腰に負担のかからない健康すまいの研究

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はじめに

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■■�はじめに�■■  卒業論文のときに気になった、人の動作と空間、について考えてみました。人と物との 関係が、少しスケールを大きくした空間にも影響するのではないかなと思って始めた研究 です。

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目次

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目次 ■■ 0.

はじめに

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■■ 1.

目次

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■■ 2.

研究概要

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□■ 2-1 目的

□■ 2-2 本研究の流れ □■ 2-3 言葉の定義

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■■ 3. 背景

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■■ 4.

既往研究

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□□□□ 既往研究

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□■ 4-1 建築分野

□□□□ 研究の位置づけ □■ 4-2 医療福祉分野

□■ 4-3 この研究が役に立つ可能性のあること

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■■ 5. 基礎調査

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□□□□ 高齢者や障害者を取リ巻く社会状況

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□■ 5-1 住環境について

□■ 5-2 一般的な高齢者・障害者向けの住環境整備について □□□□ 一般的な住環境整備

□□□□ 住環境の整備で必要な検討項目 □□□□ 歩行能力と住環境整備

□■ 5-3 家具を利用した住環境整備について □□□□ 高齢者の住環境

□□□□ 視覚障害者の住環境

□□□□ 手すりの代用に家具を利用した例 □■ 5-4 キッチンの住環境整備について □□□□ 配置

□■ 5-5 腰痛疾患について □□□□ 腰痛疾患者の動作 □■ 5-6 腰痛の分類

□□□□ 腰のメカニズムから考える □□□□ 動きから考える

□■ 5-7 3次元動作分析装置(モーションキャプチャー)について □□□□ 歴史と利用

□□□□ 建築分野での応用事例

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■■ 6. すまいと動作に関するアンケート調査

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□■ 6-2 調査の概要

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□■ 6-1 調査の目的 □□□□ 調査対象者 □□□□ 実施期間 □□□□ 調査数

□■ 6-3 調査方法

□□□□ 1. アンケート

□□□□ 2. 住まいの間取りと動作に関する調査 □■ 6-4 調査結果

□□□□ 1.アンケート結果

□□□□ 2. 住まいの間取りと動作に関する調査 □■ 6-5 まとめ

□□□□ 動作補助

□□□□ ライフスタイル □□□□ 手をつく箇所

□□□□ 手をつく箇所と空間

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目次

■■ 7. 実験 ■■ 7-1

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実験の目的

□■ 7-1-1 目的

□■ 7-1-2 立ち上がり動作の重要性

□■ 7-1-3 立ち上がり時の関節モーメントについて ■■ 7-2

実験方法

□■ 7-2-1 実験概要 □□□□□ 実験概要 □□□□□ 日程 □□□□□ 場所

□□□□□ 実験に用いたシステム □□□□□ 被験者

□■ 7-2-2 測定する動作

□□□□□ 測定に用いた家具類について □□□□□ 各測定項目の設置について □□□□□ 設定項目を決めた根拠 □■ 7-2-3 実験手順 □□□□□ 実験手順

□□□□□ 被験者の準備 □□□□□ 装置の準備 □□□□□ 測定

□□□□□ 評価のヒアリング □□□□□ 片付け

■■ 7-3  データの読み方

□■ 7-3-1 関節モーメント測定の有効性 □■ 7-3-2 関節モーメントとは

□■ 7-3-3 腰部モーメントの計算方法 □□□□□ 腰部モーメントの計算方法

□■7-3-4 立ち上がり関節モーメントの見方 □□□□□ 有効なデータの範囲

□□□□□ 立ち上がり動作の特徴 □■ 7-3-5 無効にしたデータ ■■ 7-4

データの処理

□■ 7-4-1 得られたデータ

□■ 7-4-2 必要なファイルやプログラム

□□□□□ 各ファイルやプログラムの説明 □■ 7-4-3 作業流れ

□□□□□ Workstation での作業 □□□□□ BodyBuilderでの作業 □□□□□ 数値データの整形 □□□□□ ノイズ除去 ■■ 7-5

実験結果

□■ 7-5-1 立ち上がりの動作タイプ □□□□□ 椅子からの立ち上がり

□□□□□ ソファからの立ち上がり □□□□□ 床からの立ち上がり □■ 7-5-2 使用感評価結果

□■ 7-5-3 三次元動作分析結果 □□□□□ モーメントの平均値 □□□□□ モーメントの最大値

□□□□□ モーメントの波形と動作の関係

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目次

■■ 7-6

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分析結果

□■ 7-6-1 検定結果の見方 □□□□□ 分析データ □□□□□ 分散分析 □□□□□ 多重比較

□□□□□ 等質サブグループ

□■ 7-6-2 高齢者と若年者の違い □□□□□ 検定方法について □□□□□ 検定結果

□■ 7-6-3 立ち上がりタイプの違い □□□□□ 検定方法について □□□□□ 検定結果

□■ 7-6-4 高さの違い

□□□□□ 検定方法について □□□□□ 椅子前 □□□□□ 椅子横

□□□□□ 椅子両横 □□□□□ ソファ前 □□□□□ ソファ横

□□□□□ ソファ両横 □□□□□ 床前 □□□□□ 床横

□□□□□ 床両横

□■ 7-6-5 配置の違い □□□□□ 台なし □□□□□ 30cm □□□□□ 60cm □□□□□ 70cm □□□□□ 80cm

□■ 7-6-6 まとめ

□□□□□ まとめ/全体 □□□□□ まとめ/椅子

□□□□□ まとめ/ソファ □□□□□ まとめ/床

□□□□□ まとめ/高さ □□□□□ まとめ/配置

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■■ 8. 考察

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□□□□ 椅子

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□■ 8-1 アンケート結果と実験結果から □□□□ ソファ □□□□ 床

□□□□ 座り方の違い □■ 8-2 まとめ □■ 8-3 展望

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■■ 9. 参考資料

□■ 9-1 アンケート資料

□□□□ 住まいの間取りと動作に関する調査資料 □□□□ アンケート用紙

□□□□ アンケート説明用紙(人材センター用) □□□□ アンケート説明用紙(建築学生用) □■ 9-2 実験資料

□□□□ 各関節モーメント波形グラフ □□□□ 実験同意書 □□□□ 実験シート □□□□ 実験の順番

□□□□ ランダム発生 ■■ 10 ■■ 11

参考文献 おわりに

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目的

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■■�2. 研究概要�■■

■�2-1.�目的�■ 本研究は、住宅における公室空間 * 言葉の定義1の寸法・配置と、生活動作での腰部負荷との 関係を明らかにし、生活動作時の身体の負荷からみた加齢対応住宅の評価モデル示す。

Human info

Space info

図 2-1:身体情報と空間情報

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目的

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■�2-2. 本研究の流れ�■ 本研究の全体の流れを以下の図にまとめた。

住宅 Space Info

Human Info

すまい手が明確で パーソナルな デザインが可能

個人個人の身体状況

動作分析

アンケート Space Info

Human Info

・現状のすまいでの  寸法配置

・生活動作の実態 ・腰部負荷の実態

立ち上がり

Space Info

Human Info

・家具の配置

・腰部モーメント

・家具の寸法

・股関節モーメント ・膝関節モーメント

現状の実態と、実験結果

体の負担からみた加齢対応住宅の評価モデル

図 3-1:研究の流れ

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目的

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■�2-3. 言葉の定義�■ 本研究で用いた言葉について、説明をのせた。 1. 住宅内における「公室空間」 2. L4,L5(腰椎) 3. 立ち上がり動作

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目的

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背景

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■■�3.�背景�■■  公室空間は日常生活でももっとも多く時間を過ごす場所であるので、日常生活動作が円 滑に行えるような空間づくりが求められる。また、公室空間は、高齢者一人ではなく、家 族との共用が前提にあるので、特別なバリアフリー対応をすることなく、動作補助できる しつらえをつくるのが望ましい。  機能障害をもつひとのためのデザインとしてのバリアフリー、そしてすべての人のため のデザインとしてのユニバーサルデザインを考えるようになってきているが、住宅のよう に住まい手が明確な場合には、個人個人の身体状況にあわせてデザインがなされていれば よいはずである。高齢化住宅を考えるときには「一般的な高齢者」像というものは想定し にくい。なぜならば、加齢に伴う身体の衰えは、個人差が大きく疾患や状態も様々である からである。そのような状況の中で個人の疾患名 にまで考慮したパーソナルなデザイン というのはまだあまり考えられていない。健常で一般的な身体寸法の人に適した動作寸法 が誰にでも適するわけではなく、不自由な動作を我慢しながら続けている現状があるので ある。例えば、住宅内における高齢者の身体不調の有訴率(図 3-1 , 図3-2)で一番高い ものが腰椎疾患であることが報告されている。 [有訴率] 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

肩 こ り

腰 痛

関 節 の 痛 み

鼻 ・が 鼻つ 水ま がる で る

咳 ・ た ん が 出 る

手 足 の 動 き が 悪 い

図 3-1:身体の自覚症状で多いもの

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% [有訴率] 25

20 肩凝り

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腰痛 10

手足の 動きが悪い

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25

45

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年齢

図 3-2:腰痛、肩こり、及び手足の動きが悪いことを訴える率

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背景

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2002年度に行った「館林市と板倉町の高齢者福祉施設の問題点の研究」*13 では、 高齢者福祉施設からのヒアリングと利用状況調査から、高齢者の暮らす施設計画の中でも 手すりに問題が多く、特に共有スペースで不必要な手すり配置が多く見られた。足腰の弱 くなった高齢者への対策として、一般の住宅においては浴室や便所、廊下、階段またベッ ドの起き上がりのため、などには加齢対応として手すりの設置がよく行われているが、リ ビング・ダイニングなどの公室空間では手すりの設置はあまり行われていない。そのため、 家具に頼って歩いたり、棚に掴まって立ち上がったり、テーブルに手をついて立ち上がっ たり、といった、家具を用いた生活動作の動作補助が行わ れている可能性が高い。

図 3-3:老人保健施設食堂1*13

図 3-4:老人保健施設食堂2*13

図 4-5:デイサービスセンター *13

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既往研究

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■■�4.�既往研究�■■ ■�4-1�建築分野�■ □既往研究  建築分野では日常生活動作に関する研究は数多くなされてきている。たとえば、ダイニ ングの椅子とテーブルの高さは一般的な身長、座高、肩から肘の長さなどから、食事をと る際に使いやすいと言われる高さが目安とされている。しかし、公室空間について家具を 立ち上がりや歩行の際のバランス保持のために用いるような動作補助に用いられているこ とに関する実態調査はこれまでにない。また個別の疾患名に対応した研究も数が少なく、 腰部負荷に関する研究では「腰椎疾患を持つ人のための洗面台の高さの研究」*17 がある が、公室空間のしつらえについての研究も例がない。*1~*16

□研究の位置づけ  室内計画あたって重要なことの一つに、機能性と装飾性とのバランスをどのように組み 合わせるかということがある。このことは建築はもとより、日用の機器類にいたるまで設 計に共通した課題である。Human engineering というものは、人間機械系を考え、両者 のバランスをとって、全体としての性能を高めようとするものである。本研究では、それ をもっと狭義に考え、人間の生理を主体として、室内、家具の機能を充分によく発揮させ ようとする研究とする。

■�4-2�医療福祉分野�■  医療福祉分野においては、人の動作研究が盛んに行われているが、動作のしくみについ ての研究であるか、福祉用具を開発もしくは評価するための研究であるものが多く、広く 建築環境と動作の関係を視野に入れたものは少ない。建築環境と動作研究をあわせて行わ れた研究には、国際医療福祉大学の山本澄子、勝平純司らの研究があり *17、建築基準の 階段及びスロープと、腰部負担の関係を明らかにしている。  また、この分野での研究では、被験者の一人一人の動作を分析し、個別の特徴に着目す る研究が多いが、本研究では被験者を 14 人というこの研究分野としては多人数を集め、 全体の傾向をみることにした。

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既往研究

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■�4-3�この研究が役に立つ可能性のあること�■  現在、福祉に配慮した住まいのしつらえは、福祉住環境コーディネーターや、ケアマネ ージャー、理学療法士、作業療法士、工務店などが高齢者や障害者本人または家族から相 談をうけ、アドバイスをすることで、高齢者や障害者本人または家族が決定している。決 定は、関連職種従事者の経験や知識、高齢者や障害者本人の利用感によるのであるが、客 観的に室内の環境評価を提示することができれば、決定判断をするときの参考資料として 有益であると考える。

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基礎調査

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■■�5.�基礎調査 ■■ 基礎調査では、本研究と関連があると考えられる以下のような項目についてまとめた。

住環境に関して ・高齢者や障害者を取リ巻く社会状況 ・高齢者・障害者向けの住環境整備について ・家具を利用した住環境整備について ・キッチンの住環境整備について 腰痛疾患について ・腰痛疾患者の動作 ・腰痛の分類 モーションキャプチャー(三次元動作分析装置)について ・歴史と利用 ・建築分野での応用事例

■�5-1�住環境について�■ □高齢者や障害者を取リ巻く社会状況

わが国の人口は 2000( 平成 12) 年の時点で、約 1 億 2 千 7 百万人であり、そのうちの 約 17% が 65 歳以上の高齢者であった。少子化傾向が続くなかで、高齢化が今後急速に 進展している。また、少子高齢社会の到来は、高齢者の年金、雇用、医療、保険など、生 活のあらゆる場面での多くの問題を解決しなければ、わが国の安定した社会経済生活は望 めない。特に、高齢者の生活安定は望めないことを意味している。2000 年 4 月より実施 された介護保険制度は、これまでの高齢者の介護問題、つまり日本の福祉のありようを抜 本的に変革する内容であり、国民の大きな関心を集めた。さらに 2003 年に本格的に実施 された「社会福祉基礎構造改革」は、長年わが国の福祉を支えてきた基本概念を、根底か ら変える重要な変革である。このような新しい社会福祉を支える基盤には、高齢者や障害 者が地域社会で、生活を継続できるような、住宅の整備の必要性が位置づけられている。  具体的には、高齢者や障害者が居住できるように住宅を整備し、地域社会での高齢者 や障害者の生活の継続を可能にし、自立した生活を維持できるように、社会全体で支援す

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基礎調査

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ることが非常に重要であることは疑う余地がない。しかし、現実には、日本の住宅総数は 約 5025 万戸であり、世帯総数の約 4392 万世帯 ( 平成 10 年「住宅・土地統計調査報告」 総務庁統計局 ) を上回っている。このように住宅の「量」の問題はある程度解決してきた が、「質」の問題はまだ多く存在している。狭小住宅、設備不良の住宅、環境不良の住宅 などと併せて、現在の住宅が高齢者や障害者の身体状況に適合した建てられ方をしていな いために、多くの問題をかかえている。  近年、平均寿命が世界に類をみないほど伸長したことによって、定年後の在宅生活期間 が延長され、高齢になって在宅生活をおくる者が多くなってきている。これらの高齢者に は、これまでの住宅構造では生活しにくいことが指摘されている。一方、福祉施策が施設 福祉から在宅における生活支援へと変わってきたことによって、以前は、施設や病院で暮 らしていたような重度の障害をもつ人でも、在宅での生活を重視するようになってきたこ とで、さらに住環境整備の必要性が高まってきている。 引用 *19  また、寿命が伸長してきていることにより、健常な高齢者も増えてきている。生活に不 自由のあるある程度重度な障害をもつ人だけでなく、住宅ですごす時間の多い健常な高齢 者にとってのすまいのありかたも、考えていかなくてはならない。

図 5-1-1:人口の推移

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基礎調査

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■�5-2�一般的な高齢者・障害者向けの住環境整備について�■ □一般的な住環境整備  高齢者は若年者に比べ筋方低下、平衡機能低、持久力の低下、視聴覚の機能低下などが あり、不自然な動作が転倒・転落などの事故につなりやすい。高齢者に病気の後遺症があ れば、さらに問題は多くなる。そこで高齢者の日常生活、身体状態に合わせ、かつ対象者 のニーズに見合った整備が必要となる。目的に応じた整備方法の一部を表に示した。

表 5-2-1:一般的な住環境整備 場所

目的

整備方法

玄関

安全に外出できること

手すり、式台、段差解消機の設置など

廊下

安全に通れること

手すりの設置、通行幅員やスペースの確保など

居室

快適に過ごせること

スペースの確保、空調設備、夜間に使用しやす い証明、ベッド・車いす・ポータブルトイレの 3セットなど

落ち着いて排泄できること

手すりの設置、様式便器と温水洗浄便座、立ち座り 動作スペース確保、空調設備など

浴室

安全で快適に入浴できること

段差解消や床材の変更による滑り防止、手すり の設置、浴槽の高さ調節、シャワー椅子、バス ボード、リフト類の活用

階段

安全に昇降できること

手すりの設置、滑り止め、照明器具設置、階段昇降 機、電源確保など

台所

楽しく安全に調理できること

使いやすく安全な調理台、シンク、レンジなど

トイレ

□住環境の整備で必要な検討項目

住環境の整備は、心身に障害をもつ高齢者の介護、リハビリテーションを行うとき必要 な検討課題である。住環境の整備は AD Lの自立や QOL の向上の基本的な要素といえか らである。通常、高齢者や障害者にとって、以下のような整備が必要となる。

<危険を防止できる空間>

(1)転倒・転落がおきにくい住宅  老化現象による視力の衰えで起こる目測の誤り(照明の陰となる部分はみえにくくなる など)、脳血管障害等で起こる運動麻痺・長期臥床の結果で起こる筋力低下や注意力の散漫 などが原因となり、敷居段差でのつまずき、浴事内での転倒、上がりがまちや階段からり 転落などの事故がおこりやすい。これを防止するために、段消、手すりの設置、ノンスリ

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基礎調査

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ップの取り付けなど、住環境整備が必要となる。 (2)安全で安心できる居室  ベッド生活者では、足もとや手もとには夜間用として照明が必要となる。布団で寝てい る場合は照明のほかに、近くに安定した椅子などをおいて、立ち上がり動作時にはつかま って立つ習慣をつけるなど、転倒に対する対処が必要となる。  方法としては、段差がある個所や暗がりとない個所に確認しやすい照明器具と、確実に 操作できるように目立つ色やつかみやすい形のスイッチを選び、取り付けるなどが考えら れる。念のために、冬期は気温による血圧への影響が大き考えられることから、室温を調 整する器具も必要となる。壁紙やカーテンなどの配色や模工夫は注意力を喚起でき、転倒 防止、位置確認も可能となる。 (3)非常時の対処  火災や地震などの非常時に備えて、寝室の位置を考える必要がある。通常、日当たりが よく、風通しのよい部屋が望ましいが、非常時の避難を考えるとき、玄関や庭に出やすい 部屋が適切である。また、たんすや家具類の転倒防止措置およびたんすの上に物を置かな いようにすることが必要である。窓や家具には、ガラスめ飛散防止フィルムをはる処理を するとともに、ガラスの破片が散乱しても安全に移動できるように、スリッパや靴を寝室 に置いておく必要もある。さらに、就寝時の喫煙習慣の是正、台所や浴室の火元確認、暖 房器具使用後の安全確認の習慣などが必要となる。また、火災警報器、ガス漏れ警報器、 住宅用自動消火装置などの安全対策も考える。

<外出、避難が容易な空間>

外出、避難する経路をいくつか決めておき、そこにはあまりモノをおかない用にする。 日常使わない不必要な家具類は整理処分して、移動しやすい空間づくりをする。 外出、避難する経路は日常的に移動している場所が望ましい。廊下などにてすりを設置し ている住宅は意外と少ないが、普段何気なく目触っている箇所や、ここに手すりがあれば と感じている箇所があれば、固定できなくても椅子などの家具を置くと役に立つことがあ る。

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□歩行能力と住環境整備

要介護高齢者の介護は、自立度に合わせて行われる。通常、移動能力で介護度を分類す る方法が用いられる。ここでは介護度を屋外歩行レベル、屋内歩行レベル、車いすレベル、 座位移動レベル、寝たきりレベルに分類して住環境整備の違いを述べる。なおいずれも介 護を行う介護スペースを確保しなければならなしのは明らかなことである。

<屋外歩行レベル>

このレベルば杖と下肢装具を使用すれば、軽度の片麻痺や関節障害などの何らかの障害 があっても、日常生活にほとんど不自由さを感じていない高齢者である。近所での買い物 や交通機関を利用しての外出が可能で、身体機能面から、住環境整備をそれほど必要とし ない。しかし持久力の低下やバランス機能の低下などの現象が進行することを考えれば、 段差解消や滑りにくい床材への変更など、住環境整備を進めておくべきである。外出時は、 階段昇降時には必ず手すりにつかまる、エスカレーターやエレベーターなどを活用して転 倒・転落に注意することが重要である。

<屋内歩行レベル>

このレベルは、筋力低下のある虚弱な高齢者麻痺者、転倒しやすいパーキンソン病者、 無理な運動負荷をかけられない心疾患者などで、伝い歩きや歩行に介助を必要とする高齢 者である。一般的に、屋内の移動や食事、排泄などの ADL は自立しているが、外出など は解除を必要とする身体機能レベルから、寝たきりレベルほどではないが、歩行に介助が 必要であったり、ADL のうち入浴や排泄などには介助を必要とする身体機能レベルまで が対象になると考られる。  このレベルは、安全な歩行を妨げる段差や床の滑りやすさなどの住宅構造上の問題で、 住宅行動が制限されることが多く、このような部分には段差解消のほかに、手すりや滑り 止めり付けるなどの住環境整備が必要となる。たとえば敷居にはすりつけ板を設置するな どの整備を行う。また、右片麻痺があれば左手でしっかり握ることができる位置に、トイ レや浴室では立ち座り動作に適した位置に手すりを設置する。解消しきれない段差は、患 側の足でも昇降できる程度まで小さい段差に緩和・分割する必要がある。

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基礎調査

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<車いすレベル>

このレベルは、運動麻痺あるいは他の障害があるが、ベッド上の端座位 ( ベッドに腰か けて床に足を下ろした姿勢 ) が可能で、車いすへの移乗が自立または介助で可能な高齢者 である。また、座位姿勢の保持力はあり、車いすがあれば介助で外出し近隣を散歩できる。 ベッド上で過ごす時間は長いが、車いすにより住宅内の移動やベッドから離れて日中を過 ごすことが可能となるレベルである。このレベルは車いすで屋内移動が制限されないこと、 屋外へ出やすいことが住環境に必要である。たとえば車いす、ポータブルトイレがあれば 日中はベッドから離れて生活ができる。また日中、立ち上がり動作や端座位、立位保持の 運動が行われることで廃用症侯群を防止できる。車いすで隣の部屋へ移動するなど家族と 生活空間を共有することで、孤立感や孤独感を解消できることもある。

<座位移動レベル>

このレベルは、床に座った姿勢で這う、または手と膝で這う動作でのみ屋内の平面移動 が可能な人々で、座位移動と車いすとを併用する場合があるので、ニーズに応じて生活様 式を検討する必要がある。布団を床に敷いて就寝するような和式の生活を希望するならm 屋内段差をを完全に解消する住整備環境が望ましい。たとえば、便器は洋式ではなく和式 に、浴槽は床に完全に埋め込み式にしたり、リフトを使って入浴する方法を考える。また、 ベッドで就寝する洋式の生活を希望するなら、車いす生活者と同じように考える。車いす は座席昇降式車いすとし、家事などは手の届く範囲で最小限行える環境を整備する。

<寝たきリレベル>

重度の運動麻痺や内部障害、長期臥床による拘縮で運動制限があるなどの高齢者である。 一日中「寝たきり」の生活が中心で、ADL もベッド上で行うレベルである。寝たきりに よる弊害は本人の苦痛だけではなく、介護者の精神的・肉体的負担も増す点である。同じ 寝たきり姿勢にしないために、体位変換をしやすい住環境整備が必要である。たとえば、 寝室は温度や湿度を調整し、家族が目を配りやすいよう配慮をする。ベッドはハイアンド ロー ( 高さ調節 ) 機能付きギャッチベッドを使うと介護がしやすい。マットレスは褥瘡防 止のために無圧式 ( 臥床時の圧を集中しないように分散させるマットレス ) がよい。サイ ドレールは必ず使用するが、取り付ける位置に注意が必要となる。これは重度の片麻痺で も、手が使えれば、サイドレールにつかまって寝返り動作ができる可能性があり、この場 合は、褥瘡を自力で防止できるからである。

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■�5-3�家具を利用した住環境整備について�■ □高齢者の住環境

高齢者や障害者の住環境を整備するときに、平面計画や断面計画、詳細計画を綿密に詰 めても、実際の生活動作に大きくかかわる家具類にはほとんど配慮がなされないのが従来 の方法であった。しかし、実際にはいすや机などの家具が生活の利便性や安全性に大きく 関与するし、家事や整容などに関する道具類の選択も、家具と同様に生活動作の利便性や 安全性を大きく左右することになる。したがって、これらの選択においても、生活環境を 整備するという視点に立って、高齢者や障害者を支援すべきである。

<家具の配置>

住宅改造では、間取りや部屋の広さを変更することは少ないのであまり問題はないが、 身体機能の低下や障害によってで長く使用してきた家具が使用できなくなは大いにあり得 る。また、新築の場合、部置・部屋の広さのみを考慮して家具の配検討しない提案をしば しばみかけるが、好ましいことではない。  まず、所有している家具、小物類、さらに新規に購入する家具やベットの種類や寸法を 確認し、平面図に家具の配置まで描き込んで生活動作の能性と機能性を検討する。たとえ ば、トイレと寝室を近くに設けても、家具の配置がうまくいかず、ベッドやテーブルを大 きくう回してトイレにいかざるをえないような状況は好ましくない。  高齢者や障害者の生活動線に無理はないか、通行幅員は広く確保されているか、動線上 に、つまづき事故の原因となるものが置かれていないかなどをチェックする。

<家具の選択>

高齢者や障害者が使用する家具 ( 主に寝室やングルーム、ダイニングルームの家具 ) の 使い勝手を考慮して選択する。家具のもつ機能性はカタログなどでは十分に把握できない ことが多く、また使いやすい家具は個人個人によってるので、ショールームなどで実際に 使用して、使いやすさを確かめる必要がある。  居間のテーブルやいす類、リビングボードなどは、しばしばデザインを最優先に選択す ることがあるが、近年、デザイン性と機能性が十分されたユニバーサルデザインの観点を もった家具も多く市販されている。  大手家具メーカーなどでは、高齢者福祉施設向けの収納家具やテーブルなどを製作して いる。住宅にそのまま転用できるかの課題はあるが検討してみるとよい。また、ショール

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ームなどで家具を確認しコンセプトやデザインをよく把握し、住宅内での造り付け家具設 計の参考にする方法もある。

<外出、避難が容易な空間づくり>

通常、外出、避難する経路をいくつか決めておき、そこにはあまりモノをおかないよう にする。日常使わない不必要な家具類は整理処分して、移動しやすい空間づくりをする。 外出、避難する経路は日常的に移動している場所が望ましい。廊下などにてすりを設置し ている住宅は意外と少ないが、普段何気なく目触っている箇所や、ここに手すりがあれば と感じている箇所があれば、固定できなくても椅子などの家具を置くと役に立つことがあ る。

□視覚障害者の住環境

目が見えなくても、住み慣れた住宅内では、ほとんど移動に困ることはない。それは、 住宅内の間取りや家具等の配置図が、頭のなかにできあがっているからである。しかし、 視覚障害者本人に知らせずに物の配置を変えてしまうと、意図せずに不自由な状況をつく ってしまうことになる。視覚障害者がより安全にかつ快適に住むには、家族の配慮や協力 が不可欠である。また、同時に本人のもつ残存視力や触覚・聴覚などの活用状況に合わせ た住環境整備も重要である。表 13 は、視覚障害により不便さおよび危険が生じる具体的 な場面と、それらの解決策を示したものである。なお、エアコン、食器洗浄機、洗濯機な どの家電製品や風呂給湯器などを設置する際には、視覚障害者自身がそれらの機器を使い こなせるどうかを確認することが重要である。機器に声がついているから大丈夫と考えず、 その機器のもつすべての機能について、きちんと操作可否を評価する必要がある。操作に ついては「何とかできそう」「だいたい使えそう」というあいまいなものではなくて、少 なくとも「一般の人と同じとはいえないが、ほとんど問題なく穐操作できる」という段階 でなくては、視覚障者にとって障壁 ( バリア ) となる。

<家具に関して留意すること>

寝室、リビングルームやダイニングルームなどに置く大きな家具などは、壁面に沿って 凹凸なく一列に並べる。床置き小物は動線上には置かず、ふれても倒れないように固定す る。テーブルなど部屋の中央に置く家具は、視覚障害者が伝い歩きしやすいように、目印 となる壁面あるいは家具と直角または平行に配置する。

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人の移動動線が単純で短く効率的であることが望ましい。さらに、重要で頻繁に使われ るものは、見つけすいように左右の端に置く。

□手すりの代用に家具を利用した例 以下のような住環境改善例があるので、参考にのせた。

<対象者の状況>

対象者:A さん・女性 61 歳 家族状況:夫 62 歳、息子 30 歳の 3 人暮らし 住宅状況:賃貸・木造アパート 1 階 疾患・障害:慢性関節リウマチによる四肢機能障害 障害者手帳:2 級 日常生活動作:指・手関節が変形しているため手すりを握りにくいが、移動は伝い歩きで 自立。いすからの立ち上がり動作は座面に手をついて支えれば可能。階段昇降は困難であ るが、支えがあれば 100mm 程度の段差を 1,2 段昇降することは可能。入浴は、浴槽をま たぐことができないため、シャワー浴のみ。排泄は、洋式便器を使用して自立しているが、 立ち上がりにくくなってきている。

<経週と住宅改造に対する要望>

発症は約 10 年前で、緩やかに症状が進行している。ホームヘルパーの家事援助時以外 は、日中一人で過ごしている。台所兼食堂の床面が他の部屋より 200mm 程度低いため、 段差の昇降に痛みが伴う。通行頻度を抑えるため、日中はトイレが隣接している食堂でい すに座って過ごしている。段差の昇降動作を容易にして移動しやすくしたい。また、便器 ( 図 3) からの立ち上がりを容易にしたい。ただし、賃貸住宅なので、大規模な改造工事は 認められていない。また、改造すると、転居時に現状への修復が求められるため修復を必 要とする改造工事は希望していない。

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<整備方針の検討>

和室と台所の段差に式台を置いて小さな段差分割し、段差を上りやすくする対応が考え られる段差昇降時に身体を支える支持方法の設定が課題である。2 室間は障子戸で仕切ら れているため、手を添える壁面がない。そこで、家具を段差横に配置して支持に用いるこ とを検討した。また、トイレの立ち上がり動作の支持方法をした。本人から、屋内のいす 座面と同様に便器を広くし、手をついて立ち上がれば、立ち上がり動作は容易になると提 案があり、実用的と判断した。

<具体的整備内容の検討>  台所の家具のうち、最も手をつきやすい高さで安定性がある家具は電話台として使用し

ていた、キャビネットであった。そこで、段差横にキャビネトを移動した。キャビネット を手すり替わりに用した場合の安定性を確認し、実用的と判断し段差部分に置く式台と便 器横の台は、本人が寸法を決めて夫が製作した。

<生活改善状況とまとめ>

段差の昇降が容易になり苦痛が軽減したことら、A さんの活動性は向上した。伝い歩き の際にいる手すりの代わりに家具を利用する方法は、関節リウマチに限らず、一般的によ く行われる対応である。慢性関節リウマチの事例では、関節の変形が進行すると手すりの 使用が困難になる場合もあるので、支持方法を本人とよく相談することが必要である。

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図 5-3-1: 段差

図 5-3-2: トイレ

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■�5-4�キッチンの住環境整備について�■

調理動作は、ADL のなかでも複雑で危険を伴いやすい生活動作である。そのため、身 体機能の低下した高齢者や障害者が調理動作を自ら行うことが少ないのは事実であるが、 なかには調理を安全に行うためにキッチンを整備する場合もしばしばみられる。そのとき に配慮をすべき最低の条件を提示する。  一方、高齢者や障害者に同居家族がいて家族が調理を行う場合には、ミニシンクと電磁 調理器を必要に応じて設置するだけでも有効な場合がある。高齢者や障害者、同居家族と よく話し合って、高齢者や障害者が調理作業を行いやすい環環にどの程度まで整備するか を確認してからキッチンに対する配慮を行う。 最近では高齢化対応型キッチンセットが市販れている。高齢化対応キッチンセットと車い す対応キッチンセットでは形状が大きく異なる。

□配置 <キッチンと食堂・居間との関係>

キッチンと食堂は作業動線を短くして、家の気配を感じることのできる、コミュニケシ ョンがとりやすい配置が望ましい。キッチンと食堂とは壁や建具で仕切らず、ハッチやカ ウンターなどで仕切る。ハッチやカウンターがあると、椅子に腰かけたままで調理の下準 備や配膳作業ができるので便利である。また、適度に視線を遮り、不意の来客時にもキッ チン内を見せずにすむ。

<キッチン内の配慮>

高齢者や障害者の使用するキッチンは、長時間の立位姿勢を行わなくてすむように、ま た、無駄な動作を行わないようにレイアウトをコンパクトにまとめる。  調理器具を一直線上に配置する形式(I 型配置)は動線が単純であるがキッチンの規模 が大きくなるにしたがって調理台∼シンク∼レンジの移動距離が長くなる。  調理器具類を直角上に配置する形式(L 型配置)は、I 型配置と比較して移動距離が少 なくなり、歩行機能が低下した高齢者や車いす利用者には便利である。ただし、キッチン そのものの室形状が四角くなるので、平面計画をあらかじめ十分検討する必要がある。  両者とも調理手順に沿って、冷蔵庫、シンク、調理台、コンロ等を配置する。また、食 器棚や電子レンジの配置にも留意する。さらに、その流れの延長線上に配膳スペースや食 堂を配置すると、作業がしやすいキッチンとなる。

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図 5-4-1: キッチンの配置

<調理器具>

現在、市販されている調理台、シンク、コンロなどの調理機器の高さは、800mm と 850mm の 2 種類がある。高齢者や障害者の使いやすい高さがこれと異なる場合、多くの 調理機器は、足もとの台輪部分 ( 調理機器下部にある約 100mm 程度の台で、ある程度の 高さ調節が可能である。  高齢者や歩行困難者は、立位姿勢がつらくなると調理機器に寄かかって調理を行い、場 合によっては、いすに腰かけて調理を行う。したがって、つかまりやすいような「サポー トバー」がついている調理器具が最近市販されている。また、いす座による調理の場合は、 シンク下部に膝入れスペースを設けた調理機器を選択する。現段階でいす座まで考えなく てもよい場合には、シンク下部の収納部分の戸をはずすなど、簡単な改造で膝入れスペー スが確保できる。車いすを使用しての調理を考える場合は、通常、使用する車いすに座っ た状態で膝高さ、アームレストの高さなどを測り、膝入れスペースの奥行きや高さを決定 する。調理機器の高さは 740-800mm 程度の高さとなることが多い。  シンク深さを通常の 180 ∼ 200mm のものから 120 ∼ 150mm 程度の浅いものに変更 すると膝を入れやすくなる。この場合、併せて泡沫栓に水栓金具を変更し水はね防止に配 慮する必要がある。  いずれにしても、調理器具は利用者が使い慣れた器具を基本に、安全性に配慮する。こ れまで使ったことのない器具を基本に、安全性に配慮する。これまで使ったことのない機 器の場合、使用できるか否かをショールームで体験するようにする。  コンロには、火源に電気利用とガス利用の 2 方式がある。電気調理器は、天板の加熱 部分が熱せられる。鍋の種類は限定されないが、鍋底が丸い形状のものは適さない。また、

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鍋を加熱部分からおろした後も、数分間は余熱が残り、天板加熱部分にふれるとやけどす る可能性があるので、電磁調理器よりは安全性に劣る。  電磁調理器は、鍋自体を加熱するため鍋をはずして加熱部分を触ってもやけどしにく いので、安全性が高い。(ただし触れると鍋からの余熱であつくなっているのでやけどを する事がある)。また、電磁調理器では使用できる鍋が限定されており、重い鉄鍋の利用 となっているので調理自体に支障をきたす場合があり、腕力の衰えている者には不向きと いえる。電気コンロのもう一つの特徴は、五徳の突き出しがないので、「鍋の滑らし移動」 やコンロ周辺の清掃が容易であることである。  一方、現在市販されているガスコンロは、立ち消え安全装置付きが標準的になっている。 さらに安全を考慮し、「天ぷら火災防止機能付き」( 立ち清え安全装置十天ぷら火災防止 装置 ) や「セフルコンロ ( 上記機能に鍋温度を一定に保ったり空焚き防止装置付き ) など の配慮がなされているこのような安全装置が開発されているが、不注意による着衣着火の 危険性まで解消することはできないので、十分に注意する必要がある。  また、通常のガスコンロの場合、五徳とキッチの天板が平たんになっておらず、コンロ からのの滑らし移動」が困難であるが、現在は「鍋の滑らし移動」ができるようにコンロ 部分が五徳の突起分 (30mm 程度 ) だけ段落ちしたガスコンロも市販されている。グリル は、通常、調理台天板 ( トップ ) の下部に、設置されているために、利用中ののぞき込み 姿勢は高齢者や障害者に困難な場合が多い。  概して、ガスよりも電気が安全と思われているが、ガス・電気の双方の長所と短所につ いて十分に説明を行う。簡単な調理や作り置きの暖め直しでは、電子レンジの使用頻度が 増えているが、料理手順に沿った位置と使いやすい高さに配置する。視覚・嗅覚の衰えに よる認知能力の低下や火の消し忘れによる火災やガス漏れ事故などがおきないように事故 防止の配慮を行う。  換気扇のスイッチは通常は上方のレンジフード部分についている。高齢者や障害者が操 作しようとすると、背伸びをする格好となってバランスを崩しやすいので、好ましくない。 手元で操作できるよう埋め込み配線を行うか、コードレスリモコンタイプを利用する。

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図 5-4-2: キッチンの高さ

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図 5-4-3: キッチンの種類

<収納>

冷蔵庫を含め、食材、調味料、鍋、皿などの調理に必要なものをどこにどのように収納 するかは、調理手順に大いに関係 する。調理をする者の身体状況をよく把握したうえで調理作業の手順をよく検討し、本人 の要望などを聞きながら収納場所を決める。冷蔵庫の下部から食材を取り出す動作が困難 な場合には、冷蔵庫の下に台を置き、冷蔵庫全体を高くすると使いやすくなる。台部分は 普段あまり使用しない物の収納に用いる。調味料は、見えやすいように薄い棚に並べて大 きくて重いビン等の調味料は小さな容器に移すなどの工夫も検討し、本人と相談する。

<その他>

調理動作は、手指の細かい動作をかな動作をかなり必要とすることから、高齢者や上肢 障害者には多くの困難を伴うことが多い。しかし、一方で、こういった人々に対して調理 動作を行いやすくする福祉用具 ( 自助具 ) も多く市販されている。 引用 *19

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■�5-5�腰痛疾患について�■ □腰痛疾患者の動作 腰痛疾患者で注意すべき動作と、その因果関係を図に示した。 腰痛の発生 脊椎の加齢などによる変化が、直接的あるいは間接的な原因となり、 腰痛や下肢痛を主とした症状を発生させる。

メカニズム 脊椎の湾曲を保持することが腰椎に負担をかけないうえで大切であり、 脊柱の支持に周囲の筋肉が有効に働くことが重要である。 椎間板は脊柱の支持、運動のみならず、クッション作用という重要な 働きをももっており、日常の種々の姿勢によって椎間板の内部の圧力 が変化する。椎間板内の圧力の上昇は、腰痛や下肢痛を悪化させる危 険性がある。

