施設介護と在宅介護の環境整備に関する研究 群馬県板倉町における高齢者介護の実態調査

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U0401 早稲田大学理工学部建築学科卒業論文         指導教授 渡辺仁史

施設介護と在宅介護の環境整備に関する研究               ー群馬県板倉町における高齢者介護の実態調査ー A Study on Environmental Infrastructure in Nusing-Home-Care and Home-Care - Survey on the Elderly Care in Itakura Town , Gunma Prefecture -

浅野 耕二

Department of Architecture,School of Science and Engineering, Waseda University


施設介護と在宅介護の環境整備に関する研究 ー群馬県板倉町における高齢者介護の実態調査ー

A�Study�on�Environmental�Infrastructur�in�Nusing-Hone-Care�and�Home-Care -�Survey�on�the�Elderly�Care�in�Itakura�Town�

浅野耕二


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

はじめに

『無知、無力。』

ありふれた言葉だが、私は痛いほど感じた。  私にとって卒業論文を進めてきた期間中、今まで経験したことのない様々な感情が 揺れ動いた時期であり、私自身とても弱い人間であることを知った。その反面、強さ もあることをも知ることが出来た。そしてなにより多くの人からの「支え」を感じた 時期であった。その支えにどれだけ助けられただろうか。ほんの小さな支えでさえ、 どれだけ私の心を勇気づけさせてくれただろうか。

誰かの手助けになることができたなら。  たとえそれが些細なことでも。

ほんの小さな支えでさえ、どれだけ私の心を勇気づけさせてくれただろうか。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

目次

はじめに

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目次

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第1章 序論

4

1- 1 研究目的

5

1- 2 研究背景

6

1- 3 研究概要

7

1- 4 言葉の説明、定義

8

第2章 基礎調査

12

2- 1 高齢化問題の背景

14

2- 1- 1 高齢化の現状    2- 1- 2 高齢者福祉施設の種類とその特徴

17

2- 2 高齢者福祉の歩み

19

2- 3 高齢者介護サービス

21

2- 3- 1 施設サービスの特徴   2- 3- 2 在宅サービスの特徴

22

2- 3- 3 施設介護と在宅介護の受給者数

23

2- 4 自治体単位でみた高齢者介護の状況

24

2- 4- 1 全国と群馬県の状況・比較   2- 4- 2 両毛広域圏20市町村の状況

26

2- 4- 3 板倉町の状況、位置づけ

30

第3章 調査方法

32

3- 1 調査場所

33

3- 2 調査施設

34

3- 2- 1 調査対象施設   3- 2- 2 調査対象立地

35

3- 2- 3 調査施設基礎データ

36

3- 2- 4 調査対象者  3- 3 アンケート調査・ヒアリング調査

37

3- 4 調査・研究フロー

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第4章 調査結果

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4- 1 アンケート調査結果

40

4- 1- 1 基礎アンケート調査結果   4- 1- 2 五段階評価調査結果

43

4- 2 クロス集計(社会福祉協議会)

45

4- 3 クロス集計(ミモザ荘)

54

4- 4 ヒアリング調査結果

63

第5章 分析・考察

63

5- 1 分析方法

64

5- 2 分析結果

65

5- 2- 1 クロス集計法での分析結果   5- 2- 2 KJ 法での分析結果

66

5- 3 考察

73

5- 4 まとめ

74

5- 5 展望

75

おわりに

76

参考文献・参考資料

77

付録 ∼資料編∼

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第1章 序論

第 1 章 �  序論

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1-1 研究目的

第1章 序論

群馬県板倉町における高齢者介護施設の現状につき、高齢者の利用状況および従業 員の勤務環境の分析を通じて、より適切な介護施設のあり方を明らかにする事を目的 とする。  それによって、高齢化の進む日本の農村部の一例である板倉町における、高齢者の 健康な生活や地域への好影響の一助となる事を期待する。

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1-2 研究背景

第1章 序論

近年、日本の高齢化のなかで、介護保険により介護サービスを利用する高齢者が年々 増加している。介護サービスにおいても様々なサービスが利用されている。大きく分 けて、施設介護と在宅介護におけるサ−ビスを受けることができ、今後ともその重要 性は増すことが考えられる。  これまでの高齢者福祉に関する研究では、調査対象を介護施設に絞った上でサービ スを受ける高齢者に対する生活実態調査や行動調査については非常に多くの研究がな されてきている。また、任意の施設を何カ所か取り上げて、行動調査や生活実態調査 をしている例もある。  参考論文としては、『都市居住高齢者のかかりつけ医療施設の利用特性』(浅沼由紀、 天野克也)や『高齢者医療施設における看護・介護の業務分析』(梁金石、上野淳、筧 淳夫)、『館林市と板倉町の高齢者福祉施設の問題点に関する研究』(牛山琴美)がある が、これらは高齢者を中心に行動特性や施設利用の状況を中心とした研究であったが、 従業員からの視点による施設介護と在宅介護に関する問題点の比較を行ったものはな い。そこで本研究では、主に施設介護と在宅介護の従業員(スタッフ)を調査対象とし、 農村社会を構成する貴重な若年層あるいは中年層としての彼らの役割も含めた、施設 介護と在宅介護の環境整備について研究を行う。

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1-3 研究概要

第1章 序論

介護サービスの2本柱である施設介護と在宅介護の特徴、利用状況を調査する。両 毛広域圏20市町村の中の板倉町において、高齢者介護サービスの実態、ニーズを従 業員の立場から分析し明らかにする。  板倉町を含む両毛広域圏20市町村の人口、老年人口割合、要介護者数、介護施設 数など、その市町村の状況に関する基礎調査から得られた情報より、板倉町がどのよ うな位置、立場にあるかを特定する。  板倉町の介護施設で働く従業員を対象にアンケート、ヒアリングを行い、両毛広域 圏20市町村の中の板倉町において、高齢者介護サービスの実態、ニーズを従業員の 立場から分析し、施設介護と在宅介護の環境整備について問題点、より良い環境整備 を明らかにする。

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1-4 言葉の説明、定義

第1章 序論

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)  寝たきりや痴呆性の高齢者や障害者の中で、要介護認定において要介護状態と認定 され、なおかつ居宅での生活が困難な者が希望により入所する生活施設。 介護保険  2000度から始まった、新しい高齢者福祉の保険。45歳以上から対象になる。 45歳以上から65歳までは特定の患者に関する医療に補助がでる。また65歳以上 を対象に、介護にかかる時間を判断基準とした要介護度に応じて「その有する能力に 応じ自立した日常生活を営むことが出来るよう」必要なサービスが提供される。福祉 サービスを受けるには、要介護認定という介護度を決定する審査をし、要介護度が認 定されてから、その程度に応じた福祉サービスを対象者自身が選んで受けることが出 来る。「高齢者の自立支援」を理念とし、住み慣れた地域での生活を続けることが出来 るよう、自立を支える多様な在宅サービスを重視している。 介護老人保健施設(老人保健施設)    寝たきりや痴呆性の高齢者や障害者の中で、要介護認定において要介護状態と認定 され、なおかつ居宅での生活が困難な者が、リハビリ等を目的として一時的に希望に より入所する療養のための施設。 ケアハウス(介護利用型軽費老人ホーム)  原則として60歳以上の者で、自炊ができない程度の身体機能の低下等が認められ 又は高齢等のため、独立して生活するには不安が認められる者であって、家族による 援助を受けることが困難な者が定額な料金で利用できる施設。 ケアプラン(居宅介護サービス運動)    介護保険制度において、要介護又は要支援と認定された高齢者や障害者が必要な介 護サービスを計画的に利用するための計画書。 高齢者  65歳以上の老人をさす。 在宅介護(ホームヘルプサービス)  心身に障害のある高齢者や障害者を対象に訪問介護員(ホームヘルパー)が居宅を 訪問し、身体の介護や家事の援助を行う、居宅サービスの重要な柱。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第1章 序論

在宅介護(ホームヘルプサービス)  心身に障害のある高齢者や障害者を対象に訪問介護員(ホームヘルパー)が居宅を 訪問し、身体の介護や家事の援助を行う、居宅サービスの重要な柱。 在宅介護支援センター  在宅介護の拠点として、寝たきりや痴呆性の高齢者や障害者の居宅介護を支援する ため、必要な保健、福祉サービス情報の提供や家族の相談を受け、市町村等行政機関 やサービス提供事業者との連絡調整を行う機関、施設。 作業療法士(OT)  身体に障害がある者に対し、手先の訓練、補装具の利用、レクリエーション等を通 して応用動作能力や社会的適応の促進、回復を図る。そのような援助を行うことを目 的としたリハビリテーション医療に従事する専門職。 短所入所療養介護(ショートステイ)  寝たきりや痴呆性の高齢者や障害者を介護する家族の介護軽減等を目的に老人保健 施設へ短期間入所し介護すること。 痴呆対応型共同生活介護(痴呆性老人グループホーム)  痴呆性の高齢者が家族と同様に少人数(5∼9人程度)で共同生活を行うこと。 通所介護(デイサービス)  虚弱や寝たきり、痴呆性の高齢者や障害者が健康保持、機能回復及び家族の介護軽 減を図るため、デイサービスセンターへ日中通い食事、入浴、日常動作訓練を行うこと。 通所リハビリテーション(デイケア)  虚弱や寝たきり、痴呆性の高齢者や障害者が健康保持、機能回復及び家族の介護軽 減を図るため、老人保健施設等へ日中通い食事、入浴、リハビリテーションを行うこと。 特定施設入所者生活介護  ケアハウス(軽費老人ホーム)や有料老人ホームの入居者が、寝たきり等で支援や 介護が必要な状態になった際に、現在入所しているケアハウス等で必要な介護サービ スが受けられること。

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第1章 序論

バリアフリー  ノーマライゼーションの理念のもとに、高齢者や障害者が安心して生活できる身体 的、精神的な障害(バリア)を取り除いた社会生活環境整備の考え方。 福祉  特に、社会の構成員に等しくもたらされるべき幸福。 要介護  日常生活に介護が必要と認められた場合のことをいう。要介護は、必要な介護の程 度により要介護1∼5に分けられている。在宅サービスと施設サービスが受けられる。 要介護認定は、原則として6ヶ月ごとに見直されることになっている。 養護老人センター  65歳以上のうち身体上もしくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由により、 居宅において適切な介護を受けることが困難な者を入所させるための施設。 理学療法士(PT)  身体に障害がある者に対し、治療体操、電気刺激、マッサージ、熱湯桶を手段として、 身体機能の回復を図るための援助を行うことを目的としたリハビリテーション医療に 従事する専門職。 老年人口  年金を受け取る権利が発生する65歳以上のものをいう。

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第1章 序論

要支援  要介護とは認められないが、社会生活の上で一部介助が必要な状態。 食事・排泄・衣類着脱はおおむね自立しているが、歩行・立ち上がりなどに不安定さ が見られ、時々支援を要する状態。 要介護1  生活の一部について介護が必要な状態。 立ち上がり、座位保持、歩行などが不安定。排泄後の後始末、入浴、衣類の着脱など の一部介助が必要。 要介護2  中程度の介護が必要な状態。 立ち上がり、歩行などが自力ではほぼできない。排泄後の後始末、入浴、衣類の着脱 に介助が必要。物忘れや毎日の日課などにも理解の低下、周囲への無関心などが見ら れる状態。 要介護3  重度の介護を要する状態。 立ち上がり、歩行などが自力でほぼ出来ない状態。排泄後の後始末、入浴、衣類の着 脱に全面的な介助が必要。物忘れや、周囲への無関心などのほか、昼夜逆転、介護へ の抵抗も始まる 。 要介護4  最重度の介護を要する状態 。 入浴、排便などに全面的介助が必要 。 尿意や便意がみられなくなり、昼夜逆転、介護 への強い抵抗、野外徘徊がみられる状態 。 要介護5  過酷な介護を要する状態 。 日常生活には全面的介護が不可欠 。 意思の伝達がなくなり、介護への抵抗、野外徘徊 がいよいよ強まる 。  一般的に要介護度が低い者は在宅介護サービスを利用し、高い者は施設介護を利用 する。

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第 2 章 基礎調査

第 2 章 �  基礎調査

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

基礎調査の概要

第 2 章 基礎調査

今回の研究を行う際に、高齢者福祉と両毛広域圏と板倉町に関して基礎的な調査を 行った。 2- 1 高齢化問題の背景   2- 1- 1 高齢化の現状    2- 1- 2 高齢者福祉施設の種類とその特徴 2- 2 高齢者福祉の歩み 2- 3 高齢者介護サービス   2- 3- 1 施設サービスの特徴   2- 3- 2 在宅サービスの特徴   2- 3- 3 施設介護と在宅介護の受給者数  2- 4 自治体単位でみた高齢者介護の状況   2- 4- 1 全国と群馬県の状況・比較   2- 4- 2 両毛広域圏20市町村の状況        2- 4- 3 板倉町の状況、位置づけ

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2-1 高齢化問題の背景

第 2 章 基礎調査

2- 1- 1 高齢化の現状 日本の高齢化の現状と推移  日本の高齢者人口は 1950 年には総人口の 5% に満たなかったが、1970 年には 7% を超え ( いわゆる「高 齢化社会」) さらに、1994 年には 14% を超えており ( いわゆる 「高齢社会」)、急速に高齢化が進展している。今後も総人口は減少に転ずる中、高齢者 人口は増加することが見込まれていることから、高齢化率は上昇 を続け、2050 年に は 35.7% に達し、国民の約 3 人に 1 人が 65 歳以上の高齢者という本格的な高齢社会 の 到来が見込まれている。また、高齢者人口のうち、前期高齢者人口(65歳∼74歳) は 2015 年ピークにその数は減少に転ずる一方、後期高齢者人口(75歳以上)は増 加を続け、2020 年には前期高齢者人口を上回るものと見込まれている。   高齢化の速度について、高齢化率が 7% を超えてからその倍の 14% に到達するまで の所要年数 ( 倍化年 数 ) によって先進諸国と比較すると、フランスが 115 年、スウェー デンが 85 年、比較的短いドイツが 40 年、イ ギリスが 47 年であるのに対し、我が国 は、24 年で達している。このように、我が国の高齢化は、世界に例を みない速度で 進行している。

