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研究科建設工学
響
111渡 辺 =学 史研 究室
仁
修壬論 文
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第 0章
は じめ に
第 1章
問題 の所在
-2-
-3-
1建 築設計手法論 と建築計画学 2-Contextualismの 現在 第
2章
Digital Textualismの 定義 と方法論 1-Digital Textualismの 提案
-7-
2-Transrated Phenomenal Modelの 定義 3-Digital Textualismの 派 生す る社会 的背景
4-音 楽 にお け る記 譜法 第 3章
-11-
これ までの事例
1-環 境 工 学 的立場 か ら 1-環 境工学 2-)七 3-1獣
4-気 流 2-行 動科学 的立場 か ら
1群 集流動 の記 述 2-視 線 の考察 第 4章
-33-
今後 の展望
1-行 動科学が果 たす 役割 ∼ これ までの事例 をふ まえて 2-W.フ ォーサイ ス の方法 3-Operating Systemと して の建築 ヘ 4-手 法論 と して の Digital Textualismか ら 生 産 システム と しての Digital Textualism 第
5章
参考文献
-39-
1-駅 の 現 象 学 的考 察 2-都 市 が作 る行 動 現 象 の 固有 性 3-視 点 の 行 動科 学 4-Graphics Data
-42-44-50-54-
5-Digital Data
-56-
6-ヽ bと)り に
-70-
-
1
-
Digital Textualism
第 1部
Digital Textualism ―現象 学 か ら建築 設計 ヘ
第 0章
は じめに
Digial Textualism
は じめ に
今 日、我 々が建築設計を行 う際に必ず 陥 るひ とつの ジレンマ がある。しか も そ の事 について我 々 は長 いことさほど気 にもとめなかった し、もしか した ら意 識的 に無視 し続 けてきたのか もしれな い。それは我 々の設計手法論なるもの と 建築計画学なるものがあま りにも離反 しすぎて しまい、もはや 両者が接点 を見 いだせないのではないか とい うことで ある。 もちろん実際 の設計作業 において両者が歩み寄 りを見 せることは あるが、そ れは設計手法 に対 して隠れみ の的 に計画学が浮かび上が るという図式を呈 して いる。今 日の建築設計プ ロセスのなかで計画学が登場す る場面 を考 えてみると 大方 の場合、まず設計者 のなかであるイメー ジな り言 葉 とい った原型がすでに ある。つ ま り設計手 法があ らか じめ存在 しその遂行 のた めにつ じつま合わせ を す るのが計画学な ので ある。例 えば今 日人間行動のシュミレー シ ョンが行われ てるのは実際 に建築物 の幾何学的配置が決定 しその決定 を確認す る時 (あ るい はその決定 を正当化す る時)で あ り、階段、あるいはス ロー プな どの人間工学 的検証が行われる の も一連 の設計過程 の 中で の収ま りを求める時、まさにつ じ つ まを合わせる時 にだ け登場するのである。つま り実際の建築設計 のなかでそ の手法論 と計画学 は明 らかにヒエ ラルキー を持 って捉え られてきた。また現在、 計画学 の分野で盛んになって いる空 間認知 の研究は実際に存在す る空間をいか に記 述するかを求めるものであ り、建築設計を前提 に研究 され る事 はほとんど な い。 では今後 も設計手法論 と計画学 は現在のような関係で しか あ り得な いのであ ろうか。あるいは両者は共通 の言語で語 ることができるのであろうか。この間 についての方法論 を模索す ることが本論文 のテーマである。もちろん これまで にもこの間に関 して答 えようとした例 はあ り、それを参考 に しつつ前進 させよ うとい うもので ある。
ital Textualism
〓 早
■日︱
第
問題の所在
1-建 築設 計 手法論 と建築 計画 学 2-Contextualismの 現在
Digital Textualism
1-1
建築設計手法 と建築計画学
今 日、 建築設計 において建築設計手法論 と建築計画学 の離反があげ られ るが、 今後 も設計手法論 と計画学 は現在 のような関係 で しかあ り得な いのであろうか。 あるいは両者 は共通 の言語で語る ことができるのであろうか。両者 の差異 に注 目 したのが 1987年 にジ ョン・ ラングが著 した 「Creating Architectual Theory(邦 題 :「 建築理論 の創造」高橋鷹志監修 今井ゆ りか訳)」 である。そ の 中で ラングは 「実証的理論 と規範的理論」とのべて い る。ここで実証的理論 とは「現象あ るいは現象群 を説明す る科学的体 系」を指 し、規範的理論 とは「あ りうべ き概念 あるいはイデオ ロギ ー に基づいた哲学」を指 している。よって ラ ングの言葉 を用 いれば設 計者 の個人的哲学 に基 づ く設計手法論 とは規範的理論 に属 し、環境 に関わ る現象 を記述 し、説明す る計画学は実証的理論 に属すので ある。 具体的 には設計手法論、 建築計画学 とはどのよ うに定義 されるので あろうか。 設計手法論 とは建築家が独 自に担 っている主 張か ら展 開 され る理論である。こ の 目的は設計 の際 の指針や原理 を持 つ ことによって意志決定 のプロセスが単純 化 す ることに ある。そ してプ ロセス を単純化 あるい は記述可 能 にす る ことに よって建築家 は社会 に対 してその地位 を誇示す ることが 可能 とな ったとも言 え るのである。一 方、建築計画学 は人間 一環境 系 のなかでその関係性 を記 述す る 理論 であ り、本論 のなかでは建築計画学を人間行動 自身 の記述 をする行動科学 と人 間 に影響 を及 ぼす環境 自身 の記述 をす る環境 工学 とに分類 している。
実証論的理論
図 1-1 設 計手 法論 と建築 計画学
- 3 -
Digital Textualisln
では建築設計手法論 と建築計画学 の離反 は いかに生 まれたので あろうか。実 は建築設計手法論は建築計画学 の上 に成立 してお り、そ の逆が成立 し得 なか っ た という事実がある。つ ま り建築 家 は存在的 に計画学で培われた理論 を持 って お り、これ をもとに 自らの理論 を展開 していくのだが、ここで建築家が自らの 理論 を進めて い く上でさ らなる要求 を計画学 に求めな っかたので ある。計画学 も建築家が設計過程 で真 に必要 としている情報が何かわか らず、それゆえ設計 手法論 と計画学 は互 い に独 自の道 を歩んでいったのである。
- 4 -
Digital Textualism
1-Z
Contextualism
「コ ンテ ク スチ ュ ア リズ ム」と い う言 葉 は コー ネル 大学 の コー リン・ロ ウ の も とで 学 んだ ス チ ュ アー ト・ コー エ ン とステ ィ ー ブ ン・ハ ー トが 1960年 代 にま と め た 修 士 論 文 "Le Corbusier:The Architecture of city planning"(未 公 千J)で 最初 に用 い た もので あ る。そ して この 「コ ンテ クス チ ュア リズ ム 」 と い う言 葉 が 出現 した背 景 には 当時 の 都 市像 が 存 在 す る。「20世 紀 の 都 市 は廊 下 状 街 路 や グ リッ ド広 場等 を持 つ 伝 統 的 な都 市 と公 園 のな か の 都 市 との結 合 と して 作 られ る」 と い う都 市 像 で あ る。 伝 統 的 な都 市 とは、何 よ りもまず 建 物 の 連 続 的 な壁 面 によ って 限定 され た空 間 の体験 で あ リソ ッ リ ドな マ スか ら空 間が 切 り 取 られ る と い うな還元 的 な プ ロセ スか ら生 じる と考 え られ るよ うな体験 が あ り、 公 園 の 中 の 都 市 とはル・ コル ビジ ェが 提 案 した 「輝 く都 市」 の 様 に 公 園状 の 景 観 の 中 に孤 立 的 に建物 を 配 して い るた め 建 物 が 限定 も し くは暗示す る空 間 よ り も、 前者 のボ リュー ム の 方 を強 調 す る体 験 が あ る とされ て い た。そ して 「コ ン テ ク スチ ュ ア リズ ム 」 に は第 二 次 世界 大戦 後 の建 設 ラ ッ シ ュで "公 園 の 中 の 都 市"が 既存 の 伝 統 的 な都 市 を無 視 して 行 わ れ た反 省 が こめ られて い た。そ れ は 建 設 ラ ッシュ を押 し進 め て い く正 当性 を求 め る もので あ った と も言 え るので あ る。
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トリノの 市街地 の一 部
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図 1-3 ス トラスブール 計画 /ル ・ コル ビジェ
Digital Textualism
そ して この伝統都市 との結 合か ら生 じた 「コ ンテクスチュア リズム」に建築 的解答 を見 いだそ うとした のが R・ ベ ンチュー リ著述 の 「建築 の多様性 と対立 性」であると考 え られる。ベ ンチュー リは著書のなかで 「つ じつ ま合わせ 」 と 呼 んでいたのが 「コ ンテクスチュア リズム」であ りそれ によ り多様 性 と対立性 を求 めたのである。さらにベ ンチュー リは伝統的 な都市に対 してだけでな く既 存 の都市 に対 して もそ の解釈 を広 げた。そ して多 くの建築家が この拡張 された 解釈 を受 け入れ 「建築 の多様性 と対立性」以降、建築界には Textualismな る ものが これまで以上に蔓延 した と考え られる。 槙文彦 の提唱 したコレクティブ・ フォー ム もこの延長上にあると考 え られる。 しか しスチュアー ト・ コーエ ンとスティー ブン 0ハ ー トが提唱 した 「コ ンテ クスチュア リズム」もベ ンチュー リの解釈 の拡張性 も結局のところは 2次 元 的 なものに過ぎず結果 として建築 の形態論 のみ を拡張 したに過ぎなか った。この 「建築形態 の多様性 と対立性」のほ うが ことはベンチュー リ自身 も認めてお り、 適切 であった、と後 に述 べ 、ス ティー ブン・ハー トも「もし我 々の都市問題 (人 口過剰、交通、経済等 )を 一 瞬忘れ ることができるな ら、そ して現実 の うち 1 つのわずかな局面 だけを抽象化 してみるよ うな立場 に身を置 くな どということ が許 されるものな ら、現 代都市 の形状 (シ ェイプ)に 関する問題 をその機能 と 関わ りな く検証す ることが可能 となるだろ う。」 と述 べている。
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Digital Textualism
第 2章
Digttal ttextua‖ smの 定義 と方法論
1-Digital Textualismの 提案 2-Tralllsrated Phenomenal Modelの 定義 3-Digital Textualismの 派生する社会的背景
4-音 楽 にお ける記譜法
Digital Textuallsm
2-l
Digital― 丁extualismヘ
ベ ンチュー リ著述 の「建築 の多様性 と対立性」以降蔓延 した単なる形態論 の多様性 を導 く以上の Textualismの 探求 は今 日的な課題 の一つにな りうると 考 え られる。つ ま り形態 のみな らず、機能 的あ るいは現象論的なな問題か ら導 き出せ るよ うな Textualismの 探求 である。現象論的な問題は建築計画学 の得 意 とす るところであ り、そ のた め のス トックも多 い。そ こで現象 を記述する建 築計画学か ら設計手法論 とい うプ ロセス とい うものが考 え られる。これは今 日、 通例化 して しまっている建築設計手法論 と建築計画学 の 隔壁つ ま り設計手法 の 隠れみ のとしての建築計画学 とい う関係性 を打破する方法 として も捉えること R・
ができる。言 い換えれ ば新 しい Textualismを 通 しての み、 これまで分 断 され てきた設計論 と建築計画学 の橋渡 しをす ることが可能 となるのである。 現象学 は基本 的 には記述 を前提 とするためデ ー タ化 とい う形式をとり、その デー タは数学的には離散 と連続 の 2つ に分類す ることができる。建築計画学 も これ までさまざまな現象 を離散的な集合 としてあるいは連続的な数式 として説 明 してきた。 ここで 「連続 も離散 の一 部である」と考 えると、本来 離散的な状 態 を示す 「Digital」 という言葉 を現象学 に当てはめる ことができる。よって 計 画学か らの Textualismは 「Digital Textualism」 である。
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7