対処 避ける方がいい運動 ・脊椎に大きな負荷のかかる運動 ・脊椎に衝撃の加わる運動 ・脊椎に強い屈曲の加わる運動 ・脊椎に強い伸展の加わる運動

本研究では、負荷に研究対象を絞った。 図 5-5-1:腰痛

1. 脊椎に大きな負荷、衝撃の加わる運動とは 重いダンベルをもち上げれば脊椎の長軸方向に大きな負荷が加わり、またからだをぶつけ 合うような激しい運動では脊椎に大きな衝撃が加わる。動きが悪くなった脊椎では、これ らの負荷や衝撃が吸収できないため、腰痛ないしは下肢痛などの神経症状の発症につなが る。 2. 脊椎に強い屈曲、伸展、回旋力が加わる運動とは ゴルフ、テニスなどでは脊椎に強い回旋力が加わり、またヨガなどでは強い屈曲、伸展力 が加わる。脊柱の可動性の減少した変形性脊椎症では、このような負荷は椎間板、椎間関 節の炎症につながり、その結果として腰痛などみ原因となる。

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<�立位>

① 背部を常にまっすぐにする。 腰椎の正常の弩曲の保持は、まず背中をまっすぐに伸ばすことから始まる。 ② 腹筋に力を入れる。 ③ 殿筋に力を入れ、骨盤が後方に傾斜するようにする。これで腰椎の前方への弩曲の増 強が防止されます。 ④ 膝を屈曲する。筋肉の緊張がとれて腰椎への負担が軽減する。 以上の項目は片足を適当な高さの台に乗せることで簡単に得られます。さらに長時間同一 の立位姿勢をとらないこと、女性ではヒールの高さが 3cm 以下で安定一性の良い靴を選 ぶことが大切である。

<坐位>

坐位をとる時のもっとも理想的な椅子は、背もたれが約 110-120cm。後傾し肘掛けが付 いたものである。腰椎の弩曲を保持するためには約 5cm の腰部パットが有効である。上 体を十分机に近づけて仕事ができるように、肘掛けは短くすべきである。仕事の合間に立 ち上がるなど姿勢を変え長時間の同一姿勢を避けるべきである。

<運搬動作>

押して運ぶ場合と引っ張って運ぶ場合がある。押して運ぶ時は腹筋寿が緊張し、引っ張 って運ぶ時は背筋群が緊張する。押す場合には荷重は前方に移動し、しかも腹圧が上昇す るので椎間板への負荷は減少する。また、押す動作では強力な下肢の筋肉が使えるために、 運搬動作は押して運ぶほうを選ぶべきである。

<重い物をもつ時>

次の項目に留意して行うことが大切である。 ①急激なからだの移動を少なくする。 ②もち上げや移動運搬の時は、できるだけ対象物にからだを近づけ、重心を低くする。 ③肩より上での取り扱いを少なくする。 ④重量物をなるべく水平に移動させるように、台などの配置を工夫する。重心移動や腰の ねじりや前屈を少なくする。 ⑤床面など低い位置から持ち上げる場合には、片足を前に出し、膝を曲げ、腰を十分に下

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ろして重量物を抱え、膝をのばしながら立ち上がる。  平らな場所を歩く時垂直方向の重心の移動は成人で約 4.5cm といわれている。これに 対して階段の昇り降りでは、1 段毎にその段の高さだけ重心を上げたり下げたりするわけ で、体重の何倍もの力が脊椎に加わる。 よって次の項目に留意して行うことが大切であ る。 ①昇降脊椎に対する負荷を軽減するため、1段毎に両足をそろえるように昇降する。階段 を降りる際はつま先から接地することにより、脊椎に対する衝撃が軽減できる。 ②杖や手すりの利用変形性脊椎症の進行した人は、杖や手すりを使っての階段昇降も腰痛 予防には有効な手段である。杖や手すりは脊椎に対する衝撃の軽減だけでなく、なめらか な接地につながる。その結果、脊椎に対する衝撃はさらに軽減される。 ③途中で休憩 長い階段では途中で休憩をとることも大切である。変形性脊椎症では脊椎の辺縁から余分 な骨 ( 骨棘 ) ができ、これが大きくなって脊髄神経の枝や脊髄そのものを刺激したり、圧 迫している場合がある。この場合、脊髄周囲の血液の流れも悪くなってお一り、長く歩い たり、背中を反らせる姿勢を続けていると血行がさらに悪くなり、神経症状をきたすこと もある。このような場合、休憩をとることにより、疾痛を予防できる。 引用 *21

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■�5-6�腰痛の分類�■

一口に、「腰痛」といっても、その原因はさまざまである。腰椎や椎間板に器質的な変 性がある場合もあれば、腰椎の機能的な障害(可動性の低下など)が原因の場合もある。 内臓の病変から腰痛を起こすこともある。症状も、動作に合わせて痛い、動かなくても痛 い、激しく痛い、重く痛い、朝起きたときだけ痛いなどなどさまざまである。*21  本研究の被験者にも、特徴的な腰痛疾患だけでなく、膝や足首などの下肢に不調を訴え る人が多かったのは、腰痛疾患の症状の多様性によるものと考えられる。  そこで、ひとくくりに「腰痛」といわれているものを、いろいろな観点から分類して以 下に解説した。

□腰のメカニズムから考える <腰の構造>

背骨の中で、腰の部分を腰椎という。(頚は頚椎 ・ 背中は胸椎という) 背骨というの は一本の長い骨ではなく、頚から腰まで、24個の「椎骨」という骨が連結してできてい る。腰椎は、5つの椎骨が連結してできており、上から第一腰椎(L1)、第二腰椎(L2) と数え、一番下が第五腰椎(L5)となる。第五腰椎の下は仙骨という骨盤の中心となる 骨で、その仙骨の下端に尾骨がある。椎骨と椎骨の間には、椎間板と呼ばれるクッション の役割をはたす軟部組織があり、椎間板は、外側の硬い部分と中心の柔らかい部分に分け られる。椎間板の外側は、10∼12層の硬い繊維状の組織でできていて、繊維輪と呼ば れる。そして、その中心に髄核(ずいかく)と呼ばれる、水分に富んだゲル状の部分があ る。椎間板をタイヤにたとえるなら、繊維輪はゴムの部分の役割を果たし、髄核は空気の 役割を果たしている。

<整体法の観点と現代医学の観点>

整体法の腰痛に対する認識で、現代医学と一番違うところは、その観察が生きている人 間からスタートしているところである。現代医学が、どちらかというと「器質」の異常 に 重点を置いて見ていくのに対して、整体法では、「機能」の異常に重点を置いて見ていく。 つまり、「形」の異常より、「動き」の異常に重点を置いている。レントゲンやMRIなど の画像診断では、腰椎の変形や椎間板の変性など「形」 (器質)の異常はわかるが、腰椎 自体の 「動き」の問題はわからない。しかし、動きの問題というのは、ある意味、器質

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の問題よりも重要であり、実際に、臨床では、器質の異常はそのままで変わらなくても、 動きを改善するだけで痛みが消失することはとても多い。

<現代医学からみた腰痛>

現代医学では、腰痛の原因を大きく分けて3つに分類している。 1.整形外科的な要因による腰痛 2.内臓疾患から起こる腰痛 3.心理的な問題から起こる腰痛 (1)整形外科的な要因による腰痛  この中には、退行変性に基づくもの、骨代謝異常、外傷、炎症によるものなどが含まれる。 a.腰椎椎間板ヘルニア  椎間板ヘルニアとは、椎間板の繊維輪が変性を起こしたり、亀裂が入ったりして、中身 の髄核が後方、もしくは後側方に飛び出してしまうことである。その飛び出した髄核が、 背骨(腰椎)の後ろを走っている神経を圧迫し、腰痛や坐骨神経痛を引き起こす。ヘルニ アとは、平たくいうと、本来あるべきものが、あるべき位置になく、組織の欠損による隙 間などから飛び出してしまったもののことを指す。腰椎椎間板ヘルニアは、荷重負荷の多 いL4 ・ L5間、 L5 ・ S1(仙骨)間に多く発症し、激しい腰痛の他に、足の痛み や痺れをともなうこともある。          b.変形性腰椎症  腰椎の退行性変化、つまり老化や使いすぎによる病変である。原因は年齢的なものが大 きいのであるが、その他にも職業などの環境因子や、体質的素因、外傷の影響も考えられ る。椎間板の変性と、それに続いて椎体周辺部や椎間関節部に、骨棘(こつきょく)とい う骨の棘ができてきてしまうのが特徴である。腰痛の他に、足への放散痛やしびれ、脱力 などの症状がでることもある。また、間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、休み 休みでないと、長い距離を歩けなくなることもある。   c.腰椎分離症  椎弓と呼ばれる部分に亀裂が入る症状で、第5腰椎に起こりやすい。成長期に激しいス

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ポーツをすることなどで起こる一種の疲労骨折ではないかといわれている。そのため、発 生時期は成長期であると推定されている。症状としては、腰痛及び臀部の痛みが多く、運 動時 ・ 労作後に痛みがでたり、分離症の内、およそ4分の1が、腰椎すべり症に移行す るといわれる。 d.腰椎すべり症  多くは第5腰椎に起こり、仙骨の上を前方(まれに後方)にすべる症状である。つまり は、第5腰椎がお腹側(まれに背中側)に向かってずれる現象である。うつぶせで見ると、 第5腰椎が引っ込んで、陥没したようになるわけである。すべり症は、腰椎分離症をとも なうことが多いとされている。腰痛や殿部の痛みが徐々に起こって来ることが多く、運動 時に痛みが悪化する  先天的なものもあるが、多くは老化をともなって起こる異常である。脊柱管という椎体 の後ろを走っている神経の入っている管が、腰椎の変形や椎間板の変性で圧迫され狭くな ってしまう。  ヘルニアのように激しい痛みがでることは少ないのであるが、腰痛や坐骨神経痛による 間欠性跛行が起こるのが特徴である。間欠性跛行は、少し歩いていると足のしびれや脱力 などで歩行が困難になり、少し休むと回復して歩き出せるのであるが、またすぐに歩けな くなるということをくり返す。 f.骨粗鬆症  骨粗鬆症による、微小骨折や圧迫骨折が腰痛の原因になることもある。 g.外傷  外傷性の腰痛は、圧迫骨折がもっとも多く、次いで椎体横突起骨折などがある。また、 腰椎捻挫=いわゆるぎっくり腰も、外傷性腰痛に数えられる。 h.静力学的腰痛  腰の筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因で起こる腰痛を、静力学的腰痛という。

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i.その他  その他には、化膿性脊椎炎 ・ 椎間板炎 ・ 強直性脊椎炎などの炎症性腰痛がある。最 近はまれになってきたが、結核性脊椎炎(脊椎カリエス)も炎症性の疾患である。また、 脊髄腫や血管腫などの腫瘍による腰痛もある。特に老人の場合、悪性腫瘍の脊椎転移が、 腰痛の原因になっている可能性も考えられる。 (2).内臓疾患から起こる腰痛  内臓の病気が原因で起こる腰痛もある。膵臓、胃、腎臓、卵巣、子宮などの炎症や腫瘍、 また腎臓結石や尿管結石などでも腰痛が起こる。 (3).心理的な問題から起こる腰痛  実は、現代医学でも、なぜ痛むのか原因の分からない腰痛が多いといえる。CTやM RIなどの画像診断でも異常が認められず、内臓疾患も無いのに、腰が痛いと訴える患者 は多い。その中の多くは、上記の静力学的腰痛と診断されるのであるが、それでも説明の できないものは、精神的 ・ 心理的要因で腰痛になっていると考えることが多い。つまり、 精神的ストレスなどが原因で腰痛を起こすのである。しかし、現段階では心理的要因が腰 痛を引き起こすという、医学的な発現機序は解明されていない。   腰椎は、5つの椎骨がそれぞれの間に関節を持って、連動しながら体を支えている。 そして、またスムーズな腰椎の連動が、体の自由な動きを可能にしており、この腰椎の連 動がうまくいかないことが、腰痛を引き起こす最大の原因になる。5つの腰椎がうまく連 動する条件には、一つ一つの腰椎が正常な動きをしているか、そして腰椎を支える周囲の 筋肉が正常な弾力を持っているということがあげられる。腰痛を見る場合、整体法では、 まず最初に腰椎の「可動性」と「弾力」を中心に見ていきます。腰痛を起こす原因となる 椎骨は、ほとんどの場合筋肉の硬直や弛緩、萎縮をともなって可動性を失っており、それ を改善することが、腰痛の治療の第一になる。

<自然治癒力>

よく言われる、「腰椎が歪んでいる」 「骨がずれている」などの位置の異常もまた重要で ある。しかし、その歪みやズレそのものを機械的に治しても、それを支える周囲の環境が 改善していなかったら、また骨はズレてしまいる。逆に、周囲の筋肉の異常な硬直や弛緩

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を改善し、バランスを整えると、骨は自動的に正規の位置へ戻ることがとても多いのであ る。人体には、自然治癒力と呼ばれる力がある。体は常に、健康な状態・正常な状態を保 とうと働き続けている。その働きにそって、少し手伝ってあげることで、体は自然に治癒 に向かうのである。整体法では、自然治癒力を最大限に発揮できるように、体を整えるこ とが治療の基本になる。 整体法では、機能の異常 ・ 椎骨の動きを重視しているということをふまえた上で、具体 的に「腰痛」をどう見ていくのか、次の3点から以下に述べる。。 1.個々の腰椎の働き 2.腹部の弾力  3.精神活動と腰の関連 1.個々の腰椎の働きから考える  5つある腰椎には、それぞれ固有の働きがあり、一つは運動 ・ 動作に関するもの、もう 一つは内臓の働きに関するものである。腰は文字通り、体の「要」である。人間のあらゆ る動作の中心は、「腰」(腰腹)にある。そして、その中でも、5つの腰椎のそれぞれが、 特定の動作の中心になる。たとえば、前屈動作(前屈み)をおこなうときは、第5腰椎が 中心となって体をコントロールする。体を捻る動作をするときには、第3腰椎がその動作 の中心になる。このようにある動作の中心になる椎骨を、 「運動焦点」と呼ぶ。また、一 つ一つの腰椎は、内臓の働きとも深く関係している。たとえば、第2腰椎は消化器(胃・腸・ 肝臓など)の働きと関係が深く、胃腸障害や肝臓病などの異常は第2腰椎に現れる。逆に、 第2腰椎に故障が起きると、消化器に変動が起こりやすくなる。ここでは、第1腰椎から 第5腰椎まで、それぞれの腰椎の可動性の低下 ・ 弾力の低下が引き起こす腰痛の特色を、 一つ一つ見ていく。 第1腰椎  第1腰椎は、体を伸ばす動きの中心になる。また、腕や頚など上半身の運動と関係して いる。人間は、直立して二足歩行をする。立位を長時間保持するときにも、この第1腰椎 が中心となる。長時間立ちっぱなしで仕事をしている人の腰痛は、第1腰椎の硬直による ものがほとんどである。また、腕など上半身の動きと連動しているので、高いところのも のを取ろうとして腰を痛めたなどというのも、ほとんどが第1腰椎である。そして、第1

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腰椎は頭の働きと深く関係するところである。頭を働かせると、第1腰椎が緊張する。頭 脳を酷使すると、だんだんと第1腰椎が硬直してきて可動性を失いる。そのために腰痛に なることもめずらしくない。頭脳労働者の腰痛は、第1腰椎由来の腰痛がとても多いので ある。また、朝起きたときに腰が痛く、動いているうちにだんだん楽になるという人が結 構いる。これは、第1腰椎が硬直している人の特徴である。 第2腰椎  第2腰椎は、左右運動の中心である。体を左右に傾けると痛むというときは、第2腰椎 が関係している。また、第2腰椎は消化器(胃・腸・肝臓・膵臓など)と密接な関係を持 っていて、消化器の変動は全て第2腰椎に影響を及ぼす。長期間、暴飲暴食が続いたりす ると、第2腰椎が硬直してきます。それが原因となって、腰痛が起こることもある。下痢 が続いたあとに腰が痛いというのも、第2腰椎由来の腰痛である。くしゃみをした拍子に 腰を痛めるということがある。どういうわけか、この場合、痛めるのはほとんどが第2腰 椎である。くしゃみという体の運動は、第2腰椎に力が入る運動なのである。 第3腰椎  第3腰椎は、体を捻る動作の中心である。腰を捻ると痛いのであれば、必ず第3腰椎が 関係している。また、第3腰椎が硬直してしまい、うまく捻り動作をコントロールできな くなると、他の椎骨がよけいに捻れて、そちらの方に痛みがでることもある。第3腰椎は、 泌尿器(腎臓・膀胱など)を司っている。泌尿器に障害がある場合、第3腰椎を調整する 必要がある。また、ちょっと緊張すると、すぐに尿意をもよおしたり、トイレが近くなる ような人は、例外なく第3腰椎の可動性に問題がある。 第4腰椎  第4腰椎は、骨盤の開閉を司る椎骨である。体の動作でいうと、しゃがむことと関係す る。しゃがむという動作は、骨盤が閉じる力がないとうまくできない。しゃがもうとする と腰が痛いという場合、第4腰椎にうまく力が入らない状態があるということである。そ れは、第4腰椎を支え・動かす筋肉の硬直だったり、逆に弛緩、萎縮だったりする。第4 腰椎は、生殖器 ・ 婦人科の臓器と関係する。子宮や卵巣の異常で腰痛が起こることもあ るが、その場合第4腰椎に異常が現れる。

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第5腰椎は、前後運動の中心である。洗顔などの前屈み動作で腰が痛いときは、第5腰 椎に問題がある。また、第5腰椎は動作の初動時に力が入るところなので、動作のはじめ が痛むこともある。たとえば、椅子から立ち上がろうとしたとき、姿勢を変えようとした ときなどに、不意にズキッと痛む。また、第5腰椎は、足の痛み・痺れ・脱力などと関係 する。腰痛とともに足に症状が出るときは、第5腰椎に異常がある。腰が痛まず、足にだ け症状が出ることもある。第5腰椎は、内臓との関連でいうと呼吸器である。呼吸器病の ある人、呼吸器の弱い人は、みな第5腰椎に弾力がありません。椎骨のズレでいうと、突 出・陥没が多く、周囲の筋肉が硬直して固まっていたり、弛緩して力のない状態になって いる。喘息をはじめ、呼吸器の異常を治療する場合、最後は第5腰椎を正さないと、一時 良くなってもまた元に戻ってしまう。 2. 腹部の弾力  腰椎というのは、腰の筋肉だけで支えているのではない。半分近くは、 「腹圧(ふくあつ)」 によって支えられている。腹圧というのは、腹腔内の圧力のことである。つまり、腰椎と いうのは、腰の筋肉で支えていると同時に、お腹側からの腹腔の圧力で支えられているの である。お腹が、空気のたくさん入った風船のように弾力があるということは、とても大 切なことである。健康な人のお腹は、みな柔らかく、かつ充実し弾力がある。お腹に力が 無く、ヘナヘナだと、内臓の血行も阻害されるし、腰にかかる負担も増大する。腹部に力 がなくなってしまう原因は、体力の低下、精神的不安、老化などなど、いろいろとある。 ただ、どんな場合でも共通して言えることは、呼吸が浅くなっているということである。 息が深く吸えて、横隔膜が下降することによって、腹圧は高められる。お腹に力がない人 は、みな呼吸が深くできなくなっているのである。この横隔膜の動きが悪いと、便秘も引 き起こす。しつこい便秘で悩んでいる人のほとんどは、横隔膜の運動機能が低下していて 腹圧の弱い状態にある。  整体法では、この腹部の弾力をとても重視している。症状によっては、腰を調整しなく ても、腹部の調整だけで腰痛が改善することもあるくらいである。ただし、お腹に力があ るということと、いわゆる腹筋が強いということは別のことである。これを混同して、腹 筋運動などをやりすぎると、腰痛を悪化させることもある。

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3. 精神活動と腰の関連  個々の腰椎の特性を解説したところで、第1腰椎が精神活動と関係すると述べた。精神 活動・頭脳の働きが腰と連動しているということは西洋医学ではあまり考えていない部分 である。しかし、整体法では、この精神活動と腰との関係をとても重視している。実際に 臨床現場では、精神的疲労・不安やストレスによる脳の緊張状態の持続などが原因で、腰 痛になっている人はとても多いのである。もちろん、そのような腰痛と改善するには、原 因となるストレスや不安などが取り除くことが一番よいのである。しかし、簡単に解決し ないからこそ、ストレスになっているわけである。  ストレス・精神疲労・大脳の緊張は、体のいろいろな部分に影響を及ぼす。まず、頚部 が硬直する。それから、アキレス腱が硬く冷たくなる。背中 ・ 腰の背骨の際の筋肉が硬 直する。その他にも、頭部・胸部・ 腹部と影響が及ぶ。まずは、それらの部分を調整し、 ストレス状態の体をほぐす。ストレスそのものが無くなるわけではありませんが、体が変 わると気持ちも変わり、不安やストレスに前向きに対処できるようになる。頚の硬直など が弛むことで、思考も柔軟になり、発想の転換もできるようになるのである。こうして、 自然治癒力の働く状態を体に作っておいて、それから前述の第1腰椎を調整していくので ある。現代医学で「原因が分からない」といわれている腰痛の多くは、この第1腰椎由来 の腰痛なのである。これは「気のせい」でもなんでもなく、実際に肉体的な変化をともな っている。まず、第1腰椎周辺の筋肉が緊張・硬直する。そして、そのせいで椎骨の可動 性がなくなり、ガチッと固まったようになり、腰を動かしても、第1腰椎だけが動きが悪 く、腰全体と連動できないのである。位置の異常としては、上にあがって第12胸椎とく っつき気味になる場合と、下にさがって第2腰椎とくっつくようになる場合が多く見られ る。これに、捻れや左右のズレが加わると、痛みが激しくなる傾向がある。

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□動きから考える  以下に、痛みの出る動作から原因となる椎骨を特定し、同時に、その椎骨に関連する内 臓や体の機能について述べる。

<前屈みが痛い>

「朝、顔を洗うときに腰が痛いなど」、前屈みの動きで腰に痛みが出る場合、第5腰椎に 原因がある。第5腰椎は、人体の前屈動作の中心になる椎骨である。第5腰椎に力が入ら ない状態にあると、前屈自体が難しくなる。第5腰椎というのは、腰に限らず全身の前屈 動作の中心となる。第5腰椎の動きが悪くなると、頚でも背中でも、前屈する動きがスム ーズでなくなる。第5腰椎は、内臓でいうと呼吸器(肺・気管支など)と関係する。結核・ 肺気腫などの呼吸奇病を持っている人は、みな体が腰から前傾している。そして、肩が前 に行って、胸が広がらない体型になっている。しょっちゅう前屈タイプの腰痛になる人は、 呼吸器の病気に注意することが大切である。  「腰を反らして痛い」 「伸びをすると腰が痛い」という場合は、第1腰椎に問題がある。 多くは、第1腰椎が硬直して可動性を失っているのである。第1腰椎は、体を伸ばす動作、 反らす動作の中心になる椎骨である。スムーズに体を伸ばしたり、反らしたりするには、 第1腰椎に弾力があって、自由に動く状態であることが必要である。また、第1腰椎は、 上肢(腕・肩)の運動とも連動している。高いところのものを取ろうとして、腕を伸ばし たら腰を痛めたなどというときは、ほとんどの場合おかしくなっているのは第1腰椎であ る。いわゆる五十肩などといわれるものも、第1腰椎が関係している。悪いのは肩の周囲 だけではなく、第1腰椎も必ず硬直しているものである。この第1腰椎を調整することが、 五十肩治療の一つのポイントになる。そして、第1腰椎は、大脳の活動と深く関係する。 頭脳労働などで、頭が疲労すると、第1腰椎が硬直してきます。頭脳労働者の腰痛の大部 分は、第1腰椎の硬直が原因になる。

<捻ると痛い>

捻る動作をすると、腰に痛みが生ずる場合、必ず第3腰椎に問題がある。第3腰椎は、 人体の中で捻る動作の中心となるところである。腰痛の中には、第3腰椎以外の腰椎の捻 れが原因で起こる腰痛も多くある。しかし、その場合も、多くは元に第3腰椎が強張って

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しまって、うまく捻れなくなっているという状態があって、その代償として他の腰椎が捻 れてしまうという現象なのである。であるから、まずは第3腰椎の動きを回復することが 大切になる。それをしないと、捻れてしまった他の腰椎をいくら治そうとしても、なかな かうまくいかない。第3腰椎は、内臓との関連では泌尿器(腎臓・膀胱など)である。捻 る動作で腰が痛いという腰痛をくり返す人は、泌尿器の異常に気をつける必要がある。ま た、第三腰椎は、広い意味での排泄と関係する。尿酸の排泄に関わる「痛風」なども、第 3腰椎が関係する。それから、大きないびきをかく人は、例外なく第3腰椎が捻れている 人である。腰の捻れる傾向を治していくと、いびきもかかなくなる。

<階段を上るとき痛い>

階段を上るときに腰が痛い場合、多くは第5腰椎の問題である。「前屈みで痛い」 のと ころでも書きたが、第5腰椎は前後動作の中心である。そして、階段を上るという動作は、 運動の成分としては、前後運動が一番強い動作になる。階段を、一歩一歩上がろうとする たびに、第5腰椎に力が入る。そのため、第5腰椎に故障があると、階段の上りがきつく なる。

階段を下りる時に痛むのは、第2腰椎の痛みが多くなる。上る動きが前後運動の強い動 きなのに対し、下りる方は左右運動が強くなる。階段を下りる時には、先に出した片方の 足に全体重が乗ることになる。そのため、体の重心が左右に移動するときに力が入る第2 腰椎に故障があると、階段を下りるときに腰が痛むのである。重心の左右移動で腰が痛む というタイプの腰痛をくり返す人は、消化器(胃 ・ 腸 ・ 肝臓 ・胆嚢など)の病気に注意 が必要である。第2腰椎は、消化器の元締めのようなところである。虫垂炎でも糖尿病で も、下痢でも便秘でも、消化器の異常はみな第2腰椎に変化を引き起こす。逆に、第2腰 椎の可動性がなくなり硬直してくると、消化器の働きに異常が生じやすくなる。

<動かなくても痛い>

「動きに関係なく腰が痛い」 「じっとしていても腰が痛い」という場合、急性のぎっくり 腰でもない限りは、ほとんどが腰の上部 − 第1 ・ 2腰椎の問題である。動きに関係 なく、いつでも重く痛いのが特徴である。第1 ・ 2腰椎の腰痛は、比較的若い人、体の 敏感な人に多い腰痛である。頭の疲労、気疲れが続いたり、無理に姿勢良く長時間立って

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いたりすると第1腰椎が硬直して来ます。また、食べ過ぎ ・ 飲み過ぎが長期間続いても、 第1・2腰椎が硬直する。そのために起こる、いわば「食べ過ぎ腰痛」もある。寝るときに、 無意識に腕を上に上げて万歳をして寝る人は、食べ過ぎている人である。万歳の姿勢で寝 ることで、第1・2腰椎をゆるめているのである。大の字になって寝る人も同様である。

<力を抜くと痛い>

体に力を入れていると痛くないのに、脱力すると腰が痛いという人がいる。ちょっとめ ずらしいタイプの腰痛であるが、これは第1腰椎に原因がある。 引用 *28

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■�5-7�3次元動作分析装置(モーションキャプチャー)について □歴史と利用  モーションキャプチャーというカテゴリはもともと医療分野で患者の人間の動きを取得 することに用いられていた。人の動作を取得して身体障害者のための装具の製作や、動作 の特徴を研究する手段として利用されている。いまでも大学などの教育機関で多く使用さ れている。 3DCG ソフトウェアが実用的なものになり、医療用だけでなくエンターテイメントの分野 で利用されることも多くなってきた。人体の動作をデータとして記録し、このデータをア ニメのキャラクターに当てはめて人間そっくりに動かす . ビデオゲームに利用される場合 が多く、日本ではポストプロダクションや主要なモーションキャプチャースタジオで導入 されたり、ゲームメーカーなどでの導入が多いようである。次第にアニメ映画やコマーシ ャル、音楽ビデオのような他のメディア、またダンスのパフォーマンスなどでの使用も一 般的になりつつある。しかしまだ医療分野の方での利用の機会が多いようである。

図 5-7-1 芸術分野での利用

図は、モーションキャプチャーでダンサーのダンスの動きを取り込み、そこに水のテクス チャーを張り込んでつくったデジタルムービーである。このような芸術分野での使用も増 えてきている。*25

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□建築分野での応用事例  建築分野では、施工において、モーションキャプチャーを利用した技術が開発されてい る。モーションキャプチャによって、人間の手の動きをキャプチャーし、この動きをその ままロボットに転送するシステムで、塗装などの熟練工の技をそのままロボットにコピー することを可能にしている。(CopyCAT、RobotWorks)

図 5-7-2 建築分野での利用

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■■�6.�すまいと動作に関するアンケート調査�■■

■�6-1.�調査の目的�■  住み慣れた住まいでの公室空間で、どういう箇所に、どういう動作をするときにてをつ いて行動しているか調べることを目的とした。

■�6-2. 調査の概要�■ □調査対象者 調査対象は、70 歳以上の高齢者とした。 建築学生の祖父母を対象としてその学生によって行う調査と、一般の高齢者に直接ヒアリ ング形式で行う調査と、二度にわたって調査を行った。

□実施期間 2003 年 08 月∼ 12 月(建築を学ぶ学生の祖父母)、学生が自宅に赴いて調査した。 2003 年 12 月2日、12 月 11 日、12 月 12 日(シルバー人材センターの高齢者)、早稲 田大学理工学部 55 号館 S 棟サロンおよび渡辺研究室にて、聞き取りにより調査した。

□調査数 71 歳∼ 91 歳までの高齢者、合計 24 人(建築を学ぶ学生の祖父母) 66 歳から 81 歳までの高齢者、合計 18 人(シルバー人材センターの高齢者)

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■�6-3. 調査方法�■ 1. アンケート 2. 住まいの間取りと動作に関する調査 の二つの調査をおこなった。

□ 1.�アンケート 調査項目を以下の表に示した。

表 6-3-1:アンケート項目

1 年齢 2 性別 3 歩行 4 腰痛の有無 5 腰、膝などの関節に痛みを感じるときはどんなときですか。またそれはどのような場所ですか。 6 洗い物にかかる時間は一日平均何分ですか 7 キッチンでつらい作業は何ですか 8 リビングで過ごす時間は一日平均何時間ですか? 9 動作を補助する工夫はどのようなものがありますか? 10 食事をする場所は、椅子座ですか?床座ですか? 椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「立つとき」につらいと 11 思いますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか? 12 くつろぐ場所はソファですか?床座ですか? 椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「座っている時」につら 13 いと思いますか?楽だと思いますか?その理由は何ですか?

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□ 2.�住まいの間取りと動作に関する調査 <調査範囲> 住まいの中で、主に公室空間と呼ぶことのできる範囲を、調査対象とした。生活行為により、 住まいの空間を分類すると、 ・社会性生活行為 ・労働性生活行為 ・個人性生活行為 ・ジョイントの生活行為 に分けられる(図:住まいの分類)。このなかで、調査範囲主に社会性生活行為を行う空間 とした。また労働性生活行為には主にキッチンや収納スペースが含まれるが、キッチンは単 に労働性生活行為におさまらず、部分的には社会性生活行為も含まれると考えられるので、 キッチンについては対象範囲とした。また、調査した住まいの中には、調査空間がジョイン ト空間をへだててつながっているものもあったので、そういう場合にはジョイントの空間も 対象範囲とした。

生活行為による空間の分類 社会性生活行為

収納

労働性生活行為

キッチン

労働性生活行為

社会性生活行為

個人性生活行為

ジョイントの生活行為

調査対象範囲

対象空間を結ぶジョイント部分

社会性生活行為

社会性生活行為

社会性生活行為

キッチン

図 6-3-1:すまいの分類

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<調査の手順> 建築を学ぶ学生の祖父母に対してと、シルバー人材センターの高齢者に対しては違う方法で 行った。 -- 建築を学ぶ学生の祖父母 -①建築を学ぶ学生が祖父母の家に赴き、その公室の間取りと、使用している家具を図面化す る。 ②祖父母の行動を観察する。 ③いつもの居場所、主にとる動線、手をつく動作をする箇所を見つける。また手をつく箇所 については、どういった動作をしているときに手をつくのか、どういうものに手をつくのか その高さを計測する。また実際にそういった動作をしている様子を写真に撮影する。 -- シルバー人材センターの高齢者 -①自宅の図面がある人には、図面を持参してもらう。 ②図面のないひとは、スケッチで図面を描いてもらうか、聞き取りをしながら調査員が描く。 ②図面に使用している家具を描き込む。 ③いつもの居場所、主にとる動線、手をつく動作をする箇所をヒアリングし、図面に描き込む。 ④手をつく箇所については、どういった動作をしているときに手をつくのか、聞いておく。 ⑤手をついているものの高さ、動線の長さを、調査員が指定して、家に帰って計ってもらう。 また実際にそういった動作をしている様子を写真に撮影してもらう。結果を郵送で送っても らう。

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■�6-4. 調査結果�■ アンケートを行った被験者は以下の通りである。 回答者は、調査1では24人、調査2では18人、の合計42人であった。

表 6-4-1:アンケート回答者

調査1. 建築学生による祖父母調査

調査2. 一般高齢者へのヒアリング調査

番号 年齢 性別 歩行 腰痛

番号 年齢 性別 歩行 腰痛

001

82

2

なし

025

75

2

あり

002

82

2

なし

026

76

3

あり

003

71

2

なし

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75

1

なし

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71

1

なし

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2

なし

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80

3

あり

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78

1

なし

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2

あり

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66

2

なし

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91

4

あり

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あり

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2

なし

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1

なし

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1

なし

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74

2

あり

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3

あり

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1

あり

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1

なし

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1

なし

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3

あり

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なし

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なし

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なし

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なし

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あり

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なし

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2

あり

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3

あり

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1

なし

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1

あり

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2

なし

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1

あり

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□ 1. アンケート結果 アンケート項目ごとにヒアリング結果をまとめた。アンケート結果は、調査1と調査2で得 られた回答をまとめて集計した。

1. 年齢 表 6-4-2:年齢

調査1 80

平均年齢

調査2 72

全体 76

2. 性別 表 6-4-3:性別

調査1

女性 男性 合計 20 4 24

調査2

10

8

18

合計

30

12

42

3.4. 歩行・腰痛有無 表 6-4-4:歩行と腰痛

調査1

腰痛あり

腰痛なし

合計

歩行 1

3

5

8

調査2 歩行 1

歩行 2

1

7

8

歩行 2

4

3

7

歩行 3

5

2

7

歩行 3

1

0

1

歩行 4

1

0

1

歩行 4

0

0

0

合計

9

14

24

10

8

18

合計

腰痛あり

腰痛なし

合計

5

5

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5. 腰、膝などの関節に痛みを感じるときはどんなときですか。

表 6-4-5:痛みを感じるとき

No. 歩行 腰痛 腰、膝などの関節に痛みを感じるときはどんなときですか。 001 2 なし 屋上で植物の世話をする時など多少足腰に痛みはある。 002 2 なし 屋上で植物の世話をする時など多少足腰に痛みはある。 003 2 なし なし 004 1 なし なし 雨や雪の日、立ち座り、ベッドやお手洗いで、床に座れないため、立ち上がり 005 3 あり 時がつらい 006 2 あり 立ち上がり 007 4 あり 立ち上がり、右太ももを骨折したため床に座れない。 膝の関節、足をついたとき(着地時)、調子が悪いときは、着地時どの場所で 008 2 なし も痛い 009 1 なし なし 010 3 あり 歩き始めたとき、腰をかばって足の付け根が痛くなる 011 1 なし 高い棚からものを出すとき膝が痛くなる。床を拭くとき痛い。 011 1 なし 立ち上がる時腰が痛い。靴下をはくとき、体を曲げるのが痛い。階段を上ると 012 3 あり き膝が痛い 階段上り下り、重いものを持つとき、手を後ろから回すとき(服を着るときな 013 2 なし ど)、場所は階段や段差 013 2 なし なし 013 2 なし なし 013 2 なし なし 関節に痛みを感じることは特にないが、バランスをくずしやすい。何度か浴室 014 3 なし で(床タイル)で転んだことがある。 立ち上がるときに痛みを感じることがある。特定の場所はない。長時間たった 015 1 あり ままで動き回ると痛くなることがある。 015 1 あり なし 腰は普通に座っているときでも多少だが痛みを感じる。膝については、長時間 足を曲げたまま座っていると痛みを感じるようになり、立つときがつらくな る。他の関節に関しては、痛みを感じることは少ない。また、腰の痛みは座っ ているときよりも、立っているときの方が痛みが激しく、立っている場合には 常に何かによりかかったり、手をついたりしている。  草刈りなどをしている場合には、15~30分ほどで膝、腰の痛みがひどくなり 016 3 あり 作業がつづけられなくなるので、休憩をとる。 017 3 なし なし 1階から2階へ昇り降りする時に使う急な(踊り場のない)階段を使用すると 018 2 なし き、膝が痛い 019 3 あり 階段、立ち座り 020 3 あり なし 020 1 なし 長いこと洗物や調理をしていて立っているとき。場所は台所。 疲れた時。同じ姿勢でいたとき。たとえば掃除機をかけていると同じ姿勢をと 021 1 あり るので腰が痛くなる。草むしりをするときなども腰が痛くなる。 021 1 あり なし 022 2 なし 膝は痛くないが、立ち上がる時に足先がしびれることがある、 023 1 あり 起床の時ふとんから出る時に膝が痛い 024 1 なし 立ち座りでひざが痛む、階段の昇降が遅い

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No. 歩行 腰痛 腰、膝などの関節に痛みを感じるときはどんなときですか。 025 2 あり 床からたつとき。階段。同じ姿勢でいるとき、5分同じ姿勢でいられない。 026 3 あり 10~20m歩くと腰が痛くて休む 027 1 なし ー 028 2 なし 立つとき膝が痛い 029 1 なし ー 030 2 なし 手首が痛い 031 2 あり 鼻骨が痛い 032 1 なし なし 033 2 あり 長い時間歩くと腰が痛い 034 1 あり 床に座るとき、正座するとき、立ち上がり。 035 1 なし なし 036 1 あり なし 037 1 あり 長時間たっていると左ひざが痛い 038 1 なし なし 039 2 なし ひざが痛いので暖める 040 1 あり なし 041 1 あり 長時間コタツに座っていると腰が痛い。 正座するとひざが痛い、長く立っていると痛くなる、たんすの一番下を引くと 042 2 あり き痛い。

表 6-4-6:痛みを感じるとき

人数 立ち上がり かがむ 階段昇降 歩行 立位保持 姿勢保持 物の出し入れ ねじる 重いものをもつ

腰痛あり 10 4 6 4 4 5 2 1 1

腰痛なし 8 1 2 3 3 5 1 0 0

2 3 4 1 1 0 1 1 2

考察:   腰痛疾患者の方が、腰への負担を訴える人が多かった。  また、特に立ち上がりで腰への負担を感じる人が多い。次に階段昇降で多く、上下の体重 移動を伴うもので多くの人が負担を感じていることがわかる。  立位保持、姿勢保持で腰への負担を感じている人が多いが、腰痛疾患者には長い時間腰へ 負担がかかり続ける動作が苦痛であるようである。  歩行においても、特に長い時間歩くときに、腰への負担を感じるというヒアリング結果が 得られている。

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6. 洗い物にかかる時間は一日平均何分ですか

表 6-4-7:洗い物の時間

女性

一度にかける時間(分) 洗い物回数(回)

合計時間(分)

腰痛なし

15.7

2.5

40.4

腰痛あり

14.3

2

39.3

考察:  男性で洗い物をする人が少なく、男性と女性をあわせてみることが不適切と判断されたの で、女性のみで比較した。  腰痛のある人とない人で、洗い物一回にかける時間、一日に行う洗い物の回数、合計時間 に、違いはあまりみられないことがわかった。

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7. キッチンでつらい作業は何ですか

表 6-4-8:キッチン作業

No. 001 002 003 004 005 006 007 008

歩行 2 2 2 1 3 2 4 2

腰痛 なし なし なし なし あり あり あり なし

キッチンでつらい作業は何ですか なし なし なし 煮物がつらい、シンクが高かったが慣れた。手芸した後は少しつらい。 高い棚から物をだす(背伸びができない) なし なし 煮物や漬け物などの調理は長時間の作業になり足がつらい(膝裏、ふくらは ぎ)

009 1

なし なし

010 3 011 1 012 3

あり なし なし 重いものを運ぶとき、床を拭くとき、高いところからものを出すとき。 あり 握力が弱っているので、食器類を落とすことが多い。 鍋など調理器具が重い、調理をしながら最低一時間はたち続けるのがつらい。 キッチン内を歩き回る、しゃがむ。高いところのものをとるのは平気だが、低 いところのものをとるのは困難。材料器のだしいれ、および料理するための諸 なし 動作。 なし なし 下ごしらえするために立ちっぱなしの状態が続くとつらい。高いところや、奥 あり の方にあるものをとるのが困難。しゃがむのも困難。 15分をこえると、腰の痛みが激しくなるので、立っているのがつらくなる。ま た、ステンレスの調理器具(鍋など)は重く、持って移動したり、コンロ上で 鍋の位置を変えたりすることも厳しい。シンクと反対側にある棚においてある あり レンジを使う際、かがまなくてはならないのがつらい。 なし なし 床下収納庫への物の出し入れ(下を向いて屈むのがつらいから)、高い棚から なし 重いものを下ろす時 あり 洗い物 なし 高い棚から皿をとったりするのが大変 あり 調理をする際に長時間立ったままだとつらい。 なし 高い棚の物(皿や鍋)をとる あり 洗い物をしてじっと立っていると腿の裏がいたくなってくる なし 高いところから重いものをとるとき、重いなべを洗うとき

013 2 014 3 015 1

016 3 017 3 018 019 020 021 022 023 024

2 3 1 1 2 1 1

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No. 歩行 腰痛 キッチンでつらい作業は何ですか 025 2 あり たち続けるのがつらいので、折りたたみ椅子を使っている。棚が高くて転ぶ。 026 3 あり ー 027 1 なし ー 028 2 なし ー 029 1 なし ー 030 2 なし なし 031 2 あり なし 032 1 なし なし 033 2 あり なし 034 1 あり たち続けるのがつらいので、椅子で休む。前にもたれて立つ。 035 1 なし 上の棚からものを下ろすのがつらい。 バケツにごみを捨てるときに腰をカバーするために低い姿勢をとるようにして 036 1 あり いる。 037 1 あり 上の棚からものを下ろすのがつらい。長時間たつ作業がつらい。 038 1 なし なし 039 2 なし 包丁作業が台が高めなのでつらい。床下からものをとるのが大変。 040 1 あり なし 041 1 あり なし 042 2 あり なし

表 6-4-9:キッチン作業

人数 立位保持 物の出し入れ ものの運搬 かがみ姿勢 全体

腰痛あり 12 11 4 5 32

腰痛なし 9 3 2 3 17

3 8 2 2 15

考察:  立位保持で、腰痛疾患者が腰への負担を訴える人が多かった。その他の動作と違い、長時 間に及ぶ作業であるためと考えられる。

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8. リビングで過ごす時間は一日平均何時間ですか?

