増殖する美術館 観客からみた美術館計画に関する研究

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昭和 58年 度修 士 論文

増殖する美術館

丁8205031

観客行 動からみた美術館計 画 に関する研 究

成瀬

1984.2.13

研 究指導

渡辺 仁 史助教 授

中村 良 三 講 師


増殖す る美術館

Le Corbusier

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増殖す る美術館

ダ直 す

OVER‐

る 彗塞 1市 貪宮 』

TuRE

『 人間は意タ トに変わつていないのだ』

人間をとりまく環 境は,常 に変化 している.朝 昼晩か らは じまつて,季 節による変 化 ,大 き くな ると,時 代 によ る変化な ど。どうも人間は,ま わ りの環境が変化 していかない と面 白くな い ようである。単調な環境には生 きられないよ うである。人間が環境を常に変化させ てい ると もい える.し か しなが ら,人 間 の物理的な側面や生理的側 面 は殆 ど変 化はしていない .例 えば

,

現在 の人間が過去 の人間に くらべ,2倍 も 3倍 も飲んだ り食 べた りす るよ うになつたか と言 え ば NOで あ る。 2倍 も 3倍 も速 く歩 くよ うにな った りっ広 い部屋に住みた い と思 うようになっ た り,美 術にふれたい と欲 っ す るようになった り,長 生 きす るようになつた リーーとい うこと は無 いのである。

20世 紀 というのは,日 本 の歴史,民 族 に とつてちょっ と二 度 とはないた いへ んな激重力の世 紀 であると言われ る。人口 でも,今 世紀初頭 ,4000万

人位 であったのが,今 世紀末には

,

約 1億 3000万 人 に達す るといわれっ つ まり, 1世 紀 で人□が 3倍 以上にな るわけであ る。 しかもそれだけで は く,都 市 とい うものが非常に拡張 した 世紀 でもある。現在 ,日 本 の都市人 □は約 6500万 人 であ るといわれ るが,今 世紀初頭か ら比 べ ると約 8倍 にのぼ る数字 である. 経済 では,近 代化 の略線を選び,先 進国に学び,西 欧 の科学技術を取 り入 れ ,工 業化 の道を 進ん で きた 。そ して現在 で は 自由諸国の 中で は,GNPは ア メリカに次 いで 2位 とい う経 済大 国にの しあがった .そ うい う今 日であ る。 我 々をとりま く環境は非常 に激 し く変化 してお り,人 間 の方が変化についてゆけな くな って いる場面も出てきてお り,変 化 にも限界が あ るのかも しれない。 先 に述 べた とお り,人 間 の生活 のス タイルや 考え方は時 代 と共に激 し く変化 しても,人 間そ のも のはそ う変化す るものではない。建築にお いても,せ いぜい畳 のモ ジュ ールを現代人 に合


増殖す る美術館

う規格に直す 必要が あ るという程度 で,機 能 の多様化 はあって も人間本来 の 性質はそう変わ る ものではないだ ろう。 そ の本来 の人間の性質 を忘れ ,環 境をつ くり変化 させてい くと当然,間 違 いが 起 きる。「

間性 の疎タト」といわれ の は,人 間 の作 り出 したものが 人間に合わない場合 である. その原因は どこにあ るのか 。 人間がっ人間の性質 を理解 してい るるよ うで理解 してないこ とにある. 『 人間と環 境 とのバ ラ ンス,人 間と空間 とのバラ ンス 』―――― 環境を造 る人 間は,先 づ そのことを知つておかな くてはな らな い。知 つていれば 失敗はしな い 。 よ く,原 始的な集 落 は美 しい といわれ る。ある一つ の村が何千年も続 いた とき,そ の 集落は 驚 く程美 しい という事実 。 これ は何 故か 。 村 をとりま く環境が 何千年も変 化 しないか ら,生 活 の方法もそう変化 しない。そんな状況 の 中 で,古 くな った ら同 じものを何 回も何回も,く りか え しっ くりかえ し,つ くってしヽく.そ し て少 しずつ工夫 し,よ り良 いものへつ くり変えてゆ く.そ して何千年も の 時間が ,集 落を リフ アインして ゆ く.美 しいのは,人 間と空間 とのバ ラ ンスが歴史 の中で発見 されたか らなのだ

そうしてみ ると。現代 の建築家 は極 めて不幸な状況 に置かれ てい る。激 しい社会 の変化っ建 築に求 め られ る機能は多様化複雑化 してお り,材 料も技術も変化 してい る。とても工夫をして い る時 間な どな い。変化 に追われ る一方 で ある。「 人 間と空間 とのバ ラ ンス 」を「 様式 」と呼 ぶな らば,現 代は様式 を発見 しに くい時代 で あろう。 しか しなが ら,人 間 自体はそう変化 しない.様 式 を発見 してゆかなければな らな い

建築は経験技術 で あ るといわれ る。一人 一 人 の建築家 は 50年 の仕事 のなかで。様式を発 見 してゆ く.変 化 の激 しい現代 では過去 の様式はあてにな らない 。 しか し,50年 経 つてやっと 発見 で きた,で は遅 い 。それ では建築にとつても使 い手にとって もっ不幸 である.


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だか ら,そ う変化 しない人間 の物理的 ,生 理的側面か らみた 様式だけは明 らかにして お く必 要がある。それ を時代に応 じて,状 況 に応 じて変化 させてゆけばょぃ。 『 人間と空 間 とのバラ ンス 』 ――――― ― 先 づそれ を どうやって評価す るか ,そ の評価 の方法か ら確立 してゆ く必要がある.

「 人間と空 間 とのバラ ンス 」に主眼をおいた 研究は,社 会 の

変化が急激 で,か つ多様な社 会

生活 のパ タ ー ンが 生 まれた ことによる環境問題 の処理方法 として,こ れ までの経験的判断に

えて,よ り合理的 で客観的な解 決法が求 られ るにいた り,大 系 の確立が早 に まれ 急 望 る分野 で あ る. 建築計画 の研究において,「 人間と空間 とのバラ ンス 」に主眼をおいた 研究は,こ れ までに も東京大学を中心 とす る「 建物 の使われ方の研 究 」とい う形式 で行なわれ て きた

。 この種 の研

究には,大 阪大学 を中心 とす る「 共用施設 の規模算定の研究 」,千 葉大学 を中心 とす る人

間工

学的な建築空 間へ のア プローチな どがある。 しか しなが ら。 研究対象が 特定 の場所に限 られ 他 へ の応用が き く段階 に まで至 つていなか った り,ま た 人間工学的な動作 ,反 応分析に終 て,建 築計 画 の スケ ール との隔 りが まだ まだ 大 き く,建 築訴画に有効に生か され れているとは言 い難 い 。 またその結果が必 ず しも設計 の諸段階 を通 して,有

,

始し

る結果が得 ら

効 に生か されては

いなかった 。 計画が実現 された時 の状況 の予測や評価 を客観的か つ総合的 に行な いぅ建築計画決定 のプ ロ セ スの中にフィ ー ドバ ッ クす る大系が出来 あがっていなかった ため,こ の よ うな 問題に行動科 学的なアプロ ーチを試み るべ く「 人間 ―空間系 の研究 」とい うテ ーマで,

1969年 か ら研究

を始 め,現 在 までに得 られた成果は論文 として発表 されてきてい る。

1971年

には,「 人 間 ―空 間系 の研究 ―建築計画における人間の行動予測モデル 」とい う


増殖す る美術館

テ ーマで,中 村 (早 稲田大学 )に よって,空 間 におけ る人 間の行動特 の 性 研究が学 位論文にま とめ られた .こ の 中村 の論文は調査 を通 じた帰納的なア プ ローチに 主眼を置いていた .

1976年

には,「 建築計画におけ る行睡 カシミュ レー ションに関す る研究 」とい うテ ーマで

渡辺 (早 稲 田大学 )に よつて,従 来調査か ら得 られてい る人 間の行動特 性 に 加え,人 間の心理 を組み 入 れた 行動 シミュ レー ションの研究が学位論 文 に まとめ られた この 。 渡辺 の論文はシミ ュ レーション技法 を整理 し続 ―的な理論 を導 き出そうとい う演

的なア プロ ーチに主眼を置い

ていた 。

1983年

には,「 施設配置計画 のための行動 モデ ルに 関す る研究 」とい うテ ーマで ,位 寄

(早 稲 田大学 )に よって,施 設配置決 定 のための新たな行 動モデルの研究が学 位論文にまとめ られた 。 この位寄 (早 稲田大学 )の 論文 は,人 間 の心理 ―空間系 と行動 との 対応 の説明に主

を置 いていた . 以上 の研究成果 をふ まえ,本 論文 では,こ れ までの対象空間であ るオ ープンスペ ー ス,非 常 時 と別 に,新 たに,東 京大学 の吉武泰水 研究 グル ープが 手を加えなか った

展示空 間を対象空間

に採 りあげ,過 去 の調査方法を基礎 に調査を行な い。人 間 ―行動系 と 空間との対応 を説明す る ことに主眼 を いてい る。 _争 に,行 動か らの新たな空 間評価手法の提案 と,施 設計画 の 中で特 軍 に,施

規模計璽,胞

零 譲 甲 ラ尉 画を検討す るための新たな 行動モ デルについて述 べ る. このモ デルは,従 来 の,心 理をそ の ままとりいれたモデル と な り 異 ,客 観性を高 めたモデル

であ る。 また ,行 動 ―空間系か ら,施 設 の適性規模を探 る方法について説明 を 試み,従 来 の規模決定 プロセスの誤 りを指摘 し,展 示空間以外の空間 について も,そ の決定方法について 考察する. 尚,本 大学初 の論文 の ワ ープロ化を試み るものであ る。

,


増殖す る美術館 目

OVERTURE

の 構

1

研究 目的

- 2

研究背景

- 3

研究概要

- 4

成長す る美術館

美 術 館 計 画

i5

2 -

美術館 の役割

16

2 -

美術館 の歴史的変遷

19

2 -

美術館建築 の課題

42

2 -

美術館疲れ

53

2 -

美術館疲れ

従来 の研究

54


増殖す る美術館

章 一

ここ お

をb観 客

日カ

63

3 -

調査 目的

64

3 -

調査概要

65

3 -

単純集計

75

3 -

クロス集 計

108

3 -

考察

125

3 -

美術館における行動特性

134

3 -

行動 によ る施設評価

135

四 章

‐ 美

0状

!36

4 -

調査 目的

137

4 -

調査概要

138

4 -

調査方法

146

4 -

回収結果

150

4 -

5

4 -

5 -

4 -

美術館 の実態

152

0

はじめ に

153

5 -

1

美術館 の分類

155

4 -

5 -

2

美術館 の分布

156

4 -

5 -

3

設立 の推移

161


増殖す る美術館

4 -

5 -

4

設置者

164

4 -

5 -

5

展示事業

167

4 -

5 -

6

美術館 の規模

!70

4 -

5 -

7

入場料

198

4 -

5 -

8

入場者数

200

4 - 6

展示空間の課題

207

雀見 電Ffテ 重力 2二 月裏 月R ttLヨ 量

208

5 -

観客行動 の記述

209

5 -

展示空間の記述

2!6

5 -

要因分析

218

5 -

滞在時間モデル

236

5 -

結論

254

=デ

の 運

255

6 -

レノベ ーション

259

6 -

計画 への適用

263

6 -

増集計画

264

6 -

提案 :増 殖 す る美術館

266


増殖す る美術館

舌幸

269

7 - 1

美術館計画 へ の提言

270

7 - 2

施設規模計画 へ の提言

272

7 - 3

行動科学 への提言

273

7 - 4

おわ りに

274

1

学内論文

2

学会論文

3

資料

4

調査対象美術 館


増殖す る美術館 本

本論文は 7章 か らな り. 1∼ 2章 で研究概要を述べ,3∼ 5章 で具体的な調査とその結果を まとめ,6章 において行動モデルの考え方と行動モデルによるシミュ レーションの内容に触れ てい る。 7章 は提言 と展望と今後 の研究課題である。

自巨 ―― ■に

,F言 命

ル :コ ル ビジェが 提 唱 した「 成長 す る美術 館 Jの 成長 の させ方 が 妥当であるか を検討 しよ う とす ることが研究背景 であ り,施 設 の適正規模を決定付ける要因を人間の行動を探 ることによ つて明 らかにす る必要が あることを説明 している。 行動主体 であ り人間 と,行 動 の場 としての空間と,人 間と空間 との相互作用によ って決定 さ れ ると仮定す る3者 を システム として把 え,空 間の ケ ーススタデ ィ ーとして美術館 (展 示空 間 ) をと りあげ・ 美術館計画 の中 での種々の問題に適用 できるような 体系をつ くることが研究 目的 であ り,具 体的には,客 観的な根拠 をもつ 観客行動 モデルを開発す ることと,そ の行動 モデル によ るシミュ レ

ションを,実 際 の設計活動やっ美術 館運営 の中に適用 して,計 画案 の道合性

を検 討 す ることであ ると述べてい る。

第 「 三■ 章

1画

美術館計画 の歴史的変遷を説明 し,そ の平面計画 ,規 模計画 ,動 線計画 ,展 示計画な どにつ いての うつ りかわ りについて述 べ る。美術館 において,「 人間 と空間のパ ランス 」を欠 いた場 合 ,そ れが「 美術館疲れ 」とな つて表れ ることを説明 し,美 術館疲れに関す る従来 の研究につ いて述 べ,そ の問題点に対す る本論文 の立場を明 らかにし美術館疲れの要因につ いて整理 す る。


増殖す る美術館

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ι ナ を3董 見 電罫 イ子 日カ

力を調査っ分析 し,行 動 モデルに適用 させるた めの,行 動を決定 つ 美 1術 館 へ の来館者 の行顧

ける人

間 の側 の要因 について整理 した も のである.「 美術館疲れ 」の要因を明 らかに し,そ れによつて,客 力系モ 観的 に測 り有 る行動 の うち,ど のような 側面が空 間評価 に関連す るかを探 り,さ らに空間 ―行重 デ ル作成 のた めの9調 査,分 析 を行な う.

四 章

内 の 美 術 館

の J犬 況

国内 の美術館を国立 ,公 立,私 立 の 3つ の立場別 に,美 術館 をとりまく状況 について説明 し,ま た 美術館関係 団体 の活動か ら,今 日の動向を探 る.さ らに個々 の美術館 についての具体的な状況を把握 カモデルに適用 させ るた めの す るた めに,展 示環境 ,企 画運営 の両面 にわたつ て調査 ,分 析 し,行 重

,

空 間の側 の要因につ いて整理 した ものであ る。 ハ ー ドな面 では,展 示空間 と展示作品 との関係 につ いて,そ のスタンダー ドを求 め,そ れをもとに

,

美術館 を特徴別に分類す ることを試み る。 ソフ トな面 では,美 術館 の運営状況 か ら発 している諸問題 につ いて考察 し,ま た ,新 設館 の動向か ら,今 後 の美術館計画上 の主要 な課題 を明確 にす る.

自言 ユ五 覇葦

雀見 竃罫 イテ 重力

2=源 尋 月蔵 方極 言隻

美術館 における人 間 の行動 を決定づけ る空間 の側 の要因を探 り,そ れぞれ の要素間の状態か ら,施 設評価 につ いて考えてゆ く。行動 を代表す るもの として,滞 在時間 を取 りあげ ,空 間の 要因 である規模。作品,施 設環境な どの要因との 関係を説明 している.得 られた傾向か ら滞在 時間を説明 す る要 因 を決定す る.


の 構

重力 七

本論文 の中 でも特 に重要な位置つ

けにある「 空 間 ―行動系 」とい う考え方を建築計画 の中

に適用す る方法 を提案 している。行動は,人 間と空 間 の相互作用 の結果 であるとい う考え方か ら,こ れ までの行動 モデ ルでは独立 した 要素 として とらえ られ ていた ,人 間 ―空 間系を一つの もの として扱 い。

これ までの研究成果 を基に,施 設評価につな が る行動モデ ル として,新 た

に「 滞在時間モデル 」を提案 し,展 示空間 の適正規模 ,適 正配置 につ いて,実 際 にモデルを運 用 す ることによ り考察す る.ま た ,新 たな 施設計画 の場合 と,既 存 の施設を改築す る場合 の 2 つの場面において,モ デルをどう反映 させるかについて,実 例 をあげ て説明 す る. さ らに,滞 在時間 の分布状況を調べ ることによ る施設診断 の可能性 について述 べ る。

以上 のモデルによる成果をふ まえ.美 術館 の成長 の させ方について,「 成長す る美術館 」に かわ る。「 増殖す る美 術館 」を提案 しその妥当性 について,説 明 し,今 後 の美術館 のあ りかた について,展 示環境造 りとっ企画運営 の両面か ら展望す る。 また。今後 の研究課題 と研究の展開 について述 べ る。今後 さらに様々な場面 に手を広げ ,行 動 モデルに よる施設評価 を行 う手法を開発す ること,ま た ,行 動科学による空 間の総合評価を 行なつてい くことが 望 まれ る.


増殖す る美籠館 第

/


増殖す る美術館

1

- 1

目 的

長期 の経済不況が 続 くなか で,新 設 ,増 設 の美 4将 館 の数は ここ 10数 年来安定 した伸びを示 してお り,「 美術館 ブ ーム 」が定着 している。それに伴 い美術館来館者総数も ここ 10年 で 約

2倍 に増力0し てお り,従 来,当 事者,関 係者および専 門家 の間に限 られていた 美術館に対す る 関心 と評価が,よ うや く社会的 にも高 まり,関 心 の度合も強 くな つて きた . この ことを顕著 に物語 る例は,全 国新 聞な どでの とりあげ 方 の変化 であ り

,日 曜判等 で新設

美術館 を大 き く紹介 した り,美 術館関係 の書籍が急増 してい ることである。 しか しなが ら,建 築計画において,美 術館に関 しての設謝資料は乏 しく。 その大系が確

立さ

れてはいない.そ の弊害が,地 方 において大規模 中心主義 とも思われ る美術館 の新設が続 き

,

計画上 の原因による「 美術館疲れ 」の 問題が指 摘 された り,ま た建 物が立派な 割 には利用者数 が非常 に少な い とい う問題な どにみ られ る.

そこで,利 用者 の行動 と美術館 の環境 との関係 を調 べ,実 際 の美術館設計 の 中に運用できる 「 行動予測による施設評価モデル 」を開発す ることが 本研究の 目的 である

.

特 にっ美4有 館 の適正規模を探 り,ル :コ ル ビ ジェの「 成長す る美術館 」について検討 し,規 模 と平面計画 との 関係か ら「 増殖す る美術館 」を提案 し,そ の妥当性 を説明す る。 また。 これ までの施設規模計 画 の弱点 を指摘 し,新 たな「 施設規模決定プ ロセス 」を提案す る.


増殖す る美術館

1-2

美術館ブ ーム といわ れ る。なぜ 今・ 美術館な のか ◆ い うまでもな く美術館 を作 るということ は,建 物を建 て,美 術品を収集 し,美 術館 員を雇 つて。なかば 永久的にそ の機能を有効に働 ら かせていかな くてはな らない 。今 どうしても美術館をつ くらな くてはな らないとすれば そ の理 由はなんな のかっ再考 すべ き時期 にきてい る。

ICOM。

del

つ まり国際美術館会議

Musees)は

(Le Conseil internatiOnal

, 1949年 に,美 術館についてつ ぎのよ うに定義 している。

「 美術館 とは,さ まざまな 方法 によ り,文 化的価値 の ある一 連 の諸要素 を保存,研 究 ,価 値 あ らしめ,特 に,公 衆 の喜び と教 育 のために展示す る目的をもって管理 され る恒久的施設 で あ る」◆ 美術館がっ恒久的な F陳 列 」の場 であ ると同時に,「 教育 」,「 普及 」の機能をも つて,講 演会,陳 列品解説 ,巡 回展,複 製 の利用な どを通 じてっ展示以タトの活動 をお こない。収蔵品や 研究対象についての学術研究 ,通 じて展示以外 の活動をもお こな う◆また ,科 学鑑識 ,保 存科 学な どの科学技術 によ る研究もっ美術館 とい うおびただ しい陳 列品を所有す るところにあつて 必要欠 くべか ざることである。 さらに公衆に対す る社会教育,生 涯教育 の機会 として,注 意 さ れな くてはな らないであろう。 現代美術館 の課題は,以 上 の よ うに多 くの使命を果たす施設 として,膨 大な機能をもつ セン タ ーであつて,ま たひ とび との心 のよ りどころとな る文化的モ ニ ュマ ンとして,雄 大な,超 時 間的な・ ゆるぎない風貌 をも備えなければな らない 。

だが ,わ が 国 では,ま だ美 術館 の歴史は浅 く,

1871年 ,日 本 で最初 の博物館が開設 して

い らい。 110年 の年月が流れた ところであ る。最初 の国立博物館は美 術 ,歴 史,科 学を含む


増殖す る美術館

`

総合的なものであった が ,そ の後博物館 は歴史 と共 に次第に特色や 専門領城を求めて分化 し, 現在 ではその分類が困難 な程,多 様化 してきてい る.そ んな 中で,博 物館は単に知識を取得さ せるだけでな く。鑑賞 させるというと こ ろに重点が置かれ ,そ れに必要な環境や 設備が要求 さ れ るよ うにな り,最 近 の博物館学は美術博物館を 中心に著 しく発展す ることになった 。採光同 題 がやか ましく論 じ られ るのも,展 示方法 の開発が研究 され るの も,作 品 の鑑賞を容易に快適 にす るためで,従 来 の雑然をした多数 の陳列か ら整 理 された 少数 の陳列 へ と変わつてきてい る 。 さらに,展 示室 の環境 づ くりも従来は建築 に従属 したものであったが ,最 近は で きるだけ簡単 にし,作 品 の鑑賞に調千 8す るよ う工夫 され て きてい る.さ らに展示室 に車花を配 した り 音楽 ・ を流 した りす るようになったのもっ快道 に鑑賞 させるためであ り,現 代 の博物館施設は美術博 物館によ つて リー ドされ てい るといっても よいほ どである。数 の上 でも昭和 57年

12月 現在

.

総数約 2000に のぼ る博物館 の うち,約 370館 が 美術博物館 であ り,こ れは歴史博物館に 次 ぐ数字 で あ り,こ れによつて も博物館 の 中に占 め る美術博物館 の役割 の重要 さが理解 で きる。 (参 考文献

昭和 57年 版博物館 自書 )。 また。 ここ 10年 あまり,毎 年

iO館 以上 の美術館

が新設 され てお り,そ の勢 いは衰えを知 らない.ま た,県 立美術館をもたない都道府県は,4

7県 中 15県 にすぎず・ 美術館 ブ ームは市町村に まで波及 してきてい る。

我が国における美術館 の分化,多 様化 ,林 立化 の現象はっ美術館 のイデオロギ ーの未確立 と い う観点 で とらえなおす ことが で きる。西欧 のよ うに,パ ーマ ネン トな美術館 の イデォロギ ー の成立以前に,美 術館が できあがって しまった歪みは,近 年,各 地に美術館が林立 しつつあっ ても,そ の収蔵品や美術 館 ス タッフの貧弱 さ 利用率 の悪 さとなってあ らわれ。社会問題 し 化 ・ つつ あ る.ま た,美 術館建設にあつた って,建 築学的大系 の確立が よ り緊急に必要な こ ととお もわれ る。またその美術館 の性格や。 その地域 とのかかわ りあいや 。大衆 との連関にたった ヴ


増殖す る美術館

イジヨンの設定 も,時 間をかけて考 えてゆ く必要が あ るとおもわれ る.ま だ まだ美術館に関 し ては発展途上国である。

イデ オロギ ーの確立 との順序は別な問題 として,美 術館建築計画 の大系が確立 されていな い こ とは,美 術館設計上 の不備 とな って来館者 に影響 を与えてい る。その例 として

,「 美術館疲

れ 」の 問題があ る。 この「 美4市 館疲れ 」の原因を追究す るた め,

1969年 あた りか ら,東 京

大学っ京都大 学 の川崎清 ,千 葉工業大学 の 関籠夫。東 海大学の吉田研介,豊 橋技術科学大学 の 渡辺昭彦・ 横浜国立 大学 の野村東太 らを中心 として研究が行なわれてきてい るが ,必 ずしも成 果があがってい るとは言 いがたい 。 そ こで,こ の ような 問題に行動 科学的アプ ローチを試み るべ く,「 美術館疲れ の研究 」とい うテ ーマで 1981年 か ら研究を始 め,現 在 までに得 られた 成果 は論文 としてまとめ られた .

1981年

には,「 美術館におけ る観客行動 の研究 」とい うテ ーマで,筆 者 によつて観客 の

行動特性 の研究が卒業 論文 として まとめ られた 。

1983年

には,「 美術館 に 関す る基礎的考察 」とい うテ ーマで,今 井康博,稲 生剛 によっ

て,行 動 と展示空間との 関係 の研究が卒業論文 として まとめ られた . それ らの論文によ つて,「 美術館疲れ 」の主な原 因がその規模にあ り,美 術館には規模 的限 界が あ りそうであ ることが指摘 された 。現在 ,そ の規模的限界 を実証的に示 し,美 術館 の施設 計画についての設計資料 を大系 化 す ることが 急務 であ ると思われ る.


増殖す る美術館

1

- 3

´

本論文は,「 人間 ―空 間系 の研究 」として進 め られ て きた 研究 の一貫 で あ り,人 間 と空 間を システムとして とらえ,そ のア ウ トプッ トとしての行動 を分析す ることか ら,人 間 の

行動を設

手 の評価基準 として,人 間 ―空間システムの設計を行な え るような 方法を開発す ることを 目標 としている。 本研究は対象空間として,東 京大学 の吉武 グル ープが 手がけず,未 だ 体系が確立 されていな い美術館をとりあげ9利 用者側 の立場か らの設計情報を提 供 しよ うとす るものであ る。

研究は次 の 4つ の段階 に分かれ る.

第 一段階 では,近 年指摘 されてい る「 美術館疲れ 」の原因を探 るため,来 館者 の属性 と行動 との関係を 3つ の美術館 において調査を実 施 して,分 析す る。行動 の記録 ,定 量化にあたって は,観 察条件等を考慮 して,で きるだけ少な い行動 の要素 で表現 され るのが 望 ましいので

,鑑

賞.歩 行っ休息の 3つ の基本行為 を設定 し,時 間軸によってその推移を見 てい く.そ のなかで , 行動を規定 す る人 間の側 の要因を明 らかにす る。人 間 の要因としては,年 齢 ,グ ル ープ人数, 性別な どのハ ー ドな 面 と,美 術 に対す る関心 の度合 ,感 想な どのソフ トな 面について,ア ンケ ー ト調査を行な い。行動 内容 との相関を探 る。

(3,4章

)

第二 段階 では,先 に行動 を規定す る人間 の側 の要因が求めたのに続 いて空間の側 の要因を探 る.調 査対象 として,国 内 の美術館 の約 200館 につ いて,そ の施設 の概要を郵送 によるア ン ケ ー トによって調査 し,観 客 の行動 との相関を探 る。施設 の概要 すなわち空間の要素 として ・ は,施 設 の立地環境 ,施 設 の規模 ,展 示 の規模,展 示 内容,順 F8形 態,休 憩 スペ ースの 充実度 な どである。

(5章 )


増殖す る美術館

第二段階 では,以 上の課程 で求 まった。観客行 動 と人間 の属性 ,空 間の属性 との関係 をモデ ルで表わ し,そ れ をバックデ ータとして施設計画 について論 ずる.(6,7章

)

主 な論点は以下 の とお りである。

1.美 術館 の適正規模につ いて 美術館疲れ の主要原 因が規模か らくるも のであ り,そ の規模的限界が ,滞 在時間と規模 との関係 において実証的に表わ され ることを示す 。規模については,作 品 と展示空間双 方 の関係か ら説明す る。

2.美 術館 の展示環境につ いて 美4市 館 の規模以タトの環境要素 が ,滞 在時 間モ デル と実際 との ずれによって表わ され るこ とを説明す る.ま た ,滞 在時 間分布図のか たちが,施 設 の融通性に結び ついてい ること を説明す る。 3。

モデルの利用方法につ いて.

2,3の 実験 を試み る。増築 による失敗例 ,

レノベ ーションの場合,施 設訴画 の場合な

どについてモ デルの有効性を確認す る◆ 4。

美術館 の規模 と順P8計 画 について. モ デルを元 に して,美 術館 の規模 レベルに分けた時 の順路計画について考察す る 。ル

:

コル ビジェの「 成長す る美術館 」の弱点 を明 らかに し,そ れ にかわ る成長 の させ とし 方 て,「 増殖す る美4市 館 」を提案 し,そ の妥 当性を説明す る。 また「 増殖す る美4市 館 」の パ ターンを示 し,そ の可能性 について考察す る。 5。

美術館計画 の将来 について. 以上を総合 して,美 術館計画 について考察す る.現 在 の試み の 中か ら重 要なもの を拾 い 上げ,そ の将来について考察す る。


増殖 す る美術館

第四段 階 では,施 設 の規模決定プ ロセスにういて,従 来 の方法 の弱点を指摘 し,そ れに変わ つて必要な要素 と,そ れ を明か にす る方法について考察す る.そ こに おいて,行 動科学 の重要 性 と,今 後 の方向につい て展望す る。

(7章 )


増殖す る美術館

1

- 4

:長

ILe

Corbus i er

の提案 ■■

(1939)

現 代 は ,こ れ まで 建物 の 成 長 (ま た は増築 ) の 問題 を 持 ちなが ら,未 だ う まい解答 を得 てい な い .

:曇 I旱

8露

ζ 層 曇 響 省 源 墓 桑 肇 禦 纏 轟 晃

ひ とつの柱 ひ とつの梁 ひ とつ の天丼 の要素 ひ とつの昼間採光要素 ひ とつ の夜間照明 要素

[事 :「 :〔

金輻ザ 落 霧:3書 罷 星 暮 言 柴韻痣

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美術館 は こ うして相当繰 り返す ことが で き

い旋の つく る 迷路に な 百 な役墨蓼 憩F角 螺 i]:Eさ

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増殖 す る美術館

ル :コ ル ビジェの「 成長 す る美術館 」は,美 術館 として避け ることのできな い性質 Dつ まり, 鑑賞者 の流 れを導 くた め,美 術品が直線状に陳 列 され るとい うこと (た とえ回廊 でな い大空間 でも,展 示 パ ネル を配置 し,線 上配置に置 きか えてい る場合が多 い )を 把え て,鑑 賞者た ちの 人 の流れ である動線 の渋滞やっ交錯を避け。 しかも回廊 の よ うに,建 築が あ まり平面的に広が らないように留意 した計画案 であ る。 しかも美術品 の増加にも対応 で きる,美 術館 の平面計画 の基本的な型 として,注 目す べ きであろう。 計画案 は展示壁面

1,000mと

してお り,将 来 30000mま

での増業 に耐え られ る案 と

なってい る。 ピロティ を くぐって中央か ら入 りっ螺旋状 の展示室 を巡 つて庭 へ 出てゆ く.美 術館 の一 辺は 約 50mで ある。位置確認 の場 としてのまん じ型 の 4本 の切 りこみが入 つて お り,外 部が のぞ かれ る. しか しなが ら展示 空間が単調 になつてしまう恐れがあ る.


増殖す る美 術館

//

fig。 1-4-1

成長す る美術館

基本 コ ンセプ ト

巻 き員か ら発想 を得た 。・・・

■ ig。

1-4-2

成 長 す る美 術 饉

美術館は ピロティの上 にあ り,出 入□は地上か ら中心 に至 り,そ こに 中央ホ ールが ある.


増殖す る美術館


増殖す る美 1市 館


増殖す る美術館

ig. 1-4-5

成 長 す る美 術 館

基太 コ ンセ プ ト

l,000mの 展示壁面が巡 らされ,位 置確認 のた めにっ まんじ型 の 4本 の切 れ こみが入 ってお り,そ こか ら外 部がのぞかれ る.


増殖す る美術館 第


増殖す る美4市 館

2 -

1

美 術 館

0役

害」

【今,何 故美4市 館なのか ?】

公立美術館 が 開設す るに伴 つて。各地 で美 4市 館 の存 り方について冷静に議論 され

始 めてい る

こ とは,順 序 が 逆 ではあ るが,パ ーマネン トな 美術館 の コンセプ トを 確立 してゆ く意味におい て歓迎すべ きことでぁ るといえ よう。 しか しなが ら,現 在 その議論 の発端 といえば ,美 術館が地元作家 の作品 を

扱わなかった り

,

あまりに高額な 芸 i市 作品を美術館が購入 した場合 においてのみ という陳腐な ものであ り

,実 際

の議論 の内容 も,焦 点がかみ 合わな い場合が多 い . 美術館 の存在意義の 問題 とは,芸 4有 文化 の存在意義 の 問題に他な らない 。 美術館 とは,あ くまで芸4有 文イ しの存在意義 を来館者に体験をもつて考え させ る,探 求 させる

,

発見 させる場 で あ ろう。そして芸 4市 文化 の存在意義は, 持 す ること

人間が人 間であ ることを発見 し,保

にあ ろう.そ の点 において,芸 1市 文化は社会 の産みだ したあ らゆる「

歪み 」に対

し桔抗す るものであ り,公 立美術館は体 制 の もつ,体 制 に反発す る唯―の 活重 力機関であ るとい えよ う. つ まり美術館 はその活動.運 営方針にお いて,存 在価値が決

定 づ け られ,そ のような美術館

が施設 くさい施設 で あるはずが な く,常 に変化す る,躍 動す る,き び しく いかける 問 空間であ るはずであ る。 しか し,飢 餓 で苦 しんでいる人間が何億人も い るのに,ま た多 くの中小企業の 労働者が不況 にあえいでい るのに,自 治体が絵画に何億円もの予算をつぎこんでいてよいのか ―― とい う同 題 に明確な回答 を示す ことができる公立美術 館 がい くつ あ ろうか 。その問いに答え られなけれ ば美術館 の資格 はあるまい.基 本方針をもた ず。 自治体 の メンツの張 りあいによってのみ され 運営 され る公立美術館 の存在は,『 美術館公害 Jと も呼べ る現象 ではないだ ろうか 。

開設


増殖す る美術館

今後 ,美 術館 の存在価値をは っ きりさせる基本 コンセプ トをつ くりあげ るための論点を以下 の 3つ に集約 してお く.そ してそれぞれが,こ れか らの美術館像をつ くりあげ るための私な り の問題提起 で ある. 第一に,美 術館が置かれ ることは,市 民 の美的共有財産 にな り得 ると思 うが ,現 在 の ところ

,

行政 ,企 業主導型 であ つて。そ こに市民参加 の活重 力はかな り希薄 で あ ることが 指摘 で きる.建 築も舞台 も人間の相互作用によ って作 りあげ られ るものであ り,美 術館をどうす るか は人 間の 経験 の 中に何を生み 出 すか とい う問題 につ きる.市 民 を媒体にして美術館を作 つてい くことを 今後 の方向 の一つ として掲げ ることが 重要 であ ろう。しか しなが らそ こには民主主義 の弱点が 現れ るものであ りっ 一 般市民 と専 門家 (学 芸員 )と の対話 の場が求 め られ,時 間をかけ てその ギヤップをうずめてゆ く必要があ る。言 うは易 くして大変難 しい こ とである。 第 二に,高 額な作品購入に対 して反発が巻 き起 きることか ら,芸 術 のあ り方を考え直す必要 があるのではないか .芸 術性 のみ 先行 して社会性 というものが断ち切 られていることか ら先程 の問題が起 こると思われ る.特 に抽象 についてそれが言 え る。芸 4荷 性 のみが 先行 して一般市民 の 目には何が何だか判 らない,理 解 し難 いような 作品が美術 館 の中に氾濫 していると映 るとす れば ,美 術館公害 とい う言葉が そのまま当ては まる.た だ しここにおいても一般市民 の 目が必 ず正 しい とは言 い難 く,市 民 に言 いた い放題言わせ てみ ても仕方 のな い問題 であ る.そ れだけ に,市 民を リー ドす る。 自覚 させる活動が要求 され る。 また,市 民活動が重要 であるといつて も,市 民に参加 しろ参加 しろと言 つて も意味はな く,そ れには先ず,市 民 の感情や意見を引き 出す。良 い サジェス シ ョンを 目ざした活動を行 うべ きであ ろう。 第三に,町 づ くりとしての美術館 の活動が挙げ られ る。美的なも の を町 の こ く―箇所 の美術 館 に集めても,表 通 りと裏通 りに差が 出来 るように,開 じた空間の 中だけの特異な活動 とな る 恐れがあ る.開 かれた 美術館 として,街 の広場や街路 づ くりに乗 り出 し,そ の存在 について市


増殖す る美術館

民に迫 つてゆ く活動 の必要性が あ るのではないか 。現在,横 浜市,仙 台市,宇 部市 の彫刻庭 園, 渋谷区の松滴美術館 において,そ の ような試みが されてい る. 以上 のような観点 において,美 術館創 りのための文法や共通言語を持 つてゆ くことが ,こ れ か らの課題 であ ると思 う.


増殖す る美術館

2-2

の 歴

白勺 変

建築計画は本来 の方針に従 うものであることは自明 であ る.美 術館においても,そ の運営方 針が初 めにあ り,そ れに従が いなが ら新たな 提案 してゆ くと ころに建築家 の役割がある.運 営 方針が主 であ り建築 は従 で あ る. そこで,美 術館 の歴史的変遷 において,美 術館 の運営方針 の変遷につれて,建 築が どう変化 していつたか を中心 に見 てゆ くことにす る.