35 30 25 20 15 10 5 0 1970年

1980年

1990年

2000年

2010年

2020年

2030年

日本

アメリカ

フランス

ドイツ

イギリス

スウェーデン

韓国

中国

図 2-1-1:世界の高齢化率の推移

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第 2 章 基礎調査

介護保険制度について�  高齢者介護に対する社会的支援システムを充実させるための公的保険制度である。 40 歳以上の国民が保険料を納め将来、常時介護が必要になった場合に介護サービスな どにかかる費用が給付される。   被保険者は、65歳以上の第一号被保険者と医療保険を支払っている40歳以上 65歳未満の第二号被保険者とに分けられる。この二者は、保険料や徴収方法が異なる。  介護保険制度は 2000 年の 4 月から始まっており、老人の介護を国民の保険料負担 で保障する制度。介護保険は 65 歳以上の介護を要する人と 40 ∼ 64 歳の老化が原因 の特殊疾病で介護を要する人を対象している。手続き、サービス選択では要介護度を コンピューターによる一時判定と、介護認定審査会(保健・医療・福祉に関する専門 家 5 人で構成され、介護の必要性について、総合的な審査を行なう組織)による二次 判定で決定される。

第一号被保険者

第二号被保険者

対象者

対象者

65歳以上

医療保険に加入している40歳以 上65歳未満

保険料

保険料

市区町村によって異なる

加入する医療保険によって異なる

保険料の支払方法

保険料の支払方法

原則として年金から天引き

給料から天引きされるが、加入し ている医療保険によって額が異な る

給付対象者

給付対象者

要介護認定を受けると、介護保険受

加齢による疾病(脳血管疾患など)

給の対象

で要介護と認定された場合のみ受 給の対象

図 2-1-2:第1号被保険者と第2号被保険者の保険料、給付対象者の違い DIPLOMA�2004

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査

介護保険制度の仕組み  介護結果・要介護度認定からサービスを受けるまでの流れを、図 2-1-2:介護保険 制度の仕組みと保険給付の手順で示す。

介護保険制度の仕組みと保険給付の手順 1. 介護保険の申請 2. 要介護度の認定 3. 介護計画の作成 4. サービスの選択 5. 負担金の支払い

利用者 (被保険者)

保険料の給付

認定結果・ 要介護度 が通知される

利用者負担 10%

5

4

3

1

2 介護が必要にな った時保険給付 (介護)申請を行う

医療保険事業者 年金保険者 (社会保険庁)

介護計画の作成 (ケアプラン) サービス の提供

市町村 (保険者)

審査・支払業務委託 介護保険特別会計 (財源) 保険料 50% 公費 50%

国民保険 団体連合 介護サービス提供者 在宅サービス 施設サービス

介護保険給付費の 請求・支払 (90%)

図 2-1-3:介護保険制度の仕組みと保険給付の手順

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査

2- 1- 2 高齢者福祉施設の種類とその特徴  福祉サービスの全体を図 2-1-4:老人保健福祉サービス概念図に示す。また、施設の 種類ごとに施設名称、通称、その他利用できる人、費用、サービス内容等に付いて表 2-1-1 にまとめた。

在宅系

施設系

一般病院 医療系 治療・看護

療養型 医療施設 ス訪 テ問 ー看 シ護 ョ ン

訪問看護

入院 治療 入所 療養

療養、リハビリ

老人保健施設

在宅復帰 入所(お泊まり介護)

在 宅 要 介 護 老 人

通所(日帰りリハ)

中間系 療養・機能回復

ショートステイ デイケア 退院 入院

リハビリ、療養 機能回復

入所(お泊まり介護)

ショートステイ

施設入所

特別養護 老人ホーム

在宅復帰 通所(日帰り介護) 訪問介護

ヘルパー派遣

ホ ー ム ヘ ル パ ー

セデ ンイ タサ ーー ビ ス

入居 在宅復帰 入居 在宅復帰

介護・生活 在宅復帰 機能回復 在宅復帰

入居 在宅復帰

福祉系

施設入所 退院 入院

ケアハウス グループホーム 養護老人ホーム

図 2-1-4:老人保健福祉サービス概念図

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査 表 2-1-1:高齢者福祉施設の種類 施設名称

入所施設

介護療養型医療施設

「療養型病床群」

備考 ・利用できる人/一般病院、病棟での治療は終了したが、自宅での療養に不安のある人 ・費用/保健の対象にならない費用として、おむつ代+雑費(7~15万円ほどが目安)

老人保健施設

「老健」

(入院治療はいらないリハビリが必要なひと、日常生活機能訓練)(家庭生活へ復帰) ・利用できる人/病状が安定していて入院治療のいらない人、病因の入院治療を終えた寝たきりの高齢者で、 日常生活のために訓練、介護の必要な人 ・費用/利用料金は月額7万円ほどといわれているが、実際はおむつ代洗濯代など含めると7~15万円ほど

特別養護老人ホーム

「特養」

(常時介護を必要とし、自宅で生活ができない人) ・利用できる人/65才以上で寝たきり、痴呆の人で乗じ介護を必要とし、自宅で生活ができない人 ・費用/月額無料~10万円ほど(負担能力に応じて徴収)

軽費老人ホーム(A型)

「軽費A」

(健康ではあるが、諸般の理由により自宅で生活ができない人) ・利用できる人/60才以上の人、家庭の事情などで家族と同居できない人 ・費用/各施設によって異なる(会費等生活費は全額利用者負担)(所得によって事務が必要)

軽費老人ホーム(B型)

「軽費B」

・利用できる人/60才以上で、家庭環境や住宅事情などにより家族と同居できない人 ・条件/身の回り等日常生活は自分で行い自炊する ・費用/各施設により異なる(利用料、生活費が必要)(所得に応じて事務費が必要)

「ケアハウス」

(自炊ができない人、独立して生活するのに不安のある人) ・利用できる人/60才以上で、身体機能の低下により自炊等ができない人、また家族の援助も得られない人 ・費用/各施設によって異なる(利用料、生活費+管理費が必要) (所得に応じて事務費が必要、家賃含めて10万円前後)

有料老人ホーム

「有料老人ホーム」

(日常生活上必要なサービスが提供される(入居時は心身共に健康が条件) ・利用できる人/本人、または配偶者がおおむね60才以上で入居時健康なひと ・内容/完全個室で外出外泊自由、寝たきりや痴呆になっても併設の施設で原則として世話をしてもらえる (終身利用、介護専用、提携施設移行型等) ・費用/ホームによって大きな差がある

養護老人ホーム

「養護」

老人休養ホーム

「老人休養ホーム」

軽費老人ホーム(ケアハウス)

(身の回りのことはできるが自宅で生活ができない人、自宅で養護を受けることが困難) ・利用できる人/65才以上で、経済的及び身体的、環境上等の理由により、自宅で生活ができない人 ・費用/月額無料~10万円ほど(所得で負担額がかわる) 景勝地、温泉地等の休養地において、健全な保健休養のための場を提供する施設。

高齢者世話付住宅

「シルバーハウジング」

単身高齢者、夫婦のみの高齢者を入居対象者とし、30戸に1人の生活援助員が配置され、高齢者向けの設備・構造を 有し、かつ、緊急通報システムが組み込まれた集合住宅。

老人福祉センター

「福祉センター」

(地域の老人に対して各種の相談に応ずるとともに、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を 総合的に提供すること目的とする施設)

「福祉センター特A」

(建物の規模800m2以上、生活相談・軒昂相談・健康増進指導・生業及び就労指導・機能回復訓練・教養講座・老人 クラブにたいする援助)

老人福祉センター(特A型)  老人福祉センター(A型)

「福祉センターA」

(建物の規模495.5m2以上、生活相談・健康相談・生業及び就労指導・機能回復訓練・老人クラブに対する援助)

老人福祉センター(B型)

「福祉センターB」

(建物の規模165m2以上495.5m2未満、生活相談・健康相談・教養講座・老人クラブに対する援助)

「デイセンター」

(在宅の要援護老人に対し、通所または訪問により各種のサービスを提供することによって、生活の助長、新新機能 の維持向上等をはかると共に、家族の負担軽減をはかることを目的とする施設。)

老人デイサービスセンター(A型)

「デイセンターA」

基本事業(生活指導・日常動作訓練・養護・家族介護者教室・健康チェック・送迎)、通所事業(入浴サービス、給 食サービス)の全部と訪問事業(入浴・給食・洗濯サービス)のうち、洗濯以外のサービス実施。

老人デイサービスセンター(B型)

「デイセンターB」

基本事業、通所事業の全部及び訪問事業については、選択実施。なお一部施設では通所、訪問について選択実施。

老人デイサービスセンター(C型)

「デイセンターC」

基本事業のうち送迎と他の3項目、通所事業及び訪問事業のうち、2項目を選択実施。

老人デイサービスセンター(D型)

「デイセンターD」

基本事業のうち生活指導、養護、健康チェック、通所事業のうち、給食サービスを必須とし、入浴サービスを選択実 施とする。なお、送迎は原則実施。

老人デイサービスセンター(E型)

「デイセンターE」

主に痴呆性老人を対象とする。内容はD型に同じ。

老人デイサービスセンター

通所・短期入所施設

「施設通称」

老人福祉施設付設作業所

「付設作業所」

老人短期短期入所施設

「短期入所」

在宅介護支援センター

「支援センター」

老人訪問看護ステーション 高齢者生活福祉センター 在宅複合型施設 介護実習・普及センター

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(老人の多年にわたる経験と知識をいかし、その希望と能力に応じた作業など社会的活動をおこなう場を提供する施 設。工芸品の製作、編み物などの作業場所の帝京、作業に関する各種指導助言及び作品の展示即売などを行う。) (日常生活上必要なサービスを提供) ・利用できる人/65才以、疾患その他の理由により、居宅において介護を受けることが一時的に困難になったもの ・内容/短期間(7日程度)入所し、日常生活上必要なサービスを提供 (在宅介護のなんでも相談窓口で24時間受け付けている) (在宅で寝たきりのお年寄りに、医師の指事により看護婦が訪問し相談を受ける)

「福祉センター」

過疎地(山村、離島を含む)の高齢者に対して、介護支援機能、居住機能及び地域住民との交流機能を総合的に有す る小規模の多機能施設。

「在宅複合」

在宅介護支援センター、老人デイサービスセンター及び、老人短期入所施設を基本部門として、必要に応じて給食サ ービスステーション及びヘルパーステーションを一体的に整備した施設。 老人介護の実習等を通じて地域住民へ介護知識、介護技術の普及及び啓発を行うと共に介護のための福祉用具の展示 相談を行い福祉用具などの普及を行う施設

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

2-2 高齢者福祉の歩み

第 2 章 基礎調査

1963年 老人福祉法の制定  低所得者に対する保健施策をこえて、加齢に伴う一般的な介護ニーズが制度の対象 として位置づけられた。しかし、徐々に施設整備等もすすめられたものの、介護を要 する高齢者の数に比べて施設が不足したため、結果的に低所得者が優先された。また、 低所得調査があるなど一般の人に必ずしも利用しやすいものではなかった。 1973年 老人医療の無料化  老人医療費の無料化が実施されたが、高齢者の受信を容易にした反面、老人医療費 は著しく増大した。また、福祉施設と医療機関の費用負担の格差や手続きの違い等か ら入院を選択する、いわゆる「社会的入院」という問題も指摘された。 1970年半ば以降  在宅福祉が重要との認識が高まった。 1980年頃から  通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)が制定される. 訪問介護の所得の制限も引き上げられた。 1982年 老人保健の制定  高齢者医療の負担の公平化と、壮年期からの総合的な保健対策の実施を目指して、 老人保健法が制定された。 1986年 老人保健施設が創設  高齢者にふさわしい看護や介護に重点をおいたケア、医療と福祉と連帯した総合的 サービスの提供が求められるようになり、老人福祉施設が創設された。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査

1989年 ゴールドプラン作成  在宅介護サービスをはじめとする高齢者保健福祉の基盤整備が急速に進んだ。加え て、住民に身近な市町村が、在宅福祉と施設福祉を一元的かつ計画的に提供するため、 在宅介護支援センターが創設された。 1994年 新ゴールドプラン策定

1997年 グループホーム導入

2000年 介護保険制度  一部の限られた問題としてではなく、普遍的な問題となった高齢者介護に対して、 国民皆で介護を支え合おうとする制度。要介護状態になったものが「その有する能力 に応じて自立した日常生活を営む事が出来るよう」必要なサービスを提供する。「高齢 者の自立支援」を理念とし、住み慣れた地域での生活を続けることが出来るよう、自 立を支える多様な在宅サービスを重視している。 ゴールドプラン21策定  日本の高齢化率が世界最高水準となる中で、高齢者保健福祉施策の一層の充実を図 るため、新たなプランを策定。  基本的な目標として、1. 活力ある高齢者像の構築 2. 高齢者の威厳の確保と自立 支援 3. 支え合う地域社会の形成 4. 利用者から信頼される介護サービスの確立が あげられた。 2004年  介護保険が導入されてから5年たった今、高齢者の利用は当初の見込みよりはるか に上回り介護保険財政が厳しくなる。そこで介護保険が見直され、今後10年間で約 四十万人の要介護者抑制を目指す方針を固める。介護から予防重視に転換する方針を 国が検討している。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

2-3 高齢者介護サービス

第 2 章 基礎調査

2- 3- 1 施設サービスの特徴  高齢者介護を施設介護と在宅介護に大別するならば、施設介護は福祉・医療政策と して先行的に制度化が進められた分野であるが、当時の良好な財政事情を反映した低 い料金設定がその後の財政悪化の原因の一つとなっている。また、需要と供給の地域 間格差を伴ったミスマッチや、画一的なサービス体制に起因する各利用者への医療効 果の低さも問題視されてきた。しかし近年は、利用者の個別対応をサービス提供の基 本に据え、介護保険制度などを通じ、在宅介護への誘導を含めた施設介護の多様なあ り方への取り組みが各地で行われている。  特に、社会福祉法人や民間企業が運営主体となっている施設介護においては、医療 効果の向上と採算性の確保を両立させるべく、利用者本位のサービス提供による利用 者の獲得を目指している。例えば、医療サービス体制の充実はもとより、通院や生活 に便利な市街地での立地や、魅力的な食事やサークル活動の提供、あるいは見舞いな ど家族との交流機会の拡大なども工夫として挙げられる。加齢により身体機能が低下 する一方で、貯金や年金、持ち家など、経済成長期の恩恵を得ている高齢者の中には 経済的にゆとりのある人々も多く、医療や介護のサービスを中心に、比較的高い生活 水準が得られる環境を相応の対価により提供する施設のあり方は今後の主流になって いくと思われる。  なお、より利用しやすく公平で効率的な支援制度として近年整備が進められている 介護保険制度では、施設介護に対して以下に関する財政支援が行われている。

