建築空間のもたらす行動誘導に関する研究

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建築 空 間 の もた らす行動誘導 に関す る研 究 ― 移動 にお け る視線方向 と経路選択 の傾向 ―

平成7年 度

修 士 論文

指導 :渡 辺仁史教授 後藤


研究 目的

研究背景

3.

研究方法 に関 して

空間移動時 の基本的な視線方向 の傾向 操作 の有無 による注視傾 向 の比較

4.2 経路指定 による注視傾向 の比較 4.3 予備 実験 を通 しての実験方法 に関す る考察

5   7   3 2   2   3

1

4。

5.

︲ 2

3.5 街 の景観 における視野画像変化 の定量化

0 2

3.4 視野画像 の差分 による視野 画像変化 の定 量化方法

4 ︲

3.3 アイマーク レコー ダによる視点の抽出

3 ︲

3.2 実験 に用い た3次 元仮想空間 におけ る移動 に伴 う特性

3.1 3次 元仮想空間 につい て

4.

2.5 人間の行動 にみ られる特性

2.4 走査路 におけ る個人差

2.3 注視 と認識

2.2 眼球運動について

2.1 使用用語の整理

空間の持 つ刺激量が人 に及 ぼす影響

1

5。

実験方法

34

5.2 各空間モデル別 の実験結 果

36

5.3 各空間モデル におけ る経路選択傾向

37

5。

4

空間構成 による視野像変化 の大 きさの類型化

5.5 空間 モデル と視線方向 の 関係

46 50

考察

1

視線方向の最終変動点 に関 して

6.2 空間の もたらす経路選択 の誘導傾向 7.

今後 の展望 参考文献

7 2 5   y   5

6。


思 い もかけない ところで親 しい友人 に出会 った時 に、す ぐそ ぱを擦 れ違 っているに も関 わ らず、 こちらか らは気 が付 かないで相手 に声 を掛 けられて驚 い たことは誰 にで もある こ とではない だろ うか。 この よ うな時、友人 は像 と して眼 には映 っていて も見 えてはい ない 状態 とい える。人は浴れかえる視覚的情報 を意識的、無意識 的 に選別 して受 け取 ってい く ことで行動 を起 こしてい くのだ。

ところで、思 い もかけない ところで親 しい友 人 に出会 った時 に、 もしも逆 に友人 があな たの ことに気 が付 いてい ない様 であ った ら、あなたはどうす るだろ うか。 も しも友人が近 い ところにい るので あれば肩 を叩 いた りす るのであろ うが、友人 に対 し て少 し距離がある場合 でな らば、おそらくあなたは友人 の名前 を呼 んだ り、手 を振 ってみ た りす るのではないだろ うか。

名前 を呼 ぶ こ とは音声 の情報 で友人 の意識 を知人 を探す ことに向けさせるだろ う。 しか し、何処 か ら呼 ばれたのかははっき りしない。そ こで手 を振 ることで友人 の意識 をあなた に向けさせやっと認識 して もらえるといった具合 になる。

手 を振 るとい う行為が友人 の意識を向けさせ られるよ うに、人 の眼 は動 くもの、変化す るものを視野像 として捉 える と無意識的 に限 を動 か し、それを注視す るようになるとい う。 元来、眼 は、 まずは運動検 出装置 として進化 してお り、 また、人は常 に限球 を動か し、 それによ り生 じた像の変化 か ら視覚情報 を認識 してい ると言 われているなど、視 知覚 は刺 激 パ ター ンの変化 に依存 してい る。

こ うした人の視覚 の性質 を利用 して、様 々 な要素 が入 り交 じる現在 の建築空 間 において、 利用者 が空 間を体験す る上 で、建築空間が もたらす の視覚的変化 か ら、利用者 の意識 を誘 導 し、行動 を誘導 してい けな い ものか と考 えたのが この研究 のは じま りである。


最近は大規模 で複合的な施設が増加 してお り、そのような施設では自分の 目的 とす る場所 にたどりつ くために、自分 の現在地の把握や多 くの経路 の選択な どの大 きな負 担があるといえる。現在はサイ ン情報等の付加的情報 によ りその負担 を軽 くしようと しているが過多 なサイン情報が美観的 に好 ましくない場合 も多い。 空間の構成等 による建築空間その ものが持つ情報 とその情報により誘導 される人の 行動 を明 らかにすることで、迷 いにくい空間配置等、あるいは災害時 などサイ ンの見 にくい状況化 においての人の誘導 に生かす ことができると考えられる。

本研究 の 目的 は人が空間を経験する際のその人の視野 における像の変化から受ける 視覚的刺激が空間の情報 としてその人の視線の動 き、経路選択 に与える影響 を明 らか にすることである。それによ り、空間の3次 元CGモ デルを用 いての人の行動の予測の 可能性を示 してい くものとす る。


■2.1 使用用語 の整理 視覚 に関す る語句 は数多 く、また互 いの意味が類似 してい る もの も多 い。混乱 を避けるため 本論文 で これ らの用 語 を使 うに先 だって、 これ までの文献、辞書等 での それぞれの用語 の定義 を ここに挙 げ る。

視界

見渡 せる範囲。固定 した目または光学器械 で見 える範囲。視野。

(広 辞苑)

視覚

目を受容器 とす る感覚。光 の エ ネル ギーが網膜の感 覚細胞 に対 して刺激 となって生 ず る感覚。形態覚、運動覚 、色覚、明暗覚 などの総称。視感。

(広 辞苑)

視角

1.物 体 の両端か ら目に至 る2直 線 のなす角。 日で見 た大小 は、視角 の大小 による。

2.視 点。観点。 (広 辞苑)

日で見 る方向。外界 の光点 と網膜上 にあるこれの像 とを連ねた直線。視軸。 (広 辞苑 )

1.絵 画 の遠近法 で、画面 と直角 な視線が画面 と交 わる点。絵画 の上で平行線 が一点

に交 わる点。 2.視 線 の注がれるところ。 また、 もの を見 る立場。観点。 (広 辞苑)

視線 を固定 した ときの、 日に見 える範囲が視野 (visual ield)で ある。 (新 建築大系 14:環 境心理 )

視線 を固定 した ときに視覚 の及 ぶ外界 の場。眼球 を固定 した場合 の視野 を静視野、 頭部固定 で眼球可動 の場合、注視線 の及 ぶ範囲 を注視視野

(visu」

■dd of ixation)、

同 じくその場合 の周辺視 の及 ぶ範囲 を動視野 と言 う。 さらに、頭部 お よび限球運動 を自由に した場合 を展望視野 (umblickidd)と よび、左右 で200E以 上、上下で 150 度以 上の視野が得 られる。


有効視野

あるもの を見 なが ら同時 に他の もの を見 ることがで きる範囲。 ある注視点 の周 りで 比較的明確 に意識 される範囲。周辺視 の一部 であると考 えられる。 視カ

視野 におけ る光体 の位置 の差異 を見分 ける能力。 これには 目か らの方向 の差異 を見 分 け る視力

(方 向視力 )と

眼か らの距離 を識別す る

(奥 行 き視力 )と

があるが、一

般的 には前者 を視力 と呼 んでい る。 (色 彩 と形態) 中心 視 と周辺視 視線 を向けて中心 で見 ることを中心視

(central宙 sion)そ

の周辺 で見 ることを周辺視

(peripheral vision)と 言 う。両者 の 区分 に関 してはそれを取 り扱 う学問領域 によって

まちまちである。 1艮

科学 の分 野 では、一般 に中心から30度 以内 の視野 を中心部視野 といい、30度 を越

える範囲 を周辺部視野 または間接視野 と呼 んでいる。 生理学的 には網膜 は視軸 を中心 として直径約5∼ 6ミ リの 中央部 (central area)と 周辺 部 (pedphery)に 分け られる。その比 は約 1:40で ある。 心理学 の分 野 では、直径 25度 以内の視野 を中心視 といい、25度 ∼50度 の範囲 を !周 辺視、50度 以上を周辺視 とい うが、一方 で視角5度 以内 を中心視 、その他 を周辺視 と 考 える こ とも多 い。 (清 水建設研究報告書 )

注視

視力 を集 中 して見 つめ ること。注 目。 走査路

(広 辞苑)

(scan path)

特定 の被験者 が特定の 図 を見 るときの眼球運動 の規則的 なパ ター ンをその図形 に対 す る走査路 と呼 ぶ。 (別 冊サ イエ ンス∼イメー ジの世界 )


■ 2.2 眼球 運動 につい て

●眼球 運動 の種類 眼球運動 はその 動 きや性格 か ら幾 つ かの もの に分類 され ている。

○断続 運動 (saccadic movement)と 追従 運動 (sm∞ th pusuit movement) 上下左右 に両眼 が 同時 に動 くもので 、 自発 的 に注視 点 を移動 させ る ときは断続 的 に運 動 し、 これ を断続性運動 とい う。 一 方 、見 よ う とす る相手 (対 象 )が 低 速 で 連続 運動 してい る とき、

これ を追う場合 は眼球も連続運動 をお こなう。 これを随従運動 とい う。 断続性運動 はその立ち上が り時間が1/20∼ 1/100秒 、最高速度300度 砂 の極めて早 く跳躍的 に動 き回り、発生周期 は0.15∼ 0.3秒 が一番多い。 この運動 は必ず両眼が同方向 に動 く。随従 運動 のほうは見 る対象 をとらえるための ものではな く、視線 を移動す る対象の運動に一致さ せこれを維持するためのものである。

○輻較運動 (vergence movement) 両眼 の視線 を遠近方向に動 かす もので、近 くを見 よ うとす れば両眼 は互 い に顔 の中央方向 に寄 る。 したが って眼球 の運動 方向 は互 い に逆 となる。 これを輻轄

(開 散 )運 動 とい う。 こ

の速度 は遅 く立 ち上が り時間 も0.5秒 以上 を要す る。

○ 固視微 動 (sm」 linv01untary movement)

固視微動 は不随意 の微小振動 で ある。眼球 は 自分 ではまった く気 が付 かないが絶えず小 さ く振動 している。微動 を止める と物が見 えな くなるとい う事実 があ り、視角 に重大 な関係 が あ る。微小振動成分 としては、tremOrと よばれる15秒 程度 の新婦 区画 で30∼ 1∞ ヘ ルツ (50位 が最大 )の ラ ンダ ム フラクチ ュエー シ ヨン、■ickと よばれる偏位角20分程度 で0.03∼ 5秒 の時 間間隔 のパ ルス状 に発生する もの、及 びdritと 称す る偏位角 5分以下 のfrick間 に存在す るゆる やかな変動 の三つ に分け られる。


●眼球 の随意運動 と不随意運動 目の動 きは、音、光、物体 の動 き、臭気 などに反応 して自動的 に目的物 を注視する不随意 運動 と、思考 の指示 に従 って観察す る随意運動 が複合 している。 この ような視線 の移動 と停 上 の反復 (衝 動性眼球運動 )に よ り選択的に捉 えた断片的 な視 覚情報 を脳 において再構成 し たイメ ージ、それがその人が把握 し理解 した対 象 の姿 である。 したが って、同 じもので も人 によつては異 なってみえる。 (樋 渡滑 二 :見 る ことと目の働 き、 アイカメラと眼球運動研 究 会、ナ ック映像技術 センター) この ことか ら分 かるように、全 くの無心 では 目は動 きようがな く、造形作 品 の観賞 とい っ た行為 は成立 しない ことになる。 本研 究 では主 に移動 による空 間の変化 による眼球 の不随意運動 とそれに伴 う経路選択 へ の 影響 を探 るものであるが、空間 の把握 な どの上での眼 球 の随意運動等 も視線方向 の傾向 を調 べ てい く際 に留意 してお く必要 があるものである。

●眼球運動 と外界の刺激 生理学的 には大脳視覚領 内 の ニ ューロンには網膜 上 に与 え られた線分、自黒 エ ッジ、角部、 運動 、等 に強 く反応す るユ ニ ッ トが存在 していることが知 られている。 い ま網膜 の任意 の部 位 に例 えば運動 パ ター ンを与 えると、 これに対応す る視覚領内のユニ ッ トが興奮 し、その 出 力 が フイー ドバ ックされて眼球 を動 か し、中心宙 と刺激部位 との距離 を零 にす るよう制御 さ れ、視力 の最 も高 い中心告 に持 ってきて、改 めてその情報 を大脳 に送 りこむ と考 える ことが で きる。 この場合、網膜 上 に色 々 な刺激が同時 に与 え うれた とき、視線 はまず どこへ飛 んで い くの か、あるいは どの ような種類 の刺激 を優先的 に選ぶか と言 う問題 になるが、数多 くの測定 に よる と、その優位性 には少 な くとも

運動 図形→ 角部分 →直線 エ ッジ部分

と言 うように優位性が弱 くなっていることがわかってきている。 生理学的にも運動図形 に対す るニューロンの興奮が高いことはよく知 られた事実である と い う。


■2.3 注視 と認識 一般 に成人 の場合、注視 と呼 ばれる限球運動 の一視点へ の停留時間 は0.2∼ 04秒 位 の範囲 に あ り、 また絵 を見 るときは読書 の時 よ りも長 く、通常 3∼ 0。 35秒 である とい う。 0。

鳥居修晃 によると所与 の対象 に対す る視覚的 な対処 の仕方 の違 いは、注視点 の密度 の差 と して現 われる とされてい る。 また、停留点 の存在 はその対象 の視覚的認識 に欠 かせない もの とされ、注視点 の評価か らその認知過程 を解析 で きる可能性 を しめ してい る。 また、注視点 と注視点を結 ぶ跳躍運動 の大 きさは、対象 の物理的特性 な どによ り依存 してお り、通常 は3度 ∼6度 の跳躍運動 が最 も頻繁 に起 こる傾向がある ことが、 これ までの研 究 で言 われている。

静止画 に対 す る注視では眼球運動 の停留 を もって注視 と定義 されてい るが、本研究 での実 長球運動 が停留す る 験 においては空間を移動 しなが らの視線 を調査対象 としてい るため に、日 ことによる注視 は起 こらず、変動す る視野像 の対象 と共 に限球 が動 く追従運動 を観察す るこ とになる。本研究 では、1艮 球 の追従運動 による一対象箇所 へ の視線 の集 中を注視 として捉 え て空 間 に対 す る視線方向 の傾向 を探 ってい くもの とす る。


