追跡−追従引力を考慮した群集内歩行者行動モデルに関する研究

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渡辺仁史研究室修士論文 追 跡 ―追従 引 力 を考慮 した群 衆 内歩 行者 行動 モ デ ル に 関 す る研 究 A Study on Pedestttan Walk Model with"丁

rack‐ Fo‖ ow Attraction"

2002年 2月

早 稲 田大 学 大学 院理 工 学研 究科 建設工学専攻建築学専 門分野 渡辺仁史研 究室 長山 淳一


」は じめに

仮想現実 の世界 では,近 年 の技術 の進展 によ り,高 精細な空間映像 を高速 に演算・表示 す ることが可能 になつてい る。建築の分野で も,3D‐ CGや 3Dア ニ メーシ ョンの技術 は

,

建築 の プレゼ ンテ ーシ ョンや シ ミュレー シ ョンを行 ううえで,広 く用 い られて い る。2001 年 8月 に開催 された産業用 バ ー チ ャル リア リテ ィ展で も,仮 想空間内を自由 に移動す るこ とがで きる技術 の展示等が見 られた。 しか し,「 リアル な空間体験 」を謳 つた あ る展示物 を使用 して ,仮 想空間内の歩行 を行 つ た ところ,操 作 に不慣れな こ ともあつたのだ ろうが,壁 にぶつか り,歩 道 を飛 びだ し,結 局 自分 が どこを向いているのか もわか らな くなつて しまつた。 一 方 ,現 実空間での歩行行動 を考 えてみ る と,駅 や商業空間 な ど,不 特定多数 の人が集 まる場所では,人 は個人 として よ りも,む しろ群れで行動 し,同 じ方向に向か う人同士で 集 まつて流れ を形成 した り,立 ち止 まつて溜 ま りになつた り,時 には順番 を待 つて,長 い 行列 を作 る。 建築計画 において,と か く制御対象 として とらえがちな,こ れ ら雑踏や群衆 に見 られ る 現象 も,一 方で は個 々の歩行者 に対 して様 々 な恩恵 を与 えて い る とも考 えられ る.日 常的 に利用す る駅 構 内での体験 を例 に とると,群 衆 へ の埋 没 によって ,歩 行 が 困難 になること こそあるが,絶 え間な く変化 す る群衆 の動 きのおかげで空間感覚・方向感覚 を失 つて しま う ことはない。さ らには,消 極 的 に人の流れ に身を任せ ることで,そ れほ ど意識せ ず に 目 的場所 までた どり着けた りもす る。

この ことか ら考 えるに,歩行 時 には建築物や看板 な どの環境 か らの情報 とともに,空 間 を共有す る他者 との関係 か らも情報 を得 ることで,空 間 の把握 を行 つてお り,先 の仮想空 間 で空 間 の把握が困難であ つたのは,人 の気 配 を感 じることがで きず,単 に 自分 の意志行 動 を実現 しただ けものであったためではないか

.

実空間での個 々の歩行行動 と集 団の群衆行動 との間 に見 られ る関係 を明 らかにすること で,群衆行動 を活か した建築設計計画 が可能 にな り,ま た,こ の特性 を仮想空 間 に適用す ることで,よ り自然な空間体験 が 可能 にな ると考 え,本 研究 に至 った。


目次 は じめに 第

1章

序論

1.1研 究 目的 1.2研 究背景 1.2.1空 間情報 の 3D化 はなにを創発 するか ? 1.2.2建 築映像表現 と建築映像体験 の新次元

1.3半 自動誘導 インター フェースに向 けて 1.3.l VR空 間 をわかりやす く歩 く仕組 みづ くり 1.3.2歩 行 イ ンター フェースの基礎 ‐離散粒子系 MD行 動 モデル

...1

. . . . .4 . . . .. . .. .

.5 .6 .6 .9 .11 .11

.15

1.4研 究概要 20

2章

モ デ ル 構 築 に向 け た行 動 因子 の 実 測 調 査

2.1実 空間にお ける群衆内歩行者流動調査 2.1.1ビ デォカメラによる歩行者流動調査 2.1.2被 験者 による歩行行動実験

2.2調 査対象空間 の実測

3章

実測 デ ー タの抽 出

3.1歩 行軌跡 デ ー タの抽出 3.2追 跡 ―追従歩行者の抽 出 3.2.1歩 行群衆流の可視化 3.2.2追 跡 ―追従歩行者の抽出手法

4章

追 跡 ―追 従 行 動 の 数 値 的 特 性

4.1群 集密度 と追従・ 追跡行動の関係 4:2二 歩行者間の接近限界距離 4.3追 跡 ―追従歩行時の二歩行者間距離 4.4追 跡 ―追従に対する影響領域 4.5モ デルヘの数値的特性の採択

. .. . .21

. .22 - - .22 . .23 - - .23 . ... .24

. - -25 . .26 - - .26 . . .33 . . .. .34

. .35 . .38 ...40 . ..47 . .49


目次

3

第 5章

・ 50

追 跡 ―追 従 ポ テ ンシ ャル モ デ ル

0・ ・ 51

5.1歩 行者間距離 か ら見 たポ テ ンシ ャル 5.1.1追 跡 ―追従ポテ ンシ ャル モデル基本式

0・ ・ 51

5.1.2数 値解析 による各係 数 の決 定

0 ・ ・ 53

0 0 057

5.2歩 行者 の指 向性 を考慮 したポ テ ンシ ャル

第 6章

仮想空間ウォークスルーイ ンターフェースヘの実装

… …・60

6.1追 跡 ―追従 ポ テンシャル モデル を展 開す る三 次元仮 想空間 につ いて・・・ 61 6.2仮 想空間 ウォー クスル ー イ ンター フェース プログラムの構成 ・ 0063 ・・ 065 6.3空 間デ ー タの 準備 6.4歩 行者デ ー タの作成 ・ 0065 6.5歩 行行動 の全 体部分 ・・ 069 6.6消 極的行動 因子 の導 出 ・・ 072 6.7積 極 的行動 因子 の導 出 ・・ 075 6.8数 値積分 に よる歩行者位 置・ 速度 の導 出 ・・ 079 。・ 079 6.8.l Taylor展 開 について 6.8.2外 カ ー座標系導 出法

6.9歩 行軌跡 の書 き出 し

第 7章

自然な歩行空間の再現 に向けて

7.1イ ンターフェース を用 いた被験者歩行実験

0080

・・ 083

084

・ 。・ 85

7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 へ の影響 0090 7.2.1歩 行軌跡 の違いの検定 0009o 7.2.2各 実験 における被験者歩行軌跡 ・ 0092 7.3実 空間における歩行軌跡 との比較 ・・・ 98 第

8章

ま とめ

おわ りに 参考文献 参考 ホームベー ジ 付録

●●●●0101

0 0104 0 0 0105 0 0 0108


第 1章 序論

4


1.1研 究目的

1.1研 究 目的

本研究 は,よ り自然 な空間体験 を可能にす る仮想空間 ウォー クスル ー イ ンター フェース の構築に向け,実 空 間 での群衆 内 の歩行行動 に見 られ る,「 歩行群衆流 に身 を任せ る」「群 衆 の動 きを うま く利用 す る」といつた,群衆 のナビゲ ー シ ョン性 を利用 した対群衆消極的 行動因子 を考慮 した歩行者行動 モ デル を,対 話型 MD法 による離散粒子系 モ デル として提 案す ることを目的 とす る。


1.2研 究背景

6

1.2研 究背景

1.2.1空 間情 報 の 3D化 は な に を創 発 す る か

?

電算機性能の向上やソフトウエ ア環境の整備 によ り、他分野の産業において、これまで

2次 元でや りとりされていた ものが 3次 元情報にとって替わ りつつある。ことにテレビ放 送網や映画・娯楽映像産業、ゲーム ソフト産業においては、3D― CGや VR注 1)に よる映像 表現がすでにスタンダー ドである。例えば2001年 秋発表された家庭用ゲーム機器任天堂 ゲームキュー ブ注の は、3次 元データの迅速な演算表示 にその機能を発揮するために開発 されてお り、数年前までは、国立大学のような特定研究機関でのみ活用されていたSC注 鋤 や GWS注 うで扱 つていたような、膨大な情報容量の 3次 元映像 の空間体験を、誰でも、茶

図 7.1,WSク ラスの演算性能 を持つ家庭罵ゲーム機器詢 とそのソフトコンテンツ 注 1)VRと は、Virtual Realityの 略称、仮想現実 (感 )を 示す。 コンピュー タデ ィスプレイやテレビモニ タ 上の 2次 元映像 として 3次 元情報 を効率的に伝 え る もの、3次 元立体 を 3次 元触覚 として伝 えるもの、3 次元立体視機器 によって 3次 元視覚 として伝えるもの と技術体系 もまた多岐 に渡 り、再現性や効果 も細 分化 されて い る。 注 2)同 様 な家庭用 ゲーム機器 に、 ソニー コンピュー タエ ンタテイ ンメ ン ト社 の PlayStation2、 米 マイ クロ ソフ ト社 の X‐ BOX等 がある。いづ れ も高度な 3Dデ ー タをリアル タイ ムに演算・表示す る機能 を謳 つて い る。 注 3)ス パ コンセ ンターの略称。 スパ コンはさらにスーパー コンピュータの通称 である。近年のスパ コンは、 10か ら100オ ーダーの CPUを クラスタに繋 ぎ、膨大 な演算 を並列処理 させ る PCク ラスタ形態の もの が多 くみ られ る。 注 4)2次 元および 3次 元情報の リアル タイ ム演算・表示 に長 けた性能 を持つ コン ピュー タ機器の こと。米 SGI 社 (前 シ リコングラフィックス社 )の IRISマ シンや ONIX2は 、医療・研究機関での自然現象の可視化 や、ハ リウ ッ ド映画の CGア ニ メー シ ョンに と、多岐 に渡 り広 く利用 されて い る。また これ らの機器 は、 一般的に UNIXや LINUXを OSと して用 い、グラフィック表示用 の高性能 グラフィックポー ドを搭載 してい る。


1.2研 究背景 の間 で、気軽 に楽 しめ るよ うにな つた。携帯電話端末 には、3D― CGを リアル タイムに演 算・表示す るグラフィックライ ブラリが搭載 され、端末操作 のユーザ ビ リティの向上 に一 役買 つてい る。 3D‐ CGの 起源 を辿 ると、も とは立体 の情報 を立体 らし く表現 し「伝 える」ことに その

開発意義があつた。 これを第一 フェーズ とす ると、第 2フ ェーズは、その技術 を用 いてデ ザイ ン「考 える」 ことに用 い ることであつた。現在空間デザイ ンやイ ングス トリアルデザ イ ンに用 い られ る 3D― CADソ フ トがそれで あ る。 さ らに第 3フ ェーズは、立体 をよ り擬 似的 に「体験す る」ことを主眼 として様 々 なVR技 術が開発 された。さ らに ここ数年来 は、 新たな知識や価値 の創発に寄与す る立体映像体験 の手法や技術が探求 されてお り、身体感 覚 を無視 しモ ダ リティを欠 いた VR技 術開発 に対す る反 省 の意 も込め られ、各分野 で熱 い 議論がなされて い る。 端末ディス プレイ表示 による 3Dメ デ ィアの コ ミュニ ケー シ ョンに関 して、長 ら注0は 以下 のよ うにま とめている。 「画面 を見 るとい うポー タブル性 は評価できうるが、キー ボー ドとマ ウスのクリック操作 のみに限定 され るな らば、 リアル さ と臨場感 を欠 く。」 この意味す る ところは、3Dメ ディアに極 限の リアル さや臨場感 を求め るべ きではない が、それをみて知覚す る視覚 と、人間 の行動 を制御す る身体感覚 との間 に、何 らかの関係

7.″

テレビモニ タを通 して体験 する臨場感の無 い立体映像

注 5)長 幾朗 (ち ょうい くろう)教 授 :早 稲 田大学国際情報通信研究セ ンター教授、メディア コ ミュニ ケー シ ョ ンの研究 に従事。最近では3次 元空間 にお けるビジュアルイ ンター フェースの構築 に力 を注がれてい る。


1.2研 究背景 付 けや技術的感覚支援がなされて もいい ので はないか とい うことであ る。確 かに見 るだ け の立体映像 には リアル さが感 じられない。 これ を J」 .Gibson注 0の 言葉 を借 りて説明す る と、視覚 の持 つ視覚性運動感覚 にの み情報が与 え られ、自己の運動情報 を提供す る自己受 容器性運動感覚 には何 らの情報 も与 え られて い ないか らである。さらに これ をご く日常的 な現象か ら見てみよう。た とえばテ レビゲ ーム に没頭 して い ると、画面 の動 きにつ られて 身体 が感応 し動 くとい う現象 を体験 す る ことが よ くあるが、身体 を動かす こ とで無意識 の うちに 自己受容性運動感覚の不足分 を補 つてい ることに他 な らない。この周辺 の研究 は山 本注7,文 Dの VR空 間 と奥行 き感 に関す る基礎 的研究で徐 々に明 らかにな りつつ ある。まし て 3D映 像 は この ことをよ り強 く浮 き彫 りにす る。空間情報 の 3D化 による創発 とは、3D 映像 と身体感覚 の間 のギャップを指摘す るこ とにあるといえる。

注 6)」 J.Gibsonに よる提 言

:「 視覚は、筋肉や関節、 内耳系 と同様 に、身体 の運動 を記録す る とい う点で運 動的感覚で あ る点か ら視覚性運動感覚であるとい え る。これに対 し、自己の身体部位 の運 動 (筋 感覚)や 姿勢 (前 庭 感覚)の 情報 を提供 す る感覚 を、 自己受容器性運動感覚 とよぶ。J

注 7)山 本 陽一 (や まもとよういち):株 式会社清水建設設計部所属。運動 ― 視覚系の空 間認知特性 に関す る一 連の研究 お よび作品を発表 してい る。同氏によれ :よ VRに よる建築映像 表現 は、ユー ク リッ ド幾何 3次 元 に加 え 「自らの意志で動かす」 とい うもう一つの次元力功口わるとい う。


1.2研 究背景

1.2.2建 築 映像 表 現 と建 築 映 像 体 験 の 新 次 元 空間情報 の3D化 の問題創発 に関 しては、ことに空間デザイ ンにおける仮想空間の立体 映像体験において多 くの議論余地を見いだすことが出来る。 建築設計における映像表現は、 古 くは透視図やイラス ト等 の 2次 元情報を用 いていたが、デジタル環境の整備 の進んだ

1990年 以来、専 ら透視図は3D― CGあ るいは3Dア ニメーションを用 い る機会が多 くなつ た。特 に 3Dア ニメーションは、Walkthroughや Flythroughに よる視点の移動 によ り、 ときに ドラマティックに、または説明的にと、変化 に富んだ表現が可能である。その一例 を図 1.3に 示す。 さらに 3D映 像表現技術 は進展 し、1995年 、Webブ ラウザ上にて 3Dデ ータをリア ル タイムに演算表示するデータフォーマ ットVRML注 0が w3Cに よ り策定を受け一般利 用されるようにな り、これを契機に 3D映 像表現 はVRに 向かって一枝展開 してい くこと

図 1.の 3Dア ニメーションによる建築映像期

注 8)VRMLと は、Ⅵ rtual Reality Markup Langageの 略称及 び通称。 2000年 には VRML2.0ま で昇華 された力ヽ コンテ ンツの展開性や表現能力 に限界があったため、 その後 は同用途 として開発 された数種 の別のデー タ形態群であるWeb3Dに その座 を譲 ることとなつた。Web3Dは VRMLと 比較 して、デー タ容量の低減、レンダリング精度の向上 に加 え、DTDに よるタグ定義形式 とスタイルシー トと呼ばれ る タグフィルタ リング機能 をもつXMLデ ー タ形式に批准す ることで コンテンツ制作 の汎用性 を高めている。


1.2研 究背景

10

となつた。VRML.を 用 いた建築映像表現実例 として、現代建築アー カイブ注9が ぁる。同 コ ンテ ンツは、著名建築作家 に よる建 築作品の 内部 を、マ ウス操作 によって擬似的 に歩 い て体験 することが できるデ ー タ資料である。建築映像資 料 の アーカイブ化 はスチル写真や 動画像 によ りすで に行 われていたが、本格的なVR資 料 の整備 を行 った とい う点で エ ポ ッ クメ ー キ ングな事例である。これによ り、建築作品の建 ってい る現場 にわざわ ざ足 を運 ば な くとも、ある程度 の精度 で立体的な内覧が可能 とな り、建築意匠 。設計デザイ ンの啓蒙 的メデ ィアとして大 いに活躍す ることが期待 され る。 しか しなが ら先の問題創発 の観点で見 ると、現代建築 アー カイブはVRの 典型的な欠点 を抱 えてい る。

(1)方 向感覚の欠如

(2)遠 近感の欠如 (3)自 己受容器性運動感覚 の欠如

これ らをよ り具体的な箇所 によ り指摘す ると、

(A)壁 や柱 な どの構造物 と正対 して しまうと方 向 を見失 う (B)マ ウス操作 と歩行行動 が直感的に結 びつか ない ため歩 きに くさを感 じる (C)鳥 や雲の流れ等普段 目にす る自然現象が全 く見 られないので不 自然 に感 じる

(D)操 作主体以外 の他者

(他 歩行者)の 不在

(E)実 際 の 自由歩行速度 と違 うためテ ンポが と りづ らい

先 の山本の基礎 的研究で は、VRに よる建築映像表現・建築映像体験 は、ユー クリッ ド 幾何学 3次 元 に加 え、「自らの意 志で動かす」す なわち、イ ンタラクティブ性 とい う新 た な l次 元 が加わ ることである と結 んでい るが、本研究で は、 (1)(2)(3)の 欠点 を是正す るためには、更 に 「他 によって動 か され る」あ るいは 「他 の動 きを上手 く利用す る」 とい う、イ ンタラクテ ィブ性 にお け る 「消極性」を加 えることで解決で きないか と考 える。 こ の こ とで建築映像表現・建築映像体験技術の向上が図れ る とす るな らば、それ を新たな次 元 の追加 と仮説 を立て、本研究 の動機 としたい。 注 9)新 建築社及 び大 日本印刷の手 によって、2001年 に Windowstt CD― ROMと して リリースされた。非 売品。国内の美術館 およびそれ に準ず る資料閲覧機関 にて常時展示 されてい る。


1.3半 自動誘導インターフェースに向けて

1.3半 自動 誘導 イ ン タ ー フ ェ ー スに 向 けて

1.3.l VR空 間 を わ か りや す く歩 く仕 組 み づ く り 建築空間の VR化 にお け る問題点 に関 しては前 節 1.2.2で 述 べ た通 りであ るが、ここで は各問題点に関す る周辺 研究・ 事例 を当たつてみ ることとす る。 遠藤文の、加納文め らは、複雑 な都市空 間等 での経路 の 「わか りやす さ」 を確保 した空 間デザイ ンに向け、VR迷 路空間での方向感覚 と迷 いやす さの要 因 モデルに よる経路探索 行動 シ ミュレー シ ョンを行 ってい る

(図 1.4)。

この なかで、分岐点で の思考認識 に基づい

た経路選択行動 は、周囲 の空 間的特徴や歩行経過時間によ り大 き く左右 され ることが指摘 されてお り、空間の質 と時 間感覚 によって逐次変化 し続 ける歩行行動の迷 いの状態遷移 モ デル を記述 してい る。また、わか りやすい空間 とは、直前 までの空間情報 が保 持 されやす い もので あ り、かつ、歩行時 の体感時間 と空 間移動分 にあ る程度の 目算一致が見 られ るも のである、 と結んでい る。

Ξ陶.4'経路探索行動 シミュレーション


1.3半 自動誘導 イ ンター フェース に向 けて

12

これ を受ける と、実際の街歩 き同様、全 く動 かない VR空 間を歩行す る場合、その空 間 のつ くりが単純で、かつ、歩行 時の体感時間 (歩 行 ペース ともいえ る)に ある程度合致 し て い るな らば、迷 うことは無 い はずであ るとい える。しか しなが ら現代建築 アーカイ ブに 代表 され るVR空 間 およびその歩行 イ ンター フェース にて仮想空間歩行 を行 う と、決 まつ て方向感覚、遠近感、自己受容器性運動感覚 の欠如 をきたすの も事実であ る。加納 らの研 究 と、山本の指摘 か らヒン トを得 るな らば、端末 による歩行操作者 に 自己受容器性運動感 覚 を補 うべ く、消極 的イ ンタラクティブ性 を歩行 イ ンター フェースに導入 し、「迷 いやす いか もしれない」VR空 間を、「わか りやす く歩 く」仕組み とし実現 させ る ことで、VRイ ンタフェースの新次元の具現化 に至 ると思われ る。 既存のVR空 間 の歩行イ ンター フェース に関 しては、大 き く分 けて 4つ の種類 に類型化 され る。

I)全 く自由 に動 くことが で きるもの

H)規 定 の リンク構造 に従 つてのみ動 くことがで きるもの HI)吸 着パ ス・ ガイ ドに沿 つて ある程度 自由に動 くことがで きるもの IV)積 極的、消極的の切換 を常 に行 いなが ら動 くことがで きるもの Iは 現代建築 アー カイブでの 自由歩行 モー ドが該 当す る。説明 に及 ばず迷 いやす さの是

正に貢 献 して い る とはいえない。 Ⅱは長澤文り、山本 らの QuickTimeVRに よる空 間ナ ビゲ ー シ ョン研究 に見 られ る事例 (図

1.5)が これ に該当 し、VR空 間 のナビゲー シ ョン性 を向上 させ ることに役 立ってい る

が、幾 つ かの規定 された立ち止 ま リポイ ン ト相互 の移動 は、リンクアクシ ョンにて瞬時に

図 1.り

Qυ ickTimeyRに よる空間ナビゲーション


1.3半 自動誘導 イ ンター フ ェ ース に向 けて

13

行 われ るため、時間的・空間的に連続感に 乏 し く、加納 の指摘す る直前 までの空間情報 が 保持 されない構造 になってい る。 IHは 家庭用 ゲ ーム ソフ ト等でのキャラクタの移動 アル ゴ リズムが それであ る。ゲーム プロ グラミング研究分野 にお ける通称 A*(エ ー・ス ター)ア ル ゴ リズ ムは、キャラクタの 移動可能平面 を規定す るサ ー フェース辺の中点 に力学的に吸着 しなが ら自動歩行 し、ユー ザ の操作が介在 す るたびに方 向や位置 を許容範 囲 で変更で きるものであ る。これは操作性 に富 む一方で、 1.2.1節 で述 べ たよ うに、視覚 の持 つ視覚性運動感覚 にの み情報が与 え ら れ、自己の運動情報 を提供す る自己受容器性運動感覚 には何 らの情報 も与 え られないため、 違和感 を感 じる。 Ⅳ は歩行空間 あるいは その他の環境要素が実時間で動 いて るものであ る。空 間 自体 が 動 くもの として は、米国同時多発テ ロによるワール ドトレー ドセ ンター崩壊事件報道 の

Web3Dコ

ンテ ンツに見 られ る。 これ を図 1.7に 示す。図中ブラウザ右の マ ンハ ッタ ン島

及 びワール ドトレー ドセ ンタービルは、画面注視位置 を中心 にゆっ くりとした速度で回転 してお り、 カメ ラビューはつ ねにビル周囲を旋 回 して い るよ うに見 える。 と同時 に、 ク リック&ド ラッグによるマ ウス操作介在 によ り視点位置 の変更 が常時可能であ る。マ ウス を放せ ば 自動旋 回 モー ドに移行す る。すな わち この半 自動操作性 は、操作者 を「積極的 に

F 図 7.の ハカアルゴリス払 における空間分割手法山の


1.3半 自動誘導 イ ンター フ ェ ース に 向 けて

14

操作 しなければな らない煩 わ しさ」 か ら解放す る と同時 に、「望むな らばいつで も積極的 に操作で きる自由さ」を与 えて い る。 この例で は頭上旋回イ ンター フェースであ るが、建 築空間 のプレゼ ンテーシ ョンに用 い るな らば、地上 を歩行す るスケール で考 えなければな らない。本研究 は、IVに 類型化 され、地上 を歩行 で きるイ ンター フェースの構築 を目指す もの とす る。

図 1.刀 空 FH7自 体 が動 〈 Web3Dコ ンテンツによる例 ●

難 鼠 ly・ □ 警 奪 :競 襟務 .

