01 PERSPECTIVE
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究 古谷誠章研究室 田中亜矢子
■序 □研究目的 本研究は、少子高齢化の影響が顕著に表れている中山間地域における新たな学校のあり方を学校統廃合を通して模 索するものである。 中山間地域では、少子化や市町村合併の影響により学校統廃合が進められ、全国の学校数の減少は顕著である。中 でも幼稚園や保育所の統合、小学校の統合が先に進められる傾向にあり、統廃合が完全に完了するまでの間に子供 がいくつもの学校を転居なしに渡り歩くという状況が起こっている。その影響で幼稚園・保育所から小学校、中学 校と義務教育を進学する段階で徐々に社会化されるというプロセスを経ずに様々な規模の学校に属すという変則的 な学習環境で育つ子供が増えている。 統廃合に至らずとも極小規模の学校が中山間地域では多く、一定の学習環境が保持できないでいる。その対策とし て他の学校との交流で維持する等の取り組みが見られ、児童の交友関係や活動範囲も拡大が図られている。 そこで、本研究では学区の移り変わりや周辺環境などの学習環境が児童の生活領域、学校での活動にどのように影 響しているのか実態調査をする。その上で今後少子化や市町村合併による学校統廃合を行う際に、これまで都市計 画的な視点で行われてきた学校再配置を建築的視点からアプローチする可能性を見出し、新たな学校統廃合のあり 方を模索する。 □研究背景 <全国の廃校発生の今日的状況> 児童生徒数が減少する原因には、少子化を背景として、過疎化による場合だけでなく、都市部での住宅の郊外移転や、 人口における高齢者の割合が相対的に高くなったためなど、様々な地域の状況がある。学校施設は、地域住民にとっ ての身近な公共施設であり、またその校舎などは地域のシンボル的な存在である場合も多く、廃校となった後も出 来るだけ地域コミュニティの拠点として活かすことが重要であると考えられている。近年、廃校については、建物
雲南市位置 島根県雲南市
が現存するもののうち、約 6 割が活用されている。活用用途としては、社会教育施設や社会体育施設の割合が最も 多いが、自然体験交流施設や老人福祉施設など様々な用途で活用されている。また、最近では地方公共団体と民間 事業者とが連携し、創業支援のためのオフィスや地元特産品の加工会社の工場として廃校施設が活用されるなど、 地域資源を活かし、地 域経済の活性化につながるような活用、教育特区認定学校の本校としての活用もみらる。 <中山間地域の今日的状況> 中山間地域は、 一般的に「平野の周辺部から山間部に至る、まとまった耕地が少ない地域(農業白書) 」とされている。 我が国の森林面積は、約2,500万 ha で、国土の約7割を占めており、先進諸国の中でも高い森林率になっている。 このうち、森林面積の約4割に当たる約1,000万 ha が人工林となっている。また、我が国森林の8割は中山 間地域に位置している。食糧生産や水源の涵養地域、また森林を中心にわが国の生態系全体の土台となっており、 現在わが国の総人口の 13.7%が暮らす中山間地域は、高度経済成長期以降若年層を中心に激しい人口減少が続き、 また、高齢化も急速に進んでおり、65 歳以上の高齢者は、都市的地域の倍近い 25.1%の高率に上っている。 <学校規模論> 学校配計画を策定する同期と成るのは、一定の学校規模の維持に出発している場合が多い。大規模集合住宅建設に 伴う就学人口増を契機とした学校分割、過疎化に伴う就学人口減を契機とした学校統廃合等がその例となる。 適正学校規模については、学校教育法施行規則第17条に小学校は「12学級以上18学級以下を標準とする」と 規定される。その他義務教育諸学校施設費国庫負担法施行例第 3 条にも「学級数がおおむね12学級から18学級 までであること」を適正とする規定がある。しかし、実際の学校規模は必ずしもこれらの規定の範囲内におさまり きっていないために、学校は一計画の策定に当たり争点となることがよくある。 学校規模の適正化を考える場合、教育効果の視点、教育組織のあり方の視点、教育財政効果の視点などの観点を設 定できる。しかし、教育効果の視点では、児童の学力を測定する事が困難なため、この効果を明確にする事は難しい。 一方、教育組織や教育財政効果の観点からは客観的に論ずる事ができる。教育組織に関して言えば、学校規模の大
全国の廃校数の推移
校数
小学校
中学校
600
高等学校等 570
小によって教職員定数が上下する仕組みとなっているために、学校規模が小さくなると教職員数が低下し、様々な 難点を生み出す取れている。具体的には教頭が教壇に立って授業をし、現場と管理の両立をせざるを得なくなると いう問題などがある。また、学校規模が大規模化すれば教職員集団が大きくなり、集団としてのまとまりのとりに くさ等、再び弊害が生ずるとされている。教育財政効果の観点で言えば、学校規模が大きくなれば児童一人当たり 諸経費が少なくなる事が明らかだ。例えばある自治体の例をとりあげると、教職員人件費については最小規模校で は児童1人あたり約165万円かかるのに対し、最大規模校では約29万円というように、約5.7倍のひらきが 存在する。学校規模と教育効果、学校経営に関する詳細は以下の表に示されている。
