都市の移動速度における空間記述

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;cribing Urball Spacc with Transfcr Spccd 都市 の 移動 速度 にお け る空 間記 述

平成 9年 度修士論文 指導 :渡 辺仁 史教授

696El10-1山 田航司


■はじめに

都市の形態 を理解す るとい うことは一体何 を意味 しているのだろ うか ?都 市 に含 まれている様 々な部分 を誰 もが知 り尽 くしているわけでもなく、知る必要 もないだろう。そこで、ある仕方で整理 された姿 とか像によって、全体を把 握 し、また細かい部分について理解することになる。そのために地図があり、写真 などがある。また、現在の我々の 「みる」といっても、何 を「み る」かが問題になるだうし、何 住 んでいる街 は、眼で「みる」ことが出来る。 しかし、 か、一つの見方を持たないかぎり、実際に、形態についての本当の理解は得 られない。 現在 の都市には、様 々な速度が認識されている。都市を通る高速道路、国道、路地を通過する車、駅 と駅を結ぶ列 車や地下鉄、そうした物を利用 している人々は、都市に対 して実際の地図で見 るような絶対的なスケールは、おそら く感 じてい ないだろう。そこでここでは、都市 における移動速度による記述を行 う。

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab.,Mastcr's Thesis 1997


は じめに 目次 §01

序論

1-1 1-2 1-3 1-4

研究 目的 研究背景 研究概要 用語 の解説お よび説明 :自 動車 と都市

:移 動速度 :都 市 のパ ターン :パ ターンの分類 とその解説 :フ イジカルパ ターン とア クテ ビティーパ ター ン

§02

従来 までの都 市空間記述 の事例

2-1 2-2 2-3 §03 3-1 3-2 3-3 3-4

都市空間記述 の事例 の表示お よび解説 記述事例 の分類 都市空間記述事例の分類 に関す る考察 移動速度による都市空間記述 空間地図か ら時間地図へ 速度別表記法 地域別速度認識 による時間地図 時間地図の地域別特性 に関す る考察 ―速度によるゆがみ度の検証お よび数値記述 ―

3-5 §04 4-1 4-2 §05

研究結果 設計活動へ のアプローチ 速度認識 を考慮 した設計 画像デー タ

COMPETIT10N

5-1

時間の中の都市、時間の 中の建築 ―コンペ作 品を通 じて一

§06

6-1 6-2 6-3 6-4

結論 まとめ 使用 ソフ ト 参考文献 おわ りに

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度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


scribing Urball Space with Transfer Spccd 都市の移動速度 における空間記述


1-1.研 究 目的

本研究 は、CGを 用 い、飯田橋 ・神楽坂地区における都市空間の移動速度 の visual化 を行 うことを目的 としてい る。それは、都市 の移動 速度を視覚的に記述 す る手法 を提案 し、その時間地図、ゆがみの図の作成により、場にお

ける空間の連続性、方向性を理解するものである。また、それらのゆがみの図の明確 なパターン分けは、新たな都 市空間の解析方法 としての意味を持 つている。

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度修士論 文

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1-2.研 究背景

:都 市 の形態 と空 間記述

プランナ ーあるい はデザイナーの立場から都市 にアプローチす る場合 には、都市 を物理的な形態その もの として とらえる ことが、最 も有効 な方法出 ることはい うまで もない。都市形態 の研究は、都市の全体、あるいは部分 の形 態的な原則 を調べ る学問 である。 都市 の拡大→ 高密度化 →高層化→ 巨大化 とい う過程が一方的に容認 されが ちであった現代 の都市デザイ ンの 中で、 東京 とい う都市 もその例外 に漏れず、その多様化、複雑化が進む。都市形態 は、市中を流れる河、道路、街区 のあ り方、 さらに建物の様 々 な開日、飾 りな どの集積 として知覚 され、人 々はその中を自由に動 きまわ り、形態の個別 的、また連続的変化 を印象 として とらえ、記録す ることもで きる。 したが って、個別的には見 えて も全体 としては 見 え難 い とい う事実に対 して、人々は さまざまな意図 と工夫 で、それに対処 して きた。 ジャン=パ チスタ・ ノ リーによる 18世 紀 ローマ の <地 と図 >の 地図は、黒 く塗 られた建物、白 く塗 られた道路 とか広場 により、その街が どの ような形態的意図 の もとにつ くられてきたのかを描 き出 してい るの と同時に、1枚 の地 図か らローマでのパ ブリックな領域 と、私的な領域が作 り出す構図を表現 してい る。

1960年 代 に、ケヴイ ン・ リンチは、人 々が最 も印象 に残 る都市形態 の要素 をモニ ター法 によって集計 ・分析 し、 彼 の提唱す る 5つ のエ レメン ト(Path,Edge,Node,District,Landmark)に よってイメージ図が出来 ることを示 した。 こ の方法は、イメージに基 づ く、 この よ うな都市 の見方が文化 の差 を超 えて表現 しうることを示 した点に置いて画期 的な ものであった。 そ うした背景 を踏 まえ、本研究は、 まず事例 の収集・分類 によ り、現代 の多様化 した都市 を解析 す る場合 、 どの ような記述が都市空間の把握に有効 で、設計段階での指針 とな り、 どの よ うなところが欠 けているのかの解析 を行 う。そ して、現代 の移動速度の高速化 とい う側面か らのアプ ローチを試み、時間的要素、空間の周囲との連続的な 関係性 を含んだ新たな記述手法 の提案する。

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1-3.研 究概要

01.都 市空 間の理解 に対 す る疑間 ―都市 を見 る とは ?― 02.都 市空 間記述 に関す る事例の収集お よび分類

03.都 市空 間記述 に関す る事例の考察 04.新 たな記述法 の提案 一移動速度 による都市空間記述ヘ ー 05.移 動速度による時間地図・ ゆがみの地図の作成 06。 ゆがみの地図か らの都 市空間のパ ターン化

07.結 果・考察 08。 設計活動へ のアプ ローチ

09.ま とめ

1-3

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1-4.用 語 の説明お よび解 説

本研究では、現代都市の移動速度 の高速化 の視覚化お よびパ ター ン化 を目的 としてお り、そのための用語を整理 してお く必要がある。特 に都 市 と移動速度 の 関係性、都市のパ ター ンについての解説 をここでは行 う。

:自 動車 と都市

産業革命が生み出 した鉄道は、ほとんど唯一の陸上交通機関であった馬車 を駆逐 す る。 けれ ども鉄道は、都市都 市 を結ぶ交通手段 として用 い られただけであ り、依然 として都市内交通 としては、馬車が優位 を占めてお り、その その後継者 となったのが他ならぬ 自動車である。 つ ま り、都市内か ら発生 した この交通は、都市内行動の領域 を拡 大 させ、都市内部か ら定住領域の飛 躍的な拡張 を導 き出 したのである。自動車は、鉄道が線的な移動空 間であるの に対 して、面的な広 が りを持 った移動空間なのであ り、だか らこそ、それは都市 を面的に拡大 し、かつ ての行動領 域 を生活の領域 に取 り込 んで しまった。種 々乗物 の うち空間 としての客体に対 して時間 としての主体 を、 よ り端的 に示す ものは、パー ソナルな乗物 としての 自動車であろう。

:移 動速度 について

新 しい都市 を考 える場合、速度 とい う概念 は、切 り放 しては考 えられない要素 として挙げられるだろう。加速 さ れた速度は もはや我 々人間の感知 で きるところではな くな り、 さらに時間軸や空 間軸 さえもコン トロールで きるよ っになって い る。 考えてみれば、都市 をめ ぐる様 々交通網 の発達 によ り、高速道路では人の速度の 20倍 近 く、国道では 15倍 近 くの速度で移動可能であ り、 と同時に、そ の事実 は、ある場所 に移動す るのに何十分 の一の時間時短縮 され、いわ ば地理 的な空 間が縮小 して しまったことを意味 してい る。本研究に よ り描かれた、移動速度によるゆが みの時間地 図は、そ うした都市 の時間軸 と空 間軸 との関係性 を明確 な視 覚化 を表現 してい る。

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:都 市 のパ ターン_urban patterns

パ ターンは一般的 に言 つて,結 果 として うまれるもので あって,作 るものではない。パ ター ンを構成する要素は 物的なものであるか も知れないが,そ の ものが成立 して い る背景には経済活動や社会活動があ り,こ れらを背景 に 類型化 された空間 として出て くるのが個 々でい うパ ター ンであろ う。 都市内 の流動 を助長 す る様 々な交通手段 は、都市 の有機的な結合 の度合 い を強め、都市が空 間的広が りを持 つこ とを可能 とした。そ の発生段階では住宅群 とその核 とい う簡単な構造 を持 つ に過 ぎなかった都 市 は、その機構や働 きを複雑 なもの とし、当然 の結果 として、 この複雑かは都市のパ ターンに影響 を与 えたばか りか、今 まで都 市 と呼 んで きた空間概念その ものをも変 えようとしてい る。つ ま り、 この ような今 までの都市構造、お よびパ ター ンをゆ るが す、都市 の高速化 と低速化が現代の都市 のパ ターンをどの ように構成するのだろ うか。本研究では、そうした 都市 の移動速度 の側面か ら都市のパ ターン化 にアプローチ を試みる。