美術館 の建築 は収蔵庫を中心 にして,の ちに展示空間をもつようにな り,さ らに公共的空間 をつ うじて大衆 とのかかわ りあいをもつに至 つた とみ られ る。収蔵庫 はい うまでもな く,歴 史 遣物 ,美 4市 品 ,資 料な どを完全 に保管 し,後 世 に伝えてい くた めの空間で,展 示 とい う大衆に た い してボジに働 く行為に くらべれば ,大 衆 の眼にふれな い ところに,ネ ガ として,ひ っそ り と光をさえぎ り,忘 れ られたか のようにおかれ るのが 収蔵庫 の役割 であ る。美4市 館 の発展過程 をみれば ,や は りは じめは収蔵庫が,そ の まま量的FF_列 の舞台 として,時 お りひ とび との眼に ふれ るということか らはじまった .ま だ 展示 とい う積極的 は姿勢はみ られないが,棚 に並 べた 豊富は収蔵品は,相 互 にシス テムもな く,ア ピ ールす る要素 も欠 いて,た だ 莫然 と「 置かれ て い る」のであ るが ,し か しす べ ての収蔵品が ,人 為的なテ ーマに しば られずに,も うら的 に見 られ るという便利 さがあるといえば あ る. こうした展示 を考 えにいれな い展示 として歴史的 に著名な のは,わ が 国の「 正倉院 」であ る◆

(fig。 2-2-1).こ

こには,奈 良時代 の東大寺 の大仏開眼式 ,聖 武天皇遺品そ の他 お

びただ しい調度,工 芸,風 俗品な どを,北 ,中 ,南 倉 に別 に並べ てあ る。い うまでもな く,校 倉 という,独 特な三角形 の断面 をもつ木材 によってっ組 まれた壁体 の,季 節 の 自然 の湿度によ る膨脹っ収縮を考えた天然 のエア・ コンデ イ ショニ ングにようてっす べ ての収蔵品が まった く 理想的な状態 で保たれ

(fig。 2-2-2),か

つ勅封 とい う天 皇 の勅許がなければ FFを 開


増殖す る美術館

fig.2-2-1

東大寺正倉院

二 棟 の校倉 の中間を板倉 でつ な いで一つの大屋根 をかけた 形 で,双 倉 の一種 で ある. 足元部分 の高 さは 3mも ある

fig.2-2-2

東大寺正倉院細部

轟 審 髪9暫 遭 お 魯 遺 査だ 急99縮 晶 ζ :Fる


増殖す る美術館

け られない システムが,そ れに力0え て伝世 を確かなものに している。 これ は,保 とい う 存 理想 を満たすた めに は,も つ とも賢明な方 法 ではなかった ろうか と考え られ るが,一 種 の 美術館 と してみ とめてゆ くた めには,公 開とい う大 きな条件に欠けている。 だが こうして,「 物 」を集 めて,整 理 し― 望 してゆ くとい う行為には,草 倉1期 の美術館や博 物 館 の形態 として,ど この国にもみ とめ られ るのである。 寺院は,古 代 日本において,学 問,芸 術 ,宗 教,社 会,医 学,科 学な どの一大文化 セン タ ー で あつた 。 ここに諸国の珍奇な ものが集 まるのは当然 で,正 倉院が,中 国の 店をは じめ,サ ザ ン・ ベル シャや っ遠 くギ リシャ 0□ ―マの文物によ つて満た され るとい う,国 際性を備 えたの は うなずけ る。 各国とも,初 期 の美術館は,寺 院を中心 としていることがみ とめ られ る.キ リス ト教 におい ては,「 万物が神 の産 みた まい しもの 一―― 」とい う前提 の もとに,信 者たちに ,神 の偉大 き を示す全 てのオブジェを,た とえば 巨大な鯨 の骨や,マ ンモ スの牙は どに至 るまで集 めて,宇 宙 のあ らゆ る物体 を造形 した全能 の神 の存在 の証明 として利用 した 。 これがMUSEUMと

して移行す る。

また宮廷や貴族たちが,そ の余剰 エネルギ ーを,私 的 コ レクションに注 ぎこみ,宮 殿 の一隅 な どに珍 らしい重 力物や植物を部屋 一杯に,無 秩序に陳 べた りもした 。収蔵 されていた美術品 の 多 くは,そ れ ぞれ 目的をも つて創造 された ものであ る。 (日 常生活の用具 として,宗 教的なも の として,ま た絵 画や彫刻に しても王 候貴族 の居間を飾 るものとして )そ れは何 らかの 目的を も つて創造 されたものであ り,そ れは元来 ,美 4術 館 という名称 ではな くて,造 られた美術作品 と同じよ うに特定 の用途をもつた 空間 の 中に置かれ ていたのである。 美術館が現代においてア ー トギャラ リー と呼ばれ ることが あるように,古 くは,古 代都市 の 柱列廊や邸宅 の回廊な どに美 術品が陳列 され,そ の後っ一 般市民に開放 され るようにな り。 し


増殖す る美術館

だいに美術館 の形態 を整 えて きた とみ ることがで きる.そ の例 として,メ ディチ家 の 館がある。 メディチ家 はルネッサンス期 にフィ レンツェにあって,美 術 の擁護者 であ り ,ボ ッティチェ リ の後援者 で もあった 。バラッツォ・ ピッ チ

(fig.2-2-4)な

(fig.2-2-3)や

どの歴史が そ うである

ガ レリヤ・ ウフィッッィ

(16世 紀後半 ).

しかも,こ の二 つの美術館は平面計 画 において,典 型的な 2つ の概念 を表わ してい る.一 つ は壁面に絵画を展示 して,中 央 に広い空 間をもつバ ラッツオであ り,他 者は,線 状 に絵画を陳 列す るギャラ リーで あ る。 このよ うに,美 術品 の内容や それ らが 置かれた 当初 の空 間を考察す ると,芸 4市 は 壁面に掲げ られた額縁 の中だけに納 まつてい るものではな く,周 りの環 境 である内部空間やっ 当時 の 日常 生活に深 く係わ つていた と予 想 され る.こ の点においてっ美術作品 の展示空間の創造 について 考えさせ られ るものが あろう◆

私的 コ レクションが 公共 コ レクションとして脱皮 したのは,中 世 の宗教的影響を脱 し,ル ネ ッサンスの科学精神 の ショッ クがあた え られて,事 物 に対す る合理的科学的検討 の必要 に迫 ら れてか らであ る。事物 の認識 の度合 いが ,た んに,こ けお どしやっ もの知 りの段階を飛躍 して , ものの原 因をつ きとめ比較研究 して,そ の原理を他 の分野 に応用 しよ うとす る心 がめば えてか らであ る。 また,美 術 の分野 では,私 有 してい る作 品をサ ロンか ら解放 して,人 の集 まる公共 の広場や 広間へ と移 動 させ,は じめて公共 コ レクションとい う意識が生 まれた 。 これ は市民社会の台頭 のた まものであるが ,大 きな宮殿も,市 民 の ものとな り,そ こに整然 と絵画や彫刻な どが べ 陳 られ。だれ で もその鑑賞 の機会 を得 るよ うにな るのである。 美術館が その純粋性や独立 性 をもちは じめる起因 になった のは,フ ランス革命 の ときに 国タ ト


増殖す る美1有 館

に流出す るフランス美術品を守 るた めに設け られたバ リのフラ ンス ロ立美術館であった いて ナボ レオ ンが遠征地か ら多 くの美4荷 品 を没収 して展覧 した こ とが

。つづ

,さ らに美術館形式 を整

えさせることになった 。 収集 された 美4市 品が多 くな ると,そ れ らを展示す るために,長 い壁面を必要 とす る。つ まり

,

ギヤラ リーを延長 してその要求 に応 じようとす るよ うになって くる。ウフィッッィの回 廊な ど は,そ もそもその様な 目的 で建設 された建物 であろう.フ ラ ンス王朝期に宮殿 であつたル ー ブ ル

(1793年 )(fig。

2‐

2-5)や ,ヴ ァ チカン法王朝 の美術回廊な どもその典型的

な 例 であ り,光 庭 を取 り日んで,長 い回廊が め ぐらわれ てい る。 この よ うに,鑑 賞者 の流れを導び くた め,美 術品が直線状に 列 され るとい うことは 陳 ,(た とえ回廊 でない大空間 で も,展 示 パ ネルを配置 し,線 状配置に置 きかえてい る場 合が多 い )美 術館 のもつ避け ることのできな い一つの性質を示 している.こ の問題点を把えて鑑賞者た ちの 人 の流れであ る動線 の渋滞や交 錯 を避け,し かも回廊 のよ うに,建 築が平 面的 に広が らない コ ンパ ク トな建物 としての解決が ,多 くの建築家 の手 によって考えだ されてきた。

18世 紀に美 4市 館は宮殿 として建 て られっ展示に関してのみ 努力が向け られ, 19世 紀 には

,

1826∼ 1836年 の 間に工事 された ミュ ンヘ ンのアルテ・ ピナコテ ーク (fig.2-2 -6)に よって, ドィッにおけ る。 ギャラ リー以タトの機能を認 め る最初 の試みがな された .

1

階は各種サ ービス部門 と収蔵庫 をもち,階 上 に室 に 区分 された ギャラ リーが,そ の片11に 小 さ な部 屋 (キ ャビネ )が つづ くよ うに設計 された 。展示 され る絵画は,そ れぞれの壁面 の きさ 大 によって分類 された . このギャラ リーの プラ ンの欠点 は再びもとの通P8を 戻 らな くてはな らぬこと あるいは っ ,た つた 1箇 所 しか 見た くな い場合 ,全 部を通過 しな ければな らぬ ことである. カッセルやブラインシュビッ クのギャラ リー

(fig。 2-2-7)に

おいても同様 コ レク


増殖す る美術館

麟 ,

国 ‖ ll::1:Ii::::::ll::::i:::] :」 │:::::ili::」

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│:

fig.2-2-3

RE2-0こ ‐ CHAuSSEE

パ ラ ッ ツォ・ ピッチ

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"Ⅲ

COo● Otl

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皐 二

fig。 2-2-4

ガ レ リヤ 。ウフ ィッツ イ (ウ フ ィッ ッィ の 回廊 )

ige 2-2-5

ル ー ブ美 術 館


増殖す る美4市 館

ションは階上に展示 され,保 管作品 の収蔵庫 は 1階 においた。 ミュ ンヘ ンの グ リプ トラ ー ク美術館

(fig。 2-2-8)は , 1816年

∼ 1830年 の

間 に建設 され,内 庭 を□む方形 のプラ ンをとった 。 ドレスデ ンの美術館 では 1847年 に建 て られたが,階 段を中央に設け 2つ のギャラ リーを もつてい る。 ウイ ー ン美1市 館

(fig.2-2-9)で

1972年

か ら 1891年 の 間 に同様 に中央に

階段をお き,方 形 の 2つ のギ ャラ リーをもつ プラ ンで建設 された . ボス トン美1市 館

(fig。 2-2-10)は

1927ん 28年 の間の建設だが,四 角形 の建

物 の組合わせによ るフ リーは空間構成 で増築が可能 とい うメリッ トをもつてい る. ベルギ ーの建築家 ビ クトール :オ ル タが設計 した

!910年

の Tournaiの

美術館は

,

小室 の システムだが 1視 点か ら全 ての部屋が監視 で きる便利は構造をもってい る。 パ リ国立近代美術館は非常 に悪 い発想 の例 で あ る. ル :コ ル ビジェに よる9「 成長す る美術館 」

(fig。 2-1-6)は ,動 線 の問題 の解決

を狙 つたものであ り,美 4市 品 の増力]に も対応 で きる,美 術館 の平面計画の基本的な型 として, 注 目す べ きである。

しか しなが ら,美 4有 館 の設計方法は,い かに観客を導 くか とい う,動 線機能 のみを発展 の 目 標 としているもので はないことに注意 しな くて はな らないであろ う。美術作品 と相対 し,鑑 賞 す ることは,精 神 の 緊張 であ りっ覚醒 であ り,か つ心 の洗 われ るくつ ろぎの行為 であろう。 この様な行為 の場が ,単 一 断面 の連続 であ る廊 下 である筈がない .少 くとも避ける努力を惜 しんではな らない 。鑑賞者たちはっ長 い廊下 を歩か され るに従 つて,疲 労 と俗怠を覚えるであ ろう。鑑賞者 と美 術 との対応 関係か ら考 えてゆけば,パ ラッツオ型 の方がよ り良 く対応す ると


増殖す る美術館

S串

写 訥 鮮 鴇 幣ギ

fi豊 .2-2-7

fig。 2-2-8

l

カ ッセル の ギャ ラ リ ー

ミュ ンヘ ン

ク リプ トう ― ク美 術 館


増殖 す る美 術 館

思われ る。空間と してゆ とりのあ る居 間やホ ールでの美術鑑賞 の形態が ,鑑 賞 の原型 とみ るべ きであ ろう。日本美術にお いても 同 じように,書 院 や 茶室 の一 部 としての芸術的鑑賞に耐え て きたわ けであろう。 この よ うな見方か らす ると回廊型な美術品陳列 の便法 というべ きである. 元来 ,原 初 の芸術はただた んに見 ることを越えた,日 常 のゆと りであ り,あ るいは鑑賞 と呼ば れ るに相 応 しい メタフィ ジカルな 行為 であつた 。

そ こでは,日 常 のゆ とりが 具象空間によっ

て果た され,鑑 賞が抽象空 間 ――た とえば 日本 の空間 に見 られ るよ うな 一―によて遂げ られて い る。バラッツォ

(fig。 2-2-11)は

美術館 としてのゆ とりのある具象空 間を代表す

る典型 であ り,コ ル ビジェの「 成長す る美4市 館 」に次 いで,第 二の基本型,概 念 で あるといえ よ う。 このよ うな具象 空 間 において,よ リリア リティ ーのあるゆ とりを意識 させ る工夫が行な われて きた .そ の例 として,展 示空 間 との関連が考え られた 中庭

(fig。 2-2-12)や

P:ジ ヨンソンが 多用 す る建築 内部 にとられた 吹抜空 間な どがあ る

.

美術館に環境要素を瑠ウ 込 も うとした試みに,ル イ ジアナ現代美術館

3, 14, 15)が あ る。住宅が 1958年

(fig。 2-2-1

に美術館 として改装 されたのが始 まりで,増 築 を

重ね 。現在に至 つてい る。そこには古木をも つた起伏 に富む 庭園と海を見晴 らす視 野 の拡が り が ,重 要な ポイン トとな つてい る。 自然 との対応 を考 えのびのび と配置 され,そ れによつて美 術館 の空間の雰囲気に,家 庭的な心地良 さ。 やす らぎ,く つ ろぎを具体的 に取 り入れようとし た新 しい試み であ り,色 彩豊かな 明か るい環 境 が造 られた 。

1927年

に建築家 ペ レー,

1932年 の建築家 クラ レンス・ ステル, 1933年 の美術館

員オ ー トクールはそれ ぞれ美術館建築に専念 した 。 この時期 には,美 術館学者 の注意 の焦点 は, 見 る対象 としても研究 の対象 としてもいかに多 くの作品を展示す るかにあつた 。


増殖す る美術館

二r・ I¨

fige 2-2-9

L~‐

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ウ イ ー ン美 術 館

fig。 2-2-lo

ボス トン美 術館

1

了坪 ア

fige 2-2-11

ヴイラ・ アル メリコ

fig.2-2-12

アルブライ ト・ ギヤラ リー


増殖す る美1有 館

fig。 2-2-13

ル イ ジア ナ美術 館配置 図

fig。 2-2-14

ルイジアナ美術館立面 図

fig.2-2-15

ル イ ジア ナ美 術館


増 殖す る美術館

現代美術館建築にあつては,一 定 のプラ ンも原理ももたず,各 々の美術館が一つの倉」 造 であ る◆チュ ー リッ ヒの美 1術 館 では,収 蔵庫,装 甲室 (金 庫室 )お よび講演室 ,体 憩室 ,レ ス トラ ン,図 書室,読 書室,展 覧会準備室がギャラ リー とは別個 に大 きいウェイ トでつ くられた

。1

966年 の イェルサ レムの美術館 では,ベ ル リン美術館 のミュ ーゼォロジ ーの総合プランを踏 襲 して,仕 切 られた小室が数多 くつ くられ ,そ れは地下室 で通 じてお り,全 体 の 3分 の 1を 占 め る展示場 と,3分 の 2の 運営 に 関す る部屋 とに分かれ てい る.こ のよ うに,最 初作品 を 展示 す るギャラ リーのみが美術館 の機能 と認識 された時代か ら,し だいに他 の教育や普及.研 究等 の諸機能を充 足 す る付属機関の充実 へ と発 展 していった .

また,展 示室 の環境 の変遷につ いて眺 め ると,最 初はギャラ リーの環境は,室 内装飾が ネオ ・ クラッシッ クの様式 で充満 していた 。 1817∼

22年 にか けて,ブ ラキオ・ ヌキ ーボが □

―マのバ チカ ンを美術品が組入 られ る重 々 しい室内装飾におって つた 飾 .つ いで 1827∼

3

3年 のフ ーテ ーヌ設酔 の シャルル 10世 美術館はア レゴリッ ク (寓 意的 )な 装飾を行な い,そ の雰囲気は展示 のエ ジプ トや古代 の壼 のコ レクションと合致 していた 。 ネオ・ クラッシックの時代 のつ ぎに現 われたのはネ ォ oギ リシャ様式 であ る.18世 紀末っ 古代 ギ リシャ再発見 の運重 力に刺激 されて,と りわけ ドイッやア ングロ・ サ クソンの国で支持 さ れた 。 1815∼

16年 の ドイッ,ェ ジナの寺院 の彫刻を保存す るため美術館を建設,レ オ・

バ ン・ クレムスによって柱廊 と天丼 にス タッ コ装飾 の あ る室内を展開 した 。 1824∼

28年

にベル リンのアルナ美 i市 館が建 ち,正 面玄 関をギ リシャのイオニヤ様式柱列 で飾 つた .

186

1年 にはベル リン・ ナ ショナル 0ギ ャラ リーはギ リシャ神殿 を模倣 したが ,こ れは式典会場に も使えるよ う計画 されたもので,の ちに近代 の作品も展示す るようにな る。 イギ リスのナショナル・ ギャラ リーも歴然 とネオ ◆グレッ ク様式を採用 し,

1823年 の ブ


増殖す る美術館

リギッシュ・ ミュ ーゼア ム,

1830年 のヨー ク美術館 , 1839年 の オクスフォ ー ドのアッ シュモ リーン美術館, 1808年 の トレー ド美術館はい ずれ も同様式 で, トレー ドは 正面切妻 壁 0柱 に様式がみ られた 。 1928年 の フィラデル フィア 美術館は正面切妻壁・ 柱 に 彫刻 と絵 画 の装飾をつ け,

1841∼ 49年 の レニ ングラ ー ド美術館は Leo VOn Klemse

によ る最後 の作品 で,新 ギ リシャ・ □ ―マ様式によった 。 このように ギ リシャ彫刻が美術 館 におけ る最上 の位置を占 め,

19世 紀前半をつ うじて

,

19世 紀後半には これが絵画 に代 つていっ

た。 従 つて,内 外部 とも建築上に変化が生 じ,ル ネッサ ンス,バ ロッ クB寺 代 の,油 絵 の時代か ら 影響をうけ る。

1939年

開館 の ワシントン美術館 は丸屋根 のあるネオ・ クラ シッ クの建物 で,ィ タリア彫

刻 で飾 られた 巨大な柱 の ある円屋根 をT百 くホ ールの中央噴水上に,ジ ャ ン・ ド oボ ロ ーニュの メルキュ ールの像を置 いてい る。

Leo Von Klemseが

RatisbOnneの

近 くにWaharaの

神々に捧げ

たパルテノン神殿 の レプ リカを建設 した 。 ドレスデ ン美術館は

17世 紀 の様式 の影響を うけてい る。

1848年 ,Dubanに

よるル ーブル美術館は,方 形 のサロ ンとホ ール,7つ の暖炉を備

えた 渦巻装飾 の あるル ネッサンス様式 で,玄 関と階段 の重要性をも つた建築 であるc(こ の 様 式はイ タリアのあと ドイッか ら影 響 された )マ ルセイユのロンシャ ン美 4市 館 では,科 学 と 芸術 の合致 というよ り,装 飾過多 で重厚 にす ぎ,失 敗作 の一つ で,内 部 も機 能的 でな く,闘 牛 の像 のあ る噴水な どがある。 ヴイ ーン美術館は,

1872∼ 80年 に建 て られ,イ タリア大理石 とブロンズに よ る壮大な

階段がある。 ミュンヘ ンのカイザ ー・ フ リー ドリッヒ美術館ば重厚な 建築 で球体をな している 。


増 殖 す る美術 館

美術館学的合理主義 の時代がやが てお とずれ る

a)ま ず鉄 の素材 によ る建築構 造 の改革 最初 の理論は Viollet―

le― Ducに よ り確立 され, 1857年 ,ロ ン ドンの

ヴイク トリア・ アルバ ー ト美術館 に実現す る。外観は石 造 の壁面だが,ガ ラスと鉄 の

量な使用によ り在来 の美術館建築の概念 を破 った 。

b)鉄 筋 コン クリー ト

1912年 ,ロ ン ドンの科学研究博物館 (重 厚な室内装飾 )の 建築をは じめとして,□ ッテル ダムのボイスマン美術館, トリノのフィアッ ト自動車博物館 (曲 線を生か した ), チュ ー リッヒの クンス ト oハ ウス (美 術館 ),リ オデ ジャネイロの美 1前 館 (様 々な 素材 の併用 ),東 京 の 国立西洋美術館 (ル・ コル ビジェによるピロディの上 の の 箱 形式 ), 南仏 ビオ村のフェルナ ン・ レジェ美術館 (巨 大な正面モザイク),ニ ュ ーヨー クの グッ ゲンハ イム美術館

(Breitに

よ り建築 ),ル 0ア ーヴルの美術館 (内 音 『はガラス張,

室内は迷路のように隔壁で仕切られている),マ ーグ財団美術館 (天 幕ρ美術館,主 と して現代彫亥」 を野外展示するのが目的,室 と内庭とをとりまぜる)な どが現れた。

この発展段階 において,レ ンブラン トやフェル メール らが,自 然光を展示 室内に積極 に 的 取 り入れた のは注 目に値 す る。 (し か しなが ら,光 量 の調節を充分に考えな い場合,逆 に 観客 の 目を疲れ させ る原因とな る).多 様な光 の状態が 生 みだ され ,優 れた効果 の もとに,絵 画 は鑑 賞 されていった と考 え られ る。 このよ うに,豊 かな 光 の状態が 美術館において,明 視 を主体 とした光 の状態 となつた の は ・ 近代にな つてか らであ る.明 視 を生 じさせるた めに は,作 品 に対す る照度を高 くす ることや

9


増殖 す る美 術館

展示ケ ースや 額 におさめ られたガ ラス 自体 に人間やっ室内周辺 の影が写 らないよ うに しな くて はな らない 。その解決方法 としては,観 客 の立 つ空 間を比較的暗 くして,展 示ケ ースの内部を 明か る くす ることや 。窓 の明 るい外部 の空な どの像が ガラスに反射す ることな どを避 けるよう に,展 示配列 を考えな くてはな らない。明視 の機能 を満 足 させるために は,こ れ らの条件がか なえ られえば 良 い.そ の為 に工夫 された 様 々な セ クションが設計資料集成に集め られてい る

(fig。 2-2-16)の

だが,こ れ はあ くまで明視を目的 とした 断面 であつて 美術館 と ・

してっゆと りをもつた 第 二の基本型 の断面 ではない ことをしっか り認 識 しておかな くてはな ら ない.断 面は,明 視 と,光 の効果 と,空 間 のゆ と りとのためにつ くられ る。 L.コ ル ビジェの 美術館 の断面

(fige 2-2-17)は

明視 のた めのみの 目的 ではな く,空 間 の効果をも意

図したも のであることは 当然 で あ り,ま た ,F.L。 ライ トのグッゲ ンハイム美術館

2-2-18)に

(f ige

も 同 じような 複合 した 豊かな効果 をみ ることがで きる。

空間を豊かにつ くり上げ ること,そ して,空 間 の連鎖を企画す ること 一―― これ ら空間の手 法はゆとりを生o最 適 の方法 で ある。複合 された 空 間の 中 で,人 々は回遊 し,短 絡 し,立 ち上 まるな ど多 くの 自由な行動を選択す ることが で きるのである。 ヨーロッパに城廓 を改造 して美 1術 館 に した例

(fig。 2-2-19)が

ある。城は多 くの

場合,部 屋が個々に孤 立 し切れ ることがない .中 央 ホ ールを中心に した空間が連続 している。 内構に対 しても部屋 の位置,窓 の位置が ある関連 をもつて決 め られている。優れた空間の扱 い をもつた建物が美術館 として転用 され,最 も美術 館 らしい建築 として再生 され てた事例とい う ことがで きるだ ろう。 現在 では,自 然光 は作 品を痛 め るため人工照明が 一般的 となつて きているが ,ア メリカの最 近 の美術館 では,積 極的 に 自然光を採 る方法が 盛 んになってい る。 ニュ ーヨ ー ク近代美術館

(MOMA)で

はガ ーデ ンホ ール

(fige 2-2-20,21)


増殖す る美術館

fig.2-2-17

国立西洋美術館断面 ル・ コル ビ ジェ

fig.2-2-16

美4莉 館 のための採光断面 (建 築設計資料集成 )

鞠 、

fig。 2-2「 18

グッ ゲ ンハ イ ム美 術館 内部

(F. L. --l1.)


増殖す る美術館

とい う,ガ ラス張 りの外部環境 ともいえる内部空間をつ くり出してい る.マ ンハッ タンの中心 とい うロケ ーションも手伝 つて,狭 く限 られた 立地条件 をうま く消化 して,観 客 の憩 いの場 と な る中庭 (彫 刻庭園 )を 中心に,展 示空間をまとめてい る。図書館 ,集 会場,ホ ールが備え ら れ,美 術館が単な る展示空間だ けでな く,市 民に開放 された文化,教 育 センターとして機能 し てい る. また 。 ニ ュ ーョーク市の メ トロポ リタン美術館 の改修工事は

1967年

以来,Koロ ーチに

よつて進 め られているが ,ア メリカ種 の 中庭は,大 胆 に外光を採 り入れた好例 である

2-2-22,23)。

ボス トン美術館 の改修工事は,

(fi ge

Io M.ベ ィによって 1977-81

年にな されているが ,西 棟 の増築 の際 につ くられたガ レリアも内部化 された外部環境 といって 良 いだ ろう

(fig.2-2-24).

ルイス・ カ ーンの晩年作に,ア メリカ南部 の フォ ー トヮ ースにあ るキンベル美術館

2-2-25,26,27,28)と

(fig.

,ニ ュ ーヘ ーヴ ンの イエ ール・ セン ター oフ ォア・ ブ リ

チッシュ・ ア ー ト (ィ エ ール大学英国美術 館,

1977年 )(fig。 2-2-29,30,

31)が あ る。 い ずれも光をテ ーマ として人間 と空間 の調和を実現 した建物 であ るc

Po S.コ

ンクリー ト

を使 いこな したサイ クロイ ド・ システムによって,ま た英 国美術館 で は,ス テンレス・ スティ ール とガラス とコンクリー トのみ こ とな 組合わせを主体 に,工 されたル ーバ ー 夫 と二 重 のア ク リドームによつて,そ れ ぞれ 自然光を うま く採 り入 れてい る。 日本でもっ大阪市 立東洋陶磁美術館 で,堂 島川や土佐堀川 に挟 まれた 中之島 の狭 い敷地なが ら,光 庭 を配す ることで成功 してい る.特 に「 光 ダク ト」と呼ばれ る 自然採光展示 の方法は

,

注 目に値す る。


増殖す る美1市 館


増殖す る美術館


増殖す る美術館

・O

fig.2-2-27

キ ンベ ル 美 術 館 西R署 図

二―・― にIIII塵 璽

fig.2-2■

I

28

キンベル美 衝館ノラン


増殖す る美術館

■上ュニ2二2二 29

英国美術館断面図

fige 2-2-30

英 国美術館 3Fプ ラ ン

fig。 2-2-31

英 国美術館 中央吹抜


増殖す る美術館

以上 .美 術館建築の変遷 を要約 したが ,美 術品 の保存 と展示 とい う相反す るカテゴ リー 時に充 足 し,し か も今後発展 を予定 している未定 の次元 の展示をも使命 とせねば

を同

な らないか ら,

美術館建築の近代化は予 測 で きうぬ新たな発展 をもた らすのであ ろう。それ の 美術館学 的実践 の例は, ー

1977年

に示 されてい る

2月 1日 パ リに出現 したバ イ ロッ ト施設

(fig.2-2-32,33)。

ボンピ ドー日立芸術文 化 セ ンタ

ここでは美術館デ バ ー トとも呼ぶ べ き

多次元空 間のプ ロ ト的提示が おこなわれ ,世 界 の注 目を集 めた。


増殖す る美術館


増殖す る美術館

2-3

美術館 の 問題はひ とり建築 のみに課せ られ るものでな いことは明 らかであるが,ほ ぼ 県立 レ ベル 以上 の美 1市 館 の整備を終 えつつ あるという今 日の状況は,日 本における美術館建築を改 め て考え る良 い機会 で あ る。 ここでは,美 4荷 館建築 の今 日的 課題 とい うテ ーマに限 り,そ の 問題点を明 確 にす る ◆ 数 の上 では,こ こ 10年 あ まり,毎 年

10館 以上が新設 されてお り,そ の勢 いは衰えを知 ら

な い .県 立美術館をもたない都道府県は 47県 中 15県 に過ぎず,さ らに美術館ブ ームは都道 府県 レベ ルか ら市町村 レベル ヘ と移 行 しつつあ り,住 民 にだんだ ん近 いものにな るにつれて そ の美 i有 館 のあ り方も違 つたものが要求 され る。 大 きな 傾向 として,公 立 で は住民サ ービス,私 立 では,記 念館 とい う特色が見 られ る◆

下,県 立以上 の レベル ,市 町村 の レベル ,私 立 の レベル に分け,美 術館 の建築に課せ られ る機 能について考 えてみ る.

【注 目され る県立美術 館 の動 向 】

この ところの都道府 県単位 の美術館建設活動は,一 頃 の 県庁ブ ームt文 化会館ブ ームに 続く ものだ といわれ る程 の活況を呈 してい る。 この傾向は,最 近 の経済不況にもかかわ らずなお 続 いてお り。 これか ら美術館建設計画を実現 しようとしてい る県もあ るほどで ,タ ト見上 は,一 応 , 地方 自治体 の豊か さの象徴っ ゆ とりの象徴 となっているe この ような活況 に対 して,知 事 の点数稼ぎだ とか ,建 物だけを作 ってい るとかいう 皮肉の声 も同かれ るが ,地 方に新 しい美術館が でき るとい うこと 自体は,喜 13‐ しい ことというべ きであ ろう.し か しなが ら,美 術館 の 中身に 目を向け てみ ると,国 立 2館 の様に,跡 地利用 をやって


増殖す る美術館

い るだけであった り,あ るいは企画力 の乏 しきが 目につ く.例 えば ,開 館 のた め話題を集 め る た めの 目玉資料 の購入 に金を使 い。他 の展示品はかな り怪 しいものだった りす るところな どは 一 点豪華主義 と批判 されても しかたがない行政 であ ろう。 数年来 のっ地方美術館建設 ブ ームとはっ もともと経済,財 政面 のた るみか ら生 じてい るもの であ り,そ れ 以上 の ものではな い と言わな くて はな らない 。卑近な例をあげれば ,町 で道路舗 装 も上下水道も一応整 つたか ら,今 度は予算 の使途 として,体 育館や公民館を建 てよ うといっ た話にな るのと同 じことで,実 は発想 自体が全 く非文化的なも のである.も つ と一般化 してい えば ,そ れは高度成長経済 の落 し子であ り,さ らに高度成長経済 の収東 と福祉社会幻想 の は ざ まか らこばれ落ちた ,い わば あだ花 の一つのような 性格 を帯び てい るものではないだ ろうか 。 い ずれにしても,新 しい美術館 を造 り育 てていこ うとす る確固た る理念 の もとに生 まれて きて い る現象 とは言 いがたい。 「 地方 の時代 」と言われ る中,続 々と新設 され る地方美術館 の運営に目を向け てみても,根 本的には非常に しば しば,中 央 の。つ まり主 として国立 の既成 の美術館を手本 にしているに過 ぎないものであ り,地 元作家 の 団体な どの反感を買 いっ県議会をも巻 きこんだ 問題が生 じ,事 態 はかな り紛糾 している。地方美術館 の運営方針 の 問題っ つ まり海タトや 中央 との交流に力 をそ そ ぐか,あ るいは地域 に根 ざした立場 をとるか ということについては今後充分時間をか けて検 討 してゆかな くてはな るまいが ,日 本 の国立 の既成 の美術館 はほとんど反面教師 として しか 参 考 にな らない以上っ これか らの地方美術館は広 く海外に,安 易な猿 まねの態度 を排 しつつ ,学 ばなければな らないように思わ れ る。地方行政 ,財 政 の システムは中央 のそれ と同じであるか ら,地 方美術館も中央のそれ と同様に。多 くの 問題 を抱え てい る。

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増殖す る美術 館

建築 にかかわ る問題 として,一 番 の 問題は貸ギャラ リーを設 けるか どうか とい うこと である。冨山県立美1市 館 は常設展 と企画展 で,い わ ゆ る県民 ギヤラ リー的なものにしな かったた め,陳 腐な 形 で美術館 への批判 が表面化 した 。現代美術 の紹介に意欲的 に取 り 組ん でい る美 1有 館 の前庭 に突然っ ち ぐは ぐな像が地 元作家 らの手によ つて建 て られた . また ,栃 木県立美術館 で は,国 際展 の 開催や現代美術展 の企画な どを活発 に行 な い,地 方公立美術館 の指導的役割を果 してい るが,海 外 や 中央 との交流 に力 を注 ぐ運営 に対 し て,一 部 の地元作家た ちの反発が強 まり。怪文書が出 まわった り,県 議会 で問題 にされ た り,つ いには大島館長 の退任要求 まで飛 び 出すな ど,事 態はかな り紛糾 してい る。つ まり県内在住 の作家にす れば,県 立美術館を自分達 の作品 の発表 の場 にしたい と期待す るが ,美 術館側 とすれば っも う少

t′

広 い立場 で運営 したいと考え,そ こで矛盾が生 まれ,

悶着が起 こつてい る.県 民ギャラ リーは,日 展 とか 県展な どの 団体展 をや る場所 で,や は りどうしても必要な ものである.そ こで初 めか らそれを予想 して,二 重県立美術館な どは,あ らか じめ美術館 の中に県民ギャラ リーをつ くり貸 しギャラ リーの形 で使 つてい る.公 立美術館 の場合 ,企 画 の段階か らそのことを充分 に考え ておか な くてはな らない. 貸 しギャラ リーを使 い,コ ンペ 形式 の展示会を催 し,作 品購入をしてゆけば,地 域ゆか りの作品を収集 で きるし,ま た。若手 の作家を育 て る良 い機会 にな るのではないか 。た だ し,大 衆浴場な どと批判 を受けな い よ う。 展示 の 内容 や規模 には注意 したい。

2◆

カルチヤ ーセ ンターの機能 について 宮城県立美 4有 館な どのように,ア トリエや美術教室を設け,カ ル チヤ ーセン ターとし ての美術館 の提案が あ るが,そ れは県全体 の広 さというか 県 のスケ ールにそ ぐわないの ではな いだ ろうか 。それを実際に利用 できるの は事実上 こ く少数 の人 に限 られ ,結 局特


増殖す る美 術館

定 の人だけのもの となつてしまい,県 民全体 の利益に偏 りが生 じる可能性が高 い.カ ル チヤ ーセンター としての機能は市町村 レベル の美術館に まかせ るべ きであ ると思 う。

3。

収蔵品 の増加に伴 う増築 について. 県立美4市 館 の 中 で も先発組 の美術館は,そ ろそろ見直 しの段階に きてい る。つ まり, 寄贈を うけた収蔵品が増え,石 川県立美術館 9栃 木県立美術館な どのように増改築 の企 画が出 て きてお り,第 二段階に入 りつつ ある.公 立 の美術館は,図 書館 と同 じ様 に収蔵 品 の増加を見越 して計画 しな くてはな らない こ とが次第にはつ き りしてきている。とこ ろが ,増 築 の方法 についてその体系は確立 され てお らずっ栃木 県立美1荷 館は,増 築によ る動線 の延長 によってオ リジナルの良 きが損われ てし まつてい る。

4.情 報 セ ンターと しての機能 について。 県内 の小規模美術館を続括す るよ うな情報 セ ンターとしての新 しい機能 を持 つ ことに そろそ ろ対応 してゆ く必要がある。センタ ーに行けば,ど の絵 が 今 どこにあるかがわか る位 の情報ネッ トワークが 作 られてよい段階 であ る。それによ り特定 の絵 を見 に行 くと い う 目的意識が沸 き,そ れだけ感銘 を受け るはずである。 また 学芸員と一 般研究者共有 の美術 関係 の図書館については,諸 タト国に比 べ てはるかにたち遅 れてお りっ充実が望 ま れ る。l奇 玉県立近代美術館 の情報関係 の設備 は新 しい試み であ り比較的充実 している。

5。

企画 につ いて . 県立美術館 の ほ とんど全部が 近代美4市 館 を 目指 してお り,近 代 の名作は数が限 られ い るために結局奪 い合 いにな り,作 品 の価格 の高騰 をもた らしたが ,こ のよ うな 悪幣を看


増殖す る美術館

過す ることは許 されない.県 立美術館 の ス ター トの段階 で は確かに近代がや りやすかっ た ◆今後 ,ユ ニ ー クな企画 の設定や ,美 術館相互のネッ トワークを広げ てゆ くことで解 決 してゆかな くてはな らな い 問題 であ ろう。また ,企 画展 のため常設作品が撤去 され る のは考えもので,そ の館 の特色 とな るよ うな展示は常にかわ らずであっても らいたい 。 山□県立美術館 の ように,大 きな美術館 のなかに小 さな美 術館 (常 設 )を はめこんだ も のにす べ きであ る.

【義術館のあり方を変える市町村立美術館】

美術館ブ ームは現在市町村 レベルに波及 してお り,さ まざまな試みがみ られ る.国 立 レベル のものと勝 るとも劣 らない福岡市美 4有 館 の 出現 は異色 で あ るが ,国 立県立 レベルのものをその まま手本 にす ることな く,住 民にだんだん と近 づ く市町村にな るにつれ て美 1市 館 のあ り方も違 つた ものにな らな くてはな るまい .

1。

市民ギャラ リーについて 。 市町村 レベ ルの場合,地 元 出身の作家 の作品を寄贈 され て出発す るケ ースが多 いが

,

企画展 を行なった り,新 た にコレクションを増や した りす るには財政的に困難である. 美1市 館 の活気を保 つた め,こ の市民ギヤラ リーを中心に運営 してゆ くことが望 ましいで あろう。日展や 県展 とい う大 きなスケ ール以外 の小 さな 美術団体 の発表 の場 としての需 要はた いへ ん大 きい筈 であ る.佐 瀬保市立博物館島津美術 セ ンタ ーの市民ギャラ リーの 活動も相当人気が あるよ うである。


増殖す る美術館

2。

ア トリエ (教 育普及活重 力)に ついて。 ア トリエ を置 くこ とは民間 の カルチャ ーセ ンター と競合はす るが,市 町村 の ような

い 地域内であれば利 用率は高 いわけであ り,住 民 サ ービス として有効 であろう

.た だ間

題 は利用者 の固定 で,好 きな 人だ けががんばってし まい一 定 の人だけ で占め られ て しま う恐れがあ る.ま た学芸員が 世話係にな るわけであ り,研 究志向の人には合わない .む しろ小学 校か ら出向 してい る先生 のほうが 活躍 してお りっ運営には苦労が多 いであろう が 大 い に期待 した い活重 力であ る.

以上 の ような 住民に近 い美術館 は,交 通 の便が 良 いこ とが必要条件 とな る.美 4市 館 というこ とに しゃち ほ こ張 らずに,市 民美 iliiセ ンターといったものにしてゆ くのが いので 良 はないだ ろ うか .

【特色 を売 る私立 美術館 の存亡 】

公立 の美 1市 館 ブ ームが 終 わつた あと,第 二の美術館ブ ームの主役 は この 1,000平 トル クラスの私立 美術館 であ る。展示物 としても空間 としてもはっ きりとした

方 メー

個性をもつ建物

が生 まれ て きつっ ぁる。東京品川 の原美 4市 館 の現代美術 ,八 ケ 岳美術館は清水多嘉示 と八ケ岳

西麓一体の縄文遺読出土品のみの展示である。すでに,禄 山美術館,小 山敬三美術館9池 田美 術館などの例があったがっ何よりもその幅が広く,さ らに充実した内容のものが現れてきたの が近年の特徴といぇるだろう。小規模の私立美4市 館が成功しているのは,美 術館の 主題が最初 からはっきりしてぃるため,建 築家と美術館側の意見が一致しやすいところにあると考えられ


増殖 す る美 術 館

`′

る。美術館は

本来経営的には成 り立たな い ものであるが ,母 体 の財団が しつか りしていれば,

公立 の様にタト部 か ら影響を受け ることな く運営 できる。しか しなが らそこにあ ぐらをか き,収 集 に努力 を傾 けないでい ると,特 色 の ある美 1市 館 といつても偏 つた美4市 館 で しかなか った り

,

また 美術館 として の活気がな くな ることか ら来 館者が減 つてゆ くことにな る。

1。

企画につ いて. 恒久的な展示をす ることは美術館 の使命 の一つ であ るが,立 地が 悪 い場合,常 に作品 を購入 し,特 別展な どをや つていかない と,美 術館そ のものの活気がな くな りっ来館者 も減 って ゆ く。それは,例 えは悪 いが,動 物園が話題 を作 りに くいた め,開 館 当時は良 くても しだいに来園者数 を減 らし,つ いには開 園 に追 いこまれた りす るこことか,遊 園 地が乗 り物を改装 してゆかない と来 館者数を保 てな い といった ことと同 じ現象 であ ろう。 私立 とい えど,常 設 と企画 の双方 に力 を入れな くてはな らな い.