500 456 421 400 340 311 300
265
<学校統合の動向> 公立小中学校の新設や統廃合は就学人口の変化や地域共同体の再編成等、教育的要因以外にも地方制作や地域政治 等をも背景にしている。昭和28年の町村合併促進法の制定により合併し町村では「地域の文化的中心であり精神 的結合の基礎」として、小中学校の統廃合が奨励され、さらにそれをうけ、昭和31年11月には中央教育審議会 から「公立小・中学校の統合方策についての答申」が提出された。そこでは、教育効果の維持と財政公立の維持、 向上という理由とともに、 市町村合併の機運も理由にあげられ、 小規模校の積極的な統合が奨励されている。その後、 各地で学校統廃合が積極的に進められる事になったが、地域紛争に発展するなどの諸問題も生じ、無理な学校統廃
225
215 200
189
217 185
179
184
155
100
0
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
合を避けることや小規模校としての教育上の利点を考え、小規模校として存続させる事も検討される事となった。 各地で近年見られる学校統廃合は基本的には昭和30年前後の流れを引きずっているとも見られるが、また新たな 傾向として、都市部での学校統廃合の発生が目立つようになってきている。学区の自由化により、学校選択の激戦
市町村数の変遷
に負け廃校に追い込まれる学校などがその例である。 平成7年に実施された全国の市に置ける小中学校統廃合の調査によると、それまでに実施された統廃合の理由とし ては「人口減少による学校規模の小規模化」が最も多く、次いで「学校改築のための財政効率化」である。 また、小中学校統廃合を実施する場合、手続きでは、児童・生徒数の予測、学校規模の適正化の検討、通学距離の 適正か、PTA の意見聴取、町会・自治会の意見聴取などで、現場教員、児童・生徒等の聴取は意識されていないの が現実である。加えて統廃合を実施する場合、学校は一計画を作る際の留意点については、学校規模、通学距離、 町会や自治会等の住民組織の順に選択されている。 実際に学校統廃合を実施する過程では、一般在校生の扱いについては全て統合校に収容する事例がほとんどで、年 次進行による段階的移行を実施する場合はわずかである。
年度
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
1888
60,000
70,000 71.314
明治 21 年
「市制村制」
約5分の1
1889
15,859
明治 22 年
明治の大合併 行政上の目的に合った規模と自治体と
「町村合併促進法」1953
9,868
しての町村の単位との隔たりを無くす
昭和 26 年
昭和の大合併
「新市町村建設促進法」1956
4,668
昭和 31 年
約3分の1
ために、300∼500 戸を標準規模とし て全国的に行われた町村合併
戦後、新制中学校の設置管理、 市町村消防や自治体警察の創 設の事務等を効率的に処理する
1961
ため規模の合理化が必要とされた
3,472
昭和 36 年
先述の通り、職員や生徒の意見聴取に重きを置かれていないという現状があることからも分かるように、学校シス テムの将来像を考える際に学校規模と別に重要視されているのが児童・生との通学圏や地域組織との関連である。 通学距離には小学校についてみると、500 m から4 km まで散らばりが見られ、自治体による考え方の差異が大 きい。これはそれぞれの自治体に尾ける学校配置密度にはもともと大きな差異があることを反映している。また、 町会・自治会との関連を見ると、町会・自治会の区割りを重視する意識が極めて大きい。学校統廃合の実施過程では、 連合町会としての大きなくくりや地域のまとまりとの対応関係で考えられているのが普通である。学校配置や通学 区域の分断など、配置計画が基準に必ずしも即していないのは、用地取得の問題以外に学校が地域施設として認識
「合併特例法」 1965
3,392
昭和 40 年
2002
平成の大合併 3,218
平成 14 年
財政危機の深刻化、地方分 権を背景に促進されている
2007
1,800
平成 19 年