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と定義す ることができるの
Digital Textualism
2-2 Digital丁 extualismの 方法論
■ Translated
Phenomenal Modelの 定 義
Digital Textualismつ ま り現 象 学 か ら設 計 とい うプ ロセ ス を経 た 建築 を 過 去 の 事 例 か ら検 索 す る こ とは今 後 の研 究 過程 を考 察 す る上 で 非常 に有 効 とな り得 る。そ の 際我 々 が見 落 と して な らな い の は実 際 に 構 築 され た 建 築 よ りむ しろそ
の構築 に至 る過程 で 出てきたデ ー タな り数式 を表現 した 図である。実 はDigital Textualismを 考える うえでは実 際 の建築よ りもむ しろ重 要 で ある。ここで現象 を図 式 化 あ る い は デ ー タ化 し設 計 に使 え る様 に した もの を Translated
Phenomenal Modelと 定義す る。それは現象 (Phenomenal)を Translated (変 換)し たモデルで ある。
以上のように定義す ると計画学 の歴史 とは現象 の記述 の歴史 を考 察する こと に他な らな いのである。しか しここで考察 しな ければな らな いの は これまで 計 画学で求め られてきたTranslated Phenomenal Modelは あま りにも設計 で有 効なモデルではなか った ことで ある。それは Phenomenal Modelで あって設 計 のためにTranslated(変 換 )さ れた ものではなかったので ある。また 同様 な ことは設計手法に関 しても言及でき、 これまで多 くの建築家が 「モ デル」な る ものを提示 してきたが、それは各 自の哲学 にもとづいて Translated(変 換 )さ れたモデル であって Phenomenal(現 象)が 考慮 されることはほ とんどなか っ た。つま り設計手法論 と建築計画学 の離反 は Translated Phenomenal Model が構築 できなっかた ことにあると言 い うる。
ital Textualism
2-3 Digit洲 丁extuJismの 派生する社会 的基盤
新 た な Textualismの 可能 性 と して 考 え られ る Digital Textualismだ が これ まで に もそ の よ うな 例 が な か った わ けで はな い 。た だそ の よ う にカ テ ゴ ライ ズ す る基 盤 が な っか た ので あ る。 で は な ぜ これ まで 現 象 学 か ら派 生 す る 建 築 が 「手 法 」と して成 立 され なか った の で あ ろ うか。そ れ は 「建築 家 」と い う職 能 が そ の 「手 法 」 を許容 しな か った と考 え る ことは で きな い だ ろ うか 。 つ ま りこれ まで あ ま りに も広 く 「建 築 家 =形 態 を 与 え る も の 」 とい う図 式 が 成 立 して し ま った ので あ る。近 代 建築 の 巨 匠 と呼 ばれ たル・ コル ビジェ も ミー ス・ フ ァ ン・
デ・ ル・ ローエ も基本 的 には 「形態 を与 えるものJで あった。当然のことだが 建築が最終 的 には眼 に見 える秩 序 を扱 いその部分 のみが社会 に 開かれ るため、 その最終 アウ ト・ ブ ッ トだけが 「建築家」とい う職能 を成立させていた。建築 家が最終的なアウ ト・ プ ッ トのみ を 「形式」=「 設計手法論」 とす るのは建築 家が社会的地位 を保 つ ためには当然の帰着 であった ともいえる。それ故、建築 設計 の途 中段階で現れて くる現象学 で は 「手法」として成立 しなかったので あ る。 しか し今 日の建築家 ―社会 の関係 は変化 して い る様 に思われ る。これは建築 家 、クライ アン ト、ユーザ ー とい う図式 に置き換えて も良いが以前ほど明確 に この 3者 の 区別が付 かな くなって きて い るのである。特 に今 日では建 築家が ユーザ ー を特定す る ことはほとん ど不可能な場合が多 い。もはや 建築家が 自ら の職能 を社会 に対 して特権 的 に成立 させ ることはできず、そ のア ウ ト・ プ ッ ト である形態 を 「手法」として 自立させ る必要 もな いので ある。そ の代わ りに建 築家 に必要 とされるのが建築家、クライアン ト、ユーザ ー との間を埋める設計 「環境 の現象学」はこの 3者 に共通な言語 として も考 え プ ロセスの構築 である。 ることがで き、それを 「手法」として明確 にすることは建築 の社会的実践 を可 能 にする。
-
9
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Digital Textualism
2-4
音楽 における 記譜法 と演奏
建築 にお ける現象学 とその実際 を考察す る上で以前よ りそのプ ロセスを実践 していた分野が ある。それが音楽 の分野 で ある。現象 としての実際 の音 を記述 する音楽 の記譜法はそ の記録 と伝達 を形 式化するために存在す るが、それ故あ る種 の限定 を生 み出 して いる言 い得 る。 音楽理論家であるエ ルハル ト・ コル シェカの古典的な記譜法 に関する著書 「現代音楽 の記譜」では 「音楽 の記述は まず第一 には、よ り複雑 な音楽 を築 きあげ保存 し、伝 えるための手段である。そ の際にしか し、あるひ とつの記譜法 の技術的可能性はまた作 曲 という行為、い や、すべての音楽家 の音楽的思考全体 に影響 を与える。 こうしてす べ ての時代 にお いて 1つ の音楽作 品 とい うものの音響的、また図像的なあ り方 は特徴 を 持 つて結合 されているので ある。」と述 べ て い る。つ ま り記譜 法 自体がそ の反転 として、音実現 の可能範 囲、領域確定 を制限 してきたと指摘 しているので ある。 このことは環境 の現象学 を記述す る計画 学 にもある種 の限界がある ことを示 して いる。記述す るということが抽象化 をプロセスに持 つ以 上、その記述 され た図式 をみて もそれだけで実際の現象 を説明できな い とい う ことで ある。今 日、 計画学 の分野 で盛んに行 われている空 間認知 の研究 も基 本的 には実際 の空 間を 抽象化 して行われ るためそれだ けでそ の空 間を記述 した とは言 い切れな い。
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Digital Textualism
第 3章
これ まで の 事例
1-環 境 工 学 的立場 か ら 1-環 境 工 学 2-)そ
3-音 4-気 流 2-行 動科 学 的立場 か ら 1-群 集 流 動 の 記述 2-視 線 の考 察
Dieital Textualism
3-1
3-1-1
環境 工 学 的立場か ら
環境 工学 と建築設計
建築計画学 を環境科学 と行動科学 に分類 し、これまで建築設計手法 との相関 が強かったのは行動科学よ りむ しろ環境科学 であった。これにはテ クノロジー としての建築 という問題が考 え られる。建築 が 自然 と対立す るものだとよ く言 われるが、実 は対立 でな く制御 とい う様相 を呈 していた。中世 の教会 は内部空 間 に光 を持 ち込み、それを制御 し光 による空 間を演出 した。またル・コル ビジェ の提唱 した屋上庭園も自然 を屋上空間のなかで制御 しようとしたもので あった。 特 に最近よ く言われる言 葉 で 「エコロジー」 という言葉があるが、 これはこれ まで 自然 を制御す る空 間が内部であった のを外部にまで拡張 した ものと捉 える こともできる。建築 におけるテクノロジー とは制御す る技術であると捉 えるこ とができ、建築 にお ける環境科学 もこのような現象 の制御 という 目的で これま で発達 して きた。 ここでの建築計画学 と実際 の設計ではやは り設計が先 に存在 しそれを計画学 に当てはめ るという関係がほ とんどで、計画学はや は り隠れみの的存在 である 場合 がほとんどである。しか しこれまでそのよ うなプ ロセスをとった例が存在 す ることも事実である。つ ま り先に現象学的な初期条件が あり、それが設 計 の プ ロセス となった (も ちろん全ての設計プ ロセスで はな いが)例 である。以下 さまざまな現象 に対 して計画学的アプ ロー チか ら設 計手法へ と展開 した実例 を みて い く。
図 3-1 円柱後 のカル マ ン渦列
(ス
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Digital Textualism
モークワイヤ法 )
3-1-2
光 :Light
■ 建築 計画 にお け る 「光 」 光 の現 象 学 は 設 計段 階で は 大 き く分 けて
2通 りの登 場 が あ る。ひ とつ の 現 れ
方 が 照 明計画 と呼 ばれ る もので光 源 の 位置 と空 間 を設 定 し光 量 を 図式化 した も ので あ る。 しか し最 も大 き く登 場 す る のが そ の 建 築物 が 落 とす 影 、い わ ゆ る 日 影 で あ る。 この 問題 は 法規 的 問題 と して 、建 築 家 の意 図 と関係 な くあ らゆ る 建 築 に課 せ られ る 問題 で ある。こ こで 建 築 計画 学 が とった立 場 は太 陽 の運 行 を用 い て 日影 図 、 日影 時 間 図 を作 成 し、設 計 され た 幾 何学 に 当て はめ る と い う立場 で あ る。
図 3-2 年 間 の 水平面 日影 曲線 (北 緯
35度
)
図 3-3 プ ロ ッタ ー によ る 日影 時 間 図
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Digital Textualism
■ 「誘導都市 プ ロジェク ト」 /渡 辺誠
(ア ー キテクッォ フィス)
この通常 のプロセスを逆転 したのが渡辺誠が提案 した誘導都市プ ロジェク ト のひ とつ 「太陽神 の都市」である。 このプ ロジェク トでは建築が建設される際 最 も問題 になる 「日照権」 に注 目して い る。今 日の都市では 「日照権」は未 だ 不可侵 の神聖領域 と化 している。通常 日当た りを確保す るには「日影時間図」と 「隣棟間隔」を広 くとること 照 らし合わせなが ら幾何学的形態 を決定 していき、 にな るため、 間 を空 けて板や塔状 の住棟 が立ち並ぶ とい うお馴染みのブロイ ラー・ ハ ウス型のスタイルができあがる。つ まり今 日の計画学か らはそのよ う なスタイル しか生み出せれな いとい う図式ができあがっているので ある。そ こ で渡辺誠が とった方法論はまずは じめに 日影 の初期設定 を与えてそ こか ら幾何 学 を生み 出す コンピュー ター・ プ ログラム を書き幾何学 を決定 していくとい う 手法 を導入 したのである。具体的 にはまず敷地 い っぱいに立ち上がる大きな立 体 を想定す る。そ の中のほ うの一 軒 の住戸 に光 を届 けるには、光 の通る穴 をあ ければ いい。同 じことを、全ての住戸 について繰 り返す。するとそ こには、多 孔質 の立体 が現れ る。これはブロイ ラー・ スタイル型 のス タイル とは異な る も ので あ り、当然、 日影 という問題 は初期条件 のなかでクリアされている。
図 3-4 誘導都市 ―太陽神 の都市、全体 図 図 3-5 誘導都市 ―太陽神 の都市、単位空間
ital Textualism
3-1-3 1卦 :Sound ■音 響 設 計 音 と い う現 象 が 建 築 設 計 にお い て 最 も注 目され るの は劇 場 、ホ ー ル な どの 設 計 にお いて で あ り、音 響 設 計 と い う地位 を 占めて い る。建 築 設 計資 料集成 に よ る と音響設 計 の 目標 と して は
1.音 が十 分 な 音量 で 、 明瞭 に 聞 こえ る。 使 用 目的 に 合 った 最 適 な響 きが あ る。 3。 エ コー な どの 音響 障 害 がな い 2。
の 3点 を挙 げて い る。そ してそ の 設 計手 法 と して は 「基 本 設 計 の 段 階 で 適 切 な 配 置 、平面 計 画 を行 い 、 さ らに 建 物 の 内外 の騒 音・ 振 動 源 に対 す る遮 音・ 防震 設 計 、ダ ク ト中 を伝 搬 す る空 調 騒 音 に対 す る減 音 設 計 な どの騒 音 防止 設 計 を十 分 に考 慮 し、音 響設 計 を進 めな けれ ばな らな い 。」と して い る。や は りここで も は じめ に設 計 あ りきな ので ある。しか し音 響 設 計 で 興 味 深 いの は音 とい う現 象 が 建 築 の 素 材 まで あ る 程度 決定 で き る ことで あ る。実 は 様 々 な現 象 の なか で も 素材 との相 関 が 最 も高 い とい え 、新 た な 可能 性 を示 して い る。また 音響設 計 で 重 要 な残響 時 間 は室 容積 と綿密 な 関係が あ り現 象 と形 態 との相 関 も非 常 に高 い 。 つ ま り残響 時 間か ら全 体 の容積 と い うプ ロセ ス を経 る こ と も可 能 で ある。
