Simulation という企画に参加した現理事会メンバーたちが 中心となり、IFMSA-Japan においても同企画を初開催し、グローバルな学びの場を提供しました。
[WHO Simulation の様子]
3.今後の展望・課題 上記のキャパシティ・ビルディングに関しては今後、スタッフ向け Webinar (オンラインセミナー) やマテリ アルの共有をさらに行っていき、意識向上とともに組織全体でのスキルアップをはかっていくことが、団体とし ての可能性の幅を広げることに繋がると考えています。また、今年度築いてきた社会的意義を考えた活動や外部 との関係性も活かし、団体として取り組む価値、ニーズのあるトピックを来年度も積極的に取り扱っていくこと を期待します。今年度始動したアドボカシー活動も、まだまだ団体としての基盤は出来上がっていないので、今 後本格化していく中で持続可能性の高いシステム構築も行いながら展開していくことが不可欠です。
4.感想 今年度は、強い意志と行動力を持ち合わせた素晴らしい理事 14 名、そして多くのスタッフに恵まれ、 IFMSA-Japan という団体を一歩先に進められたのではないかと感じています。まだまだ課題は尽きませんが、 可能性も無限大です。これからも多くの学生、そして社会にとって価値あるプラットフォームとして、時代と共 に変わり続ける、”生きる” 団体であることを願っています。最後になりますが、この場を借りて、お世話にな ったすべての皆様に厚く御礼申し上げます。今後とも、弊団体をどうぞよろしくお願いいたします。
文責│産業医科大学 5 年 塚田 凪歩
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5.イベント一覧 2017 年 4月 10
11 月 第 1 回 定例理事会議(Skype)
3-5
第 15 回 IFMSA-Japan 日本総会、 総会本会議(東京都)
5月
25
~SDH と健康格差~(東京都)
13
北海道新歓(北海道)
21
九州山口新歓(福岡県)
27
東北新歓(宮城県)
12 月
27
第 1 回 SDGs×Youth (東京都)
1
– UNDP 共催企画
6月
サー・マイケル・マーモット先生の特別教室
駐日スイス大使主催のレセプション 参加② (東京都)
12-15
UHC Forum 2017 参加(東京都)
27
卒業生を送る会(東京都)
3
北陸新歓(石川県)
10
東海信州新歓(愛知県)
11
関西新歓(大阪府)
17
四国新歓(香川県)
2018 年
18
中国新歓(島根県)
25
関東新歓(東京都)
1月
7月 19
第 2 回 定例理事会議(Skype)
22
Seniors Club 懇親会(東京都)
29
第 3 回 定例理事会議(Skype)
2月 26-28
WHO Simulation in Japan(東京都)
29-8/4 臨時総会本会議(メーリングリスト上)
3月 8月
1-7
IFMSA 春の世界総会(エジプト)
6
JYPS 総会 参加(京都)
20
超党派議員連盟 意見交換会 参加(東京都)
1-7
IFMSA 夏の世界総会(タンザニア)
21
外務部門主催イベント「+αの力」 (東京都)
23
スタッフフェスタ(東京都)
23-29
臨時総会本会議(メーリングリスト上)
25
日本国際医学生連盟 OB/OG 会(東京都)
29
第 4 回 定例理事会議(Skype)
9月 14-17 pre-APRM 17-21 APRM (アジア太平洋地域会議)(東京都)
10 月 30
150
駐日スイス大使主催のレセプション 参加①(東京)
12. Internal affairs|内務部門 1.活動理念 内務部門は「IFMSA-Japan 内の組織基盤を支え、スタッフや団体会員、個人会員、ひいては IFMSA-Japan に 関わるすべての人が活動をしやすくなるように内部の強化に努めること」を⽬指します。また、Regional Office、 Seniors Club Office、Training Office を管轄し、相互に連携を取って運営を支えています。
2.今年度の主な活動 今年度は内務部門として【楽しく、不真面⽬に、大胆に】というテーマを掲げて活動しました。IFMSA-Japan に関わる人たちを統括する内務部門が楽しく活動することが関わる人たちにも伝わり、全体として居心地の良い IFMSA-Japan を作ることができると考えたためです。また、通念にとらわれず自分たちのやりたいことを形に していくことで IFMSA-Japan に新しい活動やアイデアを吹き込むことを⽬指し、あえて「不真面⽬に、大胆に」 という言葉を使い、内務部門スタッフの自己表現を後押ししてきました。
(1)全国新歓の充実 例年以上に全国 9 地域の地域担当官同士の連携を密にし、新歓を終えた地域から次の地域へ、経験と実際に起き たケースをもとにした情報の共有を行いました。新歓が回を重ねるごとにノウハウが集まり、より充実していく 様子を感じることができました。
(2)総会本会議の改革 代表、副代表内務担当を含む理事と議長団、Constitution Credential Committee とが一丸となり、日本総会で 行われる総会本会議の改革に向けて動いた年でした。これまで参加してきた大学代表者から「内容が分かりづら い」 「仕組みが難しい」といった声を受けていたため、より分かりやすい会議の運営を⽬指しました。具体的に は、会議の事前資料である Survival Kit を一新することで、より見やすくする、会議の進行を説明する動画を事 前に配信する、来年度の理事の立候補演説に全ての日本総会 (以下 NGA) 参加者が参加できるようにするなどを 行いました。分かりやすさが参加しやすさにつながり、会議は代表者から多くの発言が出る活発なものとなりま した。事後のアンケートでは参加者の満足度の高さを知ることができ、今回の改革に確かな手応えを感じました。
(3)NGA コンテンツ「運動会」の実施 今年度初の取り組みとして、会場にある体育館にて運動会を行いました。SDGs をテーマとした今回の NGA の 中で、SDGs 3 番⽬の⽬標である「すべての人に健康と福祉を」を題材に、学生が自分の健康を守る手段の提案 として運動をする機会を設けました。地域対抗でポイントを競い合う中で、地域の結びつきの強化も図りました。
(4)スタッフアンケートの実施 IFMSA-Japan で活動するスタッフ 1 人 1 人の声を吸い上げ、満足度を把握するとともに、その声を運営に活か していきたいという思いから、11 月にスタッフアンケートを行いました。156 件の回答を受け、これからの IFMSA-Japan をより良い場所にしていくための多くのヒントを集めることができました。来年度以降にもこの 結果を活かしていきます。
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(5)スタッフフェスタの準備、運営 スタッフの統括を行う内務部門の集大成として、例年年度末に理事主催で開催することの多い「スタッフミーテ ィング」を「スタッフフェスタ」と名を変え、準備と運営を内務が中心となって行ない、理事と連携して進めて 参りました。Training Office や次期の各地域担当官(Regional Officer)たちも参加し、次年度へ向けたチーム 作りとノウハウの伝達を行いました。
[Training Office による、イベントにおけるアンケートや評価の重要性についての Training]
3.今後の展望・課題 IFMSA-Japan の認知度は上がってきています。今年度の新歓の総参加者数が昨年度比+98 名と大きく上回った ことも、その表れです。JMA-JDN や APS-Japan といった他団体と連携し企画を行う機会も増えました。これか ら IFMSA-Japan に関わる人が増えるほど組織内の結束力は求められ、それだけ内務部門の重要性は増してきま す。今後はより地域ごとの統括体制を充実させ、会員 1 人 1 人に⽬が行き届くシステムを作っていく必要があり ます。今後の内務部門と連携し、協議してまいります。1 人 1 人が自己実現をできる IFMSA-Japan という場づ くりのために、内側から一新していく努力を続けていきます。
4.感想 5、6 月の新歓では全国 9 地域全てを回り、各地域で積極的に活動するスタッフの存在を知りました。 IFMSA-Japan の掲げる”Think Globally, Act Locally”を体現する会員、スタッフがいてはじめて、この団体の活 動が成り立っていると改めて感じた機会でした。現在 IFMSA-Japan に団体会員として登録している医学部をも つ大学は 56 校(2018 年 4 月時点)です。全ての都道府県に IFMSA-Japan が広まり、各々の場所で活動が行 われるようになることを願っております。その実現は遠い未来の話ではないはずです。 文責│北海道大学 3 年 高桑雅弘 152
内務部門│Regional Office 1.活動理念 「各地域のおける IFMSA-Japan 加盟大学のサポート、大学間連携、地域内メンバーの交流を通じ、Local と IFMSA-Japan をつなげる」を理念としております。Regional Office は全国 9 地域(北海道、東北、関東、北陸、 東海信州、関西、中国、四国、九州山口)を統括する部署です。各地域の Regional Officer(地域担当官)と地 域担当官補佐から構成されています。
2.今年度の主な活動 今年度は「Regional Officer を IFMSA-Japan の花形にする」ことを⽬標に活動してきました。 ◇全国新歓ツアーの企画、運営 5、6 月に行われる全国新歓ツアーは、Regional Officer が中心となり、各地域で日程、会場の決定や内容の作 成を行います。2ヶ月にわたって行われ、少しずつ実施の際のノウハウが蓄積されていくこともあり、今年度は 実施地域から次の地域へのノウハウの伝達に力を入れました。また、今年度の新歓は、 「その地域らしさ」が出 る独自の企画を Regional Officer と地域のスタッフが考え、新歓に盛り込んで実施しました。ほとんどの地域で 参加者が前年度を上回り、全体として参加者は前年に比べて延べ 98 名増加しました。IFMSA-Japan の認知度 が高まっている手応えを感じました。
5月 ()内は参加者数 13 北海道新歓(78 名) 21 九州山口新歓(126 名) 27 東北新歓(111 名)
6月 3 北陸新歓(47 名) 10 東海信州新歓(78 名) 11 関西新歓(68 名) 17 四国新歓(83 名) 18 中国新歓(51 名) 25 関東新歓(188 名) ◇日本総会(以下 NGA)の宣伝、当日の地域の統括、企画の運営 Regional Officer は地域の顔です。全国から約 300 名もの参加者が集う NGA においてその役割は重要です。各 地域における NGA の宣伝に始まり、当日の各地域の参加者の統括まで、Regional Officer が中心となって行い ました。2 日⽬には団体会員の代表者に向けた「代表者ワークショップ」と、すべての参加者に向けた「運動会」 の2つの企画の運営をこの部署が行い、今年の NGA に貢献しました。参加者から直接いただいた感想とアンケ ート調査の両方において、どちらの企画も参加者から好評をいただくことができました。 153
◇地域イベントの企画 各地域の Regional Officer、スタッフが地域でイベントを企画し、実施しました。新年会、忘年会や Exchange で日本に来ている学生も交えての交流会などを行いました。人と人のつながりは IFMSA-Japan の活動に重要で す。このような交流の機会はこれからも積極的に行っていきます。 ◇スタッフフェスタの企画、宣伝 例年行われていたスタッフミーティングを、地域新歓を経て身につけたイベント作成のノウハウをもとに、内務 部門が理事会と協力して企画し、Regional Officer がその企画と宣伝に関わりました。次年度の Regional Officer も企画側として参加することで、2017 年度の Regional Officer からノウハウを伝授する機会としました。
[全国 9 地域から約 60 名のスタッフが集合し 2017 年度のふり返りと 2018 年度への決起を行った]。
3.今後の展望・課題 新歓の参加者は増加傾向にあり、これから団体の規模が大きくなっていくことが予想されます。運営と各スタッ フとをつなぐ Regional Office の重要性もそれに伴い高まってきます。運営側と地域スタッフとの距離をより密 接に保ち、かつスタッフが地域で”Think Globally, Act Locally”を実現できるよう、自分の地域の現状を理解し たうえで考え、積極的に行動する Regional Officer が必要です。IFMSA-Japan が全国に浸透するためにも、よ り一層、人と人との関わりを大切にし、委員会活動とは異なる切り口で交流の機会を設けていくことが求められ ています。また、スタッフ数が多く活発な地域もあれば、そうでない地域もあります。全ての地域が高い水準で 活動できるよう、Regional Office 全体で働きかけていくことが今後の課題です。
