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THE WILL TO LIVE ে岷峲岰峒峃峵ਔಂ アイリス・リチャード
昨年、貧困地区で支援プロジェクトを行っ ていた時、フリーのジャーナリストをしてい るベンソンという名前の若者に出会ったので すが、彼は私たちのウェブサイトのために、 プロフェッショナルな写真を撮ってあげよう と申し出てくれました。また別の時には、彼 が人生の大半で味わってきた苦難が今でもマ イナスの影響を与えているので、祈って欲し いと言ってきました。彼が話してくれたのは、 次のような内容です。 ベンソンは、ビクトリア湖のケニア側の湖 畔にある小さな村に住んでいた若い夫婦に とって、初めての子どもでした。気の毒な ことに、母親がマラリアで死亡した時、一 家の素朴で幸せな暮らしは悲しいものへと 一変します。父親は、二人の子持ちの女性と 再婚し、さらに、いくつかのアフリカの集落 ではよくあるように、二人目の妻も迎えま した。ベンソンはまだ 6 歳だったのです が、父親の最初の子であることから、義 母たちから妬まれ、恨まれて、ネズミ と呼ばれるほど嫌われました。 農作物が不作になった時、一家は 首都へ引っ越し、キベラというスラ ム街の小さな小屋に住みました。 父親はほとんど外にいて、必 死に仕事を探しており、家 では、ベンソンの食事や世 話が いつも後回しにされ ました。また、義母たち からよく叩かれ、学校にも 行かせてもらえず、家事を させられたそうです。そこ で 10 歳の時、家から逃げ出 しました。
神は、その困難から 大きな祝福が生まれるという 具体的な計画があるのでない限り、 いかなる問題も私たちに降りかかるのを 許されない。 ― ピーター・マーシャル(1902 -1949)
神の腕の中に潜り込みなさい。あなたが傷つき、 孤独で孤立しているように感じる時は、 神に優しく抱えて慰めていただき、 まったくもって充分な神の力と 愛に安らぎなさい。 ― ケイ・アーサー(1933 -)
ベンソンは、放浪して回るストリートチルドレンの一行 に加わったのですが、リーダー格にある者たちから物乞い を強制されました。世間から見捨てられた者として生活し、 常にお腹をすかせ、ぞんざいに扱われ、のけ者にされてい たので、絶望から逃避しようと接着剤を吸うようになった そうです。そんな悲惨な状態が 3 年間続いたため、栄養不 良とトルエン中毒になり、希望をほぼ失いかけてしまいま した。しかし、神はまだ彼の人生のために計画をお持ちだ という、小さな信仰の火花が、心の奥深くできらめいてい るのを感じたのです。 幸い、父親が安定した職を得ることができ、ベンソンを 探しに来て、家に連れ戻してくれました。かなり痩せて病 弱になっていましたが、それでも生きようとする意思が あったので、体調はまもなく回復しました。学校では、優 しい教師が彼に目をかけ、余分に何時間も個人指導をして くれたので、何年分もの勉強を取り戻すことができました。 さらに、素晴らしい成績をおさめたことで、支援者がつき、 高校へ通わせてもらえたのです。ベンソンの人生はついに 好転したかに見えました。 しかし、この時までに、義母たちには 11人の子どもが おり、彼に対する態度が良くなることはありませんでした。 ベンソンは家での生活に耐えられなくなり、15 歳の時に 再び家出しました。 そして加わったダンスグループが、高校を卒業するまで、 食事と小部屋の家賃を支払ってくれました。サッカーが大 好きで、苦しい練習も厭わなかったので、国代表チームの メンバーにまでなりましたが、またもや人生の挫折が訪れ ました。脚を多発骨折してしまい、輝かしい将来の夢が砕 け散ったのです。
神に腹を立て、人生に失望したベンソンは、 仕事がなく幻滅した若者たちの一団に加わった のですが、こそ泥を働いて生活しているような 人たちでした。不安な月日が流れ、何度も自殺 が 頭をよぎりましたが、心の中には、まだかす かな希望の光が残っていました。 海外からの写真家たちにスラムを案内した 時、安物のカメラをもらったことで、写真が好 きになり、自分の住む地域の過酷な生活をさま ざまな角度から撮影し始めました。それでもま だ心 配と不安と自責の念にさいなまれており、 そこから抜け出したくてたまらなかったそうで す。 そんな彼に、神は再び救命具を投げてくださ いました。彼の才能が慈善団体に注目され、大 学へ通えるよう支援してくれたので、 新聞と ジャーナリズムで学位を取得できたのです。ベ ンソンは、旅をしながらさらに学びを続けられ るよう、フリーのジャーナリストになりました。 彼の制作したさまざまなドキュメンタリーが幾 つもの有名な TV 局で放映されたことで、社会 の隅に追いやられた人たちの窮状を描いて関心 を高める機会を得ました。それが彼に、新たな 人生の目的を与えたのです。 私たちの多くは、ベンソンほどの挫折や試練 を味わったことはないかもしれません。それで も、これまでの人生で、神の愛と世話と保護の 現れを経験してきたことは確かです。たとえば、 心 優しい見知らぬ人から助けてもらったとか、 何らかの形で神が問題解決に介入してくださっ たことなどです。逆境は私たちの視界も信仰も 曇らせますが、神は決して私たちを見捨てるこ とがなく、人生の困難を味わっている間も、必 ず支えてくださいます。 (アイリス・リチャードはカウンセラーで、1995 年以来ケニアでコミュニティー活動およびボラ ンティア活動を活発に行っています。 )
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