集合住宅の設計とその利用の相違に関する研究視線によるコミュニケーション空間の創出

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目次 2

は じめに

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1研 究 目的 方法

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3-1研 究の手順 3-2言 葉 の定 義 3-3V‐ R撮 影 調査 3-4分 析 方法 l‐

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4分 析 4-1「 立 ち止 ま り」 の 累 積

4-2密 度

17

4-3,市 動

27

5考 察

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5-1「 立 ち 止 ま り」 の 仕 方 別 の特 徴

30

5-1-1「 自由な場所 の立ち止 ま り」の特 徴 5-1-2「 店 を見るため に生 じる立ち止 ま り」 5-1-3「 立ち止 ま りJの 割合

5-2分 散 型 休 憩 ス ペ ー ス の特 性

33

5-2-1全 体 的な特徴 密度 流動

5-2-2「 立ち止 ま り」の割合 5-2-3休 憩 スペー スの利用者

5-2-4休 憩ス ペース周辺の特徴 5-2-5休 憩ス ペース間

5-3高 齢 者 「立 ち止 ま り」 の 特 徴

41

5-3-1立 ち止 まる場所 5-3-2休 憩ス ペースの影響 5-3-4「 立ち止ま り」が生 じる方 向 8 “ 4

6ま とめ おわ りに

早稲 田大 学理 工 学部 建 築 学科 渡辺仁 史研 究室 ¬


は じめ に 1994年 に高齢者社会 に突入 した我が国 (現 在 では総人 口に 占める 65歳 以 上の 人 口の 割合が 16.2%で ある)で は、現在 も多 くの場 に高齢者が進 出 して いて、様 々な方面か ら 「高齢者 にや さ しく」が求め られて いる。 一 方、駅構 内 に設置された エ レベー ター な ど、高齢者や障害者のため にと実際 にはあ ま り利用 されて いな いような 無駄 な設備が多 いの も事 実で ある。また、 「高齢者 にや さ し く」とは高齢者 の ための施 設や設備 の設置等 の直接的な対策 の みを意味す る訳ではな い。 それ に、身体的移 動制約 を持 つ 高齢者や障害者 へ の対策 の多 くはあ らゆる人 にとって も 役 立 つ点が多 い という事実 と上手 く考 え合わせ る ことによ り、高齢者 に とって も私 たち に とって も、よ りよ い空間を つ くる ことが可能 になるはずで ある。 当初予備調 査 と して初めて休 日の地蔵通 りに行 った とき、高齢者がふ と「立ち止 まる」 ことが 多 い とい うことに気が付 いた。例 えばそれ は、鞄 に荷物 を入れ るためだった り、 財布 の なか を見 るためだった り、ち ょっと休憩だった り、理 由は様 々であった。私 は こ のよ うな動作 に着 目し、地蔵通 りを出て巣鴨駅周辺 に入 るとあま りこのよ うな光景 が見 られな くなった ことか ら、地蔵 通 りでは高齢者が 自由に行動で きているのではな いか と 考 え、その理 由は何か、詳 しく調 べ てみた い と思 った。 さ らに地蔵通 りには小さな 4人 程度 が座れ る休憩スペー スが 通 りの真ん 中 に20m弱 程 の 間隔で設置 されてお り、そ の 周 囲で休憩 して いる高齢者が多 い と感 じ、高齢者 が 自由 に行動 できる空 間 をつ くって い る理 由のひ とつ として、休憩 ス ペー スが挙 げ られ るであ ろ うと予測 した。 本研 究では、高齢者が 「立 ち止 まって」 い る とい う行動 につ いて調査 し、その特徴 を 明 らか に し、また 休憩スペー ス の存在が休 日の地蔵 どお りに如何なる影響 を与えて い る か を見て いこうと思 う。さらに、高齢者ではな いひ とにとって このよ うな空 間は どうで あるか、商店 街側 か らはどうか と い うことも考慮 に入れて いき た い。

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1.研 究 目的 本研究 では、高齢者 の行動特性 の 中で 「立ち止 ま り」に着 目し、そ の特徴 を明 らか に す る ことを 目的 とす る。 特 に商店街 での分散型休憩スペー スの有効性 を具 体化 す る ことで 、高齢 者 と高 齢者で はな い人 の双方 にとってよ りよ い空間の指 標 をつ くる。

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3.研 究 背 景 高齢者 と空 間 の研究で は

<1>高 齢者 の視覚特性か ら空間を検 討 して い る研究 <2>高 齢者 の住宅問題 <3>動 作 と姿勢 <4>地 域施設利用 <5>モ ビリテ ィ 等 につ いては多 く研 究が されている。

今 までの研 究で は、高齢者 のための住空間改 善や、手摺 の滑 りにくさ、高齢者が使用 す る施設や病院 の環境整備 な どと、比較的対象 となる高齢者が 「あま り外 には出な いお 年寄 り」 というイ メー ジでなされた ものが 多 い よ うな気がす る。 現在 は、高齢 者が多 くの場 に進 出 して いて 、「高齢者 のため」というよ りも共存す る こ とが 多 くなっている。 だけど実際 には体 力は落ちて しまって、身体 的移動制約が無 いとは いえな く、そ のよ うななかで、高齢者が 自由に行動できる空間 をつ くるために何か手がか りが見 つかれ ば、 と考 えた。