いる。 ・� 特別養護老人ホームへの入所 ・� 老人保健施設への入所 ・� 療養型病床群、老人性痴呆疾患療養病棟その他の介護体制が整った施設への入 院

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査

2- 3- 2 在宅サービスの特徴  従来は、専門スタッフと設備を有する病院による施設医療が重視されてきたが、現 在では個人生活の支援を尊重する考え方から、障害を持ったり介護が必要となった場 合でも、可能な限り住み慣れた地域や自宅での生活を継続できるよう、在宅における 医療が求められている。  在宅介護のもたらす効果として、以下が挙げられる。 ・ 本人の生活の質(QOL)の向上 ・ 年々増大する医療費の抑制 ・ 少子高齢化の影響で増大すると考えられる、社会保障への負担の抑制  在宅介護の原則としては、自立支援を基本理念とし、支援の方向として、まず身体 機能においては残存能力の強化を図り、日常生活動作(ADL)の自立と生活の質(QOL) の向上を促進することが重要である。また、風邪などによる一時的な臥床をきっかけ にした二次障害の発生を早期に予防することも必要である。なお、介護方法の選択に あたっては、利用者本人の習慣や価値観に基づく自己決定を尊重しなければならない。  在宅介護が行われるのは住宅内であり、段差の解消や手すりの設置、汚物処理方法、 避難経路の設定など住環境の整備のほか、散歩など利用者の社会参加を推進するため の検討が必要である。検討に際しては、利用者の障害やニーズを明確にするため、利 用者本人や家族へのヒアリングに加え、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)による 助言を得るとともに、住環境の整備においては福祉住環境コーディネーター、介護支 援専門員、そして建築士など各専門家の参加が望まれよう。  これらに対する公的制度としては、社会福祉法に基づく生活支援員制度や地域社会 に関する諸施策の他、医療的な支援としては介護保険制度があり、在宅介護の分野に おいてはホームヘルパー、入浴、リハビリなどのサービスのほか、住宅改修費や福祉 用具の貸与・購入に対する財政支援が行われている。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第 2 章 基礎調査

2- 3- 3 施設介護と在宅介護の受給者数  全国の在宅介護と施設介護のサービス受給者数と保険給付決定状況を以下の図に示 す。年々在宅介護の受給者数が増加しており合計者数では施設介護サービスの受給者 数の約3倍多くなっている。今後もその差は広がるであろう。  しかしながら、表 2-3-3:保険給付決定状況を見ると在宅介護よりも施設介護サービ スの方が若干高くなっている。また、在宅サービス利用者は介護度が低い人、施設サー ビス利用者は介護度が高い人が多い。

区 分

要支援

要介護1

379,016

第1号被保険者 第2号被保険者 合 計

要介護2

865,175

要介護3

382,707

要介護4

267,596

要介護5

194,181

141,256

総数

2,229,931

4,379

28,237

20,403

13,228

9,536

9,169

84,952

383,395

893,412

403,110

280,824

203,717

150,425

2,314,883

表 2-3-1:在宅介護(支援)サービス受給者数(人) 区 分

介護老人福祉施設

介護老人保健施設

介護療養型医療施設

総数

第1号被保険者

347,149

267,274

130,218

第2号被保険者

3,581

5,178

4,193

12,952

350,730

272,452

134,411

757,593

合 計

744,641

表 2-3-1:施設介護サービス受給者数(人)

種類

要支援

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

総額

14,354 在宅介護(支援)サービス

61,652

40,346

39,032

33,222

28,177

216,783

施設介護サービス

15,721

25,203

41,356

67,825

77,707

227,927

103

表 2-3-3:保険給付決定状況・総数(支給額・百万円) いずれの表も平成16年6月現在

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2-4 自治体単位でみた高齢者介護の状況

第 2 章 基礎調査

2- 4- 1 全国と群馬県の状況・比較  全国の老年人口割合は18%(平成13年)であり、群馬県は18.7%であり42 都道府県の内31位となっている。群馬県はほぼ全国平均と同等となっている。  日本全体として高齢化が進んでいるが、群馬県も同様に今後とも高齢化が進むと予 測される。  全国42都道府県の施設の定員数を以下図 2-4-1:介護保険施設定員数(病床数)に 示す。関東圏は人口が多い分だけ定員数も高い、しかしながら、群馬県と栃木県は関 東圏にありながら定員数が低く、他の道府県と近い値となっている。

介護保険施設定員(病床数)

沖縄 鹿児島 宮崎 大分 熊本 長崎 佐賀 福岡 高知 愛媛 香川 徳島 山口 広島 岡山 島根 鳥取 和歌山 奈良 兵庫 大阪 京都 滋賀 三重 愛知 静岡 岐阜 長野 山梨 福井 石川 富山 新潟 神奈川 東京 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城 福島 山形 秋田 宮城 岩手 青森 北海道 0

10000

20000 30000 40000 介護保険施設定員(病床数)

50000

60000

図 2-4-1:全国介護保険施設定員数(病床数)

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第 2 章 基礎調査

高齢者福祉施設数と定員数  全国的に特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームの1施設に対する 定員数の割合は年とともに減少している。特別養護老人ホームと養護老人ホームは全 国では1施設に対して約70名の定員数になっている。しかしながら群馬県では1施 設あたり60名となっている。  群馬県では特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームの定員数/施設 数の値が下がっているが、逆に有料老人ホームの値が高くなっている。

90

120

80

100

70

80

60

60

40

50

20

40 30

0

昭和40年(1975) 昭和50年(1985) 昭和60年(1995) 平成7年 (1999) 平成11年(2001) 平成13年 (1965)

特別養護老人ホーム

養護老人ホーム

軽費老人ホーム

図 2-4-2:定員数/施設数の推移(全国)

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昭和40年(1975) 昭和50年(1985) 昭和60年(1995) 平成7年 (2000) 平成12年(2002) 平成14年 (1965)

特別養護老人ホーム

養護老人ホーム

軽費老人ホーム

有料老人ホーム

図 2-4-3:定員数/施設数の推移(群馬県)

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第 2 章 基礎調査

2- 4- 2 両毛広域圏20市町村の状況 両毛広域圏とは  群馬県と栃木県は、4 世紀末から 5 世紀前半にかけて毛野国(けぬのくに)と呼ば れていたが、その後、上毛野(かみつけの)と下毛野(しもつけの)の2国に分かれ、 これが今日の両県の源となった。この上毛野と下毛野にまたがる地域という意味で、 両毛地域と呼ばれてる。   関東平野の北端、足尾山地の裾野に位置し、地域の中央を渡良瀬川が、南端部を利 根川が流れる水と緑の豊かな地域で、東京から 60 ∼ 100km の距離にあり、地域面積 は 1386 平方キロメートル、人口は約 87 万人である。

関 越 自 動 車 道

栃木県

東 北 自 動 車 道

沼田 宇都宮

群馬県 前橋

小山

高崎 上越自動車道 熊谷

埼玉県

両毛広域圏 図 2-4-2:両毛広域圏地図

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第 2 章 基礎調査

以下の表 2-4-1:両毛広域圏20市町村基礎データは、両毛広域圏20市町村の人口、 面積、人口密度、老年人口割合を示したものである。

県名

市町村名

栃木県

足利市

160887

177.82

904.77

20.2

佐野市

83729

84.37

992.40

17.6

田沼町

29413

180.04

160.54

22.4

葛生町 桐生市

12011 111692

91.66 137.47

131.04 812.48

26.0 23.6

太田市

151667

97.96

1548.25

15.5

館林市 東村

79732 3036

60.98 141.57

1307.51 21.45

18.0 33.7

黒保根村 新里村 尾島町

2667 16527 14083

101.50 35.60 19.34

26.28 464.24 728.18

35.6 17.5 21.8

新田町 藪塚本町 笠懸町

29502 18832 27117

38.22 20.97 18.61

771.90 898.04 1457.12

17.1 15.7 14.1

大間々町 板倉町 明和町

21649 15943 11347

48.05 41.84 19.67

450.55 381.05 576.87

21.6 21.3 19.4

千代田町 大泉町

11640 41291

21.76 17.93

534.93 2302.90

19.7 12.2

27651 870416

31.12 1386.48

888.53 627.42

16.3 20.465

群馬県

邑楽町 平均(平均)

人口

面積(平方km)人口密度(人/平方km)

老年人口割合(%)

表 2-4-1:両毛広域圏20市町村基礎データ

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第 2 章 基礎調査

老年人口割合と福祉施設数  両毛広域圏全体の老年人口割合は20. 465%と全国平均(18. 50%)を上回っ ている。両毛広域圏の福祉施設数は合計で154の施設がある。福祉施設の中でも特 に特別養護老人施設の数が多い。また、人口の多い市町村ほど施設数が多い。  関東圏から遠くなるほど老年人口割合が高くなっていく。東村は老年人口割合が 35. 5%で一番高いが施設数がない。

老年人口割合 10%以上 15%未満

平均 20.465%

東村

15%以上 20%未満 20%以上 25%未満

黒保根村

25%以上 30%未満 30%以上 35%未満

葛生町 大間々町

35%以上 40%未満

田沼町

新里村 桐生市 笠懸町

足利市

藪塚本町

新田町 8 7 6 5 4 3 2 1 0

尾島町

佐野市 太田市

大泉町

邑楽町

千代田町

館林市 板倉町 明和町

養護老人ホーム

軽費老人ホーム

痴呆性高齢者グループホーム

老人福祉センター

特別養護老人ホーム

介護老人保健施設 図 2-4-3:老年人口割合と福祉施設数

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第 2 章 基礎調査

福祉施設総定員数と介護サービス受給者数  両毛広域圏各自治体ごとの福祉施設定員数の平均は297.5人である。足利市が 一番多くて1129人の定員数で、東村は施設がなく0人、次に少ないのが葛生町の 50人である。市と町村の定員数の差が目立った。  介護サービス受給者数では、在宅サービスの方が施設サービスより多い。受給者数 の数と施設定員数がほぼ比例している。        (注:栃木県の足利市、佐野市、田沼町、葛生町の介護サービスの受給者数のデータなし)   1

福祉施設総定員数 1人以上 100人未満 100人以上 200人未満

平均

東村

292.75 人 黒保根村

200人以上 300人未満 500人以上 700人未満 900人以上 1000人未満

葛生町

1000人以上

田沼町

大間々町 新里村 桐生市 笠懸町 1

22500

足利市

藪塚本町

20000 17500 15000

太田市

佐野市

新田町

12500 12000 10000 7500 5000

尾島町

邑楽町 大泉町

館林市

千代田町

板倉町 明和町

2500 0

在宅介護(支援)サービス受給者数

施設介護サービス受給者数

図 2-4-4:福祉施設総定員数と介護サービス受給者数 DIPLOMA�2004

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第 2 章 基礎調査

2- 4- 3 板倉町の状況、位置づけ  群馬県板倉町は人口約 16,000 人。主要産業は農業で、キュウリの生産量が日本一 である。  バブル経済期にニュータウン(総面積:200ha、計画人口:12,000 人)を開発し、 東武日光線の新駅と東洋大学を誘致したが、ニュータウンの人口は 900 人に留まって いる。  両毛広域圏20市町村の中での比較では、板倉町の老年人口割合は 21.3%と 平均値の 20.465%を約 1%上回っている。要介護認定者の数は図 2-4-5 より年々着実 に増加している。その中でも特に際立って増加したのは要介護1の人数である。また、 町民全体での年代別の人口比では図 2-4-6 より推測では今後50歳以上の割合が高く なっていく。 2500

2000

1500 人 1000

500

0

平成12年4月 平成12年7月 平静12年10月 平成13年1月 平成13年4月 平成13年7月 平成13年10月 平成14年1月 平成13年4月 平成14年7月 平成14年10月 平成15年1月 平成15年4月 平成15年7月 平成15年10月 平成16年1月 平成16年4月 平成16年7月

図 2-4-5

:要介護者の要介護度別年推移

要支援

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

18000

16000

14000

12000

10000 人 8000

6000

4000

2000

0

平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年

図 2-4-6 :町民全体での年代別の年推移、推計

年 9歳以下

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10歳代

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

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80歳以上

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第 2 章 基礎調査

図 2-4-7 より板倉町における要介護度平均値は平成12年4月では 2.802 であるが、 平成16年8月には 2.357 となり年々その値は下がる傾向にある。また図 2-4-8 より 高齢者の健康状態は約90%の高齢者が日常生活に支障なく生活できる。従って今後 とも要介護度の値は上がらないと予想される。要介護度の低い高齢者の多くは在宅介 護を利用するため今後とも在宅介護の重要性は増すと思われる。  これまでの基礎調査により、両毛広域圏において板倉町は老年人口割合も全体の平 均値に近く、また施設数やサービスの受給者数なども他の町と似た値である。よって 板倉町を、市部のように比較的介護環境が整備されているのでもなく、また東村や黒 保根村、葛生町等の山村のように高齢化が急速に進んでもない平均的な農村部の代表 として位置づける。 2.9

2.8

2.7

2.6

2.5

2.4

2.3

2.2

平成12年4月 平成12年7月 平静12年10月 平成13年1月 平成13年4月 平成13年7月 平成13年10月 平成14年1月 平成13年4月 平成14年7月 平成14年10月 平成15年1月 平成15年4月 平成15年7月 平成15年10月 平成16年1月 平成16年4月 平成16年7月

