建築空間における鏡の効果に関する研究

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U9,708ヽ 1.早 稲田大学理 工学部建築学科卒業論文 ■九1

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指導教授 漱辺仁史

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建築空間における鏡の効果に関する研究

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目次 は じめに

1.序 論

1-1 1-2 1‐ 3

研究 目的

2

研 究背景

3

鏡 を CGで 表現す る意義

4

鏡 の定義

5

鏡 の歴史 をふ りかえる

6

2.鏡 の 空 間

2-1 2-2 2-3 2-4

鏡 の機能 とその効果

11

鏡 の効果 「広 さ感」

17

3.鏡 に よ る 広 さ感 の 定 量 化 の た め の 実 験

3-1 実験概要 3-2 実験方法 の検証 3-3 実験 1 実空間での実験 3‐ 4 実験 2 CG空 間での実験 3-4-1 実験 2-a 3-4-2 実験 b 3-4‐ 3 実験 2-c 3‐ 4-4 実験 2-d 3-5 CGに よる可視範囲立体 の測定 3-6 比較 ∼広 さ感 と可視範 囲立体 の容積値 ∼ 2‐

4.ま とめ と今 後 の 発 展

20

26 30 30 34 39 45 50 53

57 58

参考文献 おわりに

18

59


は じめ に

家 にあ る鏡 の位 置 をいつ もよ り 10cm程 ず ら してみ る と、鏡 の 中 に今 まで見慣 れて きた景色 と違 う景色 が生 まれ、新鮮 で あ る。 それ は 、鏡 を通 して空間に対す る認識 が変化 し、新 しい状態 と出会 えるか らだ とお もう。空間 は、鏡 の 配 置 に よつて変化 し、 また、鏡 の 大 きさ や形 によって も変化す る。私 は 、鏡 に映 しだ された画像 を含 め た空 間 の 見 え具合 に関心 を持 つている。

鏡 は 、古 く紀元前 か ら使 用 され始 めて い て 、反射す る とい う機 能 に よって、空 間 に も革命 を起 こ して い る。そ の 効果 には、空間 に広 さ感 を持 たせ た り、周 りのの風 景 を映 しこんで そ の 存在 を消失 させ た りす る こ とが あ る。 私 はその 中 で も、空 間 に新 しい広 が りを与 える効 果 に つ い て着 目 し、人 々が鏡 に関 して抱 いている感覚 と触 れ、空 間 に一 撃 を与 える鏡の室内配置につい て知識 を得 た い とお もつた 。


1 -1

本 0「 究 の

[」

勺 石 JT究 目白

的 は 、建築 部 材 と して の 鏡 の 効 果 を明 らか にす る こ とに

よ り、適 切 な鏡 の 配 置計 画iの ため の 指 針 をつ くる こ とで あ る 。 そ し て、 人間が感 じて い る広 さ感 とい う もの を数値 で 感 覚 的 に 表 した際 、 そ の lLEが 、実 際 鏡 面 に映 り こんで い る 3次 元空 間 の 容 積 値 と どの 様 に 関係 して い るか を分 析 す る


1-2

研 究背景

19世 紀 の ヨー ロ ツパ の 建築世界 にお い て 、外壁 に鏡 を張 り付 ける こ とに よ り、空 間 イメー ジが大 き く改革 され た。 この よ うな鏡 を用 い た空 間 は 、そ れ以降、空 間構成法 の重要 な要素 となつた。

本研 究 では 、鏡 が空 間 に及ぼす効果 を文献調査す る とともに、鏡 が あ る空 間の 印象実験 をお こ な つた。 その 際 に、鏡 を設 置 した内部空 間 の 容積 を指標 と して、 人が感 じる部屋 の広 さ感が どの様 に関係 して い るのか 考察 した。 これ まで 、空間 の容積 に関す る学術研 究 (*1)に は 、実物大模 型 を使 った ものが あ り、容積 を基準 と した比較実験 をお こ な っていた。

(*1)「 実空間の容積 と印象評価に関する実験的研究 ―容積を指標 とした空間計画のための基礎研究 (そ の 1)― 」 込山敦司 他 3名

日本建築学会計画系論文集 1997年


1‐

3

鏡 を CGで 表現 す る意 義

CGを 用 いて鏡 を表現することの有効性 は幾つか考 えられる。鏡 は その物理的特性 によつて周囲の環境 を映 し込 むが、鏡面 に表 れる画像 は、その空 間 を見 る人の位置に よつて変化す る。CG空 間では、その 画像 を含 めた空 間の 表現 が可能で、見 る人の位置に対応 して、そ こか ら眺めた空間 を表現 で きるのであ る。 また、QTVRを 用 いれば、静止 画像 だけではな く、CG上 で空間中 を動 き回る ことがで きる。その際、 鏡面 に表 れる画像 も、視点 の動 きに対応 して変化す る。 この ように、

CG上 では、鏡の反射機能が、実空間 と同 じように働 くのであ る。 さらに、CG空 間では、鏡 の大 きさや位置 を変化 させ るのはもちろ んの こと、部屋 の形状 や明るさな どを変化 させ る ことがで きる。 ま た、時系列変化 に対応 してい るので 、朝方 か ら夕方 まで、光 の変化 に ともなつて移 り変 わる、鏡面 を含 めた空間を表現す ることが可能であ る。従 つて、鏡空間 を CGで 表現す ると、簡単 に空間構成を変更 して 実験 と設計 の検討 を行 うことがで きるのである。 実際 に存在す る空間で も、 これか ら計画 する空間で も、CGで 鏡空 間 を表現す ると、空間の どの部分が鏡に映 りこんでいるかがわかる。 そ して、CGを 用 い ると、鏡の形状 や位置、部屋 の大 きさ、人の視点 を自由に変 えて、存在 しうる様 々なパ ター ンを試す ことがで きる。 と はいって も、CGと 実際 の空間は異 質 なもの なので 、すべ てを CGま かせ にするわけではないが、CGと 人間の感覚 の関係 について、まつ わる幾つ かの要素 を解決 してい くことは、意味 がある ことであ る。


2-1

鏡 の定義

鏡】 とは 【 つ 滑 らかな平面 における光 の反射 を利用 して容姿や物 の像 な どをう し見 る道具。中国か ら渡来。古 くは金属、特 に銅合金 を磨 いた り、銀 。 を塗 つた り、または銀 めっきを施 した りした。円形 ・方形 ・花形 形 な どに作 り、室 町時代 か ら柄 をつ け るようにな つた。今 日では、硝 コロイ ド状 の 酸水銀溶液 をガラス面 に注 ぎ、苛性 ソー ダなどに よつて

た。

(広

辞苑

第四版

新村出編

岩波書店

鏡 の一番最 初 の役割 であ る「姿 を映 してみ る こと」

よ り)

鏡 の歴 史 が

「空 間イメージの変革」 進むに連れて重要度は低 くなり、変わつて、 「姿 を映 してみる」のが 目的な ら、 とい う役割が、重要視 されてきた。 鏡 は平板かつ滑 らかなでなくては、その 目的を果 たせないが、「空間 イメージを変える」のが 目的なら、 どんな形態の鏡 も、その 目的 を果 たす ことが出来る。 こうなると、素材 については、水面や、ガラス、 研磨 した大理石、 くもり鏡等 も鏡であると考えられる。 本研究で文献調査 をした際、反射作用で空間イメージを変えている と思われるものすべ てを鏡の機能 を果たしているとみなした。

晰靱褻

銀 をガラス面 に沈着 させ、その上 に樹脂 な どの保護膜 を塗る。鏡 は古 。 来、呪術 的なもの として重視 され、祭器 や権威 の象徴 財宝 とされ


2-2

鏡 の歴史をふ りかえる

鏡 の歴史 を振 り返 る と、鏡 の起源 とそ の 発展 は、人間 の意識 と深 く 関 わ つて い る ことが分か る。そ の歴史 を振 り返 る ことで、 この 先、 「人 々の意識」 と 「空間 に鏡 を用 いる とい うこと」 の 関係 の変化 を検 討 した。 ぶ い

現代 人 の暮 らしの 中で、人 と鏡 は切 って も切れな い関係 にある。そ れ は、起 きてか ら寝 るまで の 間 にどの くらい鏡 とつきあつて いるのか でわか るであろ う。 ち らっ と見る人 も いれ ば、 じつくり見る人 もい て 、それ は、個 人 によつて様 々であるが、 自分 の 姿 を映 して 見る と い う鏡 の 最大 の 目的 は、今 も 昔もかわ らな い。

鏡 の最大 の 目的 は、人 の 姿、顔 を映す ことで ある。 この機 能 が 、鏡 と人間 との長 い関わ りの 中で も、圧倒 的 に重要な部分 を占めて いた。 と ころが、長 い 関係 の 中で、人間 はまた、鏡が光 を反射す る ことを利 用 して、新たな機能 を鏡 に つ け加 えて いつた。その機能 とは、装飾 で あ った り、な にか の象徴 (宗 教的な もの)で あ つた りす るのだが 、そ れ らが 、多面的 に利用 され るよ うにな ったの は、大型 の板 ガ ラスの生 産 が可能 にな った