表 6-4-10:リビング

全体 腰痛あり 腰痛なし

男 7.6 7.5

女 5.5 3.2

8.6 9

考察: 一日の中でリビングで過ごす時間は、腰痛の有無による違いはみられなかった。男女差が大 きく、男性より女性の方がリビングで過ごす時間は長かった。また、身体状況よりも、個人 のライフスタイルや性格が大きく影響をしていることがわかった。

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9. 動作を補助する工夫はどのようなものがありますか?

表 6-4-11:動作の工夫

No. 歩行 腰痛 動作を補助する工夫はどのようなものがありますか? 荷物が多く、手すりの代わりになっている、改装後は至る所に手すりをつけた 001 2 なし ので問題はない 002 003 004 005 006

2 2 1 3 2

なし なし なし あり あり

007 008 009 010 011

4 2 1 3 1

あり なし なし あり なし

012

3 あり

013

2 なし

014 015

3 なし 1 あり

016 017 018 019 020 021 022 023 024

3 3 2 3 1 1 2 1 1

あり なし なし あり なし あり なし あり なし

荷物が多く、手すりの代わりになっている、改装後は至る所に手すりをつけた ので問題はない 立つ時や不安定な時。トイレの左側やお風呂のタオルかけを支えにしている。 ない 歩くために家具を配置したわけではないが、家具に捕まってあるく 座りの深くないソファを選んだ。玄関に手すりと小さい台を置いて段差を軽減 した。つまづかないようにカーペットをフローリングにした。 歩く動線上に手をつけやすい家具をおいている なし なし なし リビング内では周囲の家具に手をついているが、特に工夫はない。トイレ玄関 などは手すりをつけている。 そばにある家具や座っているソファなどに頼って立ち上がるが、特に意識して 家具を設置することはしていない。 工夫して補助となるものを置くというよりも、手をつくことができる家具の周 りを通って動いている。 特になし。あまり手をつかないで歩く。 歩く場所には、ソファやテーブルなどを家具を利用してできるかぎり手をつけ るものを連続しておけるようにすることと、それら以外に歩く際に邪魔になる ようなものをおかない。 長時間電話をすると、立っているのがつらくなるため、電話の前にイスをおく ようにしている。 また家を新築する際に、敷居や扉のための段差をまったく 作らないようにした。 床に座る時に小さな座椅子をお尻にしいて立ち上がりやすく工夫している 高い場所にあるものをとる時の踏み台(各部屋に設置してある) 風呂場の段差を減らした なし テーブルを丸く小さいものにして動線を広くして通りやすくした。 なし なし なし

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No. 歩行 腰痛 動作を補助する工夫はどのようなものがありますか? ベッドの高さを座ってひざが90度になるような高さにした。キッチンに折り 025 2 あり たたみ椅子を置いている。階段の段を低くした。 026 3 あり なし 027 1 なし なし 028 2 なし なし 029 1 なし なし 立ち上がるときに左手首に力をかけないようにしている。右手首もつかうよう 030 2 なし にする。 031 2 あり なし 032 1 なし なし 033 2 あり なし 034 1 あり なし 035 1 なし なし 036 1 あり なし 037 1 あり なし 038 1 なし なし 039 2 なし 廊下で壁を触って歩く 040 1 あり なし 041 1 あり なし 042 2 あり なし

表 6-4-12:動作の工夫

工夫 家具につかまる 家具につかまる 家具につかまる 家具配置 家具配置 家具配置 家具選定 家具選定

動作 歩行 立ち上がり 立位保持 歩行 立ち上がり 立位保持 歩行 立ち上がり

自分の動作 自分の動作 壁につかまる 壁につかまる

歩行 立ち上がり 歩行 立ち上がり

回答人数 5 6 3 1 1 3 2 2 1 2 1 1

考察:  歩行や立ち上がり動作で、家具につかまる工夫をしている人がおおかった。さらに、その 配置まで気を配っているひともおり、立位保持のために配置を工夫した人が多く見られた。 立位保持を行う場所が室内でも同一の場所になることが多いからと考えられる。  その他には、家具の選定で立ち上がりやすい物や、歩行の妨げにならないものを選んだり、 自分自身で行う動作方法を工夫する、壁にそって立ち上がりや歩行をする工夫をしている人 がいた。

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10. 食事をする場所は、椅子座ですか?床座ですか? 12. くつろぐ場所はソファですか?床座ですか?

表 6-4-13:椅子座・ソファ・床座

食事

休憩

椅子座 78.6%

ソファ 0%

床座 21.4%

腰痛あり 腰痛なし 腰痛あり 腰痛なし 腰痛あり 腰痛なし 40.5% 38.1% 0.0% 0.0% 7.1% 14.3% 椅子座 ソファ 床座 16.7% 33.3% 50.0% 腰痛あり 腰痛なし 腰痛あり 腰痛なし 腰痛あり 腰痛なし 11.9% 4.8% 14.3% 19.0% 21.4% 28.6%

考察:  食事のときは椅子座が多く、休憩のときには床座で生活している人が多い。また、腰痛の ある人の方が、食事の時も休憩の時も、椅子座を好むことが多い。現在床座で生活していて も、腰への負担から、将来は椅子座にすることを望んでいる人も多く、椅子座の方が腰部へ の負担が少ないという認識を持つ人は多かった。

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11. 食事をするときに、椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べ て、「立つとき」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか?

表 6-4-14:楽な座り方

No.

001

002 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015

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椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「立つ 歩行 腰痛 とき」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか? 掘りごたつから立ち上がる時は足腰に負担があるが立ち上がり方を心得ている ので問題はなかった、改装後の様子では椅子座のダイニングの方が楽そうなの 2 なし は明らか 掘りごたつから立ち上がる時は足腰に負担があるが立ち上がり方を心得ている ので問題はなかった、改装後の様子では椅子座のダイニングの方が楽そうなの 2 なし は明らか 2 なし 椅子座の方が楽、床になれていないから、正座できないから 1 なし 床座の方が楽、正座が習慣になっているから楽。 3 あり 椅子座が楽、椅子のひじ掛けにつかまってたてるから 2 あり 椅子座の方が楽。立ち上がりが楽だから。 4 あり 椅子座の方が楽、正座ができないので、椅子でないと「立つ」どころか「座 2 なし る」ことも困難。洋室の方が断然楽。 1 なし 椅子座の方が楽、テーブルに手をついて立つ方が楽なので。 3 あり 椅子座の方が楽、椅子から立つ方が床にいるときより足への負担が少ない 1 なし 椅子座の方が楽、椅子から立つ方が床にいるときに比べ足への負担が少ない 3 あり 椅子座の方が楽。関節の痛みが少ない。 2 なし 椅子座の方が楽。正座できない、→膝を骨折したために曲がらなくなった。 椅子座の方が立ち上がりが楽。床座は椅子座に比べて立ち上がるのに一段よけ 3 なし いな動作と力が必要となってしまう。 1 あり 椅子座の方が立ち上がりが楽。床座だと背もたれがないし、姿勢が悪くなる。 直に座っている場合と比べて、手をつきながら立つことは変わらないが、イス の方が立ちやすい。ダイニングチェアはひじ掛けがあり、座面も回転すること に加え、キャスターがあるために、イスを引いたり押したりすることに力を必 3 あり 要としないので、容易に立ち上がることができる。 3 なし 椅子に座っている姿勢事体が楽でのんびり食事をする事ができる。何事も立つ ことが多く、床座だと立つ時物を持っているとバランスを崩す事があるが、椅 2 なし 子座ならば前に一歩出る感覚でたてるから楽である 3 あり 椅子座の方が楽、立つ時手がつける、膝がまがっていないから 立つことに関しては椅子から立つほうが床からより楽。しかし床座のほうがな 1 なし れているから和室で食事をとっている。 1 あり 楽だと思う。椅子はテーブルに手をついてたてるから楽。 2 なし 床座の方が楽、昔からなれているから、椅子は気分的に落ち着かない 1 あり 椅子座の方が楽、簡単に立つ事ができるから、膝に負担がかからない。 1 なし 椅子座のほうが楽

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椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「立つ No. 歩行 腰痛 とき」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか? 025 2 あり 床からのたちあがりがつらいから。 026 3 あり ー 027 1 なし ー 028 2 なし ー 029 1 なし ー 030 2 なし 手首に力が入らないから楽である。 031 2 あり 背もたれがあるし、立ち上がりがらくだから 032 1 なし 033 2 あり 034 1 あり 035 1 なし 036 1 あり 立ち上がりが楽だから本当は椅子のほうがいい 037 1 あり ひざをかばえるから、椅子が楽。 038 1 なし 立ち上がりが椅子座の方が楽である。 039 2 なし 040 1 あり 立ち上がりが椅子座のほうが楽である。 041 1 あり 立ち上がりが椅子座のほうが楽である。 042 2 あり 立ち上がりが椅子座のほうが楽である。

表 6-4-15:楽な座り方 ( 腰痛有無別)

椅子座がいい 腰痛あり 腰痛なし 合計

床座がいい 15 14 29

0 2 2

どちらでもいい 4 3 7

表 6-4-16:楽な座り方 ( 動作別)

椅子座がいい 立ち上がりが楽 慣れている 姿勢保持が楽

床座がいい 21 1 6

0 2 0

どちらでもいい 0 0 0

考察:  椅子座がいいと答える人が多かった。理由をみると、立ち上がりが楽であるという回答が 多く、つぎに姿勢が楽であるという回答が多かった。一方で、生活になじみ、慣れているの で床座での生活が本当は好ましいという意見もヒアリングでは多く聞かれた。和式の生活ス タイルへのこだわりがある一方で、洋式の生活の方が実際的であるという考え方を持つ人が 多いようである。

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13. 休憩をするときに、椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べ て、「座っている時」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由は何ですか?

表 6-4-17:楽な座り方(休憩)

No. 001 002 003 004 005 006 007

008 009 010 011 012 013 014 015

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椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「座っ 歩行 腰痛 ている時」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由は何ですか? 床座とはいえ、掘りごたつなので姿勢は椅子座に近い、寄り掛かる箇所もある 2 なし ので椅子座とあまり変わりはない、立ち上がりは多少辛い 床座とはいえ、掘りごたつなので姿勢は椅子座に近い、寄り掛かる箇所もある 2 なし ので椅子座とあまり変わりはない、立ち上がりは多少辛い 2 なし 床になれていないから、正座できないから 1 なし 正座が習慣になっているから楽。 3 あり ー 2 あり ー 4 あり 骨折してから床座が痛いためソファにした。 足を伸ばせるから和室の方が楽だと思われるかもしれないが、長時間に及ぶと 腰が痛くなるので、立つときに大変。膝が悪い人で足を折ることができない人 にとっては、洋室で椅子座の方が楽だと思う。→足を折ることができるので洋 2 なし 室の方が楽。膝の悪い人にとっては、背もたれはあってのなくても変わらな 1 なし 椅子に座ったときの姿勢が楽、腰への負担が軽くなるので 3 あり 足が痛くなるので床座はだめ 1 なし 椅子から立つ方が床にいるときに比べ足への負担が少ない 3 あり 椅子座の方が楽。床座だと立ち上がりにくいから。背もたれがあるのも大事。 2 なし 椅子座の方が楽、背もたれがあるし、正座できないから。 TVをみるときは食卓の椅子に座ってみるが、長時間ではない。たいていは隣 3 なし の和室で横になっている。寝る姿勢が一番楽。 ソファには座らず、食卓の椅子に座ったままくつろぐことが多い。椅子座が 1 あり 楽。床座だと手をついて立ち上がらなければならず、しんどい。 直に座っている方が気分的にも楽であるだけでなく、膝の曲げ伸ばしが自由に 行えるので長時間座っていても疲れにくい。普段、座っているときもどちらか と言うと前に体重をかけるようにして座るので、背もたれなどに寄りかかるよ りもテーブルに手をついていた方が楽。また、座っている姿勢に疲れたときで も、容易に横になることができるなど、姿勢を簡単にかえることができるので 3 あり くつろぐことができる。 3 なし 2 なし 椅子の背もたれに寄り掛かれるから楽 3 あり 椅子は立ち上がりが楽だし膝が痛くない、床は転がれるからいい 正座をしているほうが楽。慣れているから。バスなどでも椅子の上に正座して 1 なし しまう。椅子に長時間座ると腰が痛くなってしまう。 床より椅子のほうが姿勢が楽。しかし背もたれに寄りかかると腰に負担がかか 1 あり るので背中をまっすぐにして座るようにしている。 洋室に住んだ事がないので椅子自体が落ち着かない。和室は立ち上がりが椅子 2 なし より大変だが、そこまで苦ではない 1 あり 立ち上がる時楽だから、よっかかれるから腰が楽である 1 なし ソファのほうが楽。膝がらくだからいい。

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椅子座の人は床座の部屋と比べて、床座の人は椅子座の部屋と比べて、「座っ No. 歩行 腰痛 ている時」につらいと思いますか?楽だと思いますか?その理由は何ですか? 025 2 あり 椅子がいい。床からのたちあがりがつらいから。 026 3 あり 床座がいい。家が古いから 027 1 なし ー 028 2 なし ー 029 1 なし 030 2 なし 床座がいい。本立てなどもたれるものがある。座椅子がもたれられるから楽。 031 2 あり 椅子に長く座っていると足がむくむから、床のほうが楽。 032 1 なし 033 2 あり 床座がいい。座布団に座ってるほうが疲れが早く取れる 034 1 あり 035 1 なし 椅子で長時間座っていると足がだるくなるから、床が楽あぐらがかけるからい 036 1 あり い。 037 1 あり 038 1 なし 039 2 なし 040 1 あり 立ち上がりが椅子座のほうが楽である。 041 1 あり 042 2 あり 背もたれを作れるから、床でもいい。 表 6-4-18:楽な座り方(休憩)(腰痛有無別)

椅子座がいい 腰痛あり 腰痛なし 合計

ソファがいい 7 6 13

床座がいい 1 1 2

どちらでもいい 7 5 7 6 14 11

表 6-4-19:楽な座り方(休憩)(動作別)

椅子座がいい

ソファがいい

床座がいい

どちらでもいい

立ち上がりが楽

7

0

0

0

慣れている

0

0

3

0

姿勢が楽

7

2

6

0

好み

0

0

3

0

寝転がれる

0

0

3

0

考察:  休憩場所では椅子座と床座を好む人が同じくらい多かった。理由としては、椅子座を好む 人は立ち上がりやすさや姿勢の楽さ、といった動作の容易さをあげる。一方で、床座の人は 姿勢が楽であること、寝転がれること、精神的に落ち着くなど、総合的な理由で床座を選択 するようである。食事場所に比べると、立ち座りの回数が少なく、居心地のよさが優先され るようである。

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□ 2.�住まいの間取りと動作に関する調査 ①対象空間内での手をつく箇所数と、手をつく時に行っている動作について以下の表にまと めた。 表 6-4-20:腰痛有無別の手をつく箇所数と動作

腰痛あり 腰痛なし 平均

手をつく箇所数 立ち上がり 歩行(角) 歩行(直線) 立位保持 境界(段差) 2.95 1.55 0.91 0.79 0.33 0.36 2.95 1.37 1.13 0.43 0.23 0.46 2.95 1.46 1.04 0.61 0.28 0.42

考察:  手をつく箇所数は、腰痛のある人もない人も変わりはないことがわかった。また、立ち上 がりで手をつく人が多く、歩行時には、直線歩行より角での歩行で手をつくことが多い

表 6-4-21:歩行能力別の手をつく箇所数と動作

歩行度1 歩行度2 歩行度3 歩行度4

手をつく箇所数 立ち上がり 歩行(角) 歩行(直線) 立位保持 境界(段差) 2.18 1.69 0.60 0.44 0.00 0.00 3.43 1.29 1.33 1.00 0.38 0.63 3.63 1.38 1.14 0.25 0.50 0.71 4 1 2 1 0 0

考察:  歩行度があがるにつれて手をつく箇所数は多くなることがわかった。立ち上がりで手をつ くことが多いが、歩行度にはよらないことがわかった。歩行時に手をつく箇所数も、歩行の 度合いにはさほどよらないことがわかった。

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②動作ごとに手をつく物とその高さについてまとめた。

表 6-4-22:動作と手をつくものの高さおよび種類

動作 手をつく物の高さ 腰痛あり 腰痛なし テーブル 椅子肘掛け 椅子の背もたれ ローテーブル ソファ座面 ソファ背もたれ ソファ肘掛け 壁の凹凸 棚類 シンク 柱 仏壇 TV 床

椅子からの立 ち上がり 68.4 70.7 65.1 A B 71.9 81.8% 43.5 13.6% 80.0 4.5% -

ソファからの 立ち上がり 41.0 41.2 40.8 A

B

36.8 40.0% 30.0 10.0% 46.6 50.0% -

床から立ち上 がり 36.8 38.0

歩行

歩行、境界

立位保持

105.5 120.0 90.7

105.0 0.0 105.0

99.0 93.8 102.6

35.2 A B A B A B A B 70.8 7.4% 77.2 12.5% 70.0 10.0% 68.0 5.3% 27.5 7.4% - 72.1 14.6% 36.2 81.5% - 79.0 6.3% - 55.0 6.3% - 101.6 22.9% 115.0 60.0% 147.5 10.5% - 97.3 16.7% - 83.6 42.1% - 85.8 8.3% - 89.0 31.6% - 115.0 8.3% 113.3 30.0% 150.0 10.5% - 70.0 2.1% - 90.0 2.1% 0.0 3.7% A:家具ごとの平均高さ B:使用家具の割合

考察: 立ち上がりについて  椅子からの立ち上がりでは、70cm 程度のテーブルに手をつくことが多かった。ソファか らの立ち上がりでは、46cm 程度の肘掛けを使うことが多い。床からの立ち上がりでは圧 倒的に36cm 程度のローテーブルに手をつくことが多い。 歩行について  歩行では手をつくものの種類が多かった。100cm 程度の壁の凹凸をたよりに歩く人が 最も多かった。同じく100cm 程度の棚類の使用もおおいので、100cm 程度の高さが 歩行には補助としての効果を果たしやすいと考えられる。単純な歩行と境界をまたぐ歩行で は、手をつく高さに違いは見られなかった。

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立位保持について  立位保持に使われる物は、80cm 台の棚類やシンクが最も多かった。 ③動線長さと手をつく箇所数  歩行で手をつく箇所が、動線距離に対してどれくらいあるかどうか、動線1m あたりに 何カ所手をつく箇所があるか調べて比較した。 全体、腰痛の有無、歩行能力の度合い、すまいの平面型によって違いがあるかどうか比較した。

表 6-4-23:1m あたりにある手をつける箇所数

1mあたりにある手をつける箇所数(歩行) 全体

0.34

腰痛あり 腰痛なし

0.31 0.30

歩行1 歩行2 歩行3 歩行4

0.17 0.32 0.43 0.28

歩行

回 6 5 4

歩行

3 2 1 0 0

200

400

600

800

1000

1200

cm

図 6-4-1:動線長さと手をつく回数

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図 6-4-2:動線長さと1m あたりに手をつける箇所数

考察:  腰痛のある人とない人で、距離に対する手をつく箇所数に違いは見られなかった。歩行能 力別にみると、歩行能力が低くなると手をつく箇所数が増える傾向がみられる。平面型ごと にみてみると、平面3、4で減少しているが、これは平面3、4になると一般的に室面積が 大きくなり、歩行距離が伸びるためといえる。

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④室面積と手をつく箇所数について 室面積と手をつく箇所について

図 6-4-3:室面積別手をつく回数

考察:  室面積と手をつく箇所数に関係性はみられなかった。

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⑤家具面積の室面積に対する割合と手をつく箇所数について

sqm 図 6-4-4:室面積と家具面積

sqm 図 6-4-5:室面積と室面積に対する家具面積の割合

室面積が大きくなると家具面積も大きくなる傾向にある。

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図 6-4-6:家具面積の割合と手をつく回数

家具面積の割合と手をつく回数に関係性はみられなかった。

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⑥腰痛の有無別、家具面積と手をつく箇所数について

sqm 図 6-4-7:腰痛のないひとの家具面積と手をつく箇所数

sqm 図 6-4-8:腰痛のあるひとの家具面積と手をつく箇所数

考察: 腰痛の有る無しで家具面積と手をつく箇所数に違いはみられなかった。

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■�6-5. まとめ�■ □動作補助  公室空間で、腰への負担を感じやすい動作で一番多いものは、立ち上がりである。次に立 位保持姿勢保持で負担感を訴える人が多い。 公室空間で、動作の補助として手をつく場合には、立ち上がり時、歩行時、立位保持や姿勢 保持、の場合に多きく分けられる。 公室空間で、動作補助を目的にすまいでしている工夫には、動作時に家具につかまる工夫を する人が多かった。またその家具の配置、選定にまで配慮をしている人もみられた。

□ライフスタイル  食事のときは椅子座が多く、休憩のときには床座で生活している人が多い。  腰痛疾患者は椅子座がいいという人が多い。  食事場所では、椅子座の方が腰部への負担が少ないという認識を持つ人が多く、特に腰痛 疾患者は椅子座の方が立ち上がりが楽であるのでいい、という考えの人が多かった。しかし、 生活になじみ、慣れているので床座での生活が本当は好ましいという意見もヒアリングでは 多く聞かれたことから、和式の生活スタイルへのこだわりがある一方で、洋式の生活の方が 身体機能が落ちてきたら実際的であるという考え方を持つ人が多いようである。  休憩場所では椅子座と床座を好む人が同じくらいであった。椅子座は立ち上がりやすさや 姿勢の楽さ、といった動作の容易さに優れ、床座は姿勢が楽であること、寝転がれること、 精神的に落ち着くなど、動作補助だけでなく総合的な理由で好まれるようである。くつろぎ の場所であるので、食事場所に比べると、立ち座りの回数も少なく、居心地のよさが優先さ れるようである。

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□手をつく箇所  手をつく箇所数は、腰痛のある人もない人も変わりはないことがわかった。また、立ち上 がりで手をつく人が多く、歩行時には、直線歩行より角での歩行で手をつくことが多い。 立ち上がりでは、 ・椅子からの立ち上がりでは、70cm 程度のテーブル ・ソファからの立ち上がりでは、46cm 程度の肘掛け ・床からの立ち上がりでは、36cm 程度のローテーブル に手をつくことが多い。 歩行では、 ・100cm 程度の壁 ・100cm 程度の棚類 に手をつくことが多い。 立位保持では、 ・80cm 台の棚類 ・80cm 台のシンク に手をつくことが多い。

□手をつく箇所と空間  動線長さと、距離に対する手をつく箇所数に違いは見られなかった。  室面積と手をつく箇所数に関係性はみられなかった。  家具面積と手をつく箇所数に違いはみられなかった。

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■■�7-1�実験の目的�■■

■�7-1-1�目的�■  実験の目的は、立ち上がり動作時の、腰部モーメントの測定である。  アンケート調査から、室内の動作で腰部に負担を感じるもので立ち上がり動作をあげる人 が最も多かったことから、室内で行われる動作の中でも特に立ち上がり動作にしぼって実験 を行った。  また、室内で手をつく行動には、ほかに歩行や、立位保持などが主にあげられる。しかし、 ・歩行動作で手をつく場合はバランスを保つためであり、腰部に負担を感じるためではない、 また腰部に負担を感じるのは 20m くらい、ある程度継続した歩行動作においてであり、住 宅のスケールの範囲ではないこと。 ・また立位保持動作でも腰部に負担を訴える人がいたが、立ち上がりに比べると数が少なか ったこと。 などの理由からも、立ち上がりに対象を絞ることにした。

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■�7-1-2�立ち上がり動作の重要性�■  一般に、立ち上がり動作はだれもが毎日繰り返す動作であり、健常者にとっては決して 困難な動作ではない。しかし、立ち上がり動作は、移乗動作や歩行へ移行するための前段 階としてきわめて重要であり、立ち上がり動作が可能か否かは障害者自身の行動範囲に関 係するだけでなく、介護者の負担度にも大きく影響してくる。

■�7-1-3�立ち上がり時の関節モーメントについて�■  立ち上がり動作遂行能力に影響する要因は、 ①神経学的障害 ( 中枢、末梢 ) ②関節可動域、疼痛 ③年齢、性、体格 ④バランス能力 ⑤精神神経機能 ⑥筋力 ⑦その他 など複雑であり単一の要因のみで説明することはできないが、筋力に関する要因はこれら のなかでも重要な要因の 1 つである。よって、立ち上がり動作中の下肢関節モーメント を計測しこれを分析した。

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■■ 7-2 実験方法 ■■

■ 7-2-1 実験概要 ■ □実験概要  自宅の居間で立ち上がる動作において身体(特に腰部)にどのくらいの負荷がかかるか を求めるため、実験室でその動作を再現して動作の動きとその時にかかる床反力を測定す るものである。 はじめに日本の典型的な居間での立ち上がりを想定し、 <1>(畳に座っていて)床から立ち上がる <2>(ダイニングテーブルに座っていて)椅子から立ち上がる <3>(ソファに座っていて)ソファから立ち上がる という3つの立ち上がり動作測定する事とした。実験室では動作をカメラでとらえるため、 通常のソファセットやダイニングセットでは死角ができ計測不能となる。そのため典型的 なソファや椅子の高さ(建築資料集成*などを参照)にあわせた実験用の椅子等利用し、 床反力計の上で行った。また動作計測には、身体の関節部分で必要な箇所にマーカーを貼 り、その動きをカメラでとらえて空間上の座標位置を測定した。この動作のデータと反力 のデータから、後に腰部、股関節、膝関節、足関節の負荷を計算によりもとめ、体にかか る負荷と動作補助の関係を調べるものである。

□日程 プレ実験 11 月21日(水) 11月20日(木) 本実験 11 月 26 日(水) 11 月 27 日(木) 11 月 28 日(金) 11 月 29 日(土)

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□場所 栃木県大田原市「国際医療福祉大学」動作計測実験室

□実験に用いたシステム <三次元動作解析装置> VICON612(VICON MOTION SYSTEMS 社)を用いた。 ・サンプリング周波数120Hz の赤外線カメラ8台を用いた。カメラでマーカーの 3D 位 置情報を認知し、被験者の動作を記録した。 ・マーカーは、直径 25m m程度の球に、直径 2 cm程度のディスク状の台が付いている。 球の表面はガラスの粒子が入っているテープで覆われており、銀色で、カメラからの赤外 線を反射する。被験者の関節に取り付けるときは、台に両面テープを貼り、所定の位置に 取り付けて、動いても取れてしまわないよう、ディスク部分をさらに紙テープで固定する。 油分で光の反射機能が落ちるので、マーカーの球には手で触れないように気をつけて作業 した。 ・床反力計は、被験者の床にかかる反力や、体重心のブレを測定するのに用いた。

図 7-2-1-1:VICON システム

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PC

FP4 FP3 FP1 FP2 VICONビデオカメラ 赤外線カメラ 図 7-2-1-2:カメラと反力計の配置

図 7-2-1-4:計測室

図 7-2-1-3:赤外線カメラ

<その他用意したもの> ・ビデオカメラ:実験風景を常に記録するのに用いた。 ・分度器 / 直角定規:立ち上がる前の姿勢で足の引き具合(足首の角度)を確認するのに 用いた。 ・水着 /T シャツ / 水泳キャップ:被験者に着替えてもらう実験用ウェアとして用いた。T シャツはグレーなど暗い色で小さめサイズのものを着用。頭頂部にもマーカーを貼るため、 水泳キャップを着用した。 ・ワイヤーラック:手を付く台として使用。光を反射するとカメラが反応するので、黒い ものを使用した。 ・椅子:椅子からの立ち上がり用に使用。 ・ソファ:一般的なソファと同じ高さのバタフライチェアにクッションを取り付けて使用。

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□被験者 実験に用いる人体データの都合からすべて男性とし、高齢者は 70 才以上、若年者は 21 才から 25 才までとした。(解析に用いる人体データが男性の身体についてのものしか用 意できていなかったため、すべて男性とした) ・プレ実験 高齢者2名 若年者1名 有効なデータとして、高齢者1名分が得られた。 ・本実験 高齢者6名、若年者 7 名 有効なデータとして、高齢者5名、若年者7名分が得られた。 以下の表に被験者の身体データをまとめた。

表 7-2-1-1:被験者の身体データ

被験者No 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016

年齢 78 71 74 21 24 23 70 22 71 21 78 23 78 25

腰痛 なし なし なし なし なし なし あり なし あり なし あり なし あり なし

身長 160 167 167 170 173 165 165 173 163 173 168 180 155 173

体重 58 78 63 64 60 60 65 65 68 59 70 71 78 64

:高齢被験者 :若年被験者

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■ 7-2-2 測定する動作 ■ まず、床、ソファ、椅子から立ち上がる動作を考える。次にそれに対してテーブルなどに 手をついて立ち上がる動作を考えて、前方においた台に手をついて立ち上がる動作を行う。 また、座の横に置かれた棚や肘掛けなどの利用を考え、棚を片側に置いて手をつく場合と、 台を両横に置いて手をつく場合の動作を設定した。 床、ソファ、椅子の高さは標準的な資料集成等の高さを参考に下記のよう決めた。 また手をつく台の高さについては、ダイニングテーブルやローテーブルの高さを参考にし ながら、比較実験として、それより高い位置、低い位置を設定した。つまり台の3つの配 置(前、横、両横)に対して、台の高さを(高 中 低)とかえて行うこととした。 これによって、椅子から立ち上がる動作については、3配置×3高さ に台の補助なしの 動作を加えて、10 の動作を行った。 同様に、ソファ、床からの動作を行い、合計で 30 項目の動作に対する計測を行った。

表 7-2-2-1:測定項目

台の高さ 床

なし

30cm  40cm  70cm

ソファ

なし

30cm  40cm  70cm

椅子

なし

60cm  70cm  80cm

高さを 30cm/40cm/70cm(床、ソファから立ち上がる場合) 60cm/70cm/80cm(椅子の場合)とした。

□測定に用いた家具類について ・ソファとして、バタフライチェアを使用した。柔らかみを持たせるため座面にクッショ ンをしいた。高さは 38cm であった。 ・椅子として、図のようなシンプルな椅子を使用した。高さは45cm であった。

図 7-2-2-1:ソファとして

図 7-2-2-2:椅子として

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□各測定項目の設置について 床面に以下の図ような目印を最初につけた。 25cm

30cm

25cm 目印用:テープ

床反力計:508×468 図:7-2-2-3:床の目印

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<床からの立ち上がり> ・姿勢の取り方 床からの立ち上がりは、床に座り込んでしまうと足のマーカーがはがれる上に、カメラで の認識もできないため、立ち上がる動作の途中の、膝だち状態から測定を始めた。姿勢の 取り方は、膝を床反力計の中心から30cm ほど前のラインにそろえることにした。また、 床反力計に複数の荷重がかからないように、足部は床反力計の中心線を越えて後ろ側の反 力計に乗るようにした。 ・棚の位置 前の場合・・・床反力計から30cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 横の場合・・・床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 両横の場合・・・両側とも、床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 として、セッティングを行った。

<前の場合>           <横の場合>          <両横の場合> 25cm

30cm

25cm

30cm

25cm

30cm

図 7-2-2-4:床からの試行のセッティング

図 7-2-2-5:膝立ちの姿勢

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<ソファからの立ち上がり> ・姿勢の取り方 膝から足部にかけての膝下の角度を鉛直方向から5度になるように座り姿勢をとること (背屈5度)にした。( 図 7-2-2-8:足の角度の決め方参照 ) これは、足の角度の違いによ って立ち上がりの身体負荷にバラツキを生じさせないようにするための配慮である。足部 の位置は、前の反力計に右左それぞれ分けておくことにした。 ・椅子の位置 後ろ側の床反力計に乗るようにした。 ・棚の位置 前の場合・・・床反力計から30cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 横の場合・・・床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 両横の場合・・・両側とも、床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 として、セッティングを行った。

25cm

25cm

25cm

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図 7-2-2-6:ソファからの試行のセッティング

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<椅子からの立ち上がり> ・姿勢の取り方 前の場合・・・足部を反力計にのる範囲でなるべく前に自然にだした場所においた。立ち 上がりのときに、足を同一の反力計のなかで引いて立ち上がるようにするためである。 横、両横の場合・・・膝から足部にかけての膝下の角度を鉛直方向から5度になるように 座り姿勢をとることにした。これは、足の角度の違いによって立ち上がりの身体負荷にバ ラツキを生じさせないようにするための配慮である。足部の位置は、前の反力計に右左そ れぞれ分けておくことにした。 ・椅子の位置 後ろ側の床反力計に乗るようにした。 ・棚の位置 前の場合・・・床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 横の場合・・・床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 両横の場合・・・両側とも、床反力計から25cm の位置に棚の手前のラインをそろえる。 として、セッティングを行った。 <前の場合>           <横の場合>          <両横の場合> 25cm

25cm

25cm

25cm

図 7-2-2-7:椅子からの試行のセッティング

5度

マーカー

図 7-2-2-8:足の角度の決め方(背屈 5 度)

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図 7-2-2-9:両横のセッティング

□設定項目を決めた根拠 日常の生活シーンを考慮して、測定項目を考えた。 床から立つときは、前にはちゃぶ台があることが多く、横には棚や、肘掛けのようなも のがある場合が多い。そこで標準的なちゃぶ台の高さが 35cm から 40cm くらいなので、 基準高さを 40cm としそれより低めの 30cm と標準的な食卓テーブル高さの 70cm の3 種類の高さを設定した。 ソファから立つときは、前にテーブルがあることが多く、横には肘掛けやテーブルがある ことが多い。そこで基準高さを 40cm としそれより低めの 30cm と標準的な食卓テーブ ル高さの 70cm の3種類の高さを設定した。 椅子から立つときは、前には食卓テーブルがあることが多く、横にはいすの肘掛けやテー ブルがあることが多い。そこで基準高さを標準的な食卓テーブル高さの 7 0cm とし、そ の前後 60cm、80cm の3種類の高さを設定した。

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■ 7-2-3 実験手順 ■ □実験手順 大まかな実験の流れを図に示した。

被験者準備

システムの準備

0. 目的と概要の理解。同意書の記入。 1. 着替え 2. 身体データの聞き取り、および計測 3. 腰痛チェック(高齢被験者) 4. マーカーづけ

0. 椅子のセッティンブ 1. キャリブレーション

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0. 立位姿勢の計測 1. Workstation 上でのマーカーづけ 2. 立ち上がり動作の計測(30項目)

評価

立ち上がりやすさの感応評価

片付け

図 7-2-3-1:実験のながれ

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□被験者の準備 0. 被験者に実験の目的と概要を伝え、同意書に記入してもらった。 1. 被験者の服装は上肢は T シャツ、下肢は水着とした。 2. 身長、体重を記録した。 3. 高齢被験者については、腰痛チェックを行った。指圧によるチェックと、体を屈曲さ せるチェックの二種類を行った。指圧によるチェックでは、ベッドにうつ伏せになり、腰 椎、腰椎周辺の筋肉をプッシュすることで痛みの有無を確かめた。体の屈曲によるチェッ クは、前屈、後屈、斜めに曲げるなどした時の痛みの有無についてそれぞれ調べた。

<指圧によるチェック> ①被験者をうつぶせに寝かせた。 ②両腰骨の平行ラインをとり(背骨のくぼみの上(L4) )の位置を確認した。 ③背骨の突起とくぼみを順に押した。 ④背骨の脇の筋肉を順に押した。 ⑤背骨の周りの膜を順に押した。

図 7-2-3-2:腰痛チェックの様子

L4 L5

腰部のマーカー

筋肉

脊椎

図 7-2-3-3:腰痛チェックの箇所

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<体の屈曲によるチェック> ①前屈 ②後屈 ③ひねり(左右) ④横屈(左右) ⑤ひねり+後屈、肩の上から力を加えて痛みがあるかどうかもチェックする。

①                     ②

③                     ④

図 7-2-3-4:腰痛チェック

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4.  被験者の関節の位置を確認し、マーカーを貼っていく。マーカを貼る位置について は図に示した。臨床歩行分析研究会が勧めるマーカーのつけ方を参考にし、直径 25mm の赤外線反射マーカーを被験者の頭頂部、左右両側の肩峰、肘関節、手首関節、股関節(大 転子中央と上前腸骨棘を結ぶ線上で大転子から 1/3 の点)、膝関節(膝関節裂隙より 2cm 上方の高さで前後径の 1/2 と 1/3 の中点)、足関節外果突起、第五中足指節関節、上前腸 骨棘、上後腸骨棘、そして第 4,5 腰椎間の合計 21 個のマーカーを貼付した。また背中の 右側の任意の位置に dammy マーカーを貼付して左右の識別ができるようにした。