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4.感想 私自身が北海道 Regional Officer を経験したこともあり、今年度は「Regional Officer を IFMSA-Japan の花形 にする」を掲げ、Regional Office が前に出て活動できる機会を大切にしてきました。地域新歓において Regional Officer それぞれの言葉で IFMSA-Japan の魅力を語ってもらったことや、NGA という場で 2 つの企画を実施し たこと、各地域で地域イベントが行われたことでその⽬標は達成できたと実感しております。来年度もその先も、 より自由な発想で IFMSA-Japan の地域ごとのつながりを円滑にする企画を Regional Office が中心となって行 えるよう、陰ながら支えていきます。 文責│北海道大学 3 年 高桑雅弘
5. 地域報告 北海道 │ 旭川医科大学3年 水沼月子 北海道地域は、北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学の3大学を中心に活動を行っています。 札幌と旭川は 140 ㎞ほど離れており、決して近距離ではありませんが、各大学で協力し合いながら楽しく交流 を深めています。5月に行われた北海道新歓では 78 名の参加者を迎えることができ、全国の新歓ツアーのトッ プバッターを華々しく飾ることが出来ました。北海道地域は特にローカルな活動が盛んであり、各委員会での活 動はもちろんのこと、各大学が協力したぬいぐるみ病院や、アイヌ文化について学び考える「CHIRI プロジェク ト」 、IFMSA の交換留学生とサクランボ狩りなど、どのイベントも大いに盛り上がりました。 今までの活動は北海道大学・札幌医科大学・旭川医科大学の3大学を中心に活動を行ってきましたが、北海道に はこれらの大学以外にも医療系学部は沢山あるため、今後さらに IFMSA に加盟する大学が増え、北海道地域が 発展し、より盛り上がるよう尽力して参りたいと思います。
[北海道新歓が 2017 年度全国新歓ツアーの幕開けとなった。]
東北 | 秋田大学 3 年 小原元文 東北地域は、東北 6 県と新潟県を対象に活動しています。現在団体加盟しているのは 5 校のみですが、活動して いるスタッフは 9 校にわたり、総勢約 70 名います。東北地域は、委員会による勉強会やフィールドワークなど のイベントが沢山開かれるようになりました。そこで、自分は“真面⽬なことだけでなく楽しいこともやって地 域の繋がりを維持し、スタッフを癒す”という⽬標で地域担当官を勤めてきました。5 月に新歓を行った翌日に 観光イベントを行い、9 月にキャンプの予定を立て(誠に残念ながら天候不順により中止となりました)、12 月 155
に忘年会を開き、2 月にスキー旅行を企画してきました。しかし、東北地域の地理的問題と大学のカリキュラム の違いなどにより、イベントの開催場所と時間によって参加する人が偏るという課題が浮き彫りになりました。 一堂に会し、直接のコミュニケーションを取る中で得られるものに価値を感じてもらえるよう、魅力ある宣伝と 内容で交流の機会の充実により、東北地域のより一層の活性化を図っていきます。
[100 人を越える参加者が集まった東北新歓におけるワークショップの様子]
関東 │ 杏林大学 4 年 岩住衣里子 関東地域では関東新歓をはじめ、日本総会や各プロジェクトのイベントが多数開催されました。関東新歓では近 年新しくできた杏林大学の新キャンパスで行いました。本年度は参加者さんが希望するプロジェクトのワークシ ョップを経験していただきたいと思い、関心を持ったワークショップを参加者が選んで受けられる形態にしまし た。その結果多くの参加者さんの満足度が高くスタッフとなってくれる参加者さんが多く見受けられました。関 東新歓を通して新規スタッフの増加、イベントに足を運んでくださる方の増加により地域活性ができたと確信し ております。関東地域はどの地域よりもスタッフ、イベント、参加者の方々が多い一方で地域内の交流が希薄に なりがちです。本年度も前年度続き地域交流をしましたが参加してくれるスタッフも偏りがちなのが問題点だと 感じます。これらの反省点を生かして次年度に引き継ぎ関東地域のさらなる発展に協力していきたいと考えてお ります。
[関東新歓は全国 9 地域の中で最多の参加者数で、大盛況となった。]
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東海信州 │ 信州大学2年 川端康太 IFMSA-Japan 東海信州地域は、愛知、岐阜、長野、静岡、三重県の大学からなり、スタッフの人数は 50 人程 度と多くはないですがその分地域全体のスタッフ間でのコミュニケーションを密にとりながら活動しています。 今年は、名古屋大学鶴舞キャンパスにて新入生歓迎会を行いました。東海信州では、SCOPH と SCORA の2つ の委員会がワークショップを開催しました。 参加者と IFMSA-Japan のスタッフがちょうど同じ人数だったため、 1 人ひとりの参加者と時間をかけて親身になって お話ができたことで、IFMSA-Japan の魅力を存 分にお伝えすることができました。今後より多く の方に IFMSA-Japan を知っていただくためにも、 もっともっと参加者を増やしていけたらと思っ ています。東海信州では、SCOPH や SCORP の スタッフが多く、それぞれの委員会で中心的に活 動しています。12 月末に行われた「冬の貧困ス タディツアー ~あなたの隣に潜む貧困~」は名 古屋でも開催され、東海信州のスタッフが中心と なってワークショップを開催しました。 [東海信州新歓のアイスブレイキング]
北陸 │ 金沢医科大学 2 年 梶野由祐 北陸地域は現在、 金沢大学と富山大学と福井大学が団体加盟しています。今年度は 6 月 3 日に北陸新歓が行われ、 約 50 名の人々が集まり、小規模ながらも非常に活気があったものでした。今年度の日本総会への参加人数は、 去年と比較して変わりありませんでしたが、各大学とも活気のある活動を続けております。具体的には富山大学 では、 SCOPH のぬいぐるみ病院活動、 SCORA の LGBT やコンドーム着用の 啓蒙活動をしております。また 3 大学 とも Exchange の活動は活発に行われ ており、毎年海外からの医学生の受け 入れと大学から学生の送り出しを行っ ています。今後はこのようなローカル の活動を大学間で共有し、さらに各大 学間の交流が増え、ますます発展して いくことを願っています。 [北陸新歓のワークショップに臨む参加者]
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中国 │ 島根大学 2 年 野坂未公音 中国地方は島根大学、鳥取大学、川崎医科大 学が団体加盟しており、他に島根県立大学、 川崎医療福祉大学の学生が IFMSA-Japan で 活動しています。中国地方は会員登録者、ス タッフ登録者は少ないですが、多くのスタッ フが Officials(幹部職員)として活動する地 域でもあります。今年の中国新歓は過去最多 の 50 人もの参加者で開催することができ、 大盛況に終わりました。来年度は個々の大学 でも IFMSA-Japan を盛り上げていく動きが あり、来年度の中国新歓も多くの参加者とと もに楽しいものにしていきます。
[多くの参加者を集めた中国新歓]
四国 │ 香川大学2年 木村佳代 四国地域は近年 IFMSA-Japan の地域での活動が 非常に活発になってきた地域であり、スタッフ数 も年々増加しています。加盟大学としては、香川 大学、愛媛大学、徳島大学の3つですが、6月の 四国新歓には高知大学や徳島文理大学、香川県立 保健医療大学などからも参加者が集まり、新歓参 加者は総勢 80 名を超え、大いに IFMSA-Japan の魅力を伝えることができました。四国スタッフ は 35 名にまで増え、四国内では大学間で協力す る面も多く、お互いを助け合うとともに、刺激し 合うという関係性を持っています。また、全国の イベントで活躍するスタッフも多く、地域内での 活動の成果を全国にも還元しています。年度末に
[四国の全ての県から参加者が訪れた四国新歓]
は各大学の年間活動報告や今後の方針について の話し合いをする場を設けました。これからもメンバーのつながりを大切にし、四国地域の活性化を図っていき ます。 九山 │ 福岡大学4年 森重智 九州山口地域(九山地域)では、九州 8 県と山口県を対象に活動しています。今年度は新たに鹿児島大学が団体 加盟し、9つの県すべてに団体加盟大学ができました。過去最多人数 126 名の参加者があった 5 月の九山新歓 に始まり、7 月には九山各県の留学生と日本人医学生が合同で 1 泊 2 日の交流を行う合同ソーシャルを、8 月に は SCOME(医学教育に関する委員会)のイベント MEDxFukuoka や Training Office のイベント Training 合宿 (TNT)を、9 月には九州初の試みで高校生も対象にした医療系の 6 つの学生団体を集めた九州医療系学生団体 合同新歓を行いました。他にも SCORA(性と生殖・AIDS に関する委員会)の Peer Education、SCOPH(公衆 衛生に関する委員会)の地域医療ツアーや食生活を身近に感じてもらう企画など様々なイベントを行った結果、 九山地域のスタッフは去年の倍以上である 60 名を突破しました。現状としてイベントが福岡に偏っているのも 158
あり、今後の課題は、イベント開催を福岡だけでなく各県で行い、地域間の活動格差を減らすことで、より多く の方に IFMSA-Japan の活動を身近に感じてもらうことです。
[IFMSA の留学生を交えて行った合同ソーシャル]
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内務部門│Seniors Club Office 1.活動理念 OB / OG と現役スタッフの交流、OB / OG 間の連携強化を⽬標として活動を行っています。
2.今年度の主な活動 2017 年 7 月 22 日に Seniors Club 懇親会を東京で開催しました。総勢約 40 名が参加し、立食形式で歓談を 楽しみました。コンテンツとして、学生からの活動報告、Japan Medical Association Junior Doctors Network (JMA-JDN)活動紹介のほか、今年度初の企画として、Support Office によるアイスブレーキング、 「学生のお悩 み相談室~先生方に聞いてみよう~」を行いました。アイスブレーキングでは、初めて顔を合わせた OB/OG の 先生方と学生が打ち解けることができました。また、お悩み相談室では、事前に参加する学生から集めた質問を、 先生方にインタビュー形式で答えていただき、今後の IFMSA-Japan での活動の参考になる貴重なアドバイスと いただくことができました。 2017 年 9 月には APRM(アジア太平洋地域会議)が日本開催となり、多くの OB/OG の先生方にご支援いた だきました。ご寄付を賜りました方へのお礼と感謝の意を込めて、当日配布用パンフレットへのご所属とご芳名、 記念品の贈呈をさせていただきました。 2017 年 12 月 27 日には卒業生を送る会を東京で開催しました。総勢約 70 名が参加し、卒業生からの挨拶や 現役スタッフからのプレゼント贈呈、全国スタッフや OB/OG からのメッセージ動画を上映しました。 IFMSA-Japan を先導して引っ張ってくださった先輩方の想いを受け継ぎ、今後も活動に励んでいこうという決 意を新たにしました。
3.今後の展望・課題 ここ数年間、卒後 10 年以内の若手の先生方に会員登録、懇親会への参加をしていだいております。 今後はより上の世代の先生方にも参加していただけるような Seniors Club、また懇親会を⽬指し、OB /OG の方、 学生スタッフ双方にとってより有意義な会となるように尽力して参ります。具体的には、入会方法の簡便化、会 員限定のコンテンツ等を充実させていく予定です。
4.感想 今年度は Seniors Club 懇親会、卒業生を送る会ともに過去最大規模での開催となったこと、終始アットホー ムな雰囲気で、IFMSA-Japan らしい会となったことで、今後も引き続きたくさんの OB/OG、学生スタッフの皆 様が参加しやすい雰囲気の土台作りができたと自負しています。 IFMSA-Japan を引退された後も世界中、様々なフィールドで活躍なさる先生方にお会いできることは、学内 の部活動等にはない IFMSA-Japan の魅力の一つです。卒業後もこのような形で IFMSA-Japan を支えてくださ る先輩方の温かいご支援のおかげで、私たちは活動することができます。今年度卒業される先輩方にも、今後は OB/OG として懇親会や学生の活動に足をお運びいただければ幸いです。OB/OG の皆様、日頃より温かいご支援 をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 文責│東京女子医科大学5年 金 美希 160
[Seniors Club 懇親会での「お悩み相談室」の様子]