2.立 地 について

.

人 々が 美術館 を訪 れ る楽みは,展 示品 はもちろんのこと,こ うした敷地 に建 つ美4荷 館 を見 出 し,あ わ せ て風景や風土 を味わ うという経験 や 体験 の中にあ る。そ こでは,美 術 館付近 の街並み と共に,食 べ物や 名物 も含 まれ ると考えて良 い.特 に地方 の,観 光地に 建 つ美術館 の場合は,こ うした 観点か ら,立 地 おもつ場所性や記念性 を何 らかの形 で表 現す ることこそ第 一 の課題 とす るべ きであろう◆長野県に美4有 館 が 多 いのは,地 の利が あるた めこ とも一つの理 由 であ ろう.気 張 らずに 自然 に溶 けこんでゆ くべ きであ る.大 原美術館は,入 館料だけ で美1有 館 の運営 と作品購入 まで賄 つてい る我が国唯 一 の美術館 であ る。観光地 の場合 ,展 示替えの必要性も余 りな く,規 模も観光 の一貫 として,小 さ


増殖す る美術館

い も の でよ い 。

3.新 しいコミュニケ ーションの場 として

.

展示以外にサ ロ ンや ヴィラ,小 さな コンサ ー トっパ フォ ーマ ンスの場 としての空間が あれば良 い と思 う。それ は我 々の周囲 にそ うした空間があまりにな さすぎ るか らであ る. おそ らく小規模 の私立美 4市 館はそ うした機能 をかねそなえて使われ るようにな るであろ う.

【総合的課題】

建物が先行 して中 身がないとい うのは美術館建築 についてつねに発 せ られ る決 まり文句 で あ るが,そ のことを充分 承知 した上 で,さ らに建物が先行す ることもあ るといってはいけないだ ろうか .建 築家が独走 して云々 といった ことを建築 家 一般 について言 うのは間違 つてい るので

,

そのような 言 い方 を され るときは まず建物が 建築 としてすでにまずいのである。別に派手な 形 をつけた り複雑な レベル変化をつ け ること自体が建築家 の 目標 でないのは明 らか で,む しろそ ういつた 非難を受け るときは往 々に して建物 の空 間そのもの に問題が ある場合 が 多 い.建 物 の 責任は,建 築家の側 と企画をた てた美 術館側 の双方 にあ りっ良 い美術館は双方の意見 の一致 に よつて生みだ され る. 以下,美 4市 館建築 に 関 しての総合的な課題を挙げ てお く.

1.デ ザインについて


増殖す る美術 館

常 に思 うことは,日 本 の美術館 ,博 物館 のデザインが どことな く重た く感 じることで あ るe美 術館,博 物館 を訪れ るときはっ で きるだけ心軽 やかに精神が 自由に飛び まわ る ひ ろが りとのびやか さを備 えていた いもので あ る.し か し,現 状 は,建 物 に入 るとっ 精 神が ど こかにぶ く,重 い何かをひ きずってい るような 気が して疲労感を覚えるものが 少 な くな い.こ れ は,テ クスチャ ー と,ア ーティキュ レーション.光 な どに起因してい る と思われ る。 くテ クスチャ ー 〉 いっ ときの打放 しコンクリー トは影をひそ め,い まはタイルが 全盛 であるが,前 川 の 濃 い力強 い タイルな どは,や や 表現 として強過 ぎは しないだ ろうか 。山梨,熊 本,福 岡 県立美術館 の外観はともか くっ内部 はもつと軽 めの もの,乾 いた ものでよいのではない か 。内部 のテ クスチャ ーは自が一 番 という専門家 の意見があるe くア ーティキュ レーション〉 空 間を重 く感 じさせ観客 を疲れ させるひ とつの要因 に均質な空 間がやた らと大 き くつ くられ ることである。特 に大規模美術館に著 しい。 これは美術館 の避ける ことので きな い性質 ではあ るが,ル ーブルや ウフィッッィにして も,古 典建築 はそれな りに,繰 型や, 柱型 を用 いて9人 間の尺度 にスケ ールを落 していて,け っ して均質な空間にはなってい な い .大 空間が 必要 で もっ 個々の絵 ,彫 刻展示物には またそれな りの尺度が必要 である。 建築家は常に人間的な 尺度を獲得す るための防衛策 を請 じな くて はな らない。このあた り尺度 についての体系的研究が望 まれ るところであ る。 オフイスビルのな か につ くられた 美術館が意外に好 ましい空 間にな つてい るの は,設 計 も さることなが ら,尺 度がお さえ られてい ることが 逆 にプラスに働 いてい るのではな いだ ろうか 。


増殖す る美 術 館

ノ/

また 均質な空 間 の連続 を廃 し,展 示室構成に連続性をもたせなが ら,空 間に強 い節 目 をつ けてゆ くな ど,人 間的な尺度 の節 目をつけつつ ,さ らに 自由に重 力きまわれ るよう計 画 をはか る必要がある.

2.作 品 に対す る建築 の立場 美術館はいかに美術品 を楽 し く見せるかが主題 であるか ら,建 物は出しゃば らずにっ 静か につつ しむ とい う感 じがよいのであ るが,展 示作品に影響 を与えな いことを考える あ まり,中 性的 で無性格な空間になってしまつて はつ まらな い .作 品 の良 さを増幅 させ る展示効果を建築は備えた い 。カル ロ 。スカルバ 設訴 のヴェロ ーナのカステル・ ベ ッキ オ の 中 の古 い建物を改造 してつ くった美術館 では,作 品ひ とつひ とつ細かな配慮 でその 展示方法を変えてある◆細か く神経 の行 き届 いた 計画が望 まれ る.

3。

空 間 の雰囲気について 住宅 を改装 した美術館 の成功 によつて,美 術館 の雰囲気について改 めて考 え直す必要 が ある.か つ てのモニュ メンタルな美術館か ら,身 近かなっ居住空間に近 い美術館に考 え方が移行 しているように思われ る。確か に日常狭 い ところに住んでい るか ら美術館 に 行 つてゆった りしたいとい う気持 ちもあ り,身 近 かで肩 の凝 らな い空間づ くりは大切で あ るが,美 術館 は床の 間ほ どではないが,ハ レの 間でな い とまたいけないのではな いか 。 地下 の展示場が い ままで成功 した 例がないのは,レ ベルが 下が ることで,気 分が沈む の で はないだ ろうか 。東京都美術 館 の彫刻展示室 も,大 衆浴場 といわれ,い やが られてい る。都市公園法 (公 園内は建 ぺ い率 5%と い う規制 )に も 問題がある。


増殖す る美術館

4.展 示室以タトの空 間につ いて ◆ 展示 ばか りにスペ ースを割 いて,他 の スペ ースは不充分 である。おしな べ て収蔵庫 は 小 さい .ま た収蔵スペ ースは 日に触れな い ところであ るため,そ の造 りはおそまつ であ る。内田祥也 十アルセッ ド建築事務所設計 の有田町立歴史民俗資料館,佐 賀県立九洲1陶 磁文化館は収蔵庫 の造 りが 念入 りで,充 実 してい る。 このあた り文化庁が指針をつ くり 積極的 に指導すべ きで あ ろう。また情報,研 究関係 のスペ ースも充分確保 され るべ きで ある。二次資料 を一般 と学 芸員が共同で使 える図書館が欲 しい .ま た コンサ ー トっ パ フ ォ ーマンスな どの新 しい使用 のされ 方 に耐 える空間を持 ち,遊 びの場所 としたい 。


増殖す る美 術館

2-4

美 術 館 類む れ

先 の美術館建築 の課題 の 中 で,空 間の とりかた ,ア ーティキュ レーションの問題が未解決 で あ り,建 築家 の試行錯誤 に頼 つてい る現状 であ ることがわかった .そ の体系 の未確立が,「 美 術館疲れ 」とな つて顕在化 している.こ の 問題を解決す るためには,行 動科学的な研究が有効 であ ろう◆ 美1有 館を訪れた観客が ,ま だ余力 をもつて見終え ると,何 か 身体 に余韻を残 してい るのうで

,

疲労感もな く9再 び 訪 ねた い と思 う心持ちにな るものであ り。「 美術館疲れ 」を解 消す ること は,美 1甫 館 の 印象を良 くす ることにとつなが り,非 常 に重要な課題 で あ る。ホ ームサイズの美 4市

館 の評判 の良 さも, まさに「 美術館疲れ 」のしない ところに原因があ ろう。 「 美4南 館疲れ 」の原 因は,規 模,ア ーテ ィキュ レー ション 採光,壁 面 のテ クスチャ ー,連 ・

続す る均質な 空間,混 雑 ,展 示 の仕方な ど,さ まざまなものがあろ うが ,本 論文 で は,建 築的 な課題 であ るア ーティキュ レーシ ョンの問題 について,行 動科学 の立場 か ら原 因 を究明 し,そ の解決をはか ってい く。


増殖す る美術館

2-5

0研

美術館疲れに関す る研 究は,

1969年 あた りか ら始 め られ,現 在,京 都大学 の川崎清 グル

ープ,千 葉工業大学 の 関籠夫 グル ープ ,東 海大学 の吉 田研介 グル ープ,豊 橋技4莉 科学大学の渡 辺B召 彦 グル ープっ横浜 国立大学 の野村東太 グル ープ,名 古屋大学 の柳沢忠 グル ープの 6つ の グ ル ープがあ る.

●京都大学 の川崎清 グル ープは,栃 木県立 美術館 の設計 のための基礎 としての 研究 を行な い 日 本建築学会大会論文 .美 術館におけ る観客重 力態に関す る研究 ―その 1(1969),美 おけ る観客動態に関す る研究 ―その 2(1969)の

2編 にまとめ られ てい る。対象美術館 4

つ について,観 客数 の時 間推移,温 湿度,照 度,追 跡 によ る観客行動 の心理的傾向について調 べ てい る

1。

術館に

.ア ンケ ー トによる観客

(table 2-5-1)。

観客数については,施 設内容 (特 に作品 ),開 催時期 ,曜 日,気 候,時 亥1に よって変化 し

,

年変化は,

10, 11月

は,週 平均

1.2倍 ∼ 1.5倍 増加す る傾向があ る。 12月 は この傾

向が くずれ る。曜 日変化は 日曜 日は平 日の約 3.5倍 の 日変化は,

,土 曜 日は約 1.5倍 とな る.入 場者数

12時 頃 まで増加, 12時 ∼ l時 に一時減少 ,そ の後再び増加 し,2時 頃に ピー

クとな り,3時 半頃か ら急 激 に減少す る。な お ピー ク時 には 30分 当 りの入場者数が 総入場者 数 の 10%に な る.(fig.2-5-1,2,3,4, 2。

5)

滞在時間については,施 設規模 (特 に作品点数 )と 関係が深 く。 また 個人差が で 大 ,そ の

値 には幅があ り,各 調査対象 とも,30分 ∼ 80分 の 間 に 60%∼

70%集 中 してい る。作品

点数 との関係は一 次的 で はな く,点 数が増加すれば―点 当 りの鑑賞時間が 減少する

2-5-6).し 0.10分

か し,一 般に一点当 りの平均鑑賞時 間は約 0。

(fig.

25分 ,点 数 の多少 によ り

増減す る.ま た ,会 場内 での変化は,入 日付 近 で長 く,出 □付近 では入□付近 の約


増殖す る美術館

半分 とな り,後 半 にい く程短 くな る傾向があ る。 また滞在時間平均 は,日 曜 ,祭 日は他 の 日よ り短 くな る傾向があ り,午 前中に入場 した人 はその日の平均値よ り長 く年後入場 した人 は短か くな てい る。 これ らの原因 として混雑が考え られ るが ,そ の間には相関はな くっ鑑賞者 の心理 作用によるも の と考え られ る。 3。

休憩につしヽて は,ス ペ ースに余裕があれば 鑑賞者 の約半数が休憩 してい る.滞 在時間との

関係は,90分 以上 にな ると休憩す る人が約 60%, つて休憩す る人 は約 7.4分

120分

以上 で約 80%に な る.な お生

,立 つて休憩す る人 は約 4分 であつた

.

4.鑑 賞スピ ー ドは展示壁面 の長 さによつて増減す る

.

5.一 般 に美術館 では混雑 を感 じやす く,0。 15人 /mOm以 半数以上にな り,0.45人

/mOmで

上 にな ると混雑 を感 じる人が

空 いてい ると感 じる人はほ とんどいな くな り,0.9

0人 /memに な ると非常な混雑感 を抱 くよ うにな る.こ のことは鑑賞が作品 の近 くで行なわ れ,鑑 賞者 の流れ も遅 いこ とか ら,混 雑感を抱かせやす くな るため と思われ る。

(fig.2

-5-7,8) 6.見 易さについては,施 設規模 の うち,作 品 中心間隔 ,作 品― 点 当 りの面積が見易 さと関係 が深 く,こ れ らに余裕 のあ ることが 望 ましい 。滞留者密度 との関係は 0。

3人 /mOm以 下 で

は見易 く,0。 9人 /m・ m以 上 では見 に くく感 じる人が多 くな るが,全 体 にバラツキがはげ しく強い相関が あ るとはいえない .

7.疲 労感につ いては,約 70%の 人が感 じてお り,作 品点数が疲労感 と強 く結びついてい る 滞留時 間が 30分 以上 にな ると 50%の 人が ,80分 以上 では 80%の 人が , な ると 90%の 人が,

120分 以上 に

160分 以上 にな ると全 ての人が疲労感を抱いてい ることがわかった 。

(fige 2-5-99 10, 11, 12)

.


増殖す る美術館

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入館者数 の曜 日変動

fig.2-5-3,4,5

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人数の時刻変動


増殖す る美術館

非常に混んでいた。 少 し混んでいた。 C.ど ち らでもない。 d。 少 し空いていた 。 e◆ 非常に空いていた . a。

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a.た いへ ん疲れた◆ b.少 し疲れた。 C。

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疲れなかった。

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疲労感 と混雑度

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fig。 2-5-11, 12

疲労盛 と滞在時間

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増殖す る美術 館

疲労感 は ,滞 在時 間。 作 品 点 数っ 休憩 と 関係 が 強 く,特 に 作品点数 が 疲 労 感 を決 定 す る大 き な 因子 で あ るこ とが わか っ た .

●千葉工業大学 の 関lE夫 グル ープは,5つ の美術館において,滞 在時間,入 場者数 の時刻変動 について調べ てお り (tabe1 用者 の時間調査 について

2-5-2),日

(1969年

本建築学会大会論文っ 美術館,博 物館利

)と して まとめ られた 。

1.総 入場者数 の うち女子は 35%前 後 である◆

2.滞 在時間については,そ の分布の形はE r la ngttK=4の 比率によく適合す る

.

3.平 均滞在時間は日によつて最大 10分 程度 の差がみ られ るがっ 日曜日が特に短か くなる傾 向は見 られない。また入場者数と平均滞在時 間との相関も見 られない.

●東海大学 の吉田研介 グル ープは,観 客 の肉体的疲労 と施 設 との関係 を調 べ てお り ,日 本建築 学会大会論文,あ る地方美 1市 館 における観客 の休憩施設利用状況 と疲労感に関す る研究その 1

(1977年

)。

の 1(1979年

その 2(1978年

),美 術館におけ る観客 の休憩施設 利用に関す る研究そ

),そ の 2(1981年 )の 4編 にまとめ られてい る.主 に休憩施設 の利用

の されかたについての実測調査 と疲労感についてのア ンケ ー ト調査を行なつている 。

1。

疲労感については,年 代 ,滞 在時間との相関はみ られない。

2.展 示面積 ,展 示作品数が増すにつれて疲労感を訴 える人数が増す。


増殖す る美術館

3。

食堂 は,昼 食時 92時 過ぎ,開 館時 に比較的利用者が多 い。中央ホ ールは昼過ぎ,3時 頃

に利用傾向がみ られ る.

4.休 憩 のため椅子 を利用す る人数は,入 館者数 におおよそ比例す る。 5.入 館者 の うち約 3分 の 1が 休憩 のために椅子 を利用 してお り,椅 子 の利用時 間は約 80% ∼ 90%の 人が

10分 以内にお きまる (fig。 2-5-13, 14).ま

た 混雑がな い と比

較的長時間利用す る傾 向がある◆しか し休憩室 としてつ くられたスペ ースの椅子があまり利用 されなかつた り,通 路 の ような ところに置かれた椅子が高 い利用率 を示 してい る場合があ る

.

観客 の疲労感を定量的 に波1る ことはむ ずか し くっア ンケ ー トの様な主観を調査す る程度 しかで きないであ ろう.椅 子 の利用によ る滞在時間の変動 の調査が望 まれ るところであ る。

●豊橋技術科学大学 の渡辺昭彦 グル ープでは,展 示室 の在室人数を中心に,雰 囲気 ,印 象,疲 労等 との関連 を調 べ てお り,日 本建築学 会大会論文 ,美 術館 の展示空間 の評価に関す る研究

(1980年 ),人 の密度 と空 間意識に関す る研究 (1982年 )の 2編 にまとめ られた 。 297mOmの 者密度が 0。

展示室 で 11人 程度 の状態が適 正 で あるとい う結果が でてい る.こ れは滞留

04人 /mOmの

時 ,一 人 当 り27mOmと

い うことであ る。 この よ うに適正密

度 の存在があ ることがわ かった ことは意義があ ろう。 この原因 として,鑑 賞 ペ ースと疲労 では, 人 の流れがないた めに,集 中して見過ぎ ること,落 ち着 きでは,閑 散 とした室内が,美 術館な りの雰囲気を欠いてい ると感 じさせるこ と等が 考 え られ る。 また人間 の意識分析において ,密 度 とかかわ りの強 い ものにはっ喧騒感,圧 迫感 ,混 雑感,見 易 さの 4項 目があ ることが報告 さ れた .


増殖す る美 4有 館

●横浜国立大学 の野村東太 グル ープでは,博 物館 の状況について全国的な調査を行ないっ基礎 資料 をつ くってお り,日 本建築学会大会 論文 ,博 物館 の運営状況について

(1)(1982年

資料か らみた 博物館 の新たな類型化 の試 み ,博 物館 の利用状況について,博 物館 の資料 と展示 事業 について3博 物館における教育事業 と相互連携について,(以 上

1983年

)の 5編 にま

とめ られ てい る.博 物館活動 そのもののあ り方について考え るべ き現在 ,基 礎資料 として有効 であ ろう。ただ し美術館疲れそのものの研究 ではない .

1.一 日平 均利用者数 は,約 半数が 50人 以下 であ る.平 均 は 217人

である.対 象地域が博

物館周辺に限 られ る館は規模にかかわ らず利用者数が少な い 。

2.実 物資料 の増加 している館 は約 6割 にのぼ り,あ る程度 までは年 々かな りのペ ースで増加 す る傾向にあ る。資料 増加に収蔵 ,展 示 スペ ースが対応 しきれず,機 能的 に不都合 をきた して い る館が 非常 に多 い現状か らみ るとっ将来 を見通 した 建築計画が当初か ら必要 であろう。

●名古屋大学 の柳沢忠 グル ープ では,「 使 われ方予測に関す る研究 」 と して,病 院建築 の動線 研究 で得 られた ノウハ ウを生 か し,追 跡調査 を行ない,日 本建築学会 大会論文,展 示スペ ース における鑑賞重 力線 に 関する研究 スの動線 に 関す る研究

(1982年 ),日 本建築学会東海支部研究報告.展 示スペ ー

(1983年 ),と してまとめ られた 。

1.鑑 賞時 間が 短 い人ほど等速度で,長 い人ほど出□に近 づ くに従 つて速度を速 め る傾 向があ る

(fig.2-5-15)

2.展 示室 の大小による鑑賞径 路,鑑 賞距離 の差異は見 られない◆

)


増殖す る美術館

ググ

3。

展示物 の差異 によつて,鑑 賞 の仕方が大 き く異な り.油 絵 に比 べ,工 芸品 に対す る鑑賞距

離は相対的 に短か く,様 々な行為がみ られ る。 4。

展示室 内 でも,出 □付近 の壁面 の鑑賞時間が短か い 。

全体 を通 してみて,川 崎清 グル ープの研究以降っ大 きな進歩 lま 見 られないといえる.そ こに は疲労度を客観的・ 定量的 に把握す るこ との難か しきが 壁 になつてい ると思われ る。


増殖す る美術館

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展示室 ことの所要 時 間

調査結果 (千 葉工大 )

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増殖す る美術館

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増殖す る美術館

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先に位置づけを行な つた「 美術館疲れ 」の状況を把握 し,原 因を究明するため,展 示空間と 観客動態 との関係を把握することが本調査の 目的 である。観客動態については9来 館者 の属性 などのタト的要□,来 館目的・ 感想,満 足度などの内的要因の 2種 類 の要因と行動 内容との相関 を求め,そ れが施設によつてどう変化す るかを探 る。


増殖す る美術館

3-2

調

□ 調査内容

A.来 館者 の属性調査 B.来 館者 の満足度調査 C.館 内軌跡調査 □ 調査方法 調査 Aに つ いては入館者 の 中か らラ ンダムに対象者 を選ぴ ,そ の属性 .来 館 目的等を 面機ア ンケ ー トによつて調べ る。調査 Bに ついては,さ らに 同一の対象者が退館す る時 に,館 内 での感想,満 足度につ いて面接ア ンケ ー トを行な う.(調 査用紙

fig。 3

-2-1,2,3) 調査 Cに つ いては,A,Bの 調査 の対象者 の中か ら何人 か を選んで,館 内を退館す る まで追跡 し,行 動内容 を記録す る。尚。 遠 山記念館は規模か らして調査が困難なた め省 略 した 。

調査 日時 ,場 所

(平 面図 1。

国立西洋美術館

1981年

fig。 3-2-4.5,6)

(展 示室面積 3,700m・

m)

8月 9日 (日 曜 日 )AM.11:30∼

PM。

5300

2.財 団法人原美術館 (展 示室面積 700mOm)

1981年 10月 11日 3。

(日 曜 日 )AM。

財 団法人遠山記念館付属美術館

1983年 10月 2日

(日 曜 日 )

11330∼ PM.4330

(展 示室面積 168mem)

AM.10:00∼

PM.4330


増殖す る美 術館

■国立西洋美術館は,上 野公園 の 中にあ り,日 曜 日ともな るとひ どい雑踏につつ まれ るが,こ れは ここで は こ く当 り前 の風景 であ る。 広 い前庭 には有名な ロダ ンの彫亥1群 が ある。国立西洋美術館は松方幸次郎氏が第一次世界大 戦前後に ∃ ―ロッパ各地 で収集 した いわ ゆる「 松方 コ レクション 」の一部を中心に

1959年

に設立 されたものであ る.「 松方 コ レクション」は第二 次世界大戦の時 ,そ の大半を硝煙 のか なたに散逸 してしまい,フ ランス政府 に保護 された一 部が残 るのみ となった . その作 品 が 日本に変換 された時 ,そ れを収 め るために 当館はル :コ ル ビジェの設計 をもとに 建設 されっ 1981年 に前川国男によって新館が増築 された .当 館 の 占 める美1南 館 としての地 位は圧倒的 で,ル ネッサンスか ら20世 紀へ と展開す る近代美 1市 に 関 しては他 に類 を見な い. 建築家 の 中 では,採 光が 暗 いな どと,よ くこきぉ ろされ るこの建物も,美 術 の専門家 の間 で は非常に評判がよ く,小 きな コ ーナ ー別 に分け られた 展示 の仕方がほ どよいスヶ ―ル 感を醸 し 出 してい る.

■原美術館は,緑 の多 いお屋敷町に建 つ戦前 の財界人 の私邸を改装 し,現 代美術だけを集めた , 新旧が調千 口す る不思議な美術館であ る.建 物は昭和

14年 ,渡 辺仁氏設計 の もので,く すんだ

白タイル張 りで,弓 な りの外壁は有楽 町 の 日劇を思 い起 こさせ る。 玄関を入 るとまず金属 のオ ブジェ,階 段 のモ ビ ールが 目に入 る。時 々.ガ ーンと音を出す奇 妙な鉄線が原美術館を印象 づ け る。 白 く塗 り替 え られた 壁が どの作品も くっ きりと見せる。廊 下 ではった ちまちポップア ー トの世界 とな り,美 術雑誌や個展 でな じみのア ンディ oウ ォ ーホ ールの写真 を元 にした シル クス クリー ンが並ぶ。 どの部屋 もかつて人が住んでいたぬ くも りが 感 じられ ,半 円形 のサ ンル ームには藤椅子もお かれ,植 木ばちに日 まれ,低 く流れ る音楽に耳 をかたむ けてい ると,本 当に居心地が いい。庭


増殖 す る美術館

に 目を転 じると,多 田美渡っ 関根伸夫な どの作品が ある。 現代美1術 界を代表す る作家約 80人 の ざっと 250点 を集 めた試みは日本

でも初 めてで

,

通常展 ではそのうち 7980点 を展示す る。 ビデ オア ー トや ホ ログラフィ ーも紹介 してい る. 現代美術 のなぞ解 きを楽 しむ よ うな若者が 目立 つ 美術館 であ る.

■遠山記念館は,電 車か ら乗 り継 いだバ スを降 りて徒歩 20分 の,田 園風景 のなかに建 つ美 4有 館 である。日興証券 の倉1業 者 ,故 遠山元 ― 氏 の 出身地 で,生 家 のあった 土地 に豪邸を建 て,そ の家を保存す る目的 の記念館 と,コ レクション公 開 のた めの美 1市 館を建 てた 。設計は今丼兼次 氏 .広 大な 日本庭 園 の中に木造 の母屋 と,茶 室 と,記 念館が建 つ . 館蔵品 のなかでも染織品が多 く,古 代 エジプ トに 関しては,世 界屈指 の収集 とされ る.別 室 には,近 東 の古代ガラス製品 ,陶 磁器,さ らに岡田半江,浦 上 玉堂,渡 辺華山な どの文人画が おかれ,豊 富な館蔵品を生か してほとんど月替 わ りの企画 を してお り,地 の利がな いの に多 く の来館者を擁 してい る。 館長は以前 ,東 京 国立博物館 の館長 の経験をもつ 山辺知 行氏 .美 術に関す る話は門外漢 にも 面 白い 。


増殖す る美術館

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増殖 す る美術館

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増殖す る美術館

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凍山美術饉

調 杏 日経


増殖す る美 術館

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階平面 縮尺 1/800

fig.2-3-4

国立西洋美術館

平面図


増殖す る美術館

3o詔轟

g

F

個 人 の 邸 宅 と して 、約 40年 前 に建 て られ た 。 当 時 の 建 築 様 式 アールデ コを取 り入れ た もの で 近 年 は 、大 使 館 な どに 使 用 され て い た が 、 1979年 、 美 術 館 に 改 装 。

2F

建遣

1937年

設計

渡辺

面積

700r

fig.2-3-5

原美 4市 館

平面 図


増殖す る美4術 館


増殖す る美術館

1。

設置者

2.交 通

西洋美 4市 館

原 美術館

遠山美術館

財団

財団

上 野 駅 か ら徒歩 3分

品川駅 か ら徒歩 20分

川越駅か らバ ス 40分 B召

3。

開設年

昭 和 34年 4月

昭 和 54年

4。

入館料

大 人 200円

大人 500円

太人 500円

5。 1睡 男 」

西欧 絵 画 ,彫 刻

現 代絵 画 ,彫 刻

東洋 工芸

6.敷 地面積

9287

4500

8500

7.延 床面積

10225

450

317

3052

400

168

415

172

125

8。

展示面積

9.展 示壁面長

12月

租 45年 5月

10。 屋タト展示

11.喫 茶

お 茶 は無 料

12。 設計者名

コル ビ ジェ ,前 川 国男

渡辺 仁

今丼 兼次

13。 展示作品数

219

70

172

14。 展示事業

常 設 展 十特 別 展

企 画展

企画 展

15。 調査時 の展示

常設 展

常設展

シル ク展

16.展 示内容

西 欧 絵 画 ,彫 刻

現代絵 画っ 彫刻

東洋工 芸

17.展 示室数

6

7

3

18。 休憩室数

4

4

1

19◆ 年 間の展示替

3∼ 4回

4∼ 5回

6回

20。 平均来館者数

300人

30人 程度

100人 程 度

21。 加盟団体

日本 博物 館協 会

日本博 物 館協 会

日本博 物館 協 会

全 国美術館 会 議

全 国美 4市 館会議

_

程度

,‐


増殖す る美術館

3-3

言十

調査 で得 られた結果を,以 下 の項 目別に単純集計 し,美 術館 こ との比較を行な う 。

0。

1。

DATA

来館者 の年齢

2.同 行者人数

3.グ ル ープ構成 4.グ ル ープの内訳 5.利 用者圏域

6.交 通手段 7。

来館回数

8.来 館 目的 9。

他 によ く訪れ る美術館

10。 美術館に訪れ る頻度 1。

美術館に求める雰囲気

12.再 来希望 13.感 想 4。

他 に欲 しい施設,場 所

15。 滞在時間

16.行 動軌跡 17.歩 行距離 18。 行動内容


増殖 す る美術館

3-3-0

DATA

西洋

:

13曇 `古 14女 12

磐 言訂│1薔 東 京 中野

1;] │: 18男 30

曇 詈 I曇 静岡

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増殖す る美術館

″ 原

性別 男 2 男 3 女 4 男 1

5 6 7 8 9

男 男 男 男 男

0男 1女 2女 3男 4男 5男 6男 7男 8男 9男

20女 21男 22女 23男 24女 25男 26男

年齢 21 25 21 19

23 17 29 23 31 60 20 25 29 30 3´ 31 1 18 40 36 26 46 25 20 37 21 20 27

住所 東里 示目黒 京一 泉目黒 東一 泉足立 東一 泉練馬

人数 2 2 1 2

構成 7 7 1 7

東京世 田谷 2 7 神奈川横浜 1 3 東京小金井 2 10 東京墨 田 2 7 東京世 田谷 2 10 東京杉並 1 8 東京三鷹 2 6 東京渋谷 2 1 千葉千葉 2 神奈川川崎 2 東京品 川 2 10 東京小 平 2 3 東京港 1 5 石川金沢 4 5 埼玉大宮 2 7 東京品川 1 2 神奈川横浜 1 3 神奈川横浜 1 1 東京杉 並 2 10 神奈川横浜 2 1 東京台東 2 3 東京太 田 2 10

0‐

0

男 女 回 数 日 的 頻 度再 来 感 想 男女 4 2 2 1 2 男女 1 1 4 1 2 女  9 5 2 1 2 男女 1 2 6 2 2,

距離  0  0  0 85

滞在時聞 49 93 96 94

男女 1 1 0 2 3 0 158 3 1 2567 170 男 1 男女 3 2 1 2 0 65 4 2 2 0 39 男女 5 2 2 0 48 男女 3323 0 17 男 1222 0 71 男女 女 1 l 1 2 0 109 1 4 2 2 0 39 男女 1422‐ 男女 3 340 90 男女 1 3522223 28 男 男 11 3 2 2 0 64 男 3 313331 70 5 1 3 男女 1 0 65 男女 5 1 2 1 2 0 83 女 1 1 1 2 2 0 37 男 1 1 1 2 2 0 46 女 2 1 2 1 2 316 47 0 69 男女 1 1 3 2 2 女 1 1 4 2 2 0 63 男 1 1 3 2 1 0 34 男女 1 3 2 2 2 0 31


増殖す る美術館

遠山

性別 1 男 2 女 3 男 4 男 5 男 6 男 7 男 8 男

9

0男 1男

2男 3男 4女 5男 6男 7男 8女

19男

20男 21男 22男 23男 24男 25男 26男 27男 28男 29男

年齢

53 24 49 25 41 49 50 53 25 21 36 36 45 30 47 67 26 40 53 42 38 50 57 44 37 73 32 42 43

住所 人数 構 成 埼 玉浦 ll1 2 10 埼 玉上 尾 l l 埼 玉東松 山 3 6 茨 城取手 2 7 東 京練馬 1 5 山 1 5 埼 玉狭 上福 埼玉 岡 2 10 2 10 埼 玉狭 山

男女 回数 目的頻 度再 来 感想 男女 2 1 5 1 2 女 1 2 3 1 2 男女 1 1 6 2 2 男女 3 2 4 1 2 4 2 2 男 4 3 1 2 男 1 10 5 2 2 男女 5 2 2 男女 1

埼玉坂戸 埼 玉 上福 岡 埼 玉志木 埼 玉鳩 山 埼 玉川越 埼玉 川越 東 京清瀬 東 京豊島 埼 玉東松 山 埼 玉与野 埼 玉大宮 埼 玉所沢 東 京練馬 埼 玉久喜 東京小平 東 京小平 埼 玉行 田 埼 玉川越 埼玉坂戸 埼玉大宮 埼 玉川越 埼 玉川越

男女 男女 男女 男女 男女 女 男 男女 男女 男女 男女 男女 男女 男女 男女 男 男女 男女 男女 男女 男女

4 6 3 6 2 10 5 6 3 6 1 2 ! 5 2 6 2 7 2 2 2 2 2 2 10 1 5 2 7 2 10 2 10 3 6 3 6

0 0 0 0 0

2 1 2 3

1 1 5 2 1 3 2 1 2

2 2 2 5

2 6 5 4

2 2 2 2 6 3

2 2 3 2 2 3 2 2

2 3 1 2 1 2

4 6 4 2 2 5 2 2 3 2 2 3 2 2 5622

1 1

2 2

2 2

1 1

2422 5 5 1 2 2 4 2 2 1 2 6 2 3 1 1 5 1 2

2 2

2

距離

滞在 30 64 29 25 52 42 90 19 18 13 12 28 20 60 19 23 60 34 24 26 29 48 22 8  30 41 20 15 13


増殖す る美 術館

3-3-1

の 年

1.あ な た の年 齢 は .

)歳 西洋

( 1) :

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4

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遠山

7

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1

( 1) :

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5 0

(10) :

2

(11) : (12) 3

■ 1

7 8 9 0 1 2

40∼ 44歳 45∼ 49歳 50∼ 54歳 55∼ 59歳 60∼ 65歳 66歳 以 上

HEIKIN = 24.4 (S∩

I)

10 15 20 25 30 25 40 45 50 53 60 65 3 : : : : : : 3 : : : 3 14 19 24 2, 34 39 44 49 54 5, 64 6,

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4 8   一 7 一 ・ 6 ・ 一 5 ・ T 4 ■ 3 ■ ・ 2 二 1 ⋮ 一 ⋮

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25∼ 29歳 30∼ 34歳 35∼ 39歳 0

〔 4):

(10〕

14歳 以下 15∼ !9歳 20∼ 24歳

1 > 2 > 3> 4> 5>

4 . ・ 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 3 3 1 = : : : : = : : : 14 19 24 2' 34 3, 44 4, 54 59 64 `,

くA6E)

HEIKIN = 42.3 {SAI)

一 ・ ・ ・ 9 ・ ・ ・ 一 ・ 8 ・ 一 7 ・ ・ 一 ・ ・ ・ 6 ・ ・ 一 ・ 5 ・ ・ 一 ・ 4 ・ ・ ・ 一 ・ 3 ・ 一 ・ 2 ・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ 1 ・ ・ 占

O   o ・   4

15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 8 3 8 = 3 8 B = = = : 19 24 2, 34 3, 44 49 54 5' 64 69

(A6E)


増殖す る美術館

3-3-2

同 イテ 堪雪A数

2。

グル ー プ の 人数 は 。

)人

2人

3人

5人

西洋 ( 1) :

16

(2): (3)3 (4):

15

6 1

T口T∩ L= 38 HEIKIN3 1.79

一 ・ ・ 一 ・ ・ ・ 鱈 ・ ・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ 4・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ ・ 重 ・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ 8・ ・ ・ 二 ・ ・ ・ ・ 6・ ・ ・ 一 ・ ・ ・ 4・ ・ ・ 一 ・

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( 1) : (■ ):

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一一 遠山

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(1)3

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70Tnt_3 45 HEIKIN8 2.28

‐ ‐ ・ ・・ ・ 壺

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マ 6・ 一 ・ 4 , 2〓 , ・


増殖す る美術館

(1) 1人 (2) 2人 以上

一人 の来館者 の比率

西洋

(1)3

16

23.5・

(2)3

5■

76.5m/

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68

(1)〓

6     37       43

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還山

( 1 ) =

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3 103

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増殖す る美術館

3-3-3

ノ レ ーー プ

3. )tv-Jolrg+fr

女 学生 ,OL 婦人 青年 高齢者 (女 ) 会社員

1 2 3

(調 査 員が判断 した )

4 5

西洋

( 1) :

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2

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4

( 4): 《 5): C `): ( 7): 〈 ■): ( ,〉

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5

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家族 アベ ッ ク 高齢 者 (男 少年少女 夫婦

(10) :

2

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1

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(10) :

遠山

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( 1) :

1

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8

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10 (K●

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増殖す る美術館

3-3-4

グ ル

ー プ

内 言尺

4。

グル ープ内の男女構成

1 2 3

西洋

( 1) :

1日

C 壼〕

:

│ ■)

:

1■ 二●

丁□丁占L:

5●

( 1) :

5

( ■): C 彗,

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T:]TAL:

4 14 ■5

還山

1 1) : │ ■1 :

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5   4   ■5

T● TAL:

44

女 のみ 男 のみ 男女


増殖す る美術館

3-3-5

千」」 用 鍵ぎ塵ヨJ域

5。

あなた の住 所 は .

3 4 5 6

西洋

(1):

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一 ・ ・

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(1): ' (2): 36 ф (3): (4): 0 (5): 1 ф C`〉 : ● (7): ● C8): C,〉 : ● (10): 0 (11) :

5.

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1‐

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(10) : (11) :

遠山

(1): 1= ( 2): 1 ( ■): 5 ( 4)3 1 ( 3): ф ( `〉

( 4): ( 5): ): `■ ( 7): ( ■): く ,): (10): :.

0 0

一 ・ ・ ・

C ■):

TnI札

中部っ 北陸 東北 近畿 中国 九洲

て11)

東京 埼玉 神 奈川 千葉 茨城 群馬

ⅢⅢ‐

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7■ こ二

5■ 4二 ヨニ ■二

1■

~‐

1‐

■ ヨ

4

5

7

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10

11

〈 BAN)


増殖す る美術館

3-3-6

1 2 3

6。 交 通 機 関 につ い てお伺 い します 。 .

