866:世界を輝かせるもの、それは愛

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2月になると、店頭にはいっせいに、バレンタイン用のチョコや赤い ハート形のグッズが並びます。私が子どもだった頃は、バレンタイン は女の子が好きな男の子に告白する日という、とても限定された行事 でした。でも今では、恋人や好きな人にだけではなく、友だちや、い つもお世話になっている人、職場の人などにもチョコをあげて好意や感 謝を示すという風潮が強くなっているようです。 こんなふうに変わってきた最初の頃、 「友チョコ」とか「義理チョ コ」などという言葉も出て来て、何となくバレンタインの意味が薄れ てしまったような気がしました。でも今は、たくさんの人に愛や感謝 の気持ちを伝えるチャンスがあるのはいいことだと思うようになりま した。 日本には、お中元やお歳暮という形で、お世話になっている人にギ フトを贈る習慣はありますが、それはどちらかというと、個人に宛て てというより、親戚のつながりや、仕事関係での挨拶のようなもので す。それに比べると、バレンタインの贈りものは、個人から個人への ものです。誰だって、自分に好意や感謝の気持ちを抱いてくれている 人がいると知るのは嬉しいことでしょう。 バレンタイン以外にも愛や感謝を伝えるチャンスはたくさんあると 思いますが、欧米と比べると、日本人は自分の気持ちを相手に伝える ことに遠慮がちで、ストレートに告げる代わりに、さりげない優しさ や思いやりという形で表そうとすることが多いようです。私はそんな 日本の文化が大好きですが、でも同時に、気持ちをはっきり伝えない ために残念なことになっている場合もあると思います。 物事の感じ方や受け取め方は人それぞれなので、 「相手は分かって いるはず」などと思っていても、まったく伝わっていないこともあり ます。特に身近な人同士では、お互い良く知っているから言わなくて も分かるだろうと考えがちですが、具体的に口で表現しないと、ちゃ んと相手に伝わらないことも多いのです。 欧米では、 夫婦でも友だちでも、 また親子間でも、 頻繁に「アイ・ラブ・ ユー!」という言葉を発します。直訳すると「愛してるよ!」となり、 日本ではなかなかそういう言葉は口にしませんが、それに代わる言葉 で愛を伝えているかというと、そうでもないようです。どうやら日本 では、相手に対する愛を言葉にしないまま過ごしていることが多いの ではないでしょうか。 長年連れ添った仲の良い夫婦でも、 「愛しているよ」などと言うの は気恥ずかしいことでしょう。でも時には、相手が、自分への愛をはっ きりと表現してほしいと願っている場合もあるかもしれません。また、 親子や兄弟で、本当は大好きなのに、気持ちとは裏腹に、どういうわ けか口を開くと、つい意地悪な言葉や非難めいた言葉が出てきてしま う場合もあります。そういう人にとって、相手に優しい言葉をかけた り、愛や好意を伝えるのは、とてもぎこちないことなのでしょう。 でも、人の明日は保証されてはいません。愛している家族や友人に、 その愛を十分に伝えないまま、会えなくなってしまうこともあります。 後になって、もっと愛や感謝を伝えておけばよかったと後悔すること がないように、相手が目の前にいるうちに素直に気持ちを伝えるよう

築紫 裕子

にしたいものです。十代だった頃に読んで、私の生 き方に大きく影響を与えたこんな言葉があります。 「鐘は鳴らすまでは鐘ではない。 歌は歌うまでは歌ではない。 そして心のなかの愛は、 そこにとどめておくためにあるのではない。 愛は与えるまで、愛ではない。 」

大きな愛の

愛は最良の

これは、 「ドレミの歌」で有名な「サウンド・オブ・愛はどのよ ミュージック」というミュージカルの中で歌われてる手がある いる『もうすぐ 17 才(リプライズ) 』という曲のある。悲嘆 イントロ部分の言葉ですが、 「心のなかの愛はそこく耳がある

にとどめておくためにあるのではない」という部分 を読んで、私は目が開かれた思いでした。そしても 愛とは、誰 う一つ、私の行動の原動力となった詩があります。 「まだ落ちていない、小さな雨のしずく、 そのしずくは、 自分など小さくて取るに足らないと考える。 でも、どこかで、 渇いた一本の花が、その一滴を待っている。

人生は短い -- アンリ

人と会う時 は、愛の第

まだ語られていない、ちょっとした一言。 口に出すほどのことには思えないかもしれない。 愛すること -でも、どこかで、一つの心が、 その一言を聞くことを願って、 人生を振り 祈っているかもしれない。」 した時だと -- ヘレン・T・アリソン