文献 ■高齢者 の行動特性 0高 齢者 の歩行状態 、

就業状況 、外出傾向、施設利用状況 について :高 齢者 のための環

境整備 に 関す る基礎的研 究 。つ き合 い と行動圏か らみた外 出特性 の考察 :高 齢者 の外 出特性 に関す る研究 ・ 巣鴨駅構 内にお ける高齢者 の行動特性 に関する研究 ・ 高齢者 の外 出行動 に伴 う阻害要因に関す る研 究 :歩 行能 力 と阻害状 況 ゛ ・ 高齢化 にともな う歩 行メカニス ムの変化 か らみたす べ りの評価 の相対 的変化 の推定 高齢者 の 安全性か らみた床のすべ りの評価 に関す る基礎 的研究 ・ ・ 歩行空間にお けるハ ーについて 地域 の高齢者 と生活環境 そ の 3 リ アフリ

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0高 齢者 の歩行特性 に関す る一検討 *** ・ 高齢者 。 ーション 身体障害者等 の移動特性 を考 慮 した避難 シミュレ ◆関係構造 による高齢者 コミュニティの行動 と空 間 の分析方法 の 研究 ・ 高齢者 の交通行動 と歩行環境 の評価

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4


■高齢者 と余暇活 動 ・ 脱地域型高齢者 の都心商業地 区にお ける散策的余暇活 動そ の 1:高 齢化社会 に 対応 し た余暇活 動施設 の再編成 に関する研究第 1報 0脱 地域型高齢者 の都心商業地 区における散策 的余暇活動そ の2:高 齢化社会 に対応 した余暇活動施設 の再編成 に関す る研究第 1報 ・ 都市居住高齢者 の生活特性 と余 暇関連施設 の利用 につ いて :高 齢者 の地域施設 利 用 の構造 に関す る研 究 そ の 1 ・ 健常 高齢者 の ためのコミュ ニティ施設 の あ り方 に関す る研 究 ■休憩 ス ペー スに関す る研究 0都 市 にお ける環境装置 に関す る基礎 的研究 :そ の3利 用 目的・頻度 と滞留時 間 との 関わ り ・ ・ 機能 とサーヒ スか らみた高速道路休憩施設 の分類 ―高齢者 。 障害者 に配慮 した交通 施設計画観点か ら 一

0複 合商業施設 にお ける休憩スヾ―スと誘 引面積 に関す る研 究 ・ 都市 にお ける休憩空間に関す る研 究 :高 齢化社会 に対応 した都市 づ くりを 目指 して ・ 都市 にお ける休憩空間に関す る研 究 :高 齢化社会 に対応 した都市 づ くりを 目指 して ・ 商業施設内にお ける休憩場所 の設置 と消 費者 ニース゛:地 域空間にお けるたま り現象 と余 暇性 に関す る研究 。 その 1

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早稲 田大学理工学 部 建 築学 科渡辺仁 史研 究室 …6¨


3章

吸 3-1

研 究 の 手順

高齢者 と非高齢者の混在す る空間の代表例 として、巣鴨 の地蔵通 りを取 り上げ、空間 を 3パ ター ンの状態別 に分 けて、およそ 15メ ー トル上方か らVTR撮 影 をする。 それぞれのデータを 「立ち止 まりの累積」「密度」「人間 の流動」の 3タ イプに分けて分 析を行 う。

図3-1-1 休 日 休憩ス ペースな し

図3-1-2 休 日 休憩ス ペースあ り

図3-1-3 平 日 休憩ス ペースな し

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3-2

言葉の定 義

・ 立 ち止ま り 目的 によ らず 実験空間上で人が "止 まって "い る状態 をいう。 本研究では、その理 由な どによ り、3タ イ プに分類 した。 「店 を見るため に起 こる立 ち止 ま り」。 00唯 一場所 に関係 の ある立 ち止 ま りで ある。 「 自由に立ち止 ま り」00・ 少 しの休憩か ら 2、 3人 で の会話 まで、空 間上 の あ らゆ る所 で ぽつぽつ と現れる。高齢者 に多 い と思われる。 「混雑 のため に生 じる立 ち止 ま り」00・ 人気 の ある店 の周囲や通行量が多 いとき に 強制的に進 めな くなる状態。

・ 地蔵通 りの状態 調査 は 3日 行 い、それぞれ 通 りの空 間状態が異な って い る。 休 日休憩な し・・・ 休 日 とげぬき地蔵 の 日 最 も人 口密度が高 い 休 日休憩あ り・ 。・ 休 日 通 りの 中央 に小 型 の休憩 ス ペー スが並ぶ 平 日休憩な し・・・ 平 日

人 口密度 高 い

人 口密度低 い

呼 び方を上の よ うに定 義す る。 ・ 分 散型休憩ス ペース 休 日の地蔵 どお りでは小 さな 4人 程度が座れ る休憩 ス ペー スが、通 りの真ん 中 に 20m 弱程 の間隔で設置 されてお り、本研究では このよ うな休憩 スペー ス を「分散型休 憩 ス ペー ス」 とい う。

図 3-2 分散型休憩スペースの例 断面交通量 (6分 間/9.5m) ビデオ上で各画面 6分 間 に通 りを通過 した人を属性別 にカウン トした もの。

早稲 田大 学理工 学部建 築学科 渡辺仁 史 研 究 室 t


■ 3-3 VttR撮 影調査 3-3-1撮 影環境 巣鴨 の地蔵通 りでは、平 日は

00の 間歩行者天国 とな る。

1 5: 00-18: 00に 、休 日は 12 : 00-18 :

