駅 周 辺 の 歩 行 者 の 回 遊 行 動 特 性 に 関 す る研 究
平成 12年 度 修士論文 指 導教授 :渡 辺仁 史 教 授 早稲田大学大学院理工学研究科 建設工学専攻建築学専門分 野
699E033
カロ納
征子
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性に関する研究
は じめ に 私 は、渋谷 や新宿 などの商業地 に買 い物 にい くと、ついい ろいろな ところへ寄 り道 を して し まう。今 の街 には、目的地 に向かつて一 日散 に向か うとい う人だけでな く、私 の ようにぶ らぶ らとデパー トなどを巡 り歩 く人 は、結構多 いのではないか と思 う。 また、いろいろな街 を比べ ると、ぶ らぶ らと歩 き回る行動が多 いほ ど、街 として活気 がでて くるのではないか とも感 じられる。 この研究 を始 めたのは、 街 にた くさん存在 していると思 われるぶ らぶ ら行動 と街 の活気 との 関係 を、何 とか数値 として明 らか に してみたい と思 つたことが きっか けになっている。
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駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
目次 は じめ に
第
1章
4
序論
5
1-1.研 究 目的 1‐
6
2.研 究背景
1-3。
12
研究概要
渋谷 と池 袋 の 回 遊 行動 の 現 状 のデー タか ら) 2‐ 1.調 査対象地 の選択 (大 型小売店
第 2章
2-2.調 査方法 2‐
3.ア ンケー トの結果
第 3章
駅 周 辺 の回遊 行 動 特性 の 分 析
13 14 15
19
26
3-1.行 動特性分析 に向 けて
27
3-3.用 語 の解説
29
3-4.行 動特性 分析
31
第 4章
断 面 交 通 量 の モ デ ル化
54
4-1.予 測 モデルの概要
55
4-2.渋 谷 の予測 モデルの作成
56
4‐
3.モ デルの検証
68
4.モ デ ルの可視化
71
4‐
第 5章
考察
72
5-1.行 動分析 に関す る考察
73
5-2予 測 モデルに関す る考察
81
5-3。
ま とめ
83
5-4。
今後 の展望
84
おわ りに 参考 文献 附記
85
86 88
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Un市 .20∞
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 1章
序論
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第 1章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
序論
1-1.研 究 目的 本研究は、駅周辺 を回遊す る歩行者の行動特性から、駅周辺の商業地の断面交通量 に影響 を 与える集客施設の配置、空間的要因を重回帰分析を用いて明 らかにし、歩行者の断面交通量 を 予測す るモデルを提案す ることを目的とす る。
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第 1章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
序論
1-2.研 究背 景 いろいろと行うが、 集客施設を計画す る際には、事業者 は事前の調査 やマーケテイング等を その 目的は施設 に人を集めるため、あるいはその人数を予測するためである。だか ら、集客施 つ 周辺へおよぼし 設が周辺へおよぼす効果には基本的に感心がな く、集客施設が くられた後、 「い くらぐらいの経済のプラス効果があるか」と た波及効果が調べ られることはあまりない。 特 に歩行者の行動変化が調べ られることはほとん ぃ うことが、 金額 として計算 される程度で、 どないといつてよい。 の しか し、大規模 な商業施設ができることで歩行圏等の歩行者行動が変化す ることは、過去 その 研究からも明らかである。大 きな商業施設 を計画す る際には、事業者の採算だけでなく、 街への波及効果 を考慮 して計画 されても良い 施設ができることによる歩行者の行動変化から、 のではないだろ うか。 「商業施設 と歩行者の関 商業施設 と歩行者行動 との関係 に関す る研究 はなされてはいるが、 の 「 係 を扱 ったもの」は、歩行者の行動 を捉える視点が大 きい ものが多 く、反対 に 歩行者 行動 を細か く捉 える研究」では、商業地での歩行者の行動実態 を定性的に把握するにとどまる研究 が多い。 「商業施設の規模、配置等 によつて、どの径路が どの くらいの人に選択 されるかを よって、 ほとんど見 られな 予測す る」など、商業施設の歩行者行動への効果 を定量的に捉える研究は、 いのが現状である。
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第 1章
駅周辺 の歩行者の回遊 行動特性 に関する研究
序論
1.既 往論 文
■歩 行径路 。歩 行圏 と商業施設 につい ての論 文
「大規模商業施設 が駅利用者 の歩行圏 に与 える影響 の研究」 この研究 では、新宿駅南口付近 の歩行者 の歩行径路 につい て、大規模商業施設 (施 設名称 タイムズス クエ ア)が で きる前 と後 とで比 較 し、大規模商業施設 による歩行圏の変化 を分析 し :
てい る。 それ に よる と、大規模 商業施設が建設 され る と、そ の 方面 の 歩行者 は大幅 に増 え、歩行 圏 も 変化す る。また、新 しい ひ との流 れがで きる ことで 、建設 された大規模 商業施設 だけで な く、 波及効 果 と して歩行 者 が増 える ことが わ その周辺 の 商業施設 へ の 買 い物客 も増 える こ とか ら、 か ってい る。 これ らか ら、街 を数 プ ロ ツクに分 けて の 歩行 圏野変化 の予測 はで きるが 、歩行径路 の選択 と
いう細かいところまでは言及 していない。 「郊外鉄道駅周辺再開発 における周辺への波及効果に関する研究 ―川西能勢 口駅 をケーススタディとして ¨ 」 この研究では、再開発事業が行われた川西能勢口駅付近 を取 り上げ、現況の調査 と従前およ び計画案等 と比較することにより、 再開発が周辺 におよぼした波及効果や問題点を明らかにす ることを目的としている。 調査 か ら、 従前 は 1店 指 向 が 多 か ったのが 、再 開発 事業 に よ り商業施 設が増 え、立 ち よ りが増 え回遊性 が増 した こ と、また全 てのか商 業施設 に 回遊行動 が起 こってい るわけでは ない こと等が明 らか になって い るが、来街者 の行動実態 の把握 と定性 的 な因果関係 に言及す るに とどまってい る。
「都市空間 の歩行者分布 に関す る調査分析
その 3.歩 行者数 と建物延 べ床面積 との相関」
一般的 に、都市空間 における歩行者流動量 は、建物 の延べ 床面積、特 に商業施設 の床面積 の 密度分布 と強 い相関があ ると考 えられて い るが、直感的 な理解 にとどまってい る。この研究 で は、 都市内 の建物 の延べ床面積 と歩行者分布 の数理的な相関関係 につい て、数理的 に検討 して い る。その結果、駅 を起点 とす る圏域別 (lCIClm間 隔の ドー ナツ状 の単位圏域)に 大局的 に、 ある程度 の相関を持 つ ことが明 らかになつて 歩行者数 と建物延べ床面積 の関係 を捉 えた場合、 い る。
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‐ 7-
第 1章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
序論
■回遊行動 に関する研究 「都市 の回遊性 に関する研究
‐福井市中心商店 街 を対象 と して ¨ 」
この研究 では、都市 の回遊性 とい うテーマ に基 づ き、中心商店街 における来街者 の歩行径路 い や街路群集 人数 を調べ 、回遊行動 とにぎわいの密度分布 との関係 を考察 して る。 その内容 は、街路群集密 度 や来街者 の歩行径路 の重な りか ら中心街路 を特定す ること、また 調査 で得 た歩行量、歩行径路 か ら定性的な分析 をす るにと 歩行径路 をタイプ毎 に分類す る等、 どまってお り、回遊行動 を誘発す る要因、にぎわい密度 を変化 させ る要因 との相関 を求めるま でにいたつていない。 「京都市中心商店街 における来街者 の回遊行動 パ ターンと賑 わいの密度分布 について」 べ この研究 は、京都市中心商店街 を対 象 に来街者 の歩行径路や街路群集 人数 を調 、回遊行動 い とに ぎわいの密度分布が どの よ うに形成 され るか を明 らか にする ことを目的 として る。 の が い 調査 は、路 上群集密度の調査 と動線調査 を行 い 、路上群集密度 の高 街路 や動線 重な り タイプ と街路 の空 多 い街路 の空 間 を分析 している。また、歩行径 路 をタイプ別 に分類 し、径路 間特性 も分析 している。 一 ること、ま い 結果 としては、路 上群集密度 の高 い街路 と動線 の重な りが 多 街路 はほぼ 致す たルー プ系 の歩行径路 にな りやす い街路 が特定 されてい る。しか し、空間要因 と路上群集密度 い や歩行径路 の形 との因果関係 を明 らか にする ところまでにいたつていな 、
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第 1章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研 究
■関連研究
(後
序論
で本論 で使 ったもの)
「駅勢圏改札 口分担 モデルに寄 る利用者 の予測 に関する研 究」 「各改札 回の分担す る歩行圏 (目 的地 の方向)」 と「各改札口の分担す 山手線全駅 につい て、 る歩行圏 に対す るその改札口利用者 の集中の割合 (集 中率 )」 が明 らかになつている。 その結果 か ら、一般 的に「駅 の改札 回の利用者数 につい ては、駅 の利用者全体 に対 しての分 「それぞれ の改札 口には歩行圏 の分担 がある」 とい うことが明 らかにな つ 担率 がある」また、 てい る。 それに よると、渋谷駅 では書 く改札 ごとに独 立 した歩行圏を持 つてお り、各改札 の歩行圏分 担 は以下の ようになる。
図 1‐ 1 渋谷駅 の改札 口歩行日分担率
型壁里 里 空 L生 聖型 呈里型±12211童
‖。Sり Watanabe Lab.1 Hitoshi
第 1章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
2.集 客施設 と回遊性
序論
―渋谷 の集客施設 と街の発展 ‐
現在の大規模商業地 であ る渋谷 を例に とつて、集客施設 と街 の発展 につい て考 えてみる。 渋谷 に初めて西武百貨店が開店 したのは 1968年 の 4月 で あ る。西武百貨店 の 出店が、渋谷 を発展 させ る一つの要因 にな つたことは間違 い ないだろ う。その西武百貨店の渋谷 での成功 は 「区役所通 り」 と呼 ばれ、 「公園通 り」 とい う 1本 の道路 を抜 きには語 れない。当時 この道 は、 用事 のために足早 に通過する人 の他 には商業施設 を巡 り歩 く人 は多 くなかつた。 「シブヤ その当時 か ら現在 にいたる まで、渋谷が どう発展 して きたか、PHP研 究所発行 の「 系」の経済学』 には以下の よ うに記 されてい る。
したが つて、 この通 り
(「
区役所通 り」)が 、実体 として も「区役所通 り」 にとどまって
い る限 り、繁華街 の発展 は限 られた ものになつて しまう。 それ は 1種 の CI(コ ー ポ レイ ト・ アイデ ンテ イテイ)戦 略 であ る。何 も行政 を動 か して 公文書 上の道路名 を変更 しな くても良 い。 若者達 が愛称 として呼 んで くれる通 りの名前 が必要 なのだ。 この ことに気 がついたの は、当時 の西武百貨店渋谷店 の店長 だつた増田通 二氏 だつた。 「公園通 り」 代 々木公園 に通 じる道、 目的 のために足早 に抜け るのではな く、散策す る道、そ して楽 しい道。単 なる商業施設 をつ くるのではな く、いかに若者 が集 う街 をつ くるか 、そ してそ 。 れが実現す れば、結果 として若者 をターゲ ッ トにする店 は栄えるはず ― そんな戦略 の 第一歩 に、 この通 りの ネー ミングがあった、 そ して増田氏が この公園通 り界隈 に集中立地 したのが 、都市型 ファッシ ヨン専門店「パ ルコ」 だ。 1973年 か ら81年 までの 8年 間 に「パ ル コパー ト1」 「パー ト2」 「パー ト3」 と、相次 いで 「 ロ フ ト館」戸、たたみかけ 入れた後 の 87年 には、さらに「シー ド館」 3店 を出店。一迫、 て公 園通 リー帯 を西武の砦 とす る作戦が進め られた。 最初 は西武百貨店 とい う、いわば「点」の 開発 か らス ター ト、次 に公 園通 りとい う「線」 に大型店 を並べ た。 ただこれだけでは街全体 ににぎわい を現出 させ ることにはならない。大型店 の囲 む裏道 にも毛細血管 の よ うな大切 な役割がある。 そ こに集 まる小 さな店 は 、大型店 と戦 うのではな く、む しろ共存 し、お互 い を補 いあ い なが ら街 としての魅力 を高 めて行 く。 大型 スーパーが 1店 出店す ると、まるで コバ ンザ メの よ うにその周 りの青果店や和菓子 店、飲食店が活性化す る場合 もあるが、これ も同 じ理屈 だ。大型店 と同 じ全国不ブラ ン ド の商品 を大型店 より高 い価格 で売 っているだ けなら中小店 に勝 ち日はないが、大型店 には ない新鮮 な地元 の野菜や、自家製造 の和菓子 を売 つてみた り、大型店が集 めて くれた人 に Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ 2000 1
-10-
第 1章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性に関する研 究
序論
簡単 に食べ られる食事 を提供す れば、かえつて中小店にも利益 が転が り込 んで くる場合 も あ るのだ。 渋谷 の街づ くりが同 じ東京 の繁華街 であ りなが ら、例えば池袋 と比べ て優 れてい たのは この点 にあると私 は思 う。 池袋 は絵駅 の ター ミナル ビルに東武百貨店 と西武百貨店が立地 してい る。ともに日本有 数 の巨艦店 だ。 この他 にも超高層 ビルのサ ンシャインシテ イやパル コ、丸井、三越等の商 ヽ 業集積 はあ る。 しか し、それ らをつ な ぐ裏道 に、街 を代表す るような特徴あ るイ 売店が成 熟 してい ないのだ。 「池袋」な らぬ「駅袋」 と陰 口をた たかれるように、電車 で駅 に降 り、その駅 の上の百貨 い 店 で買物 を して しまえば、駅 ビルか ら外 に出ない まま家路 につ く人 も実際にはかな り る と思われる。 これでは、い くら大型店が売 り上げ をのば して も回遊性がな く、繁華街 ににぎわいはな かなか生 まれない。 池袋 の街 を長年観察 して いて も、基本的な構 図 は大 きく変化 してい ないように思 う。 渋谷 では「公 園通 り」 とい う幹 を大動脈 として、そ こに枝葉 をつ けて行 く作業 が入念 に 行 われた。 パ ル コ横 の道が アクターズス トリー ト、パル コパ ー ト1と パ ー ト2の 間の道 はサ ン ドイッ チ ス トリー トと名づ けられ、そ して スペ イ ン坂が生 まれた。
繁華街 の発展 と集客施設 の 関係 を捉 える一つの これが一般 的 な通説 と言 うわけで はないが、 視点 とはい えるだ ろ う。
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第 1車
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
序論
1-3.研 究 概 要 □研究の流れ 1.文 献調査
既往論文 の調査。 2.回 進行動 の調査
渋谷 と池袋 の「駅前 の 回遊行動」 のア ンケー ト調査 と分析。 3.行 動特性 の分析
ア ンケー トのデー タか ら、駅前 の 回遊行動 の特性 を重回帰分析 を用 いて分析する。 4.断 面交通量 のモデル化
行動特性 の分析 で得 られた重回帰式 か ら、渋谷 の道 の 断面交通量 をモデル化す る。
モデルの概要 。今回作 成す るのは、渋谷 の「断面交通量」 の予測 モデル。 「買 い物 に行 く人の割 「分担改札 口か ら出札す る人数」 ・単位時間の「集客施 設 の利用者数」 合」 と「道路幅」 か ら、分岐点 で分割 されたそれぞれの道 の、単位時間の「断面交通量」 が求め られる。 ・同 じ方法 を用 い ると、別 の街 の「断面交通量」 のモデル も作成で きる。
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駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研 究
第 2章
渋谷 と池袋 の 回遊行動 の現状
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第 2章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
2…
渋谷 と池袋の回遊行動の現状
1.調 査 対 象 地 の 選 択 (大 型 小 売 店 の デ ー タ か ら)
駅前 の 回遊行動 を考 える時、個人が どの道を歩 き回るか (歩 行径路)は 、大規模集客施設 (デ パー ト)の 配置 によつて大 きく変化 してい るよ うに思われる。 そ こで調査対象地 として、集客施設 の配置が異 なる 2つ の商業地 を選 んだ。 渋谷 と池袋 の駅前 にある第 1種大型小売店を列挙す ると、表 2-2の 通 りである。 (「 全国大型 小売店総覧'2CXXl」 より引用 ) 池袋 に比べ 、渋谷 の方が規模が小 さい大型小売店が数多 くあ ることがわかる。 また、池袋駅前 の 第 1種大型小 売店 は数 は少ないが、渋谷 に比べ ると規模が極端 に大 きい。 またそれぞれの街 が存在す る区 につい て、第 1種 。第 2種 大型小売店 の店鋪数 と店鋪面積 は 表 2-1の 通 りであ る。
表 2‐ 1 各区の大型小売店数 と面積 (第 1種 。第 2種 ) の大型小売店数 と面積 (第 1種 ・
341.323
表 2‐ 2 渋谷駅前 と池袋駅 前 の 第 1種 大型小 売店
ルムス、リプロ
合 開 発・ 果
同ビル・渋
ビル
東 武 南 館 、池 袋
フ ト、モヴィー
41.332 谷パルコ 渋谷 神 南 共 同 ビル
(
サンシャインシティ
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‐ 14‐
第 2章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研 究
渋谷 と池袋の回遊行動 の現状
2-2.調 査 方 法 1.ア ンケー ト調査
渋谷、池袋 の駅前 を回遊する人の一連 の行動 を詳 しく調べ るため (渋 谷・池袋 の どこに到着 し、 どの道 を歩 いて、 どのお店 によつて きたか)、 ア ンケー ト調査 を行 った。 詳 しくは以下 の通 り。 □調査 日 10月 ∼ H月 の土曜、 日曜、祝 日の午後
□調査概要 渋谷 のハ チ公 口付近 、池袋 の東 口付近 で 、駅前 を回遊 して きた と思 われる人 に、 イ ンタ ビュー形式 でア ンケー トを行 った。 ア ンケー ト用紙 は附記 p89を 参照。 □調査項 目 1.渋 谷 ・ 池袋 に来 た 時間 2.ア ンケ ー トを とった時間 3.こ れか らの予定 (帰 るのか、 まだそ の 街 に い るのか )
4.街 に くる頻度 5。
利用 した店鋪・ 施設 (利 用 した順 に答 えて もらう。そ れぞれ につい て 、以下 の項 目 も調 査 した。) 5-1.店 の 名前 5-2.店 の種類 5-3.利 用時間 5-4.利 用頻度 5-5.目 的 だつたか否か
6.対 象者 の属性 (グ ル ー プ人 数、性別 、年代 ) 7.歩 行 径路
ア ンケ ー ト用紙 には地 図が載 っていて 、対象者 が渋谷・池袋 に到着 した時点か ら、ア ンケ ー トを受 け た 時 まで の 歩行径路 を線 で記入 して もらった 。 ロサ ンプル数 渋谷 :78人 池袋 :65人
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駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に目する研究
第 2章
渋谷 と池袋の回遊行動の現状
2.集 客施設の来客数のカウン ト調査
この調査は、渋 谷 の各集客施設 の集客力を把握す るために行 うものである。 表 2-3の 渋谷 の施設 について、10分 間 に、施設 の全て の入 り回か らその施設 に入 って行 った 人数をカウン トし、施設毎に人数 を合 計す る。 調査 は、 1/16∼ 18の 午後 1時 ∼ 5時 の 間 の 間 に行 った。 また、 ここで選ばれている集客施設は、東洋経済新報社 「全国大型小売店総覧 '2000」 に掲 載されて いる第 1種・ 第 2種 大型小売店 のうち延 べ床面積 6000耐 以上のものである。(こ の選 択 の基準 については、3章 の 「用語 の解説」 を参照。)
表 2-3 渋谷の来客数カウン ト調査の対象施設
何V 卜 L E E F I
鯉菫 歯 鰺 彙
109 丸井 シテ ィ 由色 ハ ツ プ
′ (■ ″ ¬ ′で_卜
1
西武 建 西普
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-16.
