演劇空間をもとにしたサイン情報の研究

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U9610 早1洒 田大 学理 工学部建 築学 科 卒業論文 指 導教授

渡 辺仁 史

演濠I空 間 をも とに したサイ ン情報 の研究 鈴木伸行

Department of Architecture, School of Scicnce and Engineering, Waseda University



1996年

渡 辺 仁史研 究室 卒 業 論文

演濠1空 間 を も とに した サ イ ン情 報 の研 究

早稲 田大学理工 学部建築学科

G3D073-8 鈴木伸行


目次 は じら わに

1

序論

2

研究背 景

3

■第一章

1-1

(1)今 日のサ イ ンにつ いて (2)今 日の演 劇 につ いて (3)サ イ ン と演 劇 の か かわ り合 いにつ いて

1-2

研 究 目的 比較 ・ 分 析

■ 第 二章

2-1 2-2 2-3 2-4

■ 第 四章

4-1 4-2 4-3 4-4

5

6 7

8

概要

9

舞台空 間 の 認 識 に 関 す る分類

13 18 23

舞台 空 間 の 時 間設 定 に 関す る分 類 舞 台空 間 の重 要 度 に 関 す る分 類 結果・考察

■ 第 三章

3-1 3-2 3-3 3-4

4

舞 台空 間 の 認 識 に つ いて の 結果 ・ 考察 舞 台空 間 の 時 間 設 定 につ いて の 結果 ・ 考 察 舞台空 間 の重 要 度 につ いての 結 果 ・ 考 察 総論 おわ りに 今後 の 展 望 参考文献 参考資料 あ とが き

28 29 33 39 41 43 44 45 47 147


(1)

Eコ

'

は じめ に

最近 では、いろいろなところでサインとい う言葉を耳にする。サインと聞 くと、普通は 看板や標識などを指す ように思 う。サインとい うものの範囲について、われわれにはよく わか らないというのが最 もな意見であるように思われる。そこでサインというものが、ど のようなものであるのかということを探 っていこうと思 ったのである。 また、自分が芝居にかかわ つているので、舞台空間において情報が観客 にどのようにし て伝わ ってい くのかとい うことも探 つてみたかった。 そ ういった理由から、舞台空間 とサインを同時 に取 り上げていくことにした。

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(2)

第一章 序論


(3)

1-1

研究背景

研究 をするにあた って、次 の 3項 目につ いてそれぞれ背景を考えてみる。

(1)今 日のサイ ンについて (2)今 日の演劇 について (3)サ イ ンと演劇 のかかわ り合 いのついて

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(4)

(1)今 日のサイ ンについて かつてはサ イ ンというものは、看板や標識や案内板 といった類のものを指 し示す言葉で あった。そのような状況の中で 、「サインは環境 との調和が大切である」とい うことが言 われてきた。情報 が増加するにつ れて、当然サインの量も増えて い く。その場合 にサイン がただ必要だからといって無造作 に設置するのではな く、きちんとした計画のもとで、か つ周 りの環境のことも考えた上でサインとい うものをつ くっていかなければな らないとい うことである。そのような現状 において、サイ ンに関する研究はどのようなものがあるの だろ うか。 サインに関する研究 は、調べ てみると大変豊富 である。都市空間・ 建築空間 におけるサ イ ン配置 の研究、サイ ン探索行動 に関す る研 究 、サインを基盤 とした情報環境 に関する研 究 といったように、いわゆる看板や標識 といった類 のサインの研究である。看板や標識 と いった確固とした形 に表せるものの研究 が非常 に盛んである。

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(5)

(2)今 日の演劇 について 現在、演劇 とい うのはひ とつのエ ンターテイメン トとな っている感がある。ただ、よく よく考えてみれば、ひとつ の情報伝達手段 ということもできる。演劇 という情報媒体にお いて最 も中心的な存在 となって いるのは、役者である。役者 の動 き、発され る言葉、表情 などすべてが情報 を伝達 していることは間違 いのな いことである。それ以外 にも、舞台装 置や 、照明、音響 、衣裳、ノ 1ヽ 道具な ども重 要 であることには変わ りな い。様 々な要素がす べて組み合わさつて、ひとつ の演劇空間が構成されるのである。その上で、見る側、つ ま り観客 に情報が伝わるのである。その うちのひとつでも欠 けて しまうと、伝えようとした 情報 が別の意味を持 ってしまった り、まった く情報 として成立 しな くな って しまった りす るのである。 最近では、舞台空間 において、情報伝達 の新 しい方法 として、映像を使 つた ものまで現 れて きている。情報伝達手段が情報化社会の中で、複雑化 していくの と共に、舞台空間に おいて も情報の伝達方法は常 に変化 してい くものなのである。

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(6)

(3)サ インと演劇のかかわ り合 いについて (1)、

(2)の ようにそれぞれを考えてみると、サインと演劇 というものは類似 して

いるのではな いだろうか。それは、どちらも情報を伝達するための手段であると考 えられ ることによる。 したがつて、演劇空間における情報伝達のしかたがどのようなものなのか とい うことを考 えていくことによつて、サ イ ンというものがどのように情報を伝達 してい くものなのかを探ることができるのではな いだろうか と考えた。 このようなことから、 この研究にお いては、演劇空間を媒介 として空間が持つ情報 の仕 組みを探 っていこうとする ものである。

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(7)

1-2

研究 目的

サイ ンの中には看板や標識な ど的確 に情報を提供す るためにつ くられたサイ ンもが、空 間 自体 が情報 として意味を持 つ サインもある。演劇が照明や舞台装置などを伴 つて、ス ト ー リーを提供するものであ り、それぞれの シーンが意味を持ち、その情報を観客 に伝える ことを最重要 としている。そ う考えると、空間自体が情報 として意味を持 つサインを、演 劇空間 に置 き換 えて考えることがで きる。演劇空間の持つサイン情報をもとにして、空間 自体 が持つ情報 の仕組みを明 らかに してい く。

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(8)

第 二章 比 較 ・ 分析


(9)

2-1

概要

任意 に集めた舞台空間の写真 の比較・ 分析 の方法 について概観する。個 々の舞台写真を 分析す るが、その方法 は以下 の通 りである。

(1)舞 台空間が認識可能 か どうか→認識で きる or (五

)舞 台空間 の時間設定 について→過去 or

現在

(面

)舞 台空間の重要度について→明る い

or

暗い

認識できない

or

未来

or

時間不明

このように分類 した上で、それぞれひとつ ずつの項 目について、舞台空間 における情報 と して位置づ けた場合に、その情報がサイ ンとしてどのように位置づ けられるのか というこ とを考 えるために、サインの分類 も付け加 えて い く。サインの種類 として具体的 に、次の 三種類 の項 目に分類 していく。

(サ イ ンの分類 )

1・ ・・・・ 実際的 、あるいは具体的なサイ ン

20・ ・ 00確 固たる形 には表す ことはできないが、知識や経験 から認識できるサイ ン 30・ 。・ 0曖 昧であ り、抽象的 ともいえるようなサイン

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(10)

この ように分類す る理 由 につ いては、以下 の通 りである。

(i)舞 台空間 が認識可能 か どうか 』 とい う分類をするにあたっての理 由

舞台写真 から空間的な情報を読 み取るために、その空間 に リアリテ ィーがあるかどうかと い うことについて検討 してみる必要がある。ただし、ここで言 うリア リテ ィーというもの は、実際に現実味 を帯びて いるか否か ということではな く、自分が今 まで経験 した り、本 や教科書などで読 んだ りして きたことを もとにして、見て何 となく理解できるとい う程度 の ものである。サイ ンというのは、ある意味では視覚情報であるから、一 日見て認識でき るか否 かが非常 に重要 になって くる。そ こで、 リア リテ ィーの有無 について、認識できる か認識 で きないかの二項 目に分類 してみる。 “ 認識できる"と い うのは、見る側が一 日見 てある程度、場所性 を認識で きるとい うことであ り、 “ 認識できな い"と いうのは、一 目 見て も場所性が まるで認識 で きないとい うことである。

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(11)

『 (五 )舞 台空間 の時間設定 について』 という分類をするにあたっての理由 舞台空間をひ とつの情報 として見た場合 に、現実 には存在 しない状況であって も、人はそ の状 況 を認識することがで きる。その ときに状況を認識するにあたつて対象 にしているも のを調 べ ていく。舞台空間における状況 というのは、場面の時間設定、あるいは時代設定 である と考 えることができる。そ こで、舞台空間 における時間設定を考 えてゆ く。『 過去 ・ 現在 0未 来・ 不明』の 4つ に分類 し、そ う判断 した要素を記 して い く。 ここで、分類す る『 過去 。現在・ 未来・ 不明』について述べておく。一般的な「過去・ 現在・ 未来」 とい うのは、今 この瞬間を基準 に して考えるものである。 しか しながら、こ こで分類す る『 過去 。現在・ 未来』 というのは、その舞台がおこなわれた時期を『 現在』 として考えてい くものとする。 また、『 不明』 というのは、時間、あるいは時代の認識 が できないものとする。

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(12)

『 (面 )舞 台空間 の重要度 について 』 とい う分類をするにあたっての理 由 ものを認識するためには当然ではあるけれ ども、光が当たるということが必要条件 となる 。視覚情報 として光 というものを とらえた場合、おおまかにふたつの要素に分類できる。 ひとつ は明るさであ り、もうひとつは色である。 ここで、坂田晴夫氏による『 視覚・視覚 情報・ 視情報』 という論文を参考 にする。「 視覚機能 は明るさ情報 と、明るさ一定で色の みを扱 う色度情報 とから成 り立つ 。明るさ情報 は時間変化に対する応答や細か い像を見る 解像力 に優れている。 このため、像 の形や動 きの判断は、ほぼ明るさ情報だけで充分であ る。写真、テ レビ、映画などがすべ て白黒画像でまず実用化されてきたのは、このためで ある。 」 このことよ り、光の要素 として重要 であるのは、明るさに関す る情報である。 し たがって、本論では光のふたつの要素 の うち、明るさに重点をおいて舞台空間 の重要度 に ついて考えてみる。 普通 に考えれば、舞台空間にお いて重要な ものに明か り、すなわち照明を当てるのは当 然であると考えられる。 しか しなが ら、ここではそういったこともふまえた上で、舞台空 間の一場面 について、明るさとい うものが どれほど重要度を制御 しているのかといったこ とを考えてい く。明るさの分類 の仕方は下 の通 りである。

・・ 基本的には全体的な明るさのことを指す。 (1)明 る い 。 分類 の基 準 として、舞台上に光に痕跡が見えな い もの とする。 (2)暗 い・ ・・・ 基本的には部分的な明るさの事を指す。

分類 の基 準 として、舞台上に光の痕跡が見 えるもの とする。 ここでいう光 の痕跡 とい うのは、光の筋道や光のかたまりが見えるか見 えないかというこ とを指すもの とする。

1996年

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卒業論文


(13)

2-2

舞台空 間 の認 識 に 関 す る分類

(1)舞 台空 間 が認 識 で きるか 一No。 認識

不 可

金 色夜叉

2

二人の主人を一度に持つと

3 4 5 6

近松心中物 語 贋作

罪 と罰

黄昏 のボ ー ドビル

7

・三文オベラ 黒テント 販 ・マルレーン リリー

8

雪国

9

躍 という 名の市電

10或 る女 H どん底 12 13 14

アン ドロマ ック 法王庁の避妊 法

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

1

何 を根拠 に場所性 を認識 したのか

時代劇 にでて くる よ うな舞 台装置 描 かれ た絵 が リア ル、 部屋 内 に暖炉 がある 時代劇 にでて くる ような舞台装置 鉄 バ イ プ に よる表現 が空 間 を重 た く感 じさせる 物入れ が 写 実的 、配置 に よ り現実味がでている 檻 の よ うな舞台装置 机 、椅子 、 ベ ッ ド、窓 の外 の風景が写実的 現実 の裏 山 に酷 似 錆 び付 い て古び た西 洋建築 を表現 した舞台装置 橋 、石積 み塀 、夕方 の風景 、桜 が写実的 た くさんの物 を使 い、 貧 しさを表現 宮殿 の 内部 、向 こうの方 には海が 見える 舞台装置 が 非常 に現実的 、衣裳 も実際的

15

恋 の帆影 ・ベルジュラック シラノ。 ド

16

海賊

17

レッ 忠臣蔵ブート グ

18

・冬の終わりに ゴ タン

19

沈氏 の 日本 人

20

間市愚連隊

21

人 さらい

22

殺人狂

23

汚れ た手

ソフ ァーや机が実 際的 、建築 の 内部空間

24

TAB00

6mぐ らいの は しごの よ うな ものがある

藁葺 き屋根 の家 がその まま設置 されて いる 建築 の 外側 が 表現 され ていて、外 が実感 できる 海賊船 その まま 桜 の 本 が 非常 に写実 的 映画館 内 をス ク リー ン側 か ら見 た装 置 伝統的 な 日本建築、細 部 まで詳細 に作 って ある 建築 の 外 側 の表現 、電信柱 な どで外 が 実感で きる 舞 台 の 奥 には機関車 が ある 外国 の 建築 内部 を詳細 に表現 してある

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(14)

(1)舞 台空間 が 認識 で きるか ―No。

2

認識 不 可

な よた け

木材 が壁のように林立 し、舞台を囲んでいる

タイ タニ ック沈没

大 きめのテ ープルがひとつ置 いてあるだけ

オ ンデ ィ ー ヌ 盲導犬 血 の婚礼 地の駅 水 の駅

32

ショウ マストゴーオン

33 34 35

砂の楽 園

セ ツ ァンの善人

36

CREARANCE

37

欲望という名の市電

38 39

黒 い チ ュ ー リップ 罠

40

CLOCKWORKI

41

さらば北辺の力t/

42

本牧 マ クベ ス

43

祈 る女

44

ペ ール ・ ギ ュ ン ト

45

東京 ノ ー ト

46

SWEET HOME

47

HOC・ E

48

サ テ ィア ン

台所 の 灯

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

25 26 27 28 29 30 31

何 を根拠 に場所性 を認識 したのか

古びた掘 っ建て小屋のような建築の内部 舞台奥 に コインロッカーが端から端 まで設置 自動販売機、 コイ ンラン ドリーが実際 に設置 たくさんの廃材か らできている舞台装置 実際的な公園の水道がど真 ん中に設置されている 劇場 の舞台裏、イヽ 物が乱雑に置いてある ひとつ の建築物の内部空間、窓、階段もある 一面畳が敷いてある.物 が乱雑に散らばって いる 所 々にかかっている看板が実際的 床 一面 に砂が敷 いてある上にひとつのベ ンチ 三階建ての建築物の外側が詳細に作 られている 舞台上をパチ ンコ台が埋め尽 くしている 少 し豪華な西洋建築 の内部空間 歴史 の古 い図書館の内部、すべての材料 は本 ひとつの部屋、ベ ッド、机、椅子は実際の もの 倉庫の内部、輸送するときに物を入れる木箱 ソフ ァー、机、椅子、 ドアがある、建築内部 所 々で光 るネオ ンサ インが実際のようである 非常 に リアルな待合室、本のラックが設置 ガラスの壁、鉄の机が本物のようである 椅子 が点在 している、建築内部の柱 も表現 オウム真理教のサ ティアン内部の感 じが出て いる

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論 文


(15)

(1)舞 台空 間 が認 識で きるか ―No。 認識

何 を根拠 に場所性 を認識 したのか

53

真清あふるる 軽薄さ

夏 の夜 の 夢

69

マ クベ ス (1976)

70

マ クベ ス (1979)

71

戸惑いの牛后の惨事

鉄 の 質 感 を持 った扉 が写実的 場所 をは っき りと認識 する ことはで きない 場所 をは っき りと認識 する ことはで きな い 舞台装 置 の素材 は認識で きるが 場所 は不 明

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文

68

舞台奥 に人 よ り大 きな 月、幻想 的で あるが写 実的

M00NLIT CAMERA

67

机 、椅 子 のある一室 、物 が乱 雑 に点在 して いる

小 さい王国

66

想像 で 、熱帯地域 の設定 を認識で きる

マ ウイ

舞 台中央 に一本の枯 れた木 、外部空間 と認識可

65

舞台上 には砂 と岩 と石 が散在 、宇宙空 間的

ゴドーを待ちながら

樹木 と池 は とて も写実的 、外部空 間 と認識で きる

64

舞台奥 の ボ ロボ ロの 壁が写実的 、床 は一面 水

・クライスト ジー ザス

か もめ

舞 台奥 へ と砂が徐 々 に積み上 げ られ て いる

63

水 の休 日

舞台奥 の壁 と窓が写実的 、建築 内部

風 の駅

椅 子 、 カ ーテ ン、机 は実際的

60 61 62

本材 の 質感 を持 った西洋風 の舞台装置

・シ ルバー 続ジョン

鉄 の 質感 を持 った階段が非常 に現実 的

59

半神

二 人姉妹

アプ ローズ

安 アパ ー トの汚れ た雰囲気 が よ く伝 わ って くる

か た よ りの水圧

55 56 57 58

非常事 態 が 起 こって いるのが よくわか る

○ ○ ○

95kgと 97kgの あい だ

人 の 行 列 が 非常 に実際的 に感 じ取 れ る

○ ○ ○ ○ ○

54

今 は使 われていない工 場 の屋根 を想 像 させる

・マン エレファント

裁判所 の 法廷 が写実的 に表現 されて いる

52

教会 の 内部 が写実的 に表現 されて い る

める 鴨よ、おれたちは弾丸をこ

51

古 び た安 アパ ー トの共同流 し、非常 に リアル

50

虹 の パ クテ リア ポー イズの罠 東京サンシャイン

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

49


(16)

(1)舞 台空間が認識 できるか ―No. 認識 不 可

リア王 の 青 い 城

73

COUNT DOWN

74 ウチハソバヤジャナイ 75 女中 たち 76 R「 IEW卜 Pヽ∼ 77 デジ ,ュ '86 ャ。

78 79 80 81

廃都 よ沈め

!