そのなか で も曜 日によって通 りの真ん中に小 さな テ ー ブル と4脚 の椅子 、頭上 にパ ラソル のつ いた休憩スペースが並ぶ 日や 、出店が並ぶ 日があ り、通 りの状態 別 に分 け て撮影 を行 った。 予備調査 よ り、15:00か

ら 16:00あ た りが比 較的平 日で も人が 多 く、15:

00周 辺か ら撮 影 を開始 す る ことに した 。 詳 しくは以下 に示す とお りである。

表 3-3-1 撮影場所及び 日時 撮影 場所

調査 日

時 間帯

補足

巣鴨地蔵通 り

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14:30-16:00

休 日・ 休憩ス ペー ス無 し

巣鴨地蔵通 り

[998/10/10

15:00-16:00

休 日・ 休憩ス ペー ス有 り

巣鴨地蔵 通 り

1998/10/12

15:00-16:00

平 日・ 休憩ス ペー ス無 し

3-3-21最 影 方法 地 蔵 通 り沿 い の 5階 建 て ビル の 屋 上 か らデ ジ タル ビデ オ カ メ ラで通 りを撮 影 す る。 属性 判別 の た め ある程度 鮮 明 な画 像 が必 要 な ので、4画 面 に分 けて撮 る。

← 巣鴨駅

画像 1

とげぬき地蔵→

画像 2

画像 3

図 3-3-1

画像 4

撮影の位置

早稲 田大 学理工 学部建 築学科 渡 辺仁 史研 究 室 す


3-4

分析方法

3-4-1立 ち止ま りの累積 一 定時間内に立 ち止 まって いる人 を、属性、立 ち止 ま りの仕 方、方 向 に分 けて プ ロ ッ トす る。

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図 3-4-1 立 ち止 ま り別 の プ ロ ッ ト (累 積 )

3-4-2密 度 場所 ごとの断面交通量 を測 り、そ の上で 空間上に存在す る人の数 を 10秒 間隔でカ ウ ン トす る。

図 3-4-2 通路上の密度 色 の 濃 いエ リア ほ ど人 が多 い ことが 判 る。

3-4-3Aの 流 動 任 意 に人 を選 び 、 そ の 人 の 軌 跡 をた どる。

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早稲 田大 学理工学部建 築 学科 渡辺仁 史研 究 室 司 0-


早稲 田大学 理 工学 部建築学 科渡辺仁 史研 究室


4-1

立 ち止 ま りの 累積

巣鴨地蔵通りの巣鴨駅からとげぬき地蔵までの空間で 休 日・ 休憩 スペー スな し *以 下 『休 日休憩な し』

*以 下 『休 日休憩 あ り』 平 日・ 休憩スペー スな し *以 下 『平 日休憩な し』

休 日・ 休憩ス ペー スあ り

のそれぞれの状態 にお いて、4分 割 して撮影 した ビデオ を空 間 の とお りにつ なぎ、6分 間 に起 こった 「立ち止 ま り」 につ いて 以下 の点 を判別 し、プロ ッ トす る。

4-1-1属 性 高齢者、壮年者、若者 、こどもの年代別 の 4層 に性別 も加 え、計 8個 の属性 に分 けた。 それ らの分類 は、ビデ オ上 の様子 か ら判断す る しかな いため、65歳 以 上 を高齢者 とみ なす な どの確実 な判断基 準が無 い。 ここに、今回の属性判別 のポイ ン トを列挙す る。 高齢者・・ 。 歩 き方 、服 装、背格好、髪型な ど 壮年者・・・ 若者・・・・

歩 き方、服装、背格好な ど

こども・・・

背格好 、親 の様子 な ど

服装、背格好 、 動作な ど

4-1-2立 ち止まり 「お店 を見 るために起 こる立ち止 ま り」 「自由に立ち止 ま り」 「混雑 の ために生 じる立ち 止 ま り」の 3タ イプの立 ち止 ま りの仕方 によ って分 けた。定義 については 3章 の 2に 示す。 また、立ち止 ま りではないが、分散型 の休憩 スペー スが設置 されて いるときに関 して は、利用者 (座 った人 )に つ いてその属性 と利用時 間をみる。 牛 1-3方 向 立ち止 まった後 、 どの方 向に歩 いていったか を示す。 主 に 巣鴨駅 → とげぬ き地 蔵 の方向 と とげぬき地 蔵 → 巣鴨駅

の方向、通 りを横

切 る方向の 3つ に分類す る。 店 を見ている人 、単 に立ち止 まって いる人や立ち話 を して い る人 については方向 を 示 さない。

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図 4-1-2「 お店 を見るため に生 じる立ち止 ま り」(累 積 『休 日な し』)

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図 4-1-3「 自由な場所に立ち止 まり」(累 積 『休 日休憩な し』)


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図 4-1-4「 立ち止ま り」(累 積 『休 日休憩あ り』)

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図 4-1-6「 自由な場所に立ち止ま り」(累 積 『休 日休憩あ り』)

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図 4-1-9「 自由な場所 に立ち止 ま り」 (累 積 「平日休憩な し』 )


「 『休 日休憩 あ り』のプロ ッ ト図 (立 ち止 ま り別 (図 牛 1-4))を 見 る と、通 り全体的 に 立ち止 ま りが生 じている ことがわか る。 一 方、 『休 日休憩な し』、 『平 日休憩な し』につ いては混雑 のた めに起 こる立 ち止 ま り以 外 は通 りの両端 に集 まって い る。 特 に高齢者 にその傾向が強 い。 『休 日休憩 あ り』と『休 日休憩な し』では、人数的には大 き く差があるが、分布 の仕方 が似 ている。 また属性別 の プ ロ ッ ト図か らは店 を見 るため に立ち止 まる人は壮年者 に多 く、自由な 場所 に立ち止 まる人は高齢者 に多 い ことがわか る。