17世 紀 の ことである。そ して、建築 内部 の装飾

や 、空間イ メー ジの変革 のために、鏡 を用 いる ことが、流行 したので ある。 この ころか ら、鏡 と いうものが人の姿 、顔 を映す だ けではな く、建築空間 の 装飾 として、重要な意 味 を持 つ よ うにな つて いつた。

鏡 を利用 しよ うという発想が 、そ の時代 の 人 の精神、意識 の持 ち方 と深 く関わ つて いると考 えるな ら、現代 人 の 意 識 は今、 どの様 に鏡 と 関 わ ろ うと して いるのであろうか。それ は、人 々が、鏡 の直接的作用 に くわえて間接 的作用 をもとめて、鏡 の存在 を意識 して いるか 非か に も関わ る。


彗 め 鋤 塁

轟 渤 れ嘱 からリ 商輸確rみ つある, ナルキッソスの神話

彗 書 o豊 春

無 薇

か湖

F射 ●h里 姿を映す道具

金属鏡

見 覇 露2薫ξ 貞 基 菫 二 たo

神 のイメ ー ジ

映 し出された映像は一つの風景

●● ● 部屋 をお る

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インテ リア

職 にベネチア義をおうこと孝裁術

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鏡  霧

R 荘厳効果 源 Zこ ぞ 鷺舅鰹抵表基 就専

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函 聖 異 r務 試 事 」 冨 濃 覆 島 島

大型鏡 が完成

空間イメ ー ジの新 しい変 革

図 22.1鏡 と人の意識


文献調 査 によ り、鏡 の持 つ歴 史的な機能 や 、鏡や そ の 役害1を 果 たす ものが空間に もた らす効 果 と人に与 える印象 を表 にまとめた。

効果

実空 間 (対 )鏡 空 間

‖ 勇育じ

直接 的効 果

自分 (対 )鏡 面 の 自分

映す

あ る もの をその まま映 し出 す もの

象徴

ある状況 を押 し上 げて、宗教的 な雰囲気 を強めるもの

装飾

ある環境 を作 り出すためのイ ンテ リア装飾の小道具

採光

鏡面上 で光 源 とな って、光 を発 す る もの

変革

空間 イメー ジを変 える機能

間接 的効 果

自分 (対 )鏡 面上 の3次 元空間

定義

表 2.2.1 鏡 の機 能 の分 類

鏡 の効果

定義

実像感

鏡 と人 が向 き合 って、鏡 の な かの 自分 を認識 す る感 覚

奥行感

鏡 面 に 3次 元空 間 を認識 す る感 覚

消失感

鏡面 に周 りの景色 が映 ることで、鏡面 の存在 を認識 で きない感覚

反復感

鏡 面 で実空 間 が反復 され るこ とに よ って、広 が り を感 じるこ と

非現実感 荘厳感 ;螢

自 勺 帝」

(超 現実感 )空 想的 な感覚

鏡 あるいは、鏡 を使用 することで、実空間に重 々 しさを感 じる こと 鏡 の 中 に引 き込 まれる 、引力 の つ よ さの こ と

也自 勺 ″ト イ

実空間 が消 えて しまいそ うな、鏡空間 の存在 の強 さの こと

破壊感

実空間 が壊れて しまい そ うな、鏡空間 の存在 の強 さの こと

多層的

鏡 あるいは、鏡 の役 目を果 たすもの (ガ ラス、水面 など)の 上 で幾重 に も、反射 と透過 が を粉割 れること

透明感

鏡 あ るい は 、鏡 の 役 目 を果 たす もの の 、透 明度

虚像感

鏡 面 に お ける3次 元物 体 の 存在 が虚 で あ る感覚

きらきら

鏡面 が 、光 を反射 して、あた かも、鏡 その物 か ら光 が発 されているかに見 える感覚

空 白感

時間的 に空 間的 にモ ノが存在 していないこと

表 2.2.2 鏡の効果 の定義


変 革

採 光

装 飾

効果

象 徴

映 す

実像感

機能

奥行感

消失感

反復感

非現実感

荘厳感

自 勺 ;菫 市 」

也自 勺 ″ト イ

破壊感

多層的

榊 熱辮鐵翻

透明感 虚像感 きらき ら

■ ■

空 白感

員2.2.3 ヨ

鏡の機能 と効果の関係


● ●

鬱 ●

蜀 鬱

攀 ●

● ● ●

● ● ● 鬱

ク リス タル タ ワ ー

● ●

現代建築 海 の博物館 現代 建築

7.r-L^i<7--C)v7+>J

現代建築

ネクサ ス・ ステ イー ブン・ ホ ール棟

● ●

鬱 攀

鬱 ● ●

現代建築 奈良町現代美術館/町 立図書館

1965

Retti Candle Shop

1967

Boutique Christa Metek

1969

Richard L.Feiqen Gallery

1972

Siemens Casino2

1982

メンヘ ングラ トバ ッハ 市立 美術館

1978

オ ース トリア旅行代理 店本店

1978

テ ヘ ラン・ ガラス器・ 陶器 美術館

● ●

1979

オース トリア旅行代理店市内支店

● 機

0

● ●

● ● ● ●

Japan

0

現代建築 水 の教会

現代建築 東京都葛西臨海水族園

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現代建築 虎十公園林 フォリス トハ ウス

0

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現代建築 the floor-to-ceilinq wall mirror

現代建築 mirror between windows

● ●

mirrored doors(reflect light)

現代建築 bedroom (to make a double image)

現代建築

空 自 感

● ●

現代建築 浅倉 五十吉美術館

現代建築

現代建築 」R京 都駅

of

● ●

田崎美術館

現代建築 visions

虚像 感

透 明感

多 層 的

e

現代建築 梅 田 スカイ ビル

現代 建築

破 壊感

現代建築

実 像 感

鏡 の間 (ヴ ェルサ イユ 宮殿 )

排 他 的

1682

強 制 的

18世 紀 ス トゥピーニ王宮

クエ レス王宮

荘 厳 感

ル ドウィッヒスブル グ宮殿 の鏡 の間

18世 紀

非 現 実 感

1716

サ ラマ ンカの聖 堂 の祭 壇

反復感

ラ・ ファヴォ リッ ト邸

18世 紀

消 失 感

● ● ●

1715

バ イ ロイ ト離宮 の鏡の間

奥 行 感

〇 ○ ③

平安時代 宇治平等院鳳凰堂

1735

採 光

装 飾

東大寺二 月堂 の鏡天丼

象 徴

映 す

天平時代

鏡 が人に与 える印象 =鏡 の 効果

鏡 の機能

実例

年代

bathrooms

碁ミ2.2.4

鏡の機能 と効果 の事例


2-3

鏡 の機能 とその効果

一一 一一 一一 一¨ 一 一 一¨ ¨ 一 ¨ ¨ 一 一 一 ¨ 一 ¨ ¨ 一 ¨ ヽ 一 一 一 一 一 一 一 一

一 + 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

前項 では、鏡 の歴 史的意義 と位 置付 けをお こな つた。それ に対 し て 、 この項 では、鏡 そ の もの の 持 つ機能 を五 つ に分類 した。 鏡 を空間 に用 いる と、そ の 変化 は視覚 に うつたえる。鏡 は ものを反 射 して映 し出す と い う機能 を もって いるがために、様 々な視覚効果 を うみだす。 世 の 中 で利用 され て いる鏡 の例 を幾 つかあげ、そ こで鏡 が

どの様な視覚効果 を生み 出 して いるか分類 した。

¨

鏡 の歴 史を振 り返 った際 、鏡が もつ機 能 の 一つ に

「変革 」 が あつた

が、それ は空間 イ メー ジを変 え る機能 である。そ してそ の機 能 は人 々 の 視党 に最 も影響 を及ぼす ものである。鏡が 人 の感覚 に影響 を与 える 際 、鏡が生み 出 して いる効果 を、大き く五 つ に分類 した もの を下 に示 した。

鏡 が 視 覚 に与 え る効 果

反射効 果

自分 とそ の 背 景を映 し、 自分 自身 をみ せ る効果

移 動効 果

物理的 に結 び つ き のな い空間 を視覚 的 に結 び つ ける 効果

消失効 果

周 りの景色 を映 しこむ ことによ り、実体 を無 くす 効果

反復効果

周 りの景色 を映 しこむ ことによ り、空間 につなが り と広が りを与 える効果

虚像効果

鏡 を複雑 に組 みあわ せる ことによつて、実像 と虚像 の 区別 を失わ せる効果

次に、この鏡が生み出す五つの効果について、幾つか事例をあげ る。


反射効果

鏡 の効 果 と事例

一 ﹁一   一 一 一 一 ヽ 一     一 ・

鏡本来 の目的である人 の姿、顔 を映 してみるこ とを可能にす るのが、反射効果である。 なめ らかで質の良い鏡 ほどあ りのままに近 い姿

J臓 ,

を映 し出す といえるが、実像が映つているようで

急 ご

いて 、実はそ うではな いか もしれないのが、鏡 の

.