図 3-6 薄 い弾性板 を一 面 に持 ち、 内部 に 吸音 材 を入れ た 閉空 間 の 内外 の 音圧分布
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Digital Textualism
■ 「ポ リ トー プ」 /イ アニ ス・ クセナキス 上記 のよ うな音 と建築 の関係性 に注 目した人物 としてイアニ ス 0ク セナキス があげ られ る。ここで彼 を単に 「建築家」 と明記 しなかったのは彼 のとった立 場 による。クセナキスはジョン・ ケー ジ、カール・ シュ ッ トクハウゼ ンとな ら ぶ今世紀 の代表的作 曲家であるが作曲家 として活発な活動 をする以前 に、ル・ コル ビジェの事務所で 12年 にわたって 図面 を描 き「ラ・ トゥー レッ ト修道院」、 「フ ィリップス・ パ ビリオ ン」な どの名作 を残 した優 れた建築家で もあるか ら だ。作曲家 としての クセナキスにまつわるエ ビソー ドとして興味深 い ものに彼 が時の大作曲家であったメシアンに作曲の指導を乞 うた時 これ までの和声や対 位法を習 うのでな く、エ ンジエア として 身 につ けた数学 を音楽 に使 うようにア ドバイスされた話がある。彼 の独創性 は既存 の音楽言語 を用 いず、最初か ら自 分 で作 り出す ことにあった。 クセナキス は視覚芸術 と音楽 を共 存 させ た 「ポ リ トー プ」 と名付 けた パ 「ポ リ トー プ」は何百 とい うライ トの明滅 と フ ォーマ ンスの形式を作 り出した。 レーザー光線 の照明パ ター ン、それ に音楽 によって表現 される。パ リのポンピ ドー・セ ンターのオー プニ ング記念時 に 「ポ リ トー プ」のために作 られた建築 が 「ディア トー プ」である。さらにモ ン トリオール万国博覧会 のフ ランス館 内 部 に設置 された 「ポ リ トー プ」 について クセナキスは次のよ うに述 べ て い る。 「私 はケー ブルの透明建築 を提案 した。それは巨大空 間を装飾 し、光 の点 を支え るだろう。直線 による形態である。空間と各階 の関係で、ケー ブルの数は制限 される。形態 は視点 によって変 わ り、側面か ら側 面へ対応す る級数法則 に従 う。 私 の音楽作 曲経験すべ てを、ここでは光 のた めに使 った。確 立計算、論理構造、 群構造、1200個 の独立回路 ―独立 の光 一が あ り、光電管が作用するべ き場所だ けに映写機 の光がある。800個 の クセ ノン自色電球 と400個 の色 ―半分寒色、半 分暖色 ―電球がある。」つ ま リクセ ナキスの方法論 として音楽か ら音環境、そ し て視線最後 に形態 とい う過程があ りそれをつないでいたのが 「数学」である。
図 37
ディア トープ外観
- 15 -
図 3-8 ディア トープ内観 Digital Textualism
3-1-4 気流
:a current Of air
■航空デザイ ンにおける 「気流」 空気の流 れ を解明 しそれを記述 、可視化する ことは建築 の分野よ りもむ しろ 建築以外 の工 学 で行 われてきたよ うに思える。気流 と最 も深 く結びついている のが航空分野であり、世界では じめて空 を飛 んだライ ト兄弟 の時代か ら航空 と は空気 を制御す ることであった 。航空機 の設計 において、まず幾何学が存在せ ず あるの は気流 の軌跡 だけで、 この気流か ら設計が 開始 される。 航空工学 は 様 々な方法 で 気流 の可視化を試みてきたがその方法が コ ンピュー ターの導入 に よって大き く変化 した と捉える ことができる。 これ まで 気流 の可視化は模型、 あるいは実物 の航空機 に空気 を送 り込みそれを可視化するため煙 を立たせた り、 紙 の ような ものを流す な どして気 流を可視化 できる状態 にし、それ を撮影す る のが通常 の方法 であった。それが コ ンピュー ターの導入 によって 「シミュレー シ ョン」がで きるよ うにな り、そ のデー タを直ちに幾何学 に変換す ることが 可 能 になったので ある。
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図 3-9 航 空機翼 の 翼端 渦 (シ ャボ ン玉 法 によ る )
ital Textualism
さらに興 味深 いこととして、1940年 代 にデジタル・コ ンピュー ターが初め て 開発 された 頃、物理学者 フ ァン・ ノイマ ンは最 も威力を発揮す るで あろう分野 として天気予報 をあげた といわれて いる。この新兵器 を大 々的 に使 えば、大気 変動 の力学か ら予測困難 な部分はすみやかに姿 を消す と考えたので ある。予想 通 り、数値予測 にはコンピュー ター は大 々的 に使われるようにな ったがノイ マ ンが予測 した ほどに天気予報 の精度 が上が らな いことが 明 らかになった。1960 年代 に気象学者 ロー レンツは、 大気変動 の 力学 を単純化 したモデル を研究 して、 この タイプの力学系 には初期値 のわ ずかな誤差がどんどん増幅 して しまうメカ ニ ズムが備 わ っている ことを示 した。そ の後 、カオス的力学 と呼ばれ る分野 に 発展するのだが、ここで重 要 なのは もともと気流 の変化 を記述 しよ うとした結 果、新たな研究 体系 を生みだした ことである。つま り今 日複雑系 を解 明する科 学 として話題 になっている 「カオス」は気流 とい う現象学 をその根元 に持 つの である。
図 3-10 円柱 の まわ りの流れ (水 素気 泡 法 によ る)
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Digital Textualism
■ 自動車デザイ ンにお ける空力 また自動車 工学 も空気 を制御す るということが重要 な課題である分野 という ことができる。今 日の 自動車設計はそ のほとん どの過程 をコ ンピュー ター 上で 行 ってお りそ のね らいはシュミレー シ ョン技術 と関連 をイ ンタラクティブに行 うためである。自動車設計でも最初 に形状 デー タを与えることか ら始 まるがそ れ はあくまで も仮 の姿で あ り、最終的なものではな い。空カシミュ レー ション とのかね あ いで最終的な形態 と収束す る。形状デー タを入力するとコ ンピュー ター上に計算用 の格子 を作成 し、スパ ーコ ンピュー ター を用 いて気流 の計算 を す る。形状デ ー タが送 られてきて 約 1週 間以内に計算結果がでる ことになる。 計算精度は高 く、風洞実験 と空気抵抗係数で比較す る と差は 5%以 下である。 空カシュミレー ション気流 の中に仮想的 に入れた粒子 の動きを表示する ことで、 時間的 に変化する流れ の様子 をみた ものである。粒子 とともに流れ の運動量 の 損失 を等高線 で表示 し、空気抵抗 を生む領域 の見当が つ けられ るようにしてい る。この計算結果をもとに して、車体形状 の どこが空気抵抗 を生みだ し、修 正 を必 要 として いるか調 べ てお く。このプ ロセ スを繰 り返 して行 うのだが、従来 の設計期間 と比較 して 約 5∼ 10%短 縮 された とされて い る。
図 3-11 空カシミュ レー ション用 計算格子
図 3-12 空 カ シ ミュ レー シ ョン (流 脈 と総圧 の等 高線 )
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Digital Textualism
■建築計画 としての 「気流」 近年、建築 の分野 で気流が問題 とされたのは、超高層建築が乱立 しその 「ビ ル風」による環境 へ の影響が浮 上 した際ではないだろ うか。それ以外 には建築 計画上、通風計画 とい う形で存在す るが社会的なイ ンパク トとい う点では 「ビ ル風」に及 ばない。建築的な現 象が ビジュアルな形で社会に流 され るのも 「ビ ル風 の可視化」が最 も有名である。しか しここで も幾何学 的な配置 計画が先 に 存在 し、それか ら気流予測を行 うのが通 常 であ り、気流 をデザイ ンす るとい っ た ことはほ とんど存在 しないの である。
図 313
ビル 風 の可 視化
図 3-14 超 高層 建築 模型周辺 の流れ (四 塩化 チ タ ン法 によ る)
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Digital Textualism
■ 「関西国際空港 ター ミナル・ ビル ディング」 /レ ンゾ・ ピアノ・ビル ディングワー クショップ・ ジ ャパ ン しか し建築 の分野 で気流 をデザイ ンした例 が、1994年 に完成 した 関西国際空 港ター ミナル・ ビル ディ ングで ある。この建築 の うね る屋根 の形態は 「オー プ ン・エ アダク ト」と呼ばれ る 内部空間 の設備的要求 によ り決定 されている。オー プン・エアダク トは この建築 のコンペ時か らの協力者で環境 エ ンジエアの トム・ パーカー の提案である。具体的には80mの 一端 か らジェッ トエ アを天丼面 に吹 き上げ、空 間断面 と天丼 の形状 をエアの拡散 と落下 に合わせて作 り出せ ば、エ アはマ ク ロ・ ク リマ (大 空間の空調 )の 制御 として作用 し、空 間 の乱流現象 を 排除 して くれるとい うもので ある。オー プン・エ アダク トは合計 19本 が 1ス パ ンごとに設置 され、ジェ ッ トノズルが 吹 き付け られる風速 7m/秒 のエ アが 自 然な流れ に沿 うよ うに、そ の幅 と垂 直高が決定 された。ジェ ッ ト・ ノズルか ら のエ アの吹 き出 しは膜面 に沿 うよ うに、エアが反射 しない微妙な角度で照射 さ れ、膜面 に広が った空気 は周 りの空気 を引きず り込みなが ら全体 でみると整 流 されエアサ イ ド側 に流れて い く。ここではは じめに形態が あるのではな く気流 のシュミ レー シ ョンが存在 し、これまでの通風計画 とは逆 のプ ロセスが存在す る。構造法 の専門家 で、建築家でもある内田祥 哉 は この プ ロセスを 「自然現象 (サ イ エ ンス)の デザイ ン」と述べ 、この有 り様 を「ここで もし空気 が水であっ た ら、燦 々 と降 り注 ぐ噴水 の壮観な景色でな いか !」 と描 写 している。 この プ ロセ スの利点は現象 の数値化が施工 の段階まで も有効 ということで あ り、実際、オー プン・ エ アダク トをおお う大屋根 には この数値か ら得 られた幾 何学 をもとにパ ネルが貼 られて い る。このプロジェク トが示唆 したのは計画学 と設計 の境界 の撤去 とい うよ りも計画学者 (こ こではエンジエ アと呼ばれるが) と建築家 の職能 の境界 の撤去 だと考 える。レンゾ・ ピアノもエ ンジエアと建築 家が同 じ方法 で設計プ ロセスを進める方法 を述 べ ている。
図 3-15 関西国際空港ターミナルビルディング内観 - 20 -
Digital Textualism
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図 3-16 オープンエアダク トシミュレーション図
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Digital Textualism
2-行 動科学的立場 か ら
2-1
近代建築 一人間行動 の画 一化
第 1章 ―「問題 の所在」で建築設計手法論 と建築計画学 の離反、規範的理論 と 実証論的理論 の離反 について言及 したが、そ の度合 いが最 も大きいのが行動科 学 である。そ もそ も人間行動 は他 の現象に比 べて不確定要素が多 いため、それ を記述 して も実際の建築 での整 合性があま りにも少な い。それ故人 間行動 を記 述 し、そ こか ら建 築設計 を考察す るとい う例 は少な い。 しか し「形態は機能 に従 う」とい うス ロー ガ ンによって展開 していった近代建 築 は人間像 を画 一化 し、欲求や機能 も画一であるという概念 を提示 し人間行 動 の不確定要素を排除 していった 。人間を画一化 し、形態 に従わせると形態 を 規格化す る ことが可能 になる。形態 の規格化 は技術的効率 と建物構成材 の整 合 性 の高 さをもた らした。つ ま り人 間行動 の画一化は経済問題 へ と変容 し、その 過程 で 「人間」とい う存在 は忘れていったので ある。ル・ コル ビジェの提唱 し た 「モデ ュロール」 も人間の寸 法体系 を画 一化 を前提 に成立 していた。 近代建築が人間行動 を画一化 して いった 際に切 り捨てて い ったものに「時間 軸」が ある。つ ま り固定化 され た人間像 を持 っていたので ある。そ こでは人間 の流動が問題 にされる ことはな く 「不動 の人間」が存在 して いた。逆 に言え ば 現象 としての人間行動 は存在 して いなかった ことになる。