早■ 田大学理工 学部建築学科 渡辺仁史研究童 ¬ 6-


4-2

分析結 果 :密 度

撮影 した VTRビ デオ の うち画像 4に つ いて 、通 り上の人 口密度 を調 べ た。

4章 の 2と 同様 に地蔵通 りの状態別 に行 い、通 りをグ リッ ドで図 4-2-1の よ うに分割 し、 それぞれの グ リッ ド内に存在す る人数 を色の濃淡で表わす。 この分析で は、立ち止 ま り や属性 は考 慮 しない。一つの グ リッ ド内に最小 0人 か ら最大で 6人 の 人が いて、色 の濃 い部分ほ ど人 口密度が高 い ことがわか る。 時間は 10秒 ごとに S=秒 というよ うに左上 に示 した。

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■ 図 4-2-4『 休 日休憩ス ペースな し』(S=160∼ S=310)

早稲 田大 学理 工 学部建 築 学科 渡辺仁 史研 究室 ¬

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休憩ス ペース

目4-2-5『 休日休憩スペースあり』(S→ ∼S=150b

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休憩スペース (中 心)

目 4-2-6『 休 日休憩スペースあ り』(S=160∼ S→ 10

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図 4-2-8『 平 日休憩ス ペースな し』(S=160∼ S■ 10)

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図 4-2-1∼ 6の グラフか らまずわかるのは混み具合である。 1グ リッ ド中に 6人 いる ことが ある、「休 日休憩な し」では波 のよ うに混 雑状態 が訪れ て いる ことがわか る。 「休 日休憩あ り」では休憩 ス ペー スの周囲 には常 にひ とがいるが、そ の色が薄 い ことか ら混 雑 している訳ではな い。適度な人が平 均的 に存在 して い る ことがわかる。 この結果だ けでは、立ち止 まって いるの か移動 して い るのかや 属性が判 らな いの で、 4-1、

4-2の 分析結果 と照 らし合わせて考察 して い く。

早 稲 田大 学理 工 学部建 築学科 渡辺仁 史研 究

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こども女 こども男 若者女 若者男 壮年女 壮年男 高齢者女 高齢者男

200

25C(人 )

図4-2… 9 断面交通量 『 休 日休憩な し』

こども女 こども男 若者女 若者男 壮年女 壮年男 高齢者女 高齢者男

120

:“

,6C(人 )

図4-2-10 断面交通量 『休 日休憩あ り』 こども女 こども男 若者女 若者男 壮年女 壮年男 高齢者女 高齢者男

00 90 10C(人 ) 図4-2-11 断面交通量 『平 日休憩な し』

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全 体 の断面交通量は、人数 に差 こそ あるが、だ いた いの属性 比率が同 じである ことが わか る。 また、実際 に地 蔵通 りに いる ときには高齢者が半分以上 は い る と感 じたが、分析 を や つてみると、 高齢者 よ りも壮 年者 の方が多 い こと、若 い女性 が多 い ことが 分 か つた。

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4-3分 析

結 果 :流 動

地蔵通 りの 3つ の空 間 の状態別 に、人の流れが どのよ うにな っているか を調 べ た。

4-2と 同様 に画像 4に つ いて、空 間内 に存在 して い る人の 中か らなるべ く同一画面上 に存在せず、かつ、属性 も偏 らな いよ うに 10人 程度選 び、一 秒 ごとにそ の位 置 を プ ロ ッ トして い く。 プ ロ ッ トの点 ごとの距離 によってそ の対象者 の移 動速度が予測でき、例 えばプ ロ ッ ト の点 が一箇所 に かたまって い る部 分 では、立ち止 ま りが起 こって いる ことがわか る。 またそれ らの点 をつなぎあわせ る ことによって 、直線状 に移動 して いた のか 、蛇 行 し て いたのか、横切 って いたのかな どがわか る。 図 43-1、 4-3-2、 4-3-3を 比 べ てみる と、休憩 ス ペー スがある とき (図 4-3-2)に は Uタ ー ンを して いる人や 、蛇 行す るひ とが多 く、お のおのがよ り自由な行動 を して い る ことがわか る。逆 に、休 日休憩な しではほ とん どの人がゆっ くりと、通 りに対 して平 行 に移動 して いて、一 見 きれ いな流動ができている ことがわかる。

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図4-3-1 空間内の流動 (休 日休憩な し)

図4-3-2 空間内の 流動 (休 日休憩あ り)

図4-3-3 空間内の流動 (平 日休憩な し)

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実験結果か ら読み とれ る ことにつ いて 、図式化 して表す ことによ り明 らかに して い く。 また、それ らの要因とな る ことを探 し、考察 して い く。 5-1-1「

自由な場所に立ち止まり」

::嘗 ]

図 5-1-la「 平 日休 憩 な し」 『 自由な場所 に立 ち止 まり』の例 自由な場所 に立 ち止 まる人 は高齢者が圧倒的 に多 いだろうと思 って いたが、4-1の 結 果 を見 ると、壮 年者や若者 も意 外 と多 い ことが わか る。 ただ し、一人だ けで立ち止 まっているのは高齢者 に多 く (人 数 の最 も少な い 「平 日休 憩な し」図 5-1-laを 見 る とわか りやす い)壮 年者 な どの多 くは複数 で立ち止 まってい る。 この ことか ら、 高齢者が この よ うな 「立 ち止 ま り」 を必 要 として いる と思われ る。

