都市分析に関する研究 データが写し出す都市の推移

Page 1

昭 和

63年 析

修 士 論 文

デ ー タが 写 し出 す都 市 の 推 移 ―

指導

渡 辺 仁史

教 授

早 稲 田大 学 建 築 学 科

67E004

浅 見 邦 一


1章

研究 背 景 ´

研究 概 要

2章 2-1 2-2 2-3 2-4

都 市 の デ ー タ・ ベ ー ス

3章 3-1 3-2 3-3

デ ァ タ が 語 る都 市 の 姿

4章 4-1 4-2 4-3 4-4 4-5

都 市 を は か る尺 度

5章

今後の展望

参 考 文 献

あ と が き

研 究 目的

1-2 1-3

1

論 1

ユー

研究 対 象都市

4

研究 指 標 の選 定

6

デ ー タ収 集

8

欠損 デ ー タの 補 充

10

指 標 相 互 の 関 連 か ら見 る都 市 の 深 層 構 造

12

都 市 を 見 る視 点

17

似 て い る都 市

29

都 市 を はか る尺 度 尺度

1.シ

尺 度 2。

尺度

ル バ ー 度

アメ ニ テ ィー度

3.ア

イデ ン テ ィテ ィー 度

分析 結 果 お よび 考 察

44 46 49

52 54 58


こ =t

tジ

ふ電)

■ ここ

リ ゾ ー ト開 発 、 ウ ォ ー タ ー・ フ ロ ン ト な ど 、 都 市 開 発 の 提 案 が 最 近 め じろ押 しとな っ て い るが 、 こ れ らの 多 くは 、 地 域 活 性 化 を はか る イベ ン

'卜

戦 略 的 な も の で あ っ た り、企 業 が ら

み の 利 潤 追 究 を 目 的 に した も の で あ っ た りす る 。 この よ う に 第 二 者 に よ る住 民 そ っ ち の け の 都 市 づ く り論 議 が 巷 を に ぎ わ し て い る 一 方 で 、 人 々 が 、 ま ち や 都 市 を 自 分 た ち.が 生 活 す る 環 境 と して見 直 し は じめ て い る の も事 実 で あ り、 現 実 に これ らの 意 識 の も と 、 各 地 で 様 々 な ま ち づ く り運 動 が 繰 り広 げ ら れ て い る。 で は 、 住 民 に よ る ま ち づ く り運 動 は 、 一 体 何 を 目 安 に し て 行 わ れ て い るの だ ろ うか 。 そ う 言 わ れ て 振 り返 つ て み る と 、 自 分 が 住 ん で い る ま ち や 都 市 に つ いて 、案 外 知 って い る よ うで知 らな い こ とに気 が つ く 。 私 自 身 、 自 分 の 住 ん で い る ま ち に つ い て 「 こ こ は も .う 人 が 住 む と こ ろ じ ゃ な い 。 」 な ど と よ く言 わ れ 、 そ う言 わ れ る 理 由 は 何 と な くは わ か る の だ け れ ど も 、 や は り今 一 つ 納 得 が いか な い。逆 に「 ま だ まだ 住 め るん だ。 」 と言 い た い と こ ろ な の だ が 自信 が な い 。 少 な くとも、 自分 の住 ん で い る まちや 都 市 に つ いて ぐ らい は、胸 を張 つて何 か もの を 言 え る よ うに な ろ う じゃな いか。

こ れ が 、 こ の 研 究 を 自分 な り に や っ て い こ う と 思 つ た 一 番 の きつか けなのであ る。



1-1

研究 目的

ロ デ ー タか ら都 市 の姿 を 見 る 戦後

t壊

滅 状 態 にあ っ た 日本 の 都 市 は 、経 済 復 興 を第 一

主 義 と した人 間 の 生 産 活 動 に対 し、 自然 発 生 的 な成 長 を遂 げ て現 在 の姿 に 至 って い る。

し か し 、 我 が 国 が 「 高 度 成 長 の 時 代 」 か ら「 安 定 成 長 の 時 代 」 へ と 入 り 、 人 々 の 価 値 観 や ラ イ フ・ ス タ イ ル が 大 き く変 わ り始 め た 今 、 都 市 は 内 包 す る 人 間 生 活 の 変 化 に 対 応 し きれ な くな っ て きて い る 。 無 秩 序 に 構 築 さ れ た現 在 の 都 市 を再構 成 す る に は、膨 大 な時 間 と費 用 が かか るだ け に 、 これ か らの 都 市 づ く りは 、 過 去 と現 在 の 姿 を見 つ め 直 して 、 過 去 か ら現在 ま で の流 れ を正 確 に把 握 した うえ計 画 さ れ る 必 要 が あ る。 そ こ で 本 研 究 に お い て は 都 市 の 姿 を デ ー タ と して 捉 え 直 して、全 国約

670市

政 制 定 都 市

(東 京 都 特 別 区 を 含 む

)

の デ ー タ を 、 昭 和 50年 、 55年 、 60年 と 経 年 的 に 収 集 し 、 そ れ ら を バ ー ソ ナ ル・ コ ン ピ ュ ー タ ー を 用 い て 解 析 す る こ と に よ り、 都 市 の 深 層 構 造 お よ び 都 市 を 見 る 視 点 の 移 り変 わ りを客 観 的 に 明 らか に し よ う とす る も の で あ る。


1-2

研 究 背景

ロ デ ー タを 通 して 都 市 を見 る必 要 性 最 近 、 「 ま ち づ く り」 や 「 村 起 こ し 」 な ど 自 分 た ち が 住 ん

に対 応 した環 境 を つ くりあ げ よ うと す る運 動 が活 発 に な って き て い る 。 しか し、 この よ うな 運 動 の 多 くは 、 必 ず し も 確 か な 見 通 しの も と に 行 わ れ て い る と は 言 え ず 、 自分 た ち の まち や 都 市 に 関 す る情 報 を、容 易 に手 に入 れ る こ と さ え ま まな ら な い の が 現 状 で あ る°。 こ の よ う な 状 況 の 中 、 都 市 に 関 す る デ 早 夕 を収 集 して分 析 を行 い 、 都 市 の 姿 の 移 り変 わ り を 客 観 的 に 明 らか に して ぃ くこ とは 、 今 後 の 都 市 像 を考 え て い く ぅぇ で 非 常 に有 効 な方 法 で あ る と思 わ れ る。 都 市 に 関 す るデ ー タを収 集 して 分 析 を行 い 、 デ ー タ か ら都 市 の 姿 を 見 て い こ う と す る 研 究 は 、 首 都 圏 。中 部 圏 の

138

代 表 都 市 を 対 象 に 、 『 都 市 の 手 鏡 』 (渡 辺 仁 史 。森 義 純 共 著 に お い て 15年 前 に す で に 行 わ れ て い る 。 本 研 究 は 、 研 究 対 象 都 市 を全 国約

670市

政 制 定 都 市 (東 京 都 特 別 区 を 含 む

)

と す る こ と に よ っ て 日本 の す べ て を 網 羅 し、 デ ー タ収 集 を 昭 和 50年 、 55年 、 60年 と 経 年 的 に 行 っ て 先 の 研 究 を 引 き 継 ぐ も の で あ る。

)


1-3

研 究 概 要

□ 研 究方 法

都 市 をデ ー タ と して 捉 え 直 して様 々な 分 析 を行 う こ とが本 研 究 の 目 的 で あ る が 、 都 市 の デ ー タ・ ベ ー ス は 、 都 市 の 構 成 要 素 を考 慮 した結 果 抽 出 さ れ る研究 指 標 に 従 い 、経 年 的 なデ ー タの 収 集 整 理 を行 う こ と に よ って 作 られ る。 次 に 、 この 膨 大 な デ ー タ が 写 し出 す 都 市 を 様 々な 角 度 か ら 見 るため に 、多 変 量 解 析 を用 いた分 析 を行 う。 これ は統 計的 手 法 を利 用 す る こ と に よ っ て 、都 市 構 造 を客 観 的 に 明 らか に す る ことが可 能 とな るか らで あ る。 そ して 最 後 に 、 多 変 量 解 析 の 分 析 結 果 を 参 照 に 、 主 観 的 に 抽 出 し た 尺 度 を 用 い て 、 デ ー タ・ ベ ー ス を 通 し た 都 市 診 断 を 試 み る。


2章

者 5市

‐ ベ


2-1

研究 対 象都 市

□対 象 都 市の定 義

15年

前 に出 版 され た『 都 市 の 手 鏡 』 に で は 、デ ー タ収 集

な ど の 理 由 よ り 、 首 都 圏 。 中 部 圏 .か ら 選 び 出 さ れ た

138の

代 表 都 市 を研 究 対 象 都 市 と して い た 。 しか し、 現 在 の 都 市 環 境 は そ の 当 時 と 比 べ て か な り変 わ つ て き て い る 。 新 幹 線 に 代 表 され る高速 鉄 道 や高速 自動 車 が各 都 市 間 を結 び 、 フ ァ ック ス等 の 電 話 回線 を利用 し た通 信 網 が急 激 な進 歩 をす る と共 に 、 各 都 市 間 の 時 間 距 離 は か な り縮 ま っ て き た 。 そ こ で 本 研 究 に お い て は 、 全 体 的 な 立 場 に 立 っ た 、 よ り客 観 性 の 高 い分 析 を可能 に す るため 、全 国 制 定 都 市 (東 京 都 の 特 別 区 を 含 む

)の

47都

道 府 県 の市 政

全 て を 、研 究 対 象 都 市

と して 取 りあ げ て い く。

□対象 都 市数 が 各 年度 ご とに異 な る理 由 デ ー タの収集 は昭和

50年 、 55年 、 60年 と 経 年 的 に 行 っ て い

る 。 そ の た め 昭 不口50年 か ら 55年 、 昭 不口55年 か ら 60年 と い う

5

年 の 間 に 、 新 ら し く市 政 制 定 都 市 に 認 定 さ れ る 都 市 が 現 れ る 場 合 が あ り、新 た に認 定 さ れ た 都 市 の 数 だ け 各 年 度 ご との 研 究 対 象 都 市数 が 異 な って くる。 各 年 度 ご と の 研 究 対 象 都 市 数 、 お よ び 新 ら し く市 政 制 定 都 市 に認 定 され た 都 市 の 名 称 を次 に示 す 。


□ 各 年 度 ご と の 研 究 対 象 都 市 数 と 新 ら し く市 政 制 定 都 市 に 認 定 され た都 市 名

◇ 昭 和 50年 度 対象都市数

:666都

:669都

◇ 昭 和 55年 度 対象都市数

昭 和 50年 度 以 降 、 新 た に 認 定 さ れ た 市 政 制 定 都 市 坂 戸 市 (埼 玉 県

)八

幡 市 (京 都 府

)綾

瀬 市 (神 奈 川 県

)

◇ 昭 和 60年 度 対 象 都 市 数 :674者 5市 昭 和 55年 度 以 降 、 新 た に 認 定 さ れ た 市 政 制 定 都 市

)四 岡 県 )太

浦 安 市 (千 葉 県

街 道 市 (千 葉 県

)可

宗 像 市 (福

宰 府 市 (福 岡 県

)

児 市 (岐 阜 県

)


2-2

研 究 指標 の 抽 出

□指 標 の抽 出 方 法 研 究 指標 の 抽 出 に あ た って は、『 都 市 の 手鏡 』 に おいて行 わ れ た方法 を参 照 して い る。 まず 、 都 市 を構 成 す る要素 を整 理 統 合 して 、 大 きな 『 系 』 と して の そ れ ぞ れの系 を構成 す る