第 2章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
渋谷 と池袋の回遊行動の現状
3.駅 か らの出札人数 のカウン ト調査
この調査 は、渋谷駅 か ら周辺地区に出 て くる人数 を把握す るために、駅か ら 10分 当 た りど の くらいの 人数が は きだされるのかを調 べ るための ものである。
JR渋 谷駅 の各改札 について、集客施設 のカウン ト調査 と同様 に、10分 間 に改札 か ら出て き た人数 をカウ ン トす る。 調査 は、 1ハ 6∼ 17の 午後 3時 ∼ 4時 の 間の 間 に行 つた。 調査 した改札は、図 2-1の 通 り。
中央改札 口 2● ●"ム ヘ
ホ‐Aヘ =書
3階
2階
1階
図 2‐ 1 調査 した改札口名 とその位置 (JR線 )
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‐ 17‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第2章
渋谷と池袋の回遊行動の現状
4.道 路の断面交通量調査
この調査で は、予測モデルの精度 を検証す るために、渋谷駅 の周辺地区の道
(H箇 所 )の 断
面交通量を計測 した。 選択 した H箇 所 の道路 上で、 5分 間 に通過す る人数 をカウン トす る。 調査 は、 1/18の 午後 3時 ∼4時 の 間 に行 った。 調査 した道路は、 図 2-2の 通 り。
図2-2 断面交通量を測 つた位 置
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第 2章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
渋谷と池袋の回遊行動の現状
2-3.ア ン ケ ー トの 結 果 1.歩 行距離
アンケー トの対象者 のその 日の歩行距離を測 り、グラフにまとめた。 (図 23の 横軸 は歩 行距離、縦軸は横軸 の距離帯 に属す る人数 の全 体 人数に対す る割合 )
渋谷 と池 袋 の平均歩行距離 は。表 2-4の
表 2-4 渋谷と池袋の平均歩行距離
通 り。池袋 の方 が、平均歩行距離は 200m
薔 谷
くらい長 くな って いる。
軍衝 羞 将 鮨 ■
袖 岱
1237.00
rmヽ
1429.27
また、1日 の歩行距離 の ヒス トグ ラム は 図 2-3の よ うにな る。 渋谷 は、平 均歩行距離が短 い ことか ら も推測 で きる通 り、池袋 よ りも歩行距離 の短 い人が 多 く、1500mが ピー クで 1800m を越 えて歩 く人は急 に少な くな る。
│
10%
ooom2 oo卜N
OO卜”1 00や倒
OO寸∞1 0o ¨倒
O〇 一N2 0o∞ 一
096
■ 池袋 ■
5% oo∞”1 00い” 離
価
歩行距離が のびて いると考 え られ る。
■ 渋谷
■
OO n ” ヽ OON ” 一 種一 ,
テ ィ があ り、そ こに行 く人が多 いため に
豊 1596
歩 OON 一 ‘O00 ,
か ら 600m程 の と ころにサ ンシ ャイ ンシ
│
■
Φo一l oO 一
体 (65人 )の 半分 ほ どいる。 これは、 駅
■
2096
R 3 2 oo∞
にな って いるが 、それ以上 に歩 く人 も全
30% 25%
Oo∞1 0
池袋では、渋谷 と同様 1500mが ピー ク
池袋 と渋谷 の歩行距離
図2-3 渋谷と池袋の 1日 の歩行距離の分布
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駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 2章
渋谷 と池袋の回遊行動の現状
2.歩 行 時 間
アンケ ー トの対象者 のそ の 日の歩行時間 を、グラフにまとめた。 (歩 行 時間
:そ の街 に着 いてか ら、ア ンケー トをす るまでの時 間。施設な どを利用 した 時間
も含 んで いる。)
渋谷 と池 袋 では、 平均歩行 時 間は池袋 の 方 が
渋谷の 歩行 時間
40分 ほ ど長 い 。 歩行時 間 の分布 の ヒス トグ ラム を見て も、池 ■Oh-lh
袋 の方が、歩行時間が長 い人が 多 い ことがわか
口lh∼ 2h 口2h∼ 3h
る。
口3h∼ 4h
これ は、渋 谷 では映画 館 な どのア ミュー ズ メ
口4h∼ 5h
ン ト施設 による人が ほとん どいなか ったが、池
■6h∼ 7h
口5h∼ 6h 口7h∼ 8h
袋では映画館 な どによる人が多 く、そ の ため に (映 画館 で は、た いてい 2時 間程度 の時間 を過 ご 池袋の歩行時間
すため )歩 行時間 が伸びたため と考 え られ る。
口Oh-lh 口lh∼ 2h 口2h∼ 3h 口3h∼ 4h 口4h∼ 5h 口Sh∼ 6h 口6h∼ 7h ■7h∼ 8h
図 24
渋 谷 と池袋 の 1日 の 歩行 時間
渋谷と池袋の歩行時間
表 2-5 渋 谷 と池 袋の 平均 歩行 時間 導 谷
軍L琺 得 餞田
3時 間 37介
池袋 4鵬 手闇
20合
〓∞・ ‘ニト
〓卜, ‘二一
〓ΦI 〓崎
訴 ︱ 〓寸 間 時
行 ギ ー〓∞ 歩
工∞?二N
二∞2 二一
〓一I Eo
図 2-5 渋 谷 と池 袋 の 1日 の 歩 行 時 間の分布 Hitoshi Watanabe Lab Waseda∪ niv 2000 1
‐ 20‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 2章
渋谷と池袋の回遊行動の現状
3..施 設利用数
ア ンケ ー トの対 象者が、そ の 日に商業施設や飲食店 、 アミュー ズ メ ン ト施設 な どに立 ち 寄 った数 を 「施設利用数」 として、 グラフにまとめた。
施設利用数 は、渋 谷 の方 が池袋 よ りも多 い。
表2-6 渋谷と池袋の平均施設利用数
また歩 行時間 は渋谷 の方 が池 袋 よ り短 い こと か ら、渋谷 の方 が い ろ い ろな施設 を細 か く
態谷
1
油勢
―人 当 りの平
回 っているとい うことがわか る。
3.42
これ は、渋 谷で は 商業施設 の数 が多 いのに 対 し、 池袋で は渋谷 ほど多 くはな い ことが影 響 して いるので はな いか と思われ る。 渋谷
池鏡施投網用歓
3596 3096 2596
.2096 薔
15% 1096 596
0%
12345678 施設利用数
図2-6 渋谷と池袋の 1日 の施設利用数の分布
Hitoshi Watanabe Lab VVaseda∪ niv.2000 1
-21‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 2章
渋谷と池袋の回遊行動の現状
4.利 用施設 の種 類
アンケ ー トの対象者が、利用 した施設 を種類 別 にグラフにまとめた 。 ここではおお まかに、飲 食店 、デパー トな どの買 い物 をす る施設、映画館 、ゲ ー ムセ ン ター な どのア ミュー ズメ ン ト施設、そ の他 の 4種類 に分 けた。
渋谷 と池袋 で は、飲食店 、そ の他 の施設 を 利用す る割合 はほぼ同程度 だが、買物施設 と
渋谷の利用施設の種類
アミュー ズメ ン ト施設 の割 合 が、一 番異な っ ている。 渋谷では、買 い物施設 を利用す る人が全 体
■飲 食 店
の3/4を 占め るが 、池袋 で は6割 程度 に減 っ
■ 買 物歯設 自 ア ミュ ーズ メ ン ト施 設
てお り、そ の分 アミュー ズ メ ン ト施設 を利用
口 そ の他
す る割合 が高 くな ってい る。
池袋の利用施設の種類
2%
■飲食店 ■買物施設 ■アミューズメン ト施設 口その他
図 2-7 渋 谷 と池袋の施設 利 用 の種類
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ 2000 1
-22‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性に関する研究
5.目
第2章
渋谷と池袋の回遊行動の現状
的の有無
アンケー トの対象者が、目的とする施設をを持っていたかをグラフにまとめた。 渋谷のアンケー ト対魚者の目的の有無
渋谷 で も池袋で も、目的 とす る施設 を持 つて いる人は、半数以 上い る。 また、 1日 の行動 を通 してみ ると、 目的 とす る施設 に行 くだけでな く、 それ以 外 の施設 も利 用 していることがわか る。 (図 2■ 9参 照 )
池織のアンケー ト対象者の目的の有無
図2‐ 81渋 谷 と池袋の 目的の有無 一人 当りの施設利用数
(目
的の有船
■ 目的とされたお議の利用薇 ■ 目的以外0歯籠利用薇
1.00
2.00
3.00
歯臓利用数
図2・ 9 渋谷と池袋の施設利用数
(目
的の有無)
HitOShi Watanabe Lab.Waseda univ.2000 1
‐ 23‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 2章
渋谷 と池袋の回遊行動の現状
6.利 用者の 多い施設
渋谷 と池 袋 で、 1割 以上の人が利用 した施設 を利用 が多い順 に並べ た。
渋谷では、 1番 利用 の多 い施設でも、全体 の2割 程度 の人数の利用だが、池袋で一番利用 の多 いサ ンシ ャイ ンシティでは、約 4割 の人が利用 している。 また、 1割 以 上の人が利用す る施設の数 を比べ ると、渋谷の方 が多 く、渋谷では人を多 く 集 める施設が分散 している。 渋谷では、 1つ 1つ の施設 の規模は小 さいが数が多 く、逆に池 袋では、 1つ 1つ の施設 の規模 が大 き く数が小 さいことが原 因だ と思われ る。 また、ア ンケー ト対象者 の年代は、図2-10と 2-Hか らわかるように偏 りが見 られるので、 このアンケー トでの利用人数 の順番 が、実際 の街での順番 と対応 しているとは限 らない。
表 2-7 渋谷の平均施設利用数 席静 名珠
利用 人 数
表 2-8 池袋の平均施設利用数 順位
朧船 名 漱
109
什 ン し キ イ ツ
宙● ハ ツ プ
目負 ハ ツ プ
″ r7-レ コ ー ド
西部 百貨 店
丸井 シテ ィ 西青
パリ しコ シ ユ マ 十 シ し キイ ン
A館
′ くJレ コ′1‐ ― 卜1
ビッグ カ メラ童 □店
HMV
リプ ロ
剤 口 人J
順位
24 21
F ` 〔
マ ク トナ リレド 七 量 ヤ ン ″
〔
ロフ ト
[
アンケ ー ト対象者の世代 (渋 谷)
図 210
渋 谷の ア ンケ ー ト対象 車の 世代
アンケー ト対象者の世代 (池 袋)
図2-11 池袋のアンケ ー ト対象車の世代
Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ 2000
第 2章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性に関する研究
渋谷と池袋の回遊行動の現状
7.歩 行範 囲
渋谷 と池袋で、アンケー ト対象者 の歩行径路 を重ね合わせた。 渋谷では、歩行径路が比較的分散 しているのに対 し、池袋では駅か らサ ンシ ャイ ンシテ ィに 続 く道 に歩行径路が集 中して いることがわかる。
13
池袋の歩行経路の重ね合わせ Hitoshi Watanabe Lab VVaseda Univ 2000
‐ 25‐
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
第 3章
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
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駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研 究
第 3章
駅周辺の回遊 行動特性 の分析
3-1.行 動 特 性 分 析 に 向 け て 駅前 の 回遊行動 を考 える時、前章 の調査 の結果 か らも、個人が どの道 を歩 き回るか は、大規 模集客施設 (デ パ ー ト)の 配置 によつて大 きく変化 してい ると予想 で きる。 「街 にい る人全 体 の歩行径路 を重 ね合わせ ると、それぞれの道 の通行人数が その考 え方で、 何人 になるのか」 は、集客施設 の配置 によつて、変化する とい うことになる。 そ こで この章では 、駅前の回遊行動 において、それぞれの道の通行人数 に影響 を与 える集客 施設 の配置、空間的要因 を、重 回帰分析 を用 い て明 らかにす る。
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‐ 27‐
第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性の分析
3-2.分 析 の 概 要 0.分 析 のデータは、2章 のアンケー ト調査 で得 られたデータを用いる。 1.渋 谷 と池袋 の街 での駅前 の回遊行動の調査 か ら、それぞれの街で道 を分岐点 ごとに分割
し、分節 した各道毎 に通過人数 を集計す る。 2.重 回帰分析 による影響因子 の特定
「
2-1.「 通過人数」を目的変数 とす る回帰式の説明変数候補 を「集客施設 の影響」 駅からの
距離の影響」「道路幅」する。 2-2.説 明変数「集客施設 の影響」 についての検討
「駅からの距離の影響」は、慣例 より「1/(駅 からの距離)」 と 説明変数について、 「集客施設の影響」は説明変数 として、 「道路幅」はそのままの値 を採用できるが、 し、 どのように数値化す るのが適当かが明らかではない。それを判断す るため、3パ ター ンの数値化 について、目的変数「通過人数」との単回帰分析 を行 い、どのパ ター ンを 採用するか決定 した。 数値化手法 1 :施 設 か らの影響 が、その施設 を中心 に同心円上 に広がる と考 える。 数値化手法 2 :施 設 と施設 を回遊す る行動 が、施設 と施設 をつ な ぐ位置 にある道 に影 響 を与 えている と考 え、2つ の施設 をつ なぐ直線か ら距離が離れ るにつ れて、施設か らの影響が弱 くなると考 える。 数値化手法 3 :手 法 2を 特徴的 に したもの。施設 と施設 を回遊す る行動が、施設 と施 2つ の施設 の 間 を 設 をつ なぐ位置 にある道に影響 を与 えていると考 え、 最短距離 でつ な ぐ道 にのみ施設 の影響 をあ らわ した もの。 「集客施設 の影響」「駅か 「通過人数」 を目的変数、 2-3.渋 谷、池袋 それぞれの街につ き、 らの距離 の影響」「道路幅」 を説明変数 とす る重回帰分析か ら、回帰式 を求める。 その際、すべ てのパ ター ンで重 回帰分析 を行 い、相関係数の比較 と偏回帰係数の検定 を行 い、説明変数が最 も少な く、寄与率が最 も高 い式 を採用す る。 3.渋 谷 、池袋 の .重 回帰式 の比較 を行 い 、両者 の違いの原因 を考察す る。
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第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
3‐
駅周辺の回遊 行動特性 の分析
3.用 語 の 解 説
1.本 研究での集客施設の定義 および選び方 '2000」 に掲 今回集客施設 として取 り上げた ものは、東洋経済新報社「全 国大型小売店総覧 のである。 載 されてい る第 1種 。第 2種 大型小売店 の中で、延べ 面積が 6CX10耐 以上の も
この分析 では、集客施設 は道 の通過人数 に影響 を与 えるもの として捉 えるため、集客施設 と い して選 ばれるものは、あ る程度 の 人数 を集め られる施設 である ことが望 まし 。 。 「全国大型小売店総 覧'2CX10」 に掲載 され ている第 1種 第 2種 大型小売店の延ベ そ こで、 した 床面積 と、ア ンケー ト調査 か ら分か つた「各大型小売店 に立 ち寄 った人数」とを比 較検討 結果、延べ床面積 60∞ 耐以上 の ものを集客施設 として定義す ることに した。 パー トまたはファッ その結果、取 り上げ られた ものは、パルコ、西武、東急 (1")な どのデ シ ョンビルといわ れるもの と、サ ンシヤインやマー クシテイな どの大型複合施設 で あ る。 パー また渋谷 にお いては、 タワー レコー ド、HMV等 の大型 CD店 に寄 った人の人数 が、デ トに立 ち寄る人の 人数 と同程度 の 人数にな ってい る ことが特徴 で あ る。 つた人数 を、以下の 集客施設 として取 り上げた もの と、アンケー トの対象者がそ こに立 ち寄 表 に示 した。
表 3-1 渋谷 の集客施設 と立 ち寄 った人数
東急 ハ ンズ
2
西部 百貨店
2
パル コ
5 3 5 一 5 一 2 .
東急本店 マー ク シテ ィ
サ ンシ ャイ ン
5
Bunnkamura
集客施設名
4
西武 A館 西武 B館 タワ ー レコ ー ド
4
丸井 シテ ィ 東急 ハ ンズ パル コパ ー ト1
︱︱ ︲︱ ︱︱ ︱ ︱ ︱ 一
109
用
千
集
表 3-2 池袋 の集客施設 と立 ち寄 った人数
リブ ロ 三越 イル ムス
│'1旦
│―
ム警
―留 16
「― -1 │
109-2 丸井 ヤ ング 丸井 ワ ン
HMV 急東横 店
一一・ 一一一一一一.... 一 ・・・ 一一一一一 ・・・・ 一 .. .. ・・・・ .
