コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
修士論文 A Study on Factors of Backache Patient's Route Choices by Conjoint Analysis
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
は じ め に
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論
■はじめに 最近は修論のため毎日重いパソコンを持って自宅と学校 の往復をしているせいか腰が痛い。将来は腰痛になるかも しれない。これも血筋なら諦めよう。そう、私の両親は揃 いも揃って重度の腰痛だ。母親は腰痛が酷いときには、外 出前に決まって目的地までの経路を検討に検討を重ねて決 めている。「あの道を通ると途中長い階段があるから・・」 などといった具合だ。 都市はバリアフリーの流れで車椅子利用者などの明確 な弱者のためのバリアは解消の動きがある。しかし腰部疾 患者などは、目に見える明確なバリアではなく経路上にあ る複合的な要因で絡み合ったバリアによって行動を制限さ れている。またその人の身体の状況によってもバリアが定 義が変わってくる。本研究ではその「経路の状況」と「個 人の身体の状況」の関係をコンジョイント分析と言う建築 ではあまり聞きなれない分析法で定量的に明らかにしてい く。
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
目 次
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
目次
目次 3
はじめに
4
目次
6
第一部:論文編
7
1 章:序論
8
1. 研究目的
9
2. 研究背景
37
3. 用語
38
2 章:研究方法
39
0. コンジョイント分析について
44
1. 調査準備
55
2. 調査実施 3 章:研究結果 1. 基本アンケート結果 2. コンジョイント分析結果 4 章:分析・考察 1. 年齢の違いについて 2. 腰部疾患者について 3. ケーススタディ 4. 考察のまとめ 5. 展望と総括 参考文献 おわりに 第二部:資料編
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
第 一 部 論 文 編
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
1 章 序 論
7
1 章:序論
8
1. 研究目的
9
2. 研究背景
10
2-1. 背景概要
12
2-2. 身体的弱者の現状
21
2-3. 都市のバリア
37
3. 用語
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序論
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>>> 2. 研究目的 ■研究目的 コンジョント分析を用い、高齢者や腰部疾患者などが 外出時の目的地までの経路を決定する際に、経路上の様々 な心理的負担要因に関して、どのように優先順位を定め選 択を行っているかを定量的に明らかにすることを目的とす る。またコンジョイント分析で作成された評価モデルを用 い、立地評価を行う。
図1−1:研究のモデルイメージ
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
■研究背景 1. 背景概要 2. 身体的弱者の現状 1. 高齢者や弱者の現状 2. 2007 年問題と都市 3. 団塊の世代の転居ニーズ 4. 高齢者の購買行動の特徴 5. 高齢者の外出の状況 6. 高齢者のトリップ調査 7. 腰部疾患者の数 8. その他事例や補足など 3. 都市のバリア 1. 高低差に関して 2. 徒歩圏(駅勢圏) 3. 公共空間のバリア 4. 高齢者の外出阻害要因 5. その他事例や補足など
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
1. 背景概要 高齢化社会が進む中、都市のバリアフリー対策は車椅 子使用者のバリアや行動の調査などから交通バリアフリー 法、ハートビル法などでアクセシビリティを確保するた めの一定の基準が示された。一方で、少し足が悪い、腰痛 があるなどといった、身体的衰弱によって日常生活の中で 様々な都市施設にアクセスが困難な状況にあることも知ら れている。上述の法令によれば施設側ではこれらの人に対 しても一定の要求を満たしていると言っている。しかし、 病院や買い物に行く都市内のルートで、身体疾患に対して 階段等の過度な負荷がある場合は、その人にとっては都市 内でのバリアとなっていると言える。既往研究では、弱者 といっても様々な種類・度合いがあるにもかかわらず、一 様な「身体的弱者」として一様に扱ってきた。また弱者が 都市の中でどのように困っているかを建築的かつ定量的に 明らかにされていない。
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序論 >>> 2. 研究背景
2. 身体的弱者の現状 2-1. 高齢者や弱者の現状 2005 年の半ばに高齢化率はついに 20% を超え、超高齢 化時代を迎えている。 先進諸国の高齢化率を比較してみると、我が国は 1980 年代までは下位、90 年代にはほぼ中位であったが、21 世 紀初頭には最も高い水準となり、世界のどの国もこれまで 経験したことのない本格的な高齢社会が到来するものと見 込まれている(図1−2)。
図1−2:世界の高齢化率
2-2. 2007 年問題と都市 現在、2007 年以降団塊の世代の一斉退職による労働力不 足などの様々な影響が懸念されている。 実際に 60 歳の定年でみなが仕事をやめるわけではないの で、極端な変化は少ないと予想されているが、長期的に見 ると図のように多くの高齢者が退職することになる(図1 −3)。 2007 年以降、多くの高齢者を受け入れなければならない 都市では、新たな問題が顕在化してくると予想される。 図1−3:退職者数の推移(予想) 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 2-3. 団塊の世代の転居ニーズ 「高齢者やプレ高齢者のライフスタイル調査( 社)住宅 生産団体連合会 東京ガス(株)都市生活研究所)」から 高齢期の居住に関するニーズを探ってみる。 調査時期 :2003 年8月 調査方法 :郵送による質問紙留置法 調査対象 :首都圏在住・戸建持家者(50 歳以上) 有効回答数:1261 件(回収率 63.5%) ・高齢期のライフスタイル 高齢期のライフスタイルにおけるキーワードは「健康・ 家族・楽しみ・経済」が挙げられる。特に健康を気にして いることが分かる。
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図1−4:高齢期の居住に関するニーズ 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 ・高齢期の理想の住環境 重視項目(5件法で、「 非常に重視する 」「 やや重視す る 」 と回答した人の割合) 1 位 治安がよい
94.4%
2 位 食料品・日用品の店が近い 93.8% 3 位 駅まで歩ける距離 4 位 総合病院が近い
87.9% 5 位 内科など医院が近い
6 位 街に緑が多い 7 位 介護行政サービスが充実 8 位 気候が温暖
9 位 物価が安い
10 位 街に坂や段差が少ない 上位を見て分かるように非常に利便性を重視している人が 多いことが分かる。 ・駅勢圏マンションへの転居意向(図1− 5) 約 2 割が転居を希望している。また女性のほうが新しい 環境を望んでいるようだ。 ・駅勢圏マンションへの転居理由(図1− 6) 介護対応や利便性など身体能力の衰えを考慮したもの目立
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・まとめ 高齢者の潜在的ニーズの中で利便性の高い都心への転居は
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図1− 5:駅勢圏マンションへの転居意向
高く、将来的に高齢者の都心居住が更に進むと考えられる。 本調査では将来の身体の衰弱を不安に感じた回答が目立 ち、その身体状況を考慮した立地を明確化する必要がある。
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図1− 6:駅勢圏マンションへの転居理由 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 2-4. 高齢者の購買行動の特徴 ※参考文献 1 「高齢者の買物行動に関する研究 : 買物にお
参考文献 1 を参照に高齢者の買物行動から日常生活に
ける満足度に注目して」 房野麻紀子 立命
おける外出行動を考えてみる。
館大学 政策科学研究科 2002年度修士 ■調査概要
論文
調査地は岐阜県大垣市。市の老人クラブ連合会を通して 200 部を配布、166 部を回収し、高齢者の買物において、 それに対する評価、頻度、目的と自身の生活に関する考え を中心に、単純集計・クロス集計・相関係数・主成分分析 などを使用し、買物に対する満足感を分析した。 ■ 高齢者の商店街、大型店の利用割合の推移 表は 60 歳代、70 歳以上の地元商店街、地元大型店の 利用割合の推移をみたものである。「地元の商店・商店街」 を「ほぼ毎日」利用する割合は 60 歳代では平成 8 年の 48.8%から平成 11 年の 43.3%へと 5.5 ポイント減少し、 平成 14 年には 39.2%と 9.6 ポイント(H8-H14 年)の大 幅な減少であった。しかし、70 歳代以上では平成 8 年の 51.1%から平成 14 年の 49.2%へとほぼ横ばいで推移し ている。「ほぼ毎日」と「週に 2 ∼ 3 回」を合わせた利用 状況は 60 歳代では減少傾向、70 歳代以上ではやや増加 となっている。一方、地元大型店の利用状況は 60 歳代は ほぼ横ばい、70 歳代以上は「ほぼ毎日」は減少し、「週に 2 ∼ 3 回」は増加傾向にある。 「地元商店・商店街」の利用だけに限ってみると 70 歳 代以上の地元商店・商店街の利用状況は平成 8 年移行ほ ぼ横ばいで推移しているが、60 歳代では減少しており、 高齢者の地元商店街に対する支持が今後とも継続されるの
表 1 − 1: 高齢者の商店街、大型店の利用割合の推移
