百貨店における売り場移動特性に関する研究 ー顧客の直行行動と回遊行動による遷移ー

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はじめに

はじめに

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はじめに 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

はじめに この卒業論文では、百貨店での買い物をテーマにすることにした。 インターネットや携帯電話があって当たり前の生活の中で、買い物と一言で言っ てもいろいろなスタイルがあると感じていた。  今年の Tokyo Girls Collection で、ランウェイを今まさに歩いているモデルたち を見ながら、女の子たちのほとんどが携帯でモデルと同じ服を買っているのを TV で見て、ショー全体が買い物会場みたいで驚いた。  そんな中で百貨店と聞くと、なんとなく古臭い、ちょっと年配の人たちしかい ないようなイメージを持つ。一昔前の家族の、日曜のお出かけの定番といったイ メージだ。  百貨店も変わっていくべき、変わった次世代の百貨店の姿がみてみたいと感じ たのがこのテーマに決めたきっかけである。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

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目次

*目次

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目次 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*目次 はじめに  はじめに                           1                               *目次  *目次

1. 研究目的 4 2. 研究背景  2-1. 百貨店業界の再編                     9   2-2. 現代人の買い物

2-2-1. 現代人の買い物に対する意識の多様性         10     2-2-2. 情報を持った現代の生活者              11   2-3. 百貨店の担う買い物                    13   2-4. 顧客生産性の重視                     16   2-5. 商業施設に存在する行動の 2 状態              17   2-6. マーケティングは人間軸から情報軸へ            18   2-7. 本研究の位置づけ                     19 2-8. 用語の定義                        20                         3. 研究方法   3-1. 研究フロー                         24   3-2. 百貨店における買い物客の行動追跡調査     3-2-1. 調査概要                      25     3-2-2. 調査日時                      26     3-2-3. 調査項目                      27   3-3. 直行状態と回遊状態について     3-3-1. 定義                        28     3-3-2. 判断方法                      29   3-4. 追跡調査記入表

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3-5. 歩行経路マップ

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目次 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4. 研究結果   4-1. 調査データの属性情報                   33     4-1-1. 男女比     4-1-2. 各年代の割合     4-1-3. 単独とグループの割合と      グループ特性の内訳     4-1-4. 時間帯ごとの調査人数   4-2. 集計結果

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4-3. 基礎集計     4-3-1. 滞在時間                      37     4-3-2. 買い物回数                     38     4-3-3. 買い物客の利用フロア数               39   4-4. 直行状態と回遊状態の状態遷移               40   4-5. 直行行動時と回遊行動時の売り場移動の遷移確率       41 5. 分析  5-1. 滞在時間の男女の差                    44   5-2. 買い物回数の男女の差                45   5-3. 滞在時間と買い物回数 46   5-4. 直行状態と回遊状態の状態遷移 からみた買い物行動 type の分類 48      5-6. 買い物客の買い物行動に占める直行状態と回遊状態の割合と     群衆の中の 2 状態                     50   5-7. 遷移確率による売り場移動シミュレーション     5-7-1. 概要                        51     5-7-2. 直行行動時の売り場移動               52     5-7-3. 回遊行動時の売り場移動               55     5-7-4. 直行行動と回遊行動が混在した状況          57

6. まとめ・展望   6-1. まとめ                          60   6-2. 展望                            61 おわりに  謝辞                             *参考文献

*資料編 早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

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研究目的

第 1 章 . 研究目的 Chapter1.   Purpose

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研究目的 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*)**)

2- 用語の定義参照

百貨店における、目的行動*)時と回遊行動**)時の売り場遷移の 特性を明らかにし、それぞれの行動に応じた空間構成やサービス のための指針を示すことを目的とする。

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研究背景

第 2 章 . 研究背景 Chapter2.   Backgroud 2-1. 百貨店業界の再編 2-2. 現代人の買い物   2-2-1. 現代人の買い物に対する意識の多様性   2-2-2. 情報を持った現代の生活者 2-3. 百貨店の担う買い物 2-4. 顧客生産性の重視 2-5. 商業施設に存在する行動の 2 状態 2-6. マーケティングは人間軸から情報軸へ 2-7. 本研究の位置づけ 2-8. 用語の定義

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-1 百貨店業界の再編

百貨店業界の売り上げは 06 年まで 9 年連続して減少している。 人口減少時代に入り、更なる国内市場の縮小が予想されている。 国内需要が売り上げの中心である百貨店は、今後いっそう競争が 厳しくなるだろう。このサバイバル時代を生き残るために、百貨 店同士で経営統合が相次いでいる。 2007 年 10 月  阪急百貨店 阪神百貨店 2007 年 9 月   大丸 松坂屋 2008 年 4 月   三越 伊勢丹  それぞれの百貨店では、勝ち抜くために各社各様の奮闘を見せ ている。どの百貨店でも、他の百貨店との差別化をなすために、 営業改革が求められている。  これは、百貨店の建築についても例外ではなく、配置計画や動 線計画などは運営に大きく関わることであり、再考する必要があ ると考えられる。 st!"#%'7uvwx12y

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図 2-1-1 出典 日本百貨店協会

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図 2-1-2  百貨店売り上げランキングの変遷

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-2  現代人の買い物 *)

イクスピアリ

2-2-1

現代人の買い物に対する意識の多様性

東京ディズニーランド隣に誕生したイク スピアリ、福岡のホークスタウンモール、 東京お台場のアクアシティに隣接するメ

現代人の買い物行動は多様である。これは、現代人の「物を買う」

ディアージュなどアミューズメント性の

事に対する意識の多様性から来ている。

高い商業施設が話題を呼んだ。イクスピ アリのイクスは Experience( 経験 ) を意 味する。「もの」に満ち足りた生活者に とってショッピングは、単にものを買う

◇買い物に娯楽性を求める人: ウィンドウショッピング

ための手段ではなく、「そこでしか感じ

◇買い物に効率性を求める人: ネットショッピング

られない感動・満足」をもたらす経験で

エキナカ*)

なければならない。 ***)

◇買い物に体験性を求める人 : イクスピアリ**)               TokyoGirlsCollecion

**)

TokyoGirlsCollection

東京ガールズコレクションの最大の特徴 は、蛯原友里や押切もえ、土屋アンナと いった人気モデルが当日着た服を、その 場にいながらにして携帯電話の通販サイ トから購入できることだ。 ファッションショーと携帯電話を組み合 わせた「クリック & イベント」とでも呼 ぶべき、新しい EC( 電子商取引 ) の形態 である。 ****)

***)

図 2-2-1

娯楽性:ウィンドウショッピング

図 2-2-2

効率性:ネットショッピング 図 2-2-3

参考論文 6)

****)

参考論文 6)