赤毛 のアン 少年巨人 ヒネミ

82

無 帽調査 始 まる。

83

ち ょん切 りた い

84

十 五少年探偵団

85

夢 の 海賊

86

いつかみた夏の思い出

87

MORAL

88

ひ か りご け

89

パ レー ド

90

夜 叉 ケ池

91

お 気 に召す ま ま

92

想い出の日 本一萬年

93

刻一刻

94

キル

95

くろね このはな し

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

72

何 を根拠 に場所性 を認識 したのか

ただの壁 が建 っている だけである 組 まれ た台が舞 台上 にあるだ けである 完全 な る舞台装置 、現実味 はまった くない 舞台装 置 がな く、 ひ とつ だけ椅子 が ある 一 見 して も場所 は認識で きない ただの壁 が 建 って いるだ けである 現実味 はない、仮想の空 間 舞台上 に大 きな箱 が ひとつ 、それが 展開する 現実味 はな い、仮想 の空 間 机や椅 子 は実際 の ものだが 、舞台装置が美術的 ひ とつ の美術作品 である 鉄板張 りの壁 に囲 まれ た空 間 、場所 は認識不可 階段 は あるが、建築 的で はない 雰囲気 は伝わ って くる、場所の認識 はで きない ドーム状 の物体 が 頭上 に覆 い被さ っている 所 々 に置 かれたテ レビ、 プ ロ ック、場所 は不明 浴室 の よ うな空間であるが 、はっき りわ か らない 異様 な形 のオブ ジェが林立 、場所は認識不可 舞 台奥 の無数 の ひ も、場所 の認識はで きない 舞台上 には金属 質 のパ イプが立 って いる だけ 舞台上 には卒塔婆 の 山 ただ布 団 が あち こちに積 み上 げ られて いる ミシ ンが ひ とつ あるだけ 木材 で 組 み立て られ た舞台装置 、場所 は認識不可

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(17)

(i)舞 台空 間 が 認 識 で きるか 一No.5 不 可

99

BARRIKADE

電子 的 なイメ ー ジが伝わる、場所 の認識 は不可 未来 を想 像 させ るが 、場所 の認識 はで きな い

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

100 SK I N

舞台 上 には ものが ほ とんどない 3

ヴェニ スの商人

舞 台上 にはただ雑 中 がた くさ ん 吊 り下が つて いる

98

舞 台奥 には大 きな唇 がある、抽象 的 な舞台装 置 2

いつかのあの かきに 咲く ホい花 家

97

○ ○ ○ ○ ○

96 ギプス

何 を根拠 に場所性 を認識 したのか


(18)

2-3

舞台空間の時間設定 に関する分類

(五

)舞 台空 間 の時間設定 ―No.1

時 間 の 分類

何 を根拠 に時間を認識 したか

1

金 色夜叉

舞 台装置 (伝 統的な日本建築 )、 衣裳

2

二人の主 人を一度に持つと

舞台装置 とな っている幕 の絵

3

近松心中物語

舞台装置 、衣 裳

4

贋作

罪 と罰

衣裳

5

黄昏 のボ ー ドビル

衣裳

6

舞台装置 (檻 の ような もの )、 衣裳

7

・三文オペラ 黒テント 版 ・マルレ¨ン リリー

舞台装置 (昔 の西 洋建築 )、 衣裳

8

雪国

衣裳

9

欲望とい銘の市電

舞台装置 (錆 び た西 洋建築 )

10

或 る女

衣裳

11

どん 底

舞台装置 (本 造 日本建築 )、 衣裳

12

ア ン ドロマ ック

舞台装 置 (宮 殿 か城 )

13

法王庁 の避妊 法

衣裳

14

舞台装置 (藁 葺 き屋根 、灯籠 )

15

恋 の帆影 ・ベルジュラック シラノ。 ド

衣裳

16

海賊

舞台装置 (海 賊船 )

17

0

衣裳

18

レッ 忠臣 蔵ブート グ タンゴ。 冬の終わりに

舞台装置 (錆 びれた映画館 )

19

沈氏 の 日本人

舞台装置 (伝 統 的 日本建築 )

20

間市愚連 隊

舞台装置 (看 板 )

21

人 さ らい

舞台装置 (古 機 関車 を使 った喫茶店 )

22

殺人狂

舞台装置 (昔 風 の西洋建築 )

23

汚 れ た手

舞台装置 (昔 風 の西洋建築 )

24

TAB00

小道具 (能 面 )、 衣裳

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(19)

(五

)舞 台空間の時間設定 ―No.2

時 間 の分類

2 3   3 3

ストゴーオン ショウ マ

4 3

砂 の楽園

5 3

台所 の灯

6 3

セ ツ ァンの善 人

7 3

CREARANCE

8 3

欲望という名v9市 電

9 3

黒 い チ ュ ー リ ップ

0 4

1 4

CLOCKWORKI

2 4

さらば地 のカモメ

3 4

本 牧 マ クベ ス

4 4

祈 る女

5 4

ペ ール ・ ギ ュ ン ト

6 4

東京 ノー ト

7 4

SWEET HOME

8 4

H・ C・

E

サ テ ィア ン

1 3

水 の駅

0 3

地 の駅

9 2

血 の婚礼

衣裳 題名 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

8 2

盲導犬

○ ○ ○

7 2

オ ンデ ィーヌ

6 2

タイ タニ ック沈没

現 在

5 2

な よたけ

何 を根拠 に時間を認識 したか

舞台装置 (本 材 による掘 っ建て小屋 ) 舞台装 置 (コ イ ンロッカ ー) ランド 群 、帥競機、コイン リー ) タ スピー イヤ、 カー 鉄く ず、 舞撃髪主義姜罷曇(廃 材の山― 舞台装置

(自

)

舞台装置 (公 園 にあるような水道 ) 舞台装置 (非 常 □の看板 ) ビー ル、 プロ、ラガ… 嫁覇 小道具 (ワ …

)

小道具 (選 挙 ポス タ ー) 舞台装置 (看 板 ) 衣裳 舞台装置 (古 びた安 アパ ー ト) 舞台装置 (パ チ ンコ店 ) 舞台装置 (現 代 的な西洋建築 ) 小道具 (コ ン ピュ ー ター)、 衣裳 小道具 (電 気 ス トープ ) 衣裳 衣裳 舞台装置 (ネ オ ンサイ ン) 舞台装置 (待 合 室 ) 衣裳 衣裳 社会現象

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論 文


(20)

(五

)舞 台空間 の時間設定 ―No.3

時間の分類

マ クベ ス (1979)

71

戸惑い鮮肩の諄

過去 ともとれる し、現在 ともとれ る

70

過去 ともとれる し、現在 ともとれ る

舞台装置 (本 材 による窓硝子 )

1996年

渡辺 仁史研究室

マ クベ ス (1976)

過去 ともとれる し、現在 ともとれ る

69

幻想 的であ り、時間 はわか らない 3

夏 の夜 の 夢

時間 を確認で きる要素はない

68

外国 の時間設定の判断 はむず か しい

M00NLIT CAMERA

いつの時代 (時 間 )と もとれる

67

土や砂 か ら時間 の判断 はで きな い

小 さい王 国

樹木や池 か ら時間の判断 はで きな い

66

床 一 面 に水 、汚 れた舞 台装置

マ ウイ

ただ床 一 面 に砂が 敷 いて あるだ け

65

過去 ともとれる し、現在 ともとれ る

ゴドー を待ちながら

過去 ともとれる し、現在 ともとれ る

64

いつ の時代 (時 間 )と もとれる

・クライスト ジー ザス

か もめ

舞 台装置 (現 代的な素材 )

63

水 の体 日

舞台装置 (古 びた安 アパ ー ト)

風 の駅

衣裳

60 61 62

社 会現象

・シ 1ル′ 続ジョン

半神

59

アプ ローズ

舞台装置 (電 灯 )、 衣裳

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

二人姉妹

かたよ りの水圧

衣裳

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

55 56 57 58

舞台装置 (教 会 内部 )、 衣裳 2

54 95kgと 97kgの あい だ

ラオケ、サ ング ラス )

真情あふるる 軽薄さ

(カ

53

小道具

・マン エレファント

52

お れたちは弾丸をこ める 鴨よ、

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

51

未 来

虹 の パ クテ リア

現 在

49 50

何を根拠 に時間を認識 したか

卒業論文


(21)

(五

)舞 台空 FE5の 時間設定 ―No.4

時 間 の分 類

何 を根拠 に時間を認識 したか

○ ○ ○ ○ ○ ○

72

リア王の青 い城

73

COUNT DOWN

74

ウチハソバ ヤジ ャナイ

75

女 中 たち

76

HttEW卜 計■

77

・ヴュ'86 デジ ャ

78

廃都 よ沈め

79

赤 毛 の アン

○ 現実 の空間 として成立 し得 な い

80

少 年 巨人

○ 現実 の空 間 として成立 し得な い

81

ヒネ ミ

○ 美術的要素が強 く、空想 空間である

82

無 帽調査始 まる。

○ 美術的要素 が強 く、空想空間である

83

ち ょん切 りた い

○ 有 りそ うで、無 さそ うな空間

84

十 五少年探偵 団

○ 美術的要素が強 く、空想空間である

85

夢 の 海賊

○ 雰囲気 か らは時間は判断 で きない

86

いつかみた夏の思い出

○ 美術的要素 が強 く、空想空間である

87

MORAL

○ 時間 の概念 は読み取れ な い

88

ひ か りごけ

○ 浴室 の よ うだが、時間 はわか らない

89

パ レー ド

○ 美術的要素が強 く、空想空間である

90

夜 叉 ケ池

○ 時間 の概念 は読み取れ な い

91

お気 に召す ま ま

○ 時間 の概念 は読み取れ な い

92

想い出の日 本一萬年

○ 気持 ち悪 い仮想空間で ある

93

刻 一刻

94

キル

○ 時間 の概念 は読み取れ な い

95

くろね このはな し

○ 美術的要素が強 く、空想空 間である

衣裳 衣裳 衣裳 衣裳 衣裳 衣裳

!

○ 美術的要素が強 く、空想 空間である

ただ布団が積 み上げ られている

1996年 度

渡辺仁史研 究室

卒業論文


(22)

(■

)舞 台空 間 の時間設定 ―No.5

時間の分類

雑 巾がただ垂れ下が つているだ け

抽象的過 ぎてなにもわか らない 2

「 未来 の廃墟 」のイメ ー ジ 未来 の社会 を表 しているように見える

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

100 SK I N

完全 なる仮想空間 3

BARRIKADE

99

○ ○ ○

ヴェニスの商人

98

い つかのあの かきに 家 赤い 花 襄く

97

96 ギプス

何 を根拠 に時間を認識 したか


(23)

2-4

舞 台 空 間 の重 要度 に関 す る分類

)舞 台空 間 の重 要度 につ いて 一No。

(■

1

明 るさ 明

1暗

│い

明 るさの程 度

舞 台上 にあるすべ ての ものが見 える

金 色夜叉

2

二人の主人を一度に持つと

3

近 松心中物 語

4

贋作

5 6

黄 昏 のポ ー ドビル 三文オベラ 里テント 販。

7

・マルレーン リリー

8 9

雪国

10

或 る女

11

どん底

舞 台中央が明 る く、端 に 向 かって 徐 々に暗 い

12

ア ン ドロマ ック

舞 台上 は暗 く、背景が非常 に明る い

13

法王庁 の避 妊 法

14

恋 の帆影

す べ て見 え る程全体が 明 るい

15

・ド ・ベルジュラック シラノ

照明 が 当 た っている人 といない人が いる、 暗 い

16

海賊

舞 台上 は 明 るいが背景が もつと明るい

17

レッグ 忠臣菫ブート

人 の 顔 が 見 える くらいで、全体 的 に暗 い

18

・冬の終わりに タンゴ

人 しか 見 えな い程暗 い

19

沈氏 の 日本 人

20

間市愚連 隊

21

人 さらい

22

殺 人狂

23

汚 れ た手

24

TAB00

○ ○ ○

1

罪 と罰

舞 台上暗 い、装置 の障子 の部分 が明 るい 舞 台上全体 的 に暗 く、人 もぼんや り見える 全体 的 に明 るい

○ ○ ○ ○ ○

欲望という 名の市電

背景 の絵 はぼんや り見える、薄暗 い感 じ

人 よ り舞台装置が前面 に出て いて、光 を遮断 舞 台中央 が明 る く、端の方 は真 っ暗 舞 台中央 は 明 るいが、装置 の本 が 影 にな って いる す べ て見 え る程全体 が明 る い 実際 は部 分的 に明る いが 、全体が明 る く見 える

○ ○

全体 的 に明 るい

○ ○ ○ ○ ○ ○

す べ て 見 え る程全体 が 明 るい す べ て 見え る程全体が 明 るい 舞 台前面が明 る く、奥 はほ とん ど見 えな い 舞台中央が明 るい、窓 か らの光 あ り 舞 台中央が非常 に明 る く、端ほ ど暗 い す べ て 見 える程全体が明 るい

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(24)

(Ш )舞 台空間 の重 要度 について 一No。

2

明 るさ 明

1暗

│い

明 るさの程度

25 26 27 28 29 30 31

盲導犬

32

ストゴーオン ショウ マ

33 34 35

砂 の楽園

セ ツ ァンの善 人

36

CREARANCE

す べ てが 見 える程明るい

37

欲望という 名の市電

全体 的 に暗 く、人がなん とか見 える程度

38 39

黒 い チ ュ ー リ ップ 罠

40

CLOCKWORKI

41

さらば北辺のカモメ

薄 暗 く見 えるが、全体的 には明 る い

タイ タニ ック沈没

光 の筋道 が 見 える、全体的 に暗 い

地 の駅

舞 台中央 の 人だけ明 る く、他 はす べ て真 っ暗

薄暗 く見 えるが、全体的 には明 るい

舞 台奥 まです べ て見える程明 るい

○ ○ ○ ○ ○

サ テ ィア ン

全 体 的 に暗 く、人だけがは っき り見える

舞 台中央 は明る く、奥 は薄暗 い

48

雨 に よ り光が拡散 、全体 がぼや け人 の影 が 見 える

す べ てが見 える程明 る い

47 Hec.E

す べ てが見 える程 明 るい

舞 台中央 は明 るいが、奥 は部分 的 に明るい

SWEET HOME

○ ○ ○ ○ ○

台所 の灯

42 本 牧 マ クベ ス 43 祈 る 女 44 ペ ール・ ギ ュン ト 45 東京 ノー ト 46

○ ○ ○

血 の婚礼

水 の駅

舞 台 中央 は明るい、端 は真 っ暗

オ ンデ ィー ヌ

な よたけ

す べ て 見 える程 明 るい 人 の まわ りにだけ照明が当た つて いる 全 体 的 に暗 い、人 の まわ りだけ明 る い 薄暗 い けれ ども、全 体的 には明 る い 全体 が 真 っ暗、人 の周辺 だけ明 る い 全 体 が 暗 い中 で、ネオ ンサ イ ンが 光 っている す べ て見 える程明る い 薄 暗 い けれ ども、人 はは つき り見 える 薄 暗 い けれ ども、人 はは っき り見える 全 体 が 見 える程 明 るい

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(25)

(五 )舞 台空 間 の重 要度 につ い て ―No。

3

明 るさ 明 る

1暗 │い

明 るさの程度

○ ○ ○ ○ ○

49

虹 の パ クテ リア

50

シャ 東京サン イン ボー イズの罠

51

おれたちは 鴨よ、 める 弾丸をこ

52

・マン エンファント

53

真情あふるる 軽薄さ

54

95kgと 97kgの あ いだ

光 の 筋 が 見 える、全 体 が 暗 い

55

か た よ りの水 圧

暗 い部 分 もあるが、全 体 的 には明 るい

56

アプ ロ ーズ

全体 的 に暗 く、人 の まわ りだけが 明 るい

57

半神

58

三 人姉妹

59

・シ ルバー 続ジョン

60

風 の駅

61

水 の休 日

62

か もめ

63

・クライスト ジー ザス

全体 が 見 える程 明 るい 舞 台 中央が非常 に明 る く、端の方 は少 し暗 い 全体 が 見 える程 明 るい 舞台 中央 が 明 る く、端 の 方 は真 っ暗 全体 的 に明 るい

○ ○

全体 的 に明 る い 全体 が 見 え る程 明 るい

小 さい王 国

67

M00NLIT CAMERA

68

夏 の 夜 の夢

69

マ クベ ス (1976)

70

マ クベ ス (1979)

71

戸懇いの牛后の惨事

66

舞 台中央 は 明 る く、奥 は真 っ暗で広 が りがある ○

マ ウイ

全体 的 に明 るい 舞台 中央 は 明 る く、端 は真 っ暗 で広 が りがある

○ ○ ○ ○

65

薄暗 い感 じがす るが、全 体的には明 るい

IIド

全体的 に明 るいが 、舞 台奥 は見 に くい

ー を持ちながら

64

○ ○ ○ ○

‐ ‐タ =ス バ ス

人 の 周辺 だ け明 るい

す べ て が 見 える程明 る い 光 の筋道 が は っき り見 える、全体 が 暗 い 光 の筋 道が は っ き り見 え る、暗 い部分が多 い 人 と舞 台装置 に照明が当 たって いる 薄暗 い感 じがす るが、舞 台全体は見渡せる 薄暗 い感 じが するが 、舞 台全体は見 渡 せる 薄暗 い感 じはす るが 、全 体的 には明 るい

1996年

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卒業論文


(26)

(面 )舞 台空 間 の重 要度 について 一 No。

4

明るさ

明 る

1暗 │い

明 るさの程度

COUNT DOWN

74 75

ウチハソバヤジ ャナイ 女中 たち

∼ 76 RENEW■ 夕ヽ ・ヴニ'86 デジ ャ

78 79 80 81 82 83 84 85

廃都 よ沈 め

人 だ けに照 明 が 当 たっている 舞 台 前面 は明 る く、奥 は何 とな く見える程度 舞 台中央 は明 るい、端の方 は暗 い 全 体的 に明 る い

!