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∫ 言

IV… HLE

図 1.8'本 研究で構築 したインターフェース画面


1.3半 自動誘導 インター フェ ースに向 けて

15

1.3.2歩 行 イ ン タ ー フ ェ ー ス の 基 礎 ―離 散 粒 子 系

MD行 動 モ デ ル

近年では、建築計画学に限 らず、自然 科学全般特 に社会行動科学分野、産業施設 マネジ メ ン ト分野、環境心理学分野、自然物理学分野な ど多岐 の学問体系にわた り、人間 の 日常 的な歩行 にまつわ る特性抽出 とそのモ デル化 に関す る研究が さかんに行 われてい る。その 背景 には、電算機技術の向上 によ り、複雑 な計算 を要す る人 間行動 シ ミュレー シ ョンが比 較 的身近 にな りつつ あることが一つの要因 と考 えられ る。またそれ以上 に、大規模な群集 事故が近年増 え続 けてい るこ とへ の警鐘 であるとも捉 えられ る。ここでは、本研究 の技術 的足がか りとな る離散粒 子系 MoleculerDynamics(以 後 MDと す る)行 動 モ デル を噛み 砕 いて紹介す る。

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MDを 用 いた出ス リロの歩行者 粥

化 シミュ レーション


1.3半 自動誘導 インター フェースに向 けて

16

○空間 と行動の関係をさぐること 駅や商業空間など、不特定多数の人間が集まる場所では、人は個人 としてよ りも、むし ろ群れで行動 し、同じ方向に向か う人同士で集まつて流れを形成 した り、立ち止まつて溜 まりになった り、時には順番 を待って長い行列をつ くる。この よ うな空間が 日頃快適に歩 けるか、災害が起 こったときに安全に避難できるかどうかは、様 々な流れの状態 とそのバ ランスの善し悪 しに深 く関係 してい る。流れの量や流れの速さを一定に保つた り、異なる 方向の流れ同士を交差させず に分離 した り、溜まりと流れを非干渉の うちに共存させ るな ど、群集を適切にコン トロールすることによって、空間の歩行快適性や避難安全性を向上 させ ることができる。さらにこうした空間を設計をする際に、空間デザイ ンと群集 コン ト ロール との関係を深 く理解し予測 してお くことで、 建築の性能を最大限に引き出す方法 も 見つかる。 ところで、群集の動きを予測するためには、まず実際の空間が どのように使われてい る か といつた行動調査が必要である。そ こで、これまでの幾つかの調査事例 をもとに「行動 モデル」を作成 し、このモデルに人間の行動特性を反映させてシミュレーションを行 うこ とを考 える。以下において,歩 行者をポテ ンシャルエネルギーを持つ離散粒子 としてモデ ル化 し、設計 CADデ ータ上を仮想的に歩かせ、その様子を観察するシミュレーションに ついて,実 例を取 り上げて説明を行 う。


1.3半 自動誘導 イ ンター フェー スに向 けて .○ 粒子 により行動 をモデ リング

17

`

図 1.10に 示す粒子一粒ず つが 人 ひ とりの行動 モ デ ルで ある。 このモ デルは、人 の歩行 運動の基本要素 の うち、最 も単純 なものをポテ ンシ ャル演 算 によって定量化 してい る。 ・ 目的地 を目指す 目的行動 。同方向の流れ の歩行者 に対す る追従行動 ・ 異な る流れの歩行者 に対す る回避行動 ・ 壁や障害物 に対す る随行行 動 この うち、目的行動 は初速度 ベ ク トル として与 え られ、他粒子か らの距離のベ キ乗 に比 例減衰す る引力 と斥力、壁や障害物 か らの一定の剛体弾性力 とず り応力、これ らの合力 に よる力学運動方程式か ら粒子 の速 度 と移動量 を算 出 し運動制御 をす る。この粒子 を、通路 の両端や空間の出入 り回付近か らラ ンダムあるい は特定のゆらぎをもって発生 させ試験群 集 とす る。一 方 シ ミュレー タでは、発生 した全粒 子 の 引力 ‐ 斥力関係 を総合的 に演算処理 し、リアルタイムで その運動 の様子 を可視化す る。この可視化 された粒 の動 きを視 ること で、例 えばある場所か ら避難扉 まで到達す る時 間が予測で きた り、速度の変化や密度分布 を色で表す ことで局所的な混雑や立ち止 ま りの起 こ りやす い場所 の特定がで きた り、また あ る場所 を一定時間 に通過 した粒 子数 をカウン トす る ことで、流れ の量 とその変化 が 時間 を追 って把握で きる。また、 この ように評価・観察 を繰 り返 しなが ら、逐次空間デザイ ン を変更す ることで、空間 と行動 の よ りよい関係 を見つ けることもできる。

歩行者 をポテ ンシ ャル粒子 によ リモ デ ル化 しシ ミュレー シ ョンす る。速度・密 度 。圧 力な どの日には見 えない群集 の 様 々 な情報 を、粒 の色や動 きに よって 可視化 し、流 れの具合 を分析 。評価 す る。

図 1.プ の 離散粒子による歩行者徊 シミュレータ


1.3半 自動誘導 イ ン タ ー フェース に 向 けて

18

○空 間 と行動のデザ イ ンシ ミュ レー シ ョ ン例

次 に、空間 と行動 の よりよい 関係 を見つ ける、すなわち空間 と行動 を共 にデザイ ンす る とい う観点で、先 の粒子 シミュレーシ ョンを利用 してみ る。図 1.Hは 、両側 を壁面で仕切 られた幅 15.Omの 直線通路 にお ける、 円筒型の観賞魚水槽 の配置デザ イ ンをシ ミュレー シ ョン したもので あ る。観賞魚水槽 は、最近では商業空間や駅構 内 にも設置 され ることが 多 く、シ ョー ウイ ン ドウを飾 つた り、憩 いの場 を演出す るな ど有意義 に利用 されて い るが、 水槽 を覗 き込んだ り立ち止 まって休憩す る人が増 えると、そ こが溜 ま り空間 とな り、通路 を行 き交 う群集 の流れ の妨げにな る。 よって ここでの命題 は、「群集 の流 れ を妨 げない水 槽配置 をす ること」 であ り、「行 き交 う群集 を どん どん流 し、立ち止 ま りによる溜 ま りを 全 く発生 させないデザイ ンであ ること」が最善策 とな るはずである。ここでは敢 えて、A) 直線等距離配置、B)直 交配置、C)斜 め等距離配置、D)不 規則配置の4パ ター ンにてシ ミュー レーシ ョンを行 つて み る。図 1.H左 は結果 としての群集の流れを曲線矢 印 にてわか りやす く示 した ものであ る。パ ター ンAは 、想定通 り最善策であ ることが確認で きた。さらにパ ター ン Bは 、流れが交差 してはい るものの、流速 が一 定のため溜 ま りを形成 しに くく、あ る程度上 記 の命題 を満 たしてい る といえる。パ ターンCは 、水槽配置 自体 は均等なのだが、

A

C

空間デザ イ ンす ることは、 同時 に行動 を デザイ ンす ることである。流 れのかたち を工夫 した り、流れ と溜 ま りを うま く設 けるこ とで、 単純 な空間で も快適かつ複 雑な性能 を持 たせ ることがで きる。

図 1.プ つ 空間 への粒子シミュレーションの適用


1.3半 自動誘導 インター フェー スに向 けて

19

流れの道筋や流速に極度の乱れが生 じ、 通路中央の広い部分が溜まわ空間 となってしまう。 一方パ ターンDは 、不規則配置であるものの、その微妙な位置関係 によっては流れ と溜ま 「行 りを共存させることがで きる。当然全体の流量は低下 し、道筋や流速に乱れは出るが、 き交 う群集を流 しなが ら、ある部分では意図的に溜 まりを発生させることができる」とい う、新たな可能性を持 つたデザインを、ここに見つけることができた。よつて、合理的な 解決策 は A又 は Bで あるが、Dも また一考の価値あ りといえる。 もちろんどのパ ターンを採用 しデザインに反映させるかは、 設計者の最終的な判断に よるのだが、それまでの過程においてアイデアの選択肢を広 げられる点が、 シ ミュレー ションによるデザインの最 も興味深い部分 といえる。さらにそれが空間 と行動を共 にデザ インするとならば尚更、や つてみなければ分か らない未知の面白さも加わるのである。


1.4研 究概要

20

1.4研 究 概 要

1.実 空間における群衆内歩行者流動の調査

(2章

)

群衆内の歩行軌跡 を抽出 歩行群衆流 をコンピュータ上で再現 │

追従歩行者の抽出 │

2.追 従行動のモデル化に向けた数値特性の抽出

(4章 )

任意 の二歩行者の相対位置 。相対速度・ 相対加速度の時系列変化 を分析 │

追従行動における追跡‐ 追従相転移の確認 │

・ 群衆密度 と追従行動の関係 ・二歩行者 の接近限界距離 0追 跡相/追 従相 における二歩行者間距離 ・ 追跡― 追従行動の影響領域 値解析

1数 3.群衆内の歩行者行動 をモデル化

(5章 )

追跡― 追従ポテ ンシャルモデル

4.消 極的行動因子 を考慮 した仮想空間ウォー クスルーインターフェースの作成(6章 )

│ 5。

自然 な歩行空間の再現 に向けて

(7章 )

イ ン ター フェー ス を用いた歩行実験 │

インターフェースにお ける消極的行動因子の有用性 の確認 自然 な歩行空間 を再現するための数理基準の提案


第 2章 モデル構築 に向 けた行動因子 の実測調査

21


2.1実 空間における群 衆内歩行者流動調査

2.1実 空 間 にお け る群 衆 内 歩 行 者 流 動 調 査

22

=

2.1.1ビ デ ォ カ メ ラ に よ る 歩 行 者 流 動 調 査 調査地

:

調査 日時 :

渋谷駅ハ チ公 口前交差点

2001.08.23(Thu.)13:00∼ 17:00

上記調査地 において,ビ デオ カメラを建物 2階 部分 に設置 し,横 断歩道部分の歩行群衆 流 の撮影 を行つた。 その際 ビデオ カメラには広角 レンズ アタッチメ ン トを装 着 した

.

また,3章 歩行軌跡 デー タの抽 出の際 に写像変換 の基準 とす る位置に,高 さ 2mの ポー ル を立て,撮 影 を行 った

.

ビデオカメラ撮影 範囲およびカメラ設置位置を図 2.1に 示す。

図 2.7'調査空FF7平 面図とカメラの視野


2.2調 査対象空間の実測

23

`

2.1.2被 験 者 に よ る 歩 行 行 動 実 験

ビデオカメラによる歩行者流動調査 と同時 に,以 下 の要領で被験者 による目的地 までの 歩行行動実験 を行 った。 ス ター ト地点 (図 中 Start。 )か ら,A地 点 を通 り,目 的地点 (図 中 Goal。 )ま で,歩 行 日標線 を目安 に,歩 行 を行 う (図

2.2)。

いずれ も調査実施要項 付録詢 に記載 し,実 験前 に

被験者 に配付 した。 その際,ス ター ト地点お よび目的地点 には,高 さ2m程 度 のポールを持 たせた調査員 を 配置 した。 目的地到達後 ,歩 行 の難易度 を聞き取 り式ア ンケー トによ り採取 した ところ,特 筆すべ き回答 として以下 が挙 げ られ る。 ・ 自分 の歩 きたい方向に人が いて うま く進 めなかつた。 。人 はた くさんいたが,そ れほ ど歩 きに くい とは感 じなかつた。 ・ 全 く自分の思 ったよ うには進 めなかつたが,い つの間 にか 目的地に着 いた。

2.2調 査 対 象 空 間 の 実 測 2.1節 でのビデオカメラに よる撮影 の際,写 像変換 の基準 として設置 したポール の位置

の実測 を行 つた (図

2.3)。

図 2″ 被験者の歩行日標線

図 23)調査対 象 獅 霧 捌 願


第 3章 実測デ ー タの抽 出

24


3.1歩 行軌跡データの抽出

3.1‐ 歩 行 軌 跡

25

デ ー タの 抽 出

2章 実測調査 より,ビ デオカメラで撮影 した動画像か ら,ビ デオキャプチ ャボー ドを経 由して,4rra″ι /raの 速度で TIFF形 式の静止画の連続す る連番 フレームデー タ として コ ンピュー タヘ取 り込む

.

映像か らの座標抽出には NIH Image注

1)を

用 い る。NIH

Image上 で動作す る,独 自

に作成 したマ クロプロ グラム を用 いて画面上 の歩行者 の頭部の位置座標 を抽 出す る。この 作業で は各歩行者 の画面上 の頭部 の位置 にマウスを用 いてカー ソルをあわせ ,ク リックす ることに よ り半 自動的 に位置座標 を算定す るものである。ここで抽出 した座 標 は,群 集 を 斜 め上方向か ら撮影 した画面上の座 標であ り,ゆ がみを補正す る必要がある。そ こで,Perl 注2)を

用 いて独 自に作成 したプロ グラム を用 い て直交座標系 に写像変換 を行 った

(図 3.1)

注3)

‐□ ‐ 為c k

8mmビ デオ コ ンピュ ー タ mOViC )file

頭上 を

│た

国 座標 変換

図 3.つ 歩 行者位置座標 算定 の手順

注 1)NIH

Imageと は,画 像 デー タの明度情報や色 彩配分 を解析する ことを主 目的 としてアメ リ

カ合衆国 NIH(National lnstitute of Health)で 開発 された,研 究者向け画像情報解析 ソフ ト ウエ アの ことである。簡易な機械言語によるプロ グラムの追加搭載が可能なため,本 研究で は ビデオ映像の連番静止画像抽出 と,各 静止画像か ら歩行者の頭部 を指定 し時系列位置座標 を抽 出す るマ クロ プログラム を独 自に開発 した

.

注 2)Perl(Practical Extraction and Report Language)と システム管理や

注 3)本 研究で は,NIH

は,ワ ー クステー シ ョン等 の UNIX

サ ーバ上で稼働す るプロ グラムの開発言語 の ことであ る。

Imageに より抽出され た歩行者位置座標 デー タがビデオ映像の画面歪み

分 を含んで い るため,そ のデー タの歪み補正 を行 うための線形写像変換 に,Perlに よ り独 自 に作成 したプログラム を用 いて い る。


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽出

26

3.2追 跡 ―追 従 歩 行 者 の 抽 出

歩行群衆流 には,歩 行者 の グルー プ化や,歩 行者同士の回避行動など,様 々な現象が見 られる。本研究では,特 に歩行群衆流 の中に見 られる追従行動のモデル化を行 う。そこで

,

調査によって得 られた歩行者流動の中か ら,追 従行動を行 う歩行者の抽出を行 つた。

3.2.1歩 行群 衆 流 の 可 視 化 第2章 実測調査より得 られた ビデオカメラで撮影 した動画像 は,群 衆 を斜め上方向か ら 撮影 したものであるために,観 察 によ り追従行動を行 う歩行者の抽出を行 うことは困難で ある。また,3.1節 よ り得 られ る数値的な歩行軌跡データ注4)の みの解析によって,追 跡 ― 追従行動の判別を行 うと,知 人同士のグループ注0に よる歩行 に関しても,追 従状態 にあ ると判別 されてしまう恐れがある。 そ こで,本 研究では画面上で視点の移動・回転,時 間の操作を容易 に行 うことが可能な

,

コンピュータ上の仮想環境注0を 用 いて実測を行 つた歩行群衆流を再現 し,ビ デオ映像・数 値的な歩行軌跡データと合わせて分析することで,追 従歩行者の抽出精度を高めた

.

注 4)各 歩行者 ごとに位置座標 の時系列変化 (歩 行軌跡)が 記録 されている。 注 5)こ こでの グル ー プは,他 の方向へ進む歩行者か ら受 ける干渉 を避 けるために一時的に起 こる 歩行者 のグル ー プ化 とは異な り,家 族 ,友 人 ,恋 人,特 定の団体な どの集団を指す。 注 6)ソ フトウェア環境 として ,CG分 野で一般的 に利用 されているアニ メーシ ョンソフ トウェア であるLightWave3Dv6。 5を 用 いた。


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽出

27

歩行群衆流 の再現 にあた り,3.1節 よ り抽出され た CSV注 つ 形式の歩行軌跡デー タを

,

仮想環境上の移動パ ス として読 み込むために,Perlttaを 用 いて独 自に作成 したプロ グラ ム を用 い,以 下 の要領でデ ー タ形式の変換 を行 う。 1)歩 行者別の歩行軌跡デ ー タに変換 il)仮 想空間上での移動パ ス形 式 に変換 lii)3D―

CGソ

フ トウェア形 式書類 の作成

以上 によ り再現 された歩行群衆流 のシ ミュレー シ ョン画面 を図 3.2に 示す。図中の左 側 および右側下 は座標上に配置 された歩行者 モデルを示 し,右 上 は二 次元 パースペ クテ ィブ 表示 ,画 面下 は時系列操作 ス ライダバーである。また,図 中 「+」 印でつ ながれた線 は,シ ミュレー シ ョン中 に選択 した 歩行者 の歩行軌跡 を示す。

歩行群衆流 の再現 に用 いた ,各 デー タ変換 プログラム を以下 に示す。

図 3.″ 歩行群衆流 の再現画面

注 7)「 comma‐ separated value」 デー タベースな どで,各 項 目の デー タをカ ンマで区切ったテキ ス ト形式のファイル。


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽出

28

′ 1)歩 行者別の歩行軌跡デー タに変換 1 2

,maleSeparateDataFiles 12001/12ノ 03

by NAcAy■ JA.」

■1l

rights reserved.

3

4

1pref。

5 6

,startFuコ = θOI′ ,endⅣ um = 350′

7

StotalCount = ,endⅣ um _ ,startrual + 1′

θ

9

,Size = 0′

10

,Sizefile = ,addPath.′

1l

openr SIZE′

12

″hiler くslzE>

13 14

,′

,

sハ コノノ′

15

,size =

16

ユ′

pushredim′

17 』θ

size′ ′

″く ,siZeFile″

,_′ ′

} ciOge SIZE′

19

20

Fdir = split r′

21 22

,filename = splicerrdir′ _1,′ ,addPath = Joinr′ =′ ′ θdir′ .′

23

24

1/′ ,■

RG7rO′ ′′,directο

=′

ry of file

,addPath』 = saddPath。 ,filellane。 ″,″ ′ ′1,メ :ma■ e

コ■dirr″

directory of Resuit File

25 26

,addPat力'addPathi″ 1 = ,addPat力

27

,originalFile = ,addPat力 .,filellane′

1.″

=″

29

gO 31 32 33

:read cο ordinate data οpenrORICINAL ′ ″,originaIFile″ り′ ″力1lerく ORIcINAL>′ {

,ハ ■ノ′′ et emp = splitrハ t′ ′,_′ ′

34

35 36

forr'i = ο ′,1く =,tο taico● ■t - 1′ ,1++′ scaseFile = ,1 + ,startFuコ ′

37

,caseFile = ,addPathl.,CageFile′

,j = ,1 ' `′

3,

1″ rite instructiο コ ″ ′ >>,cageFile″ り′ print FⅣ ,tempr'j′ .″ ヽt″ ′ .″ ヽ t″ ′ print print FI FⅣStemprSj+1′ ,temprSj+2′ .″ ヽt″ ′ 。″ヽt` ■″′

`0

0pen rFⅣ

`』

`2 43

``

print FF Stempr'j+3′

`5 46

`7

} olose )ORICIIAL′

`θ

`,

50

{

exit′

olose FⅣ


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽 出

29

ii)仮 想空間上での移動 パ ス形式に変換

2

:Persο nPointrο LightFaveSceneFilerPPο introLFS, 12001′ 12ノ 03 by NACArAIA.」 All rig力 ts reserved.