12の

4つ

の 柱 をつ くる。次 に

都 市 構 成 基 盤 を設 定 して 、 各

都 市 構 成 基 盤 の 特 性 を 表 わ して い る と思 わ れ る指 標 を抽 出 す る。

◇都市の

4つ

の 系 と 12の 基 盤

く発 生 系 〉

01 02 03

:都

自然 基 盤

歴史伝統基盤 地理的基盤

市 の 器 と して の 自然 環 境 関 係 を示 す

:都

:都

市 の歴 史 的 経 譜 と遺 産 関係 を示 す

市 の 置 かれ て い る周 辺 との 関 係

く成 長 系 〉

04

産 業 基 盤

:

都 市 の 産 業 形 態 。構 造・ 経 済 関 係

05

交 通基 盤

:

交 通 関 係 一般

06

人 的基 盤

:

都 市 形 成 の 基 盤 で あ る人 間 関 係 一 般

07

建 設基 盤

:

都 市 の 物 的環 境 と して の うわ もの 一 般

く維 持 系 〉

08

行 財 政 基 盤

09

土 地 基 盤

:

都 市 に お け る土 地 利 用 に 関 す る も の

10

保安基 盤

:

都 市 生 活 に おけ る安 全 性 に関 す るもの

:地

方 行 政 にお け る行財 政 及 び政 治一般

く完 成 系 〉

H

文 化基 盤

:

教 育 ◆ 娯 楽 レ ク リ エ ー シ ョ ン・ 文 化 一 般

12

生 活基 盤

:

市民 生 活 一般 に関 す るもの


□ 70の 指 標 本 研 究 の 研究 指 標 は、 『 都 市 の 手 鏡 』 で最 終 的 に採 用 され た 88の 指 標 の 中 か ら 、 分 析 結 果 に あ ま り 関 係 の な か っ た 指 標 を 取 り 除 く な ど の 整 理 を 行 つ て 全 部 で 70指 標 と し て い る 。 取 り 除 か れ た 指 標 の う ち 主 な つ の は 、 降 水 量 (年 間 気 温 (年 平 均

)、

)、

平 均

雨 天 日数 比 な ど気 象 に関 す る もの で あ る。 ま

た 新 た に 加 え た 指 標 と し て は 多 様 化 し て い る 人 々 の ラ イ フ・ ス タ イル を考 慮 に入 れ て 、夜 問人 口 を従来 の幼 少 年 人 口 、青 年 人 口 、壮 年 人 口、老 人 人 口の

5才

4段

階 か ら、

0才

か ら

4才

か ら 14才 、 15才 か ら 24才 、 25才 か ら 34才 、 35才 か ら 44才 、

45才 か ら 64才 、 65才 以 上 と 年 令 別 に

7段

階 に 広 げ 、 よ り細 か

な区分 け を行 って い る。 本 研 究 に お け る 70指 標 を 次 に 示 す 。 表 1。 70指 標 一 覧 発生系

Xn

指 標

成長系

自 然

XO! 市街地高度

指 標

X10

X"

麗 史一 地 理

山1ホ 原野沼地面積 Xl13 田畑果樹回収野面積 X04 "相 す る海、一級河′│1取 X05 市政公布朝 日 X06 文化財指定件数 Xl17 経度 X08 緯度 X09 都市政 (30kn□ 人□15万 人以上 )

Xn

維持系

父通 人

建 證

罵 l次 産東饉事者政 X‖ 第2鳳 従事者政 X12 第3次 産業従事者政 X13 3p売 商店取 X14 小売商店取 . X15 大規摂店誦数 X!6 飲食巣融 X17 工栞綸生産額 (年 間) X18 0p亮 商彙販売額 く年間) X19 4鶏 栞almく 年間) X20 銀行全触概関数 X21 自動峰保有台数 X22 主要道略本政 X231囲 ヨ〕瞭戯 X24 夜同人ロ X25夜 目人□男 X20 夜目人口女 X27 市街 密度 'CA口 X20 世帯取 X29 夜目人口 く0∼ 4オ ) X30 夜目人口 《5∼ :4オ ) X31 夜目人□ く:5∼ 24オ ) X32 夜目人口 (25∼ 34オ ) X33 夜目人口 (35∼ 44オ ) X34 夜固人口 く45∼64オ ) X35 夜固人口 (65オ 以上 ) X36 年齢不諄 X37 人□増加率 ` X38 人口社会増加取 X39 着工住宅面11(年 間) X40 摯工建簗述床面Inく 年目)

行 I X42 ■員平均輸与ロ X43 保守系謳員麟 率

政 l X46 慮入市硯比率 X47 地方債収入 X48 土地面rl(市 場面11) X49 人□集中 面積 '1区 X50 市街化区層 面積 X51 宅 面11 'も X52 犯罪発生件敗 X53 食通事ata件 取 X54 晦 面ll

完成系

X50 日口館蔵口取 X57 スポーッ施設政

Xb8晟 出目的劇牧育贄

X59 -

X611 大学、短大、自諄ta者 取

X6: 風俗営業店敗

X62 -人 当たり所得 《実数) X63 -人 当たりIn金 高 、 X04 -人 当たり都市公□面積 X65 -世 帯当たり畳敗 X60,1ち 家比率

X67 下水道普及串 X68 膚床取 X∞

医師敗


2-3

デ ー タ収 集

□ 収 集 の方 法 デ ー タの 収 集 は 、国 勢 調 査 な どに代 表 され る政 府 機 関発 行 の 統 計 書 、 お よ び 民 間 か ら 発 行 さ .れ て い る 統 計 書 の 利 用 を 基 本 に して い る 。 し か し 、 研 究 指 標 の 中 に は 統 計 書 に は 取 り扱 わ れ て い な い も の も い くつ か 含 まれ て お り、 そ れ らの 指 標 の う ち 市 街 地 高 度 、 隣 接 す る 海 。一 級 河 川 、 経 度 。緯 度 、 都 市 数

(30km国 人 口 15万 人 以 上

)、

主要道 路 本 数 、交 通 拠点 数 につ

い て は 、 地 図 か ら の 読 み 取 り作 業 を 行 っ た 。 以 上 の 方 法 を用 いて も 、 収 集 で き な か った デ ー タに 関 して は 、 各 都 道 府 県 庁 に ア ン ケ ー ト調 査 を 依 頼 し た 。 し か し 、 統 計 書 で は 取 り扱 わ れ て い な い 指 標 で あ る こ と に 加 え 、 「 昭 和

50年 、 55年 、 60年 の 各 年 度 ご と に 市 別 で 」 と い う 条 件 の た め 、 部 分 的 に未 回 答 な 指 標 や ほ とん ど収 集 で きな か っ た指 標 も い くつ か見 られ た 。部 分 的 に未 回答 な 指 標 につ い て は、相 当 す る都 市 が属 す る都道府 県 の東 京事務 所 を訪 ね て 、可 能 な か ぎ りの 補 足 を行 っ て い る 。 ほ とん ど収 集 で きな か った寺 社 仏 閣 。名 所 旧 跡 数 、 文 化 施 設 総 数 、 ホ テ ル 旅 館収 容 人 数 、消 費 者 物 価 指数 の

4指

人 口社会 増 加 数

標 は最 終 的 な指標 か ら除 外 して い る。 また、

(X38)と

風 俗営業 店 数

(X61)の 2つ

は、昭

和 50年 度 だ け デ ー タ を 収 集 で き ず 、 す べ て 欠 損 し て い る 。

70指 標 そ れ ぞ れ の デ ー タ 収 集 の 方 法 を 、 次 の 表 に ま と め る 。


自 盤 一 地 理 歴 史一

X迪

・  長

日證 仕”

:地 図 か ら の 読 み 取 り作 業 :各

都道府県庁 へのアンケー ト調査

:2次 加 エ デ ー タ (統 計 書 の デ ー タ か ら算 出 )

文   化    一   生       活

●万

:民 開 発 行 の 統 計 書 の 利 用

行   財   政 一  土地   一 安全

饉職

A B C D E

雨 衝 地属 E

X曖 山林原野秘 1面 積 X03 田燿果樹口数,面 積 X04 鵬:1す る海、一鍛河川敗 X" 市政公布年月日 X∞ 文化財指定件独 X07 経皮 Xl10 韓皮 X09 市数 (3敏●■人口15万 人以上》 X:0■ 1次産業従事者取 “ X‖ 第2次産彙従事者取 X12 ■3次産業従事者政 X138p売 商店数 X141峡摘店取 X15 大規慣店舗数 X!6 飲食員店舗致 X17 工彙腱生産口 く年目) X!0 3ph栞 販売晨 (年 間) X19 1競 栞販売讚 (年 目) X20 銀行全腱撮口取 X21 自動嗅保有台取 X22 主要遺略本政 X23 交通L点 取 X24 夜目人ロ X25 夜HAEl男 X20 夜国人□女 X27 市衡地人口密度 X28 世帯取 X29 夜目人口 (0∼ 4オ ) X30 夜目人口 《5∼ 14オ ) X3: 夜目人口 (15-24オ ) X" 夜目人口 (25∼34オ 》 X33 ■国人口 (35∼ 44オ ) X34 夜目人口 (45∼64オ 》 X35 夜目人口 く05オ 以上) X30 年齢不諄 X37人 口増加率 X30人 口社会増加政 X39 ■工tt● 績 く年目) X40 着工建員述床面は く年目) X41 行政燿口■員取 X42 ●員平均給与傾 X43 臨 1員 得票率 X44 歳出額 X45 公債貴支出 X48 慮入市肺 .

X01

X47 1tttttnA

X40 X40 X50 X51 X52 X53 X54

■ll● 績 く市城面積) 人口集中lem颯 市衝化区嬌面積 り 藪面隕 犯罪発生件数 交通事故発生件独 火災婉失面積 X" 公民館政 X50 日■館康書数 X57 スポーツ施設取 X50●出目的開執青贄

X59∼

.

X田 大学、短大、高諄在 者取・ヽ

X01 X62 X03 X64 X65

■俗営業店数

-人 当たり所得 く実取)

‐人当たり預金嘉 ■人曇 り●市公口面積 -世 帯当たり曇取 X00 ,0ち 家ルト X07下 水凛普及率 X68 膚赤取 X69 医師取

しB B C B D C C C A A A B B B B B B 8 B B C C A A A A A A A A A A A A A A B B B B B D B B E B A A B B D D B D B D B B B B B B B A A B 8 8 B

系 盤 Xn 発

:政 府 機 開 発 行 の 統 計 書 の 利 用

化伯

表 2。 70指 標 の デ ー タ 収 集 方 法


2-4

欠 損デ ー タの補 充

□ 補 充方 法 欠 損 デ ー タの 補 充 は重 回 帰 分 析 に よ る推 定 値 の 利 用 を第

1

に し て い る 。 そ し て 重 回 帰 分 析 に .よ る 推 定 結 果 に 不 都 合 が 生 じ た り t推 定 の 信 頼 度 が 著 し く 低 い 指 標 に つ い て は 、 欠 損 デ ー タの補充 に 、 そ の 指標 の 最 小 値 と平 均 値 を状 況 に よ って 使 い分 けて い る。

A。 重 回 帰 式 に よ る 推 定 値 。 そ の

1

ま ず 、 70の 指 標 す べ て に 対 し 欠 損 デ ー タ の な い 都 市 の 数 を 調 べ て 、 そ の 数 が 100以 上 あ る 場 合 は 、 こ れ ら の 都 市 の デ ー タを用 いて重 回帰 分 析 を行 う。欠 損 デ ー タの な い都市 の 数 が 100未 満 で あ る 場 合 は 、 欠 損 率 (欠 損 デ ー タ 数 都 市数

X100(%))が 30%以

/対

上 の 指 標 を 70指 標 か ら 取 り 除 き 、

残 った指 標 につ いて欠 損 の な い都 市 のデ ー タ を用 い て重 回 帰 分 析 を行 う。

B。 重 回 帰 式 に よ る 推 定 値 。 そ の 2 重 回帰 分 析 の結 果 、重 相 関係数 が

0。

70以 上 あ る 指 標 の 欠

損 デ ー タ を 補 充 す る と き に か ぎ り、 重 回 帰 式 に よ る推 定 値 を採用 す る。

.