魅 力である。周囲の環境に鏡 の像は影響を受け、 その要1因 は、明かりであつた り、背面の色合いで あつた りす る。

2 1 一 ¨


移動効果

鏡 の効 果と事例

この椅子 に座 る人は 、壁 と向か いあつて いる。それ な の に、 目の前 には壁の中に 空間 が広 が つている。た とえ壁 の向 こうに 部屋がある と して も、 この 人に とつて 日で捉 えた鏡 の 中 の 位置 に実 際何 があるのか とい う ことまで考 えな い。鏡 がそ こにあるだけで、 この 人の空間 に対 す る意識 が変わ つて くるのである。 移動効果には 、2種 類 ある。 一つ は、道路 の カ ー プミ ラーの よ うに 見 えな い空 間 を鏡 を用 いて 見 えるよ うにす る ことであ る。そ して もう 一つ は ,空 間 を切 り取 って 、他の場所 に移動 させ る ことで ある。

見 えな い部 分 を映 す ことは 、鏡の魅 力であ る。 自分 の 位置 にかかわ

らず、鏡に映つたものは、その位置から必ずみえる。だか ら、たとえ 自分の視界の中:こ 、ある空間が入つていなくても、その空間が鏡に 映つていさえすれば、見えない空間を知ることができる。たとえ、そ の空間が見えて無 くても、鏡を通してその空間の広がりを感 じること ができる。

13


鏡の効員 と事例

消失効果

鏡の消失効果に より、鏡が周辺の環境を峡 しこんで、鏡 その もの が日 りの色に染 まり、実体 としての ヴォリューム が感 じられな くなる。 その効果 │が 要れるのは 、主に立体の豪面に鏡を用いた時 で、外理に熱線反射ガラスを用いた ビル 等がその利であ る。また、森の 中の │ガ ラスの家に も、周 りの樹木を峡 しこ む、鏡 と潤 じ様な効果 があるし 空や海、書 ホや均 一なビル群のなかにおいては 、消失効 果はよく表れ る。それは、同 りの空間が均 一色で構成され ている場 合に遍 こ りやす い。 しか し、碧板の 文字な どが映 りこんだ も、たちまちに消失効果 を失 うの である。 この 効果は 、時に危険である bな ぜな ら、物体がある と 気が付かずにぶつ かって しま うこともあるからである。

ユこ


反復効果

鏡の動屎 と事例

空間にあ る一定の パ ター ンがある時 、その空間に 鏡 を設置する と、鏡に同 じパ ター ンが映 りこみ 、あたか もそれが実際の空鶴の延長 であるかの ようにつながっ てみえる。 そ して、その効果は特に 、 銑に フレームがない状態 で 働 く。また、効果を得 よう とするな らば、鏡は大きい ものの方が よい力

増ヽさく

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てもこの パ ターンの原理を 利用すれば 、効果が得 られ る。

反復効果を利用 すれば、必ず空間が 広がつて見 えるとい うことはあきらかで ある。しかしそれだ けではなく、銀や か な雰囲気にするとい う効果もある。 賑やか さを強調 し ているのは、コンピ ニエンスス トアや スーパー等で、商嘉 がた くさんあるよう に見えるような鏡の 配置をしている。

■5


鏡の効果と事例

「 万華鏡 Jに は、鏡の虚像効 果 がよく表れている.鏡 面 を複 雑に組み合わせて、一つ しかな し議ますの ものを、た くさんある よ うに見せかけている。そのな かでは、 どの部分が本物で 、 ど の部分が鏡面に映 し出 された画 像であるのか区別がつ かない。

この ように 、反射面 を複離に 重ねて、反射 を繰 り返す こ と で、実像 と虚像の区別 を失わせ る効果が虚像効果であ る。

虚像効果は、鏡 を用いた空間 利用の在 り方 としては 、非 日常 的であ り、鏡 が古未よ り持 つ現 術性の高 い効果を利用 してるb それは、平面上 で コ ラー ジ ユを するの と同 じよ うに、空覇内で 画像の切 り褒 りを楽 しむ といぅ た感覚で利用 される効果であ る。

虚像効果


2-4

鏡 の 効果「 広 さ感」

鏡 が人の感 覚 に影響を与える際 、鏡 が生み出 して いる効果 には、空 間 に広 さ感 を もた ちす ものが 多 い ことがわか る。 ここでは、 実際 に室 内空間で鏡 の 効果 が どの よ うに生か されて い るか、実在す る空間 を例 に して、 解明 して い くぅ

鏡が必ずある場所として洗面室 を例にあげて、鏡の大きさと、広さ

人 に対 す る鏡 の 大 き さ

感の効果の表れ具合をみた。

広 さ感 は感 じられ る

広 さ感 は感 じ られ な い

洗 面室では、鏡 の 反射効果 が重 要視 され るが、それだけでな く広 さ 感 の 効果 もある。広 さ感 の 効果 を得 るためには、鏡 は あ る程度大 き く な くては いけな い 。 特 に、反射効果 が高 く、あ りの ままをi映す鏡 であ ると、鏡 の 中 の 空 間 も実在 して い るかの よ うであ る。 そ うな る と、鏡 が設 置 されて い る 部分 は もはや壁ではな くな って 、立 派な 一 つの 3次 元空間 にな りう る。 実 際 2次 元で存在 して いるもの を、3次 元 として提 える こと力贄 き る鏡 の魅 力 と、 人の広 さ感 覚 の 関わ りを調 べ て い くことに した。

一 一 一 一 ・ 一 ・ 一 一 一 一 一 一

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3‐

1

実験概要

実空 間 と CG空 間 での空 間 の 広 さ感 に関す る比 較実験 を行 つた。 そ して、鏡 の あ る空 間 を CG上 で 表現 す る際 、媒体 と して、CRT、 ヘ ツ ドマ ウン トプ ロ ジェ クター (HMD)、 プ ロ ジェ クター (PRJ)を 用 意 した。 そ して、 この三 つ に関 して、それぞ れ 、鏡 の 有無 に よる比 較実 験 を行 い 、その 結果 を実空間 における実験 結果 と比 較 した。

そ して、実験 の 目的 であ る鏡 による広が り感 の定量化 の ための調査 を行 うにあ たつて 、あ らたに 5種 類 の比較実験 をお こな つた 。

実験 は 、実在す る空 間 て表現 した空間

(=実 空 間)と 、Computer Graphcsを 使 つ

(=CG空 間 )と でお こない 、各 々、基準 空 間 と比 較

空 間 を設定 し、広 さ感 の知覚 に関す る比 較実験 をお こ な つた 。実験 の 構 成 は以 下 の よ うで あ る。

実験

1:実 空間 での 実験

実験 2:CG空 間 での実験 実験 2-a 実験 2‐ b 実験 2‐ c 実験 2‐ d

CG空 間 での実験 (鏡 の有無 と鏡の位置 鏡 の大 きさと CG空 間容積 の知覚 に関 する実験 鏡 の位置 と CG空 間容積 の知覚 に関する実験 部屋の奥行 きとCG空 間容積の知覚に関する実験

場所 :理 工学部 キ ヤンパ ス 55号 館 N棟 8階 期 間 :1997年 10月 8∼ 16日 被験者 :建 築系の 大学生 20名

)


実験2:CG空 間 での実験 人の感究

)

(広 さ感

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図 3.]"]実 験0フ ローチヤー ト

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3-2 目的

実験方法の検証

鏡 の あ る空 間 を CG上 で 表現 する際、画像 を写 す媒体 (CRT、 HMD、 PRJ)に 、人間の広 さ感覚は影響 を受けるか どうか調べ る。

CG空 固

図 3.2.1 方法 の検証 の流 れ

1 実空間において、基準空間の広 さ感を「lCXl」 とした時の比較空

検証方法

間の広 さ感を「数値」で答えて貰う。

2 CG空 間において、画像をcRTに 写 し、1と 同 じ方法で広 さ感 を「数値」で答えて貰う。

3 CG空 間において、画像 をHMDに 写 し、1と 同 じ方法で広 さ感 を「数値」で答えて貰う。

4 CG空 間において、画像 をPRJで 写 し、1と

同 じ方法で広 さ感を

「数値」で答えて貰 う。 数値 で 答 える ときの 目安 基準空間 より広 く感 じる :「 数値」 >l∞ 基準空間 と同 じ広 さに感 じる :「 数値」=lCXl 基準空間 より狭 く感 じる :「 数値」<100

20


空 間の 設 定 (実 空間 )=実 際の 空間 を準備する。

(CG空間 )=実 空間 と同練の空間 を CGを 使 つ て表現す る。 共通条 件 (実 空間 と CG空 間 におい て変 化 しな い 要素 ) 鏡 の大 き さ 視点の 位置 注視点の位置 (基 準空間 )=鏡 のない 空間 (比 較空間 )=競 のあ る空間

/ ‐

図 32′ 2

CRTで映 し出 され た戴

図 ■2.3 PRJを 用いた実験 風景

2■

空間


検証結果

被験 者 10名 に答 えて貫 った 数値 のデ ー タをグラフに した。

横 付 きは視点 か ら見える鏡 の面積 が 正面付 きに比 べ て少 な い。 そ の ため 、 三 つの媒体 の 違 い に よる変化 が 表 れに くい。正面付 きに関 して は 、 一 人 の特異 デ ー タを除 いて考 える と、平均 的 な実空 間 との感覚 の ズ レは 、 15%以 下 にな つてい る こと力ゞ 明 らか にな つた。

