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僕らはどこでも働ける。

列車を降りると、緑のにおいがした。

古い駅舎は、まるで時が止まったようだった。

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無表情な人の群れも、きらびやかな広告も、追い立てられるような空気も、ここにはない。

あるのは、どこまでも澄み渡った青空だけだ。

その青の深さに、ほんの少しだけ心が揺らぐ。

遠ざかる列車を見つめながら、もう一度自分に言い聞かせた。

「大丈夫、きっと僕らはどこでも働ける。」

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