しか し指 標 に よ って は 、 重 回 帰 式 に よ る推 定 結 果 に負 の 値 が含 まれ て い る こ とが あ る。指 標 の 性 質 上 、 負 の 値 が考 え られ な い場 合 に は、回 帰 値 が負 の 値 とな って し ま った と こ ろにその 指 標 の 最小値 を入 れ る。


Ce平

均 値 の採 用

重 回 帰 分 析 を 行 う 際 に 取 り除 か れ た 欠 損 率 標 と、重 相 関 係数 が

0。

30%以

上 の指

70未 満 で あ っ た 指 標 に つ い て は 、 そ

れ ぞ れ の 平 均 値 を欠 損 デ ー タの 補 充 に利 用 して い る。 欠 損 デ ー タ補 充 の フ ロ ー 。 .チ ャ ー ト お よ び 70指 標 に つ い て 各 年 度 ご との 欠 損 数 と欠 損 デ ー タの 補 充 方 法 に つ い て の 表 を次 に示 す。 START

に つ い て 欠 lll肛

● Jな い231j敗 ≧ :00

欠 Ill値 のないデー タ を′ りいて工回帰分析

欠 損 率 《%)く 30.0

重相関係数 ≧0。 70

重回帰分 析の 推定値 ≧0

A:オ 饉 郷ピ

B:J最

」 ヽイ 直

`u直

図 1。 欠 損 デ ー タ 補 充 フ ロ ー

C:Siι よコ イ

:J:こ


3章


3-1

指 標 相 互 の 関 連 か ら見 る都 市構 造 の 推 移

指 標 相 互 の 関 連 と相 関 係 数 都 市 の デ ー タ・ ベ ー ス の 見 方 に は 、 都 市 同 士 の つ な が り を

見 る ヨ コ か らの 見 方 と 、 指 標 同 士 の つ な が りを見 る タテ か ら ゛ の 見 方 の 2通 り が あ る 。 し か し こ こ で は 、 指 標 相 互 の 関 連 か ら 都 市 の 構 造 を 見 る た め に 都 市 の デ ー タ 。ベ ー ス を ま ず タ テ か ら見 て い く こ と に す る 。 相 関分 析 と は 、 あ る

2つ

のデ ー タの 関 係 を見 るため の もの

で 、 相 関 分 析 に よ り 計 算 さ れ た 相 関 係 数 は 、 -1。 0か ら 間 の値 を と る。

2つ

1。

0の

の デ ー タの 関 係 の 度 合 は この 相 関 係 数 で

表 わ され 、そ の 強 さは相 関 係 数 の絶 対 値 が

1。 0こ

こ近 づ く ほ ど

大 き くな る。 都 市 の デ ー タ・ ベ ー ス か ら 算 出 さ れ る 指 標 相 互 の 相 関 係 数 の 数 は 、 昭 和 55年 と 60年 で は 、 70指 標 の 組 合 わ せ と な り 全 部 で

2415個 。 昭 和 50年 は 、 人 口 社 会 増 加 数 と 風 俗 営 業 店 数 の 2

指 標 に デ ー タ が な い た め 、 68指 標 の 組 合 わ せ の これ ら

1つ 1つ

2312個 と な る 。

の結果 は 、 都 市 の各 指 標 相互 の関係 を探 るた

め の貴 重 な資 料 とな る。

□相 関係数 の 経 年 的変 化 昭 和 50年 、 55年 、 60年 の 各 年 度 ご と 約

2400個 ず つ あ る 相 関

係 数 は、 あ る特 定 され た指 標 相 互 の 関 連 に注 目 した場 合 、我 々 に とで も有 効 な情 報 を 提 供 して くれ る。 しか し こ こで は 、 そ れ ら

1つ 1つ

の情報 に耳 を傾 け る と い うこ とは敢 えて行 わ

ず 、相 関係 数 の 経 年 的 な 変 化 に注 目 して 、時代 の推 移 と と も に 結 び つ き が 強 くな っ て き て い る指 標 の 相 互 関 係 の 抽 出 を 行 う。 これ は各 年 度 ご とに相 関 係数 を強 め て い る とい うこ とは 、

今 後 もそ の 傾 向 が続 いて い くこ とが 予 想 され 、各 年 度 を通 し て 相 関 係 数 の 高 い 指 標 は 多 く見 ら れ る の に 対 し 、 こ れ ら の 指 標 は 、 背 後 に 隠 さ れ て い る 関 係 を 明 ら か に す:れ ば 、 都 市 構 造 ・ の 変 化 を予 測 す る ことが 可 能 にな るか らで あ る。 こ こで、年


々関 係 を 弱 め て い る指 標 に 注 目 しな い の は 、 調 べ た 結 果 そ の よ うな 指 標 が 抽 出 され な か っ た か らで あ る。 今 後 と もそ の 関 係 を強 め て い くこ と が予 想 で き る指 標 を、 こ こ で は 『 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ 』 と 呼 ぶ こ と に し て 、 その定 義 を以 下 に示 す。

◇ 『 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ 』 の 定 義 1◆

50年 か ら 55年 、 55年 か ら 60年 の そ れ .ぞ れ の 期 間 に 、 相 関 係 数 が 0。 05以 上 増 加 し て い る 。

昭和

2.昭

60年 に お け る 相 関 係 数 が

0。

70以 上 で あ る 。

□ 都 市 構 造 ニ ュ ー ◆ウ ェ イ プ 約

2400組

に お よぶ相 関 係 数 の 経 年 的 なデ ー タの 中 か ら、前

項 の 定 義 の も と に 抽 出 さ れ た 『 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ 』 の 数 は 全 部 で 39個 と な っ た 。 こ れ ら の 中 に は 核 と な っ て い る 指 標 が い くつ か あ り、 そ れ は ス ポ ー ッ 施 設 数 、 自 動 車 保 有 台 数 、 犯 罪 発 生 件 数 、 着 工 住 宅 面 積 (年 間 書 数 の

6つ

で あ る。 この

6つ

)、

病 床数 、 図 書館蔵

の 指標 と と も に『 都 市 構 造 ニ ュ

ー ・ ウ エ イ プ 』 を 形 成 し て い る 指 標 名 と 昭 和 50年 、 55年 、 60 年 の 各 年 度 に お け る相 関 係 数 を 表 に して 、 な ぜ こ れ らの 指 標 が 年 度 ご と に 関 係 を強 め て い るの か を 考 え て み る。


3.ス

ポーツ施 設数 と 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ を

構 成 す る指 標 とその相 関 係 数

前 に述 べ た

6つ

Xn

じ日

ス12第 Uス 鷹果延事者双 X,4 小売商店数 X21 自動直保有台数 X24 夜間人ロ X25 夜間人口男 X26 夜間人口女 X28 世帯数 X29 夜固人口 (0∼ 4オ ) X30 夜周人口 (5∼ 14オ ) X3: 夜筒人□ (15∼ 24オ ) X32 夜間人口 (25∼ 34オ ) X33 夜間人口 (35∼ 44オ ) X34 夜間人口 (45∼ 64オ ) X35 夜間人口 (65オ 以上) X39 若工住宅面積 (年 間) X40 着工違策述床面積 (年 間) X49 人口集中地区面積 X50 市街化区城面積 X51 宅地面積 X53 交通事故発生件数 X58 歳出目的劇教育費 X68 病床数

鳳35 0.39

じ 鳳" 58

■:9

0.64

0.42

L43

鳳61 ■62

■42

L61

0.72

鳳70 鳳76 じ73 ■72 ■73

a43

0。

59

L7!

04:

■62

a74

0.41

Q62

■45

■73 ■7: ■72

0.42

じ59 ■6: ■63

041

0.61

a72 a72

044

0.39

a58

■73

0.38

■59

0.71

037 a42

a60 162

0.3:

0.53・

L37

■46

■32

L55 a59 a50

039 住‖

じ72 0。

72

Q72 075 0.76

a70 071

の 指 標 の う ち 、 も っ と も 多 く都 市 構 造 ニ ュ

ー・ ウ エ イ プ と 関 連 し て い た 指 標 は ス ポ ー ッ 施 設 数 で あ っ た この スポ ー ツ 施 設 数 と結 び つ きを強 め て い るの は 、都 市 の物 理 的 規 模 と大 き な 関 係 が あ る と思 わ れ る人 的基 盤 、 建 設 基 盤 土 地 基 盤 に 属 す る 指 標 で あ る 。 こ れ は.本 研 究 で 扱 っ た ス ポ ー ツ施 設 が公 営 に よ るもの で あ った ため と考 え られ る。 人 的 基 盤 に お い て は 全 て の 年 令 層 が 関 連 して お り、 こ の 指 標 に つ い て 世 代 の か た よ りは見 られ な い こ と を 示 して い る。 また 、 第

3次

産 業 従 事 者 数 、小 売 商 店 数 と い う サ ー ビス業 に 関 す る指

標 との 関 連 が 強 ま って き て い る こ と も特 徴 と言 え 、 スポ ー ッ 施 設 数 が 都 市 の 規 模 に 関 して だ け で な く、 質 的 な 活 性 度 を表 わ す 指 標 に な り う る こ と を 示 唆 して い る。


4.自 動 車 保 有 台 数 と

都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ を 構 成 す る指 標 と そ の 相 関 係 数

Xn X‖

X:2 X23 X36 X53 X56 X57

指 標 第2次窪栞従事者取 第3次産業従事者数 交通拠点数 年齢不詳 交通事故発生件数 ′ 図書館厳書致 スポーツ施設数

1985 0。

44

Q86

0.93

a49

■85

0.96

■38

0。

45

じ80

a39

a68

0,76

0.45

a85

0.92

041

0.72

005

019

0.64

鳳76

自 動 車 保 有 台 数 と 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ を 形 成 し て い る 各 指 標 か ら は 、 自 動 車 が 持 つ 2.つ の 側 面 を 見 る こ と が で き る。

1つ

は 産 業 と の 関 連 が 強 ま って き て い る こ と か ら 、 自動

車 が 産 業 活 動 の 足 と し 欠 く こ と の で き な い も の に,な っ て き て い る こ と で あ り、 も う

1つ

は、 文化 との 関連 が 時代 と ともに

強 まって い る こと に加 え て交 通拠 点 数 との関連 も強 ま つて い る こ とか ら、 自動 車 が単 な る生 活 の足 と して あ るだ け で は な く、 も っ と広 い 目 的 で使 わ れ い る こ と を 示 して い る 。 表

5.犯 罪 発 生 件 数

都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ

iイ

プを

構 成 す る指 標 と そ の 相 関 係 数

xn

X12 X36 X39 X50

l目 硬 第3次産業従事者敗 年鈴不詳 着工住宅面積 (年 同) 市街化区城面積

ll" a58 0.48 0。

37

a90

a95

0.7:

0.77

35

0.92

0.75

080

0。

犯 罪 発 生 件 数 と年 々関 係 の 強 ま って い る指 標 に は 、 従 来 の 基 盤 で 説 明 で き る 共 通 性 は 何 も 見 られ な い 。 しか し こ れ ら