そ の 中 で も、CRTと

HMDに 関 して は 同程度 で あ るが、PRJを 用 い

た場 合 には、平均 値 で 10%以 下 と非常 に高 い類似性 がみ られた。

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角 デ

実空間横付 き 0

8 6

︻ ≦

︻ ≦

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広さ感

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次の

広 さ感

広 さ懲

HMD正 面付 き

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901001101201301“

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001001101m1301401501“

Jゆ

広 さ感

広 さ感

プロ ジ ェクタ ー積付き

プロ ジ ェクター 正面付き 0

1062

130

3 6

6 4

一 く一

く一 一

90100110120130¬

1"100次

90,∞ 1101“ 13014015010」り

広さ感

広さ感

, ●

曖 な │

事 ﹁ 一

ヨヨ

十 一                 ¨ 動

回 324実 室閣 とCC菫 閣における広さ感の ヒス トグラム


:

警140 恒

1 120 鶴 塁 廻

100

30

◆CR丁

■HMD ▲PRJ ■

1く Ю 120 140

30

実空調における広さ感

■◆

◆CRT ■HMD

▲0      ■

・1

▲PRJ

対して、三つの霧棒縫競

鶴感

榊難

∞補

﹁ 覇 聖 0 翼 3

日 32.5-縄

▲■ ●◆

▲ / ■

o 詢 苺 a o

髄秘週 樽む嶋塁 酪 習 ●

正面付 き

繭 嚇 F覇 {績付きと 村き〕


PRJに お いての値 が実空間に近 くな つた背景 と して、投影映像が実 空間 と同 じ位 の大 きさであ ったことがあ る。 しか しなが ら、PRJは 、設備 の設置 に手間がかか ることや、実際 の 設計現場 での利用 が困難である ことか ら考 えて、本研 究 では、利用が 容易 であ り、なおかつ その感覚的 なズ レが少ない CRTを 用 いて、実 験 をお こなうこととした。

正面付 きが横付 きに比べ て、答 えて貰 った数値 の頻度分布 に広が り がある ことか ら、正面付 きの方が、人にさまざまな感覚 を与 えてい る とい うことである。 その原因 としては、正面付 きの 方 は、横付 きよ りも、鏡 の視野 に し め る割合が 高 いので 、人の感覚が 影響 を受け安 いことがある。三 つの 媒体 を比較 した際、PRJの 頻度分布 が、安定 してい ることか ら、空間 に画像 を直接映 し出す ことは、人の広 さ感 を幾分統 一 させ ることに な つているとお もわれる。 しか しなが ら、 どの媒体 で も横付 きと正面付 きで、広 さ感覚 の ちが いがハ ッキ リとしてい る ことか ら、画像 を映 し出す媒体 を変 えて も、 人の広 さ感覚はあ まり変化 しないことが確 かめ られた。


︲. ︲ ■一■一一一■一 ■一■一●一・ ・ 一一一・ 一一一一 一ir一・ ︲ . ︱ ︰ ︲ ︱ ⋮ ⋮ ⋮ ︰ 〓一・ 一一 ■ ==肝= 一 1 11 1 ⋮︲︲ ⋮

3-3

目的

実験方法

実験

実空間 での実験

1

実 空 間 にお い て 、鏡 の 有無、鏡 の位置 (横 付 き、正面付 き)に よる 広 さ感 の比較 をお こ な い 、広 さ感 を感 じさせ る とい う鏡 の効果 をあ き らか にす る。 この 実験 で は 、被験 者 は基準空 間 を体験 した後 、比較空間 を体験 し、基準空 間の広 さ感 を 「 l CXl」

とした時 の比較空 間 の広 さ感 を数値

で 表 した。基準 空 間 と比 較 空間の 組 合 わせ は 、下 の とお りであ る。

用意 された実空間 は 、3つ である。 (基 準 空間)〓 鏡 を設置 しない空 間 (比 較空 間

A:横 つ き)=鏡 を、空 間の 入口か ら見 て右横側 に設置 した ときの空 間

)=鏡 を、空間の 入口か ら見て正面 に設 置

(比 較 空 間 B:正 面 つ き

した ときの空 間 披験 者 は 、以下 の 要領 で 、比較 を した。

1

空 間の入口にた つ 。

2 3

基準空間をみて、その広さ感 を「lCXD」 と記憶す る。 次に、比較空間 Aを みて、その広さ感 を数値で回答する。前 に 見た基準空間の広 さ感「1∞ 」 に対する数値 とする。

4

同様 に、比較空間 Bに 対 しても同様のことをおこなう。

ここまでは 、基準 空 間 と比 較 空間 A、 の あ とに 、比較 空 間 A、

Bの 比較 をお こな つたが 、そ

Bそ れぞれにお いて 、立 った ときと、座 つた

ときで、広 さ感が変化す るか ど うか を回答 した。座 った ときは 、立 っ た ときと比 べ て空 間 が、 [広 い /同 じ/狭 い]か を回答 した。


)●

:│

巽験結果

被 験著 鋤 名に答 えて買 つた 数 値の デー タを グラフに した 。

160 150 140

籠 聖撻

130

◆ 横 ■ 正面

EEl.lto+!5F 1 19.65

120

・鳥島轟

110 100

"28

90

績が機 ゛著よ り も、ある鋳の方が、 部理が広いと感 暮 る預自 紀あること がわかつたb

80

35791113151719 被 験 署 2略 図 3.3.1 帥

“     ∞

︵詢〓掴H︶鋭 莉壼

実験結果か ら、 工菫つき0績0方 が、横つき0績 よ りも、より広さ鐵 を感 じさせること があきちかにな ぅ た。

仁おける鏡の有無 と広 さ感」

80

1"

1密 工さ醸 御

140

160

□ 3.=2 覇駆凛確聾対鳴 広さ感 ミ積付きと正面村きの比較ヨ

一 ” 一

警 ir 稼 1嗜


││││││■ 11 1■ ::■

│:::lt i :: :

横付 き

ノ 、 一 一 く

15 5

10

正面付 き

15

、 . 一 一 ゴ ヽ

=

広い

じきサ 1績 豪 │ なっ貴 に、菫額 =織 つ参由 おが、 薇 りも、 そ マ審響 つ た ― ―

変わら な い

狭い

菫 ったと書0お が、 立つたときよtJ: も、より難 義

10

おける

広い

変わらな い

狭い 日 3.33 韓

も謝 卜│

│[


考1察

実験

1

実 空 間 で の 実験

鏡 がない ときよりもある時 の 方 が広 さ感 を感 じる結果 となつたが 、 これは、鏡が もつ空間に広が りを与 えるとい う効果が実空間で作用 し てい る ことを証明 してい る。そ して、数値 で表 した広 さ感 も、個 人差 はあ るが平均値 が横付 きで 102.8、 正面付 きで H9.65と なつてお り、 だい た いの 人がその値 にプラスマ イナ ス 20ほ どの 開きで、回答 して い る。 また、横付 きと正面付 きの平均値 の差 は、人の視界 に しめ る鏡 の割合 の差 に呼応す る。 着席時 と起立時 の比較におい て、座 つた時 と立つた時では人の感 じ る広 さ感が異なることが分か つた。今回の実験 では、座 つた時 の 方 が、立 った時 よりも広 い と感 じた人の割合が多か った。 しか し、 これ は、「立 つ 、座 る」 とい う行為が広 さ感 と関係 してい るわけではな く、 その行為 にともな つて変化する「視点か ら鏡 まで の距離」 によつて、 鏡面 に映 りこむ空間が異なるか らだと考 えられる。 従 つて、視点の高 さを移動す るだけで、鏡空間の広 さ感は変化す る ことが 判明 した。その ことによつて、鏡 を配置す る空間が ど うい う意 図で使 われるのかを把握 した上で

(た

とえば、座 る ことの 多 い場所 で

あ るのか、立ちっぱ な しでい る場所 であるのか)視 点 の高 さによる鏡 の設計 が進め られるのではないか と考 える。


3‐ 4

3… 4‐

目的

実験 2

1 実験 2-a CG空 間 での 実験

CG空 間 での 実験

(鏡 の有無 と鏡 の位置 )

この 実験 では ,CG空 間 にお い て、鏡 の 有無、鏡 の位 置 (横 付 き、 い 正面付 き)に よる広 さ感 の 比較 をお こな い 、広 さ感 を感 じさせ る と

う鏡 の効果 をあ きらかにす る ことを目的 としている。 さらに、得 られ たデ ー タを元 に、実験 1と の比較 もお こなう。従 つて,こ の実験 で は、実験 1で 使 つた空 間 を CG上 で表 して,実 験 1の 時 と同 じ要領 で 実験 をお こなう。

実験方法

この実験 では、被験者 は基準空間を体験 した後、比較 空間を体験 し、基準空間の広 さ感 を「 1∞ 」 とした時 の比較空間の広 さ感 を数値 で表 した。基準空間 と比較 空間の組合 わせ は、図の とお りで あ る。 用 意 された CG空 間 は 、3つ で あ る。 (基 準空間)=鏡 を設置 しない空間 (比 較 空間 A:横 つ き)=鏡 を、空間の 入口か ら見て右横側 に設置

した ときの空間 (比 較 空間 B:正 面つ き)=鏡 を、空間の入口か ら見て正面 に設置

した ときの空間 披 験 者 は 、 以 下 の 要領 で 、比較 を した。

l CRTに 映 し出 された基準空間を眺 める。 その基準空間の広 さ感 を「 100」 と記憶 する。 一 一   一   .

