吹き抜け階段による オフィス複数フロアの有効利用に関する研究

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吹き抜け階段による オフィス複数フロアの有効利用に関する研究 A Study on Effective Use of a Multi Floor Office with a Stairwell

早稲田大学理工学部 建築学科 1G02D001 會澤 太郎


吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

はじめに

はじめに

ビルの真ん中にすっと開いた穴、それはビルのフロアをいとも簡単に貫いている。そこ には階段がおかれていて垂直方向の動線が貫いている。 暴力的な手法かもしれないとは思いつつも、その計画に惹かれて、この研究を始めるこ とを心に決めた。その計画により建物のフロアが単なる輪切りの連続ではなくなり、一つ の立体的な空間として利用されることを求めてこの研究を進めた。

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

目次

目次

はじめに

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目次

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第1章 研究背景

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1-1 研究背景

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1-2 高層オフィスの平面計画と階段及び ELV の計画 1-2-1 高層オフィスビルにおける平面計画

6

1-2-2 高層オフィスビルにおける階段及び ELV の計画

12

1-2-3 近年のオフィスビルの吹き抜け階段

14

1-3 階段と ELV の特性

17

1-4 既往研究

19

1-5 用語の定義

21

第2章 研究目的

22

第3章 研究概要

24

第4章 階段・エレベーターの利用実態調査

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4-1 調査方法

27

4-2 調査結果 4-2 t 調査結果(オフィス T)

31

4-2 m 調査結果(オフィス M)

34

4-2 s 調査結果(オフィス S)

37

4-2 h 調査結果(オフィス H)

40

4-2 b 調査結果(オフィス B)

43

4-3 調査結果 - 移動階数と手段 第5章 吹き抜け階段の利用者意識調査

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5-1 調査方法

53

5-2 調査結果

55

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目次

目次

第6章 まとめ

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6-1 階段・エレベーターの利用実態分析

61

6-2 吹き抜け階段の利用者意識分析

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6-3 考察

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6-4 残された課題と展望

66

参考文献

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おわりに

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資料編

69

- オフィスプランデータ

70

- 吹き抜け階段計画オフィスデータ

74

- 調査オフィスデータ

75

- 調査用紙

80

- 利用実態調査データ

85

- 利用者意識調査データ

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第1章 研究背景

第1章 研究背景 1-1 研究背景 1-2 高層オフィスの平面計画と 階段及びエレベーターの計画 1-2-1 高層オフィスビルにおける 平面計画 1-2-2 高層オフィスビルにおける 階段及び ELV の計画 1-2-3 近年のオフィスビルの 吹き抜け階段 1-3 階段と ELV の特性 1-4 既往研究 1-5 用語の定義

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第1章 研究背景

研究背景

■研究背景 建築物の高層化の上で垂直方向の移動手段は重要な意味を持ち、高層のものでは平面 での面積占有率は 18% を超えるものもある。近年中高層オフィスビルでは、非常階段と は別に吹き抜け階段を設け、そこに垂直方向の動線を確保する計画が多くみられるように なってきた。しかしながら、その吹き抜け階段の利用実態と影響に関する既往研究はまだ ない。 吹き抜け階段はオフィスの一体感やコミュニケーションの促進を意図して計画されてい る。その吹き抜け階段により動線の自由度が増し、利便性が向上するばかりでなく、エレ ベーターと階段との使い分けにより、階段とエレベーターの効率的な運用と計画が実現さ れる。そのことは複数のフロアにまたがった執務空間をもつオフィスの空間の効率的な運 用、有効な活用につながると考える。 エレベーターに強く依存した現状から、階段とエレベーターの使い分けを促し、近い階 への移動時のエレベーターの利用を抑制し、それにより、省エネルギーに貢献する。さら に、エレベーターの利用抑制は、大きな荷物のある人やハンディキャップのある人等のエ レベーターを使わざるを得ない人や遠く離れた階への移動の人の待ち時間の短縮にもつな がる。 次のページより、下記の4項目について述べていく。 - 高層オフィスビルにおける平面計画 - 高層オフィスビルにおける階段及び ELV の計画 - 近年のオフィスビルの吹き抜け階段 - 階段と ELV の特性

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第1章 研究背景

高層オフィスビルにおける平面計画

■高層オフィスビルにおける平面計画 □超高層ビルの現状 - 日本での展開 我が国のオフィスビルは 31m の低層のものから、36 階建ての超高層ビルへと劇的な展 開を見せた。建築基準法の改正を待たなければならなかったということのほか、手計算で はできない超高層ビルの動的解析がコンピューターにより可能になったこと、すなわち、 柔構造の技術が開発されたことがその契機となった。日本の超高層ビルは、欧米に比べそ の実現は遅れたものの、低層オフィスビルや工場建築等の各種構造物の経験で蓄積されて きたプランニング手法、架構手法、工業化手法が技術的に集大成された形で出現した。 我が国では、地震国であることの影響が大きく、構造計画上の合理性が優先され、対称 軸をもつ四角い平面の箱型の超高層ビルが数多く建てられてきた。 一方、オフィスの平面計画においては、大部屋を主とする我が国独自の使い勝手に対応 すると同時に、非常時の安全避難が確保されやすい、両端コア型や、リニア・コア型のプ ランが開発され、特に、自社ビルの計画に多く採用されてきた。 超高層化、大規模化を続けて来たオフィス・ビルも、オイルショックを契機として機械 設備に全面的に頼ることへの反省から、自然採光、外気冷暖房等の種々の省エネルギー手 法が採用され、新たな展開の時期を迎えた。それと同時に、オフィス・ビルの機能性と合 理性に加えて、快適性がますます重視され、単にオフィス・フロアを多層に積み重ねるだ けの超高層ビルにない快適な執務環境を創り出す種々の手法が開発され、多様な超高層ビ ルが建てられるようになってきた。 都市機能の再配置におもなう職住近接の街づくりを目指して拡大する再開発ニーズが、 複合機能をもつ多様な超高層ビルを生む原動力となり、より人間性豊かな都市環境を創り 出す拠点として新しい超高層ビルの出現が期待される。 (市ヶ谷出版社 :『超高層事務所ビル』, 市ヶ谷出版社 , 建築計画・設計シリーズ [23], p.8, 1987. 6)

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第1章 研究背景

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高層オフィスビルにおける平面計画

□基準階平面とコアの構成 高層部は、縦動線の確 保、構造的単純化などに より、同一平面を重ねた 基準階の構成となる。基 準階はオフィスの部分と 共 用 部 か ら な り、 共 用 部は縦に通るエレベー ター、階段、シャフト等 が集中するため、コアと よばれることが多い。 基準階におけるオフィ スとコア部分との関係 は、ビルの形態、眺望、 動 線、 防 災、 構 造 的 整 合性等さまざまな面から 総合的に検討して決定さ れる。コアのパターンに ついては、センターコア

図 1-2-1.1 センターコアタイ

(図 1-2-1.1)、ダブルコア(図 1-2-1.2)、偏心コア(図 1-2-1.3)、その他に吹き抜けコア(図 1-2-1.4)、分散コア(図 1-2-1.5)等に分類される。超高層ビルが日本に建築され始めた 初期においては、センターコアがほとんどであったが、次第にいろいろなパターンの超高 層ビルがあらわれ、形態的にも多様化したデザインが生まれてきている。ただし、日本が 地震国であるという特殊性により、形態に対する構造的整合性が常に求められ、あまり不

図 1-2-1.2 ダブルコアタイプ

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図 1-2-1.3 偏心コアタイプ

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第1章 研究背景

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

高層オフィスビルにおける平面計画

整合な形態は生まれにくい。

図 1-2-1.4 分散コアタイプ

図 1-2-1.5 分散コアタイプ

(市ヶ谷出版社 :『超高層事務所ビル』, 市ヶ谷出版社 , 建築計画・設計シリーズ [23], p.37, 1987. 6)