3

4

,size = 0′

5

,sizeFile = ,addpath.′

6

opear SIZE′

7

●hiler くslzE>

,

θ

(

'10

,Size =sハ 1′

コノ/′

lI

PuS力

12 13

size′ ′

″く ,sizerile″ り′

,_り ′

r rdiln′

) ciose slzE′

14

15

rdir = splitr′

16 17

,filellane = sPliCerrdir′ _1,′ ,addPat力 = jο inr′ ′rdir′ .′ =′

18 1' 20 21

=′

′,ARCVrO′ ′′

=′

,addPathi = ,addPat力 。″RESJIr″ ′ ■ldirr″

′1,′

,addpatヵ'addPathi″ l = ,addPathi・ ″ ′ =″

22

,1口Fil ename = ,addPat力 1.,filenane′

23

,locateFile = ,addpat力 。,fllename′

24

25

1read instructiο ■

26

0peariOC■

TIο Ⅳ ′ ″,10cateFile″ ′ │l リカ1lerく I10CATIο Ⅳ>′

27

die

″Can′ t opell the rile″ ′

{

2,

sハ

n′

ノ′

ri ocat erenIP = sPIitrハ

,ο

t′

′,_′ ′

Caterelnpri′

'1 32

= r,locaterempri′ _1,彙 』ο/30′ ,1。οcaterempr2′ ,ュ = ,locaterempr2′ /1000′

33

,lο caterempr'′ = ,lο cateremprJ′ ′』οοο′

3`

35 36 37

p● 8ね reti口 e■ ine′ ,lο cateremprIJ′ ′ pus力 relocatio・ x′ ,ユ οCaterempr2J,′ pus力 rθ ユοcatiο nz′ ,lο caterempr3J′ ′

3, 40

) o10se LOC■ T101′

`』

`2 43

,■

eyFraneCoIInt = ,itime■ ine + I′

4`

,vrite instructio■

45

0penr L″

`6

print Lw

`7 40

LoadObjectiayer i Oゎ S■ ovObject 6 3

49

0bjectlο tion

″ ′ >,lvFilenane″ くく″EID″ ′

,′

jectsノ カoた o

ll■

iseliノ hitο gata2D


3.2追 跡 ―追従歩 行者 の抽 出

50 tsl 52 53 54 55 56 57

s8

59 60 67 62 63 51 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 9I 99 100 101

30

NunChannels channer o

{

9

t

EnveLope

tkeyPraneCount 8t'tD

tot ($i=0 ; 9i

<= $keyFraneCount

{

printLw'

i tj

++)

$locationXfgi, gtinetinetgi] 0 0 0 0 0 0 On.n\nn.

Xey

)

print Ln

<<"END";

Behaviors 7

1

)

Channel

{

7

EnveTope

$keyPraneCount END

tor ($i=0 ; $i <=

gkeyFraneCount ,. gj++,

{

print Lw " print

Key

0 $tinelinet$il 0 0 0 0 o o on.n\nd.

) LW <<'BND";

Behaviors 7

7

)

Channel

|

2

EnveTope

$keyEraneCount END

tor

1$i=O t

; 9i <=

gkeyFraneCount ,.

tj++,

printLn " Key$Tocationz[tj] ttiref,ine[gi] OOO O OOO,."\n,, )

print Ln

<<'END";

Behaviors 7

7

)

Channel

{

3

EnveTope

$keyPranegount END

for ($i-O ; 9i <= print priat

gkeytraneCoant

;

gi++1

{

Lw

"

Ney

0 $tinelinet$il 0 0 0 0 0 0 |n.d\nn.

) IrW <</END"

Behaviorl 7

i

7

)

Channel 4 | Envelope $keyPrane9ount EivD

fot ($i=0 ; $j t

<= $keyPraneCourt

t

Sj++,

printLn " Key0 $tinelinet$il 00 0 000|"."\n,i


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽 出 ユ02

31

)

ユθ,

print L″ くく″EID″ ′

i04

Behaviors l l

105

}

106

C力 anne1 5

107

{ Enveiope

108 』09

l10 111 112

,■ eyFraneCo● ll t

EFD for r'i=θ

117 1lθ

C力 anlle1 6 く Envelope

S■ eyFralneCo● コt for r,i=ο

122

′ ,i く8 ,■

prillt L″

rey l ,tineLiner'1′

12θ

Challne1 7

12,

( Faveiope

130

,■ eyFraneCο unt

131

EⅣ D

132

for rSi=ο

13J

13`

print IIF

135

′ ,1 く= ,■ ″

eyFraalecount

Key l ,tineLiner'1′

′ ,1++′ ο ο ο0

0 0 0″ 。″ヽa″ ′

)

print IF

1'7

くく″END″ ′

Be力 aviors I ュ

13θ

}

13,

Channel θ くEコ Velope ,leyFraneCο unt EⅣ D

`3 1``

fOr r'180 (

145

print LF

I`6

′ ,1 く8 ,■ eyFraコ ″

κey

1`θ

14, 150

) END

151

o10se LF′

152

exit′

eCount

′ ,i++′

l ,tine■ iner'i′ ο ο ο ο ο 0 0″

)

print iF くく″EID″ ′ Belaviors l l

153

0 0 0″ .″ ヽコ″′

Behavior3 1 1 )

147

ο ο ο0

print i″ くく″EID″ ′

127

′ ,i++′

)

126

142

eyFraneCount

(

124

`0 141

ヽll″ ′

Be力 aviο rs l l

121

.″

}

EⅣ D

』36

ο ο ο 0 0 0 0″

くく″EID″ ′

print LF

120

125

′ ,1++,

)

ll'

123

II t

″ Key O ,timeLin er'1′

prillt iF

115

l16

′ si く= SkeyFrameCo●

】』3

I14

r

.″

ヽll″ ′


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽出

32

面)3D― CGソ フ トウ_ア 形式書類 の作成 1 2

lο bjectIotion『 oOneFllerPPο intTo■ ws, AII rig力 ts reserved. ,200」 ′12′ 03 by NAC■ yArA.J

3

4

,size = 0′

5

,sizefile = saddpath.′

6 7

openr SIZE′

″力1ler くslzE> ′

(

θ

コノノ′

'10 1l 12 1'

size′ ′

″く ,siZefile″ ,′

,Si2e sハ = 1′ p● sh rrdim′ )

,_り ′

ciose SIZE′

15` 16 17

θdir = spiitrノ

=/′

,ARCVfOJ′ ′

,filename = sPlicerθ dir′ _1,′ ,addpati = jο l■ r′ ′ θdir,.′ =′

=′

19

l,addPat力 1 8 ,addPat力 。,filenane.″ :″ ′ 1,addPat力 1 = 'addPati.″ RESyLT″ ′

20

:コ ■dirr″ ,addpathi″ ′1,′

21

1,addPath』 = 'addPathI。 ″ ′ =″

22

23

,SEfile = ,addPath。 ,fll● Ilam

e′

open rstartindEnd ′″,sEfile″

,′

24

25 26 27

リカ1lerく startindEnd>′ く sハ コノ′′ θtenP = splltrハ tノ ′,_り ′ ,startFile = ,tempr』 ′′

29 30 31

32

,endFlle = ,temp r3′

}

ciose StartindEnd′

33

34

,resuitFllenane = ,addPath。 ,startFニ ユe。 ″∼″。sendFlle′

'5 36

fOr rsi = ,startFile′ ,iく =SendFttle′ Si++′ { r'1 く 』οり 1l rSj = ″οο″ 。Si′ ′ rsi >= 』ο, 8= rSi く 』οο′ `[ r'j = ″ο″ 。,iり ′ bjectFile = ,addPat力 .,j′

37 ,θ

'9 40

,ο οpen rOF ′ ″,ObjectFile″ ′′

41 42

oο bjectJο tion =く OF>′ ●lose OF′

`J

opea rRF

`` 45

print RF print RF

`6

olose

`7 4θ

}

`,

″ ′ >>,res● ltFilename″ ′′

exit′

θObjectJotiOn′ ″ヽnヽ n″ ′


3.2追 跡 ―追従歩行者の抽出

33

′ 3.2.2追 跡 ―追 従 歩 行 者 の 抽 出 手 法

前項 によ り作成 された コ ンピュー タ上のシ ミュレー シ ョン・ビデオ映像・数値的な歩行 軌跡デー タそれぞれの観察・解析 によ り,追 従 を行 う歩行者 の抽出を行 った。 まず,数 値的な歩行軌跡 デー タよ り,あ る歩行者か ら見た,前 方歩行者の相対位置 ,相 対速度,相 対加速度の時間変化 を記述 し,二 歩行者間最接近距離が 2.Om以 内 になる歩行 者対 を抽出 した。 次 に,コ ンピュー タ上のシ ミュレー シ ョン・ ビデオ映像 の観察 によ り,知 人同士の グ ルー プ歩行者等 の追従 とは異なる要因 によ り,二 歩行者間最接近距離が小 さ くなる歩行者 対 を除外 した。 以上 によ り抽出された歩行者対の歩行軌跡 デー タか ら,追従行動 に以下 のよ うな2つ の タイプが見 られた。 i)前 方 をほぼ同方向に歩

く歩行者 に対 し,歩 行速度 を変化 させなが ら接近す る(図 3.3)。

il)進 行方向の異なる歩行者 に対 し,自

身 の進行方向を変化 させなが ら接近す る(図 3.4).

本研究 では,特 に上 記 タイプ i)の 追従行動 に対 して,解 析 を行 った。

ワ↓ B︵

ワ↓ A︵

B →

図 3.3'議方 の歩行者に対 する追従行動

ワ ヽ Aハ

じ 図 3.4'進 行方向を変化させる追従徊


第 4章 追跡…追従行動 の数値的特性

34


4.1群 衆密度 と追跡・ 追従行動の関係

35

4.1群 集 密 度 と追 従・ 追 跡 行 動 の 関係

混み合 つた空間をなるべ く快適 に歩 くには,同 じ方向に向か う前方 の歩行者 につかず離 れず追従 して歩行す るのが よい とい うのが定説 となってい る。平原文0,岡 崎文0,濱 上 ら は,実 際の歩行者行動か ら観察 され る追従行動 を,「 仮説 としての引力」 としてモデル化 して い る。 しか し仮 に,同 方 向流 の歩行者間 に何 らかの引力 関係 があるな らば,ま ず は

,

追従行動 に移行す る直前 あ るいは最 中 に,前 方歩行者 を追跡す る行動がみ られ るはずであ り,追 従 して い る状態 と追跡 してい る状態 (以 下 これ らを,追 従相 ,追 跡相 とす る)を 繰 り返 しなが ら,距 離 と速 度 の最適化 プロセス を明 らかにしなければな らない と考 える。 この最適化 プロセス としての追跡 ― 追従相転移現象は,い かなる群集密度で も確認で き るとい うわけで はない。 全 く歩行ス トレスな く自由歩行 が可能 な状況下 において は無論 こ

t 〓︶、 = 薫

t-1.272e-ory(t#, pn{)

r=t5l,

(Frll'?)

-...--

v=1.48-O28p (tlg")

*

v=-o26i,/7I'7;=itril

-----

v=t35E-O3al

(38{)

r

{Fruintt}

mり 密 度 ′(人 ′

図 4.7'水 平路における通勤群集の群集密度と流速の関係

Eヽく︶ヽ ■ 属 0,

--.----

1=p(ffi, |'ti'r) t,w (FtI.z' l=t'(fl8rr) 7=p (!Sia)

------

t:r,

f) ● 人′ 審 魔 ρく

図 4.″ 水平路における通勤群集の群集密度 と流率の関係

(Fruin

rt)


4.1群 衆密度 と追 跡・ 追従行動の関係

36

の限 りではな く,あ る程度 の混 み合 い の もと,現 象 としての群集 を上手 く利用 しよ う とす る行動 として観察 され るもの と思われ る。ここで,宮 田文つ による水平路 にお ける通勤群 集 の密度 ρ[人 /m2]と 流速 ッ[m/sIの 関係 (図 4.1)な らびに密度 ρ[人 /m2]と 流率Л人 /m*sI の関係

(図

4。

2)を 見てみ る と,図 4。 1に おいて,群 集密度 0。 75人 /m2の 閾値以上 にて著

し く流速 の減退が見 られ,図

4。

2に て群集密度 0.90人 /m2を 閾値 に流率 は伸び悩む。ま

た表 4。 1に 示す水平路・階段 のサ ー ビス水準 によれば,歩 行通路 においては,群 集密度 0。 70 人 /m2以 下 において,歩 行速度の確保が可能であるとしてい る。これ らか ら推察す るに

,

0∼ 0。 70人 /m2の 密度範囲で は,密 度増加 につれ,よ り効率的な歩行状態 を目指すべ く 追跡 ‐追従相の出現 回数 は増 えるはずであ り,閾 値 0.70人 /m2以 上 においては 自由歩行 不能 なため,追 跡 ―追従相転移 は見 られな くな ると思われ る。

表 4.つ 水平路・ 階段 のサービス水準 水準区分

-0.30

0.30-0.40

-0.50

0.50-0.70

状況

自由歩行可能

追 い抜 き可能

自由度 制 限

凍庁 低 下

場所 具体例

広場

縦 い混維 ピーク

強 い混 雑 ビーク

混雑空 間

1.00∼ 1.40

0.70∼ 1.00

0.70-1.00

状況

快適領域

非接触 領域

接触 領域

人間構 円

場所 具体 例

切 符売場

エス カ レータ前

エ レベ ー タ内

す し詰 め

待 ち空間

0.70

0.70-1.00

0.40∼ 0.70

0.70-1.00

0.70-1.00

1.00∼ 2.00

1.oo-1.40

1.40-2.50 短 い混 雑 ビー ク時 ス タジア ム

2.00∼

2.50停滞 計画不適

5.00∼


4.1群 衆密度 と追跡・ 追従行動 の関係

37

′ 本研究 では,関 連す る幾つかの群集流 の実測事例 を通 し,あ る一 定域の群集密度下 に おいて追跡 ― 追従相転移が発生す ることを確認 し,そ の数値的特性 を抽出す ることに成功 した。図 4.3に ,群 集密度 と追 跡 ―追従相 の出現回数分布 を示す。いづ れの調査ケ ースに おいて も,群 集密度 0。 10∼

0。

70人 /m2の 範囲 にて発生 してお り,密 度 0.60∼

0。

70人 /

m2の ときを最大 に右肩上が りの分布特性 を示 してい る。 これ は前述の推察 をみたす もの である。よつて本研究で のモ デ ルは,群 集密度 0∼ 0。 70人 /m2の 群集流発生下 を想定 し

,

その歩行行動 をモ デル化・ シ ミュレー トす るもの とす る。

合計 ― ・ 遺闘 ―■ ‐ 「 … ● … 遺 従相

︵ く︶経 回畷 調

ヽ こ f'一 ` 0

0.10

0.20

0.30

0.40

1_―

/∼

0.50

0.60

0.70

群衆密度 ρ (人 /m2)

図 4.の 群衆密度と追臓

従相の朗 回数分布

0.80


4.2二 歩行者の接近限界距離

38

4.2二 歩 行 者 間 の 接 近 限 界 距 離

本節で は,群 衆密度 と単独歩行者 によ る群衆流動横断 の関係か ら,二 歩行者間 の接近 限 界距離 を明 らかにす る。 群衆流動 を横断す るか どうかの判断には群衆 の混み あい具合,す なわち群衆 の密度 が大 き く影響す る。別途解析 を行 った駅空間での調査 において,群 衆流動 を単独 で横断す る歩 行者 (以 下横断歩行者 )に ついて,群衆 の密度 と群衆流動横断の可否 との関係 を調 べ た (図

4.4).図

4。

4中 実線矢印は,プ ラッ トフォーム側 か らの群衆流 ,2本 の点線矢印は,群 衆

流 を横断す るあるいは しない単独歩行者の歩行軌跡 をそれぞれ示す。また図中斜線範 囲 は

,

群衆密度 の調査範囲を示す。事前の調査 によ り,図 中点線矢印で示 した単独歩行者 は,群 衆 がいない 自由歩行が可能 な状態では,斜 め 45度 方 向 に進む ことが確認 された.し か し

,

図中実線で示 した群衆 の密度 が増加す る ことに よ り,次 第 に斜 め 45度 に進 む歩行者 は減 少 し,群 衆 を横断せ ず直進す る歩行者 が増加す る。これは,横 断歩行者が群衆の密度か ら 横断 の しやす さを判断 して い るためであ る。

群集密度調査範囲

図中実線 :群 集流動 図中破線 :歩 行者経路 横断 しない

図 4.4′ 横断 の判定


4.2二 歩 行者 の接近 限界距離

39

そ こで,単 独歩行者が群衆流を横断す る/し ないの割合 を調査 エ リアの群衆密度別 に見 てみ る と,群 衆密度 が 0.5人 /m2以 下では,す べての歩行者 が横断す る.0.5∼ 1.0人 /

m2で は群衆流動の中にすきまが 多 く,横 断す る人の割合 は 67%と

高 い。 1.0∼ 1.2人 /

m2で は群衆流動 のす きまが減少 し,横 断す る人は 40%に 減少す る。また,1.2人 /m2以 上では,横 断が 困難 になることが わか る (図 4.5,表

4。 2)。

したがつて,図 4.6に 示す よ うに,群 衆密度 1.2人 /m2で 群衆 が均等分布 してい ると 仮定 した場合

,

2(m2/人 )よ S=ЙЪ =0・ 833=′

り ,

歩行者間距離 ″‐0,91(m) よつて,二 歩行者間の接近限界距離 を,4=%=0・ 455(m)と して採択す る。

人数 (%)

00. ︻10∞. 一

oO. ”︱∞二 ︻

∞“●100. 0

・﹂ Y B ・ 。

∽ ●. ? Nの. 0

qO. ? 一“. 0

m /

度 密 集 群

RIド. O 0伏

鵬鰯協筋協

る ■横断 しない

図 4.5:群集密度 と横断 の関 係 靭

図 4.6f二 歩行者間接近限界距離 の算定

表 4。 2:群集密度 と横断 の関係 膵集 密 度 (人 ノ )-0.5

単独横断の割合 すべての人が構断する

績断者の状況 単独で一定速度・直進歩行をおこなう。

膵集 流 動 の 中 に す き まが多 く横 断 す る人 の 割 合 が高 い

単独で群集流動の間を通過する。ほとんど速度、軌跡変化無 し。 2∼ 3人 ずつの流動グループが形成される。歩行速度は前方にし る同方向の歩行者に制約される。 群集流動へ単独で進入するのは困難になる。前方を進む 同方向歩 行者に続いて進行することによ り歩行集団が形成。

すきまが減 り横断する人は減少する 陵断 が 困難 に な る

注 1)群 衆密度 1.39∼ 1.60人 /m2に お ける,横 断す る割合の増加 は,図 4.4中 下方へ進 む歩行者の総数 自体 が 4人 と少ない上 ,高 密度状態で あ るにもかかわ らず無理 に横断 したか き分 け横断 とみなすべ きである ため,算 定か ら除外 した。


4.3追 跡 ―追従歩行時の二歩行者間距離

40

4.3追 跡 ―追従歩行 時 の 二 歩 行者 間距 離

3章 よ り抽出 した追従行動 を行 う歩行者対に対 して,以 下 の手続 きか ら,歩 行者間の相 対位置 0相 対速度 。相対加速度の時系列変化 を計測 した。

図4.7に おいて,歩 行平面である座標系ッ上での時刻 1に おける歩行者A(追 跡 ―追 従を行う歩行者)の 位置をへ=rXa′ 拗ノ ,歩 行者B(追 跡 ‐追従される歩行者)の 位置を B`イ 励′ 乃ノ ,歩行者Aの 速度ベクトルをvel.`,歩 行者A,Bを 結ぶベクトルを■,vel■

とヽ

― のなす角をθ (0≦ θ≦π)と すると,■ =`乃 ′ Xa′ 乃 拗ノより 「 ・ 。・ (式 1) xo,)' + (b, lr, F rl6b, -ya,)2 ,

また,座 標系η にお ける歩行者 Aの 時刻′ +I,「 」にお ける位置座標 をそれぞ級

+′

`+″

すると, ,ya`り ,A.J=rXa″ ,ヵ ″ と 4`暉

′ィ 肋

←場≒,L霧 笙 )

である。錢

なる歩行者Aの ローカル座標系 ッ から見た時刻rに “ おける歩行者Bの 相対位置座標Bり ま el・

`/「

Jが しり=CI)と

,

BI=← `,ツ

`)=(Lト

レ0,卜JCOSO)

こ こで ,

Yd,.r, - l"*,hl*ue より ,

菫 算 勇 λ ィ 、ぉ 守 lキ

Ybl.→

b Bt_1‐ oQll_1卜

1,Yat_1)

夕「 菫熱

l)

Y

Lx

図 4.″ 実臨 はり と積対位置座標(u,り の関係


4.3追 跡 ―追従歩 行時 の二 歩 行者 間距離

s′

沿

41

=

よつて

,

。。。(式 2)

を得 る。 ロ ー カ ル 座 標 系 B'′

+′

=に ,P4+ノ

,BI.′ =0「

(里

Bの 時刻 ′+I,′ ‐Jの 相 対 位 置 座 標 を

′ Lノ とすると ,

錢 篭卜,中 `“

ッに お け る歩 行 者 “

)

・・ 。(式 3)

であり,歩 行者Bの 時刻′ +I,「 Iの 相対速度ベクト ルを▼ d.:“ I=(ィ ル イム 4+ノ

,

`+ノ

:″

における相対加速度ベクトルは イ惚1“ 〃κ14ノ とすると,歩 行者Bの 時刻′

颯 卜 PT生

,

芦空午猛f21)

。 ・ 《式0

となる。 抽出 した歩行者対 の時系列 の位置座標デ ー タを逐次 ,式

1∼

4に 代入 し,相 対位置 。相

対速度・相対加速度の時系列変化 を算出 した。

本研究で は,歩 行群衆流 の進行方向が,実 座標系 ッ軸 にほぼ平行であ った事 と,「 前方 をほぼ同方向に歩 く歩行者 に対 し,歩 行速度 を変化 させなが ら接近す る。」追跡 ―追従行 動 に関 して解析 を行 ったため,図 4.8に 抽出 した歩行者対 の,相 対位置座標系 ッ軸方 向に 。 対す る相対位 置 κ′ ノ・相対速度 ″lノ 相対加速度 accalノ の時系列変化 の記述 を行 つた。 この 図 において,相 対速度・相対加速度が負の時,二 歩行者 が近 づ く状態 に あ ることを表 す。


4.3追 跡 ―追従歩行時の二 歩 行者 間距離 "イ

_ツ

0

veL._v

(nls)

42 ッノ

rel_v (m)

`ム

acel._v (mlf)

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800

300

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0 00

‐100 ‐ 400

-200 ‐ 300

‐ 800

39

43 `御

47

η =α あ

51

55

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200

400

100

400

100 0 oo

000

‐ 100 ‐ 400

・200

_300

59

‐ 300

18

22

26

ー プ リ歩行者対 casef

34

38

42

46

50

54

58

62

の 歩行者対 case2

ι _V"υ “

4ツ 0

800

300

ac“ ι コ iniゞ)

