流動の影響を考慮した立ち止まり行動のモデル化に関する研究
はじめに
私は大学生になってから東京中を随分と歩き回ったように思う。もちろん、 まだまだ行ったことのない場所は多いが、早稲田大学が大都市の中心部に立地 していたため、また、購入した定期券を生かすべく、2大ターミナルである新 宿、渋谷に接続する各鉄道を利用して気軽に出かけることが出来た。どこへ行 くにも、まずターミナル駅へ出なければいけないということもあったが、ター ミナル駅ならば友達と待ち合わせるにも、時間をつぶすにも、買い物をするに も便利であった。しかし、難点を一つ言えばとにかく人が多いことである。 まるでスクランブル交差点の中にいるような錯覚さえ起こす改札付近を通る と、どうしても人にぶつかりそうになる。そういう人に限って通路の真ん中で 堂々とこちらを向いて突っ立っていたりする。避ける気ゼロである。なぜこん な所に立ち止まっているのか。今、私にとっては邪魔者だが、逆の立場だった らどうか。それが本研究を始めたきっかけである。
2003 年度 早稲田大学 渡辺仁史研究室 修士論文