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内務部門│Training Office 1.活動理念 Training Office は IFMSA-Japan(以下 I-J) のサポートオフィスの1つで、I-J の会員やスタッフの技術向 上に努める部門です。 コミュニケーションやプレゼンテーションといった、医学のみならず全ての分野に共通する能力を”Training” を通して理解、定着させ、自身の成長に繋げてもらうことを使命としています。Training Office が毎年開催する Training for New Trainers (以下 TNT)では、 「教える側」となる Trainer を育成します。Trainer 同士は常に対 等であり、互いに切磋琢磨するために先輩 Training や Training for Great Trainers (以下 TGT)といったイベン トを通して、人前に立って話す、WS を作る等、自身が課題としていることを実践する機会を設け、互いに評価 し合います。
2.今年度の主な活動 例年夏に開催する関東 TNT、関西 TNT に加え、 今年は新たに九山 TNT が開催され、 過去最高の 38 人もの Trainer が誕生しました。すでに各 SCO (委員会)で精力的に活動している人も多く、Training Office で得たことを活か しさらなる飛躍を期待しています。 彼らとともに来年度以降の Training Office をより一層盛り上げていきます。
[九山 TNT の様子。参加者が Trainer からプレゼンテーションについてのレクチャーを受けている。] 162
3.イベント一覧 2017 年
9月
5月
23-24 先輩 Training
13
北海道新歓(WS)
北海道
10 月 7
6月 17
四国新歓(WS)
香川県
25
関東新歓(WS)
東京都
8月
京都府
Pre NGA Training(ファシリテーション Training) 東京都 京都府
28
Pre NGA Training(コンテンツは 7 日と同様) 香川県
2018 年
11-13 関東 TNT
東京都
16-18 九山 TNT
福岡県
28-30 関西 TNT
京都府
3月 23
スタッフフェスタ Training コンテンツ担当
4.今後の展望・課題 Training Office は人数が増え、開催できるイベントの数、イベントに参加できるスタッフの数が増えました。 しかし同時に、フォローしきれない新しい Trainer の存在や、Trainer の質の担保など新たな課題も見つかって います。Training Office で活動を続けている優秀な Trainers と共に、これまでのやり方を見直し、I-J 全体の技 術が向上していけるように活動してまいります。
5.感想 医療系学生である私たちは常に人とコミュニケーションを取りながら仕事をしていくことになります。そのた めに必要な、プレゼンテーションやファシリテーション、ネゴシエーションといった人間関係の技能を「ソフト スキル」と言います。私たちはこのような、医学にとどまらず将来社会で使えるソフトスキルを学び、教え合い ます。仲間からフィードバックももらえるので互いに成長できます。 大勢の人の前に立って話ができるということは才能ではありません、学べば誰しもできるようになる技術です。 来年度も同じ志を持つ Trainers が増え、より一層 Training Office が発展していけるよう、力添えしていく所存 です。
文責│島根大学 2 年 野坂未公音 北海道大学3年 高桑雅弘
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13. External affairs|外務部門 1.活動理念 外務部門は、IFMSA-Japan を外に広げ、社会との繋がりを強化する役割を担っています。私たちの取り組みに より、IFMSA-Japan が社会との関わりを通じて成長し、より質の高い活動を行い、またそれを発信していくた めの地力を育むことを⽬指します。
2.今年度の主な活動 外務部門は、4 つの Office(Liaison Office・Fundraising Office・Publication Office・New Technology Office) を設置し、副代表外務担当、各 Office の責任者(Liaison Officer・Fundraising Officer・Publication Officer・ New Technology Officer)および数名のスタッフが所属して業務にあたっています。 私たちは、外部団体や企業との協力関係の構築、ブランド管理、広報媒体の作成や情報発信など各 Office で例年 引き継がれてきた業務に取り組みつつ、IFMSA-Japan の新たな可能性を見出す機会とみれば積極的に挑戦する ことを⽬指して活動を行いました。そのようなスタンスは結果として、他団体とのコラボ企画の増加、企業から の協賛金額の増加や新たな業務委託契約の締結、SNS 等の情報発信媒体の成長、会員数の増加などにつながり、 成長の確かな手応えを感じて 1 年間の業務を終えることができました。 各 Office の詳細な活動内容は運営総括に続く各 Office の報告に任せ、本項では外務部門全体、および副代表外 務担当が取り組んだ活動について記載します。 ♢全国新歓 広報&ブランディング 今年度の全国新歓は「IFMSA なら、やりたいことがきっとみ つかる。 」をスローガンに広報を展開しました。配布用ビラで は、 世界地図をモチーフにして IFMSA-Japan の国際性を示し、 日本総会のテーマとして決まっていた「SDGs」にヒントを得 たカラフルな配色を施しました。 また今回より、全国新歓のブースタイムで A4 リーフレットを 配布することを全プロジェクトに義務付けました。それにより、 新入生に対するプロジェクトの広報力を強化することができ ました。また私たちは、リーフレットの共通テンプレート(下 図)を配布してデザインのばらつきを少なくし、団体のブラン ドイメージを保てるよう工夫しました。新歓当日には外務部門 でもブースを設置し、A4 リーフレットを配布すると共に新規 スタッフを募集しました。これにより、企業や外部団体との交 流やデザイン・広報などに興 味のある学生に対して、成長 につながる機会を提供するこ とができました。 [2017 年度
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全国新歓ビラ]
♢第 1 回 SDGs × Youth 知ろう。語ろう。見つけよう。 5 月 27 日に開催された、国連開発計画(UNDP)と SDGs 学生 イベント実行委員会が主催するイベント 「第 1 回 SDGs × Youth 知ろう。語ろう。見つけよう。 」の運営に、IFMSA-Japan も主催 者(実行委員会の一員)として参加しました。外務部門としては、 運営サポート・当日参加の他、広報支援を行いました。
♢全国医療系サークル情報サイト「CIRCLES」連載 時事メディカル様より取材のお話をいただき、全国医療系サークル情報サイト「CIRCLES」に弊団体紹介を連載 していただきました。外務部門としては、各委員会に効率よく取材をしていただくための日程のコーディネート や文章校正などを行い、計 6 本(IFMSA-Japan 全体紹介、人権と平和に関する委員会の紹介、Exchange Office の紹介、性と生殖・AIDS に関する委員会の紹介、医学教育に関する委員会の紹介、公衆衛生に関する委員会の 紹介)の記事を掲載していただきました。 ♢DOCTOR'S MAGAZINE
隔月連載
以前より隔月連載を続けさせていただいている DOCTOR'S MAGAZINE に、今年度も隔月で寄稿させていただき ました。外務部門としては、掲載する題材の検討や推敲などを行いました。今年度分の内容は以下の通りです。 [7 月号 IFMSA-Japan の説明 9 月号 国際業務部門、アジア太平洋地域会議(APRM) 11 月号 日本総会 (NGA) 2018 年 1 月号
SCORP の活動紹介 3 月号 SCOME の活動紹介 5 月号 交換留学について]
[全国医療系サークル情報サイト「CIRCLES」]
[DOCTOR'S MAGAZINE]
♢AMSA, IFMSA, jaih-s, JMA-JDN コラボ会議 2016 年度末より始まった 4 団体によるコラボ会議に、2017 年 4 月に行われた第 3 回から 2018 年 4 月に行わ れた第 14 回まで 1 年間を通して、代表塚田とともに副代表外務担当小山が参加しました。この会議を通じて、 各団体の代表・副代表の方々との良好な関係性を構築し、その後の様々な共同企画の実現につながりました。 ♢JMA-JDN 総会への参加と、働き方改革に関するアドボカシー活動 上記のコラボ会議に出席しているご縁で、2017 年 7 月に行われた JMA-JDN 総会に代表塚田や数名の IFMSA-Japan スタッフらと共に副代表外務担当小山が参加しました。このイベントで行われたアドボカシース キルワークショップでは、医師の働き方改革に関連した「壊れない医師・壊さない医療」というスローガンが生 まれ、イベント後には参加者有志で実際に医師の働き方に関するアドボカシー活動を行うグループ(Advocacy team of Young Medical Doctors and Students: AYMDS - https://www.facebook.com/AYMDS.JP/)が結 165
成されました。 AYMDS には IFMSA-Japan からは塚田と小山の 2 名が参加し、ロゴや Facebook ページの作成、 アンケート調査などで協力しました。11 月に実施した「若手医師と医学生のための医師の働き方に関するアン ケート」には 821 名の回答を得られ、さらに 31 名から提言書原稿へのコメントを頂いて原稿を修正した上で、 12 月 22 日の厚労省第 5 回医師の働き方改革に関する検討会にて調査結果の説明と提言**を行いました。この ように実際にアドボカシー活動を展開した経験は、今後 IFMSA-Japan が行う政策提言に活かすべく引き継いで いきます。 **医師の長時間労働の法規制に関する若手医師と医学生からの提言書 ー「壊れない医師・壊さない医療」を⽬ 指してー
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000189112.pdf
♢各種イベントへの参加・参加コーディネート 各種外部イベントに IFMSA-Japan からも積極的に出展・参加し、活動の認知度をあげられるよう努めました。 東京で開催されたレジナビフェアには夏(2017 年 7 月 16 日)冬(2018 年 3 月 18 日)の 2 度にわたってブ ース出展を行い、興味を持った来場者の方々、IFMSA-Japan スタッフ、OBOG の方々らと交流しました。2017 年 7 月 22 日の「とちノきセミナー」では、災害医療というテーマに合わせて SCORP ACTION のブース出展を コーディネートしました。また、同年 8 月 5 日~7 日に行われた第 29 回学生・研修医のための家庭医療学夏期 セミナー、および 8 月 19 日・20 日に行われた Medical Future Fes の Summer Fes には副代表外務担当小山 (他数名のスタッフ)が参加し、IFMSA-Japan の紹介プレゼンテーションを行なったり、他団体の医療系学生 らと交友を深めたりしました。 ♢各種広報支援 SCORA の IDAHOT キャンペーンや、SCOPH Africa Village Project のザンビア・ブリッジ企画の立ち上げに際 し、外務部門の専門性を活かして、SNS 活用・外部向け企画書作成・デザイン・ネーミングなどにおいてサポー トを行いました。いずれの企画も、携わるスタッフ達の頑張りによって大変良い成果をあげましたが、その背中 を押す形で少しでも関わることが出来たことで、Support Office として活動することの喜びを感じました。 ♢アジア太平洋地域会議 - APRM2017 Japan 今年度は、10 年ぶりに日本で国際会議を主催した記念すべき年でし た。APRM 開催に際し、外務部門は総力を結集し、広報、Invitation Package や Website・配布物・会場装飾の作成、その他運営全般に 尽力しました。 ♢日本総会 外部団体プレゼンテーションのコーディネート、Activities Fair の出 展募集、ブース出展スポンサーの獲得に尽力しました。下半期の IFMSA-Japan のイベントをまとめた配布物(右図)も作成しました。 ♢第 1 回・野菜摂取応援レシピ大賞 参加 2017 年 11 月 17 日に行われた 「第 1 回・野菜摂取応援レシピ大賞 最 終審査&懇親会」に、IFMSA-Japan から 3 名が参加させていただき ました。また、そのうち 2 名はレシピ大賞の審査員として投票に参 加させていただきました。外務部門は、本イベントの主催者であり、 166