される社会意識のためである。 が大きくなっている。雲南市には、斐伊川本流と支流の赤川・三刀屋川・久野川、その他の □研究対象地 平成16年に市町村合併で生まれた島根県雲南市を対象とする。雲南市は以下の3点の特徴を持ち、日本全国の中 でも地方の諸問題を抱える典型の地域と言える。①合併特例法が施行された1995年以降に市町村合併した地域 であること。②農林水産省が区分する地域類型の「中山間地域」に該当する地域であること。③少子化が高いレベル で進行している地域であること。この雲南市において研究を行うことで今後、他の中山間地域などにも応用できる ものとする。 雲南市概要:雲南市は島根県東部に位置し、平成16年11月1日に大東町・加茂町・木次町・三刀屋町・吉田町・ 掛合町の6町村の合併により発足した市である。以下に雲南市の概要を示す。 地勢:大東町・加茂町・木次町・三刀屋町・吉田町・掛合町で構成される雲南市は、島根県の東部に位置し、松江市、 出雲市に隣接し、南部は広島県に接する。 雲南市の南部は毛無山(1,062m)を頂点に中国山地に至り、北部は出雲平野に続いていることから、標高差
02
支流である阿用川、吉田川などが流れているほか、神戸川に注ぐ稗原川、波多川が流れている。 加茂町から大東町、木次町、三刀屋町にかけて、斐伊川と赤川、三刀屋川の合流地点を中心 とした平野部が広がっているが、南部は中国山地に至る広範な山間部である。総面積は 553.4k㎡で島根県の総面積の8.3%を占め、その大半を林野が占めている。 総人口:雲南市の総人口は、平成12年国勢調査によると46,232人である。平成7年 から平成12年の5年間に1,925人減少しており、近年人口の減少傾向が強まっている。 (各町において減少傾向が続くなか、加茂町では微増し、人口減少に歯止めがかかっている。 ) 世帯数:雲南市の世帯数は、平成12年国勢調査によると12,960世帯である。平成7 年から平成12年の5年間に238世帯増加しており、12,500世帯程度の横ばいから 増加傾向に転じ、13,000世帯に近づいている。(加茂町や三刀屋町での増加数が多く、 吉田町と掛合町では減少している。 )
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
OUTLINE
古谷誠章研究室 田中亜矢子
調査事例分析 雲南市の25校の小学校のヒアリング、アンケート、現地調査より6町村別に児童の学習環境を分析する。項目と しては、自然環境、幼稚園から中学校までの学区の変遷、学校規模、通学距離、学校外活動、学校間交流を挙げる。
掛合町5小学校位置
加茂町
これらの項目について各6町村を全てランク分けし、A に近づくほど一定の教育環境に近いものが得られていると
大東町
多根 三刀屋町
いえる。 これを見ると、木次、加茂、三刀屋、大東町の4自治体においては、中山間地域の中ではある程度の教育水準を保っ
木次町
松笠
ていると言える。一方残りの2自治体においては、学校規模も極小のものがほとんどで、教頭が教壇に立つという 状況に陥る学校も見られる。
掛合町
吉田町
掛合
このように、中山間地域の一つの市の中でも学習環境には格差があり、学校間交流や周辺施設との連携で小規模 校のデメリットを解消しようとしているが、本計画では建築的な側面から一定の教育水準を保つことができる手法 を模索する。 6町村の中でも極小規模の割合が高く来年小学校の統廃合が予定されている掛合町に対し計画を行う事とする。
入間 波多
掛合町を対象とするにあたり、掛合地区内の小学校5校全児童及び保護者にアンケートを行い掛合地区の児童、保 護者がどこに生活拠点を築き、生活領域を形成しているかを調査した。 各学校別にそれぞれ習い事などで築かれる生活領域を把握するためにデータをプロットし、生活拠点などを見出し、 3つの考察をする。
学校外活動
学校間交流
自然環境
学区の変遷
学校規模
通学距離
回数
校区外進出度
回数
町外進出度
大東
A
A
0
C
0
B
D
B
加茂
A
B
A
D
A
A
D
A
木次
B
A
0
0
0
A
0
B
三刀屋
C
A
0
B
D
B
D
B
吉田
D
A
D
C
C
C
D
A
掛合
C
C
D
B
B
B
A
D
A: 市街地
A: 減少型
0: 格差型
0: 格差あり
回数
進出度
B: 市街地>山間部
B: 一定型
A: 小∼中規模
A: 近∼遠距離
0: 格差あり
0: 格差あり
C: 山間部>市街地
C: 変則型
B: 極小∼中規模
B: 中∼遠距離
A: 多∼中
A: 超高∼高
C: 極小∼小規模
C: 中∼超遠距離
B: 多∼少
B: 超高∼中
D: 超極小∼小規模
D: 遠∼超遠距離
C: 中∼少
C: 高∼中
D: 中∼極少数
D: 高∼低
D: 山間部
多根小学校
掛合小学校
松笠小学校
波多小学校
入間小学校
掛合町5小学校の概要 竣工年
