軸力ドームの理論とデザイン

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軸 カドームの理論 とデザイン

1995笙 3月 「

菊 竹 清 訓


序論

1章

00 1 0・ 2 0・ 3 0・ 4

研 究 の 背 景 と我 が 国 の ドー ムの 歴 史

3 7 8

軸 カ ドー ムの 理 論 とモ ア レ法 実 験

15

は じめ に 研 究 目的

一 方 向軸カ シ ェル

・・・・・・ ・・

00・

0・

00・

。・・ ・・ ・・ ・

00・ ・・ ・ ・ 。・ 。・・ 0 21

立 花 町体 育 館 第

2章

円形平 面 の 軸 カ ドー ム 新 潟市 民文 化 会 館

第 3章

39

・ ・・ ・ 0

55

0

87

計画案

楕 円平 面 の 軸 カ ドー ム 南 勢 町 クラ ブハ ウス 多角形 平 面 の 軸 カ ドー ム

401

9   7

4章

・・

5 7

0・ ・ ・ ・ ・・ ・ 000000・

正 三 角 形平 面 の 軸 カ ドー ム ベ ル ナ ール・ ビュフ ェ美術 館

4・

2

正 方 形 平 面 の 軸 カ ドー ム 新 国技 館 計 画 案

403 第

5章

正五 角形、正六角形、正八 角形平面 の軸カ ドーム 00106

長方形平面 の軸カ ドーム ・・・・・・・ ・・・・・ ・・・

111

関西 国際 空 港 タ ー ミナ ル 第

6章

601 602 結論

o0000000000・

131 川 崎 市 市 民 ミュ ー ジ ア ム ・ ・ ・ ・ ・ 00・ ・ e 135 な ら 0シ ル ク ロー ド博 パ ビ リオ ン 000000 149

不 規 則 平面 の 軸 カ ドー ム ・ o・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0 0 ・ ● ● ●o o o ●o ●

参 考 文 献 3 0 0 o o● ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・

0000・

・ 0・

175

0000 181



0・

1

は じめ に

ドー ム とは 凸 型 の 曲面 で 構 成 され た 構 造体 を総 称 して い い 、構 成 材 は主 と して圧 縮 に よ って お り、一 部 に 引 っ 張 りや 曲 げ が 、 お こ る場 合 も含 まれ る。 そ の 中 で 、 軸 力 を主 とす る ドー ム を取 り上 げ 、軸 カ ド ー ムの 計 画 の 決 定 方 法 につ い て述 べ て い る。 ドー ムの 計 画 は 他 の 建 築 と 同様 、本来 、 芸術 と技 術 が一 体 と して 結 び あ い 、造 形 と構 造 は一 人 の 建築 家 に よ って 計 画 され て き た。 しか し、今 日、職 能 分 化 が す す み、一 般 的 に 建 築 家 と構 造 家 の 協 力 の もとに計 画 され る よ うにな って い る。 職 能 分 化 した こ とで 、 2つ の 領 域 が 独 自の 分 野 で進 展 し、 高 度 化 した こ とは事 実 で あ るが、 反面 2つ の領 域 相 互 の 関係 に は、 か つ て の 緊密 な つ な が りはな くな り、 相 互 の フ ィ ー ドバ ックか ら得 られ る新 しい展 開 も期 待 しに く く、造 形 と構 造 の一 体化 した計 画 は、少な くな って き て い る。 しか し、

2人 の す ぐれ た 構 造 家 は 、次 の よ うに述 べ て

い る。 ネ ル ビー は、「 構 造 の 合理 性 は 、造 形性 と一 致 す る」 と、 ま た ワ ック ス マ ンは「 建築 の 構造 と美 は 対応 す る もの で あ る。 」 と くに新 しい 建築 の 計画 で は、造 形 と構造 の 2つ の 領 域 相 互 間 の 緊 密 不可 分 の 関係 が 求 め られ るが、 そ の た め の 方法 は、 十 分 で は な く、構 法 と一 体 とな った 方法 が 必 要 とな って い る。 と りわ け大 空 間を覆 う ドー ムの 計 画 に、 造 形 と構 造 を つ な ぐ、新 しい ドー ムの 構 法 と、 そ れ を検討 す る方 法 が あれ ば 、 よ り総 合 的 な 計 画 に 役 立 つ もの と思 わ れ る。

り0


表 0・

1

竣工 年

1953 1959 1963 1967 1970 1971 1972 1973 1982 1983 1984 1984 1985 1985 1986 1986 1987 1987 1988

戦後 日本 の主 な ドームの歴 史

RC

愛媛県民館

丹下健三

S

東京国際貿易 セ ンター2号 館

村 田政真建築設 計事務所

オ リンピック選手村食堂

菊竹清訓建築設計事務所 (計 画案 )

S

立花町体育館

菊竹清訓建築設計事務所

S

真駒内屋 内 スケー ト競技場

中山克 巳建築設計事務所

S

秋 田県営 スケ ー ト場

久米建築事務所

S

ベルナール・ ビュフェ美術館

菊竹清訓建築設計事務所

S

名古屋国際展示場

竹原火力発電所 3号 館屋 内貯炭場 大阪城国際文化 スポーツホール ート セン アイランドスポーツ ター 神戸ボ 体育館 小平市民総合体育館 青森県営屋 内 スケ ー ト場

日建設計

S S S

電源・ 開発土木 部 目建設計 昭和設計

S S

岡設計 久米建築事務 所 キ タム ラ ア ソシエ イツ

佐野弥生高校格技場

W

安代町立 田山体育館

環境 開発研究所

RIA建 築総合研究所

那智勝浦町海浜講演多 目的体育館 名古屋市総合体育館第 1、 2競 技場 国際 花 と緑 の博覧会 ・ シル ク ロー ド博 なら

梓設計

NTT館 W

菊竹清訓建築設 計事務所 (計 画案 )

総合案内所・ テ ーマ館

土 井鷹雄 ア トリエ

W

登大路会場 パ ビリオ ン

1988 1988 1988 1989 1990 1990 1993 1993 1994 1994

小国町民体育館

W

川崎市市民 ミュージアム

S RC sRC

関西国際空港 ター ミナル 東京国際 フ ォー ラム

菊竹清訓建築設計事務所 葉 デザイ ン事務所 菊竹清訓建築設 計事務所 菊竹清訓建築設計事務所(計画案 ) 菊竹清訓建築設計事務所 (計 画案 )

秋 田中央公園

W

前橋公園イベ ン トホール

・平 田 ・坂本 JV 松田

S

新潟市民文化会館

菊竹清訓建築設計事務所 (計 画案 )

こまつ ドーム

菊竹清訓建築設 計事務所 (計 画案 )

熊本県民総合運動公園屋 内運動広場

S

南勢町 クラブハ ウス

-5-

W

菊竹清訓建築設 計事務所 (計 画案 ) 菊竹清訓建築設 計事務所


0・

2

研 究 目的

軸 カ ドー ムの 決定 要 素 に は、 平 面 の 形状 と規 模 と天 丼 の 高 さが あ る。 これ らは利 用 目的 に よ って 広 が りと高 さ を 決 定 す る こ とにな る。 軸 カ ドーム を合理 的 な 構造 とす る に は、 ドー ムの 曲率 、 ラ イ ズ 、 さ らに半径 な どが 関係 す る の で、 これ らの フ ァク タ ーの組 み 合 わせ を微妙 に変 え て 、 よ り妥 当な もの を選 択 を して い くこ と とな る。 ド ー ムの 決定 に は 3次 元 的 な 計 画 が必要 で あ り、 そ こ に 構 造 と造 形 との 緊 密 な 関係 を 明 らか にす る こ とが 、 この 研 究 の 契機 とな って い る。 す な わ ち機 能 的 に 最 小 限 の 平 面 、 高 さを決 め るに 当 た り、 よ り合理 的 な 構 造 とす る に は、 そ こに一 つ の方 法 が 必 要 で 、造 形 の 側 か らは モ ア レ法 、 また構 造 側 か らは膜 の 理 論 値 で 検 討 して い く こ とにな る。双 方 か ら検 討す る こ とがで き る の で 、 この ア プ ロー チ に よ って ドー ム は 造 形 と構 造 の 両方 か ら計 画 の 決 定 がで き る こ とにな る。 そ もそ も ドー ム は 無柱 大 空 間を合理 的 に 架 構 す る構 造 技 術 的な解 決 で あ り、単 に造 形 性 だ けで な く構 造 的 な 合 理 性 を 同時 に 見 い だす こ とが 必要 で 、 その 両 方 が矛 盾 し あ う こ とな く、相 互 に効 果 あ る 関係 を生 み 出す ため の 計 画 の 手 法 とす る の が この 研 究 の 目的 で あ る。

-7


以 後 シ ェル は、Spacial Structure と呼 lず れ る よこうに な り、 シ ェル 構 造 、 折 板 構 造 、 サ スペ ンシ ョ ン、 ス ペ ー ス フ レー ム 、 ニ ュ ー マ チ ックな どを包 含 す るよ うに な っ た。

Spacial Stmctureに つ いて は、「 構造 体 の 自重 が い よ い よ軽 減 され 、 大 スパ ンに 対 す る基 本 的有 利性 を導 く、 力 学 的特 質 が あ る。 」 こ とが 明 らか とな って きた 。

1960年

以 降 の 我 が 国 は一 般 的 ドー ムの 実現 が 増 え て

きた、 そ の 背景 に はお お よそ次 の よ うな理 由が あ る と考 え られ る。

1) 2)新

ドー ムの 理 論 的解 析 が進 ん で き た こ と。 構法 、 新 材 料 の 開発 が 当初 、 RC、 つ づ い て 鉄 骨 で著 し く進 ん だ こ と。 これ に我 が 国 が 世 界 一 の 鉄 の 生産 国 に成 長 した こ と も関係 して い る と思 われ る。

3)社

会 的ニ ー ズ の 拡 大 。 ス ポ ー ツ施 設 (屋 内体 育館 、水 泳 プ ール な ど ) イ ベ ン ト施 設 (メ ッセ 、 ア リー ナな ど) 産 業用施 設 (工 場 、 倉庫 な ど)′ 宗教施設 文 化施 設 そ の 他 (空 港 タ ー ミナル な ど) 大 空 間 の 利 用 が ひ ろが って き た 。

