東京23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究-

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東 京 2 3 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -  20 10 年 11 月 11 日

研究背景と目的

古谷誠章研究室 1X 07 A 114 - 1 竹 花 洋 子

目次

都 市 で は 一 日 に 大 量 の 人 や モ ノが 集 まりま た 出 て 行 き 、絶 え ず 動 き 変 化 を 続 ける。し かしそ れ らがどこか に 留 まり永 い 年 月 を 経 なら が 集 積 を 重 ね る 場 所 もある 。多 種 多 様 に 商・住 の 混

序章

第 4 章 駅圏の傾向と分析

在 す るコンプ レックス シ ティ東 京 に お い て は 変 化 や 混 在 性 が

0-1 はじめに

4-1 3 次元マトリクスによる都市の解析法

魅 力 で あり 変 わり 続 けるの だと 考 えら れ る 。本 研 究 はこうし た

0-2 研究目的

昼夜間交流人口レベル分け駅圏リスト [figure4.2]

都 市 の 構 造 を 、膨 大 な 人 口 の 移 動 と 集 積 するものとの 比 較 に

0-3 論文構成

通勤人口レベル分け駅圏リスト [figure4.3]

よっ て 、浮 か び 上 が ら せようとするもの で ある 。消 費 者 の 二 極

交流 - 夜間人口差駅圏リスト [figure4.4]

第 1 章 都市における人の移動とモノの集積  1-1 人の移動     1-2 専門店集積地とは   1-3 専門店集積地の現在   1-2-1 複合商業施設と専門小売店鋪   1-2-2 ネットショッピングと専門小売店鋪   1-2-3 都市のツーリズム

1-4 人の集まる場所 第 2 章 専門店集積の背景   2-1 専門店集積地の歴史的背景の調査

4-2 3 次元マトリクスによる分類

は 、より良 い 品 を 求 め 、価 格 や 探 す 労 力 は 惜しまず 、専 門 店 へ

4-3 考察   4-3-1 駅圏の分類による考察    4-3-2 駅圏間の位置関係に関する考察

と出 か ける。そ れ らの 共 存 が 求 められ る 現 在 の 東 京と言 える。

第 5 章 東京 23 区全体の中での集積地  5-1 専門商品別店舗の分布   5-1-1 小売店鋪と消費者をつなぐ有効な手段   5-1-2 専門商品別分布図の作成

東 京 の 専 門 店 集 積 地 に は( 1 )複 合 商 業 施 設 と 専 門 小 売 店

ある 。(2)ネット 通 販 により 路 面 店 舗 立 地 • 形 態 に 変 化 が 起

鋪 、(2)ネットショッピングと専 門 小 売 店 鋪 \ 、(3)都 市 のツ

き て い る 。(3)東 京 の 魅 力とし て の 新 た な 可 能 性 が ある 。以

ー リズ ム 化 という3 つ の 傾 向 が ある 。多 くの 複 合 商 業 施 設 が

上 を 明 らか に するため に 、東 京 23 区 に お ける 駅 圏 ボ ロノイ地

存 在 する が 、一 つ の ハ コ の 中 に す べ て が 詰 め 込 ま れ た 場 所 で

図 も 用 い た 調 査 と、業 種 ごとの 専 門 店 の 分 布 を 調 べ マッピ ン

一 日を 過 ご さなくとも、街 を 歩 い て わ たる 魅 力 が 東 京 に は ある

グ す るとい うマ クロ 調 査 と 、実 際 に 集 積 の 背 景 を 調 べ る た め

は ず で ある 。小 売 り 商 店 は 無 数 に 存 在 す る 東 京 で ある か らこ

に 、青 山 表 参 道 商 店 街 、秋 葉 原 電 気 街 、神 田 古 本 屋 街 、合 羽

そ 、専 門 商 店 集 積 地 という 、多 くの 集 客 が あり 活 気 を 持 っ た

橋 道 具 街 の4つ の 専 門 店 集 積 地 に 対 して インタビュ ー 調 査と

街 が 存 在 する。専 門 集 積 地 を 調 べることにより、単 純 な 一 つ の

ビ ル デ ング タイプ デ ー タの 収 集 など を 行 い 、比 較 、研 究して い

5-1-2-3 食器 [figure5.3]