“         “ エ ー︲コ     ●

『休 日休憩なし

自由

『 休 日休憩 あ り』 自由

男 女 男 女   男女 者 者 者 者 男 女も も

齢 齢 杵 群 精 精″ ど

「休日休憩なし 」断面交通量 「休日休憩あり」断面交通量 「 平日休憩なし」断面交通量 図5-1-lb「 自由な場所に立ち止まり」/断 面交通量 割合の比較

早稲 田大学理工 学部建 築学科 渡辺仁 史研 究 室 -30…


前 ペー ジの グラフ (図 5-1-lb)か らは 3つ の空間の状態 ごとに属性 の 比率が明 らか にな り ,混 み具合 、休憩ス ペー スの有無 に関係な く、 。自由な場所 に立ち止 まるひ とは高齢者が最 も多 く 50%前 を占めて いる 後 (逆 をいえば 50%弱 は高 齢者以外で ある) 。男性 よ りも女性 のほ うが割合が多 い とい うことな どがわか る。 5-1-2「 お店 を見 るために生 じる立 ち止 ま り」

「・

灘 心義 中

│ /

図 5-1… 2a『 休 日休憩 あ り』 「店 を見 るために生 じる立 ち止 ま り」 プロ ッ ト 店 を見 るために立 ち止 まる人はそれぞれ の店 の前か ら層状 に集 まって いることがわか る。属性別 に見 ると、 高齢者、壮年者が ほ とん どのよ うに見 える。 ただ し、 図 512aの 囲われて い る部分 のよ うに、大 勢 の人が見て い る人気 の あるお店 の前 には、 比較的多 くの若者が見 られ る。 こども女

こども男 若 者女 若者 男 壮年者女 壮年者 男 高齢者女 高齢者 男

300 400 s00 図5-1… 2b 断面交通量

「お店を見るために生 じる立ち止まり」

(全 体数 )

600

(全 体数)

断面交通量 の全体数か ら見てみる と、や は り割合 的 にも壮年者、高齢 者が多 く、下 の 4つ の属性 については 1人 につ き一 回以上 はお店 を見 るため に立ち止 まって いる ことが わかる。 壮年者男 の数が意外 に多 いのが 気 にな ったが、プ ロ ッ ト図か らもわか るよ うに壮 年者 男 は夫婦 な ど複数で行 動 して い る場合が多 く、お店 の前で も一緒 に立 ち止 まっているか らだ と思 われ る。店側 として もター ゲ ッ トは中高年、そ して主 に女性な ので あろう、洋 服屋やお菓子屋な どが多 い。

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5-1-3「 立ち止ま り」の割合 16% 0_1%

40%

.,yo

zt.oyo

「お店」 13%

09%

「 自由」 2_4%

「混雑」

04%

口 高齢者 男 ● 高鈴者 女 ° 壮年 者 男 ・ 壮年 者女 口 若者 男

:惹 意 志男 ■ こども女

断面交通量

「立 ち止 ま り」 全体 図 5-1-3「 立ち止 ま り」の割合

(全 体 )

3つ の状態で生 じた 「立ち止 ま り」 を総合 して、全 体 としての割合 を比 較す る。 「立 ち止 ま り」別 に見 ると、 どれ も高齢 者 と壮年者 の比率が増えて いる ことがわ か る。 また、若者、こどもは、お店 を見 る率 よ りも自由に立 ち止 まる率の方 が 高 く、通 過す る だけの人で も 「自由な場所 に立 ち止 ま り」が生 じて いる と考 え られ る。 さ らに 3つ の属性別 タイプを合わせ る と、最 も 「立 ち止 まる」率が高 いの は高齢者女だ が、2番 目は壮年者 女 であ り、「立ち止 ま り」の比のみ を見 る と50%が 壮年者である こと がわか った。

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5-2分 散型休憩ス ペースの特性 5-2-1全 体的な特徴

A密 度

図 4-1の プ ロ ッ ト図を見 る と、休憩 ス ペー スが 設置 された とき (休 日休憩 あ り)は 他 の状態 よ りも 「立 ち止 ま り」 が通 り全体 に平均的 に起 こって い ると思われ る。 そ こで 、地蔵通 りの 「立 ち止 ま り」 を通 りに垂直な 断面か ら見た。

0-1

1-2

2-3

34

4-55

5_5-6565-7_57_5-8_585-95

(m)

図5-2-la グラフ作成基準 図 5-2-1の よ うに X軸 を と り、立ち止 まった人の数 をグ ラフに表わ した。 青が 「店 を見 るために生 じる立 ち止 ま り」 緑が 「自由な場所 に立 ち止 ま り」 を示す 6