図 2-2-4

体験性:TokyoGirlsCollection 図 2-2-5

効率性:エキナカ

体験性:イクスピアリ

またこれらの意識は、1 人の人がどれかの意識を持っているとい うのではなく、同じパーソナリティーの中に複数の意識が同居して いる。同じジャンルの商品であっても、昨日は長時間ぶらぶらして ウィンドウショッピングを楽しみ、今日は手早くネットショッピン グで買ったりする。 早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-2-2

情報を持った現代の生活者

図は、首都圏 30 キロメートル圏と関西 20 キロメートル圏に 住む 18 ∼ 69 歳の生活者 2000 人に対して実施されたアンケー ト調査の結果である。 *)

参考文献 1)

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図 2-2-2  商品を購入する際に重視する点

*)

これによると、「親切な店員がいることが重要だ」と思う生活 者は徐々に減少し、「情報を活用した生活をしている」とする生 活者や「ひとつのブランドを使い続ける方だ」とする生活者が 増えてきている。 また「買う前に値段をよく比較する方だ」とする生活者も少し ずつ増加傾向を示している。 このことから、広告や店員のセールス活動に左右されることな く、自分で情報を使いこなし、自分で取捨選択をしている生活 者が増えていることがわかる。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*)

クリックアンドモルタル

インターネット上のオンライン店舗と 現実に存在する店舗・物流システムを 組み合わせ、相乗効果を図るビジネス 手法、あるいはそうした手法を取り入 れた企業のこと。例えば、実店舗とイン

インターネットの普及により、消費者は、商品についての情 報を多く持てるようになったのは明らかである。 情報化の進展を背景に、これまで圧倒的に優位に立っていいた 供給側に対抗する形で、需要側が、それに匹敵するか、むしろ

ターネットのどちらでも販売や情報提

凌駕するほどの情報武装を勝ち得た。

供を行うマルチチャネル化や商品の予

またクリックアンドモルタル*)のような手法も出現している。

約や注文はインターネットを通じて行 い、商品の受け渡しや代金の支払いは 店舗へ誘導するといったやり方などが 該当する。

これらのことにより、以前よりも、欲しい商品や買おうとする 商品が明確に頭の中にあり、目的の店・商品を事前に設定して 百貨店にやってくる人が増えたのではないか。

自分の判断であらかじめ店舗や商品を選んで、百貨店にやっ てくる人は、百貨店内では移動しやすさを求めるはずである。 あれこれと商品を見せて衝動買いをさせようとする計画よりも、 自分が行きたいところに素早く行ける計画のほうが、高い満足 度を得られる。  またこういった人たちは、供給側の仕掛けによって簡単に、 自らの目的に向かって行動する直行状態から、ブラブラと商品 を見て廻る回遊状態に変化するとは考えにくい。 「科学する店舗」で、次のように述べられている。*) *)

参考文献 1)

豊かな生活に到達した日本の消費者は、必ずしも供給側の思惑 通りには反応してくれなくなった。消費してくれる主体として ではなくて、それぞれが自らの価値観だけを拠り所にしたライ フスタイルを持ち、その個性に基づいて購買を決定する。拠って、 結果として、強烈に 買わない選択 という権利を主張する。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-3  百貨店が担う買い物  百貨店での買い物は、大正時代、娯楽としての買い物の代表 であった。

*)

参考文献 5)

消費者にとって、デパートはたんなる「店」なのではなかった。 べつだん商品は買わなくてもよい。ただ漠然と店内を歩いて、漫 然とおびただしい種類と量の商品を見物する。それだけでたの しいのである。それは、特定の目的をもっての買物なのではない。 いや、買物をかならずしも目的としないそぞろ歩きなのである。     (中略)  たのしみとしての買物の習慣は、デパートによって大衆化し たといってさしつかえない。デパートは外出文化の一典型なの である。 *)

現代においても、「百貨店で買い物」と想像すると、休暇に家 族でブラブラ買い物し、レストランで食事をして帰るというよ うな、娯楽性を伴った非日常的な、ハレの買い物のイメージが ある。  しかし、実際は、百貨店を、スーパーでの日常的な買い物の ように利用する顧客もいる。 ハレの買い物をしに来た人にも、ケの買い物をしに来た人にも、 買い物しやすい環境を提供するべきである。  また前にも述べたように、現代人の買い物に対する意識には、 買い物に効率性を求める傾向がある。エキナカが出現・浸透し たのも、移動中の忙しい人達の短時間に効率よく買い物したい というニーズに適合したためだ。  百貨店の多くは、駅から直結という好立地にあり ( ターミナル・ デパート )、エキナカと同じ役割を担っており、効率的に買い物 できる環境を提供するべきである。  移動中の人達の買い物で多いものは、弁当や手みやげなどの 食料品であるが、伊勢丹新宿本店の地下食料品売り場(通称デ パ地下)は、2007 年の改装で、通路幅を 3.6 メートルとした。 この幅は、買い物客の持つ二つのスピードを想定して導きださ れた最適な通路幅である。  二つの速度とは、一つは全体を見渡すために一回りしたり、

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*)

目的の店に行くために移動する時の巡航速度、もう一つはケー 参考文献 4)

ス内の商品を物色する時の停滞に近い速度である。*) 異なる買い物行動の混在を意識した設計が、実際の百貨店でな されている。

図 2-3-1  伊勢丹食品フロアのようす

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

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図 2-3-2   百貨店に求める買い物 - モデル図 -

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-4  顧客生産性の重視  「レジで待たされる」、「欲しい商品を探すのに時間がかかる」、 「返品の手続きに時間がかかる」など、顧客生産性を阻害する要 因は多い。特に最近は、マネーセービングも大事だが、同時に タイムセービングも大事だと考える消費者が増え、百貨店など での購買行動にも影響を与えている。スーパーでの買い物はで きるだけ短時間で済ませたいと考える消費者も、百貨店に出か けたときはゆっくり売り場を回り買い物を楽しむ、とこれまで は信じられてきた。しかし、今は百貨店での買い物も短時間で 済ます客が増え、滞在時間は減少傾向にある。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-5  商業施設に存在する、行動の 2 状態  既に述べて来たように、現代生活者が商品情報を多く持てる ようになったことや、買い物意識の多様であることが、商業施 設における直行行動と回遊行動の混在となって表れている。

