博士論文
高度都市機能集積 地 区 にお け る 自立型地 区施設 に関す る研 究
1997年
茂呂
3月
隆
目
次
本研 究 にお け る言葉 の定 義
第 1章
1.1
1.2
本 研 究 の 位 置 づ け と従 来 研 究 本研 究 の位 置づ け
4
従 来研 究
1_2_1
建 築 設 備 機 能 の 非 常 時 自立 へ の 要 求 に 関 す る研 究
1.2.2 1.2.3 1_2.4
地 区計 画 と地 区施 設 に関 す る研 究
19
巨 大 都 市 の ク ラ ス タ ー 化 と そ の 環 境 的 効 果 に 関 す る研 究
24 27
1.2.5
既 存 市 街 地 の ク ラ ス タ ー 化 に よ る環 境 的 効 果 に 関 す る 研 究
地 区 施 設 と し て コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を導 入 し た
32
場 合 の 効 果 に 関 す る研 究
1.2.6 1_3 結 論 第 2章
2.1 2^2
都 市 の 人 口 密 度 ・ 規 模 と環 境 破 壊 度 と の 関 連 に 関 す る 研 究 45
高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る非 常 時 自立 型 地 区 施 設 構 築 の た め の調査研究 概要 調 杏 概 要
2.2.1
51
集 合 住 宅 調 査 対 象 建 物 の概 要
2_2_2 ア ン ケ ー ト調 杏 概 要 2. 2. 3 分 析 方 法 2_3 調 杏 結 果
2.3.1
回答 者 の基 本 属 性
2. 3. 2
件 民 の 避 難 状 況
2.3.3 2_3.4 2^4 第 3草
3.1 3.2
49 51 52
54 56
56
57 60
ラ イ フ ラ イ ン 機 能 停 止 期 間 に お け る生 活 の 実 態
71
非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に対 す る 住 民 の 意 見
78
結 論
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 新 しい 地 区 施 設 の 機 能 に 関 す る 研究 概要 本 章 で 扱 う地 区
3.3 新 し い 地 区 施 設 の 提 案 3_3_1 平 常 時 にお け る供給 処理 系地 区 施 設 の機 能
76 77 79 82
3_3^2
非 常 時 にお け る供 給 処 理 系 地 区 施 設 の機 能
83
3.3.3
平 常 時 にお け る環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 機 能
83
3_3_4 非 常 時 にお け る環 境 管 理 系 地 区 施 設 の機 能 3.4 新 しい 地 区 施 設 に関 す る調 査 3^ 4_ 1 調 杏 目 的 3_ 4. 2 調 査 1既 要 3^ 4^ 3
3.5
84
84
分 析 方 法
84
84 86
86
調査結果
3^5_1
新 lン い 地 区 施 設 の 必 要 性 に 関 す る 分 析 結 果
86
3.5.2
機 能 項 目別 の 必 要 性 に 関 す る 分 析 結 果
88
3_6 第 4章
4_1
91
結 論
高層集合住宅の垂 イ ンフラ の CC 概 要
直ュ較一 砒
テ ィ り ティ と 戸建 住 宅 地 区の都 市 に関する研究 92
4_2 未 平 ュ ー テ ィ 1'テ イ と 垂 直 ュ ー テ ィ リ テ イ の 定 義 4.2.1 水 平 ユ ー テ イ リ テ イの 定 義 4_2_2 垂 古 ュ ー テ ィ リ テ イの 中 義 4.3 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス トの 算 定 方 法
95 97
99
4_3^1
ラ イ フ サ イ ク ル コ ス トの 比 較 検 討 の 考 え 方
99
4_3_2
比較 モ デ ルの 設 宇
99
4.3.4
算定条件
4_3_3 LCC指
4^4 LCCの
算 宇 結 果
4.4.1 垂 直 ユ ーテ ィリテ イ 4^ 4_ 2 ブk tt- ― テ ィ リ テ イ 4.4.3 LCCの 比較
4_5 第 5章
106
106 108 109
結 論
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 用 途 構 成 か らみ た 自立 型 地 区施 設 の 導 入 効 果 に 関 す る研 究
5_1
概 要
5.2 1'サ 5_2_1 5。
104 104 106
標 の 考 え方
イ ク ル シ ス テ ム 導 入 と省 エ ネ ル ギ ー 効 果 の 考 え 方 リサ イ クル シス テ ム導 入の 考 え方
2.2
省 エ ネ ルギ ー 効 果 の 考 え方
5_3 東 京 23区 の 250mメ 5.3.1 建 物 用 途 の分 類
ッシ ュエ リア 内 の建 物 用途構 成比 の分 類
115
5_3_2
分 類 方 法
5.3.3 5_3_4
分類 結果 建 物 用途構 成比 の特 性 の検 討
115 117 119 119
律 物 田徐 構 成蜂性 に よる各種色 荷 の検 討
121
5_4
5_4_1 原 単 位 と各 用 途 の 年 間 稼 働 日 数 の 設 争 5.4.2 各 種 負 荷 の検 討 結 果 5.5 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 検 討 5_5_1
121
綸 討 条 件
5_5_2 6 建 物 用 途 構 成 比 と年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析
各 用 途 地 区 別 の 年 間投 入一 次 エ ネ ルギ ー削 減量 の検 討 結 果
5。
110 111 111 113
5_7 第 6章
131
138 142_ 145
結論
都 市 人 口 の 増 加 に お け る 人 口 密 度 形 態 と環 境 汚 染 度 の 関 連 に 関す る分 析
6_1
概
要
6.2 日本 の 主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 の モ デ ル 化 に 関 す る 研 究 6_2_1 都 市 の 人 口密 度形 態 指 標 の提 案 6 2 2
6_2.3 6 2 4
6_3
都 市 の 人 口 密 庁 形 熊 の モ デ ル イヒ手 法 の 検 討 都 市 の 人口密 度 形 熊 の分 類 調 杏 概 要
デ ー タ概 要
6.4 都 市 の 人 口 密 度 形 態 と大 気 汚 染 ・ 水 質 汚 染 度 と の 関 連 分 析 6_4_1 分析概要 64 2
大 気 汚 染 度 との 関 捧 分 析
6^4_3
水 質 汚 染 度 との 関 連 分 析
6_4_4
6_4_5 結
147
148 149
東 京 都 区 部 お よ び 12の 政 令 指 定 都 市 の 人 口 密 度 形 態 の モ デ ル 作 成 150
政 令 指 定 都 市 6都 市 の 大 気 汚 染 ・ 水 質 汚 染 デ ー タ 調 査
63 1 6_3_2
6_5
127 130
環 境 汚 染 産へ の影響 指 標
環 境 共生 的都市形態 の検討 論
1ヽ 2
154 154 154
158 158 15R 161 162
163 164
第 7章
東 京 都 心 R地 区 に お け る 水 ・ 廃 棄 物 系 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ
7.1 概 要 7.2 自 立 型 地 区 施 設 導 入 の た め の 現 状 杷 握 と改 善 策 の 検 討 7.2.1 東 京 都 区 部 に け る 廃 棄 物 処 理 の 現 状 把 握 と改 善 策 の 検 討 7.2_2
172 173 173 176 177
改 善策の検 討
7.3.2
地 区 施 設 の 導 入 状 況 か らみ た 問 題 点
自立 型 地 区施 設 の 提 案
7_4.1
上水 道負 荷 低 減 の提 案
7_4.3
高 度都 市 機 能 集稽 地 区 にお け る 自立型 地 区施 設 導 入の掃 案
東 京 都 心 R地 区 に お け る リ サ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の ケ ー ス ス タ デ イ
7_5.1 7.5。 2 7.6 結 論 第 8章
8.1
177
靡 棄物 減容 化 の提 案
7.4.2
7.5
169
東 京 都 の 上 水 源 と 上 水 需 要 量 の 現 状 に お け る F.5題 点 の 抽 出 と
7.3_高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 地 区 施 設 導 入 状 況 の 現 状 調 査 7.3.1 調査概要 7.4
166 169
ケ ー ス ス タ デ ィ地 区 の 撰 宇
リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の ケ ー ス ス タ デ ィ
188
178 17R
186 186 201
東 京 臨 海 T地 区 に お け る 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ 概 要
8.2
203
自立 型 地 区施 設 導 入 に よ る環 境 負 荷 抑 制 の 考 え方
204
8.3
ケ ー ス ス タ デ イ対 象 地 区 の 概 要
206
3.1 ケ ー ス ス タ デ ィ対 象 地 区 選 定 の 理 由 8.3.2_東 京 臨 海 T地 区 の 計 画 概 要 8.3.3 東 京都 の現 行 計 画 案 に お け る街 区 別建 物 用 途 構 成 8.4 1J_立 イ ク ル シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 の 検 討 8。 4。 1 環 境 負 荷 指 標 の 考 え方 8。
8.4。 8。
4。
8.5
2
3
量 討方法 最 適導 入形 態 の検討
最 適 導 入形 熊 を組 み 合 わせ た リサ イ ク ル シ ス テ ム の 導 入 に よ る
環 境 負 荷抑 制効 果 の可 能性 の検 討
8.5.1 8.5。
8.6 第 9章 9。 9。
206 206 207 208 208 208 209
2
環境負荷抑 制効 果の検 討概要
233 238
リサ イ ク ル シ ス テ ム導 入 に よ る環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ
結論
235 244
結 論 と展 望 1 結 論 の ま とめ
246
今 後 の展望
252
2
謝辞
254 256
参 考文 献 履歴書 研 究業鐘
257 260
261
・序 。本 研 究 にお け る言葉 の 定 義
序
我 が 国 の 都 市 で は 、 市 街 地 が 広 域 に亘 つ て ス プ ロ ー ル し都 市 イ ン フ ラ が 巨 大 な ネ ッ トワ ー ク を形 成 した 結 果 、 都 市 イ ン フ ラ は 非 効 率 とな っ た だ け で な く、 兵 庫 県 南 部 地 震 に み る よ う に 災 害 に対 して 極 め て 脆 弱 な状 況 を呈 す る に 至 っ て い る 。 こ の 対 策 と して ス プ ロ ー ル した市 街 地 の 高 層 集 約 化 と 供 給 処 理 の 自立 型 地 区 施 設 へ の 転 換 が 考 え られ る 。 こ れ に よ り、 非 効 率 な供 給 処 理 の 解 消 に 寄 与 す る と 共 に 、 災 害 に 強 い 都 市 施 設 機 能 の 整 備 に 役 立 つ もの と考 え られ る 。 現 在 に お け る 市 街 地 の 高 層 集 約 化 の 代 表 例 と して 、 み な とみ ら い 21や 恵 比 寿 ガ ー デ ンプ レー ス 等 の高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 が あ る が 、 この 地 区 の 抱 え る 問 題 は 供 給 処 理 機 能 へ の 負 荷 や 環 境 管 理 ・ 防 災 管 理 へ の 要 求 が 周 辺 地 区 に比 べ て 特 に 高 い こ とで あ る 。 そ の た め 、 多 大 な都 市 イ ン フ ラ施 設 能 力 と設 備 投 資 を必 要 と して い る 。 一 方 、 東 京 都 を は じめ とす る 大 都 市 圏 に お い て は 、 ご み の 最 終 処 分 場 不 足 や水 源 不 足 が 今 後 更 に 深 刻 化 す る と予 想 さ れ 、 リサ イ ク ル 型 都 市 ヘ の 転 換 の 必 要 性 は ます ま す 高 ま っ て きて い る 。 こ の よ う な 背 景 か ら、 本 研 究 は 、 新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を 対 象 に 、 従 来 の 都 市 施 設 の 機 能 を補 完 す る 非 常 時 に 自立 可 能 な 新 し い 地 区 施 設 の 必 要 性 に 着 日 し、 従 来 の 都 市 計 画 に な か っ た 自立 型 地 区施 設 と そ の 機 能 を 提 案 し、 こ れ を 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に 導 入 した場 合 に お け る 効 果 を 中 心 に 、 新 し い 地 区 施 設 に つ い て 各 種 研 究 を進 め た も の で あ る 。 我 が 国 お よび 今 後 ま す ま す の 経 済 発 展 が 予 想 され 、 資 源 ・ エ ネ ル ギ ー の 大 量 消 費 に よ る 環 境 汚 染 や 廃 棄 物 の 大 量 発 生 が 危 惧 され る ア ジ ア諸 国 に と っ て 、 地 球 環 境 保 全 の 観 点 か ら必 要 不 可 欠 と な っ て くる 大 都 市 地 域 に お け る 健 全 な都 市 環 境 計 画 に対 して 、 新 た な 視 点 か ら有 意 義 な 資 料 の 提 供 を 目指 す も の で あ る 。
1997年
2月
著者
本研 究 にお け る言 葉 の定 義
「 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 」 :都 市 の 中 で も特 に 多 く の 人 々 が 産 業 活 動 や 生 活 の た め に居 住 し、 業 務 、 商 業 、 宿 泊 、 住 宅 等 の 都 市 機 能 が 高 度 に 集 積 し た 地 区 を 都 市 の 中 の 都 市 (シ テ ィ ・ イ ン・ シ テ ィ )す な わ ち 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 と 定 義 す る。
「高度住機能集 積 地区」 :高 度都市機能集積地 区の 中で も特 に 住宅施設 の割 合 が高 い地区を高 度住機能集積 地区 とい う。
「 自立 型 地 区 施 設 」 :地 区 内 に 構 築 す る 水 系 ・ エ ネ ル ギ ー 系 ・ 廃 棄 物 系 の リ サ イ ク ル シ ス テ ム を ベ ー ス に 、 平 常 時 に お い て は都 市 イ ン フ ラ に与 え る 負 荷 を 出 来 る だ け 軽 減 し、 非 常 時 に お い て は 仮 に 都 市 イ ン フ ラ が 遮 断 さ れ て も 、 自前 で 保 有 す る 水 。エ ネ ル ギ ー に よ りあ る 程 度 の 期 間 、 地 区 内 の 重 要 施 設 や 住 民 の 生 活 機 能 を 自立 させ る こ と が 可 能 な 地 区 施 設 を 自立 型 地 区 施 設 と 定 義 す る 。
「 リ サ イ ク ル シ ス テ ム 」 :貴 重 な 資 源 で あ る 水 。エ ネ ル ギ ー と 廃 棄 物 に つ い て 地 区 内 に お い て 循 環 再 利 用 を 図 る こ と に よ り、 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 と 環 境 負 荷 を 軽 減 す る シ ス テ ム を リ サ イ ク ル シ ス テ ム と 定 義 す る 。 代 表 的 な 例 と して 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 、 未 利 用 エ ネ ル ギ ー を 活 用 した DHCシ
ス テ ム 、 ごみ 再 資
源 化 、 ご み 固 形 燃 料 化 シ ス テ ム 、 ご み 焼 去口廃 熱 利 用 シ ス テ ム 、 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 道 )、 雨 水 利 用 シ ス テ ム な ど が あ る 。
「 ラ イ フ ラ イ ン 」 :都 市 計 画 法 第 11条
1項 の 三 に 規 定 さ れ る 、 水 道 、 電 気
供 給 施 設 、 ガス供 給 施 設 、下 水 道 、 ごみ焼 却 場 そ の他 の供 給 施 設 又 は処 理 施 設 の 中 で 、 特 に 、 住 民 の 日常 生 活 に お い て 重 要 性 が 高 い 水 道 、 電 気 、 ガ ス お よび 電 話 をラ イ フラ イ ンと定 義 す る 。 道 路 ・ 鉄 道 等 の 交 通施 設 は ラ イ フ ラ イ ン に 含 め な い 。
「 都 市 イ ン フ ラ 」 、 「 供 給 処 理 施 設 」 :都 市 計 画 法 第 11条
1項 の 三 に規 定
され る、水 道 、電 気 供 給 施 設 、 ガ ス供 給 施 設 、 下 水 道 、 ごみ焼 却 場 そ の 他 の 供 給 施 設 又 は 処 理 施 設 と 都 市 計 画 法 に 規 定 さ れ な い 通 信 施 設 い う。 都 市 イ ン フ ラ と 供 給 処 理 施 設 は 同 意 語 と して 使 用 して い る 。 道 路 、 鉄 道 、 公 園 等 は 都 市 イ ン フ ラ に 含 め ない。
「 平 常 時 」 :都 市 が 正 常 な活 動 を 行 え る状 態 で 、 都 市 イ ン フ ラ が 正 常 に 機 能 し て い る状 態 を い う。
「非常時」 :巨 大 地震等 によ り、交通機関 や道路、都市 イ ンフラな どが遮 断 し、 産業機能 。生活機能 が麻 痺 した状態 をい う。
「 環 境 負 荷 」 :地 球 環 境 に 与 え る 負 荷 の こ とで 、 大 気 汚 染 物 質 x、
浮 遊 物 質状 粒 子 )と 水 質 汚 濁 物 質
(BOD)の
(NOx、 SO
排 出 量 を い う。 都 市 イ ン フ ラ
負 荷 を軽 減 す る こ と で 、 供 給 施 設 あ る い は 処 理 施 設 の エ ネ ル ギ ー 使 用 量 を 削 減 で き、 か つ 運 搬 時 の エ ネ ル ギ ー 使 用 量 を低 減 で き る た め 、 結 果 的 に大 気 汚 染 物 質 を 軽 減 で きる。
「 一 次 エ ネ ル ギ ー 使 用 量 」 :ユ ー ザ ー の 利 用 端 の エ ネ ル ギ ー 使 用 量 だ け で は な く、 製 造 段 階 お よ び 供 給 段 階 に 使 用 した エ ネ ル ギ ー の 全 て を 含 む 、 エ ネ ル ギ ー 使 用 量 を い う。 電 気 の 例 で は 、 火 力 発 電 所 で 使 用 す る 石 油 の エ ネ ル ギ ー 量 と 送 電 ・ 配 電 段 階 の 損 失 エ ネ ル ギ ー 量 お よ び不1用 端 で 使 用 す る エ ネ ル ギ ー 量 の 全 エ ネ ル ギ ー 量 を 一 次 エ ネ ル ギ ー 使 用 量 と い う。
3
第 1章
本研 究 の 位置 づ け と従 来研 究
第 1章
l。
1
本 研 究 の 位 置 付 け と従 来 研 究
本研 究 の位置 付 け
我 が 国 の 都 市 で は 、 市 街 地 が 広 域 に 亘 っ て ス プ ロ ー ル した 結 果 、 都 市 イ ン フ ラ は 巨 大 な ネ ッ トワ ー ク と な っ て 形 成 さ れ て き た 。 そ の た め 、 都 市 イ ン フ ラ は 非 効 率 と な っ た だ け で な く、 1995年
1月 に 発 生 し た 兵 庫 県 南 部 地 震 の 実 態
に み る よ う に 、 巨大 地 震 等 の 災 害 に対 して 極 め て 脆 弱 な 状 況 を呈 す る に 至 っ て い る 。 図 1。
1に 、 現 在 の 都 市 イ ン フ ラ の 抱 え る 問 題 点 を示 す 。
こ れ に対 す る 対 策 と し て は 、 ス プ ロ ー ル した 市 街 地 の 高 層 集 約 化 (建 築 物 の 高層 集約 化 )と 供 給処 理 の 自立 型 地 区施 設 へ の 転 換 が 考 え られ る 。 こ れ に よ り、 非 効 率 な供 給 処 理 の 解 消 に 寄 与 す る だ け で な く、 災 害 に対 処 で き る 都 市 施 設 機 能 の 整 備 に 役 立 つ と考 え られ る 。 一 方 、建 築 物 を高 層 集 約 化 した 現 在 に お け る 代 表 例 と して 、 近 年 の 市 街 地 再 開 発 の 結 果 次 々 と誕 生 して い る み な とみ らい 21や 恵 比 寿 ガ ー デ ン プ レ ー ス 等 の 高 度 都 市 機 能 集積 地 区 が あ る が 、 こ の 地 区 の抱 え る問 題 は、 供 給 処 理 機 能 ヘ の 負 荷 や 環 境 管 理 ・ 防 災 管 理 へ の 要 求 が 周 辺 地 区 に比 べ て 特 に 高 い こ とで あ る 。 そ の た め 、 周 辺 地 区 に比 べ て 大 き な都 市 イ ン フ ラ施 設 能 力 と設 備 投 資 を必 要 と して い る 。 こ の よ う な背 景 か ら、 本 研 究 は 、 新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を 対 象 に 、 都 市 施 設 の 従 来 機 能 を補 完 す る 非 常 時 に 自立 可 能 な新 し い 地 区 施 設 の 必 要 性 に 着 目 し、 新 し い 地 区 施 設 と そ の 機 能 の必 要 性 、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イの 社 会 資 本 化 の 必 要 性 お よ び 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 を 中 心 に 各 種 研 究 を進 め た も の で あ る 。 図 1.2に 、 本 研 究 の 位 置 付 け を示 す 。 具 体 的 に は 、 本 研 究 に お け る 第 一 の 基 本 的 考 え方 で あ る 「 ス プ ロ ー ル した 市 街 地 の 高 層 集 約 化 」 の 実 現 に 向 け て 、 第 4章 「 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と戸 建 住 宅 地 区 の 都 市 イ ン フ ラ の LCC比 較 に 関 す る 研 究 」 に お い て 、 建 築 物 を高 層 集 約 化 す る 時 に 問 題 と な る垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ の 社 会 資 本 化 の 必 要
性 に つ い て 、 第 6章 「 都 市 人 口 の 増 加 に お け る 人 口 密 度 形 態 と環 境 汚 染 度 の 関 連 に 関 す る分 析 」 に お い て 、 都 市 の 人 口 密 度 形 態 と環 境 汚 染 度 の 関 係 か ら、 市 街 地 の ス プ ロ ー ル 防 止 た め 周 辺 市 街 地 を低 密 度 化 して 中 心 市 街 地 を高 密 度 化 す る こ とで 良好 な 環 境 を 維 持 で き る こ と に つ い て 研 究 して い る 。 次 に 、 第 二 の 基 本 的 考 え 方 で あ る「 供 給 処 理 の 自立 型 地 区 施 設 へ の 転 換 」 の 実 現 に 向 け て 、 第 2章 「 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る 非 常 時 自立 型 地 区 施 設 構 築 の た め の 調 査 研 究 」 に お い て 、 兵 庫 県 南 部 地 震 被 災 地 住 民 に対 す る 実 態 調 査 を 踏 ま え て 、 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る 都 市 の 非 常 時 自立 (供 給 処 理 機 能 の 非 常 時 自立 )に つ い て 研 究 して い る 。 以 下 、 第 3章 「 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 新 しい 地 区 施 設 の 機 能 に 関 す る 研 究 」 に お い て 、 都 市 施 設 の 機 能 を補 完 す る 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 と導 入 す べ き新 た な機 能 の 把 握 に つ い て 、 第 5章 「 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 用 途 構 成 か らみ た 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 に 関 す る 研 究 」 にお い て 、 東 京 都 23区 の 250mメ
ッ シ ュ 内 の 建 物 を集 約 した 場 合
を想 定 し、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 か らみ た 最 も導 入 効 果 の 高 い 自立 型 地 区 施 設 (リ サ イ ク ル シ ス テ ム )の 組 み 合 わ せ と地 区 用 途 に つ い て 研 究 して い る 。 こ れ ら の 研究 を 踏 ま え た上 で 「 自立 型 地 区 施設 」 の 有 効 性 を 検 証 す る ため に 、 第 7章 「 東 京都 心 R地 区 に お け る 水 ・ 廃 棄物 系 自立 型 地 区 施設 の 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ」 に お い て 、水 ・ 廃 棄 物 系 に 関 す る都 市 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 効 果 と生 活 用 水 ・ 雑 用 水 の 非 常 時 自立 の 可 能 性 等 の 都 市 機 能 の 改 善 ・ 確 保 に つ い て 、 第
8章 「 東 京 臨 海 T地 区 にお け る 自立 型 地 区施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ 」 に お い て 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 す る こ とで 高 密 度 化 し て も環 境 負 荷 量 を 現 状 の 範 囲 内 に抑 制 で き る 可 能 性 に つ い て 研 究 して い る 。
市街地 の広域 スプロール
都 市 インフラは巨大 なネ ッ トワー ク を形成
図 1.1
現在 の都市 インフラの抱 える問題点
基本的な考え方》 《
研究の目的》 《
■ス プ ロール市街地の高層 集約化 (建 築物 の 高層集約化 )
4章 .社 会 資本化 の必要性
一
都市 の 人 口 密度形態 と環境汚染度
6章 .環 境 汚染度 の軽減効果
Supra
1f; 'f'",tt"-
■ 供給処理 の 自立型地区 施設 への転換
2章 .非 常時 の都市 自立の確保 3章 .必 要性 と新たな機能の把握 5章 。導入効果 の高い地区用途の検討 7章 .水・ 廃棄物系の都市機能 の改善 8章 .環 境負荷 の抑制効果
一
図 1.2
本研究の位置付 け
6
1。
2
従 来研 究
1.2. 1 1995年
建 築 設 備 機 能 の 非 常 時 自立 へ の 要 求 に関 す る研 究
1月 に 発 生 し た 兵 庫 県 南 部 地 震 は 、 5,300人
以 上 の 死 者 と約
30万 人 に 上 る 避 難 民 を も た ら し た 。 死 者 の 多 く は 、 家 屋 倒 壊 に よ る 圧 死 が 大 部 分 で あ っ た が 、 避 難 した 住 民 の 中 に は 、 集 合 住 宅 等 の 建 築 駆 体 自体 の 損 壊 が
軽 微 で あ っ た に もか か わ らず 、 ラ イ フ ラ イ ンの 遮 断 に よ り建 築 設 備 機 能 が 不 能 と な り、 避 難 を 余 儀 な くさ れ た 住 民 も少 な くな か っ た と思 わ れ る 。 こ の こ と は 、 大 震 災 等 の 非 常 時 に お い て は 、 建 築 駆 体 自体 の 安 全 性 だ け で な く、 建 築 設 備 機 能 の 維 持 が 如 何 に 重 要 で あ る か を示 して い る 。 こ の よ う な背 景 か ら、 非 常 時 に お い て 電 気 ・ ガ ス ・ 水 道 な どの ラ イ フ ラ イ ン が 進 断 した 時 に 、 い か に建 築 設 備 機 能 を 自立 させ る か は 非 常 に重 要 な 課 題 で あ り、 そ の 必 要 性 は 極 め て 高 い と考 え られ る 。
第 1の 従 来 研 究 と して 、 洪 ら に よ る 「 病 院 の 非 常 時 建 築 設 備 機 能 の 重 要 度 及 び必 要 割 合 の調 査 分 析 」 の研 究 が あ る
文献 1)
この 研 究 は 、 各 建 築 設 備 の 非 常 時 に お け る重 要 度 、 平 常 時 の 機 能 を 100% と した場 合 の 非 常 時 の 必 要 機 能 割 合 と 非 常 時 の 医 療 継 続 時 間 を明 らか に す る こ とが 目的 で あ る 。 平 常 時 は ラ イ フ ラ イ ン機 能 が 維 持 さ れ た 状 態 を 、 非 常 時 は ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した状 態 と して 定 義 して い る 。 病 院 を災 害 時 に 医 療 拠 点 の 対 象 とな る 病 院 (「 救 急 病 院 」 )と そ れ 以 外 の 病 院 (「 総 合 病 院 」 と「 一 般 病 院 」 )の 3つ に 分 類 し、 さ ら に 、 災 害 時 の 救 命 医 療 の 重 要 性 の 観 点 か ら 「 救 急 病 院 」 を最 高 次 の 救 急 医 療 施 設 で あ る 「 救 命 救 急 セ ン タ ー 等 (救 急 病 院 B)」
と「 そ の 他 救
急 病 院 (救 急 病 院 A)」 に分 類 して い る 。 調 査 は 東 京 都 内 の 任 意 の 93病 院 に つ い て 行 つ て い る 。 主 な調 査 項 目 は 、 非 常 時 に お け る各 建 築 設 備 の 重 要 度 、 非 常 時 に お け る 各 建 築 設 備 の 機 能 の 必 要 割 合 、 非 常 時 の 医療 継 続 可 能 時 間 と医 療 継 続 希 望 時 間 で あ る 。
各 建 築 設 備 の 重 要 度 を 「 重 要 で な い 」 1点 、 「 あ ま り重 要 で な い 」 2点 、 「 重 要 」 3点 、 「 か な り重 要 」 4点 、 「 大 変 重 要 」 5点 と 設 定 し、 非 常 時 に お け る 各 建 築 設 備 の 重 要 度 の 分 析 を 行 っ て い る 。 全 て の 病 院 が 電 源 設 備 と給 水 設 備 (総 合 病 院 除 く )を 「 大 変 重 要 」 と し、 そ の 次 に 通 信 設 備 を 「 か な り重 要 」 と し、 配 水 設 備 を 「 か な り重 要 か ら重 要 」 と して い る 。 総 合 病 院 の 給 湯 設 備 、 空 調 設 備 、 輸 送 設 備 を 除 く調 査 し た 全 て の 建 築 設 備 に つ い て 重 要 度 が 見 られ た と して い る 。 特 に 、 救 急 病 院 BoAは か っ た と して い る (図 1.
空 調 設 備 の 重 要 度 が そ の 他 の 病 院 よ り高
3)。
非 常 時 に お け る 各 建 築 設 備 の 機 能 の 必 要 割 合 (平 常 時 の 機 能 を 100%と
し
た 時 の 、 非 常 時 に 必 要 とす る 最 低 限 の 機 能 の 割 合 の 平 均 値 )は 、 電 源 設 備 で は 、 平 常 時 の 全 電 源 負 荷 (電 灯 負 荷 、 コ ン セ ン ト負 荷 、 動 力 負 荷 、 そ の 他 負 荷 の 合 計 値 )に 対 し て 、 一 般 病 院 が 約 32%、
27%、
救 急 病 院 Bが 約 34%で
総 合 病 院 が 約 23%、
救 急 病 院 Aが 約
あ っ た と し て い る (図 1.4)。
給 水 設 備 で は 、 平 常 時 の 各 上 水 使 用 量 (飲 料 水 、 雑 用 水 、 そ の 他 用 水 の 合 計 値 )に 対 して 、 非 常 時 の 必 要 割 合 は 一 般 病 院 が 約 53%、 総 合 病 院 が 約 35%、 救 急 病 院 Aが 約 35%、 救 急 病 院 Bが 約 27%で あ つ た と し て い る (図 1・ 5)。 非 常 時 の 外 部 連 絡 用 通 信 設 備 は 、 一 般 病 院 で は 電 話 の み が 約 50%、 有 線 が 約 50%で
25%、
あ り、 救 急 病 院 Aで は 電 話 の み が 約 20%、
電 話 と トラ ン シ ー バ ー が 約 28%、
80%で
電 話 と有 線 が 約
電 話 と 無 線 が 約 27%で
して い る 。 救 急 病 院 Bで は 電 話 と トラ ン シ ー バ ー が 約 20%、
電話 と
あ った と
電 話 と無 線 が 約
あ り、 災 害 時 の 医 療 活 動 拠 点 と な る 救 急 病 院 の 方 が 、 電 話 以 外 の 通 信
手 段 を 保 有 して い る 割 合 が 大 きか っ た と して い る (図 1.6)。 非 常 時 の 医 療 継 続 可 能 時 間 と 継 続 希 望 時 間 を 図 1・
7に 示 して い る 。 医 療 継
続 可 能 時 間 は 、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した 場 合 に 保 有 して い る建 築 設 備 、 備 蓄 燃 料 ・ 水 で 対 処 可 能 な 医 療 継 続 時 間 と 定 義 して い る 。 継 続 可 能 時 間 は 、 長 い 順 に 救 急 病 院 Bが 約 55時 間 、 救 急 病 院 Aが 約 50時 間 、 総 合 病 院 が 約 30時 間 、 一 般 病 院 が 約 28時 間 で あ っ た と して い る 。 継 続 希 望 時 間 は 、 全 く こ の 逆
の 傾 向 を示 した と し て い る 。 医 療 継 続 希 望 時 間 の 充 足 度 (継 続 希 望 時 間 に 対 す る継 続 可 能 時 間 の 割 合 )は 、 非 常 時 の 医 療 拠 点 と な る 救 急 病 院 の 方 が 一 般 病 院 、 総 合 病 院 に比 べ て 充 足 度 が 高 い と して い る 。 電 源 機 能 に つ い て 、 現 状 の 自家 発 電 設 備 の 容 量 と 非 常 時 の 想 定 電 力 需 要 量 の 関 係 を み る と 、 一 般 病 院 の 約 30%、
0%、
救 急 病 院 Bの 約 80%が
総 合 病 院 の 約 10%、 救 急 病 院 Aの 約 3
現 状 の 自家 発 電 設 備 容 量 で は 想 定 電 力 需 要 量 を
供 給 で き な い と し て い る (図 1◆
8)。
給 水 機 能 に つ い て は 、 各 水 槽 (受 水 槽 、 高 架 水 槽 、 貯 水 槽 、 消 火 水 槽 )を 満 水 状 態 と 仮 定 して 、 非 常 時 の 給 水 可 能 日 数 を み る と 、 一 般 病 院 が 2.7日 で 、 総 合 病 院 が 7.6日 で 、 救 急 病 院 Aが 3.5日 で 救 急 病 院 Bが 6.2日 で あ つ た と して い る (図 1。
9)。
結 論 と して 、 病 院 で は 、 非 常 時 に 重 要 度 の 非 常 に 高 い 設 備 は 電 源 設 備 と 給 水 設 備 で 、 そ の次 が 通 信 設 備 で あ っ た と して い る 。 非 常 時 の 医 療 継 続 可 能 時 間 は 救 急 病 院 A・
Bの 方 が 一 般 病 院 、 総 合 病 院 よ り長 く、 逆 に 、 医 療 継 続 希 望 時 間
は 一 般 病 院 、 総 合 病 院 の 方 が 救 急 病 院 A・
Bよ り長 か つ た と し て い る 。 非 常 時
に 重 要 度 が 高 い 電 源 機 能 と給 水 機 能 に つ い て 、 現 状 で ど の 程 度 の 供 給 が 可 能 か を検 討 した 結 果 、 電 源 機 能 に つ い て は 、 一 般 病 院 の 約 30%、
0%、
救 急 病 院 Aの 約 30%、
救 急 病 院 Bの 約 80%が
総 合病 院 の約 1
現 状 の 自家 発 電 設 備 容
量 で は 非 常 時 の 想 定 電 力 需 要 量 を供 給 で き な い こ と が 分 か つ た と して い る 。 給 水 機 能 に つ い て は 、 現 状 の 水 槽 容 量 に よ る 非 常 時 の 給 水 可 能 日数 を み る と、 一 般 病 院 が 2.7日 で 、 総 合 病 院 が 7.6日 で 、 救 急 病 院 Aが 3.5日 で 救 急 病 院 B が 6.2日 で あ つ た と して い る 。
出
晴
5:大 変重要 4:か なり重要 3:重 要 2:あ まり重要でない 1:重 晏でない
図 1.
3非 常 時 にお け る建 築 設 備 の 重要 度 出典 :文 献 1)
lJ当 たり全電源負荷 (平 常時 )
い 0 0
平常時全電源負荷に対する非常時に必要 とする電源負荷の割合
m
館 □ m負 荷口 モ0● 館 国 助 館 国 "卜 ( )サ ンフル数
一 般 病 院
総 合 病 院
救 急 病 院 A
救 急 病 院 B
図 1.4非 常時 に お け る電 源設 備 の 機 能 の 必 要 割合 出典 :文 献 1) 1壼 当た り1日 水使用量 (平 常時 )
平常時全水消費量に対する非常時 に必要 とする水の割合
1/J・ 日
0 2 4 0 0 10121416
総 合 病 院
(3)
(10) 17)
救 急 病 院 B
□ 婦 相 朝 水 田:そ の他 ( )サ ンアル欧 図 1
5非 常時 に お け る給 水 設 備 の機 能 の 必要 割 合 10
出典 :文 献 1) 0
20
=般0病院
割合 (96) 40
総合病院 ロ
勢_r_ 鷺導 +無 線
=暫 絆「
零 貪 「 署 , 爾 B 救 急 雷 図 1.
ffi) H4:tfi1)
自動 3000
院A 救 ,ォ
電話
)サ ンプ濾
― * 院
.o
6非 常時 の情報伝 達方法
loo0
2000
B
3000
非常時電力必要量 (m
図 1.
出典 :文 献 1) 時間
8現 状 の 自家発 電設 備 容 量 と非 常 時 の想 定 電 力需 要 量 の 関係
200
一̈
150
供給日数 出典
100
:文 献 1)
0123450789
希望時間
)サ ンブル欧
50 0ヽ
高廃:路
(6)
(3)
図 1.7
救急病院 A救 急病院 B
(15)
(3)
非常時 の医療継続可 能時 間 と
“
( )サ ンアル欧 図 1.9非
継続希望時間
常 時 の 給 水 可 能 日数
第 2の 従 来 研 究 と して 、 洪 ら に よ る 「 庁 舎 の 非 常 時 建 築 設 備 機 能 の 重 要 度 及 び必 要 割 合 の調 査 分析 」 の研 究 が あ る
文 献 2)
こ の 研 究 は 、 首 都 圏 (東 京 都 、神 奈 川 県 、 千 葉 県 、埼 玉 県 )の 庁 舎 に つ い て 、 災 害 時 に ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した 状 況 に お け る 非 常 時 の 執 務 機 能 の 維 持 に つ い て 分 析 す る こ と を 目的 に 、 非 常 時 に お け る 各 建 築 設 備 機 能 の 重 要 度 、 平 常 時 の 各 建 築 設 備 機 能 を 100%と
した 場 合 の 非 常 時 の 必 要 機 能 割 合 、 非 常 時 の
執 務 可 能 時 間 と 執 務 希 望 時 間 な ど に つ い て 調 査 ・ 分 析 を行 っ た も の で あ る 。 調 査 は 、 首 都 圏 の 117庁 舎 (県 庁 、 都 庁 、 市 役 所 、 区 役 所 )に つ い て 行 っ て い る 。 庁 舎 分 類 は 、 都 ・ 県 庁 等 の 上 位 機 能 を 遂 行 す る 庁 舎 を「 上 位 機 能 を 持 つ 庁 舎 :Taグ ル ー プ 」 、 一 般 的 な 市 。区 庁 舎 を 「 一 般 庁 舎 」 と 大 別 し て い る 。 次 に 、 「 一 般 庁 舎 」 を 、 昼 間 ・ 夜 間 人 口 が 20万 人 ~ 70万 人 の 庁 舎 を Tbグ ル ー プ 、 昼 間 ・ 夜 間 人 口 が 20万 人 以 下 の 庁 舎 を Tcグ ル ー プ と 細 分 類 して い る。
分 析 結 果 を示 す と 、 受 電 方 式 は 非 常 時 に 有 効 で あ る 多 回 線 方 式 の 保 有 率 は 、
Taグ ル ー プ が 60%、 Tbグ ル ー プ が 47%、 Tcグ ル ー プ が 6%で 上 位 機 能 を持 つ 庁 舎 の 多 回 線 方 式 の 保 有 率 が 高 か っ た と して い る (図 1.10)。 非 常 時 に お け る 各 建 築 設 備 の 重 要 度 は 、 「 重 要 で な い 」 1点 、 「 あ ま り重 要 で な い 」 2点 、 「 重 要 」 3点 、 「 か な り重 要 」 4点 、 「 大 変 重 要 」 5点 と 設 定 し て 分 析 す る と 、 全 て の 庁 舎 が 電 源 設 備 と 通 信 設 備 を 「 大 変 重 要 」 と し、 そ の 次 に 、 給 水 設 備 を 「 か な り重 要 」 と し、 排 水 設 備 を 「 か な り重 要 か ら重 要 」 と して い る 。 給 湯 設 備 、 空 調 設 備 、 輸 送 設 備 庁 舎 で 重 要 度 が 低 い と して い る (図 1・
(Tbグ ル ー プ を 除 く)は 、 全 て の
11)。
非 常 時 にお け る 各 建 築 設 備 の 機 能 の必 要 割 合 は 、 電 源 設 備 で は非 常 時 に必 要 と す る 最 低 限 の 電 源 負 荷 の 割 合 の 平 均 値 で み る と Taグ ル ー プ が 約 40%、
bグ ル ー プ が 約 30%、 Tcグ ル ー プ が 約 23%と か っ た と して い る (図 1・
T
上 位 機 能 を 持 つ 庁 舎 ほ ど高
12)。
給 水 設 備 で は 、 非 常 時 に 必 要 とす る最 低 限 の水 量 の 割 合 の 平 均 値 で み る と T
aグ ル ー プ が 約 48%、 Tbグ ル ー プ が 約 34%、 Tcグ ル ー プ が 約 55%で あ っ た と して い る (図 1013)。 通 信 設 備 で は 、 非 常 時 の 外 部 連 絡 用 と して 情 報 伝 達 の 重 要 性 が 高 い こ とか ら、 有 線 で あ る 電 話 以 外 に トラ ン シ ー バ ー 、 無 線 等 を全 庁 舎 が 保 有 し て い た と して い る 。 Taグ ル ー プ は 、 有 線 (電 話 )以 外 に 、 無 線 が 約 60%、 十 無 線 が 約 40%で
あ っ た と して い る (図 1・
トラ ン シ ー バ ー
14)。
非 常 時 の 執 務 継 続 可 能 時 間 と 継 続 希 望 時 間 を 図 1・
15に 示 して い る 。 執 務
継 続 可 能 時 間 は 、 ラ イ フ ラ イ ン の 機 能 が 停 止 した 場 合 に 、 現 在 保 有 し て い る 建 築 設 備 、 備 蓄燃 料 。水 で 対 処 可 能 な 救 援 活 動 と執 務 の 継 続 時 間 と 定 義 して い る 。 継 続 希 望 時 間 は 、 ラ イ フ ラ イ ン の 機 能 が 停 止 した 場 合 に 、 希 望 す る 救 援 活 動 お よ び 執 務 が 継 続 して 行 え る 時 間 と 定 義 して い る 。 執 務 継 続 可 能 時 間 は 、 長 い 順 に Taグ ル ー プ が 約 64時 間 、 Tbグ ル ー プ が 約 36時 間 、 Tcグ ル ー プ が 約 25時 間 で あ っ た と して い る 。 継 続 希 望 時 間 は 、 長 い 順 に Taグ ル ー プ が 約
12
444時
間 、 Tbグ ル ー プ が 約 109時
間 、 Tcグ ル ー プ が 約 117時
間であ
り、 執 務 継 続 可 能 時 間 お よ び 継 続 希 望 時 間 共 に最 上 位 機 能 を持 つ 庁 舎 が 他 に 比 べ て 断 然 長 い と して い る。 継 続 希 望 時 間 に対 す る継 続 可 能 時 間 の 充 足 度 は 、 T
aグ ル ー プ が約 14%、 Tbグ ル ー プが 約 33%、 Tcグ ル ー プ が 約 21%で 、 非 常 時 の 上 位 機 能 を持 つ 庁 舎
(Taグ ル ー プ )の 充 足 度 が 特 に 小 さ か ら た と し
て い る。 現 在 保 有 す る 自家 発 電 設 備 の 容 量 と備 蓄 燃 料 に よ る 非 常 時 の 執 務 継 続 時 間 の 比 較 を 図 1・
00%で
16に 示 して い る 。 こ の 図 か ら、 非 常 時 に お い て 、 平 常 時 並 の 1
機 能 さ せ る の は 非 常 に難 し い が 、 必 要 最 低 限 の 機 能 維 持 可 能 時 間 で は
Taグ ル ー プ が 約 51時 間 、 Tbグ ル ー プ が 約 27時 間 、 Tcグ ル ー プ が 約 1 4時 間 で あ つ た と して い る 。 非 常 時 の 給 水 可 能 時 間 を 図 1・ 並 の 100%で
17に 示 して い る 。 非 常 時 に お い て 、 平 常 時
機 能 させ た 場 合 の 給 水 可 能 時 間 は 、 Taグ ル ー プ が 約 266時
間 、 Tbグ ル ー プ が 約 186時 同 様 に水 を 100%で
間 、 Tcグ ル ー プ が 約 208時
間 で 、平常 時 と
使 用 して も約 1週 間 は 供 給 で き る こ とが 分 か っ た と し て
い る 。 必 要 最 低 限 の 機 能 維 持 可 能 時 間 で は 、 さ ら に 約 110%~
約 50%給
水
可 能 時 間 が 長 くな る と して い る。 結 論 と して 、 庁 舎 で は 、 非 常 時 に 重 要 度 の 非 常 に 高 い 設 備 は 、 電 源 設 備 と通 信 設 備 、 そ の 次 が 給 水 設 備 で あ つ た と して い る。 非 常 時 に お け る救 援 活 動 ・ 執 務 継 続 可 能 時 間 と 継 続 希 望 時 間 共 に 、 Taグ ル ー プ が Tbグ ル ー プ 、 Tcグ ル ー プ よ り長 い が 、 救 援 活 動 お よ び 執 務 継 続 希 望 時 間 の 充 足 度 は Taグ ル ー プ が 非 常 に 短 い と して い る 。 非 常 時 の 重 要 度 が 高 い 電 源 機 能 と 給 水 機 能 に つ い て 、 現 状 で どの 程 度 の 供 給 が 可 能 か を検 討 し た 結 果 、 電 源 機 能 で は 、 非 常 時 に 平 常 時 並 の 100%で
機 能 させ る の は 非 常 に 難 し い が 、 必 要 最 低 限 の 機 能 維 持 可 能 時
間 で は Taグ ル ー プ が 約 51時 間 、 Tbグ ル ー プ が 約 27時 間 、 Tcグ ル ー プ が 約 14時 間 で あ つ た と して い る 。 給 水 機 能 で は 、 非 常 時 に 平 常 時 と 同 様 に 水 を 100%で
使 用 して も約 1週 間 は 供 給 で き る こ と が 分 か っ た と して い る 。
13
出典 :文 献 2)
出典 :文 献 2) Taグ ループ
,
受電方式
粥
1 _
図 1.10受
通信設備 J
Tcグ ループ
Tbグ ループ
前墟 七 十
1
5:大 変重要 4:か な り重要 3:重 要 2:あ まり重要でない 1:重 要でない
電方式
図 1.
11非 常 時 にお ける建 築 設 備 の重 要 度 出典 :文 献 2) Tcグ ル ープ
Tbグ ル ープ
Taグ ループ
(%)
船 (%) 7 0 6 0 5 0 4 0 3 0 2 0 1 0 び
飴 7 0 6 0 5 0 4 0 3 0 2 0 1 0 ♂ 図 1.12非
コン セント 動力
その他
常 時 にお け る電 源設 備 の機 能 の 必 要割 合 出典 :文 献 2)
Taグ ループ
Tcグ ル ープ
Tbグ ル ー プ 割合 (%)
割合 ” 70 601 50 4叶 “
割合 (%) 701 6鮮 5辞 4温 XI 3W 2= 1針 ・” 飲料水
枷 襴 羨 飲料水
雑 用水
飲料水
その他
図 1.13非
貯 %
雑用水
出典 :文 献 2) 80
(5)
Tb (28)
雑用水
その他
常 時 に お ける給 水 設 備 の 機 能 の 必要割 合 出典 :文 献 2)
100
■ トランシーパー 園 無線 口 有線+無 線 ー ―十無線 ン シ Nト ラ
Ta
その他
500 可能時間 400 ― 希望時 間
300
P/////////m
A・
( )サ ンプル数
Tc
( 〉サ ンプル敗
(34)
0
図 1
14
非 常 時 に お け る通 信 設 備 の 機 能 の
図 1.1
必要割合
Ta(4)
Tb(20) Tc(28)
5非 常 時 の 執 務 継 続 可 能 時 間 と継 続 希望 時間
14
時間 (h)
出典 :文 献 2)
出典 :文 献 2)
時間 (h)
600
600
500
500
400
400
300
300
200
200
100
100
0
0
非常時に執務継続希望時間
暖 ■
Ta
Tb
Tc
圏錮 非常時に平常時同様 の執務を行 う場合 の可能時間
に執勝 望時間 霧 ― 非常時に平常時同様の執務 を行 う場合の可能時間
■■ 非常時に必要最低 限の積務を行 う場合の可能時間
■■ 非常時 に必要最低限の執務 を行 う場合の可能時間
図 1.
16非 常 時 の執 務継 続 時 間 の比 較
図 1.
17非 常 時 の給 水可 能 時 間
第 3の 従 来研 究 と して 、 (社 )空 気 調 和 ・ 衛 生 工 学 会 に よ る 「 阪 神 大 震 災 設 備 被 害 調 査 報 告 (速 報 )」 が あ る この 調 査 報 告 は 、 1995年
文献 3)
1月
17日
(火 )に 発 生 した 阪 神 大 震 災 に よ る
建 築 設 備 被 害 の 原 因 究 明 と 今 後 の 耐 震 対 策 に 資 す る こ と を 目的 に 行 わ れ た もの で あ る (速 報 )。 調 査 建 物 ・ 施 設 は 23件 で そ の 位 置 は 、 東 は 西 宮 市 、 芦 屋 市 か ら西 は 神 戸 市 長 田 区 まで広 範 囲 に及 ん で い る 。 事 務 所 ・ ホテ ル の 設 備 被 害 調 査 で は 、総 合 所 感 と して 、 被 害 状 況総 括 の 中 で 、 ア ン カ ー ボ ル トで 固 定 され て い な い 機 器 は ず れ 等 の 移 動 が あ る も の の 、 倒 れ る ま で に 至 って い な い と して い る 。 配 管 の 破 断 等 の 被 害 は 調 査 物 件 で は 見 受 け ら れ な か っ た と して い る 。 ア ン カ ー さ れ た 機 器 や 横 揺 れ 防 止 補 強 さ れ た 配 管 類 は 殆 ど無 被 害 で あ る と して い る 。 屋 外 イ ン フ ラ接 続 部 の 被 害 は 大 きか っ た と して い る 。 設 備 は 大 き な 被 害 は 無 い も の の 、 小 さ な損 傷 が 生 じ る こ とで 建 物 全 体 の 機 能 が 損 な わ れ た ケ ー ス が 多 い と 思 わ れ る と して い る 。 そ の 他 の 一 般 的 印 象 の 中 で 、 高 架水 槽 や 冷 却 塔 の 被 害 は 予 想 に 反 して 少 な く見 え る と して い る 。 今 後 の対 応 につ い て 、 簡 易 基 礎 の 施 工 方法 の基 準 作 成 、 パ ネ ル タ ン クの 天 板 等 の 強 度 の 見 直 しな ど一 部 基 準 の 見 直 しが 必 要 と思 わ れ る もの の 、 設 備 は 新 耐 15
震 基 準 通 り施 工 す れ ば 大 き な 問 題 は な い と し て い る 。 建 築 と 設 備 と の 取 り合 い 部 分 の 耐 震 基 準 の 作 成 が 今 後 必 要 に な る と 思 わ れ る と して い る 。 ま た 、 屋 外 イ ン フ ラ 接 続 部 の 被 害 は 大 き く、 ビ ル 設 備 の 機 能 が 停 止 す る も の が 多 く、 今 後 イ ン フ ラ接 続 部 の 対 策 が 課 題 と な る と して い る 。 病 院 ・ 集 合 住 宅 ・ ホ テ ル の 設 備 被 害 調 査 で は 、 総 合 所 感 と して 、 調 査 建 物 は 病 院 (灘 )、 集 合 住 宅 (ポ ー トア イ ラ ン ド)、
ホ テ ル (新 神 戸 )の 3件 で 、 生
活 密 着 型 の 建 物 で あ り、 被 害 の 程 度 に 差 が あ り、 各 設 備 の 機 能 停 止 ま た は 低 下 に 対 して 、 地 震 発 生 か ら復 旧 ま で の 間 、 居 住 者 ・ 管 理 者 と も に 様 々 な 対 応 が 見 受 け ら れ た と して い る 。 外 溝 で は 、 不 等 沈 下 が 200~
300mm以
上 あ った
建 物 は 、 引 き込 み 部 分 の 破 損 等 で 給 水 ・ 排 水 を 中 心 に ラ イ フ ラ イ ン に 大 き な 影 響 が 出 て い た と し て い る 。 設 備 機 器 お よ び 接 続 配 管 ・ ダ ク トで は 、 FRP製
受
水 槽 ・ 高 架 水 槽 の 破 損 に よ る 給 水 機 能 停 止 ・ 低 下 が あ り、 飲 料 水 ・ 雑 用 水 の 別 系 統 化 や 2槽 化 等 の シ ス テ ム 設 計 上 の 配 慮 、 水 槽 本 体 強 度 の 改 善 等 を 考 慮 す る 必 要 が あ る と思 わ れ る と して い る 。 冷 凍 機 。ポ イ ラ ー ・ 発 電 機 等 の 大 型 重 要 機 器 は 、 適 切 に 固 定 さ れ た も の は 殆 ど被 害 が な か っ た と して い る 。 自家 用 発 電 機 は 、 冷 却 水 配 管 と 制 御 盤 の 損 傷 で 運 転 で き な か っ た 例 (病 院 )が あ っ た と して い る 。 消 火 設 備 に つ い て は 、 ス プ リ ン ク ラ ー ヘ ッ ド・ 泡 消 火 感 知 ヘ ッ ドの 損 傷 で 、 水 や 消 化 剤 の 放 出 に よ る 二 次 漏 水 被 害 が あ っ た と して い る 。
DHC・
受 け 入 れ 施 設 の 設 備 被 害 調 査 で は (総 合 所 感 と して 、 DHCプ
ラン
トの 被 害 状 況 総 括 の 中 で 、 プ ラ ン ト本 体 に 顕 著 な被 害 は な か っ た が 、 ラ イ フ ラ イ ン が 断 た れ た た め 運 転 を停 止 し、 熱 供 給 の 再 開 に は 時 間 が か か っ た と して い る 。 冷 却 塔 で は 、 充 填 材 の 脱 落 や 鉄 骨 ブ レー ス の破 損 の 被 害 を受 け た プ ラ ン ト が あ っ た と して い る 。 洞 道 部 の 被 害 で は 、 共 同 溝 が 300mm沈
下 し伸 縮 継 ぎ
手 が 大 き な 被 害 を 受 け た 箇 所 が あ っ た と して い る 。 ボ ッ ク ス カ ル バ ー ト部 は 液 状 化 で 100~
150mm沈
た と して い る 。 DHC受
下 した が 、 地 盤 対 策 を施 して い た た め 被 害 が な か っ
け 入 れ 施 設 の 被 害 状 況 で は 、 洞 道 との 受 け 入 れ 部 で 若
干 被 害 を受 け た 建 物 が あ っ た 程 度 で 、 熱 交 換 器 、 二 次 ポ ン プ の 異 常 は な か っ た
16
と して い る 。 今 後 の 対 応 と して 、 上 水 道 、 下 水 道 等 の 建 物 と の 接 続 部 は 、 建 物 と周 辺 地 盤 との 変 位 を吸 収 で き る 処 置 を 施 す 等 の 対 策 が 必 要 で あ る と して い る 。 ラ イ フ ラ イ ン の 被 害 状 況 で は 、 総 合 所 感 と して 、 水 道 施 設 に つ い て は 、 阪 神 地 区 は 水 道 先 進 地 域 で あ っ た た め 幹 線 水 道 管 に 鋳 鉄 管 が 多 く、 そ の 結 果 、 漏 水 箇 所 が 広 範 囲 に 跨 つ た と して い る 。 関 西 地 区 は 凍 結 の 心 配 が 殆 ど な い た め 、 硬 質 塩 化 ビ ニ ー ル 管 が 多 数 使 わ れ て い た が 、 硬 質 塩 化 ビ ニ ー ル 管 は 衝 撃 に 弱 く多 く の 被 害 を受 け た と して い 。 今 後 、 大 都 市 な ど 住 宅 密 集 地 で は 、 地 震 に 強 い 消 火 栓 網 を整 備 す る 必 要 が あ る と して い る 。 ガ ス 施 設 に つ い て は 、 阪 神 地 区 は 古 くか ら ガ ス 供 給 網 が 整 備 さ れ て い た た め 「 ね じ継 ぎ手 」 が 多 くあ り、 「 ね じ継 ぎ手 」 は 歴 史 は 古 い が 変 位 吸 収 性 が 少 な い た め 、 各 地 で 管 路 破 損 な ど の 被 害 が 発 生 した と して い る 。 ガ ス の 復 旧 を 一 層 困 難 に した 原 因 の 一 つ が 、 ガ ス 管 内 に 上 下 水 道 管 の 破 裂 に よ る 漏 水 と液 状 化 に よ る 水 ・ 土 砂 が 入 つ た こ と が 挙 げ ら れ る と して い る 。 建 物 引 き込 み 部 で あ っ て も、 地 盤 沈 下 対 策 を 施 し て い た 配 管 (伸 縮 継 手 を使 用 して い る )は 被 害 が な か っ た と して い る 。 ま た 、 埋 設 配 管 の
鋼 管 用 SGM継
手 、 ポ リ エ チ レ ン管 は 大 き な 被 害 は な か っ た と し て い る 。 電 気
施 設 に つ い て は 、 神 戸 市 内 に 千 キ ロ メ ー ト ル に わ た り、 地 中 線 が 張 り巡 ら さ れ て い る が 、 こ の 半 分 が 損 傷 を う け た 。 架 空 線 に 比 べ て 地 中 線 は 安 全 だ と言 わ れ て き た が 、 言 わ れ る ほ ど 安 全 な も の で は な か っ た と して い る 。
以 上 の 3つ の 従 来 研 究 よ り、 病 院 で は 、 非 常 時 に 重 要 度 の 非 常 に 高 い 設 備 は 電 源 設 備 と給 水 設 備 で 、 そ の 次 が 通 信 設 備 で あ り、 庁 舎 で は 、 電 源 設 備 と 通 信 設 備 の 重 要 度 が 非 常 に 高 くそ の 次 が 給 水 設 備 で あ っ た と して い る 。 非 常 時 の 医 療 継 続 可 能 時 間 は 救 急 病 院 A・
Bの 方 が 一 般 病 院 、 総 合 病 院 よ り長 く、 医 療 継
続 希 望 時 間 は そ の 逆 で あ っ た と して い る 。 非 常 時 に 重 要 度 が 高 い 電 源 機 能 に つ い て は 、 最 も対 応 力 が あ る 総 合 病 院 で 約 10%、 最 も対 応 力 が な い 救 急 病 院 B で 約 80%が
、 現 状 の 自家 発 電 設 備 容 量 で は 非 常 時 の 想 定 電 力 需 要 量 を 供 給 で
17
き な か っ た と して い る 。 給 水 機 能 に つ い て は 、 現 状 の 水 糟 容 量 に よ る 非 常 時 の 給 水 可 能 日数 は 、 最 も短 い 一 般 病 院 が 2.7日 で 、 最 も長 い 総 合 病 院 が 7.6日 で あ つ た と して い る 。 庁 舎 で は 、 非 常 時 の 救 援 活 動 ・ 執 務 継 続 可 能 時 間 と継 続 希 望 時 間 共 に 、 上 位 機 能 を持 つ 庁 舎 の Taグ ル ー プ が 他 の グ ル ー プ よ り長 い が 、 救 援 活 動 お よ び 執 務 継 続 希 望 時 間 の 充 足 度 は Taグ ル ー プ が 非 常 に 短 い と して い る 。 非 常 時 の 重 要 度 が 高 い 電 源 機 能 と給 水 機 能 に つ い て 、 現 状 設 備 で ど の 程 度 の 供 給 が 可 能 か を 検 討 した 結 果 、 電 源 機 能 で は 、 非 常 時 に 平 常 時 並 の 100%で
機 能 させ る の
は 非 常 に難 しい が 、 必 要 最 低 限 の 機 能 維 持 可 能 時 間 で は 上 位 機 能 を持 つ 庁 舎 の
Taグ ル ー プ が 約 51時 間 で あ っ た と して い る 。 給 水 機 能 で は 、 非 常 時 に 平 常 時 と 同 様 に 水 を 100%で
使 用 して も約 1週 間 は 供 給 で き る こ とが 分 か っ た と
して い る 。 ま た 、 阪 神 大 震 災 設 備 被 害 調 査 報 告 か ら、 設 備 に つ い て は 新 耐 震 の 基 準 通 り 施 工 す れ ば 問 題 は あ ま り な く、 屋 外 の イ ン フ ラ と の 接 続 部 が 今 後 の 課 題 で あ る と して い る 。 ま た 、 飲 料 水 ・ 雑 用 水 の 別 系 統 化 や 2槽 化 等 の 設 計 上 の 対 策 が 必 要 で あ る と し て い る 。 DHC受
け 入 れ 施 設 で は 、 洞 道 との 接 続 部 に軟 弱 地 盤 改
良 等 の 地 盤 対 策 や 建 物 と 周 辺 地 盤 と の 変 位 を吸 収 す る フ レ キ シ ブ ル 継 ぎ手 等 を 施 す 必 要 が あ る と して い る 。 今 後 、 大 都 市 な ど 住 宅 密 集 地 で は 、 地 震 に 強 い 消 火 栓 網 の 整 備 が 必 要 で あ る と して い る 。 ガ ス 管 に つ い て は 、 地 盤 沈 下 対 策 (伸 縮 継 ぎ手 の 使 用 )が 施 さ れ て い た 建 物 は 、 引 き込 み 部 で あ っ て も被 害 は な く、 埋 設 用 の 鋼 管 用 SGM、
ポ リ エ チ レ ン 管 は 大 き な 被 害 は な か っ た と して い る 。
また 、 電 気 施 設 で は 、 地 中 線 は 言 わ れ る ほ ど安 全 で は な か っ た と 報 告 して い る 。
以 上 よ り、 巨 大 地 震 被 災 地 住 民 に対 す る 調 査 デ ー タ に基 づ い て 、 高 度 住 機 能 集 積 地 区 にお け る ラ イ フ ラ イ ン機 能 の 非 常 時 自立 の 必 要 性 に 関 して 研 究 して い る例 は 見 当 た ら な い 。
18
1.2.2
地 区 計 画 と地 区 施 設 に 関 す る 研 究
日笠 は 、 「 地 区 計 画 ;新 しい 都 市 計 画 の 展 開
文献 4)」
の中で、我 が 国 にお
け る 市 街 地 の 抱 え る 問 題 点 と制 度 の 抱 え る 問 題 点 を次 の よ う に 指 摘 して い る 。
(1)我 が 国 にお け る 市 街 地 の 抱 え る 問 題 点
1)都 市 へ の 人 口 集 中 及 び 諸 機 能 の 集 中 が もた ら した 問 題 点 我 が 国 ほ ど、 急 激 に都 市 化 が 進 ん だ 国 は 、 欧 米 先 進 国 に は例 を み な い 。 こ れ は 、 都 市 化 の 指 標 で あ る 市 部 と郡 部 別 の 人 口 比 率 を 見 れ ば 明 らか で 、 市 部 の 人 口 比 率 が 25%か ら 75%ま で 上 昇 す る の に必 要 と した 年 数 は 、 我 が 国 の 約 4
0年 に対 して、 英 国、 米 国 は 約 100年 と 2.5倍 も の 長 い期 間 を要 して い る 。 特 に 、 第 2次 世 界 大 戦 以 降 に つ い て 見 る と、 産 業 構 造 が 農 業 ・ 林 業 ・ 水 産 業 を 中 心 と した 1次 産 業 型 か ら、 鉄 鋼 ・ 化 学 ・ 自動 車 ・ 電 気 機 器 を 中 心 と した 2次 産 業 型 及 びサ ー ビ ス を 中 心 と した 3次 産 業 型 へ と大 き く方 向 転 換 した 時 期 で あ り、 高 度 経 済 成 長 に よ り農 村 。漁 村 部 か ら都 市 部 へ の 急 激 な 労 働 力 の 移 動 が 起 こ り、 都 市 へ の 人 口 集 中 が 急 激 に 進 展 した 結 果 、 人 口 集 中 地 区 の 面 積 は全 国 土 の わ ず か 2%程 度 に過 ぎ な い に もか か わ らず 、 そ こ に 居 住 す る 人 口 は 1970 年 に は 我 が 国 全 人 口 の 過 半 数 を 占 め る に 至 っ て い る 。 こ れ を 、 東 京 。大 阪 ・ 名 古 屋 の 3大 都 市 圏 に つ い て み る と 、 全 国 土 の 1%未 満 の 地 域 に 、 我 が 国 全 人 口 の 30%以 上 が 集 中 す る 過 密 状 態 を呈 して い る 。 こ の よ う に、 都 市 へ の 人 口 及 び 産 業 他 の 諸 機 能 の 集 中 に対 して 適 切 な抑 制 策 が 欠 如 した た め 、 都 市 に お け る 過 密 の 弊 害 と生 活 環 境 の 悪 化 を 一 層 深 刻 な も の と して い る 。
2)市 街 地 の 広 域 ス プ ロ ー ル が もた ら した 問 題 点 市 街 地 の ス プ ロ ー ル は 、 宅 地 需 要 が 旺 盛 な郊 外 に お い て 発 生 して お り、 東 京 首 都 圏 で み る と 半 径 50Km以
上 に及 ん で い る。
ス プ ロ ー ル 地 域 は 、 多 く の 農 地 ・ 山林 等 を介 して 点 在 す る 住 宅 群 と して 存 在 す る た め 、 道路 ・ 下 水 道 。公 園 等 の 都 市 施 設
注 1)は
長 年 に亘 っ て整 備 さ れ ず 、
住 民 に と って 大 き な マ イ ナ ス で あ る ば か りで な く、 この よ う に 散 漫 な ス プ ロ ー
19
ル 市 街 地 に都 市 施 設 を 整 備 す る こ と は 、 都 市 計 画 的 に も極 め て 不 経 済 と 言 わ ざ る を得 な い 。 こ の よ う な ス プ ロ ー ル 市 街 地 は 、 本 来 、 開 発 を抑 制 す べ き森 林 や 空 閑 地 を破 壊 し 、 低 地 や 軟 弱 地 盤 地 域 を 浸 食 す る こ と に よ り建 設 さ れ る た め 、 防 災 上 極 め て 危 険 で か つ 都 市 施 設 が 不 十 分 な 、 不 健 全 な 過 密 市 街 地 を形 成 す る 原 因 と な っ てい る。
3)市 街 地 の 過 密 化 が も た ら した 問 題 点 過 密 と は 、 高 密 度 で あ る こ と を前 提 条 件 と す る が 、 安 全 性 や 快 適 性 等 の 健 全 な 居 住 環 境 の 要 件 を欠 い た 市 街 地 の 状 態 の こ と を 言 う 。 大 都 市 圏で は 、 い まだ に木 造 密 集市 街 地 が 解 消 せ ず 、 防災性 能 の極 め て低 い 密 集 市 街 地 が 数 多 く存 在 して い る 。 この よ うに、 新 市街 地 ・ 既 成市 街 地 を問 わず 、市 街 地 の過密 化 は防 災面 だ け で な く、 日照 。通 風 他 の 都 市 住 民 の 生 活 環 境 を 著 し く悪 化 させ て い る 。
4)ミ ニ 開 発 の 問 題 点 市 街 地 の 過 密 の 代 表 例 と し て 、 ミ ニ 開 発 の 問 題 点 を 取 り上 げ て い る 。
a)ミ ニ 開 発 に お け る 宅 地 規 模 ミ ニ 開 発 と は 、 開発 許 可 の 対 象 とな る規 模 に満 た な い 開 発 で 、 小 規 模 に分 割 さ れ た 通 常 100m2未
満 の 宅 地 、 又 は、 そ の上 に 限 度 一 杯 に建 築 され た 住 宅
を分 譲 す る 低 質 な 小 規 模 開 発 を 指 して い る 。 ミ ニ 開 発 は 大 き く、 「 郊 外 型 ミ ニ 開 発 」 と「 既 成 市 街 地 型 ミ ニ 開 発 」 に 分 類 で き る 。 前 者 は 新 市 街 地 の ス プ ロ ー ル の 問 題 と して 、 後 者 は 良 好 な 既 成 市 街 地 に お け る 既 存 市 街 地 の 細 分 化 に よ る 生 活 環 境 悪 化 を も た らす 問 題 と して 認 識 で き る 。 図 1.18に
、 既 成 市 街 地 型 ミ ニ 開 発 に お け る 宅 地 規 模 の 例 を示 す 。 世 田 谷
区 の 例 で は 、 1965年 た も の が 、 1976年
0m2以 上 ~ 70m2未
時 点 で は 全 体 の 99%が 時 点 で は 、 敷 地 面 積 50m 満 が 36%を
、 70m2以
%を 占 め 、 全 体 の 97%が 100m2未
100m2以
上 の宅 地 で あ っ
未 満 が 全 体 の 32%を 上 ~ 100m2未
、 5
満 が 29
満 の 狭 小 宅 地 に細 分 化 され て い る 。 こ
20
の こ とは、 いか に短 期 間 に ミニ 開発 が 行 わ れ 、既 成市 街 地 の住 環 境 悪 化 が進 ん だ か を示 して い る 。
b)
ミニ開発 の 問 題 点
イ)
住 宅 単 位 と して の 問 題 点
敷 地 が 小 さい上 に 、 狭 小 な 敷 地 に住 宅 を 限 度 一 杯 に建 て る た め 、 隣 棟 間 隔 が 十 分 取 れ ず 、 日照 ・ 通 風 ・ プ ラ イ バ シ ー な ど の 居 住 環 境 の 悪 化 を も た ら し、 か つ 延 焼 の 危 険 が 高 くな る た め 防 災 安 全 性 が 大 幅 に低 下 す る 。 口) ・
ミニ 開発 連 坦 化 に伴 う問 題 点 防 災上 の危 険性 が高 い
木 造 の 小 規 模 住 宅 が 密 集 し隣 棟 間 隔 が 狭 い た め 延 焼 の 危 険 性 が 極 め て 高 く、 無 秩 序 な 取 り付 け 道 路 ・ 行 き止 ま り道 路 の 形 成 に よ り、 避 難 時 の 安 全 性 や 緊 急 時 の ア ク セ ス性 が 低 い 。 ・
居住水準が低 い
狭 小 な 敷 地 に小 規 模 住 宅 が 軒 を接 して 連 坦 し、 か つ 道 路 の 幅 員 も十 分 で な い た め に 空 間 を十 分 確 保 で き ず 、 日照 。通 風 ・ プ ラ イ バ シ ー な ど の 点 で 居 住 水 準 の低 い 市 街 地 とな る。 ・
都 市 施 設 容 量 との ア ンバ ラ ン ス
敷 地 の 狭 小 化 に よ り住 戸 数 密 度 が 高 くな り、 そ の 結 果 人 口 密 度 が 高 くな る た め 、 下 水 道 。公 園 等 の 都 市 施 設 容 量 と の ア ン バ ラ ン ス が 生 じ る 。
(2)
制 度 の抱 え る 問題 点
1)
都 市計画 の 問題 点
都 市 計 画 法 は 、 都 市 の 健 全 な 発 展 と 秩 序 あ る 整 備 を 図 り、 も っ て 国 上 の 均 衡 あ る 発 展 と公 共 の 福 祉 の 増 進 に 寄 与 す る こ と を 目的 と し て い る 。 と こ ろ が 、 市 街 化 区 域 を み る と 、 ス プ ロ ー ル を容 認 し た 上 に 都 市 施 設 の 整 備 が 遅 れ る 等 、 地 区 レ ベ ル の 生 活 環 境 の 整 備 に 対 して 十 分 な 効 果 を上 げ て い る と は 必 ず し も言 え な い 。 ま た 、 都 市 施 設 の 整 備 は 、 相 変 わ らず 道 路 を 中 心 と し た 都 市 基 盤 施 設 を対 象 と して い て 、 居 住 環 境 の 向 上 に 大 き く関 係 す る 地 区 レ ベ ル
21
の 道 路 ・ 公 園 ・ 教 育 施 設 等 の 一 体 的 整 備 は 対 象 と して い な い 問 題 が あ る 。 他 方 、 土 地 区 画 整 理 事 業 は 、 こ れ ま で 多 くの 実 績 を上 げ て い る が 、 上 モ ノ の 建築 を規 制 で き な い 点 や 宅 地 の細 分 化 を 防止 で きな い 等 の 問題 点 を有 して い る 。
2)
都 市 計 画 ・建 築 計 画 制 度 の 限界
都 市 計 画 法 に よ る 都 市 施 設 整 備 と建 築 基 準 法 に よ る 建 築 規 制 が 一 体 化 して い な い た め に 、 区 画 整 理 済 み の 地 区 で は 当 初 計 画 の 人 口密 度 と実 際 の 人 口 密 度 に 大 き な 差 異 が 生 じる 結 果 、 都 市 施 設 容 量 が 不 足 す る 問 題 が 生 して い る 。 ま た 、 前 述 した よ う に 、 既 成 市 街 地 に お け る 宅 地 の 細 分 化 に よ る ミ ニ 開 発 を 防 止 で き ず 、 既 成 市 街 地 の 過密 化 と生 活 環 境 悪 化 、 災 害危 険 の 増 大 を引 き起 こ して い る 。 以 上 に示 した 通 り、 日笠 は 我 が 国 に お け る 市 街 地 の 抱 え る 問 題 点 と 制 度 の 抱 え る 問 題 点 を述 べ て い る 。
(3) 1)
地 区計 画 導 入 の 背 景 地 区計 画 が必 要 と な った背 景
日笠 は 、 また 、 都 市 計 画 は 「 都 市 全 体 の マ ク ロ 的 な土 地 利 用 と 道 路 を 主 と し た都 市 施 設 の 整 備 に 関 す る 計 画 で あ り、 街 区 ま た は 地 区 レ ベ ル の 市 街 化 の コ ン トロ ー ル と い う点 で きめ 細 か さ に 欠 け る き ら い が あ る 」 と 指 摘 して い る が
4)、
都 市 計 画 は 1.2。
文献
2の (1)~ (2)に 示 した通 り、 市 街 化 区 域 内 に
お け る ス プ ロ ー ル を抑 制 で きず 、 ま た 、 開 発 許 可 に 係 わ る 場 合 に お い て も建 築 行 為 そ の も の を適 切 な 市 街 地 形 成 の 観 点 か ら コ ン ト ロ ー ル で き て い な い 。 一 方 、 建 築 基 準 法 に よ り規 定 さ れ る建 築 計 画 は 、 敷 地 単 位 の 建 築 単 体 に 対 す る 制 限 で あ り、 敷 地 の 細 分 化 や 用 途 の 混 在 に よ る 都 市 環 境 の 悪 化 に対 して 何 ら 抑 止 力 を有 して い な い 。 た だ 、 敷 地 の 接 道 義 務 が 問 わ れ る だ け で 、 地 区 全 体 の 道 路 体 系 との 関 係 に は 関 与 しな い な ど 問 題 点 も多 い 。 こ の よ う に 、 都 市 計 画 に よ る 都 市 施 設 の 整 備 と建 築 基 準 法 に よ る 建 築 規 則 が 一 体 化 して い な い た め に さ ま ざ ま な 問 題 が 起 こ っ て お り、 都 市 計 画 と建 築 計 画 は、 本 来 果 たす べ き使 命 と して の 相 互 補完 が 十分 に 機 能 せ ず 、 安 全性 や 快 適 性 、 効 率性 に欠 け る点 が 多 い 。
22
こ う した 問 題 に対 応 す る た め に 、 都 市 計 画 と個 々 の 敷 地 を 単 位 とす る 建 築 計 画 の 中 間 に位 置 す る 総 合 計 画 と して の 地 区 計 画
1980年 2)
注 2)へ
の 必 要 性 が 高 ま り、
に地 区 計 画 制 度 が 導 入 さ れ た 。
地 区計 画 の 概 念
都 市 計 画 の な か で 対 象 と す る地 区 は 、 都 市 空 間 の 段 階 構 成 の 一 環 と して 位 置 付 け られ る 。 図 1.19に
、 都 市 空 間 の段 階 構 成 を示 す
文献 4)。
この 図で は、
地 区 (こ れ を狭 義 の 地 区 と よぶ )と 街 区 は 区 分 され て い る が 、 広 義 に は 、 街 区 を含 め て 地 区 (こ れ を広 義 の 地 区 と よ ぶ )と 考 え る こ とが で き る 。 広 義 の 地 区 は 、 個 別 の 建 築 の 集 積 が 都 市 を形 成 す る 場 合 の 中 間 項 と して 位 置 付 け られ 、 街 区 ま た は 街 区 の 集 積 した もの と考 え られ る 。 地 区 計 画 は 、 一 般 に広 義 の 地 区 に 対 応 す る計画 と 1004
ば F I m I H I I 円 l 国 r 川 = = 目 ■ H 4 ′ 口 ■ 日 皿 m て m
規定
一
の集合が都市 を構成す る
都 市 形 成
5
一
′街 区 の 集合 が地区 を構成 す る (広 義 の「地 区」 は 街 区 と地 区 を含 む )
3
一 上 上 5 4 世 田
図 1.