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第1章 研究背景

高層オフィスビルにおける平面計画

□コアの構成 コア部分は、オフィス部分以外の共用的スペースであり、廊下・階段・エレベーターホー ル等の動線部分と、機械室・シャフト等の設備関連部分および、便所・湯沸等の水廻り部 分に分けられる。 コア部分は、オフィス部分とは異なり、生産性、収益性の低い部分ということで最小限 に押さえられる場合が多いが、むしろオフィスを離れたコミュニケイションの場、リフレッ シュの場としてとらえ、自然の採光、眺望、ゆとりあるスペース配分等、豊かな空間構成 が望まれ、トータルで価値の高いオフィスビルを目指すことが大切である。 (1) 廊下・階段の計画 廊下、階段は、日常の動線として快適であることが必要であるが、火災時等の避難動線 としても重要である。超高層ビルにおける避難の方法は、一般ビルのように消防はしご車 や避難器具等により直接建物外へ避難することがむずかしいため、廊下および階段による 避難計画は大変重要な意味を持つ。避難計画は、法規に基づくチェックはもちろん、避難 のシュミレイションによって、より安全なビルを目指さねばならない。 (a) 安全区画 避難上の区画は、基本的には、廊下を1次安全区画、特別避難階段附室を2次安全区画、 特別避難階段を3次安全区画と設定し、安全に避難できる様に計画する。 (b) 歩行距離 超高層ビルは、主要構造部が耐火構造であり、階段までの歩行距離は 14 階以下につい ては 60m 以下 15 階以上の部分は 50m 以下になるように計画しなければならない。ただ し、15 階以上の部分で内装制限(居室ー不燃材料、廊下・階段ー不燃材料または準不燃材料) をしていない場合は、40m 以下としなければならない。また、2方向避難の場合の重複 距離は、歩行距離の1/2 以下となるように計画しなければならない。 (c) 特別避難階段 地下3階以下または地上 15 階以上へ通じる直通階段は、特別避難階段にしなければな らない。また、特別避難階段は外気に向かって開く窓もしくは排煙設備を設けた付室また 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第1章 研究背景

高層オフィスビルにおける平面計画

はバルコニーを設置しなければならない。特別避難階段の設置位置は、歩行距離・重複距 離を満足するだけでなく、避難上、最も有効な位置に設置する必要がある。避難階段にお ける階段から屋外への出入り口までの距離は、50m 以下としなければならない。階段の 位置は、非常時の際の避難を考えれば、廊下の突き当たり部分に設置するのが望ましい。 (市ヶ谷出版社 :『超高層事務所ビル』, 市ヶ谷出版社 , 建築計画・設計シリーズ [23], p.41 〜 42, 1987. 6)

図 1-2-1.6 富国生命ビル

図 1-2-1.7 三和銀行東京ビル

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第1章 研究背景

高層オフィスビルにおける平面計画

□コアの開放 業務建築の発展の第一段階において、構造的要素、設備的要素、水回り、動線等の機能 を集約させ、高い有効率を確保することの追求から「コア」という概念が確立した。 設備的要素を集中させることで共用部の管理がしやすくなるだけでなく、コアに加重や 水平力を集中して受け持つ構造的な役割もある。初期の業務建築においては、構造的安定 性からセンターコアタイプが多く見られた。大規模な平面に適し、外部に面した執務空間 が全周に確保できるため有効率の高い計画が可能である。しかし一方では、トイレ、廊下、 エレベーターホールなどの共用部分に採光を得ることが出来ないという欠点もある。 コアの計画は、有効率の向上だけでなく共用空間の快適性の改善を目的とし、「コアを 開放」する第二段階へと発展した。設備・構造技術の進歩も手伝って、現在では片コア、 両端コア、分散コア、外コアなど多様なコアプランが可能 となっている。コアを外部に面して配置することによって、 景観・自然光・自然通風などが確保された快適な共用空間 が可能となる。 RWE AG ESSEN の例では、執務空間のある円形プラン と切り離してエレベーターシャフトを独立して設備してお り、階を上下する人々が眺望を楽しめるようになっている。 図 1-2-1.8 RWE AG ESSEN 平 (日本建築学会 :『設計資料集成—業務・商業』, 丸善株式会社 , 2004. 4)

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第1章 研究背景

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高層オフィスビルにおける階段及び ELV の計画

■高層オフィスビルにおける階段及び ELV の計画 □エレベーターの計画 事務所ビルの高層化は、建築の構造工法の進歩とともにエレベーターの発明およびその 技術の進歩にも支えられてきた。超高層ビルの垂直方向の交通はエレベーターによってお り、エレベーターが動かなければ、超高層ビ ルは機能しない。エレベーターは、常用エレ ベーター・荷物用エレベーター・非常用エレ ベーターに分けられるが、荷物用は非常用エ レベーターと兼用することが多い。 (1) 常用エレベーター 超高層ビルにおける常用エレベーターは、 その階数、規模、集中度に対し効率的運用を はかるため、さまざまな方式、運行方法をとっ ている。 (a) ゾーニング方式(図 1-2.1)

図 1-2-2.1 ゾーニング方式

エレベーターの台数を、高さに合わせた数 ゾーンごとに分けて設置する方式であり、エ レベーターホールはそのサービス階を明示し て、バンクごとに配置される。各ゾーンの接 点には、エレベーターが重複して止まる階を 設け、乗り替えて他のゾーンに行けるよう計 画を行う。 (b) スカイロビー方式(図 1-2.2) 超高層ビルの中でも 100 階程度クラスに 採用されている方式である。ゾーニング方式 では、ゾーニングの数が多すぎて効率的でな いため、中間にスカイロビーを設けて、エン 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

図 1-2-2.2 スカイロビー方式 12


第1章 研究背景

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高層オフィスビルにおける階段及び ELV の計画

トランスロビーとスカイロビー間を直行するシャトルエレベーターで人を運び、さらに ゾーニングされたバンクより目的階へ運ぶ方式である。 (c) ダブルデッキ方式(図 1-2.3) 2層分のつながったエレベーターのかご で、常に2層一緒に出発、停止を行う方式 である。この方式はエレベーターのスペー スの節約にはなるが、エレベーターの出発 階は偶数階と奇数階利用の2層に分かれ、 使い勝手が制約され、自社ビルには使用さ れている例はあるが、テナントビルにはあ まり適さない方式である。

図 1-2-2.3 ダブルデッキ方式

(d) エスカレーター併用方式(図 1-2.4) 建物の高さに応じいくつかのゾーンに分 け、各ゾーンにエレベーターで直に人を運 び、そこからエスカレーターで各階へ人を 運ぶ方式で、階によって到達時間の差を生 じるが、運搬する人数は多い。香港上海銀 行で採用されている。 (2) 非常用エレベーター・荷物用エレベー ター 非常用エレベーターは迅速な消火活動を

図 1-2-2.4 エスカレーター方

行うために、原則として 31 メートル以上の高さの建物に設置が義務づけられている。超 高層ビルでは、一般常用エレベーターとは動線をわけて、荷物用エレベーターと兼用して 設置される場合が多い。荷物用エレベーターは、引越、事務用品・機器・厨房への材料等 の搬入、ごみの搬出等に使用される。 (市ヶ谷出版社 :『超高層事務所ビル』, 市ヶ谷出版社 , 建築計画・設計シリーズ [23], p.42 〜 43, 1987. 6) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第1章 研究背景

近年のオフィスビルの吹き抜け階段

■近年のオフィスビルの吹き抜け階段 吹き抜け階段の計画されたオフィスが雑誌やインターネット等で、で次のように述べら れている。 □竹中工務店新社屋 プランニングもユニーク。通常のオフィスビルようにいわゆるコアと呼ばれるスペース や階段室がなく、巨大な一空間になっているのだ。「ショッピングセンターに用いられる 構造」をリファインしたという開放的な空間性は、ワーカーのコミュニケーションを触発 する。またオフィスとして利用しなくなっても、様々な用途に転用しやすいから、結果的 に建物寿命を延ばすことにもつながる。

図 1-2-3.1 吹き抜けの階段

空間同様に階段(図 1-2-3.1)も開放的。階段室ではなく吹き抜けとした階段は心地よ く「もちろんエレベーターもありますが、ほとんどの社員が、階段を利用しています」。 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第1章 研究背景

近年のオフィスビルの吹き抜け階段

エレベーターでの移動とは異なり、開放的な階段での移動は、偶発的な出会いも含めシー ムレスなコミュニケーション空間を作り出す。 (マガジンハウス :『カーサ ブルータス』, マガジンハウス , 2005 年 10 月号 , p.105, 2005.10) □汐留メディアタワー 昨年 6 月に完成した共同通信社の新本社,汐留メディアタワーの編集局では,日々記 者たちが上下階へ慌ただしく行き来している。しかし,そこには超高層のオフィスに見ら れがちな,共用エレベータを待つ姿や,フロアの隅の非常階段に駆け込む光景はない。 彼らが使っているのは非常階段でもエレベータでもなく,フロアの中心にある多方向階 段だ。おむすび型のプランの 中心に設けられた吹抜けに階 段が渡されており,踊り場か ら上下各 3 方向に分散した動 線が 6 層に分けられた編集局 のフロアをつないでいる。合 計すると 15 本。なぜ,これ ほどたくさんの階段が必要 だったのか? 編集局は社会,政治,経済, 文化,スポーツなど複数の部 署からなる。以前にオフィス