図 7-2-3-4: マーカー付けの道具

図 7-2-3-5:マーカー貼付位置

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□装置の準備 1. 反力板上に使用する家具を設置した(椅子の場合は椅子を設置、ソファの場合はソフ ァを設置、床の場合は何も無しの状態)。 2. 機械のキャリブレーションを行った。これにより、床反力計、カメラ、を含む測定空 間に座標軸をシステム上で設定する。図の写真は、反力計にゲージをおき、ゲージ上のマ ーカをシステムで読み込むことで、空間に座標軸を設定している様子である。

図 7-2-3-6:キャリブレーション

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□測定 1. 被験者に反力板の上に立ってもらい、まずは立位の状態を記録した。これによりシス テム上でその被験者の体型とマーカーの種類を記憶させた。 2. 測定項目を変え、各測定項目ごとに二回ずつ記録する。このとき、測定回ごとにデー タをチェックし、データに不足が生じた場合には、二回以上測定を行った。特に高齢者の 場合、腹部のマーカーが体の陰になってカメラで認識しづらく、データに欠損が生じやす かった。また、各測定項目は被験者ごとにランダムに並べ替えて行った。

図 7-2-3-7:測定風景

図 7-2-3-8:測定画面

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□評価のヒアリング 1.  立ち上がり動作で、どの高さに手を付くのが適切であったか、各使用家具ごとに順 位をつけてもらう。

□片付け 1. 測定が終わったら被験者からマーカーを外して終了とした。

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■■�7-3 データの読み方�■■ ■�7-3-1�関節モーメント測定の有効性�■  医療福祉分野においては、動作分析は、身体障害者の動作異常のメカニズムを分析し、身 体の障害によりどのような補償動作が余儀なくされ、またその補償動作がどの程度の効果を あげているか分析し、より効果的な歩行訓練、より適正な補装具、より好ましい手術の方式 などを提案する事を目的として研究されている。  本研究では、すまいのしつらえを身体にかかる負荷で評価することを目的としている。住 まいで行われる日常生活動作を分析し、住まいのしつらえにより、どのような動作が行われ、 どの程度負荷を生じているのかを調べるためには、動作のメカニズムから関節に生じる負荷 を測定するのは有効な方法であると考えた。そこで医療福祉分野でなされている関節モーメ ントの測定を行うことにした。

動作のメカニズムを分析するためには、身体骨格がどのような力学の原理で動いているか を理解する必要がある。力学の原理自体は単純だが、骨格系が複雑な連鎖構造のため、その 動きの原因は誤解されやすい。しかし骨格系力学について理解できると、補償動作の分析に あたって対象者が行おうとしている努力を筋活動の発現といろ形で把握することが可能とな る。次には逆に、その筋活動がどういう形で歩行なり動作なりを生み出すかの分析をするこ とになる。したがって、この分析では動作中の関節に生じる負荷が推定できるかどうかがポ イントになるのである。筋活動の分析には長い間、筋電位計測が行われてきたが、この手法 では筋張力が何ニュートン発揮されているかといった定量的な計算ができなかった。また、 計測に手数がかかり、個々の対象者に日常的に適用するには煩雑であった。このような壁 を打破しようとして開発され、発達してきたのが関節モーメント計算の手法である。関節モ ーメントには筋活動がかなりの程度直接的に反映されている。現時点では関節モーメントを 計算することだけが各関節に生じる負荷を定量的に推定する唯一の現実的な方法である。空 間座標位置測定装置と床反力計の普及ならびにパーソナルコンピュータの進歩とを背景とし て、関節モーメントの計算が簡単に実行できるようになり、臨床応用が可能となりつつある。 引用 *18

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■�7-3-2�関節モーメントとは�■  本研究では、関節モーメントというものを、動作の負荷を表すものとして使っている。 その関節モーメントとはどのようなものか、説明しておく。

例として肘の屈筋の等尺性最大筋力を計測する場合を考える ( 図 7-3-1-1)。力 F を発生 するばねが非常に硬く、肘の屈筋が等尺性収縮をしているとみなせるとする。被験者に最 大努力をさせ、ばね砕で力 F を読みとり、距離 a を乗じた値が最大筋力である。このよう に得られた値を肘関節の関節モーメントとよぶ。つまり関節モーメントは、通常いわれて いる " 筋力 " と同じものである。ただ、筋力というと最大努力時の等尺性最大筋力という ニュアンスがついて回るので、運動力学の分野ではこれを避けて関節モーメントと呼ぶ。

図 7-3-2-1:ばね秤で肘の最大屈曲筋力を測る場合の概念図

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上記の例は静的な場面での筋力計測であった。動的場面で測定される筋力は筋トルクと いう用語でよばれることが多い。" 筋力 '' よりも動的なニュアンスが加味されるからであ ろう。機械工学では力のモーメントのことをトルクという。トルクとは日常用語では回転 力といってもよい。ただしトルクあるいは回転力は、図に示すように軸受けに力がかから ない純粋なモーメントに対して用いられる。この力を力学では偶力という。生体内で筋が 活動すると軸受けである関節にはこれを支える支持力 ( 関節間力 ) が発生するので、この 意味では筋トルクという用語はふさわしくない。運動力学の分野では筋トルクの代わりに " 関節モーメント " が用いられるようになってきている。 力 f2

力 f1 図 7-3-2-2: 偶力のモーメント(トルク)( 軸受けに力はかからない )

引用 *18

力 f2

力 f1

関節間力

図 7-3-2-3: 筋張力によるモーメント ( 関節に力がかかる )

引用 *18

図 7-3-2-4: 筋力計測器による膝の筋トルク計測 ( このように計測される筋トルクは関節モーメントと同一のもの である )

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引用 *18


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関節モーメントとは筋力あるいは筋トルクのことであることを述べた。次にこの関節モ ーメントがなにから発生するかについて述べる。再びばね秤で肘の筋力を計測する場面を 考える ( 図 7-3-1-5)。ばね秤で計測される値は F × a である。筋張力を f とし、肘関節か ら筋張力の作用線に下ろした垂線の長さを b とすると、力のモーメントの釣り合いにより、 F × a=f × b となる。右辺は筋張力のモーメントである。筋張力のモーメントを関節モーメントとよぶ。

図 7-3-2-5:関節モーメントの概念(関節モーメントとは筋張力 f にレバーアーム長さ b を乗じたもの) 引用 *18

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■�7-3-3�腰部モーメントの計算方法�■  腰部モーメントの計算方法は、国際医療福祉大学の山本澄子、勝平純司らが開発した方 法をとった。以下にそのやり方を まとめた。

□腰部モーメントの計算方法 (1) 回 転 中 心 の 推 定 方 法 と 座 標 の 定 義 本 実 験 で 計 測 し た 腰 部 モ ー メ ン ト の 回 転 中 心 の 推 定 方 法 を 図 に 示 す。 ま ず 被 験 者 の 第 4,5 腰 椎 間 の 位 置 を 同 定 す る た め に MRI,SIGNAPROFILE(GE メディカル杜製 ) を用いて腰椎の画像撮影を行い、体表に貼った マーカーから第 4,5 腰椎椎体中心間までの距離を算出する。次に計算により体表に貼った マーカーを始点として , 左右の上後腸骨棘に貼った 3 点のマーカーで構成される平面に直 交するように第 4,5 腰椎問まで内挿する。第 4,5 腰椎間と第 5 腰椎と第 1 仙椎間で多く 腰痛が発生することが報告されていることから、この位置を腰部モーメントの回転中心と し、図に示すような XYZ それぞれの軸周りのモーメントを算出する。また X 軸周りのモ ーメントがもっとも大きくなることが報告されていることからこれ負担として定義し、後 届モーメントを、(+)、前屈モーメントを(−)として計算する。

Z軸 Y軸 X軸 後屈方向の モーメント

L4 L5 前屈方向の モーメント

回転中心の推定方法 10名の身長と体重の積 : 10名の挿入距離 =被験者の身長と体重の積:挿入距離(X) X軸周りのモーメントを腰部負担と定義

図 7-3-3-1:回転中心の推定方法引用

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*17


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体幹の重心

体幹にかかる重量 腰部後屈モーメント 重力・慣性力に よるモーメント

図 7-3-3-2;腰部モーメントに関する重力の影響引用

*17

図 7-3-3-3:腰椎の画像撮影引用

*17

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(2) 腰部モーメントの逆動力学的計算

図に示すように身体各部に貼ったマーカーから左右の足部、下腿、大腿そして骨盤にそれ ぞれ座標系を定義し、リンクセグメントモデルを作成する。岡田らの方法を参考に各被験 者について骨盤の上下・前後・左右径を測定したのち骨盤を 2cm の楕円板が積み重なって できていると仮定して、各楕円板の質量、質量中心、慣性モーメントを算出する。最後に 各楕円板の質量、質量中心、慣性モーメントそれぞれを合成し、腰部モーメントの計算に 使用した。下肢の質量、質量中心、慣性モーメントは Winter らの計測値を参考にし、こ れらに床反力を組み合わせた逆動力学的解析を用いて腰部モーメントを算出する。 (3) 算出した腰部モーメントの腰部負担としての妥当性 A.Cappozzo らは頭部、上肢、上部体幹の質量、重心位置、慣性モーメントを算出し、展 部モーメントを計算している。A.Cappozzo らは、被験者 ( 平均年齢 24 ± 4.6 歳、身長 175.2 ± O.Ocm、体重 66.4 ± 4.7kg) の歩行速度が O.99-1.30〔m/s〕のとき、腰部モー メントの最大値は 1.1-2.7/ 身長×体重〔%〕であると報告している。山本、勝平らの研究 では、被験者の歩行速度が平均 1.20〔m/s〕のとき、各被験者の腰部モーメント最大値 の平均値は 1.7/ 身長×体重〔%〕であった。歩行時における A.Cappozzo らの算出した腰 部モーメントの値と、本研究で算出した腰部モーメントの値が近似していたことから、山 本、勝平らの研究で用いた算出値が妥当と判断し分析に用いられた。また山崎らは介護動 作時の腰椎の圧縮力を腰部負担として使用しているが、腰椎の圧縮力を計算するには腹圧 や腹部と背部の筋群のレバーアームなどを、多くの推定値を用いて腰部モーメントを使用 して算出する必要がある。圧縮力と腰部モーメントの大きさに関連があることが分かって いるため、山本、勝平らの研究では腰部モーメントを腰部負担として選択している。 (4) 腰部モーメント正規化の方法 MacFadyan らは関節モーメントを体重によって正規化しているが、関節モーメントは回 転中心からレバーアームの長さと力の積で求められることから、異なった体型の被験者の 腰部モーメントを比較するために、身長と体重の積で腰部モーメントを正規化する。 引用 *17

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■�7-3-4�立ち上がり関節モーメントの見方�■

□有効なデータの範囲  測定した一連動作の関節モーメントのなかでも、正しく計測できている部分と、そうで ない部分があるので、注意が必要である。座位では大腿部が座面から力を受けるため、床 反力のデータだけから股関節モーメントを正しく計算することはできない。立ち上がり時 の股関節モーメントは殿部が椅子から離れた瞬間から立ち上がるまで、座り込みでは殿部 が着座する直前までが正しい値である。

腰部モーメント 60

40

20

0

1

25

49

73

97

121

145

169

193

217

241

265

289

313

-20

337

361

385

Time

-40

-60

-80

87.85 -100

腰部モーメント

最大値

有効な測定値

無効な測定値

Hip Off Time

図 7-3-4-1:モーメントの波形

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□立ち上がり動作の特徴  立ち上がり時の関節モーメントと関節角度を図に示す。

立ち上がりの初めにはまず体幹が前傾する。この時期には体重の大部分が椅子に加わっ ているため、床反力計で計測される床反力は小さい。引き続いて殿部が持ち上がり体重が すべて下肢に加わるようになる。このとき、股関節は屈曲位となる。股関節の屈曲がピー ク値に達すると、股関節と膝関節は同時に伸展方向に動き出す。床反力ベクトルは立ち上 がり動作中、常に足関節のほぼ真下に位置している。したがって、立ち上がり動作を通じ て足関節モーメントは小さい値である。床反力ベクトルはほぼ真上を向いているため、股 関節と膝関節の屈曲伸展による関節位置の変化によって関節モーメントが変化していく。 股関節と膝関節の関節モーメントのピークは立ち上がり初めの時期に現れる。股関節、膝 関節ともに伸展モーメントを発生しながら伸展していくため、伸展筋群は求心性の活動を していることがわかる。 引用 *18

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■�7-3-5�無効にしたデータ�■ 015 の被験者の床からの立ち上がりで手をつかない試行について、無効なデータと判断 した。015 の被験者は高齢者で、腰部疾患者であった。015 の被験者の床からどこにも 手をつかない立ち上がりで得られた、腰部モーメントのグラフは以下の図のようであった。

015 腰部モーメント 10 0

1

41

81

121

161

201

241

281

321

361

401

441

481

521

561

601

641

-10 -20 -30 -40 -50 -60 -70 -80

80.84

-90

腰部モーメント

最大値

図 7-3-5-1:015 床なし

他の被験者の波形と比較してみても明らかに特殊な波形である。015 の被験者の床から どこにも手をつかない立ち上がりでは、他の人の倍以上の時間がかかった。またバランス を維持しながら立ち上がるのにも、余裕がない様子であった。立位姿勢も多少前かがみで あった。 015 の被験者のその他の試行では、他の人と比べても有効な波形得られたので、有効と 判断できたデータは分析に使用したが、床からのどこにも手をつかない立ち上がりについ てのデータは分析には用いないことにした。

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■■�7-4�データの処理�■■

■�7-4-1�得られたデータ�■  実験では、それぞれの試行について、c3d 形式のモーションデータが得られた。また 一部のものについては、それと対応したムービーデータも得られた。これらのデータは Workstation 上で、関節を結んだライン上の人型で表現され、被験者の動きを再現する。 c3d ファイルは、各コマごとに、各マーカーの座標上での位置を記録してあるデータであ る。

■�7-4-2�必要なファイルやプログラム�■  データの分析過程ではいくつか必要になるファイルやプログラムがあるのであげてお く。 ① Workstation ② Bodybuilder ③マーカーセット(マーカーと人型の関節位置とを対応させるためのもの) ④マーカー補正の設定をするためのエクセルデータ(高齢者用、若年者用) 補正プログラムには、被験者の身体データを必要とする。また、今回の実験の要である第 5腰椎がどの程度体の表面からもぐっているかを、実際に MRI をつかって内挿距離を測 ったデータを使って身長や体重との比から推定する。 ⑤マーカー位置の補正プログラム(高齢者用、若年者用) 実験ではマーカーを関節のある位置の体の表面に貼付けて測定を行うが、分析するときに は実際の体内にある関節の位置にマーカー位置を設定しなおす。そのための補正プログラ ムである。 ⑥動作種類ごとの動作解析プログラム 今回の実験では、立ち上がりの種類が type、type2、type3 に分けられたのでそれぞれ3 つのプログラムを用意した。

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□各ファイルやプログラムの説明 ① Workstation Vicon システムの一部のアプリケーション。カメラから測定動作を3次元座標軸にマーカ ーの位置座標として整理する。

② Bodybuilder Vicon システムの一部のアプリケーション。マーカーの座標と反力データから、重心や関 節モーメントなどを出力する計算ソフト。

③マーカーセット <ushiyama�(Marker�Set�Document)> !MKR#2 [Autolabel] TOH LSHD LELB LWRI LHIP LKNE LANK LMP LASI LPSI LHEE LTOE LASI RSHD RELB RWRI RHIP RKNE RANK RMP RASI RPSI RHEE RTOE RASI TH12 L5 XIP dummy

Root = LSHD,RSHD,RHIP,LHIP,dummy RUarm = RSHD,RELB

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RLarm = RELB,RWRI RUleg = RHIP,RKNE RLleg = RKNE,RANK Rfoot = RANK,RMP LUarm = LSHD,LELB LLarm = LELB,LWRI LUleg = LHIP,LKNE LLleg = LKNE,LANK Lfoot = LANK,LMP LUMBER= L5,LASI,RASI,LPSI,RPSI THORAX = TH12,XIP Root,RUarm RUarm,RLarm Root,RUleg RUleg,RLleg RLleg,Rfoot Root,LUarm LUarm,LLarm Root,LUleg LUleg,LLleg LLleg,Lfoot Root,LUMBER Root,THORAX LSHD,RSHD LHIP,RHIP LSHD,LHIP LHIP,LKNE LKNE,LANK LANK,LMP RSHD,RHIP RHIP,RKNE RKNE,RANK RANK,RMP LSHD,LELB LELB,LWRI RSHD,RELB RELB,RWRI L5,RPSI,LPSI,RASI,LASI,TH12,XIP

[Force Vectors] P_ForcePlate1 F_ForcePlate1 P_ForcePlate2 F_ForcePlate2 P_ForcePlate3 F_ForcePlate3 P_ForcePlate4 F_ForcePlate4 PointT ForceTR

Base of Plate1 Vector Tip of Plate1 Vector Base of Plate2 Vector Tip of Plate2 Vector Base of Plate3 Vector Tip of Plate3 Vector Base of Plate4 Vector Tip of Plate4 Vector

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P_ForcePlate1, F_ForcePlate1 P_ForcePlate2, F_ForcePlate2 P_ForcePlate3, F_ForcePlate3 P_ForcePlate4, F_ForcePlate4 PointT, ForceTR [stick] TOH LSHD LELB LWRI LHIP LKNE LANK LMP LHEE LTOE LASI RSHD RELB RWRI RHIP RKNE RANK RMP RHEE RTOE RASI LSHD,RSHD LHIP,RHIP LSHD,LHIP LHIP,LKNE LKNE,LANK LANK,LMP RSHD,RHIP RHIP,RKNE RKNE,RANK RANK,RMP LSHD,LELB LELB,LWRI RSHD,RELB RELB,RWRI

RSHD,RHIP

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④マーカー補正の設定をするためのエクセルデータ(高齢者用、若年者用) < MRI(elder)、MRI > <MRIによる実測値> 被験者

回転中心までの距離(mm) 実側値

身長

体重

身長×体重

年齢

elderA

81

67

1650

60

99000

66

elderB

77

63

1620

53.5

86670

65

elderC

81

67

1630

64

104320

68

elderD

91

77

1660

74

122840

70

elderE

69

55

1640

59

96760

68

elderF

87

73

1690

68

114920

68

elderG

80

66

1600

60

96000

69

elderH

77

63

1550

60

93000

65

平均値

80.375

66.375

1630

62.3125

101688.75

67.375

<本研究の高齢被験者> L5INSERT

TH12INSERT

BodyHight

Body Mass

身長×体重

年齢

003

74

60

1600

57.5

92000

71

004

99

85

1670

78

130260

71

005

83

69

1670

63

105210

74

009

84

70

1650

65

107250

70

011

86

72

1630

68

110840

71

013

91

77

1680

70

117600

78

015

93

79

1550

78

120900

78

<MRIによる実測値データ> 被験者

回転中心までの距離(mm) 実測値

身長

体重

身長×体重 年齢

youngA

79.31034483

65.31034483

1730

65

112450

20

youngB

89.65517241

75.65517241

1730

78

134940

31

youngC

68

54

1720

60

103200

20

youngD

67

53

1640

55

90200

23

youngE

77.5862069

63.5862069

1740

62

107880

20

youngF

75.86206897

61.86206897

1750

65

113750

27

youngG

70

56

1750

58

101500

22

youngH

81

67

1600

62

99200

25

76.05172414

62.05172414

1707.5

63.125

107890

23.5

平均値

<本研究の若年被験者> 被験者

L5INSERT

TH12INSERT

BodyHight

Body Mass

身長×体重 年齢

006

76.6

63

1700

64

108800

21

007

73.7

60

1730

60

103800

24

008

70.9

57

1650

60

99000

23

010

78.7

65

1730

65

112450

22

012

72.7

59

1730

59

102070

21

014

87.5

74

1800

71

127800

23

016

77.7

64

1730

64

110720

25

図 7-4-2-1: MRI (elder)、MRI エクセルデータ

で囲んだ部分で計算されたデータを、マーカー位置の補正プログラム(高齢 者用 elder、若年者用 younger)に利用する。elder, younger のプログラムは、その中の 所定の数値を被験者ごとに変えてから、bobybuilder で利用する。

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実験

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このエクセルの表で行っている計算は、MRI から得られた、体形と関節の被り厚さの 比を使って、実験の被験者の身長と体重から、被験者の関節の被り厚さを推定することで ある。 実測値:身長×体重=推定内挿距離:身長×体重          = (TH12INSERT:Body Hght*Body Mass) また、回転中心までの距離=実測値+ 14mm        (L5INSERT = TH12INSERT + 14mm) である。

⑤マーカー位置の補正プログラム(高齢者用、若年者用) < younger,�elder > <elder> $BODYHIGHT=1680 $BodyMass=70 $L5INSERT=91 $TH12INSERT=77

MRI で計算した数値ををいれる。

$L5rX= 56.13666983

$L5rY= 59.62409795

$L5rZ= 70.88976482 $Marker=16

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実験

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<younger> $BODYHIGHT=1730 $BodyMass=65 $L5INSERT=72.8 $TH12INSERT=59

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MRI(elder) で計算した数値ををいれる。

$L5rX=68.62629292 $L5rY=50.13721419 $L5rZ=59.6913589

$Th12rX=93.08359 $Th12rY=52.774128 $Th12rZ=41.820073 ushiyama last type1 ushiyama last type2 ushiyama last type3

⑥動作種類ごとの動作解析プログラム ushiyama last type 1 :椅子やソファからの立ち上がり ushiyama last type 2 :床からの立ち上がりで、両足を固定して立つ方法 ushiyama last type 3 :床からの立ち上がりで、片足づつ立つ方法

<ushiyama�last�type�1>�

{*Output of real point*} RHIPPOINT=RHIP-((RHIP-LHIP)*0.18) LHIPPOINT=LHIP+((RHIP-LHIP)*0.18) RKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RKNE LKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LKNE RANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RANK LANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LANK RMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RMP LMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LMP LPSIP=LPSI-((LPSI-LASI)*(1/100)) RPSIP=RPSI-((RPSI-RASI)*(1/100)) CASI=(RASI+LASI)*0.5 CSHD=(RSHD+LSHD)*0.5 L5POINT=L5-NORM(LPSIP,RPSIP,L5)*$L5INSERT

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実験

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OUTPUT(LHIPPOINT,RHIPPOINT,LKNEPOINT,RKNEPOINT,RANKPOINT,LANKPOINT,RMPPOINT,LM PPOINT,L5POINT,CASI, CSHD) {*caliculations of Trunk angle*} trunkangle=atan((CSHD(2)-L5POINT(2))/(CSHD(3)-L5POINT(3))) OUTPUT(trunkangle) {*caliculations of COG*} M1R=0.10 M1L=0.10 M2R=0.054 M2L=0.054 M3R=0.019 M3L=0.019 L0=0.50 L1R=0.58 L2R=0.59 L3R=0.50 L1L=0.58 L2L=0.59 L3L=0.50 MHD=0.078 M0=1.-(M1R+M2R+M3R+M1L+M2L+M3L)-MHD COG=MHD*(TOH+(LSHD+RSHD)*0.5)*0.5+ M0*(LSHD+RSHD)*0.5*L0+M0*(RHIP+LHIP)*0.5*(1.-L0)+M1R*RHIP*L1R+M1R*RKNE*(1.-L1R) +M2R*RKNE*L2R+M2R*RANK*(1.-L2R)+M3R*RANK*L3R+M3R*RMP*(1.-L3R) +M1L*LHIP*L1L+M1L*LKNE*(1.-L1L)+M2L*LKNE*L2L+M2L*LANK*(1.-L2L)+M3L*LANK*L3L+M3L *LMP*(1.-L3L) COG1={COG(1)+20,COG(2),COG(3)} COG2={COG(1)-20,COG(2),COG(3)} COG3={COG(1),COG(2)+20,COG(3)} COG4={COG(1),COG(2)-20,COG(3)} COG5={COG(1),COG(2),COG(3)+20} COG6={COG(1),COG(2),COG(3)-20} OUTPUT(COG,COG1,COG2,COG3,COG4,COG5,COG6) {*segment difinition*} CHIPPOINT=(RHIPPOINT+LHIPPOINT)*0.5 CSHDPOINT=(RSHD+LSHD)*0.5 LUMBER=[L5POINT, CASI-L5POINT,RASI-LASI, YZX] PELVIS=[CHIPPOINT, RHIPPOINT-CHIPPOINT,CSHDPOINT-L5POINT, XYZ] RTHIGH=[RKNEPOINT,RHIP-RHIPPOINT, RHIPPOINT-RKNEPOINT ,XYZ] RSHANK=[RANKPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, RMPPOINT-RANKPOINT, ZXY] RFOOT=[RMPPOINT, RANK-RMPPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, YXZ ]

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実験

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LTHIGH=[LKNEPOINT, LHIP-LHIPPOINT, LHIPPOINT-LKNEPOINT, XYZ] LSHANK=[LANKPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, LMPPOINT-LANKPOINT, ZXY] LFOOT=[LMPPOINT, LANKPOINT-LMPPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, YXZ ]

{*CONNECTION of FRF*} distancethreshold=-1000 FP1=| ForcePlate1(1), ForcePlate1(2),ForcePlate1(3)| FP2=| ForcePlate2(1), ForcePlate2(2),ForcePlate2(3)| FP3=| ForcePlate3(1), ForcePlate3(2),ForcePlate3(3)| FP4=| ForcePlate4(1), ForcePlate4(2),ForcePlate4(3)| FP14=FP1+FP4 FP23=FP2+FP3 Force1=ForcePlate1(1) Force2=ForcePlate2(1) Force3=ForcePlate3(1) Force4=ForcePlate4(1) Force14=Force1+Force4 Force23=Force2+Force3 Force1234=Force1+Force2+Force3+Force4 IF ABS(Force3(3))>10 CONNECT(RFOOT,FP3,1) else endif IF ABS(Force4(3))>10 CONNECT(LFOOT,FP4,1) else endif OUTPUT(FP1,FP2,FP3,FP4) {*Caliculation of moment*}

LHIPPOINT1=LHIP-(LASI-LHIP)/3 RHIPPOINT1=RHIP-(RASI-RHIP)/3 CHIPPOINT2=(LHIPPOINT1+RHIPPOINT1)/2 RHIPPOINT2=RHIPPOINT1-((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18) LHIPPOINT2=LHIPPOINT1+((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18)

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実験

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PELVISLength=DIST(L5POINT, CHIPPOINT2) PELVISLength2=PELVISLength*PELVISLength OUTPUT(RHIPPOINT1,RHIPPOINT2,LHIPPOINT1,LHIPPOINT2,CHIPPOINT2) LThighLength = DIST(LHIPPOINT2, LKNEPOINT) LShankLength = DIST(LKNEPOINT, LANKPOINT) LFootLength = DIST(LANKPOINT, LMPPOINT) LThighLength2 = LThighLength * LThighLength LShankLength2 = LShankLength * LShankLength LFootLength2 = LFootLength * LFootLength RThighLength = DIST(RHIPPOINT2, RKNEPOINT) RShankLength = DIST(RKNEPOINT, RANKPOINT) RFootLength = DIST(RANKPOINT, RMPPOINT) RThighLength2 = RThighLength * RThighLength RShankLength2 = RShankLength * RShankLength RFootLength2 = RFootLength * RFootLength PELVIS=[PELVIS, LUMBER,0.142*$BodyMass, {0,0,0.0895}*PELVISLength, {($L5rX/PELVISLength)*($L5rX/PELVISLength),($L5rY/PELVISLength)*($L5rY/PELVISLength), ($L5rZ/PELVISLENGTH)*($L5rZ/PELVISlENGTH)}*PELVISLength2*0.142*$BodyMass] LTHIGH = [ LTHIGH, PELVIS, LHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*LThighLength, {0.104,0.104,0}*LThighLength2*0.1*$BodyMass ] LSHANK = [ LSHANK, LTHIGH, LKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*LShankLength, {0.091,0.091,0}*LShankLength2*0.0465*$BodyMass ] LFOOT = [ LFOOT, LSHANK, LANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*LFootLength , {0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass] RTHIGH = [ RTHIGH, PELVIS, RHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*RThighLength, {0.104,0.104,0}*RThighLength2*0.1*$BodyMass ] RSHANK = [ RSHANK, RTHIGH, RKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*RShankLength, {0.091,0.091,0}*RShankLength2*0.0465*$BodyMass ] RFOOT = [ RFOOT, RSHANK, RANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*RFootLength, {0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass ] LUMBERMoment=2(REACTION(PELVIS))/1000 LHipMoment = 2(REACTION(LTHIGH))/1000 RHipMoment = 2(REACTION(RTHIGH))/1000 LKneeMoment = 2(REACTION(LSHANK))/1000 RKneeMoment = 2(REACTION(RSHANK))/1000 LAnkleMoment = 2(REACTION(LFOOT))/1000 RAnkleMoment = 2(REACTION(RFOOT))/1000

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実験

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LBMoment={LUMBERMoment(1) ,LUMBERMoment(2) ,LUMBERMoment(3) } RHMoment={-RHipMoment(1) ,-RHipMoment(2) ,-RHipMoment(3) } RKMoment= {RKneeMoment(1) , RKneeMoment(2) ,-RKneeMoment(3) } RAMoment={-RAnkleMoment(1),-RAnkleMoment(2),-RAnkleMoment(3)} LHMoment={LHipMoment(1) , LHipMoment(2) , LHipMoment(3) } LKMoment={LKneeMoment(1) ,-LKneeMoment(2) , LKneeMoment(3) } LAMoment={-LAnkleMoment(1), LAnkleMoment(2), LAnkleMoment(3)}

OUTPUT(LBMoment,LHMoment,RHMoment,LKMoment,RKMoment,LAMoment,RAMoment)

<ushiyama�last�type�2> {*Output of real point*} RHIPPOINT=RHIP-((RHIP-LHIP)*0.18) LHIPPOINT=LHIP+((RHIP-LHIP)*0.18) RKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RKNE LKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LKNE RANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RANK LANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LANK RMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RMP LMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LMP LPSIP=LPSI-((LPSI-LASI)*(1/100)) RPSIP=RPSI-((RPSI-RASI)*(1/100)) CASI=(RASI+LASI)*0.5 CSHD=(RSHD+LSHD)*0.5 L5POINT=L5-NORM(LPSIP,RPSIP,L5)*$L5INSERT OUTPUT(LHIPPOINT,RHIPPOINT,LKNEPOINT,RKNEPOINT,RANKPOINT,LANKPOINT,RMPPOINT,LM PPOINT,L5POINT,CASI, CSHD) {*caliculations of Trunk angle*} trunkangle=atan((CSHD(2)-L5POINT(2))/(CSHD(3)-L5POINT(3))) OUTPUT(trunkangle) {*caliculations of COG*} M1R=0.10 M1L=0.10 M2R=0.054 M2L=0.054 M3R=0.019 M3L=0.019 L0=0.50

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実験

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L1R=0.58 L2R=0.59 L3R=0.50 L1L=0.58 L2L=0.59 L3L=0.50 MHD=0.078 M0=1.-(M1R+M2R+M3R+M1L+M2L+M3L)-MHD COG=MHD*(TOH+(LSHD+RSHD)*0.5)*0.5+ M0*(LSHD+RSHD)*0.5*L0+M0*(RHIP+LHIP)*0.5*(1.-L0)+M1R*RHIP*L1R+M1R*RKNE*(1.-L1R) +M2R*RKNE*L2R+M2R*RANK*(1.-L2R)+M3R*RANK*L3R+M3R*RMP*(1.-L3R) +M1L*LHIP*L1L+M1L*LKNE*(1.-L1L)+M2L*LKNE*L2L+M2L*LANK*(1.-L2L)+M3L*LANK*L3L+M3L *LMP*(1.-L3L) COG1={COG(1)+20,COG(2),COG(3)} COG2={COG(1)-20,COG(2),COG(3)} COG3={COG(1),COG(2)+20,COG(3)} COG4={COG(1),COG(2)-20,COG(3)} COG5={COG(1),COG(2),COG(3)+20} COG6={COG(1),COG(2),COG(3)-20} OUTPUT(COG,COG1,COG2,COG3,COG4,COG5,COG6) {*segment difinition*} CHIPPOINT=(RHIPPOINT+LHIPPOINT)*0.5 CSHDPOINT=(RSHD+LSHD)*0.5 LUMBER=[L5POINT, CASI-L5POINT,RASI-LASI, YZX] PELVIS=[CHIPPOINT, RHIPPOINT-CHIPPOINT,CSHDPOINT-L5POINT, XYZ] RTHIGH=[RKNEPOINT,RHIP-RHIPPOINT, RHIPPOINT-RKNEPOINT ,XYZ] RSHANK=[RANKPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, RMPPOINT-RANKPOINT, ZXY] RFOOT=[RMPPOINT, RANK-RMPPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, YXZ ] LTHIGH=[LKNEPOINT, LHIP-LHIPPOINT, LHIPPOINT-LKNEPOINT, XYZ] LSHANK=[LANKPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, LMPPOINT-LANKPOINT, ZXY] LFOOT=[LMPPOINT, LANKPOINT-LMPPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, YXZ ]

{*CONNECTION of FRF*} distancethreshold=-1000 FP1=| ForcePlate1(1), ForcePlate1(2),ForcePlate1(3)| FP2=| ForcePlate2(1), ForcePlate2(2),ForcePlate2(3)| FP3=| ForcePlate3(1), ForcePlate3(2),ForcePlate3(3)| FP4=| ForcePlate4(1), ForcePlate4(2),ForcePlate4(3)| FP14=FP1+FP4 FP23=FP2+FP3

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実験

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Force1=ForcePlate1(1) Force2=ForcePlate2(1) Force3=ForcePlate3(1) Force4=ForcePlate4(1) Force14=Force1+Force4 Force23=Force2+Force3 Force1234=Force1+Force2+Force3+Force4 IF ABS(Force3(3))>10 CONNECT(RFOOT,FP2,1) else endif IF ABS(Force4(3))>10 CONNECT(LFOOT,FP1,1) else endif OUTPUT(FP1,FP2,FP3,FP4) {*Caliculation of moment*}

LHIPPOINT1=LHIP-(LASI-LHIP)/3 RHIPPOINT1=RHIP-(RASI-RHIP)/3 CHIPPOINT2=(LHIPPOINT1+RHIPPOINT1)/2 RHIPPOINT2=RHIPPOINT1-((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18) LHIPPOINT2=LHIPPOINT1+((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18)

PELVISLength=DIST(L5POINT, CHIPPOINT2) PELVISLength2=PELVISLength*PELVISLength OUTPUT(RHIPPOINT1,RHIPPOINT2,LHIPPOINT1,LHIPPOINT2,CHIPPOINT2) LThighLength = DIST(LHIPPOINT2, LKNEPOINT) LShankLength = DIST(LKNEPOINT, LANKPOINT) LFootLength = DIST(LANKPOINT, LMPPOINT) LThighLength2 = LThighLength * LThighLength LShankLength2 = LShankLength * LShankLength LFootLength2 = LFootLength * LFootLength RThighLength = DIST(RHIPPOINT2, RKNEPOINT) RShankLength = DIST(RKNEPOINT, RANKPOINT) RFootLength = DIST(RANKPOINT, RMPPOINT)

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実験

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RThighLength2 = RThighLength * RThighLength RShankLength2 = RShankLength * RShankLength RFootLength2 = RFootLength * RFootLength PELVIS=[PELVIS, LUMBER,0.142*$BodyMass, {0,0,0.0895}*PELVISLength, {($L5rX/PELVISLength)*($L5rX/PELVISLength),($L5rY/PELVISLength)*($L5rY/PELVISLength), ($L5rZ/PELVISLENGTH)*($L5rZ/PELVISlENGTH)}*PELVISLength2*0.142*$BodyMass] LTHIGH = [ LTHIGH, PELVIS, LHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*LThighLength, {0.104,0.104,0}*LThighLength2*0.1*$BodyMass ] LSHANK = [ LSHANK, LTHIGH, LKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*LShankLength, {0.091,0.091,0}*LShankLength2*0.0465*$BodyMass ] LFOOT = [ LFOOT, LSHANK, LANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*LFootLength , {0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass] RTHIGH = [ RTHIGH, PELVIS, RHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*RThighLength, {0.104,0.104,0}*RThighLength2*0.1*$BodyMass ] RSHANK = [ RSHANK, RTHIGH, RKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*RShankLength, {0.091,0.091,0}*RShankLength2*0.0465*$BodyMass ] RFOOT = [ RFOOT, RSHANK, RANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*RFootLength, {0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass ] LUMBERMoment=2(REACTION(PELVIS))/1000 LHipMoment = 2(REACTION(LTHIGH))/1000 RHipMoment = 2(REACTION(RTHIGH))/1000 LKneeMoment = 2(REACTION(LSHANK))/1000 RKneeMoment = 2(REACTION(RSHANK))/1000 LAnkleMoment = 2(REACTION(LFOOT))/1000 RAnkleMoment = 2(REACTION(RFOOT))/1000 LBMoment={LUMBERMoment(1) ,LUMBERMoment(2) ,LUMBERMoment(3) } RHMoment={-RHipMoment(1) ,-RHipMoment(2) ,-RHipMoment(3) } RKMoment= {RKneeMoment(1) , RKneeMoment(2) ,-RKneeMoment(3) } RAMoment={-RAnkleMoment(1),-RAnkleMoment(2),-RAnkleMoment(3)} LHMoment={LHipMoment(1) , LHipMoment(2) , LHipMoment(3) } LKMoment={LKneeMoment(1) ,-LKneeMoment(2) , LKneeMoment(3) } LAMoment={-LAnkleMoment(1), LAnkleMoment(2), LAnkleMoment(3)}

OUTPUT(LBMoment,LHMoment,RHMoment,LKMoment,RKMoment,LAMoment,RAMoment)

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実験

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<ushiyama�last�type�3> {*Output of real point*} RHIPPOINT=RHIP-((RHIP-LHIP)*0.18) LHIPPOINT=LHIP+((RHIP-LHIP)*0.18) RKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RKNE LKNEPOINT=$BODYHIGHT*0.026*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LKNE RANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RANK LANKPOINT=$BODYHIGHT*0.02*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LANK RMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(RKNE,RANK,RMP)*-1+RMP LMPPOINT=$BODYHIGHT*0.023*NORM(LKNE,LANK,LMP)+LMP LPSIP=LPSI-((LPSI-LASI)*(1/100)) RPSIP=RPSI-((RPSI-RASI)*(1/100)) CASI=(RASI+LASI)*0.5 CSHD=(RSHD+LSHD)*0.5 L5POINT=L5-NORM(LPSIP,RPSIP,L5)*$L5INSERT OUTPUT(LHIPPOINT,RHIPPOINT,LKNEPOINT,RKNEPOINT,RANKPOINT,LANKPOINT,RMPPOINT,LM PPOINT,L5POINT,CASI, CSHD) {*caliculations of Trunk angle*} trunkangle=atan((CSHD(2)-L5POINT(2))/(CSHD(3)-L5POINT(3))) OUTPUT(trunkangle) {*caliculations of COG*} M1R=0.10 M1L=0.10 M2R=0.054 M2L=0.054 M3R=0.019 M3L=0.019 L0=0.50 L1R=0.58 L2R=0.59 L3R=0.50 L1L=0.58 L2L=0.59 L3L=0.50 MHD=0.078 M0=1.-(M1R+M2R+M3R+M1L+M2L+M3L)-MHD COG=MHD*(TOH+(LSHD+RSHD)*0.5)*0.5+ M0*(LSHD+RSHD)*0.5*L0+M0*(RHIP+LHIP)*0.5*(1.-L0)+M1R*RHIP*L1R+M1R*RKNE*(1.-L1R) +M2R*RKNE*L2R+M2R*RANK*(1.-L2R)+M3R*RANK*L3R+M3R*RMP*(1.-L3R) +M1L*LHIP*L1L+M1L*LKNE*(1.-L1L)+M2L*LKNE*L2L+M2L*LANK*(1.-L2L)+M3L*LANK*L3L+M3L *LMP*(1.-L3L)

