943:私の中にいるのは・・・

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ある牧師さんが話している動画を見ていた時、「あ なたの心の王座には誰がいますか?」という言葉を 耳にして、私はハッとしました。普段、「心の王座」

などという表現はあまり使いませんが、これは「あ なたの心の中心には誰が座っていますか?」という 問いかけです。

でも、どうして普通の椅子ではなく、王座と表現 しているのでしょうか。それは、イエス・キリスト を救い主として心に受け入れた経験のある人なら、 きっと見当がつくことでしょう。イエス様は神のひ

とり子であり、神と共に全宇宙を支配しておられる 方、つまり、「全宇宙の王様」だからです。

私がイエス様を心に受け入れたのは、もう何十年 も前のことです。イエス様は魂を救うために来られ た方であり、神様からの愛や永遠の命というプレゼ ントを手に、私たちの心の扉の前で待っておられる

と宣教師さんから教えてもらった私は、大喜びでイ エス様を心に迎え入れる祈りをしました。

その時以来、イエス様は私の心の中にいて、いつ

もアドバイスをくださり、人生のあらゆる困難を乗 り越えるのを助けてくださいました。イエス様は私 にとって、最高のカウンセラーであり、また魂の恋 人のような存在なのです。

ただ、イエス様があまりにも身近な存在だったの で、自分の心の中に住んでくださっているのが宇宙 の王様なのだ、ということをあまり意識していな かったように思います。もちろん、イエス様は王で あると頭では理解していましたが、「心の王座に誰 が座っているか」と問われた時、果たして自分はイ エス様にふさわしい敬意を払っていただろうかと自 問させられました。

困ったことや助けてほしいことがあれば、一番に イエス様のところに行きますが、よく考えてみると、 それらはすべて、私がイエス様にしてほしいことに ついてです。もちろん、祈って主からの具体的な指 示を仰ぐこともしますし、毎日「今日も守り導いて ください」というような祈りはしていますが、それ でも全体的には、お願いごとばかりであることに気 が付きました。

築紫 裕子

もし宇宙の王様にそんな態度で接していたらどう でしょう。そこで私は、もし、自分のつましい家に、 本当の王様が来て一緒に住んでくださることになっ たら、どんなふうに毎日を過ごすだろうかと考えて みました。

きっと私は、王様の気持ちを尊重し、王様の望み や必要を考えて、王様を中心として物事を行ってい

くことでしょう。そして、王様と過ごせる時間を大 切にして、王様が話してくれることに心から耳を傾 け、その言葉を真剣に受けとめることでしょう。

でも、いつも優しく接してくださるイエス様に対 して、私は慣れっこになってしまい、いつの間にか、 そういう敬意を払うことを忘れてしまっていたので はないかと反省させられました。せっかくイエス様 が心の家にいてくださっているのに、イエス様が家 の片隅にいて、自分が王様が座るべき真ん中の椅子 にドカッと座り込んでいるとしたら、何ともひどい 話です。

ところが実際に私は、イエス様が自分の家にいる ことなど忘れてしまっているかのように、真ん中の 椅子に座り込んで、すべてを自分でしようとしてバ

タバタと走り回り、その結果、自分で作り出した混 乱と失敗の中で、くよくよ悩み続けるようなことが 時々あると気づいたのです。

それはもしかしたら、イエス様がどれほど偉大な

方であるかを、私が真に意識してはおらず、払うべ き尊敬も払っていなかったからかもしれません。も

し私が、宇宙の王である方のパワーを真に意識して いたなら、すべてを自分でしようしたりはせず、もっ

とイエス様の力を借りて物事をしていたことでしょ うし、何かにつけ、それほど心配したり、オロオロ したりすることもないでしょう。なぜなら、イエス 様は、どんな状況でも「何とかすることができる」 方だからです。

のかは分かりませんが、この言葉を読むたびに私は、 イエス様の偉大さと愛の深さに感動します。

それで、「どうしてイエス様は、こんなに偉大な 宇宙の王様なのに、こんなに卑しい私たちの心の中 にまで降りて来てくださったんだろう・・・」と考 えていました。すると主は、こんなふうに語りかけ てくださったのです。

「それはね、わたしを心の中に迎え入れてくれ た人たちの生活を、天国の高みにまで引き上げ てあげたかったからなんだよ。」

私は、やっと理解しました。イエス様は、ただ私 たちを愛するために私たちのレベルに降りて来てく ださったのではなく、私たちを天国の高みに連れて いくために来てくださったのだと。それは、死んだ 時に天の御国に連れて行く、というだけではなく、 地上で生きている間も、私たちの心が天の高みに引 き上げられ、天の喜びと平安にあずかることができ るようにしてくださる、ということなのです。

イエス様に引き上げていただくなら、たとえどん な混乱した地上の生活にあっても、私たちの魂は自 由になって天の御国を味わうことができます。  そんな目的を持って私たちのところ来てくださっ た偉大な方が、今、私たちの心の中に住んでくださっ ているのですから、これからはもっと、「私の心に は宇宙の王様がいるんだ」ということを意識して生 きていきたいと思わされました。

いと高く、いと上なる者、とこしえに住 む者、その名を聖ととなえられる者がこう 言われる、

私の大好きな言葉に、「イエスは、巨大な宇宙を 支配するほど大きいのに、私たちの心の中に住まわ れるほど小さい」というのがあります。誰の言葉な

「わたしは高く、聖なる所に住み、また心 砕けて、へりくだる者と共に住み、へりくだ る者の霊をいかし、砕ける者の心をいかす。」

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-- 聖書 イザヤ57章15節

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