:パ ター ンの分類 とその解説

淀み ;creating a recess 川 の流れが屈折 し、その流れに変化が起 こる ように、歩行者 の 自由で気 ままな動 きに対するような、ある程度広が りを持 った空間が要求 される ことがある。この ようなスペ ースを確保するため、路地による折れ 曲が り、歪み、見 え隠れなどといった手法が古 くか ら存在す る。 この様 な、曲が りくねった道路は、景観に変化 を与 え、歩行者 の視 覚体験 をよ り豊かな、味わい深 い ものに して いる。

格子状 ;grid plan 格子状の街区は、多 くの現代 の代表的な街区の形状 で もあるために、我 々にとって最 も親 しみやす い ものである。 集団が集団 として機能 してい くためには、均等 な接近性 と接続性が何 よ りも重要であ り、 このパ ターンの持 つ合理 性は明かである。格子状 の街 は古 くから存在 していたが 、通説では、 この格子型の都市形成 に理論 を与え明確 なも のにミレ トスの街があげ られる。 この街 はフォー ラムやア ゴラを中心 に、岬に美 しい形状で発達 し、知的にも視覚 的にも魅力 のある街であるの と同時に、民主主義的な市民社会 の表現がそ こにはあ った。近代 になって格子状 の街 の代表 の一 つ として、 ニ ューヨークの中心部がある。この街 は 18世 紀 の初め、 J.マ ンギ ン とい う建築家が、最 も均等な格子状街区を提 案 し、これが今 日のマ ンハ ッタ ンを形づ くっている。そ の理 由として、格子状街区は最 も 安 くつ くる ことが出来、 また、最 も便利 であるからとしている。 この ように、格子状都市は、我 々の生活に密着 し 1‐

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たあ る種 の合 理性 ・整合 性 を もとに して い るこ とは明か で あ る。

房状 ;cluster plan

房状街区は、 20世 紀 に入って、急激 に増大 した交通 と複雑化 して きた、都市機能 を混乱無 くいかにうま く配置 し、 処理するか とい う考慮か らこの タイプは誕生 した。長 い間、都市計画の指導的思想 であった cIAMの アテネ検証 に批 判 を加 え立ち上がった、チ ーム・ 念 をあげてい る。東京

10の 建築家達は、新 しい都市計画の スローガンの一つ として、クラス ターの概

1960に おける住宅地の全体 に対 す る関係 もクラスターの概念 を示 している。都市軸のサ

イクル・ トラ ンスポーテ ーシ ョンは、その両翼 に平行謝状 の道路 を展 開 させ、それは住宅地に伸 びてい く。 この道 路は一方通行 のルー フになっていて 、 これに住宅群が連結する。

帯 状 ;liner plan

道路 に沿 って 、両側 に家屋の発生 した町村 などはこの形式 をとってい るわけだが 、 これは我が 国にも、また西欧に もみ うけられる。我が国では、近世 の宿場町に この形式があるが、一般 に宿場町は小規模で、グルービング もゾー ニ ングも行われてい ない。 コル ビュジェは、また 1933年 に彼 の理想都市「輝 け る都市」 を提案 した。 これは、 商業中心、緑 、住居、景況行、重工 業 を帯状 に配列 して いるゾーニ ングに対する考慮 は帯状都市 のそれ と同様であ るが、これ らの機能 と道路 との相互関係は異なってい る。

集束点 :fOcal pdnt 様 々 な意味の中で最 も誰 にも理解 されやすいのは、い うまで もな く、焦点である。パ ターンの形成が一つ ない しい くつ かの中心 を持つ か否 か、そ してこれらの焦点が どの様 な位置関係 を持 つかは、都市 の構成 に決定的役割 を果た して きた。特 に現代都市 の ように、 もはや一人の人間が一瞬の うちに理解することが出来ないほど,そ の空 間・視 覚構造が多様化 ・混合化 した状態 に置 いては、焦点 の存在 は、都市 を理解 す る数少 ない手段 である。

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:フ イジカルパ ターン とアクティ ビティーパ ターン_physical pattern/activity pattern

都市デザイ ンには、多かれ少 なかれ形態化 とい う操作 を通 じて提案 されるわけであ り、 これ らの都 市形態 は具体 的であろうが図式的だあろうが、パ ターンになってい る必要がある。そ うい う形式化 されたパ ターンを通 して、都 市構造 にアプ ローチ しようとす るのに対 して、一方では都市 をその中での都市活動 の分布、すなわちアクティヴィ テイー・パ ターンを手がか りに解析 す る方法が、主要 なテ ーマ とな り始 めた。現実 の都市では、その物理的実体、 それは密度分布、容 積分布、街路網 などとして捉 えられるが、そ うい うフィジカル・パ ター ンを、その都市内でな される諸活動の分布、すなわち種種 の コ ミュニケ ーシ ョン、人間お よび物資 の流動、資本の投下の型などとは、必 ず しも一致 してい ないのが普通である。 パ ターンとは、構造論 の段階における都市空間のイメー ジなのである。 この ように考える ことによって、空間が 実体概念 と結 びつ きなが ら計画操作 の対象 とな りうるのだ。空間は物理的形態ではな く、それが人間の行為 と関係 した ときには じめて存在す るい う認識 は、必然的にフィジカルパ ター ンとアクティビティーパ ター ンの対応 関係 の 分析へ 導 くだろう。その統合 の操作が、すなわち都 市 デザ イ ンなのである。 本研究では、都市空間記述 にに関す る研究事例 を、フィジカルパ ター ンとア クティビティーパ ターンに分類 を行 い、その考察により、新たな都市空間記述の可能性 を探 る。

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ibing Urban Spacc with Transtr Spced 都市 の 移動 速度 にお け る空 間記述

Chopte §02

従来まで

間記述 の事例


■ 2-1.都 市空間記述 に関す る事例 の表示お よび解説

本章では、現在 までになされた都 市空間記述 のに関する事例 を収集 し、その分類 と考察 を行 うものである。その分 類方法 は、 まず、都市空間を物理的側面か ら記述 を行 った した フィジカルパ ターン、そ して、都 市 にお ける活動や運 動的 な側面 を記述 したアクティビティーパ ターンとした。 さらに、それぞれに関 してその分 析方法別にまとめた。こ れ らの分類方法 は、今 回収集 された事例、に関 して行 った ものであ り、 フイジカルパ ターンお よびアクティ ビティー パ ターンが全てこの ように分類 される ものでは ない。

:フ イiノ カルパ ターン_physical pattern

01_都 市形態分析

―建築 の形態や配置、街路の構成な どを分 析 した もの

02_都 市イメージ分析

―観察者が頭 に描いた都市 の構成 。印象 などを分 析 した もの

03

―ある地点か ら見 え方あるいは、見 えるものを分析 した もの

都市視覚的分析

04_都 市聴覚的分析

―ある地点か ら聞 こえ方 を分析 した もの

05_都 市触覚的分析

―「触 るJこ とによる分析

:ア クテイ ビテイーパ ターン_activity pattern

01_都 市運動分析

一人間の移動や行動 などを図式化 した もの

02_都 市関係性分析

―ある地点が周囲 とどの ような関わ り合 い を しているか分析 した もの

03_都 市機能分析

―都市内の構成要素 についての機能形式を分析 した もの

04_都 市時間的分析

一時間軸 の変化 に伴 う変化度合 い を分析 した もの

05_都 市音響分析

―音による活動形態の把握

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早稲田大学渡辺仁史研究室 IIttosh Watacabe T C`


physical pattcm

■ 都 市 形 態 分 析 :urban fom amly● s

03

01

04

02

05

01.ノ

ッリが描 いた 1948年 ローマ の建蔽図は、街路、広場、教会内部、宮殿、申庭、庭 園の入 り組 んだ肌理 を伝 える 都市 内形態 都市構造 関係的 非連続的 非 時間的 非 イメ ージ

02.エ ルサ レム中心部の等測鳥撤 図 全体把握

静的 連続的 非 イメージ

03.リ

ツプシユタッ ト中心街の 詳細 な空間分析 都市機能 非連続的 視覚的 イメージ的

04.十 字軍 占領下 のエルサ レムを描 いた 12世 紀の地図 は、この都 市を円環 の中の十字で表現 し、その内部 と周囲 を正なる場所で 埋め尽 くしている 都市形態 静的 非連続的 イメージ的

05.エ ルサ レム旧市街の断面図は、周囲の岡 との関係 を示 している 都市 内形態

関係的 静的

連続的 非 イメー ジ

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Hitoshl Vratatabe Lab ,M`ster' s Thesis 1997


08

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15:“ 市の残 余空間(口 形融 合)

16:ス ーバー プロ ックの 形態シミュレー ション

09 06

*ll!|la7,

7{t(SoG$tr krr}

07

10

ス ーパー プロ ックの形態 シミュ レー シ ョン 都市形態 静的 非 イメージ

06。

07.

住宅平面 のグラフ化。 グラフ隣接行列 における固有値 と固有ベ ク トル を指標 として、配列 のパ ター ン記述で きる 連続的 関係的

08.住

居配置 とポテンシャル図 都市形態 関係的 連続的

09.

都市の残余空間 都市形態 関係的 非 イメージ

10.最 短経路 と仮想流動量。ネッ トワー ク上でランダムに経路 の起終点 を発生 させ、そのあいだを最短路 で移動 した ときのシミュ レー シ ョンである 動 的 流動的 経路 2‐

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Hit∝ h Watanabc Lab,MasterAfs Thcsis 1997


13:空 臓 Ot体 贅現

11

17:立 面写■ か らのエ ッジ検出

12

11.

