高密度都市研究2012 - 東京23 区における都市祝祭巡路とその変容から見る都市認識と領域性-

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古谷研究室

高密度都市研究 2012 - 東京 23 区における都市祝祭巡路とその変容から見る都市認識と領域性 -

高複合・高密度都市研究ゼミ

1X09A141 長谷川 駿   2012/11/08

目次 第一章 序論  1.1 研究背景

■研究背景

■調査内容

1.2 研究目的

・鉄道による都市形成と都市間競争、人口流動性と徒歩圏

1.3 研究概要

・地域性の希薄化と共同体の変容、集合単位の再編

1.4 既往論文について

第二章 基礎情報

1.東京 23 区内神社 970 件のリスト化・プロット 平成19年宗教法人名簿住所より東京23区行政区地図へポイントのプロット(図1-1)

2.神社の巡行型祭礼の巡路 25 件 サンプリング

・都市における神社と祭りの存在、文化の伝承と変容

『江戸 祭・縁日地図』江戸文化研究会編1983年より1982 年の巡行図が入手できたものかつ 現地調査、インターネットでの最新の巡行図が入手できたものとして

・都市認識の現代的変化と都市防災

2.1 都市祝祭についての基礎情報     2.1.1 都市祝祭の定義と概要     2.1.2 都市祝祭の分類     2.1.3 神社祭礼の形式     2.1.4 江戸の都市生活と祭り     2.1.5 現代における祝祭の位置づけ

2.2 町会・自治会についての基礎情報     2.2.1 概要     2.2.2 町会の歴史     2.2.3 組織と役割     2.2.4 地域コミュニティの現状と課題

3.データの重ね合わせ  江戸古地図・用途地域図・災害危険地図・標高図・駅圏ボロノイ図(図2-1)

第三章 調査内容  3.1 調査概要  3.2 調査対象の選定

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・最新巡行図は現地調査、神社HP、町会からの情報等にて入手。 ・1982年巡路・江戸期巡路は『江戸祭・縁日地図』をもとに現代図・天保改正御江戸大絵図にトレース ・祝祭当日の現地調査。

■研究目的 東京23区おいて、巡行型都市祝祭の巡路に着目、その実態把握から現代都市におけるポテン シャルを見出し、 その上で都市部における鉄道駅圏と地縁的な生活圏の複合した都市コミュニティの可能性を 提示することを目的とする。

2.3 防災についての基礎情報     2.3.1 江戸の消防と都市生活     2.3.2 防災の三側面と問題点     2.3.3 消防団について     2.3.4 消防署ヒアリング

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16 17 20 15 14 12 11 18 19 23 1 10 22 25 3 13 2 5 21 9 8 6 4

■研究対象「巡行型祭礼」の 概要

4.現地[祭礼時→通常時]の実態把握としての現地調査(図4-1)(図4-2) 5. ヒアリング

地域コミュニティの実態を把握と祭礼とのつながりの調査

図1-1 東京23区全神社 970 件のプロット

1. 神田祭・神幸祭  2. 山王祭 3. 椙森神社例大祭 4. つきじ獅子祭 5. 鉄砲洲稲荷神社例大祭 6. 住吉神社例大祭 7. 御田八幡神社大祭 8. 烏森神社例大祭 9. 赤坂氷川祭  10. 鳥越祭 11. 下谷神社例大祭 12. 五條天神社大祭 13. 榊神社例大祭 14. 三社祭 15. 小野照崎神社例大祭 16. 天王祭  17. 隅田稲荷神社例大祭 18. 牛嶋神社大祭 19. 湯島天満宮例大祭 20. 根津神社例大祭  21. 深川八幡祭り 22. 亀戸天神社例大祭 23. 亀戸香取神社例大祭 24. 熊野神社例大祭 25. 須賀神社例大祭

ヒアリング対象 ・新宿区地域文化部落合第一と区別出張所         ・千代田区役所         ・新宿消防署 ヒアリング項目 ・巡路の計画法(巡路の計画法、その特性の調査)         ・祭礼に参加することが出来る人の条件(外部との関係の調査)         ・近年の問題点(交通事情や担い手などの調査)                ・現状の防災政策の問題点:住民への意識の浸透の難しさ、祭礼と行政機関の関係