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ィ 91,25,4/srFP9_ “

0/コ均リ

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200 400

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0.00

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‐ 1 00

‐ 400

‐ 200 ‐ 3.00

o Oo rrszP,a25´ `α

‐ 300

/srcP7-

4, 」 トイ テ曜 肇 メ チcase4

凛イ ω

W∴ ノ

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3.00

‐ 800

rrsraP i a25wa/srap9-

トイ 3' 」 テ早 チ メ チcase3

4ν ω

・400

・200

veL_v (mls)

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∴ コ "村ゅ

occel._v

(mlf)

"′

200

2.00

400

100

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000

000 ‐ 100

‐ 400

‐ 800

‐ 200 ‐ 300

ィ η fa25菫 _吻 → “

の 歩行者対 case5

図 4.の 群衆内自晋 詢ゆ 貯系,■変化

rrsrap f a万

α/滅 勁 “

_

の 歩行着対 case6 ■ 相対 位置座標 fκIP o ● 相対速度 」翅 ノ リ ▲ 相対カロ 速度 r acca_vra/s29 "ノ 2″ 追従相 を示 す鴎


4.3追 跡 ―追従歩行時の二歩行者 間距離 4ν ra9

ッ el_v oJリ ●c“ ι コ り "′

3.00

000

200

43 4ν ω

に1」 い う ● ccalコ 耐 s

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300 200

4.00 1

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0.00

100 000 ‐100

‐ 1.00 ‐ 400

・200 ・3.00

‐ 300

`御

‐ 2.00 ‐ 300

り :a25認 c′颯ヴ →

ィロψ ra25“ αノり → “

″ 歩行者対 case7

8' カ トイ テ蝙 彗 メ チcase8 は _V● /り

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畝 J"リ acalノ ぃ )

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200 400

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000

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‐ 400‐ 1 00

‐ 200

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・3.00

‐ 200 ‐ 3.00

ィs″ ″la25銀 吻

rrstp l a25“

o/srcP7→

卜行者メ 9' 」 チcase9

行替対 case

'歩 4ツ ω

veL_v

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rcl_v (m) 328‐ 320

o@l._v(mlf)

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3.00

300

200 400

16.00

2.00

800

100

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000

000

000

‐ 100

‐ 1.00

‐ 800

‐ 400 ‐2.00

‐ 200

‐ 300

‐ 16.00

‐ 300

ミ 爵 ロ ミ :ミ ミ ミ ミ 晟 民 ミ ミ ミ rrMPr a25颯 の

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rrtPr a万降 んり → 一

歩行替対 case17

図 4.の 群衆内追 従行動 の時系 ,1変化

′ 2)歩 行者対 case f2 ■ 相対位置座標 rrar ν 0 ● 相対速度 「″1_vra/sp ▲ 相対加速度 ′αcca,ぃ●、 ク 2追 erFを 示 す鴎

`


4.3追 跡 ―追従歩行時の二 歩行者間距離 Wiノ ●/リ

″ _ツ ω

321

328・

44 rcIッ

ω

300

1600

ツel」 (“l,

328‐ 322

ac“ ι コ lmlゞ)

ac“1ノ

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300

800

200

200 800

100 000

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100 000

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‐ 100

‐ 1.00 ‐ 800

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‐ 1600

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300

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veL_v (mls)

354‐ 347

rrsrep l a25"c/srep9→

″ ニツω

歩行替ヽ case f4

1.00

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123

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3.00

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5888ヽ

7

1の

図 4.の 群衆湘 自 晋 濶 の 時系,1変イヒ

歩行替対 casθ 78 ■ 相対 位置座標 疑 む o ● 相対速度 」valノ ra/s9 ▲ 相対加速度 r acca」無 ゝ =ヾ ク2追 従相 を示 す区聞


4.3追 跡 ―追従歩行時の二歩行者間距離

45

図 4.8よ り,相 対位置 〃 ソは 2つ の段 階 で小 さ くなることがわか る。また,相 対位置 κJ vが 小 さ くなる直前に相対加速度 acccIノ に大 きな谷が見 られ る。 相対加速度 αc“ lノ が 0(ゼ ロ)に なる ときの相対位置 ″ ノ の分布 (図 4.9)は ,0.08 (m)付近 と

1。

2∼ 1.4(m)付 近 の 2ヶ 所 に多 く分布 してい ることがわか る。

︵ く︶むcΦ3●一

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一 o Q山 , [ 口 円 口 ]

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図 4.の 二歩行者間距離分布 これ らは,追従歩行者が,一 度 ある距離 まで別 の歩行者 に近づいた後 しば ら くはその距 離 を保 ち,そ の後,さ らに近 づ きあ る一定 の距離 を保ちなが ら歩行 を行 う こ とを示 唆 して い る。 この ことか ら,群 衆内の歩行者 の追従行動 には,「 追従相 J。 「離脱臨界 Jに 加 えて,追 従相 に突入 す る直前に,「 追跡相 Jが 存在 す ることがわか る。 そ こで,相 対位置ッ座標 〃 ッの減少 が特 に大 きな点の近傍で,相 対加速度 αc“ ェッが負 の方向 に大 き くな る点,つ ま り歩行速度 をあ げて,前 方 を歩 く歩行者 に近 づ こ う とす る点 の うち,一 つ 目を追跡相 に突入す る点,二 つ 目を追従相 に突入 す る点 とす る。図 4.8中 斜 線で,各 ケ ー ス にお ける追跡相 を示す。


4.3追 跡 ―追従歩行時の二歩行者間距離

46

追跡相お よび追従相 にお ける二 歩行者間 の距離 を明 らかにす るためら追跡相 に あ って

,

相対加速度 αc“ ム ノ が 0(ゼ ロ)に な る際の相対 位置 ″ _ッ と,追 従相 にあって,相 対加速 度 αc“ ム…ソが 0(ゼ ロ)に な る際の相対位置 κ′ソを抽出 し,そ れぞれ図 4。 10,図 4。 11に 示 す。

︿ く ︶む 5 ョげg 00 0

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0〇 一

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図 4.0勘

ESEEE!3EEF r€l_v(m)

相 における二 歩行者E巨離 分布 図 4.1つ 齢

相 にお ける二歩行者距離 分布

群衆内の歩行行動 にお ける「追跡相」の存在 を明 らか にす るにあた り,追 跡相 お よび追 従相 における二 歩行者間 の距離 の違 いについて比較 を行 う必要 が あ る。 比較 には差 の検定 を用 いた。 以下にその手順 を示す。

1.帰 無仮説 2.対 立仮説

: :

追跡相 と追従相での二 歩行者間距離は等 しい 追跡相 と追従相での二 歩行者間距離 は異な る

3.調 査結果か らの基礎統計量

(表

4。

3)

4.統 計量 r +ち =Iイ θ>Iθ θよ り,z検 定 を用 い る。 総標本数 ′ “ r‐ 1「 7う .・

言 『=J。 illiF7万

.242ノ 86+0.162ノ

54=15.970

.2P目 0

よつて,帰 無仮説は棄却 され,追 跡相・追従相での二 歩行者間距離は異な るとい える。

表 4.の 追跡相/追従相における二歩衛 罪H7FfF 追跡相 にお ける二歩行者間距離 追従相 における二歩行者間距離

燿蝉

.■ Ⅲ ■)_… …

8C

54

標本平均 (m)

1.33

0.79

標本標準偏差 (m)

0.24

0.16


4.4追 跡 ―追従に対する影響領域

47

4.4追 跡 ―追 従 に対 す る 影 響 領 域

本節 では,任 意の二歩行者 の距離が最小 とな るときの,相 対位置の分布傾向か ら,追 跡 ―追従 に対す る影響領域 を明 らかにす る。 ここで,単 独歩行者の対人 間距離 を見 る際 ,歩 行者同士が隣 り合 つて 同方向に進 む場合 と,対 向あるいは交錯 してすれ違 う場合では,そ の平均 的な数値には差が生 じ,最 短距離 とな る相対位 置 ,相 対速度 もそれぞれ異な る分布傾向を持 つ と思われ る。そこで,単 独 歩 行者 の対人間距離 を,同 方 向流 に属 しか つ隣接す る歩行者 に対す る場合 向),他 方交流 に属 し交差 あ るいは擦れ違 う歩行者 に対す る場合

(以 下

,対 同方

(以 下 ,対 他方向)の

2つ

の場合 に分類 し,4.3節 と同様 の手続 きか ら,あ る歩行者 Aと ,歩 行者 Bの 対人間距離 が 最 も小 さ くなる ときの,歩 行者 Aか ら見た,歩 行者 Bの 相対位置座標 ,お よび相対速度 を 算出す る。 3.1節 の歩行軌跡デー タを用 いて,サ ンプル歩行者全体 の,対 同方向な らびに対他方 向

の相対位置座標 を図 4.12の 相対位置座標分布図にプロ ッ トした。あわせて相対速度 も図 4。

12中 の棒矢印 にて表 した。

対同方向

° ド T:相 対 ッ 位置 棒 矢印 :速 度 を表記

図 4.12:υν座標系 にお ける相対位置座標 分布図


4.4追 跡 ―追従 に対 する影響領 域

48

い ずれ の ケ ー ス も,ィ 相対速度 に関 して は,“ 軸非対称 とな るが ,対 人間距 離 に関 しては 進行 方 向前後 に顕著 な偏 りは見 られず,ほ ぼ ,“ 軸 対称 の正 円 に近 い楕 円上 に分 布 して い る。

ソ軸 と,相 対位置座標 ベ ク トルの なす角 を θとし,各 々の ケースについて ,0≦ θ≦ π/

2の 範囲で,θ と同 の相関 をみ る と,対 同方 向ケースは,進 行方向に,対 他方 向のケース は横方向にそれぞれ長 い楕円で近似できる と予測 され, θ =Qπ /2に て得 られた回帰直 線 の切片の値か ら,対 同方向は長 径約 2.74m,短 径約 2.38mの 進行方向に長 い楕円を中 心 に,対 他方向の歩行者は,長 径約 2.74m,短 径約 2.68mの ほぼ正 円を中心 に分布 して い るといえる (図

4。 13)。

本研究で は,同 方向に進む歩行者同士の,追 跡―追従行動 のモデル化 を行 うので,こ の 結果 よ り,追 跡―追従 に対す る影 響領域 として,長 径約 2.74m,短 径約 2.38mの 進行方 向に長 い楕円を採択す る。

同 rm, 1.34m

・1崚 ・ 「「

_r FI・ ::」 1

o /。 m ︲

ヽ編 対同方向

″/2 θ (rad)

対他 方 向

図 4.73:′ ‐対人間距離 分布図

π/2 θ (rad)


4.5モ デルヘの数値的特性の採択

′4.5モ デ ル ヘ の 数値 的特 性 の 採 択

49 ′

本研究で は,4。 1節 よ り群衆密度 0∼ 0.70人 /m2の 群衆流発生下での歩行者行動 をモ デル化す る。

4.2節 より,二 歩行者間を他 の歩行者が通過できない場合 の歩行者間距離が 0。 91mで あることか ら,そ の値の半分である0.455mを ,二 歩行者間の接近限界距離 tと して採 択 した。 また,4.3節 より,群 衆内歩行 における追従行動に「追跡相」の存在が確認され,追 跡 相・ 追従相における二歩行者間距離 は異なるので,追 従相 にお ける歩行者間距離 ″′を 0。

792m,追 跡相 における歩行者間距離 ら を 1.33mと

して採択 した。

また,4.4節 より,長 径 2.74m,短 径 2.38mの 進行方向に長 い楕円を,追 跡 ‐追従 に対する影響領域 として採択 した。


第 5章 追跡…追従 ポテ ン シャルモデル

50


5.1歩 行者間距離から見たポテンシャル

51

5。

1歩 行者 間距 離 か ら見 たポ テ ン シ ャル

5。

1.1追 跡 ―追 従 ポ テ ン シ ャ ル モ デ ル 基 本 式 岡崎 ら文0は ,磁 気 モ デルの応用 によ り実際 の歩行行動 か ら観察 され る追従行動 をモデ

ル化 して い る。また,平 原 ら文り による非平衡 MD法 による粒子離散系人間行動 モ デルヘ のアプローチでは,レ ナー ド・ ジ ョー ンズ (Lennard‐ 」ones)の ポテ ンシ ャルモ デル注1) (図

5。 1)

‐ ー ・ ・ 畔爾 Iザ に )=4ε

)61

が用 い られて い る。 「離脱臨界」 は再 現 されて レナ ー ド 0ジ ョー ンズ ポテ ンシ ャル モ デルで は,「 追従相 」。 い るが ,本 研究 によ り見 られた 「追跡相 」 は再 現 されて い な い。

ttoneE Potent

0.5

.5

-■

図 57'レ ナー ド・ ジョーンスぶ テンシャルモデル

注 1)レ ナー ドージ ョー ンズ (Lennard‐ Jones)ポ テ ンシ ャルは,分 子動力学の分野で用 い られてお り 主 に気 術 での フアン・ デル・ アールスカ の 子間力)を 表現 する。希続 体や単原 子離 のシ ミュレーシ ョンに多 ぐ使われてい る ,

.

街 藤賢二:分 子動力学法の基礎 とプログラミング ,2001.10よ 列刻り 文8 追従行動や回避行動を比較的単純な係数か ら書現す ることが可能なため,近年,数値流体力学などの分野 で,人 間行動 のモデル化によ く用 い られてい る .


5.1歩 行者間距離 か ら見 たポテ ン シ ャル そ こで,本 研究 で はレナー ド0ジ ョー ンズ ポテ ンシ ャル とほぼ同様 の形 状 のポテ ンシ ャ ′ ル を作 る項 Ц←)(モ ー ス Ч(r)=`

2))(図

(Morse)ポ テ ンシ ャル注

5。

2)

― ′ r_4) ← 1)_2ご く

に,「 追跡相」 を再現す るための項 t(→ ル ●メ→=―・

(r_・

(図

5。

3)

を加 えることで

,

U■

(r)Morse Potential

図 5″ モースポテンシャルモデル U2

(r) Track

Potential

図 aの 追跡ポテンシャルモデル

注 2)モ ー ス (Morse)ポ テンシャルは

,

始 種鋼 の結晶 の MD新 に用 い られ る 選 rf占 艦 ぁI感ず 鮮 レナ ー ドジョー ンズの ポテンシャル と同様 の形 状のモデルが再現 できることと,追 跡相 を再現するために 指数関数 を用 いた ことか ら,本 モ デルにおいて このポテンシ ャル式 を採択 した。


5。

1歩 行者間距離 か ら見 たポ テ ンシ ャル 新 た なポテ ンシ ャルモデル (図 軟 →‐IJlo+LO日 {σ

5。

53

4)

2く ァ イ1)_2ご く卜4〕

―ル

` “

・ 。 。 (式 1)

の提案 を行 う。以下,こ のポテンシャルモ デルを「追跡 ‐追従ポテ ンシ ャルモデル」 と 呼ぶ。 式 1に おいて,Ц →は二 歩行者間 のポテンシ ャル を表す。rは 歩行者間相対位置 ベ ク トル

,

dlは ポテ ンシ ャルの最 も小 さ くなる地点であ り,二 歩行者間 が最 も安定 した状態 にあ る際

の歩行者間距離である。 λは追跡相 にお けるポテ ンシ ャルの大 きさを表す。

U(r)

PursuiE-Compliance PotentLal

図 54'追 跡槌 従ポテンシャルモデル

5.1.2数 値 解 析 に よ る 各 係 数 の 決 定 4章 よ り得 られた追跡‐追従行動の数値的特性 か らの,数 値解析 によ り,追 跡 い追従 ポ テ ンシ ャルモデル基本式 (式 1)の 係数 a,b,c,dl,λ を決定す る。 以下 に 4章 よ り明 らかになった,追 跡―追従行動の数値 的特性 を再度示す。 二歩行者間の接近限界距 離

0。 455m

追跡相 にお け る歩行者間距離

1.33 m 0。 792m

追従相 にお ける歩行者間距 離


5.1歩 行者間距離 か ら見たポテ ンシャル まず,二 歩行者間相対位置 ベ ク トル をrと し,二 歩行者間 のポテンシャル をrの 関数 軟→ とする。 IJl← )=`

1/2(→

2o●

= ル

r_4)

-4)_2ご く

..。

“ r_.ア

‐ ),to={σ ■←

IJl→

・・ 。(式 2)

2く rイ 1)_2c

卜 卜 ・ア `11_ル ●

(式 3)

・・。 (式 4)

dlは ,二 歩行者間が最 も安定 した状態にある際 の歩行者間距離である ことか ら,追 従相

における歩行者間距離 よ り,0。 792(m)と す る。 二歩行者間 の接近限界距離が 0。 455mで あ る ことか ら ,

r‐

)=oと なる 4=0.45■ ")の とき,緻″ 。

I12(′

.

0と 仮定す ると

o)“

,

Ц )=σ

2α (ら

― ′ 1)_2θ

`(4-′ 1)=0

ld。

4…

4=Aと お くと ,

´a14)=2` `“ ) θ

-2acL)=Zοg2-α ¢ )

α=… Zog2rA= Lag2ズ 為-4)=2.057 したがって,aの 値を 2と して採択する。 (卜 4)_2σ arィ 1) ■←)口 `“

..。

(式 2')

次に,追 跡相における歩行者間距離が 1.33mで あることか ら ,

卜4=■3鍋 のと 乱讐 =0と な乙 _々 4“2 ′ 1)+々 4(4イ 1)+2bλ

ここで

'ら C2

∝′ 2 Cア ←ち―C)び

=0

。.。 (式 5)

C)2口 xと す ると,b‐ 詩

式 5よ り ,

イ ら D― ι イ → ガ =7 {σ く } -4ち

…。 は。


5.1歩 行者間距離 か ら見 たポテ ン シャル

4_1■→の と乱

同様 い

4Ka2 dlp_…

『4-4=3と すると

55

却 とな 呪 式 6よ 呪

+満 ゅ Tr"― 〆¶鋤

,

X=

。・ 。(式 7)

ら= よって ,式 6よ り,

ぱ イη

次に,′ =銑

=0・ 45■

")の

。(式 8)

′ °C′ とき,t(″ 。 σК )=― λ

0ょ り

,

式 7,式 8お よび島=0・ 455,4=0.792,4=1.33,3=4-4‐

0・

538よ り

い “

Ч

2(イ

o)を

cの 関数として表すと,図 5.5と

なり,こ れより

c=1.4を 採択す る。 したが つて,式 7よ りb=95,式 8よ りλ =0。 12が 採択 され る。

utaol 0.00■

0.0005

図 aリ ポ テンシャルのパ ラメータ cの 決定

,


5.1歩 行者間距離か ら見たポテ ンシ ャル 以上 によ り,追 跡 ―追従 ポテ ンシ ャルモ デル ′

卜 ′ ト 1)_2` <卜 41_ル ー ス υ 7)={σ 2く

Cア

の各係数 を表 5。 1の 通 りに採択す る。 各係数 の値 を採択 した際の,追 跡―追従 ポテ ンシ ャルモデルを図 5。 6に 示す。

また,歩 行者間距離がrの 際,二 歩行者間にかかる力Fは ,%)の 一階微分から ,

F=争

=乾

狐 『名

)+2α σ く 卜 り +幼

玄 ‐ Cア ←

― c)λ

とな る。表 5。 1の 値 を採択 した際に,二 歩行者間 にかか る力 Fを ,図

表 5.7'各 係数の採択循 b

2 : 95 : 1.4 :

dl

0.792(m):

追従相 における対人間距離

0.12

追跡相のポテンシャルの大 きさを決める係数

a

:

追従相 でのポテンシ ャルの傾 きに影響 を与 える係数 追跡相 でのポテ ンシ ャルの傾 きに影響 を与 える係数

追跡相における対人間距離に影響 を与 える係数

0.5 .455

.33 1

0.5

-■

図 5の 追跡槌 従ポテンシャルモデル 2 ■.5 ■

0.5

図 5″ 二歩行者間 にかかるカ

5。

7に 示す。


5.2歩 行者の指向性を考慮 したポテンシャル

5。

57

2歩 行者 の 指 向性 を考 慮 したポ テ ン シ ャル

5。

1節 では,あ る歩行者 Aが ,歩 行者 Bの 歩行行動 に対 して影 響 を与 えるポテ ンシ ャル

エネ ル ギーの大 きさを,歩 行者 A,Bの 距離 か ら算 出す るモデルを作成 した。しか し,歩 行 行動 においては,二 歩行者間 の距離 が 同一で あって も,歩 行者 Aの 進行方向に対 して,歩 行者 Bが前方にい る場合 と,後 方 にい る場合 とでは,歩 行者 Aが 歩行者 Bに 与 えるポテ ン シャルエネル ギー の大 きさには違 いが あると思われ る。これは,自 分 の後方 を歩 く歩行者 に対 して,追 従 しよ う とす るとは考 えに くいためで ある。 そ こで,本 節では,4.4節 の単独歩行者 の対人間距離の分布 を元に,歩 行者 の指 向性 を 考慮 したポテンシャルモデルの作成 を行 う。 ある歩行者 Aの 速度 ベ ク トル を sと した とき,s/ISIが ,(u,v)=(0,1)と な る歩行者 Aの ロー カル座標系 ッか ら見た,歩 行者 Bの 相対位置座標 をB・ =ι り とす ると,歩 行者 A,Bの “ 歩行者間距離 rは ,

2で 表される 。 「自Jz2+ッ これ を用 い,5。 1節 のポテ ンシ ャルモデルを表す (図 5.8)。 ここで,図 中原点 を歩行者

Aの 位置 とし,紙 面左上 を歩行者 Aの 進行方向 とす る。これ よ り,歩 行者 Aの 前方 にい る 歩行者 B】 も,後 方 を歩 く歩行者 Aに 追跡 しよ う として しま うことがわか る注0。

図 5.の 指向性の無い追跡槌 従ポテンシャルモデル 注 3)ポ テ ンシャルの傾 きが歩行者の受ける力 となるため,歩 行者 Aの 前後で同じ距離にい るBl,B2は Aに 向 か う同じ大きさの力を受ける .