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COG1={COG(1)+20,COG(2),COG(3)} COG2={COG(1)-20,COG(2),COG(3)} COG3={COG(1),COG(2)+20,COG(3)} COG4={COG(1),COG(2)-20,COG(3)} COG5={COG(1),COG(2),COG(3)+20} COG6={COG(1),COG(2),COG(3)-20} OUTPUT(COG,COG1,COG2,COG3,COG4,COG5,COG6) {*segment difinition*} CHIPPOINT=(RHIPPOINT+LHIPPOINT)*0.5 CSHDPOINT=(RSHD+LSHD)*0.5 LUMBER=[L5POINT, CASI-L5POINT,RASI-LASI, YZX] PELVIS=[CHIPPOINT, RHIPPOINT-CHIPPOINT,CSHDPOINT-L5POINT, XYZ] RTHIGH=[RKNEPOINT,RHIP-RHIPPOINT, RHIPPOINT-RKNEPOINT ,XYZ] RSHANK=[RANKPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, RMPPOINT-RANKPOINT, ZXY] RFOOT=[RMPPOINT, RANK-RMPPOINT, RKNEPOINT-RANKPOINT, YXZ ] LTHIGH=[LKNEPOINT, LHIP-LHIPPOINT, LHIPPOINT-LKNEPOINT, XYZ] LSHANK=[LANKPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, LMPPOINT-LANKPOINT, ZXY] LFOOT=[LMPPOINT, LANKPOINT-LMPPOINT, LKNEPOINT-LANKPOINT, YXZ ]

{*CONNECTION of FRF*} distancethreshold=-1000 FP1=| ForcePlate1(1), ForcePlate1(2),ForcePlate1(3)| FP2=| ForcePlate2(1), ForcePlate2(2),ForcePlate2(3)| FP3=| ForcePlate3(1), ForcePlate3(2),ForcePlate3(3)| FP4=| ForcePlate4(1), ForcePlate4(2),ForcePlate4(3)| FP14=FP1+FP4 FP23=FP2+FP3 Force1=ForcePlate1(1) Force2=ForcePlate2(1) Force3=ForcePlate3(1) Force4=ForcePlate4(1) Force14=Force1+Force4 Force23=Force2+Force3 Force1234=Force1+Force2+Force3+Force4 IF ABS(Force3(3))>10 CONNECT(RFOOT,FP23,1) else

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endif IF ABS(Force4(3))>10 CONNECT(LFOOT,FP14,1) else endif OUTPUT(FP1,FP2,FP3,FP4) {*Caliculation of moment*}

LHIPPOINT1=LHIP-(LASI-LHIP)/3 RHIPPOINT1=RHIP-(RASI-RHIP)/3 CHIPPOINT2=(LHIPPOINT1+RHIPPOINT1)/2 RHIPPOINT2=RHIPPOINT1-((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18) LHIPPOINT2=LHIPPOINT1+((RHIPPOINT1-LHIPPOINT1)*0.18)

PELVISLength=DIST(L5POINT, CHIPPOINT2) PELVISLength2=PELVISLength*PELVISLength OUTPUT(RHIPPOINT1,RHIPPOINT2,LHIPPOINT1,LHIPPOINT2,CHIPPOINT2) LThighLength = DIST(LHIPPOINT2, LKNEPOINT) LShankLength = DIST(LKNEPOINT, LANKPOINT) LFootLength = DIST(LANKPOINT, LMPPOINT) LThighLength2 = LThighLength * LThighLength LShankLength2 = LShankLength * LShankLength LFootLength2 = LFootLength * LFootLength RThighLength = DIST(RHIPPOINT2, RKNEPOINT) RShankLength = DIST(RKNEPOINT, RANKPOINT) RFootLength = DIST(RANKPOINT, RMPPOINT) RThighLength2 = RThighLength * RThighLength RShankLength2 = RShankLength * RShankLength RFootLength2 = RFootLength * RFootLength PELVIS=[PELVIS, LUMBER,0.142*$BodyMass, {0,0,0.0895}*PELVISLength, {($L5rX/PELVISLength)*($L5rX/PELVISLength),($L5rY/PELVISLength)*($L5rY/PELVISLength), ($L5rZ/PELVISLENGTH)*($L5rZ/PELVISlENGTH)}*PELVISLength2*0.142*$BodyMass] LTHIGH = [ LTHIGH, PELVIS, LHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*LThighLength, {0.104,0.104,0}*LThighLength2*0.1*$BodyMass ] LSHANK = [ LSHANK, LTHIGH, LKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*LShankLength, {0.091,0.091,0}*LShankLength2*0.0465*$BodyMass ] LFOOT = [ LFOOT, LSHANK, LANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*LFootLength ,

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{0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass] RTHIGH = [ RTHIGH, PELVIS, RHIPPOINT, 0.1*$BodyMass, {0,0,0.567}*RThighLength, {0.104,0.104,0}*RThighLength2*0.1*$BodyMass ] RSHANK = [ RSHANK, RTHIGH, RKNEPOINT, 0.0465*$BodyMass, {0,0,0.567}*RShankLength, {0.091,0.091,0}*RShankLength2*0.0465*$BodyMass ] RFOOT = [ RFOOT, RSHANK, RANKPOINT, 0.0145*$BodyMass, {0,0,0.5}*RFootLength, {0.226,0.226,0}*RFootLength2*0.0145*$BodyMass ] LUMBERMoment=2(REACTION(PELVIS))/1000 LHipMoment = 2(REACTION(LTHIGH))/1000 RHipMoment = 2(REACTION(RTHIGH))/1000 LKneeMoment = 2(REACTION(LSHANK))/1000 RKneeMoment = 2(REACTION(RSHANK))/1000 LAnkleMoment = 2(REACTION(LFOOT))/1000 RAnkleMoment = 2(REACTION(RFOOT))/1000 LBMoment={LUMBERMoment(1) ,LUMBERMoment(2) ,LUMBERMoment(3) } RHMoment={-RHipMoment(1) ,-RHipMoment(2) ,-RHipMoment(3) } RKMoment= {RKneeMoment(1) , RKneeMoment(2) ,-RKneeMoment(3) } RAMoment={-RAnkleMoment(1),-RAnkleMoment(2),-RAnkleMoment(3)} LHMoment={LHipMoment(1) , LHipMoment(2) , LHipMoment(3) } LKMoment={LKneeMoment(1) ,-LKneeMoment(2) , LKneeMoment(3) } LAMoment={-LAnkleMoment(1), LAnkleMoment(2), LAnkleMoment(3)}

OUTPUT(LBMoment,LHMoment,RHMoment,LKMoment,RKMoment,LAMoment,RAMoment)

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■�7-4-3�作業流れ�■  大まかな作業の流れを以下の図に示した。

データ処理の流れ Workstationでの作業 マーカー付け直し 利用データの選定 データの補完(抜けたマーカーの推定) C3D 形式で書き出し

BodyBuilderでの作業 モデルの設定 マーカー位置の挿入

各種データ出力のための計算 ASCII 形式で書き出し

数値データの整形 CSV 形式で書き出し

ノイズ除去のプログラム Filter txt 形式で書き出し

分析作業へ

図 7-4-3-1: 作業の流れ

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□ Workstation�での作業 ①データの修正作業  まず最初に、c3d ファイルに記録されたマーカーが、人型のどの関節部分に当たるのか を対応されなくてはならない。(マーカー付け)  今回の分析のために用意したマーカーの種類は以下のとおりである。

表 7-4-3-1:マーカーの種類

TOH(頭上) LSHD(左肩峰) RSHD(右肩峰) LELB(左肩峰) RELB(右肩峰) LWRI(左手首関節) RWRI(右手首関節) LHIP(左股関節) RHIP(右股関節) LKNE(左膝関節) RKNE(右膝関節) LANK(右足関節外果突起) RANK(左足関節外果突起) LMP(左第五中足指節関節) RMP(右第五中足指節関節) LASI(左前腸腰棘) RASI(右前腸腰棘) LPSI(左腰後腸腰棘) RPSI(右腰後腸腰棘) L5(第5腰椎) dummy( 背中につける左右判断のための目印)

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TOH(頭上)

LSHD(左肩峰)

LELB(左肘関節)

LASI(左前腸腰棘)

LHIP(左股関節)

LWRI(左手首関節)

LKNE(左膝関節)

LANK(右足関節外果突起) LMP(左第五中足指節関節)

前から見た図 図 7-4-3-2: マーカー位置(前)

dummy (背中につける左右判 断のための目印)

L5(第5腰椎) LPSI(左腰後腸腰棘)

後から見た図 図 7-4-3-3: マーカー位置(後)

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Workstation 上では、各セッションごとにとる立位姿勢の時に一度マーカーの設定を行 えば、その後は自動的にマーカーの対応を認識するようになって入るが、多くの試行にお いて自動認識がうまく機能しないため、手動で付け直す必要がある。また、被験者の体型 や動作の種類によっては、カメラがマーカーをうまく捕らえることができず、マーカーが 欠落していたり、ゴーストとなってダブってマーカーが現れていたりすることがある。そ こで数回にわたってとった試行の中で、一番マーカーの欠落やゴーストの出現の少ない、 比較的きれいに得られたデータをまず選び出した。さらにダブったゴーストマーカーを探 して削除した。F10 によって、まだマーカーの対応が未設定のものが選択される。また、 コマ数が1000を越すものについては前後のモーションをカットして1000以内に収 まるようにした。  ここまでの作業で、一度生データとして保存しておく。今後の作業で手順を間違えた場 合にもう一度やり直しできるようにバックアップしておく。 マーカーセット

タイムライン

図 7-4-3-4:Workstation の画面

図 7-4-3-5: マーカー直し 白いマーカーはマーカー付けなされていない。

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②データの補完作業  まず、モーションと関係ないのに現れている関係ないマーカーを削除する。Edit → Delate Trajectory。で白いマーカーが消去される。  次に、マーカー間の補完をする。修正作業をしても、マーカーの消失している箇所につ いては修正では直らない。そこで、消失している箇所を前後のマーカーの位置とモーショ ンから推定して補完する作業をするのである。Fill Gap で穴埋めがされる。

File

Fill Gap

図 7-4-3-6: Fill Gap

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③ファイルの変換  Trial → Pipeline → Generate VCM Conparatible C3D File にチェック→ Process Now  でファイル形式を変える。Workstation 上の Example ウィンドウで、緑色の P マークが あるが、その右にさらに P1 という項目が追加される。また、元のファイルと同じ階層に、 名前に、.1 という文字が追加された c3d ファイル形式として保存される。

図 7-4-3-7: ファイル形式選択

図 7-4-3-8: 出力後

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□ BodyBuilder での作業  Body Builder は、VICON 専用のプログラムで、グラフィックファイルである c3d 形式 のファイルに直接プログラムを走らせて計算をするものである。 ① workstation で書き出した c3d ファイルを読み込む。 ②被験者のデータを読み込む。 Model → Subject Setting を開く。 Paramater: 若年者なら(young.mp)、高齢者なら(elder.mp)を選択する。  Model: 立ち上がりタイプごとに、対応したファイルを選択。

Type1 の立ち上がりなら、

ushiyama last type1 を選択する。 Marker Set:ushiyama.mkr を選択する。 ③選択したモデルを設定する。 Model → RunModel:ushiyama を選択する。 これで計算がされる。Bodybuilder のメイン画面の人のまわりに、マーカーのような球が 飛び交うが、それは計算結果が反映されたものなので、気にする必要はない。 ④計算結果を数値で書き出す。 File → WriteASCII File を選択する。Add All ですべての選択肢を選択し、書き出す。

図 7-4-3-9: Body Builder の画面

elder.mp ushiyama last type 1.mod ushiyama.mkr

図 7-4-3-10: Subject Setting

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□数値データの整形 書き出された数値データには、分析で必要でないデータも含まれている。また、数値デー タには、ノイズが含まれており、ノイズを除去することでより適切な分析ができるように なる。あとでノイズを除去するプログラムにこの数値データをかけることになるが、その ノイズ除去のためのプログラムは、13 行のデータしか解析しないので、13 行の数値デー タに整形しなおす必要がある。 まず、 1. 分析で必要とされる必要パラメータの抽出をする。 ここで選び出したパラメータは以下のとおりである。 ①関節モーメントシリーズ LBMoment  X 腰部屈伸モーメント LHMoment

X 左股関節屈伸モーメント

RHMoment

X 右股関節屈伸モーメント

LKMoment  X 左膝関節屈伸モーメント RKMoment

X 右膝関節屈伸モーメント

LAMoment

X 左足関節底背屈モーメント

RAMoment  X 右足関節底背屈モーメント ②体重心シリーズ COG     X 左右方向の変位        Y 前後方向の変位        Z 上下方向の変位 ③床反力シリーズ FP1     X FP1 の左右方向の力変位        Y FP1 の前後方向の力変位        Z FP1 の上下方向の力変位

FP2     X FP2 の左右方向の力変位 Y FP2 の前後方向の力変位 Z FP2 の上下方向の力変位

FP3     X FP3 の左右方向の力変位

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Y FP3 の前後方向の力変位        Z FP3 の上下方向の力変位

FP4     X FP4 の左右方向の力変位        Y FP4 の前後方向の力変位        Z FP4 の上下方向の力変位 Trankangle

Z 体幹前屈角度

2. ゴーストマーカーによる不要データの除去 一種類のマーカーに対して二つのデータが出力されている部分がみられる。そこは、 workstation で確認して、正しいと思われる方のデータを残した。 3. 空白データの0データの補完 データの中に空欄があってはいけないので、数値データをエクセルで開いて、空白データ の0データの補完をした。 4. ラベルの削除 数値以外のデータの項目の書いてある行列を削除し、数値のみのファイルにした。このと き、どの行が何の項目なのか、あとでわかるように、ラベル部分は別に保存しておいた。 5. リネーム ノイズ除去のプログラムのは、その都合上、ファイル名が半角で5文字以内でなくてはい けない。そこで、すべての数値データをファイル名5文字以内に変更した。 6. CSV 形式で書き出し エクセルで csv 形式のファイルに変換した。

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□ノイズ除去  Filter というアプリケーションを利用する。 1. アプリケーションと同じ階層に、フィルターがけをする数値ファイルをおいておく。 2. IMPUT FILE NAME のところに、アプリケーションと同じ階層に置いた csv ファイル名 をいれる。 3. OUTPUT FILE NAME のところには、csv ファイルと同じ名前で、拡張子を .txt に変え たファイル名をいれる。 4. ENTER を押すと、CUTOFF 周波数を聞いてくるので、6 と打ち込んで Enter を押す。 5. ここで、フィルターのかかったファイルが、アプリケーションと同じ階層に出力される。 6. このファイルをもう一度開いて、取っておいたラベルを戻せば、分析をスタートさせ ることのできるファイルに完成される。

INPUT FILE NAME = 03y11.csv  OUTPUT FILE NAME = 03y11.txt  CUT OFF FRED = 6

図 7-4-3-11: Filter

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■■�7-5�実験結果�■■ ■�7-5-1�立ち上がりの動作タイプ�■  今回の実験では立ち上がり方に4つの立ち上がり方がみられ、TYPE を3TYPE に分け た。 □椅子からの立ち上がり TYPE1: 足を前方から前の反力板内で移動させて立つ立ち方 TYPE1: 足を前の反力板上で固定しながら立つ立ち方 □ソファからの立ち上がり TYPE1: 足を前の反力板上で固定しながら立つ立ち方 □床からの立ち上がり TYPE3: 足を前の反力板に移しながら立つ立ち方 TPYE2: 足を後ろの反力板にのこしたまま立つ立ち方  椅子からの立ち上がりで TYPE1 には二つの立ち方があるが、前に台を置く試行のと きには、TYPE1: 足を前方から前の反力板内で移動させて立つ立ち方、それ以外の試行で は、TYPE1: 足を前の反力板上で固定しながら立つ立ち方、ををとった。立ち方には違い があるが、反力板内での足の移動については、計測上区別することができないので、同じ

TYPE1

TPYE1 にまとめた。

立つ

TYPE3

TYPE2

TYPE1

足を引く

前へ移動

図 7-5-1-1:立ち方の種類

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そこで被験者の立ち上がり方を観察し、以下のようにまとめた。

表 7-5-1-1: 椅子からの立ち上がりタイプ

< 椅子の立ち上がりタイプ > 椅子/ 椅子/ 椅子/ 椅子/ 椅子/ 椅子/ 被験者No なし 前/60 前/70 前/80 横/60 横/70 003 1 1 1 1 1 1 004 1 1 1 1 1 1 005 1 1 1 1 1 1 006 1 1 1 1 1 1 007 1 1 1 1 1 1 008 1 1 1 1 1 1 009 1 1 1 1 1 1 010 1 1 1 1 1 1 011 1 1 1 1 1 1 012 1 1 1 1 1 1 013 1 1 1 1 1 1 014 1 1 1 1 1 1 015 1 1 1 1 1 1 016 1 1 1 1 1 1

椅子/ 椅子/ 椅子/ 椅子/ 両横 両横 両横 横/80 /60 /70 /80 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

表 7-5-1-2: ソファからの立ち上がりタイプ

<ソファの立ち上がりタイプ> ソファ 被験者No /なし 003 1 004 1 005 1 006 1 007 1 008 1 009 1 010 1 011 1 012 1 013 1 014 1 015 1 016 1

ソファ ソファ ソファ ソファ ソファ ソファ ソファ ソファ ソファ /前 /前 /前 /横 /横 /横 /両横 /両横 /両横 /30 /40 /70 /30 /40 /70 /30 /40 /70 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

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表 7-5-1-3: 床からの立ち上がりタイプ

<床の立ち上がりタイプ> 床/な 床/前 床/前 床/前 床/横 床/横 床/横 床/両 床/両 床/両 被験者No し /30 /40 /70 /30 /40 /70 横/30 横/40 横/70 003 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 004 3 2 2 2 2 2 2 3 3 3 005 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 006 3 2 2 2 2 2 2 3 3 3 007 3 2 2 3 3 3 3 3 3 3 008 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 009 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 010 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 011 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 012 2 2 2 2 3 3 3 2 2 2 013 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 014 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 015 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 016 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

観察の結果、椅子からとソファからの立ち上がりではすべての被験者で TYPE1 の立ち 方をしていた。また、床からの立ち上がりでは、高齢者と若年者で立ち上がり方の選択に 違った傾向が見られた。若年被験者は、すべての試行において TYPE2 の立ち姿勢をとる 人が多かったが、高齢被験者は、横に台を置いた試行および前に 70cm の高さで台を置 いた試行以外においては TYPE3 の立ち姿勢をとる人の方が多かった。

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■�7-5-2�使用感評価結果�■   No.004 から 016 の被験者の 13 名に対して、各セッティングごとに、3種類の高さ の台での立ち上がりでどの試行が楽であったかどうかヒアリングした。一番使いやすいも のを3、次に使いやすいものを2、一番使いづらいものを1で評価してもらった。またそ の数字を点数としてあつかい、各高さごとに平均点数をだした。結果を以下の表に示した。  なお、No.003 の被験者については、プレ実験段階であったのでヒアリングは行ってい ない。

表 7-5-2-1:椅子からの立ち上がりやすさの評価 台の位置 前 高さ(cm) 60

70

80

横 60

70

80

両横 60

70

80

被験者No 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016 平均点数

3 2 1 3 2 1 2 3 1 2 3 1 1 3 2 1 2 3 3 2 1 3 2 1 2 3 1 2 3 2 2 3 3 3 2 1 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 2 1 2 3 1 3 2 1 1 3 2 2 3 2 1 2 3 1 2 3 2 3 1 1 3 2 2 3 3 1 2 3 1 3 2 2 2 3 2 2 3 2 3 1 1 2 3 3 2 3 3 3 3 1 3 2 1 2 3 3 2 1 2 3 1 3 1 2 3 3 3 2.00 2.38 1.92 2.15 2.23 2.08 2.15 2.46 1.85

表 7-5-2-2:ソファからの立ち上がりやすさの評価 台の位置 前 高さ(cm) 30

40

70

横 30

40

70

両横 30

40

70

被験者No 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016 平均点数

1 3 2 2 3 1 1 3 2 3 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 1 3 2 1 3 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 2 3 1 1 3 2 3 2 1 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 3 2 1 3 1 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 3 1 1 3 2 1 2 3 1 3 2 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 3 2 1 1 1 3 1 2 3 1.54 2.31 2.08 1.23 2.38 2.31 1.08 2.38 2.46

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表 7-5-2-3:床からの立ち上がりやすさの評価 台の位置 前 高さ(cm) 30

40

70

横 30

40

70

両横 30

40

70

被験者No 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 013 014 015 016 平均点数

2 3 1 2 3 1 2 3 1 3 2 1 2 3 1 2 3 1 3 2 1 2 3 1 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 3 2 1 3 2 1 3 2 1 1 2 3 2 3 1 2 3 1 3 1 2 1 3 2 1 3 2 3 2 1 2 3 1 2 3 1 1 2 3 1 2 3 1 3 2 2 3 1 2 3 1 2 3 1 3 2 1 2 2 2 2 3 1 2 3 1 1 3 2 1 2 3 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2.23 2.23 1.54 1.77 2.69 1.54 1.69 2.69 1.62

上記の表にまとめた使用感の評価を、被験者の属性を全体、腰痛疾患者と腰痛疾患のな い人、高齢被験者と若年被験者にわけて整理し、それぞれの順位付けを得点とし、平均を だした。その平均得点の高いものから順に、1、2、3とランク付けし、さらに表にまと めた。

表 7-5-2-4:平均点/椅子 台の位置 高さ(cm) 全体 腰痛有り 腰痛無し 高齢者 若年者

前 60 2 1.8 2.1 2 2.1

70 2.4 2.3 2.4 2.3 2.4

80 1.9 2.3 1.8 1.8 1.8

横 60 2.2 1.8 2.3 1.8 2.3

70 2.2 2.5 2.1 2.5 2.2

両横 60 2.2 2.3 2.1 2 2.1

70 2.5 2.5 2.4 2.5 2.5

80 1.8 1.3 2.1 1.5 2.1

70 2.3 2 2.4 1.7 2.4

両横 30 1.1 1 1.1 1.2 1.1

40 2.4 2.5 2.3 2.7 2.4

70 2.5 2.3 2.6 2 2.5

70 1.5 1.3 1.7 1.2 1.6

両横 30 1.7 1.8 1.7 1.8 1.7

40 2.7 2.8 2.7 2.8 2.7

70 1.6 1.5 1.7 1.3 1.6

80 2.1 2 2.1 1.8 2.1

表 7-5-2-5:平均点/ソファ 台の位置 高さ(cm) 全体 腰痛有り 腰痛無し 高齢者 若年者

前 30 1.5 1 1.8 1.3 1.7

40 2.3 2.3 2.3 2.3 2.3

70 2.1 2.5 1.9 2.2 1.9

横 30 1.2 1.3 1.2 1.5 1.3

40 2.4 2.8 2.2 2.8 2.3

表 7-5-2-6:平均点/床 台の位置 高さ(cm) 全体 腰痛有り 腰痛無し 高齢者 若年者

前 30 2.2 2 2.3 2.2 2.3

40 2.2 2.5 2.1 2.5 2.2

70 1.5 1.5 1.6 1.3 1.5

横 30 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8

40 2.7 3 2.6 3 2.6

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表 7-5-2-7:順位/椅子 台の位置 前 高さ(cm) 60 全体 2 腰痛有り 3 腰痛無し 2 高齢者 2 若年者 2

70 1 1 1 1 1

80 3 1 3 3 3

横 60 2 3 1 2 1

70 1 1 2 1 2

両横 60 2 2 2 2 2

70 1 1 1 1 1

80 3 3 2 3 3

70 2 2 1 2 1

両横 30 3 3 3 3 3

40 2 1 2 1 2

70 1 2 1 2 1

70 3 3 3 3 3

両横 30 2 2 2 2 2

40 1 1 1 1 1

70 3 3 2 3 3

80 3 2 2 2 3

表 7-5-2-8:順位/ソファ 台の位置 前 高さ(cm) 30 全体 3 腰痛有り 3 腰痛無し 3 高齢者 3 若年者 3

40 1 2 1 1 1

70 2 1 2 2 2

横 30 3 3 3 3 3

40 1 1 2 1 2

表 7-5-2-9:順位/床 台の位置 前 高さ(cm) 30 全体 1 腰痛有り 2 腰痛無し 1 高齢者 2 若年者 1

40 1 1 2 1 2

70 3 3 3 3 3

横 30 2 2 2 2 2

40 1 1 1 1 1

全体の順位と異なっている箇所

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■�7-5-3�三次元動作分析結果�■  三次元動作分析では、各マーカーの空間座標上での軌跡、および時間軸にそった床反力 が得られる。これらから、各関節にかかる関節モーメントが求められる。今回の研究では、 腰部にかかるモーメント(L5 モーメント)について特に着目してまとめることとした。 □モーメントの平均値  まず、各試行について、高さごとに腰部モーメント、股関節モーメント、膝関節モーメ ントの平均値を、高齢被験者、若年被験者、全体で棒グラフにまとめた。

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実験

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ソファからの立ち上がり時の最大腰部負荷の平均値比較 負荷

高齢者

ソファ/前

若年者

全体

1.200 0.900

1.000 0.808

0.926

0.881

0.854

0.809

0.736

0.800

0.727

0.954

0.940

0.698

0.669

0.600 0.400 0.200 0.000 30

負荷

40

70

高齢者

ソファ/横

若年者

なし

全体

1.200 1.000 0.800

0.954 0.736 0.719 0.701

0.926

0.712 0.696

0.680

高さ

0.940

0.708 0.699 0.690

0.600 0.400 0.200 0.000 30

負荷

40

ソファ/両横

高齢者

70

若年者

なし

高さ

全体

1.200 0.954 0.926

1.000 0.800

0.704

0.773

0.635

0.940

0.752 0.701

0.651

0.503

0.600

0.467

0.431

0.400 0.200 0.000 30

40

70

なし

高さ

138

10


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

椅子からの立ち上がり時の最大腰部負荷の平均値比較 負荷

椅子/前

高齢者

若年者

全体

1.200 0.986 1.000

0.872 0.759

0.800 0.556 0.600

0.533

0.510

0.505

0.562

0.447

0.544 0.517

0.490

0.400 0.200 0.000 30

40

70

高齢者

椅子/横

負荷

高さ

なし

若年者

全体

1.200 0.986 1.000 0.709 0.800

0.650

0.639

0.645

0.872

0.700 0.692

0.674

0.695

0.690

0.759

0.600 0.400 0.200 0.000 30

40

70

高齢者

椅子/両横

負荷

なし

若年者

高さ

全体

1.200 0.986 1.000

0.872 0.759

0.800 0.600

0.450

0.422 0.394

0.400

0.390

0.351 0.385

0.380

0.346

0.342

0.200 0.000 30

40

70

なし

高さ

139

10


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

床からの立ち上がり時の最大腰部負荷の平均値比較 負荷

高齢者

床/両横

若年者

全体 1.105

1.200 1.000

1.065

0.952 0.883 0.853 0.705

0.800

0.839

0.891 0.706

0.705

1.055

0.706

0.860

0.600

0.529 0.406

0.462 0.400

0.570

0.200

0.000

0.710 0.662

0.368

0.541

0.254

0.000

0.000

高さ なし

30

30

40

40

70

70

なし

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

負荷

高齢者

床/両横

若年者

(Type3)

全体

1.200

1.105

1.065

1.000 0.800

0.758 0.686 0.704 0.552 0.555

0.600 0.400

1.055

0.698 0.496

0.481

0.426

0.653 0.559

0.200

0.662

0.437

0.453

0.718

0.710

0.520

0.424

0.386

0.541

0.326

0.000

負荷

高さ なし

30

30

40

40

70

70

なし

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

高齢者

床/両横

若年者

(Type3)

全体

1.200

1.105

1.065

1.000 0.784 0.800 0.600

0.800

0.761 0.660

0.750

0.400

0.690

0.676 0.689

1.055

0.700

0.710 0.662

0.513 0.419

0.735

0.736

0.404 0.390

0.541

0.633 0.383

0.200

0.277

0.000 30

30

40

40

70

70

なし

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

(Type3)

(Type2)

高さ なし (Type3)

140

10


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□モーメントの最大値 各試行における、腰部モーメントの最大値を以下のようにまとめた。 最大値に関わる要素としては、手をつく台の高さ、座り方、台の配置の3つが考えられる。 そこでその3つの要素からできる、高さ×配置、高さ×座り方、座り方×配置、の3種類 の組み合わせで、最大値を整理した。

高さ

椅子 ソファ 床

座り

80 70 60 40 30 なし 前

両横

配置 図 7-5-3-1: 3つの要素

141


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<高さ×配置>

高さ 椅子

椅子 ソファ 床

座り

まえ

よこ

両横

80

0.517

21

0.695

13

0.346

30

70

0.505

23

0.692

15

0.385

28

60

0.533

20

0.645

17

0.416

26

0.872

2

0.872

2

0.872

2

40

80 70 60

30

40 30

なし

なし 前

両横

ソファ

まえ

よこ

両横

配置 80 70

0.698

11

0.699

10

0.467

24

40

0.809

7

0.696

12

0.701

9

30

0.854

4

0.513

22

0.704

8

なし

0.934

1

0.934

1

0.934

1

60

まえ

よこ

両横

0.424 25

0.416 27

0.360 29

40

0.843 5

0.614 19

0.694 14

30

0.820 6

0.642 18

0.668 16

なし

0.867 3

0.867 3

0.867 3

床 80 70 60

図 7-5-3-2: 高さ×配置

142


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<高さ×座り方>

高さ

椅子 ソファ 床

座り

椅子

80

0.517 21

70

0.505 23

60

0.533 20

ソファ

0.698 11

0.424 25

40

0.809 7

0.843 5

80 70 60

30

0.854 4

0.820 6

40 30

なし

0.934 1

0.867 3

0.872 2

なし 前

両横

椅子

ソファ

80

0.695 13

70

0.692 15

0.699 10

0.416 27

60

0.645 17

40

0.696 12

0.614 19

30

0.513 22

0.642 18

0.934 1

0.867 3

配置

なし

0.872 2

ソファ

0.467 24

0.360 29

40

0.701 9

0.694 14

30

0.704 8

0.668 16

0.934 1

0.867 3

両横

椅子

80

0.346 30

70

0.385 28

60

0.416 26

なし

0.872 2

図 7-5-3-3: 高さ×座り方

143


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<座り方×配置>

高さ

なし

椅子

0.872 椅子 ソファ 床

ソファ

2

0.934

1

0.867

3

座り

80 70 60 40 30 なし 前

両横

配置 30

椅子

ソファ

まえ

0.854

4

0.820

6

よこ

0.513

22

0.642

18

両横

0.704

8

0.668

16

40

椅子

ソファ

まえ

0.809

7

0.843

5

よこ

0.696

12

0.614

19

両横

0.701

9

0.694

14

図 7-5-3-4: 座り方×配置 1

144


実験

01

02

03

04

05

06

60

07

椅子

まえ

0.533

20

よこ

0.645

17

両横

0.416

26

70

椅子

08

09

ソファ

ソファ

10

まえ

0.505

23

0.698

11

0.424

25

よこ

0.692

15

0.699

10

0.416

27

両横

0.385

28

0.467

24

0.360

29

80

椅子

ソファ

まえ

0.517

21

よこ

0.695

13

両横

0.346

30

図 7-5-3-5: 座り方×配置 2

145


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□モーメントの波形と動作の関係 立ち上がり時の関節モーメント(腰部モーメント、股関節モーメント、膝関節モーメント) の波形と、その時系列にそった動作(床反力ベクトルと関節位置)の関係を図にまとめた。 比較的標準的な波形をしていた 014 の被験者の手をつかない立ち上がり動作(椅子から、 ソファから、床から(Type2))と、007の被験者の床からの立ち上がり動作(Type3) を例に選んだ。

146


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

< 014 /椅子/なし>

29

42

55

68

81

94

108

121

134

147

60 40 20 0 1

6

11

16 -20

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96

101

106

111

116

121

126

131

136

141

146

151

-40 -60 -80

-108.35

-100 -120

156

161

166

171

176

156

161

166

171

176

156

161

166

腰部モーメント

腰部モーメントMax

79

1

6

6

11

11

70 60 50 40 30 20 10 0 16 -10 -20

80 70 60 50 40 30 20 10 0 16 -10

57.28 50.48

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

014右股関節屈伸モーメント

96

101

106

111

116

121

014右股関節屈伸モーメント

126

131

136

右股最大値

141

146

151

左股最大値

67.81 41.6

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

014右膝関節屈伸モーメント

91

96

101

106

111

116

121

014右膝関節屈伸モーメント

126

131

136

右膝最大値

141

146

図 7-5-3-6: 014 /椅子/なし

147

151

左膝最大値


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<014/ソファ/なし>

8

60 40 20 0 -20 -40 -60 -80 -100 -120 -140

1

6

21

11

16

21

35

26

31

36

48

41

46

61

51

56

61

75

66

71

76

88

81

86

101

91

96

101

115

106

111

116

128

121

126

131

136

141

146

151

156

161

136

141

146

151

156

161

-122.31

腰部モーメントMax

腰部モーメント

56

70 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30

65.84 48.96

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96

101

106

111

116

121

126

131

014右

014右股関節屈伸モーメント 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10

014右股関節屈伸モーメント

右股最大値

左股最大値

80.16 49.4

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96

101

106

111

116

121

126

131

136

141

146

151

156

161

014右

014右膝関節屈伸モーメント

014右膝関節屈伸モーメント

右膝最大値

左膝最大値

図 7-5-3-7: 014 /ソファ/なし

148


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<014/床/なし/ Type2 >

12

29

46

64

81

98

115

133

150

167

150 150 100 100 50 50 00 -50 -50

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96

101 106 111 116 121 126 131 136 141 146 151 156 161 166 171 176 181 186 191 196 201 206 211

-107.26

-100 -100 -150 -150

腰部モーメント

腰部モーメントMax

68

80

68.93

60

33.86

40 20 0 -20

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96

101

106

111

116

121

126

131

136

141

146

151

156

161

166

171

-40 -60

160 140 120 100 80 60 40 20 0 -20

014右股関節屈伸モーメント

014右股関節屈伸モーメント

右股最大値

左股最大値

146.15 146.3

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

014右膝関節屈伸モーメント

91

96

101

106

111

116

121

126

131

014右膝関節屈伸モーメント

136

141

146

151

右膝最大値

156

161

166

171

左膝最大値

図 7-5-3-8: 014 /床/なし

149

014腰部モーメント

最大値


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<007/床/なし/ Type3 >

21

42

63

88

104

125

196

167

188

209

10 10 0 0 -10 -10

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96 101 106 111 116 121 126 131 136 141 146 151 156 161 166 171 176 181 186 191 196 201 206 211 216 221 226 231 236 241 246 251 256 261

-20 -20 -30 -30 -40 -40 -50 -50

-51.5

-60 -60

腰部モーメント

腰部モーメントMax

128

100

84.45

80 60

40

23.35

20 0

-20

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96 101 106 111 116 121 126 131 136 141 146 151 156 161 166 171 176 181 186 191 196 201 206 211 216 221 226 231 236 241 246 251 256 26

-40 -60

80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20

014右股関節屈伸モーメント

007右股関節屈伸モーメント007右股関節屈伸モーメント右股最大値 014右股関節屈伸モーメント 右股最大値 左股最大値

左股最大値

74.69 55.94

1

6

11

16

21

26

31

36

41

46

51

56

61

66

71

76

81

86

91

96 101 106 111 116 121 126 131 136 141 146 151 156 161 166 171 176 181 186 191 196 201 206 211 216 221 226 231 236 241 246 251 256 26

014右膝関節屈伸モーメント

007右膝関節屈伸モーメント007右膝関節屈伸モーメント右膝最大値

014右膝関節屈伸モーメント

右膝最大値

左膝最大値

図 7-5-3-9: 007 /床/なし

150

左膝最大値


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

腰、股、膝のモーメントの波形は、おおむねモーメントのピークが同じくらいの時間にく ることがわかる。床からの立ち上がりの Type 2に関しては、腰部モーメントとまた関節 モーメントのピークよりも早い段階で膝関節モーメントのピークが現れた。これは膝たち の姿勢から前に体重移動して足で姿勢を自立させるための動作をするときに膝に負担が生 じるためと考えられる。  立ち上がりのはじめにはまず体幹が前傾する。この時期には椅子やソファの立ち上がり では椅子に体重の大部分がかかるために床反力は小さい。引き続いて殿部が持ち上がり体 重がすべて下肢にかかるようになる。この時、股関節は屈曲位となる。股関節の屈曲がピー ク値に達すると、股関節と膝関節は同時に伸展方向に動き出す。床反力ベクトルは立ち上 がり動作中足関節のほぼ真下に位置している。したがって、ここでは具体的なグラフとし て示していないが、立ち上がり動作を通じて足関節モーメントは小さい値である。床反力 はほぼ真上を向いているため、股関節と膝関節の屈曲、伸展による関節位置の変化によっ て関節モーメントが変化していく。股関節、膝関節、腰部のモーメントのピークは立ち上 がりはじめの時期に現れる。股関節、膝関節ともに伸展モーメントを発生しながら伸展し ていくため、伸展筋群は救心性の活動をしていることがわかる。

151


01

実験

02

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06

07

08

09

10

■■�7-6�分析結果�■■ ■�7-6-1�検定結果の見方�■  今回の研究でつかった検定方法について、まとめた。

□分析データ  分析にかけるときに検定用に整形したデータ。SPSS でもエクセルでも、行わせたい検 定にあった形のデータしか受け付けないため、決まった形にデータを整形する必要がある。

□分散分析  分散分析は、次の仮説 H 「仮説 H:各試行の腰部モーメントの最大値の平均値は同じ」 を検定している。例えば、以下のような分散分析結果がでたとする。

表 7-6-1-1:分散分析結果の一例

分散分析 腰部モーメント 平方和

自由度

平均平方

グループ間

0.36217

3

0.12072

グループ内

1.2766

44

0.02901

1.63877

47

合計

F値

有意確率

4.16088

0.01115

このとき、 検定統計量 F=4.16088 で、その時の有意確率は 0.01115 である。つまり、図示すると以 下の図のようになる。 自由度(3,44)のF分布

ここでの確率が 有意確率で 0.01115

F=4.16088

自由度(3,44)のF分布

有意水準 α=0.05

F(3,44)(0.05)=3.4780

図 7-6-1-1:分散分析結果の一例

152


01

実験

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05

06

07

08

09

10

そこで、この有意確率を有意水準と比べてみると、 有意確率 =0.01115 <有意水準α =0.05 なので、仮説 H は棄てられる。したがって「各試行の腰部モーメントの最大値の平均値 に違いがある」ことがわかる。 どのグループ間に差があるのかを調べるには、多重比較をする必要がある。分散分析で明 らかになるのは、いずれかのグループの間に差がある物があるかどうか、ということであ る。

□多重比較  平均値の差の数値の横に*印のついている組み合わせのところに有意水準5%(α =0.05)で差があることがわかる。例えば、以下のような結果が出た場合、腰部モーメン トの最大値の平均値に差がある組み合わせは椅子台なしと椅子横60ということがいえ る。