直行状態

回遊状態

図 2-5  百貨店に存在する 2 状態

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-6  マーケティングは人間軸から状況軸へ  従来の、顧客のプロフィール(年齢や性別など)によるマーケティ ングでは、多様化した現代人の買い物行動を前にしては、不十分 と言える。  そこで近年注目されてきているのは、 「シチュエーション」のマー ケティングである。  2-2-1 で述べたように、現代人の買い物に対する意識は、状況 によって常に変わり、それと同時に買い物行動も変動的である。  このような状況の中で、顧客の年齢や性別といった固定要素を ターゲットとするマーケティングではなく、その人を取り巻く、 その場、その時、その場合での「シチュエーション」をターゲッ トに捉えたマーケティングがすでにさまざまな企業で始まってい る。  そこで、商業施設において、建築の観点から求められているこ とは、顧客の「シチュエーション」に応じて的確なサービスを与 えるために、サービス施設(コンシェルジュ、案内所、エレベーター、 サービスセンター、休憩所、カフェ等)をどこに配置するのが効 果的であるかを考えることである。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-7  本研究の位置づけ  既に述べたように、現代人の買い物行動が多様化し、顧客の属性によっ てひとつの買い物行動をフィックスするマーケティングは、適合しなくなっ た。  一人が複数の買い物行動の特性を持っている。顧客の属性によるのでは なく、シチュエーションに依る買い物行動のモデル化が必要である。

◇既往研究 こうした背景を踏まえて、既往論文を見てみると、商業施設における行動 モデルに関する研究は多くなされているが、性別や年齢などの固定要素を パラメータにしたモデル化である。 ・商業施設における垂直移動手段選択行動に関する研究   /加藤英理子 ( 早稲田大大学院 )・長澤夏子・林田和人・渡辺仁史 ・大規模小売店舗におけるマクロ流動制御手法に関する研究その 1  利用客行動調査とモデル構築について   /小島尚人(千葉大学院)・後藤信・高柳英明 ・大規模小店舗における入館時歩行行動モデルに関する研究   /田中壮作(早稲田大学院)・林田和人・渡辺仁史

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

2-8  用語の定義 ◇百貨店  大きな売り場面積を持ち、多種類の商品を扱う大型小売店舗 のこと。名称は百種類の商品 ( 貨 ) を扱うことから来たものであ る。デパートメントストアまたはそれを省略してデパートとも 呼ばれる。  日本では、主にデパートとは、日本百貨店協会に加盟してい る店や、階数が 4,5 階建て以上の衣類を販売する店が一般にデ パートと定義される。  本研究では、単一のジャンルの商品だけでなく、衣料品・雑貨・ 家庭用品・食料品・食堂・喫茶・サービスなど、あらゆるもの を揃えた大型店舗を指す事とする。 ◇店舗  百貨店に入居しているブランドショップなどのテナントと、 百貨店が単品またはブランドを集積して編集した売り場である 平場を指すものとする。 ◇売り場  食料品、婦人・紳士用小物、化粧品、高級ブランド、婦人服、 紳士服、美術、子供、書籍、催し物、レストラン 等のおおまかな商品のジャンル分けに従ったエリアを指すもの とする。 ◇直行状態  通路を歩いているとき、周囲の店舗や商品への意識がなく、 行動 ( 経路選択 ) が、商品への興味や店舗の雰囲気などに影響を 受ける可能性が低い状態。すでに設定された次の目的に向かっ て行動 ( 経路選択 ) をする状態。 ◇回遊状態  通路を歩いているとき、周囲の店舗や商品への意識があり、 行動 ( 経路選択が ) が、商品への興味や店舗の雰囲気などに影響 を受ける可能性が高い状態。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

◇直行行動  直行状態時で、通路を移動すること。 ◇回遊行動  回遊状態で、通路を移動すること。   ◇入場時刻  買い物客が百貨店に入った時刻。 ◇退場時刻  買い物客が百貨店を出た時刻。 ◇入店時刻  買い物客が店舗に入った時刻。 ◇退店時刻  買い物客が店舗を出た時刻。

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研究背景 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

店舗

店舗

百貨店

売り場

店舗

店舗

店舗

売り場

店舗

フロア

店舗

店舗

店舗

店舗 店舗

売り場 店舗

店舗

店舗

フロア 図 2-8  店舗̶売り場̶フロア̶百貨店 モデル図

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研究方法

第 3 章 . 研究方法 Chapter3.    Method 3-1. 研究フロー 3-2. 百貨店における買い物客の          行動追跡調査   3-2-1. 調査概要   3-2-2. 調査日時   3-2-3. 調査項目 3-3. 直行状態と回遊状態について   3-3-1. 定義   3-3-2. 判断方法 3-4. 追跡調査記入表 3-5. 歩行経路マップ

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-1 研究フロー

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-2 百貨店における買い物客の行動追跡調査 3-2-1  調査概要 ◇百貨店における買い物客の行動追跡調査 百貨店入口に立ち、追跡対象者を無作為抽出するために、最初に入店した買い物客から数 えて 3 人目の買い物客を追跡し、3-2-3 の調査項目を調査する。

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-2-2

調査日時

◇第 1 回調査  計画 C の課題として出題  出題日 2007 年 6 月 22 日      提出日 2007 年 7 月 6 日    調査日時:2007 年 6 月 22 日∼ 2007 年 7 月 6 日の期間の平日と土日祝日  調査人数:123 人  調査場所:3 カ所  日本橋高島屋            銀座松屋             新宿高島屋 ◇第 2 回調査  調査日時:2007 年 10 月 4 日∼ 2007 年 10 月 15 日の期間の平日と土日祝日  調査人数:59 人  調査場所:1 カ所  日本橋高島屋

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*)

参照「3-3 直行状態と回遊状態につ

3-2-3

調査項目

いて」

◇追跡対象者の情報 1. 人数   2.(グループであれば)グループの特性  3. 性別  4. 年齢 ◇行動 5. 百貨店に入った時刻 出て行った時刻  6. 利用したフロア階数と、それぞれのフロアに入った時刻 出た時刻  7. 入店した店舗の入店時刻 退店時刻  8. 通路を歩いている時の状態*)  9. 歩行軌跡

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-3  直行状態と回遊状態について 3-2-3 の調査項目 8 について、詳細を述べる。 3-3-1  定義   2 章において前述であるが、以下のように定義する。 ◇直行状態  通路を歩いているとき、周囲の店舗や商品への意識がなく、行動 ( 経路選択 ) が、商品への興味や店舗の雰囲気などに影響を受ける可 能性が低い状態。すでに設定された次の目的に向かって行動 ( 経路 選択 ) をする状態。 ◇回遊状態  通路を歩いているとき、周囲の店舗や商品への意識があり、行動 ( 経路選択が ) が、商品への興味や店舗の雰囲気などに影響を受ける 可能性が高い状態。 ◇直行行動  直行状態時で、通路を移動すること。 ◇回遊行動  回遊状態で、通路を移動すること。

ここで、直行状態と回遊状態をそれぞれ、A、B と表記すること とする。 百貨店 入り口

A

A

B

通路

入店店舗

B

A

百貨店 出口

B

時間

図 3-3-1  状態の定義と遷移のモデル図

A:直行状態     B:回遊状態

C

入店した店舗と店舗の間(通路を歩いている時)の状態を、 3-3-2 において述べる判断方法を基準にし観察し、ABC の 2 状態 に分類する。  また、A のうち向かう先が百貨店出口のものは、C と表記する ものとする。すなわち、C は「帰路」という状態である。            C:帰路