4)美

観 と環 境 との 調 和 は、 雄 大 な スケ ール に よ る シ ンボル 性 と、 一 方 周辺 環境 お よび 自然環 境 との あ い だ に調 和 が 求 め られ ドー ム は、 そ れ らを矛 盾 な く満 たす 可能 性 を 大 き くも って い る こ と。

-9-


本論文では、基 本 的な「 軸カ ドーム」 の計画か ら出発 し、次第 に幾何学的多角形平面 へ の適用、さらに不規則 平面な らびに有機的平面に応用を拡げ、その実施例 とし て実践 しているところに特徴があ り、 この実践 に「 モア レ法」が有効であることを明 らかに している。

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糞ポ s稿く ヽR キ R かヽ沐 ・レ 同 ヽ ↑            く 12理終 R ^\卜 ・トー ーミ ヽトヘ R aく                    く 12 ″ミ ト 三 二 ・卜 、ヽKヽ 、心ヽ い            く 12調終 R いヽ卜 ・ミ ニK、 ′0饂                    く 12ヽ ヽキ ヽ ヽて K ・2 、 ヽ2 レ ∽                く !2 eヽ ヽて K R いヽ卜・ k ハ ヽ大 ︱ 可︱ ︱ の          く12 ︰K lK

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R いヽ沐 の        桜撫せ朴 K くヽ Hミ ニ︰ ヽ R かヽ卜 の        率ぐ漱 趣 皿熟朴 K ヽ ヽくヽ 日ヽ十 ヽ ・、ふ ヽ﹁へ+ ヽ ∽                  KゝK ︵︰I K ヽ ふ R ∽      桜 ミ かヽ卜攣 ミ ーヽ い工ヽ中 R か ヽ R ・ホ く I R o麟 ミ ー 半 ・ミ ヽ ヽ か ヽ 卜 朴 К や ヽ い ヽ

R さ ヽR ・ヽ 二K ︰ l J ∽                    く 1 2 ロ ヱ K ト R い ヽR ︹ ︺  く 卜 ヽ ヽ K ヽ ! % Kヽ ︰く ヽ 、知 卜 ^ヽ ヽ ・レ ー ロ o鋼        K ヽK ︵ l % K e l知 ミ そ ﹁ H卜 ・ヽ︰ミ ヽ の          ヽ 長 ヽ知 KK 眠 e n Hホ

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︵ 使 女 せTT o図  ︻ ム 占図︶ く 1 2 0 味 刹 ︼占 占 R

-13-

_ 〇 ∞

_ ∞

N 卜

N N Φ

N ゛

崎 、 ∞

∼ ∞ ―

_ N N N o o ∞ 一 卜 ― Φ


004

軸 カ ドー ム の 理 論 と モ ア レ法 の 実 験

ドー ム は 、利用 目的 に よ って 形 態 が 異 な り、 そ の 規 模・ スパ ン (平 面 寸法 )・ ラ イ ズ (高 さ )が 決 め られ る 。 荷 重 と して は、 構 造材 料 の 自重 及 び 外 力 と して 積 雪・ 風 圧 が あ り、水 勾 配 の 処 理 と、 架構 の 構 造 方式 及 び 構 造 材 料 で 適 切な形 態 が 求 め られ る。 ドー ム に用 い られ る構 造 材 料 には、 古 くは泥 や 木 造 も あ った が 、 そ の 後 、 石・ プ ロ ック・ レンガ な どに よ る組 積 構 造 が 加 わ り、 1850年 代 以 降新 しい人工 材 料 で あ る コ ン ク リー トや 鉄骨 が 用 い られ るよ うにな って、 ドー ムの 巨大 化 がお こ り、 さ らに膜 材 な ど多 様 な 利 用 が 今 日見 ら れ る よ うに な って い る。 これ らの 諸 材 料 に よ って ドー ムの 形態 は 変 わ って くる が 、 軸 カ ドー ム で は構 造 と形 態 の 間 に 密接 な 関係 が み ら れ る。 この 関係 を 、 鉄 骨 お よ び 木 格 子 の ドー ムの 実 例 を挙 げ て 構 造 力学 の 理 論 と モ ア レ法 に よ る実 験 で 、 軸 カ ドー ム の 計 画 を扱 ったの が 本 論 文 で あ る。 軸 カ ドーム とは 、主 と して圧 縮 部 材 で 構 成 す る殆 ど 曲 げ の な い 架構 で 平均 化 され た圧 縮 力 とい う、構 造 的特 性 を も った もの を い う。 この ため理 論 的 に は 偏 微 分 方 程 式 を使 って た わ み を求 め る こ とが で き る。 一 方 、形 態 決 定 に は 薄 膜 逆 転法 が応 用 で き る。 内圧 を 受 け る薄膜 は、 引 っ張 り応 力 しか生 じな い か らで 、 これ を利 用 したの が「 モ ア レ法 」 とよぶ モ デル 実験 で あ る 。 以 下「 軸 カ ドーム の 理 論 」 と「 モ ア レ法 の 実 験 」 に よ る計 画 につ い て述 べ る 。 -15-


まず 、 軸 カ ドー ム 解 析 の 理 論 に つ いて 述 べ た い 。 (註 2) い ま 図 004-4の よ うに一 様 に 引 っ 張 られ た 薄膜 に 下 か ら等 分布 荷 重 を加 え る と膜 はふ くれ上 が る。 そ a

図 004-5は この 部 分 の

b

i風

の 膜 の 部 分 dx X dyに つ いて 考 え る。

xz面 に平

adで は、 膜

行 な 断面 とす る。 辺

の 傾 斜 は ∂z/∂ xで あ るか ら、 そ そ 点 の 垂 直力 は T(∂ z/∂ x)で あ る 。

dXだ け右 の dcの 辺 で は、 傾斜 は 変 化 す るか ら垂 直 力 も変 わ り、 ∂ 2z T― 十一―― dx ∂x ∂ x2 とな る。 両者 の 差 に 辺 の 長 さ dy ∂z

を か け た もの が この 部 分 の

x方 図0・ 44

向で の 垂 直力 の 差 で あ る。 ∂2z

T ttT2d X・

等分布荷重 を受 ける一 様 に 引 っ張 られた膜 のたわみ

dy

y方 向で も同様 に 次 の よ うにな る。 ∂2z

T丁

dy・

dX

これ らの垂直力 の和 は等分布荷重 と釣 り合わなけれ ばな らない。 すなわ ち、

e.d x.d y +r

∂2z U

*zd

y.dx*,

022 ∂ x2

022 = ∂ y2 T

図004・ 5 ∂ 2z

U

&/t4.. ――― +― ―一

q

dX―

xz面 に平行 な断面 にお ける膜 に働 く弓│っ 張 り力

y.d x:0

"rd

(1)

とな る。 これ が膜 の たわみ の 微分 方 程 式 で あ る。 膜 の た わ み を求 め る こ とは

(1)式 の解 を求 め る こ とで あ る 。 -17-


(2)モ ア レ法 に よ る実 験 この 膜 の たわ み を視 覚 的 に 測 定 す る に は モ ア レ法 が 便 利 点光源

で あ る。 (註 4)

S

全 体 の 変 位 の 状 態 を視 覚 に よ って 求 め られ る し、装 置 が 簡 単 で あ る こ とが 特 徴 で あ る。 図 に 示 す よ うに物 体 の 前 に ビ ッ チ

s平 行 直線格 子 を置 き、

格 子 か ら ′の 距 離 に あ る点 光 h ′

す 。照 明光 は格 子 に す き 間を

図 0・ 47

通 して 物 体 を照 明 し細 線 で 示

モ ア レ法 の 原理

す よ うに扇 状 に広 が る。 同 じ く格子 か ら ′の 距 離 に 瞳 を置 き物 体 を 見 る と、 見え る範 囲 は 同様 に細 線 で 示 した 扇 状 部 分 の み で あ る。 従 って 物 体 表 面 で照 明 され た 範 囲 と見 え る範 囲 とが合致 した 部 分 の み が 明 る く見え る。 N=1は 初 め て 、 N=2は

2番 目

この 2つ の 範 囲 が 交 わ る、す な わ ち明点 の 次数 を示 す 。 物 体 上 に は格 子 面 か ら一 定 の 距 離 の 明点 が 集 ま り等 高 線 が見 られ る。 図 0047で は右 に行 くほ ど、 等 高 線 の 間隔が増 して い るが 格 子 の ビ ッチ もが 非常 に 小 さい と、 その 間隔 はほ と ん ど等 しい 。等 高 線 の

1縞 の 高 さは、 解 析 で 判 って い る

膜 の た わ み を実験 して 検 定 す る の が 便 利 で あ る。 これ は 建 築 家 に と って 、 構 造 を決定 す る上 で 有 効 で あ る。

-19-

︱   ・

Sに よ り格子 を通 して照 ら

︱ ﹁ 1   ・ ︲


1章

一 方 向軸 カ シ ェル


一 方 向 の 軸カ シ ェル は、 軸 カ ドー ムの特 別 な 場 合 と して 一 方 向 が 軸 カ ア ー チ、 他 方 向 はそ の 連 続 の 場 合 が あ る。 図 にて 断面 が y方 向に連 続 して い る。 この 場 合 は yに 無 関係 で あ るか ら、膜 の たわ み の 微 分 方 程 式 は次式 とな る。

q

T ド ⊥

∂ 2w

T

∂ x2

w:ド ームの高 さ

この 解 は

w_ x2q

2T x=± a

とな る。

a― ―

C:定 数

一+C

w=0

にて

国1-1 -方 向の膜 の た わ み

より

a2q

C=― ―

― ―

2T

故に

w=―

l

2

(a2-x2)_

q

(2)

T

とな って ドーム の 高 さは放 物 線 で あ る。

X=0

にて

2a=2

\[."r:-

12

とお くと

q

8T-

f:ラ イズ

- f

これより q12

T=― ‐ 一 8f

(3)