FRONT 西武 モ ヴ ィー ダ ロフ ト パル コパ ー ト2 パル コパ ー ト3
11 1
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
2
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 3章
駅周辺の回進行動特性の分析
2.道 の「通過人数」
この分析で、道の「通過人数」と言うのは、渋谷・池袋の街で分割 された各道毎のそこを 通過 した述べ人数のことである。 3.「 利用人数」の求め方
べ 集客施設の「利用人数」 とは、アンケー ト対象者の中で、その施設に立ち寄つた述 人 数のこととする。 駅の「利用人数」は、アンケー ト対象者の中で駅を利用 した人数のことだが、今回の調 査では、駅から回遊 を始めた人を対象としているため、アンケー ト対象者すべての人数に なる。 4.「 道路幅」
「通過人数」に影響を与える因子として「道1路 幅」がでてくるが、これは道の大きさをあ らわすために用いた値である。
Hibshi Watane Lab.Waseda un市 .2000
第 3章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺の回遊行動特性の分析
3-4.行 動 特 性 分 析 1.各 道毎の通過人数の集計
渋谷、池袋 の駅 前 の道 を図3-1、 3-2の ように分 岐点 ごとに分割 し、それぞれの道 に番号 を つ ける。 回遊行動調査か ら、それぞれの人の歩行径路 が分 かっているので、それぞれの人が何番 の 道 を通 つたかを順 に調べ、最後に調査 した人数 を全て足 しあわせて、それぞれ の道 の述べ通 過人数を集計す る。 その際、一人が 同 じ道 をくり返 し歩 いた時には、そ の道 の通過人数は2人 と数 える。
図3-1 渋 谷の分 割 され た道
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駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 3章
駅周辺の回遊行動特性の分析
図3-2 池袋の分 割 され た道
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-32-
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
第 3章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
表 3-3 渋谷 の道番号 と通過 した人数 ︲ ︲ 6 7 珂 5 5
91 3
72
5
51
6 7 8 9
3
30
2
31
2
32
2
33 1
21
3
2
1
3
11
40 41
42 43 44 45
4
4
3
47 48 49
3
。 7 ︲ 7 3 7 5 7 7 7 8 7 9 7
52 54
。 8
5
表 34
1
1
11
114
1
92 93 95 96 97
1
1
1
1
141
142 143 144 145 146 147
120 121
122
14 14 50
123 12
101
125 126
103
128
51
52 53
127
104
1
10
13
10
131
107
154 15 15
157
13
162 163 164 165 166 167 168 17
173 174 175 176 177 178 17 18 181
182 183
54 55
131
132 133
4 7
53
128 129 130
3 7
2
52
12 12 12
2 7
1
42 43 44 45 47 48
124
1 7
0
41
123
0 7
9
4 4
75
76 77
78 81
82 83
84 85
13 1
106 107 108
135 136 137 138 13
1
1
11
141
1
14
1
143
14
115
144 145 146 147
5
87
16 17
8
1
2
58 59 60
89 90
12
150
30
61
91
121
151
5
86
1
191
171
1
9 6
8
81
186 187 188
16
池袋 の道番号 と通過 した人数
8 6
7
7
36 37 38 39 40
51
2
4
13
17 18 19
91
161
1
7 6
6
3
2
24 25 26 27
13
6 6
5
34
4
22 23
12
1
5 6
4
33
18 19 21
1
135 136 137
4 6
32
3
17
11
3 6
31
2
16
87 8 8
10
1
2 6
1
14 15
8
160
14
102
6 7
51
84 85
100
4 7
2
83
9 9
2 7
O 2 3 4 5 6 7 8 9 0 ︲ 2 3 4 5 H ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ 2 2 2 2 2 2 ︲
3
︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ 9 。 ︲ 2 3 4 5 6 7 8 ぼ 5 6 6 6 6 6 6 6 6 6
4
3
54
2 2
3
134
14 14
Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ 2000
201
202 203
204
第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊 行動特性 の分析
2.重 回帰分析 による影響 因子 の 特定 2-1.説 明変数 の候補
「駅からの距離の 「通過人数」を目的変数 とす る回帰式の説明変数候補 を「集客施設の影響」 影響」「道路幅」 とする。 「駅からの距離の影響」は、道の中心点 と駅 との距離 をはか り、ポテンシャルモデルの距離 についての定石 に基づ き、1/(道 と駅 との距離)2 をその値 とする。 また、「道路幅」はそれぞれの道の幅 (m)を その値 とす る。
2‐
2.説 明変数 「集客施設 の影響」 についての検討
「全 国大型小売店総 用語 の解説 にもある通 り、本研究で集客施設 として取 り上げるものは、 。 べ 覧'2∞ 0」 に掲載 されてい る第 1種 第 2種 大型小売店 の うち延 床面積 6CXXlぶ 以上の もの である。取 り上げた集客施設 とその利用 人数 を、以下 の表 に示 した。 表 3‐ 5 渋谷の集客施設と立ち寄った人数 利 用 人数
集 客施 設 名
14 14 15 12 12
109 丸井 シテ ィ 東急 ハ ンズ パル コパ ー ト1 西武 A館 西武 B館 1 タワ ー レコー ド
5 15 5
3
東急本店 マー クシテ ィ
6 8
109-2
1
丸井 ヤング 丸井 ワン
2
0-FRONT
1
8 1
2 4
6 一1 一 1
HMV
2
Bunnkamura
西武 モ ヴ ィー ダ 回フ ト パル コパ ー ト2 パル コパー ト3
表 3‐ 6 池袋の集客施設 と立ち寄った人数
東急東横店
Hitoshi Watanabe Lab. Waseda Univ.
2000
I
|
-34-
第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
「集客施設 の影響」は、説明変数 として どの ように数値化す るのが適当かが明 らかで はない。 ー いて 目的変数 それを判断す るため、以下 の 3パ ター ンの数値化 について、渋谷 のデ タを用 「通過人数」 との単回帰 分析 を行 い、決定係数 の高 い手法 を採用 した。 る 数値化手法 1:施 設か らの 影響がその施設 を中心 に同心円上 に広 がると考え 。 を つ に 数値化手法 2:施 設 と施設 を回遊す る行動 が、施設 と施設 を な ぐ位置 にある道 影響 与 えていると考 え、2つ の施設 をつ な ぐ直線 か ら距離が離 れるにつ れて、施設 か らの影響 が弱 くな ると考 える。 をつ と 数値化手法 3:手 法 2を 特徴的 に した もの。施設 と施設 を回遊する行動 が、施設 施設 2つ の施設 の間 を最短距離でつ な ぐ位置 にある道に影響 を与 えてい ると考 え、 な ぐ道 にのみ施設 の影響 をあ らわ した もの。 てた くさん人が 手法 1は 、施設 の影響 を点的 に捉 え、集客施設 の近 くが最 も影響 を強 く受け お り、施設 か ら遠 ざかるにつ れて人が減 ってい くと考 える方法 である。 「施設 の影響」を 1つ の施設 か らの影響 で捉 えるのではな 手法 2と 3は 、手法 1と は異 な り、 く、2つ の集客施設 をつ な ぐ線的な関係 で捉 えるものであ る。 い ところだけを取 手法 2と 3の 違 いは、施設 の影響 をグラデー シ ヨン的 に捉 えるか、最 も強 り出す か とい う ところである。 んお り、 た 手法2で は2つ の集客施設 をつ な ぐ直線 上が最 も施設の影響 を強 く受け、人が くさ その直線 か ら遠 くなるにつ れて、施設 の影響が弱 まり人が少 な くなると考 える。 でつ な ぐ道」 手法 3は 、最 も施設の影響 を強 く受け ると思われる「2つ の施設 の 間 を最短距離 にのみ影響 を与 えてい る。 「2つ でつ な ぐ道」 ではな く、 (手 法 2で は、最 も影響が強 いのは、2つ の施設 を「最短距離 の施設 をつ な ぐ直線」 であ る。 各数値 化 の詳 しい説明 は、以下 の通 りである。 )
<数 値化手法 1>
の を 集客施設 の影響 が、その施設 を中心 に同心円上 に広がる と考 え、あ る集客施設 か ら 影響 1つ の 集客施設 の影響
=
そ の集客施設 の利用 人数 (そ の集客施 設 と道 の中心点 との距離)2
とす る。 施設 が複数あ る時は、それぞ れの施設 に対 して上記 の計算 を し、最後 に道毎 あわせて、集客施設がその道 に与 える影響 とす る。
にすべ てを足 し
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駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 3軍
駅周辺の回遊行動特性の分析
図3-3 手法1の 説明
<数 値化 手法 2> 集客施設が施設 と施設をつ な ぐ道 に影響 を与え ると考 え、2つ の施設 の間をつな ぐ直線か ら 道が遠 ざかる程、施設 の影響は小さくなると考 える。 具体的 には、施設か らの影響 を ある2つ の施設か らの影響
=
その2つ の集客施設 の利用人数の合計 (「 その 2つ の施設をつ な ぐ直線」 と 「道 の 中心点」 との距 離)2
とす る。 施設が複数ある時は、存在す る施設 に対 してすべての組み合わせで上記 の計算 をし、最後 に 道毎 にす べ てを足 しあわせ て、集客施設がそ の道 に与える影響 とす る。 また、 この手法では駅 も1つ の施設 と考 え、駅 と施 設 とい う組み合わせ も加 算 されている。
合わせて10+5=15人 の人が来ている. 図 3-4 手法 2の 説 明
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-36‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性に関する研究
夢 3章
駅周辺の回遊行動特性の分析
<数 値化手法3> 集客施設が施設と施設をつなぐ道に影響を与えると考え、2つ の 施設の間を最短距離でつな ぐ道に、その両端に位置する集客施設の利用人数を足 しあわせ た値を与える。(図 3-5参 照) 施設が複数ある時は、存在する施設に対してすべての組み合わせで上 の 記 計算をし、最後に 道毎にすべてを足 しあわせて、集客施設がその道に与える影響とする。 また、この手法では駅も1つ の施設と考え、駅と施設という 組み合わせも加算されている。
合 わせて 10+5=15人 の人が来ている.
最短距離の道 にそれぞれ15(人 ) という値を与える。
図 3-5 手法 3の 説明
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第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
手法 1の 単回帰 分析 を行 い、以下 の結果 を得 た。 集害施設の影響手法 1
●要
回帰統計
署12 輻 垂 瞑 R2 003805838 補正 標準誤差 観測数
141014525
152
1 1386.82287 1386.82287 697418238 000914489 150 29827.6442 198850962
回帰
残,豊 合計
151 312144671
下限 950%
6 9
10.483832 557481239
一3 8
5.57481239
8 6
1 3524E-09
︲ 一
646368335 2640867
0.4 ・
上限 95%
t
8.02932218 124222084 1821805 14
切片
14489 9
次 に、手法 2の 単回帰分析 を行 い、以下 の結果 を得 た。 集客施設の影響手法2
概要
回帰銃計
重 電12 餞 視 0.63451939 補正 R2 8.69203881
標準誤差 観測数
152
2 19957.2878 997864392 132077309 10046E-33 149 112571793 755515387
回帰
男1差 十 合言
15131214.4671
「剛1950%
P-1査
幅
(実 際 の幅 )
手
t -3.6255794 -62126328 1.30922851 -47452624 48372E-06 -87996862 -3.6255794 -87996862 088454796 070003262 0.09337756 749679715 5.4121E12 051551729 088454796 051551729 57181 2 26426 12288778 20712E-24 1098489 28.3991
最後 に、手法 3の 単回帰 分析 を行 い、以下 の結果 を得 た。 督要
彙害施設の影響手法3
│
回帰繊計
霊 瞑 豊12 聰 R2 079366852‐ 補正 標準誤差 観測数
残差 合計
6530887921
152
1506397.87455 42652497 31214.4671 15「 上限 95%
t
切片
2.20628653 1
060606932 364032043 0001
41211964
1.00875142 0.043521
3.40382165
1.00875142
1288
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
1
3.40382165 0.051
第 3章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性の分析
3つ の結果 を比較す ると、手法 1の 方 は決定係数 が 0.04、 手法 2の 決定係数 は 0.639、 手法 3 の決定係数 は 0.795と 手法 3が 最 も大 きい。 よつて手法 3の 数値化 を採用す る。 手法 1の 決定係数 0.04は 、相 関がほとん どない とい える値であ り、集客施設 の影響 をほとん ど反映 してい ない数値化 であ つた。 この原因 は、以下 の よ うな ことだと思 われる。 手法 1に お い ては集客施設 の影響が、その施設 を中心 に同心 円上に広がると考え るので、一 番影響 の強 い ところは施設 の位置 してい る場所 で あ り、それか ら遠 ざかるにつ れて、段 々影響 が弱 くな るとい うことになる。 しか し、ある施設 の道 の通過 人数 に対す る影響 は、その施設 に行 くために歩 く道 に連続 して 表 れるもので あ り、また距離が その施設 か ら遠 ざか るにつ れて影響が弱 まるわけで はない。そ の施設 に行 くために歩 く道 には、一様 に同 じ大 きさの影響 が表 れるはずである。 10人 が立 ち 寄 る施設 なら、その 10人 とい う値 が、その施設 に行 くために続 く道に連続 して同 じ大 きさと して影響す る。 つ まり、手法 1の 考 え方 だ と、駅 か ら離れた ところにある集客力のあ る施設 に行 くために、 駅前 か らそ の施設 まで一様 に多 くなるとい うことが説 駅か らその施設へ続 く道の通過人数が、 明で きない。 駅前 での道の通過人数に対す る集客施設 の影響 は、手法 2、 3の ように点的 にではな く線的 に捉 えるべ きだ とい うことがわかる。 また手法 2と 3に ついては、どちらも充分相関がある と言 える値であるが、手法 3の 方が決 定係数が高 く、目的変数 をよ りうまく説明 で きる。これは、手法 2に おい ては、施設 と施設 を つ な ぐ直線 上 にある道が、最 も施設の影響 が強 い と考 えてい るが、実際 に2つ の施設 をつ な ぐ 道 は、最短径路 (最 も人が多 い と考 えられる道)で も直線的 な形 ではな く、曲が りくね ってい る。そのため最短径路 とい う一続 きの道 で も、場所 によつて 2つ の施設 をつ な ぐ直線 か ら遠 か った り、近 かつた りして「集客施設 の影響」 として与 え られる値 にば らつ きがあ り、グ ラ 径路 として距離 が遠 くなるにつれて影響が弱 く デー ション的に影響 を表 して い ると言 つて も、 なる と言 うことを完壁 に表 してい るわけではない。 それに対 して、手法 3で は一番影響が強 く出る と思われる径路上に しか値 を与 えてはい ない が、手法 2よ りは径路 として集客施設 の影響 を直接的 に表 してい ると言 える。 その結果 が、 この決定係数 の差 になつた と思われる。
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
‐ 39-
第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺の回遊 行動特性 の分析
手法 1.2.3の 通過人数 との散布図を見るだけで も、どの手法がが うまく説明 しているのかは す ぐにわかる。 書施臓の鬱●‐ 手法2 。 ∞ 9
“
0 0 1
≡ 三 ≡ ≡ ≡ ≡ 三 ≡ ≡ ≡ ≡
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70ト ーーJ― ――― ―――――一 ―――――――――一―――――――
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集書施臓の影薔 ―手法 3
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讐 影 。 。 0 勒 ︲ 審 集
図 3‐ 6 通過人数 との散布図
Hitoshi Watanabe Labo Waseda Univ.2000
40‐
第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性に関す る研究
駅周辺の回遊行動特性の分析
2-3.通 過人数回帰式 の算出
渋谷、池袋それぞれの街 につい て、道 の通過人数が どんな空 間要因 によつて変化 してい るの かを、調査結果 か ら明 らか にす るために、「通過人数」 を目的変数 とす る重 回帰分析 を行 う。 「駅か らの距離 の影響」「道路幅」 を挙 げた。すべ 「集客施設 の影響」 説明変数 の候補 には、 ての候補が通過人数 に影響 を与 えてい るかはわか らないので 、どの変数が「通過人数」の影響 重回帰分析 の変数増減法 によつて、説明変数の検 要因 としてふ さわ しいか を判断す るために、 討 をした。 渋谷、池袋 ともに、「集客施設 の影響」道路幅」 の 2つ の説明変数 を採用 した時 に、最 も有 効性 の高 い回帰式 が得 られたが、2つ の街では2つ の説明変数 の も「通過人数」に対す る影響 の重みが違 うことが分 か つた。(「 駅か らの距離 の影響」につい ては、どち らの街 で も影響 が少 ないことがわか り、変数 としては却下 された。) 「集客施設 の影響」の方が「道路幅」 よりも目的変数に対す る影響 がかな り大 き どちらも、 いことは同 じであるが、 目的変数 に対 しての影響 の大 きさをあ らわす標準回帰係数 を比べ る と、 「集客施設 の影響」 776、 「道路幅」0.247、 渋谷 では、 池袋 では「集客施設 の影響」0.860、 「道路幅」0.120 と、渋谷 の方が 「道路幅」 の 目的変数 に対す る影響度 が大 きい。 「道路幅」に多少影響 を受け る つ ま り「通過人数」は、 「集客施設の影響」に大 きく依存 し、 とい うこと、またその影響 の重 みは、街 によつて変化す る とい うことが分 かつた。 0。
通過人数 の回帰式 渋俗`: Y = 0.041259746。 Xl + 0.439641662・ X2 Xl:集 客施設 の影響
1.984233471
X2:道 路 幅 自由度修正済みの決定係数 0.84036∞ 05 「集客施設の影響」の標準偏回帰係数 :0.77606357 「道路幅」の標準偏回帰係数 :0.246574712 池套:: Y = 0.158767876・ Xl + 0.209662259。 X2 Xl:集 客施設の影響 X2:道 路幅
1・ 719663637
自由度修 正済みの決定係数 0.81572449
「集客施設の影響」の標準偏回帰係数 0.86CX162766 「道路幅」の標準偏回帰係数 0.120108693 この 分析 の 手順 につい て は 、次 ペ ー ジか ら述 べ る。 Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
2‐
駅周辺の回遊 行動特性 の分析
3-1.渋 谷 の重回帰分析
■予備的解析 い 回帰分析 を実施す る前 に、散布図 を用 いて、1変 数 ごと、2変 数 ごとの基本的 な解析 を行 、 つい る てグラフか ら検討す 。 1つ の説明変数 と目的変数 の 関係、2つ の説明変数間の関係 に □多重共線性 (mu■ icolunca‖ ty=略 してマルチ コ) 重回帰分析 の際 には、ある2つ の説明変数 同士 の相関係数が 1ま たは -1、 またはそれに近 い 値 の ものが存在す ると、信頼性 の低 い重回帰式 が求 まる ことが あ る。 この よ うに、2つ の説明変数間の相関が高 い時、 「2つ の説明変数間に多重共線性 がある」 とい う。従 って、多重共線性 をさけるためには、相関行列 を眺 めて、相関係数 が 1に 近 い説 明変数が見つ かれば、目的変数 との相関が低 い方 を落 とさなければならない。 これを確 かめるため、各説明変数同士 の相関係数比較 と散布図の作成 を試 みた。 特 に際立 った相関はないので、多重共線性 はない と言 える。
表 3-7 説明変 数 同士 の相 関
1/(駅 との 通過人数 1/(駅 との距離 )'2 道の幅 (m) 集客施設 の影響
1 0.51578854 0.61036037
0.352882881
0・
遺路颯 と1′ (駅 か らの距離 )2
y=2 4786Ln(x)+40143
1
4969312490.46875755
1
1/く 駅との距離の2乗 )‐ 集客施設の影書
R2=0.1251
00035000 0.0030000
y‐ JJOJ
SE-01量 Rz
E︶ ︵ 馨譴錮
熙
-
I「 05_二 __
0.4857
00025000
e O.0020000
糧 騒
e
00015000
躊
° ・°°1° °°°
>
00005000 0.0000000
00000000 00010000 00020000 00030000 00040000
-00005000 集客施設の影書
1/(駅 からの距離 )2
図 3-7 説明変数 同士 の散布 図
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第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性に関する研 究
1集
駅周辺 の回遊行動特性の分析
y=15.721x-32.932
客施 設 の影響 と道路幅
R2
r 'I
= 0.2197
800 600
r40o
?