図 2-4-7 :要介護度平均年推移 要介護度平均

健康

7%

1% 3% 1%

29%

何らかの障害や慢性の病気 はあるが日常生活に支障無 く交通機関を利用して外出 する 何らかの障害や慢性の病気 はあるが日常生活に支障は なく隣近所へなら外出する

19%

家の中での生活は概ね支障 はないが介助により外出す る 家の中での生活は概ね支障 はないが寝たり起きたりで 介助なしには外出できず外 出頻度も少ない

図 2-4-8 :高齢者健康状態 DIPLOMA�2004

40%

家の中での生活にも何らか の介助が必要で寝ているこ とが多い 不明

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第3章 調査方法

第3章  調査方法

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3-1 調査場所

第3章 調査方法

調査地域位置 おうら

本研究の調査地域となっている群馬県邑楽郡板倉町の所在地は図 3-1-1、図 3-1-2、 図 3-1-3 の通りである。

図 3-1-1:日本地図

群馬県

図 3-1-2:群馬県地図

図 3-1-3:両毛広域圏地図

板倉町

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3-2 調査施設

第3章 調査方法

3- 2- 1 調査対象施設   調査する施設は次の2施設とする。 社会福祉法人 板倉町社会福祉協議会   (通称:社会福祉協議会)   デイサービス、痴呆性高齢者グループホーム、通所介護施設 社会福祉法人ポプラ会 特別養護老人ホーム ミモザ荘  (通称;ミモザ荘)   特別養護老人施設   他に短期入所施設(ショートステイ)、老人日帰り介護施設(デイサービスセンター)   が隣接

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第3章 調査方法

3- 2- 2 調査対象立地 調査場所は以下の図3- 3- 1(調査施設所在地)の通りである。

館林市

藤岡駅

東武日光線

東 北 自 動 車 道

ミモザ荘

中央公民館 板倉中央公園 板倉町役

館林I.C�

東洋大学

社会福祉協議会

板倉東洋大前

渡良瀬遊水地

利根川 羽生市

柳生駅

図3- 3- 1:調査施設所在地

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第3章 調査方法

3- 2- 3 調査施設基礎データ  調査対象施設の竣工年、敷地面積、従業員数、入居・通所者の定員、入居者・通所者、 入居デイサービス以外のサービスに関するデータを表 3-2-1 に示す。

通称

建物の種類

ミモザ荘 社会福祉協議会

特別養護老人施設 デイサービスセンター

建設年ー竣工年

通称 ミモザ荘 社会福祉協議会

定員(入居者)

定員(通所) 60 0

敷地面積(m2)

H10.4.27 H5.5.1

従業員数

6532 9562 入居者数

10 20

70 40 通所者数

60 0

その他施設 デイ、ショートステイ 18 プール

(注:ミモザ荘の通所者数はデータなし)

表 3-2-1:調査施設基礎情報

3- 2- 4 調査対象者  介護に携わる従業員を調査対象とする。

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3-3 アンケート調査・ヒアリング調査

第3章 調査方法

アンケート調査   以下の3つの分類でアンケート調査を行った。 1. 基本的な項目 2. 5段階評価 3. 記述式アンケート調査 1. 基本的な項目    性別、年齢、自宅の住所、職種、雇用形態等基本的な質問 2. 5段階評価    施設介護と在宅介護でそれぞれ異なる質問を5段階で答えてもらう。 3. 記述式アンケート調査    従業員の勤務環境や、介護保険制度等について質問する。 ヒアリング調査   記述式アンケート調査の内容を直接従業員に聞く。 従業員に配布したアンケート用紙は資料編を参照。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

3-4 調査・研究フロー

第3章 調査方法

研究フロー

調査の流れ(フローチャート)

高齢者介護に関 する既往論文

基礎調査

高齢者福祉全般 の調査

両毛広域圏の調査

板倉町の現状把握

アンケート調査

ヒアリング調査

クロス集計法

KJ法

分析

高齢者介護の問題 点の抽出

施設介護と在宅介護 の環境整備の分析

考察 DIPLOMA�2004

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

第4章  調査結果

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施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

4- 1 アンケート調査結果

第4章 調査結果

4- 1- 1 基礎アンケート調査結果  社会福祉協議会とミモザ荘の従業員のそれぞれ男女比、年代、雇用形態、現在の職 場経経験年、介護経験年数、職種の調査結果を以下に図示する。

社会福祉協議会

ミモザ荘

男 15% 男 36%

女 64% 女 85%

図 4-1-1:男女比 5%

7% 32%

26%

11% 43%

39% 37%

20代

30代

40代

50代

図 4-1-2:年代 10%

10%

14% 0%

10%

20% 50% 86%

正社員

準社員

パート

図 4-1-3:雇用形態

DIPLOMA�2004

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40


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

社会福祉協議会

12%

ミモザ荘 4%

24% 25%

32%

18%

46%

~1年

2~5年

6~10年

39%

10~年

図 4-1-4:現在の職場経験年 11%

22%

14% 28%

22%

29% 29%

45%

~1年

2~5年

6~10年

10~年

図 4-1-5:介護経験年数 12%

12% 4%

10%

10%

10%

16% 20% 56%

事務

施設内

在宅

看護士

50%

その他

図 4-1-6:職種

DIPLOMA�2004

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41


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

基礎アンケート調査結果から、図 4-1-1:男女比より両施設とも女性の割合が非常に 高い。  図 4-1-2:年代からは社会福祉協議会よりミモザ荘の方が若い人が働いている割合が 高い。表 4-1-1:基礎データからも約4歳平均年齢が若い。  図 4-1-3:雇用形態からは社会福祉協議会は正社員が1割だが、ミモザ荘は約9割が 正社員である。  表 4-1-4;現在の職場経年と図 4-1-5:介護経験年数からは社会福祉協議会は2∼ 5年の割合が高く、ミモザ荘は介護経験年数の割合は比較的に同じ割合である。表 4-1-1:基礎データでは両施設ともあまり変わらない。ミモザ荘は平均介護年数が偏っ てないことがわかる。  図 4-1-6:職種からは両施設とも居宅より施設で働く人の割合が高い。ミモザ荘の方 が若干看護士の割合が高く医療面で充実している。

社会福祉協議会 平均年齢(歳) 平均介護年数(年) 介護人数(人/日) 施設 平均年齢(歳) 平均介護年数(年) 介護人数(人/日)

ミモザ荘 31.14 5.11 36.75

35.95 4.87 31.83 居宅 33.08 3.33 35

その他 35 4.83 32.5

施設 45.25 10 29.5

居宅 28.38 4.58 43.91

その他 30.88 4.21 85

30.88 4.21 85

表 4-1-1:基礎データ

DIPLOMA�2004

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42


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

4- 1- 2 五段階評価調査結果 社会福祉協議会  図 4-1-7:施設介護の五段階評価(社会福祉協議会)より職員数が不足していること がわかる。施設規模、仕事の充実度は6割の人が満足している。  図 4-1-8:在宅介護の五段階評価(社会福祉協議会)より仕事の充実度は施設よりも 不満と答える割合が高いことがわかる。

良い(多)

やや良い

普通

やや悪い

悪い(少)

職員数 施設規模 仕事の充実度 高齢者との関係 スタッフ間の連携 施設設備の充実度 0%

20%

40%

60%

80%

100%

80%

100%

図 4-1-7:施設介護の五段階評価(社会福祉協議会)

職員数 仕事の充実度 高齢者家族との関係 高齢者との関係 移動、訪問時間 0%

20%

40%

60%

図 4-1-8:在宅介護の五段階評価(社会福祉協議会)

DIPLOMA�2004

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43


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

ミモザ荘  図 4-1-9:施設介護の五段階評価(ミモザ荘)より、職員数が不足していることがわ かる。社会福祉協議会と同様に施設規模、仕事の充実度は6割の人が満足している.  図 4-1-10:在宅介護の五段階評価より職員数が不足していることがわかる。ミモザ 荘も社会福祉協議会と同様に施設介護の仕事の充実度より居宅の方が満足の割合が低 い。

良い(多)

やや良い

普通

やや悪い

悪い(少)

職員数 施設規模 仕事の充実度 高齢者との関係 スタッフ間の連携 施設設備の充実度 0%

20%

40%

60%

80%

100%

80%

100%

図 4-1-9:施設介護の五段階評価(ミモザ荘)

職員数 仕事の充実度 高齢者家族との関係 高齢者との関係 移動、訪問時間 0%

20%

40%

60%

図 4-1-10:在宅介護の五段階評価(ミモザ荘)

DIPLOMA�2004

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44


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

4- 2 クロス集計(社会福祉協議会)

第4章 調査結果

社旗福祉協議会における施設と在宅の五段階評価での項目をクロス集計した結果が、 以下表 4-2-1:クロス集計表(社会福祉協議会)である。  2つの項目の関係性、相関性を図 4-2-1-a から図 4-2-9 で示す。

DIPLOMA�2004

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45


施設介護と居宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果 表 4-2-1:クロス集計表(社会福祉協議会) 施設の設備 良 良

スタッフ間の連帯 高齢者との関係

悪 良

悪 良

仕事の充実

悪 良

施設規模

悪 良

職員数

悪 良

7 0

7

0 0

0 0

5 0

0

0

0

0

0

1

1

0

0

0

0

1

0

2

0

0

0

0

3

スタッフ間の連帯 普

5

3

3

0

1

0

0 12

1 0

1 0

1 0

0 0

0 0

0 0

0 0

0 0

3 0

0

1

1

0

0

0

1

0

1

0

0

3

1

5

0

0

0

0

3

3

2

0

0

7

5

1

4

0

1

0

0

8

1

0

0

0 10

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2 0

0 2

1 0

0 0

0 0

1 0

1 1

0 0

0 0

0 0

1 0

1 1

0 0

0 0

0 0

2 0

1

5 0

3 2

4 0

0 0

1 0

0 0

1 12 0 0

2 1

0 0

2 0

4 10 0 1

0 0

0 0

0 0

0 15 0 0

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1 1

1 5

0 0

0 0

0 0

0 0

0 2

1 3

1 1

0 0

0 1

0 4

2 1

0 0

0 0

0 0

0 1

1 5

1 0

0 0

2 0

6

5 0

1 0

5 0

0 0

1 0

1 0

1 0

8 0

1 0

0 0

2 0

2 0

8 0

0 0

0 0

2 0

0 0

9 0

0 0

0 0

0 0

0 12 0 0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0 1

0 2

0 1

0 0

0 0

0 0

0 1

0 1

0 2

0 0

0 0

0 2

0 2

0 0

0 0

0 0

0 1

0 3

0 0

0 0

0 0

0 3

0 0

0 0

0 0

0 0

4

3 2

1 3

3 0

0 0

1 0

0 1

0 2

8 1

0 1

0 0

2 1

0 3

6 1

0 0

0 0

0 2

0 0

8 2

0 1

0 0

1 1

1 1

6 3

0 0

0 0

0 0

0 0

9 0

5

1

1

0

0

0

0

0

2

0

0

0

1

1

0

0

0

0

2

0

0

0

1

1

0

0

0

0

0

0

施設の設備

高齢者との関係

仕事の充実

施設規模

職員数

訪問時間 良 良

高齢者との関係

悪 良

高齢者家族との関係 仕事の充実

悪 良

悪 良

職員数

悪 良

1 0 0

2 0

8

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0 0 1

0 2 0

2 1 5

0 0 1

0 0 0

2 0 0

4 0

6

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0 0

0 2

0 1

0 0

0 0

0 0

0 3

0 0

0 0

0 0

0 0

4

高齢者家族との関係 普

1 0

0 0

6 0

1 0

0 0

1 0

0 0

6 0

0 0

0 0

0 0

0 0

7 0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1 0

0 1

0 1

0 0

0 0

0 0

0 1

1 1

0 0

0 0

0 0

0 1

1 1

0 0

0 0

1 0

2

0

1

7

0

0

2

2

4

0

0

0

2

5

0

0

0

0

8

0

0

0

1

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0 0

0 1

0 0

0 0

0 0

0 0

0 1

0 0

0 0

0 0

0 0

0 1

0 0

0 0

0 0

0 0

0 1

0 0

0 0

0 0

0 0

2

1

1

6

1

0

1

2

6

0

0

0

2

6

0

0

1

1

6

0

0

0

0

9

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

訪問時間

高齢者との関係

仕事の充実

職員数

DIPLOMA�2004

1

HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

1

46


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

施設介護 「施設の設備」との関係性  図 4-2-1-a より施設の設備への評価がスタッフ間の連帯の程度はあまり変わらない 傾向があることがわかる。  図 4-2-1-b と図 4-2-1-d は似たような傾向となる。施設規模が大きくなると、若干 だがスタッフと高齢者との関係や施設設 備への評価も良くなる傾向がある。  図 4-2-4-c より施設設備が普通以上と 5

答えた人の多くが職員数が少ないと答

4

えたことから、施設設備が良くても職員

3

数が少なくて済む訳ではないことがわか る。

z

悪い

スタッフ間

2 1 0 悪い

普通 普通

の連帯 良い

良い

施設の設備

図 4-2-1-a: スタッフ間の連帯ー施設の設備

5

5 4

4 3 z

悪い

3

2

悪い

1 0 悪い

普通 良い

1 0 悪い

仕事の充実度

普通

良い

良い

良い

施設の設備

施設の設備

図 4-2-1-b: 高齢者との関係ー施設の設備

図 4-2-1-c: 仕事の充実度ー施設の設備

3

5 4 3 z

2

小さい

施設規模

2 人

0 悪い

職員数

大きい

0 悪い 普通

多い

施設の設備

図 4-2-1-d: 施設規模ー施設の設備 DIPLOMA�2004

1

普通

普通 良い

z 少ない

1

普通

2

普通

普通

高齢者との関係

z

良い

施設の設備

図 4-2-1-e: 職員数ー施設の設備 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

47


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「スタッフ間の連帯」との関係性  図 4-2-2-a よりスタッフ間の連帯が異なっていても高齢者との関係は総じて良い傾 向にある。  図 4-2-2-b よりスタッフとの関係も仕事の充実度も普通と答える割合が高く、この 2つの項目は関係性がない。  図 4-2-2-c よりスタッフ間の連帯が普通以下と答えた人が施設規模が大きいと答える ことから、施設規模が大きいとスタッフ間の連帯が悪くなる傾向がある。   図 4-2-2-d よりスタッフ間の連帯も職員数も普通と答える割合が高い。職員数が増 えようがスタッフ間の連帯は総じて中立と予測される。