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か懸念されるところである。
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早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 「高齢者の日常生活に関する意識調査結果」
2-5. 高齢者の外出の状況
■調査対象者及び調査方法等
左記調査を参考に高齢者の外出状況について考えるてみ
(1)調査対象
る。
全国の 60 歳以上の男女 (2)調査方法
■日常の外出の状況(図1− 7)
調査員による面接聴取法
日常の外出状況をみると、「自分から積極的に外出する
(3)調査実施期間
方である」が 62.3%を占め、
平成 16 年 11 月 18 日∼ 12 月 5 日
「家族や他人から誘われたり、仲間がいれば外出するほう
(4)標本抽出方法
である」が 22.3%となってい
層化二段無作為抽出法
る。
(5)調査対象者数及び有効回収数
年齢階級別にみると、「自分から積極的に外出する方で
ア.標本数 4,000(260 地点)
ある」は年齢が低いほど割合が高く、「外出することはほ
イ.有効回収数 ( 率 ) 2,862(71.6%)
とんどない」は 80 ∼ 84 歳(16.0%)、85 歳以上(27.2%)
ウ 調査不能数(率) 1,138(28.5%)
で高くなっている。 健康状態別にみると、「自分から積極的に外出する方 である」は健康状態が良い人ほど割合が高く、良いで 73.5%、良くないで 32.7%となっている。「家族や他人か ら誘われれば仕方なく外出する方である」は健康状態が良 くない人ほど割合が高くなっている。
図1− 7:高齢者の外出の状況
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序論
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>>> 2. 研究背景 ■主な外出手段(図1− 8) 自分一人で利用できる外出手段をみると、「自動車、バ イク、スクーター(いずれも自ら運転するもの。 身 体 障害者等が運転できるよう特別に装備されているもの を含む。)」が 48.8%と最も高く、次いで「バス・電車」 47.2%、「家の近くの歩行(つえ、シルバーカーなどの利 用を含む。)」37.4%、「自転車 ( 電動アシスト付き自転車 を含む。)」35.0%、「おおよそ 15 分以上の歩行(つえ、 シルバーカーなどの利用を含む。)」29.7%等の順となっ ている。 前回調査(平成 11 年)と比較すると、 「自動車、バイク、 スクーター(いずれも自ら運転するもの。身体障害者等が 運転できるよう特別に装備されているものを含む。)」が 10.2 ポイント高く、前回3番目の割合から、最も高い割 合になっている。一方、「家の近くの歩行(つえ、シルバー カーなどの利用を含む。)」が 7.7 ポイント、「おおよそ 15 分以上の歩行(つえ、シルバーカーなどの利用を含む。)」 が 5.9 ポイント、 「バス・電車」が 5.6 ポイント、 「タクシー の利用」が 4.3 ポイント低くなっている。
図1− 8:高齢者の外出手段 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論 >>> 2. 研究背景
都市規模別にみると、「自動車、バイク、スクーター(い ずれも自ら運転するもの。身体障害者等が運転できるよう 特別に装備されているものを含む。)」は、都市規模が小さ くなるほど割合が高く、郡部(町村)で 57.7%、人口 10 万未満の市で 53.2%となっている。「バス・電車」は大都 市で 68.6%と割合が高くなっている。 年齢階級別にみると、「自動車、バイク、スクーター(い ずれも自ら運転するもの。身体障害者等が運転できるよう 特別に装備されているものを含む。)」、 「自転車 ( 電動アシ スト付き自転車を含む。)」は年齢が低い人ほど割合が高 くなっている。また、「自分一人で外出することはほとん どない」は 80 ∼ 84 歳で 14.6%、85 歳以上で 22.2%と 高くなっている。 健康状態別にみると、「自動車、バイク、スクーター(い ずれも自ら運転するもの。身体障害者等が運転できるよう 特別に装備されているものを含む。)」、 「自転車 ( 電動アシ スト付き自転車を含む。)」は、健康状態が良い人ほど割 合が高くなっている。
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 ■外出時の障害(図1− 9) 外出するにあたって障害となるものをみると、「道路に 階段、段差、傾斜があったり、歩道が狭い」が 11.3%で 最も高く、以下、「バスや電車等公共の交通機関が利用し にくい」が 9.6%、「交通事故が多く不安」が 8.5%、「道 路に違法駐車、放置自転車、荷物の放置などがある」が 7.5%、「街路灯が少ない、照明が暗い」が 7.2%等の順と なっており、「特にない」は 63.1%となっている(図)。 都市規模別にみると、「バスや電車等公共の交通機関が 利用しにくい」は、都市規模が小さいほど割合が高くなっ ている。
図1− 9:外出時の障害
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
2-6. 高齢者のトリップ調査 ■トリップ回数 10 年前に比べて各年齢階層で高齢者の1人あたりトリッ プ数が増加していることから、今の高齢者は 10 年前に比 べて活発に移動していることが分かる(図 1 − 10)。 ■利用代表交通手段構成比 また、過去 10 年間で徒歩の割合が減少し、自動車を利用 する割合が増加している。(図 1 − 11)
図 1 − 10:高齢者の1人あたりトリップ数
図 1 − 11:高齢者が利用する代表交通手段構成比 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 2-7. 腰部疾患者の数(図 1 − 12) 厚生労働省が平成 16 年に行った「国民生活基礎調査の 概況」によれば、腰部疾患に関する有訴者は30代以降で は男女共に上位を占めている ( 図)。特に65歳以上では 男女ともに 20%前後と非常に高い結果が出ている。この 結果から高齢化、特に団塊の世代の大量退職以降は、都市 は外出に支障をきたす腰部疾患者を過去に例を見ないほど に内包することになる。
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年齢別にみた有訴者率の上位5症状(男)
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年齢別にみた有訴者率の上位5症状(女)
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図 1 − 12:腰部疾患者の数(男女) 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 3. 都市のバリア 3-1. 高低差に関して ここでは 2005 年の夏に行った博覧会の調査から高低差 の選択傾向について論じる。 ■研究背景 2005 年 A 博覧会ではバリアフリーの配慮がなされてい ることもあり、多くの高齢者が来場している。会場には、 ループ(註1)と呼ばれる主要移動動線から各ゾーンへと 分岐する計画となっている。高低差のある地形のため、ルー プからの分岐には、選択可能な移動手段が複数あり、高齢 者等の属性により選ばれ方に違いがあると考えた。 ■研究目的 大規模集客施設における高齢者の移動手段の階段などの 選択傾向を明らかにし、空間的特長と高齢者の行動特性の 関係を検証する。 ■研究方法 [1] 会場でのビデオ撮影 ループからの高低差のある分岐のうち、エスカレータ、 階段、エレベータのある 4 箇所に三脚を設置し、miniDV カメラで利用者の選択の様子を撮影する。11:00、15:00、 19:00 の計 3 回、各 10 分間の撮影を行う。 [2] 映像からの属性と選択のデータ化 (b) 撮影した映像の中で、5 分間の通行の様子を外見か ら判断し以下の属性に分類し通過人数をカウントする。 ・高齢者:65 歳以上 ・中間層:50 ∼ 65 歳(団塊の世代前後) ・若年者:およそ 50 歳以下の歩行可能者 ・歩行弱者:車椅子使用者、車椅子・ベビーカーを引く人
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序論
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>>> 2. 研究背景 ■分析・考察 (1)全体を通して 博覧会に来場する高齢者は歩行能力や体力があり、選択 傾向にその他世代と顕著な差は見られない。ポイント D の上りでは高齢者が階段を選択する割合が中間層より高 く、若年者と同程度である。この場所は、ループに近いた めポイント C に比べ利用前に長時間歩行を行ってきた人 が少なく、身体能力の低い高齢者でも階段を選択しやすい と考えられる。 (2)連続昇降 ポイント A では若年者の階段選択率の高さが顕著であ る。この場所は連続した二つの階段があり、高齢者ほど連 続した階段昇降による疲労を避ける傾向が強いと考えられる。 ■総論 場者は特に健康な人が多く、予想されていた程の高齢者 の不利な状況は少なかったと言えるが、大きな高低差のあ る場所や長時間の移動後の移動はやはり負担が大きく検討 が必要である。また身体能力の低い高齢者でも移動が負担 にならず、「行ってみようと」思わせるような仕掛け作り が必要と言える。 註1:ループとは会場内を巡る幅 21m 全長 2,600m の移動通路であ り、各パビリオンゾーンや入場ゲートをつないでいる。 註2:本研究では分類の簡略化また身体能力の年齢変化と、また施 設選択への影響を考慮し分類を行った。 表 1 − 2:移動手段の選択様子
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 3-2. 徒歩圏 ピーター・カルソープは自身の著書で公共交通指向型開 発(TOD)を提起し,公共交通の駅を中心とする 600m の徒歩圏に商業,業務,住宅を集積させ,目的地間を歩き やすい道路網とするとした。現在、駅からの徒歩距離は、 500m ∼ 600m が一般的である。 また、高橋研究室編,『かたちのデータファイル』(図 1 − 13)でも健常な成人が負担無く歩ける距離の目安が 500m であることが分かる。 本研究では、どのような身体情報の人にとっても負担無 く歩行できる距離を 500m ∼ 600m としている。
