Mexico Shimbun octubre 2017

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脆弱な地盤に立つCDMX 地震の被害をもたらすメカニズム

p.4

2017年10月

レオン・GTO 無償版

震災を改めて考える

ヒラ ン リー プ が と p. 再 トラ 3 戦?

メキシコシティの復興 復興財源の確保と予算の策定 p.12

あなたは何を 呟きますか 地震時のツイートか ら見る、人の心境

ヴェロニカ・プラソラ ロヘリオ サラテ

います。

今回のメキシ コ新聞は、地 震について多 く語ろうと思

メキシコは地震大国であり、去 年2016年だけで15,281回も 地震を計測しています。メキシ コは太平洋の沿岸、チアパス州 とオアハカ州の沿岸に、ココス プレートと北アメリカプレート が重なっており、地震が発生し やすい地域です。 また、過去1957年と1985 年、そして2017年と、およそ 30年の周期で大きな地震に みまわれていることがわかりま す。 みなさんの日本と同じように 地震と隣り合わせの国、メキシ コ。

例えば、甚大な被害を出したの が85年に起きた地震です。この 地震における情報で一つおかし な点があります。それは死者の数 です。メキシコの公的機関、メキ シコ社会保障協会(IMSS)は死 者の数を3000人としています。 しかし、同じ公的機関の国立地 震研究室(Servicio Sismológico Nacional)はその10倍以上の4万 人が死亡したと言及しているので す。さらに興味深いことに、お互 いの主張は今になっても変わりま せん。いったいこれはどうゆうこ とでしょうか。 そうなんです。メキシコは85年 の震災の悲しい経験の総括がさ れておらず、その経験活かした方 策がほとんどできていないとしか 思えない状況なのです。そのよう な中で起きた今回の2つの震災。

この30年間、私たちはいったい 何をしてきたのかと考えさせられ ます。 一方、地震とともに生きている日 本。大きな震災があるたびにその 悲惨さに心打ちひしがれますが、 その悲劇を繰り返さないような技 術や各種の法律の開発・整備、そ して民間レベルで震災の体験談 を伝承し、後世に語り継いでいこ うとする日本の人たちの姿勢には 驚かされます。そして、愛・信仰・ 正義などの一義的なストーリーで 包み隠し、震災の悲劇の根本に ある人々が立ち向かうべき問題に 向き合えていないメキシコにいら 立ちを感じます。

今回の記事も当然、今回の震 災をメキシコ人視線で語られ たものが中心ですが、日本人 の視線からメキシコ震災を見 つめたものもそろえています。 日墨双方からの情報を皆様に 送りたいと思います。

これまで自然 災害のような 予期せぬ大 惨事が起こる 度、メキシコ 人は一致団結 して危機を乗 り越えてきま した。1985 年のマグニチュード8.1のメキシ コ地震によって甚大な被害を受 けた時もそうでした。当時はいわ ゆるソーシャル・ネットワークは 存在せず、人々は当時のコミュニ ケーション・ツールを使って情報 を共有していました。

今回の震災で犠牲になった方 々のご冥福を心よりお祈り申 し上げます。 また、早急な祖 国・メキシコ の復興を心より望んでおりま す。

現在は様々なソーシャル・ネット ワークが存在し、中でもTwitt erは多くのユーザーを抱え、情 報共有にはうってつけのツールで す。今回は9月7日に起きた地震 で、発生から14時間の間に発信 されたツイートからグラフを作成 しました。作成に使用したツイー トの数は、約33万5千件です。

でも今回の2つ大地震におけ る地震直後の人々の初動、救 援活動やボランティアの在り方 から、情報の発信方法や受け 入れ方、そして過去の震災経験 の活かし方など、かなり違うよ うです。

地震発生後に発信されたTwitterに関する種別 35%

地震や被害に対する恐怖・哀しみ 保護や救援の訴え

30%

情報の占有率

25% 20% 15% 10% 嘘・ジョーク・無責任な意見・情報

5%

協調や連帯を求める意見・情報

0 0

フアンデフカ プレート 北アメリカプレート

太平洋 プレート

ココス プレート

カリブ プレート

2

4

6

8 経過時間

10

12

14

グラフを見て最初に気づくのは、 地震の恐怖に関するツイートの多 さです。この種のツイートは最初 の2時間に多く書き込まれました が、時間と共にその数は減少して いき、逆に増加したのが救助や救 援に関するツイートでした。地震 後10時間で、その数を増やして いきます。 他のカテゴライズとして、メキシ コ人の特徴のひとつ、ユーモアが あります。地震発生時から嘲笑や パロディなどのツイートが見られ ましたが、地震被害の大きさが知 られるにつれ、この種のものは減 っていきます。 その反対に、発生時こそ少なかっ た人々の団結や連帯感を謳うツ イートが、2時間後にはその数を 大きく伸ばしました。これらツイ ートはソーシャル・ネットワーク上 で最も広がった感情のひとつで、 人々が持つこの意識が被災され た方々への何よりの力となったの です。 人 間 の 根 底 に流 れる 真 の 感 情 が、他人を嘲る表現が多いソーシ ャル・ネットワークで勝った輝か しい瞬間となりました。

写真: telefonorojo.mx


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