5.2歩 行者 の指向性 を考慮 したポテ ンシ ャル

4。

58

3節 より,同 方向流 におけ る単独 歩行者の対人間距離 の分布 は,長 径 2.74m,短 径

2.38mの 進行方向に長 い楕円状 にな る。また,進 行方向に働 く引カ ポテンシャルは弱 い こ とを考慮

注4)し

,式 1中 の第 2,第 3項 に歩行者 の指 向性 に対す る影 響関数 α

竿 α=」 ‖ F+け 月

(各 係数 の値 には表

5。

2を 採択)

を導入す る。 (図 5.10)

表 5″ 揃

性 に対 する影響関数の各係数 の値

λ

1.19

指向性 に対する影響領域のu軸 方向の半径

0.912

指向性 に対 する影響領域のv軸 方向の半径

0

指 向性 に対 する影響領域 の中心u座 標

‐0.458

指向性 に対する影響領域の中心v座 標

図この 指向性に対する影響領域

図 570,指 向自 ご対 する影響関数

注 4)同 方向流 における単独歩行者 Aの 対人間距離の分布 において,歩 行者 Aの 後方 の分布 に関 しては,歩 行 者 Aが他の歩行者 に対 して,追 跡‐追従 による引力 を作 り出 してい ると考 えることができるが,歩 行者 A の前方 の分布 に関 しては,こ れ とは逆 に,歩 行者 Aが 他 の歩行者 か ら,追 卜 追従の引力を受 けることで この ような分布になつた と考 えられ るので,こ こでは,同 方向流 における単独歩行者 の対人間距離 の分布 ,

楕円 (図 5。 9点 線 )の 進行方向切片 を,二 歩行者間の接近限界距離である O。 455(m)に 変形 し,こ れ を歩 行者の指向性 に関す る影響領域 (図 5。 9実 線)と して採択 した。


5。

2歩 行者の指向性 を考慮 したポテ ンシャル

59

したがつて,歩 行者 の指向性 を考慮 した追跡 ―追従 ポテ ンシ ャルモデルは

つ ′ 卜 く1)_α シ ∈ D+λ σ 築 ・ θ ,4=0・ 79々 → %)‐ ご }(た だし rィ

4メ

,λ =0・

,

12)と

なる 。

図 5。 11に ここで定義 された,追 跡 ―追従 ポテ ンシ ャルモデルを示す。 ここで,紙 面 の 左上 を進行方向 とす る。 また,“ =θ にお け る断面 を図 5。 12に 示す。 これによ り,進 行方 向前方に対 しては斥力が,後 方 に対 しては引力が強調 された分布 と なることがわか る。

図 511,指 向性を加えた追跡樋 従ポテンシャルモデル

-1。

33 -0.7921-0。

図 50追

跡 疑 縦 ポ テンシャル ● θ断面 _―


第 6章 仮想空間ウォークスル ーインター フェースヘの実装


6.1追 跡― 追従ポテンシャルモデル を展開する二次元仮想空間について

61

6.1追 跡 ―追 従 ポ テ ン シャル モ デ ル を展 開 す る二 次元仮 想 空 間 につ い て

5章 では,群 衆 の流 れに身を任せ ることで歩行 を行 うといった消極 的行動因子 を,追 跡 ‐追従 ポテ ンシ ャルモデルによってモ デル化 した。本章 では,個 々の意志行動 とい う積 極的行動因子 とは別 に, この消極 的行動因子 を考慮 し,対 話型離散粒子系 MD注 1)に よ る,仮 想空間 ウォー クスル ーイ ンター フェースの構築 を行 う。 仮想空間上で,人 の流れや,歩 行行動 に対す る群衆 の影響 を再現す る こ とで,と か く空 間感覚や方向感覚 を見失 いが ちな仮想空間にお いて,よ り実空間に近 い 自然 な歩行行動 を 行 うことが可能 にな ると考 えられ る。

本研究 で構 築 す る仮想空 間 ウォ ー クスル ー イ ンタ ー フ ェースは,CAVE・

CABINに 代

2)ゃ 表 され る IPT(Immers市 e ProiectiOn Technology)/没 入型 デ ィス プレイ注 ,ヘ ッ 注3)な ドマ ウ ン トデ ィス プレイ どの 仮想空間 の視覚 的現実 感 を高 め るた めの,特 殊 な映 像 注4)を 表示装置 は用 い ず ,一 般 的な コ ンピュー タモ ニ タ 用 い て ,仮 想空 間映像 の表示 を 行 った 。

注 1)対 話型粒子離散系 MD MD法 は離 散粒 子 として捉 え られ るものの系 條 ま クリのFFFの 相互作用力か ら粒子系 を 支配 するニ ュー トンの運動方程 式 をたて,そ れ を数値的に着分 して時間方向 に解 いて い き,時 々刻 々の粒 子 の位置 と速度 を決定 してい く方法 であ る。 輌 療 賢 一f分 子動 力学法の基礎 とプログ ラミング ,2001.fOよ り抜初 文θ 本研究では,歩 行者 を離散粒子 として捉 え,追 跡 ‐追従 ポテ ンシ ャルモデルによ り 行者間の追跡 ―追

,歩

従の際の引力,お よび回避行動な どの際の斥力を,歩 行者間の相互作用力 として,時 々刻 々 と変化 す る 歩行者 の行動 シ ミュレー シ ョンを行 う .

注 2)IPT(lmmers市 e ProiectiOn Technology)/没 入型 ディス プレイ 高精細 の プロジェクタを用 い広視野 のス クリー ンに立体映像 を投影 す る技術文9 注 3)ヘ ッ ドマ ウ ン トディス プレイ (Head Mounted Displav) ゴー グルやヘ ルメ ッ トの ような形状 を した表示装置.頭 部 に装着す ることで左右の 日のす ぐ前 に画面が セ ッ トされ る。左右のディスプレイに少 しずつ違 った映像 を表示 す ることで立体感 を表現 した り,頭 の 動 きに応 じて画面 を変化 させ ることで,よ り現実感の高 い視界 を作 り出すな ど,パ ー チ ャル リア リテ ィ のための装置 として研究・ 実用化が進 め られて い る。 注 4)本 研究 においては,EIZO NANAO社 製 19inchoCRTモ ニ タを使用 した。


6.1追 跡―追従ポテ ンシ ャルモデ ル を展開する二 次元仮想空間について

62

本イ ンタ″ フェースの画面表示 を図6。 1に 示す。画面右側 は自分 自身を,表 す歩行者の視 点か ら見た二次元映像であり,左 側 に各種設定ボタンを配置 した。 また,本 インター フェース上での歩行行動 には

,

a)自

分の意志による歩行行動 (積 極的行動因子)

b)群 衆の流れに身 を任せての歩行行動 (消 極的行動因子)

の 2つ が挙げられ

,

a)は ,マ ウスの クリック/ド ラッグといった操作を行 うことで決定 される。 b)は ,追 跡― 追従ポテンシャルモデル を利用 し1自 分と他の歩行者の関係 によって決定

される

.

図 6.プ リ仮想空間 ウォークスルーインターフェース画面表示


6.2仮 想空間ウォークスルーインターフェースプログラムの構成

r

63

6.2仮 想 空 間 ウォー クス ル ー イ ン タ ー フ ェ ー ス プ ロ グラ ムの構 成 本研究で は,近 年注 目され つつ あるWeb3Dの 技術 を用 い たオーサ リングソフ トウェ アである,Macromedia Director 8.5 ShockwaveStudio注

6)を

用 いて,イ ンター フェー

スの開発 を行 つた。

Web3Dと は,イ

ンター ネ ッ ト上で 3D‐ CGを 扱 う技術で あ り,こ の技術 を用 い る こと

で,特 別 なアニ メー シ ョン ソフ トウェアやシ ミュレー シ ョンソフ トウェアを使用す ること な く,…

ブラウザ を利用 す ることで。歩行行動 のシ ミュレー シ ョンを行 うことが可能

とな る。 また,Web3D技 術 を用 いて,イ ンター フェースの開発 を行 う利点 として,前 述 したシ ミュレー シ ョンに対す る手 軽 さ とともに,イ ンタラクテ ィブ性が挙 げ られ る。 この技術 を利用す るこ とで,イ ンター フェース利用者 のマウス操作やキー ボ ー ド入力 を, リアル タイムにシ ミュレー シ ョン結果 に反映す ることが可能 となる。

本研究で は,こ の技術 を利用 し,計 画空間内の歩行行動 を,群 衆流動 とのかかわ りを考 慮 しなが ら,歩 行者 の視点か らのイ ンタラクティブな操作 によってシ ミュレー シ ョンを行 うことで,建 築設計計画 を支援す る三次元 群衆流動 シ ミュレー タの構築 を行 う。

注 5)以 前 よ りCD‐ ROMコ ンテ ンツ等のオーサ リングにおいて高 いシェアを占めていた力、 ソフ トウェアの パー ジ ョンア ップによ りWeb3Dに 対応 した ことで, リアル タイ ムに 3D‐ CGを 演算・ 表示す ることが 可能 になった。


6.2仮 想空間 ウォー クスルー イ ンター フェースプロ グラムの構成

64

以下に,本 研究で構築 した対話型離散粒子系 MDに よる仮想空 間 ウォー クスル ー イ ン ター フエース の構成 を示す (図 1.イ

6.2)。

構成 の幹 とな るのは次の部分 であ る。

ンター フェース空間デー タの準備

2.歩 行者 デー タの作成部分 3。

歩行者間ポテ ンシ ャルか ら消極的行動 因子 の導出部分

4.マ ウス入力による積極 的行動因子の導出部分 5。

歩行者位置 。速度 の導出/移 動 を行 う部分

6。

歩行軌跡デー タの書 き出 し部分

歩行者にかかる外

:―

― ― ― 一操作 を行う歩行書―――― ―

i =,tz^1t - 4.ilfrogflrn+olH

6.歩 行軌跡データの書き出 し

a″ インタ ー フェ ースの構成

:

i


6.3空 間データの準備

6.3空 間 デ ー タの 準 備

65 ′

本研究 では,2章 で調査 を行 つた東京都渋谷駅 ハ チ公 口交差点周辺 の二 次元 モ デル を作

6)と 成 し,イ ンター フェース 内 の空 間デ ニ タ注 した。 二次元 モ デルは,別 途 3D‐ CGソ フ トウェア注7)を 用 いて作成 し,イ ンター フェース オ ーサ リングソフトウ ェ アに読み込 む方法 を とつた。

6.4歩 行 者 デ ー タ の 作 成

イ ンター フェース内で の歩行行動 を開始す るにあた り,ま ずイ ンター フェース 内 に発生 させ る歩行群衆 の人数 ,位 置,お よび進行方 向,さ らにイ ンター フェース利用者 自身 を表 す歩行者 の位置 といつた,歩 行者デ ー タの作成 を行 う。なお,本 イ ンター フェー スでは歩 行群衆 の人 数 は利用者 の入 力 によって可変なもの とした。 以下 に,歩 行者デ ー タの作成部分 のプロ グラム を示す。

l

giο bal TIPeoPle

2 3

91ο わal yx ′ vz 91。 わal 力●コanCaze

4

property gazepoint

__tο tal

コu口 ber

of peο ple

__veiocityrX′ y, __1● Inan ga2e at this Pο int

__camera gaze at t力

is pο int

5

6

¨‐ ‐イ ン タ ー フェ イス 初 期 設 定 …… ‐

7

on beginsprite rme′

θ

9 10 』ユ

12

13

¨

モ デ ル の 初 期 イヒ

7x “ = rO′ Vz = rO′ 1neコ berri′ .resetForidr' ‐ p>モ デ ル の 初 期 化 ・ ・

』 ` 15

‐ ‐ くく不層モデルの非赫 イ ヒ

注 6)一 般 的 には XY平 面 に高 さ方向 Zと い う座標系の使用 が通例であるが,3D― CGソ フ トウェアでは,XZ 平面 に高 さ方向 Yと い う座標系の使用 が主 となってい る。本イ ンター フェイスの開発 に用 いた オーサ リ ングソフ トウェアも,こ の座標系か ら構成 されていたため,本 章 インター フェースヘ の実装部分 の座標 系 に関 しては,XZ平 面 に高 さ方向 Yと い う座標系で記述す る。

注 7)ソ フ トウ ェ ア環境 として ,CG分 野 で一般 的 に利用 されてい るアニ メー シ ョン ソフ トウ ェ アで ある Lightwave3Dv6.5を 用 いた。


6.4歩 行者 デ ー タの作 成 16 17′

』θ

66

tuberOdei = m emわ errユ ′ ・Inodei r"ε ib・ ya_力 achlた oumael,ali"リ ′

tubeJodel.visibility = Inone …>>不 層 モ デ ル の 非 表 示 化

1,

20 21

22

23

¨くく新 しい視 点 の 作成

(歩行 者 視 線・ 平 面 寿 司

1nenber ri′ 。newCa口 erar"力 uman view"′ _― ml a■ e "力 uman viev" meコ berrl'。 newcanerar"tο pView"り ・projectiο n 3 10rthο grap力 ic ‐ )>新 しい視 点 の 作成

24

25 26 27 2θ

2, JO

31

‐ くく頭 部 の モ デ ル を作成

theFame = "力 ead" tlleForid = meコ berri' theResotlrce = theForid.n ewHodelResourcertheFane′ isphere, theResOurceoraditls = θ ¨_ radius of head thelead = theFOridolle″ Iodei rtheFame′ theResource,

->>頭

部 の モ デ ル を作成

32

33 3`

35 36 37 'θ 3,

`0 `』 42 `3 4` 45 46

47 `θ

`9

50 51 52

53

‐ ・ ・ cく 体 の モ デ ル を作成

theFame = "わ ody"

theResOurce = theForid.newlο deiResOurcertheFame′ icylinder,

theResource.bο ttomRadiug = theResource.t oPRadius ・ 10 theResOurce.力 eight = 』

θ

`0 rtherame′ t■ eBody = theFο rid.nevlodei ‐ →>体 の モデル を作成

-“

theResource,

鼻 の モデル を作成 口nο gen

tleFane = t■ eResource = theForid.nevJodelResourcertheFane′ :sphere, theResOllrce.radius = 2

tlleFο ge = the″ orid.コ eFJodei rtherane′ theResOurce′ …>>鼻 の モデル を作成 ¨

基準 モデル の 位置

t力“eFeadotransfο rコ .positio2 = vectorrο ′』 0′ `,′ theBο dyotraIIsformoPositiο コ = Vectο rrO′ 70′ 0′ tieFο seotransfο rコ .positio12 - VeCtorrO′ 14θ ′―θリ ‐ ‐ >>基 準 モデル の 位置

54

55 5` 57 5θ

5,

60 6』

62

‐ ‐ 体 と鼻 の モデル を頭 部 モデル に関連 づ ける

“ tnelead.addChildrtheBο dy′ theFead.addChildrtheⅣ ose, …

"体

と鼻 の モデル を頭 部 モデル に関連 づ ける

Ч カ メ ラ視点 か らの ライ トの作成 “ コemberr』 ′.new■ lghtr"camera■ ig力 t"′ :spο t′ ‐ p>カ メ ラ視点 か らの ライ トの 作成 ・ ・

63

64 65

66 67

‐ ‐ くく自分 自身 の モ デルの色の設定

memわ errl'・ newshaderr"mySelf"′ Istandard′ 口ysei frextIIre = me口 わerri′ ・It

nemberr・

aο "′

e″

rexturer"myseifrexture"′ ifroコ CastJeコ ber′ ヽ


6.4歩 行者 デ ー タの作成 63

memberrl'oshaderr"myseif"り

69

`>自

67 。texture

= mysei frexture

分 自身 の モ デ ル の色 の設定

70

71

‐ ‐ くく群 衆 の モデル の 色 の設定 melaber rIり 。 newshaderr"crowd"′

72

istandard,

memberrIり 。Shaderrmcrο ″d・ ′.tranSparent = θ0

73

74

…>>群 衆 の モデル の 色の設定

75

76

¨くく地 面 に非表示 の ワイヤー を作成

77

ground_meshJο delrame = Inemberr"groulld_mes力

",.Inodei fi J.Ilam e

melnber ri′ 。cione‖ 。deIFrolnCastJemberr"groulld_lll e s力

"′

ground_mes力 Iο delFame

′`

7,

memberr"ground_mesh",

θO

memberri′ 。コοdeir・ groulld_コ es力 "′ 。transformoPο sitiο コ = vectorr2000′ 0′ θ000リ lnember rl,.neWShaderr"CI"′ Istandard′ 。renderStyle = ,vire menberrIり 。■οdei r"grο und_mes力 ",。 shader = コemberriり 。shaderr"CJ"リ memberri,。 odelr"ground_mes力 "′ .viSiblllty = inolle

θi θ2 θ3

‐ ‐ >>地 面 に 非“ 表 示 の ワ イ ヤ ー を作 成

θ

`

θ5

86

θ7

“ to the frame 9o

θ8

…>>℃ reare"ボ タ ンが 押 され る ま で プロ グ ラム の 進 行 を止 め る

℃ reate"ボ タ ン が 押 され る ま で プロ グ ラム の進 行 を止 め る

θ,

,O

ell d

,1

92

‐ 一 歩 行 者 の デ ー タの 作成 一 ‐

93

οn

mouseyp

94

95 ,6

,7 ,θ

99

100 10』

102 Iθ

3

>群衆 の人 数 をユ ー ザ の ス カ か ら読 み込 み

TIPeople = menberr"rIPeople"り IPeoPle = val● erTIPeoPie′

・text

『 ― 群 衆 の人 数 をユ ー ザ のス カ か ら訪 み込 み “ ‐ ‐ >>歩 行群 衆 モ デ ル の 作成

repeat with i = i tο TIPeoPie - 1 ●emberrI′ ・ cl οll e“ OdeiFrOmCastremberr"mο delHll′ "head"′ memberriリ リ memberrl,。 Inodei r"model"`i′ ・ trallsfor口 。Positiο コ 言 vectorr`520 + ran―

do■ r350,′ ヽ

10`

105

』06 二〇7

160′ 2715 + randο コr1250,,

end repeat ¨ 歩行群衆モデルの作成 “

‐ ‐ 10θ >>ユ ーザ自身 の歩 行者 モデルの 作成 10, コe口 berri′ 。clο nelο delFroaCast“ emberr"model"G TIPeople′ "力 ead"′ mem― berrl,, 110 menberriり ・コ。deir‖ Inο del"[rIPeoPle,・ transfο rmoPositi。 ■ = vec― tο rr`ο

111

οο′160′ 3500′ -く くユ ーザ自身 の歩 行者 モ デルの 作成

112

113 I』

115`

‐ ・ ・ cく 歩 行群 衆 の 初速 度 の決 定

repeat i = i to TIPeoPie -1 Vxri′ vith = ο


6.4歩 行者デ ー タの作 成 I16

68

117

7z ri′ = ο。9 end repeat

』』θ

―>>歩 行群衆 の初速 度 の決定

119

120

く く歩 行群 衆 モデル の 色 の適 用

121

cro″ dShader = melnberrユ リ。Shaderィ Hcrο ″d",

122

repeat with i = I tO rⅣ PeOple _1

123 124

125 126

127

memberィ Iり 。mOdei rmlnodel"=i,。 shader = crowdshader memberriり 。mOdelr"modei"Gi,.● 力1ldrIJoshader = crowdShader

memberrl'。 口odelィ "model"`Iり ・。力ildr2′ 。shader = cro″dshader elld repeat →

>歩 行群 衆 モデル の 色 の適 用

12θ

129

‐ ‐ くくユ

1,O

nyseifshader = memberrIり

1,l

i32 』33 』34

memわ

=ザ 自身 の歩 行 者 モデル の 色の適用

。Shaderr"myseif",

erriり ・ Inodei r"Inο del・ l TIPeOpleり

memberrIり ・alodei

。Shader

= mysei fShader

PeoPie,。 childri′ 。sllader = myselfshader 1nemberrl,.lllodel r"modei"』 IPeο ple,。 Chlldr2′ 。shader = mysei fSIlader 『 r"■ lodel"G TⅣ

¨>>ユ ー ザ自身 の歩 行 者 モデルの色の適用

IJ5

136 1'7 13θ

139

‐ ‐ くくユ ー ザ自身 の モデル の初速度 を2/Jヽ に設定

7xrTIPeο ple′ = 0。 3 7zrrⅣ Peopler = 0.θ l ‐ ぅ>ユ ー ザ 自身 の モデル の初速度 を4/Jヽ に設定

140 1`』

―くく初 速度 か ら歩 行者 モ デルの向 きを設定

142 14, 14` 145 ユ46

repeat with i=I tο

‐ →>初 速度 か ら歩 行者 モ デ ルの向 きを設 定

`7 I`,

rⅣ Peο Pie

力ttmanPos = memberr」 り ・コ。delr"Inodel"ι 」り。WOridPο sitioll 力tlmanCaze = 力umanPos + vectorryxril′ ο′yz ri′ ′

memberrl'・ コοdeir"口 odel"11,.pο intitrね InanCazeリ ・ end repeat

I`θ

150 i51

152 15, 154 155

156 157

…>>ユ ー ザ歩行者 の視点 の設定 カunanPos = melnber rl'.コ οdelr"口 Odel膊 ple,。 WOridPο sitiο `TIPeο nPoint = vectorryxrTIPeople′ ′0′ 72rTIPeoPie′ ′

ll

■POint.■ οrlllalize r'

cameraPο s = ga2ePο lnt =

力●manPos

+ nPol■ t'15

力tlmanPos + nPο int十

`00 memberrl'・ calnera r"ね manview",。 projectio■ ■ngie = ,0 ・

memberrI′ .camera r"human7iew"り ・″οridPositiο n = cameraPο memberriり 。Calnera r"ll・ manView"り ・pointit rga2ePoint,

s

15θ

memberrl'。 modelィ

15'

"口

odel"=rIPeopleり 。addchildrmemberrl'。 camerar"力

‐ てくユ ー ザ歩行者 の視点 の 設定

160

161

-く く視 点 か らの ライ トの設定

162 163

camera■ ight = memberrl,。 119カ tr"cameraLigit", canera■ igit.spotingie = `0

16`

camera■ ig力 t.sPο tDecay = TRJE

165

cameraLigit。 ″oridPositioll = 力llmanPOs

166

camera■ igitoPο intAt rgazePο int,

ulnanvi ev"り ′


6.5歩 行行動の全体部分

69

167

memberrl'・ modeir"mο del"ε

16θ

一>>視点 か らの ライ トの設定

16, 170

…くく平面表示 の設定

171

172 17, 17` 175 176 177

cameraPos = gazePoint =

力umanPos

TⅣ Peο ple,.addC力

+ vectOrrO′

1ldrCamera■

ig力 t,

20ο ′ο′

力umanPο s

memberrl'・ canerar"tο p view",.ortね 。″eig力 t = 1000 alember rl'。 camerar"tο p View“ ,.wο ridPositiο n = caneraPο s memberrl'・ camerar"top view",.pointitrgazePoint, memberrl'・ calllera r"top 7iew"′ ・rο taterO′ ο′9ο ′

nenber(7).nodel("nodeL"&fNPeople).addchiTd(nenber(1).canera(,topviev")) ‐ ‐ >>平面表示 の設定

17θ

17, Iθ

0

lθ I Iθ 2

―くく画面 の表示 をユ ー ザ歩 行者 の視点 に設定

spriter」 ′ ・calllera = memberr」 り ・Canerar"力 unan view"′ ―>>画面 の表 示 をユ ー ザ歩 行者 の 視点 に設定

183 lθ 4

¨くくプロ グラム を進 行 させ る

lθ 5

gο tο

…>>プ ロ グラム を進 行 させ る

fralne 3

`

ユ87 lθ

θ

end mο ●seyp

6.5歩 行 行 動 の 全 体 部 分

歩行行動のプログラムは,消 極的行動の導出,積 極的行動の導出,歩 行者の位置/速 度 の導出による移動 と,複 雑 になるため,そ れぞれを別個のプログラムとして用意し,全 体 をまとめるプログラムか ら,適 当なタイ ミングでそれぞれのプログラムを呼び出す構成 に することで,全 体 の把握をしやす くした。図 6.3に 歩行行動を行 う部分 の概要を示す

.