●拍 象図形 に対 す る注視傾 向

これ まで の研 究 で 明 らか に され てい る人の基 本 的 な視線 方向 の傾 向 と して、抽象図形 の注 視傾 向 の例 を図2.3-1に 示す。

(

(g)

th)

(1)

図2.3‐ 1:抽 象画像 に対 す る注視傾 向

(a)は 白黒 エ ッジパ ター ンで あ るが、 エ ッジ部分 を動 き回 る。 (b)の よ うな角 部 があ る と角 部 に注視点 が 集 中 しやす い。

(c)(d)の 場合 も同様 で あ る。 (c)の 場合 は十文字型 の パ ター ンが回転 す る場合 で あるが、適 当 な速 さの とき視線 は四 つ の末端 に付 いて回 る。 しか し速 度 が速 くな り過 ぎる と末端 に付 い て回るの を諦 め て 中 央部 の四 つ の角部 に注 視 点 は移 ってい く。 この パ ター ンを停 止 させ る と末端 にい くが、 中央部 の角 部 のほ う に集 中す る。

(0は ランダムな多 くの小円の うち一個 だけが少 し動いた場合 で、 これは確実 に動いた円 に視線が集中するとい う。 (g)は 市松模様 であるが、 この中に一箇所不規則な部分 を造ると視線 はその部分に行 く。 (h)は 吸 うこのえんにある種 の形ができているとその形 に従 う。 (1)は 凸凹も曲線パ ターンであるが、曲率の小 さな凹部 に集 ま りやすいことを示 してい る。


●静 止画に対す る注視傾 向 と移動に伴 う注視傾向 これ までの研究 において も移動す る被験者 の空間 に対す る視線方向の傾 向、あ るいは移動 す る視点 か らの ビデオ映像 に対 す る被験者 の視線方向 の傾 向を探 る研究 が い くつ かある。 そ れ らの研究 か ら移動 に伴 う これまでに言 われてい る視線方向 の傾向 を挙 げ ると、特 に静 止画 に対す る注視 傾 向 と比 較 して次 の ことがいわれている。 ○静止画 に対 す る注視傾向が比較的 自由でパー ソナ リテイや外部環境 に大 きく影響 を受け るのに対 して移動 に伴 う視行動 は 目的行動的 で ある。 ○移動 に伴 う視線 方向 はその移動経路 上 に集 中す る。 これ らの傾向 は ビデオ映像 に対 しての視線方向、実 空間での視線方向共 に見 られる傾 向 で ある。 これ らの もの を含 めたこれ までの視線研究 では注視対象 として、床 、壁、あ るいは路 面緑等 といった空 間構成要素の属性 な どによ り注視傾 向が分類 されてお り、その形態 には余 り注 目 してい ない事 か ら形態操作 による視線誘導 とい った建築計画 へ の応用 は困難 な ものが 多 い。 本研 究 においては仮想空間内 で実験 を行 な うことで空間構成要素 を少 な くし、その要素 の 形態 を変化 させ、 その空間を定量化 した もの と視線 誘導 とを比較す ることで形態操作 による 視線 の変化 の可能性 を探 ってい く。


■24 走査路 にお ける個人差 パ ー ンを被験者 のその図形 に 特定 の被験者 が特定 の図 を見 る ときの眼球運動 の規則的 な タ ー は ー において図 対す る「走査路」 と呼 ぶが、 こ?走 査路 に関 してD。 ノ トンとL.ス タ ク 記憶 い の特徴 は、 これを1つ 1つ 見 るときの眼球運動 の記憶 によって系列的 に結 ばれて い ると う説 の もと、走査線 に関す る幾 つかの実験 を行 なってい る。 その一連の実験 のなか に走査路 の循環 に関す るものがある。被験者 がある線画 を見 た とき、 操 り返 しみてい る間 に走査路 がで きる。次 にこの線画 を未知 の図 と混ぜ て提示す ると提示 さ れた図 が最初 の線画 と同 じであ る と被験者 が 認識す る度 に同 じ走査線 が出現す るとい う もの で あ るが、 この実験 を複数 の人 に対 して行 なった所、図2,4.‐ 1に 示す ように、それぞれの人 に 個有 の走査路 が認 め られたとい う。 この ことか ら静上画 を認識す る際 の注視傾 向 として、その視線移動 の際 の動 きの順序 には 個人差 がある ことがわかる。 移動 に伴 う視線方 向 の傾向 は静止画 の に対 す るもの と異 な り変化す る視野像等 が視線 を誘 い 導す る もの と考 え られ、そう した空間 による刺激が視線方向 の順路 を造 って くのかを本研 究 で確 かめてい く。

図2.4‐ 1:3人 の固有 の走査路


■2.5 人間 の行動 にみ られる特性 人間 は個 々 に行動 の癖 を持 ってお り、集団 になると群衆 と しての癖が見 うけ られるよ うに なる。 これ らの癖 は本研究 にお い て空間の情報 と人 の行動 の特性 を考 えるうえで非常 に重要 な意味 を持 つ もの とい える。行動 の特性 としてのこれ らの癖 はこれ までの研究 か ら戸川喜久 二 によ り次 の ようにまとめられて い る。

●左側通行 人 は障害物 や危険 の ない道路 、歩行者天国、地下道、駅 の コンコース な どにおいて 自然 に 左側通行 となることが知 られてい る。一般 に人 の流 れが左 側通行 になるのは、路面 に対 す る 密度が0。 3人 /平 方 メー トル以上 になった時 とされてい るが、単独歩行 の場合 で も通路 の左側 を通る例が多 セヽとい う。

●左回 り 公園・遊 園地 。展 覧会会場等 にお いては、その歩行軌跡 が明 らかに右回 りよ りも左 回 り (反 時計回 り)の 方が多 いことが分 かってい る。 また、非常階段 において も、下 りにお いて

左 回 りになってい る階段 の方が安心感 もあ り、実際 に比 べ てみ る と右回 りの階段 よ りもず っ と速 く降 りることが で きることが 言 われている。

●近道 人間 は 目的 の一が はっき りしている場合、あ るいは移動す ることが目的である場合 に最短 経路 を選 ぶ傾向があ り。 目標物 か らで きるだけ離れない経路 を選択する。

● いの しし回 目的地 の場所が明確 でないとき、模索 しなが らそ こに到達 して、 また引 き返す とき、来 た 道 をた どって もどる傾 向がある。未知 の経路 を選ぶ よ り、 もと来 た道を引 き返 した り、 日常 よく使用す る経路 に よって脱出 を図 るとい う、災害時 の本能的な行動特性 の一 つ である帰巣 本能 も、 これに当たる。

10


3.研 究方法 に関 して

■3.1 実験 に用 いた3D仮 想空間 について ●gameso■ "Marathon"を 用 いた3D空 間 モデルの構築 本研 究 においては人の基本的 な行動 と外界 か らの情報の 関係 を探 るために、 要素 が少 な く、 また空間操作 が簡 単 に行 なえる利 点 を持 つCGに よる3D4E想 空 間 において実験 を行 なった。 現在 のパー ソナル コンピュー タの環境 においては、3D空 間モデルを コンピュー タ上に製作 し、 その空間モデル を様 々 な視点や角度 で見 る ことができるソフ トは数多 い ものの、あ らか じめ経路 と画角 を設定 した上 で初 めて空 間モデルの探索 が行 なわれるものが大半 である。本 研究 の実験 では3D空 間モデル内 を移動す ることか ら得 られる情報 によ り誘因 される行動 を探 るため に、被験者 が空間モデル 内 を移動 しなが ら次 の経路 を決定す る等 の意志決定が下す こ とがで きる ことが 求 め られたが、その要求 を満 たす ソフ トは最近 になってや っと登場 したば か りで、余 り自由度 がないのが現状 で ある。 こ う した中、今 回研究 の実験 で用 い たソフ トは、"Marathon"と して一般 には3D仮 想空間で のシュー テイングゲ ーム として出回って ものであるが、建築系、あ るいは造形 を目的 とした ソフ トで造 られた空間モデルが 、床、天丼、壁 、柱等 の、その空間を造 りだす ための「空間 の しきい」 を造 ることを目的 と してい るために、 どの視点 か らにおいて も造 られたオブジェ ク トとそれによって仕切 られた空間の一部 を眺め ているのに対 して、"Marathon"は ゲ ーム と し てプ レイヤーの移動空間 を造 ることを目的に空 間が つ くられているため に、「空 間の しきい」 ではな く、空間そ の ものが構築 されてい る。 例 えば建築系 の ソフ トによる モ デルが壁 を3Dで 板状 のソリッ ドな もの と認識 してモデル内 に存 在 しているの に対 して、"Marathon"に おいては壁 はプレイヤーの行動範囲 を仕切る面 と し て存在 し、実際 に2次 元 の面 で しかな く、厚 さは存在 しない。 これ らの違 い によ り、"Maraulon"は 他 の造形 ソフ トなどとは違 い、 リアル タイ ムな操作 によ る仮想 空間モデル 内 の移動が可能 になってお り、 また、空間モデルの構築 やその中でプ レイ ヤー の歩行速度等 の動 きをユーザ ーが変更 してい くための編集 ソフ トも、イ ン ター ネッ トで 簡単 に手 に入 る ことか ら、現時点 において比較的簡単 に内部空間におけ る歩行 実験 シユミ レ ー シ ョンを行 な うの に非常 に有用 なソフ トである と考 えられる。


以下 に本研究 で用 い た"Marathon"編 集用 ソフ トとその用途 を示す。

OMap Edlor ・ Pfhorte ver.1.Od16 1995 By Steve lsraelson ・ Pfhorte ver.1.Od25 1995 By Steve lsraelson

先 に述べ た3D空 間モデルを変更 、構築す るソフ ト。全 ての空間が多角形柱 によ り構成 され、 その 内面 にテクスチュアを貼 る ことで内部空間 として認識 される空 間モデルが造 られる。

OTexture Editor o Marathon Shape lnstallcr 2.Obl 1995 By Ke宙 n Bell

・ Pfhred versionl.3 1995 ByJeremy T,Parsons 上 のMap Editorに 使 われ るテ ク ス チ ュ ア、 またそ の カ ラ ー テ ー プル を変更 す る ソ フ ト。 ま た "Maraalon"内 に存 在 す るオブジ ェ ク トな どの 絵 も こ こで 変 更 す る こ とが で きる。

本研 究 で主 に用 い られ たテクス チ ュ アは実験 に用 い た空 間 モデル と共 に後述す る。

OPhysics Model Editor ・ Marathon Physics Model Editor vcrl.1 1995 Michael Hanson ゲ ー ム にお いては プ レイヤー 、 実験 におい ては被験者 の仮想空 間内 にお け る移 動、移動 速 度 、 そ の他 の物理 的特性 を変更 す る ソフ ト. 本研 究 では移動 速度 の変更、後 退 、横 歩 きの禁上 のほか 、被験者 が仮想 空間内 の移動 速度

を自由に変更 しやすいように変更 した。

12


■ 3.2 本研 究 の 実験 に 用 いた仮想空 間 にお ける移動 に伴 う特性 仮想 空 間 におけ る行 動 の ための操作 デ ィス プ レイに表示 される仮想 空 間内 での行動 を制御 す るため に、被験者 が操作 す る こと ので きる項 目は次 の 通 りで あ る。

○移動速度 の加速 (前 進)

/キ

ー ボ ー ド入力 (テ ンキ ー8)

この キ ー を押 し続 け る ことで一 定速度 まで加速す る。 キ ー を放 す と、 そ の 時点 での 速度 を 保 って等速移動 をす る。

○移動速度 の減速

/キ ー ボ ー ド入力

(テ ンキー5)

このキー を押 し続 け ることで停止 まで移動速度 をを減速する事が で きる。 また、途 中 でキ ー を放す と減速 され た速度 を保 って等速移動 をす る。

○停 止

/キ ー ボー ド入力

(テ ンキー0)

このキーを押すことで、どのような移動速度であってもその場 に停止することができる。

○視野の移動操作

/マ ウス操作

マ ウスを上下左右 に動 かす ことで視野を上下左右 に移動することができ、実空間で首 を回 すのと同様 の効果 を得ることができる。但 し、使用 ソフトの初期設定から移動方向は視野の 中心 と設定 されているため、左右方向に視野を変更す ると、それに伴 い移動方向も変更 され てしまう。また、上下方向の視野 は移動 に伴 い少 しづつ、強制的 に水平方向 に中心が来るよ うに修正される。

13


■3.3 アイマー ク レコーダによる視点 の抽出 本研 究 で は空間の持 つ情報が どの よ うに人 に受け取 られ、 またその情報 によ りどの よ うな 行動 の変化 が もた らされるかを明 らか にす るために、仮想空間移動時 の視線 の動 きをアイマ ー ク レコー ダによっ て記録 した。 ここにアイマー ク レコー ダの簡単 な原理 と、実際 に実験 に 使 用 した装置構成 を示す。

○ アイマー ク レコー ダの限球変異量検 出の原理 眼球 に前方 よ り光 をあ てるとその光 は角膜表面 で反射す るが、 この反射 は眼球内

(角 膜内

側 )に 虚像 となって光 源が縮小 され図3.3‐ 1の P点 に結像す る。 このP点 は眼球 が0点 を中心 と して θだけ回転す る とPに 結像点 が移動す ることになる。

図3.3‐ 1:眼 球変異量検 出 の原理

一 方、人 はものを見 るとき視力 の最 も優 れた中心禽 とその近傍 に像 を結 ぶ よ う視線 の方向 を変化 させ ていると言 われている。従 つてこの視線 の 回転 によつて得 られた光源虚像点 の移 動や

Pが 視野

(物 体 間)を 撮影 した距離 に等 しくなるよう撮影倍率 を合 わせると、見 てい

る物体 と虚像点 とを一 致 させる ことがで きる ことになる。 この虚像点 が一般 にはアイマー ク と呼 ばれて い る。 今 回使用 した装置 では、アイマー ク像 と視野像 を別 々の超小型 ビデオカメラで撮影 しこの

像をカメラ■ィ トロー ラで混合 させた後Vlは やモニターに出力されている。 アイマー クと視野像 とを合致させるための条件 は次の式で表される。

アイマーク移動量

(F)X工 学倍率 X電 気的倍率=視 点移動量

14


また、アイマー ク移動量 は限球 の形状 。大 きさ 。角膜 曲率半径 の違 い により個 人差 があ り、 その ため電気的倍 率 を各個人 に対 して調節す る必要 になっている。