空隙の立体表現。都市空間の空隙の量 を建物か らの距離に よって計量す る試み 都市 内形態 都市構造 関係的 静的

12.立 形態把握

面写真か らの エ ッヂ検出。知識 工学 を引用す ると、立面図の自動図化 も考 えられる 静的

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Hitoshi Watallabc Lb.,MastrAfs TLsis 1997


PhySiCal pattcm

■ 都 市 イ メ ー ジ分 析 :urban inlagc analysis

ヽ  o 一

イ_

3

〇〇 一

01

04 ★ 2… 配 量 の ダ イ ア グ ラ ム

05 01.K.リ

ンチ都市のイメー ジ。人 々が最 も印象に残 る都市形態の要素 をモニ ター法によって集計・分析 し、彼の提唱する 5つ の エ レメン ト(Path,Edgc,Node,District,Landmark)に よってイメー ジ図が出来 ることを示 した イメージ 都市記述 静的

02.

ボス トン近郊のケ ンプ リッジボー ドの住民が、彼等 の夢想す る理想社会 を描 いていている イメージ的 静的

03.主 要焦点 の描写にもとづいて分析されたマサチ ューセ ッッ州 ブル ックラインの構造 主 要部把握

静的

関係的

非連続的

イメージ

04.ポ ー ラン ドの村 の子供の本拠地領分 は、明瞭な特徴 を持ち、安定 し、はっき りした境界 で囲まれている イメージ

05.記 憶 のダイアグラム イメージ 2‐

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ntosh watanabc Lab,N4astcrÅ fs Thesis 1997


・ ・ ・メンタルマ,フ ●

へ弱 ″デ

製闇 08

06 ★1・ ¨アポリジエによる●見の増目

◎ ◎ 09

06.

07

既存の及 び提案 されたラン ドマー ク、明示性、通路関門、焦点、視 覚地区を示すデ トロイ ト中心部の設計 視覚的 静 的 非連続的 非 イメー ジ

07.

アボ リジエに よる夢見地図 イメー ジ的

08.

ニュー ヨー ク市のメンタルマ ップ イメー ジ 地図化

09.

ミネアポ リスの一地区の空間分析 ―物理的対象 に加 えて主観的印象 を記録 して い る 物理的空間 静的 非関係的 連続的 主観的印象 イメージ的

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10

C

10.ロ サ ンゼルスの 5つ の地区の住民 に都市地域の地図を描 くように求めた際、それぞれの地区の住民が描 しヽた要素 の頻度比較。 これ らの要素の範囲 と頻度 (同 一の尺度で描 いてある)は 、地域 の知識 と利用 の比較 を示す ものであろう イメージ的 静的 非連続的 a.

アヴァロン

b.

ノース リッヂ

c.

ウェス トウッ ド

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ntoshi watanabe Lb.,MasterAfs Thesis 1997


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含驚 彗 目

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d.

フェアフアツクス

e.

レハ イッ ポイフ

11.サ 都市機能

ヴァンナの重要な歴史建物 時間的 非 イメージ

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physical pattcm

■都 市視 覚 的分析 :uFban Sigh allalysis

1/

02

05 01.フ ィレンッェの街 で、周囲の丘 を垣 間見 ることがで きアル ノ川の空間を感 じることがで きる場所、地面の傾斜 に気 づ く場所 を 示 した地図。 ワイオミング州テ ィー トン国有林の<眺 望域 >― 主要 な眺望地点か ら見 える土地 を示す精密 な地図 視覚 的 関係的

02.パ リの中心部の基本空間構造 一大規模解放空間 と主要視覚空間 ―を示す図式 視覚 的 静的 主要部把 握

非時間的 非 イメー ジ

03.サ ンフランシス コの全景 眺望 を記録する連続写真の一部 と、そ こに見える主要な要素 を表示 し評価 した図式 視覚 的 連続的

エ レメ ン ト 非 イメージ

04.エ ルサ レムのヤー ファ門か ら見える物 を示 した地図 視覚的 静的 非関係 的

非イメー ジ

05.ブ ル ックラインの街 は、 さらに視覚的な類似地区に分類 されている 視覚的 静的 非連続 的

非 イメージ 2-9

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07

06.

06

09

ボス トン中心部におけ る写真格子 の配置 と 28区 の写真 視覚 的 静的 非連続的 非 イメージ

07.

明視性 の抽象 的な合成図式 ―エルサ レムの主要なスカイライン要素 を見ることがで きる区域 視覚的 静的 関係的 非 イメージ

08. 視覚的

09. 視覚的

マ ーサズ ヴァンヤー ド島は 8つ の景観類型 に分類 された 景観 静的 非 イメー ジ ロン ドン地域 を流れるテームズ川の大がか りな視覚環境評価の一 部 関係的 イメージ

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12

:"摯

貫ら ″

10.類

11

し た ‐こ ・ ・ ・

13

型別に分類 されたマーサズ ヴァンヤー ド島の道路景観 と類型の一例。好 みの道路 を示 した地図か らは、道路類型の 嗜好が 一致 していることが読み とれる 視覚 的 移動 動的 非 イメージ

11. 都市 を見える区域 と見 えない区域 に い分類するの も、明視性 を記述する一方法である。エルサ レム 中心の卓越 したス カイラ インを持つ地区、主要な眺望地点か ら見 えない地域、最 もよく見 える開けた空 間をそれぞれ示 した図 視覚的 静的 非連続的 12.

「 ラス ヴェガスか ら学ぶ こと」ス トリップ沿 いのホテルの分類 視覚 的 分類

13. 視覚的

都市 を記号の観点か ら分漱 した代 表的なもの

ワシン トン州の州道の景色の質 を判 定す るのに用い られる判断基準 を例示 した合成景観図 静的 イメー ジ的

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・や

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n腱 に‐

秘 魔口

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16

・ ‐ 2し た, 翌 覇 出 犠 高 庁 … … 曝・・・ “ t●

14.ワ

15

イオミング州テ イー トン国有林 の<眺 望域 >― 主要 な眺望地点か ら見 える土地 を示す精密な地 図。森林管理官 は、これを 使 って、提案 されてい る伐採の視覚的影響 を判断する ことが出来 る 視覚 的 静的

15.都 市 を見える区域 と見 えない 区域 にい分類 す るの も、明視性 を記述す る一方法である。エルサ レム 中心の卓越 したス カイラ インを持つ地区、主要な眺望地点か ら見 えない地域、最 もよく見 える開けた空 間 をそれぞれ示 した図 視覚 的 静的 非連続的 16.提

案 された交通路線 を、その左右 に見える主要 な眺望の予想図を使 って分析 してい る 移動 動的 断片的 時間的 イメ ー ジ

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18 17

17.

公共の場所か ら頻繁に見 える屋根 と海岸線の位置 を示 したマーサズ ヴァンヤー ド島の地図 視覚 的 静的 非関係的 非 イメージジ

18。 移動

ボス トンのノースイース ト高速道路沿 いの空間感覚 と運動感覚 を示す図式 運動 連続的 一方向的 非 イメー ジ

2-13

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab..Master's「 Fhcsis 1997


physical pattem

■都市聴覚的分析 :urh audibry analySs

1. 教会 の鐘の音の到 達時間 聴覚的 時間的 連続的

2-14

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitebi Watanabe Lb.,ヽ 儘 雌 麹 s TLsis 1997


physical pattem

■都 市触 覚 的分析 :urban touch analyds

01.プ ラーユ点字 で描かれた盲 人用の地図。障害物や道の曲が り具合、舗装面の感触など歩行するために重要 な手がか りも示さ れてい る 触覚的 移動

2‐

15

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年 度修士論文

HitosI Watambe Lb.… 麺 s

Thesis 1997


acuvity pttem

■都 市運動分析 :urban movement analysis

DIRECT10NAL SPACE SPACE SCALE

mED

SYMDOL

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… … …

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SPACE・ SCALE・ SPEED・ SVMBOL

03

“ ′― 里」 ・ 色島

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轟 暮ロ ー レ

_

04

05

01. Lカ 都市内交通

02.

ー ンのフ ィラデルフィア・ リビングシ ティ、交通料 と車庫 をあ らわすスケ ッチ 関係的 連続的

メルボル ンの街路 における移動活動の図式表示。写真 はこの流れの一例 を記録 して いる 流動 運動 イメ ージ

移動

03.「 ラスベ ガスか ら学ぶ こと」直進性 のある空 間の比較 東洋のバザ ールや中世の街路 などと、 ラズ ヴェガスの幾つかの場所 とを速度 とス ケ ールにお いて比較 してい る 速度 関係的 比較 サ イン 非 イメージ

04.ニ コ レッ ト・ モール におけ る行動の譜面 Lハ ルプ リン 行動

動的

05.運 動の表記 連続的

関係的 動的

Lハ ルプ リン 2‐

16

早稲 田大学渡辺仁史研究室 l■ tosh

1997年

度修士論文

Wat,n,be Lab,MasterAfs Thcsis 1997


` L才・ マ 彦 1630● │´

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08

06

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07

ι …

09

シールは継起 につ れて体験 される運動、持続 時間、空間形態 を示す一層精密な表記法 時間的 非空間的 連続的 非 イメー ジジ

06。

07. 動的

歩行者通行量 の分布。賑 わいの状況が把握で きる 関係的

08. パ リ 16区 の女学生の 1年 間の行動記録 動的 行動 連続 的 09. 視覚的

プル ックラインの街の視覚機会 ―公共政策の活動分野 イメージ的 連続的

2‐

17

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitosh Watatlabc Lb,ヽ 像strAfs Thesis 1997


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10

10衝 鶴 ネ ットワ ー クと固有 ベ ク トル(銀 饉

)

12

10. 移動 11。

運動

12. 移動

ボス トンのノース イース ト高速道路沿 いの空間感覚 と運動感覚 を示す図式 運動 連続的 一 方向的 非 イメージ 人のエネルギー 流動 連続的 非 イメージ 街路 ネッ トワー ク と固有ベ ク トル。ネッ トワー クに適用 した例で固有 ベ ク トルの値 によって、主要 な経路が抽 出 される 街路 動

2-18

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

ntoshi uratanabe Lb,MasterAfs Thesis 1997


13. 非等方的なポテ ンシ ャル図。住居や都市施設の影響が近傍 か ら遠 ざかるにつ れて減少す ると仮定す る と、場のポテ ンシ ャル と 等高線で表示で きる ポテンシャル 関係的 連続的 非 イメ ージ 14.

