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ʻ↗ⅳⅵქ ᧓↚࠳↊↚↙↼ⅵ≆ 築 紫 裕 子 とした歯ごたえを意識しながら食べるとか、 今、一緒にいる人となごやかな会話を交わす というような、毎日の当たり前の瞬間を楽し
むなら、もっと幸せな気分になれるはずだと 思いました。
実はしばらく前に、マインドフルネスを治
療に取り入れているクリスチャンの医師の書 いた本を読んだのですが、そこにも似たよう なことが書かれていました。マインドフルネ
私
はコロナのことを考慮し、コロナ前には定期的に楽 しんでいた家族旅行や人に会うこと、またお祝いの
日の外食などを、自分の決断として自粛していました。で
も、自分で決めたこととは言え、長く続くとやはりだんだ
んつまらなくなってきて、はやく安心して旅行に行ったり、 人に会ったりできたらいいのに、と忍耐が切れ、心の中で
ブツブツ言っていました。そんなある日、仕事でマザー・ テレサの名言を調べていると、こんな言葉を見つけ、ハッ としました。
「今、この瞬間幸せでいましょう。それで十分です。そ の瞬間、瞬間が、私たちの求めているものすべてであっ て、他には何もいらないのです。 」
読んですぐに意味が分かったわけではありません。ただ
「この瞬間がすべてで、他には何もいらない」という言葉
が心に響いたのです。というのは、コロナのことがなくて
も、私は普段からよく、色々な面で、 「もし、これがこうなっ
たらもっと幸せになれるのに・・・」という考え方をして いたからです。そう考えていると、たいていは現在のこと に不満が募り、あまり幸せな気持ちにはなりません。
でもマザー・テレサの言葉を読んで、明日の幸せを追い
スとは、 『今、この瞬間』を大切にする生き
方のことで、シンプルに暮らすことや、日常 のさまざまなことを丁寧にやってみることが テーマになっていて、興味深い具体例かあげ られていました。
それでちょっと自分も試してみようかなと いう気持ちで、そこに書かれていたことを一
つ実践してみると、新しい発見がありました。 それは、その頃私がしていたバイトの昼休み でラーメンを食べた時のことです。
本には、たとえばラーメンを食べるなら
ば、携帯を見ながら食べたりせず、ラーメン を味わうことだけに集中し、しっかり麺を噛
み、スープの香りを楽しみ、ゆったりした気 持ちで食べるなら、心にも身体にも良い影響
があるとありました。それで、その通りにやっ てみると、それまでとはまったく違う昼休み
となりました。 「あー、美味しいラーメンだっ
た！」という心からの満足感があり、ゆった りした気分になって、いつの間にか仕事のス トレスも消えていたのです。
現代社会では、同時にいくつものことをする
続けるより、今を大切にして、この瞬間に幸せでいること
『ながら』が、 当たり前のライフスタイルとなっ
元にあるものをしっかり楽しんで幸せでいる方が、ずっと
ものとなって、何をしながらでも携帯を見て
のほうが、ずっと幸せな生き方だと気づいたのです。今手 賢い生き方です。
何か特別なことをしなくても、自分の好きな飲み物を じっくり味わって飲むとか、焼き立てのトーストのサクッ
ています。特に、スマホが生活に欠かせない いる、という人は多いのではないでしょうか。
でも、脳科学者たちに言わせれば、同時に いろいろなことに気を配るというのは、とて