日本総会(NGA)にブース出展の協賛をいただいた株式会社ドクターズプラザ様からお誘いをいただき、団体内 より参加者をコーディネートしました。本イベントへの参加者からは「専門家・医療関係者・他の医療系学生団 体スタッフの方々などと広く交流させていただくことが出来た」 「食や栄養に関する貴重な経験をたくさん得る ことが出来た」といった感想があがりました。 ♢UHC Forum 2017 における若手医師・学生の活動への参加 2017 年 12 月 12 日~15 日にかけて、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)フォーラム 2017 が東京で 開催されました。フォーラムでは 4 日間を通じて、国連や世界銀行、世界保健機関、各国首脳や政治家、医師会、 市民社会組織より 600 名以上が集まり、UHC の実現に向けての具体的な方策が議論されました。 このフォーラムが開催されるにあたり、日本の若手からも声を上げるため、JMA-JDN 所属の若手医師と様々な 学生団体からの計 20 名が集まり「UHC Youth Japan 2017」を結成しました。IFMSA-Japan からも 3 名(外 務部門からは副代表外務担当 小山と Publication Officer 髙木の 2 名)が参加したこのグループでは、UHC の 素晴らしさをプロモーションするための動画を作り、日本の UHC をさらに発展させるための声明を策定し、勉 強会やユースが意見を交換する会議を開催するなど、数ヶ月にわたって力を注ぎました。 ▼UHC の啓発ムービー “Universal Health Coverage – Message from Japanese Youth” https://youtu.be/qkapEHsgczI ▼ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ 日本ユース声明:A Chance for All http://uhcday.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/12/日本ユース声明 UHC_R1.pdf ♢外務イベント: 「+α」の力 外務部門スタッフが 1 年間の活動で身につけた様々な外務スキルを多くの方々に還元することを⽬的に、2018 年 3 月 21 日に外務イベント《 「+α」の力》を開催しました。 イベントでは、まずは前半を「第一部 キャパシ ティ・ビルディング」と題し、ビジネスコミュ ニケーションや、日本総会の集客に大きく貢献 した広報ノウハウの共有、デザイン力向上ワー クショップを行いました。また後半を「第二部 ゲストセッション」と題し、国内だけでも数百 人規模の集客力を誇る提携団体「日本薬学生連 盟」の広報担当者とのトークセッションや、皇 室御用達の花屋・青山花茂本店のブランドイメ ージを見直すことで売り上げや社会的影響力ア ップに貢献されたブランド・コーディネーター の方によるゲスト講演を行いました。 雨で足元が悪いにも関わらず多くの方々に参加 していただき、IFMSA-Japan スタッフの広報 力、デザイン力、コミュニケーション力の向上 に貢献することができました。 左上
トークセッションの様子
左下
ゲスト講演の様子
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3.今後の展望・課題 IFMSA-Japan は発足以来 15 年以上が経過し、日本を代表する規模の医療系団体へと成長を遂げました。団体 には、定款・細則や会員制度、運営体制や委員会・プロジェクトの構造が整備され、その組織だった運営力には スタッフになった当時の私自身もとても驚かされたものです。現に、他団体の幹部の方から、IFMSA-Japan の 運営面に関してお褒めの言葉をいただいたこともありました。 そういった団体としての形は、これまでの多くの先輩たちの尽力により作り出され、改善されてきました。 Officials やスタッフの多くは、そのように洗練された組織体制が敷かれた IFMSA-Japan の一員であることに、 誇りを持って日々活動しています。 しかし、私たちはその現状に満足してはいられません。まず、上にあげた運営体制にもまだまだ改善点が多く見 受けられます。必要なのに以前から対策されずに問題を抱えたままの部分もあれば、以前は適切に行われていた のに廃れてしまった部分もあります。こういった部分については、私自身次年度以降の IFMSA-Japan での活動 を通じて、改善や復旧に取り組んでいきたいと考えています。 また現在は SNS や情報社会が成熟し、世の中が多くの情報で溢れたことで、起業・インターン・NGO や NPO での活動など、学生団体での活動以外にも社会的な活動の機会を得やすい時代となりました。そんな時代の中で、 学生団体はあらためて存在意義が問われています。 今 IFMSA-Japan に求められているのは、私は主に次の 2 つだと考えます。まず 1 つめに「真に社会的意義があ る活動を行う」こと。そして 2 つめに「変わり続ける」こと。団体全体として、社会の状況を敏感に感じ取り、 内側に篭らずに積極的に社会とつながり、そして自分たちの活動を俯瞰し、分析し、より良い活動となるよう改 善していく
団体としてのまさに【外務力】を向上しつづけて、外から学び、広い視野を持って活動していく
ことが重要だと考えています。そうすれば、IFMSA-Japan が今後さらに大きな社会的インパクトを生み出すこ とができるのではないでしょうか? 外務部門には、IFMSA-Japan が社会との繋がりを強化するための急先鋒を担う部署として、その専門性を存分 に活かし、団体の成長に貢献できる部署であってほしいと考えています。次年度以降の外務部門にも、広報・ブ ランディング・外部団体や企業との協力関係の構築などの例年引き継がれてきた中心的業務に加え、昨年度より 取り組まれてきたスタッフが外部に発信するための基盤づくり、および今年度取り組んできた新たな可能性を見 出す機会を創出する活動に取り組みながら、IFMSA-Japan をさらに外に広げていってもらいたいと思います。
文責│旭川医科大学3年 小山裕基
168
外務部門│Liaison Office 1.活動理念 Liaison Officer は、外部の学生団体との連携を円滑に進める役割を担っています。IFMSA-Japan に所属する学 生が持つさまざまな興味を外へと広げたり、外部団体と協力してよりよい学びの機会を設けたりすることを⽬的 としています。
2.今年度の主な活動 ◇外部学生団体とのコネクション 外部学生生団体との連絡、イベントへの参加等を、副代表外務担当小山と協力しながら行いました。提携団体だ けではなく、多様な団体との繋がりを深めることができました。 ◇日本総会(NGA)における外部団体関連企画のコーディネート 今年度の NGA では、外部団体プレゼンテーションと Activities Fair を通じて、参加者が他の学生団体の情報を 得られる機会を設けました。事前に各団体の担当者と連絡を取り合い、発表者からの質問に対応するなどしなが ら、スムーズにプレゼンテーションが行われるようにお手伝いをしました。
3.今後の展望・課題 今後は、外部団体とより強固に連絡を取り合い、各団体の活動や理念を IFMSA-Japan に関わる学生にたくさん 配信できるように努めていきます。
文責│北里大学 4 年 鈴木花奈子
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外務部門│Fundraising Office 1.活動理念 Fundraising Office は、代表と副代表外務担当の監督の下で、外部企業・外部財団とコンタクトを取り、 IFMSA-Japan 全体の資金調達を行います。また、助成金の申請方法、資金調達のアドバイスなど、IFMSA-Japan 内の委員会やプロジェクト等の資金調達のサポートを行います。そのような活動を通じて、IFMSA-Japan の財 政面の安定化や、団体の成長に寄与することを⽬指します。
2.今年度の主な活動 ◇スポンサーシップの獲得 今年度は、Gold Sponsorship 3 社(株式会社メック様、株式会社羊土社様、株式会社ドクターズプラザ様)、日 本総会ブース出展 3 社(株式会社メック様、株式会社ドクターズプラザ様、プロジェクトアブロード様)、メーリ ングリスト協賛 2 社(株式会社マナボ様、リーズンホワイ株式会社様)とご契約させていただきました。実際に企 業様の元に出向いたり、イベント会場などで対面にて担当者の方とお話しし、IFMSA-Japan の魅力をお伝えし たり、昨年度の活動報告を行ったりすることを通じて、信頼関係を築くことが出来ました。 例年に引き続きご契約を結ばせていただいている企業様に加え、新たに連携していける企業様との関係を築くこ とができたことは、今年度の大きな収穫となりました。 ◇業務委託契約の締結 今年度は、医療情報専門サイト m3.com 等を運営するエムスリー株式会社様との業務委託契約を新たに締結し ました。この契約により、私たちは医師・医療従事者の多くの方が読んでいるメディアである m3.com に記事 を頻繁に掲載していただくことが出来るようになったばかりか、寄稿の対価もいただけることになりました。今 年度は 2 本の記事の掲載にとどまりましたが、次年度以降はこの枠組みを活用して積極的に情報発信を行い、 IFMSA-Japan の活動の認知度向上、および財政面に寄与することに期待しています。 ◇外務イベント「+α」の力 2018 年 3 月に開催された外務イベント《 「+α」の力》にて、ビジネスコミュニケーションに関するプレゼンテ ーションを行い、IFMSA-Japan スタッフや参加者の方々のビジネススキル向上に貢献しました。
3.今後の展望・課題 今年度は、昨年度よりも契約企業数、協賛金額いずれもが増加した 1 年でした。また、アジア太平洋地域会議 (APRM)やスタッフフェスタ(※内務部門 報告ページ参照)などにおいても協賛を得ることが出来、 IFMSA-Japan 全体として資金調達が充実した 1 年となりました。 今後も、このように多くの企業・団体に協賛していただけることを深く感謝しつつ、お互いにメリットがある関 係を維持していけるよう努力していくことが重要だと考えています。また、現状を維持するだけではなく、 IFMSA-Japan の資金をより拡充させることも⽬指し、新しい企業様へのアプローチにも引き続き挑戦して行く べきだと思います。 次年度以降も、後任者にノウハウや改善点をしっかり共有して Fundraising Office のパフォーマンスをさらに向 上させ、IFMSA-Japan の運営に貢献して行きます。 文責│旭川医科大学 3 年 小山裕基 170
外務部門│Publication Office 1.活動理念 Publication Office はアニュアルレポートやポスター、リーフレットなどの IFMSA-Japan 全体として発行する 刊行物を副代表外務担当と共同で作成することを主な使命としています。また、他部署での刊行物作成に際して 要請があった場合に助言と協力を行うこと等を行います。
2.今年度の主な活動 今年度、Publication Office は IFMSA-Japan としてミスの少ない、また統一感のある刊行物を作成することを ⽬標に活動しました。具体的には、名刺の作成、アニュアルレポート作成、文章作成の支援等を行いました。
1.名刺の作成 4 月の Officials(幹部職員)就任に合わせて Officials 55 名、理事 14 名、計 69 名の名刺を作成いたしました。 昨年度は Google Forms を使用し、正確な個人名の表記およびスペルを作成することを心がけましたが、役職を どのように表記するかにおいてばらつきが生じました。そのため、今年度は情報セキュリティーに留意しつつ事 務局と協力し、会員登録情報に基づいて Publication Office が原案を作成したのち、原案を受け取った 69 名が チェックを行う形式を取りました。また、今年度の日本総会本会議において、細則 8.4.2.7.4c が改定され、理 事会にて承認を得たスタッフが IFMSA-Japan としての名刺を持つことができるようになりました。それに合わ せて、一般のスタッフが名刺を作成する際の指標となるガイドラインを現在作成中です。次期 Publication Officer と連携し、次年度の初めに公開する予定です。
2.アニュアルレポート作成 アニュアルレポートの作成は Publication Office が担当する最も大きな任務の 1 つです。アニュアルレポートは 大量の原稿をチェック、編集するため、編集部に過剰な付加がかかり発行が遅れるという問題を抱えていました。 また、人名や、イベントの開催日時などに関して、Publication Office でチェックするには限界があるという問 題を抱えていました。Publication Office の負荷を分散し、かつより完成度の高い文章を制作すべく、今年度の アニュアルレポートではすべての原稿に対して担当の理事のチェックを受けるというステップを導入いたしま した。このステップの導入に対する評価は残念ながらこのアニュアルレポートの発行後になるため具体的な数字 を伴った主張はできませんが、本報告を執筆している 2018 年 3 月 9 日現在では例年よりも誤字脱字の少ない原 稿が提出されている印象があります。また、Project 報告においては 2 ページを使用して簡潔にまとめられてい るものもあれば、8 ページ以上を使用して細部にわたって言及がなされているものまで、言及の程度に関して大 きなばらつきがありました。この問題に対処するため、昨年度のアニュアルレポートから抜粋、編集した標準的 な Project 報告の例を作成したほか、それぞれの原稿に対して依頼に際し、昨年度からどのように改良してもら いたいかを連絡する工夫を施しました。