建 築 用 途 だ け で は 語りきれ な い 東 京 の 価 値 を 見 出 す 。

る。

5-1-2-6 デパート [figure5.6]

2-1-2-2 青山表参道商店会

5-2 店舗分布図からの分析と考察

5-1-2-5 履物 [figure5.5]

・スーパーマーケット  → 低価格で何でも揃う量販店へ →  複合商業施設                →      最寄商店街の消滅

・自我強調品:より良い物を探し求める

第 6 章 実地調査による店舗集積の現状分析   6-1 調査概要

2-2 インタビューのまとめ

6-2-1 神保町駅圏 [figure6.1]

2-2-1 各商店街振興組合ごとのまとめ

6-2-2 表参道駅圏 [figure6.2]

2-2-2 街に集積する専門性の相関図

6-2-3 田原町駅圏 [figure6.3]   6-2-4 秋葉原駅圏 [figure6.4]

専門店集積地

従来の傾向 ○地域全体の知名度が上がり集客につながる ○一店舗だけでは揃えられない商品を補完し合える

3-1-1 古谷研究室におけるボロノイマップの既往研究 [figure3.1]   3-1-2 ボロノイダイアグラム   3-1-3 ボロノイ駅圏図作図   3-1-4 各人口の定義    3-1-4-1 夜間人口    3-1-4-2 交流人口    3-1-4-3 通勤人口   3-1-5 夜間人口の振り分け

6-3 分析

3-1-8 全駅圏の人口リスト

3-2 ボロノイマップの更新   3-2-1 駅圏リスト [figure3.7][figure3.8]

6-3-2 集積のかたち    6-3-2-1 駅圏をまたぐ集積

3-2-2-2 夜間人口マップ [figure3.10]    3-2-2-3 夜間人口密度マップ [figure3.11]

ツーリズム化の傾向 ○店舗を渡り歩きくショッピングの楽しみがある ○日本製品は外国人に人気がある

仮説⑴

仮説⑵

専門性・趣味は集積する性質がある

仮説⑶

ネット通販により路面店舗立地・形態に変化

東京の魅力としての新たな可能性

6-3-2-2 線状の集積

第 7 章 店舗集積駅圏と人口動態の考察  7-1 実地調査結果と人口分布図の分析  7-2 職住近接の場所  7-3 東京全体が百貨店

青山表参道商店街

秋葉原電気街

神田古本屋街

秋葉原電気街

合羽橋道具街

秋葉原電気街

駅勢圏ごとの集積状況の調査 → ボロノイ駅圏ごとの集積調査  東京 23 区全域における専門性の分布状況の調査 → 専門商品別店舗分布図作成

第 8 章 結論と展望

集積の歴史的背景と現状の調査 → インタビュー

8-1 各章のまとめ  8-1 結論  8-2 展望

3-2-2 各マップの作成    3-2-2-1 交流人口マップ [figure3.9]

○大型複合商業施設との共存

インターネット普及による傾向 ○ネット検索したときに、より多くの店舗が集積  している場所が選ばれやすい ○趣味の集積

6-3-1 他業種からの専門店集積率

3-1-6 交流人口・通勤人口の算出   3-1-7 昼夜間人口比率

・ハイパーマーケット ・アウトレットモール etc.

→ 価格や探す労力は惜しまない →    専門店

6-2 専門店分布図作成

3-1 ボロノイ駅圏図による都市の解析法

・デパート ・ショッピングセンター

・生活必需品:より利便性を追求

消費者のニーズの 二極分化

2-1-2-3 表参道欅会

第 3 章 人口動態による都市の解析

本 研 究 に お い て は 仮 説(1)専 門 性 • 趣 味 は 集 積 す る 性 質 が

5-1-2-2 洋服 [figure5.2]

2-1-2-1 東京合羽橋道具街振興組合

2-1-2-6 東京日暮里繊維卸協同組合

調査方法

5-1-2-1 古本 [figure5.1]

5-1-2-4 電気店 [figure5.4]

2-1-2-5 秋葉原電気街振興組合

[fig.2:訪日外客数(日本政府観光局資料より)]

店 、複 合 商 業 施 設 を 利 用 する 。か た や 自 我 協 調 品 を 求 めるに

[figure4.5],[figure4.6][figure4.7][figure4.8]