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研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-3-2  判断方法  以下のような基準で買い物客のそのときの行動が A: 直行 行動か B: 回遊行動かを判断することとする。    A:周りの店舗・商品に目をやらずに、前を見て、次の店舗へ向かう。    スタスタ B:周りの店舗・商品に目をやったり、時には立ち止まったりする。    キョロキョロ   ブラブラ

表 3-3-2  直行行動と回遊行動の特徴

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01

2*34,-

01

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表 3-3-2 に直行行動と回遊行動について、周囲への意識の 有無、目的の有無という点からまとめた。  B の目的が「わからない」となっているのは、「○○へ行 こう」という目的があるが、そこに向かうまでに前を通った 商品にフラフラっと興味を示したという場合、その人の設定 している目的がどこなのかは、第 3 者が見ただけではわから ないためである。  したがってここでは、目的が設定されているか否かは問題 にせず、通路で商品や店舗に興味を示しているかいないかの みを判断基準として、回遊状態を定義する。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

29


研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*)

資料編参照

3-4  追跡調査記入表

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入店した店舗の入店時刻、退店時刻        購入の有無

通路における行動 A:直行行動 B:回遊行動

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早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

30


研究方法 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

3-5  歩行経路マップ *)

資料編も参照

「調査項目 9 歩行経路」を記入する記入用紙と記入例を載せる。*)

■記入例■

4

1

Excel Excelの記入フォームの店番号 (1∼10)を、フロアマップ上 (1∼ ∼10)を、フロアマップ上 に対応させて記入してください に対応させて記入し

3 2

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

31


調査結果

第 4 章 . 調査結果 Chapter 4

Result

4-1. 調査データの属性情報   4-1-1. 男女比   4-1-2. 各年代の割合   4-1-3. 単独とグループの割合と      グループ特性の内訳   4-1-4. 時間帯ごとの調査人数 4-2. 集計結果 4-3. 基礎集計   4-3-1. 滞在時間   4-3-2. 買い物回数   4-3-3. 買い物客の利用フロア数 4-4. 直行状態と回遊状態の状態遷移 4-5, 直行行動時と回遊行動時の   売り場移動の遷移確率

32


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-1  調査データの属性情報 百貨店における買い物客の行動追跡調査に よって得られてデータの基礎的情報を以下に 記す。 4-1-1  男女比

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男性 40% 女性 60%

" '%&

4-1-2  各年代の割合 図 4-1-1  男女比

10 代 4% 20 代 23% 30 代 23% 40 代 15% 50 代 20% 60 代 11% 70 代 4%

図 4-1-2  各年代の割合

ただし、追跡対象者の年代については、追跡 者の推定に依るものである。  また、10 代未満の子どもについては、今回の 調査において例外なく保護者が同伴していた。 したがって、保護者の引率に依る行動であり、 10 代未満という属性の買い物行動としては捉 えがたいため、今回の調査のデータからは、10 代未満の子どもは除いている。10 代と 70 代に

()*+,-./0

ついては、比較的低い割合になっているが、中

78 6&

間の年代については、あまり偏りなく、収集が できたと言えるだろう。 ()*+ 9$$&

12 3'&

45+) 6&

図 4-1-3-1  単独・グループの割合とグループ特性の内訳

4-1-3  単独・グループの割合とグループ特 性の内訳 単独

44%

グループ  56%

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

33


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

グループの特性 ()*+,-.HI 78 BC&

夫婦      16% 親子      8%

45+) BF&

友人      7% JK '&

PQ $%&

45+) JK LM NO PQ 78

LM BF&

カップル    7% 同僚      3% 家族(3 人以上) 3%  年代と同様に、追跡対象者がグループであっ た場合、その特性は追跡者の推定により判断

NO '&

するものとした。

図 4-1-3-2  グループ特性の内訳

2 人に 1 人は、単独の買い物客であった。  またグループ人数は、2 人ないし 3 人であっ た。

4-1-4  時間帯ごとの調査人数

:;<=>.?@8A D3

追跡対象者の百貨店入場時刻を、1 時間毎の

D% C3

データ区間で集計したものを、調査データの

C%

時間帯ごとの分布とし、図 4-1-4 に表した。

B3

日中 15:00 頃と、夕方∼百貨店閉店時刻の

B% 3

データが多い。

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図 4-1-4  時間帯ごとの調査人数

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

34


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早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

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資料編も参照

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8A

百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶ 調査結果

4-2  集計結果 記入フォームに記入された、調査結果の一部を掲載する。*)

35


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

調査結果の集計表を、一部以下に載せる。 表 4-2  調査結果集計表(一部) –—˜ _™

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36

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%

B

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

36


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-3  基礎集計 4-3-1  滞在時間ヒストグラム ◇全体

£¤:;¶vz(Ž·S¸¹¨

平均  56 分

D%

標準偏差  43.54

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C%

B3

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図 4-3-1-1  滞在時間ヒストグラム(全体)

◇男性

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平均  52 分

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:;

図 4-3-2-2  滞在時間ヒストグラム(男性)

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◇女性

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平均  59 分

B'

標準偏差  42.65

B$ BC B% F ' $ C % %EB%

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DED%

:;

図 4-3-3-3  滞在時間ヒストグラム(女性)

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

37


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-3-2  買い物回数ヒストグラム B8.•´‹µA 6%

◇全体

'%

平均  1.61 回

3%

標準偏差  1.43

$% D% C% B% % %µ

'µ

図 4-3-2-1  1 人の買い物回数

"-•´‹µA

◇男性

$% D3

平均  1.88 回

D% C3

標準偏差  1.37

C% B3 B% 3 % %µ

'µ

図 4-3-2-2  買い物回数(女性)

!-•´‹µA D%

◇女性

C3

平均  1.19 回

C%

標準偏差   1.42

B3 B% 3 % %µ

'µ

図 4-3-2-3  買い物回数(男性)

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

38


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-3-3  買い物客の利用フロア数

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/-

334-

6,-

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◇利用フロア数

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3,-

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.,-

1.-

12()* 1/()* 13()*

4,33-

11()* 1,()*

0,-

6()*

//-

2.-

らず、入ったフロア全ての層数。垂直動 線(エレベーター・エスカレーター)で 通過しただけのフロアは含まない。

.()*

5,-

4()* 2,-

/3-

0()* 5()* 2()*

/,-

/()* /0-

3,/,-

3()* 12-

1()*

図 4-3-1 は、調査場所である日本橋高 島屋・銀座松屋・新宿高島屋の 3 カ所の、 買い物客の利用フロア数である。  これを見ると、3 店のどの百貨店でも、 買い物客の利用フロア数は、2,3,4 フロ