次 に、CRTに 映 し出 された比較空間 Aを み て、そ の広 さ感 を数 値 で 回答する。前 に見た基準空間の広 さ感 「 1∞ 」 に対す る数値 とす

2 3

・ 一

同様 に、比較 空間 Bに 対 しても同様 のことをおこな う。

4

る。

籍ヨ■ 一


A

B

図&41■ 難 で用いた絵 t―

と鰤

3ユ

:


言智 “

il I :::i:慧

.

実験結果

被験者 蛤 名

g議 れ の時 と同 じ人 々)に 答えて貢つた数値のデー

夕を比較 して、 次のようにグラフにした。

160

150 140

理 型螢

130

◆ 機 ■ 正面

EEfiso+!5G 123.2 120 110

一一 鏡な L

oooaaaaoo

100 90

ヽ 時より ― も、ある崎の方が、 CCで表した部屋 がAt■ と感じる傾 向にあることがわ かった。

30

7

9

11 13 被験者20名

15

■ rCも 霊間江ぉ ける機の有無 と広さ感ヨ 日 3∴ 冒

“ 一

︵里 語 目 写 勲 掏撻

婁翻職部鶏から, CG室 聞仁おもヽて き蜘 方 一 が,相つきの鏡よ りも,よ り広 さ感 を感じさせること があきちか崚 っ た.

80

100

1“ 広繁

図 3■ 1■

140

160

(績 付き)

rCG空間における広さ感 こ積村きと正面付きの比較』

312 一 一、

I ,゛゛

ミヽ苺

1

・ ヽヽ ・“い

誓1111 ,■ ●


‐ 奪寮

CG空 間内で鏡 がない ときよりもあ る時の方が広 さ感 を感 じる結果 となつたが、 これは、鏡が もつ空間 に広 が りを与える とい う効果 が

CG空 間で作用 していることを証明 してい る。そ して、数値 で表 した 広 さ感 も、個人差 はあるが平均値が横付 きで 105。 95、 正面付 きで 123.2と なつてお り、だいたいの 人がそ の値 に横付 きでプラスマ イナ ス lo、 正面付 きでプラスマ イナ ス 20ほ どの開 きで、回答 してい る。 また、横付 きと正面付 きの平均値 の差 は、人の視界 に しめる鏡 の割合 の差 に呼応 する。

CG空 間において正面付 きの鏡の方が、横付 きの鏡 よりも、 よ り広 さ感 を感 じさせ ることが明 らかにな つた。その原因 としては、人の視 野 に しめる鏡の割合の 多 さがあ る。


3‐ 4‐ 2

実験 2‐ b

鏡 の大 きさと CG空 間容積の知覚 に関す る実験 この実験 は,CG空 間で人が感 じる広さ感が,鏡 の大 きさとどのよ うな関わ りを持 つているかを明らかにすることを目的 としている。 この実験では、被験者は基準空間を体験 した後、比較空間を体験 し、基準空間の広さ感 を「1∞ 」 とした時の比較空間の広 さ感 を数値 で表 した。基準 空間 と比較空間の組合わせは、図 3.4.2‐ 1の とお りで ある。

披験者 は、以下の要領 で 、比較 を した。

l CRTに 映 し出 された基準空間を眺める。

2 3

その基準空間の広 さ感 を「 1∞ 」 と記憶 す る。 次 に、CRTに 映 し出 された比較空間 1種 類 をみて、その広 さ感 を数値 で 回答する。前に見 た基準空間の広 さ感 「1∞ 」 に対す る 数値 とする。

4

同様 に、他 の 9種 類 の比較 空間に対 して も同様 のことをお こな つ。


勒 働

共通設定 どち らの空間 も、以下の項 目を

勧 縫

共通にす る。 部 屋の形状 、様 子 視点 、注 観点の 位置

踊 蛹 重方体の部屋の 一壁 面に鏡 を肇直に設置す る。鏡の大 きさは 10種 1。

%

類 で、その大 きさを下

60%

要に示す。

長 さ比 r%: 鏡 面積 r蒲

10

20 30 菊

50 60 70 80 Ю

100

:

1.998 3.996 5.994 7.992 9.99 11.988 13.986 15,984 17.982 19.98

鏡の大きさは、鏡を 設置す る壁面の縦 と横 の長 さ比で設定 し、そ

90%

の形は、壁面 と相似形 とす る。

50“

□ 3、 421

実験で装 つた絵

35 ■

100“

:勢

と ―


薬鍛義果

被験 者 20名 に答 えて貰 った数値 のデー タを比 較 して、次 の ように グラフに した。

0 1,998

31贈 お (20)

3認 (30)

7舶 2

9■9

(40)

(50)

11,33 13鮎 (60)

(70)

15■ お4 17漁 旧に (30)

(90)

19緯 (100)

図 3.4.2-2「 鏡 の面積 と広 さ感 の平均値 の関係」

鏡 の面積 が大 きくなる と、人が感 じる広 さ感 の平 均値 も大 きくなる傾向にあ ることが分 かる。 また、鏡 の大 きさが 50%を こえた ところか ら、一定 の割合 で、 人が感 じる広 さ感 の平均値 が増 え続けてい る事 が明 ら か となる。

︲︲ ︲ l 1 i 1 .


20

長さ比60% 15

嘔 eκ 目eκ

轟Sヽ

0卜 ¨

0● ¨

0 い 一  ■C

O■ ¨

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0卜 一

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8 一

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8 N

8 一

8 一

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感 0い”  々 C 広

0“ 一

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0 ¨¨

0●

図3.4.2-3「 長さ比 10∼ 100%の 鏡の面積における広さ感の頻度」

8 N

[く ︼

5

8 N

20

8 N

20

O● ¨

O● 一

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0 中一

ON 一

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0 い 一  些 E

0卜 一

0 い ¨  ■ C

0● ¨

0ヽ 一

0卜 ¨

O n 一  一〇

Oマ ¨

長さ比100%

長さ比50%

長さ比80% 長さ比30%

0● 一

0一 一

ON 一

●o”

0 一一

8 N

0● ¨

8 一

0卜 一

0一 一

0マ ¨

8 一さ 広

0“ 一 ON ”

0 一一

15

0●

5

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く lo

0一

≦ 10

︻く ︼

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8 N

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一  菫9

0● 一

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15

≦ 10

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0● 一

感 8 一さ 広

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0 一”

15

0●

O

目e ヽ

5

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15

く :o

0 ¨一

15

く lo

0●

感 広

S

0●

長さ比90%

長さ比40% 20

長さ比70% 20

長さ比20% 20

0 一 ¨  菫 c

O● 一

ON ¨

0 一一

︻ く︼

0

0●

0

︻く ︼

く lo

5

平均値


:::議

鏡 の 面i積 と広 さ感 の 平均 値 の 関係 を表 した グラフよ り、鏡の面積が

考察

大 き くな る と、人が 感 じる広 さ感 の 平均 値 も大 き くな る傾向 にあ る こ とが 明 らかにな った ;ま た 、鏡 の 大 きさが 50%を こえた ところか ら、 一 定 の 割合 で人が 感 じる広 さ感 の 平均 値 が1曽 え続 けて い る こ とが 明 ら か となる。下 にあ る グラフ「鏡 の 面積 と被験 者 20名 の広 さ感 の 平均 値」 よ り、個人差 はあ る ものの 、全体 の 線 の 流れが右上 に上が ってい るの は 明 らかであ る )従 って 、広 さ感 の 効果 を得 るには、部屋 空 間 に 対す る鏡の割合 は 、あ る程度大 き くな くて はいけな い ことが わか っ た。

長 さ比 !0∼ 100%の 鏡 の 面積 にお け る広 さ感 の 頻度 を表 した ヒス トグラ ム をなる と、50%で は 、最 も頻度が 高 いの が広 さ感 120で あ る の に対 し、60%で は 、最 も頻度が高 いの が広 さ感 180と な ってい る。 これ に よつて、広 さ感 は 60%で 急激 に感 じられは じめ るこ とが 明 ら か となる。従 って 、広 さ感 の効 果 を得 るには、部屋 空間に対す る鏡の 割 合 は 、あ る程度大 き くな くては い け な い ことが わか った。 そ の比率 は 、今 回 の実験 に関 しては、壁 面 にた い す る長 さ比で 60%位 の 大 き さであ る ことがわか った

.)