を得 る。 これ は ア ー チが 単 独 に存 在 す る とき の 解 に一 致 す る。

-23-

a一

― ′


この 場 合 の 例 と して 次 の 体 育館 が あ る。

立 花 町 体 育館

写 真 11

建 築 主 /立 花 町 所 在 地 /福 岡県 八 女郡 立 花 町 構 造 規 模 /鉄 筋 コ ン ク リー ト造 一 部 鉄 骨 造 敷 地 面 積 //2, 延 床 面 積 /2, 施

2階

475ぶ 360ポ

工 /間 組

施 工 期 間 /1967年

3月 ∼ 1967年

-25

12月

立花町体 育館


小 規 模 な 体 育館 の 屋 根 構 造 に一 方 向軸カ シ ェル を用 い た 。 折板 に よ る鉄 板 を利 用 したオ リン ピ ック選 手村食 堂 (注

)(1964)の 屋根 を 発 展 させ た 構 造 で あ る。 選 手村食 堂

の 場 合 は折 板鉄 板 を 二 重 に して 架 け渡 して い るが、 スパ ンが伸 び る と、 さ らに二 重 にす る とい った 解 決 が必 要 と な る。 構 造 を よ り合 理 的 にす るた め 、 折板鉄 板 の 屋根 と 天 丼 の 間 に、垂 直 に トラスを入 れ た 解 決策 が 一 方 向軸 力 シ ェル とい う この 新 しい構 造 屋 根 で あ る。 この 計 画 を シ ェル と い って い る の は、 形状 が プ レー ト に対 して 変 曲 して い る こ とか ら ドー ム と区別 した もの で あ る。 この 計 画 で は、 大 スパ ンの 屋根 架 構 が この 施 設 の利 用 形 態 の 多 目的性 (体 育 館 、集 会 、 コ ンサ ー ト、 農 産 品集 荷 所 な ど)に 適 した もの で 、か つ 現 場 の 立 地 が 構 造体 の 製 作 工 場 に遠 い こ とか ら、 町 立 施 設 と して の 限 られ た 予 算 の 枠 内 で 計画 す るた め、

(1)で き るだ け単 純 単 一 な材 料 (2)現 地 で の 加 工 が 容 易 で あ る (3)天 丼 に鉄 骨 骨 組 を 露 出 させ な いで 仕上 げ る 以 上 3条 件 を前 提 と して可 能 性 の 検 討 を した 。

(注

)東 京 オ リンピックの際 に建設 された、鉄骨造 の食堂

図1-2 オ リンピック選手村食堂断面図 27-

(1964)


す り合 わ せ を行 い 、 桁 か らの チ ャ ンネ ル を 妻 側 に まわ し て 軒 を 水平 に通 す デ ィテ ー ル に よ って、 単 純 な 外観 を実 現 で きた 。 この 実 現 に は二 つ の 問題 解 決 が 妻 側 で必 要 で あ った 。

(1)ト ラス 梁 の 先 端 を 尖 らせ る。

(2)長 尺折板 の 曲率 を少 しず つ 変 え る。

端 部 の 処理 は 、施 工 に際 し一 部 現 寸 モ デ ル を つ くり 確 認 の 上で工 事 を進 行 させ た。

一 方 向軸 カ ドー ム シ ェル の 造 形・ 構 造 の 評 価 に つ い て は

(1)コ ス トが 予 定 にお さま った (低 コス トの 大 スパ ン 架構 の 実 現 )

(2)外 観 が航空 機 の 翼状 の ス レンダ ー な 架 構 とな った 。 鉄 量 は仕上 げ を兼 ね た 長尺 折 板 10kg/ボ を含 め

40kg/ぽ 。

(3)施 工 は、 単 純 な 梯子 状

トラス 梁 と現場 加 工 に よ る

長 尺 鉄板 の 組 み 合 わせ で、 特 殊 技 能 者 の 必要 はな か った 。

(4)屋 根 は 自然 に 雨 水 処理 の で き る水 勾配 が 得 られ 、 天 丼 の緩 や か な 曲面 で音 響 上 の エ コー (床 面 との 共 鳴 )も 解 決 で き設定 した 条件 を ク リア ー で きた 。

-29-


図 13(a)配 置 図 図 13

立 花 町体育 館 -31-

縮尺 1/1oo0


図 13(c)立 面 図・

縮尺 1/500

1

1   2   3

図 13(d)立 面図・ 2

縮尺

1/500

図 13(e)断 面 図

縮尺

1/500

屋 内競 技 場 ロ ピー エ ン トラ ン ス ホ ー ル

構造 イ メ ー ジ図

30,00o

-33-


五×親 3 薫る “ 2-45×

40X12o

L` f,-?5x45x

15x2.3

図 17屋 根取 り付 け詳細 図

写真 卜2 立 花町体育館 内

-35-


この 解 は、上 下 弦 材 が 軸 力 の み 受 けて い る と して い るが、 実 際 の 弦材 は 曲 げ 剛性 が 高 く、か つ

3mお き に 支持 され 、

個材 の 曲げが生 じる。

図 19の よ うに 0.lt/mを 等 分布 荷 重 と して 計 算 す る。

図 1-8 部 材 寸 法 部材 上弦材

折板 S=60(t=1.2)A=12.2m2Lx=726.7m

Zx=66.7cm 2/幅

下弦材

折板 S=60(t=0.8)A=6.OoE2 Lx=373.3ロ

Zx=34.Ocコ 2/幅 1日

[-75× 45X15× 2.302000

0。

lt/ロ

図 1-9 レンズ形屋根 の等分布荷重

-37-

1日


2章

円形 平 面 の 軸 カ ドー ム


円形平 面 の 軸 カ ドー ム 平 面 が 円 とい うの は最 も単 純 な 形 態 と して い ろ い ろな 利 用 に供 せ られ る ドー ムの 最 も基 本 に な る形 で あ る。平 面 に対 して 立 体 的 に は ドー ムの 高 さ (ラ イ ズ )が 問題 と な る。 ドー ムの利 用 と して は い ろ い ろな イベ ン ト、 集 会 、 ス ポ ー ツな ど考 え られ るが 、 内部 空 間 は そ れ らの 利 用 目 的 に応 じた 高 さが要 求 され る。 この 要 求 内容 にふ さわ し い 容積 、 特 に どの くらい の ライ ズが 必 要 な ドー ム で あ る か 、 そ して これ を どの よ うに構 造 的 に解 決 す るか が ドー ム 計 画 の 課 題 で あ る。 基 本 的 に ドーム は きわ め て 単純 な全 体 架構 計 画 に基 づ くもの で 、 架構 に と って は、 と りわ け屋根 材 が コ ン ク リ ー トか らだん だん 軽 い もの に移 って きて い る現 在 、骨 組 に よ る ドー ムの構 築 の一 つ と して軸 カ ドー ム が あ る。 一 方 、 ドー ムの 構 築 は周辺 に生 ず るス ラス トに対 す る 処 理 が必 要 とな る。例 え ば、 テ ンシ ョ ン・ リ ングで これ を解 決す る方法 や、 あ る い は 円形 平 面 の 周辺 部 に梁 を 回 して 、 リ ジ ッ ドに ス ラス トを受 け るな どの 解 決 が あ る。

-41-


膜 実 験 は 0.5mm厚 の ゴ ム膜 を用 い 、 空 気 圧 を 加 え て 行 って い る。

p“ 、sure

q

(∞ mpressOr)

図22

膜実験模式図

れ との理 論 値 を比 較 した もの が 図 23で あ るが 、 よ く

こ  一

この 場 合 の モ ア レに よ る等 高 線 が 写真 卜 1で あ る。

致 して い る。

― _コ 150

図23

1

円平面 の場合 の断面

単位 mm

理論値 モ ア レ実 験 値

写真 21

円平面 の膜実験

この 曲面 の縦 断面 は放 物 線 で あ る。 回転 放 物 線 面 はす で に 正 確 な 解 が あ る。 (註

5)

すなわち、図か4に て

1+k21 6k 2{(1+k2)2_√ N。

=

qc

Nψ √ c tt k 2

2x k=― 一―

図 2-4

C

で 表 され る。

-43-

r2 C=―

――

f


全体 を大 きな ドー ム で 覆 って 、 これ に 半透 明 の 膜 を掛 け、野 外劇 場 と 同 じよ うな 効 果 の オ ー プ ン劇 場 とそ の 内 側 に不 透 明 0遮 音 材 料 で 囲 った 天丼 、壁 に よ るオ ー ソ ド ックスな劇 場 の 二つ を配 置 す る案 で あ る。 この よ うな 劇 場 の 空 間構 成 は 、オ ー プ ンな劇 場 と ク ロー ズ ドの 劇場 の 組 み 合わせ とな り、 二 つ の 対 比 的劇場 の 組 み 合 わ せ に よ る効 果 と、 劇場 と劇 場 の 間 は 路地 空 間 と して 、 こ こを演 劇 博物館 に使 い 、また記 念 の 展 示 な どが で き るよ うに し、 さ らに これ を 見学 者 の ル ー トと して 楽屋 と舞 台 、 リハ ー サ ル 室 等使 用 して い る と き は遮 断 し、 使 って い な い 時 に は 見学 者 に 開放 し、 舞 台裏 まで入 り込 ん で 見学 で き る と い った新 しい空 間構 成 を 計 画 の骨 子 と した 。 ドーム を取 り囲 む 外 周 パ ー キ ング の 最 _L階 は レス トラ ン、喫 茶 室 、食 堂 を配 置 し、売 店 な どを ネ ック レス 化 し て屋 上 サ ー ビス施 設 の リング と し、 外部 か らの 利 用 に ひ ろ く開放 で き るよ うに した 。 この よ うな軸 カ ドー ム で 総 合 的劇 場 空 間を合理 的 に 覆 った 場 合 、造 形 的 に は 夜 間 の イ ベ ン トは 外 部 か らみ て 、 ドー ム が ち ょ うど提 灯 の よ うに明 る く輝 い て 見え 、 また 昼 間 の オ ー プ ン劇 場 で の ロ ック コ ンサ ー トは、人工 照 明 な しで 開演 で き る こ と とな り、 省 エ ネ ル ギ ー型 の ホ ー ル とな る。全 天候型 の イ ベ ン ト開催 可 能 な劇 場 の コ ンプ レ ックス は、 気 候条 件 の 悪 い 新 潟地 域 にお い て、 利 用 率 の 向上 に資 す る こ とにな る 。 構 造 側 か らみれ ば、 周 りの RCの パ ー キ ン グは ドー ム の ス ラス トを処理 す る こ とが で き、構造 的 に 明快 な解 決 とな る。 な お 軸 カ ドー ムの 中央 には劇 場 の フ ライ が 一部 ドー ム を突 き抜 けて ドー ム にか か る横 力 を負担 し、 こ こ