年から平成12年の10年間の人口増減率は、10%の減少となっている。年齢別にみると若年層の人口減少が目 立っている。年少人口割合は年々減少している反面、高齢者人口割合は上昇しており、少子高齢化が進行している。 出生数も減少化の傾向にあり、人口千人あたりの出生数は約 5.3 人となっている。 町内小学校のほとんどが木造の校舎及び屋内運動場であり、しかも木造建物24年の耐用年数を大きく経過してい る、さらに電気配線等の老化も進んでいる。また、鉄筋コンクリート造の掛合小学校(昭和42年)についても耐 震基準を満たしていない状況にある。 ■学区の変遷に見る生活領域広域化 掛合地区は保育所の統合が既にされており、現状としては同じ保育所に通う子供たちが小学校に進学する際に5校 に分かれ、再び中学校で同じ学校に通うようになる。昨年まで分園があった波多地区とその他の4地区を見ると、
面積
校地面積
児童数
実験実 屋内体 校舎面 屋内運 建物敷 運動場 習地そ 1年 育館 積 動場 地 の他
児童数推移 児童計 クラス計2012 2010 2008 (見込 (見込 (見込 2007 2006 2005 2004 み) み) み)
屋内体 校舎 育館
掛合小学校
M7
S41
S53
RC造 S造
1170
410 2652 4065
ー
18
16
19
8
14
17
92
6
144
168
169
92
94
93
98
多根小学校
M6
S25
S52
木造
S造
1780
612 2840 5075
ー
3
6
4
4
4
4
25
4
ー
ー
ー
25
23
19
19
松笠小学校
M7
S34
S34
木造
木造
988
355 2386
ー
348
0
6
3
4
3
3
19
4
ー
ー
ー
19
21
24
22
波多小学校
M8
H4
S35
RC造 木造
1421
590 5700
ー
ー
1
4
3
4
2
2
16
3
ー
ー
ー
16
17
18
19
入間小学校
M8
S37
S37
木造
839
523 1362
270
ー
3
2
3
1
4
1
14
3
ー
ー
ー
14
15
14
13
■掛合町の概要 掛合町の総人口は、昭和 35 年から昭和 55 年にかけて急速に減少したが、その後は微減で推移しており、平成2
構造
設置年 校舎 度
S造
2年
3年
4年
5年
6年
学区の変遷に見る生活領域広域化
波多地区では掛合町外はおろか、地区外にもほとんど生活領域を形成していないが、その他の4地区では出雲方面 に習い事で進出している様子がみられる。さらに、学校外交友関係に関しても同じような傾向が見られ、他校の学 校の友達と知り合ったきっかけの大多数___は保育所をきっかけとしていた。このことから、一度大きな集団に 属すると、より大きな集団へと交友関係を広げ、さらに生活領域も町外、市外へと拡大していくと言える。 ■生活領域に見るローカリズムとグローバリズム アンケート結果を見ると生活領域を築くものとしては、自宅/小学校/公民館/掛合町中心部/市外があげられ、
1校に統合
5校に分かれる
次のようにダイアグラム化する。児童の生活領域、保護者の生活領域を重ねて見ると、公民館や学校など地区内に 完結している地区と、自宅を生活拠点とし、市外に生活領域を拡張する地区の二つに分かれる事がわかる。出雲な ど広域に生活拠点を広げている地区では、自宅が生活の拠点となっており、地区内の公共施設はあまり利用せずに 市外などより広域に生活領域を広げている。このように地区内の生活であるローカルと市外などに進出するグロー バルな生活領域の2つに大別できる。 保育所
小学校
中学校
■小学校利用率/周辺施設利用率/地域活動参加率/から見るローカリズムの確立 小学校利用率 また、小学校の地域活動による利用率を見ると入間、松笠地区では全体のほぼ70%を超える保護者が自治会の集 まりなどで利用している。 周辺施設利用率 アンケート結果から出た周辺公共施設の利用率を見る。主に小学校、公民館の利用が中心となっているため、公民 館及び小学校の利用率を見る。公民館の利用率では、波多地区が圧倒的に人口に対しての年間利用回数、公民館の
生活領域に見るローカリズムとグローバリズム
年間諸室占有率が高い。 ○ ○
これらの3要素は地域ローカリズムの確立を促進するものであり、波多、入間、松笠地区では掛合地区の中でもロー カリズムが確立されている地区であると言える。
公 民 館
公 民 館
多根地区
掛合地区
グラウンド
多根地区
グラウンド
グラウンド
掛合中心部
掛合中心部
掛合中心部
掛合
掛合
掛合
町
町
町
雲南
雲南
雲南
市
市
□生活領域とローカリズムの確立
○ ○
○ ○
公 民 館
地域活動参加率 松笠、入間地区では、地域活動への参加率が高い。
多根小学校
市
掛合小学校
入間小学校
2つの分析から現状では地域ローカリズムが確立されている地区ほど地区内に生活領域が完結していると言える。 分析まとめ→計画 ・ 現在グローバリズムとローカリズムは乖離しており、中山間地域の問題の一つであると言える。地区内に完結し 閉じた社会になる地区、市外にまで生活領域は広がるものの家と目的地の点と点のつながりの間を車で行き来する ような地区の二極化である。 ・ 一度大きな集団に属するとさらに行動範囲を拡大する。
○ ○
○ ○
