1914年12月9日の夕方、アメリカ・ニュージャー ジー州ウエストオレンジにある大きな研究所で爆発が あり、火災が発生しました。少なくとも10棟が全焼 して、長年にわたる研究開発の成果が失われ、物的損 失だけでも、当時の金額で700万ドル(現在の価値 で1億8300万ドル)と見積もられています。研究 所の創業者でもある社長は、炎を見ながら、こう言い ました。「これで私たちの失敗はすべて燃えてなくなっ た。」
彼は、現場にいたニューヨーク・タイムズの記者に、 「私は67歳ですが、また明日ゼロからやり直します よ」と話しています。そして、翌朝の新聞には、研究 所の全従業員7千人が直ちに出勤するようにとの通知 が掲載されていました。それほどひどい災害でなくて も、ほとんどの人は意気消沈することでしょう。しか
し、長年試行錯誤を繰り返してきた結果、この研究所 の創業者トーマス・エジソンは、災害をチャンスとみ なすようになっていたのです。
私たちが直面する挫折のほとんどは、エジソンのほ ど壊滅的なものではありませんが、彼の味わった地獄 のような災難と共通する点が2つあります。第1に、
真のヒーローとは、人生に投げかけら れた混乱のさなかで、逆境を偉大さへ の踏み石として用い、人生を立て直す 人のことです。 ― ニッキー・ロウ
あなたの前には可能性が広がっていま す。8歳、18歳、48歳、80歳、何 歳であろうと、そうなのです。あなた には、まだまだ伸びる余地があり、今 日より明日、もっと良いあなたになる ことができます。
― ジョン・C・マクスウェル
計画が失敗したなら、何か不備があっ たしるしと受け止め、計画を立て直し た上で、待望の目標に向けてもう一度 出帆することです。
― ナポレオン・ヒル
それがどんな類のものであれ、私たちに選択を迫りま す。つまり、状況の変化にどのように反応するかとい うことです。第2に、そのような変化は、私たちの反 応次第で、必然的に私たちを良い方向にも悪い方向に も変えていきます。
1つ目の点について言えば、前向きな考え方や決断 力は困難な状況を最大限に活かすために大いに助けと なりますが、さらに全能の神の助けを借りるならば、 ポジティブな結果を得る可能性は飛躍的に高まりま す。「主は世界中至るところを見渡され、御自分と心 を一つにする者を力づけようとしておられる」 1 から です。
2つ目の点についてですが、もし、どんな困難に直 面しても、私たちをより良い人間にするためにそれを 用いてくださいと神にお願いするなら、神はそうして くださるでしょう。それどころか、「私をより良いも のにしてください」という祈りは、主が喜んでかなえ てあげたいと望まれる祈りなのです。