表 7-6-1-2:多重比較結果の一例

多重比較 従属変数: 腰

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

(I) 椅子横

有意確率

(J) 椅子横 0

60

70

80

*

標準誤差

95% 信頼区間 下限

上限

60 -0.22781 *

0.06954

0.01068 -0.41348 -0.04214

70 -0.18071

0.06954

0.05903 -0.36638

0.00496

80 -0.17711

0.06954

0.06645 -0.36277

0.00856

0.22781 *

0.06954

0.01068

0.04214

0.41348

70

0.0471

0.06954

0.90514 -0.13857

0.23277

80

0.0507

0.06954

0.88488 -0.13496

0.23637

0

0.18071

0.06954

0.05903 -0.00496

0.36638

60

-0.0471

0.06954

0.90514 -0.23277

0.13857

80

0.00361

0.06954

0.99995 -0.18206

0.18927

0

0.17711

0.06954

0.06645 -0.00856

0.36277

60

-0.0507

0.06954

0.88488 -0.23637

0.13496

70 -0.00361

0.06954

0.99995 -0.18927

0.18206

0

平均の差は .05 で有意

153


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□等質サブグループ  有意差のない水準同士を同じグループにまとめたもの。たとえば、以下のような結果で あった場合、3つの水準 { 椅子横の0、80、70} の中には有意水準5% で、有意差が ないということを示している。また、次の水準 {80、70、60} の間にも有意水準5%で有 意差がないといっている。

表 7-6-1-3:等質サブグループ結果の一例

等質サブグループ 度数

α= .05 のサブグループ

椅子横

1

Tukey HSD

0

2

12 -0.87233

80

12 -0.69522 -0.69522

70

12 -0.69162 -0.69162

60

12

有意確率

-0.64452 0.05903

0.88488

等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a

調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

154


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�7-6-2�高齢者と若年者の違い�■  若年者、高齢者の年齢の違いにより、腰部モーメント最大値の平均に差があるかどうか を調べた。 □検定方法について  分析は一元配置分散分析をエクセルで行った。 ここで、分散分析は、次の仮説 H 「仮説 H:各年齢層の腰部モーメントの最大値の平均値は同じ」 を検定している。 □検定結果 検定結果をまとめた。 <椅子> <椅子なし>

分散分析: 一元配置 概要

椅子なし高

椅子なし若

-0.844828

-1.260202

椅子なし高

グループ

6

-4.55487

-0.759145

0.043679

-0.958468

-1.010212

椅子なし若

6

-5.91306

-0.98551

0.022701

-0.73282

-1.000356

-0.86042

-0.860684

-0.797789

-0.847809

-0.360546

-0.933797

合計

平均

分散

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.15372

1

0.153723

グループ内

0.3319

10

0.03319

0.48562

11

合計 <椅子まえ60>

標本数

観測された分散比

4.63163

P-値 0.056861

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要 グループ

標本数

合計

平均

分散

椅子まえ60高

椅子まえ60若

-0.618642

-0.45579

椅子まえ60高

6 -3.057428

-0.509571

0.030656

-0.369415

-0.527938

椅子まえ60若

6 -3.335945

-0.555991

0.005302

-0.35662

-0.583193

-0.750396

-0.545214

-0.342007

-0.677387

-0.620347

-0.546423

<椅子まえ70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00646

1

0.006464

グループ内

0.17979

10

0.017979

合計

0.18626

11

観測された分散比

0.359546

P-値 0.562098

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子まえ70高

椅子まえ70若

グループ

-0.62306

-0.665809

椅子まえ70高

標本数

6 -3.373239

合計

-0.562207

平均

0.007476

分散

-0.588899

-0.273314

椅子まえ70若

6 -2.684723

-0.447454

0.021012

-0.646992

-0.359715

-0.48662

-0.378662

-0.601531

-0.439124

-0.426137

-0.5681

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.0395

1

0.039505

グループ内

0.14244

10

0.014244

合計

0.18194

11

観測された分散比

2.773462

P-値 0.126809

F 境界値 4.964591

155


01

実験

<椅子まえ80>

02

03

04

05

06

07

08

09

分散分析: 一元配置 概要 グループ

標本数

合計

平均

分散

椅子まえ80高

椅子まえ80若

-0.471336

-0.59568

椅子まえ80高

6 -2.937517

-0.489586

0.027859

-0.548672

-0.704913

椅子まえ80若

6 -3.263099

-0.54385

0.019366

-0.488357

-0.591996

-0.768858

-0.294406

-0.387755

-0.580438

-0.272539

-0.495665

<椅子よこ60>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00883

1

0.008834

グループ内

0.23613

10

0.023613

合計

0.24496

11

観測された分散比

0.374106

P-値 0.554424

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子よこ60高

-0.679957

椅子よこ60若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.044026

椅子よこ60高

6 -3.899947

-0.649991

0.013619

-0.538538

-0.581118

椅子よこ60若

6 -3.834263

-0.639044

0.040777

-0.845547

-0.554113

-0.532494

-0.611345

-0.688605

-0.544836

-0.614806

-0.498826

<椅子よこ70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00036

1

0.00036

グループ内

0.27198

10

0.027198

合計

0.27234

11

観測された分散比

0.013219

P-値 0.910741

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子よこ70高

-0.638362

椅子よこ70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.135386

椅子よこ70高

6 -4.044145

-0.674024

0.011233

-0.619684

-0.74817

椅子よこ70若

6 -4.255246

-0.709208

0.047767

-0.882996

-0.562561

-0.646713

-0.618791

-0.668963

-0.594601

-0.587428

-0.595737

分散分析表 変動要因

自由度

分散

0.00371

1

0.003714

グループ内

0.295

10

0.0295

0.29871

11

合計 <椅子よこ80>

変動

グループ間

観測された分散比

0.125885

P-値 0.730106

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子よこ80高

-0.635022

椅子よこ80若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.025919

椅子よこ80高

6 -4.141177

-0.690196

0.016958

-0.690005

-0.68025

椅子よこ80若

6 -4.201492

-0.700249

0.026967

-0.934227

-0.670165

-0.554592

-0.595376

-0.698299

-0.645696

-0.629032

-0.584086

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.0003

1

0.000303

グループ内

0.21962

10

0.021962

合計

0.21993

11

観測された分散比

0.013804

P-値 0.908799

F 境界値 4.964591

156

10


01

実験

<椅子両横60>

02

03

04

05

06

07

08

09

分散分析: 一元配置 概要

椅子両横60高

椅子両横60若

グループ

-0.248922

-0.522243

椅子両横60高

6 -2.701596

-0.450266

0.024001

-0.434132

-0.295761

椅子両横60若

6 -2.361497

-0.393583

0.019407

-0.599658

-0.157581

-0.284196

-0.48986

-0.598129

-0.444914

-0.536559

-0.451138

<椅子両横70>

標本数

合計

平均

分散

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00964

1

0.009639

グループ内

0.21704

10

0.021704

合計

0.22668

11

観測された分散比

0.444105

P-値 0.520226

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子両横70高

椅子両横70若

グループ

-0.114224

-0.668199

椅子両横70高

6 -2.279177

-0.379863

0.047247

-0.441885

-0.200578

椅子両横70若

6 -2.340792

-0.390132

0.023904

-0.711624

-0.383637

-0.162611

-0.387479

-0.407228

-0.311268

-0.441605

-0.389632

<椅子両横80>

標本数

合計

平均

分散

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00032

1

0.000316

グループ内

0.35576

10

0.035576

合計

0.35607

11

観測された分散比

0.008893

P-値 0.926733

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

椅子両横80高

椅子両横80若

グループ

-0.248922

-0.587776

椅子両横80高

標本数

6 -2.050859

合計

-0.34181

平均

0.044721

分散

-0.178719

-0.11763

椅子両横80若

6 -2.106426

-0.351071

0.033527

-0.718753

-0.554113

-0.140233

-0.312923

-0.416837

-0.279108

-0.347395

-0.254877

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00026

1

0.000257

グループ内

0.39124

10

0.039124

0.3915

11

合計

観測された分散比

0.006577

P-値 0.936965

F 境界値 4.964591

157

10


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<ソファ> <ソファなし>

分散分析: 一元配置 概要

ソファなし高 ソファなし若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.936746

-1.430974

ソファなし高

6

-5.55599

-0.925998

0.033435

-1.268156

-0.637572

ソファなし若

6 -4.721116

-0.786853

0.224385

-0.923772

0

-0.768298

-0.968649

-0.88648

-0.957042

-0.772539

-0.726879

<ソファまえ30>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.058085

1

0.058085

グループ内

1.289099

10

0.12891

合計

1.347183

11

観測された分散比

0.450583

P-値

F 境界値

0.517263

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファまえ30高 ソファまえ30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.901832

-1.068566

ソファまえ30高

6 -4.845468

-0.807578

0.012092

-0.949869

-0.763969

ソファまえ30若

6 -5.399276

-0.899879

0.012251

-0.675981

-0.876034

-0.701818

-0.932399

-0.845578

-0.956103

-0.770389

-0.802204

<ソファまえ40>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.025559

1

0.025559

グループ内

0.121715

10

0.012172

合計

0.147274

11

観測された分散比

2.099867

P-値

F 境界値

0.177935

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファまえ40高 ソファまえ40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.880496

-1.167188

ソファまえ40高

6 -4.417392

-0.736232

0.033123

ソファまえ40若

6 -5.288012

-0.881335

0.048858

-0.9078

-0.488921

-0.678643

-0.898444

-0.417249

-0.852748

-0.831633

-0.924335

-0.701572

-0.956376

<ソファまえ70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.063165

1

0.063165

グループ内

0.409907

10

0.040991

合計

0.473072

11

観測された分散比

1.540957

P-値

F 境界値

0.242804

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファまえ70高 ソファまえ70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.779634

-1.080882

ソファまえ70高

6 -4.013622

-0.668937

0.037184

-0.894826

-0.352601

ソファまえ70若

6

-0.727457

0.056591

-0.63416

-0.776078

-0.60028

-0.703635

-0.763946

-0.811189

-0.340778

-0.640354

-4.36474

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.010274

1

0.010274

グループ内

0.468874

10

0.046887

合計

0.479148

11

観測された分散比

0.219113

P-値

F 境界値

0.649752

4.964591

158


01

実験

<ソファよこ30>

02

03

04

05

06

07

08

09

10

分散分析: 一元配置 概要

ソファよこ30高 ソファよこ30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.60097

-1.084743

ソファよこ30高

6 -4.207973

-0.701329

0.033586

-1

-0.76474

ソファよこ30若

6

-0.736498

0.043492

-0.816652

-0.446065

-0.568205

-0.66523

-0.714371

-0.783177

-0.507775

-0.675036

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.003711

1

0.003711

グループ内

0.38539

10

0.038539

0.389101

11

合計 <ソファよこ40>

-4.41899

観測された分散比

0.096284

P-値

F 境界値

0.762706

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファよこ40高 ソファよこ40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.649677

-1.067555

ソファよこ40高

6 -4.078645

-0.679774

0.028815

-0.971672

-0.617726

ソファよこ40若

6 -4.270261

-0.71171

0.031014

-0.723791

-0.658248

-0.622098

-0.617909

-0.660374

-0.680751

-0.451034

-0.628071

<ソファよこ70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.00306

1

0.00306

グループ内

0.299142

10

0.029914

合計

0.302202

11

観測された分散比

0.102283

P-値

F 境界値

0.755689

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファよこ70高 ソファよこ70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.680065

-1.015349

ソファよこ70高

6 -4.142157

-0.69036

0.028913

-1.013435

-0.536127

ソファよこ70若

6 -4.247504

-0.707917

0.040566

-0.696227

-0.864295

-0.561305

-0.741354

-0.647619

-0.533568

-0.543507

-0.55681

分散分析表 変動要因

自由度

分散

0.000925

1

0.000925

グループ内

0.347395

10

0.034739

0.34832

11

合計 <ソファ両横30>

変動

グループ間

観測された分散比

0.026622

P-値

F 境界値

0.873642

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファ両横30高 ソファ両横30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.860991

-0.905331

ソファ両横30高

6 -4.637907

-0.772984

0.022484

-1.018348

-0.327457

ソファ両横30若

6 -3.812199

-0.635367

0.049007

-0.738333

-0.410227

-0.672634

-0.767806

-0.756037

-0.717762

-0.591563

-0.683616

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.056816

1

0.056816

グループ内

0.357455

10

0.035745

合計

0.414271

11

観測された分散比

1.589463

P-値

F 境界値

0.236024

4.964591

159


01

実験

<ソファ両横40>

02

03

04

05

06

07

08

09

10

分散分析: 一元配置 概要

ソファ両横40高 ソファ両横40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.62694

-0.708272

ソファ両横40高

6 -3.908351

-0.651392

0.021123

-0.872332

-1.270135

ソファ両横40若

6 -4.509434

-0.751572

0.065653

-0.687292

-0.608893

-0.551608

-0.629372

-0.719558

-0.651956

-0.45062

-0.640806

<ソファ両横70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.030108

1

0.030108

グループ内

0.433879

10

0.043388

合計

0.463987

11

観測された分散比

0.693936

P-値

F 境界値

0.424278

4.964591

分散分析: 一元配置 概要

ソファ両横70高 ソファ両横70若

-0.307759

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.957721

ソファ両横70高

6 -2.588132

-0.431355

0.041128

-0.809535

-0.6342

ソファ両横70若

6 -3.020788

-0.503465

0.06644

-0.452999

-0.297821

-0.287459

-0.348976

-0.458503

-0.297966

-0.271878

-0.484104

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.015599

1

0.015599

グループ内

0.537841

10

0.053784

合計

0.553441

11

観測された分散比

0.290034

P-値

F 境界値

0.60198

4.964591

160


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

<床>

分散分析: 一元配置 <床なし> 概要 床なし高

床なし若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.567565

-0.585478

床なし高

5 -3.986532

-0.797306

0.196103

-1.421234

-0.496146

床なし若

6 -5.300227

-0.883371

0.106762

-0.477046

-0.964073

-1.104615

-1.403057

-0.416071

-0.83928 -1.012193

<床まえ30>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.020201

1

0.020201

グループ内

1.318221

9

0.146469

合計

1.338423

10

P-値 0.137922

0.718948

F 境界値 5.117357

分散分析: 一元配置 概要

床まえ30高

床まえ30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.990302

-1.076195

床まえ30高

6

-4.76472

-0.79412

0.034177

-0.908875

-0.817437

床まえ30若

6 -5.031044

-0.838507

0.016942

-0.873301

-0.767274

-0.750676

-0.744195

-0.780442

-0.892019

-0.461125

-0.733923

<床まえ40>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.005911

1

0.005911

グループ内

0.255595

10

0.02556

合計

0.261506

11

観測された分散比

0.231252

P-値 0.640945

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床まえ40高

床まえ40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.232974

-0.999357

床まえ40高

6 -4.975372

-0.829229

0.055508

-0.901581

-0.861561

床まえ40若

6

-0.860035

0.006067

-0.723695

-0.802935

-0.722051

-0.859312

-0.858759

-0.772613

-0.536311

-0.864433

<床まえ70>

-5.16021

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.002847

1

0.002847

グループ内

0.307878

10

0.030788

合計

0.310725

11

観測された分散比

0.092475

P-値 0.767287

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床まえ70高

床まえ70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.610776

-0.604504

床まえ70高

6 -2.604645

-0.434108

0.010986

-0.430907

-0.254046

床まえ70若

6 -2.540865

-0.423477

0.077015

-0.425245

-0.320231

-0.345641

0

-0.476361

-0.702582

-0.315715

-0.659501

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.000339

1

0.000339

グループ内

0.440006

10

0.044001

合計

0.440345

11

観測された分散比

0.007704

P-値 0.931789

F 境界値 4.964591

161

10


01

実験

<床よこ30>

02

03

04

05

06

07

08

09

分散分析: 一元配置 概要

床よこ30高

床よこ30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.851724

-0.738235

床よこ30高

6 -3.714531

-0.619089

0.046934

-0.770536

-0.681888

床よこ30若

6 -3.990624

-0.665104

0.014113

-0.486456

-0.729302

-0.436643

-0.436661

-0.81301

-0.756416

-0.356162

-0.648121

<床よこ40>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.006352

1

0.006352

グループ内

0.305233

10

0.030523

合計

0.311585

11

観測された分散比

0.208112

P-値 0.657998

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床よこ40高

床よこ40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.845043

-0.84568

床よこ40高

6

-3.71445

-0.619075

0.041311

-0.817365

-0.457707

床よこ40若

6 -3.653569

-0.608928

0.017066

-0.466496

-0.599466

-0.610256

-0.582933

-0.658333

-0.630751

-0.316956

-0.53703

<床よこ70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.000309

1

0.000309

グループ内

0.291886

10

0.029189

合計

0.292195

11

観測された分散比

0.010582

P-値 0.9201

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床よこ70高

床よこ70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.554849

-0.561121

床よこ70高

6

-2.63829

-0.439715

0.010225

-0.277061

-0.375626

床よこ70若

6 -2.350648

-0.391775

0.009555

-0.412223

-0.32948

-0.527273

-0.277163

-0.471599

-0.3759

-0.395285

-0.431358

<床両横30>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.006895

1

0.006895

グループ内

0.098899

10

0.00989

合計

0.105794

11

観測された分散比

0.697156

P-値 0.42324

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床両横30高

床両横30若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.881681

-0.706342

床両横30高

6 -3.546372

-0.591062

0.122807

-0.813834

-0.763006

床両横30若

6 -4.469496

-0.744916

0.014481

-0.828724

-0.749578

-0.686154

-0.902518

0 -0.33598

-0.80759 -0.540462

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.071013

1

0.071013

グループ内

0.686438

10

0.068644

合計

0.757451

11

観測された分散比

1.034515

P-値 0.333077

F 境界値 4.964591

162

10


01

実験

<床両横40>

02

03

04

05

06

07

08

09

分散分析: 一元配置 概要

床両横40高

床両横40若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.902802

-0.812868

床両横40高

6 -3.627984

-0.604664

0.096834

-0.687855

-0.660019

床両横40若

6 -4.005912

-0.667652

0.048724

-0.722935

-0.808537

-0.697436

-0.231704

0 -0.616956

-0.75579 -0.736994

<床両横70>

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.011902

1

0.011902

グループ内

0.727793

10

0.072779

合計

0.739696

11

観測された分散比

0.163542

P-値 0.69443

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

床両横70高

床両横70若

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.41347

-0.296507

床両横70高

6 -2.347611

-0.391268

0.088393

-0.908875

-0.256936

床両横70若

6 -2.087375

-0.347896

0.006417

-0.383043

-0.316763

-0.393753

-0.476046

0 -0.407668 -0.24847

-0.333454

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.005644

1

0.005644

グループ内

0.474053

10

0.047405

合計

0.479696

11

観測された分散比

0.119049

P-値 0.737215

F 境界値 4.964591

163

10


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

以上の検定結果で、結果の読み取りに必要な P 値と F 境界値を表にまとめた。

表 7-6-2-1:検定結果のまとめ

<高齢者と若年者での違い> 試行A 椅子まえ60 椅子まえ70 椅子まえ80 椅子横60 椅子横70 椅子横80 椅子両横60 椅子両横70 椅子両横80 椅子なし ソファまえ30 ソファまえ40 ソファまえ70 ソファ横30 ソファ横40 ソファ横70 ソファ両横30 ソファ両横40 ソファ両横70 ソファなし 床まえ30 床まえ40 床まえ70 床横30 床横40 床横70 床両横30 床両横40 床両横70 床なし

P-値 0.562097895 0.126809364 0.554424344 0.910740518 0.730106032 0.908798544 0.520225642 0.926732526 0.936965057 0.05686052 0.177935107 0.242804429 0.649752469 0.762706073 0.755688672 0.873641647 0.236023806 0.424277981 0.601979759 0.51726303 0.640945115 0.767287308 0.931788988 0.657998106 0.920100144 0.42323982 0.33307697 0.694430055 0.737215107 0.718947577

F 境界値 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 4.964590516 5.117357205

164

10


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

表から、以下のようなまとめができる。

分散分析によって次の仮説を検定した。  ”仮説 H:高齢者と若年者で試行 A の時の腰モーメントのばらつきは互いに等しい” 検定統計量 F=・・・・で、そのときの有意確率は・・・・。 そこでこの有意確率を有意水準で比べてみると 有意確率 =・・・・>有意水準α =0.05 なので、仮説 H は棄てられない。 したがって、 ”高齢者と若年者で試行 A の時の腰部モーメントのばらつきには差がない” ことがわかる。

すべて の試行において、高齢者と若年者の腰部モーメントに差がないとでたことから、 立ち上がり時に腰部にかかる負担には、年齢は関係しないということが明らかになった。

165


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�7-6-3�立ち上がりタイプの違い�■  床からの立ち上がりでは、2タイプの立ち上がり方がみられた。その二つの立ち上がり について、腰部モーメントの最大値の平均に差があるかどうか調べた。

□検定方法について  分析は一元配置分散分析をエクセルで行った。 ここで、分散分析は、次の仮説 H 「仮説 H:各立ち上がりタイプの腰部モーメントの最大値の平均値は同じ」 を検定している。

<床なし>

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.104615

-0.567565

Type2

5 -5.323218

-1.064644

0.044944

-0.964073

-1.421234

Type3

6 -3.963541

-0.66059

0.142679

-1.403057

-0.477046

-0.83928

-0.416071

-1.012193

-0.585478 -0.496146

分散分析表 変動要因

自由度

分散

0.445252

1

0.445252

グループ内

0.89317

9

0.099241

1.338423

10

合計 <床まえ30>

変動

グループ間

観測された分散比

4.48657

P-値

F 境界値

0.063227

5.117357

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.990302

-0.873301

Type2

9 -7.680896

-0.853433

0.014801

-0.908875

-0.780442

Type3

3 -2.114868

-0.704956

0.046746

-0.750676

-0.461125

-1.076195 -0.817437

分散分析表

-0.767274

変動要因

-0.744195

グループ間

0.049602

変動

自由度 1

0.049602

分散

-0.892019

グループ内

0.211904

10

0.02119

合計

0.261506

11

観測された分散比

2.340785

P-値

F 境界値

0.157023

4.964591

-0.733923

166


01

実験

<床まえ40>

02

03

04

05

06

07

08

09

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-1.232974

-0.723695

Type2

9 -8.016817

-0.890757

0.022711

-0.901581

-0.858759

Type3

3 -2.118765

-0.706255

0.026221

-0.722051

-0.536311

-0.999357 -0.861561

分散分析表

-0.802935

変動要因

-0.859312

グループ間

0.076593

変動

自由度 1

0.076593

分散

-0.772613

グループ内

0.234133

10

0.023413

合計

0.310725

11

観測された分散比

3.271337

P-値 0.100618

F 境界値 4.964591

-0.864433

<床まえ70>

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.610776

-0.425245

Type2

7 -3.674143

-0.524878

0.024376

-0.430907

-0.476361

Type3

4 -1.471367

-0.367842

0.010246

-0.345641

-0.315715

-0.604504

-0.254046

-0.320231

分散分析表

-0.702582

変動要因

-0.659501

グループ間

0.062772

1

0.062772

グループ内

0.176996

9

0.019666

合計

0.239767

10

<床よこ30>

変動

自由度

分散

観測された分散比

3.191852

P-値 0.107652

F 境界値 5.117357

分散分析: 一元配置 概要

Type2 -0.851724

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.486456

Type2

7 -4.930978

-0.704425

0.017568

-0.770536

-0.81301

Type3

5 -2.774177

-0.554835

0.035227

-0.436643

-0.356162

-0.738235

-0.681888

-0.729302

-0.436661

分散分析表

-0.756416

変動要因

-0.648121

グループ間

0.065267

1

0.065267

グループ内

0.246319

10

0.024632

合計

0.311585

11

<床よこ40>

変動

自由度

分散

観測された分散比

2.649688

P-値 0.134628

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.845043

-0.466496

Type2

7 -4.885593

-0.697942

0.017587

-0.817365

-0.658333

Type3

5 -2.482425

-0.496485

0.017075

-0.610256

-0.316956

-0.84568

-0.457707

-0.599466

-0.582933

-0.630751 -0.53703

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.118372

1

0.118372

グループ内

0.173822

10

0.017382

合計

0.292195

11

観測された分散比

6.809959

P-値 0.026059

F 境界値 4.964591

167

10


01

実験

<床よこ70>

02

03

04

05

06

07

08

09

10

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.554849

-0.412223

Type2

7 -3.057042

-0.43672

0.013058

-0.277061

-0.471599

Type3

5 -1.931896

-0.386379

0.005013

-0.527273

-0.395285

-0.561121

-0.375626

-0.32948

-0.277163

-0.3759

分散分析表 変動要因

-0.431358

<床両横30>

変動

自由度

分散

グループ間

0.007392

1

0.007392

グループ内

0.098403

10

0.00984

合計

0.105794

11

観測された分散比

0.751149

P-値 0.406428

F 境界値 4.964591

分散分析: 一元配置 概要

Type2 -0.881681

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.828724

Type2

7 -5.381817

-0.768831

0.015582

-0.686154

-0.33598

Type3

4 -2.634051

-0.658513

0.048735

-0.749578

-0.706342

-0.902518

-0.763006

-0.80759

分散分析表

-0.540462

変動要因

-0.813834

グループ間

0.030978

1

0.030978

グループ内

0.239699

9

0.026633

合計

0.270677

10

<床両横40>

変動

自由度

分散

観測された分散比

1.163151

P-値 0.308868

F 境界値 5.117357

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.902802

-0.687855

Type2

6 -4.133263

-0.688877

0.055191

-0.697436

-0.722935

Type3

5 -3.500633

-0.700127

0.005477

-0.808537

-0.616956

-0.231704

-0.812868

-0.75579

-0.660019

-0.736994

分散分析表 変動要因

<床両横70>

変動

自由度

分散

グループ間

0.000345

1

0.000345

グループ内

0.297863

9

0.033096

合計

0.298208

10

観測された分散比

0.010428

P-値 0.920901

F 境界値 5.117357

分散分析: 一元配置 概要

Type2

Type3

グループ

標本数

合計

平均

分散

-0.41347

-0.908875

Type2

6 -2.341154

-0.390192

0.003368

-0.393753

-0.383043

Type3

5 -2.093832

-0.418766

0.077905

-0.316763

-0.24847

-0.476046

-0.296507

-0.407668

-0.256936

-0.333454

分散分析表 変動要因

変動

自由度

分散

グループ間

0.002227

1

0.002227

グループ内

0.328461

9

0.036496

合計

0.330688

10

観測された分散比

0.061014

P-値 0.810442

F 境界値 5.117357

168


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□検定結果  検定結果をまとめた。 以上の検定結果で、結果の読み取りに必要な P 値と F 境界値を表にまとめた。

表 7-6-3-1:検定結果のまとめ

<床からの立ち上がりタイプでの違い> 試行A

P-値

F 境界値

床なし

0.06323

5.11736

床まえ30

0.15702

4.96459

床まえ40

0.10062

4.96459

床まえ70

0.10765

5.11736

床よこ30

0.13463

4.96459

床よこ40

0.02606

4.96459

床よこ70

0.40643

4.96459

床両横30

0.30887

5.11736

床両横40

0.92090

5.11736

床両横70

0.81044

5.11736

表から、以下のようなまとめができる。

<床から横に40cm の高さに手をついて立つ場合> 分散分析によって次の仮説を検定した。 ”仮説 H:床からの立ち上がり動作 Type2 と Type3 では、試行 A の時の腰部モーメント のばらつきは互いに等しい” 検定統計量 F=4.96459 で、そのときの有意確率は 0.02606。 そこでこの有意確率を有意水準で比べてみると 有意確率 =0.02606 <有意水準α =0.05 なので、仮説 H は棄てられない。 したがって、 ”床からの立ち上がり動作 Type2 と Type3 では、試行 A の時の腰部モーメントのばらつ きには差がある” ことがわかる。

169


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

<それ以外の場合> 分散分析によって次の仮説を検定した。  ”仮説 H:床からの立ち上がり動作 Type2 と Type3 では、試行 A の時の腰部モーメン トのばらつきは互いに等しい” 検定統計量 F=・・・・で、そのときの有意確率は・・・・。 そこでこの有意確率を有意水準で比べてみると 有意確率 =・・・・>有意水準α =0.05 なので、仮説 H は棄てられない。 したがって、 ”床からの立ち上がり動作 Type2 と Type3 では、試行 A の時の腰部モーメントのばらつ きには差がない” ことがわかる。

170


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

床から横に40cm の高さに手をついて立つ場合においてのみ、タイプ別に腰部負荷に 差が認められたが、おおきくみて腰部にかかる負荷に立ち上がり方の違いは関係がないと いうことが明らかになった。

■�7-6-4�高さの違い�■  椅子前、椅子横、椅子両横、ソファ前、ソファ横、ソファ両横、床前、床横、床両横、 の9つの試行(台を使わない立ち上がり方以外の試行)について、手をつく高さごとに腰 部モーメントの最大値の平均値を検定し、どの試行とどの試行の間に差があるといえるの かを調べた。

□検定方法について  分析は SPSS を用いて、一元配置の分散分析と多重比較を行った。床からの立ち上がり で手をつかないで行った試行で、015 の被験者分を無効と判断したので、床の試行では グループ内のデータ数がそろっていない。そこで多重比較の数ある方法の中でも、Tukey の方法をとった。

171


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□椅子前

分析データ 椅子前

腰部モーメントmax

60

-0.618642241

60

-0.369415016

60

-0.356620093

60

-0.75039627

60

-0.342006803

60

-0.620347395

60

-0.455790441

60

-0.527938343

60

-0.58319253

60

-0.545214069

60

-0.677386541

分散分析

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 1.13395 3 0.37798 15.1362 6.6E-07 グループ内 1.09878 44 0.02497 合計 2.23273 47

多重比較 従属変数: 腰部 (I) 椅子前

(J) 椅子前 60 -0.33955 70 -0.3675 80 -0.35561 0 0.33955 70 -0.02795 80 -0.01606 0 0.3675 60 0.02795 80 0.01189 0 0.35561 60 0.01606 70 -0.01189 平均の差は .05 で有意

60

-0.54642341

70

-0.623060345

70

-0.588899125

70

-0.646991731

70

-0.486620047

70

-0.601530612

70

-0.426137304

70

-0.665808824

70

-0.273314066

70

-0.359715429

70

-0.378661703

70

-0.439123631

70

-0.568099711

80

-0.471336207

80

-0.548671887

80

-0.48835662

80

-0.768857809

80

-0.387755102

等質サブグループ

80

-0.272539289

80

-0.595680147

Tukey HSD

80

-0.704913295

80

-0.591996443

80

-0.2944058

80

-0.580438185

80

-0.49566474

なし

-0.844827586

なし

-0.95846768

なし

-0.732820074

なし

-0.86041958

なし

-0.797789116

なし

-0.360545906

なし

-1.260202206

なし

-1.010211946

なし

-1.000355714

なし

-0.860683844

なし

-0.847809077

なし

-0.933796965

0

60

70

80

*

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) * * * *

*

*

標準誤差 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451 0.06451

有意確率 2.3E-05 5.5E-06 1E-05 2.3E-05 0.97243 0.9945 5.5E-06 0.97243 0.99775 1E-05 0.9945 0.99775

95% 信頼区間 下限 上限 -0.5118 -0.16729 -0.53975 -0.19524 -0.52786 -0.18336 0.16729 0.5118 -0.2002 0.1443 -0.18832 0.15619 0.19524 0.53975 -0.1443 0.2002 -0.16036 0.18414 0.18336 0.52786 -0.15619 0.18832 -0.18414 0.16036

度数

α= .05 のサブグループ 1 2 0 12 -0.87233 60 12 -0.53278 80 12 -0.51672 70 12 -0.50483 有意確率 1 0.97243 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 椅子前

a

調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

172


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの

(I) 椅子前 60 70 80 なし

60

70

80 ●

なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷

椅子/前

腰部モーメント指標値 全体平均値

1.000

0.872

0.900 0.800 0.700 0.600

0.533

0.505

0.517

60

70

80

0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000

高さ

なし

考察:椅子から前に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、60,70,80 の高さでは差 があるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、60,70,80 の高さに手をついた場 合は、平均負荷が小さく、手をつかない場合の約60%程度の負荷であることがわかる。 つまり、椅子からの立ち上がりでは、前に手をつくと、負荷がかなり軽減されるが、特に 手をつく台の高さにる負荷の違いはあまりないことがわかる。

173


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□椅子横

分析データ

分散分析

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 0.36217 3 0.12072 4.16088 0.01115 グループ内 1.2766 44 0.02901 合計 1.63877 47

椅子横

腰部モーメントmax

60

-0.679956897

60

-0.538538308

60

-0.845547001

60

-0.532494172

60

-0.688605442

60

-0.614805624

60

-1.044025735

60

-0.581117534

多重比較

60

-0.554112939

従属変数: 腰

60

-0.611345155

60

-0.544835681

60

-0.498825867

70

-0.638362069

70

-0.61968371

70

-0.882995913

70

-0.646713287

70

-0.668962585

70

-0.587427626

70

-1.135386029

70

-0.748169557

70

-0.562561138

70

-0.618791026

70

-0.594600939

70

-0.595736994

80

-0.635021552

80

-0.690004606

80

-0.934226785

80

-0.554592075

80

-0.69829932

80

-0.629032258

80

-1.025919118

80

-0.680250482

80

-0.670164518

80

-0.595375723

80

-0.645696401

80

-0.584085983

なし

-0.844827586

なし

-0.95846768

なし

-0.732820074

なし

-0.86041958

なし

-0.797789116

なし

-0.360545906

なし

-1.260202206

なし

-1.010211946

なし

-1.000355714

なし

-0.860683844

なし

-0.847809077

なし

-0.933796965

(I) 椅子横 0

60

70

80

*

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) (J) 椅子横 60 -0.22781 * 70 -0.18071 80 -0.17711 0 0.22781 * 70 0.0471 80 0.0507 0 0.18071 60 -0.0471 80 0.00361 0 0.17711 60 -0.0507 70 -0.00361 平均の差は .05 で有意

標準誤差 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954 0.06954

有意確率 0.01068 0.05903 0.06645 0.01068 0.90514 0.88488 0.05903 0.90514 0.99995 0.06645 0.88488 0.99995

95% 信頼区間 下限 上限 -0.41348 -0.04214 -0.36638 0.00496 -0.36277 0.00856 0.04214 0.41348 -0.13857 0.23277 -0.13496 0.23637 -0.00496 0.36638 -0.23277 0.13857 -0.18206 0.18927 -0.00856 0.36277 -0.23637 0.13496 -0.18927 0.18206

等質サブグループ 度数

α= .05 のサブグループ 1 2 Tukey HSD 0 12 -0.87233 80 12 -0.69522 -0.69522 70 12 -0.69162 -0.69162 60 12 -0.64452 有意確率 0.05903 0.88488 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用 椅子横

174


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) 椅子横 60 70 80 なし

60

70

80

なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷

椅子/横

腰部モーメント指標値 全体平均値

1.000

0.872

0.900 0.800 0.700

0.645

0.692

0.695

70

80

0.600 0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 60

なし

高さ

考察:椅子から横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、60,70,80 の高さでは差 があるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、60 の高さに手をついた場合は、 平均負荷が小さく、約75%の負荷であることがわかる。つまり、椅子からの立ち上がり では、横に手をつくと、負荷がかなり軽減されるが、特に手をつく台の高さにる負荷の違 いはあまりないことがわかる。

175


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□椅子両横

分散分析

分析データ 椅子両横

腰部モーメントmax

60

-0.248922414

60

-0.434131737

60

-0.599657827

60

-0.284195804

60

-0.598129252

60

-0.53655914

60

-0.522242647

60

-0.295761079

60

-0.157581147

60

-0.4898599

60

-0.444913928

60

-0.451138006

70

-0.114224138

70

-0.44188546

70

-0.71162437

70

-0.162610723

70

-0.407227891

70

-0.441604632

70

-0.668198529

70

-0.200578035

70

-0.383637172

70

-0.387479181

70

-0.311267606

70

-0.389631503

80

-0.248922414

80

-0.178719484

80

-0.71875297

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 2.17638 3 0.72546 21.865 8.1E-09 グループ内 1.45988 44 0.03318 合計 3.63625 47

多重比較

Tukey HSD

従属変数:腰部モーメント 平均値の差 (I-J) (I) 椅子両横 (J) 椅子両横 0 60 -0.4504 * 70 -0.48733 * 80 -0.52589 * 60 0 0.4504 * 70 -0.03693 80 -0.07548 70 0 0.48733 * 60 0.03693 80 -0.03856 80 0 0.52589 * 60 0.07548 70 0.03856 * 平均の差は .05 で有意

標準誤差 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436 0.07436

80

-0.1402331

80

-0.416836735

等質サブグループ

80

-0.347394541

80

-0.587775735

80

-0.117630058

80

-0.554112939

80

-0.312922504

80

-0.279107981

80

-0.254877168

なし

-0.844827586

α= .05 のサブグループ 1 2 Tukey HSD 0 12 -0.87233 60 12 -0.42192 70 12 -0.385 80 12 -0.34644 有意確率 1 0.74153 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

なし

-0.95846768

なし

-0.732820074

なし

-0.86041958

なし

-0.797789116

なし

-0.360545906

なし

-1.260202206

なし

-1.010211946

なし

-1.000355714

なし

-0.860683844

なし

-0.847809077

なし

-0.933796965

有意確率 1.6E-06 3.1E-07 5.3E-08 1.6E-06 0.95943 0.74153 3.1E-07 0.95943 0.95421 5.3E-08 0.74153 0.95421

95% 信頼区間 下限 上限 -0.64895 -0.25185 -0.68588 -0.28878 -0.72444 -0.32734 0.25185 0.64895 -0.23548 0.16162 -0.27403 0.12307 0.28878 0.68588 -0.16162 0.23548 -0.23711 0.15999 0.32734 0.72444 -0.12307 0.27403 -0.15999 0.23711

度数

椅子両横

176


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) 椅子両横 60 70 80 なし

60 70 ●

80 ●

なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷 1.000

腰部モーメント指標値 全体平均値

椅子/両横

0.872

0.900 0.800 0.700 0.600 0.500

0.416

0.400

0.385

0.346

0.300 0.200 0.100 0.000 60

70

80

なし

高さ

考察:椅子から両横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、60,70,80 の高さでは 差があるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、60,70,80 の高さに手をついた 場合は、平均負荷が小さく、腰部モーメントに倍以上の差がある。つまり、椅子からの立 ち上がりでは、両横に手をつくと、負荷がかなり軽減されるが、特に手をつく台の高さに る負荷の違いはあまりないことがわかる。

177


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□ソファ前

分散分析

分析データ ソファ前

V2

腰部モーメントmax

30

-0.901831897

30

-0.949869492

30

-0.675981371

30

-0.701818182

30

-0.845578231

30

-0.770388751

30

-1.068566176

30

-0.763969171

30

-0.876033793

30

-0.932399334

30

-0.956103286

30

-0.802203757

40

-0.88049569

40

-0.907799785

40

-0.678642715

40

-0.417249417

40

-0.831632653

40

-0.701571547

40

-1.1671875

40

-0.488921002

40

-0.898443753

40

-0.852748114

40

-0.924334898

40

-0.956376445

70

-0.779633621

70

-0.894825733

70

-0.634160251

70

-0.60027972

70

-0.763945578

70

-0.340777502

70

-1.080882353

70

-0.352601156

70

-0.776078257

70

-0.70363476

70

-0.811189358

70

-0.640354046

なし

-0.93674569

なし

-1.268155996

なし

-0.923771505

なし

-0.768298368

なし

-0.886479592

なし

-0.772539289

なし

-1.430974265

なし

-0.637572254

グループ間 グループ内 合計

平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 0.19726 3 0.06575 1.18247 0.32733 2.44668 44 0.05561 2.64394 47