地 区 形 成
③
集合 が 街 区 を構 成す る
出典 :文 献 4)
18既 成 市街 地 型 ミニ 開発 にお け る 宅 地規 模 の例
(4)新
図 1.19
出典 :文 献 4)
都 市 空 間 の段 階 構 成
しい 地 区 施 設 の 必 要 性
地 区計 画 は地 区 内 の土 地 利 用 や 地 区 施 設
注 3)、
建 築物 の建 築 形態 な どに関
す る 計 画 で あ り、 都 市 レ ベ ル の 計 画 を 補 完 し、 建 築 レ ベ ル と 都 市 レ ベ ル の 計 画 を 一 体 的 に 行 う事 で 、 環 境 的 に良 好 な市 街 地 形 成 を 図 る こ と を 目標 と して い る 。 こ の 市 街 地 形 成 に は 都 市 施 設 と上 モ ノ と して の 建 築 の 一 体 的 整 備 が 必 要 と な る が 、 現 状 の 地 区 施 設 は 地 区 内 の 居 住 者 等 の 利 用 に 供 さ れ る 道 路 と公 園 そ の 他 の
23
政 令 に 定 め る 施 設 の み を 対 象 と し て い る た め 、 都市施設 を補 完 し建 築 施設 (基 本 的 に建 築 設 備 を 指 す )を 一 体 的 に 統 括 す る と い う意 味で は十分 とは 言 えな い 。
以 上 よ り、 都 市 施 設 の 機 能 を補 完 し、 建 築 施 設 の 機 能 を 一 体 的 に 統 括 す る 新 しい 機 能 を持 つ 地 区 施 設 が 必 要 と な っ て く る 。
1.2.3
巨 大 都 市 の ク ラ ス タ ー 化 とそ の 環 境 的 効 果 に 関 す る研 究
我 が 国 の 都 市 で は 、 人 口 ・ 機 能 の 集 中 に よ り市 街 地 の ス プ ロ ー ル 化 が 進 展 し、 森 林 や 農 地 ・ 空 閑 地 等 の 自然 被 覆 面 が 大 き く減 少 して い る 。 一 方 、 行 政 機 能 や 業 務 。商 業 等 の 機 能 が 集 ま る 都 市 の 中 心 部 に お い て は 、 緑 地 や 公 園 等 の オ ー プ ン ス ペ ー ス は 欧 米 の 都 市 に 比 べ て は る か に 少 な く、 地 面 は 舗 装 道 路 や 建 物 等 の 人 口 被 覆 面 に 大 部 分 を覆 わ れ て い る 。 そ れ と同 時 に 、 企 業 活 動 や 住 民 生 活 な どの 都 市 活 動 の 結 果 発 生 す る都 市 排 熱 の 増 大 は ヒ ー トア イ ラ ン ド を 形 成 し、 ま た 、 自動 車 や 発 電 所 。工 場 等 か ら排 出 さ れ る 大 気 汚 染 物 質 は ダ ス ト ドー ム を 作 り、 今 日 の 都 市 環 境 問 題 を 引 き起 こ し て い る。 こ の よ う な 、 都 市 に お け る 環 境 問 題 の ひ と つ の 解 決 方 法 と して 、 建 築 物 を 高 層 に集 約 した都 市 の 集 約 化
(ク ラ ス タ ー 化
)が 考 え られ る 。 こ れ に よ り、 緑 地
や 水 辺 等 の オ ー プ ン ス ペ ー ス を 多 く確 保 で き 、 人 工 被 覆 面 を 大 幅 に 減 少 させ 自 然 被 覆 面 を 回 復 す る こ とで き る 。 都 市 の 集 約 化 に よ り、 単 位 延 べ 床 面 積 当 た り の 外 壁 面 積 や 窓 開 口 面 積 、 屋 根 面 積 を縮 小 で きる た め 、 ビル や 集 合 住 宅 等 の 冷 暖 房 負 荷 を 小 さ く抑 え られ 、 結 果 と し て 都 市 排 熱 量 を低 減 で き る 。 ま た 、 自然 被 覆 面 を 回 復 す る こ とが で き 、 緑 地 や 水 辺 に よ る 自然 冷 却 効 果 を 引 き 出 す こ と が 可 能 とな る。
従 来 研 究 と して ヽ ヒー トア イ ラ ン ド問 題 解 決 の 一 方 策 と し て 、 都 市 計 画 の 観 点 か ら、 鈴 木 ら に ょ る「東 京 ク ラ ス タ ー モ デ ル の 提 案 と 、 そ れ に基 ず く環 境 評
24
価 」 の研 究 が あ る
文献 5)。
こ の 研 究 は 、 緑 地 ・ 河 川 を 連 続 的 に 都 心 部 に 導 入 し ク ー ル ア イ ラ ン ドの ネ ッ トワ ー ク を 形 成 さ せ 、 ま た 、 建 築 物 を 高 層 ・ 集 約 化 (ク ラ ス タ ー 化 )す る こ と に よ り現 状 以 上 の 延 床 面 積 を確 保 し、 こ の よ う な 土 地 利 用 形 態 の 改 善 に よ り、 東 京 に お け る 巨 大 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 分 断 を 図 る も の で あ る 。
1990年
代 に お け る東 京 都 区 部 の グ ロ ス 容 積 率 分 布 をみ る と、 都 心 部 で は
大 手 町付 近 を中心 に高 容積 率 の メ ッシ ュ が 分 布 し、 周 辺 で は新 宿 ・ 渋 谷 ・ 池 袋 等 の 副 都 心 に高 容 積 率 の メ ッ シ ュ が 現 れ て い る が 、 グ ロ ス 容 積 率 101~
0%の メ ッ シ ュ が 多 い と して い る 。 さ ら に 外 周 区 で は 100%以 の メ ッ シ ュ が 大 部 分 を 占 め 、 都 区 部 全 体 で は 100%以
20
下 の低容 積 率
下 の メ ッ シ ュ が 7割 強
を 占 め て い る と し て い る 。 つ ま り、 東 京 都 区 部 は 、 水 平 的 に は 非 常 に 高 密 度 に 都 市 化 が 進 行 して い る が 、 垂 直 方 向 の 空 間 的 に は 非 常 に 低 密 度 と 言 え る と して い る。 東 京 都 区部 にお け る ク ラ ス ター モ デ ル の 提 案 は 、 現 在 の 人 口 を一 定 に維 持 す る こ と を 初 期 条 件 と し、 河 川 を 中 心 に 緑 化 を 行 っ て 水 系 ・ 緑 地 の リ ン ケ ー ジ を 図 る も の で あ る 。 オ ー プ ン ス ペ ー ス は 50%以
上 確 保 し、 建 ぺ い 率 を 50%以
下 、 業 務 。商 業 ・ 生 活 関 連 施 設 の 延 床 面 積 は 現 状 維 持 と し、 住 宅 の 延 床 面 積 は 現 状 の 2倍 等 と し て 、 全 体 が 自然 ・ 都 市 共 に ネ ッ トワ ー ク さ れ つ つ 、 小 規 模 に 集 ま っ て い る ク ラ ス タ ー 化 さ れ た 都 市 を 提 案 して い る (図 1.20)。 次 に 、 提 案 した 東 京 ク ラ ス タ ー モ デ ル と 現 状
(1990年
比 較 し て い る 。 土 地 利 用 に 関 す る 比 較 で は 、 1990年
代 )の 土 地 利 用 を
代 で は 人 工 被 覆 面 (建
物 ・ 道 路 )と 自然 被 覆 面 (緑 地 ・ 田 ・ 畑 )・ 水 面 と の 割 合 が 7対 3で あ っ た も の が 、 ク ラ ス タ ー モ デ ル に お い て は 1対 1と 非 常 に 均 衡 の とれ た 良 い 状 況 に な っ て い る と して い る 。 表 1.1に 、 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 原 因 お よ び ク ラ ス タ ー モ デ ル で 行 っ た 都 市 計 画 的 解 決 策 を 示 し て い る 。 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 原 因 で あ る 都 区 部 内 の 人 工 熱 の増 加 、 排 気 ガ ス の 増 加 、 建 築 密 集 に よ る気 流 の 乱 れ 、 人工 被 覆 面 の増 加 、 自
25
然 被 覆 面 の 減 少 を 低 減 す る こ と に よ り、 都 市 計 画 的 手 法 を 用 い る こ と で ヒ ー ト ア イ ラ ン ドの 分 断 に 寄 与 す る 可 能 性 が あ る と して い る 。 熱 環 境 に 関 す る 評 価 で は 、 建 築 物 を 高 層 集 約 化 す る こ と で 延 床 面 積 増 加 に 伴 う 人 工 排 熱 量 の 増 加 を抑 制 で き 、 ま た 河 川 を 中 心 に 水 系 。緑 地 の リ ン ケ ー ジ を 図 る こ と で 、 連 続 的 な 人 工 排 熱 量 の 分 布 に 対 して 切 れ 目 を 入 れ る こ と が で き る こ と を 示 して い る 。 顕 熱 流 分 布 の 変 化 を み る と 、 現 状 で は 全 体 的 に 高 い 値 の メ ッ シ ュ が 広 く切 れ 日 な く分 布 して い る が 、 こ れ は 現 在 の 東 京 に お け る 土 地 被 覆 の 多 くが 入 工 被 覆 面 で あ り、 自然 被 覆 面 の 割 合 が 小 さ い こ とが 原 因 で あ る と して い る 。 ク ラ ス タ ー モ デ ル に お い て は 、 緑 地 ・ 河 川 が 都 区 部 全 体 に ネ ッ トワ ー ク さ れ て い る た め 、 顕 熱 流 が 分 断 さ れ 顕 熱 流 が 負 の 値 を 示 す メ ッ シ ュ が 多 く現 れ て い て 、 都 区 部 全 体 で は 現 状 の 1/3に 抑 え る こ とが で き る と して い る (図 1.21)。 表 1.1
ヒー トア イ ラ ン ドの原 因 と都 市
I● ● │●
D● 内における燃義熱
人鰤 .都市括力の間Eに 」 口 6人工熱の増加
tOtに よる畑雪層
IbD● じん
I● .自 ■■の絆気ガス 10)● 饉
nO趣遺物の農何学嵯 響
=鮨
の 癖 生 2,■ ス 薔
,脚 Int質 AIEE10枷 ●D-0変 化 図 1.20ク
ラスタ ー モデルの 提案
出典 :文 献 5)
計 画 的解 決 策
出典 :文 献 5)
"湘
お
鑢
自 りつ高層化:こ 伴う1鰤 口隕C"颯 少:こ 」 り,外部からの熱取得.損 失を減ら1
グストト…ム の形成
録地の浄iヒ 作用
熱の停滞
都市の高低のメリハ リをつけ 目の道を作る
書熱
自然被覆面の減少
熱交換の減少
都市の集約1ヒ による地表面の薇地 .
来 初 へ の rg請
録地.ホ i40蒸 発散作用
出典 :文 献 5)
1990s
図 1.21
199
Tokyo Cluster Model
O年 代 と クラス タ ーモ デ ル の顕熱 流
26
結 論 と して 、 都 市 を集 約 化 す る こ と は 、 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 熱 源 を集 約 す る こ と に な り、 ま た 緑 地 。河 川 と い つ た 自然 の 増 加 は ク ー ル ア イ ラ ン ド形 成 に効 果 が あ る と予 測 で き、 ヒ ー トア イ ラ ン ドの低 減 、 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 分 断 へ の 期 待 が 確 認 で きた と して い る 。
以 上 よ り、 既 存 の 研 究 に お い て 、 ス プ ロ ー ル した 市 街 地 を ク ラ ス タ ー 化 す る こ とで ヒ ー トア イ ラ ン ドの 抑 制 効 果 が確 認 され て い る 。
1.2.4
既 存 市 街 地 の ク ラ ス タ ー 化 に よ る 環 境 的 効 果 に 関 す る研 究
既 存 市 街 地 の ク ラ ス タ ー 化 に 関 す る 従 来 研 究 と して 、 高 ら に よ る 「 エ コ ロ ジ
6)。 カルシデイ計画」の研究がある文献 こ の 研 究 は 下 町 (江 東 、 墨 田 )地 区 を モ デ ル に 、 高 密 度 居 住 の 中 で オ ー プ ン ス ペ ー ス や 緑 を確 保 し環 境 負 荷 を低 減 す る ユ ニ テ ィ リ テ イ シ ス テ ム を都 市 基 盤 と して 整 備 す る 、 下 町 エ コ シ テ イ の 提 案 で あ る 。 本 地 区 は 建 物 現 況 調 査 で は 住 宅 が 約 7割 を 占 め 、 そ の う ち 併 用 住 宅 が 2/3 を 占 め る 特 徴 を 示 して い る 。 ま た 、 住 宅 床 面 積 は 2階 部 分 に 集 中 し て お り、 1 階 部 分 は 工 業 ・ 商 業 等 の 各 用 途 が 混 在 し住 宅 用 途 は 少 な い 。 全 体 と して 、 平 均 階 数 が 2.3階 と 低 層 な 構 成 と な っ て い て 、 一 人 当 た り居 住 面 積 は 20m2/ 人 前 後 と低 水 準 で あ る 。 こ の 地 区 は 、 か つ て 水 運 に 利 用 さ れ 豊 か な 親 水 空 間 を 形 成 して い た が 、 高 度 経 済 成 長 を契 機 に 大 規 模 工 場 が 立 地 し 、 そ の 工 場 排 水 に よ り水 質 汚 濁 が 進 み 現 在 は 埋 め 立 て ら れ て い る 。 ま た 、 工 場 に よ る 地 下 水 の 汲 み 上 げ に よ り地 盤 沈 下 が 進 ん だ 結 果 、 剃 刀 の よ う な 薄 く高 い 堤 防 が 建 設 さ れ 、 そ の た め 、 建 物 は 河 川 に 対 して 背 を 向 け て 建 て ら れ 、 親 水 空 間 と 呼 べ る オ ー プ ン ス ペ ー ス は 著 し く少 な く な っ て い る 。 ま た 、 東 京 都 の 内 部 河 川 整 備 方 針 に よ り、 今 後 は 河 川 の 約 6 割 が 埋 め 立 て ら れ る こ と に な っ て お り、 さ ら に水 辺 自体 が 減 少 す る こ と に な っ て い る。
27
本 提 案 の エ コ ロ ジ カ ル シ テ イ は 、 地 球 に 優 し く人 間 に も優 し い 高 密 度 居 住 の こ と を 言 い 、 職 住 近 接 ・ 住 工 分 離 、 建 物 高 層 化 、 水 と緑 の 区 画 整 理 、 地 区 の 分 節 化 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の 手 法 に よ リ エ コ シ テ イ計 画 を 実 現 す る も の で あ る。 示 して い る 。 具 体 的 に は 、 緑 地 0河 川
住 環 境 整 備 の 基 本 方 針 を 図 1.22に 面 積 を 5m2/人
か ら 20m2/人
に 、 居 住 面 積 を 20m2/人
か ら 50m2
/人 に 、 通 勤 時 間 を 15分 程 度 に 、 工 場 を 地 下 に 集 約 す る もの で あ る 。 計 画 対 象 地 区 は 墨 田 区 お よ び 江 東 区 の 東 西 方 向 約 2Km,南 の 約 800haの
地 区 で あ り、 こ の 地 区 を 約 lkm四
る も の で あ る 。 lkmの
北 方 向 約 4Km
方 の 8プ ロ ッ ク に 分 割 す
ス ケ ー ル は 、 徒 歩 圏 の 最 小 コ ミ ュ ニ テ ィ ー 単 位 で あ り、
地 区 内 供 給 処 理 施 設 を設 け る 最 小 地 区 単 位 で あ る 。 ま た 、 各 プ ロ ッ ク は 少 な く と も 2辺 を 河 川 に 囲 ま れ た 好 条 件 を備 え て い る 。 以 上 の 手 法 に よ り計 画 後 の 建 物 、 共 有 空 地 、 公 園 、 道 路 、 河 川 面 積 を 算 定 し、 そ の 土 地 利 用 構 成 比 を 示 し た も の が 図 1.23で
あ り、 1人 当 た り の 緑 地 。河
川 面 積 と 人 口 密 度 の 関 係 を 示 した も の が 図 1.24で
あ る。現 状 で は、 各 地 区
は 左 下 の 領 域 に あ り低 密 度 で 自然 環 境 の 乏 し い こ と を示 して い る が 、 計 画 後 で は 、 各 地 区 は 右 上 の 領 域 に 移 行 し高 密 度 で か つ 自然 環 境 の 豊 か な 居 住 環 境 に な る と して い る 。 こ の 時 の 計 画 人 口 の 算 定 条 件 は 、 現 状 の 人 口 に 流 入 就 業 者 と そ の 家 族 を 2.
5人 と して 加 算 し 、 高 層 化 の 限 界 を 指 定 容 積 率 の 範 囲 と して い る 。 そ の 結 果 、 人 口 密 度 は 現 状 の 平 均 170人
/haか
ら計 画 で は 平 均 300人
地 区 全 体 の 人 口 は 現 状 の 135,700人
か ら 238,600人
加 が 可 能 で あ る と して い る 。 図 1.25に
/haと
な り、
と 約 1.8倍 に 増
D地 区 に お け る 計 画 前 後 の イ メ ー ジ
を 示 して い る 。 次 に、計 画 に関 す るエ ネル ギ ー供 給 シス テ ムの環 境 影 響 評 価 を、 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か ら検 討 して い る 。 従 来 の エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム を ポ イ ラ ー ・ 冷 凍 機 の 組 み 合 わせ と し、 計 画 の エ ネ ル ギ ー供 給 シ ス テ ム を河 川 水 熱・ 工 場 排 熱 ・ 太
28
陽 エ ネ ル ギ ー等 の 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 シ ス テ ム や コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム か ら構 成 さ れ る 新 シ ス テ ム と して い る (図 1.26)。
エ ネ ルギ ー供 給 シ
ス テ ムの 比較ケ ー ス を図 1.27に 設定 して い る。 ケ ー ス① は現 状 人口で低 層 の地 区計画 に従 来 シ ス テ ム を採 用 す るケ ー ス 、ケ ー ス② は計画 人口で低層 の地 区計 画 に従 来 シス テ ム を採 用 す るケ ー ス 、ケ ー ス③ は計 画 人 口で高層 の 地 区計 画 に従 来 システ ム を採用 す るケ ー ス 、 ケ ー ス ④ は計画 人 口で高層 の 地 区計画 に 新 シス テ ム を採 用 す るケ ー ス であ る。 図 1.28に 年 間総 エ ネ ルギ ー 消 費量 の 検討 結 果 を、図 1.29に 年 間 1人 当 た りの エ ネ ルギ ー 消 費量 の検 討 結果 を示 して い る。図 1.
28か ら、 現状 に対 して居住 空間 を 2.5倍 、総 人 口 を約 1.
8倍 まで拡大 した計画後 にお い て (ケ ース ④ )、 計画地 区 内の 年 間総 エ ネルギ ー 消 費量 は現状 の 1.3倍 に抑 え られ る と して い る。 また、 ケ ー ス④ はケ ー ス② に比 べ て 25.6%エ ネ ル ギ ー 削 減効 果 が期待 で きる と して い る 。 同様 に、図
1.29か ら、計 画後 (ケ ー ス④ )に お い て 、年 間 1人 当た リエ ネ ルギ ー消 費 量 は ほ ぼ現状 を維持 で きる こ とが 分 か つた と して い る。 また、 ケ ー ス④ はケ ー ス② に比 べ て 31.4%エ ネ ル ギ ー削 減効 果が期待 で きる と して い る 。 河 川 ・ 緑地 の 増 大 に伴 う 自然 に よる冷却 効 果 は 、 コン ク リ ー ト道路 を河川 も しくは緑 地等 の 自然被 覆面 に 変化 させ た 場合 にお け る 、大気 に与 える熱量 の 減 少量 で 表 わせ る 。 道路面 の 吸収 熱量 を Qrと し河川 ・ 緑 地表面 の 吸収 熱量 を Q とす れ ば 、 Q― Qrの 差が道 路 に対 す る 自然 冷却量 で あ り、 Q、 Qrの 計算 は 文献 7)。 図 1.30に 緑 地 。河川 表面 熱収 支 によ って 決 め られ る と して い る に よる現状 と計 画 の 自然冷 却 量 の 変化 を示 して い る。計 画 で は全 地 区 の 自然 冷 却量 は現状 の 4倍 になった と して い る 。
29
出 典 :文 献 6) 一 人 当 た り 燎 地 。 汀 川 面 積
出典 :文 献 6) 水 とほ の菫 大
公 開童 地 の活 用 繰 地・ 河川 水準 │イ ′人…)20ば ′人
ゴ / 人
―人 当 た り
図 1.24-人
人口密魔 人/ba O■ は ● =順
当 たりの緑地 、河川面積 と 人 口密度 の 関係 出典 :文 献 6)
居住 面 積 の 性尭 10耐 ′人…)50耐 ′人
記入 就 業 者住 宅 と 演 出載 彙 者 職 場 整備 徒歩 :5分 ■
住エー 体 → 住工分離
図 1.
工 場分 散地 上 ―→ 工 場 集約地下
22住 環 境 整 備 の基 本方 針
く C)コ∥床1■ 製 ン
出典 :文 献 6)
く の 8+口 IA製
図 1。
25D地
"
区 における計画前後 の イ メー ジ 出典 :文 献 6)
S鋤
朋
Z 執 図 1.
国 公口 囲 H88■ 河j∥
,― ″●ホ プリント
国 共稲 説 圏 公口 Zヨ 8■ 河り ││
23 計 画 前 後 の 土 地 利 用 構 成 比 図 3
0
, 26新 システ ム エ ネ ル ギ ー供 給 フ ロ ー
出典 :文 献 6)
出典 :文 献 6) エ ネ ル ギ ー 消 費 量
解 ば 人 ノ 霊 貪 世 」 晏 静疑 目 目
El奮
課星躍 数暴製″人
1●
6) 却 量出典:率 献 帝
:1襲
駄
C
. 30
● 8 く 人
E
緑 地 、河 川 に よる現 状 と計画 の
a
∬
手
0-i
一人当た りの居住水準
観訳
図 1
・ 1●
出典 :文 献 6)
比 較 ケ ー スの設 定
m
:●
28年 間総 エネ ル ギ ー消費量 の検討結果
一 人 当 た リ エ ネ ル ギ ー 消 費 量
27エ ネ ル ギ ー供給 シ ステ ム
概 12m 叫
=
ADく 人)
図 1.
計 ソ 蛍 Oi撃 1/人 蓼 貪 星弾 零 図 1.
↓ o L ヽ 午
図 1.
29
rr/人
年 間 一 人 当 た りの エ ネ ル ギ ー 消 費 量
自然 冷 却 量 の 変化
結 論 と して 、 建 物 を 高 層 に 集 約 して 配 置 す る こ と 、 つ ま り既 存 市 街 地 を ク ラ ス タ ー 化 す る こ と に よ り、 高 密 度 居 住 の な か で オ ー プ ン ス ペ ー ス や 水 辺 、 緑 地 を 確 保 し、 か つ 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 シ ス テ ム や コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を組 み 合 わ せ た 新 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム を 導 入 す る こ と で 、 環 境 負 荷 を 低 減 で き る エ コ ロ ジ カ ル な 都 心 居 住 環 境 の 整 備 が 図 れ る と して い る 。
以 上 よ り、 具 体 的 な 地 区 を モ デ ル に 市 街 地 を ク ラ ス タ ー 化 して 、 オ ー プ ン ス ペ ー ス を確 保 す る と と も に 、 未 利 用 エ ネ ル ギ ー の 活 用 や コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン 等 の シ ス テ ム を導 入 す る こ とで 、 省 エ ネ ル ギ ー効 果 が 得 られ る こ と を示 して い る。
31
1.2.5
地 区 施 設 と して コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 導 入 した 場 合 の 効 果 に 関 す る研 究
(1)コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 省 エ ネ ル ギ ー 性 に 関 す る 研 究 近 年 、 我 が 国 に お い て 地 球 環 境 問 題 へ の 関 心 が ます ます 高 ま る な か で 、 排 熱 の 有 効 利 用 お よ び 環 境 汚 染 度 の 低 減 の 観 点 か ら、 大 規 模 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シス テ ム導 入へ の期 待 感 が 非 常 に高 まっ て い る。
この よ う な 背 景 か ら、 従 来 研 究 と して 、 佐 土 原 ら に よ る 「 東 京 都 区 部 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン導 入 地 区 の 選 定 に 関 す る 研 究 」 が あ る
文献 8)。
この 研 究 は 、 地 域 規 模 の コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 を有 効 的 か つ 計 画 的 に推 進 す る た め 、 技 術 的 特 性 か ら コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム が どの よ う な 地 域 に適 して い る か を マ ク ロ 的 に 把 握 す る こ と を 目的 と して 、 東 京 都 区 部 に お い て 500mメ
ッ シ ュ で 分 割 さ れ た 各 エ リ′ ア を 1つ の 地 区 と して 、 地 区
の 電 力 と 熱 の 需 要 特 性 を把 握 し、 地 区 に コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を導 入 す る とい う 立場 か ら、 そ の 可 能性 を評価 し導 入 地 区 の 選定 を行 っ た も の で あ る 。 そ の 際 、 視 点 を絞 る た め 、 前 提 と して 電 力 、 熱 の 供 給 範 囲 を 500mメ
ッシ ュ
の 範 囲 内 と し他 の メ ッ シ ュ との や り と り は しな い 、 大 気 汚 染 へ の 影 響 度 合 い は 取 り上 げ ず 省 エ ネ ル ギ ー 性 の み を評 価 指 標 とす る 、 負 荷 密 度 の 高 い 東 京 都 の 地 域 冷 暖 房 推 進 地 域 を対 象 とす る 、 以 上 の 3点 をあ げ て い る 。 本 研 究 で は 、 需 要 の 熱 電 比 の 特 性 の 表 現 方 法 を提 案 し、 地 区 の サ ン プ ル か ら 類 型 化 を 行 い 、 各 類 型 の 省 エ ネ ル ギ ー 性 の 評 価 を行 っ て コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 に適 す る 度 合 い の 順 位 付 け を 行 っ て い る 。 さ ら に 、 各 類 型 に属 す る 地 区 の 分 布 状 態 を 明 らか に し、 今 後 、 東 京 都 区部 に お い て 優 先 的 に 地 域 規 模 の コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 を 図 る べ き地 区 を示 す マ ッ プ を 作 成 し、 考 察 を行 っ て い る 。 市 川 ら は コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン の 省 エ ネ ル ギ ー 性 に 関 す る理 論 研 究 を 行 い 献 9)、
図 1.31の
文
上 図 の よ う な 概 念 図 を 提 案 して い る 。 本 研 究 は 、 コ ー ジ ェ
32
ネ レ ー シ ョ ンで 需 要 を最 大 限 満 た す 場 合 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 を評 価 指 標 に 用 い て い る 。そ の 曲線 は 、 シ ス テ ム の 熱電 比 と需 要 の 熱 電 比 が 一 致 した 「 電 力
。
熱 均 衡 」 状 態 で 、 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 が ピ ー ク と な る 最 適 点 を持 っ た 山型 を な して い る 。 熱 需 要 の 状 態 を 図 1.31の
下 図 の よ うな熱 電 比 頻 度 分 布 図 に表
現 す れ ば 、 そ の ビ ー ク の 位 置 が 電 力 ・ 熱 均 衡 点 に近 い ほ ど 、 そ して 集 中 度 が そ の ビ ー ク周 辺 で 高 い ほ ど一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 が 大 き くな り、 ① 、 ② 、 ③ の よ う に省 エ ネ ル ギ ー 性 の 順 位 付 け が 容 易 に行 え る と して い る 。 熱 電 比 頻 度 分 布 の 形 に よ つ て 地 区 の 特 性 を類 型 化 す れ ば 、 エ ネ ル ギ ー 有 効 利 用 面 か ら の コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム 導 入 の た め の 類 型 化 に な る と い う の が 、 基 本 的 な 考 え 方 で あ る。 東 京都 で は、 地 域 暖 冷 房推 進 地域 の 指定 を 、 法 定 容積 率 400%以
上 の地 域 、
ま た は 再 開 発 方 針 に 定 め られ た 再 開 発 促 進 地 区 を対 象 に 行 っ て い る 。 こ の 研 究 で は 、 上 記 推 進 地 域 お よび 地 域 暖 冷 房 計 画 区 域 を対 象 に熱 電 比 頻 度 分 布 の 特 性 に よ る 地 区 の 類 型 化 を検 討 し て い る 。 各 類 型 の 平 均 建 物 用 途 別 床 面 積 構 成 を示 した も の が 図 1.32で
あ る 。 ③ ② ① ② '③ 'の 順 で 業 務 。商 業 施 設 の 占 め る
割 合 が 大 か ら小 と な り、 逆 に、 住 宅 に 占 め る 割 合 が 小 か ら大 と な っ て い る 。 ① の 類 型 は 、 業 務 ・ 商 業 施 設 と 住 宅 そ の 他 用 途 が 最 も近 い 割 合 で 混 在 した類 型 で あ る 。 各 類 型 の 熱 電 比 近 似 頻 度 分 布 を 図 1.33に
示 して い る 。① 類 型 は 、 熱
電 比 の 最 頻 値 が 1付 近 に あ り、 最 頻 値 へ の 集 中 度 は ② ③ よ りや や 低 い こ と を示 して い る 。 各 類 型 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 の 算 定 結 果 を図 1.34に タ ー ビ ン は 規 模 に よ り差 が あ る が 9~ 24%、
示 して い る 。 ガ ス
ガ ス エ ンジ ン は 17~ 26%、
燃 料 電 池 は 20~ 32%程 度 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 と な っ た と して い る 。 類 型 の 数 字 1~ 3の 順 に 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 率 が 大 か ら小 と な っ て い る 。 各 類 型 に属 す る 地 区 の 数 で は 、 住 宅 の 割 合 が 高 い ② '③ '類 型 に 属 す る 地 区 は 少 な く、 業 務 ・ 商 業 の 割 合 が 高 い ③ ② 類 型 に 属 す る地 区 が 全 体 の 約 73%を 占め て い る。
33
各 類 型 に 属 す る 地 区 の 分 布 を 図 1.35に
示 して い る 。 ① 類 型 は コー ジ ェ ネ
レ ー シ ョ ン導 入 に よる 省 エ ネ ル ギ ー 率 が 最 も高 く、 最 も導 入 を優 先 的 に 進 め る こ とが 望 まれ る 地 区 で あ る 。 台 東 区 の 上 野 か ら北 東 側 を 中 心 に 、 そ れ と 隣 接 す る 文 京 区 の 総 武 線 沿 い に比 較 的 ま と ま っ て 見 られ る 。 そ の 他 、 山 の 手 線 、 総 武 線 、 東 海 道 線 の 沿 線 に 点 在 して い る 。 大 手 町 、 日比 谷 な どの 都 心 部 と湾 岸 開 発 地 域 は 、 ③ 類 型 に 属 す る 地 区 が 多 く分 布 して お り、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン 導 入 の 優 先 度 は 低 い と して い る 。 出典 :文 献 9) (不 足電 力買電 ) (電 力・ 熱均衡)
獣
(余
善 籠 〓
剰電力逆送電)
+ ミ そ H κ l
獣 側 緊
熱
図 1・
電
比
31熱 電比 と省 エ ネ ル ギ ー性 の 関係 概 念 図 (上 )と 需 要 の熱 電比 頻 度 分布 図 の モ デ ル (下 )の 比 較 模 式 図 出典 :文 献 8)
(凡
例)
■ 業務施設 ■ 文化施設 目
教育施設
■ 商業施設 目 宿泊施設 田 集合住宅 ■ 娯楽施設 目 医療施設 □
20%
4鮎 割 図 1.32
6錨
80%
100h
合
各 類 型 の 平 均 建物 用 途別 床面 積 構 成
34
独立住宅
出典 :文 献 8)
出典 :文 献 8) “
燃料電池
訳 ・ン ・スタ-t・ ン ・ カ スエンタ 力
掛3 0 堰 昼 キ2 0 ミ そ H κ1 0 l
熱
図 1.
電
比
ヒン スタ-・ 100001,
300001■
3・
・ス -ヒ ・ 力 タ ン 300019
V 00000① 0000 oooO● ①0000① 000●
(X)
類
33各 類型 の熱 電比近 似 頻 度 分布
図 1.
型
34各 類 型 の 一 次 エ ネ ル ギ ー削減 率 の 算 定結果
出典 :文 献 8)
図 1.35各
類 型 に属 す る地 区 の 分 布
35
結論 と して、 コー ジェ ネ レ ー シ ョン導入 に よる一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減率 が高 い 類 型 か ら順 に、① 、② と② '、 ③ と③ 'の 5類 型 に ま とめ るこ とが で きた と し て い る。② ③ 類型 は業務 ・ 商業 施設 の割 合 が 高 く、② '③ '類 型 は住宅 の 割 合 が 高 く、① 類 型 は 用途混在 型 で あ る こ と して い る 。 また、①類 型 は コー ジ ェ ネ レ ー シ ョン導入 に よる省 エ ネ ル ギ ー 率 が 最 も高 く、最 も導入 を優 先 的 に進 め る こ とが 望 まれ る地 区 で あ り、 台東 区 の上 野 か ら北 東 側 を中心 に 、 それ と隣接 す る文京区 の 総武線 沿 い に比較 的 まとま って 見 られ、 そ の 他、山 の 手線 、総武線 、 東海道線 の 沿線 に 点在す る と して い る 。
(2)
コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 の 可 能 性 に 関 す る研 究
コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョンシ ス テ ム は 、 電 力 と 熱 を 同 時 に 高 い 総 合 効 率 で 供 給 で き る エ ネ ル ギ ー シ ス テ ム と して 注 目 さ れ て い る 。 近 年 の 電 力 規 制 緩 和 の 流 れ の 中 で 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー タ ー と 電 気 事 業 者 との 系 統 連 係 や コ ー ジ ェ ネ レ ー タ ー 所 有 者 が 地 区 内 の 複 数 の 需 要 家 に対 して 電 気 を供 給 す る 特 定 地 点 電 力 供 給 が 可 能 に な る な ど 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 を促 進 す る 政 策 が 次 々 と 打 ち 出 され て い る 。 ま た 、 エ ネ ル ギ ー 有 効 利 用 の 観 点 か ら、 利 用 可 能 な 未 利 用 エ ネ ル ギ ー が 周 辺 に 存 在 しな い 地 域 で は 、 地 域 冷 暖 房 に お い て は コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム の 導 入 を検 討 せ ざ る を 得 な い 状 況 で あ り、 地 域 規 模 の コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム は今 後 ます ます 普 及 が 進 展 す る と予 想 さ れ る 。 こ の よ う な 背 景 を先 取 りす る形 で 、 余 り研 究 例 が 見 られ な い コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム の 経 済 性 に 関 して 、 従 来 研 究 と して 、 市 川 ら に よ る 「 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 にお け る コー ジ ェ ネ レー シ ョンシ ス テ ム導 入 の可 能 性 に 関 す る 研 究」 があ る
文献 10)。
こ の研 究 は 、 住 宅 の 中 で も規 模 や 設 備 の 点 で 導 入 が 比 較 的容 易 と考 え られ る 、 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 に対 す る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム の 導 入 可 能 性 を、 省 エ ネ ル ギ ー 性 と経 済性 の 両面 か ら検 討 す る こ と を 目的 と した も の で あ る 。
36
J― ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 対 象 と して 、 こ の よ う な 熱 搬 送 設 備 を もつ 大 規 模 住 宅 団 地 で あ る 、 東 京 都 心 か ら約 6Kmの 距 離 に 位 置 し約 5,20
0戸 の 規 模 を持 つ Y団 地 を 取 り上 げ て い る 。 Y団 地 の エ ネ ル ギ ー 消 費 量 を詳 細 に調 査 し、 網 羅 的 に 検 討 ケ ー ス を 設 定 す る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 手 法 に よ り、 導 入 の 可 能 性 を検 討 して い る 。
Y団 地 に お け る 熱 消 費 量 の 月 別 変 動 をみ る と (図 1. 36)、 冬 期 と 夏 期 の 消 費 量 に大 きな 違 い が み られ る 。 ま た 、 冷 熱 供 給 用 熱 消 費 量 を含 む 年 間 の 中 央 プ ラ ン トお よび サ ブ プ ラ ン ト送 出 熱 量 、 住 戸 内 の 熱 消 費 量 は 一 戸 当 た りそ れ ぞ れ 8.58Gcal、
3.90Gcalで
6.90Gcal、
あ る が 、 これ らの 差
は主 と して 供 給 管 路 に お け る 熱 損 失 と考 え られ る と して い る 。 Y団 地 の 熱 供 給 導 管 に お け る 熱 損 失 は 年 間 約 15%で あ る の で 、 他 の 地 域 冷 暖 房 と比 較 して 非 常 に 大 き い とは 言 え な い と結 論 付 け て い る 。 次 に 、 中央 プ ラ ン ト送 出 熱 量 の 時 刻 別 変動 をみ る と (図 1.37)、
温 熱 用 熱 消 費量 は 各 月 と も朝 。晩 2回 の ピ ー
クが 見 られ るが 、 冷熱 用 を加 えた 全 熱 量 で は 、 8月 は 他 の 月 の よ う な 明 確 な ピ ー クが 見 られ な い と して い る 。 年 間 を 通 じた ピ ー ク は 1月 の 21時 ~ 22時 で 、
3.27Mca1/h・
戸 とな っ て い る と して い る 。 年 間 電 力 消 費 量 は 、 団 地
全 体 で は 4,247KWH/年
・ 戸 の 電 力 消 費 量 が 見 られ る と して い る 。
こ の 研 究 は 、 電 力 供 給 範 囲 を 、 I:熱 供 給 プ ラ ン ト、 Ⅱ :熱 供 給 プ ラ ン ト・ 共 同 設 備 ・ 共 同 施 設 、 Ⅲ :住 戸 内 を含 む 団 地 全 体 と した 場 合 の 3段 階 の ス ケ ー ル を設 定 し (表 1.2)、
コ ー ジ エ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 効 果 を比 較 検
討 した も の で あ る 。 電 力 供 給 範 囲 別 の 電 力 消 費 量 の 月 別 変 動 を 図 1.38内 太線 で 、 時 刻別 変 動 を 図 1.39に そ れ ぞ れ 87WH/h・
に
示 して い る。 I・ Ⅱ・ Ⅲの ビ ー ク消 費量 は 、
戸 、 352WH/h・
戸 、 813WH/h・
戸で、 8
月 の 範 囲 Iの ビ ー クが 15時 ~ 16時 に み られ る 以 外 は 、 各 月 ・ 各 電 力 供 給 範 囲 共 に 夜 間 の 18時 ~ 21時 の 間 に ピ ー クが 現 れ て い る 。 運 転 パ タ ー ン は 、 図
1.40に 示す 6種 類 を比 較 検 討 の 対 象 と して い る 。① の ビ ー ク電 力 対 応 型 は 、 事 務 所 や 商 業 施 設 に お け る 代 表 的 運 転 パ タ ー ン で 、 日中 の ビ ー ク負 荷 に対 応 し
37
て 発 電 量 と 運 転 時 間 を設 定 し、 そ の 時 間 の 電 力 消 費 量 の 相 当 部 分 を発 電 す る シ ス テ ム で あ る 。 熱 消 費 の 少 な い 中 間 期 は 、 発 電 量 を下 げ余 熱 の 発 生 を抑 え る 。 ② の ベ ー ス 電 力 対 応 型 は 、 電 力 消 費 の ベ ー ス 部 分 を常 時 発 電 す る パ タ ー ン で 、 中 間 期 も熱 消 費 量 が 比 較 的 多 い ホ テ ル 等 に適 して い る 。 ③ の 電 力 ・ 熱 バ ラ ンス 型 は 、 余 剰 を 生 じな い 範 囲 で 最 大 量 の 電 力 と 熱 を コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン に よ り 供 給 す る パ タ ー ン で あ る 。 ① の 電 力 自給 型 は 、 系 統 電 力 か ら全 く独 立 した 電 力 供給 を行 う パ タ ー ンで 、常 用 電力 消 費量 に追 従 して 発 電 を行 う シ ス テ ム で あ る 。 ⑤ の 買 電 一 定 型 は 、 最 低 消 費 量 を ② とは 逆 に 常 時 買 電 し、 そ れ 以 外 の 部 分 を発 電 す る パ タ ー ン で あ る 。 ③ の 深 夜 電 力 利 用 型 は 、 ① の 電 力 自給 型 運 転 を 日中 に 限 定 し、 夜 間 は 経 済 的 な深 夜 電 力 を買 電 しな が ら、 系 統 電 力 の 昼 夜 間 格 差 是 正 を 目指 す 方 式 で あ る。 各 パ タ ー ン と も電 力 の 不 足 分 は 系 統 電 力 か ら買 電 し、 熱 の 不 足 分 は 既 存 の 高 温 水 ボ イ ラ ー よ り供 給 し、 余 剰 な 回 収 熱 は 廃 棄 す る こ と と して い る 。 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョン シ ス テ ム の 概 念 図 を 図 1.41に
示すが、 こ
の 研 究 で は 、 ガ ス タ ー ビ ン 、 ガ ス エ ンジ ン 、 デ ィ ー ゼ ル エ ンジ ンの 3種 類 を用 い た と して い る 。 原動 機 の 燃 料 は 、 ガ ス タ ー ビ ン と ガス エ ンジ ン は都 市 ガス を 、 デ ィ ー ゼ ル エ ンジ ン は A重 油 と して い る 。 各 原 動 機 は 25%~
100%の
範囲
で 部 分 負 荷 運 転 を行 う も の と して い る 。 熱 源 機 器 は 、 熱 回 収 機 器 と不 足 分 を 供 給 す る 補 助 熱 源 機 器 で 構 成 して い る 。 総 合 評 価 と して 、 最 も省 エ ネ ル ギ ー 率 の 高 い ケ ー ス は 、 電 力 供 給 範 囲 Ⅲで ガ ス エ ンジ ン 1台 ま た は デ イ ー ゼ ル エ ン ジ ン 5台 を導 入 し、 ③ ま た は ① の パ タ ー ンで 運 転 した 場 合 の 21.6%で あ つ た と して い る 。 同 様 の 条 件 で 、 運 転 パ タ ー ン⑥ に した 場 合 も 16.7%と 効 果 は 大 きか っ た と して い る 。 最 も高 い エ ネ ル ギ ー 費削 減 率 は 、 電 力 供 給 範 囲 Ⅲで ガ ス タ ー ビ ン を 1台 導 入 し、 ① の 運 転 パ タ ー ン で 運 転 した 場 合 の 16.8%で 、 同 条 件 で 運 転 パ タ ー ン を ⑤ に した 場 合 は 1
3.6%、
ガ ス エ ンジ ン 1台 ま た は デ ィ ー ゼ ル エ ンジ ン 1台 で ④ で 運 転 した場
合 の 12.7%、
12.6%が
て い る (図 1.
42)。
こ れ に次 い で エ ネ ル ギ ー 費 削 減 率 が 高 か っ た と し
38
出典 :文 献 10) 表 1.
出典 :文 献 10)
2電 力供 給 範 囲 の 設 定 t力 供給■日 電力供給籠日 E :
エネルギ… 薔費項 目 魚
Щ ・ 瞑 \ “ ■ ● 〓 ■ 〓 籠 電 e 一 型 総 L I
電
●
●
●
中 央 プ ラ ン ト内
●
●
●
サ プ プ ラ ン ト内
●
●
●
灯
●
●
プ
●
●
住 薇 内 エ レベ ー タ
●
●
住 粗 内 共 用 灯
●
●
共
●
外
■
綸
カ
央
ラ ン 熱
回
ト 量
中 選
プ 出
電 力供 給 嗜 田
ポ
水
同
ン
厳
散
一 戸
住
● ●
内
出典 :文 献 10)
400 200 一 ■ ・ 〓 ヽ
36Y団
図 1
地 に お け る熱消 費量 の 月別 変 動
〓 〓
■ ■ 〓 ミ r e 一 ■ ■ エ ー
出典 :文 献 10)
図 1
L
38電 力供 給 範 囲別 の 電 力消 費量 の
・ 〓 \
月別 変 動 出典 :文 献 10)
● o 〓
二 :糞
颯 ■ ■ e
■ ・ 〓 ヽ 〓 〓
一 型 総 L I
期 iF矧
・ 中央 フ
,°
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―- ●-… 10月
'ン
・ 中央 フ ア 中 興・
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●.O- 0
│ │ │ │ 1/1
- 1月
'ン
■ 日 〓 ミ ” e 一 祀 受 L I
0.5 0 薔 錮【 "】
図 1.37中
=::1職 - 1月
¥
央 プラ ン ト送 出熱 量 の 時 刻 別変 動
" 図 1.39電
力供 給 範 囲別 の 電 力消 費量 の 時刻別変動
39
劇 こ膊】
出 典 :文 献 10)
0
① ピーク電力対応里 ■ 力 候 綸 ” ■ 式 ■
)
F`
0
O 電 力 自綸 里
0
買 電 一定 里
凛壼電力利用里
`里
間)
(■
(崎 聞
凰 侯 綸 ” ■ 式 目
0電 力・饉バランス型
ベース電力対
一
(■
(晴間 )
闘
)
間)
(町
("間
〕
` 、 、 だ
、 、
一 一 一 t (時 間 )
門)
(崎
(時
間)
”
考
::::;i:l;;i :lli:il::'吾
:〔 :i::::::曾 llil':::i31こ ----― - 電 力消 費重
(凡
")
患薔員 量
■■■
ヨー ジエネ レー シヨン発電部分
多る多
買電 部分
ー ジエネ レー シ ヨン回収晨利用部分
[f]ヨ
■助熱凛利 用部分
│::i::i::::il:li:1:::::i
1
1
コー ジェネ レー シヨン余剰 回収 熱 部分
40運 転 パ ター ンの種類
図 1・
出典 :文 献 10)
出典 :文 献 10) 颯一 y 絆一 ミ■ そ燿 H覆
電 カ供綸
0
鴫
0 0
θ
ロココ∥E外 灯
△ 1 口 ■ O 回 サ
O
0
0
□
サブプラン o
Oθ
O D
8。 0 0
│。
∫評 口 ロ 颯 勁 θ ma
GE:ガ スエ ンジン AR:吸 収式冷凛饉
8
0
3:==水 ボ イラー 国 :熟 交換● 0:メ ンプ E:電 力 G:都 市ガス H81:富 諷水 (lmに )
0 0
^
ネルギー甲 (%
省
3 ・r 噺 ●ロ 鳴
O
H12:=水 (30℃ S:語 気 Cu:冷 水 )
繊 > f ヽ ロ¨ 9 一 ロ
o
概念 図
0
◇θ
」♂ 0 め ネ
α求 l キ ミ一 ■ そ賢 H墨
転 ヨ パターン
▼
コ ー ジ ェネ レー シ ョ ンシ ステ ムの
図 1.41
(1)電 力供給範囲による評価 α ま l キ ミ■ そ驚 ■昼
員 含住宅
共同施戯
共同詭般
▽
△
一 L }6θ ゝ ∴ ニ θl lハ
お △ > ” 9 O D
o 5
υ 。 0 0
^
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一 一 3 △メヽけ 嗣 林 ヘ △ 量 ∂i口^
,
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多
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υ 0 0
,
署il
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e 8
。
^
省 0
0
,
(2)運 転パ ターンによる評価
o
(3)原 動機 による評価
ー ジェネ レーシ ョ ン評価指標 の算 出結果
40
同 5
O 口
△
0
図 1.42コ
△
a
3 ,ρ 省
原動 a
△
已ネルギー申 (%)
│
結 論 と して、 ガ ス エ ンジ ン ・ デ イ ー ゼ ル エ ンジ ン を用 い た コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 に よ り、 20%程
度 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 と 12%~
1
6%程 度 の エ ネ ル ギ ー 費 削 減 効 果 が 同 時 に 期 待 で き る と して い る 。 運 転 パ タ ー ン は 、 団 地 内 で 消 費 す る 電 力 の 全 て を発 電 す る パ タ ー ン が 、 省 エ ネ ル ギ ー 性 、 経 済 性 と も に最 も高 くな る と して い る 。 こ れ ら の 結 果 か ら、 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 で は 、 団 地 全 体 を対 象 に した コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 可 能 性 が 高 い こ と が 明 らか に な っ た と して い る。
以 上 、 第 1に 、 地 区 レ ベ ル (東 京 都 23区 の 500mメ
ッシ ュ規 模 にお け る
地 区 )に お い て 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 導 入 し た 場 合 の 地 区 内 の 建 物 用 途 構 成 と省 エ ネ ル ギ ー 性 な ど を 分 析 して い る 。 そ の 結 果 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 に よ る 省 エ ネ ル ギ ー 率 が 最 も高 く導 入 優 先 度 の 高 い 用 途 。 地 域 は 、 都 心 や 副 都 心 の 業 務 地 区 で な く、 業 務 ・ 住 宅 ・ 宿 泊 そ の 他 用 途 が 最 も 近 い 割 合 で 混 在 し た 用 途 で 、 上 野 か ら文 京 区 の 総 武 線 沿 線 で あ る こ と を 明 らか に して い る 。 第 2に 、 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 で は 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 に よ り 20%程
度 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 と 12%か
ら 16%程
度 のエ ネ ル
ギ ー 費 削 減 効 果 が 期 待 で き 、 団 地 全 体 を対 象 と した コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 可 能 性 が 高 い こ と を 明 らか に して い る 。
41
1.2.6
都 市 の 人 口 密 度 ・ 規 模 と環 境 破 壊 度 と の 関 連 に 関 す る 研 究
我 が 国 で は 、 都 市 へ の 人 口 お よ び 各 種 機 能 の 集 中 に よ り、 農 山 村 ・ 漁 村 に 比 べ て 都 市 の 占 め る エ ネ ル ギ ー 消 費 が 遥 か に 大 き く、 そ の 結 果 、 都 市 の
多 大 なエ
ネ ル ギ ー 消 費 が 、 そ の ま ま 地 球 環 境 の 破 壊 を助 長 して い る と 考 え ら れ る 。 こ の よ う な 背 景 か ら、 竹 内 ら に よ り「 都 市 に お け る 環 境 破 壊 要 因 の 影 響 度 に 関 す る比 較 」 が あ る
文献 11)。
こ の 研 究 は 、 都 市 の 環 境 破 壊 原 因 と して 、 市 街 化 の 進 行 、 エ ネ ル ギ ー 消 費 、 自動 車 の 増 加 を 選 定 し、 そ れ ぞ れ に 対 応 す る 要 因 と して 舗 装 道 路 面 積 、 電 力 消 費 量 、 ガ ソ リ ン 消 費 量 お よ び 自動 車 排 気 ガ ス の 排 出 量
(C02、 NOx、 So
x)を 推 計 して 検 討 す る こ と で 、 人 口 の 大 都 市 集 中 傾 向 の 是 非 を 検 討 し た も の で あ る 。 こ の 時 の 、 都 市 域 の 設 定 は 、 人 口 密 度 1,000人
/Km2以
上 の隣
接 す る 行 政 区 (市 区 町 村 )で 、 合 計 人 口 が 5万 人 以 上 の ま と ま りを 1つ の 都 市 域 と 考 え 、 日本 国 内 の 47都 市 部 を 選 定 して い る 。 表 1. 人 口 と 人 口 密 度 を 、 図 1.43に 都 市 部 を人 口密度 、 都 市 規模
3に 選 定 し た 都 市 の
選 定 した 都 市 の 特 徴 を 示 し て い る 。 こ れ らの
(大 き さ )に よ り、 I:低 密 度 小 都 市 、 Ⅱ :高 密
度 小 都 市 、 Ⅲ :低 密 度 大 都 市 、 Ⅳ :高 密 度 大 都 市 の 4つ に 類 型 化 し て 、 各 都 市 部 に つ い て 各 要 因 の 単 位 面 積 当 た り、 単 位 人 口 当 た り の そ れ ぞ れ の 人 口 密 度 と の 関 係 を 検 討 して い る 。 そ の 結 果 、 全 て の 要 因 共 に 、 単 位 面 積 当 た りの 諸 量 は 人 口 密 度 の 増 加 に 伴 い 増 大 す る 傾 向 に あ る と して い る 。 一 方 、 単 位 人 口 当 た りで は 、 電 力 消 費 量 は 人 口 密 度 の 増 加 に か か わ らず 特 定 の 傾 向 を 示 さ な い が 、 舗 装 道 路 面 積 、 ガ ソ リ ン 消 費 量 そ し て C02、
NOx、 SOxの
排 出量 は 全 て 人 口 密 度 の増 大 に伴 っ て
減 少 す る 傾 向 を示 し て い る 。 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 や 排 気 ガ ス 排 出 量 を環 境 破 壊 の 影 響 度 と読 み 市 類 型 に よ る 特 徴 を 整 理 した 結 果 を 図 1.44に
換 えて、各都
示 して い る 。 中 心 に 近 く、 面
積 の 小 さ い 多 角 形 ほ ど 環 境 破 壊 へ の 影 響 度 が 小 さ く、 大 き い ほ ど 影 響 度 が 大 き い こ と を示 して い る 。 都 市 の 単 位 面 積 当 た り で は 、 低 密 度 小 都 市 が 環 境 破
42
壊ヘ
の 影 響 度 が 最 も小 さ く、 高 密 度 大 都 市 が 最 も大 き く、 都 市 規 模 や 密 集 度 合 い が 大 き く な る ほ ど環 境 へ の 悪 影 響 の 度 合 い が 大 き く な っ て い る 。 逆 に 、 単 位 人 口 当 た り の 環 境 破 壊 へ の 影 響 度 は 高 密 度 大 都 市 が 最 も小 さ く、 低 密 度 小 都 市 と 低 密 度 大 都 市 が 最 も大 き く、 都 市 規 模 や 密 集 度 合 い が 大 き く な る ほ ど環 境
へ の悪
影 響 の 度 合 い が 小 さ くな っ て い る 。 つ ま り、 仙 台 、 広 島 な ど の 低 密 度 小 都 市 は 、 東 京 、 大 阪 な ど の 高 密 度 大 都 市 に 比 べ て 都 市 の 単 位 面 積 当 た り で み る と 、 舗 装 道 路 面 積 が 小 さ く (緑 地 や 空 地 が 大 き い と予 想 さ れ る )、 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 が 小 さ く、 NOx、
2等
SOx、 CO
大 気 汚 染 物 質 排 出 量 も小 さ い 、 人 と 地 球 環 境 に 優 し い 都 市 で あ る こ と を 示
して い る 。 結 論 と し て 、 都 市 の 膨 張 や 高 密 度 化 が 環 境 破 壊 要 因 の 増 大 を も た らす こ と は 避 け られ な い もの の 、 大 都 市 に集 中 して 起 こ る方 が 環 境 破 壊 度 合 い は少 な くな る 傾 向 が 分 か つ た と して い る 。 す な わ ち 、 環 境 破 壊 要 因 か ら は 、 人 口 の 大 都 市 部 へ の 集 中 化 傾 向 は 全 く受 け 入 れ ら れ な い も の で は な く、 逆 に 、 高 密 度 都 市 で あ る が 故 に 水 や エ ネ ル ギ ー の リサ イ ク ル 利 用 が 図 れ る 利 点 が あ る と し て い る 。
以 上 よ り、 都 市 の 膨 張 に よ る 高 密 度 化 は 環 境 破 壊 を増 大 させ る が 、 人 ロ ー 人 当 た り で は 環 境 へ の 悪 影 響 の 度 合 い が 小 さ く な る こ と を示 して い る 。
43
表 1.
出典 :文 献 11)
3選 定 した都 市 の人 口 と人 口密 度
東 京首都国 の範 囲 は概 略 :1越 ~ 小 田原 取 手~前橋 だ′ 仙 台近郊 で は概 1丼
[ 理 ] 5000 椰 旧 5000
仙台ir~ 塩釜市~多賀城市
4000 1000-
1.低 密度大都市
2000
4000
1000
出典 :文 献 11)
人 口密度 [人 /k記 ]
43選 定 した都 市 の特 徴
図 1 li道 11・● 路 面積
T船 呪鬱
[ポ /ポ ]
ガソリン潤 rti
[1/ポ ] 1.5
Nこ
5000
` ` t
脈 州 ハ 一 W h一 k m t
イ 蕊ロ
SO.静 J:量 [g/“ ]
絆出五
[8イ nf]
排 :l:景 ′
C08排 J:彙 [kg/配 ]
C08絆 :::量 [kg/人 ]l
)一 一・―:1,臨 帥ち可
(凡 例
- - - …- …:Ⅱ .高 密度 小都 市 │
a)単 位面 積 当た り
図 1.