1,-

,-

購入の有無、店舗への入店の有無に関わ

.-

,-

789:;<11()*

3-

=>?@A:;<11()*

BC@A:;<15()*

図 4-3-3  買い物客の利用フロア数

アが大きな割合を占めている。  このことから、買い物客は、無目的に どのフロアも回遊するというのではな く、利用するフロアを選んでいる事は明 らかである。  どの百貨店でも、その選んだフロア数 が、2,3,4 フロアが多かったことからか ら、現代人の買い物行動には、ある程度 定まった自分の買い物ルート、廻り方の 習慣があるのではないかと予想できる。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

39


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-4  直行状態と回遊状態の状態遷移 買い物客の買い物行動を、3-3 で

表 4-4  遷移確率表

述べた、

w

x

y

w

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A:直行状態

x

%˜B'3

%˜''G

%˜B'3

B:回遊状態

º»¼½¾¾¾¾¾¾¾¾¾¾¾¾¿¼

C:帰路 の 3 状態による、順序行動であ 0.454

0.669

表 4-4 のような遷移確率表を作

0.387

A

るとする。

B

成し、マルコフ過程の状態推移 の様子を、図 4-4 のダイアグラ ムに表した。

0.165 0.165

0.160

C 図 4-4  遷移ダイアグラム

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40


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-5  直行行動時と回遊行動時の売り場遷移確率 4-5-1  直行行動時の遷移確率行列

表 4-5-1  遷移確率行列(A:直行行動時) ¿¼

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60%

50%

40% 30% 20% 10%

図 4-5-1  遷移確率行列図

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

41


調査結果 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

4-5-2  回遊行動時の遷移確率行列 表 4-5-2  遷移確率行列(B:回遊行動時) ¿¼

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60%

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40% 30% 20% 10%

図 4-5-2   確率遷移行列図

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

42


分析

第 5 章 . 分析 Chapter 5

Analysis

5-1. 滞在時間の男女の差 5-2. 買い物回数の男女の差 5-3. 滞在時間と買い物回数 5-4. 直行状態と回遊状態の状態遷移からみた 買い物行動 type の分類 5-5. 買い物行動 type と各属性の相関関係 5-6. 買い物客の買い物行動に占める直行状態と   回遊状態の割合と群衆の中の 2 状態 5-7. 遷移確率による売り場移動シミュレーション   5-7-1. 概要    5-7-2. 直行行動時の売り場移動   5-7-3. 回遊行動時の売り場移動   5-7-4. 直行行動と回遊行動が混在した状況

43


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-1.   滞在時間の男女の差 男女の滞在時間に差があるかを調べる。

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10

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図 5-1-1  滞在時間ヒストグラム(全体)

LM

/N/512592 /N/39210:

GH

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1: 19 15 12 1/ :

等分散性が成立していることを確認した上で t 検定を行っ

9 5

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/42/

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/45/

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141/

142/

143/

145/

140/

24//

241/

242/

243/

245/

240/

34//

341/

342/

343/

#$

図 5-1-2  滞在時間ヒストグラム(男性)

c=>?@4@dGHCe?fFgABhij>? JK@1

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LM

/N/512592 /N/39210:

GH

/N///::02 /N///O939

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JK@2

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1/O

R3

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/42/

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/45/

/40/

14//

141/

142/

143/

145/

140/

24//

241/

242/

243/

#$

図 4-2-3  滞在時間ヒストグラム(女性)

245/

240/

34//

341/

342/

343/

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1N/O:9R/5

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Y+rZ[c]@^_

/N2R33RO2

c@`ab@^_

1NOR323/9

t 値 1.973 P 値 0.273> 有意水準 0.05 より、男性と女性の滞在時間に有意差はないことがわかった。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

44


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-2.  買い物回数の男女の差

男女の買い物回数に差があるかどうか調べる。 1tIuvwxK R/

<=>?@4@2@ABCDEFGHI>?

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JK@1

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1x

2x

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Y+<Z[\]@^_

/N9O/

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等分散性が成立していることを確認した上で、t 検定を行っ

3/ 20

た。

2/ 10 1/ 0

c=>?@4@dGHCe?fFgABhij>?

/ /x

1x

2x

3x

5x

0x

9x

Rx

:x

図 5-2-2  買い物回数(女性)

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1N::/

1N1O5

GH

1N::3

2N/59

1/:N///

R2N///

PQK

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klmVWFGH

1NO5:

2/

enLMoIpq

/N///

10

STU

20

1/ 0 / /x

1x

2x

3x

5x

図 5-2-3  買い物回数(男性)

0x

9x

Rx

:x

JK@2

1R:N///

c@

3N22R

Y+rZ[c]@s_

/N//1

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Y+rZ[c]@^_

/N//1

c@`ab@^_

1NOR3

t 値 1.973 P 値 0.001< 有意水準 0.05 より、男性と女性の買い物回数に有意差はある事がわかった。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

45


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-3.  滞在時間と買い物回数  調査結果から、買い物行動の要素間の相関係 数を求めた。

~!"#$ uvwxK

~!"#$ uvwxK 1N///  総滞在時間と買い物回数の相関係数を求めた /N95O 1N/// ところ、

有意確率 0.000 <有意水準 0.05 より、総滞在時間と買い物回数には相関がある 事がわかった。     相関係数は  0.649 yz{|I#$ uvwxK  一方で、 yz{|I#$ 1  A:直行状態だった時間と買い物回数の相関 uvwxK /N1:O11:3RR 1

係数を求めたところ、

有意確率 0.230 >有意水準 0.05 より、直行状態の時間と買い物回数には、相関 が見られなかった。 x}{|I#$ uvwxK

x}{|I#$ uvwxK 1  B:回遊状態だった時間と買い物回数の相関 /NRO5R12100 1

係数を求めたところ、

有意確率 0.000 <有意水準 0.05 より、回遊状態の時間と買い物回数には相関が ある事がわかった。     相関係数は  0.794  したがって、総滞在時間̶買い物回数の相関 よりも、B:回遊状態の時間̶買い物回数の相 関の方が高いことがわかった。  商業施設において、「滞在時間が長いほど、売 り上げに繋がる」というのはよく言われている ことである。  しかし、この分析で、正確には「回遊状態の 時間が長いほど売り上げに繋がる」ということ がわかった。  逆に、直行状態の時間と買い物回数の間には 相関はない。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

46


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

したがって、 回遊状態の買い物客に、なんら かの建築的な仕掛けによって、滞在時間を延ばす ことができれば、効果的であると考えられる。  また、直行状態の買い物客を長く滞在させても 売り上げには繋がらない。  百貨店において、買い物客を、溜めるところは 溜めて、流すところは流す、というような計画が なされるのが効果的である。  買い物客の状態に合わせた建築計画や情報提 示、サービスの提供が望まれる。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