赤毛 のアン 少 年 巨人 ヒネ ミ

ち ょん切 りた い 十五 少年 探偵 団 夢 の 海賊 いつかみた夏の思い出

87 MORAL 88

ひ か りごけ

89 90 91

パ レー ド 夜 叉 ケ池

92

本一高年 想い出の日

93

刻一刻

94

キル

95

くろね この はな し

お 気 に召 す ま ま

舞 台上 は真 っ暗で、そ の 中 に箱 があるのは見 える 全 体的 に 明 る い、部分的 に暗 い ところもある 全体的 に明 るい ○ ○ ○ ○

無 帽調査始 まる。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

86

全 体 的 に明 るい

○ ○ ○

77

全 体 的 に明 る い

○ ○ ○

73

全体 が暗 い 中で 、舞台中央 の人 の周囲 だ け明 る い

リア王 の 青 い城

72

す べ てが見 える程明る い 全 体 は 見渡 せ るが、薄暗 い感 じがする 全体 的 に暗 く、部分的 に光が当たって いる 全 体 が 真 っ暗 で、舞 台中央 のみ明る い 全 体 的 に暗 いが、人 がいるのは見 える す べ てが見 える程明るい す べ てが見 える程明 る い 全体 的 に明 るい 薄暗 い感 じがするが、全体 と しては明る い 薄暗 い感 じがするが、全体 としては明 るい 全 体 は 見渡 せ るが、薄暗 い感 じがする す べ てが見 える程明 る い 全 体的 に 明 るい 全体 的 に 明 るいが、奥 ははっき りとは見 えない

1996年

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卒業論文


(27)

(■

)舞 台空 間 の重 要度 につ いて 一No.5 明 るさ

明 る

1暗 │い

明 るさの 程度

97

つかのあの い かきに 赤い花 咲く 家

98

ヴェニ スの商人

99

BARRIKADE

100 SK I N

○ ○ ○

96 ギプス

光 の筋道 がはっ き りと見 える、 薄暗 い 舞 台中央 だけが明るい、全 体的 には暗 い 全体 が 暗 い、照明が舞台中央 に多少 当た って いる 舞台上 、ぼや けているが明るい 光 が 見 える、全 体 は真 っ暗

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(28)

第三章 結果 ・考 察


(29)

3-1

舞台空間 の認識 についての結果・考察

<結 果 >

(認 識 の判断理 由 )

。一 目見 ただ けで場所が 認識 できたか ら 認識 で きる

65/100

・ 実際 に 自分 たちが今現在 使 った りして いる ものが あるか ら ・ 知識や経験 か ら

(認 識不可の判断理由)

・美術 の要素が強 く打ち出さ れて抽象的な空間である 。現実味のない仮想的な空間 である 認識 で きな い

35/100

。実際に使われて いるような 身の回 りのものがただ置 い てあるだけで、周 りの状況 説明がまった くない ・ 実際 に使われる場合の使 い 方がされていない ・ 知識や経験が役に立たない

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(30)

く認識 の可・ 不可 によるサイ ンの分類 >

1・ ・ 0・ ・ 実際的、あるいは具体的 なサイン

2・ ・

0・

・ 確固たる形 には表す ことはできな いが、知識や経験から認識できるサイン

300・ ・・ 曖昧 であり、抽象的 ともいえるようなサイン として、舞台空間が認識で きる、認識で きないの中でそれぞれがどれ ぐらいの割合を占め るのかを下の表 に示す。

認識 できる

認識できない

■ 具体的なサイ ン

30/65

1/35

2 3

27/65

9/35

知識に依るサイ ン 曖昧なサイ ン

8/65

1996年 度

25/35

渡辺仁史研究室 卒業論文


(31)

<考 察 > まず、『 舞台空間を認識 で きる』 という項 目について考察 していく。 『 舞台空間を認識できる』 という項 目は、結果 として全体の 6割 5分 を占めて いる。圧 倒的 とはいえな いが、断然『 舞台空間を認識 できない』という項 目に比べれば、数量的に かな り多 いといってよい。ではなぜ多 いのか とい うことを考えてみる。 舞台 においての情報伝達手段 としておおまかに二つ に分けて考 えてみるとすれば、役者 の話す言葉 と舞台美術や小道具・ 衣裳、照明などのス タッフワーク、それと役者の表情や しぐさ・ 動作 になる。このおおまかな二つの ことがらの相違点 について考えてみる。役者 の話す言葉、すなわち台詞は時間の流れに沿 って次 々と継続的に展開されて い く情報であ る。 これに対 して、舞台美術や小道具・ 衣裳や照明 といつたものは、絵画や地図などのよ うに情報が空間的に配置されるものである。言葉が時間を媒介 とするものであるから瞬時 に判断 が下せないのに対 して、 これ らの空間的な視覚情報 は全体を一瞬のうちに了解する ことがで きる。 つ ま り、情報 としての的確 さは、明 らかに視覚情報の方が優れて いるとい うことができ るであろう。 このことはサイ ンにつ いて も言える。看板や標識 とい うのは、ばっと見て即 座に認識できなければならな い。そのためにサインのほとんどは絵的なもの、あるいは見 ただけで認識で きる程度の文字 に限 られて いると言 って良 い。長 々と文章が書かれていて も、それはサイ ンとしては機能 しないのである。 ただ、ここで考 えなければならな いのは、舞台空間 における情報伝達手段であるという ことである。すなわち、時間を媒介 とする言葉 と、瞬間的な判断 が下せる視覚情報 のあい だに矛盾が起 こって しまった場合である。 ここまでの話 から判断すれば、一般的 に視覚情 報 の方 が言葉 よ りも情報 自体 の持つ 力が強 いと考えられるので、役者の台詞に依るところ が大 きい演劇 においては、不都合が生 じることになる。 したがって、その矛盾を回避する ために、実際 の姿 に近いもの、人が一 日見て認識 しやすいものにする場合が多 いとい うこ とがで きるのではないか。認識 しやす い ものに してお く方が無難であるし、イメ ージを伝 えるものである とするならばその方が正当であると考えられる。

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(32)

こうして考えてみ ると、『 認識 で きる』方 に、具体的なサイ ンや知識や経験 から認識で きるサイ ンと判断 できるものが偏 つているのは当然 の結果であるということがいえる。 では、次に『 舞台空間 を認識で きな い』 とい う項 目について考察 して い く。 これ まで述べて きたように、『 舞台空間 を認識できる』方が、情報伝達の方法 としては 正当であるのは当然 のことである。それにもかかわらず結果 として、『 認識できな い』方 は全体の 3割 5分 を占めて いる。それはなぜなのか ということについて考えてみる。 舞台空間 においては現実的でないもの、あるいは現実 にあり得な いものを提示す ること が可能である。つ まり、作者 の頭 の中で考 えられた世界が形づ くられ得 るのである。作者 の世界を表現するのに、現実的 な舞台をつ くるよりは、曖昧なままの方がかえつて好都合 である、 ということもあ り得 る。そのような状況 になった場合に一 日見 ただけでは認識で きない、ある意味抽象的な舞台 の存在価値 が出て くるのである。 ここで考えなければなら ないのは、舞台空間 とい うものが様 々な要素 が総合化 され一体化 して初めてひとつの情報 伝達手段 になる場合 も多 々ある とい うことである。つ まり、『 舞台空間を認識できない』 とい う項 目に挙げ られた個 々の舞台空間 は、部分的に曖昧な情報 、不確定な情報を提供す ることによって、見 る側の舞台空間 に対する意識をできるだけ高めようとして いる、 と考 えることができるのである。 こういつた考え方は、一般的なサインにおいては、あまり考 えられない考 え方であると言 うことがで きる。

1996年 度

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(33)

3-2

舞台空間 の時間設定 についての結果・考察

<結 果 >

判断 の根拠

・ 舞台装置 過去

27/100

・ 衣裳 ・ 小道具

舞台装置 現在

36/100

衣裳 小道具 社会現象

未来

2/100

・ 想像 によるイメ ージ

・ 時間 として何通 りも考 え られる 時間不明

35/100

0時 間の概念 を指 し示 す も のが舞台上 にない ・ 美術的要素 が 強 く抽象的

1996年

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卒業論文


(34)

<時 間 の違 いに よるサイ ンの 分類 > 1・ ・・

20・

00実 際的、ある いは具体 的 なサ イ ン

・・・ 確 固 たる形 に は 表 す こ とはで きな いが、知識や経験 か ら認識で きるサイ ン

3。 ・・・・ 曖昧 であ り、抽 象 的 とも い える よ うなサ イ ン

と して 、舞台空 間 の時間設 定 にお いて それぞれが、 どれ ぐらいの割合 を占めるのかを下の 表 に示 す。

過去

1 2 3

具体 的 なサ イ ン 知識 に 依 るサ イ ン 曖昧 なサ イ ン

3//27 24/27 0/27

現在

未来

時間不明

25/36

0/2

3/35

10/36

2/2

6/35

1/36

0/2

26/35

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(35)

<考 察 > 演劇 の舞台 における時間設定 というものは、ス トー リーに大 きく関係 しているもので、直 載的には情報 とい うことにはつ なが らな い ものである。 しか しながら、ここでは話の内容 といったことではな く、舞台写真を見ただけで時間が把握できるとい うことは、そこに何 らかの時間的な情報 が存在 するのだとい うことに注 目 していきたいと思 う。 結果 からわかることは、 まず『 過去』 と『 現在』の数量 があまり変わ らないということ と、根拠 となるものが、おおまかに舞台装置か衣裳か小道具で統一されているということ である。 それはなぜかといえば、われわれが認識 で きる時間 についての情報 というものが、視覚 情報 に依 っているということである。つ ま り、舞台装置や衣裳、小道具 といつたものは過 去の情報を発する視覚情報 となっている、言 い換 えれば、過去の情報を伝える具体的なサ イ ンの役割を担 っているのである。舞台 というものをひとつの情報伝達手段 として とらえ るのならば、まずわか りやす い ものでなければならな い。わか りやす く伝えるとするなら ば、われわれが知 っている範囲で情報 というものを形づ くつていかなければならな い。人 はある情報を外部 から受 け取 ったとき、それがそのとき自分 のおかれている状態 に対 して どのような意味を持つかを素早 く判断 し、評価 し、これに適切 に対応するための合理的な 思考・ 行動をとるのであって、それは本能 によるのではな く、人が長 い社会生活 の中で経 験 し、蓄積 してきた情報や知識の裏付 けに基 づ くものなのである。この考え方 は、サイン の根本的な考え方 のひとつであ り、非常 に重要 である。 したがって、『 過去』を表す とすれば、昔か ら現在 まで長 く使われているもの (例 えば それは障子であつた り、伝統的な日本建築 であった り、藁葺 き屋根であった りする)や 、 われわれが過去の知識 として持 っているもの (例 えば錆びた質感や壊れた状態な ど)を 視 覚情報 として提示 していかなければな らな い。ただそ こで提示される『 過去』 とい うもの は、現在 の情報 としての『 過去』なのである。 こういったことを考えれば、過去 の情報が サインの分類の中で、知識や経験 に依るサインに偏 っていることは明らかである。

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(36)

また『 現在 』を表すのは、『 過去』を表す よりは簡単である。それはなぜか といえば、 われわれは今現在 に生活 しているのであ り、情報を次 から次 ぎへ と受信することができる ため、情報量の比率 が、過去 を示す情報 とは比べ ものにならない程、莫大であるか らであ る。それゆえ、当然 のことなが ら『 現在』を表すのが、われわれにとっては最 もわか りや す い情報伝達手段である とい うことがで きる。そ う考 えれば、現在の情報がサイ ンの分類 の中 で知識 や経験 に依 るサイ ンや 曖味なサイ ンよ りも、最も情報がス トレー トに伝わる具 体的なサイ ンが多 くなるのは当然 である。 次 に、『 未来』の数量 が どの項 目よりも少な いことについて考えてみる。一般的に未来 とい うものは、過去や現在 とい うもの と比較 してみれば、実際的、あるいは現実的 ではな い ものである。過去や現在 はある程度の知識があれば、はつき りと認識できるけれ ども、 未来 については確固たる認識は まった くできな い。つ まり、情報を伝達することが最 も大 事 であると考 えられる舞台空間に おいて、確固たる認識ができないものを提示するのは、 得策 ではないだろう。そ ういつた ことよ り、『 未来』は表現 しにくいと考えられる。未来 の情報がサイ ンの分類 の中 で、中途半端な知識に依るものとなるのは明らかである。 次 に、『 時間不明』 とい う項 目について考 えてい く。 は じめに述 べ たが、舞台空間 において時間設定 というものは、ス トー リーに関係 してく るものであるから、絶対的 に設定 しなければならな いというものではない。したがって、 『 時間不明』 という項 目が、『 現在』 と同 じ数量を占めるということは、当然 のことであ る と考 えて よいだろう。ただ、 ここで大事であると考えられるのは、『 時間不明』 と判断 した根拠にある。その判断 した根拠をおおまかにふたつ に分けてみる。 まずひとつは、 自然 の要素 を使 っている舞台空間が多 い とい うことである。 このことに つ いて考 えてみる。 例 えば、「 床一面 に砂が敷 いてある」 とか、「木 が一本舞台中央 に立っている」 という ようなものである。 自然 というものは、現在 にも存在するし、過去にも存在 した し、未来 に も存在するであろう。つ ま り、 自然 とい うものには、時間の概念 が当てはまらな いので

1996年 度

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(37)

ある。いつ の時代 にも存在す るのであるから、当然そ う考えることができる。ただ し自然 の要素 が持つ情報 というのは、他 のものに変換 して考えることができな い。 したがって、 舞台 においては絶対的ではな い時間 とい う概念を使 うよりは、情報 として変換不可能であ り、様 々な情報を与 え得 るひ とつのサイ ンと考えられる自然の要素を使 う方が、情報伝達 手段 としては適当であるのである。 これは、今日のサインの考え方 と類似 している。サイ ンとい うと今 までは、看板や標識など人 の役 に立つ、人の行動の補助をするもので あると 位置づ けられてきたが、今 日では人の表情や しぐさ、態度に対 して、さらには 自然や自然 現象 に至るまで、意味する範囲が非常 に広 くなっている。この考え方 と自然 の要素を舞台 空間における情報伝達手段 として使 うことは対応 している。 もうひとつは、美術的な要素 の強 い舞台空間が多 いとい うことである。この理 由として 考えられることは、情報を提供する手段 として、一 日見て情報が認識で きないように故意 に空 間を構成 してい くとい うことである。時代が進む につれ、これか らますます情報化 と い うものが台頭 して くるのは間違 いな い。現代においては一昔前に比べて情報量が とてつ もな く増大 してきている。情報量 の急増 に伴 い、情報を的確に見極める日とい うものが必 要 になって くる。そ ういった ところに着 目し、確固たる情報を提供するのではな く曖昧な 情報 を提供 しておき、それについて見 る側 が 自分自身で考え、分析 していくという方法を 実践するために、一見 して認識 できない美術的な舞台空間をつ くるのであると考えること がで きる。ここでは、時間を設定するとい うことよりは、む しろ設定をおこなわないで、 時間不明のまま放 ってお くとい うことを重視 しているのである。現実的 に時間を設定 しな が ら空 間を構成 し、認識 しやす く舞台をつ くってい くことに比べれば、情報 としての現実 味には欠けるけれ ども、情報 を伝えるとい うことには変わ りはな い。『 時間不明』におけ る情報 がサ イ ンの分類の中で曖昧なサイ ンと認識されるのは、今 までになかったサ イ ンの 形を求めて いるからであるのではないだろ うか。 最後 に、時間的な要素を含み持つ サイ ンについて考えてみる。 このように分類 してみて、認識で きたことはサインには時間の概念が組み込 まれている

1996年 度

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卒業論文


(38)

とい うことである。情報、ある いはサイ ンというものは常 に変化 し、一定 のままではあ り 得な い。そう考 えれば、今現在の情報が最 も受 け入れやす いのは当然である。そ のような 現状 において、時間の概念 を取 り入れたサインは、世間 に広 まってきている。電光掲示板 などがそ うである。情報が時間 の変化 に伴 つて 同時 に変化 していくものである。 これから もつと応用すれば、オンタイムの避難誘導 サインなどが開発 して いけるのではないだろう か.

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(39)

3-3

舞台空間 の重要度 についての結果・考察

<結 果 >

明 るい

65/100

暗い

35/100

<考 察 > まず、『 明 るい』 という項 目について考えていく。 結果 として、『 明るい』方 が全体 の 6割 5分 を占めている。はじめに述べたように、そ れは当然の結果だ ということができる。舞台空間 において、情報を提供するためには、明 か りというものが必然的に必要 になって くる。明か り、あるいは光 というものは、基本的 にものの存在を明 らかにするものであ り、人 が生 きていく上で絶対的に欠けてはならない 要素 である。光が 当 たれば当 たる程 、明 るければ明るい程、視覚的な情報は増えるもので ある。 このことは実際の空間 に置 き換えて考えてみればわか りやすい。例えば昼 間、外を 歩 いている ときは、様 々な情報が 日に入る。看板、標識、建築などすべてが見 える。まっ た く別の見方をすれば、すべてがサインとなっているとも考えられる。サイ ンとい うもの は、そのようなすべ てが見える、すべてがサインとな り得る状態 の中で効力を発揮 しなけ ればならない。 このような考 え方 は、限定 された舞台空間 についてもいえる。見えるもの すべ てが情報をそ れ 自身で持 っているのであ り、その持 っている情報をすべて見せること で、 また、ひとつ ひとつの ものがサインであるとい う認識の上にたって提示するというこ とで舞台空間 は成 り立 っているのである。つ まり、舞台空間 における情報の提示 の しかた と日常 におけるサインの使われ方 は非常 に類似 しているということができる。

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渡辺仁史研究室 卒業論文


(40)

次 に、『 暗 い』 という項 目について考えて い く。 まず、暗 くする理由について考 えてみる。 前 にも述べたように、明か り、あるいは光 というものは、ものの存在を明らかにするも ので あると定義する ことができる。そ う考えてみると、暗 くするとい うことは、ものの存 在を消す ということであるとも言 える。存在が消えて しまえば、当然その物 自体が持つ情 報 も消 えて しまう。舞台空間 における暗さとい うのは、ものの存在を消す というよりは、 情報 をあるものだけに限定する といった方が適当であるように思われる。明るいところで は、すべてがある種の情報を持 ち得たけれども、暗 いところでは、情報 として成立するも のは限 られる。ただ、 ここで見直 さなければならないのは、限定された情報以外に、暗さ に伴 って表現 される雰囲気 とい うものがある。つ まり、明るいところではあるものすべて の情報 が表面的 に提供されるのであるが、暗 いところでは、限定された情報 とその暗さに よる空間全体の雰囲気が組み合 わさつて、また別の情報をつ くりだすのである。光 という もので限定された情報 は、光がな い という特殊な状況のもとで、まった く今 までとは異な る情報 を提供する ことができる ようになるのである。逆説的ではあるけれども、舞台空間 とい う情報伝達が重要な位置 を占める状況 において、『 暗 い』 と認識できる空間が全体 の