4 5 6

西洋

( 1) :

10_

く ■):

,■

ヨニ

7■ 6■ 5■ 4■ 3■ ,■

( 3): ( 4): ( 5): C`):

● ■

T● TAL:

1■

遺山

( 1) :

10_

(■ ):

,■

(■ ):

き上

C 4): ( 5):

7■

` 6): T● TAL:

■■

5■ 4■ 3■ ■■ 1

自家用車 鉄道 十徒歩 鉄道 十 タクシー 鉄道 +バ ス 自転車 徒歩


増殖す る美術館

3-3-7

7。

当美 1莉 館へい らつ しゃった のは今 日で何回目ですか 。

)回 西洋

い Cつ r r ・

● .   ● ●   ● ●   ● ●   ● ●

遠山

● ・

● ● 1   ・ ● 1   ● r ●   ● L ●   ■TAL ● ●   HEIIN一 一 一・

( 1) : C 二〉

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7 , L ■ 1 4 ■ 一 ● ● ・ ・ 一 ■ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ・‐ ・‐ ・ ・ ・‐ ・ ・‐ ・ ・・‐ 瀬 ・‐ Fi 一

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1 1

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1

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増殖す る美術館

初来 館者 の 比率

(1) 初回 (2) 2度 目以 上 西洋

¨ 一   一 ¨         一 一 ■

¨ ¨ 一 一 ¨ 一

■ ■

=:菫 : 二

:

1: 1::

三 i卜

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¨ 一 一 一 ¨         一   一               一 ¨ 一 ¨ 一 一一

遠山

¨   ¨ 一   一               ¨ H一 ¨ ご 〓.¨ ¨轟

13

■ 一 一

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二幸禅


増殖 す る美術館

3-3-8

Eヨ

8。

今 日の外出 の主 目的 は当館へ の来館 ですか ◆

西洋 1:'=

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遠山 1 ^ ■ 一

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増殖す る美4市 館

当美

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館 に何を しにい らっ しゃい ましたか 。

該当す るもの 2つ 以内にOを して くだ さい e

主 に,絵 画,彫 刻な ど作品を見 るため 主 に建物 を見 るた め . 散歩 のつ も りで。 休憩 のつ も りで。 その他 .

1 2 3 4 5

西洋

( 1) :

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遠山

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増殖す る美術館

3-3-9

ここ よ

く 言方 れ

る 美

9. 他 に よ く訪れ る美 術館 名 を挙げ て 下 さい .

)美 術館 西洋 東京 国立近代美術館 ブ リジス トン美1市 館 サン トリー美術館 愛知県立美4市 館 西武美術館 出光美術館 彫刻 の森美術館 五島美 1南 館 奈良県立美術館 大原美術館 神奈川 県立近代美 i市 館 上野 の森美i市 館

東京都 美 術館 倉 敷美 術 館

1 1

3 2

なし

34(68%)

西武美術館 東京国立 近代美4市 館 東京都美術館 ブ リジス トン美術館 彫刻 の森美術館 根津美 4荷 館 ス トライプ美術館

5 4 3 1 1 1 1

なし

遠山

東京都美4有 館 東京国立近代美術館 ブ リジス トン美 i市 館 埼玉 県立近代美術館 サ ン トリー美4有 館 出光美術館 山種美術 館 根津美術館 丸木美 4有 館 国立西洋美術館 群馬県立近代美術 館 栗田美術館

6

4

3 3 2 2 2 2 2 2 1 1

(42%)

伊香 保 夢 二 記念 館 富 山県 立 近代美 術 館 なし

1 l

15(34%)


増殖す る美術館

3-3-lo

ここ 言方 れ

る 頻

,′

週 間 に 1回 以 上 ヶ 月 に 2,3回 位 ヶ 月 に 1回 位

10。 当館に限らず,美 術館にはどのくらい行かれますか◆

2 3

2,3ヶ 月 に 1回 位 半年に l回 位 1年 に l回 以下

4 5 6

西洋

(1): (■ ): ( ■):

(4):

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一   二

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遠山

( 1) :

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1■

■ (BAN〕


増殖す る美術館

3-3-1 1 美

ここ 求

る 雰

!i.

あなたが 美 術 館 に 求 め る雰 囲気 は何 で すか 。

2つ 以 内 に Oを

2 3

して 下 さい 。

4 5 6

西洋

1) : ■): ■):

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T□

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1, 4 4

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1

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11

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落 ちつ き やす らぎ 静け さ 緊張 明か るさ その他

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1■

1

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4■

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遠山

_■ _

■_ Ⅲ ■. _│..f購 咀


増殖す る美術館

3-3-12

12。 当美 術 館 に また 来た い と思 い ます か 。

是非来たい。

たい 。 倉 簿 落 奮 1ド 脊

2 3

西洋

( 1) C i, C =)

10

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遠山

( 1) : ( ■ ): ( 3): TttTOl

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61%

0メ

■ 1


増殖す る美 術館

3-3-1 3

%

13。 他に何かお気付きなった点がこざいましたらぶ書き下さい.

西洋

(展 示 ) ◆暗 くて見 づ らい 。 (同 様 1件 ) 。作品 間隔 が 狭 い . ・ 彫刻 の 置 き方 が まず い . 。明か るす ぎ て 光 が 反 射 し見 づ らい 絵 が あ る 。 (順 略 ) ・ 順,8が わか らない◆ ・ 床にじゅ うたんが欲 しい 。 ・ 出□がわか りに くい 。 (他 )

0椅 子が欲 しい . 原

(展 示 )

0三 階 の 自動販売機が 作品を殺す . 0サ ロ ン,廊 下 の作品が 見 に くい. (順 路 ) 。通P8幅 が 狭 い。 (他 )

0天 丼が低 い .

い が 所 欲し 。 ・休 ふ 二場 題 菫 響 暴 「 還山

(展 示 ) (順 路 ) 。暗い .(同 様 6件 ) ・ 建物 の外観 に比べ て展示室が狭 い 。 うち・ 作品保全 のた めか 。 ・ ロビ ーが良 い。 0三 階が暗 い . ・ 陳列ケ ースの照明 は細 い ステッ チ (他 ) は暗 い. ・ お茶 の サ ービスが良い。 ・ 露出展示 の凛量県思晶 「 ・ 静か で落 ちつ く。 。展示間隔が 狭 い。 ・ バ ンフ レッ トが高 い. ・ わか りやすい作品解説 を望む。 。細部装飾が素晴 らしい. ・ 茶道具を 目当にして来たのにな くて残念 .


増殖 す る美 術 館

感想をお伺 い します .

(1)広 すぎる (2) この位 でよい 。 (3)狭 すぎる。 .

展示室 の広 さは .

西洋 1

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■5

75・/

15・/.

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遠山 1

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増殖す る美術館

感 想 をお 伺 い します ◆

(1)多 す ぎ る (2) この 位 でよい (3)少 す ぎ る。 .

展示 され てい る作 品 の 数 は .

.

西洋 1

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■1

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遠山 1

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87′

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増殖 す る美 術 館

感想 をお伺 い し ます 。

順 P8の 長 さは 。

西洋

( 1:) = ( ■ ): ` =)= TOT∩ L=

15

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(: 1) = ( ■ )= ( ■ )= TOT∩ L=

遠山

1 9 6

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長 す ぎ る. この 位 で よ い . 短 かす ぎ る 。


増殖 す る美術館

3-3-1 4 礎 ]に 欲

し い 前 EE没 ,

=F升 ″

14.

他に欲 しい施設や場所 はあ りますか。

西洋

・ ゴミ箱

0休 憩室

・ テイ ール ーム (同 様 8件 ) ・ 図書室 (同 様 1件 )

0屋 タトのベ ンチ ・ レス トラ ン ・ 作品 の 目で坐 つて見 られ る所

0椅 子 遼山

・ 常設 の展示室


増殖す る美 術館

3-3-15

日寺

滞在時 間については,入 □っ出 □で調査 員が時刻を計測 した 。

西洋 :

8

7

TOT∩ L:

HEININ=

37

78.● (MIN)

6 5 4

3

1

10 20 30 40 50 60 70 90 9o lool10120130140150160170100190200 原

10

9 8

TOT∩ ヒ

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HEIド IN:

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7 6 5

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10 20 00 40 50 30 70 00 90 100110120130140150160170180190200 遠山

10

, 8 7

TOTALE HEIKIN=

29 31.5(MIN〕

6 5 4

3

1

102030405060700090100110120130140150160170180190200


増殖す る美術 館

3-3-1

6     ・

イテ 重力肇丸 B亦


増殖す る美術館

/


増殖す る美術館


増殖 す る美術 館

原 -2

へ N 一 n 3

ヽ モ、 一   .´ 0

餞 N


増殖す る美術館

遠山

(1)中 (2) (3)三 総数

30人 展

(2) (3)

示 室

1 2 17 13 0

3

12

3

4 3 3

5 1 1

0

0

1

●順P8選 択 A◆

D。

1 1 3

B. C.

↓ ↓ ↓

1 2 3

↓ ↓

3 3 2 2

12

5 24

6 0 0 0

近東 展示 室 日本 中国展 示 室 階展示室


増殖す る美術館

3-3-17

」ト イテ 星巨 萬瀧

歩行距離 については,追 跡調査 で得 られた軌跡 図をもとに, キル ビ メータ ーで計測 し値 を求 めた。

西洋

EI

5

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11 12 13 14 15 CXlC)●

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10 11 12 13 14 15

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遠山


増殖す る美術館

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蟷 騰れ .廊 竃


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ヽ 嗅 破

"

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増殖す る美術館

3-4

ロ ス 集

調査 で得 られた結果を,以 下 の項 目別にクロス集計 し,美 術館 ことの比較を行ないなが

ら行

動特性 を抽出す る。 尚,は っ きりした 傾向 の見 られない項 目については掲載を省略 した 。単純集 件数が少ないのは どち らかのデ ー タが無 いことによ る。

1。

年齢 ―来館回数

2。 年齢 ―再来希 望 3。 年齢 ―感想 4。

年齢 一歩行距離

5。

年齢 ―滞在時間

6。

人数 ―滞在時 間

7.グ ル ープ構成 ―滞在時 間 8。

来館回数 ―滞在時間

9。

来館 目的 ―来館回数

10。 来館 目的

滞在時 間

11。 美術館 に行 く頻度 ―再来希望

12.美 術館に行 く頻度 ―滞在時 間 !3。 再来希望 一歩行距離

14.再 来希望 ―滞在時 間 15.感 想 ―滞在時 間 16.歩 行距離 ―滞在時間

計 の場合 と比 べ ,


増殖す る美術館

3-4-1

‐ 来

X軸

回答者 の年齢

(単 位 :歳 ) Y軸

西洋 2●

15

10

5

原 2●

15

10

5

速山 20

15

10

5

来館回数

(単

位 :回 )


増殖 す る美術館

3-4-2

‐ 再

//2

X軸

回答者 の年齢

(単 位 :歳 ) Y軸

再来希望

(1)是 非来た い。 (2) 機会があれば来た い。 (3)特 に思わない。 西洋

遠山


増殖す る美術館

3-4-3

/グ /

X軸

回答者の年齢

(単 位 :歳 )

Y軸 感想 (展 示品 の数 につ いて ) 1 2 3

西洋

遠山

多すぎる. この位 で良 い。 少なすぎる。


増殖す る美i術 館

3-4-4

‐ 歩

//F

X軸

回答 者 の年齢

(単 位 :歳 )

Y軸

歩行距離

(単

位 :メ ー トル ,

西洋 12ロ

900

600

300

0

● ● ● ● ● ¨ 一 ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ● ● ¨ ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ● ●

500

300

還山

. . . . . . . . . ● ● 一 ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ●

一 . . ⋮ . ギ ⋮ ⋮

・ ⋮. ⋮ 二 ⋮ネ ⋮


増殖す る美術館

3-4-5

生F齢

‐〕 帯 在 日寺 間 //J

X軸

回答者 の年齢

(単 位 :歳 )

西洋 =00

150

100

50

原 =80

150

100

50

遠山

150

100

50

Y軸

滞在時間

(単 位 :分 )


増殖す る美術館

3-4-6

A数

‐〕 帯 在 日寺 間 //F

X軸

グル ープの人数

(単 位 :人 )

西洋 =00 150

100

50

原 =田 150

100

50

遠山 200

150

100

50

Y軸

滞在時間

(単 位 :分 )


増殖す る美術館

3-4-7 グ

)帯

日寺

//」

釉 0 鯉

> > > >

グル ープ構成 女学生 ,OL (6) 婦人 (7) 青年 (8) 高齢者 (女 ) (9) 会社員 (10)

西洋

Y軸 滞在時間

(単 位 :分 )

家族連れ アベ ッ ク 高齢者 少年少女 夫婦

一 一 一 一 一 ¨ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

原 20●

一 ¨ 一 一

150

100

50

遠山 こ00

150

1

一 一 一 一

50


増殖す る美術館

3-4-8

募 ミ≦遭 回 数

‐ )帯 在

日寺 間

///

X軸

来館回数

(単 位

:回 )

Y軸

西洋

150

100

50

原 憫

150

50

遠山 爾

150

100

30

(単 位 :分 )

. 一 . . . 一 ・ ・ 一 . . * . ¨ . .

=ロ

1∞

滞在時目

ネ 串

: :

: :ネ


増殖す る美 術館

3-4-9

‐ 来

目 的

///

' 苅 来館主目的 展示品を見 るため 0 主 にに建物を見 鯉 散歩 のつ も りでるため

Y軸

> >

休憩 のつ も りで その他

西洋 20

15

10

5

原 20

15

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5

遠山 20

15

10

5

来館回数

(単 位 :回 )


増殖す る美術館

3-4-lo

募 モ菫 道 目 白旬 ‐ )帯 砲 三日寺 間

//J X軸 て! <2 て3 て4 く5

来館 目的 主に展示品 を見 るため。 主 に建物 を見 るた め. 散歩 のつ も りで 。 休憩 のつ も りで 。 その他 .

Y軸

西洋 =ロ

150

100

50

150

1

50

遠山 =m 150

100

50


増殖す る美術館

3-4-1 1 美

ιこ 行

く 頻

‐ 再

//J X軸 0 に 6

Y軸

美術館 に訪 れ る頻度

再来希望

1週 間 に 1回 以上

(数 字は人数 )

lヶ 月 に 2,3回 位 lヶ 月 に 1回 位

< く

2.3ヶ

月 に 1回 位 半年 に 1回 位 1年 に 1回 以下

1 2

是非来た い 。

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)」

西洋 ・

・ ・1 0

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遠山 :_二

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増殖する美術館

3-4-12 美 術 館 ここ イテ く 頻 度

X軸 0 に

‐ )帯 在 日寺 間

Y軸 滞在時 目 (単 位 :分 )

美術館に訪れ る頻度 1週 間に 1回 以上

2.3回 位・

lヶ 月に lヶ 月に 1回 位

2.3ヶ 月に 1回 位 半年に 1回 位 1年 に 1回 以下 西洋

一 一 一 一

動 翅 5 。

"卜 ■ 0

還山 観

150

1∞

50

1~:

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増殖す る美術 館

3-4-13

再 来 希

‐ 歩 行

距 離

X軸

再来希望

(1)是 (2)機 (3)特

Y軸

(単 位 :メ ー トル )

歩行距離

非来た い 。 会があれば来た い 。 に思わな い.

西洋 ■コ

6"

300

=霞

" 陣

遼山

/


増殖す る美術館

3-4-14

再 ≡f来 希 望

‐ 〕 帯 嗜 三日寺 間

X軸 再来希望 1 2 3

> > >

Y軸 滞在時間 (単 位 :分 )

是非来た い 。 機会があれば来た い 。 特に思わな い 。

西洋 召卿

: 150

1

二 ・ 壺

50

原 2

150

100

50

撃 1・

1

・ 華

・ ・ ・ ・ ・ ● ● ●

⋮ 一   一■ ⋮     ⋮  ¨ ■ 一       ⋮   ⋮ 一 ■ 一      薫  一■¨ ⋮ ⋮

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一一

理 奉 壺 帯 ■ I E ネ *

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違山 =00

一 一     一

150

一    一  一

1"

50

一一 一

・ 一

一 一    一 一   一   一¨

2


増殖 す る美術 館

X軸    <1 <2

(3)

西洋

て 感想 (展 示品 の数 につい )

Z程

Y軸

滞在 時間

(単 位 :分 )

.

少 なす ぎる。

こ00

150

100

50

Z"

150

100

50

遠山 =00

150

100

"


増殖す る美術館 )帯 1¬在 日寺 FEn

`

X軸 歩行距離 (単 位 :メ ー トル )

Y軸

滞在時間

(単 位 :分 )

西洋 16●

R= .ヨ 09507ら 2

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120 :早「 呂懸 反 :二 長

」ISOKU

4?岳 ;菖

∃ F8:977

= 765(Meter)

80

40

160

120

・FE:3覆 争 員 5早 呂 EU融 二 ヨ 。 6 」ISOК U

還山

= 235CHeter)

30

40

:

:


増殖す る美術館

3-5

調査項 目別 に概説 し。 施設 ことの来館者 の行動 の相連 とその原因を述 べ てゆ く。 3館 とも 同 じ傾向が 見 られ るものは人間 の行動特性 として位置 づ けが可能 であ ろう。先 ず単純 集計,ク ロ ス集計を概観た上 で,美 術館におけ る行動特性 を挙げ る。

1。

単純集計か ら

● 3-1の 来館者 の年齢 については,回 答者 の年齢 のみを答 えても らい。集計 した ものであ る。 原美術館・ 遠 山美術館 はほぼ 来館者全 員に対 して調査 できたがっ西洋美術館 の調査資料は,当 日入館者約

1500人

の うち の約 3%に あた る 50人 のデ ー タであ り,30歳 以上 の男性や ・

多人数 のグル ープの来館者 には声 をかけ難 い こともあ り,実 際 の平均は この数字よ り上 まわ る と思われ る。 3館 とお して,美 術館が比較的若 い人 の もの となってい ることがわか る。遠山美 術館においても,20歳 ∼ 39歳 にかけての山の形 が くずれていない 。遠山美術館に場合,日 園地帯 にある和風美術館

(?)と い う こともあ り,逹 かに平均年齢が 高 い。

● 3-2の グル ープ の人数 につ いて は,平 均 で見 る限 り,大 きな 差はみ られないが ,2人 に近 い数字 である。交通 の便が悪 い美術館程 グル ープ人数が増加す る傾向にあるのではないだ ろう か .特 に観光地 の美術館 にはその傾 向が強 い と思われ る.後 で述 べ るが美術 館へ は一 人 で行 く のが最も鑑賞 し易 く。その観点か らす ると,日 曜 日にもかかわ らず,一 人 の来館者数 の多 い西 洋美術館は,美 術館好 きの人が多 いのかもしれな い 。一人 で来館 している人 の比率 をみ ると, 西洋美術館が最も多 く,次 いで原美術館,還 山美術館 の順 であ る。交通 の便 とい うことであ ろ うが ,こ れが都心部 と農村 部 との違 いであるな らば興 味深 い結果 であろう。 ● 3-3の グル ープ構 成 では,各 館によつて大 き く異な る。西洋美術館 の場合,若 い女性 .家 族連 れ,少 年 の人数が比較的多 い 。原美術館 ではアベ ックの人数 が圧倒的に多 く,全 体 の 62


増殖す る美術 館

″ ′

%に 達す る。これは 開館固もな い時期 で,雑 誌 な どの情報 に敏感 に反応す る若 い世代が いち早 く来館 しているのではないか ということと.展 示作品が現代美術に限 られ る数少ない美術館 と いう性格が若 い世代 に合 つてい るのではな いか という2つ の原因が考 え られ る。遠山美術館は 夫婦を含 め ると家族連れが 64%に のぼ る。 これは田園地帯 の交通 の便 が 悪 いとい う立地か ら, 利用者圏城が限 られ,よ って近 くの居住者が 自家用車 でや つて くる場合が多 いことが原因 であ る. ● 3-4の 男女比は,男 のみ ,女 のみ の グル ープはほぼ 同数 であ るが,西 洋美術館な どは女性 の方が多 く。美術館において も女性 の進出が見 られ る.同 性 どうしのグル ープの比率が美術館 によつてかな り異な るの は興味深 い。 ● 3-5の 利用者圏城 では,西 洋美術館が都タトの来館者が約 6割 を占 め,日 城 の広 さを物語 つ ている。原美術館 ,遠 山美術 館 とも日城 は非常 に限 られ ,特 に遠山美術館 は,地 図に落 として み ると,約 75%が

20km以

内か らの来館者 であつた 。美術館 との距離 の差による行動 の相

違は特に見 られなか った 。 ● 3-6の 交通手段 では,西 洋美術館は当該調査を行なわなかつた 。原美術館 の場合 ,品 川 ま たは五反田駅か ら20分 かけて徒歩 で来 る人 が 7割 で あ る。駐車場があ るのが魅力 であ る。還 山美術館に至 つて は,75%が 自家用車 で来館 してい る。これをグル ープ数か ら人数に換算す れば,9割 近 い数 とな る。 ● 3-7の 来館回数 の分布は美術館を評価 し得 る重要な尺度 であ ると思われ る。つ まり2度 目 以上 の人が 多 ければ ,何 度来 ても面 白い。 また 何度も来 ることができる立地 の良 い。広報力 の あ まり無い施設 ということにな り。 また初回の人が多ければ何度も来 る気 になれない。 または 立地は悪 いが広 報力 のあ る施設 とい うことにな るだ ろう.観 光地な どの初回の来館者が非常に 多 い施設 となれば展示替え の必要も少 くな る。立地 と施設 の魅力 の二つの要因が分解 できれば


増殖す る美 術館

/F/

有効な施設評価 の尺度 とな り。 また 今後来館者数が増えるか減 るか を予測す ることも可能 で あ ろうと思 う。初来館者 の比率を見 ると,西 洋美術館 ,遠 山美術 館 ともに 50%以 下 であ りっ特 に西洋美術館 2回 目以上 の人がかな り多 いと言え る.原 美術館は開館間もな い時期 での調査 で あ ったため。 この様 な結果 とな つた と思われ,同 等 には扱かえな い と考え られ る。ともか くこ の来館回数 の分布は,美 術館 に限 らず,あ らゆ る施 設 を総合的 に評価 し得 る重要な 尺度 であろ うe今 後,似 たよ うな 立地にあ る施設 について調査 を進 めて行けば面 白い と思 う。 ● 3-3の 来館 目的 については,人 間の内面 を同 うものだけに調査が難か し く,ま た回答者 自 身にとつても難か しいものであ りっ統 計処理 に堪 え得 るものか甚だ疑同で ある。美術館 ことの 比較 をしてみ ると,原 美術館 の 建物 を見 るため

散歩 のつ も りで

とい うものと,遺 山美術 館 の

その他

と,

目立つ .複 数回答 の あった ものについて は,最 初 に印 したもののみ を

採用 したが,こ の種 の調査 で真実を引き出す の は不可能 と思われ る。 ● 3-9の 他によ く行 く美術館 については,原 美術館 の来館者が ,現 代美術を扱 う美術館を挙 げ る傾向が 見 られ ,ま た還山美術館 では,日 本っ東洋美術を扱 う美術館を挙げ る傾向が見 られ る.た だ し,近 代美術館 と答 えた数字 の中 には,埼 玉近代美術館 の数字が含 まれていると思わ れ る。 ● 3-10の 美術館 へ の来館頻度 の分布は,は つ きりとした違 いが 見 られた .西 洋美術館 ,還 山美術館 の分布 の形 は一般的な もの と思われ るが ,原 美術館だけ,か な り違 つた傾向が見 られ , かな リマニアックな 美術愛好者が多 い と思われ る. ● 3-11の 美術館に求 め る雰 囲気 というのも難か しい調査項 目とな った 。選択枝 の順序を変 えると異なつた結果 が 出 る可能性が あると思われ る。 落ちつ き が最も多 く, 静けさ さ

の順 とな つてい る。原美術館 で,

静 けさ

を挙げた人が意タトに少な いのが不思議 であ り,

やす らぎ

,

を挙げた 人が比較的少な い。 明か る

美術館 とは嗜いもの

とい うイ メージが


増殖す る美術館

′28

あるか らであ ろうか . ● 3-12の 再来希望 では,還 山,原 ,西 洋 の順 で再来希望者 の比率が 多 い。特に西洋美術館 の

特 に思わな い

の 0%が 目立 つ 。 この項 目は美術館 の総合的評価 と,来 館者数 の増減を予

測 す る,単 純 な 方法 の一つで あ ると考 え られ る。特 に,美 術館 の印象にかかわ る質 問で あ り, 回答が簡単 であ ることか らも,あ る程 度信頼性 のある結果 ではないだ ろうか .た だ し,回 答者 の美術 に対 す る興味 とい う要 因も含 まれ ,来 館頻度 との相 関 において判断 してゆ くべ きであろ う。 ● 3-13の 感想 につ いては興味ある回答が得 られた .先 ず,西 洋美術館 では,中 心 の彫刻展 示室に対す る批判があ つた 。 これ は,作 品密度が高すぎ ることが原因 であ ろう。また順 略が長 すぎる。出□がわか らないな ど,動 線計画上 の問題点が指摘 された 。作品点数,施 設 の規模に 対 してもその批判は少な くな い . 原美術館 では住宅 を改装 した 美術館 であ ることの メリッ ト,デ メ リッ トが浮かび上が ってい る。規模 としては適当 であるが ,そ の一 方 で,通 路幅が狭 いことによ る見づ らさが 指摘 されて い る。小 規模 の場合 ,特 に,神 経 のゆ き届いた展示計画が望 まれ る. 遠山美術館 では,常 設展示室 の設置 と,展 示室 の照明 の 嗜さが指摘 された .規 模 につ いては, 展示室が 狭 い。作品 の数は少なすぎるとい う意 見 とっ作品 間隔が狭 い という指摘か ら,も う少 し規模を大 き くす ることが望 まれてい るようである。 ● 3-14の 他 に欲 しい施設 ,場 所 で は,原 美術館に対 して特に細か い指摘があつた 。ティ ー ル ーム.レ ス トラン.図 書室な ど,サ ロンとしての美術館作 りを望む声 である。 ● 3-15の 滞在時 間は,来 館者 の行動を総合的に,客 観的にとらえ得 る数少ない要因 であろ う。特 に平均,分 布 の幅,分 布 の形 な どが施設 と密接 に結びついてい ると思われ るため,本 論 文 の中心的課題 とな つた。 自由滞在型施設 の滞在時間分布 はア ーラ ン分布にな ると言 われてい


増殖す る美術館

る。 この 3館 においてもその傾 向が はつきりと見 られ る.平 均は9規 模 の順 に長 くなつてい る が ,原 美術館 と遠山美術館はそれ ほど規模に大 きな差はないが ,平 均は約 35分 異な る。 また 西洋美術館 と原美術館 はかな り規模に開きがあるが ,平 均は約

10分 の差があ るだけであ る◆

展示作品数か らみ ると,西 洋,遠 山,原 の順 であ るが ,平 均滞在時間 において,還 山,原 の順 序 が 逆転 している。 したがって,平 均滞在時間と施設規模・ 展示規模 との関係を探 つてい く必 要があ ろう。 また 後程述 べ るが ,分 布 の形が X軸 十方向に遠 くくずれ るものが施設環境 として良好 で あ る ことがわかってお り,3館 とも良好 である. ● 3-16の 行動軌跡 では,タト側 の壁は右廻 り,内 側 の壁は左廻 り,つ まり壁 を左側 に して歩 く傾 向が見 られ る。 また 部屋 の入 □に監視員が い る場合,殆 どの人は監視員のい る反対 の方向 に進む 傾向が見 られ ,順 路を表示 しな くとも.監 視 員の配 し方 で順路 を 自然 に指示す ることが で きると考え られ る。 また部屋 の 中心に置かれ てい る作品 は案外見落 とされてい ることがわか つた 。西洋美術館 の様 に順路が はっきりと方向性 をもっていても逆戻 りす る人が

13人 中 3人

い ることがわかった 。原美術館 の一番奥 のテラスが非常に評判が良 い ことか ら,少 しずつ 明か る くしなが ら,次 々 と新 しい空 間が変化 し展開 してゆ く順路計画が望 まれ る。 また展示空 間が 大規模 であると,順 路が進む に従が つて人間が塊 まりにな つて ゆ く現象がみ られ る。 これ は, 先 の豊橋技術科学大学 の報告 にもあるように,鑑 賞 には適性な人間の密度が あ るということが 想像 され,大 きな空 間に一人 と り残 され ることを嫌 うための現象 であろうと思 う.こ の現象が ひ どい場合 ,観 賞者相互 の干渉が強 くな り,見 づ らい方向 に進むた め,位 置感覚をな くす複雑 な 巡回型 の プランは 避 けるべ きであろう. ● 3-17の 行動内容 では,休 憩 の とりかたが人それぞれ 違 い。 この結果だ けでは,休 憩 スペ ースの取 り方についての有効な資料は得 られなか った .た だ .順 路を進むに従が つて次第 に速


増殖す る美術 館

β θ

く歩行す る傾向が見 られ ,巡 回型 の プランでは,作 品 を置 く場所によって,観 賞時 間 にかな り のムラが生 じることが 予想 され る。従 つて,美 術館 の方針,特 色 とな る作品 を一番最初 の展示 室に配置 して,そ の回 りにセクションことに展示室 を配 し,初 めて来た人 にも,ま た研究者 に も対応 で きる計画が望 ましいと思 われ る。

2。

クロス集計

● 4-1の 年齢・ 来館回数 では,施 設 が 開設 してか ら長 い年月が経 つてい る場合,一 般的に

,

年齢 の高 い人程来館回数 の多 い人 の数 が多 くな ると予想 され るが ,調 査結果 でもそ の傾向が見 られ る。ただ し原美 術館 の場合っ開館間もな いた め,こ の例 ではない 。 3館 通 して見 られ る傾 向としてっ 20歳 前後 の世代 に来館回数 の多 い人が見 られ,こ こか らも美術館が若者 の物 にな つてい ると判 断 で きる. ● 4-2の 年齢・ 再来希望について は,美 術館 ことに異 なった結果が現れ てい る。西洋美術館 においては (1)。

(2)と もほぼ 全 ての年齢層に分布 しているがっ (3)の 特に思わな い と

大胆に答えた のは全 て 20代 前半 の都外か ら来た 人 であ る。再来希望は来館者 の美術館 との距 離 との 関連もあることがわか った 。従 つて再来希望だ けで施設 の魅力を評価す ることは危険 で ある.原 っ遠山とも

(3)の 回答者 は 0で あった 。原美術館 の分布状況には特に偏 りがな く

,

現代美術 とは い え全世代 に好評を拍 してい るのではな いか 。遠山美術館 は

(1)の 是非来た い

と答えた人 が 若 い世代 と中年以上 の 2つ に分離 す る珍 しい傾向が見 られ る。比較的 ,遠 方か ら の来館者が

(1)を 回答 している。 30代 の夫婦。家族連れは皆 (2)を 回答 している

● 4-3の 年齢・ 感想 については,比 較的若 い世代 が

.

(1)の 多すぎ ると回答 し,高 年齢層が

(3)の 少 なすぎると回答す る傾 向があ り,体 力 と反比 例す る興味深 い結果 とな った 。西洋

,


増殖 す る美術館

/J/

原 ,遠 山 の順 に

(1)の 多 すぎると回答す る人数 が 減少 している。 これ は作 品密度 と反す る不

思議な結果 であ る (西 洋美術館 山美 術館 0。

98mom/1点

13.9m◆ m/1点 ,原 美術館 5.7mom/1点 )。

・ 遼

施設規模 の大 きさによる疲れが,展 示品数が多すぎ ると

錯覚 させるのではないだ ろうか . ● 4-4の 年齢・ 歩行距難 については,長 距離 を歩 いてい る人は若 い人 の 中にい るが,年 齢が 高 くな ると歩行距難 が 短か くな ると言える程 の傾向は見 られない 。 ● 4-5の 年齢 0滞 在時間 では,歩 行距離 とは異な つて,年 齢が高 くな ると滞在時間が短 くな るとい う傾向が は つ きりと見 られ る。展示 品が高年齢層む きと思われ る遠山美術館においても,

50歳 の夫婦 を除けばそ の傾向が はっきり見 られ る。歩 行距離にそれほ ど差 が 見 られない こと か ら,年 齢が増すにつれて短時間 で,じ つ くりと観賞す る傾向があると思われ る.従 つて高年 齢層にとって は小 規模 の,落 ちつ いた雰囲気 の,休 憩施設が豊富 にある美術館が望 ましいと思 われ る。 ● 4-6の 人数・ 滞在時 間 では,グ ル ープの人数が増加す ると滞在時間 の分布がかた まつて く る傾向が顕著 に見 られ,次 第に滞在時間のビ ー クに近づいて くる。 これ は人 数が増加す るにつ れて来館者相互が干渉 し合 い。個人的要因が相 殺 され る為であ ろう。従 つて 自由に観賞 したい な らば 一人 で美術館に行 くべ きであ ることを この結果は物語 つてい る。 ● 4-7の グル ープ構 成・ 滞在時 間 では,あ ま りはつきりした 傾向は見 られないが,西 洋美術 館にお いて は,会 社員の滞在時 間が 短かいが ,5人 のうち 4人 までが 出張 ,旅 行 で来た と答 え てい る。原美術館にお いてはアベッ クや若 い女性 の滞在時間が比較的長 く,美 術館 の環境が若 い人に向いてい ると思われ る。滞在時間 の分布が 50分 前後 で 2分 したが ,そ の理由はグル ー プ構成か らは見 当 らない .3館 通 して,家 族連 れ の滞在時間が比較的短か く,人 数が多 い こと と,子 供がい ることがその原因 で はないだ ろうか 。


増殖す る美術館

● 4-8の 来館回数・ 滞在時間 では,回 数が増加す る分布 の幅が狭 くな る傾向が見 られ るが, デ ータ数が 少な く断定 は で きない .問 題は,回 数が 増すにつれて滞在時 間が増れ るか減 るかで あ り,西 洋美術館は減少 し,原 美術館 ,遠 山美術館は増加 してい る。 これは,施 設 の魅力にか かわ る問題であ り,増 加すれば

来れば来 る程 良 さが 出 て くる施設

ということにな る。来館

者数 が 今後増加す るか減少す るか を,こ の回数 と滞在時 間 の増減 との 関係において予測す るこ とが で きるのではな いだ ろうか 。西武 園遊園地 でも,西 洋美術館 のよ うな傾向が見 られ,あ る 回数 までは減少 してゆ き,そ れ 以上 回数が増えると滞 在時間のパ ラツキが大 き くな ると報告 さ れてお り,施 設 の定期的な改装が対策 として必要 と思われ る。西洋 美術館 も常設展示物が回数 を重ね るにつれて,見 学 されな くな る傾 向にあるので はな いだ ろうか 。 ● 4-9の 来館 目的・ 来館回数 では,(1)と 回答 した人 の中に来館回数 の多 い人が存在 して い る。ただ。先 にも述 べ たように,目 的 の様な内面 の意識 をア ンケ ー トによつて引 き出す の は たいへ ん 困難 であ り,統 計処理 に適 さな い面がある こ とを付け加 えておきたい。 ● 4-10の 来館目的・ 滞在時 間 では,作 品を見 るとい う目的意識が 高 まるにつれ て,平 均滞 在時間が 長 くな る傾 向が見 られ る。ただ し,そ のような 目的 を持 つ と回答 した人 の 中にも滞在 時間 の短 い人がいる.逆 は必 ず しも真 な らずとい うことで,目 的 を聞 くこと自体 にも問題が残 る。原美術 館 の

(5)を 回答 した 人はお手伝 と答えてお り,ま た 遠 山美術館 では,来 客 のもて

な し,ど んな所か と思 い。な どがあった 。 ● 4-11の 美術館 に訪 れ る頻度・ 再来希望 では,美 術館 ごとに異な り,西 洋美術館 では,半 年 に l度 で機会が あれば と答 えた 人 が

10組 で最も多 い。全体 にわたつて (2)の 回答者が多

い と言 える。原美術館 では,比 較的美術館 によ く行 つてい る人 の中に

(1)を 回答 した人が多

い。 ここにおいても マニアッ クな美術館 と言え るだ ろう。頻度 の分布が 似 てい る 西洋美術館 と遠 山美術 館 では,還 山 の方が全体 にわた って

(3-10)

(1)の 回答者 の比率が高 い。 この


増殖す る美術館

クロスによつてマ ニア受けす る美術館 と初心 者受 けす る美術館 を分離 させることができると思 う。 ● 4-12の 美術館に訪 れ る頻 度・ 滞在時間 では,西 洋美術館 と遠山美術館 で似た傾向が見 ら れ る.つ まり,頻 度 の高 い人は比較的滞在時 間が短か く,普 通 の人は長 く,低 い人は再ぴ短か くな るという傾向であ る。頻度 の 高 い人 は美術館慣れ していて,見 るものをあ らか じめ決 めて 来館す る為ではないだ ろうか 。来館回数 と美術館に行 く頻度 の グラフか らはっ きりした 相違 を 得 るにはデ ー タ数が足 りな い 。 ● 4-13の 再来希望 。歩行距離 では,一 般 に,(1)の 是非来た い と回答 した人が長 い距離 を歩 いてい ることがわか る。 ● 4-14の 再来希望・ 滞在時 間も同じく (1)を 回答 した人が 長 く滞在 してい ることがわか る.遠 山美術館 ではその傾向が薄れ るが,高 年齢層が多 い ことが

(1)の 分布 を低 くしてい る

と考 え られ る。 ● 4-15の 感想 0滞 在時間 で は,一 般 に,施 設に対 して好 ましい と評価 した 人は滞在時 間が 長 く。好 ましくない と評価 した 人 は滞在時間が 短か くな ると言える.従 つて,4-13,

14っ

15か ら。再来希望 .感 想な どの来 館者 の施設評価 と滞在時 間が相関関係にあ ると判断 で き

,

滞在時間の分布が人間を媒体 として施設を評価す る尺度 とな り得 ることが実証 された。ただ し, 来館者 の年齢層 と,グ ル ープの人数を一定 とした場 合に限 られ る. ● 4-16の 歩行距雌・ 滞在時 間 では,非 常に高 い相関で,滞 在時間と歩行距麟は比例 関係に あ ると判断 できる。歩行速度は施設によつてかな り異な ることがわか る。


増殖す る美術館

3-6

ιこ お

る イテ 日力 特 ・性

〃 ′

以上 の集計,考 察か ら得 られた美術 館におけ る観客行動特性 を以下 に箇条書 きに記 してゆ く. 行動特性 は,行 動 を決定付け る人 間の側 の要因に限 る.た だ し,調 査対象 3館 に見 られ る共通 のものを行動特性 とした訳であ り,今 後調査対象 を増やす ことによつてその信頼性を高 めてゆ く必要が あ る.

1.展 示 内容 にかかわ らず,年 齢が高 くな るに従 つて,滞 在時間が短 くな る。 歩行距離が大 して変化 しないことか ら,短 時間 で割合早 く観賞 して ゆ く傾向が あると思 われ る。従 つて,作 品数が多 すぎ ることを訴える人は少な くな る. 2。

グル ープの人数が増すに従って,滞 在時 間のパ ラツキが小 さ くな り。モ ー ドに折づ く^ 従 つて,施 設 の平均的な使われ方を把握 しようとす る場合 .平 均的な年齢層, 平均的な グル ープ構成 のな るべ く人数 の多 いグル ープの行動 を数件調 べ るだけ で,信 頼性 の高 い結果 を得 ることができる.

3.作 品 を見 るとい う目的意識が高い程滞在時間 の長 い人が多 くな る

.

目的意識 を調べ る方法が未熟な為,若 千信頼性を欠 く。

4.施 設に対 して良 い評価 をした人程,滞 在時 間が長 い 。 施設に対す る評価 を調査す る方法 として,感 想や再来希望 を尋ね る方法がある が,再 来希望については,来 館者 の居住地 と美術館 との距離 とい う要 因が 加わ る為,信 頼性 の高 い尺度 ではない。

以上 の結果か ら,観 客 の滞在時間 (人 間の行動 )は ,観 客 の年齢 .グ ル ープ人数,目 的意識 , 施設に対す る評価 の 4つ の要因 (人 間 の属性 )に よつてある程度 ,説 明す ることができると思 われ る.


