視覚 障害者 と 「音」空 間 ―パ‐ティクルオブジェク トを用 いた音 の可視化 シミュレー ション ー
The Blind and Sound Environment ―■le 3-D Simulation System ofVisualizatioll with Particle Obect―
平成 10年 度
修士論文
指 導 :渡 辺 仁 史 教授 早稲田大学大学 院理 工学研究科 建設 工 学専攻建築学専門 分野
697E106-5 望 月 太 郎
修 士 論 文
目
次
1
序論
§
1.1 は じめ に 1.1.1 障害者対 策 につ いて
1.1.2 障害者 を考慮 した 建築計画 の必要性
1.2 研 究背 景 1.2.1 視覚障害者 の実態 1.2.2 建築 に関連す る音 の研究
1.2.3 音 の可視化 、可 聴化 1.2.4 音 の可視化 シミュ レー シ ョン
1.3 研 究 目的 §2
パ ー テ ィクル モ デ ル
2.1 パーティクルモデルとは 2.2 パーティクルモデルの利点 2.2.1 音の粒子モデルとしての利点
2.2.2 CADデ ータとしての利点 2.3 パーティクルモデルの原理と制御 2.3.1 周辺環境について
2.3.2 -点 型、放出型、連関型 2.3.3 点状放出型モデル、面状放出型モデル 2.3.4 視認性 ―パーティクルのレンダリングー §3
シ ミ ュ レー タ の 構 築
3.1 空間データの整理 3.2 音 の諸現象 3.2.1 吸収 と反射 3.2.2 屈折 と回折 3.2.3
馬 蚤瑾 讐
3.2.4 音 の指向性 3.2.5 カクテルバーテ ィー現象 3.2.6 フー リエ変換
3.3 シミュ レー ションに向けた設定基準
1998
修 士 論 文
1998
3.3.l Attributes 3.3.2 Collisions 3.3.3 Relationships
3.4 3.5 3.6
設 定 に 対 す る検 討
フ ロー チ ャー ト シ ミュ レー シ ョンシー ン
3.6.1 戸 山 口
3.6.2 早稲 田 口 §4
ケ ー ス ス タ デ ィ_メ ンタル マ ッ プの 検 証
4.1 メンタルマ ップ 4.1.1 メンタルマ ップとは 4.1.2 メンタルマ ップの作成法 4.2 視覚障害者 の行動特性 。認識特性 4.2.1 点状 プ ロ ック・ 線 状 プ ロ ック 4.2.2 行動特性 ・ 認識特性 か らみ る早稲 田 回の欠陥
4.3
経路選択 のた めのサ イ ンの抽 出
4.3.1 晴眼者 の 経路選択 4.3.2 サイ ンの抽 出
4.4 4.5
経験則 との関 連 シ ミ ュ レー シ ョ ン シ ー ン
§5 ケーススタディ_危 険事例 01 騒音によるマスキング §6 ケーススタデ ィ_危 険事例 02 移動する危険物 §7
おわ りに
7.1 研究成果 7.2
おわ り│こ
7.3 参考資料 7.3.1 戸 山口視覚サイ ン 7.3.2 早稲田 口視覚サイ ン 7.3.3 ヒアリング
7.4 参考文献
3*tt
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8
視 覚 を 持 た な い 人 々 。 と もす る と別 の 場 所 で 生 き て い る か の よ う な 錯 覚 に 陥 りが ち だ が 、 実 は 彼 ら は 晴 眼 者 と 同 じ空 間 を 共 有 して い る 。 で は 晴 眼 者 が 主 導 と な っ て 作 り 上 げ て きた この 空 間 を 、 視 覚 障害 者 は ど の よ う な 眼 で 見 て い る の だ ろ うか ? 彼 らが 知 覚 す る 音 の 世 界 を 視 覚 情 報 に シ ミ ュ レ ー トで き れ ば 、 我 々 も 一 歩 進 ん だ 視 点 で現 況 を捉 え 直 す こ とが で き る ので は な い だ ろ うか ?
※視覚障害者 と「音」空間 という題 目に関 して、 本研究 に於 いて 「視覚障害者」は 「全 盲」 の人 を指 している。「盲」 という言葉に対 して不適切 な表 現 と捉え られる恐れのあるため、敢 えて 「視覚障害者」 とした ことをここに付け加 えてお く。
修 士 論 文
1998
序論
§
1
本 論 文 を 作 成 す る に 至 っ た 、 私 の 日頃 の 障 害 者 に対 す る 問題 意 識 、 また そ の そ れ を 考 慮 した 建 築 計 画 の あ り方 と い っ た 側 面 を 、 この 章 に記 す 。 そ れ を踏 ま え て 、 目的 を掲 げ る。
早稲 田大学渡辺仁史研究豊 望月 太郎
修 士 綸 文
7.ア
は じめに
ア.ア .ア
1998
隣 発 蹴 策 に つ ιlで
等 」 を テ ー マ と した 国 際 障 害 者 年 が 設 定 さ れ た 。 そ れ 以 降 、「 障 害 者 も住 み 慣 れ た 地 域 で 必 要 な 支 援 を受 け な が ら、 多 くの 人 々 と 共 に 自分 ら し い 生 き 方 が で き る 社 会 こそ 、 本 来 の 社 会 の あ る べ き 姿 で あ る。」 と い う 「 ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン」 の考 え方 が 世 界 的 な 流 れ と して 定 着 しつ つ あ る 。 ま た 、 1991年 ア メ リ カ で だ )A(障 害 を 持 つ ア メ リ カ 人 法 )が 施 行 さ れ 、 障 害 者 に 対 す る雇 用 面 で の差 別 の禁 止 、 交 通 機 関や 公 共施 設 で の障壁 の除 去 、聴覚 障害 者 へ の通 信 サ ー ビス の 実 施 な ど が 定 め られ 、 そ の 後 一定 の成果 をあ げて きて い る。
日本 に於 い て も 、 こ う した 世 界 の 動 き や 障 害 者 自 身 と そ の 支 援 者 に よ る 粘 り強 い 運 動 の 影 響 も あ っ て 、 90年 代 に 入 り政 府 ・ 地 方 行 政 は 地 域 生 活 を 基 本 に した 施 策 を打 ち 出 す よ う に な り 、 街 づ く りや 介 護 な ど の 点 で 前 進 が み られ る 。
し か しな が ら、 こ の よ うな 形 だ け の 行 政 に よ る施 策 の 一 方 で 現 実 は ど う だ ろ うか ? 障 害 者 差 別 は後 を絶 た な い 。 マ ス コ ミで も 障 害 者 の尊 厳 を傷 つ け る よ うな 発 言 が しば し ば み られ る 。 障 害 者 は 一 歩 外 に 出 れ ば 段 差 や 放 置 自転 車 な ど、 障 壁 や 危 険 が い た る と こ ろ に あ る 。 日常 生 活 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 支 え る介 助 者 も慢 性 不 足 で あ る 。 さ ら に 、 地 域 の 保 育 所 や 学 校 に 行 こ う とす る と 、 障 害 者 学 校 へ 振 り分 け られ 、 労 働 の 場 も 限
序論
1981年 、「 障 害 者 の 社 会 へ の 完 全 参 加 と 平
修 士 論 文
1998
られ 、 働 き 続 け る 支 援 シ ス テ ム も き わ め て 不 十分 で あ る。 序論
こ の よ う に 、 障 害 者 と健 常 者 が 共 生 で き る社 会 を育 む た め に は 、 数 多 くの課 題 が 残 っ て い る 。 け れ ど も 、 そ の実 現 は 決 して 不 可 能 な こ と で は な い 。 そ の 取 り組 み の 第 一 歩 は、様 々な 障害者 や 健 常 者 が直接 出会 い、 日 常 生活 の 中で 隣人や 同僚 、友 人 とい った形 で 相 互 に 関 わ りあ う こ とで あ る と思 う 。
街 で 視 覚 障 害 者 が 周 りに道 を訪 ね る の は な か な か難 しい とい う。そ の場 合 、 我 々か ら何 か 手 伝 い で き る こ と を う か が う こ と が 必 要 で あ る 。 しか し 、 そ れ を ど う し て も 我 々 は し り ごみ す る 。 そ れ は 視 覚 障 害 者 の ル ー ル に 不 馴 れ な 我 々 が 恥 を か い た り断 られ る こ と を恐 れ る た め で あ る。 そ れ は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 一 方 通 行 で あ る か らで あ る 。 不 馴 れ で あ れ ば 、「 行 為 」 が 必 要 か ど う か は 相 互 の コ ミ ュニ ケー シ ョンによ って初 めて わか る もの な ので あ る。
直 接 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンが な く と も 、 街 で ち ょ っ と した気 遣 い をす るだ け で も い い 。 視 覚 障 害 者 を安 全 に 誘 導 す る た め に 、 道 や プ ラ ッ トフ ォ ー ム に は 点 字 プ ロ ッ ク が 敷 か れ て い る 。 と こ ろ が そ の 上 で 立 ち 話 を した り、 荷 物 が 置 い て あ っ た りす る こ と が 多 々 見 られ る 。 駅 前 で は 自 転 車 や 違 法 駐 車 の 車 が 点 字 プ ロ ッ ク の通 路 を遮 る よ う に横 た わ っ て い る。 これ は大 き な 障 害 で あ る 。 安 全 と 信 じて 歩 く道 が か え っ て 危 険 き わ ま りな い と ころ にな って しま う。
修 士 論 文
1998
一 方 通 行 で は な い 。 ギ ブ ア ン ドテ イ ク で あ る。 序論
ア .ア .2 障請
を考 慮 した 建 築 計 画 の 必 要
性
視 覚 障 害 者 は 、 生 活 や 行 動 に必 要 な 情 報 を聴 覚 や 触 覚 に よ って 得 て い る。 空 間 の 状 況 認 知 。自 己 の 位 置 ・ 方 向 の 判 別 ・ 障 害 物 の 検 知 。物 体 の 状 況 把 握 な ど、 ケ ー ス に よ っ て 異 な るが 、 高 度 で複 雑 な も の で あ る 。 従 っ て そ れ に は建 築 の空 間 的条 件 、材 質 、 音 環 境 の 条 件 な どが 多 分 に影 響 して く る が 、 残 念 な が ら建 築 設 計 に 於 い て これ ら の 設 計 手 法 は体 系 化 され て い な い ど こ ろか 、 特 に音 環 境 は 全 く 顧 み られ て い な い と い う の が 現 状で ある。
ま た サ イ ン に 関 して 、 建 築 の 研 究 で は こ れ まで はそ れ はす な わ ち視 覚 的 なサ イ ン を 表 して い て 、 音 のサ イ ン と い っ た 考 え 方 は 晴 眼 者 を 対 象 と した 漠 然 と快 不 快 の 域 を 研 究 す る レベ ル に と ど ま って い る 。
日本 で は 今 、 視 覚 障 害 者 の 数 は 35万 人 、 1 級
2級
の 重 度 の 障 害 者 だ け で も 20万 人 を 超
え る と 言 わ れ て い る 。 こ の 状 況 を考 え る と 、 視 覚 障害 者 を対 象 と した建 築 計 画研 究 を体 系 化 して 具 体 的 な 設 計 手 法 を確 立 す る こ と は 、 我 々 建 築 計 画 研 究 に携 わ る も の と して は 急 務 と言 え る の で は な い だ ろ うか ?
まず は、 視 覚 障害者 の 世界 を知 る ことで
修 士 論 文
1998
ある。
彼 らの耳 で 知 覚 して い る状 況 を 、 晴 眼 者 の 最 も 分 か りや す い 視 覚 情 報 に 置 き 換 え る こ と で 、 擬 似 的 で は あ るが 一 歩 を踏 み 出 せ る と私 は 思 う。
早稲田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
ア .2 研究 背景
7.2.ア
1998
視覚 障 害者
「 視 覚 障 害 者 」 と い う と 一 般 に 「全 盲 」 と い うイ メ ー ジ が 強 い が 、 実 際 に は 、 医 療 的 な 支 援 を十 分 に施 して も 、 視 機 能 が 低 下 し て い る 者 か ら視 力 を 持 た な い 者 ま で さ ま ざ まで あ る。 身体 障害 者 福祉 法 によ る と、視 力 の 良 い 方 が 0.6以 下 、 悪 い 方 が 0.02以 下 、 あ る い は 両 眼 の 視 力 の 和 が 0.2以 下 、 ま た 視 野 に 関 し て は 正 常 の 2分 の 1以 下 の 者 を 「視 覚 障 害 者 」 (身 障 者 手 帳 の 交 付 対 象 )と い い 、 1級 か ら I
rl
rt[Ecit, (.5Ellii4tlir.&: a;!j rrr02r i",. trlit,t.9)t る書については さ■うJ視 力に,い て副ったしのを.,う .以 下同じ。 の■が001以 卜 のtlの )
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IT,つ 導刀鎌0,002以 上OD`以 下0も の 両翌0視 ′ 1の
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6級 ま で に 分 け られ て い る 。 実 際 に は 全 盲 の 人 は 少 な く 、 視 機 能 を あ る 程 度 有 す る 人 (弱 視 )が 多 い 。 両 眼 の 和 が 0.01以 下 の 1級 の 人 で も残 視 機 能 を有 す る人 が い る 。 単 純 視 力 で は 0.01で も 歩 行 が 可 能 な 場 合 も あ る と い
"■
2輌 眼の現ヨ,そ れぞれ10度 以内のもの 3両 限ヽよる視Fの 2,)の 1以 上がヽけてしヽ るも0
わ れ て い る 。 歩 行 障 害 は む し ろ視 野 の 欠 損
6tr ―国の助 かO C2以 卜t駁 の視力が06以 卜のもので 向眼の視カ
に あ る と さ れ 、 視 野 狭 窄 が 10度 以 下 で は か
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な り歩 行 が 制 限 さ れ 、 日 常 の 生 活 が 困 難 に
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1夕
ヽ等報とする
2費 なる●級について0以 上の■■する議書つある場合については、 害雌 を鶴案して当,3級 ょり上mと することがてさる。
表 1-1 身体障害者障害程度等級表
な る。人 によ って は物や色 の 区別がつ いた り、 つ か な か っ た り と一 定 で な い 場 合 、 光 や 照 明 に 異 常 な 感 覚 を覚 え る 場 合 、 明 る い と こ ろ か ら暗 い と こ ろ へ の 色 順 応 が 困 難 な 場 合 が あ る。
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博讀 εア22 0Ctl人
○ 視 覚 障 害 者 の実 態 厚 生 省 で は 、 身 体 障 害 者 福 祉 法 別 表 (表
1-1)に 基 づ き 、 1991年 に 身 体 障 害 者 実 態 調 査 を 行 っ て い る 。 こ の 報 告 に よ る と、 1991 図 1-1 障害種別 にみた 身体障害者数
年 11月 1日 現 在 、 全 国 の 18歳 以 上 の 在 宅 の 身 体 障害 者 数 は 、 2,722,000人 と推 計 され 、そ の う ち 視 覚 障 害 者 は 353,000人 で 13,0%を 占
序論
○ 視 覚 障害 者 とは
修 士 論 文
め て い る (図 11)。
1998
ま た 、 昭 和 26年 か ら 約
5年 ご と の 身 体 障 害 者 数 の 年 次 推 移 に よ れ ば 、 身 体 障 害 者 数 と 人 口 1000人 に 対 す る 身 体 障 害 者 数 は いず れ も増 加 し、 視 覚 障 害 者 数 も ほ ぼ 増 加 し て い る (図 12)。
しか し、 こ れ
を も と に 人 口 1000人 に 対 す る 視 覚 障 害 者 数 を 算 出 して み る と 、 そ の 推 移 に は 身 体 障 害 者 数 全 体 の 場 合 ほ ど大 き な 増 加 は み られ な い (表 12)。 歳以上が
ま た 、 他 の 障 害 に 比 較 し て 60
66.8%を 占 め る な ど 、 加 齢 に よ る 影
響 も 少 な くな い 。 実 数 は 100万 人 も 超 え る と い わ れ て お り、 こ の こ と か ら も分 か る よ う に、 この約 の年次推移
40年 の 経 過 の 中 で 、 視 覚 障 害 者
は 常 に 人 口 の 一 部 を 構 成 して き て い る 。
r 一一 ‘
視 覚 障 害 者 を 障 害 の程 度 別 に み る と、 表 1-2 人 口 1000人 に対する 視覚障害者の年次推移
2級 が 半 数 以 上 を 占め て い る
(図 1-3)。
また 、
年 齢 階 級 別 で は 、 40歳 代 以 降 の 割 合 が 強 と な っ て い る (図 14)。
1、
90%
この よ うな 人 々
の 障 害 の 発 生 時 期 は 、 0∼ 3歳 が 比 較 的 多 い も の の 、 40歳 以 降 が 半 数 近 く に の ぼ る (図 1-5)。
中途 失 明 の 場 合 、 点 字 を 学 習 して も
す べ て の 人 が そ れ を習 得 す るわ け で は な く、 ま た 、 点 字 を 書 け て も読 め な い 人 が い る と 指 摘 さ れ て い る 。 視 覚 障 害 者 の う ち点 字 を 読 み 書 き で き る割 合 は 、 点 字 毎 日の読 者 数 や 一 部 の 統 計 な ど か ら、 約 3割 と い う数 字 が 定 説 とな って い る 。 一 方 、 調 査 時 よ り過 去 1年 間 の 外 出 状 況 で 図 1-3 障害程度別 にみた 視覚障害者数
は 、 85%弱 が 外 出 し て い る (図 1-6)。
その
目的 は 、 通 院 や 買 い 物 ・ 散 歩 が 多 く、 外 出 した こ と の あ る 人 の 半 数 以 上 が そ れ ら を 挙 げ て い る (図 1-7)。
修 士 論 文
1998
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○ 視 覚 障害 者 支援 につ いて 先 に述 べ た よ うに、 視 覚 障 害 者 は常 に人 口 の 一 部 を 構 成 して き て い る 。 しか し、 こ れ は 、 視 覚 障 害 者 が 社 会 の 一 部 を構 成 して
図 1-4 年齢階級別 にみた 視覚障害者数
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報 m4
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図 1-5 視覚障害の発生時の 年齢階級別分布
い る と認 識 さ れ る こ と 、 す な わ ち 公 共 と い う枠 に含 ま れ る こ と と は 別 の 次 元 の こ と で あ る 。 これ ま で の 社 会 は 、 ほ ぼ 健 常 者 の 要 求 を み た す 方 向 へ 流 れ て き た 。 また 、 こ う した 健 常 者 が 高 齢 化 し、 い わ ゆ る社 会 的 弱 者 と な る こ と へ の対 応 が 迫 られ る 昨 今 に お い て 、 障 害 者 に も配 慮 す る気 運 が 高 ま っ て き て お り、 し き りに バ リ ア フ リー が 唱 わ れ る よ う に な っ て き て い る 。 しか しな が ら、 視 覚 障害者 は 、本 来それ独 自の 問題 に直面 し て い る の で あ り、 独 立 した 存 在 と して と ら え る べ き で あ ろ う。 そ の 上 で 、 視 覚 障 害 者 へ の支援 が 、他 の人 々 の新 た な支 障 を生 じ な いよ うに配 慮 すべ きで あ る。
視 覚 障 害 者 を支 援 す る 際 、 そ の 目的 と 障 害 と の 関係 を 明 確 に して お く必 要 が あ る。 1979 年 に 国 連 総 会 で 採 択 さ れ た 「国 際 障 害 者 年 図 1-6 視覚障害者の外出状況
行 動 計 画 」 で は 、「国 際 障 害 者 年 は 、 個 人 の 特質である 「身体 的・ 精神的不全 (lmpairllnent)」 」 と 、 そ れ に よ っ て 引 き起 こ さ れ る機 能 的 な 支 障 で あ る 「 障 害 (能 力 不 全 )(disability)」 、 そ し て 能 力 不 全 の 社 会 的 な 結 果 で あ る 「不 利 (handicap)」
の間 には 区別 が あ る とい う
事 実 に つ い て 認 識 を 促 進 す べ き で あ る 。」 と して 、 障 害 の 概 念 を 3つ に 区 分 し て 示 して い る (第 62項
)。
これ に よ る と 、 先 の 支 援 の 目
的 は 、 視 覚 障 害 者 の 社 会 的 不 利 (handicap) を 軽 減 し、 ひ い て は解 消 す る こ と に あ る と 図 1-7 視覚障害者の外出の 目的別状況 (複 数解答 )
位 置 付 け ら れ る 。 ま た 、 そ の 第 63項 に お い て 、「 障 害 と い う 問 題 を あ る 個 人 とそ の 環 境
修 士 論 文
1998
と の 関 係 と し て と ら れ る こ と が よ り建 設 的 な解 決 の方 法 で あ る とい うことは 、最近 ま す ま す 明 確 に な りつ つ あ る 。 過 去 の 経 験 は 、 多 く の 場 合 社 会 環 境 が 一 人 の 人 間 の 日常 生 活 に 与 え る 身 体 ・ 精 神 の 不 全 の影 響 を決 定 す る こ と を 示 して い る 。 ・ ・ ・ 」 と して い る よ うに、 そ の支 援 に あた って は 、個 人 と 環 境 との 関 係 に視 点 をお く ことが 重 要 で あ る と い え よ う。
視 覚 障 害 者 が 社 会 的 不 利 を被 る 原 因 の ひ と つ と して 、 情 報 の 提 供 量 が 不 足 して い る
こ とが 挙 げ られ る。 これ に は、 情 報 が 視 覚 障 害 者 に 伝 達 され る よ う に うま く加 工 され て い な い 、 あ る い は そ の よ うな 手 法 が 未 だ 採 られ て い な い と い う こ と が 直 結 し て い る 。 晴 眼 者 の 中 に は 、 晴 眼 者 の 墨 字 に 対 し、 視 覚 障 害 者 は み な 点 字 を 使 い 、 そ こ か ら情 報 を得 る と い う印 象 を持 つ も の が 少 な くな い よ う で あ る 。 しか し、 実 際 に は 、 前 述 の よ うに、 す べ て の視 覚 障 害 者 が点 字 を使 い こ な し て い る わ け で は な い 。 した が っ て 、 視 覚 障害 者 の支 援 にお け る情報伝 達 で は、点 字 以 外 の 手 法 も 柔 軟 に 取 り入 れ る 必 要 が あ る 。 そ こで は 、 情 報 の 種 類 に よ っ て 、 伝 達 に効 果 的 な 手 法 を吟 味 し、 そ れ ぞ れ の 手 法 の 長 所 を 生 か す よ う に 組 み 合 わ せ る こ とが 必 要 で あ る。 また 、 視 覚 障害 者 が外 出す る 際 、必 ず し も ガ イ ドヘ ル パ ー が 同 行 す る と は 限 ら な い ので 、 整備 が不 十 分 な環 境 で は、制 約 の多 い 定 型 的 な 行 動 しか と れ な い と い う。 この よ うな こ と か ら、 環 境 面 で の 支 援 が 必 要 と な って くるが 、そ れ は 、 定 型 的 な 行 動 の枠 か ら抜 け 出 さ せ よ う と す る 部 分 に 主 眼 が 置 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
1998
か れ や す い よ う で あ る 。 し か し、 日常 生 活 の 中 で の 定 型 的 な 行 動 は 少 な くな い わ け で 、 な っ て し ま う可 能 性 が あ る 。 有 効 な 支 援 に す る た め に は 、 日常 性 は 欠 く こ と の で き な い 一 要 素 と い う こ と に な る で あ ろ う。
○ 視 覚 障 害 者 の行 動 特 性