3割 5分 を占めて いるのであるか ら、説明するには十分であるといえる。つま り、空間全 体 が ある種の情報 を持ち得る、 言 い換 えれば空間全体が一種のサインにな り得る というこ とである。

1996年 度

渡辺仁 史研究室

卒業論文


(41)

3-5

総論

まず、先に分類 したサイ ンについて考えてみる。 項 目 として、 1・

0実 際的、あるいは具体的なサイ ン

200確 固 たる形には表す ことはで きな いが、知識や経験 から認識できるサイ ン 30・ 曖味 であ り、抽象的 ともいえるようなサイン に分 けたが、それぞれについて実際 のサイ ンとしては、どのようなものが考 えられるのか を考察 して い く。

1の 「具体的 なサイ ン」 とい うのは、実際 の空間 においては、看板や標識、案内板 とい った ものに相当す る と考えられる。今 までサイ ンといえば、これらのものを指す ことが多 かった。機能 としては、人の行動 を誘導 した り、人 がいる場所の説明をした りするもので ある。

2の 「確固たる形 には表す ことはできな いが、知識や経験から認識できるサイ ン」 とい うのは、実際の空 間 においては、例えば映画館で トイ レに行きたくなった場合、 トイ レの 場所 を誰かに教わ ったことがあるわけで はないのに、何 とな く廊下のつき当たりにあるこ とがわか っていることや、渋谷 にあるハ チ公前 とい う場所は待ち合わせによく使われると いった ことなど、知 らない間 に知 っているとい うことに相当する。看板や標識 といったサ イ ンとはまつた く異なる性質 を持 つたサイ ンである。

3の 「曖味であ り、抽象的 ともいえるようなサイン」 というのは、実際の空間 において は、代表的な ものは雰囲気である といえる。はっき りと定量化することはできな い けれど も何 らかの情報 を持 つていて、人がなん とな くで も感 じることができる、言 い換えれば情 報を受 け取ることがで きる雰囲気 というもの も、れ っきとしたサインである。曖昧 だから といって、切 り捨て られない性質を持 つているのは確かである。 ここで、総括的 にサインとい うものについて考 えてみる。 先程述べ たことであるが、サインとい うと今までは、看板や標識・ 記号な どの街の中の 情報発進装置 として、また署名やプ ロ ック・ サイ ンなどによって親 しまれてきたが、今 日

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(42)

では表情・ 態度・ しぐさに対 して、さらには自然や自然現象に至るまで、その意味する範 囲は非常 に広 くな っている。 これはこれ までは、『 モノや コ トや ヒトそれ自体は直接認識 される対象であ り、言葉や記号 はこれ らと人 との関係を成立させる補助的・媒介的な働 き をするものに過 ぎない』 とい う考え方 が主流であつたけれども、今日で は、『 モノ、 コ ト 、 ヒ トも、実 は意味を持 った記号 なので ある』として、記号やサインといったものを人 に とって本質的な存在 であるとした、サイ ンに対す る考 え方が主流 となってきている。 つ ま り、かつ てはサインの実体的な こと、例えばサインを形づ くる素材であった り、サ イ ンをつ くる技術 といつたことに様 々な価値を求めていたけれども、今 日ではそういつた 実体的な ことはすで にふまえた上で、観念的な こと、つ まリサインとい うものが今後 どう あるべ きかということが重要 になって きて いるのではないか。 そ う考えてみると、 これか らサインの範囲は、限 りなく広がっていくのではないだろう か。今 までの看板 や標識のよ うに一義的な意味、つ まり表示的意味 だけを提示するサイン は重要でな くな り、新 たに表示的意味 だけではな く、もつと象徴的な、抽象的な意味を持 ち得 るサインが重要になって くるのではないか。 もっとつきつめれば、情報 を伝達するために人の手 によつて意図的につ くられたサイン とい うものが重要ではなくな り、作 り手 の意図 とは無関係に、発信される情報を読み取る ことがで きるようなサイ ンが重要 になって くるのではないだろうか。

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(43)

第 四章 おわ りに


(44)

4-1

今後 の展望

この卒論 では、舞台空間を分析する ために舞台写真から視覚的な情報を読み取 る ことを 主体的 に考 えてきたけれ ども、舞台空間 というのは視覚情報が多いことは確 かであるが、 視覚情報 だけから成 り立 つ ものではな い。時間を主体 としたセ リフの流れや音響効果な ど について も、それ自体 がサインとして成 り立つ のは十分 に可能な ことだと思 う。 舞台空間 の中 には、サインとして機能するものは数え上げればきりがないと思われる。 サインとい う非常に広 い範囲 にわたるものを探 ってい く場合 に、舞台空間 という限定 され た空間を扱 うというのは、方法 としてはわか りやす い ものであるだろう。今後、舞台空間 において別 の要素 、例 えば前述 した音 に関するものを使って、サインを探 つてい くことも 価値 があるのではないだろうか。

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(45)

4-2

蟷川幸雄

参考文献

「 Note

1969-1988」

株式会社河出書房新社 四季出版◎

「舞台装置 の姿勢

「舞台美術

発行

「 別冊太 陽

発行 現代演劇 60'

株式会社 平凡社

OISTT日

1981年 1986年

「高田一 郎 の舞台美術入門」 レクラム社

高橋 洋 二

発行

手塚俊一の仕事」

株式会社未来社 高田一郎

:1989年

金森馨」

株式会社 リプ ロポ ー ト 西谷能雄

発行

1982年

s∼ 90's」

発行

:1991年

発行

:1984年

本 セ ンタ ー 「劇空 間 のデザ イ ン」 株式会社 リプ ロ ポ ー ト

新川貴詩

「残像 にイ ンス トール

光琳社出版株式会社 妹尾河童

:1994年

発行

1987年

発行

1977年

「舞台美術を考える」 日本放送出版協会

坂□真人

発行

「河童が語 る舞台裏 おもて 」 株式会社平凡社

織田音也

舞 台美術 とい う表現 」

「演劇ぶ つ く」 有限会社演劇ぶ つく社

(1)通 巻 49号 (2)通 巻 50号

発行

(3)通 巻 54号 (4)通 巻 55号

発行

発行

発行

1994年 5月 9日 1994年 7月 9日 1995年 3月 9日 1995年 5月 9日

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(46)

(6)通 巻 60号 (7)通 巻 61号

行  行  行 発  発  発

(5)通 巻 59号

1996年 度

1996年 1月 9日 1996年 13月 9日 1996年 15月 9日

渡辺仁史研究室 卒業論文


(47)

4-3

参考 資料

花の章 、貫一 宅。 『 新釈

金色夜叉』

日本家屋 を内部か ら観 る 舞台装置 の典型的なデザ イ ン。

新派

(「 劇空間 のデザ イ ン」 )

[作 ]

▼ 宮本研

[舞 台 美術 ]

(読 み取れる情報 )

。伝統的な 日本建築 ・ 衣裳 ―着物

織 田音也

・ 木材 による塀、障子 、座 布団

1983年

・ 全体的 に明る い

国立 劇場 Na l

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(48)

フ リジ ェ ー リオ の舞台 は 『 二 人 の主人 を一 度 に持 つ と』

一 種 の「 幻影空間」を現 出させる。

ミラノ・ ピ ッ コロ座

(「 劇空間 のデザ イ ン」 )

[作 ]

▼ カ ル ロ・ ゴ ル ドーニ

[演 出 l

(読 み取れる情報 )

・ 舞台奥 には彫刻 の ような舞 台

ジ ョル ジ ョ・ ス トレ ー レル

装置 がある よ うに見えるが 、

実 は、幕 に絵 が描 いて あ る 。舞台上 には箱 がふたつ

エ ツ ィオ ・ フ リジ ェー リオ

。衣裳 ―割烹着 の ように見 えるが

[舞 台 美術 ]

実際 の機能 はわからない 。全体的に暗 い

1979年 新宿 文 化 セ ン タ ー

NQ 2

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(49)

蛙 川演 出 と組 む とき、

『 近松心中物語』 東宝プ ロデュース

朝 倉摂 の舞 台美術 に しば しば登場 す るのは 階段 、あるいは階層状 をなす装 置 だ。 階段 =階 層 へ の志向 が、 世 界全体を ダイナ ミックな階層 の 相 の もとに とらえようとい う蛤川演出の一貫 した 姿勢 に増 幅 されて優 れ た 階段 =階 層 の装置 をつ くりだ した (「 劇空間 のデザ イ ン」 )

[脚 本 ]

▼ 秋元松代

[演 出 ]

▼ 蛯川幸雄

[出 演 ]

▼ 平幹 二 郎 太地喜和子

(読 み取 れ る情報 )

菅野忠彦

。三 階建て の伝統的 な 日本建築

市原悦子

・ 舞台中央 に三階 へ の 階段

・ 衣裳 ―着物 [舞 台装置 ]

・ 障子

・ 舞台中央 が明 る く、装置 には 光 はあ ま り当た って いな い

朝倉摂

ただ、障子の裏側 か ら柔 らかい

1983年

光 が 当た っている

8月 ∼ 9月

帝国劇場 血

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

3


(50)

舞台 は 日本 . 時 は明治維新の少 し前。

『 贋 作 ・ 罪 と罰 』

NODA・ MAP

時代 の扉 を開 く坂本龍馬。 思想 に捕 らわれる ヒロイ ン英。 自らの机上 の理論は机上で しか越 え られず 、 越 えず に飛んだ ヒーロ ーの前 に、 亡霊 の ような思想 が、 清 め られ た愛情 へ と変 わる。

[脚 本 ・ 演出・ 出演 ]

(「 演劇 ぶ っ く」

通巻 55号 )

野 田秀樹

[出 演 ]

▼ 大竹 しのぶ 寛利 夫 平栗 あ つ み 生瀬 勝 久 吹越 満 小林 勝也 田岡美 也子 他

梅垣 義 明

(読 み取 れる情報 )

[舞 台美術 ]

。重 たい感 じを受 ける 。時間 は衣裳か ら読み取れる

▼ 堀尾 幸 男

。衣裳 一文明開化前 の特徴 的な

1995年

4月 1日 ∼ 5月

5月 渋谷

21日

雰囲気 が伝わ る もの

0暗 い中 で 、人が浮 き出て いる

25日 ∼ 6月 11日

Bunkamuraシ

ア タ ー コ ク ー ン、近鉄劇場 NQ 4

1996年 度

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(51)

「 昭和初期 の浅草 で 『 黄昏 のポ ー ドビル 』 オ ンシア タ ー 自由劇場

イ ンチ キ レビュ ーを 取 り巻 く人 々」の ドラマ と、 飽 くまで手動 にこだわ った 実験的な舞 台 が いかに も自由劇 場 だ

[原 作

(「 演劇 ぶ っ く」

l

!

通巻 60号 )

▼ 斉藤憐

[脚 色

。演 出・ 出演

]

▼ 串 田和美

[出 演 ]

▼ 大森博 大 月秀幸 小 日向文世 三松 明人 吉 田 日出子 小西康久

他 (読 み取れる情報 )

[舞 台美術 ]

・ 場所は建築内部

・ 時間は過去

0衣 裳 ―昔風

澤 田牧画

・ 本棚、椅子 、机、看板

1996年 2月 6日 ∼ 25日 ア ターコ ク ー ン 渋谷 Bunkamuraシ

・ 薄暗 いが全体てきには明 るい

NQ 5

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(52)

舞台 を明治元年 の 『 黒色 テ ン ト版・ 三 文 オ ペ ラ』

東京品川界隈 に置 き換 えて、

黒テ ン ト

登場人物 もそれに応 じて 書 き改 め た脚 本 が 実 によくで きて いた。 (「 現代演劇 60'

s∼ 90' s」

)

[作 1

▼ ブ レヒ ト

[脚 本 ]

(読 み取れ る情報 )

・ 場所は檻 のある見せ 物 小屋

山元清 多

0時 間 は過去 [演 出 ]

・ 衣裳 ―着物 、昔風 の 帽子

・ 舞台前面 に建築 の外 側 だ け 舞台装置 として作 って ある

佐藤信

・ 部分的 に明 るいが、

1990年

全体的には暗 い

全国公 演 血

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

6


(53)

劇中劇で あることを 『 リリー・ マル レー ン』

忘れさせ る ぐらい舞台全 体 に 情景 を作 り、で も、 ふ と気が つ くとや は りそ こは 東京の店の中で あった、 とい う感 じが交錯 する とい う 多重性 のある舞台美術 に したい と 思 って いた。 (「 河童 が 語 る舞台裏 お もて」 )

[原 作 ]

▼ 鈴木 明

[作 ・ 演出 l

▼ 藤 田敏雄

[照 明 ]

(読 み取れ る情報 )

・ 内部空間

吉井澄雄

・ 時間は過去 [舞 台美術 ]

・ 衣裳 ―昔風

・ 机 、扉 、 本棚 、 ベ ッ ド、窓 、

妹尾河童

椅子 ・ 舞台中央 だ けぼんや り明 る い

シアタ ー・ アプ ル NQ 7

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(54)

舞台 は、マ ジックに似 て、 『 雪国』

必ず仕掛 けが あるわ けだが、

松竹

それ を気 づ かれな い方 がいい し、 気 づ かせ な い ため には、それな りに、 観客 に錯覚 を与 えた り、

[原 作 ]

他 の物 を強調 して 、

そ っちへ 注意 を引 き付 けた りする

川端康成

工 夫 が必要 で ある。 (「 河童 が語 る舞 台裏 お もて」 )

[脚 本 l

▼ 宮本研

[演

1

▼ 木村 光 一

[出 演 ]

▼ 片岡孝夫 松坂慶子 藤真利子 (読 み取 れる情報 )

・ 場所 は山である

[舞 台美術 ]

。時間 は過去

・ 衣裳 ―着物

妹尾河童

・ 木 々、墓、岩、土手 ・ 舞台手 前 と舞台奥 だけ明 るい

日生劇場 新歌舞伎座

1996年

渡辺 仁 史研究室

卒業論文

8


(55)

ここで は、本物 の鉄の階段 を使 ったが、 『 欲望 とい う名の電車 』

鉄錆 の 色は絵 の具 で彩色 して

劇団青年座

古 び た感 じを出 した。 鉄 は何 分 に も重 い

!

全国縦断公演 で これを毎 日運搬 し、 舞台 の上 に組 み立てた裏 のス タッフは、 重 さに泣 いた とか・・ 00・ 。 鉄 を使 った効果 があったので 許 して もらえたが。 (「 河重 が語る舞台裏 お もて」 )

一■

一 一 [作 ]

▼ テネ シ ー

ウイ リア ムズ

(読 み取れる情報 )

・ 錆 び付 いて古びた西洋的建築 [演 出 l

・ 時間は過去

・ 本物 の鉄の階段 、窓 、電灯 、 机 、椅子 、カ ーテ ン、ベ ッ ド

栗山 昌良

・ 全体的に明るい 全国公演 NQ 9

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(56)

芝居 のラス トシ ー ンだつたが、 『 或 る女 』

幕 が上が ったとき、

松竹

観客 はあま りによ く描 けた

<夕 焼 け>に 驚 き、拍手 する人 もいた。 実 は、 本当の空の写真 で は、 狙 い通 りの迫力はでな い ものなので ある。 (「 河童 が語 る舞台裏 お もて 」 )

[作 〕

▼ 宮本研

[演 出〕

▼ 木村 光 一 (読 み取れる情報 ) 。場所 は浜辺 の近 く 。時間 は過去

[背 景画 l

・ 衣裳 ―着物

島倉 二 千 六

。橋 、桜 の木 、石 積 みの塀 、 水草 、釣 り竿 、夕焼 け雲

[舞 台美術 ]

・ 部分的 に暗 い

▼ 妹尾河童

No1 0

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(57)

原 作 で は、 『 どん底 』

地下室 の一室 とい う設定 にな って いるが、

新劇 団協議会主催 公 演

佐藤信演 出はそれを 日本 の昭和初期 に置 き換 え、 低 い低湿地 に建 つている 小部屋 の 多 い木賃宿 に した。 (「 河童 が語 る舞台裏 お もて」 )

[原 作 ]

M・ ゴ ー リキ ー [台 本 ・ 演出 ]

▼ 佐藤信

[照 明 ]

▼ 吉井 澄雄

[音 響 ]

(読 み取れ る情報 )

。場所 は貧 しそ うなな木造 の家 ・ 時間 は過去

池辺 晋 一 郎

0衣 裳 ―着物 ・ 乱雑 に置 いて ある

[舞 台 美術 ]

た くさんの小物

▼ 妹尾

・ 舞台中央 が 明 る く、 まわ りは

河童

暗 く、多少 不気味で ある シア タ ーアプル

Nol l

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(58)

ラ シ ー ヌの空 間 は澄明 ではあるが、

『 アン ドロマ ック』 日生劇場プ ロデ ュース

解放 されて い な い。 密 閉 されて い る。 中央 の壁 のす きまか ら空が見 える。 ここは高 みの宮殿、向 こうは海。 (「 舞 台装置 の姿勢

金森馨 」 )

[作 ]

▼ 」 。ラ シ ー ヌ

[演 出 ]

▼ 浅利慶太 (読 み取れる情報 ) [舞 台美術 ]

・ 宮殿 か城 の 内部空間

・ 時間 は過去

金森馨

・ 石造 りの壁 、窓、椅子 舞台奥には海

1966年

5月

・ 舞台中央 が明る い

日生劇場 Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

1 2


(59)

科学者 の好奇心 は 『 法王庁 の避 妊法』 自転 車 キ ンク リーツカ ンパニ ー

解 けな い謎 を解 き明かす こと、 医者 の使命 は 一 人 で も多 くの いのち を救 うこ と。 このふ たつ の命題 が結びつ く 幸福な未来 に懸 けて、 彼 らは研 究 を続 ける。 現代 の生殖 と生命の問題 に

[脚 本 l

鮮や かに切 り込 んでみせ た。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 54号 )

飯 島早苗

[演 出 l

▼ 鈴木裕美

[出 演 ]

▼ 佐戸井 けん太 山下裕子 岡 田正 樋渡真司 (読 み取れる情報 )

柳橋 りん 歌 川椎子

・ 建築内部

戸川京子

・ 時間 は過去

久松信美

・ 衣裳 ―昔風

0椅 子 、暖房器具

1995年 12月 10日 ∼ 19日

。全体的の明 る い

ス ペ ース・ ゼ ロ Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論 文

1 3


(60)

立体的 に、 『 恋 の帆影 』

細 か く写実的につ くられた

日生劇場 プ ロ デ ュース

テ レビのセ ッ トの よ うな 舞台装置 藁葺 き屋根 か ら木 が 飛び出 して い るのが印 象的

f:it■ l:Stiア ■ i

[作

]

▼ 三 島 由紀 夫

[演 出 ]

▼ (読 み取 れ る情報 )

浅利 慶 大

・ 外側 か ら藁葺 き屋根 のある家 の 内部 を見て いる 。時間 は過去

[舞 台美 術 ]

・ 縁側 、畳 、障子 、灯籠、井戸

金森馨

木 が い くつ か、 岩

1964年 10月

・ 全体的 に明 る い

日生劇場

No1 4

1996度

渡辺仁 史研究室

卒業論文


(61)

場面 が 次 々と転換 して い く。 『 シラ ノ・ ド・ ベ ル ジ ュ ラ ック』

内部空間 を表現 して い る と思 えば、

劇団 四季

森林 が眼 の 前 に現れる。 ひんや りして いる雰囲気 だ と思 えば、 紅葉 を感 じさせる舞台 に転換する。

[作 ]

▼ E・ ロス タン

[演

]

(読 み取れ る情報 )

・ 外部空間

浅利慶大

・ 時間は過去 [舞 台 美術 1

・ 衣裳 ―昔風で、西洋的

・ 階段 、建築物 のフ ァサ ー ド 木 の葉

金森馨

・ 全体的 に暗 く、人 の周囲 だけ

1975年

明る い

1月

日生 劇場

Na1 5

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(62)

見るか らに海賊船 。 『 海賊 』

舞台上方 は船 を表 す外部空間 であ り、

劇 団 四季

舞台下方 は船の内部空間を表 して いる。

[作 ]

M・ アシャ ール

[演 出 ]

▼ 浅利慶大 (読 み取れる情報 )

・ 船 を表現 して い る

[舞 台美術 1

。時 間 は過去

・ 机 、椅子 、階段 、マス ト、扉

金森馨

・ 全 体的 に明 る い

1959年

。背景 が明る い

9月

俳優座劇場

NQ1 6

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(63)

ある 日突然襲撃 されて、 『 忠 臣蔵ブ ー トレッグ』

しか も相手 は不死身 の赤穂浪 士

全労済 ホ ール

超 ヘ ヴ ィな状況 に追 い込 まれ た

/ス ペ ース・ ゼ ロ

プ ロデ ュ ース

吉 良家 の運 命は

!?