図 1 − 13:様々な距離 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
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>>> 2. 研究背景 3-3. 公共空間のバリア 「福祉のまちづくりに関する都民の意識」(平成 16 年度 東京都社会福祉基礎調査)より公共空間に存在するバリア について考えてみる。 ① 日常よく出かけるところに着くまでのバリア(障壁) の有無 日常よく出かけるところ(職場、学校、買い物先など) に着くまでに、道路や駅、交通機関(電車やバス等)など でバリア(障壁)になっているところはあるか聞いたとこ ろ、「ある」と感じている人は 60.3%、「ない」と感じて いる人は 39.4%となっている(図 1 − 13)。 年齢階級別にみると、男性の 30 ∼ 39 歳 60.2%、女 性の 40 ∼ 49 歳 74.3%、30 ∼ 39 歳 72.2%と、男女と もに子育てをしている人が多いと思われる世代での割合 が高くなっている。一方、65 歳以上をみると、男性が
図 1 − 13:日常よく出かけるところに着くまでの
50.1%、女性が 50.7%と比較的低い割合とな
バリアの有無
っている(表1− 3)。 表1− 3:日常よく出かけるところに着くまでの バリアの有無−性・年齢階級別 ! " !" =,!" =,>3/?01 =,;./;01 =,<./<01 =,6./601 =,-./-01 =,2./201 =,3.145 =,-6145 789: +,!" +,>3/?01 +,;./;01 +,<./<01 +,6./601 +,-./-01 +,2./201 +,3.145 +,-6145 789:
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性別にみると、バリア(障壁)が「ある」と感じている 人は、男性 55.3%、女性 64.4%であり、女性の割合の方 が高くなっている(表1− 3)。
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地域別にみると、バリア(障壁)が「ある」と感じてい
多摩中央部南が 62.6%と最も多く、区部中央部が 57.0% と最も少ないなどの違いがみられる(図 1 − 14)。
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図 1 − 14:日常よく出かけるところに着くまでのバリアの有無
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
−地域別 24
序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 ② 日常よく出かけるところに着くまでのバリア(障壁) の箇所 日常よく出かけるところに着くまでに、バリア(障壁)が あると答えた人に、そのバリアの箇所を聞いたところ、 「道 路」が 74.9%と最も多く、次いで、「公共交通施設(鉄道 の駅、バスターミナル等)」56.2%、 「公共交通機関(電車、 バス等の車両)」34.3%となっている(図 1 − 15)。 性・年齢階級別にみると、すべての性・年齢階級で、項 目の順位は同じになっている。「道路」については、男 性では 50 ∼ 59 歳 81.4%と、80 歳以上 78.1%で多く なっており、女性では 50 ∼ 59 歳 80.5%、60 ∼ 69 歳 79.5%、40 ∼ 49 歳 78.4%で、それぞれ 8 割前後と多く なっている(表1−4)。 図 1 − 15:日常よく出かけるところに着くまでのバリアの箇所 (複数回答)
地域別に見ると、すべての地域で、項目の順位は同じ になっている。「道路」では、区部 72.4%よりも、市町村 部 80.4%の割合の方が高くなっている。これに対し、「公 共交通施設(鉄道の駅、バスターミナル等)」では区部
表 1 − 4:日常よく出かけるところに着くまでの
59.5%、市町村部 48.9%、「公共交通機関(電車、バス等
バリアの箇所(複数回答)−性・年齢階級別
の車両)」では区部 35.3%、市町村部 32.1%と、それぞ
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
③ 道路で整備が必要なこと 道路にバリア(障壁)があると答えた人に、高齢者・障 害のある方・妊産婦・乳幼児を連れた方などが、道路を利 用しやすくするために、どのような整備が必要か聞いたと ころ、「歩道と車道の段差を少なくしたり、歩道の幅を広 げる」65.5%、「歩道上の障害物(看板・放置自転車等) をなくす」63.1%がともに 6 割以上と多く、次いで「歩 道と車道を分離する」44.5%となっている。「その他」と しては、「歩道を走行する自転車のマナーの徹底」、「歩道 内の舗装を整える」などが多くあった。11 年調査と比較 すると、1 位と 2 位の項目が入れ替わった以外は、同様 の順位となっている。(図 1 − 16) 年齢階級別でみると、50 ∼ 59 歳と 60 ∼ 69 歳では「歩 道上の障害物(看板・放置自転車等)をなくす」が最も多く、 その他の年齢階級では「歩道と車道の段差を少なくしたり、 歩道の幅を広げる」が最も多くなっている(表 1 − 6)。
図 1 − 16:道路で整備が必要なこと
表 1 − 6:道路で整備が必要なこと (3 つ以内の複数回答)−地域別 ! "
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 ④ 公共交通施設(鉄道の駅、バスターミナル等)で整備 が必要なこと 公共交通施設(鉄道の駅、バスターミナル等)にバリア(障 壁)があると答えた人に、高齢者・障害のある方・妊産婦・ 乳幼児を連れた方などが、公共交通施設(鉄道の駅、バス ターミナル等)を利用しやすくするために、どのような整 備が必要か聞いた。「エレベーターやエスカレーターの整 備」63.7%が最も多く、次いで「出入口や通路の段差を なくしたり、幅を広げる」41.8%、「乗降場(駅のホーム 等)との車両との、すき間や段差をなくす」34.0%となっ ている。11 年調査と比較すると、順位はほぼ同様となっ 図 1 − 17:公共交通施設(鉄道の駅、バスターミナル等) で整備が必要なこと
ているが、「エレベーターやエスカレーターの整備」が他 の項目に比べて特に多くなっている。(図 1 − 17) 年齢階級別にみると、すべての年齢階級で、「エレベー ターやエスカレーターの整備」の割合が特に多くなってい る。30 ∼ 39 歳では、「エレベーターやエスカレーターの 整備」72.0%、「出入り口や通路の段差をなくしたり、幅 を広げる」48.1%、 「車いすの人や乳幼児を連れた人など、
表 1 − 7:公共交通施設(鉄道の駅、バスターミナル等)で 整備が必要なこと(3 つ以内の複数回答)−性、年齢階級別 ! "
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18 ∼ 29 歳が 44.4%と最も多い一方で、「バス乗り場な どに、ベンチや屋根を設置する」と「だれもが利用しやす くて、わかりやすい案内標示の整備」は、70 ∼ 79 歳が それぞれ最も多くなっている等の年齢による違いがみられ る。(表 1 − 7)
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
⑤ 公共交通機関(電車・バス等の車両)で整備が必要な こと 公共交通機関(電車・バス等の車両)にバリア(障壁)が あると答えた人に、高齢者・障害のある方・妊産婦・乳幼 児を連れた方などが、公共交通機関(電車・バス等の車両) を利用しやすくするために、どのような整備が必要か聞い た。「乗り降りしやすいノンステップバスの整備」74.6% が最も多く、次いで「車いすやベビーカーなどの専用スペー スの整備」51.5%となっている。11 年調査と同様に、「乗 り降りしやすいノンステップバスの整備」が特に多くなっ ている。(図 1 − 18) 年齢階級別でみると、すべての年齢階級で、「乗り降り しやすいノンステップバスの整備」の割合が最も高くなっ ている。 「車いすやベビーカーなどの専用スペースの整備」 は、30 ∼ 39 歳 63.8%、18 ∼ 29 歳 60.0%の割合が高く なっている一方で、60 歳以上では低い割合となっている。 「電光掲示板などの案内標示がついている、電車やバスの 図 1 − 18:公共交通機関(電車・バス等の車両)で 整備が必要なこと(3 つ以内の複数回答)
表1−8:公共交通機関(電車・バス等の車両)で 整備が必要なこと(3 つ以内の複数回答)
整備」は、60 ∼ 69 歳が 41.7%と、最も高い割合となっ ている。( 表1−8) ※ 日常よく出かけるところに着くまでのバリアについて の主な意見(自由意見欄の記述より)
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庁はもちろん最優先に考えなければいけないだろうが、そ こに行くまでの道路のことも優先して考えてください。 (女
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 性・50 代) ○ 歩道は段差もなくなり歩きやすくなっているが、商店 街は放置自転車も多く、店も自分の店の一部のように商品 を出して並べている。以前、車いすの方を押して歩いてい たが、車道に出なくてはならずとても恐い思いをした。 (女 性・70 代) ○ 道路の整備が遅れている。歩道が狭い所に標識があり、 歩行者及び自転車が通るとき支障があります。電柱も歩行 者の障害になっていることもあります。下水施設がない道 路は雨で水たまりがひどく、歩行が大変です。(男性・50 代) ○ まだまだ障害者の人たちが住みやすいまちになってい ないような気がする。特に、点字ブロックの上に自転車な どが止めてあるのをよく見かける。(男性・50 代) ○ 今年けがをして、まつば杖を使用して1ヶ月生活しま したが、改めて道路の歩きにくさを感じました。道路の凹 凸や側溝側への傾斜のきつさ。また、道路補修箇所では通 ることができないこともありました。ほんのしばらくの間 でも不便を感じることが多かったので、体が不自由な方や ベビーカーを使用している方にはもっと切実なのでは、と 思いました。(女性・40 代) ○ ヘルパーの仕事をしており、障害者の方のお世話をし ているので、いろいろな場面で困ることが多い。例えば、 工事現場の近くを車いすで通ると、大変危険に感じること がある。(女性・50 代) ○ 歩行者用信号の時間を余裕あるものにしたい。スクラ ンブル信号の歩行者用の時間と車両用の時間のバランスが 悪い所が多い。(男性・70 代)