●実験 に用 いる装置構成 今研 究 の仮想空 間移動実験 に用 い た装 置 の構成 は図3.3‐ 2の 通 りで ある。

17inch multiscan display

Apple Computer Power Maci

monltor

l

7100/80AV

l O video cassette recorder

camera controler

nac

eyemark recorder remote unit 図3.3-2:実 験 で用 い られた装置 の構成 アイマー クはカ メラコン トロー ラで被験者 の視野 の画像 と混合 され、vlRに て記録 され る。 また、 コンピュー タ上に表示 された画面 の経緯 はソフ ト"Marathon"上 で独 自の ムー ビー フ ァイ ル と して記録 され る。

15


● アイマー クの記録方法

V]Rに よ り記録 されたアイマー ク記録 を解析 す るために本研究 では次 の方法 でアイマー ク 位置 を座標 として変換 した。

Results window アイ マ ー ク レコー ダよ り 出力 され た映像

X 0 図3.3‐ 3:ア イマー ク記録方法 その1

記録 されたアイマー ク映像 を、Macintoshに 入力 し映像表示 ソフ トであるDesktopTVを 用 い て画面 上 に表示す る。 そのWindow上 にプロ ッ トす ることによ り座標 が記録す ることので きる ソ フ トNIH

Imageの Windowを

重 ね て ア イ マ ー ク を プ ロ ッ ト して い く。 こ の 時 の 座 標 は Window

左下 を原点 としX,Y座 標 は図3.3‐ 3に 示 した様 になる。 ビデオの映像 は コマ送 りで1/30秒 単位 で再 生す ることが可能 であるが、大量 のデー タを処 理す るため に通常注視 行動 に伴 う眼球運動 が0。 3∼ 0.35(1/3)秒 で ある ことか ら、その半分 で ある1/6秒 でアイマー クを記録 してい くこととす る。 ● アイマー ク座標 の修 正方法 記録 され たアイマー ク座標デー タは実験画像 との比 較 では次示す処 理 を して、その値 を修 正 した。 一つの空間 モデルにたい してアイマー クを記録 してい く際 に図3.3‐ 4の 番号 12,3,4に ある画面 の4 角 の点の座標 を記録す る。 これ らの座標 を基準 点 とし、表計算 ソフ トを用 いて画面 の傾 き、大 きさか らを修正す る ことか ら、実験画面 に対 し てアイマー クの位置 を定 めて解析 を行 なった

図3.3‐ 4:実 験画像 との対比 のための アイマー ク座標 の記録方法

16


● ア イ マ ー クの x座 標 の解析方 法

T字 路 における経 路 選択 と視 線 の配置 の関係 を探 る上 で、 アイ マー ク と実験画像 との対応 ではな く、 アイマー ク と実験 に用 い た仮想空 間 との対応 を解析 す るため に本研 究 では次 の よ うにアイ マー クを記 録 しデー タを解析 してい く。

アイ マ ー ク 基準点

空間 モ デル毎 に 2点 の 内識別 の

易 な ものを定 め て基点 とす る。

基準点 基準 点 アイマ ーク

4. 5. 6. 7.

246.00 110.00 426.00 255.00 119.00

4,l nn

262.00 117.00 112.00 255.00 127.00 llフ nn

図3.3‐ 5:実 験空 間 との対比 のためのアイマー ク座標 の記録方法 上 図 の よ うに左右 の壁面 と床 面 との境界 を基準点 として この2点 にアイマー クを加 えた3点 を1セ ッ トとして、 1/6秒 毎 の映像 に対す るその座標 を取 ってい く。 座標 を取 り始 める映像 は左右 の壁 のいず れかが視野画面 の範囲 か らでる コマ

(図 3.3‐ 5の 状

態)か らと し、Vl限 を逆再生 で コマ送 りしなが ら1/6秒 毎 に、その空間モデルの出発点あ るい は座標 を記録する コマの10秒 前 の コマ までの座標 を取 ってい くもの とす る。 こ う して得 られた座標 では移動位置 や視野 方向の違 いか ら被験者 によって基準点 の座標 に 大 きな差 がある。 これ らを比較す るため に2つ の基準点のX座 標 の差 をとり、その 中間点 を原 点 とした時の基準点 とアイマー クの座標 を求める。

17


こ う して得 られ た座標の値 の例 と して6セ ッ トの値 を表 にす るとは次 の ようになる。

表3.3‐ 1:基 準点 とアイマー クX座 標 の修 正 素デー タ 基 準 点

基 準 点 1‐ 2

368

ア イマ ー ク1

235

基 準 思 基 準 爪

修 正 され た ア イ マ ー ク

修 正 され た基 準 点

21

1‐ 1

bl 2‐ 2

362

ア イ マ ー ク2 基 準 点 3-1

‐ 61

226

基 準 恵 3-2 ア イ マ ー ク3

203

基 準 爪

4‐ 1

65

丞 理 点

4‐

2

‐ 65

203

ア イ マ ー ク4 基 準 点

5‐ 1

329

基 準 点 5‐ 2 ア イマ ー ク5 基 準 点

21

6‐ 1

基 準 点 6‐ 2

324

ア イマ ー ク6

3Uリ

‐DO

表3.3-1で は6セ ットのみの値 を挙げたが、 このようにして得 られたデータをグラフとして表 す と下図の様 になる。

口 寺間軸

肝播 斯 館飾 斯 S

時 間 (秒 ) ‐ 10 r

‐ 8

I r r r t r tr tl rllF r a

■■ロロ■ ・・

・・

■■

21ヨ 」

視野像 図3.3-5:修 正 された基準点 とアイマー クのX座 標 の例 この 図では空 間 モデルの壁面 と床面 の境界 を示す基準点が黒点 で示 され、アイ マー クのX座 標 が 自点 で示 され ている。 グラフのY軸 は基準点 とアイマー クのX座 標 を示 し0の 値 は正面 の 壁 の 中点 を示す。 またグラフのX軸 はプ ロ ッ ト数 を示 し、原点 が記録 を始 めた両壁面 が視野画 像内 に収 まる最後 のフレームでの基準点 とアイマー クの座標 であ り、X軸 を左 にい くに従 って 時間を さかのは った時点 での基準点 とアイマー クの座標 である。

18


図3.3.‐ 5か ら被験者 が時間の経過 に従 い対象空間のどの部分 を見 ているのかを提えることが できる。 このグラフでは基準点の座標 うち、正の値 を持つ ものが左壁面の座標 を表 し、負 の 値を持つ ものが右壁面の座標を示 している。 ここで示 された例においては視線 は最初右 の壁 面 に集中す るものの穏やかに左壁面へ と移行 してい く様子がわかる。

19


■ 3.4 視野画像 の差 分 による視野像変化 の定量化方法 本研究 は空 間 と人 間の行動 を比較 してその関連を探 るものであるが、その比較 のため に空 間を定量的 に表す方法 として、移 動す る主体 の視野像 の変化 の大 きさを数値 と して得 る方法 をと り、人間の行動 である視線 の配置や経路 の選択 との関係 を調 べ てい く。 今 回の実験 では仮想空間モデル内 で行 なうため視 野像 は実験 時 に被験者 が見 る画面 を記録 し、 その画像 の変化 の大 きさを図 ってい くもの とす る。 実際 に画像 の変化 を定量化す る方法 としては、 コンピュー タ上 にmovieフ アイル として保存 され た連続画像 において、図3.3‐ 4に 示 される様 な経緯 で数値化す る。

VTR映 像 等 か らコンピュー タ上 に保存 され たm ovicフ アイ ル を連続 した画像 フ ァイルの集合 と

してその前後 に隣 り合 う画像 との差 の値 を絶対 値 で表す画像 を画像処 理 ソフ トを もちい て 求 め そ の 画像 の色調 を反転 させ る。

画像 と画像 との差 はそ れぞれの絵 の粒 子 (ピ クセル)毎 にその粒子 の持 つ色 の濃 淡 を示 す値 (グ レー ス ケ ール な らば256階 調 )を 計算 す る も ::11:│■

ので粒 子 数 だけその結 果 の数値 が あ る。結 果 と

│:::::::::::::│:::::::::i:::::::

::li:│││││:│:::│:::::11::::::│:::lil::│:│::││:

して得 られ ら値 はその 数値 が大 きい ほ ど差 を比 較 した2枚 の画像 の変化 が大 きい こ とを示 す。

処 理 ソフ トによ り画像解像度 を減 ら し、差分 を取 った画像 の粒 子数 を12*16に 変更す る。 この "“

■‐1' 園囲 ""・ "“ “ “

0●

時複 数 の粒 子 の持 つ値 は平均 され て12*16の 粒子 の値 と計 算 され る。

図3.4-1:画 像 の差 分 の 数 値 化

画像処 理 ソフ ト、NIHイ メー ジを用 い て画像 の 粒 子 の持 つ値 を数値 に変換す る。

20


■3.5 街の景観 にお ける視野像 変化 の定量化 3.4で 述 べ た視野像変化 を定量化 す る方法 を用 い ることで複雑 で構成要素 の多 い街 の景観 を

定量化 し、評価 で きるのではないか と考 え、幾 つかの街 につい てケ ースス タデ イを行 なった。 1995年 度 日本建築学会梗概集F都 市計画 に「変化か らみた景観分析」 と して この成果 をまと

めたが、その概略 は以下の通 りで ある。

図3.4‐ 1で 先 に示 したもの、図3.5 ‐ 2で 示す よ うに、静上 した知 覚者 が変化す る対象 を知 覚す る もの と、 知覚者 が 自らの動 きにより静上 し 住 宅地 大倉 山‐

団地 辰 巳‐

た対象 を知覚す るものの二通 りを それぞれの手法 で、景観 の短時間 内 における刺激量 は、その時 間内 における知覚 された景観 の変化量 によるもの と して、商業地、住宅

月島‐ 長屋街

地 の14箇 所 のサ ンプル を通 し景観

秋葉原駅前2

の刺激値 を求め た。

図3.5-1:調 査対象地例

1)景 観 の変化 の抽 出

:

歩行者 の視点 として高 さ150cmに 固定 した ビデオによ り水平方向、道路 または歩道 と平行 に 撮影 した映像 を0.5秒 に1枚 の割合 で30秒 間分 (60枚 )の カラー デジタル画像 として コンピュ ― 夕に入力す る。それぞれの画像 につ き、 前後 一枚 の画像 との差 を絶対値 で抽出 した 画 素 数

画像 を得 る。

グン …

1)か ら道

(図 3.4‐ 1)

動諧 による変化の抽出 (通 路 )沿 い に短距離

:

(50cm)撮

影方向 に移動 した場所 で同様 にビデオを撮 影す る。そこで得 た映像 と、1)の 映像 につ 図3.5‐ 2:知 覚者 の動 きによる変化 の抽出 21


いて そ れ ぞれ移動 、運動す る要 素 を除 い た静止画像 を合成 に よ り作成 し、 そ の2枚 の 画像 の差 を絶対 値 で抽 出 した新 たな画像 を得 る。 (図 3.5-2)

●抽 出 された変化 、動 きの定 量化 差 の 絶対 値 と して得 られ た画像 の ヒス トグラ ムか ら、画面 の 平均 グ レイ成分 濃度 を得 る。 2 56階 調 に よる平均 グ レイ成分 濃 度 は変化 の強 さとそ の面積 か らな る、そ の 画面 の景観 の刺激 量 を表す もの と考 え られ、数値 が 大 きいほ ど変化 が強 い、 あ る い は変化 して い る面積 が 大 き い事 を示 して い る。 表 3.5-2:知 覚者 の動 きに よる刺激値

表3.5‐ 1:景 観 の変化 に よる刺激値

1

48.94 37.45 36.01 33.29

k葉 原 駅 前 2

33.12

― 侵 屋

「Ш

-41宅 地 1

月 島柳 小 路 1ラ

k: :原 駅 前

に倉 山 一住 宅 地 2 ]島

一 蘭 l占

411r

大倉 山 一商 店 街

1

1田 一 け l池 3

κ官 lШ

│‖

―簡

l占

tr2

―-1寸 けれ2

―団地 辰 巳 ― 団 地

秋葉原駅前

1

秋 栞 原 中央 通 り 大 倉 山 一 商店 街

1

k葉 原 駅 前 2 月 島柳小 路 月 島 一長屋

32.55 31.74 30.78 30.14 27.31 24.97

秋 ラ 原 中央 通 り

●知覚者 の動 きによ る変化 デ ータ

東J激値

束」激 値

―商 ―

14■r

,メ

19.27 13.33 13.12 12.68 9.54 9.35 8.65

41B― 団 地 3

大 倉 山 一商 店街 2 た倉

-4丁 宅 地 2

│‖

佃 ―団地2 ―団地

19.92

1

l地 2

1

19.69

壼巳 ―

2

18.55

に倉 出 -1王 宅 地 】

1寸

6.73 6.67 6.35 5.71 5.53 5,43

の結果 平均 の グレイ成 分 の濃度値 つ ま り 刺激値 を見 ると月島の路地 の景観 の値 が もっとも高 く、辰 巳 ―団地2 の値 が もっとも/Jヽ さい。 他 の場所 のデー タに比 べ て、中、 高層住 宅 である佃 ―団地、辰 巳 一団地 でのデー タが特 に小 さくな

っている事 がわかる。

---- El-fiI5fr ------ .EtEE

0 1

3Rle 型お暮

大倉 山 一商 一

10

15

20

25

∞ ∞ Ю

響お暮 含R,3 一

-----

5

10

15

20

25 (秒

)

図 3.54:刺 激値 の変化 パ タ ー ン

結果 この調査 からは差 の画像 のグ レイ

:刺 激値 の変化 パ タ ー ン

0

●景観 の変化 による変化デ ータの

tk*lFRtt2

成分 濃度 の値 は秋葉原駅前 1の 画像

d(*Hii|t

にお いて、最 も高 く、大倉 山 一住

/(ftltRit

宅地 1の 画像 の値 が最 も小 さか った。 人や車 の交通量 の多 い商店街、駅 前等 の場所 において グ レイ成分濃 度 は高 くなってお り、反面、人通

22


りの少 ない住宅地 では、 この値 は小 さい もの になってい る。 表 の値 は30秒 間、ω枚 の差 の 画像 のデー タを平均 したものを表 したものであるが、 その60 のデ ー タを経時デ ー タとしてグラフで表す と、図3.5-3、 図3.54の 様 になる。