6.比較対象として地域イベント 5 件 のデータ化

1.神社の巡行型祭礼の関係図 神社

例大祭

3.2.1 選定方法     3.2.2 東京 23 区の神社リスト     3.2.3 神社のマッピング

・中央区大江戸盆踊り・浅草サンバカーニバル・原宿表参道元氣祭・麻布十番納涼まつり ・高円寺阿波おどり・中延ねぶた祭り

例大祭祭典

7. 補足データの収集

神幸祭

3.3 調査方法

神社神輿渡御祭

3.3.1 調査内容一覧     3.3.2 ヒアリング項目     3.3.3 データの重ね合わせ

祭礼委員会

氏子

氏子総代会

町会神輿連合渡御

第四章 調査データ

町会 町会連合会

(崇敬会)

町会神輿渡御

4.1 神社祭礼データ

・駅からの距離と駅の利用者数 ・氏子町会数 ・境内面積 ・来訪者数(寺社HPや祭礼毎のインターネット情報及びヒアリングから)

図4-1 祝祭時の現地調査

8. 都市祝祭巡路の傾向と類型化[第5章] ・巡路長と時間の関係から傾向をみる(図5-1) ・順路形態の傾向と類型化(図5-2)

4.2 地域イベントデータ

神輿同好会

4.3 項目別データまとめ

第五章 都市祝祭巡路の傾向と類型化

ここで、祭りを担う基礎集団単位が、町会集団すなわち町内会(多くは法人ではなく任意団体)を主としている点に着目   複数の会に跨る祭礼として、神社が主体の神幸祭と神社神輿渡御祭を主な調査対象とする。

5.1 巡路長と時間の関係から見る傾向  5.2 巡路形態の傾向と類型化     5.2.1 巡行ルートの体系的分類     5.2.2 祭りの多義性と巡行形態

6.1 空間スケールについての分析     6.1.1 巡路の入り組み度とスケールからの分析     6.1.1 道路の形状と周辺環境の分析

6.2 空間の横断性についての分析     6.2.1 都市のゾーニングと祝祭巡路の関係     6.2.2 災害危険度地図と祝祭巡路の比較     6.2.3 駅圏ボロノイ横断性の分析     6.2.4 市街地周遊型祝祭巡路の空間比較

第七章 都市の領域性に関する分析  7.1 巡路の変容と領域性の関係

町内会の組織分類

都道府県自治会連合会 市町村連合町内会 学区連合町会 町内会 班・組織 世帯

組織規模

活動領域

構成員

全国に1組織

全国

自治会連合会長等

都道府県に1組織

都道府県

市町村連合町内会長等

図4-2 通常時の現地調査

市町村に1組織

市町村全域

学区連合会長等

3000∼4000 世帯

小学校区

町内会長等

150∼200 世帯

町内会区

地域住民

10∼20 世帯

町内会区

地域住民

1世帯

個人

都市計画図 用途地域(ジアースwebデータベースをトレース)

災害危険度 火災危険地域、倒壊危険地域、広域避難場所(平成20年2月現在) 千代田区における町会加入率の変化 減少傾向にある

都市祝祭         → (巡行型/滞留型) (神社祭礼/地域イベント/その他)

祝祭巡路

神社祭礼の歴史と形式   → 江戸の「町内」という地縁的な生活構造、地域集団の持続と祭りの補完的関係、宗教意識の希薄化

7.1.1 江戸期からの都市空間と祝祭巡路の変容     7.1.2 1982年からの巡路と氏子町会数の変容

町会・自治会の現状と問題点→ 祭りと町会の関係は宗教的問題を含みながらも持続                 都心部における町会加入率の減少、町会構成員の高齢化、代替として第三セクターの発展

7.2 鉄道駅と領域性の関係

3.祭礼巡路の構成要素

7.2.1 駅圏ボロノイ図による人口流動解析との比較     7.2.2 鉄道駅と氏子町会数の変容の関係     7.2.3 交流的領域性と地縁的領域性の複合事例