前 述 した とお り、 視 覚 障 害 者 が 外 出 す る 際 、 必 ず し も ガ イ ドヘ ル バ ー が 同 行 す る と は 限 らな い た め 、 整 備 が 不 十 分 な 環 境 に お い て は 、 制 約 の 多 い 定 型 的 な 行 動 しか とれ な い。 す な わ ち、 晴 眼者 か らみれ ば何 で も な い 日常 生 活 情 報 で あ っ て も 、 視 覚 障 害 者 に は 情 報 障 害 とな る こ とが あ る 。 た と え ば 、 町 の 中 の 放 置 自転 車 や 看 板 、 駐 車 中 の 車 、 電 話 ボ ックス も、位 置 が不 明 で あれ ば情 報 障 害 と な る 。 雨 、 風 な どそ の 日 の 天 候 に よ っ て は 、頼 りとな る聴 覚 情報 が 途 絶 えて しま う恐 れ が あ る 。 冬 の 降 雪 は 音 を 吸 収 し、 方 向 の認知 が 困難 で あ る といわ れ る。建 物 の 出 入 り 回 、 電 話 、 トイ レ 、 把 手 の 位 置 、 部 屋 の 様 子 な ど、 視 覚 障 害 者 の 単 独 歩 行 の 困 難 さ は 数 え 上 げ れ ば き りが な い 。
した が つ て 、 視 覚 障 害 者 に 対 す る基 本 的 な 考 え 方 で は 、 で き る 限 り必 要 と す る 情 報 の 入 手 を複 数 の 情 報 手 段 で 補 完 し合 う こ と が 重 要 とな る 。 道 順 を 示 す た め に 嗅 覚 に依 拠 し花 で 装 飾 した り、 敷 地 内 に 植 樹 す る こ と も 効 果 的 で あ る 。 手 す りや 白 杖 な ど の ガ イ ド レー ル 、 誘 導 用 プ ロ ッ ク 、 音 声 チ ャ イ 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
序論
結 果 的 に 日常 生 活 に 密 着 し て い な い 支 援 に
修 士 論 文
1998
ム な ど も歩 行 を 手 助 け す る 。 出 入 り 回 回 り の 案 内 板 は 、 分 か り易 い 位 置 に 、 建 築 物 の
な ど 、 聴 覚 情 報 (音 声 な ど )、
触 知 、視 覚 情
報 を適 度 に組 み合 わせ て 計画す る ことが 基 本 で あ る。
○視 覚 障害 者 へ の音 の導 入
視 覚 障 害 者 へ の情 報 支 援 の方 法 と して 挙 いつ t籟 リ にする ● ・
体
全
お ,'′ 曖ほ なぃ
: 1●
/.〕
753
n=93
げ ら れ る も の に は 、 手 す りや 白 杖 な ど の ガ イ ド レー ル 、 誘 導 用 点 字 プ ロ ッ ク 、 音 声 チ ャ イ ム 、 点 字 な どが あ る。
,∼ 識
375
625
n-32
3‐ 4級
30_0
7o0
n=30
そ の 中で も音 声 情 報 は 、誘導 プ ロ ッ ク に
n=31
比 較 し て 利 用 しや す さ 、 信 頼 性 が 高 い と さ
5∼ 6最
れ て い る。 利 用 実 態 調 査 を見 て も、 音 声 情
図 1-8 歩道 における誘導・
報 は 誘 導 用 プ ロ ッ ク の 信 頼 度 を 明 らか に 越
警告用プロックの利用 (「
え て い る (図 1-8と 図 1-9)。 音 声 情 報 の 方 法
大宮市視覚障害者調査」1993)
に は 、 誘 導 案 内 装 置 や 手 す りの セ ンサ ー に 触 れ て 音 声 に よ る 説 明 が あ る も の (図 と 図 111)、
110
案 内所 で の 人 の声 に よ る説 明 、
交 差 点 の音 響 信 号 機 な どチ ャイ ム 形 式 の も いつ も椰 り に する
1∼
581
体
406
薇
3-偲 5∼ 饉
367
63,3
290
のが あ る。 3 2 ∞ 3 9 3 一 〓 一 一 一 〓
全
あ まり闘1ニ ない
ウ ェー デ ン で は プザ ー 用 ボ ック ス が 各 交 差 点 に 信 号 と 連 動 して 付 設 され 、 赤 の と き は
図 1-9 市内道路の誘導チ ャイムの 利用効果 (「
実 際 に 音 導 入 の 歴 史 は 古 く 、 1967年 、 ス
大宮市視覚障害者調査」 1993)
“チ ッ 、 チ ッ "と 小 さ く 間 隙 的 に 音 を た て 、 青 にな る と急 いで渡 る よ うに とい う こ と を 伝 え る よ う な “チ チ チ チ
"と
い う連 続 音 に
な って い る。 日本 の よ う に 音 楽 や 、 “ラー ラ ー " の よ う な 公 害 騒 で な く有 効 で 長 持 ち し て い る 。 ま た 、 オ ー ス トリ ア か ら紹 介 さ れ た 、 超 音 波 を発 信 し、 前 方 障 害 物 に反 射 され た 音
序論
全体 を示す 点 字案 内 と音 声案 内 を併 設 す る
修 士 論 文
1998
を 受 信 して 、 環 境 状 況 を 把 握 す る 聞 き 分 け 眼鏡 付 きイ ヤ ホー ン の輸入 もあ った 。 この 他 に も 音 声 ・ 超 音 波 な ど の い わ ゆ る 「ハ イ テ ク 」 を導 入 した 物 的 環 境 の 開 発 が な さ れ て い る。
` す\
グ
ヽ ` \ 、 1`::[: 、
図 1-10 音声案内例 (資 料 :日
本総合環境福祉研究所 )
○ 視 覚 障 害 者 に と って の音 環 境
視 覚 障 害 者 に対 す る音 環 境 につ いて のイ ンタ ピュー 調 査 を行 った研 究
(『
視覚 障害者
と地 域 音 環 境 の あ り方 に つ い て の 基 礎 的 考 察 そ の 2』 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 会 、 1994) によ る と、 視 覚 障 害 者 は外 出時 にお いて音 を利 用 す る 場 合 と音 に よ っ て 行 動 を疎 外 さ れ るケー ス が あ る ことがわ か って い る。 ま
FT I先
17ナ ウンスする
た 、 視 覚 障 害 者 が 町 中 を歩 く際 に利 用 して い る音 につ い て 次 の よ う に分 類 され て い る。
① 交 通 音 ― 車 の音 や 人 の足 音 な ど 多 く の 人 が こ の 音 を 利 用 して お り、 主 に 動
→ 士
的 な 方 向 を とる の に役 立 って い る。
図 1-11 階段手す り端部に
② 同 じ場 所 で な って い る音 一 パ チ ン コ 店 、 学
取 り付 けた音声案内例
校 、 下 水 道 の 音 な ど い つ も 同 じ場 所 で な っ て い る音 自分 の 位 置 を 確 認 す る た め の ラ ン ドマ ー ク と して 利 用 さ れ て い る 。
③ 特 定 の 目的 物 か ら出 て い る音 ― 駅 の 改 札 の 音 、 テ レ フ ォ ン カ ー ドが 電 話 か ら 出 て く る と き の 音 、 自動 販 売 機 の 音 な ど これ ら の 音 は 、 自分 の 利 用 した い も の を 探 す と き に 、 そ の も の 自体 か ら出 て い る音 を 利 用 す る と い う。 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
序 論
修 士 論 文
1998
④ 誘 導 音 ― 視 覚 障 害 者 の た め に 人 工 的 に作 られ た 音 主 に音 響 式 信 号 機 な どで 、 そ の 他 に は 高 田 馬 場 の交 差 点 で な るチ ャイ ム や 地 下 鉄 構 内 の チ ャ イ ム な ど が 挙 げ られ る 。 これ ら の 誘 導 音 は もち ろ ん 役 に 立 つ こ と も 多 い が 、「付 近 住 民 に よ っ て 騒 音 に な る 」「何 を意 味 す る 誘 導 音 か 分 か らな い 」「 聞 き取 り に くい 」 等 の 問題 点 もあ る。
⑤ 障 害 物 知 覚 の た め の音 障 害 物 に よ る 反 射 音 や 音 の影 に よ って 障 害 物 を 認 知 す る と い う。 こ れ ら の 音 の 利 用 の 際 に は 非 常 に 微 妙 な 音 の 変 化 を 聞 き 取 らね ば な らな い た め 、 町 中 で の 利 用 は 限 られ た もの とな って い る。 一 方 、 行 動 を 妨 げ る 音 と して 挙 げ られ て い る もの に は 、 工事現 場 の音 や 大 型車 の音 な ど大 きな 音 が ほ とん どで 、 車 の 音 や 電 話 の 音 な ど 、 役 に 立 つ と 答 え られ て い な が ら も状 況 に よ っ て は 行 動 を妨 げ る と指 摘 され て い る音 もあ る 。 いか に役 立 つ 音 で あ っ て もそ れ が 過 剰 に な れ ば か え っ て 行 動 を 妨 げ る 要 因 と な り、 さ らに は 危 険 に 繋 が る 可 能 性 もあ る。
ま た 、 ④ に お い て 問 題 点 と し て 挙 げ られ て い る が 、 健 常 者 か らみ れ ば 何 で も な い 日 常 生活 情報 が 、 視 覚 障害 者 に と って情 報 障 害 とな る こ とが あ るよ う に、 視 覚 障害 者 ヘ の支 援 が 健 常 者 に新 た な 支 障 を 与 え て し ま う こ と も あ る 。 健 常 者 の 多 くは 障 害 者 に や さ し い 環 境 作 り に は好 意 的 で あ る が 、 そ の
#1-13
修 士 論 文
1998
た め に 自分 た ち に と っ て 快 適 な 環 境 が 犠 牲 に され て し ま う よ うな 状 況 に は 当 然 否 定 的 で あ る。
例 えば、 新 宿 駅・ 渋谷 駅 の発 車 合 図が メ ロ デ ィ ー 型 に 替 え られ た と き で あ る が 、 ス ピー カ ー を 分 散 配 置 す る こ と で 音 圧 レベ ル を 均 一 化 し 、 全 体 の レベ ル を 引 き 下 げ る よ う検 討 さ れ て い た 。 そ の た め 、 音 の 大 き さ 自体 は ベ ル の 頃 よ り小 さ く な っ た に も か か わ らず 、 健 常 者 か ら は メ ロ デ ィ ー が う る さ い と い う声 が 多 く聞 か れ た 。 そ の一 方 で 視 覚 障 害 者 な どか らは 空 間 が 把 握 しや す くな っ た と の指 摘 も さ れ て い る。 この よ う に 、 視 覚 障 害 者 の 音 環 境 を考 え る に あ た っ て は 、 両 者 の 音 環 境 に 配 慮 し、 音 の 量 的 側 面 だ け で は な く、 意 味 的 側 面 を見 逃 して は な らな い の で あ る 。
#1-14
1998
修 士 論 文
ア.2.2建 築 に 関 連 ナ る 昔 の 研 究
建 築 に お け る 音 に 関 す る これ ま で の研 究 を 。1990年 以 降 ・ キ ー ワ ー ド :サ ウ ン ドス ケ ー プ 、 音 環 境 、 音 楽 と建 築 、 音 響 、 認 知 ・ 対 象 団 体 :日 本 建 築 学 会 、 電 子 情 報 通 信 学 会 、 (社
)日
会 、 (社
)土 木 学 会
本 造 園 学 会 、 (社
)情 報 処 理 学
と い う条 件 の 元 に 調 査 した 結 果 を 分 類 す る と表
103の
よ うにな った。
建 築 空 間 にお いて音 響 特 性 の重 要 性 は言 う ま で も な く、 音 も光 や 温 度 な ど と と も に 大 事 な 環 境 条 件 の 一 つ で あ る 。 しか し、 論 文 検 索 を行 った 対 象 が
6団 体 、 過 去 7年
間
で 延 べ 163件 と い う 結 果 は 、 視 覚 に 関 す る 研 究 に 比 べ る と少 な い と い え る 。
全 体 と して の 特 徴 は 、 ほ と ん どが 調 査 型 で あ り音 響 、 ホ ー ル 部 門 に お い て も 実 例 分 析 が 目 立 つ 。 さ ら に 、 サ ウ ン ドス ケ ー プ と 詳細項 目
項 目
騒音
サウン ドスケープ 認知
10 73
73
振動
1
12
印象・ イメ ー ジ 生理・心理
16
空 間 の音の状態 (均 ―・ ム ラ )
4 4
BGM
1
環境 音 楽
3
音環境 計 画
25
37
1
30 9
音響
9 16
利 用状 渭・ 特 性
3
19
表 1-03 1990年 以降 の音・ 建築系論文 の分類
#1-15
10
1
メディア 音楽 と建築 音楽ホ ール
累 計論 文 数
快 ・ 不快
視覚障害者
音計画
論文数
修 士 論 文
1998
認 知 を組 み 合 わ せ た 論 文 が 飛 び 抜 け て 多 い 。
未 だ に こ の言 葉 の 定 義 付 け が され て いな い と い う が 、 全 くそ の 通 りで 研 究 に お い て も 各 個 人 ま ち ま ち な 捉 え 方 を して い る た め に検 索 結 果 が 多 くな っ た 。 大 き く 分 け る と住 環 境 、 地 域 、 都 市 空 間 で の 音 を 調 査 した タ イ プ と 、 屋 外 を 対 象 と した 認 知 な ど の 論 文 で サ ウ ン ドス ケ ー プ と い う言 葉 を 利 用 した タ イ プ に 分 け られ る 。 周 波 数 、 場 と 音 、 レパ ー トリ ー グ リ ッ ド、 水 音 、 日常 語 な ど を テ ー マ と して い る も の が 多 い。 そ れ ぞ れ の論 文 が独 自の評価 指 標 を 設 け て 調 査 を して み た 、 と い う 例 が 多 く あ ま り深 く は 掘 り下 げ られ て い な い 。
○認知 研 究 実 績 が 少 な い た め 、 生 理・ 心 理 、 視 覚 障 害 者 に 関 す る研 究 は 少 な い 。 快 ― 不 快 、 印 象 ・ イ メ ー ジ に 関 す る も の が 比 較 的 多 い。 快 ― 不 快 は実 験 を行 って被 験 者 の 主 観 に よ つ て 評 価 を した も の が 多 く、 印 象 ・ イ メ ー ジは それ に加 えて 色 光 刺 激 、 聴 覚 誘 発 電 位 を しよ う した もの も あ った 。
○ 音 計画 音 環 境 計 画 はテ ー マ パ ー ク、駅 な どで少 し研 究 が 行 わ れ て い る が ほ と ん ど は 実 例 分 析 な の で 、 実 際 は 音 計 画 は とて も少 な い と 言 え る 。 BGMや 環 境 音 楽 と い う も の は 存 在 は す る が 、 そ れ が 特 定 の指 標 に基 づ い て な くイ メ ー ジ で あ る 。
序論
○ サ ウ ン ドス ケ ー プ (音 風 景 )
修 士 論 文
l o 9 8
○ 音 楽 と建 築 古 典 芸 術 と して の 音 楽 と そ の 時 代 の 音 楽 音 楽 の要 素 と建 築 の要 素 を 比 べ る と い う こ と を 扱 っ て い る研 究 は な い 。 ○音楽ホー ル 音 響 と利 用 者 の特 性 の
2つ
に分 か れ る 。
音 響 は 、 実 例 分 析 の もの と、 音 が い か に して 空 間 内 で 均 一 に な る か 、 ま た 人 数 、 拍 手 の 有 無 に よ りそ れ が ど う影 響 す る か 、 等 と い う研 究 が 多 く な さ れ て い る 。
以 上 のな か で 、実 際 に建 築 計画 に応 用 さ れ る研 究 は 、 騒 音 対 策 や 音 楽 ホ ー ル に 代 表 され る室 内 音 響 設 計 に 関 す る もの で あ る 。 し か し、 一 般 に 人 が 聴 く と い う こ と を 目的 に お いて 計 画 され る こ との少 な いホ ー ル 以 外 の 建 築 物 に お い て は 、 空 間 内 の発 生 す る音 場 の 状 態 に よ る評 価 の 手 法 に 関 す る研 究 は ほ とん どな され て いな い。
序論
に つ い て の 思 想 か ら論 述 した も の ば か りで 、
修 士 論 文
1998
ア.2.3 昔 の 可 視 化 、 可 聴 化
建 築 音 響 にお いて設 計段 階 で竣 工 後 の音 響 特 性 を 予 測 す る シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 う が 、 そ の 出 力 に は 音 の 「可 視 化 」 と 「 可 聴 化 」 があ る。 シ ミ ュ レー シ ョ ン の 結 果 を 実 際 に 耳 で 聴 き 体 験 す る こ とは、音 響 の さ ま ざ まな 情 報 を 一 度 に 把 握 で き 、 音 響 設 計 の 効 果・ 問 題 点 を 確 認 す る の に 有 効 で あ り 、 よ り確 実 な 音 響 設 計 を実 現 させ るた め の有 力 な 手 段 とな っ て き た 。 こ こで は音 は 見 る よ りは聴 い た ほ う が 分 か りや す い と い う こ と で あ る 。
そ こで 、 可 聴 化 の 一 例 と して 、 ホ ー ル の 音 響 設 計 に 以 前 か ら用 い ら れ て い る ス ケ ー ル モ デ ル 実 験 が あ る。 これ は 、 実 際 の ホ ール 等 の
20の
1/10∼
1/
縮 尺 モ デ ル を作 って 、 そ の 内 で 実 際
の音 楽 な どを
1/10位
10倍 位 の 高 さ の 音 に 変 換 し 、
の 時 間 で 出 して 、 小 さ な マ イ ク
ロ ホ ン で 収 録 し、 これ を
1/10位
の速 度
で 再 生 して 、 元 の 音 楽 の 高 さ と速 さ の 音 に 戻 して 聴 き 、 実 際 にで き る ホ ール の 音 を 設 計 の 段 階 で 検 討 す る方 法 で あ る 。
しか し、 模 型 実 験 の 場 合 、 ま ず 現 実 と し て そ う簡 単 に 室 形 を変 更 して 手 軽 に検 討 す る とい う こ とは 困難 で あ る。
次 に、理 論 計 算 によ る もの の 場 合 に は 、 あ る 点 に 到 達 す る 全 反 射 音 を 計 算 し、 こ の 全 反 射 音 の特 性 を、音 楽 な どの音 源信 号 に合 成 す る 計 算 処 理 をお こな え ば 、 完 成 後 の ホ ー
修 士 論 文
1998
ル の音 を 聴 け る よ う に な る と い う わ けで あ る。 序論
この場 合 、被 験 者 が コ ン ピュー タ が予 測 した 空 間 の ひ び き を 体 験 で き る も の で 、 異 な る音 場 の 差 を 比 較 で き る 。 しか し、 あ る 測 定 地 点 に 到 達 す る 音 の 状 態 を聴 い て い る に過 ぎず 、 音 場 全 体 の様 子 を一 時 に把握 す る こ と は 難 しい 。
ま た 、 可 聴 化 に よ っ て 得 られ た 結 果 か ら 、 設 計 に フ ィ ー ドバ ッ ク しよ う と した と き 、 結 果 しか 分 か らな い 可 聴 化 型 よ り も 音 場 を つ く る プ ロ セ ス が 見 え る 可 視 化 型 の ほ うが 利 用 しや す い 。 し た が っ て 、 音 の 可 視 化 は 以 前 に も増 して 重 要 に な っ て き て い る と い え る。
7.2.イ
音 の 77化 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 「
可 視 化 とは本 来 人 間 の視 覚 で は 直 接 捕 え られ な い 現 象 や 状 態 を 、何 らか の 方 法 に よ っ て 目 に 見 え る形 に して 表 現 す る こ と で あ る 。 音 もそ の 一 つ で あ る 。
予 測 され た 物 理 的 な 音 響 特 性 を音 の可 視 化 に す る の は、 一 般 的 に次 の 2つ の タ イ プ に 分 類 で き る。 ① 幾 何 音 響 や 波 動 音 響 に よ っ て理 論 計 算 ・ 解 析 した 結 果 を 可 視 化 す る 。 ② 模 型 実 験 等 の よ う な 何 らか の 実 験 を お こ な い 測 定 した 結 果 を 可 視 化 す る 。 こ こで 、 ② の 測 定 に は 電 磁 波 や 可 聴 音 、 超 音 波 、 赤 外 線 な ど 可 視 光 以 外 を用 い る。
修 士 論 文
1998
音 の可視 化 の場 合 、音 場全 体 を一 時 に表 示 す る こ と に 意 義 が あ る 。 しか し、 現 状 で は 音 場 全 体 の 瞬 時 音 圧 や 音 圧 レベ ル 等 を 測 定 に よ っ て 得 る こ と は 困難 で あ る。 した が っ て① の 理 論 計 算 に よ る結 果 を可 視 化 す る こ とにな って い る の が現 状 で あ る。 幾 何 音 響 学
波 動 音 響 学
解 析 法
エ ネル ギ ー 思考
音波 の波 動 思考
特
徴
統
心
微 積 分 中 心
対
象
現 場 に 応 用
基 礎 的 研 究
雑
純
扱 う 音
計
中
表 1-04 幾何音響 と波動 音響
晋
音 の シ ミ ュ レー シ ョ ン の 計 算 理 論 に は さ ら に波 動 音 響 と幾 何 音 響 が あ る が 、 実 務 に お い て は 音 響 工 学 の 世 界 で は 波 動 音 響 と幾 何 音 響 、 そ して 我 々 建 築 計 画 の レベ ル で は 幾 何 音 響 を 採 用 して い る 。 こ こで そ れ ぞ れ の 特 徴 を 表 に ま と め て み る 。 (表
104)
さ ら に 音 響 工 学 系 と建 築 計 画 系 に分 け て 可視 化 例 を ま とめ て み る。
○音響 工学 系
・ 反 射 音 線 図 (図 1-12) 音 源 か ら出 た 音 が 伝 搬 し、 反 射 して 室 内 の あ る受 音 点 に到 達す る状 態 をそ の経 路 図 と して 表 現 す る も の で あ る 。 そ の 一 例 を 図 図 1-12 反射音線 図
に示 す 。 反 射 音 の 音 線 の う ち 、 レベ ル が 高 くか つ 時 間 遅 れ の 大 き い も の は 音 声 受 聴 な
どを妨 げ る ことが あ る。 この表 示 によ り、 間 題 にな りそ うな 反 射 音 が 、 どの壁 面 か ら く る の か 、 そ の 履 歴 を 知 る こ とが で き る 。 現 在 は コ ン ピュー タ を用 いて 、 数 回 の反 射 ま でを
3次 元 的 に 追 跡 す る こ と が 可 能 と な っ て
い る。 図 1-13 反射音分布 図
・ 反 射 音 分 布 (図 1-13) あ る 音 線 を放 射 す る無 指 向 性 音 源 を仮 定
Etnt
r ss
8
し、 客 席 面 に 入 射 す る 反 射 音 と して 数 回 反 射 ま で を追 跡 して 、 任 意 の 時 間 帯 内 の 反 射 音 の 分 布 を 求 め た 結 果 を 表 現 した も の で あ る。 一 例 を 図 に 示す 。 図 にお いて 、音 線 の 矢 印方 向 は音 線 の到来 方 向 を、 長 さは客 席 面 へ 投 影 さ れ た 長 さ で 、 短 い ほ ど垂 直 方 向 か ら の 入 射 を 表 して い る 。
・ 音 線 法 に基 づ い て
2次 元 音 場 内 の 音 粒 子 の
挙 動 を 可 視 化 し た も の (図 1-14) 設 定 した 音 源 点 か ら多 数 の 音 粒 子 を発 生 さ せ 、 音 線 法 に よ り任 意 の 時 間 に お け る 音 粒 子 の 位 置 を 解 析 し可 視 化 表 現 し た も の で あ る 。 これ は 、 解 析 した 形 状 内 の 過 渡 的 な エ ネ ル ギ ー の 遍 在 性 を 、 計 算 した 音 粒 子 の 密 度 に よ り推 定 で き る 。
コ
後
“ 図 1-14 音線法 による可視化例
・ 長 方 形 音 場 の 解 析 解 を 計 算 し可 視 会 した も の (図 1-15) 長 方 形 音 場 に お い て 変 数 分 離 法 に よ り解 析 解 を 求 め 、 イ ンパ ル ス 応 答 の 近 似 解 を 表 示 させ る。
■●128ま で
図 1-15 インパル ス応答表示
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
・
1998
2次 元 音 場 に お け る 過 渡 的 な 音 圧 分 布 を 計
算 し 可 視 化 し た も の (図 1-16) 序論
鍮嘔 後
図 1-16 過渡音圧分布 の可視化例
・ 2次 元 音 場 に お け る 瞬 時 音 響 イ ンテ ン シテ ィ を 計 算 し 可 視 化 し た も の (図 1-17) 差 分 法 を用 い て 求 め た
2次 元 音 場 の 音 圧 と