3. 文章作成の支援 外務部門では副代表外務担当を中心として、企業の方と連絡を行い、スポンサーの獲得をはじめとした IFMSA-Japan を支えて発展させてゆく活動を行っています。Publication Office では主に、これらの外部連絡に 対して誤字脱字や、失礼な表現、あいまいな表現がないかチェックを行い、必要に応じて助言を行う活動を行い ました。 171
3.今後の展望・課題 日本最大級の医療系学生団体である IFMSA-Japan は、日々Twitter や Facebook といったソーシャルネットワ ークサービス(以下、SNS)に大量の文章を投稿しています。近年、SNS を中心に誹謗中傷や、俗に「炎上」と呼 ばれるインターネット上で批判が殺到して収拾がつかなくなる事態が、保険会社がそれに対する保険を発売する にいたるほど顕在化しています。それらの原因となった投稿には、過激な表現を含まず、少しの表現がインター ネット上で大きな批判を呼んだケースが少なからず存在します。すなわち、IFMSA-Japan が投稿する文章もそ れらの事態に陥り、また死活問題へと陥る可能性をはらんでいます。Publication Office は、活動を支える Support Office として、また対外的な広報および連絡を行う外務部門の部署として、投稿する文章に対してチェ ックを行い、SNS に潜むリスクに対して各部署と連携しながら未然に防いでいく可能性を有しています。実際の 紙の形式での発行ももちろん重要であり、それらの活動の灯を決して消してはなりませんが、ここまで言及した ように、これまでの Publication Office の活動をさらに発展させた活動を通し、IFMSA-Japan 全体の活動に対 して貢献してまいります。 文責│産業医科大学 2 年 髙木 孝典
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外務部門│New Technology Office 1.活動理念 New Technology Office は「IFMSA-Japan の運営のために組織全体の Web page やインターネット上のサー ビスを管理し、各委員会やイベントの Web 管理者に対し助言を行う。また、随時新しいサービスを提供する」 ことを⽬的とした Office です。
2.今年度の主な活動 ◇ホームページやインターネットサービスの管理・運営 ホームページや IFMSA-Japan が利用しているインターネットサ ービスの管理・運営を行いました。今年度は特にソーシャルメデ ィアを活用した情報発信を強化し、投稿回数は例年に比べて大幅 に増加させることができました。また前年度に引き続き、外注等 ではなくスタッフによりホームページを新規作成する方針で検討 を重ねましたが、本年度中のリニューアルには至りませんでした。 しかし、次年度のリニューアルにむけての方向性を定め、次期に
[アジア太平洋地域会議の公式ホームページ]
引き継ぎを行いました。 また、本年度はアジア太平洋地域会議(APRM)の Invitation Package 作成、公式ホームページ作成、SNS を 活用した広報活動にも関わり、日頃から培ってきた広報スキルを活かして会議の成功に尽力しました。 ◇イベントを通じたスタッフの広報スキルの増進 外務イベント「+αの力」では、New Technology Officer がイベ ント広報に関するワークショップを行い、即効性の高い広報ノウ ハウを参加者に共有しました。また、外部講師として株式会社青 山花茂本店のブランドコーディネーターである石原 杏奈様をお 迎えし、企業のブランディングに関するレクチャーを行っていた だきました。参加者からは「イベント企画時にすぐに取り入れら れそうな情報を得ることができた」などの感想が寄せられました。 [外務イベントでのワークショップの様子]
◇ウェブメディアガイドラインの運用 2016 年度に発行されたガイドラインの適切な運用に尽力しました。具体的には、各委員会のオンラインキャン ペーン時のソーシャルメディアの活用方法などについて、適宜助言を行いました。
3.今後の展望・課題 IFMSA-Japan の認知度を高めて活動をより充実させていく上で、適切、安全、かつ魅力的に情報を発信してい くことは極めて重要であり、その土台を担う New Technology Office が担う役割はますます大きくなってきて います。New Technology Office は来年度以降も、情報発信媒体の適切な利用や改善・見直し、およびスタッ フの広報スキル向上に努めるべく注力して参ります。 文責│杏林大学4年 塚本雄太 173
14.Secretariat|事務局部門 1.活動理念 IFMSA-Japan への門戸としての機能を果たすべく事務局は 1 年間活動を取り行ってきました。事務局が管轄 する無料メーリングリスト(ML)加入者、個人会員という層は、IFMSA-Japan が管轄する層として最も範囲の 広いものとなります。IFMSA-Japan に対する様々なニーズに対応すべく、情報共有体制の充実を図るとともに 新しく加入したメンバーとスタッフを繋ぐ部署として双方へのサポート体制の提供を活動の理念としています。
2.今年度の主な活動 ・各種事務対応 ○個人会員登録 副事務局長を軸として個人会員の登録ならびに会員の管理を遂行しました。個人会員登録は毎年更新制とな っておりますが、新歓で個人会員制度の説明を重視したことに加えて SNS 等メディアにおける団体の露出の 増加も要因となり、2017 年度の個人会員登録数は 2018 年 1 月 31 日時点で 768 名と前年(2017 年3月末 時点で 697 名)に比べて増加しました。個人会員制度は留学や企画への参加にも関係する制度であるため、 一部の登録は Exchange Office や日本総会運営委員との連携の下に進めました。 ○ML 管理 ML マネージャーを軸として、IFMSA-Japan 無料 ML ならびに個人会員 ML におけるメンバー追加や投稿管 理を遂行しました。無料 ML 登録者数は 2018 年1月 31 日時点で 3008 名に達しました。ML 投稿管理におい ては IFMSA-Japan 内外の各部署からの配信依頼を受け、内容の精査の後に配信へと進めました。また ML の 配信トラブルなど機能面でのエラーにも対応しました。 ○お問い合わせ対応 IFMSA-Japan のお問い合わせ窓口には学生・企業など幅広い層から広報依頼や企画依頼といった様々な案 件が寄せられます。これらを事務局が受理し、対応可能なものは部署内で対応し、他の部署との連携が必要な ものは事務局から他の部署へ案件を共有しました。 ・ML・名簿整理 個人会員登録は年度毎の更新であり、またスタッフ登録を継続するうえでも個人会員登録の更新が必要とな ります。個人会員・スタッフともに最新年度の登録状況が反映されるように、名簿と ML 加入者の整理を行い ました。 ・IFMSA-Japan スタッフ用 T シャツ、Officials(幹部職員)用ポロシャツの管理 業者への発注・受け取りを事務局が請け負い、新歓や日本総会などで購入希望者に届けました。また Asia Pacific Regional Meeting(APRM)における T シャツ作成では、APRM 運営委員と連携を取り準備を進めま した。 ・書類管理 総会本会議配布書類の作成や理事定例会議(EBM)の議事録編集を他の理事との共同作業の下に事務局が先 導しました。 174
・ML マニュアルの作成 活動の活発化、外部への発信力強化を⽬的に、ML 使用のガイドラインをスタッフ向けに作成しました。 ・個人会員制度の充実化にむけた議論 個人会員制度は留学への参加やイベントへの優待といった一定の特典があるものの、その恩恵を受けない会 員も多く、より充実した個人会員制度の実現を⽬的として事務局で複数回にわたりミーティングを開催しまし た。具体的な改善策として、ローカル活動のコンテンツを共有出来るようなプラットホーム作成や IFMSA-Japan の運営への関与機会の創出(アンケート等)が挙がり、実現に向けて動きを進めています。
3.今後の展望・課題 事務局はスタッフのみにあらず、 IFMSA-Japan 無料 ML 加入者や個人会員へのアプローチを行う部署であり、 IFMSA-Japan の影響力を強めていくうえで今後の事務局の活動の意義はより大きなものとなります。個人会員 制度の充実化のために 2017 年度は現在の課題と改善策を議論しました。上記の通り、留学申し込みとイベン ト割引参加に留まる個人会員特典を、来年度以降は更に充実させられるよう務めます。また IFMSA-Japan の活 動の拡大に伴って、広報媒体は ML に留まらず Facebook などの SNS を始めとした新しい体系が出来つつあり ます。ML 以外の媒体の管理のニーズは今後増大するため、外務部門とも連携してより効果的な発信の在り方を 検討していきます。
4.感想 3000 名以上の IFMSA-Japan 無料 ML 加入者と 700 名以上の個人会員の窓口となる事務局の業務は、 IFMSA-Japan が外部に与える影響力を考察するきっかけとなりました。IFMSA-Japan の活動ではともすれば スタッフ間のコミュニケーションのみに陥りがちではありますが、事務局という部署を動かす中で ML 加入者 や個人会員をはじめとするスタッフ以外の方々の存在を常に意識することができ、組織が多くの方々に支えら れていることを感じました。IFMSA-Japan の現在の課題でもあり今後⽬指していく方向性として「社会に影響 力を与えられる組織」が挙げられます。そのような IFMSA-Japan の方針と照らし合わせた時に、社会への接 続点となりうる事務局が果たすべき役割は今後大きくなると考えています。
文責│東北大学 4 年 笠井俊佑
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15.Treasurer|会計部門 1.活動理念 会計業務を通して IFMSA-Japan 及び各部門の運営補助を行います。
2.今年度の主な活動 IFMSA-Japan の予算配分や運用、通帳管理や国際送金などの実務、また各委員会・プロジェクト会計からなる 会計チームでの Skype ミーティングやスタッフへの会計業務に関する発信を行いました。また、運営の質を向 上させるために、下記の新たな取り組みを行いました。 ◇Vice Treasurer(内務担当)の設置 今年度から Vice Treasurer を 1 人増やし、2 人体制(日本総会担当・内務担当)で運営を行いました。内務担 当は、Treasurer の補佐と内務の会計運営を主に担当しています。今まで Treasurer が担当していた内務会計を 担当する役職を置くことで、Treasurer の負担を減らすだけではなく、内務部門とのコミュニーケーションを密 にとることができ、より円滑な会計運営に繋がりました。 ◇公平性の向上 昨年度に引き続き、公平性の向上に取り組みました。昨年度導入した新たな予算配分方法は継続し、今年度新た に日本総会の交通費を日本総会の予算から支給しました。昨年度までは各委員会予算から支給していたため、各 委員会の財政状況によって支給額に差が出ていましたが、今年度は日本総会の予算から出すことによって、支給 額の差はなくなり、公平性の向上に繋がりました。
3.今後の展望・課題 今後の課題としてあげられるのは、透明性確保と持続可能性です。 個人作業が多くなる会計業務において、会計部門からの発信は透明性確保において大切になります。「会計部門 は何をしているかわからない」という言葉がスタッフから聞かれることもあり、今後は会計部門からの発信が必 要になると思います。 また、毎年メンバーが変わる学生団体において持続可能性を担保することは課題となります。安定した資金の調 達や次年度への引き継ぎ・会計知識周知など、今後も運営の質を継続・向上していくことが課題になると考えま す。 文責│愛知医科大学 4 年 澤山初音
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16. Local Activitiy|加盟団体 地域活動 [北海道地域] 北海道大学
│
3年
飯田圭祐
今年度も IFMSA 北大には多くのメンバーが加入し、例年以上に活発に活動しています。IFMSA-Japan の Officials (幹部職員)等として活発に活動しているメンバーも多く、毎週のミーティングでは活動報告に事欠きません。これ まで local で実施してきたぬいぐるみ病院及び Exchange 留学生受け入れについては今年度も着実に実施しました。 さらに local の活動内容を拡大する計画が進行中です。各自が一番やりたいことをやる、という方針でこれからも活動 していく所存です。今後ともよろしくお願いいたします。 札幌医科大学
│
3年
石川綾音