逃 げ る !闘 う !!

!!

[脚 本 l

生 き残れ !謎 を解 け

ス ピ ー ド命のネオ忠 臣蔵 (「 演劇 ぶ っ く」

戸 田山雅司

通巻 59号 )

[演 出 ]

▼ いの うえひで の り

[出 演 ]

▼ 古 田新太 高 田聖子 京晋 介 西牟 田恵 松重 豊 長野 里美

他 (読 み取れ る情報 )

[舞 台美術 1

・ 時間認識 は衣裳か ら

上 田淳子

・ 衣裳 一時代劇 の格好 。場所 は外 とい うのが 、

1995年 12月 5日 ∼ 17日 21日 ∼ 26日

舞台奥 の桜 の樹 によって わかる 。人 と樹 にス ポ ッ トライ ト

ス ベ ー ス・ ゼ ロ、 近鉄 小 劇 場

NQ1 7

1996年

渡辺 仁史研究 室

卒業 論文


(64)

まあ、 ことに清水邦夫 の もの を 『 タンゴ・ 冬 の 終 わ りに』

やろ うとす る ときにね、

パ ル コ

自分で どこかで破壊 したいって い う 衝動 が 湧 くんだね。 そ うい うものが出て くるね。

[作 ]

(「

Note 1969∼

1988」

)

清水邦夫

[演 出 ]

▼ 蛙 川幸雄

[出 演 ]

▼ 平幹 二 郎 松 本典子 渕 野直幸 名取裕子

[照 明 l

▼ 吉井澄雄

(読 み取れ る情報 )

[舞 台美術 ]

・ 場所 は古 び た映画館

朝 倉摂

・ 時間 は過去 。い くつ かの壊 れ た椅子

1986年 2月 1日 ∼ 25日 PARCO劇 場

。人 が 見える程度 の 明 か り

Na1 8

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(65)

伝統的な 日本建築 . 『 沈氏 の 日本 夫人』

非常 に写実的 に つ くって あ り、

文学 座

一 日見ただけな らば、 本物 に 見えて しまう。

¨ ﹁1〒‘□目11 ―

‐ ‐

― ――

=・

‐ ‐

,

[作 l

▼ 飯沢匡

(読 み取れる情報 )

[舞 台美術 ]

・ 伝統的な木造 日本建築

織 田音也

・ 時間は過去 ・ 階段、縁側、昔風の塀

1971年

・ 全 体 が 明 るい

東横劇場

Na1 9

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(66)

激 しくぶ つ か り合 うことで しか 『 闇市愚連 隊 』

生 を確認 す る術 のない男 たちの “戦後 "

劇 団空間演技

作者 の真骨 頂であ る 粋 の よ いセ リフが飛び交 う。 (「 現代演劇 60'

s∼ 90' s」

罫 蛍

[作 ・ 演出 ]

▼ 岡部耕大

(読 み取れる情報 )

[出 演 ]

・ 外部空間

岩切慶暉

・ 時間 は過去

遠藤節

・ 衣裳 ―昔風

・ 建築物 の外側 、電 信柱 、看板

1989年

・ 全体的 に明る い

本 多劇場 Nα

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

2 0


(67)

廃校 にな った中学校 を劇場 に して、 『 人 さ らい 』

一 歩 入 った瞬間か ら ドラマは始 まって い く。

劇団第七病 棟

掃 除当番 の貼 り紙懐 か しい廊下 を行 けば ポツ ン と明 か りの灯 る保健室。 廊下 はいつ しか石だ らけの暗 い トンネ ル にな り、 錆び た線路 の向 こうに舞台 がある。 「乗 り換 え口」 とい う岐路 に立 ち、

[作

失 く した何かを思 い出 しそ うな予感が 、

]

人さ ら いの物語 に重な ってい く。

(「 演劇 ぶ っ く」

唐十郎

[演

出・ 出演

通巻 59号 )

]

▼ 石橋蓮司

[出 演 ]

▼ 緑魔子 原 田賢治 加藤英信 沖忠雄

(読 み取れ る情報 )

[美 術 ]

・ 舞台奥 に機関車 が 見 える

。時間 の認識 は曖昧 、現在 とも

和 田平介

とれる し、音の よ うで もある

1995年 10月

1

11

。全体的 に暗 く、人 に照 明 が

9日 ∼ 11月 5日 月 10日 ∼

15日

当た って い る

福井中学校 (東 京 ) 、近鉄 小劇場 Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

2 1


(68)

近代的な雰囲気 を持 った 『 殺人狂 』

西洋建築 の 内部空間。

劇団 四季

日常的な風景 . 窓 の高 さが特徴的。

[作

]

▼ D。 ワ ッサ ーマ ン K。 キ ー ジ ー

[演

]

▼ 浅利慶太

(読 み取れ る情報 )

[舞 台美術 ]

。内部空間

・ 時間は過去

金森馨

・ 椅子、窓 、 ソフ ァー、 日用品

1976年

7月

・ 舞台中央 と窓 の周辺 が 明る い

西武劇場 Nα

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

2 2


(69)

三 階建 ての 西洋建築 内部 。 『 汚 れ た手 』

部屋 の外 の 風景 に も

劇団 四季

現実味が ある。

[作 ]

▼ 」・ P・ サ ル トル

[演 出 ]

▼ 浅利 慶大

(読 み取 れ る情報 )

[舞 台美術 ]

・ 西洋建築 の 内部

金森馨

・ 時間は過去 。社長机 、 ソフ ァー、椅子 、窓

1977年

・ 舞台中央 と窓の周辺が 明 るい

1月

西武劇場

NQ2 3

1996年

渡辺仁 史研究室

卒業論文


(70)

幕 ひ とつ 静 かにすべ つて

TAB00』 NODAOMAP

この世 とあの世 のあいだに橋が懸かる。 見る ものす べ て あやか しまぼろ し、 な らば いっそ う鮮やかに激 しくと、

I作 ・ 演 出

。出演 〕

風 に狂 い夢 にだ まされる、

芸能 の 深淵 が

野 田秀樹

野 田空間 に忽然 と浮かび上がる。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 61号 )

[出 演 ]

▼ 唐沢寿明 羽野 晶紀 渡辺 い つ け い 篠井 英介 鷲尾 真知子 佐藤正宏 松重豊 須藤真里子

[衣 裳 ]

▼ (読 み取れる情報 )

内藤 こづ え

・ 場所 は認識で きない 。時間 は過去

[美 術 l

・ 衣裳 ―色鮮や かな着物

堀尾 幸男

・ 舞台上 にはふ たつ のは しごの よ うな、や ぐらの ような物 体

1996年 4月 4日 ∼ 5月 26日 ア タ ーコ ク ー ン 渋谷 Bunkamuraシ

・ 舞台前面 ははっき りと明る い

NQ2 4

1996度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(71)

木造建築 とか

『 なよたけ』

塗装 されていな い生の自木 とか、

劇団四季

板 、本組 み、竹細工 といった素 材 の 中 に 「 な よたけ」の舞台の基本精神 を発 見 し、 これ を発想の拠点 とした。 (「 舞台装置の姿勢

金森馨 」 )

[作 ]

▼ 加藤道夫

[演 出 ]

▼ 浅利慶太 (読 み取れる情報 )

・ 場所 は認識で きない

[舞 台美術 l

。時間 は過去

・ 衣裳 ―着物

金森馨

・ 舞台装置以外 の物 はな い

1970年

1

0月

・ 舞台中央 にいる人 にス ポ ッ ト

日生劇場

NQ2 5

1996年

渡辺仁 史研究室

卒業 論文


(72)

エ ンツ ェンス ベ ルガ ーの詩 をもとに、 『 タイ タニ ック沈没』

巨大 なテ ープルだけの装置 で、

黒テ ント

集団的演技 を際立 たせ た。 (「 現代演劇 60'

s∼ 90' s」

)

[作 ・ 演 出 ]

(読 み取 れ る情報 )

・ 場所 は 内部空間

佐藤 信

。時間 は過去 (題 名 よ り) ・ 巨大な テ ープル、椅子

1986年 築地 本願寺

・ 衣裳 ―昔風 。全体的 に明 るい

全国 20都 市

NQ2 6

1996年 度

渡辺仁 史研究室

卒業論文


(73)

『 オ ンデ ィーヌ』

構成 =垂 直 に伸び る直線 ―漁師小屋 の柱 左 に傾斜 した放物線 ―湖 と森 の遠 景

劇団四季

上部 の 不定型 の弧 一樹木 の葉 の繁 み

[作 ]

▼ 」 。ジロ ドゥ

[演 出〕

▼ 浅利慶太 (読 み取れる情報 ) [舞 台美術 ]

・ 掘 っ建て小屋 の ような建築 内部

・ 時間 は過去

金森馨

・ 机 、椅子 、簡易 ベ ッ ド、窓 ・ 舞台中央 が 明る い

1965年

6月

日生劇場

NQ2 7

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(74)

最近 、駅 の コイ ンロ ッカ ーか ら、 『 盲導 犬 』

赤 ん坊 の 死体 が 見つ かる とい う

櫻社 +新 宿文化提携公演

異常 な事件 が あ いつ いだのは、 まだ我 々の記憶 に新 しい。

[作 ]

雑 踏 す る駅 の構 内 、その 白色 の 光 の 中 に、

我 々の 関知 しない

唐十郎

「 もうひ とつの世界」が あったので ある。 (「

Note 1969∼

1988」

)

[演 出 〕

▼ 蛤川幸 雄

[出 演 ]

▼ 石橋蓮 司 蟹江 敬 三 緑魔子 桃井 か お り 他

[照 明 ]

▼ (読 み取れ る情 報 )

吉本昇

・ 場所 は駅 の構 内 [美 術 ]

・ 時間は現在

・ 衣裳 ―現代的

大野泰

・ 舞台奥 に コイ ンロ ッカ ーが 横 一 列 に並 んで いる 。全体的 に明 る い

1973年 ア ー トシア タ ー新 宿文 化

NQ2 8

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(75)

人 々は争 うように して 『 血 の 婚礼』

GEKISHA NINAGAWA STUD10

バ カンスに走 り、 新幹線 はス シ詰 め。 どこか遠 くへ !と 言葉 にな らな い叫 び声が

[作 ]

聞 こえて くるかの よ うだ。

けれ ど私 たちは 自分 が必ず

清水 邦 夫

東京 に帰 って くる ことを知 っている。 この東京でなけれ ば 生 き続 けられな い とい う呪縛 に、

がん じが らめ にな って いるか らだ。 (「

[出 演 ]

Note 1969∼ 一 一     一 一・ 一 一 一 ・ .

蛯川幸 雄

一 一 一 一 ¨ 一

[演 出 ]

1988」

)

大 川浩樹 平井 太 佳子 渕野 直幸

[照 明 l

▼ (読 み取 れ る情報 )

原 田保

・ 外部空間 [装 置 ]

・ 時間 は現在

・ 雨 が降 って いて、人は皆 傘 をさ して いる 。自動販売機 、 コイ ンラ ン ドリー

沼 田憲 平

1986年

7月 15日 ∼ 27日

。全体的 に暗 いが舞台奥 が 明 る い

ベニ サ ン・ ビ ッ ト

Na2 9

1996度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(76)

二 千万年の地層の堆積を前に、 『 地 の駅 』

人間の営 みは小さい。

転形劇 場

その小 ささへ の まなざ しか ら 劇 が 始 まった。 (「 現代演劇

60's∼ 90's」

)

(読 み取れる情報 ) 。廃材の山による舞台装置

[作 ・ 演 出 ]

・ 時間は現在

太田省 吾

・ 廃材 ― タイヤ、鉄 くず、 スピ ーカ ー、 自転車 ・ 衣裳 ―現代的

1985年

・ 全体的に明るい

栃木 県大 谷石採 堀 場跡

N&30

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(77)

水 に触れ る とき、 『 水 の駅』

人 々の過去 が蘇 って くる、

転形 劇 場

その像は 詩的なイメ ー ジの ように美 しい。 (「 現代演劇

60's∼ 90' s」

)

[作・ 演 出 ]

▼ 太 田省 吾 (読 み取 れる情報 )

・ 場所 は公 園 の水 のみ場

[出 演 ]

0時 間は現在

▼ 安藤 朋 子

・ 衣裳 ―現代的

・ 舞台上 に物 はな い

1981年

。人 にスポ ッ トが 当 たっている

転形 劇 場 工 房

No.31

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(78)

「一 度開 い た幕は何があって も、 『 シ ョウ・ マ ス ト・ ゴ ー・ オ ン』

途中で降 ろ してはいけない」・・・

東京 サ ンシ ャイ ンポ ーイズ

ハ プ ニ ング こそ舞台 人 の ド根性 、 主役の晴れ舞台。

[作 ・ 演出 ]

知恵 と気転 で ピンチ を切 り抜 けろ

ステ ー ジの 穴 に気付かれるな

三 谷幸喜

決 してライ トを浴びることのな い

!

!

陰 の美談 . (「 演劇 ぶ っ く」

[出 演 ]

通巻 49号 )

▼ 西村雅彦 伊 藤俊人 高橋理恵子 近藤芳正 相 島 一之 佐藤 B作 梶原善 小林 隆

[照 明 l

(読 み取れる情報 )

・ 場所 は劇場の舞 台裏

佐藤公穂

・ 時間 は現在 [美 術 ]

・ 衣裳 ―現代的

・ 物 が乱雑 に置 いて ある 一

大 竹潤 一 郎

太鼓 、机 、かつ ら、 階段 、椅子 ・ 公衆電話、非常 □のサイ ン

1994年

4月

1

日∼

20日

・ 全体的 に明る い

紀 伊 國屋 ホ ール

NQ3 2

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(79)

何 で もな いよ うな こと、 『 砂 の 楽園』

脱力 した状態。

遊 園地 再生事業 団

そ うい うイメ ー ジが根底 に流れて い る。 (「 演劇ぶ っ く」

通巻 61号 )

[作 ・ 演 出 ]

▼ 宮沢章夫

[出 演 ]

▼ 三 田村 周三 小玉 和文 加治 竜 也 戸 田昌宏 正 名僕蔵 佐 伯新 星野 光 洋

[照 明 ]

▼ (読 み取れる情報 )

斉藤 茂男

・ 建築 の 内部空間 ・ 時間 は現在

[舞 台美術 ]

。衣裳 ―作業服、 ジャ ー ジ

・ 窓、階段 、新 聞 、ワ ープ ロ

加藤 ちか

ビール、 公衆電話

1996年

3月

20日 ∼ 4月 7日

・ 全体的 に明 るい

ザ・ スズ ナ リ

Na3 3

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論 文


(80)

日常 のな るべ く「つ まらな い 」時間 を 『 台所 の灯 』

切 りとつて 見せ る

劇 団東京乾電池

「 頑張 らない」芝居、 なにげな い「普通 」の合 間 か ら 「異常 」 がかいま見 える。 (「 現代演劇

60' s∼ 90' s」

)

[作 ]

▼ 岩松 了

[出 演 ]

▼ 柄本 明

(読 み取れる情報 )

渡辺 淳 久

。内部空間

蛭子 能 収

・ 時間 は現在

大久保 了

・ 衣裳 ―現代的

0御 神輿、 はっび、はちまき、

小林聡 美

選挙ポス タ ー、畳

1987年

・ 舞台中央 が全 体的 に明る い

こまば ア ゴ ラ劇場 Nα

1996年 度

渡辺仁史研究 室

卒業論文

3 4


(81)

た くさんんの丸太 を舞台に立てて 『 セ ツ ァンの善 人 』

演技空間 を構成 しよ うと思 った。

俳優座

看板 や標識がつ け られた丸太で、 往来 が 表現 されて いる。 (「 高 田一郎の舞 台美術入門」 )

[作 ]