粒 子 速 度 の 数 値 解 の 積 に よ り、 各 点 に お け る 瞬 時 イ ン テ ン シ テ ィ を 求 め 、 設 定 した 音 源 点 か ら疑 似 パ ル ス 音 を 発 生 さ せ た と き の 計 算 結 果 を 示 し た も の で あ る 。 これ は 、 障 壁 等 の 周 りの 回 折 の様 子 が 観 察 で き 、 波 動 現 象 が 計 算 され て い る こ とが分 か る。
2勁 ●糧
図 1-17 瞬時音響インテ ンシテ ィ の可視化例 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
修 士 論 文
1998
・ Bergeron法 に基 づ い て 音 響 伝 搬 性 状 を 可 視 化 し た も の (図 1-18)
Bergeron法 の よ っ て 得 られ た 解 析 空 間 に 設 定 した 格 子 の 交 差 点
(接 点 )ご と に 瞬 時 音
圧 の 時 間 応 答 か ら、 任 意 の 時 刻 の 音 場 の応 答 が 横 波 表 示 の 静 止 画 と して 得 られ る 。 こ れ らの 静 止 画 を 連 続 再 生 して ア ニ メ ー シ ョ ンによ る可 視化 を行 って いる。
図 1-18 音響伝搬性状の可視化例
修 士 論 文
1998
○ 建築 計 画 系 音響空間ではない建築空間は定量 的な評価 はされていない。
3
計画 系 の レンダ リング手法 は、 我 が渡辺 研 究 室 で こ こ 数 年 一 貫 し て 取 り組 ん で き て
一般空間での音の大きさや構成な どを視 覚的 に評価す る。
い る 音 の ボ リュ ー ム レ ン ダ リ ン グ で あ る 。 綿 密 な 計 算 を要 す る音 響 工学 によ る音 響 空 間 とは 違 い 、 こ こで 必 要 な の は 、 普 通 の 空 間
音 を見 る 音 の直進 性・ 反射・ 減 衰
O 光 の直進性・ 反射・ 減衰
音源を光源に置き換 え レンダ リング 表 1-5
の建築 計 画 の為 に設 計者 が容 易 に結 果 を予 測 で き る こ とで あ る 。 そ うす る と 、 空 間 内 の 音 の 大 き さや 構 成 な どが ビ ジ ュ ア ル に 分 か る簡 易 な シ ミ ュ レー シ ョ ン の 方 が 実 用 的 で あ る と 考 え ら れ る 。 つ ま り建 築 計 画 に お いて は 、 可視化 型 は 音 場 を作 る プ ロセ ス が 見 え さ らに空 間全 体 を把 握 で き る ので 、 ど の 設 計 者 に も容 易 に 理 解 で き る の で あ る。 (表 1-5)
・ 断面 ス ク リー ン の 連 続 に よ る シ ミ ュ レー シ ョ ン (図
1-19 1-20)
これ は 音 の 方 向 性 、 反 射 、 透 過 と い っ た 特 性 が 光 の そ れ と似 て い る た め に 音 源 を光 源 に置 き換 えて レンダ リングす る と い うもの
■
1硝
図 1-19 空間の平面図 (上 )と 断 面 の レンダリング
k. 図 120
で あ る 。 こ こで は カ ラー で 表 現 で き な い た め 分 か り に く い が 、 3カ 所 の 音 源 が そ れ ぞ
・ 拠
│≒ 断面スクリー ンの連続
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
修 士 論 文
れ
RGBと
1998
い った光 源 にな って い る。 そ し
RGBの そ れ (光 源 )が ど の
て任 意 の 断面 で、色 の濃淡 、
位 影 響 して い る の か が 分 か る。 この 断 面 を 積分 す る と、空 間全体 が 表 現 で き る ので あ る 。 と こ ろ が 、 これ は 音 と光 の 特 性 の 違 い や 壁 に 近 く な る と歪 み が 大 き くな っ た り、 手 間 も相 当 か か る と い っ た 問 題 も あ る 。
・ パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク ト (図
121)
音 を 粒 子 の 集 ま り と して 提 え て ア ニ メ ー シ ョ ン で 表 現 で き る よ う に した の が パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トで あ る 。 これ は (図 違い 図 1-21 パー テ ィクルオブジェク トによるシミュ レー ション
1-20)と
3次 元 そ の も の で あ る と い う こ と 、 ベ
ク トル 表 現 が 可 能 に な っ た と い う 点 に 特 徴 が あ る 。 音 源 の違 い は これ も色 を変 え れ ば よ く、 出 来 上 が りは か な りき れ い に見 る こ と が で き る が 、 ス ピ ー ドや 壁 の 反 射 な ど の 細 か い 設 定 が 難 し か っ た り と ソ フ トウ ェ ア な ど の 環 境 に 問題 も あ る が 、 断 面 の レ ン ダ リ ン グ に 比 べ れ ば か な り精 巧 な シ ミ ュ レ ー シ ョン と言 え る。 な お 、本 論 文 で は この レ ン ダ リ ン グ に よ リシ ミ ュ レー タ を 構 築 す る。
・ 録 音 デ ー タ の 視 覚 化 (図
122)
これ は 実 際 の 音 を 録 音 し て み て 、 聴 覚 効 果 を 狙 っ た そ の 空 間 が 本 当 に 結 果 と して あ ら わ れ て い る か どうか を確 か めて み る方 法 で あ る 。 対 象 と な っ た 新 宿 ア イ ラ ン ドタ ワ ー ア イ ラ ン ドバ テ ィ オ は 、 周 囲 の 騒 音 が 聞 こ えな い よ う に一 層 下 げ、更 に この空 間 のた め に 作 ら れ た 音 に よ り外 界 に 対 し て 人 の 意 識 を そ らす と い う効 果 が 図 られ た 。 そ の 意 図 1-22 録音デー タの可視化 (対 象 新宿 アイ ラン ドタワー アイ ラン ドパティオ)
早稲 田大学渡辺仁 史研究室 望 月 太郎
図 が 成 果 と して 出 て い る か ど う か を 調 べ て
#1-25
序論
ぞ れ の強 さ によ りどの音 源
修 士 論 文
1998
み る た め に 外 の 道 路 か らパ テ ィ オ ま で の 動 線 に 沿 っ て 録 音 して み て 、 そ れ を フ リ ー ウ ェ アの
SoundⅥ ewを 用 い て 視 覚 化
した 。 こ の
場 合 、 周 波 数 別 の 音 の大 き さ等 可 能 な 表 現 が 限 られ て い る 、 音 の 種 別 が 分 か ら な い な どの欠点 もあ るが 、音 源 が 比較 的 少 な い 場 合 は か な り容 易 に 評 価 す る こ と が で き る 。
7.3 研究 目的
視 覚 障害 者 が 経 路選 択 の為 にイ ンプ ッ トす る 音 を粒 子 と して と らえ 、 力 学 運 動 法 則 を扱 う こ とが 可 能 な 仮 想 空 間 に お い て の パ ー テ ィ ク ル モ デ ル と して 提 案 0シ ミュ レー トし、 そ の 方 法 論 を 提 示 し 簡 易 シ ミ ュ レ ー タ を構 築 す る こ と。視 覚 障 害 者 の 歩 行 に 於 け る様 々 な 事 象 を、 そ の シ ミュ レー タ に よ り検 証 す る こ と 。 こ の
2つ
を本
論 文 の 目的 とす る。 簡 易 シ ミ ュ レー タ の 構 築 の 、 実 空 間 値 に 漸 近 す るた め の 各 パ ラメ ー タ設 定 な どの方 法 論 に 関 して は 、 ヒ ア リ ン グ ・ 調 査 ・ 文 献 か ら の ア プ ロ ー チ で お こな う 。
早翻 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
f tI
r ee
8
パ ー テ ィク ル モデ ル
§2 パーティクルモデル パ ー テ ィ ク ル と は ど の よ う な 物 理 法 則 を持 ち 、 ど の よ うな 性 質 を 持 つ も の な の か
?こ の
章 で は 、 シ ミ ュ レー シ ョ ン に 向 け た パ ー テ ィ ク ル の 基 礎 知 識 を徹 底 的 に解 説 す る 。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
2.ア
ノゞ―ティクル モデル とは
1998
パ ー テ ィ ク ル モ デ ル を定 義 す る まえ に 、 そ の 元 にな るパ ー テ ィクル 、 エ ミ ッタ、 パ ー テ ィ クル オ ブ ジ ェ ク トに つ い て触 れ な けれ ば な ら な い。
ス プ ライ ン・ ベ ジ ェ 曲 線・ サ ー フ ェー ス ・ ポ リ ゴ ン・ メ タ ボ ー ル … … とい っ た ジ オ メ トリ 形 式 の 中 で 、 特 に 力学 運 動 制 御 可 能 な 点 (ポ イ ン ト)の ことをい う。それは、位置 (position)
図 2-1 パー テイクル と パーテ ィクルオブジェク ト
や 速 度 (velocity)、 加 速 房こ (acceleration)、
カ
ラ ー (color)、
ェ
イ ジ ング
ライ フ ス バ ン (hfespan)、
(age)な ど の ア トリ ピ ュ ー トを 持
つ 。 パ ー テ ィ ク ル は 、 ダ イ ナ ミ ック・ フ ォ ー ス を 使 用 して ア ニ メ ー トで き る よ うに設 計 さ れ て い る。
一 般 的 に 、 パ ー テ ィ クル を作 成 す る に は い くつ か の 方 法 が あ る。 ・ ツ ー ル を利 用 して 、 パ ー テ ィ クル そ の も の を直 接 生 成 す る。 図 2-2 パ ー テ ィクリ レと パー テ ィクル オ ブ ジェク ト
・ エ ミ ッタ か らパ ー テ ィ クル を 生 成 して 放 出 させ る ことに よ り生成す る。 この 場合 、 エ ミ ッ タ で ア トリ ピ ュ ー トを設 定 して パ ー テ ィ ク ル の動 き を決 定 す る。 ・ パ ー テ ィ ク ル の コ リジ ョ ン (衝 突 )イ ベ ン トの 結 果 と し て パ ー テ ィ ク ル を 生 成 す る 。 エ ミ ッタ は パ ー テ ィ ク ル を作 成 す る ツ ー ル の こ とで あ る 。 パ ー テ ィ クル は ユ ー ザ ー が 作 成 して 配 置す るか 、 エ ミ ッタを作 成 してエ ミ ッ
図 2-3 パー ティクル と パーティクルオブジェク ト
タ に生 成 させ る こともで き る。 エ ミ ッタ にキ ー を設 定 した り、 エ ミ ッタ の 様 々 な 要 素 に つ い て エ ク ス プ レ ッ シ ョ ン (式 )を 作 成 す る こ と
パ ー テ ィ ク ル モデ ル
パ ー テ ィ ク ル とは 、 CADモ デ リン グ技 術 で の ラ イ ン・ ス プ ライ ン カ ー プ 。NURBS・ B―
修 士 論 文
1998
もで き る。
パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トと は 、 同 じ ア ト リ ピ ュ ー トを 共 有 す る パ ー テ ィ ク ル の 集 合 体 で あ る。 単 一 のパ ー テ ィ クル また は無 数 のパ ー
作 成 す る こ とが で き る 。 点 の 集 合 体 と い え ど も、 そ の 種 類 は 様 々 で 、霧 、 煙 な ど各 ス マ ー トパ ー テ ィ ク ル が 互 い に 作 用 しな い 運 動 を イ ンタ ラク テ ィプ に表 現 す る もの、 オ ブ ジ ェ ク トの 各 頂 点 を パ ー テ ィ ク ル と 定 義 し 、 各 頂 点 が 互 い に 作 用 し 合 い な が ら行 う運 動 を 表 現 す る もの 、 イ メ ー ジ フ ァイ ル の 各 ピクセ ル をパ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トと捉 え 各 ピ ク セ ル の 持 つ 図 2-5 カ ー テ ンの表 現
RGB値
、 ま た は マ ッ ト値 な ど に よ り運 動
を 定 義 し 表 現 す る も の が あ る (図 2-7参 照 )。 これ らは 相 当 業 界 筋 か らの 需 要 的 分 類 で は あ る が 、 こ れ よ り他 の 用 途 は 現 在 の と こ ろ確 立 さ れ て い な い た め 、 以 て 本 研 究 の 定 義 に取 り 入 れ る。
こ の パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トを 用 い て 音 の 状 態 を を モ デ ル 化 した も の を 本 研 究 で は 暫 定 的 に パ ー テ ィ ク ル モ デ ル と定 義 す る 。
,mart particio
r・ . 1・・ ● ● ●
●
. .
panbie3
l g
図 2-7 パーティクル各種
パ ー テ ィク ル モデ ル
テ ィ ク ル を 含 む パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トを
修 士 論 文
2.2 ノゞ―ティクル モ デル の春 ヽ点
1998
パ ー テ ィ クル オ ブ ジ ェク トす な わ ち 「粒子 」 の オ ブ ジ ェ ク トに よ って モ デ ル 化 す る こ と に よ って 、 単 に扱 い が 簡 易 にな る 以 上 の 様 々 な 利 点 が 生 まれ て く る 。 音 の 粒 子 の シ ミュ レー シ ョ ン をす る上 で の モ デ ル 特 性 と、 単 純 情 報 れ ぞ れ の利点 を記 述 す る。
2.2.7 昔の粒子モデルとしての春 ■点 見 え な い 音 を 、 可 視 化 す る の は 昔 か ら数 多 くの試 み が な され て い る。音 の可 視 化 は、 一 点 にお け るス カ ラー で あ る可 聴 化 に 比 べ 音 場 を 全 体 を 把 握 す る 、 時 系 列 に 則 して 音 場 の 作 る プ ロセ ス が 分 か る と い っ た 利 点 が あ る。 ま た 可 視 化 の 中で もパ ー テ ィ クル は 、 粒 子 と し て 扱 う と い う特 性 、 オ ブ ジ ェ ク トの 動 き が 、 ダ イ ナ ミ ク ス と 呼 ば れ る物 理 学 の 一 分 野 の 法 則 を 利 用 して い て 、 自然 力 に よ り制 御 で き る と い う特 性 が あ る 。 そ れ に よ り、 従 来 の コ ン ピュー タ に よ る演 算 に比 ベ リアル な モ ー シ ョ ンを再 現 で き る よ う にな った 。 また 、何 よ り もそ れ が 視 覚 三 次 元 的 に 試 行 可 能 で あ る と い う こ と が 最 大 の 利 点 で あ る と 言 え よ う。 各 シ ミュ レー シ ョンの 詳 しい解 説 に 関 して は 「1.2.3 音 の 可 視 化 、 可 聴 化 」「 1.2.4 音 の 可 視 化 シ ミ ュ レー シ ョ ン」 で 述 べ た 。
Dデータとしての驀ヽ点
2.2.2 “
モ デ ル が 単 純 ジ オ メ トリ と して 扱 え るた め フ ァイ ル と して 保 存 で き、 い つ で も必 要 な 時 必 要 な 分 だ け 閲 覧 、 流 用 、 複 製 す る こ とが 可 能 で あ る 。 保 存 さ れ た フ ァイ ル 群 に よ リラ イ プ ラ リ 、 リ フ ァ レ ン ス 化 が 図 られ る 。
パ ー テ ィ ク ル モデ ル
と して 管 理 す る 上 で の デ ー タ特 性 に 分 けて そ
修 士 論 文
2.3/ゞ ―ティクル
2.3.7
1998
周辺 環 境 に つ い て
ルの原理と制御 モデン 対 象 空 間 「高 田 馬 場 駅 」 の モ デ リ ン グ は 、 汎 用 性 が あ り、 あ らゆ る 3Dモ デ ル の 作 成 が 用 意 にお こな え る、永 年使 い慣 れ た ソフ トウ ェ ハ ー ドウ ェ ア
2
が 研 究 室 で 統 一 して 揃 え て い る 環 境 で あ る と い う理 由か ら、 レ ン ダ リン グ機 能 を 備 え た モ デ リ ン グ ソ フ ト 3を 用 い た 。
ま た パ ー テ ィ クル の作 成 、 レ ンダ リン グ 、 ア ニ メ ー シ ョ ン と い った シ ミ ュ レー タ の 構 築 に 直 接 関 わ る部 門 は 、 パ ー テ ィ ク ル モ デ ル が 作 成 で き 、3次 元 モ デ ル を扱 う こ との で き る と い う こ と、 また 将 来 的 に建 築
CDへ
の転
用 が 十 分 見 込 め る Ъ Zゲ ー ム 開 発 や 映 画 な ど で 頻 用 され る
CGア
ニ メ ー シ ョ ン ソ フ ト 4を
用 い た 。 この ソ フ トは主 に 、 立 体 の 作 成 を行 うモ デ リン グ パ ー ト、 物 体 の 位 置 関 係 や ア ニ メ ー シ ョン を管 理す る ア ニ メー シ ョンパ ー ト、
1 2 3
パ ー テ ィ クル モ デ ル や ソ フ トボ デ ィ、 リジ ッ
MacOSS.5.1
ドボ デ ィ を作 成 管 理 す る ダ イ ナ ミ ク ス パ ー ト
Power Macintosh7600/120
4
/,*i7 i
F;<
)t*.x )
か らな る。 そ して そ れ ぞ れ の パ ー トの イ ン タ l-.
+ta forrnz v2.9.5.6
4
Alias lwavefront
ラク テ ィ ブ な 出入 力 で 目的 デ ー タ を作成 す る。 ま た こ の ソ フ トウ ェ ア を 搭 載 で き る基 本
ttaMaya
vl.0
5、
ヮ _ク
OS
ス テ ー シ ョ ン 6を 主 要 ハ ー ドウ ェ ア
と した 。 一 般 的 な パ ー ソナ ル コ ン ピュー タ で は実 現 させ られ な い リアル タイ ム な 力学 シ ミュ レ ー トが 可 能 な た め 選 ん だ 。
5 Windo、vs
6
AF「
操 作 者 は 、 これ らの環 境 を利 用 して シ ミ ュ
4.0
レ ー シ ョ ン を お こ な う。 イ ンター グ ラフ社 の グ ラフィ ッ
クワー クステー シ ョンつ
Z2000 GT
パ ー テ ィ ク ル モデ ル
ア で あ る 、 ま た 基 本 OS l、
Sf nf 2.3.2 -点型 、 放 肥
r ss
8
、連 関 型
パ ー テ ィ ク ル モ デ ル の 生 成 方 法 には 大 き く 分 けて 一 点 型 、放 出型 、連 関型 の 3つ が あ る。 放 出型 は流水 や炎 、連 関型 はカ ー テ ンや ゼ リー
3者 は 視 覚
的 に 差 異 は あ る も の の 、 い ず れ もそ の 原 理 と 制 御 は、力学運動条 件 ・ Attributes パ ー テ ィ ク ル モ デ ル に与 え る 内 的要 因 。conisions
パ ー テ ィ クル モ デ ル に 対 す る外 的 要 因 ・ Connections 外 的 要 因 (Couisions)相 互 の 一 体 多 対 応 効 力 関係式 ・ Fields パ ー テ ィ ク ル モ デ ル に 対 す る 外 的 要 因 。 (本 論 文 で は音 の 粒 子 は 重 力 な ど の影 響 は受 け な い の で 使 用 し な い 。)
輻m
AIiiFI)
暉L
tr EtrE
図 2-8
9 Fdy
s *iy
-点 型モデル コンセプ ト図
に よ り支 え られ る 。 ど の 場 合 に ど の 型 を 用 い る か 等 の 属 性 別 適 用 方 法 も含 め 、 各 々 の 制 御 詳 細 を示す 。
○一点型モデル 文 字 どお リ ー 点 の パ ー テ ィ ク ル モ デ ル (図
3-8)で
あ る 。 空 間 に イ ン タ ラ ク テ ィ プ に設
置 され た 、 属 性 を持 た ず そ れ だ け で存 在 す る ス マ ー トパ ー テ ィ ク ル ご と に 前 述 の 制 御 条 件 を 施 し、 目的 の 運 動 を 一 点 毎 に 得 る 。 よ っ て も と も と存 在 す る パ ー テ ィ ク ル 粒 子 を 動 か す と い う原 理 の も の で あ る 。
パ ー テ ィ ク ル モデ ル
の 制 御 を応 用 した も の を用 い る 。
修 士 論 文
1998
○ 放 出型 モ デ ル あ る 放 出 領 域 か ら時 間 と と も に ス マ ー トパ ー テ ィ ク ル を 放 出 す る と い う方 法 で モ デ ル の 形 成 を行 う もの が 放 出 型 パ ー テ ィ クル モ デ ル あ る い は放 出型 モ デ ル で ある。 原 理 は、 発 生源 に 外 的要 因 (Fields)と して 放 出 機 能 の 付 加 を 施 し空 の パ ー テ ィ ク ル を 放
4ヾ
出させる。その際、空のパーティクルに内的
百
効 力 関 係 式 (Connections)と して 放 出 に 関 す
手
要因(Atributes)と して速度を与え、且つ ん る 放 出 源 の 特 定 を 行 う。 これ に よ り粒 子 の 流
れ を得 、 粒 子 モ デ ル とす る の だ が 、 放 出機 能 に は 点 状 放 出 (point_emitter)と 面 状 放 出 (surね cermitter)の
2通 りが あ り、 場 合 に 応
じて 選 択 ・ 適 用 され 、 放 出頻 度 や 初 速 度 の ラ
一 p ご 〓 ﹁ 一 . ヽm
ン ダ マ イ ズ 等 、各 設 定 に よ り 目的 の 粒 子 モ デ
′ 、 ﹁ ′ ヽ一 一 ′ ヽ ´ ・
ル を 得 る。 これ らを 分 けて点 状放 出型 モ デル 、 面 状 放 出 型 モ デ ル と呼 ぶ 。
○連 関型モデル F pdcles g, gravity $ €l€ty
図 2-9 連関型モデル コンセ プ ト図
サ ー フ ェ ー ス 、 ポ リ ゴ ン 等 、 ジ オ メ トリオ ブ ジ ェ ク トの 各 頂 点 を と り格 子 状 の セ グ メ ン トで 結 ば れ た パ ー テ ィ クル 粒 子 の 集 合 と して 扱 い (図 29)、
各 パ ー テ ィ クル 粒 子 間 の外
的 要 因 に 連 関 (Links)条 件 を 付 加 す る こ と で 放 出 型 で は 不 可 能 で あ る よ うな モ デ ル を形 成 す る。 これ を 連 関 型 パ ー テ ィ ク ル モ デ ル あ る い は 単 に 連 関 型 モ デ ル と呼 ぶ 。 放 出型 とは 異 な り、 も と も と存 在 す るパ ー テ ィ クル 粒 子 を 動 か す も の で 、 各 頂 点 を形 成 す るパ ー テ ィ ク ル 粒 子 が そ れ ぞ れ 一 点 型 モ デ ル の よ う に振 る舞 うの で あ るが 、 そ の 各 々 に 制 御 条 件 を 施 す 必 要 は な く、 一 つ な が りに 一 通 りで よ い 。 そ の 原 理 は 、 隣 接 す るパ ー テ ィ クル 粒 子 相 互 が 、 文 字 どお り連 関 法 則 に よ っ て 制 御 を受 け 早稲田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
諜
修 士 論 文
1998
る と い う も の で あ る (図 2-10)。 また、連 関型 を扱 う際は、切 り餅 あるいはキュー プ 状 に 単 位 化 され た モ ジ ュー ル と して 用 意 す る 。 実 際 この モ デ ル を用 いて シ ミ ュ レー シ ョ ン を行 う場 合 、 い くつ か の モ ジ ュ ー ル を縦 横 パ ー テ ィ ク ル モデ ル
に更 に 結 合 させ て必 要 な分 量 の モ デ ル とす る。
修 士 論 文
1998
2.3.3 点 状放 出型 モ デンル、 面状 放 出 型 モ カ レ 本研究 で は 「2.3.2 -点 型 、放 出型 、連 関 型 」 で 取 り上 げた放 出型 モデル をメイ ンに使 用 す るため 、放 出型 モ デル につ いて 詳 しく説
○ 点 状放 出型 モ デル mpty pailiclG
放 出型 パ ー テ ィ クル モ デ ル の うち 、 放 出領 域 を 実 体 あ る パ ー テ ィ ク ル と した も の で あ る 。 そ の た め放 出 源 が点 状 な の で 、 放 出源 を 中 心
id€.adiw plac@t
図 2-11 点状放出型モデル
と した 同心 円 状 あ る い は 球 状 に 放 出 され る (図 2-11)。
○ 面 状放 出 型 モ デル 放 出領 域 を 一 枚 の サ ー フ ェー ス と した も の で あ る。 こ の 場 合 、 放 出 され る パ ー テ ィ ク ル は 面 上か ら一 様 に発 生 。放 出 され 、サ ー フ ェー errFy parficlc!