2-1-1 インタビュー項目   2-1-2 インタビュー内容

2-1-2-4 神保町古書店組合

分 化 により、より利 便 性 を 追 求して 、低 価 格 で 何 でも 揃う量 販

資料  夜間人口算出過程人口分配図  都市交通年報より算出した交流人口と通勤人口

他 業 種 と の 補 完 関 係 / 専 門 店 舗 の 街 で の 位 置 の 調 査   →   徒 歩 圏 作 図 / 専 門 店 分 布 / 他 業 種 店 舗 分 布 / ビ ル デ ィ ング タ イ プ デ ー タ 収 集

分析 → 3 次元マトリクス/集積の形/街に集積する専門性の相関図

結論

3-2-2-4 通勤人口マップ [figure3.12]

参考文献 謝辞 東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -

[fig.1:背景から結論までのフロー ]

古谷誠章研究室 1X07A114-1 竹花洋子


ボロノイ駅圏より得られたこと 各 駅 圏 の 人 口 デ ー タをもとに 、三 次 元 マトリクスに 全 て の 駅 圏

インタビューより得られたこと インタビュ ー によって 分 か ったことのまとめとして 、ある 専 門 性

をプ ロットし たもの を 、f i g 3に 示 す 。x 軸 は 昼 夜 間 人 口 比 率 、

が 集 積 す ることによっ て 、新 た に 別 の 専 門 性 が 連 なり 集 積 す

y 軸 は 交 流 人 口 、z 軸 は 夜 間 人 口 を 表 し 、そ れ ぞ れ の 駅 圏 を

ることが わ か った 。秋 葉 原と神 保 町 に お い ては 、場 所 が 近 い の

1 0 段 階 に 振り分 け た 。一 般 に 夜 間 人 口 のレ ベ ル が 高 いと住 宅

と、同 じく学 生 街 ということか ら 、集 積 す る 専 門 性 に 重 なりが

地 的 な 傾 向 が 強く、低 いと 商 業 地 の 傾 向 が 強 い 。例 え ば 、原

見 ら れ る 。学 生 生 活 に 需 要 が ある モノとし て 大 き いくくりとし

点 上 部 で は 、要 町 、祐 天 寺 、幡 ヶ 谷 、中 野 新 橋 など の 住 宅 街

て「 勉 強と 遊 び 」を 挙 げ ると、書 籍 は 勉 強 に 必 要 なものとして

が みら れ 、逆 にそ の 対 角 線 上 に は 、渋 谷 新 宿 など の 商 業 地 が

学 生 街 に 集 積 を 始 め たそ れ に 連 な っ て 学 生 の 遊 びとして スポ

みられ る。こうしてグ ル ー プ 化した エリアを 、もう一 度 つ な げ る

ー ツ 用 品 店 、楽 器 店 が 集 積 を 始 め た 。神 保 町 に 対 し 、電 機 大

ことによって 、三 次 元 上 で 緩 や か に 繋 が る 分 類 が 出 来 る。少し

学 の 学 生 か ら の 需 要 もあ っ て 秋 葉 原 に 集 積 を 始 め た 電 器 部

ず つ 住 居 の 多 い 駅 圏と、商 業 地 の 多 い 駅 圏とが 繋 がりな が ら

品 販 売 店 は 、日 本 の 高 度 成 長 に の り 街 全 体 が 大 きく発 展 を

それぞ れ の 駅 圏 は 構

し 、現 在 で は ま た 学 生 生 活 の 必 需 品 と 言 える パ ソコン 本 体 や

成 さ れ て い る 。z 1 か

周 辺 機 器 を 求 める 若 年 層 の 集 まる 場 所となり、そ れ は 学 生 、ま

ら z9に か け て 商 業

た は 一 般 人 の 趣 味 の 延 長 上 で もある 。神 保 町 に お い て は 本 と

地 から住 宅 地 へ のグ

カレ ー の 組 合 わ せ 。秋 葉 原 に お い てもインタ ー ネット文 化とカ

ラデ ー ション が み ら

レ ー の 組 み 合 わ せ が 街 にあ ふ れ ている。

れ る が 、そ の 中 に も

[fig.9:夜 間 人 口 マップ ]

[fig.7:夜 間 人 口 密 度 マップ ]

[fig.6:交 流 人 口 マップ ]