図3。 5‐ 3は 大倉 山 一商店街、月島 一商店街、月島 一長屋 のそれぞれの30砂 間の映像 の景観 の 変化 による刺激値 を表 したものであるが、大倉 山一商店街、月島 一商店街 の二 つ の景観 のグ ラフは共 に歩行者等 によって幾 つ かの突出 した ピー クとなる値 を持 つ ものであるが、その山 は月島の街 の ものの方が明 らか に値 が高 いこ とがわかる。 これは、月島の撮影箇所 の道路 は2m程 の歩道を持 っているの に対 して、大倉 山の撮影箇所 にはそれがな く、月島では歩行者 が歩道 上に設置 された撮影器具 と近 い距離 です れ違 うのに 対 して、広 い道路 上で間隔 を開け てす れ違 う大倉 山 では、歩行者 による視野像 の変化 が力

S/Jヽ

さ くなるためであ る。

月島 一長屋 の グラフの値 は前 の二 つのグラフと違 い、突出 した ピー クの値 を持 たず平 坦で あるが、その値 は他 のグラフの谷 の値 よ り高 くな ってい る。 月島 一長屋 の景観 の変化 は、人や車 といった移動す るものではな く、風 による緑 やバ イク カバーの揺 らぎ等 によるものであ り、グラフにその変化 の性質の違 いが現 われた と考 えられ る。

また図3.5-4は 秋葉原駅前2、 秋葉原 中央通 り、大倉 山駅前 の映像 の もので ある。 多 くの人通 りの あ るこの三 つ の撮影箇所 には全 て歩道が ついてい るが、その幅 は秋葉原駅前2、 秋葉原中 央通 り、大倉 山駅前 の順 に広 くな ってお り、刺激値 のグラフにおいて もこの順 にグラフの山 と谷 の差 が激 しくな ってい くこ とが わかる。 特 に秋葉原駅前 2の グラフは谷 となる値 が高 く、高 い刺激値 を保 つ部分 がみ られる。 これは 秋葉原駅前 の調査 地 の歩道 が広 場 の様 に幅が広 く、多 くの人 の移動 による刺激が重 な り合 っ て、刺激値 の時 間 による推移 が 滑 らかな もの となったと考 え られ、月島 一長屋 と同様 に複数 の変化要素 による刺激値推移 のパ ター ンであるとい える。

23


● まとめ 知覚者 の動 きによる変化大 きさか らは建築等、構造物 の複雑 さを実際 の感覚 から逸脱 こ とな く示す ことがで き、実際 に認知 される空間の定量化 による評価 に新 しい可能性 を示せ た とい える。 景観 の変化 の大 きさとそのパ ター ンか らは歩道 の幅 による人の行動 とその視覚的影響等、 今 までの景観研究 のなかでは取 り上 げ に くい評価要素 を景観 の定量化 を通 して述べ ること がで きた。

この研 究 か ら人の視野像 の変化 がその場所 の雰囲気 に少 なか らず影響 していることが分 かるが、実際 にこの調査 において刺激値 と定義 したものが 、 よ り具体 的 にどの ように人 に 影響 してい くのか。 また、人 をどの よ うに誘導 してい くことがで きるのか等 は、都市 とい う数 え きれないほ ど多 くの要素 を持 つ空間においては実験 や評価 の行 な い よ うがないのが 現状 である。 本論文 においては、構成 要素 を単純化 で き、それ らの要素 の変更 が容易 なCGに よる空 間 モデルを用 い る実験 を行 な うことで、変化 の大 きさにより定量化 された空間が人の行動 に どの ように影響 してい るのかを示 してい くものである。

24


空 間移動時 の基本 的な視線方 向 の傾 向 仮想 空 間内 を移動 す る際 の基 本 的 な注視傾 向、 また空 間内 での被 験者 の課題 が注視 傾 向 に あたえ る影響 を調 べ るため 、予備 実験 と して次 の よ うな実験 を行 な い アイマー ク レコー ダに よ りその視線 方向 を記録 した。

■4.1 操作 の有無 に よる注視傾 向 の比較

●実験方法 経路 を選択す る必要 に伴 っ て どの よ うに視線方向 の傾 向 に変化 が見 られ るのか を調 べ 、 自 ら経路 を選択 し、操作 す る こ とがで きる場合 に どの よ うな空 間 の情報 を得 よ う とす る特 徴 が あるのか を探 るため に、次 の よ うな条件 にお い て実験 を行 な った。 実験 日時 :1995年 12月 被験者 :早 稲 田大学渡 辺研 究室 の 学生 3人 実験機器 は3.3で 述 べ た とお りの構成 で行 なった。 そ の時 の被 験者 に提示 す る画面 は被 験 者 か ら40cmの 位 置 に設置 され、被 験者 の 頭 の動 きを抑 えるため、被験者 には台 の上 に顎 を のせ て もらい、次 の順序 で 実験 を行 なった。

○十字路 を持 つ 空 間 モ デ ル 内 にお いて、 あ らか じめ直進す る行動 を記録 してお き、 その 再生画像 での 空間に対 す る被験者 の注視傾 向 を調 べ る。 この 時、被 験者 には通路 を歩 いてい るつ も りで画面 を見 て くだ さい と教示 す る。 ○ 同 じ空 間 モ デ ル内 にお い て 、十字路部 におい て被験者 に経 路 を選択 して もらった とき の被 験者 の 空 間 に対 す る被 験者 の視線 方向 の傾 向 を調 べ る。

図4.2-1:経 路選択のない場合 の視点の分布

図4.2.2:経 路選択を行なう場合の視点の分布


●実験結果 予備実験 として被験者3人 と極 めて小人数 の結果 ではあ り、それぞれ同 じ空間モ デ ルにお いてで も必ず しも同一の視線 方向 の傾向 を持 つ わ け ではない。 しか し、 ただ単 に動画 とし て空 間モ デル を移動 している画像 を見 ている場合 と、経路 を被験者 が 自ら選択す る必要が ある場合 との差 においては、次 のよ うな差 が見 うけ られた。 図4.2‐ 1、 図 の4.2‐ 2は 、それぞれある被験者 の経路 選択 の必要 のない動画 を見 ている場合 と、 自ら動 きを操作 し経路 を選択す る場合 の注視 点 の累積 で、 よ り多 く見 ている箇所 の色 が濃 くな っている。 左 図の経路選択 を行 なわない場合 の視線 方向が上 部 に集中 してい るのが分 かる。 この研 究 でのアイマー クを記録す る実験 では、場面 に対 して被験者 の頭 を固定す るために顎 を台 に乗 せて もらってい たが、そのために顎 を引 くことが難 しく、 どうして も顔 がやや上向 き になって しまうと考 えられる。視線 が上部 に集中す るのは顎 が上がった状態 で画面 の上部 を見 るほ うが 目が楽であ るのではない かと、被験者 の実験後 の ヒヤリングか ら予想 す るこ とができる。 しか し、右 図 の経路探索 を行 なった場合 の視線 方向 は画面中央近 くに集 中 してお り、左 右 の壁面 と前面 の壁面 の境界 の下部 と、前面 の壁面 と床面 の境界 に視線 が集 まる傾 向 が見 られた。 左右 の図 に見 られる差 に見 られるように単 に経路 を移動する動画 を見 る場合 と、能動的 に移動 を操作 し、経路選択 を迫 られている場合 の視線方向の傾向 には差 がある ことがわか り、移動 の視線 が視 覚対称 の刺激等 による限球 の不 随意運動 によるものだけでな く、空間 を把握 して経路 を選択 しようとする随意運動 による影響 も大 きい ことが分 かる。 また、経路選択 を行 な う場合 とに比 べ て、単 に移 動す る映像 を実験 の対称 と した時 はよ り対称 となる空 間 を受動的 に「眺 める」行為 が強 くなってお り視線方向 の傾向 について も、 よ り目の負担 の少 ないほ うへ 集 まるのではないか と考 え られる。

これ まで動 く視点か らの動 画 によ り注視点 のを抽 出す る研究 が い くつ か行 な われている が、現実 の空間においては意志決定 を伴 わない移動 や行動 は考 え られない ため、映像 を用 い た実験 の際 には注意が必要 で あるとい えるだろ う。

26


■4。 2 経路指定による注視傾 向 の比較 4.1で は画面 の移動 を操作 す る意志が視線方向の傾向 に影響 を与え ていることを示 したが、

ここでは、同 じ空 間モデル内 の移動 にお いて経路 を左右 に指定 された場合 の視線方向 の傾向 を調 べ ることで、人が「曲が る」 とい う行動 をとる場合 の基本的な視線方向の傾向を調 べ て い く。

●実験方法

T字 路 を持 つ左右対称 な空間モデル を実験 空間としてと して、4.1の 実験 と連続 して同 じ被 験者 に対 して以下 の ような順序 で実験 を進めた。なお、実験 に使 用する機器や設置 も4.1の 実 験 と全 く同様 に行 なってい る。

○被験者 が停止 してい る出発点 において、「通路 の突 きあた りを右 に曲がって くだ さい」 とい う教示 を被験者 に与 え、あ らか じめ経路 を右 と指定 してい る場合 の被験者 の視線 方向 を記録す る。

○次 に「通路 の突 きあた りを左 に曲がって ください」 とい う教示 を被 験者 に与え被験者 が上の教示 によ り右 に曲が ったもの と同 じ空間モデル を、今度 は経路 が左 に指定 され ている場合 の被験者 の視線方向を記録 し、曲が る方向 による視線方向 の傾向の違 い を 比較 してい く。

27


●実験結果 ここでは3つ の特徴 的 な空 間 における例 を挙 げ る ことで 左 右 に経路 を とった時 の視 線 方向 の傾 向 を述 べ て い く。

○基本 的空 間 モデル

図4.2‐ 1:空 間例 1の 視 野像

憮播責 館薄 狐Ox日鏑

図4.2‐ 2:右 折するように教示 した場合のアイマークの遷移

腱機 狂 館滋 責 Ox田鏑

‐ 10

時 間 (秒 )

8♂ 詢口f...」習 ロ

ロ ロ

■ロ

冒口ピ 1: Jコ

::』fユ

1ゴ

1::」

ロ ロ

図4.2-3:左 折するように教示 した場合のアイマークの遷移

28

1


○壁 面 に模様 の あ る空間 モ デル

図4.2.‐ 6:壁 面模様 の あ る空 間の視 野画像

辮 器 舟 館薄 所 Sx円 蒲

時 間 (秒 ) ‐ 10

...│:l口

..・ ...口 .」

g.....口

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口 ・ ■ ■告・ ・

.. 口 ・

ロ・ ロ・

口・ ・ 電】

図4.2-7:右 折するように教示 した場合 のアイマー クの遷移

辮 播 舟 館満 n Sx田 蒲

図4.2‐ 8:左 折するように教示 した場合のアイマークの遷移

30


肝播狐 館錨升Sx田蒲

・口 ・口

11:....

‐ 8

■■■ロ

口 ・ ・・ ・

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ロ ・ ・ ・・

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図4.2-4:右 折す るよ うに教示 した場合 のアイマー クの遷移

︲ 0 口 ︲ ・ ¨

=コ

膳 播 斯 館飾舟 Sx田蒲

時間 (秒 ) ‐ 8 日 ● 口 ■ ■ ■ ■ ■ ■口 ■ 口 ■ ロ ロ ロ・■

く5ロ

ロ......ロ ロ04・

・・ ・ 1211」 ・ 1=・

」11 口 :Fセ

LEttL..口 ..口 ■ ...._..Elヨ Ll口 .ロ

図4。 2‐ 5:左 折するように教示 した場合のアイマークの遷移

29


○壁面 に凹凸のある空間モデル

図4.2-9:壁 面 に凹 凸 の ある空 間 の視 野画像

牌驀n 館飾獨sx円蒲

・ ・

-19口 .ロ

ロ ロ

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6口

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口 ・ ・・・・ ・ ..ロ ロ ・・ ...ロ ・

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図4.2‐ 10:右 折するように教示 した場合 のアイマー クの遷移

ЮじF

肝轟 濤 ”飾 所 Ox田蒲

‐ 8 ロロ1● │● │口

‐ 6 ■口■ロロロ

│口

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・ ・ ダ百 ぜJ口 童 「 .口

図4。 2‐ H:左 折するように教示 した場合のアイマークの遷移

31


○基本的空間 より 図4.2-4、 図4.2-5は 図4.2-2、 図4.2‐ 3と 同 じ空間に対 す る別 の被験者 のアイマ ー クの傾 向 を 示 したものである。 図4.2‐ 2、 図4.2‐ 3は 空間を移動する初期 か ら、曲が る方向の壁面 と正面の壁面の境界 に視 線 が集中 してい る。 これは他 の空間、被験者 において も多 く見 られた傾 向 で ある。 それに対 して、 図4.2-4の 被験者 は途中までは進行方向 である正面 の壁 をみてい る。 また 図4。 2‐ 5で は最初 の うちは右 の壁側 に視線が集 まってい る。 この 曲が る方向 と反対 の方向 に 最初視線 が集 まる傾向 も他 の空 間 において も共通 して見 ることがで きる もので ある。 いず れの もの も分岐点 にある程度接近す ると教示 されて曲が る方向 に視線 は集 まってい ること が わかる。

○壁面模様 のある空間よ り 図4.2‐ 7、 図4.2-8共 に左右の壁面 と正面 の壁面 の境界 に視線が集 中 してい る。 この傾 向 は 実験 を始 めてか ら時間が経 つ程多 く見 られ るようになる傾向 である。

○壁面 に凹凸の ある空間より 図4.2‐ 10は 図4.2‐ 7と 同様 に左右の壁面 と正面の壁 面 の境界 を中心 に視線 が集 中す るが 、前 に挙 げた二 つの例 に比 べ て、視線が右 の壁面 に注が れてい る割合 が多 い。 また、 図4.2-11は 図4.2‐ 5と 同様最初 は教示 された方向 と反対 の壁面 に視線 を集中 させ てい るが、分岐点 に近づ くと教示 された方向 で ある左 の壁面 と正面の壁面の境界 に視線 が集 中 す るようになる。 この よ うに途 中で その視線 の配置が変 わる時 の多 くの場合、 かな り近似 した箇所 で その視線配置 の転換が おこってい る傾向 が認め られた。 との ことについて注 目 してこの後 の研 究 を進めてい くもの とす る。