人口移動 を示す図 動 的 連続的

2-19

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年 度修士論文

Hitoshl Watanabe Lab,MsteFAfs Thesis 1997


κdvity pattem ■都市 関係分 析 :urban rclalon analysis ′…壼籠づ壼あいとロロ

● ‐,,ぃ ―t口 ,月 レル●夕,イ ン●臼中ヽ ●う0中 国出ヽ ,た ●澪●●●Eと ●●●●

01

‐ ■日日L● _

6:目 的要素 を中心とした 2次 ■崚

1:日 曲日の●

リッジ

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内ll円の中心 の●● と して も定薔 される “

04

01.マ サチ ューセ ッツ州 ブル ックラインの住民が、自分の地区社会、また都市の他地区 との 関係の どの部分 を歪 曲 し無視 しが ち であるか、その状態 を図示 してい る 関係的 イメー ジ的 連続的 02.面 的要素 を中心 とした 2次 圏域 静的

関係 的 領域

03.サ ンフランシス コの 3つ の地 区の住人が、 自分 の住 んでい る街区について語 り、 自分の本拠地 を地図に描 いている 関係的

イメー ジ的

04.面 的要素 を中心 とした 2次 圏域 静的

関係 的 領域

2-20

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitosh Watanabe bb.,MasterAfs Thesis 1997


06

5:平 行曲線群とり

07

05

05。 「田園都市」 との関係 を示 して い る。これによ り、 「田園都市」もともとロン ドン郊外の衛星都市 として構想 されて い たこと が分かる 関係的 イメージ的 連続的

06. ブル ックラインの住民 に自分の住 んで い る近郊地区を地図に描 くことが求 め られた。彼等の描いた地域境界を正確 な地図に 落 とす と、街の視覚構造 と同時に社会構 造 の一 部 を知ることがで きる 境界 連続的 静的 イメー ジジ 平行 曲線群 とvOronOi図 。中心位置 と形態か ら境 界 を決定 し、領域化 す る 関係的

07。

2‐

21

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitosh Watallabe Lab.,MasterAfs Thesis 1997


凸 晒ldピ l2t t..t,

': ' . .rr-h

09

10 08.パ ター ンラング ージのネッ トヮーク 253に 及ぶ項 目を持つ様 々なパ タンが、お互 いに複 数の 関係 を持ちなが らネッ トヮー クを形成する このパ タ ンどうしの結 びつ きが ラ ングージを生み 出す 関係的 09.

一二戸の住宅がお互 いに関係 しなが ら徐 々に発展 して い く。環境の時間的推移がパ ター ンラング ージに し従ってなされてい くことを示 した もの 関係的 連続的 10。 A,Bが セ ミラチス、C,Dが ツリー ツリー型 に津原理の集合であるのに対 し、セ ミラチスは複数の集合が重 な り合 っている。近 代都市計画の構造 はツ リーであるが、本来、都市 の構造 はセ ミラチスなのだ とアレクザ ンダーは解 き明か した 関係的

2‐

22

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

ntOshi watanabe Lab.,MasterAfs Thcsis 1997


Жdvity pattem ■都市機 能分 析 :urban function analysis

∧1‐

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03

14:ア クセ ンピ リテ ィか らみた0市 餞颯

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14,

04 02

01.

アクセシビリテイーか らみた都市領域。デ ー タベースに独 自に調査 した結果 をオーバー レイ したも 静的 都市領域的

02,マ サチ ューセ ッツエ科大学の中央構内にお け る車椅子通行の障害物 を示す地図 機能 様相

動的

03.デ ザ イ ンの問題 を合理的かつ 数学的方法 で扱 う試 み 機能

関係的

イメージ的

04.都 市空間 を実体 として とらえ、人間の直接 的な 目によつてその再編 にアプローチす る 都市内機能

関係的

イメージ的

2-23

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitosi Watanabc Lb,MttterAfs Thesis 1997


06

8:広 嬌理 ■ 4所 のVOfonol囲

(東 京 23は )

07

05 05.ワ シ ン トン市民が繁華街の業務地区について語 っているもの 都市 内機能

イメージ的

06.小

学校 を母点 とした VOrOnd図 都市 内機能 関係的 境界 静的ジ

07.

広域避難場所 の VOrOnd図 都市空間 境界

2-24

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

ILt∝ hl Waめ nЯ bc Lb,MastcrAfs Thesis 1997


activity pattcrn

■都 市時 間分 析 :urban timc an」 ysis

=留

題鋼

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03

02

01.ボ ス トン中心部における利用の循環 一連続的、夜 間の空 白 (撤 退 )、 夜間に顕著な活気 (進 入)、 昼間活動 か ら夜間活動へ の 推移 (置 換 ) 時間的 連続的 移動 ・運動 関係的 非 イメージ 02.冬

季 のシア トル における午前 と午後 の 日影地図 時間的 気象 的

03. 気候

ロン ドン地域 における気候要素の変動状態。上 図の等 高線 は、冬のの有無発生頻度、下 図のそれは年 間降水量 時間的 静的 非 イメ ージ

2‐

25

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

IIitoshI Watanabe Lb.,Mastertts Thesis 1997


r€Gs||t I i:E

b.lF t6aaF hatF hrlF

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04

シア トルの<時 間封域 >。 都市 の各部分 の知覚認知 は、 一 日の時間の経過につれて変動する 時間的 機能 静的 非 イメージ

04。

2‐

26

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

IIIitosh Wammbc bb,Mastcttfs Thcsis 1997


activity pattem

■都 市音響景観分析 :urban hearing analyds

● 0 ● 〇〇

01.

ボス トン中心部における音響景観 の評価

聴覚的

2‐

27

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年 度修士論文

Hitoshi Watanabe Lb.,Nfastertts Theds 1997


■ 2-3.都 市空間記述事例 の分類 に関する考察

以上の ように、事例 を表示、分類 してみる と、フィジカルパ ターンは、都 市 の構成要素や形態的な側面が理解で き る一方、そこでの人間的な活動内容 などはあ まりの理解 を得 ることは出来ず、設計段階に有効 な情報が得 られるもの は少 ない。それ らは、都市配置 の問題、都市全体 としてのイメージ、また単 に都 市内 における見 え方や聞 こえ方 といっ た もので あ り、観察者 の都市か らの一方的な判断か らの記述 に過 ぎないからであろう。一方、アクティビテイーパ ター ンの解析 からは都市 内 の運動、時間軸 を伴 つた移動 など活動的なものが理解で き、都市空間内の連続性や周囲 との関 係性 などが読み とれる。それ らは、比較的設計 に対 して有効 と思えるが、ダイアグラム的要素が強すぎるものが多 く、 それが どの ような都市 の構造 の上 に成立 して いるのか、その理解は乏 しい。そ こで、現代 の多様化、複雑化 した都市 を考 える場合、都市 における連続性、関係性 、方向性 とい うのが その理解 を深めるためには非常 に有効 であ り、 フイ ジカル的分析要素 を持 ったアクティ ビティーパ ターンに よる空 間記述が重要 な意味を持 つて くる。

2‐

28

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


scribing Urban Space with Transf-er Speed 都市 の 移動速度 における空 間 記述

Chopte §03

移動速度


■ 3-1.空 間の地図から時間の地図へ

前章における「現代 の多様化、複雑化 した都市を考える場合、都市における連続性、関係性、方向性 とい うのがそ の理解 を深めるためには非常に有効であ り、フイジカル的分析要素を持 ったアクティビティーパ ターンによる空間記 述が重要な意味を持 って くる」 とい う考察 を踏まえ新たな記述を提案する。具体的には、フィジカル的な要素は、な るべ く明確、かつ詳細に都市を理解す るために住宅地図を用 い、また、アクティビティーパ ターンの主要なテーマを、 都市内における人間の移動、特 に現代社会 における移動速度の高速化 とした。 普通の地図から正確 な時間を知るためにはかなりの慣れが必要である。所用時間、到達時間を、時間距離に変換 し、

2次 元 とい う限られた表現の中に地図化 しようとい うものである。人々は、一般の地図からもある程度の時間地図を 頭に描 くことが出来る。例えば、この国道 を通 り、そこで高速道路に使い 目的地までお よそ何分、といつた具合に、地 形や道路状況を判断 し空間の特性を読み とつて、地図の中の空間の広が りを読み とろ うと試みる。 ここに提案 される記述法は、 「時間軸」 を中心に地図化 を試み、 「空間地図」がどの様 に変換 されるかを示 しそうし た、都市内における移動速度の高速化が、 もたらす空間格子 の歪みを視覚化するものである。