ス の 分 だ け の 幅 を も っ た 流 動 とな る 。 ま た 、 放 出 源 の サ ー フ ェー ス は 新 規 に 作 成 して も よ い が 、 空 間 デ ー タ の 一 部 分 を用 い て も よ い 。 た だ し用 い る 部 分 が 適 切 な サ ー フ ェー ス を形
surtace obiecl
図 2-12 面状放 出型モデル
成 して い な い 場 合 、 これ を三 角 形 分 割 して 用 い る (図 2-12)。
パ ー テ ィク ル モデ ル
明 す る。
修 士 論 文
2.3.イ
1998
視認性 ―ノゞ ―ティクルのレンダ リング ー
パ ー テ ィ クル モ デ ル は粒 子 の 集 合 体 で あ る た め 、 そ の 粒 子 は 合 理 的 な レ ン ダ リン グ を施 さ らに、 音 の 粒 子 モ デ ル の 場 合 音 の ス ピー ド を粒 子 の ス ピー ドにす る の で は な く、 遅 く し て や る必 要 も あ る 。 よ り多 くの 視 覚 情 報 を得 る た め 、 速 度 別 に 色 を 変 え た り、 粒 子 を数 値 に 置 き換 え て 表 記 した り、 ドッ ト数 を増 や した り、 帯 を 付 け て ベ ク トル の 方 向 性 を表 した り、 場 合 に 応 じた 方 法 を採 る 。
主 な レ ン ダ リ ン グ タイ プ に は 次 の よ うな も の が あ る。 ・ Pointsレ ン ダ リ ン グ タ イ プ (図 2-13) ポ イ ン トサ イ ズ は ス ク リ ー ン に 対 す る相 対 的 な サ イ ズ で あ る 。 カ メ ラか らパ ー テ ィ ク ル ま で の 距 離 は考 慮 され な い 。 つ ま り、 カ メ ラ 図
2-13 Points
か ら遠 いパ ー テ ィ クル も近 くのパ ー テ ィ ク ル も 同 じサ イ ズ に な る 。 ・ Multipointレ ン ダ リ ン グ タ イ プ 各 パ ー テ ィ ク ル は 複 数 の ポ イ ン トと して レ ン ダ リ ン グ され る 。 ポ イ ン トの 数 が 増 え る た め 、 パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トは 密 に 表 示 さ れ る。 ち り、 か す み 、 雲 な ど の オ ブ ジ ェ ク ト
図
2-14 Streak
を生 成 す る こ とが で き る 。 ・ Streakレ ン ダ リ ン グ タ イ プ (図 2-14) 移 動 す るパ ー テ ィ クル に 対 し、 ス トリー ク (細 長 い 尾 )を 付 け る 。 流 星 や 雨 な ど の オ ブ
パ ー テ ィク ル モデ ル
して や り、 視 認 性 の 向 上 を 図 る必 要 が あ る 。
修 士 論 文
1998
ジ ェ ク トを う ま く表 現 す る こ とが で き る 。 ス トリ ー ク の 長 さ はパ ー テ ィ ク ル の 速 度 に よ っ て 決 ま るた め 、 速 度 が ゼ ロの 場 合 、 尾 は 表 示 され な い 。 また 移 動 速 度 が 速 い 程 、 尾 は 長 く な る 。 移 動 す るパ ー テ ィ クル に の み Streakレ
・ Mu■ istreakレ ン ダ リ ン グ タ イ プ 移 動 す るパ ー テ ィ ク ル に 対 して 、 尾 の 付 い た複数のポイ ン トが レンダ リングされる。Streak と Mu■ ipointレ ン ダ リ ン グ タ イ プ の 組 み 合 わ 図
2-15 Sprites
せ に よ って 表 現 され る 。 パ ー テ ィ クル の 速 度 に 応 じて プ ラ ー (ば か し効 果 )を 作 成 す る こ と もで き る。 ・ Spritesレ ン ダ リ ン グ タ イ プ (図 2-15) 各 パ ー テ ィ クル の 位 置 に テ ク ス チ ャイ メ ー ジ が 表 示 され る。 ス プ ライ トと は テ ク ス チ ャ イ メ ー ジ を マ ッ ピングす る四 角 い 形 状 で あ る。
図12-16
Spheres
イ メ ー ジ は ま っす ぐカ メ ラ の 方 を 向 く。 使 用 す る テ ク ス チ ャ タイ プ の イ メ ー ジ に 応 じて ス プ ライ トで 煙 や 雲 、 ス タ ー フ ィ ー ル ドな どの エ フ ェク トを作 成す る ことがで き る。パー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トの 全 て の ス プ ライ トに 1つ の イ メ ー ジをマ ッ ピング した り、 イ メー ジ シー ケ ン ス を ロー ドし、 エ クス プ レ ッ シ ョ ン を 使 用 して 各 ス プ ライ トに そ れ ぞ れ 異 な る イ メ ー
図12-17
Spheres
ジ シ ー ケ ンス をマ ッ ピ ング す る こ と もで き る。 テ ク ス チ ャイ メ ー ジ に アル フ ァチ ャ ンネ ル が あ る 場 合 は 、価 が ゼ ロ の アル フ ァチ ャ ンネ ル を持 つ テ クス チ ャ マ ッ プ のパ ー ツ が 透 明 に な る。 ・ Spheresレ ン ダ リ ン グ タ イ プ (図 2-16.17) 最 も 良 く使 わ れ る レ ン ダ リ ン グ タ イ プ で 、
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
パ ー テ ィ ク ル モデ ル
ン ダ リ ン グ を お こな え る。
修 士 論 文
1998
パ ー テ ィ クル を球 体 と して 表 示 す る。 ポ イ ン トレ ンダ リ ン グ タイ プ に 比 べ 、 球 体 で あ る た め に カ メ ラ に 近 い もの は大 き く、 遠 い も の は 小 さ く見 え る 。 本 論 文 で も この レ ン ダ リ ン グ タイ プ を使 用 す る。
パ ー テ ィクル オ ブジ ェ ク トに含 まれ る各 パ ー テ ィ ク ル の パ ー テ ィ ク ル の ID番 号 が 表 示 さ れ る。 パー テ ィ クル オ ブ ジ ェク トの各パー テ ィ クル に 、指 定 した ア トリ ピュー トの現 在 値 を 図 2-18
Numerlc
表 示 させ る こ と もで き る 。 特 定 の フ レー ム で パ ー テ ィク ル の ア トリ ピ ュ ー ト値 を知 りた い 時 に便 利 で あ る。
パ ー テ ィク ル モデ ル
O Numericレ ン ダ リ ン グ タ イ プ (図 2-18)
修 士 論 文
1998
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
§3 シミュレー タの構築 音 響 工 学 で は な く建 築 計 画 に 活 用 す る た め の こ の シ ミ ュ レー タ は 、 バ ラ メ ー タ な ど の 設 定 が 簡 易 な も の に な っ て い る 。 しか し、 こ れ は 安 易 に 行 っ て い る も の で は な く、 建 築 計 画 に 必 要 な 要 素 を 取 捨 選 択 して い る の で あ る 。 この章 で は 、 音 の 持 つ性 質 と、 そ れ を ど の よ う に パ ラ メ ー タ に 変 換 して い く の か を 考 察 し な が ら、 平 行 して 高 田 馬 場駅 をモ デ ル に シ ミ ュ レー タ を 構 築 す る 。
修 士 論 文
空FF7デ 夕 の 整理
1998
外 部 環 境 も し く は 同 じプ ラ ッ トフ ォ ー ム 上 で 作 成 され た 建 築 物 の モ デ リ ン グ デ ー タ を 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う ソ フ トウ ェ ア が 受 理
し、 デー タの整理 をす ることで シミュ レー ショ ンシー ン内 に取 り込む空間デー タ とする。デー タの整理 とは、 この 場合立体 オ ブジェク トの 他 に 、 立 体 と して 定 義 で き な い よ う な SuゴaceEmitterの よ うなサ ー フ ェー ス も含 め た整理 の ことで ある。 これ は 、 本研究 のパー テ ィクル モ デル が 物 理 法則 に よ り制 御 され る け な い た め で あ る。 モ デ リングデー タは図 3-1の よ うにパ ー ティ クル の 動 きを制御す るため に 最 適 な レイ ヤ に
分 け る 。 大 き くは 実 空 間 の ソ リ ッ ドモ デ ル と パ ー テ ィ ク ル を 放 出 す るエ ミ ッ タ に 分 け られ 、 そ れ ぞれ はデ ー タ の整理 が簡 易 にで き るよ う に分 け る。
また、シミュレー シ ョンのソフ トウェア側 へ の デー タの移動は、今回は モ デ リングとシ ミュ レー シ ョンが別 々の プラッ トフォー ムの
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
た め 、そ この デ ー タは明確 に行 わな くて は い
修 士 論 文
1998
た め 汎 用 性 の あ る デ ー タ 1に よ り行 っ た 。 こ の 場 合 xyz軸 方 向 、 縮 尺 な ど に 考 慮 して 行 う 必 要 が あ る。
本 研 究 に於 け る対 象 空 間 は 、 高 田馬 場 駅 の 戸 山 口 と 早 稲 田 口 に 設 定 した 。 そ れ は 、 高 田 馬 場 駅 近 辺 に は 、 日本 点 字 図 書 館 、 日本 盲 人 会 連 合 、 ヘ レ ンケ ラー 協 会 と い った視 覚 障 害 者 が 利 用 した りそ こで 働 く 施 設 が 多 数 存 在 し、
1
本 研 究 で は dxfデ ー タ を使 用
現 に 高 田 馬 場 駅 は そ の 人 た ち が 利 用 して い る か ら で あ る 。 しか し、 そ の 利 用 者 は 西 武 線 や
した 。
ヽ
地下鉄を利用する場合を除き、ほとんどが戸 山 口 を利 用 して い る 。 そ れ に は 単 に 人 の 多 さ
■
Y
や近さだけでなく音環境の点からも言えるの あ ではないか?戸 山口を中心に、それをシミュ 翼 レ ー タ の 構 築 と平 行 して 考 察 して い く。 戸 山 日 早 稲 田 日 の 両 空 間 デ ー タ を 前 述 に基 づ き 整 理 した 。 そ れ を、以 下 に示 す 。
○戸山口
図]3-2
tOyanla lllodel
修 士 論 文
toszanla_slab
図 3-4
toyttnattWan
図 3-5
toyama_roof
早稲 田大 学渡辺仁 史研究 室 望月
太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-3
1998
修 士 論 文
図 3-7
kyallla_surfaceemitter
○早稲田口
図 3-8
雨ゝseda=model
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-6 toyama_otherobiect
1998
修 士 論 文
図
waseda pole
3-10 wa℃ da slab
図 3-1l
waseda wan
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-9
1998
修 士 論 文
図 3-13 waseda_otherobeCt
図 3-13 waseda_surfaceemitter
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-12 waseda roclf
1998
修 士 論 文
3.2 音の諸現 象
1998
シ ミ ュ レー シ ョ ン に 向 け た 設 定 を 規 定 す る 前 に 、 音 の 持 つ 特 殊 な 現 象 を 解 説 し、 そ れ を ど の よ う に シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 生 か して い く のか を考 え る。
3.2.7吸 収 と反 射 1-X
音 は 物 体 に あ た る と吸 収 され る。 正 確 に は 音 波 が 物 体 に あ た る と 一 部 は 吸 収 され 、 一 部 は裏 側 へ 浸 透 す る 。 この 反 射 と透 過 以 外 の 部
分 は 内部で吸収 され 、普通熱 エ ネル ギ ー に 変
わる。吸音 とは反射以外の全て、すなわち内
ヽ
■
部吸収だけでなく透過をも含んだものを指す。 7 (図
3-15)吸 音 の 程 度 は 吸 音 率 で 表 す 。 入 射
あ
エネルギーに対する反射エネルギーの比を反 翼 射 率 と い うが 、 一 か ら これ を 引 い た も の が 吸 音 率 で あ る。 吸 音 率 の最 大 値 は 一 だ が 実 際 の 材 料 で は まれ で あ る。 図 3-15 吸収 と反 射
吸 音 す る 材 料 を 吸 音 率 と い い 、 大 別 して 三 つ の タイ プが あ る。 一 つ 目は 空 気 の 通 る小 さな 孔 を た くさん 持 つ 多 孔 質 型 で 、 グ ラス ウー ル 、 綿 や 布 な ど で ■ 多イ 1_■ ′ I,
あ る 。 お お ざ っ ぱ に い え ば 、 柔 らか い も の は 吸 音 率 が 高 く、 固 い もの は 低 い 。 こ の タ イ プ
日 率 吸 ユ
3餃 (脱 )も そ JJlll
な い。 二 つ 目 は 、 板 振 動 型 と呼 ば れ 、 薄 くて 軽 い
― (:共 1嗚 器 11
て
1三
図 316
は 高 音 は よ く吸 収 す るが 、 低 音 に は効 果 が 少
ヌ
板 を 壁 の 前 に し て 少 し離 して 貼 る と 、 あ る 周 波 数 の 音 に 共 振 して 板 が 振 動 す る た め 、 そ の 周 波 数 付 近 の 音 を 若 千 吸 収 す る 。。 こ の タ イ
吸音機構 と吸音特性
プの場 合 、普 通 共 振振 動 周波 数 は低 音源 にな り、 吸 音 率 も 板 の 裏 側 に グ ラ ス ウ ー ル な ど を 入 れ な い 限 り 、 あ ま り高 く は な らな い 。 三 つ 目は 共 鳴 器 型 で 、 壺 や 瓶 の よ うな も の
1998
修 士 論 文
で あ る 。 これ ら も 、 あ る 周 波 数 の 音 に 対 し て 共振 す るの で 、 そ の周 波 数 付 近 の音 を吸 音 す る 。 こ の タ イ プ は 板 振 動 型 よ り も狭 い 周 波 数 範 囲 を 吸 音 し、 吸 音 率 も 高 い の が 普 通 で あ る 。 教 室 の 壁 に よ く 見 られ る 、 孔 の あ い た 格 子 状 の 板 も共 鳴 器 型 と と 同 じ原 理 で あ る 。 建 築 の 設 計 で は これ ら を 適 材 適 所 に 配 置 して 、 期 待 す る 響 き を得 る 。 こ こで 主 な 建 築 一 般 材 料 の 吸 音 率 予 測 値 を ま と め て み た 。 (表 3-1) 周波数 (Hz)
トir放 しlfn
モルタル
こてみが き.プ ラスク
人理石 .タ イル張 りfL 壁 クロス張 り
(コ
250
500
1 k
2 k
4 k
0_01
002 002 002 003 0.04
0.01
0_01
002 002 002 0_03
ll
ンク リー ト `地 )
(
床 プ ラ スチ ンクタ イ ル張 り
″ つ
003
003
00嗜
001
()02
()02 003
006
根 太床 (寄 木 .縁 甲板張 り舞台床 )
016
014 011 008 008 007
ニ ー ド′ レバ ンチ カ ーペ ノト
003
004 006 010 020 035
バ イル カ
009
010 ()20 025 030 04C
10111n
0_15
000 004
002 002
カラス窓 (本 製 サ ンシユ)
035
025 018
007 004
プラスチ ノクFl明 板 (91()× 910× 2)
040
025 020
022
ビ 0-ド rJ― テ ン (ひ た な し)
0.05
カラス壁
ペ ′卜
10tm
0_25
007 013 022 032 035
2倍 ひ た
囲 雌
力 (“
晰
音
島
吸
ヤ木製椅r 22Tベ ニ
080
お
換女t日 . グク ト開 日等
022
m
21
)
045
0 6 0
投光室 開 日 (内 部吸 音な し
060
m
20
007
3 6 0・一〇 0 〇
プ ロセニ アム開 H
8
19
2
反射板 な して同位置の等価 吸音率
4
18
0_02
″ 一“
面
6
舞台反 l・I板
■
水
17
062
0
16
042
2 7 晰 0・ ︲ 6・ “
砂 (乾 燥 )厚
4
15
l::: III I:│: │::│ │::│ 3
砂利
│ll
0 ︲ 3 0 5 5 ∞ 3 ● 0 1 5 1
厚
14
231 241 251
:│:1)│
5 7 ﹄ 曜 悧一 囲剛囲囲0
(空 T層
/個 ) 002
002 002 004 004 003
ビ ・ ―ル レザ ー張 り劇場椅 r
0_04
013 022 017 016 011
モケ ッ ト張 り劇場 椅子
014
025 030 030 0.30 0.30
人物 (劇 場 椅 rに 坐 った成人 )
025
0%
表 3-1
-般 建築材料吸音率予測値
0_40 0.40 0.40 0.40
シ ミ ュレ ! 夕 の 構 築
125 コ ンク リ
修 士 論 文
1998
これ に よ る と 、 コ ン ク リ ー トは ど の 周 波 数 帯 で も 0.010.04と 吸 音 は 皆 無 と い え 、 建 築 計 画 上 は 全 反 射 と考 え て も よ い と 言 え る 。 対 象 空 間 の戸 山 口 と早稲 田 回は共 に部 材 が ほ と ん ど コ ン ク リ ー トで あ る た め 、 今 回 の シ ミ ュ レー シ ョ ン で は パ ー テ ィ ク ル が 壁 で 反 射 す る 際 は 音 の減 衰 はな しとす る。
3.2.2
屈 万 と回 折
つ が 、 場 合 に よ って は経 路 が 曲 が る こ と もあ る 。 こ れ が 屈 折 と 回 折 と い う現 象 で あ る 。 音 の伝 搬 は媒 質 の影 響 が 大 き く、 例 え ば媒 図 3-17 音 の屈折
質 に よ っ て 音 速 が 変 わ っ て し ま う 。 屈 折 とは 二 種 類 の 媒 質 の 境 目 を音 が 通 る 時 に そ の 経 路 が 折 れ 曲 が る こ と で あ る 。 これ に は 、 二 つ の 媒 質 各 々 で 音 速 が 異 な る こ とが 関 係 して い る。 図
317に 於 いて 、 媒 質 Iに お け る 音 速 が 、 媒
質 Ⅱ に お け る 音 速 よ り速 い 時 は A、 逆 の 場 合 は
に 図 318
一 温 度差 による 音 の屈折
Bの
よ うに屈 折 す る。
同 じ 物 質 の 中 で も屈 折 は 起 こ る 。 空 気 中 の 音 速 は 気 温 と共 に 変 化 す る の で 、 同 じ空 気 で も温 度 が 違 え ば も は や 同 じ 物 質 で な くな る か らで あ る 。 した が っ て 、 空 気 中 に 温 度 の 異 な る部 分 が あ る と 、 そ の 境 目で 屈 折 が 生 じる。 例 え ば 、 昼 は聞 こえな か った遠 くの音 が 、 折 夜 聞 こ え る こ とが あ る 。 昼 は 地 表 に 近 い 程 気 温 が 高 く音 速 が 速 い た め 、 夜 は 上 空 に 向 か っ て 連 続 的 に 屈 折 す る 。 こ れ に 対 して 、 地 表 付 近 の 気 温 が 下 が っ て 音 速 が 遅 くな り、 地 表 に 向 か っ て 屈 折 して い くた め 、 遠 く ま で 音 が 伝 わ る の で あ る 。 (図 3-18)
早稲 田大学 渡 辺仁 史研究室 望月
太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
﹄ 一 紙 田 蜘
音 は 光 と 同 じ よ う に ま っ す ぐ進 む 性 質 を 持
修 士 論 文
1998
一 方 、 回折 とは 、 簡 単 に い う と、 障 害 物 の 影 に も音 の 伝 わ る現 象 で あ る 。 例 え ば 、 防 音 壁 の 設 け られ て い る 高 速 道 路 で は 、 塀 の 影 に 111調 :寝
ド 千
な っ て道 路 を走 って い る車 は 見 え な いが 、 音 は 回 折 して 届 くの で 聞 こえ る 。 回 折 の 程 度 は 、 障 害 物 の 寸 法 と音 の 波 長 の 関 係 で 決 ま り、 波 長 が 寸 法 よ り大 き い 時 著 し い の で 、 低 音 程 回
図
319
折 しや す い と い う こ と に な る 。 可 聴 音 の 波 長 音の回折
は
17m l.7cm(周
波 数 で い う と 20「 Iz 20kllz)
で あ る か ら 、 日常 生 活 空 間 の 寸 法 と近 く 、 至
ヽ
る所 で回折 が生 じや す い。 ちな み に、 光 は 波
■
長 が 極 めて 短 いた め に回 折 しに くい。 本研究
イ
では、パーティクルを回折させることは難し あ く、そこが一番の問題点である。 翼
3.2.3 騒
i蒙
「騒 音 」 と 一 言 で 言 っ て も そ の 中 身 は い ろ い ろ あ る 。 自 動 車 や 電 車 の 音 か らカ ラ オ ケ の 音 ま で 、 我 々 が 日常 「 騒 音 」 と 呼 ん で い る も の に は 、 い ろ い ろ種 類 が あ る。 図 3-20 騒音
」IS(日 本 工 業 規 格 )で は 、 騒 音 を 「 望 ま し くな い音 。 例 え ば 、 音 声 、 音 楽 な どの伝 達 を 妨 害 した り、 耳 に 苦 痛 、 障 害 を 与 え た りす る 音 」 と定 義 して い る 。 こ れ に よ る と 、 耳 に 苦 痛 や 障 害 を 起 こ す よ うな 大 き な 音 だ け で な く 、 人 の 話 や 音 楽 を 聞 こ う と して い る 時 に 邪 魔 に な る音 は 全 て 騒 音 で あ る 。 問 題 は 人が そ れ を聞 くこ と を望 む か 否 か と い う 心 理 的 状 態 に よ っ て 、 音 が 騒 音 とな る か ど う か 決 ま る と い う点 で あ る 。
視 覚 障 害 者 は 音 か ら得 る 情 報 が 晴 眼 者 に く ら べ 遥 か に 多 く、 晴 眼 者 が 当 然 騒 音 で あ る と
修 士 論 文
1998
感 じる 音 も 、 重 要 な サ イ ンで あ る こ とが 多 い 。 さ らに、 ボ リュー ム の大 きな 音 は 、 そ れ が た
fll i「 1' ふり
と え 晴 眼 者 に と って 騒 音 で な くて も 、 周 辺 環 境 音 を マ ス キ ン グ して し ま う騒 音 で あ る こ と もあ る。
'│ │
,3)・
騒 :i
贅 =│■
おり御 露
力ヽらの「I波
'原
図 3-21
に於 け る色 を 、視 覚 障 害 者 の 利 用 す る音 の分 類 と して 分 け る 。 これ は 、 晴 眼 者 に と っ て の サ イ ン と ノイ ズ にす る こ と もで き る し、 周 波 数 の 高 低 を 色 に表 わ す こ とで と って 代 わ る こ と も で き る 。 色 の 割 り 当 て に 関 して は 、 こ の 後 の § 4で 詳 し く 述 べ る 。
打 ち消 しの原理
も う一 つ 、 近 年 ア ク テ ィ ブ 騒 音 制 御 と 呼 ば れ る も の が 出 て い る が 、 こ れ は 制 御 音 源 と呼 ば れ る 音 源 か ら、 打 ち 消 し 音 を放 出 す る こ と に よ り、 積 極 的 に 騒 音 を 消 し て し ま う と い う も の で あ る 。 音 波 の 振 幅 は 全 く 同 じで 位 相 が 逆 の もの を用 い る。
3.2.イ
昔の指向性
音 は 、 ス ピー カ ー か ら四 方 八 方 に 出 るわ け で は な い 。 強 く出 る 方 向 と、 あ ま り出 な い 方 向 が あ り、 こ れ を 指 向 性 と 言 う 。 ス ピー カ ー に 限 らず 、 音 を含 め た 波 の 一 般 的 性 質 と して 、 波 源 で あ る振 動 面 の 大 き さ と 出 て い く波 の 波 長 の 比 で 指 向 性 が 決 ま る 。 す な わ ち 、 振 動 面 の 直径 が 波 長 程 度 以 下 の 大 き さで あ る と、音 はほ ぼ均 一 に各 方 向 に 出 て い くが 、波 長 に 比 べ て 振 動 面 が 大 き い 程 、 音 は 図 3-22 周波数 と指向性