古谷研究室既往研究駅圏ボロノイマップより 夜間人口・交流人口・通勤人口データ

2.祭礼巡路の基本構造 全国自治会連合会

第六章 徒歩による都市認識性に関する分析

鉄道駅圏

図5-1 巡路長と時間の関係

町内会領域

第八章 まとめと考察 地形

8.1 地域の共有財としての都市祝祭巡路の類型化

数値地図5mメッシュ(標高)国土地理院

8.1.1 都市祝祭を取り巻く条件     8.1.2 公共における正統性獲得の諸要件     8.1.3 分析データ

8.2 各分析のまとめと考察     8.2.1 徒歩による都市認識性ついて     8.2.2 都市の領域性ついて

江戸の古地図と祝祭巡路

天保改正御江戸大絵図 東京編 彩色刷

8.3 都市認識と領域性の横断的考察

図5-2 巡路の入り組み度とスケールからの類型化

第九章 結論  9.1 結論  9.2 展望

寺社からの徒歩圏円(半径500m)を全ての図に記入 図3-1 都市の点的要素の「接続性」

図3-2 都市の面的認識の「横断性」

図2-1 データの重ね合わせ

分析① 巡路による物理的な都市空間把握 分析② 巡路がもたらす領域と鉄道駅圏の複合


古谷研究室

高複合・高密度都市研究ゼミ

1X09A141 長谷川 駿   2012/11/08 ■ 都市空間把握性の分析と考察[第6章]

■ 都市の領域性の分析と考察[第7章]

都市祝祭巡行路は、通常時の人の生活の場でありながら、年に一度、数年に一度徒 歩で巡る祝祭の舞台として、非日常に立ち現れる空間であり、既存都市空間におけ る時間と空間の要素を含有していると言える。徒歩で巡る都市空間の基本スケール となりうると考えられ、同時に巡路として選び取られる都市空間の一部は、より地 域の特性を表出させていると言えるのではないだろうか。これらのことから、現在 の巡行路と駅圏図の重ね合わせによる分析から、徒歩による空間把握の可能性を考 察する。

江戸期における都市生活は「町内」という単位を基本としており、祭りに関して も町内毎に用意されそれらが集まり夏マツリとなった。地縁的な繋がりのもと、 防災を始め都市生活のあらゆる事象が町内という生活組織を中心としていた。こ のことから江戸古地図と現代の地図に描かれた都市祝祭巡路の比較分析から地縁 的領域性の考察を行う。

7.1 巡路の変容と領域性の関係 1982年からの祝祭巡路と氏子町会の変化から、領域の変容を分析する。 氏子町会数が670から713へと増加し、このことは都心部の大型マンションや駅前 開発によって町会の細分化、新しい自治会が発生していると考えられる。また町 会数が増加していても祝祭巡路の巡行領域はほぼ変化していないことから氏子地 域は拡大することなく新しい町会のみ発生していると考えられる。

6.1 空間スケールについての分析

①共同体が細分化したが祭によって繋がりを持っている事例 新宿熊神社例大祭

・基本的に、徒歩で 1 日で巡るという御幸祭の基本条件

→ 5∼20km の巡路を6∼14 時間かけて巡行する

図6-1 駅圏ボロノイ図と巡路の重ね合わせから見出される横断性のスケール

②駅前商業地区において特に共同体が細分化した事例 烏森神社例大祭

祝祭巡路がもつ上演として、神社の氏子区域内の町会(神酒所)をあまねく巡ると いう特性がある。つまり地域を周遊することによって、町の目抜き通りのみではな く、幅員の狭い道も祝祭空間として見出されているとして、その区域への浸透性か ら、都市空間のスケールを分析。 ここで巡路の「入り組み度」を次のように定義する

新橋駅前の商業地区を氏子区域とする烏森神社は、江戸時代は土橋二葉町・同兼房町・櫻田備 前町・同和泉町・同鍛冶町の5つの町であったが、現在は新橋1町目に支部・烏森・新橋3丁 目中部・新橋3丁目西部・桜自治会・兼房・桜正・桜・新三・南桜・新交・親和・南佐二・ニ ュー新橋ビル自治会・しんちか自治会が氏子町会となっている。町会名からも分かるように、 かつての名前を残す物と、ビルや商店の開発に伴って新しくつくられたものが共存している。