札幌医科大学 IFMSA では部員 30 名で活動しています。活動は主に留学部門、SCORA 部門、ぬいぐるみ病院部門、 小児科部門の4つに分かれており、毎週水曜日の昼休みに部会を行うなかで各部門の活動報告やプレゼン等を行って います。 今年度は現在までに、留学部門では留学生を2名受け入れ、1名が留学しました。SCORA 部門では高校での性に関 する講演会の実施を1回、近隣保育園でのぬいぐるみ病院実施を1回、附属病院小児科病棟での季節イベントを2回 行いました。また、大学祭ではフェアトレード商品を販売し、発展途上国との公平・公正な貿易についての知識を広 める活動を行いました。 今後とも、多方面の分野に関心を持ち交流するなかで、実りある活動をしていきたいと思います。今後ともよろしく お願い致します。
[東北地域] 岩手医科大学
│
3年
久慈強
今年度から団体名を IMU-IFMSA から IFMSA-Iwate へと変更し、学内では非公認同好会(設立準備クラブ)とい う位置づけで約 40 人で活動しています。 「IFMSA-Japan の魅力を校内に伝え、IFMSA-Japan で得たことを岩手県内 などのローカルへ還元し活かしていく」という方針で活動しています。 現在は、定期的な活動としてお昼に昼食を食べながらの英会話やミーティングを開いているほか、大学のイベント の際にザンビアブリッジプロジェクトやインドのフェアトレード、インターナショナルチャリティーコンサートを行 いました。また、岩手の外国人団体との国際交流も始めました。 課題として交換留学制度の実現、学内での部活への昇格に取り組んでいます。 福島県立医科大学(IFMSA-Fukushima)
│
2年
鍋田朗冊
今年度、IFMSA-Fukushima では留学生受け入れや週 1 回の英会話に加え、部員による IFMSA-Japan のイベント の活動報告会を行いました。特に今年度の NGA にて行われた SDGs ハッカソンの活動報告会では、各々がハッカソン 班で学んだことを発表し、非常に活発なディスカッションを行うことができました。また、8 月、12 月には、東北大 学や獨協大学と合同して三大学コラボ WS を行いました。合同 WS を通じて、企画の作成を学ぶことができ、また他 大学の参加者さんから得られる新しい視点に刺激を受けました。今後も英語の学習の場や様々な人との交流の場を提 供して、各メンバーにとって有意義な IFMSA-Fukushima を⽬指していきたいです。
[関東地域] 群馬大学
│
3年
寺島里佳
群馬大学 FORS (国際医療ボランティアの会)は計 30 名で活動しています。月に 2 回の勉強会では TED Talks を観 たり、海外留学参加者による留学報告会を行っています。長期休みを活用して、夏にはカンボジアで医療ボランティ ア活動をいたしました。昨年度から IFMSA に団体加盟し、今年度から初めて IFMSA の活動に本格的に参加すること
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ができました。ACHP を通してインドの Sujit 先生を大学に招き、講演会を開催し、医学祭ではインドのフェアトレー ド商品を販売いたしました。今後も ACHP を通した活動を継続し、さらに活動を拡大していきたいです。今後ともよ ろしくお願いいたします。 慶應義塾大学
│
3年
遠藤夏実
慶應義塾大学医学部 IFMSA は現在のメンバーが 2 名と少数で活動しています。正式に IFMSA のメンバーとして所 属しているのは2名ですが、他でぬいぐるみ病院として大学独自に活動をしています。ぬいぐるみ病院では今年度、 幼稚園・小学校に伺う活動の中でどうしたらより分かってもらえるか、時間内に終わらせられるかなど工夫して参り ました。活動を広めていくため、文化祭出店も毎年行っております。来年も慶應らしさを見つけながら、より子供に 寄り添っていきたいと思います。また、IFMSA 所属メンバーを増やし、勉強会などを行える規模にしていきたいです。 今後ともよろしくお願いします。 自治医科大学
│
4年
丹野利紗
自治医科大学では、IMC(国際文化医療研究会)という団体で IFMSA に関わっています。今年度 SCOPE では 1 名が イタリアへ、1名がウガンダへ留学予定です。また、incoming ではグアテマラから 1 名、アルジェリアから 1 名の 留学生を受け入れました。 留学生は大学敷地内にあるレジデントハウスに滞在し大学付属病院で実習を行います。私たちの大学は全寮制であ るため留学生との交流を持ちやすく、1~6 年生が協力しながら楽しく受け入れを行っています。県内にある歴史的な 観光名所も紹介し、日本の文化も体験してもらいました。 また SCOPH の活動の一つとして、じぬびーという名でぬいぐるみ病院の活動も行っております。学園祭や、地元 の保育園・幼稚園で毎年多くの子供たちに楽しくお医者さん体験をしてもらっています。 今後もますます IFMSA の活動に参加する人が増えればと思っています。 聖マリアンナ医科大学 │
4年
佐藤菜摘美
聖マリアンナ医科大学 MESS では現在約 50 名のメンバーで活動を行っています。主な活動内容としては、留学生 の受け入れ、ぬいぐるみ病院、基礎医学研究発表です。毎年恒例となったぬいぐるみ病院では、劇や紙芝居を織り交 ぜながら和気あいあいと子どもたちに健康の大切さを教えることができました。また留学部門では、我が部からは春 休みに 1 名がギリシャへと留学し、初夏に 2 名の留学生の受け入れを行いました。来年度の課題としては、部員各自 がさらに主体性を持って活動に参加してもらえるように、新入生に向けた各種活動の紹介や部員の体験談を伝えてい き、今年度の反省を踏まえた上で各活動を更に良いものとしていきたいと思います。 東邦大学
│
3年
佐藤茉莉花
東邦大学 ESS は、1 年生から 3 年生が 80 人規模で活動しています。今年は、English OSCE に低学年から触れて 慣れることを⽬的に、上級生の英語の授業の教材を使っての練習をしたりしました。また、IFMSA で活動している部 員から、参加したイベントやプロジェクトについての報告会を開いて、部員内で共有するという活動も何度か行いま した。今年度は SCOPE でフィンランド、フィリピン、ギリシャから 3 人の留学生を受け入れました。そして留学生 の希望した場所を中心に観光をするソーシャルを開いて、部員と留学生の交流を深めました。今後も多くの部員が参 加できるような工夫をしながら、英語や IFMSA の活動に触れる機会を作れるよう新しい企画をたくさん考えていきた いです。今後ともよろしくお願いします。 東京医科大学
│
高橋利菜
私達東京医科大学 English Speaking Society は国際交流を通じて英語力を養い、様々な国や地域で活躍できる医療 人となるために日々活動している団体です。具体的な活動は週に二回で、ディクテーション、リスニング、ライティ
178
ングなどの英語学習、英語音声・字幕の映画鑑賞、英語での解剖学講義などを通じて楽しく英語を学んでいます。ま た、ハロウィンやクリスマスなどのイベントを通じて部員同士の交流を深めながら英語を学ぶこともあります。国際 医学生連盟(以下 IFMSA)においては総本会議に出席し、他校の学生との交流を深めています。部員の中には IFMSA の会員として活動している人もいます。
[東海信州地域] 愛知医科大学 │
2年
佐藤晃敏
HIAMU はボランティア部門、留学部門、アカデミック部門に分かれていて、様々な分野において活動をしています。 ボランティア部門では主に小児科が行っており、定期的に病院の小児科病棟にお邪魔をして子供と交流をしています。 留学部門の一つに IFMSA-Japan の交換留学も含まれており、主に受け入れを行っています。 アカデミック部門の中には SCOPH の ACHP も含まれており、学祭でフェアトレードの商品を販売しています。 今後は幹部になるのでもっと英語に関する活動を行っていき、1年生のカリキュラムの多忙化に合わせられるような 取り組みを行っていきたいと考えています。同時に SCORA の方で性感染症に関する知識を伝えることで自分たちも 医学的な知識を out put できる一方で、教えられた側も知識を得られるような win win の状況を意識したいと思いま す。
[北陸地域] 金沢大学 │
5年
南部鴻介
金沢大学では 3 つの団体 15 名ほどのメンバーが IFMSA-Japan に関わる活動をしています。SCORA 部門では今年 度は県内の高校 3 校の高校生と金沢大学医学類一年生に対して peer education を行いました。また、勉強会を開き、 これまでの活動を振り返って改善点や今後の授業の方向性について話し合いました。Exchange 部門では以前は年に 2 人程度の臨床留学生を 1 カ月弱受け入れておりましたが、今年度は実質的な活動は行いませんでした。そのほかにも ぬいぐるみ病院を昨年度から継続して行いました。今後は各部門間の情報交換や交流も行っていきたいです。現在は 低学年のメンバーが少ないので、勧誘活動にも力を入れていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたし ます。
[関西地域] 近畿大学
│
3年
松本悠佑
IFMSA-KINDAI Exchange 部は部員数 63 名、主に留学生の受け入れを中心に活動している部活で、本年は 3 名の 留学生を受け入れました。留学生には七夕祭りで浴衣を着てもらったり、京都巡りや和菓子作り体験をしてもらった り、様々な日本文化を体験してもらいました。弓道部、合気道部、茶道部、華道部にも協力してもらい、そこでも日 本文化、部活動を体験してもらいました。 来年度は、Outgoing の学生を輩出することに加え、関西地域を中心にした合同ソーシャル活動を行いたいと考えて います。また、ぬいぐるみ病院をはじめとした留学関係以外の活動が増えることも⽬指しています。 滋賀医科大学
│
4年
松尾有華
私たち SUMS ESS (Shiga University of Medical Science, English Speaking Society)は、アカデミックな医学英 語から、留学生を交えたソーシャルプログラムや英語での映画鑑賞まで、学生の多様なニーズに柔軟に対応しつつ、 日本と外国の文化への理解を深めることにも力を入れながら、そうした活動の中で活きた英語に慣れ親しむことがで きるよう心掛けて活動しています。 留学制度への参加に関しては、2017 年度に滋賀医大としては初めての SCOPE 基礎研究交換留学が実現し、1名が フィンランドへ、そして1名をカナダから受け入れることができました。2018 年度は4名の outgoings が確定し、 SCORE 臨床交換留学の導入に向けても準備を進めており、今後ますます活発に交流の幅を広げていきたいと考えてい
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ます。 兵庫医科大学
│
1年
二武有紀
兵庫医科大学 IFMSA は4名ですが、英語部と合併しており約30名で活動しています。今年度は交換留学生の受 け入れを主に行い、その際には social program として京都への旅行なども行いました。また週に1度はランチプラク ティスを行い英語力に重きをおいた活動を行いました。来年は新歓で IFMSA を知ってもらうことで1年のみならず他 学年にも IFMSA に入ってもらい、英語の部門以外でも IFMSA の活動ができるようにしたいです。今後ともよろしく お願いします。
[中国地域] 島根大学
│
4年
林有紗
島根大学 SMILE サークルは、IFMSA-Japan に団体加盟しており、SCOPE、SCORE における交換留学を中心に活 動しています。本年度は、計 8 名の留学生を受け入れ、Welcome Party、Farewell Party を始め、観光などの様々な Social Activity を行いました。また、島根大学からも 8 名の学生が各国へ留学し、その活動を報告会という形で発表 しました。来年度は、サークル名を一新し、Exchange 以外の活動も盛り込んで、より充実した活動を行っていく予 定です。
[四国地域] 徳島大学
│
3年
水口貴香子
私たち TIFMSA はぬいぐるみ病院をはじめとした SCOPH、SCORA、Training でお互いに協力しながら活動してお ります。保育園等でのぬいぐるみ病院や SCORA 会の活動に加え、今年度は新入生向けの Training を行ったり、大学 祭で AVP の活動の一環であるザンビアお好み焼きを販売したり、大学での小児科病棟でのイベントや交換留学生との 交流会に参加させていただきました。また、TIFMA から IFMSA-Japan でも活動する部員も増えつつあります。 来年度は IFMSA-Japan で学んだことをフィードバックする場を設け、より TIFMSA の活動を盛り上げていきたい と思います。
[九州山口地域] 大分大学
│
3年
吉川侑里
IFMSA-Oita は、現在 57 名で活動しております。交換留学が主な活動で、今年度は3名の留学生を受け入れ、2名 が留学しました。7月には九州の各大学による九州合同ソーシャルを開催し、他校との交流や留学生との交流が行え ました。また、九山新歓や APRM、NGA へ IFMSA-Oita から参加し、部員の多くが意欲的に活動したことが伺えます。 大分大学医学部の医大祭ではフェアトレードを行い、75,500 円を売り上げ、インドの IIMC に寄付しました。部員が 忙しいながらも時間を縫って準備をし、協力し合い、丁寧にお客様に接したことが成功へとつながりました。今後も 学内外とのつながりを大切にしながら、積極的に活動していきたいです。 熊本大学