[g′ 人 ]
――-ニ ー:皿 .低 密度大椰市
.―
:L・ 高 密度大都市
b)単 位人 口当た り
44各 都市類 型 による特徴 44
出典 :文 献 11)
1.3
結論
従 来 研 究 か ら得 た 知 見 を 以 下 に 示 す 。
(1)
ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 高 層 集 約 化 (建 築 物 の 高 層 集 約 化 )に つ い て
東 京 都 区 部 レ ベ ル に お い て 、 緑 地 ・ 河 川 を 連 続 的 に 導 入 して ク ー ル ア イ ラ ン ドの ネ ッ トワ ー ク を 形 成 さ せ 、 建 築 物 を 高 層 ・ 集 約 化 (ク ラ ス タ ー 化 )す る こ と に よ り土 地 利 用 形 態 の 改 善 を 行 い 、 東 京 に お け る 巨 大 ヒ ー トア イ ラ ン ドの 分 断 を 図 る研 究 や 、 既 存 市 街 地 800haレ
ベ ル にお い て高 密 度 居 住 の 中 で オ ー
プ ン ス ペ ー ス や 緑 を 確 保 し、 か つ 環 境 負 荷 を低 減 す る ユ ー テ イ リ テ イ を都 市 基 盤 と して 整 備 す る 下 町 エ コ シ テ イ の 研 究 等 の 緑 地 や オ ー プ ン ス ペ ー ス の 確 保 を 軸 と した 都 市 環 境 問 題 解 決 に 向 け て の 研 究 は あ る が 、 建 築 物 を 高 層 集 約 化 す る 上 で ひ と つ の 問 題 点 と考 え ら れ る 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ に つ い て 、 住 民 が 全 て を 負 担 して い る 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と 、 全 て を 公 共 公 益 事 業 者 が 負 担 して い る 戸 建 住 宅 地 区 の 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ (都 市 イ ン フ ラ )を コ ス ト上 か ら比 較 検 討 し、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イの 経 済 的 な優 位 性 を 明 らか に す る こ と で 、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ の 社 会 資 本 化 の 必 要 性 を 提 言 して い る 研 究 例 は な い 。 ま た 、 国 内 の 47都 市 を モ デ ル に 環 境 破 壊 へ の 影 響 度 に つ い て 、 大 き く都 市 規 模 や 人 口 密 集 度 合 と の 関 連 に お い て 研 究 して い る 例 は あ る が 、 市 街 地 の ス プ ロ ー ル 抑 制 の 観 点 か ら、 都 市 の 人 口 増 加 に お け る 人 口 密 度 形 態 と 環 境 汚 染 度 と の 関 連 に つ い て 研 究 して い る も の は な い 。
(2)
供 給 処 理 の 自立 型 地 区 施 設 へ の 転 換 に つ い て
病 院 、 庁 舎 を対 象 と し た 、 非 常 時 に 重 要 度 の 高 い 設 備 機 能 や 重 要 度 設 備 の 非 常 時 に お け る供 給 可 能 時 間 並 び に 執 務 や 医 療 継 続 可 能 時 間 に 関 す る調 査 研 究 や 阪 神 大 震 災 にお け る設 備 被 害 に 関 す る調 査 は あ る が 、 巨 大 地 震 被 災 地 住 民 に対 す る調 査 デ ー タ に基 づ い て 、 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る ラ イ フ ラ イ ン機 能 の 非 常 時 自立 の 必 要 性 に つ い て 研 究 し て い る 例 は 見 当 た ら な い 。 ま た 、 我 が 国 に お け る 市 街 地 の 抱 え る 問 題 点 と都 市 計 画 ・ 建 築 計 画 制 度 の 抱 え る 問 題 点 を 指 摘 し、 地 区 計 画 が 必 要 と な っ た 背 景 を 明 らか に し て い る 研 究 は あ る が 、 現 状 の 地
45
区 施 設 が 都 市 施 設 を 補 完 し建 築 施 設 (基 本 的 に建 築 設 備 を指 す )を 一 体 的 に統 括 す る とい う意 味 で 十 分 と は い え な い 現 状 を踏 ま え て 、 都 市 施 設 の 機 能 を補 完 し建 築 施 設 の 機 能 を 一 体 的 に統 括 す る 従 来 の 都 市 計 画 に な か っ た 自立 型 地 区 施 設 と そ の 機 能 を 提 案 し、新 し い 地 区 施 設 につ い て研 究 して い る 例 は見 られ な い 。
500mメ
ッ シ ュ 規 模 の 地 区 レベ ル に お い て 、 コ ー ジ エ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム
を導 入 した 場 合 の 地 区 内 の 建 物 用 途 構 成 と 省 エ ネ ル ギ ー 性 の 関 連 を分 析 して い る研 究 や 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 の 可 能 性 に 関 す る 研 究 は あ る が 、 地 区 レ ベ ル にお い て 自立 型 地 区 施 設
(リ
サイ
ク ル シ ス テ ム )を 導 入 した 場 合 の 地 区 の 用 途 構 成 と一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 に 関 す る 研 究 は 不 足 して い る 。
以 上 よ り、 現 状 の 都 市 イ ン フ ラ の 抱 え る 問 題 点 の 解 決 に 向 け て 、 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 高 層 集 約 化 と供 給 処 理 の 自 立 型 地 区 施 設 へ の 転 換 の 視 点 か ら 、 地 区 レ ベ ル に お い て 今 後 の 都 市 環 境 計 画 に 対 して ひ と つ の 方 向 性 を 提 示 し て い る 本 研 究 を 進 め る 必 要 性 は 高 い と 結 論 づ け られ る 。
以 下 に 、 本 研 究 で 検 討 して い る 各 章 の 概 要 を示 す 。
第 2章 で は 、 「 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る 非 常 時 自 立 型 地 区 施 設 構 築 の た め の 調 査 研 究 」 と 題 して 、 集 合 住 宅 が 高 度 に 集 積 して い る 地 区 に お い て 、 非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した 場 合 の 生 活 機 能 へ の 影 響 と そ の 対 策 と して の 供 給 処 理 系 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 を 明 らか に す る た め に 、 兵 庫 県 南 部 地 震 被 災 地 の 高 層 集 合 住 宅 300戸
の 住 民 を 対 象 に ア ン ケ ー ト調 査 を行 い 、 分 析 して
い る。
第 3章 で は 、 「 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 新 しい 地 区 施 設 の 機 能 に 関 す る 研 究 」 と題 して 、 都 市 施 設 へ の 負 荷 が大 き い 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て
46
都 市 施 設 の 機 能 を 補 完 す る 地 区 施 設 の 新 し い 概 念 と そ の 機 能 を 提 案 し、 有 識 者 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 か ら導 入 す べ き 地 区 施 設 項 目 と そ の 機 能 を 明 らか に し て い る。
第 4章 で は 、 「 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と 戸 建 住 宅 地 区 の 都 市 イ ン フ ラ の LCCの
比 較 に 関 す る 研 究 」 と 題 して 、 実 在 す る 高 層 集 合 住 宅 と そ れ
と 同 規 模 の 住 戸 数 が あ る 戸 建 住 宅 地 区 を 比 較 し、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ (共 用 部 縦 シ ャ フ トに 収 容 さ れ る 配 管 ・ 配 線 )の 優 位 性 を 明 らか に して い る。
第 5章 で は 、 「 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 用 途 構 成 か ら み た 自 立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 に 関 す る 研 究 」 と題 して 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 自 立 型 地 区 施 と し て リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 し た 場 合 の 、 地 区 の 用 途 構 成 と一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 の 関 係 を 分 析 した 。 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の モ デ ル と し て 、 東 京 23区 の 250mメ
ッ シ ュ 内 の 建 物 を 集 約 した 場 合 を想 定 して 、 代 表 的 な 用 途 構 成 を
選 定 して 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を算 定 し てい る。
第 6章 で は 、 「 都 市 人 口 の 増 加 に お け る 人 口 密 度 形 態 と 環 境 汚 染 度 の 関 連 に 関 す る 分 析 」 と 題 して 、 日本 の 主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 を モ デ ル 化 し、 各 都 市 の 形 態 と環 境 汚 染 度 を 比 較 す る こ と で マ ク ロ 的 に 環 境 に 寄 与 す る 都 市 を 検 討 し て い る。
第 7章 で は 、 「 東 京 都 心 R地 区 に お け る 水 ・ 廃 棄 物 系 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タ デ イ」 と題 して 、 東 京 都 心 R地 区 を モ デ ル に 廃 棄 物 排 出 量 と 上 水 使 用 量 お よ び 下 水 放 流 量 を削 減 す る 地 区 施 設 導 入 に よ る 都 市 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 効 果 に つ い て ケ ー ス ス タ デ イ を行 い 、 合 わ せ て 中水 利 用 に よ る 生 活 用 水 ・
47
雑 用 水 の 非 常 時 自立 の 可 能 性 に つ い て 検 討 して い る 。
第 8章 で は 、 「 東 京 臨 海 T地 区 に お け る 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ 」 と題 して 、 東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 す る こ とで 、 高 密 度 化 して も環 境 負 荷 量 を現 状 の 範 囲 内 に 抑 制 で き る 可 能 性 を 検 討 して い る 。
第 9章 で は 、 「 結 論 と展 望 」 と題 し て 、 各 章 に お け る 結 論 を 要 約 した 上 で 、 今 後 の 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 にお け る 自立型 地 区施 設 の在 り方 を 展 望 して い る 。
48
第 2章
高 度住機能 集積 地区 における非常時 自立型地 区施設構 築 ための調査研 究
の
第 2章
高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お け る非 常 時 自立 型 地 区 施 設 構 築 の た め の 調 査 研究
2.1
概要
東 京 首都 圏 の都 心 部 にお い て は 、 長 期 間 に亘 って 住 宅 施 設 が業 務 施 設 等 他 の 用 途 に 転 換 さ れ て き た 結 果 、 千 代 田 区 、 中 央 区 、 港 区 の 都 心 3区 を 中 心 に都 心 部 か ら郊 外 へ の 人 口 流 失 が 続 き、 都 心 部 の 居 住 人 口 は 減 少 傾 向 を示 して きた 。 こ れ に対 して 、 区 レ ベ ル の 行 政 で は 付 置 義 務 住 宅 を建 築 許 可 の 条 件 と して 人 口 の 流 失 防 止 を 図 つ て きて い る が 、 必 ず し も十 分 な 効 果 を上 げ て い る と は い え な い 。 一 方 、 中央 区 大 川 端 地 区 の よ う に 臨 海 部 工 場 跡 地 を 再 開 発 して 、 都 心 に 至 近 の 位 置 に大 規 模 な超 高 層 集 合 住 宅 群 を建 設 し、 職 住 近 接 を実 現 して い る 例 も あ る。 また 、 東 京 都 で は 、 臨 海 部 の 晴 海 地 区 や 豊 洲 地 区 の再 開発 計 画 案 の 中 で 全 施 設 面 積 の 40%程 度 を住 宅 用 途 と し計 画 し、 都 心 居 住 住 宅 の 建 設 促 進 を 図 ろ う と して い る
文献 12)。
他 方 、 大 都 市 圏 に お け る都 市 環 境 問 題 か らみ る と 、
NOx排 出 量 の 削 減 が 大 き な 課 題 で あ る が 、 火 力 発 電 所 や 大 規 模 プ ラ ン ト等 の NOx排 出 量 削 減 対 策 が 十 分 実 施 さ れ た 現 在 、 NOx排 出源 の 元 凶 は デ ィ ー ゼ ル 自動 車 交 通 量 と 言 わ れ て い る 。 都 心 居 住 に よ る 職 住 近 接 を推 進 す る こ とで 、 人 や 物流 、 廃 棄 物 な どの 移 動 。運搬 の ため の 自動 車 交 通 量 の低 減 が可 能 とな り、
NOx排 出 量 の 低 減 に 寄 与 出 来 る と 考 え られ る 文献 13~ 15)。 こ の よ う な背 景 か ら、 都 心 部 に お い て 新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 住 宅 施 設 を 計 画 に盛 り込 む 必 要 性 は 高 い と言 え る 。 一 方 、 兵 庫 県 南 部 地 震 に み る よ う に ラ イ フ ラ イ ン は 災 害 に対 して 極 め 脆 弱 で あ り、 住 民 が 安 心 して 生 活 す る た め に は 不 安 な 点 が 多 い 。 そ こ で 、 本 章 で は 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の な か で も住 宅 施 設 の 占 め る 割 合 が 大 き い 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お い て 、 非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン機 能 が 停 止 した 場 合 の 生 活 機 能 へ の 影 響 と そ の 対 策 と して の 供 給 処 理 系 自立 型 地 区施 設 の 必 要 性 を明 らか に す る た め に 、 兵 庫 県 南 部 地 震 で 被 災 した 神 戸 市 内 の 高 層 集 合 住 宅
49
住 民 を 対 象 に、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 の 停 止 が 住 民 の 生 活 機 能 に 及 ぼ す 影 響 を 中 心 に各 種 ア ンケ ー トを実 施 した 。
1995年
1月 に 発 生 した 兵 庫 県 南 部 地 震 で は 、 約 30万 人 の 被 災 者 が 避 難
所 に 避 難 し、 更 に 多 く の 被 災 者 が 被 害 の な い 地 域 に 避 難 し た が 、 こ の 中 に は 建 築 駆 体 自 体 の 損 壊 の 小 さ い 集 合 住 宅 の 住 民 も多 数 含 ま れ て い た 。 こ れ は 、 ラ イ フ ラ イ ンや 交 通 網 が 寸 断 され た こ とや 、 集 合 住 宅 に い て は 情 報 や 救 援 物 資 な ど が 得 に く い こ とが 大 き な 原 因 で は な い か と 考 え られ る 。 本 章 で は 、 兵 庫 県 南 部 地 震 に よ り被 害 を 受 け た 神 戸 市 内 の 高 層 集 合 住 宅 30
0声 の 住 民 を対 象 に 、 避 難 の 実 態 と 避 難 理 由 お よ び 自宅 に 戻 つ た 理 由 、 ラ イ フ ラ イ ン の 復 旧 と避 難 世 帯 数 の 推 移 、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 停 止 時 に お け る 生 活 の 実 態 と し て 用 途 別 の 水 の 不 足 感 の 変 化 と水 の 不 足 感 の 解 消 時 期 な ら び に 電 気 ・ ガ ス 復 旧 ま で の エ ネ ル ギ ー の 必 要 性 (電 気 機 器 ・ ガ ス 機 器 の 必 要 感 、 照 明 の 必 要 感 、 ガ ス 機 器 の 代 用 手 段 )、 エ レ ベ ー タ ー の 必 要 感 、 ゴ ミ 回 収 の 必 要 感 、 情 報 の 必 要 感 お よび ラ イ フ ラ イ ン 全 般 に つ い て の 必 要 感 に 関 して ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 す る こ とで 、 住 民 の 避 難 状 況 や ラ イ フ ラ イ ン 機 能 停 止 時 に お け る 住 民 の 生 活 感 の 実 体 を把 握 した 。 次 に 、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 し た 場 合 を 想 定 して 、 集 合 住 宅 に お い て 生 活 の 維 持 を 可 能 と す る た め に 、 あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 ・ 熱 。通 信 機 能 を 確 保 で き る 設 備 機 能 を備 え た 非 常 時 自 立 型 集 合 住 宅 を住 民 に 提 示 し て 、 こ の シ ス テ ム に 対 す る住 民 の 意 見 を調 査 した 。 そ の 結 果 、 住 民 が 避 難 し た 最 大 の 理 由 は ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 し生 活 に 支 障 を き た した こ と を 明 ら か に し た 。 ラ イ フ ラ イ ン の 必 要 性 で は 上 水 道 が 最 も高 く、 電 気 、 下 水 道 の 順 に 高 い 。 ラ イ フ ラ イ ン 停 止 時 の 生 活 実 態 を 上 水 道 に つ い て み る と 、 応 急 給 水 車 が 来 る ま で は 風 呂 、 洗 濯 、 トイ レ な ど全 て 不 足 して い る が 、 水 の 配 給 が 定 着 した 時 期 で は 飲 料 、 炊 事 用 水 の 不 足 感 は あ る 程 度 解 消 し 、 生 活 用 水 、 雑 用 水 の 不 足 感 が 目立 つ よ う に な る 。
以上 、兵庫県南 部 地震 の 被 災者 に対 す るア ンケ ー ト調 査 結果 か ら、高 度住 機 50
能 集 積 地 区 に お い て は 、 脆 弱 な 都 市 イ ン フ ラ に 依 存 し な い 非 常 時 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 は 高 く、 特 に 、 水 系 (上 水 道 )お よ び エ ネ ル ギ ー 系 (電 気 )の 自 立 化 の 必 要 性 が 高 い こ と を 明 ら か に した 。
2.2
調査 概 要
本 章 で は 、 兵 庫 県 神 戸 市 内 の 高 層 集 合 住 宅 住 民 を対 象 に 、 先 ず 、 兵 庫 県 南 部 地 震 に よ る建 築 物 へ の ラ イ フ ラ イ ン機 能 の 供 給 停 止 が 住 民 生 活 に 及 ぼ した 影 響 を調 査 し、 次 に 、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 し た 場 合 を想 定 して 、 集 合 住 宅 に お い て 生 活 の 維 持 を 可 能 と す る た め に 、 あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 。熱 。通 信 機 能 を 確 保 で き る 設 備 機 能 を備 え た 「 非 常 時 自 立 型 集 合 住 宅 」 を住 民 に 提 示 して 、 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に つ い て の 住 民 の 意 見 に つ い て 調 査 を行 っ た 。 調 査 は 2つ か ら成 り、 第 1の 調 査 は 各 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 の 停 止 期 間 に 関 す る も の で 管 理 組 合 ・ 管 理 会 社 等 を対 象 と した ヒ ヤ リ ン グ 調 査 で あ る 。 第 2の 調 査 は 住 民 の 避 難 状 況 。 避 難 理 由 や ラ イ フ ラ イ ン機 能 停 期 間 に お け る 生 活 の 実 体 並 び に提 示 す る 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に つ い て の 住 民 の 意 見 に 関 す る も の で 、 無 作 為 に 抽 出 し た 高 層 集 合 住 宅 に 居 住 す る 住 民 を 対 象 と した ア ン ケ ー ト調 査 で あ る 。
2.2.1
集 合 住 宅調 査 対 象 建 物 の概 要
調 査 対 象 建 物 は 、 神 戸 市 内 に あ る 建 築 駆 体 自体 の 損 壊 が 小 さ い 、 1981年 に施 行 さ れ た 新 耐 震 設 計 基 準 に 合 致 す る 、 竣 工 年 度 が 1983年
か ら 1993
年 と比 較 的 新 し い 高 層 集 合 住 宅 を 4カ 所 選 定 した 。 集 合 住 宅 調 査 建 物 概 要 を 表
2.1に 示 す 。 Aは 一 部 分 譲 一 部 賃 貸 住 宅 、 B、 Dは 分 譲 住 宅 、 Cは 市 営 の 賃 貸 住 宅 で あ る 。 集 合 住 宅 Aは 人 工 島 に位 置 す る 17棟 か ら成 る 団 地 で あ り、 そ の うち の 分 譲 部 分 の 3棟 を調 査 対 象 と した 。 B、
C、
Dは 、 再 開 発 地 区 内 に あ
る 1棟 か ら成 る 集 合 住 宅 で あ る 。 各 建 物 共 に 設 備 被 害 は 小 さか っ た が 、 Bに お い て は 高 架 水 槽 の 破 損 に よ る 漏 水 が 見 られ 、 Dに お い て は 敷 地 内 の 地 下 排 水 管 が 破 損 した た め 排 水 に 支 障 を き た して い た 。 。
51
表 2.1
調査建物概要
A
B
敷地面積
88,592.03m2
延べ 床 面 積
152,710m2
5,348.63m2 16,734.01m2
戸数
3/17 639戸 /2195戸
階数
14階
陳数
購造
(1)
2
1
184戸 15階
134戸 14階
鉄筋 コン クリー ト造
鉄骨鉄筋 コンクリー ト造
鉄骨鉄筋 コン クリー ト造
鉄骨鉄筋 コン クリー ト造
1987年 3月
1987」軍4月
19831F
19931「
2基
2基
95人
30人
2基 11人
42人
回答 者 数
2。
9,893.66m2
D
4,519.69m2 19,821.41m2 173戸
峻二年 度 エ レベ ー ター
2。
C 2,831.49m2
22留 旨
2基
ア ン ケ ー ト調 査 概 要
調査方法
1995年
10月 に 、 4カ 所 の 集 合 住 宅 、 合 計 1,130戸
の 中 か ら無 作 為
を対 象 に ア ン ケ ー ト調 査 を行 い 、 179戸
か ら回 答 を得 た
に 抽 出 した 300戸 (回 収 率 は 60%)。
ア ン ケ ー ト調 査 用 紙 の 配 布 お よ び 回 収 方 法 は 調 査 した 集
合 住 宅 に よ つ て 異 な り、 Aは 訪 問 配 布 ・ 訪 問 回 収 に よ り、 Bは 住 戸 内 の 郵 便 受 け に 配 布 した 後 自 治 会 に よ る 回 収 に よ り、 C、
Dは 配 布 お よ び 回 収 共 に 自 治 会
を 通 して 行 っ た 。
(2)
ア ン ケ ー ト調 査 項 目
以 下 の 項 目 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し た 。
1)
回答 者 の 属 性
・性 別 。年 齢 ・ 家 族 の人数
2) ①
住民の避難状況
避難 の実 体
・ 避 難世帯 の 割 合 ・ 避 難場所 ②
避難理 由 52
③
自宅 に戻 っ た理 由
④
ラ イ フ ラ イ ンの 復 旧 と避 難 世 帯 数 の 推 移
3) ①
ラ イ フ ラ イ ン機 能 停 上 期 間 に お け る住 民 の 生 活 実 体 上 水 道 復 旧 まで の 住 民 の 生 活 実 体
a.用 途 別 の 水 の 不 足 感 の 変 化 飲 料 、 炊 事 、 風 呂 、 洗 濯 、 トイ レの 5種 類 の 用 途 別 の 水 の 不 足 感 に 関 して 、 応 急 給 水 車 が 来 る まで の I期 と 、 水 の 配 給 が 定 着 した Ⅱ期 に 分 け て 調 査 を行 っ た。
b.水 の 不 足 感 の 解 消 時 期 5種 類 の 用 途 別 に、 水 の 不 足 感 の 解 消 時 期 を調 査 し た 。 ②
電 気 。ガ ス 復 旧 ま で の エ ネ ル ギ ー の 必 要 性
a。
電 気 機 器 の必要 性
b.ガ ス 機 器 の 必 要 性 c.照 明 の 必 要 性 照 明 の 必 要 性 は 、 非 常 用 誘 導 灯 、 街 灯 。庭 園 灯 な どの 屋 外 共 有 部 分 の 照 明 、 廊 下 ・ 階段 な ど の 屋 内 通 路 部 分 の 照 明 及 び 住 戸 内 照 明 の 4種 類 に 分 け て 、 地 震 発 生 直 後 の I期 と電 力 復 旧 まで の Ⅱ期 に 分 け て 調 査 した 。
d.ガ ス 機 器 の 代 用 手 段 風 呂 の 代 用 手 段 と ガ ス レ ン ジ の 代 用 手 段 に つ い て 調 査 した 。 ③
エ レベ ー タ ー の 必 要 性
エ レ ベ ー タ ー の 必 要 性 は 、 地 震 発 生 直 後 の I期 と電 力 が 復 旧 して エ レ ベ ー タ ー が 復 旧 す る ま で の Ⅱ期 に分 け て調 査 した 。 ④
ゴ ミ回 収 の 必 要 性
⑤
情 報 の必 要 性
⑥
ラ イ フ ラ イ ン全 般 の 必 要 性
4)
非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に 関 す る 住 民 の 意 見
ア ン ケ ー ト調 査 に お け る 質 問 の 仕 方 の 例 を、 図 2.1に 示 す 。
53
水道復旧 までの間、 どのような用途 のための水が足 りない と感 じま したか。それぞれの用途 について時期別に次 の 5段 階で評価 して記号 を記入 して ください。 (選 択段階
) a) C)
b)や や不足 していた
非常に不足 していた ある程度足 りていた
d)′ 己りていた
給水車が来 るまでの時期 (I期 )
(
1.飲料水
)
4洗 濯用水
( ) ( ) ( )
5.ト イレ用水
(
2.炊 事用水 3.風 呂用水
図 2.1
2.2.3
)
水の配給が定着 した時期 (Ⅱ 期)
(
)
( ) ( ) ( ) ( )
アンケー ト調査における質問の仕方の例
分析 方 法
ア ン ケ ー ト調 査 結 果 の 集 計 は 、 基 本 的 に は 回 答 者 数 の 構 成 比 率
(%)に よ り
行 った。
た だ し、 ア ン ケ ー ト調 査 項 目 の 内 、 3)①
a.用 途 別 の 水 の 不 足 感 の 変 化 に
(1)に よ り、 3)② a.電 気 機 器 の 必 要 性 、 3)② b.ガ ス 機 器 の 必 要 性 に つ い て は 図 2.3に 示 す 数 値 化 の 方 法 つ い て は 図 2.2に 示 す 数 値 化 の 方 法
(2)に よ り、 3)② c.照 明 の 必 要 性 に つ い て は 図 2.4に 示 す 数 値 化 の 方 法
(3)に よ り評 価 した 。 以 下 に 、 具 体 的 な 数 値 化 の 方 法 を示 す 。
(1)用 途 別 の 水 の 不 足 感 の 変 化 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 の 評 価 基 準 を -2点 か ら +2点 ま で の 4段 階 に 設 定 して 、 「 非 常 に不 足 して い た 」 を -2点 、 「 あ る程 度 不 足 して い た 」 を -1点 、 「 あ る 程 度 足 りて い た 」 を +1点 、 「 足 りて い た 」 を +2点 と して 数 値 化 し、 総 回 答 の 平 均 値 を水 の 不 足 感 と して 各 用 途 別 に応 急 給 水 車 が 来 る ま で の I期 と 、 水 の 配 給 が 定 着 した Ⅱ 期 の 時 期 別 に評 価 した 。
(2)電 気 機 器 の 必 要 性 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 の 評 価 基 準 を -2点 か ら +2点 ま で の 4段 階 に 設 定 して 、 54
「非 常 に必 要」 を -2点 、 、 「 必 要 」 を -1点 、「 あ ま り必 要 な い 」 を +1点 、 「 必 要 な い 」 を +2点 と して 数 値 化 し、 総 回 答 の 平 均 値 を 各 機 器 の 必 要 性 と し て 評 価 した 。
(3)ガ ス 機 器 の 必 要 性 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 の 評 価 基 準 を -2点 か ら +2点 ま で の 4段 階 に 設 定 して 、 「 非 常 に 困 つた 」 を -2点 、 「少 し困 つ た 」 を -1点 、 「 あ ま り困 らな か っ た 」 を +1点 、 「 困 ら な か った 」 を +2点 と して 数 値 化 し、 総 回 答 の 平 均 値 を 各 機 器 の 必 要 性 と して 評 価 した 。
(4)照 明 の 必 要 性 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 の 評 価 基 準 を -2点 か ら +2点 ま で 4段 階 に設 定 して 、 「 非 常 に必 要 」 を -2点 、 「 必 要 」 を -1点 、 「 あ ま り必 要 な い 」 を +1点 、 「 必 要 な い 」 を +2点 と して 数 値 化 し、 総 回 答 の 平 均 値 を各 照 明 の 必 要 性 と して 評 価 した 。
水 の不足感の得点
-2点 -1点 +1点 +2点
1.非 常 に不足 していた 2.あ る程度不足 していた 3.あ る程度足 りていた 4.足 りていた 図 2.2
数値化 の方法 (1)
1.非 常 に必要 (非 常 に困 った 2.必 要 (少 し困 った) 3.あ まり必要 ない (あ ま り困 らなか った 4.必 要 ない (困 らなか った) )
電気機器・ ガ ス機器 の 必要性 の得点
)
図 2.3
照明の必要性 の 得点
数値化 の方法 (2)
1.非 常に必要 2.必 要 3.あ まり必要 ない 4.必 要 ない 図 2.4
-2点 -1点 +1点 +2点
数値化 の方法 (3)
55
-2点 -1点 +1点 +2点
2.3
調査結 果
2.3.1
回 答 者 の基 本 属 性
回 答 者 の 基 本 属 性 を 図 2.5に 示 す 。 4箇 所 の 集 合 住 宅 の 平 均 で み る と 、 回 答 者 の 性 別 は 女 性 が 59%と 多 く、 年 齢 は 30歳 ~ 40歳 代 が 65%と 多 い 。 世 帯 人 員 数 は 、 2人 ~ 4人 が 80%と 多 い 。
A
A
B
B
C
C
D
D
平均
平均
□男性
口 女性
日不 明
□29歳 以下
口 30~ 39歳
日40~ 49歳
■50~ 59歳
日60~ 69歳
口70歳 以上
国不明
回答者 の 性別
回答者 の 年齢
20%
40%
60%
80%
100%
A B C
D 平均 □ 1人
口 2人
日 3人
■4人
口5人 以上
回答者の世帯人員数 図 2.5
回答者の基本属性
56
2.3.2 (1)
住 民 の避 難 状 況 避難の実態
い ず れ の 集 合 住 宅 に お い て も住 民 の 約 3割 か ら 5割 が 避 難 して お り、 平 均 で は 37%の 住 民 が 避 難 して い る 。 図 2.6に 避 難 世 帯 の 割 合 を示 す 。 避 難 先 (総 回 答 の 平 均 )を み る と 、 建 築 駆 体 自体 の 損 壊 が 少 な か っ た こ と な どか ら、 「 学 校 や 公 民 館 な どの 避 難 所 」 に避 難 した 住 民 は 8%と 少 な く、 ラ イ フ ラ イ ン の 被 害 の な い 地 域 の 「 親 戚 ・ 知 人 の 家 」 が 51%と 最 も多 い 。 な お 、 集 合 住 宅 Cに お い て 、 他 の 集 合 住 宅 と 異 な る 結 果 と な っ て い る の は 、 回 答 者 数 が 少 な く、 避 難 した 回 答 者 が 4人 だ け で あ っ た た め と考 え られ る 。 図 2.
7に
避 難 場 所 を示 す 。
(2)
避難理 由
避 難 理 由 (総 回 答 数 の 平 均 )を み る と 、 「 ラ イ フ ラ イ ン が 寸 断 さ れ 生 活 に 支 障 を きた した 為 」 が 47%と 最 も多 く、 次 い で 「 交 通 網 が 寸 断 さ れ 通 勤 、 通 学 に支 障 を き た した 為 」 が 19%と な っ て い る 。 図 2.8に 避 難 理 由 を示 す 。
(3)
自宅 に 戻 つ た理 由
自宅 に 戻 っ た理 由 を 見 る と 避 難 理 由 と 対 応 した 回 答 と な っ て お り、 「 ラ イ フ ラ イ ンの 復 旧 」 を理 由 に 自宅 戻 っ た 住 民 が 51%、 「 交 通 網 の 復 旧 」 を理 由 に 自宅 戻 っ た 住 民 が 15%と な っ て お り、 ラ イ フ ラ イ ン が 住 民 生 活 に如 何 に大 き な 影 響 力 を持 っ て い るか が 分 か る 。 図 2.9に 自宅 に 戻 っ た 理 由 を示 す 。 一 方 、 避 難 しな か っ た 住 民 の 理 由 と し て は 、 殆 どの 回 答 者 が 建 築 駆 体 自体 の 損 壊 が 小 さ く、 安 全 で あ る と判 断 した こ と を理 由 に 挙 げ て い る 。
(4)
ラ イ フ ラ イ ンの 復 旧 と避 難 世 帯 数 の 推 移
地 震 発 生 当 日か ら 3カ 月 間 の 避 難 世 帯 数 の 推 移 と ラ イ フ ラ イ ンの 復 旧 時 期 を 図 2.10に
示 す 。 避 難 の ビ ー ク が 地 震 発 生 当 日 で は な く約 1週 間 か ら 10日
後 で あ る こ と、 ラ イ フ ラ イ ン の 復 旧 に 伴 っ て 避 難 世 帯 数 が 大 幅 に 減 少 して い る こ とが 分 か る 。 こ れ らの こ とか ら も、 ラ イ フ ラ イ ン の 寸 断 が 集 合 住 宅 住 民 の 避 難 した 最 大 の 理 由 で あ っ た こ とが 分 か る 。
57
100%
50%
O% 一 E z
A r ト レ
B F L L
C 膨F ヒ 厖
D F 卜 L
平均 E
□ 避難 しなかった
□ 避難 した
図 2.6
避難 世帯 の 害J合
100%
0%
A B
C D 平均
日学校 などの避難所 □親戚・ 知人の家 日 その他・ 不明 日会社 の施設 図 2.7
避難場所
58
0%
100%
20%
A B
C D 平均
日余震 の不 安 目交通網 の寸断 日 その他
ロ ライ フラインの寸断 ■生活 0教 育等の不安
図 2.8
0%
避難 理 由
20%
100%
A B
C D 平均
□余震 がお さまったため ロ ライフラインの復旧 目交通網 の復旧 ■通勤・ 通学のため 目 その他 図 2.
9
自宅に戻 った理由
59
40%
40%
30%
30%
20%
20%
10%
10%
0%
1
10
20
30
40
50
60
70
80
90日
0%
C
40% /Ч ス・ 30%
膠 1 じ
話
離 離 ,
世
К道 ン上ラ
リス
40% 30%
数
20%
20%
10%
10% 0%
0% 1
10
20
30
4010 5050 6060 7070 8080 90日 90日
図 2.10
2.3.3 (1) 1)用
1
10
20
30
40
50
60
70
80
ライ フライ ンの 復 旧時期 と避離 世帯 数 の 推移
ラ イ フ ラ イ ン機 能 停 止 期 間 に お け る 生 活 の 実 態 上 水 道 復 旧 まで の 生 活 の 実 体 途別 の水 の不 足 感 の変 化
用 途 別 の 水 の 不 足 感 の 変 化 (総 回 答 の 平 均 )を 図 2。
11に 示 す 。 応 急 給 水
車 が 来 る ま で の I期 にお い て は 、 水 の 不 足 感 の 大 き い 方 か ら順 に 、 風 呂
94)、
90日
洗濯
(-1.85)、
炊事
(-1.53)、
トイ レ
(-1.46)、
(-1. 飲料
(-0。 94)と な っ て お り、 全 て の 用 途 に お い て 水 が 不 足 し て い る こ と が 分 か る 。 しか し、 給 水 車 に よ る 水 の 配 給 が 定 着 し た Ⅱ期 に お い て は 、 水 の 配 給 に よ り飲 料 水 と炊 事 用 水 の 不 足 感 は あ る 程 度 解 消 さ れ 、 風 呂 ・ 洗 濯 ・ トイ レ の 生 活 用 水 及 び 雑 用 水 の 不 足 感 が 相 対 的 に 目立 っ て く る 。 ■期 に お け る 水 の 不 足 感 は 大 き い 方 か ら順 に 、 風 呂
39)、
炊事
(+0.24)、
(-1.24)、 飲料
洗濯
(+0.98)と
(-1.02)、
(-0.
な っ て お り、 飲 料 水 と 炊 事
用 水 は (十 )に 転 じて お り不 足 感 は か な り解 消 して い る 。
60
トイ レ
飲料 I期 飲料 Ⅱ期
1.5
炊事 I期 炊事 Ⅱ期
風呂 I期 風呂Ⅱ期 -0.5
洗濯 I期 洗濯 Ⅱ期
-1.5
トイ レ I期 トイレⅡ期
I期 F常 に不足 していた ロ ヲ 国 ある程度足りていた
国 ある程度不足 していた 田 足りていた
Ⅱ期
飲料 ―― 炊事 一 ― …o… 洗 濯 …x- - トイ レ
風呂
1期 :応 急給水車 が来 るまでの時期 Ⅱ期 :水 の配給が定着 した時期
図 2.11
2)
用途別 の水 の不 足感 の変 化 (総 回答の平均 )
用 途 別 の 水 の不 足 感 の 解 消 時 期
水 の 不 足 感 が あ る 程 度 解 消 した 時 期 を 見 て み る と 、 飲 料 水 と炊 事 用 水 は 地 震 発 生 後 5日 か ら 10日 の 比 較 的 早 い 時 期 に 不 足 感 が あ る 程 度 解 消 した と 回 答 し た 住 民 が 多 か っ た が 、 風 呂 ・ 洗 濯 の 生 活 用 水 と トイ レの 雑 用 水 つ い て は 、 上 水 道 が 復 旧 す る 時 期 まで 不 足 感 を 感 じて い た 住 民 が 多 か っ た 。 地 震 発 生 当 日か ら 約 2カ 月 の 間 に 「 不 足 感 が あ る 程 度 解 消 した 」 と 回 答 した 住 民 の 割 合 を 5日 毎 に 累 積 した 結 果 を 、 図 2.12用
途 別 の水 の不 足 感 の解 消 時 期 に示 す 。
61
一一一一 飲料 ― 一 一 炊事 ーーーーーー風呂
′ 「 メ イ ジ / ´
イ
1/`
80% /
/
60%
′
,
/′ 60%
′ /
ノ
40%
//
γ彩́F争メ
/
′ 彰f/1 0%
〆
「
′
′ ′ノ
日
//′
`ノ ,t ii ,i
上水道復旧
0%
20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 日 15 25 35 45 55 65
1~ 10~
5
r― /′
ノ ′
/ノ ′ ノ r 20% メ
´ ク・ ノ ′
′ ′
ノ ′ 7多
80%
′ ′
ノ
//
20%
~´ - ~ 戸 ′ ′ ′ 3j多 ′
100%
100%
40%
~~~~洗 濯 一 ― ~ト イ レ
1~ 10^´
5
15
20- 30- 40- 50- 60~ 25 35 45 55 65
水 の不足 感の解消時期図 (B)
水の不足 感 の解消時期図 (A)
100%
100%
~
80%
80%
60%
60% │
40% 2
¨ ―― オ
~~~││ /″
/____・ 20%
~-
一
/z′
40%
′ ノ ′ ノ ′ / ′ 一― ′ /′
幌
〃
″
′ ′
=ツ
'ォ
′二 rf__」
0%
幌 1~
5
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~
15
25
35
45
55
65
日
1~
5
10- 20- 30- 40- 50- 60~ 15
25
35
45
55
水 の不足 感の解消時期図 (D)
水の不足感の解消時期図 (C)
図 2.12 用途別の水 の不足感の変化 (総 回答 の平均 )
62
65
(2) 1)
電 気 ・ ガ ス 復 旧 まで の エ ネ ル ギ ー の 必 要 性 電 気 機 器 の必 要 性
電 気 機 器 の 必 要 性 (総 回 答 の 平 均 )に つ い て 調 査 した 結 果 を、 図 2. 示 す 。 「 テ レ ビ 。ラ ジ オ 」 が -1.73、
13に
「 住 戸 内 照 明 」 が -1. 64と 必 要 感
が 高 く、 「 冷蔵 庫 」 が -1.05、 「 調 理 用 器具 」 が -0。
98、 「 暖 房 」 が ―
0.93で こ れ ら に次 い で 高 い 。 2)
ガス機 器 の必 要 性
ガ ス 機 器 の 必 要 性 (総 回 答 の 平 均 )に つ い て 調 査 した 結 果 を、 図 2。 示 す 。 ガ ス 機 器 に つ い て は 、 「 風 呂 」 が -1.76と
14に
必 要 感 が 高 く、 「 ガ ス レ
ン ジ 」 が -1.11と 次 い で 高 い 。 電 気 機 器 は ガ ス 機 器 に 比 べ て 相 対 的 に必 要 感 が 高 か っ た 。
3)
照明の必要性
照 明 の 必 要 性 (総 回答 の 平 均 )を 図 2.15に 地震発 生直後 が -1.66と
示す。
(I期 )に お い て は 、 「 非 常 照 明 (非 常 用 誘 導 灯 )」
の必 要 性
最 も高 く、 こ れ に 劣 らず 「 住 戸 内 照 明 」 の 必 要 性 が -1.61と
高 く、 次 い で 「 廊 下 な ど の 屋 内 共 有 部 分 の 照 明 (通 路 照 明 )」 の 必 要 感 が -1.
51と 高 か つ た 。 こ れ に 対 して 、 「 屋 外 照 明 」 の 必 要 感 は -0.61と
高 くな
い 。 今 回 の 地 震 は 明 け 方 に 発 生 した た め 、 住 戸 内 の 照 明 が 非 常 に重 要 で あ つ た こ とが 分 か る 。 電 力 復 旧 まで の 時 期 (Ⅱ 期 )に お い て は 、 「 非 常 用 照 明 」 の 必 要 感 は -1.0
4と 低 く な り、 逆 に 、 「 住 戸 内 照 明 」 の 必 要 感 が -1.45、
「廊 下 な どの 屋
内 共 有 部 分 の 照 明 」 の 必 要 感 が -1.20と 相 対 的 に 高 くな る 。
4)
ガス機 器 の代 用 手 段
ガ ス の 供 給 停 上 期 間 中 に お け る ガ ス 機 器 の 代 用 手 段 に つ い て の 調 査 結 果 (総 回 答 の 合 計 )を 図 2。
16~ 17に 示 す 。
風 呂 の 代 用 手 段 と し て は 「 銭 湯 を利 用 」 が 26%、 「 ガ ス の 出 る 知 人 宅 で も ら い 湯 」 が 20%、 「 お 湯 で 体 を拭 くだ け」 が 16%と な っ て い る が 、 「 代 用
63
方 法 が な い 」 と答 え た 住 民 が 多 い 上 に 空 欄 の ま ま の 回 答 も多 く、 全 体 の 数 値 が
│
小 さ くな っ て い る 。 ガ ス レ ンジ の 代 用 手 段 と して は 「 カ セ ッ ト コ ンロ 」 が 71%と 最 も多 く、 次 い で 「 ホ ッ トプ レ ー ト」 が 17%、 「電 子 レ ンジ 」 が 14%の 順 とな っ て い る 。 ガ ス レ ンジ の 代 用 手 段 は重 複 回 答 が 多 く、 合 計 が 100%を
0% w・ ラジオ 照明 0住 戸 内
20%
40%
60%
80%
100% ミぶi苺 ミ
, ―
越 えて い る。
:
│ミ :
\
ヽ
冷蔵庫 調理用器 具
:ミ 111111ヽ
│:│1l11ミ
ミ ミ ミ :華 ヽ ミミ ミ 彗
ミ縫墨ミ 卦淋滋朧
:
=二
暖房
ミ│
~
\
そ の他
_
:ヽ itiミ :ミ I:lil
-2.00
-1.00
0.00
1.00
□ 非常に必要
□ 必要
圏 あまり必要 ない
国 必要ない
2.00
一◆― 評価点 図 2.13 電気機器 の必要性 (総 回答 の平均 )
64
│
40%
100%
篠 :蒸 華
ヽ \ 給湯器
麟
:::│::,II)::1
/ く
ガス レンジ
\ 暖房
\ その他 -2.00
-1.00
0.00
□ 非常に困った
1.00
2.00
団 少 し困った
国 あまり困らなかった 国 困らなかった 一◆― 評価点 図 2.
14 ガ ス機器 の必要性 (総 回答 の平均
0% 体 を拭 くだけ 仮設風 呂 を利用 銭湯 を利用 ガスの出 る地域の 知人宅 で も らい湯 その他
図 2.
20%
16 風 呂の代用手段 40%
60%
カセッ トコンロ 電子 レンジ 電気 コンロ ホ ッ トブ レー ト その他 の電気器具 その他
図 2.17
ガス レンジの代用手段
65
)
非常用照明 I期 非常用照明 Ⅱ期
住戸内照明 I期 住戸内照明 Ⅱ期
□ 非 常 に必要 圏 あ ま り必要 ない 国 必要
通路照明 I期
目 必要 ない
通路照明 Ⅱ期 I期 :地 震発生直後 Ⅱ期 :電 力復旧まで
2
1.5
1
―
0.5
― ――
0
―
屋 外照明 住 戸 内照 明 通路照明 非 常用照明
I期 :地 震発生直後
-0.5
Π期 :電 力復旧 まで
-1
-1.5
- 2
I期
Ⅱ期
図 2.15 照明 の必要性 (総 回答 の平均 )
66
(3)
エ レベ ー タ ー の 必 要 性
エ レベ ー タ ー の 必 要 性 に つ い て は 、 地 震 発 生 直 後
(I期 )と 電 力 が 復 旧 し エ
レ ベ ー タ ー が 復 旧 す る ま で の 期 間 (Ⅱ 期 )に 分 け て 調 査 した 。 エ レベ ー タ ー の 必 要 性
(総 回 答 の 平 均 )を 図 2。
18に 、 エ レ ベ ー タ が 使 え
な くて不 便 だ っ た こ と (総 回 答 の 平 均 )を 図 2.19に 地震発生 直後 の避難期
示 す 。 エ レベ ー タ ー は 、
(I期 )よ り、 電 力 復 旧 ま で の 時 期 (Ⅱ 期 )に お い て 必
要 性 が 若 干 高 く、 「 非 常 用 エ レ ベ ー タ ー な ど 一 部 の エ レ ベ ー タ ー が 動 い て い れ ば 良 い」
(63%)お
よ び 「 全 て 動 い て な い と困 る 」
(22%)を
合 計 す る と、
85%前 後 の 住 民 が エ レベ ー タ ー の 必 要 性 を 感 じて い た 。 停 電 期 間 中 に エ レ ベ ー タ ー が 使 え な くて 困 つ た こ とで は 、 「 水 の 運 搬 」 が 81%で の 運 搬 」 が 57%と
次 い で 多 く、 「 外 出 の た め の 昇 降 」
最 も 多 く、 「 物 資
(35%)お
よび そ の
他 は少 な か った 。 以 上 か ら、 エ レ ベ ー タ ー の 必 要 感 は I期 の 避 難 期 よ り Ⅱ 期 の 生 活 の 場 に お い て 高 い こ とが 分 か っ た 。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
電 力復 旧まで 地 震発生直後
□ すべて動いていないと困る 国 一部が動いていればよい 国 動かなくてもよい 図 2。
国 その他
18 エ レベー ターの必要性 (総 回答の平均 0%
20%
40%
60%
80%
)
100%
水 の運搬 物 資の運搬 トイレの ための昇降 情報 の ための昇降 外出の ための昇降 特に困 らなかった その他
図 2.19
エ レベ ー ター を使 えな くて不便 だったこと (総 回答の平均 )
67
(4)
ごみ 回収 の必 要 性
ご み の 回 収 は 、 地 震 発 生 か ら約 2週 間 程 度 滞 つ た と こ ろ が 多 か っ た が 、 地 震 が 冬 期 で あ つ た こ とや ご み そ の も の が 余 り出 な か っ た こ と な どか ら、 あ ま り困 らな か っ た とい う結 果 が 出 て い る。 ご み 回 収 の必 要 性 (総 回答 の 平均 )を 図 2。
20に 示 す 。 ご み 回 収 の 必 要 性 に つ い て 、 地 震 発 生 直 後 か ら 1週 間 ま で の 期 間 (I期 )と 地 震 発 生 後 1週 間 か ら 2週 間 ま で の 時 期 (Ⅱ 期 )に 分 け て 調 査 し た が 、 I期 、 Ⅱ期 共 に大 き な 傾 向 は 変 わ らず 、 可 燃 ごみ 、 不 燃 ご み に つ い て は 約
7割 ~ 8割 程 度 の 住 民 が 、 粗 大 ご み 、 生 ご み に つ い て は 約 6割 ~ 7割 程 度 の 住 民 が 「 全 く困 ら な か っ た 」 又 は 「 あ ま り困 らな か っ た 」 と 回 答 して い る 。 た だ し、 地 震 に よ る 倒 壊 物 な どの粗 大 ご み が 集 積 場 に 山積 み に な っ て い た 集 合 住 宅 が 見 られ た よ う に 、 粗 大 ご み に つ い て I期 に お い て 約 40%強 の 住 民 が 「 非 常 に 困 つ た 」 又 は 「 少 し困 つ た 」 と 回 答 して い る 。 又 、 生 ご み に つ い て は 夏 期 な ら困 つ た だ ろ う と い う回 答 もあ っ た 。 ご み の 処 分 に つ い て は 、 「 ご み を 自宅 の ベ ラ ン ダ に 溜 め て い た 」 、 「 ごみ の 集 積 場 に 出 した 」 、 「 ご み そ の も の が あ ま り出 な か っ た 」 、 あ る い は 「 ご み を 出 さ な い よ う に した 」 と回 答 し た 住 民 が 殆 どで あ つ た 。
粗大ごみ I期 粗大ごみⅡ期 生ごみ
I期
生ごみ
Ⅱ期
□ 非常に困った 国 特には困らなかった
可燃ごみ I期
□ 少 し困った
可燃ごみⅡ期 不燃ごみ I期 不燃ごみⅡ期
図 2.20
ごみ回収 の必要性 (総 回答の平均 )
68
(5)情
報 の必 要性
地 震 発 生 直 後 と 地 震 発 生 か ら 1週 間 後 に お い て 、 住 民 が 求 め た 情 報 に つ い て の 調 査 結 果 を 図 2.21に
示す。
地 震 発 生 直 後 に 住 民 の 要 求 が 高 か っ た 情 報 と して は 、 「 水 ・ 食 料 等 の 情 報 」 が 88%、 「 交 通 情 報 」 が 80%、 が 69%、
「 個 人 の 安 否 」 が 79%、
「 地 震 の 規 模 ・ 震 源 地 」 が 55%で
「 余 震 の 見 通 し」
あ り、 そ れ 以 外 に 「 商 店 ・ 病 院
の 情 報 」 と 「 入 浴 ・ トイ レ の 情 報 」 が そ れ ぞ れ 約 40%程
度であった。
地 震 発 生 か ら 1週 間 後 に な る と 、 あ る 程 度 情 報 が 伝 わ っ た た め 全 体 的 に 数 値 は 低 くな る が 、 こ の 時 期 に 住 民 の 要 求 が 高 か っ た 情 報 は「 交 通 情 報 」 が 83%、 「 水 ・ 食 料 等 の 情 報 」 が 62%、 の 情 報 」 が 56%等
「 余 震 の 見 通 し」 が 61%、
「 入 浴 ・ トイ レ
とな っ て い る。
地 震 発 生 直 後 よ り 1週 間 後 の 方 が 住 民 の 要 求 が 高 か った 情 報 は 、 「 交 通 情 報 」 、 「 入 浴 ・ トイ レ の 情 報 」 、 「 イ ン フ ラ の 復 旧 見 通 し」 、 「 物 質 配 給 の 情 報 」 、 「 政 府 。自治 体 の 情 報 」 と な っ て い る 。 以 上 よ り、 地 震 へ の 不 安 が 小 さ く な る に 従 い 、 よ り生 活 に 密 着 し た 情 報 へ の 要 求 が 増 して い る こ とが 分 か る 。 100% 避難経路・ 避難場 所 個人 の安否 余震 の見通 し 地震の規模 。震源地 交通情 報
圏 地震発生直後
商店・ 病 院 の情報
□ 1週 間後
水・ 食料等 の情報 物資 の配給 の情報 入浴・ トイ レの情報 政 府・ 自治体 の情報 フ イン ラの復 旧見通 し
図 2.21 住民 が求 めた情報 の調査結果
69
(6)
ラ イ フ ラ イ ン全 般 の 必 要 性
ラ イ フ ラ イ ン全 般 の 必 要 性 (総 回 答 の 平 均 )を 図 2.22に
示す。 ライフ ラ
イ ン 全 般 に つ い て の 必 要 性 で は 上 水 道 、 電 気 及 び 下 水 道 の 必 要 性 が 特 に 高 く、 次 い で ガ ス 、電 話 、 ご み 回収 の 順 とな っ て い る 。 尚 、 ガ ス につ い て は 集 合 住 宅
Dの み の 調 査 結 果 で あ る 。
上水道
下水道 電気 電話 ごみ ガス
□ 非常に必要
図 2.22
□ 必要
圏 特には不要
ライフライ ン全般 の必要性 (総 回答 の平均 )
70
2.3.4
非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に対 す る 住 民 の 意 見
非 常 時 に 電 気 ・ ガ ス ・ 水 。電 話 な どの ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した 場 合 を 想 定 して 、 集 合 住 宅 に お い て 生 活 の 維 持 を可 能 とす る た め に 、 あ る 程 度 の 電 気 。 水 ・ 熱 。通 信 機 能 を確 保 で き る 設 備 機 能 を備 え た 「 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 」 を 示 した上 で 、非 常 時 自立型 集 合 住 宅 につ い て ア ンケ ー ト調 査 を実 施 した 。 図 2.
23~ 25に そ の 結 果 を示 す 。 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に つ い て は 、 ほ ぼ 全 て の 住 民 が 「 非 常 に大 切 」
%)ま た は「 大 切 」 (20%)と
(79
回 答 して い る 。
非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 構 築 の た め の 設 備 ・ 施 設 の 費 用 負 担 に つ い て は 、 「 あ る 程 度 な ら費 用 が 掛 か っ て も住 み た い 」 が 79%と 最 も多 く、 「 費 用 が 掛 か っ て も住 み た い 」 の 9%と 合 わ せ る と 88%の 住 民 が 、 費 用 を負 担 して も非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 に 住 み た い と 答 え て い る 。 ま た 、 そ の た め の 費 用 を公 的 機 関 が 補 助 す る こ と に つ い て は 、 「 一 部 補 助 す べ き で あ る 」 が 68%と 最 も 多 く、 「 全 額 補 助 す べ きで あ る 」 が 22%と 次 い で 多 く、 90%の 住 民 が 何 らか の 公 的 機 関 に よ る 補 助 が 必 要 と 考 え て い る 。 以 上 よ り、 非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 す る こ と を 想 定 す る と 、 生 活 機 能 維 持 の た め に あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 ・ 熱 の 供 給 と通 信 が 可 能 な 「 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 」 に つ い て は 、 殆 どの 住 民 が 大 切 と考 え て い る こ と を 明 らか に した 。
71
あま り大切 でな い
1%
図 2.23 非常時 自立型集合住宅について 費用 がかかるな ら 住 みた くない
その他
8%
費用 がかか って も 住 みたい
9%
あ る程 度 な ら 費用 が か か って も 住 み たい
79%
図 2.24
非常時 自立型集合住宅 の 費用負担 について
その他
4%
一部 を補助 すべ き
68% 図 2.25
公的機 関の補助 につい て
72
2.4
結論
本 章 で は 、 集 合 住 宅 が 高 度 に 集 積 した 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お い て 、 非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した 場 合 の 生 活 機 能 へ の 影 響 と そ の 対 策 と して の 供 給 処 理 系 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 を 明 らか に す る た め に 、 兵 庫 県 南 部 地 震 被 災 地 の 高 層 集 合 住 宅 300戸
の 住 民 を対 象 に ア ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た 。 調 査 は 、
住 民 の 避 難 状 況 や ラ イ フ ラ イ ン機 能 停 止 時 に お け る住 民 の 生 活 感 の 実 体 に つ い て 行 い 、 ま た 、 ラ イ フ ラ イ ン機 能 停 止 時 に お い て あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 ・ 熱 の 供 給 と 通 信 が 可 能 な 非 常 時 自 立 型 集 合 住 宅 を示 し、 非 常 時 自 立 型 集 合 住 宅 に つ い て ア ン ケ ー ト調 査 を実 施 し た 。 本 章 の 結 論 を 以 下 に 示 す 。
(1)調
査 し た 集 合 住 宅 で は 、 建 築 駆 体 自体 の 損 壊 は 小 さ か っ た に も か か わ
らず 、 約 3割 か ら 5割 の 住 民 が 避 難 した が 、 住 民 が 避 難 し た 最 大 の 理 由 は 、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 し生 活 に 支 障 を き た した こ と に よ る 。 つ ま り、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 は 住 民 生 活 に お い て 大 変 重 要 な 役 割 を担 っ て い る こ と を 示 して い る 。
(2)
避 難 の ビ ー ク は 、 地 震 発 生 直 後 で は な く約 1週 間 か ら 10日 後 で あ り、
ラ イ フ ラ イ ン の 復 旧 に 伴 っ て 避 難 世 帯 数 は 減 少 して い る 。
(3)
ラ イ フ ラ イ ン 機 能 停 止 時 に 必 要 性 の 特 に 高 い も の は 、 以 下 の 通 りで あ っ
た。 ・ 水 系 で は 応 急 給 水 車 が 来 る ま で の I期 と水 の 配 給 が 定 着 した Ⅱ期 を通 じ て 、 風 呂 ・ 洗 濯 の 生 活 用 水 の 必 要 性 が 特 に高 い 。 I期 で は 炊 事 用 水 と トイ レ の 必 要 性 が 特 に高 い 。 生 活 用 水 ・ 雑 用 水 に つ い て は 上 水 道 が 復 旧 す る 時 期 ま で 不 足 感 を 感 じて い た 住 民 が 多 か っ た 。 つ ま り、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 停 止 時 に は 、 水 系 の う ち 風 呂 ・ 洗 濯 ・ トイ レ の 生 活 用 水 の 必 要 性 が 特 に 高 い こ と を 示 して い る 。 ・ エ ネ ル ギ ー 系 の 中 で 、 電 気 機 器 に つ い て は 、 テ レ ビ・ ラ ジ オ と 住 戸 内 照 明 の 必 要 性 が 特 に 高 く、 ガ ス 機 器 で は 風 呂 の 必 要 性 が 特 に 高 い 。 電 気 機 器 が ガ ス 機 器 に 比 べ て 相 対 的 に必 要 性 が 高 か っ た 。 照 明 で は 地 震 発 生 直 後 の 非 常 用 照 明
73
お よ び 住 戸 内 照 明 と廊 下 等 の 屋 内 共 有 部 分 の 照 明 の 必 要 性 が 特 に 高 い 。 ガ ス 機 器 の 代 用 手 段 と して 、 電 気 の 復 旧が 速 か っ た こ とか ら電 気 機 器 が 多 く使 われ た 。 ・ エ レ ベ ー タ ー は 、 85%前 後 の 住 民 が 一 部 運 転 を含 め て そ の 必 要 性 を感 じ て お り、 水 の 運 搬 で 約 80%、 物 質 の 運 搬 で 約 60%の 住 民 が エ レ ベ ー タ ー が 使 え な くて 困 つ た と 感 じて い る 。 ・ ご み の 回収 に つ い て は 、 地 震 が 冬 期 で あ っ た こ とや 、 ご み そ の も の が 余 り 出 な か つ た こ とか ら、 余 り困 っ て な い 。 た だ し、 地 震 発 生 直 後 に お い て は 粗 大 ご み の 処 理 に約 40%強 の 住 民 が 困 っ て い た 。 ・ 要 求 が 特 に高 い 情 報 と して は 、 地 震 発 生 直 後 に お い て は 「 水 ・ 食 料 等 の 情 報 」 、 「 交 通 情 報 」 、 「 個 人 の 安 否 」 、 「 余 震 の 見 通 し」 が あ り、 1週 間 後 に な る と「 交 通 情 報 」 が あ る 。 一 方 、 地 震 発 生 直 後 よ り 1週 間 後 の 方 が 住 民 の 要 求 が 高 か っ た 情 報 と して は 、 「 交 通 情 報 」 、 「 入 浴 ・ トイ レの 情 報 」 、 「 イ ン フ ラ の 復 旧 見 通 し」 、「 物 質 配 給 の 情 報 」 、 「 政 府 。自治 体 の 情 報 」 と な っ て お り、 時 間 の 経 過 と共 に地 震 へ の 不 安 が 薄 ら ぐ に つ れ 、 よ り生 活 に 密 着 した 情 報 へ の 要 求 が 増 した こ とが 分 か る 。
(4)
ラ イ フ ラ イ ン全 般 の 必 要 性 で は 上 水 道 が 最 も高 く、 電 気 、 下 水 道 の 順
に 高 い 。 ガ ス が こ れ らに次 い で 高 い 。 つ ま り、 非常 時 にお い て は 脆 弱 な 都 市 イ ン フラ に依 存 しな い 水 系 。エ ネ ル ギ ー 系 を 中 心 と した 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 が 高 い こ と を示 して い る 。
(5)
非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン機 能 が 停 止 した場 合 を想 定 して 、 集 合 住 宅 に お
い て 生 活 の 維 持 を可 能 に す る た め に 、 あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 。熱 お よ び 通 信 機 能 を確 保 で き る設 備 機能 を備 え た 「 非 常 時 自立 型集 合 住 宅 」 を住 民 に示 した上 で 、 ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 した 。 「 非 常 時 自立 型 集 合 住 宅 」 に つ い て は 殆 どの 住 民 が 「 大 切 」 と答 え て い る 。
以 上 よ り、 兵 庫 県 南 部 地 震 の 被 災 者 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 結 果 か ら、 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 脆 弱 な 都 市 イ ン フ ラ に 依 存 し な い 非 常 時 自立 型 地
74
区 施 設 の 必 要 性 は 高 く、 特 に 、水 系 (上 水 道 ) お よ び エ ネ ル ギ ー 系 (電 気 )の 自立 化 の 必 要 性 が 高 い こ と を 明 らか に した 。
75
第 3章
高 度都 市機能 集積 地 区 にお け る 新 しい 地 区施設 の 機 能 に関す る研 究
第 3章
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る新 しい 地 区 施 設 の 機 能 に 関 す る研 究
3.1
概要
大 都 市 圏 内 の 地 区で は、 過 密 化 、環 境 の悪 化 、 災 害 危 険 の増 大 、生 活 関連 都 市 施 設 の 整 備 等 、 さ ま ざ ま な 都 市 問 題 が 生 じて い る 。 こ れ は 無 秩 序 な ス プ ロ ー ル に よ る 新 市 街 地 の 形 成 と既 存 市 街 地 の 過 密 化 に 起 因 して い る 。 こ の 様 に 、 市 街 地 の 形 成 を 適 切 に コ ン トロ ー ル す る た め の 都 市 計 画 は 、 現 状 に お い て 十 分 に 機 能 して い な い 。 ま た 、 建 築 計 画 は 敷 地 内 の 建 物 の 構 造 や 建 築 設 備 に 関 す る 最 低 基 準 を規 制 す る もの で 、 そ の 集 合 と し て の 地 区 レ ベ ル の 市 街 地 形 成 に は 余 り 寄 与 して い な い 。 こ の よ う な 背 景 か ら都 市 計 画 と 建 築 計 画 の 相 互 補 完 が 十 分 に 機 能 せ ず安 全 性 や効 率 性 に欠 け る点 が 多 い。 また 、 地 区 計 画 は地 区 内 の土 地 利 用 や 地 区 施 設 、 建 築 物 等 に 関 す る 計 画 で あ り、 都 市 施 設 を補 完 し建 築 施 設 (基 本 的 に建 築 設 備 を指 す )を 一 体 的 に 統 括 す る と い う 意 味 で は 十 分 と は 言 え な い 。 そ こ で 都 市 施 設 の 機 能 を 補 完 し、 建 築 施 設 の 機 能 を 一 体 的 に統 括 す る 新 し い 機 能 を持 つ 地 区 施 設 が 必 要 と な る 。 本 章 で は こ う した 点 を 踏 ま え て 、 都 市 機 能 が 高 度 に 集 積 し都 市 イ ン フ ラ ヘ の 負 荷 が 地 区 の 中 で も特 に 高 い 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て 、 都 市 施 設 の 機 能 を 補 完 す る 地 区 施 設 の 新 し い 概 念 と そ の 機 能 を 提 案 し、 都 市 や 建 築 に 係 わ る 有 識 者 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 か ら、 導 入 す べ き地 区 施 設 項 目 と そ の 機 能 を 明 ら か に した 。 そ の 結 果 、 提 案 した 地 区 施 設 項 目 13項 目 の う ち 導 入 す べ き 地 区 施 設 は 、 必 要 性 の 高 い 順 に 共 同溝 、 電 力 供 給 、 災 害 対 策 、 熱 供 給 、水 供 給 、 廃 棄 物 処 理 、 廃 棄 物 収 集 の 7施 設 で あ っ た 。 ま た 、 提 案 した 61項 目 の う ち 導 入 す べ き機 能 は 44項 目で 、 そ の 半 数 が 上 位 に 位 置 づ け ら れ る 非 常 時 対 応 機 能 10項 目、 共 同 溝 2項 目、 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 軽 減 機 能 4項 目、 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 機 能 3 項 目、 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 3項 目で あ っ た 。 以 上 、 新 た に 導 入 す べ き地 区 施 設 や 非 常 時 に地 区 内 で 対 応 で きる機 能 の 重 要
76
性 等 、新 しい 地 区施 設 の あ り方 を提示 した。
3.2
本 章 で 扱 う地 区
新 し い 地 区 施 設 の 機 能 を研 究 す る 上 で 、 本 章 で は 高 度 都 市 機 能 集 地 区 に つ い て 検 討 した 。 そ の 理 由 は 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 は 、 業 務 、 商 業 、 宿 泊 、 住 宅 等 の 都 市 機 能 が 集 積 した 地 区 で あ り、 供 給 処 理 機 能 へ の 負 荷 や 環 境 管 理 ・ 防 災 管 理 機 能 へ の 要 求 が 地 区 の 中 で も特 に 高 く、 都 市 施 設 の 機 能 を 補 完 す る 新 し い 地 区 施 設 の 必 要 性 が 高 い と考 え た か ら で あ る 。 図 3.1に
、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る新 しい 地 区 施 設 の 位 置 付 け の 概
念 を示 す 。 こ の 図 は 都 市 施 設 の み に 依 存 した 従 来 の 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 と 、 都 市 施 設 と新 し い 地 区 施 設 を併 用 した 新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 との 間 の 、 平 常 時 と非 常 時 に お け る 施 設 の 対 負 荷 能 力
注 4)を
比 較 した 概 念 図
で あ る。 従 来 の 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 で は 大 部 分 を 都 市 施 設 に 依 存 す る た め に 、 地 区 の 要 求 す る 負 荷 量 に 合 わ せ て 都 市 施 設 容 量 を 増 強 し て 対 応 して き た 。 そ の た め 従 来 の高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 にお い て は周 辺 地 区 に比 べ て 大 きな 施 設 能 力 と設 備 投 資 を必 要 と し た 。 施 設 の 対 負 荷 能 力 は 、 平 常 時 は 1に 保 た れ て い る が 、
1995年
1月 に発 生 した 兵 庫 県 南 部 地 震 の 実 体 に み る よ う に 、 大 地 震 等 の 非
常 時 に お い て は 0に 近 い 値 と な る 。 つ ま り、 都 市 施 設 の 整 備 に 多 大 な 投 資 が 必 要 と な る に も拘 わ らず 、 非 常 時 に お い て は ラ イ フ ラ イ ン は 極 め て 脆 弱 で あ る こ とが 分 か る 。 提 案 す る新 しい 地 区 施 設 は 、 再 開 発 等 に よ っ て 新 た に 開 発 さ れ る高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を対 象 と し、 こ の 地 区 に お い て 発 生 す る 供 給 処 理 機 能 へ の 負 荷 増 分 は 、 新 た に こ の 地 区 の 地 区 施 設 で 補 完 す る も の で あ る 。 こ れ に よ り平 常 時 の 供 給 能 力 は 1を 保 持 で き 、 非 常 時 は 地 区 の 要 求 負 荷 量 に 見 合 う供 給 能 力 を 確 保 で き る 上 に 、 都 市 施 設 の 負 担 増 を 抑 制 で き「 公 」 の 負 担 軽 減 を 図 る こ と が で き る 。
77
地区の負荷量 一 … … 都市施設能力 地 区 の 負 荷 量 と 施 設 能 力
施 設 の 対 負 荷 能 力
新 しい地 区施設 を併用 した高度集積地区
新 しい 地区施設 育ヒカ
平 常 時
択 選 龍 超
→ 像 翌 恒 α 鞍
よる自立分
非 常 時
→ 像 翌 恒 α 鞍
図 3. 1高 度集積 地 区 にお ける新 しい地区施設 の位置づ けの概念
78
3. 3 表 3.
16)。
新 しい 地 区 施 設 の 提 案
1に 現 状 の 都 市 施 設 と 提 案 す る 新 し い 地 区 施 設 の 関 係 を 整 理 した 文 献 現 状 の都 市 施 設 は 都 市 計 画 法 に よ り、 道 路 ・ 都 市 高 速 鉄 道 ・ 駐 車 場 。
自 動 車 タ ー ミ ナ ル 他 か ら な る 交 通 施 設 、 公 園 ・ 緑 地 ・ 広 場 。墓 園 他 か
らな る 公
共 空 地 、 水 道 。電 気 供 給 施 設 ・ ガ ス 供 給 施 設 ・ 下 水 道 ・ 汚 物 処 理 場 。ご み
焼 去ロ
場 他 か らな る供 給 施 設 又 は 処 理 施 設 、 河 川 ・ 運 河 他 か ら な る水 路 、 学 校 。 図書 館 。研 究 施 設 他 か ら な る 教 育 文 化 施 設 、 病 院 ・ 保 育 所 他 か ら な る 医 療 施 福 祉 施 設 、 市 場 と と畜 場 お よ び 火 葬 場 、 一 団 地 の 住 宅 施 設 、 一 団 地 の
設又 は
官公庁 施
設 、 流 通 業 務 団 地 、 そ の 他 政 令 で 定 め る 施 設 の 11施 設 に 規 定 さ れ て い る 本 章 で は 、 都 市 施 設 を 補 完 す る 新 し い 機 能 を 有 す る 地 区 施 設 と して 理 系 地 区 施 設 の 9施 設 と 環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 4施 設 、 合 計 13の
。
、供給 処
地 区施 設 を
提 案 す る 。 具 体 的 に は 、 供 給 処 理 系 地 区 施 設 と して 、 供 給 処 理 機 能 を
補完す る
地 区 内水 供 給 施 設 、 地 区 内 電 力 供 給 施 設 、 地 区 内 下 水 処 理 施 設 、 地
区 内廃 棄 物
収 集 施 設、地 区内廃 棄物 処 理 施 設、 地 区内熱供 給施 設 、地 区内情 報
管理施設 、
地 区 内 共 同 溝 施 設 の 各 地 区 施 設 と交 通 施 設 機 能 を 補 完 す る 地
区 内 交 通 。物 流 管
理 施 設 の 各 地 区 施 設 を 提 案 す る 。 ま た 、 環 境 管 理 系 地 区 施 設 と して 機 能 と公 共 空 地 機 能 を 補 完 す る地 区 内 空 間管 理 施 設 お よび 地 区 内 そ の 他 機 能 と して 地 区 内 災 害 対 策 施 設 、 地 区 内 犯 罪 対 策 施 設 の
、交通施 設
環境 保 全施 設 、
各 地 区施 設 を提
案 す る。 新 し い 地 区 施 設 と し て 、 表 3.2に
3.3に
供 給 処 理 系 地 区 施 設 の 構 成 と機 能 を 、 表
環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 構 成 と機 能 を示 す 。
79
表 3.1 現 状 の都市施設 と新 しい地区 施設 の 関係 現状 の都市施 設
道路 都市高速鉄道
新 しい地区施 設
文献 16) 区分
Ⅱ 地区内空間管理施設 地区内交通 。物流管理施設 I
交通施 設 駐車場
自動車 タ ー ミナル その他
地区内交通 。物流管理施設 I
公園 緑地
・地区内空間管理施 設
Ⅱ
公共空地 広場 墓園 その他 水道
地区内水供給施設
I
電気供給 施 設 供給施 設 ガス供給施 設
地区内電力供給施 設
I
地区内下水処理施 設
I
処理施 設 汚物処理 場
地区内廃棄物収 集施設
I
ごみ焼却場
地区内廃棄物処理施 設 地区内熱供給施設 地区内情報管理施設
I
又は
下水道
その他
地区内共同溝管理施設
I I I
ll り
水路
'可 運河
その他
・地 区内空 間管理施 設
Ⅱ
地 区 内環境保全施 設
Ⅱ
地 区内災害対策施 設
Ⅱ
地 区 内犯 罪対策施 設
Ⅱ
学校 教育文化 図書館 施設
研究施設 その他
医 療施設 病 院
又は社会 保育所 福祉施設 その他 市場 と畜場 火葬場 ― 団地 の 住宅施設
―団地 の 官公庁施設 流通業務 団地 その他政 令 で定め る施 設
(注
)I供 給処理系 地区施設 Ⅱ 環境管理系地 区施設
80
表 3.
2供 給 処 理 系 地 区施 設 の 構 成 と機 能
共給処理施設
非常時機能
平常時機能
宏饉 インフラ遠断時の地区内への非常用電力供給
議供給施設
広城インフラ負荷軽減のための地区寵への電力供給 広城インフラ負荷軽減のための地区内への熱供給
水供給施設
イ層来雑株7k` 広雄 インフラ色荷軽減のための地区内への中水供網 (原 水雑排水 )広 城イ ンフラ遠断時の地区内全の中水供給
鵬力 僕 綸 施 設
吹域インフラ遠断時の地区内への熱供絶
_
省ェネ推進のための地区・周辺の未利用排姓 ( fF'kEF'k
) tEfr ,1 >2 - lfrGildDf:tbo$Efi rOSukfrS
(原 水雨水)広 城インフラ連断時の地区内へ中水供給 (
下水処理施設
__ *filf Hl[*
広城インフラ負荷軽減のための地区内での下水処理
廃棄物収集施設 :rrrl! tt*FFfllfi tr *. Z*lLaf=sOtrE6f, 走行車両削減のための地区内廃棄物管路収集 ごみリサイクルのための地区内廃棄物分別管路収集 斃棄物処理施設 広域インフラ負荷軽減のための地区内での廃棄物焼却
_
ft'k ffi 7k ) ftfr.,4 > 7 t iEff So)ttEd aOft Flrr(HG
広墟 インフラ遠断時の地区内 での下水処理
広城インフラ遠断時の地区内での廃棄物焼却
省エネ推進のための焼却排熱の熱供給利用 省エネ推進のための焼却排熱の発電利用 省書頭イ ヒのわめの地区内 リサイクルエ場 によるごみの再資源化 本 in・ 助 濡 管 理
地区内での訪間先 への案内、誘導
施設
地区内での車両の駐車場への案内、誘導 出反 ffi
情報管理施設
日初 鶴 反 め 槽 路 さ 捐 僣 都 の 根 供
rr nJ|tht?/t'!/^JttitHlil{l*d)*fdt
晰ヌ内物流の地 区内物流基地 を経 由 した宅配 に│● ヨ2^∥ ユa 地区内イベ ン ト情報の提供
地区、周辺地区の医療機関情報の提供 地区、周辺地区の準公共機関 (図 書館、学校等 )情 報のに 自治体の行政情報の提供 共同溝施設
力雷
各種配線配管の維持管理が道路下の直埋設 よ り容易
=非
常時の耐雷性 が直埋設 よ り強 い
“
地下空固有効利用の為の共同溝敷設
表 3.3環 境 管 理 系 地 区施 設 の構 成 と機 能 地区施設の機能
環境管理施設 環境保全施設
____ 非常時機能
平常時機能 地区、周辺の大気、水質汚染 、環境破壊 監視 と自治体 への報告
地区、周辺の汚染源や破壌源への指導 蝸皮肉田おへの■■形響評価の奥施 と自治体 への報告
目彙影響評価結果に基づ く地区内開発者への指導 地区周辺開発への環境影響評価の実施と自治体への報告 日量影響評価結果に基づ く地区周辺開発者への指導 地区内建物のエ ネルギー・水消費量の監視 当書
=瞥
四閻管理 施措
神結興 に基づ く地区内建物 への省エ ネ、省資源の指導
道路、公園 (緑 ・水 )等 確保の ための地区内地 権者の意見調整
地区内道路、公園 (緑 ・水 )等 の企画計画 地区内道路 、公回 (緑 ・水 )等 の建設 ′脇
■ ヽ笙 あ 絶 館 磐理
地権者の意見 に基づ く地区内土地利用 マスタープラ ンの作成 llL区
内土地利用マスタープランに基づく地権者の誘導
地区内違法建築物の監視 と自治体 への報告 HL区 内逮法建築物 に対する指導
地区内建築物の景観監視と自治体への報宣 地区内彗築物の景観監視に基ず く指導、規制 地区
災害対策施設
情報 (地 震 ・台風等 )収 集 と地区内への提供
"審 地区内災書の監視 災書情報 に基 づ く地 区内の人々への対応方法指導____ き桑牛時に地 区内の人々の豊難誘導 “ 災書発生時に公的機関との相互連絡 災書発生時に自衛敦助機関としての救助活動実施
犯罪対策施設
地区内道路 ・公園等公的空間の防犯監視と警察への通報 地区内建物の防犯監視と警察への通報 犯罪発生時 に 自衛警察機関 と しての対策活動
81
3。
3.1
平 常 時 にお け る 供 給 処 理 系 地 区 施 設 の 機 能
広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 の た め の 機 能 と して 、 電 力 供 給 施 設 は 地 区 内 へ の 電 力 供 給 、 熱 供 給 施 設 は 地 区 内 へ の 熱 供 給 、 水 供 給 施 設 は 原 水 を 雑 排 水 と した 地 区 内 へ の 中水 供 給 、 原 水 を雨 水 と し た 地 区 内 へ の 中水 供 給 、 下 水 処 理 施 設 は 地 区 内 で の 下 水 処 理 、 廃 棄 物 処 理 施 設 は 地 区 内 で の 廃 棄 物 焼 却 の 各 機 能 を有 す る 。 省 エ ネ ル ギ ー 推 進 の た め の 機 能 と して 、 熱 供 給 施 設 は 地 区 ・ 周 辺 の 未 利 用 排 熱 の 熱 供 給 へ の 利 用 、 廃 棄 物 処 理 施 設 は 焼 却 排 熱 の 熱 供 給 利 用 と発 電 利 用 の 各 機 能 を有 す る 。 省 資 源 の た め の 機 能 と して は 、 廃 棄 物 収 集 施 設 は ご み リ サ イ ク ル の た め の 地 区 内 廃 棄 物 分 別 管 路 収 集 、 廃 棄 物 処 理 施 設 は 省 資 源 化 の た め の 地 区 内 リサ イ ク ル エ 場 に よ る ご み の 再 資 源 化 の 各 機 能 を有 す る 。 こ の 他 に 廃 棄 物 収 集 施 設 は ごみ 収 集 場 所 削 減 に よ る 美 化 の た め 、 お よび 走 行 車 両 削 減 の た め の 地 区 内廃 棄 物 管 路 収 集 の 各 機 能 を有 す る 。 交 通 。物 流 管 理 施 設 は 、 地 区 内 で の 訪 問 先 へ の 案 内 。誘 導 お よ び 車 両 の 駐 車 場 へ の 案 内 。誘 導 、 地 区 ・ 周 辺 地 区 の 道 路 交 通 情 報 の 提 供 お よ び 公 共 交 通 機 関 情 報 の 提 供 、 地 区 内 物 流 の 地 区 内 物 流 基 地 を経 由 した 宅 配 の 各 機 能 を有 す る 。 情 報 管 理 施 設 は 、 地 区 内 で の 来 訪 者 へ の タ ウ ン ガ イ ド情 報 の 提 供 お よ び イ ベ ン ト情 報 の 提 供 、 地 区 ・ 周 辺 地 区 の 医 療 機 関 情 報 の 提 供 お よ び 準 公 共 機 関 (図 書 館 、 学 校 等 )情 報 の 提 供 、 自治 体 の 行 政 情 報 の 提 供 の 各 機 能 を有 す る 。 共 同溝 施 設 は 各 種 配 線 配 管 の 維 持 管 理 が 直 埋 設 よ り容 易 な 機 能 と 地 下 空 間 有 効 利 用 の 各 機 能 を有 す る。
82
3.3.2
非常 時 にお け る供 給 処 理 系 地 区 施 設 の機 能
広 域 イ ン フ ラ遮 断 時 の 機 能 維 持 の 機 能 と して 、 電 力 供 給 施 設 は 地 区 内 へ の 非 常 用 電 力 供 給 、 熱 供 給 施 設 は 地 区 内 へ の 熱 供 給 、 水 供 給 施 設 は 原 水 を雑 排 水 又 は 雨 水 と した 地 区 内 へ の 中水 供 給 、 原 水 を 雨 水 と した 地 区 内 へ の 飲 料 水 供 給 の 各 機 能 を有 す る 。 また 、 下 水 処 理 施 設 は地 区 内 で の 下 水 処 理 の 機 能 を、 廃 棄 物 処 理 施 設 は 地 区 内 で の廃 棄 物 焼 却 の 機 能 を、 共 同溝 施 設 は 大 震 災 等 非 常 時 の 強 い耐 震 機 能 有 す る。
3。
3.3
平 常 時 に お け る環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 機 能
環 境 保 全 施 設 は 、 地 区 ・ 周 辺 の 環 境 汚 染 ・ 破 壊 の 監 視 と 自治 体 へ の 報 告 並 び に汚 染 源 等 へ の指 導 、 地 区 内 お よび 地 区 周 辺 開発 へ の環 境 影 響 評 価 の 実 施 と 自 治 体 へ の 報 告 並 び に評 価 結 果 に基 づ く地 区 内 お よび 地 区 周 辺 開 発 者 へ の 指 導 、 地 区 内 建 物 の エ ネ ル ギ ー ・ 水 消 費 量 の 監 視 と 監 視 結 果 に基 づ く省 エ ネ・ 省 資 源 の指 導 の各 機 能 を有 す る。 空 間 管 理 施 設 は 、 地 区 内 の 道 路 。公 園 等 確 保 の た め の 地 権 者 の 意 見 調 整 と 地 区 内 道 路 。公 園 等 の 企 画 計 画 と建 設 お よ び 維 持 管 理 、 地 権 者 の 意 見 に基 づ く地 区 内 土 地 利 用 マ ス タ ー プ ラ ン の 作 成 と こ れ に基 づ く地 権 者 の 誘 導 お よび 指 導 ・ 規 制 、 地 区 内違 法 建 築 物 の 監 視 と 自治 体 へ の 報 告 並 び に 指 導 、 地 区 内 建 築 物 の 景 観 監 視 と 自治 体 へ の 報 告 、 監 視 に基 づ く指 導 ・ 規 制 の 各 機 能 を有 す る 。 犯 罪 対 策 施 設 は 、 地 区 内 の 公 的 空 間 及 び 建 物 の 防 犯 監 視 と警 察 へ の 通 報 、 犯 罪 発 生 時 の 自衛 機 関 と して の 活 動 の 各 機 能 を有 す る 。
83
3.3.4
非 常 時 に お け る環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 機 能
災 害 対 策 施 設 は 地 区 災 害 情 報 (地 震 、 台 風 等 )の 収 集 と 提 供 、 地 区 内 災 害 の 監 視 、 災 害 情 報 に基 づ く人 々 へ の 対 応 方 法 指 導 、 災 害 発 生 時 に お け る 人 々 の 避 難 誘 導 や 公 共 機 関 との 相 互 連 絡 、 自衛 救 助 機 関 と して の 救 助 活 動 実 施 の 各 機 能 を有 す る 。
3
3
.4
新 しい 地 区 施 設 に 関 す る 調 査
。 4。
1
調 査 目的
新 しい 地 区 施 設 を構 成 す る供 給 処 理 系 地 区 施 設 と環 境 管 理 系 地 区 施 設 の 中 で どの よ う な 地 区 施 設 が 必 要 で 、 そ れ らの有 す る 機 能 が どの 程 度 必 要 か を十 分 に 把 握 す る た め に 、 表 3:2、 表 3.3に 提 案 した 各 地 区 施 設 と そ の 機 能 の 必 要 性 を分 析 し、 新 し い 地 区 施 設 と して 導 入 す べ き施 設 項 目 と 機 能 項 目 を 明 らか に す る た め に ア ン ケ ー ト調 査 を行 っ た 。
3.4.2
調査概要
調 査 は 1993年
10月 に 実 施 し、 調 査 対 象 者 は 提 案 し た 新 し い 地 区 施 設 の
機 能 に 関 係 す る 自治 体 等 の 官 公 庁 、 公 共 公 益 事 業 者 、 都 市 計 画 ・ 建 築 計 画 に 携 わ る 建 設 関 係 企 業 に 勤 務 す る 有 識 者 で あ る 。 調 査 は 郵 送 に よ り行 つ た 。 調 査 対 象 は 92名 で 回 答 数 は 72名
(回 収 率 約 78.3%)で
ケ ー ト回 答 者 の 職 種 を 示 す 。 総 合 建 設 業 は 約 36%、 %、
コ ン サ ル タ ン ト・ 設 計 事 務 所 は 約 15%で
73%を
あ る 。 図 3.2に
ア ン
公 共 公 益 事 業 者 は 約 22
あ り、 上 位 3者 を合 わ せ る と 約
占 め る 。 た だ し、 大 学 教 授 ・ 講 師 ・ 研 究 者 等 は 次 い で 多 く約 8%を 占
め て い る。 調 査 項 目 は 、 表 3.2、
表 3.3に
示 す 13の 地 区 施 設 と そ れ ら の 持 つ 機 能
の 必 要 性 に 関 す る も の で あ る 。 図 3.3に
ア ン ケ ー ト調 査 に お け る 質 問 の 仕
方 の 例 を示 す 。 先 ず 、 各 地 区 施 設 毎 に 表 3.2、
3.3の
機 能 を示 して 、 そ の
必 要 性 を 質 問 し、 次 に そ れ ら の 機 能 の 必 要 性 を 考 慮 した 上 で 、 そ の 地 区 施 設 の
84
必 要 性 を 質 問 した 。 図 3.