3‐

1

早稲 田大学清初仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watatlabe Lab.,Master's Thesis 1997


■ 3-2.速 度 ,1表 記法

法定 (平 均 )速 度 を基準 として 、それぞれ異 なった速度の道路 に関 して、その分類 と具体的な表記法 を示 した もの が次 ベー ジの図である。それぞれ図 3-1の 歩行者道路 (時 速 20h)を 基準 として 、図 3-2の 低速度道路 (時 速

30h)、 図 3-3の 中低速度道路

(時 速 4 0km)、

図 3-4の 中高速度道路 (時 速 5 0km)、 図 3-5の 高速度道路 (時

速 8 0km)に 関 して、左図は、O― A間 の等時間線 地図で、右図は、0-A間 の時間地図をそれぞれ示 した ものであ る。例えば、図 3-2-1で 示す道路 は、平均時速 3 0kmで あ り、これは歩行者道路の時速 20hに 対 して 1.5倍 の倍 速移動が可能なため、等時間線 は 0か ら左 に 1.5倍 伸 びた形にな っている。また、図 3-2-2は 、空間軸 を時間軸に 変換 した もので、ここでは、基準速度 の 1.5倍 速 の移動速度 を持 つ この道路は、0の 方向に 3分 の 2の 長 さに縮んだ図 になっている。同様 の作業 を、図 3-3、 図 3-4、 図 3-5に も行 なった。 これ らの図は、それぞれの速度別の表記法 を明 らかにす るために、0-A間 の道路 の移動に関 してのみ表現 された もので もので、0-A問 以外の周囲の建物は無視 して いて、通 り抜 け可能な全 て平面 と仮定 して い る。

3‐

2

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


歩行者 道路 にお ける等時 附∫ 線図

図 3-1-2

歩 行 者道路 にお け る時 ]地 図

図 3-2

低 速 度道路 にお け る時 間地 図

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図 3

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図 3-3-1

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中低 速度道路 にお け る等 時 間線 図

図 3-3-2

中低 速度 道路 にお け る時 間地 図 51稲 田大学渡辺11史研 究室

1997年

度修 士論文

IlitOshiヽ Vatanabe Lab .ヽ 11ls(cr's Tllcsis 1 997


図 3-4-1

図 3-5-1

中高速度道路 における等時間線図

高速度道路 にお け る等時間線図

3‐

4

図 3-4-2

中高速度道路における時間地図

図 3-5-2

高速度 道路 にお け る時 間地 図

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab_,Master's Thesis 1997


■ 3-3.地 域別速度認識による時間地図

ここでは右図に示す ように、先ほどの速度別表記法を基本 に、飯田橋・神楽坂 のそれぞれ特徴のある異なる 4地 点 ついて速度認識の時間地図を描 き、その比較を行 う。 図 3-6の 点 Aの 地点は、東京、新宿、池袋、お茶 の水、大久保 といった東京の主要な都市 とを結ぶ 5本 の道路、高 速道路、JR中 央線、また、地下鉄が 3線 交差 している集東点 (nord)で ある。ここに示 された時間地図のゆがみは、こ の地点の速度認識 を表すのと同時に、周辺 のエ リアからのこの地点に対する方向性や集結点としての都市の形態的要 素 を明確 に示 している。 図 3-7の 点 Bの 地点は、点 Aか ら、 200mほ ど南に下が つた点である。この地点は、堀、線路 と平行 している 平均時速 5 0kmの 道路上で、非常に南北に対する方向性が強 くなっていることが分かる。また、 このエ リアは、東西 を深 く分断する強いエッデになっていることが、この図から読み とれる。 図 3-8の 点 cは 、点 Bの

100m西 の地点で、ちょうど神楽坂商店街の中間地点に位置する。ここは、時速 30

kmで 、東から西に向か う、一歩通行 のの道路上である。この時間地図は、 この地点の南側の狭 い路地の入 り組 んだ住

宅地 よりも、図 6に 示 した飯田橋の駅付近の方が、相対的に近 くに描かれ るとい う、最 も有効な効果を得 られた図で ある。 図 3-9の 点 Dは 、点 cの 北 50mの 地点で、平均速度 2 0kmの 歩行者用道路上の静かな住宅街の中にある。 図 3-10の 点 Eは 、点 Aの 東 200mの 地点で、折れ曲がつた、平均時速 50hの 道路上である。角度を持って 交 わ り合 っているこの道路 は、都市の淀み の空間構成を示 している。

3-5

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


3‐

6

図 3-6

点 Aに 関する時間地図

図 3-7

点 Bに 関する時間地図

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab.,Master's Thcsis 1997


3-7

図 3-8

点 Cに 関する時間地図

図 3-9

点 Dに 関する時間地図

早稲 田大学 渡辺仁 史研 究室 HitOshiヽ Vatanabc

1997年

度修 七論文

Lab .Mastcr's Thesis 1997


図 3-10

3‐

8

点 Eに 関する時間地図

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


3-3・

時間地図の地域別特性 に関する考察

―速度 によるゆがみ度の検証 お よび数値記述 ―

ここでは、Aか らEま でのエ リアについての 、時間地図によって描かれた歪みか ら、そのエ リアに関 しての都市空間 の構成 を読み と り、都市空間 に関 してのパ ター ン化、ゆがみ度の検証、数値記述 を行 い、その考察 を行 う。次に示す のは、そ の操作手llEと 解読方法である。

1).拡 大図作成及 びゆがみの図 のグレースケール表示

(図

3-11)

本章 3-2に おいて、 時間地図を作成 した A∼ Eま でのそれぞれの点に関 して、 半径 400mの スケールの 円形 グラデ ー ションを描 く。つ ま り、黒

256階 調のグレー

(256)の 部分が Om地 点 で、白 (0)の 部分が 400mを 示

してい るわけである。 さらに、それぞれの 256階 調 の グ レース ケ ールの 円形 グラデーシ ョン図に関 して、ゆがみの 変化 を行 う。そ して、ゆがみの拡大図お よびゆがみの 円形 グラデ ーシ ョン図を中心から一片 400mの 正方形 とで切 り取 る。

2).速 度別表記におけ るグレースケ ール表示

(図

3-12)

本章 3-1に お いて描 いた速度別表記それぞれに関 して、地図内にお ける 400mの 長 さを 256階 調 の グ レース ケ ールで表示す る。 さらに、その階調 を数値 で表示す る。

3-11

3 :0 19 27 42 49 57 65 73 8: 89104111 l19!27136143151 166173180:89,96204211220235243249

図 3‐

9

3-12

早稲 田大学 渡辺仁 史研 究室

1997年

度修 士論 文

Hitoshi Watanabe Lab ,Master's Thesis 1997


03.ゆ が み 図 の数値 変換 400m× 400mに

(図

3-13)

切 り取 られた 256階 調 グ レース ケ ー ルの 円形 グラデ ー シ ヨンに関 して、 10mご とに 区切 つ

り、そ の 階調 を数値 にて表示 す る。

04.ゆ がみ図の 3次 元モデルの作成

(図

3-14)

(03)に より数値化 されたゆがみの図を、 3次 元モデルにて表示する。

1041,1 1'9127136:43151 16617318018,:96204211223235243249

17■ 32225220213207201

1'4107182175,70162156150144137132

■ヽ4229223217211205199193:87100174169162156150143137,30 ■29225219214209203198:9,

185180173,67161 ,54,4814213612,

■2322021621120620019518,182177171

,65,59152147140:34129

'18215211207202197:92:86180175:69164:57151 145139133127 1122092062● 2198192188183177172:66:61 155:49143:37131 125 ■●6203200197193189184:7,174169163:5815:

146141 134129123

■00190195192100104100:75170165159155,49144138,32126120

1,419218,187:83100:75170166!61 156151 146140135129:23118 187185183181 :77173:70:66161 :57151 147142136132126120:15 102180178175172169165162:56152148144138133129123,18:12 1■

5173:7216,16,163,6015615: 148:44139134:2,124::91:3108

9167166164161 158155:5: 147143139:35130125121 115110106 1`2161 160150:55152149145142:39134:30:26120117111 106102 1■

156155,53152149,47:44i4013613312,:25121 :16112:07102 ,8 150148,48146143140:38:35132128124120116112107103 98 94 144142141 140138135i3812,126123120::6:11 107103 ,8 93 8, 137136:3513413: ,29:27:241201:7114:'0:06103 98 94 89 85 131 130,29128125123121 :181161:2109:05102 98 93 90 05 8:

3‐

10

3-13

早稲田大学渡辺仁 史研 究室

1997年

度修 士論文

Hitoshi Watanabe Lab ,Master's Thesis 1997


点 A付 近拡 大 図

左図は、5方 向か らの歪みが集中 し、 非常 にその密度が高 い。 この ように表 現 された図か らは、多 くの速度が集中 し、都市 の集束度 の高 さを読み とれる。