正 面 方 向 に 集 中 して 放 射 され る性 質 を持 っ て い る。 波 長 は 周 波 数 に 反 比 例 す る の で 、 同 じ大 き
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
栄 ¬留
本 研 究 で は 、 パ ー テ ィ ク ル の レンダ リ ン グ
#ttt
r ee
8
さ の 振 動 面 な ら、 周 波 数 の 高 い 音 程 指 向 性 が 鋭 くな る わ け で あ る 。 本 研 究 で は 、 音 源 か ら出 る パ ー テ ィ ク ル の 広 が りで 、 指 向 性 を 設 定 す る必 要 が あ る 。
3.2.5
カ ク テ ル ノゞ― テ ィ ー 現 象
居 酒 屋 の 飲 み 会 で 、 隣 の 人 と話 を して い る 場 面 で 、 周 りに は あ らゆ る音 が 満 ち あ ふ れ て い る の に 隣 の 人 の 声 を選 択 的 に 聞 く こ とが で
この よ う な 複 数 の 音 源 か ら到 来 す る 音 の 混 合 の 中 か ら 、 特 定 の 音 源 の 音 だ け を 抽 出 して 聞 く こ とが で き る現 象 を 「カ ク テ ル パ ー テ ィ ー 現 象 」 と呼 ぶ 。
カ クテ ル バ ー テ ィー 現 象 に は音 源 の方 向 を 検 知 す る 能 力 が 関 わ っ て い る 。 しか し、 聴 覚 か ら脳 に 至 る 総 合 的 情 報 処 理 の 役 割 が さ ら に 重 要 と考 え られ る 。 鼓 膜 に 入 力 さ れ た 音 の 混 合 物 は 、 聴 覚 器 官 で い っ た ん 成 分 分 解 され る 。 分 解 さ れ た 各 成 分 は 、 よ り高 次 元 な 過 程 に お い て 、 さ ま ざ まな 特 性 を手 が か りに 、 そ れ ら が 発 せ られ た 音 源 ご と に 再 統 合 さ れ る の で あ る。 要 す る に は っ き り と は分 か っ て は い な いが 、 人 間 が 赤 ち ゃ ん の 時 か ら毎 日 い ろ ん な 音 を 絶 え 問 な く 問 い て 音 の パ タ ー ン を 学 習 して い る か ら、 と い う の が 真 相 だ と 考 え られ る 。
これ は 、 視 覚 障 害 者 が 経 路 選 択 に 必 要 な 情 報 を聞 き分 け るの に大 変 重 要 な 役 目を果 た し て い る。 そ れ と 同 時 に 今 回 の 研 究 にお け るパ ー テ ィ ク ル の 色 の 設 定 と 深 く関 わ っ て く る 、 と 考 え られ る 。
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
きる。
修 士 論 文 ●lncltldeヽ tdio h> ■includeヽ ′ か′ efllc h・ #includcく math h>
FILE
3.2.6
1998
フ ー リエ 変 換
*fpl,*fp2;
short
x[1024];
DATで 録 音 した デ ー タ を 、 例 え ば 、 男 性 の
vold stsct(n,st)
声 、女 性 の 声 、電 車 の音 、 車 の音 に分 類 し、
doublc st[]:
蹴 ″ * * * キ ホ ︼ ッ
各 音 の 大 き さ を 割 り出 す と い う作 業 は 、 本 論 n:
文 に お い て は 音 量 と い う点 に お い て 非 常 に 大
サ イ ン・ テー プル のセ ッ ト
GⅣ EN n‐
2**m[m:hteger]
Uしヽ
騒
sttO],st[1],一 ,stin/41:sinc tablc
事 な 作 業 で あ る 。 しか し、 これ は 結 論 か ら言 う と 不 可 能 で あ る 。 これ は プ ラ イ ン ドデ コ ン ボ ジ シ ョ ン 問 題 (音 源 分 離 問 題 )と い い 、 4
628318530717958648;
doublc
px;
int
i;
px‐
p12/n;
St[i]‐
6か
ら 4+2を 導 き 出
す よ うな もの で あ る。 基 本 的 に 、 制 約 条 件 (上 の 問題 だ っ た らA
tt B=6,た だ し A,Bは 自 然 数 で Aは 偶 数 、 Bは 3以 下 な ど )が な い
st[0]-00; foKl‐ 1;iく
簡単だが、
限 り絶 対 で き な い 。 n/ti++){ sin(1*p⇒
そ れ は 、 録 音 した 音 は 、各 周 波 数 ご とに フー
;
)
リエ 変 換 で き る が 、 こ の 場 合 は 、 各 要 素 そ れ st[n/4]‐ 1.0,
ぞ れ が 正 弦 波 が 一 杯 重 な り合 わ さ れ た 複 雑 な 音 な の で 無 理 と い う こ とで あ る。 例 え ば も
)
void fft(m,n,xr,xi,st,iv) double xr],xl[],st□
;
int m,n,Iv; /* 輩 高速 フー リエ変 換 (FF「 :Fぉ t Fouricr
し も女 性 の 声 、 男 性 の 声 、 電 車 が 通 過 す る 時 の音 が そ れ ぞ れ 単純 な正 弦波 や 制 約 条件 にか か れ ば 可 能 で は あ る。
ミて ぃ fonll) ■
時 間間 引 き (dccilllation h tnle) サ イ ン・ テ ー プル を使用
*
*GⅣ EN
* *
る。
m>-2
n‐
*ln:ntllnber of data
2■
* xr10],xr[1],… ,xr[nl]:real part
*
こ こ で 音 声 の フ ー リエ 変 換 に つ い て 説 明 す
1:フ
対 [01,斑 [1],… ,コ [nl]:ilnagtrta5/
フー リエ 級 数 展 開 とは 「 どん な 複 雑 な 周 期
part
*
*
st[0],st[1],… ,st[nl]:she table 市
ネ
ー‐0:「 Fl
■
卜 0:LⅣ erse FFT
*FISULT * Ⅲ
xr[0],xr[1],・ ヽ ヽ,xr[n-1]:tal part xi10],xl[1],… ,対 [n-1]:innagina5
m */
ー リエ 級 数 展 開 とは ?
信 号 で も、 あ る周 波 数 成 分 の重 ね あ わ せ で 表 現 で き る 」 と い う事 で あ る 。 す な わ ち 、 ど ん な 波 S(t)も 流成分 十
+Sum〔 N=l To lnfulityl(A(N*sin(wt+b)
B(N)*cos(w2t+c))と
I
doublc tcmp,tr,ti,wr,wL int n2‐ n4‐
i,ゎ ,j,i″ ,k,l■ 2,n4,np,p,pp;
(音 声 、 電 波 な ど な ど )S(t)=直
い う様 に 単 純 な 正
弦 /余 弦 波 の 重 ね あ わ せ で 表 さ れ る と い う点 で あ る。
n/2; n2/2;
2:し
早稲田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
か し、 実 際 の 処 理 を 行 う と き 、 これ は
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
ー
+2=6は statlc dottble p12‐
修 士 論 文
/■
ビット逆順への並べ替え (bit cttrsc)ネ / j‐
使 えな い。 なぜ か とい う と
1:音 声 は 周 期 的 な 波 で な く、 経 時 的 に 変 化
n2;
for(1‐ 1:iく ifliく
して い る (あ る
‐n-3,1++){
j){
temp‐
2:フ
xrD卜 tcmp; temp― 対 [];
temp;
1秒 で は 含 まれ
ー リエ 級 数 展 開 は 対 象 波 の 周 期 が 出 な
い 物 に な らな い と い うわ け で あ る 。
〕 k=n2:
3:そ
whilc(kく ‐j)1
j一
と、 次 の
い と展 開 で き な い だ か らで あ る 。 つ ま り、 使
xi[i]‐ xill];
対 []‐
1秒
る 正 弦 波 成 分 が 全 然 違 う 。)
xr[i];
xr[i]‐ xrD];
k:
こで 一 定 時 間 で 区 切 っ て 、 そ の 区 間 を
1周 期 と して 、 そ の 区 間 に お け る 周 波 数 成 分
k/-2;
を 分 析 す る の が 通 例 で あ る 。 これ が い わ ゆ る
)
j+― k;
〕 /■
1998
フー リエ 変 換 で あ る 。
スイッチ 市 のチェック Ⅲ/ i【 i→
ジ タ ル な 部 分 。 フ ー リエ 変 換 の 対 象 と
な る波 で あ るが 、 上 の 式 は ア ナ ロ グ な 波 の話
{
temp=1、 0/n; ni i++){
for(1-0,iく
4:デ
ン
xr[i]*‐
tcmp;
xi[1]*―
temp;
で あ る。
CDの
デ ー タ の よ うな 離 散 的 な デ ー
タ に は 式 を 当 て は め られ な い 。 フ ー リ エ 変 換
)
を CDデ ー タ の よ うな 離 散 デ ー タ に 拡 張 した
}
/*パ タフライ6uttertll)の 計算 */
の が 離 散 フー リエ 変 換
(DFT)で
あ る。 信
号 処 理・ 音 声 処 理 の 世 界 で 「 フー リ エ 変 換 」
p‐ 1;
np‐ n;
と い え ば 普 通 は 離 散 フ ー リエ 変 換 を 指 す 。
lorQ‐ 1;kく ‐m;k++){
p,p+p;
5:離 散 フ ー リ エ 変 換
np/‐ 2;
p,j++){ jw― j*np; 」優ルく‐n4){ 、 vr‐ st[n4Jw]: W卜 st[w]:
fO●3‐ 0;jく
)
cLc{ ― 、′ r‐ ― st[■ ′ n4]; w卜 stin2■ w]; }
i【 !市 ) :
ip-1+` 珈7-Xillp]ネ
、vi:
t卜
xr[ip]*wi+xi[ip〕 *
、 vr, xr[ip]‐ xr[1]― tr; xi[lp]‐ xi[i]ti; xr〔 i]‐
個 の デ ー タ が あ る。 ※ この サ ンプ リ ン グ だ と サ ン プ リ ン グ 定 理 に よ り 10.24kHzの 音 声 ま で 復 元 可 能 な わ け で あ る 。 ※ 「 1024個 の サ ン プ ル で フ ー リエ 変 換 す る 」 と言 つ た ら周期 (項 目
ヽ V■ ‐ ― ヽ■
f∝ (‐ j::く n;1+=ppl{ tr‐ xr[lp]拿
20.48k}鬱 サ ンプ リングの場 合 、1秒 間 に 20480
xr[i]+tr;
xll]‐ 対 [i]+ti:
3を 参 照 の 事 )5msの 波 と して フ ー リ
エ 級 数 展 開 して い る と い うの と 同 義 な わ けで あ る 。 1024個 の デ ー タ を フ ー リ エ 変 換 す る と ど の 位 の 計 算 量 か と い う と、 1024の 乗 、 す な わ ち約
104万
回 の 計算 が 必 要 とな
る 。 と こ ろ が 、 C∞ ゞtukeyア ル ゴ リズ ム と い う ア ル ゴ リズ ム を 用 い る と N
}
〕
p=pp;
2)、
)
rcturn,
2
す な わ ち N=1024の
log N(底 は
場 合 約 1万 回
と、 劇 的 に 計 算 量 が 減 る 。 ※ Nが 大 き けれ ば 大 き い ほ ど差 が 開 くの は 容 易 に 理 解 で き る 。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
ユ レ │
タ の 構 築
修 士 論 文
o)
vold bwcr(n,xr,対
,メ 刃、
※ な お 、 こ の ア ル ゴ リズ ム は Nが
dotlble xr[],xi[],po″ cr[];
int
n;
2の ベ キ 乗
の 時 だ け 使 え る 。 こ の ア ル ゴ リズ ム を 用 い た
(
lnt
l;
for(1‐
フ ー リエ 変 換 の 事 を 高 速 フ ー リエ 変 換
0;iく
n;1++){
メ ver[l]‐ sqrt(xr[l]キ xr[l]+xi[l]*対
T)と エ変 換
(FF
呼 ば れ て い る。 す な わ ち 、 高速 フー リ
(FFT)と
、 普 通 の フー リエ 変 換 と
の 差 は ア ル ゴ リズ ム の 差 に よ る 計 算 量 の 差 だ
)
void Lqメ 軋 pぃや ℃→ doublc power[]; lrtt
1998
け で あ って 他 (精 度 な ど )は 何 も違 い が な い 。
n;
(
int
i;
for(1‐ 0;lく
こ こ で 、 C言 語 で 書 い た フ ー リ エ 変 換 の プ
n,1++)1
in3区 vcr[i]=‐
OЮ l pou7er[i]‐ ‐―
00)1
1:音 声 デ ー タ が 1024個
}
〕
ー ジ )に 紹
分配列
x[]に 格
納 され る。
MnO{
2:fftし
short t
statlcdoublc
st[512];
statlcdouble xr[1024],xi[1024]: stattc dotlble ppcr[lo24]; short N‐
1024
fDl‐
org_waverlle_OpenO:
fp2‐
螂 v_data■ le_openO;
Iwer[]に
格納
され る。
4:最 u;
trcadは ,2,1024,fpl); i‐
た 後 の 強 度 分 布 (ス ペ ク トル )
の 値 が 低 周 波 成 分 か ら順 番 に
stsct(N,st);
fseeば lpl,(bngD4,SEEK_SE「
て 、 実 数 部 分 が xr[]に 、 虚 数 部
分 が 対[]に 格 納 さ れ る 。
3:fftし
ort n‐ 10;
roκ
(1416ペ
介する。
〕 powrE]‐ logbぃ crD]):
sl■
ログ ラム を左 の ベー ジ
後 に 強 度 分 布 値 が フ ァイ ル に 書 き 込 ま
れ る。
0,iく 1024,1++){
xrl]‐ (doubO(x[iD;
本 研 究 に 於 い て は 、 音 の 大 き さ (振 幅 )は 、
)
ftt(10,10Z,xr,xl,st,0); R)、 ver(1024,xr,xl,四
eD;
Log(1024,powerl; for(1‐
0:1く
10Z;i++){
わint《 わ2,"%伴 n・ ,pぃ ゃ ℃rti): 〕 fclosafpl); tclose(02):
〕
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
ゝSを 利 用 し 、 で き る だ け 該 当 音 源 の 近 く で 統 一 尺 度 で 音 を採 取 し、 そ の 大 き さ を Emitter の パ ー テ ィ ク ル 放 出 量 と して 割 り当 て た 。
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
continuei
4
"
士 論 文
dlE修
19981
3.3 シミュ レー シ ョ
これ ま で 述 べ て き た よ う に 、 本 研 究 は 音 響
ンに向 けた 設定基準
工 学 的 な 正 確 さ 。精 密 さ を 求 め た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 作 成 す る こ とが 目的 な の で は な い 。 そ れ ぞ れ 固 有 の特 徴 を持 っ た音 が 、 空 間 内 を ど の よ う な 形 で 存 在 して い る の か 、 視 覚 障 害 者 は そ れ を どの よ うに捉 えて い る の か 、 最 終 的 に は ま た 設 計 サ イ ドに と っ て 設 計 に 生 か し て い く こ とが で き る の か と い っ た テ ー マ に よ り、 ア ウ トプ ッ トが そ れ な りのバ ラ ン ス を もっ た 状 態 に 仕 上 が らな くて は な らな い 。
り、 絶 対 値 と ケ ー ス に よ り違 う 関 数 を と る 相 対 値 を 設 け た 。 (表 3-2) Relative
Absolute
Rate
Direction Emitter
Spread Speed
2へ
ttribute
Emitter Type RenderT:,pe Color Particle
Opacity Life Span FHction,Resilence Collision
Collision Event Relationship
Connection
ラミ3-
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
パ ラメ ー タ
#3-17
ンミ ュ レ ー 々 の 構 築
そ の た め に 、 パ ラ メー タ を設 定 す る に あた
修 士 論 文
1998
3.3.7 八賛だbute r内 酌要国) パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トを作 成 す る た め に は 、 パ ー テ ィ ク ル を 放 出 す る Emitterと 、
Partichそ の も の の 2種 類 あ る 。 そ れ ぞ れ の パ ラ メ ー タ の 設 定 方 法 を解 説 す る 。
O Rate(相
対値)
音 圧 (dB)。
単 位 時 間 当 た り放 出 さ れ る パ ー
テ ィ ク ル の 数 で あ る。 サ ー フ ェー ス の 場 合 は シ ミ ュレ ー タ の 構 築
放 出速 度 を表 す 。 区]3-23
Rate
O Direction(絶 対 値
)
音 源 の 方 向 。 た だ し、 これ は指 向 性 の 場 合 に の み 有 効 。 XYZ軸 座 標 軸 で 指 定 した 方 向 に 放 出す る。
Ts
図 3-24 1)irection
gen t
Yslm ty
図 3-25 Direc● onコ ンセプ ト
O Spread (絶 対 ltL) 音 の 指 向 性 。 3.2.4で 述 べ た よ う に 、 周 波 数 が 高 い 程 指 向 性 は 強 く、 低 い程 弱 い 。 周 波 数 と 比 例 して 0か ら 1の 値 を 入 力 。 1の 場 合は
180度 方 向 に 放 出 す る 。
Pご uぉ 養 柵
' I 図
3-26
d
wi出 五 出L
arel
図 3-27 Spreadコ ンセプ ト
#3-18
修 士 論 文
O Speed(速
1998
さ)
音 の 速 さ。 音 の 速 さ は 空 気 中で あ れ ば 温 度 に 比例 して 微 妙 に 違 いが 生 じるが 、 この シ ミュ レー シ ョ ンで そ れ を 表 す 程 の 意 味 は な さ な い とみ なせ る。 よ って 、 そ の シ ミュ レー シ ョ ン の 状 況 に よ っ て 、 最 適 な 見 や す いス ピー ドに 設定 す る。 放 出 され るパ ー テ ィクル の 速 度 に、 こ の 値 が か け ら れ る 。 0以 上 の 値 を 入 力 。
Speed
O Emitter Type(絶 対 値 ) 音 源 形 状 。 点 状 と 面 状 に 分 け られ る。 本 来 、 音 源 タ イ プ は 点 状 、 線 状 、 面 状 に 分 け られ る が 、 こ こ で は 線 状 の エ ミ ッ トタ イ プ が 存 在 し な い た め 、 点 状 と面 状 に 近 似 させ る 。 例 え ば 、 ス ピー カ ー も 本 来 は 面 状 で あ るが 、 本 シ ミ ュ レ ー タ で は 点 状 と近 似 し、 ま た 電 車 の 通 過 音 は 元 々 は 線 状 で あ るが 、 こ こで は そ れ を電 車 の 音 の入 って く る 開 口部 に お け る面 状 の音 源 と考 え る 。 ・ ポ イ ン トエ ミ ッ タ サ ー フ ェー ス な どの パ ー テ ィ クル や 頂 点 な ど か ら も放 出 で き る が 、 今 回 は 音 源 の あ る 場 所 に ポ イ ン トを 設 置 して 、 放 出 させ る 。 ・ サ ー フ ェー ス エ ミ ッタ 図 3-30 Surface Type コンセ プ ト図
柵榛 Ⅲ
フ ェー ス また は ジ オ メ トリのサ ー フ ェー ス か らパ ー テ ィ ク ル を 放 出 さ せ る 。 こ の た め 、
今回は空間デー タ の時点で敢 えて、サー フェー ス を作 成 して お いた 。
:
水 中
図 3-31 音源 タイプと距離減衰 早稲 田大学渡辺仁史研究菫 望月 太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
優璽3-28
1998
修 士 論 文
O RnderType(本 目文寸値
)
Spheresと Streakレ ン ダ リ ン グ タ イ プ を 使 用 す る 。 Spheresは 、 動 画 に は 向 い て い る が 、
Streakは ベ ク トル 情 報 が 加 わ るた め 静 止 画 で の 分 析 に 役 立 つ 。 しか し、 どち ら も形 そ の も の に意 味 は な い。
O Color(相 対 値
)
歩 行 者 の 感 じる 意 識 を 色 で表 す 。 基 本 的 に は無 彩 色 で 視 認 性 に よ り色 は 決 定 す るが 、 歩 行 者 に カ ク テ ル パ ー テ ィ ー 効 果 な ど に よ り、 特 別 の 情 報 を 与 え る 場 合 は 、 そ れ を rgbに よ る有 彩 色 で 表 す 。 歩 行 の た め の 視 覚 障 害 者 の
シ
l Y
については1.2.1で 詳しく述べてある。その あ 有 彩 色 の 基 準 は 図 3-34の 安 全 性 と 色 彩 に つ いて を参 考 にす る。 の
色 赤 自
黄赤 黒 責
種
2.5YR6/13
Nl.5 2.5Y3/12
1安
類
5R4/13 N9.3
1
全
色
彩
防 火・ 停 止・ 禁 止 (方 Ⅲl)
1
ヽ 通路 ・ せ い とん (防 火 )(禁 止)(用 ′ し
1
危
険
1(方 向 )(危 険 )(注 意 )(文 字 1 注意 (放 射能
)
)
暗 い 赤 7.5R3/6
緑
5G5.5/6
1
安 全進行 ,救 ま 救議
赤 電 算獣 1用 意 口 I1312 1放 射能 琴夏 灰紫 2.5P5/5
図 3-34 安全色彩
O Opacity(相 対 値 ) そ の パ ー テ ィ クル に よ る歩 行 者 へ の 影 響 度 を透 明 度 で 表 す 。 0か ら 1で 定 義 され 、 0(透 明 )に 近 い 程 影 響 力 は 少 な い とす る 。
O Lifespan(絶 対 値 ) 音 を粒 子 と して 捉 え る矛 盾 で あ るが 永 遠 に 減 衰 し続 け る音 に 対 して 、 粒 子 は 途 中で 消 え る 。 視 認 性 を考 慮 しつ つ 絶 対 値 を 設 定 す る 。 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
翼
1998
修 士 論 文
1お t
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シ ミ ュレ ー タ の 構 築
ヽ い疑leclor, □ Ⅷ ヽo● 商 歯 ヵ: 口Ⅵ ・・ │´ l● ttt S・ 岬 κ MP憫 ぃ ■■,w
l
)● lJRrl nlwav
図
3-35
パー テ ィクル
― 熱い し ,.r塑 町●
ノヽラ メータ設定 図
_― cLo●
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図 3-36 C01ision Events設 定 図 ●●A● 籍.‐ lg
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
#3-21
D●
朧 飩 薇
1
師
コ
修 士 論 文
1998
33.2 CO′ lisbr7″ 11的 要因ゝ パ ー テ ィ クル に 対 す る外 的 要 因 の 一 つ に ジ オ メ ト リ との コ リ ジ ョ ンが あ る 。 他 に も 重 力や 大 気 な どの パ ー テ ィクル に対 す る外 的 要 因 は 存 在 す る が 、そ れ らは 本 研 究 で は 使 用 しな い た め 説 明 を 省 く。 コ リ ジ ョ ンは 、 音 の 粒 子 の 反 射 に 用 い る 。 図
3-37
パ ー テ ィ クル コ リジ ョン
O Friction(摩 擦 )と Resibnce(弾 性 ) (絶 対 値 )万 /Pand“
音 の 粒 子 が 壁 に ぶ つ か る時 の 現 象 を表 す 。
■
3.2.1で 述 べ た よ う に 、 今 回 の 対 象 地 高 田
γ
馬 場駅 で は 壁 や 床 の Collisiollを 起 こす 素 材 は
あ
ほ とん ど 減 衰 が な く 完 全 反 射 と して 近 似 す