『休 日休憩な し 』

『 休 日休憩あ り』

『 平 日休憩な し』 図5-2-lb「 立ち止 ま り」 断面か ら見た累積

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グラフで見 る と明 らかに『平 日休憩 あ り』で は 「立ち止 ま り」が 中央 にも多 い ことが わか る。特 に「自由な場所 に立 ち止 ま り」につ いて は通 りの両側 よ りも中央 にた くさん 生 じて いる。 一 方『休 日休憩 な し』や『平 日休憩な し』につ いては、「立 ち止 ま り」が通 りの両側 に 偏 って い る。 ここで 図 4-2を 見 ると、例 えば『平 日休憩な し』では人 口密度が通 りの両側 に偏 って いるわ けではな い ことがわか り、また 1グ リッ ド内に 1∼ 2人 程度 の 、す いて いる空間 「自由な立ち止 ま り」とはいって も立 ち止 まるため に端 の方 に寄 って いるこ であるか ら、 とになる。 「お店 を見 るため に生 じる立 ち止 ま り」は基 本 的 には店 の周 囲、つ ま り通 りの両側 に多 いのが 当然だが、プ ロ ッ ト図の『休 日休憩 あ り』を見 る と複数で見て い るひ とが 多 く、実 際 ビデオ上では通 りの 中央付近 を歩 いて いた 2人 が指 をさした りしてその場 で少 し立ち 止 まって話 したあ と、店 に向か う (ま たはそのまま通 り過ぎる)光 景がよ く見 られた。こ れ は、お 店 を見 るために良 い行動だ と考 え られ る。 さ らに 「混雑 の ために起 こる立 ち止 ま り」も無 く (非 常 に人気が あったお店 の周 りを 除 いて )、 この よ うな立ち止 ま りが流動 を邪魔 して いな い と考 え られ る。 結局 どち らの 「立 ち止 ま り」に関 して も、 『休 日休憩 あ り』のよ うな通 りに平均 的に生 じて いる方が良 い と思われ、人 口密度が全 く異な るのに『休 日休憩な し』 と『平 日休憩 な し』の グラフが 類似 している ことか らも、休憩 ス ペー スの存在 は、そのよ うな空 間 に な った理 由のひ とつだ と考え られ る。

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5-2-1全 体的 な特徴

B流 動 「立 ち止 ま り」が生 じてか ら移動す る方 向 を、とげぬき地蔵方向、巣鴨駅方向、通 りを横 切 る方向、そ して会 話 をす る人や 無 目的 に立 って い る人な どを、方 向無 しとして グラフ 化 した。

『休日休憩あり』

E方 向なし Eと げぬき地蔵方向

E横 切り E巣

鴨駅 方 向

図5-2-lc立 ち止 ま りの方向 『平 日休 憩 な し』 『休 日休憩な し』は断面交通 量が多 く、人の流れができて しまって い るため (図 4-3よ り)流 れのなかで立 ち止 ま りに くく、 とげぬき地 蔵方面 と巣 鴨方面 の割合が低 い。 通 りの両端 に立 ち止 ま りが多 いため、流れ に戻 るために横切 る方 向 の割合が高 くなっ て い る。 『休 日休憩あ り』 も横切 る方 向 の割合が高 いが、図 4-3か ら流動がひ とそれぞれであ り、蛇行や Uタ ー ンもある ことか ら、「立 ち止 ま り」後 の移動方向が 自由である と考え られ る。 逆 に『平 日休憩な し』では横切 りや 方 向な しが少な く、通過の途 中 に立 ち止 まる こと が多 い と思われ る。それにも関わ らず、 『休 日休憩な し』と同 じで通路 の両端 に「立ち止 ま り」が 多 い こ とか ら無意識 に端 のほ うに寄 って いる と考 え られ る。

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5-2-2「 立ち止まり」の割合

相 判 機     は ﹄     用 断面交通量

「自由な場所に立ち止まり」 図5-2-2 状態別「立ち止まり」数

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断面交通量 の グラフを見 る と、 『平 日休憩な し』 『休 日休憩な し』の順 『休 日休憩 あ り』 に属性比 も同 じ和割合で増加 して いる ことが わか る。 しか し、「店 を見 るため に生 じる立ち止 ま り」に関 しては、 『休 日休憩 あ り』の人数が 『休 日休憩な し』 とほぼ 同数 であ り、特 に高齢者 と若者の人数 は『休 日休憩な し』 を上 回って いる。 また 「自由な場所 に立ち止 ま り」 は圧 倒 的 に 「休 日休憩 あ り』が 多 く、 高齢者 の割合が非常 に高 い ことがわかる。 この ことか ら、『休 日休憩 あ り』では 「立ち止 ま り」が生 じる割合が高 くな る ことが わか り、そ の理 由として休憩 ス ペー スの存在が考 え られる。

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5-2-3休 憩 ス ペ ースの利 用者 表 5-2-3 休憩スペ ース利用者の属性 と滞在時間 S

00:25 0012 04:5 01:2 00: 00: 02:

ロ ■ ロ ロ

50以 上 0012 01:3 00: 0211 02:1 01: 02: 15以 上 01: 01:55 50以 上 02:1 36以 上 01: 00以 上

ロ ・

5   4

若者女 若者 女 若者 女 壮年者男 壮年者女 壮年者女 壮年者女 壮年者女 壮年者女 壮年者女 壮年者女 壮年者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者女 高齢者男 高齢者男 高齢者男 高齢者男 高齢者男

図 5-2-3 利用者属性比率

実際 に休憩 ス ペースに座 って いる人 に着 目 し、6分 間 の利用者 を調 べ そ の属性 と滞在 時間 を表 (5-2-3)に した。 この表か ら、利用 者は女性が多 く、50%が 高齢者である こ とがわか る。 属性別で最 も多 いのが壮年者女で滞在時間は比較的短 い。高齢者 は滞在時間が長 く2 分 を越える人 も多 い。食事 を して いる人 も見 られた。 意外 に若者 も利用 して いるが、複数 (3列 目の女性 はカ ップル で男 の 人が横 に立 って いた)の 利用 者がほとん どである。 断面交通量 と比べ ると、比率 としてはやや 高齢者が多 い程度で、高齢者が休憩す る以 外 に も利用 されている ことが わか った。 (実 際私 も調査で行 った ときに座 った。)