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

良い

z

悪い 普通

普通

高齢者との関係

12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い 普通

仕事の充実度

良い

良い

良い

スタッフ間の連帯

スタッフ間の連帯

図 4-2-2-a: 高齢者との関係ースタッフ間の連帯

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z 小さい

施設規模

普通

良い

図 4-2-2-c: 施設規模ースタッフ間の連帯

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z 少ない

職員数

普通

普通 多い

スタッフ間の連帯

DIPLOMA�2004

図 4-2-2-b: 仕事の充実度ースタッフ間の連帯

普通 大きい

良い

スタッフ間の連帯

図 4-2-2-d: 職員数ースタッフ間の連帯 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

48


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者との関係」との関係性  図 4-2-3-a より高齢者との関係が変化しようとも仕事の充実度は普通と答えている 人の割合が高い。高齢者との関係が良いと仕事も充実する傾向がある。  図 4-2-3-b より高齢者との関係が良くなると施設規模も普通以上と答える人が多い ことから、施設規模が大きくなると高齢者との関係も良くなることがわかる。  図 4-2-3-c より高齢者との関係が普通以上と答える人は職員数が少ないと答えている ことから、職員数が多いからといって高齢者との関係が良くなるとはいえないと予測 される。

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

普通

仕事の充実度 良い

良い

高齢者との関係

図 4-2-3-a: 仕事の充実度ー高齢者との関係

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z 小さい 普通

6 5 4 人

大きい

良い

普通

図 4-2-3-b: 施設規模ー高齢者との関係

普通 多い

高齢者との関係

DIPLOMA�2004

z 少ない

職員数

普通

施設規模

3 2 1 0 悪い

良い

高齢者との関係

図 4-2-3-c: 職員数ー高齢者との関係 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

49


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「仕事の充実度」との関係性  図 4-2-4-a より仕事の充実度が普通の列において施設規模を普通以上と答えた人が 居ることを考えて、施設規模が大きくなろうとも仕事の充実度にはあまり影響しない ことが予想される。  図 4-2-4-b より普通の割合が高くばらつきがあることから2つの項目はあまり影響 しない。

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z 小さい 普通

施設規模

z 少ない

職員数

普通

普通 大きい

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

普通

良い

多い

仕事の充実度

図 4-2-4-a: 施設規模ー仕事の充実度

良い

仕事の充実度

図 4-2-4-b: 職員数ー仕事の充実度

「施設規模」との関係性  図 4-2-5 より施設規模が普通以上と答 えた人の多くが職員数が少ないと答え た。これより施設(部署によっての広さ) が大きいと職員数が不足する傾向があ 6

る。

5

z

少ない

職員数

4 3 2 1 0 小さい

普通

普通 多い

大きい

施設規模

図 4-2-5:職員数ー施設規模

DIPLOMA�2004

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50


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

在宅介護 「訪問時間」との関係性  図 4-2-6-a より訪問時間への評価が良い(適切)方向になると高齢者との関係も良 くなる傾向がたしょうながらある。  図 4-2-6-b より訪問時間が変化しても高齢者家族との関係は普通以上で悪くはなら ないことがわかる。  図 4-2-6-c より訪問時間が良いと仕事の充実度も良くなる傾向がある。  図 4-2-6-d より訪問時間と職員数の両方とも普通と答えた割合が多くまた全体的に 分散していることからこの2つの項目の関係性、相関性は強くないことがわかる。

5

6 5

4 3 z

悪い

2

4 人 悪い

1 0 悪い

普通

高齢者家族

普通

高齢者との関係 良い

普通 良い

訪問時間

図 4-2-6-a: 高齢者との関係ー訪問時間

7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

仕事の充実度 良い

良い

訪問時間

図 4-2-6-c: 仕事の充実度ー訪問時間 DIPLOMA�2004

良い

訪問時間

図 4-2-6-b:高齢者家族との関係ー訪問時間

6 5 4 人

3 2 1 0 悪い

z 小さい 普通

職員数

普通

普通

との関係

良い

3 2 1 0 悪い

z

普通 大きい

良い

訪問時間

図 4-2-6-d:職員数ー訪問時間 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

51


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者との関係」との関係性  図 4-2-7-a より高齢者家族との関係が良いと高齢者との関係も良いことがわかる。  図 4-2-7-b より仕事が充実している人は高齢者との関係が良いことがわかる。しかし、 それほど強く影響されないと予想される。  図 4-2-7-c より高齢者との関係は普通以上で悪くはない。2つの項目はあまり関係性、 相関性が強くないといえる。

6 5 4 悪い

高齢者家族 との関係

3 2 1 0 悪い

z

普通

普通 良い

良い

高齢者との関係

図 4-2-7-a: 高齢者家族との関係ー高齢者との関係

6

4

5

3 z

悪い

仕事の充実度

2

4 人

1 0 悪い

普通 良い

職員数

普通

図 4-2-7-b: 仕事の充実度ー高齢者との関係

普通 大きい

高齢者との関係

DIPLOMA�2004

小さい

普通 良い

3 2 1 0 悪い

z

良い

高齢者との関係

図 4-2-7-c: 職員数ー高齢者との関係 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

52


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者家族との関係」との関係性  図 4-2-8-a より高齢者との関係は普通以上ということがわかり、また仕事も充実し ていることがわかる。高齢者と良い関係にいると仕事が充実すると考えられる。  図 4-2-8-b より職員数がやや多いと答えた人が高齢者との関係もやや良いと答えて いることから職員数が増えれば職員1人あたりに対する介護する高齢者の数が減りそ の分だけ高齢者との関係が良くなると予想される。しかしながら、職員数が少なくな るからといって高齢者との関係が悪くはならないと考えられる。

5

6 5

4

4

3 z

悪い

2

小さい

1 0 悪い

普通

仕事の充実度

普通

職員数

普通 良い

3 2 1 0 悪い

z

良い

普通 大きい

良い

高齢者家族との関係

高齢者家族との関係

図 4-2-8-a: 仕事の充実度ー高齢者家族との関係

図 4-2-8-b: 職員数ー高齢者家族との関係

「仕事の充実度」との関係性  図 4-2-9 より仕事の充実度は普通とと 答えた人が多く、また職員数も普通と答 えた人が多い。  この2つの項目の関係性、相関性は特 6

にないと言ってよい。

5 4 3 2 1 0 悪い

z 小さい 普通

職員数

普通 大きい

良い

仕事の充実度

図 4-2-9:職員数ー仕事の充実度

DIPLOMA�2004

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53


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

4- 3 クロス集計(ミモザ荘)

第4章 調査結果

ミモザ荘における施設と居宅の五段階評価での項目をクロス集計した結果が、以下 表 4-3-1:クロス集計表(ミモザ荘)である。  2つの項目の関係性、相関性を図 4-3-1-a から図 4-3-9 で示す。

DIPLOMA�2004

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54


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

表 4-3-1:クロス集計表(ミモザ荘) 施設の設備 良

スタッフ間の連帯 高齢者との関係

悪 良

5 0

3

0

0 14

0

0

0

3

0

0

0

0

1

4

0

3

0

0

7

スタッフ間の連帯 普

1 0

2 1

2 8

0 2

0 1

0 0

5 0 12

施設の設備

高齢者との関係

仕事の充実

施設規模

職員数

悪 良

仕事の充実

悪 良

施設規模

悪 大

職員数

小 多

0

0

1

1

0

0

0

0

2

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

4

1

3

0

0

6

2

0

0

0

8

1

2

3

0

0

0

3

2

1

0

0

6

0 0

0 0

8 0

1 2

1 0

1 0

0 0

8 1

0 1

0 0

0 0

0 10 0 0

2

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

5

2

3

0

1

6

2

2

1

0

5

4

2

0

0 11

0

1

3

0

0

0

2

2

0

0

1

2

1

0

0

0

4

0 0 0

0 0 0

7 1 0

2 1 0

0 0 0

1 0 0

1 0 0

7 1 0

0 1 0

0 0 0

2 0 0

0 0 0

6 1 0

1 1 0

0 0 0

0 0 0

0 0 0

8 0 0

2 0

0

2

2

4

0

1

2

2

4

0

0

3

1

5

0

0

3

1

4

0

0

9

3

1

1

1

0

2

2

2

0

0

2

3

1

0

0

5

1

1

0

0

0

6

0 0

0 0

9 0

2 0

0 0

3 0

1 0

6 0

2 0

0 0

3 0

2 0

4 0

2 0

0 0

3 0

2 0

4 0

2 0

0 0

0 0

0 11 0 0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0 1

1 0

0 0

0 0

0 0

0 1

1 0

1 0

0 0

0 0

0 1

1 0

0 0

0 0

0 0

1 1

0 0

0 0

0 0

0 0

1 1

0 0

0 0

0 0

0 0

1 0

1

1 2

1 0

8 2

2 0

0 0

2 2

3 1

6 0

1 1

0 0

4 2

2 2

5 0

1 0

0 0

2 3

3 1

3 1

1 0

0 0

3 0

2 3

7 1

0 0

0 0

0 0

0 12 0 0

4

1

1

4

1

1

2

0

6

0

0

1

1

5

1

0

4

0

0

1

0

4

1

3

0

0

0

0

0

訪問時間 良 普

高齢者との関係 高齢者家族との関係 仕事の充実 悪 良 普 悪 良 普 悪 良 普

職員数 悪 良 普

2

0 0

1 0

7

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2

0

1

0

0

3

0 0

1 0

1 5

0 0

0 0

0 0

2 0

5

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2

0

1

0

0

3

0

0

0

0

3

高齢者家族との関係 普

0 0

1 0

2 4

0 0

0 0

0 0

2 0

1 4

0 0

0 0

0 0

3 0

4

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2

0

1

0

0

3

0

0

0

0

3

0

0

0

0

3

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

5

0

0

0

1

4

0

0

0

2

3

0

0

0

0

5

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

1

1

0

4

0

0

2

1

2

0

0

2

1

2

0

0

2

0

3

0

0

0

0

5

0

1

2

0

0

0

1

2

0

0

0

2

1

0

0

0

1

1

1

0

0

0

0

3

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

訪問時間

高齢者との関係

仕事の充実

普 悪

DIPLOMA�2004

HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

0

8

職員数

1

55


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

施設介護 「施設の設備」との関係性  図 4-3-1-a より施設の設備が良くなるほどスタッフ間の連帯も良くなる傾向がある ことがわかる。  図 4-3-1-b より施設の設備が良くなるほど高齢者との関係も良くなる傾向があるこ とがわかる。  図 4-3-1-c より施設の設備が良くなる ほど仕事の充実度もよくなる傾向がある 8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

ことがわかる。  図 4-3-1-e より施設の設備への評価の 違いに関わらず、職員数への評価は普通 以下と答える割合が高い。

z

悪い

スタッフ間

普通

普通

の連帯

良い

良い

施設の設備

図 4-3-1-a: スタッフ間の連帯ー施設の設備

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

良い

z

悪い

仕事の充実度

普通

高齢者との関係

普通 良い

良い

施設の設備

施設の設備

図 4-3-1-b: 高齢者との関係ー施設の設備

z 小さい

施設規模

普通

図 4-3-1-c: 仕事の充実度ー施設の設備

大きい

z

職員数

普通

図 4-3-1-d: 施設規模ー施設の設備 DIPLOMA�2004

普通 多い

施設の設備

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

少ない

普通 良い

普通

良い

9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

良い

施設の設備

図 4-3-1-e: 職員数ー施設の設備 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

56


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「スタッフ間の連帯」との関係性  図 4-3-2-a よりスタッフ間の連帯が良くなるほど高齢者との関係も良くなる傾向が ある。  図 4-3-2-b よりスタッフ間の連帯が良くなるほど、仕事の充実度もよくなる傾向が ある。  図 4-3-2-c よりスタッフ間の連帯が良いと答えた人が、施設規模は大きいと答えた割 合が多いことから、施設規模が大きくなるほどスタッフ間の連帯も良くなる傾向があ ると考えられる。しかし、施設規模が大きいと答えた人のうちスタッフ間の連帯を普 通と答えた人の割合も多いことから、強く影響はされないと予想される。   図 4-3-2-d より職員数が少ない方がスタッフ間の連帯が良くなる傾向がある。

8 7 6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

良い

z

悪い 普通

普通

高齢者との関係

7 6 5 4 3 2 1 0 悪い 普通

仕事の充実度

良い

良い

良い

スタッフ間の連帯

スタッフ間の連帯

図 4-3-2-a: 高齢者との関係ースタッフ間の連帯

図 4-3-2-b: 仕事の充実度ースタッフ間の連帯

6

6

5

5

4 3 2 1 0 悪い

z 小さい

施設規模

普通

4 人

良い

z

職員数

普通

図 4-3-2-c: 施設規模ースタッフ間の連帯 DIPLOMA�2004

普通 多い

スタッフ間の連帯

3 2 1 0 悪い

少ない

普通 大きい

良い

スタッフ間の連帯

図 4-3-2-d: 職員数ースタッフ間の連帯 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

57


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者との関係」との関係性  図 4-3-3-a より高齢者の関係が良いほど仕事も充実している。  図 4-3-3-b より施設が大きいとの評価に対する高齢者との関係もは普通∼良いで分 散している。  図 4-3-3-c より職員数が少ないからといって必ずしも高齢者との関係が悪くはならな いことがわかる。

6 5 4 3 2 1 0 悪い

z

悪い 普通

普通

仕事の充実度 良い

良い

高齢者との関係

図 4-3-3-a: 仕事の充実度ー高齢者との関係

5

5

4 3 z

2

小さい

施設規模

3

z

1 0 悪い

普通 普通 大きい

2

少ない

職員数

1 0 悪い

普通 普通

良い

高齢者との関係

図 4-3-3-b: 施設規模ー高齢者との関係 DIPLOMA�2004

4

多い

良い

高齢者との関係

図 4-3-3-c: 職員数ー高齢者との関係 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

58


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「仕事の充実度」との関係性  図 4-3-4-a より施設規模が大きい方が仕事の充実度が高くなる傾向があることがわ かる。  図 4-3-4-b より仕事の充実度が良いと答えた列のなかで職員数が少ないと感じた人 が多いことから、職員数が少ないことによる繁忙を「仕事の充実度」として評価して いることがわかる。