図 6.の 歩行行動プログラムフロー


6.5歩 行行動 の全体部分

70

以下 に全 体 をま とめ るプ ロ グ ラム を示 す。 ユ

¨―――くくく

コain_script

>>>― ―__

2

3 4

5 6 7

-‐

各種 バ ラメ ー タ を設定 … Ⅲ

giobal TIPeο ple gioba1 7x ′ 7z 91ο bal x ′2 giο bal r′ rx′ rz

giObal TIBr■ 91oわ al ru′ rv gioわ al ip ′ jp

il 12 13 14

gi。 gi。 gi。 giο

16 17 lθ

19

―_ velocityrX′ Z'

coordinaterX′

__ rangerx′

z′

z′

scalar,

__ ingie betveen v and r

θ

, 10

15

__ tOtai number of people

__ rangeru′

v′

οf

__ hunan id

ゎal dP力

iu ′dP力 iv

ゎal dPヵ

iX

ゎal fx′

fz

′dPhiZ

ba1 7xl ′y21

91obal dt

the pair

_―

grad of potentialru′ v, ―― fOrcerx′ z′ sCalar, __ tο tai forcerx′ z′ -― Velο city οf next steprX′

__ deita rrtine of

Z′

οne stepリ

91oわ al humallCaze 91oわ al J′ Ix′ Hz

_― ヵuman gaze at yJlis Pollnt

gi。 ゎal myCο ordiコ ate gi。 ゎal IPS

__ cο Ordinate of lnyseif __ EPSILOⅣ ryο ュume of Potentialリ

__

口οuse mο ve

force

20

property frictio2

__ frictiο

21

prOperty stepⅣ

__ step cο unter

22

property franestep

IIコ

n

23

24 25

‐ 一籠

′`ラメ ー タの初 期僣 を設定 ― ‐

oa begillspriterme,

26

x= fO′

27

z = rO′

r=rOJ

2,

rx=rO′

`O JI

rz=fOJ rIETA=rOJ

32

r● = rO′

'3 3`

rv = rOJ ip=rO′

35

36 37

jp=rO′

dPhi● =rOJ

3'

dP■ iv=rO′ dPhiX8rο ′ dP力 i28rο ′

`O

fx=rO′ fz=rO′

`ユ

42

7xl=rO′

`,

05 dt = 0。 3 ` frictio■ 1nyCoordinate =ヽ

`` `5 46 `7 4θ `, 50

51 52

Vzl=rO′

rrmenわ erri′ 。Inodel r"コ οdel膊 woridPOsitiο 口。x /100′ rVectο `rIPeOple,。 me口 berrl,。 口odelr"model"`rIPeoPie,・ ″οridPosit」 on。 2 ′』00′ J

= 1

stepFuコ fra口 eSt ep = 0。 25 ノ dt

EPS = 0.01 end

0′


6.5歩 行行動の全体部分

71

53

54 55

′ ‐ … 歩 行 行動 全 体 部 分 ……

0n exitfraner● e,

56

57 5θ

-く

く消極 的 行動 因 子 の 導 出 ス ク リ プ トの呼 出 し

cali r'Pο

5,

t ellti al′

script "pο tential"′

>>消極 的 行動 因 子 の 導 出 ス ク リ プ トの 呼 出 し

60 61

62

‐―くく積 極 的 行動 因 子 の 導 出 ス ク リ プ トの呼 出 し

63

callriコ yForceBy“ ouse′ script "口 o

6`

fxrTIPeople′ = fXrTIPeoplel

― Ix

farTIPeopleJ = fzrTIPeopleJ

― HZ

65

66

->>積

tls e_move"′

極 的 行動 因 子 の 導 出 ス ク リ プ トの 呼 出 し

67 ― くく摩 擦 力 の 導 出

6,

if vectorrfxrrIPeoPieF′

0′ fZrTIPeople′ ′.コ agnitude = 0 七カen fxrrⅣ PeopleJ = fXrTIPeoplel ― yxrTIPeoPleJ■ friction

70

71

fzrTIPeople′ = fZ rTIPeο PleJ - 7zrTIPeο Pie′ 'friCti。

72

73

end if

->>摩

擦 力 の導 出

7`

75 76

77

-く

く歩 行 者 の速 度 の 算 出 。移 動 ス ク リプ トの 呼 出 し

callrivelocity′ script "velο city_engine"′

->>歩

行 者 の速 度 の 算 出 ・ 移 動 ス ク リプ トの呼 出 し

7,

一 くく各 ス テ ップの計

θO

repeat

θl θ2 θ3

″■ile

隔 を指定

the =間 tiner

60'dt

一 時間待 ち

end repeat

->>各

ス テ ップの計 算 間 隔 を指定

θ θ5 `

-く

く初 速 度 の 置 き換 え

θ6

repeat with i=i tο

θ7

7xri′ = yxlri′ VZfiJ = 721 ri′

θθ θ, ,ο

TIPeople

elld repeat 一

>>初 速 度 の 置 き換 え

,1

92 ,3

-く

,4

95

96

く歩 行 軌 跡 デ … 夕 の 格 納

if rStepFtlコ mο d fralneStep′ = O then コycο ordinaterStepⅣ ロロ′franeStep

end if ‐‐>>歩 行軌 跡 デ ー タ の 格 納

97 9θ

stepFun = st epFula + 1

99

100 101 』02

-く

90 to t力 e frane ‐‐>>全 体 を森 り返 す

』03

104

く全 体 を藤 り返 す

end

+

』′ =

veCtο rrxrTIPeoPie′ ′0′ ZrrIPeoPiel,


6.6消 極的行動因子の導出

72

6.6う 肖極 的行動 因子 の 導 出

本節 では,歩 行者間のポテ ンシ ャルに よる消極的行動因子 の導出方法 に関 しての記述 を 行 う。

5章 の追跡 ‐追従 ポテ ンシャルモ デル よ り,あ る歩行者′の ローカル座標系 か ら見 た歩 行者 ノの相対位 置座標 を r=仁 り とす ると,あ る二 歩行者 ″ 間 のポテ ンシ ャル は

,

端 “`嗅

″1)―

αl`-2cr 4)+0.12び 唄卜げ

}(た だ し,α =」 〔島

)2.(―

讐 月

,4=。 ,79笏

)

で表 され る。 ポテ ンシ ャルの傾 きが,二 歩行者間 にかか る外力に相当す るので,叫

に よる一 階偏 “ 微分 ,お よび ッによる一 階偏微分 それぞれが ,歩 行者 ′にかか る歩行者 Jか らの外力 F;ノ の ;の

仏り成分 とな る。

イ=等 イロ 撃 F4J‐

辱J) けち

以上 の 計算 を,あ る歩行者 ′と他 の 歩行者 の 間 で行 い,そ の合力 を歩行 者 ′にかか る外 力 F`と す る と

,

ノノやイ ,2司 に p だ み し =Σ

以上 の数値解析 によ り,消 極的行動因子 による歩行者間 の相互作用力 が導 出 され る。

以下 に,消 極的行動因子の導出部分 のプロ グラム を示す。


6.6消 極 的行動 因子 の導 出 1

-― ―――くくく

73

Potential

>>>_________―

2

――――――――――――――――‐‐――――――――‐――――――

'

3

4

―各種 ′ヽラメ ー タ __

-一

5 6

gioわ al TIPeο Pie gioわ al yx ′ vz

__ tο tai ntllnber of peο ple

7

giο bal x ′z giο bal r′ rx′ rz

__ σοοrdinaterX′ Zリ __ rangerX′ Z′ scalar′

θ

, 』O

¨_ velocityrX′

giObal TIETA

z′

__ ingie betvee■ 7 and r __ rangeru′

12

giobal ru′ rv giobal ip′ jp 91obal dP力 iu ′ dPhiv

1'

91ο bal dPhix ′dPhi2

14

giobal fx′ fz

_― fο rcerX′ Z′ __ tο tai forcerX′ zリ __ delta rrtine of one step′ __ ヵuman gaze at yhis pο int

ユi

15

giobal dt

16

91oわ al hulnanCaze

17

vリ

__ ヵuman id of t力 e pair __ grad οf potentialr・ ′フリ

91obal IPS

―_ EPSII10Fry。

1・

me of Potential,

18

19

-一

20

0n pOtentialrme,

―)肖極的 行動 因 子 の導 出 ―

_

21

22

-く

く歩 行者 の絶 対 座標 を舶 出

2,

repeat with i = i tο

24 25

xri′ =memberri′ .コ οdelr"mο del"[1,。 woridPosition.x′ 100-単 位 をrmjに 変換 zri′ =memberrI′ ・mο deir"nodel"`iり ・″OridPο sitio■ .z/100… 単位 をrmJに 変換

26

27

TIPeople

end repeat

->>歩

行 者 の 絶 対 座 標 を拍 出

2,

一 くく歩 行 者間 の 距 離 の 算 出

30

,pair = 1

31

repeat with i=i to TIPeople repeat with j=I tο TIPeople

32 ,3

rxrapair′ = xrj′

34 35 J6

37

―xri′

r2rmpair′ = Zrj′ ―zri′ ‐」 rrapair′ =sgrtrpο verrrttnPair′ ′2,+powerrr2 rnpair′ ′2,り ‐ ケ行者β 与層離 TIETA rapair′ =Ilumancaze.angieBetveenrVectorrrxrapair′ ′ο′rzrapair′ ,,

-―

歩 行者 ′の進 行方向 と歩 行者 ′か ら見 た歩 行者 ′の相対 位置座標 のな す角

ipr,pair′ =1 jp rnpairJ=j コpair = npair +』

39

40

end repeat `』

`2

`3 `4 45 46 47 `a

`, 50

end repeat

行者間 の距 離 の 算 出

->>歩 -く く相対位 置座標 に変換 repeat wit, 1・

I tο llpair-1

ruri′ = rxri′ ・ sinr『 IETA ri′ リ = rzri′ ' Cο srTHETA riJ′ rvri′

end repeat ->>相 対 位置 座標 に変換

51

52

-く

く力 の リセ ッ ト


6.6消 極 的行動 因子 の導 出

74

5, 5`

repeat wit力 i=l tο TIPeο ple Fxri∫ = 0

55

fzri′ = ο end repeat

5`

57

-― >>力 の リセ ッ ト

5, 60

一 くく歩 行者間 ポ テン シ ャル・ 力 の算 出

repeat with i=l to llpair-1

61 62

if rrri′ く 5, and rri′ く> ο then s = exp r-2■ rrri′ ―ο。7,2,,

63

T = expr-95'powerrrrri′

-1.4,′

2,リ

6イ

65

■ = exp r-0.71■ pο verrruriJ′ 2,-1.20'poverrrO.45θ +rvriJ,′ B = rO・ 12■ +2■ S, 『 G = 4■ exPr-4・ rrriJ― ο.792,,ノ rriJ D = r-4'S/rri′ -22・ θ'T'rrri′ -1.`′ ′rriJリ

66 67 6θ

2,′

6,

dphiuri′ = EPs , ri.`ユ =A'BIruri′ ―c・ ruriJ― ■,D■ ruri′ リ

71

dPhivri′

72

-―

= EPs

r2.`十 AttBtt rrvri′

+ο .45θ ′―C■

rVri′

ポテンシャルによる外力のru,り 成分

7J

74 75

unallcaze = 力umanCaze unancaze.コ οrmalizer' 11caz eX = llο rma li z ed力 ●Inancaze.x ■orlna l i z ed力 ■ormalized力

76

77

ⅣIcazeZ = ormallzediumallCaze.z dPhixri′ = “ dPhivriJ彙 ⅣICazex + dp力 二uriJ・ NIcazeZ

7, θO

dP力 izri′ = dphiVri′ =IIcazeZ ― dP力 iuri′ ★ⅣIcazeX ― ポテンシャルによる外力のにり成分

eise

θ』 θ2 θ

'

θ4 θ5 θ6

dPね ixri′ = 0 12 ri′

=

ο

dp力if end end repeat ‐‐>>歩 行 者 間 ポ テ ン シ ャル・ 力 の算 出

θ7 θθ θ9

― くく歩 行 者 に か か る 外 力 の 合計 を算 出

repeat witll i=i to nPair-1

,O ,l

,2

,3

fxrip ri′ J = fxripri′ J ― dphiXri′ fzrip riJ′ = fzripri′ ′ ― dPhi2ri′

end repeat ‐‐>>歩 行 者 に か か る外 力 の 合計 を算 出

,4 95

ell d

―■

'D■

rvriJ′


6.7積 極的行動因子の導出

75

″6.7積 極 的行 動 因子 の 導 出

本 イ ンター フェースでは,個 々の歩行者 の意 志行動 を,マ ウスによる入力 を用 いて行 っ た。 そ こで,意 志行動 によって あ る方向に進 もうとす る力を Mと し,マ ウスをクリックし て い る間は力 Mが 働 き,マ ウスを放 して い る間 は M=oと した。 また,マ ウス をクリックす る位置 によって,力 Mの かか る方向を変化 させ る ことで,方 向転換 を再現 した。

歩 行 平 面 で あ るχz平 面 にお い て ,あ る時 刻 ′にお け る歩行 者 Aの 位 置 座 標 を ス

`=(χ

,ソ ′ ,4),速 度 ベ ク トル を z=lyx`,り ′

によ り,歩 行者 Aに 働 く力 を Mと i)マ

`,L)と す ると

した とき,意 志行動 つ ま り積極 的行動因子

,

ウスの入 力が無 い とき

M〓 00の ii)画

面の中央部 をクリック した場合 力 Mは ,歩 行者 Aの 進行方向に働 くため

,

M=レ

称〃 称″ 御


6.7積 極的行動因子の導出

iiり

76

画面の左右部分をクリックした場合

力 Mは ,図 6.4の ように歩行者 Aの 進行方向に対 してΨの方向に働 くため,К をッ軸 を中心にΨ回転させた方向に大きさMの 力が働 く。したがって

,

M=諭 II‖

│ │ム│[:│=尚

lyX′

OosΨ

―ル ZS′ 州′ り

`yX`S′

響 +1%00SΨ )

以上 によ り,積 極的行動因子 による力 Mが 導出され る。

=lVXt,Vyt,V20

図 6.4リ カ Mの はたらく方向


6.7積 極的行動因子の導 出

77

`

以下に積極的行動 因子 の導出部分 のプロ グラム を示す。 コouSe

1

-― ―――くくく

2 3

91oわ al TIPeο PIe gioわ al yx ′ y2

5` 6

giο

bal J′

x′

rOve

>>>― ―――――___― ―――――――‐――――――――――¨―――――――――――

__ total llumber

οf

people

-― Velocityィ x′ 2,

Jz

__

口οuse mο

―_

“ useRange property mο property rο tPο ″er

ve force

moIIse effect range

―¨ directiο n

change power

7

θ

'10

1l 12

―__マ ウス ス カ に よ る積 極 的 行動 因 子 の 導 出 部 分 一 ― ロyForceBy‖ ouse me

0コ

mο useRange=200 rotPower=`5

__中 __方

央 部 の 範 囲 を定 義 向 転 換 の角 度 を定 義

13

14

″idethOfFindOv=spriterIり 。width

15

CenterOf″ 動 dο wI = spriteri′ o bcI

¨_歩 行画面 の 幅

――歩イ テ画置Fの 中心 置

16

17 』θ

19 20 21 22 23 2` 25

26 27 2θ

2, JO 31 32

"34 35

`笠

-く

く方 向 転 換 の 方 向 を決 定

if rthe nouseF > CenterOfFilldovI + motlseRange / 2, then if rthe mouseI く CenterOfFindo″ ヨ + ″idethOfFindOv /2, then rot = rotPover eise rot = 0 end if eise if rthe mouseF く centerOf7indο ″″ ― 口ο●seRange / 2, then if rthe m。 .ser > ceaterofFin dowI ― FidethOfFindο w /2, then rOt = ―rotPο ″er eise rot = 0 end if eise rOt = 0 end if ―

>>方向 転 換 の 方 向 を決 定

J=0

36

,7 3θ

,9

-く くマウススカの有無 を検出 if r t力 e m。 ●seF > CenterofFilldovI

if r the motlseI

`O

if the mouseDOwa thell

`l 42

J = if-1.θ elld

43 ``

Fidet力 OfFlndo″ /2 , thea

ceaterOfFilldOvI + widet力 OfFindow

end if end if ウスス

カ の 有無 を検 出

`5 46

->>マ

`7

-く V = vectOr ryxrTⅣ People′ ′0′ 7zrrⅣPeople′

くユ ー ザの進 行方向 を取得

`θ

`'

y = 7.IIornalizer'

′2

, then


6.7積 極的行動因子の導 出 50

->>ユ

78

ー ザ の進 行 方 向 を取 得

5ユ

52 53

-く

く方 向 転 換 に よ る進 行 方 向 を設 定

7 = vectOrr y.x+cosrrOt,‐ 7.z'sinrrot,

5`

>>方向 転 換 に よ る進 行 方 向 を設定

55

56 57 5θ

5,

-く く積極 的 行動 因 子 に よ る 力 の 決 定 1x = ‖+7。 x Jz = J■ 7.2 一

60

61

end

>>積 極 的 行動 因 子 に よ る力 の決 定

′ ο ′v・

X'Sillrrot,+7.2■ COSrrot,


6。

8数 値積分による歩行者位置・速度の導出

79

6.8数 値 積 分 に よる歩 行 者位 置・ 速度 の 導 出 各 ステ ップにお ける個体 の位置 。 速度は,個 体 にかか る運動方程式 の数値積分か ら導出 され る。本節では,は じめにその数値積分のアルゴ リズ ムについて記述 す る。

6.3.l Taylor展 開 に つ い て 個体位置導出のための各 アル ゴ リズ ム構築 に先立 ち,そ れ らにお い て用 い るTaylor展 開 について まず述 べ る。関数 ゎ が αを含むあ る区間 ιり で,(n+1)階 微分可能な らば,こ の区間内の任意のχに対 して ,次 の式が成 り立つ。

― α α α メ=ズ αKⅨ χ )+tP(χ ― )2+… +→ p← ― )"+凡 )+ノ

│ウ

ただし ,

・× ´+0(χ ―α 》 ―α 鳥 =J° ← )"+l ρくθく1, となる。これをTaylorの 定理 といい,tは Taylor展 開の剰余項である。さてここで

,

関数胸 がαを含むある区間 ιり で,無 限階微分可能かつ,こ の区間内の任意のχに対 し て

,

‐ 歿凡 0 となるならば,Taylorの 定理より ,

・ +ザ ψ … +ヤ ψ 打 Юギ0イ Kけ の ソ “ … これ を,ゎ のαを中心 とす るテイ ラー展開 とい う。通常用 い るのは,せ いぜい n=lも し くは 2ま での近似で,あ る値 ,こ こでは αの付近 の関数 の挙動 を調 べ る際の近 似式 とし て用 い る。


6.8数 値積分による歩行者位 置・ 速度の導出

80

6.8.2外 力 …座 標 系導 出 法

歩行者をMD法 における粒子 としてモデル化 し,歩 行者 の位置を導出す るため,ま ず

,

位置のみに依存 したものを説明する。図6.5に 示 した,番 目の歩行者の位置を関数弓=4(0, 微小時間ステップを△′とした とき

,

弓"=4(′ ) rr"+1=4(′

+″ )

で あ る とし,"△ r付 近 において ,Taylor展 開 か ら,4次 以下 の剰余項 を0で 表 す と

,

→=Ю +700+7年 十 「 禦 雫+∝ 助

71Cr‐

さらに運動方程式より ,

ギ=″ 禦 ず=7 よつて ,′ 番 目の 歩行者 の 位 置 は

・‐ ピ ギ+い う ず+り 子+O《 o3) で数値積分 され る。 これ をポテ ンシ ャル じω を用 いて表す と ,

暉=Ψ より ,

・ ギ=ギ +o可 +霧 字 +気 哺 とな る。速度 は位置 の時間微分 を近似す るかたちを と り ,

‐ ず 学

か ら求め られ る。

以下 に,歩 行者位置 。速度 の導出および移動 を行 うプロ グラム を示す。


6.8数 値積 分 によ る歩行者位 置・ 速度 の 導 出 1

2 3 4 5 6

7 θ

-― ―――くくく

velocity_engine

――――

giobal TIPeoPie

tOtai number οf peoPie __ ve10cityrx′ z′ ――

giο ba1 7x ′ Vz 91ο bal x ′2 glο わal r′ rx′ r2

-― -―

g10bal THET■ gioわ ai ru′ rv

coOrdinaterX′ rangerX′

__

■ngie

z′

z′

scalar,

betveen 7 and r

__ rangeru′ v, ―― 力ualan id Of the pair

910bal ip′ ,p

ユ0

91ο bai fx′ fz

11

91oわ al yxI ′Vzl

13

>>>…

9

12

81

¨¨ tο

tai fOrcerx′

z′

__ 7elocity of llext steprX′ 2, ―― deita rrtime of one stepリ

9iobal dt 91。 わal 力umanCaze

__ lunan gaze at y力 is

i`

15 16

17

-一

―歩 行 者 の速 度 の 算 出・ 移 動 を行 う部 分 一 ―

oコ velocityrme,

repeat witll i=』

tο rⅣ people

l, 20 21

22

一 くく速 度 ・ 外 力 か ら,移動 量 の 算 出

d″ 。vex = 7xriJ・ dt + fxril■ d七 十dt/2 d“ οvez 8 7zri′・ dt + fzfil● dt'dt′ 2

->>速

度 ・ 外 力 か ら,移動 量 の 算 出

23

2` 25 26 27 2θ

一 くく歩 行速 度 の上 限 を指定

if vectorrdJovex′ θ′d“ oveZり ・コagnitude > 1.3■ dt then vectο rrdJovex′ θ′dlovez,.■ οrmalizer' 7EC = 0。 , ' vectorrd“ οvex′ 0′ d“ oveZリ dJο vex = 7EC.x

