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THROUGH THE LOOKING GLASS ਭ岻峵ડ峕峔峍峉峒岷 嵣嵣 ミラ・ナタリヤ・A・ゴヴォルハ
足を踏み入れると、いたるところから声 が 聞こえる。でも、何を言っているのか、 私にはさっぱり分からない。 同じような場所に、これまで幾度行った ことだろうか。障害者、特別な支援を必要
私自身もこれまで、世界各地でそのようなプロジェクト
とする児童、シングルマザー、孤児、高齢者、
の多くに参加してきて、一緒にボランティアしている人た
そして世界のあらゆる場所からの難民など、
ち（大学生、子どものいる中年の人、退職者といった、状
助けを必要とする人々のために活動する協
況の改善に貢献している普通の人たち）を動かしているも
会や非営利団体の施設のことだ。
のは何だろうと、よく考えたものだ。共感だろうか。神へ
そういった場所には、言葉では言い難い
の信仰だろうか。善を行い、人の役に立ち、状況を改善し
ような独特の雰囲気がある。人生が壊れた
たいという願いだろうか。おそらく、そのすべてが合わさっ
人を、すぐ近くで目の当たりにし、沈黙と
たものなのだろう。
孤独の中で日々耐え忍ばなければならない、
私は何年もの間、さまざまな国で人道支援を行ってきた。
信じられないほどの苦しみを目撃するのだ。
ロシア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、ドイツ、
ただ、傷ついた魂と痛む心に直面して、ひ
ルーマニア、フィリピン、モルドバ、イラク、そしてもちろ
とつ気づくことがある。それは、絶望が希
ん、祖国のウクライナでも。ウクライナのハルキウ州では、
望に迎えられた時、無関心は行動に変わる
90 年代半ばに5 年間、学生のボランティアを募集して、一
し、誰かが気づかい親切にしてくれれば、
緒に孤児院を訪問したり、人形劇をしたり、クリスマスプレ
憂うつ感に打ち勝つこともできるというこ
ゼントの配布を行ったりした。もっと最近では、2015 年か
とだ。
ら 2017 年までの 2 年間、ドネツク州からの避難民の子ど
もを対象とするキャンプに参加し、運営にも
料でヘアカットもしてくれると言う。
当たった。また、新型コロナが流行する前は、
バレリーという名前の、とても快活で英語のできる 52
チームで児童養護施設の壁画制作をしていた。
歳の美容師によって、となりにある大きなクローゼット
最後に壁画を描いたのは、2021年12 月のこ
ほどの部屋に案内された。私がウクライナから来たと言
とだが、もう大昔のことのように思える。今
うと、ハグをしてくれ、それからシンプルな椅子に座らせ
とは違う生活、戦争前の生活だ。
て、黒い散髪ケープをかぶせ、どんなヘアスタイルにし
私の愛する素晴らしい祖国、ひどい苦しみ を受けて、半ば 壊滅的な状態にある祖国に、
たいかと尋ねられた。 ふと、涙が出てくる。なぜ 泣いているのか、自分でも
戻れる日は来るのだろうか。そもそも、こんな
よく分からない。でも、これだけは分かる。もう以前と
ふうに命からがら逃げ出す日が来るとは、考
同じ生活は戻ってこないのだ。
えたことなどあっただろうか。難民認定、権利、
バレリーは髪を切りながら、明るく会話を続け、自分
可能性、一時的な保護資格の限度などについ
のことを少し話してくれた。砂糖抜きのブラックコーヒー
て、できる限りの情報を集めることになると
が好きだとか、成人した息子がイタリアに住んでいると
は。なんとか形だけでも計画を立てられない
か。その合間に、後ろ髪や前髪はどうしたいかと尋ねて
かと苦心することになるとは。戦争が終結す
くる。彼女は普段、となり町で経理の仕事をしており、
るまでにどれだけの時間がかかるのか、思い
月に一度ここでボランティアをしているそうだ。
巡らすことになるとは。
自分がちゃんと世話され、歓迎され、気づかわれ、理
そして今、私はこの場所に足を踏み入れて いる。
解されていると感じる。ヘアカットは終わり、バレリーが 自分の連絡先を書いた小さな青いカードをくれた。 「メー
西ヨーロッパのとある田舎町に避難してき た私は、簡素な通りにあるこの協会で必要な
ルしてね。何でも必要なものがあれば、知らせて。一緒 にお茶をしながら、おしゃべりするのでもいいわ。 」
情報を得られると聞いて、やって来た。門の
私の心は今、バレリーや、避難民登録をした際にここ
ところで、とてもフレンドリーな係の人が声
で支援を得られると教えてくれた女性、入口の係をして
をかけてきて（ありがたいことに、英語で） 、
いた男性、そして廊下で働いていたボランティアの人た
紅茶とコーヒーのどちらがいいかと尋ねてく
ちへの感謝であふれている。まだ見慣れぬ町の通りをゆっ
れた。好きなほうが飲めて、ミルクや砂糖も
くり歩いていると、20代の頃に暗記した聖書の言葉が、
選べるなんて。おまけに、袋詰めのクッキー
新たな意味を帯びてきた。 「あなたがたによく言っておく。
までくれた。
わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにし
今私は、小さな中庭で、中東やアフリカ、 そしてウクライナといった、少なくとも 15 ヶ 国から来た人やその子たちと共に、列に並ん
1 たのは、すなわち、わたしにしたのである。」
こんなに親切な人たちから世話され、神からも愛され 守られているのだから、私はきっと大丈夫だ。
で待っている。 私の順番が 来て、バッジを付けた人が、2 つのテーブルと6 つの椅子がある小さな事務
（ミラ・ナタリヤ・A・ゴヴォルハは、ウクライナ出身のユースカ ウンセラー、ボランティア活動家です。 ）
室に私を案内してくれた。何か必要なものは あるかと尋ねられる。たとえば、 食料や靴、 シャ ンプーや歯ブラシ。あるいは、言語教室。無
1. マタイ 25 : 40
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Translated from English Activated Magazine Vol. 23 - 9 p8- 9
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