3の 例 で は 、 地 区 内 電 力 供 給 施 設 に つ い て 、 「 必 要
な し」 、 「 必 要 」 、 「 非 常 に 必 要 」 の 3段 階 の 回 答 を 用 意 し た 上 で 、 平 常 時 に お け る 広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 の た め の 地 区 内 へ の 電 力 供 給 の 必 要 性 と 、 広 域 イ ン フ ラ 遮 断 時 の 地 区 内 へ の 非 常 用 電 力 供 給 の 必 要 性 に つ い て 質 問 して い る 。 次 に 、 こ れ らの 回 答 を 踏 ま え て 、 将 来 的 な 地 区 内 電 力 供 給 シ ス テ ム の 必 要 性 に つ い て 、 「 必 要 な し」 、 「 必 要 」 、 「 非 常 に 必 要 」 の 3段 階 の 評 価 を求 め て い る 。
その他 (8.3%)
不動産 (1.4%) 自治体等 の官公庁
総合建設 業
(4.2%)
公団 (4口 2%)
(36.1%)
大学教授・ 講師・ 研究者等 (8.3%) コンサ ル・ 設計事務所
公共公益事業者
(22.2%) 図 3.
(22.2%)
2ア ン ケ ー ト回 答 者 の 職 種
質 問 で該 当 する項 目に 、○印 をご記 入 くだ さい
A.地 区内電力供給施設 (1)電 力事業者の電 力供給 とは別に地区内に電力供給 システム (コ ージェネ等)が 有 ると想定 した 場合 に、その機 能 について地 区 に対す る必要度 を右欄 に記入 して下 さい。 0.
1.必要 必要無 し 1.
2. 常 に必要 2.非
0
1
2
`こ
広域 インフラ負荷軽減 の ための地 区内 へ の 電 力供給 (平 常時 )
広域 インフラ遮断時の地区内 への非常用電力供給
(2)以 上のチェックを踏まえた上で、将来的に「地区内電力供給システム」はどの程度必要と思わ れますか。該当する項目に○印をご記入ください。 ※参考
非常時 とは地震等によ り広城的 なイ ンフラの機能 が遠断 された状態
図 3.3ア ンケ ー ト調 査 に お け る質 問 の 仕 方 の 例
85
3.4.3
分析 方法
調 査 結 果 の 分 析 は 図 3.4に 示 す 方 法 で 行 っ た 。 地 区 施 設 の 必 要 性 お よ び 機 能 の 必 要 性 共 に 「 必 要 無 し」 0点 、 「 必 要 」 1点 、 「 非 常 に必 要 」 2点 の
3段 階 の 評 価 と した 。 以 上 よ り、 新 しい 地 区 施 設 に 導 入 す べ き地 区 施 設 お よ び そ の 機 能 は 、 必 要 性 の 得 点 が 1点 以 上 と した 。 1.必 要無 し
地区施設の 必要性の 得点 機能の 必要性 の 得点
2.必 要
3.非 常 に必要
) 0点 1点
(機 能 の必要性 1.必 要無 し 2.必 要 3.非 常 に必要
図 3.
3.5 3.5.1
0点 1点
2点
の合計
2点
(地 区施設の必要性
)
1.必 要無 し 0点 × 2.必 要
1点
3_JE常 に必喜 2点
の合計
4数 値化 の方法
調査結果 新 しい 地 区 施 設 の 必 要 性 に 関 す る分 析 結 果
新 し く提 案 した 地 区 施 設 の 必 要 性 の 分 析 結 果 を 図 3.5に
示 す 。 地 区施 設 の
合 計 数 は 13件 で 、 導 入 す べ き新 し い 地 区 施 設 は 7件 で 、 得 点 の 平 均 値 は 1.
05で あ る 。 地 区 施 設 の 必 要 性 で は 共 同 溝 施 設 が 1位 を 、 電 力 供 給 施 設 、 災 害対 策 施 設 、 熱 供 給 施 設 が 上 位 を 占 め 、 以 下 、 水 供 給 施 設 、 廃 棄 物 処 理 施 設 、 廃 棄 物 収 集 施 設 の 順 で あ っ た 。 な お 、 環 境 保 全 施 設 、 交 通 。物 流 管 理 施 設 、 下 水 処理 施設 、情 報 管理 施 設 、 空 間管理 施 設 、犯 罪対 策 施 設 の各 地 区施 設 の必要 性 の 得 点 は 1未 満 で あ り、 導 入 す べ き地 区 施 設 か ら は 除 外 し た 。
86
共同溝 電力供給 災害対策 熱供給 水供給 押 経 颯 凶 君
廃棄物処理 廃棄物収集 環境保全 交通 0物 流管理 下水処理 情報管理 空間管理 犯罪対策 0
0.5
1
1.5
地 区施 設 の 必要性 (得 点 ) 図 3.5地
区施 設 の必 要性 の 分 析 結 果
87
3.5.2
機 能 項 目別 の 必 要 性 に 関 す る分 析 結 果
機 能 項 目別 の 必 要 性 に 関 す る 分 析 結 果 を 図 3。
6に 示 す 。 必 要 性 の 得 点 の 平
均 値 は 1.36で 、 提 案 し た 平 常 時 と 非 常 時 を 合 計 し た 機 能 61項 目 の う ち 得 点 が 1以 上 の 導 入 す べ き 機 能 項 目数 は 上 位 44項 目で あ つ た 。 上 位 10項 目 の
う ち 7項 目が 非 常 時 対 応 機 能 で 、 そ の 内 訳 は 共 同 溝 施 設 が 1項 目、 災 害 対 策 施 設 が 5項 目、 電 力 供 給 施 設 が 1項 目で あ っ た 。 そ れ ぞ れ の 機 能 は 、 共 同 溝 施 設 で は 「 大 震 災 等 非 常 時 の 耐 震 性 が 直 埋 設 よ り強 い 」 で 、 災 害 対 策 施 設 で は 「 災 害 発 生 時 に お け る 人 々 の 避 難 誘 導 」 、 「 災 害 情 報 に基 づ く人 々 へ の 対 応 方 法 指 導 」 、 「 地 区 内 災 害 監 視 」 、 「 災 害 発 生 時 に公 的 機 関 との 相 互 連 絡 」 、 「 地 区 災 害 情 報 の 収 集 と提 供 」 、 「 災 害 発 生 時 の 救 助 活 動 」 で 、 電 力 供 給 で は 「 広 域 イ ン フ ラ 遮 断 時 の 非 常 用 電 力 供 給 」 で あ っ た 。 得 点 が 1.5以 上 の 上 位 22項 目の 内 訳 をみ る と、 非 常 時 対 応 機 能 は 前 述 した 7項 目の 他 に 、 「 災 害 発 生 時 の 自衛 的 救 助 活 動 」 、 「 広 域 イ ン フ ラ遮 断 時 の 雑 排 水 を原 水 と した 中水 供 給 」 、 「 広 域 イ ン フ ラ 遮 断 時 の 雨 水 を 原 水 と した 飲 料 水 供 給 」 の 3機 能 を 加 え た 10 項 目、 共 同溝 機 能 は 「 各 種 配 線 配 管 の 維 持 管 理 が 道 路 下 の 直 埋 設 よ り容 易 」 、 「 地 下 空 間 有効 利 用の た め の 共 同溝 敷 設」 の 2項 目、 「 地 区内 へ の 電 力 供 給 」 、 「 原 水 を雑 排 水 又 は雨 水 と した 地 区 内 へ の 中水 供 給 」 、 「 地 区 内 で の 廃 棄 物 焼 却 」 の 広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 機 能 が 4項 目 、 「 地 区 ・ 周 辺 の 未 利 用 排 熱 の 熱 供 給 利 用 」 、 「 焼 却 排 熱 の 熱 供 給 利 用 と発 電 利 用 」 の 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 関 連 機 能 が 3項 目、 「 ご み 収 集 場 所 削 減 に よ る 美 化 」 、 「 走 行 車 両 削 減 」 、 「 ご み リサ イ ク ル 」 の た め の 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 が 3項 目で あ っ た 。 得 点 が 1以 上 の 上 位 44項 目 の 内訳 を み る と 、 非 常 時 対 応 機 能 は 既 述 し た
10項 目の 他 に 「 広 域 イ ン フ ラ遮 断 時 の 雨 水 を原 水 と した 中水 供 給 」 、 「 広 城 イ ン フ ラ遮 断 時 の 地 区 内 廃 棄物 焼 却 」 、 「 広 域 イ ン フラ遮 断 時 の 地 区 内 下 水 処 理 」 、 「 広 域 イ ン フ ラ遮 断 時 の 地 区 内 へ の 熱 供 給 」 の 4項 目 を加 え た 提 案 した 全 14項 目、 省 エ ネ ル ギ ー 。省 資 源 関 連 機 能 は 前 述 した 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 関 連 機 能 3項 目の 他 に 「 リサ イ ク ル エ 場 で の ご み 再 資 源 化 」 を加 え た 4項 目、
88
広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 機 能 は 前 述 した 4項 目の 他 に 「 地 区 内 で の 下 水 処 理 」 、 「 地 区内 へ の 熱 供 給」 の 2機 能 を加 えた 6項 目、共 同 溝施 設 は 前 述 した 2項 目、 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 は 前 述 した 3項 目 で あ っ た 。 以 上 よ り、 地 区 施 設 の 必 要 性 の 得 点 が 1未 満 の 下 水 処 理 機 能 2項 目 を 除 く 2
7項 目 の 機 能 を、 新 しい 地 区 施 設 に 導 入 す べ き機 能 と して 設 定 で き た 。 又 、 こ れ らの 下 位 に 「 地 区 内建 物 へ の 省 エ ネ ・ 省 資 源 の 指 導 」 、 「 地 区 内 建 物 の エ ネ ル ギ ー 。水 消 費 量 の 監 視 」 、 「 地 区 ・ 周 辺 の 環 境 汚 染 、 環 境 破 壊 監 視 と 自治 体 へ の 報 告 」 、 「 汚 染 源 や 破 壊 源 へ の 指 導 」 、 「 地 区 内 開 発 へ の 環 境 影 響 評 価 の 実 施 と 自治 体 へ の 報 告 」 、 「 地 区 周 辺 開 発 へ の 環 境 影 響 評 価 の 実 施 と 自治 体 へ の 報 告 」 、 「 環 境 影 響 評 価 結 果 に 基 づ く地 区 内 開 発 者 へ の 指 導 」 、 「 環 境 影 響 評 価 結 果 に基 づ く地 区 周 辺 開 発 者 へ の 指 導 」 の 環 境 保 全 機 能 が 8項 目、 「 地 区 ・ 周 辺 地 区 の 道 路 交 通 情 報 の 提 供 」 、 「 車 両 の 駐 車 場 へ の 案 内 。誘 導 」 、 「 地 区 内 物 流 の 物 流 基 地 を経 由 した 宅 配 」 の 交 通 。物 流 機 能 が 3項 目、 「 地 区 ・周 辺 地 区 の公 共 交 通機 関 情 報 の提 供 」 、 「医 療 機 関 情報 の提 供 」 、 「 準 公 共 機 関 情 報 の 提 供 」 の 情 報 機 能 3項 目、 「 地 区 内 道 路 、 公 園 等 の 維 持 管 理 」 の 空 間 管 理 機 能 が 1項 目、 合 計 15項 目位 置 付 け られ た が 、 環 境 保 全 、 交 通 ・ 物 流 、 情 報 管 理 、 空 間 管 理 の 各 地 区 施 設 共 に必 要 性 の 得 点 が 1未 満 で あ る た め 、 新 しい 地 区 施 設 に 導 入 す べ き機 能 か ら除 外 した 。
89
各種配線配管の維持管理 が道路下の直埋設 より容易 1 地下空間有効利用のための共同清敷設 2 大震災等非常時の耐震性 が直埋設 より強い 3 災書発生時 に地区内の人々の選難誘導 4 災書情報 に基づ く地区内の人々への対応方法指導 5 地区内災害の監視 災害発生時 に公的機関 との相互連絡 7 地区災害情報 (地 震・ 台風等)収 集 と地区内への提供 広域 インフラ違断時の地区内への非常用電力供給 9 省エネ推進のための地区・ 周辺 の来利用廃熱の熱供給利用 10 ごみ収集場所削減による美化のための地区内廃棄物管路収集 11 広域 インフラ負荷軽減 の為 の地区内への電力供給 12 走行車両削減 のための地区内廃棄物管路収集 13 省 エネ推進のための焼却廃熱 の熱供給利用 14 災書発生時 に自衛救助機関 としての救助活動実施 省 エネ推進のための焼却廃熱の発電利用 (原 水雑排水)広 域 インフラ負荷軽減のための地区内への 中水供給 広域 インフラ負荷軽減のための地区内での廃棄物焼却 (原 水雨水)広 城 インフラ負荷軽減のための地区内への中水供給 (原 水雑排水)広 城 インフラ遼断時の地区内への中水供給 ごみ リサイクルの ための地区内廃棄物分別管路収集 (原 水雨水)広 域 インフラ遼断時の地区内への飲料水供給 (原 水雨水)広 域 インフラ遼断時の地区内へ中水供給 省資源化のための地区内 リサイクルエ場によるごみの再資源化 Z 消費量監視結果 に基づ く地区内建物への省エネ、省資源の指導 25 地区内建物のエネルギー・ 水消 費量の監視 地区、周辺の大気、水質汚染、環境破壊監視 と自治体 への報告 27 地区、周辺地区の道路交通情報の提供 28 地区、周辺の汚染源や破壊源 への指導 ” 叩 回 広城 インフラ負荷軽減のための地区内での下水処理 興 地区内での車両の駐車場 への案内、誘導 盤 撃 地区内開発への環境影響評価 の実施 と自治体 への報告 環境影響評価結果に基 づ く地区内開発者 への指導 地区周辺開発 への環境影響評価の実施 と自治体 への報告 広域 インフラ負荷軽減のための地区内への熱供給 地区、周辺地区の公共交通機関情報の提供 広域 インフラ遼断時の地区内での廃棄物焼却 地区、周辺地区の医療機関情報の提供 地区内物流の地区内物流基地 を経由 した宅配 広域 インフラ遼断時の地区内での下水処理 地区内道路、公園 (緑・ 水)等 の維持管理 41 環境影響評価結果に基づ く地区周辺開発者 への指導 42 広域 インフラ遼断時の地区内への熱供給 地区、周辺地区の準公共機関 (図 書館、学校等)情 報 の提供 地区来訪者への タウンガイ ド情報 の提供 地区内での訪間先への案 内、誘導 “ 地区内イベ ン ト情報の提供 47 地区内道路、公園 (緑・ 水)等 の企画計画 “ 地区内道路 。公園等公的空間の防犯監視 と警察 への通報 “ 自治体の行政情報 の提供 地区内土地利用 マスタープランに基づ く地権者の誘導 5 地区内建物の防犯監視 と警察 への通報 52 地区内建築物の景観監視 と自治体 への報告 53 地権者の意見に基づ く地区内土地利用 マス タープランの作成 ” 道路、公園 (緑・ 水)等 確保 のための地区内地権者 の意見調整 “ 地区内道路、公園 (緑・ 水)等 の建設 “ 地区内土地利用 マスタープランに基づ く地権者の指導、規制 57 地区内違法建築物の監視 と自治体 への報告 田 地区内建築物の景観監視に基づ く指導、規制 ” 犯罪発生時 に自衛警察機関 としての対策活動 60 地区内違法建築物に対する指導 6
01234 機能の必要性 (得 点 )
2 図 3
6機 能 項 目別 の 必 要 性 に 関 す る分 析 結 果 90
3
4
3.6
結論
本 章 で は 、安 全 性 と 経 済 性 の 面 か ら必 要 不 可 欠 に な る と 思 わ れ る 新 し い 地 区 施 設 を 提 案 し、 都 市 や 建 築 に 係 わ る 有 識 者 へ の ア ン ケ ー ト調 査 を基 に 、 新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集積 地 区 を対 象 に 地 区 施 設 と そ の 機 能 の 必 要 性 を 検 討 した 。 以 下 に結 論 を示 す 。
(1)無 秩 序 な ス プ ロ ー ル や 高 密 度 化 を抑 制 し適 切 な市 街 地 形 成 を 目的 と し た 地 区計 画 の 必 要 性 を 踏 ま え て 、 都 市 施 設 と建 築 施 設 の 機 能 を 一 体 的 に統 括 す る 新 しい 機 能 を持 つ 地 区 施 設 を 提 案 した 。
(2)新 た に 開 発 さ れ る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て は 新 しい 地 区 施 設 を 導 入 す る こ とで 、 都 市 施 設 の 負 荷 軽 減 と 非 常 時 の 機 能 維 持 が 確 保 で き る 。
(3)提 案 した 13の 地 区 施 設 の う ち導 入 す べ き地 区 施 設 (得 点 1以 上 )は 7 施 設 で 、 得 点 の 高 い 順 に、 共 同 溝 、 電 力 供 給 、 災 害 対 策 、 熱 供 給 、 水 供 給 、 廃 棄物 処 理 、廃 棄 物 収 集 で あ つ た 。
(4)提
案 した 地 区 施 設 の 機 能 61項 目 の 内 、 新 し い 地 区 施 設 と して 導 入 す
べ き機 能 (得 点 1以 上 )は 上 位 44項 目 で あ っ た 。 得 点 が 1.5以 上 の 上 位 2
2項 目の 内 訳 をみ る と、 「 大 震 災 等 非 常 時 の 耐 震 性 が 直 埋 設 よ り強 い 」 (共 同 溝 )、 「 災 害 発 生 時 にお け る 人 々 の 避 難 誘 導 」 (災 害 対 策 )、 「 広 域 イ ン フ ラ 遮 断 時 の 地 区 内 へ の 非 常 用 電 力 供 給 」 等 の 非 常 時 対 応 機 能 が 10項 目 と最 も 多 く、 「 各 種 配 線 配 管 の 維 持 管 理 が 直 埋 設 よ り容 易 」 等 の 共 同 溝 機 能 が 2項 目 、 「 広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 の た め の 地 区 内 へ の 電 力 供 給 」 等 の 広 域 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 機 能 が 4項 目、 「 省 エ ネ推 進 の た め の 地 区 ・ 周 辺 の 未 利 用 排 熱 の 熱 供 給 利 用 」 等 の 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 機 能 が 3項 目、 「 ご み 収 集 場 所 削 減 に よ る 美 化 の た め の 地 区 内 廃 棄 物 管 路 収 集 」 等 の 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 が 3項 目で あ っ た 。 導 入 す べ き地 区 施 設 の 機 能 と して は 非 常 時 へ の 対 応 機 能 の 必 要 性 が 高 か っ た 。
以 上 、 新 た に導 入 す べ き地 区施 設 や 非 常 時 に 地 区 内 で 対 応 で き る機 能 の 重 要 性 等 、 新 し い 地 区 施 設 の 在 り方 を 提 示 し た 。
91
第 4章
高 層 集合住 宅 の 垂直 ユ ー テ イ リテ イ と戸 建 住宅 地 区 の 都 市 イ ンフ ラ の LCCの 比較 に関す る研 究
第 4章
高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ ィ リテ イ と戸 建 住 宅 地 区 の 都 市 イ ン フ ラ の
LCC比 較 に 関 す る 研 究 4.1
概要
本 章 で は 、 ス プ ロ ー ル した 市 街 地 を高 層 集 約 化 す る 上 で 重 要 な 問 題 点 の ひ と つ で あ る 、 電 力 、 電 信 電 話 、 ガス 、 上 下 水 道 な どの 供 給 処 理 機 能 を担 う ユ ー テ ィ リ テ イ に 着 日 し、 ユ ー テ ィ リ テ イ に 対 す る 高 層 集 合 住 宅 住 民 と 戸 建 住 宅 地 区 住 民 の 租 税 公 課 、 公 共 料 金 負 担 の 不 公 平 を是 正 し、 都 市 に お け る 高 密 度 居 住 を推 進 す る た め 各 種 検 討 を行 っ た 。 建 物 は 公 共 空 間 で あ る 道 路 に 接 して 、 そ こ か ら道 路 下 に 敷 設 さ れ た 都 市 イ ン フ ラ (以 下 、 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ と 言 う )を 引 き 込 み 機 能 して い る が 、 そ れ ら は 公 共 資 本 と して 位 置 付 け ら れ 公 共 。公 益 事 業 者 が 整 備 を 行 っ て い る 。 戸 建 住 宅 地 区 を垂 直 化 し た 高 層 集 合 住 宅 の 場 合 、 水 平 ユ ー テ ィ リ テ ィ は 高 層 集 合 住 宅 共 用 部 の コ ア ス ペ ー ス 内 設 備 シ ャ フ トとそ れ に収 容 さ れ る 各 種 配 管 ・ 配 線 (以 下 、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と 言 う )に 転 換 さ れ る と 考 え ら れ る 。
こ こ で 両 ユ ー テ ィ リ テ イ に対 す る 費 用 負 担 と建 設 。維 持 管 理 主 体 に つ い て み て み る 。 戸 建 住 宅 地 区 の 水 平 ユ ー テ ィ リテ イ の 場 合 は 、 固 定 資 産 税 ・ 都 市 計 画 税 ・ 住 民 税 お よ び 各 種 公 益 事 業 者 へ 光 熱 水 費 を支 払 う こ とで 、 公 共 資 本 と し て 公共 。公 益 事業 者 が 建 設 し維 持 管 理 を行 って い る (表 4.1)。
これ に対 して 、
高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ の 場 合 は 、 公 共 資 本 で な く私 有 物 と して 位 置 付 け られ る た め に 、 住 民 が 自 ら建 設 し維 持 管 理 す る な ど 、 全 て の 費 用 を 負 担 して い る (表 4.2)。
そ の 上 で 、 戸 建 住 宅 地 区 の 場 合 と 同 様 の 税 金 と各 種 公
益 事 業 者 に対 す る 光 熱 水 費 を支 払 っ て い る 。 つ ま り、 高 層 集 合 住 宅 は 戸 建 住 宅 地 区 に 比 べ て 水 平 ユ ー テ ィ リ テ イ ヘ の 依 存 度 が 低 い に もか か わ らず 、 そ れ ら に 対 す る 費 用 負 担 は 同等 で あ る上 に、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イの 建 設 費 お よ び維 持 管 理 費 は 全 て 住 民 が 負 担 して い る 。 表 4.3に 、 経 費 項 目 と水 平 ユ ー テ ィ リ テ イ お よ び 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ に 対 す る 住 民 負 担 の 比 較 を示 す 。
92
こ の よ う に、 垂 直 ユ ー テ イ リテ イが 社 会 資 本 で な い 現 段 階 で は 、 住 民 の 負 担 が 戸 建 住 宅 地 区 に 比 べ て 大 き く、 不 公 平 で あ る と 考 え ら れ る 。 本 章 で は 、 実 在 す る 高 層 集 合 住 宅 とそ れ と同 規 模 の 住 戸 数 が あ る戸 建 住 宅 地 区 の ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル を 設 定 し、 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト (LCC)の
観点
か ら両 ユ ー テ イ リ テ イ を比 較 した 。 そ の 結 果 、 垂 直 ユ - テ イ リ テ イ は 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ に 比 べ て LCCが
40
%程 度 小 さ く経 済 的 で あ る が 、住 民 の 負 担 は 垂 直 の 場 合 は 全 て 自 己負 担 で あ り、 水 平 に お い て 公 共 公 益 事 業 者 が 負 担 して い る 戸 建 住 宅 地 区 に 比 べ て 不 公 平 で あ る。 以 上 よ り、 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 解 消 の た め 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ は 社 会 資 本 化 して 、 公 共 で 建 設 して 維 持 管 理 す べ き で あ る こ と を 明 らか に し た 。 。
93
1水 平 ユ ー テ イ リテ ィの建 設 0維 持 管 理 主体
表 4.
ユ ーテ ィ リテ ィ
建設・ 維持管理主体
住戸設備 シャフ ト
住民
配線 系
住民
配 管系
住民
表 4.2垂 直 ユ ー テ ィ リテ ィの建 設・ 維 持 管 理 主 体 建設 0維 持管理主体
ユー テ ィ リテ ィ
表 4.
上水道
都道府県・ 市町村
下水道
都道府県・ 市町村
電力
電力会社
ガス
ガス会社
電信電話
NTT、 第二電電 などの通信会社
3水 平 ユ ー テ ィ リテ ィ と垂 直 ユ ー テ ィ リテ ィに対 す る住 民負担 比 較 住民負担
経費項 目
高層集合住宅
戸建住宅地 区
固定資産税
●
●
都市計画税
●
●
土地代
土 地 関 連 費
土地取得経 費 不動産取得税 租 税 公 課
登録 免許税
土地造成費 企画・ 設計料 建設費
○
不動産取得税 租 税 登録 免許税 建 公 固定資産税 築 課 都市計画税 関
連 費
維持管理 費
●
●
●
●
○
損害保険料 減価償却 費 建物解体処 分費 金利
住 民税
●
●
光熱水費
●
●
(凡 例
)● 水平 ユ ーテ ィ リテ ィに該当 ○垂 直 ユ ーテ ィ リテ ィに該当 一 該 当 しない
94
4.2
水 平 ユ ー テ イ リテ イ と垂 直 ユ ー テ イ リテ イの 定 義
本 章 に お け る ユ ー テ イ リ テ イの 種 類 と範 囲 に つ い て 、 以 下 に 定 義 す る 。
4.2。 1
水 平 ユ ー テ イ リ テ イの 定 義
戸 建 住 宅 の ユ ー テ イ リテ イ は 、 図 4.1に 示 す よ う に 大 き く道 路 下 埋 設 物 と 敷 地 内 引 込 設 備 か ら構 成 さ れ る 。 道 路 下 埋 設 物 に は 水 道 管 、 下 水 管 、 雨 水 桝 、 電 力 線 、 電 信 電 話 線 、 ガ ス 管 な どの 都 市 イ ン フ ラが あ り、 公 共 0公 益 事 業 者 が 整 備 を行 つて い る 。 本 章 で は 、 耐 震 安 全 性 、 街 の 美 観 性 お よ び 維 持 管 理 の 容 易 性 の 観 点 か ら、 水 道 管 、 電 力 線 、 電 信 電 話 線 、 ガス 管 を ミ ニ 共 同構 内 に 収 容 す る も の と仮 定 す る 。 敷 地 内 引 込 設 備 に は 、 水 道 管 、 下 水 管 、 雨 水 管 、 電 力 線 、 電 信 電 話 線 お よ び ガ ス 管 が あ り住 民 が 整 備 を 行 つて い る 。 本 章 で は 、 私 有 施 設 で あ る 敷 地 内 引 込 設 備 を除 く公 共 の 施 設 と な る ミ ニ 共 同 溝 お よ び そ の 収 容 管 ・ 配 線 な ど と下 水 管 を水 平 ユ ー テ イ リ テ イ と定 義 す る 。 水 平 ユ ー テ イ リテ イ の 該 当 項 目 と負 担 者 区 分 を 表 4.4に 示 す 。
95
- Om ―
-
lm
― -2m ― -3m ― -4m
│ │ W:水 道管 D:雨 水管 G:ガ ス管 E:電 力線 T:電 信電話線 図 4.1
道路 及 び埋 設物 と水平 ユーテ ィ リテ ィの範囲
表 4.4水 平 ユ ー テ ィ リテ ィの該 当項 目 と負 担 者 区分 の 関 係
ユ ー テ ィ リテ ィ項 目
該当 一 項日
道路
敷 地 内
公共 。 公主 事業者
住民
●
下水管 道 路 部 分
負担者区分
●
●
●
●
道 雨水桝 路 ミニ 共 同溝 下 水道管 埋 設 ミ 二共 同 電 力線 物 溝収容物
●
●
●
●
●
●
電信電話線
●
●
ガス管
●
●
水道管
●
引 下水管 配 込 管 雨水管 み 設 配 電力線 線 備 電信電話線
●
●
ガ ス管
●
● ●
(凡 例 )● 該当する
96
一該当 しない
4・ 2・
2
垂 直 ユ ー テ イ リ テ イの 定 義
高 層 集 合 住 宅 の 住 戸 の ユ ー テ イ リ テ イ は 、 図 4・ 2に 示 す よ う に 共 有 部 分 に 含 ま れ る 。 共 有 部 分 に は 、 コ ア部 分 と そ の 他 の 共 有 部 分 が あ る 。 表 4・
5に 通
常 の コ ア 部 分 と そ の 他 の 共 有 部 分 に 含 ま れ る も の を示 す 。 コ ア 部 分 の 建 築 系 項 目 と して は 、 階 段 、 エ レベ ー タ ホ - ル 、 共 有 廊 下 、 各 種 シ ャ フ トが あ る 。 収 容 設 備 に は 住 戸 設 備 シ ャ フ トと共 有 設 備 シ ヤ フ トに含 まれ る 配 管 ・ 配 線 な どが あ る 。 そ の 他 部分 の 建 築 系項 目 と して は 、 エ ン トラ ン ス ロ ビ ー・ ホ ー ル 、 電気 室 、 機 械 室 が あ る 。 そ の 他 設 備 と して は 、 電 気 設 備 機 器 、 給 排 水 ・ 衛 生 設 備 機 器 、 空 調 換 気 設 備 機 器 、 他 配 管 ・ 配 線 な どが あ る 。 高 層 集 合 住 宅 の 場 合 は 、 こ れ ら の 整 備 はす べ て 住 民 の負 担 で あ る。 以 上 の 項 目の 中 で 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ と 同 等 の 機 能 を持 つ も の と して 、 こ こ で は 、 住 戸 設 備 シ ャ フ トお よ び そ の 収 容 物 で あ る 、 低 圧 電 力 線 、 電 信 電 話 線 、 給 水 管 、 排 水 管 、 雨 水 管 と ガ ス 管 な ど を垂 直 ユ ー テ イ リテ イ と定 義 す る 。
97
LF~
廊下 階段 エ レベー ター
住戸
廊下 階段 エ レベーター
tF~
廊下 階段 エ レベーター
住戸
住戸
住戸
住戸設備シキフ ト
配 縣一{=:犠 撃進 ・ 給水管 ・ 排水管 ・ 雨水管 。ガス管
図 4.2 表 4.
5
垂直 ユーテ ィ リテ ィの範囲
垂直 ユ ーテ ィ リテ ィの該当項 目と負担者区分 の 関係
ユ ー テ ィ リテ ィ項 目
骸当
負担者 区分
項日
住民
階段
建 築
エ レベ ー タ ホ ー ル
●
●
エ レベ ー タ
層 層 ■
収 容 設 備
●
給水管 、排水管、ガス管、 顧 帝 簡
●
●
配線
ほ圧電 力機 、電信電話線
●
●
配管
冷却 水管 、屋内消火栓 管
住戸設爛 配 管 シャフ ト
高圧・ 低圧電力線 、電信電 躍 艶
鯖 ″ 睦
"饉
ダ ク ト 袷排 気 、空 田 、排 煙
そ α 刊 α 引 噴 笥 例
そ の 他 建 位
そ の 他 設 備
●
●
共有設備 シャフ ト 配 線
α 去 右 日 9
●
エ レベ ー タ
例
台 但 宅
●
仕 百 1● ● う ● つ ト
彙 右 l● ● シ ャ フ ト
フ ロ
●
共有鷹下
各種 シャフ ト
〓
“
エ ン トラ ン ス ロ ビー・ ホ ール
●
● ● ●
置霊室
●
継城壼
●
腱霊 設 備 機 器 (墨 奎 籠 、発 菫 組 、書 電 池 )
●
渭 フF不 0
●
衛生設備 摯
ポ ンプ 給水 、排水 来相
薔 水 槽 ヽ雄 排 7k相
● ●
空鯛換気設備 機 器 配管
給水ヽ排水 ヽ雨水、ガス
●
配捜
■ 力 ヽ雷 信 雷 話 ヽ防 51S、 中央 監 視
●
(几 例 )● 該当する
98
一骸当 しない
4.3 4。
ラ イ フ サ イ ク ル コ ス トの 算 定 方 法
3.1 (1)
ラ イ フ サ イ ク ル コ ス トの 比 較 検 討 の 考 え 方 本 章 に お け る ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト (LCC)の
ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト (以 下 、 LCCと
範囲
い う )は 、 一 般 に 、 建 築 物 の 企 画 ・
設 計 か ら施 工 、 維 持 管 理 お よ び 廃 棄 処 分 の 全 て の 段 階 に 掛 か る 一 生 涯 の 総 経 費 の こ と で あ る が 、 本 章 に お い て は 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と戸 建 住 宅 地 区 の 水 平 ユ ー テ ィ リ テ イ の LCCを
マ ク ロ 的 に 把 握 す る こ と が 目的 で あ る
の で 、 企 画 。設 計 お よ び 廃 棄 処 分 に 掛 か る 費 用 を 除 い た 、 建 設 費 と 維 持 管 理 費 を LCCの
対 象 範 囲 と して 設 定 した 。
(2) LCCの
算 定概 要
こ こで は、 実 在 す る 高 層 集 合 住 宅 を も と に 、 そ の 住 戸 と 同程 度 の 規 模 の 戸 建 住 宅 が 同 住 戸 数 建 つ 戸 建 住 居 地 区 を設 定 す る 。 そ して 、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ は 躯 体 の 法 定 耐 用 年 数 に お け る LCCを 定 耐 用 年 数 に お け る LCCを
、水 平 ユ ー テ イ リテ イは ミニ共 同溝 の 法
算 定 し、 1住 戸 1年 当 た り の LCCに
つ い て比 較
検 討 した 。
4.3.2 (1)垂
比 較 モ デ ルの設 定 直 ユ ー テ イ リテ イモ デ ル の 設 定
高 層 集 合 住 宅 モ デ ルの 概 要 を 表 4.6に 建 ぺ い 率 が 約 20%、
29, 000m2で
示 す 。 敷 地 面 積 が 約 4,
容 積 率 が 約 670%、
ぁ る 。 全 住 戸 数 403戸
地 上 階 数 が 33階 、 延 床 面 積 が 約 で あ る。
高 層 集 合 住 宅 モ デ ル の 全 体 像 を 図 4.3に の 正 方 形 で 、 基 準 階 は 短 辺 が 26。
350m2、
75m,長
示 す 。 敷 地 は 、 一 辺 が 65.9m 辺 が 33.75mの
長方形のモ
デ ル で あ る。 高 層 集 合 住 宅 モ デ ル の 基 準 階 の 平 面 形 態 を 図 4.4に
示 す 。 基 本 的 な平 面 は
セ ン タ ー コ ア 方 式 で 、 そ の 周 辺 に住 戸 が 接 して い る 形 態 で あ る 。 基 準 階 面 積 が 約 850m2、
基 準 階 の 専 有 面 積 が 約 640m2(約
99
76%)、
共有 面積 が 約
210m2(約
24%)、
コ ア 部 分 の 面 積 が 約 120m2(約
垂 直 ユ ー テ ィ リ テ イ に 相 当 す る 部 分 は 、 図 4.4に
14%)で
あ る。
示 す 住 戸 設 備 シ ャ フ ト (1
0ケ 所 )と 共 有 設 備 シ ャ フ ト (1ケ 所 )お よ び 、 そ こ に 収 容 さ れ る 配 管 0配 線 で あ る 。 設 備 シ ャ フ ト面 積 は 1フ ロ ア 当 り 40。
l m2(基 準 階 面 積 の 4.7
%)で 、 集 合 住 宅 全 体 で は 1, 363.4m2(延
床 面 積 の 4.7%)と
表 4. 6高 層集合住宅 モデルの概要
仕様
項目
建 べ い率
4,345m2 19。 96%
容積率
673.02%
地上階数
33階
延床面積
29,243m2
延専有面積
20,856.60m2
延共有面積
8、
敷地面積
基準階面積 専有面積
386.45m2(対 延床面積比28.7%)
849.53m2 643.77m2(対
延床面積比 75.8%)
コア面積
205.76m2(対延床面積比 24.2%) 117m2(対 延床面積比 13.8%)
(内 、設備 シャフ 卜)
40.lm2(対 延床面積比 4.7%)
共有面積
全住戸数
403戸
居住人 口
688人
100
な る。
α 3高 層集 合 住 宅 モデ ル の全 体像
図 4。
住戸専有部分
住戸設備 シ ャフ ト
吻
図 4.4
垂直 ユ ー テ ィリテ ィ部分
高層集合住宅 モデルの基準 階 の平面形態
101
(2)水
平 ユ ー テ ィ リ テ イモ デ ル の 設 定
戸 建 住 宅 の 住 居 地 区 と して 東 京 都 練 馬 区 を想 定 して 、 建 ぺ い 率 50%、 容 積 率 100%、
地 区 の 総 宅 地 面 積 と 総 道 路 面 積 の 比 率 は 28.
7%を 用 い た 。
最 初 に高 層 集 合 住 宅 モ デ ル の 一 戸 当 た り平 均 住 戸 面 積 と 容 積 率 よ リー 戸 当 た りの 宅 地 面 積 を 算 出 した 。 次 に 、 403戸 分 の 総 宅 地 面 積 と 道 路 面 積 の 比 率 か ら総 道 路 面 積 を 設 定 した 。 最 後 に総 道 路 面 積 を も と に 道 路 幅 を 調 整 した 。 戸 建 住 宅 地 区 モ デ ル の 宅 地 配 置 形 態 を 図 4.5に 、 戸 建 住 宅 地 区 モ デ ル の 概 要 を 表
4.7に 示 す 。 地 区 にお け る 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ の埋 設 位置 を 図 4。 配 線 の 大 き さか ら想 定 した ミ ニ 共 同 溝 の 概 要 を 図 4。
6に 、収 容 さ れ る 配 管 ・ 7に 示 す 。
1住 戸 の宅地
モデル地 区
171m
171m 図 4.5
戸建住宅地 区 モデルの宅地配置形態
102
表 4。
7 戸建住宅 モデルの概要
項 目
仕様
20,856.60m2(対 地区面積比 71.3%) 8,398.68m2(対 地区面積比 28.7%) 50%(練 馬区の数値 を参考 とした 100%(練 馬区の数値 を参考とした
全宅地面積 道路面積 建蔽率
)
容積率
)
51.3m2/戸 51.8m2ノ 戸 403戸 688人
宅地面積 延床面積 全住戸数 居住人 口
水 平 ユ ー テ イ リ テ イ
図 4.6
水平 ユ ー テ ィリテ ィの埋 設位置
103
T I I 呵 T G E
上
W
図 4.
4.3.3 LCC指
7
電信電話線 ガス管 電力線 水道管
ミニ共同満の概要
標 の 考 え方
(1)垂 直 ユ ー テ ィ リ テ イ RC造 の 法 定 耐 用 年 数 か ら ラ イ フ を 60年 と し次 の 式 に よ り算 定 した 。 LCC=(Al+Bl)/1ラ
イ フ 60年 × 総 住 戸 数 (戸 )│
Al:設 備 シ ャ フ ト、 配 管 ・ 配 線 の 初 期 投 資 額 Bl:配 管 ・ 配 線 の 60年 の 維 持 管 理 費 と 更 新 費 の 合 計 (2)水
平 ユ ー テ ィ リテ イ
ミニ 共 同溝 の 法 定 耐 用 年 数 か ら ラ イ フ を 75年 と し、 次 の 式 に よ り算定 した 。
LCC=(A2+B2)/1ラ
イ フ 75年 × 総 住 戸 数 (戸 )│
A2:ミ ニ 共 同溝 、 配 管 ・ 配 線 の 初 期 投 資 額
B2:配 管 ・ 配 線 の 75年 の 維 持 管 理 費 と 更 新 費 の 合 計 4.3.4 (1)初 1)垂
算定 条件 期投 資額 直 ユ ー テ ィリテ イ
高 層 集 合 住 宅 の 建 築 工 事 の 見 積 書 を も と に 算 定 した 。 設 備 シ ャ フ トの 建 築 工 事 費 は 見 積 り上 に お い て 、 部 位 ご と に 分 か れ て い な い 。 した が っ て 、 基 準 階 に お け る 全 体 床 面 積 と 設 備 シ ヤ フ トの 合 計 床 面 積 の 比 率 で 案 分 した 。
104
2)水
平ユ ーテ イリ
以 下 の 条 件 に よ り初 期 投 資 額 を算 定 した 。 ①
ミニ共 同 溝
断 面 積 を縦 1.4m× 横 1.2mと 設 定 し、 工 事 費 を 40万 円 /mと した 。 ②
水 道管
水 道 用 ダ ク タ イ ル 鋳 鉄 管 A形 3種 1
50mmを 使 用 す る 。 工 事 費 は 、 垂 直 ユ ー
テ イ リ テ イ モ デ ル を参 考 に 、 材 質 の 違 い 、 管 径 の 違 い で 補 正 し て 、 19,00
0円 /mと した。 ③ 鋼管 2
ガス管
00mm~ 1 50mmを 使 用す る 。垂 直 ユ ー テ イ リテ イ モ デ ル を参 考 に 、
工 事 費 は 30,000円 ④
/mと した 。
電 力線
垂 直 ユ ー テ イ リ テ イモ デ ル で 使 用 す る CVT-200日
、 CV- 22口 を使 用
す る 。 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ モ デ ル を参 考 に 、 工 事 費 は 12,000円 ⑤
電信電話線
PCVO.5-
200Pを
工 事 費 は 13,000円 ⑦
/mと した 。
使 用 す る 。 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル を参 考 に 、
/mと した 。
下水 管
国 土 開 発 調 査 会 の 計 算 方 法 よ り算 出 した
文献 17)。
計 画 処 理 面 積 別 に統 計 処
理 したデ ー タの 建 設 単 価 よ り算 出す る が 、 今 回 0~ 50haの 下 水 管 、 雨 水 桝 を合 わせ て 工 事 費 は 、 127,000円
(2)維 1)垂
計 画 面 積 と して 、
/mと した 。
持管理費 直ユ ーテ イリテ イ
各 種 配 管 ・ 配 線 の 法 定 耐 用 年 数 は 大 蔵 省 耐 用 年 数 表 よ り給 水 管 15年 、 排 水 管 ・ 雨水 管 15年 、 ガ ス管 15年 、 電 力 線 15年 、 電 信 電 話線 15年 、 設備 シ ヤ フ ト 60年 と した 。 建 築 躯 体 の 耐 用 年 数 60年 の 間 で サ イ ク ル した維 持 管 理 費 分 とサ イ ク ル 間 の
105
更 新 費 と して 初 期 投 資 額 と 同 金 額 を加 え 、 そ れ を総 維 持 管 理 費 と した 。 維 持 管 理 費 分 は 、建 築 企 画 開発 マ ニ ュ アル で 用 い られ て い る 簡易 式 を用 い た そ れ は 、 初 年 度 の 維 持 管 理 費 と して 初 期 投 資 額 の 0.5%を
文献 18)。
計 上 し、 そ の 後 は
2年 ご と に 5%づ つ 上 昇 させ る 計 算 方 法 で あ る 。 設 備 シ ャ フ トに つ い て は 、 維 持 管 理 費 は ほ とん ど発 生 しな い と 考 え られ る た め 、 本 ケ ー ス ス タ デ ィで は 除 外 した 。
2)水
平 ユ ー テ ィ リテ イ
ミ ニ 共 同溝 の 耐 用 年 数 は 共 同溝 法 に よ り 75年 と した 。 また 、 ミ ニ 共 同 溝 の 収 容 物 で あ る 各 種 配 管 配 線 の 耐 用 年 数 は 、 大 蔵 省 耐 用 年 数 表 よ り、 水 道 管 30 年 、 ガ ス 管 13年 、 電 力 線 30年 、 電 信 電 話 線 30年 、 下 水 管 35年 と した 。 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ と 同 様 の 方 法 で 計 算 した 。 下 水 管 に つ い て は 国土 開 発 調 査 会 の 計 算 方 法
文献 17)ょ
り、 1サ イ ク ル の 維
持 管 理 費 を算 出 し後 、 上 記 と 同 様 の 方 法 で 算 出 した 。 ミ ニ 共 同 溝 に つ い て は 、 維 持 管 理 費 は ほ とん ど発 生 しな い と 考 え られ る た め 、 本 ケ ー ス ス タデ ィ で は 除 外 した 。
4.4 LCCの 4.4.1
算定結 果 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ
垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル の の LCCの 算 定 結 果 を 図 4.8に 示 す 。 排 水 管 が 大 き く約 2.92万 約 0.55万
円 /戸 。年 、 ガ ス 管 は 約 0.61万
円 /戸 。年 で 、 電信 電 話線 は 約 0.36万
円 /戸 。年 、 給 水 管 は
円 /戸 ・ 年 で 最 も小 さ い 。
ま た 、 ユ ー テ ィ リ テ イ項 目の LCCは 、 す べ て 住 民 負 担 と な る 。
4.4.2
水 平 ユ ー テ イ リテ イ
水 平 ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル の LCCの 算 定 結 果 を 図 4. 溝 が 最 も大 き く約 3.39万 水 道 が 約 2.26万
9に 示 す 。 ミ ニ 共 同
円 /戸 。年 、 ガ ス 管 が 約 3.06万
円 /戸 。年 、 電 力線 は 約 0.16万
106
円 /戸 ・ 年 、 下
円 /戸 ・ 年 で 最 も小 さ い 。
ま た 、 ユ ー テ イ リ テ イ項 目 の LCCは
、全 て公 共負 担 とな る。
給水管
排水管
ガス管
電 力線
電信 電話線
設備 シャフ ト
図 4.8
垂直 ユー テ イ リテ ィモデルの項 目別 LCC比 較
図 4.9
水平 ユーテ ィリティモデルの項 目別 LCC比 較
給水管
排水管
ガス管
電力線
電信電話線
ミニ共同溝
107
4. 4.3 LCCの
比較
垂 直 ユ ー テ ィ リテ イ モ デ ル と水 平 ユ ー テ ィ リ テ イモ デ ル の LCCを 比 較 し た も の を 図 4。
10に 示 す 。
LCCは 、 垂 直 ユ ー テ イ リテ イモ デ ル 約 5。 4万 円/戸 ・ 年 に対 し、 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル は 約 9.5万 円 /戸 。年 と な る 。 した が っ て 、 垂 直 ユ ー テ ィ リ テ イ は水 平 ユ ー テ イ リ テ イ に比 べ て 約 4.
1万 円 /戸 。年 (約 43%)小
さ
い 。 しか し、 住 民 負 担 で は 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ モ デ ル の 場 合 は 全 額 負 担 して い る の に対 し、 水 平 ユ ー テ ィ リ テ イモ デ ル は全 て 公 共 負 担 と な っ て い る 。
□ 維持管理費 国l初 期投資額 垂直 ユ ーテ ィ リテ ィモデル 図 4.10
水平 ユーテ ィ リティモデル
LCC比 較
108
4。
5
結論
本章 で は 、 高 層 集 合 住 宅 にお い て 、戸 建 住 宅 地 区 の都 市 イ ン フ ラ (本 章 で は 、 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ と定 義 )と 同 等 の 機 能 を持 つ 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ (共 用 部 縦 シ ャ フ トお よび そ こ に収 容 さ れ る配 管 ・ 配 線 )を 定 義 した 上 で 、 実 在 す る 高 層 集 合 住 宅 を も と に そ れ と 同 規 模 の 住 戸 数 が あ る 戸 建 住 宅 地 区 を設 定 し、 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ と水 平 ユ ー テ イ リテ イ の モ デ ル を 作 成 して 、 初 期 投 資 額 と維 持 管 理 費 を対 象 に 2つ の ユ ー テ イ リテ イ の LCCを 比 較 検 討 した 。 以 下 に結 論 を 示す。
(1)垂
直 ユ ー テ イ リテ イの LCCは 、 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ に比 べ て 40
%程 度小 さ くな っ た 。 この こ とか ら、垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ は水 平 ユ ー テ イリ テ イ に比 べ て LCCの 観 点 か ら は 経 済 的 で あ る が 、 住 民 に と っ て は 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イの 場 合 は全 て 自 己 負 担 の た め 負 担 が 大 き く、 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ で は 公 共 公 益 事 業 者 が負 担 して い る 戸 建 住 宅 地 区 に比 べ て 不 公 平 と言 え る 。 こ れ は 、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イが 私 有 物 と して 扱 わ れ る た め で 、 高 層 集 合 住 宅 に住 む こ とで 戸 建 住 宅 地 区 の 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ に比 べ て 負 担 が 大 き くな る の は 、 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 高 層 集 約 化 を推 進 して い く上 で 障 害 と考 え る 。
以 上 よ り、 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 解 消 の た め 、 今 後 、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イは社 会 資 本 化 し、 公 共 で 建 設 し て 維 持 管 理 す べ き で あ る こ と を 明 ら か に した 。
109
第 5章
高 度都市機 能 集積 地区 の用途構成か らみた 自立型 地区施設 の 導入効果 に関す る研究
第 5章
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 用 途 構 成 か らみ た 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 に 関 す る研 究
5.1
概要
我 が 国 の都 市 で は、都 市 イ ンフ ラの抱 え る問題 点 の 解 決 の た め 、高 層 集 約 化 され た 地 区 内 にお い て 、 エ ネ ル ギ ー ・水 ・ 廃 棄 物 系 を高 効 率 に循 環 利 用 す る 自 立 型 地 区 施 設 へ の 転 換 が 必 要 で あ る こ と を 第 1章 に お い て 示 し た 。 本 章 で は 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 自立 型 地 区 施 設 と して リ サ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 した 場 合 の 、 地 区 の 用 途 構 成 と 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 の 関 係 に つ い て 分 析 した 。 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 と して 、 最 初 に 、 東 京 23区 の 250mメ 利用データ
文献 19)を
用 い て 「 東 京 23区 の 250mメ
約 化 モ デ ル 」 を 設 定 した 。 東 京 23区 の 250mメ
ッシ ュ土 地
ッシ ュ 内 で の建 物 の集
ッ シ ュ は 全 部 で 9,416
メ ッ シ ュ あ る が 、 除 去 条 件 を 設 定 して 先 ず 5,256メ
ッ シ ュ に 絞 り込 ん だ 。
そ の 時 の 東 京 23区 の 用 途 別 メ ッ シ ュ 数 の 割 合 を 、 住 宅 :業 務 。商 業 ・ 宿 泊 ・ 医 療 ・ 教 育 ・ 娯 楽 ・ 複 合 用 途 の 8用 途 地 区 に つ い て 算 定 した 上 で 、 建 物 用 途 構 成 比 を 分 類 す る こ と で 代 表 的 な 301種
の 用 途 構 成 に 絞 り込 ん だ 。
次 に 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム と し て 、 ガ ス ェ ン ジ ン 式 と ガ ス タ ー ビ ン 式 の 2つ の コー ジ ェ ネ レー シ ョンシ ス テ ム と ごみ 焼 却 廃 熱利 用 シ ス テ ム お よび コ ー ジ ェ ネ レー シ ョ ンシ ス テ ム とごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム の 大 き く 3 ケ ー ス 、 全 部 で 5つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を 設 定 し、 先 に 絞 り込 ん だ 301種 に つ い て 年 間 電 力 需 要 量 、 年 間 熱 需 要 量 、 1日 当 た り廃 棄 物 発 生 量 を算 定 し た 後 で 、 301種
の 用 途 構 成 の 全 て に つ い て 、 こ れ らの リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導
入 した 場 合 の 地 区 の 用 途 構 成 と 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 の 関 係 を 分 析 した 。 さ ら に 、 建 物 用 途 構 成 301種
毎 の 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を 目的 変 数 と
し、 8用 途 地 区 の 用 途 構 成 割 合 を 説 明 変 数 と して 重 回 帰 分 析 を 行 い 、 建 物 用 途
110
構 成 特 性 と年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 と の 関 連 性 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減効 果 は大 きい 順 に 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム とごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シス テ ム の 併 用 シ ス テ ム 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム 、 ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム とな る こ とを 明 らか に した 。 また 、 用 途 地 区 で は 宿 泊 用 途 が最 も大 きい こ と を示 した 。
5.2 5.2.1
リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 と省 エ ネ ル ギ ー 効 果 の 考 え 方 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の 考 え方
本 章 で は 、 東 京 23区 の 250mメ
ッ シ ュ エ リ ア を 1つ の 地 区
(1つ の エ リ
ア )と 考 え て 、 エ リ ア 内 の 全 て の 建 物 を 1つ の 建 物 に 高 層 集 約 化 す る こ と で 1 つ の 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を 構 成 し、 この 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に リサ イ ク ル シス テ ム を導入 す る もの と した。 本 章 で 検討 す る リサ イ ク ル シ ス テ ム とは 、 コ ー ジ ェ ネ レー シ ョ ンシ ス テ ム と ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム お よび コー ジ ェ ネ レー シ ョンシ ス テ ム・ ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム で あ る。 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョン シ ス テ ム は 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 電 力 及 び 熱 需 要 量 を賄 い 、 ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム は 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 か ら排 出 され る 可 燃 ご み を地 区 内 で 焼 却 し、 そ の 排 熱 で 高 度 集 積 地 区 の 熱 需 要 の 一 部 を 賄 う もの で あ る 。 図 5。
1に 集 約 化 さ れ た 都 市 の 考 え 方 を、 図 5.2に 集 約 化 さ れ た 都 市 に お
け る リサ イ ク ル シ ス テ ム の 考 え方 を示 す 。
1
1 1
集約化 された都市
図 5.1
集約 された都市 の考 え方
集約化
―
集約化 された都市
現在 の都市
一 〇
図 5.2
都市イ ンフラ リサイクル システム (自 立型地区施設 ) ・ コージェネ レーション 0シ ステム ・ ごみ焼却廃熱利用 システム ・ 両 システムの併用 システム
集約化 された都市 にお ける リサイ クル システ ムの考 え方
112
5.2.2 図 5。
省 エ ネ ル ギ ー効 果 の 考 え 方
3に 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 モ デ ル に お け る 省 エ ネ ル ギ ー 効 果 の 考 え 方
を示 す 。 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 モ デ ル に お け る 省 エ ネ ル ギ ー 効 果 は 、 東 京 23 区 の 250mメ
ッ シ ュ の 1つ を 取 り出 し て 検 討 す る が 、 そ の 時 の 現 状 の 250
mメ ッ シ ュ の 概 念 を 図 5。 3の 上 図 に 示 す 。 1つ の メ ッ シ ュ の 中 に は 全 部 で n 個 の 建 物 が あ り、 1つ の メ ッ シ ュ 全 体 で は Xm2の 延 床 面 積 と な る 。 こ れ ら の 建 物 全 て を 1棟 に 高 層 集 約 化 し た も の が 図 5.3の
下 図 の高 度都 市 機能 集積 地
区モ デ ルで ある。 本 章 で は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 省 エ ネ ル ギ ー 効 果 の 指 標 と して 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 モ デ ル に 従 来 シ ス テ ム を導 入 し た 場 合 に お け る 床 面 積 1
m2当 た り の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 量 に対 す る 削 減 量 を 用 い て い る 。 床 面 積 lm2当 た り の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 量 の 削 減 効 果 は 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 モ デ ル の 建 物 用 途 構 成 比 で 決 ま る と考 え ら れ る 。 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 モ デ ル の 建 物 用 途 構 成 比 は 、 250mメ
ッシ ュエ リア内 の建 物 用 途構 成 で
あ る の で 、 そ の 建 物 用 途 構 成 特 性 に 応 じて 床 面 積 lm2当 た り の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー量 の 削 減 効 果 が 決 定 され る 。 そ こ で 、 次 節 に お い て 東 京 23区 の 250mメ 成 比 の 分 類 を行 い 、 東 京 23区 の 250mメ
ッシ ユエ リア内 の建 物 用 途構
ッ シ ュ レベ ル で の 建 物 用 途 構 成 比
の 特 性 を把 握 した 。 な お 、 従 来 シ ス テ ム と して は 電 力 供 給 は 買 電 、 熱 供 給 は ガ ス 炊 き ポ イ ラ ー と 蒸 気 吸 収 式 冷 凍 機 に よ る 蒸 気 。冷 水 供 給 と し、 廃 棄 物 処 理 は ご み 収 集 車 で 収 集 し清 掃 工 場 で 焼 却 す る 方 式 と し た 。
113
全部で n個 の建物がある。 250mメ ッシュ全体でXm2の 延床面積 になる
く現状 の250mメ ッシュの概念 >
延 べ床面積 X m2
250mメ ッシュ内の建物全てを 1棟 に高層集約化する
く集約建物 の概念 >
図 5.
3 高度都市機能集約地区モデルにお ける省エネルギー効果の考 え方
114
5.3
東 京 23区 の 250
東 京 23区 の 250mメ
mメ ッ シ ュ エ リ ア 内 の 建 物 用 途 構 成 比 の 分 類 ッ シ ュ 土 地 利 用 数 値 デ ー タ (東 京 都 都 市 計 画 局 、 平
成 3年 版 )を 用 い て 、 東 京 2
3区 内 に お け る 地 区 の 建 物 用 途 構 成 比 の 分 類 を行
ヽ つ
5.3.1
建 物 用 途 の分類
東 京 23区 の 250mメ
ッ シ ュエ リ ア 内 の 建 物 用 途構 成 比 の 分 類 を行 う前 に 、
4節 の 各 種 負 荷 算 定 や 5節 の 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 検 討 の た め 、 ま ず 、 建 物 用 途 分 類 を、 表 5。
1に 示 す メ ッ シ ュ デ ー タ を も と に した都 市 計 画 上
の 建 物 用 途 分 類 へ の 変 換 方 法 を用 い て 、 土 地 利 用 数 値 デ ー タ の 15用 途 か ら都 市 計 画 上 の 9用 途 に分 類 す る 。 つ ま り、 メ ッ シ ュ デ ー タの 建 物 用 途分 類 で あ る 、 官 公 庁 、 教 育 。文 化 施 設 、 厚 生 施 設 、 供 給 処 理 施 設 、 事 務 所 、 商 業 施 設 、 住 商 併 用 、宿 泊 遊興 、 ス ポ ー ツ 、 独 立 住 宅 、 集 合 住 宅 、 工 場 、 住 工 併 用 、 倉 庫 運 輸 、 農業 漁業 の 15用 途 か ら、 本 章 で は 独 立 住 宅 、 集 合 住 宅 、 業 務 施 設 、 商 業施 設 、 医 療 施 設 、 宿 泊 施 設 、 教 育 施 設 、 文 化 施 設 、 娯 楽 施 設 の 9用 途 に再 分 類 した 。 都 市 計 画 上 の建 物 用 途 分 類 へ の 変 換 は 、 独 立 住 宅 につ い て は メ ッ シ ュ デ ー タ の 住 商 併 用 の 1/2と 独 立 住 宅 お よ び 住 工 併 用 の 1/2を 加 算 す る こ とで 算 定 した 。 以 下 同 様 の 方 法 に よ り、 集 合 住 宅 は そ の ま ま の 値 を 、 業 務 施 設 は 官 公 庁 と事 務 所 を加 算 した 値 を、 商 業 施 設 は 商 業 施 設 と住 商 併 用 の 1/2を 加 算 した 値 を、 医 療 施 設 は 厚 生 施 設 の 値 を、 宿 泊 施 設 は 宿 泊 遊 興 の 値 を 、 教 育 施 設 は教 育 。文 化 施 設 に 0.96を 乗 じた 値 を 、 文 化 施 設 は教 育 ・ 文 化 施 設 に O.04を 乗 じた 値 を、 娯 楽 施 設 は ス ポ ー ツ 施 設 の 値 を 用 い た 。 な お 、 メ ッ シ ュ デ ー タ の 供 給 処 理 施 設 、 工 場 、倉 庫 運 輸 、 農 業 漁 業 は都 市 計 画 上 の分 類 に な い た め こ こ で は 除 外 した 。
115
表 5.1
メ ッシ ュデ ー タをもとに した都市計画上 の 建物用途分類 へ の変換方法 文献 19)
メ ッシュデー タの 建物用途分類
①官
公
庁
都市計画上 の建物用途分類
独立住宅 (=⑦ /2+⑩ +⑬ /2)
② 教育、文化施設 ③厚 生 施 設 ④ 供給処理施設 ⑤事
務
所
⑥商 業 施 設
集合住宅 (=⑪ ) 業務施設 (=① +⑤ ) 商業施設 (=⑥ +⑦ /2)
⑦住 商 併 用 ③宿 泊 遊 興 ⑨ ス ポ ー ツ ⑩独 立 住 宅 ①集 合 住 宅 ⑫工
医療施設 (=③ ) 宿泊施設 (=③ ) 教育施設 (=② × 0.96)
場
⑬住 工 併 用 ①倉 庫 運 輸 ⑮農 業 漁 業
文化施設 (=② × 0.04) 娯楽施設 (=③ )
[注 ]教 育施設、文化施設 は全国の用途別延 べ床面積比率(教 育施 0.3%)を 用 いて比例配分 した。 設-6.2%、 文化施設-
116
5.3.2
分類 方 法
図 5.4に 東 京 23区 の 250mメ
ッシ ュ の建 物 用 途 構 成 比 の分 類 フロ ー を
示す。 まず 、 前 述 した 通 り建 物 用 途 を メ ッ シ ュ デ ー タ ー の 15用 途 か ら都 市 計 画 上 の 9用 途 に分 類 した あ とで 、 住 宅 に つ い て は 、 独 立 住 宅 と 集 合 住 宅 を合 計 して 住 宅 施 設 と して 取 り扱 い 、 教 育 施 設 と文 化 施 設 を合 計 して 教 育 施 設 と して 取 り 扱 う こ と と した 。 東 京 23区 の 250mメ
ッ シ ュ土 地 利 用 数値 デ ー タ の メ ッ シ ュ
数 は 総 数 で 9,416メ ッ シ ュ あ る が 、 こ の 中 に は 、 23区 の 端 に 位 置 し土 地 面 積 率 が 低 い メ ッ シ ュ や 、 河 川 や 緑 地 。オ ー プ ン ス ペ ー ス 等 の 面 積 率 が 高 い た め に、 エ リア 内 の 建 物 用 途 構 成 が 一 般 的 で な い 場 合 が 考 え られ る た め に 、 本 章 で は 、 分 類 を行 う前 に以 下 に示 す 除 去 条 件 を設 定 して 、 異 常 値 を持 つ メ ッ シ ュ を分 類 か ら除 外 した 。 ①
土 地 面 積 80%以 下
②
建 物 用 途 別 床 面 積 割 合 に お け る そ の 他 用 途 割 合 10%以 上
③
ネ ッ ト容 積 率 100%未
④
宅 地 面 積 率 50%以 下
満
こ れ に よ り、 分 類 対 象 メ ッ シ ュ は 9,416メ
ッ シ ュ か ら 5,256メ
ッシ ュ
に絞 り こ め る。 次 に 、 抽 出 さ れ た メ ッシ ュ の 建 物 用 途 別 床 面 積 割 合 を 5%刻 み の 数 値 に簡 略 化 し、 同 じ用 途 構 成 比 パ タ ー ン の メ ッ シ ュ に ま とめ た 。 そ の 結 果 、 5,256 メ ッ シ ュ か ら 1,634種 の 用 途 構 成 比 が 得 られ た 。 さ らに 、 用途 構 成比 が 100%の
中 で 80%同 じパ タ ー ンの も の を 同 じパ タ ー
ンの メ ッ シ ュ と し て 1つ の パ タ ー ン に再 分 類 した 。 図 5.5に 用 途 構 成 比 の パ タ ー ン 分 類 の 例 を 示 す 。 住 宅 施 設 の 10%、 業 務 施 設 の 5%、 商 業 施 設 の 5% 分 以 外 の 80%分 の 用 途 構 成 比 が 同 じた め 、 同 じ用 途 構 成 比 パ タ ー ン と し て 分 類 で き る 。 この 時 、 用 途 別 床 面 積 割 合 の 最 も大 き な 用 途 を有 す る パ タ ー ン の 方 に再 分 類 す る も の と して い る の で 、 図 5.5の 例 で は 、 パ タ ー ン Cは 、 パ タ ー
117
ン Aと 同 じ用 途 構 成 比 と な る 。
文献 19)
東京23区 250mメ ッシュ土地利用 数値デ ー タ (東 京都都市計画局 ) 9416メ ッシュ
建物用途 を 9分 類 に変換 独立住宅、集合住宅については合計 し、 住宅施設 として取 り扱 った。
異常値と考えられるメッシュの除外 除去条件 :①土地面積率 ≦80% ②その他用途 ≧10% ③ネット容積率 <100% ④宅地面積率 ≦50% 分類対象 メッシュ
用途別床面積害]合 を5%刻 みに変換 用途構成比 パ ターンが同 じものに分 類
用途構成比パターンが80%以 上同 じ ものに分類 東京 23区 250mメ ッシュデ ー タの 分類結果 301種
用途地区の分類 1つ の用途が50%以 上 を占める用途 複合用途地区の分類 50%を 占める用途のない地区 建物用途別平均床面積の算定
各用途地区による分類結果 8パ ター ン
図 5.
