850:人として生まれた神

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そこで、この記事の出だしにある神様とイエス様の 会話のシーンになります。実際の会話がどうであった かは分かりません。でも、イエス様は地上におられ た時に、ぶどう園の主人から管理を任された農夫たち のたとえ話(マタイ21章 33 - 43 節を参照)をするこ 築 紫 裕 子 とで、それまで神様が何度も使いを送ったけれど、望   「父さん、わたしが行きます。 」 んでいるような変化がなかったため、今度は神の息子   「わかった。息子よ、よろしく頼む。 」 であるイエス様自身が地上に来ることになったことを   「父さん。あなたの願いはわたしの願いです。わたしたちの愛する 説明しています。イエス様は、人と神との関係を、本 者たちが皆、天とのつながりを取り戻せるよう、地上に行ってきます。 」 来あるべき愛と信頼に満ちたものに戻すことを願って、 仲介者として地上に来られたのです。  神様とイエス様の間で、こんな会話が交わされたかどうかはわか りませんが、聖書にはそれを思わせるような記述が随所にあります。 神は、すべての人が救われて、真理を悟るに至る  クリスマスは、イエス・キリストが地上にお生まれになったことを ことを望んでおられる。神は唯一であり、神と人 お祝いする日ですが、世の初めから神様と一緒に天におられたイエ との間の仲保者もただひとりであって、それは人 ス様が、どうして人間の赤ちゃんとなって地上に生まれてきたので なるキリスト・イエスである。 (テモテへの第一の手紙 2 章 4 - 5 節) しょうか。今回は、そのことについて聖書から見ていきましょう。 まずは、神様が人間を造られた場面です。  でも、そんな仲保者(仲介者)となるためには、大 神はまた言われた、 「われわれのかたちに、われわれにかたどっ きな犠牲を要しました。まず神としての天の場を去り、 て人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての この地上で人間として暮らし、最後にはご自分の命を 獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」 。神は自分のか 捧げることで、全人類の救い主となられたのです。 たちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女 (創世記 1 章 26 - 27 節) とに創造された。  キリストは、神のかたちであられたが、神と等し くあることを固守すべき事とは思わず、かえって、  神様は、六日かけて地球やその周りの宇宙、そして地球上の生物 おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の を造られましたが、その中でも人間は特別だったようです。という 姿になられた。その有様は人と異ならず、おのれ のも、人間は神様にかたどって造られ、その他の生き物を治めるよ を低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に うにと定められたからです。 至るまで 従順であられた。それゆえに、神は彼を  神様は人間に、他の生き物にはない独特な能力を与えてください 高く引き上げ、すべての名にまさる名を彼に賜わっ ました。たとえば、ものを作り出す創造力、多彩な方法でものごと た。それは、イエスの御名によって、天上のもの、 を表現する表現力など、神様の特徴ともいえるような能力が与えら 地上のもの、地下のものなど、あらゆるものがひざ れています。もちろん、人間にはない能力を有する生物も多々あり をかがめ、また、あらゆる舌が、 「イエス・キリスト ますが、他の生き物を治めるという役割が与えられたのは人間でし は主である」と告白して、栄光を父なる神に帰する た。 (ピリピ人への手紙 2 章 6 -11節) ためである。   「治める」というと、生き物に対して自分勝手なことをするとい うイメージを持つ人もいるかもしれませんが、神様は人間が、賢い  このことを通して、イエスを救い主として信じる者は、 管理者として、愛と知恵をもって世話することを望んでこの役割を 「神の家族」になれるのです。それは、神様が人間を創 与えてくださったのです。その任務をしっかり果たすには、すべて 造された時からの願いでした。神様は人間を、自分に を創造された神様と良いつながりをもっていなければなりません。 ひれ伏す家来ではなく、神の友、神の家族になるよう  神様が最初の人間であるアダムとエバをエデンの園に置いた時、 にと造られたのです。 彼らは神様ととても良い関係を持っていました。共に散歩をして、 いろいろなことを語り合える仲だったのです。ところが、エバが悪 すべての人を照すまことの光(イエス)があって、 魔に騙されて、神様の教えを疑い反抗した時から罪が入り込み、神 世にきた。彼は世にいた。そして、世は彼によって 様と人間との間に隔たりができてしまいました。その後は、歴史を できたのであるが、世は彼を知らずにいた。 彼は 見れば分かるように、人の世は悪で汚されていったのです。 自分のところにきたのに、自分の民は彼を受けいれ  そんな様子を見て神様は心を痛め、天使や預言者などを通して、 なかった。しかし、彼を受けいれた者、すなわち、 その名を信じた人々には、彼は神の子となる力を 悔い改めるようにとのメッセージを何度も送りました。人々がそれ 与えたのである。 を素直に受け止めて生き方を変えた場合もありますが、多くの場合、 (ヨハネによる福音書 1 章 9 -12 節) そのメッセージを無視し、時には伝えた者たちを虐待しました。

ʴ↗ↆ↕ဃ↭↻↎ᅕ -- 神と共に歩む人生をもたらすために


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