多重比較

Tukey HSD

従属変数: 腰部モーメント 平均値の差 (I-J) (I) ソファ前 (J) ソファ前 0 30 -0.0027 40 -0.04764 70 -0.15823 30 0 0.0027 40 -0.04494 70 -0.15553 40 0 0.04764 30 0.04494 70 -0.11059 70 0 0.15823 30 0.15553 40 0.11059

等質サブグループ

度数

標準誤差

有意確率

0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627 0.09627

0.99999 0.95982 0.36543 0.99999 0.9659 0.38059 0.95982 0.9659 0.66175 0.36543 0.38059 0.66175

95% 信頼区間 下限 上限 -0.25974 0.25434 -0.30468 0.2094 -0.41527 0.09881 -0.25434 0.25974 -0.30198 0.21209 -0.41257 0.10151 -0.2094 0.30468 -0.21209 0.30198 -0.36763 0.14645 -0.09881 0.41527 -0.10151 0.41257 -0.14645 0.36763

α= .05 のサブグループ

ソファ前

1 0 12 -0.85643 30 12 -0.85373 40 12 -0.80878 70 12 -0.6982 有意確率 0.36543 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用 Tukey HSD

0

なし なし

-0.968648966

なし

-0.957042254

なし

-0.726878613

178


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) ソファ前 30 40 70 なし

30 40 70 なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷 1.000 0.900

腰部モーメント指標値 全体平均値 0.934

ソファ/前 0.854

0.809

0.800

0.698

0.700 0.600 0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 30

40

70

高さ

なし

考察:ソファから前に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、30,40,70, の高さでは 差があるとはいえない。また手をつかない場合と比較しても、30,40,70, の高さに手をつ いた場合いづれの場合も、平均負荷に差があるとはいえない。つまり、ソファからの立ち 上がりで、前方向に手をついても、どこにも手をつかなくても、腰部負荷に違いはないと いえる。

179


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□ソファ横

分散分析

分析データ ソファ横 30 30

腰部モーメントmax -0.600969828 -1

30

-0.816652409

30

-0.568205128

30

-0.714370748

30

-0.507775021

30

-1.084742647

30

-0.764739884

30

-0.446064918

30

-0.665229744

30

-0.783176839

30

-0.675036127

40

-0.649676724

40

-0.971672041

40

-0.723790514

40

-0.622097902

40

-0.66037415

40

-0.451033912

40

-1.067555147

40

-0.617726397

40

-0.65824811

40

-0.617909278

40

-0.680751174

40

-0.628070809

70

-0.680064655

70

-1.013434669

70

-0.696226594

70

-0.561305361

70

-0.647619048

70

-0.543507031

70

-1.015349265

70

-0.536127168

70

-0.864295242

70

-0.741353973

70

-0.533568075

70

-0.556809971

なし

-0.93674569

なし

-1.268155996

なし

-0.923771505

なし

-0.768298368

なし

-0.886479592

なし

-0.772539289

なし

-1.430974265

なし

-0.637572254

(I) ソファ横

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 0.21122 3 0.07041 1.29794 0.28707 グループ内 2.38681 44 0.05425 合計 2.59803 47

多重比較 従属変数: 腰部モーメント

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

(I) ソファ横 (J) ソファ横 0 30 40 70 30 0 40 70 40 0 30 70 70 0 30 40

-0.13751 -0.16068 -0.15729 0.13751 -0.02317 -0.01978 0.16068 0.02317 0.0034 0.15729 0.01978 -0.0034

0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508 0.09508

標準誤差 0.4781 0.3411 0.35979 0.4781 0.99484 0.99677 0.3411 0.99484 0.99998 0.35979 0.99677 0.99998

有意確率 95% 信頼区間 下限 上限 -0.39139 0.11636 -0.41456 0.09319 -0.41116 0.09659 -0.11636 0.39139 -0.27705 0.2307 -0.27365 0.2341 -0.09319 0.41456 -0.2307 0.27705 -0.25048 0.25727 -0.09659 0.41116 -0.2341 0.27365 -0.25727 0.25048

等質サブグループ 度数

α= .05 のサブグループ 1 Tukey HSD 0 12 -0.85643 30 12 -0.71891 70 12 -0.69914 40 12 -0.69574 有意確率 0.3411 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用 ソファ横

0

なし なし

-0.968648966

なし

-0.957042254

なし

-0.726878613

180


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) ソファ横 30 40 70 なし

30 40 70 なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷 1.000

腰部モーメント指標値 全体平均値 0.934

ソファ/横

0.900 0.800

0.696

0.699

40

70

0.700 0.600

0.513

0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 30

高さ

なし

考察:ソファから横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、30,40,70, の高さでは 差があるとはいえない。また手をつかない場合と比較しても、30,40,70, の高さに手をつ いた場合いづれの場合も、平均負荷に差があるとはいえない。つまり、ソファからの立ち 上がりでは、横方向に手をついても、どこにも手をつかなくても、腰部負荷に違いはない といえる。

181


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□ソファ両横

分散分析

分析データ ソファ両横 30

腰部モーメント

腰部モーメントmax -0.860991379

平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 0.92813 3 0.30938 4.89856 0.00504 2.77888 44 0.06316 3.70701 47

30

-1.01834792

30

-0.738332858

30

-0.672634033

30

-0.756037415

30

-0.591563275

30

-0.905330882

30

-0.327456647

多重比較

30

-0.410226767

30

-0.767806407

従属変数: 腰部モーメント

30

-0.717762128

30

-0.683616329

40

-0.626939655

40

-0.872332259

40

-0.687292083

40

-0.551608392

40

-0.719557823

40

-0.450620347

40

-0.708272059

40

-1.270134875

40

-0.608892841

グループ間 グループ内 合計

(I) ソファ両横 0

30

40

40

-0.629372

40

-0.651956182

40

-0.640805636

70

-0.307758621

70

-0.809534777

70

-0.452998764

70

-0.287459207

70

-0.458503401

70

-0.271877585

70

-0.957720588

70

-0.634200385

70

-0.297821254

70

-0.348976193

70

-0.297965571

70

-0.484104046

なし

-0.93674569

なし

-1.268155996

なし

-0.923771505

なし

-0.768298368

なし

-0.886479592

なし

-0.772539289

なし

-1.430974265

なし

-0.637572254

*

なし

-0.968648966

なし

-0.957042254

なし

-0.726878613

標準誤差

有意確率

0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026 0.1026

0.4556 0.44019 0.00247 0.4556 0.99999 0.11175 0.44019 0.99999 0.11799 0.00247 0.11175 0.11799

95% 信頼区間 下限 上限 -0.42618 0.12168 -0.42888 0.11899 -0.66295 -0.11508 -0.12168 0.42618 -0.27663 0.27124 -0.5107 0.03717 -0.11899 0.42888 -0.27124 0.27663 -0.50801 0.03986 0.11508 0.66295 -0.03717 0.5107 -0.03986 0.50801

等質サブグループ 度数 Tukey HSD

Scheffe

0

なし

70

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) (J) ソファ両横 30 -0.15225 40 -0.15494 70 -0.38902 * 0 0.15225 40 -0.00269 70 -0.23677 0 0.15494 30 0.00269 70 -0.23407 0 0.38902 * 30 0.23677 40 0.23407 平均の差は .05 で有意

ソファ両横 0 30 40 70 有意確率 0 30 40 70 有意確率

12 12 12 12 12 12 12 12

α= .05 のサブグループ 1 2 -0.85643 -0.70418 -0.70418 -0.70148 -0.70148 -0.46741 0.44019 0.11175 -0.85643 -0.70418 -0.70418 -0.70148 -0.70148 -0.46741 0.52245 0.1658

等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

182


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) ソファ両横

30 40 70 なし

30 40 70 ●

なし

腰部負荷の平均値のグラフ 負荷

腰部モーメント指標値 全体平均値

ソファ/両横

0.934

1.000 0.900 0.800

0.704

0.701

0.700 0.600

0.467

0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 30

40

70

高さ

なし

考察:ソファから両横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、30,40,70 の高さで は差があるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、70 に手をついた場合は、平 均負荷が小さく、約50%の大きさであることがわかる。つまり、ソファからのたちあが りで、両横にある70cm の高さの台に手をついて立ち上がる場合には、腰部負荷に軽減 がみられるといえる。

183


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□床前

分散分析

分析データ

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 1.47932 3 0.49311 9.01898 9.5E-05 グループ内 2.351 43 0.05467 合計 3.83032 46

床前 腰部モーメントmax 30

-0.990301724

30

-0.908874559

30

-0.873301017

30

-0.750675991

30

-0.780442177

30

-0.461124897

30

-1.076194853

30

-0.81743738

30

-0.767274344

30

-0.74419516

30

-0.892018779

30

-0.73392341

40

-1.232974138

40

-0.901581452

40

-0.723695466

40

-0.722051282

40

-0.858758503

40

-0.536311001

40

-0.999356618

40

-0.861560694

40

-0.802934638

40

-0.859312237

40

-0.772613459

40

-0.864432803

70

-0.610775862

70

-0.430907416

70

-0.425244749

70

-0.345641026

70

-0.476360544

70

-0.315715467

70

-0.604503676

70

-0.254046243

70

-0.320231214

70

多重比較 従属変数: 腰部 (I) 床前

*

-0.70258216

70

-0.659501445

なし

-0.567564655

なし

-1.421234454

なし

-0.477045908

なし

-1.104615385

なし

-0.416071429

なし

-0.585477941

なし

-0.496146435

なし

-0.964072921

なし

-1.403056726

なし

-0.839280125

なし

-1.012192919

標準誤差

有意確率

(J) 床前 0

30 -0.02794 40 0.00038 70 -0.41546 30 0 0.02794 40 0.02832 70 -0.38752 40 0 -0.00038 30 -0.02832 70 -0.41584 70 0 0.41546 30 0.38752 40 0.41584 平均の差は .05 で有意

等質サブグループ

*

*

* * * *

0.0976 0.0976 0.0976 0.0976 0.09546 0.09546 0.0976 0.09546 0.09546 0.0976 0.09546 0.09546

0.99171 1 0.00062 0.99171 0.99079 0.00113 1 0.99079 0.00045 0.00062 0.00113 0.00045

95% 信頼区間 下限 上限 -0.28878 0.2329 -0.26046 0.26122 -0.6763 -0.15462 -0.2329 0.28878 -0.22679 0.28342 -0.64263 -0.13241 -0.26122 0.26046 -0.28342 0.22679 -0.67095 -0.16073 0.15462 0.6763 0.13241 0.64263 0.16073 0.67095

Tukey HSD

度数

0

70

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

α= .05 のサブグループ 床前 1 2 40 12 -0.84463 0 11 -0.84425 30 12 -0.81631 70 12 -0.42879 有意確率 0.99109 1 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 11.733 を使用

b

グループ サイズが等しくありません。 グループ サイズの調和平均が使用されます。 タイプ I 誤差水準は保証されません。

184


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) 床前 30 40 70 なし

30 40 ●

70 ●

なし

平均値のグラフ 負荷 1.000 0.900

腰部モーメント指標値 全体平均値

床/前 0.820

0.867

0.843

0.800 0.700 0.600

0.424

0.500 0.400 0.300 0.200 0.100

高さ

0.000 30

40

70

なし

考察:床から立ち上がる場合の腰部の負荷は、前にある 30,40 の高さに手をつく場合と、 手をつかない場合では差があるとはいえない。手を 70 の高さに手をつく場合と、30,40 の高さに手をつく場合および手をつかない場合とを比較すると、70 に手をついた場合は、 平均負荷が小さいことがわかる。つまり、床からの立ち上がりで、前にある70cmの高 さの台に手をつく場合には、腰部負荷に軽減が見られるといえる。

185


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□床横

分散分析

分析データ 床横

腰部モーメントmax

30

-0.851724138

30

-0.770535851

30

-0.48645566

30

-0.436643357

30

-0.813010204

30

-0.356162117

30

-0.738235294

30

-0.681888247

30

-0.729301912

30

-0.436661115

30

-0.756416275

30

-0.648121387

40

-0.845043103

40

-0.817365269

40

-0.46649558

40

-0.61025641

40

-0.658333333

40

-0.316956162

40

-0.845680147

40

-0.457707129

40

-0.59946643

40

-0.582933281

40

-0.630751174

40

-0.537030347

70

-0.554849138

70

-0.277061262

70

-0.412223173

70

-0.527272727

70

-0.471598639

70

-0.39528536

70

-0.561121324

70

-0.375626204

70

-0.329479769

70

-0.277162731

70

-0.375899844

70

-0.431358382

なし

-0.567564655

なし

-1.421234454

なし

-0.477045908

なし

-1.104615385

なし

-0.416071429

なし

-0.585477941

なし

-0.496146435

なし

-0.964072921

なし

-1.403056726

なし

-0.839280125

なし

-1.012192919

腰部モーメント 平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 グループ間 1.05918 3 0.35306 7.41287 0.00041 グループ内 2.048 43 0.04763 合計 3.10717 46

多重比較 従属変数: 腰部 (I) 床横

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

0

*

標準誤差

有意確率

(J) 床横 30 -0.20215 40 -0.23025 70 -0.42851 * 30 0 0.20215 40 -0.02809 70 -0.22635 40 0 0.23025 30 0.02809 70 -0.19826 70 0 0.42851 * 30 0.22635 40 0.19826 平均の差は .05 で有意

等質サブグループ

0.0911 0.0911 0.0911 0.0911 0.0891 0.0891 0.0911 0.0891 0.0891 0.0911 0.0891 0.0891

0.1343 0.06974 0.00015 0.1343 0.98899 0.06772 0.06974 0.98899 0.13266 0.00015 0.06772 0.13266

95% 信頼区間 下限 上限 -0.44561 0.0413 -0.4737 0.0132 -0.67196 -0.18505 -0.0413 0.44561 -0.2662 0.21001 -0.46445 0.01175 -0.0132 0.4737 -0.21001 0.2662 -0.43636 0.03984 0.18505 0.67196 -0.01175 0.46445 -0.03984 0.43636

Tukey HSD

度数

α= .05 のサブグループ 床横 1 2 0 11 -0.84425 30 12 -0.6421 -0.6421 40 12 -0.614 -0.614 70 12 -0.41574 有意確率 0.06548 0.07217 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 11.733 を使用

b

グループ サイズが等しくありません。 グループ サイズの調和平均が使用されます。 タイプ I 誤差水準は保証されません。

186


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) 床横 30 40 70 なし

30 40 70 ●

なし

平均値のグラフ 負荷

床/横

腰部モーメント指標値 全体平均値

1.000 0.800

0.867 0.642

0.614

0.600

0.416

0.400 0.200 高さ

0.000 30

40

70

なし

考察:床から横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、30,40,70 の高さでは差が あるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、70 の高さに手をついた場合は、平 均負荷が小さいく、約50%であることがわかる。つまり、床からの立ち上がりで、横に ある70cmの高さの台に手をついた場合には、腰部負荷に軽減が見られるといえる。

187


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□床両横

分散分析

分析データ 床両横

腰部モーメントmax

30

-0.881681034

30

-0.813833871

30

-0.828723505

30

-0.686153846

腰部

0

30

平方和 自由度 平均平方 F値 有意確率 1.33531 3 0.4451 5.77313 0.00208 3.31527 43 0.0771 4.65058 46

グループ間 グループ内 合計

30

-0.335980149

30

-0.706341912

30

-0.76300578

多重比較

30

-0.74957759

従属変数: 腰部

30

-0.90251788

30

-0.807589984

30

-0.540462428

40

-0.902801724

40

-0.687855059

40

-0.722935082

40

-0.697435897

40

(I) 床両横 0

30 0

40

-0.616956162

40

-0.812867647

40

-0.660019268

40

-0.808537128

40

-0.231703733

40

-0.755790297

40

-0.73699422

70

-0.413469828

70

-0.908874559

70

-0.383043437

70

-0.393752914

70

40

70

*

0

70

-0.24846981

70

-0.296507353

70

-0.256936416

70

-0.316763006

70

-0.476045851

70

-0.407668232

70

-0.333453757

なし

-0.567564655

なし

-1.421234454

なし

-0.477045908

なし

-1.104615385

なし

-0.416071429

なし

-0.585477941

なし

-0.496146435

なし

-0.964072921

なし

-1.403056726

なし

-0.839280125

なし

-1.012192919

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

標準誤差

(J) 床両横 30 -0.17626 40 -0.20809 70 -0.47467 * 0 0.17626 40 -0.03183 70 -0.29841 0 0.20809 30 0.03183 70 -0.26658 0 0.47467 * 30 0.29841 40 0.26658 平均の差は .05 で有意

等質サブグループ

0.1159 0.1159 0.1159 0.1159 0.11336 0.11336 0.1159 0.11336 0.11336 0.1159 0.11336 0.11336

有意確率 0.43427 0.2895 0.00101 0.43427 0.99216 0.05489 0.2895 0.99216 0.10227 0.00101 0.05489 0.10227

95% 信頼区間 下限 上限 -0.48601 0.13349 -0.51784 0.10165 -0.78442 -0.16492 -0.13349 0.48601 -0.33477 0.27111 -0.60135 0.00453 -0.10165 0.51784 -0.27111 0.33477 -0.56951 0.03636 0.16492 0.78442 -0.00453 0.60135 -0.03636 0.56951

Tukey HSD

度数

α= .05 のサブグループ 床両横 1 2 0 11 -0.84425 30 12 -0.66799 -0.66799 40 12 -0.63616 -0.63616 70 12 -0.36958 有意確率 0.28032 0.05875 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 11.733 を使用

b

グループ サイズが等しくありません。 グループ サイズの調和平均が使用されます。 タイプ I 誤差水準は保証されません。

188


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの (I) 床両横 30

30

40

40

70

70

なし

なし

平均値のグラフ 負荷 1.000

腰部モーメント指標値 全体平均値

床/両横

0.867

0.900 0.800 0.700

0.668

0.694

0.600 0.500

0.360

0.400 0.300 0.200 0.100

高さ

0.000 30

40

70

なし

考察:床から両横に手をついて立ち上がる場合の腰部の負荷は、30,40,70 の高さでは差 があるとはいえない。手をつかない場合と比較すると、70 の高さに手をついた場合は、 平均負荷が小さく、約40%であることがわかる。つまり、床からの立ち上がりで、両横 にある70cmの高さの台に手をつく場合には、腰部負荷に軽減が見られるといえる。

189


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�7-6-5�配置の違い�■

□台なし

分析データ

分散分析

なし

配置

腰部モーメントmax

腰部

10

椅子

-0.844827586

10

椅子

-0.95846768

10

椅子

-0.732820074

10

椅子

-0.86041958

10

椅子

-0.797789116

10

椅子

-0.360545906

多重比較

10

椅子

-1.260202206

従属変数: 腰部

10

椅子

-1.010211946

10

椅子

-1.000355714

10

椅子

-0.860683844

10

椅子

-0.847809077

10

椅子

-0.933796965

11

ソファ

-0.93674569

11

ソファ

-1.268155996

11

ソファ

-0.923771505

11

ソファ

-0.768298368

11

ソファ

-0.886479592

11

ソファ

-0.772539289

11

ソファ

-1.430974265

11

ソファ

-0.637572254

11

ソファ

11

ソファ

-0.968648966

11

ソファ

-0.957042254

11

ソファ

-0.726878613

12

-0.567564655

12

-1.421234454

12

-0.477045908

12

-1.104615385

12

-0.416071429

12

-0.585477941

12

-0.496146435

12

-0.964072921

12

-1.403056726

12

-0.839280125

12

-1.012192919

グループ間 グループ内 合計

(I) 配置 椅子 ソファ 床

平方和 自由度 0.0045724 3.1712283 3.1758007

2 32 34

平均平方 F値 有意確率 0.0022862 0.0230695 0.9772108 0.0991009

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) (J) 配置 ソファ 床 椅子 床 椅子 ソファ

-0.015902 -0.028077 0.0159019 -0.012175 0.0280767 0.0121748

標準誤差 0.1285178 0.1314062 0.1285178 0.1314062 0.1314062 0.1314062

有意確率 0.9915972 0.9751666 0.9915972 0.9952794 0.9751666 0.9952794

95% 信頼区間 下限 上限 -0.331718 0.299914 -0.35099 0.2948371 -0.299914 0.3317178 -0.335089 0.310739 -0.294837 0.3509904 -0.310739 0.3350885

腰部 0

Tukey HSD 度数 α= .05 のサブグループ 配置 1 椅子 12 -0.87233 ソファ 12 -0.85643 床 11 -0.84425 有意確率 0.97481 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 11.647 を使用 b グループ サイズが等しくありません。 グループ サイズの調和平均が使用されます。 タイプ I 誤差水準は保証されません。

190


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの 棚高さ00 椅子 ソファ 床

椅子

ソファ

平均値のグラフ 負荷

腰部モーメント指標値 全体平均値

手をつくものなし

0.934

0.940 0.920 0.900 0.880

0.867

0.872

0.860 0.840 0.820 床,なし

椅子,なし

ソファ,なし 座と配置

考察:どこにも手をつかないで立ち上がる場合、立ち上がりはじめの位置が、床でも、椅 子でも、ソファでも、腰部負荷に違いはみられない。つまり、手をつかない立ち上がりで の腰部負荷には違いはないといえる。

191


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□ 30cm

分散分析

分析データ 配置

腰部モーメントmax

4

ソファ前

-0.901831897

4

ソファ前

-0.949869492

4

ソファ前

-0.675981371

4

ソファ前

-0.701818182

4

ソファ前

-0.845578231

4

ソファ前

-0.770388751

4

ソファ前

-1.068566176

4

ソファ前

-0.763969171

4

ソファ前

-0.876033793

4

ソファ前

-0.932399334

4

ソファ前

-0.956103286

4

ソファ前

-0.802203757

5

ソファ横

-0.600969828

5

ソファ横

5

ソファ横

-0.816652409

5

ソファ横

-0.568205128

5

ソファ横

-0.714370748

5

ソファ横

-0.507775021

5

ソファ横

-1.084742647

5

ソファ横

-0.764739884

5

ソファ横

-0.446064918

5

ソファ横

-0.665229744

5

ソファ横

-0.783176839

5

ソファ横

-0.675036127

6

ソファ両横

-0.860991379

6

ソファ両横

-1.01834792

6

ソファ両横

-0.738332858

6

ソファ両横

-0.672634033

6

ソファ両横

-0.756037415

6

ソファ両横

-0.591563275

6

ソファ両横

-0.905330882

6

ソファ両横

-0.327456647

6

ソファ両横

-0.410226767

6

ソファ両横

-0.767806407

6

ソファ両横

-0.717762128

6

ソファ両横

-0.683616329

7

床前

-0.990301724

7

床前

-0.908874559

7

床前

-0.873301017

7

床前

-0.750675991

7

床前

-0.780442177

7

床前

-0.461124897

7

床前

-1.076194853

7

床前

-0.81743738

7

床前

-0.767274344

7

床前

-0.74419516

7

床前

-0.892018779

7

床前

-0.73392341

8

床横

-0.851724138

8

床横

-0.770535851

8

床横

-0.48645566

8

床横

-0.436643357

8

床横

-0.813010204

8

床横

-0.356162117

8

床横

-0.738235294

8

床横

-0.681888247

8

床横

-0.729301912

8

床横

-0.436661115

8

床横

-0.756416275

8

床横

-0.648121387

9

床両横

-0.881681034

9

床両横

-0.813833871

9

床両横

-0.828723505

9

床両横

-0.686153846

9

床両横

9

床両横

-0.335980149

9

床両横

-0.706341912

9

床両横

-0.76300578

9

床両横

-0.74957759

9

床両横

-0.90251788

9

床両横

-0.807589984

9

床両横

-0.540462428

30cm

腰部モーメント 平方和 自由度 グループ間 0.4203747 グループ内 2.2811873 合計 2.701562

多重比較 従属変数: 腰部 (J) 配置 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・横 ソファ・前 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・両横 ソファ・前 ソファ・横 床・前 床・横 床・両横 床・前 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・横 床・両横 床・横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・両横 床・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横

腰部 配置 ソファ・前 床・前 ソファ・横

平均平方 F値 有意確率 0.0840749 2.4324817 0.043817 0.0345634

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

(I) 配置 ソファ・前

-1

5 66 71

-0.134815 -0.149553 -0.037415 -0.211632 -0.18574 0.134815 -0.014738 0.0974001 -0.076817 -0.050925 0.1495531 0.0147381 0.1121382 -0.062079 -0.036187 0.0374149 -0.0974 -0.112138 -0.174217 -0.148325 0.2116323 0.0768173 0.0620792 0.1742174 0.0258927 0.1857396 0.0509246 0.0361865 0.1483247 -0.025893

標準誤差 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984 0.0758984

有意確率 0.4878476 0.3701254 0.9962667 0.0720013 0.1554143 0.4878476 0.99996 0.7929992 0.912297 0.9845315 0.3701254 0.99996 0.6795775 0.963217 0.9968115 0.9962667 0.7929992 0.6795775 0.2106476 0.3794199 0.0720013 0.912297 0.963217 0.2106476 0.9993616 0.1554143 0.9845315 0.9968115 0.3794199 0.9993616

95% 信頼区間 下限 上限 -0.357584 0.0879541 -0.372322 0.073216 -0.260184 0.1853542 -0.434401 0.0111368 -0.408509 0.0370295 -0.087954 0.3575841 -0.237507 0.208031 -0.125369 0.3201692 -0.299586 0.1459518 -0.273694 0.1718445 -0.073216 0.3723222 -0.208031 0.2375072 -0.110631 0.3349073 -0.284848 0.1606899 -0.258956 0.1865826 -0.185354 0.2601841 -0.320169 0.125369 -0.334907 0.1106309 -0.396987 0.0485517 -0.371094 0.0744444 -0.011137 0.4344014 -0.145952 0.2995864 -0.16069 0.2848483 -0.048552 0.3969865 -0.196876 0.2486618 -0.03703 0.4085087 -0.171845 0.2736937 -0.186583 0.2589556 -0.074444 0.3710938 -0.248662 0.1968764

Tukey HSD

度数

α= .05 のサブグループ

1 -0.85373 -0.81631 -0.71891 ソファ・両横 -0.70418 床・両横 -0.66799 床・横 -0.6421 有意確率 0.072 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用 12 12 12 12 12 12

0

192


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの 棚高さ30

ソファ前

ソファ横

ソファ両横 床前

床横

床料横

ソファ前 ソファ横 ソファ両横 床前 床横 床料横

平均値のグラフ 負荷 0.900

腰部モーメント指標値 全体平均値

手をつく高さ 30

0.820

0.800

0.642

0.700 0.600

0.668

0.854

0.704

0.513

0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 ソファ,よこ

床,よこ

床,両横

ソファ,両横

床,まえ

ソファ,まえ 座と配置

考察:30cmの高さに手をついて立ち上がる場合、立ち上がりはじめの位置が、ソファ からでも床からでも、また手をつく位置が前でも、横でも両横でも、腰部負荷に差はみら れない。つまり、30cmの高さに手をつくときは、配置による腰部負荷の違いはないと いえる。

193


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□ 40cm

分析データ 40cm

配置

分散分析

腰部 モーメント 平方和 自由度 グループ間 0.5106084 グループ内 2.5818769 合計 3.0924853

腰部モーメントmax

4

ソファ前

-0.88049569

4

ソファ前

-0.907799785

4

ソファ前

-0.678642715

4

ソファ前

-0.417249417

4

ソファ前

-0.831632653

4

ソファ前

-0.701571547

4

ソファ前

-1.1671875

4

ソファ前

-0.488921002

4

ソファ前

-0.898443753

4

ソファ前

-0.852748114

4

ソファ前

-0.924334898

4

ソファ前

-0.956376445

5

ソファ横

-0.649676724

5

ソファ横

-0.971672041

5

ソファ横

-0.723790514

5

ソファ横

-0.622097902

5

ソファ横

-0.66037415

5

ソファ横

-0.451033912

5

ソファ横

-1.067555147

5

ソファ横

-0.617726397

5

ソファ横

-0.65824811

5

ソファ横

-0.617909278

5

ソファ横

-0.680751174

5

ソファ横

-0.628070809

6

ソファ両横

-0.626939655

6

ソファ両横

-0.872332259

6

ソファ両横

-0.687292083

6

ソファ両横

-0.551608392

6

ソファ両横

-0.719557823

6

ソファ両横

-0.450620347

6

ソファ両横

-0.708272059

6

ソファ両横

-1.270134875

6

ソファ両横

-0.608892841

6

ソファ両横

-0.629372

6

ソファ両横

-0.651956182

6

ソファ両横

-0.640805636

7

床前

-1.232974138

7

床前

-0.901581452

7

床前

-0.723695466

7

床前

-0.722051282

7

床前

-0.858758503

7

床前

-0.536311001

7

床前

-0.999356618

7

床前

-0.861560694

7

床前

-0.802934638

7

床前

-0.859312237

7

床前

-0.772613459

7

床前

-0.864432803

8

床横

-0.845043103

8

床横

-0.817365269

8

床横

8

床横

-0.61025641

8

床横

-0.658333333

8

床横

-0.316956162

8

床横

-0.845680147

8

床横

-0.457707129

8

床横

-0.59946643

8

床横

-0.582933281

8

床横

-0.630751174

8

床横

-0.537030347

9

床両横

-0.902801724

9

床両横

-0.687855059

9

床両横

-0.722935082

9

床両横

-0.697435897

9

床両横

9

床両横

-0.616956162

9

床両横

-0.812867647

9

床両横

-0.660019268

9

床両横

-0.808537128

9

床両横

-0.231703733

9

床両横

-0.755790297

9

床両横

-0.73699422

5 66 71

平均平方 F値 有意確率 0.1021217 2.6105159 0.0324729 0.0391193

多重比較 従属変数: 腰部

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

(I) 配置 ソファ・前

(J) 配置 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・横 ソファ・前 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・両横 ソファ・前 ソファ・横 床・前 床・横 床・両横 床・前 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・横 床・両横 床・横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・両横 床・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横

腰部 配置 床・前 ソファ・前

-0.113041 -0.107302 0.0358482 -0.194782 -0.172626 0.1130414 0.0057398 0.1488897 -0.081741 -0.059584 0.1073016 -0.00574 0.1431498 -0.08748 -0.065324 -0.035848 -0.14889 -0.14315 -0.23063 -0.208474 0.1947821 0.0817406 0.0874805 0.2306303 0.0221565 0.1726256 0.0595842 0.065324 0.2084738 -0.022156

標準誤差 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458 0.0807458

有意確率 0.7268862 0.7680239 0.9977278 0.1670415 0.2811109 0.7268862 0.9999997 0.4454561 0.912225 0.9764139 0.7680239 0.9999997 0.4900126 0.8862742 0.9648939 0.9977278 0.4454561 0.4900126 0.0609682 0.1162976 0.1670415 0.912225 0.8862742 0.0609682 0.9997798 0.2811109 0.9764139 0.9648939 0.1162976 0.9997798

95% 信頼区間 下限 上限 -0.350038 0.1239552 -0.344298 0.1296951 -0.201148 0.2728449 -0.431779 0.0422146 -0.409622 0.0643711 -0.123955 0.3500381 -0.231257 0.2427365 -0.088107 0.3858864 -0.318737 0.155256 -0.296581 0.1774125 -0.129695 0.3442983 -0.242737 0.2312569 -0.093847 0.3801465 -0.324477 0.1495162 -0.302321 0.1716727 -0.272845 0.2011485 -0.385886 0.088107 -0.380147 0.0938468 -0.467627 0.0063664 -0.445471 0.0285229 -0.042215 0.4317788 -0.155256 0.3187373 -0.149516 0.3244772 -0.006366 0.467627 -0.21484 0.2591532 -0.064371 0.4096223 -0.177413 0.2965809 -0.171673 0.3023207 -0.028523 0.4454705 -0.259153 0.2148402

Tukey HSD

度数

α= .05 のサブグループ

1 -0.84463 -0.80878 ソファ・両横 -0.70148 ソファ・横 -0.69574 床・両横 -0.63616 床・横 -0.614 有意確率 0.06097 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

-0.46649558

12 12 12 12 12 12

0

194


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの 棚高さ40

ソファ前

ソファ横

ソファ両横 床前

床横

床料横

ソファ前 ソファ横 ソファ両横 床前 床横 床料横

平均値のグラフ 負荷

腰部モーメント指標値 全体平均値

手をつく高さ 40

0.900

0.809

0.800 0.700

0.694

0.696

0.701

床,両横

ソファ,よこ

ソファ,両横

0.843

0.614

0.600 0.500 0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 床,よこ

ソファ,まえ

床,まえ 座と配置

考察:40cmの高さに手をついて立ち上がる場合、立ち上がりはじめの位置が、ソファ からでも床からでも、また手をつく位置が前でも、横でも両横でも、腰部負荷に差はみら れない。つまり、40cmの高さに手をつくときは、配置による腰部負荷の違いはないと いえる。

195


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□60cm

分析データ

60cm

配置

腰部モーメントmax

1

椅子前

-0.618642241

1 1

椅子前 椅子前

-0.369415016

1

椅子前

-0.75039627

1

椅子前

-0.342006803

1

椅子前

-0.620347395

1

椅子前

-0.455790441

1

椅子前

-0.527938343

1

椅子前

-0.58319253

1

椅子前

-0.545214069

1

椅子前

-0.677386541

1

椅子前

-0.54642341

2

椅子横

-0.679956897

2

椅子横

-0.538538308

2

椅子横

-0.845547001

2

椅子横

-0.532494172

2

椅子横

-0.688605442

2

椅子横

-0.614805624

2

椅子横

-1.044025735

2

椅子横

-0.581117534

2

椅子横

-0.554112939

2

椅子横

-0.611345155

2

椅子横

-0.544835681

2

椅子横

-0.498825867

3

椅子両横

-0.248922414

3

椅子両横

-0.434131737

3

椅子両横

-0.599657827

3

椅子両横

-0.284195804

3

椅子両横

-0.598129252

3

椅子両横

-0.53655914

3

椅子両横

-0.522242647

3

椅子両横

-0.295761079

3

椅子両横

-0.157581147

3

椅子両横

-0.4898599

3

椅子両横

-0.444913928

3

椅子両横

-0.451138006

-0.356620093

分散分析

腰部モーメント 平方和 自由度 グループ間 0.2972877 グループ内 0.6852764 合計 0.9825641 多重比較 従属変数: 腰部 (I) 配置 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 *

2 33 35

平均平方 F値 有意確率 0.1486439 7.1580576 0.0026172 0.020766

Tukey HSD 平均値の差 (I-J)

(J) 配置 椅子・横 0.1117364 椅子・両横 -0.110857 椅子・前 -0.111736 椅子・両横 -0.222593 * 椅子・前 0.1108567 椅子・横 0.2225931 * 平均の差は .05 で有意

標準誤差 0.0588302 0.0588302 0.0588302 0.0588302 0.0588302 0.0588302

有意確率 0.1548069 0.1591278 0.1548069 0.0017475 0.1591278 0.0017475

95% 信頼区間 下限 上限 -0.032621 0.2560936 -0.255214 0.0335005 -0.256094 0.0326208 -0.36695 -0.078236 -0.033501 0.2552139 0.0782359 0.3669503

等質サブグループ Tukey HSD 度数 α= .05 のサブグループ 配置 1 2 椅子・横 12 -0.64452 椅子・前 12 -0.53278 -0.53278 椅子・両横 12 -0.42192 有意確率 0.15481 0.15913 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用

196


01

実験

02

03

04

結果:平均に差があるもの

棚高さ60 椅子前 椅子横 椅子両横

椅子前

椅子横

05

06

07

08

09

10

椅子両横

平均値のグラフ 負荷

手をつく高さ 60

腰部モーメント指標値 全体平均値 0.645

0.700

0.533

0.600 0.500

0.416

0.400 0.300 0.200 0.100 0.000 椅子,両横

椅子,まえ

椅子,よこ

座と配置

考察:60cmの高さに手をついて立ち上がる場合、横に手をつくときと、両横に手をつ くときで、腰部負荷に差がみられる。両横に手をつく時の腰部負荷は、横に手をつくときの、 約60%である。60cm の高さに手をつく立ち上がりでは、両横に手をつくときのほうが、 横に手をつくときよりも腰部負荷が小さいといえる。

197


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□70cm

分析データ 配置

70cm 1 1 1

椅子前 椅子前 椅子前

1 1 1

椅子前 椅子前 椅子前

1 1 1

椅子前 椅子前 椅子前

1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 6 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

椅子前 椅子前 椅子前 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 椅子両横 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ前 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 ソファ両横 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床前 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横 床両横

分散分析

腰部モーメントmax

腰部モーメント 平方和 自由度 グループ間 1.8754636 グループ内 3.2434727 合計 5.1189363

-0.623060345 -0.588899125 -0.646991731 -0.486620047 -0.601530612 -0.426137304 -0.665808824 -0.273314066 -0.359715429 -0.378661703 -0.439123631 -0.568099711 -0.638362069 -0.61968371 -0.882995913 -0.646713287 -0.668962585 -0.587427626 -1.135386029 -0.748169557 -0.562561138 -0.618791026 -0.594600939 -0.595736994 -0.114224138 -0.44188546 -0.71162437 -0.162610723 -0.407227891 -0.441604632 -0.668198529 -0.200578035 -0.383637172 -0.387479181 -0.311267606 -0.389631503 -0.779633621 -0.894825733 -0.634160251 -0.60027972 -0.763945578 -0.340777502 -1.080882353 -0.352601156 -0.776078257 -0.70363476 -0.811189358 -0.640354046 -0.680064655 -1.013434669 -0.696226594 -0.561305361 -0.647619048 -0.543507031 -1.015349265 -0.536127168 -0.864295242 -0.741353973 -0.533568075 -0.556809971 -0.307758621 -0.809534777 -0.452998764 -0.287459207 -0.458503401 -0.271877585 -0.957720588 -0.634200385 -0.297821254 -0.348976193 -0.297965571 -0.484104046 -0.610775862 -0.430907416 -0.425244749 -0.345641026 -0.476360544 -0.315715467 -0.604503676 -0.254046243 -0.320231214

多重比較

従属変数: 腰部 (I) 配置 椅子・前

0 -0.70258216 -0.659501445 -0.554849138 -0.277061262 -0.412223173 -0.527272727 -0.471598639 -0.39528536 -0.561121324 -0.375626204 -0.329479769 -0.277162731 -0.375899844 -0.431358382 -0.413469828 -0.908874559 -0.383043437 -0.393752914 0 -0.24846981 -0.296507353 -0.256936416 -0.316763006 -0.476045851 -0.407668232 -0.333453757

(J) 配置 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 椅子・横 椅子・前 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 椅子・両横 椅子・前 椅子・横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・前 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・横 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・両横 床・前 床・横 床・両横 ソファ・両横 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 床・前 床・横 床・両横 床・前 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・横 床・両横 床・横 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・両横 床・両横 椅子・前 椅子・横 椅子・両横 ソファ・前 ソファ・横 ソファ・両横 床・前 床・横

*

8 99 107

平均平方 F値 有意確率 0.234433 7.1555597 1.927E-07 0.0327624

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) 0.1867857 -0.119833 0.1933667 0.1943082 -0.03742 -0.076038 -0.089085 -0.135248 -0.186786 -0.306618 0.006581 0.0075225 -0.224206 -0.262823 -0.275871 -0.322034 0.1198328 0.3066185 0.3131994 0.314141 0.0824126 0.043795 0.0307474 -0.015415 -0.193367 -0.006581 -0.313199 0.0009416 -0.230787 -0.269404 -0.282452 -0.328615 -0.194308 -0.007523 -0.314141 -0.000942 -0.231728 -0.270346 -0.283394 -0.329556 0.0374202 0.2242059 -0.082413 0.2307868 0.2317284 -0.038618 -0.051665 -0.097828 0.0760377 0.2628234 -0.043795 0.2694044 0.2703459 0.0386175 -0.013048 -0.05921 0.0890853 0.275871 -0.030747 0.282452 0.2833935 0.0516652 0.0130476 -0.046163 0.1352481 0.3220338 0.0154153 0.3286148 0.3295563 0.0978279 0.0592104 0.0461628