4

つ の 指 標 を総 合 して見 る と、成 長 過 程 に あ る都 市 の 特 徴 を表 わ して い る と考 え られ る。 年 令 不 詳 者 数 との 関 連 を 強 め て い る こ とか ら も 、 安 全 と い う 観 点 か ら都 市 の 成 熟 化 に と も な う 問 題 点 を 浮 き彫 りに す る指 標 で は な い だ ろ うか 。

6.着 工 住 宅 面 積 (年 間 )と 都 市 構 造 ニ ュ ー ◆ウ エ イ プ を 構 成 す る指 標 とそ の相 関係 数

Xn X X X X X

標 指 第2次 産栞従事者取 第3次 産業従事者取 公債費支出 犯罪発生件敗 スポーツ施設数

a77

0.83

0。

0.78

0.83

0.98

Q71

0.79

005

a48

0.85

■92

0.38

L59

0。

94

71

着 工 住 宅 面 積 が 示 す特 徴 的 な こ とは 、公 債費 支 出 との 関係 を時 代 の推 移 とと もに強 め て い る ことで あ る。 これ は 地 価の 高 騰 に よ り、 住 宅 が 大 都 市 を 離 れ た未 成 熟 な 地 域 に 建 て られ る傾 向 が ま す ま す 強 ま っ て い る こ と を 示 して い る。


7.病 床 数 と 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ を 構 成 す る指 標 とそ の 相 関 係 数

Xn

︲ 6 7 濁5 5 5 入X X X

指 Oin砲 譲

宅地面積 □薔館厳書数 スポーツ施酸数

1975

0.04

U.41

L00

■05 ■06

■34 0.63

■87 ■76

0.1:

0.50

071

病 床 数 と年 々関 連 を強 め て い る指 標 は 、 都 市 と して の 完 成 度 を 表 わ して い る指 標 と 言 え る 。 病 床 数 が そ の 性 格 上 、 医 療 施 設 と 大 き な 関 連 を 持 つ こ と か ら・、 都 市 の 高 齢 化 を 反 映 す る 指 標 で あ る と言 え るの で は な い だ ろ うか 。 0

。L

5 筍 6 8 7

1975

a a a

指 標 日助暉保有台取 病床数 歳出目的劇民生費

0.

構 成 す る指 標 とそ の 相 関 係 数

X21 X68 X70

都 市 構 造 ニ ュ ー・ ウ ェ イ プ を

Xn

2 4 7 “ 6

書館蔵書数 と

8.図

︲“ ぉ 4

図 書 館 蔵 書 数 は 文 化 的 な 指 標 と 関 連 が あ るの で は な く、 む しろ都 市 環 境 の 豊 か さ と の 関 連 を年 々強 め て い る と言 え る。 図書 館 蔵 書 数 は 、今後都 市 環 境 の成 熟 度 を示 す重 要 な指 標の

1つ

と な って い くと思 わ れ る。

こ の よ う に 都 市 構 造 ニ ュ ー・ ゥ ェ イ プ の 中 心 を な し て い る 以 上

6つ

の指 標 は、その指 標 が直接 的 に示 す内容 以 外 に、我

々 に 様 々 な 情 報 を 提 供 して くれ る こ と が わ か っ た 。 そ して こ れ らの 指 標 は 、 都 市診 断 な どに活 用 で き る可 能 性 を秘 め て い る と思 わ れ る。


3-2

都 市 を見 る視点

『 都 市

:を

見 る視点 』 に つ いて

多 くの も の が 集 積 して い る 様 子 を

1度

に 見 て そ こ か ら情 報

を 得 る場 合 、視 点 の 定 め 方 が と で も重 要 に な って く る 。 正 面 か ら見 る と

1つ

め も の が 、 横 か ら'見 た と き に 実 は

3つ

で あ っ

た りす る か らだ 。 デ ー タ に よ っ て 写 し出 さ れ る全 国 約

670の

都 市 の 姿 。そ

の 各 々の 違 い は 、 ど こか ら眺 め る こ と に よ って 明 らか に な る の だ ろ う か 。 ま た そ の 場 所 か ら知 る こ との で き る

670の

市 の 違 い に は、一 体 どの よ うな 意 味 が 含 まれ て い るの で あ る うか 。 こ こで は 、全 国 約

670の

都 市 の 違 い を 最 も よ く見 せ て く

れ る視 点 と 、 そ の 位 置 か ら見 る こ とが で き る各 都 市 の 特 徴 を 主 成 分 分 析 を用 い て 探 って い き、都 市 を見 る視 点 の 変 化 か ら、 都 市 の 個 性 の 移 り変 わ りに つ い て 考 え て み る 。

□ 主 成分 分 析 の利 用 ′ 多 量 の 変 数 が示 す 内容 を も っ と少 な い変 数 で 代表 さ せ て知 る 、 つ ま り、 も と の 多 くの 変 数 が 示 して い る情 報 を で き る だ け 失 わ な い よ うに 総 合 的 に 要 約 し、新 た な 少 数 の 合 成 変 数 を つ く り出 そ う と い う の が 主 成 分 分 析 で あ る 。 本 研究 に おいて は 、都 市 の 姿 は

70の

指 標 に よ っ て 写 し出

さ れ て い る と考 え る こ とが で き る。『 デ ー タ を通 して 都 市 を 知 る』 と い う こ と を 、『 デ ー タ が写 し出 す 都 市 を見 る こ と』 で あ るとす れば、主 成分分 析 に よ り

70指

標 を要約 した結果

抽 出 され る新 た な 指 標 は 、 デ ー タ が写 し出 す 各 都 市 の 特 徴 を よ く 見 る こ と が で き る .視 点 で あ る と 言 え る 。 そ れ ゆ え 、 主 成 分 分 析 の 結 果 得 ら れ る 因 子 負 荷 量 を 用 い _て 、 も と の 指 標 と の 関 連 を 考 え れ ば 、 新 し く抽 出 さ れ た 指 標 が 都 市 の 何 を見 せ る視 点 な の か を 知 る こ と が で き、 また そ の こ と か ら、都 市 の 個性 が 一 体 何 に よ って つ くられ て い る も の なの


か を 考 え る 手 掛 か りに な る で あ ろ う 。

□ 抽 出 さ れ た 10の 主 成 分 多 量 の変 数 を要約 す るの が主 成 分 分 析 の 目的 で あ るの だが 、 分 析 の 結 果 抽 出 され る変 数 の 数 は 、 理 論 上 も との 変 数 と同 じ ・ 数 だ け得 る こ とがで き る。 し か し 、 こ こ で は 「 70の 指 標 に よ り 写 し 出 さ れ る 都 市 の 特 徴 を 明 らか に す る視 点 を見 つ け 出 す こ と」 が 目的 で あ るの で 、 抽 出 され る変 数 は、 も とも との変 数 が持 って い る平 均 説明力 を越 えて い る こ とが最 低 条 件 とな るだ ろ う。各 年 度 ご とに主 成 分 分析 を行 つた結 果 、固 有 値 が

1(平

均 )以 上 あ る 主 成 分 は

す べ て の 年 度 に お い て 第 10成 分 ま で だ つ た の で 、 今 後 以 降 は こ の 10σ 主 成 分 に つ い て 話 を 進 め て い く 。 表

:

9.各 年 度 に お け る

!GENVttUES

〈 固有値)

第 10成 分 ま で の 固 有 値

75

m m

1975

F‖

第 1成分 第2成 分 露3成分 分 =4成 第 5成 分 第6成 分 第 7成 分 第8成 分 第9成 分 饉in虚 令

ヨ閣刀

く%)

桑槙ヨ明 刀

%) 《

37.26

53.23

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292 263 2,0

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1.09

270 217

74.58 7■ 76

1.26

1.80

70.50

1.2:

1.73

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1.52

lm

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53.23

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にm は 76 71.00

m20 0!.81

1980 F‖

第 1成分 分 =2成 第3成 分 第4成分 第5成分 第6成 分 分 =7成 露8成 分 第9成 分 令

=in虚

ヒ1吐 用VLULS

』朋刀

〈 固有値)

く%)

剰岬

7」

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1985

208 ■

m

78.00 77 10

04.55


□ 都 市 を 見 る 10の 視 点 抽 出 さ れ た 10の 主 成 分 、 す な わ ち 都 市 を 見 る 10の 視 点 は 、 都 市 の どの よ うな 特 徴 を我 々 に 見 せ て くれ るの で あ ろ うか 。 各 主 成 分 と も との

70指 標 と の 関 連 を 因 子 負 荷 量 か ら 考 え て 、

各 々の 視 点 が 都 市 の ど の よ う な 一 面 を 我 々 に 見 せ て くれ る も ・ の なの か を考 えてみ る。


-U. {C

lL 45

092

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人 間 の 生 産 活 動 と 直 接 的 に 結 び 付 い て い る 指 標 が 多 く見 ら れ る。 この 視 点 は す べての 年 度 に お い て 第 た説 明力 も

50%を

1成

分 で あ り、 ま

越 えて い て 、都 市 の 個性 の違 い を最 も よ

く見 せ て くれ る視 点 と言 え る 。 こ の 主 成 分 を 都 市 の 『 活 性 度 を 見 る視 点 とす る。 昭 和 55年 、 60年 と 『 活 性 度 』 に 含 ま れ て い る 指 標 が 、 昭 和 50年 で は 第 7成 分 に 固 ま っ て 見 ら れ る。が 、 こ の う ち 犯 罪 発 生 件 数 とスポ ー ッ施 設 数 は 、 生 産 活 動 に 直 接 には 関 係 の な い指 標 と して 注 目 で き る。


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都市化 『 活 性 度 』 と は 対 照 的 に 、 都 市 ,の 物 的 環 境 の 盛 衰 を 表 わ し て い る指 標 と の 関 連 が 見 られ る。 そ こ で この 主 成 分 を『 都 市 化 』 と呼ぶ こ とにす る。 昭 和 50年 は こ の 視 点 に 属 し て い た 保 守 系 議 員 得 票 率 と 公 民 館 数 が 、 昭 和 55年 以 降 に は 姿 を 消 し 、 代 わ っ て 、

1人

当 た り

所 得 (実 数 )が 昭 和 55年 か ら 『 都 市 化 』 を 見 る 視 点 に 加 わ っ て き て い る 。 こ の 視 点 は 昭 和 55年 、 60年 と 第 和 55年 だ け 第

5成

2成

分 で あ るが昭

分 と な っ て お り、 都 市 の 個 性 を 見 る 力 を 弱

め て い る。

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す べ ての 年 度 を通 じて 、 都 市 の 個 性 を見 る視 点 と して安 定 して い るが 、 この 指 標 は 住 民 の経 済 的 ス トッ ク を見 る もの で あ って都 市 を直 接 的 に見 る視 点 では な い。

1人

当 た り 預 金 高 は 昭 和 60年 に 単 独 指 標 と な る が 、 昭 和 55

年 に お い て 、 昭 和 50年 、

60年 と 第 1成 分 に 属 し て い る 卸 売 商

業 販 売 額 (年 間 )と と も に こ の 視 点 を 形 成 し て い る こ と か ら 、 この 年 度 は人 々の貯 え が 物 質 の消費 を 中心 に動 い て い た こ と が 予 想 で き る 。 『 都 市 化 』 が 昭 和 55年 だ け 第