L_許ぃ‐1946 して 図317 モデュロールマン/ル ・ コルビジ ェ
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Digital Textualism
3-2
群集行動 の記述 と建築設計
人間行動 に時間軸 を与 えた ものが人間流動 であるが、建築計画学 ではその流 動 モデル の構築 を 目指そ うとした。その作成 の仕方 として 1。
人 間 の扱 い 一 個 人型 群集型
2。
空 間 の扱 い 一 ネ ッ トワー ク型 メ ッ シュ型
3.流 動 の扱 い 一 待 ち行 列 型 配分型
4.流 動 の 表現 ― 一 方 向型 選択型
と分類でき、これ らの組み合わ せで人 間流動 モ デル を構築 してい く。実際 には 既存 の空間に対 してその行動特性 をモデル化す る場合が ほ とんどで行動 モ デル か ら建築設計へ と展 開す る例 は少な い。それは建 築設計 の過程で人間を流動 と して捉 え、設計 され る場合が ほとんどないことを意味す る。つま り時間軸 を持 たないのである。それ故、建築設計時 に考 え られ る人間とは決 して現象的な で な い と考 え られ る。以下、考察する建築は必ず しも建築計画的 に生 み出された といいきれない部分 もあるが、人 間行動 を時間軸で捉え、それをテクス トに設 計へ と展開 して い った例 として考え られる。 (※ は筆者 の設計 によるもので あ る。 (「 Watched House」 は後輩 の横堀伸氏 との共同作品))
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■ 「ニ コ レ ッ ト・ モール」/ロ ー レンス・ ハルプ リン
1960年 代 、計画学 の分野 でペー ター・ シールやケ ビン・ リンチが都市/環 境 を要素化 しオ ペ レー テ ィブなものに しよ うと試みたが、これを実際 にテクス ト として設計 に あたった のが ラン ドスケー プ・ アー キテク トのロー レンス 0ハ ル プ リンであった。ここで彼が建築家 とい うよ り、ラン ドスケー プ・ アーキテク トであった ことは重要 である。ラン ドスケー プは建築 に比べ はるかに時間的要 素が強 く、それ に対応するには非 固定的で時間的要素の考 察が必要である。こ の時間軸 を都市の行動 に当てはめ、計画 したのが 「ニコ レッ ト・ モール」であ る。彼 らはまず 街路内 に行動 の分布 図を作成 し、それ を満 たす よ うな設計手法 をとっている。
図 3-18 ニコレットモールのノーテーション・ スタディ図版/ロ ー レンス・ ハルプリン
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図 3-19 サ ミナ リー 。 「サ ウス・ フ ァウンテ ン」 のスコア/ロ ー レンス・ ハルプリン
ital Textualism
■ 「万博お祭 り広 場」/丹 下健三 、磯崎新 他
70年 万博 のお祭 り広場 はス ーパー・ス トラクチ ャーの架構 の下 の環境装置 が 人間行動 と深 く結びついた計画 で あった。ここで は環境装置が観衆 のアクシ ョ ンと反応 しなが ら光や音 を発す るもので、逆 に言 えば最初 に人 間 の流動 を予測 したモデルがあ り、これに合わせて装置が光や音 を発 生させる設計 になって い る。そ の際、 ここで 唯一構築的なスーパー・ ス トラクチ ャーの意味が重要 で あ るが、丹下健三が「シンボ リズム」と捉 えたのに対 し、磯崎新 はイ ンタラクテ ィ 「フレー ム 」として捉えて い る。この考 え方 の差 は人 間行 ブな行動 をもた らす、 動が都市 の関係が いかなるものかの両者 の差 であると言 い換 えることができる。
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図 3-20 大 阪万 博磯 崎チ ー ムお祭 り広 場演 出ス コ ア
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Digital Textualism
■ 「フ ァンバ レス計画」/セ ドリック 0プ ライス
70年 万博 のお祭 り広場 の原型 になったのがセ ドリック・ プライスの「フ ァン パ レス 」であった といわれているが、ここで プライスは人 間行動、利用率、流 動量 をあ らか じめ設定 し、それ に合わ せた構築物 をフレー ム に散在 させるとい う手法 を とって い る。 もちろんあ らか じめ設定 した人 間行動 を完全 にコン ト ロールす る ことは不可能である。プライスが 目論だのはそ のよ うな行動の初期 設定 を回実 に してそ こでの偶発的な出来事 (=チ ャ ンス・ オペ レー ション)で ある。 この方法論 は我 々 に大きな示唆 を与えているよ うに思われる。つ まり行 動のデザイ ンとともに、偶発性 =チ ャ ンス・ オペ レー シ ョンをも考慮 しな くて はな らな い ということで ある。 ご欄
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図 3-22 バーミンガム&ミ ッドラン ドHQの 利用ダイアグラ /セ ドリック・ プライス ital Textualism
■ 「千葉市立打瀬小学校」/シ ー ラカ ンス シー ラカ ンスによる 「千葉市 立打瀬小学校」 はそ の宣言通 り 「アクテ ィ ビ ティーのデザイン」である。彼 らはまず 敷地 である、幕張新都心 の街 の行動 ス タディー か らはじめ、パ ラメー ター 図として の都市を提案 している。そ して 日 影 のス タデ ィーか ら建築 と空 き地 の割 り当て を決定 し、現 れて欲 しい現象 を予 測 して用途地域、土地利用、道路幅員 を決 定 していく。そ の ように都市 (街 )の 中で の小学校 のロケー ションを幾何学的でな く行動科学的 に認識 したうえで小 学校 の行動 をデザイ ンしてい く。
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図 3-23 打 瀬 小 学 校 外 観 、 内観
図 3-24 幕張市街 調 査 図
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図 3-25 打瀬小学 校 、 アクテ ィ ビテ ィー・ ダイ ア グ ラム
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DigitalTextualism
行動デザイ ンの過程 で、幾何学的配置 による方法よ りも"き っかけ"を 作 る 方法 の有効性 を彼 らは述べている。特 に小学校 のように子 供が使用す る建築型 ではその効果は計画学 にス トックが存在 し、それを参照 しなが ら設計 を進める ことが可能である。ここでは最終的な アウ トプ ッ トの建築 よ りもそれ 以前 にシ ミュレー トされた行動 の予測図が重要視 され る。その効果は完成後 の実際 の建 築 を観察 して初めて理解 できると彼 らは述 べ て いるが、設計段階 に考 え出され た行動モデル にいかなる不確定要素が参入 したかを観察す ることの方 が今後 の 「行動科学か らの設計」には有効 である。 また興味深 いの はシー ラカ ンス とい う設計集団の構成である。彼 らは いわゆ る建築家 と研究者 で構成されるがその境界は定かでな い。だか らこそ計画学的 な要素を設 計手法 に 自由に導入 できるのであろう。実際、今 日計画学で研究 さ れて いる内容 は建築家が直 に理解 できるものでなくそれ を橋渡 しす る必 要性が ある。それ故設計チ ー ムにその両者が存在す る状態は計画学 と実際 の設計 の間 を 自由に行 き来す る ことを可能 にする。
図 3-26 打瀬 小学校 、 内観
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Digital TextuaHsm
■ 「Parameted Resistance Prdect」 ※ この プ ロジ ェ ク トは計 画学 で 提 示 され た 数 式 か ら建 築 形 態 が 派 生 で きな い か と考 え、提 案 した も の で ある。あ る通 路 の 人 間 の 流 動 速度 を 把握 す るの に建 築 計画学 で は人 間流 動 を電 気抵抗 を 通 過 す る電 流 の よ うに捉 え る ことで解 決 しよ う とす る。そ して 電気 抵 抗 を建 築 空 間 上で 翻 訳 す る とそ れ は空 間で 人 が どれ だ け滞在 す るか を 示す度 合 い にな る。 この 計画 で は 矩 形 の ヴ ォ リュ ー ム 内 に 3本 の 経路 を設 け、矩 形 の 軸 ごとに異 な った 機 能 を与 え全 体 を構 成 した 。こ こで 各機 能 が 人 を溜 ま らせ る度 合 い を示 す抵抗 値 とす る と、通 路 幅 は抵 抗 値 と入 口か ら出 口まで の 通 過 時 間 によ って 表 わ され る。 つ ま り 各 "Bar"を 人 間 が通 過 す る時刻 をそ れぞ れ Ta,Tb,Tcと す る。 一 般 に一 方 向流 あ る い は 平行流 に つ いて は通 路 の 流 量 =N と し、 通路 幅
=w,流 速 =v流 れ の 密 度 =pに 対 して
N=wpv が成 り立 つ 。 また 通 常 (ス ロー プ も含 む )で は
v==1.356-0。 341p とい う式 が 成 り立 つ 。 そ こで Ta=Tb=Tcと お くと ■← Σ とな り Xn=一 定 とす る と Txは
Xn/vn
pと wの 2つ の 値 の変 数 と して
表 わ され る。 つ ま り pを あ らか じめ 設 定 して お け ばそ れ に見 合 う wは 自ず か ら見 い 出 せ るの で あ る。
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Bα r‐・c"
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X:4 X:5 X16 X:,
X:8 x:9 X:
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図 3-27 人 間流 動 パ ラメ ー タ ー 図
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Digital Textualism
とい う関 係 =ハ ラ メ ー ター が生 まれ る。仮 に 何処 か の 抵 抗 値 、つ ま り機 能 を変 更す れ ばそ れ と 同時 に 通路 幅 も順 次変 更 され て い くと い う形 式 を とる。また 矩 形 の ヴ ォ リュ ー ム状 の 架 構 は通 路 幅 に対 応 して お り、同様 に 同 じバ ラ メー タ ー で管理 され る ことに な る。 しか しこの フ ロ ジェ ク トの 限界 と して 不 確 定 要 素 に対 す る対 応 が考 慮 され て い な か った こ とが あ げ られ る。
ヽ2
ヽヽ
ヽ1
ヽヽ
︱ ︱ , , ■ ヽ
Xl
ヽ6
ヽl:
ヽ1く
ヽ
lf、
、│「
図 3-28 Paralllete(l Resistallce、
ヽ2(,
平 面 IXI
区]3-30
区]3-29
Parameted Resistal■
ヽ│り
cc、
Paralneted Resistallceア クソメ
夕ヽ観 、 内観
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Dieitai l-extrlalism
2-3
視線 か らの建築設計
実際 の建築 にお いて人間行動 の方向性 は 目的によるもの以外 に視線 によって 決定 され る。特 に建築が可視的な物質であるがゆえこの視線 の持 つ意味合 い は 大きい。計画学 の分野でも視線 の研究は数多 く研究 されてお り、いわゆる空 間 認知 の部類 に属す。そ こで は空 間 の アフォー ダンスと視線、あるいは可視量が 記述 されたが、視線 の集合 としての建築設計はほ とんどない。特 に視線が問題 になる都市空間内にお いて も都市 の視線 を意識 して設計がなされるのは視線 を いかにカ ッ トす るかが 問題 になる場合がほとんどで積極 的 に視線 を導入 し設計 す るといった例 はあまり見受 け られな い。 ■ 「Tokyo Museum」
※
ここで は都 市 の 中で 「関係性」だけで建築が構築できな いか と考 えたが、ガ レリアの幾何学形態は対岸か らの視線 をコン トロールする ことによって成立 し ている。つま り後方 の矩形 の ヴ ォリュー ムが見えな い とい う視線が存在 し、そ れ を成立 させ るためにガ レリアの局率が決定 されるので ある。ここで も視線は シー クエンシャル に変化するとい う考 えのもと対岸 を移動 した時、どの地点か らも後方 のヴォリュームが見 えな い とい う初期 設定 を与えて い る。
図 3-31
TokyoMuseum 対岸 か らの眺め
図 3-32
TokyoMuseum IIか らの眺め 河り