図 1-2-3.2 多方向階段

を構えていた虎ノ門の共同通信会館では,編集局の多くの部署がいわゆる大部屋に入って おり,各部署の連携が水平方向にとられていた。新本社の超高層化にともない危惧された のは,垂直方向に延びるオフィスで以前と同じように連携がとれるかということだった。 そのような不安の声を受けて,オフィスの設計にはコミュニケーションを誘発する仕掛 けが随所に盛り込まれることになった。設計当初から提案されていた吹抜けによって,視 線や声の交錯,フロア間の熱気の伝播が意図されていたが,多方向階段が加わることによっ て,より積極的なコミュニケーションが図られるようになった。 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第1章 研究背景

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

近年のオフィスビルの吹き抜け階段

そのひとつが,階高の 3 分の 1 の高さに位置する踊り場。一般的な階段に比べると低 い設定位置だ。実際に踊り場に立ってみると,フロアがひと目で見渡せるようになってい る。「より身近で生まれる,“見る,見られる”の関係が互いの活動に刺激を与えることを 意図した」と設計者は語る。回遊性をもった独特の構造が,直接的なコミュニケーション を生んでいるようで,別のフロアから来た局員が階段のそばで情報交換をしている姿は, もはや日常の光景となった。 そして,この階段が最も効力を発揮するのが大事件のときである。中枢機能を担うニュー スセンターと政治,経済,社会などの出稿各部が連携をとりあいながらスクープを追いか けることになり,大勢の記者が一気に階段を駆け下り,駆け上っていく。その姿を想像す れば 15 本という上下動線の数にもうなずける。

図 1-2-3.4 フロアから多方向階段

図 1-2-3.3 吹き抜け見下げ

図 1-2-3.5 汐留メディアタワー外観

・汐留メディアタワーの建築概要(鹿島 東京支店 JV 施工) 場 所:東京都港区 発注者:共同通信社 設 計:鹿島建設建築設計本部 用 途:事務所,宿泊施設,商業施設 規 模:S 造(CFT 構造)一部 SRC 造 B4,34F,PH2F 延べ 66,489m2 工 期:2000 年 10 月〜 2003 年 6 月 <http://www.kajima.co.jp/news/digest/jul_2004/backstage/>

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第1章 研究背景

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

階段とエレベーターの特性

■階段とエレベーターの特性 □階段 近年の建物の高層化によるエレベーターの絶対的な必要性 に押され、階段は非常用階段という位置づけになり、執務室 とは区切られておかれるのが一般的である。特に超高層建築 では、安全区画として執務室とは壁と2枚の扉で区切られて 計画され(p10 図 1-2-1.6, 7)、それにより階段の利便性や環

川崎市立川崎病院

ヘラクレスポストと称するメガ柱によ り、既存建物上空に733床の病棟を 30 mほど両翼に持ち出させ、旧病院

の診療活動を維持させながら、全体を 新築したプロジェクト。短期間での建 替え、設備機器の更新の容易化、院内 総合物流や総合医療情報システムの実 現、輻射冷暖房の採用、加圧防煙区域 内に避難用エレベーターを設ける等、

境が低下して、使われなくなる傾向が強い。

新しい提案が多い。

□エレベーター 一方で、エレベーターは高層建築には必要不可欠な移動手 段であり、効率的な運用のためにゾーニング方式、スカイロ ビー方式、ダブルデッキ方式等さまざまな方式のエレベーター 計画が行われている。また、病院や福祉施設では患者や入所 者を避難させられる避難用エレベーターの計画も行われてい る(事例 1-3.1 の川崎病院の事例など)。

建物名称:川崎市立川崎病院 所在地:神奈川県川崎市 主用途:医療施設

竣 工:2000 年 2 月 構 造:S、SRC

階 数:地下 1 階、地上 15 階 延床面積:49,563 m2

写真撮影:川澄建築写真事務所 受 賞:優良消防防災システム

<http://www.nihonsekkei.co.jp/

works/data/kawasakihospital.html>

□吹き抜け階段

事例 1-3.1 川崎市立川崎病院

日常の動線としてはエレベーターばかりが注目を浴びるような状況ではあるが、近年、 吹き抜けの階段を執務室と連続した空間に計 画するものがいくつも見られるようになって いる。 前項で示した竹中工務店新社屋や汐留メ ディアタワーは自社ビルであらかじめ吹き抜 けと階段を計画している。また、東京ビルディ

図 1-3.1 東京ビルディング平面図 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

図 1-3.2 新丸の内ビルディング平面図 17


吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第1章 研究背景

階段とエレベーターの特性

ング(図 1-3.1)や新丸の内ビルディング(図 1-3.2)では「内部階段設置可能スペース」 を設けて、そこに開口と階段を付けられるように計画されている。 エレベーターに集まりがちであった高層建築の垂直移動手段への注目が、再び階段にも 向けられるようになり、省エネルギーや上下のフロア間のコミュニケーションの点で階段 が利用されることが期待されている。 図 1-3.3 に日常の階移動における、階段とエレベーターの選択要因をまとめておく。

図 1-3.3 階段・エレベーターの利点と欠点

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第1章 研究背景

既往研究

■既往研究 これまでの建築の学術論文でこの研究と関連する主なものを挙げまとめておく。 『上下方向交通手段の選択行動に関する研究』 長島 毅+藤津 則雄 ; 早稲田大学理工学部建築学科卒業論文 , 1989 年 結論:利用者は上下方向交通手段の選択基準として、現地点から目的階までの階 差を考慮し、目的階へなるべく早く到達することを考える。その結果、階差が大き いほどエレベーターを選び、階差が小さいほど階段を選ぶ割合が高くなる傾向にあ る。しかし、各移動手段の視認性や各移動手段までの距離等の平面計画によって、 選択行動に違いが生ずる。利用者は、まず目的階へできるだけ早く到達することを 考え移動手段を想定し、次にその場から視認できる手段に制限し、その中からより 近いものを選択する傾向にある。 『階段とエレベーター 初期高層建築における両者の関係について』 西 和彦+他3名 ; 日本建築学会大会学術講演概要集 ( 東海 ), 1991. 9 結論:高層建築の成立期において、階段の地位が低下し、エレベーター主体の平 面配置が行われるように変化してゆく過程を概観した。ここで、その意味について 考えてみると、その変化と共にエントランスホールあるいはエレベーターホールの 意匠が重要視されるようになる過程がオーバーラップしていることから、それまで の階段が担っていた意味が、高層建築の発展にともなってエレベーターあるいはエ レベーターホールの意匠で代替されるようになったと考えることができる。そして 階段の最も重要な働きはエレベーターのバックアップにすぎなくなった。では、階 段の担っていた意味とはいったいどのようなものであるのかといった疑問が生ずる が、これについては今後の課題としたい。

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第1章 研究背景

既往研究

『事務所建築におけるエレベーター利用実態調査(その1.利用者時刻変動)』 野沢 正浩+他3名 ; 日本建築学会大会学術講演概要集 ( 東海 ), 1994. 9 結論:従来、庁舎等の事務所建築では出勤時にエレベーター利用の最大のピークが あると考えれられており、それを基準に集中率等が設定されている。しかし、今回 の調査では、出勤時よりもむしろ昼食時に最大のピークがあることが明らかになっ た。したがって、今後はこのような従来とは異なる時刻変動の特性を踏まえた上で の集中度等の設定を検討する必要があると考えられる。 『事務所建築におけるエレベーター利用実態調査 その2(在館者数とエレベータ利用の 集中率)』 須藤 諭+他3名 ; 日本建築学会大会学術講演概要集 ( 東海 ), 1994. 9 結論:外来者の時刻変動の特性は、午前中から昼食時に向かって徐々に増えていき、 その後夕刻に向かい徐々に減っていくものが主であり、その影響はベースロード的 であった。高層(あるいは超高層)の庁舎建築においては、そのフロアの利用形態・ 立地等様々な要因により、従来の時刻変動とは異なる特性を示す可能性が出てきた 事に注目すべきであると思われる。従って、今後は多くの事例調査によりその特性 を説明する要因の分析と新たな集中度等の基準の検討が必要であると思われる。 『垂直移動手段の選択要因からみた商業施設における垂直移動に関する研究』 加藤 英理子 ; 早稲田大学理工学部建築学科卒業論文 , 2003 年 結論:垂直移動手段選択のパラメータとなるものとして、目的階との階差・グルー プ構成人数・入口から垂直移動手段までの距離・入口からの垂直移動手段の視認性 がある。また、垂直移動手段選択のパラメータとならないものとして、年齢・性別 がある。