5成

分 で あ るの

と同 様 に 、 この 結 果 が こ の 年 度 の特 質 を示 して い な い だ ろ う か。


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自 然

基 本 的 に 山 林 原 野 沼 地 面 積 と土

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面 積 (市 域 面 積 )が 『 自 然 』

を見 る視点 で 、 日畑 果 樹 園 牧 野 面 積 と第 『 第

1次

1次

産 業 従 事 者 数 が

産 業 度 』 を 見 る 視 点 で あ る と 言 え 、 昭 和 50年 に お い

て は 『 自然 』 と『 第

1次

産 業 度 』 の

2つ

で第

3成 分

を構 成 し

て い る。 『 第

1次

産 業 度 』 は 昭 和 50年 第

3成

分 、 昭 和 55年 は 第

2成

分 で あ つ た が 昭 和 60年 に 第 10成 分 と な り 、 都 市 の 個 性 を 見 る 視 点 と して の 力 を著 し く弱 め て い る。 そ れ に対 して『 自然 』 の 方 は 比 較 的 安 定 して い る視 点 で あ る 。 ま た 、人 工 的 な 自然 環 境 の 量 を表 わ して い る と言 え る

1人

当 た り都 市 公 園 面 積 が 、

昭 和 55年 以 降 こ の 視 点 に 属 し て い る こ と も こ の 主 成 分 の 特 徴 で あ る。

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位 置 経 度 、緯 度 は各 年 度 と も す べ て 同 じデ ー タが入 力 さ れ て い るの で 、都 市 を み る視 点 を年 度 ご と に 比 較 す る場 合 、 基 準 の

1つ

に な る の で は な い だ ろ う か 。 ま た 昭 和 50年 、 55年 と こ の

視 点 を 構 成 し て い た 職 員 平 均 給 与 額 が 、 昭 和 60年 に 『 都 市 化 に属 して い る こ とも この 特 徴 で あ る。


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人□増加 人 口 社 会 増 加 数 が 昭 和 50年 で は す べ て 欠 損 デ ー タ と な っ て い る こ と も あ って だ ろ うか 、 この 年 度 の『 人 口増 加 』 を見 る 視 点 に は 、 人 口増 加 率 と と も に 他 の 指 標 が混 ざ つて い る。 し

1人

か し、 こ れ らの 指 標 は

当 た り 所 得 (実 数 )に 代 表 さ れ る よ

う に 、 生 活 水 準 の 高 さ を 表 わ す 指 標 で あ る こ と か ら 、 昭 和 50 年 まで 、 人 の 流 れ は所 得 と大 き な 関 係 が あ っ た と思 わ れ る。

1人

そ して こ の

当 た り 所 得 (実 数 )は 、 昭 和 55年 以 降 『 都 市 化 』

を構 成 す る指 標 の

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文 化 財 指 定 件 数 は 昭 和 60年 に 単 独 で 『 歴 史 』 を 見 る 視 点 を 形 成 して い るが 、 そ れ以 前 は 他 の 指 標 と と も に この 視 点 を構 成 して い た 。 しか しこれ ら に は 生 活 環 境 の 充 実 さ を 表 わ す指 標 で あ る と い う共 通 性 が あ り、 生 活 環 境 の 改 善 と都 市 の 歴 史 性 と の 間 に は 、 昭 和 55年 ま で 大 き な つ な が り が あ っ た と 考 え られ る● 1師

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立 地 経 度 、 緯 度 と 同 様 に 市 街 地 高 度 と 隣 接 す る 海 。一 級 河 川 数 に は 、 各 年 度 す べ て に同 じデ ー タが 入 っ て い る 。 昭 和 55年 に こ の 視 点 に 属 し て い る 宅 地 面 積 は 、 昭 和 50年 と

60年 に お い て は 第 1成 分 の 『 活 性 度 』 を 構 成 し て い る 。


□ あ る特 定 の 年 度 に しか 現 れ な い視 点 1師

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昭 和 50年 に 第 降第

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で あ る 自 動 車 保 有 台 数 は 、 昭 和 55年 以

分 の 『 活 性 度 』 を 構 成 して お り、 自動 車 の 急 激 な普

及ぶ りが うか が え る。 昭 和 55年 に 第 10成 分 で あ る 公 民 館 数 と 大 学 進 学 率 は 、 昭 和

60年 に お い て 保 守 系 議 員 得 票 率 と 歳 入 市 税 比 率 と と も に 第 6 成 分 を 構 成 し 、 昭 和 60年 特 有 の 視 点 と な っ て い る 。 こ の 視 点 は属 す る指 標 内 容 か ら見 て 、 都 市 の 『 自立 度 』 を見 る もの と 考 え られ 、今 後 都 市 の 個 性 を見 る重 要 な 視 点 の

1つ

に な るこ

とが予 想 され る。

都 市 を 見 る 視 点 自 体 が 各 年 度 ご と に そ の 性 格 を 大 き く変 え る と い う こ と は 見 られ な か っ た 。 しか し各 主 成 分 の 順 位 、 す な わ ち 各 視 点 の 重 要 度 に は 変 化 が 見 ら れ 、 こ の 要 因 は 昭 和 55 年 の 都 市 の 状 態 が 昭 和 50年 、 60年 と 比 較 し て 、 そ の 質 が 異 な つて い る こ と に よ るもの と思 わ れ る。 こ こで はそ の 理 由 を明 らか に す る こ と は しな い が 、 しか し、 都 市 の 深 層 構 造 が 変 化 す る周 期 は 、 一 般 的 に考 え られ て い る よ りも早 い と い うこと が この 結 果 に表 われ て い る。


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3-3

似 て い る都 市

□ 『 似 て い る都 市 』 を見 つ け る意 味 「建 築 に は実 験 が 許 され な い」 と は言 つて も、 もち ろん構 造 実験 、材 料 実 験 な どの 部 分 的 な もの につ い ては様 々な実 験 が 行 わ れ 、著 しい成 果 を あ げ て い

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築 物 か らそ こ で 繰 り広 げ ら れ る人 間 生 活 を 含 め た 、 総 合 的 な 建 築 空 間 の 実 験 を 行 う こ と は 不 可 能 で あ る。 ま して や 、 まち づ く りや 都 市 づ く り と い う レベ ル に な っ て し ま う と 話 に な ら な い。 で は 、 都 市 づ く りは 行 き あ た りば つ た りで 行 う しか な い の か と い う と そ うで も な い 。 建 築 計 画 に 限 っ た こ と で は な く、 様 々な分 野 に お い て シ ミ ュ レー シ ヨンの 技 法 は研 究 開 発 され て お り、 現 実 に 、 実 際 の 都 市 計 画 に 利 用 さ れ て成 果 を あ げ て い る例 も少 な くな い 。 実 験 が 許 され な い状 況 で 用 い られ る方 法 に、 シ ミ ュ レー シ ョン以外 に も う

1つ

考 え られ る。 そ れ は先 駆 者 が行 つた前 例

を参 照す るこ とで あ る。

1度

や って しま つた失敗 を

2度

す る

こ とは な い。 都 市 づ く りに も同 じ こ とが言 え る。 も し、 自分 の 都 市 と似 て い る都 市 が 他 に い くつ か 見 つ か れ ば 、 そ れ らの 都 市 が 実 際 に 行 っ た 都 市 づ く りの 手 法 と成 果 を 参 考 に して 、 自 分 の 都 市 に 適 用 で き る も の は取 り入 れ 、 う ま くい か な か っ た もの につ いて はそ の原 因 を探 って み れ ば よいの で あ る。 『 自分 の 都 市 に 似 て い る 都 市 を見 つ け る』 、 そ れ は都 市 づ く りを 、 孤 軍 奮 闘 して 行 つ て い く も の か ら い くつ か の 都 市 同 士 で 知 恵 を 出 し合 つ て 考 え る も の へ と変 え る の で は な い だ ろ うか。

ロ ク ラス ター分 析 の利 用

似 て い る都 市 を見 つ け る に あ た り、 そ の 方 法 に は ク ラ ス タ ・ ー 分 析 を利 用 す る こ とにす る。 = ク ラス ター分 析 は、複 数 の数 値 デ ー タに よ つて決 定 され る


対 象 を 、 デ ー タ を ベ ク トル 化 す る こ と に よ っ て 多 次 元 空 間 内 に お け る位 置 と して 認 識 す る。 そ して 、 そ の 空 間 内 の あ る

2

点 間 の 距 離 が 『 似 て い る 』 程 度 を は か る も の さ しと な り、 ま ず 初 め に最 も近 い と こ ろ に あ る点 同 士 か ら ク ラ ス ター を形 成 し て い く。 新 ら し く出 来 上 が っ た 複 数 の 点 か ら な る ク ラ ス タ ° ・ ー の位置 は 、 そ れぞ れ の 点 の重心 と して定 義 され、 同 様 の行 程 を 繰 り返 しな が らク ラ ス タ ー の 数 が

1と

な る まで分 析 を続

け る。 ク ラス ター分 析 にか け る都市 のデ ー タに は 、主成 分 分析 で 算 出 され た 因 子 得 点 を用 い る。 この 因 子 得 点 とは、

3-2の

10の 主 成 分 に お い て 各 都 市 の 位 置 を 表 わ す も の で あ り 、 各 年 度 の 第 10成 分 ま で の 累 積 説 明 力 が す べ て

80%以

上 で あ ること

か ら、 この デ ー タ を用 い て 分 析 を行 って も 、 都 市 のデ ー タ 。 ベ ー ス を利 用 した の と ほ ぼ 同 様 の 結 果 が 得 られ る もの と思 わ れ る。

□ 対 象地 域 ′ ク ラ ス タ ー 分 析 は 、 パ ー ソ ナ ル・ コ ン ピ ュ ー タ ー の 容 量 の 都 合 上 、全 国約

670都

市 のデ ー タを用 いて行 うこ とはで き

な い。似 て い る都 市 を見 つ け出 す範 囲 を全 国 と した場 合 、見 つ け出 され た類 似 都 市 が 、 名 前 も知 らな い よ うな都市 で あ っ た りす る だ ろ う 。 しか し 、 客 観 的 な 基 準 に よ っ て 見 つ け られ た 類 似 都 市 と い う も の が 、 ま だ 全 く示 さ れ て い な い 現 状 に お い て は 、 地 方 の 枠 を 越 え た と こ ろ で 似 て い る 都 市 を 探 し求 め る 前 に、 ま ず 自分 が よ く知 って い る身 近 な 範 囲 の 中 か らそ の 都 市 を見 つ け 出 す とい う段 階 が必 要 で あ る。 そ こ で 対 象 地 域 を 次 の 10の 地 方 に 分 け て 、 分 析 を 行 う こ と ・ ・ に す る。


くク ラ ス タ ー 分 析 を 行 う 対 象 地 域 〉

1.北

=海

道 地方

2。

東 北 地 方

3。

北 関 東 地方 ・

4。 南 関 東 地 方 5。

北 陸 地 方

6.東

海 地 方

7。

近 畿 地 方

8。

中 国 地 方

9。

四 国 地 方

10。

九 州 。沖 縄 地 方

中国 1準 方

.