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Digital Textualism
■ 「監視 の家 :Watched House」 ※ 近代建築 は 「形態 は機能 に従 う」とい う概念 の もとに展 開 した。つ ま り空間 での人 間の行動 を規定 していた要素 はその幾何学 的形態 であ り、配列であった。 しか し「空間での行動 を決定 して いるものは実 は他者 の視線 である。」とい う概 念 も存在す る。近代建築 はその視線 を幾何学 によって完全 に排除 して しっまた ので ある。視線 による空 間の再構成 は特 にそ こでの行動 が多様である住宅 にお いて有効 である。住宅 における視線 とは。 その住民内部 の視線 と住民外部 の視線 が存在するが、このプ ロジェク トでは住宅 に 「侵入者」を設け、外部 の視線 を 住宅内 に持 ち込む ことによって「視線 による空 間 の配列」をよ り明確 にす る。ス ペー ス・ ブ ロ ックを用 い、最初 にブロ ック を大き く外部 と内部 の 2つ に分 ける が、そ の外部 に「侵入者」を設定す る。(住 宅内部 の動線空間 も視線 だけを考 慮 す ると外部空間に属す る。 )こ の プ ロジェク トでは「侵入者」のある いは他 の住 民 (家 族)の 視線 によって規定 される 2.5m× 2.5mの 内部空間 の人間の行 動 を まず 設定 しそれ を建築 的配列 にす るのが 目的で ある。 視線 による行動 の限定 を初 めて指摘 したのはミ ッシェル・フー コー であった。 彼 はイギ リス の法学者 、ジェレミィ・ ベ ンサムが 考案 した監 獄 、パ ノプテ ィ コ ンを例 に挙 げた。 バ ノプテ ィ コ ンは全 体 が 円形 で あ り、そ の建物 の周辺部 に 沿って無数 の独房が設置 され、中央部 に建 て られた塔か ら、全ての独房 を監 視 する ことが 可能 になっている。つ ま り視線 によって空 間が コ ン トロールされ て いたのである。
Parents keep watching
wer ChiHren
An invaderlook atthe Ch‖ dren
An lr、 vadersees
a TV Parents see a TV
Kltchen sy$tem
図 3-33
Watched House、 断面 図
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Digital Textualism
第 4章
今後の展望
1-行 動科 学 が 果 たす 役割 ∼ これ まで の事例 をふ まえて 2-W。 フ ォー サ イ ス の方 法
3-Operating Systemと して の建築 ヘ 4-手 法論 と して の Digital Textualismか ら 生産 システ ム と して の Digital Textualism
Digital Text“ 出sm
4-1
行動科 学 が 建築設計 に果たす役割
第 3章 でDigital― Textualismで の設計 と考 え られる建築 を考察 したが、環境 工学 か らの場合 に比 べ て行動科学 か らの設計手法 には曖昧 さが存在する。それ は行動科学 が これまで に提示 して きたモデルがあま りにも設計過程 の中で有効 であ り得なか った事が あげられる。そ こで行動科学が建築設計に果た して い る 役割 を拡張するためにも行動科学が もつモデル の可能性 あるいは汎用性 を追求 しなけれ ばな らな い。 では具体的 には行動科学が建築設計へ というDigital一 Textualismに はどのよ うな ことが要求され るだろうか。 次 のような ことが考 え られる。 ■時間軸 の導入 これまでの建築設計 で考えられた人間は 「不動 の人間」であったが Digital一 Textualismに お いて最 も重要な の は時間軸 を持 った人間像 を設計に導入する こ とである。そ してその人 間も個人でな くある程度 まとまった流動 で あるほうが 空間配置、動線計画な どを決定す る際にも有効 である。 ■ サイ ト・ スペ シフ ィックな行動 モデル の構築 「70年 万博 、お 人間行動 の大きな特徴 としてそ の場所 の 固有性があげ られる。 祭 り広 場」、「フ ァン・ パ レス」も基本的にはそ の場所 の固有性 を排除 した人 間 行動 の もとに成立 して い る。実際 の建築 の人間行動 はその敷地が都市 のなか に お いて どのような地理 的条件 におかれるのかで 固有性が決定 してお り、そ の 固 有な人間行動 の分析な くして建築 の人間行動 のデザイ ンは確 立できない。 ■ 行動デザイ ンの確 定度、チャ ンス・ オペ レー シ ョンの導入 行動デザイ ンが他 の現象デザイ ンと圧倒的に異なるのはその確定性 の少な さ にある。気流な どの現象 は基本的 にはある程度 コ ン トロールできるが 人間行 動 を完全 にコン トロー ルす ることはほぼ不可能に近 い。それ に対 しセ ッ ドリック・ プライス も ロー レンス 0ハ リプ トンも"チ ャ ンス・ オペ レー ション"と い う概 念 を導入 した。つま り偶発性 の導入であるが、行動科学 か らの設計 を試みると きいか に不確定要素 に答 えるか も設計過程 の 中で重要な位置を占める。
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Digital Textualism
以 上の 3点 が Digital― Textualismを 実践す る上で重 要 である と考え られる が、ここで興味深 いの は この文章 中の 「行動」 とい う文字 を 「幾何学あ るいは 「サイ ト 形態」と置 き換 えてみる と実は現代建築が陥った トラ ップが現 出す る。 スペ シフィ ックな形態 の構築」は いわゆるヴ ァナキ ュ ラーな建 築 を生み 出 した し、「形態 のチ ャ ンス・ オペ レー シ ョン」とは 「デ コンス トラクテ ィ ビズム」そ の もので あ った。 これ らの トラ ップ を人 間行 動 によ って 変 形 させ るの も Digital― Textualismが 持 つているひ とつの側面である。
I
Textualism
4-2i ウィリアム:・ フォーサイスの舞踏演‐ 出
前節 でDigitalTRxtualsmの 導入にチ ャ ンス■オ ペ レー シ ョ:ン の考慮が必要 であると述 べ たが、そ の参考 としてダンス演出家であるウィリアム・ フォー サ イ スが用 い る舞踏演 出 に関 して言 及す る。 フランクフル トバ レエ 団を率 い る ウィ リアム・ フォーサイスはコ ンピュター を用 い る事によって今 までにない複 雑 な動 きをダ ンサーが 作 り出すこ1と を示 したが、フ ォー サィスは 「今やバ レエ とい うものは、文化的な もの、ある いは精神的な内容 を持 った もの とい うよ り は、む しろ:数 学的事実 と して使 え1る 。」と語 つている。彼 は 自らの身ぶ りの軌跡 を CD=ROM化 したが、それは行動 が記述可能で しか も自由に検索可能で ある と考 えた ことに他な らな い。 の よ うな方 法 でバ レエ を:成 立させて もそれは建築で の人間行動のデ しか しこ「 ザイ ンにはなん ら参考 にな らず、ひたす ら舞踏 と建築 の差 を顕在化 させて い る にすぎない。フ ォーサイ スはバ レエ を成立 させるのにこ:の CD― ROM化 され た 動きを:そ のまま 用 いるのでな く。CD‐ ROM化 さ:れ た動きはあくまで も動きにフ レー ム を与え るための手段 であって tそ れ に 自由にア ドリブを力日えてい くので ある。
ital Textualism
具体的にはフォーサイスの演出す るダンサ ー の動きは前 にみた動 きを絶えざ るモー メン トと受けとめそれを接 合す る役割 をこな し、次 の ダ ンサ ー に伝 える ので ある。フォーサイ スの役割は このようにダンサ ー とダンサ ー の接合 をルー ル化 しているに過ぎず CD― ROMも それを手 助 けして い るだけである。 この舞踏演 出で占めるフォーサイスの役割 は建築設計時に行動をどうデザイ ンしていくか を考 えるうえで大きな ヒン トを与 えている。Digital― Textualism は建築 の不確定的な行動 どうしを導 くフレー ムを与え ることが責務 となるので ある。 フォーサイスが い うところの 「中間 の限定」 をするので ある。
区]4-1 区]4-2
舞台演 出をす るウィ リアム・ フォー サイス (左 図) 「ザ・ ロス・ オブ・ スモール・ ディテ ィル」 (左 上 図)、 「リズム・ セオ レム」 (左 下 図) /ウ ィリアム・ フォー サイス、 フランクフル トバ レエ 団
ital Textualisrn
4-3 0peration― Systemと しての建築 ヘ
Digital― Textualismに よって建 築 を様 々な現象学的デー タで構成すると建築
家 はそ の デ ー タを うま く処理す る ことが要求 され る。それ は まさ しくコ ン ピュー ター上 でデ ー タを管理す る OS(Operation― System)の 働きである。
OSに 要求 され るのはまさしくデー タどうしの 関係性 を制御する ことであって、 そ の処理速度 を向上 させ る事でな い。建築 にお いて処理速度は空間の機能性 あ るいは経済性 とい うことに置き換 え られるが これ らを向上させ る試みは近代建 築 の経験か らうまく作用 しないことが判明 している。特 に様 々な角度か ら捉 え た多 岐 にわたる人間行動 の図式を建築設計に導入 しす る際はそ の 関係性 の構築 が重 要 である。 今 日建築 の型、いわ ゆるビルデ ィ ング・ タイ プその ものが崩壊 しようとして い るといわれて い るがそれはまさ に幾何学 と人 間行動 のイ ンタ ラクティブの関 係 の構築で あ り、人間行動を主体 に した空 間構成である。言 い方 を変えればそ れは「形態 を与 える者 」としての建‐ 築 家 の否定 であ り、人間行動 を操作す る「形 態 を選択す る者」として の建築家はまさしく OSと しての建築 を構築す る建築 家像である。
ital Textualism
4-4
設計手法 として の Digital― Textualismか ら 生産 シス テム と しての Digital― Textualismヘ
Digital一 Textualismに よって 建 築 を設 計 して い こ う と い う試 み は 設 計 の 先 に
あ る生産 と い う ことに 関 して も有 効 で あ る。例 え ば 「関西 国 際空 港 タ ー ミナ ル ビル デ ィ ング 」でオ ー プ ン・ エ ア ジ ェ ッ トで は 気 流 の 幾 何 学 が 施 T_時 にお け る 幾 何 学 まで 継 承 され て い る。もち ろ ん必 要 とされ る 幾 何 学 は設 計 か ら施 T_へ と 移 って い く過 程 で 変 化 す るが、 Digitalな デ ー タの 変 形 はそ の 逆 行 を も可 能 に し、設 計 ― 施 Iの 往 来 を 今 以 Lに 活 発 にす る こ とが で き る。数学 とい うデ ー タ は設 計過 程 に関わ る あ らゆ る人 間 が 翻 訳 可 能 な 言語 とい う ことに な る。今 日の 設 計 ― 施 工 の プ ロセ ス にお い て 最 も大 き な 問題 はそ の 両 者 で 語 られ る言語 が 異 「関西国 際 空 港 タ ー ミナ ル ビル デ ィ ング 」の 設 計者 で あ な って い る ことに あ り、 る レ ン ゾ ・ ビ ア ノ も そ の 両 者 の 言 語 の 壁 を 問 題 視 して い る 。 Digital― Textualismか ら派 生 した「数学 と い うデ ー タ」は両 者 の イ ンタ ラクテ ィ ブ性 を 保 証 す る もの で あ る。 建築 の 分野 よ りい ち早 く自動車 設 計 の 分 野 で はDigitalな デ ー タ を媒介 に した プ ロ セ ス が 導 入 され て お り、 自動 車 メ ー カ ー の シ トロエ ン社 の デ ザ イ ナ ー は 「情 報 手 段 と して の粘 土 と木 工 を 排 除す る 」と宣 言 して い る。つ ま り彼 らの頭 の
中には図面 は必 要 とされず、数字 の羅列 として記述 されたデジタルなデー タが 存在す るのである。このデー タは空 力のデ ー タで もあ り、それが 図面す らも排 除 した というので ある。 実際、建築でデジタルなデー タは どこまで流用できるかを― 考え ると、今や っ と構造設備 に流通 し、確認 申請 の ところまで しか情報は流れて いな いのが現状 である。よって建築家が現象学的な ものか らDigitalな デー タを引き出しそれ を もとに設計 して もなかなか施工まで も達 しないで あろうと考 え られ るが、今後 建築家がよ りDigitalな デー タの集合 として建築 を語れば設計プ ロセス 自体 も変 化 して い くだ ろ うと考 え られる。
- 38 -