▼ ブ レヒ

[訳 l

▼ 加藤衛

[演 出 ]

▼ 小沢栄 太郎 (読 み取れる情報 ) [舞 台美術 ]

・ 外部空間

・ 時 間 は現在

高 田一 郎

・ 丸太 に看板や標識 が かか っている

1960年

。全体的 に明る い

俳優座劇場 Nα

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

3 5


(82)

舞台 一 面 に砂が敷 いて ある。 『

CLEARANCE』

か たて ま天花粉 シア タ ー

劇中設定 が 目ま ぐる しく変化 する。 学校 の砂 場、海岸、公園 の砂 場。

[作 ・ 演 出 ]

▼ 高橋 恭子

[舞 台美術 ]

(読 み取れる情報 )

▼ 深海十 蔵

・ 床 一 面 に砂

+ジ ャ ン・ ジャ ッ ク・ ア ー ト・ ス タジオ

・ 舞台装置 ―ベ ンチ

長谷 川葉 月

・ 衣裳 ―現代的 。ぼんや り明る い

1995年 11月

・ 夕暮れ っぼい

シア タ ーグ リー ン

Ma3 6

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論 文


(83)

安 アパ ー ト「黎明荘 」 に住む 『 欲望 とい う名の市電 』 東宝 プ ロデ ュ ース

妹 きららの所 へ 突然 転 が り込 んだ雪子 . ・・ ・ (「

Note 1969∼

1988」

)

[原 作 ]

▼ テネ シ ー・ ウ ィリア ムズ

[脚 本 ]

▼ 堀井 康 明

[演 出 ]

▼ 蛯川幸 雄

[出 演 ]

▼ 浅丘 ル リ子 隆大 介

他 (読 み取れる情報 )

・ 場所は建築外側 の脇

[装 置 ]

0時 間 は現在

・ 舞台装置 が 人 よ り舞台 の手前

鈴木 俊 朗

1988年

側 にある 。全体的に暗 い

3月 1日 ∼ 28日

帝 国劇 場

NQ3 7

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(84)

舞台 はパ チ ンコ店 「チ ュー リップ 」。 『 黒 いチ ュ ー リップ 』

愛憎 、復讐、幸福。

パ ル コ

錯綜 す る人間関係。 (「

Note 1969∼

1988」

)

[作 ]

▼ 唐十郎

[演 出 ]

▼ 蛙川幸雄

[出 演 ]

▼ 李礼仙 柄本明 浜田晃 大門伍朗

[照 明 ]

▼ 吉井澄雄 (読 み取れる情 報 ) [美 術 l

・ 場所 はパ チ ンコ店

・ 時間は現在

朝倉摂

・ 衣裳 ―現代的 ・ 舞台上 はパ チ ン コの 台 だ らけ

1983年 2月 6日 ∼ 3月 PARCO西 武劇 場

。全体がすべ て見える程明 るい

8日

NQ3 8

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(85)

この芝居は推理劇 で、

『 E亀 』

状況 の設定 が リアルでないと

五五 の会

つ まらな くな って しまう。 (「 河童 が 語 る舞台裏 お もて」 )

[作 ]

▼ ピエ ール・ トマ

[演 出 ]

▼ (読 み取れる情報 )

高橋 昌也

・ 内部空間 [舞 台美術 ]

・ 時間 は現在

・ 椅子 、机、階段 、電灯、窓 カ ーペ ッ ト

妹尾河童

・ 薄暗 いが全 体 は見える 全国公 演

阻 39

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(86)

場所 は田舎町の取 り壊 される直前の図書館。 『 CLOCKWORKⅡ

か たてま天花粉 シア タ ー

その田舎町では昔 、恐竜 の化石 が発見 された。 その とき起 こった事件 が また繰 り返 される。 ス トー リー重視 の文学 的な芝居。

[作 ・ 演出 l

▼ 高橋恭子

(読 み取れる情報 )

[舞 台美術 l

・ 古 びた図書館

。衣裳 ―現代的

深 海十蔵

・ 室 内 は非常 に暗 い

十 ジャン・ ジ ャ ック・ ア ー ト・ ス タジオ

・ 明 る いのは人 と外だけ

1996年

。本 と本棚、窓

8月

駅 前劇場

Na4 0

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(87)

高校時代 、恋人同士 だった二 人 . 十数年 後 に再会 しまた付 き合 い始 め る。

『 さ らば北辺 の カモ メ』

THE・

男 には妻 が いて、女 は別の男 と不倫関係 だ。 密会 の 夜 、女 はどな りこんで きた男 の 妻 を

ガジラ

刺 し殺 して しまう。 深夜 の密 室 で、二 人 は最初 は脅 えなが ら 夜 が更 ける とともに、 死体 と一緒 に写真 を撮 つた り、 次第 に大胆 にな つて い く。 (「 演濠1ぶ っ く」

[作

。演出

通巻 61号 )

]

▼ 鐘下辰男 (読 み取 れる情報 )

・ 建築内部

[出 演 ]

。時間 は現在

▼ 中川安奈

・ 衣裳 ―現代的

檀 臣幸

・ベ ッ ド、時計 、ス トープ

1996年 3月 23日 ∼ 3 THEATER/TOPS

。人 の まわ りだけ明 るい 。人 の影 が重た い空気 を表現

1日

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文

4 1


(88)

『 本牧 マ クベ ス』

舞台 は中世 ス コ ッ トラ ン ドか ら、 ` 60年 代後半 の本牧 ヘー あなた、 “もし自分 の未来が予言 されたら、

[原 作 l

どうしますか ?"

W・ シ ェイ クス ピア

現代 の ヒュ ーマ ン ドラマ と しての “マ クベ ス "の 誕生 だ (「 演劇 ぶ っ く」

[作 ]

!

通巻 54号 )

▼ 矢作俊彦

[演 出・ 出演 ]

▼ 宮 城聰

[出 演 l

▼ 手塚 とお る 明星 真 由美 久野歩 苅部 園子 新井靖雄

(読 み取れ る情報 )

田辺 久弥

。場所 は倉庫内部

堺雅 人

・ 時間 は現在

柴 田暁彦

・ 衣裳 ―現代的

大野学

・ 倉庫 によ くある木箱 ビ ールケ ース

1995年

1月

。人 がいる ところだけが明 る い

20日 ∼ 29日

横浜相鉄 本 多劇場

NQ4 2

1996年 度

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(89)

とあるさびれ た産婦人科 には、

『 祈る女』 サ ー ドステ ージプロデュース

欲望や恐怖や 不信 が作 ったお りが ある。

4人 の男女 が追 い詰め、追 い詰め られ、 サス ペ ンスは絶頂 に。 病 を癒 す ハ ッピ ーエ ン ドは開放 か、 それ とも幽 閉 の ままなのか 。・・ 。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 54号 )

[作 ]

▼ 鈴木勝秀

[演 出 ]

▼ 木野花

[出 演 l

(読 み取 れる情報 )

▼ 戸川純

・ 建築内部 と認識可

加納幸和

・ 時間 は現在

池 田成志

・ 衣裳 ―現代的

山下裕子

・ ソフ ァー、扉 、カ ーペ ッ ト ・ 人 にスポ ッ トが当たって い る

1995年

1月

19日 ∼ 2月 5日

舞台奥 は真 っ暗

青山円形劇場

Na4 3

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(90)

ノル ウェ ーか ら出発 し

『 ペ ール・ ギ ュン ト』 ││カ ンパニ ー +RSC 蛯サ

東京 に上 陸 した バ ーチ ャル・ リア リテ ィーな 若者 の 紡裡劇 . (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 50号 )

[作 ]

▼ H・ イプセ ン

[演 出 ]

▼ 蛯川幸雄

(読 み取れる情報 )

[出 演 ]

・ 外部空間

M。 シ ー ン

0時 間 は現在

E・ シェンベ ル ク 他

0ネ オ ンサイ ンが 目に とまる 。全体的 に暗 い中で、ネ オ ン

1994年

4月

20日 ∼ 3 0日

サインが強調 される

銀座 セゾ ン劇場 Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

4 4


(91)

日常 をその まま切 り取 つた ような 『 東京 ノ ー ト』

青年団 の芝居 の底流には、

青年 団

日本 の文学や政治 に対す る 冷 めた意識 が あ りなが ら、 さもなんで もな いコ トの ように や っての けるカ ッコ よさが ある。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 50号 )

[作・ 演出 ]

▼ 平 田オ リザ

[出 演 l

▼ 山内健司 平 田陽子 足立誠 (読 み取れる情 報 )

大 木透

・ 時間設定 は現在

志麿真実

。非常 に リアル な待合室

広 瀬 由美子 松 田弘子

・ 本 の ラ ック、階段 、椅子 、 灰皿 ・ 衣裳 ―現代的

1994年

5月 13日 ∼ 3 1日

・ 全体的 に明る い

こまばア ゴ ラ劇場

Na4 5

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(92)

ガ ラスでで きた海辺 の館 は、 『

SWEET HOME』

栄華 を極めた女優 の休息 の場 、

ザ ズ ゥ シア タ ー

館 を舞台 にシアワセな 家族 ごっこが幕 を開 ける。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 50号 )

[原 案 ]

▼ 柳美 里 [上 演 台本・ 演 出 ]

▼ 鈴木 勝秀

[出 演 ]

▼ 篠井 英介 (読 み取 れ る情報 )

松 重豊 田ロ トモ ロ ヲ

・ 舞台上 は建築内部

椎名 桔平

・ 時間 は現在

久松 信美

・ 衣裳 ―現代的

井 上慎一郎

・ 机、椅子 、ガラスの壁 面 ・ 黒光 りした重 い雰囲気

1994年

30日 Part3

5月 13日 ∼

渋谷 パ ルコ Space

・ 全体的 に薄暗 い

NQ4 6

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(93)

獲得 しよ うとして は零 れる 『

HOCOE』

人 と人 との距離 とデ ィス コ ミュニ ケ ーシ ョンの美学 を 飽 くこ とな く探究 し続 ける。

双数姉妹

そ の 実験 的舞台 は、 若 い役者 たちが捻 出す る イメ ー ジ コ ラ ージ ュで もある。 (「 演劇ぶ っ く」

通巻 50号 )

[作 ・ 演出 ]

▼ 小池 竹 見

[出 演 ]

▼ 小野 啓 明

(読 み取れる情報 )

苅部 園子

・ 椅子 が置 いてある 。内部空間 →柱 が 見える 。衣裳 ―現代的

明星 真 由美 他

1994年 4月 27日 ∼

5月 5日

THEATER/TOPS NQ4 7

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(94)

オ ウム事件 に我 々が これほ ど過剰 な 恐怖 を覚 え るのはなぜ だろ う。 『 サ テ ィア ン』

誰 もが言葉 を濁 して いる

劇団 ACM

現在進 行形 の この事件 に、 時代的な意識 レベ ルで、 果敢 に事件 の 価値 を見出そ うとして いる山崎 哲 。 そ の 答 えの ひ とつ に「家族 」 とい う 主題 の 崩壊 が あ った ことに、 得体 の知 れ な い恐怖 の 正体 を見 た ような気 が す るのだ。 (「 演劇ぶ っ く」

通巻 59号 )

[作 ・ 演出 ]

▼ 山崎哲

[出 演 ]

▼ 貞綱仁 中山一 朗 大澤厚 泉吾朗 貴島豪 平塚仁紀 (読 み取れ る情報 )

塩谷亮 久保庭尚子

。社会現象 を舞台 に取 り入れた

・ 舞台 の場所性 は我 々の経験 か ら

1995年 10月 20日 ∼ 22日 27日 ∼ 29日 11月 3日 ∼ 5日

認識で きる 。衣裳 ―同様 に認 識 で きる ・ 全体的 に明 るい

水戸芸 術館 血

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

48


(95)

闇 の狭間で除草剤を ま く男たち。 『 虹 のパ クテ リア』

GEKISHA NI

「悪 い草 ってや つ は、他 の ものまで

NAGAWA STUD10

腐 らせ るか らな 」 と言 いなが ら 霧 の よ うな クス リをま く。 (「

Note 1969∼

1988」

)

[作 ]

▼ 宇野 イサ ム

[演

l

▼ 蛙川幸雄

[出 演 ]

▼ 大 川浩樹 大石継 太

[照 明 ]

▼ 原 田保

(読 み取 れ る情 報 )

・ 場所は古 び たアパ ー トの [美 術 ]

共 同流 し 。時間 は現在

▼ 中越 つ かさ

・ 舞台装置が非常 に リアル 0カ ラオケ、流 し、扇風機

1987年

5月

23日 ∼ 30日

・ 全体的 に明 るい

ベニ サ ン・ ビ ッ ト Nα

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

4 9


(96)

旧友 の死 が 『 東京 サ ンシ ャイ ンボ ーイズ の 罠』 東京 サ ンシ ャイ ンボ ーイ ズ

小学校時代 の友人 を集めた。 モルモ ソ教 の教会 で 通夜 がお こなわれ た。 知 らな い間 に 同窓会 に 。・・ . (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 54号 )

[作 ]

▼ 三 谷幸 喜

[演

l

▼ 山田和也

[出 演 ]

▼ 西村雅彦 伊藤俊人 近藤芳正 宮地雅子 梶原善

他 (読 み取れる情報 )

[美 術 ]

・ 場所 は教会内部

・ 時間は現在

大竹潤 一 郎

・ 衣裳 ―現代的 ・ 椅子 、パイプオルガン

1994年 9月 15日 ∼ 12月 11日 THEATER/TOPS

・ 全体的に明るい

Na5 0

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(97)

老女 とい うのは、 『 鴨 よ、おれ たち は弾 丸 を こめ る』

黙 々 と生 きて きた僕たちの 父母 が

劇団現代 人劇場

語 り得 なか った何 ものかを意味 して いるが、 この 戯 曲をつ らぬ いて いるのは、 もはや老女 によって しか 状況 を語 りえな い悲 しみだ。 (「

Note 1969∼

1988」

)

[作 〕

▼ 清水邦夫

[演 出 ]

▼ 蛙川幸雄

[出 演 ]

▼ 加藤真智 子 蟹江敬 三 緑魔子 真 山知子

他 (読 み取れる情報 )

[美 術 l

・ 場所は裁判所 の法廷

・ 時間 は現在

大野泰

・ 衣裳 ―現代的 ・ 物が散 らば って いる

1971年 10月

6日 ∼ 20日

。全体的 に明る い

新宿 文化

Na5 1

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(98)

: I

デザ イ ンをする側 の者 、つ ま り、

『 エ レフ ァン ト・ マ ン』

私、 ある いは演出家 は極力、

劇団四季

不必要 な ものを省 き、 必要最低限の ものを舞台の上 に残 し、 その残 された ものを或 るデザイ ンの様式 に まとめ上げる事 に終始 した。 (「 舞台装置 の姿勢

金森馨 」 )

[作 ]

▼ B。 ポ メランス

[演 出 ]

▼ 浅利 慶 大

[舞 台 美術 1

(読 み取 れ る情報 ) 。工 場 の 内部

。時間は現在 ・ 三 本 の柱 に支 えられた古び た

金 森馨

屋根 、電 灯

1980年

9月

・ 舞台全体 が 明る い

日生 劇 場 血

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

52


(99)

この時 か ら 『 真情 あふるる軽薄 さ』

蛙 川幸雄 の挫折 な き演出家 としての

劇団現 代人劇場

歴 史 が 始 まったのである。 清水邦 夫 とい うよき作家 との結合は、 彼 に幸運 を もた らした。 (「

[作

Note 1969∼

1988」

)

]

▼ 清水 邦 夫

[演

]

▼ 蛙川幸 雄

[出 演 ]

▼ 蟹江 敬 三 真山知 子 岡田英 次

他 (読 み取れ る情報 )

・ 場所 は行列のある ところ

[美 術 l

。時間は現在

若林南 海男

0衣 裳 ―現代的 。人 の行列

1969年

9月

10日 ∼ 22日

・ 全体的 に明 るい

新宿 文 化

NQ5 3

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(100)

突然 なだれ込 んで くる一 群 .