増殖 す る美術館

3-7

行 動 に よ る 施 設 評 イ 面 r35

先 の,集 計,考 察 によつて得 られた 美術館 こ との行動 の相違によつて,観 客 の行動が施設 の 評価基準 とな り得 る可能性 の あ る項 目について以下に箇条書 きに記す。

1.滞 在時 間 の分布状況 は施設規模に関係す る。 施設規模 の うちで も展示作品数 ,展 示室面積 ,展 示密度 と密機 に関係す ると 思われ る。 2。

滞在時 間 の分布状況は施設 の魅力 と園係す る。 施設 の魅力 の うちでも,展 示環境 .展 示内容 ,施 設 の立地な どに密接 に関係 す ると思 われ る。これは,行 動特性

3。

(3)に 基 づ くものであ る

.

来館回数 の分布状況は施設 の立地,魅 力 .公 報力 と関係す る. 開館か らしば らく経過 した場 合 で ある。初来館者 の比率は今後 の来館者数 の 増減 を予測す る手段 とな る.

4.来 館回数 と滞在時間の分布状況は,施 設 の総合的な魅力 と関係す る

.

来館 回数が増す につれて滞在時 間が増すか否か で,施 設 の魅力 を評価す るこ とが できる。 また。今後 の来館者数を予測す ることが 可能 である◆

5.来 館壼数 は施設 の魅力 ,立 地 ,広 報力 と関係す る。

従 って今後 ,調 査対象 を増や し,観 客 の滞在時間 (人 間の行動 )と 施設 (空 間の要因 )と の 関係を調べ ,施 設評価を行な つてい くことによ り,美 術館 の企画・ 運営 ,環 境づ く りための有 効な資料を得 ることができると思われ る。


増殖す る美術館 第

の 美

の 1大 況

簿

6

一 一 . .         ¨ 一       一 ・                     ″ .                        、

一 ・ ・ .

一 ヽ 一 一 一 一 一 一 ・ 一 一 .一 一 一


増殖す る美術館

4

‐ ―

- 1

調

Eヨ

/J/

近年 ,我 が 国の美術館 は増加 の一 途をた どり,公 立地方美術館 の設立が話題にな り始 めてほ ぼ

10年 にな るが,こ の気運は い まなお― 向に衰え る気配がな く,ま す ます盛んにな りつつ あ

る状況にある。 しか し,(1)最 近 の美術館 ブ ームによる建物増加 とその内容 の実態,(2)変 転 す る社会 情勢 の 中で既設美術館 の浮沈現象 の実態,(3)美 術館 の抱え る問題等については現状を把握 できない まま現在 に至 つてい る. そこで,現 在D我 が 国 の美術館が直面 している諸問題 を統計 的 ,科 学的デ ータによつて明 ら かにす ること,そ の基盤 の上に立 つて,美 術館 の建築 の側か らの質的向上をはか る資料を美術 館関係者,建 築関係者 に提供す ることが本調査 の 目的 で ある. この報告書が,直 接美術館行 政 に携わ る国,県,お よび市町村 の行政担当者な らびに美術館 運営・ 管理者 ◆館職 員に美術館 に対す る理解 と認識 をいっそう深め,建 築側 と運営側 の双方か らの美術館 の向上 と発展に資せ られ んことを期待 す るものであ る。


増殖す る美術館

4-2

調

調査方法は,郵 送ア ンケ ー トによる回答を求 め る形式 とし,(fig。

4)の よ うな調 査票を後に示す 191館 に発送 して,昭 和 58年 12月 して昭和 58年

4-2-1,23, 1日 現在 の実態 を記入

12月 20日 までに返送 しても らうように した 。なお,各 美術館にお いて調査

票記入方式の説明書

(fige 4-2-3,4.5,6)を

添付 した .ま た ,美 術館施設 の現

況を調べ るため,施 設 の平面 図,バ ンフ レッ ト,動 線図を同封 しても らった 。特 に,第 3章 で 示 した。滞在時 間 による施設評価 の資料 として。来館者

15人 以上 の滞在時 間を計測 して も ら

つた 。 今回の調査は各美術館 の施設 と運営 と観客動態 を同 うことによつて,現 下国内の美術館 の実 態 を明 らかにす るとともに,水 准に照 らして,今 後 の施策 のための基礎を得 ようとしてい るも のである.従 来 ,日 本博物 館協会な どで実施 され ていた この種 の調査は,調 査項 目が膨大 で 複 雑多岐にわた り,完 全 国答 す るのに非常に困難 で あったた め,回 収率が悪か つた (43。

3%

・ 昭和 49年 )。 その反省 を踏 まえ,本 調査 で は調査項 目を極力絞 り,回 収率 を高 め よ うとし た。

設置者別 の調査対象美術館数 は国立 9館

(7館 全 て と民博・

村立 34館 D財 団法人 82館 ,宗 教法人 4館 ,そ の他

東京国博 ),県 立 46館 ,市 町

16館 であ る。

J


増殖す る美 術館

〃 タ

昭和 58年

11月 25日

早稲 田大学渡辺仁史研究室

ア ンケ ー ト調査御 協力 のお願 い

は じめ まして . 私供 ,渡 辺仁史研究室 では,

来館者 に とっての理想的な美術館像 を探 る

をテ ーマにっ調査研究 を続 けてお ります . 近年 ,公 立 の大規模な美術館が 開設 され ,順 F8が 長 い ことや 混雑か らくる 疲れ

の 問題が指摘 され てお ります ◆

現在 ,私 供 の研究室 で は, な いか

美術 館 の規模 にはあ る一 定 の限界が あ るのでは

とい うことで,来 館者 あ行 動 の研究 をすす めてお ります。

そ こで。誠 に勝手 とは存 じますが ,同 封 のア ンケ ー ト調査 に御 協力 をお願 い・ いた します .集 計 の都合上 ,

12月 20日

までに御 回答 を頂 きた く。重ね てお

願 い申 し上 げ ます . 尚,ア ンケ ー トに 関す る御質 問が あ りました ら,下 記 まで御連絡 くだ さい. 何卒 よ ろ し くお願 いいた します .

160

東京都新 宿 区大久保 3-4-1 早稲 田大学理工学部 建築学科 51-17-05 渡辺

仁史研究 室

TEL 03(200)3211 (内

威瀬

功 線 )3257

.


増殖 す る美術館

〃 ′

美術館ア ンケ ー ト用紙

(そ の 1)

ふ りがな 1。

名称

TEL

一 7

2。

所在地

3。

設置者

需資 2.都

1。

6。

特殊法人

)

事区

10.学 校法人

3◆

4.公

社 5.組 7.財 団法人 8。 宗教法人 9.会 社 11。 社 団法人 12。 その他 ( 道府 県

市町村

4.交 通

5◆

種別

6.建 設 7。

1。

総合

6。

陶磁

2.歴 史 3。 考古 4.民 俗 5。 7.エ ゴ 8。 彫塑 9。 染織 10。

絵画 他<

盟 年

無料

有料

(

園館

大学生

大人

)

敷地面積

ml

建築面積

m2

延床面積

m2

展 で置 函ァ

m2

屋タト展 示

食堂

喫茶

設計者名

建築

辱桑

m位

展示室数

9・

バス停下車

入場料

8.施 設

駅下車

行バ ス 徒歩

地上

地下

展示室

常設展のみ 実施す る.

常設展,特 別展 ともに実施す る.

特別展のみ実施す る◆ 一年 に

うち特別展 室

用展示室数

展示替 え

回位

地上

地下


増殖す る美術館

(そ の 2)

美術館ア ンケ ー ト用 紙

理 奈の

1

11。

展示物

常設展 開催 中

常設展 +特 別展 開催中

特別展開催中

現在休館 中

題 目

題目

(

絵画

彫刻 (屋 内 ) 彫刻 (屋 タト) 陶磁器

現在

版画

古美術

歴史資料

工芸

考古資料

民芸

染織

合計

その他

(

) 1.一 人 2.男 女

1。

中高生

3。

二 人 以上

4。

家族連れ

2.青 年 3.社 会人 4.婦 人

5。

団体

5。

老人

6.そ の他 ( ) 6。 その他 ( 1.愛 好家 ,研 究者 ,関 係者 の利用が 比較的多 い. 2.観 光客 ,参 拝客 ,違 足等 の利用が比較的多 い

)

.

状況 1

3◆

2。

4。

利用者

5。 人数

来 館 者 の 滞 在 時 間

同 じ人が 何度 も利 用す る傾 向が見 られ る. ´ 来館者 は多層 にわた り,特 に傾向は見 られない◆

(

その他

の利用が比較的多い。 )

平 日一 日当 りの来 館者数 休 日一 日当 りの来館 者数

( ( ( ( ( (

)分

1 1

人 人

)分 )分 )分 )分 )分

デ ー タ内容 領域

実測か ら

敷地全体 を含む

調査 B時 ♯時 間合計 ( ♯ →平均滞 在時間

( ( ( ( ( (

)分 )分 )分 )分 )分 )分

: :

)分 (

♯人数

)分

)分 )分 )分 )分 )分 )分

見 積 りか ら

美術館屋内のみ 日

曜日

(

)人

/


増殖す る美 4有 館

美術館ア ンケ ー ト用紙

(そ の 3)

団体名

13。 加 盟 団体

1。

美術館 のバ ンフ レッ トまた は概要書 を添 えて くだ さい。

2.美 術館 の見取図 (敷 地 を含 めた もので縮 尺 のわか るもの )を 御用意 下 さい.そ して,以 下 の指示 に 従 つて,現 在 の美術館

i4.

の様子 を記入 して下 さい。 (休 館 中 の場合 は平常時 の状態 を )

添付事項

*見 取 園 に見学順 P8を 矢 印 で記入 して くだ さい. *展 示 壁面をψへ′∨、た 示 して くだ さい . *独 立 した展示 ケ ース,彫 刻 の置 いて あ る場所 を示 して下 さい 。 *現 在使われていない展示室にXを 付けて下さい.

15。 現在貴館 で,来 館者 との関係 において,解 決す べ き課題 は どんな ことで しよ うか .ま た そ の障害は どんな ところにあ るので しょ うか 。簡単 にお 書 き下 さい.

:6。 その他

御協力 あ りが とうこざい ました 。


増殖 す る美 術館

:ア ンケ ー ト用 紙 記 入 要 項

美i Feア ンケ ー ト月照 ふ りがな

1.名 称

2.所 在地

3.設

置者

L島暑 』 覇

(そ の 1)

』 専 業 菫葛 高 層 f'^ | TEL As

r tAz -

r`

Ba'tr

←′ キ 、 こ 麓謂轟ヽけ 2.都

1.目

6.特 殊法人

3.市

道府県

7.財

4i公

町村

B.宗

団法人

(2Q?>

教法人

5:組

9。

会社

(b.学 餃法人 11.社 団法人 12.そ の他 (

下三 山 ′子 燿 薔 口 馬 現 行バス ~ =駅 バス停下車 → 徒歩 1● 分 900 m位

1重

BI

6.建 設

1.32合 ●.目 磁

8.施 畿

q月

思57年

7.入 場料

3.考 8.彫

2.E■ 7.工 芸

1目

敷 地 面 II

650 m2

工床●ll

3:2

4.民 9.染

館 │ム

《 大人

無料

08

T畳 同

'

食堂

5. 該 当す るもの 1つ に Oを 付け て下 さい .郷 土館資料館 は展示 の 内容

:oo円 ) 7

●2 晨

)

4月

大学生

途簗面II

C、 絵可 10.他 (

58年

2oo円

う,

二 外 晨示

3.該 当す るもの 1つ に Oし て下 さい 4. 複数路線のある場合には, 代表的 なものを記入して下さい.

4.交 過

5。

)

m2

40 m2 有

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によつて下 さい.

料 宅 唇 発 電 畠 :褒 P無 棄 有料 の場合料金 を X爵 8澪

記入 して下 さい .

最 31事 雰 翼 幕 基 仝 経 場 雪 T通 暮 美術館部分の i

延床面積,展 示室面 ・ 積 のみ記入して下さい1

泰 尚 ,展 景 瞥 :融 合 与 量 ζ F嘉 露 や ホ ール は展示 :

=致

=取

晨示

=

藩酷

:菫

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■ .常 設晨0み 実施す る。

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うち特別晨

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毬環

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4 =

属示

9・

80

地上 地下

2 饉 o 晴

さい .

そ の うち,特 別展が あ る時 にのみ 使われ る展示室 の数 も記 入 して下 さい 。 該 当す るもの 1つ に Oし て下 さい 。

設農。特別晨 ともに実施す る。

3.特 別展0み 実施す る。

展示 替 え

一年に

L

室 に含 めないで下

口位

泳調査用額量3枚 あ りぎサ:


増殖す る美術館

〃 ′

くそ の 2)

員 輌 館 ア ン ケ ー ト月 近

1

楓禁

o常

3.│1別 展開催中 4.現 在休鯨中

H日 :

D燿 目 )晨 「・

■晨

25

11月

日 現在 )

2S

版□

古員術

口磁薔

E史 資料

考古資料

点 ・

策饉

合辞

彫刻 (屋 内 ) 晨示物

(

: 52

綸百 11.

題目 :フ で 口證

設晨闘饉中 2.常 設民十11別 晨口催中

3

彫刻 (E外 )

= 民 =

その他

(

5

)

\ く 菫 釜 言

負電

1.中 富生

利 用 者 層

=2ヽ 3。

5。

団体

6。

その他

(

)

青年 社会人

4.始 人

0.老 人 )

6。 その他 《

究者,関 係者 の利用が比螢的多い。 =.研 2.■ 光客.参 拝客。E足 等の利用が比餃的多い。

0。 羹好 漱況

12.

C口

じ人が何度も利用す る傾向が見 られ る.

4.来 饉者は多層にわた り,特 に傾向は見 られない。

利用者

5。

その他

0利

平 日― 曰当りの来饉署数 人数

喜 屁 ■ 0 滞 在 時 目

休日一日当り0来 饉引 劇

《 ・・ ●7

)分

( =4 )分 ( 54 )分 ( 69 )分 《 15 )分 デ ータ内書

( 27 )分 ( 38 )分 ラ )分 5ム ' )分 ( 71 )分 )分

31 )分 ( ・25 )分 29 )分 ( )分

16)分

l

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敗地全体を含む

籠燿

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65

130

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( 34・ )分

用が比螢的多 い。)

1

1

♯時目合針 《 絆→平均滞在お目

31月 )分 (

(

)分

見積 りか ら

: =菫 二塁,0み

25日 4き

♯人数 (

)分

暉日

)人

10.該 当す るもの 1つ に Oを 付け て i 下 さい .常 設展 ,特 別展 とも I 展示会 の題 目を記入 して下 さい。 ,

1

-今 日の 日付を記 入 して下 さい .

11.現 :

在 展示 され てい る作品 の数 を 記入 して下 さい .収 蔵品 (展 示 されな い物 )は 入 れな いで下 さ い 。現 在改装 中,休 館 中 の美術

1

:積 番 鶉 :搾 貪 ま 豊 長8曙 雫 晉

12. :利 用者層 : 特 に多 い と思われ る利用者層 を挙 げて下 さい .2つ 以上 の 1

.

場 合 は,左 右 を線 で結 んで下 さい 。 ・該 当す るもの 2つ 以 内 にOを ・ 状況・ 付 けて下 さい . ・ ・大 体 の数字 で結 構 です . 人数・ ・ 滞在時 間 _ 今 回の調査 の 中 で 最 も重要な 項 目です 。来 館者 の滞在時 間 i を調 べ て頂 きた いのです (な るべ く 10人 以上 ,晴 天 の 日 の 3休 憩時 間も含 めた滞 在時 : 間 ).不 可能 であれ ば 館 員 の 方 による 来 館者 の平均滞在 時 間 の見積 り でも結構 です 。 :: そ の場合,な るべ く多 くの館 御意見 を記 入 して下 番 RFの 1 1内 容 上 の数字が実測か らか 。見積

する を 0て 方 宅 鷲 梵 讐 禁 呂 デ ‐ ・ ・ 1領 場u語 電 宮 ボ L菖 樹 贅 あ 真 鳥 笙 │ ,菫 客 歌 :秀 警 ヒ も L覚 寒 讐 牟

1

.

当方 で記入 いた します .

*調 査 用紙はも う 1枚 あ ります .


増殖す る美術館

〃 ノ

展示壁面


増殖す る美術館

4-3

調

〃 ′

調査は,観 客行動 と展示空間 との関係 を探 るというもう一つ の 目的 を持 つて お り,で きるか ぎ り似た展示環境 を対 象にす る必要があつたため,資 料的展示 の美術館は除タトした .そ の結果 調査対象 としたも の は次 の とお りである。

(1)博

物館法第 4条 に該 当す る登録美術博物館 .

(2)博

物館法第 29条 に該当す る美術博物館相当施設 .

(3)前

記 の 2者 に該当しな い美術館類似施設 .

(4)展

示種別 として歴史 ,考 古資料,宗 教美術を挙げ るものは除外す る。

(5)大

学 に付属 してい るものは除タトす る。

(6)美

術館以タトでも美術館的色彩 の強 いもの 。

以上 のような 視点 に立 つて抽 出 した資 料を分類整理 した 結果 ,調 査対象美術館は 367館 の うち,

191館 にのぼ った 。

対象美術館名は以下のとう りである。


増殖す る美術館

////

【北海道】――――――――――――――――

警喜寧7書 書曽________― ――Y整 里

『 雪 曽 ________― ― 曇 ]] ― 旱 警 勇馨 雪 亨

_________―

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誓 書 言 詈 彗 曽 _____― ― -1[童

神奈川県立近代美術館 箱根美術館 彫刻 の森美術館 .

151:書 ]三 f警

[:量 :11言 :曽 _____― -2:::_ 1曇

曇 詈 墨 冨 手

朝倉彫塑館 板橋区立美術館

出光美術館 いわ さきちひ ろ絵本美術館 上 野 の森美術館 太 田記念美術館 大倉集古館 玉堂美術館 久米美術館 栗 田美術館 国立西洋美術館 五島美術 館 サ ン トリー美術館 渋谷 区立松湾美術館 書道博物 館 西武美術 館 東京 国立近代美術館 東京 国立近代美術館工芸館 東京国立博物館 東京都美術館 東郷青児美術館 日本 書道美術館 日本 民芸館 根津美術館 畠山記念館 原美術館 ブ リジス トン美術館 松 岡美術館 山種美 術館 横 山大 観記念館

::『

曇 〔唇

1讐 M財 団 r区 立

.

O r会 社 0

M財 団 国立

r財 団 r会 社 r区 立

M財 団

O r会 社 M国 立

O r国 立 M国 立 r都 立

O r財 団 M財 団

O r財 団 M財 団 M財 団

0 0 0 0 0

財団

r財 団 r会 社 r財 団 r財 団

M県 立 M財 団 M財 団

留 磐 _______lEI

帯 言 言物 館 [信

全 會曽_____ L↑ 晉 =雷 高岡市立美術館 富山県立近代美術館

r財 団

M財 団 M財 団 M財 団 M財 団 M財 団

‖ ::

2-二 留里 .

O r市 立

r県 立


増殖す る美術館

富 山県民 会館美術館

-石川県立美術館 t6,rl)

O r財

r県 立 小松市立博物館分館宮本三郎記念美術館 r市 立 【福丼 】――――――――――――――――― r県 立 福井県立美術館

t

'I#I

青楓美術館 山梨 県立美術館 哺月美術館

(EfI -美ケ原高原美術館 騎 山館 北野美術館 小諸市立小山敬三美術館 信濃デッサ ン館 信州新町美術館 諏訪市美術館 高輸美術 館 長野県信濃美術館 日本浮 世絵博物館 八 ケ岳美術館 北斎館 山本鼎記念館 禄山美術館 (歴 )藤 村記念堂

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r財 団

1美

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M社 団

香 讐_______― ― ¥[童 ― 3讐

団 M市 立 M私 立 r町 立 r市 立 r財 団 M県 立 r財 団 r村 立 r財 団 r市 立 r財 団 r財 団

.

二 審 警‐ 巖 警賛春 雪_____― 一 1型

逸翁美術館 和泉市久保忽陶磁美術館 大阪市立東洋陶磁美術館 大阪市立美術 館 国立国際美術 館 藤田美術館 正木美術館

O r財

O

r国 立 r市 立

T竺 菫f含 奮_磐 _______― ―一二留里 7曇 [手

M財 団

O

M財 団 M国 立

.

M私 立 M県 立

O r財

京都現代美術 館 京都 国立近代美術館 京都目立博物館 京都市美術 館 堂本美術館

r財 団 r市 立 r市 立 r市 立

M国 立 M財 団 M財 団

〔 質L李 唇雪書暑些言菫誓営磐____二 雪書 .

r県 立 岐阜県美術館 M私 立 熊谷守 ― 記念館 【静岡】 ―――――――――――― ――――― 池田 20世 紀美術館 r財 団 佐野美術館 r財 団 静岡市立 沢 介美術館 r市 立 ねむ の木 こ ども美術館 O r学 校 浜松市美術館 r市 立 富士美術館 r財 団 ベルナ ール・ ビュッフi美 術館 O r財 団 MOA美 術館 r財 団 【愛知 】 ――一 `― ――一 =__=_=― ― 二 r県 立 愛知県陶磁資料館 M県 立 愛知県文化会館美術館 O r財 団 桑山美術館 M財 団 徳川美術館 r市 立 豊橋市美術博物館 ヒマラヤ美術館 r私 立 ・ ― 【京都 】―――――― r財 団 池大雅美術館 .

r財 団 r財 団 r財 団

川美術館 香雪美術館 滴翠美術 館 鉄斎美術館 西宮市大谷記念美術館 自鶴美術館 兵庫県立近代美術館 (X)神 戸市立南蛮美 術館 (X)小 原流芸術参考 館

M市 立 r ?

奈良県立美術 館 奈良国立博物 館

M国 立

M宗 教

r財 団

M財 団 r県 立

r県 立

iI]言 :杏 言営壼蚕警奮雪磐__:_I::. 串本応挙声雪館

O r宗 教

誓 岱 春 雪 曽 _____-2-二 曇 書 叢喜 『 聖 曇 書 讐 留 曽 _____― ― Y曇 書 ― 〔 螢 れ ヤ 足立美術館 r財 T驚

.

.

原記念館 田部美術館 (歴 )出 雲大社宝物殿 (総 )島 根 県立博物館

r財 団

O r財

r宗 教 r県 立


増殖す る美術館

【岡山】―――――――――――――――――・

〔 贋ふ〒F空 習警墨蜃替誓営讐____Y曇 喜 _

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T竃 高子警喜春響曽______― ―一二雪書 .

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I:[:言 I:f留 響養響讐_____:::.

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金刀比羅宮博物館 高松市立美 術館 丸亀美術館 (総 )香 川県文化会館

M宗 教 M市 立 r市 立 r県 立

M一 回答な し

喜:_____2_I言 :_ [言 ::]I:晉 う 1鴛 巣 テ雪曇喜春雪警留雪______二

曇喜 菅l]]子 春雪磐_______― -2-二 塁喜 脊書曇子蓄雪含曽_______― ――Y曇 書 含 讐 留 曽_______Y曇 喜 1饉 λ Ξ F曇 警 _

_

_

_

【沖縄】――――――――――――――

r― 回答 あ り


増殖す る美術館

4-4

回 収

前述 した女 口く,調 査票 は,昭 和 58年

12月 1日 現在 で記入 し, 12月 20ま でに回答 して

返送を依頼 したが,締 切 日を守 つた回答館は必ずしも多 くな く。そ の資料 を基礎 として統計処 理をす ることは,き わめて危険 であることが 予想 されたため,昭 和 59年 1月 せぎるを得な くな った 。1月

31日 まで延期

31日 におけ る回収結果は, 191館 中 124館 とな り,転 居先

不明 のため返却 された のが 2館 .博 物館相当 のた め,回 答 が難 しいと電話連絡があった のが 2 館あ った .従 つて回収率 は,

187館 中 124館 ,66。 3%に のば り,3館 の うち 2館 か ら

回答を得たわ けで,こ の種 の調査 としては,圧 倒的なもの となつた 。ただ し,

124館 中 6館

が ,休 館中 で あった り,博 物館相当のため,デ ータとして 同等には扱えず9集 計対象 となった のは,

118館 である。

館種別にみ ると,国 立 9館 中 2館

(22%),県

立 46館 中 27館

(59%),市

町村立 3

4館 中 23館 (67%),財 団法人 82館 中 51館 (62%),そ の他 20館 中 13館 (65

%)と な り,国 立,公 立 の大規模館か らの回答率が低調 で あった 。 これ は調査依頼 で美術館疲 れ を唱つたた め と思われ るが,国 立か らの協力が得に くい ことは毎度 のこ との様 である。 回収率が 高か った原 因 として,従 来 の調査 は調査項 目が およそ 200に ものばっていた のに 対 し,本 調査 はおよそ 30項 目に絞 つたた め と思われ る。 さらに回答内容を検討 してみ ると,い くつかの問題が明 らかになった ので列挙 してお く。

(1)館 種 の項 目が,美 術館によ って収集品が多様にわたってお り,複 数 回答 した 館がかな り あつた ◆そのた め複数 回答 した 館は,展 示品 の最も多 い ものを種別 とした 。

(2)滞 在時 間について は 40以 上の館が実測を行なって くれた 。しか しなが ら.同 一 グル ー プの時間を書 き並べ る例 が あ り,

10組 以上 と記載す べ きであった 。 また 。統計処理に堰え得

るデ ー タ数は 30組 以上 であ り。集計結果 の信頼性が若平 落ちると思われ る。

(3)美 術館平面図を 同封 しない例があ り,美 術館 自身が答え得 るだけの整理を行な つて


増殖 す る美術館

/J/

いない と思われ る。

(4)美 術館 の平面 図 に動線 を記 入 しても らったが,休 憩 の場所を記入 しても らつてお らず。 美術館 の状態を把握す る上 では不完全 なもの とな ってし まつた。

(5)加 盟団体については記 入要項 をつ けてお らず,美 術館が加盟 してい る団体名か,美 術館 に加盟 してい る団体名か。混乱 を起 こした .

今回 の調査 で は,全 国の美術館に御迷惑な 依頼を申し上げた ことをお詫びす るとともに,積 極的 な 御協力を頂 き,回 答を寄せ られた多 くの館 員の方々に対 して厚 く御札 を申し上げ ます 。 なお,調 査 の中 で,こ の様な調査が年

10回 も来 るが ,そ の後 どう処理 されているのかはな は

だ 疑同 であるといった 声や。 この調査だけ では美術館 の良 さを表 現 で きない といった声が 日か れた .ま た。美術館疲れは重要な問題 であ るが ,美 術館 の規模は,美 術館本来 の主旨によつて 決 まり,疲 れない様 に規模を整える ことはおか しい。 といつた貴 重な御助言を頂 いた。


増殖す る美術館

4-5

術 館

の 実 態


増殖す る美術館

4-5-0

こ ま し

'ど

ヽ ここ

美術館 の調査報告書 を記 述す るに 当 り,こ れか ら述 べ る内容が ,ど こまで現在 の 日本の美術 館 の実態をと らえ得たか。そして また 。 この報告書 の意義 と価 値 について,ど れだ け多 くの人 々の評価が得 られ るか疑念な しとしな い。それは,す でに結論にお いて述べ た こと く.回 答率

66。

3%.美 術館総数か らす ると 32。 1%を 基礎資料 として作業 を進 めた ことにある。

当該調査 の 目的は,日 本博物館協 会 の調査 と異な る点 において明確 にす ることがで きる。先 ず,美 術館 のみ を対象 とし,そ の実態 を明 らかに した上 で,好 ましい美術館 としての 規模っ展 示作品 ,展 示方法 の関係 を来館者 の行動を評価基 準 として求 め.さ らに企画運営,建 築計画 レ ベル に運用可能な資料 を提供す ることにある。 これか ら述 べ る数値や傾 向等が正 しく理解 され,そ れが美術館行政 ,美 術館運営 .美 術館活 動 に有効 に反映 され ることを期待 し,日 本 の美術館 の 向上 と発展 を念願す るものであ る。 この 報告書に記載 されたデ ー タが各美術館 にとってプラスに作動す ることを特に念願 してや まない . 美術館 の実態を調査す るにあた り,直 面 した 問題は,調 査対象施 設 を選択す るにあた り,美 術館 とは何か という概念 を明確に しておかなけⅢばな らな いことであった 。美術館 とい う名称 は現在 ,何 等 の法的規制 を受 けることな く議 で も 自由に使用す ることができるので,そ の 規模 . 目的,設 置者,管 理者に至 るまで千差万別 であ る。営利 を 目的 として き る観光施設 で も,高 額 にのぼ る美術品を課税 の対象か らのがれ るためであって も,そ の施設 を美術館 と名づ ければ , 一応 ,美 術館 として世間に通用 させ ることがで

言 るのであ る。美術館 関係者 のなかか らは,時

折.美 術館 とい う名称 の規制を訴え る声があるが ,法 的 に実 るまでに は至 つていない 。一 方 で は,ま た ,美 術館 とい う名 称を意目的 に避 け る傾向も見 られ る.各 地に見 られ る美術 セ ンター

,

資料館 ,記 念館な どの中には,美 術館 としてふ さわ しいものがか な り多 く含 まれ,ま た 博物館 と美術 館 との区別は無 い に等 しい。 調査対象施設 を美術館 と認定す るよ りどころの一つ に博物館法第 2章 にもとづ く登録博物館


増殖す る美術館

の 中の美術博物館がある。登録美術博物館は登録 の 申講 をした 美術博物館が

登録審査 基準 (文

部省社会教育局 )を 受 けて指定 され るもので,こ れをもって正規 の美術博物 館 と言え るもので あ る。現在,登 録美術博物館 の数 は 367館 あ り,ま た 登録博物館に準ずるも の として 博物館 相当施設があ り,こ れも審査基準 に照 らして合格 した場 合 に相当施設 として都道府県教育委員 会よ り指定 された 博物館 であ り,登 録博物館 と同 じ位 の数が存在す る。一般 には正博物館 に 相 当す る準博物館的な感覚 で理解 されやすいが,な かには 国立 の一般博物館が 相当施設 にな って い る例もあ り,登 録,相 当とも調 査対象 とした . さて,美 術館は市民の手 によつて 自然発生的 に誕生 す る姿が望 まれ る一 方 ,社 会 の 要請に従 つて国及び地方 自治体が設置す ることも望 ましい 。現在 の 日本には両者が

共存 しているが 共栄

しているか どうか は疑同 である.私 立美術館 といつてもその経営形態は多様 で,法

人 ,会 社.

個人等があ り,経 営内容 も決 して優雅なものばか りではない 。また行政の側 でも,文 化庁 と 文 部省 の二つの主流が発生 し,社 会教育 の系列に入 る従来 の ものと,文 化財保護課系列 に属す る 資料館 と名 の る博物館が誕生 し,博 物館 の現場 に少なか らず混乱 の きざしがみえてい る。 ■の ように多様化 してい く美術館は,そ の背景には,そ れぞれ異な った 目的や機能によつて 操作 され るという現実か ら眼をそ らすわけにはいかない 。実情把握 のた めの分類や類型 化 が

行 し,現 場 の主体性を損な うよ うな事があって はな らない 。 今回 の調査 の結果は,美 術館 の 目的や機能 の 相違が,建 物 ,施 設,組 織 ,活 動にお いて具体 化 して くるこ とを踏 まえた上 で,正 し く,具 体的に,あ る特定 の美術館に適 用 させる場合には

,

当該美術館 の性格●機能 を前提 として活用 され ることを期待す る。


増殖 す る美術館

4-5-1

妻 ≧1市 館 の 分 類

美術博物館は美術品 を収集 し,公 開す る博物館 で ある。その収集資料 の内容 は,時 代的には 古美術,近 代美術,現 代美術に,地 理的 には日本美術。東洋美術,西 洋美術等 に 区別 され る。 わが 国の美術博物館を通 観す ると 古美術を主 とす るもの,そ して 日本 及び東洋美術を中心 と ・ す るものが多 いが,近 代及び,現 代美術 ,あ るいは西洋美術を収集 しているものもある。また 資料 の種類は,絵 画,彫 刻,書 跡 ,工 芸等にわた るが ,考 古遣物,民 俗資料等 で美術品 として, あるいは美術参考資料 として収集 され てい る例も少な くな い。 それ らの資料 の中には,国 の指定す る国宝,重 要文化財及び県市 等 の指定文化財が 多数含 ま れていて,美 術品 としての価値 の高 い ものが多 く。 また歴史資料 として,貴 重なも のも少な く ない 。そうした点か らみ ると,美 術博物館 とい う中には,歴 史博物館 と共通す る色彩 の強 いも のがあるし,歴 史博物館 の中に美術博物館 の性格 を兼 ね るものもあ る。 こうした 関連性は郷 土 博物館につ いても同様 で ある。郷土にゆか りのあ る作家 の作品 ,地 方工芸 の参考資料等を収集 している施設は,郷 土博物館 であ るとともに,美 術博物館 としての機能も持 つてい るわけであ

る。それ らを総合 してみれば,美 術博物館は全国的 にかな り普及 してきてい るともいえるが, なお量的 には少ない し,地 域的には大都市に偏在す る傾向が見 られ る.そ うした 中で,地 方に 所在する社寺宝物館,篤 志家による美術博物館,郷 土作家 の作品や。地方工芸資料を収集公園 している資料館等 の私立美術博物館は貴重な存在 と考えられる。 今回の調査 で調査票を発送 した美術博物館は 191館 で,回 答を得た のは 124館 であつた .


増殖す る美術館

4-5-2

蒙 ≡4市 宙 三 の ゲ }布

美術博物館 367(日 本博物館協会調査資料 ,昭 和 57年

fig.4-5-1,2,3に

12月 25日 現在 )の 分布状況は

,

示 され る。 これ を全国 8プ ロッ クに分 けてみ るとfig。

4-

5-4の 様にな る。 北海道は 7館 ,

1.9%,東

0%,近 畿 73館 19.9%,中 8.7%と

北 24館 6.5%,関 東 82館 22.3%,中 国 34館 9。

部 99館 27。

3%,四 国 16館 4。 6%,九 州 。沖縄 32館

な り,関 東 ,中 部,近 議 の三地 区 で,69。

2%,全 国 の約 7割 が集中 し,そ の他

の地区は極 めて少 ない こ とが知 られ る. 都道府県別 で回公私立 をあわ せて 10館 以上は,東 京 47館 っ長野 25館 っ京都 23館 ,愛

18館,岐 阜 16館 。兵庫 15館 ,静 岡,大 阪 13館 ,岡 山 12館 ,島 根 11館 の各都道府

県であ る。 これに対 し,美 術博物館 のな い 県は,徳 島 であ る。ただ し,総 合博物館.歴 史博物 館.郷 土博物館或 い は文化会館等 があつて,美 術 に 関す る博物館の機能が 全 く無 いわけではな い. 美術博物館が主要都市 に多 く所在す ることはいうまでもな いが,多 治見市古陶器陳列室.常 滑市立陶芸研究所等 のよ うに,と くに歴史的伝統 のある工芸 関係等 の資料 を現地 で収集公開す る施設が い くつかみ られ る。また社寺 には,仏 像,仏 画経典仏具奉納絵馬等お文化財があ り。 それを宝物館 .収 蔵庫等 に収納 し,美 術博物館 として公開 している社寺 は 23館 を数え,私 立 の 22.5%を

占め,全 国的に分布 し,都 市を離れ て所在 す るものが 少な くな い 。

立地場所別 にみ ると fig.4-5-5の 1。

様に,ビ ル建物 の中にあ るも のが

118館 中館

1

0%,大 ,中 都市 の街中にあるも のが 16館 13。 7%,都 市公 園 にあるものが 39館 3

3.3%と

最も多 く,住 宅地 にあるものが

10館 8.5%,郊

%,観 光地 にあるものが 17館 14.5%,山

タトにあ るものが

間地 にあるものが 2館

1。

19館

16。

7%と なつた 。

2


増殖す る美術館

/J/ 昭和 57年

美術館集計 県名 北海道 青森 岩手 秋田 山形 宮城 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 山梨 静岡 愛知 岐阜 神奈川 新潟 冨山 福井 石川 長野 二重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 大分 佐賀 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 ,中 縄

国博

県博

00

国美

12月 25日 現在 県美 市美 町美 村美

財美 宗美

私美

1 1

1 0

1 0

1 0

1 0

1 0

0 0

1 3

0 0

0 0

0 0

0 0

1 0

1 0

0 0 0

3 0 0 1 0

0 0

0 6 0 0 0 0

1 5 0 0 0 1

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0

0 0 0 0 0 0 0 0

1

0 0 0 0

0 0

4 5

28

47  5

1 0

1 6

0 0 0

0 3

1 1

1 3 1 8

1 0

1 6

1 3

1 0

8   6   5

1 0

1 0

1 0

1 0 3

0 3

3 8

1 0 3

1 0 2 3

1 0 0

0 0 0

1 7

0 6

0 3 2

1 1

1 3

1 2

1 1

15  7

0 0

0 0

0 0

1 0

0 0

1 6 0

1 4 7

1 0 0 3

1 1 0 0 0

1 1

0 1

7 7

1 0

0 0 0

2 0

1 0 0

3 2

0 2

0 0

0 0

0 0

0 0

1 2

1 0

0 0

1 0

0 0 0

1 0 1 2

4 0 5

4125 60 44 34 367

7 38 44 11

fig。 4-5-1

0 0

3 11 1 2 4 0

0 0

2 5   3   6 23 1 3

1 0

1 4

8  8

0 0

1 2

1 1 0

1 0 0

0 1

1 0

0 0

0 0

1 3

1 0

11 31

1 3

1 1

1

0 0 1 1 0 1 1

1 2

1

1

4 5

1

0 0 0 0

7 1 5

都道府県別美術館設置状況

(日 本博物館協会編

博物館総覧 ,博 物館研究よ り)


増殖す る美術館

′58

県名 7

海道 森 秋田 山形 宮城 福島 茨城

1 5 ・

馬 玉

4 5 5 4 5 5 3

山梨 静岡 愛知 阜 奈川 新潟 冨山 福井 石川 長野 二重 賀 都

和歌 山 鳥取 根 山

4   5  4 7    5  1 3  1 8  1 6    8    6    5    8    8  2 5    3    6  2 3   13   1 5     7     6     3   11   1 2   4   4   0   7   7

山口 徳島 香川 知

賀 崎 本

* * * * * * * * * * * * * *

2   8

* *

5   3

* * * * *

2   4   0   5

児島

***** **** _ ***** ***** **** ***** ***** *** **** ***** ******************************************Ж ***** ************* ****************** **************** ******** ****** ***** ******** ******** ************************* *** ****** *********************** ************* *************** ******* ****** *** *********** ************ **** ****

* * * * * * * *

* * *   * *     * * * *

*****

3

67

fig。 4-5-2

都道府県別美術館設置状況

(日 本博物館協会編

博物館総覧 ,博 物館研究よ り)

**

**


増殖す る美術館

名 海道 森 手

馬 玉 梨 岡 阜

り ││

新潟 富山 福井 石川 長野 二重

滋賀 京都 兵庫 良

和歌山 取

島根 岡山 山口

香川

大分 佐賀 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄

3

(区 分 )

数 7 1 5 4 5 5 4 5 5 3 4 5 47  5 13 18 16  8  6  5  8  8 25  3  6 23 13 15  7  6  3 11 12  4  4  0  7  7  2  8  5  3  2  4  0  5  5 67

国 私

1234 県県県市市財他 財 財財財宗私 県市町 財 財財財財宗 県町宗私他 県財財他 財財財財宗 県町宗私他 県財宗 県財財他 県宗私私私 国国国都市市財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財財宗宗宗他他他他他他他他他 県財私私他 市市町財財財財財財宗宗宗他 県県市市市市市市財財財財財宗私私私他 県市財宗私私私私私私私私私他他他 県財財財財宗宗宗 県村財宗宗他 県市財私私 県県県町宗宗宗 私 県市市市財財財他 県市市市市市市 町町町村村村財財財財財財財財宗私私私 県市財 町財私私私他 国国市市財財財財財財財宗宗宗宗宗宗私私 他他他他 国市市市財財財財財財宗私他 県町町財財財財財財宗宗宗私私他 国県財宗宗宗宗 県財宗宗宗宗 財宗私 財財財財宗宗宗宗宗宗私 県市市市財財財財財財財私 県市財宗 県財財財 県市財宗宗宗私 県県財財宗私他 市宗 県市市市財財財私 県市市市私 県町他 宗宗 県財財私 市私 他他他 財財私私他 国立 個人

1234´ 県 (県 立 )市 (市 立 )財 (財 団法人 )宗 (宗 教法人 ) 他 (特 殊法人,福 祉法人,株 式会社D組 合など)

fig。 4-5-3

館種別都道府県別美術館設置状況

(日 本博物館協会編

博物館総覧 ,博 物館研究よ り)


増殖す る美術 館

九州 魯こ

HOKド ∩ lD0 TOUHロ バu K∩ NTOU

CHUUBU KINKI CHUU60KU SHIKOバ U KYUuSHUU

1.3%

■4

6.5・/.