入り組み度:氏子区域内における巡路の密度 [ 巡路長/氏子区域面積 ]

7.2 鉄道駅と領域性の関係 現代の都市生活は鉄道駅を中心としており、「駅圏」という概念が土着性から乖離した生活圏 として定着している。東京23区における駅圏ボロノイ図人口流動解析と巡行路の重ね合わせに よる分析から、駅圏の領域性と祝祭巡路に伴う都市の領域性を考察する。

6.2 空間の横断性についての分析 巡行型祭礼は、複数の氏子町をつなぎ合わせる構造を持っている。これは町会に限 定された都市空間に対する横断的特性と言える。そこで都市のゾーニングとしての 都市計画用と地域図から、祝祭巡路による都市空間の横断性とその価値を分析する

新宿熊神社例大祭は13睦により行われる。宮本睦、谷中睦、元淀ミツミ、柳橋睦西新宿睦、欅 橋睦、十二社宮本睦、歌舞伎町、角一南部睦、角一東部睦、西口睦 西一睦、角筈睦3丁目がその町会である。流動的な都市空間であるが、新宿西口・東口に存在 する氏子が地域の睦となって地域全体が盛り上がりを見せる。 図7-1 江戸古地図と現代図の共通性から見出される都市の骨格と祝祭巡路

図6-2 用途地域別領域形成と地形的特性の比較

①交流的領域性と地縁的領域性の複合事例 深川八幡祭り [図7-2] 江戸からの歴史性に加え、「水かけ」や特徴的な担ぎ方など独自性を継承。町会神輿50基によ 図7-2 深川八幡祭りに見る都市の使われ方 る連合渡御は拡張会同士の競争性を生じさせる。 ・見せ場となる永代通りの幅員、交通量が多い ・都市の形状を利用した公共空間の性格づけより、→交流性と地縁性が近接した都市空間 ・神酒所における都市空間の読み替え → ハード的公共性

巡行長■、巡路が跨ぐボロノイ数■、巡路が近接(100m)する駅数■

②非日常的な都市空間の事例 御田八幡神社大祭 [図7-3] ボロノイ横断性と駅点接続性が見出される ゾーニングからの横断性の事例

地形横断性と点滴要素の事例

氏子区域の拡大により神輿を担いで渡ることが出来なくなりトラックで渡御。 かつての氏子区域から、埋め立てにより新しくつくられた土地まで、異なる様態の まちを横断する。→

③日常的な社会システムの事例 赤坂氷川祭 [図7-4] NPO法人赤坂氷川山車保存会により山車を深津、保存、継承を行う。祭礼時には駅前に山車を

展示。赤坂氷川神社の赤坂氷川山車保存会(NPO法人) → ソフト的公共性 ④観光的側面を充実化した事例 神田祭

図7-3 御田八幡神社大際にみる 非日常の事例

江戸天下祭としての歴史性に加え、東京藝術大学による山車の出展やキャラクターをモチーフ とした山車の巡行などの新規性を取り入れ、観光的側面を充実化。

高等学校 中学校

⑤住民の地域参加意識の高い祭りの事例 小野照崎神社例大祭 教育施設

保育園 小学校

公園 寺院 神社 駐車スペース

高等学校

地域の結合が強く「まちの祭り」としての意識が強い。陰祭においても本祭に劣らぬほどの賑 わいを見せる。かつての寺町の様態を強く残している。

コンビニ

小学校

■地縁的な領域と駅圏の領域の複合性についての考察[第8章] 都市祝祭は存在を現代に残すにあたり、江戸からの空間領域と地域の骨格となる空 間形態に基づきながら、巡路の微細な変更における「柔軟性」と外部からの「参与 性」によって維持されており、そこに地域ごとの生活動態・都市形態の特性が現れ ている。