95k gと 97 kgの あ いだ 』 NINAGAWA GEKI SHA

STUDIO

それぞれ大 きな「荷」を背 負 い、 行列 しなが ら 「 荷 」 の重 さに こだわる。

95kgと 97kgの [作

という彼 らの作業 は

次第 に熱気 を帯 び、暴力的 になってゆ く。

▼ 清水 邦夫

[演

違 い をは っき り示す 、

(「

Note 1969∼

1988」

)

]

▼ 蛯川幸雄

[出 演 ]

▼ 渕野 直幸 平井 太 佳子 大石 継 太

[照 明 ]

▼ (読 み取れる情報 )

原 田保

・ 内部空間 [美 術 ]

・ 時間 は現在

・ 衣裳 ―現代的

朝倉摂

・ 舞台装置 は階段状 の もの だけ ・ 光 の筋道 がわかる、

1985年

6月

15日 ∼ 30日

・ 全体的に暗 い

ベニ サ ン・ ピッ ト

NQ5 4

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(101)

安 アパ ー トに住む最近悩 みがちな絵 描 き。

『 かたよ りの水圧』

その アパ ー トには変わ った 人 ばか り住 んでいる。

かたてま天花粉 シアター

そ こに引 っ越 して きたひ と りの女。 その女 も絵描 きで、 悩 んで い る絵描 きの代わ りに絵 を描 き始めて しま う。 そ こか ら広 が る波紋。

[作 ・ 演出 ]

▼ 高橋恭子

[舞 台美術 ]

(読 み取れる情報 )

深海十蔵

・ 舞 台 は三 階建ての安 アパ ー ト

十 ジャン・ ン ヤ ツ ク・ ア ー ト・ スタジオ

・ 階段 、ポス ト、扉 が ある 。衣裳 ―現代的 。人 がいる ところは明 るい

長谷川葉 月

1995年

6月

文芸座 ル・ ピ リエ

NQ5 5

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(102)

l l

近代 的 な素材 による舞台装置。

『 アプ ロ ーズ』

装置 に線材 が 多 く使用されて いるので

劇団四季

照明 によって、背景 に映 し出される影 が 怪 し くたたずんで いる。

[脚 本 ]

▼ A・ グ リー ン、 B・ カ ムデ ン

[演 出 ]

▼ 浅利慶 大 (読 み取れる情報 )

・ 場所 は住宅

[舞 台 美術 ]

0時 間 は現在

・ ソフ ァー、椅子 、 階段

金森馨

・ 全体的に暗 く、人 にス ポ ッ ト

1972年

6月

日生劇場

NQ5 6

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(103)

シュラ とマ リア は 『 半神 』

シャム双生児。

劇団 夢 の 遊 眠社

つ なが った 白 い エ ラステ ィックな衣裳が、 二 人 の 関係 を ダイナ ミ ックに象徴す る。 (「 現代演劇 60'

[原 作・ 脚 本 ]

s∼ 90's」

)

▼ 萩尾望 都

[脚 色・ 演 出 〕

▼ 野 田秀 樹

[出 演 ]

▼ 円城 寺 あや 竹 下 明子 上杉祥 三 佐 戸井 け ん 太 田山涼 成 山下 容里恵

他 (読 み取れ る情報 )

。場所 は建築 内部

[装 置 ]

・ 時間 は認識で きな い

。衣裳 ―現代的 な服 十独特 の洋服

岩 井 正弘

・ 階段 、柱 、柵

1988年

・ 全体的 に明 る い

シ ア タ ーアプル

Na5 7

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(104)

そのわ か らな い人 に、 しか も僕の世 代 の 『 二 人姉妹 』

言葉で はな く、若 い人 に理 解で きる言葉や

GEKISHA

NI

NAGAWA STUD10

例 を使 い なが ら説 明す る とい うことは、 僕 自身 のチ ェ ックにもなるわ けです よ。 (「

Note 1969∼

1988」

)

[訳 ]

▼ 神西清

[演 出

]

▼ 蛙川幸雄

[出 演 ]

▼ 大川浩樹 大石継太

[美 術監督 ]

▼ 朝倉摂

[装 置 l

(読 み取れる情報 )

・ 内部空間

濃野壮一

・ 時 間 は認 識で きない 。机 、椅子 、カ ーテ ン

1984年 11月 22日 ∼ 25日

・ 全 体的 に明る い

12月 6日 ∼ 9日 ベニ サ ンス タジオ Nα

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文

5 8


(105)

まさか実現 するとは思 つてなかった

『 1売 ジョン・ シルノヽ一』

BeSeTo演

劇祭実行委員会

岩松了演 出 の唐十郎作品 とい う ゴ ール ドカ ー ド. あ ま りに異質な二 人 の組み合わせ と が ら りと様変 わ りした 『 続 ジ ョン 0シ ルバ ー』 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 59号 )

[作 ]

▼ 唐十 郎

[演 出 l

▼ 岩松 了

[出 演 ]

▼ 猫背 椿 丸山 昌子 松尾 スズキ (読 み取れる情報 )

宮 藤官 九郎 増井 克佳

。内部空間

・ 時間 は認 識 で きな い

1995年

1

。窓、机、椅子 、本の床、

1月 3日 ∼ 6日

カ ーテ ン

パ ナ ソニ ック グロ ープ座 1

水戸芸術館 A

1月

10日 ∼ 12日

・ 全体的に暗 い感 じ

CM劇 場 NQ 5 9

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(106)

風 の記憶 を刻む砂、 『 風 の駅 』

そ して砂・

転形 劇場

人 々は うち捨 て られたよ うに

0・

そ こにいた。 (「 現代演劇

0演 出

] ¨¨ 一 一 ・

)

訂錘

[作

60's∼ 9o's」

太 田省 吾

[出 演 ]

(読 み取れる情報 )

竹内真樹子 品川徹

。場所 は認識で きない 。時間 も認識で きない

笹島 博文

。舞台奥 へ と砂 が 徐 々に高 く

鈴木 理 江子

敷 かれてい る 。舞台中央には柱 がある

1986年 T2ス タジォ

・ 全体的に明る い

NQ6 0

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(107)

事件 の 不在、 『 水 の 休 日』

無音 、

転形 劇場

日常 の 中 で生 み出 されて い く 負性 の劇。 人間 の存在 が 浮 かび上がる。

160' s-90' s」

(「 現代演康

)

[作 ・ 演 出 ]

▼ 太 田省 吾 (読 み取れる情報 ) [出 演 ]

・ 内部空間

・ 時 間 は認識で きな い

安藤 朋子

。机 、椅子 、ボ ロボロの壁

瀬川哲 也

・ 床 一 面 に水 が張 つてある 。衣裳 ―現代的

1987年 T2ス タジオ

・ 全 体的 に明る い

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文

6 1


(103)

概念

湖 の リア リステ ィックな表現 (本 水の使用 )を 最重要 とする。

『 か もめ』

単純な表現 だが、部分的 には

劇団四季

写実的な素材を用いる。 (「 舞台装置 の姿勢

金森馨」 )

[作 ]

A・ チ ェ ー ホ フ

[演 出 ]

AOシ

ェル バ ン (読 み取れる情報 )

[舞 台美術 ]

・ 外部空間

・ 時間 は認識で きな い

金森馨

・ 池 、白樺 の本 々、橋 ・ 非常 に写実的 な舞台装 置

1980年

・ 全体的 に明 るい

7月

日生劇場

L62

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(109)

『 ジーザス・ クライス ト=ス ーパ ース タ ー』

地面が劇 の地 形的真実性 を

劇団四季

伝 える もので しかなか った とした ら、 その使 命 は完全で はあるまい。 地面 は人間の生 きる場 、 死 に滅 び ゆ く場 、 幅 の 広 い意味 の「 大地 」 と な って いな ければな らなか ったろ う。 (「 舞台装置 の姿勢

金森馨 」 )

[作 ]

▼ T。 ライ

[演 出 ]

▼ (読 み取れ る情報 )

浅利 慶大

・ 場所 は宇宙 ・ 時間 は認 識 で きな い

[舞 台美術 ]

。舞台上 は砂 、石、岩で

金森馨

埋 め尽 くされて いる 。舞台中央 が 明 る く、舞台奥 は

1976年

4月

空間が無限 に広 がって いる感 じ

日生劇場 Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

6 3


(110)

一 本 の本 の 前 で 女 がふ た り・・・

『 ゴ ドーを待ちながら』 サ ー ドステ ージ

待 って いる。 時間 を もて あ ま して いるようで もあ り、 もて あま した時間を 楽 しんで い る よ うで もある。 おか しな二人組 が通 り過 ぎる。 少年 が告 げる。 「 ゴ ドーさんは来 られな いって 。 明 日は必ず来 る つて。」 永遠 の刹那 の、 時間 は流れて い く。 (「 演劇 ぶ っ く」

[作 ]

通巻 49号 )

▼ S・ ベ ケ ッ ト

[演 出 ]

▼ 鴻上 尚 史

[出 演 ]

(読 み取れる情報 )

▼ 白石加 代子

・ 外部空間

毬谷友 子

・ 時間 は認識で きな い いつの時代 ともとれる 。舞 台中央 に枯れた本が一 本

松 田洋 治 小須 田康 人

左側 にはおお きな月

麿赤 児

・ 舞台前面 の 人がいる領域全体 に

1994年

3月

24日 ∼ 31日

照明 が当たって いる

東京芸術劇場中 ホ ール Nα

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文

6 4


(111)

世界 が、 自然 が、人間 が 、 『 マ ウイ』

渾然 一 体 とな って流れ

東京 オ ピニ オ ンズ フ ェステ ィパ ル

息づ くアジアの神話 . (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 54号 )

[原 作 ]

▼ 戸井十 月

[企 画・ 演 出・ 美術 ]

▼ 宮本亜門

[出 演 ]

▼ 唐沢寿明 夏木 マ リ 早坂好恵 寺 田稔 宮下直紀 日野利彦 (読 み取れ る情報 )

岡田正典

・ 場所 は熱帯地域

私市 トロ イ

0時 間は不明

千 うらら

・ 椰子 の樹 、石積み の 通路

村上冬樹

木材 による通路

石丸貴志 岡幸 二 郎

・ 衣裳 ―薄 い布生地 の 服 ・ 舞台手前 が 明 る く、奥 に行 くに

1995年

2月 1日 ∼ 3月 5日

したが って暗 くなる

ア ー トスフィア

NQ6 5

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(112)

過去 と未来 、 『 小 さ な王国』

現実 と記憶 、

ブ リキ の 自発団

地上 と異空間な ど、 時間 と次元 を縦横 に往還 する 舞台 を生 きる。 (「 現代演劇

[作

0演 出

60' s∼ 90' s」

)

]

▼ 生 田萬 (読 み取れ る情報 ) [出 演 l

・ 建築内部

・ 時間 は認識 で きな い

銀粉 蝶

。机 、椅 子 、物が乱雑 に点在

・ 全体がほ とん ど真 っ暗

1985年 T2ス タジオ No6 6

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(113)

ラス トシ ー ン、 『

M00NLIT CAMERA』

舞台奥の幕が落 ちる と

か たて ま天花 粉 シア タ ー

大 きな 月が出現す る。

[作 ・ 演 出 ]

▼ 高橋 恭子

[舞 台美術 ]

(読 み取れる情 報 )

深 海十 蔵

◆舞台奥 に人 よ りも大 きい 月

十 ジ ャン・ ン ヤ ツク・ ア ー ト・ スタジオ

0衣 裳 一役者 は皆 白 い服を 着 て い る。

長谷 川葉 月

・ 舞台上 は所 々明 る い

1994年

。非常 に幻想的な空間

5月

明石 ス タジオ Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

6 7


(114)

舞台上 のあちこちに 『 夏 の 夜 の夢 』 シア タ ー コ ク ー ン公演

張 りめ ぐらされ た水 に 足を とられなが ら、 恋や夢 を村芝居 を 演 じる登場人物 たち。 (「 演劇 ぶ っ く」

[作

通巻 50号 )

]

W。 シ ェイ クス ピア

[演 出

。出演

]

▼ 串田和 美

[出 演 ]

▼ 若松 武 京晋介 (読 み取れ る情報 )

小 日向文世 伊沢磨 紀

・ 建築内部

山崎美 貴子

・ 時間 は現在

石野 陽子

・ 衣裳 ―現代的

大森博

・ 鉄 の質感 を持 った扉 、椅 子 ・ 特定 の 人 と、舞台装置 の 前面 に

1994年 5月 7日 ∼ 22日 ア タ ーコ ク ー ン 渋 谷 Bunkamuraシ

照明 が 当た って いる

No.68

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(115)

巨大 な材木が場面 によ り、 『 マ クベ ス 』

上 か ら吊 り下が つて きた り、

松竹

倒れ た りする。 (「 高 田一 郎 の舞台美術入門」 )

[作 ]

W・ シ ェイ クス ピア

[訳 ]

▼ 小 田 島雄志 (読 み取 れる情報 )

・ 場所 は認識で きな い

[演 出 l

。時間 も認識で きな い 。舞台上 には舞台装置 のみ

▼ 増 見利 清

・ 薄暗 いが、全体的には明 るい

1976年 日生 劇 場

NQ6 9

1996年

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(116)

宮殿 の 広間。 『 マ クベ ス』

鉄骨 の 階段 には、

俳優 座

車 がつ けてあ り、 場面 に よって左右 に動 く。 (「 高 田一郎の舞台美術入門」 )

[作 ]

W・ シ ェイ クス ピア

[訳 ]

▼ 小 田島雄志

[演 出 ]

(読 み取れる情報 ) 0場 所 は認識で きな い

。時間 も認識で きない ・ 舞台上 には舞台装置 のみ

増 見利清

・ 薄暗 いが、全体的 には明 る い

1979年 東横 劇場

NQ7 0

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(117)

いつ もと変 わ らぬ賑 いの中で 、 『 戸惑 いの 牛后 の 惨事 』

しがない生 を精一 杯生 きる人 たちのあ いだに、

秘法 零番 館番外公演

ある惨事 が 突発す る。 街 の灯 はそれを黙 って 見て お り、 今 も見続 けて いるだろ う。 (「 舞台美術

手塚俊一 の仕事 」 )

[作 ・ 演 出 ]

▼ 竹内銃 一 郎

[出 演 ]

▼ 木場 克 己 小出修士 森川隆 一

[照 明 ]

▼ (読 み取れ る情報 )

吉 倉栄 一

・ 壁 が無数 の 窓 の本枠 によって 構成 されて いる

[舞 台美術 ]

0圧 迫感 が 多少 ある

手塚 俊 一

。全体的 に明 るい 。所 々の窓枠 にはガラスが

1982年 10月 30日 ∼ 11月

8日

嵌 め られて いる

ザ・ スズ ナ リ

NQ7 1

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(118)

一 言 で 言 えば、 『 リア王 の 青 い城 』 シ ェイ クス ピア・ シアタ ー

これは「 リア王 の不在」をめ ぐる 「 リア王」の ドラマで、 設計事務所 でそれが展開す る。 (「 舞台美術

手塚俊一 の仕事」

[作 ]

▼ 如 月小春

[演 出 ]

▼ 出 □典雄

[出 演 l

▼ 河上 恭徳 田代 隆秀 渡辺 哲 (読 み取れる情報 )

0抽 象的な舞台装置

[舞 台美術 ]

・ 机 、椅子がある

0衣 裳 ―現代的なときもあれば

手塚 俊 一

舞台衣裳的な ときもある

1983年

。舞台中央部分 だけが明るい

4月 30日 ∼ 5月 1日

俳優 座劇場

Na7 2

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(119)

誕生・ ・・・ . 『

COUNT DOWN』

意志 とは無 関係 に決定 され、 そ の意 を尽 くせぬゆえに

大人計画

再 び憧 れるパ ラ ドクス。 仏教 をベ ース に臨む人間界 が、 斯 も愚 かで刹那 な 私 たちの リア ル を通 して描 かれ る。 誕生 の摂理 を呪 う誰 もが つ ぶや く、 カ ウン トダ ウン。 ・・・ ・ 「 無 」 へ の祈 り。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 55号 )

[作 。演出・ 出演 ]

▼ 松 尾 スズ キ

[出 演 ]

▼ 宮藤官九郎 片葉 みはる 池津祥子 立 石明石 伊勢志摩

(読 み取れる情報 )

山本密

。舞台上 には、 組 まれ た台が ある

顔 田顔彦 鈴 川麻 王

だけである 。時間 は認 識で きない

0衣 裳 ―現代的

1995年

3月

29日 ∼ 4月 9日

・ 舞台 は全 体的 に明 るい

吉祥寺 バ ウス シア タ ー

Na7 3

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論 文


(120)

カルチ ャ ーシ ョック :! 『 ウチ ハ ソバ ヤ ジ ャナイ』

(「 演劇 ぶ っ く」

通巻 60号

)

NYLON 100℃

[作 ・ 演 出 ]

▼ ケラ リー ノ・ サ ン ドロ ヴィッチ

[出 演 ]

▼ 大山犬子 今江 冬子 清水宏 みのす け 三宅弘 城 二 瓶鮫一

他 (読 み取れ る情報 )

・ 場所 は認 識 で きな い

[舞 台美 術 l

。時間 は現在

・ 衣裳 ―現代的

古村 昌史

・ 舞台上 に ものはな い

1995年

5月 4日 ∼

。全体的 に明 るい

14日

本 多劇場

L74

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(121)

抑圧 された女中 たちの情念 が

『 女中たち』 シアターXプ ロデ ュース

作 〔

膨大な台詞 の 中 に展開す る。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 59号

)

]

▼ ジャ ン・ ジュネ

[訳 ・ 演 出

]

▼ 渡辺 守 章

[出 演 ]

▼ 本木 雅 弘 青 山良吉 大浦 みず き

[美 術 ]

▼ 丸田道 夫 (読 み取れる情報 )

・ 舞台装置は椅子 ひ とつ

[照 明 l

。衣裳 ―現代的

・ 全体的に暗 く、人にだけ

田中喜 久夫

照明が当たって いる

1995年 10月 14日 ∼ 31日 両国 。シアタ ー X Na7 5

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(122)

現実的 なオ フ ィス空間 と 『

RENEW!∼

幻想的 な森林 が

森へ∼ 』

ダイナ ミックに交錯 す る。

かたて ま天花粉 シア タ ー

[作・ 演出 l

▼ 高橋恭子

[舞 台美術 l

(読 み取れる情報 )

深海十蔵

。舞台奥 は非常 に神秘 的 →森 のイメ ー ジ

+ジ ャ ン 。ジ ャ ック・ ア ー ト・ ス タジオ

0衣 裳 ―現代的

長谷川葉 月

0舞 台奥 は暗 く、向 こうの方 まで

1994年 10月

広 がって い る感 じを受 ける

法政大学学 生 会館大 ホ ール

Na7 6

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(123)

人間 に とって

『 デジャ・ ヴ ュ'86』

救 い とは何なのか。

第二舞台

男 が女 に求 める ものは、 甘 えで しかな いのか。 繰 り返 し問 い詰 める。 (「 現代演劇

60' s∼ 90's」

)

[作 ・ 演 出 ]

▼ 鴻上 尚 史

[出 演 ]

▼ (読 み取れ る情報 )

大高 洋 夫

・ 場所 は認識 で きな い

小須 田康 人

。時間 は現在

伊藤正宏 名越 寿昭

・ 衣裳 ―現代 的

。舞台上 には壁 が建 って い る 。全体的 に明 る い

1986年 紀伊 國屋 ホ ール

Na7 7

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(124)

一 見飾 りっばな しの装置の中 にも、 『 廃都 よ沈 め !一 李礼仙 リサ イ タル』

実 に多様 な方法が織 り込 まれて いる。 (「 劇空間 のデザ イ ン」 )

[構 成 ]

▼ 佐藤信

[出 演 l

▼ (読 み取れる情報 )

李礼 仙

・ 実 際 にはあ り得な い空間 [舞 台美術 ]

。た くさんの美術的要素 を

組 み合わせて構成 して いる 。全体的に明る い

妹尾河童

。照 明 によってひ とつ ひ とつの

1982年 渋谷 パ ル コ

場面 が変化する

SpacePart3 Na7 8

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(125)

子供 たちが開演前 『 赤毛 のア ン』

そ の装置 を じっ と見て いる。

劇 団 エ ンゼ ル

見 て いる うちに彼 らは いろ い ろな ものを想像する。 び っ くり箱 なのか、人 が飛び出 して くる のか 、 想像 は尽 きる ことはない。 そ して 、想 像 が尽 きる前に劇場が暗 くな って ゆ く (「 舞台美術手塚俊一 の仕事 」 )

[脚 本

]

▼ 神 山征 一 郎

[演

l

▼ 神 山征 一 郎 松永 俊行

[出 演 1

▼ 蒲地 高子

=h:ヽ

│ │

清水 祥司 松 田かほる

(読 み取れる情報 )

。舞台上 には人 よ りも大 きな

[舞 台美術 ]

箱 がひ とつ置 いてある 。実際 はその箱が展開 して

▼ 手塚 俊 一

中 か ら人 が 出て来 る 。舞台上 は明 る い

1982年 全国公演

NQ7 9

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(126)

写実的な装置 でやれば 、 『 少年 巨人』

この ドラマ は

秘法 零番館番外 公演

何 だか べ たつ い たよ うな感 じになる。 (「 舞台美術

手塚 俊 一 の仕事 」 )

[作 ・ 演 出 ]

▼ 竹内銃 一 郎

[出 演 ]

▼ 木場 克 己 小林 三 四郎 辻親 八

[照 明 ]

▼ 吉倉栄 一 (読 み取 れ る情報 ) [舞 台美術 l

・ 抽象的な舞 台装置

・ 場所 は認識 で きない 。途中、 グ ロ テス クな抽象舞台に

手塚 俊 一

突如明 る い空が出現する

1982年 11月 13日 ∼ 23日 ザ・ スズ ナ リ Nα

1996年

渡辺仁 史研 究室

卒業論文

8 0


(127)

そ こは静 かで、 とて も静かな場所で、

『 ヒネ ミ』

そ して どこ とな く懐 か しい。

遊園地再生事業団

日常 の よ うな非 日常 が、霞 のように漂 って、 そ こには存在 して い る。 私 たちは地 図 を眺め るよ うに、 その芝居 を俯敏す る。 一体

この道 は

どこに続 いてい くんだろ う 。・・ (「 演劇ぶ っ く」

通巻 54号 )

[作 ・ 演 出 ]

▼ 宮沢章 夫

[出 演 l

▼ 村松 克 己 中村 有 志 大杉 漣 山崎 一 (読 み取れる情報 )

徳井 優

・ 抽象的 で、美術的要素が強 い

宮川賢

。時間 の特定 はで きな い 。机 、椅子 は実際 の もの

布施 絵 里 深浦 加 奈子 伊勢 志摩

。舞台 の奥行 きは装置 の影 に

よって広 く感 じられ る

1995年

1月

21日 ∼ 22日 、 2 5日 ∼ 29日

。衣裳 ―現代的

湘南 台文化 セ ン タ ー市民 シア タ ー、紀 伊 國屋 ホ ー ル

NQ8 1

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(128)

形 にとらわれすぎてるヤツ 『 無 帽 調査 始 ま る。 』

iO」 0!