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
序論 >>> 2. 研究背景
引用元: 第 41 回大会 ( 日本人間工学会第 41 回大 会講演集 人間工学 第 36 巻特別号 )
3-4. 高齢者の外出阻害要因 『在宅高齢者の外出阻害要因に関する研究 ( その 1) 聞き取 り調査にもとづく要要計測』 徳田 哲男 , 前川 佳史 自宅からの直線距離でおよそ 1Km 圏にある共通目的場 所までの移動に自立歩行可能な都内高齢男女 33 名 (60 ∼ 85 歳で平均年齢 68.8 歳 ) を対象に , 外出阻害要因に関す る聞き取り調査及び歩道環境の計測を実施した。全対象者 の 移 動 距 離 は 1,203 327m, 歩 行 速 度 は 71.9 13.1m/ 分で , 移動後の身体負担は少し感じるかそれ以上が 60% を越えた。また普段この程度の移動に公共交通機関を利用 する者は過半数に達したことから , 各種公共施設は自宅よ り 1,000m 圏内に設置されることが望まれる。移動経路 での歩きにくさ感と申告場所での計測結果からは ,160cm 以下の幅員 , 矢状面方向で 5.1 ゜及び前額面方向で 3.7 ゜ の勾配を境に歩きにくさが顕在化した。
『在宅高齢者の外出阻害要因に関する研究 ( その 2)GPS 携 帯 による一間の生活圏調査』 前川 佳史 , 徳田 哲男 前報 1 における被験者中から , 男女 3 名ずつを無作為抽出 し ,GPS を活用いた日常生活圏調査を一週間にわたり実施 した。外出時に GPS を携帯させて得られた位置情報を , パソコンの地理情報システム上にプロットし , 被験者の自 宅から外出先までの距離・移動経路・移動時間等を算出し た。移動手段は , 徒歩のみとバス利用に大別され ,1 回の 外出距離は個人差が大きかったが , 移動経路は自宅を中心 に幾つかに限定されていた。
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 3-5. その他事例や補足など 事例 1. ハートビル法 ■目的 ハートビル法は、高齢者や身体障害者などの方々が安心 して気持ちよく利用できる建築物(ハートビル)の建築を 促進することにより、誰もが快適に暮らせるような生活環 境づくりに寄与することを目的としています。 ■内容 この法律では、 デパート、 ホテル、 店舗、 飲食店、 公衆 便所など不特定かつ多数の人の利用する建築物の建築主 は、 建物の出入口、 廊下、 階段、トイレなどを高齢者や身 体障害者等の方々が安心して気持ちよく利用できるよう にするように努めなければならない。( たとえば、 段差の ない出入口や自動ドア、 誘導用の床材の設置、 幅の広い廊 下、 ゆったりとした勾配の階段、 手すり、 障害者用の便所 や駐車場、 及びスロープなどを設置することなど。 ) また、 法律で定めている望ましい水準( 誘導的基準 ) に適合する建築物は、 知事・市長の認定を受けることによ り、 様々な特例を受けることができる。
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 ■ハートビル法のしくみ 1. 建築主の責務 誰もが利用する建築物をつくろうとする際にはハートビル にする責務がある。 2. 基準への適合 ①基礎的基準(全ての特定建築主の努力の基準) 高齢者、身体障害者等の利用を不可能としている障害を除 去するための水準を示すもの ②誘導的基準(計画の認定を受ける際の基準) 社会全体で目指すべき高齢者、身体障害者等が特段の不自 由なく建築物を利用できる水準を示すもの 3. 計画の認定 誘導的基準を満たす建築物の建築主は知事等の認定を受 けることができる。 その際、建築主の負担を軽くするためのメリットがある。 ①容積率の特例 高齢者や車いす利用者などが利用しやすくするためには トイレや廊下等の面積が 増える。法律では増えた分について、容積率算定の際の特 例を設けている。 これにより、売場面積や客室面積があまり減らないように し、事業者の負担を軽く している。 ②税制上の特例 所得税、法人税の割増償却が受けられるほか、事業所税 (新増設分)の非課税 (お寄りなどの利用に配慮したトイレや廊下などを整備し た際に増えた床の増部 分)がある。 ③低利融資(人にやさしい建築物整備促進事業) 日本開発銀行等から低利の融資が受けられる。
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 事例 2.「閉じこもり:高齢者が1∼2割 外出は「通院」 だけ」 毎日新聞 2006 年 1 月 13 日 健康に問題がないのにほとんど外出しない「閉じこもり」 状態の高齢者が1∼2割に上ることが、厚生労働省長寿科 学総合研究班の調査で分かった。調査対象は協力が得られ た4市町村だけだが、研究班は初の全国推計としている。 高齢者の閉じこもりは「寝たきり」につながるとの研究も あり、今後、対策が求められそうだ。 調査は00∼02年、「寝たきり」状態や、介護保険制 度で「要支援」「要介護」とされる人以外で実施。宮城県 三本木町▽山形県寒河江市▽福島県須賀川市▽沖縄県今帰 仁(なきじん)村で、65∼75歳以上の延べ2413人 (男893人、女1520人)を対象に行った。 「閉じこもり」を「週1回以上、外出しない状態」と定 義して、各自治体で集計。割合が最も高かったのは、三本 木町(00年)の女性の22%。須賀川市の女性(01年) の21.5%が続き、最低は同市の男性(同)13%だった。 「閉じこもり」と分類した人に外出する際の理由を聞いた ところ、自治体や男女にかかわらず、最多は「通院」だった。
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 事例 3. 巨大ニュータウンの黄昏 ∼高齢者 うつ病を防げ∼ 「NHK 放送」より (http://www.nhk.or.jp/fukushi/utsu/file/04.html) ■概要 全国で高齢者の自殺が相次いでる。現在、日本で年間約 3万人と言われている自殺者のうち、60歳以上の年代が 一番多く、1万人を超え、その8割がうつ病を患っていた とも言われる。高齢者はなぜうつ病になり、自らの命を絶っ てしまうのか、その背景を探る。 ■アンケート概要 東北大学医学部が鶴ヶ谷団地に住む70歳以上の高齢者 全員を対象にアンケート調査を実施した。 質問は 「自分の生活に満足していますか」「自分の人生 は空しいものと感じますか」 など、全32項目。死につい ての質問も含まれていた。 ■調査地概要 宮城県仙台市にある鶴ヶ谷団地は今、4人に1人が65 歳以上の高齢者となっている。東京オリンピックが華やか に開催された昭和39年。日本中が活気に満ちていた高度 成長期のさなかに、仙台市で丘陵地を切り開いての大規模 な宅地造成が行われた。2万5,000人が住む、日本で 有数の巨大ニュータウン。仙台市の中心部から車で15分 という立地のよさに、入居希望者の競争率は30倍を超え た。
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景
■アンケート結果 ・死について何度も考えることがありますか? ―― 「はい」 (約 40%) ・気分がひどく落ち込んで自殺について考えることがあり ますか? ―― 「はい」 (約 5%) ・1,146人のお年寄りのうち、380人(3人に1人 の割合)に、うつ病の傾向があった。 ・自殺の恐れがある大うつ病と診断された人が13人。 ・治療を受けないと悪化する恐れがある小うつ病が73人 いた。この数値は世界各国と比べるとトップクラスの高さ だ。 ・3人に1人がうつ病。高齢者のうつ病は農村部よりむし ろ都市部に多く見られる。 ■ある高齢者の例 (A さん) 74歳に老いた A さんは今、原因不明の不安感に襲わ れるようになった。今から30年以上前、胸を躍らせ入居 したニュータウン。ここで人生の晩年を迎えた A さんの こころに、いつしかうつ病が忍び寄っていました。ここ1 年間は、抗うつ薬をのんで治療をしている。 A さんの暮らす鶴ヶ谷団地では、かつての若い世代は皆、 年を取り、平均年齢が60歳を超える棟もある。子どもた ちは独立し、残されたお年寄りには病気で入院したり、亡 くなったりする人が目立ち始めた。A さんも友人が亡くな り、ご近所づきあいが減り、年々寂しくなる一方。 うつ病の背景には、このニュータウンの立地も関係し ている。自宅から400メートルのところにあるショッピ ングセンターに買い物に行くのが気晴らしだった A さん。 しかし、丘を切り崩し、高台に作られた鶴ヶ谷団地は、坂 道や階段に囲まれてる。以前は難なく歩けた道のりも、足 腰の弱ってきた平間さんにとっては大きな障害となり、自 由に買い物に出ることもままならなくなった。
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 研究背景 ■専門家の意見 (東北大学医学部 助教授 粟田主一さん) ・農村部に比べると都市部の人間関係は希薄ですので、年 を取ってから孤独感とか不安感を感じる高齢者の数が増え てきている。 ・鶴ヶ谷団地のように昭和30∼40年代に誕生した ニュータウンは、同じ時期に同じ世代の人が入居して、一 緒に年を取ってくる。子どもが小さい時には、とても活気 があったのが、子どもたちが成人して独立していくと親だ けが残され、そこから先、高齢化が急速に進んでいくとい うことが起こる。その結果、不安感や孤独感を感じる高齢 者が急激に増えてくる。 ・鶴ヶ谷団地と同時期にできたニュータウンというのは日 本各地にあり、同じように高齢化が進んでいる。 ■まとめ 1. 夫婦どちらかが病気、または介護を必要とする場合 ・・・配偶者が健康な場合と比べ、うつ病傾向が2.5 倍に高まる。 2. 配偶者との死別、離別を経験している場合 ・・・配偶者が健康である場合と比べ、うつ病傾向が2 倍に高まる。 3. 運動機能の低下、痛み、体の具合が悪いという自覚 ・・・健康である場合と比べ、うつ病傾向が3倍に高まる。
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序論