Digital Textualism
第
5章
参考文献
Dieital Textualism
5
参考文献
「建築理論 の創造」 ジョン 0ラ ング著 高橋鷹志監修 今井ゆ りか訳 「建築 の多様性 と対立性」 ロバー ト・ ベ ンチ ュー リ著 伊藤公文訳 「ラスベ ガス」 ロバー ト・ ベ ンチ ュー リ著 石井和紘、伊藤公文訳 「建築 の文脈 都市 の文脈」 八束 は じめ編集 「 ・ ポ ップに学ぶ こと」 ドウエー ズ 0ス コ ッ ト・ ブラウン著 菊池誠訳 ・「アメリカ 1960-1970都 市 のイメー ジと理論 についてのノー ト」 ケネス・ フランプ トン著 菊池誠訳 ・「フランプ トンに答 える」 ドウエー ズ・ ス コ ッ ト・ ブラウン著 菊池誠訳 ・「コ ンテクスチュア リズム/都 市 の理想形 とその変形 について」 トム・ シューマ ッハー著 八東 はじめ訳 ・「デザイ ンー ノンデザイン」 ダイアナ ◆アグ レス ト著 彦坂裕訳 「モデュロー ル
I」
ル・ コル ビュジェ著 吉阪隆正訳 「建築デザイ ンの基本 ― 人間のか らだと建築 ―」 チャー ルズ OW・ ムー ア、ケン ト・ Ceブ ル マー著 ・ ユ ー デル寄稿 石井和紘、玉井一 ?訳 ロバー ト・」 「都市環境 のシステム分析 ― アセ スメン ト・ モデル とメ ッシュ・ アナ リシス」 カール・ スタイ ニ ッツ、 ピー ター 0ロ ジ ャー ス著 阿部統監訳 吉川 博也訳 「都市 のイ メー ジ」 ケヴ ィ ン・ リンチ著 丹下健三、冨田玲子訳 「知覚環境 の計画」 ケヴィ ン・ リンチ著 北原理雄訳 「場所 の現象学」 エ ドワー ド・ レル フ著 高野岳 彦、阿部隆、石山美也子 訳 - 39 -
Digital Textualisln
「CAGDの た め の 曲線 ・ 曲面理 論 」 ジ ェ ラル ド eフ ァ リン著 「建 築 人 間 工 学 ― 空 間 デザ イ ンの 原 点 」
木 村 文 彦監 修
山 口泰 監 訳
岡 田光 正 著 「立地 と空 間行 動 」 杉 浦 芳 夫著 「流 れ の 可 視化 」 浅 沼 強 他 編集 「ア ン ビル トの理論 」 浜 田邦 裕著
「新建築学体系 11-認 知・ 心理」 「建築資料集成 1-環 境」 「建築資料集成 3-単 位 空間 3」
「現代思想 ― アフォー ダ ンス」 「10+l No.1-ノ ン・ カテゴ リー 0シ ティー J 多木浩 二 、八束 は じめ編集 「10+l
No.2-ビ ルデ ィ ング・ タイプ」
多木浩 二 、八束は じめ編集 「10+l No。 3-ノ ー テ ー ション・ カル トグラフィー」 多本浩 二 、八束は じめ編集 「SD 1995年 6月 号 ― デジタル・ アーキテクチ ャーの可能性」 「建築文化 1992年 2月 号―建築 とエンジエ ア リング」 「建築文化 1995年 6月 号―横浜港 ター ミナル コンペ優勝者は何者か―」 「The Japan Architect No。 15-Kansai lnternatiOnal AirportJ 「The Japan Architect No.19-プ ログラム と建築」 「Inter Communication No.5-情 報都市 J 「Inter Corrmunication No。 15-ス ーパー ミュー ジアム」 「at 1992年 9月 号 ― ルイス・ カ ー ン復活 J 「建築雑誌
1995年 12月 号― シュ ミレー ションとイ マ ジネー シ ョン」
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Digital Textualism
「駅勢 圏改札 口分担モデルによる利用者数の予測 に関する研究」 林淳三 、佐野友紀 、林田和人、浜本敏祐 、渡辺仁史
1995年 日本建築学会学術講演梗概集 「建築計画にお ける人間―環境系研 究 の流れ に関す る試論」 篠崎正 彦、高橋鷹 司、鈴木 あつ し 1995年 日本建築学会学術講演梗概集 「建築空間の記述方法に関する研究 ―視覚 コー ンを用 いたシー クエンス空間の記 述」 森紀久 、伊藤恭行 、上野淳 1995年 日本建築学会学術講演梗概集 「透か しとしてのパ ンチ ングメタル の視覚効果 について」 岡本知子 、奥田宗幸
1995年 日本建築学会学術講演梗概集
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Digital Textualism
第 2部
ingS"
量服 割雷
1
11
駅 の現 象 学 的考察
現象学か ら建 築設計 ヘ
第 1部 で現 象学か ら建築設計 を進 めるDigital Textualismの 概念 を考察「 した が第 2部 で はそ の 手法を応用 を試 み る。第 1部 、4章 で も述 べた とお りDigital Textualismの なかで これまで環境 工学か ら建築設計とうプ ロセ スはその現象 の 扱 い安 さ、つ ま り現象の不確定要素 の進入 の少なさか ら比較 的多 くの試みが成 されて:き た_が 行 動科学 か ら実際の建築 、 とい う例 はあま り多 くな い。そ こで第 2´ 部では行動科学か ら建 築設計 とい う Digital Textualismを 考察す る。
lT2
駅 にお け る行 動現象
今 日の都市にお いて人 間流動が最 も多 く、複雑なのが駅 である。と ころが現 状 はどの駅 もコ ン コース と駅管理施設、それ にキオス ク、売店があるといった ふ うにあ る種 の ビルデイングタイブ として確立されて しまい、どの駅 もほとん ど同 じよ うな様 相 を呈 して いる。唯下、駅 にデパ■ 卜が結合 され いわ ゆる 「駅 ビル」と して 「巨大 さ」が異なる場合のみ駅 とい うビルデ ィ ング・ タイ プの境 界が曖味になる。そ れ は経済 が建築の型 を変 形させ ているので あって、それ に よつて 「巨大 さ」が確 立されない場合はどれ も同じような駅 となって しまうの である。逆 に言 えば今 日の駅建築 は経済 によって しかその固有性が確立され 得 な い とい う問題がある。 しか し駅 の人間行動はその駅が都市のなかで どこ_に 位置するか によって大き く異な り、駅 にはそ の場所 に固有な人間行動が存在す る。その固有な行動現象 がな いが しろにされているのが現状な ので ある。そ こで駅 に至るまでの行動現 象 を建築設 計 へ と展開させれば駅 はそれぞ れ 固有 な ものとな│り 得 る。 駅が他 の建築 と大き く異 なるのはそ こでの行動が基本的には 「流れ」を前提 に して い る_事 であ る こ:れ は他 の建築 の型 をそのまま駅 に当│て:は め て も成立 し な ぃ ことを― 意味 してお り、駅特有 の考察が必 要である。また現在のほ とんどの 駅 (特 に ビジネス街 をそ の周辺 に持 つ駅)で 問題 となって い るのが 人 間流動 の 時間帯 によ る格差 であ る。ビァ ク時 に1ま 混雑 を極 める駅 も 日中はが らん として い るとい うのは珍 しくない光景で この時間帯 による格差 も駅特有 の行動現象で ある。 _。
ital Textualism
さらに今 日の都市はは大抵、モータリゼーションの発展によって成されてお り、その連絡点である駅 はその核 となることが多 い。ケヴィン・ リンチの言 う 「都市 のノー ド」である。つま り駅がその周辺 に与える意味も考察する事が重要 である。
1-3 JR浜 松町駅
R浜 松町駅をあげる。JR浜 松町駅 今回のプロジェク トではその対象 として」 は ビジネス街に位置する駅 で また羽田空港 へ のモノレール の連結点で もある。 ワール ド・ トレー ド・ センター、モノレール駅 │と 隣接 しているため_巨 大な複合 建築 のように見 えるが実際は個別 の建築群 として存在す るため、駅自体 と して は中規模の 駅建築で― あ:る と言える。また駅 の西側には都立 旧芝離 賜 庭園が .し =恩 隣接す し、都市 の駅 としては珍 い構図を持って いる。
「
劫
図 1-1 浜松 町駅 、配 置 図
加
2
2-1
都市が作 る固有な行動現象
浜 松 町駅 周 辺 へ の 人 間 流 動
」R浜 松 町駅 内 の 人 間行 動 の 固有 性 はそ の 配 置 に大 き く依 存 して い る。JRの 線 路 が 南 北 に走 り、駅 に降 りた 人 は大 き く 3つ の 方 向 に 分 かれ て い く。ひ とつ は 駅 の 西側 に位 置 す る ワー ル ド・ トレー ド・ セ ンタ ー 方 面 で 、そ れ とは反対 側 の 東 側 に位 置 す る 芝 浦 方 面 へ の 流 動 が あ り、そ して 南側 に位 置 す る 芝方 面 へ の 流 動 が あ る。駅 南 側 に位 置 す る浜 松 町 2丁 目へ の 流 動 は コ ンコー ス よ り地 下 レベ ル ヘ と向 か う動線 によ り確 保 され て い るので 駅 建築 と して 考 慮 す る のは 、先 に 挙 げた 3つ に 限 定 して 良 い と考 え る。
2-2 Transrated Phenomenal NIodel 2-1で 述 べ た 3方 向 の流動 を 7:00か ら 19:00ま で 1時 間お きにグラフ化す ると下記 のよ うになる。
(人 )
40000
―
35000
―
30000
JR改 こ
線 人道橋
芝
―
25000 ― ―
札口
。金杉橋 方面 W・ T・ Center
20000 15000 10000 5000 OO ”□ 一
〇〇 ”田 一
〇〇 ”卜 一
〇〇 ”0 一
〇 0 ”D 一
〇 〇 ”寸 一
o o un 一
〇〇 ”劇 一
〇0 ” 一一
〇0 ”〇 一
〇 0 ”い
OO mm
OO “ト
0
図 2-1浜 松 町駅 、流動人 間量
ital Textualism
(人 )
35000
JR改
30000
札口
こ
25000
線人道橋
芝
・ 金杉橋方面
20000
W.丁
15000
。 Center
10000 5000 00 “い 一
〇 0 ”口 一
〇 0 ”卜 一
〇 0 ”輌 一
o o ”n 一
. 旦里
図 2-2 浜 松 町駅 、
。。 ”寸
O o―
田
oo ”n 一 用¨
O O O O 0 0 o o
出 OO ”劇一 滞¨
0
(人 )
JR改
30000
こ
25000
芝
20000
W.丁
15000
札ロ 線人道橋 ・ 金杉 橋方面
.Center
10000 5000 0 0 ”m 一
o o ”m 一
この グ ラ フか ら人 間流 動 の ピー ク は 8:00と
〇 0 ¨卜 一
図 2-3 浜松 町駅 、流
〇 0 ”口 一
O D O―
〇 0 ¨D 一
o o
〇 0 ”寸 一
o 0
鵠¨ o o ¨n 一
0 0
人 入 oo ”倒一
0 0 ”ト
0 0
18:00に あ り、 また 3方 向 の
流 動 量 は ― ル ド・ トレー ド 0セ ンタ ー 方 面 で この流 動 量 が 一 番 多 く、そ れ とは 反対 側 の 東 側 に位 置 す る 芝 浦 方 面 へ の 流 動 が 二 番 目 に多 い 。そ して 南側 に位 置
する芝方面 へ の流動量は最 も少ない量 となっている。 このデー タを空間化、つ ま り第 1部 で述 べ たTransrated Phenomenal MOdelを 作成する。この際駅か ら流 出す る行動 と流入す る行動 には差異が存在することを考慮 に入れる。つ ま り駅か らの流出行動 には方向性があ り、流入行動 には方向性はあま り存在 しな い とい うものである。
ital Textualism
このデユ タをTransratediPhenomenaliMode4、 とするのだがヽまずここで 実際ヤ 欲 間が自 由に行動できる 20m「 ×i120mの 平面を与えそれをそれぞれ 12: 分割 、8分 割する。つiま :り Z詢 .X踊 _の メッシュを作成 し、7100か ら,191100: まで 1:時 iFE5お :き の人間漱 _ポ テン シャル図を作成する。その図式が次頁の図で あiる 。 =
図「2-4 浜松 町駅 計画、概念図
一 ´ ﹁ . .. . .
Xl
X2 X3X4:X5 X6:X7 X8 X9 X10 Xll Xi12 X13 図 2づ :浜 松町潟 594 594L 594 5 594 瑠 594 1297 1297 1麗 ラ ■‐ 297 ■297 1297
2
BC
1〔 引
Xl
X2
.画 、軸図
51超 ―
1,880
X3 X4 X5 X6 X7
ヨ
516 5113
7
5T3
5■ 3
5■ 3
51
5・ 1「
5■ 3 513
51'3
51'3
51'3
51i3
7
7
53網
7 58硼
513 51(3 7
7
7
589
7
Sa
51,3
5■ :3
5T3
5聰
7
5■ 3
51'3 7 7
7
589
S39
589
X8 X9 X10 Xll X12 X13
図 2-6 浜 松町駅計画、 流動 マ トリ ックス (7:00)
3
X3 X4 X5 X6 X7
X8 X9 X■ O Xll X12 X13
図12-7 浜松町駅計画、流動マ トリックス (色 変換)(7100)
- 46-
_Digital Textl121lsm
│
,
1
1
│ │ │
1 1■ ■ │
1
1
│
1
│
‘ 一・ ,一二 . .