│
5年
畑裕加里
熊本大学医学部国際社会医療研究会は、活動に大変活発な 1 年生達を今年も迎え、現在計 44 人で活動しています。 今年度は特に LGBTs の方々への正確な歴史や知識を学び、実際に熊本、福岡、そしてタイにおける当事者の方々と積 極的に交流してきました。その他にも熊本大学の海外留学生と交流したり、インドで被差別民の人権回復運動をされ ている方の講演会、またサマーキャンプに参加し災害医療を学んだ部員の部内・学外に対する発表の場を設けたりと、 「伝える」ことにも重きを置いてきました。今後は、留学希望のある学生がより留学への壁を感じずに動けるよう、 IFMSA-Japan の交換留学制度を利用することを積極的に考えています。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
180
久留米大学
│
3年
武石真之介
久留米大学医学部 JIMSA は現在62名で活動しています。主な活動は IFMSA を通じた交換留学や IFMSA のイベン トへの参加、福岡大学と合同のスピーチコンテストの開催、学園祭での医学展、ぬいぐるみ病院、ディベート大会へ の参加などです。また、今年はここのところ、部として参加していなかった BMC(基礎医学研究発表会)にも出場し ました。今後は学外とのつながりを大切にすることはもちろんのこと、活動を通して、JIMSA の多くの部員が参加で きる取り組みを構築していきたいです。 佐賀大学
│
医学科6年
高橋大地
IFMSA-Saga の今年度の活動としては、6月に新入生を対象とした医学科6年生と看護科4年生の部員による各自 の活動に関するプレゼンテーションを行い、新たに3名の部員が加わった。部活としての定例の活動はなかったが、 2013 年を最後に佐賀大学で行われていない SCOPE 留学生の今後の受け入れ体制の構築に関するミーティングを行っ た。来年度からは、佐賀大学医学部キャンパスでの学園祭が復活するため、現在 ACHP のフェアトレード商品を販売 する予定であり、現在その販売に向けての勉強会や準備を進めている。ここ数年、あまり満足のいく活動はできてい ないが、この学園祭での販売が私たちの重要な活動の1つになると考えている。 産業医科大学
│
3年
井上沙也香
産業医科大学の ESS 部は IFMSA に団体加盟しており、約 40 名で活動しています。日々の活動としては、週に一度 部員が集まって英語で話すランチ会をはじめ、顧問のネイティブの先生を交えて時事問題などを話し合うということ を行っています。また、夏期に留学生の受け入れを行っており、welcome party を皮切りに、夕食会、short trip な どを留学生と主に楽しんでいます。 長崎大学
│
3年
木村知代
長崎大学は熱帯医学研究会という部活のひとつの柱として、IFMSA-Japan の活動を行っています。自分の興味があ る分野に対して勉強会を開いたり、海外派遣を行ったりして、自分がやりたいことをやる部活です。部の約束は、月 に一回の定期ミーティングで自分の活動をシェアすること。それにより、お互いを高めあい、視野を広げています。 また、今年は Exchange 部門も取り入れることができ、これからより多くのメンバーが新しい世界に飛び出していけ る機会が増えることを期待しています。 福岡大学
|
3年 北村陽奈
福岡大学 IFMSA は現在、計 34 名で活動しています。今年度も毎年 6 月ごろに開催している久留米大学 JIMSA と のスピーチコンテストに4名が出場したり、6、7、10 月に計 4 名の留学生を迎え、大宰府観光や和食作り、茶道体 験などをすることで交流を深めました。そのほかにも、英語で症例を学び、英語で問診のやり取りを練習するといっ た勉強会も行いました。海外留学が 4 名、海外の大会に 3 名参加することになっています。今後は勉強会をさらに充 実したものにするべく、力を入れていきたいと思っております。他大学の活動を知って参考にできたらとは思ってお りますが遠方ですので情報収集・会議参加が難しいのが現状です。今後ともどうぞよろしくお願いします。 宮崎大学
│
4年
鈴木佑奈
宮崎大学は国際保健医療研究会として 20 名で活動しています。今年度はギリシャからの留学生を受け入れました。 受け入れるにあたって、宮崎の観光地を英語で案内するための勉強会を行いました。来年度はスイス、フィンランド から留学生を受け入れる予定で、現在準備を進めています。このうち1名は臨床留学の予定なので、今後臨床留学の 受け入れの拡大に繋がるような年にしたいと考えています。来年度は新入部員に多く入ってもらえるよう広報活動に も励んでいきたいです。今後ともよろしくお願いいたします。
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山口大学
│
4年
西郷奈津子
山口大学 ESS は現在 30 名程度が所属しており、交換留学を中心に活動を行っております。今年度はベルギーより 1名の留学生を受け入れ、welcome
party をはじめとした食事会や、観光ツアーや九山地区での合同ソーシャルな
どの活動を行いました。また山口大学からも2名がベルギー、イタリアへの交換留学に参加しました。留学生を受け 入れ実際の英語に触れることで、英語の必要性を実感しや英語学習へのモチベーションが高まりました。今後は交換 留学だけではなく、さらに活動の幅を広げていきたいと思います。 琉球大学
│
4年
新崎直輝
IFMSA 沖縄は昨年度から発足し、IFMSA-Japan に団体加盟を認められました新しいサークルです。沖縄県内に医 学部は琉球大学のみであり、また琉球大学内に多くの勉強会・サークル等があるものの、他の医学部との交流がほぼ 無いのが現状です。この状況を打開するため、県外医学部との交流をより増やし、沖縄の医学生の視野を広げること を⽬的に IFMSA 沖縄を設立しました。昨年まで部員は 3 名でしたが、やる気に満ち溢れた二年生が 4 名入り、また 興味をもつ学生が増えてきました。今年度まで進められずにいた IFMSA-Japan の交換留学部門に本格的に力を入れ る予定です。
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Ⅴ.会計報告 Financial Report
17. Financial Report|会計報告
184
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【詳細】 ◆過年度決算の修正
◆管理費
◆全国新歓ツアー
◆資金調達
186
◆Internal Affairs/内務
◆External Affairs/外務
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◆International Affairs/国際業務
188
◆SCOPE/SCORE
◆SCORA
◆SCOME
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â—†SCOPH
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â—†SCORP
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◆日本総会
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195
18. Auditing Report|監査報告 ◇監査委員とは 定款 8. 監査委員会 8.1. 監査委員会は、内部監査として理事および役員の活動の適切性を検証する。 8.2. 監査委員会の⽬的は IFMSA-Japan の理念達成に役立つことであり、監査委員会はそれに反する業務を行って はならない。 8.3. 監査委員会は少なくとも 3 人の委員により構成され、総会本会議により選出されなければならない。 8.4. 監査委員会は監査対象から独立した組織であり、定款・細則に基づかない不当な制約を受けることなく監査業務 を実施する。 8.5. 監査委員会は IFMSA-Japan のすべての業務において、公平で客観的でなくてはならない。 8.6. 監査委員が定款・細則に違反したと EB が判断した場合、前年度監査委員の助言をもとに理事会決定により理 事会がその監査委員の活動を停止させることができる。
細則 8.4.7. Supervising Council (SC) 監査委員会 8.4.7.1. SC が監査する対象は EB、Officials、及び IFMSA-Japan の組織、業務、会計の全般に及ぶ。 8.4.7.2. SC は対象の業務の適切性を検証するために、対象における問題点を発見・指摘し、体制の評価、改善に向 けた助言を行う。但し、助言に拘束力はない。 8.4.7.3. SC は 3 人以上の前年度スタッフ経験者でなければならない。但し、1 人以上 EB 経験者がいなければなら ない。これらのメンバーは総会本会議において選出される。 8.4.7.4. IFMSA-Japan の会計は、その年度の会計報告の監査を SC から受ける。 8.4.7.5. SC のメンバーは、IFMSA-Japan での他の役職と兼任することはできない。 8.4.7.6. SC は監査対象と利害関係を持ってはならない。 8.4.7.7. SC は業務上入手した情報を悪用してはならない。 8.4.7.8. SC はその年度の会計報告の監査を行い、 結果を会計に報告する。 8.4.7.9. SC は監査業務に関して報告書をまとめ EB に提出する。 業務の改善が必要な対象へは監査意見書の通知 を行う。 8.4.7.10. SC は対象の監査に必要な資料を EB、 officials に請求することができる。 8.4.7.11. EB または officials が、定款・細則に反 する内容の行動をした際に、SC はそのレポートとともにその者 を一時停職させることができる。なお、これらは、現職のほかの役員いずれかが SC に調査を依頼したときに限る。 8.4.7.12. SC は定款・細則に述べられている事由により理事会の決定を無効にすることができる。その後、無効にし た事項を議案として総会本会議に提出し、最終的な判断を行う。
◇監査報告書 監査委員より IFMSA-Japan 代表宛に発行された監査報告書を次ページに示します。 196
平成 30 年 3 月 31 日 IFMSA-Japan 代表 殿 監査委員長 齋藤 惠理子
内部監査報告書 平成 29 年 4 月 1 日より平成 30 年 3 月 31 日までの期間実施した IFMSA-Japan 理事における内部監査の結果 を下記の通りご報告いたします。
記 1. 監査対象
監査対象部門:IFMSA-Japan 理事 監査対象業務:IFMSA-Japan 運営全般
2.監査実施期間
平成 29 年 4 月 1 日〜平成 30 年 3 月 1 日
3.監査担当者
監査委員長
齋藤 惠理子
監査委員
山本 晃匡 佐々木 太士 志村 優至
4.監査目的
IFMSA-Japan 運営上における「透明性」と「信頼性」の確保
5.監査項目
2017 年度 IFMSA-Japan 運営全般 2017 年度 IFMSA-Japan 会計報告
6.監査結果
重点項目
監査結果
定款細則変更
定款細則の変更を助言・勧告。
財務管理
決算案について、使途不明金・その他の名目の巨額の支出がある にも関わらず、注釈がないため加筆するよう助言・勧告。 (訂正済)
2017 年度代表
19. Media Information│メディア情報 ●取材 ♢サークルズ 時事通信社 学生向けに医療系サークルを紹介する Web メディアにて、IFMSA-Japan の団体概要、および各委員会に関する インタビュー記事が計 6 本掲載されました。 ♢薬事日報 薬学生新聞 2017 年 11 月号 アジア太平洋地域会議 運営委員長棚元と副委員長塚本が「【対談・薬学生×医学生×理学療法学生】世界の仲間 と意見や知識を共有‐医療系学生団体の国際会議とは」と題した対談に参加した様子が掲載されました。 ♢iCrip by MEC (カテゴリー:IFMSA-Japan) 第 15 回日本総会と、アジア太平洋地域会議の取材記事が計 3 本掲載されました。 ♢北ケーブルテレビ ホット縁市 2017 年 6 月放送 ♢なんとかしなきゃ!プロジェクト 2017 年 6 月掲載 ♢秋田魁新報 2017 年 6 月 21 日掲載 ♢ABS 秋田放送 朝採りワイド秋田便 2017 年 5 月放送 「ザンビア・ブリッジ企画」による「ザンビア風お好み焼き」屋台の出店が取材されました。 ♢北海道新聞 北海道が主催した「~アイヌ遠足~」の様子が掲載されました。
●寄稿 ♢m3.com SCOPE / SCORE 主催のイベント「Exotic Tokyo ~YOU は何しに今ここへ~」の内容が、2 本の記事「ミャン マー、医療制度の現状『リウマチ専門医が 10 人しかいない』」 「フィリピン、深刻な『医療人材輸出問題』 」とし て掲載されました。 ♢メディカルプリンシプル社 DOCTOR'S MAGAZINE 隔月で、様々なテーマに関する記事が掲載されました。 017/7 月号