公 民 館
公 民 館
波多地区
松笠地区
グラウンド
グラウンド
掛合
町
町
雲南
雲南
市
市
松笠小学校
03
掛合中心部
掛合中心部
掛合
波多小学校
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
ANALYSIS
古谷誠章研究室 田中亜矢子
TANE ELEMENTARY SCHOOL
MATSUKASA ELEMENTARY SCHOOL
KAKEYA ELEMENTARY SCHOOL
IRUMA ELEMENTARY SCHOOL
HATA ELEMENTARY SCHOOL
04
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
KAKEYA MAP
古谷誠章研究室 田中亜矢子
SCENE 01_WINTER TANE EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
5 SCHOOLS = 1 SCHOOL
■ PROGRAM
REGULAR CLASS TANE
MATSUKASA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER MATSUKASA
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
TANE EREMENTARY SCHOOL/ TANE
REGULAR CLASS KAKEYA
ATHLETIC FESTIVAL (JUNE)
KAKEYA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS REGULAR CLASS IRUMA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER IRUMA
MATSUKASA KA
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS REGULAR CLASS
HATA
MATSUKASA EREMENTARY SCHOOL/
HATA EREMENTARY SCHOOL/
STAGE (OCTOBER)
CIVIC CENTER RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
KAKEYA-CHO 0
1
5km
REGULAR CLASS
KAKEYA
KAKEYA EREMENTARY SCHOOL/ ENTRANCE CELEMONY (APRIL)
IRUMA EREMENTARY SCHOOL/ AGRICULTURE (SEPTEMBER)
IRUMA
HATA
HATA EREMENTARY SCHOOL/ SUMMER SCHOOL (JULY)
KAKEYA-CHO 0
1
5km
TANE EREMENTARY SCHOOL/
SCENE 02_SUMMER
CIVIC CENTER RESIDENCE FOR STUDENTS AGRICULTURE REGULAR CLASS
■ CYCLE / 1 YEAR
MATSUKASA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER
TANE
RESIDENCE FOR STUDENTS AGRICULTURE MATSUKASA
REGULAR CLASS KAKEYA EREMENTARY SCHOOL/
STUDENT KAKEYA
KAKEYA
CIVIC CENTER RESIDENCE FOR STUDENTS
ENTRANCE
ZENKO SHUKAI
SCHOOLING
CELEMONY
REGULAR CLASS IRUMA EREMENTARY SCHOOL/
UNDOKAI
TANE
CIVIC CENTER RESIDENCE FOR STUDENTS IRUMA
REGURAR CLASS
MATSUKASA
REGURAR CLASS
REGURAR CLASS
REGURAR CLASS
GAKUGEIKAI REGURAR CLASS
AGRICULTURE REGULAR CLASS
HATA
REGURAR CLASS
HATA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER
IRUMA
AGRICULTURE
RESIDENCE FOR STUDENTS
KAKEYA-CHO 0
1
5km
AGRICULTURE REGULAR CLASS
HATA
SUMMER SCHOOL 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
STUDENT
KAKEYA
SCHOOL
TANE