4

5 4 3 z

2

小さい

3 人

0 悪い

普通

職員数

普通

施設規模 大きい

2

z

良い

図 4-3-4-a: 施設規模ー仕事の充実度

0 悪い

普通 普通 多い

仕事の充実度

1

少ない

1

良い

仕事の充実度

図 4-3-4-b: 職員数ー仕事の充実度

「施設規模」との関係性  図 4-3-5 より施設規模が大きいと答え た列では職員数が少ないと答えた人が多 い。 7 6 5 4 3 2 1 0 小さい

z

少ない 普通

普通

職員数 多い

大きい

施設規模

図 4-3-5:職員数ー施設規模

DIPLOMA�2004

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59


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

在宅介護 「訪問時間」との関係性  全般に、訪問時間については普通∼良いとの評価を得ており、訪問時間をある程度 確保した介護体制がとられていることが推測される。  図 4-3-6-a と図 4-3-6-b は似たような傾向である。訪問時間が良い(適切)であるほ ど高齢者との関係及び高齢者家族との関係も良くなることがわかる。  図 4-3-6-c より訪問時間が良いと仕事の充実度もよくなる傾向があるがそこまで強く 影響しないと考えられる。  図 4-3-6-d より職員数が増えれば訪問時間も良いと答える傾向がある。

5

4

4 3 z

悪い

2

3 人

0 悪い

普通

高齢者家族

普通

高齢者との関係 良い

z

悪い

1

0 悪い

普通 普通 良い

訪問時間

図 4-3-6-a: 高齢者との関係ー訪問時間

良い

訪問時間

図 4-3-6-b:高齢者家族との関係ー訪問時間

5

4

4 3 z

悪い

仕事の充実度

2

良い

職員数 訪問時間

図 4-3-6-c: 仕事の充実度ー訪問時間

2

z

1

少ない

0 悪い 普通

良い

DIPLOMA�2004

3

1

普通

1

との関係

良い

2

0 悪い

普通 普通 多い

良い

訪問時間

図 4-3-6-d:職員数ー訪問時間 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

60


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者との関係」との関係性  全般に、高齢者との関係については普通∼良いの評価を得ている。  図 4-3-7-a より高齢者家族との関係が良いと高齢者との関係も良いことがわかる。  図 4-3-7-b より仕事が充実している人は高齢者との関係が良いことがわかる。  図 4-3-7-c より高齢者との関係は普通以上で悪くはない。しかしながら、職員数が多 ければなお高齢者家族との関係が良くなるということがいえる。

4 3 z

悪い

高齢者家族

2

1 0 悪い

普通 普通

との関係 良い

良い

高齢者との関係

図 4-3-7-a: 高齢者家族との関係ー高齢者との関係

4

2

3 2

z

悪い

0 悪い

普通 普通

仕事の充実度 良い

良い

図 4-3-7-b: 仕事の充実度ー高齢者との関係 DIPLOMA�2004

少ない

職員数

0 悪い

普通 普通 多い

高齢者との関係

1

z

1

良い

高齢者との関係

図 4-3-7-c: 職員数ー高齢者との関係 HITOSHI WATANABE LAB. WASEDA UNIV.

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第4章 調査結果

「高齢者家族との関係」との関係性  全般に、高齢者家族との関係については普通∼良いの評価を得ている。  図:4-3-8-a より高齢者の関係が良いと仕事も充実していること顕著にわかる。  図:4-3-8-b より職員数が多ければなお高齢者家族との関係が良くなるということが いえる。

3

2

2 人

z

悪い

良い

0 悪い

普通

職員数

普通

仕事の充実度

少ない

0 悪い

普通

1

z

1

良い

普通 多い

高齢者家族との関係

良い

高齢者家族との関係

図 4-3-8-a: 仕事の充実度ー高齢者家族との関係

図 4-3-8-b: 職員数ー高齢者家族との関係

「仕事の充実度」との関係性  図 4-3-9 より全体的に職員数が少ない 傾向にあるが仕事の充実度は普通と答え る人が多い。また、職員数が普通と評価 する層が多いが、それに対応した仕事の 3

充実度は普通・良いで分散している。

2 人

z

1

少ない

0 悪い

普通 普通

職員数 多い

良い

仕事の充実度

図 4-3-9:職員数ー仕事の充実度

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

4- 4 ヒアリング調査結果

第4章 調査結果

社会福祉協議会とミモザ荘のヒアリング、記述式アンケートで得られた全ての結果 は資料編の通りである。  これらの結果を KJ 法で分類すると以下6つの要素に大別される。 1. 福祉制度 2. 施設の対利用者への問題点 3. 従業員の問題点 4. 在宅での従業員の問題点 5. 従業員の勤務環境 6. 従業員の心理面  これらを第5章において分析する。

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63


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

第5章  分析・考察

DIPLOMA�2004

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63


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

5- 1 分析方法

第5章 分析・考察

アンケート調査分析 〈クロス集計での分析〉 クロス集計法とは  クロス集計とは、様々な度数集計の中から単一の項目ではなく、2つの項目に注目し、 その度数を同時に求めてまとめる作業をクロス集計といい、まとめた表はクロス集計 表と呼び、そして2つの項目の関連性を読み取ることができる。

ヒアリング、記述式アンケート調査分析 〈KJ(川喜田次郎)法での分析〉 KJ 法とは  日本の文化人類学者川喜田二郎氏(元東京工業大学教授)が考案した創造性開発(ま たは創造的問題解決)の技法で、川喜田氏の頭文字をとって“KJ法”と名付けられた。 ブレーン・ストーミングなどで出されたアイデアや意見、または各種の調査の現場か ら収集された雑多な情報を1枚ずつ小さなカード(紙キレ)に書き込み、それらのカ ードの中から近い感じのするもの同士を2、3枚ずつ集めてグループ化していき、そ れらを小グループから中グループ、大グループへと組み立てて図解していく。こうし た作業の中から、問題点の分析、テーマの解決に役立つヒントやひらめきを生み出し ていこうとするもの。  KJ法は、もともと川喜田二郎氏が文化人類学者としての自分自身の学術調査のデ ータをまとめるため、および、調査団のチーム作りのために考案したものだが、その後、 川喜田氏自身および周囲の研究者たちの協力によって、さまざまな発展型が生み出さ れた。

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施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

5- 2 分析結果

第5章 分析・考察

5- 2- 1 クロス集計法での分析結果  第4章のクロス集計してグラフに表した図から、社会福祉協議会とミモザ荘の両施 設に共通した傾向を示したものを示す。  その結果、以下のことが明らかとなった。   〈施設介護サービスにおいて〉  ・施設の規模、働いている空間が大きいほうがそれに伴い施設の設備が充実してい   る   ・施設の設備が良いほうが、高齢者との関係も良好になる   ・したがって、施設の規模が大きいほうが、高齢者との関係が良好になる   ・高齢者との関係が良好であるほうが、仕事が充実している   ・職員数が少なくなるからといって、高齢者との関係が悪くなるとは限らない   ・施設の規模、働いている部署の空間が大きいほうが、職員数が不足しがちである     〈在宅介護サービスにおいて〉  ・訪問(移動時間)が適切であるほうが、仕事が充実している。  ・高齢者との関係、また高齢者家族との関係が良好だと、仕事が充実している。  ・高齢者家族との関係が良いと、介護している高齢者との関係も良好である。  ・職員数が少なくなるからといって、高齢者との関係が悪くなるとは限らない。   〈施設介護サービスと在宅介護サービスの共通点〉  ・高齢者との関係が良好であるほうが、仕事が充実している。  ・職員数が少なくなるからといって、高齢者との関係が悪くなるとは限らない。

DIPLOMA�2004

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65


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

5- 2- 2 KJ 法での分析結果  社会福祉協議会とミモザ荘のヒアリング、記述式アンケートで得られた全ての結果 から KJ 法によって分類すると以下の6つにまとまる。 1. 福祉制度           (図 5-2-1) 2. 施設の対利用者への問題点   (図 5-2-2) 3. 従業員の問題点        (図 5-2-3) 4. 在宅での従業員の問題点    (図 5-2-4) 5. 従業員の勤務環境       (図 5-2-5) 6. 従業員の心理面        (図 5-2-6)

図 5-2-1:福祉社会

家庭 施設だけでなく福祉 制度の強化が必要 サービス量が足らない

DIPLOMA�2004

老老介護の家庭にはヘルパーの 手助けがたくさん必要である

開かれた施設で家族との 結びつきの強化

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66


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

現在利用可能であるが、今後も要支援、 要介護1の方もデイサービスを利用でき るよう働きかけてもらいたい

図 5-4-2:施設の対利用者への問題

1人1人に合った 介護サービスが必要 もっといろいろな 施設があっても良い

利用者に出来るところは 出来る時間を与えてあげたい

施設への資金援助が国からでない 高齢者でなく職員中心の 介護になっている 歩行が目的ではなく リハビリ自体目的になっている

高齢化が進むため施設は必要

部署によっては、設備 (広さ等)に不備がある 施設内での介護では 職員の技術が上がりにく

DIPLOMA�2004

施設での利用者の 医療依存度が高い 施設内での高齢者同士 の会話があまりない

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67


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

図 5-4-3:従業員の問題点

スタッフ間の連帯

職員同士の 話し合いの場が必要

現場で働く者の意見を管理官が 前向きに聞き入れる環境

問題が起きたらすぐに 対応できるシステム

定期的な勉強会、 講演等が必要

チームワークに必要なのは、 信頼関係や人間関係

若い職員の経験の向上

現場での研修体制の必要性

DIPLOMA�2004

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68


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

図 5-4-4:在宅での従業員の問題点

介護は在宅で行うべき

介護士、ヘルパーの地位の向上

こじんまりした少人数のデイサー ビスやヘルパーがあった方が良い

バリアフリー化された家が少 ないので、増やしてほしい

図 5-4-5:従業員の勤務環境

職員数が足りない

就業時間、勤務時間の改善

DIPLOMA�2004

自宅から職場までの距離が 近い場所

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69


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

6 つらい

利 用 者 の 事 情 利 用 者 と 従 業 員 の 事 情

利用者が亡くなった 時がつらい

図 5-4-6:従業員の心理面 良い

職員ががんばり.利用者の介護度が低 くなればなるほど、負担費が安くなり 働く意欲に影響がある

利用者とのコミュニケーションが うまくいかない時がつらい 利用者から感謝された時に 働きがいを感じる 痴呆の人がベッドから落ちたり、 防ぎようのない事故が発生し謝罪 するとき

従 業 員 の 事 情

DIPLOMA�2004

主に多忙による心身的、 体力的な不調

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70


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

図 5-4-7:全体の関係図

1 福祉社会

3 従業員の問題点

2 施設の対利用者への問題点

施設

5 勤務環境

6 心理面

在宅

4 在宅での従業員の問題

DIPLOMA�2004

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71


施設介護と在宅介護の環境設備に関する研究

第5章 分析・考察

KJ 法からの分析結果で明らかになった事を文章化する。  ・施設介護は地域に開かれた施設として利用者の家族が来やすい施設にするべき  ・老老介護をしている在宅にはヘルパーの手助けが必需  ・一人一人に適した介護サービス、多様な施設が必要  ・介護だけでなく、自立支援もサポートすべき  ・従業員の研修の場、話し合いの場を設けるべき  ・小規模で少人数のデイサービスや在宅介護も必要  ・介護士、ヘルパーの地位の向上、、身分の保障をしっかりすべき  ・職員数が不足している  ・従業員の心理面は対高齢者からの影響を受けやすい

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5- 3 考察

第5章 分析・考察

クロス法から得られた分析結果と、KJ 法から得られた分析結果を踏まえ、総合して 考察する。  クロス法と KJ 法の両方から、従業員数の不足が大きな問題として明らかになった。 また、施設の規模が大きいほど職員数が不足しがちになることや、施設介護の地域開放、 一人一人に適したサービスの供給、介護士及びヘルパーの地位の向上及び身分の保障 を保護するため次のことを考える。  小規模ならば、施設が大きいほど、職員数が不足しがちな事を解消できる。  もし分散型の施設ならば一つの施設でカバーできる地域が狭く、その地域に密着し た施設、すなわち地域に開かれた施設となると共に訪問時間が短縮できる。またクロ ス法から、従業員にとって訪問時間が適切であれば仕事が充実していることと、高齢 者及び高齢者家族との関係が良好であれば仕事も充実すること、訪問時間が適切であ れば高齢者及び高齢者家族との関係も良好になり、良好になれば一人一人に適したサー ビスもを提供しやすくなると考えられる。  一方で、在宅介護の質が向上すれば、要介護度の低い人を中心に需要が増すと共に、 看護士やヘルパーの地位の向上にもつながる。  なお、施設の規模については、小規模であれば職員数も少なくなるので、それだけ 話し合いの場や研修がしやすくなるといえる。  以上より、これからの高齢者介護は、施設介護の良い要素と在宅の良い要素が伴わ せて生かせる小規模分散型の施設のあり方が望ましいと考える。

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5- 4 まとめ

第5章 分析・考察

これまでの調査結果により、分析結果を簡潔にまとめると、次のことが言える。    両毛広域圏において農村部の代表的な例である板倉町においては、  ・施設介護も在宅介護も必要である  ・互いの良い要素を生かす必要がある    そのためには次の介護施設が適している。  ・小規模分散型の介護施設が適している

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5- 5 展望

第5章 分析・考察

今回の研究では両毛広域圏において代表的な農村部の例として板倉町を調査し、分 析、考察を行ったが、今後は都心部においても実態調査をし、農村部と比較すること によって新たな分析、考察が可能であると考える。  また、小規模分散型のイメージとしては  ・機能と設備:在宅介護的機能と施設介護的機能を伴わせ持つ  ・建築:閉店した商店や、公共施設の転用など有休スペースの有効利用  「建築健康学」との関連  ・通常の介護業務だけでなく、健康維持や健康増進につながる地域環境の拠点。 などが考えられる。

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おわりに

第5章 分析・考察

おわりに  卒業論文を執筆した大学4年生の半年間という期間を、何年後、何十年後の私はど のように捉えるのだろうか。人生のどのような通過点として思い返すのだろうか。そ んな事はその時のあなたにしか分からない事でしょう。だけどもしあなたがこの論文 を読み返すことがあるのなら、今の私にとってのこの半年間が、どのように感じたか を伝えます。    他人の痛みを知る事ができませんでした。  そして、 自分の痛みを知りました。  そして、少しはまともになれました。