IFMSA-Japan の紹介
2017/9 月号 国際業務やアジア太平洋地域会議の紹介
2017/11 月号
日本総会の紹介
2018/1 月号 人権と平和に関する委員会の紹介
2018/3 月号
医学教育に関する委員会の紹介
2018/5 月号 IFMSA の交換留学制度に関する紹介
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20. Sponsorship|スポンサーシップ情報 =======2017 年度 IFMSA-Japan スポンサーシップ形態====== 【ゴールドスポンサーシップ】 (15 万円) (ⅰ) IFMSA-Japan メーリングリストへの協賛掲載・広告 (ⅱ)IFMSA-Japan 年次報告書、イベント報告書へのロゴ掲載 (ⅲ)IFMSA-Japan 公式 Web サイトに企業ロゴと Large banner(リンク付き)掲載 (ⅳ)IFMSA-Japan 全体イベント(日本総会、各新歓、スタッフミーティング、外務イベント、Seniors Club 懇 親会、年次報告会)での配布物へのロゴ掲載 (ⅴ)IFMSA-Japan 全体イベント(日本総会、各新歓、スタッフミーティング、外務イベント、Seniors Club 懇 親会、年次報告会)での企業刊行誌やビラ配布 (ⅵ)日本総会パンフレットへの広告掲載 (ⅶ)日本総会公演中のポーズスクリーンでの広告表示 (ⅷ)日本総会ムービーへの企業ロゴ掲載
【シルバースポンサーシップ】 (10 万円) (ⅰ)IFMSA-Japan 年次報告書、イベント報告書へのロゴ掲載 (ⅱ)IFMSA-Japan 公式 Web サイトに企業ロゴと Large banner(リンク付き)掲載 (ⅲ)IFMSA-Japan 全体イベント(日本総会、各新歓、スタッフミーティング、外務イベント、Seniors Club 懇 親会、年次報告会)での配布物へのロゴ掲載 (ⅳ)日本総会パンフレットへの広告掲載 (ⅴ)日本総会公演中のポーズスクリーンでの広告表示 (ⅵ)日本総会ムービーへの企業ロゴ掲載
【メーリングリスト広告】(5 万円) IFMSA-Japan メーリングリストへの協賛掲載・広告年5回
【日本総会企業ブース出展】(5 万円) 日本総会での企業ブース出展
【日本総会企業プレゼン】 (日本総会にいらしてくださる企業様向けに検討中) 日本総会にてプレゼンテーションや企業様関連の座談会のお時間を提供予定
【アジア太平洋地域会議へのご協賛】(要相談) 10 年ぶりの日本開催にあたり、様々な協賛形態を提供。詳細はお問い合わせください ===========================================================
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協賛企業 ●Gold Sponsorship (IFMSA-Japan 年間活動を通した協賛) 株式会社ドクターズプラザ 様
株式会社メック 様
株式会社羊土社 様
200
:¥150,000
●日本総会 ブース出展 :¥50,000 株式会社ドクターズプラザ 様
プロジェクトアブロード 様
株式会社メック 様
●メーリングリスト協賛 株式会社マナボ 様:5 通 50,000 円 リーズンホワイ株式会社 様: 1 通 20,000 円
201
21. Special Thanks|お世話になった方々 ●大会後援及び助成金 ♢公益社団法人 日本医師会
様
会長 横倉義武様 常任理事 道永麻里様 国際課長 能登裕二様 国際課 小林伶様 国際課 高野美千代様
♢公益社団法人 東京都医師会 様 会長 尾﨑治夫様 理事 島﨑美奈子様 理事 蓮沼剛様 理事 ⽬々澤肇様 医療支援課 中塚全様
●提携団体 ♢AMSA Japan(アジア医学生連絡協議会 日本支部)様 ♢ALSA Japan(アジア法学生協会ジャパン)様 ♢JIMSA(日本国際医学 ESS 学生連盟)様 ♢APS-Japan(一般社団法人日本薬学生連盟)様
202
22. Local Organization|加盟団体一覧 2017 年度 東海信州
北海道 札幌医科大学 IFMSA
札幌医科大学
HOPE
浜松医科大学医学部
部
医学部・保健医療学部
MESS
信州大学医学部
IFMSA 北大
北海道大学医学部
HIAMU
愛知医科大学
旭川医科大学 IFMSA
旭川医科大学医学部
GIFMSA
岐阜大学医学部
えみふる
関西
東北
ISAO
大阪市立大学医学部
IFMSAKT
秋田大学医学部
MESS
関西医科大学医学部
IFMSA-Iwate
岩手医科大学医学部
兵庫医科大学(英語部)
兵庫医科大学医学部
TiMSA
東北大学医学部
IFMSA-KINDAI-Exchange
近畿大学医学部
IFMSA-Fukushima
福島県立医科大学医学部
SUMS E.S.S.
滋賀医科大学医学部
YMSA
山形大学医学部
中国・四国
関東 IMC(国際文化医療研
自治医科大学医学部
究会)
SMILE
島根大学医学部
国際保健友の会
鳥取大学医学部
ハクナマタタ
TIMSA
筑波大学医学群
ESS 部
川崎医科大学医学部
ESS 部
獨協医科大学部医学部
TIFMSA
徳島大学医学部
FORS
群馬大学医学部
EMSA
愛媛大学医学部
世界の医療を考える会
千葉大学医学部
国と国との医療を学ぶ会
香川大学医学部
SSIA
東京医科歯科大学医学部
(IRM)
日大-IFMSA
日本大学医学部
九州・山口
MESS
日本医科大学医学部
ESS 部
山口大学医学部
東海大学
東海大学医学部
ESS
福岡大学医学部
杏林大学医学部 ESS
杏林大学医学部
ESS 部
産業医科大学医学部
MESS
聖マリアンナ医科大学医
熱帯医学研究会
長崎大学医学部
学部
国際保健医療研究会
宮崎大学医学部
ESS
東京医科大学医学部
ifmsa Oita
大分大学医学部
MESS
東京女子医科大学医学部
久留米大学 JIMSA 部
久留米大学医学部
ESS
東邦大学医学部
IFMSA-SAGA
佐賀大学医学部
MESS
北里大学医学部
国際社会医療研究会
熊本大学医学部
英語会(MESS)
慶應義塾大学医学部
KICS
鹿児島大学
Narita Medics
国際医療福祉大学医学部
IFMSA 琉球大学
琉球大学医学部
IFMSA-Yamanashi
山梨大学医学部
加盟大学 55 校
(2018 年 3 月現在)
北陸 FEAL
福井大学医学部
IFMSA 金沢
金沢大学医学部
国際医療研究会
富山大学医学部
203
23. Abbreviation|IFMSA-Japan 略語 APRM
Asia-Pacific Regional Meeting
アジア太平洋地域会議
EB
Executive Board
理事
GA
General Assembly
世界総会
IFMSA
International Federation of Medical Students’
国際医学生連盟
Associations I-J
IFMSA-Japan
国際医学生連盟 日本
LEO
Local Exchange Officer
各大学の臨床交換留学責任者
LORE
Local Officer on Research Exchange
各大学の基礎研究交換留学責任者
LTP
LEO/LORE Training Program
大学留学責任者トレーニングプログラム
(M)ESS
(Medical) English Speaking Society
(医学)英会話部
ML
Mailing List
メーリングリスト
NMOs
National Member Organizations
加盟国・加盟地域団体
NO
National Officer
各委員会の責任者
NEO
National Exchange Officer
臨床交換留学に関する委員会責任者
NORE
National Officer on Research Exchange
基礎研究交換留学に関する委員会責任者
NOME
National Officer on Medical Education
医学教育に関する委員会責任者
NORA
National Officer on Sexual and Reproductive 性と生殖・AIDS に関する委員会責任者 health including HIV/AIDS
NORP
National Officer on Human Rights and Peace
人権と平和に関する委員会責任者
NPO
National Public Health Officer
公衆衛生に関する委員会責任者
NGA
National General Assembly
日本総会
NGO
Non Governmental Organization
非政府組織
OC
Organizing Committee
運営委員
SCO
Standing Committee On
常設委員会
SCOPE
Standing Committee On Professional Exchange
臨床交換留学に関する委員会
SCORE
Standing Committee On Research Exchange
基礎研究交換留学に関する委員会
SCOME
Standing Committee On Medical Education
医学教育に関する委員会
SCORA
Standing Committee On Sexual and
性と生殖・AIDS に関する委員会
Reproductive health including HIV/AIDS SCORP
Standing Committee On human Rights and 人権と平和に関する委員会 Peace
SCOPH
Standing Committee On Public Health
公衆衛生に関する委員会
VPE
Vice President for External affairs
副代表外務担当
204
VPI
Vice President for Internal affairs
副代表内務担当
VPN
Vice President for International affairs
副代表国際業務担当
AVP
Africa Village Project
アフリカの公衆衛生向上を⽬指すプロジェク ト
CoMT
Community Medicine Tour project
地域医療ツアープロジェクト
HiNaP
Hiroshima Nagasaki Peace project
原爆や核兵器問題を通して未来の平和につい て広島や長崎を中心に学ぶプロジェクト
HLP
Healthy Lifestyle Project
健康的な生活と促進を学ぶプロジェクト
ICOT
Incoming Care and Outgoing Training Project
留学トレーニングを行うプロジェクト
LAMP
Law and Medicine Project
法と医学の関わりを学ぶプロジェクト
LARF
Learn About Refugee Project in Japan
日本における貧困や社会的弱者など様々な社 会問題について学ぶプロジェクト
LLP
Life Lesson Project
人生観・死生観や生命倫理について学ぶプロ ジェクト
略語無し
Peer Education Project
中高生への性教育を行うプロジェクト
略語無し
Rainbow Flag Project
性の多様性を伝え、偏見を無くすことを⽬指 すプロジェクト
STIP
Sexual Transmitted Infection Prevention Project 性感染症予防プロジェクト
TMP
Team-medicine Project
チーム医療プロジェクト
TBH
Teddy Bear Hospital project
ぬいぐるみ病院プロジェクト
子どもたちや
その周囲への健康意識向上を⽬指すプロジェ クト
205
24. Editor’s Note|編集後記 アニュアルレポートの編集を担当させていただきました。送付されてくる文章の 1 つ 1 つが輝いていて、とても 編集する私には心強く映りました。髙木ののんびりおっとりな性格にもかかわらずこのような立派なアニュアル レポートを作成できたのはなんといっても代表の塚田さんをはじめとする理事の皆様、そしてすべての執筆者の 方々のご尽力あってこそと感じます。 今回は本当にありがとうございました。 文責|Publication Officer 産業医科大学 2 年 髙木
206
孝典
編集・構成 :
IFMSA-Japan(国際医学生連盟 日本) President / 代表 :塚田凪歩 (産業医科大学 5 年) Vice President For External Affairs / 副代表外務担当 : 小山裕基(旭川医科大学 3 年) Publication Officer :髙木孝典(産業医科大学 3 年)
公式ウェブサイト:http://ifmsa.jp お問い合わせ:IFMSA-Japan 事務局 secretariat@ifmsa.jp
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