-45-


「 新 潟市 民 文化会館

計画案 J(1993)

所 在 地 /新 潟県新 潟市 構造 規模 /鉄 骨鉄筋 コ ンク リー ト造 一 部鉄 骨造 3階 建 敷地 面積 /80,

564

延床 面積 /t9,200

ボ ぶ

計画 時期 /1993年

写真22

新潟市民文化会館

図 25(a)断 面 図

1音 楽 ホール

2演 劇 ホール 3能 楽堂

図25(b)平 面 図 縮尺 1/2000 区125

新潟市民文化会館

-47-


・ ・ ⋮

槙■ 1

罐壽 ︱ ︱ 、

・ ・ ・ ・ ・

11)


写真 2・ 4 新潟市民文 化会館配 置

写真 2・ 5 新潟 市 民文化会館 外観

兵υ


ま とめ ・ 文 化 施 設 の 各種 機 能 の コ ンプ レ ック スに 、軸カ ドーム が 利 用 で き有 効 で あ る こ とを 明 らか にで きた。 ・ ドー ム の ライ ズ は、劇 場 の フ ラ イ を 除 いて 構 造 的 に 決 定 す れ ば よい の で 、経 済 的架 構 を得 る こ とが で き た 。 ・ ドー ムの 経済性 か ら、 よ り広 い 面 積 を カバ ー す る こ と が で きた。

-53-


3章

楕 円平 面 の 軸 カ ドー ム


楕 円平 面 の 軸カ ドー ム ー 般 的 に陸上 競 技 場 の ドー ムの 計 画 で は、 陸 上競 技 の トラ ックを 収容 し、そ の 周 りに観 客 席 を とる必 要 が あ る の で 、 そ の 平面 は 楕 円 にな る場 合 が 多 い 。 円形 か ら楕 円 にい く らか変 形 す る とい う考 え で 軸 カ ドー ム を適 用 す る こ とは 可 能 で 計 画 は 容 易 で あ る。 ドーム は、 そ の 高 さが 全 体 の 内部 空 間 に大 き く影 響 す る の で、 この よ うな場 合 の ドー ムの 造形 的 な 決 定 は、 高 さを い ろ い ろ変 え た 計 画 を模 型 な どで検討 す る必 要 が あ る。 ドーム の 高 さは 大 体 長 軸 の 10分 の 1以 下 とす れ ば、 経 済 的な架 構 とす る こ と が 本 章 で 明 らか にす る こ とがで き る。 また この 検討 に は膜 実験 に よ る モ ア レ法 が 適 して お り、 計 画 を 決 め る うえ で 有 効 で あ る。 この よ うな トラ ック状 の 楕 円形 平 面 に架 けわ たす 軸 力 ドー ム は、 内接 円形平 面 の 場 合 と比 較 す る とい くらか応 力 が 大 き くな るが 、 他 の 架構 に比 べ て経 済 的 な ドー ム と して 計 画 で きる。

-57-


楕 円の場合、複素 関数 と して Z2を え らぶ。

=CiZ2 =ci{(x2_y2)+i(2xy)} Z=x+iy Cl:定 数 φ+iψ

この実部は φ=cl(x2_y2)

でぁる。

これを円平面 の場合 に加えて楕円の解 とす る。 更 に定数を加えて

w=一 妥:│[(x2+y2)+cl(x2_y2)十

C2〕

とす る。 X=a

X=0 y=b

W=0

y=o

W=0

より

1(a2_b2)

Cl=

C2=

4(a2+b2)

l a2b2

2(a2+b2)

とな る。 故 に

q l

W= 下

a2b2

x2 y2

百 Ka2+b2)(葛 レ

-59-

T2 1)

(7)


楕 円平 面 の 軸 カ ドー ム の 例 を 以 下 に示 す 。 「 南 勢 町 ク ラ ブハ ウス 」

(1994)

写真 32

建 築主

/不

動 建設株 式 会社

所在地

/二

重 県度 会 郡 南勢 町

構造 規模

/鉄 骨 造 一 部 RC造 地 上 1階 地 下 1階

敷 地 面積 /2, 延床 面積 / 施

886n12 828m2

工 /不 動 建 設 株 式 会 社

施 工 期 間 /1994年

5月 ∼ 1994年

-61-

10月

南勢町 クラ ブハ ウス


ヨ ッ トクラ ブハ ウ スの 建築計 画 で 、屋 根 は 軸 カ ドー ム と し、透 明膜 をか け る。 敷 地 は五 カ 所 湾 に 面 した 岬 の 先 端 に あ り、 周 辺 地 形 か らみ て 、 風 の 影 響 や 海 か らの 潮 の 影響 は比 較 的 少 な い と 思 わ れ る。 国立 公 園 の た め、 色 彩・ 形 態 に制 限 が あ り、 その 範 囲で ドー ム を ま とめ る必 要 が あ った。 長辺

30m、

短辺

17mの

楕 円平 面 に 軸 カ ドー ム を架

け る案 は 、軽 量 化・ 工 期・ 建築 の 目的 に 対 す る適 合性 か ら決 ま った もの で あ る。 ドー ム は現場 組 立 と し、 それ に透 明膜 (四 フ ッ化 エ チ レン樹 脂 )を か けて 、 荷 重 3

0kg/m2の 構 造 を実 現 し

た。

-63-


図 33(a)配 置 図

*fiiR

図33南 勢町 クラブハ ウス

65

t zooo

\  //

︲ \   \︱

` ヽ ヽ 、 、 、 、 、 、 、 、


図33(d)天 丼伏 図

図33(c)天 丼部分断面図

fffif(

67-

|

/'300


H-200×

10(}×

5.5× 8

図34継 手部分詳細 図

千1ゴー上

図35梁 断面図 1:10

1:10

H-200×

100× 5.5× 8

― 鞣 一 ―一 ―――コ

図36

膜面取付部分詳細 図

-69-

1:5


写 真33内 観

-71-


ま とめ ・ 小 規 模 で はあ った が 、架 構 の 複 雑 化 を避 け る こ とが で き、 部材 断面 は H型 最 小 部 材 で 、長 さ一 定 で 、 生産・ 加 工・ 組 立 が容 易 とな り、軸 カ ドームの 効 果 が よ く発 揮 され た 。

90 ワー


4章

多 角 形 平 面 の 軸 カ ドー ム


正 多 角 形 平 面 の 軸 カ ドー ム 大 空 間 の 利 用 に は 多様 な ニ ー ズ が 考 え られ る が 、 軸 力 ドー ム に よ る解 決 が い ろ い ろ な 平 面 形 に 応 用 で き る こ と を 正 多 角 形 平 面 に 架 け る 軸 カ ドー ム の 章 で 明 らか に して い る。 正 多 角 形 の た わ み を 求 め る理 論 式 は 次 の 通 り。

77


401

正三 角形 平 面 の 軸 カ ドー ム

ドー ムの 形 を球 面 に して考 え た とき、三 角 形 平 面 の 各 辺 が そ れ ぞ れ垂 直 に ドー ム を 切断 し、 その か た ちを ア ー チ とす れ ば、 非 常 に 合理 的 に ドー ム が 架 け られ る。 そ の 実例 と して デ フ ァ ンス に 架 け られ た メ ッセ・ ス ペ ー ス (パ リの C.N.I.T.博

覧会 ホ ールの 3点 支持 の コ

ン ク リー ト ドー ム 1958)が あ る。 この場 合 、 屋根 は コ ン ク リー トの ドー ム で 、 きわ めて 単 純 な 構 造 と して 架 け られ て お り、 三 角 形 平 面 の 各 面 が垂 直 の ア ー チ と して 開 放 的 な 面 にな って い る。 そ の ため 、 ここか ら採 光 、通 風 、 換 気 を あ わせ て 解 決 で き る 利 点 が あ る。 ま た 内部 はス ペ ー ス の 開放 性 とい う面 で 、 きわ め て 効 果 的か つ 独 自の 空 間が得 られ て い る。 こ うい う三 角形 の 平 面 に 架 け る ドーム に 対 して、 も し 仮 に屋 根 の 各辺 を 水平 の か た ちで処 理 を した い 場 合 、三 角 の 三 つ の 頂 点 に お い て、 軸 力 とは 異 な る 曲 げ が 働 くよ うな L反 りの 応 力 が 出て くる。 そ の ため頂 点 の 部分 を構 造 上 なん らか の か た ちで解 決 す る こ とが必 要 に な って く る。 しか し、三 角 形 平 面 に もそ うい った 問題 へ の 対応 を 考 えれ ば、 十分 軸 カ ドー ム が 適用 で き る。

-79


正 三 角 形平 面 の 軸 カ ドー ム は、 この 形 に す れ ば よい 。 上か らの 等 分布 荷 重 に よ って 、 ドー ム には一 様 の 圧 縮 力 が お こ る の で あ る。 ライ ズ の小 さい ドー ム で は、 ドー ム 自重 は 等 分布 荷 重 と考 え て よい 。

(12)式 にて

T弓

r=0

にて

w=f

とお くと

l qa2

(13)

丁 とな る 。

この正 三 角形 に 内接 す る円 の 直径 を 1と す る と 1=a で あ るか ら、

l q12 T=π 「

(14a)