-- ヘ

この詩を読んで以来、私はもっと、人に対して積生きること 極的に接するようになりました。相手がどんな反応を愛すること 示すか分からない時に、言葉をかけたり、何かを渡理解するこ したりするのには勇気がいります。でも、誰かが愛赦すことは と感謝の言葉を待っているかもしれないと思うなら、赦されるこ 一歩踏み出す勇気が湧いてきます。そして、確かに 「すべての人に必要なのは愛」なのです。 愛は、人間にとって最大のテーマです。多くの芸術理解される 作品や音楽が、様々な形で愛を表現しています。愛とことを求め は、人間の最大の関心事であり、また、生きる上で 欠かせないものなのだと思います。どんなにお金が あっても、豪華な大邸宅に住んでいても、美味しい愛する喜び 食事をお腹一杯食べることができても、好きな場所 で好きなことができても、愛がないなら、何か物足 りない感じがします。


愛といっても、男女の愛だけを指すのではありません。親子 や兄弟姉妹にある家族愛、友だちとの友情、同僚や先輩後輩の 中での思いやりや信頼関係、近所の人やお世話になっている人 たちとの優しいつながり、愛にはいろいろな形があります。そ れらひとつひとつがいろいろな色彩で輝くことによって、世界は 素晴らしい場所になるのです。

大きな愛のあるところ、常に奇跡がある。 -- ウィラ・キャザー (アメリカの作家) 愛は最良のものをさらに良くする。 -- ウィリアム・ワーズワース(イギリスの詩人) 愛はどのような姿をしているのだろうか。それには人を助け る手がある。貧しい人や困っている人の所に駆けつける足が ある。悲嘆と欠乏を見る目がある。人のため息や悲しみを聞 く耳がある。それが愛の姿である。 -- アウグスティヌス(ローマ帝国時代の神学者) 愛とは、誰かの心に、希望の灯をともすことです。 -- 日野原重明(医師) 人生は短い。急いで愛しなさい。すばやく親切にしなさい。 -- アンリ・フレデリック・アミエル(スイスの哲学者、詩人) 人と会う時にはいつも、互いに微笑みかけましょう。微笑み は、愛の第一歩なのです。 -- マザー・テレサ(カトリック修道女)

日本では、愛や好意を伝える機会が少ないかもしれませ んが、せっかくバレンタインの行事が、恋人という枠を超 えて、もっと多くの人たちに愛と感謝を告げるチャンスを 提供してくれているのですから、今年のバレンタインは思 いっきり、大好きな人や感謝している人たちに、その気持 ちを告げようではありませんか。

愛することには代価がかかることもあるが、愛さないことには もっと代価がかかる。愛するのを恐れる人はおそらく、愛の欠 如が、人生から喜びを奪う空しさであることを知るであろう。 -- マール・シェイン(カナダの作家) 人が天から心を授かっているのは、人を愛するためである。 -- ニコラ・ボアロー=デプレオー(フランスの詩人) 私たちには、生まれたときから愛する力が備わっている。そ れでも筋肉と同じで、その力は鍛えなければ衰えていってし まうの。 -- オードリー・ヘップバーン(イギリスの女優) 話すことで話し方を学び、学習することで学習の仕方を学び、 走ることで走り方を学び、仕事をすることで仕事の仕方を学ぶ。 それと同じく、愛することで愛し方を学ぶものだ。他のやり方 で学べると思うものは皆、思い違いをしている。 -- フランシスコ・サレジオ(カトリック司教) 愛とは、育てなくてはいけない花のようなもの。 -- ジョン・レノン(英国のミュージシャン、ビートルズのメンバー)

愛することの反対は、憎むことではなく無関心であることだ。 -- カール・ヤスパース(ドイツの哲学者、精神科医)

愛が死ぬのは、愛の成長が止まる、その瞬間である。 -- パール・バック(米国の作家)

人生を振り返れば、真に生きた瞬間とは、愛の精神で何かを した時だというのがわかるだろう。 -- ヘンリー・ドラモンド(スコットランドの福音伝道者)

家庭とは、愛を学ぶ学校である。 -- 三浦綾 子(作家)

愛は人をいやす。それを与える人も、受け取る人も。 -- カール・メニンガー(アメリカの医学者、精神科医)

生きることは愛すること 愛することは理解すること 理解することは赦すこと 赦すことは赦されること 赦されることは救われること。

愛とは、相手に変わることを要求せず、相手をありのままに受 け容れることだ。 -- ディエゴ・ファブリ(イタリアの劇作家) -- 湯浅八郎(教育者)

理解されるよりも、理解することを、愛されるよりも、愛する ことを求められますように。 -- アッシジのフランチェスコ(カトリック修道士) 愛する喜びは、愛される喜びよりも、はるかに優るものである。 -- トーマス・フラー(イギリスの神学者、歴史家)

いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つであ る。このうちで最も大いなるものは、愛である。 -- 聖書 第一コリント 13 章 13 節 これらいっさいのものの上に、愛を加えなさい。愛は、すべて を完全に結ぶ帯である。 -- 聖書 コロサイ 3 章 14 節

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