B
1200
rooo
$H
800 600 4oo
ffi $
200 o
20
30
40
道路幅 (m)
図 3‐ 8 説明変数 同士 の 散布図 (続 )
□ 目的変数 との相関
y= I.0883x-3.343
通過 人数 と道路颯
R2 =
0.3725
100
通過人数 と道路幅
(図 3-9)
80 60
轟 く嘔 錮
多少相関があるように見 えるものの、散布 された点 には幅があ り、単純 に回帰直線 には のつてい ない。 い くつ かの 1次 直線 の重ね合 わせのように
40 20 0
-20
10
も見える。
20
30
40
道路幅 (m)
通過人数 と駅か らの距離 の影響
(図 3-9)
x5^trL
1/(lR
b boF,s)2
100
80 轟 く呵猥
対数関数 の近似 に近 く見 えな くもないが、 強 い相関 は見 られない。
60 40 20
y=7.8093Ln(x)+99.159
■ ――― ――
(2L013905
0 00000000 00010000 00020000 00030000 00040000 1/(駅 か らの距離)2
通過人数 と集客施設 の影響
(図
3‐
9)
通過人数と集客施設の影響
100 轟 く頭 錮
決定係数 0.7以 上 と極 めて高 い相関がみ られる。
80
y=0.O474x+2.2063 R2≡ b1795
60
40 20
1■ _____
0
1000
1500
2000
集客施設の影響(人 )
図 3-9 説明変数 と目的変数 のの散布 図 Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
│
第 3章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
■重回帰分析・ 変数増減法 説明変数候補 の 中か ら重回帰分析 を くり返 して有効 な変数 のみを選択 してい 変数増減法 は、 く方法 で あ る。説明変数 が一つ も含 まれてい ない ところか ら出発 し、1つ ずつ説明変数 を取 り 上げ、順次その説明変数 が有効 であ るか (目 的変数 に影響 を与 えているか)を 偏回帰係数 の検 定 を行 い なが ら判断 して選択 してい く。この過程 で 、1度 選択 した変数 の 中 に不 要 な変数が出 てきた時 には、その変数 を除去する。 渋谷 の分析 の手順 を以下に示す。 01.説 明変数 の うち、目的変数「通過人数」 と単相関係数の最 も大 きい説明変数「集客施設
「集客施設 の影響」 を説明変 の影響」 を選 びだす。 この偏回帰係数 の F値 =FO>Finな ので 、 数 1と す る。 相関係数 は -1か ら+1間 での値 を取 り、相関係数 の絶対値、 または相関係数の 2乗 値 (決 定 係数 )が 1に 近 い ほ ど相関関係 が強 い と判断す る。相関係数の値 が正の時 には、正の相関関係 がある こと (説 明変数が大 き くなると、目的変数 も大 きくなる)を 示 してお り、負 の時 には負 の相関関係 がある こと (説 明変数が大 き くなると、目的変数が小 さくな る)を 示 してい る。O に近 い時 には苑つの変数 の間 には相関関係がない ことになる。 最 も目的変数 に対 して影響 の強い説明 最 も大 きい相関係数 の説明変数 を選ぶ とい うことは、 変数 を選 ぶ とい うことである。 ●蜃 単回帰
集害施設の影● 回帰餞計
重IEtt R
重決定R2 補正 R2 標準誤差 ll数 観・
残差
合計
切片 集客施設 の 影響
0 89164733
響朦熙圏機烈灘醸 079366852 653088792
152
150 6397.87455
42.652497
151 31214.4671
標準晨差 t P=饉 工限25% 上限95% 下阻25:墜 上阻♀ 係数 員 :彎 2.20628653 0.60606932 3.64032043 0.00037417 1.00875142 3.40382165 1.00875142 3.40382165 0.051288 0.04352161 _0.051288 1.7307E‐ 53 004352161 0.04740481 0.00196528
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駅周辺の回遊行動特性の分析
第 3章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
02.残 りの説明変数 を順次一つずつ取 り上げ、説明変数「集客施設
の影響」と組み合わせて重
回帰分析 した時 にその偏回帰係数の F値 が最大の ものを探す。 これは「駅か らの距離の影響」 と組み合わせたときの重回帰分析 ::歯 餞の影薔 翻機藤緩 斃轟轟鍮額D 回帰鏡計
_ _
0.895574452
重相 関 R 重 決 定 R2 補 正 R2 標 準誤差
6.439596163 152
観 測数
301.86451
0.0000000
149 617879141 414683987 合 雷│
15131214.4671
乗
設 の
ゆ 嗽
切
片釉集醍ツ
下限野 %__上 限 95"_ t 3.91677384 0.00013626 1 16649675 3.54186857 0.044854234 0.00223303 20.086678 3.0333E-44 0.04044173 0.04926674
2354182658 060105147 2341
これは「道路幅」 と組み合わせたときの重回帰分析 概要
餞の影薔導撻猟麟襲難難 回帰統計
磐12 昌 幌 補正 R2 標準誤差 観測数
残差
合言│
聰 084036 574460725
152
149 491707636 33.0005125
15131214.4671 95.0%
-1.9842335 切片 集客施設の影響 0.04125975
082191462
‐ 24141601
001698444
‐ 3608348
0.001957 210831917 1 4418E-46 003739269 5
1
-0.3601189 0.0451268
-3.608348
0.03739269
‐ 03601189
00451268
0.309953
「駅からの距離の影響」の偏回帰係数の F値 は、 283134688 「道路幅」の偏回帰係数の F値 は、44.87197558 5。
よって、最大の F値 を持つ説明変数は「道路幅」。 る。 「道路幅」の偏回帰係数の F値 =FO>Finな ので、この説明変数 を説明変数 2と す
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3008
第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺 の回遊行動特性の分析
03.採 用 された説明変数 1「 集客施設 の影響」、説明変数 2「 道路幅」 に対 し、説明変数 2以
外 の偏 回帰係数 の F値 を計算 し、その最小 の F値 を探す。 (こ の時 は説明変数 1「 集客施設 の 影響」 しか ないので、その F値 とする。)
回帰続計 重相関 R 重決定 R2 補正 R2 標準誤差
084036
574460725
2 262973907 13148.6954 398439127 149 491707636 330005125
回チ 尋 残差 合計
[:稽
091786406 晰
00000000
151312144671
の 影 設 響
!ji:i蜆 : ::I!:!│:iSiξ
恵 嚇 醤 書 菫
ll!jli:││ :li[:翌 ::
∴
i::::i: :li:::::::
∴
i::::::
「集客施設 の影響」の偏 回帰係数の F値 =FO=444.5009731。 「集客施設 の影響」の偏 回帰係数の F値 =FO>Foutな ので、説明変数 1「 集客施設 の影響」は その まま採用 される。 04.残 りの説明変数 を順次 一つずつ取 り上 げ、説明変数 1「 集客施設 の影響」、説明変数 2「 道
の幅」 と組 み合 わせて重 回帰分析 した時 に、その偏回帰係数 の F値 が最大 の ものを探す。 概要 集害施設 の影薔
道の颯
回帰統計 霊撰電 12 補正 R2 標準誤差 観測数
鼈
084186443
571747507
152
3 26376418 879213932 268958951 000000000 148 483804914 326895212
回帰 残差 合計
151 312144671 係数
切片 集客施設の影響 道の幅 1ノ rttRン
-1.7409338
標準晨差
t
P値
0.8328645 -20902966 003830117
00021263 18.7808595 5 251lE-41 042355154 006613599 6.4042514 1 891E-09 7256693 210476911:11織 誨翅籠圏盟闘臓整 012212139
003993367
下阻 95%
__上 限 91望
下限 9,:p%
上限
950%
-33867763 -00950913 -33867763 -0.0950913 003573185 0.0441355 003573185 0.0441355 0.29285869 0.55424439 029285869 055424439 743184917 7153 7431.84917 -88671
最大 の F値 を持つ説明変数 は「駅か らの距離 の影響」。 「駅 か らの距離 の影響」 の偏 回帰係数 の F値 は、2.417509293 「駅か らの距離 の影響」 の偏 回帰係数 の F値 =FO<Finな ので 、「駅 か らの距離 の影響」 は、 採用 しない。
よって、「集客施設の影響」「道路幅」の 2説 明変数 を採用 した。 Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ.2000
‐ 46‐
第 3章
駅周辺の歩行者の回遊 行動特性 に関する研究
駅周辺の回遊行動特性 の分析
従 つて渋谷 での道 の 通過 人数 の 回帰 式 は、 Y
=
0.041259746・ Xl + 0.439641662・ X2 y:道 の通過 人数
1・ 984233471
Xl:集 客施設 の影響 X2:道 路幅 自由度修 正 済 みの 決定係 数 0.84036CXX15 ■各説 明変数 の大 事 さランキ ング 各説 明変数 の 目的変数 へ の 影響 の 大 きさは、説明変数毎 に単位 の取 り方が違 うので 、単純 に 係数 の 大小 を比 較 して も、 どの 説明変 数 が大 事 なのか を明 らか にす る こ とはで きない 。 デ ー タ単位 が同 じな らば、求 め られた係数 を大 きい順 に並 べ て、大 きい 説明変数 ほ ど大事 だ と言 える。そ こで 、 デ ー タか ら単位 の 影響 を取 り除 く方法が考 え られて い る。
これ を「デー タの標準化」といい、目的変数 も、説明変数 も以下 の式 によって変換 させてお く。 説明変数 xi、 目的変数 y,標 準化 された説明変数 を xi:、 目的変数 プ とす ると、 XI=(為 ― ヽの平均 )/(√ xiの 分散 yL(y _ yの 平均 )/(√ yの 分散) )、
変換 させた変数 を用 いて重回帰分析 を行 つた偏回帰係数 は、単位 が と り除かれてい るので、 係数 の大小 を比べ ただけで、値が大 きい程 目的変数 に対 して大事 な説明変数 と言え る。 これ を、標準偏 回帰係数 とい う。 また、標準偏回帰係数 は、わ ざわざすべ てのデー タの標準化 を行 つて重 回帰分析 を しな くて も、以下 の簡単 な公式か ら求め られる。
al' = al× a2' = a2×
V「 (S:1/Syy) V「 (S22/Syy)
al:説 明変数 xlの 偏 回帰係数 、al':説 明変数 xlの 標準偏 回帰係数 、Sll:説 明変数 xlの 偏差 平方和
a2:説 明変数 x2の 偏 回帰係 数、も':説 明変数 x2の 標準偏 回帰係数 、S22:説 明変数 x2の 偏差 平方和 Syy:目 的変数 の偏差平方和
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1
‐ 47‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 3章
駅周辺の回遊行動特性の分析
ここで 「集客施設 の影 響」 の偏回帰 係数 0.041259746、 「道路幅」 の偏 回帰係数 0.439641662、 を標準偏 回帰係数 に変換す る と、 「集客施設 の影響」 の標準 偏 回帰係数 077606357 「道路幅」 の標準偏回帰係 数 0.246574712 とな り、 この値か ら 「道路幅」よ りも 「集客施設 の影響」 の方 が、 通過人数 には、影響 の大きい要 因 だ とい うことがわか る。
■はずれ値について 今回の調査は、主にハチ公 回の北から西側にかけて行ったが、南北に走る線路より東側 にあ る道の通過人数は、他の場所 の道よりも少なすぎるため、(線 路によって移動がさまたげられ ていると考えられる)重 回帰分析を行う際、はずれ値となるので、除外 した。 ここで 、それぞれ の説明変 数 と目的変数 の
通過人 数 ― 集客施設の影響
りやす くな る。
薇 く 颯曖
番重 み の大 きい説 明変数 「集 客施設 の影響」 の大きさ別 に見 る と、相 関 が ある ことがわか
。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 ∞ 9 8 7 6 5 4 3 2 1
散布 図を見 ると、あま り相 関 がないよ うに見 えていた説明変数「道路幅」と 目的変数 も、一
500
1000
1500
集客施設の影響
通過人数 ― 道路幅 (集 客施設の影響用 )
薇く颯輌
。 。 。 ∞ 。 “ 。 。 。 。 ∞ 9 8 7 5 3 2 1
■ 0く 集客糖設の影響 く1000
0集 客施設の影響,10∞ 集客施設の影響=0
図 3-10 目的変数 と説 明変数 の関係
Hitoshi Watanabe Lab Waseda∪ niv 2000 1
-48‐
第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性に関する研 究
2‐ 3‐
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
2.池 袋 の重回帰分析
基本的な手順 は渋谷 での手順 と同 じである。 ■予備的解析 回帰分析 を実施す る前に、散布図 を用 い て、1変 数 ごと、2変 数 ごとの基本的な解析 を行 い、 1つ の説明変数 と目的変数の関係 、2つ の説明変数間の 関係 につい てグラフか ら検討す る。 □多重共線性 (muⅢ collinea‖ ty=略 してマル チ コ) 多重共線性 を確 かめるため、各説明変 数同士 の相関係数比較 と散布図の作成 を試 みた。 「駅 か らの距離 の 影響」と「集客施設 の影響」には、1次 の相関 は見 られないが、他項近似 に お いて決定係数 0.735と 高 い相関が見 られる。よって、多重共線性 があると判断 し、この変数 の どちらか 目的変数 と相関の低 い方 を削除す る。 その他 2つ の関係 は際立 った相関 は見 られない。 表
説 明変数同士 の相 関
通過人数 1 1/(駅 との距離の 2乗 )0.38111035
0.38527033
道 の幅
0.090823514
懇吻隕赳鱚舅鑢ゞ 0.4837508680.30830499
集客施設の影響
y=29154x+2.4298
集客施設の影響と道路幅
1
の距離)ら と■ご施設の影薔 11 1/〈 駅と
0 0
R2=0.0951
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
中 畿C稲撻 仲凛
◆
││͡ o.ol ooo00 '
0
00080000
薔
0.0060000 O.0040000
C
°
●
0 0
. ・・T◆ 。 ◆ ち ● ● _^
騰
C
y = 3E-08x t - 8E-O6x + 8E-05 R2 =
/
0
a
::::::::: -0.0020000
2.{ '/ 集客施設の影響
道 路 幅 (m)
1/(駅 との巨離)2と 遺路颯
y=6E-06x-6E-06 R2 =
0.0120000 1鵬
00100000
£
0.0080000
さ
0.0060000
朦
0.0040000
、
00020000
-
00000000 図 3-11 説 明変数 同士 の 散布図
'
/
0
1 1 言
0.7346
20
40
道路幅 (m)
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0.0082
駅周辺 の回遊行動特性 の分析
第 3章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
﹁
9﹁ 3 一 3 4 ・ 8 ︲ 4 ・ ︲︲
1通
お
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上
4
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薇く﹃麟
―
________
▲ ―
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―
。
通過人数 と道路幅 (図 3-12) 多少相関があるように見 える ものの、散布 された点 には幅があ り、単純 に回帰直線 には のつてい ない。 い くつ かの 1次 直線 の重ね合 わせの よ うに
過 鯖Illl 市
X ■ 5 0 2 7 ﹂ 6 ・
□ 目的変 数 との相関
も見える。 通過人数 と駅か らの距離 の影響
(図 3-12)
。 8 。 4
薇 く颯猥
。 6
対数関数 の近似 に近 く見えな くもないが、 強 い相関 は見 られない。
。 2
41_rlllltli
。
R2 =
O.2889
1/(駅 からの距離の2乗
通過人数 と集客施 設 の影響
)
(図 3-12)
100 薇く颯錮
決定係数 0.8以 上 と極 めて高 い相関がみ ら れる。
80
I●
60
― ――― ――
40 20
●
● ● JL― 一 “
―― ―
― ―
―
″
●
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
0
200
400
600
集客施設の影響
図 3-12 目的変数 と説 明変数 の 散布図
「駅からの距離の影響」と「集客施設の影響」に、他項近似 において高い相関が見られたた め、目的変数 との相関が低い「駅からの距離の影響」 を説明変数から削除す る。
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第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性に関す る研 究
駅周辺の回遊行動特性 の分析
■重 回帰分析 。変数 増減法 基本 的 に手順 は 、渋谷 での手順 と同 じで あ る。詳 しい 手順 を以下 に示す。
説明変数 は 「集客施設 の影響」 と「道路幅」 の 2つ 。 01.説 明変数変数 の うち、目的変数「通過人数」 と単相関係 数の最 も大 きい説明変数 「集客
「集客施設 の影響」 を説 施設 の影響」を選びだす。この偏 回帰係数 の F値 =FO>Finな ので 、 明変数 1と す る。 機要 単相関 重相関 R
1蝠
黎審施設の影響
勒
回帰統計
重決定R2
補正 R2 標準誤差 観測数
089709288
苺鑽機懸鐵撻饉繊 0.80365365
805563648
176
1 46546791 46546791 717282155 174 112914306 648932791 175 578382216
回帰
残差 合計
0.0000000
― J ‐`´ `'‐ 0‐ ´ じ■ 7 V・ 」Jυ こ― 229274349 ここフ ‐ υ00D`'′ 0229274349 ●-03352473 1500/ 0.14333223 U.1460● 0978748080665/bb/b 066575575l.4/υ 1.47013087 -0.3352473 097874808 `′ `ι
切片
集客施設の影響 016560365 000618337鍛 離轍麟蒲骸蓮避 12708E-63 015339960.17780769 01533996 0.17780769
02.残 りの説明変数 を順次 一つ ずつ取 り上げ、説明変数 「集客施設 の影響」 と組 み合 わせて
重回帰分析 した時 にその偏回帰係数 の F値 が最大 の ものを探す。 これは「道路幅」 と組 み合 わせ た ときの重回帰分析 鷲 施設のИ 道の幅 重相関 R 重決定 R2 補正 R2 標準誤差 観測数
靭滋:鎌 構離紺 瀞 卵蒸鸞勁黎
:
回帰織計
090433981 ミ磁麟藤薄勲螢戦
081572449
780408969
176
2 473018615 236509307 388332494 173 105363601 609038158
回帰
残差 合計
1岬
00000000
175578382216
t
係数
‐ 1
7196636
P―
95%
10016488 -1 7168329 0.08779943 -36966898 025736248 -3.6966898 0.25736248
切片 道 の幅