●●●積 と被験薔

嘔 0ム さ口の口募

250 200 ”  ∞

囀抱撻

0 1.903

3.Ou6 期 輔】 〔

" グラフ

│ “

、 一 一 ﹁ 一 ・

虫﹁”

. 1

Yす ,ヽ ,

誓一 一 ﹁

33

鏡 の面積 と被験者 20名 の広 さ感の関係


3-4‐ 3 実験 2‐ c 鏡 の位置 と CG空 間容積 の知覚 に関す る実験 臓的

この 実験 は ,CG空 間 で人が 感 じる広 さ感が ,鏡 の位置 (人 と鏡 の 距離 )と どの よ うな関 わ りを持 つてい るか を明 らか にす るこ とを 目的 と して い る。

実験方法

この 実験 では 、被験 者 は基準 空 間 を体験 した後 、比較 空間 を体験 し、基準空間の 広 さ感 を「 1∞ 」 と した時 の比較空 間の広 さ感 を数値 で 表 した。基準 空間 と比較空 間の 組 合 わせ は 、図 3.4.3‐ 1の とお りで あ る。

披験 者 は 、以 下 の 要領 で 、比較 を した。

l CRTに 映 し出 された基準空 間 を眺 め る。

2 3

そ の基準 空間 の広 さ感 を「 100」 と記憶す る。 次 に、CRTに 映 し出 された比較空間 l種 類 をみて、そ の広 さ感

を数値 で回答する。前に見た基準空間の広 さ感 「 100」 に対す る 数値 とす る。

4

同様 に、他 の 14種 類 の比較空間 に対 して も同様 の ことをお こな う。

共通設定

どちらの空 間 も、以下 の項 目を共通 にする。 部屋 の形状、様子 視点、注視点の位置

比較空間の鏡 の大 きさは 、壁面 の長 さ比 50%で 、面積 は、4.995m2 で統 一す る。


基準菫聞

比較空間 (菫 方体の郭 置の 一壁爾に 鏡 を肇道に 設 量する。設 轟する嘉 ま15種 類

)

体の部屋 )

図 ■43=1 実験で使った絵 :基 準空間と比散空間 鏡面 \

1

3

4

6

7

9

図 ■43-2 鏡 の難面に対する位置と形状 40

壁面


被験者20名 に答えて貰った数値のデータを比較 して、グラフにし

実験結果

た 。 (図 34.3-3と

lよ

13.4.34よ り

)

図 3.43-4よ り、人か ら鏡 まで の距離 が長 くな るにつ れて 、広 さ感 の 平均値 が低 くな ってい く傾向 にあ るこ とが わか る。 (位 置 1、 と位 置 4、

5、

6と 位 置 7、

8、

9、

鏡 一

鏡の影 と 立置

とい う横 の 組 み 合 わせ に関 して)

人から鏡までの距離『llmi

1

665.943879

1

2

1冒

726.3995113 3

824.7916404

3 4

664.1018371

4 S

724.7111494

5 6

6

823.3050771

7 1

7

668_977765

8

1 1 8

729.1819046

9

l

827.2431626

1 9 1

729.6097861

10

724.6550904 733_7591158

12 13

651.5606265 724_6550904

14 右

15

883_0239238

表 3.4.3‐ 5 鏡 の 形 、設置場所 と人 か ら鏡 までの距離 4■

=│111

i l:夕

2、

i l■

=│,N讚

3


4 ︲ 0 ︲

留騒

2 ︲ 8 6 4 2 0

"

"

"

88響

888

N

"

広 さ感 (基 準 :100) 20

18

16

18 16

14

14

:i

6 4 2 0

"

"

"

=88

8,=書

:i

6 4 2

0 ‐ ‐

H

H

‐ 劇

● ‐ 祠

‐ 守 司

"

● ‐

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‐ ‐

r●

0

‐ マ ヨ

‐ ‐

‐ ‐ “

位置 3

1247

‐ ‐

位置 9

8 6 4 2

88早 " " ‐

388" ‐

広 さ感 (基 準 :100)

88マ " " ‐

"

"

388

広 さ感 (基準 :100)

広 さ感の平均値を表す

図■凝馬 ヒス トグラム 磯詢葉理翡 ∼9に おける広さ感の顔度』

42

"

0 ︲

4 ‐

広 さ感 (基 準 1100)

聾肇

広 さ感 (基準 :1∞ )

"

"

2 ︲

388

‐ ‐

4 ︲

聾筆

0 ︲

留騒

2 ︲

"

0

‐ ‐

6 ・

4 ︲

"

8 1

6 ︲

"

● ヨ “

0 2

8 1

"

‐ ‐

1327

4 2 0 8 6 4 2 0 節 ■ 6 ︲︲ ︲ ︲ ・

。 2

"

4‐

広 さ:感 (基 準 1100)

広 さ感 (基 準 1100)

88専

‐ ‐ ●87‐

"‐

広 さ感 (基 準 :100)

襲堅

20

"

広 さ感 (基 準 :100) 。 8 0 8 6 4 2 0 4 2 1 “ ・ 2 ︲

"

位置 3

86 42 08 64 20 節 ︲ ︲ ︲︲ ︲ 一廻 騒

8 1

留騒

"

6 4 2 0 8 6 4 2 0 ” 8 ︲ ︲ ︲ ︲ ︲

。 2 6 ︲

88響

位置 2


4

5 …

日 静輔暉

●3

E二 種田e︶=弱 ●桑く 一

磯臨瑾菫 鉱

800

爾動 勲 欄 贈獅 欄 0

口軍キ● 32 一 善 爾︶讚 慟撻

翻欄欄m欄観﹁細閾欄櫛

900

6 ■ 広勒 ― ◆ 人から錆奎でo嘘繊

割 園 調 円 用 唸 人から鑽 ま …


グラ フよ り、位置

考察

1、

4、

7に お いて 、広 さ感 の平均値 が 高 い こ と

わか る。 ・ 鏡 の 位 置 、 上 中 下と、鏡 の 距 離 の 関 係 位置 6、

1、

4、

7の 組 み 合 わせ と位 置 2、

5、

8の 組 み 合 わせ と位 置 3、

9の 組 み 合 わせ は 、鏡 が 天丼 につ い て い るか、真 ん 中 にあ るか、

床 につ い て い るか とい う組 教 合 わせ (上 、中、下 の 組 み 合 わせ )で あ る。 この三 つの グル ー プに共通 して言 える ことは 、下 の位置 で は 、人 か ら鏡 まで の距離 が他 の二 つ よ りも長 いの に もかか わ らず 、広 さ感 の 平均 値 は 、 一番 高 い こ とであ る。 この こ とを裏付 け るかの よ うに位 置 上、中 、下 nOそ れぞれの 組 み 合 わせ で も同様 の ことが 言 え る。 した が って 、 上中下 の 位 置 における広 さ感 は 、人か ら鏡 の距離 に影響 して い る と言 う よ りも、他 の 要素 に影響 して い るのではないか と考 え られ る。

影 響 を 受 け て い る と思 わ れ る 要 素

1:床

の パ タ ー ン。今回 のモデ ルで は 、天丼 や壁面 は無地 で あ る

の に対 して、床面 には部屋 の 大 きさに 会 わせ て、 タイルの パ ター ンが 敷 き詰 め てあ る。床 に接す る鏡の位 置

(7、

8、

9、

下、左 、中、右 )

にお け る広 さ感 は比 較的高 いので 、床 の パ ター ンは 、広 さ感 を増幅 さ せ る効 果 がある と言 える。

2:自

分 の 姿 が映 って い うか い な い か。 自分 の 姿 が 見 え る位 置

に い る と広 く感 じるので は な い か。

3:人 間の 習性 の 人 は上 を向 い て 歩 か ない。 上 よ りも下 の 方 に 意識 が い く。 鏡 の 位 置 、左 中右 と、鏡 の 距 離 の 関係 位置 8、

1、

2、

3の 組 み合わせ と位 置 4、

5、

6の 組 み合わせ と位置 7、

9の 組み合わせは、鏡が左 よりか、真 ん中にあるか、右 よ りか と

、中、右 の組み 合 わせ )で ある。 この三つの グ ループに共通 して言える ことは、人か ら鏡 までの距離が長 くなるにつ

い う組 み合 わせ

(左

れて、広 さ感の平均値が低 くな つてい くことである。 この ことを裏付 けるか の ように位置左、中、右の組 み 合 わせで も同様 のことが言え る。 したが つて、左中右の位置 における広 さ感 は、人か ら鏡の距離 に 影響 してい ると言 える。

一 一 一 一 一 一¨ 一 一 一 ・ ・・・

・ 一 一 一 一 ・ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 . 一 ・ ・一 .