32


■4。 3 予備実験 を通 しての実験方法に関する考察 予備 実験 として行 なった、被 験者 の行動操作 の有無 と視線方向 との比 較実験 、経路指定 と 視線方向 の比較実験 を通 して、基本的な視線方向の傾 向 と共 に実験方法等 に関 して幾 つ かの 問題点 がある こと もわかった。 ここではそれを明 らかに してい くと共に、本研 究 の 目的 で あ る空 間 による被験者 の視線方向 と経路選択 の誘導の関係 を明 らかにする上で今後 実験 をどの ように行 ない解析 してい くか につい て述べ てい くもの とする。

アイマー クによる視線 方向の検 出 では、先 に述べ たように上方 に視線 が集 まる傾向 も見 ら れた。頭 を固定す る際 に顎 だけではな く額部分 も固定する ことが特 に長時 間に及 ぶ実験 にお いては必要 であるようであった。 しか し、それにはかな り大掛 か りな装置 が必要 にな り、 ア イマー クによる調査 の難点であ る とい えるだろう。 また、 アイマー クの調査 を行 な っている うち に、画面 のY方 向、 つ ま り縦 の方向 に実際 の視 点 の方向 とず れやす い傾向があ った。画面 上の一点 を指 し示 して そ こを注視 して もらい、ア イマー クと一 致す る ように機器 を調整す るのであるが、実験途中で 同様 に画面 の一点 を注視 して もらい アイマー クと比較す る と、X方 向 に対 しては誤差 が少 ない ものの 、Y方 向 に関 して は大 きな差 がある ことも被験者 によっては起 こった。 これは時間がたつ に従 って ゴー グル状のアイマー ク レコー ダが上下にずれて しまうことに よるもの と考 えられ る。本研究 が被験者 がマ ウスやキー ボー ドを用 いて移動 を制御する動 き を伴 う実験 を中心 と してい るこ とと、実験 が長時間に及 びがちであったことか ら特 にこの傾 向が顕著 であった と思われる。

これ らの ことか ら、現在 の調査機器 ではY軸 方向の正確 なアイマー クをえる ことは難 しく、 今後 の実験 では特 に画面 の X軸 方向 に注 目 して解析 を行 なってい くもの とす る。

33


仮 想空間 モ デ ル にお け る経路選択 と注視 の傾 向 ■

5。

1

実験方法

28の T字 路型 の空間モデル におい て被験者 に経路 を選択 して もらい、その傾 向 とアイマー ク

を記録、それぞれの空間の差 か ら空間 と経路 の選択、 また視線 の配置 の傾向 を探 る。空間モ デルは色 による意識の違 いの 要素 を取 り除 くために、 グ レイスケ ールでのモデル とした。 空間 モデルにお け る空 間の差 としては ,壁 の模様 の有無 ・壁面 のテクスチュアのの濃淡 ・壁 の凹凸 の有無 ・T字 分岐点 での角度、

が ある。それぞれの空間 モデルはその経路選択傾向、視線 配置傾

向、等 の結果 と共 に資料 と して巻末 に示す もの とす る。

●被験者 について 1995年 12月 か ら、1995年 1月 にかけて建築学科 の学生8人 を被験者 とし視線方向 と経路選

択 の傾向 を実験 によ り調査 したが、その うちアイマー ク レコー ダでの計測 との相性 か ら5人 を視線方向 の計測 の有効 サ ンプルと して視線 の方向 を解析 した。

●実験条件 ○被験者 と提示画面の位置関係 被 験 者 と 提 示 画 面 の距 離 約

実験 はMacintoshコ ンピュー タと17inch デ ィスプ レイを用 いて行 な った。提示画 面 と被験者 の距離 は約40cmと す る。その とき画面 の両端 と被験者 の限 の作 る角度 は約40° になる

(図 5.1‐ 1)。

へ アイ マ ー ク レコー ダか ら ○被験者 の教示 出力 され る画像 の 被験者 には

実験時 の最初 に、空間モデ

視野角 約 60°

提示 画面 に対す る被験者 の視 野角 :約 40°

40cm

ル を示 しなが ら「 この空間モ デルはT時 路 になってい ますので、突 き当た りで左 右 に経路 を自由 に決めて進 んで ください」 とい う教示 を行 なった。

図5。 1‐ 1:被 験者 と提示画面 の位 置 関係 34


●実験結果 の解析方法

○視線方向 の解析方法 アイマー クによる視線方向 の抽出方法 とその解析方法 は、前章 で述 べ た とお り画面 のY 軸方向 つ ま り縦方向 に対 して、今 回の実験 にお いて余 り主だ った傾向 を持 ってい ないこ とと、その信頼性 に問題 があることか ら、画面 の左右 となる X軸 の方向の値 に注 目 して 解析 してい くものとす る。詳 しい解析方法 につい ては3.3「 アイマー ク レコー ダによる視 点 の抽出」 のなかの「 アイマー クの x座 標 の解析 方法」 で述 べ たとお りで ある。

○視野像 の変化 の時間推移 この実験 において28の 空 間モデルにおいての結果 を比較す るが、それ らの空間 モ デル を定量的 に捉 え解析 してい くために、3.4で 視野画像 の差分 による視覚的刺激 の定 量化方 法 で述べ たよ うに連続画像 において隣 り合 う画像 との差分 を取 ってい く。今 回の実験 に おいては次 の ように解析 を進めていった。

M ・ 連続画像 はで きるだけ視 野 を動か さず、通路 の 中央 を歩 くよ うに した移動 の記録 を “ aratton"の フアイルと して記録 し、再生動画 をVηRに 一度記録す る。

・V]限 に記録 した動画 を コンピュー タに取 り込 み、 1秒 に3枚 の割合 で連続画像 を作 って い く。 この時、通路 の始 ま りの部分 か ら、アイマー クによる視線方向 の時間推移 の記 録同様 に左 右 の壁が視野像 に映 らな くな る所 までの画像 を有効範囲 として この解析 に 用 い る もの とす る。

・ 連続画像 か ら3.4で 述 べ た方法 で隣 り合 う画像 との差分 の画像 を作 り、変化 の大 きさを 示す 12× 16イ 固の数値 デ ー タを得 る

。12× 16個 の 数値 デー タを左 半分 と右半分 とで足 し合 わせ、左右 の変化 の大 きさを示す 値 を得 る。

35


この よ うに してえ られた値 をグラフに 変 化 の大 き さ

すると次 の よ うになる。

X軸 は時間を、Y軸 は変化 の大 きさを 示 している。 この グラフでは時間軸の0 は視線方向 の時間推移 と同様 に左 右 の 壁面が視野像 に映 らな くな った時点 を

-3

‐ 2

0

不 してい る。 左 のグラフでは T字 路 の交差 点 に近

図5.1‐ 2:視 野像 の変化の時間推移の例

づ くと視野像 の左側 が右側 に比 べ て変 化が大 きくなってνヽくことがグラフか ら読 み取 れる。

■5。 2 各空間 モデル別 の実験結果 各空間モデル別 にその空 間 の概要 と実験結果 を巻末 に資料 として示す。資料 では28の 各 空 間モデルについ て以下 の項 目を示す もの とする。

○空間モ デル に用 い られた各壁面 の テクスチュア ○空間モデルの平面 ○視野像 の変化 の推移 ○実験 によ りえ られた被験者別視線方向 と選択 された経路 ○実験 によ りえ られた経路選択傾向

36


■5.3 各空 間 モデルにお ける経 路選 択傾向 の比較 ●左右 均等 な丁字型空 間 モデルの経 路選択傾向

空 間1

左右均等 な T字 路 において どの ような経路選択 の傾 向が

経路 選択傾 向

あるのか を調 べ ると次 の よ う

左 5右 2

になった。 空間1、

2、

3は それぞれ左右

の壁面等 の条件 は一緒 である が、空間1が 天丼高2.7mに 対 して空間2で は天丼高約4m、 空間2

空間3で は天丼高5.4mに なっ ている。

経路 選択傾 向 左 3右 4

そ の結果、空間 1で は左 に経 路 を取 る人が多 い が、空 間2、 3で は被験者 の選択 した経路 は

左右 に分 かれ た。

空 間3

経路 選択傾 向 左4右4

37


● T字 の傾 きによる経路選択傾向

空 間4

T字 路 が 直角 に交差 せず に、 緩 い傾 きを もって交 わってい

経路選択傾 向

る場合 の経路 の選択傾 向 は空

左0右 8

間4に お い ては右 、空 間5に お セヽ ては左 とい う よ う に曲が る 傾 きの角度 が浅 い 方 向 に経路 を選択 す る傾 向が明確 に現 わ

空 間5

れた。

経路 選択傾 向 左 7右 0

● T字 の傾 きの強 さによる経路 選択傾 向

空 間6

空間6は 空間4に 比較 してT 字 の傾 きが さらに強 くな った

経路 選択傾 向

ものである。空間4同 様 に右 に

左 3右 4

経路 が集 中す るのではと予想 されたが、左 に経路 を選択す る人 も多 く、 ほぼ 中立 の傾向 となった。

38


●左右 と前面の壁 の 明暗 による経 路選択傾 向 空 間7

この三 つ の 空 間 モデルは直角 に交差 す る基 本 的 な T字 路 を

経路選択傾 向

持 つ もので あ るが 、空間7と 空

左 6右 1

間8は 前面 の壁面 の テクス チ ュ アが異 な り、空 間8と 空 間9は 左右 が逆 になったモデルで あ る。

空 間8

空 間8と 空 間9よ り白い壁 面 の方 向 へ 経路 を選択 して い る

経路 選択傾 向 左 6右 1

傾 向が わか る。 この傾 向 は左 の壁面 と前面 の壁 面 の テクス チ ュ アが同 じ なため、境界 が 明確 でない 空 間7に お い て も共通す る もので

空 間9

あ り、単純 に左 右 の壁面 と前 面 の壁 面 の境界 の 明確 さが経

経路選択傾 向

路 を誘 導 して い るのではな い

左 1右 6

ことが分 か る。

39


●縦縞 模様 のテクスチ ュア を持 つ 壁面 に よる経路選択傾 向 空 間10

空 間 10∼ 空 間 13は 直交す る T 字路 を もつ 空 間 モ デ ルで 、左

経路線択傾 向

右 のいづ れか に縦 に縞模様 の

左 8右 0

入 つたテクスチ ュ アを もつ 壁 面が入 つてい る。 傾 向 と しては空 間 12を 除 い て他 の三つの モ デ ル にお い て

空 間 11

は、縞模様 の テクス チ ュ ア を 持 つ壁面 の 方向 に経路 が選 択

経路選択傾 向 左 1右 7

され てい るのが わか る。 空 間 12は 他 のモ デ ル と比 較 して唯 一 白い壁面 と縞模様 の テクス チ ュ アを もつ壁面 の 組 み合 わせ を持 つモ デ ルで あ る が 、 そ のためか唯 一経路 選択

空間 12

で 中立 の傾 向 を示 した。

経路選択傾向 左4右4

空 間 13

経路選択傾 向 左 1右 7

40


●上縁 に模様 を持 つ壁面 に よる経路選択傾向 空 間 14

空 間 14、 空 間 15は 左右 の壁 面 の上縁 に三 角 の模様 が あ る

経路選択傾 向 左6右 1

壁面 を もつ 空 間 モ デ ルで あ る。 この二つの 空 間 モデルの 実 験結果 か ら、模様 を持 つ壁 面 がその壁面 の あ る方向へ経 路 を誘導 して い る傾 向 がみ られ

空 間 15

る。

経路選択傾 向 左 1右 6

41


●全面 に凹凸 を持 つ壁面 に よる経 路選 空 間 16∼ 空 間 19は 空 間 モ デ

空 間 16

ル を平面 で見 た ときに、壁 面 経路 選択傾 向

が凹凸 を持 ってい る直交 す る

左 5右 2

T字 路 をもつ モデルで、空 間1 6、

空 間17は 壁面全体 に、 また

空 間 18、 空 間 19は

T字 交差 点

近 くに凹凸 を持 ってい る もの 空 間 17

で あ る。 空 間 16、 空 間 17で は、やや

経路選択傾 向

凹凸 の ある壁 面 の 方向 へ の経

左 3右 4

路 の 選択が多 く見 られ るが 、 余 り強 い傾 向 を もた らす もの で はない よ うで ある。

●一部 に凹凸 を持 つ壁面による経路選択傾向 空 間 18

一 方、空 間 18、 空 間 19は そ れ ぞれ凹凸 の ある壁面 の 方向 へ の経路 の 選択 の傾 向 が強 く

経路選択傾 向

でて い る。

左 7右 0

空 間 19

経路 選択傾 向 左 0右 7

42


●交差部分 に欠 きを持 つ空間 モデルの経 路選択傾向 空 間20

空 間20、 空 間21は 傾 きを も って交差 した T字 路 の を持 つ

経路 選択傾 向

空間 モデルで 、図6.1‐ 1の よ う

左 1右 7

に曲が る角度 が急 にな る方向 の角 を落 と した平面 を持 つ 空 間 で あ る。 空 間4、 空 間5で 角 を落 とさ

空 間21

ない場合 は そ れぞれ 角度 が緩 やか になる経路 を選択す る傾

経 路 選択 傾 向

向があ ったが 、空 間20、 空 間2

左 6右 1

1で は角 を落 と した角度 が急 な

方向 の経路 を選択 す る傾 向が 見 られ る。

図5.3-1:空 間20の 平面

43


●傾 きの あ る T字 路 にお ける左右 の壁面 の明暗差に よる経路選択傾 向

空 間22

空 間22か ら空 間25で は傾 きを もって交差 す る T字 路 で左 右

経 路 選択傾向

の壁面 に明暗差 が あ る空 間 モ

左6右 1

デ ルで ある。空 間22、 23は 前 面 の 通路 が 時計 回 りに緩 やか に傾 い てい るモデルで、空 間2 4は 反時計 回 りに緩 やか に傾 い

空 間23

て い る空 間、 また空 間25は 反 時計 回 りに大 きく傾 い てい る

経路 選択傾 向 左4右4

空 間 で あ る。 これ らの結 果、左 右 の壁面 に差 が な い場合 の経路 選択 の 傾 向が空 間4、 空 間5に 見 られ る様 に傾 きの緩やか になる経 路 に集 中 して い るの に対 して、