2,

30

31

dJovez = 7EC.z

end if

->>歩

行速 度 の上 限 を指定

32 ― くく歩 行 可能 範 囲 の 指定 く= O then

"34

1f dJο veZ

35

if xri′ +dloVex > `θ then

36

dloveZ = 0

if dloveX > O then

37

dlο veX = -0.5 + dloveX -0。

5キ

dt

end if 'θ

3, 40 41

else if xri′ + d‖ οVex く `, then if d“ oveX く O then dlο vex = _0.5 ' dlovex

42 `3

`` 45 `` 47 `θ

`, 50 51 52

end if elld if ‐―>>歩 行 可能 範 囲 の 指定 ‐―くく移 動量 か ら速 度 の算 出

7xl riJ = d“ οveX ノ dt 721 ri′ = d“ οveZ ′ dt 一

-く

>>移 動量 か ら速 度 の 算 出 く歩 行者 の 向 き を設定

カumanPos

= memberrl'。 口odei r"Inodel"=iり

.″ οridPο

sition

pο int


6.8数 値積分による歩行者位置・ 速度の導出 53

54

■llmallca21e = humanPο s ■ vectorrd“ over′

55

end if ― >>歩 ¨

5, 5,

口。口lerri′

向 きを設定

.口 ol・ lr"“

odel‐ 11,.tr‐ an,lateriOο・ dJoveF″

一 >>歩 行者 を移 動 さ せ る

62 63

end r,peat e■ d

`5

dJoveZ′

― くく歩行者 を移動 させる

`0

64

o′

if vectOrrd“ ovex′ 0′ dJOveg,,コ ag● ltude‐ > 0。 4● ‐ dt thell ` 力unallCa2● = 力●コanPos + vect‐ orrd″ oソ ex′ σ′d“ ove2, memberrl,・ コode■ (・ model"=i′ .pOintntri・ manCaze,

56 57

`』

82

0′

100'dHOve′ ′,vorid,


6。

9歩 行軌跡の書 き出し

83

6.9歩 行軌跡 の 書 き出 し

本 イ ンター フェースでは,指 定時間間隔 ご とに,ユ ーザ歩行者の座標位置 を取得 し,歩 行実験 の後,CSV形 式 のテキス トデー タ として,フ ァイルに保 存す ることで,ユ ーザ歩行 者 の歩行軌跡デ ー タ として,後 の分析 を行 うことを可能 にしてい る。この点 も,従 来 の ア ニ メー ションソフ トウェアを用 いての歩行群衆 シ ミュレー タに比 して,優 れた点であ る。 ちなみに,今 回 は 0。 25s毎 ,つ ま り3章 での実測デ ー タ と同様 に 4rra″

`/raの

時間間

隔で歩行軌跡 を書 き出 した。 以下 に,歩 行軌跡の書 き出 し部分 の プロ グラム を示す。

1 2 3

-― ―――くくく οutputFILE gi。 わal TIPeoPie 91。 bal 口ycο ordinate

5`

0n mOuseDOwa ne

6

― ―押 され たボ タ ン の 検 出 一 _

m = spriter meospriteFuln ,。 member

7

case m.コ alne of "『 XTreset" : callィ lreSet′ me,

θ

9

"outputFILE" 8 call riο

ユO 』l

>>>― ―_____― ――――――――――¨―――――――――――――――――――――――

utpllt′

al eリ

end case

12

end -―

1,

0コ

リセ ッ トボ タ ンが 押 され た場 合 ― ―

14

resetrne, repeat with i3i tO

15

mealber rl'。 delete‖ odeir"Inο del・ 11,

16 』7 lθ

IPeople

end repeat

gο to frane 2 end

_…

イ ン タ ー フェ ース を初期 状 態 に戻 す

l,

20

21 22 23

24 25 26

-―

ア ウ トプ ッ トボ タ ン が 押 された場 合 ――

o■ Outp● trme,

FⅣ ame=the movieWane

¨― イ ン タ ー フェ ース 書 類 の 名 前 を取 得

0JTFILE 3 string rmycoordinate′

――歩 行軌 跡 デ ー タ

setPref Frane′

― 指 定 の フォル ダ内 に歩 働

οoTFILE

跡 デ ー タ を書 き出

27 2θ

2,

30

repeat with i〓 ユ tο ⅣPeο ple 『 memberrl′ .deleteJodeir・ 口odel"=i′

end repeat gο tο frane 2

31

32

end

__イ

ン タ ー フェ ース を初期 状 態 に戻 す


第 7章 自然 な歩行空間 の再現 に向 けて

84


7.1イ ンターフェースを用いた被験者歩行実験

85

7.1イ ン タ ー フ ェー ス を用 い た被 験者歩 行 実験

6章 で構築 した仮想空間 ウォー クスル ーイ ンター フェース を用 いて,以 下 の要領で被験 者 による歩行実験 を行 つた。 ス ター ト地点か ら,通 過地点 Aを 通 り,目 的地 まで,調 査票紙面上 に記 された歩行 日 標線 に沿 つて,歩 行 を行 う。その際 の実験空間および歩行群衆流 は図 7.1に 示す a,bの 2 種類 である。 a)ス ター ト地 点 の前方 に,被 験者 の 向 きとほぼ直行す る形で,歩 行群衆流 がある場合 . b)ス ター ト時 か ら,被 験者 と同方 向 に進 む歩行群衆流の流れの中に被験 者 がいる場合 .

その際,通 過地点 A・ 目的地 お よび歩行 日標線 は調査票付録D紙 面 に示 し,イ ンター フェース上に 目印な どは設置 しな い。 これは,歩 行群衆 の流れや,建 築物 ,横 断歩道 な ど といつた周辺環境要素か ら,自 分 の位置 。方向 。速度 を判 断 させ るためであ る。 実験環境 aに おけるス タ ー ト地点・ 通過地点 A・ 目的地 の各地 点 にお け るイ ンター フェースでの画面表示を図 7.2に 示す。同様 に実験空間 bで のイ ンター フェース画面表示 を図 7.3に 示す。

a'歩 行群衆流 への合流

b'歩 行群衆流への追従

図 Z7'歩 行実験環境


7.1イ ンター フェース を用 い た被 験者歩行 実験

IC聯

:V

"EIE …

R6et

7'ス ター ト地点 □

赳 隧

肋 鯰 骰 iCh3eV…

lⅧ 慧 :VotydlΠ

″ 通週地点 ス

●■^ 咸 欝 驚 (Ch罵 I13 ◆

駆 V… Π 様

3'目 的地点 図 Zの 実験環境 aに おけるインター フェース画面

86


7.1イ ンターフ ェー ス を用 いた被 験者歩行実験

醸 れ □ V`

ll獄 :F鳥〕レ

醸 聰蠍11lt鰊 .^

7'ス ター ト地点

″ 通週地点ハ ●

11鷲 □ 「 :1驚 ょ驚終

3'目 的地点 図 スの 実験環境 bに おけるインターフ正 ス 画面

87


7.1イ ン ター フェース を用 いた被 験 者歩行実験

88

′ なお,本 歩行実験 で発生 させ た 歩行群衆流 の群衆密度 は,2章 実測調査 の際 の群衆密度 に準 じ,0。 50人 /m2と した。 歩行者間の消極的行動因子 の導 出 には,追 跡―追従 ポテ ンシ ャルモデル 喘

=EPSP‐ 0-α ヤ (た

ト4)+012σ 無門 。2]

`ス

。拭

D

+(等)21 , 4=0.7920) だし =」 I轟ギ ,α

を採択 した。式 1中 EPsは 消極 的行動因子係数である。 また,個 人の意志行動による積極 的行動因子の導出 には,6。 7節 で述 べ たよ うにマ ウス 入力 を用 い,そ の大 きさを積極 的行動因子係数 ν とした。 前述 a,b2つ の歩行実験環境 それ ぞれ において,消 極的行動因子係数EPsを 「o.ol,0.05 ,0.10」

の 3段 階,積 極的行動因子係数 ν を 「o.45,0.90,1.80」 の 3段 階 に分 け,各 行動

因子係数の組み合 わせ によ り,a,bそ れぞれ 9パ ター ンの歩行実験行 う (表

表 Zつ 歩 行実験ノゞターン 積極的行動因子係数ν 0.45

消極的行動因子係 MPs

0.90

1.80

0.01

tVDe l

type 2.

type 3.

0.05

type_4:

ⅣDe 5.

type 6.

0.10

tvoe 7

tvoe 8.

type 9.

7。 1)。


7.1イ ンター フェース を用 いた被験者歩行実験

89

消極的行動因子係数 EPSの 値 によ る,歩 行者間ポテ ンシ ャルの変化 を図

7.4か ら図 7.6に 示す。図 7.7に 各値 による歩行者間ポテ ンシ ャルの u=0 断面 を示す。

図 Zの

EPS=θ .0′

-0.

directl● n

ofi≧

計`

図 スの 消極的行動因子係数 EPS_-0.05 8PS‐ 0.■ 0

0.05 ‐0.05

directi●

` ●● f■ 計

°

7(■

)

図 Zの 消極的行動因子係数 EPS=θ .70 」lっ ru=o,

direction of Ped. ‐ ―‐ ・ ― EPS‐ 0.0■ ‐‐‐‐‐8PS ‐ 0.05 -― …― EPS■ 0.■ 0

図 ス″ 歩行者間ポテンシャル

断面


7.2消 極 的行動 因子係数 EPS/積 極 的行動 因子係 数 Mの 歩行軌跡 へ の影響

7.2消 極 的 行 動 因子 係 数 EPs/積 極 的 行 動 因子 係 数 ″ の 歩 行 軌 跡 へ の 影 響

本研究では,前 述の歩行実験 によ り,消 極的行動因子係数 EPs(o.01,o.05,0.10)と

,

消極的行動因子係数ν (o.45,0.90,1.80)の 組み合わせ別に,被 験者歩行軌跡の記述を行っ た。

7.2.1歩 行 軌 跡 の 違 いの 検 定 各行動因子係数の組み合わせによる,被 験者 の歩行軌跡の違いを比較するにあた り,ま ず,そ れぞれに見 られた歩行軌跡の違いは,実 験の誤差程度のものなのか,行 動因子係数 の違いによって,明 らかな違いがあるのかを,検 定する必要がある。 そ こで,行 動因子係数の違 いによる,歩行 日標線 と,被験者の歩行軌跡 とのずれの大き さ注Dに ついて,分 析を行 つた。

注 1)歩 行 日標線 と被験者 の歩行軌跡 とのずれ 被験者 Aの 時刻 1に おける位置座標 を Atと し,A:と 歩行 日標線の最短距離 を,歩 行 日標線 と被験者 の歩

行軌跡とのずれ4と する.こ の4の 算出を△t秒 毎

(本 研究では,0.25秒 毎)に 行つた (図 7.8).

Att△

t

図 スの 歩行動跡と歩行日標線のずれ


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極 的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 へ の影響

91

0,肖 極的行動因子係数 EPsの 歩行軌跡 への影響の検定

EPSの 値が,0.01,0.05,0。 10の それぞれの場合の 歩行軌跡 と歩行 日標線 のずれ に ,

関す る基礎統計量を表 7.2に 示す。 これより,統 計量 rは

(た

,

だし,:標 本1の 標本数件 標本平均■,標 本標準偏差4, 標本 2の 標本数 ″2'標 本平均 x 2'標 本標準偏差 %)

より ,

EPS=0.01

く¨ >EPs=0.05

の比 較

EPs=0.01

く‥ >EPs=0。

の比較

10

r=5。 73 →

=1.008*108

4.03

確 率 を =5.655ホ

卜つ 。 62

確率 を

EPS=0。 05く _>EPS=0。 10 の 比 較

確率 ″

10‐

5

=0

よ つて ,い ず れ の 組 み合 わせ に 関 して も,確 率 ″ く0.05よ り,EPsの 値 に よ り被 験 者 の 歩 行 軌 跡 と歩 行 日標 線 の ず れ は 異 な る とい え るので ,消 極 的行 動 因子 係 数 EPsは ,被 験 者 の 歩行 軌跡 に 影 響 を与 え る とい え る。

表 Z″

EPS値万Jf歩 行動跡 と歩 行 日標 線 の ずれ

EPS 標本数

(point)

辱ゃ 、 .m.… … 標本標準偏差 (m)

0.01

0.05

2340

2203

3.023 10.622

1.585 5.712

0.10 243〔

4.419 13.233

○積極的行動因子 係数ン の歩行軌跡 へ の影響 の検定 ″ の値 が,0.45,0.90,1.80の それぞれの場合の,歩 行軌跡 と歩行 日標線 のずれ に 関す る基礎統計量 を表 7.3に 示す。

表 Z3'M値房りr歩 勧 跡 と歩行日標線 の ずれ M

曜杢豊 (pOint) 震本 平 均

rmヽ

標本標準偏差 (m)

0.45: 2776:

0.90: 2154:

1.80 2046

5.159

1.688

1.643

14.032:

6.977:

6.830


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 への影響

92

これ によ り,統 計量 多は,

″ =0。 45

く_>″ =0。 90

の比較

″ =0,45

く_>″ =1.80

の比較

ν =0。 90

く_>y=1.80

の比較

T―

ll。

32→

卜 11.45→

確率 2P=0 確率 を

=0

T-0。 21 → 確率 ″ =0.835

よって,y=0。 90の 場合 とy=1.80の 場合 の組み合 わせ を除 き,確 率 ″ ので,″ の値 が小 さい場合 (0.45)と

<0.05な

,大 きい場合(0。 90,1.80)と では,被 験者 の歩行軌跡

と歩行 日標線のずれは異な る といえるので,積 極的行動因子係数″ は,被 験者 の歩行軌跡 に影響 を与 える といえる。積極 的行動因子係数νの値 のみを歩行軌跡 を決定す る要因 と考 える と,Mの 値 が 0.90の 場合 と1.80の 場合で,明 らかな違 いが見 られなかった ことか ら

,

本歩行実験で は,″ =0。 90の 場合 にすで に 自分 の意志行動 を充分 に満足す るだけの積極的 行動因子が得 られていた と考 え られ る。 以上 によ り,被 験者の歩行軌跡 は,消 極的行動因子係数 。積極的行動因子係数 に影響 を 受 けて,変 化す るとい える。

7.2.2各 実 験 に お け る被 験 者 歩 行 軌 跡 次 に,各 行動因子係数の組 み合 わせ による,被 験者 の歩行軌跡 の違 い を比較す る。 ○歩行群衆流 へ の合流 まず ,前 述 a)の ス ター ト地点の前方 に,被 験者の向き とほぼ直行す る形で,歩 行群衆 流 が あ る歩行実験環境での結果 を図 7.9に 示す。 いずれの場合 も,図 の上 方か ら下方 へ と向か う歩行軌跡である。 図中灰色の点線 は,各 被験者 の歩行軌跡 を表 しり黒色の実線 は,各 被験者 の歩行軌跡 か ら算 出 した平均的動線注aを 表す。また,黒 色 の点線で,歩 行実験 の際 の歩行 日標線 を示 した。 注 2)平 均的動線 あ る歩行者 ゴの時刻 1に おけ る位 置座標 ベ ク トルをAlと す る。n人 の歩行者 ズト1,2,¨

る位置座標ベクトルの重心位置で は

"n)の

おけ

時刻 `に

だ=÷ Σ な る 。 A:と

こので を△t毎 (本 研究では0。 25sec.と した)に 算出し,そ の時系列変化を記述したものが,n人 の歩 行者の平均的動線となる。


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 への影響

93

積極的行動因子係数 ν =0.45と した場合 は,い ずれの場合 も自分 の意志行動 を実現 す る事 が 困難であ るため,歩 行軌跡のゆ らぎが大 きい。 消極的行動因子係数 EPS=0.01で

,積 極的行動因子係数 ″ =0。 90,1.80の 場合 は

,

他 の歩行者 か らの影響 をほ とん ど受 ける ことな く,自 分 の意志行動の通 りに歩行 を行 うこ とが可能であるため,歩 行軌跡 のゆ らぎも小 さ く,歩 行 日標線 に も近 い軌跡 をた どること がわか る。しか し,他 の歩行者 か らの影響 をほ とん ど受 けない状態で歩行 を行 うため,他

積極的行動因 子係数 r″

∽ヽ﹃・ . 黒 選﹄図 麒 ξ鎗卿 涎 lm)

(ml

図 Zの 実験空間 aに おける被験者歩行動跡

― ― ― ― ―各被験者の歩行軌跡 平均的動線 ―・…・…・歩行 日標線 ―


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 へ の影響 の歩行者 との衝突 な どが実験 中 に多 く見 られた。

表 7.4に ,各 実験 における被験者 の平均的動線 と歩行 日標線 とのずれ の最大値 を示す。 また,各実験 にお ける,被験者 の歩行軌跡 と歩行 日標線 とのずれの平均値の推定注のを

,

信頼度 95%で 行 つた

(図 7.10)。

表 スイリ歩行軌跡と歩行日標線のずれの最大値

爾爾艤

f/ν

raィ5

2.EPS′ θ.Of/″

:a"

θ.EPS

ra"/ν

ff.“

鱚 9

蜃 一

︱ ¨  一 ﹃     一 〇

瞑 鰈 爾 _吻

イ.E2S iaの ノ″

ra杏

i EPSIθ .θ5/″

ra"

レ r」 .“ ノ」

躊   一

一 爾 一

Z EPSra2θ

膵一

¨ 1 ¨  一 漑 ﹄ 艤 颯 蠅   一 欄   ︱   ︱ ︱ ︱ ︱   ︱ ︱ ︲ ︱       ・ , , , ,

`JRS raの

/ルrraィ 5

&EPS rafOノ ″ ra"

兌Psralθ

図 Zlの 実験空間 aに おけるずれの推定平均値

f." 「′ /ル

r.EPs raθ

9  9  ︼ ︱ ゆ. 圏 圏 瞬 麟 駿 爾

撚麟鰹 鋼勲融機

“ ︱

鱚画隕舅 艤 …


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極 的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 への影響

95

その結果,EPs=0.05,y=0。 90,1.80の 組み合 わせでの実験結果 が,特 に歩行 日 標線 とのずれが小 さい ことが わか る (図 7.10-5,6). 他 の歩行者か らの影響がほ とん どないため に,ほ ぼ 自由歩行が可能であった図7.10-2,3 以上 に,他 の歩行者 か らの影響が考慮 され る図 7.10‐ 5,6で ,よ り歩行 日標線 に近い歩行 が 実現 されたことは,歩 行群衆流 に身 を任せ ることで,特 に意識せずに目的地 までた ど り着 ける とい う群衆 の ナ ビゲ ーシ ョン性 が見 られた ことを示唆 してお り,仮 想空間上での方 向 感覚・ 空間感覚の向上 には,群 衆 との関係 を考慮 した人 間行動 モデルが必要であ るとい え る。

注 3)平 均値 の指定

″ =7土 イ ガ了 :考

(た

だ し,が 標本数,7:標 本平均,“ :標 本標準偏差,″ :母 集 団平均

α:有 意水準 ,Zじ イ ):推 定の定数)

,


7.2消 極 的行動 因子係数 EPS/積 極 的行動 因子係数 Mの 歩行軌跡 へ の 影響 ○歩行群衆流 へ の追従

96

次 に,前 述 b)ス ター ト時か ら,被 験者 と同方向 に進む歩行群衆流 の流 れの 中 に被験者 がい る歩行実験環境での結果 を図 7.11に 示す。 いずれ の場合 も,図 の右方 か ら左方 へ と向か う歩行軌跡である。 図 7.9と 同様 に,各 被験者 の歩行軌跡 を灰色の点線 で,各 被験者の歩行軌跡か ら算出 し た平均的動線 を黒色の実線で,歩 行実験 時の歩行 目標線 を黒色の点線で表 した。

0∞

EPS,09Mo45

(m)

図 Zlつ 実験環境 b に お ける被験 者歩 勧 跡

― ― ― ― ―各被験 者の歩行軌跡 平均的動線 …・―・…・歩行 日標線 ―


7.2消 極的行動因子係数 EPS/積 極 的行動因子係数 Mの 歩行軌跡 へ の影響

97

aの 結果 (図 7.9)と 異な り,積 極的行動因子係数″ が,0.45と 小 さい場合で も,歩 行軌跡 に大 きなゆ らぎは見 られ な い。また,9パ ター ンいずれの場合 も,aの 結果 と比 べ ると,歩 行軌跡 の ゆらぎが小 さ く,〃 の値 による大 きな違 いは見 られない。 表 7.5に ,各 実験 にお ける被験者の平均的動線 と歩行 日標線 とのずれ の最大値 を示す。

表 スの

と歩行 日標線のずれの最大値 M 0.01

EPS

0.05 0.10

晰轟 圏醸爾轟

f.EPS faθ f/■ィraィ 5

爾1重 饉爾爾蜃

4 EPSra05/〃

raイ 5

■ 爾 %0540M M圏 渕

Z EPSrθ .10ノ ν

圏閣 醸 腱 :車 園

囲 麺

漑鑢 哩軍国爾

raイ

5

0.653

0.488 0.589

2.449 0.384

2.489 0.760

1.80

3.EPS raθ

%

1/ν ′ I.8θ

033● 仁 鶉 鐵 爾

爾 爾

,EPS raθ 5/〃 ra"

艤 翻 翻。 苗

翻爾

吼 涸

C,EPS fι た の ノルr ff.“

趙 鰺

0.90 0.852

2 EPSiaθ F′ 〃 ra"

0.45 0.288

爾赳 鰺爾爾鐵 軍

&EPSra10/ル「」θ,9a

tt EPs lalθ ′ルrff.∂ θ

隕瑕 隕鰈博:隕

:

図 ZO実 験空間 bに おけるずれの指定平均値


7.3実 空間 にお ける歩行軌 跡 との比 較

98

また,各 実験 における,被 験者 の歩行軌跡 と歩行 日標線 とのずれの平均値 の推定 を,信 頼度 95%で 行 つた結果 (図

7。

12)か らも,aの 場合 と比べ,か な り歩行 日標線 に近 い歩

行が可能であったことがわか る。 これは,被験者 が実験 開始時か ら歩行群衆流 の流れの中にい る ことで,自 然 と群衆 の流 れ に身を任せ て行動 を行 つていたため と考 え られ る。つ ま りbの 実験環境の ように,被 験 者 と歩行群衆流 が常 に同方 向 に向か う場合 には,群 衆 のナビゲー シ ョン性 が よ り強 く見 ら れ ることを示 唆 してい る

.