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 3. 用語 1-3. 用語 ■用語の定義 ・腰部疾患者 腰部疾患の有訴者とし、必ずしも通院している腰部疾患 者を指すものではない。また一部図の中などにスペースの 問題で「腰痛」と表記した部分もあったが同義で用いた。 ・要因 本研究ではコンジョイント分析における選択の原因と定 義する。例えば車を買う際に考慮される、値段やデザイン などの要素のことを言う。 ・水準 コンジョイント分析で用いられる「要因」の代償などの 程度と定義する。値段という要因の 10000 円、5000 円な どが水準である。 ・コンジョイント調査 コンジョイント分析の過程における、被験者がコンジョ イントカードを並びかえる調査のことを指す。 ・若年者 0 ∼ 39 歳以下の人すべてを指す。 ・中高年者 40 歳以上のすべての人を指す。 ・高齢者 65 歳以上のすべての人を指す。 ■用語の説明 ・コンジョイントカード コンジョイント調査に用いられる、被験者が並び替える 複数のカードのこと。
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
研究方法
2 章 研 究 方 法
40 42 43
研究方法概要 0. コンジョイント分析について 0-1. コンジョイント分析の概要 0-2. コンジョイント分析の利点 0-3. コンジョイント分析の具体的手順
44 45 46 49
1. 調査準備 1-1. 既往研究・文献・資料調査 1-2. 要因・水準の決定 1-3. 基礎アンケート作成 1-4. コンジョイントカード作成
39
55
2. 調査実施 2-1. 調査実施 2-2. 集計 2-3. 有効サンプル確定 2-4. コンジョイント分析実施 2-5. 結果抽出
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 研究方法概要 ■概要 コンジョイント分析を用いて、腰部疾患者が外出時に利用 する経路上の様々な心理的負担要因を定量的に明らかにす る。 ■研究の流れ 1. 調査準備 1-1. 既往研究・文献・資料調査 1-2. 要因・水準の決定 1-3. 基礎アンケート作成 1-4. コンジョイントカード作成 2. 調査実施 2-1. 調査実施 2-2. 集計 2-3. 有効サンプル確定 2-4. コンジョイント分析実施 2-5. 結果抽出 3. 分析・考察 3-1. モデル完成 3-2. ケーススタディ 3-3. 分析・考察
調査準備
調査実施
分析・考察
既往研究・文献・資料調査
調査実施
立地評価モデル完成
要因・水準の決定
集計
ケースステディ
基礎アンケート作成
有効サンプル確定
分析・考察
コンジョイントカード作成
コンジィント分析実施 結果抽出 図2−1:研究フロー
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> コンジョイント分析について 0-1. コンジョイント分析の概要 たとえば消費者が商品を選ぶ時にその商品のどのよう な点を重視しているのかを定量的に明らかにする手法であ る。またその要因同士を相対的に比較できることが特徴で ある。アメリカでは調査会社の 75% が使用経験があると いう程ポピュラーであるが、日本ではまだあまり利用され ていない。 詳しくは参考文献 13 ∼ 16 を参考にしていた だきたい。
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> コンジョイント分析について ■コンジョイント分析の例 不動産の物件おいて重視される物件選択の際の要因に ついて定量的に分析するために以下の要因を設定してコン ジョイント分析を行う。 要因 1:駅からの徒歩距離 要因 2:床面積 要因 3:駐車場の有無 これらの要因・水準を設定し、分析ソフトを用い処理を行 うと以下のような4つのケースが算出される(図)。この 物件を被験者に好ましい順に1位から4位まで並べてもら う。その結果で分析を行うと以下のように各要因を定量化 し比較することができる。 本研究ではコンジョイント分析を用い、外出時の経路選 択における心理的負担要因を考察する。
マンション1
駅から:5分
床面積:60㎡ 駐車場:有り
マンション2
駅から:10分
床面積:80㎡ 駐車場:有り
マンション3
駅から:10分
床面積:60㎡ 駐車場:無し
マンション4
駅から:5分
床面積:60㎡ 駐車場:無し
被験者が順位をつけ、 コンジョイント分析を実行 駅から徒歩 30%
床面積
駐車場
60%
10%
各要因の重要度を合計 100%として視覚化できる。 図2−2:コンジョイントの分析の流れ(例)
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> コンジョイント分析について 0-2. コンジョイント分析の利点 ・選択した要因を直接尋ねる SD 法などでは「すべて重要」 という回答が非常に多くなるなど(図2−3)、要因間の 相対的な重要度を把握することが困難であった。コンジョ イント分析では、複数の要因間でいずれの要因が重視され ているのかを相対化して明瞭に表現できる。 ・分析結果をもとにシミュレーションができる(図2−4)。 ・被験者は個別のパラメータを意識せず、一つの事例とし て総合的に判断できるため、現実に即した結果が得られや すい。
① 駅からの徒歩距離
重視しない ←
② 部屋の広さ
重視しない ←
③ 駐車場の有無
重視しない ←
→ 重視する
1
2
3
4
1
2
3
→ 重視する 4
1
2
3
4
→ 重視する
どの要因が重要か分からない。 図2−3:SD 法の例
マンション1
駅から:5分
床面積:60㎡ 駐車場:有り
マンション2
駅から:10分
床面積:80㎡ 駐車場:有り
マンション3
駅から:10分
床面積:60㎡ 駐車場:無し
マンション4
駅から:5分
床面積:60㎡ 駐車場:無し
得点化 5点
7.5 点
2.5 点
4点
図2−4:シミュレーションでの得点化(例)
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> コンジョイント分析について 0-3. コンジョイント分析の具体的手順 1. 要因と水準の決定(表2−1) 要因数は4∼6程度、水準数は2∼5程度。 2. 直行配列表を使った項目の絞り込み すべての要因・水準の組み合わせではコンジョイント カードが膨大になってしまうため、PC 上で最低限必要な 組み合わせに絞込み実験を行う。被験者の負担を減らせる のも特徴である。 3. コンジョイントカードの作成 被験者による回答法は以下の種類がある。 ・リッカート方式 5段階評定など ・順位付け方式 もっとも好ましい項目からそうでない項目まで順位をつ ける ・並べ替え方式(カード式) 各組み合わせをカードにして好ましいものからそうでな いものに並び替える。 本研究では最も正確な結果が得られる「並べ替え方式」を 選んだ。 4. 調査実施 表2−1:要因と水準(例) 要因
水準
被験者にすべてのカードに1位から順位を付けてもら う。
駅からの徒歩時間 5分 10分 15分 床面積
50mm 60mm 70mm 80mm
駐車場
有 無
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
研究方法 >>> 調査準備
1-1. 既往研究・文献・資料調査 コンジョイント分析を行うためには、被験者が経路を選 択する際に検討する経路上の要因を設定しなければならな い。要因設定のための経路選択において心理的な負担とな る経路上の要因を調査する。既往研究・文献調査・WEB 調査を行った。また健常者・腰部疾患者のヒアリングも行っ た。その結果、主な要因として以下が挙げられることが分 かった。 ・距離 ・階段・坂の有無 ・人の込む具合 ・手摺の有無 ・電車の揺れがない ・運賃が安い
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 調査準備 1-2. 要因・水準の決定 1-1 の要因から要因数の限界を考慮し、建築や都市に関 係のあると考えられる以下の 4 つを本研究で用いる要因 として設定した。その他の要因に関しては基本アンケート にて SD 法で調査することにした。 要因 1:距離 要因 2:段差の高低差 要因 3:段差の種類 要因4:経路の混み具合 また水準は以下(表2−2)のように設定した。設定の根 拠は以下である。 ・要因 1:距離 駅からの徒歩距離を想定し、駅勢圏として一般的な 600m を設定し、遠回りの経路として駅勢圏の限界程度の 距離 900m を設定した。 ・要因 2:段差の高低差 駅のプラットホームからの階段として一階分(およそ 5m)を設定し、さらに困難なものとして3階分を設定した。 ・要因 3:段差の種類 文献、実験室における動作分析によれば坂の方が腰部への 負担が大きいという結果が得られていたことから、階段と 坂の2種類を設定した。 ・要因 4:人通りの激しさ 混雑の度合いは明確な回答を得るため、2つの水準をの みにした。
表2−2:要因と水準 水準1
要因
水準2
距離
500m
遠回り(800m)
高低差
なし
1階分
階段
坂
段差の種類
人通りの激しさ 混んでいる
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水準3 3階分
混んでいない
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
研究方法 >>> 調査準備
1-3. 基礎アンケート作成 被験者へのコンジョイントカードによる調査に同時に属 性や個別の特徴等に関するアンケートを行う。項目は以下 である。 問1:年齢 問2:腰痛の経験の有無 問3:その時の腰痛の程度 問4:腰痛時に身体的に最も困ること。 問5:自宅からの最寄駅 問6:最寄駅までの距離 問7:最寄り駅までの主な交通手段 問8: 階段 と 坂 どちらのほうが良いか 問9:経路を検討する際に、最も重要な要因 問10:経路検討の際の要因に関する SD 法 ① 徒歩距離が短い ② 階段が少ない ③ 坂が少ない ④ バス・電車を利用しなくて済む ⑤ 手すりなどつかまるところがある ⑥ 人で混んでいない ⑦ 運賃が安い 実際のアンケート用紙は次ページのようになる。
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図:アンケート用紙1ページ目
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コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
図:アンケート用紙2ページ目
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 調査準備 ※ 1. 本研究での PC 作業はすべて Windows XP
1-4. コンジョイントカード作成