8■ 99

二重.3m/ 27.●・/.

73

19"9%

16

3.3・/. 4.6・/.

3■

8.7%

34

34 中国

82 関東

プロック別の美術館分布

山同地 2 3 4 5 6 7

ビル の中 都市 の街中 都市公園 住宅地 費 5タ ト 観光地 山間地

14 16 39  2 19 17 11

11.8% 6% 33。 0% 1.7% 16.1% 14。 4% 9.4%

中部

"

fig。 4-5-4

北海道 7 24コ に1ヒ

11

ビルの 中 14

13。

観 光地 `r

コ Fタ ト 19

住宅地 2

fig。 4-5-5

38都 市公園 立地別 の 美術 館 分布


増殖す る美 術館

4-5-3

ヨ量

=二

‐ 割菫 千多

/g/

有効 回答 のあった美術博物館

118館 の設立年次を示せば fig。 4-5-6(昭

和 1年 を

初 め とし,以 降,3年 単位 で 区切 り,最 終相は昭和 57,58年 の 2年 のデ ータのみである) の とうりとな る.さ か のぼって,明 治

14年 までに設立開館 されたも のは,江 戸時代にさか の

ぼ る書光寺大観進宝物館 (長 野市 )を は じめ として,鶴 丘八

宮宝物殿 (鎌 倉市 ),東 京国立

博物館 (当 時 の文部省博物館 ).大 吉美術士宝焼参考館 (愛 知県士宝町 ),吉 水神社書院 (奈 良県吉野町 )で ある。以後,明 治末年 で 9館 ,大 正 ∼昭和初年 に若平増加 しつつ あつたが,戦 後 になつて急激 に増勢 を示 し.そ の傾 向が 現在 に及 んでお り,美 術博物館が戦後 の爆発的文化 産物 であ ることがわか る.こ とに,戦 後 は,各 都道府県に美術博物館 あるいは,美 術 を含む総 合博物館 または歴史博物 館,郷 土文化館等 の設立気運が さかんであ り,ま た社寺 の文化財保護 のた めの収蔵施設がつぎつぎに建設 され てお り,私 立美術館 の増改築 も行なわれ,都 市 ビル建 築にともな つてその一 部を美術博物館 とす る例も少な くな い。特 に昭和 26年 (博 物館法制定 ) か らオイル ショックに見舞 われた昭 和 46年 末 まで,日 本 の美術博物館 の半数以上が雨後 の竹 の子 の安 口く林立 していつた背景 として,日 本 の異常な まで の高度経済成長 との関連が認 め られ る。 高度成長 の波 に乗 つて訪れたのが 明治

100年 とか県政 100年 の記念事業 であ り,そ の格

好な 記念碑 として美術博物館 がえ らばれた ことは 当然 の帰結 であつた と言える。 最近

10年 間 の推移 を見 ると (fig。 4-5-7).オ

ものの,近 年もちな おしぅ毎年

イル シ ヨッ ク以降多少落ち こんだ

10館 以上開館 してお り,美 術館ブ ームが定着 してい ることが

わか る。 このよ うに増加 しつつあ る美術博物館 の超勢 を,年 次 を追 つて累計的も示す と,fig.4

-5-8の

とお りである。な おこの表 は現在 まで継続公 開 してい る館に限つたものである.


増殖す る美術館

ごり

28 21 ,こ

22 20 13 15 14 12 1`

3 b 4 ピ

12 15 19 21 24 27 30 33 36 _● 9 42 45 48 51 54 57 60 fig.4-5-6 美術 館 設 立 の推移

(今 回 の調査か ら) 可HANト ■●

_

1■ :

1`二 14二 1■

10■ =二

`二 4二 ■

:

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 4i

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 4,

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 50

(日 本博物館協会 の調査か ら)

51

5■ 5■

fig。 4-5

54

7

55

5■

最近

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

57

一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

5■ CN

10年 間 の設 立 の推 移


増殖す る美術館

物 % 物 り ] 圏 協 協 留 日

自 日 目 雨 幽 国 国 口 日 円 日 口 国 口 国 目 田 躙 田 □ ¨ 中 fig.4-5-9 .     大

2030105060,00090100

目 % □ □

日 日 日 日 [

円 日 田 日 円 円 日 日 , 日   ¨ r   ■[ ]   ■円   ■] [   i■ 口    ・[     田     日     ]     田     円       円 朋     Ⅲ     門     ] 礼 榔   九州 ¨ ・

K椰 指定

口 田 = l H 日 日 国 目 ・ 目 門 国 洲 m

都遺 ″ . 立   ..           市  立             私  立                                                                                                                                  横  浜 名 古= 大 販

● ・   京 椰 ● 含 ●・

美術館 の都市集中状況

(日 本博物館協会 の調査 よ り)

fig。 4-5-8

現在 までの開設美術館積算図

(日 本博物館協会 の調査か ら)


増殖す る美術館

4-5-4

′ε4

美術館 の設置者別 では,fig。

9%).都

道府県立 38館

(34. 1%),宗

(10.0%)で

4-5-10に

示 した こ とく,367館 中国立 7館 (1。

(10。 4%),市 町村立 59館 (16。 1%).財 団法人 125

教法人 60館

(16.3%),私

あ り,公 立 28%。 私立 72%と

設 44館 (11。

9%),そ

の他 37

,お よそ 4分 の 3が 私立美術館 である。

管理者 で は.公 立 で は,教 育委員会 の所管が大部分 を占め,高 校 の校長先生が館長を務 め る ものが多 い ものの,な お商工関係等 の所管 によるものがあ る。私立 では,社 寺 の管理下に属す る宝物館 ,収 蔵庫及び博物館を財 団法人 とし,あ るいは保存協会等 の組織によつて管理す るも のが多 いが ,会 社 の経営管理によるものも若平あ る。 自然史博物館 の場合 ,登 録 と相当施設 の合計 の割合は公立が 42。

6%に 対 して私立は 14.

5%と 圧倒的に公立博物館が 優位にあるが ,こ れが 美術博物館 とな ると,完 全 に逆転 す ること がわか るが それは何故 であ ろうか 。美術博物館 の資料 によれば ,近 年公立美術館の伸びがはげ しいが

(fig。 4-5-11)。

それ 以前か ら私立は順調 に数を伸ば してお り,私 立を公立

が追 い越せな い状態 であることがわか る。 この理由について,「 私立美術館は物 の置場 に困つ て美術館 を建 て るが ,国 公立 の美術館は市民 の要望 の名 の下 に物 とは 関係な く美術館 という名 の建物を建 てる」 また 。「 自然史系 の博物館 とは違 つて,美 術は,そ の辺か ら採集 して くる性 質 のものではない。資料は既に私立美術館に固定化 してお り,仮 に所在が分 り入手可能 であっ ても今度は購入費が 出 せないな どの理由 で資料収集が思 うに まかせない。登録や相当施設 の指 定基準に満たな い所蔵資料 の美術館が公立には意外 に多 いのではないか 」とい うことが考え ら れ る。 ここ数年 の間に建 て られた公立 の大規模な美術館 では今後 ,資 料 の収集は大 きな課題にな る ことであ ろう。博物館法 によ ら博物館 とは,別 な 性格づけ をされた ギャラ リー的美術館 の 出現 が予想 され るゆえんである。


増殖す る美術館

44 市立

1町 立

4 Ca

宗教法人

fig.4-5-10

ia3 B$EA 美 術館 の設 置者 の 割 合

村立


増殖 す る美術館

・ ■      い こハ リ      1i ^t        一 ・ こ

【総合 】

・ 8   4

3

6

9

12 15 19 21 24 27 80 33 3E・ 33 42 45 48 51 54 37 =暑

10

【財団法人】

8

(昭 和 :年 )

= 4 =

3

9

12 1・● 18 21 24 27 3● 38 86 38 42 45 48 51 54 57 6薔 (昭 和 :年 )

ニリ 暮

【都道府県】

L`

3

5

9

12 15 13 21 24 27 3● 33 86 3■ 42 45 43 31 54 57 60 (昭 和 :年 )

【市町村】 彙

i l l : :

3

9

12 13 18 21 24 27 3= 33 36 3■

42 43 4書 31 54 57 6r」 ~ (昭 和 :年 )


増殖す る美術館

4-5-5

/g/

展示内容による館種について は fig.4-5-12の

様 になつた 。総合 というのは,展 示

内容が多様 化 してい る場合 で あ る.そ の他 の 中には総合も含 まれ ると考え られ る。 118館 中. 絵画 45館 (38。

(6.8%)。 館

1%),総

歴史 7館 (5。

(0.8%)で

合 25館

(21.1%),陶

9%),彫

塑 ,考 古 とも 3館

11館

4%),工

(9。

(2.5%)。

芸 8館

民俗,染 繊 とも 1

あった .陶 磁が多 いのは我が 国 の美術館 の特色 であ ろう.美 術館的色彩 の強

い,絵 画,総 合,陶 磁,彫 塑 をあわせ ると,84館

展示事業について は,fig.4-5-13の

,71.1%に

のぼ る。

117館 中 19館 (16。 2%)が 常 設展示 のみ 行な うと回答 してお り,85館 (72。 6%)が 常設,特 別展示 とも行な うと回答 してお り,

様 に,

13館 (11。 1%)が 特別展示 のみ 行な うと回答 している。ただ し,常 設展示 の

み 行な うと回答 した 館 には,企 画展示 を行ない。展示替えを行 う館が含 まれ てい ると考 え られ る.尚 ,特 別展示 のみの館には ,企 画展示 のみ の館 と貸 ギャラ リーの 2つ の形態がある。

展示替 えを行な う館につ いて,そ の年間回数を調 べ た ところ,fig。 布にな り,最 高が福岡市美術館 の 250回 で。平均が,5。 分布 の形をみ ると,4回 と,

07回

4-5-140分

(福 岡市を除 く)で あった 。

10回 あた りの。 2つ のビ ー クが 認 め られ る。 2,3ヶ

月に一度

の割 で展示替えが行なわれてい ることにな る。尚,こ の項 目は調査 の進行中に付け加えた もの であ り,

118館 の うち 69館 のみ 回答 が得 られたものである

屋外展示 については,fig.4-5-15の のが,34館

(29%),行

様に,

117館 中展示を行な うと回答 したも

なわないと解答 した館が 83館

殆 どが彫塑 であ ると思われ る。

.

(79%)で

あった 。屋外展示 の


増殖す る美 術館

13そ の他

蹴 粘 彫塑 3

45絵

歴史

工芸

陶磁

11 25総 合

fig.4-5-12 特別展 のみ

18

美 術 館 の館種

19常 設展 のみ

85 二二重二∠三二三

常設,特 別展とも

13

美術館の展示事業


増殖 す る美術館

(1自 )

20 1じ

16 14 1,

10

8 6 4 ビ

1

2

3

4

5

8

7

8

9

fig。 4-5-14

fig。 4-5-15

1C4 11 12 13 14 15 1Ct 17 1日 年間の展示替えの回数

屋タ ト展示 の有無

19 20 ([コ )


増殖す る美術館

4-5-6

豪 ≧1市 館

の 規

//4

1。

設置者別 の分布

A.敷 地面積 は,fige 4-5-16, 17の

様 に分布 した 。設置者 をみ ると,都 道府県

立 の中に圧倒的 に大 きなものが 分布 し,最 高 は,愛 知県陶磁資料館 の 40万 平方 mで ぁった . これは,山 同地 を切 り開いたものであ り,資 料館は 3館 に分かれ る。次 いで群馬県立近代美術 館がある。私立 で最も大 きいものは,美 ヶ原高原美術館 の

10万 平方 mで ,こ れも,高 原に野

外展示を行 つてい る環 境が 売 り物 の観光美術館 であるe市 町村立 で は,八 ケ岳美術館 の 590

00平 方 mで ぁる。 分布をみ ると,平 均は

15080平

上を占めてい る。さらに,20000平

方 m.2000平

方 m,30000平

B.建 築面積 で は,fig。 4-5-18, 19の 都道府県立が圧倒的であ り,2000平

方 m以 下 の も のが 42館 で 3分 の 1以 方 mに 小 さな ピークが見 られ る。

様に分布 した 。設置者 でみ ると,や は り

方 m.4500平

方 mぁ た りに ピ ークが見 られ る。全

体的に財団法人 の分布 の方が,市 町村立 の分布よ りも広 く大 きい.最 大 は,国 立,都 道府県立 を越えて,福 岡市美術館 の 8541平 方 mで ぁることは非常 に興味深 い 。都道府県立 での最高 は,東 京都 でな く,千 葉県立美術館 の 7642平 方 mで ぁった .都 道府県立 の分布が 3000 平方 m前 後 で,2つ に別かれている。私立 で は,MOA美 術館 の 5471平 方 mで ぁる。 分布 をみ ると,500平 方 m以 下 の ものが ,4!館 あ り,や は り3分 の 1以 上にのぼ る。 4

000∼ 5000平 方 m辺 りに小 さな ピ ー クが見 られ る.平 均は, 1543平 方 mで ぁった 。 C.延 床面積 では,fig.4-5-20,21の 様に分布 した 。設置者 でみ るとっ都道府 県立が大 き く。最高が東京都美術 館 の 32000平 方 mで ぁ る。市町村立 では,4000平 方

m以 内が多 く,最 高が福岡市美術 館 の 14000平 方 mで ぁった 。公立博物館 の設置及 び運営 に 関す る基準 で,都 道府 県立は 6000平 方 m,市 町村立 は 2000平 方 mを 標準 と定め られ


増殖す る美 術館

///

てい るが,全 般に標準以上のものが 多 いことがわか る。私立 で は,殆 どが 4000平 方 m以 下 であ るが ,最 高は,MOA美 術館 の

17246平

方 mで ぁる.

分布 をみ ると.500平 方 m以 下が最も多 く,2000平

方 mぁ た りに市町村立 のビー ク,

4000平 方 mと 8000平 方 mぁ た りに都道府県立 のビー クが 見 られ る。 D.展 示室面積では,fig。 4-5-22,23の 様 に分布 した 。最高 の東京都美術館 の 10962平

方 mを 除 けば0市 町村立 の方が バ ラツキが 大 きい 。最高は,福 岡市美術館 418

4平 方 mを 上回る,京 都市美術館 の 5039平 方 mで ぁった 。私立美術館 は全 て 3000平 方

m以 内 に収 まってい る。 2794平 方 mの 富士美術館が最大 であ る。 分布をみ ると,200∼

400平 方 mが 最高 で 25館 . 1000平 方 m,3000平

方 mぁ

た りに小 さな ピークが 見 られ る.

2。

設立年度によ る規模 の推移

設立年度による推移 をみ ると,敷 地面積が fig。

5-25,延

床面積が fig.4-5-26.展

4-5-24.建

築面積が fig.4-

示面積が fig.4-5-27の

グラフが 得

られた .と もに上段 に全貌を把握 で きるスケ ール.下 段に主な部 分 を拡大 したスケ ールをとっ て あ る。 4つ の規模 ともに,昭 和 36年 を過ぎてか ら驚異的な拡大 を示 している。規模 の大 き な 都道府県立美術館が ここ 10年 あ まりで続 々と開設 してお り,こ こ 5年 あまりで小規模 の美 術館 の数が増加 して きているこ とがわか る。これは,美 術館 の規模が意図的 に小 さくされつつ あ るのではな く,新 規 の財団法人美術 館や 市町村立美術館が 開設 され始 めたか らである。全体 的にみ て,か な りの勢 いで大規模化 している.た だ ここ2,3年 見あた らな くな って きている。 ・

.超 大規模 の美術館 の開設 は


増殖す る美術館

//F (設 置者 )

fig.4-5-16

館 44

(敷 地面積 )

敷地面積 の分布状況

ヽ ′ ・ ト

4。

5HIKICHI

HEIKIH= 15080.1,Q澤

‖EllSEKl

飩 L

l6 ・2 3 4

2

4

6

9

10 12 14 16

ic^4-5-17

19 2● 22 24 26 29 3●

勲地面薔 の合布状況

32 34 36 39 40 (敷 地面積 X1000mom)


増殖す る美術館

//J X」 IKU: KENCHIKU ME‖ SEK

VJ=照 J: SETCHI SHn

(設 置者 ) 14

12

10

1

:

: :

:

:

:

:

:

(1遭 )

44

EEHCHIК り ‖EHSEKI HEIKI‖ = 1543.143コ

40 38 32 20 ,こ

と0

15

12

8 4 5

10 15 2r」 25 3● 35 40 45 50

fi

55 60 65 70 75 80 85 ,0 95 100 (建 築面積 X100mOm)


増殖す る美術館

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(設 置者 )

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14

12

10

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(延 床面積 ) 延 床 面積 の分布 状 況

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fig.4-5-21

(勲

延 床 面積 の分布状 況

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増殖す る美術館

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(設 置者 )

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fig。 4-5-22

(展 示面積 )

展示 面 積 の 分布 状 況

(1日 )

26 TEN」 I ‖E!13EKI

●4

HEIKIN= 1045.41015

20 19 15 14 12 10

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2

4

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10 12 14 16 19 20 22 24 26 23 3●

fig.4-5-23

32 34 36 39 4●

展示面積 の分布状況 (展 示面積

X100m・ m)


増殖 す る美術館

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(平 方 メー トル )

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(昭 和 :年 ) X」 IKU: KAISETSUNE‖

(平 方 メー トル )

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(昭 和 :年 )

fig。 4-5

24

敷 地 面積 の 開設 年 度 によ る推移

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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(平 方 メー トル )

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(昭 和 :年 ) (数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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(平 方 メ ー トル )

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(平 方 メー トル )

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(昭 和 :年 ) (数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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(平 方 メー トル )

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(平 方 メー トル )

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SETCHI

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3 8 7

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8 9

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(昭 和 :年 )

fig。 4-5-27

展示面積 の 開設年度による推移

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

3.各 面積 の割合 敷地面積,建 築面積 ,延 床面積 ,展 示面積 の相互関係を調 べ てみ ると次 の様にな る。

先 づ敷地面積 と建築面積 の比率 (建 ぺ い率 )で あ るが,fig.4-5-28の つた 。上段は全体を把握 してお り,下 段は,敷 地面積 の 0∼

5000平

グラフ とな

方 メー トルの部分 を拡

大 した もので ある。一 番右 に位置 す るのは,愛 知 県立陶磁資料館 の建築面積デ ー タが無 いた め, 群馬県立近代美術館 となってい る。中央下 の 7の 数字は美 ヶ原高原美 術館 である。下段 の 図を 眺 め ると,下 に財団法人がっ上 に公立 のものが 分布 してい ることがわか る。したがつて。私立 の美術館は建 ぺ い率が低 く,優 雅な土地 の使 い方 をしてい ることにな る.ま た,3000平

メー トルを超すもの もあ まりな い .

建築面積 と延床面積 の比率 (容 積率 )で あるが ,fig.4-5-29の た 建築面積 と容積立 との関係は fig.4-5-30の

グラフとな り,ま

グラフ となった 。容積率 の最も高 いの

は,京 都市美術館 であ る。美術館が建物 の一部 で ある香川 県文化会館は同等には扱えな い 。高 い もの の中で渋谷区立松活美術館 はこのクラスとしては異色 で,上 り下 りの影響が心配にな る。 そ の他っ岡山市立オ リエ ン ト美術館 ,兵 鷹県立近代美術館 ,埼 玉県立近代美術館な どのタワ ー 美術館が続 く。平均す ると容積率 はほぼ 200%と な る (相 関係数 0。

84).建

築面積 20

00平 方 メー トル クラスの最近 の公立美術館に容積率 の高 い も のが分布 してい る。 延床面積 と展示面積 との関係は,fig.4-5-31の

グラフとなった 。京都市美術館 を

除 けば,規 模が増すにつれて,展 示面積 の割合 が落 ちてい く筈 であ るため,延 床面積 とぅ展示


増殖す る美術館

/g/

面積比 の関係をグラフにしてみ ると fig。

4-5-32の

グラフとなった 。相関係数が低 い

ため,怪 しさは残 るが ,50%程 度か ら面積が大 き くな るにつれて次第に割 を らしてゆ 合 減 く ことがわか る。そ の割合 を図に戻す と,fig.4-5-33の

グラフの様に曲線が 引けた。

美術館 の方針 とも 関係す るが,ギ ャラ リーだけの美術館にな らない様 にす るな らば,こ の 曲線 を参考に して,規 模配分 を進 め る必要が あ ると思われ る。展示面積比率 の最も低 い 美術館は

,

島根 の足立美術館 の約

10%で ある。 (茨 城県立美術博 物館は博物館 と共用 で同等 には扱か え

ない )。 足立美術館 は,観 光地 にある日本 庭園をもつた 日本近代絵画 の美術館 であ る .次 いで,

MOA美 術館で延床 17246平 方 メートル,辱 示面積 1991平 方 メートルである◆建物が 大規模で大仕掛の割には展示面積は大原美術館よりも小さい.

展示面積 の比率に関 しては,平 均が,公 立 31。

4%,私 立 72.9%(新

建築学大系よ り)

という報告 のみであった が,延 床面積によ る違 い を見 る必要があ り,公 立私立 に 分類す るとっ

fig。 4-5-34の

グラフになった 。線 を引 くことは出来なか ったが ,か な りの相違がみ

られ ,規 模に応 じて割合が 曲線的に減少 してゆ くことか ら.美 術館 の規模計画において 有効な 参考資料 とな ろう。公立において,比 率が 80%を 越すものは見当 らない。 9000平 方 メー トル ,57%の 値は京都市美術館 であ る.公 立美術館 の場合,比 較的分布が まとまってい るが , 私立美術館 の場合 ,小 規模なが ら比率 のバ ラツキが 大 き く,建 築 も多様化 してい ることが る。

伺え


増殖す る美術館

X JIKU: SHIKICHI ME14SEKI V Jlκ U:

建築面積

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fig。 4-5-28

敷 地 面積 と建築 面積

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・ 敷地面積

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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延床面積

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fig。 4-5-29

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建築面積 と延床面積

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(数 字 :設 置者 )建

築面積

Ⅲ ⅢⅢ 建築面積

fig。 4-5-30

建築面積 と容 積 率

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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展示 面積

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延床面積

fig。 4-5-31

延床面積 と展示 面積

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

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延床面積

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美術館

延床面積

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● 一 ● ● ● ● 一 ●

延床面積

(数 字 :設 置者 )


増殖す る美 術館

/g/

4。

展示 と建築

展示にかかわ る項 目として,展 示面積,展 示作品数,展 示 内容,展 示室数 .展 示 フロア ー数 な どを調 査 した。それ らの相互 関係 の 中か ら傾向を探 つて ゆ く.

A.展 示作品数 展示作品数につ いては,収 蔵品 ではない。現在実際 に展示 されている品 についての数 を調査 した .そ の分布状況は,fig。

4-5-35の

グラフとなった 。最高は,豊 橋市美術博物館

で 3万 点 を越す。種別は総合 で,博 物館的色彩が強 いが ,こ の辺 りの区別 は先 にも述 べた様に, 非常 に難 しい。最低は,BSN新 潟博物館 の 12点 で,襖 絵展 であつた。 グラフはア ーラン型 とな り,ピ ークは 80∼

100点 で,小 さな ピ =ク が 140,200点

付近 に見 られ る◆

設置者別 に見 ると,一 般 に私立 の方が公立 よ り展示品数が多 く,ピ ークが 20点 程度右にな り,300点 を越す ものも多 い 。数曇 のみ によつて評価す るわけにはいかないが。それを無視 して単に数豊だけをもつて一 覧 すれば,公 立美術館に とつて資料 の収集が大 きな課題 であるこ とが 襄付 け られ る◆ これは 開館 してか らの経過年数 の違 いに よるところが 大 きいと思われ るが, 施設 の規模 とは相反す る結果 であ り,私 立 の方がかな り作品密度が高 くな ると思われ る.作 品 の置 き場所に困つて美術館 を建 てるこ とが原 因 しているのであろうか。 また。館種別 でみ ると,豊 橋 を除 くとfig。 布範囲が広 く。歴史

(3000点

立陶磁資料館 ).絵 画

4-5-36の

様 にな り, 1の 総合が最 も分

―岡山市立オ リエン ト美術館 ),陶 磁

(1500点

(1681点

―愛知県

―竹久夢 二 伊香保記念館 ),そ の他 の順 とな る。

平均が 648点 とい う数 字 となつたが,無 回答 を除 くと,400点 以内 に 83%が 収 まる。


増殖す る美術館

(館 ) こり

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10 15

【総合】

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12 10

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(展 示作品数 )

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【公立】

14 12 10

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.(館 )

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(展 示作品数 )

16

【私立 】

14 12 10

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4

2

40 60 99 10012014016● 10020022024026029030032●

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0360380400

(展 示作品 数 )

■■旦二三二二三旦亜[_設置者別の展示作品数


増殖す る美術館

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(館 種 ) 14

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(館 種 )

X JIKU: SAKUHIN SUU

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(1証 )


増殖 す る美術館

′9θ

B。

展示作品数 と展示 面積

作品数 と面積 との関係は fig.4-5-37の

様にな った。一 般的に考えれば ,作 品数 と

面積は比 例関係にあると思われ るが ,図 の ように,は っ きりした 関係 はつかめない

館種 との関係 をみ ると,5の 絵画 は面積 の広 い部分に分 布 し,6の 陶磁.7の 工芸が狭 い

分 に分布 している傾向が弱冠見 られ ,上 の方向と右の方 向 の伸びが ,作 品的展示 と 資料的展示 の相違な のであろうか . 設置者 との関係 をみ ると,7の 財 団法人 と3の 市町村立が小規模の部分に, !の 目立 ,2の 都道府 県立が大 規模 の部分 に分布 していることがわか る。先程 の私立美術館の作品密度の 高さ があ る現われ てい るのではないか 。

fig.4-5-38は

,展 示面積 と 1点 当 りの占有面積 との関係 である。一般的 に,作 品

の占有面積は,そ れ程変化がない筈 で あるが,図 の様 に大規模にな ると 占有面積が大 き くな る 傾 向が見 られ る.面 積 でな く,壁 面 との関係を見れば ,こ れ程 の変化はないと思われ るが,大 規模 の もの程,通 路等も拡大 し,こ の様な結果 とな るのであろうか 。館種による影響は ,顕 著 ではな いが ,2つ の方向に分布が直線的 に広が つてい る。常識的 に考えれば .上 の方向が作品 的展示 ,下 の方向が資料的展示 とい うことにな ろう。小規模程作品密度が 高 く,大 規模程低い ということは充分考え られ る。 設置者 との関係 を見 ると,私 立 の作品占有面積が大 き く,公 立が小 さい ということがわか る 。 尚,展 示面積には,作 品 の置かれ ていない部屋 の面積も含 まれ てい る為 ,正 確 さにおいて

題があ る。上 の方向に分 布 しているものの 中には,使 われ ていない展示室数がはっき りしない ものが 多 く,ま た大規模になれば 特別室も多 くな る筈 であ り デ ー タを整理す る 必要が あるがb ・ 極 めて困難な作業である.


増殖す る美術館

X」 IKU: SAKUHIN ~lSEKr SUU

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増殖す る美術館

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fig。 4-5-38

展示 面 積 と一 点 当 りの 占有面 積


増殖す る美術館

C.展 示室数 展示室数につ いてあえて採 りあげたのは,近 年 の美術館 の大規模化に伴 つて,展 示室 まで大 規模 にな る傾 向 にあるが ,作 品達 に とつて は本来それにふ さわ しい空間 の大 きさがあると思わ れ,建 築家 の意目的なプランの拡大 と変形 によつて,作 品 の良 さが失なわれ る可能性が あるか らであ る。箱だ け作 つて おいて,あ とは展示業者 に任せ るとい う風潮があ るが ,そ の様な役割 分担 は,あ る意味 においては役割放棄 ともな るのであ る。展示環境づ くりに規模よ りもう一 段 レベルを落 とした設計資料が望 まれ るところであろう。

展示室数 と展示面積 との関係は,fig.4-5-39の

とうりであ る.規 模 と展示室数 は

比例 関係には無 いことを物語 つてい る。ことに ここ 10年 余 りに建 て られた 公立美術館におい て,そ の傾向が著 しい。群馬県立近代美術館 の 897平 方 メー トルの常 設展示室.千 葉県立美 術館 の 3431平 方 メ

トルの 7室 ,富 士美術館 の第二展示室 の 1252平 方 メー トル,兵 鷹

県立近代美術館 の約千平方 メー トルの本 館展示室,北 海道足立旭川美術館 の 881平 方 メー ト ルー 室 など.挙 げれば き りがない .こ うした 大規模化が単調 さにつなが り,案 タト美術館 の 印象 を散漫 なもの としてしまうので はないだ ろうか 。財団法人 の 中規模。住宅規模 の美術館 と大 き な 相違が見 られ る。公立 の大規模館を除 くと,一 室当 り200平 方 メー トルが標準 である。 展示室数 と展示作品数 との関係 は,fig.4-5-40の

とうりであ る.こ れは作品的展

示 と資料的展示 の 2つ に分かれ ていると考 え られ る分布をしている。そ こで,絵 画 と陶磁器に ついて抜 き出 してみ ると,絵 画 の場合,=室 に 50点 位迄,陶 磁器 の様な大 きさの作品 の場合, 一室 に 80点 迄 という標準が求 まつた .た だ し絵画 と回答 した中にも資料 を含む総合 に近 い も のが あるた め,正 し くは一室 30点 位 とい うことにな ると考え られ る。


増殖す る美術館

X」 IKU: TENJI ME‖ SEKI

(数 字 :設 置者 )釧

(展 示室数 ) 14

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X」 IKU: ■ENJI ME■SEKI (数 字 :開 設年 )

(展 示室数 )

(展 示面積 )

14

12

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2

(展 示面積 )

fig。 4-5-39

展示面積 と展示室数


増殖す る美術館

X」 IKU: SAKUHIN SUU V」 IKU: TEHJ1 6HITSu

(展 示室数 )

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(展 示作品数 ) (展 示室数 ) 14

(絵 画 の標準 ) 1,

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3

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2

(展 示作品数 )

0

展 示 作 品 数 と居素 室 駒


増殖す る美術館

5.展 示室 の フ ロア ー数 展示室 のフ ロア ー数 の計画は,自 由な観賞行動 を促 がす上で重要な課題である。現在 の美術 館展示室 のフロア ー数 の状況は fig。 上はな く,

%).3階

4-5-41の

円 グラフに示す とお りである。 4F以

117館 中 1階 のみが 48館 (41。 0%).2階 が 9館

(7.7%)で

が 最 も多 く,60館

(51.3

あった 。尚.昭 和 58年 に開館 した 佐瀬保市博物館島津美術

セ ンタ ーは,5階 であ る。 展示面積 とフ ロア ー数 との関係は fig。

4-5-42の

ル までは, 1階 ,2階 ともほぼ 同数 と思われ るが ,

様 にな つた。 1000平 方 メー ト

1500平 方 メー トルを越 す と2階 以上が

圧倒的 に多 くな り,ワ ンフロア ー型 の限界規模な のかも しれない 。 ワンフロア ー型 で最も展示 面積 の大 きいものは,千 葉県立美術館 の 3431平 方 メー トルで さ らに増策 に対応 できる様な 計画 となってい る。 3階 のもので最 も小規模 の ものは,板 槽区立美術館 の 386平 方 メー トル . 最も大規模なもの は,東 京都美術館 の

10962平

方 メー トルで,国 内最大 の展示面積を誇 る。

以上美術館 の規模 について概観 したが,文 部省設置基準 と比較す ると,延 床面積,展 示・ 教 育関係面積,保 管・ 研究 関係面積 いづ れも基準 を下 まわっているが ,美 術博物館 の活動 の中身 を支 える保障 としての収蔵庫,研 究室 ,工 作室 ,図 書室 (公 開の ものは教育 関係面積 )等 の割 合 は極端 に少 ない とい える。都道府 県立,市 立 の場合.基 準 の 5%,市 町村立 で 7.6%と 大 き く下 まわってい る。 建物 の経過年数 をみ ると ・ 養源院 (京 都 )及 び 井伊美術館 (彦 根 )の 350年 (萩 )の 200年

,旧 廷道館

(水 戸 )の

133年 ,八 賀民俗美術館

があ り,い ずれ も建物 自体が記録的意味をもってい るといえよう.

(高 山 )の

,熊 谷美術館

110年 等 の例


増殖す る美術館

/P/

3階

491階

2階 60

fig.4-5-41 (口 皆)

展示 室 の フ ロア ー数

X」 lKU: TENJI ME‖ SEKI V」 IKU, FL00R 60u

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2000

(展 示面積 )

fig.4-5-42

展示 面積 とフ ロア ー数 の 関係


増殖 す る美術館

4-5-7

入場料金 については,企 画 によつて差があるため,平 常時 の料金を記入 しても らつた。 般料金 の分布 を見 ると fig.4-5-43の

分布 となった。 200円

,300円 ,500円

に ビ ークがあ り。 1000円 というものも 2館 あ る。 設置者別 で見 ると,公 立 と私立 とはかな り開 きがあ り,公 立 の場合 ,200円 以内 に 館 ,80。

4%が 収 まる。有料 での最低は秋田市美術館 の 20円 であつた .最 高は

41

豊橋市美

術博物館 の 800円 であるが ,こ れは企画展 の時 の上限 であ る。 私立 の場合,200円 。 300円 。 500円 にかた まつて お り,500円 が最も数が多 い 。 無料 は 2館 と非常 に少な く,最 低 が山梨 の哺月美術館,出 雲大社宝物殿 の 100円 ,最 高が熱 海 のMOA美 術館 ,島 根 の足立美術館 の 1000円 である.平 均 は 450円 前後 で,公 立 の 2

50円 を 200´ 円上 回る

.


増殖す る美術館

(1日 ) 二B

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50 1001502002503003504004505005506006507007508008509009501000

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【私立 】

13 16 14 12 10

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fige 4-5-43

入場料 の分布

)


増殖す る美術館

4-5-8

2θθ

美術館は映画館 ではないので,大 入満 員 の 日が続 いたか らといつて手放 してよろこべ るもの で はない。展示品 のためにも,ま た利用者 相互 のた め にも,余 り混雑 していない方がよいであ ろう。国立 自然教育園が国内 の樹木 を守 るた めに入園制限を しているのは,そ のよい例 と言 え るだ ろう。 しか し,美 術館 関係者に してみれば ,入 館者数 を無視す ることは許 されな い 。それ は美術館 の利用度 を測定 す るためのパ ロ メー タ ーになってい るか らであ る。美術館 の利用者が 多過ぎ ても困 るが ,少 なす ぎた らもっと館長 の責任が同われ るにちがいない 。それは公立 ,私 立 を同わず設置者 か ら非難 され る材料 にな るか らである。 利用者数につ いては,平 日と休 日のそれぞれの一 日平均来館者数を調査 し 日

5+休 日 Xl)

(12月 ).(平

6と して,一 日平均来 館者数を計算 した 。その分布 は fig。

44の グラフ とな つた 。平均は 269人 利用者数は,73,200人

4-5-

であ る。 これを年間開館 日数 272日 として一 年間の

とな る。 これ は美術館総数 367館 で。年間延 べ 2,690万 人

の来館者数があ るわけで,国 民 の 5人 に 1人 が一年に一 回美 術館に来館 していることにな る。 館種別に見 ると,公 立 よ りも私立 の分布 の幅が広 く,平 均を見 て も国公 立 を凌駕 してお り, 私立美術館 の役割 の大 きさが表われてい る.ト ップは長 い 間,倉 敷 の大原美術館が占 めていた が,今 回 の調査 では,熱 海 のMOA美 術館が約 3000人 という回答があ り,大 原美術館 の 2,

300人 を上 回 り,首 位が入れ替わ つてい る

.