一 一 一 ﹂ 一 一 一 一 一 ・ ・


3-4‐

4

実験 2-d

鏡 の奥行 きと CG空 間容積 の知覚 に関す る実験 この実験 は,CG空 間で人が感 じる広 さ感が,部 屋 の奥行 きとどの ような関わ りを持 つているか を明 らかにする ことを 目的 としている。

目的

この実験 では、被験者 は基準空間 を体験 した後、比較空間 を体験

実験方1法

し、基準空間の広 さ感 を「100」 とした時 の比較空間の広 さ感 を数値 で表 した。基準空間 と比較空間の組合 わせは、図 3.4.4-1の とお りで あ る。 披験者 は、以下の要領で、比較 をした。

l CRTに 映 し出 された基準空間 を眺める。

2 3

その基準空間の広 さ感 を「10Cl」 と記憶す る。 次 に、CRTに 映 し出された比較空間 1種 類 をみて、その広 さ感 を数値 で回答す る。前 に見た基準空間の広 さ感「 100」 に対する 数値 とす る。

4

同様 に、他 の 4種 類 の比較空間 に対 して も同様 のことをお こな う。

・■ ■ ・一・ 一 . 一■ 一 ・ ・ 一 ・ 一一 一一 一¨ ・ ︶ . 一 一 . ・一 一 一 . , 一・ 一


1.2 覆方体の部屋 .T壁 覆に 岬

こ設置す る。 鏡を垂直キ

直方体の.t5屋 の一壁離 比囲 1.1か ら20

鏡を垂直に設置する。比較 空間は 5種 類 で、その形態 1っ

を下図にしめす。

4

どちらの空間 も、以下の

共議

頂目を共通にする。 視点、注視点の位置

設置する鏡の大きさと形 横比 JO°/・ で、その 協 量面 と相槻形) =、 銃の設置場所1ま (装 動 中 央) (壁 動

1.6

鏡設置壁面

1.3

/ 悔

/ 3 2.

部屋の上自鋤

2.0 実験で使った絵 l基準空間と比較空間 ∵

'

1

│■


饗 実験結果 被験者 23名 に答 えて貰 った数値 のデー タ

部屋 の奥行 き 広 さ感の平均値 (基 準 :100) (倍 )

を比較 して、次 のよ うにグラフに したr

1

1.2 1.4 1.6 1.8 2

部屋 の 奥行 き と広 さ感 の 平均値 の相関 を 調 べ た ところ、下の グラ フの ようにな つた っ そ の相関 は 、O.976と な り、関係式 は 、 y=68.772+29.118x とな った 。 表

100 1 01.56521 7 108.826087 116.217391 119.652174 128.434783

部屋 の奥行 きと広 さ感の平均値

130

y=68.772+29.118x RA2=0.976

oo〓 絆 爛 ︶ 樋 側慎 埋 雲眸 O ︵

120

110 ロ

100

:

1.o

1 2

1.4

:

1.6 部 屋 の奥行 き (倍 )

グラフ「部屋 の奥行 きと広 さ感 の平均値 の関係」

農磁 1槻

1.8

2.0


部屋の奥行き1.2倍 における広さ感の頻度

広 さ感 の 平均 値 は、部屋

1016

の 奥行 きが増す に従 つて 、

5 0

悩緊

大 き くな って い くことがわ

か った。

100

120

140

160

180

200 220 広さ感 (基 準 :100)

240

260

次の級

部屋 の奥行 きにおけ る広 さ感 の 頻度 は 、左 の ヒス ト グラムで表 したが、奥行 き

部屋の奥行き1.4倍 における広さ感の頻度

が増す に従 つて 、被験者 が

1088 興緊

答 えた広 さ感 の値 に広が り が 出 て くる こ とが わか つ

100

120

140

160

180

200 220 :100) 広さ感 (基 準

240

260

σ )級 ″ く

た。

部屋の奥行き1.6倍 における広さ感の頻度

1162 撻緊

100

120

140

160

180

200 220 広さ感 (基 準 :100)

240

部屋の奥行き1.8倍 における広さ感の頻度

1197 興緊

100

120

140

160

180

200 220 広さ感 (基 準 :100)

240

260

次の級

部屋 の奥行 き2.0倍 にお ける広 さ感 の頻度 128、 4

撻緊

100

120

140

160

200 220 広さ感 (基 準 :100)

ヒス トグラム

180

240

「部屋の奥行き1.2∼ 2.0倍 における広さ感の頻度」


1奪

部屋 の奥行 きと広 さ感の 平均値 の頻度 を表 した ヒス トグラムでは、 奥行 きが増すに従 って、被験者が答えた広 さ感 の値 に広が りが出 て く る ことが明 らかであ つた。 ところが、奥行 き 1.2倍 か ら2.0倍 にかけ て、最 も頻度 の高かつた広 さ感の 数値 はそれぞれ 120前 後 の値 であつ た。 この ことか ら、部屋 の 奥行 きを鏡 を通 して知覚す る際、奥行 きが 増す ほ ど、広 さ感覚に個人差が生 じるとい える。 この実験 では、鏡に映 り込む空間の容積 を変化 させ るのために、部 屋 の奥行 きを増や していつた。 この時、 人の立 つている場所 (視 点 の 位置 )と 人が空間 を眺める方向 (注 視点 )を 固定 したので、被験者 に とって、基準空間 と比較空間の違 いは、鏡 の 中 に映 り込 む空 間の見 え 方 の違 い だけであ つた。 また、実験 で用 い た絵 で認識 で きる部屋 の部 分 は、注視点 の方向のみで、被験者の背後 の空間の広 が りが どうな つ て い るのか分 か らない状態 となつてい る。 その ことを踏 まえる と、

CG上 の空間を体験す る際、自分の背後 が どうなつているのかわか ら ないが、鏡 を用 い ると、背後 の空間の広 が りを、鏡 を通 して感 じるこ とがで きてい ることがあ きらか となった。 したが つて、CG空 間 にお いて 、部屋 の奥行 きに よつて、鏡に映 り込 む空間の容積 を変 えると、 人の広 さ感 も変わる ことがわかった。 ″■一 I一一■一一一


3‐

5 CCに よる可視範囲立体 の測定

可 視 範 囲 立体 の 定義 とそ の 測 定 方法 につ いて

CG空 間において、視点 (人 の 目の位置)と 注視点 (人 が眺める方 向)を 固定 して空間の様子 を表現 した際 に認識 で きる空間 (CG空 間 における人の視界 に含 まれる空間)を 可視範囲立体 とす る。 空間内に鏡 が設 置 されている時は、鏡 に映 り込 んでい る空 間 も含 め る こととす る。

V〓 V。 +Vl V: v。

[ml]

可視範囲立体の容積値

:

実験で用いた CG空 間では、人の視界 (人 のいる位 置から注視点 を眺めた様子)を 画像で表 している。そ の画像に映 し出されている空間の容積値

vi:

CG空 間において、あ る視点から鏡 を眺めた際に鏡 に映 り込んでいる空間の容積値


響宰警尋

実験 2-b、

2-dで 使用 した CG空 間 に関 して可視範囲立体 の容

2-c、

積値 を測定 した。そ して、それぞれの実験 で被験者 に答 えて もらつた 広 さ感 の平均値 とともに、表 にまとめた。

表 3.5.1 実験 2-bに おける可視範囲立体 の容積値 と広 さ感の平均値

鏡 の 大 き さ[%] 可視範囲立体 壁面に対す る長 さ比

の容積値 [耐 ]

106.4

46.0819 56.4919 71.9909 92.2699 114.6089 136.4809 154.4959 169.5609 180.1889 182.1409

10 20 30 40 50 60 70 80 90

111:

広 さ感 の平均値 (基 準 :100)

100

121.1

115.25 132.75

129 152.25

169 178 189.4 195.25

可視範囲立体 の容積値 は、鏡 の大 きさが増す に したが つて 、増 えて る。その関係 を下 に示す。

癒 抱K

200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0

10

30

50

70

90

鏡 の 大 き さ[%:

図 3.5.2鏡 の大きさと可視範囲立体の容積値の関係

:1

11●

│ :│■

: :


表 3.5.3 実験 2‐ cに お ける可視範囲立体の容積値 と広 さ感の平均値

視点 か ら鏡 までの 可視範 囲立 体 の容積値「ボ1 鏡 の位 置 距離「mml

665.94 726.4 824.79

2 3 4 5 6 7 8 9

664.1 724.71 823.31

668.98 729.18 827.24 729.61

724.66 733.76 651.56 724.66 883.02

中 下

中 右

広 さ感 の平均値 (基 準 :100)

126.57 114.38

96.9459 87.4439 61.7099 122.3159 106.7569 67.8989 90.1699 82.3249 60.1189 62.5769 96.1359 55.5199 91.0159 90.1599 48.1989

112.71 127.1

113.24 107.86 146.05 132.76 124.76 126.9 125.48 147.29 141.05 137.52 111.71

鏡 の 面積が 同 じ際 に、視 点 か ら鏡 まで の距離 が異 なる と、可視範 囲 立体 の容積値 も異 な つてい る ことが わか った。

表 3.5.4 実験 2-dに おける可視範囲立体 の容積値 と広 さ感の平均値

部屋の奥行 き 可 視範 囲立 体 の 容積値 [ボ ]

[倍 ]

1.2 1.4 1.6 1.8 2

107.5009 122.0039 135.8009 148.5039 160.1049 170.6029

広 さ感の平均値 (基 準 :100)