で行った。
1-2 で作成した要因・水準を PC 上のソフトに入力する
※ 2. ソフトは「SPSS13.0J for Windows コンジョ
と、今回の調査で用いられる10種類の組み合わせが生成
イント」を用いた。
さ れ る。 全 水 準 の 総 当 り で あ る と 2
3 2 2 の24
通りなるのだが、ソフトが最低限分析に必要な組み合わせ に絞ってくれる。 次に10通りの組み合わせを「並べ替え方式(0-3参照)」 の手法に従い、一枚一枚のカードをとして作成した。 作成の際の留意点は以下である。 ・実際の経路をイメージしやすいように、階段・坂、混雑 した街の様子などの写真をカードに掲載した。 ・経路の状況の要約を下に掲載した。 調査の際の被験者への注意の頭書きを含めた実際のカード を P51 から掲載する。
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研究方法
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> コンジョイント分析について 「コンジョイント分析について」 千葉佐智子、岩本 俊彦、岡本 眞一 http://www.iic.tuis.ac.jp/edoc/ journal/ron/r1-2-2/r1-2-2e.html
■要因と水準の決定 ここではアンケート作成時に特に注意を要する項目につ いて検討する。作成にあたっては左記ホームページを参考 にした。1)属性項目・水準の決定、2)水準幅の設定、3) 被験者の選定の3項目である。 1) 属性項目・水準の決定 アンケートの項目を決定する際、その対象商品に関わる すべての項目をアンケートに盛り込むわけにはいかない。 そのため、対象商品の属性の中から重要と思われる項目を 絞りこむ。この項目決定の際に重要なことが 2 つある。 「選 定した項目以外の条件はすべて等しい」ということと、 「各 項目間にトレードオフ関係が成り立っている」ということ である。項目の決定は、アンケート調査そのものの意味を 示しているので、この 2 つの前提のもとで事前調査など を行いアンケート表を十分検討して調査の計画を実行する 必要がある。 2)水準幅の設定 コンジョイント分析の属性項目で非常に重要な項目が水 準幅、もしくはそれに準ずるものである。水準の幅が広す ぎるとその水準ばかりが重視され、トレードオフ関係が見 えなくなり、水準の幅が狭すぎると価格を無視したトレー ドオフを行うことになり、他の水準のその水準価値換算に 意味がなくなる。やはり、ここでも事前調査やプリテスト などを十分に行い分析に適したトレードオフが、被験者の 中で行えるようにすることが大切である。 3)被験者の選定 被験者がアンケート調査対象の属性項目を理解できなけ れば、アンケート調査自体の意味は存在しないだろう。
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図2−5:コンジョイント分析の際の注意書き
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図2−6:コンジョイントカード(経路 1 ∼ 4)
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図2−7:コンジョイントカード(経路 5 ∼ 8)
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図2−8:コンジョイントカード(経路 9 ∼ 10)
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研究方法
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>>> 調査実施 2-1. 調査実施 1-3 で作成した基礎アンケートと 1-4 で作成したコン ジョイント調査を同時に行ってもらう(図)。10の条件 の異なる経路が記入されている CC を、被験者が選びたい 順に1位から10位まで順位をつけてもらう。 調査時は調査人は対面せず、被験者にアンケート用紙を 読むことで自力で回答してもらった。 調査概要は以下である 被験者数:95 人 期間:2006/12/15 ∼ 2006/1/25 アンケート配布方法:直接配布、知人への郵送 図2−9:コンジョイント調査の様子
調査時間:5分∼15分程度 2-2. 集計 アンケート用紙に記入された調査結果をエクセルに入力 する。 2-3. 有効サンプル確定 収集したデータの中で下記の理由により不適当と判断し て省いたものを除き、最終的な有効サンプル数は 88 であ る。 ・運動のためにわざと坂を選ぶなど個人的理由によって 答えている。 ・適当にアンケートに答えている ・結果に明らかに矛盾がある。 2-4. コンジョイント分析実施
※ ソフトは「SPSS13.0J for Windows コ
集計された各人の回答した順位を PC 上でソフトに入力
ンジョイント」を用いた。
し、分析を実行した。 2-5. 結果抽出 アンケート・コンジョイント分析の結果を抽出する。 各人の結果はデータ編を参照していただきたい。
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研究結果
3 章 研 究 結 果
57
1. 基本アンケート結果
57
1-1. 被験者の属性
58
1-2. 腰痛について
59
1-3. 移動について 2. コンジョイント分析結果
62
2-1. 有効サンプル
62
2-2. 結果概要
63
3. 評価モデルの概要
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研究結果
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 1. 基本アンケート結果 1. 基本アンケート結果 1-1. 被験者の属性
56
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&'
4*+4, 3*+3, 2*+2, 1*+1, 0*+0, /*+/, .*+., -*+-, *+,
■年齢 被験者の年齢構成は図のようになった。今回は学生とそ の親世代が多かったこともあり、20 代と 50・60 代の山 が大きくなっている。
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図 3 − 1:年齢構成
中・高年 女
37 51
腰痛2∼4 健常
して、以下のようにした。 2. 中・高年(40 才∼):42人
46 42
男
プに分けた。分類方法は本調査の被験者の年齢構成を考慮 1. 若年(0 ∼ 39 才):46人
88人 若年
また年齢層ごとの考察を行うため以下のように2グルー
1
2 34
49 14
15 6 4
腰痛3∼4
図 3 − 2:被験者の構成
■性別 男女の割合は図のようになった。 1. 男:37 2. 女:51 ■腰痛の程度 腰痛の程度別の考察を行うため以下のように程度に従 い、グループを設定した。 1. 健常:49人 2. 程度 1:14人 3. 程度 2:15人 4. 程度 3:6人 5. 程度 4:4人 さらに程度別に考察を行うため、以下のようなグループを 設定した。 1. 腰痛全体:39人(程度 1 ∼ 4 すべて) 程度は問わず一度は腰痛になったことのある被験者。 2. 腰痛 2 ∼ 4:25人(程度2∼ 4) 行動に影響する程度の腰痛の経験がある被験者。 3. 腰痛 2 ∼ 4:10人(程度2∼ 4) 行動が困難な程度の腰痛を経験したことのある被験者。
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>>> 1. 基本アンケート結果 1-2. 腰痛について 自由記入形式で「腰痛時に日常生活をする上で、身体的 に最も困ることはなんですか?」という問いをした。多かっ た意見を1位から列挙した(図)。 立位の維持:
11 人
歩行:
10 人
荷物を持つ:
9人
階段の昇降:
7人
座位:
6人
起き上がり:
6人
無理な動作(前かがみ):
4人
立ち上がり:
4人
服の着脱:
3人
咄嗟の動作:
2人
乗り物の揺れ:
2人
坂:
2人
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研究結果
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>>> 1. 基本アンケート結果 1-3. 移動について ■最寄り駅までの距離 以下の5つから選んでもらった ( 図)。 (1) 500m 以内(徒歩 5 分程度) (2) 500 ∼ 1000m(徒歩 5 ∼ 10 分) (3) 1000 ∼ 2000m(徒歩 10 ∼ 25 分) (4) 2000 ∼ 3000m(徒歩 25 ∼ 40 分) (5) 3000m 以上(徒歩 40 分以上) ■最寄り駅までの交通手段 平常時と腰痛時に分けて回答してもらった。 問「上記最寄り駅までの主な交通手段は何ですか?」 自宅から最寄り駅までの距離と交通手段の関係は下図の ようになった。500m 以内と 500 ∼ 1000m を比較すると 徒歩の人の割合が減っているところを見ると、公共交通を 利用せず、日常的に歩く徒歩圏というのは 500m 強と言 えるだろう。
自宅から最寄り駅ま での距離
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人数
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図 3 − 3:距離と交通手段の関係
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研究結果
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>>> 1. 基本アンケート結果 ■階段と坂 階段と坂のどちらが好ましいかを聞いた。 問「歩道橋程度の高低差を上るなら 階段 と 坂 どち らのほうが良いですか? 良いほうに○をしてください。 F DE \]^
Z[/+0 Z[.+0 Z[RS
結果は左図のようになった。全体として見ると 5% 程度 階段を選択する人が多いが大きな差は見られない。
WXY
若年と中高年をくべた場合、若年の方が 25% 程度階段
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を選択する人が多い。
T&
健常者と腰痛全体を比べた場合、20% 程度階段を選択
RS !)
