古谷誠章研究室
―他世代利用施設の近接の形態と世代間交流実態との相関―
1X08A037-3 桂 悠花
■第 5 章 考察
4-1 アンケート調査結果分析
5-1,2 マトリクスの考察 横断的評価
アンケートにおいて、複合事例と近接事例に大きな差や予想以外の結
計画的交流
果が見られたもの等に関して考察を行っている。 距離
存在を知ってい るが、交流はな い 0%
存在を知ってい るが、交流はない 43%
現状
<理由>
計画的交流が多いが
施設数が最も多い
近接という視点の導入
10
8
8
6
6
4
4
自然発生 交流指数
75.0%
60.8
3.88
2.56
45.8%
54.5
3.17
2.55
22.0%
50.9
2.63
2.98
24.1%
54.6
2.56
2.91
計画的:非常に多い 自然発生的:少ない
計画的:多い 自然発生的:少ない
2
2
0
0
アンケート調査 ( 全 94 件 )
車で行くのみ 26%
近接Ⅲ 徒歩で行くこと あり 74%
徒歩で行くこと あり 60%
教育施設 ( 学校・保育園など )
周辺施設 種類 距離
中学校
保育園 幼稚園
小学校
0m B6
近接Ⅰ
児童施設 区民施設
B7 B7
100m
B11
300m 以内に 3 つすべて存在する事例
高齢者施設
B22
B6 B1
B5 B13 B14
B10
B8
B18
B12
B13
実地調査
B9
200m
近接事例 10 件
B20
B23 B11 B19
B3 B11
B5
・施設職員へのアンケート調査
300m
サンクス
T駅
施設種類
T公園 H保育園 H児童センター
距離
図書館
S駅
7 3
3 2
3
1
1
1
訪問
体操
クラブ活動
月行事
1
セブンイレブン 郵便局
歩いて通ってきている
・徒歩移動範囲の写真撮影
ampm
G寺
近接Ⅰ
J小学校
100m
4
5
8
5
1
幼児施設内 3
5
5
10
2 8
8
9
1
1
1
2
3
3
あまり有益 でない 全く有益でない 0% 0%
教育施設・公的施設・公園での交
10
2
1-4,5 研究目的・仮説
事例に同内容のアンケートを実施。
B15
200m
近接Ⅰ
B10
B8
B18
距離
全くない 13%
頻繁にある 20%
ときどきある 17%
あまりない 31% ときどきある 60%
どちらとも言 えない 35%
=
不足していない 0%
デイルーム
デイルーム 非常に小規模である
デイルーム
静養室
適度な独立 = 周辺施設の距離 × 種類
0m
近接Ⅰ
あまり不足し 非常に不足 している ていない 9% 9%
非常に不足 している 13%
近接Ⅱ どちらとも言 えない 39%
B5
調節可能な交流 = したいときにだけすることのできるような交流 公園への散歩コース ( 通常 )
公園への散歩コース ( 通常 )
公園への散歩コース ( 通常 )
B14
B3
B17
B22 B17
B8 B5 B4 B15
B20
B18 B20 B23
B5 B8
B10 B22
B11 B2 B4 B4
B20
B7
B15 B15
▼
▼
B2 B12 B15
B8
■可能 ■難しい ■計画的 ■散歩 ■学校側のバ ■適度な時 リアフリー 間的拘束
B8 B5 B4 B15
B12
B11
B15
B3
B18 B20 B23
B2 B19 B4
B2 B4 B4
B20 B11 B14
B7
B8 B5 B8
B9 B10
B15 B15
B22 遠い 途中で休む場 があるとよい B11 B10
B2 B22
B12 B17
建築的工夫で より調節可能になる
建築的な問題以外の 要因がある
B2 B12 B15
B8
近接事例では複合事例に比べ、
B8
計画的交流が少なくなり、適度な独立を得ながらも、
B11 B14
B15
B17
▼
B16
B20
B7
6-1 結論
B3
B18
B12
B2 B19 B4
B18
B9
B3
B19 B13 B14 B18
■第 6 章 結論