[fig.8:通 勤 人 口 マップ ]

パスタ 洋食

商 業と住 居 の 関 係 に

オリエンタル バザール

色 々 な タ イプ が み ら

カフェ

西洋モノ 西 モ

キディランド

れ 、大 きく分 け ると 、

日本の お土産

住宅地型/商店街

米軍 ハイツ

カジュアル アル ファッション ァッシ シ

日本の 骨董

型/職住型/下町

骨董街 街

型 / 官 庁 型 / オ フィ

カジュアル ア ド ブランド

ファッション シ

ジーパン ラグジュアリー ブランド

ス街 型 / 繁 華 街 型 の

スポーツ ブランド

7つに分 類 出 来る ( f i g . 1 0 )。

[fig.5:街に集積する専門性の相関図 ( 青山表参道ファッション集積地 )] [fig.3:3 次元マトリクスによる駅圏の分析 ]

専門商品別店舗分布図より得られたこと

考察 東 京 に お ける 専 門 店 集 積 地 の 特 性 は 次 のように 明 らか に な っ

秋 葉 原 駅 周 辺 で の 電 気 店・インタ ー ネット系 趣 味 の 店 舗 は 秋

た 。専 門 性 、趣 味 に は ネットワ ー ク が ありそ の 情 報 により、場

葉 原 駅 圏と末 広 町 駅 圏 にまた が っ て 広 い 範 囲 で 集 積して い

所 に 累 積 する 。ネットショッピ ング の 普 及 により、古 書 店 街 で

る。秋 葉 原 駅 圏 の 面 積 は 0 . 3 9 ㎢ 、末 広 町 駅 圏 は 0 . 4 1 ㎢ で あ

は 古 書という特 性 上 ネットで の 販 売 が 増 加し、ネット販 売 の 上

る か ら 徒 歩 圏 内と 言 え 、色 々と 探 し て 歩 き 回 るに は ちょうど 良

で は 競 争 原 理 が 働 き 売 り 上 げ は 落 ち たという 面 もある が 、他

い 範 囲 内 に 集 積 して いる ( f i g . 4 ) 。田 原 町 の 調 理 道 具 関 連 の

の 集 積 地 に お い て 全 体 的 に は 小 売 商 店 の 売り上 げ が 落 ちるこ

商 店 が 集 積 す る 場 所 で は 、通 りに 沿 っ て 線 状 に び っしりと 集

とは 無 い 。逆 に ネットによる 情 報 の お か げ で さらなる 集 客 を 増

積 が みら れ 、この 商 店 街 の ほとんど が 調 理 関 係 の 商 品 を 扱 う

し て い る 。集 積 地 は 東 京 の 観 光 名 所 とし て 多 い に 認 めら れ て

店 舗 で ある 。商 店 街 は す べ て ア ー ケ ード が か か り 、買 い 物 客

いる。今 後 の 発 展 も 予 想 され る。

や 、仕 入 れ の 人 が 雨 の 日 で も 買 い 物 が し や すく配 慮 さ れ て い る。これ らのような 工 夫 が なされ てい た 。

結論 東 京 が 高 密 度 、高 複 合 都 市 で ある か らこそ 、多 様 な 専 門 店 集 積 地 が 存 在 す る 。歴 史 的 な 基 盤 の 上 に 成 り 立 っ て い るうえ で 、時 代 の 変 化 に さら れ な が らも 、そ れ にもうまく対 応 し 、複 合 商 業 施 設とは 異 なる 価 値 を 持 っている。 更 に 発 達 し た 交 通 網 を 持 つ が 故 、点 在 する 売 り 場 を 結 び 、全 体 とし て 大 き な 百 貨 店 とい え るような 独 自 性 の あ る 都 市 で あ る 。集 積 地 は 東 京 の 観 光 名 所 とし て 多 い に 認 め ら れ て い る 。 今 後 の 発 展 も 予 想 され る。

特別用途地型

官庁街型

下町型

商店街型

商業地型

オフィス街型

職住型

住宅地型

[fig.10:三 要 素 か らの 駅 圏 の 分 類 マップ ]

[fig.4:秋葉原駅圏 隣接する駅圏をまたぐ専門商店の分布 ]

東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -

古谷誠章研究室 1X07A114-1 竹花洋子


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