となる。 平面が円の場合 の軸カ ドームでは

l q12

T=蔦

可T

で あ る。 これ と比 べ る と

(14b) (14a)式 は 33%増 しの 軸 力 で

あ る。 な お、 この 場 合 の 膜 実験 で は

f/2は 約 1/7で

の よ うに理 論 値 にか な り近 い たわ み で あ る。

-81-

図4・ 1-2


「 ベ ル ナ ー ル・ ビ ュ フ ェ美術 館 」

建 築 主 /和 晃 開 発 所 在 地 /静 岡 県 三 島 市 構 造 規 模 /鉄 筋 コ ン ク リー ト造 一 部 鉄 骨 造 平 屋 敷 地 面積 /′

7, 800ぽ

建築面積 /

950ぽ

工 /竹 中 工 務 店

施 工 期 間 /1973年

2月 ∼

1973年

11月

写真 4・ 12 ベルナール ・ ピュフェ 美術館

1大 展 示 室

2中 展 示 室

3機 械 室 4 エント ランスホール

図4・ 13(a)美 術館断面図

縮尺 1/600

図 4・

13(b)美 術 館平 面 図 -88-


402

正方形平面 の軸カ ドーム

正 方形 の平面 に ドームを架 けるニーズは少な くない。 そのため正 方形平面に ドームを どう架けるかあ らか じめ ス タデ ィしてお く必要がある。 これには新 国技館 の計画 でスタデ ィを した例 がある。 相撲 の 土俵を中心に して、周 りに観客席を とると、ど う して も平面は正 方形 になる。そ こで正 方形平面に ドーム を架 け るとき、 どの よ うな特性があるかをスタデ ィした。 スタデ ィの結果、軸カ ドーム とするには正 方形 の90° の 四つの角 の部分 にい くらか応力 の変化がでて くる。 した が って正方形平面 の ドームは、その形 が造 形的 に非常 に お もしろい とい う面 と、四隅に生ず る応 力変化を構造的 に どう対処す るか。 この処理 につ いて、 ウエイ トを どこ にお くか構造を主 とす るか、造 形を優先す るかが計画 の テ ーマ となる。国技館 と しての シンボル性を ここでは 出 す こ とに した。図面に示 されているとお り、正方形に対 して軸カ ドームは、よ く対応できるとい うことは確認 さ れて いる。

-85-


計 画 に正 方 形 平 面 の 軸 カ ドー ム を用 い た 例 と して 、 新 国技 館 の た め の 計 画 で あ る。 巨大 架構 の ドー ム を実 現 し、 外観 の 演 出を 図 る と共 に、 ゆ った りと した空 間を確 保 し て 、 快 適 な 内部 環 境 を作 る。 ドー ムの 形状 は 軸カ ドー ム で あ る。 国技 館 は 多 目的 に利 用 され て い るが 、基 本 は 中央 に土 俵 を据 え 、 この まわ り東 西南北 に段 状 の 観 客 席 を配 置 す る平 面 で あ る。 国技館 の 地 下 は パ ー キ ン グ と して い る。 斜 面 の 人 工 台地 の 上 に 架 け る大 ドー ム が この 計 画 で 、 外観 は 四方 か らよ くみえ る。 この ドー ム の ライズ は 造 形 的 に 微 妙 で 内部 空 間容 量 と音 響 的 条件 以 外 の 要素 で決 ま った 。 吊 り物 は 中央 に天 蓋 が あ り、照 明装 置 とと もに荷 重 は あ ま り大 き くな い 。構 造 的 な あ る 巾 の なか で、 よ り 造 形 的 に好 ま しい ラ イ ズ を選 択 す る こ とが こ こで はで き た 。 設 備 計画 で は、 多人数 を収 容 す る施 設 の ため 換 気 量 が 大 き く、換 気 装 置 を天 丼 下面 に取 り付 けて排 気 す る こ と と して い る。正 方 形平 面 で は、 隅部 の 屋 根 面 で い くら か 曲 げ を起 こす こ とが わか った の で、 この 部 分 の 処 理 を 別 に 考 え た 。 な お 平 面 は 多角形 にな るほ ど、 円形 平 面 の 性 質 に近 づ く こ とが 判 った 。

ま とめ ・ 軸 カ ドーム に よ って、 よ り合 理 的架 構 と印 象 的 な造 形 を得 る こ とが で きた。 ・ 造 形 的 ライ ズ の 決定 は、 構造 的 に好 ま し くない の で 、 軸 カ ドーム と して妥 当な高 さ まで修 正 し、 下げ る こ と と した。 ・ 隅部 の 処理 に つ い て、考 慮 が 必 要 な こ とが 判 り、 そ の 対 策 を考 え る こ とと した。 -87-


新 国技 館 計 画i案

(1979年

所 在 地

/東 京・ 両 国

構造規模

/鉄 筋 コ ン ク リー

)

ト造 L部 鉄 骨 造

6階 建

屋 根 テ フ ロ ン1莫

/50, 敷地 面積 ′

0 0 0nl'

延床 面 積 /63,

000ボ

計 画時期

/1979年

写 真 4・ 22

新 国技館 計画i案

Oυ 00


︵佃 8 崎。こ 奏 冊 爛 ヽ ︱ 口K K ハ 心 ‘ハ H ハ ヽ ス 撻﹄奪 性豪 饉 選引

眠 総冊 黙“蝋 画黙 椰 園く 壇ぶ壇 埋榊図 幽絡 目 摂 恒円 恒 恒H

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模 型 の部材 は 、外 形 4.Omm、 肉厚 0.5mmの ス テ ン レス 管 で 、 接 合部 は 下 図 の 様 に した 。

図4・ 24

模型部材接合

形 状 は膜 実 験 に よ り決 め て い る。 ドー ム 自重 は、 傾 斜 の 急 な 部 分 は、 ゆ るや か な 部 分 に 比 べ て 、平 面 に対 して 増 大 す る。 そ れ を考慮 して 、 接 点 の 中 間点 の 座 標 を 出 し、 4点 を結 ん だ 分 担 平面 を各接 点 につ い て 算 出 した 。

-98-


実 験 に先 立 ち、立 体 フ レー ム の プ ロ グ ラ ム に よ り解 析 した 。実験 は、 支持 が ピ ン と 固定 との 中間 と思 われ るの で 、 両 者 に つ い て 行 った 。 荷 重 は l kg/cm2 で ぁ る。

4330

429.6

402.0

3876

4823

430.4

403.2

3889

462フ

413.0

3943

381.3

3761

502■

476′

52.0)

ム96.3

382.2

466.1

ム475

4863

4313

ム63.6

459.1

455.0

452.9

438.5)

377.8)

533.4

502.7

3793)

525.5

図4・ 2-6(aD軸 力 図 (境 界 ピン)単 位 (kgocm) 神側の図 は支点反力、 ( ):内 は 水平反力 を示 す

-95-

t,

5269


︱IL

0

0

2.3

0

S■ :.、

3.9

ゝ ヽ

23

0.01

5.1

K

/

4.0

4“

/ イ "

図4・ 2-6(c)面 内曲 げモー メ ン ト図 (境 界 ピン)単 位 (kg・ c日 )

-97-


0.7・

f

1 0.1

ム.5

1 4.1

/ 2.3

133

/

30

232

・ 一

/

3■ 2

4a9

03

4ム .5

61.9

lQト

25

23

15

図4・ 2-7(b)面 外曲げモーメン ト図 (境界固定 )単 位 (kgOc■ ) 図 の 部材 線 の 上 側 は 部 材 の上 端

-99-

53


︵∞0. o ︶ でn . 0

︵∞0. 0 ︶ 0 0.

\ \

理 饉駅

︵ O n. n︶

埋案駐

︵ On. n︶on. n

埋案駐 ︶倖 像 心ヽ 6   111︲︲ ︵

︵ 埋饉Ⅸ ︶

/

︲︲ 1 1 1 1■■1 1 ︲

騒 義 S楓 ゛黙 OS Ne 饉選 ぐ埋 塩墜U根画 喩澪一TN寺図

︵卜 ● . n︶ 一

● 0。 マ︶n t

J 〓 \・8と [

夕 ヽ

/1、

/

-101-


次に部材 と実施設計に近 い もの で考え

H-700×

300× 13× 24

とした時の解析を行 う。寸法 は実際 の ものである。

w=lt/m2 ・ TIII ´︶

rll -152.8

i -rez.r i

-142.6

i

-184.6

i

-174.9

-153.9

-

-183.1

-163.7

rjs.o

l

-rso.s l -rm.a

I

図4・ 2-9 鉛直荷重時 における部材軸力 (H型 鋼 )[t]