4 東京23区 の250mメ ッシュの建物用途構成比の分類 フロー
118
(分 類前)
建物月途別床面 1 1割 合 (%)
用途構 成比 パ ター ン
住宅
業務
商業
医療
宿泊
パ ターンA パ ターン B
30 20
20
10
5
25
15
5
5 5
教育
文化
娯楽
その他
5
10 10
5
5
5
5
パ ターンA パ ターン B
5
建物
途別床面積割合 二%
用途構 成比 パ ターン
住宅
業務
商業
医療
宿泊
パ ターン C
30
20
10
5
5
教育
文化
娯楽
その他
5
10
5
5
図 5.5
5.3.3
10
25
● ▼
(分 類後 )
パ ター ン C
I y:t ts.
lv)2.fi. 35
用途構 成比 の パ ターン分類 の例
分類結果
3節 2項 に示 し た 除 去 条 件 よ り、 分 類 対 象 メ ッ シ ユ を 、 ま ず 、 全 9,416 メ ッ シ ュ か ら 5,256メ
ッ シ ュ に整 理 し た 。 次 に 、 こ れ らの メ ッ シ ュ の 建 物
用 途 別 床 面 積 割 合 を 5%刻 み に 変 換 し、 建 物 用 途 構 成 比 パ タ ー ン が 同 じ も の に 分 類 す る こ とで 、 1,634種
の 用 途 構 成 に ま とめ た 。 こ れ らの パ タ ー ン の 中
で 、 建 物 用 途構 成 比 が 80%以 上 同 じ もの を 1つ の パ タ ー ン に ま とめ る こ と で 、 最 終 的 に 250mメ
5.3.4
ッ シ ュ エ リ ア の 建 物 用 途 構 成 と して 301種
が 得 られ た 。
建 物 用途構 成比 の特性 の検 討
建 物 用 途 構 成 比 の 特 性 をみ る た め に 、 図 5.6の 東 京 23区 の 用 途 別 メ ッ シ ュ 数 割 合 (メ ッ シ ュ 数 合 計 5,256メ
ッ シ ュ )を 用 い て 、 建 物 用 途 構 成 301
種 を 住 宅 、 業 務 、 商 業 、 医 療 、 宿 泊 、 教 育 、 娯 楽 お よ び 複 合 の 8用 途 地 区 に 同 定 し、 用 途 地 区 毎 に 用 途 別 平 均 床 面 積 割 合 を算 定 し た 。 こ の 時 、 1つ の 用 途 が
50%以
上 を 占 め る建 物 用 途 構 成 を そ の 用 途 地 区 と して 同 定 し、 1つ の 用 途 が
50%を
以 上 を 占 め な い 地 区 に つ い て は 複 合 用 途 地 区 と して 同 定 した 。 表 5。
2に 用 途 を 同 定 し た メ ッ シ ュ 数 の 割 合 と そ の 時 の メ ッ シ ュ 数 を 、 図 5。 7に 用
119
途 を 同 定 した メ ッ シ ュ 数 割 合 図 を示 す 。 表 5.2よ
り、 用 途 構 成 301種
の 内 訳 は 、 住 宅 用 途 地 区 が 83種 、 業 務 用
途 地 区 が 4・ 8種 、 商 業 用 途 地 区 が 9種 、 医 療 用 途 地 区 が 10種 、 宿 泊 用 途 地 区 が 13種 、 教 育 用 途 地 区 が 17種 、 娯 楽 用 途 地 区 が 6種 、 複 合 用 途 地 区 が 11
5種 で あ っ た 。 種 の 数 で は 、 複 合 用 途 地 区 が 約 38%と 用 途 地 区 の 約 28%、
業 務 用 途 地 区 の 約 16%の
最 も 多 く、 次 い で 住 宅
順 に 多 く、 娯 楽 用 途 地 区 は 約
2%と 最 も少 な い 。 ま た 、 5,256メ
ッ シ ュ の 内 訳 は 、 住 宅 用 途 地 区 が 4,406メ
務 用 途 地 区 が 325メ
ッシ ュ 、 業
ッ シ ュ 、 商 業 用 途 地 区 が 21メ ッ シ ュ 、 医 療 用 途 地 区 が
24メ ッ シ ュ 、 宿 泊 用 途 地 区 が 17メ ッ シ ュ 、 教 育 用 途 地 区が 124メ 娯 楽 用 途 地 区 が 14メ ッ シ ュ 、 複 合 用 途 地 区 が 325メ シ ュ 数 で は 、 住 宅 用 途 地 区 が 全 体 の 約 84%と
ッシ ュで あ った。 メ ッ
大 部 分 を 占め 、業 務 用 途 地 区 と
複 合 用 途 地 区 が 各 々 6%程 度 で あ っ た 。
教育地区24√ サ
区Q3%ノ 識
区Q2%
メ ッシュ数合 計5256
図 5.6
東京 23区 の用途別 メ ッシュ数の割合
120
ッシ ュ 、
表 5.2 建物用途 地区
用途 を同定 した メ ッシュ数 の割合 とその時 の メ ッシュ数
建物用途別平均床面積割合 (%) 業務
商業
医療
宿泊
教育
文化
9 65 14
6 4
3 6
7 6
0
商業
62 10 16
8 6 60
1
6
1
0 0
医療
13
2
4
69
2
8
0
住宅 業務
住宅
10 14
宿泊 教育
7
7
1
7
2
4
5
8
娯楽
29 33
複合 全体
餞 揚 凶 離 翠 断 郷 帥 眠 鯖 鰈 齢 飾
20
12
22
10
4
0
0
7 8
8
4 66 6
2
10
24
0.5
0
4 4
17 124
0.3
3
13 17
0 0 0
68
3
6
14
0.3
3
2
115
6.2
3
2
301
325 5256
70
80
8
17 14
40
害脂針(%) 50 60
0
90
2.4
100
100
目住 宅 圏業務 園商業 □医療 日宿泊 □教育 ■文化 田娯楽 国その他 図 5.7
5。
67
用途構成 メッシュ数 ゜
ー ュ シヨ 女 Fッ シ )1割 合(%〕 娯 楽 その他 ハタ 4406 83.8 83 3 2 6.2 325 48 2 2 ● 0.4 ‘ 9 2
用途 を同定 した メッシュ数の割合図
建 物 用 途 構 成 特 性 に よ る各 種 負 荷 の検 討
地 区 の 建 物 用 途 構 成 特 性 と電 力 需 要 量 、 熱 需 要 量 、 廃 棄 物 発 生 量 な どの 負 荷 の 関 係 を検 討 した 。
5。
4.1
(1)
原 単 位 と各 用 途 の 年 間 稼 働 日 数 の 設 定 原単位 の設定
地 区 内 の 単 位 延 床 面 積 当 た りの 電 力 需 要 量 、 熱 需 要 量 、 廃 棄 物 発 生 量 は 、 建 物 用 途 別 の 各 種 原 単 位 と地 区 内 建 物 用 途 構 成 比 か ら算 定 し た 。 電 力 ・ 熱 の 原 単 位 は 、 早 稲 田 大 学 建 築 学 科 尾 島 俊 雄 研 究 室 の デ ー タ を使 用 し た 。 た だ し、 住 宅 は 集 合 住 宅 の 原 単 位 を 、 業 務 は 一 般 事 務 所 の 原 単 位 を 、 商 業
121
はデ パ ー トの 原 単 位 を 、 教 育 は 大 学 の 原単 位 を、 文 化 は 一 般 事 務 所 の 原 単 位 を 、 娯 楽 は デ パ ー トの 原 単 位 を そ れ ぞ れ 代 用 した 。 表 5.3に 消 費 原 単 位 を 、 表 5.4に
業 務 施 設 の 熱 。電 力 消 費 原 単 位 を 、 表 5.
施 設 の 熱 。電 力 消 費 原 単 位 を 、 表 5。 表 5。
住宅施 設 の熱 ・電力
5に 商 業
6に 医 療 施 設 の 熱 。電 力 消 費 原 単 位 を 、
7に 宿 泊 施 設 の 熱 ・ 電 力 消 費 原 単 位 を 、 表 5.8に 教 育 施 設 の 熱 ・ 電 力
消 費 原 単 位 を 、 表 5。
9に 文 化 施 設 の 熱 。電 力 消 費 原 単 位 を 、 表 5。
楽 施 設 の 熱 ・ 電 力 消 費 原 単 位 を示 す
10に 娯
以上 文献 20)
廃 棄 物 発 生 量 の 原 単 位 は 、 東 京 都 の 建物 用 途 別 廃 棄 物 発 生 量 原 単 位 と横 浜 市 の 建 物 用 途 別 廃 棄 物 内 訳 割 合
文献 22)を
文献 21)
使 用 した 。 た だ し こ の 中 で 、
廃 棄 物 発 生 量 原 単 位 につ い て 、 娯 楽 施 設 の 原 単 位 は空 気 調 和 衛 生 工 学 便 覧 第 1
0版 の 各 種 建 物 の ご み 排 出 量 か ら、 教 育 施 設 の 原 単 位 は 空 気 調 和 衛 生 工 学 便 覧 第 10版 ら
文献 23)の
文献 24)算
各 種 建 物 の ご み 排 出 量 と 建 築 資 料 集 成 6の 建 築 。生 活 か
出 した 。 ま た 、 廃 棄 物 内 訳 割 合 に つ い て は 、 横 浜 市 が 廃 棄 物 発
生 量 を 調 査 して 得 ら れ 値 で あ る が 、 「 缶 類 」 は 横 浜 市 の 廃 棄 物 組 成 に お け る 金 属 類 の う ち リサ イ ク ル 可 能 な ス チ ー ル と ア ル ミ の デ ー タ ー を 用 い 、 リ サ イ ク ル 不 可 能 な こ れ 以 外 の 金 属 類 は 「 そ の 他 」 と した 。 同 様 に 、 「 瓶 類 」 に つ い て も ガ ラ ス 類 の う ち 一 升 瓶 、 ビ ー ル 瓶 、 飲 料 瓶 は リ サ イ ク ル 可 能 な 「 瓶 」 と し、 こ れ 以 外 の ガ ラス 類 は 「 そ の他 」 と した 。 な お 、 建 物 用 途 別 廃 棄 物 内 訳 割 合 の住 宅 につ い て は 、 横 浜 市 に お け る廃 棄 物 組 成 の 家 庭 系 を用 い 、 教 育 、 娯 楽 に つ い て は そ れ ぞ れ 文 化 、 商 業 の 割 合 を代 用 した 。 表 5.11に
東 京 都 の 廃 棄 物 発 生 量 原 単 位 を 、 表 5。
別 廃 棄 物 発 生 量 内 訳 を示 す 。
122
12に 横 浜 市 の 建 物 用 途
表 5.3
0月 別消費原単位 (/nf・ 月)文 月
表 5.4
住宅施設 の 熱・ 電力消 費原単位
紬 断 鵬 k c a c a 閥 k 6090 0
7526
0
7977
0
4
献 20)
業務施設 の熱 0電 力消費原単位
・月) 。月男1消 費原単位 (ノ 耐
電力
月
KWh
文献 20)
紬 曙 鵬 k c a k a c c a0 k 12867 1095
電力
KWh
10.49
2.92
1
6141
2.66
2
0
11539
1095
10.09
6883
6141
2.87
3
0
7760
1032
11.42
729
2509
5681
2.72
4
0
3625
902
11.16
5
2498
0
4401
2.69
5
5831
0
822
10.1
6
3850
0
3173
2.63
6
14431
0
800
11.95
7
5437
0
2661
3.06
7
16711
0
716
11.69
8
6920
0
2047
3.06
8
17561
0
600
11.82
9
4631
0
2405
2.81
9
11526
0
653
10.63
10
1951
0
3378
2.73
10
0
0
812
10.89
0
1994
3838
2.58
0
5004
948
10,76
12
0
5275
5220
2.81
12
0
10263
1053
11.82
年間
26016
32164
51176
33.54
年間
66060
51058
10528
132.8
2
表 5.5
○月別消費原単位 (/nf O月 ) 月
表 5.6
商業施設 の 熱 0電 力消 費原単位 文献 20)
紬 断 鵬 k a c a k c c a k
医療施設の熱・ 電 力消費原単位
。月別消費原単位 (/nf。 月)
電力
KWh
月
文献 20)
榊 畷 鵬 助 W h k c a 回 K c a0 k 22454 7.76 28581
0
12376
2459
16.07
1
2
0
9851
2440
15.26
2
0
24249
21470
7.22
3
0
3536
2356
1689
3
0
19786
19554
7.58
4
4897
2021
2188
15.87
4
0
10447
18260
7.13
5
14692
0
2457
17.09
5
0
0
20910
7.4
6
23855
0
1898
1689
6
7968
0
18429
7.13
7
34440
0
2076
1851
7
15467
0
19138
7.67
8
36967
0
1758
17.5
8
16311
0
18073
8.12
9
25752
0
1617
17.09
9
7124
0
17366
7.56
10
13902
0
1832
1709
10
0
0
19847
7.49
3476
3157
2244
1668
0
11271
19208
7.22
12
0
7577
2393
18.51
12
0
19438
25927
7.94
年間
157981
38518
25718
203.5
年間
46870
113772
240636
90.22
123
│
表 5.7
献 20)
○月別消費原単位 (/耐・月)文 月
表 5.8
宿泊施設 の熱・ 電力消 費原単位
教育施設 の熱・ 電力消費原単位
○月別消費原単位
柚 断 鵬 助 回 k W h a k c c aK
献 20)
・月)文 耐
鵬 助 回 K h W
断 回
繰 回
月
(ノ
1
0
13482
9525
11.09
1
0
15607
0
3.2
2
0
11020
11987
9.03
2
0
13114
0
2.73
3
0
8556
9418
9.81
0
10740
0
1.92
4
1457
5470
9808
9.93
4
0
4747
0
2.49
5
4995
0
13301
10.84
5
2483
0
0
2.99
6
7699
0
10425
11.35
6
6143
0
0
3.63
7
10874
0
9706
12.38
7
7117
0
0
2.25
8
13839
0
9886
12
8
1496
0
0
1.58
9
9261
0
9526
11.87
9
4909
0
0
2.56
10
3902
0
10964
11.35
10
0
0
0
3.26
0
6099
9539
10.19
0
3501
0
3.84
12
0
11777
9253
9.16
12
0
11630
0
3.2
年間
52027
56404
123338
129
年間
22148
59339
0
33.65
表 5.9
〇月別消費原単位 (/耐・月)文 月
表 5.10
文化施設の熱・ 電 力消費原単位 献 20)
娯楽施設 の熱・ 電 力消費原単位
〇月別消費原単位 (ノ nf・ 月)
紬 厩 錫 助 回 k W h c a k c a K
月
文献 20)
柚 畷 錫 助 k W h c a k c a0 k c a0 K 45632 11.46
1
0
18988
0
182
1
2
0
19470
0
1.98
2
0
53681
0
11.46
3
0
14266
0
1.96
3
0
33953
0
11.19
4
0
6140
0
1.77
4
0
7534
0
9.28
5
112
0
0
1,75
5
645
0
0
10.23
6
1836
0
0
1.43
6
1772
0
0
11.6
7
4846
0
0
1.21
7
6914
0
0
12.69
8
4761
0
0
2.23
8
9890
0
0
13.78
9
4090
0
0
2.16
9
4328
0
0
12.41
10
869
0
0
2.61
10
1737
0
0
9
0
6140
0
2.05
249
8213
0
11.05
12
0
16440
0
1.77
12
0
45107
0
12.28
年間
16514
81444
0
22.74
年間
25535 194120
0
136.4
124
表 5.11
用
東京都 の廃棄物発生量原単位
途
文献 21)
原単位
(g/m20日 ) 30 40
住宅施設 業務施設 商業施設
255 25
医療施設 宿泊施設 教育施設
57 0.002
20 15
文化施設 娯 楽施設
[注 1]娯 楽施設の原単位 は空気調和衛生工学便覧第10版 、
各種建物 のごみ排出量 を用 いた。
[注 2]教 育施設 の原単位は空気調和衛生工学便覧題 10版 、
生活、 各種建物 のごみ排出量 と建築設計資料集成 6建 築- 建物の延面積 から算出 した。
表 5,12建
住宅施設 (%)
業務施設 (%)
物用途別廃葉物内訳割合
商業施設 (%)
文献 22)
医療施設
宿泊施設
教育施設
文化施設
娯楽施設
(%)
(%)
(%)
(%)
(%)
紙
31
55
56
39
36
36
36
56
瓶
3
4
4
16
5
6
6
4
缶
3
3
3
7
5
3
3
3
厨芥
37
24
17
24
35
28
28
17
・ラスチック フ
12
4
5
7
2
14
14
5
5
5
2
2
5
10
5
15
粗大 ごみ
その他
14
5 13
[注 ]住 宅施設における割合 は横浜市における廃棄物組成 の家庭系 より用いた。
教育施設、娯楽施設 の割合 は文化施設、商業施設 の割合 をそれぞれ借用 した。
125
13
10
(2)
各 用 途 の 年 間稼 働 日数 の 設 定
表 5。
13に 、 住 宅 、 業 務 、 商 業 、 医 療 、 宿 泊 、 教 育 、 娯 楽 各 用 途 の 年 間 稼
働 日数 の 設 定 結 果 を示 す 。
表 5.13 各用途 の年間稼働 日数の設定 用
途
年間稼働 日数 (日 /年 )
住
宅
360
業
務
240
商
業
300
医
療
360
宿
泊
360
教
育
300
文
化
300
娯
楽
300
126
5.4.2
各種 負荷 の検 討 結 果
4節 1項 に お い て 設 定 し た 各 種 原 単 位 と 各 用 途 の 年 間 稼 働 日 数 を 用 い て 、 3 節 3項 に お い て 分 類 され た 各 用 途 構 成 比 の 地 区 に お け る 延 べ 床 面 積 lm2当 た りの 電 力 需 要 量 、 熱 需 要 量 、 廃 棄 物 発 生 量 を算 定 す る 。 こ こ で 分 類 さ れ た 地 区 の 建 物 用 途 構 成 は 301種
と 多 く、 301種
の全 て につ い て 各 用 途構 成比 にお
け る負 荷 の 特 徴 を把 握 す る に は膨 大 な作 業 が 必 要 と な る 。 そ こ で 、 こ こで は 負 荷 の 特 徴 を表 し易 い も の と し て 、 3節 4項 に お い て 分 類 さ れ た 表 5.2の
用途
を 同 定 した メ ッ シ ュ 数 の 割 合 とそ の 時 の メ ッ シ ュ 数 の 中 の 建 物 用 途 別 平 均 床 面 積 割 合 を 用 い て 、 そ れ を建 物 用 途 構 成 比 の 代 表 値 と して 、 8種 の 建 物 用 途 地 区 に つ い て 電 力負 荷 、 熱 負 荷 、 廃 棄 物 負 荷 の 検 討 を行 つ た 。
(1)電
力需 要量 の算 定 結 果
各 用 途 地 区 毎 の 単 位 延 床 面 積 当 り の 年 間 電 力 需 要 量 の 算 定 結 果 を 図 5.8に 示 す 。 年 間 電 量 需 要 量 は、 商 業 用 途 地 区 が 約 155Kwh/m2年 次 い で 娯 楽 用 途 地 区 の 約 122Kwh/m2年
h/m2年
、 宿 泊 用 途 地 区 の 約 120Kw
、 業 務 用 途 地 区 の 約 117Kwh/m2年
の需 要 量 が 高 い。 教 育 用
途 地 区 の 年 間 電 量 需 要 量 は 小 さ く、 約 50Kwh/m2年
(2)
で 最 も高 く、
であ った。
熱需 要 量 の算 定 結 果
各 用 途 地 区 毎 の 単 位 延 床 面 積 当 り の 年 間 熱 需 要 量 の 算 定 結 果 を 図 5.9に す 。 年 間 熱 需 要 量 は 、 医 療 用 途 地 区 の 約 316Mca1/m2年 く、 宿 泊 用 途 地 区 の 約 206Mca1/m2年
a1/m2年
が 突 出 して 高
、 娯 楽 用 途 地 区 の 約 188Mc
、 商 業 用 途 地 区 の 約 187Mca1/m2年
が比 較 的 高 い。 教 育
用 途 地 区 の 年 間 熱 需 要 量 は 小 さ く、 約 109Mca1/m2年
(3)廃
示
とな る。
棄 物 発 生量 の算 定 結果
各 用 途 地 区 毎 の 単 位 延 床 面 積 当 り、 1日 当 た り の 廃 棄 物 発 生 量 の 算 定 結 果 を 図 5。
10に 、 廃 棄 物 発 生 量 内 訳 割 合 の 算 定 結 果 を 図 5。 11に 示 す 。
廃 棄 物 発 生 量 は 、 商 業 用 途 地 区 が 約 137g/m2日 倍 以 上 で あ っ た 。 宿 泊 用 途 地 区 は 約 57g/m2日
127
と、 他 の 用 途 地 区 の 3 、 複 合 用 途 地 区 は 約 46g
/m2日
、 住 宅 用 途 地 区 は 約 40g/m2日
と 発 生 量 は 比 較 的 大 き く、 次 い で 、
業 務 、 医療 、 娯 楽 の 各 用 途 地 区 の 発 生 量 は 約 35~ 教 育 用 途 地 区 の 廃 棄 物 発 生 量 は 約 13g/m2日
24g/m2日
とであ っ た 。
と 非 常 に小 さ い 。
次 に 、 廃 棄 物 発 生 量 の 内 訳 割 合 を み る と 、 全 地 区 に 共 通 して 、 紙 の 占 め る 割 合 が 40%以
上 と 高 く、 次 い で 厨 芥 が 20~
30%程
度 と 高 い 値 を示 した 。
年間電力需要量 (kwh/m2年 )
100 住宅 業務 商業 凶 製 銀 暖
医療 宿泊 教育 娯楽 複合
図 5.8
各用途地区の年間電力需要量 (延 べ 床面積 lm2当 た り)
年 間 熱 需 要 量 (M ca1/m2年 )
100
150
200
250
住宅 業務 商業 凶 製 錮 暖
医療 宿泊 教育 娯楽 複合 国 冷熱用
□ 暖房用 図 5.9
国 給湯用
各用途地区 の 年間熱需要量 (延 べ 床面積 lm2当 たり)
128
廃 棄物発生量 (g/m2日 )
50
100
住宅 業務 商業 凶 調 郷 暖
医療 宿泊 教育 娯楽 複合
■ 紙 圏 瓶 ■ 缶 圏 厨芥 mmプ ラスチック ロ 粗大 ごみ 圏 その他
図 5.10 各用途地区の 1日 当たり廃棄物発生 (延 べ床面積 lm2当 たり)
住宅 業務 商業 凶 雲 錮 眠
医療 宿泊 教育 娯楽 複合
■ 紙 囲 瓶 ■ 缶 圏 厨芥 皿 プラスチック ロ 粗大ごみ 圏 その他 図 5.11
各用途地 区 の廃棄物発生量内訳割合 (延 べ 床面積 l m2当 た り)
129
5. 5
年 間投 入 一次 エ ネ ル ギ ー削 減 量 の検 討
本 章 で は リサ イ クル シ ス テ ム と して 電 力 お よび 熱 供 給 シ ス テ ム を対 象 と して 、 従 来 シ ス テ ム と 比 べ た リ サ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タ デ ィ を 行 う。 リサ イ ク ル シ ス テ ム の 構 成 要 素 と して コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 、 ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム を 採 用 し、 単 体 も し く は こ れ ら を組 み 合 わ せ る こ と に よ リリサ イ クル シ ス テ ム を構 成 す る 。 な お 、 コ ー ジ ェ ネ レー シ ョ ン シ ス テ ム に は ガ ス エ ン ジ ン 式 お よ び ガ ス タ ー ビ ン 式 の 2つ の シ ス テ ム を採 用 し、 地 区 内 の 建 物 は 一 つ の 高 度 都 市機 能 集 積 地 区 と して 考 え る た め 、 地 域 配 管 な どは 考 慮 せ ず 、 ま た 、 建 物 内 の エ ネ ル ギ ー 搬 送 系 に つ い て も、 建 物 の 形 状 に よ りそ の 管 長 や 動 力 負 荷 が 変 わ る の で 算 定 対 象 外 と し、 地 区 内 の プ ラ ン ト部 分 の み に つ い て 検 討 す る 。 表 5。
14に 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム の 構 成 を 示 す 。
表 5.14
リサイクル システムの構成
リサ イ クル シ ステ ム
コー ジェネ レーシ ョン システム
シ ステムA
●
シ ス テ ムB シ ステムC
ごみ焼却廃熱利用 システム
● ●
●
130
5.5。 1
検討 条件
本 章 で 検 討 した 従 来 シ ス テ ム と リサ イ ク ル シ ス テ ム の シ ス テ ム 構 成 比 較 を 表 5。
15に 示 す 。
表 5.15 従 来 システム と リサイクル システムの構成比較
適
日
電力供給
電力供給
システム A2
壼 春 脇 加 ■
従 来 システム と同 じ
電力供給
ガスエンジンコー ジェネ レー ションシステム
電力供給 買 電 蒸気 焼却炉で廃熱蒸気
システム B
格 蒸気吸収式冷凍機 供給 冷水
・焼却炉廃熱蒸気利用
ル
(馬
買
電
ガス焚温水ポイラー ・温排水 は、温 水供給 に優先 利用 し、温水吸収式冷凍機
ガス焚温水ポイラー 。の利用は2次的 とする 余剰熱 は放熱
買
電
ガス焚蒸気 ポイラー 。余剰熱 は放熱 ガス焚蒸気 ボイラー
ガス焚蒸気 ポ イラ ー 。余剰熱 は放熱 ガス焚蒸気 ボイラー
資源 として再利 用 又 は清掃工場 で処理
シ ス テ ム C
ヽ ン ガ コ ヽ ン
r
k
ゴ 髯 攣 背 ≫ E ” 雰 L ム
一 一 一 一 +̈ ¨
デ 剤
電力供給 ヽ
i
ガ コ シ
一 一 一 +̈ ¨
学 k二 利
ガスエンジンコージェネレー う ョ ン し ステ ム
・ガスエンジン温 排水利用 温水 ・ごみ焼却炉廃熱ボイラー
1
格 供給 冷 水 温水吸収式冷凍機
蒸気吸収式冷凍機 ・ 焼却炉廃熱蒸気利用
′ ノ
買
電
ガス焚温水 ポイラー 。余剰熱 は放熱 ガス焚温水 ポイラー 温水吸収式冷凍機
発棄物処理 シ ス テ ム Bと 同 じ
電力供給
システム C2 r
考
収集回数は、東京都 に準 じる
焼却 炉 で焼却 警) 亮棄物処理・・可資源熱 ごみは 9饗 撃 角 ごみ、不燃 ごみ 、粗大 ごみ は、収集 し。
ス
ム
備
亮棄物処理 従 来 システム と同 じ
ク
テ
ガ スエ ンジンコー ジ ェネ レー シ ョンシステム
・ガスタービン廃熱蒸気利用
サ
シ
助
電
蒸 気 ガス ター ビン廃 熱 ポ イラー 絨 蒸気吸収式冷凍機 供給 冷水
●ス タ ビン ハ 一 ″ コ 一 ジ工ネ レ リ l ヽ ンヽ ンス テ ヽ ンヨ ′
f
イ
植
温水 ガスエンジン温排水 熱 温水吸収式冷凍機 供稲 冷水 ・ガスエンジン温ツト 水利用
lヽ ンシス テ ヽンヨ
わ ”
買
体
格 供給 冷水 蒸気吸収式冷凍機 廃棄物処理 ごみ収集車で収集 し、清掃工場で処理
ヽ ン ス システム Al テ ′ギ ハ スエンジン ム f″ i コ 一 ン̈ エ ネ レ A リ
リ ムン
幸
蒸気 ガス焚き蒸気 ポイラー
従来 システム
コ ー シ ェ ネ レ
供給処理 システム構成
供給処理
システム分類
ヽ
蒸気
1
格 供給
ガス エ ンジンコー ン エネ レー う ョしらステ ム
蒸気吸収式冷凍機 0焼 却炉廃熱蒸気利用
ノ
菫 壺 物 IJL理
電
・ ガス ター ビン廃 熟 ボ イラー ガス焚蒸気 ポイラー 。余剰熱 は放熟 ・ ごみ焼却炉廃 熟 蒸 気
冷水 ・ガスタービン廃熱蒸気利用
′
買
シ ステム Bと 同 じ
131
ガス焚蒸気ポイラー 蒸気吸収式冷凍機
表 中 で 比 較 検 討 した シ ス テ ム 構 成 概 念 図 を そ れ ぞ れ 、 図 5. テ ム を、 図 5。
12に 従 来 シ ス
13に リサ イ ク ル シ ス テ ム A。 1(ガ ス エ ンジ ン コ ー ジ ェ ネ レ ー
シ ョ ン シ ス テ ム )を 、 図 5.
14に リサ イ ク ル シ ス テ ム A. 2(ガ
ス ター ビ ン
コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )を 、 図 5.
15に リサ イ ク ル シ ス テ ム B(ご
み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム )を 、 図 5.16に
リサ イ ク ル シ ス テ ム C.1(ガ
ス
エ ンジ ン コ ー ジ ェ ネ レー シ ョ ン シ ス テ ム ・ ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )を 、 図 5.
17に リサ イ ク ル シ ス テ ム C. 2(ガ ス タ ー ビ ン コ ー ジ ェ
ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム ・ ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )を 示 す 。 以 下 に 、 従 来 シ ス テ ム と 5つ の リ サ イ ク ル シ ス テ ム の 特 徴 を示 す 。 従 来 シ ス テ ム は 、 買 電 に よ り電 力 を供 給 し、 都 市 ガ ス を 燃 料 と して 蒸 気 ポ イ ラ ー に よ り温 熱 と して 蒸 気 供 給 を 行 い 、 蒸 気 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を 供 給 す る。 リサ イ ク ル シ ス テ ム A.
1は 、 都 市 ガ ス を燃 料 と した ガ ス エ ン ジ ン コ ー ジ ェ
ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 中 心 と し た シ ス テ ム で 、 こ れ に よ り電 力 を 供 給 す る が 不 足 分 は 買 電 に よ り補 完 す る 。 ガ ス エ ン ジ ン の 温 水 排 熱 を 熱 源 と し て 温 水 を供 給 し、 こ の 温 水 を 熱 源 と して 温 水 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を供 給 す る 。 温 水 排 熱 の 余 剰 分 は 放 熱 す る が 、 不 足 す る 場 合 は 温 水 ポ イ ラ ー に よ り補 完 す る シ ス テ ム であ る。 リサ イ ク ル シ ス テ ム A。
2は 、 都 市 ガ ス を燃 料 と す る ガ ス タ ー ビ ン コ ー ジ ェ
ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 中 心 と し た シ ス テ ム で 、 ガ ス タ ー ビ ン 発 電 機 に よ り電 力 を供 給 す る が 、 不 足 分 は 買 電 に よ り補 完 す る 。 ガ ス タ ー ビ ン の 排 熱 蒸 気 を 熱 源 と して 蒸 気 を 供 給 し、 こ の 蒸 気 を 熱 源 に 蒸 気 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を 供 給 す る 。 排 熱 蒸 気 の 余 剰 分 は 放 熱 す る が 、 不 足 す る分 は蒸 気 ポ イ ラ ー に よ っ て 補 完 す る もの で あ る 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム Bは 、 ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム を 中 心 と し た シ ス テ ム で 、 電 気 は 買 電 に よ り供 給 し、 熱 供 給 は ご み 焼 去 「 廃 熱 か ら得 ら れ る 蒸 気 を 熱 源 と して 温 熱 を供 給 し、 こ の 蒸 気 を 利 用 して 蒸 気 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を 供 給
132
す る 。 余 剰 熱 は放 熱 す る が 、 不 足 分 を蒸 気 ポ イ ラ ー に よ つ て 補 完 す る もの で あ る。 リサ イ ク ル シ ス テ ム C.
1は 、 ガ ス エ ン ジ ン コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ヨ ン シ ス テ ム
と ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム を 中 心 と した シ ス テ ム で あ る 。 地 区 内 お よ び ごみ 焼 却 プ ラ ン トの 電 力 は 、 ガ ス エ ン ジ ン 発 電 機 に よ り供 給 し、 不 足 分 は 買 電 に よ り補 完 す る 。 熱 供 給 は 、 温 熱 に つ い て は ガ ス エ ン ジ ン の 温 水 排 熱 を優 先 して 供 給 し 、 不 足 分 を ご み 焼 却 プ ラ ン トか ら 回 収 す る 蒸 気 を 熱 交 換 し て 温 水 を 供 給 し、 さ ら に不 足 す る 分 を温 水 ポ イ ラ ー で 補 完 す る 。 冷 熱 に つ い て は 、 ご み 焼 却 プ ラ ン トか ら 回 収 す る 蒸 気 を優 先 して 利 用 して 蒸 気 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を供 給 し 、 ガ ス エ ン ジ ン の 温 水 排 水 を 熱 源 と して 温 水 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を供 給 し、 不 足 分 を補 助 温 水 ポ イ ラ ー と温 水 収 式 冷 凍 機 に よ り補 完 す る 。 余 剰 の 温 水 排 熱 と回 収 蒸 気 は 放 熱 す る 。 リサ イ ク ルシ ス テ ム C.
2は 、 ガ ス タ ー ビ ン コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム ・
ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム を 中 心 と した シ ス テ ム で あ る 。 地 区 内 お よ び ご み 焼 却 プ ラ ン トの 電 力 は 、 ガ ス タ ー ビ ン 発 電 機 に よ り供 給 し、 不 足 分 は 買 電 に よ り補 完 す る 。 熱 供 給 は 、 温 熱 に つ い て は ガ ス タ ー ビ ン お よ び ご み 焼 却 プ ラ ン トか ら 回 収 す る 蒸 気 を優 先 して 供 給 し、 不 足 分 は 蒸 気 ポ イ ラ ー に よ り補 完 す る 。 冷 熱 に つ い て は 、 ガ ス タ ー ビ ン お よ び ご み 焼 却 プ ラ ン トの 回 収 蒸 気 を優 先 して 利 用 して 吸 収 式 冷 凍 機 に よ り冷 水 を供 給 し、 蒸 気 の 不 足 分 を 蒸 気 ポ イ ラ ー に よ り補 完 す る 。 余 剰 の 回 収 蒸 気 は 放 熱 す る 。 表 5。
16に こ れ ら の 機 器 効 率 を示 す 。
機 器 運 転 条 件 と して 、 コ ー ジ エ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム は 、 電 主 運 転 と し、 電 力 需 要 に 対 して 発 電 容 量 の 範 囲 内 に お い て 可 能 な 限 り発 電 す る 。 こ の 時 の コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 発 電 容 量 は 、 ピ ー ク 電 力 需 要 量 の 30%と
した 。
また 、 ご み 焼却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 機 器 容 量 は 、年 間 廃 棄 物 発 生 量 (可 燃 ご み ) を 8760時
間 で 除 した 量 を 、 24時 間 一 定 で 焼 却 す る も の と し て 設 定 した 。
133
一部 プラン ト内で利用
(3kg/cm2G) 給湯 。暖房
ヘ ダ多 ッ 冷 水 多
(6~ 11℃ )
冷 房
図 5.12 従来 システム
ガスエ ンジン
< 6。”8 給湯.
ダ 多
補助温水ポイラ
0 晰
6” t 冷 房
図 5.13
リサ イ クル システム Al (ガ スエ ンジンコー ジェネ レーシ ョンシス テム )
134
一部 プラン ト内で利用 多 ダZ 〃
W:懺
)
補助蒸気ポイラ 6¨ t 冷 房
図 5.14 リサイクル システム A2 (ガ スタービンコージェネ レー ションシステム)
%ク ク ククククククククク
荼
,-'---'-'
受変 電設備
_二
~~~彰 社______可 - %
蒻
蒸気ヘ ッダ
%
一部 プラン ト内で利用 │
図 5.15
リサイ クル システム B (ご み焼却廃熱利用 システ ム )
135
冷水 ヘ
% ク 後 移 ダ % タ
(8kgノ cm2G)
給湯 。暖房
受変 電設備
---
~
団
│[│
一― 二 多 ガス_I==~耳 コ111 エ ンジン =ニ 〃
「 サ
〃 〃│ L 補助温水ポイラ り 輛助温水ポイラ %
移
1
_1丁
Ч
一部 プラン ト内で利用
- ~¬
」」´
∥
%
温水吸収式冷凍機 卜- >∥
多
│1
多
二 二 二 ===ご 二三ニコ 「 ~L三 十
_1 1彫 け 、 L_理 零プた生l「 ~~~~~γ fr-r*--ffit-il't f~~- 1 ψ
ク % 狂
気 ψ 蒸幹 ッ ポイラ >1翻 廃熱 熱ポイラ ト
∥ 〃 z 」 -LJ%
~ 1嘉 l漁
み焼却施設 蹴
嘉 夕 1 ~~¬ 多 ~~-
多
蒸気吸収式冷凍機 卜>H
- ~■ ……詢「 葺〒 ψψ 、 ↓ 「
翻 =董 論 ″
図 5.16
⑩
< 6 。 8賜 ” ダ 静 _」_二 ∥ ユ 摯γ タ L_ゝ 「 ま葛高原 1、 日 % ロ
%
タ
(6~ 11℃ )
冷 房
多
多
珍
リサ イ クル システム Cl (ガ スエ ンジンコー ジェネ レー ションシステム・ ごみ焼却廃熱利用 システムの併用 システム )
電力 -―---- ~- ~~一 一 ぎT=- 一一―――¬ 彰
ガス ター ビン 蒸気ヘ ッダ
廃 熱 ポ イラ
多
一部 プラン ト内で利用
冷年 ダ 「↓ 水
Z 多 多 拷 ″
│
多 % % % %
~~- ~~~-
「
図 5.17
¬
;~ 11て
冷
リサ イ クル システム C2 (ガ ス ター ビンコー ジェネ レー ションシステム・ ごみ焼却廃熱利用 システムの併 用 システム)
136
房
表 5。 16 機器効率 項 目
設定値
ガスエ ンジン (温 水 )
発 電効 率 熱回 収率
0 3
ガスター ビン (蒸 気)
発電効率 熱回収率
0 22
蒸気ポイラ
効率
0.78
温水ポイラ
効率
0.78
蒸気吸収
COP
1.3
温水吸収
COP
0.58
熱回収効率
0.8
機 器
コージェネレーション システム
04
0 43
補助 ポイラ
吸収式冷凍機
ごみ焼却 プラン ト 熱交換器
効率
(注 )ご み焼却炉の回収排熱 は、一部 プラン ト内において使用するもの とする。
プラン ト内蒸気使用量 (t)′ 焼却排熱蒸気発生量 (t)=0.690
137
5.5.2
各 用 途 地 区別 の 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー削 減 量 の検 討 結 果
建 物 用 途 構 成 301種 に つ い て 、 5つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 検 討 を行 っ た 。 な お 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 含 む シ ス テ ム Aと シ ス テ ム Cの 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 に つ い て は 、 ガ ス エ ンジ ン 式 、 ガ ス タ ー ビ ン式 の う ち 削 減 効 果 の 高 い シ ス テ ム の 値 を採 用 した 。 検 討 結 果 を、 リサ イ ク ル シ ス テ ム A、 B、
C別 に ま とめ 、 用 途 地 区 別 に 年 間
投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 で 比 較 した 。
(1) 図 5。
リサ イ ク ル シ ス テ ム Aの 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果
18に 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム A(コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )導
入 に よ る 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 比 較 結 果 を示 す 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム A(コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )導 入 に よ る 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 は 、 宿 泊 用 途 地 区 が 約 54Mca1/m2年
と非 常
に大 き く、 医療 、 商 業 、 業 務 の 各 用 途 地 区 及 び 複 合 用 途 地 区 が 約 30~ 24M
ca1/m2年
と 大 き く、 教 育 用 途 地 区 は 約 10Mca1/m2年
と小 さ い 値
を示 した 。
(2) 図 5。
リサ イ ク ル シ ス テ ム Bの 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果
19に 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム B(ご み 焼 去口廃 熱 利 用 シ ス テ ム )導 入 に
よ る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 比 較 結 果 を示 す 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム B(ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム )導 入 に よ る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 は 、 廃 棄 物 発 生 量 の 多 い 商 業 用 途 地 区 が 約 39Mcal
/m2年 と非 常 に大 き く、 次 い で 宿 泊 用 途 地 区 が 約 19Mca1/m2年 き く、 教 育 用 途 地 区 は 約 6Mca1/m2年
(3) 図 5◆
と大
と小 さ い 値 を示 した 。
リサ イ ク ル シ ス テ ム Cの 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果
20に 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム C(コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム ・ ご
み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )導 入 に よ る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 比 較 結 果 を示 す 。
138
リ サ イ ク ル シ ス テ ム C(コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム ・ ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )導 入 に よ る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー の 削 減 効 果 は 、 宿 泊 用 途 地 区 が 約 83Mca1/m2年
2年
、 商 業 用 途 地 区 が 約 64Mca1/m
と 非 常 に大 き い 。 次 い で 、 複 合 用 途 地 区 お よ び 医 療 、 住 宅 、 業 務 の 各 用 途
地 区 が 、 約 44~
と 大 き く、 教 育 用 途 は 約 14Mcal
35Mca1/m2年
/m2年
と 小 さ い 値 を示 し た 。
(4)
リサ イ ク ル シ ス テ ム 別 の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 比 較
図 5。
21に リ サ イ ク ル シ ス テ ム 別 の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 比 較
結 果 を示 す 。 リ サ イ ク ル シ ス テ ム と して は 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム C(コ ー ジ エ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム ・ ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )が 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 が 最 も大 き く、 商 業 用 途 地 区 を 除 く と リサ イ ク ル シ ス テ ム A (コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム
)が 次 い で 大 き い 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム B
(ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム )が 最 も小 さ い 。 た だ し、 商 業 用 途 地 区 に つ い て は 、 ご み の 発 生 量 が 他 の 用 途 地 区 に 比 べ て 3 倍 以 上 と 大 き い た め 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム B(ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム )が リサ イ ク ル シ ス テ ム A(コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )よ り大 き く な る 。 また 、 用 途 地 区 に よ る年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー削 減 効 果 は 、 宿 泊 用 途 地 区 が 最 も大 き く、 商 業 用 途 地 区 、 複 合 用 途 地 区 が 次 い で 大 き く、 娯 楽 用 途 地 区 は 小 さ く、 教 育 用 途 地 区 は 最 も小 さ い 。
139
劇 爆 壺
70
60
キ叶 ミN E 祥\ H一 ” ヽo Σ く 緊 E 叶
50
40
30
20
10
0
商業用途地区 宿泊用途地区 娯楽用途地区 住宅用途地区 医療用途地区 業務用途地区 教育用途地区 複合用途地区 分 図 5。
類
18 リサ イ クル システ ム A(コ … ジ ェネ レー シ ョ ンシス テ ム ) の 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー削減 量
劇 籠 憂
70
60
キ叶 ミN E ■\ H “ く一 o Σ く 緊 E 叶
50
40
30
20
10
0
商業用途地区 住宅用途地区 娯楽用途地区 宿泊用途地区 業務用途地区 医療用途地区 教育用途地区 複合用途地区 分 類 図 5.19
リサイ クル システム B(ご み焼去,廃 熱利用 システム) の年間投入 一 次 エ ネ ル ギ ー削減量
140
90 -
80
劇 怪 憂
70
-
60
キ叶 式” E ¨\ H一 ヽ“ o 2 く 緊 E 叶
50
■
40
■
30
■
20 -
10
■ 娯楽用途地区 宿泊用途地区 商業用途地区 複合用途地区 教育用途地区 医療用途地区
住宅用途地区
業務用途地区
分
図 5.20
類
リサイクル システム C(コ ー ジェネ レーションシステム・ ごみ焼却廃熱利用 システムの併用 システム)
90 -
80
劇 怪 蔓
70 -
60
十せ 式” E 稽\ H一 ヽ“ o Σ く 緊 E 叶
園
50
- 40
■
30
□
20
10
■
一
国
国
騨
0
娯楽用途地区 宿泊用途地区 商業用途地区 住宅用途地区 複合用途 地区 教育用途地区 医療用途地区 業務用途地区 分 類 ロ システム A国 システム B■ システム C 図 5.21
システ ム 別 年 間投入 一 次 エ ネ ル ギ ー削減 量 の比較
141
5。
6
建 物 用 途 構 成 比 と年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析
建 物 用 途 構 成 301種 毎 の 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を 目的変 数 と して 、
8用 途 地 区 の 用 途 構 成 割 合 を 説 明 変 数 と して 重 回 帰 分 析 を行 っ た 。 表 5.17に
年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析 結 果 を、 図 5。
2
2に 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析 に よ る 予 測 値 と 観 測 地 (リ サ イ ク ル シ ス テ ム A:コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )を 、 図 5。
23に 年 間 投
入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析 に よ る 予 測 値 と 観 測 地 (リ サ イ ク ル シ ス テ ム B:ご み 焼 却 廃熱 利 用 シ ス テ ム )を 、 図 5.24に 削 減 量 の 重 回 帰 分 析 に よ る 予 測 値 と観 測 地
(リ
年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー
サ イ ク ル シ ス テ ム C:コ ー ジ ェ
ネ レ ー シ ョン シ ス テ ム 。ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム )を 示 す 。 重 相 関 係 数 は リサ イ ク ル シ ス テ ム Aが 0。 0。
974、
リサ イ ク ル シ ス テ ム Cが 0.
907、
リサ イ ク ル シ ス テ ム Bが
942と 、 ど の シ ス テ ム に お い て も
重 相 関 係 数 が 0.9以 上 と高 い 値 を示 した 。 こ の こ とか ら 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 時 の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 と エ リ ア 内 の 建 物 用 途 構 成 比 との 相 関性 は 非 常 に 高 い と い え え る 。 つ ま り、 建 物 用 途 構 成 比 に よ っ て 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 をあ る 程 度 説 明 で き る こ とが 分 か っ た 。
142
表 5.17 年間投入 一 次 エネル ギー削減量 の重回帰分析結果 システ ム C
シ ステ ム A
システム B
0.907
0.974
0。
0.823
0.949
0.887
-1387
200
4779
R 重決 定 R2
重相 関
942
係
数
Cl
切
片
al
住宅 (%)xl
200
88
270
a2
業務 (%)
x2
250
125
241
a3
商業
(%)X3
317
616
913
a4
医療
406
137
485
777
215
1055
56
19
-26
a7
(%)X4 宿泊 (%)X5 教育 (%)X6 文化 (%)X7
-127
137
-24
a8
娯楽
211
82
151
a5 a6
(%)x8
80
D 70
: : R2=0.823 ! │
60
叶 ヽ 一 ” O Σ 埋 戻 中
/
50
一
40
D-1
30
l豊
20
/
●
産
F
∠
/
L ロ
● ●
. L 一 D
…
10
0
81
/ o
10
20
30
40
50
60
70
80
観 測値 (McJ/年 )
図 5.22
年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 の 重 回 帰 分 析 に よ る予 測 値 と観 測 値 (リ サイクル システム
A:コ ージエネ レーションシステム)
143
60 │
R2- 0.949
50 ●
40
せ ヽ 一 “ O Σ
30
埋 雇 串
20
/
●
J
J
8
・ ♭
♂ 「
10
ノ 0
10
20
30
50
60
(McJ/年 )
観 測値
図 5.23
40
年間投入 一 次 エ ネ ル ギ ー削減量 の重 回帰分析 に よる予測値 と観測値 (リ サイクル システム B:ご み焼却廃熱利用 システム)
120 ●
│
R2=0.887
100
● 80
叶 ヽ 一 ” 0 芝
60
埋 雇 中
40
q ●G `
ぶ
G 劇 ―ニ 1 ● J
20
q 屋
/
/ , p
●
●
rI ●
y・
● 一
F
J●
"
0
20
40
60
80
100
120
観測値 (McJ/年 ) 図 5.24
年 間投入 一 次 エ ネ ル ギ ー削減量 の 重 回帰 分析 に よ る予測値 と観 測値 (リ サ イ クル システム C:コ ー ジェネ レー シ ョ ン システム・ ごみ焼 却 廃 熱利用 シス テ ムの併 用 システム )
144
5.7
結論
本 章 で は 、 高 度 都 市 機 能 集積 地 区 の 自立 型 地 区施 設 と して リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導入 した場 合 の 、 地 区 の 用 途 構 成 と投 入 一 次 エ ネ ルギ ー 削 減 効 果 の 関係 を分 析 した 。 以 下 に結 論 を示 す 。
(1)東 京 23区 の 250mメ 全 9416メ
ッ シ ュ 土 地 利 用 デ ー タ を 用 い て 、 東 京 23区 の
ッ シ ュ エ リ ア 内 の 建 物 用 途 構 成 比 の 分 類 を行 う こ と で 、 建 物 用 途
構 成 を 301種
に ま とめ た 。 こ れ に よ り、 こ の 301種
の 建 物 用 途 構 成 を分 析
す る こ と で 、 一 般 的 な 都 市 の 建 物 用 途 構 成 を概 ね 把 握 で き る こ と を 示 し、 合 わ せ て 、 代 表 的 な 建 物 用 途 構 成 と して 、 住 宅 、 業 務 、 商 業 、 医 療 、 宿 泊 、 教 育 、 娯 楽 の 各 用 途 地 区 お よ び 1つ の 複 合 用 途 地 区 の 合 計 8用 途 地 区 に お け る 平 均 用 途 構 成 比 を示 した 。
(2)建 物 用 途 構 成 301種
に つ い て 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 単 位 延
床 面 積 当 た り に お け る 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 を 算 定 した 。 ・ コー ジ ェネ レー シ ョンシス テ ム導 入 に よる年 間投 入 一 次 エ ネ ルギ ー削 減効 果 は 、 宿 泊 用 途 地 区 が 非 常 に大 き く、 医 療 、 商 業 、 業 務 の 各 用 途 地 区 お よ び 複 合 用 途 地 区 が 次 い で 大 き く、 教 育 用 途 地 区 は 小 さ い 。 ・ ご み 焼 却廃 熱 利 用 シ ス テ ム 導 入 に よ る 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 は 、 商 業 用 途 地 区 が 非 常 に大 き く、 宿 泊 用 途 地 区 が 次 い で 大 き く、 教 育 用 途 地 区 は ′ さい。 lヽ
・ コー ジ ェネ レー シ ョンシス テ ム とごみ焼 却 廃 熱利 用 シ ス テ ムの併 用 シ ス テ ム は 、 3つ の シ ス テ ム の 中 で 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 が 最 も大 き い 。 用 途 地 区 で は 、 宿 泊 用 途 地 区 が 特 に 大 き く、 商 業 用 途 地 区 が 次 い で 大 き く、 複 合 用 途 地 区 お よ び 医 療 、 住 宅 、 業 務 の 各 用 途 地 区 の 順 に こ の 2つ の 用 途 地 区 に 続 い て 大 きい 。 教 育 用 途 地 区 は小 さ い 。
(3)建 物 用 途 構 成 301種
毎 の 年 間 投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を 目的 変 数 と
して 、 8用 途 地 区 の 用 途 構 成 割 合 を 説 明 変 数 と し て 、 重 回 帰 分 析 を行 っ た 。 3 つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム の 全 て に お い て 、 重 相 関 係 数 は 0.9以
145
上 と 高 く、 建
物 用 途 構 成 比 に よ って 年 間投 入 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 をあ る程 度 説 明 で きる こ とが 分 か っ た 。
以 上 よ り、年 間 投 入 一 次 エ ネ ルギ ー 削 減 効 果 は 、 大 き い 順 に 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム と ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム 、 コー ジ ェ ネ レー シ ョ ン シ ス テ ム 、 ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム と な り、 用 途 地 区 で は 宿 泊 用 途 地 区 が 最 も大 き い こ と を 明 らか に した 。
146
第 6章
都 市 人口 の 増加 におけ る人 口密度形態 と環境汚染 度 の 関連 に関す る研 究
第 6章
都 市 人 口 の 増 加 に お け る 人 口 密 度 形 態 と環 境 汚 染 度 の 関 連 に 関 す る 分 析
6.1
概要
都 市 活 動 の 拡 大 に伴 う都 市 人 口 の 増 大 に よ り、 エ ネ ル ギ ー・ 水 消 費 量 お よ び 下 水 。ごみ 排 出 量 が 増 大 し、 大 気 ・ 水 質 汚 染 物 質 の 排 出 量 も大 き くな る と 考 え られ る 。 そ こ で 本 章 で は 、 日本 の 主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 を モ デ ル 化 し、 各 都 市 の 形 態 と環 境 汚 染 度 を比 較 す る こ とで 、 マ ク ロ 的 に 環 境 に 寄 与 す る 都 市 を検 討 した 。 人 口 密 度 形 態 に つ い て は 、 市 域 面 積 、 DID面 積 、 人 口 密 度 、 DID人 口 密 度 か ら モ デ ル 化 す る 手 法 を提 案 し 、 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口密 度 )
を定 義 した 上 で 、 東京 都 区部 と 12の 政令 指 定都 市 の人 口 密 度 形 態 を モ デ ル 化 0 分 類 し、 5つ の 形 態 を示 した 。 次 に 、 い くつ か の 都 市 に つ い て 環 境 汚 染 度 で あ る 大 気 汚 染 度 x、
浮 遊 物 質状 粒 子 )と 水 質 汚 染 度
(BOD)デ
(NOx、 SO
ー タ を収 集 し、 各 都 市 に お け
る 環 境 汚 染 度 に 関 す る測 定 局 の 年 間 平 均 値 の 都 市 全 体 平 均 値 を マ ク ロ 的 に そ の 都 市 の 環 境 汚 染 度 指 標 と した 。 最 後 に 、 都 市 規 模 。人 口 密 度 指 標 と環 境 汚 染 度 指 標 との 相 関 分 析 を 行 い 、 本 章 に お い て 提 示 した 過 密 度 指 標 との 相 関 が 最 も 高 く、 過 密 度 指 標 が 小 さ い 程 、 環 境 汚 染 度 が 小 さ い こ と を明 らか に した 。 以 上 の 分 析 よ り、 都 市 人 口 の 増 加 が 上 む を得 な い 場 合 は 、 市 街 地 の ス プ ロ ー ル を 防 止 す る た め に 、 周 辺 市 街 地 (非 DID地 区 )を 低 密 度 化 して 中 心 市 街 地
(DID地 区 )を 高 密 度 化 す る こ と に よ っ て 、 良 好 な 環 境 を維 持 で きる こ と を 明 らか に した 。
147
6.2
日本 の 主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 の モ デ ル 化 に 関 す る研 究
6.2.1
都 市 の 人 口密 度 形 態 指 標 の提 案
都 市 の 規 模 をみ る 指 標 と して 、 土 地 面 積 (行 政 面 積 )、 昼 夜 間 人 口 、 建 築 物 の 総 延 床 面 積 、 エ ネ ル ギ ー 。水 消 費 量 等 が 考 え られ る が 、 基 本 的 に は 、 あ る 土 地 に 人 々 が 集 ま り、 そ の 活 動 の 結 果 と して 様 々 な生 産 行 為 や 消 費 行 為 が あ る 。 す な わ ち 、 マ ク ロ 的 にみ た 場 合 の 都 市 規 模 の 基 本 要 素 は 、 どの 程 度 の 土 地 に ど れ く ら い 多 くの 人 々 が 活 動 して い る か と考 え て 良 い 。 以 上 よ り、 マ ク ロ 的 に都 市 規 模 を み る 指 標 と して は 、 行 政 面 積 (市 域 面 積 ) と人 口 が 考 え られ る 。 ま た 、 市 域 に お け る 人 口 分 布 は 一 様 で は な く、 市 域 の 中 で も人 口 密 度 が 高 い 地 区 、 つ ま り人 々 が 集 中 して 居 住 して い る 地 区 と して DI
D(人 口 集 中 地 区 :Densely lnhabited District)が あ り、 こ れ を用 い た 指 標 と して 、 DID面 積 、 DID人 口 が あ る 。 この こ とを 踏 ま え て 、本 研 究 で は 、 都 市 の 人 口 密 度 形 態 の 指 標 と して 市 域 面 積 、 DID面 積 、 人 口 密 度 、 DID人 口 密 度 の 4つ を指 標 と した 。 ま た 、 DID地 区 にお け る 人 口 集 中 度 (密 度 )を 示 す も の が 人 口 密 度 と DI
D人 口密 度 であ る 。 この 2つ の 値 の 差 が 小 さ い ほ ど市 域 全 体 に 亘 って 一 様 に 人 々 が集 住 し、 差が 大 きい 程 市 域 の 中心 に 人 々 が 偏住 して い る こ と に なる 。 つ ま り、 こ の 2つ の 値 の 比 が 市 域 中 心 部 の 人 口 集 住 度 の 形 態 を示 す こ と に な る 。 そ こ で
2つ の 値 を用 い た 指 標 と して 、 過 密 度 指 標 義 す る 。 この 値 が 大 き い 程 市 域 中心 部
(人 口 密 度 /DID人
口 密 度 )を 定
(DID地 区 )の 過 密 度 が 高 い と言 え る
(値 は理 論 上 1以 下 )。 以 上 を踏 ま え て 、 本 節 に お い て は 下 記 に 示 す 7指 標 に つ い て 検 討 した 。 ① 行 政 面 積 (市 域 面 積 ) ⑤ DID人 口
⑥ DID人
②人 口密 度
口
③ 人 口密 度
④ DID面 積
○ 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口密
度)
DIDは 人 口 密 度 が 40人 /ha以 上 の 調 査 区 が 隣 接 して 5,000人 以 上 を 有 す る地 域 を い う。
148
6。
2.2
図 6.
都 市 の 人 口密 度 形 態 の モ デ ル化 手 法 の 検 討
1に 本 研 究 にお け る 都 市 規 模 と過 密 度 の 観 点 か らみ た 都 市 の 人 口 密 度
形 態 の モ デ ル 化 手 法 の 考 え 方 を示 す 。 平 面 に 任 意 の 都 市 の 市 域 面 積 と DID面 積 の 大 き さ を示 し、 垂 直 軸 に DID人 口密 度 と非 DID人
口密 度 の 大 き さ を 示
す 。 非 DIDと は 市 域 面 積 の 中 で DID以 外 の 地 区 の こ とで あ る 。 つ ま り、 図
6.1の 容 積 が そ の 都 市 の 人 口 の 大 き さ を示 す 。 この よ う に 各 都 市 を 図 6.1の 考 え 方 に従 っ て モ デ ル 化 す る こ とで 、 各 々 の 都市 にお け る人 口 の 収 容 の 仕 方が 三 次元 で視 覚 的 に 把 握 す る こ とが 可 能 とな る 。
D!D人 工 密度 (人
/Km2)
非 D:D人 工 密度 (人
/Km2)
市域面積 (Km2)
D:D面 積 (Km2) 非 D:D面 積 (Km2)
図 6. 1都 市 の人口密度形態のモデル化手法 の考 え方
149
3
東 京 都 区 部 お よ び 12の 政 令 指 定 都 市 の 人 口 密 度 形 態 の モ デ ル 作 成
各 都 市 の統 計 年 鑑
文献 25~ 37)を
基 に 、 行 政 面 積 、 人 口 、 DID面 積 、 D
ID人 口 の 値 を整 理 して 、 市 域 面 積 、 DID面 積 、 非 DID面 積 、 DID人
口
密 度 、非 DID人 口密 度 を算 定 して 都 市 人 口 密 度形 態 モ デ ル を作 成 した (図 6.
2~ 6.3)。
札幌市
仙台市
東京都区部
川崎市
図 6. 2
日本 の主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 モ デ ル
150
横浜市
(1)
名古屋市
神戸市
図 6.
広島市
北九州市
日本 の 主 要 都 市 の 人 口密 度 形態 モ デ ル ( 2)
151
福岡市
6。
2.4
都 市 の 人 口密 度 形 態 の 分 類
各 都市 の 過密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口密 度 )と 人 口密 度 の 関 係 を図 6.
4に 示 す 。 この 図 を も とに 分 類 した代 表 的 な都 市 の 人 口 密 度 形 態 で あ る 5形 態 を図 6.5に 示 す 。 こ の 類 型 か ら、 都 市 に 人 口 が 集 中 す る 場 合 の 人 口 密 度 形 態 の移 行 が 読 み とれ る 。 現在 の 日本 の 都 市 で は 、 集 中 す る人 口 を収 容 す る 場 合 は 、 市 街 地 を ス プ ロ ー ル させ な が ら、 人 口 密 度 が 大 き くな っ て く る 様 子 が 分 か る 。 都 市 が V形 態 か ら I形 態 へ と 巨 大 化 して い く順 番 に 従 い 、 そ れ ぞ れ の 特 徴 を 以 下 に示 す 。
⌒ 駆 仰 口 く o 一 o \ 撻 仰 回 く 邸 聖 樫 仰 呵
y=0.89Lo9(xl- -2.66 R2=。 .95
く過密度指標 の定義 > 過密度指標 =
珈 人口密度 (人 /kポ )
図 6.4
主要都市 の過密度指標 と人口密度
152
人 口密度
D!D人 口密度
(1)V形
態 :広 島 市 、 札 幌 市 、 仙 台 市
行 政 面 積 が 比 較 的 大 き く、 非 DID面
積 が 大 き く、 DID地
区 に人 口が 集 中
して い る 。
(2)Ⅳ 形 態 :神 戸 市 、 京 都 市 V形 態 に 比 較 し て DID地
区 の 人 口 密 度 が 高 くな っ て い る 。
(3)Ⅲ 形 態 :福 岡 市 、 千 葉 市 、 北 九 州 市 都 市 部 う ち DID地
区 が 大 き く な り、 非 DID地
区 の 人 口 密 度 も高 く な っ て
い る。
(4)Ⅱ 形 態 :川 崎 市 、 横 浜 市 、 名 古 屋 市 都 市 部 が ほ ぼ DID地
区 に な っ て き て 、 非 DID地
区 の 人 口 密 度 も よ り高 く
な って い る。
(5)I形
態 :東 京 都 区 部 、 大 阪 市
都 市 部 が す べ て DID地
区 に な って い る。
(13,213人 /Km2) (2,707人 /Km2)
(7,434人 /Km2)
(3,676人 /Km2) (1,165人 /Km2)
I:東 京都区部 I:横 浜市
図 6.5
Ⅲ :福 岡市
Ⅳ :神 戸市
都 市 の 人 口密 度形 態 の 5形 態 とその例
153
6.3 6。
政 令 指 定 都 市 6都 市 の 大 気 汚 染 ・ 水 質 汚 染 デ ー タ調 査 3。
1
調査概要
水 質 汚 染 の 指 標 と して BODを 、 大 気 汚 染 の 指 標 と して NOx、
SOx、 浮 遊
物 質 状 粒 子 を用 い る 。 各 々 の 都 市 で は 自治 体 が 河 川 の 水 質 や 大 気 汚 染 物 質 に つ い て 市 域 の 中 に い くつ か の 測 定 局 を設 け て 定 期 的 に測 定 して い る 。 そ して 、 各 市 の 都 市 年 鑑 の 中 に デ ー タ と して 収 録 さ れ て い る 。 本 節 で は 各 市 で 公 表 して い る 各 測 定 局 の BOD、
6.3.2
N Ox、
SOЖ 、 浮 遊 物 質 状 粒 子 の 値 を用 い た 。
デ ー タ概 要
都 市 年 鑑 に掲 載 され て い る BOD、 N Ox、 各 測 定 局 の 年 間 平 均 値 を整 理 した
S Ox、 浮 遊 物 質 状 粒 子 に つ い て 、
文献 25、 26、 31、 33、 36、
37)。
市に
よ って測 定 局 の 分 散 状 況 や 数 が 異 な るが 、各 測 定 局 の 全 体 平 均 値 をそ の市 の 汚 染 度 の 代 表 値 と して 用 い た 測 定 局 の 分 布 状 況 や 数 の 状 況 を示 す た め に 、 い くつ か の 市 の 河 川 の 測 定 局 の 配 置 図 を 図 6.6~
6。
1
1に 示 す 。
154
北 :6条 信
図 6
6
河 川 の水 質
文献 26)
図 6
河 川 の 水 質 の 測 定 地 点 (仙 台 市 )
155
文献 31) 図 6.8
河 川 の 水 質 の 測 定 地 点 (名 古 屋 市 )
お■ ,考 噺 iじ
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燃
繹
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キぶ 》
図 6.9
、 戸
口
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河 川 の 水 質 の 測 定 地 点 (大 阪 市 )
156
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6
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図 6.10
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河 川 の 水 質 の 測 定 地 点 (北 九 州 市 )文 献 36)
0
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[-----'l
l-l
"'" anznl 図 6.11
河 川 の 水 質 の 測 定 地 点 (福 岡 市 )文 献 37)
157
6.4 6。
都 市 の 人 口 密 度 形 態 と大 気 汚 染 ・ 水 質 汚 染 度 との 関 連 分 析
1
4。
分析 概 要
水 質 汚 染 度 の 指 標 と して BODを 、 大 気 汚 染 度 の 指 標 と して N Ox、
SOx、
浮 遊 物 質 状 粒 子 を 用 い た 。 都 市 の 汚 染 度 の 値 は 、 3節 で 整 理 ・ 集 計 した 各 都 市 の 測 定 局 の 各 々 の 年 間 平 均 値 を単 純 平 均 した 値 を 用 い た 。 次 に 2節 で 整 理 ・ 集 計 した 都 市 規 模 と 過 密 度 の 7指 標 と各 環 境 汚 染 度 の 指 標 との 相 関 分 析 を 行 っ た 。 そ して 、 相 関 係 数 を基 に 環 境 の 汚 染 度 と の 相 関 の 高 い 都 市 規 模 ・ 過 密 度 指 標 か ら、 どの よ う な 都 市 の 人 口 密 度 形 態 が 環 境 の 汚 染 度 が 低 い か に つ い て 検 討 し た。
6。
4.2
大 気 汚 度 との 染 関 連 分 析
各 都 市 の NOx、
S Ox、 浮 遊 物 質 状 粒 子 等 の 環 境 汚 染 度 と 都 市 規 模 。過 密 度
の 7指 標 との 相 関 分 析 結 果 を 表 6。
1と 図 6。
12~ 6.14に
示す。
表 6. 1 大気汚染度 と都市規模・ 過密度指標 との相関分析結果 SOx
(ppm)
0.778 _9n∠ F_0■
00079
0432
0_528
0_0548 0.623
X係 数 Y切 片
200E- 10
1_60E-09
5.70E-09
00066
00245
0.0318
相 関係数
0502 396E-06 00063 0436
0.52
0.661
2.18E-05 0.0234
6.47E- 05
総 人口
相関係数
(kr)
X係 数 Y切 片
X係 数 Y切 片
DiD人 口
相関係数
(人 )
x係 数 Y切 片
人 口密度
相 関係数
(人 /kr)
X係 数 Y切 片
D:D人 口密 度
(ng/m3)
_998E_06 00331
相 関 係数
D:D面 積
浮遊粒子状物質
0462
総 面積 <耐>
(人 )
NOx
(ppm)
相関係数
(人 /kボ )
X係 数 Y切 片
過密度指標
相関係数 X係 数
Y切 片
0.388 _1民 RF_nA
0.0301
0538
0_636
5.70E-09
0_0066
160E- 09 0.2460
0700
0883
1.93E-07
1.29E- 06
0.747 1.00E-06
0.0061
00211
0.0341
2_00E-10
00324
0455
0.736
0.178
2.51E- 07
215E-06
7_18E-07
00048
0.0084
0.750 0.0026
0849 0.0153
0.0350 0.848 0.0206
00057
00197
00313
158
0.012
横浜市
0.010
0
東京都区部
E
_8 o.oog
霊 0千 三 広 11lL三 二 0 福岡市
sd
* fi
E
0.006
0
-tt
sr
|
巧
。
名古屋市
′ ∥崎市
大阪市
葉市
神戸市
仙 台市
0.004
0.002
0.000 0.0
0.2
0.4
o.6
(人 口密 度
図 6.
12
/D:D人 口密 度
0.8
1.o
)
過密度指標 と二 酸化硫責濃度 の 関係
0.06
E Q a 賀 贅 憮 側 翠 饉 =
0
“
大阪市 横浜市
0
京都市
し 申
:[:lFiliL::`ュ
0
0 2
0
仙 台市
市
神戸市
東京都区部
。 川崎市 名古屋市
綱 %
0.00 0.0
0.2
0.4 (人 口密 度
図 6.13
0.6
/D:D人 口密 度
0.8 )
過密度指標 と二酸化窒素濃度 の関係
159
1.0
大阪市
→ E \ 。 E 中 算 “ ■ 奪 増 職
京都市 広島市
0
^_ 神戸市
0.02
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
/D:D人 口密度
(人 口密度
図 6.14
)
過 密度指標 と浮遊 物 買状 粒子濃度 の 関係
160
1.0
6。
4.3
水 質 汚 染 度 との 関 連 分 析
(BOD)と
各 都 市 の 河 川 の環 境 汚 染 度 分 析 結 果 を 表 6.2と
図 6.
都 市 規 模 ・ 過 密 度 の 7指 標 と の 相 関
15に 示 す 。
表 6.2水 質汚染度と都市規模・ 過密度指標 との相関分析結果
BOD rnnm、
総面積 <耐>
0.525
相関係 数
-3.81E- 03
X係 数 Y切 片
総人 口
相関係 数
(人 )
x係 数 Y切 片
DID面 積
5.68 0.535 4.81E- 07
2.34 0.653
相関係 数
X係 数 Y切 片
8.22E-03
相関係 数 X係 数 Y切 片
0.534 4.73E-07
人口密度
相関係数
0.648
(人 /kボ )
X係 数 Y切 片
(kボ )
D:D人 口 (人 )
DID人 口密度
1.62
2.40
2.83E-04 2.02 0.295
相関係 数
2.68E- 04
(人 /kボ )
X係 数 Y切 片
過密度指標
相関係数
0.798
X係 数 Y切 片
4.38
1.00
1.25
横浜市
0
0
名古 屋市
東京都区部
5 E Q α O O ∞
4
大阪市 3
福岡市 京都市
2
0
神戸市 ° 広島市
仙 台市
0.0
0.2
0.4 (人 口密度
図 6.
0.6
/D:D人 口密度
0.8 )
15 過密度指標 とBODの 関係 161
1.0
6.4.4
環 境 汚 染 度へ の影響 指標
環 境 汚 染 度 と 各 指 標 と の 相 関 係 数 の 比 較 結 果 を 図 6.16に
示 す。都 市規 模 。
過 密 度 の 7指 標 と 環 境 汚 染 度 と の 相 関 は 、 環 境 汚 染 度 指 標 に よ っ て ば ら つ きが あ る が 、 相 関性 の 高 い も の は 、 過 密 度 指 標 と 人 口 密 度 で あ る 。 特 に本 研 究 で 提 案 した過 密 度指 標 (人 口密 度 /DID人
口密 度 )は 、 相 関 係 数 が 0.
75~ 0.