MATSUKASA
ETTOROJIN
CIVIC CENTER
SCHOOLING
CIVIC CENTER
ETTOROJIN
GAKUGEIKAI
RESIDENCE AGRICULTURE
IRUMA
AGRICULTURE
HATA
SUMMER SCHOOL 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
■ NETWORK / STUDENT - CITIZEN STU
SCENE 03_AUTUM DEN
TANE EREMENTARY SCHOOL/
T
CIVIC CENTER
KAK ELEM
EYA
ENT
TAN E ELEM ENT
ARY
MATSUKASA EREMENTARY SCHOOL/
OOL
A ENT
ARY
CIVIC CENTER
ENTR ANCE CELE MONY
OOL
IRUM
ELEM
REGULAR CLASS
SCH
MAT SUK ASA ELEM ENT ARY SCH
ARY
OOL
TANE ARY
HAT A ELEM ENT
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS SCH
MATSUKASA
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS REGULAR CLASS
REG
URA
R CL A
KAKEYA
SS
SCH
OOL
KAKEYA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
SCH
OOL
REG
REGULAR CLASS
UNDO
URA
KAI
R CL AS
S
1
IRUMA EREMENTARY SCHOOL/ CIVIC CENTER
REG
2
URA
IRUMA
R CL A
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
SS
C IT
3
IZ E N 4
KAK
EYA
ELEM
REG
ENT
ARY
SUM
MER
OOL
REG
OOL
CULT
5km
REGULAR CLASS
GEIK
AI
REG
URA
R CL A
SS
8
9
ENT
ARY
ETT
SCH
ORO
SCH
OOL
OOL
JIN
A ARY
1
OOL
A
HAT
ENT
R CLA
SS
AGRI
URE
SUK ASA ENT ARY SCH
ELEM
GAKU
URA
SCH
7
RESIDENCE FOR SENIOR CITIZENS
KAKEYA-CHO 0
ELEM IRUM
ELEM
O SH UK
AI
SCH
MAT
CIVIC CENTER
ZENK
OOL 6
ARY
R CL A
SS
5
SCH
E
ENT
HATA EREMENTARY SCHOOL/
URA
TAN ELEM
REGULAR CLASS
HATA
10
11
SCH
CIVIC
OOL
CEN
TER
12
SCH
OOL
1
ING
RES
IDEN CE ICU LTU RE
2
AGR 3
CIVIC
4
CEN
TER
5
6
SUM
MER
7
GAKU
SCH
OOL
GEIK
AI
AGRI
CULT
URE
ETT
8
ORO
JIN
9
10
11
12
05
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
PROGRAM_01
古谷誠章研究室 田中亜矢子
■ CYCLE / 3 SEMESTER
■ UNIT
3RD GRADE STUDENT
KAKEYA
4TH GRADE STUDENT
5TH,6TH GRADE STUDENT
3RD GRADE STUDENT
4TH GRADE STUDENT
3RD GRADE STUDENT
4TH GRADE STUDENT
5TH,6TH GRADE STUDENT
3RD GRADE STUDENT
5TH,6TH GRADE STUDENT
3RD GRADE STUDENT
2ND SEMESTER
3RD SEMESTER
1ST,2ND GRADE STUDENT 5TH,6TH GRADE STUDENT
TANE
1ST,2ND GRADE STUDENT
TANE
5TH,6TH GRADE STUDENT
MATSUKASA
UNIT
1ST,2ND GRADE STUDENT 4TH GRADE STUDENT
IRUMA
MATSUKASA
1ST,2ND GRADE STUDENT 4TH GRADE STUDENT
HATA 1ST,2ND GRADE STUDENT 1ST SEMESTER
KAKEYA
UNIT
■ ***********
5 CLASSES
IRUMA
2 CLASSES 1 CLASS
HATA