47


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-4.  直行状態と回遊状態の状態遷移からみた買い物行動 type の分類

0.454

0.669 0.387

A

状態遷移は図 5-4-1 のようになるが、追跡対象 者 1 人 1 人について、状態 A、B、C の出現順序 で買い物行動を表し、特徴を踏まえて、6 つの買

B

い物行動 type に分類した。

0.165

type1、type2 は、ともに百貨店入場後まず既 0.165

0.160

に設定されていた目的を果たし、その後回遊し、 帰る、というパターンである。

C

type1 と type2 の違いは、始めに設定されてい た目的の種類の違いで、type1 は目的の種類が「店

図 5-4-1  状態遷移ダイアグラム

舗」、type2 は目的の種類が「イメージ」とした。

A

「店舗」は、百貨店内のある限定された 1 店舗で、

入店店舗

百貨店 入り口

A

B

B

A

百貨店 出口

B

C 時間

ABABC type5

図 5-4-2 状態遷移と買い物行動 type のモデル図

買い物客がブランドショップなど、明確に行きた い店舗を設定してそこに直行した場合、目的の種 類は「店舗」となる。  一方で、買い物客が「洋服を探したい」「静か なところへ行きたい」など、type1 よりもおおま かな目的の場所の想定ができていて、そのイメー ジにあった売り場などに直行するという場合は、 目的の種類を「イメージ」とした。

表 5-4-1  買い物行動 type

c•€•1

‚ƒ„

…†I‡ˆ‰…†CŠFf‹ŒI•x}f‹Žj

c•€•2

‚ƒ„

…†I••l‘C’E“”‡f‹x}f“Žj

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…†I‡ˆ‰…†CŠFf•–Žj

c•€•5

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c•€•0

‚ƒ‚ƒ‚„—‚ƒ‚ƒ„ yz=x}˜™š›VWj

c•€•9

ƒ‚ƒ„—ƒ‚„

x}•h…†CŠF•

type3 は、目的の「店舗」まで直行し、目的を 達成したら直帰するパターン、type4 は回遊して 帰るパターン、type5 は直行 - 回遊が繰り返され るパターンで , 回遊状態の時に二次、三次の目的 が想起されるパターン。  type6 は、百貨店入場後まず回遊して、目的想 起され直行行動に遷移するパターン。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

48


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

それぞれの行動 type の人数の全体に占める割合 uvwzœc•€•I•ž c•€•9 0Ÿ

は以下の通りである。( 図 5-4-3) type1  20%

c•€•1 2/Ÿ

c•€•0 22Ÿ

type2  30% type3  20%

c•€•5 3Ÿ c•€•2 3/Ÿ

type4  3%

c•€•3 2/Ÿ

図 5-4-3  買い物行動 type の全体に占める割合

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

type5  22% type6  5%

49


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-6. 買い物客の買い物行動に占める直行状態と回遊状態の割合と群衆の 2 状態の存在 表 5-6  AB 状態の時間と全体に占める割合 ¡N ¢£yz{|I#$6G. ¤£x}{|I#$6G.

‚4yz{|I#$6¥.

ƒ£x}{|I#$6¥.

1

5

29

13

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2

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1//

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3

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9

9/

5/

5

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0

13

90

1R

:3

9

1/

1R

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93

R

9

52

13

::

:

9

52

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9

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0R

1/

2

R

22

R:

11

1

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11

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12

1/1

O

O2

:

13

1/1

O

O2

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15

50

0

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1/

10

0

2

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19

5R

10

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25

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10

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25

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19

19

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0/

1O

3/

1

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3

2/

5

12

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21

5

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23

12

15

59

05

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2

15

13

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20

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29

1

1/

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2O

21

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3/

23

2

O2

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31

21

:

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2:

32

11

/

1//

/

33

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2O

R1

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9

2:

1:

:2

30

9

2:

1:

:2

39

11

1

O2

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3R

2R

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/

3:

29

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3

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3/

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1

2

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52

R

/

1//

/

表は、1 人の買い物客の、入場から退場までの 間の A:直行状態と B:回遊状態であったそれぞ れの時間と、その全体に占める割合 (%) を示した もの ( 一部)である。  割合(%)について、平均と標準偏差を求めると、 表のようになる。   平均   A:直行状態    55.64%   B:回遊状態    44.43%

…(※)

さらにこの平均値は、ある瞬間において百貨 店 に い る 全 て の 買 い 物 客 を 群 衆 と 考 え た と き、 そ の う ち の 55.64% が「A: 直 行 状 態 」 に あ り、 44.43% が「B:回遊状態」にある、と捉えること ができる。 百貨店に入場する人と退場する人の人数が一定値 を取ると、百貨店内の人数は定常状態となる。  常に、百貨店内には(※)の割合、ほぼ半分半 分で、2 状態が存在している事になる。

表 5-6-2  2 状態の割合の平均と標準偏差

‚#$+Ÿ] ƒ#$+Ÿ] LM

00N95

55N53

A¦§p

33N0O

33N9:

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

50


分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-7.  遷移確率による売り場移動シミュレーション 5-7-1  概要

表 5-7-1  初期値

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調査結果の売り場の遷移確率行列を用いて、売

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ある一定の値、平衡状態に達する。  今回のシミュレーションにおいては、初期値を 表 5-7-1 のように定めた。  この初期値のもと、直行行動時の回遊行動時の 売り場遷移確率行列を用いて、n step 後の人数分 布求めた。20step 後、両行動時において定常状 態に達した。  以下に、20step 後における人数分布図と人数 分布表を掲載する。  また、2 行動時の、遷移確率行列を、5-6(※) の割合で合成することによって、直行状態と回遊 状態が混在する実際の百貨店を再現し、人数分布 図と人数分布表を計算した。  また、図 5-7-4 は、定常状態における各売り場 のにいる人数表したものである。

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-7-2  直行行動時の売り場移動

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図 5-7-2  直行行動時の売り場移動ー 20step 後ー

表 5-7-1  20step 後の人数分布(直行行動時)

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

考察  FROM と TO が同じ売り場である遷移で、多かったのは     食品         紳士服       小物         婦人服      催し物   であった。  これらの売り場では、直行行動の買い物客が多く滞在している。     食品   274 人      紳士服  189 人     小物   112 人      婦人服  110 人    催し物   82 人 14 フロアに 100 人ずつ初期値として配置した場合、定常状態で直行状態の買い物客が、上記 の人数存在することになる。

また 2 売り場間での遷移では、多い順から    婦人服→小物    小物→婦人服    食品→小物    小物→紳士服    子供→食品    食品→婦人服    食品→催し物    婦人服→リビング    レストラン→その他 となっている。  上位 4 パターンは、FROM か TO に、「小物」売り場が入っている。これは、調査場所の百 貨店で「小物売」売り場が、1 階に配置されており必ず出入り口を通る買い物客が、立ち寄り やすかったためで、現状の百貨店のビルディングタイプに影響を受けた結果ではないだろう か。