85と 全 体 的 に 相 関 性 が 最 も高 い 。 こ の こ とか ら 、 過 密 度 指 標 は 環 境 汚 染 度 に 関 連 す る 都 市 の 人 口 密 度 形 態 を 示 す 指 標 と して 用 い る こ と が で き る と 考 え られ る 。
総面積 総人口
D:D面 積 D:D人 口 人口密度
DiD人 口密度 過密度指標
図 6.16
環境汚染度 と各指標 の相関係数 の 比較
162
6.4.5
環 境 共 生 的 都 市 形 態 の検 討
環 境 汚 染 度 と 相 関性 の 高 い 過 密 度 指 標 (人 口密 度 /DID人
口 密 度 )を 用 い
て 、 環 境 共 生 的 都 市 形 態 を 検 討 した 。 過 密 度 指 標 か らみ る と 、 都 市 の 人 口 密 度 形 態 的 に は 2節 で 分 類 した I形 態 か ら V形 態 へ 移 行 す る 程 、 環 境 汚 染 度 が 低 く な る傾 向 が あ る 。 以 上 よ り、 理 論 的 に は 同 規 模 の 人 口 を収 容 す る 場 合 は 、 市 街 地 を ス プ ロ ー ル させ ず に 周 辺 市 街 地 (非 DID地
区 )を 低 密 度 化 して 、 中 心 市
(DID地 区 )を 高 密 度 化 す る こ と に よ っ て 、 良 好 な 環 境 を維 持 で き る と
街地
考 え られ る 。
-
図 6.17に
都 市 人 口 の 増 加 対 策 と して の 環 境 共 生 的 都 市 形 態 の イ メ ー ジ を
示 す。
京都区部
側 仰 回 く 0 一 0 \ 樫 仰 口 く 攣 壇 悩 仰 颯
0 8
都市空間の集約化による ・ン ・―スの確保 ス ヘ オーフ
0 6
0 4
0 2
現市街地 を高 度利用 し、 ・ロールを抑制 して 市街地 のスフ ・ ・ ー ― ヘ ス ス ン オフ を守 る
図 6.17
都市人 口の増加対策 と しての環境共生 的都市形態 イ メー ジ
163
6。
5
結
論
以 下 に 、 本 章 の 結 論 を示 す 。
(1)都 市 の 人 口 密 度 形 態 指 標 と し て 、 市 域 面 積 (行 政 面 積 )、 人 口 、 人 口 密 度 、 DID面
積 、 DID人
口 、 DID人
口 密 度 、 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DI
D人 口 密 度 )の 7指 標 を 提 示 し、 市 域 面 積 、 DID面
DID人
積 、 DID人
口密 度 、 非
口 密 度 の 4指 標 か ら 構 成 す る 三 次 元 的 表 現 が 可 能 な 都 市 の 人 口 密 度 形
態 の モ デ ル 化 手 法 を提 案 し た 。
(2)東 京 都 区 部 と 12の 政 令 指 定 都 市 に つ い て 、 行 政 面 積 、 人 口 、 DID面 積 、 DID人
口 密 度 の デ ー タ を収 集 。整 理 して 、 市 域 面 積 、 DID面
ID面 積 、 DID人
口 密 度 、 非 DID人
積、非 D
口 密 度 を 算 定 して 、 都 市 の 人 口 密 度 形
態 モ デ ル を作 成 し た 。
(3)各 都 市 の 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口 密 度 )と 人 口 密 度 の 関 係 か
ら、 都 市 の 人 口 密 度 形 態 を 代 表 的 な 5形 態 に 分 類 した 。
(4)都 市 の 環 境 汚 染 度 の 指 標 と し て 、 大 気 汚 染 度 の 指 標 と して N Ox、 SOx、 浮 遊 物 質 状 粒 子 を 、 水 質 汚 染 度 の 指 標 と し て BODを
提 示 し、 政 令 指 定 都 市 6
都 市 の デ ー タ を 収 集 ・ 整 理 した 。 そ して 、 環 境 汚 染 度 の 指 標 毎 に 各 都 市 の 各 々 の 測 定 局 の 年 間 平 均 値 の 単 純 平 均 値 を 算 出 し、 そ の 都 市 の 汚 染 度 の 値 と した 。
(5)都 市 形態 の 7指 標 と汚 染 度 の 4指 標 と の 相 関 を 分 析 した 結 果 、 そ の 値 は 、 汚 染 度 指 標 に よ っ て ば ら つ き は あ る が 、 過 密 度 指 標 と 人 口 密 度 の 2つ の 相 関 性 が 高 か っ た 。特 に 本 章 で 提 案 し た 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人 相 関 係 数 が 0.75~
0。
口 密 度 )は 、
85と 全 体 的 に 相 関 性 が 最 も高 か っ た 。
(6)環 境 汚 染 度 と相 関 性 の 高 い 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口 密 度 )か
ら み る と 、 都 市 形 態 的 に は 2節 で 分 類 した I形 態 か ら V形 態 へ 移 行 す る 程 環 境 汚 染 度 が 低 くな る 傾 向 に あ る こ と を 示 し た 。
以 上 よ り、 都 市 人 口 の 増 加 が 上 む を 得 な い 場 合 は 、 市 街 地 の ス プ ロ ー ル を 防
164
止 す る た め に も、 周 辺 市 街 地 (非 DID地 区 )を 低 密 度 化 して 中心 市 街 地
(D
ID地 区 )を 高 密 度 化 した 方 が 、 良 好 な 環 境 を 得 られ る こ と を 明 らか に した 。
165
第 7章
東京都心 R地 区における水 ・廃棄物系 自立型地区施設 の 導入効果 の ケ ースス タデ ィ
第 7章
東 京都 心 R地 区 に お け る 水 ・ 廃 棄 物 系 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タデ イー
7.1
概要
現 在 、 首 都 圏 を は じめ と した 巨 大 都 市 圏 に お い て は 、 資 源 ・ エ ネ ル ギ ー の 大 量 消 費 と廃 棄 物 の 大 量 発 生 に よ り、 従 来 型 の 都 市 イ ン フ ラ は 限 界 に 近 づ い て い る とい え る 。 現 在 の 都 市 イ ン フ ラ の 状 況 を、 廃 棄 物 系 と水 系 を対 象 に 東 京 都 の 例 で み て み る と、 東 京 都 区 部 の 廃 棄 物 の 最 終 処 分 場 に つ い て は 、 現 在 使 用 さ れ て い る 中 央 防 波 堤 外 側 埋 立 処 分 場 が 平 成 9年 9月 で 満 杯 と な る 見 込 み で あ り、 そ の 後 新 し い 最 終 処 分 場 と して 計 画 さ れ て い る 新 海 面 処 分 場 も現 在 の よ う な ご み 発 生 量 が 続 け ば 、 使 用 で き る の は わ ず か 15年 程 度 とみ られ て お り、 廃 棄 物 最 終 処 分 場 の 逼 迫 は 大 きな社 会 問題 と な っ て い る 。 図 7.1に 、 東 京 都 区 部 の 廃 棄 物 最 終 処 分 場 に お け る 総 埋 立 量 お よ び 最 終 汚 泥 埋 立 量 を示 す 。 こ の 中 で 最 終 汚 泥 埋 立 量 は全 埋 立 量 の 15%程 度 と小 さ く な く、 適 切 な汚 泥 処 理 の 必 要 性 を示 して い る 。 以 上 よ り、 廃 棄 物 最 終 処 分 場 延 命 化 の た め に 、 ご み の 最 終 処 分 量 の 減 容 化 の 必 要 性 は高 い と い え る。 東 京 都 の 水 道 需 要 は 、 こ の 10年 間 は 日量 約 600万
m3程 度 で 推 移 して い
る が 、 核 家 族 化 の 進 行 や 多 摩 地 区 に お け る 都 市 化 の 進 展 な ど に 伴 い 、 平 成 12 年 に は 日量 670万
m3に 達 す る もの と予 測 され て い る 。 一 方 、 現 在 東 京 都 が
保 有 して い る水 源 量 は 日量 602万
m3で ぁ る が 、 こ の 中 に は水 源 施 設 が 完 成
して い な い もの も含 まれ て お り、 渇 水 時 に お い て は 十 分 な対 応 は 難 し い 状 況 に あ る 。 図 7.2に
1日 最 大 配 水 量 と既 得 水 源 量 お よび 施 設 能 力 (現 有 、 最 大 )
の 経 年 変 化 を示 す 。 水 道 需 要 量
(1日 最 大 配 水 量 )に 対 して 既 得 水 源 量 は 常 に
余 裕 の な い 状 況 が 続 い て お り、 新 規 水 源 開 発 が ま す ます 困 難 な状 況 で あ る こ と か ら、 雨 水 や 中水 を積 極 的 に 活 用 して 、 水 資 源 を有 効 利 用 す る必 要 性 が 高 ま っ て い る。
166
文献 38) 一
総埋立量
一
予想総埋立量
~最
終汚泥埋立量
T R 口 ■ 倒 螂
40
1980
1985
1995
1990
2000
[年 度]
図 7.
1廃 棄 物 最 終 処 分場 に お け る総埋立 量 及 び 最終 汚 泥 埋 立 量 (東 京 都
)
文献 39) 8 最大施設能力
7 -―中-●-■-■-■-●-■-J`
6 [ 員 モ R 肛 ]
5
4
602万 耐/d 利根川 。多摩川
zotgwfrn1fr. |
\_-errux!
3 696万 ぶ /d 現有施設能力
2 1
0 1985
1990
1995
2000
2005
2010
[年 度]
『事業概要」 平成7年 度版 東京都水道局による
図 7.2
1日
最 大 配 水 量 と既 得 水 源 量 お よび施 設 能 力 (現 有 、最 大 )の 経 年 変 化
167
一 方 、 電 力 に つ い て は 、 コ ン ピ ュ ー タ ー を 中 心 と した 高 度 情 報 化 社 会 の 進 展 で 、 主 に 業 務 施 設 にお け る 電 力 負 荷 お よ び 冷 房 負 荷 の 増 大 と 、 生 活 水 準 の 向 上 に よ る 家 庭 用 冷 房 需 要 量 な どの 増 大 に よ り、 夏 期 に お け る ピ ー ク電 力 需 要 量 は 経 年 的 に 拡 大 して お り、 夏 期 に お け る ピ ー ク電 力 需 要 量 削 減 の 必 要 性 が 年 々 高 ま っ て い る。 こ の よ う な 背 景 を踏 ま え て 、水 、 エ ネ ル ギ ー 、 廃 棄 物 、 下 水 な どの 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 を低 減 させ る 、 自 立 型 地 区 施 設
(リ
サ イ ク ル シ ス テ ム )導 入 の 必 要 性
は高 い 。 そ こ で リサ イ ク ル シ ス テ ム に 関 す る 従 来 研 究 を み て み る と 、 大 き く、 エ ネ ル ギ ー 系 、 水 系 、 廃 棄 物 系 の 3つ が あ る 。 エ ネ ル ギ ー 系 に つ い て は 、 第 1章 の 2 節 5項 の 従 来 研 究 の 事 例 に お い て 示 した よ う に 、 市 川 らが 「 首 都 圏 の 大 規 模 住 宅 団 地 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 の 可 能 性 に 関 す る研 究 」 文
献 10)に
お い て 、 実 在 す る 住 宅 団 地 を対 象 に シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を行 い 、 ガ ス
エ ン ジ ン・ デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン を 用 い た コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム は 20
%程 度 の 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 と 12~ 16%の エ ネ ル ギ ー 費 削 減 効 果 が 同 時 に 期 待 で き る と 結 論 づ け て い る よ う に 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 導 入 に よ る 省 エ ネ ル ギ ー 性 や 経 済 性 に 関 して は あ る 程 度 研 究 さ れ て お り、 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 は あ る 程 度 予 測 出 来 て い る と 考 え られ る 。 ま た 、 水 系 に つ い て は 、 内 田 ら に よ る 「 雑 用 水 施 設 の 設 置 条 件 に 伴 う地 域 内 外 で の 負 荷 量 の 変 化 と特 徴 :地 域 に お け る総 合 的 な 水 利 用 シ ス テ ム に 関 す る研 究 そ の 1文
献 40)」
の 研 究 が あ り、 雨 水 利 用 施 設 お よ び 排 水 再 利 用 施 設 導 入
に よ る 水 道 施 設 ・ 下 水 道 施 設 の 負 荷 軽 減 効 果 を 検 討 して い る が 、 容 積 率 が 25
0%と 低 い モ デ ル で あ り、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 都 市 環 境 計 画 立 案 の た め の デ ー タ と して 十 分 と は 言 え な い 。 そ こで 本 章 で は 、 従 来 、 具 体 的 な場 にお い て研 究 が 十 分 と は言 え な い水 系 、 廃 棄 物 系 の 2つ の 系 に つ い て 、 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 効 果 に つ い て 検 討 した 。 研 究 の 場 と して 、 都 心 居 住 が 期 待 さ れ る 東 京 都 心 R地 区 を モ デ ル に 廃 棄 物 排 出
168
量 と上 水 使 用 量 お よ び 下 水 放 流 量 を 削 減 す る 地 区 施 設 導 入 に よ る 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 の 軽 減 効 果 に つ い て ケ ー ス ス タデ を行 い 、 合 わ せ て 、 中 水 利 用 に よ る 非 常 時 自 立 の 可 能 性 に つ い て 検 討 した 。 具 体 的 に は 、 水 の リサ イ ク ル シ ス テ ム と して 雨 水 利 用 シ ス テ ム と 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 利 用 シ ス テ ム )を 導 入 し、 上 水 使 用 量 お よ び 下 水 放 流 量 の 削 減 効 果 と 中 水 を雑 用 水 と して使 用 した 時 の 非 常 時 自 立 の 可 能 性 に つ い て 検 討 し た 。 次 に 、 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム と して 、 可 燃 ご み ・ 厨 芥 の 焼 却 ま た は 固 形 燃 料 化
(RDF化
、 RDFは
R efuse D erived F uelの 略 )の シ ス テ ム と排 水 処 理
汚 泥 の コ ン ポ ス ト化 (汚 泥 の 肥 料 化 )ま た は RDF化
の シ ス テ ム を設 定 し、 こ
れ ら を組 み 合 わ せ た 4タ イ プ に つ い て 、 廃 棄 物 排 出 量 の 削 減 効 果 と 平 常 時 に お け る RDF発
電 に よ る 商 用 電 力 負 荷 の 平 準 化 効 果 に つ い て 検 討 した 。
以 上 よ り、 自 立 型 地 区 施 設 の 導 入 に よ り、 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 の 軽 減 効 果 は 、 廃 棄 物 排 出量 で 83%、 上 水 使 用 量 で 57%、 下水 放 流 量 で 54%と 大 きい こ と を明 らか に した。 ま た 、雑 排 水 を再 利 用 し た 中水 供給 に よ り、雑 用 水 の 7日 間 の 非 常 時 自立 の 可 能性 を明 らか に した 。
7.2 7.2.1 (1) 1)
自立 型 地 区施 設 導 入 の た め の 現 状 把 握 と 改 善 策 の 検 討 東 京 都 区 部 に お け る 廃 棄 物 処 理 の 現 状 把 握 と改 善 策 の 検 討 東 京 都 区 部 にお け る 廃 棄 物 処 理 の 現 状 把 握 東 京 都 区 部 にお け る ごみ 最 終 処 分 場 の 現 状 把 握
図 7.3に 、 ご み 最 終 処 分 場 に お け る埋 立 の 内 訳 を示 す 。 中 間 処 理 さ れ ず に 直 接 埋 立 られ る ご み 量 が 全 体 の 約 36%と 多 く を 占 め て お り、 ごみ 最 終 処 分 場 の 逼 迫 を助 長 す る 大 き な 要 因 と な っ て い る 。 そ の 内 、 不 燃 ご み は 、 都 清 掃 局 が 直 接 収 集 す る ご み の 約 43%が 、 不 燃 ごみ 全 体 で は 約 57%が 減 容 化 さ れ ず に 未 処 理 の ま ま埋 立 られ て い る 。 直 接 埋 立 さ れ る 業 者 の 持 ち 込 み ごみ の 中 に は 、 東 京 都 区 部 で発 生 す る 可燃 ご み全 体 の約 7%が 含 ま れ てお り大 きな問 題 で あ る 。 そ の 他 、 最 終 処 分 場 に搬 入 さ れ る ごみ の 中 で 、 大 き な 比 率 を 占 め る の が 覆 土 材
169
で あ り、 全 体 の 約 27%を
占め て い る。 覆 土 材 とは、 ごみ の飛散 、臭 気 拡散 、
害 虫 発 生 、 火 災 な ど の 防 止 を 目的 と して 、 焼 却 灰 を 除 く ご み の 埋 立 厚 さ 3mに 対 して 厚 さ 50cm被
覆 さ れ る土 壌 の こ とで あ る 。 覆 土 材 は最 終 処 分 量 の 多 さ
か ら、 ごみ 最 終 処 分 場 逼 迫 の 一 方 の 要 因 と な っ て い る 。 最 後 に 、 焼 却 灰 を み て み る と ご み 最 終 処 分 量 全 体 の 約 15%を
占 め て お り、 そ の 量 は ご み 最 終 処 分 場
の 延 命 化 を図 る上 で 無 視 で きな い 量 とい え る 。 以 上 を ま とめ る と、 ご み の 一 部 に つ い て は 減 容 化 が 進 ん で い る もの の 、 ご み 全 体 に つ い て み る と減 容 化 は 不 十 分 で あ り、 ご み 減 容 化 の 必 要 性 は極 め て 高 い 。
2)
東 京都 区部 にお け る汚 泥 処 理 の現 状 把 握
東 京 都 区 部 で 発 生 す る 汚 泥 は 、 稼 働 中 の 10処 理 場 の 内 7処 理 場 と 1箇 所 の 汚 泥 処 理 専 プ ラ ン トに お い て 脱 水 処 理 さ れ て お り、 そ の 内 6箇 所 に お い て 焼 却 処 理 さ れ て い る 。 脱 水 や 焼 却 な どの 汚 泥 処 理 施 設 を持 た な い 処 理 場 の 汚 泥 は 、 汚 泥 処 理 施 設 が 設 置 さ れ て い る 処 理 場 ま で 送 泥 して 処 理 して い る 。 汚 泥 処 理 に つ い て は 、 7in縮 → 脱 水 → 焼 却 の 順 に 行 わ れ 、 こ の 処 理 過 程 で 体 積 を 1/100ま
で 減 容 化 し て い る 。 平 成 6年 度 実 績 を み る と 、 発 生 汚 泥 量 は 脱
水 汚 泥 で 1日 約 3,000ト
ン に 達 し、 そ の 約 80%に
当 た る 約 2,400ト
ン
を焼 却 して い る 。 最 終 処 分 に つ い て は 、 焼 却 灰 と 残 り の 脱 水 汚 泥 に 特 殊 セ メ ン トを 加 え て 混 練 し、 固 化 を 行 っ た 後 で 埋 立 処 分 して い る 。 最 終 埋 立 処 分 量 は 年 間 26万 ト ン で あ っ た 。 ま た 、 汚 泥 の 資 源化 に つ い て は、 脱 水 汚 泥 の汚 泥 燃 料 化 や汚 泥 溶 融 ス ラ グ化 、 焼 去口灰 圧 縮 焼 成 プ ロ ッ ク 化 な どが 行 わ れ て い る 。 平 成 6年 度 の 実 績 で は 、 脱 水 汚 泥 受 入 量 ベ ー ス で 汚 泥 燃 料 化 は 年 間 25,000ト
ン、 汚 泥 溶 融 ス ラ グ化 は
年 間 約 32,700ト
ン 、 焼 去口灰 の 圧 縮 焼 成 プ ロ ッ ク 化 は 焼 去口灰 受 入 量 ベ ー ス
で 年 間 約 2,500ト
ンで て い る
以上数 字 は、文献 42.)
図 7.4に
汚 泥 最 終 処 分 の 内 訳 を示 す 。 焼 却 され な い 脱 水 汚 泥 は発 生 汚 泥 量
の 約 20%で
、 焼 却 され な い ま ま直 接 埋 立 られ る脱 水 汚 泥 は 、 最 終 処 分 量 の 7
割 弱 を 占 め て お り、 脱 水 汚 泥 の 全 量 処 理 が 求 め られ て い る 。 ま た 、 焼 却 灰 に つ
170
い て も 25%を 占 め て い て 、減 容化 の 対 策 が必 要 で あ る 。
① 局収集・不燃
文献 41)
都市廃栞物等 19% 産業廃棄物等 22% 局収集・ 粗大 05% 持込 o.3%
図 7:3ご み 最 終 処 分場 に お け る埋 立 の 内駅
文献 42)
図 7.4汚 泥 最 終 処 理 の 内訳
171
(2)廃 1)
棄 物 処理 の改 善 策 の検 討 ごみ 処理 の改 善 策 の検 討
ご み 最 終 処 分 場 を延 命 化 す る た め に は 、 各 種 ご み の 減 容 化 が 第 一 と 考 え ら れ る 。 以 下 に、 そ の 改 善 策 を 示 す 。 不 燃 ご み に つ い て は 中 間 処 理 を徹 底 す る こ と が 重 要 で あ る 。 可 燃 ご み は 、 焼 去口に よ り容 積 で 約 1/20に 、 重 量 で 約 1/10に 減 量 で き る こ と か ら、 可 燃 ご み に つ い て は 焼 却 を 徹 底 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 今 後 の ご み 問 題 を 解 決 す る 有 効 な 手 段 と して 、 焼 却 の 代 わ り に 可 燃 ご み を 固 形 燃 料 化
DF)し
(R
て 燃 料 と して 有 効 利 用 す る 方 法 が 考 え ら れ る 。
覆 土 材 を 減容 化 す る た め に は 、 ご み 量 全 体 を減 らす こ とが 第 一 に必 要 で あ る 。 ご み 減 容 化 の た め に は 焼 却 は 有 効 な 手 段 で あ る が 、 焼 却 に よ っ て も廃 棄 物 量 は ゼ ロ に は で き な い 。 焼 却 灰 を更 に 減 容 化 す る 方 法 の 1つ と して 灰 溶 融 シ ス テ ム が あ り、 容 積 を 1/2程 度 に 減 容 化 が 可 能 な だ け で な く覆 土 材 と して も利 用 で き る 利 点 が あ り、 焼 却 灰 の 灰 溶 融 処 理 は 考 慮 す べ き課 題 で あ る 。
2)
汚泥処 理 の改 善 策 の提 案
汚泥処 理 につ い ては、全量 を コ ンポス ト化 す るか 、又 は 固形燃料化
(RDF)
す る こ とが必要 と考 える 。焼却灰 につ い て は 、灰 溶融 を行 う こ とが 最 善 と考 え る。特 殊 混合 セ メ ン トにつ い て は 、脱水 汚泥が 約 10%の 割合 で混合 され て お り、脱水 汚泥や焼 却灰 の 最 終 処分量 を減 らす こ とで 軽 減 で きる。
2。
2
東 京 都 の 上 水 源 と上 水 需 要 量 の 現 状 に お け る 問 題 点 の 抽 出 と 改 善
策 の検討 ダ ム 候 補 地 の 用 地 確 保 が 難 し い こ とか ら水 源 の 増 強 が 余 り見 込 め な い 現 状 に お い て 、 上 水 需 要 量 の 増 大 に 対 して 東 京 都 で は 20,000m2以
上 の施 設 に
対 して 中 水 道 施 設 の 導 入 を行 政 指 導 して い る が 、 施 設 の 導 入 は 十 分 に進 ん で い な い 。 ま た 、 家 庭 用 に つ い て は 不 断 の 活 動 と して 節 水 意 識 を高 め る 広 報 活 動 を 展 開 して い る が 、 渇 水 時 に お い て は 送 水 圧 力 調 整 に よ る 給 水 制 限 が 具 体 的 な 節
172
水 対 策 と な っ て い る 。 これ ら の 施 策 は そ れ な りに 成 果 を上 げ て は い る が 、 夏 期 の渇 水 期 にお け る水 不 足 は慢 性 的 な都 市 問 題 とな っ て い て 、 年 々深 刻 化 す る 水 不 足 の 問 題 に対 し て 十 分 な 解 決 策 と は い え ず 、 地 区 レ ベ ル に お け る 水 の リサ イ ク ル 利 用 な どの 施 策 の 徹 底 が 必 要 と 考 え られ る 。
7.
3
7.
3
高 度 都 市 機 能 集積 地 区 にお け る 地 区 施 設 導 入 状 況 の 現 状 調 査 。1
(1)調
調査概要 査 対 象 地 区の 選 定
調 査 対 象 地 区 の 選 定 条 件 は 、 地 域 冷 暖 房 導 入 地 区 で あ り都 市 機 能 が 集 積 し た 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 で あ る こ と、 建 物 用 途 が 様 々 で あ る こ と 、 再 開 発 事 業 地 域 に 指 定 され て い る こ と、 内 陸 部 や 臨 海 部 に 位 置 し地 区 エ リ ア が 大 き い・ 小 さ い な ど 出 来 る だ け 地 区 の 特 性 が 多 様 で あ る こ と と した 。
(2)調 査 項 目 の 抽 出 表 7.1に 調 査 項 目 を 示 す 。 調 査 項 目は 、 地 区 名 称 、 地 区 面 積 ・ 延 べ 床 面 積 ・ 用 途 構 成 な ど の 地 区概 要 、 廃 棄 物 処 理 の 概 要 、 地 区 全 体 水 使 用 量 。中水 使 用 量 。中水 利 用 用 途 な どの 中水 利 用 の 概 要 、 下 水 処 理 の 有 無 、 供 給 熱 量 ・ 供 給 電 力 量 な どの エ ネ ル ギ ー 供 給 の 概 要 な どの 導 入 シ ス テ ム に 関 す る もの で あ る 。
(3)調
査結果
調 査 結 果 と して 、 図 7.5に 調 査 対 象 地 区 と 地 区概 要 を 、 表 7。
2に 調 査
した 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お け る 地 区 施 設 の 導 入 状 況 を 示 す 。 調 査 対 象 地 区 は 、 東 京 都 区 内 の 5カ 所 、 横 浜 市 の 1カ 所 、 千 葉 市 の 1カ 所 の 合 計 7カ 所 で あ る 。 地 区 面 積 は 、 最 も小 さ い 用 賀 駅 周 辺 地 区 が 約 2.lhaで 張 新 都 心 地 区 が 約 522haで
、 最 も 大 きい 幕
あ る 。 用 途 構 成 につ い て は 、 業 務 施 設 が 過 半 数
を 占 め る地 区 は 、 比 率 の 大 き い 順 に城 山 ヒ ル ズ 、 用 賀 駅 周 辺 地 区 、 天 王 州 ア イ ル 、 み な とみ ら い 21、 サ ン シ ャ イ ン シ テ イ ー の 5地 区 で あ り、 業 務 施 設 集 積 型 の 高 度都 市 機 能 集積 地 区 が 多 い こが 分 か る。 一 方 で は、 恵 比 寿 ガ ー デ ン プ レ イ ス の よ う に 、 住 宅 施 設 が 約 24%を 占 め 、 業 務 ・ 住 宅 ・ 商 業 ・ 宿 泊 の 各 施 設
173
が バ ラ ンス よ く計 画 さ れ た 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 も出 現 して い る 。 地 区施 設 の 導 入 状 況 で は 、 調 査 した 廃 棄 物 系 (地 区 内 ごみ 処 理 、 ご み の 分 別 収 集 )、 水 系 (中 水利 用 、雨 水 利 用 、 排水 汚 泥処 理 )、 エ ネ ル ギ ー 系 (熱 供 給 、 平 常 時 電 力 供 給 、 非 常 時 電 力 供 給 )の 地 区 施 設 の 中 で 、 全 く導 入 さ れ て な い 地 区 施 設 は 、 排 水 汚 泥 処 理 の 1施 設 で 、 サ ン シ ャ イ ン シ テ ィ ー に コ ン ポ ス トシ ス テ ム の 実 験 施 設 と して 一 部 導 入 さ れ て い る以 外 に導 入 され て い な い 地 区 施設 は 、 地 区 内 ゴ ミ処 理 の 1施 設 で あ る 。 恵 比 寿 ガ ー デ ン プ レ イ ス と幕 張 新 都 心 の 一 部 施 設 に 導 入 さ れ て い る 地 区 施 設 が 、 平 常 時 の ビ ル コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム と して の 電 力 供 給 施 設 で あ り、 み な とみ ら い 21に お い て も現 在 計 画 中 で あ る 。 城 山 ヒ ル ズ 、 用 賀 駅 周 辺 地 区 の 2地 区 に の み 導 入 さ れ て い る 地 区 施 設 は 、 雨 水 利 用 施 設 の 1施 設 で あ る 。 ご み の 分 別 収 集 施 設 、 熱 供 給 施 設 、 非 常 時 電 力 供 給 施 設 は 全 て の 地 区 に 導 入 され て お り、 中水 利 用 施 設 は 天 王 州 ア イ ル 地 区 を 除 く全 て の 地 区 に 導 入 さ れ て い る 。
表 7.1 建物概要
働 14b簡 ■
rm2
31E廣 面 ■
rm2ヽ
調査項 目
田 ヽ 全 E僣
廃棄物処理の概要
遭 ■ し フ 手`m2 ′、
藤 妻 物 地 区 内処 理 の 有 無
中水利用の概要
橿 喜
全 体 未 伸 用曇 (m3ノ d) 中 ★ 伸 田■ イm3′ d) 仝伏 ★ 僣 田 詈 去ι +ム 由 ★ 僣 田 ■ め 占 ハ ム 鷹 火
`「
舎 =∥
IJL理 方 式
中 ★ 禾∥田 日 ヽ 会
雨 7klJL理 計画 下★ lJL理 右 無
エネルギー供給の概要
熱 供 給 対 負地 区 の 用徐 構 成 と その 延 床面 積
(m2)
供給熱量
熟 量 (Gca:ノ 年 ) 奎■L r^^ぅ 年、
ガス消費量
年間消費量 (Nm3/年 )
DHCの 機器効率
ポイラー
:′
■ +織
田 暑
rNm3ノ ロ `
奎 清 壼
電 気供 給 対 象 地 区 の 用 途構 成 とその 延 床面積
供給電気量
=業
(m2) 熱量 (Gcaν 年 ) 玲執 イ ∩cn:′ 生 ヽ
内容
174
●
"●
ガーデンプレイス
延床口● :470,126耐
サンシャインティ
その他 (潟
薔床■■ :58剛
※3 用口駅周 辺嗜
"5nt
延床百薔 :襲102耐
麟 喘 n ∝ 離 露 ※: みなとみらい21 延床面積 :5,3∞ ,72耐
※2
幕 彊輌 椰心
甍 床薔 ■ :1,712.3∞ 市 住層 0%
そ の 他 0%
壌山 ヒルズ 延床 EE:1"0釦
∥
その他
0
7%
天二 洲周辺地 区 睡床口■ :457,000H その他
“ 盤 醜
図 7.5 表 フ.2
建物名称 廃棄物系
水系
地区内 ごみ処理
調査対象地区 と地区概要
高度都市機能集積地区における地区施設 の導入状況 サ ンヽ ンヤ ィ ン 60 ・ △ (実 験中)
恵比寿 ガーデ ン プ レイス
みなと み らい 21
幕張 メ ッセ
城山 ヒル ズ
×
×
X
×
×
×
天王州 用賀駅 周辺地区 周辺地区
ごみの分別
○
○
○
○
○
○
〇
中水利用
○
○
○
○
〇
×
〇
雨水利用
×
×
×
×
○
×
○
汚泥処理
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
〇
○
○
×
一部
×
×
×
○
〇
○
○
○
エ ネル ギ ー系 熱供給 電気供 給
×
非常用発 電
○
△ (一 部)
○
175
△
7.3.2
地 区 施 設 の 導 入 状 況 か らみ た 問 題 点
調 査 の 結 果 、 下 水 汚 泥 処 理 施 設 は 全 く導 入 さ れ て い ず 、 サ ン シ ャ イ ン シ テ ィ 地 区 に お い て 実 験 中 で あ る コ ン ポ ス トシ ス テ ム を 除 き 、 ご み の 地 区 内 処 理 は 殆 ど 導 入 さ れ て い な い 。 平 常 時 の 地 区 内 電 力 供 給 施 設 (ビ ル コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム )は 2地 区 に お い て 導 入 さ れ て は い る が 、 一 部 に と ど ま っ て い る 。 雨 水 利 用 施 設 も 1地 区 に の み 導 入 さ れ て い る に 過 ぎ な い 。 一 方 、 ご み の 分 別 収 集 施 設 と熱 供 給 施 設 お よ び 非 常 用 発 電 機 に よ る 非 常 時 電 力 供 給 は 全 て の 地 区 に 導 入 さ れ て お り、 中 水 利 用 施 設 は 1つ の 地 区 を 除 く 6地 区 全 て に 導 入 さ れ て い る。 以 上 、 地 区側 に お い て 施 設 建 設 費 や 供 給 処 理 費 用 負 担 の 小 さ い経 済 的 に利 点 の あ る地 区施 設 や 法 的 規 制 が 厳 しい 地 区 施 設 の導 入 は進 ん で い る が 、 地 区 側 に お い て 施 設 建 設 費 や 供 給 処 理 費 用 負 担 が 大 き く、 経 済 的 利 点 の 少 な い 地 区 施 設 の 導 入 は 殆 ど進 ま ず 、 相 変 わ らず 公 共 側 の 供 給 処 理 に 依 存 して い る こ と が 分 か っ た 。 こ の こ と は 、 快 適 性 ・ 利 便 性 ・ 防 災 安 全 性 の 観 点 か ら、 長 期 的 にみ て 開 発 の 進 展 が 予 想 さ れ る既 成 市 街 地 再 開 発 や 臨 海 部 工 場 跡 地 ・ 埋 立 地 再 開 発 な ど に 対 して 、 公 共 側 の 供 給 処 理 施 設 へ の 負 担 増 が 依 然 と して 続 く こ と を 暗 示 して い る。
176
7.4
自立 型 地 区 施 設 の 提 案
7.4.1 (1)
廃 棄物減容 化 の提案 ごみ 減 容 化 の提 案
ご み 減 容 化 の 提 案 を 表 7。
3に 示 す 。 ご み 総 埋 立 量 を 減 容 化 す る た め に は 、
第 1の 対 策 と し て 、 直 接 埋 立 ご み の 減 容 化 が 必 要 で あ る 。 直 接 埋 立 ご み の 減 容 化 に つ い て は 、 不 燃 ご み の 直 接 埋 立 を上 め て 缶 類 ・ ビ ン 類 の 資 源 ご み を 分 別 し て 回 収 す る こ と で 減 容 化 す る (中 間 処 理 )。 ま た 、 可 燃 ご み の 直 接 埋 立 を 上 め て 焼 却 す る か RDF化
す る 。 第 2の 対 策 と して 、 中 間 処 理 後 の 焼 却 灰 は 灰 溶 融
に よ り減 容 化 す る 。 第 3の 対 策 と し て 、 覆 土 は 、 埋 立 ご み を焼 却 して 減 容 化 す る こ と に よ り減 容 化 す る 。
(2)汚
泥減 容化 の提 案
汚 泥 減 容 化 の 提 案 を 、 表 7.3の
ごみ 減 容 化 の 提 案 に示 す 。 脱 水 汚 泥 の 直 接
埋 立 に つ い て は 、 汚 泥 の コ ン ポ ス ト化 に よ る 肥 料 と し て の 利 用 、 ま た は RDF 化 に よ る 固 形 燃 料 と して の 利 用 の い ず れ か の 方 法 に よ り減 容 化 す る 。 汚 泥 中 間 処 理 後 の 焼 却 灰 埋 立 に つ い て は 、 灰 溶 融 シ ス テ ム に よ リ ガ ラ ス 化 し減 容 化 を 図 る 。 混 合 特 殊 セ メ ン トで の 埋 立 に つ い て は 汚 泥 を軽 減 して 減 容 化 す る 。 以 上 の 、 ご み 減 容 化 を提 案 す る 。
表 7.3
ごみ減容化 の提案
現状 の処理
廃 棄 物 系
ごみ最終 処分場
汚泥最終 処分場
提
案
①不燃ごみの直接埋立 ②可燃ごみの直接埋立
→ 中間処理 システム
③可燃ごみの焼却灰 ④覆土材
→灰溶融 システム
●汚泥直接埋立
→ コンポス ト化 システム or RDF化 システム
→焼却 システム or RDF化 システム →埋立ごみ を焼却
→灰溶融 システム 0汚 泥の焼却灰 0汚 泥処理 の混合特殊セメン ト →流失汚泥 を軽減
一般 電力既 設変動 の平均 化
→ RDF化 発電 システ ム
177
7.4.2
上 水 道負 荷 低 減 の 提 案
都 市 の 産 業 活 動 や 生 活 に お い て 上 水 道 負 荷 を減 ら す た め 、 上 水 負 荷 の 中 で 必 ず し も上 水 の 必 要 が な い 、 便 所 洗 浄 水 、 散 水 、 洗 車 、 掃 除 、 空 調 用 冷 却 水 な ど の 雑 用 水 を対 象 に 、 地 区 内 に お い て 雨 水 利 用 シ ス テ ム と排 水 利 用 シ ス テ ム (中 水 )を 積 極 的 に 導 入 す る こ と を 提 案 す る (表 7.4)。 表 7.4
水系
7.4.3 (1)
上水道負荷低減化 の提案 案
現状 の処理
提
上水使用量多 い
→雨水利用 システム
下水放流量多 い
→排水利用 システム (中 水 )
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 にお け る 自立 型 地 区 施 設 導 入 の 提 案 重 点 的 に 導 入 す べ き 自立 型 地 区 施 設 の 提 案
以 上 の 分 析 を 踏 まえ、 今 後 新 た に 建 設 さ れ る高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に対 して 、 以 下 に 示 す 地 区 施 設 の 導 入 が 必 要 と考 え る 。 ・雨水利用 シ ス テム ・ 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 ) 。可 燃 ご み の 地 区 内焼 却 シ ス テ ム ・灰 溶融シス テム ・ 可 燃 ごみ の 固 形 燃 料 化
(RDF化 )シ ス テ ム
・ 粗 大 ごみ 破 砕 処 理 シ ス テ ム ・ 脱 水 汚 泥 の コ ン ポ ス ト化 シ ス テ ム ・ 脱 水 汚泥 の 固形燃料 化
(RDF化 )シ ス テ ム
・ 中 間処理 シ ス テ ム ・ RDF発 電 シ ス テ ム
178
表 7.5に 重 点 的 に 導 入 す べ き地 区 施 設 か ら 構 成 さ れ る 4つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を提 案 す る 。 表 フ. 5 導入すべ きリサイクルシステム (4シ ステム)の 提案 システム Ⅱ
シス テ ム I 可燃 ごみ
焼却 システム
棄 物 系
可燃 ごみ
系
シ ステ ム 皿 可燃 ごみ
汚泥
システムⅣ 可燃 ごみ
汚泥
○
○
○
○
RDF化 システム
○
○
灰溶融 システム
○
○
○
○
破砕 処理回収 システム
○
○
○
○
中間処理 システム
○
○
○
○
○
○
○
RDF発 電 システ ム 水
汚泥
○
○
コンポス ト化 システム 廃
汚泥
雨水利用 システム
○
○
○
○
排水再利用 システ ム (中 水)
○
○
○
〇
(2)高
度 都 市 機 能 集 積 地 区 に導 入 す べ き 自立 型 地 区 施 設 (リ サ イ ク ル シ ス テ ム )の 提 案
図 7.6~ 図 7.9に 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に 導 入 す べ き リサ イ ク ル シ ス テ ム の シ ス テ ム 構 成 を示 す 。 ①
リサ イ ク ル シ ス テ ム I
・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム は 、 排 水 処 理 後 に発 生 す る 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 し、 可 燃 ご み 。厨 芥 を地 区 内 で 焼 却 す る シ ス テ ム 。 ・ 水 供 給 処 理 シ ス テ ム は 、 雨 水 を雨 水 処 理 プ ラ ン トで 処 理 し、 雑 排 水 を 中 水 処 理 して 中水 と して 利 用 す る シ ス テ ム ・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム の 具 体 的 内 容 は 、排 水 処 理 か ら 出 る 汚 泥 を コ ン ポ ス ト 処理 して 肥 料 と して利 用す る 。粗 大 ごみ は 、 破 粋 処 理 した 後 で 、 資源 ご み (鉄 、 ア ル ミ な ど)、 可 燃 ごみ 、 そ の 他 ごみ (圧 縮 して 埋 立 処 分 )に 分 別 して 処 理 す る。 ・ 可 燃 ごみ と厨 芥 お よび 粗 大 ご み を分 別 処 理 した 後 で 発 生 す る可 燃 ご み を 焼 去口し、 焼 却 灰 を灰 溶 融 処 理 す る シ ス テ ム で あ る 。
179
・ 一 般 資 源 ご み (金 属 類 、 ガ ラ ス 類 、 紙 類 )は 分 別 収 集 して 、 地 区 外 で 再 資 源 化 して 利 用 す る 。 ②
リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅱ
・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム は 、 排 水 処 理 後 に発 生 す る汚 泥 を固 形 燃 料 化
(RDF
化 )し 、 可 燃 ご み ・ 厨 芥 を 地 区 内 で 焼 却 す る シ ス テ ム 。 ・ 水 供 給 処 理 シ ス テ ム は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じ シ ス テ ム と す る 。 ・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム の 具 体 的 内 容 は 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム Iの 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 す る 部 分 を RDF化
し、 RDF発
電 を導 入 した シ ス テ ム で 他 の 部 分 は
リ サ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じシ ス テ ム と す る 。 ・ 基 本 的 に は 、 こ の RDFを
使 用 して RDF発
電 を 行 っ て リサ イ ク ル シ ス テ
ム Ⅱ の プ ラ ン ト電 力 を賄 い 、 排 熱 を 利 用 して 脱 水 汚 泥 を RDF化
するシステム
で あ る (不 足 分 は 補 助 燃 料 で バ ッ ク ア ッ プ す る )。 ③
リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ
・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム は 、 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 し、 可 燃 ご み 。厨 芥 を RDF化
す るシス テム で あ る。
・ 水 供 給 処 理 シ ス テ ム は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じ シ ス テ ム と す る 。 ・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム の 具 体 的 内 容 は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Iの 可 燃 ご み ・ 厨 芥 を 地 区 内 焼 却 す る 部 分 を RDF化
し、 RDF発
電 を 導 入 した シ ス テ ム で あ
る。 ・ 基 本 的 に は 、 この RDFを
使 用 して RDF発
電 を行 い 、 一 般 電 力 を 供 給 す
る こ とで 商 用 電 力 負 荷 の 平 準 化 を行 う が 、 一 部 の 電 力 で リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ の プ ラ ン ト電 力 を賄 い 、 排 熱 を利 用 して 可 燃 ご み ・ 厨 芥 を RDF化 ム で あ る (不 足 分 は 補 助 燃 料 で バ ッ ク ア ッ プ す る )。
す るシス テ
これ 以外 の廃 棄 物 処 理 シ
ス テ ム は リサ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じ シ ス テ ム と す る 。 ④
リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ
・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム は 、 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 お よ び 可 燃 ご み 。厨 芥 を RDF化
す る シ ス テ ム で あ る。
180
・ ・ 水 供 給 処 理 シ ス テ ム は 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じ シ ス テ ム と す る 。 ・ 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム の 具 体 的 内 容 は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Iの 可 燃 ご み 。 厨 芥 を焼 却 す る 部 分 と 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 す る 部 分 を RDF化
し 、 RDF発
電
を導 入 した シ ス テ ム で 、 他 の 部 分 は リ サ イ ク ル シ ス テ ム Iと 同 じ シ ス テ ム と す る。 ・ RDFは
、 一 般 ご み の 可 燃 ご み と厨 芥 お よ び 粗 大 ご み の 内 、 彼 粋 処 理 後 に
分 別 収 集 され た 可 燃 ごみ さ ら に は 排 水 処 理 後 に発 生 す る 汚 泥 を 用 い る 。
・ 基 本 的 には、 この RDFを 使用 して RDF発 電 を行 い 、 一 般 電力 を供給 す る こ とで 商用電 力負荷 の 平準 化 を行 うが 、一 部 の電 力 で リサ イク ルシス テ ム Ⅲ の プ ラ ン ト電力 を賄 い 、排 熱 を利 用 して 可燃 ごみ・ 厨芥 お よび汚 泥 を RDF化 す る シス テ ムで あ る (不 足 分 は補 助燃 料 で バ ックア ップ す る)。 これ以外 の 廃 棄物 処 理 システ ム は リサ イクル シス テ ム Iと 同 じシ ス テ ム とす る 。
181
地区 内プラ ン ト
雨水利用プラン ト
Fil.*frh | "'rr'r
l- l+,r
排水再利用プラン ト
コンポス ト 利用
破砕選別回収 システム 可 燃 ご み
灰溶融 システム
不 燃 ご み
スラグ
資源化
図 ア.6リ サ イ クル システ ム Iの 構 成
182
地区内プラント 雨水
日可冽に 利用 プラン ト
¬
中水利用
中水不足 か
由豪
厠 К』U
下水
(排 水〕 J ´-
二
上水
│
` 曇・ ・L==::日 ザ ニ ′ L
―
l
L嘔 ノィ
=4
排水)
耐泥貯留槽 1 戸引Ш望二重菫
―
寵
ゴ ミ固形燃料化 システム
│
ユ
補助 燃料
・
… 41- ……
引 熱風炉
l
RDF発 電
F
R
猟
.:
電力
灰
`欧 ′ ___:
顧 科 ↑ ■ ワ
鉄粒 颯絆
粗大 ごみ 厨芥
可燃 ごみ
L =狩
叫
―
:
テ』 F筋 配
可 燃 ご み
│
グ ス ト 鯰
蜻
仕
塾
漁
^膚
」
不 燃 ご み
不適物
7 口 “
憫一J
脚 隅
▼
」
鉄 プロック
7~l~
ν ハ グ ノ イ′
稚 壽
スラグ
飛灰
稚 壽
資源 ごみ
資源化
図 7.フ
リサ イ ク ル システ ム Ⅱの 構 成
183
地区内プラント 雨水利用 プラ ン ト
雨水
_■ 1中
水利用
中水不足分 鳳 不 宗剰
下水
i
"
フトラ ト′ ヽ
■ 1
│
受水槽
上水
1排 水再利用プラ ン ト 卜
│
(排 水 )
コンポス ト 利用
汚泥処理装置
entr s=
厨芥
可燃 ごみ
\Elltt
ミ 回 ル
ピ
隔 =コ _│ ~1 -型 =曇堕 可 「
補助 燃料
_賃賛_1灰 嘉蘇 嘉 ぉ
電力
│
鉄粒
ご
,
ワ
駄 壽
□占澁 「
l瞑
貯
Jロ ロ
=Л
灰溶融システ ム
回収 システム 不 燃 ご み
スラグ 欧
プロック
(消 百灰 :
排ガス
秘 壽
ウ
破砕 不適物
′ヽ7ノ
′レ 7
飛灰
稚 壽
資源 ごみ
資源化
図 7
8リ サ イ クル システ ム Ⅲの 構 成
184
地区内プラント 雨水
」
水 不分~匝
嗣 不 不り用 ノ フ ノ 「
1中 水利用
│
テ
1中
中未
色 水
原水 余剰 ガ │
上水
下水
:
フ Tξ ′ ヽ ]フ ト F
排水再利 用プラン ト
L
厨芥
1 卜■
DF貯 蓄
可燃 ごみ 補助 燃料
島 熙 HIV
1 ¬
_竹 贅_l灰 │~~葛 膨こ高 は )
可
鉄粒
ご ち ,
駄 参
電力
│
,
瞑 野 EЛ
1 灰溶ロ
回収 システム 不 燃 ご み
ニ
▼ ユ
眠砕 不適物
スラグ 欧
プロック
(消 百灰
排ガス
バグフ
′レ 7
不燃 ごみ
飛灰
稚 壽
資源 ごみ
資源化
図 7.9リ サ イ クル シ ス テ ム Ⅳの構 成
185
7。
5
東 京 都 心 R地 区 に お け る リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の ケ ー ス ス タ デ イ
7.5。 1
(1)
ケ ー ス ス タ デ ィ地 区 の 選 定
地 区 の選定 条 件 の設 定
将 来 の 東 京 都 区部 に お け る 市 街 地 再 開 発 の 先 進 モ デ ル 事 例 と す べ く、 以 下 の 条 件 を設 定 した 。 ① 東 京 都 23区 内 の 業 務 。商 業 。住 宅 の 混 在 した 地 区 で あ る 。 ② 都 心 居 住 を実 現 す べ く、 全 体 容 積 に 占 め る 住 宅 用 途 の 割 合 が 50%以 上 で あ る こ と。 ③ 周 辺 に 緑 地 や 公 園 が 十 分 に あ り、 対 象 地 区 内 に も十 分 な 緑 地 。空 地 を計 画 で き る こ と 。 そ れ に よ り、 緑 の ネ ッ トヮ ー ク や 災 害 時 に お け る 防 災 拠 点 地 区 と な り得 る 条 件 を備 え て い る こ と 。
(2)
ケ ー ス ス タ デ ィ地 区 の 選 定
(1)の 条 件 を 満 足 す る 地 区 と して 、 東 京 都 心 R地 区 を、 ケ ー ス ス タデ ィ地 区 に選 定 した 。 そ の 理 由 を 以 下 に 示 す 。 ・ 条件① につ いて 港 区 六 本 木 に 位 置 し、 業 務 ・ 商 業 ・ 住 宅 が 混 在 した 地 区 で あ る 。 ・ 条 件② につ いて 住 宅 用 途 の 割 合 が 、 計 画 容 積 率 500%と
仮 定 して 60~ 70%程 度 見 込 め
る。 ・ 条 件③ につ い て 周 辺 に は 、 神 宮 外 苑 、 赤 坂 離 宮 、 明 治 神 宮 、 青 山 墓 地 な どの 緑 地 が 多 く存 在 し、 十分 な緑 の ネ ッ トヮ ー クが 形 成 で き る 。 ま た 、 計 画 地 区内 に H公 園 を有 し、 十 分 な緑 地 ・ 空 地 の 配 置 が 可 能 で あ り、 災 害 時 に お い て 周 辺 住 宅 に対 して 防 災 拠 点 に十 分 成 り得 る 条 件 を 有 して い る 。
(3) 1)
ケ ー ス ス タデ ィ地 区 (東 京 都 心 R地 区 )の 概 要 ケ ー ス ス タデ ィ地 区 の 位 置
図 7.10に
ケ ー ス ス タ デ ィ地 区 の 位 置 を示 す 。
186
2)
ケ ー ス ス タデ イ地 区 の 計 画 概 要
表 7.6に ケ ー ス ス タ デ イ 地 区 の 計 画 概 要 を示 す 。 地 区 面 積 は 約 7ha、
計 画 容 積 率 は 約 500%、
aで 、 う ち 住 宅 用 途 が 約 22ha(全
容 積 対 象 床 面 積 は 約 35h
体 の 約 65%)を
住 複 合 用 途 地 区 で あ る 。 業 務 用 途 は 約 5ha(全
体 の 約 14%)、
体 の 約 8.1%)で
の 約 6.1%)、
教 育 用 途 が 約 0.5ha(全
体 の 約 1.4%)を
W7. 1 o ,-77t74 t0Eo&E ケ ーススタデ イ地区 の計画概 要
敷地面積
69,200耐
基準容積率 緩和容積 率
340% 160%
計画容 積率
500% 345,953ri
容積対象床面積 用途内訳
商業用途 は
あ り、 そ の 他 に 医 療 用 途 が 約 2ha(全
約 2.8ha(全
表 7.6
占 め る典 型 的 な都 心 居
住宅 業務 商業 宿泊 医療 教育
187
224,869r 48,433耐 27,676耐 20,757耐
19,027r 5,189r
占め て い る。
体
7. 5.2
リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 の ケ ー ス ス タ デ ィ
(1) 与 条 件 の 設 定 1)各 種 原 単 位 の 設 定 ①
水 使 用 量 原単 位
表 7.7に 建 物 用 途 別 水 使 用 量 原 単 位 を示 す 。 ②
降水 量 原 単 位
降 水 量 は 、 理 科 年 表 よ り 1961年
~ 1990年
の 平 均 値 に比 較 的 近 い 19
90年 の デ ー タ を 使 用 した 。 年 間 降 水 量 は 、 1,405.3mm/年
と した 。
③ 廃棄物 発 生量 原単位 廃 棄物 発 生量 原 単位 は 5章 4節 1項 の デ ー タを 使 用 した (表 5.11、
表 5.
12)。 ④ 電 力負 荷 早 稲 田大 学 尾 島 俊 雄 研 究 室 の 原 単 位 を使 用 した
表 7.
文献 20)。
7 建物用途別水使用量原単位 (単 位 :″ /m2.日 )
3 住宅施設・ 1 業務施設・ 2 商業施 設・ 2 医療施設・ 3 宿泊施設・ 2 教育施設・ 3 文化施設 會
便所洗浄水
2.61
空調用水
1.76
3.35
8.59
2.44
6.36
8.3
0.59
0.54
1.36
0.45
0.09
4.34
雑用水等
1.16
0.39
0.4
1.24
0.81
0.46
中水小計
3.77
2.74
4.29
11.19
3.7
6.91
13.14
上水小計
10.8
2.29
7
16.01
10.54
4.69
9.46
合
計
14.57
5.03
11.38
27.2
14.24
11.6
22.6
原
水
11.96
3.27
8.03
18.61
11.8
5.24
13.8
尾島研究室資料 空調用水 は・ 1ま たは '3を 、雑用水は差 し引き分 を ・ 4に よって比例配分 した。 東京都下水道局資料 (平 成 5年 ) 住宅都市整備公団「住宅団地における中水道方式の開発推進 ―その 1-」 業務施設 と同 じ比率 と仮 定 し、合計値 を比例 配分 した。
188
2)
導入 シ ス テ ムの検 討 条件
①水系 ・ 雨 水 処 理 シ ス テ ム・ 排 水 処 理 シ ス テ ム に必 要 な 電 力 量 は 、 三 機 工 業 (株 ) の デ ー タ を使 用 した 。 ・ コ ン ポ ス ト処 理 に必 要 な 電 力量 は 、新 明 和 工 業 (株 )の デ ー タを使 用 した 。 ② 廃棄物系 ・ 破 砕 選別 回 収 シス テ ム は 、 東京 都 清掃 局 の デ ー タ
文献 43)を
用 い て破 砕
不 適 物 量 、 分 別 鉄 粒 量 、 粗 大 ごみ 量 を算 出 した 。 ・ 脱水 汚泥処 理 量 は 、 東 京 都 下水 道 の デ ー タ
文献 44)を
用 い て脱 水 汚 泥 量
と生 成 コ ンポ ス ト量 及 び 生 成 RDF量 を算 出 した 。 ・ ごみ 焼 却 シ ス テ ム 、 可 燃 ごみ 固 形 燃 料 化 シ ス テ ム
(RDF)、
灰溶融 シ ス
テ ム に必 要 な電 力 量 は 、 荏 原 製 作 所 (株 )の デ ー タ を使 用 した 。 ・ 破 砕 処 理 機 に 必 要 な 電 力 量 は 、 新 明 和 工 業 (株 )の デ ー タ を使 用 した 。 ・ 破 砕 選 別 機 に必 要 な 電 力 量 は 、 三 菱 製 鋼 所 (株 )の デ ー タ を使 用 した 。
3)
地 区内負 荷 の算 定 結 果
① 水 需 要量 表 7.8に 水 需 要 量 の 算 定 結 果 を示 す 。 ② 廃棄物発生量 表 7.9に 廃 棄 物 発 生 量 の 算 定 結 果 を示 す 。 ③ 電力需要量 表 7.10に
月 別 の 一 般 電 力 負 荷 の 算 定 結 果 を示 す 。
一 般 電 力 負 荷 とは 、 建 物 の 総 電 力 負 荷 の うち 熱 源 機 器 が 使 用 す る 以 外 の 電 力 負 荷 の こ とで 、 照 明 ・ コ ン セ ン ト負 荷 や 動 力 負 荷 を い う
189
文献 45)。
表 7.8
便所洗浄水
空調用 水
水需要量 の算定結果 (m3/年 )
雑用水等
中水小計
上水小計
合計
中水 の原水
住 宅
601,903
0
267,512
1,612,822
1,747,224
3,360,046
2,758,143.4
業 務
83,864
28,114
18,584
130,561
109,119
239,680
155,815.5
商 業
96,651
15,580
11,540
123,771
201,957
325,728
231,673.5
医 療
166,809
26,410
24,080
217,299
310,898
528,197
361,387.6
宿 泊
0
0
0
0
0
0
0.0
教 育
123,505
1,748
8,933
101,756
123,505
225,260
101,755.6
化
0
0
0
0
0
0
0.0
'こ
表 7.
9
廃棄物発生量 の算定結果
可 燃 ごみ
(ト ンノ日)
紙
7.6
厨芥
4.0
プラスチ ック 不 燃 ごみ
1.7
資源 ごみ
瓶
07
脱水汚泥量
缶
0.5
粗大 ごみ
0.5 16.1
計
表 7.10
月別 の一般電力負荷 (MWhノ 月) 一般電力負荷
1月
2,415
( 77.9 )
2月
2,398
( 82.7 )
3月
2,381 ( 76.8 )
4月
2,280
( 76.0 )
5月
2,328
( 75.1
6月 8月
2,328 ( 77.6 ) 2,471 ( 79.7 ) 2,s86 ( 83.4 )
9月
2,532
( 84.4 )
10月
2,461
( 79.4 )
11月
2,367
( 78.9 )
12月
2,483 ( 80.1 )
7月
但 し
)
)内 は、1日 当 りの電力負荷 (MWhノ 日)
190
(2)
ケ ース ス タデ イに お け る設 定 条 件
1) ①
平 常 時 に お け る設 定 条 件
水 系 シス テ ム の 設 定 条 件
平 常 時 に お け る 水 系 シ ス テ ム の 設 定 条 件 を表 7. て は 、 従 来 型 シ ス テ ム 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム A、
1 1に 示 す 。 シ ス テ ム と し
リ サ イ ク ル シ ス テ ム Bの 3つ
を設 定 す る 。 ・ 従 来 型 シ ス テ ム は 、 全 て の 用 途 に 上 水 を供 給 す る 。 ・ リサ イ ク ル シ ス テ ム Aは 、 厨 房 、 飲 用 、 入 浴 、 洗 顔 、 洗 濯 の 用 途 に の み 上 水 を供 給 し、便 所 洗 浄 、掃 除 、 洗 車 、 散 水 、 空 調 冷 却 水 の 用 途 に は 雨 水 処 理 水 と排 水 処 理 水 (中 水 )を 供 給 す る もの で 、 上 水 使 用 量 の 削 減 を 図 っ た シ ス テ ム で あ る。 ・ リサ イ ク ル シ ス テ ム Bは 厨 房 、 飲 用 、 入 浴 、 洗 顔 の 用 途 お よび 医 療 ・ 教 育 施 設 の み の 洗 濯 用 途 にの み 上 水 を供 給 し、 住 宅 。業 務 。商 業 ・ 宿 泊 の 洗 濯 用 途 お よ び 便 所 洗 浄 。掃 除 。洗 車 ・ 散 水 ・ 空 調 冷 却 水 の 用 途 に は 雨 水 処 理 水 と排 水 処 理 水 (中 水 )を 供 給 す る も の で 、 上 水 使 用 量 と下 水 放 流 量 の 削 減 を徹 底 的 に 図 つ た シ ス テム で あ る。 各 用 途 にお け る 中水 の 原 水 (非 常 時 兼 用 )を 表 7◆
12に 示 す 。 中水 の 原 水
は 建 物 用 途 で 少 し異 な るが 、 基 本 的 に は 、 洗 車 。散 水 、 便 所 洗 浄 の 各 用 水 を 除 く飲 料 ・ 炊 事 、 洗 顔 。手 洗 い 、 入 浴 、 洗 濯 、 冷 却 塔 補 給 水 、 掃 除 の 各 用 水 と す る 。 な お 、 雨 水 貯 留 水 槽 容 量 は 2,000m3、 用 )は 4,000m3に
設 定 した 。
191
中 水 貯 留 水 槽 容 量 (非 常 時 兼
表 7.11 システム
平常時における水系 システムの設定条件
使 用 用途
雨水利用水、中水 (排 水再利用水)
上水
従来型
全 ての用途
リサ イ クル システム A
厨房 、飲用、入浴、洗顔、 洗濯
便所洗浄、掃除、洗車、 散水、空調冷却水
リサイ クル システム B
厨房 、飲用、入浴、洗顔、 洗濯 (医 療、教育施設)
洗濯 (住 宅 、業務、商業、宿泊施設)、 便所洗浄、掃除、洗車、散水、空調冷却水
表 7.
12各 用途 における中水の原水
飲用・ 炊事
洗顔・ 手洗 い
入浴
洗顔
住宅
○
〇
〇
〇
業務
○
〇
一
商業
○
〇
宿泊
○
〇
医療 教育
②
冷却塔 補給来
掃除
一
一 〇
〇
一 〇
一 〇
〇
〇
〇
〇
○
〇
〇
〇
〇
〇
○
〇
〇
〇
〇
〇
洗車・ 散水
便所洗 浄
○
廃 棄 物 処理 系 シ ス テ ム の設 定 条件
平 常 時 に お け る 廃 棄 物 処 理 系 シ ス テ ム と して は 、 従 来 型 シ ス テ ム と リサ イ ク ル シ ス テ ム と して リサ イ ク ル シ ス テ ム I、
リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅱ 、 リサ イ ク ル
シ ス テ ム Ⅲ 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ の 合 計 5シ ス テ ム を 設 定 す る 。 従 来 型 シ ス テ ム は 、 資 源 ごみ を分 別 回 収 し、 可 燃 ご み を 清 掃 工 場 で 焼 却 し、 不 燃 ご み 。粗 大 ご み ・ 脱 水 汚 泥 を埋 立 処 理 す る シ ス テ ム で あ る 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム に つ い て は 、 4節 3項
2)非 ①
(2)に お い て 既 に 説 明 して い る の で こ こ で は 割 愛 す る 。
常 時 にお け る設 定 条 件
水 系 シ ス テ ムの 設 定 条件
非 常 時 に お け る 中水 使 用 用 途 は 平 常 時 と 同 様 と し、 中水 の 原 水 に つ い て は 平 常 時 の 水 需 要 量 か ら上 水 分 を 除 い た 値 と す る 。
192
(3) 1) ①
a)
ケ ー ス ス タデ イの 結 果 平 常 時 に お け る ケ ー ス ス タ デ イ結 果
水 系 シス テ ム 上水 使 用 量 の削 減 効 果
図 7.11に
雨 水 利 用 シ ス テ ム お よ び 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 )導 入 に よ
る 上 水 使 用 量 の 削 減 効 果 を示 す 。 従 来 型 シ ス テ ム の 上 水 使 用 量 が 約 162万
m
3/年 で あ る の に対 して 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Aは 、 便 所 洗 浄 ・ 掃 除 ・ 洗 車 ・ 散 水 ・ 空 調 冷 却 水 の 各 用 水 を雨 水 ・ 排 水 利 用 に よ る 中水 を供 給 す る こ と に よ り 年 間 35。 4%上 水 使 用 量 を削 減 で き る 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム Bは 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Aに 加 え て 住 宅 ・ 業 務 。商 業 ・ 宿 泊 の 洗 濯 用 水 と して 雨 水 ・ 排 水 再 利 用 に よ る 中水 を 供給 を す る こ とで 、 上水 使 用量 の 節水 効 果 は さ らに 向 上 して 、 年 間 56.7%上 水 使 用 量 を削 減 で き る 。
※
グラフ内 の数値 は全体水使用量 に占める上水使用率 を示す
180 160
140 [ 斗 \ ■ R ]
120 100
80
60 40 20 0
図 7.
11
雨水 ・ 排 水 再 利 用 システ ム導 入 に よ る上 水 使 用 量 の 削減 効果
193
b)
下水 放 流 量 の 削 減 効 果
図 7。
12に 雨 水 利 用 シ ス テ ム お よ び 排 水 再 利 用 シ ス テ ム 導 入 に よ る 下 水 放
流 量 の 削 減 効 果 を示 す 。 下 水 放 流 量 の 削 減 率 は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Bで 年 間
53.8%、
リサ イ ク ル シ ス テ ム Aで 年 間 32.0%で あ っ た 。
※
グラフ内の数値 は従来システムに対する下水放流量の割合を示す
180 ■ 下水放流量
160 140
68.0%
46.2%
120 ∥ 道
R
…
100 80 60 40 20 0 従来 システム
図 7.12雨
A
B
水・ 排 水 再 利 用 システ ム 導 入 に よ る下 水 放 流量 の 削減 効 果
194
②
廃 棄物系 シ ス テ ム
a)廃
棄 物 排 出 量 の 削 減 効 果 図 7.
13に 廃 棄 物 系 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導
入 に よ る ごみ 排 出 量 削 減 効 果 を示 す 。 従 来 型 シ ス テ ム が 年 間 約 10.8千 ト ン 廃 棄 物 を排 出 す る の に対 し て 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 す る こ とで 廃 棄 物 排 出量 を大 幅 に 削 減 で き る 。 削 減 率 は 大 き い順 に、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ が 83.
3%、 リサ イク ル シ ス テ ム Ⅱが 82.2%、 リサ イ ク ル シス テ ム Ⅲ が 70.7%、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Iが 69,7%で あ る 。 算 定 に 当 た り、 コ ン ポ ス トは汚 泥 の 資 源 化 利 用 と して は 有 効 で あ る が 、 本 章 で 扱 う地 区 は 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 で あ る た め 、 そ の 利 用 は 地 区 外 で 行 う も の と して 、 コ ン ポ ス トは ごみ の 排 出 量 と して 算 定 した 。 不 燃 ご み に つ い て は 、 中 間処 理 に よ つて 減 容 の み行 う ため 、 シス テ ム 導 入 に よ る重 量 変 化 は な い 。 ま た 、 従 来 シ ス テ ム に 比 べ て 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 時 に不 燃 ご み が 増 加 して い る の は 、 粗 大 ごみ の 破 砕 選 別 に よ り不 燃 ごみ が 選 別 さ れ て 増 加 し た た め で あ る 。
12
圏 脱水汚泥 ■ 不燃ごみ 国 可燃ごみ 皿 粗大ごみ 国 資源ごみ ※
数値 は廃棄 物流出量 の従来比 を示す
30.3%
17.82`
コンポスト
飛灰
従来 システム システム I 図 7・
29.3%
16.7%
コンボス ト
システム Ⅱ システムⅢ システムⅣ
13廃 棄 物 系 リサ イ クル シ ス テ ム 導 入 に よる ごみ排 出量 の 削 減 効果
195
b) RDF発
電 に よ る商 用 電 力 負 荷 平 準 化 の検 討
平 常 時 にお い て 、 夏 期 に お け る 商 用 電 力 需 要 量 を抑 制 し、 電 力 系 統 負 荷 の 軽 減 お よ び 季 節 に よ る 平 準 化 を図 る た め に 、 RDF発 電 に よ る 地 区 内 商 用 電 力 負 荷 の 平 準 化 を検 討 した 。 こ こ で は 、 地 区 内 商 用 電 力 負 荷 と して 、 一 般 電 力 負 荷 を対 象 と した 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム I~ Ⅳ の う ち RDFを 扱 う シ ス テ ム は 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅱ 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ お よ び リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ で あ る が 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅱ は 生 成 さ れ る RDF量 が 少 な い た め 検 討 対 象 か ら除 外 し、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ お よび リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ を 検 討 対 象 に 選 定 した 。 商 用 電 力 負 荷 の 季 節 に よ る 平 準 化 と は 、 図 7。
14に 示 す よ う に 一 日 の 電 力 需 要 量 の
内 、 一 定 値 以 上 の 電 力 需 要 量 を RDF発 電 で 賄 う もの と 定 義 す る 。 図 7.15 に リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ に お け る 月 別 の 残 留 RDF量 お よ び 一 般 電 力 平 準 化 に 使 用 した 累 積 RDF量 を 、 図 7.
16に リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ に お け る 月 別 の
残 留 RDF量 お よ び 一 般 電 力 平 準 化 に 使 用 した 累 積 RDF量
を示 す 。 シ ス テ ム
は 1月 か ら新 規 に 稼 働 す る もの と して 、 運 転 開 始 時 に RDFを
60日 分 購 入 す
る も の と した 。 図 7.17に
シ ス テ ム Ⅲに お け る 一 般 電 力 の季 節 に よ る 平準 化 結 果 を、 図 7.
18に シ ス テ ム Ⅳ に お け る 一 般 電 力 の 季 節 に よ る 平 準 化 結 果 を示 す 。 シ ス テ ム Ⅲ に つ い て は 、 一 般 電 力 需 要 量 の 最 低 値 で あ る 5月 の 商 用 電 力 負 荷 を基 準 に 、 こ れ を越 え る 分 を全 て RDF発 電 電 力 で 賄 う こ と は RDF量 が 少 な く困難 で あ る た め 、 3月 の 一 般 電 力 需 要 量 を基 準 に 、 こ の 電 力 量 需 要 量 を越 え る 分 を 出 来 るだ け RDF発 電 電力 で賄 う よ う に 設定 した 。 シス テ ム Ⅳ につ い て は 、 同様 に 、 一 般 電 力 需 要 量 の 最 低 値 で あ る 5月 の 商 用 電 力 負 荷 を基 準 に 、 そ の 電 力 量 需 要 量 を越 え る 分 を全 て RDF発 電 電 力 で 賄 う もの で 、 こ れ を越 え る 分 を 各 月 に配 分 す る よ う に 設 定 した 。
RDF発 電 で 賄 え る 年 間 電 力 は 、 シ ス テ ム Ⅳ で 一 般 電 力 需 要 量 全 体 の 5。 7 %、
シ ス テ ム Ⅲ で 一 般 電 力 需 要 量 全 体 の 3.7%で あ り、 シ ス テ ム Ⅳ の 効 果 が
196
大 きい 。
7 く ぉ 〓 陣 ]
5
, “
ヮ0 “
4 時
図 7.
6 時
8 時
・0 時
・2 時
・4 時
・6 時
・8 時
20 時
22 時
14リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ の 9月 代 表 日にお け る 一般 電 力平 準 化 の状 況
197
24 時
16 14 12 10 雷 肛
8 6 月別残留RDF量
4
一般 電 力平準化 に 使用 した蓄積 RDF
2
01 月
2 月
3 月
4 月
5 月
6 月
7 月
8
月
9
月
・。 ・ 月 月
・2 月
リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ にお け る 月別 の RDF使 用 状況
図 7.15
お よび残 留 RDF量
16
14 12 10
1E8 6
月別残留RDF量
4
一般 電力平準化 に 使用 した蓄積 RDF量
2 0
角 月 月 措 月 1月 月 鳥T場
1ザ
図 7.16リ サ イ クル システ ム Ⅳ にお け る 月別 の RDF使 用 状 況 お よび 残 留 RDF量
198
90 80 70 60 雪 く 〓 3 〓 ]
50 ω 30 20 10 0
負 1月 浩 月 1月 月 l lHO Llザ 図 7. 1 フリサ イ ク ル シ ステ ム Ⅲ に お け る一般 電 力 の 平 準化 結 果
90
80 70
60 [ つ ヽ 〓 3 Σ ]
50
40 30 20
理
RDF発 電電力
団]商 用電力
10 0 1 月
図 7.18リ
, 〓 月
3 月
4 月
5 月
6 月
7 月
8 月
9 月
0 ・ 月 月
・2 月
サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ に お け る一 般 電 力 の 平 準 化 結 果
199
2)非 ①
常 時 に お け る ケ ー ス ス タデ ィ結 果
水 系 シス テム
図 7.19に
非 常 時 の 中 水 確 保 可 能 日数 を 示 す 。
非 常 時 の 中水 確 保 期 間 は 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム B(中 水 貯 留 槽 有 )が 、 6.