何 も知 らな い無神経なヤ ツ 覗 き見さ して もら って 笑 って いるあなた もわた しも ひ とつ ふたつ思 い 当たるフ シが あ った りするん じゃない

[作 ・ 演出 ]

こっそ リハ ズカ シイ

(「 演劇 ぶ っ く」

通巻 55号 )

黒川麻衣

[出 演 ]

▼ 新井有香 大井靖彦 小野 田靖子 戸波咲恵 中 山祐 一 朗

[照 明 ]

▼ 早稲 田大学舞 台 美術研究会

(読 み取れ る情報 )

[美 術 ]

・ 非常 に美術的で、抽象的な

▼ 衛藤 こず え

舞台装置 ・ 衣裳 ―あ ま り現実 的ではな い

永幡 由美子

1995年

。時間 は認識で きな い 。全体的 に明る い

2月 18日 ∼ 2 1日

東演 バ ラ ー タ

NQ8 2

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(129)

昔 々知 らな い誰 かのわが ままで、現世 、 『 ち ょん切 りた い 』

罪 のない人 々が いわれな き迫害 を受 ける。

大人 計画

昔 は昔 、今 は今 、 そ うい うす べ ての しが らみを、 各 々の思惑 を、ち ょん切 って しま いたい。 この状 況 が、 いつか ひ っ くり返 る ことを 願 って 。 (「 演劇ぶ っ く」

通巻 60号 )

[作 ・ 演出・ 出演 ]

▼ 松尾 スズキ

[出 演 ]

▼ 宮 藤 官 九郎 片葉 みはる 池津 祥子 伊勢 志摩

他 (読 み取 れ る情報 )

[美 術 ]

・ 場所 は認識 で きない 。時間 も認識で きない

▼ 南雅 之

・ 鉄板 の壁 に囲 まれて い る

0階 段 のみ

1995年 12月 16日 ∼ 30日 THEATER/TOPS

・ 薄暗 い

Na8 3

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(130)

都市 の路地 の迷路 を、

『 十五少年探偵団 ― ドガジャカ ドン ドン』

空想力豊 かに

維新派

まるで宇宙空間を 遊泳するか の ように 歩行する少年 たちの 冒険絵巻 . (「 現代演劇 60'

s^V90' s」

)

(読 み取れる情報 )

・ 場所 は認識 で きない 。時間 も認識で きない 。衣裳 ―現代的 ・ 木枠 が組 まれた舞台装置 ・ 階段 が 見える

1987年

・ 部分的 に明 る い

ジャ ングルジム シアター

NQ8 4

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(131)

日常 に倦み 『 夢 の 海賊』

夢 の 中 へ 逃避する青年 を

扉座特 別公演

死神 の誘惑 と刃 が待 ちうける。 (「 演劇 ぶ っ く」

[作 ・ 演 出

通巻 61号

)

]

▼ 横 内謙 介

[出 演 ]

▼ 筒井道 隆 宮本裕子 大門伍朗 大谷亮介 田根楽 子 六角 精 児 芽野 イサ ム 杉山良 一

[照 明 ]

▼ 塚本悟

(読 み取 れる情報 )

・ 場所 は認 識で きな い 。時間 も認識で きな い

[美 術 ]

・ 事務机 、椅子 、

島川 とおる

・ 衣裳 ―背広 、幻想 的な服 。人 にス ポ ッ ト

1996年

3月

13日 ∼ 3

・ 所 々明 るいが全 体的 には暗 い

1日

墨田バ ー クス タ ジオ

NQ8 5

1996年

渡辺仁 史研究室

卒業論文


(132)

禁断 の森。 『 いつ かみた夏 の思 い出』

そ こには私 たちがな くしたもの、

劇団青 い鳥

忘 れ た ものが その まま残 されて いる。 セ ミ取 りの少女 たちが 見 た ものは・ ・ ・・・ 。 3イ tttEl1 (「 芽

6 0' s^V90' s」

)

[作 ・ 演出]

▼ 市堂 令

[出 演 ]

▼ (読 み取れ る情報 )

葛西 佐紀

・ 場所 は認識で きな い

芹川藍 上村 柚梨子

。時間 も認識で きない

木野 花

0衣 裳 ―現代的

小林洋子

・ 麦 わ ら帽子、虫 を採 る網 ・ 全 体的 に暗 いが、人 が いる所 は

1986年 THEATER/TOPS

明 るい

NQ8 6

1996年 度

渡辺仁史研究 室

卒業論文


(133)

メデ ィア と人間のかかわ りを、

MORAL』 NOISE

徹底 して追求 した舞台。 ブ ラ ウン管 も照明 も、 私 たちの分身な のだと思わせ た。 (「 現代演劇 60'

)

(読 み取れる情報 )

[出 演 l

・ 場所 は認識できない

。時間も認識できない

伊野 万 太 稲葉 真

sハV90' s」

現在 とも未来 ともとれる 。テ レビ、プロ ック

1984年

・ 全体的に非常に明るい

西友 大 泉 OZス タジオ R

Na8 7

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論 文


(134)

l l

河原温 の「 浴室 シ リーズ 」 は、

『 ひか りごけ』

自 と黒 と灰色 の冷 た い無機質 の空 間 の 中 の、

二期会

水道管 や蛇□ らの物体 と、 胎児 の よ うな面影 を した 裸 の人 間 たちの ドラマで あ り、 そ こで はむ しろ道具 たちが息 づ き、 生 き物 たちが無 機化 して いた。 私 が 感 じた「 ひか りごけ」 の世界は まさにそれであ ったのだろ う。 (「 舞台装置 の姿勢

作 〔

金森馨 」 )

]

▼ 武田泰 淳

[演 出 ]

▼ 浅利慶 太 (読 み取 れ る情報 )

・ 場所 は認識で きない

[舞 台美 術 ]

。非常 に抽象化 された舞台空間 。時間 も認識 で きない

▼ 金森馨

・ 上下左右 囲 まれて いる

1973年

。全体的 に 明 るい

5月

日生劇 場

No.88

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(135)

プ ロベ ラ様 のオブジェが

『 パ レー ド』 パパ・ タラフマラ

林立する空間 を 天衣無縫 にか けめ ぐる俳優。 そ こでは もう人間が ジ ェッ ト化 して いる。 (「 現代演劇

60's∼ 90's」

)

[作 ・ 演 出 ]

▼ 小池 博 史

[出 演 ]

(読 み取れる情報 )

・ 場所 は認識で きない

清水啓 司

。時間 も認識で きな い 。衣裳 ―独創的で現実味 はな い

吉井省 也 笹田明子

・ プ ロベ ラの よ うなオブ ジ ェ

1989年

・ 全体的に明る い

恵比寿 第 一 フ ァク トリー Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

8 9


(136)

背景に無数のひもを下げ、 『 夜叉 ケ池』 劇団円

洪水の場面で揺 らす。 (「 高田一郎 の舞台美術入門」 )

[作 ]

▼ 泉鏡 花

(読 み取れる情報 )

・ 場所は認識で きない 。時間 も認識で きない 。舞台装置 として 奥 に

[演 出 ]

無数 のひ もがぶ ら下がって い る 。階段 、柱が 見え る

芥川比 呂志

1978年 ABCホ ール

・ 全体が見える程 明 る い 血 90

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(137)

金属 の パ イプ で森 を表現 する。

『 お気 に召すまま』

(高 田一郎 の 舞 台美術入門 」 )

俳優座

[作 ]

W・ シ ェ イ クス ピア

[訳 ]

▼ 小田島雄 志 (読 み取れる情報 ) [演 出 ]

・ 場 所 は認識で きない

・ 時 間 も認識で きない

増見利清

・ 舞 台上 には金 属質 のパ イプや は しごがた くさん立 って い る

1978年

・ 全 体 は見るこ とがで きる

俳優座劇 場

Na9 1

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(138)

自由 に飛翔 してゆける場所はな いの だとい う 『 想 い 出 の 日本 一 萬年 』

絶 望的な地点か ら、

劇団現代 人劇場

この芝居 の登場者 たちは、 い ったいどこへ 向 かって

I作

出発 してゆけば いいの だろ うか。

]

(「

Note 1969∼

1988」

)

清水邦 夫

[演 出 ]

▼ 蛯川幸雄

[出 演 ]

▼ 本田龍彦 蟹江敬 三 石橋蓮 司 真山知 子 他

[照 明 ]

▼ 吉本昇 (読 み取れ る情報 )

・ 場所 は認 識 で きな い

[美 術 ]

。時間 も認識で きな い

・ 舞台上 は卒塔婆 で

若林南海 男

埋め尽 くされて い る

1970年

9月

10日 ∼ 26日

・ 全体的 に明る い

新宿文 化

NQ9 2

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(139)

舞台上 には布団 が 『 刻一刻』

山積 みされて いる。

劇団現 代

天丼 か らはひ もの ような ものが 多数 吊 り下が り、 所 々 には裸電球 もぶ ら下が つている。 中央 にはアニ メち つ くな絵がかけて ある。

[作 ]

▼ 工藤 隆

[演 出 l

▼ (読 み取れる情報 )

高 田一 郎

・ 場所 は認識で きない 。時 間 も認識で きな い

[舞 台美術 ]

・ 布 団 の 山、 ドラ ム缶 、は しご 吊 り下が っているひも、 裸電球

金森馨

大 きな絵、 こたつ 、麻雀 パ イ

1971年 10月

・ 全 体的 に明る い

俳優 座 劇場

m93

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(140)

毎 日の生 活 の中 で セ リフを思 い出 した り、

『 キル 』

NODA・ MAP

シ ー ンが 見えて きた り、 本 当 の 深 い意味 に気 づ くもの 、 まさにそれが『 キル 』 。 (「 演劇 ぶ っ く」

通巻 54号 )

[作 ・ 演 出・ 出演 ]

▼ 野 田秀樹

[出 演 ]

▼ 堤真 一 羽野 晶紀 渡辺 いつ け い 鷲尾真知 子 深沢敦 苅部園子 西牟 田恵 山西惇

他 (読 み取 れ る情報 )

[美 術 ]

・ 場所 は認識で きな い

。時間 も認識 で きな い 。舞台上 には ミシンが ひ とつ

堀尾幸 男

1994年

。全体的 に明 るい

27日 3月 4日 ∼ 13日

1月 7日 ∼ 2月

渋谷 Bunkamuraシ

ア タ ー コ ク ー ン、 近鉄劇場 Nα

1996年

渡辺仁史研究 室

卒業論文

9 4


(141)

ダ レモネテ ハナラヌ 夜明 けとともに

『 くろね このはな し』 天然 ロボット・ ラボ

物語 が終 わる 夜 が明 けて も、覚 えて いて (「 演劇 ぶ つ く」

[作 ・ 演 出

。出演

通巻 59号 )

]

▼ 湯澤 幸 一 郎

[出 演 ]

▼ 有 元 め ぐみ 笠間友紀子 坂 しお り 長沢 敦子

[照 明 ]

▼ 丸山武彦 (読 み取 れ る情報 )

・ 場所 は認 識で きな い

[美 術 ]

。時間 も認識で きない

・ 衣裳 ―独特 な舞台衣裳

梅村 恭子

・ 木材 に よる抽象的な装置

1995年 11月 28

29日

・ 薄暗 い感 じだが全体は見える

ウエ ス トエ ン ドス タジ

L95

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文


(142)

そ して 今 、 一 番傷 つ きやす くこわれやす い ところを

『 ギプス』

GEKISHA

NI

NAGAWA STUDIO

固定 したギプスを脱 ぎ捨て、 捜 した い ものを 捜 し続 けるために新 たに旅立 つ 。 (「

[作 ]

Note 1969∼

1988」

)

▼ 宇野 イサ ム

[演 出 ]

▼ 蟷川幸 雄

[出 演 ]

▼ 伊東 千啓 大石継 太 大川浩 樹

[照 明 ]

▼ 原 田保 (読 み取れる情報 ) [舞 台装 置 ]

・ 場所は認識で きな い

・ 時間 も認識で きな い 。舞台奥 には 巨大 な唇の絵

中越 つ か さ

・ 全体的 に暗 い

1987年 10月 31日 ∼ 11月

7日

ベニ サ ン・ ビッ ト

NQ9 6

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文


(143)

どち らが 父 で、 どち らが母 か 『 か きに赤 い花咲 く いつかの あ の家 』

見た目にはまるで 区別 のつ かな い

秘法 4番 館

二 人の 「 男」が、 無駄 口をたたきなが ら 雑 巾を縫 って い る。 (「 舞台美術

手塚 俊 一 の仕事 」 )

[作 ・ 演 出 l

▼ 竹 内銃 一 郎

[出 演 ]

▼ 木場 克 己 森川隆一 森永 ひ とみ

[照 明 ]

▼ (読 み取れる情報 )

吉倉栄一

・ 場所 は認識 で きな い 。時間 も不明

[舞 台美 術 ]

・ ただ赤 い雑 巾 が た くさ ん

天丼か ら吊 り下が って いる 。舞台中央 にスポ ッ トライ トが

手塚俊 一

1984年

2月 9日 ∼ 15日

当 たっている

秘法零番館 ア トリエ Nα

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文

9 7


(144)

1 !

舞台上 には、ふ たつの意味不明 の物体 が 『 ヴ ェニ スの商人 』

置 いて あるだけ。

劇団 四季

照明 が 幻想 的で ある。

=│■

導 [作

彗ミ 覆 r=」

二=墨

]

W・ シ ェイ クス ピア

[演 出 ]

▼ 浅利 慶 太 (読 み取れる情報 )

0場 所 は認識で きな い

[舞 台美 術 ]

・ 時間 も認識で きない

金森馨

・ 使用方法 のわか らな い

1977年

物体 がふ たつ あるだけ 。全体的 に暗 い

6月

日生劇 場 Nα

1996年

渡辺仁史研究室

卒業論文

9 8


(145)

ドラ ッグと人間 の 『 Mo

BARRI Mo

KADE』

意識 のかかわ りを、 壮大なイ ンス タレーシ ョンのただなかで

M

問 いつめ た。 (「 現代演劇

60' s∼ 90' s」

)

[作・ 演 出 ]

▼ 飴屋法水

+三 上 晴 子 (読 み取れる情報 )

[出 演 ]

・ 場所 は認識で きな い

。時間は未来

上野仁 他

0が らくたの よ うにも見える

1987年 11月 7日 ∼ 14日

物体 が舞台上 に散在 している 。ぼんや りして いるが 明る い

17日 ∼ 23日

ATELIER RAM DE SCOP Na9 9

1996年 度

渡辺 仁史研究室

卒業論文


(146)

ドラ ッグ・ コ ンピュー タ・ 精神。

SKIN』 M.M.M

DNAの 未来 を 機械文明の尖端 か ら捉 え直 した作品。 (「 現代演劇

60' s∼ 90' s」

)

[作 ]

▼ 飴屋法水

+大 橋 二 郎 I演 出 ]

▼ 飴屋法水 (読 み取れる情報 )

・ 場所は認識できない

[出 演 ]

。時間は未来

・ 衣裳 ―非常に機械的

斉藤聡介 嶋 田久作

・ 怪 しげな物が舞台上 に散在 ・ 非常に暗 い

1989年 青山 246club

・ 人が いることを確認できる程度

L100

1996年 度

渡辺仁史研究室 卒業論文


(147)

4-4

あ とが き

全体を通 して、本当に論文 になっているのかということが最 も気になるところです。学 生を何年間 もや ってきたが、 こんなに文章 と仲良 くな ったのは初めてです。いろいろと考 えさせ られることが多 く、 自分にとつてはいい経験だと感 じました。 いろ いろと助言 して下さつた方 々にお礼 を言 いたい と思います。 どうもあ りが とうございま した。

1996年 度

渡辺仁史研究室

卒業論文




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