空 間24

白い壁 面 が 角度 が大 きい経路 方向 にあ る場合 には、 そち ら

経路 選択傾 向

の経路 が選択 され中立 か、む

左 5右 2

しろ角度 の 大 きい経路 を選択 す る方 が多 い傾 向 となって い る。

空 間25

経 路選択傾 向 左 4右 3

44


●空間 による経路選択 の傾 向 の まとめ 空間モ デル別 に見 られ た経路選択 の傾向 をまとめると次 の よ うになる。

○全体 と して左折する経路 を選択す る傾 向 の方 が強 い ○傾 きを もって交差 した場合 は傾 きの緩やかな経路 を選択す る ○模様 の ある壁面方向 の経路 を選択する ○明 るい壁 の方向の経路 を選択する

全体 と して左1折 する傾 向 の方が強 い とい うのは、左右 ある空間モデル とその空間 と左右 対称 の空間を見 た場合 (例 :空 間23と 空間24)、 左折す る人の方 が多 い ことか らわかるこ とである。 これ らの経路選択 の傾 向 か ら人の経路 の選択が平面か らでだけ判断 されるものでな く、 同 じ平面 を持 つ空間で もその壁面 のテクスチェアを調節す ることで経路選択 の傾向 を誘導 で きる こと示 してい るい える。

45


■5.4空 間構成 に よる視野像 変化 の大 きさの 類型化 空 間を視 野像 の変化 か ら定量化 して空間 モデル と比 較す る ことで、 そ れぞれの 空 間 の構 成 に よる視 野像 の変化 の パ ター ンを挙 げ てい く。

5。 4‐

変 化 の大 き さ

1:空 間1の 視野像

●左右 の壁面 と前面の壁面 が同 じテクスチ ュア をもつ空間 モデル

左右 の壁面が同 じ条件 のため左右が同 じ傾向 を持 ち、 T字 路 の交差部 に近づ く に従 って緩 やか に変化 が大 きくなってい

‐ 2

-1

0

E]5.4-2 : 空 間 1の 視野像 の変化 の大 きさの推移

く。

変 化 の 大 き さ

図5。 4‐ 3:空 間8の 視 野像 ●左右 の壁面 のテ クスチ ュアが異 なる空 間 モデ ル

左 の壁 面 が前面 の壁面 と異 な るテ ク スチ ュ ア を持 ってい るため 、交差部 に

-3

‐ 2

4

0

図5.4-4:空 間8の 視野像 の変化 の大 きさの推移

近 づ い た際 の変化 の大 き くな り方 が右 側 よ りも急 にな ってい る。

46


変 化 の大 き さ

図5。 4-5:空 間4の 視 野像 ●緩 や か な傾 き をもって交差 す る 空 間 モデル

この例 では左 折 よ りも右折 の 角度 が 緩 や か になって い るが 、 この 場合左 の

_3

‐ 2

‐ 1

0

図 5.4-6: 空 間4の 視 野像 の 変化 の 大 きさの 推移

壁 面 の縁 が右 の そ れ よ りも早 く近 づ く こ とになるため、左側 の変化 が 大 き く なる のが右側 に比 べ て早 くな ってい る

変 化 の大 き さ

図5。 4‐ 7:空 間6の 視 野像 こ と力`わか る。 ●急 な傾 きをもって交差 す る空 間 モデル

この例 は上の 空 間 モ デ ル と比 較 して さ らに交差部 の角度 が急 な もの になっ

_3

2

‐ 1

0

図5.4‐ 8:空 間6の 視野像 の変化 の大 きさの推移

た空 間 モ デルで あ る。 その ため 、

47


変 化

図5。 4‐ 9:空 間 10の 視 野像

の 大 き

●縦縞模様 の あ る壁面 を持 つ 空 間 モデル

この 空間 モ デ ルは左側 に縦 縞模様 秒 を持 ち、移動 に よる変化 は とて も大

_4

-3

‐ 2

… 1

0

図5.4‐ 10:空 間 10の 視 野像 の変化 の大 きさの 推移

きい が、交差 部 に近づ く と逆 に変化 の大 きさがガヽさ くな ってい る ことが 図5.4-10か らわか る。

変 化 の大 き さ

図5.4‐ H:空 間 14の 視野像

●上縁 に模様 の あ る壁面 を持 つ 空 間 モデル

この空間モ デ ルは壁面 の上縁 に三角

_3

-2

‐ 1

0

図5.4‐ 12:空 間14の 視野像 の変化 の大 きさの推移

の模様 を持 つ ものであるが、変化 の大 きさをグラフでみると図5.4-12の 様 に余 りその差が見 いだせ ない程 の もの になっている。

48


変 化 の 大 き さ

図5.4-13:空 間16の 視野像 ●壁面 に全体 に凹凸 を持 つ空間 モデル

左 の壁面 に凹 凸 を持 つ空 間の視野像 の変化 は常 に左側 に大 きな変化 が認め られるが、変化 の大 きさが時 間の推移

‐ ‐ 秒5 2 -1 0 3 -4 図5.4-14:空 間 16の 視 野像 の変化 の大 きさの推移

に伴 い上下 してい る点が特徴 で ある。

変 化 の大 き さ

図 5。 4‐ 15:空 間 19の 視野像 ●壁 面 の一 部 に凹凸 を持 つ 空 間 モデル

交差部近 くに凹凸を もつ 空 間 の変化 の推移 は 図5。 4‐ 16の 様 に凹 凸 の ある右側 の変化 が左 側 に比 べ てか な り早 く大 き

_4

‐ 3

‐ 2

-1

0

図5.4‐ 16:空 間19の 視 野像 の変化 の大 きさの推移

くな り、 そ の まま交差部 にた ど り着 い てい る。

49


■5.5 空間モデル と視線方向 の関係

●各空間 モデルにおける視線方向の傾向の比較 予備 実験 での左 右が同 じ条件 の空間モデルにおける視線方向 の傾向 と同様 に、28の 空間 モ デ ルにおける視線方向 には、各空間 モデルに対 して被験者達 に共通す る厳密 な傾 向 とい うものは現 われず、、む しろ被験者 に固有 の癖 の方 が得 られた結果 に大 きく影響 している。 しか し、幾つ かの空間モデ ル に関 しては他 のモデルでの傾向 と比 較す ると幾 つかの特徴 が見 られるので、 それ らの特徴 を ここではあげてい く。

○傾 きをもって交差す る空間モデル にお ける特徴 空間5や 空 間26と いつた角度 をもって交差 してい る空間モデル において、図5.5‐ 1の 視 線方向 と選択 された経路 の様 に、最終的 な

(左 右 の壁面が視野像 に収 まる範囲 での)

視線 の方向 が選択 された経路 と逆の方向 である場合が何例 か見受 け られた。 これは直 交す る空間 モ デルにおい てはほ とんど見 られなかった傾向 である。

図 5.5‐ 1:空 間5に おける被 験者Eの 視線方向

1

50

向 方

た れ

b

].III.町

ロ デ

▲暴II棘撻

J. .F.“・ 叫 ‖ 田 ‖ 田 ・


○壁面 に全面 凹凸のある空 間 モデルにおける特徴 空間16、 空間17の よ う に壁面全面 に凹 凸 のある空間 は凹 凸 のある側 の壁面 に、他 の どの空 間モ デルよりも被 験者 の視線 が集 中す る傾向があ る。

(図 5。 5‐ 2∼ 5)ま

た、 これ

らの空間モデルにお け る視線方向の特徴 として、下 図 に見 られるように、最初 の段 階 では壁面 に視線 を向け ているが、通路 の 中央辺 りで横 の壁面から前面 の壁面 に視線 を 移す被験者 が多 い傾向 が ある。

7電 乳望憑 ヽ “ 電ず

図5.5‐ 2:空 間 16に おける被 験 者 Aの 視線方向

勝僣> ”議■0と円繭

簾警> ”壺丼0遷冊繭

図5.5‐ 4:空 間 17に おける被 験 者 Aの 視線 方向

図5.5‐ 3:空 間 16に お け る被 験者Eの 視線 方 向

図5.5‐ 5:空 間 17に おける被験者Bの 視線方向

51


■6.1 視線方向の「最終変動点」に関 して 視線方向のに関 して、途中までは個人 による差が大 きい ものの、最終的には選択 する経路 の方向へ視線 が集まる傾向がある。それまで逆の方向 に視線 が向いている 場合 でも、図5.5‐ 6に 見 られるようにある点を境 に選択する経路の方へ視線が向けら れ る。 そ こで視 線 を最終的 に選択す る経路 の方 向 へ 向 け る時点 に注 目す る こ とで 、経路 選択 と空 間 の関係 を探 る ことが で きる ので はないか と考 え られ る。

ここでは特 に眼球 の断続運動 による視線 方向 の急激 な変化 の地点 を次 の ように定義 膳播 舟 ”識 舟 9 爾 蒲   邸

して求めていった。

01フ レームで視線方向が左右 に入れ替わ るなど大 きな変化 で ある こと 空間14に おける被験者 Dの 視線方

騰播> ヽ議>S凶瞬前

図6.1‐ 7:空 間21に おけ る被験者 Cの 視 線方向

00.5秒 以上注視 した後 の変化 で あること ○ 上の条件 を満 たす最後 の変化 である こと

これ らを全 て満 たす変化 の始点 となる アイマー クを「視線最終変動点」 と定義 す る。

図5.5‐ 6∼ 8は ではそれぞれ縦線が ひかれ ている時点 がそれぞれの視線 最終変動点 となる。 これ らの引かれた線 と交 わる、

賠僻舟 ”飾> 0凶冊前

左右 の壁面 と前面 の壁面 の境界 を示す黒 点 は、「視線最終変動点」 における見 か けの前面壁 の大 きさを示す もので、 この 値 から前面の壁面か らの距離 を測 ること ができる。

図6。 1‐ 8: 空 間23に おけ る被験者 Dの 視線方向

52


得 られた「視線最終変動点」 を散布 図 とし て表す と図559の よ うにな り、それ を ヒス ト グラムで表す と図5.5‐ 10に なる。 これ らのグラフか ら視線 を最後 に動 かす時 110

点 は図 の ビクセル数 では、 まず70を 中心 に し

”    ”

薇ヘギヘヽ

て頻度 が もっとも高 い 山が見受 け られ、 また4 0‐ 50、

も高 い頻度 で現 われていることがわか

る。 この「視線最終変動点」 を空間におけ る 視野像変化 の大 きさと比較する と、ほt瑚野 像 の変化 の大 きさの傾 きが変化 す る点 に集 中 してい る。 このことか らも、視野像 の変化 が 経路 の選択 に大 きく関 わつていることが い え る。

図6.13:「 視線最終変動点」散布図

この「視線最終変動点」 は今 回の空間 モデ ルのス ケー ル を実空 間 に当てはめ ると、 ビク セル数70の 地点が前面 の壁面か ら約5mの 地点 である。

8888P=ま

ロョロ

デー タ区間 図6。 1‐ 10:「視線最終変動点」 ヒス トグラム

53


■6。 2 空 間 の もた らす経路選択の誘 導傾向

T字 路 におけ る経路 選択 に関 して以下 の こ とが基 本 的 にい うことが で きる。

○全体 と して左 折す る経路 を選択 す る傾 向 の方 が強 い ○傾 きを もって交差 した場合 は傾 きの緩 やかな経路 を選択す る ○模様 の ある壁 面 方向 の経路 を選択す る ○ 明 るい壁 の 方 向 の経路 を選択 す る

また、 ここで視 野像 の変化 の左 右 の大 きさ と経路 選択 の傾 向 を見 てい くと、以下 の こ と が基本 的 な関係 とな る。

○交差部 に近づ いてい くとき、視野像 の変化 の大 きい方向 に経路 をとる ○交差 部 に近 づい てい くとき、視野像 の変化 が大 きくなるのが早 い方向の経路 を とる

これ ら空間構成 か ら予想 される経路選択 の傾向 と、視 野像 の変化 か ら予想 される経路 選 択 の傾向 では本実験 では、ほ とん どの空間 モデルが一致す る。 しか し空間12(資 料 p25)と 空間13(資 料 p27)に お いて視野像 の変化 において は両方 とも右折 の傾向 となるべ き空間 モデルであるが、空間24は 空間構成か ら得 られる経路 選択 傾 向 である「明 るい壁 の方向 の経路 を選択す る」 とい う傾向 に従 えば左折す る傾向 になる はず である。相対 す る傾向が重 なった結果 この空間モ デルは中立 の傾 向 を示す結果 となっ た。

(図 6.2-1、

図6.2-2)

経路選択傾 向

左 4右 4

図6.2‐ 1:空 間 12の 視 野像

経路選択傾 向

左 1右 7

図6.2… 2:空 間 13の 視 野像

54


また、空間4と 空間6は 空間の構成 か らは共 に、傾 きをもって交差す る空間モデル と分類 されるが、空間モデル別 の経路選択傾 向 では、空間4(資 料 p9)が 左 に曲がってい く傾向 が強 いの に対 して、空間6(資 料 p13)は 中立 に近 い傾向 になってい る。 これ を視野像 の変 化 の大 きさから見 てい くと次 の様 に説明がで きる。

経路選択傾 向 図6.2‐

左 0右 8

経路 選択傾 向

3:空 間4の 視 野画像

左 3右 4

図6.2-4:空 間6の 視 野画像 大

変 化 の 大 き さ

変 化 の大 き さ

/1ヽ

_3

‐ 2

-1

図 6.2-5:空 間4の 視 野像 変化

_3

-2

‐ 1

0

図6.2‐ 6:空 間6の 視 野像変化

図6.2-4と 図6.2-5は 、 それぞれ空 間4と 空 間6の 視 野像変化 の大 きさの時 間推移 をあ らわ し た ものであるが 、 これ らグラフか ら空 間4に おい て も、空 間6に お いて も左側 の変化 の方 が 右側 の変化 に比 べ て早 く大 き くな ってい ることが わかる。 この差 は空 間4で は小 さい もので あ るが 、空 間6に お い てはその差 は大分 大 き くな ってい る。 これ らの ことと、傾 きをもっ て交差 す る空 間モ デ ルで 、他 のモデル には見 られなか った 最終 的 な視線 の 方 向 と、選択す る経 路 の不 一 致 の傾 向