-103-

´こ

-174.4


解析結果 軸力 の最大 は、 184.6tで ある。 この場合 の応力 は、

A=235.5c mで あ るか ら σ=184,600/235.5=780k

g/c m2

である。 最大曲げは、33.5t mで ある。その応力 は、

Z=5,760c m3で ぁるか ら σ=33.5×

105/5,760=581k g/c m2

となる。 曲げ剛性 の高 い材を用 い た場合、軸カ ドームで もかな りの 曲げが生ず ることにな る。

-105-


(1)正 五 角 形 平 面 の 場 合

(H)式 にて n=5と

す る と、

φ ==r5cos 5 θ とな る。 これ を

P

(10)式 に加 え て、

l

w=― 一 {一 r2+Clr 5cos5 T 4

θ+C2) 図4・ 31

r=a、

図 4031に て

正五角形平面

θ=0に て w=0

r=a cos(π /5)、 θ=π より

/5に て w=0

Cl=0.0064/a3 c2=0.186a2

とな る。 この場 合 の モ ア レ縞 が 写 真 4・ 31で 、 理 論 値 との 比較 が 図4032で あ る。 写真 4・ 31

r=0に て w=f

膜 の た わみ

とお くと

q a2

T=0.186-

― f

内 接 円 の 直 径 ′は 、 1.618aで あ るか ら

T≒

l q′

2

― ― ― 14.l f 図4・ 32

こ れ は 円平 面 の 場 合 の 約 13%増 しで あ る。

107

膜 の断 面


(3)正 八 角 形 平 面 の 場 合 a

(H)式 にて n=8と P

(10)加 え て a

l

w=_ {_r2+cl r8cos8 T 4

θtt C 2} 図4・ 35

図4035に て

r=a、

正八角形平面

θ=0に て w=0

r=a cos(π /8)、 θ=π より

/8に て w=0

Cl=0.024//a6 c2= 0・ 226a2

とな る。 この 場 合 の モ ア レ縞 が写 真 4033で 、 理 論 値 との 比 較 が 図 4・ 36で あ る。 写真 4・ 33

r=0に て w=

T=0.226-

とお くと

qa f

=1.848aで あ るか ら T≒

lヽ q′

2

― 一 一――― 15.l f

これ は 円平 面 の

1/16に 比 べ て約 6%増 し

にす ぎな い 。

ま とめ ・ 平 面 が 多角形 にな るほ ど、たわみ は 円形平 面 の 軸 カ ドー ム に近 づ く こ とが 確 認 され た 。

-109

膜 のたわみ


5章

長 角 形 平 面 の 軸 カ ドー ム


長 方 形 平 面 の軸 カ ドー ム 正 方 形平 面 で 見 られ た 傾 向 が長 方 形平 面 で ど う変化 す るか を 実 験 でみ て み る と、 平 面 の 周辺 の 外 壁 は コ ン ク リ ー ト構 造 と し、 そ の 上 に鉄 骨 に よ る軸 カ ドー ム を 架 け、 さ らに テ フ ロ ン膜 をか け る とい う屋 根 構 造 を採 って い る。 この よ うな構 造 の 採 用 に はい ろ い ろな理 由が あ る。 ま ず地 盤 条 件 が軟 弱 で あ るの で 不 同沈 下 が な るべ く少 な い よ う、荷 重 の 軽 い 構造 とす る こ と。 か つ 巨大 スパ ンに よ っ て ニ ー ズ に応 じた 部 屋 や将 来 の 変 更 に 対 し、 改装・ 改造 が 自由 にで き る よ うに す る。 そ して 内部 を わか りやす く す るた め に見通 しの あ る空 間 とす る こ とが あげ られ る。 さ らに 、 夜 、上 空 か ら見 下 ろ した とき タ ー ミナル が 独特 の 光 りを放 つ とい う効 果 が あ り、 な おか つ 内部 か ら屋 根 を 見上 げ た とき に空 を 飛 ぶ 飛行 機 が ロ ビー か ら見え る と い う こ とな どを 考 え て 、 あえ て 軸 カ ドーム に よ る細 い鉄 骨 で 膜 を か け る とい う構 法 を考 え た ためで あ る。 と くに 平 面 で は 角 の部 分 が屋 根 構 造 的 に 問題 な の で、 角 を あ ら か じめ 丸 め た平 面 と し、 屋 根 の 軸 カ ドーム の 応 力 が よ り ス ム ー ズ に伝 わ る処理 を考 え た 。 軸 カ ドー ムの 計 画 で、 きわ め て 特徴 の あ る造 型 の一 つ は、 この 隅部 の 処 理 で あ る。 ま た 規模 が 巨大 な の で ス ラス トが 大 き くな る。 この 解 決 を ど うす るか 。 そ の ため に 一つ の 解決 法 と して は 外 壁 周 りを強 くす る とい う考 え 方 が あ る。 も う一 つ は テ ン シ ョ ンの ワイヤ ー で 特 殊 な ネ ッ トを 組 ん で ス ラス トを 吸 収 す る とい う考 え 方 もあ る。 この二 つ の検 討 とス ラス ト の 解 決 に つ い て 行 った ス タデ ィを加 え て い る。

-113-


長 方 形平 面 に 軸 カ ドー ム を か け る場 合 の た わ み の 傾 向 を 右 の 図で ′2=1・ 5′ 1の 場 合 に つ い て膜 実 験 を行 った

YLx

央 断 面 が 図52の 黒 丸 で 、 これ を結 ん で 曲線 を求 め た 。 この 実験 の q/tと 同 じ条件 の 円 半面 の 実験 を 行 い 、 そ れ を標 準 と して 図 51

T≒

q′

12

(18)

10f

が 得 られ た 。 これ は一 方 向軸 カ シ ェル よ り25%少 な く、 内接 す る楕 円 の

写真 51

(8)式 の 約 16%増 しで あ る。

長方形平 面 の場合 の たわみモア レ縞

こ こ で の モ ア レの 縞 は、 四つ の 角の部分 において独 自の 解 決 をす る必 要 が あ る こ とを示 している。

長方 形 平 面

丁 レ 上

結 果 が 写 真 51で あ る。 そ の 結 果 の 長辺 お よび短 辺 の 中

民J


「 関 西 国 際 空 港 タ ー ミナ ル 」

主 催 者 /関 西 国 際 空 港 所 在 地 /大 阪 港 南 東 部 の 泉 州 沖 約

5kmの

海上

構 造 規 模 /鉄 筋 コ ンク リー ト造

(屋 根 軸 カ ドー ム 架 構 、 テ フ ロ ン膜 ) 地 上 4階 地 下 敷地 面積/

1階

51, 100m2

延 床 面積 /331,400m2

写真 52関 西 国際空港

-117-


響 幕騨 ︵ 恨 卜駅 智 ︶へ ヽ ヽ心 路綱ぶ ミ ホ ″︱ ヽ K K

鶉冊 館 ミト ー半 ヽ ハ狛 卜 mヽ ホ ー かК

8 o^ 〓\︻   ビ鰹

@

製 測 選 回 関 霊   ∞ム 図

0今や ■ 打

-119-

図 廻 田   ︵”Жム 図

に小小小小

秘 小小小

ヽやぐぐぐぐぐ4ぐぐぐぐぐぐ寺ぐぐぐぐぐぐぐヽ 亥ぐぐ′ ハ′ ハ・ ハ′ ふ′ ふ′ ぷ′ 。

Q ヽ ヽ ヽ

K ゃヽ ヽ へ ヽ 、心 心、知 ▲ヽホ ″︱ ヽ

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κ耀 o8 お\ ︻

側終椰

ヽ ハ知 、 mヽ

本掛銀

誦翔筆

ミ ふ ″︱ ヽ K K

ヽ ヽ こKヽ

ヽ ヽ 心 い ニー冬

rzt-

-

∞図旧整   ︵︺Ж占 図

N図旧整  ︵oX占 図

︻図旧 整  ︵OXム 図

︱知 ロ エ か ヽ ヽ い ム

側 揃證 恒

側 籍纏

ムヽヽ熙 ホ

ー知 ロポ 壺轟 選 回

︱知 口撫 雨騨選 回

︱知 口榊 雨籠 健 □

= = = =:

t-i c\t co ts ro co r- @ crr


写 真 53

写 真 54

関 llll国 際 空 港 外 観

関西 国際rH港 内観

, 0


正 方 形 、長 方 形平 面 の 隅 の 部 分 にお い て 、 軸 カ シ ェル 、 の 曲面 は反 転 して 下反 りとな る 。 この 下反 りを な くす た め、 この 建物 の 屋 根 は、 平 面 的 に 隅 に ま るみ 」 を つ け 「 て い る。

Y

丁ゴー上

この こ とは、 次 の膜 実 験 に よ る。

:ヽ

>

NJ No.l r=Om No.2 r=10m No. 3 r=20m

m-4

隅 をまるめた平面

図 の ように隅にまるみ のない もの、ある ものの膜実験を 行 った。

-125-


まるめたことにより、面 の反 りが変わ る こ とがな くな り、む だな空 間がな くなる。

この 建 物 の屋 根 ドー ム は 開 き どめ の 繋材 を用 いて い る。 そ の 開 き どめ につ いて 、 い ろ い ろ考 え られ るが 、 ドー ム に よ って せ っか く高 い空 間 が考 え られ たの で あ るか ら、 それ を 生 か した つ な ぎ方 を考 え た い 。

開き どめにつ いて基礎 的考案をす る。

Pll v ruz

(a)

P,/r/T

TL=一

P

√2

TL=P×

(b)

× a×

4=2√ 2 Pa

2a×

図5-6(a)正 方形 ドームの開 き止 め (T:応 力 L:材 長 )

上図は、 4点 で外へ 開 こ うとす る力があるときである。

(a)は とな り同士でつ な ぐ、 (b)は 相対す る点を結 ぶ方法 である。

-127-

2

=2√ 2 Pa


更 に 多 くの 点 が 円 周 上 に あ る 時 は 、

TL=w

T=wr

l.=Znrw./rt TL

rx27tr:2rwr2

2r rw

X

r

X

n:2 7rwr2

図 5-6(C)円 形 ドーム の 開 き止 め

とな る。 円でつないで も、各 々対す る点を結んで も同 じである。

こ の 建物 の 屋 根 は 非 常 に 細 長 い 長 方 形 で あ る 。 こ れ に 対 して 、 つ な ぎ の い ろ い ろ の 方 法 に つ い て 実 験 した 。 ヒ モ を つ な ぎ材 と し、 そ の 先 に 錘 を ぶ ら下 げ て 、 実 験 した 。

写真56

開 き止 めの繋材 の実験

129


6章

不 規 則 平 面 の 軸 カ ドーム


不規 則 平 面 の軸カ ドー ム 不 規 則 平 面 の 場 合 に は 計算 で ス タデ ィす る こ とが なか な か 困難 な の で 、 まず 膜 の 模型 を作 って、 モ ア レで 大体 ど うい うた わみ の 性 質 が あ るか とい う ことを把 握 し、 そ の 結 果 を解 析 に利 用 す る。 この 順序 で ドームの 計 画 をす す め る こ とがで き る。特 に不 規 則 な平 面 の場 合 、 モ ア レ の 手法 が威 力を発 揮 し、 ど こ に どの よ うなか た ちで たわ み が 集 中 し、 どの よ うな ドー ムの 形 が 応力 の 分 配 に最 も 有 効 か とい う こ とを まず モ ア レ縞 で 見 当をつ け る こ とが で き る。