図2。 ク ラスタ∵分析の対象地域


□ 類 似 都 市 デ ン ド ロ グ ラ ム が 示 す も の (そ の

1)

分 析 結 果 は 、 デ ン ドロ グ ラム と呼 ば れ る樹 形 図 を用 い て表 現 す る 。 この デ ン ドロ グ ラ ム に お い て は 、 横 棒 が ク ラ ス ター が ま と ま っ て 行 く順 序 を 、 ま た 縦 棒 の 長 さ が ま と ま つ た と き の距 離 を表 わ して い る。 ク ラ ス タ ー 分 析 は 昭 和 50年 、 55年 、 60年 の す べ て に つ い て 行 っ て い るの で 、 都 市 に つ い て の テ ン ドロ グ ラ ム 、 そ れ を こ こ で は 類 似 都 市 テ ン ドロ グ ラ ム と呼 ぶ が 、 この 類 似 都 市 テ ン ドロ グ ラム は経 年 的 な比 較 を行 う こ と が 可 能 に な る。

10年

前 に は 自分 の 都 市 と比 較 的 近 い位 置 に あ っ た都 市 が 、 仮 に今 違 うグ ル ー プ に 属 して い る とす れ ば 、 そ の 要 因 を 探 る こ と は 、 自分 の 都 市 の 未 来 を考 え る こ とに な る。 類 似 都 市 テ ン ドログ ラ ム を 通 して 似 て い る都 市 を見 つ け 出 して 、 そ の 都 市 の 推 移 を 追 って 行 く と い う行 為 は 、 自分 の 住 ん で い る都 市 の 未 来 を 予 測 す る こ とで あ る と言 え る。

□ 類 似 都 市 デ ン ド ロ グ ラ ム が 示 す も の (そ の

2)

テ ン ドロ グ ラ ム を経 年 的 に 見 て い く場 合 に は 、 も う

1つ

見 方 が 考 え られ る 。 そ れ は テ ン ドロ グ ラ ム 全 体 の 動 き を 見 る こ と で あ る。 こ の と きに は

1つ 1つ

の 都 市 の 動 き は あ ま り意

味 を 持 た な い 。 都 市 は 各 地 方 の 動 向 を 示 す 要 素 と な り、 デ ン ドロ グ ラム の 形 と各 ク ラ ス ターの 密 度 が 重 要 な 情 報 に な って くる。 デ ン ドログ ラ ム の 形 は 大 き く

1つ

2つ

に分 け るこ とが で き る。

は 階 段 状 の 構 造 を し て い る タ イ プ で あ り、 も う

1つ

は 山

型 の 構 造 を して い る タ イ プ で あ る。 階 段 構 造 を して い る タ イ プ は 、 そ の ク ラ ス ター の 集 合 状 況 が 階 層 的 で あ る こ と を示 し

山型構造 図

3.都 市 デ ン

階段構造 ドログ ラ ム の 説 明 。 そ の

1


て お り、 ま た 山 型 構 造 を して い る タ イ プ の 方 は 、 比 較 的 混 と ん と した状 況 で あ る こ と を 示 して い る と思 わ れ る。 も う

1つ

テ ン ドログ ラム の形 に は 、 ク ラス ターの密 度 が反

映 され て くる。 図

2の

タ イプ

Aト

タ イ プ

Bで

は 、 ク ラ ス ター

が 同 じ階 層 的 な 集 合 状

TYPE A

態 を示 して い る が 、 よ りも

Bの

A

方 が その ク

ラ ス ター内 部 に おけ る 図

4.都

市 デ ン ド ロ グ ラム の 説 明 。 そ の

2

階層 関係 が強 い こ とを 表 わ して い る 。 そ して

あ るク ラ ス タ― が 時間 の経 過 と とも に 、

Bか

Aか

ら B、

あ るいは

ら Aと 変 化 し て い る の で あ れ ば 、 そ の ク ラ ス タ ー を 構 成

して い る各 要 素 関 の 関 係 に は 動 きが あ る とみ な して 良 い。 この よ うに して 、デ ン ドログ ラム の 形 の変 化 を経 年 的 に追 っ て 行 っ た結 果 、 混 とん を 表 わ す と考 え られ る 山型 構 造 は年 度 ご と に 階 段 型 構 造 に移 り代 わ つ て お り、『 都 市 の 階 層 化 』 の 進 行 状 況 が 、 そ の 地 方 の 成 熟 化 の 度 合 を表 わ して い る もの と思 わ れ る。 しか し北 関 東 地 方 と南 関 東 地 方 に 限 つて は 、 階 段 型 か ら山 型 へ とそ の 構 造 を 戻 して い る部 分 が 見 られ 、 これ らの 地 方 は 東 京 を中 心 と した新 たな局 面 を迎 え て い るの で は な い だ ろ う か 。


1975

:::::::::il:::

1980

1:::::::::::

:::::::::::::

1985

図 5。 北 海 道 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム

:::::::::::::::::::::il:::::::::


::::::::::::::11:::

8

図 6。 東 北 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム


:::::::::::::::::::::::::

::::::::::::::::::::

7.北 関 東 地 方

都 市 デ ン ドロ グ ラ ム

::::::::::::::

°・ 58・・ ・

::::::::::


:::::::::

図 8。 南 関 東 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム


図 10.北 陸 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム


1975

図 H。 東 海 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム

::11::::::::::::::i:::i::::::::::::::::::


:::::111:i:::::::::::::│::lii::11::

図 12.近 畿 地 方 都 市 デ ン ドロ グ ラ ム


図 13.中 国 地 方 都 市 テ ン ドロ グ ラ ム

:::::8:::::::

:::::


111::│:::::::I:il:::

1980

:::::::::::

::::::::

1985

14。

四国地方 都 市 テ ン ドロ グ ラ ム

:::::::::::

::雪 :喜 :


:::::::::::::::

・1980

15。

九州地方 都 市 テ ン ドロ グ ラム

::::

│:11:::,::::::::


4早


4-1

都 市 を は か る尺 度

□ 生 活 環 境 と して の 都 市 都 市 が 人 間 の 生 活 環 境 と し て あ る か ぎ り 、 都 市 と 人 殿1は 、 生 活 を通 して 関係 づ け られ る。そ れ ゆ え、都 市 に つ いて考 え る こ と は 、 そ の 中 で 繰 り広 げ られ る 人 間 の 様 々な 生 活 に つ い て 考 え るこ と で あ り、 そ の 逆 も また言 え るわ けで あ るが 、 そ の 関 係 は、 必 ず しも対 等 で はな い。経 済 の復興 が まず第一 の 目的 で あ っ た都市 の 成 長 段 階 に お いて は 、生活 の 経 済的 な豊 か さ だ け が 追 究 さ れ 、 そ の 結 果 、 生 活 環 境 と して の 都 市 に つ い て 考 え る と い つた 問 題 は 、 どち らか と言 えば な いが しろに さ れ 、 都 市 は 自然 発 生 的 に形 成 さ れ て い つたの で あ る。 しか し、 日本 の経 済 が 欧 米 諸 国 に 追 い つ き、都 市 も発 育 段 階 を抜 け出 して成熟 化 へ と向 か い出 した今 、人 間 の生活環 境 と して の都 市 の 側面 に も注 目 して い か な けれ ば な らな いで あ ろ う。

.

□『 都 市 を は か る』 こ との 定義 とそ の対 象 「 都 市 を は か る」 と い う と、 そ の 対 象 と して 、 土 地 面 積 や 施 設 の 数 な ど の 都 市 を 構 成 す る ハ ー ド・ ウ エ ア に つ い て 考 え られ が ちで あ る。

そ こで本 章 に お い て は 、 都 市 を人 間 の 生 活 環 境 と して提 え て 、 単 に施 設 の数 だ け で あ る とか 夜 間 人 口 につ い て だけ と い う よ う に 人 間 と環 境 を 個 々 に 取 り扱 う こ と は しな い 。 人 間 に 対 す る 環 境 の あ り方 を 考 え て 、 都 市 に お け る そ の 双 方 の 関 係 ・ を 見 る こ と を 、「 都 市 を は か る 」 と 呼 ぶ こ と に す る 。 そ して 、 人 間 と 環 境 の ど の よ う な 関 係 に つ い て 見 る の か と い う点 に つ ` い て は 、 こ れ か らの 都 市 が 考 慮 す べ き 問 題 と な る で あ ろ う 、


「 高 齢 化 社 会 」 、「 豊 か さ 」 、 「 都 市 の 個 性 」 の ・ ワー ドと して考 え て み る。

3つ

を キー


4-2

尺 度 1。

シル バ ー度

ロ シル バ ー 度 に つ いて 高齢化 社 会 と は、

65歳 以 上 の 老 齢 人 口 が 、 総 人 口 の 7%を

超 えた社 会 の こ とであ る。人 口の老 齢化 は先 進 諸 国 に共通 し た現 象 で あ る が 、 ヨー ロ ッパ 諸 国 に お い て は 今 世 紀 初 頭 か ら 高 齢 化 が 現 れ は じめ て 現 在 に 至 って い るの に 対 して 、 我 が 国 の 高 齢 化 は 西 欧 先 進 国 に 例 を み な い ほ ど急 速 で 、 最 も 高度 な 水 準 に ま で 進 む こ とが 予 想 され る。 この よ う な 我 が 国 が迎 え る深 刻 な 高 齢 化 社 会 に 対 して 、 各 都 市 の 準 備 態 勢 は ど の 程 度 な され て い る だ ろ うか 。

1

人 口 の 老 齢 化 そ れ 自体 は 、 あ る意 味 で そ れ ほ ど深 刻 な問題 で はな い と言 え る。問題 で あ るの は、人 口の 老 齢化 に対 す る 各 都 市 の 対 応 が遅 れて し ま うこ となの で あ る。 こ こで抽出 す

る シル バ ー 度 と は 、都 市 の 高 齢 化 度 を見 る も の で は な い。 都 市 に住 む 人 間 の 高 齢化 が 進 行 して い る中 で 、 都 市 環 境 が ど う 対 応 し て い る の か を 見 る も の で あ る 。 つ ま り 、 高 齢 化 して い

く住 民 た ち とそ れ に対 応 す る都 市環 境 の パ ラ ン スを は か るも の が、 シル バ ー度 なの で あ る。

ロ シル バ ー 度 の 定 義 人 口の 高 齢化 に伴 って 発 生 して くる問題 は様 々で あ るが、 そ れ ら全 て を 指 標 化 す る こ と は 不 可 能 で あ る 。 そ こ で 高 齢 化 が 引 き 起 こ す 諸 問 題 の 中 か ら 、 本 研 究 に お け る 70の 指 標 で 表 ・ 現 で き る も の を 以 下 に 述 べ て い く。 まず第

1に

生 産 年 齢人 口 に対 ず る老 齢人 口 の 割 合 で あ る。

こ の バ ラ ン ス が 老 齢人 口 側 に 傾 き過 ぎ る と、 都 市 は そ の 活 動 力 を 著 し く 失 う こ と に な る で あ ろ う 。 生 産 年 齢 人 口 を 25才 か


ら 44才 ま で の 夜 問 人 口 と し て 、 生 産 年 齢 人 口 に 対 す る 老 齢 人 口の比 率 を次 の よ うに す る。 老 齢人 口

;fl=夜

;f2=夜

生 産 年 齢人 口

(65才

間 人 口

間人 口

+夜

以上

)(X35)

(25∼ 34才 )(X32)

間 人 口

(35∼ 44才 ) (X33)

生 産 年 齢 人 口 に対 す る 老 齢人 口 の比 率

1人

2は

;hl=f1/f2

小 家 族 化 に伴 う扶 養 者 に関 す る問題 で あ る。老 人 の

暮 ら しの 増 加 は 、 老 人 の 火 の 不 始 末 に よ る火 災 事 故 を増

大 させ 、今 や 社 会 問題 に まで な って きて い る。 この こ とにつ いて は 、

1世

帯 当 た り人 数 に よ っ て 指 標 化 を行 う 。

帯 当 た り人 数

h2=夜 第

1世

3は

間 人 口

;

(X24)/世

(X28)

帯 数

医 療 施 設 の 需 要 増 大 につ い て で あ る。老 齢 人 口の 増

加 は必 然 的 に 病 人 の 増 加 に つ な が って い くと考 え られ 、 これ に 関 して は 老 齢者

cl=病 第

4は

1人

1人

当 た り病 床 数 を用 い て 指 標 化 す る 。

当 た り病 床 数

床 数

;