020966226005954548:猾
藁暮 掘設 の 影響
面 :な
0000549620092133080.32719144009213308032719144
131ζ 42乙
9636卜 60田
4633899釧
潤
19677 014633899 Ql引
19677
'67880006297032壺
「道路幅」の偏回帰係数の F値 は、12.39775217 最大の F値 を持つ説明変数は「道路幅」。 「道路幅」の偏回帰係数の F値 =FO>Finな ので、 この説明変数 を説明変数 2と す る。
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第 3章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺の回遊行動特性 の分析
、説明変数 2「 道路幅」に対 し、説明変数 2以 03.採 用 された説明変数 1「 集客施設の影響」 外の偏回帰係数の F値 を計算 し、その最小の F値 を探す。 (こ の時は説明変数 1「 集客施設の ) 影響」 しかないので、その F値 とする。
回帰繊計 ≡瞑躍 12 補正 R2 標準誤差 観測数
靱
081572449
780408969
176
2 47301.8615 23650.9307 388332494 173 10536.3601 609038158
回帰 残差 合計
175 578382216
係数
切片
00000000
-1 7196636
標準晨差
t
下限 95%
p_値
上限 95%
下限 95.096
上限 95.096
1.0016488 -1 7168329 008779943 -3.6966898 025736248 -3.6966898 0.25736248
借 堰 の 影 響:f::':;:: :三 :::::発 :孟 圏 圏 眩 躙 孟 墨 鍾;:晋呉 資 客 提 設
: ::♀
:::::88 ::];子 l::;' 8:♀ ::::::: :::;子 │::,,
「集客施設 の影響」 の偏 回帰係数の F値 =FO=635.7031472。 「集客施設 の影響」の偏 回帰係数の F値 =FO>Foutな ので 、説明変数 1「 集客施設 の影響」は その まま採用。 4.残 りの説明変数 をがな くな ったのでここで終了す る。
よって、「集客施設 の影響」「道路幅」 の 2説 明変数 を採用 した。
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-52-
第 3章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
駅周辺の回遊行動特性の分析
従 って池袋 での道の通過人数の回帰式は、
Y = 0.158767876・ L + 0.209662259・ L - 1・ 719663637 Xl:集 客施設 の影響 X2:道 路幅 自由度修正済み の決定係数 0.81572449 ■各説明変数 の大事さランキング ここで、 「集客施設 の影響」 の偏 回帰係数 0158767876、 「道路幅」 の偏 回帰係数 0.209662259、 を標準偏 回帰係数 に変換す ると、 「集客施設 の影 響」 の標準偏 回帰係数 0860062766 「道路幅」 の標 準偏回帰係数 0120108693 とな り、 この値か ら 「道路幅」よ りも 「集客施設 の影響」 の方 が、通過人数 には、影響 の大 きい要因
だということがわかる。
ここで、それぞ れ の説明変数 と目的変数 の
通過人数 と集客施設の影響
散布 図を見 る と、あま り相 関がな いよ うに見 えて いた説明変 数 「道路 幅」 と目的変数 も、 一 番 重み の大 き い説 明変 数 「集客施 設 の影 響」の大 きさ別 に見 ると、相 関 が ある ことが わか りやす くな る。
100 80
褒 60 層 40 20 0
0
200
400
600
800
集客施設の影響
通 過 人 数― 通路 蠣 (集 客 施 設 の 影 響 層 )
薇く口躍
● 無客施■の際 0 ■ 0く 彙3■ 段の影,く ,∞
10∝彙敏 ・
2004客
段の影口く2∞ 籠政の影書く3∞
X負 審籠餃の影響 >300
20
40
遭路幅 (m)
図 3-13 目的変 数 と説明変数 の関係
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-53-
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 4章
断面交通量のモデル化
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第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
4…
断面交通量 のモデル化
1.予 測 モ デ ル の 概 要
「道の通過人数」が「集客施設の影響」 と「道路幅」の 前章の回遊行動の特性の分析から、 できた。 影響 を受 けていることが分か り、その関係式 を求めることが はア ン の しか し、この分析の中で、目的変数「道の通過人数」と説明変数「集客施設 影響」 モデ の ヶ― 卜か ら求めた値であ り、街 にいる買い物客全てを対象 とした「道の通過人数」 予測 ルを作 るには、この2つ の値 をよリー般的な値に置 き換 えることが必要である。 モデルを作成す そこで、この章では、以下の手順で「道の通過人数 (断 面交通量)」 の予測 る。
■モデル化 に向けて 01.分 析 の重回帰式からのモデル化 02.説 明変数「施設からの影響」の置 き換え
。 「施設の不1用 人数」の置 き換 え 。 「駅の利用人数」の置 き換 え 。説明変数「施設からの影響」の算 出 03.目 的変数の推測
。説明変数のデータの標準化 ・標準化 された目的変数「道の通過人数 04。
(断 面交通量)」
を求める
モデルの検証
・予測式の係数の決定 ・予測の精度
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第 4章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量 のモデル化
4-2.渋 谷 の 予 測 モ デ ル の 作 成 る この章 では、渋谷 を例 に取 って「道の通過 人数 (断 面交通量)」 の予測 モデルを作成す 。(池 袋 で も同様 の手順 でモデ ルを作成 で きる。) 1.分 析 の重回帰式 か らの モデル化
前章 の渋谷 の分析 か ら以下の式 が求め られた。
(式
Y
1)
=
1.984233471
0.餌 1259746・ Xl + 0.439641662・ X2
y:道 の通過人数 Xl:集 客施設の影響 X2:道 路幅 自由度修 正済みの決定係数 0.840360∞
5
「集客施 設 の影響」 の標準偏回帰係数 0.776C16357 「道路幅」 の標準偏回帰係数 0.246574712 の影響」はア 「 前述 した通 り、この式 の中の 目的変数「道 の通過 人数」 と説明変数 集客施設 モ の ンケー トか ら求めた値 であ り、街 にい る買 い物客全 てを対象 とした「道 の通過人数」 予測 ことを考 えなけれ ばな らない。 デルを作 るには、この2つ の値 を、よリー般的 な値 に置 き換 える ここで 、街 にい る買 い物客全 てを対象 とした時 に、目的変 数「道 の通過人数」が何 に置 き換 われるか を考 える と、「道 の断面交通量」 となる。 した人数 を また、説明変数「集客施設 の影響」は、各集客施設 を利用 した人数 と、駅 を利用 「単位時 間 (1年 、1日 、1時 間な ど)に 各集 用 いて計算 され るので、変数 を置 き換 える時に、 客施設 お よび駅 を利用 した人数」 が必要 になる。 この 2つ の変数 を以上 の ように置 き換 える と考 えて、もう 1度 (式
1)を 見 ると、この式 に
含 まれ ている 「集客施 設 の影響」 の偏回帰係数 0.041259746、 「道路幅」 の偏 回帰係数 0.439641662、 とい うのは、 ア ンケー トで取 り上げた 78人 を母集団 とす る時 の係数 である。 一般的 に、偏回帰係 数 はその説明変 数 お よび目的変数 のデー タの単位 に影響 を受 け るため、 るか ら (「 道 の通過人数 街 にい る買 い物客全 てを対象 とした時 には、母集団が大幅に大 きくな になる。 は 通過人数」「集客施 設 の利用 人数」 の値 が大 きくな る)、 偏回帰係数 違 う値 Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
第 4章
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断面交通量 のモデル化
よって、街 にい る買 い物客全 てを対象 としたモデルを作 る時 には、この式 にそのまま置 き換 えた変数 を代入 して も、求める目的変数 は得 られない。 この ような場合に便利 なのが 、標準偏回帰係数 と呼 ばれるもので 、これを使 う と目的変数 を デ ー タの単位 に関係 な く求 め られる。 ー しか しこの時 には、各説明変数 のデー タの標準化 が必要で 、これに従 つて説明変数 のデ タ を標準化す ると (単 位 の影響 を取 り除いた説明変数 のデー タになるので)、 単位 の影響 を取 り 除 い た目的変数が求 め られる。 この時 に使 われるのは、次 の よ うな式であ る。
(式 2)
Y' = 0。 776C6357・ Xl + 0。 246574712。 L'
Y' :断 面交通量
(標 準化 された値 )
Xl':集 客施設 の影響 X2':道 路幅
(標 準化 された値 )
(標 準化 された値 )
この式 で標準化 され た断面交通量 が求 まる。 最後 に、この値 は単位 を含 んで い ないため、実際 の断面交通量 と比較 して、標準化 された断 面交通量 を、単位 を含 んだ断面交通量 に戻す。 「道路幅」か この過程 で 、標準化 され た値 でな く、直接「断面交通量」を「集客施設 の影響」 ら求 める予測式 の係数が決定 される。
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断面交通量 のモデル化
2.説 明変数「施設 からの影響」の置 き換え
2‐
1.「 施設の利用人数」の置 き換え
アンケー ト結果からの「施設の利用人数」を、街にいる買い物客全てを対象 として置 き換 え 「単位時間 (1年 、1日 、1時 間など)に 各集客施設 を利用 した人数」 となる。 ると、 い ここで、集客力 を正確に反映させるとい う意味から、なるべ く変動の少ない (む らのな ) い 単位時間の取 り方はで きるだけ長 く、1日 や 1年 とす る方が望まし 。 値の方が望ましいので、 しか し今回は、その値 を手 に入れることが難 しかつたため、各施設の入 り回の前で 10分 間 入つて くる人数を数え、その人数 を「施設の利用人数」 と考 えることにした。(2‐ 2.調 査方法 2を 参照。 )
各施設の 10分 間の利用人数を以下に示す。
表 4‐ 1 集客施設 の 10分 間 の利用 人数
集客施設名
109 丸 井 シテ ィ 東 急 ハ ンズ パル コパ ー ト1
西武A館 西武 B館 タ ワ ー レコー ド
Bunnkamura 東急本店 マ ー ク シテ イ
109-2 丸 井 ヤ ング
丸井 ワ ン Q―
FRONT
西武 モヴィー ダ
利用人数 (人 )
23C 234 335 245 471
214 192 222 209 142 213 129 261 31
ロフ ト パ ル コパ ー ト2 パ ル コパ ー ト3
25ε
HMV
202
東急東横店
44
94 50C
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断面交通量 のモデル化
2-2.「 駅 の利用人数」 の置 き換 え
ア ンケー ト ア ンケー ト結果 か らの「駅 の利用 人数」は、駅 を利用 した、とい うだけでな く、 をとった 78人 全員 で もあ つた。 これを一般的 に置 き換 え られる値 にす ると、単 に「駅 の利用 人数 (駅 か ら街 にでて くる人 い ことになる。 数)」 とい うわけではな く、駅 か ら出て買物 をす る人の人数 と う そ こで、 ここで求めたい 人数 は、 か らで て くる人の人数)× (駅 か ら出て買物 をする人の人数)=(駅
(買 物 に行
く人の割合)
となる。 まず、駅 か らでて くる人数 の求 め方 を考 える。 による と、 既往研究 「駅勢圏改札 口分担 モデルによる利用者 の予測 に関す る研究」 「駅 の改札回の利用者数 につい ては、駅 の利用者全体 に対 しての分担率 がある」ま 一般的 に、 つている。 た、「そ れぞれの改札口 には歩行圏 の分担 がある」 とい うことが明 らかにな では各改 また この研究 では、JR山 手線前駅 の調査 も行 われてお り、それによる と、渋谷駅 今回調査 した渋谷駅 か ら北西方向の歩行圏 を分担する 札 ごとに独 立 した歩行圏 を持 ってお り、 のは、ハ チ公口であ ることがわか る。 表 4‐ 2 渋谷駅 の 改札 日間の相 関
■ロ
図 4-1 渋谷駅 の改札 口歩行日分布 Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ 2000
/ / / /
断面交通量 のモデル化
第 4章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
そ こで 、JR渋 谷駅 ハ チ公 回 の 改札 か ら、 10分 間 にでて くる人数 を数 えた。 そ れ に よる と 1530人 。 か ら 10分 い また、渋谷駅 か らでて行 く人 は JRの 他 の路線 か ら出る人 も るため、渋谷駅全体 間 にで て くる人数 は 、 1050× 2.77=4242人
となる。 の ) (1日 の渋谷駅 の路線毎 の乗降客数 の割合 か ら算 出。下 表 を参照。 表 4‐ 3 渋谷駅 の 1996年 度 の 1日 当 たりの平均乗降客数 (人 )
2344262(全 路線 の乗降客数)÷ 845611(」 Rの 乗降客数)=2.77 全路線 の乗降客数は」Rの 乗降客数 の約2.77倍
次 に買 い物 に行 く人の割合 を求 める。 には、JR渋 谷駅 の 既往研究 「駅勢圏改札 口分担 モデルによる利用者 の予測 に関す る研究」 の ような用途 の建物 に入 つたのかを追跡調査 したデー タが掲載 されてい 改札 か ら出る人が ど、 つた人数 の割合 を る。本研究 では、この調査結果 か ら、調査 全体 の 人数 に対す る商業施設 に入 求め ることで、買 い物 に行 く人の割合 を求 めた。 この調査 では、調査時間 を3回 に分 け、朝 い (午 後 5時 ∼ 7時 )で 調査 を行 って る。
(午 前
7時 ∼ 9時 )昼
(午 前
H時 ∼午後 1時 )夕
参照 した調査 デー タを以下 に示す。 (表 4-4参 照 ) 表 4‐ 4 改札からの追跡調査の結果 モデルによる利用者の予測 に関する研究」 から) 口分担 (「 駅勢圏改札 人 人 %
Hitoshi Watanabe Lab.VVaseda Univ.2000
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量 のモデル化
つ る 表 4-4に よると、買 い物 に行 く人の割合 は、朝 か ら夕方 になるに れて増 える傾向にあ 。 のデ ー タ 前項 2-1の 「施設の利用 人数」 の調査 は、午後 1時 ∼ 5時 に行 ったため、既往研究 とはびった リー致す る時 間帯 のデー タがない。 ー そ こで 、今回 は買 い物率 を算出す るために、既往研究 の昼 と夕 のデ タを合わせて割合 を求 める ことで 、午後 1時 ∼ 5時 に買 い物 に行 く人の割合 として代用 した。 それに よる と、10分 間 に渋谷駅か らでて買 い物 に行 く人の 人数 は38.4%で 、駅か ら出て買 物 をする人の 人数 は 1050× 2.77× 0.38381〓 1628人 と求 め られ る。 参考 まで に、他 の 駅 の 買 い物 に行 く人 の割合 も挙 げ てお く。
(「
しからの追跡調査の結果 表 4-5 改オ の予測に関する研究」から) モデルによる利用者 口分担 駅勢圏改札 人人% 人人%
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い
第 4章
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断面交通量 のモデル化
2-3.説 =明 変数「施設 からの影響」の算出 2-1、
2‐
2の 「施設の利用人数」 と「駅の利用人数」の置き換 えから、それぞれの道 に与 えら
れる「集客施設の影響」の値 を求める。 この時用いるのは、3章 の行動特性分析の時に用いた「集客施設の影響」の数値化手法 3で ある。 施設 と施設 をつなぐ位置 にある道に影響を与えてい (手 法3:施 設 と施設 を回遊する行動が、 ると考え、2つ の施設の間を最短距離でつなぐ道にのみ施設の影響 をあらわしたもの。詳 しく はP37参 照。 )
これ に よつて そ れぞ れの 道 に 与 え られ た 数値 は 、 表 4-6の 通 りで あ る。
表 4‐ 6 説明変数「施設からの影響」の数値 道 の番 編 盗設 か らの 影 嘔
43844 40394 3591 14551 2095Z 1501
首の 番 月
44 ´”
1
疱設 か らの 影 響 道 の番 号 施設 か らの影■ 道 の 番 [
225 C
1
16≦
4661
17
4フ
C
88 89
4f 4E
C
91
8321
92 93
1
1093乏
1670C 18501
1
23
2〔
2C
15685 8185 8758 8844 9954 8021 7563
6( 61 62 6[ 6Z 6[
177
9〔
483ラ
17ε
7C
10969
71
4
102
14乏
10〔
14【
104 10F
14Z 383〔
10〔
4
107 10〔 10⊆
123ラ
1
181 1
14〔
183 184 185
C
14(
18〔
C
22〔
147
1
C
225
14〔
18〔
C
149
18g
C
1
C
191 192
C
19
C
19Z
C
19[
C
19〔
C
98(
72
1279〔
8407
73
416(
1111( 266C
74
502〔
10233 100(
7
C
281
C
19フ
C
261
C
1
C
C
19〔
C
C
20( 201
C
202 203
(
3181
12(
2482 4817
12乏
16乏
C
367〔
12〔
16〔
C
16Z 16[
C
125
16〔
C
167
C
161
2672 621
00
8
11
ε0
8C 81 82
1162
14( 141
101
42〔
7〔
42 43
647〔
662(
6C 67 6e
8691
4( 41
17Z
9C
183〔
21455
17〔
1112 8257 638Z
1
14
17乏
201
352〔
5(
171
95 9(
︵︶
1
1175[ 312( 232(
16〔
380〔
C
C
道の 番 月 施設 からの影響
10124
4(
1048〔 1833〔
施設 か らの 影嘔
8C 87
4333
8[
3904
127
C
C
205
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
‐ 62‐
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量のモデル化
3.目 的変数 の推測
3‐
1.デ ー タの標準化
目的変数 を求めるために、各説明変数 の標準化 を行 う。 基準値 (標 準化 されたデ ー タの値 )の 求 め方 は、以下 の通 り。 デー タの標準化 は、それぞれの説明変数毎 に行 なう。 □基準値 の求め方 1。
まず は じめに、その説明変数 の平均値 を求 める。
2.次 にその説明変数 の標準偏差 を求める。 3。
次 の式 で、基準値 を求 める。 (詳 しくは表 4‐ 7を 参照) 基準値 =((デ ー タ)―
平均 )/標 準偏差 表 4¨ 7 基準値の求め方
例 :集 客施設の影響 評り旬 欄朦撃偏勝壺 磁の番号 1
な設 か らの影響
3816.849 7078.675 準値
43844 5.654611 40394 5.167232 35914 4.534345 14551
―
((43844(デ ータ)‐ 3816.849(平 均))/7078.675(標
準偏差)
1.516407
それぞれの道の説明変数 「集客施設 の影響」 と「道路 幅」 の基準値 を表 4… 8、 4-9に 示す。 (行 動特性分析 の時 にはず れ値 となるので除いた道 は (南 北 に走 る線路 よ り東側 にある道 )、
今回 も除 いてある。線路 によつて移動 が さまたげ られてい るため、この 回帰式 では説明で きな い。)
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda univ.20∞
│
‐ 63‐
第 4章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量 のモデル化