6・

1

川崎 市市 民 ミュ ー ジア ム

不 規 則 な 平面 の 場 合 の 軸 カ ドームの 計画 は、 川 崎 の 市 民 ミュ ー ジア ムヘ の 適 用 の ケ ー スで あ る。 この 市 民 ミュ ー ジア ムの 中心 に あ る ホ ール は “ 逍 遥 空 間"と 呼 ばれ 、 い ろ い ろな機能 、 用 途 に使 わ れ る空 間 で あ るが 、 この 部 分 の 屋根 を軸カ ドー ム と してか け、 当初 半透 明膜 で 覆 う 逍 遥 空 間"を 屋 外 の よ うに 明 る く 計 画で あ った 。 この “ す るか 暗 くす るか とい う議論 が建 設 委 員会 で 討 議 され、 後 者 の 方 針 に変 わ った 。 そ の た め 不透 明 な材 料 の チ タ ン 逍 遥 空 間 "の 屋根 構 造 は、 張 りとす る こ とにな った 。 “ 外 周 の 展 示 室 とは異 な る大 架構 の 軸 カ ドーム と し、 その ス ラス トは外周 で処 理 す る構 造 と し、 天丼 と屋 根 とを一 体 化 した ドーム架 構 を 造 形 的 に その ま ま見せ る ス レンダ ー な 骨 組 み と した い と考 え た。 軸カ ドームの 方 法 に よ っ て 、 よ り合 理 的 に 不 規 則 な 平 面 の 空 間 を ドー ム で 架構 す る こ とが で き る こ とが この 計画 で 明 らか にな った 。

-133


川 崎 市 市 民 ミュ ー ジ ア ム

(1988年

)

市 民 の 文 化 活 動 の 中核 とな る施 設 を 目指 し、 博物 館 の 展 示 機 能 と コ レ グ シ ョ ンの 収 蔵 機 能 を兼 ね 備 え 、 中心 とな る逍 遥 空 間 の 屋 根 に軸カ ドー ム を採 用 して い る。

建 築 主 /川 崎 市 所 在 地 /神 奈 川 県 川 崎 市 中原 区等 々 力 構 造 規 模 /鉄 骨 鉄 筋 コ ン ク リー ト造 +鉄 骨 造 一 部 鉄 筋 コ ン ク リー ト造 地上

3階 地 下 1階 塔 屋 1階

敷 地 面 積 /134,

861m2 延 床 面 積 / 19, 543m2 工 /清 水 建 設 。東 急 建 設 。大 山組 共 同企 業 体 施 施 工 期 間 /1986年 3月 ∼ 1988年 10月

写真 6・ 11り │1崎 市市民 ミュ ー ジア ム 民J つ0


し`

rpヽ

イ ベ ン ト広場

サ ー ビス ヤ ー ド

四季 園 4

駐車場 5

図 6・ 11(a)配 置 図

バ スス トップ ス、るさ との森

縮尺 1/2,000

、 2 % 。C DDDDDD00

逍遥展示空 間

展示室

企画展示室

特別展示室

映像 ホール

吹抜 7

屋外展示

図6011(b)2階 平面図

『 図 6・

11

‖崎市 市 民 ミュ ー ジア ム り ー137-

縮尺 1/1,000


ドー ムの 形 状 は写 真 6・ 12 の膜 実 験 の 等 高線 に よ っ て決 め た 。

写真 6012 り 川崎市 市 民 ミュー ジ ア ム ドームの 膜 実験

写 真 6・ 1-2は 伏 図で あ るが 、 プ レー ス は応 力 に 対 して で あ る。 エ レベ ー タ ー シ ャ フ トが シ ェル を つ き抜 け て い るが 、 こ れ を無 視 して、 そ の 所 の 部 材 に起 き て い る応 力 を シ ャ フ トに 外 力 と して 与 え て い る。 周辺 支 持 と して 、屋 根 荷 重 0。

37t/m2、

各材 の軸 力

は ほぼ 同 じで 32tで あ って 、 全部 材 を H-350× 350× 350× 12× 19と した 。

図6・ 12

り ‖崎市市民 ミュージア ム梁伏 図

この ドー ム は円周 部 分 は ス ラ ブに か こ まれ て い て 、 ドー ムの 開 き止 め とな って い るが、正 面 の 辺 はス ラ プが な い の で 水 平 剛性 の 高 い 梁 を設 けて 開 き止 め と して い る。

-139-


′ =メ

真 6・

13

6・

141

川崎市 市 民

14 1111崎 市市民 ミュー ジアノ 、 外観


写真 6・ 卜 5 逍遥 空 間

-143-


F ・ ´ ・ 一 一

``1澪

一 ゴ ´ ″ 孫 鴇

≡言 可 垂三言 :::三

二 三 三 三 重:EL :Ξ

壬義

董 ‐

≡嘉 ―

写 真6・

17

逍遥空

1呂 l


6・

2

な ら シル ク ロー ド博

建 築 の プ ロデ ュ ー サ ー と して 参加 した「 な ら シル ク ロ ー ド博 」 で全 パ ビ リオ ンに膜 構 造 を採 用 す る こ とを決 定 した 。 その 中 で 特 に 中心 とな るい くつ か の パ ビ リオ ン、 す な わ ち郷 土 館 、 テ ー マ館 、総 合 案 内所 に 関 して 本格 子 シ ェル に よ る軸 カ ドー ムの 構 造 を採 用 した 。 博 覧会 の パ ビ リオ ンに本 格 子 シ ェル に よ る造 形的 な魅 力 を 当初 か ら 意図

1ノ

て 計 画 した もの で あ る。

す な わ ち周辺 は伝 統 的 な 木 造 建 築 に よ って 囲 まれ て お り、 そ の 中で 開催 され る博 覧会 の 施 設 と して は、 仮 設 と は い え 、 それ は木 造 と して 非 常 に美 し く見 え る もの で あ る必 要 が あ る。 しか も、 そ の 形 は伝統 的木 造 建 築 とは異 な る、 きわ めて 独 特 の 構 造 で 有 機 的な形 を実 現 す る こ と で 、 現 代性 を強調 す る もの で あ る必要 が あ る とい う判 断 に基 づ いて い る。 構 造 的 に は 本 格 子 シ ェル を 半 透 明 の膜 で 覆 う とい う計画 に した。 この 地域 一 体 は埋 蔵 文 化 財 が あ るた め に、 床 の 最 大 荷 重 は 平 方米 当 た り 1ト ン以 下 、 また地 表 面 か ら50cmま で しか 掘 る こ とはで きな い とい う条件 を つ け られ 、 そ の 中 で 考 え る と、 まず非 常 に軽 い 構 造 を選 ぶ 必 要 が あ る。 ま た 解 体 撤 去 の 容 易 な 仮 設 を考 え ね ばな らなか った 。 そ の 結 果 、全 体 の パ ビ リオ ンを膜 構 造 と し、 と くに 中心 とな る 3館 は軸 カ ドー ム に よ る木 造 と し、 これ に膜 をか け た 構 造 形 式 が望 ま しい と した。 軸 カ ドー ム と して 、 この よ うな 有 機 的平 面 お よ び立 体 の 計 画 がで き るか ど うか 。 こ れ が 問題 で あ った 。

ワー ■■


「 な ら・ シル ク ロー ド博 郷 土 館 ,テ ー マ 館 ,総 合案 内所 」

(1988)

博 覧会パ ビリオ ンの全てには、次 の ような条件 が課 せ ら れた。

そ の理 由 は、 奈 良 地 域 が 、 日本 最 古 の 都 市 遺 跡 の た め 、 土 中 に埋没 文化 財 が 多数 あ る と想定 され るた め で あ る。 条件

(1)基 礎・ 杭 な どす べ て地 中工 事 の 深 さは 50cm以 内で あ る こ と。

(2)上 部 荷 重 は lt/m2以 下 で あ る こ と。

(3)施 設 は、 会 期 (6カ 月 )後 す べ て 撤 去 し、 会 場 は公 園 に復 帰 す る。

建 築 場 所 /奈 良市 登 大路 町 館

1, 532.0ぽ

テ ー マ館

2, 123.6ぽ

総 合 案 内所

0

建 築 面積 /郷

490.1ぽ

-149-


-151-


v_-*----+7 ='\.-^*----u--//

50m 図6021 な ら・ シル クロー ド博 会場配置図

-153-


郷 土 館

_

図6・ 22(a)平 面 図

図 6・ 22(b)南 立 面 図

図6022 なら・ シル ク ロー ド博 (郷 土館 ) -155


︿口・ 総

案 内所

図6023(a)平 面 図

図6・ 23(6)断 面図 図602-3(b)屋 根伏 図

図6023(d)北 立 面図

図602-3(e)西 立 面 図

図602-3 な ら・ シル ク ロー ド博 (総 合案 内所 ) -157-

.


図6・ 24(d)断 面 図

図6・ 2-4(e)東 立 面図 0

-159-

10m


この ドームは50cm× 50cmの グ リッ ドの格子材 で構成 さ

8 下 [ [図暉尋中 響 一 3X島 島図 mm    一 颯 籠颯   “ m                  ¨ ¨  “. 一颯   颯︻   mm

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一 菫辮轟選盤撻釜盤灘撻群憂葺車 豊ヽゴ 墨監ど日諄 篭.