3-15-1

01.歩

行者 道路 にお け るゆがみ 度 の グ レース ケ ー ル

表示 お よび数値 記述

02.低 速度 道路 にお け るゆが み度の グ レース ケ ール

表示 お よび数値 記述

│‐

03.中 低 速 度 道路 にお け るゆがみ 度 の グ レース ケ ー ル表示 お よび数値記述

04.中 高速 度 道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル表示 お よび数値記述

05.高 速度道路 にお け るゆがみ 度 の グ レース ケ ー ル 表示 お よび数 値記述

図 3-15-3

図 3-15-4

速度 に よるゆが み度 の数値記 述 3-11

速度 に よるゆがみ 度 の 3次 元 モ デル

早稲 田大学渡辺仁史研 究室

1997年

度修士論文

HitOshiヽ Vatanabe Lab ,Master's Thesis 1997


点 B付 近拡 大 図 左 図 は 、 2方 向 に強 い歪 み を持 つ こ の 図 は 、 2つ の都 市 を高速 で 結 ぶ通過 点 であ る こ とが分 か る。

3-16-2

01.歩

行者 道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル

表 示 お よび数値 記 述

02.低 速度 道路 にお け るゆがみ 度 の グ レース ケ ール 表示 お よび数値 記述

03.中 低 速度 道路 にお け るゆが み度 の グ レー ス ケ ー ル 表示 お よび数値記述

04.中 高速 度 道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル 表示 お よび数値 記述

図 3-16-3

速度 に よるゆが み度 の数値 記述

05。 高速度 道路 にお け るゆがみ 度 の グ レー ス ケ ール 表 示 お よび数値 記述

図 3-16-4

速度 に よるゆが み度 の 3次 元 モ デ ル

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshiヽ Vatanabc Lab ,Mastcr's Thesis 1997


点 c付 近拡大図 左 図 は、1方 向か らの歪みが 表現 さ れて い るこの 図 は、一方通行 を表 して い る。南東か らの方向性が強 く、都市 の 集東点 とい う よ りは、通過点的要素が 強い地域の示 して いる。

3-

図 3-

01.歩

行者道路 にお け るゆが み度 の グレース ケ ール

表示 お よび数値記述

02.低 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル 表示 お よび数値記述

03.中 低 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル表示 お よび数値記 述

04.中 高速度道路 にお けるゆが み度 の グ レース ケ ー ル表示お よび数値記 述

05。 高速度道路 にお けるゆが み度 の グ レースケ ー ル 表示 お よび数値記述

図 3-17-3

図 3-17-4

速 度 に よるゆが み度 の数値 記述 3-13

速 度 に よるゆが み度 の 3次 元 モ デル

早稲 田大学渡辺仁 史研 究室

1997年

度修 士論文

HitOshiヽVatanabe Lab ,Master's Thesis 1997


点 D付 近拡 大 図

左 図は、この地点の周囲には、歪みは 見 られず、都市 に置いての集東度 の低 さを示 している。

図 3-

3-18-2

01.歩

行者道路 にお け るゆがみ 度 の グ レース ケ ール

02.低 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー ル

・              曖

日 一■ 一

表示 お よび数値記述

表示 お よび数値 記述

03.中 低 速度道路 にお け るゆが み度の グ レース ケ ー

ル表示 お よび数値記 述

04.中 高速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー

ル表示 お よび数値記 述

05.高 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レースケ ー ル 表示 お よび数値記述

図 3-18-3

図 3-4

速度 に よるゆが み度 の数値 記 述 3-14

速度 に よるゆがみ 度 の 3次 元 モ デ ル 早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab ,Master's Thesis 1997


点 E付 近拡 大 図

左図は、2方 向の歪みが、異 なる方向 性 を持 って集中 して い る。この様 な図 か らは、都市 の淀み、見 え隠れの空間構 成が読み とれる。

図 3-19-1

3-1901

歩行者道路 にお けるゆがみ度のグレースケール

表示 お よび数値記述

02.低 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ール 表示 お よび数値記述

03.中 低 速度道路 にお け るゆがみ度 の グ レース ケ ー

日 一■

ル表示 お よび数 値記 述

04。 中高速度道路 にお け るゆが み度 の グ レース ケ ー

ル表示 お よび数値記述

05。 高 速度道路 にお け るゆが み度 の グ レー スケ ール 表示 お よび数値記述

図 3-19-3

図 3-

速度に よるゆがみ度 の数値記述 3‐

15

19-4

速 度 に よるゆが み度 の 3次 元 モデル

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab ,Master's Thesis 1997


■ 3-4.研 究結果

この研究の前項「 3-3・ 時間地図の地域別特性に関する考察」―速度によるゆがみ度の検証お よび数値記述 ―」で 示 したように、ゆがみの図お よびそのパ ターン分けにより、都市 にお ける人間の移動速度、またその速度か ら見た都 市構造 を明確に可視化することが出来た。

・ 図 3-15

多方向か らの強 い歪み ―都市 の集東度

・ 図 3-16

二方向を結 ぶ強 い歪み ―高速度 を持 つ通過点

・ 図 3-17

-方

向の弱 い歪み ―低速度 の一方通行

。図 3-18

歪み無 し一歩行者空間 ・路地空間

。図 3-19

角度 を持 った歪み―淀み の空 間

本記述法 は、前章 の「従来 までの都市空間記述の事例 による考察」 に よ り得 られた、フイジカルパ ター ン的要素 を取 り入れたアクテイ ビティーパ ター ンの記述 を目指 した。 まず、 フィジカル的要素 を失わないため、出来るだけ詳 細 かつ、ダイ レク トに都 市 の構図 を読み とることを重要視 し、住宅地図 を利用する ことにした。 また、都 市中のアク テイ ビテイー とい う側面 に対 しては、現代都市における人間の移動の高速化 によ り、都市空間の移動時間が短縮化 さ れ、空間軸 の歪み生 じて くる とい うことを主要なテーマ に した。 都市 の移動速度に よ りゆがみ図を描 くことは、そ こがその都市 にお い て どの ような速度道路 に面 し、都市 にお ける 集東度、連続性、方向性 を明確 に表現する ことが 出来た。 ここで、移動速度 の記述によって得 られた考察 についてまとめてみる。

01.移 動時間の短縮化 による都市の空間軸の歪みの視覚化 02.「 都市におけ る交通の結節度」都市 における連続性、方向性の把握

03.地 区別にゆがみの図を作成す ることによ り、移動速度 による都市 のパ ターン化 04.256階

調 の グ レースケ ール・ グラデーシ ヨンの収縮率 の強弱は、 Path(道 路)と してのイメー ジアビリ

テイーの強 さを表現 して いる。 05。 また、それ らの Pathの 収縮が どの方向か ら交わつてい るのかに よ り、都市 の構図を映 し出す。 :多 方向にか らの歪みの収縮 の度合 い は都 市 の Nord(集 東点 )と してのイメージア ビ リテイーの強弱。

:2方 向か らの歪みの集東度合 いは都市 の Edge(縁 )に おける分節 度示す。 3‐

16

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab..Master's「 rhesis 1997


:2方 向か らの角度 を持 ったずれ は、都市 の淀み空間を示す :歪 みな しを持たない空間は、分節的な境界 を持たない District(領

域 )を 示す。

06。 数値記述 は、都 市 にお け る移動速度の構図 をよ り具体的 に表現す ることが出来た。また、それにより、逆 に数 値 を変換 し設定することに よ り、新 たな都市 のパ ターンを想定 こと も可能 である。

07.ゆ がみ度 の 3次 元 モ デルは、 よ り明確 な視覚化表現であ り、その傾 きの接線 は速度 を示 してい る。 08.都 市空間の解析 か ら設計・計画段階へ の活用へ :空 間周辺 の移動速度 の方向性 の理解 による、開回の方向性の決定。 :複 合施設や集合住宅 などの計画 の際に、周辺地域 との 関係性が把握で き、その配置 の決定や、セミプライベー

トスペースの動線計画 の構想。

:外 壁、 ガラスウ ォー ルの傾 きや角度を周辺速度に対 して変化 を持たせ る。

3-17

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab..Master's Thesis 1997


scribing Urban Spacc wi■ Transibr Spccd 都市 の 移動 速度 における空 間記 述


■ 4-1.設 計活動 へ の ア プ ロー チ

この研 究 に よつて示 された速度認識 に よる都市 の表記法 で 示 された ゆがみが 、ダイ レ ク トに建 築 の フ ォル ム を決 定す る 手段 には成 り難 い 。 しか し、具体 的 に設 計 の コ ンセ プ ト、 プ ロ グラム を組 む際の都 市空 間 の理 解 にお い て、ここに Visual 化 した速度記述法 は有効 な手段 となる 。

次 に示 した作 品 は 、都市 の移動速 度 に よ り描 かれた ゆがみ の 図 に よ り、都 市 の集 中度 を理解 し、そ の設計 の コ ンセ プ ト の一 つ と して含 ませ 、自分 が設計 を行 った ものであ る。 この 作 品 は、飯 田橋 の駅 を設 計 した もの で 、右 図 の A地 点 に面 し た場 所 にあ る。 この地 点 は、 K.リ ンチ の提 唱す る 5つ の エ レメ ン ト(Path,Edge,Node,District,Landmark)で 東京 に関 し てそ の イメ ー ジ 図 を作成 す るな らば、飯 田橋 は非常 に多 くの

エ レメン トが集中 している地域であるに も関わらず、実際は 非常 に雑然 とした雰囲気 であ り、イメー ジア ビリテイーは低

図 4-l

A付

近 ゆがみ図お よび配置図

い。そ こで、本研究によって得 られたゆがみの図か ら、その 敷 地に対 す る移動速度 の方向性や集中度 を理解 す る。 そ して、 それぞれの 5方 向からの移動速度の集中に対 し、そのゆがみ 図に描かれたゆがみ度 に対応 させ るように、屋根面 を緩やか なカ ー ブを持たせた。 この屋根面 は、 5方 向か らのアイス トップとな り、水平方向の ラ ン ドマー ク的要素 を生み出す。 それに よ りこの駅は、都市の集東点 としての機能 を果た し、 この付近 のイメー ジアビリテイーは向上するであろう。