(5.5 p50)考 え る と、次 の よ うに

考 え られ る。 空 間4に おいて も視 野像 の変化 か ら視線等 が誘導 はされ てい るが 、急 な角度 で 曲が る とい

55


う負荷 が大 きい ために、視線 と異 なる緩やかに角 を曲が る方向 に経路 をとって しま う。空 間6で は視野像 による変化 の大 きさの差が大 きくなるため によ り強 く行動 を誘導する ことが で き経路 を角度 が急 になる左 にとったのではない だろ うか。

これ らの例の様 に空 間の構成 による経路選択 の傾向 と、視野像 の変化 によるそれ とが相 反す る時 にはそれ らを打 ち消 し合 うことになって しまうが、誘導 したい方向 の壁面 を照 ら す ことで その壁面 を明 る くし、その壁面 と前面の壁面 との視野像 の変化 を作 ることな ど、 これ らをうまく組 み合 わせることで、人の行動 を有効 に誘導 で きるのではないかと考 える。

56


今後 の展望

○今 回、∝ による仮想空 間モデル内 を自由に動 き回る ことがで きる利 点 か ら "Marathon" をその メイ ン ソフ トとしたが、建築空間構築 のための ソフ トではないために幾 つ かの 制約があ り、光 な どを用 い た実験 はソフ トの制約 で行 なうことが で きなかった。

○ また、今回の ように移動 を被験者 に制御 して もらう実験 においては、その操作 の仕方 に慣 れが必要 で あるようで あ り、被 験者 が不慣 れなまま実験 を進 めたためか実験時 の 前半 と後半 とでは移動 ス ピー ド等 が大 きく異 なって くるな どの現象 がみ られた。

○本研 究 ではアイマ ー ク レコー ダを用 いての実験 を行 なったが、調整 の難 しさや、ずれ の問題 か ら、正確 な座標 を求めて評価 を してい く実験方法 には簡 易的 な ゴー グル型ア イマー ク レコー ダでは不十分 と思 われる。

○本研究 では非常 に単純化 され た空 間モデル内 のみでの傾向 となってい るが、変化量 に よ り空間を定量化 してい く手法 は、本来、複雑 に要素 が絡み合 っている空間を数値 に よる単純化 を行 な うことで、その空間を評価使用 とす る ものであ り、今後複雑 な要素 をもつ空間において も、今 回 の研 究 と同 じ傾向 となるのか等研究が進んでい くことを 望み ます。


いつ も慌 ただ しく最後 を迎える ことになるのは、私 の 日頃 の態度 にやは り問題 があるので しょうか。 「 自分 に取 って建築 とは何 だろ うか」 と考 え続 けて き たこの4+2年 間 も、やは り慌 ただ しか ったように思える ほど短 く感 じます。

いつ も建築 の計画 から離れが ちになる、私 の研究 を根 気 づ よ く適切 なア ドバ イス を して下 さ り続け た渡辺仁史 教授 をは じめ、 いつで も快 く相談 にの って くださつた博 士過程 の佐野 さん木村 さん、いつ も刺激 を与 え て くれ楽 しませ て くれる研究室の方 々、面 々に、最後 に感謝 の意 をここに示 したい と思 い ます。


■参考文献 ●「別冊サイエ ンス∼ イメー ジの世界」 ●「新建築学大系 ―H

日本経済新 聞社

環境心理」 彰 国社

●「新建築学大系 -13 建築規模論」

彰国社

●「か くれた次元」

エ ドワー ド・ ホー ル

●「情報工学講座 H

生体情報工学」 樋渡滑 ニ

● 卜HK情 報科学講座6 認識 と情報」

日高敏隆/佐 藤信行訳

渡辺茂

コロナ社 日本放送出版協会 岩下豊彦 /森 川 尚子訳

●「 ヒューマ ンスケ ール」 A.メ ラー ビアン著 ●「人間 。建築 。環境六書 3 ∼ 運動 と変化」 ●「色彩 と形態」磯貝芳郎

森政弘 他

彰国社

福村出版

●「岩波講座 ∼情報科学 -21 パ ターン認識 と図形処 理」 ●「岩波講座 ∼情報科学 -24 生体 にお け る情報処理」 ●「行動 の体系」

長尾真編 南雲仁 一編

クラー ク L.ハ ル 能見義博 /岡 本栄 一 他訳

●「空間デザ イ ンの原点」

岡田光正

●「人 の うご きと街 のデザ イ ン」

川島書店

誠信書房

理工学社

紙野桂 人 彰国社

●「認識 の分析」 エルス トン・マ ッハ 加藤 尚武他

編訳

りぶ らりあ選書

論文 ●「視覚環境 の評価 と設計手法 に関する研 究

(そ

∼視線検出法 による視覚環境 の評価 ∼

の1) 沢田英 一 、羽田義

清水建設研究報告

第58号

平成5年 10月

●「空間 シュミレー シ ョンの ための視知覚 の特性 に関す る研究」 松原雅輝 、松本直司

日本建築学会大会学術梗概集 1990年 10月


―資料 一 ∼ 仮想 空 間 モ デ ル にお け る経 路 選択 と注視 の傾 向 ∼


‐ 仮想空 間モデルにおけ る経路選択 と注視 の傾 向―

■表記方法 5章 で述べ られた実験方法 で28の 空間モデルにおいて被験者 に経路 を選択 して もらい、その結

果得 られた経路選択 の傾向 とアイマー クの記録 を、空間モデルの平面 タイプと視野像 の変化推

時 嗣

移 と共 にここで示す。

● この資料編 では以下の よ うな構成 で実験結 果 のデー タを示 す もの とす る。 ︱ ︲ 一 ⋮ ︲ ■■︱ ⋮ ︱ ⋮● ︱ ︲ ︰

1111■ 111111■ 11111111111■

麟 1配 ,11,1議 着

蔵:=る 1 ∼

一 要覆審 盤〓憲撻 薇鷲

蓋 を 51 図8‐ 1

1.空 間 モデルの番号。

2.被 験者 に提示 される視野像 。 3。

この空間モデルでの経路 選択傾向。

4.各 壁面 に使用 したTexmreの 番号。次 ペー ジにTextureと 番号 の対応 を示す。 5.こ の空間モ デ ルの平面 を しめす。上 の例のモデルでは直交す るT字 路 を持 つ空 間である。 6。

視 野像 の変化 の推移 を示 す。 グラフに関 しては5.1の 実験方法 を参照。

7.被 験者 の視線 の動 きの推移 を示す。 グラフに関 しては3.3の アイマー クの記録方法 を参照。 8.左 のグラフの被験者 が選択 した経路 の方向 を示す。 上の例 では左折 した ことを示す。

資料


Texmreと Textlre番 号

Texture no.l

Texture no.2

Texture no.3

Texture no.4

Texture no.5

Texture no.6

Texture no.7

Texture no.8

Texture no.9

Texture no.l0

Texture no.l I

資料


●空 間 1

変 化 の 大 き さ

経路 選択傾 向

-3 平面 タイプ

使 用 す るTcxture no.

1

‐ 1

図8-1-1:視 野像 の 変 化 の 推 移

時間 ゆ

‖ ■ ■ ■ ■ ■%│… 口電 I聟著│」 ■ ■ ■「 ■■ 8■ ■ ・ ■0■ 中●

ム T J

‐ 2

ぎ獨名ご

旧 き翻蹄弾TTFT瓦 戸 "■

"Jコ m"‖

".・

..11..≒

“ .

図8‐ 1-2:被 験者Aの 視線方向

﹁ 旦 ▼

辮橋 狐 館薄 舟 Ox田蒲 図8-1‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

3


▲ T J

図8‐ 1‐ 5:被 験者Dの 視線方向

資料

4


●空 間2

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

'{fHtSTexture

平面 タイ プ

no.

図8‐ 2‐ 1:視 野像 の 変化 の推移

■ 二 ▼

牌播 狂 館飾 Sx田蒲 図8‐ 2-2:被 験者 Aの 視線方向

可 ム ▼

腱檬 狐 館飾 斯 Sx円蒲

‐ 10

図8‐ 2-3:被 験者 Bの 視線 方向

資料

5


図8-2-4:被 験者Cの 視線方向

‖ ・ .… “ 曇‖ “ …刊ギ智 000語

=「

ar・ 000。

6… JEE●

・ ●甥 ぜ 40鰹 JI■

図8‐ 2‐ 6:被 験者Eの 視線方向

資料

6


●空 間 3

変 化 の大 き さ

経路 選択傾向

-3

'{€Hf

6Texture

no.

平 面 タイプ

‐ 1

‐ 2

図 8‐ 3‐ 1:視 野像 の 変化 の 推移

﹁ ュ 7

図8-3-2:被 験者Aの 視線方向

﹁ ュ 7

腱播 狐 館薄 n Sx田蒲 L ■ 1111 11l

図8-3‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

7


資料

8


●空間4

経路 選択傾 向

秒 ,5

Texture no.

平面 タイ プ

_3

‐ 2

-1

図8-4-1:視 野像 の 変化 の推移

司 旦 ▼

腱播 狂 館灘 nSx田蒲

‐ 10

図8-4‐ 2:被 験者Aの 視線方向

﹁ 1 7

辮 播所 館薄 狐 Ox田蒲

-10

図8-4-3:被 験者 Bの 視線方向

資料

9


図8‐4‐ 4:被 験者 Cの 視線 方向

図8‐ 4‐ 5:被 験者 Dの 視線 方向

﹁ 二 ▼

図8‐ 4‐ 6:被 験都 の視線方向

資料

10


●空 間 5

変 化 の 大 き さ

経路 選択傾向

秒 使用す るTexture no.

平 面 タイ プ

‐ 4

_5

‐ 3

‐ 2

-1

0

図8‐ 5-1:視 野像 の 変化 の 推 移

ム T J

腱播斯 館満 斯Ox田蒲

時間 (秒 ) ■・ ●u・ 0● ・ ● ‐ ■ 口 ● ・■ ■ ● 6● ・ 10 ■ ● 8● ■ .■ ■ 呻■ アロ "■

図8-5-2:被 験者Aの 視線方向

▲ T J

辮播 責 ”灘 狂 Sx円赦

‐ 10

図8-5-3:被 験者Bの 視線 方向

資料

H


図8‐ 5‐ 4:被 験者Cの 視線方向

鵬 扉 尋(1 静

.日

・ コ ● ● ロ ・】ず ・ ・ ・ ・ ● ● ● 口ロ ● ● ・

J・

04ロ

時間 ‐ .(秒 8

) .0。

図5,2‐ 5‐ 6:被 脚

ロ ・ 口 ● ・ ● ● ● 日 ● ● ● ● ● ● 日 ・ 0488■

:】

1」:・

の視線方向

資料

12


●空 間 6

変 化 の大 き さ

経 路 選択傾 向

‐ 3

使用 す るTexture no.

… 1

図 8‐ 6-1:視 野像 の 変化 の 推 移

J・

0町

LT・ ""・・・・

1:・ ‖‖ur.黙

J「 J」

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ...日 1回 ■ ■ ■ ■ ......」

El.口

・ 三

竃 1 7

腱播 斯 館飾 斯 Sx田蒲

平 面 タイ プ

-2

p

図 8‐6‐ 2:被 験者 Aの 視線 方向

▲ T J

膳播狐 館薄 , Ox日蒲 図8‐ 6-3:被 験者Bの 視線方向

資料

13


図8‐ 64:被 験者Cの 視線方向

▲ T J

図8‐6‐ 6:被 験れ の視線方向

資料

14


●空 間7

変 化 の大 き さ

経路 選択傾向

秒 使用す るTexture no.

平面 タイプ

_4

-3

‐ 2

-1

図8‐ 7‐ 1:視 野像 の変化 の推移

△ T ゴ

辮播 斯 館薄 所 Sx田蒲

-10

図 8-7-2:被 験者 Aの 視線 方向

▲ T J

辮摘 所 館薄狂 Sx日蒲

‐ 10

図8-7-3:被 験者Bの 視線方向

資料

15


‖ ‖ ・ ・ ・ "品 ・ L. ・ .二 .‖

図8‐ 7‐ 5:被 験者Eの 視線 方向

資料

16


●空 間 8 大

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

lfr.Hf

,6Texture no.

平面 タイ プ

-3

‐ 2

図8‐ 8‐ 1:視 野像 の変化 の推移

ム T J

辮 播 斯 鉾飾 斯 Ox田 蒲

… 10

図8-8‐ 2:被 験者 Aの 視線 方向

ム T J

辮 播 狐 館さ 所 Ox田殖

‐ 10

図8‐ 8‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

17


腱轟斯 館識狂Sx日前 図8‐ 8‐ 4:被 験者 Cの 視線 方向

牌轟所 館飾nSx日蒲 図8-8-6:被 験者Eの 視線 方向

資料

18


●空 間9

変 化 の大 き さ

経路 選択傾 向

Ifr.Ht

6Texture no.

平面 タイ プ

_3

‐ 2

‐ 1

図8‐ 9‐ 1:視 野像 の変化 の推移

時間 (秒 )

▲ T J

辮播舟 館飾n Sx田蒲

ぎ ・J♂

__...J口

‐ 10

図8-9-2:被 験者Aの 視線 方向

可 ュ ▼

憮播 舟 館飾 斯 SX円蒲

‐ 10

♂P五 亀呻 図8‐ 9‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

19


辮機舟 ”錨 舟 Sx日前

■ 町 ● LttL《 …“ 図8‐ 9‐ 4:被 験者Cの 視線方向

﹁ ュ ▼

図8-9¨ 5:被 験者Dの 視線方向

資料

20


●空 間 10

変 化 の大 き さ

経路 選択傾向

lfr.Ht

6Texture no.

平 面 タイ プ

_4

‐ 2

‐ 3

… 1

図8‐ 10-1:視 野像 の 変化 の推移

時間 (秒 )

_』

..・ ・

J♂

▲ T J

牌播升 館飾 資Ox日殖

■ ・ 8●・ ・ ・・

J・

図8-10‐ 2:被 験者Aの 視線方向

▲ T J

腱轟 斯 館錨 >Sx日前

‐ 10

図8‐ 10‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

21


■● ●●卜●■ ● ● ● │■ ぃ 中 ● 「 …

■.・ ■■口 口 日■ ■...・ ・ ・・ ・・

L・ LL....Lt

図 8-10‐ 4:被 験者 Cの 視線 方向

‥品.ム .、 暉 .口

図8‐ 10‐ 6:被 験者Eの 視線 方向

資料

22


変 化 の大 き さ

経 路選択傾 向

■ __■ ―中 ■

-3 使 用 す るTexture no.