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5-2-4休 憩スペ ース 周辺の特徴

雑 由 店 混 自 お

図 5… 2¨ 4 休憩 スペ ース周 辺の 「立 ち止 ま り」 図4-2よ り、休 憩ス ペー スの周 囲 には常 に人がいる ことがわか るが、その数 は 1グ リッ ド中に多 くて 3人 であ り、実 際 に混雑 しているわ けではな い。また、図 4-1と 合わせて 見 る と、休憩 ス ペー スの周囲 にはよ り多 くの「立 ち止 ま り」が生 じている ことが わか る。 そ してその 「立 ち止 ま り」の多 くは 「自由な場所 に立ち止 ま り」であるが、「お店 を見 るために生 じる立 ち止 ま り」 につ いて は休憩 ス ペー スの前 の店 によって特徴がある。 図 5-2-4の 囲 い 1で は、休憩ス ペー スの前 の店で呼び込み のよ うな ことを して いるの だが、非 常 に大 きなたま りの よ うに 「立ち止 ま り」が起 こ り、通 りの流れ に支障 をきた して しまっている (混 雑 による立 ち止 ま りが唯 一 生 じて いる場所 である)。 しか し、店側 に とっては休憩ス ペー スの存在が相乗効果 にな っているので "利 点 "と いえるか も しれ な い。 囲 い 2と 囲 い 3を 比べ る と、地 蔵通 りの他 の状態で も 「お店 を見 るために生 じる立ち 止 ま り」が多 い店 が 前 にある 囲 い 3で は、休憩ス ペー スの存在 によって さ らに 「立 ち止 ま り」が増えて いる ことがわ か る。実際、見 るためだけではな く、しば らく休憩す る人 も見 られ る。

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5-2-5休 憩ス ペ ース間

地蔵通 りに設 置 され る休 憩スペー スはそれぞれの 間隔が同一で はな く、今 回調査対象 に した部分で も休憩ス ペー ス 1と 休憩ス ペー ス 2の 間隔はおよそ 17.5mで 休憩ス ペー ス

2と 休憩スペー ス 3の 間隔 はおよそ 31.5mと 、ば らば らである。 「立 ち止 ま り」が他 と比べ て 少な く、比較的通 りの ここで 図で 囲 まれた部 分 を見 る と、 両端 に寄って いると考 え られ る。 これは休憩 ス ペー ス どう しが離れて いる ことが原 因ではな いか と思 う。 本 当な らこの ことにつ いて実際 に間隔を2倍 に した り半分 に した りした ときの調 査 も 行 い たかった の だが、 商店街側 の事情 よ り、 この よ うな考察 に とどめてお く。

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5-3

高 齢 者 に関 す る 「 立 ち止 ま り」 の 特 徴

5-3-1立 ち止 まる 場所 5-2-1で 考察 した 「立ち止 ま り」を断面か ら見た累積 について、高齢者 と高 齢者以外 と を比較 した。

Lυ ・

高齢者

” ・ lJ

. 4 ”な 3

3 鰍 ” 2

2 ” 鯛 ︲

55∼ 65

65∼ 75 75∼ 85 85∼ 95

高齢者以外

m m m

2 ” 湘 ︲

[ Fl

一       =一 一 躙 一

¨

『休 日休憩 な し』

JIJl土 . 『平 日休憩な し』 高齢者以外

『平 日休憩な し」』 高齢者

『平 日休憩な し』 高齢者以外

図 5-3-la 立 ち止 ま り断面

高齢者 との比較

図 5-3-1を 見 る と『休 日休憩 な し』 『平 日休憩な し』では高齢者 の方が 「立 ち止 ま り」 (特 に 自由な場所 に立 ち止 ま り)の 生 じる場所が通 りの両端 に偏 って い る とわか る。

反対 に、『休 日休 憩 あ り』で は高齢者 の 「立 ち止 ま り」が よ り平均的に生 じて い る。 また、 高齢者 は 「自由な場所 に立 ち止 ま り」 の割合が高 い。

早稲 田大 学理工学部建 築学科 渡 辺 仁 史研究 室 41…


口 高齢者 男 口 高齢者 女 □ 壮年者 男 口 壮年者女 口 若 者男 口 若者女 口 こど も男

.こ

「店 を見るため に生 じる立 ち止 ま り」

ども女

「 自由な場所 に立 ち止 ま り」

図 5-3-lb 休憩スペ ースの周囲 に生 じる立 ち止 ま り 次 に、休憩 ス ペー スの周 囲 に生 じる立 ち止 ま りの割合 についてで あるが、全体 の立ち 止 ま りの比率 と比 べ ると、高 齢者 の割合 は 「お店 を見 るために生 じる立 ち止 ま り」では 39%で「自由な場所 に立ち止 ま り」で は 60。 3%で あるか ら休憩ス ペー スの周 囲 の方が高 齢者 の割合が高 い ことがわか る。 これ らよ り、高齢者は休憩 スペー スがないときは通 りの端 の方 で、休憩 ス ペー スが あ るときは休憩ス ペー スの周 囲 で立 ち止 まる傾向が ある と考 え られ る。

0

100

200

300

400

500

600(人

)

図 5-3-lc「 立 ち止 まり」人数 (高 齢者 )

0

50 図

5-3…

100 150 200 250 300(人 〕

ld

断 面 交通 量 (高 齢 者 )