謝辞  本論文を書き上げる上で、多方面から数限りないご支援、ご協力を賜りました。  私のようなものを研究室の一員として受け入れてくれただけでなく、私の相談事に ついてアドバイスをして頂いた渡辺仁史教授、心から御礼を申し上げます。  板倉町という研究の場を与えて下さった、また多くの資料を提供してくださった横 田様、そして館林市の小島様、板倉町の川野辺様、御礼を申し上げます。  八王子合宿では、的確なご指摘、助言をして頂いた長澤さん、違うゼミなのに力に なって頂いた小松さんを始め、川島さん、前田さんの都市情報ゼミの皆様、本当にあ りがとうございます。  横尾君を始め卒論生の皆様、今度お酒をのみましょう。  そして最後に、テーマ決めから卒論を仕上げる直前まで、担当として多大なご協力 を頂いた河内さん、改めて厚く御礼を申し上げます。                         平成16年11月7日 浅野耕二

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参考文献・参考資料

第5章 分析・考察

書籍名 福祉住環境コーディネーター検定2級テキスト(東京商工会議所) 介護保険施設等指導監査指針ハンドブック(中央法規) 高齢者・障害者の住宅(建築資料研究会) 福祉住環境2001年度版(サンワコーポレーション)

参考論文 『都市居住高齢者のかかりつけ医療施設の利用特性』(1996 年:浅沼由紀、天野克也) 『高齢者医療施設における看護・介護の業務分析』(1995 年:梁金石、上野淳、筧淳夫) 『館林市と板倉町の高齢者福祉施設の問題点に関する研究』(2001 年:牛山琴美)

参考ホームページ 厚生労働省��http://www.mhlw.go.jp/� 総務省��http://www.soumu.go.jp/� 群馬県庁��http://www.pref.gunma.jp/� 栃木県庁��http://www.pref.tochigi.jp/ 板倉町��http://www.town.itakura.gunma.jp/ 社会保障・人口問題研究所��http://www.ipss.go.jp

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資料編

資料編

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参考資料

平成16年〜〜月〜〜日 早稲田大学渡辺仁史研究室 学部生 浅野耕二 アンケート調査御協力のお願い

はじめまして、こんにちは。早稲田大学学部生の浅野耕二と申します。 このたび、私ども渡辺仁史研究室では、「高齢者介護」をテーマに、調査研 究を続けております。 近年、高齢者人口が増加する中、介護保険制度の実施により介護サービスの 多様化により高齢者、介護職員の意識も変化しているものと思われます。 現在、私の研究論文で、『介護施設で働く職員における介護の現状』という ことで、研究を進めております。 そこで、誠に勝手とは存じますが、アンケート調査にご回答、記入してもら えるよう、御協力お願いします。 又、施設のパンフレット、従業員数、施設の延べ床面積等に関する資料を同 封頂ければ幸いです。 なお、アンケートに関するご質問がありましたら、下記までご連絡ください。 高齢者介護、職員の介護環境における更なる充実を目指し、努力し調査研究 しますので、何卒よろしくお願いします。

東京都新宿区大久保3−4−1 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 浅野耕二 TEL 内線

1


参考資料

アンケート御協力のお願い 早稲田大学建築学科渡辺研究室 4年 浅野耕二

こ の 度 卒 業 論 文 に て 、 介 護 施 設 及 び 訪 問 介 護 に お け る 介 護 実 態 の 調 査 研 究 を 考 え て おり、お手数ですがアンケートに御協力くださいますよう宜しくお願いします。なお、 この調査は研究目的の利用に限定し、回答者に関するプライバシーは遵守致します。

質問 1 1. 性別 ( 男 ・ 女 ) (○で囲んでください) 2. 年齢 ( )歳 3. どちらから通勤されていますか(市町村名) ( ) 4. 通勤手段、通勤時間はどのくらいですか。( : 分) 4.

現在の職種 (□にチェックをしてください 例:□ 複数回答可 ) □ 事務 □施設内サービス □施設外サービス(訪問介護等) □ その他( )

6. 雇用形態 □ 正社員 □ 準社員 □ パート □ ボランテイア □ その他( ) 7. 現在の職場に就いて何年経ちますか。 ( )年 8.

介護関係のお仕事に就いて何年経ちますか。( )年

介護に関係する資格をお持ちでしたら教えてください。( ) 9. 1 ヶ月およそ何日働いていますか。 ( )日 10. 一日に約何人の高齢者と交流、介護をしていますか。( )人 3.

どのようなときに働きがいを感じますか。

( ) 4.

介護に関してどのような時がつらいと感じますか。

( ) 5.

介護の専門家として、ご自身の現在の勤務条件の他、将来に向けた自己啓発や知識・ 技能の向上のためにはどのような環 境が望ましいとお考えですか。ご自由にお書きく ださい。

2


参考資料

質問2 次の質問に5段階でお答えください A 施設内で働いている方に質問です 枠内に○印を記入してください

1

施設の設備は充実していますか

2

スタッフ間の連帯は円滑ですか

3

高齢者との関係は円滑ですか

4

仕事は充実していますか

5

現在の施設の規模はどうですか

6

職員の数はどうですか

良い

普通

大(多)

普通

良い

普通

大(多)

普通

悪い

小(少)

B 訪問、送迎サービスをしている方に質問です 枠内に○印を記入してください

1

訪問、巡回移動時間は適切ですか

2

高齢者との関係は円滑ですか

3

高齢者の家族との関係は円滑ですか

4

仕事は充実していますか

5

悪い

小(少)

職員の数はどうですか

A,B いずれの方にも、勤務に関して何かその他に具体的な問題点等ありましたらお書きください。

質問 5 板倉町において介護施設を増やす必要があるとお思いですか。 はい 、 いいえ 理由( )

最後に、現在の高齢者介護、又は介護保険制度について思うことがあれば教えてください。

ご協力ありがとうございました。

3


参考資料

ヒアリング・記述式アンケート調査(社会福祉協議会) どのようなときに働きがいを感じますか 喜んでもらったとき 食事がおいしいと言われた時 ありがとうと言われた時 利用者が笑顔で話をしてくれたとき 思いがけず感謝の言葉をもらったとき 利用者がお礼の言葉を言われた時や、楽しそうな雰囲気を感じたとき 利用者から『ありがとう』と言われた時 忙しいとき『いつもありがとう』と言われたとき ここに来て良かったよと声をかけられた時 自分を必要と思ってもらえる人がいる。 喜ばれたとき お年寄りの楽しそうな笑顔を見たとき 利用者の方の笑顔 ありがとうと言われた時 笑顔を見せてくれた時 利用者の笑顔 利用者の喜ぶ姿を見た時 日頃言えないような心の悩み等を話してもらえた時 介護に関してどのような時がつらいお感じますか 体力的なこと 腰痛を感じるとき 腰の酷使 自分自身の体調が悪いとき 利用者が『もう死にたいよ』と言ってきた時 何をやっても気分んが乗らず、失敗が続いてしまったとき 自分の体調不良 年とともに体に負担がかかるとき 腰痛、体調不良 肉体的疲労を感じるとき 利用者の方が亡くなった時 体調不良 疲れている時 福祉の限界を感じる時 利用者の方が亡くなった時 特になし 介護の専門家として望ましい環境とは 介護の在り方等勉強ができたり、抗議、講演等を積極的に受けられる環境が望ましい。 バリアフリー化された家が少ないので、増やしてほしい。 自宅から職場までの距離が近い場所 問題点に対し、積極的に話し合いをする場を増やす。分からないことがあった場合、そ れをすぐ聞けるような雰囲気が良いと思う。 利用者のことや問題点があったときに話し合えるような環境が望ましい。 フレキシブルな勤務時間等が必要 研修体制の強化 実践して学ぶことが必要

問題点 特になし。 利用者にできるところはできる時間を与えてあげたい 特になし 他の施設よりも1.5倍増の職員配置を実施していても、営業時間と職員の就業時間が合わ ない 板倉町に施設は必要か 施設に入りたくても入れずに待っている方が多いから。 もっといろいろな施設があっても良いと思う。 高齢者が増えているため 今後も高齢者数は増加すると思われるので。 高齢者が増えているため サービス量が足らない 高齢者の方が多く、サービスを受けていない人がいるので。 高齢者が増える中で、人それぞれ介護の仕方も違ってくるので少しでも一人一人の希望 にそった介護が難しい。 時期が早かった中、中身の吟味が甘かったのではと考える。

4


気温の高い時 泣かれてしまうともらい泣きをしてしまう 会話が思うように行かなかったり 自分の言おうとしていることを理解してもらえないとき 利用者が亡くなった時

何でも話し合える環境が好ましいと思う 若い職員の経験の向上

思い通りのケアができなかった時 日常的に疲れがたまり大変 体力がついていかない時 利用者がオムツを抜去して全更衣の時 早番(冬期)

定期的な勉強会 現場で働く者の意見を管理官が前向きに聞き入れる 問題が起きたらすぐに対応できるシステム 利用者の訴えがわからない時 開かれた施設を目指し、家族との結びつきを強くしていくべき 日々勉強できる場 話し合い、勉強会が必要 部署によっては、設備(広さ等)に不備がある

農村部では施設に入居するのは中流階層(低所得者)以下の高齢者 施設への資金援助が国から出ない 施設内での高齢者同士の会話があまりない 施設内での介護では職員の技術があがりにくい これから高齢化が進むにつれて、介護制度の穴が明確になりつつあるので、細か点で寄 りよい制度を築くべき 現在利用可能であるが、今後も要支援、要介護1の方もデイサービスを利用できるよう 働きかけてもらいたい. 職員ががんばり、利用者の介護度が低くなればなるほど、負担費が安くなり働く意欲に 影響がある

夜勤者の数が少ない 現場での職員数が少ない 職員同士の話し合うが少ない はい こじんまりした少人数のデイサービスやヘルパーがあった方が良い 一長一短 これから高齢化が進むため 施設が少ない 特別養護老人ホームのような宿泊施設が少ない 福祉面での充実 地域福祉 施設も必要だが福祉も充実させたい 介護職は現場で働いてはじめてその仕事の厳しさ、やりがいが分かることができる職業 歩行が目的ではなくリハビリ自体目的になってしまっている 高齢者でなく職員中心のかいごになっている

介護は在宅で行うべき ヘルパーへの生活や身分保障、専門性の評価をもっと高めてほしい 現場での研修の大切さを実感してほしい 介護士という職の認知度の向上

老老介護の家庭にはヘルパーの手助けがたくさん必要である 家族間が希薄なので、大変なケースが増えている 低所得者に対する対応がまるでできてない制度に問題

いいえ

家族の方に喜んでもらえた時 高齢者と関わる時 相談業務の時 利用者に喜んでいただけたりした時等

高齢者の笑顔を見た時 利用者の力になれてる時

特に職場で重要な点は、人間関係である。他職種との連帯でチームワークに必須なのは 信頼関係である。それはどこの職場でも同じ。 職員数が少ない

在宅

施設内

労働量、仕事量に見合った職業ではない.

ナース3人正職員だが、施設での利用者の医療依存度が高く、又大気(電 話番)があるため人数が少ない気がする

プロとして日々の勉強は必要。何よりよい環境を作ろうとする心構えが大 切である

利用者の具合が悪きなった時 身体的に疲れるとき 感じたことがまだない 痴呆の人がベットから落ちたり防ぎようのない事故が発生し謝罪するとき

ありがとうと言われた時 感謝されたとき 利用者の笑顔を見たとき

その他

参考資料

ヒアリング・記述式アンケート調査結果(ミモザ荘)

5


参考資料

6


参考資料

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参考資料

8


参考資料

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参考資料

10


参考資料

介護保険費用等の見込み 居宅サービスの総費用 区分

単位:千円 平成15年度

平成16年度

平成17年度

平成18年度

平成19年度

訪問介護(回)

18589

18472

18948

19871

20395

訪問入浴(回)

9674

9786

10222

10883

11375

訪問看護(回)

3825

4018

4359

4806

5187

359

359

375

390

411

108827

111585

121567

138640

149989

11933

11853

12166

12748

13097

652

709

822

907

992

29370

30237

32140

34857

35787

福祉用具貸与(件)

6126

6146

6367

6741

6987

福祉用具購入費支給

1216

1338

1472

1619

1781

住宅改修費支給

4492

4942

5436

5980

6577

46153

46153

46153

46153

46153

訪問リハビリテーション(回) 通所介護(回) 通所リハビリテーション(回) 居宅療養管理指導(人) 短期入所生活、療養介護(日)

痴呆対応型共同生活介護 特定施設入所者生活介護 居宅サービス費1合計 居宅介護支援費

11437

11437

11437

11437

11437

252653

257035

271464

295032

310168

19995

19995

20421

21484

22016

高額介護サービス費支給

1746

1921

2113

2324

2557

審査支払い手数料

1134

1247

1372

1510

1660

22875

23163

23906

25318

26233

275528

280198

295370

320350

336401

居宅サービス費2合計 居宅サービス総費用

施設サービスの総費用 区分

単位:千円 平成15年度

平成16年度

平成17年度

平成18年度

平成19年度

介護老人福祉施設

123569

139776

153990

154729

156123

介護老人保健施設

3176

176617

176617

176485

182871

介護療養型医療施設

53439

72887

82511

93873

119777

施設サービス総費用

330184

389280

413118

425087

458771

標準給付見込額 区分

単位:千円 年額 平成15年

平成16年

平成17年

居宅費用

275528

280198

295370

施設費用

330184

389280

413118

合計

605712

669478

708488

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参考資料 要介護認定者数及び各サービスの利用見込み 板倉町における要介護認定数の推移 区分 高齢者人口比(%) 要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 合計

単位:人 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 11.00% 11.30% 11.60% 11.90% 12,2% 29 29 30 32 32 94 97 101 105 108 68 71 73 74 77 57 60 61 64 67 70 73 76 79 82 52 53 55 56 58 370 383 396 410 424

板倉町における施設サービス利用者数の推移 区分 高齢者人口比(%) 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 合計

単位:人 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 3.00% 3.50% 3.70% 3.70% 3.90% 39 44 49 49 49 50 57 57 57 59 13 18 20 23 29 102 119 126 129 137

板倉町における居宅サービス対象者数 区分 高齢者人口比(%) 要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 合計

単位:人 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成15年度 8.00% 7.80% 7.90% 8.20% 8.30% 29 29 30 32 32 83 86 90 95 98 51 53 54 56 58 35 38 35 37 36 41 36 35 38 41 29 22 24 23 22 268 264 270 282 287