7日 と最 も長 く、 リサ イ ク ル シ ス テ ム A(中 水 貯 留 槽 有 )が 5.7日 と次 い で 長 い 。 中 水 槽 が 無 い ケ ー ス で は リサ イ ク ル シ ス テ ム Al.5日 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム Bは 2.6日 と共 に 短 く、 全 体 で は 、 中水 確 保 期 間 は 6.7日 ~ 1.5日 で あ っ た。
■ 中水確保期間
6。 5。
[ 口
7日
7日
轟
4
2.6日 1.5日
車
■
O A(中
水貯留無)
A(中 水貯留有 ) B(中
水貯留無)B(中
図 7.19非 常時 にお ける 中水 確保 日数
200
水貯留有 )
7.6
結論
本 章 で は 、 東 京 都 心 R地 区 を モ デ ル に 、 廃 棄 物 最 終 処 分 場 の 埋 立 量 の 限 界 と 水 源 等 の 不 足 の 問 題 を解 決 す る た め に 、 廃 棄 物 の 地 区 外 へ の 排 出 量 と上 水 使 用 量 お よび 下 水 放 流 量 を削 減 す る 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 、 都 市 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 効 果 につ い て ケ ー ス ス タデ イ を行 い 、 あ わ せ て ラ イ フ ラ イ ンが 停 上 した 非 常 時 に お い て 必 要 性 が 特 に 高 く、 か つ 不 足 感 が 大 き い 雑 用 水 に つ い て 中 水 利 用 に よ る 非 常 時 自 立 の 可 能 性 に つ い て 検 討 した 。 以 下 に 、 結 論 を示 す 。
(1)
導 入 す べ き地 区 施 設 と し て 、 以 下 に 示 す 水 系 と 廃 棄 物 系 か ら構 成 さ れ
る 4つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を 提 案 し た 。 ・ リサ イ ク ル シ ス テ ム I:水 系 に 雨 水 利 用 ・ 排 水 再 利 用 シ ス テ ム を 導 入 し 、 排 水 処 理 後 に発 生 す る 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 し、 可 燃 ご み ・ 厨 芥 を 地 区 内 で 焼 却 す るシス テム ・ リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅱ :水 系 に 雨 水 利 用 ・ 排 水 利 用 シ ス テ ム を 導 入 し、 排 水 処 理 後 に発 生 す る 汚 泥 を 固 形 燃 料 化 で 焼 却 す る シ ス テ ム 。 RDF発
(RDF)し
、 可 燃 ご み 。厨 芥 を 地 区 内
電 を 行 い 地 区 内 プ ラ ン ト電 力 を賄 う シ ス テ ム 。
・ リ サ イ ク ル シ ス テ ム タ イ プ Ⅲ :水 系 に雨 水 利 用 。排 水 利 用 シ ス テ ム を 導 入 し、 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 を コ ン ポ ス ト化 し、 可 燃 ご み ・ 厨 芥 を RDF化 す る シ ス テ ム 。 RDF発
電 を行 い 一 般 電 力 負 荷 の 平 準 化 と 地 区 内 プ ラ ン ト電 力
を賄 う シ ス テ ム 。 ・ リサ イ ク ル シ ス テ ム タ イ プ Ⅳ :水 系 に 雨 水 利 用 ・ 排 水 利 用 シ ス テ ム を 導 入 し、 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 と 可 燃 ご み 。厨 芥 を を RDF化
RDF発
す るシステム。
電 を行 い リサ イ ク ル シ ス テ ム タ イ プ Ⅲ と 同 様 に 一 般 電 力 負 荷 の 平 準 化
と地 区 内 プ ラ ン ト電 力 を 賄 う シ ス テ ム 。
(2)
平 常 時 に お け る 都 市 イ ン フ ラ負 荷 の 軽 減 効 果 は 、 水 系 シ ス テ ム で は 厨
房 、 飲 用 、 入浴 、 洗 顔 お よ び 医療 ・ 教 育 施 設 の 洗 濯 用 途 に 上 水 を供 給 し、住 宅 ・ 業 務 。商 業 ・ 宿 泊 施 設 の 洗 濯 お よ び 便 所 洗 浄 、 掃 除 、 洗 車 、 散 水 、 空 調 冷 却 水 用 途 に は 雨 水 利 用 。排 水 再 利 用 に よ る 中 水 を 供 給 す る 、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム B
201
の 効 果 が 最 も大 き く、 上 水 使 用 量 で 約 57%、
下 水 放 流 量 で 約 54%削
減で き
る。 廃 棄 物 系 シ ス テ ム で は 、 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 と 可 燃 ご み を 全 て RDF 化 す る リサ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ が 約 83%と く、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅲ が 約 82%と
最 も廃 棄 物 排 出 量 の 削 減 効 果 が 大 き
次 い で 大 きい 。
つ ま り、 水 系 、 廃 棄 物 系 共 に リ サ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 軽 減 効 果 は 非 常 に大 き い こ と が 分 か っ た 。
(3)
平 常 時 に お け る 、 RDF発
RDF発
生 量 が 最 も多 い リ サ イ ク ル シ ス テ ム Ⅳ を 導 入 す る こ と に よ り、 一 般 電
力 の 年 間 需 要 量 全 体 の 5.7%を
(4)
電 に よる商 用 電 力 負 荷 の 平 準 化 効 果 で は 、
RDF発
電 に よ り賄 え る こ と が 分 か っ た 。
非 常 時 に お け る 水 系 に つ い て の 自 立 化 の 可 能 性 で は 、 中 水 貯 留 槽 を 4,
000m3有
す る リサ イ ク ル シ ス テ ム Bで は 6.7日 分 中水 を 確 保 で き る 。
以 上 よ り、 水 ・ 廃 棄 物 系 自 立 型 地 区 施 設 の 導 入 に よ り都 市 イ ン フ ラ負 荷 の 大 幅 な 削 減 と、 中 水 利 用 に よ る 雑 用 水 の 非 常 時 自 立 の 可 能 性 を 明 らか に し た 。
202
第 8章
東京臨海 T地 区 における 自立型 地区施設導入 による 環境負荷抑市1効 果 の ケースス タデ イ
第 8章
東 京 臨 海 T地 区 に お け る 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ
8.1
概要
近年 、 次 々 と 誕 生 して い る高 度 都 市 機 能 集積 地 区 は、 周 辺 地 区 に 比 べ て 資 源 ・ エ ネ ル ギ ー の 大 量 消 費 の 結 果 、 環 境 に 対 して 多 大 な負 荷 を 与 え て い る 。 本 章 で は 、 東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に 、 自立 型 地 区 施 設 と して リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 す る こ とで 、 高 密 度 化 して も環 境 負 荷 量 を現 状 の 範 囲 内 に 抑 制 で き る 可 能 性 を検 討 した 。 先 ず 、 東 京 臨 海 T地 区 を ケ ー ス ス タデ ィ対 象 地 区 に選 定 し、 東 京 都 に よ る 現 状 の 開 発 計 画 概 要 (各 街 区 の 容 積 率 と用 途 別 床 面 積 )文
献 46)に
基 づ き、 リ
サ イ ク ル シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 を検 討 した 。 こ こ で は 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排 出 量 お よ び 年 間 SOx排 出 量 を環 境 負 荷 と して 、 環 境 負 荷 量 が 最 も小 さ い シス テ ム を最 適 導 入 形 態 と した 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム と して 、 環 境 に対 して 多 大 な負 荷 を 与 え て い る と考 え られ る 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム 、 水 供 給 処 理 シ ス テ ム 、 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム を 取 り上 げ 、 リサ イ ク ル を全 く行 わ な い 既存 型 シ ス テ ム と リサ イ ク ル を 導 入 した 数 タイ プ の 代 替 案 を設 定 して、 ケ ー ス ス タデ イ地 区 に 既 存 型 シ ス テ ム と こ れ ら数 タ イ プ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 した 場 合 の 環 境 負 荷 量 を 算 定 して 、 廃 棄 物 系 、 水 系 、 エ ネ ル ギ ー 系 の そ れ ぞ れ に つ い て 最 適 導 入 形 態 を 検 討 した 。 次 に 、 現 行 容 積 率 360%を
基 準 と し て 容 積 率 を増 加 す る 方 法 を 提 案 した 上
で 、 こ れ ら 3つ の 系 の 最 適 導 入 形 態 を組 み 合 わ せ た リサ イ ク ル シ ス テ ム を 2方 式 設 定 して 、 環 境 負 荷 の 指 標 と した 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排 出 量 、 年 間 SOx排 出 量 、 ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 、 日別 廃 棄 物 負 荷 、 日別 水 負 荷 の 6項 目 に つ い て 、 環 境 負 荷 量 と増 加 容 積 率 の 関 係 を 検 討 した 。 結論 と して、 年 間 一 次 エ ネ ルギ ー投 入量 の 観 点 か ら容積 率 の 増 加 は現 状 の 40%増 が 限界 であ る こ とを明 らか に した。
203
8.2
自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 の 考 え 方
従 来 の 都 市 イ ン フ ラ に全 て 依 存 し た 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 容 積 率 が 増 加 す る に伴 い 地 区 内 に お け る エ ネ ル ギ ー ・ 水 の 需 要 量 と廃 棄 物 ・ 下 水 。 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 量 が 増 加 し、 そ の 結 果 、 都 市 イ ン フ ラ ヘ の 負 荷 量 と 環 境 ヘ の 負 荷 量 が 増 大 して い た 。 本 章 で は 、 自立 型 地 区 施 と して リ サ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 の 考 え 方 を提 案 し て (図 8.1)、
容 積 率 が 増 加 して も環 境 負 荷 量 と 都 市 イ ン
フ ラ負 荷 量 を 現 行 計 画 容 積 率 の 範 囲 以 内 に 抑 制 で き る 可 能 性 を検 討 し た 。 こ こ で は 、 環 境 負 荷 の 抑 制 効 果 を 検 討 す る 環 境 負 荷 の 指 標 と して 、 直 接 的 に 環 境 負 荷 へ 影 響 を 与 え る 要 素 と して 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx 排 出 量 、 年 間 SOx排
出 量 の 3項 目 を 、 直 接 的 に は 都 市 イ ン フ ラ の 施 設 容 量 増
強 に 影 響 を与 え 、 そ の 結 果 と して 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 が 増 え る な ど に よ り環 境 負 荷 へ 影 響 を 与 え る 要 素 と して 、 ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 、 日別 廃 棄 物 負 荷 、 日別 水 負 荷 の 3項 目 、 合 計 6項 目 を 設 定 し て い る 。 そ して 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に リ サ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 す る こ と に よ り、 容 積 率 が 増 加 し て も以 下 の
2条 件 を 満 足 す る こ と を基 本 的 な 考 え 方 と し て い る 。 ① (現 行 容積 率 にお け る環 境 負荷 量 )≧
(容 積 率 増 加 後 にお け る環 境 負荷 量 )
② (現 行 容 積 率 に お け る 都 市 イ ン フ ラ負 荷 量 ) ≧ (容 積 率 増 加 後 にお け る 都 市 イ ン フ ラ負 荷 量 ) 表 8。
1に 、 環 境 負 荷 の 指 標 と環 境 負 荷 量 の 算 定 対 象 を示 す 。
な お 、 環 境 負 荷 量 を算 定 す る に 当 た って は 、 ケ ー ス ス タデ イ地 区 内 の み を 算 定 対 象 と す る の で な く、 ケ ー ス ス タデ イ地 区 ヘ エ ネ ル ギ ー ・ 水 な ど を供 給 す る た め に 、 あ る い は 、 ケ ー ス ス タデ イ地 区 か ら下 水 ・ 廃 棄 物 な ど を排 出 す る た め に 必 要 と な る各 種 都 市 イ ン フ ラ が 地 区 外 で 消 費 す る エ ネ ル ギ ー お よ び そ の 結 果 排 出 され る 大 気 汚 染 物 質 な ど を算 定 対 象 に 含 め る こ とで 、 ケ ー ス ス タ デ イ地 区 に 係 わ る 供 給 処 理 に 関 す る 全 て の 環 境 負 荷 を扱 っ て い る 。
204
NOx SOx
♂
ヽ
固Ⅲ □ ■ \ 會ノ エ ネル ギ ー
現行容積率
容積 率緩和 図 8.1
表 8.1
環境負荷抑制 の考 え方
環境負荷 の指標 と環境負荷量 の算定対象 環境負荷量の算定対象
環境負荷の指標 環境 負荷量
一次 エネルギー 消費量
地区内 一般 需要
廃 棄物処理
年間電力消 費量 年間 ガス消 費量
年間電力消費量 (真 空集塵 ) 年間燃料消費量 (車 両、焼却場)
NOx SOx 排 出量
都市インフラ 負荷量
上水供給
年間電力消費量 (浄 水場、給水場 )
中水供給
年間電力消費量 (浄 水場、給水場 )
下水処理
・ ・ 年間電 力消 費量 (処 理 場 、ホ ンフ 場)
発電
発電 に伴 う排出量 (火 力発電所)
ガス燃焼
・イ ラ) 燃焼に伴 う排出量 (CCS、 ホ
燃料燃焼
燃焼に伴 う排出量 (車 両 )
ごみ焼却
燃焼に伴 う排出量 (焼 却場)
エネルギー系
ピー ク需要量 (電 力 、 ガス)
廃棄物系
日排出量 (可 燃、不燃、資源ごみ)
水系
日需要量 (上 水、中水 ) 日排出量 (下 水)
205
8.3
ケ ー ス ス タ デ イ対 象 地 区 の 概 要
8.3.1
ケ ー ス ス タ デ イ対 象 地 区 選 定 の 理 由
以 下 の 理 由 か ら 、 ケ ー ス ス タ デ イ対 象 地 区 と して 東 京 臨 海 T地 区 を 選 定 し た 。
①
東 京 臨 海 部 に位 置 し、 都 心 居 住 モ デ ル 地 区 と して 考 え た 時 、 都 心 部 お よ
び 臨 海 副 都 心 に 近 接 した 好 位 置 に あ る 。 ②
東 京 都 の 基 本 計 画 で は 、 住 宅 機 能 が 約 4割 を 占 め て お り、 従 来 の 再 開 発
地 区 の 中 で は 際 だ つ て 住 宅 の 比 率 が 高 く、 好 立 地 と 相 ま っ て 、 今 後 の 都 心 居 住 モ デ ル 地 区 と して 期 待 で き る 。 ③
大 規 模 再 開 発 地 区 で あ り、 環 境 と 都 市 イ ン フ ラ ヘ 与 え る 負 荷 が 大 き く 、
リサ イ ク ル シ ス テ ム の 必 要 性 が 高 い 。 ④
地権 者 が環 境 へ の 問 題 意識 が 高 い エ ネ ル ギ ー 関 連 の 大 企 業 を中心 と し た
数 社 と 自治 体 で あ り、 将 来 、 こ の 地 区 の 再 開 発 に お い て 、 本 章 で の 研 究 成 果 の 活 用 が期 待 で きる。
8.3.2
東 京 臨 海 T地 区 の 計 画 概 要
東 京 臨 海 T地 区 の 位 置 を 図 8.2に
2に 示 す 。 表 8.2の
、 東 京 都 に よ る 開 発 計 画 の 概 要 を 表 8.
内 容 は 平 成 2年 6月 の 東 京 都 案 で あ り、 そ の 後 の 計 画 見
直 し部 分 は 割 愛 し て い る 。 地 区 面 積 が 約 110haで
3万 7千 人 程 度 、 居 住 人 口 が 2万 9千 人 程 度 で あ る
図 8」
2
、計 画 人 口 は就 業 人 口 が 文献 46)。
東 京 臨 海 T地 区 の 位 置
206
8.3.3
東 京 都 の現 行 計 画 案 にお け る街 区 別 建 物 用 途 構 成
現 行 の 用 途 別 床 面 積 を 図 8.3に
示 す 。 東 京 臨 海 T地 区 の 現 行 で の 計 画 容 積
率 は 約 360%で
あ り、 床 面 積 の 構 成 を み る と 事 務 所 が 101haで
全 体 の 44.5%を
占 め 、 住 宅 が 88haと
次 い で 多 く全 体 の 38.8%を
て い る。 表 8,2
文献 46)
東京都 による開発計画概要
(1)計 画人口
・ 就業人 口 :3万 7千 人程度 ・ 居住人口 :2万 9千 人程度
(2)土 地利用 ・ 地区面積 ・ 公共施設面積 広域幹線道路 0区 画道路 公園・ 緑地・ リク リエー ション水路等 ・ 宅地面積 公益 系 教育施設等 文化・ 交 流 0リ ク リエー ション 住宅、業務 、商 業 商業・ 業務 系 複合系 住宅系
約 110 ha
(100%5)
47 ha
(43%)
約
21 ha 約 26 ha 約 約
63 ha (57%)
約
16 ha
約
8 ha 8 ha
約 約 約
(15%)
47 ha ( 42%) 17 ha
約
7 ha
約
23 ha
(3)開 発期間 平成 3年 か ら順 次計画 を進 め る。
文献 46)
ha 120 100 80 60
40
2。
業務
R&D
商業
文化
ホテル
教育
建物用途 図 8.
3
現 行用途 別 床面 積
207
最 も多 く
住宅
占め
8。
4
リサ イ ク ル シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 の 検 討
8.4.1
環 境 負 荷 指標 の 考 え方
本 節 で は 、 2節 の 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 の 考 え 方 に お い て 設 定 した環 境 負 荷 指 標 6項 目 の 中 か ら、 直 接 的 に 環 境 負 荷 へ 影 響 を 与 え る 要 素 で あ る 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排 出 量 お よ び 年 間 SOx排 出 量 の 3項 目 を選 定 して 、 そ れ ぞ れ の 指 標 に つ い て 環 境 負 荷 量 を算 定 す る こ と と した 。
8.4.2
検討方法
高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 抱 え る 問 題 点 は 、 多 量 の エ ネ ル ギ ー・ 水 の 消 費 と 多 くの 大 気 汚 染 物 質 ・ 廃 棄 物 。下 水 の 排 出 で あ り、 如 何 に 環 境 へ の 負 荷 を抑 制 す る か が 大 きな課 題 と な っ て い る 。 リサ イ ク ル シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 は 、 前 項 の 環 境 負 荷 指 標 の 考 え 方 に お い て 選 定 した した 3項 目の 環 境 負 荷 指 標 を対 象 に 、 現 行 容 積 率 の 環 境 負 荷 量 の 範 囲 内 で 最 小 とな る リサ イ ク ル シ ス テ ム と考 え る こ と に した 。 そ こ で 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 の 検 討 は 、 次 の 手 順 に よ り行 つ た。 ①
廃 棄物処理 シ ス テ ム、水 供 給 処 理 シス テ ム、 エ ネ ル ギ ー供給 シ ス テ ム の
そ れ ぞ れ に つ い て 、 東 京 都 計 画 案 で あ る 既 存 型 シ ス テ ム を基 準 に 、 導 入 の 可 能 性 が あ る と考 え られ る 数 種 類 の リサ イ ク ル シ ス テ ム を設 定 す る 。 ②
各 系 毎 に 、 設 定 した リサ イ ク ル シ ス テ ム を地 区 内 に 導 入 した 場 合 の 環 境
負 荷 量 で あ る 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排
出 量 、 年 間 SOx排
出 量 を 算 定 す る 。 こ の 時 の 制 約 条 件 と して は 、 現 行 の 再 開 発 計 画 に お い て 既 存 の シ ス テ ム を導 入 した 際 に発 生 す る 「 環 境 負 荷 量 」 を 、 シ ス テ ム 比 較 に お け る 上 限 値 とす る 。 ③
各 系 毎 に 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排
出 量 、 年 間 SOx
排 出 量 が 最 小 と な る リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 す べ き最 適 導 入 形 態 と して 選 定
208
す る。
8.4。 3
(1) 1)
最 適 導 入 形 態 の検 討
廃 棄 物 処 理 シ ス テ ムの最 適導 入 形 態 の検 討 ケ ー ス ス タデ ィ 地 区 に お け る 廃 棄 物 負 荷 量 の 算 定
廃 棄 物 発 生 原 単 位 お よ び 紙 、 缶 、 瓶 の リサ イ ク ル 率 の 原 単 位 は 、 東 京 都 清 掃 局 の原単 位
文献 21)を
使 用 して 、 ケ ー ス ス タ デ ィ 地 区 か ら発 生 す る 各 種 廃 棄
物 量 を 算 定 した 。 表 8.3に ケ ー ス ス タ デ ィ地 区 に お け る 廃 棄 物 日発 生 量 を 示 す 。 地 区全 体 の 廃 棄 物 日発 生 量 を 多 い 順 に み る と 、 紙 ご み が 59ト ン /日 で 最 も多 く、 厨 芥 が 29ト ン /日 で次 い で 多 く、以 下 、 プ ラス チ ック 類 が 8ト ン/日 、 瓶 が 5ト ン/日 、 粗 大 ご み が 5ト ン /日 、 缶 が 4ト ン /日 の 順 と な り、 そ の 他 ゴ ミが 11ト ン /日 で あ り、 地 区全 体 で は 121ト ン /日 とな る 。 こ の うち 可 燃 ご み で あ る 紙 ご み 、 厨 芥 、 プ ラ ス チ ッ ク類 の 日量 合 計 は 96ト ン/日
(廃 棄 物 全
体 の 約 79%を 占 め る )と な る 。 一 方 、 不 燃 ご み は 合 計 で 25ト ン /日
(廃 棄
物 全 体 の 約 21%を 占 め る )と な る 。 図 8.4に 廃 棄 物 種 別 に よ る 年 間 廃 棄 物 発 生 量 を示 す 。 年 間 の 廃 棄 物 発 生 量 は合 計 で 43,800ト
ン /年 で あ り、 内 訳 をみ る と 、 紙 ご み が 最 も多 く約 21,
500ト ン /年 (全 体 の 約 49,2%)、 年 (全 体 の 約 24.2%)と
厨 芥 が 次 い で 多 く約 10,600ト
な って い る。
ま た 、 資 源 回 収 ご み を み る と、 紙 ご み が 11,700ト 約 54.4%)、
ン/
ン /年 (紙 ご み 全 体 の
瓶 が 1,400ト ン /年 、 缶 が 1,100ト ン /年 と な っ て い る 。
一 方 、 紙 の リサ イ ク ル を行 う こ とで 、 紙 ご み 、 プ ラ ス チ ッ ク 類 、 厨 芥 を 合 計 した 可 燃 ごみ は 23,000ト
ン /年 と 、 リサ イ ク ル を行 わ な い 既 存 型 の 約 34,
700ト ン /年 に 比 べ て 約 11,700ト
209
ン /年 (約 33.7%)削
減 で きる。
表 8.3
ケ ーススタデ イ地区 にお ける廃棄物 日発生量 別
種
ごみ排出量 (ト ンノ日)
紙
59
プラスチック
8
瓶
5
缶
4 芥
29
組大 ごみ
5
厨
その他 合
計
121
紙 プラスチック 瓶 缶 厨芥 粗大ごみ その他
図 8.4
廃棄物種別 による年間廃棄物排 出量
210
■
処 分 ごみ
圃
資源回収 ごみ
2)廃
棄物 処理 シス テ ムの設定
ケ ー ス ー ス タ デ イ地 区 に 導 入 す る シ ス テ ム と して 、 次 の 4つ の 形 態 を 設 定 し た。
①
既存型 システム
東 京 都 の 計 画 案 で あ り、 可 燃 ご み (紙 ご み 、 プ ラ ス チ ッ ク類 、 厨 芥 )は 管 路 収 集 シ ス テ ム に よ り地 区 内 の 収 集 プ ラ ン トに 集 め た 後 、 江 東 清 掃 工 場 ま で 車 両 に よ り運 搬 す る 。 不 燃 ご み は 東 京 湾 の 埋 め 立 て 処 分 場 ま で 車 両 で 運 搬 す る 。 図
81 5に 既 存 型 シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 ②
タイプ 1
管路 収 集 シ ス テ ム で 集 め られ た 可 燃 ごみ を地 区 内 に設 置 した焼 却 場 で 焼 却 し、 残 灰 を埋 め 立 て 処 分 場 ま で 車 両 で 運 搬 す る シ ス テ ム で あ る 。 不 燃 ごみ は 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 に処 理 す る 。 図 8.6に タ イ プ 1シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 ③
タイプ 2
地 区 内 で 可 能 な 限 り廃 棄 物 の リサ イ ク ル を 図 り、 ご み 排 出 量 を低 減 させ る シ ス テ ム で あ る 。 リサ イ ク ル 不 可 能 な 可 燃 ごみ の み を管 路 収 集 し、 こ れ を江 東 清 掃 工 場 まで 車 両 で 運 搬 し、 リサ イ ク ル 不 可 能 な 不 燃 ご み は既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 に 処 理 す る 。 図 8。
7に タ イ プ 2シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 リサ イ ク ル の 対
象 と な る 廃 棄 物 は 、 紙 ご み 、 瓶 、 缶 と した 。 ④
タイプ 3
タ イ プ 2と 同 様 に 廃 棄 物 の リサ イ ク ル を図 り、 か つ 、 リ サ イ ク ル 不 可 能 な 可 燃 ご み を地 区 内 の 焼 却 場 で 焼 却 す る シ ス テ ム で あ り、 リサ イ ク ル 不 可 能 な 不 燃 ごみ は 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 に 処 理 す る 。 図 8.8に タ イ プ 3シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。
211
東京臨海 T地 区
プラスチック
図 8.5
既存 システム (廃 棄物処理 )の 構成図
東京臨海 丁地区
%
プラスチ ック
図 8.6
タイプ 1シ ステム (廃 棄物処理)の 構成図
212
文 献 46)
東京臨海 T地 区
プラスチック
図 8.
7 タイプ 2シ ステム (廃 棄物処理)の 構成図
図 8.8
タイプ 3シ ステム (廃 棄物処理)の 構成図
東京臨海 T地 区
プラスチック
213
3)環
境負荷量 の算定結果
各 タ イ プ毎 に 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 N Ox排 出 量 、 年 間 SOx排 出 量 を算 定 した 。 ①
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー消 費 量 の算 定 結 果
廃 棄 物 処 理 に お け る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 算 定 は 、 2節 の 表 8.1に 基 づ き、 廃 棄物 収 集 に 要 す る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 と廃 棄 物 運 搬 に 要 す る
エ ネル ギ ー
消 費 量 お よ び 廃 棄 物 焼 却 に 要 す る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 を 検 討 対 象 と した 。 廃 棄 物 収 集 に要 す る エ ネ ル ギ ー と して は 地 区 内 に設 置 した 管 路 収 集 の 電 力 消 費 量 を 、 廃 棄 物 運 搬 に 要 す る エ ネ ル ギ ー と して は 運 搬 車 両 の 燃 料 消 費 量 を、 廃 棄 物 焼 却 に 要 す る エ ネ ル ギ ー と して 焼 却 場 に お け る 補 助 燃 料 消 費 量 を対 象 と した 。 ご み 管 路 収 集 シ ス テ ム の プ ラ ン ト電 力 は 荏 原 製 作 所 (株 )の デ ー タ を 、 ご み 焼 却 場 で 使 用 す る エ ネ ル ギ ー 量 お よ び ごみ 運 搬 車 両 の 燃 料 消 費 量 は 、 東 京 都 清 掃 局 事 業 概 要 (平 成 5年 度 )の デ ー タ を使 用 して 算 定 した 。 図 8.9に 廃 棄 物 処 理 に お け る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 算 定 結 果 を示 す 。 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 は 、 既 存 型 の 約 27.OTca1/年 (約 65.2%減
イ プ 3が 約 9.4Tca1/年
2が 約 9.7Tca1/年
ca1/年
(約
(約
に対 して 、 タ
)と 最 も少 な く、 次 い で タ イ プ
64.1%減 )と 少 な く、 タ イ プ 1が 約 25.8T
4.4%減 )と わ ず か に 少 な い 。 こ れ は 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消
費量 に占 め る可 燃 ごみ の 管路 収 集電 力 の割 合 が 非 常 に大 き い た め で 、 タ イプ 2、 タ イ プ 3は 廃 棄 物 の リサ イ ク ル 利 用 に よ り可 燃 ゴ ミが 大 幅 に削 減 さ れ る た め で あ る (既 存 型 に比 べ て 約 34%)。
タ イ プ 3が わ ず か な 差 で あ る が 最 も小 さ い
の は 、 可 燃 ご み の 地 区 内 焼 却 に よ り江 東 清 掃 工 場 まで の 車 両 運 搬 の 燃 料 消 費 量 が 削 減 され る た め で あ る 。 ②
年 間大 気 汚 染 物 質排 出量 の算 定 結 果
廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム か ら排 出 さ れ る 大 気 汚 染 物 質 の 算 定 は 、 前 述 した① と 同 様 に 2節 の 表 8.1に 基 づ き、 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 源 と して 管 路 収 集 の 動 力 源 で あ る 電 気 を作 る 火 力 発 電 所 、 廃 棄 物 の 運 搬 車 両 、 ごみ 焼 却 場 を設 定 して 、 N
214
Oxお よ び SOxを 対 象 に そ れ ぞ れ の 年 間 排 出 量 を比 較 検 討 し た 。 NOx、
S
Oxの 排 出 量 は 、 火 力 発 電 所 に つ い て は 、 桐 部 ら に よ る 東 京 都 区 部 の 地 域 冷 暖 房 推 進 地 区 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン導 入 の 省 エ ネ ル ギ ー 性 に 関 す る 研 究 の デ ー タ と早 稲 田 大 学 尾 島 俊 雄 研 究 室 の デ ー タ を、 ご み 焼 却 場 と ごみ 運 搬 車 両 につ い て は 東 京 都 清掃 局事 業 概 要 (平 成 5年 度 )の デ ー タ を使 用 して 算 定 した 。 図 8.10年
間 NOx排 出 量 の 算 定 結 果 を、 図 8。
11に 年 間 SOx排 出 量 の
算 定 結 果 を示 す 。 年 間 NOx排 出 量 は 、 既 存 型 の 44.5ト ン /年 に対 して 、 タ イ プ 3が 15。 7
64.7%減 )と 最 も 少 な く、 次 い で タ イ プ 2が 16.0ト ン /年 (約 64.0%減 )と 少 な く、 タ イ プ 1が 43.4ト ン /年 (約 2.5%減 )と 若
ト ン /年
(約
干少 ない。 同 様 に 、 年 間 SOx排 出 量 は 、 既 存 型 の 26。 9ト ン /年 に 対 し て 、 タ イ プ 3 が 9,6ト ン /年 (約 64.3%減
)と 最 も少 な く、 次 い で タ イ プ 2が 9.7ト ン /
年 (約 63。 9%減 )と 少 な く 、 タ イ プ 1が 26.6ト ン /年 (約 1.1%減 )と 若 干 少 な い 。 こ れ は 、 年 間 NOx排
出 量 、 年 間 SOx排 出 量 に 占 め る ごみ 焼 却
場 か らの 排 出 量 が 非 常 に大 き い た め で 、 タ イ プ 3お よ び タ イ プ 2の 年 間 NOx 排 出 量 、 年 間 SOx排 出 量 が 小 さ い の は 、 資 源 ごみ の リサ イ ク ル に よ り可 燃 ご み が 大 幅 に 削 減 さ れ る た め で あ る 。 タ イ プ 3が わ ず か で は あ る が 最 も少 な い の は 、 可 燃 ごみ を地 区 内 で 焼 却 す る た め に 、 江 東 清 掃 工 場 まで の 車 両 運 搬 の た め の 燃 料 消 費 量 が 削 減 され る た め で あ る 。
215
Tcalノ 年
30
25
20
15
国 焼却場 (補 助燃料)
E]車 両運搬 (燃 料
10
)
■ 管路収集 (電 力) 5
0 既存型
図 8.
TYPEl
TYPE2
TYPE3
9 廃棄物処理 における年間一次エネルギー 消費量 の算定結果
トン/年 50
40
30
圏 焼却場 □ 車両運搬 燃 料)
20
■ 管路収集 (火 力発電所)
10
0 既 存 ]と
TYPEl
TYPE2
TYPE3
図 8.10 廃棄物処理 における年間 NOx排 出量 算定結果
216
圏 焼却場 □ 車両運搬 (燃 料) ■ 管路収集 (火 力発電所)
既存型
図 8.11
lYPEl
廃棄物処理 にお ける年間 SOx排 出量 算定結果
(2)
水 供 給 処 理 シ ス テ ム の 最 適 導 入 形 態 の検 討
1)
ケ ー ス ス タデ イ地 区 に お け る水 負 荷 量 の 算 定
水 負 荷 原 単 位 は 早 稲 田 大 学 尾 島 俊 雄 研 究 室 の デ ー タ を使 用 して ヽ ケ ー ス ス タ デ イ地 区 全 体 か ら発 生 す る 上 水 需 要 量 、 中水 需 要 量 お よ び 下 水 排 出 量 を算 定 し た。
2)水
供給処理 システ ムの設定
ケ ー ス ス タデ イ地 区 に導 入 す る シ ス テ ム と して 、 次 の 3つ の形 態 を設定 した 。 ①
既存型システム
東 京 都 の 計 画 案 で あ り、 上 水 は 金 町 浄 水 場 か ら公 共 水 道 に よ り供 給 す る 。 ま た 、 下 水 は公 共 下 水 道 を通 つ て 砂 町 処 理 場 で 処 理 す る 。 図 8.12に
既存 型 シ
ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 ②
タイプ 1
上 水 の 中 で 、 洗 濯 用 水 、 便 所 用 水 、 空 調 用 水 な どの 雑 用 水 に工 業 用 水 を使 用 す る シ ス テ ム で 、 こ れ 以 外 の 用 途 に は、 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 に金 町 浄 水 場 か ら上 水 を供 給 す る 。 また 、 下 水 に つ い て は 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 に処 理 す る 。
217
図 8e
13に タ イ プ 1シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 タイプ 2
③
前 述 の タ イ プ 1の 工 業 用 水 に換 え て 、 地 区 内 に 中水 道 プ ラ ン トを設 け て 可 能 な 限 り水 の リサ イ ク ル を 図 り、 上 水 需 要 量 及 び 下 水 排 出 量 を抑 え る シ ス テ ム で あ る 。 中水 は 、 洗 濯 用 水 、 便 所 用 水 、 空 調 用 水 な どの 雑 用 水 用 途 に 使 用 す る シ ス テ ム で 、 上 水 供 給 、 下 水 処 理 に つ い て は 、 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 とす る 。 図 8。
14に タ イ プ 2シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。 東京臨海 丁地区
図 8.12 既存型 システム (水 供給処理)の 構成図
東京臨海 T地 区
(上
水)
~~│ 1多〃
炊事・ 浴用水
%% │~- 杉 l 多 多
〃 多 「
洗濯 濯・ 便所用水
'1洗
鉤│
(工 業用水 )
ll% │% │% ―
多
│ 1多 「
「
% % 多│ │ ││% ~フ 」 多 .飾 水用水 %L)1申 調・散 来 用 7k匡 コ 杉 1空 調 %
% %
図 8.13
│~~~ ~~~~「1
多 %
タイブ 1シ ス テム (水 供給処理 )の 構成 図
218
文献 46)
東 京臨海 T地 区
多
(上 水 )
多
図 8.14 タイプ2シ ステム (水 供給処理)の 構成図
3)水
供 給 処 理 シス テ ム の導 入 形 態 別 の水 負 荷 量 の算 定 結 果
水 供 給 処 理 シ ス テ ム の 導 入 形 態 別 に 、 年 間 の 水 水 需 要 量 、 中水 需 要 量 、 下 水 排 出 量 を 算 定 した 。 図 8.
15に タ イ プ 別 の 水 供 給 処 理 シ ス テ ム の 年 間 水 負 荷
量 を示 す 。 内 訳 を み る と 、 既 存 型 は 上 水 需 要 量 、 下 水 排 出 量 共 に 約 8.7百 万
m3/年 と 、 上 水 需 要 量 、 下 水 排 出 量 共 に 最 も多 い 。 タ イ プ 1は 雑 用 水 に工 業 用 水 を使 用 す る こ とで 、 上 水 需 要 量 を約 5.5百 万 m3/年 と既 存 型 に比 べ て 約
37%削 減 で き る 。 タ イ プ 2は 雑 用 水 需 要 を工 業 用 水 に 換 え て 地 区 内 中水 道 シ ス テ ム で 賄 う も の で 、 上 水 需 要 量 の 削 減 率 は タ イ プ 1と 同 様 で あ る が 、 下 水 排 出 量 は上 水 使 用 量 分 に 相 当 す る約 5_5百 万 m3/年 と既 存 型 お よ び タ イ プ 1に 比 べ て 約 37%削 減 で き る 。
219
□ 中水需要量 ■ 上水需要量 圏 下水排出量
TYPEl TYPEl
既存型 図 8.15
4)環
TYPE2
タイプ別 の 年 間水 負荷 量 (水 供 給処 理 )
境 負 荷 量 の算 定 結 果
各 タ イ プ 毎 に、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 N Ox排 出 量 、 年 間 SOx排 出 量 を算 定 した 。 ①
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー消 費 量 の 算 定 結 果
水 供 給 処 理 シ ス テ ム に お け る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 算 定 は 、 2節 の 表
8.1に 基 づ き、 上 水 供 給 に要 す る 年 間 電 力 消 費 量 (浄 水 場 で の 浄 水 動 力 と配 水 動 力 、 給 水 場 で の ポ ン プ 動 力 )と 中 水 供 給 に 要 す る 年 間 電 力 消 費 量 (南 千 住 浄水 場 ま た は地 区 内 中水 処 理 施設 に お け る 中水 浄水 場 での 浄水 動 力 と配 水 動 力 ) お よ び 下 水 処 理 に 要 す る 年 間 電 力 消 費 量 (砂 町水 処 理 セ ン タ ー に お け る下 水 処 理 動 力 、 汚 泥 処 理 動 力 お よ び 下 水 送 水 動 力 )を 検 討 対 象 と した 。 上 水 供 給 、 中 水 供 給 お よび下 水 排 水 ・ 処 理 に 要 す る 電 力 量 は 、 東 京 都 水 道 局 事 業 概 要 (平 成
5年 度 )と 同 下 水 道 局 事 業 概 要 (平 成 5年 度 )の デ ー タ を使 用 して 算 定 した 。 図 8.16に
、 タ イ プ別 の 水 供 給 処 理 シ ス テ ム の 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 を
示す。 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 は 、 既 存 型 の 約 38.4Tca1/年
220
に対 し て 、 タ
(約 19.3%減
イ プ 2が 約 31.OTca1/年 約 37.5Tca1/年
(約 2.3%減
)と 最 も 少 な く 、 タ イ プ 1は
)と 若 干 少 な い 。 こ れ は 、 雑 用 水 を 地 区
内 中水 道 で 賄 う こ と に よ り、 中水 供 給 に 要 す る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 が 新 た に増 え る に もか か わ らず 、 上 水 供 給 お よ び 下 水 処 理 に 要 す る エ ネ ル ギ ー 消 費 量 が 削 減 され るため で あ る。 ②
年 間大 気 汚 染 物 質排 出量
水 供 給 処 理 シ ス テ ム か ら排 出 さ れ る 大 気 汚 染 物 質 の 算 定 は 、 2節 の 表 8.
1
に基 づ き、 水 供 給 処 理 に お け る 電 力 消 費 量 分 が 火 力 発 電 所 で 発 電 す る 時 に発 生 す る 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 量 と考 え て 、 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 源 を火 力 発 電 所 と し て 、 NOx、
SOxを 対 象 に そ れ ぞ れ の 年 間 排 出量 を算 定 した 。 火 力 発 電 所 の
NOx、 SOxの 排 出 量 は 桐 部 ら に よ る 東 京 都 区 部 の 地 域 冷 暖 房 推 進 地 区 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン 導 入 の 省 エ ネ ル ギ ー 性 に 関 す る 研 究 の デ ー タ と早 稲 田 大 学 尾 島俊 雄 研 究 室 の デ ー タ を 使 用 して 算 定 した 。 図 8. 排 出 量 の 算 定 結 果 を 、 図 8。
17に 年 間 NOx
18に 年 間 SOx排 出 量 を示 す 。
年 間 NOx排 出 量 は 既 存 型 の 約 6。 7ト ン /年 に対 して 、 タ イ プ 2が 約 5.5ト ン /年 (約 17.9%減
)と 最 も少 な く、 タ イ プ 1が 約 6.6ト ン /年
(約 1.5%
減 )と 若 干 少 な い 。 年 間 SOx排 出 量 は 既 存 型 の 約 4.4ト ン /年 に対 して 、 タ イ プ 2が 約 3 ト ン /年 (約 18.2%減
)と 最 も少 な く、 タ イ プ 1が 約 4.3ト ン /年
(約
2
6
3
%減 )と 若 干 少 な い 。 こ れ は 、 雑 用 水 を地 区 内 中水 道 で 賄 う こ と に よ り、 中水 供 給 に 要 す る 電 力 消 費 量 が 新 た に 増 え る に もか か わ らず 、 上 水 供 給 お よび 下 水 処 理 に 要 す る 電 力 消 費 量 が 大 幅 に 削 減 さ れ る た め に 、 火 力 発 電 所 か ら排 出 さ れ る NOx排 び SOx排 出 量 共 に 削 減 され る た め で あ る 。
221
出量 お よ
Tcal/」 軍
50
40
30
圏 下水処理動カ □ 中水供給動カ ■ 上水供給動カ
20
10
0 貝電子宇型
図 8。
16
TYPEl
TYPE2
タイプ別 の水供給処理 システムの 年間一次エネル ギー消費量
トン/年 8 7
6 5
国 下水処理 □ 中水供給
4
■ 上水供給
3
2 1
0 既存 型
図 8.17
TYPEl
TYPE2
水供給処理 システムの年間 NOxの 排 出量
222
トン/年 5
4
圏 下水処理
3
□ 中水供給 ■ 上水供給
2
1
0 既存型
図 8.18
TYPEl
TYPE2
水供給処理 システムの年間 SOx排 出量
223
(3) 1) ①
エ ネ ルギ ー 供給 シス テ ムの 最 適導入 形態 の検 討 ケ ー スス タデ イ地 区 にお け る エ ネ ルギ ー負荷 量 の 算定 建 物 用途 別 エ ネ ルギ ー 消 費量 原 単位
こ こで は 、早稲 田大 学尾 島俊 雄研 究 室 の建 物 用途 別 エ ネ ルギ ー消費量 原単 位 を用 い た 。 ②
ケ ースス タデ イ地 区 にお け る エ ネ ルギ ー 負荷 量 の 算定結 果
表 8.4に 月別 エ ネ ルギ ー負荷量 の 算定結果 を示す 。
表 8.
4
月別 エ ネル ギ ー負荷量
温熱 (TcJ)
冷 熱 (Tca:)
電 力 (TWh)
1月
41.5
3.6
22.1
2月
40.3
3.5
23.8
3月
32.5
4.4
22.3
4月
10.8
5.1
25.5
5月
7.8
8.6
26。 1
6月
5.4
21.0
26.3
7月
5.1
25.7
27.1
8月
4.7
34.2
27.5
9月
5。
3
22.0
26.0
10月
6.4
7.6
26.6
11月
13.1
3.8
24.5
12月
34.8
3.3
24.1
年間
207.7
143.1
302.0
224
2)エ
ネ ル ギ ー供 給 シ ス テ ム の 設 定
ケ ー ス ス タデ イ地 区 に 導 入 す る エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム と して 次 に示 す 4つ の 形 態 を設 定 した 。 ①
既存型 システム 東 京 都 の 計 画 案 で あ り、 地 区 内 の 電 力 負 荷 に対 して は 系 統 電 力 か らの 買 電
に よ り供 給 す る もの と し、 地 域 冷 暖 房 シ ス テ ム は ガ ス ポ イ ラ ー と吸 収 式 冷 凍 機 か ら構 成 し、 温 熱 、 冷 熱 負 荷 に対 して は 地 域 冷 暖 房 プ ラ ン トか ら共 同 溝 内 の 導 管 に よ り蒸 気 と 冷 水 を供 給 す る シ ス テ ム で あ る 。 図 8.19に
既存型 シス テム
の 構 成 図 を示 す 。 ②
タイ プ 1
既 存 型 シス テ ム の 地 域 冷 暖 房 シ ス テ ム に コ ー ジ ェ ネ レー シ ョンシ ス テ ム
(C
GS)を 導 入 した シ ス テ ム で 、 地 区 内 の 電 力 負 荷 に対 して は CGSに よ り発 電 され た電 気 を優 先 して 供 給 し、 不 足 分 を系 統 電 力 か らの 買 電 で 賄 う も の と した 。 温 熱 、 冷 熱 供 給 に つ い て は 、 CGS排 熱 を優 先 して 活 用 す る 以 外 は 、 既 存 型 シ ス テ ム と 同 様 で あ る 。 図 8.20に ③
タ イ プ 1シ ス テ ム の 構 成 図 を示 す 。
タイ プ 2
タ イ プ 1に 加 え て 、 地 区 内 に 設 置 した ごみ 焼 却 場 の 排 熱 を利 用 す る シ ス テ ム で あ る 。 地 区 内 の 電 力 負 荷 に対 して は ごみ 発 電 に よ り発 電 さ れ た電 気 を優 先 し て 供 給 し、 不 足 分 を CGSに
よ る 電 力 供 給 で 補 い 、 更 に不 足 す る場 合 に は 系 統
電 力 か ら の 買 電 で 賄 う も の と した 。 温 熱 、 冷 熱 供 給 に つ い て は 、 地 区 内 プ ラ ン トに設 け た 蓄 熱 槽 に ごみ 発 電 排 熱 お よ び CGS排 熱 を優 先 活 用 して作 つ た温 熱 、 冷 熱 を蓄 え 、 そ れ ぞ れ温 水 、 冷 水 と して 供 給 す る 。 図 8.21に
タ イ プ 2シ ス
テ ム の 構 成 図 を示 す 。 ④
タイプ 3
地 区 内 に 設 置 した 中水 道 プ ラ ン トで 浄 化 し た 下 水 処 理 水 を、 ヒ ー トポ ン プ
(HP)の 熱 源 に利 用 した シ ス テ ム で あ る 。 地 区 内 の 電 力 供 給 に つ い て は 、 タ イ プ 2と 同 様 の シ ス テ ム と した 。 温 熱 、 冷 熱 供 給 に つ い て は ごみ 発 電 排 熱 、 下
225
水 処 理水 熱 、 CGS排 熱 を優 先 活 用 して 作 つ た 温 熱 、 冷熱 を一 旦 蓄 熱 槽 に蓄 え 、 そ れ ぞ れ 温 水 、 冷 水 と して 供 給 す る 。 図 8.22に
タ イ プ 3シ ス テ ム の 構 成 図
を示 す 。 な お 、 CGSの 運 転 に つ い て は 、 全 て 熱 余 剰 の な い 熱 主 運 転 と し、 タ イ プ 2お よび タ イ プ 3は 余 剰 電 力 を逆 潮 す る 方 式 と し、 蓄 熱 層 は 24時 間 一 定 運 転 を行 う もの と した 。 地区 プラン ト
暖
房
(8kg/cm2G)
蒸気 ボ イラ
冷 房 (6~ 11℃ )
多
多 l___l電 力- ~~→ヽ 匝亜P⊥ 「 ~~
る
文献 46)
暖
房
(8kg/cm2G)
冷
房
(6~ 11℃ )
ガス ター ビン
図 8.20
タイプ 1シ ス テ ム (エ ネ ル ギ ー供給 )の 構成図
226
地区 プラ ン ト
冷 房 6” 代
ガス ター ビン
→冨墓拝:LL__ 図 8.21
タイプ 2シ ステム (エ ネ ル ギ ー供給 )の 構成図
地区 プラ ン ト
中水 プラン ト
ヒー トボ ンプ
!
蒸気ヘ ッダ
温水 ヘ ッダ
廃 熱 ポイ ラ
ガス ター ビン
多
I:丁 :~彰 □ 図 8.22
タイプ 3シ ステム (エ ネル ギ ー供給 )の 構成 図
227
3)
環 境負 荷 量 の算 定
各 タ イ プ毎 に、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 NOx排 出 量 、 SOx排 出 量 を 算 定 した 。 ①
年 間一次 エ ネ ル ギ ー消 費 量 の算 定 結 果
づ き、 ポ イ ラ ー お 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 算 定 は 、 2節 の 表 8.1に 基 よ び CGSの ガ ス 消 費 量 と 、 地 区 内 一 般 電 力 需 要 量 お よ び ヒ ー トボ ン プ の 電 力 消 費 量 を検 討 対 象 と した 。 表 8.5に 機 器 効 率 の 設 定 値 を示 す 。 図 8.23に
エ ネ ル ギー供 給 シ ス テ ム の年 間一 次 エ ネ ル ギ ー消 費量 の算 定 結
果 を示 す 。 CGSの 発 電 容 量 を ピ ー ク電 力 需 要 量 の X%(=CGS発
電容量 /
ピ ー ク電 力 需 要 量 )と して 、 Xを 0か ら 100ま で 変 化 させ た 。 タ イ プ 1の X=0%の
ポ イ ン トが 既 存 型 に相 当 し、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 で あ る 。 こ れ に 対 して 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量
量 は 約 1,166Tca1/年
が 最 も少 な い シ ス テ ム は タ イ プ 3の X=100%(地 て CGSで 賄 う )の 約 828Tca1/年
1/年 (約 29,0%)年
区全 体 の電 力 需 要量 を 全
で 、 既 存 型 に 比 べ て 約 338Tca
間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 を 削 減 で き る 。 タ イ プ 3と 同
程 度 に 省 エ ネ ル ギ ー 効 果 の 高 い シ ス テ ム は 、 タ イ プ 2の X=100%で 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 は 約 833Tca1/年
ca1/年
(約
28.6%)年
、年 間
で 、 既 存 型 に比 べ て 約 333T
間 一 次 エ ネ ル ギ ー消 費量 を削 減 で き る。
タ イ プ 3が 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 が 最 も少 な い の は 、 地 区 内 の 下 水 処 理 水 を ヒ ー トポ ン プ の 熱 源 と して い る た め に 、 高 効 率 な 熱 源 シ ス テ ム を構 築 で き てい るためであ る。 ー 全 体 と して 、 CGS発 電 容 量 比 率 を 高 め る ほ ど 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ 消 費 量 は少 な くて 済 み 、 省 エ ネ ル ギ ー と な る 。 ②
年 間大気 汚 染 物 質排 出量 の 算 定 結 果
エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム の 年 間 大 気 汚 染 物 質 排 出 量 は 、 2節 の 表 8.1に 基 づ き、 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 源 と し て CGS、 つ い て 、 NOxお
ガス ポ イ ラ ー お よび 火 力 発 電 所 に
よび SOxを 対 象 に そ れ ぞ れ の 年 間 排 出 量 を算 定 した 。 NO
228
xお よ び SOx排
出量 は 、 火 力 発 電 所 に つ い て は 桐 部 ら に よ る東 京 都 区 部 の 地
域 冷 暖 房 推 進 地 区 に お け る コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン導 入 の 省 エ ネ ル ギ ー 性 に 関 す る研 究 の デ ー タ と早 稲 田 大 学 尾 島 俊 雄 研 究 室 の デ ー タ を 、 ガ ス タ ー ビ ン発 電 機 に つ い て は 川崎 重 工 業 (株 )の デ ー タ を、 ガ ス ポ イ ラ ー に つ い て は タ ク マ (株 ) の デ ー タ を使 用 し て 算 定 し た 。 図 8.24年 年 間 SOx排
出 量 を 示 す 。 CGSの
間 NOx排
出 量 を 、 図 8.25に
発 電 容 量 を ピ ー ク 電 力 需 要 量 の X%(=C
GS発 電 容 量 /ピ ー ク電 力 需 要 量 )と して 、 Xを 0か ら 100ま で 変 化 さ せ た 。 年 間 NOx排
出 量 に つ い て は 、 タ イ プ 1の X=0%の
ポ イ ン トが 既 存 型 に 相
ン /年 で あ る 。 こ れ に 対 して 、 年 間 NOx排
当 し、 そ の 値 は 約 188ト
最 も少 な い シ ス テ ム は 、 タ イ プ 2の X=100%(ピ
ー ク電 力 需 要 量 を全 て C
GSで 賄 う )の 約 62ト ン /年 で 、 既 存 型 に 比 べ て 約 126ト %)年 間 NOx排
出 量 を 削 減 で き る 。 次 い で 、 NOx排
(約 64%)年
年 間 SOx排
ン /年 (約 67
出量 が 少 な い シ ス テ ム
約 67ト ン /年 で 、 既 存 型 に 比 べ て 約 121ト
は 、 タ イ プ 3の X=100%の ン /年
間 NOx排
出 量 を削 減 で き る 。
出 量 に つ い て は 、 タ イ プ 1の X=0%の
ポ イ ン トが 既 存 型 に 相
当 し、 そ の 値 は 約 90ト ン /年 で あ る 。 こ れ に 対 して 、 年 間 SOx排 も少 な い シ ス テ ム は 、 タ イ プ 2の X=100%(ピ
Sで 賄 う )の 約 -11ト
2%)年
間 SOx排
出 量 を 削 減 で き る 。 次 い で 、 SOx排
ム は 、 タ イ プ 3の X=100%の
ン /年 (約 11
出量 が 少 ない シ ス テ
約 -3.8ト ン /年 で 、 既 存 型 に 比 べ て 約 94
間 SOx排
タイ プ 2が 、 年 間 NOx排
出量 が 最
ー ク電 力 需 要 量 を全 て CG
ン /年 で 、 既 存 型 に 比 べ て 約 101ト
ト ン /年 (約 104%)年
出量 が
出量 を削 減 で き る。
出 量 、 年 間 SOx排
出 量 共 に 最 も少 な い の は 、 ヒ ー
トポ ン プ を 使 用 し な い こ と で 、 火 力 発 電 所 か らの 排 出 量 を タ イ プ 3に 比 べ て 削 減 で き る か らで あ る 。 全 体 と して 、 CGS発 間 SOx排
電 容 量 比 率 を 高 め る ほ ど 、 年 間 NOx排
出量 を削 減 で き る。
229
出量 お よび 年
表 8.