B7
B19 B13 B14 B18
B1
B3
B9
B16
B1
B15
B3
B9 B10
▼
B2 B22
■難しい ■ ■施設利用 時間の一致
▼
■難しい ■ ■存在や情 報の認知
B11 B12 B17
▼
他の世代が利用する施設が適度に近接する環境で
■可能 ■散歩 ■徒歩での 外出の機会
外出する機会を持つことで 徒歩での移動中に自然発生交流による調節可能な交流が行われている。
6-1 展望
自然発生的交流
交流が ある割合
頻度平均
影響指数
自然発生 交流指数
45.8%
54.5
3.17
2.55
・「眺める」という自然発生交流と配置計画 計画的:多い 自然発生的:少ない
アンケート調査結果
現状では、デイルームから他世代利用施設を「眺める」ことができ る配置は見られなかった。一部の施設から得たヒアリングより、以 下のような原因が考えられる。
22.0%
50.9
2.63
24.1%
54.6
2.56
2.98
計画的:少ない 自然発生的:多い
→デイルームを見たくない周辺住民の存在 ・学校空間研究への発展
不足している 43%
不足している 54%
公園への散歩コース ( 通常 )
B8
B15
B19 B23
B21
B21
100m
不足していない 0%
どちらとも言 えない 20%
B22
B5
B14
B18
B15
B21
B2 B6
B15
B23 B11 B19
B3 B11
B6 B2 B13
B20
その交流実態を記録している。 300M
【参考】 BRI NEWS Epistula 建設省建築研究所 Vol.6 1994.10.
B23 B3 B11 B11 B19
B8
B21
B10
有益 65%
頻繁にある 4%
あまり不足し ていない 13%
時間的に 独立しすぎ ている
B6 B2 B13
調節可能な交流が 持たれている
B1
B19 B23
B13
B2 B6
歩行訓練で 行くことが できる 自然発生交流 が行われやすい
B22
非常に有益 26%
全くない 7%
200M
高齢者の徒歩圏
B5 B13 B14
B12
■訪問可否 ■可能 ■交流機会 ■職場体験 ■交流に必 要な条件
あまり有益 全く有益でない でない 0% 0%
非常に有益 73%
してデータシート 10 枚を用意し、
100M
保育園側に B13 B14 スペースが ないことが 多い
B5 B9
B5 B9
どちらとも言え ない 9%
どちらとも言 えない 13%
B20
B1
B22
B15
B7
近接Ⅲ 300m
あまりない 0%
実地調査施設には、各施設に対
200m
300m
B1 B5 B9
B18
計画的交流
3-2 実地調査結果
B9
全 23 件
B13
計画的交流も 少なくなる
B17
B7
B8
た。
近接Ⅱ
B12
B16 B23
B7
B5
公園
B16
B1
B18
どちらとも 言えない 7%
児童施設 区民施設
B11
B21
非常に有益 26%
例 6 件、近接事例 10 件に対して行っ 近接Ⅲ
B7
B18
B23
近接Ⅱ
有益 70%
その回答より、実地調査を複合事
B6
近接しても 複合しても B11 あまり 訪問されない B18
B23
近接Ⅲ
B17
非常に有益 67%
有益 20%
目的 近接という視点を導入し、施設の複合化以 外の高齢者と他の世代との交流の在り方を 検討する。
B2 B22
B6
B6
B6 B12
有益 27%
あまり有益 全く有益でない でない 0% 0%
B15
近接Ⅱ
B11 B12 B17
B8
あまり有益 でない 全く有益でない 0% 0% どちらとも言え ない 4%
流や訪問について近接事例と複合
B7 B11 B3
B6
B12
B10
2
複合施設では、計画的交流は多いが、自然発生的交流は少ない。
仮説 他世代利用施設が近接している高齢者施設は 相手の施設から適度に独立しながら 調節可能な交流ができるのではないか。
B7 B11 B3
B6
B9