公立 の首位 は市立 の福岡市美術館 の 2035人 であ り.国 立・ 都道府 県立をしの ぐ結果が で てい る。次いで市立 の大阪市立美術館 の

1696人

であつた 。都道府 県立 の首位は山梨県立美

術館 の 1036人 であつた 。 私立,公 立 の分布

(fig。 4-5-45)を

比較す ると。私立 で は,40人 以下 の館が非

常 に多 いが ,200人 程度 に分布す る館も多 い 。公立 の場合,40人 以下 というものは少な い が ,ビ ー クは

100人 で,そ れか ら先 の分布 は まば らであ る。規模に似かよ つた。市町村立 と

,


増殖す る美術館

財 団法人 との差 の大 きいこ とがわか る。 さらに設置者別 でみ ると

(fig。 4-5-46)や

は り財団法人立のものが 分布幅が広い

が ,500人 以上 とな るものは殆 どが観光地美術 館 である。 立地場所 でみ ると

(fig。 4-5-47),5の

観光地 の分布幅が広 く,大 原,MOAと

も この グル ープであ る。次 いで,3の 都市公園であ り,福 岡市美術館 の首位が

目立つ 。 2の 町

中 というのは,首 位 の大阪市立美 術館 と,他 のもの との差が はげ しいが ,こ れは特別展によ

影響か と思われ る。 1の ビルの中 とい うものも,以 タトに多 い といえよ う。 4の 住宅地 とな ると っ

300人 程度が最高 とな る。 種別か らみ ると

(fig.4-5-48), 10の

その他, 1の 総合 といった 種類を限 定 し

ていない,あ る程度規模のある美術館に入場者数が多いことがわか る 5の ◆ 絵画 では,

10o

O人 を最高 として,500人 までに大半が収 まる。 6の 陶磁 ,7の 工芸 の分布幅が狭い。 展示面積 との関係は,fig.4-5-49の と入場者数が増大 してい る。特に

様にな り,全 体 としては,規 模が大 き くな る

1,500∼ 2.500平

方 メー トルの 間に入場者数 の多 い

ものが 分布 している。小規模のもので特筆すべ きは,東 京都庭 園美術館 島根 の足立美術館

(539平 方 メー トル )

(370平 方 メー トル )な どがあ り,規 模 と利用者数か らみ て,異 常に多 く

,

展示環境が 良好に保たれているのか どうか心配 であ る。逆に規模 の割に人 の入 っていない

例と

しては,愛 媛文化館 の 217平 方 メー トル。 0.4人 町立角館美術館 の 1210平 方 メー ト ・

20人 ,中 近東文化センター, 1042平 方 メー トル,30人 .奈 良県立美術 館 1783 平方 メー トル,80人 ,山 □県立美術館 1820平 方 メー トル , 100人 ,兵 庫県立近代美術 ル・

館 .2928平

方 メー トル ,

100人 ,岐 阜県美術 館.2361平

方 メー トル,

120人 な ど

が あ る. 展示作品数 と,入 場者数 との 関係 は,4-5-50の

様 になつた 。相関関係は全 く見 られな


増殖す る美術館

い。全城にわた つて入場者数 の低 い ものが 分布 してい るが,特 筆すべ きは9

150点 ∼ 250

点 の領城には,入 場者数 の極端に低 い ものが見あた らず,こ の レベルに入場者数 の多 いものが 分布 してい る。また。 100点 あた りにも,非 常に多 いものが 分布 している。極端 に低 いもの がない点 において,200点 の近傍 とい う展示規模 は,美 術館 としてふ さわ しい規模 とい うこ とにな らな いであろうか 。 600点

,2千 人 のものは福岡市美術館 で,展 示室 をバ ビ リオン型

式 で配置 している一 般規模 の美術館 であ る。 1000点

1036人

は,山 梨県立美術館である。


増殖す る美術館

(1遭 )

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【総合】

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14

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fig。 4-5-44

(1遭 )

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来 館者数 の分 布

【私立】

目     一

20 40 60 9C1 lr」 012C114rJ 160 190 200 220 240 260 290 300 320 340 360 380 4rdO (A)

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【公立】

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fig_4-5-45

公私立別の来館者数分布

(人

)


増殖す る美術館

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(設 置者 ) 14

12

10

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4

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(A)

fig.4-5-46 (立 地 )

設置者別の来 館者数分布

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(A)

fig.4-5-47

立地別の来籠者数分布


増殖 す る美術館

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(種 別 )

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14

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(A)

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館種別 の来館者数分布 :KI

(展 示面積 )

(数 字 :立 地 )SUU

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(A)


増殖す る美術館

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4-5-50

展示作品数 と来館者数の日係

(』 魚 )


増殖 する美術館

4-6

展 ′J、 空

FEn C電 》言栗:J固巨

明治以来 ,我 が 国 における美術館が発 展 して きた歴史 の中で.こ れだけは確かな こととして 言え るのは,内 容的 には,お よそ政治や経済 と関係 の薄 いぅ豊かな文化 の香 に満ちあふれ てい る美術館が現実には社会的影響 をたえず極度 に受けて きてい るということである。それは,文 化的施設な る故 ということも言 え るであろう。今回の実態調査 を通 しても,こ の事実を歴然 と 見 せつけ られた 思 いがす る。 さて,今 回の実態調査 で,ど れだけの成果 をあげ ることがで きたのであ ろうか 。展示環境 づ くりに関しての課題を以下に挙げ てゆ く。

1.規 模 計 画 につ い て . 規 模 に 応 じて ,展 示 面 積 の比 率 が 変化 して お り。 そ の 標準 を求 め るこ とが で きた 。展示 面 積 に は限 界が あ りそ うであ ることが ,モ デ ル に よ つて示 され て い る。今 後 この 限界 を明 らか に し て ゆ く必要 が あ る。

2.作 品 密 度 につ い て

^

作品的展示 と,資 料的展示 の 2つ の種類 の標準密度があ りそ うである。今後,現 在 の

標準

であるか を検定 してゆ く必要 が ある。

適正

3。

展示室数 について .

これに関 しても,作 品的展示 と,資 料的展示 の 2つ の種類 の,一 室当 りの展示作品数 の標準 か ら.作 品 内容 と作品数に応 じた 展示室数 の標準 を求め ることが できた .先 と同 じ く。 この標 準が適正 であ るかを検定 してゆ く必要が あ る。 4。

展示作品数について.

入場者数 との関係か らであるが ,適 正な展示作品数が 200点 の近傍 にあ りそうである.こ の仮定を別 の手段 によつて立証 してゆ く必要 がある。


増殖す る美衛館 自巨 ヨ五 ヨヒ

月晏 月R==躍 瓢 と二姜見 埴コ イテ 日カ


増殖す る美術館

5-1

董見 電軍 4予 日力 の 言己 述

第三章,7の 行動 による施設評価の項 において,美 術館施設 を聞接的に評価 し得 る観客 行動 は,滞 在時 間,来 館 回数,来 館者数 の 3つ に代表 され ると思われ る。うち,来 館者数は,施 設 の利用度を測 る最 も一般的な パ ロメータ ーであ るがっ施設 の魅力 の外 に立地。広報力,経 過年 数 ,知 名度な どの影響が強 い と思われ ,純 粋 な 施設環境につ いての評価 を抽出す ることは 困難 で あろう。 したが って,残 る滞 在時間と来館回数が,施 設環境についての評価 につなが りやす い尺度 とな り得 る。 第三章 0調 査か ら,来 館回数が増すに従 つて滞在時間が 増すか減 るかが 施設 の魅力 の評価 と つなが る可能性 の あ ることがわかった 。 しか しなが ら,そ の評価は何回も来 館 している人 の行 動 のみによつて間接的に施設評価を行なおうとす るものであ り。ほぼ 50%を 占め る初 来館者 の行動による影響 は薄れてい る。また来館回数 は施設 の交通 の便 の影響も受け るため,正 確 に は,同 じ来 館回数 の観客 の行動 を比較 してゆ く必要がある。 そ こで,来 館回数 については今回は扱かわず,滞 在時間 のみ を扱 うことにす る。第四章 の調 査 で,各 美術館に

10件 以上 の観客 の滞在時間 の測定を依頼 し.実 測結果を 39館 につ いて集

め ることができた。その結果 を fig.5-1-1に

示す。尚,そ れに過去,学 会 で発表 され

た 調査結果 と。当方 の調査を加 え.52館 のデ ー タを集 め ることができた。 実測 を行な つて下 さつた美術館は以下 の とうりである. 北海道立旭川美 ,北 海道立三岸好太郎美 ,三 好 口,埼 玉県立近代美,久 米美 ,西 武美。東京 国立近代美工芸館 ,日 本民芸館 .プ リジス トン美 ,松 岡美 ,山 種美 横山大観記念館,中 近東 ・ 文化 センター9東 郷青児美,BSN新 潟美,会 津八 ―記念館。高岡市 立美.冨 山県民 会館美 , 北野美,諏 訪市美.八 ケ岳美・ 北斎館.禄 山美,藤 村記念館 ,芥 沢圭介美Dね む の木子供 美 . ベ ル ナ ール :ピ ュッフェ美.桑 山美,大 和文華館 .串 本応挙声雪館,和 歌山県立近代美,田 部 美 ,出 雲大社宝物殿 .岡 山美 ,竹 喬美 ,ひ ろしま美 ,福 岡市美 ,佐 賀県立博,熊 本県立美 .


増殖す る美術館

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対象美 術 館 の 滞在時 間分布

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増殖す る美術 館

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増殖す る美術館

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増殖す る美術館

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増殖す る美術館

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6

5

5

3

3

2

2 1

10"304050607000001

11

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増殖す る美術館

%

11

HttKUOKn SHI 9

HEIKIN = 64.7

0

7 6

S 3 2

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10

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HEIKIN =

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1‐ 3"1603701田

:""


増殖 す る美 術館

5-2

の 言己 述

′〃

第四章.6の 展示空 間 の課題にお いて,得 られた展示空間の評価要因 として記述 す べ きもの に次 の様なものがある.

1.施 設規模 に関して は,展 示室面積,展 示壁面長 ,動 線距離な どが あ る。

2.作 品 に関 しては,展 示作品数 ,展 示 内容 ,作 品密度な どが ある。

3.展 示室数 に関 して は,展 示室数 と展示室 のつな ぎ方な どがある。 従 つて。 それぞれ の美術館 につ いて,

1.展 示室面積

2.展 示壁面長 3。

動線距離

4。

展示作品数

5.展 示内容 (作 品的 か 資料的 か ) 6。

作品密度 ´

7.展 示室数 8。

展示室 のつな ぎ方 (連 続型 か分散型か )

9。

フ ロア ー数

の項 目について記述 し,滞 在時間 との関係 を調べ てゆ く。 尚.展 示壁面長・ 動線距離 については,fig。

5-2-1の

様に,美 術館 の平面図 に壁面 と

動線 を記入回答 しても らい,そ れ をキル ビ メータ ーで計測 した。


増殖す る美術館

′//

―― ―― ―― ― ― -7~心

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:

fig.5-2-1

展 示 空 間 の記入例


増殖す る美術館

5-3

因 分

先 に設定 した空間と人間の行動 との関係について,以 下 の項 目別に分析 し,滞 在時間を説明 す る要因の相互関係 を明 らかにす る.

0.デ ー タ 1.平 均滞在時 間分布 2。

展示壁面長

3。

動線長

4。 展示壁面長 と施設規 模 5。

作品占有面積

6.展 示内容 と空間


増殖す る美術館

F〃

0。

デ ータ

滞在時間の測定 を行なって くれた 美術館は 39館 あつたが ,う ち,高 岡市立美術博物館は, 博物館 と一体 にな ってお り,測 定範囲が美術館に限 られていても,博 物館 の展示室 の影響 を受 け るため,集 計対象 としなか った 。 また,佐 賀県立博物館は,博 物館 と美 術館 に分かれ てお り. 測定デ ータが博物館 のもので あったため,対 象 としなかつた 。また。秋田市美術館 の測定結果 は 3件 のみのた め,対 象 としなか った .従 つて,学 会資料 ,研 究室資料 とあわせて,tabl

e 5-3-lに

示す 50館 についてのデ ー タが 得 られた 。 Xの 記号 はデ ー タの得 られなかっ

たものである。

1.平 均滞在時間分布

50館 の平均滞在時間の ヒス トグラムは fig.5-3-1に 型 の分布形をしてお り,平 均は 42.9分 代美術館 の 88.3分

,ピ ー クは 32.5分

,最 短 は冨山 県民会館美術館 の 16。 2分

示す とうりである。ア ーラ ン であつた 。最長は埼玉県立近 (貸 館展示 :高 校書道展 )で ,

72。 1分 の分布幅 であ る.

2.展 示壁面長 展示壁面長 の分布図は,fig.5-3-2の

様 になつた 。上 のスケ ール で見 ると,き れい

なア ーラン型 をしてい るが ,下 のスケ ールで見 ると,ビ ー クが 200メ ー トル となつている。 これ は展示 壁面長 を意 図的 に 200メ ー トル としたものであ ろう。展示作品数は 200点 位 ま で,展 示壁面は 400メ ー トル位 までが良 い と美術館の間 で言われている らしいが,壁 面長は 殆 どの館が 400メ ー トル 以 内にお きめてある。 400メ ー トルを大 きく越 える京都市立近代 美術館.福 岡市美術館は クラスタ ー型 の順路型式 とな つてい る。


増殖す る美術館

22θ

平均は 164メ ー トル ,最 長は福岡市美術館 の

1179メ

ー トル.最 短は横山大観記念館 の

19メ ー トル で,こ こは床 の間が展示壁面 である。

3.動 線長 動線長 の分布 図 は,fig.5-3-3の

330メ

様 になつた 。平均 は 252メ ー トル で,

170,

ー トル ,600メ ー トルに ビ ークが見 られ る。最長 はや は り福岡市美術館 のの 159

5メ ー トル.最 短 は三好回 の 56メ ー トル であつた 。尚・ 対象タトの ものには,国 立歴史民俗博 物館 の 2キ ロ メー トル,国 立民俗学博物館 の

4。

16キ ロ メー トル

(全 部見 て回つた場合 )が あ る。

展示壁面長 と施設規模

動線長 と展示壁面長 との 関係 は,fig。 られ る (相 関係数 0.87)。

5-3-4の

グラフにな り,非 常 に高 い相関が 見

また ,展 示面積 と展示壁面長 との関係 は,fig.5-3-5

の様 にな り,こ れ も非常 に高 い相目が見 られ る (相 関計数 9。

36).

展示壁面長 と動線長 の比率 を求 めてみ ると,fig.5-3-6の

グラフにな り,正 規分布

に近 い形をしてい る。比率 の高 いものには,和 歌 山県立近代美術館,西 武美術館 .ベ ルナ ール

:ビ ュッフェ美術館,旭 川美術館 な どがあ り,面 積効率は良 いが,休 憩室 が無 く,単 調な展示 室 の連続 とな りやす いであ ろう。比率 の低 いものには,桑 山美術館 .横 山大観記念館,田 部美 術館 ,日 立西洋美術館旧館 な どが あ る.面 積効率 は悪 いが,ゆ つた りとした感 じを与え,空 間 変化 に富 む美術館 ということにな るであろう。 順路型式別 にみ ると,ク ラスタ ー型 では,60%を 超すものがな く。逆ア ーラ ン型 の分布 を 示 してお り,こ の 60%は クラス タ ー型 においては限界 といえる.一 方,機 室順路型 では,広 い分布 を示 してお り,平 均 においては 10%程 度 クラスタ 型 を上回る.


増殖す る美 術館

この展示壁面・ 動線距離比 の展示面積 との関係をみ ると,fig.5-3-7の

様な グラフ

とな る。数字 は順F8型 式 である。規模が増すにつれて比率 のパ ラツキが まとまり,45%に 近 づいて ゆ く傾向にある。 また,

1000平 方 メー トル までは曲線的 に比率が高 まってゆ く傾向 が見 られ る。したが って,先 程 の fig.5-3-4の グラフの相関は比例関係 で はな く,力 ―ブを描 くこ とがわか る。 展示面積を増す ことに比率を高 めて ゆ くが, では,調 査対象 の中では,

1000平 方 メー トル で途切れ,接 室順路型式

1000平 方 メー トルを越 す ものはあ まり見 られない。西洋美術館

は 2852平 方 メー トル であるが ,純 粋 に接室順路型式 と呼べ るのは,順 路前半 の 1300平 方 メー トル で あ る。また ,熊 本県立美術館は 2314平 方 メー トル であるが,2フ ロア ーであ ることが救 いであ る。 (ク ラス タ ーか 接室か の判断は非常にむづか しいが .)接 室順 P8型 の規 模的限界を求 め る必要が ある。 展示壁面・ 動線距離比 の作品点数 との関係を見 ると,fig.5-3-8の

様な グラフとな

つた 。数字は作品種別 で ある.作 品数 が 増加す るに従 つて比率が 60%に 近づ く傾向が見 られ る.福 岡市美術館は 600点 と大 きいが,比 率 は低 く,展 示面積 の大 きいことがわか る.資 料 的展示 にな るに従つて,展 示 ケ ースな どの方法 に変わ るため,展 示壁面 と順路距離 との関係よ りも面積 と関係す る筈 であ る。 展示壁面長 と展示面積 の比率を求 めてみ ると,fig.5-3-9の れを作品展示 と資料展示 に分けて分布 を見 るとっ絵画彫刻 は 0。 れ るのに対 し,工 芸歴史資料は 0。

35(/m)に

25(/m)に

ピー クが見 ら

ピ ー クが見 られ る。

この壁面長 。面積比 と展示作品数 との関係を見 ると,fig。 なった .作 品数 が増加す るにつれ て,0。

様な分布 とな つた。 こ

2(/m)に

5-3-10の

様な グラフと

近づいてい る。つ まり。作品密度が高

くな ってい るわけであ り。 比率 の分布図がア ーラ ン分布 をしてい ることか ら,0。

15(/m)


増殖す る美術館

あた りが 比率 の限界 であると思われ る. 展示壁面長 。展示面積比 と展示 面積 との関係 を見 ると,fige となった .力 ig。

5。

ブを描 きなが ら0。

5-3-5の

2(/m)に

5-3-11の

様な グラフ

近づいてい る傾向が 見 られ ,こ れは先程 の f

グラフの 関係が直線的 ではな く。上 向 きの曲線 であることを示 している。

作品占有面積

作品占有面積 (― 点当 りの展示面積 )の 分布 図は,fig.5-3-12の つた。 2つ のか た まりが見 らえ るが。平均は 5。

様な グラフとな

83平 方 メー トルである。 これを作品的展示

と資料的展示 に分けてみ ると,そ れぞれ ピ ー クが 7平 方 メー トル と,3平 方 メー トル となった . 展示作品が多 ければ占有 面積 は狭 くな ると一般に考え られ るが,そ の関係 を表 したのが fi g。

5-3-13の

図であ り,数 字は展示室数 である.1の 絵画が全般にわたつて高 い位置を

占めてい るのがわか る。作品 ,資 料 と別々の 曲線がひけそ うである。最も占有面積 の広 いのは,

BSN新 潟美術館 の 29.5平

方 メー トルで,こ れは襖絵 展 で 12点 のみ であったか らである。

最も狭 いの は諏訪市 美術館 の 0。

11平 方 メー トルで,考 古資料 5200点

同じく,占 有面積 と展示面 積 との関係を表わ したのが fig.5-3-14の

の展示 であ る。 図 であ り,展

示面積が増加す ると占有面積 は増すが ,し だ い に伸びが にぶ くな り曲線を描 いてい ることがわ か る.3500平

方 メー トル の千葉県立美術館 は県展 で

1400点

もの展示 であつたため,こ

の様な占有面積 とな った 。規模が増加 しても,作 品 のもつ 空間の大 きさを比較的守 つて展示 さ れている。

6.展 示内容 と空 間 作品 の大 きさや ,内 容によ つて,そ の占有面積 や 占有壁面長は異な る筈 であり,そ の関係 を


増殖す る美術館

Z

表 わ してい るのが fig。

5-3-15の

グラフ で ある。作品的展示 と資料的 展示 の 2種 に分

かれ ,作 品的展示 の場合は壁面長 で約 2メ ー トル .面 積 で 10平 方 メー トル,資 料的展示 の場 合 は壁面長 で約 0。 5メ ー トル .面 積 で約

1.5平 方 メー トルであ る ことがわか る

.


増殖す る美術館

224

滞在時間

番号 館名

1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3

西洋 (新 ) 西洋 (旧 ) 遠山 原 庭口 京都市立 1 京都市立 2 京都近代 1 京都近代 2 千葉 1 千葉 2 千葉 3 愛知

階数 室数 順P8 種別 : 作品数

7 7

4 9

3 1 6 8

5 3

9 5

2 1

21 9 1 0 8 1 7 2   70   93

4 3 6 0

50

2 2

6 2 71

9 5

80

* 7

* 1

4 7

1 81

4 8

3 4

* 2

4 0

3 2

4 4

6 7

近代       工士 至 民〓 ジスト           大 観  東   青見  N       県民              岳   館           圭介  の木  ナ一ル       応挙 山     大社       しま 市

8 9 20 21 22 23 24 25 26 27 28 20 30 31 32 33 34 35 36 37 38 30 40 41 42 43 44 4 5 46 47 48 49 50

館名

30 1 1 2 2 2 31 6 7 3 44 7

41

8 8 2 2

2 1

3 9

1 8

1 5

30

6 0

4 7

46

31

3 3

4 5

5 5

54 2 2

23

1 6 3 3

2 6

3 5

2 8

1 1

4 2

21 30

8 7

4 0 2 5

6 0

4 7 30

2 5

30

1 8

4 8 4 2

4 0 3 2

4 2

1 2

20 31

1 3

1 3

2 2

5 5

6 4

2 9

t3&FE

iH* gfi

2 2 4 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 2

tFlS

6 6 1

敷地面積

延床面積

展示面積

壁面長

助線長

占有面積

9287

0 22 5 54 37

2852 1 52 5

927

0 2

53 5

31 7  4 50

1 68

41 5 210  4 5

1 25 344

0 5

1 2 98 71

444

80

83 08 5 5

9 287 8 500 4 500 3 5358       *      *      *      * 33000

1 3 5 4 1 3 5 4

74 6 9

400   539   851  851

1 72 2 40 21 0 20 5

1 368 50 7 0 3431

3 0 9

6 5

9 2 4

3 7

1 30 7

Ж

22

1 992 1 66 5

一 一 一 2 5 6 4 8 8 2 。 2 。 4 5 。 4 3 8 22 8 2 7 8 5 7 7 2 。 。 3 。 4 3 9 1 72 4 3 2 2 5 4 6 。 。 8 5 86 。 31* 2 4 。 3 8 。 。 2 4 30 。 0 * 2 2 6 6 。 3 6 4 8 * 4 9 6 3 8 。 6 98 9 2 5 9 5 0 4 2 7 8 5 5 0 2 。 2 。 。 3 * 5 58 8 4 9 8 8 4 5 6 6 3 2 4 9 。 * 8 4 5 5 8 2 4 7 8 4 4 5 9 36 8 。 5 5 7 9 。 5 。 。 4 。 。 2 。 5 3 62 9 9 8 2 9 6 2 5 4 r 2 6 6 7 6 2 。 5 6 。 *2 0 0 ¨ 6 6 3 0 4 8 3 4 7 3 2 2 3 2 4 3 4 6 5 7 2 8 5 2 。 5 , 6 9 0 5 8 * 8 5 32 2 7 。 6 4 3 。 2 7 2 8 8 0 74 5 。 8 4 3 。 3 η 3 9 6 7 い 3 6 。 i 4 5 2 9 m 4 8 4 8 7 。2 。 344 。 #ea I &$6il 6 . 81 6 7 52

1 1 5

4 3

6 90 30 1 2 3 3

259 464 57 372

4 5

* 2

99。

1 20

3 5  1 0 0 00

* 38。

622 5

9 5

1 2

* 976

1 34 1 53

37 0

8 9

02

8。。

70   7 8

* 442 792 574 0 0

0 5。 96 5

799 2848 78。。

4 6 22 9 1 20 2 8。 5。   56 69。。 24 6 *  61 2。。 2  4 3 676  6 9 6 382  46 387 1 92 5337 58 7 2 5866 1 86

fiS

61 4 4 74 6 9 746 9

33000 3300 0

1 41 2 8 520 0 2  2 60 59 6  2 00 8    0 6 6 3 00 0 7 3 21 3 1

229 2 100 3 10 0 3 1 70 4

table。 5-3-1

42。。

延床面積

デ ータ詳細

展示面積

壁面長

働線長1 占有面積


増殖す る美術館

(lE) 18

HEIKIN= 42.898

17

TnlznI

」ェKnN

0

16 15 14 10 12 11

10

, 0

7 G・

5 4 ●

, 1

5

1r」

15 20 23 3● 35 40 45 5● 55 erJ 65 70 75 80 85 90 95 10rJ (イ

fige 5-3-1

平均 滞在時 間分布

な)


増殖 す る美術 館

′′′

(1日 )

12 11

10 9 8

7 6

5 4

3 , 1

35 42 49 56 63 70 77 34 91

98 105112119126133140 展 示 壁面長

(X10m)

(lE) 10

9 8

7 6

5 4

3 つ

1

90 100120140160190200220240260280000320340360390400 展示壁面長

fig.5-3-2

展示 壁面 長 分布

(m)


増殖す る美術館

(lE) 12

11

HEIKl‖ =

252.3

DOUSEN CHOU

-0

10

,

0 7 6

5 4

0 , 1

10 20 30 40 58 60 70 80 90 1001lo120130140150160170180190200 動線長

(X10m)

(1直 ) 10

9 8 7 6

5 4 3 2 1

20 40 60 00 10012014016019020022924026028030032034036038● 400 動線長

fig.5-3-3

動線長分布

(m)


増 殖 す る美 術 館

=イ

8月 U,112::!子

R目 壼 覆 五輩 ミ m'42059 層 建月

認B414

RE早

fige 5-3-4 展示壁面長 1`

X」 :KU: 00USEN

V」 二KU: 14EKIMEH 2 J=Kい

101ZA

動 線 長 と展示 壁面 長

(

ao

12m

10"

803

fig.5-3-5

展示面積と展示壁面長 展宗面積 (mOm)


増殖す る美術館

229 (1日

) 12 11

10 」

3 7 E・

5 4 ヨ

2 1

5

10 15 2● 23 30 35 40 45 50 55 50 65 70 75 30 85 90 95 100

(壁 面長/動 線長

(lE)

%)

6

5

【クラスター型】

4

3 2 1

5

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 50 65 70 7b~3●

05 90 95 100

(壁 面長/動 線長

(1日 )

%)

7

【接室順F8型 】

6 5 4

3 2 1

5

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 05 90 95 100

(壁 面長ノ動線長

fig.5-3-6

展示 壁 面・ 動線距腱 比 の分 布

%)


増殖す る美術館

展示壁 面 0動 線距 雌比

.:......二

:一

.....‐ 二

:

ヽ21lJ

展示面積

(mOm)

展示壁面・ 勤線距離比

, 3

⋮ 8

展示作品数


増殖す る美術館

(館 )

12 11

10

V ヨ ア Ct

5

4 3 , 1

5 (1遭 )

10 11 20 25 30 35 40 45 50 35 60 65 70 75 90 85 90 95 100 展示壁面・ 展示面積比

(/m)

【作品的展示 】

5

10 15 2● 25 30 35 40 45 50 55 50 65 70 75 80 35 90 95 100

展示壁面 0展 示面積比 (1遭 )

3

(/m)

7

【資料的展示】

CI

5 4

3 , 1

5

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 80 65 70 75 80 85 90 95 100 展示壁面・ 展示面積比

fig.5-3-9

展示壁面・ 展示 面 積比 の 分 布

(/m)


増殖す る美術館

232 展示壁面・ 展示面積比

(/m)

・ ・・・・

:・

・ ・・

:・

:

:・

●40

fige 5-3-10 展示壁面 0展 示面積比 (/m)

I.轟 3 ・・

」 ょ

.lil三

51'1 :41 : : 1: :

:

:¨ ・ ・

:1 :

fig.5-3-11

,60

展示作品数 と展示壁面・ 展示面積比 V」

=KU: HEK【

展示作品数

旧H C140

2 JlKU:● 4LE―

一 . . . 一 ・ ・ . . ¨ ・ ・ . . . 一 . . . ・ 一 ・ 1 . . ¨ ・ ・ . 一 . . . ・

一                       ¨         :       :           ¨ ・

:

展示 面 積 展示 面 積 と展示 壁 面・ 居景 面積 比

(mOm)


増殖す る美術館

13

(lE)12 HEIKIN= 5.9322

11

10

MITSuD0

0

【総合 】

3 0 7 6

5 4

3 , 1

2

4

6

9

(館 )8

10 12 14 16 19 20 22 24 26 2● 30 32 34 36 38 40 占有面積

(mem)

7

【作品的展示】

EI

5 4

3 2 1

2

4

6

2

4

5

10 12 14 16 18 20 22 24 26 23 30 32

34 36 38 40 占有面積 (mOm)

10 12 14 16 19 20 22 24 26 29 30 32

34 36 38 40 占有面積 (mOm)

(館 )8 7

6 5 4 ヨ

2 1

8

fig.5-3-12

作品占有面積 の分布


増殖す る美術館

(mOm)

占有面積

X 」EKU: SAKUHIN SLIU V J=Kl」 : ‖ェTsり oo

2J=KU: GHUDE■ U

(m

占有面積

XJ=KU: lENJ】 V JIKU: ‖

2J=Ku:

28

=T釧 =海

= 20

16 :

12

B

F・

1・

4

fig.5-3-14

展示面積 と作品専有面積

展示面積

(mOm)


増殖す る美術館

展示 壁 面 長

X」 IKじ : SnKuHIN SuU V」 MEH CH0 =KU: HEK【 2 J=KU= GHUDE■ 6U

(m)

14

1230

1000

..1.

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8,ロ

500

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400

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可こ _:・ ■ Ⅲ =‐ サ176:`:::5::: == =■ 120

こ■0

060

■30

fig。 5-3-15

600

720

o40

,60

展示 作 品数 と展示壁 面 長

1000

1200

展示作品数

X」 IKU: SttKUHIN SUU

fige 5-3-16

展示作品数 と展示 面積

展示作品数


増殖す る美術館

5-4

喘ド4E日 寺 FEn¬ Eラ 言 ル 〕

先 に設定 した空間 と人 間の行動 との 関係について,以 下 の項 目別 に相互関係 を分析 し,滞 在 時間を説明す る。

1.滞 在時間とフ ロア ー数

2.滞 在時間と順路形態 3.滞 在時間と作品 の種別 4.滞 在時間と展示室数 5。

滞在時間と展示面積

6.滞 在時間と展示壁面長 7.滞 在時間と展示作品数 8。 滞在時間と作品密度

9.滞 在時間と単位壁面長 0。 滞在時間と一 点当 りの観賞時間

11.単 純相目分析


増殖す る美術館

1.滞 在時間とフ ロア ー数 滞在時間調査 を行なって くれた美術館 のフロア 在時間分布をみ ると.fig.5-4-1の

数は 2階 までであった ◆フ ロア ー数別に滞

様 になつた 。 1階 のビ ークは 32。 5分 ,2階 は

40分 とな り,平 均はそれぞれ 37分 ,46分

とな り,2フ ロア ーの展示室 をもつ美術館 の滞

在時間が長 くな った .ワ ンフ ロア ーの最長滞在時 間の美術館は千葉県立美術館 の 80。 5分 で あつた 。 ともにア ーラン型分布 である。

2.滞 在時間と順路形態 順略形態 については,展 示室が比較的分散 して配置 されているクラスタ ー型 と,比 較的連続 的に配置 されてい る機室型 の 2種 類 に分け,滞 在時間分布 を調 べ9グ ラフ化 したものが fig.

5-4-2で

あ る。 クラス タ ー型 の方が分布幅が広 く,ビ ー クは 47。 5分 ,平 均が 52.5

分 で,ビ ークか ら十方向になだ らかに伸び てい る。一方 の機室型 では全般に分布が 一方向に移 ー 動 してお り ・ ピ クが 32.5分

.37.5分

で あ り,ピ ー クを過ぎ ると急激 に館数が減少す

る逆ア ーラ ン型 の分布をしてい る。尚,千 葉県立美術館 は 県展 のため順略が設定 され ていたの で接室型 としたが ,プ ラン形態はクラスター型 であ る。 また 。国立西洋美術館 旧館は,回 廊型 の美術館 であ り。来館者は一応順路 どうりに見 てゆ くた め接室型 としたが ,展 示壁面 .展 示 コ ーナ ーが分 散 してお り,ク ラス ター型 とすべ きで あろう。京都市美術館は 2つ の回廊型 の展示 室 をもつ 。 したが ってこの 3館 を除 くと逆ア ーラン型が よ り明確にな るた め9接 室型 の滞在時 間の限界は約 45分 ということにな る。

3.滞 在時間 と作 品種別 作品 を種別に分け ることは,美 術館によつて展示物が多岐 に渡 つていた りっ また 区別 のつ け


増殖す る美術館

難 い ものもあ り,困 難な作業 で あるが,絵 画.彫 刻 ,陶 磁,工 芸っ歴史考古 .民 芸 ,染 織。そ の他 に分類 し,滞 在時 間 との関係 を表 わ したのが fig。

5-4-3で

ある。絵画が最も滞在

時間 の分布幅が広 く。 また最長時間,平 均滞在時 間も長 いが・ 資料的展示にな るに従 つてその 分布幅 ,最 長時間,平 均滞在時 間が短か くな って ゆ く傾向が見 られ る。

4.滞 在時間と展示室数 展示室数が増加すれば滞在時 間も増加す ると考 え られ るが ,fig。

5-4-4の

様な結果

が得 られた 。先程 の様な結果が出てい るが ,滞 在時 間 の伸び方 には 2種 類 あ り,ゆ るやかな も の には福岡市美術館 .千 葉県立美術館な どの クラス ター型 と,愛 知 県立文化会館美術館,東 京 都庭園美術館,芥 沢圭介美術館な どの展示室 の細分化が災 い してい る美術館 の 2種 類 がある。 急激な伸びを示 してい るものは,接 室順路型 であ る。室数 の割に滞在時間の長 い ものは,三 好 園の 1室 ,41。

3分 であ り,展 示品数も 52点 とい う小規模 のもので ある。展示内容が良 く

,

また 愛好者 ,研 究者が多 く来館 してい るためであ ろうか .室 数 の割 に滞在時間 の短 かいものは, 冨山県民会館美術館 で,5室 ,

150点 で 15分 であったが,こ れは高校書道展 とい う展示内

容 のためであろう。

5.滞 在時間と展示面積 この関係 をグラフに表すと ・

fig.5-4-5の

様 にな り,説 得力 のある傾向が見 られた .

作品内容 の影響を受 け るた め,作 品的展示 と資料的展示に分け て見 ると,作 品的展示 の場合, 展示面積 2,000平

方 メー トル までは滞在時 間が直線的に増加 して ゆ くが ,そ れ 以降は滞在

時間がゆ るやかに減少 してゆ く傾向が見 られ る。展示 面積 500平 方 メー トル .68分 は原美 術館 であ り,規 模 の割 に滞在時 間の長 い美術館 で あ る。従 つて,一 応全部見 て回わ る美術館 ,


増殖す る美術館

接室順路型美術館の場合 ,展 示面積

1.500∼ 2,000平

方 メー トルが限界 であると言え

る。 2,000平 方 メー トル クラスとしては,国 立西洋美術館 旧館,埼 玉 県立美術館,山 梨県 立美術館.兵 庫県立近代 美術館な どがある。 また資 料的展示 の場合,デ ー タ数が少な く,は っ きりとはしていないが,展 示面積 900 平方 メー トル までが 適正規模 と言 えるのではないだ ろうか 。 このことに 関 してはもう少 し調査 を進 めてゆ く必要があ る。

6.滞 在時 間と展示壁面長 このグラフも先程 の展示面積 の場合 と同様に顕著な傾向が見 られ る。

(fig.5-4-6)

作品的展示 の場合,展 示壁面約 400メ ー トル までは,滞 在時 間は直線的 に増加 してゆ くが , それ 以降増加 してお らず,展 示壁面約 400メ ー トルが限界規模 であ ると言える。 これは以前 か ら美術館 関係者 の 間 で言われ ていた「 展示壁面は 400メ ー トル までが 良 い 」とい う通説 を 裏付 ける結果 となった 。展示壁面

19メ ー トル,33分 は横山大観記念館 である.

資料的展示 に 関しては,は っ きりした 傾向が見 られ ていな い 。

7.滞 在時 間と展示作品数 この グラフも先程 と同 じく顕著な傾向が見 られ る。

(fig.5-4-7)◆

作品的展示 の

場合・ 作品数 200点 ∼ 250点 までは,直 線的に滞在時間が 増加 してゆ くが,200点 以降 その伸びが 急激にゆるやかにな つてい る.し たがって,一 応前部見 て 回れ る絵画彫刻美術館ぅ 接室順路型式 の美術館 の場合 ,作 品数 200∼

250点 が限界規模 であ る。

資料的展示の場合も同 じ様な傾 向が見 られ っ作品数 400∼ えよ う.

600点 が限 界規模 であ ると言


増殖す る美術館

24θ

展示作品数 と展示壁面長,展 示面積 とは比例関係にあるこ とが fig。

5-3-15,fig。

5-3-16に

5-3-5,fig.

おいて明 らか になってい るため,展 示空間 の要因で滞

在時間を説明す るには,展 示作品数 と,展 示室数,ス ケ ールな どのア ーティキュ レーションの

2つ の要 因 で良 い と思 われ る。

8。

滞在時間と作品密度

作品密度 とは一点 当 りの占有面積 で ある。これ と滞 在時間との関係 は fig。

5-4-8に

表わ され る。上は貞有面積 と滞 在壁 口 との関係 D下 は 占有面積 と 1点 当 りの観賞時 間との関係 の グラフである。全体的 に見 て,占 有面積が増加す ると6平 方 メー トル 当 りまでは滞在時間, 一点当 りの観賞時間が増加す るとい う傾 向があるが,そ れ以降 はバ ラツキが大 き くな る.こ れ を作品種別 ごとに見 て ゆ くと。作品的展示 のものは,占 有面積が増加すればす る程滞在時間, 一 点当 りの観賞時間が増加す る。最高 は BSM新 潟美術館 で,襖 絵

16点 の展示 で あつたた め

一点当 りの観賞時間が長 く,ま た 滞在時間が異常に短 い . 資料的展示 の場合 で は,は つき りとした傾 向 は見 られないが ,作 品密度 4∼ 7平 方 メー トル においては極端に一 点 当 りの観賞時 間 の短かい美術館が見当 らないため,適 性作品密度 と言 う ことができよう。

9.滞 在時 間と単位壁面長 単位壁面長 とは一 点 当 りの壁面長

5-4-9の

(m)の ことであ る。 これ と滞 在時間との関係 は fig.

グラフに表わ され る。上 の図が一 点当 りの壁面長 と滞在時 間との関係 下 の図が ・

一 点当 りの壁面長 と一 点当 りの観賞時 間との関係 であ る.全 体的 に,一 点当 りの壁面長は殆 ど が 3メ ー トル 以内 に収 まり,長 くなればな る程滞在時 間,一 点 当 りの観賞時間が伸び る傾向が

.


増殖す る美術館

`/

見 られ る。 一 点当 りの観賞時間か ら適性単位壁面長は作 品的展示が 2。 5メ ー トル 資料的展示が 0. ・ 7メ ー トルの近傍 で ある。

10。 規模 と一 点 当 りの観賞時 間 規模 として,展 示作品数,展 示壁面長・ 展示面積を取 り上げ,一 点当 りの観賞時間 との相関 を見 てゆ く. 先 づ,展 示作品数 と一 点当 りの観賞時間 との 関係は fig.5-4-10の

様なら y=a/

X tt bの 式にあ ては まるグラフ となつた .作 品観賞時 間は 0。 5分 程度 であ るとい う報 告が 多 いが,こ の様に展示作品数 によって異な ることに注 目した い。また全般にわたって作品的展 示 の方が一 点当 りの観賞時間が 長 いことがわか る。尚,こ の グラフは fig.2-5-6の

崎清研究 グル ープの グラフの信頼性を大幅に高 めた ことにな る。 展示壁面長 と壁面 ― m当 りの滞在時日との関係は,fig.5-4-11の

様な,先 程 と同

じ形のグラフとな つた .殆 どが 400m以 内で あ ることがわか る。 展示面積 と面積― 平方 メー トルあた りの滞在時 間との関係 は fig。

5-4-12の

様な グ

ラフとなつた 。 これ も先程 と同 じグラフの形を してい ることがわか る。この 図を使 つて滞在時 間を割 り出し,観 客適正密度 をかけあわせれば ,適 正収容人数を求 め ることが で き,混 雑 の指 標 とす ることができよう。

11。 単純相関分析 以上 の要因相互 の単純相関を求 めた のが fig.5-4-13で 強 い ものに は,展 示室数

(R=0。 50),展

示面積

ある。滞在時間との相関 の

(R=0.60),展

示壁面長

(R=0。


増殖す る美術館

`′

576).展

示動線長

(R=0。 66)が

ある。展示作品数について は重相関を行な つてみ る

必要がある.従 属変数相互 で単純相関の強 い も の には,展 示面積 ←→展示壁面長

4),動 線長 ←→展示面積 (R=0。 85),動

線長 ←→展示壁面長

(R=0◆ 8

(R=0。 94)な

どが

ある。 したがつて,滞 在時 間は展示作品数 と展示面積 の 2つ の要因によ ってあ る程度説明す るこ と が で きる。


増殖す る美術館

′″

2階 1階

.   . . . 一 . . . . . ● ● ● ● ● ● ¨ ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ●

¨                                                                   一

一         キ

・ ・ 一 ⋮ ・ 絲

⋮ ⋮ 幸         * .