災害マップからの領域横断性と点的要素との接続性 ■巡路による物理的な都市空間把握性についての考察 都市祝祭巡路が潜在的に持つ、都市の面的領域の「横断性」と点的要素の「接続性」は、現代都市のゾーニングや鉄道駅圏によって色づけされる都市空間 にも適用でき、それは現代都市において地域の特質を知覚させる空間認識の拡張性を潜在能力として含んでいると考えられる。

図7-4 赤坂氷川神社の赤坂氷川山車保存会による保存と継承 ■横断的考察 本研究において対象とした都市祝祭巡路は、分析1よりボロノイ駅圏横断性と駅点接続性を有しており、これは都市空間把握手段に加えて、駅間を徒歩で繋 ぐ構造のポテンシャルであると言える。 分析2より鉄道駅圏と地縁的領域の複合する部分には、その対処として地域の生活動態や都市空間の特質を表出した「柔軟性」や「参与性」が見られる。 つまり、都市祝祭巡路は流動的な都市空間において、鉄道駅が創り出す商業的な領域性に複合して、既存都市空間の特性を表出させる新しい領域・コミュニ ティを創り出す一助となる潜在能力を持っていると言える。

■参考文献

■結論 都市祝祭巡路は、既存都市空間における面的領域の「横断性」と点的要素の「接続性」が共存する性質を潜在価値として持って

ボロノイ線の横断性 → 駅圏を脱した都市認識の可能性

駅が集中するエリア(千代田区など)における、都市的なスケールでの存在(非日常性により)

日本建築学会大会 『都市祝祭空間の解読から進める都市デザインと震災復興計画への視座』川原晋、岡村祐 2011 卒業論文 『東京23区の人口動態からみる専門店集積地の研究‒ボロノイ駅圏マップによる人口の可視化‒』 竹花洋子 2010 卒業論文 『鉄道高架下空間と都市の関係性の研究‒東京23区を対象として‒』  吉田遼太 2009 江戸文化研究会編 『江戸 祭・縁日地図』  1983 柳田國男 『柳田國男全集 13』 筑摩書房 1990  松平誠 『祭りのゆくえ 都市祝祭新論』 中央公論新社 2008 松平誠 『都市祝祭の社会学』 有斐閣 1990 宮元健次 『神社の系譜 なぜそこにあるのか』  光文社新書 2006 三橋健 『神社の由来がわかる小事典』 PHP新書 2007 鶴岡静夫 『神社の歴史的研究』 国書刊行会 1992 岩間香・西岡陽子  『祭りのしつらい 町家とまち並み』 思文閣出版 2008 中沢新一『アースダイバー』 講談社 2005 越沢明 『東京の都市計画』 岩波新書 1991

芳賀直哉 『南方熊楠と神社合祀‒いのちの森を守る闘い‒静岡学術出版 2011 川原晋 他「特集 1 都市の祝祭空間」『季刊 まちづくり 36』学芸出版社 2012 宮内泰介 『コモンズをささえるしくみ レジティマシーの環境社会学』 新曜社 2006 篠原雅武 『公共空間の政治理論』 人文書院 2007 栗田靖之編 『日本人の人間関係』 ドメス出版 1987 平山洋介 『都市の条件―住まい、人生、社会持続』エヌティティ出版 2011 新雅史 『商店街はなぜ滅びるのか』  光文社新書 2012 宮本卯之助 『神輿大全』 誠文堂新光社 2011 木下直之・福原敏男 『鬼がゆく 江戸の華 神田祭』 平凡社 2009

おり、それは個人の都市認識の拡張性を高める要因となると言える。都市祝祭は、巡路の「柔軟性」と外部からの「参与性」に よって存在を留めており、そこに地域の特性が表出している。これらの考察により、既存都市空間の特性を表出させる新しい領 域・コミュニティを創り出す一助となる潜在能力を見出すことができる。

■展望 徒歩による都市認識は、昨年の震災以後、防災的な側面で見直されている。地域に根付いた祝祭と防災計画を融合することで、 より効果的な地域防災へと繋がるのではないか。 また、高齢化が進む現代において、高齢者の社会孤立を防ぐ意味でも、本研究は地域共同体と鉄道駅圏を複合させた都市型コミ ュニティの計画の手がかりとなるのではないか。


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