平面 タイプ

‐ 2

/・

′ ・

‐ 1

図8‐ H‐ 1:視 野像 の変化 の 推 移

図 8-H-2:被 験者 Aの 視線 方向

可 ュ ▼

牌摘漸 館滋狐SX田蒲

-10

資料

23


﹁ ュ ▼

24

資料


●空 間 12

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

― ロー ■― ■― ■・ “

秒5

'{FHf

STexture no.

平面 タイ プ

‐ 4

‐ 3

´ ― 口・

‐ 2

´ ・

‐ 1

図8-12‐ 1:視 野像 の変化 の 推移

■ 二 ▼

肝播 斯 館飾 n Sx日蒲 ●コ ■ロ

図8-12‐ 2:被 験者 Aの 視線方向

▲ T J

資料

25

′ ・


疇‖

"口

]口 町 ・ Ъ

G=:・

rLЪ

贅・

:・

▲ T J

肝播舟 館飾 猜 Ox円蒲

‐ 10

』 年 LF

図8‐ 12‐4:被 験者Cの 視線方向

▲ T J

牌轟斯 館識 狂 Sx田鏑

‐ 10

図8‐ 12-5:被 験者 Dの 視線 方向

﹁ ュ ▼

図8‐ 12‐ 6:被 験者Eの 視線方向

資料

26


●空 間 13

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

[._._._._.―

ffiHf

STexture no.

平面 タイ プ

_4

‐ 2

‐ 3

/

・ 口″

‐ 1

図8‐ 13‐ 1:視 野像 の 変化 の推移

可 二 ▼

牌播斯 館滋濤Sx田殖

‐ 10

し ヽ ‐ ・ ヽ

﹁ ュ ▼

牌驀斯 館薄斯Sx日赦 ﹄ 口 ︰︰1︰︰︰︰1

図8‐ 13‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

27


時 間 (秒 )

牌器 狂 館滋

‐ 10

‐ 6.....● ●

, SX日鏑

時 間 FJ「 ご ぉ 撃口 …

﹁ 二 ▼

‐ 8

F

図8‐ 13‐ 5:被 験者Dの 視線方向

図8‐ 13‐ 6:被 験者Eの 視線 方向

資料

28


●空 間 14

変 化 の大 き さ

経 路 選択傾向

-3 使用 す るTexture no.

平 面 タイ プ

-2

-1

図 8‐ 14‐ 1:視 野 像 の 変化 の 推 移

牌驀 舟 館錨 舟Sx田蒲 図8‐ 14‐ 2:被 験者 Aの 視線 方向

肝播 所 館飾所 Ox田蒲 図8-14-3:被 験者Bの 視線方向

資料

29


▲ T J

肝播斯 館飾 斯 Sx目蒲

‐ 10

図8‐ 14-4:被 験者Cの 視線方向

牌橋 舟 館飾 斯 Sx爵鏑

-10

騰驀 責 館さ 狂 Ox田蒲

‐ 10

30

資料


●空 間 15

変 化 の 大 き さ

{Hrfl't,6Texture no.

-3

‐ 2

‐ 1

図 8-15-1:視 野像 の変化 の推移

平 面 タイ プ

・ ■ ・・ ・ ・ 口 ● ・16・・ ■ ■ ■■ 」 β 口 A... ■ ・ ・ ・・ ・ ・ 「

Sx田赦

1 二 ▼

辮播責 館薄

時間 (秒 )

_4

図8-15‐ 2:被 験者 Aの 視 線 方向

竃 二 T

肝播 舟 館薄 所 Sx日鏑 図8‐ 15‐ 3:被 験者 Bの 視線方向

資料

31


図 8‐ 15‐ 4:被 験者Cの 視線方向

憮 器 ” 館蒲

‐ 10

, Sx田 鏑

図8‐ 15‐ 5:被 験者Dの 視線方向

騰 播 狂 館飾 狂 Ox日 前

図8‐ 15‐ 6:被 験者Eの 視線方向

資料

32


●空 間 16

変 化 の大 き さ

経路選択傾 向

秒5 使 用 す るTcxturc no.

4

‐ 3

-2

‐ 1

図8‐ 16-1:視 野像 の変化 の推移

平面 タイ プ

ム T 亘

肝播 狂 館薄 狐Sx田鏑 図8‐ 16‐ 2:被 験者 Aの 視線 方向

鋼 ノ 口 「 町 静.‖ .“ ‖■ “ 帥

・ ・ ♂

09

可 ュ ▼

腱驀 所 館薄 舟 Sx口蒲

.間

(ll ●

ロ L ■ ︰︰︰︰︰

図8-16… 3:被 験者Bの 視線方向

資料

33


賠轟舟 館灘 舟 Sx日前 図8‐ 16‐4:被 験者Cの 視線 方向

﹁ ュ ▼

牌器斯 館飾猜Sx日前 図8‐ 16‐5:被 験者Dの 視線方向

▲ T J

肝犠 如 館戯滸 0遷圏魏

図8‐ 16‐6:被 験者Eの 視線方向

資料

34


●空 間 17

変 化 の大 き さ

経路 選択傾 向

"ロ

(fr')

11・ I口 滉 .Ш 口

‐ 2

‐ 1

J二 -,rrrrrtr.f

I‥

Ox田蒲

■ 1 7

腱器 狂 館飾

F+H

… 3

図 8-17‐ 1:視 野像 の変化 の推移

平 面 タイ プ

使 用す るTexturc no.

1偽

_4

図 8‐ 17‐ 2:被 験者 Aの 視線方向

△ T 轟

牌播 狂 館満 所 Ox田蒲

‐ 10

図 8… 17‐ 3:被 験者 Bの 視線 方向

資料

35


﹁ 二 ▼

肝警狂 館飾 狂 SX冊羹

‐ 10

図8‐ 17‐ 4:被 験者Cの 視 線方向

牌器 斯 館飾 狂 0と瞬鶏 図8‐ 17‐ 5:被 験者 Dの 視線方向

騰構 舟 館灘斯 S凶田鏑 図8・ 17‐ 6:被 験者Eの 視線方向

資料

36


●空 間 18

変 化 の大 き さ

経路 選択傾向

'{FHf

図8‐ 18‐ 1:視 野像 の変化 の推移

平面 タイ プ

6Texture no.

h●

■ ‖

▲ T I

牌驀 n 館飾 舟 sx田蒲

岬あ LEEI‖ "中

"‖

0000・ “ “

11.鴫

Ih.コ

L≒ 』

,.…

… ・ =・

図8‐ 18-2:被 験者 Aの 視線 方向 一

・ ・

▲ T J L ■ 11 1 1 l

図8‐ 18‐ 3:被 験者 Bの 視線方向

資料

37


図8‐ 184:被 験者Dの 視線方向

資料

38


●空 間 19

変 化 の大 き さ

経路 選択傾 向

'{FHf

6Texture no.

平 面 タイ プ

_5

‐ 4

‐ 3

‐ 2

‐ 1

図8… 19‐ 1:視 野像 の変化 の推移

膳 摘 責 館飾 狂 Ox田 殖

﹁ 二 ▼

牌器 狂 館飾 n Sx田鏑 図8‐ 19‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

39


辮播 猜 館飾 斯 Sx田菰 図8‐ 19-4:被 験者Cの 視線方向

"口

‖日

`口

"JJttJ・

Sx日前

助 ロロ

図8-19-5:被 験者 Dの 視線 方向

︱. ︱ 司劇﹁酬.

牌播斯 ”識 ,

謂 .T.1:口

牌播 舟 ”飾 舟 Sx田蒲 図8‐ 19‐ 6:被 験 者Eの 視線 方向

資料

40


●空 間20

変 化 の大 き さ

経 路 選択傾向

'{FHf

6Texture no.

平 面 タイ プ

_3

-2

‐ 1

図8‐ 20-1:視 野像 の変化 の推移

1 1 7

孵器 所 針戯 所 Sx日蒲

… 10

図 8‐ 20-2:被 験者 Aの 視線 方向

可 1 7

牌播斯 館識 狂 Sx日蒲

‐ 10

資料

41


﹁ 二 ▼

図8‐ 20‐ 4:被 験者 Cの 視線方 向

可 ュ ▼

図8‐ 20‐ 5:被 験者 Dの 視線 方向

﹁ ュ ▼

牌 機 狂 館飾

‐ 10

S遷瞬前 図8‐ 20‐ 6:被 験者Eの 視線方向

資料

42


●空 間21 大

変 化 の 大 き さ

経路 選択傾 向

/Jヽ

-3

使用 す るTexture no.

平面 タイ プ

‐ 1

‐ 2

図 8‐ 21-1:視 野像 の 変化 の 推 移

△ T 塵

牌 轟 斯 館薄 n Sx田 蒲

… 10

ム T ゴ

腱器 館薄 狐 Sx田蒲

‐ 10

図8-21‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

43


▲ T J

牌播 所 館飾 > Sx目蒲

‐ 10

図8‐ 21‐ 4:被 験者 Cの 視線 方向

▲ T J

牌 播 狂 館識 舟 Sx田 蒲

‐ 10

図8-21-5:被 験者 Dの 視線方向

▲ T ゴ

牌播 所 館識升 Sx日前

‐ 10

… …叩哺L珈 L≒ 1

図8‐ 21‐ 6:被 験者Eの 視線 方向

資料

44


●空 間22

変 化 の大 き さ

経 路 選択傾 向

-3 使用 す るTexture no.

平 面 タイ プ

‐ 2

-1

図8-22-1:視 野像 の変化 の推移

膳播責 館満 狐Sx田蒲

‐ 10

図8-22-2:被 験者 Aの 視線 方向

▲ T 亘

辮播 着 館飾 資 Ox田蒲 ﹄ ■ ︰︰︰︰︰︰︰︰︰

図8‐ 22-3:被 験者Bの 視線方向

資料

45


▲ T 〓

図8‐ 22‐ 4:被 験者Cの 視線方向

資料

46


●空 間 23

変 化 の大 き さ

経 路 選択傾 向

‐ 3

{H,Hf 6Texture no.

平 面 タイ プ

‐ 2

‐ 1

図8‐ 23‐ 1:視 野像 の変化 の推移

▲ T J

腱驀 斯 館灘

‐ 10

, Sx日殖

■ ロ

・ ・・・ ●■日●..Jョ

.......

図8-23-2:被 験者Aの 視線方向

﹁ ュ ▼

辮播狐 館飾

‐ 10

SX目菰 図8‐ 23‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

47


﹁ ュ ▼

牌 器 狂 館飾 Sx田 蒲 図 8-234:被 験 者 Dの 視線 方向

■ ュ ▼

肝播狐 館飾 斯 Sx日前

時 間 (秒 )

図5.2‐ 23‐ 5:被 験者Eの 視線方向

資料

48


●空 間24

変 化 の大 き さ

経路 選択傾向

秒 使用 す るTexture no.

平面 タイ プ

_3

-2

‐ 1

図8-24-1:視 野像 の変化 の推移

辟 播 斯 館飾

-10

, Ox田 蒲

図8‐ 24-2:被 験者 Aの 視線方向

辮 摘 舟 館錨

-10

, Sx田 鏑 資料

49


賠機舟ヽ戯狂0と樹前 図8・ 244:被 験者Dの 視線方向

資料


●空 間25

‐ 3

lfr.Ht

6Texture no.

平面 タイ プ

… 1

-2

図8‐ 25‐ 1:視 野像 の変化 の推移

﹁ 二 ▼

肝播 斯 館識 斯 Sx円鏑 図8-25-2:被 験者 Aの 視線方向

牌播 舟 館識 斯 Ox日蒲 図8‐ 25‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

51

変 化 の大 き さ

11114

経路選択傾 向


﹁ 二 ▼

図8‐ 254:被 験者Cの 視線方向

図8‐ 25-5:被 験者Dの 視線方向

図8‐ 25-6:被 験者Eの 視線方向

資料

52


●空 間26

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

'l{H-f

STexture no.

平 面 タイ プ

_4

‐ 3

‐ 2

‐ 1

図8‐ 26-1:視 野像 の変化 の推移

﹁ 二 ▼

膳 播 “ 館満 狂 Sx日 蒲

﹁ 二 ▼

牌 播 狂 館飾 狐 Sx田 蒲

‐ 10

図8-26‐ 3:被 験者Bの 視線方向

資料

53


﹁二▼

図8‐ 26‐ 4:被 験者Cの 視線方向

﹁ ュ ▼

図8‐ 26‐ 5:被 験者 Dの 視線 方 向

時間 (秒 )

図8‐ 26‐ 6:被 験者Eの視線方向

資料

54


●空 間27

変 化 の大 き さ

経路選択傾向

'{€Ff

,6Texture no.

平 面 タイ プ

‐ 3

‐ 2

‐ 1

図8-27‐ 1:視 野像 の変化 の推移

▲ T J

牌播 狂 館灘 , Sx田蒲 図 8… 27-2:被 験者 Aの 視線 方向

膳播 所 ”飾 斯 Ox田鏑

時間

(秒 )

図 8‐ 27‐ 3:被 験者 Bの 視線 方向

資料

55


▲ T J

牌機斯 鉾飾 斯Sx田蒲

‐ 10

図8-27-4:被 験者Cの 視線方向

﹁ 二 ▼

辟播狂 館灘 責 Sx田蒲 図8‐ 27‐ 5:被 験者Dの 視線方向

上 T J

肝轟 舟 館飾 > Ox田殖

‐ 10

図8‐ 27‐ 6:被 験者Eの 視線方 向

資料

56


●空 間28

変 化 の 大 き さ

経路 選択傾向

‐ 3

使 用 す るTexture no.

辮 警 狂 館さ 斯 Sx田 菰

]n.

図 8‐ 28‐ 1:視 野像 の 変 化 の 推 移

平面 タイ プ

T.乳

‐ 1

-2

.“

"“

Jur」 ・ “ コ “ “

J「

図8-28‐ 2:被 験者 Aの 視線 方向

腱播 斯 館飾 所 Sx田 蒲

-10

図8-28‐ 3:被 験者 Bの 視線 方向

資料

57


時 間 (秒 )

図8‐ 28-4:被 験者 Dの 視線方向

▲ T J

図8‐ 28‐ 5:被 験者Eの 視線方向

資料

58



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