899:おばあちゃんとおじいちゃんとドラムスティック

Page 1

ͺ·ΞͻαȜΠ Ȇ ςȜέȁŏŰįĹĺĺ

GRANDMA, GRANDPA, AND THE DRUMSTICKS 岴峚岬峋峭峽峒 岴峂岮峋峭峽峒 崱嵑嵈崡崮崋崫崗

奥さんに「今日は、別のほうをもらってもいいですか」 と尋ねました。実は、むね肉のほうが好きだったと言 うのです。

それを聞いて、彼女は驚きました。それまでずっと、

鶏肉はももの部分が一番おいしいと思い込んでいた

ので、それを夫に食べてほしかったからです。彼も

また、 彼女はむね肉のほうが 好きなのだろうから、 自分は遠慮しておこうと思っていました。 二人とも

リー・リアン

私の知り合い

に、アンティークの肘掛け

大笑いし、その時以来、それぞれ自分の好きなほう を食べるようになったそうです。

おじいちゃんとおばあちゃんは50 年間連れ添い、

椅子や華やかな生花、ワインレッドの

互いにこの聖書の言葉どおりに生きました。「何事で

みを込めて「おばあちゃん」と呼ばれていた小柄な奥

互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。自分

絨毯がある家に住む高齢夫婦がいました。親し

さんは、ベテラン主婦であり、オペラ歌手であり、熱 心な園芸家だった上に、料理の腕も抜群です。

特に好んで作っていた料理の一つは、蒸しポテトと

ハーブと付け合せを添えたおいしいローストチキンで

も自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、 1 のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。」

正直さと思いやりは、人間関係を成功させるため

に、最も重要な資質なのではないでしょうか。 *

した。鶏肉の中でも、最もジューシーなももの部分が

おそらく思いやりこそが、人間として持つべき一番

ラムスティック(下もも肉)が大好きだったのですが、

よりも、また他の何よりも、私はそれを大切にしよ

一番おいしいと教えられて育ったおばあちゃんは、ド

半身の鶏を切り分ける時には、いつもおじいちゃんに その部分をあげていたそうです。

著名な裁判官であるおじいちゃんは物静かな人で、

一日の大半を、仕事関係のファイルを調べたり、書斎

にある本を読んだりして過ごしていました。おばあちゃ んが料理を出すと、おじいちゃんはいつもぽつりと一 言、 「ありがとう」とだけ言います。

でも、結婚して数年経ったある日、丁重な言い方で、

の特質だと言えるでしょう。勇気や大胆さ、寛容さ うと思います。

― ロアルド・ダール(1916 -1990) *

行く先々で愛を広めましょう。あなたのもとに来た

人が、より幸せな気分で帰れるようにするのです。

― マザー・テレサ(1910 -1997)

1. ピリピ 2 : 3 - 4 新改訳第3版

ǃȪȷɎȫɡʀɐɿɲʀɝDŽǾƸ⇠◭ǽǃ#EVKXCVGFDŽ◛ǚȘǽ▉̗ȡ․■ǦǮȑǽǶǨƹǬǽ͙ǽ▉̗ǾƸɣʀɨɢʀɀǶǣ╒ⱹǠȍǨƹ http://www.activate.jp

© 2022 Aurora Production, Ltd. All Rights Reserved

Translated from English Activated Magazine Vol. 23 - 9 p6

http://www.activated.org


Turn static files into dynamic content formats.

Create a flipbook
Issuu converts static files into: digital portfolios, online yearbooks, online catalogs, digital photo albums and more. Sign up and create your flipbook.