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第1章 研究背景

用語の定義

■用語の定義 本論文で用いられる用語の定義 □吹き抜け階段 フロアとの連続性を持ち、非常階段とは別に設けられ、壁や扉によって区切られない 階段を「吹き抜け階段」と定義する。 □複数フロア オフィスビルにおいて、単一の企業が複数の階を利用している時において、その複数 の階を「複数フロア」と定義する。 □階移動 オフィスビルにおいて階段やエレベーターを利用して異なる階への移動をすることを 「階移動」と定義する。 □移動階数 階移動の際に移動した階数を「移動階数」と定義する。 例)1階から3階への移動は移動階数 " -2 " 3階から5階への移動は移動階数 " 2 " □ ELV エレベーターの略称を「ELV」として用いる。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第2章 研究目的

第2章 研究目的

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第2章 研究目的

研究目的

■研究目的 オフィスビルにおける吹き抜け階段の利用実態と利用者意識を明らかにすることによ り、複数フロア一体的利用に役立てることを目的とする。

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第3章 研究概要

第3章 研究概要

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第3章 研究概要

研究概要

■研究概要 研究の流れを図 3.1 に示す。

図 3.1 研究フロー

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第4章 利用実態調査

第4章 利用実態調査 4-1 調査方法 4-2 調査結果 4-2 t 4-2 m 4-2 s 4-2 h 4-2 b

調査結果(オフィス T) 調査結果(オフィス M) 調査結果(オフィス S) 調査結果(オフィス H) 調査結果(オフィス B)

4-3 調査結果 - 移動階数と手段

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査方法

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査方法 吹き抜け階段の計画されたオフィスビルとそうでないオフィスビルで、階段とエレベー ターの利用実態の調査を行った。オフィスビル利用者にその日一日のすべて階移動の 時刻、方法、移動前階、移動先階、目的の記入方式の調査を行った。 オフィスビル利用者にその日一日のそのオフィス内での階移動すべてを記録しても らい、そのデータを回収した。 □調査場所 平面計画の違いによる階段・エレベーターの利用実態への影響を明らため、都内の異 なる性質を持つ平面計画のオフィス5カ所で調査を行った。 □調査日 オフィスT:2005/11/18 オフィスM:2005/10/17 〜 29 オフィスS:2005/10/20 〜 31 オフィスH:2005/10/21 〜 28 オフィスB:2005/10/24 〜 28 □調査対象 オフィスワーカー:オフィスに常勤の人のみ。訪問客や配達・郵便などの人は含まない。 □調査項目 属性:性別 *1・年代 *2・在籍階 階移動毎の時刻 *3・方法 *4・移動前階・移動先階・目的 *5 *1 性別:男・女 *2 年代:5 歳刻み (20 代前半・20 代後半・30 代前半・・・ *3 時刻:30 分刻み *4 階段・エレベーター・吹き抜け階段(吹き抜け階段のあるオフィ スについては、吹き抜け階段と避難階段として計画されている階段を区別した。) *5 目的:業務・休憩・外出・その他

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査方法

□5つの調査場所について ・オフィスT(吹き抜け階段あり) 階段 2 カ所+吹き抜け階段 ELV6 台 オフィス中央に吹き 抜けの階段が設けら :階段 :エレベーター

れている。 執務室から階段と ELV への間に壁や扉はない。

図 4-1.1 オフィス T 平面

・オフィスM 階段 1 カ所 ELV4 台 階段室とエレベーター ホールが連続している。

:階段 :エレベーター

エレベーターホールと執 務室は壁と扉で区切られ ている。

図 4-1.2 オフィス M 平面

・オフィスS 階段 3 カ所 ELV4 台+荷物用 ELV :階段 :エレベーター

階段室が壁と扉で区切られている。

図 4-1.3 オフィス S 平面

執務室から階段室に入るには扉をひとつ通る。 エレベーターホールへは扉を通らず行ける。 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査方法

・オフィスH 階段2カ所 ELV7 台+荷物用 ELV2 台 階段は特別避難階段になっ ていて階段室に入るには2 つの扉を通る。 エレベーターホールへは扉 は通らずに行ける。 センターコアタイプ。

図 4-1.4 オフィス H 平面

:階段 :エレベーター

・オフィスB 階段 2 カ所 ELV7 台(高層用 4 台+低層用 3 台)+荷物用 ELV 階段は特別避難階段になって いて執務室から階段室に入る には2つの扉を通る。 エレベーターホールへ入るに は扉をひとつ通る。

図 4-1.5 オフィス B 平面

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:階段 :エレベーター

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査方法

□調査用紙 調査用紙(図 4-1.6, 図 4-1.7)と調査用紙と同じ内容のメールを用いて調査を行った。

図 4-1.6 調査用紙(吹き抜け階段あり)

図 4-1.7 調査用紙(吹き抜け階段なし)一部抜粋階移動記入部分のみ 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス T

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 オフィス T 有効な調査結果 14 名分を回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別

女性:6.7 %

表 4-2.1 性別内訳

男性 女性 合計

[名] 14 1 15

[ %] 93.3 6.7 100.0

男性:93.3 %

図 4-2.1 男女の割合(オフィス T) □回答者の年齢層 50 - 54:6.7 %

表 4-2.2 年齢層内訳

20 - 24:6.7 %

45 - 49:6.7 % 40 - 44:20.0 %

30 - 34:20.0 %

35 - 39:40.0 %

年齢層 20 - 24 25 - 29 30 - 34 35 - 39 40 - 44 45 - 49 50 - 54 合計

[名] 1 0 3 6 3 1 1 15

[ %] 6.7 0.0 20.0 40.0 20.0 6.7 6.7 100.0

図 4-2.2 年代の構成割合(オフィス T) □回答者の在籍階 表 4-2.3 在籍階内訳

在籍階 3階 4階 合計

4階:40.0 %

[名] 6 9 15

[ %] 60.0 40.0 100.0

3階:60.0 %

図 4-2.3 在籍階の構成割合(オフィス T) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス T

□階段・エレベーターの利用数の推移 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.4 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス T) □階段・エレベーターの利用数の推移 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.5 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス T)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス T

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.6 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス T)

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.7 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス T)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス M

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 オフィス M 有効な調査結果延べ 70 名分を回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別

無回答:5.7 % 男性:22.9 %

表 4-2.4 性別内訳

男性 女性 無回答 合計

[名] 16 50 4 70

[ %] 22.9 71.4 5.7 100.0

女性:71.4 %

図 4-2.8 男女の割合(オフィス M) □回答者の年齢層

表 4-2.5 年齢層内訳

無回答:2.9 % 45 - 49:1.4 % 40 - 44:11.4 % 20 - 24:40.0 % 35 - 39:15.7 %

30 - 34:11.4 %

25 - 29:17.1 %

年齢層 20 - 24 25 - 29 30 - 34 35 - 39 40 - 44 45 - 49 無回答 合計

[名] 28 12 8 11 8 1 2 70

[ %] 40.0 17.1 11.4 15.7 11.4 1.4 2.9 100.0

図 4-2.9 年代の構成割合(オフィス M) □回答者の在籍階 1階:5.7 % 2階:11.4 %

6階:48.6 % 3階:27.1 %

5階:2.9 %

表 4-2.6 在籍階内訳

在籍階 1階 2階 3階 4階 5階 6階 合計

[名] 4 8 19 3 2 34 70

[ %] 5.7 11.4 27.1 4.3 2.9 48.6 100.0

4階:4.3 %

図 4-2.10 在籍階の構成割合(オフィス M) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス M

□階段・エレベーターの利用数の推移 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.11 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス M) □階段・エレベーターの利用数の推移 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.12 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス M)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス M

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.13 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス M)

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.14 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス M)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス S

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 オフィス S 有効な調査結果延べ 40 名分を回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別