また、 図 5-3-lcと 図 5-3-ldを 見 る と、『休 日休憩あ り』での 「立 ち止 ま り」 (特 に 「自由な場所 に立 ち止 ま り」)人 数が非常 に多 くな っている ことか ら、高齢者 は特 に休憩 スペー スの影響 を受 けやす い といえ る。

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5-1-3「 立 ち止 ま り」が生 じる 方向

『休 日休憩な し』

『休 日休憩あ り』

日 方向 な し 日 とげぬ き地蔵方 向 ● 横切 り ■ 巣鴨駅方 向

図 5-1-3「 立 ち止 ま り」の方向

(高 齢者 )

『平 日休憩な し』 高齢者 の 「立ち止 ま り」が生 じてか ら移動す る方向につ いて グラフ化 した。

3つ の状態全て について言 え る ことは、とげ抜 き地蔵方 向よ りも巣 鴨駅方向 の方が多 い ということで ある。人 々 は とげ抜 き地 蔵 か ら来ていて、とげ抜 き地 蔵 に行 くことが 目 的で地蔵通 りを通 る ことが多 い 。 つ ま り、 とげ抜 き地 蔵方向 は行 き、巣 鴨駅方 向は帰 り方 向な ので ある。 この ことか ら、高 齢者は帰 り道で立ち止 まる ことが多 い とわか り、目的地 に行 くまで は立ち止 ま りが少な くなって い るか、または しば らく歩 いた後 は疲れやす くなるかだ と 思われ る。

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早稲 田大学 理 工 学部建築学 科 渡 辺仁 史研 究室 ¨44-


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6-1ま とめ 考察 の まとめか ら、地蔵通 りの分散型休憩スペー スの存在 は、ひ との流れや、今 回調 査 した 「立ち止 ま り」に様 々 な影響 を与えて い る ことが 分 かった。それは、高齢者 のた めだけ というわ けではな く、商店街側か ら見て も利用者 が増す とい った良 い影響 を与 え ている とい う ことが 明 らか にな った。一 方そ の立ち止 ま りは、場合 によっては流動 の邪 魔 にな る こともあった。そ して 、高齢者 にとってはよ り自由に立ち止 まる ことがで きた り、休 む ことがで きた りす る空 間へ変 わって いった 。それ は高齢者 ではないひ とに とっ て も同様 であった。 ただ、高齢者 は疲れやす いな どの理 由で最 も 「立ち止 ま り」を必要 とし、その一 方 で 一番周 囲 の影響 を受 けやす く、さ らに邪魔 にな らなそ うな場所で立 ち止 まる ことが 多 い ので、ほんの少 しの工夫 で高齢者 にとって居心地が良い空 間 に変わ っていくと思われ る。 例え ば、今回調査 したよ うな小 さな休憩 ス ペー スを並 べ るだけで、高齢者 はまわ りに気 を使わず にすみ、 自由に行動 で きる空間をつ くる要素 になってい くことが分かった。

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6-2今 後 の 課 題

この研究 で 明 らかになった行 動 の特性 について、街路や商店街だけでな く、できれ ば 建築空間 にも応用 していけた らよ い と思 う。 街路 は建築 内 においては通路 である といえ、む しろイ ベ ン ト会等 のよ うな広 い建築空 間 では、その通路 はよ り街路的であったほ うが良 いので はな い だろうか。例 えば、展示 会場 のよ うな計画 に関 しては、ひ との動 き 「た ま り」と 「流 れ 」をコン トロール して い く必要があるはずである。 また、休憩機能 の効果 として

滞在時間が長 くなる 移動距離が長 くなる 利用施設数が増加す る そ の後 の利用が分散化す る。

という事実 よ り、結局は高齢者 に とって も高齢者以外 のひ とにとって も企画側 にとっ て もよ り良い空間になってい くはずである。 ここで考 えな くては い けな いのが、このよ うな機能が流れ を妨 害 しな い よ うにとい う ことで、地蔵通 りで も休憩スペ ースの周 囲 に 「立ち止 ま り」が多すぎて、混雑 して いる 場所が あった。 また、休憩ス ペー スの間が長す ぎる とその間の「立ち止 ま り」が偏 って しまうな ど、分 散型 の機能 を配置す る場合 にお いては、間隔が重要であ り、空間の大 きさと混雑具合 に よって、機能 自体 の大 きさも変わ って い く必要がある。 今 回調査 した地 蔵通 りは比較 的 このよ うなバ ランスが とれて いたよ うに感 じた。

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7.お わ りに この研究 をす るにあた り、私 は地蔵通 りに十数回通 ってきま したが、個人的 に地 蔵通 り商店街が好 きだったのだろ うとあ らためて感 じま した。お い しくて (大 き くて)安 い お好 み焼 き屋のお じさんは、一緒 に麦茶 もつ けて くれ ま した。お ばあち ゃんが いっぱい のマ ク ドナル ドも巣鴨な らで はだ と思 い ます。 また、商店街 の ビデオ調査 を許可 して くだ さった地 蔵商店街推進組合 の方、何 日もビ ル の屋上 を貸 して くださった社長 さんに感謝 して い ます。 そ して何 よ りも、この研究 を完成 させ るにあたって い ろい ろ とご指導 して くだ さった 渡辺先生、林 田先生、木村祐 司 さん、温か く見守 って くださった研究室 の先輩方、研究 を手伝 って くれたた くさんの友達 に この場 を借 りてお礼 申 しあげます。

早稲 田大学 理 工 学 部建築学科 渡辺仁 史研 究室 …48-



ム 〓r一

・ ヽ


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