7.3実 空 間 に お け る 歩 行 軌 跡 との 比 較

実空間での歩行行動 は,先 に も述 べ たよ うに,常 に 自 らの意志行動のみに従 い,積 極 的 に歩行 を行 うわけではな く, ときに消極的 に人の流れ に身 を任せ なが ら歩行 を行 った り ,

絶 え間な く変化す る周 囲 の人 の動 きによ り空間感覚や方 向感覚を失 うことな く歩行行動 を 行 つた りと,群 衆 との関係 を切 り離 して考 えることはで きない。 7.2節 よ り,仮 想空間 ウォー クスル ーイ ンター フェース を用 いた歩行行動 にも,周 囲 の 群衆 か らの影響 による空間感覚や方向感覚 の 向上が確認 された。 本節で は,イ ンター フェース を用 いた歩行実験 の結果 と,2章 実空間での被験者 に よる 歩行実験 の結果 との比較 に よ り,実 空間に近 い 自然な歩行行動 を,イ ンター フェース上 に 再現す るための,「 積極的行動因子係数」および 「消極 的行動因子係数 」を明 らかにす る。

実空間での被験者歩行実験空間 は,イ ンター フェース歩行実験 aと 同様 の,東 京都渋谷 駅 ハ チ公 口交差点である。また,ス ター ト地点および 目的地点 は,撮 影機材等の制約か ら

,

イ ンター フェース実験のそれ とは多少異なるが,歩 行群衆流 との関係 は,ほ ぼ同様であ る ため,比 較検討 を行 うこ とが 可能であ るとい える

.


7.3実 空間にお ける歩行軌跡 との比較

99

まず,実 空間での被験者 による歩行軌跡 と,実 空間被験者 歩行実験 の際 の歩行 目標線 と のずれ を算出 (表 7.6)し ,イ ンター フェース歩行実験 aで の結果 (表 7.7)と の比較 を 行 う。比較 には差 の検定 を用 い た。 以下 に,統 計量 rを 示す。 しPst消 極的行動因子係数/″ :積 極的行動因子係数 )

1辟s:0.01/″ :0.45で の結果 との比較 統 計量

r=7.267

->

確 率 ″ =3.710Ⅲ 10‐ 13

2腑s:0.01/″ :0。 90で の 結 果 との 比較 統 計量

r=2.911

確率 ″

=0.004

3総s:0.01ん r:1.80で の 結 果 との 比 較 統 計量

r=4.013

5

確 率 を =6.440*10‐

4PsO.05/И O。 45で の 結 果 との比 較 統 計量

r=5。 252

->

確率

2P=1.504ホ 10‐ 7

5辟s:0.05/豚 0。 90で の 結 果 との 比較 統 計量

r=2.494

確率 ″

=0.013

6.EPS:0.05/肱 1.80で の 結 果 との 比 較 統計量

r=5。 631

->

確 率 ″ =1.797・ 10‐ 8

7麟s:0.10/豚 0.45で の 結 果 との 比較 統計量

r=12.317

確率 ″

=0

8聯s:0。 10/7:0。 90で の 結 果 との比 較 統 計量

r=3.149

確率

2P=0.002

9聡s:0.01ん r:1.80で の 結 果 との 比 較 統計量

r=0。 956

->

確 率 ″ =0。 339

表 スの 実 空 間 にお ける歩 行動 跡 と歩 行 日標 線 の ずれ 実空間 際本 数

39ε

標本平均

1.123

F_水 標 準偏 差

087A

表 Z″ インターフI― ス歩行実験 aに おける歩勧 跡 と歩行日標線のずれ EPS M こ数

標本 平 均 朦 太 種 菫 4H差

0.01

0.45

0.90

1.80

0.45

884

727 2.063 8.617

729

858

4.089 12.061

2.689 10.469

2.720 8.810

0.05 0.90 682 0.890 2.159

1.80

0.45

66〔

1034

0.830 0.719

0.10 0_90

745

1.80

654

8.097

2.052

1.301

18.150

7.957

4.620


7.3実 空間にお ける歩行軌跡 との比較

100

また,イ ンター フェース上での各実験 (1∼ 9)の 結果ィ と,実 空間での結果か ら,信 頼度

95%で の平均 の推定 を行 つた

(図 7.13).

この結果 ,1-8の 場合 ,確 率 を

<0.05よ り,実 空間での歩行 目標線 とのずれ と,イ

ンター フェース実験での歩行 日標線 とのずれ は,異 なるとい えるので,実 空間 とは違 った 歩行環境 が作 られてい ると考 え られ る。

9の 消極的行動因子係数 EPs:0.01か つ積極的行動因子係数И l.80と した場合 の結果 が,確 率 2P〓

0。

339>0.05で あ る こと。および図 7.13の 結果 よ り,歩 行軌跡 と,歩

行 目標線 のずれ の分布が,実 空間のそれに最 も近 い ことか ら,こ の 9パ ター ンの中では

,

もつ とも実空間での結果に近 い と思われ る。

したがつて,本研究 で構築 したイ ンター フェース上では,消 極的行動因子係数 を0。 10, 積極 的行動因子係数 を1.80と す ることで,実 空間に近 い歩行行動 が再現す ることがで き る と考 えられ る。

8PS:o.o■

EPS:0.0■ “ 実空間結 果

IEPS 8 0.0■

11:● .90

:0.45 BPS=0.05

M:o.45

8PS=0.■ O

M:1.00

EPS=0.05

M:0.90

M:■

BPS=0.■ O

EPS:o.05 .80

BPS=0.■ 0

図 スプ7'各 歩 行実験 にお けるでの歩行日標線 との ずれの推定平均


第 8章 まとめ

101


8ま とめ

102

本研究 では,群 衆 歩行者流動 の 実測調査 によ り得 られた,同 一 方 向に進 む群衆 内 二 歩行 者間 の相 対位置 。相 対速度 。相 対加 速度 の 時系列 変化 の解析 に よ り,以 下 の 点 を明 らか に した。

1.群 衆 内の追従行動 には,追 従 して い る状態 「追従相 」に移行 す る直前 に,前 方歩行者 を 追跡 す る状態 「追跡相」が存在 す る。

2.群 衆密度 0.10∼ 0。 70人 /m2の 範 囲 において,追 跡―追従相 の転移が発生 し,群 衆密度 の上 昇 とともにその頻度 も高 くな る。 「追跡相 」にお け る二歩行者間距離 は約 1.33m,「 追従相」における二 歩行者間距離 は 約

3。

0.792mと な る。 4.追 跡―追従行動 に対す る影響領域 は,長 径約 2.74m,短 径約 2.38mの 進行方 向 に長 い 楕円 となる。

群衆 密度 と単独 歩行者 によ る群 衆流動横断 の 関係 か ら,二 歩行者 の接近 限界距離が 0。

455mで あるこ とを明 らかに した。 以上 によ り抽出 された数値 的特性か ら,群 衆 内 にお ける歩行者行動 を「追跡―追従 ポテ

ンシ ャルモデル」 としてモデル化 した。

本 モ デルを用 い,群 衆 に身 を任せての歩行,群衆流動 をうま く利用 した歩行 な どの個 々 の意志行動 とは異 な る行動因子 ,つ ま り「消極的行動因子」を考慮 した仮想空 間 ウォー ク スル ー イ ンター フェースの開発 を行 い,モ デル 内 の消極的行動因子係数/積 極的行動因子 係数の値 を様 々 に変化 させて,仮 想空間上での歩行実験 を行 つた結果,仮 想空間上での歩 行行動 において も,消 極的行動因子 による空 間感覚 ・ 方向感覚 の向上が見 られた。


8ま とめ

103

実空間で の歩行実験 と。仮想空間での歩行実験 の結果 を比較 した結果 ,本 イ ンター フェース上で 自然 な歩行空間 を再現す るための消極的行動因子係数 の値 は0.10,積 極的行 動因子係数の値 は 1.80で あ る こ とがわかった。 この ことか ら,建 築設計計画 の段 階で,仮 想空間 を利用 し,よ り自然 な空間体験 を実現 す るためには,「 自 らの意志で空 間内を移動す る」 ことに加 え,空 間内 に歩行群衆 を発生 させ ,「 群衆 に身 を任せて移動す る」 あ るいは 「群衆 の動 きを利用 して移動す る」 とい う 行動因子が必要で あると考 え られ る。 その意 味で,本 研究 にお け る 「追跡 ―追従 ポテ ンシ ャルモデル」,な らびに 「仮想空間 ウォー クスルー イ ンター フェース」は,空 間を体験 し,よ り感覚的に空 間 の善 し悪 しを判 断す るための,建 築 プレゼ ンテ ー シ ョン・歩行群衆 シ ミュレーシ ョンヘ のさきが けにな る と考 える。

本研究で は歩行者行動 のモデル化 にあた り,一 対― の二歩行者間 にお ける追跡―追従行 動 について分析 を行 ったが,今 後 は,歩 行者 の小集団化 による追跡 ‐追従行動 へ の影響 な ど,一 対他 の歩行者間での追跡 ―追従行動 に関 して も分析 を行 って行 く必要がある。


104

おわ りに

,

修 士研究 を進め るにあた り適切 なご指導 。ご鞭撻 をいただいた早稲田大学理 工学部建築 学科渡辺 仁史教授 に深 く感謝 申 し上 げ ます。 龍谷大学理工学部数理情報学科西成研究室西成 活裕助教授 に厚 く御礼 申 し上 げます。 本研究 の当初 か ら常 に適確 なア ドバ イス をして下 さった高柳 英明氏 に心 よ り感謝 いた します。 調査 を手伝 つて下 さった,藍 耕平君 ,川 井 郁絵 さん,川 鍋 昌彦君 ,森 誠博君 ,吉 沢 進君 ,あ りが とうございました。 徹夜での論文執 筆 をなごませて くれた,同 期 の皆 をは じめ研究室の皆様 に感 謝 します 。 最後 に物心両面で支 えて くれた両親 に感謝 します。

2001年 2月 長山

淳一


参考文献

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http://― 。 eeoSeikeioac.ip/uSer/Se五 chi/1ecture/Mathcolurn/mathindex.htlnl O工 学 と微積 http://1narkunocs.shinshu― u.acoip/1earn/biSeki/indeXohtinl

O運 動方程式 に関 して http://doraneco.pos.tO/phySiCS/column/biSekig.htlnl 。 「クラス ター分析」 http://aoki2.siogunma― u.acoip/1eCture/nlisC/CluStan.htlnl

。 「分散分析」

http://― 。 med.teikyo¨ u.acoip/∼ kenkOn/matuyama/anova1/anoVal.htrn 。 「統計解析・ デー タマイニ ング手法 について 」

http://― .geOCitiesocooip/Technopolis― Mars/8551/


付録


付録 A実 空間歩行者流動調査

調査実施要項

F 付録 A実 空間歩行者流動調査 調査実施要項 r

1.調 査実施地

渋谷駅ハ チ公日前横断歩道

/

渋谷パルコ前スクランブル交差点

2.調 査 日時・ 集合場所

日時 集合

: 3月 22日

: ,M12:00

(予 備 日 23日 渋谷駅 ハ チ公口

(水 )。

(木 ))

3.口 査タイムテープル

J___奎 ___■ l_X___■ ___E 鋼

合 波谷′Uレ コparti前 広 クラン功 レ 交 差 点 歩 行 実 験

デジカメ撮影

遭腱 歩 断

ロ 公

舶実

げ行

駅 谷

渋歩 ﹁IJ

4.調 査機材等

・ m:niDVビ デオカメラ ・ 三脚 ・ mlniDVテ ープ 。デジタルカメラ 。箱尺 (ボ ール紙の棒で代用)/画像補正用の基準ポール・ スター ト地点 目的地点の日印 ・ ・ アジャスターケース (図 面 を入れる綺)/歩 行実験時に被験者が持ち。画像解新時の日印とする

.

5.調 査方法

撮影班と歩行実験範に分かれ,調 査 を行 う。 ■撮影班 人数 2131人 手順 1.miniDVビ デオカメラを設置 し撮影アングルの決定

.

2.決 定 したアングルより。基準 ポールの撮影 3.決 定 したアングルより,歩 行者流鋤・ 被験者歩行行動の撮影

■歩行実験班 人数 日康員2130人 / 被険者JO人 手順 1.基 準ポールを所定の位置にたて,デ ジカメで設置位置の撮影 (× 4ヶ 所) 2.調 査員は,所 定のスター ト 地点 。目的地点にポールを持ち待機 3.被 験者は,所 定のスター ト地点から,通 遇地鳳 を通り。目的地点までの歩行を行う。 その憲,ア ジャスターケースを頭部と同程度の高さに持ち.歩 行を行う 歩行終了後。目的地調達の難易度および歩行中の留意点をアンケー ト用紙に記入する .

.

調査 実施 要項調査員配布用 ρ

.プ

/4


付録

A実 空間歩 行者流動調査

調査 実施要項

6.各 鵬査地での機材等の配置

□渋谷釈ハチ公自前横断歩道

□渋谷バルコ前スクランブル交差点

調査 実施 要項調査 員配 棚

ρ.2/4


付録 A実 空間歩 行者流動調査

調査実施要項

lV

要項

7.基 準ポール設置位置

基準ポーJbnE位 ■

渋谷駅八チ公日前横断歩道

渋谷ノUレ コ前スクランブル交差点

調査実施要項調査 員配 布用 ρ.3/4


付録 A実 空間歩行者流動調査

調査実施要項

8.歩 行実験時の歩行姿勢

アジャスターケースの トップと頭の高さがほぼ 同じになるように持つ 。

調査 実施 要項調査 員配 棚

ρ.4/4


付録 A実 空間歩行者流動調査

調査実施要項

これから,歩 行実験 を行 つていただ きます。 図1は ,各 実験地の平面図を表 したものです。図中の「蹄颯」地点から,「 A」 地点を通 り,「 Goal」 地点まで,図 に示 した経路 をたどり,歩 行 を行 つて下 さい。 その際の歩行姿勢は,図 2に 示 したように,ア ジヤス ターケースと,頭 の高 さがほぼ同 じになる様 にして下さい ,

なお,「 stanJ地 点および FCoal」 地点には,ポ ールを持 つた調査員が待機 してい ます. 「Ooal」 地点到着後,待 機 している調査員からのアンケー トに回答 して下さい。

図 1)各 実験地における歩行経路 アジャスターケースのトッフと 目の日さがほぼ目じになるよう

アジャスターケース

図2)実 験時の歩行姿勢

調査実施 要項歩 行実験被験 者配 布用


付録 B実 空間での群衆歩行者流動調査より得 られた歩行軌跡 付録

B実 空 間 での群 衆 歩 行者 流動 調 査 よ り得 られた歩 行軌跡

図 申上 方 か ら下方 へ と向 か う歩 行者 の歩 行動跡

図中下方 か ら上方 へ と向 か う歩行者 の歩行動跡

Vll


付録 C実 測調査より得られた群衆歩行者流動の再現画像 付録

Vlll

C実 測 調 査 よ り得 られ た群 衆 歩 行者流 動 の 再現 画像

3.2節 において再現 した群 衆歩行者流動 のシ ミュレー タは,3Dア ニ メー シ ョン となつ て い る。 ここでは,そ の断片 を示す。


付録 C実 測調査 より得 られた群衆歩行者流動 の再現画像

lX


付録 Dイ ンターフェース歩行実験調査実施要項

付録

Dイ

ン タ ー フ ェ ー ス 歩 行 実験 調 査 実施 要 項

実験環境 aで の歩行実験実施要項 ン メ

ンターフェース上での歩行実験 を行 っていただ きます

.

1は ,実 験環境 の平面図 を表 した ものです。図中の「Start」 地点か ら「A」 地点 を通 り,「 Goal」 地点 まで

のような経路 をたどり,歩 行 して下 さい の際,周 辺 の群衆 の流れ は,図 中「Pedestrian■ ow」 の様 になってい ます。

,

.

インター フェース操作方法 図2は イ ンター フェース画面 を示 した ものです 1.図 中の 1を 2.図 中の2を 3.歩 行操作

.

クリック して下 さい。 クリックす る と歩行が開始 されます。

図中3の 様 に画面中央部 にバ ーがあるもの として,操 作 を行 って下 さい。 このパ ーは左右 に ドラ ッグする ことがで き,マ ウス を放す と画面中央 に戻 ります。 このパ ーの位 置に よって進行方向が決定 され,マ ウス を放す と群衆 の流れに身を任せ ます。 4.目 的地 に付 いた と感 じた ら,図 中の4を クリックして下 さい。

図 1)実 験環境平面 図


付録

Dイ ンター フェース歩行 実験 調査 実施 要項

Xl

実験環境 bで の 歩行 実験実施 要項

ノ γ

エー

ンターフェース上での歩行実験 を行 つていただ きます。

1は ,実 験環境 の平面図 を表 した ものです。図中の「Start」 地点か ら「A」 地点 を通 り,「 Goal」 地点 まで,

の よ うな経路 をたどり,歩 行 して下 さい 。 の際 ,周 辺 の群衆 の流れ は,図 中「 Pedestrian now」

の様 になってい ます。

インター フェース操作方法 図2は イ ンターフェース画面 を示 した ものです。 1.図 中の1を 2.図 中の2を 3.歩 行操作

クリック して下 さい。 クリックす ると歩行が開始 され ます。

図中3の 様 に画面 中央部 にバーがある もの として,操 作 を行って下 さい。 このパ ーは左右 に ドラ ッグする ことがで き,マ ウス を放す と画面中央 に戻 ります。 このパ ーの位置 によって進行方向が決定 され,マ ウスを放す と群衆 の流れに身を任せ ます 4.目 的地に付 いた と感 じた ら,図 中の4を クリック して下 さい。

.

図1)実 験環境平面図

インターフェー


付録 Eイ ンターフェース歩行実験における各被験者の歩行軌跡

付録

Eイ

ー ス 歩 行 実験 に お け る各 被 験 者 の 歩 行 軌 跡 ン タ ー フ ェィ

実験環境 aに おける被験者 Aの 歩行軌跡

EPs:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

Xll


付録 Eイ ンター フェース歩行実験 にお ける各被験者の歩行軌跡

Xlll

実験環境 aに お ける被験者 Bの 歩行軌跡

EPs:消 極 的行動因子係数 /〃 :積 極的行動因子係数

3 ・ 7. ‘ 一 “

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付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

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実験環境 aに お ける被験者 Cの 歩行軌跡

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:消 極 的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

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付録 Eイ ンターフェース歩行実験 にお ける各被験者 の歩行軌跡

XV

実験環境 aに おける被験者 Dの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /M:積 極 的行動因子係数

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無効結果 のため除外

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付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 aに おける被験者 Eの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /M:積 極的行動因子係数

XVl


付録 Eイ ンター フェース歩行実験における各被験者の歩行軌跡

XVll

実験環境 aに お ける被験者 Fの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

EPsr a“ /″ ra"

EPS:`た Iθ ノノ レ′ 「 `た

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付録 Eイ ンター フェース歩行 実験 にお ける各被 験者 の歩行軌跡

実験環境 aに お ける被験者

Gの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /M:積 極的行動因子係数

XVlll


付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 aに お ける被験者 Hの 歩行軌跡

EPs:消 極的行動因子係数 /ν :積 極的行動因子係数

XlX


付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 aに おける被験者 Iの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

“    .    “     . .    ”


付録 Eイ ン タ ー フェース歩行 実験 にお ける各被 験者 の歩行軌跡

実験環境 bに お け る被験者 Aの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

XXl


付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 bに おける被験者 Bの 歩行軌跡

]Rs:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

XXll


付録 Eイ ンター フェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 bに お ける被験者 Cの 歩行軌跡

EPS:消 極 的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

XXlll


付録 Eイ ンターフェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 bに おけ る被験者 Dの 歩行軌跡

EPs:消 極的行動因子係数 /ν :積 極的行動因子係数

XXlV

一一 2 . ・熟 ● a , ´. ユ


付録

Eイ ンター フェース歩行 実験 にお ける各被験者 の歩行軌 跡

実験環境 bに おけ る被験者 Eの 歩行軌跡

EPs:消 極的行動因子係数 /ν :積 極的行動因子係数

XXV

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付録

Eイ ンター フェース歩行実験 にお ける各被 験者 の歩行軌跡

XXVl

実験環境 bに おける被験者 Fの 歩行軌跡

EPs:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

EPS f a05/ル rr

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PS:`た 05ノ ノ レ :′ .∂ θ 「


付録 Eイ ンター フェース歩行実験 における各被験者 の歩行軌跡

実験環境 bに おける被験 者 Gの 歩行軌跡

]零

:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

XXVll


付録 Eイ ンター フェース歩行実験 にお ける各被験者 の歩行軌跡

XXVlll

実験環境 bに おけ る被験者 Hの 歩行軌跡

EPS:消 極的行動因子係数 /ν :積極 的行動因子係数

一 . . , 一 2. “

EPSr aθ 5/Mraイ5

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付録 Eイ ンターフェース歩行実験 にお ける各被験者の歩行軌跡

実験環境 bに おける被験者 Iの 歩行軌跡

]零

:消 極的行動因子係数 /″ :積 極的行動因子係数

XXlX



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