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図 3 − 4:段差の種類の選択状況
する人が多い。 重度の腰痛の人はどの属性よりも階段を選ぶ人が多いの は意外であった。とにかく歩行することを嫌った結果であ
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るとも考えられる。
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■経路を決める上で重視する経路上の条件
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4段階の SD 法で聞いた。
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問「日常の買物に出かけることを想定してください。
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OP
図 3 − 5:SD 法の結果
その商店への経路を決める際に検討する経路上の条件を、 下記の項目ごとに重要度に従い4段階で評価し、番号に○ をしてください(腰痛の経験がある方は腰痛がひどい時を 想定してください)。」 ① 徒歩距離が短い ② 階段が少ない ③ 坂が少ない ④ バス・電車を利用しなくて済む (長時間利用しなくて済む) ⑤ 手すりなどつかまるところがある ⑥ 人で混んでいない ⑦ 運賃が安い 回答者の平均は左図のようになった。徒歩距離がやはり 重要というのが読み取れるが、手すりの他は僅差で相対的 な重要度を見ることは難しい。
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研究結果
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>>> 1. 基本アンケート結果 ■ SD 法について SD 法の短所について P で述べたが、今回もやはり高齢 者を中心にすべてが重要(4)という結果が非常に多く、 相対的な重要度を見ることは難しかった。
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研究結果
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>>> 2. コンジョイント分析結果 2. コンジョイント分析結果 2-1. 有効サンプル 収集したデータの中で下記の理由により不適当なため省 いたものを除き、有効サンプル数は88である。 ・運動のためにわざと坂を選ぶなど、個人的理由によって 答えている。 ・適当にアンケートに答えている ・結果に明らかに矛盾がある。 2-2. 結果概要 属性ごとの比較等は次章で行いことにし、ここでは全体 BC%jk " !(+ !(* !(% !(# ! l*m # l*m % l*m * l*m + l-
Vde%jk # "(& " !(& ! l*m & ll-m & l.
900m (遠回り) 600m
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階段
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坂
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1階 なし
各要因のなかの水準の選ばれ具合とその程度である (図)。距離と人通りの激しさに関しては有効サンプル抽出
5nJ%oNp%jk
図的に答えているとしてして削除したため、重要度と全く 同じ傾向が得られる。よってこの二要因に関しての考察は 重要度で行うことにした。
混んでいる
混んでいない
■重要度の平均(図 3 − 7)
l-
l*m "&
■要因別効用の平均(図 3 − 6)
の際に「距離が長い」と「人通りが激しい」を好む方を意
l*m &
l*m "
3階
の概要のみを記載する。分析では主に重要度を用いて行う。
4要因の中で重要視されている要因を見るため、合計
l-m &
図 3 − 6:要因別効用の平均 ※図の見方は値が + であれば好んでいることを示し値
100%で相対的に出力した(図)。
の大小は要因間で比較することが出来る。また各要因 の水準の値の合計は 0 になっている。 _`abRSc %! $& $!
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図 3 − 7:重要度の平均 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
62
研究結果
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 3. 評価モデルの概要 3. 評価モデルの概要 コンジョイント分析によって生成された、評価モデルを 用いシミュレーションを行う。ここでは全体の平均のデー タを用いた評価について説明を行い。属性ごとの評価は考 察で行う。 ■モデルの見方 コンジョイント分析によって得られた、各要因の水準の 効用値によって図のように評価が行える。例えば各要因の 水準をパラーメータとした場合は下記のようになる。
0.8849+0.1259+0.1037-1.2685+4.0833=3.9485 歩行時間 + 高低差 + 段差の種類 + 人通りの激しさ + 定数項 = 評価
この経路の評価は「3.9485」ということになる。値が高 い方が好まれていると言える。これを用い駅勢圏にある 様々な立地の評価を行うことができる。
歩行時間
高低差
段差の種類
人通りの激しさ
定数項
0.8849
なし
1.3845
階段
9分 -0.8849
1階
0.1259
坂
3階
-1.5104
6分
-0.1037 0.1037
混んでいる
-1.2685
混んでいない
1.2685
4.0833
=「その経路の点数」 図 3 − 8:評価モデルの概要
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
63
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
分析・考察
4 章 分 析 ・ 考 察
65
1. 年齢の違い 1-1. 要因別効用の平均
66
1-2. 重要度の平均 2. 腰痛の程度の違い 2-1. 要因別効用の平均
67 68 69
2-2. 重要度の平均 3. ケーススタディ 4. 考察のまとめ 5. 総括と展望
早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
64
分析考察
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 1. 年齢の違い 1. 年齢の違い コンジョイント分析の結果を年齢別に分析・考察して行 く。
1-1. 要因別効用の平均(図 4 − 1) ・1階程度の高低差ではほとんど差がないにも関わらず、 3階になると顕著な差が現れる。1階程度の高低差なら中 高年者でも大きな負担と感じていない。 ・段差に関して、どちらも坂を好む結果が得られているが、 jk%&'q%rs bBCc
"(& "
900m (遠回り)
!(& !
UV& T&
#
とは言いがたい。その中でも中高年者の方が3倍ほど坂を UV& T&
"(& " !(& ! l*m &
600m
l*m &
その他の要因と比べて非常に小さい値であり、顕著な傾向
jk%&'q%rs bVdec
1階 3階
好む傾向が強いと言える。体力的余裕のある若年者には長 く歩かなくて済む階段の方が望ましいと考えているのだろ
なし
う。
ll-m &
ll-m &
l.
!(#
jk%&'q%rs bEe%fgc UV& T&
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階段
!
1-2. 重要度の平均(図 4 − 2)
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坂
l*m*1
UV& T&
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jk%&'q%rs b5nJ%oNpc
#
混んでいる
l*m &
l*m "
l-
l*m-1
l-m &
l*m #
l.
混んでいない
図 4 − 1:要因別効用の平均 ※図の見方は値が + であれば好んでいることを示し値 の大小は要因間で比較することが出来る。また各要因 の水準の値の合計は 0 になっている。
・「段差の種類」は年齢に関係なく 10% 以下と重要度が低 いが中高年の方が 2% 程度高くなっている。 ・中高年者の方が若年者より高低差の程度を重視する傾向 が顕著に現れている(10% 程度の差)。 高低差は身体への 負担であり、中高年者ではそれの有無を経路選択の重要な 要因ととらえているが、若年者では心的に負担に感じてい ないと考えられる。
_`a%&'q%rs &!
UV& T&
%& %! $&
機敏に動ける若年者は逆に人込みは歩行の障害になると考 えられ、身体能力によって行動が制限されているとは考え
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・若年者の方が人込みを嫌う傾向がある(5% 程度の差)。
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,
にくい。
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Vde
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5KL
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図 4 − 2:重要度の平均 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
65
分析考察
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 2. 腰痛の程度の違い 2. 腰痛の程度の違い コンジョイント分析の結果を腰痛の程度別に分析・考察 する。
2-1. 要因別効用の平均(図 4 − 1) ・段差の種類に関しては、やはり坂を好む結果が得られた が、他の要因と比べると小さな値であり差も小さく、顕著 な傾向と言えるようなものではない。 ・1階の高低差では各属性とも大きな差は見られないが、 3階になると腰部疾患者が顕著に嫌う傾向が出ている。重 jk%tuq%rs bBCc "(& "
900m (遠回り)
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jk%tuq%rs bVdec
WX Z[RS Z[_*" Z[_*#
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1階 3階
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600m
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#
WX Z[RS Z[_*" Z[_*#
度の腰部疾患者が特に段差を嫌っていないのは意外な結果 である。人通りの激しさを顕著に嫌ったため、相対的に値 が小さくなったと考えられる。
なし
l*m & l-
l-
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jk%tuq%rs b5nJ%oNpc
jk%tuq%rs bEe%fgc WX Z[RS Z[_*" Z[_*#
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階段
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坂
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混んでいない
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・「段差の種類」は 10% 以下と重要度が低い。 ・軽度の腰部疾患者が他より 5% 程度数値が高く、高低差 を嫌っていることが分かる。しかし重度の腰部疾患者は健
図 4 − 3:要因別効用の平均 ※図の見方は値が + であれば好んでいることを示し値 の大小は要因間で比較することが出来る。また各要因 の水準の値の合計は 0 になっている。
%&
$& $!
うため相対的に数値が低くなったと言える。
者の間では大きな差はなかったが、重度の腰部疾患者は他 より 10% 程度高く顕著に人混みを嫌っている傾向が窺え WX Z[RS Z[_*" Z[_*#
%!