翼
る こ と に し た の で 、 Frictittn=0,Resllence=1と 図
3-38 Frに tlonと Resllence
す る。 O Collidoll E■ 7ent(相 対 値 )
反 射 後 の 音 の粒 子 の 状 態 を表 す 。 本 研 究 で は 基 本 的 に は 音 の 減 衰 は Liた spanに よ っ て 設 け て い る 。 よ っ て Couision Eventは 、 直 接 音 か 反 射 音 か を 分 け る こ とが ベ タ ー な 時 そ れ を 判 別 す る た め に 利 用 す る 。 Collislon後 、 設定 していない場合
Spheresの 半 径 を 小 さ く して や る こ と に よ り 反 射 音 を 表 して や る 。 し か し こ れ は 比 較 的 設 定 も難 し い こ と も あ り、 直 接 音 か 反 射 音 か の 判 別 が 必 要 な 時 に 限 る 。 § 4で 使 用 す る 。
≒
Colllsionを 設定 した
. キ
図 3-41 Collsiclnコ ンセ プ ト図
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
1998
働 ゎs(相″留リ
3.3.3 Rerat′
“ ー 体 多 対 応 効 力 関 係 式 と い い 、 Attribtiteと
conisionの 複 雑 な 関 係 式 を 一 つ の E(litorで 制 御 す る シス テ ム を利 用 す る。 本 研 究 の使 用 ソ フ トウ ェ ア で は Dynalllic Rblationshipsと 呼 ば れ て い る。 これ を 利 用 す る と 、 簡 単 な イ ン タ ー フ ェ ー ス で 相 関 関 係 を 築 き 上 げ る こ と が で き る (図 3-42)。
構 成 要 素 と して は 、 2つ の カ ラ ム が
あ る 。 左 側 の カ ラム で は ア ウ トライ ナ ー で シー ン 内 の 全 て の オ ブ ジ ェ ク トが 表 示 さ れ る 。 右 側 の カ ラ ム で は 、 選 択 し た オ ブ ジ ェ ク トと 、 フ ィ ー ル ド、 エ ミ ッ タ 、 コ リ ジ ョ ン オ ブ ジ ェ ク トと の 間 の コ ネ ク シ ョ ン を選 択 す る だ け で 作 成 、 解 除 す る こ とが で き る 。
図 3-42 Dyllamic Relationships
F●
&too
fi
ds r c.│。 幅
r Emttc F川
Stt Cmnぬ ale r shttcmhend
r,o'n
&.u" S
GUTDANcE_BLocK_ytLLo\
s>
ELOCK_YELLoW
$>
BAI1 _BLUE171
9 I 9
SUFFACE-EMIITEB_GREE
OBJECT_BLU[171
usuql_s|GN_YELLUW
V SUAL SIGN YELLOW
OBJECT.BLUEIN
SUR「 ACE_EM:TTER_SREEN
s>
R00F_FED
RAIL BLUE171
9 \,/ALL_FED I sr-AB_BEo iE "ttt-r
8LCCK Y[LLOW
GU OANCE BLOEK ILOW
ン
ユ レ │
タ の 構 築
修 士 論 文
a4
設定に対する検討
1998
これ ま で も述 べ て き た こ と で あ る が 、 本 シ ミ ュ レー シ ョ ン で 一 番 難 し い と さ れ る 部 分 は 相 対 値 と絶 対 値 の 組 み 合 わ せ 型 で あ る。 これ に 関 して は 、 こ の 先 の ケ ー ス ス タ デ ィ で 実 際 当 て は め て い くが 、 放 出 割 合 、 速 さ 、 色 、 透 明 度 な ど な ど 、 トー タ ル で の バ ラ ン ス を要求 され る。 ケ ー ス バ イ ケ ー ス で 、 そ の シ ミ ュ レー シ ョ ン で 求 め られ て い る の は 何 な の か 、 そ の た め に は 、 どの相 対 値 を利 用 して どの よ うな関 数 に よ り割 り 当 て る の か が 重 要 に な っ て く る 。 次 の 3.5で も 記 す が 、 相 対 値 を 当 て は め て 不 適 当 な 場 合 は 、 パ ラ メ ー タ の 設 定 に 戻 り再 度 ア ウ トプ ッ トす る こ と と な る 。 そ れ を く り 返 し、 理 想 シ ミ ュ レー シ ョ ン シ ー ン に 近 付 け るの で あ る。
r-BLofi_fle !>
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t
J _GBEtl
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?!eEcr_8rufln !>FOOF-RrO
!> w{L-fif 0 tsw_FEo 15 aur
lile.h l|l.ffi ■■ 二 l「
図 3-43 Workil■ g lnterface
〇
・J JII主 lt
1・
ソ
ユ レ │
タ の 構 築
EtFtt 3.5
r ee8
フローチャー ト
間モ デ ル設 定 モ デ リ ン グ デ ー タ・ サ ー フ ェ ー ス エ ミ ッ タの作成
バ ラメー タ絶 on,Spread,EIIlitter
Tlpe,lifespan, Friction and Resilense,Connection
バ ラメー タ相対値設定 Rate, Speed,Color,Opacity, Collision
Event
シ ミ ュ レー シ ョン ア ニ メ ー シ ョ ン 設 定 、 レ ンダ リ ング
NG
ア ウ ト プ ッ ト 動画 、静止 画
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
修 士 論 文
ン 一 レ 一
ン ユ ヽ ′ ﹂ ヽ ヽ ヽ ′ ン ヨ ヽ ン ヽ
3.6
1998
こ こ まで の 説 明 の 方 法 に よ り実 際 の モ デ ル の 中 で パ ー テ ィ ク ル モ デ ル を 作 成 す る。 検 証 す る た め の モ デ ル で は な く、 実 際 の モ デ ル 構 築 に よ り相 対 パ ラ メ ー タ の 違 い な ど を み る 。 特 に 、戸 山 口は Render■ ″eを Spheres、 早 稲 田 回 は Streakに 設 定 した 。
Colorに 関 して は 、 今 回 は 基づき、交通音
(wllite)、
特 定 の 目的 物 (К lolv)、
1。
1.1の 区 分 け に
同 じ場所 の音 誘導音
(blue)、
(red)と し
た。
戸山口
まず は 戸 山 口 に お け る典 型 的 な 音 を個 別 に 再 現 した 。
図 344 改札 口上の視覚障害者 誘導音 (perspect市 e)
図 3-45 改札 口上の視覚障害者 誘導音 (plarl)
シ ミ ュレ ! 夕 の 構 築
3.a7
修 士 論 文
図
346
1998
改 札 口か ら発 生 す る音
(perspect市 e)
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図
3-47
改 本L口 か ら発 /Lす る音 (elevation)
図 3-48 ホ ー ム のス ピーカー音 (perspect市 e)
図 3-49 ホ ー ム のス ピー カ ー 音 (perspective)
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
修 士 論 文
図 3-50 電 車 の通過音 (Surface EΠitter) (perspective)
図
3-51
電 車 の通 過 音
(Surface Emitter) (interiOr perspect卜 √ e)
図 3-52
自転車 の通過音
(interior perspect市 e)
図
3-53
バ イ ク の通 過 音
(interiOr perspectlve)
(shadng rendering) 早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
1998
修 士 論 文
1998
これ らの 音 源 を 一 度 に 表 す 。 音 源 は 電 車 の 通 過 音 、 ホ ー ム の ス ピー カ ー 、 改 札 機 、 視 覚 障 害 者 誘 導 音 、 バ イ ク 、 自転 車 と した 。
3-54
戸山口
(plan)
図
3-55
戸山口
(elevation_east)
図 3-55 戸 山 口 (elevationinorth)
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図
修 士 論 文
図
3-56
1998
戸山口
(perspective)
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図
3-57
戸山口
(perspectitVe)
日
,m
會赫
=C…
rt―
coX.m-L.dechim
)
hrEtqrL_drb
t
curDANcE_Bt ccK_YEtLow
)
!>
sLOs_Yt[gW
t ?
RALBLUEITr
t )
b4dd h_f*a_dild li*d,sits
)
clim_.flit.l
!>
vtsuAL_srGN_wLLow
!D
0BJECT_BLUE17r
suRFACE_€vrTTER_6REEN
!r
F8oF_RED
t>
V/ALI_BED
!>
sr;8_FED
ⅥSuAL'6N VE■ OW
\*i-_*" $lua'a*'i.u
ヽ にに薇 ・
図 3-58 戸 山 口
Dynamic Relatlonsllips
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
RA LDLUE171
F層
修 士 論 文
Spheres Renderil■
1998
gす る こ と の 長 所 は 、 音 を
粒 子 そ の も の に置 き換 え て い る た め 、 人 の脳 に は ス トレ ー トに イ メ ー ジ が 伝 わ る こ とで あ る 。 動 画 な らば とて も い い レ ン ダ リ ン グ で あ る 。 た だ 静 止 画 に して し ま う と 、 そ れ が ど ち らに向 か って い る の ものな の か 、 場 合 に よ っ て は 音 源 の 場 所 さ え も 分 か らな くな っ て し ま う と こ ろ に 問題 が あ る。 レ ン ダ リ ン グ 方 法 は SmoOth Shadingと X―
Ray Smooth Shadingを 併 用 して み た 。 内 観 を 見 る よ うな 時 は X― Rayに しな く て も 良 く 分 か る が 、 外 観 か ら全 体 の 動 き を 見 る よ う な 時 は
X Rayは 壁 の 向 こ う も見 透 か せ る た め 、 非 常 に有 効 で あ った 。 ま た 、 壁 な ど の オ ブ ジ ェ ク トを全 て は ず し て しま い、 パ ー テ ィ クル だ け を動 画 で見 て も 空 間 の形 状 は把 握 す る こ とが で きた 。
■■__■
01
Tll■ │││││を
曖]3-59
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
戸 山モデル Working lnterface
・ tl
│・
ン
ユ レ !
タ の 構 築
修 士 論 文
3.6.2
1998
早稲 田ロ
戸 山 口 と 同 じ く個 別 の 音 を表 す 。
R改 本し口 図 3-60 」 視覚障害者誘導音 (perspective) シ ミ ュレ ! 夕 の 構 築
R改 本L口 図 3-61 」 視覚障害者誘導音 (plan)
図 3-62 地下鉄連絡 口 視覚障害者誘導音 (per"ect市 e)
図 3-63 地下鉄連絡 口 視覚障害者誘導音 (perspect市 e)
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
1998
図 3-64 改札 口か ら発 生す る音 (」
R線 早稲 田 口)
(interior perspective)
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-65 改札 口か ら発 生す る音 l」
R線 早稲 田 口) (plan)
戸 山 口 と 違 い 複 雑 な モ デ ル の た め 、 X― Ray に す る と見 に く く な る た め 、 普 通 の Shadillg
Renderingを 利 用 し た 。
次 ベ ー ジ に音 源 を混 在 させ て パ ー テ ィ クル を 流 す 。 音 源 は 、 視 覚 障 害 者 誘 導 音 、 自動 改 札 回機 械 音 、 道 路 の 音 、 バ ス タ ー ミ ナ ル の バ ス の 音 と した 。
修 士 論 文
図
3-66
1998
早稲 田 口
(plan)
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
図 3-67 早稲 田 口 (elevatlon)
図 3-68 早稲 田 口
(per"ect市 e)
図 3-69
早稲 田 口
(perspect市 e)
早稲 田大学渡辺仁 史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
1998
銃 reak Fヒ ndcringに よ り 、 静 ■ i画 に し ‐ でも ベ ク トル が 分 か る よ うにな っ た 。 しか し、 パ ー テ ィ クル そ の も の に 大 き さ を 与 え な い た め に 、 パ ー テ ィ ク ル の 近 く に よ っ て も あ ま り遠 近 感 を 出す こ とが で き な か っ た 。 鳥 嗽 的 に全 体 の 様 子 を解 析 す る の に は 向 い て い る の で は な
いか 。 モ デ ル が重 くな る と (戸 山 口 と較 べ て ) パ ー テ ィ ク ル の 動 き が 鈍 くな っ た 。 現 在 の プ ラ ッ トフ ォ ーーム で は も っ と空 間 モ デ ル を 単 純 に す る必 要 が あ る と思 わ れ る 。
は終 了 した。 これ も また一 つ の 相 対 的 パ ラメ ー タ の ケ ー ス ス タ デ ィ と して 、 次 章 か らは そ れ ぞ れ の事 象 に最 適 な パ ラ メ ー タ を 与 え 、 そ れ を 検 証 して い く 。
F;;;!O
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ゝ ぶ 認 ml硼 硼 湖
ヽ (も いう
r r r r i¨
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12∞
1仙
・ ・ 1・・ ・ │●
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F¨
図 3-70 早稲田モデル Working lriterface 早稲 田大 学渡辺仁 史研 究室 望月
太郎
・ ・ i卜 "m F・
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pttDe 瑯 □
シ ミ ュレ ー タ の 構 築
こ れ で 、 シ ミュ レー タ の 構 築 に 関す る説 明
修 士 論 文
1998
§ 3で 、 音 粒 子 に よ る シ ミ ュ レー タ の 構 築 を した 。 そ れ を利 用 して 、 ケ ー ス ス タ デ ィ を お こ な う。 この 章 は 、 視 覚 障 害 者 の 行 動 を 決 定 す る メ ン タ ル マ ッ プ とは 何 か
?、
そ して 、
メ ン タル マ ップ と共 存 して い か ね ば な らな い 誘 導 プ ロ ック とそ の 不 適 切 さ を シ ミ ュ レー タ を利 用 して検 証 す る。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
メ ンタル マップ の検証
§4 ケーススタディ_ メンタルマップの検証
修 士 論 文
4.ア
メンタル マ ップ
4.ア
.ア
1998
メンタル マップとは
メ ン タル マ ップ は 、 視 覚 障 害 者 を対 象 に し た も の と 晴 眼 者 を対 象 に した も の と 二 つ 定 義 され て い る。 本 研 究 で 利 用 す る メ ン タル マ ッ プ は 視 覚 障 害 者 を 対 象 に 定 義 され た もの とす る。
メ ン タル マ ッ プ と は 心 的 地 図 と も呼 ばれ 、 安 全 で 能 率 的 な 歩 行 の た め に構 造 化 され た 地 理 的 空 間 概 念 を 心 像 と して 地 図 化 した も の を い う。
メ ンタル マ ップはポ イ ン トとパ ス に大別 さ れ る。 ポイ ン トは経路 を選択す る基準点 であ り、そ こではポイ ン トを把握す るための聴覚・ 嗅 覚 ・ 触 覚 な どの 情 報 、 どち らの 方 向 に タ ー
う
ンするか、またその方向を決定づける要素な ん どの情報が必要である。パスは、ポイントと
了
ン ポ ト を び イ る で こ 結 け あ り そ 付 路 、 を 経 安【
全 に 進 行 す るた め の 途 中 の 危 険 物 な ど の 情 報 、 型 距 離 感 を掴 む た め の 情 報 が 必 要 とな る 。 また こ れ ら は 、 経 験 値 や 深 層 心 理 な ど脳 の 複 雑 な 構 成 が 絡 ん で く る も の で あ り、 一 般 の 地 図 の 経 路 の よ う な 2次 元 で 表 せ る よ う な も の で は な い。
ち な み に 、 ミル グ ラ ム が 定 義 した 晴 眼 者 を 対 象 に した メ ン タ ル マ ッ プ と は 、 リ ン チ の 研 究 を深 め る た め に 人 間 が 環 境 を把 握 す る過 程 と して 持 ち 込 ん だ 。 そ こ で は 、 実 際 の 体 験 や マ ス コ ミ、 他 人 か らの 情 報 な ど を 、 過 去 の体
験 とて らし合 わせ て作 りあげた 、個 々 人 の持 つ 脳 内 地 図 と定 義 され て い る。
修 士 綸 文
1998
イ .2 メンタル マップの作成法 .ア
同 じ場 所 で も メ ン タ ル マ ッ プ は 人 に よ っ て 全 く 違 っ て く る 。 そ れ は 、 経 験 に よ り各 個 の 認 知 の レ ベ ル が 変 わ る か らで あ る 。 記 憶 を 蓄 積 さ せ て メ ン タ ル マ ッ プ を進 化 さ せ る の で あ る。
従 来 か ら、 メ ン タ ル マ ッ プ を 支 援 す る た め に様 々 な 装 置 が 開発 され て い る。 また 、誘 導 プ ロ ッ ク・ 音 響 信 号 ・ 盲 導 チ ャ イ ム ・ 音 声 信 号 が 設 置 さ れ て い る 。 しか し、 高 価 格 の た め
特 定 の 場 所 しか 設 置 され て お らず 利 用 の 機 会 が 少 な い 、 情 報 が 固 定 され て お リー 度 覚 え て す 情 報 が 得 られ に くい 、 ス ピー カ ー か ら大 き な 声 が 出 る こ とで 周 辺 に 気 兼 ね が あ るな どの 問 題 点 が あ げ られ て い る 。
一 方 、 視 覚 障 害 者 自身 の 努 力 に よ る歩 行 能 力 向 上 も求 め られ て い る 。 独 り歩 き で き る こ とが 自立 の一 歩 とされ て い る。 ガ イ ドヘ ルパ ー 利 用 で も、 盲導犬 使用 で も、 記憶 の 蓄積 が鈍 っ て し ま うた め で あ る。 さ らに盲 導 犬 は 、 眼 の 変 わ りに は な るが 道 案 内 は で き な い 。 記 憶 を 頼 りに歩 行 す るが 、 思 い 違 いが あ った りして 、 ど う に も な らな い こ と も あ る 。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
メ ンタル マップ の検証
しま う と利 用 価 値 が 薄 い 、 目的 地 の 方 向 を示
修 士 論 文
4.2 視覚障 害者の
1998
4.2.7 点 状 ブ ロ ッ ク ・ 線 状 プ ロ ッ ク
観 訓 榊 卜 認識 特性 視 覚 障 害者 誘 導用 ブ ロ ックは、視 覚 障 害 者 の 歩 行 を 支 援 す る 設 備 の 一 つ と して 敷 設 さ れ て きた 。 近 年 で は床 材 と の美 観 の調 和 を 図 ろ う と 、 原 石 の 表 面 に 突 起 を 残 して 研 磨 した も のや 、 突 起 の 形 に足 を 付 け た 鋲 を使 用 す る事 も多 い 。 ま た 、 舗 装 面 の 色 彩 構 成 に合 わ せ て 、 様 々 な 色 で 敷 設 され る よ う に な っ て い る 。 しか し、 昨 今 そ の 形 や 配 置 、 色 に つ い て い くつ か の 問 題 点 が 浮 か び 図 4-1
Lが っ て 来 て い る 。
線 状 ブ ロ ック (300■ 300)
図
43と
図 4-4に 、 戸 山 口 と 早 稲 田 日 の 敷
設 状 況 を掲 載 した 。 戸 山 口 は 単純 な 経 路 で あ
が分 か る。 高 田馬 場 駅 の 問題 に つ いて は につ いて は こ の 後 4.2.2で 詳 し く 説 明 す る 。
点状 プ ロ ック (300*300)
図 43 戸 山口点字 プロック で (赤 囲んだところは点状プロック)
早稲 田大 学渡辺仁 史研 究室 望月
太郎
メ ンタ ル マ ップ の検 証
る が 、 早 稲 田 回 は 複 雑 に 入 り組 ん で い る こ と
修 士 論 文
1998
視 覚 障 害 者 に と って 、 誘 導 ブ ロ ック は 空 間 を 広 く把 握 す る た め で は な く 、 特 に 触 覚 を 利 用 して 近 距 離 の 状 況 を知 覚 す る の に役 立 つ 。
メ ンタ ル マ ップ の検 証
図 4-4 早稲 田 口点字 プ ロ ック (赤 で 囲んだ と ころは点 状 ブ ロ ック)
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
修 士 論 文
1998
4.2.2 徹 朝 榊 ← 認 識 特 性か らみ る早 稲 田 日 の欠 陥 図 44を みれ ば 分 か るよ うに 早稲 田 日の誘 導 ブ ロ ック の敷設 状態 は劣悪で あ る ことが 分 か る。
列 挙 して み る と、
○ 西 武 線 と 地 下 鉄 、 」R線 の テ リ ト リ ー に 分 け られ て い る た め 、 動 線 が 分 断 さ れ て い る 。 ○ そ の た め 、 ビ ッ グ ボ ッ ク ス 方 面 か ら山 手 線 に 行 く 障 害 者 は 大 き く外 を 回 らな け れ ば な ら な い。 図 .16
白転車 による障 害 物
Ol■l武 線 の 誘 導 ブ ロ ック は黄 色 で は な くグ レー
○ 周 辺 に 、 自転 車 な ど の 障 害 物 が 多 い Lに 点 字 プ ロ ッ ク 動 線 が 入 り組 ん で い て 、 非 常 に 複 雑である
O JR線
か ら地 ド鉄 、 」R線 か ら 西 武 線 と 乗 換
のた め の誘導 ブ ロ ックが な い。
17 図・
管 轄違 いによる
不適 切な敷設
○ 工 事 筒 所 の そ ば の 誘 導 ブ ロ ッ ク の 11を ベ ニ ヤ の板 が 覆 って い る。 ○ 構 内 の 誘 導 ブ ロ ッ ク に は 、 か な り突 起 が か な りす り減 っ て 線 状 な の か 点 状 な の か 感 知 し に くい ものが あ る。
こ の よ う な 劣 悪 な 環 境 で あ り、 視 覚 障 害 者 の
18 図′
不法駐輪
安 全 な 動 線 は 見 つ け る こ と は で き な か った 。 実 際 、 調 査 中 2∼ 3時 間 に 渡 っ て 視 覚 障 害 者 は 2人 し か 確 認 で き な か っ た 。 両 方 と も 日常 ル ーートで あ る ら し く、 誘 導 ブ ロ ッ ク で は な く、 環 境 音を利 用 して 歩 い て い る よ うだ っ た 。 よ っ て 早 稲 田 国 に於 い て は 現 状 の 誘 導 ブ ロ ッ ク は ほ と ん ど役 目 を 果 た して い な い と い え る の で
図 4-9 複雑 な動線
早稲 田大 学渡 辺仁 史研 究室 望月
太郎
はな いか。
メンタル マップ の検 証
のた め 、弱視 の人は見えない。
修 士 論 文
4.3経路選択 のた め
4.θ
.7
1998
晴 眼 者 の経 路 選 択