板倉町における居宅サービス利用者数 区分 高齢者人口比(%) 要支援 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 標準的居宅サービス利用者合計 高齢者人口比(%) 痴呆対応型共同生活介護 特定施設入居者生活介護 居宅サービス利用者合計

単位:人 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 5.70% 5.60% 5.70% 5.90% 6.00% 16 16 16 17 18 67 67 68 72 74 40 39 40 42 44 25 24 25 26 27 31 31 32 33 34 12 12 13 13 13 191 189 194 203 210 0.70% 0.70% 0.70% 0.70% 0.70% 19 19 19 19 19 5 5 5 5 5 215 213 218 227 234

各居宅サービス別の利用料見込み 区分 訪問介護(回) 訪問入浴(回) 訪問看護(回) 訪問リハビリテーション(回) 通所介護(回) 通所リハビリテーション(回) 居宅療養管理指導(人) 短期入所生活、療養介護(日) 福祉用具貸与(件) 居宅介護支援(人) 福祉用具購入費支給(件) 住宅改修費支給(件) 高額介護サービス費支給(件)

平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 5116 5084 5215 5469 5613 864 874 913 972 1016 573 602 653 720 777 70 70 73 76 80 13061 13392 14590 16639 18001 1333 1324 1359 1424 1463 23 25 29 32 35 2778 2860 3040 3297 3385 567 569 589 624 647 188 188 192 202 207 63 69 76 84 92 37 41 45 50 55 358 394 433 476 524

12


参考資料 高齢者世帯及び住居の状況 世帯の推移 区分 一般世帯総数 a

昭和50年

昭和55年

昭和60年

平成2年

単位:世帯 平成12年

平成7年

3357

3467

3579

3760

3876

4440

3245 1436 1809

3346 1457 1889

3405 1518 1887

3472 1626 1746

3561 1800 1761

6794 2093 1701

うち三世代世帯c 非親族世帯 単独世帯 d b/a*100

479 3 109 42.80%

595 5 116 42.00%

663 3 168 42.40%

663 3 285 43.20%

609 3 313 46.40%

537 11 635 47.10%

c/a*100 d/a*100

14.30% 3.20%

17.20% 3.30%

18.50% 4.70%

17.60% 7.60%

15.70% 8.00%

0% 14.30%

親族世帯 核家族世帯 b その他の親族世帯

(国勢調査) 高齢者世帯の推移 区分

単位:世帯 昭和50年

昭和55年

昭和60年

平成2年

平成7年

平成12年

一般世帯総数 a

3357

3467

3579

3760

3876

4440

65歳以上の親族のいる一般世帯 b 高齢者単独世帯 c いずれも65歳以上の高齢夫婦世帯 d

1334 62

1555 62 44

1656 77 43

1888 76 142

2121 97 121

2237 122 161

39.70% 1.80%

44.90% 1.80% 1.30%

46.30% 2.20% 1.20%

50.20% 2.00% 3.80%

54.70% 2.50% 3.10%

50.40% 2.70% 3.60% (国勢調査)

b/a*100 c/a*100 d/a*100

高齢者のいる世帯の住居の状況 区分

単位:世帯 平成2年 世帯数

平成7年 世帯数

割合

平成12年 世帯数

割合

割合

持ち家 公営、公団、公社の借家

1871 2

99.10% 0.11%

2104 1

99.20% 0.05%

2215 1

99.02% 0.04%

民営の借家 給与借家 間借り その他 合計

11 3 1 0 1888

0.58% 0.16% 0.05% 0.00%

8 2 3 3 2121

0.38% 0.09% 0.14% 0.14%

12 3 3 3 2237

0.54% 0.13% 0.13% 0.13% (国勢調査)

高齢者の就業及び労働力人口の状況 労働力人口の推移 区分

人口総数

労働力人口

割合

昭和50年

昭和55年

昭和60年

平成2年

単位:人 平成12年

平成7年

15〜64歳 a1

10880

10577

10342

10276

9957

10352

65歳〜 b1 計 c1 15〜64歳 a2

1693 12573 8315

1992 12569 8191

2183 12525 7954

2606 12882 7829

3030 12987 7511

3285 13637 7851

65歳〜 b2 計 c2

574 8889

632 8823

673 8627

860 8689

1093 8604

1169 9020

a2/a1*100 b2/b1*100

76.40% 33.90%

77.40% 31.70%

76.90% 30.80%

76.20% 33.00%

75.40% 36.10%

75.80% 35.60%

c2/c1*100 b2/c2*100

70.70% 6.50%

70.20% 7.20%

68.90% 7.80%

67.50% 9.90%

66.30% 12.70%

66.10% 13.00%

昭和50年:高齢者福祉基礎 昭和55年〜:国勢調査

13


参考資料

板倉町(要支援)認定者数 年

月 12

13

14

15

16

要支援

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

合計

要介護度平均

4

74

177

227

232

275

152

1137

2.802990325

5

79

192

226

241

282

154

1174

2.78109029

6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

83 88 86 83 77 82 86 82 90 85 85 88 92 90 94 108 114 118 119 118 120

204 205 220 243 258 256 266 267 293 296 297 303 311 306 301 315 330 343 353 364 356

234 241 233 227 226 235 227 235 242 253 271 256 268 276 275 277 276 297 301 308 321

248 251 248 250 247 220 211 213 206 203 207 226 240 242 258 254 268 254 244 245 232

291 296 297 301 301 299 296 299 313 315 315 316 309 304 291 288 280 286 294 290 291

160 160 157 154 151 152 157 161 168 168 167 171 168 172 187 185 198 199 193 192 185

1220 1241 1241 1258 1260 1244 1243 1257 1312 1320 1342 1360 1388 1390 1406 1437 1466 1497 1504 1517 1505

2.770491803 2.75906527 2.742143433 2.719395866 2.706349206 2.686495177 2.672566372 2.68655529 2.65777439 2.659848485 2.649031297 2.655882353 2.624639769 2.633093525 2.648648649 2.580375783 2.589358799 2.563794255 2.545212766 2.528015821 2.513621262

3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2

121 122 127 133 143 148 151 159 165 175 170 170 176 174 176 177 176 172 166 176 182 179 176 184

357 371 368 368 388 395 410 423 434 446 445 439 451 456 456 464 461 499 511 532 531 530 534

323 324 326 320 317 314 330 336 338 342 350 363 365 361 366 359 370 360 357 361 355 367 370

216 225 232 237 239 250 262 260 260 262 265 277 284 282 291 299 299 300 293 292 295 292 298

306 311 311 314 322 323 313 317 307 302 299 303 301 313 314 306 305 299 324 331 331 336 326

182 180 190 197 195 201 203 203 211 205 197 197 205 212 227 235 242 232 227 225 228 217 206

1505 1533 1554 1569 1604 1631 1669 1698 1715 1732 1726 1749 1782 1798 1830 1840 1853 1862 1878 1917 1922 1921 1910

2.514950166 2.503587736 2.516087516 2.523900574 2.495012469 2.495401594 2.470341522 2.448763251 2.433236152 2.395496536 2.38760139 2.397369926 2.391694725 2.411568409 2.432786885 2.433695652 2.443604965 2.403329753 2.414802982 2.388628065 2.388137357 2.378448725 2.357068063

3 4 5 6 7 8

183 187 191 188 190 183

539 535 535 553 577 575 575

362 375 388 373 374 374 371

307 315 319 327 323 333 331

329 323 326 325 325 332 333

206 207 209 211 215 216 221

1927 1938 1964 1980 2002 2020 2014

2.350804359 2.351393189 2.350814664 2.340909091 2.332167832 2.341584158 2.357000993

14


割合

労働力人口

高齢者の就業及び労働力人口の状況 労働力人口の推移 区分 人口総数

親族以外の人との交流状況 性別 男 女 合計

親族との交流状況 性別 男 女 合計

10 25 35 33.30%

9 26 35 34.00%

15〜64歳 a1 65歳〜 b1 計 c1 15〜64歳 a2 65歳〜 b2 計 c2 a2/a1*100 b2/b1*100 c2/c1*100 b2/c2*100

殆ど毎日

殆ど毎日

103 98.10%

74

合計

29

いる

4 4

8 7.60%

65〜69歳

親族の有無 性別

合計

ひとり暮らし高齢者世帯の状況 性別 男 女

要介護高齢者の状況

7 28 35 33.30%

10 35 45 43.70%

7 6.80%

6

1

37 35.20%

10 27

24

7

7 13 20 19.00%

1週間に1回

7 9 16 15.50%

31 30.10%

500m以内

年に数回

5 20 25 23.80%

75〜79歳

22

4 26 25.20%

2 8 10 9.50%

1ヶ月に1回

3 3 6 5.80%

殆ど会わない

町内

6 18 24 22.90%

80〜84歳

いない

不明

県内

4 7

2 1 3 2.90%

0 1 1 1.00%

13 12.60%

7

6

11 10.50%

85〜89歳

29 74 103

26 25.20%

15

11

0 0%

不明 0 0 0%

0

いない

その他 1 1 2 1.90%

29 76 105

1 1%

15

昭和55年〜:国勢調査

昭和50年:高齢者福祉基礎調査

(平成14年度ひとり暮らし高齢者基礎調査)

合計

0 1

不明

(平成14年度ひとり暮らし高齢者基礎調査

105

単位:世帯(人) 合計 0 29 0 76

(平成14年度ひとり暮らし高齢者基礎調査)

合計

その他

90歳以上

単位:人 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 10880 10577 10342 10276 9957 10352 1693 1992 2183 2606 3030 3285 12573 12569 12525 12882 12987 13637 8315 8191 7954 7829 7511 7851 574 632 673 860 1093 1169 8889 8823 8627 8689 8604 9020 76.40% 77.40% 76.90% 76.20% 75.40% 75.80% 33.90% 31.70% 30.80% 33.00% 36.10% 35.60% 66.30% 66.10% 70.70% 70.20% 68.90% 67.50% 6.50% 7.20% 7.80% 9.90% 12.70% 13.00%

2、3日に1回

月に数回

同一敷地内

70〜74歳

0 1 1%

1

(平成14年度ひとり暮らし高齢者

105

76

29

単位:世帯(人) 合計

参考資料


群馬県

栃木県

県名

群馬県

15943

11347

11640

41291

27651

板倉町

明和町

千代田町

大泉町

邑楽町

2645

3277

3334

2795

1223

1629

4682

3356

藪塚本町

笠懸町

大間々町

板倉町

明和町

千代田町

大泉町

邑楽町

平均

2547

4250

尾島町

新田町

1701

新里村

305

788

885

1390

1613

635

887

936

1729

1088

1031

1547

1130

845

201

4889

11795

7379

21768

太田市

東村

1

25151

桐生市

黒保根村

0

葛生町

6

0

0

0

0

0

1

0

0

0

0

0

0

0

1

1

0

田沼町

8599

1

1

足利市

館林市

627.42

888.53

2302.9

534.93

576.87

381.05

450.55

1457.12

898.04

771.9

728.18

464.24

26.28

21.45

1307.51

1548.25

812.48

131.04

160.54

992.4

904.77

人口密度

16.3

12.2

19.7

19.4

21.3

21.6

14.1

15.7

17.1

21.8

17.5

35.6

33.7

18

15.5

23.6

26

22.4

17.6

20.2

577

3

25

1

0

1

1

1

0

1

1

0

1

0

0

0

3

3

7

0

0

2

2

32

2

2

0

0

1

2

2

2

0

1

1

0

0

4

6

4

0

1

2

53

153

27

34

52

49

42

45

82

66

27

32

50

183

398

1

2

7

11

4

23

1

1

1

1

1

0

0

0

1

1

1

0

0

1

4

4

0

0

2

89

134

43

32

75

99

100

81

108

69

54

15

17

375

631

739

要介護2

定員数

83

104

49

47

69

77

94

69

127

59

42

11

17

315

519

591

要介護3

94

102

46

40

63

82

94

71

128

69

57

16

17

323

508

540

要介護4

8

40

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

0

1

0

3

6

7

1

1

3

6

28

1

1

0

0

0

1

1

1

0

0

1

0

0

3

6

3

0

1

3

480

0

0

0

0

0

80

0

0

0

0

0

0

0

80

50

120

0

0

50

100

704

15

0

15

15

30

0

15

30

0

30

0

0

0

90

85

171

0

0

80

128

合計

4382

563

811

268

275

418

606

608

457

768

436

349

132

146

1938

3649

3356

4682

1629

1223

2795

3334

3277

2645

4250

2547

1701

18

404

18

45

0

0

9

3

36

27

0

9

9

0

0

63

59

63

0

9

36

885

788

11795

21768

25151

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

2337

50

70

50

50

60

50

50

50

70

70

0

50

0

180

350

440

50

54

170

473

1930

70

65

0

0

0

100

100

50

0

0

100

0

0

260

410

110

0

20

235

410

在宅介護支援センター老人福祉センター 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 計

平成14年度

1390

1613

635

887

936

1729

1088

1031

1547

1130

845

201

305

4889

7379

8599

居宅介護(支援)サービス受給者数 施設介護サービス受給者数

平成16年3月群馬県福祉課

62

74

27

26

39

78

60

59

118

59

49

14

10

207

434

455

要介護5

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 養護老人ホーム 軽費老人ホーム 痴呆性高齢者グループホーム

182

244

76

96

120

221

218

132

205

114

120

44

35

535

1159

1480

要介護1

2004年5月1日国土交通省

6605

33227

老年人口割合 高齢者人口 要支援

居宅介護(支援)サービス受給者数 施設介護サービス受給者数 養護老人ホーム 軽費老人ホーム 痴呆性高齢者グループホーム 在宅介護支援センター 老人福祉センター

1386.48

31.12

17.93

21.76

19.67

41.84

48.05

18.61

佐野市

市町村名

施設数

870416

21649

大間々町

平均

27117

笠懸町

20.97

38.22

29502

18832

新田町

藪塚本町

14083

35.6

19.34

16527

101.5

尾島町

2667

黒保根村

141.57

60.98

97.96

137.47

91.66

180.04

84.37

177.82

面積

新里村

3036

79732

館林市

東村

111692

151667

桐生市

12011

葛生町

太田市

83729

29413

佐野市

田沼町

160887

足利市

栃木県

人口

市町村名

県名

両毛広域圏

5855

153

180

65

65

99

233

201

157

70

109

109

50

0

673

954

904

50

83

571

1129

参考資料

16


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