UNIT
KAKEYA-CHO 0
2ND GRADE
1ST GRADE
3RD GRADE
4TH GRADE
5TH GRADE
1
5km
6TH GRADE
SCENE_01 MORNING
■ CYCLE / 24 HOURS
STUDENT
SCENE_01
SCENE_02
SCENE_03
KAKEYA
TANE
BUS
BUS
SMALL
BUS
MATSUKASA
CLASS AGRICULTURE TO HOME SCHOOL
TO HOME SCHOOL
LARGE
LUNCH
STAGE
AFTER SCHOOL
CLASS
CLASS
IRUMA
BUS
HATA 0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
CITIZEN
KAKEYA
TANE
SCENE_02 DAYTIME RESIDENCE
MATSUKASA
BREAKFAST
DAY CARE
AGRICULTURE
CIVIC CENTER
LUNCH
AFTER SCHOOL
RESIDENCE
DINNER
IRUMA
HATA 0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
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17
18
19
20
21
22
23
24
■ NETWORK / STUDENT - CITIZEN STU KAK EYA ELEM ENT ARY TAN E ELEM ENT
ARY
DEN
T
SCH
OOL
SCH
OOL
MAT SUK ASA ELEM ENT ARY SCH
OOL
IRUM A ELEM ENT A
RY S CH
OOL
HAT A ELEM ENT
ARY
SCH
OOL
BUS TO HO M
E SC HO
OL
0
CL AS
S AGRI
CULT
1
URE
2 3
N E IG KAK EYA ELEM ENT ARY
4
RES
BUS
LU NC
H
7 8
BUS
ARY
OL
AFT
ER S CH
OOL
OOL
12 13 14
OOL
15
A
16
ENT
ARY
SCENE_03 AFTERNOON
E SC HO
GE
11
SCH
MAT SUK ASA ELEM ENT ARY SCH ELEM
BUS TO HO M
STA
9 10
ENT
IRUM
LAR GE CLA SS
6
OOL
E
ELEM
SMA LL CLA SS
5
SCH
TAN
HAT A ELEM ENT
HBO
ARY
RES
SCH
OOL
17
ID E
18
NCE
19 20
SCH
21
OOL
22
BREA
KFAS
T
23
0
24
AGRI
CULT
1
URE
2
DAY
3
CAR
E LU NC
4
H
5 6 7
C IV
8 9
IC C EN
TER
10
AFT
ER S CHO O
11
L
12
DI NN
ER
RES
13 14
ID E
15
NCE
16 17 18 19 20 21 22 23 24
06
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
PROGRAM_02
古谷誠章研究室 田中亜矢子
■波多小学校 □建築概要 建築年:H5年 構造:SRC造2階建 増改修:内装改修+浴室等・バス停増築 □プログラム メイン:小学校(普通教室・特別教室) サブ:地域施設(公民館・デイケア) PLAN DIAGRAM
MODLE PHOTO
BATH ROOM
倉庫
EV
WC
WC
KITCHEN
■入間小学校
OS OS
DAYCARE CENTER + HALL
ROOM
OFFICE
CR
CR
□建築概要 建築年:S25年
CR
ROOM
GROUND
構造:木造2階建 建築面積:752 増改修:内装改修+浴室棟・田舎体験用施設・バス停増築 □プログラム メイン:地域施設(宿泊:特に冬期の独居老人用住宅/デ
ROOM
LOUNGE
PLAN DIAGRAM
MODLE PHOTO
イケア) サブ:小学校(3教室)
BATHROOM
BATHROOM WC KITCHEN
DINING ROOM
PRESIDENT ROOM
OFFICE
MEDIA CENTER
OFFICE
GYMNASIUM
ENTANCE HALL
ENT
ENT
■掛合小学校 □建築概要 建築年:S42年 構造:SRC造3階建 建築面積:1746 増改修:内装改修+浴室棟・バス停増築 □プログラム メイン:小学校(普通教室・特別教室) サブ:特区認定校本校 MODLE PHOTO
PLAN DIAGRAM
GYMNASIUM
OS WC
OFFICE+ TEACHER'S ROOM
KITCHEN WASH ROOM