表 4-8 説明変数「道路幅」の基準値 道の幅 (基 準値 道の番潟 道の幅 (基 準値 道の番号 嶺 の 幅 (基 準 値 ) 道の番号 道の幅 (基 準値 道の番号 道の幅 (基 準値 首の番号 -0.140099 155 ‐0.979943 ‐ 1
3.2192803
2
1.5395909 民RORq∩ C
1.539590〔
1.166326( 6 0.9796944 7 1.1663266 8 -0.140099 0.14009E 9 ‐ 10 ‐ 0.14009C
32
42 43 44 45
46 47 48
49
-0.699995
2
_∩
^QOQq嘔
‐ 0.699995
〔
7 8 9
20
0.8863783 0.886378 0.6064301 0.6064301 0.4197979 0.2331658 0.046533( -0.14009[
22 0.979694Z
1.0730105 1.166326C 1.166326C 26 1.166326C
24
27
1.446274〔
2.4727517 29 2.472751 30 -0.326731
1.0730105
-0.513363 -0.513363 1.446274〔
1.3529587 1.5395909
1.3529587 1.3529587 1.2596427 1.539590C 1.446274〔 3.779176〔
56 3.7791768 59 -0.606679 60 -0.60667E 61 -0.60667g 62 0.9796944 63 ‐0.793311 64 -0.513363 65 66
‐ 0.69999[
-0.69999[
67 ‐0.69999〔 68 -0.23341 69 -0.979943 70 -0.699995
78 79 80 81
0.69999[
114
‐ 0.69999[
115
-0.699995 -0.699995
82 -0.606679 83 0.419797C
0.4197979 85 0.4197979 84
86 0.4197979 87 0.4197979 88 0.419797g 93 -0.886627 95 -0.886627 96 ‐0.886627 97 -0.886627 98 -0.886627 1.073259 99 100 1.07325C 101 -0.699995 102 -0.979943
103 0.9796944 104 0.4197979 105 -0.886627 106 -0.793311 107 -0.23341 108 -0.886627
71
‐ 0.793311
73 74 75
‐ 0.69999[
109 -0.606679 110 ¨0.793311
76
‐ 0.046782
-0.886627 112 -0.886627 -0.140099 11
77
-0.69999[
-0.606679 -0.140099
-0.886627
‐ 0.513363
116 -0.51336 117 -0.699995 118 -0.51336
15C
157 159 160
¬19
0.51311
161
120
0.513114
1.166326C
183 184 185 186 187 188 189
137 1.0730105
19C
0.4197979 122 -0.699995 121
133
1.2596427
134 1.166326〔 135 1.1663266 136
138 -0.699995 139 -0.886627 140 -0.886627
-0.606679 -0.979943 -0.97994
1.073259
‐ 0.699995
194
-0.699995
-0.606679 -0.513363
195 196 197 198 199
-0.699995 -0.69999[
‐ 0.140099
192 193
142 143 144 145
152 153
0.513114 -0.51336 -0.60667C ‐ 0.23341 -0.326731
-0.606679
141
149 0.1398497 150 -0.97994
1.073259
191
-0.69999〔
0.419797C 14C 0.419797[ 147 -0.606679 148 -0.886627
-0.979943 -0.699995
200 201
202 203
204
‐ 0.92395Z
154 -0.92395Z
Hitoshi Watanabe Lab VVaseda Univ.2000
-0.979943 -0.793311 -0.979943
‐ 0.60667〔
-0.606679
-0.513363 -0.979943 -0.046782 0.046533( 1.1663266 1.0730105
-0.046782
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性に関 する研究
断面交通量 のモデル化
表 4-9 説明変数「集客施設の影響」の基準値 道の番号 施設の影響 1
2
4 5
6 7
8 9
10 12
道 の番号 施設 の影響
‐ 0.397087
5.6546109 5.16723¬
4.5343447 1.5164069 2.4209548 1.5823797 0.9424294 2.0506877 1.1214177 -0.09759C -0.210611 -0.279551
33 -0.539204 42 -0.37504C -0.3740( 43 44 -0.507418 45 -0.539204 46 ‐0.539204
-0.539204 48 ‐0.539204 49 0.6362987 47
-0.04080[
-0.539204 0.3968471
13 -0.37829〔 14
1.00515〔
6C
-0.47718フ
2.4917307
61
‐ 0.53920`
1.6766064 0.61708C 0.6980334 21 0.710182( 22 0.866991( 23 0.5939179 24 0.529216E
62 -0.53920Z 63 -0.53920Z 64 -0.53920Z 65 -0.53920Z 66 -0.539204 67 -0.539204 68 -0.539204 69 -0.478599 70 -0.399912
0.688568〔
71
‐ 0.182357
1.0103〔 26 27 0.8522996 28 0.6484478 29 1.0311466 30 -0.163427
72
76
-0.169361
0.9064057
77
-0.539204
16 1.820842Z 17 2.074421
25
31
1.2680554 73 0.048476〔
0.1712399 75 ‐0.141107 74
道の番号 疱設の影響
78 -0.089826 79 -0.188573 80 0.1412908 81
-0.01961
82 -0.161732 83 0.3393504 84 0.072916“ 85 0.012311〔
道の番 f 施設の影響
-0.539204 -0.539204 -0.53920Z 116
117 118 119 120 121
8C
0.891007Z
122
87
-0.00195(
88 93
0.119252フ
133 134 135
95 96 97 98 99
1.032559〔 -0.25482〔
0.6272574 0.3626599 0.1441161 0.230996ε
100 0.3752329 101
-0.364454
102
‐ 0.53920Z
103
0.18494〔 -0.04278〔
104 105 106 107 108 109 110 112
0.0022817 -0.477187 -0.50741e -0.507418 -0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.539204
-0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.38366C -0.539204
道の番号 施設の影響
-0.53920Z
156 -0.539204 157 159
‐ 0.539204
16C
‐ 0.539204
161
-0.539204
183
‐ 0.539204
184
‐ 0.539204
185 18(
‐ 0.539204
-0.539204
-0.539204 187 -0.539204
13〔
-0.539204 -0.539204
188 ‐0.53920Z 189 -0.53920Z
137
‐ 0.539204
190 -0.53920Z
13ε
-0.53920И
191
-0.53920Z 140 -0.53920Z 141 -0.53920Z 142 -0.53920Z 139
143 144 145 146 147 148 149 150
-0.539204 -0.539204 -0.539204 ‐ 0.539204
-0.539204 -0.539204 -0.539204 -0.53920“
-0.53920Z
152
-0.53920Z
192 ‐0.53920Z 193 -0.539204
194
‐ 0.539204
195 196 197 198 199
-0.539204 ‐ 0.539204
200
‐ 0.53920`
201
-0.53920Z
-0.539204
-0.539204 -0.539204
202 -0.539204 203 -0.539204 204 ‐0.539204
‐ 0.53920Z
-0.539204 154 -0.539204
Hitosn Watanabe Lab Waseda U面
v.2000 1
‐ 65‐
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
3‐
断面交通量 のモデル化
2.目 的変数「断面交通量 (道 の通過人数)」 を求める
前項3-1で 求めた説明変数の基準値 を用いて、目的変数 を求める。(求 める目的変数 も標準化 された値) 「1.分 析の重回帰式か らのモデル化」でも書いたとお り、単位の影響 を取 り除いた目的変数 を求める式 は、次の式である。 Y' = 0.77606357・ Xl + 0.246574712・
Y' :断 面交通量
(標 準化 された値 )
Xl':集 客施設の影響 X2':道 路幅
Xち '
(標 準化された値)
(標 準化された値)
「集客施設の影響」の標準偏回帰係数 0。 77606357 「道路幅」の標準偏回帰係数 0.246574712 この式 を用いて、それぞれの道の目的変数「断面交通量
(道 の通過人数)」
を求めた。結果
を表 4-10に 示す。
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
第 4章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量のモデル化
表 4-10 目的変数「断面交通量」の基準値 直の番号 断面交通量
道の番号 断面交通量
1
5.1821307
2
4.389724Z
32 33
3.89856Z
42
4 1.5564524
2.1664015 6 1.4695951 1.018971ε
8 1.5569193 9 0.8357467 10
-0.110285 -0.336049
12
‐ 0.38955 ‐ 0.466184
14 0,9986211
-0.545039
95 96 0.268171〔 97 0.062827 98 -0.10677フ -0.08537 99
-0.56804〔 -0.17688〔
62 63 -0.614067 64 -0.545039 0.591058 65 ‐ 66 ‐0.591058 67 -0.59105ε 68 -0.476011 69 -0.613053
0.9144084 0.7254953 24 0.6982923 25 0.8219594 23
26 1.0717057 27 1.0180534 28 1.1129548 29 1.4099533 30 -0.207394
0.9680057
‐ 0.06295
0.158386g 60 ―O.519919
1.562619〔
22
78 -0.242312 79 -0.31894C 8C
61
19 0.536390〔 20 0.553192 21 0.5166021
道の番号 断面交通量
0.0655531 43 0.0433111 44 -0.014165 45 -0.084851 46 -0.084851 -0.10786 47 0.038832 48 ‐ 0.850423 49 55 o.9001818 0.513393 5C
2.1522999 1.759412C 1.4046647
31
-0.434747
70 71
-0.482958 -0.337131
72 0.8114905 -0.13498 73 74 -0.016699 75 -0.144053 -0.14297 7( -0.63707( 77
道 の番潟 断面交通量
114
‐ 0.453001 ‐ 0.545039
116 -0.545039
81
-0.187824
-0.59105〔
82 83 84 85 86 87
‐ 0.27510〔
‐ 0.54503C
0.3668691
0.1600993 0.1130663 0.7949899 0.1019933 88 0.1960593 93 0.5827118 -0.416383
-0.29193C -0.545039
187
-0.56804〔
188 189
‐ 0.66008(
191
-0.56804〔
101
142 143 144 145 146 147
‐ 0.59105ε
148 149
-0.56804〔
-0.54503S -0.31494[
-0.314945 -0.568048 -0.63707C -0.383973 -0.66008〔
-0.614067
‐ 0.59105ε
‐ 0.63707(
152 -0.59105〔 153 -0.6462〔 154 ‐0.6462〔
112 -0.63707( -0.453001
160
134 ‐0.13087 135 -0.13087 136 -0.13087 137 -0.15387g 138 -0.59105〔 139 ‐0.63707( 140 -0.63707C
121 -0.314945 122 -0.591058 13 0.012846(
-0.591058
105 -0.216849 106 -0.565938 107 -0.451343 108 ‐0.612409 109 -0.568048
‐ 0.683095
161
141
102 103 0.3850954 104 0.07030C
-0.66008(
156 ‐0.66008C 157 -0.591058
119 -0.29193G 12C ‐0.29193C
100 0.0265659 -0.45544 -0.66008C
置の番弓 断面交通量
183 -0.56804〔 184 ‐0.476011 185 -0.49902 18C ‐ 0.453001 -0.66008〔
190 -0.68309[ 192 -0.59105〔 0.66008( 193 ‐ 194 -0.614067 195 ‐0.66008C 196 197
‐ 0.568048
201
202
-0.406982 -0.13087
203
‐ 0.15387〔
‐ 0_568041 198 -0.545039 199 -0.66008〔 20C -0.429992
204 -0.429992
Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ.2000
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性に関する研究
断面交通量 のモデル化
4-3.モ デ ル の 検 証 1.予 測式 の係数 の決定
「3.目 的変数 の推測」より標準化 された目的変数「断面交通量」(基 準値 )を 求 める ことがで きた。 この値 は単位 がないので 、そ れぞれの道 の断面交通量 の相対的な値 になってい る。つ ま り、 断面交通量 をレベ ル的に表 した ものが求 め られた ことになる。 「断面 この値 を用 いて も、街全体 の 断面交通量 の分散 の仕方の評価 はで きるが、ここでは、 交通量 の基準値」 を単位 を含 んだ 「断面交通量」 に戻 してみ る。 調査 4(2-2調 査方法。p18参 照 )で 、渋谷 の街 で H箇 所 を選 び、5分 間の断面交通量 を測 つ てきた。この調査 して きた「断面交通量」と回帰式 か ら求 めた「断面交通量 の基準値」の散布 図 をか いてみる。 (図
4‐
2参 照
)
1 断面交通量の基準値 と実測の断面交通量
y=132.89x+160.36 R2=0.8113
道番号 断面交通量
6 8 14 17 20 26
78 74 93
727 685 350 440 211
304 195 545 147 138
︵ く︶嘲躙μ旧歯 C戻Ⅸ
2 3
20246 断面交通量 の基準値
151
図 4‐ 2 断面交通量 ―基準値 と実測値
表 4‐ 11 断面交通量
この 散布 図 か ら目的変数「断面交通量」の基準値 と実際 の「5分 間 の 断面交通量」 との 関係 が求め られ る。 (5分 間 の 断面 交通量 )=
132.89
×
(断 面交通量 の基準値 )+ 16Cl.36
となる。 ちな み に基準値 と 目的変数 のデ ー タの 関係 か ら
目的変数「5分 間の断面交通量」の標準偏差、 lω .36は 目的変数「5分 間の断面交通量」の平均値である。 132.89は
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-68‐
第 4章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量のモデノ イヒ
ここで、前述のとお り (p57参 照)、 「断面交通量の基準値Jは
Y' =0177606357・ Xl' +Q246574712・ L' Y' :断 面交通量 (標 準化された値 Xl':集 客施設の影響 (標 準化された値‐ ) 毛::道 路幅 (標 準化 された値) )
「集客施設の影響」の標準偏回帰係数 0,7606357 「道路幅」の標準偏回帰係数 0。 246574712 を用いて表 される
.。
またそれぞれの1説 明変数「集客施設の影響‐ 「道路幅」の基準値 (標 準化された値)は 、 」
Xl' =(Xl
X2' =(為
‐Xlの 平均)÷
不iの 標準偏差 xl':説 明変数「集客施設」の影響 (標 準化された値) Xl :説 明変数「集客施設」の各デーー タ ‐
る の平均)÷ み の標準偏差 ろ':説 明変数「道路幅Jの 影響 (標 準化された値) 変数「道路幅」の各データ L :説 明‐
だから、以上の式まとめる.と 、 「道路 「5分 間の断面交通量Jを 説明変数「集客施設の影響」 幅」から求める予測式は、
Y =
0`014569265 × Xl +4076946142×
X2・ 57.3530M82
Y:断 面交通
1量
IXI:集 客施設の影響
、 :道 路幅 となる。 なお、 この予測式は平日の3時 ∼ 4時 の間の5分 間の断面交通量 に対応 している。 (各 説明変数の平均、標準偏差は、前述のデータを用いて求めている
.。
)
HibsH Watanabe励 .Waseda univ:2000 1
0G
第 4章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
断面交通量のモデル化
2.予 測 の精度
前項 4‐ 1で 実際に測 って きた「断面交通量」 と回帰式 か ら求 めた「 断面交通量 の基準値」の 散布図
(図
4-3)を 示 した。
これによる と、両者 はほぼ比例 の 関係 になつてい る。
2つ の 関係式 の決定係数 は、約 0.811と 、かな りの精度 で比例 して いて、ばらつ きはあま り ない。 この ことか ら、 このモデル (予 測式 )は 充分 な信頼性 を持 つていると言 える。
断面交通量の基準値 と実瀾の断面交通量
―― ―-700
R2=0.8113
一 ― ノ
◆
― ―一-400
y=132.89x+160.36
/
◆ノ
Ap 2 断面交通量の基準値
図 4‐ 3 断面交通量 ―基準値 と実測値
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda un市 .2000
‐ 70‐
第 4章
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
4‐
断面交通量のモデル化
4.モ デルの可視化
予測 式 に、 今回 の調査で求 めた値 の代入 して 求 めた断面交通量 を地 図 上に色 のグラデ ー シ ョ ンで表 示 して みた。 この値 は、予 測式か ら得 られ る現状 の理 論値で ある。 色が濃 くな るほ ど、 断面交通量が多 い ことを示 して いる。
5分 間の 断面 交 通 量 0∼
100人 /5分
101∼ 200人 /5分 施 設 の 10分 間の 利 用 人 数
: _ L_…
「
0∼ 100人 /10分 101∼ 200メ 、/10分
201∼ 300人 /10分
301∼
400人 /10分
EI:401∼ 500人 /10分
│
1401∼ 500人 /′ 5分
︲︲ 一 一 一 [ 一 一 ︲ ︲
.