機能 は、 」Rの 駅 のほか、シ ョップ、ホール、 ミュージア ム、メデイアライブラリーで構成 される。それ らを取 り囲 む ガラスウ オールは、反射、透過により、何が映るか、何力゛ 見

4‐

1

図 4-2 早稲田大学渡辺仁史研究室

コ ンセ プ トモ デ ル

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab ,Master' s Thesis 1997


えるかが コン トロール され、様 々 な速度 を持 った視点 (駅 を 通過する人 の視点、各駅列車 に乗 った人の視点、前面道路 を 「見 る」、 通行する人、吹 き抜 けを歩 く人など)に 対 して、 「見 られるJに イ ンタラクテイブな見 えない関係性 を生み出さる。 また、屋根面の描 く3次 元局面は、都市のノー ドとなるこ の駅 に、東西 を遮 るエ ッデ的要素 を無 くし、時間の変化 とと もに多様 なスカイライ ンを描 く。同時に、この付近 の周辺建 物 の高層化 によ り、垂直方向のラ ン ドマー クの都市 の変曲点 は見 られず、様 々な方向か らの奥、すなわち水平方向のラン ドマー ク となる。つ まり、コンピュー タによって描かれたこ の屋根面は、都市 の諸要素 との関係性 を成立 させ る数学的集 合体 と も言える。

:建 築

「歩 く」 「座 るJ「 踊るJ 「見るJ「 覗 く」 身体的行動、例 えば、

図 4-3

外 観 パ ース 01

「歌 うJ、 などの行動 を建築内で起 した とき、そ の建築 はそれ に対 し、単に、見 えるようになる、通れるなるなどの物理的 「記憶」 「緊 「予感」 変容 をともなうだけでな く、 「期待 J「 興奮」 張Jな どを人 にさせ るような、人間か ら建築へ の一方通行 の 関係性で はな く、相互に作用 し合 う ような建築 をここでは求 める。それは、 3次 元的空間である建 築が人間 と建築 の相関 関係 のなかで、4次 元的空間を得た とい うことか もしれない。

:CGを 用 いた設計活動 と都市 ミュー レー トの 関係 における 今後 の可能性

また、建築 を設計するには、空間のイメージをスケ ッチで 描 いてみた り、プランとセ クシ ョンか ら検討 した り、また、模 型によってヴォリューム把握 した りと様 々なアプ ローチが考

4‐

2

図 4-4

内観 パース 01.02

早稲田大学渡辺仁史研究室 1997年 度修士論文 ILtosh Watanabe T・ ■.,Master' s Thesis 1997


えらるが、設計 のスタデイー段階か ら 3次 元 CADを 用 い ることは、シー クエンスの検討、内部空間のマ ッス とヴォ イ ド、 コンピュー タでなければ描 き出せない ような屋根面の 3次 元局面の形成など、 3次 元 の建築に関 して ダイレク トな設計が可 能 となる点で非常に有効 な手段である。 また、膨大 な情報量 を持つ都市 に対 して設計 を行 う場合 、 コン ピュー タを用 い ることにより、ある要素 にバ ラメ ー タを設置 した り、時間的要素 を組み込んで見た りとその利用価値 は大 きい と考 えられる。

:ま とめ

1)都 市空間 シミュレー トを利用 した建築設計 一建築設計 にお け るゆがみ図の利用 ― 『都市』に関す る研究が実際の設計にいか されてい ない現状 からこの計画は始 ま り、卒論 にて、 K.リ ンチの都 現在、 市 のイメージに関 して、CGに より都市 の現代的考察 を行 った。さらに、本研究 は、飯 田橋 ,神 楽坂地区における移動 速度によるゆがみの図を作成 し、都市空間の理解 のための新たな記述 として成 された。 これ らの研究によ り、現代 日 『水 『都市 の多次元的 ノー ド』、 『時間軸 の変化 に伴 う都市 のエ ッデ』、 本 の都市 の新たな指標 として『都市 の速度認識』、 平方向の奥』の提案にいた り、それ らの指標 と関係性 をもたせ られるような都市的 レベ ルか らの建 築設計 を目指 した。 そうした、多要素的な視点から設計 にアプローチ す る際、CGは シミュレー トの大変有効 なツールとして成 り立 つ。

2)CG利 用 による内部空間におけるガラスウオールの反射、透過 のシミュレー ト 内部 を包むガラスウォールは、上部へ の方向性が求 め られる場所ではヴォイ ドを作 りだ し、それ以外の場所ではエ ッ デ となる。この ような、あ る種 のパ ラメー タをもった、形状 を導 き出す手段 として CGを 用 いた。同時に、そのガラス 面 の透過 と反射 の検討 も行 われた。

3)屋 根面の 3次 元曲面の生成における CG利 用 都市 の所要素 との 関係性 を成立 させ る数学 的集合体であ るこの屋根面 は、緩やかな曲面 を描 き、その曲面はcGに よつ てのみ導かれる曲面である。

4‐

3

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

EEtosh Watanabe r aA.,Master' s Thesis 1997


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図 4-5

図 4-6

内観 パ ース 03

図 4-7

外 観パ ース

4-4

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

立面図

度修 士論文

Hltosi Watanabe Lab.,Master' s Thesis 1997


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Levels+13.00 Plan 1/1200

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19,7年

卜Iastcr.

度1,士 論 t

s Thcsis 1997


scribing Urban Spacc with Transfcr Spccd 都市 の 移動 速度 における空 間記述


■ 5-1.時 間の 中の都市、時間の 中の建築 ―コンペ作 品を通 じて 一

「都市の移動速度における空間記述Jで ある本研究 を進めるにあた り、次に示す コンペ作品の数 々は、その考えの方 向性 を決定づ けるのに大 きな役割 を果た した。それ らの作 品は一連のテーマ を共有 してお り、建築 と都市力れヽ かに密 接な関係性 を持ち、またその関係性がある一方向に留 まらず、ある時間を通 して絶 えず呼応 し合 う ような相互作用 の 関係性が成立 させ られるかとい う点である。その様 な考察 から、都 市 の 中の関係性、都市 の 中の時間 とは如何 なるも であるかについて考 えを深め、都市内の移動 と速度 とい うテーマ に絞 り本研究 を行 つた。

5-1

早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watanabe Lab ,Master's Thcsis 1997


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早稲 田大学渡辺仁史研究室

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1997年

度修士論文

nt∝ h wamabc■ ab,MastcrAお Thcsis 1997


都市 内非都市

現代 の都市にお いて、残 された隙間 とは移動時間のみである。その時間 こそが都市の起爆剤 にな りうるのではないか。 既 に、都 市 に存在す るネ ッ トワー クの 中 で、最 も大量 に効 率良 く機能 してい るものは電車 である。

そ こで都市 の機能 の一部 を電車に移植 し、その電車が都市内を循環する ことによって、都市の並 べ変え、組換 えを行 い、都市 の新陳代謝 を行 う。列車 はカフェ、商店街、公園、オ フイスの 4つ の機能 か らなる。

列車 と都市 の機能が一致 した とき、巨大 な一つの施設 とな り、また不一致 の とき、都市は断絶 された り、多様 な混沌 とした街 を形成 した りす る。列車 は移 動 中は都市か ら孤立 した非 日常的 な複合施設 として機能 し、停 車中は都市 と接 触 し、都市 に連続性 を与 えた り、分断 させた りし、都市 に常 に刺激 を与 え続 ける。

5-3

早稲 田大学渡辺仁史研究室

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1997年

度修士論文

Lb.,MasterAfs Thesis 1997


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5-4

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

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度修士論文

fs Thcsis 1997


川鉄 コンペ '97

1枚 の鉄が構成す る、自由なスラブ、自由な壁、 自由なス ロープ 鉄に よる豊かな素材感、それ は、光沢、歪 み、鈍 い反射、変化す るモワレ現象 人 々の活動、住宅 で起 こる様 々な現象 を示唆 し、誘発する 軽量形鋼 により実現 される

5‐

5

早稲 田大学渡辺仁史研究室

ntoshヽミ

1997年

度修士論文

nabc Lab,ル LstcrÅ fs Thcsis 1997


5-6

早稲 田大学渡辺仁 史研 究室 HitOshiヽ Vatanabc

1997年

度修 士論文

Lab ,Mastcr's Thcsis 1997


プロセスシティー

東京 の中でもある種の特異 な地域である大久保は、 20数 力国以上 の国からで稼ぎ人が移住 している場所であ り、つ ねに居住者が入れ替 わるため、地域 としての連帯感が保ちにくい場所である。そうした地域所有の意識の欠如が、街 に対 す る責任感を無 くし、街を無法地帯化 させてい る。そこで、本計画では、めまぐるしく変わるその状況下に置い て「変わらない場所 (unchanging space)Jを 提供することにより、この地域 を取 り巻 く多様 な変化を可視化 し、人々が 自由に使用する過程の中で、自分の場所

