パン・デ・ムエルト
その変わらぬ思い
p.15
2016年10月
レオン・GTO 無償版
アニマ(霊魂)の祝祭 死者の魂
p.8
10月のメキシコ
メキシコ的センチメンタリズム
死者の日 文化の多様性が結 ぶ信仰 ヴェロニカ・プラソラ 起源と由来
Mexico新聞編集部 10月のメキシコは、クリスマス シーズンの12月と共に最もメ キシコらしい雰囲気を感じこと ができます。 特に10月最後の夜から始まる 「死者の日」 【Día de Muertos】のために街中はマリーゴ ールドの黄金色に飾り付けら れ、家々の玄関では今は亡き人 を迎え入れるために飾り付け られ、そして墓地には家族が集 い、亡き人との思い出を語り合 い、歌うなど楽しげに過ごす風 景が見られます。また、カラフ ルでユーモアあふれるガイコツ の飾り付けや仮装行列も、アメ リカのハロウィンとはひと味違 った「メキシコらしい」この
雰囲気を一層沸き立たせるもの です。 この楽しげで華やかなこの季節 の雰囲気ですが、その裏側には亡 き人たちを失った癒しきれない悲 しみや、死という誰もが逃れきれ ない運命のやるせなさなどを、先 住民の文化とキリスト教文化を融 合させて、楽しさや華やかさで覆 い隠してしまおうというメキシコ 人らしい表現でもあるのです。 10月はメキシコにおいて、最も月 が美しい季節とも言われていま す。夜空に浮かぶ美しい月を見な がら、亡き人や死生観を思わずに はいられないセンチメンタルな季 節ともいえるのです。
死 者の日の 起 源 は 、ス ペイン人の 到 来 よりも っと過 去に 遡りま す。 メシカ族、マヤ族、プレペチ ャ族、ナワトル族、トトナカ族 などの先住民の記録に死者 の日の祝祭は記されていまし た。 これらの文明では、お供え物 として使用された陶器などが 見つかっており、およそ3800 年前より行われていた形跡も 残っています。また、これらの 古代文明には、頭 蓋骨が保 存される習慣もあり、死と復 活の象徴として祀られていた と考えられています。 これらの文明では、お供え物 として使用された陶器などが 見つかっており、およそ3800 年前より行われていた形跡も 残っています。また、これらの 古代文明には、頭 蓋骨が保 存される習慣もあり、死と復 活の象徴として祀られていた と考えられています。 メシカ文明のカレンダーでは 死者の祝祭に2ヶ月の時が充 てられていました。最初の月 はメシカの太陽暦の9番目の 月で、現在使われてる暦で8 月初旬に相当し、1ヶ月間続 きました 。祝 祭を取り仕 切 るのは死者の国の王の妻で あり、死の 夫 人の異 名を持 つ女神「ミクトランシワトル」 【Mictlantecihuatl】で、この 月では子供の死や親類の者 の生のために執り行われまし た。太陽暦の10番目の月にあ たる次の月の祝祭は、大人の 死のための盛大なお祭りが 行われ、生贄を捧げるなど、 その祝祭に大きな価値と重 要性、そして厳粛さがありま した。
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