161-

な ら・ シル ク ロー ド博 (郷 土館 )格 子 図 図6・ 25

=

1:400 図6・ 2-5(c)格 子軸組 図 2

14, 000

18,900

ヨ ミ議 '日

‐ 目 言 ミ a

ョ .ミ

一8 一

図6・ 25(a)格 子伏 図

薔ゎ

一3 一

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-163-

なら・ シル クロー ド博 (テ ーマ館 )格 子図 図6・ 26

謳 ニ

3 墾溝眠幣田Ⅲ田Ⅲ田Ⅲ囲Ⅲ田﹁甲〓・ . 一

図6・

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9 一   降監L車率王玉土幸車事王f卒モ   ●一

図6・ 26(a)格 子伏 図

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21,212 17,677

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E P3


これ らの ドー ム は 曲面 で あ る。 しか し、 微小 部 分 に つ い て は 平 板 と考 え る こ とがで き る。

一 般 に平 板 の一 点 に働 く応 力 (stress)は 、 図 6・ 卜 7(a)の よ うに要 素 に は 2つ の 垂 直応 力 (nOnlal σl

stress)σ

l、

σ 2と せ ん 断

図   σ

応 力 (shearing stress)

・ 2-7(a)       4

τlで 表 され る。 同 じ点 にお い て αだ け廻 転 した場 合 の 要 素 で は 図 602-7(b)の よ うに垂 直 応

力 もせん断応力 も変わって

σ3 図6・ 27(b)

くる。

図 602-7 平板 の 応力

この 変 化 を示 す の が 図 6・ 28の モ ール の 円 (Iohr's circle) で あ る。

平 板 上 の 一 点 の応 力 は こ の 円周 で 示 され る 。 す なわ ち図 6027(a)の 場 合 の 点 が Aで あ る と図 6・

2-7(b)の 場 合 Bで あ る。

図 6・ 28

モ ール の 円

-165-


ドームの形状 に合わせてこの格子をどん どん延 長すれ ばよい ことにな る。

格子 間隔は両方 向に と もに50c m、 格子材 は、40m m ×70m mの 杉材を二段 に使 って交又部は、挟み込んでボ ル ト止め としてい る。 成を小 さ く幅を大き くし、二 段 としたのは 曲が りやす く曲面をつ くりやす いためである。

RE申

囲 A― A'断 面

一゛   ゛  ゛  〇ヽ

-

図6・ 2H

格子断面詳細図

1:10

図60212継 手部分詳細図

-167-

1:10


屋根 は ポ リエ ス テル 繊 維布 で 軽 い 。

外部

内部 ラッキングロープによる固定部分

中 間部 分

図6,2-14膜 面取付部分詳細 図

1:4

積載荷重 もこの地域では積雪が少な く風外力 も小 さい うえ、屋根 も軽 く、本造格子 ドーム も軽 いので 固定荷重 は/1ヽ さい。

20k g/m2と

して 固定荷重 時応力を計算機 によ り求

めている。郷土館 を例 として次に載 せ る。

-169-


郷 土館 固定 荷 重 時 モ ー メ ン ト図

︵ 嶽郵 日 o8 0︶  日 o ^ “ 出 図 ムハ スー中 士 糊揮恨 □  毅引 蒸   07甲 Φ図

-171-


図6・ lHテ ーマ館 ブレース配置

図 6・ 112郷 土館 ブ レー ス配 置

1:800

1:800

特 記 な き限 り ・ 格 子 は @3,000で 示 されて い る。 ・ 0印 lt格 子 と プ レースの ク ラ ンプ 交 点 を示 す。

特 記 な き限 り 。格 子 は @3,000で 示 され て い る。 。()印 は格子 と ブ レー スの クラ ンプ 交 点 を 示す 。

構 造 用 ス トラ ン トロ ー プ

2-101(7X7) F B-12X50 B'

」 ・ 、 グ ∨ 普通 ボル ト3161

BB'断 面

-173

1

nυ

図 6・ 113ブ レー ス・格 子点 見上 げ図



結論 本 論 文 は、造 形 、構 造 の 両 面 か ら好 ま しい 軸 カ ドー ム の 形 態 決 定 、 お よ び 部 材・ ジ ョイ ン トの選 択 に役 立 て る こ とを 目的 と して 検 討 した結 果 、 い ろ い ろな形 態 の 平 面 に適 用 した場合 の 軸 カ ドー ム に つ いて 、下記 の よ うな造 形 的、 構 造 的結論 を得 た 。

1.軸 カ

ドーム は ドー ム の 規 模・ 材 料 にか か わ らず 、共

通 して 殆 ど 曲 げ の 生 じな い 軸 力 だ け の 構 造 の もつ 合 理 的 形 態が得 られ た 。

2.軸 カ

ドー ム は 、 平 面 の 形 態 で 、 自由度 が 高 い 無 柱 の

大 空 間を カバ ー で き る こ とが 実 践 を通 じて 明 らか に で きた。

3.計 画 の 手法 と して、 モ ア レ法 を使 う こ とで理 論 的 解 析 と組 み 合 わせ て 、 モ デ ル に よ り複 雑 な 平 面 の 軸 カ ドームの ス タデ ィが で き る よ うにな った 。

4.軸 カ

ドーム は 、広 範 に造 形 的表 現 と合理 的構 造 を 一

致 させ る こ とが 実 作 品を通 して 明 らか にで きた 。

5.軸 カ

ドーム は 、均 等 な応 力 の 分布 のた め に 部 材・

ジ ョイ ン トな どの 生 産 が容 易 とな り、施 工 上 、 架構 組 立 が合理 的 に選 択 で き る こ とがわか った 。

-177-


本論文を終わるに当た り、研究設計 に協力 していただい た菊竹清訓事務所 の 多 くの方 々 に感謝 いた します 。 また、実験に協力 していただいた早稲 田大学松井源 吾 研究室 の多 くの方 々 に感謝 いた します。

nυ ワー



参 考文 献

本 論 文 は、 以 下 の 文 献 を参 考 に して い る 。

1.著 者 の 論 文 2.直 接 引用 した 文献 3。

一 般 的 に参 考 に した 文 献

1.著 者 の論 文 ・ 菊竹 清訓 、 松 井 源 吾 「 軸 カ シ ェル の 研 究」 日本 建築学 会 構 造 系論文 報 告 集

NO.444(1993年 2月

)

この 研 究 は、 軸 カ ドー ム につ い て、一 般 的 に シ ェル と して の 力学 的考 察 を し、 種 々 の 平 面形 につ い て 解 を求 め、 膜 実 験 で これ を検 証 して い る。 本 論 文 の 骨 子 とな る研 究 で あ る。

0菊 竹 清訓 、松 井 源 吾 「 正 多角形平 面 の 軸カ ドーム の 膜 実験 」 日本 光 弾 性学 会 論 文集

vol.14 NO.2(1994年 2月 )

前 記 の 研 究 に お い て は、 平 面 が正 三 角形 、正 方 形 につ い て、 直 角座 標 で 解 を求 め て い るが、 この 研 究 で は極 座 標 を 開 い て、 よ リー 般 的 に正 多角 形 の解 を求 めて い る。 本 論 文 にて 、正 多角形 の 場 合 に つ いて は、 この 研 究 を 載 せ て い る。

― ]83-


(註

3)

(註

1)の

P。

316

この 章 で は、 膜 作 用 の 一 般 を論 じて い る 。 形 状 を逆 に す れ ば 軸 カ ドーム で あ る。 膜 の 引張 り 力 と膜 の 曲率 の 関係 式 (15,1,3)を 引用 した 。

(註 4)

「 見 え る力 学 」 (鹿 島 出版 会 )松 井 源 吾 著

本論 文 で は、 膜 実 験 にお け る膜 の たわ み を モ ア レ法 で 測定 して い る。 そ の 原理 、方法 は、 こ の 文献 に よ る。 モ ア レ法 に よれ ば、 たわ み の 等 高 線 が 縞 で 表 れ 、全 体 的形 態 が 容 易 に 想像 で き る利 点 が あ る。

(:註

5)

(註

1)の

P。

339

この 章 に、 回転 放 物 線 面 の 解 が あ る。 この 解 は ライズ が大 き くて も成 り立 つ 。 本論文 は、 ラ イ ズ の 小 さい こ とを 前 提 と して い るので 、 この 解 と比 べ て、 その 差 異 を論 した 。

(註 6)「 複素 関数 」 (ダ イ ヤ モ ン ド社 )P。 23 岡本哲 史著

コー シー・ リー マ ンの 式 、 ラプ ラ スの 微 分 方 程 式 は、 複 素 関数 の どの本 で も最 初 に 出て い る。 こ こで は 手元 の 教 科 書 を あ げ る。

な お 、友 近 晋

「 流 体 力学

J(共 立 出版 )

等 、流 体 力 学 の 書 に も、始 め に 出て い る。

-185-


“ Elegante Modelle― ―die moderne Form des

4.

Schalenbaus" Islen,H理事

db7, 1990, pp.62-65

布 に軟 膏 を塗 り、重 力 に よ りで き る 形 を実験 的 に求 め 、 軸 カ ドー ムの 形 を決定 して い る。

5。

日本 鋼 構 造 協 会

“ 我 が 国 の 大 ス パ ン構 造 の 現 況 と技術 評 価 の 試 み '89" 大 スパ ン構造 の設計・ 施工検討小委員会報告

(1990年 2月

)

この 報 告 に は ドーム の 実例 (P63)と 材 料 の 影響 (P210) な らび に スパ ン とライ ズ 、規 模 の 拡 大 な どの年 代 別推 移 がみ られ る。

6.“ 建 築 構造 の し くみ "力 の 流 れ とか た ち 川口

衛他著

P65∼

(彰 国社 )

構 造 計 画 の 図解 が 丁 寧 で、 わ か りや す い 。 解 説 も簡 明

直接 軸 カ ドー ム に は触 れ て い な い が 包含

され て い る。 ま た シ ェル 立 体 トラスな ど他 の 構 造 と ド ー ム の 相 違 も述 べ られ て い る。

7.カ ラ ム

NO.83(新

日本 製鉄 )

「 空 間構 造 の め ざす もの 」 斎 藤 公 男著

P9∼ Pll P53

今 世 紀 の 偉 大 な 構 造家 で あ る トロハ (1899∼ 1961)の 理 論 と実 践 か らガ ウデ ィゃ ォ ッ トー に至 る経 緯 また我 が 国 の 構 造 家 の 躍 進 が述 べ られ て い る。

-187-


本 研 究 に 関 す る発 表


本 研 究 に 関す る発 表

1。

「 軸 カ シ ェル の 研 究 」 日本 建築学 会構 造 系 論 文 報 告 集

(1993年 2月

2.「 軸 カ

NO.444

)

ドー ムの 研 究 」

1993年 度 日本 建 築 学 会大 会 (1993年 9月

3。

)

「 正 多角形平 面 の 軸 カ ドー ムの膜 実 験 」 日本 光 弾 性学 会論 文 集

(1994年 2月

vol.14 NO.2

)

-191



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