常者よりも低い値になっている。これは人混みを極端に嫌
・「人通りの激しさ」については健常者と軽度の腰部疾患
_`a%tuq%rs
i
2-2. 重要度の平均(図 4 − 2)
る。重度の腰部疾患の場合、俊敏な動作が取れないため、 人混みを嫌うと考えられる。
#& #! "& "! & ! BC
Vde
Ee%fg
5KL
`h%fg
図 4 − 4:重要度の平均 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
66
分析考察
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 3. ケーススタディ 3. ケーススタディ ここでは新宿にある A 商店を例にケーススタディを行 う。A デパートへは二つの駅を使い 2 つの経路が存在する。 また新宿駅は昼間などの空いている時間を利用することで 混雑を避けることできる。以上を考慮し、以下の 3 つの 経路で比較を行う。 経路 1:JR 新宿駅を利用(混雑時) 経路 2:JR 新宿駅を利用(昼間の空いている時間) 経路 3:新宿三丁目駅を利用(階段が少ない) ■年齢による比較 経路1と経路2を比べると混雑しているだけで大きく評 価が変わってくるのが分かる。また経路 2 と経路3を比 べると経路2では若年者の評価が中高年を 1.3 も上回って いたのが、階段が少なくなるだけで評価は逆転し 0.1 中高 年者が上回る。
歩行時間
高低差
段差の種類
人通りの激しさ
定数項
若年 経路1: 混雑時
中高年
若年 経路2:
空いてる時
中高年
若年 経路3:
階段少ない
(空いてる)
中高年
6分
1.0435
なし
1.1667
階段
9分
-1.0435
1階
0.0743
坂
3階
-1.241
6分
0.7113
なし
1.623
9分
-0.7113
1階
0.1825
3階
-1.8055
階段 坂
6分
1.0435
なし
1.1667
階段
9分
-1.0435
1階
0.0743
坂
3階
-1.241
6分
0.7113
なし
1.623
9分
-0.7113
1階
0.1825
3階
-1.8055
階段 坂
6分
1.0435
なし
1.1667
階段
9分
-1.0435
1階
0.0743
坂
3階
-1.241
6分
0.7113
なし
1.623
9分
-0.7113
1階
0.1825
3階
-1.8055
階段 坂
-0.0543 0.0543
-0.1577 0.1577
-0.0543 0.0543
-0.1577 0.1577
-0.0543 0.0543
-0.1577 0.1577
混んでいる 混んでいない
混んでいる 混んでいない
混んでいる 混んでいない
混んでいる 混んでいない
混んでいる 混んでいない
混んでいる 混んでいない
-1.3641 1.3641
-1.1637 1.1637
-1.3641 1.3641
-1.1637 1.1637
-1.3641 1.3641
-1.1637 1.1637
4.1975
=
#(*
"(-
4.0913
=
4.1975
=
4.0913
=
4.1975
=
4.0913
=
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図 4 − 5:各経路の評価 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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分析考察
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 3. ケーススタディ ■腰痛の程度の違い(表 4 − 1) 経路2、経路 3 にさらに経路4を加え考察を行う。結 果は下表の通りになる。結果だけ表記するが、評価方法は P を参照していただきたい。 経路 2:JR 新宿駅を利用(昼間の空いている時間) → 6 分 /3 階 / 階段 / 混んでいる 経路 3:新宿三丁目駅を利用(階段が少ない) → 9 分 /1 階 / 階段 / 混んでいない 経路 4:バスを利用(停留所から混雑) → 6 分 / なし / 階段 / 混んでいる 各属性ごとに特徴を見てみる。 健常者:遠回りを嫌い、階段や人混みの方の評価が高い。 僅かだが、階段よりも人混みの方が評価が高い。 腰痛(軽度):階段や距離よりも人混みの道の方が評価が 高くなっている。 腰痛 ( 重度):特に人混みを嫌う傾向がが読み取れる。階 段よりも距離の方が評価が僅かではあるが高いのが意外で ある。
表 4 − 1:経路の評価
経路
特徴
経路2
3階の階段があるだけ
経路3
階段は1階で2より楽だが遠回りする
経路4
階段もなく距離も短いが人混みを通る
健常者
4.9 4.5 5.1
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腰痛全体
4.5 4.6 5.0
腰痛重2∼4 腰痛重3∼4
4.3
5.1
4.8
4.5
4.8
4.9
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分析考察
コンジョイント分析を用いた腰部疾患者の経路選択要因に関する研究
>>> 4. 考察のまとめ 4. 考察のまとめ ・「段差の種類」は身体能力によって制限があるとは考え にくく、個人の好みによって、決まっていると考えられる。 ・中高年者は若年者と比べ顕著に階段を嫌う。階段は腰部 だけでなくだけでなく、身体能力の衰えた高齢者には大き な負担となっている。 ・軽度の腰部疾患者は経路の要素として階段を最も嫌い、 重度の腰部疾患者は人混むを嫌う。軽度の腰部疾患は直接 的に腰部に負担がかかり、重度の腰痛は動作自体が困難で 咄嗟の動作を取ることが難しいと考えられる。 ・腰部への負担となる経路上の負担要因の程度として、 「距離>階段>人混み」 の関係が成り立つと推定される。 ※ 属性の特徴の要約 若年者:徒歩距離が長いのを嫌う 高齢者:階段の段差を嫌う 健常者:徒歩距離が長いのを嫌う 腰部疾患者(軽度):階段の段差を嫌う 腰部疾患者(重度):人混みを嫌う
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分析考察
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>>> 5. 総括と展望 5. 総括と展望 ■総括 本研究では、今までは車椅子が 通れる
通れない
の二択の考えで考えられてきた都市のバリアを、身体状態 と経路との関係によって一様ではない個別的なバリアが都 市に存在することを明らかにすることが出来た。負担とな る様々な要因を相対的に定量化することができた。各属性 の経路の評価を数値化(得点化)することができたのは 非常に有効であったのではないだろうか。 また本研究でコンジョイント分析はを建築の研究で用い る例は非常に稀である。心理・選択などが関係する建築的 研究において SD 法の欠点を補った相対化ができる手法と してる今後も有効に用いられることを期待したい。 ■展望 今回は被験者の人数の限界もあり、細かな属性に分けて の分析は難しかった。さらに被験者を増やすことにより、 腰痛の症状に応じた経路評価を行うことが出来るだろう。 また今回生成された経路評価モデルは属性で完結した ものであるが、属性間の関係を設定することで、ある建物 の立地を身体状況に応じて評価することができるのではな いかと考えている。この立地評価モデルを用いれば、マン ション購入の際に将来の身体状況を考慮して購入すること などもできる。逆に販売側も顧客に新たな価値を提案する こともできるだろう。これらを今後への課題としたい。
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>>> 参考文献
参 考 文 献
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>>> 参考文献 参考文献 1「高齢者の買物行動に関する研究 : 買物における満足度 に注目して」 房野麻紀子 2002 立命館大学 政策科学 研究科 2「階段およびスロープ昇降時の腰部モーメントの分析」 勝平純司、山本澄子、関川伸哉、丸山仁史 2003 人間工 学 Vol.39 No5 3「在宅高齢者の外出阻害要因に関する研究 ( その 1) 聞き 取り調査にもとづく要要計測」 徳田 哲男 , 前川 佳史 4「在宅高齢者の外出阻害要因に関する研究 ( その 2)GPS 携帯 による一間の生活圏調査』 前川 佳史 , 徳田 哲男 5「収納動作により生じる健康リスク緩和のための設計評 価手法に関する研究」 遠田敦 6「腰に負担のかからない健康な住まいの研究」研究室論 文 牛山琴美(2003) 7「駅周辺地域の経路形態とその領域性 (1) 経路形態の 記述」田口陽子(1998) 8「地理空間的な視点からみた高齢者通所経路ネットワー クの最適化評価手法の構築 その2 最適化評価手法の検 討と構築」 朴成元(東京大大学院)2000 9「不安度を指標とした経路探索プロセスに関する研究そ の 2 不安度として記述された環境要因についての考察」 宇野宏司(東京大大学院)・三ッ木美恵子・宗方淳・平 手小太郎・安岡正人 2003 10「すぐわかる統計解析」 石村貞夫 東京図書 1993 11「腰痛 119 番」 山田仁 双葉社 1996 早稲田大学大学院理工学研究科 渡辺仁史研究室 2005 年度 修士論文
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>>> 参考文献
12「高齢者の自立できる住まいづくり」 児玉桂子、鈴木 晃、田村静子 2003 彰国社 13「SPSS によるコンジョイント分析―教育・心理・福祉 分野での活用法 実用的ですぐに使える」 真城 知己 2001 東京図書 14「コンジョイント分析 ―SPSSによるマーケティン グ・リサーチ―」 岡本 真一 1999 ナカニシヤ出版 15「AHP とコンジョイント分析」木下 栄蔵 , 大野 栄治 現代数学社 2004 16「コンジョイント分析
統計解説書シリーズ」代 喜一
データ分析研究所 1999
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終 わ り に
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>>> 終わりに 終わりに やはり最後は慌しかった∼。今回こそは一ヶ月前に終わら せてやると意気込んでいたのだが、結局バタバタでした。 体に染み込んだクセは簡単には抜けないとあらためて実感 ですね。まぁでも私にしては余裕を持って終わらすことが できたということで良しとしますか(そもそも自分の基準 が低いだけなのですが)。これも研究室のみんながあまり にも早い完成でわたくしを焦らせてくれたおかげ。 本当にわたくしがここまでやってこれたのは本当に研究 室のみなさまの支えがあってのもの。修論でも様々な人に 無理を言ってアンケートに答えてもらって助かりました。 松井さんや大竹さん、自分の研究でもないのにたくさんの アンケートを集めてきてくれてサンクス。謝謝。それと長 澤さん。本当に頭が上がりません。デキの悪いわたくしを 手取り足取り一から指導してくださって。。。いろいろ忙し いであろうのに夜遅くまで添削などしていただいたり、本 当にいつ寝てるの?といった感じでした。また小松さんに は都市ゼミ時代からご指導してもらい、物事の考え方など 非常に良い影響を受け成長できたと思います。ビバ小松夫 妻。そして渡辺研の総大将の渡辺先生。研究室会議での自 分には考えもよらなかった先生のご指摘などで何度も道を 切り開くことが出来ました。先生をはじめ研究室で学んだ ことによって、今までボーっと見てきたことを、物と事象 の仕組みで考えるクセがついた(はず)。また共に学び遊 んできた仲間は、まさに十人十色の個性で非常に良い刺激 を受けたとあらためて実感できる。まだまだ勉強が足りな いところはたくさんあるのは実感していますが、渡辺研で 学んだことを誇りに思って、社会に出ても頑張っていこう と思います。ビバ、渡辺研。 なんか書いていたら、もう終わりかぁと思ったけど、ま だこれからプレゼンとレジメ作りがあるんですよね。気を 抜かないように頑張らないといけませんね。。。
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第二部
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