嗜         料

■ ⋮ ⋮ ⋮ ≡

・ ・*           ¨

一           一

嗜           一

・ ∵

・ ・ 幕

球           ¨

⋮ ⋮

(イ

b)

(1直 )

10

9

【2階 】

0 7 6 5 4 ●

, 1

5 r9

15 ?9 ?5 3S 33 49 45 59 55 69 65 ?S ?5 90 85 99 95 rBs

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(1日 )

10

9 8 7 6

5 4

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19

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e6 a5 39 35 49 45 59 35 69 63 ?6

ru

eB 95 90 95

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増殖す る美術館

・ ・

接室 順 P8型

L ・

クラ ス タ ー型

● ト

● ● ● ● ● ● ● ^ ¨●  ● ・  ・ ・  ・     ・ ● *¨ ● 一 ● ・ ・ ・ ・ ・

(イ

さ)

(館 ) 0

【クラスター型】

7 6 5 4

3 2 1

5

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 05 70 75 90 95 90 95 100 (う

な)

(1直 )

8

【接室順路型 】

7 ら

5

4

3 , 1

5

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 7● 75 80 05 90 95 100 (イ

fige 5-4-2

滞 在 時 間 と順 路 形 態

な)


増殖す る美術館

(イ

1.絵 画

5。

2.彫 刻

な) 105

6。

工芸 書

8。 そ の他 ‐

:

00

9

00

15

30

15

_二

二                       一

十 亭 ¨ . * 事 一

¨                                             ¨

. ・ ¨ ・ ・ ・ . ・ ・ ・ ● ● ● ● ヽ

・ ■ ・

・ ・

事 T

:*i: ::;i

....i........

i

.:

......:

.........i

Э

fig.5-4-3 (イ

:

滞在時 間 と作品種別 X JIKU: TENJI SH卿 9UU VJ=KU: inIZnl J=Knll

む) 105

" P3

60

45

一 奎 ヽ

30

‥J ・

:

15

fig.5-4■

4

10

滞 在時 日 と展示室数

(ヨ 置)


増殖す る美術 館

X JEKU: TENJl MEHSEF: (イ

VJコ4J: In12A=JEKM

カ)

2J即 :Oo―

105

J

【作品的展示】 00

5

50

¨¨

¨ ¨¨¨ =¨

45

30

15

3000

(展 示面積 :m・

(イ

む) 105

m)

X」 :KU: lEHJI ‖E‖ SEII V」 EKU: 1● =な=JEKnII 2」 34U=GluEEU

75

60

45

30

15

(展 示面積

:mOm)


増殖す る美術館

(イ

カ) 105

【作 00

75

59

45

30 1

11

,

15

(展 示壁面長

:m)

X」 IKU: 距 KIMB・ I CH0 V JIKり : in120= JIK● II (イ

岩)

Z」

105

=Ktl:

鯛 UOmリ

00

75

●U

45

30

15

fig.5-4-6

滞 在時 間 と展示 壁 面 長

(展 示壁面長

:m)


増殖す る美術 館

(イ

1鋼 JEKm

)) 105

【作品的展示】

:

00

ir

5

...... ... .!....... t...r

:

60 ユ

1

1 fl 45 1

30

111 111

1

15

(′ 魚 )

XJ=KU: 8船 劇HⅢ 剛 V」 EKU= ln12nl JEKm

(`む )

ZJ即

00・ tp_j

105

00

P5

50

45

30

15

fig.5-4-7

滞在時 間 と屁示作 品数

(点 )


増殖す る美術館

`′ X JIKU: ‖ITSUD0 VJ=κ U: ■合12nl J=KAH

(`む )

2 JIrり : 6Hり 璽 ‐ U

105

一 . ⋮

一       ⋮      一  一 ¨ .        L     ⋮  一 ■  ¨     a  .   ⋮      . I    一 ⋮  ¨       ・   一 ¨ 一 3  i  f    γ  9 ぎ 7 ギ ● ∴

●0

P5

50

45

30

・ ,

15

1 ・

。 ● 〓

(作 品密度 (― 点当 りの観賞時間 :分 )

fig.5-4-8

X JIKU: ‖ =TSU00J=KOH V 」IKU: TA1201 Z JEICui SI・ ■lDE割

(作 品密度 滞 在 時 闘 と作品 密 度

:mOm/1点

)


増殖す る美術館

250 X JIKU: ‖日(IMEN CH0 V」 コKU: In12nI J=KnH (`む ) 105

Z JEKU1 8plu● EEU

●3

P5

30

45

30

15

X」 XKU: HEK【 ME‖ Cl10

(― m当 りの滞在時目 3分 )

fig`5-4-9

VJ即

: in12● l Jlκ A‖

=JRKU, OH団

謳調むU

滞在時 固 と車 位壁面長

(m)


増殖す る美術館

25イ X JIKU: SAKUHIN SuU V 」IKLl: inlzAェ JlKOH Z JIKU: GHU● ETSu

(― 点 当 りの観賞時間 :分 )

・ ・ ・ 11・・

1 1 'Ⅲ :

1:

t亀

099

fig。 5-4-10

X JIKU: HEK:MEN CHO

(一 m当 りの滞在時間 :分 ) る         5

(Jミ )

展示作 品数 と一 点 当 りの観 賞 時 間 v 」

=`u: loェ

z^I JIК ON

2● ■Кul sHり DETSu ・ ・ ・・ ・ ・

・ ・ ・ ・・ ・・

・・ ・・

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I・

¨                                                     ¨                                                     ¨

一                                                     ¨                                                       一

:

II ・・・・

・・ ・ ・ ・・

:―

:

:・ ・

:・

:

:

1

.75

.5

.25

ギ i尋

=

fig.5-4-11

(m) 展示壁面長 と単位壁面当 りの滞在時間


増殖す る美術館

fig.5-4-12

(展 示面積 展示面積 と単位展示面積当 りの滞在時 閣

:mem)


増殖す る美術館

2,_

υARIABLE

KAISuU SHIISuSUU 」UNR0 S‖ UIETSU SAKL〕 HlNSu TENJlMEN HEKIMEN DOt,SEN

SENYUU TAIZAI

34 34

34 34 34 34 34 34 34

1.764ソ

1

3.OL● 941

310,91176 736.52941 161.44118 2'3.38235 6,10206 40,22333

34

t・ :ANDARD DEVIAT10N .49955 2.93604 .60597 2,34179 884.62477 651,13828 100,05335 208.19804 4,77339 15.62995

υARIANCE 。24955

MEAN l.41176 4.52941

N

8.62032

.36720

5.483,6 732560。 99198 42400フ .10517 11675.52674 13346.42513 22,78522 244.29519

COEFFICIENT OF VARInT10N 35,38509 64.82162 34。 33038 7フ

.30164

284.52599

80,■ 0'00

66,93048 69,77559 78.22504 38,35772

CORRELAT10N MATRIX KAISUU SHlTSuSUU 」UNR0

SHITSuSuU .4047036

υuNk0 -.2708696 -,0470892

SHUE4ETSu

― ,2178931 -。

SA:く

1001096

,04ア 7333

3HLl■ 〔TSu

UHINSu

TEN」

SAKUHINSU .1502565 .2739285 .0324030 .4146125

TENJIMEN 。1498517 .4225767 -,0452157 -,3611336

IMEN

.0036530

HEKIMEN

。3030519

,59603C72

1038055 -.2406446 -。

.0671460 .〔

κAISUU

SHITSuSUU JUNR0 S‖ UBビ TSu SAKUHINSU TEN」 IMEN ・ HEKl‖ IN DOUSEN SENYUU

DOuSEN .3941044 ,6262156 -.1008662 -,2,98500 ,0471503 .8500925 ,9433068

fig.5-4-13

SENYUU 04410 ,1263075 -.0106840 -.6096583 .2フ

-,233376フ

,6908187

.500205フ

.5387100

相 関係数

Tハ

IZパ I

.4330078 .5021722

-.221120L●

― .377627, ― .1306274

.6000677 .5758519 ,6501038 .4666803

:422027


増殖す る美術館

5-5

提霜 命

′多

調査 の分析結果か ら得 られた美術館 の展示空間計画につ いての要点をあげ る. 1。

限界規模

a.展 示面積 ・ 絵画 で は 1.500∼

2,000平

方 メー トル以下

・ 資料 では 900平 方 メー トル以下

b.展 示作品数 ・ 絵画 では 200∼ 。資料 では 400∼

250点 600点

以下 以下

C.展 示壁面 ・ 絵画 では 400メ ー トル 以下 d。

展示室数 . 。 10室 以下

e.壁 面 /展 示面積 比 00e15(/m)以

2.適 正規模 a.適 正単位壁面長 ・ 絵画 では 2。 5メ ー トル程 度 ・ 資料 では 0。 7メ ー トル 程度

b.作 品数 ・ 絵画 では 150点 程度 3▲

in T脅 慮

a.作 品密度 ・ 資料 では作品 占有面積 4∼ 7平 方 メー トルが適正


増殖す る美術館 第

tデ

の 運


増殖 す る美術館

先程得 られた人 間 の行動 (滞 在時間 )と 空間 の要因 (展 示面積,展 示作品数な ど)と の 関係 か ら,滞 在時間 を予 測す ることが でき。 また美術 館 の限界規模,適 正密度が 得 られた ことか ら, 与条件 のもとの適正規模を算出す る ことが でき る。ただ し。資料的展示 の場合 に 関しては,調 査件数 が不足 してお り。今 の段階 でモデル化す る ことは危険 であ るた め.絵 画な どの作 品的展 示に限 つてモデル の運用 につ いて述べ ることにす る。 使用 す るグラフは fig。

6-1-102.3の

3つ である。つ まり滞在時 間と展示面積

,

滞在時 間と展示作品数ぅ展示作品数 と展示面積 の グラフである。 モデルをもとに,以 下 の場合 についてモデル の運用 の仕方 について述べ 。 モデルの有効性 を 確認 す る。

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レノベ ーシ ヨン

2.増 策による失敗例 とそ の対策 3。

新 たな施設計画

4.限 界規模 を越 える場合


増殖す る美術館

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増殖す る美術館

展示面積

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増殖 す る美術館

6

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- 1

レノベ ーシヨンによる例 として,現 在 ,評 判 の良 くな い美術館をと りあげ ,現 状をモデルに よ つて検定 し,改 善策を考が えてゆ く。 レノベ ー シヨンの場合 ,与 条件 として,展 示室面積が あ る。

1。

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は,東 京,芝 の旧迎賓館 を改装 した美術館 で。庭園 と美術 と建築を鑑賞す るという触れ込み で,建 物 の各室 をその まま利用 し展示室 とした 。オ ープニ ングにグッゲンハ イム展 を開催 した。

展示面積

539平 方 メー トル

展示室数

11室

展示作品数

93点

展示壁面長

240メ

滞在時間

43。 8分

ー トル

この美術館 において,93点 という決 して多 くはな い展示数 であるのに,展 示作品が多すぎ るとい う批判が寄せ られた .展 示作品数か ら標準展示面積 を割 り出す と,約

1000平

方 メー

トル とな つて しまう.し か しなが ら展示壁面長 と展示作品数 の グラフを見 ると,ほ ぼ標準 であ る。つ まり,面 積 の割に壁面が多 い。展示室 も

11室 となつ ていて,し かも接 室順路型 である

したがっ て,う ち 3室 程度を休憩室 とし,展 示壁面.展 示面積を減 らし,展 示作品数 を 60点 程度 とす るべ きであ る。

.


増殖す る美術館

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Eロ ロ(1/3,500) 函〕


増殖す る美術館

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2。

石水館

作家が 地元 に寄贈 した 作品 とコ レクションを展示保存す るた めに開設 した 美術館 で.石 造 白 亜 のユニ ー クな建 物 で ある。しか しなが ら建設 当初か ら建築家 と施主 の折 り合いが悪 く,建 物 を作品に合わせ るか ,作 品 を建物 に合わせ るか ,意 見がかみあわな い まま建設 されたた め,そ の影響が展示 に表 れてい る。

展示面 積

676平 方 メー トル

展示室 数

10室

展示作 品 数

321

展示 壁 面

205メ

滞在時 間

30。 7

ー トル

滞在時間が展示作品数 ,展 示面積 と比 べ て 以上に低 いのは,展 示作品数が異状に多 いた めで あ り,限 界を超 えているにもかかわ らず接室順路型 で ある。壁面長・ 展示面積か らす ると,9

0点 程度が良 く,そ れによつて滞在時間を 40分 程度にひ きあげ ることが で きる.こ の様な比 較的小規模 の美術館に作品を置 きすぎてい る例が 目立 つが,収 蔵庫が不充分なせいであ ろうか 。 作品,建 築 ともに共鴫 しあうた め にも,適 正な展示を願 いた い 。また ,順 路 の後半に至 るに従 つて,作 品密度が増す のは,観 客 の足 を速 め ることにな る.後 半に進む に従 つて,展 示室を意 図的 に小 さ くしてあ るのだか ら,作 品密度 も下 げてゆ くべ きではないのか 。


増殖す る美術館

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増殖す る美術館

6-2

の 適

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新たに美術館 を計画す る際には,作 品を寄贈 された りして手持ちの作品 の あ る場合 が 多 い 。 したがつて,作 品密度を適正に保 ちなが ら面積配分をしてゆ く必要がある。モデルか ら考 え ら れ る,最 も適 正 な美術館像 を描 いてみ ると,先 づ ,作 品 は絵画 200点 とす る。作品密度 を 7 平方 メー トル として,展 示面積は

1400平 方 メー トル とな り,適 正規模 に非常に近 い 。展示

壁面長は,適 正単位壁面長 2メ ー トルを守 つて,展 示壁面 400メ ー トルである。 1400平 方 メー トルの場合,展 示室数は 7室 前後 とな る.し たがって一室当 り200平 方 メー トル とな り,作 品数は約 30点 とな る。


増殖す る美術館

6-3

士曽 鶴饉 言十 理雪

美術館 の収蔵品数 は,特 に公立美術館にお いては年 ことに増加す るものであ り,収 蔵庫 に眠 らせてお くのももつた いない とい う理由 で増築す る場合がある。先発組 の県立美術館 は,今 日, 新た に増策を考 えな くて はな らな い という第二の段階に来 ている。 ところが ,美 術館には限界 規模 がある ことがわか った以上 ,増 策 の仕方 につ いては充分検討す る必要があ り,ま た。新 し く開設す る美術館も,当 初か ら増策に耐え られ る計画 として おかな くてはな らない。そんな状 況 の中で,増 策を終 えた美術館が い くつか見 られ るので考察 を加え て お く.

栃木県立美術館 は,地 方公立美術館 の リー ダ ー的存在 であ り。昭和 48年 に開館 した。川崎 清 の設計に よるこの美術館は,す でに その外観か らしてシュ ールであるが,内 部 の床,壁 面 そ して内庭もすべ てが 大理石 とい う豪華な ものであ る。美的 な環境における精神 の解放をめざす としてい るとお り,順 路 を巡 ると,次 第に空間が変化 してゆき,最 後 に光 のあふれ るプラザに 出 され る◆その様な完結 した順略構成 であつた 。展示面積 も 1297平 方 メー トルであ り,接 室順略型式 としては無理 のない規模 であつた 。展示作品 も 150点 程度 で,適 正規模 といえる 数 であつた 。 しか しなが ら,昭 和 56年 に常設館が日設 され ,こ れ までの順路 に付属 させ るとはいつても, 本館 と同じ展示面積 であ り。 ほぼ倍 の大 きさの 2600平 方 メー トル とな り,接 室順路 である ことか ら,限 界規模 を越えてしまつた 。展示作品数 も常設館は約 400点 であ り。はるかに増 加 してしまい。来館者 と展示空 間との均衡が破れ てしまつた という感が強 い 。 しかも,新 館 の 方が作品密度が高 く,精 神を次第 に解放 して くれ る美術館 とは言 い難 い.作 品密度 のムラが美 術館 の 印象 に悪い影響をもた らす のではないだ ろうか。 旧館が非常 に完結 した美術館 であつただけに,増 策によ つて動線 が荒 らされてしまい。失敗 が残念 でな らな い 。


増殖す る美術館

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保 管庫 棟

985.68 254. 2.589.6:(43.41%)

(fOに 屋 外 展 示 場

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増殖す る美術 館

6-4

=ナ 曽 殖

る 美

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第五章 で示 した とお り,美 術館 には明 らかに限界規模があ り,そ れを越えた場合 ,「 美術館 疲れ 」となって来館者 に顕在化す る。 しか しなが ら,美 術館 の収蔵品は倍位 までは簡単に増加 す ると言われてお り,限 界規模 と収蔵品 の増加 とは美術館にとつて相反す る大 きな 問題 であろ う。た とえ恐 しく大規模な美術館 で あつても,来 館者 の半数は,一 応主要なものだ けはひ とと お り見 た い とい うつも りで来館す る。 さらに研究 者 の要望 にも応え られ る多角的な 計画が必要 とされ る。 「 美術館疲れ 」の解決 とい う課題か ら限界規模 の追求 をこれ まで行 なつてきたが ,美 術館 の 規模 とは,本 来それ とは無関係 に,美 術館本来 の主旨 によつて先 づ 決定 され るものである。人 文科学系 の博物館は本来 ,総 合的 であ るべ きも のであ り,大 きく幅広いものでな くてはな らな い。疲れ るか らといつて,そ のこ とのみ で規模 を整え られ る性質 のものではない。つ まり美術 館方針 によつて決定 され る規模 と,「 美術館疲れ 」しな い規模 とは,本 来無縁な のである。 そ こで,規 模 によつてではな く。平面型式によつて「 美術館疲れ 」に対処 し,な おかつ増築 に耐え得 る美術館計画方法 として,『 増殖す る美 術館 Jを 提案す る。

『 増殖する美術館Jの 特徴は次のとうりである。

1。

中心 とな る展示 区城は,美 術館 の特色を表わす主要な作品 を展示す る常設展示場 であ り,

この 区城 は本文中で指摘 した限界規模 の範囲内 に収 め られ る。 この 区城 の順路型式 は接室 で あ つて も クラスターであつても良い .初 めて来た人は この 区城内を まわ ることで,美 術館 のイ メ ージをつかむ ことが でき る。

2.展 示内容別に展示室を設け,中 央区域に付属 させ る。 このタト側展示室をバ ビ リオン型式 で増殖 させてゆ くことによ り。収蔵品 の増加に対応す る。タト側展示室 の増加に伴な って,中 央


増殖す る美術館

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展示室にそ の内容 の一部 を展示 し。中央展示室 にタト側展示室 の前室 の役割をさせる。 これによ つて,,初 来館者 にも,研 究者にも対応す ることが で きる。 3。

さらに増築 が進む場合・ 展示室が二重にな ると,オ リエンテ ーションが 喪失 され るため,

二 重 までとし。それ以降 の増策はフ ロア ー数 を増 れ し,中 央展示室を立体化 し,さ らに展示室 を増殖 させてゆ く。地下 へ の増策 には環境的配慮を充分にす ること。

4.一 番外側 に収蔵庫 を配 し,機 入作業に対応す る。 この様 にD作 品 の増加 を考 えるな らば ,直 線的 に規模 を伸ばす ことな く,作 品 にふ さわ しい 空間を除々に新たに付随 させてゆ くべ きである。来館者 は,中 央区城 を見た あと,興 味 を 引か れ る展示室に入 つてゆ くこ とであろう.つ まり,図 書館 の形態に非常に似 てい るのが増殖す る 美術館 である. 尚,こ の考 え方 と良 く似 ている博物館に,千 葉 の国立歴史民俗博物館があ る.中 央区城が 2 フ ロア ーにわた り。その周 りを展示室が レベルを下げなが ら付随 してゆ くも のであ る。

次に増殖す る美術館 の概念図を示す。


増殖す る美術館

268

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増殖す る美備 館 第


増殖す る美術館

7-1

の 提 ・言

「 美術館疲 れ 」の原 因を探 り,そ の対策を考えようとした ところか らこの研究は出発 したが , 一 応 当初 の 目的 は達成 された 様に思 う.美 術館疲 れ の主な原 因はその規模にあ り,限 界規模 , 適正規模 を求 め ることができた 。今後,こ の資料を踏 まえた 計画が行なわれ ることを期待す る ものである。 尚。今回解明 で きなかつた空間 の要因に空間 の分節,ア ーティキュ レー ションの課題が あ る。 このア ーティキュ レー ションこそ建築をよ り建築 にす る方 法 であろう.行 動 との相関を解明 し て ゆ くことによ り,さ らに美術館建築を発展 させることがで きるのではないか と考えたい 。 特 に,原 美術館が何故あそ こ まで滞在時間が長 いのかついに解明す ることができなかった 。 施設 の環境が良 い と言 つてしまえば それ までであ るが,プ ラ ンを見ただけ でそれが判できると い う段階 にまで到逮す ることがで きなかつた 。今後 ,更 に行動 による施設評価 をプランニ ング レベル まで落 としてゆ く必要があ ろう。そうすれば全体的な総合 システム評価だ けでな く,実 際 に設計 に適用 で きる基準 として役立 ちうると思 われ る.

建築設計 とは,多 分 に経験技術的な側面を抱え てお り,建 築家は与え られた条 件 の元 で,使 い手 のこ と,予 算 の こ と,機 能 の こ と。その他大沢 のことを考えに入れて計画を練 るにちが い な い 。その経験 を重ね ることによつて心 の中 にあてがわれてい る基準「 最適な建築 」をつ くる た めの方法や 判断力 を培 つてゆ くのである。 個人 の生活経験 の中 では,「 適正条件 」についての判断は比較的や さしいし,我 々は平生 そ れ を実行 してい る。ところが ,シ ステムが大 きくな つて くると.判 断は大変難か し くな る。 一つ には,し ば しば 大 きな システムについては,ど れかの要素 があたかも無限 に近 い効力 を 持 つているかに思われ ていたために,比 較的安心 して,そ うい う道正へ の配慮 を省略 して きた とい うことができる。


増殖す る美 術館

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本文 でも扱 つてい るが .適 正条件 というのは数式 を解 いて安直 に出 るようなものではない。 実例 として,都 市 の道正規模 な ど,決 して,簡 単な図式 に到達 して,単 純な結論にな るとは限 らない .む しろそうで はな い場合が 多 いので ある。 にもかかわ らずっだか らこそ,適 正 につい ての論議,そ の ことへのア プ ローチが現代 社会 で特 に重要な意味 を持つ と考える. 適正へのアプローチが大切だっ ということは。要す るに部分が具合良 く生 きのびても全体が 生命を失なっ ては意味がな い とい う ことで ある. 日本 で科学 の教育 を受 けた者が,し ば しば こまかい厳密 さを尊重 しなが ら,全 体 のパ ースペ クティブを持たな い。 とタト国人か ら指摘 され るらしい 。 ある「 枠 」の中 で,最 適 の条件を求 め ることはよ くや つても,そ の枠 自体 が 適当か不 適当か を考え直す こ とが不得手 で あ ると,最 適 の意味 を失つてしまう。最適条件へ のアプ ロ ーチは,い わば レンズのズ ームを絶えずきかせな が ら,シ ステムの問題 の 間 の関連を検討 してゆ くことだ と考え る.

建築 において適正規模 を論 ずるというアプローチに,現 在 の ところ大 きな意味があると私は 考えてい る。何故な ら,部 分を切 りはな して考 え,「 無限 」の要素 で帳尻 をあゎ せてい る限 り では,ま すます大規模化,高 密度化による弊害が我々の気がつかないうちに我 々の生活 を歪 ま せてゆ くことになるか らである。 我々の生活 の どこが歪 んでいるのか 。簡単な解は出 しにくいとしても,そ ういう検討な検討 の くりか えしによる訓練 こそが私達にとつて最も大切な仕事 の一つに違 いないと思うのである。


増殖す る美術館

7-2

施 設 規 キ真 計 画 へ の 提 言

′〃

今回得 られた限界規模 であるが ,施 設規模計画について多少考察 しておきたい . これ までの施設規模計画は,た とえば , の占有面積 をかけあわせ る

1.ピ ー ク時 の利用者数 を予測 し,2。

一 人あた り

とい うプ ロセスで規模計画 を行なつていたように思われ る。 しか

しなが ら。 この場合,ビ ー ク時 の利用者数 によつて施設 は無限 に大 き くもな り,ま た無限に小 さくもな るのであ る.こ れは多人数 に とつては適正 であつても,一 人 の人間にとつては迷惑千 万な話 である。 それによつて全体 を把 握 できなかった りす る場合が起 こり得 る。例えば・ 地下 街 の通r8幅が ,ビ ーク時 の利用者数によ つてのみ 計画 され 拡大 されているために,流 れのない 時間帯 に行 くと,両 側 の壁面が認 知 で きず,通 路が どの方向に軸 をもっているかもつかめない 場所が あ る。 これな ど,限 界規模 を越 え ることによつて施設本来 の機能 をも失ないか けてい る 典型的 な 例 で あ る。 つ まり,こ れ までの施設規模計画は利用者数 の予測 と適性密度 によつてのみ決定 され てお り, 密度 は保つ こ とが で きても無限に大規模化す る可能性 のあ る点において大 きな問題が 残 されて いる。 それぞれの施設 につ いての限界規模を探 つて ゆ く必要性が あ るのではないだ ろうか 。例 えば大規模 化 しすぎた 団地 で,自 殺者が続出す るとい う事実があるが ,こ れな ど規模計画にそ の責任 の一旦 があるのではないだ ろうか 。

今回提案 した増殖す る美術館 の様 にっ限界規模 を越 え る場合,規 模か らではな く,別 のアプ ロ ーチによる解 決をしていかな くてはな らないのではないか と考え る.

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増殖す る美術館

7-3

4千 ロカ科 学

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今回,対 象 を美術館に絞 つて,そ の適正規模 についての検討を加 えた .自 由滞在型 の施設 で あれば ,お そ らくこれ と同 じ・ 滞在時間を測 り,環 境 との 関係をみ て ゆ くという方向 で研究を 深 め。人間 の使 い勝手 という側面か らの適正規模 の検討 を加えてゆ くことが 可能 で あ ろう。公 園然 り,モ ール街然 りで ある。 また。 自由滞在型 ではな い施設をどういつた 手段 で評価 してゆ くかは今後 の大 きな 課題 であ ろうと考える。住宅 の適正規模 ,マ ンションと一戸建 て と生活が どう違 うかな ど非常 に興味深 い研究テ ーマではないか と思われ る。 その評価手法をどうや つて探 し出すかが壁 であ るが ,是 非求 めたいも のであ る。

これ までの建築におけ る行動科学が ともす ると,動 作分析 に終止 し,建 築 のスケ ール との隔 た りが まだ まだ 大 きか獅 っ また 。心理学につ つこみ ,客 観性 を失な い。研究結果が必ず しも 設計 の諸段階 に有効に生か され てい るとは言い難か つた 。本論文 において,あ る程度。今後 の 建築計画 におけ る行動科学 の有効性を示す ことができた と考 える. ただ 。一つ 問題があ る.そ れは人間 の行動 を人間 ―空 間システ ムのア ウ トプッ トとして とら え,行 動 を評価 基準 として人間 ―空間 システムについて考 えてゆ く,と い う目標 で あ るが ,空 間 のみにその 問題点があ るので はな い 。空間 と同様,人 間 にも問題点があ ることを充分わ きま えておかな くて はな らな い 。つ まリー 般 の人間 の行動を評価基準 としてい るだけでは,一 般的 な空間評価 しか行 な うことが で きな い .し たが って得 られた空間の基準も一 般向けとしては具 合が良 くても,一 般 の人間自体 にも問題があ るため,そ の基準 が本当 に良 いものであ るかは全 く保障 がないのである。 それは美術館 に対 して の意見 を一般市民に言いたい放題言わせても は じまらな い とい うこと と全 く同 じで,話 し合 いを まとめ るには専門家が必要 になつて くる。

/


増殖 す る美術館

我 々は常によ り良 いものを追究 している.よ り良 いも0を つ くるこ とで,一 人 でも多 くの人 へのサ ジェッションとな ることを願 つてい る。よ り良 いもの を造 るには,対 象 をよ く理解 して いな くてはな らな い .対 象をよ く理解 していな い 人間 の行動 を評価基準 とす るの は非常に危険 である.そ れか ら得 られた基準 というの は単に大衆 に迎合 した とい う意味にしか な らず,本 当 に良 いものをつ くる こ ととは無縁 ではな いのか 。行動を評価基準 とす るに しても対象を選 んで いかなければ 良 い施設 づ くりの基准 とはな らな いのである。

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二■魂


増殖す る美 術 館

7-4

とこ

本研究 を行な ってみて,今 後への展開 として考え られ る方 向性を以下に記す。

1.先 づ,混 雑 による滞 在時間の変動 につ いて明 らかにす る必要が あ る。東京都庭園美術 館 に おける調査 では,滞 在時 間分布 の グラフが逆ア ーラ ン型 とも呼べ る分布 の形 とな うたが 。 これ が休憩室がな い ことによ るものか ,混 雑 していることによ るものかを明 らかにす る必要 がある。 それがわかれば ,滞 在時 間分布 の形 によつて施設評価をよ り正確 に行な う ことが で きよ う。 こ の施設評価手法 は美術館 に限 らず,さ まざまな施設 において適用可能 と思われ る。

2。

来館回数 の多 い人 のみにしばつて調査 を行な う必要が ある。先 に述 べた とお り,美 術館 は

一般 に迎合す るのではな く,良 い示峻 とな つていか な くてはな らない 。 したがって,一 般 と愛 好者 の行動 の違 いを調 べ てゆ く必要が あ る.一 般 に支持 され るものが 必 ずしも内容が良 いとは 限 らな い様 に,一 般 の行動が正 しい とは限 らない .

3.統 計処理 によつて滞在時間モデル を完全なものにす る必要があ る。今回,統 計 に 関す る知 識不足か ら,モ デルを完 全 なものにできなかつた ことが唯 一 の心残 りであつた .


増殖す る美術館 言身書舌幸

276

本論文は渡辺仁史助教授が,カ ナダに留学 した 1983年 か ら84年 にかけて作成 され まし たが,こ の間,常 に多 くの指導を賜 つた早稲田大学教授.池 原義郎氏と早稲田大学講師.中 村 良三氏に深 く感謝 いたします。また,カ ナダか ら不肖の弟子を御指導下さつた渡辺仁史助教授 に厚 く御オ L申 し上げ ます 。

また 。調査 の際 ,御 指導 を頂 いた国立西洋美術館学芸 員,長 谷川氏,原 美術館館長 の原俊夫 氏 ,還 山記念 館館長.山 辺知行氏,栃 木県立美術館館長 ,大 島清次氏 に深 く感謝 いた します 。 素晴 らしい美術館 には情熱的な館員の方 々がい らっしゃることを教え て頂 きました 。 調査にあた つて は,日 本博物館協会 の毛利氏 ,全 国美術館会議 の事務局 の方 々の御指導 を頂 きました 。 調査に御協力頂 いた全 国

124館 の館 員の方 々に厚 く御礼 申し上げ ます 。

統計 に関しては,位 寄和久氏,シ ステム研 の村越先生に御指導頂 きました 。 研究 に関して一 貫 して協 力 を頂いた長生麻子氏 ,水 野良治氏 ,後 輩 の池田浩敬氏.星 野仁氏 に感謝 します 。 ことに鈴木大 二 氏 には,本 研究 の根幹 とな る滞在時間モデルのヒン トを与え て 頂きました。幸福な一年 で した 。 研究室 の発展 を御祈 りして,御 礼 の言葉 といた します 。

昭和 59年

2月 11日


増殖す る美術館 参

【 資料

】―――一―――――――

1.

博 物 館 自書 49年 版

日本博物 館協会

1975。 9

2。

博 物 館 白書 57年 版

日本博物館協 会

1983。 5

3.

全 国博物館 園名 簿

日本博物館協会

1982.5

4.

全 国博 物 館総 覧

日本博物館協 会

1977.3

5。

博 物館 関係法 令 集

日本博物館協会

1981。 4

6。

博 物 館 利用者 動 向調 査

日本博物館協会

1982。 4

7.

博 物館 研究

12-12

日本博物館協会

1977.12

8。

博 物 館 研究

13-12

日本博物館協会

1978.12

9.

博 物 館研究

14-12

日本博物館協会

1979。 12

10。

博 物館 研究

15-12

日本博物館協会

1980。 12

11.

博 物 館 研究

16-12

日本博物館協会

1981.12

12.

博 物 館研究

17-12

日本博物 館協会

1982◆ 12

13。 朝 日新 聞社

ユ ニ ー クな美 術館 め ぐり

新潮選書

1983.6

14.

全 国美 術館 ガ イ ド

全国美術館会議

上 ,下 巻

15。 保坂

美術 館 を歩 く 東 日本 編

玉川選書

1981。 4

16.保 坂

美 術 館 を歩 く

玉川選書

1981。 10

西 日本編

17。 長谷 川栄

美術館

グラフイッ ク社

1977。 8

18。 宇 都市

ひ ろば と緑 と彫 刻 と

毎 日新聞社

1983。 3

19。 建築 資料 社

建 築 資料

建築総合資料社

1984。

20。 関根 伸夫

風景 か ら広場 へ

商店建築社

1983。 9

37-1

1


増殖す る美術館

278

423

1979. 4

21。

世界大百科事典

22。 平凡社

世界大百科年鑑 74年 版

527, 533

1974。 4

23。 平凡社

世界大百科年鑑 75年 版

5300 539

1975. 4

24.平 凡社

世界大百科年鑑 76年 版

532, 537

1976。 4

25.平 凡社

世界大百科年鑑 77年 版

523. 531

1977。 4

26.平 凡社

世界大百科年鑑 78年 版

513, 518

1978。 4

27.平 凡社

世界大百科年鑑 79年 版

509。 514

1979. 4

28.平 凡社

世界大百科年鑑 80年 版

397. 392

1980。 4

29.平 凡社

世界大百科年鑑 81年 版

404, 408

1981。 4

30.平 凡社

世界大百科年鑑 82年 版

389, 394

1982。 4

31.平 凡社

世界大百科年鑑 83年 版

32.芸 術新潮社

平凡社

1983. 4


増殖す る美術館

″ タ

【 3籍

】―――――――――一――――――――

32.小 原二 郎

建築室内人 間工学

33。 日本建築学会 建築設計資料集成

34。 吉武泰水

建築計画学

12

1970。

鹿島出版会

1.4,5,7, 10

施設規模

丸善

1983.

丸善

1969.9 1981.3

35。 メラビア ン ヒュ ーマ ンスペ ース

川島書 店

36。 東京大学

流れ

東京大学 出版会

37。 カンタ ー

場所 の心理学

彰国社

1982.7

38.紙 野桂人

人 の動 きと街 のデザイン

彰国社

1980◆

39。 菊地 誠

適正規模論

40。 日本建築学会 建築学便覧

5

自然・ 生態 。人 間

1計 画

1979。

日本放 送 出版協会 丸善

1976.5

1

9


増殖す る美術館

2∂θ

【 学内論文 1。

中村良二

2.渡 辺仁史

】――――――一―― ――― 人 間 一空間系 の研究

建設工学博士論文

建築計画 における行動 シミュ レー ションに 関す る研究 建設工学博士論文

3.位 寄和久

施設配置計画 のた めの行動 モデルに 関す る研究

4.大 西健二

観覧施設 の配置 に関す る研究

5。

成瀬

6.安 東研究室 7。

今井康博

1976.3 1983.3

建設工学修士論文

1983.3

建築学科学士論文

1982.3

建築学科学士論文

1984e l

美術館 における観客行動 の研究

美術館

建築 と空間

美術館に関す る基礎的考察

(鑑 賞者行動 の研究 ) 建築学科学士論文

8.稲 生

1971。 3

美術館に関す る基礎的考察

1984。 3

(事 例研究 )(未 完成 ) ―建築学科学

論文

1984。 3


増殖 す る美術館

′″

【 学会論文 】―――――――――

1.

美術館 に於け る観客動態に関す る研究 (そ の 1) 日本 建築学会近幾支部報告集

2.

美術館 に於け る観客動態 に関す る研究 (そ の 2) 日本建築学 会近幾支部報告集

3.京 都大学

施設構成理論

千葉工

44-351

1969

44-311

1969

美術館,博 物館利用者 の時間調査 について 日本 建築学会大会梗概集

5.

美術館 に於 け るシミュ レーシ ョ ンモデル 日本建築学会 近幾支部報告集

6◆

1971

49-23

1974

昭和 49年 度学会賞受賞作品 ―瀬戸内海歴史民俗資料館 日本建築学 会大会榎概集

9。

46-621

北海道立美術館建設訴画 の経緯 日本建築学 会大会梗概集

8。

46-29 1971

昭和 45年 度学会賞受賞作品 ―佐賀県立博物館 日本建築学会大会授概集

7.

44-45 1969

その 5ケ ースス タディ ー 美術館における空 間の組a・i化 日本 建築学会大会梗概集

4。

44-41 1969

50-841

..

1975

あ る地方美術館 におけ る観客 の休憩施設利用状況 と疲労感 に 関す る研究 (美 術館計画 の総合的研究 そ の 1) 日本建築 学会大会梗概集

52-1129 1977


増殖 す る美4市 館

10。

ある地方美 4市 館 におけ る観客 の休憩施設利用状況 と疲労感 に関す る研究 (そ の 2-美 術館計画 の総合的研究 そ の 2)

日本建築学会大会梗 概集 11。

53-!195 1978

県立美術館 の距離別利用者分布 の分析 (公 共社会教育,福 祉 ,体 育施設 に関す る研究 日本建築学会大 会梗概集

12.

16)

53-1227 1978

美術館に おける観客 の休憩施設利用に関す る研究

(1)

(美 術館計画 の総合的研究 ―その 2) 日本建築学会大会梗 概集

13。

54-883

美術館 における観客 の休憩施設利用に関す る研 究

1979

(2)

(美 術館計画 の総合的研究 ―その 2) 日本建築学 会大会榎概集

14。

56-1119 1981

美術館 の展示空間 の評価 に関す る研究 ケ ーススタデ ィ ー豊橋市美術博物館 日本建築学会大会榎概集

15。

57-1109 1982

美術館 に於ける観客行動 の研究 (人 間 一空間系 の研究 82-3) 日本建築学会大会榎概集

17。

1980

展示スペ ースに於 け る鑑賞行動 の分析 に 関す る研究 日本 建築学会大会梗概集

16.

55-701

57-1491 1982

人 と空間意識に関す る研究 (美 4晰 館展示室 による事例研究 ) 日本建築学 会大会榎概集

57-1523 1982

'


増殖す る美術館

美術館 の運営状況 について

18◆

(1)

(博 物館 に関す る建築計画的研究

その 1)

日本建築学 会大会榎概集

19.

資料か らみた博物 館 の新たな類型化 の試 み

(博 物館 に関す る建築計 画的研究

そ の 2)

日本建築学会大会榎概集

20. ,

(博 物館 に 関す る建築計画的研究

そ の 3)

日本建築学会大会梗概集

その 4)

日本建築学会大会榎概集

58-1431 1983

博物館 における教育事業 と相 互連携 について

(博 物館 に関す る建築訴画的研究

そ の 5)

日本建築学 会大会梗概集

23。

58-1429 1983

博物館 の資料 と展示事業につ いて

(博 物館に関す る建築計画的研究

22.

58-1427 1983

博物館 の利用状況 について ´

21。

57-1107 1982

58-1433 1983

展示スペ ースの動線分析 に 関す る研究 日本建築学会大会梗概集

58-321

1983



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