どちらとも 言えない 6% 会話
通路空間
10
挨拶
1
会話
2
1
挨拶
会話
1
1
眺める
挨拶
4
1
眺める
会話
挨拶
眺める
9
施設数 (N=30)
B11
B13
タイプ④
B11
B1
B17
B16 B23
■第 3 章 研究結果 3-1 アンケート調査結果
タイプ③
日常的な場
屋外
一体型
眺める
高齢者 施設外
タイプ②
非日常的な場
交流が 起こる場所
高齢者 施設内
タイプ①
B6
B10
B10
B22
消防署 出張所
高齢者へのアンケート
自然発生交流の起こり方によるタイプ分類 (N-30)
B22
B13 B9 B10
B3
B16
計画交流の種類
自然発生交流 の内容
B7
B19 B20
0
週行事
B10 B22
B8
B7 B7
セブン イレブン
S警察署
1 ふれあいタイム
お茶会
お食事会
訪問
お茶会
お誕生会
おいもほり
遠足
こどもの日
式典
訪問 節分
制作展
観賞会
発表会 七夕
お祭り
運動会
ひなまつり
敬老の日
おもちつき
クリスマス会
年行事
2
B20
保育園 幼稚園
小学校
ジョナサン H在宅サービス センター
・高齢者へのアンケート調査
10 4
②タイプ
中学校
B6
20
8
B5 B8
B1 B5 B9
景色が見えるので B15 訪問は少なくなる
B12
B19 B20
B8
公的施設
0m
Y神社
14 8
B2 B4 B4
教育施設
郵便局 K保育園
M耳鼻咽喉科
J寺
8
B18 B20 B23
B16
B10
B6 B12
H寺 ファミリー マート
T保育園
11 10
校庭は交流に 使うことが できる。 見えない事例 が多い。
A6 A8 A14
B3
B21
ampm
セブン イレブン
主な計画的交流の種類
13 12 12
B2 B19 B4
B15 B15 B2 B12 B15
B8
D幼稚園
利田神社
O歯科
・施設職員、高齢者へのヒアリング
19 19
B20
B17 B12
B11 B14
B15
B17
K歯科
25
B8 B5 B4 B15
B18
B9
B16
100m
B3
交番
実地調査
30
B19 B13 B14 B18
B1
B7 B7
行き来ができる 計画的交流が多い
B5 B9
また、知っている場所や、行くことがある場所などに、 下のような印をつけてみてください。 知っている・・・○ お話をする・・・□ 行くことがある・・・◎ 休む・・・△ 他にも、そこですることがあったら、 自由に書きこんで下さって構いません。 K病院
B7
B3
B22
近接Ⅰ
B3
B11
B18
D小学校
幼老複合施設における相互交流の分類と特性
15
B19 B23
B13
B6 B2 B13
B8
アンケートにご協力ありがとうございます。 下の地図は、「H在宅サービスセンター」の周辺の地図です。 通ることのある道に、線を引いてみてください。
・施設概要
複合化の意義
A5 A15
B16
B15
B21
B21 B14 B15
B10
複合事例 6 件
2-2 研究方法
地域福祉の向上
A4 A11 A12 A13
B6
B2 B6 B7
B21
保健と福祉の 活動・情報 基地をつくる
A2 A3 A9 A10
隣接していても 互いが見えない配置が多い
B22
B18
B17
事前調査/アンケート調査
①タイプ
B11
B23
近接Ⅱ
東京 23 区内に 68 件を発見した。
健康づくりと 生きがい活動 を支援する
福祉サービス の拠点を つくる
公園
0m
B1
B6
B7
B8
と定義。
子供たちと 交流する
A1 A7 A8
B12
B7 B11 B3
B15
B6
複合化の意義
児童施設 区民施設
B16 B23
て公園が高齢者の徒歩圏である半径
地域と 交流する
複合
B15
B10
保育園 幼稚園
小学校
わずかな時間で 自然発生交流は少ない 互いに干渉しすぎる場合がある 交流ができる
B1 B5 B9
B16
B19 B20
世代間交流の 促進
中学校
公園