女性:35.0 %

表 4-2.7 性別内訳

男性 女性 合計

[名] 26 14 40

[ %] 65.0 35.0 100.0

男性:65.0 %

図 4-2.15 男女の割合(オフィス S) □回答者の年齢層 表 4-2.8 年齢層内訳

30 - 34:22.5 % 45 - 49:35.0 %

35 - 39:25.0 %

年齢層 30 - 34 35 - 39 40 - 44 45 - 49 合計

[名] 9 10 7 14 40

[ %] 22.5 25.0 17.5 35.0 100.0

40 - 44:17.5 %

図 4-2.16 年代の構成割合(オフィス S) □回答者の在籍階 表 4-2.9 在籍階内訳

在籍階 5階 合計

[名] 40 40

[ %] 100.0 100.0

5階:100 %

図 4-2.17 在籍階の構成割合(オフィス S) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス S

□階段・エレベーターの利用数の推移 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.18 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス S) □階段・エレベーターの利用数の推移 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.19 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス S)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス S

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.20 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス S)

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.21 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス S)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス H

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 オフィス H 有効な調査結果延べ 27 名分を回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別

無回答:7.4 %

男性:37.0 %

表 4-2.10 性別内訳

男性 女性 無回答 合計

[名] 10 15 2 27

[ %] 37.0 55.6 7.4 100.0

女性:55.6 %

図 4-2.22 男女の割合(オフィス H) □回答者の年齢層

表 4-2.11 年齢層内訳

45 - 49:14.8 %

30 - 34:37.0 %

40 - 44:11.1 %

年齢層 30 - 34 35 - 39 40 - 44 45 - 49 合計

[名] 10 10 3 4 40

[ %] 37.0 37.0 11.1 14.8 100.0

35 - 39:37.0 %

図 4-2.23 年代の構成割合(オフィス H) □回答者の在籍階 表 4-2.12 在籍階内訳

在籍階 8階 合計

[名] 27 27

[ %] 100.0 100.0

8階:100 %

図 4-2.24 在籍階の構成割合(オフィス H) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス H

□階段・エレベーターの利用数の推移 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.25 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス H) □階段・エレベーターの利用数の推移 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.26 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス H)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス H

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.27 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス H)

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.28 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス H)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス B

■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 オフィス B 有効な調査結果延べ 41 名分を回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別

女性:9.8 %

表 4-2.13 性別内訳

男性 女性 合計

[名] 37 4 41

[ %] 90.2 9.8 100.0

男性:90.2 %

図 4-2.29 男女の割合(オフィス B) □回答者の年齢層 表 4-2.14 年齢層内訳

40 - 44:9.8 %

30 - 34:46.3 %

年齢層 30 - 34 35 - 39 40 - 44 合計

[名] 19 18 4 41

[ %] 46.3 43.9 9.8 100.0

35 - 39:43.9 %

図 4-2.30 年代の構成割合(オフィス B) □回答者の在籍階

表 4-2.15 在籍階内訳

在籍階 16 階 合計

[名] 41 41

[ %] 100.0 100.0

16 階:100 %

図 4-2.31 在籍階の構成割合(オフィス B) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス B

□階段・エレベーターの利用数の推移 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.32 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス B) □階段・エレベーターの利用数の推移 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.33 時刻と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス B)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果 オフィス B

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 ( 手段別 ) 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.34 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス B)

□移動階数と階段とエレベーターの利用数 利用数 回 [ ] 移動階数 [ 階 ]

図 4-2.35 移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係(オフィス B)

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査結果 ■階段・エレベーター利用実態調査 - 調査結果 - 移動階数と手段 □ 1 階上のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.1 オフィスごと 移動階数 1 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 7 1 H 13 0 S 46 0 M 71 6 T 18 0

図 4-3.1 オフィスごと移動階数 1 の時の移動手段と利用回数 □ 2 階上のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.2 オフィスごと 移動階数 2 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 0 1 H 0 0 S 3 1 M 56 17 T 14 13

図 4-3.2 オフィスごと移動階数 2 の時の移動手段と利用回数 □ 3 階上のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.3 オフィスごと 移動階数 3 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 3 2 H 0 0 S 1 4 M 24 25 T 1 18

図 4-3.3 オフィスごと移動階数 3 の時の移動手段と利用回数 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査結果

□4階上のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.4 オフィスごと 移動階数 4 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 4 38 H 0 3 S 1 51 M 2 14 T 0 1

図 4-3.4 オフィスごと移動階数 4 の時の移動手段と利用回数 □5階上のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.5 オフィスごと 移動階数 5 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 0 4 H 0 1 S 0 3 M 12 54 T 0 1

図 4-3.5 オフィスごと移動階数 5 の時の移動手段と利用回数

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査結果

□ 1 階下のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.6 オフィスごと 移動階数 -1 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 3 0 H 17 1 S 49 0 M 70 3 T 19 0

図 4-3.6 オフィスごと移動階数 -1 の時の移動手段と利用回数 □ 2 階下のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.7 オフィスごと 移動階数 -2 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 0 2 H 1 0 S 4 0 M 67 7 T 22 4

図 4-3.7 オフィスごと移動階数 -2 の時の移動手段と利用回数 □ 3 階下のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.8 オフィスごと 移動階数 -3 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 0 2 H 0 1 S 5 0 M 26 17 T 6 12

図 4-3.8 オフィスごと移動階数 -3 の時の移動手段と利用回数 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第4章 利用実態調査

利用実態調査 - 調査結果

□4階下のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.9 オフィスごと 移動階数 -4 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 1 48 H 0 5 S 8 55 M 6 21 T 0 1

図 4-3.9 オフィスごと移動階数 -4 の時の移動手段と利用回数 □5階下のフロアへ移動する時の移動手段

表 4-3.10 オフィスごと 移動階数 -5 の時の 移動手段と利用回数

オフィス 階段 [ 回 ] ELV[ 回 ] B 0 6 H 0 2 S 0 0 M 7 53 T 0 1

図 4-3.10 オフィスごと移動階数 -5 の時の移動手段と利用回数

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果

□ 1 階上のフロアへ移動する時の移動手段

□4階上のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.11 オフィスごと移動階数 1 の時の 移動手段と利用割合 □ 2 階上のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.14 オフィスごと移動階数 4 の時の 移動手段と利用割合 □5階上のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.12 オフィスごと移動階数 2 の時の 移動手段と利用割合

図 4-3.15 オフィスごと移動階数 5 の時の 移動手段と利用割合

□ 3 階上のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.13 オフィスごと移動回数 3 の時の 移動階数と利用割合

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第4章 利用実態調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用実態調査 - 調査結果

□ 1 階下のフロアへ移動する時の移動手段

□4階下のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.16 オフィスごと移動階数 -1 の時の 移動手段と利用割合 □ 2 階下のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.19 オフィスごと移動階数 -4 の時の 移動手段と利用割合 □5階下のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.17 オフィスごと移動階数 -2 の時の 移動手段と利用割合

図 4-3.20 オフィスごと移動階数 -5 の時の 移動手段と利用割合

□ 3 階下のフロアへ移動する時の移動手段

図 4-3.18 オフィスごと移動回数 -3 の時の 移動階数と利用割合

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第5章 利用者意識調査

第5章 利用者意識調査 5-1 調査方法 5-2 調査結果

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第5章 利用者意識調査

利用者意識調査 - 調査方法

■階段・エレベーター利用者意識調査 - 調査方法 吹き抜け 階段の計画されたオフィスビルにおける、階段及び吹き抜け階段に関する 意識調査を行った。 □調査日 オフィスT:2005/11/18 □調査対象 オフィスワーカー:オフィスに常勤の人のみ。訪問客や配達・郵便などの人は含まない。 □調査項目 属性:性別・年代・在籍階 Q1. 吹き抜け階段の利用の有無 Q2. 階段を利用したいと思う時の理由 Q3. 階段を利用したくないと思う時の理由 Q4. 吹き抜け階段の利点と感じていること Q5. 吹き抜け階段が開放的であると感じるか Q6. 吹き抜け階段により上下のフロアの一体感が感じられるか Q7. 吹き抜け階段により階段利用が促進されると思うか

