いま、世界がこのアーティストに夢中だ。その名は、草間彌生。1957年に単身渡米した草間は、無限に広がる“網”の絵画や、数々の裸のハプニングでセンセーションを巻き起こし、いち早く国際的に認められた数少ない日本人アーティストだった。幼い頃より悩まされた幻覚に始まる彼女の創作世界は、自ら見ていた“水玉”という強靱な繰り返しのヴィジョンによって、永遠性と、宇宙ともいえる壮麗さを獲得する。愛、そして生命の不思議―手に取ってみることのかなわぬ神秘を、両手いっぱいにすくって見せてくれる、不世出の天才!本書は、アート史に動脈のように赤々と流れる草間彌生の軌跡である。