の サインの舶 出 視 覚 障 害 者 の 動 線 が 全 く確 保 され て い な い の に 対 して 、 晴 眼 者 を対 象 と した 視 覚 的 サ イ ンが い か に 充 実 して い る か を確 認 す る た め に 視 覚 的 サ イ ン を抽 出 した 。 こ こで 、 経 路 選 択 に 関 して は じめ か らそ れ を意 図 して 取 り付 け られ た もの を 積 極 的 サ イ
メ ンタ ル マップ の検証
図 410
戸 山口視覚サイ ンマ ップ (赤 ―積極的サイ ン、青 ―消極的サイン)
修 士 論 文
1998
ン 、 意 図 は して い な い が そ れ が 結 果 と して 経 路 選 択 に 関 わ って い るサ イ ン を消 極 的 サ イ ン と定 義 す る 。
戸 山 口 で は ホ ィ ン トで 確 実 に 積 極 的 サ イ ン が 設 置 され て いて 、 特 に 早稲 田 口 に於 い て は サ イ ン が 氾 濫 す る ほ ど存 在 す る こ と が 分 か っ た。
メンタル マップ の検証
図 411
早稲 田口視覚サインマ ップ (赤 ―積極的サイ ン、 青 ―消極的サイン、緑 ―点状誘導プ ロ ック)
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
修 士 論 文
1998
イ.θ .7 サ イ ン の 舶 出
4.3.1で 、 視 覚 サ イ ン に は 積 極 的 サ イ ン と 消 極 的 サ イ ンが あ る こ と を 述 べ た が 、 積 極 的 サ イ ン に は 点 状 の 誘 導 プ ロ ッ ク も含 む 。 そ れ は 戸 山 口 の よ うな 場 所 で は 顕 著 で あ る 。 ま た 、 消 極 的 サ イ ン は 、 改 札 回 、 切 符 売 り場 の 他 に 図 4-12 早稲 田口音声誘導装置
も構 内 の 看 板 に 地 図 が の っ て い た り、 言 葉 で 誘 導 す る も の 多 く視 覚 情 報 は 情 報 に 困 る こ と はな いので はな いか。 ま た 具 体 的 な 要 素 に つ い て は 、 7.3の 参 考 資 料 を 参 照 して も ら い た い 。
一 方 、 視 覚 障 害 者 に と っ て 、 音 も積 極 的 サ
図 413
戸 山口音声誘導装置
積 極 的 サ イ ン は 、 JR線 の 改 札 の 位 置 を 知 ら せ る視 覚 障 害 者 の た め の音 声 誘 導 装 置 が 戸 山 早 稲 田各 改 札 で 一 つ ず つ (図 4-12、
図 413)、
早 稲 田 日 か ら東 西 線 へ 降 り る 階 段 入 り 口 で 一 つ (図
4-14)見
つ か った 。
消 極 的 サ イ ン と は何 か 、 と い うテ ー マ で あ る が 、 これ は 視 覚 的 サ イ ン 程 簡 単 に 区 分 け す る こ とは難 しい 。 そ れ は 、 電 車 の 音 な どは 共 図 4-14 地下鉄入 口音声誘導装置
通 の 消 極 的 サ イ ン と言 え る 。 が 、 一 般 的 に は 経 験 に よ る と こ ろ が 大 き く 各 個 に よ って 違 う。 例 え ば 公 衆 電 話 か らテ レホ ン カ ー ドが 出 て く る 音 が サ イ ン に な る か な ら な い か は 、 同 じ道 を何 度 も通 る 人 は 分 か る が 、 初 め て の 人 に は 予測 はつか な い。 個 人 に よ り音 の 情 報 と して の 捉 え 方 は 違 う が 、 種 類 に よ る 分 類 は 1.2.1 視 覚 障 害 者 の 実態 で済 んで いる。
メ ン タ ル マ ップ の検 証
イ ン と消 極 的 サ イ ン に分 け る こ とが で き る 。
修 士 論 文
4.4経験貝Jと の関連
1998
今 ま で の 分 析 を 通 して 、 果 た して 視 覚 障 害 者 は 実 際 、 どの よ うにル ー トを通 るのか 年 1月 22日
(金
?1999
)の 夕 方 17時 30分 か ら 30分
間 戸 山 口 へ と入 る 視 覚 障 害 者 の 軌 跡 追 跡 調 査 を行 っ た 。 夕 方 の ラ ッシ ュ ア ワー とは い え 、
30分 間 に 20人 も の 視 覚 障 害 者 が 通 っ た 。 そ の 中 か ら 代 表 例 を あ げ て み る 。 (図 図 4-15
早稲 田国の視覚障害者 (日 常ル ー ト)
417)
盲 導 犬 利 用 の女 性 は盲 導 犬 の線 に沿 って 通 り、 い か に も 不 馴 れ な 男 性 は 点 状 プ ロ ッ ク に 来 る と 、 タ ー ン の 方 向 を 探 す と い う型 で 改 札 に入 って い った 。 また 、視 覚 障 害 者 の姿 勢 を 見 て も 分 か る よ う に 、 日常 ル ー トの 人 は 姿 勢 良 く 白杖 を 持 つ よ う に 歩 く が 、 不 馴 れ な ル ー トの 場 合 、 撫 で る よ う に 白 杖 を 地 面 に 付 け
が 分 か る 。 (図 415、
図
416)
と ころ が 、 先 天性 で 、点 字 図書 館 勤 務 の女 性 は 、 図 の よ うに点 状 プ ロ ック に辿 り 着 く 前 に 曲 が り始 め 、 点 状 ブ ロ ッ ク の 角 を さす る よ う に 歩 行 す る。 これ に よ り、 音 の サ イ ン が 影 響 して い る こ とが 分 か る 。 ま た 、 経 験 者 には誘 導 ブ ロ ック の配 置 は 有 効 で は な い と言 え る 。それ を、 この後 4.5 シミュ レー シ ョ ン シ ー ンで 立 証 す る。
メ ン タ ル マ ップ の検 証
、 プ ロ ッ ク の 上 に片 足 を乗 せ て 歩 行 す る こ と 図 4-16 戸山口の視覚障害者 (不 馴れなルー ト)
修 士 論 文
ン 一 レ 一
ン ユ ヽ
フ ヽ 一 ヽ ヽ イ ン ヨ ヽ ン ヽ
4.5
1998
○戸 山口
こ の 改 札 を 日常 ル ー トと して い る視 覚 障 害 者 が 、 戸 山 口 入 り 口 に 設 け られ て い る 点 状 誘 導 プ ロ ッ ク の 手 前 で 曲 が り駅 に 入 つ て し ま う 現 象 を シ ミ ュ レ ー トした 。 周 辺 に あ る 音 を さ らって み る と、 視 覚 障 害 者 のた め の誘 導 音 装 置 が 設 置 さ れ て い る 。 そ の 装 置 を 詳 し く調 べ る と、 そ こ の 壁 に平 行 に 設 置 さ れ て い て 、 そ の 音 を パ ー テ ィ ク ル で 詳 し く 再 現 して み た 。 図 ■ 18 誘導音 の広が り
相 対 パ ラ メ ー タ の 特 徴 は 、 Comsion Eventに お い て 、 直 接 音 を重 要 視 す るた め にイ ベ ン ト 発 生 後 の パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トの 粒 子 の 半 径 を 半 分 に した 。 そ れ と 、 誘 導 音 は カ ク テ ル バ ー テ ィ ー 効 果 と重 要 な 結 び つ き を 持 っ て お り、 当 該 音 源 以 外 は 全 て whiteに 設 定 し て レ ン ダ リ ン グ を した 。 そ う す る と 、 図 牛 18の よ う な 音 の 広 が り に な っ た 。 さ ら に 、 直 接 音 の 通 り道 の 面 が 間 に で きて い る こ とが分 か る。 よ っ て そ こ の 面
図 ■ 19 当該空間の全体像
に視 覚 障 害 者 が 到 達 す る と、 経 験 か ら曲 が れ る と判 断 で き る の で あ る 。 も ち ろ ん 他 に も複 雑 な 状 況 が あ る の だ ろ う が こ れ が 重 要 な ポ イ ン トで あ る こ と は 確 か で あ る。
この ケ ー ス で は 、設 計 者 が 動 線 を予 測 して 設 置 した 誘 導 プ ロ ッ ク の 配 置 は 不 適 切 で あ っ た こ と が 分 か る 。 そ もそ も 誘 導 音 の 周 波 数 が 図 4-20
直接音 による面
高 い の は 指 向 性 が 強 い た め で あ り、 そ れ を 無 視 して 誘 導 プ ロ ッ ク の 動 線 と全 く 違 う角 度 で 音 を 発 して い る こ とが 誤 りで あ る こ と が 言 え る 。 これ を 誘 導 プ ロ ッ ク の 配 置 も 視 野 に 入 れ な が ら設 置 す れ ば こ の よ う に は な らな い は ず で あ る。
#4-11
メ ン タ ル マ ツ
プ の 検 証
修 士 論 文
1998
○早稲田 口
戸 山 口 と 同 じ 方 法 で 早 稲 田 口 に つ い て も設 置 方 法 も考 慮 に入 れ た 上 で 同 じシ ミ ュ レー シ ョ ン を お こな っ た 。 しか し、 相 対 パ ラ メ ー タ を
Strek Renderingで 行 っ た 。 そ の 他 の パ ラ メ ー タ は一緒 で あ る。 図 4.21か ら 誘 導 プ ロ ッ ク と 誘 導 音 装 置 が 全 く別 の 方 向 を 向 い て い る こ と が 分 か る 。 早 稲 田 口で は
JR線 と 西 武 線 の テ リ ト リ ー の 違 い
か ら 誘 導 プ ロ ッ ク を ば らば ら に 備 え 付 け て お り、 そ の た め ビ ッ グ ボ ッ ク ス 方 面 か ら 来 る 障 害 者 は 誘 導 プ ロ ッ ク に よ り栄 通 り側 に 回 っ て 構 内 に入 る よ う にな っ て い る 。
90度 ず れ
た 設 置 で は ほ とん ど役 に 立 た な い ど こ ろ か 、 か え っ て 混 乱 の も と に な りか ね な い 。
戸 山 口 と 早 稲 田 回 の こ の シ ミ ュ レー シ ョ ン 図 4-22 当該空間の全体像
に よ り、 誘 導 装 置 は 指 向 性 の 高 い も の を 、 さ ら に そ の 経 路 が 誘 導 プ ロ ッ ク と重 な る 様 に 設 置 す る必 要 が あ る、 と い っ た 提 案 が で き る 。 ま た 、 そ うす る こ と に よ り 日常 ル ー トの 視 覚 障 害 者 が プ ロ ック を はず れ て 歩 く こ と もな く な り、 経 験 の レ ベ ル に 関 係 な く共 通 した 動 線 を作 成 で き る。 し か し 、 そ れ 以 前 に 」R側 と 西 武 鉄 道 側 の 協 調 し た 動 線 づ く りが な さ れ る べ き で あ る 。
図 4-23 Sreak表 現 の音の状態
ま た 、 図 4-22と 図 を
3次 元 的 に 作 成
4-23は メ ン タ ル マ ッ プ
し た と も 捉 え られ る 。
メンタル マップ の検証
しか し、 図 の よ う に 主 要 動 線 と
§5 ケ ースス タデ ィ_ 危険事例 01 騒音によるマスキング 危 険事 例 o 一
早稲田大学渡辺仁史研 究室 望月 太郎
修 士 論 文
1998
戸 山 口の地 下 通 路 を通 る時 、 上 を電 車 が 通 過 す る と通 路 天 丼 が た く さ ん の 隙 間 が 空 い て い て そ こか ら通 過 音 の 爆 音 に よ リ マ ス キ ン グ が 起 き る 。 会 話 に 差 し支 え る程 の 大 き さ だ が 、 これ は 視 覚 障 害 者 に と っ て は 非 常 に 恐 怖 で あ る。 この 状況 をシ ミュ レー シ ョン して eyelevelde 表 した もの が 図
5-1、
図
52で
あ る。平常時
な ら知 覚 で き る 改 札 機 の 音 や や 誘 導 音 が 聞 こ え な く な っ て し ま う。 視 覚 障 害 者 の知 覚 す る周 辺環 境 を視 覚 的 に 表 す に は 、 本 来 後 ろや 横 も必 要 な の で あ ろ う が 、 意 識 は進 行 方 向 に あ る た め前 方 だ け を表 す こ と で も彼 等 が マ ス キ ン グ に よ っ て ダ メ ー ジ を 受 け て い る こ とが 分 か る 。 これ は 隙 間 を あ る 程 度 遮 音 性 の あ る 材 質 で 埋 め る だ け で 解 決 で き る 問 題 な の で 早 急 にす べ きで あ る。
危 険事 例 0 ヨ
図 5-l
masking Off
区15-2
masking on
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
§
6
ケ ーススタデ ィ_ 危険事例 02 移動する危険物
危険事例 oN一
修 士 論 文
1998
これ は、音源 が 移動す るタイ プで ある。Spheres で レ ン ダ リ ン グ した の は 、 ア ニ メ ー シ ョ ン に よ り視 覚 障 害 者 の 目 の 前 の イ メ ー ジ を 表 す 必 要 が あ っ た か らで あ る 。 図 は こ の 断 片 を 切 り 取 っ て 張 り付 け た も の で あ る 。 Streakレ ン ダ リ ン グ に し た 場 合 、 移 動 す る 音 源 と粒 子 の ベ ク トル の 解 析 が で き る 。 移 動 物 は視 覚 障 害者 に とって 大 きな 恐 怖 で 図 6-1 バ イク通過前
あ る 。 晴 眼 者 で あ れ ば 後 方 か ら迫 っ て 来 た 時 は後 ろ を向 いて 避 けれ ば い いが 、 視 覚 障 害 者 は そ れ が で き な い た め ど ち らか に 避 け る わ け に も い か ず に恐 怖 で 立 ち 止 ま っ て しま う の で あ る 。 そ れ を 図 に 表 した 。 特 に バ イ ク な ど エ ン ジ ン の音 が す る場 合 は この よ うな 反 射 率 の 高 い狭 い空 間 で は通 過 時 に マ ス キ ン グ が 起 こ る こ と も あ る (図 6-2)。
図 6-2 バイ ク真横進行 中
対 策 と して は 、 こ の よ う な 狭 い 空 間 は バ イ ク の侵 入 は 避 け るべ き で あ る。 この場 所 は す ぐ近 く に 高 架 下 を 一 般 道 が 走 っ て お り、 迂 回 させ るべ き で あ る。
§ 5と § 6で は 、 colorの 相 対 パ ラ メ ー タ を 対 象 と な る も の とそ れ 以 外 と い う具 合 に 分 け て 、 お 互 い が どの よ う に影 響 しあ って い る か 図 6-3 バイ ク通過後
を検 証 で き た 。
視 覚 障 害 者 が ど の よ う に 目の 前 の 世 界 を感 じ て い る か の イ メ ー ジ を ダ イ レ ク トに 示 す こ と がで き る。
危険事例 oN
これ らは 、 メ ン タ ル マ ッ プ の 検 証 とは 違 い 、
修 士 餞 文
§7
1998
Jbり に 左〕
§ 3の シ ミ ュ レー タ の 構 築 、 §4§ 5§ 6 の ケ ー ス ス タ デ ィ を通 して あ げ た 成 果 、 結 論 を導 き 、 そ して 参 考 資 料 、 参 考 文 献 を 掲 載 す る。
お わ り に
早稲 田大学渡辺仁史研究室 菫 月 太郎
修 士 論 文
研究成果
1998
○ シ ミ ュ レー タ の 構 築 に 関 して 。ハ ー ドウ ェ ア環 境 に よ る もの だ が 、 イ ン タ ラク テ ィ プ に 且 つ 極 め て
3次 元 的 に 操 作 で き
た。 ・ 相 対 パ ラ メ ー タ の 導 入 に よ り、 パ ー テ ィ ク ル の 持 つ そ の キ ャ パ シ テ ィ を フル に 活 用 し、 ダ イ ナ ミ ッ ク な シ ミ ュ レ ー シ ョ ンが 行 え た 。 ・ CDデ ー タの汎用 性 に よ り、異 な った プ ラ ッ トフ ォ ー ム か らで も dxfデ ー タ に よ り簡 単 に 空 間 モ デ ル をイ ンポ ー トし、 パ ー テ ィ クル モ デル を作 成 で きた 。 ・ ケ ー ス ス タ デ ィ を重 ね る こ とに よ り、 相 対 パ ラ メ ー タ の よ り説 得 力 の あ る漸 近 値 を求 め る必 要 が あ る 。 ・ 音 の 回 折 へ の 対 応 が こ の シ ミ ュ レー タ の 間 題 点 で あ る 。 Fieldな ど を 利 用 し、 検 討 す る 余地 が あ る。
○ シ ミ ュ レー タ に よ る 検 証 に 対 し て 。今 まで 、音 響 工 学 の 世 界 で しか 行 われ な か っ た難 しい 音 の 可 視 化 を 、 音 響 空 間 以 外 で しか もよ り単 純 に 行 った た め に 、 そ れ だ け の 説 得 力 を持 ち得 た 。 。晴 眼者 のた め の、 視覚 障 害者 のメ ンタル マ ッ プ を 作 成 して い る と い う こ とが 言 え た 。 ・ ケ ー ス ス タ デ ィ の ス トック が 不 足 して い る と、 最 適 シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 い に く い 。 ○ 建 築 計 画 へ の 応 用 に 関 して 。理 論 を よ り明 快 に す る た め に全 盲 者 を テ ー
お
マ と した が これ は 視 覚 障 害 者 全 体 、 さ らに音
わ
環 境 計 画 全 般 に 対 応 で き る シス テ ム で あ る。
り
・ ハ ー ドウ ェ ア 、 ソ フ トウ ェ ア 環 境 が が ワ ー
に
ク ス テ ー シ ョ ン レベ ル で は あ るが 、 これ は 近 く解 決 さ れ る と 思 わ れ る 。
修 士 論 文
乙2 おわ りに
1998
そ もそ も、 遅 れ て い る建 築 の シス テ ム づ く りへ の 欲 求 と 、 建 築 の 視 覚 主 導 主 義 に 対 す る 反 論 か ら、 音 環 境 計 画 の 研 究 は 始 ま っ た 。 し か し 、 研 究 室 は お ろ か 建 築 学 的 に も既 存 研 究 の 少 な い 分 野 で 定 義 付 け 、 分 類 分 け か ら行 わ な け れ ば な らず 、 そ れ は 困 難 な 道 の りで あ っ た。 そ ん な 中 で 、 この よ う に論 文 を完 成 す る に 至 っ た の は 何 度 も話 し 合 い を 重 ね 、 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 を 取 っ て き て 苦 労 して 環 境 を 整 え 、 最 後 ま で 協 力 して くだ さ っ た 山 久 瀬 さ ん 、 長 澤 さん 、 加 藤 さん の音 チ ー ム のみ な さ ん の お 陰 で あ る と感 謝 して い る 。 今 後 も 、 こ の 研 究 は 絶 や す こ とな く続 け て い け る様 努 力 を続 け た い と思 っ て い る 。 ま た 、 視 覚 障 害 者 と の 結 び つ き を提 供 し て くだ さ った 木 村 さ ん 、 建 築 計 画 とパ ー テ ィ ク ル モ デ ル に 関 して の道 を 開 け て くだ さ っ た 高 柳 さ ん 、 そ して 実 験 に参 加 して 頂 き 数 々 の 貴 重 な お 話 を して 頂 い た ヘ レ ン ケ ラ ー 協 会 の 内 田 さ ん 、 盲 人 会 連 合 の 時 任 さ ん 、 日本 点 字 図 書 館 の 加 藤 さ ん に も とて も お 世 話 にな っ た 。 最 後 に 、 こ の 2年 間 辛 抱 強 く 見 守 り続 け 、 時 に は 適 格 な ア ドバ イ ス を して 下 さ っ た 渡 辺 仁 史 教 授 に 感 謝 の 念 を 表 して 本 研 究 を終 了 す る。 本 当 に あ りが と う ご ざ い ま した 。
1999年 2月
CAD室 に て
お
建築
わ
太郎
り
望月
に
修 士 論 文
Z3
参考資料
1998
本 研 究 に 於 い て 利 用 した 高 田 馬 場 駅 の 視 覚 の積 極 的 サ イ ン、 消 極 的 サ イ ン を掲 載 す る。
乙3.7 戸 山 口 視覚 サイ ン
お り
積極的サイン 消極的サイン
わ
赤色の番号 水色 の番号
に
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
修 士 論 文
l 駅入 り│1誘 導 プ ロ ックその
2
1
駅入 り│]誘 導 プ ロ ックその 2
4
周 辺 案 内地 図
早稲 田大学渡 辺仁 史研 究室 望月
太郎
1998
修 士 論 文
5
入 り口案 内外偶
5
入 り口案 内内側
1998
1
お わ り に
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
修 士 論 文
1998
乙θ.2 早稲 田 口 視覚 サイ ン
9
0 0 0
﹁一 rμ l︲
積極 的サ イ ン
お
赤色 の番 号
わ り に
早稲 田大 学渡辺仁 史研究室 望月
太郎
修 士 論 文
1
駅外部駅案 内その 1
2
駅外 部駅案 内そ の 2
3
バス停案内そ の 1
早稲田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
1998
修 士 論 文
4
バ ス停案内そ の 2
5
6
地下鉄案 内
山手線乗 り場案内その 1
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
1998
修 士 論 文
7
1998
山手線乗 り場案 内そ の 2
8
出 口方向案内
9
み どりの窓 口
10
西武線乗換 口 お わ り に
H
構内山手線乗 り場案内
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
修 士 論 文
12
東西線方面案 内
13
ホー ム案 内
14
誘導 ライ ン
早稲 田大学渡 辺仁 史研究室 望月
太郎
1998
修 士 論 文
15
切符 売 り場
16
西武線乗 り場そ の 1
17
西武線乗 り場そ の 2
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
1998
修 士 論 文
1998
ηノ∫I 誘導 プ ロ ック (積 極 的サイ ン)
お
緑 色 の 番号
わ り に
早稲 田大学渡辺仁 史研 究室 望月
太郎
修 士 論 文
l
誘導 ブロ ック
2
誘導 ブロック
3
誘導 プ ロ ック
早稲 田大学渡辺 仁 史研 究室 望月
太郎
1998
修 士 論 文
4
誘導プ ロ ック
5
誘導プ ロ ック
6
誘導プ ロ ック
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望月 太郎
1998
修 士 論 文
7
誘導プ ロ ック
8
誘導 ブロ ック
早稲田大学渡辺仁史研究室 望月
太郎
1998
修 士 論 文
1998
乙3.3 とア リング 1998.10.151Tllun
研究室 で行 った視覚障害者 の新宿駅で の行動調査 に同伴 して、会話 とヒア リングか ら要点 を抜粋 した。 ○質問者 木村 (理 工総研 ) 望月 (渡 辺研究室 M2)
1砂 糖
(渡 辺研究室
M2)
畔田 (渡 辺研究室 M2) ○回答者 加藤 さん (女 性 30歳 ) 時任 さん (男 性 65歳 )
先天性
10歳 内田さん (男 性 57歳 ) 28歳
往路
(DV)よ
白杖歴 20年 くらい (盲 学校で訓練) で 0.1 40歳 で完全失明 白杖歴 20年 くらい (自 己流) か ら完全失明 白杖歴 29年 (東 京都障害者セ ンターで lヶ 月訓練 )
り
時任 >点 字図書館の辺 りは誘導プロックが充実 しているか ら歩 きやすいけど、早稲 田通 りに近付 くとバイク や 自転車 の違法駐車で歩 きにくくて仕方がな い。危な いか ら車道 を歩 く。 望月>白 杖 の付き方は人によって個人差 はあるのですか ? 内田>人 によって様 々です。 時任 >車 道は車が通 るっていうけど、大 きな音がするか ら分か りやすいです。白杖付 いて歩 いてるのに向 こ うか らぶ つかって くる ことはまずないです。 時任 >ホ ームでの位置確認方向確認は、実は端 まで行 って しまってそ こか ら戻るのが一番分か りやす い。端 に向かっている盲人 を時々親切 で戻 して くれる人がいるが実 はそれはさらにこんが らがって しまう。
往路
(DAThよ り
望月>付 き添いがいるときは白杖はどうするのですか ? 内田>人 によって様 々。 内田>障 害者は電車が無料。同伴者は子供料金で乗れる。 望月>ヘ レンケラーか ら駅 まで何分 ? 内田>15分 あれば十分。慣れないと 2倍 はかかる。馬場周辺はほとん ど頭 に入ってる。後、場所柄点字 プ ロックが充実 していると随分違 う。 望月>音 声誘導装置は馬場近辺では何ケ所 くらい ?