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第5章 利用者意識調査

利用者意識調査 - 調査方法

□調査項目 図 5-1.1 の調査用紙を用いて調査を行った。

図 5-1.1 階段・エレベーター利用者意識調査

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第5章 利用者意識調査

利用者意識調査 - 調査結果

■階段・エレベーター利用者意識調査 - 調査結果 有効な調査結果を 12 名分回収した。以下にその集計結果を示す。 □回答者の性別

性別 女性:8.3 %

表 5-2.1 性別内訳

男性 女性 合計

[名] 11 1 12

[ %] 91.7 8.3 100.0

男性:91.7 %

図 5-2.1 男女の割合(オフィス T) □回答者の年齢層 表 5-2.2 年齢層内訳

20 - 24:8.3 %

45 - 49:8.3 % 45 - 49:8.3 %

30 - 34:16.7 % 40 - 44:25.0 %

35 - 39:33.3 %

年齢層 20 - 24 25 - 29 30 - 34 35 - 39 40 - 44 45 - 49 50 - 54 合計

[名] 1 0 2 4 3 1 1 15

[ %] 8.3 0.0 16.7 33.3 25.0 8.3 8.3 100.0

図 5-2.2 年代の構成割合(オフィス T) □回答者の在籍階 表 5-2.3 在籍階内訳

在籍階 3階 4階 合計

4階:33.3 %

[名] 8 4 15

[ %] 66.7 33.3 100.0

3階:66.7 %

図 5-2.3 在籍階の構成割合(オフィス T) 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

55


第5章 利用者意識調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用者意識調査 - 調査結果

Q1. 中央階段を利用していますか。

はい:100 %

図 5-2.4 回答者の中央階段の利用割合

Q2. 階段を利用したいと思う時の一番の理由を次の選択肢の中から一番近いものを選んでください。

省エネ:8.3 %

省エネにつながる

健康的:8.3 %

健康的

話をしながら移動できる

距離:8.3 %

階段までの距離が近い ELV の待ち時間が嫌 ELV での沈黙が嫌

待ち時間:75.0 %

ELV で見知らぬ人と乗り 合わせるのが嫌

図 5-2.5 階段を利用する一番の理由

Q1

表 5-2.4 Q1 回答内訳

はい いいえ 合計

[名] 12 0 12

[ %] 91.7 8.3 100.0

Q2

表 5-2.5 Q2 回答内訳

省エネ 健康的 話 距離 待ち時間 ELV での沈黙 乗り合わせ 合計

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

[名] 1 1 0 1 9 0 0 12

[ %] 8.3 8.3 0.0 8.3 75 0.0 0.0 100.0 56


第5章 利用者意識調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用者意識調査 - 調査結果

Q3. 階段を利用したくないと思う時の一番の理由を次の選択肢の中から一番近いものを選んでください。

疲れる

時間がかかる

人と出会うのが嫌

階段までの距離が遠い 疲れる:100 %

図 5-2.6 階段を利用しない一番の理由

Q4. 中央階段のような吹き抜けの階段の利点として最も重要だと思うものを一つ選んでください。

明るさ:8.3 %

開放感

空間の連続性

連続性:33.3 %

見通しが良い 明るさ

空間の一体感

開放感:58.3 %

図 5-2.7 吹き抜け階段の最も重要な利点

Q3

表 5-2.6 Q3 回答内訳

疲れ 時間 人 距離 合計

[名] 12 0 0 0 12

[ %] 100.0 0.0 0.0 0.0 100.0

Q4

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

表 5-2.7 Q4 回答内訳

開放感 連続性 見通し 明るさ 一体感 合計

[名] 7 4 0 1 0 12

[ %] 58.3 33.3 0.0 8.3 0.0 100.0

57


第5章 利用者意識調査

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

利用者意識調査 - 調査結果

Q5. 中央階段のような吹き抜け階段の計画によって、それがなかった場合に比べて、 開放的な階段が実現できてると思いますか。

はい:100 %

図 5-2.8 吹き抜け階段が開放的と思う割合 Q6. 中央階段のような吹き抜け階段の計画によって、それがなかった場合に比べて、 上下のフロアとの一体感が感じられていると思いますか。

いいえ:8.3 %

はい:91.7 %

図 5-2.9 吹き抜け階段によりフロアの一体感を感じる割合

Q5

表 5-2.8 Q5 回答内訳

はい いいえ 合計

[名] 12 0 12

[ %] 100.0 0.0 100.0

Q6

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

表 5-2.9 Q6 回答内訳

はい いいえ 合計

[名] 11 1 12

[ %] 91.7 8.3 100.0

58


吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第5章 利用者意識調査

利用者意識調査 - 調査結果

Q7. 中央階段のような吹き抜け階段の計画によって、それがなかった場合に比べて、 階段を利用する頻度は高くなると思いますか。

いいえ:8.3 %

はい:91.7 %

図 5-2.10 吹き抜け階段により階段の利用が増えると思う割合

Q5

表 5-2.10 Q7 回答内訳

はい いいえ 合計

[名] 11 1 12

[ %] 91.7 8.3 100.0

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

第6章 まとめ 6-1 階段・エレベーターの 利用実態分析 6-2 吹き抜け階段の 利用者意識分析 6-3 考察 6-4 残された課題と展望

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

階段・エレベーターの利用実態分析

■階段・エレベーターの利用実態分析 □時刻と階段・エレベーターの利用数の関係 『事務所建築におけるエレベーター利用実態調査(その1.利用者時刻変動)』でも言わ れているように、オフィス M, H, B では確かに朝よりも昼食の時間帯にエレベーター利 用のピークが来ていることがわかる(p35 図 4-2.9, p41 図 4-2.19 p44 図 4-2.24)。 オフィス M で顕著に現れているが、階段の利用のピークも朝と昼にあり、エレベーター だけでなく階段も昼に大きなピークがあることがわかる(p35 図 4-2.9)。 オフィス S の場合には、エレベーターの最大のピークは朝にあるが、階段の最大のピー クは昼にあることがわかる(p38 図 4-2.14)。これは今回オフィス S での調査が5階在籍 者のみにしか行えず、出勤はエレベーターで1階から5階まで、昼食時は階段で5階から 6階のレストランまで移動している人が多いことによると考えられる。 オフィス B を見るとエレベーターが垂直移動のほとんどを担っていて、階段は補助的 なものであることがよくわかる(p44 図 4-2-25)。この場合、回答者が 16 階に在籍して いて出退勤の時にはエレベーターを利用し、12 階の社内レストランへもエレベーターを 利用して移動していることが要因と考えられる。 □移動階数と階段・エレベーターの利用数の関係 どのオフィスでも1階の上下であればエレベーターを使わず階段で移動することがわ かる(p50 図 4-3.11, p51 図 4-3.16)。また、どのオフィスでも4階の上下になると大 多数の人が階段ではなくエレベーターで移動することがわかる(p50 図 4-3.14, p51 図 4-3.19)。 オフィス B では、2階の上下でも全員がエレベーターを使ったという結果が出ている (p50 図 4-3.12, p51 図 4-3.17)。しかし、3階上りでは6割が階段を使っている。これ はいずれも 12 時台後半の昼食後で、エレベーターの混雑と食後の精神状態が影響してい ると思われる。 オフィス H では、2階上りと3階上りの結果をとることができなかったのだが、2階 下りまでは大多数の人が階段をつかって移動している。3階以上の下りでは全員がエレ ベーターを利用していることがわかる(p50 図 4-3.12, 13, p51 図 4-3.17, 18)。 オフィス S では、2階上りでは階段を使っている人の方が多いが、3階上りになると エレベーターを使う人の方が多くなる(p50 図 4-3.12, 13)。下りは3階までは全員が階 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

階段・エレベーターの利用実態分析

段を利用していることがわかる(p50 図 4-3.17, 18)。 オフィス M では、2階の上下までは大多数の人が階段を使っているが3階の上下にな ると階段利用者は半数前後になる。しかし、他のオフィスとは異なり、4階・5階の上下 になっても階段を利用する人がある程度いるのが特徴的である(p50 図 4-3.12-15, p51 図 4-3.17-20)。 オフィス T では、2階の上りで階段利用者は半数程度であり、2階下りでは大多数 が階段を使っているが、3階下りになると半数以下まで落ち込むことがわかる(p50 図 4-3.12, p51 図 4-3.17, 18)。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