一 L目
Xl X2 X3 X4
X5 X6 X7 X8 X9
X10 Xll x12 X13
図 2-8 浜松 町駅 計画 、 流 動 マ トリ ックス (色 変換 )(7:00∼ 19:00)
Dieital Textualism
2-3
新たな Event Roop
前頁 の図式か ら新たに計画す る空間での行動特性が把握でき、確かに時間に よって この空間│の 人間分布が異な ることがわかる。 そ こで人 間分布が少な い時、 つ ま りその空間‐ がほとんど使われた いな い時には新たなイ ベ ン トあるいは機能 を持 って くる必 要 があ り、人間,流 動が多 い ときはそれを取 り除 くとい った必 要 がある。そのために計画する駅 はそ の西側 をイベ ン トを支える設備が収 まるボ リュー ム としてそfFl外 の部分を流動的な空間 とする。 また人間流動 の少な い空間に機能 を時系列的に付加 して い くのだがただ置 い ただけではそ こでの行動が他の 「流れる空間」とうまく接合 しな い という問題 が生 じるので、付加す る空間を循環す る行動 のルー プとして 設けそれを成立 さ せるよ うに機能 を配置 して い くと い う方法 をとる。そ こでループを複雑 か また そのシー クエ ンスをダイナミックにするために上部 にもう 1層 設 け 2層 で構成 され るルー プを作 り出す。その行 動のルー プと新 たなイ ベ ン ト・ ダイアグラム を記 したのが次頁の図である。
2-4
チ ャ ンス・ オペ レー ションの導入
第 1部 、4章 で述 べ たように行動 科 学か ら設計 というプロセスのな かで最 も大 きな 問題が行動を完全 にコン トロールできないとい う問題力` あ り、 チャンス・ オ ペ レー シ ョンの導入がひつよ うである と述 べ たが、 ここで提 案 した行動 の ルー プは何重か に重な ってお り、その選択が行動 のチ ャ ンス Qオ ペ レー ション を生み出す と考 え られる。
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Digital Textualisln
3rd Floor
2nd Floor
14100
一
3rd Floor
2nd Floor
3rd Floor
2nd Floor
3rd Floor
2nd日 ooF
3rd Floor
17:00
一 一 一E 一 一
│││
畳 量
2nd Floor
18:00
3rd Fkx)r
12:00
19:00
■
, 一
一 ・
一
・ 一
一
一
=
3rd Floor
一 二
一 一
・ ・
一
一
十1二 十2nd F:oor
図 2-9 Event Roopダ ィアグラム
(7:00-19:00)
13100
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Digital Textualism
3
31
視 点 の行動科 学
浜 松 町 にお け る 「視 線 」
」R路 線 上 に駅 を構 築 す る こと は都 市 に とって はそ の 関係性 を非 構 築 す る こと にな る。とい うの も南 北 に走 るJR路 線 がす で に浜 松 町地 区 を東 西 に分 断 して お り、駅 の 存 在 がそ の 分 断 に拍 車 をか け る と も考 え られ るか らだ。 もち ろん駅 を 経 由す れ ば 南 北 の 動線 が 確 保 され るが 、視線 と い う立 場 で は 駅 の構 築 は視 線 の 分 断 、つ ま り非構 築 につ なが る の で あ る。そ こで この よ うな地 理 的条 件 の な か で 駅 を構 築 して い くた め にはそ の 駅 が 周辺 か らの視 線 を ど う受 け るか を考 慮 し な けれ ばな らな い 。
3-2
ガ ラス面 が 作 り出す 「視 線 」
駅 内部 の 自由な行 動 空 間、つ ま り経 路 選択 が 自由な空 間 で あ る 東側 部分 の ガ ラス 面 が 持 つ 意 味 は非 常 に重 要 で あ る。そ れ は 「視 線 」 によ って 都 立 旧芝離 宮 恩賜 庭 園 と結 ばれ るか らだ。当然 駅 か ら芝 離宮 を見 る こと もあれ ば芝 離 宮 か ら 駅 を見 る こ ともあ る。しか した だ そ こに ガ ラス 面 が存在 す るだ けで あ った な ら 両者 の行 動 を認 知 させ る ことは 難 しい 。つ ま り「見 る こと」と 「見 られ る こと」 は 常 にパ ラ レル で あ る事 を認知 させ る事 によ って 駅 と芝 離 宮 は 「視線 」 とい う 見 えな い 関 係 性 を築 く こ とにな る。 駅 東側 に 設 け られ た ガ ラス・ ウオー ル はそ の 材 質 状 、反 射 、透 過 、と い う現 象 を持 って い る。特 に 反 射 は 即座 に 駅 と芝離 宮 の 視 線 の イ ンタ ラクテ ィ ブ 性 を生 み 出す 可 能 性 が あ り、この 反射 を うま く利 用 して 両 者 の イ ンタ ラクテ ィ ブ性 を 加 速 させ る 事 は可 能 で あ る。こ こで 視 線 はそ の 焦点 が 変化 す る とそ れ に合 わせ て 動 くと い う前提 に基 づ くな らば 、駅 と芝離 宮 を結 ぶ 視線 に も動 き を与 え る こ とでそ の 視 線 はよ り重 要 な もの とな るで あ ろ う。つ ま り反 射 に よ って 何 が 移 る か をコ ン トロー ルす る ことに よ っ て 視 線 に動 き を与 えて い こ う とす る も ので あ る。建 築 的 には反 射 の コ ン トロー ル は ガ ラス 面 の 傾 斜 角度 に よ って 決 定 され る
ため、ガ ラス面 の傾斜 はその視線 (入 射角 と反射角)と 絶えず リンクする事 に なる。 都市 にお いて反射 をコン トロー ルす ることは都市に見えな い軌道 を描 くこと である。つ ま り 「視線」 とは都市 において見 えな い 「幾何学」であ り、 この見 えな い 「幾何学」を描 き、制御す る ことが 「視線」 による Digital Textualism の大きな特徴である。次頁に芝離宮 と駅 を結ぶ見 えな い幾何学 とそれによって 決定 され るガ ラス面 の断面 を記す。 - 50 -
Digital Textualism
Movement of eyes
Section through the Axis
Xl
X2
/
X3
ノ
′ 一
X4
X5 ―
―
―
フ
X6
X7
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X9
X10
Xll
X12
X13 図 3-1 浜 松 町駅 計画 、視線 ―断面 関係 図
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Digital Tcxtualism
3-3
見 え な い ラ ン ドマー ク
ケヴィン・ リンチ はその著書 「都市 のイ メー ジ」で都市 を構成する要素のひ とつ として 「ラン ドマー ク」を挙 げて いる。それは周辺地区に対す る垂 直方向 の変局点 を意味す るが この 「ラン ドマー ク」が現代都市で どれ ほどの効果を持 つか検証 す る必要がある。 リンチが 「都市 のイ メー ジ」を著 した頃よ り、はる かに高層建築が増え、もはや垂 直方向には都市の変局点 は見 いだせないので あ る。 また 何 よ りもま して幾何学 的な変局点 を見 い だそ うとす る 「パー ス ペ ク ティブ」が存在 しな いのではな いだろ うか。 浜松町にお いて も同様な ことが言 える。つま り駅 に 「ラン ドマー ク」的な特
X(u,v)=
0 ・マんi 〓 0 ・マんi 〓
異性 を持 たせた ところでそれはほ とんど周辺 の長高層建築 に同化するだけであ る。また駅 によ り東西 に分断させ られた都市 をつな ぐのは 「ラン ドマー ク」的 解決 では不可能である。ここで も 「視線」が重要な働 きをす る。つま り「視線」 ゛ を東西 に繋 くよう促す ことが重 要 である。具体的には駅 の屋根面 を双 曲放物面 にす る。この放物面 の数式 は次式で与えらるが、特徴 として 3次 元的に変化す る曲面 を作 り出す事が可能で、 この変化を 「視線」が負 うことによって意識的 に分断された東西 を結ぶので ある。逆に言えば東西をつ な ぐ 「視線」の方向性 を数式化 し集合化 した ものが双 曲放物面であるとも言える。また双 曲放物面は 数式 によって決定 され るため施 工 上、軸線 と軸線 の交点 を求 めるのが容易であ るとい う利点 も持 つ 。
bi",BI(u)BI待 )
図 3-2 双 曲放 物 面
tal Textualism
丸 ♂
こ橘
図
3-3
浜 松 町 計 画 、 視線 によ る双 曲放物面 -1
― ―
― ― ―
││‐ │
図 3-4 浜松 町 計 画、視線 によ る双 曲放 物面 -2
図 3-5 浜松町 計画 、視線 によ る双 曲放 物面 -3
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I
)igi trrl Textualisrrr
4 Graphcs Data集
以上のよ うな過程 を経て設計 した浜松町駅計画のイメー ジを登載す る。この ア ウ ト・ プ ッ トも あ くまで 過 程 の 一 部 に 過 ぎ ず 、逆 に 言 え ば Digital Textualismは 最終的なアウ ト・ プ ッ トの構 築 を許容 しないと も言える。
図 4-1 浜 松 町駅 計画 、外観
図 4-2 浜 松 町駅 計画 、外観
図 4-3
│:]
計 画 、 内観
■ ││││■
図4-4 浜松町駅計画、鳥欧図
図 4-5 浜 松 町駅 計画 、鳥激 図
ital Textualism
5 Digltal Data集
本 プ ロ ジ ェ ク トで 用 い た Digital Dataを 以 下 に登 載 す る。 表 5-l
7:00 8:00
JR改 札 ロ
こ線 人 道 橋
芝・ 金杉橋 方 雇
out
out
out
17250 33190 21000 15000 10500 10250 12063 975C 900C 9000 7500 8479 2000
9:00
10:00 11 :00
12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00
表 5-2
1210C
9673 860C 710C 600C 5350 5036 5550 6200 6950 5320 6755 1400
2100 800 700 700 700 60C 70C 85C
88C 85C 30C
JR駅 流入 人間量 こ線 人道橋
芝 ・ 金杉橋方顧 W.T.Center
ln
:n
200 200 700 1100 1700 2900 3800 4500 5600 6000 13900 13300 2900
750 1750
9:00 10:00
4500 4500 6000 7250 7250 8750 10500
11 :00
12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00
12000
21500 28500 11000 表 5-3
12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00
10300 7100 3800 4200 6327 3600 2100 1200 1300 874 300
1150 5241
in
υ :じ U
11 :00
400C 18276
W.T,Center out
」R改 ILロ
7:00
7:00 8:00 9:00 10:00
JR駅 流 出人間量
150 250
40C 1300
40C 50C 60C 65C 70C
3400 2900 3700 3700 2750 3550 4250 5150 5000 12600 6500
70C
650 850
2600 2600 1600
JR駅 流動人間量
JR改 オLロ
こ線 人道橋
芝・金 杉 橋 方 屁
W.T.Center
tota!