お
内田>東 京都心身 ?障 害者セ ンターの正 門 の上 と日本盲人会連合 の 2ケ 所。信号が 5、 6ケ 所。 5、 6年 前 か ら付け られている。 日常生活用具 といい福祉事務所 に 申請す ると補助 (収 入 によって)が 出る。カー ド式 とベ ンダ ン ト式 と 2種 類 ある。(カ ー ド式はテ レホ ンカー ドくらいの大きさで厚 さが 7、 8ミ リ、ポタ ンを押 す と案 内の音声が出る、電池式)
わ り
内田>腕 な り肩な りつか ませてもらうと一歩分後 ろか ら歩 くことになる。つか まってる動きで上下 も含めて ほとん ど行動が予測 できる。
に
織 田>付 き添いも上手 い下手があ りますか ? 内田>は い (苦 笑)
修 士 論 文
1998
ヒア リング (休 憩中)よ り 佐藤 >白 杖 の訓練方法は ?(内 田さんへ) 内田>は じめは弱視だった ので夜だけ少 し訓練 した。暫 くしてゼ ロになった。杖の振 り方か ら距離を延 ば し て最終的に電車 に乗った。一番最後 に未知 の場所 に行 く訓練 を して終了。 佐藤 >そ れは どのように ? 内田>ど こどこの何丁 目何番地の某 さんまで行 け、と。行 く道は口頭 で 自分の質問に >説 明 して くれる。電 車で どうのって どう行 くな ど。知 り得 る限 りの質問に答えて くれる。 内田>も う一つ。国立障害者セ ンターヘ通わな ければな らなかったので 自宅か らそ こまで行 く練習をした。 佐藤 >道 筋 の憶え方は ?何 メー トルで右 とか ? 内田>違 います。角か ら角 を伝 う方法。それ もあ らゆる情報か ら読み取 る。広 い道 に出た ら右 に曲がるする。 ガー ドをくぐって階段をのぼる。頭 の中に地 図を作る。 時任 >メ ンタルマ ップと言われている。 内田>い わゆる地図とは違 い、どこどこの角 を曲がるといった地図。あそ この角は どのよ うな音が して どの ような臭 いが あ り、ファンの風が来る、 といった具合。 時任 >臭 い、風。 佐藤 >後 ろか ら人が流れて くるのはどうですか ?誰 もいない所 を歩 くのと比べてみて。 内田>足 跡は重要な情報源。足跡で周辺の状況 (特 に方向性〉が分かる。 佐藤 >人 がいた方がいいということですか ? 時任 >あ る程度。 内田>向 いか ら人が くると歩きにくい。 時任 >後 か ら来た ら先に行かせて付 いていくのが一番楽。 内田>足 跡 を付けるのがいい。前が先 にぶつかるのだか ら怪我する心配がない。 時任 >女 の人は気持ち悪がる ことも。時 には 夜遅 くだと走って逃げ られて しまう。 佐藤 >時 任 さんは歩 くとき白杖を大き く振 って音 もたくさん出 しますが、、、 時任 >避 けて くれという合 図。クラクションです。 佐藤 >対 向者は分か りにくいものですか ? 内田>わ りと分か りにくいものらしいです。 時任 >で も、音がするとそ ばまで くるとはっとす る。現実に混んでいる所 を大きく音 を出す とみんな疑間に 思って振 り向いて避 けて くれる。 佐藤 >混 んでいると白杖は振れないですか ? 内田>横 に振れないか ら相手が分かるように上下 に大きく振る。 時任 >基 本的 には肩幅位 はついて歩かないと足元 の悪 さがわか らない。いくら勘のいい人で も、壁や柱は分 かって も足元 だけは分か らない。
望月 太郎
#7-18
に
早稲 田大学渡辺仁史研究室
り
時任>帽 子 をかぶ らない人 もいる。額の感触 を大事 にするか ら。 望月>額 は広 い方が認識 しやすいということですか ?
わ
聞き取れて も歳 を取ると無理。超音波に近いものが 聞き取れな くなると勘が悪 くなる。かな り聴覚は関係 し ているのではないかと思 います。 内田>晴 れ、曇 り、雨 によってまるで違 う。晴れている方が足元な どの問題だけでな く歩 きやすい。 加藤 >駅 な ど室内では関係な いけど屋外は影響す る。
お
佐藤 >柱 壁 は どのようにして認識 しますか ? 加藤 >圧 迫感 !で も雨が降 った り工事現場だ と分か らな くなる。だか ら反射音な ども関係 しているか も知れ ない。 時任>勘 のいい老人が歳 を取ると高音域が聞き取れな くなって くる。若 いときは 2万 Hzや 1万 5千 Hzが
修 士 論 文
1998
時任 >そ うです。 加藤 >少 々の雨な ら傘はささない方が歩 きやす い。 時任 >番 傘だとお手上 げ。 佐藤 >雨 粒がすると邪魔にな りますか ? 時任>傘 に音がする程 の時は家 を出ないのがいい。まあそ うもいかないか ら足元を頼 りにゆっくり歩 く。 佐藤>白 杖は足元専用ですか ? 時任>そ うです。 加藤>私 は もう少 し先。 内田>点 字 プロックのある時な い時、地面の状態 によってつき方が全然違 う。 佐藤>点 字 プロックの歩き方ですが、、、 内田>片 足 を点字にもう一方を外 におきます。杖で確認 しやすい直線性が保 たれる。 時任>そ れ るとす ぐ分かる。 加藤 >真 上 を歩いた方がいい場合 もある。ホームとか。ホームには点字プ ロ ックのす >ぐ そばに柱がある場 合 もあ りそ の時はそ うもいかない。知 っている所は使 い分ける。片足 と言 って も次に右 に曲がる場合は左足 をプロックにのせるし逆は右足 をのせる。 時任 >左 折準備右折準備。 望月>靴 底 に関 しては こだわ りますか ? 時任>靴 底 に関 してはかな り厚 くて も誘導 プロックは分かるのでそれほ どこだわ りません。で もやは リゴム 底 を選ぶかな ? 内田>サ ングルは接 している部分が少な いので履かな い。 時任 >か か とが常 に靴 に接 していないと判断 しにくい。 木村>今 日の実験中で、壁か らどれ くらい離れているか等 は分か りますか ? 時任、加藤 >知 っているか らな ぁ。 時任>絶 対車が来ないか ら安心 して早 く歩 ける。コンコースに大きな障害物がある訳がない。台車が置 いて あった ら大事で しょ。それにぶつかるのは人間だ し。 時任>状 況の分か らない道路はもっと注意 してゆっくり歩かないと危ない。 加藤>白 杖 の付き方 もも変わって くる。 内田>こ の くらいの広 さだと壁 までの距離はち ょっと分か らない。 望月>大 体 5メ ー トル くらいですか ? 内田>そ うですね。 時任 >そ れ にここはずっと左右 に壁がある訳 じゃないか ら。階段 もある し。壁がずっとあるとい う感覚は全 然ない。 加藤 >同 じ駅で も知 っている所 と知 らな い所では歩 き方 も杖 の付き方 も変わ っています。 木村 >標 準 のオフィスの壁だと判断できますか ? 時任>で もそれだと真ん中は歩かない。塀 にくっ付 いて歩 いちゃうで しょ。 ドアの数で行 き先が分かる。 内田>杖 で ドアを確認 しなが ら歩 く。 加藤 >で もオ フィスも難 しいです よ。各 々違 うし、壁沿 いに台車 を置 く所 もあるし。 時任 >消 防法 に反 してロッカーが廊下に出て いた り、消化器 を置いてある所 もある。でも、それは置 いてい る人間が悪 くて基 本的 には廊下には何 も置 くべ きじゃないと私は思って いる。
に
望 月 太郎
り
早稲田大学渡辺仁史研究室
わ
望月>触 覚 について聞きた いのですが。特 に自杖 について。白杖は触覚がメイ ンですか ? 時任 >触 覚 ですね。高 田馬場一丁 目の中で本 当のコンクリー トプロックを使 っている点字プロックとそ うで
お
内田>ホ テルや旅館だとモノが置 いてある ことが多 い。 時任>特 に朝 のチェ ックアウ トの時間。 リネ ンワゴンが邪魔。部屋出 し (食 事 )の 旅館はおっかな くて しょ うがない。病院も同じ。 加藤 >や は り私は真ん中を歩 くことの多 い人だと思 う。 時任 >僕 は壁際が好 きだな ぁ。ゴキプ リですね。
修 士 論 文
1998
はないゴム製 と二つある。ゴム製だ とガンガ ン叩いていけば足で触 ってな くて も分か る。コンクリー トプ ロッ クの時はほとん ど同 じ反応なので 区別付けに くい。時には痛 んでいるアスフ ァル トと区別つかない こともあ る。ゴムだと踏んだ とたんに点字 プロックだ と分かる。 望月>ゴ ムとコンク リー トで敷設allの 意図はあるのですか ? 時任 >ゴ ムの方が安 いか らそ うしてるだけ。張 り直す時。 望月>で もゴムの方が いいんです よね。 時任 >そ うとは限 らない。耐久性 とか足の裏 の掘 りの深 さの問題 もあ り、一概 にいいとは言えない。 加藤 >雨 の時はゴムは とて も滑る。 内田>ゴ ムはあま り評判良くない。 木村 >大 学 のキャンパスの中でも松葉杖で転んで しまうよ うな場所 もある。 望月>55館 の床 も雨 の時はとて も滑 りやす い。 望月>嗅 覚は ? 加藤 >使 います。 時任 >か な り使 う。 時任 >早 稲 田通 り沿 いにヤマカ水産 という魚屋があ り、 日本点字図書館 に行 く時は最 高の道標 になる。 木村 >ほ とん どお腹が空 いた時に感 じる位。 時任 >Flビ ルの裏。 年中地下 の空 調関係 のフ ァンが 出て いて、とでもいい情報になる。 木村 >ヘ ッ ドフォンして街歩 くとやは り不安だか ら無意識 に聞 いているんだろう。 加藤 >道 歩 いていて、工事現場や選挙カーはイ ンフォメー ションが遮 られるのでとて も困る。 時任 >聞 こえにくいか らね ぇ。 加藤 >駅 前 のロー タ リー に客待ち のタクシーが入 ってきて、大 きな音が しないか ら選挙カーが来た時 には完 「危な い !」 と後ろか ら言われて初 めて 目の前 にタクシーが いることが分かる。選 全に音が消されて しま う。 挙カーの周 りにはスタッフがたくさんいるのでそのような ところを気遣って欲 しいと思 う。 時任 >誘 導 プロックを歩 いていて交通安全用 のテ ン トの柱 にぶつかった。交通安全運動は危ない 加藤>点 宇プロックは安心 して歩いているので他 の場所な ら避 けられるような所でも避 けきれないことが多々 ある。点字プロック の上ほど危ない。 時任 >盲 人 どうしがぶつかった り。 !
時任 >成 田や羽田で コンクリー トプ ロックの上 を大 きなスー ツケー スを引いて歩かれると「傷んで しまうJと いつ も感 じる。 木村 >騒 音 をな くそ うという運動があって、それ に対 して盲人は騒音が重要な情報源なのでただな くせ ばい いとい う訳ではないといった記事が載っていました。 時任 >歩 行 と直接関係な いけど、車内の音声案 内をうるさいと言 う人がいてそれは駅名 の読める人 のエ ゴだ と思 う。なかった ら全 く困る。ちょっとでもうとうとするともうどこにいるのか分か らな くなる。。一 回で も いいか らはっきりと案 内 してほしい。 木村 >最 近ホームの発車 ブザーやめるという話聞きましたが。 時任 >千 葉駅。黙ってス ッと出るので危ない。千葉県の盲人会が抗議 した ら今の方が評判がいいとはねつけ られて しまった。 望月>上 り下 りで音楽が違 うのは どうですか ?
太郎
#7-20
に
望月
り
早稲 田大学渡辺仁史研 究室
わ
加藤 >意 外 と便利な のが大きな商店街 でスピーカーか ら音楽が流れていて定期 的 に案 内放送がある こと。
お
加藤>あ りがたいです。 内田>ア ナウンスが女性 と男性の声だった り。 時任>直 接関係な いけ ど、中野 と三鷹 の間は総武線 と営団線直通が同じホームに入って来る。今は変わった けど、 1年 前までは上 り電車が参 ります下 り電車が参 ります しか案内がないので、東西線直通か西船行 きか 乗るまでわか らなかった。中野に着 く前に車内放送でやっと案 内がある。便 によっては 中野駅で階段昇 り降 りしな くてはな らず、散 々文句言 って今では何 々経 由何 々行 き と案内されるようになった。」 R東 日本東 京地域本社がオー トマ チ ック トレイ ンオペ レー ションシステム lATOS)を 開発 して便利 になった。ところが 中央線 まで しか管理 してないので 青梅線は未だに 「上 り電車が、、、 Jと 放送 される。
修 士 論 文
1998
木村 >道 が どこにあるか分かる、ということですか ? 加藤 >い や、立ち並ぶ店 の位置を探 るのに、スピーカーに対 して どの辺 りに目的の店があるかが分かる。 時任 >ス ピーカーか ら3軒 目とか。 内田>新 幹線 の車 内販売が、最近はやか ま しいということでセールスの声を出さな くなった。売 りに来て も 分か らない。 時任 >ピ ール買 うのに東京か らずっと待 ってて とうとう米原 になった。降 りる時 に「今 日は売 りに来ないで すね。Jと いった ら 「もう 5回 来てます。」 と言われた。
後半調査
(DAT2よ り
時任 >階 段上る時、自分が先頭 に立って いると流れにつぶされるけど、白杖を叩いて歩 くと上か ら降 りて く る人が上がって くる人のために避けて くれ る。 内田>真 直 ぐ歩 くというのはなかなか難 しくてね。光 も分か らないので。 畔 田>新 宿はよ く来 ますか ? 内田>南 口は初めてです。 畔 田>私 でも最近は良く分か らない。 内田>昔 は自信 あったけど今 はダメ。 畔田>変 な改札 口がたくさんで きて しまって。 内田>迷 子になる。池袋や渋谷 も本当に難 しくて東京駅の方がまだ分か りやす い。池袋の一番新宿よ りにあ る上る階段を利用すると乗 り換えが楽。池袋 もほとんど一人ではいかない。 畔 田>地 下鉄は どうですか ? 内田>地 下鉄 も苦手です。 畔 田>地 下鉄は東西南北が さっぱり分か らない。東西線は通勤 に利用 していたので まだ分かる。島式よ りも 両佃Jが 壁の方が楽。だか ら高 田馬場は楽。 時任 >パ ソコンは使 ってます。遊びだけ ど。盲人ワー プロです。せ っかちで打つのが早いので肘が痛 くなる。 ディスプレー は使 っていです。音声ディス プ レーのみ。 織 田>音 声で入力 というのは、 日常会話 に対応するスピー ドで打ち込めるのですか ? 時任 >ひ らがな入力ではな く、漢字が変換 されて入力されて しまいます。六点漢字だか ら六 と叩いておさが り叩いて 「さ」 とたたくと「魚」 と入力され ます。
復路
(DAT)よ
り
望月>白 杖はお りたためるのですね。 加藤 >正 確なグラム数は分か らない。人によって重さや長 さは全然違 う。 望月>家 はどち らですか ? 加藤 >板 橋。埼京線です。乗 り換えあるけ ど改札の中なのでまだ楽です。 (戸 山口にて)
お
望月>T字 路で点字版の前で曲がったけどどのように認識 したのですか ? 加藤 >経 験が大きいです。いつ も左曲がってるので。あと、壁 も天丼 もな くなって開
わ
けたのもいい情報です。
り に
木村 >白 杖 の付きかたで誰か を当てることはできますか ? 加藤 >さ すがにそれは分か らない。職場 に 2、 3人 しかいなければ分かると思 いますが。
早稲 田大学渡辺仁史研究室 望 月 太郎
#7-21
修 士 論 文
Z3
1998
多鑑孝メ覇丼
◆書籍 「知 っ て い ま す か
?視 覚 障 害 者 の 暮
監修
楠 敏雄
発行
解 放 出版 社
ら し一 間 一 答 」
1997.12.20 「視 覚 障 害 者 の 駅 ホ ー ム 転 落 事 故 調 査 」 調 査 。研 究 ・ 編 集 福 祉 ウ ォ ッチ ン グ の 会 発行 福 祉 ウォ ッチ ングの会
1996.08.01 「視 覚 障 害 者 か ら 見 た ホ ー ム の 安 全 対 策 」 調 査・ 編 集 福 祉 ウ ォ ッチ ン グ の 会 発行 福 祉 ウ ォ ッチ ングの会
1997.03.31 「 視 覚 障 害 者 に よ せ て _公 共 施 設 の た め の 設 備 12選 」 推薦 社 会 福 祉 法 人 日本 盲 人 会 連 合 企 画 。構 成 糟谷徹 発行
池 野通運株 式 会社
1995.07 「 な っ と く す る 音 。光 。電 波 」 著者
都筑卓司
発行
講談社
1998.09.10 「パ ソ コ ン に よ る 建 築 音 響 設 計 」 著者 浅 野 良晴 、高 木 直樹 、 手越 義 昭 工 学 図書 株 式 会 社 発行
1986.08.15 お
日本 音 響 学 会 講談社
に
1996.12.20
り
編集 発行
わ
「音 の な ん で も 小 事 典 」
SiXt 「高 齢 者 ・ 障 害 者 に 配 慮 の 建 築 設 計 マ ニ ュ ア ル 実現 に向 けて一」 著者
高橋儀平
発行
彰 国社
r esI
ー 「 福 祉 の ま ち づ く り」
1996 「人 間 環 境 学
― よ りよ い環 境 デ ザ イ ンヘ 」
編集
日本 建 築 学 会 編
発行
朝倉書店
1998
◆論文 平 成 7年 度 修 士 論 文 「 聴 空 間 入 力 に よ る CGIの 研 究 」 山久瀬 健 指導
渡辺仁史
平 成 9年 度 修 士 論 文 「 パ ー テ ィ ク ル オ ブ ジ ェ ク トを 用 い た
3次 元 群 集 流 動 シ ミ ュ レ ー タ の 構 築 」
高柳英明 指導
渡辺仁史
平 成 9年 度 修 士 論 文 「駅 改 札 口 に お け る 待 ち 合 わ せ に よ る 滞 留 行 動 の 研 究 」 中丸 隆 二 指導
渡辺仁史
平 成 9年 度 卒 業 論 文 「建 築 空 間 の 音 を み る 」 加藤佳寿美 指導
渡辺仁史
り に
渡辺仁史
わ
指導
お
平 成 8年 度 卒 業 論 文 「建 築 空 間 の 音 楽 に よ る 記 述 方 法 に 関 す る 研 究 」 望 月太 郎
修 士 論 文
1998
日 本 建 築 学 会 技 術 報 告 集 第 6号 (建 築 雑 誌 1998.10増 刊 ) 「視 覚 障 害 者 の た め の 建 築 音 響 設 計 手 法 に 関 す る 研 究 _研 究 課 題 の 抽 出 と そ の成 立 性 に 関 す る基 礎 調 査 」 橋 本典久・ 小野 英 哲 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1993 「 視 覚 障 害 者 と 地 域 音 環 境 の あ り方 に つ い て の 基 礎 的 考 察 」 太 田 篤 史 。田 村 明 弘 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1994 「 視 覚 障 害 者 と 地 域 音 環 境 の あ り方 に つ い て の 基 礎 的 考 察 太 田篤 史 ・ 田村 明 弘
そ の 2」
日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1994 「公 共 空 間 の 音 環 境 に 関 す る 実 態 調 査 」 村 上 尚 子 ・ 塘 直 樹 。橘 秀 樹 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1995 「視 覚 障 害 者 の 歩 行 経 路 学 習 過 程 と 聴 覚 情 報 」 太 田篤 史 ・ 田村 明 弘 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1995 「音 環 境 認 知 構 造 に 関 す る 実 験 的 研 究 」 川 井 敬 二 ・ 平 手 小 太 郎 。安 岡 正 人 日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 1998 「駅 の 音 環 境 実 態 調 査 」 伊 積 康 彦 ・ 蓮 田 常 男・ 藤 井 光 治 郎
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