吹き抜け階段の利用者意識分析

■吹き抜け階段利用者意識分析 □ Q1. 中央階段をりようしていますか。 この設問で回答者が中央階段(吹き抜け階段)をりようしていることを利用しているこ とを確認する。今回は幸い全員が中央階段を利用していた(p56 図 5-2.4)ので、全員分 の回答を分析対象とする。 □ Q2. 階段を利用したいと思うときの一番の理由を次の中から一番近いものを選んでく ださい。 この設問より階段を利用する主な要因を明らかにする。75%の人はエレベーターの待 ち時間が要因で階段を利用したいと思うと回答している。大多数の人はエレベーターの待 ち時間を避けるために階段を利用していることがわかる(p56 図 5-2.5)。また、省エネ や健康に気を使っていて、階段を利用している人がいることも確かである。ただし、階段 の選択の要因としては、階段の積極的な利便性というよりは、むしろエレベーターの負の 要因が影響を与えていて、エレベーターを改善してエレベーターでまかなうことも不可能 ではないということも言える。 □ Q3. 階段を利用したくないと思うときの一番の理由を次の選択肢の中から一番近いも のを選んでください。 全員が疲れるを選択している(p57 図 5-2.6)。これはエレベーターやエスカレーター により解決することのできる問題である。しかし、エレベーター、あるいはエネルギー資 源への過度の依存から脱却するには、エレベーターやエスカレーターで安易に解決するこ とは決してこのましくない。精神的疲労を軽減する、あるいは相対的に階段の方が楽だと 思わせるような計画が望まれる。 □ Q4. 中央階段のような吹き抜け階段の利点として最も重要だと思うものを一つ選んで ください。 半分以上の人が開放感と答えている(p57 図 4-2.7)。次いで連続性と明るさがあがっ ている。明るさは通常の階段室でも実現することは可能であるが、開放感と連続性は吹き 抜け階段だからこそ実現できるところであり、 吹き抜け階段の利点が十分に認識されていることがうかがえる。 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

吹き抜け階段の利用者意識分析

□ Q5. 中央階段のような吹き抜け階段によって、それがなかった場合に比べて、開放的 な階段が実現できていると思いますか。 全員がはいと答えている(p58 図 5-2.8)。Q4. で吹き抜け階段の利点として開放感が 一番にあがっていたが、全員が開放的な階段になっているということは感じていることが わかる。 □ Q6. 中央階段のような吹き抜け階段によって、それがなかった場合に比べて、上下の フロアとの一体感が感じられていると思いますか。 9割以上の人がはいと答えている(p58 図 5-2.9)。中央階段によって上下のフロアと の一体感を多くの人が実現できていることがわかる。Q4. で吹き抜け階段の利点として 重要だと判断した人はいなかったのでこれ以上は論じないことにする。 □ Q7. 中央階段のような吹き抜け階段によって、それがなかった場合に比べて、階段を 利用する頻度は高くなると思いますか。 9割以上の人がはいと答えている(p59 図 5-2.10)。中央階段によって階段の利用が促 進されると多くの人が感じていることがわかる。Q4. の結果と併せて見てみると、開放 的あるいは連続性のある階段であるために利用が促進されると多くの人が考えていると読 み取ることができる。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

考察

■考察 □利用の動機と利用実態 オフィスにおける垂直移動時に階段を選択する要因は ELV とは異なり待ち時間がなく ストレスなく移動ができるところにあり、階段を選択しない要因は疲れるということで あった。 オフィス S, B では階段を利用するためにはエレベーターを利用するときよりも扉を一 枚多く通過しなければならず、オフィス H では二枚多く通過しなければならなかったの だが、そのためにオフィス B, H では階段の利用率が低いものと思われる。オフィス S で は省エネに対する意識が高いために階段の利用率があまり低くないと思われる。また、オ フィス M では階段を利用するにも、エレベーターを利用するにも扉を通過する数は変わ らない。オフィス T では中央階段もエレベーターも扉を一枚も通過せずに利用すること ができる。オフィス M と T では階段の利用率がある程度高い。 オフィスの階段・エレベーターの平面上での計画の違いにより、それらの利用状況が変 わることが示せたと思う。 □吹き抜け階段の効果 吹き抜け階段により、利用者はそこに開放感を利点として感じ、連続性や一体感が感じ られていることがわかった。また、大多数の利用者が吹き抜け階段により階段の利用頻度 が高くなると考えている。吹き抜け階段の存在感により近いフロアへの移動は階段を利用 するという意識がオフィスワーカーに広がれば階段の利用促進の効果はさらに上がるだろ う。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

第6章 まとめ

残された課題と展望

■残された課題と展望 吹き抜け階段の利用は、階段の利用促進とエレベーターの利用抑制により、エレベーター の待ち時間を圧縮し、ストレスを減らすことにつながるだろう。ストレスのないフロア間 の移動により複数フロアの効率的利用に貢献することに繋がることが期待される。 今後は水平移動(同一フロア内での移動)と垂直移動(複数のフロアを跨いだ移動)そ れぞれがオフィスワーカーにとってどのような負担になっているかを明らかにし、 オフィス内での連携にはオフィスフロアを単層で広くとるべきか、広くはせずに積層する べきかを検証することを今後の課題としたい。 ただし吹き抜け階段に関しては、 ・エネルギー負荷の軽減という視点(ELV 利用抑制によるもの) ・エネルギー負荷の変化という視点(吹き抜の空間の空調効率によるもの) ・健康という視点(階段の利用が運動促進となるとするもの) ・コミュニケーション促進という視点 の4点からの検証にはこの研究では及んでおらず、これらをあわせて今後の課題としたい。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

参考文献

参考文献

■参考文献 参考資料として参照した資料をここに示す。 □長島 毅+藤津 則雄 ;『上下方向交通手段の選択行動に関する研究』, 早稲田大学理工学部建築学科卒業論文 , 1989 年 □西 和彦+他3名 ;『階段とエレベーター 初期高層建築における両者の関係について』, 日本建築学会大会学術講演概要集(東海), 1991. 9 □野沢 正浩+他3名 ;『事務所建築におけるエレベーター利用実態調査(その1.利用者 時刻変動)』, 日本建築学会大会学術講演概要集(東海), 1994. 9 □須藤 諭+他3名 ;『事務所建築におけるエレベーター利用実態調査 その2(在館者数 とエレベータ利用の集中率)』, 日本建築学会大会学術講演概要集(東海), 1994. 9 □日本建築学会 :『設計資料集成—業務・商業』, 丸善株式会社 , 2004. 4 □市ヶ谷出版社 :『超高層事務所ビル』, 市ヶ谷出版社 , 建築計画・設計シリーズ [23], 1987. 6 □マガジンハウス :『カーサ ブルータス』, マガジンハウス , 2005 年 10 月号 , 2005.10 □『報道をつなぐ多方向階段』, KAJIMA, <http://www.kajima.co.jp/news/digest/jul_2004/backstage/>, 2004. 7 □『NIHONSEKKEI - 作品紹介』, NIHONSEKKEI, <http://www.nihonsekkei.co.jp/works/data/kawasakihospital.html>, 掲載年不明 早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

おわりに

おわりに

本論文を書くにあたりお世話になった先生や先輩、調査にご協力して下さった皆様、同期 の友人へのお礼の言葉としたいと思います。 思い返してみると、三月から本研究に取り組むにあたり、私は始終、蟷螂の斧、暗中模 索していました。そこに明鏡止水のごとく知恵をおかし下さった金山健一先輩、田中壮作 先輩には感謝しても尽きません。 また、こころよく調査に協力してくださった高橋利定さん、竹市尚広さん、峯岸良和さ ん、その他の皆様には心より感謝しております。特に藤井英子さんには、調査にあたり多 大なご助力をいただき、感謝をどのように言葉にしてよいかもわかりません。 中間発表や八王子合宿での、渡辺仁史教授、長澤夏子先生、林田和人先生、山口有次先 生、桜井博行先生、遠田敦先輩からの鋭いご指摘には、圧巻し頭が足れる思いで噛み締め ていました。諸先生方の厳しくも暖かいご指導、ご鞭撻、心より感謝いたします。 そして、臥薪嘗胆を最後まで貫き通すことができたのは、他でもない同期の友たちの存 在でした。凍えるなか鍋をかこった友、狭い寝床をでひしめき合って寝た友、お互い悩み 答えを導き出した友、この研究で様々な人間と腹を割ってつき合うことができました。茨 のごとく日々を耐えることができたのは友の暖かい言葉でした。今では、寝食をともにし、 昼夜兼行した、同期の友人たちとは管鮑の交わりとなりました。 特に、浅木恵理子さん、小沼真幸君、城戸奈津子さん、菊池徹君、日下部真世さん、 嶋本篤君、清水勝太君、高野信雄君にはお世話になりました。 最後に、ご協力賜った方々のためにも、本研究が世に貢献することを祈っております。

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編

資料編 - オフィスプランデータ - 吹き抜け階段計画オフィスデータ - 調査オフィスデータ - 調査用紙 - 利用実態調査データ - 利用者意識調査データ

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

オフィスプランデータ

資料編 - オフィスプランデータ

近年までのオフィスプランの変遷

1993 年 B5F 21F 62,821m2

2002 年 B5F 48F 231,701m2

2004 年 B4F 20F 98,064m2

1958 年 B1F 38F ---m2

S : 1/1000 0 10 20 [m]