(X68)/夜

問人 口

(X35)

高 齢 者 に対 す る都 市 の経 済 援 助 に つ い て で あ る。 働

け る環 境 の 乏 しい高 齢 者 に は 、 都 市 か らの 資 金 援 助 が 必 要 と な る。 都 市 の 高 齢者 に 対 す る経 済 援 助 の度 合 は 老 人 ・ り民 生 費 で 表 わ す 。 ・ 老 齢者

C2=歳

1人

当 た り民 生 費

出 目的別 民 生 費

1人

・ :

(X70)/夜

間人 口

(X35)

当 た


以 上 の よ う に 決 め た 各 変 数 に 代 入 す る デ ー タ は 、 平 均 0、 分散

1と 基 準 化 す る こ と に よ り 重 み づ け を 同 様 に し て 、 シ ル

バ ー度 を次 の よ うに定 義 す る。

シルバ ー度

; xl=― hl+h2+cl+c2


4-3

尺 度

2.ア

メニテ ィー度

ロ アメ ニテ ィー度 につ い て 日本 人 が 経 済 的 な豊 か さ を手 に 入 れ た こ と は先 に も述 べ た 通 りで あ る 。 し か し現 実 に は 、 ァ ラ リー マ ン が 都 心 部 周 辺 に 一 戸 建 て の 家 を 持 つ こ と は 夢 の ま た 夢 と な り、 環 境 には我 が 国 の経 済 的豊 か さが反 映 され て い な い。豊 か さ と い ぅことば ・ が 示 す も の は 、 も は や お 金 の こ と だ け で は な く、 お 金 を 使 う 対 象 や 時 間 、 そ して そ の 環 境 と い う よ う に総 合 的 な もの と な つて きて い る。 そ れ で は 都 市 が備 え る べ き豊 か さ と は何 で あ ろ う か 。 そ れ は抽 象 的 な言 い方 にな る が 、『 あ そ び 』 の よ うな もの な の で は な い だ ろ う か 。 こ こ で 言 う『 あ そ び 』 と は 、 「

A君

と遊 ぶ 」

と い う 行 為 を 意 味 す る 方 で は な く 、 「 ハ ン ドル の あ そ び 」 な どの よ うな 必 要 と され て い る余 裕 の こ とな の で あ る 。 そ れ ゆ え 都 市 に お け る 『 あ・そ び 』 と は 、 単 に 規 模 で き な 面 で の 余 裕 を 指 す の で は な く、 人 間 の 生 産 活 動 に 問 接 的 に 貢 献 して い る レク リ ェー シ ョ ン施 設 な ど も入 っ て くる こ と に な る 。 都 市 の 空 間 的 な『 あ そ び 』 と住 民 の 生 産 活 動 に お け る『 あ そ び 』 を 、 こ こ で は都 市 の ア メニ テ ィー と呼 ぶ こ と にす る。

ロ アメニテ ィー度 の定 義 前 述 し た よ う な ア メ ニ テ ィ ー 度 を は か る 尺 度 を 70の 指 標 か

ら抽出す るわ けだが、 先 のシル バ ー 度 の ときと違 って、対象 と し て い る 問 題 が 抽 象・的 で あ る た め 、 か な り 主 観 的 な 基 準 で ・ 指 標 を 選 び 出 す こ とに な る。 しか し、 都 市 の ア メ ニ テ ィー度 を探 る

1つ

の 方 法 と して 意 味 は あ る も の と思 わ れ る 。 ・ ま ず 第 1に 1人 当 た り 都 市 公 園 面 積 で あ る 。 こ れ は 第

3章


の 都 市 を見 る視点 に お いて、昭和

5・

5年

度 以 降 、 山林 原 野沼

地 面 積 と 土 地 面 積 (市 域 面 積 )と と も に 『 自 然 』 を 見 る 視 点 を 構 成 して い る 。 こ の

2つ

の指 標 が都 市 の絶 対 的 な 自然 の量 を

表 わ して い る こ と か ら 、 都 市 の ア メ ニ テ ィー 度 を 探 る と き に 、

1人

人 工 自然 の 量 を表 わ す

当 た り都 市 公 園 面 積 が 担 う役 割 は

今 後 ます ま す 大 きな も の に な って い くだ ろ う。

1人

当 た り都 市 公 園 面 積

C3=1人 2番

;

当 た り都 市 公 園 面 積

(X64) 2章

目は スポ ーツ施 設 数 で あ る。 これ は第

、第

3章

分 析 結果 か ら、年 々そ の 重 要 性 を増 して い る こ とが わ か って お り、 また 、 生 産 活 動 と直 接 関 係 な い に も か か わ らず 、 昭 和

55年 度 以 降 、 都 市 の 『 活 性 度 』 を 見 る 視 点 に 含 ま れ て い る こ とが注 目され る。

1人

当 た リスポ ー ツ施 設 数 を 、 人 間 の生 産

活 動 の『 あ そ び 』 を表 わ す指 標 と して 用 い る こ とに す る。

1人

当た リスポ ‐ ツ 施 設 数

C4=ス 3番

施 設 数

;

(X57)/夜

間 人 口

目は犯 罪発生 件 数 で 、 これ は 第

2章

(X24)

に お いて都 市 のベ

ツ ド・ タ ウ ン 化 を 表 わ す 指 標 と し て 分 析 さ れ て い る 。 ベ ッ ド 。タ ウ ン は 生 産 活 動 の 場 を 大 都 市 に ゆ だ ね て お り、 生 活 す る 都 市 と い う よ りも寝 る た め の 都 市 と言 え 、 こ こ で 言 う ア メニ テ ィー とは質 が異 な る 。 また犯罪 が 少 な い とい う こ とは、純 粋 に 安 全 の 面 か ら都 市 の 精 神 的 な 豊 か さ に つ な が る で あ ろ う 都 市 の安 全 を 表 わ す 指 標 と して犯 罪 発 生 件 数 を用 い る。

犯 罪発 生 件 数

;h3=犯 罪 発 生 件 数 (X52)


そ して 以 上 の す べ て の 変 数 に 代 入 さ れ るデ ー タ を 、 シル バ ー 度 と同 様 に 基 準 化 した 上 で 、 ア メ ニ テ ィー度 を 以 下 の よ う に定 め る。

ア メニ テ ィー度

;x2=…

h3+C3+C4


4-4

尺 度

3.ア

ィデ ンテ ィテ ィー度

ロ ア イデ ン テ ィテ ィー 度 に つ いて 東 京 の 一極 集 中 が進 行 して い る中 で 、 各 地 方 都 市 は東京 に 対 抗 で き る個 性 を 打 ち 出 そ う と レて い る。 都 市 の 個 性 と は 、 基 本 的 に その風 土 に内在 して いるもの な の か も しれ な いが 、 そ れ を 生 か し て 行 くの に は や は り人 の 手 が必 要 に な る。 こ こで 抽 出 しよ うと して ぃ るア イデ ン テ ィテ ィー 度 は 、 都 市 の 個 性 その もの をは か る尺 度 で はな い 。各 都 市 の 個性 を同 じも の さ しを用 い て は か る こ とに は 、 根 本 的 な矛 盾 が あ る と 考 え られ るか らだ。 そ れ よ りも、 ア ィデ ン テ ィテ ィー を つ く

り出 し得 る各 都 市 の ポ テ ン シ ャル の 度 合 を は か る こ との方 が 、 重 要 な こ とではな いだ ろ うか 。都市 の 個性 とは ぁ くまで も、 住 民 が 自分 た ち の 住 ん で い る都 市 に対 して 何 か を行 った とき の プ ロセ スか ら、生 み 出 さ れ るもの で あ る と考 え られ るか ら だ。

.

この よ うな 、 住 民 の 自発 的 な行為 に よ る都 市 の 自立 性 を は か る尺 度 を ア ィデ ンテ ィテ ィー度 と す る。

ロ ア イデ ン テ ィテ ィー度 の 定 義 この ア イデ ン テ ィテ ィー 度 も先 の ア メ ニ テ ィー 度 と 同 じ く、 自 立 性 と い ぅ抽 象 的 な も の を 扱 お う と して ぃ る 。 し か し、 第 3章 の 主 成 分 分 析 の 結 果 抽 出 さ れ た 昭 和 60年 度 の 第 6成 分 は、 そ の 構 成 内 容 か ら、都 市 の 『 自立 度 』 を 見 る視 点 で あ る と考 え られ る。 具 体 的 に は 、 公 民 館 数 と大 学進学 率 は住民 の文 化

的 な レベ ル を 表 わ して お り、 まだ‐ 歳 入 市税 比 率 ど 保

守系 議 員

得 票 率 と の 因子 負 荷量 の 符 合 が 異 な る こ とか ら、 都

市 が経 済

的 、政 治 的 に どの 程 度 独 立 して い るの か を 見 るもの で あ ると

'


考 え られ る 。 よ っ て 都 市 の ア イデ ン テ ィテ ィー 度 を は か る尺 度 には、 この

4つ

の指 標 を使 うこ と に す る。

;h4=保 守 系 議 員 得 票 率 (X43) ;h5=大 学 進 学 率 くX59)

保守系議員得票率 大学進学率

1人 当 た り 公 民 館 数 iC 5=公 民 館 数 (X55)/夜 ;

歳入市税比率

;c.=歳

ア イ デ ン テ ィテ ィー度

問人 口

入市税比率

(X24) (X46)

;x3= h4+h5+C5+C●


4-5

分 析 結 果 お よび 考 察

□ 各尺 度 に よ る都 市診断 分 析結 果 とそ の考 察 先 に 抽 出 し た 尺 度 に 都 市 デ ー タ・ ベ ー ス の デ ー タ を 代 入 し て 、「 高 齢 化 」 、「 豊 か さ 」 、 度 に お け る全 国

674都

,「

個 性 」 の 観 点 か ら 昭 和 60年

市 の診断 を行 つてみ た 。

分 析 結 果 は 、 診 断 の結 果 得 られ た 各 都 市 の 得 点 か らそ れ ぞ れ の 尺 度 に お け る 上 位 10都 市 と 下 位 10都 市 を 抽 出 し て 、 都 市 名 と尺 度 に対 す る得 点 の 他 に、各 尺 度 を構 成 す る変 数 の 値 を 示 して表 に あ らわ す 。


表 14。 シル バ ー 度 BEST10

-0.57

7 5

0.37

3 2

-■ 74

5 7

0.64

︲ 5

0.80

9 7

L51

0 0

0.:5

6 9

‐ a o9

0.2 .

― l.59 ‐ 1.58 ‐ i.58

7 8

-1.型

2 . 4 . 3 . 3。 2 . 1

‐ 0.3:

L Ol

︲ 6

-1.54

Cl

-0.25

栞票静 , 武蔵村山市 (東 京都) 多肺 (東 京都) 豊明市 (愛 知県) lll光 市 (埼 玉県) 員塚市 (大 阪府 ) 大府市 (愛知県) 千蔵市 (北海道) 浦添市 (沖 縄県) A湖 市 (埼 玉県)

‐ 0.67 ‐ 1.42 ‐:.70 ‐1.25

112

7 8

潜嵐FFく

h!