100 101.57 108.83 116.22 119.65 128.43

部屋 の奥行 きが増 えるに したが つて、可視範囲立体 の容積値 が増 える ことがわかった、

52

欲 魃 輻 鰍 鮨 雛 輻 輻 鋏


3…

6

比較 と考察

∼広 さ感 と可視範囲立体 の 容積値 ∼ 実験 2-b、

2‐ c、

2-dで 使用 した空間に関 して可視範囲立体の容積値

と人が感 じた広 さ感 の平均値 との相関 を調 べ る。 :11111

鏡 の 大 きさに よる可視 範 囲立体 の 容積 値 と広 さ感 の 平均 値 の 関係

1111

鏡 の大 きさにおけ る可視範囲立体 の容積値 と広 さ感 の平均値 との相 関 を調べ た ところ、下図のようにな つた。その相関 は、0.941と な り、 関係式 は、 y=75.646+O.60777x

となつた。 比較的高 い相関が得 られた ことか ら、鏡 の大 きさの変化 に対す る人 の感覚 は、その人が眺 めてい る空間の容積値 に関係 してい る ことがわ かった。

:

200 ロ

y=75646● 0 60777x RA2=0941

8 〓 絆瀾 ︶癒 杓恒 埋軍叶C ︵ 120

100

可視範囲立体の容積値 [m31 図 3.6.1 鏡 の大 きさによる容積値 と広 さ感の関係


鏡 の 位 置 に よる可 視範 囲 立体 の 容積値 と広 さ感 の 平均 値 の 関係

鏡 の位置 における可視範囲立体 の容積値 と広 さ感 の平均値 との相関 を表 した。 表 3.5.3よ り、位置が異 なる と容積値 も変化す る ことがわか つた。 これによつて、人が鏡 とどの くらいの距離 を保 っているか とい うこと や、鏡 のほ うを眺める角度 とい う ものが 、実際 の可視範囲立体 の容積 値 と関係 を持 っていることが明 らか となつた。

7

o y = 119.55 +

8.3797etx R^2 = 0.019

B上 。

響F=e ︵ 8 I 淵神︶押”槙

EJ i:+

中お

1

右 寺 ∫ 6◆

80

100

可視範囲立体の容積値

Im3]

図 3.6.2 鏡 の位置 による容積値 と広 さ感の関係 この グラフは、値 がバ ラバ ラにち らば つて い るようにみえ るが、鏡 の位置 との関係 を見てみ ると、ある規則性 を持 つてい る ことがはんめ い した。


鏡 の 配置 にお い て 、高 さが同 じであ る (例 えば、位 置 1と 2と 3 は、高 さが同 じであ る とい える)と 、可視範囲立体 の容積値 と広 さ感 は相 関す る傾向 がみ られ る。 下 の 図 3.6.3は 、前 に表 した グラフの 中 で 、高 さが 同 じもの 同士 を つ なげ た グラフとな ってい る。 位置 と、4、

5、

これか ら、分か るよ うに 1、

6の 位 置 は 、そ れぞれ、 1と

4、

2と

5、

2、

3の

3と 6の 広 さ感

の値 が 、近 くな つて い る。 この ことか ら、容積値 の値 が異 な つて い て も、広 さ感が ほ とん ど変化 しない こ とが あ ることが わか る。 そ して、 その傾 向 が出やす い鏡 の位 置 とい うの は鏡 が上下 にず れた と きで 、 な おか つ 鏡 の 中 に床 が見 えな い 良 きで あ る こ とがわか る。

60

80

100

120

可視範囲立体の容積値 [m3] 図 3.6.3 鏡 の位置 による容積 値 と広 さ感の関係

一方 、高 さが同 じでない

(例

えば、位 置 1と 4と 7)と 、広 さ感覚

と容積値 は相関 しない。 ところが、値が違 うな りにも、高 さが同 じで ない組 み合 わせ と4、 2と

5、

11と 4と 71 12と 5と 81 13と 6と

91の なかで、 1

3と 6は 、 にてい る。 これは、床 の部分が鏡 に含 まれる

と、人間の感覚が変 わって くることを しめす。 さらに、 この ことによ り、床 の部分が見えるか見えないか とい うことは、人間の感覚 に重 要 な影響 をあたえてい るとい える。そ して、 このことを裏付 け てい るの が、3-4-3実 験 2-cで の結果 であ る。 55


部屋 の奥行 きに よる可視範囲立体 の容積値 と広 さ感 の平均値 の 関

130 y=

繊薫 彗

,00

100

48.n1+ 0.45847x R^2 = 0'962

140

160

m¶ 可視範囲立体の容積値 〔

部屋の奥行 きにおける可視範囲立体の容積値 と広さ感の平均値 との相関 を調べたところ、上図のようになつた。その相関は、0。 962と なり、関係式 y=48.201+0.45647x とな つた。

比較的高い相関が得 られたことから、部屋の奥行 きの変化 に対す る人の 覚は、その人が眺めている空間の容積値 に関係 していることがわかった。

56


まとめ と今後 の発展 ■

々が 本研 究 では、前半 で鏡 の物理的機能が もたらす鏡 の効果 と、人 こでは、 それをどの ように利用 して きたかを実例 をあげて記 した。そ 人間の姿 を映す ための ものであつた鏡が、空間構 成 の重要 な要素 とし て使用 され始 めた流れを追 つた。そ こで感 じた ことは、鏡 の建築 は、 空間の 内側 か ら始 まった とい う事実 が、その時代 の人 々の意識 と関 わっているのではないか とい うことで あ つた。人 々の意識 と鏡 の関係 は、空間の歴史 を変化 させ る一つの大 きな指標 であ りえ る。鏡 が内部 に使 われたのは、鏡 の 中 に映る空間 を限定 したか つたか らなのではな いだろ うか と考 える。外部 に鏡 を用 いれば、それ は閉 ざされない限 り こ の 永遠 の空 間 をうつ しこむであ ろ うか ら、人 々に長敬 の念 をお さた であろ うか。 今回 の実験 は、前半 の文献調査 を踏 まえた上 で 、限定 された内部 空 間についての実験 をお こない、鏡 と内部空間 と人の感覚 の関係 を数値 で比較 した。その際 に、人の視点か ら空間を眺 めた様子 を表現す る こ との可能な CGを 用 いて、比較検討 した。結果 として、鏡 の大 きさ と 位置 によつて、空間の容積値 が変化 し、人の広 さ感覚 も同 じように変 が 化す ることがわか つた。そ して、人間の感覚 におけ る広 さ感に、鏡 与 える影響 を CGの 技術 をもちい て、定量的 に測 る方法 を提案 し、そ の関係 をあ きらかに した。


難翼:

参考文献

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筆者 由水 常雄

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新建築 9106 新建築 9109 新建築 9111 新建築 9211 新 建 築 9407 新 建 築 9408

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::::│'::::::::!:::::::1::::1::::1':::::::::::::

iSII:1:::::::::::::,1:::

[::::::,1:::I:::i!:::::::1::::::::i::

1994

NO.301997 」UNE I I

NO.311997 AUGUST

:::::::::::!:!:::1;:!:│:::::::::::::i::l:│‡

:::│::::lξ ::::::::!::::i::::i!:││::塁


おわ りに

今回鏡 の空間を論文 でや つてみ よ う とい うことで、何 とな くそ う決 めた時か ら、鏡 の配置 な ど注意深 く見 るようにな りま した。 また、昔 の記憶 もた どつていつて、 自分 と鏡 の 関係 を探 つてみました。私 は、 小学校 の ときに、 よ くあ るお まじないの類 で、鏡 にお願 い事 をした こ とがあったのをお もいだ して、 これは、鏡 に恩返 しをするときだ と思 い、その 良 さをた くさん見 つ けたい と願 いつつ研究 を進めました。 論文 を通 しては、鏡 の物理的効果 が どのように人間の感覚 と結 びつ くのか とい うところを CG上 で明 らか にす るとい う事 で したが、その テーマ のおかげで、パ ソコンとも親 しくなることがで きま した。 卒論 を仕上げると言 う経験 を通 して、一番印象 に残 つたことは、実 に多 くの人々のおかげで ものが作 られてい くとい うことを実感 した こ とです。研究室 では、 日頃 の小 さな会話 か ら、お茶 のみ話 や しっか り やるゼ ミまで、人の優 しさや厳 しさ、そ して、研究へ の情熱 を勉 強 さ せていただ きました。仁史先 生 をは じめ、素敵 な先輩方 と楽 しい論文 仲間違 と共 に、学生生活最後 の年 を過 ごす ことがで きて、 とて も幸 せ な気分 です。 今回の経験 を糧 に、 自分 と自分 を取 り巻 く環境 を しっか りと認識 し、地 に足付けて努力 を続 けていこ う と思 い ました。 また、努力 だけ ではな く賢 さや要領 の良さ も学ばな くてはい けない と実感 しました。 最後 に、お忙 しい中、今回のアンケ ー トにご協力 くださつた皆様 に、心か らお礼 申 し上げます。

1997年

H月 6日

仁 史研 究室 にて 立花

﹂■ 舞 〓許 菫 ↑ ■ 〓〓 ■舞・ ︰︰

鎌憾響萎奎攣 藩一 饉一 一ザ事燿バ

58

真理



´ ・      一 ^ ・


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