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

したがって、ビルディングタイプに依らない、現代人の買い物行動の傾向とし ての順序行動を見るのであれば、5 位以下の     子供→食品    食品→婦人服    食品→催し物    婦人服→リビング    レストラン→その他 に注目するべきである。これらは、現状の百貨店で、お互いに離れた場所に配置 されている売り場同士間の遷移であるため、ビルディングタイプに依らない現代 人の買い物行動傾向を表す結果ではないだろうか。

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-7-3 回遊行動時の売り場移動

図 5-7- 2   回遊行動時の売り場移動ー 20step 後の人数分布

表 5-7-3    20step 後の人数分布(回遊行動時)

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

考察  FROM と TO が同じ売り場であった遷移で、多いのは       食品       小物       催し物       婦人服       化粧品 であった。  これらの売り場では、回遊行動をしている買い物客が多く滞在している。       食品   375 人       小物   159 人       催し物  69 人       婦人服  60 人       化粧品  45 人

14 フロアに 100 人ずつ初期値として配置した場合、定常状態で直行状態の買い物客が、上記 の人数存在することになる。

また 2 売り場間での遷移では、多い順から    食品→小物    小物→食品    化粧品→小物    婦人服→小物    小物→婦人服    小物→化粧品    小物→ブランド    小物→紳士服   となっている。  図を見ても分かるように、回遊状態での遷移が起こりやすいのは、B1・1F 付近であること がわかった。

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

5-7-4  直行行動と回遊行動が混在した状況

FROM

TO

図 5-7-4   直行行動と回遊行動が混在した状況での売り場移動ー 20step 後の人数分布ー

表 5-7-4   20step 後の人数分(直行行動と回遊行動の混在時)

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分析 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

考察

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図 5-7-5  各売り場の人数分布(直行行動、回遊行動混在時)

すべての売り場に初期値として 100 人ずつ配置した場合の定常状態では、図が示すように、 各売り場に人が流れていくのがわかった。     検証用に百貨店現場で各売り場にいる人数を計測し、図 5-7-5 と照合する事で、このモデ ルの整合性を評価できる。   表 5-7-6  定常状態における各売り場内での直行行動と回遊行動

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また、定常状態において、各売り

102

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早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

場内で A:直行行動をしている人と

多い売り場なのか B が多い売り場 なのかが分かる。

58


分析

第 6 章 . まとめ・展望 Chapter 6

Perspective

6-1   まとめ 6-2   展望

59


まとめ・展望 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

6-1  まとめ

◇直行行動時と回遊行動時の、売り場遷移確率モデルを作成したことによって、直行状態 の人が流れやすい売り場間と、回遊状態の人が流れやすい売り場間が可視化された。   ◇直行状態の人が流れやすい売り場間

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直行行動が起きやすい売り場間

◇回遊行動は、出入り口に近い B1.1F で起こりやすい。

◇定常状態での各売り場における、A:直行行動をしている人と B:回遊行動をしている人  の人数の関係は図 6-1-2 のようになる。

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図 6-1-2  各売り場の A.B の人数の関係

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まとめ・展望 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

6-2  展望

◇今回の研究結果から得られた結論を踏まえて、百貨店にお ける建築計画について、以下の提案をする。

1. 直行行動の人の流動が多い      子供→食品 wx;Zyz{|}~•`VW37 QQQQQQQQR

食品→婦人服      食品→催し物

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レストラン→その他   の移動に使われる空間に、図 6-2 の a のサービスを     デザインする

図 6-2  2 状態にふさわしいサービス

2. 百貨店の出入り口付近のフロアは、図 6-2 の b のサービス  をデザインする。 3. 直行状態の人が多く存在する次の売り場には、図 6-2 の   a のサービスをデザインする。  ブランド 婦人服 紳士服 子供 書籍 催し物 その他 4. 回遊状態のひとが多く存在する次の売り場には、図 6-2 の  b のサービスをデザインする。        化粧 スポーツ リビング 美術

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まとめ・展望 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

◇今回はモデルの検証を行わなかったが、今後行 っていくことで、モデルの整合性を高めて行くこ とが可能である。  検証用に百貨店現場で各売り場にいる人数を計 測し、図 5-7-5 と照合する事で、このモデルの整 合性を評価できる。これを今後の検討点としたい。 ◇今回は、直行状態・回遊状態という 2 状態を設 定したが、さらに細分化された状態を設定すれば、 より顧客のニーズに適合した、建築計画の資料を つくることが可能である。

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2007 年度 卒業論文

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おわりに

おわりに 謝辞

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おわりに 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

謝辞  建築学科に入っておよそ 3 年半経ちましたが、課題という課題において、提出日に余裕持っ て臨めた事は皆無でした。この卒論も例外ではなく、やっぱりギリギリでした…。でも今回の この卒論ほど周りの皆さんに支えられて、助けられて、完成させたものはないと思います。  私の研究を一番理解してくれて、最初から最後まで力になってくださった担当者の佐古さん。  分析方法などを親身に教えてくださった菊地弘祐さん。  一時期は高島屋でストーカー行為ばかりして、これで卒論が書けるのかなと不安になりまし たが、なんとか書けました。  追跡調査の協力もしていただいて、いつも力になってくださった、健康ゼミの大河内さん、 日下部さん、簾藤さん、本田さん、松島さん。本当にありがとうございました。  そして、長澤さん。最初から最後まで、長澤さんに導いていただいて、完成まで辿り着けま した。長澤さんがいなかったら、この論文は書けませんでした。  ゼミを超えて適切なアドバイスをくださった遠田さん、林田さん。そして渡辺仁史先生。至 らない私にご指導ありがとうございました。  提出直前期に、研究室に住み憑いた同期の皆さん。N 棟メンバーも S 棟メンバーも、一緒に 作業してきたから最後まで頑張れたと思います。辛かったけどいい思い出になりました。  支えてくださった皆さんに心から感謝いたします。                                  2007 年 11 月 12 日                                 浅野 久美子

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参考文献

*参考文献

102


参考文献 百貨店における売り場移動特性に関する研究 ̶顧客の直行行動と回遊行動による遷移̶

*参考文献 1) 「科学する店舗」   財団システム協会監修/ 2005 2) 「なぜこの店で買ってしまうのか̶ショッピングの科学」              パコ・アンダーヒル 著              鈴木主税 訳    / 2001 3) 「伊勢丹だけがなぜ売れるのか」              武永昭光 著    / 2006 4) NIKKEI DESIGHN  8 月号 / 2007 5) http://homepage3.nifty.com/katodb/doc/text/2635.html 6) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20070223/263175/ ?ST=management 7) 日本百貨店協会    http://www.depart.or.jp/