都市名

RA‖ K

C2

SI[IR

1.71

::.04

4.45

■48

2.27

6.26

1.72

■76 駐13

‐ ■02 鳳43

6.17

L58

5.08

68

4.98

2.28

4.97

-0.01

4.87

:。

表 15。 シル バ ー 度 WORST10

WORST

都市名

hl

h2

Cl

c2

-0.24

-:.05

2.92

-:.74

-0.20

-■

a04

-1.19

‐ 89

2.87

‐ 0.06 ‐1.27

-0.02

-0.91

-5.06

3.04

-0.68

‐ ■64 ‐ 0.85

-a69

-5.05

-■ 63

-4.99

8 6

■ 10

3 8 9 3

2.91

271

-1.50

-a32 -!.39

‐1.92

-a80

:。

‐ L77 ‐ 0.86 ‐ a84 ‐ L57

SI[IR

― 48 ‐1.29 ‐ L74 ‐ 072 ‐1.21

3. 2. 2

垂水市 (鹿 児島県) 両津市 (新 潟県) 阿久根市 (鹿 児島県) 熊野市 (二 重県) 競:隋 (京 都市 ) 大国市 (鹿 児島県) 庄原市 (広島県) 加世田市 (出 県) 竹田市 (大 分県) 豊後高田市 (大 分県)

54

0。

-6.97

‐ 帆 15 -■ 80

‐ 5.61 ‐ ■40 ‐ 5.39 -5。

17

hl:老 齢人 口比 率

h2:1世 帯 当 た り人 数 cl:老 齢者 1人 当 た り病 床 数 c2:老 齢者 1人 当 た り民生 費 シ ル バ ー 度 が 低 い.得 点 結 果 に な っ た 都 市 に は 過 疎 化 し て い る 都 市 が 多 く見 ら れ 、 都 市 レベ ル に お け る 高 齢 化 問 題 に は 、 大 都 市 一 極 集 中 な ど に よ る人 口 の 流 動 が 大 き く関 係 して い る こ とが うかが え る。


表 16.ア メ ニ テ ィー 度 BEST10

都市名

R鵬

59J:!市 (北海道)

村山市 (山 形県) 尾花沢市 (山 形県) 歌志内市 (北海道) 陸前高田市 (着 手県) 声別市 (1騰道) 大口市 (餞 幌島県) 牛深市 (熊本県) 士別市 (1順 ) 苫小牧市 (北 海道)

C3

c4

肛‖ IW

1244

l161

,3.44

a86

262

-a44

200

6.12

3.65

4.05

-0.44

4.40

1.81

a92 a56 a15 a65

■48

0。

238

a i2

h3 ‐ a40

‐ ■44 -■

-■

44

37

-L42 ‐ a43 -■

‐ ■70

40

a66

じ06

a53

12

a03 1.52

‐ 0.91

■98 ■92 ■77 5.58

■56

表 17.ア メ ニ テ ィー 度 WORST10

脚RST

都市名

llIK

大阪雨 (螂 ) :瞑 ) 横浜市 (神廉り 名古屋市 (愛 知県) 京都市 (京 都府) 札幌市 (北 海道) 1酬 市 (福 岡県) 福岡市 (福 岡) 広島市 (広 島県) :「 島 :1県 ) り 市 (神 奈り 神戸市 (F」H県 )

肛‖ IW

h3

C3

c4

13.48

― ■45

‐ 14.96

■63

-■ 52

7.67

‐ 010 ‐ 餞19

‐l.03 ‐ a97 ‐ L72 ‐ a60

a94

007

-■ 92

■ 79

6.58

0.22

駐30 3.31

■06 ‐ 003 ‐ ■33

3.86.

a49

8.08

4.12

-a12 -3。

95

-8.76

‐ ■79 ヽ_68 ‐1.02

-5。

-■

‐ 4.45

81

-a78

-■

15

93

-5.!7 -4。

15

h3:犯 罪発 生 件数

c3:1人 当 た り都市公 園面積 c4:1人 当たリスポーッ施設数 ア メ ニ テ ィ ー 度 は そ の 都 市 の 遊 戯 性 を は か る の で は な く、 ・ 都 市 が 持 つ べ き 余 裕 を は か る も の で あ る 。 そ の た め 下 位 10都 市 は 、 す べ て 各 地 方 に お け る大 都 市 と い う結 果 に な っ て い る ま た 上 位 に 上 げ られ て い る都 市 の 多 くが 過 疎 化 して い る都 市 で あ ることか ら、地方 都 市 で は まだ経 済 的 な豊 か さが獲 得 さ れ て いな い と思 わ れ る。


表 18.ア イデ ン テ ィテ ィ ー 度 BEST10 RA‖

都市名

新堀市 (愛 知県) 尾張旭市 (愛 知県) 両津市 (新 潟県) 東海市 (愛知県) 常滑市 (愛 知県) 刈谷市 (愛 知県) 声屋市 (兵 厘県) 蒲君β 市 (愛 知県) 高浜市 (愛 知県) 瀬戸市 (愛 知県)

TIW

h5

c5

CO

‐ L UU ‐ ■73

じ24

14.79

‐ 0.24

14.88

1.73

:1.97

a55

5。 28 -0.21

‐ 0.59 ‐ 0.33

0。

4.23 10.:6

-i。

10[‖

58

7.83 7.65

1.90

a46

1.69

89

5.40

-0.12

6.50

-■ 48

2.55

0.77

6.37

-■ 69

3.35

‐ 0.10

2.58

213

6.06

1.83

253

a73

5。

14

5.20

0.52

5.84

1.!1

:.34

5.55

-0.31 0.02 -1.05

0。

2.05

90

表 19.ア イデ ンテ ィテ ィー 度 WORST10

ORST ‖ ll‖

h4

都市名

弘前市 (青 森県) 勝浦市 (千 葉県) 伊予市 (愛 嬢岬D 欧志内市 (北 海道) 多久市 (佐 賀県) 黒石市 (青 森県) 鰤 (北海道) 三沢市 (青 森県) 豊栄市 (新 潟県) 旭市 (千 葉県)

TIW

h4

h5

c5

c6

2:.08

― じイ 3

‐ 39 ‐ a22 ‐ 0.04

‐ 0.71

-22.90

-1.24

‐ 5。 12 ‐ 4.40

:.Oll

-2.66

0。

-4.38

0.21

‐1.01 ‐ 2.16 ‐:.79

0.08

-:.!4

-4.18

‐1.16

‐ 3.92 ‐ 3.88

a72

-2.64

‐ 0.78

-233

L05

-2.72

1.01

-2.10

0.42

-1.68

-a66

1.05

-:.29

‐ a39 ‐ 0.24 ‐ 0.56

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‐ 252

018

-2.57

│〕 [‖

-■ 66

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-3.86

‐ じ51

‐ 3.83

h4:保 守 系 議 員 得 票 率 h5:大 学 進 学 率

c5:1人 当 た り公 民 館 数 c6:歳 入 市 税 比 率

ア イデ ンテ ィテ ィー 度 は そ の尺 度 の 性 格 上 、 都 市 の 個 性 そ の もの を表 わ す の で は な く、 個 性 を 発 揮 で き る前 提 条 件 と し

.上

て 自立 度 が ど れ だ け あ る か を示 す も の で あ る。 愛 知県 が

8都

位 10都 市 中 、

市 を占め るの は、愛 知 県 その もの の 自立度 が 高

い こ と に よ る も の と考 え られ る。 診 断 結 果 に対 す る評 価 は 、 この 結 果 を見 た人 が 、抽 出 さ れ た都 市 に つ い て 先 天 的 に 持 つて い る 印 象 と比 較 さ れ て行 わ れ る。 す な わ ち こ の 尺 度 に お け る有 効 性 とは 、 診 断 の 結 果 、 あ る 特 定 の 都 市 を 抽 出 で き る と い う点 に あ る の で は な く、 今 後 の 都 市 づ く りに重 要 と思 わ れ る問題 に つ いて 、 あ る都 市 が 全 国 的 に ど の よ う な 位 置 に い る の か を 都 市 デ ー タ・ ベ ー ス か ら 読 み取 れ るこ とに あ る。


5章


□ 今 後 の展 望 以 上 の よ う に 、全 国

670の

市 政 制定 都 市 を対 象 に 、都 市

のデ ー タを用 いて様 々な分析 を行 つて きた。 それ ゆ え 、 これ らの 分 析 結 果 を通 して 得 られ る都 市 の 情 報 の 中 に は 、 そ の 都 市 の 全 国的 な 位 置 づ け が 必 ず含 まれ て い る。 本 研 究 に お い て は そ の 立 場 か ら、 あ る特 定 の 地 域 や 都 市 に 関 す る 分 析 は 全 く行 わ な か っ た 。 し か し 今 後 は 、 各 地 域 に お け るそ れぞ れ の 問題 に 対 し、 これ らの デ ー タを用 い て 分 析 を 行 つて い くこ とが必 要 と な るで あ ろ う。 これ だけ地 域 格 差 が 広 が っ た段 階 で 、各 地 域 が持 つて い る問 題 を一 括 して 処 理 す る こ と は不 可 能 だか らで あ る。


1)日 本 青 年 会 議 所 「 都 市 診 断 マ ニ ュ アル・ 都 市 の 手 鏡 」 昭 和 52。

2)渡 辺 仁 史

森義純

「 まち づ く り∼ ア ラカル ト・ 事 例 編 t」 時 潮 社

3)渡 辺 仁 史

昭 和 61.

森義純

「 まち づ く り∼ チ ェ ック リ ス ト・ 基 礎 編 ∼ 」 時 潮 社

4) 5)

中村 良三

渡辺仁 史

「 APLに

よ る建 築 計 画 技 法 」 オ ー ム 社

昭 和 63。

位寄 和久 昭 和 56.

大村平 「 統 計 の は な し」 日科 技 連

6)柳 井 春 夫

昭 和 44。

岩坪秀 一

「 複 雑 さ に 挑 む 科 学 ∼ 多 変 量 解 析 入 門 ∼ 」 プ ル ー パ ック ス

7)池

昭 和 51.

田央

「 統 計 調 査 の コ ン ピ ュ ー タ解 析 」 東 洋 経 済

8)経 済 企 画 庁 国 民 生 活 局

`

「 国 民 生 活 指 標 -63年 版

9)池 原 義 郎

渡辺 仁史

昭 和 46。

NSI試

森義純

算 ―」大蔵 省 印刷 局

昭 和 63.

大村晃一郎

「 都 市 社 会 構 造 と都 市 の 特 性 の 分 析 (そ の 1)」 早 稲 田 大 学

昭 和 51。


こ の 研 究 を 進 め て い く に お い て 、 本 当 に 多 くの 人 た ち に 協 力 を して い た だ いた。 デ ー タ収 集 の 際 に 地 図 か らの 読 み取 り 作 業 を し て く れ た ア ル バ イ トの 人 た ち 、 コ ン ピ ュ ー タ ‐ に 入 力 さ れ たデ ー タの 照 合 を 無 慣 で や っ て くれ た サ ー ク ル の 後 輩 、 そ し て ア ン ケ ー ト調 査 に 協 力 し て く だ さ っ た 各 県 庁 統 計 課 の み な さ ん 、 本 当 に ど う も あ りが と う ご ざ い ま した 。 この 場 を 借 り て 厚 く 御 礼・を 申 し 上 げ ま す 。 ま た 、 力 不 足 の わ た く しの 相 談 に い つ も 笑 顔 で 協 力 して く だ さ っ た渡 辺 俊 さん 、 色 々 とご迷 惑 をお か け しま した 。 そ して最 後 に な りま し た が 、 こ の 論 文 を 書 くに あ た って 、 ° 多 大 な る ご 指 導 を して く だ さ っ た 渡 辺 仁 史 先 生 、 森 義 純 先 生 、 本 当 に ど う も あ りが と う ど ざ い ま し た 。 こ の 論 文 に 協 力 して く だ さ つ た す べ て の 方 々 に 深 く感 謝 の 意 を 表 して 、 こ の 論 文 を 終 わ りに した い と思 い ま す 。

平 成元年

2月 9日




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