下のモデルは、 X―

(街 )と

い う所有意識を取 り戻すための提案 である。

X'上 における「unchanging

space(Xl―

X2)Jの それぞれの国の人々による使用頻度を示す

ものである。例えば、赤 の色を示す住人が このスペースを横切るあるポイ ン トとポイ ン トを結ぶ場所 に住み着 いた場 合、Xl― l―

X2の 間は赤で結ばれこの空間はPathと

なる。また、その空間を囲うようにある国の人々が住み着けば、X

X2の 間で赤の分布が膨 らみ、溜 まりの空間が出現 し広場的な領域 となる。

つ ま り、この spaccは 多様な人種 により、共有 し、交流 し、記憶 され、繰 り返 され、そうした 5年 もしくは 10年 とい うプロセスの中で、大久保の人々の間に自分の場所 とい う共通の認識が生 まれ、街は、一つの秩序を取 り戻す。その 様な理由により我 々はここ大久保に会えて、変 わらない空間を提案する。

5‐

7

早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修 士論文

Hitoshi Watanabe Lab ,Mastcr's Thesis 1997


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Kowotetsu Design Competi.tion '96 (steel ond orchitecture)

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1997年

度修 ヒ論文

「at,■ lal)c Lal)Nl′ lsl er's Tll(:sis 1997 Hitoshiヽ ヽ


川鉄デザインコンペ'

96

ここに提案 されるのは、演劇、アー ト、上映、イ ンスタレーション、ファッシ ョンショーなどを行 うためのスペー スです。その敷 き詰められた鉄は、初めは冷たい表情をもっていますが、やがて人々が集ま り、活動 し、走 つた り、座 っ た りすることで、ある部分 に傷を残 した り、錆 びた り、そ して、平面だった鉄 の地面は緩やかなカープを描 き始める。 つ ま り、演劇 をみる多 くの人々の 自重で、自然 の舞台が構成 された り、また、アー トを楽 しむ人々の列は自然 の通 路を刻み、それを行うにふ さわしい形態へ と変容する。 それは、人々の「歩 く、走る、座る」などの行為が、 1度 「鉄」 という素材に伝えられ、再びそれを使用する人々 に「舞台、通路」 などとい う形態 として現われるというような、一連の循環 をもっている。 「記憶」であ ります。別の考え方をすると、それ それが、表現するのはそ こで行 われたさまざまな「痕跡」であ り、 自体が「時間」 と「多数の人々Jが作 り出す巨大 なアー トとい える。

5‐

9

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


performance

、 一 一 コ 早稲 田大学 渡辺仁 史研 究室 HitOshiヽ Vatanabe

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5-10

1997年

度修士論文

Lab ,Master's Thesis 1997


物語 のある家

ここに提案 されるのは、あ る情報が一方向に消費 されるのではな く、繰 り返 し利用 される ようなリサ イクリング の 中で、 身体的な活動要素 を含 んだ建築が次 々 に

(つ

まりこの提案 では N通 り)生 み出されて い く。つ ま り、その建

築 には、メデイアのサイクルの中におかれた住人が、何かある活動 をお こし、そ して、その活動 を再び一 つの情報 と して排出 し、それが また別の人間に伝 わってい くとい う ように、一 連 の連続性 をもっている。 この ような人 の行動 ・活動 を誘発 す るフイルター となる建築 は、現代 の多様 なメデイア社会 に適合 した「物語のあ る家 」 となるのではないか ? そ こで、まず第一段階 として 、 この コンテナ型のユニ ッ ト住居 は、単 一で、混在す る都市 の中に配置 される。 それ らは、ユニ ッ ト化 されていることで、様 々 な要求に対 して、非常 に柔軟 に対応で きる。

各 々はネ ッ トワー クシ

ステムを有 し、それを利用 し他 のサ ー ヴァー と交信する ことによ り、ヴァーチ ャルな空間での コ ミュニケ ー シ ョンが 行 なわれ、この住み手は、膨大 な情報 の中をさまようことによ り、 自分 の住居 の可能性 を模索することがで きる。例 えば、 ここで表現 されてい る

typelで

は、ある一人のアーテイス トが、ネッ トワー クを廻 し、気の合 った別の

アーテイス トと巡 り会 い、そ こでア トリエ を開設 し、創作活動が開始 される。更にそ うした創作活動 は、再 びネッ ト ワー クを廻 し様 々な人 々に伝 えられ、 また他の活動 を誘発 す ると同時に、作品を展示す るギ ャラリー を増設 させる。 また、別のタイプでは、同じ趣味 を持 つ もの同士の集合住宅 となるか も知れない し、 オフィス件住居 とい う形式を 採 るか も知れない。 つ ま り、 この提案 における最 も重要 なプログラムは、 この家が、一方向 ではな く、双方向にや り取 りされ るメデイ アの交信 の中で、ここでい う、宙rtual、 nctwork、 communicationと いつた非物質的な要素 を通 じ、create、 performance、 display、

などの身体的で、具体的行動 を供なう家が ここで示す ように N通 り出現す るという物語 を持 っていることで

ある。

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11

早稲田大学n4_史 研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


scribing Urbtte Spacc with Tramsfcr Spccd 都市 の 移動 速度 におけ る空 間記述

C

ho

§06

pte 結論


■ 6-1.ま とめ

都市 の移動速度に よ り歪み図を描 くことに よ り、都市 の集束度、連続性、方向性 を判断することがで き、また、そ れをパ ターン化す ることは、現代 の都市 の形態 や機能を理解するに有効 な手段 となった と言 える。また、 ここで求め た歪みの集東度の数値化は、都市 の移動速度 に対 して逆のアプローチが可能 となった と言 えよう。 今 回の ように、CGを 用 いて視覚的に都市 をシ ミュレー トす ることは、今 までのデ ー タ、理論的解析 を的確 に把握す る手段 として 、大変有効 な手段 である。また今 回の研究 は、 2次 元の表現のみの終 わつたが、新たなアプ ローチ とし て として 3次 元表現 を利用 し、アイレベルや鳥政 などの視点 を変化 させた り、アニ メ ーシ ョン等を作成す ることで多角 的な検証が行 えるだろう。

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早稲田大学渡辺仁史研究室 Hitoshi Watanabe Lab。

1997年

度修士論文

,Master's Thesis 1997


6-2.使

用 ソフ ト

:Adobe Photoshop寝 30J

:SQUIZZ 2 02J :AdObe PageMaker 6 5J :NIH Image 1 61/ppc :Microsoft Exce1 5 0

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早稲 田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

HitOshi Watanabe Lab.,Master's Thesis 1997


■ 6-3.参 考文献

1)K.Lynch,The image of the city,1960(丹 下健三 ・富田玲子訳「都市 のイメージ」岩波書店)) 2)K.Lynch,Managing the sense of a regiOn(北 原理雄訳「知覚環境 の計画」鹿島出版会 3)K.Lynch,What Time is This Place?(北 原理雄訳「時間の中の都市」鹿島研究所出版

4)槙 文彦「記憶の形象

都市 と建築 の間で」筑摩書房

5)槙 文彦「見え隠れする都市」鹿島出版会

6)杉 浦康平「時間の装 を可視化する」 7)磯 崎新「空間へ」鹿島出版 8)相 田武文、土屋和男「都市デザインの系譜」鹿島出版会 9)Brian RichardsNEW MOVEMENT IN CITIESl曽

根 幸 一 訳 「 新 しい 都 市 交 通 」 鹿 島 出版 会

10)川 添登「移動空間論」鹿島出版会

11)黒 川紀章「都市デザ イン」紀伊國屋新書 12)都 市デザイン研究会「都市デザイン

理論 と方法」学芸出版社

13)建 築文化 No.558 0CT.1995

特集「 世界 の都市 プロジェク ト1960-1995」

14)建 築文化 No.592 FEB.1996

特集「都市をめ ぐる書物・人物・ キーワー ド」

15)伊 藤俊治「 トランス・シティ・ フアイル」INAX 16)菊 池誠「 トランスアーキテクチャー」INAX新書 17)「 10+1、

No.3 Spring Contensノ ーテーション/カ ル トグラフイ」INAX

18)SD 9506

特集「デジタルアーキテクチ ュアの可能性」 ―建築・都市空間の解析、東京大学原・藤井研究室

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早稲田大学渡辺仁史研究室

1997年

度修士論文

Hitoshi Watallabe Lab.,Master's Theds 1997


■ 6-4.お わ りに

1年 前俺 の修論 とい う名の旅 は始 まった 完成 とい うゴールを目指 し それは果て しない一 人旅 愛 と苦悩 と泥酔 の 日々 ・・

そ して 6角 形 の穴蔵 での孤独 な生活 を終え 今 ここにこの旅 の終止符 を打 つ ワ

レ カ

ン セ

イ セ

俺 の旅 はひとまず ここで終 わつた しか し、 また新たな旅が俺には待 つている be in on the load¨

旅 は続 く・・ ・

図 6-1

6角

形 の 監禁生活

最後 に、渡 辺仁 史教授 、 また、佐 野 さん、木村 さん 、長沢 さん をは じめ とす る ドクタ ー の方 々には 、 この修士論 文 を書 くにあた つて 大変 お世 話 にな りま した。 そ して、 一緒 に飲 み に行 って くれた 、 同期 の M2、 飲 み つぷ りの い いMl、 卒論 生 の諸 君 には、

別に言うことはありません。 と、いうこともなく、良い支えとな りました。 いろいろご相談にのって下さった方 々に、おネしを申しあげます。

6-4

早稲 田大学渡辺仁 史研 究室

1997年

度修士論 文

HitOshiヽVatanabe Lab ,Master's Thesis 1997



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