2002 年 B4F 31F 83,260m2

:階段 :エレベーター

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

2002 年 B4F 37F 15,908m2 70


吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

オフィスプランデータ

資料編 - オフィスプランデータ

近年までのオフィスプランの変遷

1970・1972 年 B-F 110F 約 418,000m2 1990 年 B2F 70F 132,895m2

1993 年 B3F 70F 392,885m2

2002 年 B2F 45F 157,365m2

2003 年 B6F 54F 380,105m2

S : 1/1000 0 10 20 [m]

:階段 :エレベーター

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

オフィスプランデータ

資料編 - オフィスプランデータ

近年までのオフィスプランの変遷

1931 年 B-F 102F ---m2

1968 年 B3F 36F 153,224m2

2003 年 B4F 43F 217,753m2

S : 1/1000 0 10 20 [m]

:階段 :エレベーター

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

2005 年 B4F 39F 133,856sm2 72


吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

オフィスプランデータ

資料編 - オフィスプランデータ

近年までのオフィスプランの変遷

1986 年 B4F 47F 99,171m2

1997 年 B-F 56F ---m2

1991 年 B2F 21F 24,006m2 1997 年 B3F 29F 36,000m2 1995 年 B5F 30F 84,832m2

2003 年 B4F 24F 42,274m2

S : 1/1000 0 10 20 [m]

:階段 :エレベーター

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 吹き抜け階段計画オフィスデータ

吹き抜け階段計画オフィスデータ

東京ビルディング

丸の内ビルディング

東京ビルは、ゾーン単位で 4 企業の

「新丸の内ビルディング」は、4 つのエ

シティ。1 ゾーンあたり約 6,000 坪。

面積は約 6,000 坪、収容人数は 2,000

本社機能をすべて内包できるキャパ

2,000 人から 3,000 人の収容規模を

誇ります。エレベータホールやセキュ リティ機能もゾーン単位で完全に独 立して完結可能。また、ディーリン グルームやプレゼンテーションホー

ルなど用途に活用可能な高階高の特殊フロア(階高 5m または 5.5m)も各ゾーンごとに用意しています。

所在地 東京都千代田区丸の内 2 丁目 7 番 3 号(地番) 建築主 三菱地所株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社 東京三菱銀行 設計・監理 株式会社三菱地所設計 施工 鹿島建設株式会社 他 竣工 2005 年 10 月予定 主要用途 事務所・店舗・駐車場 他 構造形式 地上:鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 階数 地上 33 階、塔屋 1 階、地下 4 階 高さ 約 164.1m 延床面積 約 150,000m2(約 45,000 坪) 貸室面積合計 約 77,000m2(約 23,300 坪) 基準階貸室面積 2,600 〜 2,950m2(約 788 〜 894 坪) 床荷重限度 一般ゾーン 500kg 特殊階全域及びヘビーデューティーゾーン 800kg 天井高 基準階 2,800mm(OA 床 150mm) エレベーター 乗用 8 台 ×4 バンク 計 32 台 駐車場 約 200 台 <http://tokyo.mec.co.jp/index.html>

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

レベーターゾーン(1 ゾーン当たりの

〜 2,500 名)で構成されており、フロ ア単位のニーズからゾーン単位のニー

ズまで幅広く対応することができます。 さらにディーリングルームやプレゼン テーションルームとして最適な特殊フ ロアも、エレベーターゾーンごとに設

定(想定フロア:31・30・29・23・22・16 階の 6 フロア)。 幅広いビジネスニーズにお応えします。

所在地 東京都千代田区丸の内 1-5-1 建築主 三菱地所株式会社 設計・監理 株式会社三菱地所設計 施工 株式会社竹中工務店 竣工 2007 年 4 月(予定) 主要用途 事務所・店舗・駐車場他 構造形式 地上:鉄骨造 地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 階数 地上 38 階、地下 4 階 高さ 約 198m 延床面積 約 195,000m2(約 59,000 坪) 貸付面積合計 約 77,000m2(約 23,000 坪) 基準階貸室面積 約 2,900m2(約 880 坪)〜約 3,200m2(約 970 坪) [34 階〜 37 階:約 1,807m2(約 547 坪)] 床過重限度 一般ゾーン 500kg / m2 特殊階全域およびヘビーデューティゾーン 800kg / m2 天井高 基準階 2,850mm(+ OA 床 150mm) 特殊階(合計 6 フロア)3,000mm(+ OA 床 300mm) エレベーター 乗用 8 台 ×4 ゾーン+非常用 2 台 駐車場 約 370 台 <http://shin-maru.mec.co.jp/index.html>

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査オフィスプランデータ

調査オフィスデータ オフィス T

□オフィス T 建物階数:7 階 食堂:1 階 喫茶:1 階 階段:3 ヶ所(1 ヶ所は吹き抜け階段) ELV:6 機

:階段 :エレベーター

エントランスホール 中央階段 写真:マガジンハウス :『カーサ ブルータス』, マガジンハウス , 2005 年 10 月号

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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資料編 - 調査オフィスプランデータ

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

調査オフィスデータ オフィス M

□オフィス M 建物階数:7 階・地下 2 階

階段:1 ヶ所

食堂:地下 1 階

ELV:4 機(2 機 社員用 , 2 機 来客用)

ドリンク:地下 1 階

:階段 :エレベーター

エレベーター(主に来客用)

エレベーター

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

階段

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資料編 - 調査オフィスプランデータ

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

調査オフィスデータ オフィス S

□オフィス S 建物階数:8 階

会議室:6 階

食堂:6 階

* 中央以外の階段はあまり認知されてい

喫茶・売店:6 階

ない。 * 中央の階段はある程度利用されてい

階段:3 ヶ所

る。

ELV:4 機 荷物用 ELV:1 機

:階段 :エレベーター

エレベーターホール

荷物用エレベーター

階段室

階段室扉シンボル

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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資料編 - 調査オフィスプランデータ

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

調査オフィスデータ オフィス H

□オフィス H 建物階数:14 階・地下 1 階

階段:2 ヶ所

食堂:2 階

ELV:7 機

喫茶・ドリンク他:1 階

荷物用 ELV:2 機 会議室:2階

:階段 :エレベーター

荷物用エレベーター

エレベーターホール

階段室

階段室

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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資料編 - 調査オフィスプランデータ

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

調査オフィスデータ オフィス B

□オフィス B

低層用 ELV:3 機 1F 〜 13F

建物階数:21 階・地下 4 階

高層用 ELV:4 機 1F 〜 4F, 13F 〜 21F

(オフィス利用 地下 1 階〜 21 階)

荷物用 ELV:1 機

食堂:12 階

* 会議スペース:2F

喫茶:13 階

* 夜間の出入りは B1F より行う。

階段:2 ヶ所

*B1F へは 低層用 ELV 1 機 高層用 ELV 2 機のみ

:階段 :エレベーター

エレベーターホール 階段室扉

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

荷物用エレベーター

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査用紙

調査用紙 - 吹き抜け階段計画オフィス

□階段エレベーター利用実態調査 - 調査用紙(オフィス T)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査用紙

調査用紙 - 吹き抜け階段計画オフィス

□階段エレベーター利用実態調査 - 調査用紙(オフィス T)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査用紙

調査用紙 - 吹き抜け階段計画オフィス

□階段エレベーター利用実態調査 - 調査用紙(オフィス T)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査用紙

調査用紙 - 一般オフィス

□階段エレベーター利用実態調査 - 調査用紙(オフィス M, S, H, B)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 調査用紙

調査用紙 - 一般オフィス

□階段エレベーター利用実態調査 - 調査用紙(オフィス M, S, H, B)

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス T )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス T )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス M )

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス S )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス S )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス S )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス H )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス H )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス H )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス B )

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス B )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス B )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用実態調査データ

利用実態調査データ

□階段エレベーター利用実態調査結果(オフィス B )

早稲田大学理工学部建築学科 渡辺仁史研究室 2005 年度 卒業論文

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吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

資料編 - 利用者意識調査データ

利用者意識調査データ

□階段エレベーター利用者意識調査結果

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U0501

早稲田大学理工学部建築学科卒業論文 指導教授 渡辺仁史

吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究 A Study on Effective Use of a Multi Floor Office with a Stairwell 會澤 太郎

Depertment of Architecture, School of Science and Engineering, Waseda University


U0501 吹き抜け階段によるオフィス複数フロアの有効利用に関する研究

會澤 太郎


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