B3
B16
近接事例…教育施設と公的施設、そし
周辺施設 種類 距離
全近接事例 68 件
と複合する事例が 26 件見られた。
結論・展望
公的施設
教育施設
全複合事例 26 件
公的施設 ( 区民センター・児童館など )
分析・考察
= 自然発生的交流
5-3 仮説の検証
東京 23 区内の複合事例を調査すると、
実地調査 (16 件 )
介護サービス のネットワーク
近接事例は全体として複合事例よりも 計画的交流が少なく自然発生的交流が多い。 特に近接Ⅱ、Ⅲの範囲はこの傾向が強い。 近接Ⅰは、複合事例と類似する点が見られる。
とその種類が関係していると考え、以下のようなマトリクスに アンケート結果を重ね合わせたものがこれである。
複合事例 (6 件 )
計画的:少ない 自然発生的:多い
300m
仮説における適度な独立性には、周辺の他世代利用施設の位置
▼
近接事例 (10 件 )
▼
200m
無回答 10%
4-1 マトリクス分析
→通所介護施設 →定員:10 名~ 40 名/日 →職員:高齢者 4 ~ 5 人に対し 1 人 →平均年齢 75 ~ 85 歳
複合事例 ( 全 26 件 )
計画的:少ない 自然発生的:多い
理想
車で行くのみ 30%
近接Ⅲ
混在型Ⅱ
近接Ⅱ
▼
近接事例 ( 全 68 件 )
1-3 既往研究
混在型Ⅰ
近接Ⅰ
老人デイサービスセンター ( 全 1564 件 )
較的高いことが期待できる
交流の調節可能性
多様化する高齢施設
積層型
現状
理想
10
B6 B12
( 連絡通路なし )
影響指数
0m
行くことがある 78%
通所の施設であるため利用者の体力が比 近接事例での適度な独立性と
住み慣れた 場所に住み 続ける
( 連絡通路あり )
頻度平均
▼
問題点の指摘
共に暮らす
分棟型Ⅱ
類似
行くことがある 73%
無回答 0%
高齢者施設…老人デイサービスセンター
自然発生的交流は頻繁に行われない
・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・老人短期入所施設 ・軽費老人ホーム ・ケアハウス ・有料老人ホーム ・老人保健施設 ・老人デイサービスセンター ・老人福祉センター ・老人介護支援センター
並列型
交流がある 57%
交流が ある割合
100m
高齢者施設の 質的整備
分棟型Ⅰ
存在を知ってい るが、行くこと はない 22%
存在を知ってい るが、行くこと はない 27%
都市の代表例…東京 23 区
幼老複合施設での世代間交流
■第 1 章 序論 1-2 高齢者の医療・福祉の動向 →医療から福祉への転換 →高齢者施設の多様化 →高齢者施設の複合化
複合
交流がある 100%
2-1 研究対象
都市での高齢者施設の複合化
存在を知らない 0%
200m
本研究で高齢者にとっての「他世代利用施設」として扱った学校や 近接Ⅲ 300m
2.91
計画的:少ない 自然発生的:多い
▼
第 1 章 序論 1-1 はじめに 1-2 高齢者の医療・福祉の動向 1-3 既往研究 1-4 研究目的 1-5 仮説 第 2 章 研究概要 2-1 研究対象 2-2 研究方法 第 3 章 研究結果 3-1 アンケート調査結果 3-2 実地調査結果 A 複合事例 3-3 実地調査結果 B 近接事例 第 4 章 分析 4-1 アンケート調査結果分析 4-2 マトリクス分析 第 5 章 考察 5-1 マトリクスの考察 5-2 複合事例との横断的評価 5-3 仮説の検証 第 6 章 結論 6-1 結論 6-2 展望 6-3 参考文献
存在を知らない 0%
存在を知らない 0%
■第 2 章 研究概要
■論文構成
■目次
存在を知らない 0%
自然発生的交流
▼
都市の高齢者施設と高齢者施設とその周辺における世代間交流
■第 4 章 分析
▼
2011/11/07
幼稚園、保育園などに関して、逆の立場から高齢者施設の近接を考 察することで、本研究をより発展させることができると考える。