1 201∼ 300A/5分 i :301∼ 400人 /5分
501∼ 600人 //5分
601∼ 700A/5分 701∼ 800A/5分 801∼ 900A/5分
図4-4 渋谷の断面交通量の理論値の分布 Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ 2000
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
第 5章
考察
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駅周辺の歩行者 の回進行動特性 に関する研究
5‐
第 5章
考察
1.行 動 特 性 分 析 に 関 す る考 察
1.渋 谷 と池袋での標準偏回帰係数の違い
渋谷 と池袋 について、重回帰分析からそれぞれ通過人数の回帰式 を求めたが、それによると 「集客施設の影響」 と「道路幅」によってほぼ決定されることが分かつ 道の「通過人数」は、 た。 また、どちらの街 も集客施設の影響が道の幅 に比べ て大きいことが分かつたが、2つ の街で それぞれの要因の重みは多少異 なつている。 標準偏回帰係数 を比べ ると、 渋谷では、 「集客施設の影響」 0.7%∞ 357 「道路幅」
0.246574712
池袋では、 「集客施設の影響」 0.860062766 「美 室 薔中 冨」 属 となっている。
0.120108693
渋谷では、集客施設の影響が池袋よりも小 さく、その分道路幅の影響 を多 く受け、逆 に池袋 では、集客施設の影響が渋谷 よりも大きく、その分道路幅の影響力Ⅵヽさい。
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‐ 73‐
駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 5章
考察
2.渋 谷 と池袋 で標 準偏 回帰係数が違 う理 由
渋谷 と池袋 の集客施設 の散 らば り方 (配 置 )を 比較す る と、 渋谷 は、あ ま り大 き くな い集客施設が数多 く散在 して いる街 、 池袋 は、大 きな集客施設 が少な く、配置が集 中 している街 であ る。 (表 5-1参 照 ) この ことか ら、標準偏 回帰係数が違 う理 由を考察 してみ る。 表 5-1 駅 周辺 の延 べ 面積 6000耐 以 上の大型小売店 店鋪 数 渋谷 池 岱
2(
合計延 べ 床 面 積
平均 延 べ床面 積 r市 〕
`請 54029C 86,1lr
27014.5 1231■ 8_6
十 今 回調査 した地域 に限る (渋 谷は駅か ら北西方向、池袋は駅か ら東側のみ)
2¬ .集 客施設 の数 の違 い
説 明変数 「集客施設 の影響」 は、 2つ の集客施設 の間 (ま たは、駅 と集客施設 の間 )を 最短 距離 でつな ぐ道 に、つ ながれ る2つ の集客施設 の利用 人数 の合計 を与 える、とい う法則 で 与 え られ た数値 で あ る。 (図 5-1参 照 ) 合わせて 10+5=15人 の人が来ている。
― ― 一 ― ― ― ― ― ― ―
.affiE,afr^ /,- -l
-1
集客施設の影響
//f・
利用人数
15(人
)
最短ユ E離 の道 にそれぞれ 15(人 ) という値を与える。
図51 説明変数 「集客施設の影響Jの 与え方の法則 「施設 と施設 の組み合わせ」 渋谷 の街 で は集客施設数 は 20、 池袋では集客 施設数 は 7だ か ら、 として考 え られ るのは、 渋 谷 で は 190(=20× 19/2)、
池 袋 で は 21(=7×
6/2)で 、
「駅 と施 設 を つ な ぐ組 み合 わせ 」 はそれ ぞ れ 20と 7に な る。
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第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
「駅 と施設 をつなぐ組み合わせ」は、渋 「施設 と施設 をつなぐ組み合わせ」 それぞれの街で、 谷では210、 池袋 は28に なる
.。
全ての組み合わせの うち、駅 と施設 をつな ぐ組み合わせの割合は、 渋谷 では20/210=0.0952、 25 池袋 では 7/28却 。
で、池袋 の方が割合が大 きい。 また、今回の法則 で与 え られた「集客施設 の影響」の数値 は、利用人数 の合計 で あるが、(駅 「施設 と施設 を の利用人数 は大 きくなるので)「 駅か ら施設 をつ な ぐ道」に与 え られる数値が、 つ な ぐ道」に与 え られる数値 よ りもかな り大 き くなる傾向があ る。(実 際 の回遊行動 で も、駅 か ら各施設 に行 く道は通過人数 が多 い) この2つ の事柄 を合わせ て考 えると、数値が大 きい「駅 と施設の組み合 わせ」の割合が多 い 「集客施設 の影響」の影響 は、そのほ とんどが「駅 と施設の組み合わせ」をつ な ぐ 池袋 では、 道 に表れて、「施設 と施設 の組 み合 わせ」 をつ な ぐ道 の影響 は小 さくなる。 「施設 と施設 の組 み合わせ」の数が とて も多 いので 、 「駅 と施設 の組 み合 わせ」だ 渋谷 では、
「施設 と施設の組み合わせ」の影響 も比較的大きくなる。 けでなく、 このことは、次項 2‐ 2の 結果からも言える。
Hitos‖
Watanabe Lab.Waseda U面 ■ 2000
1
‐ 75‐
第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
2-2.集 客施設 の影響 の単回帰分析
池袋 では「集客施設 の影響」が通過人数 に与 える影響 も渋谷 に比べ て大 きいが、この説明変 数「集客施設 の影響」か ら「駅 と施設 をつ な ぐ関係 だけの影響」を取 り出 して通過人数 との単 相関分析 を してみる。 この時 の相関係数 は、0.763。 集客施設 の影響 駅 と施設関係 のみ
概要
重相関 R 重 決 定 R2 補 正 R2 標 準 誤差
観測数
076212848 886665205
176
1 441587733 441587733 561 691263
回り 尋 残差
00000000
174 13679.4482 786175187
175 578382216
合計
標 準限差
係数 切片 駅と施設関係のみ
t
346584325 069865544 496073321
P-1盲
下限
95%
上限
95%
下限
950%
上限
950%
1 6612E-06 208691406 484477245 208691406 4.84477245
025215669 001063951 237000266 23128E-56 02311576 027315579
02311576 027315579
「集客施設 の影響」(駅 と施設 をつ な ぐ、施設 と施設 をつ な ぐ関係 を両方含んだ また これを、 もの)と 通過人数 との単相関分析 と比 べ てみると、 この時 の決定係数 は、0.805。 集客施設の影響 駅 と施設の関係+施 設 と施設の関係
概要
重相関 R 重決定 R2 補正
R2
標 準誤 差 観 測数
回り 尋 残差 合計
080365365 8.05563648 176
1 46546791 46546791 717282155 174 112914306 648932791
175 578382216 係
切片 集客施設の影響
00000000
数
標準誤差
t
P値
下限
95%
上限
95%
下限
95.0%
上限
95096
097874808 066575575 147013087 014333223 -03352473 229274349 -03352473 229274349
016560365 000618337 267821238 12708E-63 01533996017780769 0.15339960.17780769
この 2つ の を比較す ると、決定係数はあ ま り変化がな く、池袋 では「集客施設 の影響」 とは 言 つて も「駅 と施設 をつ な ぐ組 み合 わせ 」 で、そのほ とん どが説明で きる ことがわかる。 「駅 と施設 をつ な ぐ関係 だけの 一方、渋谷 で同 じように単相関分析 の結果 を比べ てみると、 影響」では決定係数 0.695。 「集客施設 の影響」 (駅 と施設 をつ な ぐ関係、施設 と施設 をつ な ぐ 「施設 と施設 の組 み合 わせ」 関係 を両 方含 んだ もの)で は決定係数 0。 795と 変化す ることか ら、 もきちん と影響 してい ることがわかる。 Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ 2000
‐ 76-
第 5章
駅周辺の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
集客施設 の影響 駅 と施設の関係 のみ
●喜
重相関 R 重決定 R2 補正 R2 標準誤差 観測 数
796382011 152
度 申 理雹 合 言│
滉認 。 多こ 鴨1銭 讐 l。
15: 2:jl::::: ::1踏il::' 15131214.4671
片 一 切 .
上R952⊆ __TH
95.L
65902563 3.89374936
5.24200283 0.68234748 7.68230704 1 8788[-12
18.4977735 1.5461E
概要
重相関 R 重決定 R2 補正 R2 標準誤差 観測数
回帰 残差 合雷│
集客施設 の影響
6.5902563 7772946
駅 と施設の関係 +施 識 と施設の関係
0793668525 6.530887917
152
1 24816.5926 24816.5926 581.832116 00000000 150 6397.87455 !51312144671
42652497
片 客 切 集
t
2206286531
0047
P-1日
060606932 364032043 0.00037417 41211964 0001
096
100875142 340382165 161
0.051
1.00875142
3.40382165
2161
つ まり渋谷 と池袋 の大 きな違 いは、集客施設 と集客施設 をつ な ぐ道 の関係 が、通過 人数に影 響 を与 えているか どうかだ と言 える。
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駅周辺の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
第 5章
考察
2-3.渋 谷では「道 の幅」の影 響 がなぜ大 き くなるかの考察
22か ら、渋谷 と池 袋 の違 いは 、集客施設 と集客施設 をつ な ぐ関係 の影響が大 きいか どうか とい うことだ と分 か った。 ここで、「集客施設 と集客施設 をつな ぐ関 係 の影響」が大 きい と、 何が 一 番変わ って くるか を考 える。 駅 と施 設 をつ な ぐ道 に与 え られ る数値 は大 き くな る とい うことは、前述 した 通 りだか ら、駅 と施設 とをつ な ぐ関係 で 「通過 人数」 のほ とん どを説 明できる街 ― 池袋 では、駅 と施設 をつな ぐ間にあ る説 明変数 「集客施設 の影響」の値 が とて も高 い道 と、値 が 0に 近 い道 の両極端 に分 かれて しまう。 一 方 、「集客施設 と集客施設 を つ な ぐ関係 の影響」が比較的大 きい渋谷では、駅 と施 設 をつ な ぐ間 にある説明変数 「集客施設 の影響」 の値が高 い道 と、値がほ とん ど0の 道 以外 に、施設 と施設 をつな ぐ間 にある、説 明変数 「集客施設 の影響 」 の値が 中間的な道が多 くな る。 集客施設 の数が多 くな るほど、中間的な値 を持つ道 は多 くな り、結果 的 には値 が 0に 近 い道 は少な くな る。 (図 5-2参 照 ) 渋谷の『集客施設の影響」
池袋の 「集客施設の影響」
。 。 。 。 。 。 。 。 。 9 8 7 ∞ 5 4 3 2 1 撻墨
12000%
140
120%
10000%
120
10096
8000%
100
6000% 4000% 2000% い0 崎 一
轟 C “
N”N 中
∞O m ¨
いO〇 一
一劇∞
∞い0
守∞●
一﹂ヽ
トマ崎
寸卜N
卜0 一
0
00%
ロヨ 頻度 ● 累積 %
饉 緊
80%
80 60
60%軍
40
2096
20 0
驚
40%
。`Rミ 墨毎範脳段撃導ヌ§§
0%
データ区間
図52 説明変数 「集客施設の影響」の ヒス トグラム 「道 説明変数「集客施 設 の影響」につ いて 、中間的な値 を持 つ道 の割合 が高 いとい うことが、 路幅」 の影響が大 きいか を決定 してい るのではな いか 。 なぜ な ら、「集客施設 の影響」は説明変数 としては支配的ではあるが、そ の値が 中間的な道 が多 い とい うことは、径路 の選択肢が多 い とい う ことにつ なが る と考 え られ るか らで ある。 「集客施設 の影響」 の値が中間的な道 が多 い時 に、そ の道 の 中か らどれ を選択す るかが、別 の説明変数 「道路幅」 に影響 され ると考 えれば、渋 谷 において「道路幅」 の影響 が大 きい こと の説 明がで きるのではな いか 。 「集客施設 の影響」の値が極端 に別れ る池袋 では、径路 の選択 をす る場合 が 少な く、 「道 逆 に、 路幅」 の影響 は小 さい と言える。 また 「道路幅」の影響が小さけれ ば、他 に通過人数 を決定す
Hitoshl Watanabe Lab VVaseda∪ niv 2000
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第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
「集客施設の影響」が大 きくなると思われ、2つ の説明変数「集客施設の る要因がないので、 影響」と「道路幅」は、一方が大きくなれば他方力Ⅵヽさくなるとい う関係 を持 つていそうであ る。 ― 「集客施設の影響」の値が極端に分れるのは、集客施設が少ない街 (池 袋)で 、 前述の通 り、 「集客施設の影響」の値が中間的な道が多い街 (渋 谷)は 、集客施設が多い街 だから、 集客施設が少 ない街では、
「道路幅」の重み力Ⅵヽ さい。 「集客施設の影響」の重みが大きく、 一方、集客施設が多い街では 「道路幅」 の重みが大 きくなる 「集客施設 の影響」 の重 み力Ⅵヽさくて、 と予想 で きる。
Hitoshi Walmbe Lab.Waseda U面 v.2000
第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
3.集客施設 の数 を多 くする
(分 散 させる)こ
考察
との有効性
「集客施設 集客施設 の数 が少 ない街 では、通過 人数に対 して「道路幅」はあ ま り影響せ ず、 の影響」 の重みが大 きい。 また、2‐ 2で 書 い たとお り「集客施設 の影響」 の 中で も「駅 と施設 をつ な ぐ関係」の影響 に ほ とんどが占め られるか ら、集客施設 の影響 がでて くる道 は数 は少 な くなる。つ ま り、人が歩 く道 はかな り限 られることにな り、駅前全体 で 見 た場合、人の歩 く範囲が狭 い。 「施設 と それに対 して、集客施設 をの数 を多 くす ると、駅 と施設 をつ な ぐ関係 だけでな く、 施設 をつ な ぐ関係」の数が多 くな り、その施設同士 をつ な ぐ道 にきちんと「集客施設 の影響」 が表 れるので 、人が歩 く道が多 くな り、歩行者 が た くさんの道 に分散 され、駅前全体 で見 た場 合、人の歩 く範囲が広 くな る。 それに加 えて道路幅の影響 も多 くな るか ら、施設 と施設 をつ な ぐ最短距離 の道 だけでな く、 他 の道 を選択す る可能性が高 くな り、 ます ます歩行者がた くさんの道 に分散 され と考 えられ る。それは、街 を歩 く人の径路 の選択肢 を多 くす ることだ とも言 えるのではないか。 よって、駅前 の歩行者が歩 く範囲 を広げたい ときには、集客施設 を適度 に分散 させて計画す ることが有効 な方法だ と思 われる。 (渋 谷 の集客施設 は池袋 に比べ て大分小 さいので、施設数が多 いか らといつて、必ず しも集 大 きい施設 をを数少 な く作 るよりは適度 に分散 させ る 客施設 の全 体量 が大 きいわけではない。 方 が、歩行範囲 を広げるのには良いのではないか と思われる。)
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第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
5-2予 測 モ デ ル に 関 す る考 察 「集客施設 の影響」 と「道路幅」か ら「断面交通量」 を求 める ことがで 今回は渋谷 を例 に、 きた。 例 えば、新 しい集客施設が計画 された場合、この渋谷 の 断面交通量 を求める式 に、新 しい計 現在 の状態 か ら新 しい施設 を建 てた時 に、道 の歩行量 が どう変 画 を含 めた数値 を代入す れば、 化す るのか を予測す ることがで きる と考 え られる。 「道 ただ、渋谷 では3章 の重回帰分析 か ら、通過 人数 に影響 を与 える要因 (「 集客施設 の影響」 路幅」)の それぞれの重ながわか つてい た。 このの重み は、渋谷 と池袋 に比較 で もわか るよ うに、それぞれの街に よつて多少異なる。 「その街 の要因の重 みが い く 全 く新 しい場所 で、この方法 か ら断面交通量 を予測す るには、 つ か」が必要 なので、今回の 2つ の街 の調査 だけでは、街 による重みの変動 を知 ることはで き ず、新 しい場所 の断面交通量 まで予測す るモデ ルはで きないが、 もつと多 くの街 で調査 を行 い 、どの よ うに影響要因の重 みが変化す るのかが求め られれ ば、一般的 な街中 (駅 前)で の通 過人数 の予測 モデルがで きるはず である。 ただ、今回の調査 では集客施設 の配置が両極端な街 を選 んだので、それか ら多少 の予想 をす ることはで きる。 まず、 集客施設 の規模が大 きく、数が少ない (配 置が集中 してい る)街 では、 「集客施設 の影響」の重みが大 きく「道路幅」 の重 みが小 さくな る。 集客施設 の規模が小 さく、数が多 い (散 在す る)街 では 「集客施設 の影響」の重みが小 さく「道路幅」 の重 みが大 きくな る。 と予想 で きる ことと、 (行 動特性分析 に関す る考察 2-3を 参照 ) 渋谷 では、標準偏回帰係 数 「集客施設 の影響」 0,77606357 0.246574712 「道の幅」 池袋では、標準偏回帰係数
「集客施設の影響」 0.86CX162766 「道の幅」
0.120108693
だから、 これを両極の数値 だと考えると、ほぼ 「集客施設の影響」の標準偏回帰係数は約 0.776∼ 0.860の 間で変動 し、 (集 客施設 の配置がが集中するほ うが値 は大 きい) 「道路幅」 の標準偏回帰係数は約 0.120∼ 0.247の 間で変動す る。 (集 客施設が散在す る方が値 は大 きい) Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
第 5章
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
考察
と予測 で きる。 この標準偏 回帰係数 (影 響要 因 の重 み )を 使 って 、今 回 のモ デ ル化 と同 じ方法 を用 い れば、 違 う街 で も歩行者 の分布 が ど うな るか の予測 が で きるはず で あ る。
Hitosn Watanabe Labo Waseda U面 v.2000 1
-82‐
第 5章
駅周辺 の歩行者の回遊 行動特性 に関する研究
考察
5-3.ま と め 本研究 で 、明 らかにな ったことをまとめて記す。 1.駅 前 の商業地の断面交通量 は、集客施設 の配置 と、道路幅 に相関す る。 2.集 客施設 の配置 を数値化す るにあた つては、
「各施設 同士 をつ な ぐ最短距離、駅 と施設 をつ な ぐ最短距離 に位 置す る道 に、その施設 (駅 )の 利用人数 の合計 を与 える」
とい う方法 が最 も適当に説明で きる。 3.断 面交通量 に対 しては、集客施設 の配置 の影響 が最 も強 く、次 に道路幅 が影響するが、集
客施設 の配置 に比べ その重 みは小 さい。 「集客施設 の影響」 と「道路幅」 の影響 の重 みは、若千異 なる値 を持 つ。 4.街 よって、
5。
以上 の特徴 か ら、集客施設 の影響、道路幅 を説明変数 とす る「道の通過人数」の重回帰式 を示 し、断面交通量 を計 算す るモデ ルを導 く方法 を提案 した。
6.渋 谷 に関 して、断面交通量 を計算す るモデルを作成 した。
駅前商業地 の歩行者の交通量 は、集客施設 の配置 に強 く影響 される ことがわか った。 しか も、単純 に駅か らその施設 までの交通量 が増えるとい うだけでな く、施設 と施設 をつ な ぐ道 も、その施設 の集客力 に応 じて交通量が増 える。 この ことか ら、新 しい施設 を計画す る際 に、どこに計画す るか とい うことは、街中の どの道 が活性化す るか
(歩 行者 の交通量 が増 えるか)と
い うことを左右する ことがわかる。
よって、新 しい集客施設 の配置 を決定す る際 には、施設 に人を集 めることだけを考 えるので はな く、その施設配置 によつて、街 の歩行者 の交通量 が どう変化す るか とい うことも考慮す る べ きではない だろ うか。
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000 1
‐ 83‐
第 5章
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性に関する研究
考察
5-4.今 後 の 展 望 1.今 回提案 したモ デ ル化 の手順 では、予測式 の係数 の決定 (4章 の4-3)を 行 う前 までは基準
値 を用 いて計算す るので、説明変数「集客施設 の影響」の値 を求 め るための「集客施設 の 利用 人数」 も、目的変数 とした「断面交通量」 も、「1日 」の値 で も「 1年 」の値 を代入 し て も、単位 は関係 な く、予漂1値 が計算 できる。 「断面交通量」を基準値 か ら実際 の値 に変 える単位合 わせ を行 う際 違 う単位 を用 いれば、 に、結果 として求 まる係数が異 な つて くるだけで、同 じ手順 でモデル化が可 能 であ る。 調査 の関係 上、今回作 成 した渋谷 のモデルは平 日午後 3∼ 4時 の 断面交通量 を求 める式 となってい るが、現実 には、目的変数 とした「断面交通量」 も、説明変数の値 を求めるた めの「集客施設 の利用 人数」も平 日・休 日の違 い、時間の違 い によつて変動す るので 、両 者 ともより変動 の少 ない「1日 」 の値 や「1年 間」 の値 を用 い ることが望 ま しい。 2.ア ンケー ト調査 か ら行動分析 を行 った時 には、対象 とす る属性 に偏 りがあ った (10・ 20代
の 人が多か った)が 、その結果 を用 いて渋谷 のモデル化 を行 った時 は、全ての 人を対象 と した。対象 とした属性 が 多少変化 した ことに なるが、同 じ論理 でモデル化がで き、算出 し た値 も信頼 で きるものであ った。 この ことか ら、年代 による行動特性 の差 はない と思 われる。 3.説 明変数「集客施設 の影響」「道路幅」 の重み は、街 によつて異 なる ことがわか った。
今回の2つ の街 での調査 か ら、おお まかな変動 の特性 は予想 で きるが、現実 に他の街で のモデルを作成す る時 には、その重み を知る必要があるため、街 による説明変数 の重み の 変動 につい ては、別 にモ デル化す る必要がある。 4.基 準値 を用 い て も、集客施設 の配置 の評価 はで きるが、今回作成 したモデルでは、最後 に、
断面交通量 を基準値 か ら実際 の値 に戻すために、数 力所 の断面交通量 を測 って、単位合 わ せ を行 つた。 これは、基準値 と実際の値 との 関係式が把握す るためだが、その 関係 は、駅か ら街 にで て くる人数 と相関 してい ると予測 で きるので 、その 関係式 を別 にモデ ル化す れば、全 く断 面交通量 を計測 しな くて も、実際 の値 までが計 算 で きるはずで あ る。 (基 準値 で評価 を行 う時 には必要ない
)
5。
今回 は、説明変数 として「集客施設 の影響」「道路幅」「駅 か らの距離」 を取 りあげ たが、 それ以外 にも、隣接す る店鋪数 な ど道 の質 を表す要素 を説明変数 として有効 か どうか試す 価値 がある。
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駅周辺 の歩行者の回遊 行動特性 に関する研究
おわりに
とうとうここまでた どりつ くことが出来 ました。 春頃 は「あんな黒 表紙 に見 合 うほ どの修論 がか書けるのか しら」 と思 つてい ま したが、今、 「おわ りに」 を書 くところまで来て、ちよつと感激 してい ます。 とて もすば らしい修論が書けたかは ともか く、2年 前 の卒論 と くらべ れば、確実 に成長 した 修論 が出来た と自分 では思 っています。 悩 んだ り迷 った りす る度 に、 とは言 つて も、ここ まで来 るにはただ順調だ ったわけではな く、 本 当 にた くさんの方 に助けていただきました。その方達全 てにおネしを言 いたい です。 お忙 しい中、私 が行 き詰 まる度 に相談 にの つて下 さり、また この大学院での貴重 な2年 間 を 過 ごす機会 を与 えて下 さつた渡辺仁史先生 には、本当 にい くら感謝 して も足 りない くらいで す。本当 にあ りが とうござい ました。 また、2年 前 の卒論 か らこの修論、これ までの研究室 の活動全般 にお いて、助手 の夏子 さん には、大変お世話 にな りました。 それか ら、年末 の慌 ただ しい時期 に分析 の相談 にのって下 さり、VcctorWorksの プ ログラム まで書 いて下 さつた木村 さん、本当 にあ りが と うご ざい ました。(年 末 のお休 みに働 かせて し まって、すみ ませ んで した。)あ の時相談 にのって下 さらなか った ら、この論文 が書 きあが つ たか どうかわか りませ ん。 それか ら、この論文 を読 む ことはないか も知れ ませ んが、去年卒業 して しまったのに、わざ 「それ わ ざ電話で相談 にの って下 さつた清水建設 の 山本陽一 さん、あ りが とうござい ました。 はで きない。無理。 」 などわが ままを言 う私 をなだめて、作業 の手 を進め させ て下 さり、本当 に感謝 してい ます。 その他 にも、たびたび相談 にのつて くださつた ドクターの高柳 さん、山口さん、自分 の修論 があるのに、1月 に調査 を手伝 って くれた畔田麻理子 さん、同 じく調査 を手伝 って くれた木村 君、この論文 の ベース となる調査 を して くれた3年 生 の方 々などな ど、みなさん本 当 にあ りが とうござい ました。 最後 まで書 き上げ られたのは、みなさんのおか げです。
Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Univ.2000
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
参考文献 □文献 す ぐわかる多変量解析 石村貞夫
(東 京図書 1992年 )
初心者が ら くらく読 める多変量解析 の実践 (上 ) 管民郎
(現 代数学社 1993)
や さしいマーケテ イングのための多変量解析 清水功次 (産 能大学出版部 1998)
EXCELで わか る統計入門 清水理 (株 式会社 ナツメ社 20∞
)
EXCEL関 数 活 用 SUPER MA馴 阻 R エ クスメデ イア (株 式会社 エ クスメデ イア 1999) 統計学通論 第 2版 北川敏男 。稲葉 三男 (共 立出版株式会社 1960)
基礎数学
「 シブヤ系」経済学
この街 か らベ ンチ ャー ビジ ネスが生 まれる理 由
西村晃 十八 田真美子
(PHP研 究所 1999)
建築計画 。設計 シリーズ 24 商業施設 (市
!