平均の差は .05 で有意

*

* * * * * *

* * * * * * * *

* * *

* * *

* * *

標準誤差 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945 0.0738945

有意確率 0.2317718 0.7906894 0.1931107 0.1879775 0.9998801 0.982113 0.9534935 0.6621487 0.2317718 0.0022183 1 1 0.0721642 0.0161659 0.0092112 0.0010369 0.7906894 0.0022183 0.0016091 0.0015361 0.9706052 0.9996108 0.9999732 0.9999999 0.1931107 1 0.0016091 1 0.057016 0.0122131 0.0068682 0.000743 0.1879775 1 0.0015361 1 0.0550882 0.0117263 0.0065823 0.0007081 0.9998801 0.0721642 0.9706052 0.057016 0.0550882 0.9998479 0.9987009 0.9217958 0.982113 0.0161659 0.9996108 0.0122131 0.0117263 0.9998479 1 0.9966 0.9534935 0.0092112 0.9999732 0.0068682 0.0065823 0.9987009 1 0.9994263 0.6621487 0.0010369 0.9999999 0.000743 0.0007081 0.9217958 0.9966 0.9994263

95% 信頼区間 下限 上限 -0.047571 0.4211425 -0.35419 0.1145241 -0.04099 0.4277235 -0.040049 0.4286651 -0.271777 0.1969367 -0.310395 0.1583191 -0.323442 0.1452715 -0.369605 0.0991087 -0.421143 0.0475711 -0.540975 -0.072262 -0.227776 0.2409378 -0.226834 0.2418794 -0.458563 0.010151 -0.49718 -0.028467 -0.510228 -0.041514 -0.556391 -0.087677 -0.114524 0.3541896 0.0722616 0.5409753 0.0788426 0.5475563 0.0797841 0.5484978 -0.151944 0.3167694 -0.190562 0.2781519 -0.203609 0.2651043 -0.249772 0.2189415 -0.427723 0.0409902 -0.240938 0.2277759 -0.547556 -0.078843 -0.233415 0.2352984 -0.465144 0.00357 -0.503761 -0.035048 -0.516809 -0.048095 -0.562972 -0.094258 -0.428665 0.0400486 -0.241879 0.2268343 -0.548498 -0.079784 -0.235298 0.2334153 -0.466085 0.0026285 -0.504703 -0.035989 -0.51775 -0.049037 -0.563913 -0.095199 -0.196937 0.271777 -0.010151 0.4585627 -0.316769 0.1519442 -0.00357 0.4651437 -0.002628 0.4660852 -0.272974 0.1957393 -0.286022 0.1826917 -0.332185 0.1365289 -0.158319 0.3103946 0.0284666 0.4971803 -0.278152 0.1905618 0.0350475 0.5037612 0.0359891 0.5047028 -0.195739 0.2729744 -0.247404 0.2213092 -0.293567 0.1751465 -0.145272 0.3234422 0.0415142 0.5102279 -0.265104 0.2036094 0.0480951 0.5168088 0.0490367 0.5177504 -0.182692 0.286022 -0.221309 0.2474044 -0.28052 0.1881941 -0.099109 0.369605 0.087677 0.5563907 -0.218942 0.2497722 0.0942579 0.5629716 0.0951995 0.5639132 -0.136529 0.3321848 -0.175146 0.2935672 -0.188194 0.2805196

198


01

実験

02

03

04

05

06

棚高さ70 椅子前 椅子横 椅子両横 ソファ前 ソファ横

ソファ両横

07

08

09

床前

床横

床両横

10

椅子前 椅子横 椅子両横

ソファ前

ソファ横

ソファ両横 床前

床横

床両横

平均値のグラフ 負荷

腰部モーメント指標値 全体平均値

手をつく高さ 70

0.800

0.692

0.700 0.600 0.500 0.400

0.360

0.385

床,両横

椅子,両横

0.416

0.424

床,よこ

床,まえ

0.467

0.698

0.699

0.505

0.300 0.200 0.100 0.000 ソファ,両横

椅子,まえ

椅子,よこ

ソファ,まえ ソファ,よこ座と配置

考察:70cmの高さに手をついて立ち上がる場合、床で両横、横、前に手をつく場合と 椅子で両横に手をつく場合の4通りと、椅子で横に手をつく場合とソファで前、横に手を ついて立ち上がる3通りの間に、腰部負荷に差が見られた。床で両横、横、前に手をつく 場合と椅子で両横に手をつく場合の4通りは、椅子で横に手をつく場合とソファで前、横 に手をついて立ち上がる3通りより、それぞれ約50%、約55%、約60%、約60% 程度、腰部負荷が小さかった。

199


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□80cm

分析データ 80cm

配置

腰部モーメントmax

分散分析

腰部モーメント 平方和 自由度 グループ間 0.7300284 グループ内 0.8563879 合計 1.5864163

1

椅子前

-0.471336207

1

椅子前

-0.548671887

1

椅子前

-0.48835662

1

椅子前

-0.768857809

1

椅子前

-0.387755102

1

椅子前

-0.272539289

1

椅子前

-0.595680147

多重比較

1

椅子前

-0.704913295

従属変数: 腰部

1

椅子前

-0.591996443

1

椅子前

-0.2944058

1

椅子前

-0.580438185

1

椅子前

-0.49566474

2

椅子横

-0.635021552

2

椅子横

-0.690004606

2

椅子横

-0.934226785

2

椅子横

-0.554592075

2

椅子横

-0.69829932

2

椅子横

-0.629032258

2

椅子横

-1.025919118

2

椅子横

-0.680250482

2

椅子横

-0.670164518

2

椅子横

-0.595375723

2

椅子横

-0.645696401

2

椅子横

-0.584085983

3

椅子両横

-0.248922414

3

椅子両横

-0.178719484

3

椅子両横

-0.71875297

3

椅子両横

-0.1402331

3

椅子両横

-0.416836735

3

椅子両横

-0.347394541

3

椅子両横

-0.587775735

3

椅子両横

-0.117630058

3

椅子両横

-0.554112939

3

椅子両横

-0.312922504

3

椅子両横

-0.279107981

3

椅子両横

-0.254877168

(I) 配置 椅子・前 椅子・横 椅子・両横

* 腰部

2 33 35

平均平方 F値 有意確率 0.3650142 14.065435 3.821E-05 0.0259511

Tukey HSD 平均値の差 (I-J) (J) 配置 椅子・横 椅子・両横 椅子・前 椅子・両横 椅子・前 椅子・横

0.1785044 -0.170277 -0.178504 -0.348782 0.1702775 0.3487819

平均の差は .05 で有意

* * * * * *

標準誤差 0.0657662 0.0657662 0.0657662 0.0657662 0.0657662 0.0657662

有意確率 0.0275588 0.0368578 0.0275588 2.206E-05 0.0368578 2.206E-05

95% 信頼区間 下限 上限 0.0171277 0.3398812 -0.331654 -0.008901 -0.339881 -0.017128 -0.510159 -0.187405 0.0089008 0.3316542 0.1874052 0.5101586

Tukey HSD α= .05 のサブグループ 配置 1 2 3 椅子・横 12 -0.69522 椅子・前 12 -0.51672 椅子・両横 12 -0.34644 有意確率 1 1 1 等質なサブグループのグループ平均値が表示されています。 a 調和平均サンプルサイズ = 12.000 を使用 度数

200


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

結果:平均に差があるもの 棚高さ80 椅子前

椅子横

椅子後

椅子前 椅子横

椅子両横

平均値のグラフ 負荷

腰部モーメント指標値 全体平均値

手をつく高さ 80 0.800

0.695 0.700 0.600

0.517

0.500 0.400

0.346

0.300 0.200 0.100 0.000 椅子,両横

椅子,まえ

椅子,よこ

座と配置

考察:80cmの高さに手をついて立ち上がる場合、椅子からの立ちあがりでは、前に手 をつく場合、横に手をつく場合、両横に手をつく場合で、腰部負荷に差が見られた。両横、 前、横、の順に腰部負荷が小さく、両横に手をつく立ち上がりの腰部負荷は、横に手をつ く立ち上がりの時の約50%、前に手をつく立ち上がりの腰部負荷は、横に手をつく時の 約75%であった。

201


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�7-6-6�まとめ�■ □まとめ/全体  これまでの結果を図にまとめた。 腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図 7-6-6-1:腰部モーメント最大値データ分布

202


実験

01

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08

09

10

図では、各試行ごとに、一回の動作における腰部負荷最大値のデータ、全体の平均、高齢 者の平均、若年者の平均、をグラフにまとめた。グラフは、全体平均値の大きかった順に 上から並べてある。また、各試行の組み合わせで、検定により差の認められたものをライ ンで結んで表現した。 高齢者、若年者で違いが認められないこと、平均値に対して個々の数値にバラツキがある ことがわかる。また、腰部負荷の順位をみても、床座、ソファ、椅子座で、混在しており、 決定的にこの座り方が腰部負荷が少ない、といえるものではないことがわかる。ただ、ど こにも手をつかない場合が、1位2位およびから5位をしめており、ソファ、椅子、床で、 差が認められていないことから、座り方の種類によらず、手をつかない場合は、負荷が大 きいことがいえる。

203


01

実験

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10

□まとめ/椅子 図 7-6-6-1 に示された腰部モーメント最大値データ分布の中で、特に椅子についてまとめ た。 腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-2: 腰部モーメント最大値データ分布(椅子)

204


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

椅子はどこにも手をつかないで立ち上がる場合を除くと、全体的にモーメントの最大値の ランクが低い方に偏っていることがわかった。また、椅子同士で最大値の平均に有意な差 がみられる組み合わせが多い。また、配置に目を向けると、両横に手をつくもの、前に手 をつくもの、横に手をつくもの、手をつかないもの、の順に最大値が大きくなっており、 手をつかないよりは、片手でも手をつくもの。片手よりは両手で手をつくもの、両手で手 をつく場合には、前よりは両横に手をつく方が、負荷が少ないことがわかる。

205


実験

01

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07

08

09

10

□まとめ/ソファ 図 7-6-6-1 に示された腰部モーメント最大値データ分布の中で、特にソファについてまと めた。 腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-3: 腰部モーメント最大値データ分布(ソファ)

206


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

ソファでは、平均値に有意な差のみられる組み合わせが少なかった。差のみられた試行は、 高さ70cm の高さに手をつく場合と手をつかない場合であった。ソファ同士で差のみら れた物はソファの両横70とソファの手をつかない場合であることから、70cm の高さ中 でも、両横に手をつく場合が一番負荷が少ないことがいえる。

207


01

実験

02

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06

07

08

09

10

□まとめ/床 図 7-6-6-1 に示された腰部モーメント最大値データ分布の中で、特に床についてまとめた。

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

なし

1

椅子

なし

2

なし

3

ソファ

まえ

30

4

まえ

40

5

まえ

30

6

ソファ

まえ

40

7

ソファ

両横

30

8

ソファ

両横

40

9

ソファ

よこ

70

10

ソファ

まえ

70

11

ソファ

よこ

40

12

椅子

よこ

80

13

両横

40

14

椅子

よこ

70

15

両横

30

16

椅子

よこ

60

17

よこ

30

18

よこ

40

19

椅子

まえ

60

20

椅子

まえ

80

21

ソファ

よこ

30

22

椅子

まえ

70

23

ソファ

両横

70

24

まえ

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

椅子

両横

70

28

両横

70

29

椅子

両横

80

30

2

ソファ

1.5

配置

1

高さ 順位

座面

0

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-4: 腰部モーメント最大値データ分布(床)

208


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

床では、70cm の高さに手をつく試行で、有意に低い順位であったため、負荷が少ない ことがわかる。全体の順位の中でもかなり下の方に位置している。また、前に手をつく試 行では、70cm よりも 40,30cm の高さで負荷が大きいことがわかる。床で 70cm に手を つく試行よりも、同じ70cm でも、ソファのよこ、まえ、椅子のよこ、に手をつく方が 負荷が大きくなることがわかる。

209


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□まとめ/高さ 図 7-6-6-1 に示された腰部モーメント最大値データ分布の中で、特に 30cm、40cm、 60cm、70cm、80cm の高さのものについてそれぞれまとめた。30cm、40cm の高さよ りも 60cm、70cm、80cm の高めの台に手をつく方が、負荷が少ないことがわかる。

210


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

---30cm---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-5: 腰部モーメント最大値データ分布(30)

211


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

---40cm---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-6: 腰部モーメント最大値データ分布(40)

212


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

---60cm---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-7: 腰部モーメント最大値データ分布(60)

213


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

---70cm---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-8: 腰部モーメント最大値データ分布(70)

214


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

---80cm---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-9: 腰部モーメント最大値データ分布(80)

215


実験

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

□まとめ/配置 図 7-6-6-1 に示された腰部モーメント最大値データ分布の中で、特に台なし、前、横、両 横、の配置ものについてそれぞれまとめた。手をつかないのが最も負荷が大きく、前、横、 両横の順に負荷が少なくなる傾向にあることがわかる。

216


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

--- なし ---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-9: 腰部モーメント最大値データ分布(なし)

217


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

--- 前 ---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-9: 腰部モーメント最大値データ分布(前)

218


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

--- 横 ---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-9: 腰部モーメント最大値データ分布(横)

219


01

実験

02

03

04

05

06

07

08

09

10

--- 両横 ---

腰部負荷最大値データ分布 腰部負荷最大値

椅子

なし

2

ソファ

まえ

30

3

まえ

40

4

なし

まえ

30

6

まえ

40

7

両横

30

8

ソファ

よこ

30

9

ソファ

両横

30

10

ソファ

両横

40

11

ソファ

よこ

70

12

ソファ

まえ

70

13

ソファ

よこ

40

14

椅子

よこ

80

15

両横

40

16

椅子

よこ

70

17

椅子

よこ

60

18

よこ

30

19

よこ

40

20

椅子

まえ

60

21

椅子

まえ

80

22

椅子

まえ

70

23

まえ

70

24

ソファ

両横

70

25

椅子

両横

60

26

よこ

70

27

両横

70

28

椅子

両横

70

29

椅子

両横

80

30

ソファ 床

2

1

1.5

なし

1

ソファ

0

順位

差の認められた組み合わせ

0      0.5     1     1.5    2

5

一回の動作における腰部負荷最大値のデータ 全体平均値 高齢者平均値 若年者平均値

図:7-6-6-9: 腰部モーメント最大値データ分布(両横)

220


考察

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■■�8.�考察�■■ ■�8-1.�アンケート結果と実験結果から�■

□椅子  アンケート結果によると、椅子からの立ち上がりでは、70 cm 程度の前の台に手をつ くことが多いことが明らかになったが、実験結果では、70 cm の前にある台に手をつく 立ち上がりは、台がない試行より腰部負荷が少ないということがわかった。また台の高さ を 80 cm や 60 cm にしても腰部負荷に差はみられなかった。アンケート結果では例が少 なかったが、実験結果によると、椅子からの立ち上がりでは両横に手をつく試行でも、腰 部負荷が少ないことがわかったので、腰に負担の少ないしつらえを計画するには、椅子か らの立ち上がりの場合、両横に手をついて立ち上がれるしつらえを取り入れることを検討 してみてもいい。

□ソファ  アンケート結果によると、ソファからの立ち上がりの場合には、半数の人が、ソファの 肘掛けに手をついて立ち上がっており、その高さの平均は 46.6 cm であった。また前に 配置されたローテーブルに手をついて立ち上がる人も 40% いて、ローテーブルの平均高 さは 36.8 cm であった。実験では、ソファの場合、70 cm の高さに両手をついて立つ立 ち上がり以外では、いずれの組み合わせでも腰部負荷に差が認められなかった。実験結果 からみると、肘掛けも、ローテーブルも動作の補助としては腰部負荷軽減に役に立ってい るとはいえない。ソファからの立ち上がりでは、腰部負荷の少ない室内計画をするには、 70 cm の高さに両手をついて立ち上がれるようなしつらえを取り入れることを検討する といい。

□床  アンケート結果によると、床かからの立ち上がりでは、80% 以上の人が、前に配置さ れたローテーブルに手をついて立ち上がっていることが明らかになった。またローテーブ ルの平均高さは 36.2 cm であった。実験では、アンケートで多くみられた状況と類似し た試行として、床からの立ち上がりで 30 cm と 40 cm の高さで前に手をつく試行を行っ ているが、実験結果では、その二つの試行は、前に配置された 70 cm の台に手をついて 立ち上がる動作よりも、腰部負荷が大きいことが明らかになった。また、実験では 70cm

221


考察

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

の高さに手をつく試行では、その配置が前でも、横でも、両横でも、腰部負荷に差はない ことが明らかになった。アンケート結果では、少数ではあるが、床からの立ち上がりでも 70 cm の高さの台に手をついて立ち上がることがあることがわかっている。床からの立 ち上がりでは、腰部負荷の少ない室内計画をするには、70 cm の高さに手をついて立ち 上がれるような室内計画を取り入れることを検討してみてもいい。

□座り方の違い  食事では椅子座、休憩では床座で過ごす人が多いことがわかった。また腰部に負荷がか からない生活をするには、椅子座が好ましいと考えている人が多いこともわかった。実験 では、椅子座、ソファ座、床座でいずれかの座り方が特に腰部負荷が少ないというような 傾向は見られなかった。腰部負荷の少ない室内計画をするうえでは、座り方の違いを最初 から椅子座と決める必要はないことがわかった。

222


考察

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�8-2.�まとめ�■  腰部負荷の少ないすまいは、洋室で椅子での生活であるという考えが一般的になってい ることがわかった。中には和室での生活を希望しながらも、洋室にしないといけないとい った先入観で洋室へのリフォームをする人もいる。しかし、今回の研究では、腰部負荷の 少ないすまいは、和風ではなく洋風のすまいである、というように大きくライフスタイル の違いだけでは決められないことがわかった。きめ細かくしつらえを工夫することが、洋 風のライフスタイルでも和風のライフスタイルでも、腰部負荷の軽減につながることがわ かった。

223


考察

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

■�8-3.�展望�■  アンケート結果では、室内で手をつく動作は、大きく立ち上がり、歩行、立位保持に分 けられることがわかった。歩行で腰部に負担を感じるのは、20,30m 以上の歩行であり、 今回の被験者のすまいでは歩行に20m 以上要する人はいなかった。また、立位保持は 腰部負担の生じる動作であことがわかったが、立ち上がりに比べると頻度がすくない。そ こで今回の研究では、最も腰部への負担を訴える人が多く、すまいのしつらえに発展する 可能性のある立ち上がり動作にしぼって実験をおこなった。しかし、歩行でも手をつく動 作が多くみられ、腰部負荷を及ぼす歩行距離は室内での行動では起こりにくいが、歩行時 に手をつく場所が、直線歩行よりも角での歩行で多かったことなどからみても、バランス の保持など、距離以外の要因が手をつく動作に影響を与えていることが考えられ、今後研 究の余地がある。また立位保持は長時間にわたると腰部負荷につながる動作であることが わかったので、その動作を補助するしつらえは、今後研究する余地があると考えられる。

224


01

資料

02

03

04

05

06

07

08

■■参考資料 ■アンケート資料 □住まいの間取りと動作に関する調査資料 □アンケート用紙

リビングダイニングでのアンケート 回答者名前:

アンケート番号

回答日

対象者の年齢      歳

歩行の様子 元気・少し不安・杖を使う・歩行器を使う

性別      男 ・ 女

腰痛        有り ・ なし

:::::::家全般で::::::: 腰、膝などの関節に痛みを感じるときはどんなときですか?またそれはどの場所です か?

:::::::キッチンについて::::::: ・洗い物にかかる時間は一日平均何分ですか?

分×   回

・キッチンで辛い作業は何ですか? Ex. 鍋をコンロからシンクに運ぶのが辛い、下の棚から醤油の瓶を出すのが大変、高い棚からホットプレート を出すのが大変、洗い物が多いと長時間の作業になり腰がつらい、床をふくのがつらい、テーブルを拭くのが つらい、等々

:::::::リビングについて::::::: ・リビングで過ごす時間は一日平均何時間ですか?

時間

・動作を補助する工夫をした箇所はどんなものがありますか? Ex. 立ち上がりの補助として手をつく用の座るそばに火鉢をおいている、歩く動線上に手をつけやすい家具を 置いている、等々

食事をする場所、椅子座ですか?床座ですか?    椅子座・床座 椅子座の人は床座の部屋とくらべて、床座の人は椅子座の部屋とくらべて、「立つ時」に つらいとおもいますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか? Ex. 椅子から立つほうが床からより楽だから洋室が楽、ソファから立つのが大変だから和室の方がいい、ちゃぶ 台に手をついたり膝をついて立ち上がれるから和室が楽、椅子のアームにつかまってたてるから洋室が楽、等々

くつろぐ場所は、ソファですか?床座ですか?    ソファ・床座 椅子座の人は床座の部屋とくらべて、床座の人は椅子座の部屋とくらべて、「座ってい る時」につらいとおもいますか?楽だと思いますか?その理由はなんですか? Ex. どこでも座れるから和室が楽、足をのばせるから和室が楽、椅子の方が座った時の姿勢が楽、椅子の背も たれによっかかれるから洋室が楽、等々

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□アンケート説明用紙(人材センター用)

◆本日のアンケートの概要 早稲田大学建築学科渡辺仁史研究室では、加齢に対応したすまいづくりに関す る研究を行っております。本アンケート調査は、その一環として文部科学省の 研究補助金を受け、一般住宅での動作補助に使われる家具についての事例を収 集するものです。集計に際しては統計的な処理をし、また写真に関しては、動 作と家具寸法の目安としてのみ利用し、顔や部屋の様子はわからないように処 理します。プライバシーを侵したり、皆様にご迷惑をおかけすることは一切ご ざいませんので、調査への御協力をお願いいたします。

◆家での作業 1. お持ち頂いた図面でこちらが指定した部分の寸法を測って下さい。 2. お持ち頂いた図面でこちらが指定した場所の写真を撮って下さい。なるべ く実際に家具に手をついた姿勢をとって、ご家族にとっていただいてください 。家具、全体が一つの写真におさまるような形でお願いします。 3. 以上の作業を終えたら、お渡しした封筒にカメラと寸法を記入した図面を いれて郵送して下さい。

◆お渡しするもの

使い捨てカメラ、メジャー、図面用紙(本日ヒアリングで作成したもの) 、封筒(切手添付済み)、写真の見本

◆問い合わせ 分からないことがあったら聞いて下さい。 牛山 080-5054-1972 長澤 090-2548-9010 調査に御協力いただきありがとうございます。 早稲田大学建築学科渡辺研究室 牛山琴美、長澤夏子 〒169-8555 新宿区大久保3-4-1 55N-801 Tel, Fax 03-5286-3276

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□アンケート説明用紙(建築学生用)

早稲田大学建築学科渡辺仁史研究室では、加齢に対応したすまいづくりに関する研究を行っ ております。本アンケート調査は、その一環として文部科学省の研究補助金を受け、一般住 宅での動作補助に使われる家具についての事例を収集するものです。集計に際しては統計的 な処理をし、また写真に関しては、動作と家具寸法の目安としてのみ利用し、顔や部屋の様 子はわからないように処理します。プライバシーを侵したり、皆様にご迷惑をおかけするこ とは一切ございませんので、調査への御協力をお願いいたします。

回答のやり方 ■アンケートの主旨 このアンケートは住まいの中でどのようなものを。動作の補助として使用したり代用したり工 夫したりしているかを知るための調査です。 ■図面づくり 1. リビングとダイニング、キッチンの間取りを1/200で方眼紙に書き込む。 2. その中で、いつもいる居場所を示す。 (◎ 赤で) 1 3. その中で、よく行われる動線を→で書き込み番号をふる。(        赤で)また その動線をとるときの目的と動線上で手をつく行為を欄外に記入する。 4. その中で、動作の補助として手をつく場所を番号で記入する。(① 赤で)さらにその場 所の写真を、手をついた姿勢をとったかたちで撮影する。また欄外には番号ごとに触ったもの の高さとそこでの行為を記述する。 5. その中で、関節の痛みを感じる行為をする場所を▲で示す。(▲1 赤で)また欄外にそ の時の様子を記述する。 ■アンケートの取り方 1. アンケートは、対象者に任せるのではなく、回答者がヒアリングし、記入する形式を とってください。 2. 主旨にそった答えが得られるように、工夫して聞いて下さい。

分からないことがあったら聞いて下さい。 牛山 080-5054-1972 長澤 090-2548-9010

調査に御協力いただきありがとうございます。 早稲田大学建築学科渡辺研究室 牛山琴美、長澤夏子 〒169-8555 新宿区大久保3-4-1 55N-801 Tel, Fax 03-5286-3276

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■実験資料 □各関節モーメント波形グラフ <腰部モーメント> <股関節モーメント> <膝関節モーメント>

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□実験同意書

立ち上がり動作の計測に関する説明と同意書 下記の要領で立ち上がり動作の計測実験を行います。御協力をお願いいたします。 [目的] 本実験は主に住宅内で立ち上がる時の動作計測によって、人の身体(特に腰部) にどのくらいの力がかかるのか、またその時の立ち上がり姿勢などを知り、住宅 内部の寸法など建築やインテリアの設計に役立てることが目的です。 2003年度より文部科学省科学研究費の助成を受け研究を進めております。 [動作計測の方法] 当方の指定する服装(Tシャツ短パンなど)になり、腰より下の関節の部分に反 射球を貼付けます。こちらで指定する動作(いすや床からの立ち上がり)を行って 頂きます。その様子を天井に設置したビデオカメラと床の反力計が記録しコンピ ューターによる解析を行って動作の計測をします。 また、その解析の際に必要な身体のデータ(身長、体重、年齢、腰回りの長さ、 腰の痛みの有無などについて)をお聞きします。 [謝礼] シルバー人材センターを通じて1回の計測(3時間程度)につき、¥5,000をお支 払いいたします。 [データ等の取り扱い] 本実験で得たデータは学術目的のみで使用するものであり、個人のプライバシー を侵害したり、皆様にご迷惑をおかけする事はありません。ビデオカメラの画像 は主にデータとして処理され利用するものですが、成果報告等の際に実験室の様 子を示す場合の写真に利用する場合などは、顔などにはぼかしをいれて誰である か判別できないようにいたします。 上記の内容に関して疑問などがありましたらいつでもご質問ください。また、こ の実験への協力は、あなたの自由な意志に基づいています。いつでもお断りいただ いて結構です。お断りになっても、あなたに対して不利益は全く生じません。

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研究代表者 早稲田大学理工学部建築学科 教授 渡辺仁史 国際医療福祉大学大学院 教授 山本澄子 お問い合わせ先

早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室

担当: 長澤夏子 牛山琴美 〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 55N801 tel/fax 03-5286-3276    私はこの説明を受け、立ち上がり動作の計測について理解いたしましたので、実験 に協力いたします。

平成  年  月  日        ご署名(本人)                                         ご住所)                                    説明者

実験担当者

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□実験シート

@@月☆☆日 #回目 セット名

被験者No.

被験者氏名:

棚順序 棚高さ

PC操作 カメラのキャリブレーション 棚セット イス等のセット 重さのキャリブレーション newsetting

ソファ

両横

30 70 40

よこ まえ

70 30 40 30 40 70

なし

-

-

質問:一番楽● 一番ダメ× 棚セット イス等のセット 重さのキャリブレーション newsetting

椅子

まえ

80 70 60

よこ

80 70 60

なし 両横

-

-

-

60 70 80 質問:一番楽● 一番ダメ× 棚セット イス等のセット 重さのキャリブレーション newsetting

まえ

40 30 70

よこ

30 40 70

なし 両横

-

-

-

30 40 70 質問:一番楽● 一番ダメ×

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□実験の順番 試行順序 被験者no.

セット

配置

高さ

003

両横

40

30

70

まえ

70

30

ソファ

椅子

004

ソファ

椅子

005

椅子

ソファ

ソファ

80

60

なし

-

-

-

なし

-

-

-

まえ

70

40

30

よこ

40

70

30

なし

-

-

-

両横

30

40

70

よこ

30

40

70

まえ

40

70

30

両横

70

40

30

両横

70

80

60

まえ

40

30

70

よこ

80

70

60

よこ

70

30

40

まえ

80

70

60

40

30

70

なし

-

-

-

両横

30

70

40

よこ

70

30

40

まえ

30

40

70

椅子

両横 なし 011

椅子

-

-

-

よこ

80

60

70

まえ

70

80

60

-

-

-

両横

80

60

70

なし

-

-

-

60

まえ

70

40

30

-

両横

30

70

40

よこ

-

-

-

まえ

80

70

60

よこ

80

70

なし

-

-

両横

60

70

80

まえ

40

30

70

よこ

30

40

70

なし

-

-

-

両横

ソファ

30

70

40

両横

70

40

30

なし

-

-

-

70

30

40

まえ

30

40

70

30

40

70

よこ

80

60

70

両横

40

70

30

なし

-

-

-

よこ

30

40

70

まえ

80

70

60

まえ

70

40

30

両横

60

70

80

なし

-

-

-

よこ

70

30

40

両横

30

40

70

よこ 012

ソファ

なし

-

-

-

なし

-

-

-

まえ

70

40

30

よこ

70

30

40

両横

40

30

70

まえ

40

30

70

よこ

40

70

30

まえ

60

70

80

両横

30

70

40

両横

70

80

60

70

40

30

-

-

-

-

-

-

70

60

80

両横

70

30

40

40

30

70

まえ

30

70

40

なし

-

-

-

よこ

30

40

70

両横

70

30

40

まえ

70

40

30

なし

-

-

-

まえ

30

70

40

よこ

40

30

70

両横

40

30

70

まえ

-

-

-

80

70

60

-

-

-

60

80

70

70

60

80

椅子

なし よこ 013

ソファ

椅子

よこ

なし

-

-

-

よこ

70

40

30

まえ

40

30

70

両横

30

70

40

70

80

60

まえ なし よこ 両横

014

-

-

60

80

80

60

70

30

70

40

-

-

-

両横

30

70

40

なし

-

-

-

よこ

70

40

30

まえ

70

30

40

まえ

70

30

40

よこ

70

30

40

よこ

70

80

60

まえ

30

70

40

両横

70

60

80

両横

40

70

30

ソファ

両横

70

なし

なし

-

-

-

なし

-

-

-

まえ

60

80

70

よこ

40

30

70

なし

-

-

-

両横

70

80

60

まえ

70

40

30

まえ

70

60

80

40

30

70

70

40

30

80

70

60

まえ

椅子

なし よこ

80

両横

80

60

70

-

-

-

まえ

70

80

60

70

60

80

なし

-

-

-

よこ

70

60

80

よこ

80

60

70

よこ

30

70

40

なし

-

-

-

まえ

30

40

70

よこ

40

70

30

両横

30

40

70

まえ

40

70

30

両横

70

40

30

70

40

30

-

-

-

30

70

40

よこ

40

70

30

70

40

30

-

-

-

40

30

70

よこ

椅子

70

両横

両横

015

60

なし

なし ソファ

ソファ

なし

なし

まえ 009

70

まえ

なし ソファ

70

-

よこ 椅子

60

30

両横 008

60

80

-

両横

椅子

70

両横

70

なし

ソファ

80

40

-

よこ 007

高さ

よこ

40

なし 椅子

配置

椅子

よこ

なし 床

セット

010

なし

まえ 006

被験者no.

ソファ

まえ なし 両横 よこ

016

椅子

-

-

-

70

30

40

40

30

70

なし

-

-

-

なし

-

-

-

よこ

60

70

80

まえ

40

70

30

両横

70

60

80

両横

70

30

40

まえ

60

80

70

なし

-

-

-

よこ

70

30

40

両横

70

80

60

両横

40

70

30

よこ

80

60

70

まえ

40

70

30

まえ

80

70

60

まえ

30

40

70

よこ

40

30

70

70

30

40

-

-

-

両横 なし

なし ソファ

-

-

-

よこ

70

40

30

まえ

40

30

70

なし 両横

-

-

-

30

40

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参考文献

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参考論文 ~建築分野での既往研究~ ■公室空間に関する研究事例 1 主題:「一階居住室の存在形態からみた住宅平面類型と住み方類型 副題:北海道の戸建て住宅における公室空間に関する研究(1) 日本建築学会論文報告集401号、pp.57?63、1989 2 主題:洋風居間のインテリア類型と居住者属性及びインテリア情報との関係 副題:洋風居間の地位表示性に関する研究 その1 著者:松原 小夜子 掲載:計画系論文集 NO.469 P.65 1995年3月 3 主題:公室空間の構成と生活形態 副題:北海道の戸建て住宅における公室空間に関する研究(1) 著者:宇野 浩三 掲載: 計画系論文集 NO.401 P.57 1989年7s月 ■動線に関する研究事例 4 主題:肢体不自由者における住居内の人的交流と来客時を考慮した動線形態に関する調査研究 副題: 著者:浅賀忠義,黒沢和隆,泉 清人 掲載:計画系論文集 NO.482 P.67 1996年4月 5 主題:動線による室の連結 副題:現代日本の建築作品における動線の空間構成に関する研究 著者:貝島桃代,坂本一成,塚本由晴 掲載:計画系論文集 NO.498 P.131 1997年8月 6 主題:住宅平面の形態と動線を中心とする平面構成 副題:北海道の戸建住宅の近年の変貌動向に関する研究?住宅金融公庫融資住宅平面の分析(2) 著者:野口孝博 掲載:計画系論文集 NO.510 P.101 1998年8月 7 主題:動線の長さに基づいた平面特性の解析 副題:建築の器質に関する基礎的考察ーその1ー 著者:阿部彰吾,服部岑生,中田宏明 掲載:計画系論文集 NO.512 P.153 1998年10月 ■動作に関する研究事例 8 主題:立ち上がり動作を補助するトイレ用縦手すりの研究 副題: 著者:國井清照,神尾博代,八藤後 猛,野村 歡 掲載:計画系論文集 NO.561 P.167 2002年11月 9 主題:介助動作に必要な便所及び浴室のスペースに関する実験 副題: 著者:後藤義明,相良二朗,田中直人,中島康生,田中真二,堀田明裕 掲載:計画系論文集 NO.512 P.145 1998年10月 10 主題:調理動作を事例とした解析手法の具体的検討 副題:ビデオ解析手法による動作解析に関する基礎的研究 著者:田中 賢,八藤後 猛,野村 歡 掲載:計画系論文集 NO.527 P.107 2000年1月 11 主題:室内計画の人間工学的研究 副題: 著者:小原 二郎,三浦 豊彦,寺門 弘道,子木 和孝 掲載:計画系論文報告集 第69号 P.301 1987年10月 ■動作の習慣に関する研究事例 12 主題:起居様式における床座・椅子座の変遷(その1) 副題:?中国・韓国・日本の比較研究(B.C.16C?A.D.16C)? 著者:李 允 子 掲載:計画系論文集 NO.514 P.241 1998年12月 13 主題:館林市と板倉町の高齢者福祉施設の問題点の研究 著者:牛山琴美 14 主題:てすりのいらないユニバーサルデザイン 著者:大川真智子 ■個別の疾患にそった研究事例 15 主題:脳血管疾患死亡率と環境温度との関係に関する一考察 副題: 著者:山中伸一,中村泰人 掲載:計画系論文集 NO.502 P.79 1997年12月 16 主題:関節リウマチ患者の住環境の現状と住居整備ニーズに関する研究 副題: 著者:野口祐子,高橋儀平 掲載:計画系論文集 NO.563 P.125 2003年1月 17 腰椎疾患を持つ人のための洗面台の高さの研究 著者:牛山琴美 横田善夫 勝平純司 山本澄子 渡辺仁史 掲載:2003年学術講演梗概集

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参考文献

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~福祉分野での既往論文~ 17 主題: 階段およびスロープ昇降時の腰部モーメントの分析 副題: 著者:勝平 純司、山本 澄子、関川 伸哉、丸山 仁司 掲載:人間工学 Vol.39, No.5 (‘03)

参考文献 18 関節モーメントによる歩行分析 臨床歩行分析研究会 編 医歯薬出版株式会社 19 福祉住環境コーディネーター検定 2級テキスト 東京商工会議所 20 関節可動域測定法 可動域測定の手引き Cynthia C.Norkin, D.Joyce White{著} 木村哲彦{監訳} 山口 昇・園田啓示・中山 孝・吉田由美子{訳} 共同医書出版社 21 変形性脊椎症・腰痛の運動・生活ガイド 運動療法と日常生活動作の手引き 日本医事新報社 22 図解 すまいの寸法・計画事典 岩井一幸・奥田宗幸 著 彰国社 22 すぐわかる統計用語 石村貞夫 デズモンド・アレン 著 東京図書 23 よくわかる卒論・修論のための統計処理の選び方 鍵和田京子・石村貞夫 著 東京図書 24 SPSSによる分散分析と多重比較の手順 石村貞夫 著 東京図書 25 医療・看護のためのやさしい統計学 解析編 山田 覚 著 東京図書 26 平成13年 国民生活調査 厚生労働省 27 コンパクト建築設計資料集成 日本建築学会 丸善 参考URL 23 住環境における福祉の考え方 http://homepage1.nifty.com/togethertomorrow/fukusi/2heya/no1/r-0.5.htm 24 「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html 25 パフォーマンス芸術に応用されるモーション・キャプチャー http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020625207.html 26 モーションキャプチャー新世代事情 http://www.crescentvideo.co.jp/vicon/interview/ 27 国立社会保障・人口問題研究所 http://www.jpss.go.jp/ 28 腰痛の分類学 http://www.h7.dion.ne.jp/~youtu/

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おわりに

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■■�11.�おわりに�■■

Vicon はくせ者でしたが、研究室をはじめ、とてもたくさんの人に支えられて論文にま とめることができました。本当に感謝しています。

いつも笑顔と論理的な思考で支えてくれた長澤さん、本当にありがとうございました。 今度はゆっくりと温泉ごいっしょさせていただいたいです。卒論生のころからずっとお世 話になった木村さん、ありがとうございました。木村さんの言葉にはいつも支えられまし た。刺激的な研究を始める横田さんには、いろいろな研究の機会をいただきました。とて もかわいらしくていらっしゃる山本先生、とても親切な勝平先生には、いろいろなことを 教わりました。感謝しています。  一緒に温泉に泊まってくれた今村君、朝早く家をでて栃木まできてくれた大塚さん、ゼ ミでもいっしょだった内田君たちには実務訓練でいろいろとお世話と迷惑をかけました。 暖かく支えてくれてありがとう。二回も被験者になってくれた川島君、プレ実験のときは 寒い思いをさせてしまってごめんね。誕生日だというのに栃木に来てくれた菅原君、ダン スおもしろかったです。栃木まで遠いのに水着にならなくちゃいけないけど、実験に協力 してくれた、永池くん、角方くん、小林くん、築樋くん、熊倉くん、ありがとう。おじい ちゃんおばあちゃんアンケートに協力してくれたみんな、ありがとう。からだ情報では林 田さん、奈美さんをはじめ、遠田くん、川井さん、小杉君、お世話になりました。不運に も私の卒論担当になった大川さんですが、ロンドンからエールありがとう。  いっしょに3年間をすごした M2 のみんな、いつも「うっしー、うっしー」ってやさし くしてくれてありがとう。まだまだ社会人になってもよろしくね。  感謝しだしたらきりがなくなりますが、最後に、プランニングから数えると4年間お世 話になりました渡辺先生、この研究室で過ごせてよかったです。ありがとうございました。

2004.2.5 牛山琴美


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