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資料編

*資料編 * -1. 出題用課題概要 * -2. 行動追跡記入表 * -3. 歩行経路マップ * -4. アンケート用紙

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「人間と空間のインタフェースとしての福祉ロボット・福祉機器」∼ ICF コードを利用したデータベースによるマッチング∼

出題用課題概要

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建築計画 C 第 4 課題【百貨店】物を買う 情報を買う サービスを買う 出題日 07/06/22 近年、ネットショッピングの普及など、ものを「買う」という行為は店舗のみでなされるものではなく、ど こでも可能である。 現代人の「買い物」の手段や対象は多様化しており、百貨店はもはや、物を売るだけのところではなく、「情 報」を売る、「サービス」を売るところであると言われている。これは、百貨を用意しておけば人が集まり満 足するということから、新しい情報・トレンドなどを発信する場や、体験型のサービスなどが取り入れられ、 多様なサービス競争が繰り広げられている。 ところが、こういった新しい買い物客の行動パターンやニーズは把握しきれていない。買い物客の行動特性 を知り隠れたニーズを見つけ、適切な動線計画やフロアプランを導く事や新しい百貨店のありかたを探る事 が求められている。 この課題は、現代の買い物行動を観察し、分析してもらう事を目的とする。 【課題の内容】 百貨店での買い物客の追跡・観察調査を行う。調査場所は、 新宿高島屋タイムズスクエア 銀座松屋

( 学籍番号 下 3 桁 000 ∼ 060)

( 学籍番号 下 3 桁 061 ∼ 120)

日本橋高島屋

( 学籍番号 下 3 桁 121 ∼ 、その他 )

【調査内容】 指定された百貨店に行き、ある買い物客を 1 人または 1( グループ ) 決めて「百貨店に入ってから帰るまで」 追跡し、買い物行動を観察・記録しなさい。記録する内容は、以下に示すもので、結果は指定したフォーム に記入して提出すること。 【現場調査】 1) 用意するもの 腕時計、筆記用具、行動記録メモ用紙、各店舗においてあるフロアマップ 2) 追跡対象者 ・メイン入口に立ち、ある人が百貨店に入館するのを見て、追跡するのは、その 3 名後の人とする。 ・性別・年代 ( 推測 ) ・グループの場合、全員分記入し、グループの特性 ( 夫婦、ともだち、カップルなどを記載しておく ) 3) 追跡調査を行った日時・曜日・時刻 ( 総滞在時間 ) 4) 逐次、時刻、場所 (11 時 13 分、○階の●●店まえ ) 行動タイプを、記録して追跡する。 行動タイプについて A: 目的の店舗へ向かう、探す B: 特に買う当てもなくブラブラしている ( 回遊 ) C: そろそろ帰ろうと、出口に向かっている ( 帰路 )


【家で、提出フォームに記載する】 4) 学籍番号、氏名を記入 5)「行動記録」のメモをみて入力する。 順番に、入店あるいは通過した店舗の、階数、入店・退店・通過の時刻・買ったものの有無、行動タイプ (A,B,C) を記入する。 6)「フロア移動の特徴」各フロアでの行動の特徴を記入。 追跡対象者が利用したフロア階数をその順番に記録し、それぞれの階における行動内容、発見した特徴な どを記述する。 7) 買い物行動を観察してみて、気がついた事や百貨店について提案などを記入する。 【家で、歩行経路マップの作成】 8) フロア内の歩行経路を描く 入店あるいは通過した店舗の数字を書き込む。(「行動記録」に記載してある数字 ) 利用した垂直動線に○をする。 歩行経路を赤線の矢印で描く。( 別紙、歩行経路マップ作成例を参照 ) ■注意 ( 重要 ) 不快に思われないように、以下の工夫をすることが必要です。 ・大きな調査用紙を広げて、追い掛けない。「行動記録」メモ用紙だけを現場に持っていき、フロアマップ に挟んで利用する。) 追跡対象者に追跡されていることを悟られないようにするための工夫です。トラブルを招かないよう、状 況により調査可能な範囲のみでいいので、注意して行うようにお願いします。 もし注意された場合は、謝罪して直ちに調査を中止してください。その際、「4 年の卒業論文のための調査 である。」と説明してください。 連絡先 : 〒 169-8555 東京都新宿区大久保 3-4-1 55N801 03-5286-3276 ) 早稲田大学理工学部建築学科渡辺仁史研究室 4 年 浅野久美子 kmk-93asn-13@akane.waseda.jp

【提出物、提出方法】 1)

提出フォームに記入した Excel ファイルを、メールに添付し送信する。

Subject は、計画 C 第 4 課題とし、添付する書類のファイル名は、各自の学籍番号とすること。 ( 提出先 )

hitoshi@watanabe.arch.waseda.ac.jp

( 提出期限 ) 2007 年 7 月 5 日 ( 木 ) 午後 11 時までに送信 2)

歩行経路マップは、各自指定された百貨店のものを、建築計画 C ホームページよりダウンロード、

プリントアウトし、手書きで記入の上、提出。 ( 提出期限 ) 2007 年 7 月 6 日 ( 金 ) 授業中に回収


「人間と空間のインタフェースとしての福祉ロボット・福祉機器」∼ ICF コードを利用したデータベースによるマッチング∼

行動記録記入表

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2006 年度 卒業論文

109


「人間と空間のインタフェースとしての福祉ロボット・福祉機器」∼ ICF コードを利用したデータベースによるマッチング∼

歩行経路マップ

早稲田大学 理工学部 建築学科 渡辺仁史研究室 2006 年度 卒業論文

110


B2F

S

歩 行 経 路 記 入 用 フ ロ ア マ ッ プ

1/1000

B1F

S

1/1000

1F

!!!!! !

S

1/1000

2F

S

1/1000

銀座松屋  フロアマップ 1



7F

S 1/1000

8F

S 1/1000

R

S 1/1000

銀座松屋  フロアマップ 3


資料編 * -3. 歩行経路データ


資料編 * -3. 歩行経路データ        G-2-1/2


資料編 * -3. 歩行経路データ      G-2-2/2


資料編 * -3. 歩行経路データ        G-3-1/1


資料編 * -3. 歩行経路データ N-1-1/1

"#$%&'()*+ ,-. /0123425 ,67869 /0:;<=2> /0?@A

!


資料編 * -3. 歩行経路データ N-2-1/1

3

2

1 4


資料編 * -3. 歩行経路データ N-3-1/1


資料編 * -3. 歩行経路データ N-4-2/2


資料編 * -3. 歩行経路データ N-5-2/2


資料編 * -3. 歩行経路データ S-1-1/1


資料編 * -3. 歩行経路データ S-2-1/1


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