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アイリス・リチャード
大切な用事で人と会う約束をしたところ、あいに
スの飾りがいくつか紐でぶら下がっています。私は
段なら、一日の予定を組む際に、運転することをで
悪の車の後ろで身動きできなくなったという不運を
く、朝のラッシュ時間と重なってしまいました。普 きる限り避けるような時間帯です。
その日はあまり混まないことを願いながら家を出
鼻にシワを寄せ、渋滞に巻き込まれたばかりか、最 嘆きたい気分でした。
その時、トラックの荷台に山と積まれたゴミの間
ましたが、残念なことに、すぐに渋滞に巻き込まれ、
に、古びた服を着た三人のゴミ収集作業員が座って
ことに、かなり老朽化したゴミ収集用の屋根なしト
に、 大きな本から何か読んで聞かせています。それは、
車はなかなか進みませんでした。そしてさらに悪い ラックがアパートの横から出てきて、私の真ん前に 入り込んだのです。
ケニアでは、ゴミにも需要があります。ほとんど
いることに気づきました。その内の一人が他の二人
聖書でした。彼らの表情は穏やかで、自分たちのひ どい環境をまったく意に介していないようです。
このちぐはぐな光景を車の中から眺めていた私は、
の廃棄物は、他の人から見ればまだ価値があるもの
神について考えさせられ、渋滞中にもかかわらず、唇
ダンボール小屋に住む人たちによって、リサイクル
もなく渋滞がおさまり、トラックは脇道へと消えまし
なので、巨大なゴミ処分場の近くの掘っ立て小屋や が行われています。
ゴミ収集車は何十年も前に製造されたものがほと
んどで、その外見も、積み込まれたゴミと同じくら いひどい状態になっています。私の前に入り込んだ
トラックもかなり古く、大きなきしみ音を立てなが らディーゼル排ガスを吐き出して、あたりに悪臭を
漂わせていました。そして、楽しい雰囲気にしよう としたのでしょうか、捨てられていたと思われるお
もちゃや古い靴が飾り付けられ、側面にはクリスマ
に賛美が浮かび、憂うつな気分が吹き飛びました。ま たが、ゴミやガラクタの只中に神がおられ、謙虚な作
業員が神聖なものにあずかっていたという無言の証 が、私の心に焼き付いたのです。私は渋滞から抜け出 せたことを嬉しく思うと共に、先ほど目にしたあの光 景に感動を覚えながら、車を走らせました。
（アイリス・リチャードはカウンセラーで、1995 年以来、 ケニアでコミュニティー活動およびボランティア活動を 活発に行っています。 ）
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Translated from English Activated Magazine Vol. 23 -11 p6
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