ケ谷出版者 1995)
□論文 「駅勢圏改札 口分担 モデルに寄 る利用者 の予測 に関す る研究」 林淳蔵 (1995年 度早稲 田大学大学院理 工 学研究科修 士論文 ) 「駅 の利用実態 に基づ く構内施設 の最適規模予測」 山本陽一 (2CXXI年 度早稲田大学大学院理 工 学研究科修 士論文 ) 「大規模商業施設 が駅利用者 の歩行圏 に与 える影響 の研究」 錦戸健吾 (2001年 度早稲田大学大学 院理 工 学研究科卒業論文 ) Hitoshi Watanabe Lab.Waseda univ.2000
駅周辺の歩行者 の回遊 行動特性 に関する研究
「郊外鉄道駅周辺再開発における周辺への波及効果に関す る研究 ‐川西能勢口駅をケーススタデイとして _」 幸丸英嗣 (日 本建築学会大会学術講演梗概集 1997) 「都市空間の歩行者分布 に関す る調査分析
その
3。
歩行者数 と建物延べ床面積 との相関」
大河内学他 (日 本建築学会大会学術講演梗概集
1"8)
「都市の回遊性 に関する研究 ―福井市中心商店街 を対象 として ― 」 宮岸幸正 (日 本建築学会大会学術講演梗概集 1999 「京都市中心商店街における来街者の回遊行動パ ターンと賑わいの密度分布 について」 森山孝夫 (平 成 8年 度
日本建築学会近畿支部研 究報告集)
」 「買物客の径路選択 に影響 を与える要員についての研究 ‐商業集積地 における径路選択 ‐ 切敷香澄他 (日 本建築学会大会学術講演梗概集 1991) ロデータ 。資料 駅別乗降者数総覧 99 エース総合研究所出版部 (エ ース総合研究所研究本部) 全国大型小売店総覧'20∞ 東洋経済新報社 (ア
ンケー トの地図で使用)
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Hitoshi Watanabe Lab.Waseda Un市 .2000
駅周辺 の歩行者 の回遊行動特性 に関する研究
己 寸 言 岡
Hitoshi Watanabe Lab Waseda Univ 2000
駅周辺 の歩行者の回遊行動特性 に関する研究
1.ア ン ケ ー ト用 紙 調査 で 用 い たア ンケー ト用紙 を掲 載す る。 a.駅 前 の 回遊行動 に 関す る調査 (調 査 マニ ュアル) b.渋 谷歩行径路調査 用紙
池袋歩行径路調 査 用紙 c.渋 谷
座標 シー ト
池袋
座標 シー ト
d.デ ー タシー ト
Hitoshi Watanabe Lab.VVaseda Univ 2000
訣
可2里 萱笠塾 里 羽登 !三
◎「来たばかりでない人J である ことを確 認 して くだ さい。来 たばか りの人 は、ア ンケ ー トの 対象 とはな りませんの で 、 アンケー トはしないでくだ さい。既 に 3∼ 4ト リップを歩 き回 っている人 とI型 ョ ア ンケ ー トして くだ さい 。
│
■調 査 目的 =重 11の 調査 は、駅前 の集客施設をめ ぐる買 い物客 の回遊行動 を調べ 、ぶ らぶ ら歩 く間の立 ち寄 りの仕方か ら、よ り良い駅前 の集客 施設の配置を提案す ることを目的 として行 っています。
「歩行経路調査用紙(地 図)」 をアンケー ト対象者に見せながら、記入 していきます。 (1)① ∼④欄 まで記入して下さい。 (2)来 るときに使った改札と今いる位置を地図上にプロットして下さい。 (3)― l.「
口調査概 要
I
語罰
渋谷 池袋
の前などで、必ず外で行ってくだ さい。 (JR渋 谷駅 ハ チ公 日付近 か、東急 デ パ ー ト、 パル コ、西武 デ パー 卜 「 りR池 袋駅東 口付近 か 、東急 ハ ンズ 、三越 、パル コの前 な どで、,jl't rlTii c( ( /i d r,r. ) (、
│
1
始めに使ったお店
(施 設)は
どこですか ?」 と聞いて、お店の名前、種類、利用時間、利用頻度を⑤欄に記入、地図上
にその位 置 をプ ロ ッ トして くだ さい。 (3)-2.´ その お店 に来 る ときまで に歩 いた道 を聞 い て、地 図上 に通 った道 を線 で書 い て くだ さい。 (向 きが分 か るよ うに矢印 を書 い て くだ さい。 )
│
1調 査 日
査方 法
土曜 日 。日曜 日・ 国民の祝 日の 夕方 (10/21,22,28,29 11/3,4,5) 調査用紙 は1ア ンケ ー トにつき1枚 使用 し、一人当たり10人 (グ ループ)の アンケー トをとって くだ さい。
アンケー ト対象者に質問 を しなが ら記入する形で、記入は自分で行ってください。
1調
査対象 1調
(ヒ
蕩石 I
1面 「
アリング方式
)
駅前で、「その街 (渋 谷 か池袋)を 歩 き回って帰るところだと思った人」「 もう既にしばらくぶ らぶ らした思われる ′てください。来 たばかりの人は、アンケ ー トの対象とはなりませんので、アンケー トはしないで 人」にアンケー トし い くださ 。 (10人 に含 みません)
[____
わかる範 囲 で結構 で す。 サンシャインシテ ィ等大規模な施設は、「サ ンシャインの水族館」のように詳 しく記入 してください。詳 しくは 「歩行経路調査用紙」右_L参 照。 (調 査の前に見ておいてください。)
利用頻度 :1.良 く使 う 2.と きどき使 う 3.ほ とんど使 わない の3段 階の評価 で、番号 を記入 して ください。 (3)-3.「 次 に利用 した店 (施 設)は どこですか ?」 と、利用 した店 (施 設)を 利用順に聞いて、最後に使 った店 (施 設)ま で⑤i聞
に記入 を繰 り返 してください。 また地図上に使ったお店 (施 設)の 位置をプロッ トして、歩いた道 を線で引いて下 さい。 (ア ンケー トを た人に言われた場所が わからなかったときには、「どこの近 くですか」と聞いて、大体の場所を探 して プロッ トして ください。 (4)最 後 に使 つた店から、今いる場所まで歩いて きた道をきいて、地図上に線 を引いて ください。 t´
■ 調査 につ い て 暉調 査 用 紙 の 項 目・ 記入例 ()ど こを歩 vlス 1か 、利用 た店の位置 はとても重要 なので
)
※歩 い た範 囲が地 図上 か らはみ出 して しま った時 は、 メモ欄 に地図 か らでた時刻 と地 図 内に入 って きた時刻 を聞 い て記入 して くだ さい。
tメ
必ず地図止に利用 た店の位置とどこを歩いてきたかの線を書いて ください。
│
tノ
Э今 日は何時頃どの改札を使 って来 られましたと ■ 苺ぢう失61マ た讐含は ※地 図 上 に使 っ た 改 札 ・ バ ス停 な どの 位 置 を プ ロ ッ トして くだ さ い。
Э今の時間は何時ですか ?ど こにいますか ?
④池袋にはどのくらいの頻度で来ますか ?
また池袋の調査場合 は、西 口方面 への出入 りの時刻 も記入 してください。
「[11年 1北 ふ 婦鰐%尭 おな FFま 欧 砕ILと :象 11さ ]箕 1:宋 Ψ │:1瓶 輩寒
0)属 性 を記入
1認
体行 繭、ラ 用 した店舎 "利 経路 を舅 上 に記入
│(7)Oの
'国 ※地 図 上 に今 い る位 置 を プ ロ ッ トして くだ さ ぃ。
:こ
表に属性を記入してください。
(見 た目の判断でも結構です。)
■家 に 帰 って か ら アンケー ト終了後、「デー タシー ト」 に記入 します。 (1)太 線 の枠内を「歩行経路調査用紙」 か ら書 き写 します。 (同 じ項目です。 書 き方】に したがって、記入 してい って ください。 (2)太 線 の枠外 は、それぞれ 【 )
■ わか らない こ とが あ った と き は下記 の と ころ まで連絡 して下 さい 。 渡辺研 究室 加納征 子 e― mall yukiko― kqb3.so― net.ne.jp
tel. 070-5864-8692(PHS)
◎ただ地図 を見せて 「どこを歩 いたか」 と聞 いて も、す ぐに答 えられ る人 は多 くないので、多少答 えを予測 して誘導するよう な形で聞 いて ください。 (歩 行経路の聞 き方の 「 レス トランの後 パルコ '1) に行 ったのな ら、この通 りをこんな風に (地 図上 で歩 いてい そうな道 を示 して)歩 いたの ですか ?」 ■ ア ンケ ー トの 方 法 「
※ 注意 ‐
1
TT
■
T,■
■ FII
「
IT「
= 三ンケー ト == いします。 *ア ^は 、赤などの色ベ ンでお願 ー *ア ンケ トを行 うとき使用するのは、「渋谷 (池 袋)歩 行経路調査用紙」 (A3)の みです。 *利 用 た店舗 (施 設 )と は 、中に入 った店 や施設 と します。中 にス.っ た店 (施 設 )は 全 て聞 いて下 さい0 Iノ
―
―
-1
│
1
│
ぃ て だ 洋 く 識し
1谷 歩行経路調査用紙
早稲 田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 【 施 設 の名前欄の書き方】
在、渡辺仁史研究室では渋谷での回遊の状態を調 べ るために、歩行経路の調査を して います。お忙 しいところ誠 に恐縮で すが、 ご協力お願 いします。 って来 られ ま した
④渋谷にはどのくらいの頻度で来ますか ? 週 2回 以上
週 1回 位
月2.3回 位
月1回 位
※地図上 に今 いる位置をプロッ トして ください。
あまり来ない
図上 に線 を引 いて くだ さい。 的にしていたところがあれば、○をつけてください。 4.こ れから行 <予 定のところがあれば、表に書いて ください。 3.目
利用頻度 :1.良 く使う 2.と きどき使う 3.ほ とんど使わない 店 (施 設 )の 名前
店(施 設 )
利用時間
1
︲ 夕ぎ﹃′︲ ¨ 〓 た﹂F″ 〓
,︱ ︱ 一 ”= 嗜■ ,︱
″/七赫
・り レ テ ∼
目的
の種編
//翻 雛 喫し
1∼ 3F)
頗
地図からはみ出した範囲の店でも順番に右の表に記入し、位置は簡単にメモして下さい。 2.利 用 した店 を 地 図 にプ ロ ッ トして 、 ど こを 歩 いて そ こに行 った か地
刊
ですか ?ど こにいますか ?
⑤利用 した順に店・施設を利用を教えてください。 1.お 店の名前、種類、利用時間、利用頻度、を右の表に書いてください。
③ これからの予定は?
記 入 して くだ さい。 渋谷東急本店→東急百貨店、Bunnkanura
用 度
※地図上 に使 った改札・バ ス停な どの位置をプロッ トして ください。
以 下の施設 は規模が大 き いので、次の よ うに分 けて
1
時間
弱
時間
坊
時間
慟
時間
蒟
時間
坊
時間
彿
時間
タ
時間
ヂ
時間
タ
時間
タ
時間
ケ
時間
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時間
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,'(以 」VD( 白川 ロ レ
脇4彿 暴霧 │"繁 こ
壽一丁 目
│(■
i
こく = l FJ
※地 図の範 囲街 で利 用 した ものは、区別がつくように枠で囲 って下さい。
※アンケー ト後、店 。施設の位置 と表が対応で きるよ う に地図上 に、店の名前等 を記入 して くだ さい。
⑥属性を記入ください。 グループ構成
(見 た目判断でもOK)
1
性別
銘薩
デ
人 年齢
1人 目
男・ 女
代
2人 目
男・ 女
代
3人 目
男・ 女
代
4人 目
男・ 女
代
■メモ 欄 ※地図か らはみ出した時間・戻 ってきた時間な どを記入 て ください。
学籍 番 号 名前
]袋 歩行経路調査用紙
早稲 田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室
施設の名前欄 の書き方】 【 以下の施設 は規模が大 きいので 、次のよ うに分 けて
1在 、渡辺仁史研究室では渋谷での回遊の状態を調べるために、歩行経路の調査を しています。 お忙 しいところ誠 に恐縮で すが、 ご協力お願 いします。
したか?聡 骰t彎 雄鯨は
どの改札を使って
※地図上に使った改札・パス停などの位置をプロットしてください。
)今 の時間は何時ですか?ど
こにいますか ?
月 1回 位
ルバ、水族館・ プラネタリウム、プリンスホテル、博
あまり来な い
(施 設 )の 名前
用 庫 利 顔
営店
店 の
※地図上 に今いる位置をプロッ トして くだ さい。
臓函
月2.3回 位
ってください。 (ア
地図からはみ出した範囲の店でも順番に右の表に記入し、位置は簡単にメモして下さいる 物館、サンシャインo 2.利 用 した店 を地 図 にプ ロ ッ トして 、 ど こを 歩 いて そ こ に行 った か地 池袋西武→西武百貨店、リプロ、イルムス 図上 に線 を引 いて くだ さ い。 ` 利用頻度 :1.良 く使う 2.と きどき使 う 3.ほ とんど使わない 3.目 的にして いたところがあれば、○をつけて ください。 4.こ れか ら行 く予定のところがあれば、表 に書 いてください。
④池袋にはどのくらいの頻度で来ますか ? 週 1回 位
サンシャインシティ →地図上で、5プ ロックに分割されているので、それに従
⑤利用 した順に店・施設を利用を教えてください。 1.お 店の名前、種類、利用時間、利用頻度、を右の表に書いてください。
③これからの予定は?
週2回 以上
記入 して くだ さい。
利用時間
目的
」
時間
チ
2
時間
タ
3
時間
カ
4
時間
翁
5
時間
弱
6
時間
拐
7
時間
引
時間
慟
時間
タ
時間
タ
時間
タ
1
多
\ V饉 之 撻 tミ
ヤ
一 瓢 彗 一 . ,
一
1櫨 ―
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1
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時間
郵 婚田」
,
時間
′
時間
′
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葬メ
※地図の範囲街で利用したものは、区別がつくように枠で囲つて下さい。 ※アンケー ト後、店 。施設の位置と表が対応できるよう に地図上に、店の名前等を記入 してください。
昇`
⑥属性を記入ください。 グループ構成
(見 た目判断でもOK)
1
性別
ソ6043
ス
人 年齢
1人 目
男・ 女
代
2人 目
男・ 女
代
3人 目
男・ 女
代
4人 目
男 。女
代
■メモ欄 ※地図からはみ出 した時間・戻ってきた時間などを記入 てください。
スカ ム ′
ンシヤイン への地下通路
ナンシャインに行 った人 には地下通路を使 ったか ヽ て使 っていた ら、メモ欄 に記入 しておいて下さい。
渋谷
座標 シー ト
【 座標 の取 り方】
1.2つ 以上のマス ロにかか つていると ころは、かかつているマス ロの面積が 一番 多 いマス ロの座標 にしてください。 2.そ の建物 にマス ロが いくつも入つて しまうときは、建物のだ いたい真ん中に位 置するマス ロの座標 ににして ください。 3.特 に大規模な建物で、座標表のなか に 図 の印のあるものは、この印のある座 標 にしてください。
8け 。 け 即 2 3 ︲ ︲
池袋
座標 シー ト
【 座標の取 り方】
1.2つ 以上の マス ロにかかって いるところは、かかっているマス ロの面積が一番 多 いマス ロの座標 にして ください。
2.そ の建物 にマス ロが いくつも入つて しまうときは、建物のだ いたい真ん中に位 置するマス ロの座標 ににしてください。
3.特 に大規模な建物で、座標表のなかに 図 の印のあるものは、この 印のある座 標 にして ください。
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艦ユI Π︲照郡︵ 諮製︶ 雛埋■
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