ENT BATHROOM CR
MUSIC ROOM
DINING ROOM
ART ROOM
■松笠小学校
ENT
□建築概要
RESIDENCE
OPEN-air STAGE
WORK SPACE
建築年:S37年 構造:木造2階建 建築面積:897 増改修:内装改修+浴室・宿泊棟・田舎体験用・舞台・バ ス停増築 □プログラム
backspace
メイン:小学校(普通教室・特別教室) PLAN DIAGRAM
MODLE PHOTO
サブ:地域施設(公民館・デイケア)
MODLE PHOTO
■多根小学校 □建築概要 建築年:S34年 構造:木造2階建 建築面積:1010 増改修:内装改修+浴室棟・集会室・バス停増築 □プログラム メイン:地域施設(宿泊:特に冬期の独居老人用住宅/デ イケアーセンター) サブ:小学校(3教室分)
BATHROOM
KITCHEN
WASH SPACE
WASH SPACE
DINING ROOM
DAYCARE CENTER
OFFICE
FACTORY
+community space
CR
保育所
ENT
ENT
BACK SPACE BUS STOP
WORK SPACE PLAYGROU ND
PLAN DIAGRAM 公民館
washspace 3820
2000
ROOM
ROOM
ROOM
ROOM
FACTORY
ROOM
CR
CR 4180
8000
6000
VOID
保育所 1840 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1840
MITOYA RIVER
BRIDGE
WC
DINING 公民館
washspace
washspace
DAYCARE
KINDER GARDEN
CR
factory
CENTER +community space ENT
3820
SPACE
OFFICE
4180
MEETING
KITCHEN
8000 2000 6000
WC
ENT
1840 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1820 1840
backspace WORKspac e
BUS STOP
PLAYGROUN D
CIVIC CENTER
ROOM
ROOM
DAY CARE CENTER +community space
08
TANE ELEMENTARY SCHOOL
ROOM
ROOM
ENTRANCE
ROOM
FACTORY
FACTORY
ENTRANCE
CR
CR
OFFICE
CR
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究 古谷研究室 田中亜矢子
VOID
corridol WC
DRESS ROOM
WC
CD+MEDIA center
SCIENCE ROOM
DAYCARE+
VOID
1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800
MEETING SPACE
3600
1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800400
松笠小学校 1F PLAN S:1/300
STAGE
ARENA
OS WC ENT
WC
corridol
OFFICE TEACHER'S
KITCHIN WASH ROOM
ROOM
WC ENT
WC
BATH ROOM MUSIC ROOM
ENT
ART ROOM
DINING
CR ENT
1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800400
BUS STOP
RESIDENCE
OPEN AIR STAGE
BACK SPACE WORK SPACE
SCIENCE ROOM GYM CR
DAYCARE+MEETING SPACE
CD+MEDIA center
MUSIC ROOM
ART ROOM
VOID
DINING RESIDENCE
09
MATSUKASA ELEMENTARY SCHOOL
WORK SPACE BACK SPACE
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究 古谷研究室 田中亜矢子
CASE01- MASTUKASA ELEMENTARY SCHOOL
RIVER
ROAD
HATAKE
GROUND
SCHOOL
MODEL PHOTO
MOUNTAIN
SECTION DIAGRAM
CASE02- TANE ELEMENTARY SCHOOL
ROAD
GROUND
SCHOOL
MODEL PHOTO
RIVER
SECTION DIAGRAM
10
2007 年度修士計画 地域拡張型学校建築研究
MODEL PHOTO
古谷誠章研究室 田中亜矢子