total
に otal
total
18000 34940 2550C 1950C 1650C 1750C
19313 18500 19500
21000 29000 36979 13000
4200 18476
1]000 8200 5500 7100 10127 8100 7700 7200 15200 14174 3200
130C 5491
2500 1300 1300 1350 1400 1300 1350 1700 3480 3450 190C
12500 10973 12000 10000 9700 9050 7786 9100 10450 12100 10320 19355 790C
ital Textualism
表
5-4 JR浜 松 町駅 計画 人間流動 マ トリックス (7:00) 222.2 222.2
222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2 222.2
127.8 127.8
1008
1008 1008 1008 1008 1008
127.8
1008 1008 1008 1008 1008 1008
4
4
4 4 4 4
4 4
4 4
4 4 4 4 4
3 3 3
3
3 3
25 25 25
25 25 25
4 4 4 4 4
4 4 4 4 4
4
3
3
3
3 3
3 3
3
3 3
3
3
3
227 227
227 227
227 227
4 4 4
4
4 4 4 4
4 4
4 4 4
4 4 4 4 4
4 4 4 4 4
3 3
3
3
3
3
227 227
227 227
227 227
227 227
4 4 4
4 4 4
4 4 4
4 4 4
4 4 4
3
3
3
3
3
3
3
3
3
131
131
131
131
3 131
25 25
25 25 25
25
25 25 25
252 252 1038 1038 1038 1037 1037 1164
252 252 1038 1038 1038 1037 1037 1164
25
1278 127.8 1278 1278 1278 1278
3
3 131
4 4 3 3
131
ital Textualism
表 5-5
JR浜 松町駅 計画 人間流動 マ トリ ックス (8:00) 508 508 508 508
508 508 508
508 508
508
508
508
508
508
508 508 508 508
508 508
508 508
582
582
582
582
1209 1209 1209 1209
209 209 209 209
6 6
6 6 6 6
6 6 6 6
7
6 6
508 508
508 508 508 508
508 508 508 508
508 508 508 508
582
582
582
582
582
6 6 6 6
6 6 6
6 6 6 6
6 6
6 6 6 6
6 6 6
7
7 7
6
7 7
7 7
7 7 7
7
7
7
7
7 7
81
81 81 81 81 81 81 81 81
513 513
513 513 513 513
513 513 513 513
7 7
7
7
7
81 81 81
81 81 81
81
1880
594 594 594 594 1297 1297 1297 1880
513 513 7
7 7
589
7
589
00
594 594 594 594 1297 1297 1297
7
7
6 6
7 7
7
7 7
7
7
7
7 7
513 513 513 513
513 513 513 513 7
6
7 7
513 513 513 513
513 513 513 513 7 7 7
589
7
7
7
7
7 7 7
589
589
589
ital Textualism
表 5-6 」R浜 松町駅 計画 人間流動 マ トリックス (9:00)
286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
286 286 286 286
233
233
233
233
233
233
233
233
233
1075 1075
1075 1075 1075 1075 16 16 16
16
16 16 16
16
16 16 16 16 16
16 16 16 16 16
16 16
16 16
16 16 16 16 16
15 15 15
15
15 15
15
15
15 15 15
15 15 15
15 15 15
302 302 302 302
302 302 302 302
302 302 302 302
302 302 302 302
302 302 302 302
302 302 302 302
16 15 15
16
16 15 15
16 15 15
16 15
16
16
15 15
η5
15
15
248
248
15 15
248
248
248
248
248
286 286 286
司075
1075 16 16
16 16 16
15
213 213 213
213 213 213
213 213
514 514 514 514
1303 ]302 η302 153(
16
16 16 16 16
15 15 15
16 16
15
16 16
16 16 16
213 213 213 213 213 213 213 213 514 514 514 514 1303 i302 1302 1536
- 59 -
302 302 302 302
Digital Textualism
表 5-7 」R浜 松町駅 計 画 人間流 動 マ トリックス 197 197 197
197 197 197
197
197
197
197
197
197
197
197
197
197
197 197
197 197
197
197
89
89
89
89
888 888 888 888
888 888 888 888
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
19
19
19
19 19
19 181 181 181 181 181
181 181
181
403 403 403 403 1093
1087 1087 1176
(10:00) 197
197
197 197
197
197
197 197 197 197
197
89
89
89
89
89
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
24 24 24 24 24
19 19 19
19 19 19
19
19
19 19
19 19 19
19 19
19
19
19
19
222 222 222 222
222 222 222 222
222 222 222 222
222 222 222 222
222 222 222 222
222
24 19 19
24 19 19
24 19 19
24
24 19
19
19
107
24 19 19
107
107
107
107
107
19
197
197
197
19
181 181
181 181
181 181 181 181
403 403
403 403 1093 1087 1087 1176
222
222 222 222 24 19 19 107
19
222
222 222
ital Textualism
表 5-8
JR浜 松町駅 計 画 人間流 動 マ トリックス (11:00) 141 141 141
141 141
141
141
78
78
60C 60C
600 600 600 600 600
600
600 600 31
31 31 31 31 31 31
¬41
141
141 141 141
78
141
141 141
141
141 141 141
78
78
31 31
31
141
141
141
141
141 141
141
78
78
78
78
31 31 31 31 31 31
31 31 31 31 31
31 31 31 31 31 31
31 31 31 31 31 31
33 33
33 33
33
172 172
172 172 172
172 172 172 31 31 31
33
31 31 31 31 31
31
31 31 31 31
33 33
33 33
33
33
33
33
403 403 403
172 172 172
172 172 172
172 172 172
172
31
863
863 863
31 31 31
31 31 31
31
31 31 31
33
33
33
33
31 31
33 33 231 231 231
231 231 231
231 231
403 403
403 863
33
33
31
141
33
231 231 231 231
231 231 231 231
863
863
31
31 31 31
865
865
33
33
942
942
172 172
172 31 31
ital Textualism
表 5-9 」R浜 松町駅 計 画 人間流 動 マ トリックス
(12:00)
156
156
156 156
156 156
156 156 156
156 156 156
156 156 156
156 156 ]56
156 156 156
156 156 156
156 156 156
78
78
78
78
78
78
78
78
78
535 535 535 535 535
535 535 535 535 535
46 46 46 46 46 46 46
46 46
46 4C 46
46 46 46
46 46
46
46
46
46 46 46
46 46 46 46 46 46
46
46 46 46 46 46
46 46 46 46
46 46
46 46 46 46 46 46 46
46 46
46 46 46 46 46
46 46 46 46
72
72
72
72
72
72
72
72
72
231 231 231 231 231 231 231 231
231 231 231
202 202 202
202 202 202
202 202 202
202 202 202
202 202 202
202 202 202
202 202 202
46 46 46 46
46 46 46
46 46
46
46
46 46
46 46
46 46
46
46 150
46
46
46 46 46 46
150
150
150
4( 4C
46
231
231 231 231 231
433 433 433 812 812 812 812 916
150
E0
433 433 433 812 812 812 812 916
4(
46
46 46
150
ital Textualism
表
5-10
」R浜 松 町駅 計 画 人 間流 動 マ トリックス
176 176 176 176
176 176 176 176
176 176 176 176
78
78
63C 63C 63C 63C
630 630 630 630
60 60
60
60
60
60
60
60 60 60
60 60 60
60
60 60 6C 6C 6C
78
78
78
172 172 172 172 172 172 172 172
172 172 172 172 172 172 172
408 408 408 408 862 862 862 957
408 408 408 408 862 862 862 957
236 236 236 236
60
(13:00)
176
176
76
176
176 176
176 176 176 176
176 ]76 176 176
176
176 176
176 176
176
76 76 76
78
78
78
78
78
78
78
6C 6C 6C
60 60
60 60 60 60
60 60 60 60
60 60 60 60
60 60 60 60
60
60
60
60 60 60
60 60 60 60 60 60
60 60 60
60 60 60
78
78
78
78
78
78
236
236 236 236 236
236 236 236 236
236 236 236 236
236 236 236 236
236 236 236 236
60 60
60
60 60 60 156
6C 6C
60 60
60
60 156
60 60 60
60
176
172
236
236 236
60 6C 6C
60 60 60
60
156
60
156
156
156
60
ital Textualism
表 5-11 」R浜 松町駅 計 画人間流 動 マ トリックス (14:00) 100
100 100 100
100 100 100
100
100 100 ]00
10C
OC OC OC 00
10C 10C
100 100
100
100
100 100 100 100
100
100
67
67
67
71 71
71 71 71
71 71 71 71 71 71
71
78
78
78
100
100 100 100
67
67
67
67
67
67
694 694
694 694 694 694 71 71 71
71
71 71 71 71
71 71 71 71 71
71 71 71 71
71 71
71 71 71 71 71 71 71
71
71 71
78
78
78
78
78
209 209 209 209 209 209 209 209
209 209 209 209 209 209 209 209
381 381 381 381
381 381
171 171
381
171 171 171 171
975
71
975
71
71 71
71 71 71
171 71 71 71
144
144
144
144
694 694 71 71 71 71
975 975 975 1048
381
10C
7コ
71 71
71
78
100 100
71
71
71 71 71
171
171
171
171
171
171 171
171
171
171 171 171
171 171 171 171
171
71 71 71
71 71 71
71 71
144
144
144
975 1048
71 71
100
171
171 171 171 71
tal Textualism
表 5-12
JR浜 松町駅 計 画 人間流 動 マ トリックス (15:00) 117 117
117 117
117
117
117
117
117
78
78
78
78
78
517 517 517
517
517
517
517 517
517 517
89 89 89
89 89
89 89 89 89
89 89 89 89 89 89 89
89 89 89
89 89
89
89
89 89 89
89 89 89
117
89
117
117
117 117
117 117
78
78
78
78
89
89 89 89 89
89
89 89
89 89 89 89 89 89
89
89
89 89 89
117
517 517
89 89 89
89
89 89
89 89
89
89
89
89 89 89
72
72
72
72
72
72
72
72
72
266 266 266 266 266 266 266 266
266
20G
206 206
206 206
206 206
206 206
206 206
206 206
89
89
89 89 89
89 89
89 89
89 89
89 89 89
89
89
89 89
89
89
89
89
89
89
89
89 150
89 150
89 150
89 150
89
89
150
150
471
266
266 266 266 266
266 266
932
932
150
00
471 471 871 871 871 871 871
206
471 871 871 871 871 871
89
89 89
表
5-13 JR浜 松 町駅 計 画 人 間 流 動 マ トリ ック ス (16:00) 133
133
133
133
133
133
133
133
133
94
94
94
94
94
94
94
94
94
496 496 496 496 496 496 496
496 496
95 95 95 95 95 95 95
95 95 95 95
95 95 95
95 95 95 95
95
95
95 95 95 95 95 95 95
95 95 95
95 95 95
95 95 95 95 95 95 95
95 95
95 95 95 95
95 95 95 95 95 95 95
94
94
94
94
94
94
94
94
94
322 322 322 322 322 322 322
322 322 322 322 322 322 322 322 55C
229
229
229
229
229
229
229
914 914
95 95 95 95
95 95 95 95
95 95 95 95
95 95 95 95
95 95 95 95
95
95
95
95
95
95
95 95 95 95 95 95
189
189
189
189
95 95
95
322 550 914 914 914 914 914 914 1007
496
496 496 496 496
95
95
914
95
95
95 95 95 95 95 95
1007
189
189
189
914 914 914
- 66 -
95 95 95 95
95 95 95
Digital Textualsm
表 5-14 」R浜 松 町駅 計画 人間流動マ トリックス
(17:00)
144
144
144
144
144
144
144
144
144
98
98
98
98
98
98
98
98
98
380 380 380 380
380 380 380
380 38C 38C
380 380 380
221 221 221 221 221 221 221
221 221 221 221 221 221 221
221 221 221 221 221 221 221
221 221
221 221 221
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221 221
221
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221 221
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221 221
221 221 221
221 221 221 221 221 221 221
221 221 221 221 221 221 221
289
289
289
289
289
289
289
289
289
313 313 313 313
313 313
365
365
365
365
365
365
365
221 221 221 221 221 221
221 221 221 221
221 221
221 221
221
387
221 221 221 221 221 221
387
38C
221 221
313
313 313 313
313 313 313 313 313
678 913 913 913 913 913 913 1079
678 913 913 913 913 913 913 1079
31
221 221
221
221
221
221 221 221
221 221 221
221 221 221 221
221 221 221 221 221 221
387
387
387
387
387
221
221
ital Textualism
表
5-15
」R浜 松 町 駅 計 画 人 間 流 動 マ トリ ック ス
(18:00)
97
97
97
97
97
97
97
97
97
94
94
94
94
94
94
94
94
94
483 483 483 483 483 483 483
483 483 483 483 483 483 483
211 211 211 211 211 211 211
211
211 211
211 211 211
211 211
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211
211 211
211 211
211 211 211 211 211 211 211
211 211 211 211 211 211
211
289
289
211
211
211
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211
211
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211 211 211
289
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289
788 788 788 788 788
788 788
788
788 788
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211 211 211 211 211 211 211
289
289
289
211
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211 211
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788 788 788 788 788 788
1096
1096
308
308
308
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1481 1481
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1481 1481
1481
1481 1481
1481 1481 1481
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211 211 211 211 211 211
1653
1653
211 211 211 211 211 211
211 211 211 211 211 211
211 211 211 211 211 211
211 211 211 211 211 211
383
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383
211 211 211 211 211 211
383
383
383
383
ital Textualism
表
5-16 JR浜 松町駅 計 画 人間流 動 マ トリックス (19:00) 33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
33
100
100 100
100 100 100 100 100 100 100
64 64 64 64 64
64 64 64 64 64
64
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64
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64 64 64 64
64 64 64 64 64
64
64 64 64 64
64 64 64 64
64 64 64
64 64 64 64
64
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59
59 59 59
59 59 59
59
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59 59
59 59
59
59 59
59
59 59 59
59 59 59
98 64 64
98 64 64 64 64
98 64 64 64 64
98 64 64 64 64 59 59 93
10C 10C
100 100
59 59
40C 406 406 406 406 406 406 406
40( 40C
504
504
571 571 571 571
571 571 571 571
56C 56G
566 566
599
599
64
406 406
′﹁
ハ︶
406 406 406
- 69 -
98 64
64 64 64 59
59 93
98
64 64 64 64 59
59 93
64 64
59 93
93
59 93
98
64 64 64 64 59 59 93
Digital Textualism
6
よ〕 Jbり に
本論文 を書 くにあた って、まず これまで大変 、お世話 になった渡辺仁史教授 にお礼 を述 べ た い と思 い ます。教授 には修 士論文以外 の研究活動 にも展覧会 出 展 の機会 を与 えて くだ さるな どさまざまなお計 らい をしていただき ました。そ の ような経験 が もとになって本論文 へ と展開できた ことはい うまで もあ りませ ん。また本研 究 はもとよ りこれ までの活動な どで先輩、後輩、同輩 には大変お 世話 にな りま した。大学院の 2年 間で コ ンペ な どで幾 つ か の賞 ををいただき、 また展覧会な どに出展 できたの もひとえにお世話になったみなさんのおか げだ と思 ってい ます。 渡辺仁史研究室は早稲 田の建 築 のなかで は唯一の計画学 の研究室 と言 って 良 い と思 いますが、そ の展開の可能性はまだまだた くさんあると思 い ます。特 に 建築 の人間行動が注 目されて い る現在ではそ の可能性 は非 常 に大き く、ある意 味ですべて は始 まった ばか りで ある、と言えます。今後 の研究室 の発展に この 研究が少 しで もお役 にたてれば幸 いです。
- 70 -
Digital Textualism