5 機器効率の設定値 目
設定値
コージェネ レーション (ガ スタービン)
発電効率
0.32
熱 回収率
0.34
ごみ発電機
発電効率
器
機
項
0.42
熱回収率 廃熱 ボイ ラ、蒸気 ポイ ラ
効
,
率
′
吸収式冷凍機
COP
1.15
ヒー トボンプ
一次 COP
Cl.2/H24
_次 COP
C3.5/H5.1
蓄熱効率
0.80
冷温水蓄熱槽
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
CGS発 電容量ノピーク電力需要 (%) 図 8.23 年間一次エネルギー消費量 (エ ネルギー供給)
230
200
150
100
50
0
20
30
40
50
60
70
80
90
100
CGS発 電容量/ピ ーク電力需要 (%) 図 8.24 年間 NOx排 出量 (エ ネルギー供給)
20 ∞ 8。 60 40 20 0 2。
20
30
40
50
60
70
80
90
CGS発 電容量ノピーク電力需要 (%) 図 8.25 年間 SOx排 出量 (エ ネルギー供給)
231
100
(4) 1)
検討結果 廃 棄物処 理 シ ス テム
廃棄 物 処 理 シ ス テ ム に つ いて は 、 タイ プ 3が 最 適 導 入 形 態 と して 選 定 で き る 。 こ れ は 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 で み る と 、 廃 棄 物 の リサ イ ク ル 利 用 に よ る 可 燃 ご み 量 の 低 減 に 伴 う地 区 内 管 路 収 集 電 力 の 大 幅 削 減 と 、 可 燃 ご み の 地 区 内 焼 去pに よ る ごみ 運 搬 車 両 の 燃 料 消 費 量 の 削 減 に よ る た め で あ り、 年 間 大 気 汚 染 物 質 排 出 量 で み る と 、 資 源 ご み の リサ イ ク ル に よ り可 燃 ご み が 大 幅 に 削 減 さ れ る た め と 、 地 区 内 焼 却 に よる ご み 運 搬 車 両 の 燃 料 消 費 量 が 削 減 さ れ る た め と考 え られ る 。 。
2)
水 供給処 理 シ ス テム
水供 給 処 理 シ ス テ ム に つ い て は 、 タイ プ 2が 最 適 導 入 形 態 と して 選 定 で き る 。 こ れ は 、 雑 用水 を 地 区 内 中水 道 で 賄 う こ と に よ り中 水 供 給 の た め の 電 力 消 費 量 が 新 た に増 え る に もか か わ らず 、 上 水 需 要 量 お よ び 下 水 排 出量 が 低 減 す る こ と に よ り、 上 水 浄 化 ・ 下 水 処 理 お よ び 搬 送 の た め の 電 力 消 費 量 が 削 減 さ れ る た め と、 そ の 結 果 、 火 力 発 電 所 か ら の 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 量 が 削 減 さ れ る た め と 考 え られ る 。
3)
エ ネル ギ ー 供 給 シス テ ム
エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム に つ い て は 、 地 区 の ピ ー ク電 力 需 要 量 を 100%と し、 導 入 す る CGSの 発 電 容 量 を そ の X%と して 検 討 した 結 果 、 CGSの 発 電 容 量 は 環 境 負 荷 量 か らみ て 最 も効 果 が 大 き い ピ ー ク電 力 需 要 量 の 100%で 定 で き る 。 この 時 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ る と 、 未 利 用
設
エ ネルギー
を十 分 に活 用 した タ イ プ 3が 、 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 量 か らみ る と 、 ヒ ー トボ ン プ を使 用 しな い こ と で 火 力 発 電 所 か ら の 排 出 量 が タ イ プ 3に 比 較 して 削 減 で き る タ イ プ 2が 最 適 導 入 形 態 と な る 。
232
8.5
最 適 導 入 形 態 を組 み 合 わ せ た リサ イ ク ル シ ス テ ム の 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の可 能 性 の 検 討
. 5.1
8
<
1)
環 境 負 荷 抑 制効 果 の検 討 概 要
検討 方法
容 積 率 の 増 加 は 2節 に示 す よ う に 、 東 京 都 の 現 行 容 積 率
(360%)に
おい
て 、 既 存 の 供 給 処 理 シ ス テ ム を導 入 した 場 合 の 環 境 負 荷 量 お よ び 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 量 を 越 え な い 範 囲 で 行 う 。 具 体 的 に は 、 環 境 負 荷 の 指 標 と して 2節 に お い て 設 定 した 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排
出量 、 年 間 SOx排 出 量 、
ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 (ピ ー ク 電 力 需 要 量 、 ピ ー ク ガ ス 需 要 量 )、
日別 廃 棄
物 負 荷 量 、 日別 水 負 荷 量 (上 水 需 要 量 、 下 水 排 出 量 )の 6項 目 に つ い て 、 地 区 全 体 の 容 積 率 を本 項 の
(2)に 示 す よ う に 増 加 させ な が ら、 リ サ イ ク ル シ ス テ
ム を 導 入 した 場 合 の 環 境 負 荷 量 を 算 定 し た 。 6項 目 の 環 境 負 荷 の 指 標 の 中 で 、 環 境 負 荷 量 を現 状 の 容 積 率 の 範 囲 内 に抑 制 で き る 、 容 積 率 の 増 加 が 最 小 と な る 値 を採 用 す る 。
(2)容
積 率 が増加す る方法
容 積 率 が 増 加 す る 建 物 用 途 と して は 、 今 後 、 予 想 さ れ る 都 心 居 住 へ の 配 慮 か ら住 宅 を 第 一 義 に 、 環 境 保 全 技 術 の 研 究 開 発 の 立 場 か ら環 境 系 研 究 施 設 を 第 二 義 に 、 両 施 設 を 合 わ せ て 地 区 全 体 の 容 積 率 が 最 大 600%程
度 まで増 加 す る も
の と し た 。 容 積 率 が 増 加 す る 方 法 は 、 地 区 全 体 の 容 積 率 が 10%ず 増 加 す る も の と し た 。 図 8.26に
つ段 階 的 に
街 区 毎 の 最 大 計 画 容 積 率 を 、 図 8.27に
容 積 率 が 増 カロす る 時 の 用 途 別 床 面 積 を 示 す 。
(3)
導 入 す る リサ イ ク ル シ ス テ ム の 設 定
導 入 す る リ サ イ ク ル シ ス テ ム と して 、 前 節 に お い て 選 定 し た 最 適 導 入 形 態 の タ イ プ を組 み 合 わ せ る も の と した 。 す な わ ち 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 1は 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 3、 水 供 給 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 2、
エ ネ ル ギ ー供 給 処
理 シ ス テ ム が タ イ プ 2か ら構 成 さ れ 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 2は 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 3、 水 供 給 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 2、
233
エ ネルギー供給処理 シス テ
ム が タ イ プ 3か ら構 成 さ れ る 。 表 8.6に
導 入 を 検 討 す べ き リサ イ ク ル シ ス テ
ム の 設 定 結 果 を示 す 。
総敷地面積 : 626,4 0 0nf 床面積合計 ;3,780,0 0 0nf 容積率 ; 603%
図 8.26
街区 の最大計画容積
文献 46)
h 20
R&D 0
20 10
40 30
60 50
図 8.27
80 70
90
100 110
120
140
160
180
200
220
130
150
170
190
210
230
240
容積率 が増 加す る時 の用途別床面積
表 8.6
リサイ クル システムの設定
リサイ クル システム 1
リサイクル システム 2
廃棄物処理系
TYPE 3
TYPE 3
水供給処理系
TYPE 2
TYPE 2
エ ネ ル ギ ー供給系
TYPE 2
TYPE 3
234
8.5.2 (1) 1) ①
リサ イク ル シ ス テ ム導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タ デ イ リサ イ ク ル シ ス テ ム 1導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 環 境 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現状容積率
(360%)に
費 量 は 1230.9Tc
a1/年
お け る 環 境 負 荷 量 と して の 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 で あ り、 容 積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加
で き る も の と した 。 そ の 結 果 容 積 率 が 130%ま え な い こ と を明 らか に した 。 図 8.28に
で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ た
環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 ②
年 間 大 気 汚 染 物 質 排 出 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現状 容積 率
(360%)に
お け る 環 境 負 荷 量 と して の 年 間 NOxお
SOx排 出 量 は 、 そ れ ぞ れ 238.9ト
ン /年 、 121.3ト
よび 年 間
ン /年 で あ り、 容
積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 で きる もの と した 。 そ の 結 果 、 容 積 率 が 24
0%ま で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と を 明 らか に した 。 図 8.29に 年 間 NOx排 出 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 、 図 8.30に
Ox排 出 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。
増加容積率 (%) 図 8.28 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー消費量 か らみた環境 負荷抑制効果 (リ サイクル システム 1)
235
年間 S
トンノ 年
300 250
200 150 100 50 0
増加容積率 (%)
図 8.29
年 間 NOx排 出量 か らみ た環境 負荷 抑制 効果 (リ サ イ クル システム 1)
増加容積率 (%) 図 8.30
年間 SOx排 出量 か らみた環境負荷抑制効果 (リ サイ クル システム 1)
236
2)都 ①
市 イ ン フ ラ容 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現 状 容積 率
0.7MW/Hで
(360%)に
お け る 環 境 負 荷 量 と して の ビ ー ク電 力 需 要 量 は 6
あ り、 ビ ー ク ガ ス 需 要 量 は 2.0万 m3/Hで
あ り、 容 積 率 は
こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 で き る も の と した 。 そ の 結 果 、 ビ ー ク電 力 需 要 量 で は 容 積 率 が 240%ま
で 増 加 して も、 ま た 、 ビ ー ク ガ ス 需 要 量 で は 容 積 率 が 1
00%ま で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と を明 らか に した 。 図 8.31 に ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 ②
日別 廃 棄 物 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現 状 容積 率
(360%)に
お け る 環 境 負 荷 量 と して の 日 別 廃 棄 物 発 生 量 は 1
20.2ト ン /日 で あ り 、 容 積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 で きる も の と し た 。 そ の 結 果 、 日別 廃 棄 物 発 生 量 で は 容 積 率 が 240%ま 荷 量 は 増 え な い こ と を 明 らか に した 。 図 8.32に
で 増 加 して も環 境 負
日別 廃 棄 物 負 荷 量 か らみ た
環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 ③
日別 水 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現 状 容積 率
(360%)に
お け る 環 境 負 荷 量 と して の 上 水 需 要 量 お よ び 下 水
排 出 量 は 、 1日 当 た りそ れ ぞ れ 23万 m3/日 で あ り、 容 積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 で き る も の と した 。 そ の 結 果 、 上 水 需 要 量 お よ び 下 水 排 出 量 で は 容 積 率 が 190%ま 図 8.33に
で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と を 明 らか に した 。
日別 水 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。
237
万 市3/H
MWノ H
電 力
70
7
60
6
50
5
40
4
30
3
20
2
10
1
0
0 ガス
電力
増 加容積率 (%)
図 8.31
ビー クエ ネル ギ ー負荷量 か らみた環境 負荷抑制効果 (リ サ イクル システム 1)
トンノ日
140
120 100
80 60 40 20 0
増加容積率 (%)
図 8.32
日別廃棄物 負荷量 か らみた環境負荷 抑制効果 (リ サイクル システム 1)
238
ガ ス
万 m3/日
20 30
100
0
下水 万 m3/日 増加容積率
図 8.33
日別水負荷量 か らみた環境負荷抑制効果 (リ サイクル システム 1)
(2) リサ イ ク ル シ ス テ ム 2導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 1)環 境 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 ①
年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
(360%)に お け る 環 境 負 荷 量 と して の 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 で あ り、 容 積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 費 量 は 1230。 9Tc a1/年 現 状 容積 率
で き る もの と し た 。 そ の 結 果 容 積 率 が 160%ま え な い こ と を 明 らか に し た 。 図 8。
で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増
34に 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ た
環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 ②
年 間 大 気 汚 染 物 質 排 出 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現 状 容積 率
(360%)に
お け る 環 境 負 荷 量 と して の 年 間 NOxお
SOx排 出 量 は 、 そ れ ぞ れ 238.9ト
ン /年 、 121.3ト
よび 年 間
ン /年 で あ り、 容
積 率 は こ れ を 越 え な い 範 囲 で 増 加 で き る も の と した 。 そ の 結 果 、 容 積 率 が 24
0%ま で増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と を明 らか に した 。 図 8。 35に 年 間 NOx排 出 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 、 図 8.36に
Ox排 出量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 239
年間 S
Tcal/年
2000
1500
1000
増加容積率 (%)
図 8.34
年間一 次 エ ネ ル ギ ー消 費量 か らみた環境負荷抑制効果 (リ サイ クル システム 2)
トンノ 年
300 250 200 150 100
50 0
増加容積率 (%) 図 8.35 年間 NOx排 出量 か らみた環境負荷抑制効果 (リ サイクル システム 2)
240
増加容積率 (%)
図 8.36
2)都 ①
年間 SOx排 出量 か らみた環境 負荷抑制効果 (リ サイクル システム 2)
市 イ ン フ ラ 容 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現状容積 率
7MW/Hで
(360%)に
お け る 環 境 容 量 と して の ビー ク電 力 需 要 量 は 60。
あ り、 ピ ー ク ガ ス 需 要 量 は 2.0万 m3/Hで
あ り、 容 積 率 は こ れ
を越 え な い 範 囲 で 増 加 で きる も の と した 。 そ の 結 果 、 ビ ー ク電 力 需 要 量 お よ び ピ ー ク ガ ス 需 要 量 共 に 、 容 積 率 が 240%ま い こ と を明 らか に した 。 図 8.37に
で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な
ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か らみ た 環 境 負
荷 抑 制 効 果 の検 討 結 果 を示 す 。 ②
日別 廃 棄 物 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
現状容積 率
(360%)に
お け る 環 境 容 量 と し て の 日別 廃 棄 物 発 生 量 は 12
0.2ト ン /日 で あ り、 容 積 率 は こ れ を越 え な い 範 囲 で 増 加 で き る もの と した 。 そ の 結 果 、 日別 廃 棄 物 発 生 量 で は 容 積 率 が 240%ま は 増 え な い こ と を明 らか に した 。 図 8.38に
日別 廃 棄 物 負 荷 量 か らみ た 環 境
負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 ③
日別 水 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討
241
で 増 加 して も環 境 負 荷 量
(360%)に
現状容積 率
お け る環 境 容 量 と して の 上 水 需 要 量 お よ び 下 水 排
出 量 は 、 1日 当 た りそ れ ぞ れ 23万 m3/日
で あ り、 容 積 率 は こ れ を 越 え な い
範 囲 で 増 加 で き る も の と した 。 そ の 結 果 、 上 水 需 要 量 お よび 下 水 排 出 量 で は 容 積 率 が 190%ま
8.39に
で 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と を 明 らか に した 。 図
日別 水 負 荷 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 の 検 討 結 果 を示 す 。 万 m3/H
MW′ H
40
電 力
30
20 10
0
増加容積率 (%)
図 8.37 ビークエネル ギー負荷量 からみた環境負荷抑制効果 (リ サイクルシステム 2) トン/日
140 120 100
80 60 40 20 0
図 8.38
日別廃棄物負荷量 か らみた環境負荷抑制効果 (リ サイクル シ ス テ ム 2)
242
珠 万 m3/日 3 0
3 0 0 林 万 m3/日 図 8.39 日別水負荷量からみた環境負荷抑制効果 (リ サイクルシステム2)
(3)
検討結果
リ サ イ ク ル シ ス テ ム 1と リ サ イ ク ル シ ス テ ム 2を 比 較 す る と 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 1は ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か ら み た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 が 最 も小 さ い ピ ー ク ガ ス 需 要 量 の 容 積 率 増 加 量 100%で
決 ま り、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 2は 、 年
間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か ら み た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 が 最 も小 さ い 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 の 容 積 率 増 加 量 160%で
決 ま る 。 つ ま り、 リサ イ ク ル シ ス テ
ム 2の 方 が 容 積 率 が 増 加 して も環 境 負 荷 量 は 増 え な い こ と 、 容 積 率 増 加 の 限 界 は 160%で
あ る こ と を 明 ら か に した 。
243
8.6
結論
本 章 で は 、 東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に 自 立 型 地 区 施 設 と し て リ サ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 した 場 合 の 環 境 負 荷 抑 制 効 果 に つ い て 検 討 し た 。 以 下 に 、 結 論 を 示 す。
(1)
リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 環 境 負 荷 抑 制 の 考 え 方 を 提 案 し た 。 環
境 負 荷 の 指 標 と し て 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排
出量 、 年 間 S
Ox排 出 量 、 ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 、 日 別 廃 棄 物 負 荷 、 日別 水 負 荷 の 6項 目 を 設 定 し、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に リ サ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 す る こ と で 、 た と え 容 積 率 が 増 え て も環 境 負 荷 を 現 状 の 範 囲 内 に 抑 制 可 能 な 考 え 方 を 提 案 した 。
(2)
既 存 型 お よ び リサ イ ク ル シ ス テ ム と して 、 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム 4タ イ
プ 、 水 供 給 処 理 シ ス テ ム 3タ イ プ 、 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム 4タ イ プ を リサ イ ク ル シ ス テ ム の 導 入 形 態 と し て 設 定 し、 こ れ ら を 東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に 現 行 の計 画 容積率
(360%)に
お い て 導 入 した 場 合 に つ い て 、 直 接 的 に 環 境 負
荷 へ 影 響 を 与 え る 要 素 で あ る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排 年 間 SOx排
出量 、
出 量 を 算 定 した 。 そ の 結 果 、 環 境 負 荷 へ の 軽 減 効 果 が 最 も高 い 導
入 形 態 と して は 、 廃 棄 物 処理 シ ス テ ム は タ イ プ 3(廃 棄 物 の リ サ イ ク ル を図 り、 リサ イ ク ル 不 可 能 な 可 燃 ご み を 地 区 内 の 焼 却 場 で 焼 却 す る シ ス テ ム で あ り、 リ サ イ ク ル 不 可能 な 不 燃 ご み は 東 京 湾 の 埋 め 立 て 処 分 場 ま で 車 両 で 運 搬 す る 方 式 ) が 、 水 供 給 処 理 シ ス テ ム は タ イ プ 2(地 区 内 に 中 水 道 プ ラ ン トを 設 置 して 可 能 な 限 り水 の リサ イ ク ル を 図 り 、 上 水 需 要 量 と 下 水 排 出 量 を抑 え る シ ス テ ム で 、 上 水 は 金 町 浄 水 場 か ら公 共 水 道 に よ り供 給 し、 下 水 は 公 共 下 水 道 を 通 っ て 砂 町 処 理 場 で 処 理 す る 方 式 )が 選 定 で き た 。 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム は 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ る と タ イ プ 3(地 区 内 に 設 置 し た 中 水 道 プ ラ ン トで 処 理 し た 下 水 処 理 水 を ヒ ー トポ ン プ の 熱 源 に 利 用 す る シ ス テ ム で 、 温 熱 、 冷 熱 負 荷 に対 して は こ の ヒ ー トポ ン プ を最 優 先 に 活 用 し、 ご み 焼 却 廃 熱 お よ び CGS 排 熱 を 利 用 して 作 っ た 温 熱 、 冷 熱 を 一 旦 蓄 熱 槽 に 蓄 え て か ら温 水 、 冷 水 を 供 給 す る 。 電 力 供 給 に つ い て は ご み 発 電 に よ り発 電 した 電 気 を優 先 し て 供 給 し、 不
244
足 分 を CGSに
よ る電 力 供 給 で 補 い 、 更 に不 足 す る場 合 に は系 統 電 力 か らの 買
電 で 賄 う シ ス テ ム )が 選 定 で き、 大 気 汚 染 物 質 排 出 量 か らみ る と タ イ プ 2(地 区 内 に 設 置 した ご み 焼 却 場 の 廃 熱 を利 用 す る シ ス テ ム で 、 電 力 負 荷 に対 して は ご み 発 電 に よ り発 電 さ れ た 電 気 を 優 先 し て 供 給 し、 不 足 分 を CGSに
よる電 力
供 給 で 補 い 、 更 に不 足 す る場 合 に は系 統 電 力 か らの 買 電 で 賄 う。 温 熱 、 冷 熱 負 荷 に対 して は 地 区 内 プ ラ ン トに 設 け た 蓄 熱 槽 に ご み 焼 却 廃 熱 お よ び CGS排
熱
か ら作 っ た 温 熱 、 冷 熱 を 一 旦 蓄 え た 後 で 温 水 、 冷 水 を 供 給 す る シ ス テ ム )が 選 定 で きた 。
(3)
ケ ー ス ス タ デ ィ 地 区 に 導 入 す る 供 給 処 理 系 地 区 施 設 と し て 2つ の リ サ
イ ク ル シ ス テ ム を 設 定 で き た 。 リ サ イ ク ル シ ス テ ム 1は 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 3、 水 供 給 シ ス テ ム が タ イ プ 2、 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム が タ イ プ 2か ら構 成 さ れ る シ ス テ ム で あ り、 リ サ イ ク ル シ ス テ ム 2は 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム が タ イ プ 3、 水 供 給 シ ス テ ム が タ イ プ 2、 エ ネ ル ギ ー 供 給 シ ス テ ム が タ イ プ 3か ら構 成 さ れ る シ ス テ で あ る 。
(4)
リサ イ ク ル シ ス テ ム 1と リサ イ ク ル シ ス テ ム 2を 比 較 す る と 、 リ サ イ
ク ル シ ス テ ム 1は ピ ー ク ェ ネ ル ギ ー 負 荷 量 か ら み た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 が 最 も小 さ い ピ ー ク ガ ス 需 要 量 の 観 点 か ら、 100%ま
で 容 積 率 が 増 え た と して も環 境
負 荷 を 現 状 に 抑 制 で き る こ と が 分 か っ た 。 ま た 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 2は 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ た 環 境 負 荷 抑 制 効 果 が 最 も小 さ い 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 投 入 量 の 観 点 か ら、 160%ま
で 容 積 率 が 増 え た と して も環 境 負 荷 を 現 状
に抑 制 で き る こ と を 明 らか に し た 。 つ ま り、 容 積 率 の 増 加 は 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 投 入 量 の 観 点 か ら、 現 状 の 36
0%に 対 して 44%増
が 限 界 で あ る こ と を 明 らか に した 。
以 上 、 自立 型 地 区 施 設 を 導 入 す る こ と に よ り、 環 境 負 荷 抑 制 の 観 点 か ら容 積 率 増 加 の 限 界 を 明 らか に した こ と は 、 都 心 居 住 な どの 高 密 度 化 の 要 請 に対 して 都 市 成 長 の 限 界 を示 す 指 標 を 提 供 す る もの で あ る 。
245
第 9章
結論 と展望
第 9章
結 論 と展 望
9.1
結 論 の ま とめ
本 研 究 で 得 られ た 結 論 を 、 以 下 に示 す 。
第 1章 で は 、 ま ず 、 本 研 究 の 位 置 づ け を示 し た 上 で 、 従 来 研 究 と の 違 い を 明 ら か に し た 。 我 が 国 の 都 市 で は 市 街 地 が 広 域 に 亘 っ て ス プ ロ ー ル した 結 果 、 都 市 イ ン フ ラ は 巨 大 な ネ ッ トワ ー ク と な っ て 形 成 さ れ て き た 。 そ の た め 都 市 イ ン フ ラ は 非 効 率 と な っ た だ け で な く、 1995年
1月 に 発 生 した 兵 庫 県 南 部 地 震
に み る よ う に 災 害 に 対 し て 極 め て 脆 弱 な 状 況 を 呈 して い る 。 本 研 究 で は 、 こ れ ら の 対 策 と して ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 高 層 集 約 化 と 供 給 処 理 の 自立 型 地 区 施 設 ヘ の 転 換 を提 案 し た 。 一 方 、 従 来 研 究 に お い て は 、 都 市 を ク ラ ス タ ー 化 す る 等 の 研 究 が な さ れ て い る 。 こ の よ う に 都 市 空 間 の 高 層 集 約 化 と高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に ふ さ わ しい 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 が 高 ま っ て い る 。 一 方 、 大 都 市 圏 で の 最 終 ごみ 処 分 場 不 足 や慢 性 的 な水 不 足 、 更 に は省 エ ネ ル ギ ー の 問 題 か らエ ネ ル ギ ー ・ 廃 棄 物 ・ 水 系 を総 合 的 に 組 み 合 わ せ た リサ イ ク ル シ ス テ ム の 必 要 性 が 高 ま って い る。 以 上 よ り、 現 在 の 都 市 イ ン フ ラ が 抱 え て い る 問 題 点 を 解 決 す る た め に 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を対 象 と し た 自 立 型 地 区 施 設 に 関 す る 研 究 の 必 要 性 が 高 い こ と を 明 らか に した 。
第 2章 で は 、 集 合 住 宅 が 高 度 に 集 積 して い る 地 区 に お い て 、 非 常 時 に ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 停 止 した場 合 の 生 活 機 能 へ の 影 響 と そ の 対 策 と して の 供 給 処 理 系 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 を 明 らか に す る た め に 、 兵 庫 県 南 部 地 震 被 災 地 の 高 層 集 合 住 宅 住 民 300戸 を対 象 に ア ン ケ ー ト調 査 を行 っ た 。 そ の 結 果 、 住 民 が 避 難 した 最 大 の 理 由 は ラ イ フ ラ イ ン機 能 が 停 止 し生 活 に 支 障 を きた した こ と を 明 らか に した 。 つ ま り、 ラ イ フ ラ イ ン 機 能 は 住 民 生 活 に お い て 大 変 重 要 な 役 割 を
246
担 つ て い る こ と を デ ー タ に よ り明 らか に した 。 ラ イ フ ラ イ ン 全 般 の 必 要 性 で は 上 水 道 が 最 も高 く、 電 気 、 下 水 道 の 順 に 高 く、 ガ ス が こ れ ら に 次 い で 高 い 。 ラ イ フ ラ イ ン停 止 時 の 生 活 実 態 を 上 水 道 に つ い て み る と、 応 急 給 水 車 が 来 る ま で は 風 呂 、 洗 濯 、 ト イ レ な ど全 て 不 足 し て お り、 水 の 配 給 が 定 着 した 時 期 で は 飲 料 、 炊 事 用 水 の 不 足 感 は あ る 程 度 解 消 し、 生 活 用 水 、 雑 用 水 の 不 足 感 が 目立 っ た 。 ま た 、 非 常 時 に お い て あ る 程 度 の 電 気 ・ 水 ・ 熱 。通 信 機 能 を備 え た 非 常 時 自 立 型 集 合 住 宅 に つ い て は 99%の
住 民 が 大 切 と 考 え て い る こ と を示 した 。
以 上 よ り、 巨 大 地 震 被 災 地 住 民 に対 す る 調 査 デ ー タ に 基 づ い て 、 脆 弱 な 都 市 イ ン フ ラ に依 存 し な い 非 常 時 自立 型 地 区 施 設 の 必 要 性 が 高 い こ と を 明 らか に し た。
第 3章 で は 、 都 市 施 設 へ の 負 荷 が 大 き い 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て 都 市 施 設 の 機 能 を補 完 す る 地 区 施 設 の 新 し い 概 念 と そ の 機 能 を 提 案 し、 都 市 や 建 築 に 係 わ る 有 識 者 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 か ら導 入 す べ き 地 区 施 設 項 目 と そ の 機 能 を 明 ら か に した 。 そ の 結 果 、 提 案 した 地 区 施 設 項 目 13項 目 の う ち 導 入 す べ き地 区 施 設 は 、 必 要 性 の 高 い 順 に 共 同 溝 、 電 力 供 給 、 災 害 対 策 、 熱 供 給 、 水 供 給 、 廃 棄 物 処 理 、 廃 棄 物 収 集 の 7施 設 で あ つ た 。 ま た 、 提 案 した 61項 目 の う ち 導 入 す べ き機 能 は 44項 目 で あ り、 上 位 に 位 置 付 け ら れ る 22項 目 の 内 訳 を み る と 、 非 常 時 対 応 機 能 が 10項 目 と 最 も多 く、 共 同 溝 機 能 が 2項 目、 都 市 イ ン フ ラ 負 荷 軽 減 機 能 が 4項 目 、 未 利 用 エ ネ ル ギ ー 活 用 機 能 が 3項 目、 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 が 3項 目 で あ っ た 。 導 入 す べ き地 区 施 設 の 機 能 と して は 非 常 時 へ の 対 応 機 能 の 必 要 性 が 特 に高 か っ た 。 以 上 よ り、 新 た に 導 入 す べ き地 区 施 設 や 非 常 時 に 地 区 内 に お い て 対 応 の 必 要 性 が 高 い 機 能 な ど 、 新 し い 地 区 施 設 の あ り方 を 明 らか に し た 。
第 4章 で は 、 実 在 す る 高 層 集 合 住 宅 と そ れ と 同 規 模 の 住 戸 数 が あ る 戸 建 住 宅 地 区 を比 較 し、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ (共 用 部 縦 シ ャ フ トお よ び
247
そ こ に 収 容 され る 配 管 ・ 配 線 )の 優 位 性 を明 らか に した 。 戸 建 住 宅 地 区 の 都 市 イ ン フ ラ を水 平 ユ ー テ ィ リ テ イ と 定 義 し、水 平 ユ ー テ ィ リ テ イ と垂 直 ユ ー テ ィ リテ イ の モ デ ル を 設 定 して 、 初 期 投 資 額 と維 持 管 理 費 を対 象 に LCCを 算 定 し た 。 そ の 結 果 、 垂 直 ユ ー テ ィ リテ イ の LCCは 水 平 ユ ー テ イ リ テ イ に 比 べ て 4
0%程 度 小 さ く、 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ は LCCの 観 点 か ら は 経 済 的 で あ る が 、 住 民 に と って は 垂 直 の 場 合 は 全 て 自 己 負 担 の た め 負 担 が 大 き く、 水 平 に お い て 公 共 公 益 事 業 者 が 負 担 して い る 戸 建 住 宅 地 区 に 比 べ て 不 公 平 と 言 え る 。 以 上 よ り、 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 解 消 の た め 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ は 社 会 資 本 化 して 、 公 共 で 建 設 して維 持 管 理 す べ きで あ る こ と を明 らか に した 。
第 5章 で は 、 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 自立 型 地 区 施 設 と して リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 した 場 合 の 、 地 区 の 用 途 構 成 と一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 の 関 係 を 分 析 し た 。 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の モ デ ル と して 、 東 京 23区 の 250mメ 内 の 建 物 を集 約 した 場 合 を想 定 し、 東 京 23区 の 250mメ タ を 用 い て 全 9416メ
ッシュ
ッ シ ュ土 地利 用 デ ー
ッ シ ュ を建 物 用 途 構 成 を 分 類 す る こ と で 代 表 的 な 30
1種 の 用 途 構 成 に 絞 り込 ん だ 上 で 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム と して コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム と ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 組 み 合 わ せ か ら 3ケ ー ス を 設 定 し、 先 に 絞 り込 ん だ 301種
の用 途 構 成 につ い て 、 年 間電 力需 要 量 、 年 間 熱 需
要 量 、 1日 当 た り廃 棄 物 発 生 量 を 算 定 して 、 301種
の用 途構 成 の全 て につ い
て 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よ る 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を算 定 した 。 そ の 結 果 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 は大 きい 順 に、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム とごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム の 併 用 シ ス テ ム 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 、 ご み 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム と な り、 ま た 、 用 途 地 区 で は 宿 泊 用 途 地 区 が 最 も大 き い こ と を 明 ら か に した 。
第 6章 で は 、 日本 の 主 要 都 市 の 人 口 密 度 形 態 を モ デ ル 化 し、 各 都 市 の 形 態 と 環 境 汚 染 度 を比 較 す る こ と で マ ク ロ 的 に 環 境 に 寄 与 す る 都 市 を検 討 した 。 都 市
248
の 人 口 密 度 形 態 に つ い て は 市 域 面 積 (行 政 面 積 )、
DID面
積 、 人 口密 度 、 D
ID人 口 密 度 か ら モ デ ル 化 す る 手 法 を 提 案 し、 東 京 都 区 部 と 12の 政 令 指 定 都 市 の 人 口密 度 形 態 モ デ ル を作 成 した。 過 密 度 指 標 (人 口 密 度 /DID人
口密 度 )
を定 義 し て 、 東 京 都 区 部 と 12の 政 令 指 定 都 市 を対 象 に 、 各 都 市 の 過 密 度 指 標 と 人 口 密 度 の 関 係 か ら都 市 の 人 口 密 度 形 態 と して 代 表 的 な 5つ の 形 態 に 分 類 し た 。 次 に 、 都 市 の 人 口 密 度 形 態 指 標 と し て 提 示 した 行 政 面 積 (市 域 面 積 )、 口 、 人 口 密 度 、 DID面 密 度 /DID人
積 、 DID人
口 、 DID人
人
口 密 度 、 過 密 度 指 標 (人 口
口 密 度 )の 7指 標 と環 境 汚 染 度 の 指 標 と し て 提 示 し た 各 都 市 の
BOD、 NOx、 SOx、
浮 遊 物 質 状 粒 子 の 4指 標 に つ い て の 測 定 値 の 年 間 平
均 値 と の 相 関 分 析 を行 っ た 。 そ の 結 果 、 汚 染 度 指 標 に よ っ て ば ら つ き は あ る が 、 環 境 汚 染 度 は 過 密 度 指 標 と 一 次 相 関 性 の 高 い こ と を 明 らか に し た 。 つ ま り、 過 密 度 指 標 か らみ る と 、 都 市 形 態 的 に は I形 態 (都 市 部 が 全 て DID地
区 とな っ
て い る 、 東 京 都 区 部 、 大 阪 市 )か ら V形 態 (市 域 面 積 が 比 較 的 大 き く、 非 DI
D面 積 が 大 き く、 DID地
区 に 人 口 が 集 中 して い る 、 仙 台 市 、 札 幌 市 な ど の 都
市 )へ 移 行 す る 程 、 環 境 汚 染 度 が 低 く な る 傾 向 に あ る こ と を示 し た 。 以 上 よ り、 都 市 人 口 の 増 加 が 上 む を 得 な い 場 合 は 、 市 街 地 の ス プ ロ ー ル を 防 ぐ た め に も、 周 辺 市 街 地 を 低 密 度 化 し て 中 心 市 街 地 を 高 密 度 化 す る こ と に よ っ て 良 好 な 環 境 を 維 持 で き る こ と を 明 ら か に した 。
第 7章 で は 、 東 京 都 心 R地 区 を モ デ ル に 、 廃 棄 物 排 出量 と上 水 使 用 量 お よ び 下 水 放 流 量 を削 減 す る 自 立 型 地 区 施 設 導 入 に よ る都 市 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 効 果 に つ い て ケ ー ス ス タ デ イ を行 い 、 合 わ せ て 第 2章 で 明 らか に した 非 常 時 に お い て 最 も必 要 性 が 高 く か つ 不 足 感 が 大 き い 生 活 用 水 ・ 雑 用 水 に つ い て 、 中水 利 用 に よ る 非 常 時 自立 の 可 能 性 に つ い て 検 討 した 。 まず 、 自立 型 地 区 施 設 と して 、 水 系 の シ ス テ ム と し て 雨 水 利 用 ・ 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 供 給 )を 導 入 した 上 で 、 廃 棄 物 系 に つ い て 可 燃 ご み 。厨 芥 の 焼 却 又 は RDF化 す る 汚 泥 の コ ン ポ ス ト化 又 は RDF化
と排 水 処 理 後 に発 生
を 示 し、 こ れ ら を組 み 合 わ せ た 4つ の リ
249
サ イ ク ル シ ス テ ム を 提 案 した 。 つ ぎ に 、 こ の 4つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を東 京 都 心 R地 区 に 導 入 した 時 の 平 常 時 に お け る 上 水 使 用 量 ・ 下 水 放 流 量 ・ 廃 棄 物 排 出 量 の 削 減 効 果 を 算 定 し た 。 そ の 結 果 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム と して 水 系 に 雨 水 利 用 シ ス テ ム と 排 水 再 利 用 シ ス テ ム (中 水 供 給 )を 、 廃 棄 物 系 に 可 燃 ご み 。厨 芥 お よ び 汚 泥 の RDF化
シ ス テ ム と RDF発
上 水 使 用 量 を 57%、
下 水 放 流 量 を 54%、
電 シス テ ム を 導 入 す る こ とに よ り、 廃 棄 物 排 出 量 を 83%削
こ と を示 した 。 ま た 、 非 常 時 に お い て は 中 水 貯 留 槽 4000m3を
減可能 な
有 す る排 水
再 利 用 シ ス テ ム (中 水 供 給 )の 導 入 に よ り、 生 活 用 水 ・ 雑 用 水 の 7日 間 の 非 常 時 自立 の 可 能 性 を 示 した 。 以 上 よ り、 水 ・ 廃 棄 物 系 自立 型 地 区 施 設 の 導 入 に よ り都 市 イ ン フ ラ負 荷 の 大 幅 削 減 と 中水 利 用 に よ る 雑 用 水 の 非 常 時 自 立 を 明 ら か に し た 。
第 8章 で は 、 東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 す る こ と で 、 高 密 度 化 して も環 境負 荷 量 を現 状 の 範 囲 内 に抑 制 で き る 可 能 性 を 検討 した 。 まず 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、年 間 NOx排 出 量 、 年 間 SOx排 出量 、 ピ ー ク エ ネ ル ギ ー 負 荷 、 日別 廃 棄 物 負 荷 、 日別 水 負 荷 の 6項 目 を 環 境 負 荷 の 指 標 と して 設 定 し、 容 積 率 増 加 後 に お け る 環 境 負 荷 容 量 お よ び 都 市 イ ン フ ラ 容 量 を 、 そ れ ぞ れ 現 行 容 積 率 の 範 囲 内 抑 制 す る 自立 型 地 区 施 設 と して リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 した場 合 に お け る 環 境 負 荷 抑 制 の 考 え方 を 提 案 し た 。 つ ぎ に 、 6項 目 の 環 境 負 荷 指 標 の 中 か ら直 接 的 に 環 境 負 荷 へ 影 響 を 与 え る 要 素 と して 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 、 年 間 NOx排 出 量 お よび 年 間 SOx排 出 量 の 3項 目 を 選 定 して 、 現 行 容 積 率 の 範 囲 内 で 環 境 負 荷 が 最 小 とな る 条 件 で 、 こ れ らの 3指 標 に つ い て 東 京 臨 海 T地 区 に 廃 棄 物 系 ・ 水 系 ・ エ ネ ル ギ ー 系 の リサ イ ク ル シ ス テ ム を 導 入 した場 合 の 最 適 導 入 形 態 を 検 討 し た 。 最 適 導 入 形 態 と して 、 廃 棄 物 系 は 地 区 内 で 可 能 な 限 リリサ イ ク ル を 図 っ て ご み 排 出 量 を低 減 し、 リサ イ ク ル 不 可 能 な可 燃 ご み を 地 区 内 で 焼 却 す る タ イ プ 3が 、水 系 は 地 区 内 に 中 水 道 プ ラ ン トを設 け て 可 能 な 限 り水 の リサ イ ク ル を 図 り、 上 水 需 要 量 お よ び 下 水 放 流 量 を
250
抑 え た タ イ プ 2が 、 エ ネ ル ギ ー 系 は 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費 量 か らみ る と 、 地 区 内 の 下 水 処 理 水 を ヒ ー トポ ン プ の 熱 源 に 利 用 した シ ス テ ム で 、 電 力 供 給 は ご み 発 電 を最 優 先 に不 足 分 を コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム で 補 い 、 更 に不 足 す る分 を 系統 電 力 で 賄 う シス テ ム が、 熱 供給 は ヒ ー トポ ン プ と ご み発 電 廃 熱 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム 排 熱 を利 用 した タ イ プ 3が 選 定 で き、 大 気 汚 染 物 質 の 排 出量 か らみ る と 、 電 力 供 給 は ご み 発 電 を最 優 先 に不 足 分 を コー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム で 補 い 、 更 に 不 足 す る 分 を系 統 電 力 で 賄 う シ ス テ ム が 、 熱 供 給 は ごみ 発 電 廃 熱 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン排 熱 を優 先 的 に利 用 し ヒ ー トボ ン プ を 使 用 しな い タ イ プ 2が 選 定 で き た 。 こ れ を踏 ま え て 、 廃 棄 物 系 ・ 水 系 ・ エ ネ ル ギ ー 系 に つ い て 、 こ れ らの最 適 導 入 形 態 を 組 み 合 わせ た 2つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を設 定 した上 で 、 東 京 臨 海 T地 区 の 現 状 容 積 率 に お け る 環 境 負 荷 量 を算 定 し、 次 に 、 容 積 率 を 増 加 させ な が ら 2つ の リサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 した 場 合 の 環 境 負 荷 量 を算 定 した 。 そ の 結 果 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 投 入 量 の 観 点 か ら容 積 率 の 増 加 は 現 状 の 40
%増 が 限 界 で あ る こ と を明 らか に した 。
251
9.2
今 後 の展 望
我 が 国 の 大 都 市 で は ス プ ロ ー ル に よ り都 市 を 成 長 させ て き た が 、 都 市 イ ン フ ラ が 効 率 性 や 災 害 時 脆 弱 性 の 面 か ら課 題 を抱 え る 現 在 、 都 市 環 境 計 画 の 観 点 か らの 対 策 が 必 要 と考 え られ る 。 本 論 文 は 、 こ の よ う な 背 景 を 踏 ま え 、 既 成 市 街 地 等 の 再 開 発 お よ び 臨 海 部 埋 立 地 等 の 新 規 開 発 に よ つ て 次 々 と 誕 生 して い る 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 を対 象 に 、 従 来 の 都 市 計 画 に な か っ た 都 市 施 設 の 従 来 機 能 を補 完 す る 、 非 常 時 に 自 立 可 能 な 地 区 施 設 の 新 し い 概 念 と そ の 機 能 を 提 案 し 、 有 識 者 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 か ら導 入 す べ き地 区 施 設 項 目 と そ の 機 能 を 明 ら か に した 。 ま た 、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リ テ イ の 社 会 資 本 化 の 必 要 性 を 示 し、 自立 型 地 区 施 設 に 関 す る 各 種 導 入 効 果 を 明 らか に し た も の で あ る 。 一 方 、現 状 の高 度 都市 機 能 集積 地 区 にお け る供 給 処 理 系 地 区施 設 の導 入 状 況 を み る と 、 熱 供 給 、 中水 供 給 は 殆 ど の 地 区 に お い て 実 施 さ れ て い る が 、 地 区 内 廃 棄 物 管 路 収 集 は 一 部 の 地 区 へ の 導 入 に と ど ま り、 地 区 内 電 力 供 給 は 一 部 の 地 区 に お い て 平 常 時 の ビル コ ー ジ ェ ネ エ ー シ ョ ンシ ス テ ム と して 実 施 さ れ て い る が 、 非 常 時 へ の 対 応 につ い て は法 規 制 に よ る非 常 用 発 電 機 が 設 置 され て い る に 過 ぎず 、 非 常 時 自 立 の 観 点 か ら は 十 分 と は 言 え な い 。 ま た 、 雨 水 利 用 に よ る 水 供 給 と廃 棄 物 処 理 は 殆 ど導 入 さ れ て い な い 。 こ の こ と は 、 開 発 者 側 に と っ て 経 済 的 利 点 の 多 い 地 区 施 設 の 導 入 は 進 ん で い る が 、 あ ま り利 点 が な い も の の 導 入 は 殆 ど 進 展 せ ず 、 相 変 わ らず 、 自 治 体 。公 共 公 益 事 業 者 の 都 市 イ ン フ ラ に 大 部 分 を依 存 して い る 状 況 を 示 して い る 。 一 方 、 ドイ ツ の 自動 車 産 業 に お け る 部 品 リサ イ ク ル 活 動 や 先 進 各 国 間 で 議 論 さ れ て い る 炭 素 税 等 の 例 に み る よ う に 、 地 球 環 境 に 対 す る 保 全 意 識 は 先 進 国 を 中 心 に 高 ま り を み せ て お り、 我 が 国 の 都 市 計 画 に お い て も、 従 来 の 経 済 性 、 効 率 性 一 辺 倒 か ら 、 今 後 は 、 グ ロ ー バ ル な 視 点 に よ る 環 境 保 全 型 都 市 へ の 転 換 の 必 要 性 が 高 ま る と予 想 さ れ る 。 こ の よ う な 背 景 か ら、 資 源 ・ エ ネ ル ギ ー の リ サ イ ク ル 利 用 を 目指 す 自 立 型 地 区 施 設 の導 入 促 進 に 向 け て 、 新 た に計 画 され る高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 自立 型 地 区 施 設 は 、 事 業 者 で あ る 「 私 」 と 自 治 体 ・ 公 共 公 益 事 業 者 で あ る
252
「 公 」 と の 中 間 的 存 在 の 「 共 」 と して 位 置 づ け 、 「 私 」 と「 公 」 が 共 同 事 業 と して 建 設 し維 持 管 理 す る こ と を 提 案 す る 。 こ れ に よ り、 懸 案 で あ つ た 「 私 」 側 の 経 済 負 担 を軽 減 し 、 「 公 」 側 に お い て も都 市 イ ン フ ラ増 強 の た め の 費 用 負 担 が 軽 減 で き る上 に 、 環 境 負 荷 が 小 さ く非 常 時 自 立 が 可 能 な 、 効 率 的 で 快 適 な 都 市 環 境 を 実 現 で き る もの と 考 え る 。 一 方 、 この 自立 型 地 区 施 設 の 管 理 運 営 を み る 時 、 今 後 の 都 心 居 住 推 進 の 施 策 に よる か 、或 い は 、 世 田谷 ・ 中野 区等 の 老 朽 木 造 住 宅 密 集 地 にお け る既 成 市 街 地 再 開 発 等 に よ り誕 生 す る と 予 想 さ れ る 、 特 に 、 住 居 施 設 の 比 率 が 高 い 高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 従 来 に な い 新 しい 方 策 が 必 要 と考 え る 。 建 設 省 の 調 査 で は 、 集 合 住 宅 の 定 住 意 識 は 30%程
度 で あ る の に対 し て 、 早 稲 田大 学 尾 島
研 究 室 の 調 査 に よ る と 、 千 葉 県 松 戸 市 の A集 合 住 宅
(約 580戸
)で は 住 民 が
建 物 の 外 壁 。共 用 部 内 装 お よ び 共 用 部 設 備 の 維 持 保 全 計 画 や 駐 車 場 管 理 、 植 栽 計 画 等 を行 う こ と に よ り、 住 民 の 約 80~
90%が
良 好 な環 境 の 維 持 、 住 み 心
地 の 良 さ 、 コ ミ ュ ニ テ イ の 形 成 等 に 役 立 っ て い る と 考 え て お り、 こ の 集 合 住 宅 の 定 住 意 識 は 約 70%と
非 常 に高 い。
高 度 住 機 能 集 積 地 区 に お い て は 、 住 民 の 定 住 意 識 を高 め 、 快 適 な 都 市 環 境 を 回 復 し、 災 害 に 強 い 安 全 な 街 を作 る た め 、 自立 型 地 区 施 設 の 管 理 運 営 は 専 門 業 者 に 全 て を任 せ る の で な く、 住 民 が 中 心 と な っ て 推 進 す る こ と を 提 案 す る 。 こ の 組 織 運 営 に 当 た り、 自治 体 ・ 公 共 公 益 事 業 者 は 人 的 。物 的 支 援 を積 極 的 に 行 い 、 環 境 保 全 都 市 ・ 非 常 時 自立 都 市 の 実 現 を推 進 す べ き で あ る 。 こ の 高 度 住 機 能 集 積 地 区 を主 要 な 構 成 要 素 と して 高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 が 広 域 に ネ ッ トワ ー ク化 さ れ る こ と で 、 我 が 国 大 都 市 圏 に お け る都 市 イ ン フ ラ の 抱 え る 問 題 点 の 多 く が 解 消 に 向 か う こ とが 期 待 さ れ る 。 自治 体 、 公 共 公 益 事 業 者 、 デ イ ベ ロ ッ パ ー お よ び 都 市 計 画 ・ 都 市 環 境 計 画 の 設 計 者 は 、今 後 、 新 た に計 画 が 予 想 さ れ る高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 にお け る 自 立 型 地 区 施 設 の 実 現 ・ 推 進 に 向 け て 一 致 協 力 し、 く わ え て 、 大 い な る 努 力 と 研 鑽 が 切 望 さ れ る次 第 で あ る 。
253
。謝辞 ・ 参考文献 ・ 履 歴書 ・ 研 究業績
謝
辞
私 が、都 市 の環境 計画 の研 究 には じめ て取 り組 んだの は 、 1970年 に早稲 田大 学 建 築学科 尾 島俊雄先 生 (当 時 助 教授 )か ら事業 論 文 のテ ー マ と して与 えて頂 い た 「 日 本万 国博 地域 冷房調 査 」 の 時 で した。 当時、 日本 は高度 経 済 成長期 に あた り、過 去 に 例 をみ な い ス ピー ドで 多 くの ビル が建 設 され た 結 果 、東 京 をは じめ とす る大都 市 圏 で は ビルの 冷 暖房熱源 で あ るポ イ ラ ー か ら排 出 され る大気 汚 染物 質 が大 きな環境 問 題 で あ つた 。 この 問題 を解 決す るた め に、 地域 冷暖 房 の 必要 性 に い ち早 く注 目され、 日本 の 先駆者 と して地域 冷 暖房 の研 究 をされ て い たの が 尾 島先 生 で あ った 。我 々 の 事 業 論 文 は、 当初 、「全電 気 空調 と ヒ ー トボ ン プ」 の テ ー マ で ス ター トしたが 、暗 中模 索 の まま 2カ 月 間が経過 した。 7月 29日 に、 急 違、 尾 島先 生 か ら「万 国博 地域 冷房 の 実 測調査」 をや って は ど うか と い う話 しが あ り、途 中で こ の テ ー マ に変 更 され た 。 卒 業 論 文 で は、共 同研 究 の 仲 間で あ る山下雅 巳氏 (現 戸 田建 設 )や 小林伝 氏 らと連 日深 夜 まで議論 し、斉藤氏 (現 国士 舘 大 学教授 )、 根 津 氏 (現 日本環境技研 )な ど多 くの 諸 先 輩 に丁寧 な ご指導 を頂 きま した。 この 時 、先進 技術 で あ る地域 冷房 の 実測調査 に 関 わ った こ とが 、今 日、 地 区 レベ ルの環境 計 画 の 企 画 ・ 立 案 や研 究 に取 り組 む 精神 的 基 盤 にな って い る こ とを、論 文 を執筆 しなが ら改 め て 実感 して い る。 あ の 時 か ら、 20年 余 りが 経 過 した 1992年 秋 、都 市 の 再 開発計画 にお け る環 境 問題 につ い て 尾 島先 生 に ご指 導 を仰 ぐ機会 があ り今 日に至 って お ります 。都 市 にお け る環 境 問題 は非常 に大 きなテ ーマ で あ り、将 来 を見通 した高 い 見識 に基 づ き都 市 の 環 境 計画 を策定す る必 要 があ ります 。地球環 境 や都 市 環境 問題 に高 い 関心 が 集 まる こ う した時期 に 、 この よ う な社会 に対 して意義有 る論 文 を執 筆 す る機会 を与 えて下 さ つ た 早 稲 田大学 教授尾 島俊 雄先生 に深 く感謝 す る次第 で す。 尾 島先 生 には、 この 意義深 い 研 究 テ ー マ につ い て 、終 始 一 貫 して親切 丁寧 な ご指 導 を賜 りま した ばか りで な く、常 に大所高所 か ら示 唆 に富 む ご意 見 をい ただ き、都 市 環 境 に関 す る理 解 を深 め る機会 を与 えて い た だ きま した こ と を心 か ら感 謝 い た します 。 早稲 田大 学教授 木 村建 一 先 生 、渡辺仁 史先 生 、早稲 田 大 学 大学 院理 工 学研 究科 客 員 教授 石福 昭先 生 には 、 ご多忙 の 中、快 く審 査 をお 引 き受 け い ただ き、 また貴重 な ご 助 言 とご指導 をい ただ きま した こ とを感謝 い た します 。 早稲 田大 学理 工 学 総 合研 究 セ ン ター講 師村上公 哉 先生 には 、研 究 に取 り組 む当初 か ら、 この研 究 テ ー マ に つい て 、 終 始 一 貫 して親切 丁寧 な ご指 導 と度重 な る激励 を い た だ きま した こ とを深 く感謝 い た します。
254
早稲 田大 学理 工 学 総合研 究 セ ン タ ー 助 教授 高橋 信 之先 生 に は 、随所 で 貴重 な ご意 見 をい た だ きま した こ とを感謝 い た します 。 横 浜 国 立大 学助教授 佐土 原 聡 先生 に は 、論 文 の節 目にお い て 貴 重 な ご助言 を い た だ きま した こ とを感 謝 い た します。 エ ネ ル ギ ー総合推 進委員会 事務 局市 川 徹 氏 (東 京 ガス 株 式 会 社 在 籍 )に は 、研 究 当 初 か ら論 文 を書 か れ た ご 自分 の経験 を通 じた貴 重 な ア ドバ イス や励 ま しの お言葉 を い ただ き大 い に勇気 づ け られ ま した こ と を感謝 い た します 。 また 、研 究 テ ー マ の 萌 芽 段 階 の 頃、佐土 原先 生 と 3人 で 長時 間 に亘 り熱 い 議論 を した こ とが 思 い 起 こ され ます。 株 式会社 竹 中工 務 店宮 下正 裕 氏 には、 論 文作 成 の 苦 しい 時期 に何 か と激励 の お言 葉 を い ただ き、大 い に元気 づ け られ ま した こ とを感謝 い た します 。 最後 にな りま したが、デ ー タの収 集 ・ 分析 にお い て多 大 な協 力 を得 ま した は 、早 稲 田大 学尾 島研究室 の 木 山佳 世 (現 大 学 院生 )、 市 川裕 康 ・ 戸 倉 将 。水 谷 義和 (当 時 大 学 院生 )、 大西裕 之 (卒 論 生 )、 岡泰 子 ・ 白石貴 大 ・ 須 山真 慈 (当 時卒論 生 )の 各 氏 に深 く感謝 の意 を表 します 。
255
注
1)都 市 施 設 :都 市 計 画 法 第 11条 1項 に定 め る 施設 で 、 道路 、 公 園 、 水 道 ・ 電 気 ・ 下 水 道 ・ ご み 焼 却 場 な どの 供 給 施 設 又 は 処 理 施 設 、 学 校 、 医 療 施 設 等 を い う。
2)地 区 計 画 :都 市 計 画 法 第 12条 の 五 に規 定 され 、 建 築 物 の 建 築 形 態 、 公 共 施 設 そ の 他 の 施 設 の 配 置 等 か らみ て 、 一 体 と して そ れ ぞ れ の 区 域 の 特 性 にふ さ わ し い 様 態 を 備 え た 良 好 な 環 境 の 各 街 区 を整 備 し、 保 全 す る た め の 計 画 を い う。
3)地 区施設 :都 市 計画 法第 12条 の 五 2項 に規 定 され 、 主 として 街 区内 の 居住者等 の 利 用 に供 され る道 路 、公 園 そ の 他政令 で 定 め る施設 を い う。
4)施 設 の 対 負 荷 能 力 :本 論 文 で は 、 地 区 の 負 荷 量 に対 す る 都 市 施 設 の 割 合 を対 負 荷 能 力 と定 義 す る 。
256
参考文献
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257
9月
12)東 京 都 :臨 海 部 副 都 心 開 発 基 本 計 画 豊 洲 ・ 晴 海 開 発 基 本 方 針 、 平 成 2年 13)外 岡 、 船 渡 川 、 馬 場 :環 境 と エ ネ ル ギ ー を 重 視 し た 高 密 度 都 市 モ デ ル 8月 そ の 2 基 本 構 想 、 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 、 1995年 14)外 岡 、 船 渡 川 、 馬 場 :環 境 と エ ネ ル ギ ー を 重 視 し た 高 密 度 都 市 モ デ ル その 3 高 密 度 都 市 の 構 造 、 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 、 199 5年 8月
15)外 岡 、 船 渡 川 、 馬 場 :環 境 と エ ネ ル ギ ー を 重 視 し た 高 密 度 都 市 モ デ ル シ ミ ュ レ ー シ ョ ンモ デ ル、 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 、 その 4 1995年 8月 6)都 市 計 画 法 第 11条 1項 7)国 土 開 発 調 査 会 :下 水 道 整 備 管 理 総 覧 、 1990年
3月
8)建 築 知 識 :都 市 ・ 建 築 企 画 開 発 マ ニ ュ ア ル 94年 度 版 、 1994年 9)東 京 都 都 市 計 画 局 :東 京 23区 の 250m土
地 利 用 数 値 デ ー タ、 平 成 3
年版
20)尾 島研 究 室 所 有 の 建 物 用 途 別 原 単 位 21)東 京 都 :建 物 用 途 別 廃 棄 物 発 生 量 原 単 位 22)横 浜 市 :建 物 用 途 別 廃 棄 物 発 生 内 訳 割 合 23)(社 )空 気 調 和 ・ 衛 生 工 学 会 :空 気 調 和 衛 生 工 学 便 覧 第 10版 24)日 本 建 築 学 会 :建 築 資 料 集 成 6 25)札 幌 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 26)仙 台 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 27)千 葉 市 :統 計 年 鑑 、 1992年
258
6月
28)東 京 都 :統 計 年 鑑 、 1992年 29)川 崎 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 30)横 浜 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 31)名 古 屋 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 32)京 都 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 33)大 阪 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 34)神 戸 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 35)広 島 市 :統 計 年 鑑 、 1992年 36)北 九 州 :統 計 年 鑑 、 1992年 37)福 岡市 :統 計 年 鑑 、 1992年 38)東 京 都 清 掃 局 :事 業 概 要 、 平 成 7年 度 版 39)東 京 都 水 道 局 :事 業 概 要 、 平 成 7年 度 版
40)内 田、紀 谷 :雑 用水 施 設 の 設置条件 に伴 う地域 内外 での 負荷 量 の 変化 と 特 徴 、 日本建 築学会 計画系 論 文集、第 463号 、 1994年 9月 1)東 京 都 清 掃 局 :東 京 ご み 自 書 、 1995年 2)東 京 都 下 水 道 局 :事 業 概 要 、 平 成 7年 度 版 3)東 京 都 清 掃 局 :破 砕 処 理 作 業 計 画 、 平 成 7年 度 版 4)東 京 都 下水 道 局 :東 京 都 下 水 道 事 業 年 報 、 平 成 6年 度 版 5)尾 島俊 雄 研 究 室 :建 築 の 光 熱 水 原 単 位 (東 京 版 )、 早 稲 田 大 学 出 版 部 、 1995年 6)東 京 都 :豊 洲 ・ 晴 海 開 発 整 備 方 針 、 平 成 3年 度 版 259
履歴書 本 籍 地
栃 木 県 佐 野 市 馬 門 町 957番
現 住 所
〒 272-01
ふ りが な
も ろ たか し
氏
茂 呂
名
地
千 葉 県 市 川 市 南 行 徳 4丁 目 19の 7
隆
歴
学 昭 和 41年 3月
栃 木県 立 佐 野高 等学校 卒業
昭 和 42年 4月
早稲 田大 学理 工 学 部建 築 学 科 入 学
昭 和 46年 3月
早稲 田大 学 理 工 学 部 建 築 学 科 卒 業
研
究
歴
昭和 48年 4月
株 式 会 社 竹 中工 務 店 東 京 本 店 設 計 部 にお い て ビ ル群 管 理 シ
~ 63年 3月
ステム、 光通信 シ ス テム、太 陽電 池・ 燃料電池・水 素吸 蔵 合 金利 用 技 術 、 竹 中 イ ンテ リ ジ ェ ン ト ビ ル の研 究 開 発 に 従 事
昭 和 63年
4月
~ 平 成 8年
2月
株 式 会 社 竹 中工 務 店 東 京 本 店 設 計 部 に お い て 地 域 との 共 生 を 目指 し た 原 子 力 施 設 の 研 究 、 環 境 調 和 型 廃 棄 物 処 理 シ ス テ ム の研 究 、 エ コ ロ ジ カ ル都 市 イ ン フ ラ統 括 セ ン タ ー の 研 究 、環 境 共 生 新 都 市 シ ス テ ム の研 究 、 竹 中 エ コ シ ス テ ム の 研 究 、 自 立 型 防 災 拠 点 地 区 、 シ ス テ ム の 研 究 に従 事
職
歴
昭 和 46年 4月
株 式会 社 竹 中工務 店 入社
昭 和 63年 4月
株 式 会 社 竹 中工 務 店 東 京 本 店 設 計 部 情 報 課 長
平成
4年 4月
株 式 会 社 竹 中 工 務 店 東 京 本 店 設 計 部 設 備 課 長 、 現 在 に至 る
賞
罰
な
し
260
研究業績 (1) 発表 。発行年月 発表 。発行掲載誌名 連名者
種類 別 題 名
論 文 ○ 高層集合住宅 と戸建住宅地区にお け 1995年 ■0月
るユー テ ィリテイの 費用負担 に関す
日本建築 学会計画系 論文集第 476号
る研究 論文○ 高度都市機能集積地 区 にお ける新 し 1997年 4月 掲載 日本建築 学会 計画系 尾 島俊雄 地区施設 の機能 に関す る研 究
講演
予定 コンパ シティ クト 「 」計画 に関す る 1996年 9月 研究 (そ の 1)世 田谷 区太子堂地区
論文集
日本建築学会大会学 尾 島俊雄 術 講演梗概集
におけるケー スス タデ ィ 講演
他 4名 日本建築 学会大会学 尾 島俊雄
研究 (そ の 2)世 田谷 区太子堂地区
術講演梗概 集
高橋信之 他 4名
工場用地 の利用転換 に ともな う研 究 1996年 9月 コンソー シアム構想 に 関す る研 究
日本建築 学会大会学 尾 島俊雄 術講演梗概集
(そ の 1)
講演
高橋信之
「 コンパ ク トシティ」計画 に関す る 1996年 9月 における環境計画
講演
村上公哉
高橋信 之 他 4名
阪神大震 災 にみるライ フライン機能 1996年 ■月
日本建築学会 関東支 尾 島俊雄
停止時 にお け る各種建築物 の使 われ
部研究報告集
方 に関す る調査研 究 (そ の 1)、
村上公哉 他 3名
医療施設 にお ける活動 と機能維持 方法 講演
阪神大震 災 にみるライフ ライ ン機能 1996年 3月
日本建築学会 関東支 尾 島俊雄
停止時 にお ける各種建 築物 の使 われ
部研究報告集
方に関す る調査研 究 (そ の 2)、 宿泊 。商業施設 にお け る活動 と機
村上公哉 他 2名
能維持方法 講演
阪神大震災 にみるライフ ライ ン機能 1996年 3月
日本建築学会 関東支 尾 島俊雄
停止時 にお ける各種建築 物 の使 われ
部研 究報告集
方に関す る調査研 究 (そ の 3)、 集合住宅 にお ける住民 の生 活へ の
村上公哉 他 3名
影響 講演
阪神大震災 にみるラ イ フライ ン機能 1996年 3月
日本建築 学会 関東支 尾 島俊雄
停止時 にお ける各種建築物 の使 われ
部研究報告集
方に関す る調査研 究 (そ の 4)、
村上公哉 他 3名
学校 にお ける避難所機 能 講演
環境負荷 か らみたシス テ ムの最適導 1995年 8月
日本建築学会大会学 尾 島俊雄
入形態の検討、再開発地区にお ける 供給処理 システムの クローズ ド化 に
術 講演梗概集
関する研 究 (そ の 1)
261
村上公哉 他 1名
研究業績 (2) 発表 。発行年 月 発表・ 発行掲載誌 名 連名者
種類別 題 名 講演
リサ イクル システム導入 による容積 1995年 8月
日本建築学会大会学 尾 島俊雄
率緩和 の可能性 の検討、再 開発地区 における供給処理 システムのクロー
術 講演梗概集
村 上公哉 他 1名
ズ ド化 に関 す る研究 (そ の 2) 講演
容積率緩和 にお けるシス テ ムの経済 1995年 8月
日本建築学会大会学 尾 島俊雄
の検討、再 開発地区 にお ける供給処 理 システムの ク ローズ ド化 に関す る
術講演梗概集
村上公 哉 他 1名
研究 (そ の 3) 講演
東京都 23区 250mメ ッシ ュ内の建物 1995年 8月
日本建築学会大会学 尾 島俊雄
用途構成比 とそ の負荷特性 、 リサ イ クル型 の水 。エ ネルギー供給処理 シ
術講演梗概 集
村 上公 哉 他 2名
ス テ ム導入 可能最小空間規模 に関す る研究 (そ の 1) 講演
リサイクル型 の供給処理 システムの 1995年 8月
日本建築学会大会学 尾 島俊雄
導入可能最低 延床面積 の算定、 リサ イクル型 の水 。エ ネルギ ー供給処理
術講演梗概集
村 上公 哉 他 2名
システム導入 可能最小空間規模 に関 す る研究 (そ の 2) 講演
超高層住宅 にお ける縦型 ユ ー テイリ 1995年 3月
日本建築学会 関東支 尾島俊雄
テ イの社会資本化 に関す る研究
部研究報告集
村 上公哉 他 2名
講演
セ ミクローズ ドシス テム導入 の可能 1995年 3月
日本建築学会 関東支 尾島俊雄
性 か らみた都市 の高密度化 にお け る
部研 究報告集
他 2名
最低集積度 に関す る研究 そ の 他 大規模都市 イ ンフラス トラクチ ヤー 投稿 中 (講 演)
村上公哉
日本機械学会論文集 伊東弘 一
の最適計画
横 山良平 他 l名
ヒー トポ ンプ海外技術 交流会議
1992年 7月
技術 開発 セ ン ター
(米 国、 カ ナ ダ)
ビル管理 システ ムにおける光 ファイ 1984年 12月 バ ー採用 の 実施例
THE TECHNICAL FORUM ON OP
(財 )ヒ ー トポ ンプ 川上俊彦
MARCHI
TICAL TECHNOLOGY APRICAT
他 3名
日本技術経済 セ ン タ 高橋
毅
他 2名
OPTICAL FORUM 1984 IN MAREYSHIA
KEI MORI
ION SYSTEM IN CITY AREA そ の 他 ヒー トリサ イクル技術総合評価 に関 1996年 3月 (著 書 )
(財 )ヒ ー トボ ンプ 神沢
技術 開発 セ ン ター
す る調査研 究
262
淳
他 12名
研 究業績 (3) 種類別 題 名
発表・ 発行 年月 発表 。発行掲載誌 名 連名者
そ の 他 広域 エ ネ ルギ ー利用 に係 る先進的基
1995年 3月
(著 書)
(財 )ヒ ー トポ ン プ 斉藤孝基
盤技術 の調査研 究 (そ の 2)
技術 開発 セ ン ター
地域 と共生 を 目指 した原子力施設 の 1995年 む月
清水建設、竹 中工 務 長崎駿 二
研究
店共著
郎他
竹 中工務 店
横山
1995年 3月
オ フイスの紙利用技術調査研 究
他
他
広域 エネルギ ー利用 に係 る先進的基 1994奪 聡月
技術開発 セ ン ター
盤技術の調査研究 (そ の 1)
│
(財 )ヒ ー トポ ン プ 斉藤孝基
民生用灯油利 用高度化 のための基盤 1994年 3月 整備 に関す る調査 (灯 油 ヒー トポ ン
他
(財 )石 油産業活性
化 セ ンター
プの導入基盤整備 に関す る調査 ) イ ンテ リジ ェ ン トビル、高度情報化 1986年 9月
日本経 済新 聞社
社会 のオフイス
対馬義幸 他 9名
1979年 H月
ビル管理業務 の実態
(財 )建 築保全 セ ン
ター 光 ファイバ ー通信 による ビル群管理 1980年 5月
電子技術
システムの設計実例 光 ファイバ ー通信利用 の ビル群管理 1980年 ■2月
設備 と管理
システム と特徴 光通信 による ビル管群理 システムの 1982年 も月
電設工業
実施例 (MOA美 術館 ) わか る光 フ ァイバー応用技術
1982年
光 ファイバ ー通信 を応用 した ビル管 1983奪 も月 理 シス テ ム (1)、
電気計算 建築設備 と配 管 工 事
MOA美 術館 に
お ける ビル群管理 システムの実施例 光 フ ァイバ ー通信 を応用 した ビル管 1983年 7月 理 システム (2)、
建築 設備 と配管 工 事
MOA美 術館 に
お け る ビル群管理 システムの実施例 そ の 他 外装 パ ネル (特 許)
パ ー ソナル空 調機 パ ー ソナ ル 空 調 装 置
冷暖房給湯装 置 給 湯装置 冷暖房給湯装 置 給湯装置
1996年 11月
1996年 5月 1996年 5月 1996年 5月 1996年 4月 1996年 5月 1996年 4月
263
NO. 1805050 NO。 2057120 NO. 2057119 NO. 2055824 NO. 2505419 NO. 2055824 NO. 2505419
猪野達雄 新子
哲
新子
哲
新子
哲
新子
哲
新子
哲
新子
哲
研究業績 (4) 種類別 題 名
発表 。発行年月 発表 0発行掲載誌 名 連名者
そ の他 床置設備ユ ニ ッ ト
1996年 つ月
特許
照明灯及 びプ ライ ン ドの 自動制御装 199騨 手2月
NO. 2020516 NO。 1905509
大道明朗 島貫
崇
NO. 1905508 NO。 1873679 NO. 1851105 NO. 1833936 NO。 1822501
島貫
崇
置 照明灯 の 自動 制御装置
1995年 ワ月
多機能 デス ク
1994年 9月 1994年 6月 1994年 3月
放射冷却器 空調機用排水 装置
トランプポ ンデ イングカー ドによる Les4+2n
大道明朗 大井昭夫 大道明朗 常盤正 之
位置検知 システム 1994年 ■月
火源位置判定装置 エ レベー ター の 自動運行装置
1993年 12月 1993年 11月 1993年 10月
外装 パ ネルの 冷却構造 空気吹出口
トラ ンプポ ン7~イ ングカ ー ドによる 1ee3+88
1820432 NO. 1809023 NO. 1805049 NO. 1986249 NO. 1779848
常盤 正之
NO. 1786252 NO. 1735551 NO. 1724282 NO. 1705182 NO. 1632655 NO. 1632656 NO. 1861063 NO. 1451789 NO. 1464024 NO. 1076245 NO. 1076246
大道明朗
NO。
常盤正 之
猪野達雄
守屋和幸 常盤 正之
緊急通報方法 スプリンクラ ー散水装置 避難誘導装置
1993年 8月 1993年 2月
館 内誘導装置
1992年 ■2月
洗浄水制御装置
1992年 12月
空調制御装置
1991年 12月
外気量制御装置
1991年 12月 1991年 8月 1988年 7月 1982年 12月 1981dFl2E
日射制御 二 重 サ ッシ 太陽光利 用照 明装置 パ レッ ト受渡 し装置 ダ ンパー制御 回路
煙感知器 にお け る塵 埃除 け メッシ ュ 198」 ■12月
島貫
崇
常盤 正之 常盤正之 島貫
崇
島貫
崇
大井昭夫 石川健治 常盤正之
常盤正之 常盤 正之
の 日詰 ま り監視 器 塵埃除けメ ッシ ュの 目詰 ま り監視可 1981年 12月
NO. 1076247
常盤正之
NO。 96932
常盤正之
能 な自己診 断回路付 光電式煙感知装 置 スモ ー クダ ンパ ー システム
1979∠ 隼8月
他 に30件 の特 許登録
264
早稲 田大学大学院理工学研究科
博 士 論文審査報 告書
論文題 目 高度都市機能集積地区における自立型地 区施設 に関す る研究
申請者
茂呂 隆
平成 9年 2月
市 街 地再 開発 にお い て 機 能 を高 度 に集約 した高 度都 市 機 能 集積 地 区 が次 々 と誕 生 し て い るが 、 この 地 区の抱 える 問題 は、周 辺地 区 に比 べ て 供給 処理 機能 へ の負 荷 や 環 境 管 理 ・ 防災管理 へ の要求 が 特 に高 い こ とで あ る。 そ のため 、周 辺 地 区 に比 べ て 大 きな 供給 処理 施設能 力 とそ のた め の 設備投資 を必 要 と して い る 。 一 方 、兵 庫 県南 部 地震 の 実態 にみ る よ う に ライフラ イ ン は非常時 に極 めて 脆弱 で あ る 。本研 究 は、 この よ うな 背 景 か ら、新 た に 開発 され る高 度都 市 機能 集積 地 区 を対 象 に、都 市施設 の 従 来機 能 を 補 完 す る非常 時 に 自立可能 な新 しい 地 区施設 の必 要性 に着 目 し、新 しい 地 区施 設 とそ の 機 能 の必 要性 、高 層集合 住 宅 の垂 直 ユ ー テ イリテ イの社 会 資本化 の 必要性 お よび 自 立型 地 区施設 の 導 入効果 に つ い て研 究 した もので あ る。本研 究 にお い て 、従 来 の都 市 計 画 に なか った 自立型地 区施 設 を新 た に提 案 し、高 度都 市 機 能集積 地 区へ の 導入 効 果 を明 らか に した こ とは、今 後 の 都 市環 境 計画 の新 た な方 向性 を示 した研 究 と して高 く 評価 され る。 第 1章 で は、 「 本研 究 の 位 置 づ け と従 来研 究」 と題 して、 まず 、本研 究 の 位 置 づ け を示 した上 で 、従 来研究 との 違 い を明 らか に して い る。我 が 国 の都 市 で は市 街 地 が広 域 に亘 ってス プ ロ ー ル した結果 、都市 イ ン フラは 巨大 な ネ ッ トワ ー クを形 成 して い る。 そ の ため都市 イ ン フラは非効 率 となった だ けでな く、兵 庫 県 南部 地震 にみ る よ う に災 害 に対 して極 め て脆 弱な状 況 を呈 して い る。本研 究 で は 、 こ れ らの対 策 と して ス プ ロー ル市 街 地 の高層 集 約化 と供 給 処 理 の 自立型 地 区施設 へ の転 換 を提 案 して い る 。 一 方、 従 来研 究 と して都 市 をクラス タ ー化 す る等 の研 究 が な され て い る と して い る。 この よ う に都 市空 間 の 高 層集約化 と高 度都 市機 能集積 地 区 にふ さわ しい 自立型 地 区施設 の 必 要性 が 高 い こ とを指摘 して い る 。 一 方、大都 市 圏 で の最 終 ごみ 処分場不足 や慢 性 的 な 水 不足 、更 には省 エ ネ ル ギ ー の 問題 か らエ ネ ルギ ー ・廃 棄物 ・ 水 系 を総 合 的 に組 み合 わせ た リサ イクル システムの 必 要性 が 高 ま った と して い る。 以上 か ら、現在 の 都市 イ ンフ ラが抱 えて い る 問題 点 を解 決 す るた め に 、高 度都市 機能 集積 地 区 を対 象 と した 自 立型 地 区施設 に 関す る研 究 の 必 要性 が 高 い こ とを明 らか に して い る。 第 2章 で は、 「 高 度住 機能 集積 地 区 にお け る非常 時 自立型 地 区施設構築 の ため の 調 査研 究」 と題 して 、集合住 宅 が 高 度 に集 積 して い る地 区 にお い て 、非常 時 にラ イ フラ イ ン機 能 が 停止 した場合の生 活 機 能 へ の 影響 とそ の対 策 と しての供 給 処理系 自立型 地 区施 設 の 必要性 を明 らか にす るため に、兵 庫 県南部 地震被 災 地 の 高層 集合住 宅 300 戸 の 住 民 を対 象 にア ンケ ー ト調 査 を行 って い る 。そ の結 果 、住 民 が避 難 した最 大 の 理 由 は ラ イフライ ン機能が停 止 し生 活 に支障 を きた した こ とを 明 らか に して い る。 ラ イ フラ イ ンの必要性 で は上水 道 が最 も高 く、電気 、下水 道 の順 に高 い 。 ラ イフラ イ ン停 止 時 の生 活実態 を上 水 道 につ い てみ る と、応急給水 車 が 来 る まで は風 呂、洗 濯 、 トイ レ な ど全 て不足 してお り、水 の 配 給 が 定着 した時期 で は飲 料 、炊 事用水 の不 足 感 は あ る程 度 解消 し、生 活 用水 、雑 用水 の 不足 感 が 目立 った と して い る。以 上 の よ う に、 巨 大 地震 被 災地住民 か らの調査 デ ニ タに基 づ い て集合住 宅 にお い て 、非常 時 自立型 地 区 施 設 の 必要性 が高 い こと を明 らか に した こ とは 、従 来 にな い 実証 的 な成 果 で あ る。
第 3章 で は、「 高 度都 市 機能 集 積 地 区 にお け る 新 しい 地区施 設 の 機 能 に関 す る研 究 」 と題 して 、都市 施 設 へ の 負 荷 が 大 きい 高 度 集積 地 区 にお い て都 市 施設 の 機 能 を補 完 す る地 区 施 設 の新 し い 概 念 とそ の 機 能 を提 案 し、 有 識 者 に対 す る ア ンケ ー ト調 査 か ら導 入 す べ き地 区施設 項 目 とそ の 機 能 を明 らか に して い る 。 そ の 結 果 、 提 案 した地 区施 設 項 目 13項 目の うち導 入 す べ き地 区 施 設 は 、 必 要 性 の 高 い 順 に共 同溝 、 電 力 供 給 、 災 害対 策 、 熱 供給 、 水 供 給 、廃 棄物 処 理 、廃 棄 物 収 集 の 7施 設 で あ った と して い る 。 ま た 、提 案 した 61項 目の うち導 入 す べ き機 能 は 44項 目で 、 そ の 半 数 が 上 位 に 位 置 づ け られ る 非 常 時対 応 機 能 10項 目、 共 同溝 2項 目、都 市 イ ン フ ラ負 荷 軽 減 機 能 4項 目、 未利 用 エ ネ ルギ ー 活 用 機 能 3項 目、 廃 棄 物 管 路 収 集 機 能 3項 目で あ つた と して い る 。 以上 、 新 た に導 入 す べ き地 区施 設 や非 常 時 に地 区 内で対 応 で き る 機 能 の 重 要 性 な ど、 環 境 計 画 の 立場 か ら新 しい 地 区施 設 の あ り方 を提 示 した こ とは 、 従 来 の 都 市 計 画 を補 完 す る もの と して 評 価 で き る 。 第 4章 で は 、「 高 層 集合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ と戸 建 住 宅 地 区 の 都 市 イ ン フ ラ の LCC比 較 に関 す る研 究 」 と題 して 、 実 在 す る高 層 集 合 住 宅 とそ れ と 同規 模 の 住 戸 数 が あ る 戸 建住 宅 地 区 を比 較 し、 高 層 集 合 住 宅 の 垂 直 ユ ー テ イ リテ イ (共 用 部 縦 シ ャ フ トお よび そ こに 収 容 され る配 管 ・ 配 線 )の 優 位 性 を明 らか に して い る 。戸 建 住 宅 地 区の 都 市 イ ンフ ラ を水 平 ユ ー テ イ リテ イ と定 義 し、水 平 ユー テ イ リテ イ と垂 直 ユ ー テ イ リテ イの モ デ ル を設 定 して初 期 投 資 額 と維 持 管 理 費 を対 象 に LCCを 算 定 して い る 。 そ の 結 果 、垂 直 ユ ー テ イ リテ イは水 平 ユ ー テ イ リテ イに比 べ て LCCが
40%程 度小
さ く経 済 的 で あ る が 、 住 民 の 負 担 は垂 直 の 場 合 は全 て 自己負 担 で あ り、水 平 にお い て 公 共 公 益 事 業 者 が 負 担 して い る 戸 建 住 宅 地 区 に比 べ て 不 公 平 で あ る と して い る 。 ス プ ロ ー ル 市 街 地 の 解 消 の ため垂 直 ユ ー テ イ リテ イは 社 会 資 本化 して 、 公 共 で 建 設 して 維 持 管 理 す べ きで あ る と して い る 。 垂 直 ユ ー テ イ リテ イの 経 済 的 な優 位 性 を示 した研 究 は な く、 今 後 、都 市 にお け る 高密 度 居 住 を推 進 す る に当 た り、 当 を得 た もの と して評 価 に値 す る 。 第 5章 で は 、 「 高 度 都 市 機 能 集積 地 区 の 用 途 構 成 か らみ た 自立 型 地 区施 設 の 導 入 効 果 に関 す る研 究」 と題 して 、高 度 都 市 機 能 集 積 地 区 の 自立 型 地 区 施 設 と して リサ イ ク ル シス テ ム を導 入 した場 合 の 、 地 区 の 用 途 構 成 と一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 の 関係 を分 析 して い る 。高 度 都 市 機能 集積 地 区 の モ デ ル と して、 東 京 23区 の 250mメ
ッシ ュ
内 の 建 物 を集約 した場 合 を想 定 し、 代 表 的 な用 途構 成 を選 定 して 、 リサ イ ク ル シ ス テ ム 導 入 に よる年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 を算 定 して い る 。 そ の 結 果 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 は大 きい 順 に 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョンシス テ ム と ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ムの 併 用 シス テ ム 、 コー ジ ェ ネ レ ー シ ョン シス テ ム 、 ごみ 焼 却 廃 熱 利 用 シ ス テ ム と な る こ と を明 らか に して い る 。 また 、 用 途 地 区 で は 宿 泊 用 途 が 最 も大 きい こ と を示 し て い る 。 こ れ らの 成 果 は 、高 度都 市 機 能 集積 地 区 に エ ネ ル ギ ー・ 廃 棄 物 系 の 自立 型 地 区施 設 を導 入 す る た め に役 立 つ もの と して評 価 で きる。
第 6章 で は、 「 都 市 人 口 の 増 加 に お け る人 口密 度 形 態 と環 境 汚 染 度 の 関 連 に 関 す る 分析 」 と題 して 、 日本 の主 要 都 市 の 人 口密 度形 態 を モ デ ル 化 し、 各都 市 の 形 態 と環 境 汚 染 度 を比 較 す る こ とで マ ク ロ 的 に環 境 に寄 与 す る 都 市 を検 討 して い る 。 人 口 密 度 形 態 に つ い て は市 域 面 積 、 DID面 積 、 人 口密 度 、 DID人 口密 度 か らモ デ ル 化 す る手 法 を提 案 し、過 密 度 指標 (人 口密 度 /DID人
口密 度 )を 定 義 した上 で 、 東 京 都 区 部
と 12の 政 令 指 定 都 市 の 人 口 密 度形 態 を モ デ ル 化 ・ 分 類 し、 5つ の 形 態 を示 して い る 。 次 に、 各 都 市 の BOD、
NOx、 SOx、 浮 遊 物 質状 粒 子 測 定 値 の 年 間 平 均 値 は 、 過
密 度 指標 と一 次 相 関性 の 高 い こ とを示 して い る 。 そ の 結 果 、都 市 人 口 の 増 加 が 上 む を 得 な い 場 合 は 、 市 街 地 の ス プ ロー ル を防 ぐた め に も、 周 辺市 街 地 を低 密 度 化 して 中心 市街 地 を高 密 度 化 す る こ と に よつて 良好 な環 境 を維 持 で きる こ と を明 らか に して い る 。 こ れ は 、都 市 環 境 か らみ た都 市 の ク ラ ス タ ー 化 推 進 に整 合 す る もの と して注 目に値 す る。 第 7章 で は 、 「 東 京都 心 R地 区 にお け る水 ・ 廃 棄 物 系 自立 型 地 区施 設 の 導 入 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ」 と題 して 、 東 京都 心 R地 区 を モ デ ル に 、廃 棄 物 排 出量 と上 水 使 用 量 お よび 下水 放 流 量 を削 減 す る 地 区施 設 導 入 に よ る都 市 イ ンフ ラ負 荷 軽 減 効 果 に つ い て ケ ー ス ス タデ イ を行 い 、廃 棄 物排 出量 を 83%、 上 水 使 用量 を 57%、 下水 放 流 量 を
54%削 減 可 能 な こ とを明 らか に して い る 。 また 、 第 2章 で 明 らか に した非 常 時 にお い て 最 も必 要性 が 高 くか つ 不 足 感 が大 きい 生 活 用水 ・ 雑 用水 に つ い て 、 雑 排 水 と雨 水 を利 用 した 中水 供 給 に よる非 常 時 自立 の 可 能 性 に つ い て ケ ー ス ス タデ ィ を行 い 、 7日 間 の 非 常 時 自立 の 可 能 性 を明 示 して い る 。 以 上 よ り、 今 後 の 都 心 居 住 な どの 市 街 地 再 開発 にお い て 、 自立 型 地 区 施 設 導 入 の 有 益 な 資 料 を提 供 した もの と して 意 義 が あ る 。 第 8章 で は 、「 東 京 臨 海 T地 区 にお け る 自立 型 地 区 施 設 導 入 に よる 環 境 負荷 抑 制 効 果 の ケ ー ス ス タデ イ」 と題 して 、東 京 臨 海 T地 区 を モ デ ル に リサ イ ク ル シス テ ム を導 入 す る こ とで 、 高 密 度化 して も環 境 負 荷 量 を現 状 の 範 囲 内 に抑 制 で き る 可 能性 を検 討 して い る 。 こ こ で は 、年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 消 費量 、 年 間 NOx排 出量 、 年 間 SOx排 出量 、 ピー ク エ ネ ル ギ ー負 荷 、 日別 廃 棄 物 負 荷 、 日別 水 負 荷 を環 境 負 荷 の 指標 と して い る 。 そ して、 東 京 臨海 T地 区 の 現状 容積 率 にお け る 環 境 負 荷 量 を算 定 し、 次 に、 容 積 率 を増 加 させ な が らリサ イ ク ル シ ス テ ム を導 入 した場 合 の 環 境 負 荷 量 を算 定 して い る 。 そ の 結 果 、 年 間 一 次 エ ネ ル ギ ー 投 入 量 の 観 点 か ら容 積 率 の 増 加 は現 状 の 40%増 が 限界 で あ る こ と を明 らか に した こ とは 、都 市 成 長 の 限 界 を示 した指標 と して 評 価 に 値 す る。
第 9章 で は、「 結論 と展 望 」 と題 して、各 章 にお け る結論 を要 約 した上 で 、今 後 の 高度都 市 機 能集積 地 区にお け る 自立型 地 区施設 の あ り方 を展 望 して い る 。 以上 を要 約す る に、本論 文 は、従 来 の都市 計画 になか った 自立 型地 区施設 と そ の 機 能 を提 案 し、 これ を高度都 市 機能集積 地 区 に導 入 した場 合 の 各種 効 果 に つ い て 定 量 的
な実証 を与 えた もので あ る 。 本研 究論 文 は 、今 後 の都市 環境 工 学 の 発展 に寄与 す る と こ ろ大 なる もので あ り、博 士 (工 学 )の 学位 を授 与す る に値す る もの と認 め られ る。 平 成 9年 2月
審査員 (主 査 )早 稲 田大学理 工 学 部教授
尾 島俊 雄
早稲 田大 学理 工 学 部教授
工 学博 士 (早 大 ) 工 学博士 (早 大 )
早稲 田大 学理 工 学 部教授
工 学博 士 (早 大 )
渡辺仁 史
工 学博 士 (早 大 )
石福
木 村建 一
早稲 田大学大学 院 理 工 学研 究科 客 員 教授
4
昭